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技術 リチウム二次電池用正極活物質、この製造方法及びこれを含むリチウム二次電池

出願人 エルジー・ケム・リミテッド
発明者 ミン・ソク・カンチ・ホ・チョジ・フン・リュソン・シク・シンワン・モ・チョン
出願日 2015年10月2日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2017-517286
公開日 2017年10月26日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2017-531901
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(II) 電池の電極及び活物質
主要キーワード 有機系液体 構造変形 炭素微小球 投入物質 高電圧特性 構造崩壊 電圧区間 リチウム分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月26日)のものです。
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図面 (4)

課題・解決手段

本発明は、リチウム二次電池用正極活物質、この製造方法及びこれを含むリチウム二次電池に関し、前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物粒子;及び前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面上に位置する表面処理層を含み、前記リチウムコバルト酸化物の粒子は、粒子の表面側にLi/Coのモル比が1未満であり、空間群がFd−3mに属し、立方晶系結晶構造を有するリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を含み、また、前記表面処理層は、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物を含むことにより、電解液との副反応が抑制され、高い充填密度を有して高容量特性とともに改善したレート特性及び初期容量特性を表すことができ、また、リチウム伝導性に優れて、優秀出力特性及び寿命特性を表すことができる。

概要

背景

モバイル機器に対する技術開発需要の増加に伴い、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加している。このような二次電池のうち、高いエネルギー密度電圧を有し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池が商用化されて広く用いられている。

しかし、リチウム二次電池は、充放電の反復に伴って寿命が急速に短縮するという問題点がある。特に、高温ではこのような問題がさらに深刻である。このような理由は、電池内部の水分やその他の影響によって電解質が分解されるか活物質劣化し、さらに、電池の内部抵抗が増加して発生する現象のためである。

これに伴い、現在活発に研究/開発されて用いられているリチウム二次電池用正極活物質層状構造のLiCoO2である。LiCoO2は、合成が容易で、寿命特性を含めた電気化学的性能に優れて最も多く用いられているが、構造的な安定性が低いため、電池の高容量化技術に適用されるには限界がある。

これを代替するための正極活物質として、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiFePO4、Li(NixCoyMnz)O2などの多様なリチウム遷移金属酸化物が開発された。このうち、LiNiO2の場合、高い放電容量の電池特性を表すとの利点があるが、簡単な固相反応では合成が難しく、熱的安定性及びサイクル特性が低いという問題点がある。さらに、LiMnO2、またはLiMn2O4などのリチウムマンガン系酸化物は熱的安定性に優れ、価格が低廉であるとの利点があるが、容量が小さく、高温特性が低いという問題点がある。特に、LiMn2O4の場合、低価の製品に一部商品化されているが、Mn3+による構造変形(Jahn−Teller distortion)のため寿命特性が不良である。さらに、LiFePO4は、低い価格と優秀な安全性のため、現在ハイブリッド自動車(hybrid electric vehicle、HEV)用として多くの研究が行われているが、低い導電度によって他の分野への適用は難しい実情である。

このような事情により、LiCoO2の代替正極活物質として最近最も脚光を浴びている物質は、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物、Li(NixCoyMnz)O2(ここで、前記x、y、zは、それぞれ独立的な酸化物組成元素原子分率であって、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦1、0<x+y+z≦1である)である。この材料は、LiCoO2より廉価で、高容量及び高電圧使用可能な利点があるが、レート特性及び高温での寿命特性が不良な欠点を有している。よって、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物の構造安定性を高めるために酸化物内に含まれる遷移金属の含量に比べLiの含量を高く含ませて用いている。

最近、携帯電話及びタブレットPCのような携帯用機器の更なる小型化に伴い、これに適用される電池に対しても、小型化とともに高容量化及びエネルギー化が求められている。電池の単位体積当たりのエネルギーを高めるためには、活物質の充填密度(packing density)を高めるか電圧を高めなければならない。さらに、充填密度を高めるためには、粒子の大きい活物質を用いる方がよい。しかし、このような大きい粒子の活物質は表面積が相対的に狭いため、電解液と接触する活性面積(active area)もまた狭い。このような狭い活性面積は速度論的(kinetically)に不利に作用するので、相対的に低いレート特性と初期容量を表す。

概要

本発明は、リチウム二次電池用正極活物質、この製造方法及びこれを含むリチウム二次電池に関し、前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物の粒子;及び前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面上に位置する表面処理層を含み、前記リチウムコバルト酸化物の粒子は、粒子の表面側にLi/Coのモル比が1未満であり、空間群がFd−3mに属し、立方晶系結晶構造を有するリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を含み、また、前記表面処理層は、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物を含むことにより、電解液との副反応が抑制され、高い充填密度を有して高容量特性とともに改善したレート特性及び初期容量特性を表すことができ、また、リチウム伝導性に優れて、優秀な出力特性及び寿命特性を表すことができる。

目的

本発明が解決しようとする第1技術的課題は、電解液との副反応が抑制され、高い充填密度を有して高容量特性とともに改善したレート特性及び初期容量特性を表すことができ、また、リチウム伝導性に優れて、改善した出力特性及び寿命特性を表すことができるリチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

リチウムコバルト酸化物粒子;及び前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面上に位置する表面処理層を含み、前記リチウムコバルト酸化物の粒子は、粒子の表面側にLi/Coのモル比が1未満であり、空間群がFd−3mに属し、立方晶系結晶構造を有するリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を含み、前記表面処理層は、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物を含むものであるリチウム二次電池用正極活物質

請求項2

前記表面処理層は、スピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属酸化物を含むものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項3

前記リチウム遷移金属酸化物は、LiCo2O4、LiMn2O4、LiNi2O4、LiNimMn2−mO4(このとき、0<m<2)、及びLiNimMnnCo2−m−nO4(このとき、0<m<2、0<n<2であり、0<m+n<2である)からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の混合物を含むものである、請求項2に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項4

前記リチウム遷移金属酸化物は、正極活物質の総重量に対し0.01から20重量%で含まれるものである、請求項2に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項5

前記表面処理層は、ホウ酸リチウム化合物を含むものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項6

前記ホウ酸リチウム系化合物は、LiBO2、Li2B4O7及びLiB3O6からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の混合物を含むものである、請求項5に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項7

前記ホウ酸リチウム系化合物は、正極活物質の総重量に対し0.01から0.1重量%で含まれるものである、請求項5に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項8

前記表面処理層は、前記リチウムコバルト酸化物の粒子の平均粒径に対し0.001から1の厚さ比で形成されるものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項9

前記リチウムコバルト酸化物の粒子は、粒子の表面、及び前記粒子の表面から中心までの距離(r)に対し、粒子の表面から0%以上で100%未満の距離に該当する領域内にリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を含むものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項10

前記リチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物は、下記化学式(1)の第1リチウムコバルト酸化物を含むものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。Li1−aCoMxO2(1)(前記化学式(1)で、Mは、W、Mo、Zr、Ti、Mg、Ta、Al、Fe、V、Cr、Ba、Ca及びNbからなる群より選択されるいずれか一つまたは2以上の金属元素を含み、aは0<a≦0.05、xは0≦x≦0.02である。)

請求項11

前記リチウムコバルト酸化物の粒子は、コア部及び前記コア部の表面上に位置するシェル部のコア−シェル構造を有し、前記シェル部は、下記化学式(1)の第1リチウムコバルト酸化物を含み、前記コア部は、下記化学式(2)の第2リチウムコバルト酸化物を含むものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。Li1−aCoMxO2(1)LibCoM’yO2(2)(前記化学式(1)及び(2)で、M及びM’は、それぞれ独立的にW、Mo、Zr、Ti、Mg、Ta、Al、Fe、V、Cr、Ba、Ca及びNbからなる群より選択されるいずれか一つまたは2以上の金属元素を含み、a、b、x及びyは、0<a≦0.05、1≦b≦1.2、0≦x≦0.02及び0≦y≦0.02である。)

請求項12

前記第1リチウムコバルト酸化物は空間群がFd−3mに属し、立方晶系の結晶構造を有し、前記第2リチウムコバルト酸化物は層状結晶構造を有するものである、請求項11に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項13

前記シェル部は、リチウムコバルト酸化物粒子の表面から中心までの距離に対し、表面から0%から99%の距離に該当する領域のものである、請求項11に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項14

前記コア部とシェル部は、1:0.01から1:0.1の厚さ比を有するものである、請求項11に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項15

前記コア部及びシェル部は、それぞれリチウムコバルト酸化物の粒子の中心に行くほど増加する濃度勾配分布するリチウムを含むものである、請求項11に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項16

前記コア部内でのリチウムの濃度勾配の傾斜度とシェル部内でのリチウムの濃度勾配の傾斜度とは、互いに同一であるか、または互いに異なる傾斜度の値を有するものである、請求項11に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項17

前記コア部は、シェル部に比べて高い濃度のリチウムを含み、前記コア部及びシェル部のうち少なくとも一つは、当該領域内で一つの濃度値で存在するリチウムを含むものである、請求項11に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項18

前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面から中心に行くほどリチウムが漸進的に増加する濃度勾配で分布し、前記化学式(1)及び(2)で、aは0<a≦0.05の範囲内で粒子の中心に行くほど減少し、bは1≦b≦1.2の範囲内で粒子の中心に行くほど増加するものである、請求項11に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項19

3μmから50μmの平均粒径を有する単一体構造のものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項20

充電及び放電に伴う電圧プロファイルの測定時、4.0Vから4.2Vの電圧区間変曲点を有するものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項21

コバルト原料物質及びリチウム原料物質を1≦Li/Coモル比になるようにする量で混合した後、1次熱処理して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を準備する段階、前記第2リチウムコバルト酸化物の粒子に対し、コバルト原料物質及びリチウム原料物質を0<Li/Coモル比<1になるようにする量で混合した後、2次熱処理して、粒子の表面側にリチウム欠乏の第1リチウムコバルト酸化物を含むリチウムコバルト酸化物の粒子を準備する段階、及び前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面上に、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物を含む表面処理層を形成する段階を含み、前記リチウム欠乏の第1リチウムコバルト酸化物は、Li/Coのモル比が1未満であり、空間群がFd−3mに属し、立方晶系の結晶構造を有するものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。

請求項22

前記第2リチウムコバルト酸化物の粒子の準備段階で、コバルト原料物質及びリチウム原料物質の混合時にW、Mo、Zr、Ti、Mg、Ta、Al、Fe、V、Cr、Ba、Ca及びNbからなる群より選択されるいずれか一つまたは2以上の金属元素含有の原料物質を添加する工程をさらに含む、請求項21に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。

請求項23

前記第2リチウムコバルト酸化物の粒子の準備段階は、コバルト原料物質及びリチウム原料物質を1≦Li/Coモル比≦1.2になるようにする量で混合した後、800℃から1100℃で熱処理して実施されるものである、請求項21に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。

請求項24

前記2次熱処理は、800℃から1100℃で加熱処理して実施されるものである請求項21に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。

請求項25

前記第2リチウムコバルト酸化物に対するコバルト原料物質及びリチウム原料物質の混合時、W、Mo、Zr、Ti、Mg、Ta、Al、Fe、V、Cr及びNbからなる群より選択される何れか一つまたは2以上の金属元素含有の原料物質を添加する工程をさらに含む、請求項21に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。

請求項26

前記表面処理層の形成段階は、前記リチウムコバルト酸化物の粒子を、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物またはその前駆体と混合した後、650℃から800℃の温度で熱処理する方法によって実施されるものである、請求項21に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。

請求項27

請求項1から請求項20の何れか一項に記載の正極活物質を含むリチウム二次電池用正極

請求項28

請求項27に記載の正極を含むリチウム二次電池

請求項29

請求項28に記載のリチウム二次電池を単位セルで含む電池モジュール

請求項30

請求項29に記載の電池モジュールを含む電池パック

請求項31

中大型デバイス電源として用いられるものである、請求項30に記載の電池パック。

請求項32

前記中大型デバイスが、電気自動車ハイブリッド電気自動車プラグインハイブリッド電気自動車及び電力貯蔵用システムからなる群より選択されるものである、請求項31に記載の電池パック。

技術分野

0001

(関連出願との相互引用
本出願は、2014年10月2日付韓国特許出願第2014−0133466号及び第2014−0133473号、及び2015年10月1日付韓国特許出願第2015−0138718号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
(技術分野)
本発明は、リチウム二次電池用正極活物質、この製造方法及びこれを含むリチウム二次電池に関する。

背景技術

0002

モバイル機器に対する技術開発需要の増加に伴い、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加している。このような二次電池のうち、高いエネルギー密度電圧を有し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池が商用化されて広く用いられている。

0003

しかし、リチウム二次電池は、充放電の反復に伴って寿命が急速に短縮するという問題点がある。特に、高温ではこのような問題がさらに深刻である。このような理由は、電池内部の水分やその他の影響によって電解質が分解されるか活物質劣化し、さらに、電池の内部抵抗が増加して発生する現象のためである。

0004

これに伴い、現在活発に研究/開発されて用いられているリチウム二次電池用正極活物質は層状構造のLiCoO2である。LiCoO2は、合成が容易で、寿命特性を含めた電気化学的性能に優れて最も多く用いられているが、構造的な安定性が低いため、電池の高容量化技術に適用されるには限界がある。

0005

これを代替するための正極活物質として、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiFePO4、Li(NixCoyMnz)O2などの多様なリチウム遷移金属酸化物が開発された。このうち、LiNiO2の場合、高い放電容量の電池特性を表すとの利点があるが、簡単な固相反応では合成が難しく、熱的安定性及びサイクル特性が低いという問題点がある。さらに、LiMnO2、またはLiMn2O4などのリチウムマンガン系酸化物は熱的安定性に優れ、価格が低廉であるとの利点があるが、容量が小さく、高温特性が低いという問題点がある。特に、LiMn2O4の場合、低価の製品に一部商品化されているが、Mn3+による構造変形(Jahn−Teller distortion)のため寿命特性が不良である。さらに、LiFePO4は、低い価格と優秀な安全性のため、現在ハイブリッド自動車(hybrid electric vehicle、HEV)用として多くの研究が行われているが、低い導電度によって他の分野への適用は難しい実情である。

0006

このような事情により、LiCoO2の代替正極活物質として最近最も脚光を浴びている物質は、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物、Li(NixCoyMnz)O2(ここで、前記x、y、zは、それぞれ独立的な酸化物組成元素原子分率であって、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦1、0<x+y+z≦1である)である。この材料は、LiCoO2より廉価で、高容量及び高電圧使用可能な利点があるが、レート特性及び高温での寿命特性が不良な欠点を有している。よって、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物の構造安定性を高めるために酸化物内に含まれる遷移金属の含量に比べLiの含量を高く含ませて用いている。

0007

最近、携帯電話及びタブレットPCのような携帯用機器の更なる小型化に伴い、これに適用される電池に対しても、小型化とともに高容量化及びエネルギー化が求められている。電池の単位体積当たりのエネルギーを高めるためには、活物質の充填密度(packing density)を高めるか電圧を高めなければならない。さらに、充填密度を高めるためには、粒子の大きい活物質を用いる方がよい。しかし、このような大きい粒子の活物質は表面積が相対的に狭いため、電解液と接触する活性面積(active area)もまた狭い。このような狭い活性面積は速度論的(kinetically)に不利に作用するので、相対的に低いレート特性と初期容量を表す。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明が解決しようとする第1技術的課題は、電解液との副反応が抑制され、高い充填密度を有して高容量特性とともに改善したレート特性及び初期容量特性を表すことができ、また、リチウム伝導性に優れて、改善した出力特性及び寿命特性を表すことができるリチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法を提供することである。

0009

本発明が解決しようとする第2技術的課題は、前記正極活物質を含む正極、リチウム二次電池、電池モジュール及び電池パックを提供することである。

課題を解決するための手段

0010

前記課題を解決するため、本発明の一実施形態によれば、
リチウムコバルト酸化物の粒子;及び
前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面上に位置する表面処理層を含み、
前記リチウムコバルト酸化物の粒子は、粒子の表面側にLi/Coのモル比が1未満であり、空間群がFd−3mに属し、立方晶系結晶構造を有するリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を含み、
前記表面処理層は、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物を含むものであるリチウム二次電池用正極活物質を提供する。

0011

本発明の他の一実施形態によれば、コバルト原料物質及びリチウム原料物質を1≦Li/Coモル比になるようにする量で混合した後、1次熱処理して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を準備する段階、前記第2リチウムコバルト酸化物の粒子に対する2次熱処理を1回以上行い、粒子の表面側にリチウム欠乏の第1リチウムコバルト酸化物を含むリチウムコバルト酸化物の粒子を準備する段階、及び前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面上に、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物を含む表面処理層を形成する段階を含み、前記第1リチウムコバルト酸化物はLi/Coのモル比が1未満であり、空間群がFd−3mに属し、立方晶系の結晶構造を有するものである、前記リチウム二次電池用正極活物質の製造方法を提供する。

0012

本発明のさらに他の一実施形態によれば、前記正極活物質を含む正極、そして前記正極を含むリチウム二次電池を提供する。

0013

併せて、本発明のさらに他の一実施形態によれば、前記リチウム二次電池を単位セルとして含む電池モジュールを提供する。

0014

さらに進んで、本発明の他の一実施形態によれば、前記電池モジュールを含む電池パックを提供する。

0015

その他、本発明の実施形態等の具体的な事項は、下記詳細な説明に含まれている。

発明の効果

0016

本発明に係るリチウム二次電池用正極活物質は、電解液との副反応が抑制され、高い充填密度を有して高容量特性とともに改善したレート特性及び初期容量特性を表すことができ、また、リチウム伝導性に優れて、優秀な出力特性及び寿命特性を表すことができる。

図面の簡単な説明

0017

本明細書の次の図面等は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、前述した発明の内容とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割を担うものなので、本発明は、そのような図面に記載の事柄にのみ限定して解釈されてはならない。

0018

製造例11で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子に対し、アトムプローブトモグラフィー(atom probe tomography、APT)を利用して粒子の表面側でのリチウム分布を観察した写真である。
製造例11で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子に対し、透過電子顕微鏡(Transmision Electron Microscopy、TEM)を利用して観察した結晶構造の写真である。
製造例1及び比較例1で製造した正極活物質をそれぞれ含むリチウム二次電池に対する充放電の際、初期の充放電特性を観察したグラフである。

実施例

0019

以下、本発明に対する理解を助けるため、本発明をさらに詳しく説明する。

0020

本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的かつ辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自己の発明を最善の方法で説明するため、用語の概念を適宜定義することができるという原則に即し、本発明の技術的思想適合する意味と概念として解釈されなければならない。

0021

本発明は、正極活物質の製造時、リチウムコバルト酸化物粒子の外部、すなわち、表面側にリチウムイオンの3次元的移動が可能なリチウム欠乏(lithium deficient)構造を形成し、また、前記リチウムコバルト酸化物粒子の表面上に、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物を含む表面処理層を形成することにより、電解液との副反応が抑制され、高い充填密度を有して高容量特性とともに改善したレート特性及び初期容量特性を表すことができ、また、リチウムイオン伝導性に優れて、優秀な出力特性及び寿命特性を表すことができる。

0022

つまり、本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用正極活物質は、
リチウムコバルト酸化物の粒子;及び
前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面上に位置する表面処理層を含み、
前記リチウムコバルト酸化物の粒子は、粒子の表面側にLi/Coのモル比が1未満であり、空間群がFd−3mに属し、立方晶系の結晶構造を有するリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を含み、
前記表面処理層は、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物を含む。

0023

具体的に、本発明の一実施形態に係る前記正極活物質において、リチウムコバルト酸化物の粒子は、粒子の表面側にLi/Coのモル比が1未満、より具体的には0.95以上1未満であるリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を含む。

0024

通常、リチウムコバルト酸化物が層状結晶構造を有するのとは異なり、前記リチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物は空間群がFd−3mに属する立方晶系の結晶構造を有し、格子定数(a0)は7.992から7.994(25℃)であってよい。前記結晶構造はスピネル結晶構造と類似するので、スピネル結晶構造でのように、3次元的にリチウムイオンの移動が可能である。これに伴い、リチウムイオンの2次元的な移動が可能な層状構造に比べて、リチウムイオンの移動が一層円滑であり、その速度が速く、その結果、リチウムイオンの挿入と脱離がより容易であるといえる。これに伴い、本発明では、前記結晶構造を有するリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物をリチウムコバルト酸化物粒子の表面側に位置させることにより、リチウムイオンの移動が容易なので、電池のレート(rate)特性が改善され得る。さらに、表面側での抵抗の減少により出力特性が向上し得る。

0025

前記リチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物の結晶構造は、通常の結晶構造の確認方法によって確認することができ、具体的に透過電子顕微鏡を利用して結晶構造を確認することができる。

0026

より具体的に、前記リチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物は、下記化学式(1)の第1リチウムコバルト酸化物を含むことができる。
Li1−aCoMxO2 (1)
(前記化学式(1)で、a及びxは、それぞれ独立的な酸化物組成元素の原子分率であって、0<a≦0.05であり、xは0≦x≦0.02である)

0027

さらに、前記化学式(1)で、Mはドーピング元素としてW、Mo、Zr、Ti、Mg、Ta、Al、Fe、V、Cr、Ba、Ca及びNbからなる群より選択されるいずれか一つまたは2以上の元素を含み、前記第1リチウムコバルト酸化物内のxの含量、すなわち、0≦x≦0.02の含量で含まれてよい。このようにリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物に前記金属元素がさらにドープされる場合、構造安定性が向上してリチウム欠乏による正極活物質の構造安定性の低下に対する恐れがなく、さらに、電池の出力特性を向上させることができる。また、前記含量でドープされることにより、その改善効果がさらに向上し得る。

0028

より具体的に、本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用正極活物質において、前記リチウムコバルト酸化物の粒子はコアシェル構造を有することができ、このとき、前記シェル部は下記化学式(1)のリチウム欠乏の第1リチウムコバルト酸化物を含み、そして、前記コア部は下記化学式(2)のリチウムコバルト酸化物を含むことができる。
Li1−aCoMxO2 (1)
LibCoM’yO2 (2)
(前記化学式(1)及び(2)で、
M及びM’は、それぞれ独立的にW、Mo、Zr、Ti、Mg、Ta、Al、Fe、V、Cr、Ba、Ca及びNbからなる群より選択されるいずれか一つまたは2以上の金属元素を含み、
a、b、x及びyは、それぞれ独立的な酸化物組成元素の原子分率であって、0<a≦0.05、1≦b≦1.2、0≦x≦0.02及び0≦y≦0.02である)

0029

前記化学式(1)において0<a≦0.05、1≦b≦1.2の条件を同時に満たす場合が、aが0.05を超過するか、またはbが1.2を超過する場合の活物質に比べ、リチウム欠乏構造の形成に伴うレート特性改善の効果が10%以上であり、また、リチウム欠乏構造を形成していないリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)に比べては、レート特性改善の効果が最大30%まで改善可能である。

0030

さらに、前記リチウムコバルト酸化物の粒子において、前記第1リチウムコバルト酸化物は、前記で説明したところのように、スピネル状構造(spinel like structure)、即ち、空間群がFd−3mに属し、立方晶系の結晶構造を有し、そして、前記第2リチウムコバルト酸化物は層状構造(layered structure)を有するものであり得る。

0031

前記したところのように、本発明の一実施形態に係る前記正極活物質は、リチウムイオンの移動と関連し、活物質粒子の表面側、即ち、シェル部にリチウムイオンの3次元的移動が可能な欠乏構造のリチウムコバルト酸化物を含むことによりリチウムの移動度を円滑にし、リチウム二次電池の初期の電池内部の抵抗を減少させて、電池のレート特性を向上させることができる。また、活物質粒子の内部、即ち、コア部にはLi/Coの比が1以上であるリチウムリッチ(rich)のリチウムコバルト酸化物を含むことにより、活物質の構造安定性、特に高温での構造安定性が改善されて、高温でも容量の劣化を防止することができる。このような効果は、大粒子の正極活物質であるほどさらに効果的である。

0032

前記したところのように、活物質粒子内の位置に応じたLi/Co比の制御、及びそれに伴う改善効果の著しさを考慮するとき、前記化学式(1)及び(2)において、0.01<a≦0.05、1≦b≦1.05であってよい。

0033

より具体的に、前記のようなコア−シェルの構造の正極活物質において、前記コア部及びシェル部は、それぞれの領域内でリチウムコバルト酸化物粒子の中心に行くほど漸進的に増加する濃度勾配分布するリチウムを含むことができる。

0034

この場合、前記コア部及びシェル部内でのリチウムの濃度勾配の傾斜度は、それぞれ独立的に活物質粒子の中心から粒子の厚さに従い変化する1次関数であってもよく、または2次関数であってもよい。また、前記コア部内でのリチウムの濃度勾配の傾斜度とシェル部内でのリチウムの濃度勾配の傾斜度とは、互いに同一であるか、または互いに異なる傾斜度の値を有することもできる。

0035

他の一方、前記のようなコア−シェル構造の正極活物質において、前記コア部及びシェル部は、それぞれの領域内で一つの濃度値で存在するリチウムを含むこともできる。この場合、前記コア部に含まれているリチウムの濃度が、シェル部に含まれているリチウムの濃度に比べて高いものであり得る。

0036

さらに、前記したところのように、コア部及びシェル部内でそれぞれ独立的に相違する様子のリチウム濃度分布を有する場合、前記コア部とシェル部の接触界面では、コア部及びシェル部でのリチウム濃度の差異による高低差が形成され得る。

0037

さらに他の一方、前記のようなコア−シェル構造の正極活物質は、活物質粒子の全体にかけて、つまり、粒子の表面から中心に行くほど漸進的に増加する濃度勾配で分布するリチウムを含むことができる。この場合、前記化学式(1)及び(2)において、aは0<a≦0.05の範囲内で粒子の中心に行くほど減少し、bは1≦b≦1.2の範囲内で粒子の中心に行くほど増加することができる。また、前記リチウムの濃度勾配の傾斜度は、活物質粒子の中心から粒子の厚さに従い変化する1次関数であってもよく、または2次関数であってもよい。このように粒子の全体にかけて濃度勾配を有することにより、中心から表面に至るまで急激な相境界領域が存在しないため、結晶構造が安定化され、熱安定性が増加することになる。また、金属の濃度勾配の傾斜度が一定な場合、構造安定性改善の効果がさらに向上し得る。

0038

一方、本発明において、前記粒子の表面及び内部でのリチウムの濃度変化は通常の方法によって測定されてよく、具体的に、表面に存在するリチウムを含めた各元素の濃度は、X線光電子分析法(X−ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy、TEM)またはエネルギー分散X線分析(Energy Dispersve x−ray spectroscopy、EDS)で測定することができる。また、リチウムコバルト酸化物のリチウム組成は、誘導結合プラズマ原子放出分光法(Inductively Coupled Plasma − Atomic Emission Spectrometer、ICP−AES)で測定することができ、飛行時間型2次イオン質量分析器(Time of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry、ToF−SIMS)を介してリチウムコバルト酸化物の形態を確認することができる。

0039

さらに、本発明において、リチウムコバルト酸化物粒子の「表面側」は、粒子の中心を除いた表面に近接した領域を意味し、具体的には、リチウムコバルト酸化物粒子の表面から中心までの距離、即ち、リチウムコバルト酸化物の半径に対し、粒子の表面から0%以上100%未満の距離に該当する領域を意味する。また、リチウムコバルト酸化物粒子のシェル部は、リチウムコバルト酸化物の粒子の表面から中心までの距離、即ち、粒子の半径に対し粒子の表面から0%から99%の距離に該当する領域であり、より具体的には、0%から95%の距離に該当する領域を意味する。これに伴い、コア部は前記シェル部の内側に存在し、リチウムコバルト酸化物粒子内で前記シェル部を除いた領域を意味する。

0040

具体的に、前記リチウムコバルト酸化物粒子において、前記コア部の半径とシェル部の厚さは1:0.01から1:0.1の厚さ比を有することができる。前記比の範囲を外れて、コア部の半径が大きすぎる場合、リチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を含むシェル部の形成に伴うリチウムイオンの移動度増加の効果、及びこれに伴う電池特性改善の効果が僅かであり、また、前記厚さ比を外れてシェル部の厚さが厚すぎる場合、コア部の相対的な減少で活物質粒子の内部での構造安定化の効果が僅かであり得る。より具体的には、前記コア部の半径とシェル部の厚さ比の条件下で、前記シェル部の厚さは1から500nm、或いは10から450nmであってよい。

0041

さらに、本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用正極活物質において、前記リチウム欠乏構造の第2リチウムコバルト酸化物は、正極活物質の総重量に対し10から30重量%で含まれてよい。第2リチウムコバルト酸化物の含量が10重量%未満であれば、リチウム欠乏構造の形成による改善の効果が僅かであり、30重量%を超過する場合、容量の減少及び構造崩壊の恐れがある。

0042

本発明において、前記リチウム欠乏構造の第2リチウムコバルト酸化物の含量は、透過電子顕微鏡(TEM)を利用した分析を介してシェル内のLi表面の欠乏構造を確認し、その厚さを確認し、全体の体積比を介して質量比を確認するか、またはICP分析時に弱酸に溶解させる時間を調節し、リチウムコバルト酸化物粒子の表面から少しずつ溶解させていきながら、そのろ液を介してLi/遷移金属(例えば、コバルト(Co)など)の比を分析した後、溶解されていない量の重量を測定することにより第2リチウムコバルト酸化物の含量を確認することができる。

0043

また、本発明の一実施形態に係る前記正極活物質において、リチウムコバルト酸化物の粒子は、1次粒子からなる単一体(Monolith)構造を有する。

0044

本発明において、「単一体(Monolith)構造」とは、モルホロジー(Morphology)的に粒子等が互いに凝集されていない独立した相(phase)で存在する構造を意味する。このような単一体構造と対比される粒子の構造には、小さな大きさの粒子(「1次粒子」)等が物理的及び/または化学的に凝集されて相対的に大きい大きさの粒子形態(「2次粒子」)をなす構造を挙げることができる。

0045

通常、電池の高容量化のためには正極活物質の粒子の大きさが大きいことが好ましいが、この場合、表面積が相対的に低いため、電解液と接触する活性面積の減少でレート特性と初期容量が低下する問題がある。これを解決するため、微粒子の1次粒子を組み立てた2次粒子相の正極活物質が主に用いられている。しかし、このように2次粒子化された正極活物質の場合、リチウムイオンが活物質の表面に移動しながら空気中の水分またはCO2などと反応して、Li2CO3、LiOHなどの表面不純物を形成しやすく、このように形成された表面不純物等は、電池容量を減少させるか、電池内で分解されてガスを発生させることにより電池のスウェリング(swelling)現象を発生させるので、高温安定性に深刻な問題点を有している。これに対し、本発明の一実施形態に係る正極活物質を形成するリチウムコバルト酸化物の粒子は、単一体構造を有することにより、2次粒子相の正極活物質が有する問題点の発生の恐れがない。

0046

さらに、前記のような単一体構造のリチウムコバルト酸化物の粒子は、比表面積及び正極合剤密度を考慮して3μmから50μmの平均粒径(D50)を有することができ、リチウムイオンの挿入及び脱離が容易な構造的特徴により、従来に比べて一層高い、10μmから50μmの平均粒径(D50)を有することもできる。

0047

本発明において、前記リチウムコバルト酸化物の粒子の平均粒径(D50)は、粒径分布の50%基準での粒径と定義することができる。前記リチウムコバルト酸化物の粒子の平均粒径(D50)は、例えば、レーザ回折法(laser diffraction method)を利用して測定することができる。具体的には、リチウムコバルト酸化物の粒子を分散媒中に分散させた後、市販されるレーザ回折粒度測定装置(例えば、MicrotracMT3000)に導入して約28kHzの超音波を出力60Wで照射した後、測定装置における粒径分布の50%基準での平均粒径(D50)を算出することができる。

0048

一方、本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用正極活物質において、リチウムコバルト酸化物の粒子の表面上には、前記リチウムコバルト酸化物粒子と電解液との接触を遮断し、副反応の発生を抑制するとともに正極活物質の充填密度を増加させることができる表面処理層が存在する。

0049

前記表面処理層は、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物を含み、具体的には、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)及びホウ素(B)からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物、より具体的には、リチウムイオンの3次元移動が可能なスピネル結晶構造を有するリチウム遷移金属酸化物、または、正極活物質と電解液との副反応を抑制するとともにリチウム伝導性に優れたホウ酸リチウム化合物を含むことができる。

0050

前記表面処理層がリチウム遷移金属酸化物を含む場合、前記リチウム遷移金属酸化物は、具体的にコバルト、マンガン及びニッケルからなる群より選択される何れか一つまたは2以上の遷移金属とリチウムとの複合酸化物であってよく、より具体的にはLiCo2O4、LiMn2O4、LiNi2O4、LiNimMn2−mO4(このとき、0<m<2)、またはLiNimMnnCo2−m−nO4(このとき、0<m<2、0<n<2であり、0<m+n<2である)などであってよく、これらのうち何れか一つまたは2以上の混合物が含まれてよい。

0051

前記スピネル結晶構造のリチウム遷移金属酸化物は、正極活物質の総重量に対し0.01から20重量%で含まれてよい。前記リチウム遷移金属酸化物の含量が正極活物質の総重量に対し0.01重量%未満の場合、スピネル構造のリチウム遷移金属酸化物の表面処理層の形成による改善の効果が僅かであり、20重量%を超過する場合、リチウムの移動距離の増加で抵抗が増加して電池特性が却って低下する恐れがある。

0052

さらに、前記表面処理層がホウ酸リチウム系化合物を含む場合、前記ホウ酸リチウム系化合物は、具体的にLiBO2、Li2B4O7またはLiB3O6などであってよく、これらのうち何れか一つまたは2以上の混合物が含まれてよい。

0053

前記ホウ酸リチウム系化合物は、正極活物質の総重量に対し0.01から0.1重量%で含まれてよい。前記ホウ酸リチウム系化合物の含量が正極活物質の総重量に対し0.01重量%未満の場合、ホウ酸リチウム系化合物の表面処理層の形成による改善の効果が僅かであり、0.1重量%を超過する場合、正極活物質の電気化学的容量の減少により電池特性が却って低下する恐れがある。

0054

本発明において、前記表面処理層内に含まれるリチウム遷移金属酸化物またはホウ酸リチウム系化合物におけるリチウムを含めた遷移金属の量は、誘導結合プラズマ−原子放出分光法(Inductively Coupled Plasma − Atomic Emission Spectrometer、ICP−AES)で測定することができ、飛行時間型2次イオン質量分析器(Time of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry、ToF−SIMS)を介してリチウム遷移金属酸化物の形態を確認することができる。

0055

さらに、本発明の一実施形態に係る正極活物質において、前記表面処理層は、前記リチウムコバルト酸化物の粒子の平均粒子直径に対し0.001から1の厚さ比で形成されてよい。前記リチウムコバルト酸化物の粒子に対する表面処理層の厚さ比が0.001未満であれば、表面処理層の形成による改善の効果が僅かであり、厚さ比が1を超過する場合、表面処理層内のリチウムの移動距離の増加に伴う抵抗の増加で電池特性が低下する恐れがある。

0056

前記のような構造を有する本発明の一実施形態に係る正極活物質は、コバルト原料物質及びリチウム原料物質を1≦Li/Coモル比になるようにする量で混合した後、1次熱処理して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を準備する段階(段階1)、前記第2リチウムコバルト酸化物の粒子に対する2次熱処理を1回以上行い、粒子の表面側にLi/Coのモル比が1未満であるリチウム欠乏の第1リチウムコバルト酸化物を含むリチウムコバルト酸化物の粒子を準備する段階(段階2)、及び前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面上に、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物を含む表面処理層を形成する段階(段階3)を含む製造方法によって製造されてよい。これに伴い、本発明の他の一実施形態によれば、前記リチウム二次電池用正極活物質の製造方法が提供される。

0057

以下、各段階別に詳しく説明すると、段階1は、第2リチウムコバルト酸化物の粒子を準備する段階である。

0058

具体的に、前記第1リチウムコバルト酸化物の粒子は、コバルト原料物質及びリチウム原料物質を1≦Li/Coモル比になるようにする量で混合した後、1次熱処理して製造することができる。

0059

このとき、前記コバルト原料物質は、具体的に、コバルト含有酸化物水酸化物オキシ水酸化物ハロゲン化物硝酸塩炭酸塩酢酸塩シュウ酸塩クエン酸塩または硫酸塩などであってよく、より具体的には、Co(OH)2、CoO、CoOOH、Co(OCOCH3)2・4H2O、Co(NO3)2・6H2OまたはCo(SO4)2・7H2Oなどであってよく、これらのうちいずれか一つまたは2以上の混合物が用いられてよい。

0060

さらに、前記リチウム原料物質は、具体的に、リチウム含有酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩または硫酸塩などであってよく、より具体的には、Li2CO3、LiNO3、LiNO2、LiOH、LiOH・H2O、LiH、LiF、LiCl、LiBr、LiI、CH3COOLi、Li2O、Li2SO4、CH3COOLiまたはLi3C6H5O7などであってよく、これらのうちいずれか一つまたは2以上の混合物が用いられてよい。

0061

前記コバルト原料物質とリチウム原料物質は、Li/Coモル比が1≦Li/Coモル比の条件を満たすようにする量で混合されてよい。前記含量範囲で混合されるとき、層状構造を有するリチウムリッチ型のリチウムコバルト酸化物を含むコアが形成され得る。より具体的には、改善効果の顕著さを考慮するとき、コバルト原料物質とリチウム原料物質はLi/Coモル比が1≦Li/Coモル比≦1.2、さらに具体的には1≦Li/Coモル比≦1.1の条件を満たすようにする量で混合されてよい。また、前記コバルト原料物質とリチウム原料物質の投入時、時間の経過に伴ってLi/Coモル比が1≦Li/Coモル比≦1.2の範囲内で減少するように投入することにより、第2リチウムコバルト酸化物の粒子内に、粒子の中心から表面に行くほどリチウムの濃度が減少する濃度勾配を有するようにすることができる。

0062

さらに、製造される第2リチウムコバルト酸化物がドープされた場合、前記コバルト原料物質とリチウム原料物質の混合時にドーピング用金属元素(M’)の原料物質が選択的にさらに添加されてよい。

0063

前記ドーピング用金属元素(M’)の原料物質は、具体的には、W、Mo、Zr、Ti、Mg、Ta、Al、Fe、V、Cr、Ba、Ca及びNbからなる群より選択されるいずれか一つまたは2以上の金属、またはこれを含む酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩または硫酸塩などであってよく、これらのうちいずれか一つまたは2以上の混合物が用いられてよい。

0064

さらに、前記原料物質等の混合物に対する1次熱処理は、800℃から1100℃での温度で行われてよい。熱処理温度が800℃未満であれば、未反応原料物質残留によって単位重量当りの放電容量の低下、サイクル特性の低下及び作動電圧の低下の恐れがあり、1100℃を超過すれば、副反応物の生成によって単位重量当りの放電容量の低下、サイクル特性の低下及び作動電圧の低下の恐れがある。

0065

さらに、前記1次熱処理は、前記温度範囲内で以後の2次熱処理に比べて低い温度で行われることが、リチウムの拡散速度の制御に容易であり得る。

0066

さらに、前記1次熱処理は、大気中または酸素雰囲気下で行われてよく、また、5から30時間の間に行われるのが混合物の粒子間の拡散反応が十分になされ得る。

0067

次に、段階2は、前記段階1で製造した第2リチウムコバルト酸化物の粒子の表面にリチウム欠乏構造を有する第1リチウムコバルト酸化物の層を形成する段階である。

0068

具体的に、前記リチウム欠乏の第1リチウムコバルト酸化物は、前記段階1で製造した第2リチウムコバルト酸化物の粒子に対し、800℃から1100℃で2次熱処理を1回以上、より具体的には1回から3回、さらに具体的には1回または2回行うことにより形成され得る。このとき、それぞれの熱処理時の温度は、前記温度範囲内で同一であってもよく、または相違してもよい。

0069

このような2次熱処理の際、前記第2リチウムコバルト酸化物粒子の表面に存在するリチウムが、空気中の酸素と反応してリチウム酸化物を形成するに伴い、リチウム欠乏された前記第1リチウムコバルト酸化物を形成することができる。また、前記2次熱処理の実施回数が増加するほど、リチウムコバルト酸化物におけるリチウム欠乏もまた増加することになり、その結果で、第1リチウムコバルト酸化物の中心から表面に行くほどリチウムの濃度が低くなる濃度勾配が形成されることになる。

0070

また、前記2次熱処理の際、コバルト原料物質、またはコバルト原料物質とリチウム原料物質が選択的にさらに添加されてよい。前記物質等は、2次熱処理時に特定の段階で一括して添加されてもよく、各段階別にそれぞれ同一または相違する含量で添加されてもよい。

0071

具体的に、コバルト原料物質のみを選択的にさらに添加する場合、コバルト原料物質内のコバルトが第2リチウムコバルト酸化物粒子の表面に存在するリチウムと反応し、Li/Coのモル比が1未満であるリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を形成することができる。このとき、コバルト原料物質は前記で説明したところと同一なものであってよく、その使用量はLiの濃度勾配に従って適宜調節されてよい。

0072

さらに、コバルト原料物質とリチウム原料物質を選択的にさらに添加する場合、前記コバルト原料物質及びリチウム原料物質は0<Li/Coモル比<1、0.95≦Li/Coモル比<1、さらに具体的には0.95≦Li/Coモル比≦0.99の条件を満たすようにする量で添加されてよい。コバルト原料物質とリチウム原料物質が前記含量範囲で混合されるとき、リチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を含む層が形成されることになる。このとき、コバルト原料物質及びリチウム原料物質は段階1の場合と同一なものであってよい。

0073

また、製造される第1リチウムコバルト酸化物がドープされた場合、前記コバルト原料物質とリチウム原料物質の混合時にドーピング用金属元素(M)の原料物質が選択的にさらに添加されてよい。

0074

前記ドーピング用金属元素(M)の原料物質は、具体的には、W、Mo、Zr、Ti、Mg、Ta、Al、Fe、V、Cr、Ba、Ca及びNbからなる群より選択されるいずれか一つまたは2以上の金属、またはこれを含む酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩または硫酸塩などであってよく、これらのうちいずれか一つまたは2以上の混合物が用いられてよい。

0075

一方、前記段階2における2次熱処理は、800℃から1100℃の温度で行われてよい。熱処理温度が800℃未満であれば、表面上に形成されたリチウムコバルト酸化物の結晶化が十分になされないので、リチウムイオンの移動が妨げられる恐れがある。また、熱処理温度が1100℃を超過すれば、結晶化が過度に起こられるか、または結晶構造内のLiの蒸発による不安定な構造の形成の恐れがある。これに伴い、未反応原料物質の残留または副反応生成物、そして生成されたリチウムコバルト酸化物の未結晶化または過結晶化による単位重量当りの放電容量の低下、サイクル特性の低下及び作動電圧の低下を防止するため、前記2次熱処理はより具体的に1000℃から1100℃の温度で行われてよい。

0076

さらに、前記2次熱処理時の温度が高いほど活物質内のリチウムの移動及び拡散が促進されるので、2次熱処理の温度に応じて正極活物質内のリチウムの分布を制御することができる。具体的に、前記温度範囲内で2次熱処理時の温度が1000℃以上、1000℃から1100℃である場合、活物質内のリチウムが濃度勾配を有して分布され得る。

0077

また、前記2次熱処理は、大気中でまたは酸素雰囲気下で行われてよく、7から50時間の間行われてよい。熱処理時間が長すぎると、リチウムの蒸発、及び表面に形成された金属酸化物層結晶度が高くなるので、Li+の移動に問題が発生する恐れがある。

0078

次に、段階3は、段階2で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子の表面上に表面処理層を形成する段階である。

0079

具体的に、前記表面処理層は、前記段階2で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子と、遷移金属及び13族元素からなる群より選択される何れか一つまたは2以上の元素を含むリチウム化合物、より具体的には、スピネル結晶構造を有するリチウム遷移金属酸化物;またはホウ酸リチウム系化合物とを混合した後、熱処理する方法によって形成され得る。このとき、前記スピネル構造を有するリチウム遷移金属酸化物及びホウ酸リチウム系化合物の種類及び含量は前記で説明したところと同一である。

0080

さらに、前記熱処理工程は、650℃から800℃での温度で、大気中でまたは酸素雰囲気下で、7から50時間の間行われてよい。

0081

本発明の一実施形態に係る前記正極活物質の製造方法は、溶媒を用いない乾式方法である。

0082

正極活物質の製造及び表面処理工程の際に溶媒を利用する湿式方法は、金属前駆体を溶媒に溶解させて用いるため、溶媒のpHを変化させやすく、これにより、最終的に製造される正極活物質の大きさを変化させるか粒子の割れを誘発する恐れがある。また、Liを含有している正極活物質の表面からLiイオン溶出され、表面に副反応物質として各種の酸化物が形成される恐れがある。その反面、本発明では乾式方法によって正極活物質を製造することにより、溶媒の使用による前記問題の発生の恐れがなく、また、活物質の製造効率性及び工程容易性の面で一層優秀である。併せて、乾式方法による表面処理方法バインダーを用いないため、バインダーの使用による副反応の発生の恐れがない。

0083

前記のような製造方法により製造された正極活物質は、単一体構造を有するリチウムコバルト酸化物粒子の表面側にリチウムの挿入及び脱離が容易なリチウム欠乏構造を有するリチウムコバルト酸化物を含み、また、前記粒子の表面上にスピネル結晶構造のリチウム遷移金属酸化物またはホウ酸リチウム系化合物などを含む表面処理層を含むことにより、電解液との副反応が抑制され、高い充填密度を有して高容量特性とともに改善したレート特性及び初期容量特性を表すことができる。具体的に、前記表面処理層が、リチウムの3次元移動が容易なスピネル結晶構造のリチウム遷移金属化合物を含む場合、大粒子であっても、低いレート特性及び初期容量特性の低下に対する恐れなく優れた高電圧特性を表すことができる。また、前記表面処理層がホウ酸リチウム系化合物を含む場合、粒子の表面に対して電解液との副反応を抑制することができ、同時に優れたリチウム伝導性を有して電池の出力特性及び寿命特性を向上させることができる。

0084

これに伴い、本発明のさらに他の一実施形態によれば、前記正極活物質を含む正極及びリチウム二次電池を提供する。

0085

具体的に、前記正極は、正極集電体及び前記正極集電体の上に形成され、前記正極活物質を含む正極活物質層を含む。

0086

前記正極集電体は、電池に化学的変化を誘発することなく導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ステンレス鋼アルミニウム、ニッケル、チタン焼成炭素またはアルミニウムやステンレス鋼の表面に炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが用いられてよい。また、前記正極集電体は、通常3から500μmの厚さを有することができ、前記集電体の表面上に微細凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めることもできる。例えば、フィルムシートホイルネット多孔質体発泡体、不織布体などの多様な形態に用いられてよい。

0087

一方、前記正極活物質層は、正極活物質とともに、導電材及びバインダーを含むことができる。このとき、正極活物質は前記で説明したところと同一である。

0088

前記導電材は電極に導電性を与えるために用いられるものであって、構成される電池において、化学変化を引き起こすことなく電子伝導性を有するものであれば、特別な制限なく使用可能である。具体的な例としては、天然黒鉛人造黒鉛などの黒鉛カーボンブラックアセチレンブラックケッチェンブラックチャンネルブラックファネースブラックランプブラックサーマルブラック炭素繊維などの炭素系物質;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維酸化亜鉛チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー酸化チタンなどの導電性金属酸化物;またはポリフェニレン誘導体などの伝導性高分子などを挙げることができ、これらのうち1種の単独でまたは2種以上の混合物が用いられてよい。前記導電材は、通常、正極活物質層の総重量に対し1から30重量%で含まれてよい。

0089

さらに、前記バインダーは、正極活物質の粒子等間の付着、及び正極活物質と集電体との接着力を向上させる役割を担う。具体的な例としては、ポリビニリデンフルオリドPVDF)、ビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF−co−HFP)、ポリビニルアルコールポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、カルボキシメチルセルロースCMC)、澱粉ヒドロキシプロピルセルロース再生セルロースポリビニルピロリドンテトラフルオロエチレンポリエチレンポリプロピレンエチレンプロピレンジエンポリマー(EPDM)、スルホン化−EPDM、スチレンブタジエンゴムSBR)、フッ素ゴム、またはこれらの多様な共重合体などを挙げることができ、これらのうち1種の単独でまたは2種以上の混合物が用いられてよい。前記バインダーは、正極活物質層の総重量に対し1から30重量%で含まれてよい。

0090

前記のような構造を有する正極は、前記正極活物質を利用することを除き、通常の正極の製造方法によって製造されてよい。具体的に、前記正極活物質、バインダー及び導電材を溶媒中に溶解及び分散させて製造した正極活物質層形成用組成物を正極集電体上に塗布した後、乾燥及び圧延することにより製造されてよい。このとき、前記正極活物質、バインダー、導電材の種類及び含量は前記で説明した通りである。

0091

また、前記正極活物質層形成用組成物において、溶媒としては、当該技術分野で一般に用いられる溶媒であってよく、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO)、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトン(acetone)または水などを挙げることができ、これらのうち1種の単独でまたは2種以上の混合物が用いられてよい。前記溶媒の使用量は、スラリーの塗布の厚さ、製造収率を考慮して前記正極活物質、導電材及びバインダーを溶解または分散させ、以後、正極の製造のための塗布時に優れた厚さ均一度を表すことができる粘度を有するようにする程度であれば十分である。

0092

さらに、他の方法として、前記正極は、前記正極活物質組成物別途支持体上にキャストした後、この支持体から剥離して得たフィルムを正極集電体上にラミネートすることにより製造されてもよい。

0093

本発明のさらに他の一実施形態によれば、前記正極を含む電気化学素子が提供される。前記電気化学素子は、具体的に電池またはキャパシタなどであってよく、より具体的にはリチウム二次電池であってよい。

0094

前記リチウム二次電池は、具体的に、正極、前記正極と対向して位置する負極、前記正極と負極の間に介在されるセパレータ及び電解質を含み、前記正極は前記で説明した通りである。また、前記リチウム二次電池は、前記正極、負極、セパレータの電極組立体収納する電池容器、及び前記電池容器を密封する密封部材を選択的にさらに含むことができる。

0095

前記リチウム二次電池において、前記負極は、負極集電体及び前記負極集電体上に位置する負極活物質層を含む。

0096

前記負極集電体は、電池に化学的変化を誘発することなく高い導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面に炭素、ニッケル、チタンまたは銀などで表面処理したもの、またはアルミニウム−カドミウム合金などが用いられてよい。また、前記負極集電体は、通常、3から500μmの厚さを有することができ、正極集電体と同様に、前記集電体の表面に微細な凹凸を形成して負極活物質結合力強化させることもできる。例えば、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体または不織布体などの多様な形態に用いられてよい。

0097

前記負極活物質層は、負極活物質とともに選択的にバインダー及び導電材を含む。前記負極活物質層は、一例として、負極集電体上に負極活物質、及び選択的にバインダー及び導電材を含む負極形成用組成物を塗布して乾燥するか、または前記負極形成用組成物を別途の支持体上にキャストした後、この支持体から剥離して得たフィルムを負極集電体上にラミネートすることにより製造されてもよい。

0098

前記負極活物質としては、リチウムの可逆的なインターカレーション及びジインターカレーションが可能な化合物が用いられてよい。具体的な例としては、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛化炭素繊維非晶質炭素などの炭素質材料;Si、Al、Sn、Pb、Zn、Bi、In、Mg、Ga、Cd、Si合金Sn合金またはAl合金などのリチウムとの合金化が可能な金属質化合物;SiOx(0<x<2)、SnO2、バナジウム酸化物リチウムバナジウム酸化物のようにリチウムをドープ及び脱ドープすることができる金属酸化物;またはSi−C複合体またはSn−C複合体のように、前記金属質化合物と炭素質材料を含む複合物などを挙げることができ、これらのうちいずれか一つまたは2以上の混合物が用いられてよい。さらに、前記負極活物質として金属リチウム薄膜が用いられてもよい。また、炭素材料は低結晶炭素及び高結晶性炭素などが全て用いられてよい。低結晶性炭素としては軟化炭素(soft carbon)及び硬質炭素(hard carbon)が代表的であり、高結晶性炭素としては無定形、板状、麟片状、球形または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛、キッシュ黒鉛(Kish graphite)、熱分解炭素(pyrolytic carbon)、液晶ピッチ系炭素繊維(mesophase pitch based carbon fiber)、炭素微小球体(meso−carbon microbeads)、液晶ピッチ(Mesophase pitches)及び石油と石炭系コークス(petroleum or coal tar pitch derived cokes)などの高温焼成炭素が代表的である。

0099

また、前記バインダー及び導電材は、前記正極で説明したところと同一なものであってよい。

0100

一方、前記リチウム二次電池において、セパレータは、負極と正極を分離してリチウムイオンの移動通路を提供するものであって、通常リチウム二次電池でセパレータとして用いられるものであれば特別な制限なく使用可能であり、特に、電解質のイオン移動に対して低抵抗であるとともに、電解液の含湿能力に優れたものが好ましい。具体的には、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体及びエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルム、またはこれらの2層以上の積層構造体が用いられてよい。また、通常の多孔性不織布、例えば、高融点硝子繊維ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布が用いられてもよい。また、耐熱性または機械的強度の確保のため、セラミック成分または高分子物質が含まれているコーティングされたセパレータが用いられてもよく、選択的に単層または多層構造で用いられてよい。

0101

さらに、本発明で用いられる電解質としては、リチウム二次電池の製造時に使用可能な有機系液体電解質、無機系液体電解質固体高分子電解質ゲル型高分子電解質固体無機電解質溶融型無機電解質などを挙げることができ、これらに限定されるものではない。

0102

具体的に、前記電解質は、有機溶媒及びリチウム塩を含むことができる。

0103

前記有機溶媒としては、電池の電気化学的反応関与するイオン等が移動することができる媒質の役割ができるものであれば、特別な制限なく用いられてよい。具体的に、前記有機溶媒には、メチルアセテート(methyl acetate)、エチルアセテート(ethyl acetate)、γ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone)、ε−カプロラクトン(ε−caprolactone)などのエステル系溶媒ジブチルエーテル(dibutyl ether)またはテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)などのエーテル系溶媒シクロヘキサノン(cyclohexanone)などのケトン系溶媒ベンゼン(benzene)、フルオロベンゼン(fluorobenzene)などの芳香族炭化水素系溶媒ジメチルカーボネート(dimethylcarbonate、DMC)、ジエチルカーボネート(diethylcarbonate、DEC)、メチルエチルカーボネート(methylethylcarbonate、MEC)、エチルメチルカーボネート(ethylmethylcarbonate、EMC)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate、EC)、プロピレンカーボネート(propylene carbonate、PC)などのカーボネート系溶媒エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;R−CN(Rは、C2からC20の直鎖状分枝状または環構造炭化水素基であり、二重結合芳香環またはエーテル結合を含むことができる)などのニトリル類ジメチルホルムアミドなどのアミド類;1,3−ジオキソランなどのジオキソラン類;またはスルホラン(sulfolane)類などが用いられてよい。この中でもカーボネート系溶媒が好ましく、電池の充放電性能を高めることができる高いイオン伝導度及び高誘電率を有する環状カーボネート(例えば、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートなど)と、低粘度の線形カーボネート系化合物(例えば、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートなど)との混合物がより好ましい。この場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとは、約1:1から約1:9の体積比で混合して用いる方が電解液の性能が優秀に表れ得る。

0104

前記リチウム塩は、リチウム二次電池で用いられるリチウムイオンを提供することができる化合物であれば、特別な制限なく用いられてよい。具体的に、前記リチウム塩は、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAl04、LiAlCl4、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiN(C2F5SO3)2、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiCl、LiIまたはLiB(C2O4)2などが用いられてよい。前記リチウム塩の濃度は、0.1から2.0Mの範囲内で用いることがよい。リチウム塩の濃度が前記範囲に含まれると、電解質が適した伝導度及び粘度を有するので、優れた電解質性能を表すことができ、リチウムイオンが効果的に移動することができる。

0105

前記電解質には、前記電解質の構成成分等以外にも、電池の寿命特性の向上、電池容量の減少の抑制、電池の放電容量の向上などを目的に、例えば、ジフルオロエチレンカーボネートなどのようなハロアルキレンカーボネート系化合物、ピリジントリエチルホスフェートトリエタノールアミン環状エーテルエチレンジアミン、n−グライム(glyme)、ヘキサンリン酸トリアミドニトロベンゼン誘導体硫黄キノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノン、N,N−置換イミダゾリジンエチレングリコールジアルキルエーテルアンモニウム塩ピロール2−メトキシエタノールまたは三塩化アルミニウムなどの添加剤が1種以上さらに含まれてもよい。このとき、前記添加剤は、電解質の総重量に対し0.1から5重量%で含まれてよい。

0106

前記のように、本発明に係る正極活物質を含むリチウム二次電池は、優れた放電容量、出力特性及び容量維持率を安定的に表すため、携帯電話、ノートパソコンデジタルカメラなどの携帯用機器、及びハイブリッド電気自動車(hybrid electric vehicle、HEV)などの電気自動車の分野などに有用である。

0107

これに伴い、本発明の他の一具現例によれば、前記リチウム二次電池を単位セルで含む電池モジュール、及びこれを含む電池パックが提供される。

0108

前記電池モジュールまたは電池パックは、パワーツール(Power Tool);電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車、及びプラグインハイブリッド電気自動車(Plug−in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)を含む電気車;または電力貯蔵用システムのうちいずれか一つ以上の中大型デバイス電源として利用され得る。

0109

以下、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるよう、本発明の実施形態に対して詳しく説明する。しかし、本発明は幾多の相違する形態に具現されてよく、ここで説明する実施形態に限定されない。

0110

[製造例1:正極活物質の製造]
Li2CO3粉末及びCo3O4粉末を、Li/Coモル比が1になるようにする量で混合した後、900℃で10時間の間、1次熱処理した。結果として収得した粉末を粉砕及び分級して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を製造した。

0111

前記で製造した第2リチウムコバルト酸化物粒子に対し、Li2CO3粉末及びCo3O4粉末をLi/Coモル比が0.95になるようにする量で乾式で混合し、1050℃で20時間の間、2次熱処理し、粒子の全体にかけてリチウムが粒子の中心から表面に行くほど減少する濃度勾配を有しながら分布する、リチウムコバルト酸化物の粒子(平均粒径:12μm)を製造した。

0112

続き、前記リチウムコバルト酸化物の粒子をスピネル構造のリチウム遷移金属酸化物、LiCo2O4と均質混合した後、大気中、800℃で10時間の間、熱処理し、前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面を取り囲む表面処理層(厚さ:約100nm)を形成することにより、単一体構造の正極活物質を製造した。このとき、LiCo2O4は、最終的に製造される正極活物質の総重量に対し、0.01重量%になるようにする量で用いた。前記LiCo2O4の量は、誘導結合プラズマ−原子放出分光分析(ICP−AES)を介して確認し、飛行時間型二次イオン質量分析(ToF−SIMS)を介して表面処理層内のリチウム遷移金属酸化物の形態を確認した。

0113

[製造例2:正極活物質の製造]
スピネル構造のリチウム遷移金属酸化物としてLiMn2O4を用いることを除き、前記製造例1と同様の方法で行って正極活物質を製造した。

0114

[製造例3:正極活物質の製造]
スピネル構造のリチウム遷移金属酸化物としてLiNi0.5Mn1.5O4を用いることを除き、前記製造例1と同様の方法で行って正極活物質を製造した。

0115

[製造例4:正極活物質の製造]
Li2CO3粉末及びCo3O4粉末を、Li/Coモル比が1.02になるようにする量で混合した後、900℃で10時間の間、1次熱処理した。結果として収得した粉末を粉砕及び分級して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を製造した。

0116

前記で製造した第2リチウムコバルト酸化物粒子に対し、Li2CO3粉末及びCo3O4粉末をLi/Coモル比が0.95になるようにする量で乾式で混合し、1050℃で20時間の間、2次熱処理し、粒子の全体にかけてリチウムが粒子の中心から表面に行くほど減少する濃度勾配を有しながら分布する、リチウムコバルト酸化物の粒子(平均粒径:12μm)を製造した。

0117

引続き、前記リチウムコバルト酸化物の粒子を、ホウ酸リチウム系化合物、LiBO2と均質混合した後、大気中、800℃で10時間の間、熱処理し、前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面を取り囲む表面処理層(厚さ:100nm)を形成することにより単一体構造の正極活物質を製造した。このとき、LiBO2は、最終的に製造される正極活物質の総重量に対し0.01重量%になるようにする量で用いた。

0118

[製造例5:正極活物質の製造]
ホウ酸リチウム系化合物としてLi2B4O7を用いることを除き、前記製造例4と同様の方法で実施して正極活物質を製造した。

0119

[製造例6:正極活物質の製造]
ホウ酸リチウム系化合物としてLiB3O6を用いることを除き、前記製造例4と同様の方法で実施して正極活物質を製造した。

0120

[製造例7:リチウム二次電池の製造]
ホウ酸リチウム系化合物(LiBO2)の代わりにLiAlO4を用いることを除き、前記製造例4と同様の方法で実施して、表面上にLiAlO4含有の表面処理層が形成された正極活物質を製造した。

0121

[製造例8:正極活物質の製造]
Li2CO3粉末及びCo3O4粉末を、Li/Coモル比が1になるようにする量で混合した後、900℃で10時間の間、1次熱処理した。結果として収得した粉末を粉砕及び分級して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を製造した。

0122

前記で製造した第2リチウムコバルト酸化物粒子に対し、Li2CO3粉末及びCo3O4粉末をLi/Coモル比が0.95になるようにする量で乾式で混合し、900℃で20時間の間、2次熱処理し、粒子の表面側にリチウム欠乏構造の第1リチウムコバルト酸化物を含むリチウムコバルト酸化物粒子(平均粒径:12μm)を製造した。

0123

前記で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子を用いることを除き、前記実施例4と同様の方法で実施して、LiBO2の表面処理層を有する単一体構造の正極活物質を製造した。

0124

[製造例9:正極活物質の製造]
Li2CO3粉末及びCo3O4粉末を、Li/Coモル比が1になるようにする量で混合した後、900℃で10時間の間、1次熱処理した。結果として収得した粉末を粉砕及び分級して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を製造した。

0125

前記で製造した第2リチウムコバルト酸化物粒子に対し、Li2CO3粉末及びCo3O4粉末をLi/Coモル比が0.95になるようにする量で乾式で混合し、追加的にMgO及びTiO2粉末を、Li1モルに対しMg及びTi金属の含量がそれぞれ0.01モルになるようにする量で添加、混合した後、1050℃で20時間の間、2次熱処理し、粒子の全体にかけてリチウムが粒子の中心から表面に行くほど減少する濃度勾配を有しながら分布し、シェル部にMg及びTiがドープされたリチウム欠乏構造の第1リチウムコバルト酸化物を含むリチウムコバルト酸化物の粒子(平均粒径:12μm)を製造した。

0126

引続き、前記リチウムコバルト酸化物の粒子を、LiBO2と均質混合した後、大気中、800℃で10時間の間、熱処理し、前記リチウムコバルト酸化物の粒子の表面を取り囲む表面処理層(厚さ:100nm)を形成することにより単一体構造の正極活物質を製造した。このとき、LiBO2は、最終的に製造される正極活物質の総重量に対し0.05重量%になるようにする量で用いた。

0127

前記で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子を用いることを除き、前記実施例4と同様の方法で実施して、LiBO2の表面処理層を有する正極活物質を製造した。

0128

[製造例10:正極活物質の製造]
Li2CO3粉末及びCo3O4粉末を、Li/Coモル比が1.0から1.02の範囲内で、時間の経過に伴いLi/Coモル比が漸次減少するようにする量で混合した後、900℃で10時間の間、1次熱処理した。結果として収得した粉末を粉砕及び分級して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を製造した。

0129

前記で製造した第2リチウムコバルト酸化物粒子に対し、Li2CO3粉末及びCo3O4粉末をLi/Coモル比が0.95になるようにする量で乾式で混合し、1050℃で20時間の間、2次熱処理し、粒子の全体にかけてリチウムが粒子の中心から表面に行くほど減少する濃度勾配を有しながら分布するリチウムコバルト酸化物の粒子(平均粒径:10μm)を製造した。

0130

前記で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子を用いることを除き、前記実施例4と同様の方法で実施して、LiBO2の表面処理層を有する単一体構造の正極活物質を製造した。

0131

[製造例11:正極活物質の製造]
Li2CO3粉末及びCo3O4粉末を、Li/Coモル比が1になるようにする量で混合した後、900℃で10時間の間、熱処理して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を製造した。

0132

製造した第2リチウムコバルト酸化物に対し、酸素雰囲気下、900℃で5時間の間の熱処理を2回繰り返して行い、粒子の表面側にリチウム欠乏構造のリチウムコバルト酸化物が濃度勾配を有しながら分布するリチウムコバルト酸化物の粒子(平均粒径:10μm)を製造した。

0133

前記で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子を用いることを除き、前記実施例4と同様の方法で実施して、LiBO2の表面処理層を有する単一体構造の正極活物質を製造した。

0134

[製造例12:正極活物質の製造]
Li2CO3粉末及びCo3O4粉末を、Li/Coモル比が1になるようにする量で混合した後、900℃で10時間の間、熱処理して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を製造した。

0135

製造した第2リチウムコバルト酸化物を、酸素雰囲気下、900℃で5時間の間の熱処理を2回繰り返して行った。このとき、各熱処理段階でCo3O4を0.05mol及び0.25molの量でそれぞれ投入した。結果として、粒子の表面側にリチウム欠乏構造のリチウムコバルト酸化物が濃度勾配を有しながら分布するリチウムコバルト酸化物の粒子(平均粒径:10μm)を製造した。

0136

前記で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子を用いることを除き、前記実施例4と同様の方法で実施して、LiBO2の表面処理層を有する単一体構造の正極活物質を製造した。

0137

[製造例13:正極活物質の製造]
Li2CO3粉末及びCo3O4粉末を、Li/Coモル比が1になるようにする量で混合した後、900℃で10時間の間、1次熱処理した。結果として収得した粉末を粉砕及び分級して第2リチウムコバルト酸化物の粒子を製造した。

0138

前記で製造した第2リチウムコバルト酸化物粒子に対し、Li2CO3粉末及びCo3O4粉末をLi/Coモル比が0.95になるようにする量で乾式で混合し、追加的にZrO2粉末を、Li1モルに対しZr金属の含量が0.01モルになるようにする量で添加、混合した後、1050℃で20時間の間、2次熱処理し、粒子の表面側にリチウム欠乏構造のリチウムコバルト酸化物が濃度勾配を有しながら分布し、前記リチウム欠乏構造のリチウムコバルト酸化物はZrがドープされたものであるリチウムコバルト酸化物の粒子(平均粒径(D50):10μm)を製造した。

0139

前記で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子を用いることを除き、前記実施例4と同様の方法で実施して、LiBO2の表面処理層を有する単一体構造の正極活物質を製造した。

0140

[実施例1から13:リチウム二次電池の製造]
前記製造例1から13で製造した正極活物質をそれぞれ利用してリチウム二次電池を製造した。

0141

詳しくは、前記製造例1から13で製造したそれぞれの正極活物質、カーボンブラック導電材及びPVdFバインダーを、N−メチルピロリドン溶媒中で重量比で90:5:5の割合で混合して正極形成用組成物(粘度:5000mPa・s)を製造し、これをアルミニウムの集電体に塗布した後、乾燥/圧延して正極を製造した。

0142

また、負極活物質として人造黒鉛であるMCMB(mesocarbon microbead)、カーボンブラック導電材及びPVdFバインダーを、N−メチルピロリドン溶媒中で重量比で85:10:5の割合で混合して負極形成用組成物を製造し、これを銅の集電体に塗布して負極を製造した。

0143

前記のように製造された正極と負極との間に多孔性ポリエチレンの分離膜を介在して電極組立体を製造し、前記電極組立体をケースの内部に位置させた後、ケースの内部に電解液を注入してリチウム二次電池を製造した。このとき、電解液は、エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)(EC/DMC/EMCの混合体積比=3/4/3)からなる有機溶媒に1.15M濃度リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF6)を溶解させて製造した。

0144

[比較例1:リチウム二次電池の製造]
正極活物質としてLiCoO2(平均粒径:12μm)を用いることを除き、前記実施例1と同様の方法で実施してリチウム二次電池を製造した。

0145

[比較例2:リチウム二次電池の製造]
リチウムコバルト酸化物の粒子としてLiCoO2(平均粒径:12μm)を用いることを除き、前記製造例1と同様の方法で実施して、LiCoO2の表面上にLiCo2O4の表面処理層(厚さ:100nm)が形成されている正極活物質を製造した。

0146

前記で製造した正極活物質を用いることを除き、前記実施例1と同様の方法で実施してリチウム二次電池を製造した。

0147

実験例1]
前記製造例1、4、8及び10〜12における正極活物質の製造中、表面処理層の形成前に製造したリチウムコバルト酸化物粒子に対し、X線光電子分光器(X−ray photoelectron spectroscopy、XPS)を利用して活物質の表面から内部までの深さプロファイル(depth profile)に応じたLi/Coのモル比の変化を観察した。その結果を下記表1及び2に示した。

0148

0149

0150

表1及び2に示されているところのように、活物質粒子の半径を基準に、粒子の表面から0.05から0.1の距離比に該当する領域に、リチウム欠乏構造を有する第1リチウムコバルト酸化物を含むシェルが形成された。

0151

さらに、製造時に熱処理温度の制御及び投入物質の含量比連続変化を介し、粒子の全体にかけてリチウムが粒子の中心から表面に行くほど減少する濃度勾配を有して分布する正極活物質(製造例1、4及び10)、2次熱処理を繰り返して行うことにより、粒子の表面側にだけリチウム欠乏構造のリチウムコバルト酸化物が濃度勾配を有して分布する正極活物質(製造例11及び12)、そして、粒子の全体にかけて濃度勾配がなく、粒子の表面側にだけリチウム欠乏のリチウムコバルト酸化物を含む正極活物質(製造例8)がそれぞれ製造された。また、製造例12の正極活物質の場合、2次熱処理を繰り返して行うことに加え、各熱処理段階別にリチウムと反応するコバルト酸化物を投入することにより、リチウム欠乏構造を含むシェル部の厚さがさらに厚く、シェル部内のLi/Coモル比の変化が急激であった。

0152

[実験例2]
前記製造例11で製造したリチウムコバルト酸化物の粒子に対し、アトムプローブトモグラフィー(atom probe tomography、APT)を利用して粒子の表面側におけるリチウムの分布を観察した。その結果を図1に示した。

0153

図1でa)は、製造例11でのリチウムコバルト酸化物の粒子の表面側(粒子の表面から中心方向の50nmまで)におけるリチウムの分布をAPTで観察したものであり、b)は、a)での3D情報を2Dで投影して密度を測定した映像である。

0154

図1に示されているところのように、リチウムコバルト酸化物の粒子の中心に行くほどリチウムの密度が増加することを確認することができる。一方、図1で右側の上段部に見える黄色のリチウムリッチ部分は、実験中の誤差によるものである。

0155

[実験例3]
前記製造例11で製造したリチウムコバルト酸化物粒子に対し、電子回折分析器を利用して活物質の表面側と内部での結晶構造をそれぞれ観察した。その結果を図2に示した。

0156

図2に示されているところのように、リチウムコバルト酸化物粒子の表面側に存在する第1リチウムコバルト酸化物の場合(A)、スピネル結晶構造と似て、空間群Fd−3mの立方晶系の結晶構造を有することを確認することができる。一方、活物質粒子の内部に存在する第2リチウムコバルト酸化物の場合(C)、空間群R_3mの層状結晶構造を有することを確認することができる。

0157

[実験例4]
前記製造例1及び比較例1で製造した正極活物質を利用してコインセルLi金属の負極を使用)を製造し、常温(25℃)で0.1C/0.1Cの条件で充放電を行った後、初期充放電特性を評価した。その結果を下記図3に示した。

0158

実験の結果、図3に示されているところのように、リチウムコバルト酸化物の粒子内部にリチウム欠乏構造を有する製造例1の正極活物質は、リチウム欠乏構造を有しない比較例1のLiCoO2の正極活物質に比べて同等の水準の初期充放電特性を表した。但し、製造例1の正極活物質の場合、粒子の内部に存在するリチウム欠乏構造により、初期充放電の際に4.05Vから4.15Vの間で電圧プロファイルの折れ、即ち、変曲点が観察された。

0159

[実験例5]
前記製造例1から9の正極活物質を含む実施例1から9のリチウム二次電池、及び比較例1及び2で製造したリチウム二次電池に対し、下記のような方法で電池特性を評価した。

0160

詳しくは、前記実施例1から9、及び比較例1、2で製造したリチウム二次電池に対し、常温(25℃)で3から4.4Vの駆動電圧の範囲内で2C/0.1Cの条件で充放電時のレート特性と、高温(60℃)で3から4.4Vの駆動電圧の範囲内で0.5C/1Cの条件で充放電を50回行った後、初期容量に対する50サイクル目の放電容量の割合であるサイクル容量維持率(capacity retention)とをそれぞれ測定し、下記表3に示した。

0161

0162

実験の結果、粒子内にリチウム欠乏構造を有する正極活物質を含む実施例1から9の電池は、リチウム欠乏構造を有しないリチウムコバルト酸化物を正極活物質として含む比較例1及び2の電池に比べて改善したレート特性及び高温サイクル特性を表した。

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