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技術 互いに消光する蛍光標識とのナノポアを基礎にしたポリマー分析

出願人 クアンタポール,インコーポレイテッド
発明者 フーバー,マーティン
出願日 2015年10月8日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2017-518524
公開日 2017年10月26日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-531431
状態 特許登録済
技術分野 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物・酵素関連装置 突然変異または遺伝子工学 ナノ構造物
主要キーワード 段階的移行 閉鎖チャンバー 単一タイプ 一体化システム 直交距離 遷移ゾーン 差込み式 光学配列
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重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明は、ナノポア移行させるポリマーモノマー配列を決定するための方法を対象とする。このポリマーのモノマーは、自由溶液中で隣接するモノマーの蛍光標識が互いに実質的に消光するように、蛍光標識で標識され、ナノポアは、そのボア内の蛍光標識を、検出可能なシグナルを発生させることができない拘束状態拘束する。ナノポアから出て行くときにかつ隣接する蛍光標識との拘束状態から消光状態遷移するときに、各モノマーの蛍光標識を励起することによって、蛍光シグナルを、出て行く蛍光標識によって発生させることができ、そのモノマーを識別することを可能にし、それによって、モノマー配列を、ポリマーがナノポアを移行するときに蛍光シグナルの配列から決定することが可能になる。

概要

背景

ヌクレオチド光学的検出は、ナノポア配列決定の分野において、技術的難題のいくつかに対する潜在的な解決策として提示されてきた、例えば、Huber、米国特許第8,771,491号;Russell、米国特許第6,528,258号;Pittaro、米国特許出願公開第2005/0095599号;Joyce、米国特許出願公開第2006/0019259;Chan、米国特許第6,355,420号;およびMcNallyら、Nano Lett.、10巻(6号):2237〜2244頁(2010年)など。しかし、光学に基づくナノポア配列決定は、適切な製作技法欠如とそのようなシステムの要素がどのように相互作用するかの理解とを含む様々な理由で、実現されてこなかった。

概要

本発明は、ナノポアを移行させるポリマーモノマー配列を決定するための方法を対象とする。このポリマーのモノマーは、自由溶液中で隣接するモノマーの蛍光標識が互いに実質的に消光するように、蛍光標識で標識され、ナノポアは、そのボア内の蛍光標識を、検出可能なシグナルを発生させることができない拘束状態拘束する。ナノポアから出て行くときにかつ隣接する蛍光標識との拘束状態から消光状態遷移するときに、各モノマーの蛍光標識を励起することによって、蛍光シグナルを、出て行く蛍光標識によって発生させることができ、そのモノマーを識別することを可能にし、それによって、モノマー配列を、ポリマーがナノポアを移行するときに蛍光シグナルの配列から決定することが可能になる。

目的

ナノポアを生成する固体状態の手法は、堅牢耐久性を提供すると同時にナノポアのサイズおよび形状を調整する能力ウェハー規模でナノポアの高密度アレイを製作する能力、脂質ベースの系に比べて優れた機械的、化学的および熱的特性、ならびに電子または光学的読出し技法と一体化する可能性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも1つのポリヌクレオチドヌクレオチド配列を決定する方法であって、ナノポアを通って少なくとも1つの一本鎖ポリヌクレオチド移行させるステップであって、自由溶液中で隣接するヌクレオチド蛍光標識消光状態であるように、前記一本鎖ポリヌクレオチドのヌクレオチドを蛍光標識で標識し、前記ナノポアが、前記ナノポア内の前記蛍光標識を強制的に、検出可能なシグナルが実質的に発生しない拘束状態にするステップと、前記ナノポアから出る際、かつ隣接するヌクレオチドと消光状態を形成する前に、各ヌクレオチドの前記蛍光標識を励起するステップと、出て行く前記蛍光標識によって発生した蛍光シグナルを測定して、前記蛍光標識が取着される前記ヌクレオチドを識別するステップと、蛍光シグナルの配列から前記ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するステップとを含む方法。

請求項2

前記ポリヌクレオチドのヌクレオチドが、FRET対の第2のメンバーで標識され、それぞれの第2のメンバーは、前記メンバーが取着される前記ヌクレオチドを示すFRETシグナルを生成し、前記ポリヌクレオチドのヌクレオチドは、前記ナノポアを出る際に、それぞれの第2メンバーが前記FRET対の第1のメンバーのFRET距離内を通るように、前記ナノポアに隣接して位置決めされた前記FRET対の前記第1のメンバーの傍を順次通り、励起する前記ステップが、前記FRET距離内にある前記FRET対の前記第1および第2のメンバーの間にFRETが生じるように、前記第1のメンバーを第1の波長光ビーム曝露して、前記ナノポアから出て行く前記ヌクレオチドを示す第2の波長のFRETシグナルを発生させることを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記ナノポアが固相膜内に配置され、前記FRET対の前記第1のメンバーが、前記ナノポアに隣接する前記固相膜に取着される、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記ナノポアがタンパク質ナノポアであり、前記FRET対の前記第1のメンバーが前記タンパク質ナノポアに取着される、請求項2に記載の方法。

請求項5

前記FRET対の前記第1のメンバーがドナーであり、前記FRET対の前記第2のメンバーがアクセプターである、請求項2からA4までに記載の方法。

請求項6

前記ドナーが量子ドットである、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記アクセプターが蛍光有機色素である、請求項5に記載の方法。

請求項8

曝露する前記ステップが、前記ドナーを、全内部反射励起からのエバネッセント波に曝露することを含む、請求項5に記載の方法。

請求項9

前記ナノポアが脂質二重層に埋め込まれる、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記ナノポアが、複数の実質的に同一のナノポアを含むナノポアアレイ内にある、請求項A1に記載の方法。

請求項11

前記ナノポアアレイの前記ナノポアが、タンパク質ナノポアである、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記ナノポアアレイが、第1のチャンバーを第2のチャンバーから分離する固相膜を含み、前記固相膜は、その内部に固定化された前記タンパク質ナノポアをそれぞれが有するアパーチャー平面アレイを含む、請求項11に記載の方法。

請求項13

ポリマーモノマー配列を決定するための方法であって、(a)ナノポアを通ってポリマーを移行させるステップであって、自由溶液中で隣接するモノマーの蛍光標識が実質的に消光した状態であるように、前記ポリマーのモノマーを蛍光標識で標識し、検出可能な蛍光シグナルがその内部で実質的に発生しないように、前記ナノポアが、そのボア内で蛍光標識を拘束状態に拘束するステップと、(b)前記ナノポアから出る際、かつ隣接する蛍光標識と消光状態を形成する前に、各モノマーの前記蛍光標識を励起するステップと、(c)出て行く前記蛍光標識によって発生した蛍光シグナルを測定して、前記蛍光標識が取着される前記モノマーを識別するステップと、(d)蛍光シグナルの配列から前記ポリマーのモノマー配列を決定するステップとを含む方法。

請求項14

前記ポリマーのモノマーが、FRET対の第2のメンバーで標識され、それぞれの第2のメンバーは、前記メンバーが取着される前記モノマーを示すFRETシグナルを生成し、前記ポリマーのモノマーは、前記ナノポアを出る際に、それぞれの第2のメンバーが前記FRET対の第1のメンバーのFRET距離内を通るように、前記ナノポアに隣接して位置決めされた前記FRET対の前記第1のメンバーの傍を順次通り、励起する前記ステップが、前記FRET距離内にある前記FRET対の前記第1および第2のメンバーの間にFRETが生じるように、前記第1のメンバーを第1の波長の光ビームに曝露して、前記ナノポアから出て行く前記ヌクレオチドを示す第2の波長のFRETシグナルを発生させることを含む、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記ナノポアがタンパク質ナノポアであり、前記FRET対の前記第1のメンバーが、前記タンパク質ナノポアに取着されたドナーであり、前記FRET対の前記第2のメンバーが、モノマーに取着されたアクセプターである、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記ドナーが量子ドットであり、前記アクセプターが、互いに消光する組から選択される蛍光有機色素である、請求項15に記載の方法。

技術分野

0001

背景
過去10年にわたり開発されてきたDNA配列決定技術は、生物科学に変をもたらし、例えばLernerら、The Auk、127巻:4〜15頁(2010年);Metzker、Nature Review Genetics、11巻:31〜46頁(2010年);Holtら、Genome Research、18巻:839〜846頁(2008年);そして医療行為の多くの態様に変革をもたらす潜在性を有している、例えばVoelkerdingら、Clinical Chemistry、55巻:641〜658頁(2009年);Andersonら、Genes、1巻:38〜69頁(2010年);Freemanら、Genome Research、19巻:1817〜1824頁(2009年);Tuckerら、Am.J.Human Genet.、85巻:142〜154頁(2009年)。しかし、そのような潜在性を実現するには、1ラン当たりの配列決定コストの削減、試料調製の単純化ランタイムの短縮、読取り長の増大、およびデータ解析の改善などを含む、対処しなければならない多くの課題が依然として存在し、例えば、Baker、Nature Methods、7巻:495〜498頁(2010年);Kircherら、Bioessays、32巻:524〜536頁(2010年);Turnerら、Annual Review of Genomics and Human Genetics、10巻:263〜284頁(2009年)。ナノポアを使用した単一分子配列決定は、これらの課題のいくつかに対処することができ、例えば、Maitraら、Electrophoresis、33巻:3418〜3428頁(2012年);Venkatesanら、Nature Nanotechnology、6巻:615〜624頁(2011年);しかしこの手法には、それ自体の一連の技術的難題、例えば信頼性あるナノポア製作、DNA移行速度の制御、ヌクレオチド識別、およびナノポアセンサーラージアレイからの電気シグナルの検出などがある、例えば、Brantonら、Nature Biotechnology、26巻(10号):1146〜1153頁(2008年);Venkatesanら(前掲)。

背景技術

0002

ヌクレオチドの光学的検出は、ナノポア配列決定の分野において、技術的難題のいくつかに対する潜在的な解決策として提示されてきた、例えば、Huber、米国特許第8,771,491号;Russell、米国特許第6,528,258号;Pittaro、米国特許出願公開第2005/0095599号;Joyce、米国特許出願公開第2006/0019259;Chan、米国特許第6,355,420号;およびMcNallyら、Nano Lett.、10巻(6号):2237〜2244頁(2010年)など。しかし、光学に基づくナノポア配列決定は、適切な製作技法欠如とそのようなシステムの要素がどのように相互作用するかの理解とを含む様々な理由で、実現されてこなかった。

0003

米国特許第8,771,491号明細書
米国特許第6,528,258号明細書
米国特許出願公開第2005/0095599号明細書
米国特許出願公開第2006/0019259号明細書
米国特許第6,355,420号明細書

先行技術

0004

McNallyら、Nano Lett.、10巻(6号):2237〜2244頁(2010年)

課題を解決するための手段

0005

上記に鑑み、核酸の配列などの分析物の、首尾良くなされる光学的感知および分析を可能にした光学要素利用可能な材料および構成があれば、ナノポアセンサー技術一般、および光学に基づくナノポア配列決定などのその特定の適用に有利であると考えられる。
(発明の要旨)
本発明は、マイクロ流体および/またはナノ流体デバイスにおけるポリヌクレオチドなどのポリマーの、光学的検出および分析を行うための方法、キット、およびシステムを対象とし;詳細には、本発明は、核酸のヌクレオチド配列を決定するためのナノポアを使用する方法およびシステムを含む。
一態様では、本発明は、下記のステップ:(a)ナノポアを通ってポリマーを移行させるステップであって、自由溶液中で隣接するモノマー蛍光標識が互いの蛍光放出を実質的に消光するように(即ち、そのような標識は「消光状態」または「消光構成」にある)、ポリマーのモノマーが蛍光標識で標識され、かつ検出可能な蛍光シグナルが発生しないように、または検出可能なシグナルが実質的に発生しないように、ナノポアがそのボア内の蛍光標識を拘束状態拘束するステップと;(b)ナノポアから出る際、かつ隣接する蛍光標識と消光構成を形成する前に、各モノマーの蛍光標識を励起するステップと;(c)出て行く蛍光標識によって発生した蛍光シグナルを測定して、蛍光標識が取着されるモノマーを識別するステップと;(d)蛍光シグナルの配列からポリマーのモノマー配列を決定するステップとを含む、ポリマーのモノマー配列を決定するための方法を含む。

0006

別の態様では、本発明は少なくとも1つのポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定する方法であって、(a)ナノポアを通って少なくとも1つの一本鎖ポリヌクレオチドを移行させるステップであって、ナノポアの外側のポリヌクレオチドの部分(すなわち、まだナノポアに入っていないまたはすでにナノポアを出たポリヌクレオチドの部分)の蛍光放出を消光し、自由溶液中で隣接するヌクレオチドの蛍光標識が消光状態であるように、前記一本鎖ポリヌクレオチドのヌクレオチドを蛍光標識で標識し、前記ナノポアが、前記ナノポア内の前記蛍光標識を強制的に、検出可能なシグナルが実質的に発生しない拘束状態にするステップと、(b)前記ナノポアから出る際、かつ隣接するヌクレオチドの蛍光標識と消光状態を形成する前に、各ヌクレオチドの前記蛍光標識を励起するステップと、(c)出て行く前記蛍光標識によって発生した蛍光シグナルを測定して、前記蛍光標識が取着される前記ヌクレオチドを識別するステップと、(d)蛍光シグナルの配列から前記ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するステップとを含む方法を含む。この態様の一部の実施形態では、前記ポリヌクレオチドのヌクレオチドが、FRET対の第2のメンバーで標識され、それぞれの第2のメンバーは、前記メンバーが取着される前記ヌクレオチドを示すFRETシグナルを生成し、そうすることで前記ポリヌクレオチドのヌクレオチドは、前記ナノポアを出る際に、それぞれの第2メンバーが前記FRET対の第1のメンバーのFRET距離内を通るように、前記ナノポアの出口に隣接して位置決めされた前記FRET対の前記第1のメンバーの傍を順次通る。

0007

一部の実施形態では、FRET対の第1のメンバーが、実質的に各ナノポアに隣接する固相膜に取着されるように、ナノポアが固相膜中で製作される。他の実施形態では、ナノポアは、固相膜中に製作されたアパーチャー内に配置されたタンパク質ナノポアを含み、この場合、FRET対の第1のメンバーはタンパク質ナノポアに取着されている。

0008

本発明は、いくつかの実現例および適用例で例示され、それらのいくつかを、以下に、また本明細書の全体を通して要約される。

図面の簡単な説明

0009

図1Aは、本発明の例示的な実施形態を概略的に示す。

0010

図1Bは、蛍光標識またはアクセプターがナノポアを出た後に自己消光する、種々の時間に予測されるシグナルを示す。

0011

図1Cは、自己消光する具体的な時間に予測されるシグナルを示し、そしてナノポアを移行する標識された標的ポリヌクレオチドから記録されたシグナルと比較している。

0012

図2A〜2Cは、ハイブリッドバイオセンサーの一実施形態を示す。

0013

図2Dは、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションを使用してFRET対のメンバーが位置決めされた、本発明のデバイスの実施形態を示す。

0014

図2Eは、ハイブリッドナノポアの一実施形態を示し、固体状態の膜(201)の表面が疎水性層(202)でコーティングされ、そこに脂質層接着している(203)。脂質は、挿入されたポアタンパク質によりギガオーム封止を形成する。

0015

図3A〜3Hは、蛍光標識をポリヌクレオチドの塩基に取着するための、様々な直交連化学の反応図を示す。
図3A〜3Hは、蛍光標識をポリヌクレオチドの塩基に取着するための、様々な直交連結化学の反応図を示す。
図3A〜3Hは、蛍光標識をポリヌクレオチドの塩基に取着するための、様々な直交連結化学の反応図を示す。

実施例

0016

(発明の詳細な説明)
本発明は、様々な修正および代替形態を受け得るが、それらの詳細を図面に例として示しており、これより詳細に記述する。しかし、本発明を、記述される特定の実施形態に限定しようとするものではないことを理解すべきである。それどころか、本発明の精神および範囲内に入る全ての修正例、均等物、および代替例を包含するものである。例えば、本発明の特定のナノポアのタイプおよび数、特定の標識、FRET対、検出スキーム、製作手法は、例示の目的で示される。しかし本開示は、その他のタイプのナノポア、ナノポアのアレイ、およびその他の製作技術を利用して本明細書で論ずるシステムの様々な態様を実現することができるので、この点に限定するものではないことを理解すべきである。本発明の態様に関する指針は、その関連ある部分が参照により本明細書に組み込まれる、例えば、Cao,Nanostructures&Nanomaterials(Imperial College Press,2004);Levinson,Principles of Lithography,Second Edition(SPIEPress,2005);Doering and Nishi, Editors,Handbook of Semiconductor Manufacturing Technology,Second Edition(CRCPress,2007);Sawyer et al,Electrochemistry for Chemists,2nd edition(Wiley Interscience,1995);Bard and Faulkner,Electrochemical Methods:Fundamentals and Applications,2nd edition(Wiley,2000);Lakowicz,Principles of Fluorescence Spectroscopy,3rd edition(Springer,2006);Hermanson,Bioconjugate Techniques,Second Edition(Academic Press,2008);などを含む、当業者に周知の多くの入手可能な参考文献および論文に見出される。

0017

一態様では、本発明は、ポリマー分析物のモノマーを逐次識別するための、ナノポア、蛍光消光、および蛍光シグナル伝達の使用に関する。ポリマー分析物のそのような分析は、単一のポリマー分析物または複数のポリマー分析物に関して、同時に並行して、例えばナノポアのアレイを使用することによって実施されてもよい。一部の実施形態では、標的ポリマーに取着している間に少なくとも3つの状態であることが可能な蛍光標識で、モノマーを標識する:(i)実質的に消光した状態であって、取着された蛍光標識の蛍光が、すぐ隣りに隣接したモノマーの蛍光標識によって消光した状態;例えば、本発明によるポリマーに取着された蛍光標識は、標識されたポリマーが、ポリマーを研究し、操作するための従来の水溶液中で遊離しているとき、実質的に消光している。(ii)立体的に拘束された状態であって、自由溶液の運動または取着された蛍光標識のアライメント破壊されまたは限定されて、蛍光標識から発生する検出可能な蛍光シグナルがほとんどまたは全くなくなるように、標識されたポリマーが、ナノポアを移行している状態。(iii)遷移状態であって、ポリマーがナノポアを移行しながら、蛍光標識がナノポアから出て行くときに(「遷移インターバル」中)、ポリマーに取着された蛍光標識が、立体的に拘束された状態から消光状態に遷移する状態。

0018

一部では、本発明は、遷移インターバル中に、通常は(そうでなければ、実質的に完全に標識され、かつ自己消光されているポリマー上の)蛍光標識が検出可能な蛍光シグナルを発生することが可能であるという発見の適用である。この発見を裏付けるいかなる理論にも限定するものではないが、遷移インターバルの間に発生した蛍光シグナルは、ナノポアから出現する、蛍光標識中の、自由に回転可能な双極子の存在に起因すると考えられ、そのため蛍光標識は、例えば直接励起後に、またはFRETを介して蛍光シグナルを発生させることが一時的に可能になる。立体的拘束された状態ならびに消光状態では、共に、双極子はその回転自由度が限定され、それによって、放出される光子の数が低減しまたは限定される。一部の実施形態では、ポリマーがポリヌクレオチドであり、通常は一本鎖ポリヌクレオチド、例えばDNAまたはRNAであるが、特に一本鎖DNAである。一部の実施形態では、本発明は、ポリヌクレオチドがナノポアを通って移行するときに、取着された蛍光標識が1つずつナノポアから出て行くとき、その蛍光標識により発生したシグナルを記録することによって、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するための方法を含む。出る際に、取着された蛍光標識のそれぞれは、ナノポアにおける拘束状態から、自由溶液中のポリヌクレオチドでの消光状態へと、遷移インターバルの間に遷移する。言い換えれば、一部の実施形態では、本発明の方法のステップは、ナノポアにおける拘束状態から自由溶液中のポリマーでの消光状態へと遷移するときに、各蛍光標識を励起することを含む。上述のように、この遷移インターバルまたは期間の間に、蛍光標識は、それが取着されるヌクレオチドを示す、検出可能な蛍光シグナルを放出することが可能である。

0019

一部の実施形態では、本発明は、ポリマーがナノポアを通って移行する間に、モノマーに取着された蛍光標識を強制的に拘束状態にして、蛍光標識が検出可能な蛍光シグナルを生成することができなくなる(または実質的にできなくなる)ように、蛍光標識およびナノポアを選択することができる、という発見の適用である。一部の実施形態では、ナノポアは、直径が1から4nmの範囲にあるボアまたは管腔を有するように選択され;他の実施形態では、ナノポアは、直径が2から3nmの範囲にあるボアまたは管腔を有するものが選択される。一部の実施形態では、そのようなボアの直径は、タンパク質ナノポアによって提供される。一部の実施形態では、そのようなナノポアは、本発明に従って、蛍光標識を強制的に拘束状態にするために使用され、したがって蛍光標識がナノポアから出るときはいつでも、蛍光シグナルを実質的に発生させることができない状態から、放出を誘発させることができる蛍光シグナルによって検出可能で識別可能な状態へと遷移する。このように、ポリマーのモノマーの配列のそれぞれに取着された蛍光標識は、ナノポアの出口のすぐ隣りに隣接する領域で(「遷移ゾーン」または「遷移容積」)蛍光シグナルを突然発生させるので、逐次検出することができる。一部の実施形態では、有機蛍光色素を、上記直径のナノポアとともに蛍光標識として使用する。一部の実施形態では、少なくとも1つのそのような有機蛍光色素は、キサンタン色素ローダミン色素、およびシアニン色素からなる組から選択される。ポリマーのモノマー配列を決定するための一部の実施形態は、下記のステップ:(a)ナノポアを通ってポリマーを移行させるステップであって、ポリマーのモノマーが蛍光標識で標識され、検出可能なシグナルがその中で実質的に発生しないように、ナノポアがそのボア内の蛍光標識を拘束状態に拘束するステップと;(b)ナノポアから出る際、各モノマーの蛍光標識を励起するステップと;(c)遷移ゾーンにおいて、出て行く蛍光標識によって発生した蛍光シグナルを測定して、蛍光標識が取着されるモノマーを識別するステップと;(d)蛍光シグナルの配列からポリマーのモノマー配列を決定するステップとで実施される。さらなる実施形態では、蛍光標識はFRET対のアクセプターであり、FRET対の1つまたは複数のドナーが、出口からFRET距離内のナノポアに取着される。

0020

一部の実施形態では、上記使用される「実質的に消光した」は、蛍光標識が、同じ条件下であるが隣接した互いに消光する標識なくして発生したシグナルから、少なくとも30パーセント低減した蛍光シグナルを発生させることを意味する。一部の実施形態では、上記使用される「実質的に消光した」は、蛍光標識が、同じ条件下であるが隣接した互いに消光する標識なくして発生したシグナルから、少なくとも50パーセント低減した蛍光シグナルを発生させることを意味する。

0021

一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、4つの個別の反応を実施することによって決定され、これらの反応では、標的ポリヌクレオチドのコピーが、単一蛍光標識で標識された、その4つの異なる種類のヌクレオチド(A、C、G、およびT)のそれぞれを有する。そのような実施形態の変形例では、標的ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、4つの個別の反応を実施することによって決定され、これらの反応では、標的ポリヌクレオチドのコピーが、1つの蛍光標識で標識されたその4つの異なる種類のヌクレオチド(A、C、G、およびT)のそれぞれを有し、それと同時に、同じ標的ポリヌクレオチドのその他のヌクレオチドは第2の蛍光標識で標識される。例えば、第1の蛍光標識が、第1の反応で標的ポリヌクレオチドのAに取着される場合、第2の蛍光標識は、第1の反応において標的ポリヌクレオチドのC、G、およびT(即ち、「非A」ヌクレオチド)に取着される。同様に、この例の続きとして、第2の反応では、第1の標識は、標的ポリヌクレオチドのCに取着され、第2の蛍光標識は、標的ポリヌクレオチドのA、G、およびT(即ち、「非C」ヌクレオチド)に取着される。以下、ヌクレオチドGおよびTについても同様である。

0022

同じ標識付けスキームは、ヌクレオチドのタイプのサブセットに関する従来の専門用語で表すことができ;したがって、上記の例において、第1の反応では、第1の蛍光標識がAに取着され、第2の蛍光標識がBに取着され;第2の反応では、第1の蛍光標識がCに取着され、第2の蛍光標識がDに取着され;第3の反応では、第1の蛍光標識がGに取着され、第2の蛍光標識がHに取着され;第4の反応では、第1の蛍光標識がTに取着され、第2の蛍光標識がVに取着される。

0023

一部の実施形態では、ポリヌクレオチドまたはペプチドなどのポリマーを、単一の種類のモノマーに取着された単一蛍光標識で標識し、例えば、ポリヌクレオチドの全てのT(または実質的に全てのT)が、蛍光標識、例えばシアニン色素で標識される。そのような実施形態では、ポリマーからの蛍光シグナルの収集または配列が、特定のポリマーに関するシグネチャーまたはフィンガープリントを形成し得る。一部のそのような実施形態では、そのようなフィンガープリントは、決定されるべきモノマーの配列に関する十分な情報を提供してもしなくてもよい。

0024

一部の実施形態では、本発明の特徴は、互いに消光する組のメンバーである蛍光色素または標識による、ポリマー分析物の実質的に全てのモノマーの標識付けである。ポリマー分析物の標識付けに関連する「実質的に全ての」という用語の使用は、化学的および酵素標識技法が典型的には100パーセント未満で効率的であることを認めることである。一部の実施形態では、「実質的に全ての」は、全てのモノマーの少なくとも80パーセントに蛍光標識が取着されていることを意味する。他の実施形態では、「実質的に全ての」は、全てのモノマーの少なくとも90パーセントに蛍光標識が取着されていることを意味する。他の実施形態では、「実質的に全ての」は、全てのモノマーの少なくとも95パーセントに蛍光標識が取着されていることを意味する。互いに消光する組の蛍光色素には、以下の性質がある:(i)各メンバーは、全てのメンバーの蛍光を消光し(例えば、FRETによってまたは静止もしくは接触機構によって)、(ii)各メンバーは、励起したとき、および非消光状態にあるときに、明確な蛍光シグナルを発生する。即ち、互いに消光する組が2種の色素、D1およびD2からなる場合、(i)D1は自己消光し(例えば、別のD1分子と接触消光することによって)、またD2によって消光し(例えば、接触消光によって)、(ii)D2は自己消光し(例えば、別のD2分子との接触消光によって)、またD1によって消光する(例えば、接触消光によって)。互いに消光する組に関して蛍光色素または標識を選択するための指針は、参照により本明細書に組み込まれる以下の参考文献に見出すことができる:Johansson、Methodsin Molecular Biology、335巻:17〜29頁(2006年);およびMarrasら、Nucleic Acids Research、30巻:e122(2002年)など。一部の実施形態では、互いに消光する組のメンバーは、芳香環構造などの、相互作用を積み重ねることが可能な成分または部分である有機蛍光色素を含む。例示的な互いに消光する組の蛍光色素または標識は、ローダミン色素、フルオレセイン色素、およびシアニン色素から選択され得る。一実施形態では、互いに消光する組は、ローダミン色素、TAMRA、およびフルオレセイン色素、FAMを含んでいてもよい。別の実施形態では、互いに消光する組の蛍光色素は、Oregon Green 488、Fluorescein−EX、フルオレセインイソチオシアネート、Rhodamine Red−X、LissamineローダミンB、Calcein、Fluorescein、Rhodamine、1つまたは複数のBODIPY色素、Texas Red、Oregon Green 514、および1つまたは複数のAlexa Fluorからなる群から2種またはそれ超の色素を選択することによって形成されてもよい。代表的なBODIPY色素には、BODIPYFL、BODIPY R6G、BODIPYTMR、BODIPY 581/591、BODIPY TR、BODIPY 630/650、およびBODIPY 650/665が含まれる。代表的なAlexa Fluorには、Alexa Fluor 350、405、430、488、500、514、532、546、555、568、594、610、633、635、647、660、680、700、750、および790が含まれる。

0025

上述のように、一部の実施形態では、標的ポリマーのモノマー配列は、標的ポリマーのコピーが互いに、または自己消光する蛍光標識で標識された異なる種類のモノマーをそれぞれ有する、個別の反応を実施することによって決定される(それぞれの種類のモノマーごとに1つ)。他の実施形態では、標的ポリマーのモノマー配列は、標的ポリマーのコピーが、同じ互いに消光する組から選択される、異なる互いに消光する蛍光標識で標識された異なる種類のモノマーのそれぞれを有する、個別の反応を実施することによって決定される(それぞれの種類のモノマーごとに1つ)。互いに消光する組が2種の色素のみを含む実施形態では、選択されたモノマー(即ち、モノマーX)は、第1の相互消光色素で標識され、他の全ての種類のモノマー(即ち、非モノマーX)は、同じ組からの第2の互いに消光する色素で標識される。このように、実施形態のステップは、一連の2つの異なる蛍光シグナル、モノマーXを示すシグナルと、非モノマーXを示す別のシグナルを発生させる。

0026

一部の実施形態では、単一蛍光標識(例えば、多数の種類のモノマーを含むポリマー中の、単一の種類のモノマーに取着された)は、ポリヌクレオチドの隣接するヌクレオチドなど、ポリマー上の隣接するモノマー(同じ種類の)に取着されたときに自己消光するものが使用されてもよい。例示的な自己消光蛍光標識には、Oregon Green 488、フルオレセイン−EX、FITC、Rhodamine Red−X、LissamineローダミンB、カルセイン、フルオレセイン、ローダミン、BODIPYS、およびTexas Redであって、例えばMolecular Probes Handbook、11版(2010年)に開示されたものが含まれるが、これらに限定されない。

0027

一部の実施形態では、蛍光標識は、FRET対のメンバーである。FRET対は一般に、1つまたは複数のFRETドナーおよび1つまたは複数のFRETアクセプターであり、各ドナーは各アクセプターとFRET反応することが可能である。一態様において、上記内容は、FRET対のドナーが、アクセプターの吸収スペクトルに実質的に重なる放出スペクトルを有することを意味する。別の態様では、ドナーおよびアクセプターの遷移双極子は、効率的なエネルギー伝達が可能になるように整列されなければならない。一部の態様において、本発明は部分的には、ナノポアの蛍光、特にFRET抑制特性の発見および理解と、この特性を、ナノポアを通って移行するする標識ポリマーの検出が可能になるように適用することに基づく。ナノポアは、ナノポアを通って移行する間にFRET対標識がFRET相互作用に関与するよう配向することができないように寸法決めされた、ボアを持つものが選択されてもよいと考えられるが、本発明はそれによって限定されるものではない。ナノポアのボアにおけるポリヌクレオチドの標識の双極子は、ナノポアの限定された直径に基づいてそれらの回転自由度が拘束される。ナノポアに取着された対応するFRET対のアライメントとの双極子のアライメントのこの低減は、FRET効率を劇的に限定する。標識されたポリヌクレオチドは、ポリマー(例えば、ポリヌクレオチド)上のFRETアクセプターまたはドナーが回転自由度を再び得てFRET事象が可能になる点で、ナノポアから出た後に、FRET相互作用に関与することができる。

0028

本発明は、分析物が例えばドナーで標識されていようとアクセプターで標識されていようと、検出される分析物のタイプ、採用されるドナーおよびアクセプターのタイプ、ナノポア、ドナー、およびアクセプターの物理的配置構成などに応じて、広範な実施形態を有していてもよい。一部の実施形態では、本発明により測定される分析物は、アクセプター標識ポリマーであり、特にアクセプター標識ポリヌクレオチドである。後者の実施形態の1つの種において、ポリヌクレオチド分析物の異なるヌクレオチドを、1つまたは複数の異なる種類のアクセプターで標識し、したがってポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、ナノポアを通って移行するときに発生したFRETシグナルを測定することから決定されてもよい。別の実施形態では、本発明により測定される分析物は、ドナー標識ポリマー、特にドナー標識ポリヌクレオチドである。ポリヌクレオチドの配列は、ナノポアを通って移行するときのFRETシグナルを測定することから決定されてもよい。本発明のさらに別の実施形態では、ポリヌクレオチド分析物の4種のヌクレオチドの少なくとも1つを、FRET対のメンバーで標識する。ポリヌクレオチド中の標識ヌクレオチドの位置は、標識ナノポアを通って標識ポリヌクレオチドを移行させ、FRET事象を測定することによって決定される。同じポリヌクレオチド試料の残りのヌクレオチドを標識し、その後、標識ナノポアを通って前記試料を移行させることによって、ポリヌクレオチドのサブ配列が生成される。そのようなサブ配列を整列させて、ポリヌクレオチドの完全配列を得ることができる。

0029

本発明の上記態様および実施形態のいくつかを、図1A図式的に示す。ポリヌクレオチドなどのポリマー分析物(1000)を、例えば電気泳動によってナノポア(1002)内に推進させ、このナノポアは、ポリマー(1000)の配座を拘束して、そのモノマー単位がそれらのポリマー中の一次配列と同じ順序でナノポアを通って移行する。図1Aに示される実施形態では、蛍光標識はFRET対のメンバーであると仮定するが、これは本発明を限定しようとするものではなく;蛍光標識は、蛍光シグナルを発生させるため、例えば適切な波長で放出されるレーザーで直接励起される蛍光標識を含んでいてもよい。

0030

上述のように、アクセプター標識モノマー単位がナノポア(1002)のボア内にあるときはいつでも、アクセプターが拘束状態(1014)にあるので、そのFRET対のそのようなアクセプターとドナーとの間のFRET相互作用が抑制される。そのような抑制は、例えば、アクセプターおよびドナー双極子の好ましくない配向に起因して、または接触消光、もしくは同様のメカニズムに起因して、そのようなアクセプターがドナーからFRET距離内にある場合であっても、検出可能なFRETシグナルが生成されないことを、典型的には意味する。一方、アクセプター標識モノマー単位がナノポアのボアから出現し、またはナノポアから出て遷移ゾーン(1008)に入ると、FRET相互作用(1010)が生じ、FRET放出(1016)が生成され、アクセプターが隣接するアクセプターによって自己消光状態(1011)に入り、そしてアクセプターとドナーとの間の距離がFRET相互作用の距離からのポリマー(1000)の移動と共に増大するときまで、検出器(1018)によって検出される。シグナル(1022)は、遷移ゾーン(1008)を通って移動するときに単一アクセプターによって生成される。ナノポア(1002)の出口(1015)のすぐ隣りに隣接する空間領域である遷移ゾーン(1008)は、ポリマー(1000)がナノポア(1002)を通過する速度、蛍光標識の振動および回転移動度、蛍光標識の物理化学的性質などを含むいくつかの要因によって画定される。一部の実施形態では、遷移ゾーン(1008)は、ナノポア(1002)の出口(1015)と、出て行く蛍光標識が隣接する蛍光標識と消光構成を持つようになる点との間の直交距離(1017)によって、画定されてもよい。一部の実施形態では、遷移ゾーン(1008)は、その対応する遷移インターバル、または蛍光標識が距離(1017)を移動するのに要する時間によって、画定されてもよい。一部の実施形態では、遷移距離(1017)は、20から50オングストロームの範囲にあり;他の実施形態では、遷移距離は20から40オングストロームの範囲にある。一部の実施形態では、対応する遷移インターバルは0.2から2.0ミリ秒の範囲にあり;さらに他の実施形態では、遷移インターバルは0.2から1.0ミリ秒の範囲にある。図1Aにおいて、ベタ塗りの円(1004)として示されるただ1つのタイプのモノマー単位は、第1の蛍光標識(「a」と示される)を保持し;まだらの円(1006)として示されるモノマー単位の残りは、第2の蛍光標識(「b」と示される)を保持する。この実施形態において、第1の蛍光標識は、隣接する第1の蛍光標識および隣接する第2の蛍光標識を消光し;同様に、第2の蛍光標識は、隣接する第1の蛍光標識および隣接する第2の蛍光標識を消光し;さらに、第1および第2の蛍光標識は、互いに区別可能なFRETシグナル、例えば図1Aの標識「a」に関して記録されたシグナル(1022)と標識「b」に関して記録されたシグナル(1023)とを発生させ、したがって各蛍光標識(したがって、モノマー)は、検出器(1018)によって検出されたシグナルにより識別され得る。

0031

図1Bに示されるように、検出器(1018)によって連続シグナル(1022)または(1023)が解像される程度は、少なくとも部分的には、ポリマー(1000)の移行速度に依存する。図1B曲線Aおよび曲線Bは、異なる自動消光条件下、Forresterの方程式に基づく蛍光シグナル発生のシミュレーションの結果を示す。示されるように、両方の条件下で、容易に識別可能なシグナルが発生する。図1Cでは、シグナルピーク(1033)を示す他のシミュレーションを、ナノポアを通って移行した、蛍光標識された一本鎖DNA分析物として発生させた実際のデータ(1035)と比較する。データ(1035)を発生させるのに使用した一本鎖DNAは、200ntの長さであり、各シトシンを、蛍光標識された対応物交換した。標識されたDNAを、印加電位300mVで連続的に励起させたハイブリッドナノポアを通って移行させ、FRET事象を、2kHzの獲得速度で動作するcmosカメラを使用して捕捉した。標識されたDNAの3’末端で、3つの連続シトシンの短いホモポリマーストレッチは、3つのシトシンのそれぞれに関して明確に区別可能なピークを持つ、高い基底蛍光を示す。モデル化されたデータと同様に、図1Cの挿入図における蛍光軌跡は、ホモポリマーストレッチの各メンバーに関する、高い基底蛍光と個々のピークとを示す。標識されたDNAの配列は、下記の通りである(配列番号1):

0032

一部の実施形態では、ナノポアは、より完全に以下に記述されるように、固相膜のポアに挿入されたタンパク質ナノポアを含むハイブリッドナノポアである。ハイブリッドナノポアでは、FRET対の第1のメンバーは、「クリックケミストリー、例えばKolbら、Angew.Chem.Int.Ed.、4巻):2004〜2021頁(2001年)などの、従来の連結化学を使用して、タンパク質ナノポアに直接取着されていてもよく、あるいは、固相膜に直接取着されていてもよい。一実施形態では、FRET対の第1のメンバーは、例えば図2Dを参照して論じられるように、タンパク質ナノポアに直接または間接的に取着される。別の実施形態では、FRET対の第1のメンバーは、ドナーおよび量子ドットである。量子ドットは、典型的にはアクセプター、特に、典型的には200から2000ダルトンの範囲の分子量を有する有機色素であるアクセプターよりも非常に大きい。
ナノポアおよびナノポア配列決定

0033

本発明と共に使用されるナノポアは、固体状態のナノポア、タンパク質ナノポア、またはハイブリッドナノポアであって、タンパク質ナノポアまたは有機ナノチューブ、例えばカーボンナノチューブを含み、固体状態の膜または同様のフレームワーク内に構成されたものであってもよい。ナノポアの重要な特色には、(i)分析物、特にポリマー分析物を拘束して、検出ゾーン内を順に通らせること、または言い換えれば、モノマーを1つずつまたは1列縦隊で検出ゾーンに通るようにすること、(ii)移行手段との適合性、即ち、分析物をナノポア内へと推進させるのに電場などのどのような方法を使用するにしても適合性があること、および(iii)例えば接触消光などによるナノポアの管腔またはボア内での蛍光シグナルの抑制が含まれる。本発明の方法およびデバイスと合わせて使用されるナノポアは、単独でまたはアレイの形で使用されてもよく、規則的なアレイ、例えば平面状の支持体もしくは膜内の複数のナノポアの直線的なアレイ、またはランダムアレイ、例えば平面状の支持体もしくは膜内でPoisson分布に従い複数のナノポアが間隔を空けて配置されている形で使用されてもよい。

0034

ナノポアは、窒化ケイ素(Si3N4)および二酸化ケイ素(SiO2)などを含むがこれらに限定されない様々な材料において製作されてもよい。DNA配列決定などの分析の適用例に関するナノポアの製作および動作は、参照により組み込まれる以下の例示的な参考文献に開示されている:Russell,米国特許第6,528,258号;Feier,米国特許4,161,690号;Ling,米国特許第7,678,562号;Hu et al,米国特許第7,397,232号;Golovchenko et al,米国特許第6,464,842号;Chu et al,米国特許第5,798,042号;Sauer et al,米国特許第7,001,792号;Su et al,米国特許第7,744,816号;Church et al,米国特許第5,795,782号;Bayley et al,米国特許第6,426,231号;Akeson et al,米国特許第7,189,503号;Bayley et al,米国特許第6,916,665号;Akeson et al,米国特許第6,267,872号;Meller et al,米国特許公開第2009/0029477号;Howorka et al,国際特許公開WO2009/007743;Brown et al,国際特許公開WO2011/067559;Meller et al,国際特許公開WO2009/020682;Polonsky et al,国際特許公開WO2008/092760;Van der Zaag et al,国際特許公開WO2010/007537;Yan et al,Nano Letters,5(6):1129−1134(2005);Iqbal et al,NatureNanotechnology,2:243−248(2007);Wanunu et al,Nano Letters,7(6):1580−1585(2007);Dekker, Nature Nanotechnology,2:209−215(2007);Storm et al,Nature Materials,2:537−540(2003);Wu et al,Electrophoresis,29(13):2754−2759(2008);Nakane et al,Electrophoresis,23:2592−2601(2002);Zhe et al,J.Micromech.Microeng.,17:304−313(2007);Henriquez et al,The Analyst,129:478−482(2004);Jagtiani et al,J.Micromech.Microeng.,16:1530−1539(2006);Nakane et al,J.Phys.Condens.Matter,15 R1365−R1393(2003);DeBlois et al,Rev.Sci.Instruments,41(7):909−916(1970);Clarke et al,Nature Nanotechnology,4(4):265−270(2009);Bayley et al,米国特許公開第2003/0215881号;など。

0035

簡単に言うと、一態様では、1〜50nmのチャネル基材、通常は膜を通って形成され、一本鎖DNAなどの分析物がそこを通って移行するように誘発される。ナノポアを生成する固体状態の手法は、堅牢耐久性を提供すると同時にナノポアのサイズおよび形状を調整する能力ウェハー規模でナノポアの高密度アレイを製作する能力、脂質ベースの系に比べて優れた機械的、化学的および熱的特性、ならびに電子または光学的読出し技法と一体化する可能性を提供する。一方、生物学的ナノポアは、再現性のある狭いボアまたは管腔、特に1〜10ナノメートルの範囲にあるもの、ならびに従来のタンパク質を設計製作する方法によって、ナノポアの物理的および/または化学的性質を調整するための、かつFRETドナーまたはアクセプターであってもよい蛍光標識などの基または要素を直接または間接的に取着するための技法を提供する。タンパク質ナノポアは、典型的には、機械的支持体に関する繊細な脂質二重層に依拠し、精密な寸法を持つ固体状態のナノポアの製作は、依然として難しいままである。固体状態のナノポアと生物学的ナノポアとの組合せによって、これらの欠点のいくつかが克服され、特に生物学的ポアタンパク質の精密さと固体状態のナノポアの安定性とが組み合わされる。光学的読出し技法では、ハイブリッドナノポアが、ナノポアの精密な場所を提供し、このことがデータ獲得を大幅に単純化する。脂質二重層に挿入されたナノポアタンパク質の側方拡散は、光学的検出を難しくする。ハイブリッドナノポアの生物学的部分(即ち、タンパク質ナノポア部分)は、脂質二重層への挿入に依拠しないので、そのようなタンパク質にする修飾の自由度は大幅に増大し、例えば、脂質二重層に自発的に挿入されない遺伝子組換えされたナノポアタンパク質は、ハイブリッドナノポアのタンパク質成分として依然として使用され得る。また、量子ドットなどの二重層不安定化剤も、ハイブリッドナノポアのタンパク質成分を標識するのに使用され得る。

0036

一実施形態では、本発明は、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するなどの、1つまたは複数のポリマー分析物を分析するための方法を対象とし、以下のステップ:(a)モノマーの配列を含むポリマー分析物を、ボアおよび出口を有するナノポアを通って移行させるステップであって、隣接するモノマーの蛍光標識が、ナノポアの外側では互いに自己消光することによって消光状態にあるように、実質的に各モノマーが蛍光標識で標識され、かつ蛍光標識が、ナノポアの内側では立体拘束状態にあり検出可能な蛍光シグナルを発生させることが不可能であるステップと;(b)蛍光標識が取着されるモノマーを示す蛍光シグナルが発生するように、立体的に拘束された状態から消光状態に遷移するときに、ナノポアの出口で、各蛍光標識を励起するステップと;(c)蛍光シグナルを検出してモノマーを識別するステップとを含む。本明細書で使用されるように、「実質的にあらゆる」、「実質的に全ての」、または同様の用語は、モノマー、特にヌクレオチドを標識することについて言及する場合、化学的標識手順は、あらゆるモノマーの完全な標識をもたらさなくてもよいと理解され;実施可能な程度まで、これらの用語は、本発明に関連した標識反応が終了するまで継続されると理解され;一部の実施形態では、そのような完全な標識反応は、モノマーの少なくとも50パーセントを標識することを含み;他の実施形態では、そのような標識反応は、モノマーの少なくとも80パーセントを標識することを含み;他の実施形態では、そのような標識反応は、モノマーの少なくとも95パーセントを標識することを含み;他の実施形態では、そのような標識反応は、モノマーの少なくとも99パーセントを標識することを含む。

0037

別の実施形態では、本発明は、1つまたは複数のポリマー分析物を分析するための方法であって、以下のステップ:(a)隣接するモノマーの蛍光標識が消光状態にあるように、蛍光標識を、1つまたは複数のポリマー分析物の実質的にあらゆるモノマーに取着するステップと、(b)各ポリマー分析物のモノマーが1列縦隊でナノポアを横断するように、ナノポアを通ってポリマー分析物を移行させるステップであって、各ナノポアがボアおよび出口を有し、ボアの内部でそこから蛍光標識から蛍光シグナルが発生しないように、ボアが蛍光標識を拘束状態に立体的に拘束するステップと;(c)各蛍光標識が立体的に拘束された状態から消光状態に遷移するときに、ナノポアの出口で、各蛍光標識を遷移インターバルの間に励起し、それによって、蛍光標識が取着されるモノマーを示す蛍光シグナルを発生させるステップと;(c)蛍光シグナルを検出してモノマーを識別するステップとを含む方法を対象とする。

0038

別の実施形態では、本発明は、1つまたは複数の標識されたポリマー分析物を分析するためのデバイス、例えば1つまたは複数の標識されたポリヌクレオチド分析物のヌクレオチド配列を決定するためのデバイスを対象とし、そのようなデバイスは、以下の要素:(a)第1のチャンバーと第2のチャンバーとを分離する固相膜であって、第1のチャンバーと第2のチャンバーとをボアまたは管腔を通して流体接続する少なくとも1つのナノポアを有し、ボアまたは管腔は、そこを通って移行する標識されたポリマーの標識が立体的に拘束されて、検出可能なシグナルが発生しないように、かつ標識されたポリマーの隣接するモノマーの標識が自己消光するような断面寸法を有する固相膜と;(b)標識が取着されるモノマーを示すシグナルが発生するように、ナノポアから出て行き第2のチャンバーに進入するときに各標識を励起するための励起源と;(c)各励起標識によって発生したシグナルの少なくとも一部を収集するための検出器と;(d)収集されたシグナルによって、励起した標識が取着されるモノマーを識別することを含む。

0039

別の実施形態では、本発明は、互いに消光する色素の組で実質的に全て標識されたモノマーを含むポリマーを含むポリマーを分析するためのシステム、およびポリマーに取着された互いに消光する色素の組の色素から光学的シグナルを順次検出するためのナノポアデバイスを対象とする。ポリヌクレオチドの配列を決定するためのそのような実施形態は、以下の要素:(a)第1のチャンバーと第2のチャンバーとを分離する固相膜であって、第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続する少なくとも1つのアパーチャーを有し、かつ少なくとも1つの表面に疎水性コーティングを有する固相膜と;(b)疎水性コーティング上に配置された脂質層と;(c)アパーチャー内に固定化されたタンパク質ナノポアであって、出口を備えたボアを有し、脂質層と相互作用してアパーチャー内で固相膜と封止を形成することによりタンパク質ナノポアのボアを通してのみ第1のチャンバーと第2のチャンバーとの間に流体連通が生じ、ポリヌクレオチドのヌクレオチドが順次ボアの出口を通るように、かつポリヌクレオチドに取着された蛍光標識が立体的に拘束されてその内部での蛍光シグナルの発生が阻止されまたは防止されるような断面寸法のタンパク質ナノポアと;(d)固相膜またはタンパク質ナノポアに取着されたFRET対の第1のメンバーであって、ポリヌクレオチドのヌクレオチドがボアから出現するときにはいつでも、複数のヌクレオチドがFRET対の第1のメンバーからFRET距離内にある第1のメンバーとを含んでいてもよい。一部の実施形態では、FRET対の第1のメンバーは、FRETドナーとして機能する量子ドットである。

0040

一部の実施形態では、疎水性コーティングは、脂質層が安定して接着するように固相膜の表面がそれ自体十分に疎水性であるという点で任意選択である。少なくとも1つのアパーチャーは、固相膜の表面に接続された、または隣接した内面または壁を有し得る。一部の実施形態では、少なくとも1つのアパーチャーは複数のアパーチャーであり得る、複数のアパーチャーは、アパーチャーの直線的なアレイなどの規則的なアレイとして配置構成されてもよく、それらの間隔は、部分的には用いられるFRET対の数および種類ならびに使用される光学検出システムに依存する。アパーチャーのそれぞれは、一部の実施形態では、タンパク質ナノポアが実質的にその内部に固定化されるような直径を有する。一部の実施形態では、実質的に固定化されるとは、タンパク質ナノポアが、アパーチャーの壁に対して固相膜の平面内でせいぜい5nm移動し得ることを意味する。別の実施形態では、実質的に固定化されるとは、タンパク質ナノポアが、アパーチャーの壁に対して固相膜の平面内で5nmを超えて移動しないかも知れないことを意味する。タンパク質ナノポアはそれぞれ、タンパク質ナノポアがアパーチャー内に固定化されたときに第1および第2のチャンバー間の流体連通を可能にする、ボア、または通路、または管腔を有する。一般に、ボアはアパーチャーと同軸に並べられている。疎水性層の一機能は、少なくとも1つのアパーチャーの内部および/またはすぐ隣りに隣接して脂質を保持するための表面を設けることである。そのような脂質は、次いで、機能的配座で、かつアパーチャーの壁と流体封止を形成するように、アパーチャー内でのタンパク質ナノポアの配置および固定化を可能にする。一部の実施形態では、そのような封止はまた、タンパク質ナノポアの周りで、第1および第2のチャンバー間を通過する電流を防ぐ。一部の実施形態では、帯電した分析物が、第1のチャンバー内で電解質溶液中に配置され、固相膜を横断する電場を確立することによって、第2のチャンバー内の電解質溶液中へタンパク質ナノポア(複数可)のボア(複数可)を通って移行する。製造の便宜上、一部の実施形態では、疎水性コーティングは、固相膜のおよびアパーチャー(複数可)の壁(複数可)の1つの表面に存在し得る。

0041

本発明のデバイスの一部の実施形態では、固相膜中の少なくとも1つのナノポアは、複数のナノポアまたはナノポアアレイであり;一部の実施形態では、そのようなナノポアは、固相膜中に間隔を空けて規則的に配置されて、それらのボアが固相膜の平面に直交して配向されている。一部の実施形態では、ナノポアは、固相膜中で直線的なパターンで間隔を空けて配置され;他の実施形態では、ナノポアは、固相膜中でランダムなパターンで間隔を空けて配置され;一部の実施形態では、そのようなランダムなパターンはPoisson分布される。一部の実施形態では、ナノポアは、固相膜中で規則的に間隔を空けて配置されるが、その最小ナノポア間距離は少なくとも10nmであり;他の実施形態では、そのような最小ナノポア間距離は50nmであり;他の実施形態では、そのような最小ナノポア間距離は100nmであり;他の実施形態では、そのような最小ナノポア間距離は200nmであり;他の実施形態では、そのような最小ナノポア間距離は500nmである。

0042

一部の実施形態では、本発明の方法およびデバイスは、SiN膜などの固相膜を含み、それを通るアパーチャーのアレイを有して、第1のチャンバーと第2のチャンバー(場合によっては、「シスチャンバー」および「トランスチャンバー」とも呼ぶ)との間に連通を設け、第2のまたはトランスチャンバーに面する表面に脂質二重層を支持する。一部の実施形態では、そのような固相膜内のアパーチャーの直径は、10から200nmの範囲または20から100nmの範囲にあってもよい。一部の実施形態では、そのような固相膜は、そのような二重層がトランスチャンバーに面する表面のアパーチャーに跨る領域で、脂質二重層に挿入されたタンパク質ナノポアをさらに含む。一部の実施形態では、そのようなタンパク質ナノポアは、本明細書に記述される技法を使用して、固相膜のシス側から挿入される。一部の実施形態では、そのようなタンパク質ナノポアは、軸に沿ってバレルまたはボアを含み、かつ一端に「キャップ」構造を有し他端に「ステム」構造をするという点で(Songら、Science、274巻:1859〜1866頁(1996年)からの専門用語を使用する)、α−溶血素と同一のまたは類似の構造を有する。そのようなタンパク質ナノポアを使用する一部の実施形態では、脂質二重層への挿入は、そのキャップ構造がシスチャンバーに向けて露出し、かつそのステム構造がトランスチャンバーに向けて露出するように配向するタンパク質ナノポアをもたらす。

0043

一部の実施形態では、本発明の方法およびデバイスは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Bayleyら、米国特許公開第2014/0356289号;Huangら、Nature Nanotechnology、10.1038/nnano.2015.189.[Epub ahead of print];または同様の参考文献に開示されるように、単一の液滴または液滴のアレイのいずれかとして液滴界面二重層を含む。簡単に言うと、タンパク質ナノポア(1.2nM)を、200〜350nlの液滴(例えば、1.32M KCl、8.8mMHEES、0.4mMEDTA、pH7.0(αHL)、または8.0(MspA))中に置き、例えばヘキサデカン中3mMの1,2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンDPhPC)中でインキュベートして、脂質単層コーティングを形成する。次いで液滴をピペット分取して測定チャンバー内カバーガラス上に移し、これにより分析物を移動させるための電圧印加および例えばTIRFによる光学検出が可能になる。カバーガラスに、アガロース(0.66M CaCl2、8.8mM HEPES、pH7.0(αHL)/8.0(MspA))の薄層(約200nm)をスピンコート(3,000r.p.m、30秒)し、その後、ヘキサデカン中3mMのDPhPCと共にインキュベートしてもよい。アガロース上の単層に接触すると、脂質でコーティングされた液滴は自発的に液滴界面二重層を形成する。接地電極(Ag/AgCl)を、対応する活性電極(Ag/AgCl)が基材アガロース中にある状態で、液滴中に挿入してもよい。電圧プロトコールを、パッチクランプ増幅器(例えば、Axopatch 200B、Molecular Devices)で適用してもよい。液滴中に存在するナノポアは、液滴界面二重層に自発的に挿入され、イオン束が、電気的にもおよび/または光学的にも検出され得る(例えば、Fluo−8などのイオン感受性色素を用いて)。

0044

一部の実施形態では、固相膜は、参照により本明細書に組み込まれる、例えばHuberら、米国特許公開第2013/0203050号に記載されるように、その自動蛍光を退色させるために低エネルギーイオンビームで処理されてもよい。

0045

図2A〜2Cは、ハイブリッドバイオセンサーの図である。ナノメートルサイズホール(102)を、2つのチャンバーまたは区画シス(101)およびトランス(107)を分離する固体状態の基材または固相膜(103)に開ける。一本鎖DNAなどの帯電したポリマー(105)に取着されたタンパク質バイオセンサー(例えば、タンパク質ナノポア)(104)を、電気泳動輸送によって固体状態のナノホールに埋め込む。図1Cでは、タンパク質バイオセンサーが挿入される。ナノメートルサイズのホールでは、その表面が疎水性コーティング(106)およびそこに取着された脂質層(109)を有する。ナノポアは、2つの側またはオリフィスを有していてもよい。一方の側を「シス」側と呼び、(−)負電極または負に帯電した緩衝/イオン区画もしくは溶液に面する。他方の側を「トランス」側と呼び、(+)電極または正に帯電した緩衝/イオン区画もしくは溶液に面する。標識された核酸分子またはポリマーなどの生物学的ポリマーは、ナノポアを通して印加された電場によって、ポアを通して引っ張られるか、または推進されることができ、例えば、ナノポアのシス側に進入してナノポアのトランス側に出て行くことができる。

0046

図2Dは、固体状態の膜(103)に開けられたアパーチャーに挿入されたタンパク質ナノポア(104)を示す。タンパク質ナノポア(104)にはオリゴヌクレオチド(108)が取着され、そこに、相補的二次オリゴヌクレオチド(111)がハイブリダイズされている。前記二次オリゴヌクレオチド(111)は、そこに取着されたFRET対(110)の1つまたは複数の第2のメンバーを有する。あるいは、FRET対の膜は、タンパク質ナノポアのアミノ酸に直接取着されてもよい。例えば、溶血素サブユニットは、ナノポアの出口に隣接して適切に位置付けられたアミノ酸、例えばトレオニン129をシステイン置換して、従来の遺伝子工学技法によって修飾されていてもよい。オリゴヌクレオチドまたはFRET対のメンバーは、従来のリンカー化学、例えばHermanson(前掲)を使用して、システインのチオ基を介して取着されてもよい。

0047

一部の実施形態では、本発明は、特にポリヌクレオチドの光学ベースのナノポア配列決定をするために、ハイブリッドナノポアを用いる。そのような実施形態は、固体状態のオリフィスまたはアパーチャーを含み、その中に、タンパク質ナノポアなどのタンパク質バイオセンサーを安定して挿入する。タンパク質ナノポア(例えば、アルファ溶血素)は、帯電したポリマー(例えば、二本鎖DNA)に取着されてもよく、印加電場において抵抗力としての役割をし、タンパク質ナノポアを固体状態の膜のアパーチャー内に案内するのに使用されてもよい。一部の実施形態では、固体状態の基材におけるアパーチャーは、タンパク質よりも僅かに小さくなるように選択され、これによってタンパク質がアパーチャーを移行するのを妨げる。代わりに、タンパク質は、固体状態のオリフィスに埋め込まれることになる。固体状態の基材は、表面に活性部位を発生させるように修飾することができ、差込み式タンパク質バイオセンサーの共有結合による取着が可能になって、安定したハイブリッドバイオセンサーが得られる。

0048

バイオセンサーにおけるポリマー取着部位は、タンパク質工学によって発生させることができ、例えば、ポリマーの特異的結合を可能にする変異タンパク質構築することができる。例として、システイン残基を、タンパク質の所望の位置で挿入してもよい。システインは、天然に存在するアミノ酸と置き換えることができ、または付加アミノ酸として組み込むことができる。タンパク質の生物学的機能を破壊しないように、注意を払わなければならない。次いでポリマー(即ち、DNA)の末端一次アミン基を、ヘテロ二官能性架橋剤(例えば、SMCC)を使用して活性化させる。その後、活性化ポリマーを、タンパク質バイオセンサーのシスイテイン残基に共有結合によって取着する。一部の実施形態では、バイオセンサーへのポリマーの取着は、可逆的である。切断可能な架橋剤を実現することにより、容易に破断可能な化学結合(例えば、S−S結合)が導入され、帯電したポリマーは、バイオセンサーを固体状態のアパーチャーに挿入した後に除去してもよい。

0049

当業者には、帯電したポリマーとタンパク質バイオセンサーとの、共有結合または非共有結合による取着方法に関する広く様々な異なる手法が可能であり、上述の手法は単なる例としての役割をすることが、明らかである。当業者には、一本鎖または二本鎖DNA、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドンPVP)、ポリ−L−リシン、直鎖状多糖などを含むがこれらに限定されない、様々な異なるポリマーを、抵抗力として使用してもよいことも、理解されよう。これらのポリマーは、所与のpHで負(−)または正(+)電荷のいずれかを示し得ること、および電場の極性は、ポリマー−バイオセンサー複合体を固体状態のアパーチャーに引き込むのに応じて調節し得ることも明らかである。

0050

一部の実施形態では、ドナーフルオロフォアをタンパク質ナノポアに取着する。次いでこの複合体を、タンパク質ナノポアが固体状態のナノホールに輸送されてハイブリッドナノポアを形成するまで、固体状態のナノホールの両端間に電場を印加することによって、固体状態のアパーチャーまたはナノホール(例えば、直径3〜10nm)に挿入する。ハイブリッドナノポアの形成は、(a)固体状態のナノホールの部分遮断に基づく電流の降下を引き起こす、挿入タンパク質ナノポアによって、および(b)ドナーフルオロフォアの光学検出によって検証することができる。

0051

安定なハイブリッドナノポアが形成されたら、一本鎖の蛍光標識された(またはアクセプターで標識された)DNAを、シスチャンバー((+)電極を持つチャンバー)に添加する。印加電場によって、負に帯電したssDNAは、ハイブリッドナノポアを強制的に移行し、その最中に、標識されたヌクレオチドはドナーフルオロフォアに近接した状態になる。

0052

固体状態または合成によるナノポアは、上記引用した参考文献に例示されるような様々な方法で調製され得る。一部の実施形態では、例えば参照により本明細書に組み込まれるYangら、Nanotechnolgy、22巻:285310頁(2011年)に開示されるように、ヘリウムイオン顕微鏡を使用して様々な材料に合成ナノポアを開けてもよい。自立型膜に加工された薄膜材料、例えば窒化ケイ素の1つまたは複数の領域を支持するチップを、ヘリウムイオン顕微鏡(HIM)チャンバーに導入する。顕微鏡を低倍率に設定しながら、HIMモーター制御を使用して自立型膜をイオンビーム経路に導く。焦点および非点補正を含むビームパラメーターを、自立型膜に隣接するが固体基材上にある領域で調節する。パラメーターを適正に固定したら、自立型膜領域がイオンビームスキャン領域の中心になるようにかつビームブランクされるように、チップ位置を移動させる。HIMの視野を、予想されるナノポアパターン全体を含有するのに十分な、かつ将来の光学読出しに役立てるのに十分な(即ち、光学倍率、カメラ解像度などに依存する)寸法(単位μm)に設定する。次いでイオンビームを、画素ドウェル時間全視野を通して1回ラスター処理し、その結果、膜自動蛍光の全てまたはほとんどを除去するのに十分な全イオン線量が得られる。次いで視野を、適正な値(上記にて使用された場合よりも小さい)に設定して、単一ナノポアまたはナノポアのアレイのいずれかの、リソグラフィーにより画定されたミリングを行う。パターンの画素ドウェル時間は、試料加工前に較正試料の使用を通して決定された、1つまたは複数の所定の直径のナノポアをもたらすように設定する。この全プロセスを、単一チップ上でそれぞれ所望の領域で、および/またはHIMチャンバーに導入された各チップごとに、繰り返す。

0053

一部の実施形態では、固体状態の基材を修飾して、その表面に活性部位を発生させることにより差込み式タンパク質バイオセンサーの共有結合による取着を可能にしてもよく、または所与の適用例に関してより適切になるように表面特性を修飾してもよい。そのような修飾は、共有結合または非共有結合の性質のものであってもよい。共有結合による表面修飾は、オルガノシラン化合物固体表面のシラノール基に結合させるシラン化ステップを含む。例えば、アルコキシシランアルコキシ基は、加水分解してシラノール含有種を形成する。これらのシランの反応は、4つのステップを伴う。最初に、不安定な基の加水分解が起こる。オリゴマーへの縮合が続く。次いでオリゴマーを、基材のヒドロキシル基水素結合する。最後に、乾燥または硬化中に、水の損失を伴いつつ、共有結合による基材との連結を形成する。共有結合による取着では、活性側基を持つオルガノシランを用いてもよい。そのような側基は、いくつか挙げると、エポキシ側鎖、アルデヒドイソシアネートイソチオシアネートアジド、またはアルキンクリックケミストリー)からなるが、これらに限定されない。当業者には、タンパク質を表面に共有結合により取着する多数の方法が可能であることは、明らかである。例えば、オルガノシラン上のある特定の側基は、タンパク質を結合可能にする前に、活性化させる必要があると考えられる(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルで活性化された第1級アミンまたはカルボキシル側基)。タンパク質を固体表面に取着する別の方法は、タンパク質に取着された1つの親和性パートナーと、固体表面に位置付けられた第2の親和性パートナーとを有することにより、親和性結合を通して実現されてもよい。そのような親和性の対は、ビオチンストレプトアビジン抗原−抗体、およびアプタマー、および対応する標的分子の群からなるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、固体状態のナノポアの表面修飾は、表面を疎水性にするオルガノシランによる処理を含む。そのようなオルガノシランには、アルカンシラン(例えば、オクタデシルジメチルクロロシラン)、または修飾されたアルカンシラン、例えばアルカン鎖長が5から30個の炭素であるフッ素化アルカンシランが含まれるが、これらに限定されない。次いで疎水性表面を、脂質をペンタンに溶かした希薄溶液で処理する。溶媒を乾燥し、表面を水溶液に浸漬した後、脂質は表面に自発的に層を形成することになる。固体表面の脂質の層は、ハイブリッドナノポアの形成に有益であることを証明することができる。固相上の脂質層は、タンパク質と固体状態のナノポアとの間の漏れ電流を低減させることができ、挿入されるタンパク質ポアの安定性を増大させることができる。低キャパシタンス固体基材ならびに前記基材の脂質コーティングの組合せは、ハイブリッドナノポア系を、DNAがハイブリッドナノポアを通って移行することによって発生する電流変動に基づいて電気読出し可能にすることができる。そのような系で電気読出しを実現するには、非修飾DNAの移行速度を低下させる手段を、脂質コーティングされたハイブリッドナノポアと組み合わせなければならない。ポリメラーゼまたはヘリカーゼなどの分子モーターを、ハイブリッドナノポアと組み合わせ、ハイブリッドナノポアを通したDNAの移行速度を効果的に低減させてもよい。表面をコーティングするのに使用される脂質は、スフィンゴ脂質リン脂質、またはステロールの群からである。生物学的ポリマーまたは分子(例えば、核酸)を配列決定するための方法および/またはシステムは、ポアまたはナノポアに取着される1つまたは複数のドナー標識を励起させることを含んでいてもよい。生物学的ポリマーは、ポアまたはナノポアを通って移行してもよく、この場合、生物学的ポリマーのモノマーは、1つまたは複数のアクセプター標識で標識されている。エネルギーは、標識されたモノマーが通った後、ポアまたはナノポアから出て行きまたは進入するときに、励起したドナー標識からモノマーのアクセプター標識に伝達されてもよい。エネルギー伝達の結果、アクセプター標識により放出されたエネルギーを、検出することができ、このアクセプター標識により放出されたエネルギーは、生物学的ポリマーの単一または特定のモノマー(例えば、ヌクレオチド)に対応しまたは関連付けられていてもよい。次いで生物学的ポリマーの配列を、標識されたモノマーの識別を可能にするモノマーアクセプター標識から放出されたエネルギーの検出に基づいて、推論しまたは配列決定してもよい。

0054

ポア、ナノポア、チャネル、または通路、例えばイオン透過性のポア、ナノポア、チャネル、または通路は、本明細書に記述されるシステムおよび方法に利用されてもよい。

0055

ナノポアまたはポアは、1つまたは複数のドナー標識で標識されてもよい。例えば、ナノポアのシス側もしくは表面および/またはトランス側もしくは表面を、1つまたは複数のドナー標識で標識してもよい。標識は、ポアもしくはナノポアのベースに、またはナノポアもしくはポアを構成する別の部分もしくはモノマーに取着されてもよい。標識は、ナノポアが拡がる膜もしくは基材の一部に、または膜、基材、もしくはナノポアに取着されたリンカーもしくはその他の分子に取着されてもよい。ナノポアまたはポア標識は、ポア標識が、ポアを移行する生物学的ポリマー、例えば核酸の、アクセプター標識の近傍に来ることができるように、ナノポア、基材、または膜上に位置決めされまたは取着されてもよい。ドナー標識は、同じまたは異なる放出または吸収スペクトルを有していてもよい。ポア構造の標識は、共有結合または非共有結合による相互作用を介して実現されてもよい。

0056

ドナー標識(場合によっては「ポア標識」とも呼ぶ)は、アパーチャーの可能な限り近くに、例えばナノポアの出口に、核酸がナノポアを通って移行するのを損なう閉塞を引き起こすことなく、配置されてもよい。ポア標識は、様々な適切な性質および/または特性を有していてもよい。例えば、ポア標識は、特定の要件を満たすエネルギー吸収特性を有していてもよい。ポア標識は、例えば約0から1000nmまたは約200か500nmに及ぶ、大きい放射線エネルギー吸収断面を有していてもよい。ポア標識は、アクセプター標識など、核酸標識エネルギー吸収よりも高い、特定のエネルギー範囲内の放射線を吸収してもよい。ポア標識の吸収エネルギーは、エネルギー伝達が2つの標識間で生じ得る距離を制御するために、核酸標識の吸収エネルギーに対して調整されてもよい。ポア標識は、少なくとも106から109回の励起およびエネルギー伝達サイクルにわたり、安定かつ機能的であってもよい。
ナノポアおよび分析物に関する標識

0057

一部の実施形態では、ナノポアは、1つまたは複数の量子ドットで標識され得る。特に、一部の実施形態では、1つまたは複数の量子ドットは、ナノポアに取着されてもよく、または隣接する(ナノポアの入口および出口からのFRET距離内にある)固相支持体に取着されてもよく、分析物上のアクセプターとのFRET反応におけるドナーとして用いられてもよい。量子ドットのそのような使用は周知であり、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,252,303号;第6,855,551号;第7,235,361号;などの、科学および特許文献に広く記載されている。

0058

ポア標識として利用され得る量子ドットの一例は、水溶液中で合成することができるCdTe量子ドットである。CdTe量子ドットは、求核基、例えば第1級アミン、チオール、またはカルボン酸などの官能基などで機能化されてもよい。CdTe量子ドットは、量子ドットをタンパク質ポアの外側の第1級アミンに共有結合により連結するのに利用することができるカルボン酸官能基を有する、メルカプトプロピオン酸キャッピングリガンドを含んでいてもよい。架橋反応は、生体共役反応の当業者に公知である標準的な架橋試薬ホモ二官能性ならびにヘテロ二官能性)を使用して、実現されてもよい。修飾が、核酸がナノポアを通って移行するのを損なわないまたは実質的に損なわないことを確実にするのに、注意を払ってもよい。これはドナー標識をナノポアに取着するのに使用される、用いられる架橋剤分子の長さを様々にすることによって、実現されてもよい。

0059

例えば、天然アルファ溶血素タンパク質のリシン残基131の第1級アミン(Song,L.ら、Science 274巻(1996年):1859〜1866頁)を使用して、カルボキシ修飾されたCdTe量子ドットを、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩/N−ヒドロキシスルホスクシンイミド(EDC/NHS)カップリング化学を介して共有結合してもよい。あるいは、アミノ酸129(トレオニン)をシステインに交換してもよい。天然アルファ溶血素タンパク質には他のシステイン残基がないので、新たに挿入されたシステインのチオール側基を使用して、他の化学的部分を共有結合により取着してもよい。

0060

1つまたは複数のポア標識をポアタンパク質に取着するための様々な方法、メカニズム、および/または経路を利用してもよい。ポアタンパク質は、公知の性質または様々な官能基を持つアミノ酸を天然タンパク質配列に導入するように、遺伝子操作してもよい。天然に生ずるタンパク質配列のそのような修飾は、ポアタンパク質に対する量子ドットの生体共役に有利であると考えられる。例えば、システイン残基の導入は、CdTe量子ドットなどの量子ドットとポアタンパク質との直接結合を可能にすると考えられる、チオール基を導入すると考えられる。また、リシン残基の導入は、量子ドットに結合するための第1級アミンを導入すると考えられる。グルタミン酸またはアスパラギン酸の導入は、量子ドットに結合するためのカルボン酸部分を導入すると考えられる。これらの基は、ホモまたはヘテロ二官能性架橋剤分子のいずれかを使用する量子ドットとの生体共役を受け易い。生体共役のための官能基の導入を目標としたポアタンパク質に対するそのような修飾は、当業者に公知である。修飾が、核酸がナノポアを通って移行するのを損なわないようにまたは実質的に損なわないようにすることを確実にするのに、注意を払うべきである。

0061

ナノポア標識は、前記ナノポアを脂質二重層に挿入する前または後に、タンパク質ナノポアに取着することができる。標識が、脂質二重層に挿入する前に取着される場合、ナノポアのベースを標識しかつポアタンパク質のランダム標識を回避することに注意を払ってもよい。これは、以下に論ずるように、ポア標識の部位特異的取着を可能にするポアタンパク質の遺伝子操作によって実現することができる。この手法の利点は、標識されたナノポアの大量生成である。あるいは、挿入前のナノポアの標識反応は、ポアタンパク質を遺伝子操作することなく、ナノポアのベース(トランス側)に対する標識の部位特異的取着を確実にすることができる。

0062

生物学的ポリマー、例えば核酸分子またはポリマーは、1つまたは複数のアクセプター標識で標識されてもよい。核酸分子の場合、4種のヌクレオチドのそれぞれまたは核酸分子のビルディングブロックをアクセプター標識で標識してもよく、それによって、天然に生ずるヌクレオチドのそれぞれに対する標識された(例えば、蛍光)対応物が創出される。アクセプター標識は、変換された核酸の一部または鎖全体にある1つまたは複数のヌクレオチドに取着することができる、エネルギー受容分子の形をとってもよい。

0063

核酸分子またはポリマーのモノマーまたはヌクレオチドを標識するのに、様々な方法を利用してもよい。標識されたヌクレオチドは、鋳型として当初の試料を使用して、新しい核酸の合成中に、核酸に組み込まれてもよい(「合成による標識」)。例えば核酸の標識は、PCR、全ゲノム増幅ローリングサークル増幅、もしくはプライマー伸長などを介して、または当業者に公知の上記方法の様々な組合せおよび拡張を介して実現されてもよい。

0064

核酸の標識は、標識を有する修飾されたヌクレオチド類似体の存在下、核酸を複製することによって実現されてもよく、その標識の、新たに発生した核酸への組込みがなされる。標識プロセスは、ヌクレオチド類似体に、二次標識ステップでエネルギー受容部分を共有結合で取着するのに使用することができる官能基を組み込むことによって、実現することもできる。そのような複製は、全ゲノム増幅(Zhang,L.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA89巻(1992年):5847頁)または鎖置換増幅、例えばローリングサークル増幅、ニックトランスレーション転写逆転写、プライマー伸長、およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、変性オリゴヌクレオチドプライマーPCR(DOP−PCR)(Telenius,H.ら、Genomics13巻(1992年):718〜725頁)、または上記方法の組合せによって実現することができる。

0065

標識は、求核試薬など(アミン、チオールなど)の反応性基を含んでいてもよい。次いで、天然の核酸中に存在しない、そのような求核試薬は、NHSエステルマレイミドエポキシ環、イソシアネートなどのアミンまたはチオール反応性化学を介して蛍光標識を取着するのに使用することができる。そのような求核性反応性蛍光色素(即ち、NHS−色素)は、異なる供給元から容易に購入可能である。小さい求核試薬で核酸を標識する利点は、「合成による標識」手法が使用されるときに、そのような標識されたヌクレオチドの組込みが高い効率でなされることにある。大量に蛍光標識された核酸ビルディングブロックは、新たに合成されたDNAに、重合プロセス中の標識の立体障害に起因してポリメラーゼにより不十分に組み込まれる可能性がある。

0066

一部の実施形態では、DNAは、標識されたヌクレオチドの、ポリメラーゼで媒介される組込みなしで、直接化学的に修飾することができる。修飾の一例には、そのN7位でグアニン塩基を修飾するシス−白金含有色素が含まれる(Hoevel,T.ら、Bio Techniques27巻(1999年):1064〜1067頁)。別の例には、6−ヒドロキシルアミノ誘導体をもたらすC6位でのヒドロキシルアミンによるピリミジンの修飾が含まれる。得られたアミン基は、アミン反応性色素(例えば、NHS−Cy5)でさらに修飾することができる。さらに別の例は、ポリメラーゼによって容易に組み込まれる、アジドまたはアルキンで修飾されたヌクレオチドである(Gierlichら、Chem.Eur.J.、2007年、13巻、9486〜0404頁)。アルキンまたはアジドで修飾されたポリヌクレオチドを、その後、十分に確立されたクリックケミストリーのプロトコールに従って、アジドまたはアルキンで修飾されたフルオロフォアで標識する。

0067

上述のように、一部の実施形態では、「クリックケミストリー」を使用して、例えば市販のキット(例えば、「Click−It」、Life Technologies、Carlsbad、CA製)を使用して、DNAを標識してもよい。クリックケミストリーは、一般に、本質的に不可逆的である非常に高い効率の化学反応によって2つの分子が一緒に連結される合成プロセスを指し、その収率はほぼ100%であり、反応副生成物はほとんどまたは全く生成しない。より最近では、その意味は、2個の置換基を保持する1,2,3−トリアゾールを形成するための、置換されたアルキンと置換されたアジドとの環化反応を指すようになった。室温で銅によって触媒される場合、反応は、Huisgen環状付加として公知であり、2個の分子上の化学官能性は、反応中に影響を受けるものが他にはないという点で、クリックケミストリーの要件を完全に満たす。このように、カップリング反応には、生体共役化学において、例えば多くのアミン、ヒドロキシ、またはチオール基を見出すことができる、DNAまたはタンパク質の色素標識で、広範な適用例があることがわかった。重要な要件は、アルキン基およびアジドを、カップリングされる分子に容易に導入できることである。例えば、DNAオリゴヌクレオチドへの蛍光色素のカップリングでは、アジド基が、色素内に合成によって典型的には導入され、一方でアルキン基は、オリゴヌクレオチドの合成中にDNAに組み込まれる。Cu+の存在下で混合することにより、2成分を迅速に連結させてトリアゾールを形成し、この場合、オリゴヌクレオチドが1つの置換基として保持され、色素はその他の置換基として保持される。別の、より最近の進歩は、歪んだ環構造内にアルキン成分を提供する。この場合、アジドとの反応は、銅触媒を必要とせず、トリアゾールが形成されるときの環歪みエネルギーの放出によって推進される。これは銅フリークリック反応として、より良く知られている。本発明の方法にクリックケミストリーを適用するための指針は、参照により組み込まれる以下の参考文献に見出すことができる:Rostovtsev VV、Green LG;Fokin,Valery V、SharplessKB(2002年)「A Stepwise Huisgen Cycloaddition Process:Copper(I)−Catalyzed Regioselective”Ligation”of Azides and Terminal Alkynes」Angewandte Chemie International Edition 41巻(14号):2596〜2599頁、Moses JEおよびMoorhouse AD(2007年)「The growing applications of click chemistry」Chem.Soc.Rev.36巻(8号):1249〜1262頁。

0068

2つまたはそれ超の互いに消光する色素が使用されるときにはいつでも、そのような色素を、直交付着化学を使用してDNAに取着してもよい。例えば、NHSエステルは、第1級アミンと非常に特異的に反応するように使用することができ、またはマレイミドは、チオール基と反応することになる。第1級アミン(NH2)またはチオール(SH)で修飾されたヌクレオチドは、市販されている。これらの比較的小さい修飾は、ポリメラーゼ媒介型DNA合成に容易に組み込まれ、NHSまたはマレイミドで修飾された色素のいずれかを使用する後続の標識反応に使用することができる。そのような直交リンカー化学を選択し使用するための指針は、Hermanson(前掲)に見出すことができる。

0069

追加の直交取着化学を、図3A〜3Hに示す。図3Aは、ヌクレオチド塩基上の連結部分の典型的な取着位置を示す。図3Bは、例えば上記引用した参考文献に開示される、銅触媒された反応および非触媒反応に関するHuisgen型環状付加の反応図を示す。図3Cは、例えばGutsmiedlら、Org.Lett.、11巻:2405〜2408頁(2009年)に開示されるような、アルケンおよび酸化ニトリル環状付加の反応図を示す。図3Dは、例えばSeeligら、Tetrahedron Lett.、38巻:7729〜7732頁(1997年)に開示されるような、Diels−Alder環状付加の反応図を示す。図3Eは、例えばCasiら、J.Am.Chem.Soc.、134巻:5887〜5892頁(2012年);Shaoら、J.Am.Chem.Soc.、117巻:3893〜3899頁(1995年);Rideout、Science、233巻:561〜563頁(1986年);などに開示されるような、カルボニルライゲーションの反応図を示す。図3Fは、例えばBrinkley、Bioconjugate Chemistry、3巻:2〜13頁(1992年)に開示されるような、Michael付加の反応図を示す。図3Gは、例えばSchulerら、Bioconjugate Chemistry、13巻:1039〜1043頁(2002年);Dawsonら、Science、266巻:776〜779頁(1994年);などに開示されるような、本来の化学的ライゲーションの反応図を示す。図3Hは、例えばHermanson(前掲)に開示されるような、活性エステルを介したアミド形成の反応図を示す。

0070

核酸分子は、核酸と反応すると5−ブロモシステイン、8−ブロモアデニン、および8−ブロモグアニンをもたらすことになる、N−ブロモスクシンイミドで直接修飾されてもよい。修飾されたヌクレオチドは、ジアミン求核試薬とさらに反応することができる。次いで残りの求核試薬を、アミン反応性色素(例えば、NHS−色素)と反応させることができる(Hermanson G.、Bioconjugate Techniques、前掲)。

0071

核酸鎖における1、2、3、または4つのヌクレオチドの組合せは、それらの標識された対応物と交換されてもよい。標識されたヌクレオチドの様々な組合せは、並行して配列決定することができ、例えば供給源である核酸またはDNAを、4つの単一標識された試料に加えて2つの標識されたヌクレオチドの組合せで標識し、その結果、合計で10個の異なる状態で標識された試料の核酸分子またはDNA(G、A、T、C、GA、GTGC、AT、AC、TC)が得られることになる。得られた配列パターンは、冗長配列読出しにおけるヌクレオチドの位置の重なり合いに起因して、より正確な配列アライメントを可能にすることができる。

0072

核酸分子などのポリマーを配列決定するための方法は、膜または膜様構造またはその他の基材に挿入されたナノポアまたはポアタンパク質(または合成ポア)を設けるステップを含む。ポアのベースまたはその他の部分は、1つまたは複数のポア標識で修飾されてもよい。ベースは、ポアのトランス側を指してもよい。任意選択で、ポアのシスおよび/またはトランス側を、1つまたは複数のポア標識で修飾してもよい。分析されまたは配列決定される核酸ポリマーは、標識されたタイプの核酸ポリマーであって、得られたポリマー中の4つのヌクレオチドの1つまたは最大で4つ全てのヌクレオチドがヌクレオチドの標識された類似体(複数可)で置き換えられた核酸ポリマーを、生成するための鋳型として使用されてもよい。電場をナノポアに印加して、標識された核酸ポリマーをナノポア内に強制的に通し、一方、外部単色またはその他の光源を使用してナノポアを照明し、それによってポア標識を励起してもよい。核酸の標識されたヌクレオチドがナノポアを通り、ナノポアから出て行き、またはナノポアに進入するにつれ、またはその後にもしくは前に、エネルギーはポア標識からヌクレオチド標識に伝達され、その結果、より低いエネルギー放射線の放出が生じる。次いでヌクレオチド標識放射線を、当業者に公知の単一分子検出が可能な、共焦点顕微鏡装置またはその他の光学検出システムまたは光顕微鏡法システムにより検出する。そのような検出システムの例には、共焦点顕微鏡法落射蛍光顕微鏡法、および全内部反射蛍光(TIRF)顕微鏡法が含まれるが、これらに限定されない。標識されたモノマーを有するその他のポリマー(例えば、核酸以外のタンパク質およびポリマー)を、本明細書に記述される方法に従って配列決定してもよい。一部の実施形態では、蛍光標識またはドナー分子を、エバネッセント波によりTIRFシステム内で励起し、場合によっては本明細書では「エバネッセント波励起」と呼ぶ。

0073

エネルギーは、標識されたモノマーがナノポアから出て行き、ナノポアに進入し、またはナノポアを通るにつれ、またはその後もしくは前に、ポリマーのアクセプター標識モノマー(例えば、ヌクレオチド)のアクセプター標識がドナー標識と相互作用するとき、ポアまたはナノポアドナー標識(例えば、量子ドット)からポリマー(例えば、核酸)上のアクセプター標識に伝達されてもよい。例えば、ドナー標識は、標識されたモノマーがナノポアから出て行きかつナノポアのチャネルまたは開口の外側のドナー標識の付近または近傍に来るまで、ドナー標識とアクセプター標識との間の相互作用またはエネルギー伝達が生じないように、ナノポアのシスもしくはトランス側または表面のナノポアに位置決めされまたは取着されてもよい。その結果、標識間の相互作用、ドナー標識からアクセプター標識へのエネルギー伝達、アクセプター標識からのエネルギーの放出、および/またはアクセプター標識からのエネルギーの放出の測定もしくは検出を、ナノポア内、例えばナノポアのシスまたはトランス側のシスまたはトランスチャンバー内を走る通路、チャネル、または開口の外側で行ってもよい。モノマーのアクセプター標識から放出されるエネルギーの測定または検出は、モノマーを識別するのに利用されてもよい。

0074

ナノポア標識は、標識が目に見えまたは露出して、標識の励起または照明が容易になるように、ナノポアの通路、チャネル、または開口の外側に位置決めされてもよい。ドナー標識とアクセプター標識との間の相互作用およびエネルギー伝達、ならびにエネルギー伝達の結果としてのアクセプター標識からのエネルギーの放出は、ナノポアの通路、チャネル、または開口の外側で生じ得る。これは例えば光学検出または測定デバイスを介した、アクセプター標識からのエネルギーまたは光放出の検出または測定の容易さおよび正確さを促進させると考えられる。

0075

ドナー標識は、様々な手法および/またはナノポア上の様々な部位で、取着されてもよい。例えば、ドナー標識は、ナノポアの一部または単位に、直接または間接的に取着されまたは接続されてもよい。あるいは、ドナー標識は、ナノポアに隣接して位置決めされてもよい。

0076

ポリマー(例えば、核酸)の、アクセプターで標識されたモノマー(例えば、ヌクレオチド)のそれぞれは、ポリマーが通過するナノポアまたはチャネルの出口の上にもしくは隣りに位置決めされまたは直接もしくは間接的に取着されたドナー標識と順次、互いに作用することができる。ドナーおよびアクセプター標識の間の相互作用は、例えばアクセプターで標識されたモノマーがナノポアから出て行った後にまたはモノマーがナノポアに進入する前に、ナノポアチャネルまたは開口の外側で生じ得る。相互作用は、例えばアクセプターで標識されたモノマーがナノポアを通り、ナノポアに進入し、またはナノポアから出て行く間に、ナノポアチャネルまたは開口の内部でまたは部分的に内部で生じ得る。

0077

核酸の4つのヌクレオチドの1つが標識される場合、単一ヌクレオチド標識放出から生ずる時間依存性シグナルは、核酸配列中の標識されたヌクレオチドの位置に対応する配列に変換される。次いでプロセスを、個別の試料中の4つのヌクレオチドのそれぞれに関して繰り返し、次いで4つの部分配列を整列させて全核酸配列を組み立てる。

0078

多色標識された核酸(DNA)配列について分析する場合、1つまたは複数のドナー標識から、核酸分子上に存在し得る4つの全く異なるアクセプター標識のそれぞれへのエネルギー伝達は、4つの全く異なる波長または色(それぞれ、4つのヌクレオチドの1つに関連付けられる)で発光をもたらすことができ、直接配列読出しが可能になる。
移行速度

0079

ナノポアをベースにした配列決定手法に関連する主な障害は、核酸がナノポアを通って移行するする速度が速いことであり(約500,000〜1,000,000ヌクレオチド/秒)、記録設備の限られた帯域幅により、直接配列読出しが不可能である。2つの異なるナノポアタンパク質による核酸移行を減速させる方法は、最近になって、Cherfら(Nat Biotechnol.2012年2月14日;30巻(4号):344〜8頁)およびManraoら(Nat Biotechnol.2012年3月25日;30巻(4号):349〜53頁)により示され、これらは参照により本明細書に組み込まれている。両グループは、標的鋳型から相補鎖を合成するのにDNAポリメラーゼを使用し、その結果、ナノポアを通した鋳型DNAの段階的移行がもたらされた。したがって、核酸ポリメラーゼ合成速度(10〜500ヌクレオチド/秒)はDNAの移行速度を決定し、直接核酸移行よりも3〜4桁ほど遅いので、単一ヌクレオチドの分析が実現可能になる。しかし、ポリメラーゼで支援される移行は、ポリメラーゼの結合部位を発生させるのに相当な試料調製を必要とし、核酸合成は、バルク状態で遮断しなければならず、核酸−ポリメラーゼ複合体がナノポアタンパク質に捕捉されたときのみ開始することができる。この結果、商用の設定で実現するのを妨げる可能性のある、非常に複雑な装置になる。さらに、失速した重合などのポリメラーゼ合成反応の変動ならびに核酸からのポリメラーゼの解離は、配列読出しを妨害する可能性があり、その結果、高い誤り率および削減された読取り長をそれぞれもたらす。一部の実施形態では、標的核酸を、蛍光修飾されたヌクレオチドを組み込むことによって、酵素によりコピーする。他の実施形態では、反応性基で修飾されたヌクレオチドを組み込み、これを伸長後反応で標識することができる。得られた標識済み核酸は、大きい公称直径を有し、その結果、ナノポアを通して引っ張られたときに低下した移行速度をもたらす。光学配列決定に好ましい移行率は、1秒当たり1〜1000ヌクレオチドの範囲にあり、より好ましい範囲は1秒当たり200〜800ヌクレオチドであり、最も好ましい移行率は1秒当たり200〜600ヌクレオチドである。

0080

あるいは、ポリヌクレオチド、特に一本鎖ポリヌクレオチドの移行速度は、ナノポアを用いることによって制御することができ、このナノポアは、付加物および/または標識、例えば塩基に取着された有機色素が、ポリヌクレオチドの移行を阻止するようなしかし移行を防止するものではない寸法にされている。移行速度は、所定の密度で標識および/または付加物を取着することによって、選択されてもよい。そのような標識および/または付加物は、規則的に間隔を空けて配置された、例えばヌクレオチド3つごとなどの取着部を有してもよく、またはランダムなもしくは擬似ランダムな取着部を有してもよく、例えば全てのCが標識されていてもよい。一部の実施形態では、選択された数の異なるヌクレオチド、例えば全てのAおよびC、または全てのAおよびG、または全てのAおよびT、または全てのCなどを標識してもよく、その結果、平均移行速度が得られる。そのような平均速度は、非標識ヌクレオチドに付加物を取着することによって低下させてもよい。付加物は、任意の分子、通常は有機分子であって、従来の化学を使用してヌクレオチドに取着され得る分子を含む。典型的には、付加物は、一般的な有機色素、例えばフルオレセインまたはCy3などと同じ範囲の分子量を有する。付加物は、シグナルを発生させること、即ち標識としての役割をすることが、可能であってもそうでなくてもよい。一部の実施形態では、付加物および/または標識は、ヌクレオチドの塩基に取着される。他の実施形態では、標識および/または付加物を、ポリヌクレオチドのヌクレオシド間の連結部に取着してもよい。一態様では、ナノポアを通る一本鎖ポリヌクレオチドの移行速度を制御する方法は、ある密度で付加物をポリヌクレオチドに取着するステップを含み、一本鎖ポリヌクレオチドの移行速度は、取着される付加物の数が多くなるにつれてまたは取着される付加物の密度と共に、単調減少する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドの全ての種類のヌクレオチドが標識されるとは限らない。例えば、ポリヌクレオチドの4つの異なる組は、各組のヌクレオチドが同じ分子で、例えば蛍光有機色素アクセプターで標識されるが、各組においては異なる種類のヌクレオチドが標識されることになる、上記組が生成されてもよい。このように、組1では、Aのみが標識されてもよく;組2では、Cのみが標識されてもよく;組3では、Gのみが標識されてもよく;以下同様である。次いでそのような標識後、4組のポリヌクレオチドを、本発明により個別に分析してもよく、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、4つの分析で発生したデータから決定される。そのような実施形態および類似の実施形態では、例えば2つの標識が使用され、ポリヌクレオチドのヌクレオチドのいくつかは標識されず、ナノポアを通る移行速度は、ポリヌクレオチドに沿った標識の分布により影響を受けることになる。移行速度のそのようなばらつきを防止するために、一部の実施形態では、ヌクレオチド配列が決定されるようシグナルを発生させるためにアクセプターまたはドナーで標識されていないヌクレオチドは、シグナル生成標識として移行速度に対して実質的に同じ効果を有する非シグナル生成付加物を取着することによって修飾してもよい。

0081

本開示は、記述される特定の形態の範囲を限定するものではなく、本明細書に記述される変形例の代替例、修正例、および均等物を包含するものとする。さらに、本開示の範囲は、本開示に鑑み当業者に明らかになり得るその他の変形例を、完全に包含する。本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲によってのみ限定される。
キット

0082

本発明は、本発明の方法を実施するためのキットを含んでいてもよい。一部の実施形態では、キットは、反応性基を標的ポリヌクレオチドに付加するための試薬を含む。例えば、本発明による分析に用いられる標的ポリヌクレオチドは、アミンまたはチオールなどの反応性基を含むヌクレオシド三リン酸類似体の存在下、核酸ポリメラーゼを使用して試料からその相補体を転写することによって得てもよい。このように、一部の実施形態では、キットは、反応性基を持つ1つまたは複数のヌクレオシド三リン酸類似体を含む。キットはさらに、反応性基に対して相補的官能性を持つ1つまたは複数の互いに消光する蛍光標識を含んでいてもよい。キットはさらに、ヌクレオシド三リン酸を標的ポリヌクレオチドに組み込むための核酸ポリメラーゼを含んでいてもよい。核酸ポリメラーゼは、標的ポリヌクレオチドを生成するのにmRNAが使用されるとき、逆転写酵素を含んでいてもよく、または標的ポリヌクレオチドを生成するのにゲノムDNAが使用されるとき、核酸ポリメラーゼはDNAポリメラーゼを含んでいてもよい。キットは、緩衝剤補因子、およびポリメラーゼ反応を実施するための同様の試薬をさらに含んでいてもよい。同様に、キットは、緩衝剤およびその他の反応成分をさらに含んでいてもよく、この反応成分は、標識された標的ポリヌクレオチドを生成するために、互いに消光する蛍光標識上で反応性基と相補的官能基との間で反応を実施するための成分である。キットは、操作可能なナノポアアレイに組み立てるための固相膜およびタンパク質ナノポアをさらに含んでいてもよい。そのような後者のキットは、タンパク質ナノポアにまたは固相膜への取着のためのFRET対のドナーメンバーをさらに含んでいてもよい。キットは、組み込まれたタンパク質ナノポアを含んだ固相膜およびFRET対のドナーメンバーを含む、組み立てられたナノポアアレイを含んでいてもよい。
定義

0083

「FRET」または「Forrester、または蛍光、共鳴エネルギー伝達」は、ドナーからアクセプターフルオロフォアへの非放射性双極子間エネルギー伝達メカニズムを意味する。FRETの効率は、ドナーとアクセプターとの間の距離、ならびにフルオロフォアの性質に依存し得る(Stryer,L.、Annu Rev Biochem.47巻(1978年):819〜846頁)。「FRET距離」は、FRETドナーとFRETアクセプターとの間の距離を意味し、その距離上ではFRET相互作用を引き起こすことができかつ検出可能なFRETシグナルがFRETアクセプターにより生成される。

0084

「キット」は、本発明の方法を実施する材料または試薬を送達するための、任意の送達システムを指す。反応アッセイ文脈において、そのような送達システムは、1つの場所から別の場所への、反応試薬(例えば、適切な容器内の、互いに消光する蛍光標識、蛍光標識連結剤、酵素などの蛍光標識)および/または支持材料(例えば、緩衝剤、アッセイを行うために文書にされた取扱説明書など)の貯蔵、輸送、または送達を可能にするシステムを含む。例えばキットは、関係のある反応試薬および/または支持材料を含有する1つまたは複数のエンクロージャー(例えば、ボックス)を含む。そのような内容物は、一緒にまたは別々に、意図される受取人に送達される。例えば、第1の容器には、アッセイで使用される酵素が入っていてもよく、一方、第2のまたはそれ超の容器には、互いに消光する蛍光標識が入っていてもよい。

0085

「マイクロ流体」または「ナノ流体」デバイスは、1つまたは複数のチャンバー、ポート、およびチャネルの一体化システムであって、それぞれが相互接続され、流体連通しており、単独で、または試料導入流体および/もしくは試薬推進手段、温度制御、検出システム、データ収集および/もしくは一体化システムなどの支持機能をもたらす用具もしくは器具協働してのいずれかで、分析反応またはプロセスを実施するよう設計された、一体化システムを意味する。マイクロ流体およびナノ流体デバイスは、例えば試料成分もしくは反応物吸着を防止する、または電気浸透による試薬移動を容易にするなどのため、弁、ポンプフィルター、および内壁上の専用の機能性コーティングをさらに含んでいてもよい。そのようなデバイスは、通常、固体基材の内部にまたは固体基材として製作され、この固体基材は、ガラスプラスチック、またはその他の固体ポリマー材料であってもよく、特に光学的または電気化学的方法を介して試料および試薬移動の検出およびモニタリングを容易にするために平面状のフォーマットを有していてもよい。一部の実施形態では、そのようなデバイスは、1回使用した後に使い捨てにされる。マイクロ流体デバイスの特色は、通常、数百平方マイクロメートル未満の断面寸法を有し、通路は、典型的には毛管寸法を有し、例えば約500μmから約0.1μmの最大断面寸法を有する。マイクロ流体デバイスは、典型的には1μLから数nLの範囲、例えば10〜100nLの体積容量を有する。ナノ流体デバイスで対応する構造の寸法は、典型的にはマイクロ流体デバイスの場合よりも1から3桁小さい。マイクロ流体およびナノ流体デバイスの製作および操作は、参照により組み込まれる以下の参考文献により具体化されるように、当技術分野で周知である。Ramsey,米国特許第6,001,229号;同第5,858,195号;同第6,010,607号;および同第6,033,546号;Soane et al,米国特許第5,126,022号および同第6,054,034号;Nelson et al,米国特許第6,613,525号;Maher et al,米国特許第6,399,952号;Ricco et al,国際特許公開WO02/24322;Bjornson et al,国際特許公開WO99/19717;Wilding et al,米国特許第5,587,128号;同第5,498,392号;Sia et al,Electrophoresis,24:3563−3576(2003);Unger et al,Science,288:113−116(2000);Enzelberger et al,米国特許第6,960,437号;Cao,“Nanostructures&Nanomaterials:Synthesis,Properties&Applications,”(Imperial College Press,London,2004)。

0086

「ナノポア」は、基材が所定のまたは識別可能な順序で分析物を通る、またはポリマー分析物の場合、そのモノマー単位が所定のまたは識別可能な順序で基材を通るのを可能にする、基材に位置決めされた任意の開口を意味する。後者の場合、所定のまたは識別可能な順序は、ポリマー中のモノマー単位の一次配列であってもよい。ナノポアの例には、タンパク質様またはタンパク質ベースのナノポア、合成または固体状態のナノポア、およびタンパク質ナノポアがその内部に埋め込まれている固体状態のナノポアを含むハイブリッドナノポアが含まれる。ナノポアは、内径が1〜10nmまたは1〜5nmまたは1〜3nmであってもよい。タンパク質ナノポアの例には、アルファ−溶血素、電圧依存性ミトコンドリアポリン(VDAC)、OmpF、OmpC、MspA、およびLamB(マルトポリン)、例えば、参照により本明細書に組み込まれるRhee,M.ら、Trendsin Biotechnology、25巻(4号)(2007年):174〜181頁;Bayleyら(前掲);Gundlachら、米国特許公開第2012/0055792号などに開示されているものが含まれるが、これらに限定されない。単一核酸分子の通過を可能にする任意のタンパク質ポアを用いてもよい。ナノポアタンパク質は、ポアの外側の特定の部位で、またはポア形成タンパク質を構成する1つまたは複数のモノマー単位の外側の特定の部位で標識されてもよい。ポアタンパク質は、アルファ−溶血素、MspA、電圧依存性ミトコンドリアポリン(VDAC)、アンスラックスポリン、OmpF、OmpC、およびLamB(マルトポリン)などであるがこれらに限定されないタンパク質の群から選択される。固体状態のホールへのポアタンパク質の一体化は、帯電したポリマーをポアタンパク質に取着することによって実現される。電場を印加した後、帯電した複合体を、電気泳動によって固体状態のホールに引き込む。合成ナノポアまたは固体状態のナノポアは、様々な形態の固体基材中に創出されてもよく、その例には、シリコーン(例えば、Si3N4、SiO2)、金属、金属酸化物(例えば、Al2O3)、プラスチック、ガラス、半導体材料、およびこれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。合成ナノポアは、脂質二重層膜内に位置決めされた生物学的タンパク質ポアよりも安定と考えられる。合成ナノポアは、重合エポキシなどであるがこれに限定されない適切な基材に埋め込まれたカーボンナノチューブを使用することによって、創出されてもよい。カーボンナノチューブは、均一で十分定められた化学的および構造的性質を有することができる。1から100ナノメートルに及ぶ様々なサイズのカーボンナノチューブを得ることができる。カーボンナノチューブの表面電荷は、約ゼロであることが公知であり、その結果、ナノポアを通る核酸の電気泳動輸送は単純かつ予測可能になる(Ito,T.ら、Chem.Commun.12巻(2003年):1482〜83頁)。合成ナノポアの基材表面は、タンパク質ポアの共有結合による取着が可能になるようにまたは表面特性を光学ナノポア配列決定に適切なものにするように、化学修飾されてもよい。そのような表面修飾は、共有結合または非共有結合にすることができる。ほとんどの共有結合による修飾は、オルガノシラン堆積を含み、それに関する最も一般的なプロトコールが記述されている:1)水性アルコールからの堆積。これはシリル化表面を調製するための最も容易な方法である。95%エタノール−5%水の溶液を、酢酸でpH4.5〜5.5に調節する。シランを、撹拌しながら添加して、2%の最終濃度が得られる。加水分解およびシラノール基形成の後、基材を2〜5分間添加する。濯いだ後、過剰な材料は、エタノール中に短時間浸漬することによってなくなる。シラン層の硬化は、摂氏110度で5〜10分である。2)気相堆積。乾燥非プロトン性条件下、化学気相堆積法によって、シランを基材に付着させることができる。これらの方法は、単層堆積が容易である。閉鎖チャンバーデザインで、5mmの蒸気圧が達成されるような十分な温度に基材を加熱する。あるいは、シランの蒸発が観察されるまで、真空を印加することができる。3)スピンオン堆積。スピンオン付着は、最大源の官能化および多層堆積が好まれる加水分解条件下で、または単層堆積が好まれる乾燥条件下で行うことができる。一部の実施形態では、単一ナノポアが本発明では用いられる。他の実施形態では、複数のナノポアが用いられる。後者の実施形態のいくつかでは、複数のナノポアを、ナノポアのアレイとして用い、これらは固相膜などの平面基材に通常は堆積される。ナノポアアレイのナノポアは、規則的に、例えば直線的なパターンで、間隔を空けて配置されてもよく、またはランダムに間隔を空けて配置されてもよい。好ましい実施形態では、ナノポアは、平面状の固相基材において、直線上のパターンとして規則的に間隔を空けて配置される。

0087

ペプチドについて言及する際の、「ペプチド」、「ペプチド断片」、「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、または「断片」は、本明細書では同義に使用され、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸残基の単一の非分岐鎖を構成する化合物を指す。ペプチドまたはポリペプチド中のアミノ酸は、ポリエチレングリコール、色素、ビオチン、ハプテン、または同様の部分を含むがこれらに限定されない様々な部分により誘導体化されてもよい。ペプチド内のアミノ酸残基の数は、広く様々であり;しかし好ましくは、本明細書で言及されるペプチドまたはオリゴヌクレオチドは、通常、2から70個のアミノ酸残基を有し;より好ましくは2から50個のアミノ酸残基を有する。本明細書で言及されるポリペプチドおよびペプチド断片は、通常、数十個のアミノ酸残基、例えば20個から、最大で数百個のアミノ酸残基、例えば200個またはそれ超を有する。

0088

「ポリマー」は、直鎖状に接続された複数のモノマーを意味する。通常、ポリマーは、複数のタイプのモノマーを、例えばA、C、G、およびTを含むポリヌクレオチドとして、または複数の種類のアミノ酸を含むポリペプチドとして含む。モノマーは、ヌクレオシドおよびその誘導体または類似体、ならびにアミノ酸およびその誘導体および類似体を、限定することなく含んでいてもよい。一部の実施形態では、ポリマーは、ヌクレオシドモノマーホスホジエステル結合によって接続されているポリヌクレオチド、またはその類似体である。

0089

「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は交換可能に使用され、それぞれヌクレオチドモノマー直鎖状ポリマーを意味する。オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの使用に際してポリメラーゼによる伸長またはリガーゼによるライゲーションなどの酵素処理を必要とするときにはいつでも、当業者には、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドがそれらの場合に任意のまたはいくつかの位置でヌクレオシド間連結、糖部分、または塩基の類似体を含有しなくてもよいことを理解するであろう。ポリヌクレオチドは、典型的にはそのサイズが、それらが通常「オリゴヌクレオチド」と呼ばれる場合には、数モノマー単位、例えば5〜40単位から、数千モノマー単位に及ぶ。ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドが、「ATGCCTG」などの文字大文字または小文字)の配列によって表される場合はいつでも、ヌクレオチドは左から右に5’→3’の順序であり、文脈から他に指示されずまたは明らかにされない限り、「A」はデオキシアデノシンを示し、「C」はデオキシシチジンを示し、「G」はデオキシグアノシンを示し、「T」はチミジンを示し、「I」はデオキシイノシンを示し、「U」はウリジンを示すことが理解されよう。他に記述されない限り、専門用語および原子付番規則は、StrachanおよびRead、Human Molecular Genetics 2(Wiley−Liss、New York、1999年)に開示されたものに従うことになる。通常、ポリヌクレオチドは、ホスホジエステル結合によって連結された4種の天然ヌクレオシド(例えば、DNAに関してはデオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシグアノシン、デオキシチミジンであり、またはRNAに関してはそれらのリボース対応物である)を含み;しかし、それらは、例えば修飾された塩基、糖、またはヌクレオチド間の結合を含む非天然ヌクレオチド類似体を含んでいてもよい。酵素が、活性に関して特定のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド基材要件、例えば一本鎖DNA、またはRNA/DNA二重鎖などを有する場合、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド基材に適切な組成物の選択は、特にSambrookら、Molecular Cloning、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory、New York、1989年)などの論文および同様の参考文献による指針により、十分に当業者の知識の範囲内にあることは、当業者には明らかである。同様に、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは、一本鎖の形態または二本鎖の形態(即ち、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの二重鎖と、そのそれぞれの相補体)を指してもよい。どの形態が意図されるのかまたは両方の形態が意図されるのか否かは、用語の使用の文脈から、当業者には明らかであろう。

0090

ポリヌクレオチドなどのポリマーに言及する際の、「配列の決定」、「配列決定」、または「ヌクレオチド配列の決定」、または同様の用語は、ポリマーの部分ならびに全配列情報の決定を含む。一部の実施形態では、配列の決定は、ポリマーの識別特性またはフィンガープリント、例えば特定のポリマー配列相関する独自のまたは実質的に独自のシグナル配列の、検出または測定を含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのような相関は1対1対応である。他の実施形態では、そのような相関は独自のものでなくともよい。他の実施形態では、そのような相関は、90パーセント超の確率で特定の配列を持ったポリマーの識別を可能にし;他の実施形態では、そのような識別は、99パーセント超の確率で行うことができる。ポリヌクレオチドの場合、上記用語は、4種の天然ヌクレオチド、A、C、G、およびTの全ての組のサブセットの配列、例えば標的ポリヌクレオチドのAおよびCのみの配列などを識別することを含む。即ち用語は、標的ポリヌクレオチド内のヌクレオチドの4つのタイプの1つ、2つ、3つ、または全ての同一性、順序、および場所を決定することを含む。一部の実施形態では、用語は、標的ポリヌクレオチド内のヌクレオチドの4つのタイプの2つ、3つ、または全ての同一性、順序、および場所を決定することを含む。一部の実施形態では、配列決定は、標的ポリヌクレオチド「catcgc...」内のヌクレオチドの単一タイプ、例えばシトシンの、順序および場所を識別することによって実現されてもよく、したがってその配列は、「c−(非c)(非c)c−(非c)−c...」などを表すバイナリーコード、例えば「100101...」として表されるようになる。一部の実施形態では、用語は、標的ポリヌクレオチドのフィンガープリントとしての役割をする標的ポリヌクレオチドの配列を含んでいてもよく;即ち、一組のポリヌクレオチド内の標的ポリヌクレオチドを独自に識別する配列であり、例えばセルによって表される全ての異なるRNA配列である。

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