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課題・解決手段

多糖および核酸の、低粘度で低体積濃縮液体薬学調合薬が開発された。このような調合薬は、時間のかかる静脈内注入によって行うよりも、皮下または筋内注射によって迅速かつ便利に投与されることができる。これらの調合薬は、低分子量および/または高分子量の多糖および核酸と、粘度低下物質と、を含む。

概要

背景

概要

多糖および核酸の、低粘度で低体積濃縮液体薬学調合薬が開発された。このような調合薬は、時間のかかる静脈内注入によって行うよりも、皮下または筋内注射によって迅速かつ便利に投与されることができる。これらの調合薬は、低分子量および/または高分子量の多糖および核酸と、粘度低下物質と、を含む。

目的

したがって、このような系の粘度を低下し、それによって多糖もしくは核酸含有溶液の迅速な投与を可能にするテクノロジーを開発することが望まれている

効果

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請求項1

注射のための液体薬学調合薬において、(i)1つ以上の多糖および/または核酸と、(ii)1つ以上の粘度低下物質と、(iii)薬学的に許容可能な溶媒と、を含み、前記多糖および/または核酸が注射に適切な体積で前記溶媒および粘度低下物質と組み合わせられると、前記調合薬は、例えば円錐平板粘度計を用いて測定した場合に、25℃で約1cP〜約50cPの絶対的粘度を有し、前記調合薬の前記絶対的粘度は、前記粘度低下物質がない、他の点では実質的に同じ調合薬の絶対的粘度より低く、前記絶対的粘度は、いずれの場合も、外挿ゼロ剪断粘度である、調合薬。

請求項2

請求項1に記載の調合薬において、前記多糖は、約0.5kDa〜約2,000kDaの分子量を有し、前記核酸は、約1kDa〜約5,000kDaの分子量を有する、調合薬。

請求項3

請求項1または2に記載の調合薬において、前記多糖は、約1kDa〜約1,000kDa、好ましくは約2kDa〜約500kDaの分子量を有する、調合薬。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の調合薬において、前記多糖は、異なる分子量のヘパリンおよびそれらの誘導体多糖ワクチンヒアルロン酸デルマタン硫酸コンドロイチン‐4‐スルフェート、コンドロイチン‐6‐スルフェート、ケラタン硫酸ヘパラン硫酸硫酸カードランシクロデキストリンアルジネートキトサンからなる群から選択され、前記核酸は、線形および円形DNA、一本鎖および二本鎖のDNA、DNAアプタマーDNAザイム、RNA、RNAi、siRNA、shRNA、miRNA、mRNA、lincRNA、リボザイムモルフォリノ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されている、調合薬。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の調合薬において、前記多糖または核酸は、1mL当たり約100mg〜約2,000mg(mg/mL)、オプションとして約150mg/mL超、の総量で存在する、調合薬。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の調合薬において、前記調合薬は、少なくとも2つの異なる多糖を含み、好ましくは、前記多糖の両方が、少なくとも約50kDaの分子量を有する、調合薬。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の調合薬において、粘度低下物質を加える前の同じ多糖または核酸濃度での初期絶対的粘度は、約60cPを超えるか、約80cPを超えるか、または約100cPを超える、調合薬。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の調合薬において、前記液体調合薬は、水性であり、約4.0〜約8.0のpHを有する、調合薬。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の調合薬において、約0.01M〜約1.0Mの濃度で存在する粘度低下物質を含む、調合薬。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載の調合薬において、約0.15M未満または約0.10M未満の濃度で存在する粘度低下物質を含む、調合薬。

請求項11

請求項1〜10のいずれか1項に記載の調合薬において、糖もしくは糖アルコール緩衝剤防腐剤キャリア酸化防止剤キレート化剤天然もしくは合成のポリマー凍結保護物質凍結保護剤界面活性剤増量剤、および安定化剤からなる群から選択される、皮下(SC)または筋内(IM)注射のための1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む、調合薬。

請求項12

請求項11に記載の調合薬において、前記賦形剤のうちの1つ以上は、ポリソルベートと、ポロキサマー188と、ラウリル硫酸ナトリウムと、糖アルコール、例えばマンニトールおよびソルビトールポリエチレングリコール)、グリセロールプロピレングリコール、およびポリ(ビニルアルコール)からなる群から選択されるポリオールと、からなる群から選択されている、調合薬。

請求項13

請求項11に記載の調合薬において、前記界面活性剤は、約10mg/mL未満の濃度で存在する、調合薬。

請求項14

請求項12に記載の調合薬において、約2mg/mL〜約900mg/mLの濃度で存在するポリオールを含む、調合薬。

請求項15

請求項1〜14のいずれか1項に記載の調合薬において、前記絶対的粘度は、25℃で約5cP〜約50cPである、調合薬。

請求項16

請求項1〜15のいずれか1項に記載の調合薬において、前記絶対的粘度は、前記粘度低下物質をほぼ同じ濃度の適切な緩衝液交換した以外は同じ条件下で測定した場合に、前記粘度低下物質がない調合薬の絶対的粘度より少なくとも約30%低い、調合薬。

請求項17

請求項1〜16のいずれか1項に記載の調合薬において、前記絶対的粘度は、前記粘度低下物質をほぼ同じ濃度の適切な緩衝液と交換した以外は同じ条件下で測定した場合に、前記粘度低下物質がない調合薬の絶対的粘度より少なくとも約2倍または約4倍低い、調合薬。

請求項18

請求項1〜17のいずれか1項に記載の調合薬において、単位用量バイアルコンテナ、またはプレフィルドシリンジに入っている、調合薬。

請求項19

請求項18に記載の調合薬において、前記多糖または核酸、前記粘度低下物質、および/または賦形剤は、乾燥した形態であり、好ましくは凍結乾燥されている、調合薬。

請求項20

請求項1〜19のいずれか1項に記載の調合薬において、前記粘度低下物質、多糖または核酸、および溶媒が組み合わせられたときの前記調合薬の体積は、SC注射で約1.5mL未満であり、IM注射で約3mL未満である、調合薬。

請求項21

請求項1〜20のいずれか1項に記載の調合薬において、前記調合薬は、ヒト血清等張である、調合薬。

請求項22

請求項1〜21のいずれか1項に記載の調合薬において、調合薬を必要としている人に投与される条件で本質的にニュートン液体として流動学的に作用する、調合薬。

請求項23

請求項1〜22のいずれか1項に記載の調合薬において、静脈内注入によって投与される前記多糖または核酸の同じ投薬量と比較して、治療的に有効な投薬量を達成する、調合薬。

請求項24

請求項1〜23のいずれか1項に記載の調合薬において、前記粘度低下物質は、SCまたはIM注射で投与されたときに毒性または注射部位刺激の著しい徴候を引き起こさない濃度で存在する、調合薬。

請求項25

請求項1〜24のいずれか1項に記載の調合薬において、前記調合薬の絶対的粘度は、円錐平板粘度計を使用して測定される場合、少なくとも約0.5s−1の剪断率で測定される、調合薬。

請求項26

請求項1〜24のいずれか1項に記載の調合薬において、前記調合薬の絶対的粘度は、微小流体粘度計を使用して測定される場合、少なくとも約1.0s−1の剪断率で測定される、調合薬。

請求項27

薬学的調合薬を調製する方法において、請求項1〜26のいずれか1項に記載の前記多糖および/または核酸、前記溶媒、および前記粘度低下物質を組み合わせる工程を含む、方法。

請求項28

請求項27に記載の方法において、前記調合薬は、プレフィルドシリンジまたはカートリッジに入っている、方法。

請求項29

多糖または核酸の精製を容易にする方法において、多糖および/または核酸溶液に、請求項1または7〜10のいずれか1項に記載の前記粘度低下物質を有効量加えて、前記多糖および/または核酸溶液の粘度を低下させることを含む、方法。

請求項30

請求項29に記載の方法において、前記多糖および/または核酸と粘度低下物質の溶液は、限外濾過血液透析濾過タンジェンシャルフローフィルトレーション、遠心濃縮、および透析からなる群から選択される方法を用いて、精製または濃縮される、方法。

請求項31

多糖または核酸を調製する方法において、発酵混合物の低い粘度を維持するのに十分な量の請求項1または7〜10のいずれか1項に記載の前記粘度低下物質の存在下で、適切な生物発酵させることを含む、方法。

開示の内容

0001

〔関連出願の相互参照
本出願は、2014年10月1日出願の米国仮特許出願第62/058,122号;2014年10月1日出願の米国仮特許出願第62/058,123号;2014年10月1日出願の米国仮特許出願第62/058,124号;2014年10月1日出願の米国仮特許出願第62/058,125号の優先権を主張し、これらの開示は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。

0002

〔発明の分野〕
本発明は概して、多糖および核酸の、注射可能な低粘度の薬学調合薬、ならびに、その製造方法、および使用方法の分野のものである。

0003

〔発明の背景
多糖および核酸は、幅広い範囲の生理活性を有する、異なった種類の生物学的高分子を表す。多くの基礎的な生物学的プロセスにおける、それらの本質的役割に加えて、多糖および核酸は、治療薬として研究されてきた。それらの構造的複雑さにより、多糖および核酸は、多くの難治性疾患に関連する新規または困難な生物学的標的を選択的に対象とし得る。

0004

しかしながら、それらの見込みある活性が引き出される、その複雑さは、多糖および核酸のデザイン、調製、送達にかなりの課題も課す。多糖および核酸はいずれも、高度の極性官能基によって特徴づけられるので、これらの化合物溶液は、しばしば著しい分子内相互作用を示し、結果として高い粘度を生じる。生物学的薬剤保管および送達のために高粘度の調合薬を使用することは、以下の多くの異なる理由から嫌われている:粘性の調合薬は、注射による投与が困難であり、注射部位で痛みを引き起こし、しばしば不正確であり、かつ/または、化学的および/もしくは物理的安定性が低下している場合がある。さらに、粘性の高い液体調合薬は、製造してシリンジ引き込むのが困難である。高粘度溶液はまた、注射するのに、より大きい直径の針を必要とし、注射部位でさらに痛みを生じる。

0005

これらの問題は、一部の多糖および核酸で特に差し迫ったものである。それは、これらの物質が、10mg/mL、20mg/mL、100mg/mL、200mg/mL、または500mg/mLを超える濃度で投与され得るためである。濃度が高いと、多糖および核酸の調合薬は、ますます粘性になり、前述した難しさが悪化する。

0006

多糖および核酸はまた、やはり粒子間相互作用の影響を受ける、ナノ粒子などの薬物送達系の成分として、研究されている。したがって、このような系の粘度を低下し、それによって多糖もしくは核酸含有溶液の迅速な投与を可能にするテクノロジーを開発することが望まれている。

0007

高粘度の薬学的調合薬に関連する問題に加え、多糖および核酸が粘性の高い溶液を形成する傾向も、それらの製造および精製を複雑にしている。商業的に重要な多くの多糖、例えばでんぷんデキストリンセルロースペントサンキシラン、β‐グルカン、ならびに多くの核酸、例えばプラスミドDNAワクチンが、発酵プロセスにより生成されている。多糖または核酸の濃度は、発酵混合物で上昇するので、混合物の粘度が急速に増大する。歴史的に、(熱または急速な撹拌の形態の)追加エネルギーは、個々の成分の適切な混合を達成するため、発酵培地に加えられてきた。しかしながら、多くの生物(および核酸生成物)は、過度に高い温度とは適合性がなく、高レベル剪断応力が、生物の細胞構造破壊し、反応効率を低下させ、生成物の精製を複雑にし得る。したがって、発酵に基づく製造方法と関係がある粘度関連問題への解決策に対する、広範囲の研究が行われてきた。例えばA.E. Carnes et al., Recent Patents on Biotechnology 2007, 1:000-000およびBiotechnology of Microbial Exopolysaccharides, I. W. Sutherland, eds., pp. 82-87, Cambridge University Press, Cambridge, 1990を参照のこと。しかしながら、これまでに説明された解決策の多くは、分化した(specialized)生物もしくは酵素に依存しているか、または、複雑で高価な機器を必要とするものである。

0008

したがって、本発明の目的は、薬学的に重要な多糖および核酸、特に高分子量の多糖および核酸の、濃縮された低粘度の液体調合薬を提供することである。

0009

本発明のさらなる目的は、多糖および核酸、特に高分子量の多糖および核酸の、濃縮された低粘度の液体調合薬を提供することであり、これは、SCおよびIM注射に有用な体積で、治療的に有効な量のこれらの多糖および核酸を送達することができるものである。

0010

本発明のさらなる目的は、注射可能性(injectability)ならびに/または患者コンプライアンス、便利さ、および/もしくは快適さを改善することができる低い粘度を備えた、多糖および核酸、特に高分子量の多糖および核酸の、濃縮された液体調合薬を提供することである。

0011

また、本発明の目的は、多糖および核酸、特に高分子量の多糖および核酸の、濃縮された低粘度の調合薬を製造し保管する方法を提供することである。

0012

本発明のさらなる目的は、多糖および核酸の発酵(すなわち、微生物または単離された酵素による)および精製中に粘度を低下する、単純で費用対効果の高い方法を提供することである。

0013

〔発明の概要
多糖および核酸の、濃縮された低粘度で低容量の液体組成物が開発されてきた。これらの組成物は、時間のかかる静脈内注入よりも、皮下(SC)または筋内(IM)注射によって迅速かつ便利に投与され得る薬学的調合薬であってよい。これらの調合薬は、1つ以上の粘度低下物質(例えば、式A−I、A−II、A−IIIの粘度低下化合物およびそれらの変形体イオン性液体有機リン化合物水溶性有機染料、ならびに本明細書に記載する他の粘度低下化合物)と組み合わせた、低分子量および/または高分子量の多糖および/または核酸を含む。これらの組成物は、多糖および核酸の製造および精製中に調製されることもできる。これらの組成物の粘度が低いことで、濾過およびクロマトグラフィーなどの操作が容易になる。

0014

多糖および核酸の濃度は、約10mg/mL〜約5,000mg/mL、さらに好ましくは約100mg/mL〜約2,000mg/mLである。いくつかの実施形態では、濃度は、約5mg/mL〜1000mg/mL、好ましくは約100mg/mL〜約500mg/mL、さらに好ましくは約300mg/mL〜約500mg/mLである。粘度低下物質と組み合わせて、多糖および/または核酸を含有する調合薬は、4℃の温度で、少なくとも1カ月、好ましくは少なくとも2カ月、最も好ましくは少なくとも3カ月の期間、保管されると、安定する。調合薬の粘度は、約25℃で、約75センチポアズ(cP)未満、好ましくは50cP未満、最も好ましくは20cP未満である。いくつかの実施形態では、粘度は、約25℃で、約15cP未満、または約10cP以下である。ある実施形態では、調合薬の粘度は、約10cPである。粘度低下物質(例えば、式A−I、A−II、A−IIIの粘度低下化合物およびそれらの変形体、イオン性液体、有機リン化合物、水溶性有機染料、ならびに本明細書に記載する他の粘度低下化合物)と、1つ以上の多糖または核酸と、を含有する調合薬は、典型的には、円錐平板粘度計を用いて測定した場合、約0.6s−1〜約450s−1、好ましくは約2s−1〜約400s−1の剪断率で測定される。粘度低下物質と、1つ以上の多糖もしくは核酸と、を含有する調合薬は、典型的には、微小流体粘度計を用いて測定する場合、約3s−1〜約55,000s−1、好ましくは約20s−1〜約2,000s−1の剪断率で測定される。

0015

多糖もしくは核酸調合薬の粘度は、1つ以上の粘度低下物質(例えば、式A−I、A−II、A−IIIの粘度低下化合物およびそれらの変形体、イオン性液体、有機リン化合物、水溶性有機染料、ならびに本明細書に記載する他の粘度低下化合物)の存在により低下する。特に明記しない限り、用語「粘度低下物質」は、単一化合物、および2つ以上の化合物の混合物の両方を含む。粘度低下物質が、約1.0M未満、好ましくは約0.50M未満、さらに好ましくは約0.30M未満、最も好ましくは約0.15M未満の濃度で、調合薬中に存在するのが好ましい。いくつかの実施形態では、粘度低下物質は、0.01Mと低い濃度で調合薬中に存在する。調合薬は、粘度低下物質がほぼ同じ濃度の適切な緩衝液もしくは塩と置換されることを除いて同じ条件下の対応する調合薬の粘度よりも、少なくとも約30%低い、好ましくは少なくとも約50%低い、最も好ましくは少なくとも約75%低い、粘度を有し得る。いくつかの実施形態では、粘度低下物質を含まない対応する調合薬の粘度が約200cP超、約500cP超、または約1,000cP超である、低粘度の調合薬が提供される。好適な実施形態では、調合薬は、円錐平板粘度計を用いて測定される場合に少なくとも約0.5s−1の剪断率で、あるいは、微小流体粘度計を用いて測定される場合に少なくとも約1.0s−1の剪断率で、測定される。

0016

いくつかの実施形態では、粘度低下物質(例えば、式A−I、A−II、A−IIIの粘度低下化合物およびそれらの変形体、イオン性液体、有機リン化合物、水溶性有機染料、ならびに本明細書に記載する他の粘度低下化合物)と、1つ以上の多糖もしくは核酸とは、濃縮された低粘度の液体調合薬を生じるように、無菌水性の薬学的に許容可能なビヒクル復元されるようなサイズの、凍結乾燥した投薬単位で提供される。粘度低下物質の存在により、粘度低下物質を含有しない凍結乾燥した投薬単位と比べて、凍結乾燥した投薬単位の復元が容易になり、かつ/または加速する。

0017

高分子量の多糖もしくは核酸の、濃縮された低粘度の液体調合薬を調製する方法、ならびに、低粘度で高濃度の多糖もしくは核酸調合薬を保管するため、またそれを患者に投与するための方法も、本明細書で提供される。別の実施形態では、粘度低下物質(例えば、式A−I、A−II、A−IIIの粘度低下化合物およびそれらの変形体、イオン性液体、有機リン化合物、水溶性有機染料、ならびに本明細書に記載する他の粘度低下化合物)は、多糖/核酸溶液の粘度を低下することによって、処理(例えば、ポンピング、濃縮、および/もしくは濾過)を促進するために添加される。

0018

〔発明の詳細な説明〕
I.定義
本明細書で使用される用語「多糖」は、グリコシル(glycosylic)(もしくはグリコシド)結合によって結合された少なくとも2つの単糖単位から作られた化合物を指す。特に明記しない限り、多糖は、糖成分のみを含んでよく、あるいは、アミノ酸および小分子アグリコンなどの非糖成分も含むことができる。約10,000Daを超える分子量(kDaで表示し、「Da」は「ダルトン」を表し、1kDa=1,000Daである)を有する多糖は、「高分子量の多糖」と呼ばれ得るが、約10,000Da未満の分子量を有する多糖は、「低分子量の多糖」と呼ばれ得る。多糖の分子量は、(例えば、ESIもしくはMALDIによる消化済み破片の)質量分析、または既知炭水化物配列による計算を含むがこれらに制限されない、当業者に知られる標準的な方法を用いて決定され得る。多糖は、自然発生的もしくは非自然発生的なもの、合成もしくは半合成のものであってよい。

0019

本明細書で使用される「核酸」は、少なくとも2つのヌクレオチドから作られたポリマーを指す。核酸は、RNAの場合のように一本鎖であるか、またはDNAの場合のように二本鎖であってよい。核酸は、自然発生的ヌクレオチドから作られてよく、あるいは、1つ以上の非自然的ヌクレオチドを含み得る。核酸は、ペプチド核酸プリンおよびピリミジン塩基で置換されたポリアミノ酸配列)およびグリコール核酸(環状リボース成分が、ホスホジエステル結合によりリンクされたアクリルジオールもしくはトリオールで置換されている)を含む、核酸の誘導体および類似体も含み得る。

0020

「本質的に純粋な多糖」(または「本質的に純粋な核酸」)および「実質的に純粋な多糖」(または「実質的に純粋な核酸」)は、本明細書では互換的に使用され、少なくとも約90重量%の純粋な多糖(または核酸)、好ましくは少なくとも約95重量%の純粋な多糖(または核酸)を含む組成物を指す。

0021

レオロジー」は、物質の変形および流動の研究を指す。

0022

「粘度」は、物質(典型的には、液体)の、流動に対する耐性を指す。粘度は、剪断力概念に関係しており、流体の種々の層が互いと逆の方向へ動くときに、これらの層が互いに対して、または他の表面に対して剪断力を及ぼす影響として理解され得る。粘度の尺度はいくつかある。粘度の単位は、パスカル秒(Pa−s)として知られるNs/m2である。粘度は、「運動学的」または「絶対的」であってよい。運動学的粘度は、運動量が流体を通じて伝わる速度の尺度である。これは、ストークス(St)で測定される。運動学的粘度は、重力の影響下にある流体の抵抗性の流れの尺度である。体積が等しく、粘度が異なる2つの流体が、同一の毛細管粘度計内に置かれ、重力により流された場合、毛細管を通って流れるのに、粘性の高い流体のほうが、粘性の低い流体よりも時間が長くかかる。例えば、一方の流体が、流れ終えるまでに200秒(s)かかり、もう一方が400sかかった場合、運動学的粘度の尺度では、第2の流体は、第1の流体の2倍粘性があると言われる。運動学的粘度の次元(dimension)は、長さ2/時間である。一般に、運動学的粘度は、センチストークス(cSt)で表わされる。運動学的粘度のSI単位は、mm2/sであり、これは、1cStに等しい。「動的粘度」または「単純粘度」と呼ばれることもある「絶対的粘度」は、運動学的粘度と流体密度との積である。絶対的粘度は、センチポアズ(cP)の単位で表わされる。絶対的粘度のSI単位は、ミリパスカル-秒(mPa−s)であり、1cP=1mPa−sである。粘度は、例えば所与の剪断率または複数の剪断率で粘度計を用いて測定され得る。「外挿ゼロ剪断」粘度は、絶対的粘度対剪断率のプロット上で4つの最高断点(four highest-shear points)の最良適合線(best fit line)を作り、粘度を線形外挿してゼロ剪断に戻すことによって、決定され得る。あるいは、ニュートン流体では、粘度は、複数の剪断率で粘度値の平均をとることによって決定され得る。粘度はまた、1つもしくは複数の剪断率(流量とも呼ばれる)で微小流体粘度計を用いて測定されてもよく、絶対的粘度は、液体がチャネルを通って流れるときの圧力変化から得られる。粘度は、剪断応力を剪断率で割ったものに等しい。微小流体粘度計で測定した流体の粘度は、いくつかの実施形態では、外挿ゼロ剪断粘度、例えば円錐平板粘度計を用いて複数の剪断率で測定された粘度から外挿されたもの、と直接比較され得る。

0023

「剪断率」とは、流体の1つの層が隣接する層の上を通る速度の変化率を指す。速度勾配は、プレートからの距離に伴う速度の変化率である。この単純な事例は、(cm/秒)/(cm)=1/秒を単位にして剪断率(v1−v2)/hで均一な速度勾配を示す。したがって、剪断率の単位は、毎秒、すなわち一般的に時間の逆数(reciprocal time)、である。微小流体粘度計では、圧力および流量の変化が、剪断率に関連している。「剪断率」は、物質が変形する速度に関係がある。粘度低下物質と、多糖もしくは核酸とを含有する調合薬は、典型的には、円錐平板粘度計と、目的のサンプルの粘度範囲で粘度を正確に測定するため当業者に適切に選択されたスピンドルと、を用いて測定された場合、約0.5s−1〜約200s−1の範囲の剪断率で(すなわち、20cPのサンプルがDV2T粘度計(ブルックフィールド)に取り付けられたCPE40スピンドルで最も正確に測定される);または、微小流体粘度計を用いて測定された場合、約20s−1超〜約3,000s−1の剪断率で、測定される。

0024

本明細書で一般に使用される古典的な「ニュートン」流体では、粘度は、本質的には、剪断率と無関係である。しかしながら、「非ニュートン流体」では、粘度は、剪断率の増加と共に減少または増加し、例えば、これらの流体は、それぞれ、「ずり減粘」または「ずり増粘」する。濃縮された(すなわち、高濃度の)多糖および核酸溶液の場合、これは、擬塑性ずり減粘挙動、すなわち剪断率に伴う粘度の減少として、明らかとなり得る。

0025

本明細書で一般的に使用される用語「化学的安定性」は、調合薬中の多糖および核酸成分が、酸化アミド分解、または加水分解などの化学経路を介した分解に抵抗する能力を指す。多糖または核酸調合薬は、典型的には、約5%未満の成分が4℃で24カ月後に分解する場合に化学的に安定であると考えられる。

0026

本明細書で一般的に使用される用語「物理的安定性」は、多糖または核酸調合薬が凝集などの物理的劣化に抵抗する能力を指す。物理的に安定している調合薬は、生理活性多糖または核酸物質の許容可能なパーセンテージ不可逆性凝集物(例えば、二量体三量体、または他の凝集物)のみを形成する。凝集物の存在は、動的光散乱法により調合薬中の多糖または核酸の平均粒径を測定することによるものを含む、さまざまな方法で評価され得る。調合薬は、約5%未満の不可逆性凝集物が4℃で24カ月後に形成される場合に、物理的に安定していると考えられる。凝集汚染物質の許容可能なレベルは、理想的には、約2%未満であろう。約0.2%と低いレベルが達成可能であるが、約1%がより典型的である。

0027

本明細書で一般的に使用される用語「安定した調合薬」は、調合薬が化学的に安定し、かつ物理的に安定していることを意味する。安定した調合薬は、約95%超の生理活性多糖または核酸分子が、4℃で保管されてから24カ月後に、または40℃で1カ月保管などの、高い温度の等価な溶液条件で、調合薬中に生体活性を保持するものであってよい。多糖および核酸の安定性を測定するためのさまざまな分析技術が、当技術分野利用可能である。安定性は、ある期間にわたり、選択された温度で測定され得る。迅速なスクリーニングでは、例えば、調合薬は、40℃で、2週間から1カ月保たれてよく、その時点で、残りの生物活性が測定され、初期状態と比較されて、安定性が評価される。調合薬が2〜8℃で保管されるべきものである場合、一般的に、調合薬は、30℃もしくは40℃で少なくとも1カ月間安定でなければならず、かつ/または2〜8℃で少なくとも2年間安定でなければならない。調合薬が約25℃の室温で保管される場合、一般的に、調合薬は、約25℃で少なくとも2年間安定でなければならず、かつ/または、40℃で少なくとも約6カ月間安定でなければならない。凍結乾燥および保管後の凝集の範囲は、多糖または核酸の安定性のインジケータとして使用され得る。いくつかの実施形態では、安定性は、調合薬中の多糖もしくは核酸の粒径を測定することにより、評価される。いくつかの実施形態では、安定性は、十分に当業者の能力の範囲内にある標準的な生物活性または結合アッセイを用いて調合薬の活性を測定することによって、評価され得る。

0028

本明細書で一般的に使用される用語「濃縮された」または「高濃度」は、多糖または核酸の最終濃度が約10mg/mL超、好ましくは約50mg/mL超、、さらに好ましくは約100mg/mL超、、さらに好ましくは約200mg/mL超、または最も好ましくは約250mg/mL超、である液体調合薬を指す。

0029

本明細書で一般的に使用される「復元された調合薬(reconstituted formulation)」とは、乾燥粉末の多糖または核酸、凍結乾燥された多糖または核酸、スプレー乾燥された多糖または核酸、もしくは溶媒沈殿した多糖または核酸を、希釈剤に溶解することによって調製された調合薬を指し、多糖または核酸は、投与のために水溶液中に溶解または分散する。

0030

凍結保護剤(lyoprotectant)」は、多糖または核酸と組み合わせられると、凍結乾燥および/またはその後の保管時に多糖または核酸の化学的および/または物理的不安定性を著しく低下させる物質である。例示的な凍結保護剤は、糖、およびそれらの対応する糖アルコール、例えばスクロースラクトーストレハロースデキストランエリスリトールアラビトールキシリトールソルビトール、およびマンニトール;アミノ酸、例えばアルギニンまたはヒスチジンリオトロピック塩、例えば硫酸マグネシウムポリオール、例えばプロピレングリコールグリセロールポリエチレングリコール)、またはポリ(プロピレングリコール);ならびにこれらの組み合わせを含む。追加の例示的な凍結保護剤は、ゼラチン、デキストリン、加工でんぷんカルボキシメチルセルロースを含む。好適な糖アルコールは、ラクトース、トレハロース、マルトースラクツロース、およびマルロースなどの単糖および二糖還元により得られる化合物である。糖アルコールの追加的な例は、グルシトールマルチトールラクチトールイソマルツロースである。凍結保護剤は、一般的に、事前に凍結乾燥した調合薬に、「凍結保護量」で加えられる。これは、凍結保護量の凍結保護剤の存在下で多糖または核酸を凍結乾燥させた後、多糖または核酸が、その物理的および化学的安定性および完全性を本質的に保持することを意味する。

0031

本明細書で一般的に使用される「希釈剤」または「キャリア」は、液体調合薬の調製について薬学的に許容可能(すなわち、ヒトもしくは別の哺乳動物に投与するのに安全かつ非毒性である)かつ有用な成分、例えば凍結乾燥後に復元した水性調合薬である。例示的な希釈剤は、滅菌水注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、無菌食塩溶液リンガー溶液、またはデキストロース溶液、およびこれらの組み合わせを含む。

0032

防腐剤」は、細菌、真菌、もしくは別の感染性因子の作用による汚染、および/または細菌、真菌、もしくは別の感染性因子の作用を減少させるために本明細書の調合薬に加えられ得る化合物である。防腐剤の添加は、例えば多数回使用する(複数回投与)調合薬の製造を容易にし得る。見込みある防腐剤の例は、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドヘキサメトニウムクロリドベンザルコニウムクロリドアルキル基長鎖であるアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリドの混合物)、および塩化ベンゼトニウムを含む。他の種類の防腐剤は、芳香族アルコール、例えばフェノールブチルおよびベンジルアルコール、アルキルパラベン、例えばメチルもしくはプロピルパラベンカテコールレゾルシノールシクロヘキサノール、3−ペンタノール、およびm−クレゾールを含む。

0033

本明細書で一般的に使用される「増量剤」は、凍結乾燥した混合物に質量を加え、凍結乾燥ケーク物理的構造に寄与する(例えば、開放気孔構造を維持する、本質的に均一な凍結乾燥ケークの製造を容易にする)化合物である。例示的な増量剤は、マンニトール、グリシン、ラクトース、加工でんぷん、ポリ(エチレングリコール)、およびソルビトールを含む。

0034

「治療的に有効な量」は、平均余命をある程度増進させるか、または一般的に患者のクオリティオブライフを改善するために、特定の体調もしくは疾患の任意の症状のある程度の改善または予防を行うのに必要な、最小濃度である。治療的に有効な量は、特定の生物学的活性分子および治療されるべき特定の体調または疾患によって決まる。まだ確立されていないか、または追加の疾患を治療するために臨床的に適用されるよう既知の多糖もしくは核酸で特定の疾患を治療するための、多糖および核酸の治療的に有効な量は、医師など当業者の技術の範囲内である標準的な技術によって決定され得る。

0035

本明細書で一般的に使用される用語「注射可能性」または「注射能力(syringeability)」は、18〜32ゲージの針を備え、オプションとして壁が薄いシリンジを通る、薬学的調合薬の注射性能を指す。注射可能性は、注射に必要な圧力もしくは力、流動の均等性吸引品質、および目詰まりがないことといった要因によって決まる。液体薬学的調合薬の注射可能性は、粘度が低下した調合薬の注射力(injection force)を、粘度低下物質が加えられていない標準的調合薬と比較することによって評価され得る。粘度低下物質を含有する調合薬の注射力の低下は、その調合薬の注射可能性が改善されたことを反映する。粘度が低下した調合薬は、粘度低下物質をほぼ同じ濃度の適切な緩衝液と置換した以外は同じ条件下で同じ濃度の多糖または核酸を有する標準的調合薬と比べた場合に、少なくとも10%だけ、好ましくは少なくとも30%だけ、さらに好ましくは少なくとも50%だけ、最も好ましくは少なくとも75%だけ、注射力が低下しているときに、改善された注射可能性を有する。あるいは、液体薬学的調合薬の注射可能性は、シリンジが同じ力で押し下げられる場合に、同じ体積、例えば0.5mL、またはさらに好ましくは約1mLの異なる液体多糖または核酸調合薬を注射するのに必要な時間を比較することで、評価され得る。

0036

本明細書で一般的に使用される用語「注射力」は、所与の注射速度で、所与の針ゲージを備えた所与のシリンジを通して所与の液体調合薬を押すのに必要な力を指す。注射力は、典型的には、ニュートンで報告される。例えば、注射力は、250mm/分の注射速度で、12.7mm(0.50インチ)の27ゲージの針を備える6.35mm(0.25インチ)内径の1mLプラスチックシリンジを通して、液体調合薬を押すのに必要な力として測定され得る。試験設備は、注射力を測定するために使用され得る。同じ条件下で測定された場合、より粘度が低い調合薬は、一般的に全体的に低い注射力を必要とする。

0037

本明細書で使用される「粘度勾配」は、多糖または核酸濃度の上昇に伴う、多糖または核酸溶液の粘度の変化率を指す。粘度勾配は、異なる多糖または核酸濃度を有すること以外は同じである一連の調合薬の多糖または核酸濃度の関数としての粘度のプロットから概算され得る。粘度は、多糖または核酸濃度が上がると共にほぼ指数関数的に上昇する。特定の多糖または核酸濃度での粘度勾配は、多糖または核酸濃度の関数としての粘度のプロットに接する線の傾きから概算され得る。粘度勾配は、多糖または核酸濃度の小さな窓に対する、または、任意の多糖または核酸濃度の関数としての、粘度のプロットへの線形近似から概算され得る。いくつかの実施形態では、調合薬は、多糖または核酸濃度の関数としての粘度が指数関数として近似されたときに、指数関数の指数が、粘度低下物質を含まない、その他の点で同じ調合薬について得られた指数より小さい場合に、低い粘度勾配を有すると言われている。同様に、調合薬は、その調合薬の指数が第2の調合薬の指数より低い/高い場合に、第2の調合薬と比べて低い/高い粘度勾配を有すると言われることができる。粘度勾配は、熟練した調合薬研究者に知られる他の方法によって、多糖または核酸濃度の関数としての粘度のプロットから数の上で近似され得る。

0038

本明細書で一般的に使用される用語「粘度が低下した調合薬」は、1つ以上の添加剤の存在により、粘度を低下させる添加剤を含有しない対応する調合薬と比べて粘度を低下させるよう修飾された、高濃度の多糖または核酸を有する液体調合薬を指す。

0039

本明細書で一般的に使用される用語「モル浸透圧濃度」は、1L当たりの溶存成分総数を指す。モル浸透圧濃度は、モル濃度と同様であるが、溶液中の溶存種のモル総数を含む。モル浸透圧濃度が1Osm/Lとは、溶液1L当たりに溶存成分が1モルあることを意味する。溶液中で解離するイオン性溶質などの一部の溶質は、溶液中の1モルの溶質当たり1モル超の溶存成分をもたらす。例えば、NaClは、溶液中、Na+およびCl−に解離するので、溶液中の溶存NaCl1モル当たり2モルの溶存成分が得られる。生理学的モル浸透圧濃度は、典型的には、約280mOsm/L〜約310mOsm/Lの範囲である。

0040

本明細書で一般的に使用される用語「張性」は、2つの溶液が半透膜によって分離されたことによる浸透圧勾配を指す。具体的には、張性は、細胞外部溶液にさらされたときに細胞膜全体に生じる浸透圧を説明するのに使用される。細胞性膜を横切り得る溶質は、最終的な浸透圧勾配には寄与しない。細胞膜を横切らない溶存種のみが、浸透圧差、ひいては張性に寄与する。

0041

本明細書で一般的に使用される用語「高張」は、細胞の内側に存在するよりも高い濃度の溶質を有する溶液を指す。細胞が高張溶液に浸されると、溶質の濃度のバランスを取るために水が細胞から流れ出る傾向がある。

0042

本明細書で一般的に使用される用語「低張」は、細胞の内側に存在するよりも低い濃度の溶質を有する溶液を指す。細胞が低張溶液に浸されると、水は、溶質の濃度のバランスを取るために細胞に流入する。

0043

本明細書で一般的に使用される用語「等張」は、細胞膜全体の浸透圧勾配が、本質的にバランスがとれている溶液を指す。等張調合薬は、ヒト血液と本質的に同じ浸透圧を有するものである。等張調合薬は、一般的に約250mOsm/kg〜350mOsm/kgの浸透圧を有する。

0044

本明細書で使用される用語「液体調合薬」は、許容可能な薬学的希釈剤に供給されるか、または、患者に投与する前に許容可能な薬学的希釈剤中で復元される、多糖または核酸である。

0045

用語「ブランドのついた」および「参考」は、生物学的製品を指すのに使用される場合、米国公衆衛生法の351(a)項(42 U.S.C. §262)でライセンスを得た単一の生物学的製品を意味するために本明細書で互換的に使用される。

0046

本明細書で使用される用語「バイオシミラー」は、一般的に「ジェネリックの同等品」または「後続品」と互換的に使用される。例えば、「バイオシミラー多糖」は、典型的には別の会社が製造した、革新者の多糖の後続バージョンを指す。「バイオシミラー」は、ブランドのついた多糖またはブランドのついた生物学的製剤に言及する際に使用されるとき、ブランドのついた多糖またはブランドのついた生物学的製剤に対して評価され、かつ米国公衆衛生法の351(k)項(42 U.S.C. §262)でライセンスを得た生物学的製品を指す。バイオシミラー多糖は、欧州医薬のヒト用医薬品委員会(CHMP)により2009年10月に採用され、「低分子量ヘパリン含有の類似生物学的医薬品の非臨床および臨床開発に関するガイドライン」(文書参照EMEA/CHMP/BMWP/118264/2007)として欧州連合によって公開された、1つ以上のガイドラインを満たすものであり得る。

0047

バイオシミラーは、微生物細胞原核細胞真核細胞)、ヒトもしくは動物起源(例えば、哺乳動物、鳥類昆虫)の細胞株、または動物もしくは植物由来組織によって製造され得る。提案されているバイオシミラー製品発現構成物は、一般的に、その参照製品として同じ一次アミノ酸配列を符号化する。安全性、純度、または効力に影響を及ぼさない、わずかな修飾が存在し得る。

0048

バイオシミラー多糖は、安全性および有効性両方の観点で生理化学的または生物学的に参照多糖と類似している。バイオシミラー多糖は、標的のタンパク質への結合を詳述するアッセイを含む1つ以上のin vitro研究を使用して参照多糖に対して評価され得る。in vitroでの比較は、薬動態学薬力学、および/または安全性の類似性を示すin vivoデータと組み合わせられ得る。参照多糖に対するバイオシミラー多糖の臨床的評価は、薬動態学的特性の比較(例えば、AUC0−inf、AUC0−t、Cmax、tmax、Ctrough);薬力学的終点;または(例えば、ランダム化並行群間比較臨床試験を用いた)臨床有効性の類似性を含み得る。バイオシミラー多糖と参照多糖との品質比較は、確立された手順を用いて評価されることができ、「バイオテクノロジー由来のタンパク質を作用物質として含有する類似の生物学的医薬品に関するガイドライン:品質の問題(Guideline on similar biological medicinal products containing biotechnology-derived proteins as active substance: Quality issues)」(EMEA/CHMP/BWP/49348/2005)におけるタンパク質について記載された手順に適合したものを含み得る。

0049

本明細書で使用される用語「粘度低下物質」は、粘度低下物質がない溶液の粘度と比べて溶液の粘度を低下させるよう作用する化合物を指す。粘度低下物質は、単一化合物であってよく、または、1つ以上の化合物の混合物であってよい。粘度低下物質が2つ以上の化合物の混合物である場合、列挙される濃度は、特に明記しない限り、それぞれ個々の物質を指す。ほんの一例として、粘度低下物質として約0.25Mのカンファースルホン酸アルギニンを含有する調合薬は、0.25Mの濃度でカンファースルホン酸を、0.25Mの濃度でアルギニンを有する溶液である。

0050

ある粘度低下物質は、酸性または塩基性官能基を含有する。これらの官能基が完全に、または部分的にイオン化しているかどうかは、それらが含まれている調合薬のpHによって決まる。特に明記しない限り、イオン化できる官能基を有する粘度低下物質を含有する調合薬への言及は、親化合物および任意の可能なイオン化状態の両方を含む。

0051

本明細書で使用される用語「水素結合ドナー」は、部分正電荷水素原子上に作り出す、相対的に陰性原子に連結された水素原子を指す。

0052

本明細書で使用される用語「水素結合受容体」は、部分正電荷を有する水素原子と相互作用することができる、相対的に陰性の原子または官能基を指す。

0053

本明細書で使用される用語「自由回転結合(freely rotating bond)」は、任意の単結合された対の非水素原子を指す。

0054

本明細書で使用される用語「分子極性表面積」は、目的の分子の表面上の露出した全体的な極面積を指す。

0055

本明細書で使用される用語「モル容積」は、1モルの目的の分子が、その天然状態native state)(すなわち、固体、液体)において占める全容積を指す。

0056

本明細書で使用される用語「分極率」は、目的の分子が単位強度の電場(electric field of unit strength)に置かれたときの誘起双極子モーメントを指す。

0057

本明細書で使用される用語「薬学的に許容可能な塩」は、無機酸および塩基、ならびに有機酸および塩基を含む、薬学的に許容可能な毒性のない酸および塩基から調製された塩を指す。適切な毒性のない酸は、無機酸および有機酸、例えば、酢酸ベンゼンスルホン酸安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸エタンスルホン酸フマル酸グルコン酸グルタミン酸臭化水素酸塩酸イセチオン酸乳酸マレイン酸リンゴ酸マンデル酸メタンスルホン酸粘液酸硝酸、パモ酸、パントテン酸リン酸コハク酸硫酸酒石酸p−トルエンスルホン酸など、を含む。適切な正電荷を持つ対イオンは、ナトリウムカリウムリチウムカルシウムマグネシウムを含む。

0058

本明細書で使用される用語「イオン性液体」は、大部分の従来の塩が固体となる温度:200℃未満、好ましくは100℃未満、もしくはさらに好ましくは80℃未満、で、またはその付近で、液体となる、結晶性または非晶質の塩、双性イオン、またはそれらの混合物を指す。一部のイオン性液体は、ほぼ室温、例えば、10℃〜40℃、もしくは15℃〜35℃の融点を有する。用語「双性イオン」は、分子中の異なる化学基上に正および負の形式電荷を有する、全体的に電荷中性の分子を説明するために本明細書で使用されている。イオン性液体の例は、以下に記載されている:Riduan et al., Chem. Soc. Rev., 42:9055-9070, 2013; Rantwijk et al., Chem. Rev., 107:2757-2785, 2007; Earle et al., Pure Appl. Chem., 72(7):1391-1398, 2000;およびSheldon et al., Green Chem., 4:147-151, 2002。

0059

本明細書で使用される用語「有機リン化合物」は、少なくとも1つがホスホエステル結合を通じて有機基共有結合している、1つ以上のホスホリル基を含有する化合物を指す。

0060

本明細書で使用される「水溶性有機染料」は、「水溶性染料」と互換的に使用され、25℃およびpH7で少なくとも0.001Mのモル溶解度を有する有機分子であり、好ましくは電磁スペクトル可視部分から赤外部分にかけて、光のある波長を吸収すると共に、恐らくは光の他の波長を伝達または反射する。

0061

本明細書で使用される用語「カルコゲン」は、任意の酸化状態にある酸素硫黄セレニウムを含む、第16族元素を指す。例えば、特に明記しない限り、用語「カルコゲン」は、SO2も含む。

0062

本明細書で使用される用語「アルキル基」は、直鎖、分枝鎖環式炭化水素基を指す。特に明記しない限り、用語アルキル基は、1つ以上の二重または三重結合を含む炭化水素基を含む。少なくとも1つの環系を含有するアルキル基は、「シクロアルキル」基である。少なくとも1つの二重結合を含むアルキル基は、「アルケニル基」であり、少なくとも1つの三重結合を含むアルキル基は、「アルキニル基」である。

0063

本明細書で使用される用語「アリール」は、縮合環系を含む芳香族炭素の環系を指す。「アリール」基では、環を形成する原子のそれぞれが、炭素原子である。

0064

本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、縮合環系を含む芳香族の環系を指し、環を形成する原子のうち少なくとも1つが、ヘテロ原子である。

0065

本明細書で使用される用語「複素環」は、芳香族でない、縮合環系を含む環系を指し、環を形成する原子のうち少なくとも1つが、ヘテロ原子である。

0066

本明細書で使用される用語「ヘテロ原子」は、任意の非炭素または非水素原子である。好適なヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素を含む。例示的なヘテロアリールおよびヘテロシクリル環は、以下を含む:ベンゾイミダゾリルベンゾフラニル、ベンゾチオフェニルベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニルベンゾチアゾリルベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニルカルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニルシンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリルインドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイルイソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニルモルホリニルナフチリジニルオクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニルオキサゾリルオキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニルピペリジニルピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニルプリニル、ピラニル、ピラジニルピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリルピリダジニルピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾールピリジニルピリジル、ピリミジニル、ピロリジニルピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリルチエニルチエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、およびキサンテニル

0067

II.調合薬
生体適合性で低粘度の多糖および核酸溶液は、治療的に有効な量の多糖または核酸を、皮下(SC)および筋内(IM)注射に有用な体積、典型的には、SCでは約2mL以下、IMでは約5mL以下、さらに好ましくはSCでは約1mL以下、IMでは約3mL以下で、送達するのに使用され得る。多糖および核酸は、一般的に任意の分子量を有し得るが、いくつかの実施形態では、高分子量の多糖および核酸が好ましい。他の実施形態では、多糖および核酸は、低分子量の多糖および核酸である。

0068

調合薬は、約5mg/mL〜約5,000mg/mLの濃度で多糖および核酸を有し得る。調合薬は、100mg/mL超、好ましくは150mg/mL超、さらに好ましくは約175mg/mL超、さらに好ましくは約200mg/mL超、さらに好ましくは約225mg/mL超、さらに好ましくは約250mg/mL超、最も好ましくは約300mg/mL以上の多糖および核酸濃度を有し得る。ある実施形態では、調合薬は、約5mg/mL〜約1,000mg/mL、好ましくは約15mg/mL〜約500mg/mL、さらに好ましくは約50mg/mL〜約300mg/mL、さらに好ましくは約100mg/mL〜約250mg/mL、の濃度を有し得る。粘度低下物質が無い場合、多糖または核酸調合薬の粘度は、濃度が上がるにつれて指数関数的に上昇する。このような調合薬は、粘度低下物質が無い場合、25℃で測定すると、20cP超、50cP超、100cP超、150cP超、200cP超、300cP超、500cP超、、または1,000cP超、の粘度を有し得る。このような調合薬は、しばしば、SCまたはIM注射に適切でない。1つ以上の粘度低下物質(例えば、式A−I、A−II、A−IIIの粘度低下化合物およびそれらの変形体、イオン性液体、有機リン化合物、水溶性有機染料、ならびに本明細書に記載する他の粘度低下化合物)の使用により、25℃で測定した場合に、約100cP以下、好ましくは約75cP以下、さらに好ましくは約50cP以下、さらに好ましくは約30cP以下、さらに好ましくは約20cP以下、または最も好ましくは約10cP以下、の粘度を有する調合薬を調製することができる。

0069

粘度低下物質は、濃縮された多糖および核酸調合薬の粘度を低下させるのに使用され得るが、これらは、あまり濃縮されていない調合薬にも使用され得る。いくつかの実施形態では、調合薬は、約10mg/mL〜約100mg/mLの多糖または核酸濃度を有し得る。調合薬は、約20mg/mL超、約40mg/mL超、または約80mg/mL超、の多糖または核酸濃度を有し得る。

0070

ある多糖および核酸については、粘度低下物質を有していない調合薬は、約20cP超、約50cP超、または約80cP超、の粘度を有し得る。1つ以上の粘度低下物質を使用することで、25℃で測定した場合に、約80cP以下、好ましくは約50cP以下、さらに好ましくは約20cP未満、または最も好ましくは約10cP以下、の粘度を有する調合薬を調製することができる。

0071

いくつかの実施形態では、水性の多糖および核酸調合薬は、粘度低下物質がない類似の調合薬と比べて、同じ条件下で測定した場合に、粘度が少なくとも約30%低い。他の実施形態では、調合薬は、粘度低下物質がない類似の調合薬と比べて、40%低いか、50%低いか、60%低いか、70%低いか、80%低いか、90%低いか、または90%超低い、粘度を有する。好適な実施形態では、調合薬は、治療的に有効な量の1つ以上の多糖もしくは核酸を、約2mL未満、好ましくは約1mL未満、またはさらに好ましくは約0.75mL未満、の体積で含有する。

0072

粘度が低下した調合薬は、他の点では同じ条件下で(例えば、リン酸緩衝液中で)粘度低下物質がない類似の調合薬と比較して、注射可能性が改善されており、必要となる注射力が低い。いくつかの実施形態では、注射の力は、他の点では同じ注射条件下で粘度低下物質がない標準的調合薬と比べて、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超、または約2倍超だけ低い。いくつかの実施形態では、調合薬は、剪断率から実質的に独立した粘度を有するとして定義される、「ニュートン流動特性」を有する。多糖および核酸調合薬は、約18〜32ゲージの針を通じて、容易に注射され得る。低粘度の調合薬を送達するのに好適な針ゲージは、27、29、31ゲージを含み、オプションとして壁が薄い。

0073

調合薬は、1つ以上の追加の賦形剤、例えば緩衝液、界面活性剤、糖および糖アルコール、他のポリオール、防腐剤、酸化防止剤キレート化剤を含有し得る。調合薬は、有害な副作用をあまり引き起こさずに、投与に適切であるpHおよびモル浸透圧濃度を有する。いくつかの実施形態では、濃縮された低粘度の調合薬は、5〜8、5.5〜7.6、6.0〜7.6、6.8〜7.6、または5.5〜6.5のpHを有する。

0074

低粘度の多糖および核酸調合薬は、調合薬の開発における大きな柔軟性を可能にすることができる。低粘度の調合薬は、粘度低下物質を含まない、他の点では同じ調合薬と比較すると、多糖または核酸濃度にあまり依存しない粘度変化を呈することができる。低粘度の多糖および核酸調合薬により、多糖または核酸の濃度を上昇させ、投薬頻度を少なくすることができる。いくつかの実施形態では、低粘度の調合薬は、2つ以上、3つ以上、または4つ以上の異なる多糖もしくは核酸を含有する。例えば、2つ以上の多糖の組み合わせが、1つの低粘度の調合薬において提供され得る。

0075

多糖および核酸調合薬は、粘度低下物質を含有しない、他の点では類似の調合薬よりも高い多糖および核酸濃度で、患者に投与され得るので、多糖および核酸の投与頻度を減らすことができる。例えば、以前は1日1回の投与が必要であった多糖および核酸は、多糖および核酸が粘度低下物質と共に調剤される場合、2日に1回、3日に1回、またはさらに頻度を減らして、投与されることができる。現在は1日に複数回の投与(その日の同じ時刻、または別々の時間)を必要とする、多糖および核酸は、1日当たりの注射回数を減らして投与され得る。場合によっては、その頻度は、1日に1回の単回注射まで減らすことができる。1回の注射で投与される投薬量を複数倍に増やすことで、投与頻度は、例えば2週間に1回から6週間1回まで、減らすことができる。

0076

いくつかの実施形態では、液体調合薬は、例えば約280mOsm/L〜約310mOsm/Lの生理学的モル浸透圧濃度を有する。いくつかの実施形態では、液体調合薬は、約250mOsm/L超、約300mOsm/L超、約350mOsm/L超、約400mOsm/L超、または約500mOsm/L超、のモル浸透圧濃度を有する。いくつかの実施形態では、調合薬は、約200mOsm/L〜約2,000mOsm/Lまたは約300mOsm/L〜約1,000mOsm/Lのモル浸透圧濃度を有する。いくつかの実施形態では、液体調合薬は、本質的にヒト血液と等張である。液体調合薬は、場合によっては、高張となり得る。

0077

粘度低下物質を含む添加剤は、量が毒性でないか、または別様に有害でなく、かつ調合薬の化学的および/または物理的安定性を実質的に妨げない限り、液体調合薬の所望の粘度レベルを達成するため任意の量で含まれてよい。粘度低下物質は、いくつかの実施形態では、約1.0M未満、好ましくは約0.50M未満、約0.30M以下、または0.15M以下の濃度で独立して存在することができる。特に好適な濃度としては、約0.01Mおよび約0.10Mが含まれる。2つ以上の粘度低下物質を有する、いくつかの実施形態では、これらの物質は、好ましくは同じ濃度で存在するが、必ずしもその必要はない。

0078

粘度低下物質は、凍結乾燥した投薬単位の、より迅速な復元を可能にする。投薬単位は、多糖または核酸、粘度低下物質、および他の賦形剤の凍結乾燥したケークであり、これに、水、食塩水もしくは別の薬学的に許容可能な流体が添加される。粘度低下物質が無い場合、10分、20分、またはそれより長い期間が、高い多糖または核酸濃度の凍結乾燥したケークを完全に溶解させるために必要となることが多い。凍結乾燥したケークが1つ以上の粘度低下物質を含有する場合、ケークを完全に溶解させるのに必要な期間は、しばしば、2倍、5倍、または10倍少なくなる。ある実施形態では、約150、200、または300mg/mL以上の多糖または核酸を含有する凍結乾燥したケークを完全に溶解させるには、5分未満、または1分未満が必要である。

0079

低粘度の多糖および核酸調合薬により、調合薬開発における、より大きな柔軟性が可能となる。低粘度の調合薬は、粘度低下物質がない、他の点では同じ調合薬と比べると、多糖または核酸濃度の上昇に伴ってあまり変化しない粘度を示す。低粘度の多糖および核酸調合薬は、粘度低下物質がない、他の点では同じ調合薬と比べると、低い粘度勾配を示す。

0080

多糖および核酸調合薬の粘度勾配は、粘度低下物質がない、他の点では同じ調合薬の粘度勾配より、2倍低いか、3倍低いか、または3倍超低くてよい。多糖または核酸調合薬の粘度勾配は、10mg/mL〜2,000mg/mLの多糖または核酸濃度を有する調合薬で、2.0cP mL/mg未満、1.5cP mL/mg未満、1.0cP mL/mg未満、0.8cP mL/mg未満、0.6cP mL/mg未満、または0.2cP mL/mg未満であってよい。調合薬の粘度勾配を低くすることで、多糖および核酸濃度は、粘度の指数的上昇が観察される前に、より大きく上昇し得る。

0081

ある粘度低下物質は、酸性または塩基性の官能基を含有する。これらの官能基が完全にまたは部分的にイオン化されるかどうかは、それらが含まれている調合薬のpHによって決まる。特に明記しない限り、イオン化できる官能基を有する粘度低下物質の親化合物および任意の可能なイオン化状態の両方は、調合薬中に存在する。

0082

A.活性薬剤
1.多糖
ある実施形態では、活性薬剤は多糖である。多糖は、自然発生的なものであるか、または合成で得られたものであってよい。多糖は、約1〜1,000kDa、約1〜100kDa、約1〜50kDa、約1〜20kDa、約3〜6kDa、または約10〜20kDaの分子量を有し得る。いくつかの実施形態では、多糖は、500kDa超、750kDa超、または1,000kDa超、の分子量を有し得る。ある多糖は、約500〜1,000kDa、または約500〜750kDa、または約750〜1,000kDaの分子量を有し得る。他の実施形態では、多糖は、1,000Da未満、好ましくは約300〜約1,000Daの分子量を有する小分子であってよい。いくつかの実施形態では、多糖は、分子量が約10kDa超の高分子量多糖である。他の実施形態では、多糖は、分子量が約10kDa未満の低分子量多糖である。いくつかの実施形態では、ポリマーの分子量は、質量分析などの当技術分野で既知の方法によって決定され、分子量の数値は、数平均分子量、重量平均分子量、またはピーク平均分子量として、当技術分野で既知の方法を用いて決定される。いくつかの実施形態では、多糖は、約1〜5kDa、または約5〜10kDa、または約5〜15kDa、または約10〜20kDaの分子量を有する。

0083

多糖は、以下の炭水化物単位のうち1つ以上を含み得る:アロースアルトロースアラビノースエリトロースエリトルロースフルクトースフシトール、フコサミンフコースガラクトサミンガラクトミニトールガラクトースグルコサミングルコサミニトール、グルコースグロースイドースリキソースマンノサミンマンノースプシコースキノボース、キノボサミン、ラムニトール、ラムノサミン、ラムノース、リボース、リブロースソルボースタガトースタローストレオースキシロースキシルロース、アベクオース、アミセトース、アミロースアピオースアルカノース、アスカリロース、ボイビノース、セロビオースセロトリオース、カコトリオース、カルコース、クラジノースコリトースシマロース、2−デオキシリボース、2−デオキシグルコースジギノースジギタロースジギトキソースエバロース、エベルニトロース、ゲンチアノース、ゲンチオビオースハマメロース、イヌリン、イソレボグルコセノンイソマルトースイソマルトトリオース、イソパノースコージビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクトースジアミンラミナビオースレボグルコサン、レボグルコセノン、マルトース、マンニノトリオース、メレジトースメリビオースムラミン酸、ミカローゼ、ミシノース、ノイラミン酸ニゲロースノジリマイシンノビオース、オレアンドロース、パノース、パラトース、プランテオース、プリメベロース、ラフィノース、ロジノース、ルチノースサルメントース、セドヘプツロース、セドヘプツロサン、ソラトリオース、ソホローススタキオースストレプトース、スクロース、α,α−トレハロース、トレハロサミン、ツラノースチベロースウンベリフェロースアコサミン、バシロサミン、ダウノサミン、デソサミンホロサミン、ガロサミン、カノサミン、カンソサミン(kansosamine)、マイカミノース、マイコサミン(mycosamine)、ペロサミン、プノイモサミン、プルプロサミン(purpurosamine)、およびロドサミン。

0084

グリコサミノグリカン(GAG)も、粘度低下物質と共に調剤され得る。例示的なグリコサミノグリカンは、低分子量ヘパリン(LMWH)、未分画ヘパリン(UFH)、コンドロイチンケラチン、およびヒアルロン酸を含むがこれらに制限されない(Yip et al., Molecular Cancer Therapeutics, 2006, 5:2139-2148)。

0085

他の実施形態では、多糖は、ワクチン、タンパク質、または小分子などの活性薬剤に共役され得る。多糖に共役され得る例示的なワクチンは、ヘモフィルスb、肺炎球菌、および髄膜炎菌ワクチンを含む。多糖に共役され得る例示的なタンパク質は、トリコサンチン、上皮細胞増殖因子、ならびに抗癌性酵素アスパラギナーゼおよびカルボキシペプチダーゼG2を含む。多糖に共役され得る例示的な小分子治療用物質は、ドキソルビシンシスプラチンカンプトセシンマイトマイシンメトトレキサート、およびパクリタキセルを含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体薬学的調合薬は、ワクチン、タンパク質、または小分子などの活性薬剤に共役された多糖を含む。いくつかの実施形態では、液体薬学的調合薬は、ワクチンに共役された多糖を含む。いくつかの実施形態では、液体薬学的調合薬は、小分子に共役された多糖を含む。いくつかの実施形態では、液体薬学的調合薬は、タンパク質に共役された多糖を含む。いくつかの実施形態では、液体薬学的調合薬は、タンパク質に共役されていない多糖を含む。いくつかの実施形態では、本発明の液体薬学的調合薬は、タンパク質に共役された多糖を含まない。

0086

ある実施形態では、治療用多糖は、ネクパラニブ(necuparanib)(M402、Momenta Pharmaceuticals, Inc.)、ヘパリン硫酸、または未分画ヘパリン(UFH)、低分子量ヘパリン(LMWH)、例えばエノキサパリン(LOVENOX(登録商標))、ダルテパリン(FRAGMIN(登録商標))、ナドロパリンカルシウム(FRAXIPARIN(登録商標))、チンザパリン(INNHEP(登録商標))、アルデパリン(NORMIFLO(登録商標))、デリンゴパリン(delingoparin)、ベミパリン、レビパリン、もしくはセルトパリン、または非血液凝固阻止ヘパリン、例えばO-脱硫酸化ヘパリン(ODSH)であってよい。多糖は、硫酸化グリコサミノグリカン、例えばスロデキシドを含む、グリコサミノグリカン(GAG)であってよい。ある実施形態では、多糖は、硫酸カードランアカルボース(GLUCOBAY(登録商標))、フォンダパリヌクス(ARIXTRA(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウム(ORTHOVISC(登録商標))、サイレキシン(cylexin)(CY−1503)、リビパンセル(GMI−1070)、GSC−150、Manα(1−2)Man、シアリルルイスa、シアリルルイスxおよびそれらの模倣物、GQ1bαおよびその模倣物、ルイスaおよびその模倣物、ならびにErnst et al., Nature Reviews Drug Discovery, 2009, 8:661-77によって記載される他の化合物であってよい。

0087

a.治療で使用される多糖
ヘパリンは、抗凝血薬として80年超にわたり使用されてきた、高硫酸化グリコサミノグリカンである。ヘパリンは、1つの別個の化合物ではなく、10〜100個の単糖の異なる多糖成分集合であり、約14,000〜18,000Daの平均分子量を有する。ヘパリンは、化学的または酵素的手段によって、より小さい多糖化合物(まとめて「低分子量ヘパリン」もしくは「LMWH」)へと分画されてよく、異なる抗凝血性特性を有する化合物を生じる。

0088

多くの低分子量ヘパリンは、ヘパリンのサイズの約3分の1であり、約4,500〜約5,000Daの平均分子量を有し、分布は、1,000〜10,000Daである。例示的なLMWH化合物は、ネクパラニブ、エノキサパリン(LOVENOX(登録商標))、ダルテパリン(FRAGMIN(登録商標))、ナドロパリンカルシウム(FRAXIPARIN(登録商標))、チンザパリン(INNOHEP)、およびアルデパリン(NORMIFLO(登録商標))を含む。

0089

未分画ヘパリンから得られたヘパリン硫酸模倣物である、ネクパラニブ(M402;Momenta Pharmaceuticals)は、腫瘍細胞に対して広範囲な効果を有するように操作された、新奇腫瘍学的薬物候補である。従来のヘパリンおよび分画誘導体とは異なり、ネクパラニブは、抗凝血性特性が限られているので、投与され得る最大投薬量を増大させる。ネクパラニブは、進行した転移性膵癌の患者において2部構成の第I/II相概念実証試験で試験されている。パートAは、アブラキサンゲムシタビンとの標準治療レジメンと併せて投与される、ネクパラニブの非盲検の複数用量漸増試験である。ある実施形態では、調合薬は、約5mg/mL〜約1,000mg/mLのネクパラニブ、約50mg/mL〜約750mg/mLのネクパラニブ、約100mg/mL〜約500mg/mLのネクパラニブ、または約250mg/mL〜約500mg/mLのネクパラニブを含有する。

0090

エノキサパリンナトリウム(LOVENOX(登録商標))は、平均分子量が約4,500Daである低分子量ヘパリンである。エノキサパリンナトリウムは、皮下または静脈内注射で投与される。これは、100mg/mLおよび150mg/mLの濃度で利用可能である。

0091

ダルテパリンナトリウム(FRAGMIN(登録商標)、Eisai, Inc.)は、約3,000〜8,000Daの平均分子量を有する低分子量ヘパリンである。ダルテパリンナトリウムは、皮下注射で投与される。これは、注射のための総体積0.1mLの水中、64mg/mLおよび160mg/mLの濃度で、利用可能である。

0092

ナドロパリンカルシウム(FRAXIPARINE(登録商標)、GlaxoSmithKline, plc)は、約4,300Daの平均分子量を有する低分子量ヘパリンである。ナドロパリンカルシウムは、皮下注射で投与される。FRAXIPARINE(登録商標)を予め充填されたシリンジは、ナドロパリンカルシウムを9,500anti−Xa IU/mLの濃度で含有する。FRAXIPARINE FORTE(登録商標)を予め充填されたシリンジは、ナドロパリンカルシウムを、19,000anti−Xa IU/mLの濃度で含有する。

0093

チンザパリンナトリウム(INNOHEP(登録商標)、Leo Pharmaceuticals, Inc.)は、約5,500〜約7,500Daの平均分子量を有する低分子量ヘパリンである。チンザパリンナトリウムは、皮下注射で投与される。チンザパリンは、20,000IU/mLを含有する複数回投与用2mLバイアルにおいて利用可能である。

0094

アルデパリン(NORMIFLO(登録商標))は、約5,500〜6,500Daの平均分子量を有する低分子量ヘパリンである。アルデパリンは、5,000または10,000IU/0.5mLで注射に利用可能である。

0095

2−O,3−O脱硫酸化ヘパリン(ODSH)は、ヘパリンの2−Oおよび3−O硫酸基が除去された、ヘパリン誘導体である。ODSHは、潜在的な抗炎症性および抗腫瘍性活性を有するが、抗凝血性特性が低下している。投与の際、ODSHは、終末糖化産物受容体(RAGE)の、そのリガンドに対する相互作用を防ぐ。さらに、この物質は、炎症および転移に関わる、酵素のヘパラナーゼカテプシンG、およびヒト白血球エラスターゼを抑制する。ODSHはセレクチンも抑制し、これによって、腫瘍細胞が内皮および血小板に付着するのを防ぐ。概して、これは、腫瘍細胞の侵襲性および転移を抑制することができる。ヘパリンとは異なり、この物質は、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)を引き起こさない。

0096

他の抗凝血性でないヘパリンは、抗トロンビン結合配列(antithrombin-binding sequence)を含む鎖を除去することにより、または、この配列の重要な官能基もしくは単位を不活性化することによって、得られる。最も広範に研究された、抗凝血性でないヘパリンは、は、位置選択的に脱硫酸化されたヘパリンおよび「グリコール分割(glycol-split)」ヘパリンである。両方のタイプの一部の修飾ヘパリンは、ヘパラナーゼの強い阻害因子である。それらのうちいくつかは、実験的モデルにおいて、転移を弱める。抗凝血性でないヘパリンは、抗凝血効果を引き起こさずに高用量で投与され得るので、潜在的臨床使用に好ましい。ヘパリンおよび抗凝血性でないヘパリンはまた、セレクチン媒介の細胞同士の相互作用を阻害するので、血液由来細胞の管外遊出を防ぐ。

0097

スロデキシド(SULONEX(登録商標)、Keryx Biopharmaceuticals)は、デルマタン硫酸(DS)および素早く移動するヘパリン(FMH)で構成されるグリコサミノグリカン(GAG)の混合物である。両方のスロデキシド画分が低分子量であることにより、未分画ヘパリンと比べて、広範囲の経口吸収が可能となる。スロデキシドの薬理学的効果は、他のグリコサミノグリカンとは実質的に異なり、半減期が長いこと、ならびに全体的な凝固および出血パラメータに対する影響が少ないことを、主な特徴としている。

0098

アカルボース(PRECOSE(登録商標)、Bayer Pharmaceuticals)は、小腸における炭水化物の消化および吸収を遅らせ、それにより、炭水化物が摂取された後の血中グルコース濃度の上昇を弱める。これは、食事の変化または経口血糖降下薬病状が制御されない、非インスリン依存型真性糖尿病患者に経口投与される。

0099

フォンダパリヌクスナトリウム(ARIXTRA(登録商標)、GlaxoSmithKline, plc)は、合成の五糖抗凝血薬である。フォンダパリヌクスは、5mg/1mL溶液として皮下投与される。

0100

多糖のヘパリン、エノキサパリン、ダルテパリン、ナドロパリン、チンザパリンおよびデリグノパリン(delingoparin)、ODSH、抗凝血性でないヘパリン、およびスロデキシドは、不妊気道障害、炎症、外陰部痛、潰瘍性大腸炎糖尿病による足の壊疽妊娠合併症やけど嚢胞性繊維症肺疾患分娩ミクロアルブミン尿症、および、乳癌大腸癌肺癌前立腺癌、および血管閉塞性の癌、ならびに結腸腺癌などの病状における有効性について、臨床試験で試験されてきた(Page, ISRN Pharmacology, 2013, 2013:1-13)。

0101

サイレキシン(Cylexin)(CY−1503)は、シアリルルイスX抗原の類似体である。サイレキシンは、Cytel Corporationによって、心血管障害に関連する臨床試験において試験された。サイレキシンはまた、手術可能慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)の患者53人を関与させる、二重盲検ランダム化プラセボ対照並行試験において試験された(Kerr et al., American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, 2000, 162:14-20)。

0102

リビパンセル(GMI−1070)は、E−セレクチン、P−セレクチン、およびL−セレクチンの拮抗物質であり、鎌状赤血球症における血管閉塞性危機について、GlycoMimetics, Inc.によって第II相臨床試験において試験されている。

0103

多糖GSC−150は、E−セレクチン、P−セレクチン、およびL−セレクチンの拮抗物質であり、Kanebo, Ltdによって、抗転移性効果について調べられている。

0104

DC−SIGNへの改善された親和性について研究されている、天然の多糖manα(1−2)manおよびルイスxを含む、さまざまな糖模倣化合物調査されてきた。これらの糖模倣物は、DC−SIGN拮抗物質として使用され得る。自然発生的ガングリオシドGQ1bαの糖模倣物は、ミエリン関連糖タンパク質(MAG)に対する改善された親和性について研究されている。GQ1bα糖模倣物は、ニューロン再生および神経修復を促進するため、MAG拮抗物質として使用され得る。緑膿菌病原性因子AIILに対する高親和性リガンドである、ルイスa三糖Galβ(13)[Fucα(14)]GlcNAcに基づく糖模倣化合物は、高親和性の細菌癒着防止剤として細菌感染に対して使用されるよう、開発されてきた。これらの多糖はとりわけ、Ernst et al., Nature Reviews Drug Discovery 2009, 8(8):661-77に記載されている。

0105

b.生体材料および薬剤送達のための多糖
他の実施形態では、粘度が低下した調合薬は、生体材料および/または薬剤送達に使用される多糖を含有し得る。これらの調合薬の粘度を下げることによって、これらは、狭い接合部に、より正確に置かれるか、または、粘度低下添加剤なしでは達成できない濃度の他の物質と共に調剤されることができる。

0106

コンドロイチン硫酸(正式には、ムコ多糖と呼ばれる)は、軟骨、骨、血管、および結合組織で見られる。これには、コンドロイチン硫酸Aおよびコンドロイチン硫酸Cの2つの形態がある。一方または両方のタイプが、ムコ多糖沈着症疾患のいくつかで異常に蓄積する。コンドロイチン硫酸は、グルクロン酸と交互になったN−アセチルガラクトサミンを含有し、ポリマーの二糖反復単位を形成する。コンドロイチン硫酸は、約80個のアニオン電荷を有するN−アセチルコンドロシン硫酸の約40個の反復単位の鎖からなる。コンドロイチン硫酸は、軟骨におけるグリコサミノグリカン(glycoaminoglycan)の最も一般的なもの(the most prevalent)である。コンドロイチン硫酸Bは、デルマタン硫酸と呼ばれる。

0107

デルマタン硫酸(正式には、ムコ多糖と呼ばれる)は、大部分が皮膚に見られるが、血管、心臓弁、およびにも見られる。デルマタン硫酸は、ムコ多糖沈着症疾患のいくつかで異常に蓄積する。

0108

ケラチン硫酸は、ガラクトースと交互になったN‐アセチルグルコサミンからなる二糖反復単位である。これは可変鎖長を有し、また、さまざまな程度のスルホン化を有する。ケラチン硫酸は、胎児および新生児の軟骨では低いレベルで存在するが、濃度は、成熟と共に、組織の総グリコサミノグリカン含量55%まで、上昇する。モルキオ症候群は、ケラチン硫酸が組織に過剰に蓄積することを特徴とする疾患である。

0109

ヒアルロン酸(ヒアルロナンまたはヒアルロネート)は、アニオン性の非硫酸化GAGである。用語ヒアルロネートは、ヒアルロン酸の共役塩基も指す。分子は、典型的には、ポリアニオン形態でin vivoで存在するため、これは、最も一般的にはヒアルロナンと呼ばれる。これは、通常、水性の硝子体液で通常見られる、粘弾性のポリマーである。ヒアルロン酸ナトリウム(ORTHOVISC(登録商標))は、緩衝化した生理学的塩化ナトリウム中、高分子量(500〜700kDa)画分の精製された天然のヒアルロン酸ナトリウムからなる粘性の溶液である。ヒアルロン酸は、グリコサミノグリカンファミリーの天然の複合糖類であり、Na‐グルクロネート−N−アセチルグルコサミンの二糖反復単位を含有している長鎖ポリマーである。

0110

ヒアルロン酸ナトリウムは、角膜内皮上で自然発生し、高い親和性を有する特定の受容因子に結合する。関節炎骨関節炎)の患者におけるの痛みを治療するのにも使用される。これは、アセトアミノフェン、運動、または理学療法など、他の治療には反応しなかった患者で、通常用いられる。ヒアルロン酸ナトリウムはまた、顔のしわを減らすために、または身体の他の部分で増量剤として、整形手術で使用されることもできる。白内障摘出眼内レンズ植え込み角膜移植緑内障濾過手術網膜付着、および、ドライアイの治療を補助するため、眼科学で使用されることもできる。最終的に、ヒアルロン酸ナトリウムは、間質性膀胱炎を治療する際に膀胱内膜をコーティングするのにも使用される。ヒアルロナンは、関節で自然に発生する物質と同様である。これは、関節において潤滑剤および緩衝材として作用することによって機能でき、膝がスムーズに動くのを助け、これにより痛みを軽減する。

0111

ラムナン硫酸は、酸化防止、抗凝血、および抗ウイルス性生物学的活性を有する自然発生的ラムノース含有硫酸化多糖である。これは、海洋紅藻類緑藻類、および褐海藻から抽出される(Patel, Therapeutic importance of sulfated polysaccharides from seaweeds: updating the recent findings. 3 Biotech, 2012, 2:171-185;Harada and Maeda, Chemical structure of antithrombin-active rhamnan sulfate from Monostrom nitidum. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 1998, 62:1647-1652)。

0112

ある実施形態では、粘度低下物質と共に使用される活性薬剤は、植物、真菌、もしくは動物起源の多糖、例えば植物もしくは真菌由来のペクチンガラクトマンナン/マンノグリカン、キシログルカン、およびβ‐グルカン/レンチナンを含む。ある実施形態では、多糖は、キトサンアルジネートフコイダンガラクタンカラギーナンカッパ‐カラギーナン、ガラクトフカン、マンノグルコロノフカン、アラビノガラクタン、キシロマンナン硫酸、キシロガラクトフカン、デキストラン、それらの誘導体、アオサ(ulvan)も含む。他の例としては、Chattopadhyay, International Journal of Polymer Science, 2010, 2010:1-7;またはPatel, 3 Biotech, 2012, 2:171-185)により記載されたものなどの化合物が含まれる。

0113

カンジダアルビカンス由来のマンナンは、ある免疫調節特性を呈する。一般的に、これらの化合物は、大部分が多糖成分からなるが、タンパク質(5重量%)も含む。マクロファージ上に存在するマンノース結合レクチンは、マンナンを結合し、非自己認識メカニズムを介して宿主免疫システムを活性化させることができる(Tzianabos, Clinical Microbiology Reviews, 2000, 523-533)。

0114

キシログルカンは、すべての被子植物(花を咲かせる植物)および薬効のあるきのこの主要細胞壁に生じる多糖である。薬効のあるきのこから単離されたキシログルカンは、抗腫瘍効果を示す(Wasser et al., Critical Reviews in Immunology, 1999, 19:65-96)。

0115

アルジネートは、高い水分吸収力を示し、また、水中、それ自体の重量の200〜300倍を吸収することができる。アルジネートは、マンヌロネート(mannuronate)およびグルロネート(guluronate)残基のホモポリマーブロックを備えた線形コポリマーである。アルジネートは、ガビスコン、Bisodol、およびAsiloneなど、さまざまな薬学的製剤で、不活性成分として使用される。アルジネートは、歯科学補綴学、ライフキャスティングにおいて印象付ける材料として広範に使用されるか、また、時には、小規模のキャスティングのためにポジ(positives)を作るために、使用される。アルジネートはまた、ダイエットの助けとなる脱水した製品における添加剤として使用され、また、食欲抑制剤として減量産業によって使用される。

0116

キトサンは、抗菌性、抗ウイルス性、および制酸性の特性を有する、毒性のない生分解性のポリマーである。キトサンは、フィルムもしくは繊維の形成、またはヒドロゲルの形成に使用されることもできる(Chattopadhyay et al., International Journal of Polymer Science, 2010, 2010:1-7)。

0117

フコイダンは、酸化防止、免疫促進、脂質低下、抗菌、および抗高血圧(antihyperpeisic)効果について注目されてきた。フコイダンおよびアオサ(ulvan)はまた、創傷治癒のため、また、in vitroおよびin vivoでの薬剤制御放出のため、ナノディシンで使用される(Patel, 3 Biotech, 2012, 2:171-185)。

0118

ガラクタン、カラギーナン、およびカッパ−カラギーナンは、酸化防止、免疫促進、抗炎症鎮痛、抗凝血、および抗ウイルス効果を示す。ガラクトフカンおよびマンノグルコロノフカン(mannoglucoronofucan)は、抗腫瘍効果を有し得る。アラビノガラクタン(Arabinogalactants)は、抗凝血および抗血栓効果を有し得る。キシロマンナン硫酸およびキシロガラクトフカン(xylogalactofucan)は、特にインフルエンザヘルペス、およびヒト免疫不全ウイルスなどのウイルスに対して、抗ウイルス効果を示す(Patel, 3 Biotech, 2012, 2:171-185)。

0119

デキストランは、分岐多糖である。デキストラン、ならびにその自然発生的誘導体および合成誘導体の多くは、いずれも抗血栓活性を示す。

0120

2.核酸
治療、診断、臨床または薬剤送達で使用される任意の核酸(本明細書ではまとめて機能性核酸と呼ぶ)を、調合薬において使用することができる。調合薬で使用されるべき機能性核酸は、以下の非限定的なカテゴリーに分割され得る:コピーDNAcDNA)、DNAアプタマーDNAザイムRNAアプタマー、外部誘導配列、RNA干渉分子、例えば低分子干渉RNA、アンチセンスRNA、小ヘアピンRNA、ミクロRNA(miRNA)、モルフォリノ、メッセンジャーRNAmRNA)、長鎖ノンコーディングRNA(lincRNA)、ならびにリボザイム三重鎖形成性分子、および核酸含有ナノ粒子。治療用の核酸は、いったん細胞内に到達すると、遺伝子の官能性を変えることができる。外来核酸の細胞内への導入は、ウイルス性変換および非ウイルス性送達、例えば、超音波電気穿孔法、脂質依存送達、ポリペプチド依存送達、カルシウム共沈、「むきだしの(naked)」核酸分子によるトランスフェクション自己送達核酸抱合体、および、場合によっては核酸含有ナノ粒子およびミクロ粒子成形するのにナノ材料を利用するポリマーもしくは糖ポリマー依存性(すなわち、ポリエチレンイミン)送達、によって達成され得る。

0121

いくつかの実施形態では、核酸は、約10kDa超の分子量を有する高分子量核酸である。他の実施形態では、核酸は、約10kDa未満の分子量を有する低分子量核酸である。いくつかの実施形態では、ポリマーの分子量は、質量分析など、当技術分野で既知の方法で決定され、分子量の数値は、数平均分子量、重量平均分子量、またはピーク平均分子量として、当技術分野で既知の方法を用いて決定される。いくつかの実施形態では、核酸は、約1〜5kDa、または約5〜10kDa、または約5〜15kDa、または約10〜20kDaの分子量を有する。

0122

a.機能性核酸
i.アンチセンス
機能性核酸は、アンチセンス分子であってよい。アンチセンス分子は、標準的または非標準的な塩基対合を通じて標的の核酸分子と相互作用するように設計されている。アンチセンス分子と標的分子との相互作用は、例えばRNアーゼHが媒介するRNA−DNAハイブリッド分解を通じて、標的分子の破壊を促進するように設計されている。あるいは、アンチセンス分子は、転写もしくは複写など、通常は標的分子上で起こる処理機能中断するように設計されている。アンチセンス分子は、標的分子の配列に基づいて設計され得る。標的分子の最もアクセスしやすい領域を見つけることによってアンチセンスの有効性を最適化する数多くの方法がある。アンチセンス分子は、10−6、10−8、10−10、または10−12以下の解離定数(Kd)で標的分子を結合することが好ましい。

0123

ii.アプタマー
機能性核酸は、アプタマーであってよい。アプタマーは、標的分子と、好ましくは特定の方法で、相互作用する、DNAまたはRNA分子である。典型的には、アプタマーは、ステムループまたはGカルテットなど、定められた二次および三次構造へと畳まれる、長さが15〜50個の塩基の範囲である、小さな核酸である。アプタマーは、ATPおよびテオフィリン(theophiline)などの小分子、ならびに逆転写酵素およびトロンビンなどの大分子を結合することができる。アプタマーは、10−12M未満の標的分子からのKdで非常にしっかりと結合することができる。アプタマーは、10−6、10−8、10−10、または10−12未満のKdで標的分子を結合することが好ましい。アプタマーは、非常に高度な特異性で標的分子を結合し得る。例えば、標的分子と、その分子上の1つの位置のみで異なる別の分子との間の結合親和力の差が10,000倍超である、アプタマーが単離されている。アプタマーが、バックグラウンド結合分子とのKdより少なくとも10倍、100倍、1,000倍、10,000倍、または100,000倍少ない、標的分子とのKdを有することが好ましい。

0124

iii.リボザイム
機能性核酸はリボザイムであってよい。リボザイムは、分子内で、または分子間で、化学反応触媒することができるRNA分子である。リボザイムが分子間反応を触媒することが好ましい。ハンマーヘッドリボザイムなど、自然分類で見られるリボザイムに基づく、ヌクレアーゼまたは核酸ポリメラーゼタイプの反応を触媒する、いくつかの異なるタイプのリボザイムがある。自然分類で見られないが、新たに特定の反応を触媒するように操作されている、いくつかのリボザイムもある。好適なリボザイムは、RNAまたはDNA基質開裂させ、さらに好ましくはRNA基質を開裂させる。リボザイムは、典型的には、次の開裂を有する標的基質の認識および結合を通じて、核酸基質を開裂させる。この認識は、大部分が、標準的または非標準的な塩基対の相互作用に基づいていることが多い。この特性により、標的基質の認識が標的基質の配列に基づくので、リボザイムは、核酸の標的の特定の開裂に関して、特に良い候補となる。

0125

iv.三重鎖形成性オリゴヌクレオチド
機能性核酸は、三重鎖形成性分子であってよい。三重鎖形成性の機能性核酸分子は、二本鎖または一本鎖の核酸と相互作用することができる分子である。三重鎖分子が標的領域と相互作用するとき、三重鎖と呼ばれる構造が形成され、ここでは、DNAの三本鎖がワトソンクリック塩基対およびフーグスティーン型塩基対の両方に依存する複合体を形成する。三重鎖分子は、高い親和性および特異性をもって、標的領域を結合することができるので、好適である。三重鎖形成性分子が、10−6、10−8、10−10、または10−12未満のKdで標的分子を結合することが好ましい。

0126

v.外部誘導配列
機能性核酸は、外部誘導配列であってよい。外部誘導配列(EGS)は、RNアーゼPによって認識され、その後標的分子を開裂させる、複合体を形成する標的核酸分子を結合する分子である。EGSは、最適なRNA分子を特に標的にするよう設計され得る。RNアーゼPは、細胞内でトランスファーRNAtRNA)を処理するのを助ける。細菌RNアーゼPは、標的RNA:EGS複合体に天然のtRNA基質を模倣させるEGSを使用することによって、実質的に任意のRNA配列を開裂させるために採用され得る。同様に、RNAの真核性EGS/RNアーゼPに向けられた開裂は、真核性細胞内で所望の標的を開裂させるために使用され得る。さまざまな異なる標的分子の開裂を容易にさせるためにどのようにしてEGS分子を作り、使用するか、という代表的な例は、当技術分野で既知である。

0127

vi.RNA干渉
いくつかの実施形態では、機能性核酸は、RNA干渉を通じて遺伝子の発現抑制を引き起こす。遺伝子の発現は、RNA干渉(RNAi)を通じて特異性の高い形で、効果的に抑制されることもできる。この抑制は、もともとは、二本鎖のRNA(dsRNA)を加えることで観察された(Fire, et al. (1998) Nature, 391:806-11; Napoli, et al. (1990) Plant Cell 2:279-89; Hannon, (2002) Nature, 418:244-51)。いったんdsRNAが細胞に入ると、これは、RNアーゼIII様酵素ダイサーによって、3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを含む、長さが21〜23個のヌクレオチドの二本鎖の低分子干渉RNA(siRNA)へと、開裂される(Elbashir, et al. (2001) Genes Dev., 15:188-200; Bernstein, et al. (2001) Nature, 409:363-6; Hammond, et al. (2000) Nature, 404:293-6)。ATPに依存する工程では、siRNAは、siRNAを標的RNA配列へとガイドする、RNAi誘導サイレンシング複合体RISC)として一般的に知られる、マルチサブユニットタンパク質複合体へと統合される(Nykanen, et al. (2001) Cell, 107:309-21)。ある時点で、siRNA二本鎖はほどけ、アンチセンス鎖は、エンドヌクレアーゼエクソヌクレアーゼとの組み合わせによって相補的mRNA配列の分解を指示するRISCに結合したままである(Martinez, et al. (2002) Cell, 110:563-74)。しかしながら、RNAiもしくはsiRNAまたはそれらの使用の効果は、任意のタイプのメカニズムに限られるものではない。

0128

低分子干渉RNA(siRNA)は、配列特異的な転写後の遺伝子の発現抑制を誘導することができ、これによって、遺伝子の発現を低減させるか、または抑止する、二本鎖RNAである。一実施例では、siRNAは、siRNAと標的RNAとの間の配列相同性の領域内で、mRNAなどの同族RNA分子の特異的分解を引き起こす。例えば、WO02/44321は、3’オーバーハング末端と塩基対になると標的mRNAの配列特異的分解が可能なsiRNAを開示している。

0129

配列特異的な遺伝子の発現抑制は、酵素ダイサーにより生成されるsiRNAを模倣した合成の短い二本鎖RNAを用いて、哺乳動物細胞において達成され得る(Elbashir, et al. (2001) Nature, 411:494 498)(Ui-Tei, et al. (2000) FEBSLett 479:79-82)。siRNAは、化学的にもしくはin vitroで合成されてよく、あるいは、細胞内でsiRNAへと処理される短い二本鎖のヘアピン様RNA(shRNAs)の結果であってよい。合成のsiRNAは、一般的に、アルゴリズムおよび従来のDNA/RNAシンセサイザーを用いて設計される。供給者には、Ambion(テキサス州オースティン)、ChemGenes(マサチューセッツアシランド)、Dharmacon(コロラド州ラフィーエット)、Glen Research(バージニア州スターリング)、MWB Biotech(ドイツ国エスバースベルグ(Esbersberg))、Proligo(コロラド州ボールダー)、およびQiagen(オランダベント(Vento))が含まれる。siRNAはまた、AmbionのSILENCER(登録商標)siRNA構成キットなどのキットを用いてin vitroで合成されることもできる。

0130

ベクターからのsiRNAの生成は、より一般的には、小ヘアピンRNA(shRNA)の転写を通じて、行われる。例えばImgenexのGENESUPPRESSOR(商標)構成キット、およびInvitrogenのBLCK−IT(商標)誘導性RNAiプラスミドおよびレンチウイルスベクターなど、shRNAを含有するベクターの生成用キットが利用可能である。

0131

いくつかの実施形態では、機能性核酸は、siRNA、shRNA、またはミクロRNA(miRNA)である。いくつかの実施形態では、組成物は、機能性核酸を発現するベクターを含む。アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、miRNA、EGS、リボザイム、およびアプタマーなどの機能性核酸のin vivo発現のためのベクターを作り、用いる方法は、当技術分野で既知である。

0132

vii.他の遺伝子編集組成物
いくつかの実施形態では、機能性核酸は、遺伝子編集組成物である。遺伝子編集組成物は、標的細胞ゲノム内の一本鎖または二本鎖切断を引き起こす1つまたは複数の要素を符号化する、核酸、オプションとしてポリヌクレオチドを含み得る。

0133

b.鎖切断を誘導する要素
i.CRISPR/Cas
いくつかの実施形態では、標的細胞のゲノムにおいて一本鎖または二本鎖切断を誘導する要素は、CRISPR/Cas系である。CRISPR(クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート)は、塩基配列の複数の短い直接的な反復を含むDNA座の頭字語である。原核生物CRISPR/Cas系は、真核生物における遺伝子編集用途(特異遺伝子を抑制、強化、または変化させる)のために構成されている(例えば以下を参照:Cong, Science, 15:339(6121):819-823 (2013)およびJinek, et al., Science, 337(6096) :816-21 (2012))。cas遺伝子および特異的設計のCRISPRを含む必須要素で細胞をトランスフェクトすることによって、生物のゲノムは、任意の所望の場所で切断され、修飾されることができる。CRISPR/Cas系を用いてゲノム編集に使用される組成物を調製する方法は、WO2013/176772およびWO2014/018423で詳述されている。

0134

一般的に「CRISPR系」は、Cas遺伝子を符号化する配列、tracr(トランス活性化CRISPR)配列(例えば、tracrRNAもしくは活性な部分的tracrRNA)、tracr−mate配列(内因的CRISPR系の状況で「直接反復」およびtracrRNAが処理する部分的な直接反復を含む)、ガイド配列(内因的CRISPR系の状況で「スペーサー」とも呼ばれる)、またはCRISPR座からの他の配列および転写産物を含む、CRISPR関連(「Cas」)遺伝子の活性の発現に関与するか、またはこれを指示する、転写産物および他の要素を集合的に指す。ガイド配列に動作可能に結合した1つ以上のtracr mate配列(例えば、直接反復‐スペーサー‐直接反復)は、処理前にはプレcrRNA(プレCRISPR RNA)と呼ばれてもよく、または、ヌクレアーゼによる処理後にはcrRNAと呼ばれてもよい。

0135

いくつかの実施形態では、tracrRNAおよびcrRNAは、結合されて、キメラのcrRNA‐tracrRNAハイブリッドを形成し、ここでは、成熟crRNAが、Cong, Science, 15:339(6121):819-823 (2013)およびJinek, et al., Science, 337(6096):816-21 (2012)に記載されるような、天然のcrRNA:tracrRNA二本鎖を模倣するよう、合成のステムループを介して部分的tracrRNAに融合されているものである。1つの融合crRNA−tracrRNA構成物は、ガイドRNAまたはgRNA(またはシングルガイドRNA(sgRNA))とも呼ばれ得る。sgRNA内で、crRNA部分は、「標的配列」として特定されてよく、tracrRNAはしばしば、「スキャフォールド」と呼ばれる。

0136

いくつかの実施形態では、CRISPR系の1つ以上の要素の発現を駆動する1つ以上のベクターは、標的細胞内に導入され、CRISPR系の要素の発現は、1つ以上の標的部位でのCRISPR複合体の形成を管理する。詳細は、操作された種々のCRISPR系で変化し得るが、全体的な方法論は同様である。DNA配列を標的にするためにCRISPRテクノロジーを使用することに関心のある医師は、標的配列を含む短いDNA画分を、ガイドRNA発現プラスミドに挿入することができる。sgRNA発現プラスミドは、tracrRNA配列(スキャフォールド)の一形態である標的配列(約20個のヌクレオチド)、ならびに真核細胞における適切な処理のための適切なプロモーターおよび必要な要素を含有する。このようなベクターは、市販されている(例えばAddgeneを参照)。系の多くは、二本鎖DNAを形成するためアニールされ、その後、sgRNA発現プラスミドへとクローン化される、カスタムの相補的なオリゴに依存している。トランスフェクトされた細胞内の同じかまたは別々のプラスミドからの適切なCas酵素およびsgRNAの同時発現は、(Cas酵素の活性に依存する)一本鎖または二本鎖切断を、所望の標的部位で起こす。

0137

ii.ジンクフィンガーヌクレアーゼ
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の核酸構成物は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を符号化する。ZFNは、典型的には、開裂ドメインに結合したジンクフィンガータンパク質から得られるDNA結合ドメインを含む、融合タンパク質である。

0138

最も一般的な開裂ドメインは、IIS型酵素Fok1である。Fok1は、1本の鎖上の認識部位から9ヌクレオチド、もう一方の鎖上の認識部位から13ヌクレオチドのところで、DNAの二本鎖の開裂を触媒する。例えば、米国特許第5,356,802号;5,436,150号;5,487,994号;ならびにLi et al. Proc., Natl. Acad. Sci. USA 89 (1992):4275-4279;Li et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:2764-2768 (1993);Kim et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 91:883-887 (1994a);Kim et al. J. Biol. Chem. 269:31, 978-31,982 (1994b)を参照のこと。これらの酵素(またはそれらの酵素的に機能的な画分)のうちの1つ以上が、開裂ドメインの源として使用され得る。

0139

DNA結合ドメインは、原理上は、目的の任意の遺伝子位置を標的にするよう設計され得るが、一般的に標的DNA配列において3〜4個のヌクレオチドをそれぞれが認識するCys2His2ジンクフィンガータンデムアレイであってよい。Cys2His2ドメインは、次の一般的な構造を有する:Phe(時にはTyr)‐Cys‐(2〜4アミノ酸)‐Cys‐(3アミノ酸)‐Phe(時にはTyr)‐(5アミノ酸)‐Leu‐(2アミノ酸)‐His‐(3アミノ酸)‐His。複数のフィンガーを互いに結合させることによって(数は変化する:公開された研究では、単量体個当たり3〜6個のフィンガーが使用されている)、ZFN対は、18〜36個のヌクレオチドの長さのゲノム配列に結合するように設計され得る。

0140

iii.転写活性化因子エフェクターヌクレアーゼ
いくつかの実施形態では、核酸構成物は、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を符号化する。TALENは、全体的な構造がZFNに類似しており、主な違いは、DNA結合ドメインが、植物病原細菌由来転写因子である、TALエフェクタータンパク質に由来することである。TALENのDNA結合ドメインは、それぞれが約34個の残基の長さの、アミノ酸反復のタンデムアレイである。これらの反復は、互いに非常に類似している;典型的には、それらは、主に2つの位置で異なっている(反復可変2残基(repeat variable diresidue)すなわちRVDと呼ばれる、アミノ酸12および13)。各RVDは、特異的なヌクレオチドを認識し、DNA認識のための単純なコードがもたらされる:アデニンではNI、シトシンではHD、チミンではNG、グアニンではNHもしくはNN。各RVDは、4つの可能なヌクレオチドのうちの1つへの優先的な結合を特定し、これは、各TALEN反復が1つの塩基対に結合することを意味するが、NN RVDは、グアニンに加えてアデニンを結合することが知られている。TALエフェクターDNA結合は、機構的に、ジンクフィンガータンパク質よりもあまり理解されていないが、それらの一見単純なコードは、操作されたヌクレアーゼデザインに非常に有用であることが分かる。TALENは、二量体としても開裂し、相対的に長い標的配列を有し(これまで報告されている最短のものは単量体1個当たり13個のヌクレオチドを結合する)、結合部位間のスペーサーの長さについて、ZFNよりも要件が厳しくないようである。単量体および二量体のTALENは、10個超、14個超、20個超、または24個超の反復を含み得る。

0141

特異的な核酸に結合するようにTALを操作する方法は、Cermak, et al, Nucl. AcidsRes. 1-11 (2011);TALエフェクター、およびそれらを使用してDNAを修飾する方法を開示している米国特許出願公開第2011/0145940号に記載されている。Miller et al. Nature Biotechnol 29: 143 (2011)では、TAL截頭変形体(truncation variants)をFok1ヌクレアーゼの触媒ドメインに結合させることにより、部位特異的ヌクレアーゼ構造のためのTALENを作ることが報告された。結果として得られるTALENは、ヒトの不死化細胞内で遺伝子組み換えを引き起こすことが分かった。TALEN結合ドメインの、一般的なデザイン原理は、例えばWO2011/072246で見ることができる。

0142

c.遺伝子を変化させるポリヌクレオチド
ゲノム編集系のヌクレアーゼ活性は、標的DNAを開裂させて、標的DNAにおいて一本鎖または二本鎖切断を生じる。二本鎖切断は、以下の2つの方法のうちの1つで、細胞によって修復され得る:非相同末端結合、および相同組換え修復。非相同末端結合(NHEJ)では、二本鎖切断は、切断末端を互いに直接連結することにより修復される。したがって、新しい核酸物質が部位に挿入されることはないが、一部の核酸物質は失われる場合があり、結果として欠失する。相同組換え修復では、開裂した標的DNA配列に対して相同関係を有するドナーポリヌクレオチドが、開裂した標的DNA配列の修復のためのテンプレートとして使用され、その結果、遺伝的情報がドナーポリヌクレオチドから標的DNAへと伝達される。したがって、新たな核酸物質が、部位に挿入/コピーされ得る。

0143

したがって、いくつかの実施形態では、ゲノム編集組成物はオプションとしてドナーポリヌクレオチドを含む。NHEJおよび/または相同組換え修復による標的DNAの修飾は、遺伝子修正遺伝子置換、遺伝子標識、導入遺伝子挿入、ヌクレオチド欠失、遺伝子破壊遺伝子突然変異などを引き起こすために使用され得る。

0144

よって、ゲノム編集組成物によるDNAの開裂は、標的DNA配列を開裂させ、外因的に提供されたドナーポリヌクレオチドの不存在下で細胞に配列を修復させることによって、標的DNA配列から核酸物質を除去するのに使用され得る。あるいは、ゲノム編集組成物が、少なくとも標的DNA配列に対して相同関係を有する部分を含むドナーポリヌクレオチド配列を含んでいる場合、この方法は、核酸物質を標的DNA配列に加える、すなわち、挿入または置換する(例えば、タンパク質を符号化する核酸、siRNA、miRNAなどを「打ち込む」)、標識(例えば、6xHis、蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質黄色蛍光タンパク質など)、ヘマグルチニンHA)、FLAGなど)を加える、制御配列(例えば、プロモーター、ポリアデニル化信号、内部リボソーム進入配列(IRES)、2Aペプチド開始コドン終止コドンスプライス信号、局在化シグナルなど)を遺伝子に加える、核酸配列を修飾する(例えば、突然変異体を導入する)など、のために使用され得る。したがって、組成物は、例えば遺伝子療法に用いられるような、部位特異的、すなわち、「標的化した」方法、例えば遺伝子ノックアウト、遺伝子ノックイン、遺伝子編集、遺伝子標識法などで、DNAを修飾するのに使用され得る。

0145

ポリヌクレオチド配列を標的DNA配列に挿入することが望ましい適用では、挿入されるべきドナー配列を含むポリヌクレオチドもまた、細胞に提供される。「ドナー配列」または「ドナーポリヌクレオチド」または「ドナーオリゴヌクレオチド」によって、開裂部位において挿入される核酸配列を意味している。ドナーポリヌクレオチドは、典型的には、開裂部位の側面に位置する、例えば開裂部位の約50個以下の塩基以内に、例えば、約30個の塩基以内、約15個の塩基以内、約10個の塩基以内、約5個の塩基以内に位置するか、または開裂部位のすぐ側面に位置する、ヌクレオチド配列と、開裂部位においてゲノム配列に対し十分な相同関係、例えば、70%、80%、85%、90%、95%、または100%の相同関係を含み、これと、これが相同関係を有するゲノム配列との間の相同組換え修復を支持する。ドナー配列は、典型的には、それが置き換えられるゲノム配列と同一ではない。むしろ、ドナー配列は、相同組換え修復を支持するのに十分な相同関係が存在する限り、ゲノム配列に対する、少なくとも1つ以上の1塩基置換(single base changes)、挿入、欠失、転化、または転位を含む。いくつかの実施形態では、ドナー配列は、相同関係の2つの領域が側面に位置する非相同配列を含み、標的DNA領域と2つの側面配列との間の相同組換え修復が、標的領域での非相同配列の挿入をもたらす。

0146

d.オリゴヌクレオチド組成物
機能性核酸は、DNAまたはRNAヌクレオチドであってよく、これは、典型的には、複素環塩基(核酸塩基)、複素環塩基に付着した糖部分、および糖部分のヒドロキシル官能基エステル化するリン酸部分を含む。主要な自然発生的ヌクレオチドは、ウラシル、チミン、シトシン、アデニン、およびグアニンを複素環塩基として含み、また、ホスホジエステル結合により結合されたリボースもしくはデオキシリボース糖を含む。

0147

いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、DNAもしくはRNA等価物と比べて、安定性、半減期、または標的受容因子への特異性もしくは親和性を改善するために化学的に修飾されている、ヌクレオチド類似体から構成される。化学的修飾は、核酸塩基、糖部分、ヌクレオチド結合、またはこれらの組み合わせの化学的修飾を含む。本明細書で使用される「修飾されたヌクレオチド」または「化学的に修飾されたヌクレオチド」は、複素環塩基、糖部分、またはリン酸部分の構成要素のうちの1つ以上が化学的修飾された、ヌクレオチドを定める。いくつかの実施形態では、修飾されたヌクレオチドの電荷は、同じ核酸塩基配列のDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドと比べて減少している。例えば、オリゴヌクレオチドは、負電荷が低いか、電荷を有していないか、または正電荷を有することができる。

0148

典型的には、ヌクレオシド類似体は、標準的ポリヌクレオチド塩基へのワトソン・クリック塩基対合により水素結合することができる塩基を支持しており、類似体の骨格は、オリゴヌクレオチド類似体分子と、標準的ポリヌクレオチド(例えば、一本鎖RNAもしくは一本鎖DNA)の塩基との間で配列特異的な形でこのような水素結合を可能にするように、塩基を提示している。いくつかの実施形態では、類似体は、実質的に電荷のない、リン含有骨格を有する。

0149

i.ロックド核酸
別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ロックド核酸で構成される。ロックド核酸(LNA)は、修飾されたRNAヌクレオチドである(例えば、Braasch, et al., Chem. Biol., 8(1):1-7 (2001)を参照)。LNAは、DNAとハイブリッドを形成し、これは、DNA/DNAハイブリッドより安定しており、ペプチド核酸(PNA)/DNAハイブリッドと類似の特性を有している。したがって、LNAは、PNA分子と全く同じように使用され得る。LNAの結合有効性は、いくつかの実施形態では、正電荷が加えられることによって、上昇し得る。市販の核酸シンセサイザーおよび標準ホスホロアミダイト化学を使用して、LNAを作ることができる。

0150

ii.ペプチド核酸
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはペプチド核酸で構成される。ペプチド核酸(PNA)は、オリゴヌクレオチドのリン酸骨格がN‐(2‐アミノエチル)‐グリシン単位を反復することにより全体として置換され、ホスホジエステル結合が典型的にはペプチド結合で置換されている、合成のDNA模倣物である。さまざまな複素環塩基が、メチレンカルボニル結合によって骨格に結合される。PNAは、従来のDNAオリゴヌクレオチドと類似の、複素環塩基の間隔を維持するが、非キラルの中性電荷の分子である。ペプチド核酸は、ペプチド核酸単量体で構成される。いくつかの実施形態では、本発明の液体薬学的調合薬は、ペプチド核酸で構成されたオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、液体薬学的調合薬は、ペプチド核酸以外のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、液体薬学的調合薬は、ペプチド核酸を含まない。

0151

他の骨格修飾は、ペプチドおよびアミノ酸の変化および修飾を含む。よって、PNAなどのオリゴヌクレオチドの骨格構成要素は、自然発生的および非自然発生的ペプチド結合であってよい。非自然発生的ペプチド結合の例は、1つ以上の窒素原子アセチル化されたもの、または結合が8‐アミノ‐3,6‐ジオキサオクタン酸などのアミノスペーサーを含み得るもの、を含む。正電荷がPNAにおいて望ましい場合、リシンなどのアミノ酸残基が特に有用である。PNAを化学的に組み立てる方法は周知である。例えば米国特許第5,539,082号、5,527,675号、5,623,049号、5,714,331号、5,736,336号、5,773,571号、および5,786,571号を参照。

0152

iii.複素環塩基
主要な自然発生的ヌクレオチドは、ウラシル、チミン、シトシン、アデニン、およびグアニンを複素環塩基として含む。オリゴヌクレオチドは、それらの核酸塩基構成要素に対する化学的修飾を含み得る。複素環塩基または複素環塩基類似体の化学的修飾は、標的配列を結合する上で、結合親和性または安定性を増大させるのに有効となり得る。化学的に修飾された複素環塩基は、イノシン、5‐(1‐プロピニル)ウラシル(pU)、5‐(1‐プロピニル)シトシン(pC)、5‐メチルシトシン、8‐オキソ‐アデニン、擬似シトシン、擬似イソシトシン、5および2‐アミノ‐5‐(2’‐デオキシ‐β‐D‐リボフラノシルピリジン(2‐アミノピリジン)、ならびにさまざまなピロロピリミジンおよびピラゾロピリミジン誘導体を含むがこれらに制限されない。

0153

iv.糖修飾
オリゴヌクレオチドは、修飾された糖部分もしくは糖部分類似体を備えるヌクレオチドを含むこともできる。糖部分の修飾は、2’‐O‐アミノエトキシ、2’‐O‐アミノエチル(2’‐OAE)、2’‐O‐メトキシ、2’‐O‐メチル、2‐グアニエチル(2’‐OGE)、2’‐O,4’‐C‐メチレン(LNA)、2’‐O‐(メトキシエチル)(2’‐OME)および2’‐O‐(N‐(メチル)アセトアミド)(2’‐OMA)を含むがこれらに制限されない。

0154

v.モルフォリノ
いくつかの実施形態では、機能性核酸は、モルフォリノオリゴヌクレオチドである。モルフォリノオリゴヌクレオチドは、典型的には、塩基特異的な水素結合によって、ポリヌクレオチドの塩基に結合するのに有効なプリンもしくはピリミジン塩基対合部分を含有する2つ以上のモルフォリノ単量体から構成され、これらは、リン含有結合により互いに結合され、1〜3個の原子の長さであり、1つの単量体のモルフォリノ窒素を隣接する単量体の5’‐環外炭素に結合している。プリンまたはピリミジン塩基対合部分は、典型的には、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシルまたはチミンである。モルフォリノオリゴマーの合成、構造、および結合特性は、米国特許第5,698,685号、5,217,866号、5,142,047号、5,034,506号、5,166,315号、5,521,063号、および5,506,337号に詳述されている。

0155

モルフォリノ系サブユニットの重要な特性は、典型的には以下を含む:安定した電荷のない骨格結合によってオリゴマー形態で結合される能力;10〜14個の塩基と短いオリゴマーであっても、形成されたポリマーが、高い融点を有する標的RNAを含む相補的塩基標的核酸ハイブリダイズできるように、ヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、ウラシルもしくはイノシン)を支持する能力;オリゴマーが哺乳動物細胞内に活発輸送される能力;およびオリゴマー:RNAヘテロ二本鎖がRNアーゼ分解に耐える能力。

0156

いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、前述したように、電荷のない結合により結合された、塩基対合部分を有するモルフォリノ系サブユニットを用いる。

0157

vi.ヌクレオチド間結合
DNAまたはRNAオリゴヌクレオチドのリン酸骨格に対する修飾は、オリゴヌクレオチドの結合親和性または安定性を増大させるか、あるいは、ヌクレアーゼ消化に対するオリゴヌクレオチドの感受性を低減させることができる。ジエチルエチレンジアミド(DEED)またはジメチルアミノプロピルアミンDMAPA)を含むがこれらに制限されない、カチオン性の修飾は、オリゴヌクレオチドと標的との間の静電反発が少ないので、特に有用となり得る。リン酸骨格の修飾は、ホスホジエステル結合中の非架橋酸素のうち1つを硫黄原子で置換することも含み得る。この置換により、ホスホジエステル結合の代わりにホスホロチオアートヌクレオシド間結合が作られる。ホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドは、in vivoでヌクレアーゼに対してより安定することが分かっている。

0158

電荷が減った修飾されたヌクレオチドの例は、前述したように、非キラルの電荷のないサブユニット間結合を有するリン酸類似体(例えば、Sterchak, E. P. et al., Organic. Chem., 52:4202, (1987))、および非キラルのサブユニット間結合を有する、電荷のないモルフォリノ系ポリマー(例えば、米国特許第5,034,506号を参照)などの、修飾されたヌクレオチド間結合を含む。いくつかのヌクレオチド間結合類似体は、モルフォリデート(morpholidate)、アセタール、およびポリアミド結合の複素環を含む。

0159

vii.末端残基
オリゴヌクレオチドは、その標的のためにオリゴヌクレオチドの安定性および/または親和性を増大させるため、一方または両方の末端に、オプションとして1つ以上の末端残基または修飾を含む。一般的に使用される正電荷部分は、アミノ酸、リシン、およびアルギニンを含むが、他の正電荷部分も有用となり得る。オリゴヌクレオチドは、プロピルアミン基を用いた分解を防止するためにエンドキャップされるよう、さらに修飾され得る。3’または5’キャップオリゴヌクレオチドのための処置は、当技術分野で周知である。

0160

いくつかの実施形態では、機能性核酸は、一本鎖または二本鎖であってよい。

0161

e.核酸ナノ粒子
核酸ナノ粒子は、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、単一核酸分子、またはこれらの組み合わせを含む。オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または単一核酸分子の組成物は、DNAもしくはRNAヌクレオチド、LNA、PNA、および/またはモルフォリノであってよい。これらの核酸組成物は、「オリゴヌクレオチド組成物」というタイトルセクションで述べたように、複素環塩基、糖修飾、修飾されたヌクレオチド間結合、および修飾された末端残基をさらに含み得る。核酸ナノ粒子は、当技術分野で周知である(例えばUS2011/0305734 A1、またはUS2012/0263783を参照)。

0162

いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、以下の非限定的な群から選択されるさまざまな長さの分子を含み得る:少なくとも約2個の塩基、少なくとも約5個の塩基、少なくとも約10個の塩基、少なくとも約50個の塩基、少なくとも約100個の塩基、少なくとも約500個の塩基、少なくとも約750個の塩基、少なくとも約1000個の塩基、少なくとも約1キロベースkb)、少なくとも約5kb、少なくとも約10kb、少なくとも約50kb、およびそれより長いもの。

0163

いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、四面体もしくは多面体の構造を含み得る。他の実施形態では、ナノ粒子組成物は、単層または多層シート状構造を含み得る(例えば、Smith et al., Nanomedicine, 2013, 8:105-121を参照)。

0164

いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、ミセルもしくはリポソームの構造を含み得る(例えば、ナノ粒子はミセルもしくはリポソームである)。いくつかの実施形態では、このような構造は架橋されている。他の実施形態では、このような構造は架橋されていない。

0165

いくつかの実施形態では、このようなナノ粒子組成物は、核酸に加えて、1つ以上の他の生物学的活性薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、例えば薬学的または化粧用製剤において、1つ以上の他の成分と調合される。いくつかの実施形態では、このような薬学的または化粧用製剤は、核酸(および/または1つ以上の他の生物学的活性薬剤)の送達を達成するように調合される。いくつかの実施形態では、このような薬学的または化粧用製剤は、生物学的作用部位での活性について選択されている核酸の送達(特に、経皮的送達)を達成するために調合されている。いくつかの実施形態では、核酸は、生物学的作用部位における活性を強化するために修飾されている。

0166

i.ナノ粒子の特徴
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は安定している。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、均一である。

0167

いくつかの実施形態では、均一なナノ粒子組成物は、最小直径最大直径との差が約600nm、約550nm、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、または約100nmを超えない、粒子集団を含む。

0168

いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約1000nm、約600nm、約550nm、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約130nm、約120nm、約115nm、約110nm、約100nm、約90nm、約80nm、約50nm未満、またはそれより小さい直径を有する。

0169

いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、1nm〜1000nm、1nm〜600nm、1nm〜500nm、1nm〜400nm、1nm〜300nm、1nm〜200nm、1nm〜150nm、1nm〜120nm、1nm〜100nm、1nm〜75nm、1nm〜50nm、または1nm〜25nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、1nm〜15nm、15nm〜200nm、25nm〜200nm、50nm〜200nm、または75nm〜200nmの直径を有する。

0170

いくつかの実施形態では、全体的な粒子分布は、特定の粒子直径サイズの範囲内に含まれる。いくつかの実施形態では、全体的な粒子分布の50%、25%、10%、5%、または1%未満が、特定の粒子直径サイズの範囲外となる。いくつかの実施形態では、全体的な粒子分布の1%未満が、特定の粒子直径サイズの範囲外となる。ある実施形態では、ナノ粒子組成物は、300nm、250nm、200nm、150nm、120nm、100nm、75nm、50nm、または25nmより大きい直径を有する粒子を実質的に含まない。

0171

いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約130nm、約120nm、約115nm、約110nm、約100nm、約90nm、または約50nm未満の平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、平均粒径は、約10nm〜約300nm、約50nm〜約250nm、約60nm〜約200nm、約65nm〜約150nm、または約70nm〜約130nmの範囲内である。いくつかの実施形態では、平均粒径は約80nm〜約110nmである。いくつかの実施形態では、平均粒径は約90nm〜約100nmである。

0172

いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、特定のサイズより小さい直径を有するか、または特定の範囲内の直径を有する。いくつかの実施形態では、大半とは、組成物中の粒子の50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%超、またはそれ以上である。

0173

いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物のナノ粒子の大半が、10nm〜120nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、20nm〜120nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、20nm〜110nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、20nm〜100nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、20nm〜90nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、20nm〜80nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、20nm〜70nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、20nm〜60nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、20nm〜50nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、20nm〜40nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大半が、20nm〜30nmの直径を有する。

0174

ある実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約50%が、10nm〜40nmの直径を有する。ある実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約90%が、10nm〜80nmの直径を有する。ある実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約90%が、10nm〜90nmの直径を有する。ある実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約95%が、10nm〜110nmの直径を有する。ある実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約95%が、10nm〜120nmの直径を有する。

0175

ある実施形態では、ナノ粒子組成物中の全ナノ粒子の凝集物体積の約50%が、10nm〜40nmの直径を有するナノ粒子を含むか、またはこれらからなる。ある実施形態では、ナノ粒子組成物中の全ナノ粒子の凝集物体積の約90%が、10nm〜80nmの直径を有するナノ粒子を含むか、またはこれらからなる。ある実施形態では、ナノ粒子組成物中の全ナノ粒子の凝集物体積の約95%が、10nm〜110nmの直径を有するナノ粒子を含むか、またはこれらからなる。ある実施形態では、ナノ粒子組成物中の全ナノ粒子の凝集物体積の約95%が、10nm〜120nmの直径を有するナノ粒子を含むか、またはこれらからなる。

0176

B.粘度低下物質
低分子量および/もしくは高分子量の多糖および核酸を含む液体多糖および核酸調合薬の粘度は、1つ以上の粘度低下物質(例えば、式A−I、A−II、A−IIIの粘度低下化合物およびそれらの変形体、イオン性液体、有機リン化合物、水溶性有機染料、ならびに本明細書に記載する他の粘度低下化合物)の添加により低下する。薬学的調合薬は、1つ以上の粘度低下物質を有効量加えることにより、非ニュートン流体からニュートン流体に変換され得る。

0177

ヒトもしくは他の哺乳動物に投与することを意図した調合薬で使用されると、粘度低下物質は、調合薬自体と同じように、薬学的に許容可能でなければならない。粘度低下物質は、典型的には、少なくとも1つの非炭素、非水素原子を含有する有機化合物である。好ましくは、粘度低下物質は、水素、炭素、酸素、および少なくとも1つの他の種類の原子を含む。ある実施形態では、粘度低下物質は、以下のうち少なくとも1つを特徴とする:
1)少なくとも4つの炭素原子および4つの水素原子と、少なくとも1つの硫黄原子、酸素原子、窒素原子、もしくはリン原子とを有する、有機化合物;
2)約85〜1,000Daである分子量;
3)少なくとも1つの荷電部分もしくは他の親水性部分の存在;
4)少なくとも1つ、好ましくは2つ、さらに好ましくは3つの自由回転結合の存在;
5)少なくとも1つの置換された環の存在;
6)少なくとも24Å2、好ましくは少なくとも50Å2、さらに好ましくは少なくとも80Å2である分子極性表面積;
7)少なくとも75cm3、好ましくは少なくとも85cm3、さらに好ましくは少なくとも100cm3、最も好ましくは少なくとも120cm3であるモル体積
8)少なくとも10cm3、好ましくは少なくとも15cm3、さらに好ましくは少なくとも20cm3、最も好ましくは少なくとも25cm3である分極率;
9)少なくとも1つ、好ましくは2つ、さらに好ましくは3つの水素結合ドナーおよび/もしくは受容体の存在。

0178

ある実施形態では、粘度低下物質は、前記に列挙した属性のうちの少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つ全てを特徴とする。ある実施形態では、粘度低下物質は、アルデヒドまたは炭素‐炭素三重結合官能基を含有しないことをさらに特徴とする。

0179

他の実施形態では、粘度低下物質は、2つ以上の化合物の組み合わせであり、これらの化合物はそれぞれ、前記に列挙した属性のうちの少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つ全てを特徴とするものである。

0180

いくつかの実施形態では、粘度低下物質は、2014年9月30日現在、アメリカ食品医薬品局(「FDA」)によってGRASとして列挙されている。「GRAS」は、「Generally Recognized As Safe(一般に安全と認められる)」という語句の頭字語である。連邦食品・医薬品・化粧品法(法律)の201条(s)および409条では、食品に意図的に添加されるあらゆる物質は、食品添加物であり、物質がその意図される使用条件下で安全であることが適切に示されているとして、適格専門家の間で一般的に認識されている場合を除き、または、物質の使用が食品添加物の定義から別様に除外されている場合を除き、FDAによる市販前調査および承認を受ける。化合物の別の出典は、2014年9月11日現在、FDAの不活性成分ガイド(IIG)、ならびに国際医薬品添加剤協議会(IPEC)および欧州医薬品庁(EMA)が列挙する等価物である。調合薬に使用される物質は、注射するのに安全でなければならない。好ましくは、GRASに列挙された粘度低下物質は、前記に列挙した属性のうちの少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つ全てを特徴とする。

0181

他の実施形態では、粘度低下物質は、2014年9月30日現在、FDAまたはEMAにより承認された医薬品である。GRASおよびIIGのリストから得られた化合物のように、FDAおよびEMAにより承認された医薬品の毒性および安全性プロファイルは、十分に確立されている。多糖または核酸溶液の粘度を低下させることに加え、FDAまたはEMAにより承認された医薬品の使用は、併用療法の機会を与える。好ましくは、FDAまたはEMAにより承認された医薬品である粘度低下物質は、前記に列挙した属性のうちの少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つ全てを特徴とする。

0182

1.粘度低下化合物
いくつかの実施形態では、粘度低下物質は、式A-I:



の少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、各

は独立して、単結合もしくは二重結合を表し、Aは、O、S、SO2、NR3、C(R3)2、および



から選択され、
各R3は、水素、R2、‐OH、NH2、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐NO2、‐CN、‐C(=O)R4a、‐C(=NR4a)R4、‐C(=O)OH、‐C(=O)OR4、‐OC(=O)R4、‐OC(=O)OR4、‐SO3H、‐SO2N(R4a)2、‐SO2R4、‐SO2NR4aC(=O)R4、‐PO3H2、‐R4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NHC(=NR4a)NH‐CN、‐NR4aC(=O)R4、‐NR4aSO2R4、‐NR4aC(=NR4a)NR4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NR4aC(=O)N(R4a)2、‐C(=O)NH2、‐C(=O)N(R4a)2、‐OR4、‐SR4a、‐N(R4a)2から独立して選択され、
各R2は、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜12アリール、C1〜12ヘテロアリール、C2〜12ヘテロシクリルから独立して選択され、
各C1〜12アルキルは、C3〜12シクロアルキル、C6〜12アリール、C1〜12ヘテロアリール、C2〜12ヘテロシクリル、‐OH、NH2、(=O)、(=NR4a)、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐NO2、‐CN、‐C(=O)R4a、‐C(=NR4a)R4、‐C(=O)OH、‐C(=O)OR4、‐OC(=O)R4、‐OC(=O)OR4、‐SO3H、‐SO2N(R4a)2、‐SO2R4、‐SO2NR4aC(=O)R4、‐PO3H2、‐R4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NHC(=NR4a)NH‐CN、‐NR4aC(=O)R4、‐NR4aSO2R4、‐NR4aC(=NR4a)NR4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NR4aC(=O)N(R4a)2、‐C(=O)NH2、‐C(=O)N(R4a)2、‐OR4、‐SR4a、もしくは‐N(R4a)2で1回以上置換されてよく、
各C3〜12シクロアルキルは、C1〜12アルキル、C6〜12アリール、C1〜12ヘテロアリール、C2〜12ヘテロシクリル、‐OH、NH2、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐NO2、‐CN、‐C(=O)R4a、‐C(=NR4a)R4、‐C(=O)OH、‐C(=O)OR4、‐OC(=O)R4、‐OC(=O)OR4、‐SO3H、‐SO2N(R4a)2、‐SO2R4、‐SO2NR4aC(=O)R4、‐PO3H2、‐R4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NHC(=NR4a)NH‐CN、‐NR4aC(=O)R4、‐NR4aSO2R4、‐NR4aC(=NR4a)NR4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NR4aC(=O)N(R4a)2、‐C(=O)NH2、‐C(=O)N(R4a)2、‐OR4、‐SR4a、もしくは‐N(R4a)2で1回以上置換されてよく、
各C6〜12アリールは、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C1〜12ヘテロアリール、C2〜12ヘテロシクリル、‐OH、NH2、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐NO2、‐CN、‐C(=O)R4a、‐C(=NR4a)R4、‐C(=O)OH、‐C(=O)OR4、‐OC(=O)R4、‐OC(=O)OR4、‐SO3H、SO2N(R4a)2、‐SO2R4、‐SO2NR4aC(=O)R4、‐PO3H2、‐R4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NHC(=NR4a)NH‐CN、‐NR4aC(=O)R4、‐NR4aSO2R4、‐NR4aC(=NR4a)NR4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NR4aC(=O)N(R4a)2、‐C(=O)NH2、‐C(=O)N(R4a)2、‐OR4、‐SR4a、もしくは‐N(R4a)2で1回以上置換されてよく、
各C1〜12ヘテロアリールは、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜12アリール、C2〜12ヘテロシクリル、‐OH、NH2、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐NO2、‐CN、‐C(=O)R4a、‐C(=NR4a)R4、‐C(=O)OH、‐C(=O)OR4、‐OC(=O)R4、‐OC(=O)OR4、‐SO3H、‐SO2N(R4a)2、‐SO2R4、‐SO2NR4aC(=O)R4、‐PO3H2、‐R4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NHC(=NR4a)NH‐CN、‐NR4aC(=O)R4、‐NR4aSO2R4、‐NR4aC(=NR4a)NR4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NR4aC(=O)N(R4a)2、‐C(=O)NH2、‐C(=O)N(R4a)2、‐OR4、‐SR4a、もしくは‐N(R4a)2で1回以上置換されてよく、
各C2〜12ヘテロシクリルは、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜12アリール、C1〜12ヘテロアリール、‐OH、NH2、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐NO2、‐CN、‐C(=O)R4a、‐C(=NR4a)R4、‐C(=O)OH、‐C(=O)OR4、‐OC(=O)R4、‐OC(=O)OR4、‐SO3H、‐SO2N(R4a)2、‐SO2R4、‐SO2NR4aC(=O)R4、‐PO3H2、‐R4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NHC(=NR4a)NH‐CN、‐NR4aC(=O)R4、‐NR4aSO2R4、‐NR4aC(=NR4a)NR4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NR4aC(=O)N(R4a)2、‐C(=O)NH2、‐C(=O)N(R4a)2、‐OR4、‐SR4a、もしくは−N(R4a)2で1回以上置換されてよく、
各R4は、それぞれが‐OH、‐NH2、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐NO2、‐CN、‐C(=O)OH、‐SO3H、‐PO3H2、および‐C(=O)NH2で1回以上置換されてよい、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜12アリール、C1〜12ヘテロアリール、およびC2〜12ヘテロシクリルから独立して選択され、
R4aは、R4もしくは水素であり、
R2、R3、R4、R4a基のうちの少なくとも2つ以上が、一緒に環を形成することができ、
2つのR3基が同じ炭素原子に結合される場合、この2つのR3基は、(=O)、(=NR4a)、もしくは(=C(R4a)2)を一緒に形成することができ、
zは、いずれの場合も、独立して1もしくは2であり、ただし、(R3)z置換基がsp2ハイブリダイズ炭素に結合している場合、zは1であり、(R3)z置換基がsp3ハイブリダイズ炭素に結合している場合、zは2である。

0183

置換基‐NR4aC(=NR4a)NR4aC(=NR4a)N(R4a)2が存在する場合、R4aは‐NHC(=NH)NHC(=NH)NH2を生じるように選択されるのが好ましい。

0184

ある実施形態では、式A‐Iの化合物は、‐C(=O)OH、‐SO3H、‐SO2NHC(=O)R4、および‐PO3H2から選択される少なくとも1つの置換基を含む。いくつかの実施形態では、式A‐Iの化合物は、少なくとも1つの‐SO3H基を含む。

0185

ある実施形態では、R3置換基のうちの1つ以上は、



であってよく、
式中、R3aおよびR3bは、水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜12アリール、C1〜12ヘテロアリールおよびC2〜12ヘテロシクリル、C(=O)R4a、‐C(=O)OH、‐C(=O)OR4、‐SO3H、‐SO2N(R4a)2、‐SO2R4、‐SO2NHC(=O)R4、‐C(=O)NH2、‐C(=O)N(R4a)2、‐OR4、‐SR4、および‐N(R4a)2から独立して選択され、任意の2つのR3bが同じ炭素原子に結合しているとき、その2つのR3b基は、一緒に(=O)、(=NR4a)、もしくは(=C(R4a)2)を形成することができ、
各C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜12アリール、C1〜12ヘテロアリール、およびC2〜12ヘテロシクリルは、‐OH、NH2、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐NO2、‐CN、‐C(=O)R4a、‐C(=NR4a)R4、‐C(=O)OH、‐C(=O)OR4、‐OC(=O)R4、‐OC(=O)OR4、‐SO3H、‐SO2N(R4a)2、‐SO2R4、‐SO2NR4aC(=O)R4、‐PO3H2、‐R4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NHC(=NR4a)NH‐CN、‐NR4aC(=O)R4、‐NR4aSO2R4、‐NR4aC(=NR4a)NR4aC(=NR4a)N(R4a)2、‐NR4aC(=O)N(R4a)2、‐C(=O)NH2、‐C(=O)N(R4a)2、‐OR4、‐SR4a、もしくは‐N(R4a)2で1回以上置換されてよく、
R4およびR4aは前記に定めたとおりであり、
xは、1、2、3、4、5、7、8、9、もしくは10であり、
R3、R3a、R4、およびR4a基の任意の2つ以上は、 一緒になって環を形成することができる。

0186

ある実施形態では、式A‐Iの化合物は、式A‐IaもしくはA‐Ib:



の化合物のいずれかで表わされてよく、
式中、各R3は、前述した意味を有する。

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