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技術 質量分析イメージングによってサンプルを特徴づける方法

出願人 イマビオテク
発明者 スタウバー,ジョナサンボネル,ダヴィドパムラール,ファビアンピカール・ドゥ・ミュレール,ガエル
出願日 2015年8月24日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2017-511235
公開日 2017年10月5日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-529527
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 その他の電気的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 形態変動 書込要素 MS画像 最小表面積 スペクトルシグネチャ 幾何学的形 イオン画像 処理前データ
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重要な関連分野

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図面 (11)

課題・解決手段

本発明は、形態計測及び/又はテクスチャに関して、サンプル中の少なくとも1つのイオン空間配列を前記イオンと関連したイメージングデータから特徴づける質量分析イメージングMSI)によってサンプルを特徴づける方法に関する。

概要

背景

概要

本発明は、形態計測及び/又はテクスチャに関して、サンプル中の少なくとも1つのイオン空間配列を前記イオンと関連したイメージングデータから特徴づける質量分析イメージングMSI)によってサンプルを特徴づける方法に関する。

目的

本発明は、形態計測及び/又はテクスチャに関して、サンプル中の少なくとも1つのイオンの空間配列を前記イオンと関連したイメージングデータから特徴づける、質量分析イメージング(MSI)によって前記サンプルを特徴づける方法を目的とする

効果

実績

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請求項1

質量分析イメージングMSI)によって対象のサンプル中の対象の分子を同定するプロセスであって、i)対象のサンプル中の複数のイオン空間配列を、前記サンプル中の前記イオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャ特性を決定するために前記サンプル中の前記イオンのMSIデータから分析する工程と;ii)前記対象のサンプル中の複数のイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャ特性を、参照サンプル中の複数のイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータと比較する工程と;iii)サンプルの少なくとも1つの特徴的イオンを同定する工程と;iv)工程iii)において同定された前記イオンに対応する分子を同定する工程と、を含むプロセス。

請求項2

形態計測特性が、パターン単数又は複数)及び前記パターンと関連した寸法を定める、請求項1に記載のサンプル中の分子を同定するプロセス。

請求項3

テクスチャ特性が、前記サンプル中のパターンの配列を定める、請求項1又は2に記載の分子を同定するプロセス。

請求項4

サンプルの画像上で直接少なくとも1つのイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャ特性が視認される追加的な工程を含む、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のサンプル中の分子を同定するプロセス。

請求項5

前記少なくとも1つのイオンの空間配列を分析する工程が、形状の認識及び/又はテクスチャ分析プロセスを適用することによって達成される、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のサンプル中の分子を同定するプロセス。

請求項6

データが、サンプル中の複数のイオンに対する、MSIによって取得される予備工程を含む、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のサンプル中の分子を同定するプロセス。

請求項7

データベース(DB)又はモデルに、前記対象のサンプル中の複数のイオンの形態計測及び/又はテクスチャ特性を含ませる工程を含む、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のサンプル中の分子を同定するプロセス。

請求項8

データベース(DB)又はモデルが、前記対象のサンプル中の少なくとも1つのイオンのスペクトルMSIデータ並びに/又は前記対象のサンプルに特異的な物理化学的生理的、及び/若しくは生物学的データによって実施される追加的な工程を含む、請求項7に記載のサンプル中の分子を同定するプロセス。

請求項9

サンプル中のイオンの空間配列によって前記サンプルを特徴づけるように前記イオンの形態計測特性及び/又はテクスチャ特性を決定するための前記サンプル中の少なくとも1つの前記イオンの質量分析イメージング(MSI)データの使用。

請求項10

形態計測及び/又はテクスチャ特性に関して、サンプル中の少なくとも1つのイオンの空間配列を前記イオンと関連したイメージングデータから特徴づける、質量分析イメージング(MSI)によってサンプルを特徴づける方法。

請求項11

a)データが、サンプル中の少なくとも1つのイオンのために、MSIにより取得される工程と;b)サンプル中の前記少なくとも1つのイオンの空間配列が、形態計測及び/又はテクスチャ特性により前記サンプル中の前記少なくとも1つのイオンの位置と関連するデータから特徴づけられる工程と、を含む、請求項10に記載のMSIによってサンプルを特徴づける方法。

請求項12

c)サンプルのイメージングデータが、サンプルの分子強度プロファイルを表す対象の領域にセグメント化される工程と;d)対象の領域の分子プロファイルのイオンの空間配列が、前記分子プロファイルの形態計測及び/又はテクスチャ特性によって特徴づけられる工程と、を含む、請求項10又は11に記載のMSIによってサンプルを特徴づける方法。

請求項13

e)前記サンプル中の複数のイオンの形態計測及び/又はテクスチャデータを含むデータベース(DB)又はモデルが作成される工程を含む、請求項10〜12のうちのいずれか1項に記載のMSIによってサンプルを特徴づける方法。

請求項14

f)データベース(DB)又はモデルが、前記サンプル中の少なくとも1つのイオンのスペクトルMSIデータ並びに/又は前記サンプルに特異的な物理化学的、生理的、及び/若しくは生物学的データによって実施される追加的な工程を含む、請求項13に記載のMSIによってサンプルを特徴づける方法。

請求項15

組織、組織の領域、細胞タイプ、組織の(健康若しくは病気の)生理的状態などの同定、又は生物学的サンプル中の細胞カウントのための、請求項13又は14に記載の特徴づけ方法によって得られたデータベース又はモデルの使用。

請求項16

質量分析イメージングによってサンプルを同定するプロセスであって、i)同定されるサンプル中の少なくとも1つのイオンの空間配列が、同定される前記サンプル中の前記イオンの形態特性及び/又はテクスチャ特性を同定するために、前記サンプル中の前記イオンのMSIデータから特徴づけられ;ii)工程i)において得られた形態計測及び/又はテクスチャ特性が、記録され;iii)同定されるサンプルの前記少なくとも1つのイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャ特性が、参照イオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータと比較される、プロセス。

請求項17

データベース又はモデルが、いくつかの参照サンプルから得られた、少なくとも1つの参照イオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータによって確立され、前記形態計測及び/又はテクスチャデータが、前記参照サンプル中の前記少なくとも1つの参照イオンの空間配列を表し、工程iii)が、同定されるサンプルの前記少なくとも1つのイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャ特性をデータベース又はモデルのデータと比較することによって適用される、追加的な工程を含む、請求項16に記載のMSIによってサンプルを同定するプロセス。

請求項18

コンピュータによって実行可能な命令であり、コンピュータシステムが、請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載のサンプル中の対象の分子を同定するプロセスの少なくとも1つの工程を、及び/又は請求項10〜14のうちのいずれか1項に記載のサンプルを特徴づける方法の少なくとも1つの工程を、及び/又は請求項16又は17に記載のサンプルを同定するプロセスの少なくとも1つの工程を実行することを可能にするために適合された命令を含む、コンピュータ可読データ媒体

請求項19

少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つのイオンの形態及び/又はテクスチャデータを含んだデータベースを含むことを特徴とする、請求項18に記載のコンピュータ可読データ媒体。

技術分野

0001

分野
本発明は、質量分析イメージングを使用することによってサンプルを特徴づける方法に関する。より詳細には、本発明は、サンプル中の1つ又はいくつかのイオン分布と関連した形態計測データ及び/又はテクスチャデータを抽出及び測定するための質量分析によって得られたイメージングデータの使用を提案する。本発明はまた、サンプル中の1つ又はいくつかの対象の分子を同定及び/又は選択するためのこの種の形態計測データ及び/又はテクスチャデータの使用を提案する。

0002

一般に、本発明は、サンプルの又はサンプル中の化合物特徴づけが有用/必要であるどの分野においても用途が見いだされる。例えば、本発明は、いろいろな生体組織中の分子マーカを同定する製薬分野において、又は、サンプル中の組織及び/若しくは細胞のタイプを同定するために、医療診断の分野において、用途が見いだされる。また、本発明は、部品が所望の特徴を実際に有することをチェックするために、品質制御の分野において使用され得る。

0003

背景
質量分析は、サンプル中の対象の分子を検出及び同定するために化学及び生化学分析において使用される周知の技術である。近年、質量分析による分子イメージングが開発され、対象の分子の分布をサンプル中に直接視認することが可能となった。質量分析イメージング(MSI)は、サンプルから分子イオン局在化することを可能にするイオン化源を使用したすべてのイメージング技術を統括する。レーザー、イオン、気体液体溶媒プラズマ(単独又は組み合わせられた源)、マイクロ波電子などの、複数のイオン化源が挙げられ、DESI(「Desorption Electrospray Ionization」)、LAESI(「Laser Ablation Electrospray Ionization」)、MALDI(「Matrix-Assisted Laser Desorption Ionization」)、SIMS(「Secondary Ion Mass Spectrometry」)、MALDESI(「Matrix-Assisted Laser Desorption Electrospray Ionization」)、及びLESA(「Liquid Extraction Surface Analysis」)(ICP−MSI(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry Imaging)などの、イメージングモードにおいて使用され得る。

0004

質量分析によるイメージングは、現在、生体組織分析のために主に使用される。実際、蛍光によるマーク及び放射活性なしで、MSIによって組織の又は組織の切片分子組成を直接研究することが可能である。更に、その特異性のため、MSIは、検出イオンをサンプル上で直接判別及び同定することを可能にする。したがって、対象の生物学的サンプル中の内因性分子マーカを研究又は探索するためにMSIを使用することが今では一般的である。より具体的には、イオン又はその質量電荷比(m/z)を標的とすることによって既知の分子の分布を直接分析することが可能である。少なくとも2つの対象の領域を比較することによってこれらの領域のどちらか一方に特異的な1つ又はいくつかの分子を同定するために、統計ツール、特にACP(Principle Component Analysis)、PLSA、T-Test、ANOVA、又は他のツールを使用することも可能である(J. Stauber, et al., J Proteome Res, 2008. 7(3): p. 969-78; D. Bonnel et al., Anal Bioanal Chem, 2011)。サンプルのイオンの強度に従ってスペクトル分類するために、前記サンプルの画像のスペクトル分析の間にセグメンテーション法を使用することも公知である。したがって、検出された組織学エリアの分子強度プロファイルに従って生体組織を特徴づけすることが公知である(T. Alexandrov et al., J Cancer Res Clin Oncol, 2012. 139(1): p. 85-95; T. Alexandrov et al., J Proteomics, 2011. 75(1): p. 237-45)。それ故、組織の完全な分子プロファイルに従って、いくつかのマーカのスペクトルプロファイルだけによらずに組織を分類することが可能である。

0005

しかしながら、すべてのMSIデータ分析方法は、現在、m/z比と関連した強度値の研究に基づく。より具体的には、MSIによるサンプルの画像の取得の間、前記サンプルは、サンプルの各々のポイントで検出イオンに対応する平均スペクトルを記録するために、イオン化源からのビームで分析される。記録データの全体は、記録座標ごとに、1つの列上にいろいろなm/z比を含み第2の列に対応する強度を含むスペクトルを有した、マトリックスとして現れる。続いて、特定の化合物に対応する特定のイオン(すなわち所与のm/z比)のために、このイオンの強度の測定(又はピーク面積の積分)は、画像再構成ソフトウェアパッケージにより、記録座標を有したピークの強度を考慮し各々のポイントに所定の色及び/又は色強度を有したピクセル割り当てることによってこのイオン(したがって、対応する化合物)の分布を得ることを可能にする。代替的に、単発でサンプルのすべて又は一部を分析するためにイオン化源をデフォーカスすることも公知である。次いで、局在性が、位置検出器によって得られる(Luxembourg et al., Anal. Chem 2004)。

0006

しかしながら、サンプルが異なる組織及び/又は細胞の組織化を呈した場合であっても、同じプロファイル又はスペクトルシグネチャを有する2つの生物学的サンプルを判別することは不可能である。それ故、例えば両方のサンプルの組織の組織化の違いを同定するために、染色(免疫組織化学、組織X線撮影など)といった、サンプルを分析する別の方法とMSIによる分析を組み合わせることが必要である。

0007

概要
本発明は、サンプルのイオンと関連した強度値を考慮するだけでなく、サンプル中の前記イオンの空間配列及び前記空間配列を特徴づける測定値を考慮することによって、質量分析によるイメージングによって従来得られる前記サンプルのイメージングデータ(すなわち、位置、m/z比、強度)を使用することを提案する。

0008

本発明によれば、サンプルは、分布の形態及び関連した測定値(形態計測データ)によって、並びに/又はサンプル中の1つ又はいくつかのイオンのテクスチャによって特徴づけられる。サンプル中の前記イオンの存在と関連した形状及び形状の配列は、スペクトル強度から生じる情報と比較して、追加的な情報(表面積、形状、体積パターン、反復、量、ばらつき、及びそれらの比率などのこれらの情報から導出される値)を得ることを可能にする。そのため、サンプル中の少なくとも1つのイオンの形状に及び/又はこれらの形状の寸法に及び/又はサンプル中の形状の配列に従って前記サンプルを特徴づけることが可能である。したがって、本発明によれば、類似又は同一の分子プロファイルを有する2つのサンプル間に違いを認めることが可能である。また、サンプルの形態計測及び/又はテクスチャデータに基づいてサンプルを同定すること、すなわち例えば具体的な形状及び/又はテクスチャなどを標的とすることによってサンプル中の対象の分子を同定することが可能である。より一般的には、本発明は、サンプル中の1つ又はいくつかのイオンの分布の形態計測及び/又はテクスチャを特徴づけること、並びにスペクトルイメージングデータに加えて又はスペクトルイメージングデータの代わりにこれらの形態計測及びテクスチャデータを使用することを提案する。本発明によれば、この特徴づけを、例えば強度を考慮する現在のイメージングデータ処理法と、より一般的には、光学的、物理的処理、着色などを含む、サンプルに対する任意の特徴づけ方法と組み合わせることができる。

0009

したがって、本発明は、形態計測及び/又はテクスチャに関して、サンプル中の少なくとも1つのイオンの空間配列を前記イオンと関連したイメージングデータから特徴づける、質量分析イメージング(MSI)によって前記サンプルを特徴づける方法を目的とする。

0010

換言すれば、形状、形状の配列、特定の測定値を同定し、それに応じてこれらの形態計測及び/又はテクスチャ特性によりサンプル中の前記イオンの分布を特徴づけるために、前記サンプル中の少なくとも1つのイオンの空間配列は、MSIデータから測定及び/又は定量化される。

0011

本発明はまた、以下の工程を含む、サンプル中の対象の新しい分子を同定するプロセスを目的とする。
i)前記サンプル中の複数のイオンと関連した複数の形態計測及び/又はテクスチャを、参照サンプル中の複数のイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータと比較する;
ii)サンプルの少なくとも1つの特徴的イオンを同定する;
iii)工程ii)において同定された前記イオンに対応する分子を同定する。

0012

本発明はまた、質量分析イメージングによってサンプルを同定するためのプロセスであって、
i)データベース又はモデルが、いくつかの参照サンプルから得られた、複数の参照イオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータによって確立され、前記形態計測及び/又はテクスチャデータが、前記参照サンプル中の前記参照イオンの空間配列を表し;
ii)同定されるサンプル中の少なくとも1つのイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータが、記録され;
iii)同定されるサンプルのイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータが、データベース又はモデルに含まれる参照イオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータと比較される、
プロセスを提案する。

0013

本発明の別の目的は、コンピュータによって実行可能な命令であり、コンピュータシステムが本発明によるサンプルの特徴づけ方法の少なくとも1つの工程を、並びに/又はサンプルを同定するプロセスの少なくとも1つの工程を及び/若しくはサンプル中の対象の分子を同定するプロセスの少なくとも1つの工程を実行することを可能にするために適合された命令を含むコンピュータによって読み取り可能なデータの支援からなる。

図面の簡単な説明

0014

2つのサンプル(1A及び1B)に対する質量分析イメージングによって取得されたデータセットの実例。白が値0を有し、黒が最大値を有する。
健康な組織(健康な気道)と比較して病気肺組織線維症気道)の同定をもたらす、本発明による肺組織サンプルの質量分析イメージングデータ形態特徴づけの例。
2つの線維症組織の2つの気道サンプルの質量分析イメージングデータのセットに本発明によるプロセスを適用した形態計測による気道のカウントの例。
前記サンプルのイメージングデータから本発明によるプロセスよって得られた形態データ外挿することによるラットの気道の表面積の分析及び決定。
質量分析イメージングによる皮膚サンプル中の2つのイオンの分布の例示、並びに組織(例えば表皮及び角質層)を同定するためのサンプル中のそれらの空間配列の特徴づけ。
生体組織切片中の細胞のカウント及びタイピングに適用される本発明によるプロセスにより、ペトリ皿上の前記生体組織の切片の質量分析イメージングによるデータセットから得られたパターン及びテクスチャの概略図。
標的イオンに対する同一の強度平均を有し、単独でサンプルの違いを認めることが不可能な、サンプルA及びB中の対象の2つの領域を判別するために使用され得る前記標的イオンのためのいろいろな形態計測基準の概略図。このように、所与のイオンに対する同じ強度平均に対して、分布は、オブジェクトの数、オブジェクトの表面積、対象の領域中のばらつき、形状、一方のオブジェクトともう一方のオブジェクトとの表面積の変動性などに関して変化し得る。
サンプル中の91.5895のm/zを有するイオンに対する形態計測基準の抽出をもたらす、本発明による特徴づけ及び/又は同定プロセスのいくつかの工程の概略図:分子画像は、多くのオブジェクト中の及び前記オブジェクトの表面中の前記イオンの分布を特徴づけるように処理される2値画像を得るために、セグメント化される;
分布の強度を示した分子画像における718.505のm/zの分布、及び前記m/zの分布の表面の違いを強調した2値画像による、参照組織対照組織)と対象の組織(処理済組織)との比較。

0015

発明の詳細な説明
したがって、本発明は、形態計測及び/又はテクスチャに関して、サンプル中の少なくとも1つのイオンの空間配列を前記イオンと関連したイメージングデータから特徴づける、質量分析イメージング(MSI)によって前記サンプルを特徴づける方法を目的とする。本発明によれば、サンプル中のイオンの分布は、もはや強度によってだけではなく、この分布により描画された形状/オブジェクト及び関連した測定値(表面積、容積など)によって、並びに/又はこれらの形状/オブジェクト間の配列によって特徴づけられる。それ故、所与のイオンに対して同一の平均強度を有するが、前記イオンと関連した異なる形態計測及び/又はテクスチャ特性を有する2つのサンプルを判別することが容易に可能となる。

0016

本発明による方法は、有機又は無機であるかどうか、液体又は固体であるかどうかにかかわらず、真空(MALDI)又は周囲雰囲気(LAESI、DESI)における質量分析によって分析され得る任意のタイプのサンプルに適用され得る。例えば、本発明による方法は、特に、動物又は植物由来の、生体組織の特徴づけに適合される。

0017

「組織」とは、一般に、同一由来の、同じ機能の一因となる機能的な集団に分類された細胞の集団を意味する。ある場合には、組織は、器官、器官断片、又は器官の具体的な領域と理解され、細胞のいくつかの集団を統合することが可能である。例えば、組織は、器官内の限局性腫瘍であってもよい。

0018

例示的な実施形態では、サンプルは、対象の領域を染色及び/又はそれらの分子シグネチャによって前もって特徴づけることが可能である、組織(単数又は複数)の組織学的切片からなり得る。より一般的には、本発明による方法は、従来技術の任意の方法によって前もって同定された、サンプルの対象の領域の全部又は一部を更に特徴づけるために使用され得る。

0019

本発明による方法はまた、例えば血液、血漿血清唾液脳脊髄液、尿などの、生体液を特徴づけるために使用され得る。

0020

液体サンプルの場合には、乾燥サンプルのMS画像を生成するために表面上でサンプルを乾燥させて、次いで説明された方法でこのサンプルを特徴づけることが可能である。それ以外では、特に大気圧で前記MSIシステムにより、液体又は溶媒の表面を分析することが可能である。

0021

本発明による方法はまた、例えば土壌、水、植物サンプルなどの、環境サンプルを特徴づけるために使用され得る。

0022

例示的な実施形態では、本発明による方法は、例えば電子部品生体材料カプセル、高精度な部品などの、物体を特徴づけるために使用される。

0023

「サンプルを特徴づける」とは、前記サンプルに独特な/特異的な特徴の関連づけを意味し、前記特徴は、他のサンプル中からの前記サンプルの判別/同定を特に可能にする。

0024

本発明によれば、イメージングデータ、より詳細にはスペクトルのイメージングデータが、所与のイオンのために前記サンプル中に推測される空間配列を決定するために使用される。有利には、所与のイオンに特徴的なm/z比と関連したデータが、特に使用される。本発明の文脈において、「m/z比」、すなわち「質量電荷比」、という表現は、イオンに特徴的な物理量を指し、mは質量を、zは前記イオンの価数を表す。質量分析イメージングにおいては、所与のイオンは、いくつかのm/z比に対応し得る。

0025

イオン又はm/z比の「空間配列」又は「分布」とは、サンプル中の前記イオン又はm/z比の存在によって描画された形状(単数又は複数)を意味する。

0026

本発明によれば、研究されているイオン(単数又は複数)の空間配列は、1つ又はいくつかの形状、寸法などをイオンと関連づけるために、決定される。サンプル中の少なくとも1つのイオンの存在と関連したイメージングデータは、前記サンプル中の前記イオンと関連した強度の変動とは無関係に、サンプル中の前記イオンの分布を表す形態計測及び/又はテクスチャデータを定めるために使用される。

0027

有利には、サンプル中の少なくとも1つのイオンの空間配列を特徴づける工程は、異なる対象の領域における前記イオンのイメージングデータをセグメント化して及び/又はパターンの輪郭を描画する形状認識及び/又はテクスチャ分析プロセスを使用する。例えば、分水線技術、特に一般化された形式ハフ変換グレートーンの空間依存マトリックスなどの、数理形態学技術が、使用される。

0028

「形態計測データ」又は「形態計測特性」とは、サンプル中の関連イオン(若しくは前記イオンと関連したm/z比)の存在によって形成された幾何学的形状、又はパターンに、及び/又は例えば表面積、体積、直径、半径、長さ、幅、厚さなどの、幾何学的形状の数学的な寸法に関連するデータ/特性を意味する。ある場合には、パターンは、例えば数字文字、単語などの、書込要素からなり得る。

0029

「テクスチャデータ」又は「テクスチャ特性」とは、例えば繰り返しパターンの数、距離、前記パターン間のばらつきなどの、サンプル中のパターン間の配列に関連するデータ/特性を意味する。

0030

「参照サンプル」とは、対象のサンプルと同じ特質及び/又は同一由来のサンプルを意味する。例えば、対象の被験者の生体組織の研究においては、参照サンプルは、対照被験者から生じた同じ特質の生体組織からなる。

0031

本発明によれば、前記サンプルの1つ又はいくつかのイオンの空間配列又はm/z比を、共に又は別々に、特徴づけることが可能である。したがって、所与のパターンは、同時に考慮されたいくつかのm/z比の存在及び分布と関連づけられ得る。代替的に、同じサンプル中の異なるm/z比の異なるパターンを、同時に又は順次に、特徴づけることが可能である。本発明によれば、これらの異なるm/z比は、同じイオンを又は異なるイオンを表してもよい。

0032

一実施形態では、本発明による方法は、イメージングデータを取得し、イメージングデータから少なくとも1つのm/z比の形態計測及び/又はテクスチャ特性を決定する予備工程を含む。

0033

本発明による方法は、任意の公知の質量分析イメージング技術、特に、例えばTOF(Time of Flight)、Orbitrap、FTICR(Transform Ion Cyclotron Resonance、Quadripole(「シングル又はトリプル」)、ICPM分析器などの、いろいろなタイプの分析器と組み合わせたMALDI、LDI、DESI、LESA、LAESI(Laser Ablation Electrospray Ionization)、DART(Direct Analysis in Real Time)、SIMS、JEDI(Jet Desorption Electrospray Ionization)、LAMMA(Laser Microprobe Mass Analysis)、SMALDI(Scanning Microprobe Matrix Assisted Laser Desorption Ionization)イメージング、によって適用され得る。

0034

本発明の特定の実施形態では、例えばMALDIイメージングを使用して、サンプルのイオン画像上に直接少なくとも1つのイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャ特性を視認することが可能である。より具体的には、分析イオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャ特性が、サンプルを再現した画像として生成され、その結果、画像上にそれらの空間配列を視認することが可能である。当然、いくつかのイオンのデータ、更には例えば光学顕微鏡法、組織学的染色などの、他の分析法によって得られた組織学的データ又は他のデータを同時に視認するために、サンプルのいろいろな画像を重ねることが可能である。

0035

一実施形態では、本発明によるサンプルを特徴づける方法は、以下の工程を含む:
a)サンプル中の少なくとも1つのイオンのために、MSIによりデータを取得する工程;
次いで、
b)形態計測及び/又はテクスチャ特性に従って、前記少なくとも1つのイオンの位置と関連するデータからサンプル中の前記少なくとも1つのイオンの空間配列を特徴づける工程。

0036

対象のサンプル中のイオンの空間配列から、前記イオンは、前記サンプルに特異的な、イオンの形態計測及びテクスチャ特性によって特徴づけられる。両方のサンプルの分子プロファイルが同一な場合であっても、別のサンプル中の同じイオンは、異なる形態測定及びテクスチャ特性を提示することができる。

0037

したがって、本発明によるプロセスは、サンプル中のイオンのための別のレベルの情報を取得することを可能にし、情報は、単独で又はサンプルの及び/若しくは関連イオンの任意の他のデータ/特性と組み合わせて考慮され得る。例えば、対象のイオンの形態計測及びテクスチャ特性だけでなく、イオンのスペクトルの特徴(質量スペクトルのピークの強度、信号対雑音比(S/N)、ピークの面積など)の全部又は一部も同時に又は順次に分析することが可能である。

0038

有利には、本発明によるプロセスは、サンプルの同じイオン画像上で直接これらのデータ/特性の全体を同時に視認することを可能にする。

0039

別の実施形態では、本発明によるサンプルを特徴づける方法は、以下の工程を含む:
c)サンプルのイメージングデータをサンプルの分子強度プロファイルを表す対象の領域にセグメント化する工程;及び
d)形態計測及び/又はテクスチャ特性に従って対象の領域の分子プロファイルのイオンの空間配列を特徴づける工程。

0040

工程c)は、同じサンプル内の分子プロファイルに従ったサンプルのセグメント化からなる。対象の各々の領域は、サンプルの質量スペクトルから得られた分子プロファイルに対応する。特に質量スペクトルのピークの強度、信号対雑音比(S/N)、ピークの面積などの、いろいろなスペクトルの特徴が、前記サンプルの分子プロファイルを得るために、従来、使用され得る。

0041

サンプル中の対象の領域(単数又は複数)が同定されると、対象の選択領域と関連したイメージングデータは、対象の前記選択領域のイオン全体の空間配列を特徴づけるために処理される。対象の領域中のイオン全体のデータが、前記対象の領域に特徴的なパターン及びテクスチャを同定するために考慮及び分析される。また、本発明によれば、サンプルの画像上で直接結果を視認するためにこれらのデータからサンプルのデジタル画像再構成することが可能である。

0042

本発明によれば、工程c)及びd)は、工程a)及びb)とは無関係に、すなわち工程a)及びb)を適用せずに、適用されてもよい。別の特定の実施形態では、関連サンプル上の関連イオン(単数又は複数)の形態計測及びテクスチャに関する異なるレベルの情報を得るために、工程a)及びb)、次いでc)及びd)を、又はその反対を、連続的に適用することが可能である。また、工程c)において同定された対象のいくつかの又はすべての領域に工程d)を適用することが可能である。

0043

本発明の別の実施形態では、特徴づけ方法は、以下の工程を含む:
e)前記サンプル中の複数のイオンから形態計測及び/又はテクスチャデータを含むデータベース(DB)を作成する工程。
代替的に、特徴づけ方法は、以下の工程を含む:
f)前記サンプル中の複数のイオンの形態計測及び/又はテクスチャデータを含むモデルを生成する工程。

0044

本発明の文脈において、「複数」とは、2つ以上を意味する。

0045

「モデル」とは、特に強度データ、形態計測及び/又はテクスチャデータなどの、サンプルの特徴に関するこの場合には、前記データ間の依存関係及び/又は関係を定めるために特にモデル化されたデータの、関連サンプルを表すセットを意味する。「データベース」は、処理前データのセットが記憶されたベースを指す。

0046

したがって、サンプル又はサンプルのタイプに特異的なデータセットの、つまりパターン、寸法、配列などの、集合、すなわちモデルを得ることが可能である。本発明によれば、このデータベース(DB)又はモデルは、前記サンプル中の少なくとも1つのイオンのスペクトルMSIデータ並びに/又は前記サンプルに特異的な物理化学的生理的、及び/若しくは生物学的データによって、実施され得る(工程g)。例えば、データベース(DB)又はモデルは、対象のさまざまなエリアを定めるために、サンプル又は同一のサンプルの組織学的、化学的、又は他の研究によって得られたデータによって実施される。

0047

このようなデータベース(DB)又はモデルは、特に、組織、組織の領域、細胞タイプ、例えば健康又は病気の組織の生理的状態などを、迅速に自動で同定するために有用であり得る。また、データベース又はモデルは、生物学的サンプル中の細胞の同定及びカウント、すなわち番号付け、のために使用され得る。

0048

本発明はまた、質量分析イメージングによってサンプルを同定するプロセスであって、
i)いくつかの参照サンプルから得られた、少なくとも1つの参照イオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータによって、データベースが確立又はモデルが生成され、前記形態計測及び/又はテクスチャデータが、前記参照サンプル中の前記少なくとも1つの参照イオンの空間配列を表し;
ii)同定されるサンプル中の少なくとも1つのイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータ(表面積、体積、形状、パターン、繰り返しなど)が、記録され;
iii)工程ii)の形態計測及び/又はテクスチャデータが、工程i)の、データベース又はモデルに含まれる形態計測及び/又はテクスチャデータと比較される、
プロセスを目的とする。

0049

本発明によれば、工程ii)において、データベース又はモデルのイオンに対応するイオンが、分析される。有利には、データベース又はモデルは、複数の参照イオンと関連した又はしない形態計測及び/又はテクスチャデータを含む。

0050

サンプルを特徴づける方法に関連して上で説明された特徴及び定義の全体が、必要な変更を加えて前記同定プロセスに適用される。

0051

有利には、参照サンプルごとに、形態及びテクスチャデータのセットは、可能な限り確実に参照サンプルの各々を特徴づけるように、いくつかのイオンのために確立される。

0052

本発明によれば、工程iii)において、類似又は同一の形態計測特性を有する参照サンプル(単数又は複数)を選択し、それによりサンプルを同定するように、参照データの異なるセットと同定されるサンプルのデータのセットとの間の類似点及び/又は違いの分析が進行する。

0053

本発明によるプロセスは、例えば、生体組織、細胞タイプ、疾患の発病段階などの、特質及び/又は由来を同定することを可能にする。

0054

本発明はまた、サンプル中の対象の分子を同定するプロセスであって、
i)前記サンプル中の複数のイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータが、参照サンプル中の複数のイオンと関連した形態計測及び/又はテクスチャデータと比較される;
ii)有利には参照サンプル中に存在しない、サンプルの少なくとも1つのイオンの特徴が、同定される;
iii)前工程において同定された前記イオンに対応する分子が同定される、
プロセスを目的とする。

0055

このようなプロセスは、対象のサンプル中の新しい分子を発見及び同定することを可能にする。

0056

一実施形態では、対象のサンプル中の対象の新しい分子を同定するプロセスは、前記サンプルに特異的なMSIデータを取得し、形態計測及び/又はテクスチャ特性によって1つ又はいくつかのイオンの分布を特徴づける工程を予め含む。

0057

サンプルを特徴づける方法に関連して上で説明された特徴及び定義の全体が、必要な変更を加えて分子を同定する本プロセスに適用される。

0058

本発明のこの実施形態によれば、サンプルの特質は知られており、前記サンプルに特異的な1つ又はいくつかのマーカが、すなわち参照サンプル中に存在しないマーカ又は参照サンプル中の特性と比較して異なる形態計測及び/又はテクスチャ特性を呈するマーカが、望ましくは同定される(図7)。所与のイオンのために考慮される形態計測特性は、例えばオブジェクトの数、オブジェクトの表面積の平均、ばらつき、形状、表面積の変動性などであり得る。したがって、対象のサンプルと同じ特質及び/又は同じタイプの参照サンプルが、優先して使用される。

0059

有利には、工程i)は、参照サンプルの複数の参照データセットを集めたデータベース(DB)を照会するか、又は参照サンプルの複数の参照データセットを集めたモデルとサンプルのデータを比較することによって、適用され得る。

0060

対象のサンプルの独特な形態計測及び/又はテクスチャデータ(単数又は複数)が同定されると、対応するイオン(単数又は複数)は、イオンの各々と関連した分子を追跡するために、データと関連づけられる。

0061

このプロセスは、詳細には、製薬又は医療分野において、特に新しいバイオマーカを同定するために有用である。

0062

本発明はまた、コンピュータによって実行可能な命令であり、コンピュータシステムが本発明によるサンプルを特徴づける方法の少なくとも1つの工程を並びに/又は本発明によるサンプル若しくはサンプル中の対象の分子を同定するプロセスの少なくとも1つの工程を実行することを可能にするために適合された命令を含む、コンピュータによって読み取り可能なデータ媒体を目的とする。

0063

したがって、本発明は、プログラムがコンピュータ上で実行されるときに上で述べられた工程の全部又は一部を実行するプログラムコード命令を含んだコンピュータプログラムを提案する。

0064

有利には、コンピュータプログラムは、対象のサンプル中の1つ又はいくつかのイオンの空間配列を特徴づける工程を少なくとも実行するプログラムコード命令を含む。

0065

有利には、本発明によるコンピュータ可読データ媒体又はプログラムは、少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つのイオンの、好ましくは複数のサンプルのための複数のイオンの形態計測及び/又はテクスチャデータを含んだデータベース又はモデルを含む。

0066

マーカの探索
本発明によるプロセスは、マーカ、特にバイオマーカを同定するために使用され得る。実際、生物学的サンプルの場合に、2つの状態(例えば、病気対健康、処置済対保菌、露出対非露出など)間に存在する形態変動を同定することが可能である。特に、本発明によれば、例えばサンプルの構造の巨視的及び/又は微視的研究によって前もって同定された、対象の領域に具体的に存在するイオンをより詳細に研究することが可能である。

0067

形態計測及び/又はテクスチャ特性が得られ、統計学的分析の後に、研究されているイオンと関連した形状に有意差があると考慮される場合には、関連した対象の分子量(単数又は複数)を従来のように追跡するのみで足りる。専門データベースを照会した後に、対応する分子(単数又は複数)は、同定され得る。このため、いろいろな統計的試験が、強度だけでなく分子分布の要素の形態に基づくように、使用され得る。特に、Fischer test、z検定、Student test、Welch test、対応のあるStudent test、ANOVA、Dunett test、Tukey test、Kruskal-Wallis test、Wilcoxon-Mann-Whitney test、Wilcoxon signed-rank test、MANOVAなどを使用することが可能である。

0068

分子のフィルタリング及び分類
本発明によるプロセスは、分子フィルタリングのために使用され得る。

0069

例えば、任意か否かを問わず、サンプル中で分子フィルタを実行する特定の形態計測(例えば、Xmm2の最小表面積星形状)を選択することが可能である。したがって、定められた基準(単数又は複数)を満たすイオンだけが選択される。それ故、所望の形状インパクトと同じ形状インパクトを有する分子を同定することが可能である。

0070

このようなフィルタリングはまた、サンプルの分類を可能にする。したがって、本発明のプロセスによって、強度及び形状に関する情報に基づいて類似点を得ることが可能である。生体組織などの、サンプル中で、例えば生理的状態の特徴である所与の形状の存在を自動で認識することが可能である。それ故、強度基準だけに基づく分類より正確でかつ信頼性の高い点を基礎とした分類を確立することが可能になり、選択されたプロトコルに関係なく保存された形態計測及びテクスチャ特性とは異なり、サンプルの調製(マトリックスの堆積、乾燥時間、冷凍、組織のタイプなど)に応じて変化することができる。

0071

本発明によれば、有利には、同じ生体組織の又は同一由来/特質の生体組織のいくつかのサンプルなどの、同じ母集団のいくつかのサンプルの仕様を集めたデータベース(DB)又はモデルを作成することが可能である。このようなデータベース又はこのようなモデルから、同じ母集団の新しいサンプルを同定するか又は母集団中のサンプルを確実に同定することが容易である。

0072

例えば、健康な肺組織のサンプルと比較して肺組織サンプルを線維症であると特徴づけることが可能である。図2は、健康な肺組織サンプル及び線維症肺組織サンプルに対して得られるイメージングデータセットの形態計測特徴づけから得られた結果をより詳細に示す。本発明のプロセスによれば、2つの形態計測は、楕円形状で同定され、楕円形状の一方は、(線維症組織)の傾向がある短軸長軸との間の比を有する。これらの形態計測シグネチャの使用は、それぞれ健康な(長円タイプ1)及び線維症の(長円タイプ2)、気道の2つの形状を特徴づけることを可能にする。

0073

同様に、特に品質制御を行うために、電子部品、自動車部品、又は他の構成要素などの、無機のサンプルを特徴づけることが可能である。

0074

細胞カウント及び形態計測ソーティング
本発明によるプロセスはまた、特に環境又は健康診断一環としての、細胞又は細菌カウントの分野で使用され得る。この目的のために、カウントされるオブジェクトを強調するように、質量分析イメージングにおいて、細胞壁の特異的な分子(例えば脂質)を選択することが可能である。

0075

本発明によるプロセスにより、形状は、分子因子によって特定されるが、現在まで、これは、光信号によって、特に光学顕微鏡法又はフローサイトメトリによって達成されている。本発明は、作業速度、精度(少ない誤検出)だけでなく、光信号によって得られる検出感度限界を超えることを可能にし、同時に分析されるパラメータの数を増加させる。本発明によれば、細胞は、それらの形態を基礎として番号付け及び認識され得るが、同定された細胞の代謝活性のような分子プロファイルを指示する。したがって、複数の細胞、生物学的、又は組織学的タイプ、及びそれらの生理的活性に番号付けすることが可能である。

0076

図3は、2つの線維症組織の気道のサンプルに対して得られたイメージングデータセットに関する形態計測による自動カウントを説明する。長円形状の自動検出は、直近の組織学的染色と相関せずに、対象の組織学的構造(ここでは気道)を同定及び番号付けすることを可能にする。

0077

形態計測の動力学的研究
本発明によるプロセスはまた、特にサンプル中の対象の要素(分子、イオン、m/z)の形態計測(形状、表面積、体積など)の経時変化を追跡するために、形状の動力学的研究において使用され得る。特に、経時的に対象の領域の形態計測の変化、例えば増大又は減少、を示すことが可能である。

0078

生物学的サンプルの段階の他の研究と合わせて、生物学的サンプル中の形状の経時変化の段階を考察することも可能である。例えば、本発明のプロセスを介して、経時的に1つ又はいくつかの標的質量に応じた表面積の曲線を得ることが可能である。特異的なプラトー又は段階(形態計測の変動、プラトー、形状の振動など)が同定された場合、それらは、生物学的サンプルの周知の段階(例えば、癌組織グレードの変化)と相関する可能性がある。

0079

図4は、線維症組織での気道の狭窄の経時変化の研究における本発明によるプロセスの適用を例示する。例示されるように、本発明のプロセスによって、経時的に気道の表面積を決定し、したがって気道の狭窄への線維症の影響を追跡することが可能である。

0080

細胞又は組織タイピング
本発明によるプロセスは、植物又は動物の生物学的サンプル中の細胞タイプ又は組織サブ構造を同定するために使用され得る。この細胞タイピングは、各々の細胞の特異的な形態計測によって可能となる。したがって、得られた細胞の形態計測に応じて、1つ又はいくつかのサンプル中に含まれる細胞タイプ(単数又は複数)を決定することが可能である。

0081

近年、機器の開発は、10μm未満にMALDIイメージングの空間分解能を低下させることを可能にした。SIMS技術は、常に1μm未満の分解能を得ることを可能にする。細胞の平均サイズが10〜15μmであることを考慮すると、質量分析イメージングは、それらが分子データセットにおいて判別され得る細胞分解能を獲得すると考慮され得る。

0082

図5は、皮膚組織切片に関する組織タイピングの範囲内における、何ら組織学的相関のない、本発明のプロセスの適用を例示する。組織(角質層及び表皮)のエリアは、MSI取得後に得られたそれらの特異的な形態計測によって同定される。

0083

また、図6は、生物学的サンプルでの/に関する直接の番号付け及び組織タイピングの範囲内における、何ら組織学的相関のない、本発明のプロセスの適用を概略的に例示する。サンプルの細胞(組織、細胞液、又は培養液)は、MSI取得後に得られたそれらの特異的な形態計測によってタイピングされる。

0084

ここで、本発明を、具体的な実施例により、より詳細に説明する。これらの実施例は、本発明の限定としてではなく、例示として挙げられる。

0085

実施例1:スペクトル情報空間情報とを組み合わせることによってサンプル又は対象の領域を特徴づけるための手順。
本実施例の意図は、サンプル中で得られたm/z比に対する強度に関するデータだけを考慮するか、又はこのm/z比と関連した形態計測及びテクスチャ特性を考慮するかに応じて、前記サンプルについて取得された同じイメージングデータセットから生じる情報の違いを示すことである。

0086

何らかの公知の方法によって、サンプルの質量分析イメージングデータ(位置、m/z比、強度)が取得されると、例えば、以下の工程に従って実施される:
1/イメージングデータから得られた画像をロードする。
2/例えばOtsu法を使用することによって画像を2値化するための閾値を決定する。
3/非最適化アルゴリズムを介してオブジェクトをラベリング及びカウントする。
4/変数中の非ゼロ位置の数を回収する。
5/変数中のオブジェクト又は画像のピクセル数を回収する。
6/変数中の平均強度を算出する。
7/オブジェクトが少なくとも一定の形状性を有するかどうかを決定する試験をする。

0087

簡略的には、工程3は、以下のアルゴリズムを介して適用され得る:
画像全体走査しないのならば:
行別に画像行を走査し、
非ゼロピクセルに遭遇した(オブジェクトに属する)場合には、
オブジェクトのピクセルを0にセットするためにその近隣及び8連結で隣接する近隣を 走査し、
オブジェクトカウンタインクリメントし、
近隣走査を終了し、
非ゼロピクセルを終了し、
行走査を終了し、
アルゴリズムを終了する」

0088

試験工程7は、例えば、試験される性質(単数又は複数)を有する構造要素(SE)でオープニングエロージョンε、ダイレーションδが続く)を実行することによって、適用され得る。SEによるオープニングのピクセルの追加が非ゼロである場合、画像/領域は性質を有する。

0089

結果
上で説明された工程を、連続して(図1A)又は断片化して(図1B)6ピクセルの長さを各々有し及びこれらの6ピクセル上に同一の平均強度を各々有する2つのセグメント(図1)のために従来取得されるイメージングデータに適用した。

0090

強度だけを考慮に入れることによって、両方のセグメント間に違いを認めることが可能とはならないが、本発明によるプロセスによって得られる形態及びテクスチャ特徴づけにより、両方のセグメント間の違いを示すことが可能となる(表1)。

0091

0092

実施例2:形態計測データから対象のピーク及び関連するバイオマーカを同定するための手順
材料及び方法
動物:
5つのラット肺を、この研究のために使用した。3つは、7日間1mg/kgの用量で気道(口咽頭吸引ルート)によりブレオマイシン(Apollo Scientific, UK)の処置を受けていたラットのもので、2つは、同期間同様に食塩水を受けていた動物のものである。すべてのラットは、Sprague Dawley, Crl:CD (SD)雄ラットであった。両方の群を、実験開始の22日後に屠殺した。肺を、アガロース膨張し、10%の中性緩衝液を含んだホルマリン中で固定し、−80度に冷凍した。動物実験は、1986年のAnimals (Scientific Procedures) Actに準拠した。

0093

質量分析(MS)画像を取得するための準備:
画像を取得するために、ITOスライドを、Delta Technologies (Loveland, USA)から購入し、9−アミノアクリジン(9AA)で覆った。

0094

厚さ12μmの新鮮組織切片を—35度でmicrom HM560クリオスタット(Thermo Scientific, Germany)を使用して得て、ITOスライド上に載置した。更に、厚さ10μmの薬物をドープされたラット腎臓ホモジェネートの切片を、再現性及び変動性を評価するための品質対照として使用するために、同じスライド上に堆積させた。スライドを、1時間後にクリオスタットから引き出し、次いで20分間乾燥させ、最後にそれらの使用まで−80度で保存した。

0095

使用したマトリックスは、MeOH/H2O(4:1 v:v)溶媒の5mg/mLの9AAの溶液であった;マトリックスを、自動堆積装置Suncollect (SunChrom GmbH, Friedrichsdorf, Germany)により10つの連続層に堆積させた。第1の層を10μL/分の流速で、第2の層を20μL/分の流速で、次の層を30μL/分で塗布した。

0096

MS画像の取得:
30μmの空間分解能を有した100〜1,000に含まれるm/zのための「フルスキャン」モード及びネガティブモード質量フィルタを取得するために80%の出力エネルギー及び1000Hzの反復率で使用されるSmartBeam IIレーザーを備えた質量分析計MALDI-FTICR(7T Solarix, Bruker Daltonics, Breme, Germany)を使用した。各々の質量スペクトルは、同じ場所への500連続のレーザーショット蓄積に対応する。内部較正を、9AAマトリックス及び200m/z〜900m/zに含まれるリン脂質を使用して、実行した。質量分析計を、FTMSControl 2.0及びFlexImaging 4.0ソフトウェアパッケージ(Bruker Daltonics, Breme, Germany)を使用して、制御した。

0097

ブレオマイシンが肺気道の変化を誘発するので、取得のために選択した領域は、肺気道であった。

0098

ピークの検出:
閾値を超えた状態から変換された平均スペクトルの最大を、ピークと見做す。使用した変換は、ゼロ値のない信号の中央値で減算してから、ゼロ値のない信号の中央絶対偏差に1.4826を乗じた数で除算するものであった。これは、各々のポイントにおける信号対雑音比の近似値をもたらす。ノイズはおおよそ正規分布に従いそして実信号は平均スペクトル中に集中した測定値の半分未満に存在するという着想により、信号がFTMSControl 2による破壊ウェーブレットによって圧縮されたようであるのでゼロ値のサプレッションは達成された。他のノイズの近似方法(例えば、局所的に発生した同じ測定値、又は1つのピークからガウス分布までの距離がノイズを表す)を試験したが、低い閾値に対して良好な結果をもたらさなかった。可能な限り検出漏れを少なくし、可能な限りのノイズを除去するために、この研究のために維持した閾値は1である。

0099

エクスポートされた画像:
潜在的バイオマーカに対応した検出ピークごとに、及び撮像された領域ごとに、ピークのウインドウ中最大強度の画像を、8ビット深度を有したグレースケールパレットで描画し、次いで圧縮せずにJPEG形式でエクスポートした。結果の目視検査を容易にするために、単一のチャンネルしか使用しないことにした。12の領域(状態1で6つ及び状態2で6つ)の約2,000の被撮像イオンを得た。

0100

形態特徴づけ:
画像ごとに:
画像からノイズを取り除くために、オープニングを、サイズ2×2の構造要素を使用してグレースケールの画像に実行し、クロージングを、同じ構造要素を使用して実行した:




式中、Oは、グレースケールの原画像であり、我々の場合には、B1=B2=B構造要素であり、値のブーリアンは、右下隅に中心を置いて変化し、欠測値を、最も近い行又は列を複製することによって得た。
次いで、画像を、Otsu法(我々の場合には単一の閾値による)を適用することによって、2値化する:Nピクセル、L階調、及びni階調値iをとるピクセルの数を含む画像のための




最大化
この前か後に、ピクセル画像の表面積を算出する;
次いで、2値化された画像のオブジェクトの数を、4連結でRosenfeldとPfaltz(1996)に説明されるようにラベルをつけられた画像を生成するために利用されたラベルの集合の基数を使用して、カウントする;
最後に、単位面積当たりのオブジェクトの平均表面積確定する。

0101

比較:
2つのウェルチt検定を、一方は単位面積当たりのオブジェクトの数に基づいて、もう一方は単位面積当たりのオブジェクトの平均表面積に基づいて、両方の状態で実行した。ウェルチのt検定は小さなサイズの対になっていないサンプルにうまく適用され、かつ両方の母集団の分散が等しいことが確実ではないので、ウェルチのt検定を選択した。これ以外では、Mann-Whitney-Wilcoxon検定を使用することが可能であろう。

0102

200のバイオマーカを、形態計測基準の利用に基づいて対照状態と処置済の状態との間の有意差として同定したが、そのうちのいくつかのバイオマーカは、形態計測基準を使用してしか同定されないものである。

0103

図9に例示されるように、アポトーシスに関係した膜成分を同定することが可能であり(m/z718.505)、それは、強度を考慮するだけでは検出不可能であった(NS:有意ではない;*:有意差)。

0104

モデリング
数学モデルを、処置済の状態で同定された潜在的なバイオマーカを基礎として作成した。このモデルを、抽出された形態計測特性に基づいて試験サンプルを分類するために、探査目的のために使用した。

0105

本研究は、以下の目的のために継続されるであろう:
−データを標準化する;
−ピークに分子を関連づけるためにピークの同定を実行する;
−生物学的解釈を実行する;
−例えばクラウドプラットフォームを使用して、分類/機械学習を実行する。

実施例

0106

実施例3:他の用途
非常に多くの用途が実現可能であり、特に実施例1又は実施例2に説明された工程を使用することによって実施することが可能である。例えば、上で述べられたように、本発明は、医療及び製薬分野では、新しいバイオマーカを同定するために、分子フィルタリング及び分類、細胞及び形態カウント、疾患又は処置の経時的な評価の研究、細胞又は組織タイピングなどのために使用することができる。また、本発明によれば、サンプル中のイオン分布の表面積及び/又は体積から、前記サンプル中の前記イオンの相対的又は絶対的な定量化までが可能である。当然、本発明は、品質制御、芸術、比較及び自動オブジェクト分析、材料の組成の研究などの、他の分野においても用途が見いだされる。

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