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技術 マルチスペクトルイメージングのための方法及び手段

出願人 ウニベルジテートハイデルベルク
発明者 ディミトリアディスニコラスデリオラニスニコラオス
出願日 2015年6月3日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-571115
公開日 2017年10月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-529514
状態 特許登録済
技術分野 蛍光または発光による材料の調査,分析 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 計測チャネル パルス継続期間 色彩印象 部屋照明 視覚感知 減衰割合 スペクトルギャップ 網膜イメージ
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、サンプル、特に生物組織マルチスペクトルイメージングに関する。本発明は、物質(400)の蛍光画像及び反射画像を取得する方法であり、第1光及び第2光で物質を交互に照らし、第1光及び第2光は、少なくとも1つの光が低光強度の1つ又は複数のスペクトル領域(以下、単に「領域」とする)にて分離された高光強度数個の領域を含むスペクトル形状を有し、第1光及び第2光の高強度の領域群は、少なくとも一部が重ならず、第1光及び第2光の少なくとも1つは、高強度である隣接領域よりも波長が長い、低強度の領域を有し、第1光及び第2光のうち少なくとも1つで物質を照らしている間に、物質の第1画像及び第2画像を記録し、第1画像として記録された光は、第2光の高強度である少なくとも1つの領域が減衰されるように修正され、第2画像として記録された光は、第1光の高強度である少なくとも1つの領域が減衰されるように修正される。

概要

背景

組織を画像化(結像)するとき、照明光が吸収又は散乱される。上記組織が蛍光分子(fluorescent molecules)を含んでいる場合、吸収エネルギーは、上記分子励起状態(excited state)にすることによって、一時的に蓄積され、また、より長い波長の光子(photon)として放出される。蛍光発光の光の強度は、通常、上記反射された励起光(excitation light)よりも大きさが数オーダー小さい。このため、上記蛍光として放出された光から、上記反射された励起光を分離するか又は上記反射された励起光をブロックすることが、必要である。

最も実際的な方法は、上記光線励起パス及び放出パス(the excitation and the emission paths)においてバンドパスフィルタを用いて、上記記録される放出パスにおいて反射励起(reflected excitation)が漏れ出すことを防ぐために、光のスペクトル域(spectral range)を制限することである。この方法の直接的な結果として、同じ検出パスにおいて上記反射励起画像と同時には上記蛍光画像を取得することはできない。

上記蛍光画像及び上記反射画像の両方を取得するために、フィルタの使用不使用に関わらず、2つの取得モード間で切り替えることが必要である。静的な物質(static object)、つまり、上記蛍光画像及び上記反射(反射率)画像を取得している間に、ほとんど変化しない物質に関しては、フィルタを切り替えて連続的に上記2つの画像を取得することに問題は無い。しかしながら、視野内の上記物質が変化する場合、記録された画像群は一致せず、集中的な画像処理の後でさえも、記録は大きく異なっている可能性がある。

さらに、生じうる他の問題は、異なる励起特性及び放出特性を持つ複数の蛍光剤(multiple fluorescent agents)を同時に画像化することである。この場合、上記異なる複数の蛍光色素(different fluorochromes)を画像化するために、励起及び放出のための画像フィルタの異なるセットを用いる必要があり、結果として、複雑性及び得られる画像の数が増大してしまう。さらに、変化する物質群を画像化する場合、より高速ビデオフレームレートで、物質の上記放出された蛍光及び上記反射された励起の両方を記録することが必要である。そして、複数のフィルタの切替も高速に行われる必要がある。

マルチスペクトルの画像化を実現するために用いられるいくつかのアプローチが存在する。これらは、a)使用されるセンサの数、b)フィルタの切替の使用、c)異なる複数の照明光の切替、又は、d)複数のマルチバンドパスフィルタの使用、複数のビームスプリッタの使用等によって、おおよそ特徴づけることができる。[Y. Garini, I. T. Young, and G. McNamara, "Spectral imaging: Principles and applications," Cytometry Part A 69A, 735-747 (2006) ]

これらの従来技術は、以下で詳細に記述される。

[複数のフィルタの切替]
いくつかのマルチスペクトル画像化システムは、単一の画像センサを有し、反射率画像モード(reflectance imaging mode)と蛍光画像モード(fluorescence imaging mode)との間での高速切替メカニズムを実行する。これは、バンドパス励起フィルタ(bandpass excitation filter)及びバンドパス発光フィルタ(bandpass emission filter)の複数のセットを用いることによって実現されうる。上記バンドパス励起フィルタ及びバンドパス発光フィルタは、反射率画像及び蛍光画像を高周波数で交互に記録するために、高速で交換される、フィルタ輪(filter wheels)又はフィルタキューブ(filter cubes)に取り付けられている。このアプローチは、容易で光の最も高いスループットを可能とするが、フィルタ輪のような機械的に動くパーツを必要とする。さらに、フィルタの構成に基づいて、一度に1つの蛍光色素分子(fluorophore)だけの強度を記録することができる。近い複数のビデオレート周波数で複数のフィルタを切り替えることは、技術的に複雑であり、カメラフレーム取り込みシーケンスとの正確な機械的同期を必要とする。

機械的部品を避けるために、スペクトル的に調節可能な複数のフィルタ、例えば調節可能な液晶フィルタを用いてもよい。上記調節可能な複数のフィルタの透過スループットは制限されるが、異なる複数の蛍光色素分子に適した複数のスペクトル設定の間での切替は、かなり高速(<1ms)にすることができる。さらに、上記調節可能な複数のフィルタは、光透過角度(light transmission angles)及び光偏光(light polarization)に対して感度が高く、むしろコストが高くなる。

[ビームスプリッタ]
マルチスペクトル画像化に対する代わりのアプローチは、複数のセンサを用いることである。各センサの前には、対応する発光フィルタを配設する。上記光は、単一の対物レンズを通過することにより又は各センサに上記光を供給するために光学的なビームスプリッタ配置を用いることにより、各センサに到達する。又は、各センサは、分離した対物レンズを有していてもよい。いずれの場合も、各センサは、励起波長(excitation wavelengths)をブロックすることができ且つ1つの蛍光色素分子から上記放出を記録することができる、フィルタとペアになっている[Lucia M.A. Crane et al., et al. J Vis Exp. 2010; (44): 2225]。追加的なセンサは、異なるイメージングパス(imaging path)の上記反射像(reflection image)を記録することができる。このコンセプトシンプルであるが、複数のセンサ、複数のビームスプリッタ、及び複数の対物レンズを用いるので、デザインのサイズ及び複雑性並びにコストが増大する。

照明の高速切替]
マルチスペクトル画像化のための他の解決方法は、異なる複数の励起光の間の切替を用いる。そこでは、上記物質は、複数のフィルタによって1つ又は複数のカメラに入ることをブロックされる特定の励起スペクトルを有する複数の励起ビームで交互に照らされる。米国特許出願公開第20130286176号明細書において、単一カラーセンサ、蛍光を励起するためのレーザ励起、及び、オンオフで切り替わるブロードバンド照明光源(broadband illumination source)が用いられる。上記レーザ励起光源オンのときだけ、上記センサは、上記放出された蛍光を捕らえることができ、上記ブロードバンド照明がオンのとき、上記センサは、上記反射像(reflected image)を捕らえることができる。このシステムは、反射率画像(reflectance image)及び蛍光画像を生成するが、観測者は、異なる複数の光源のオンオフ切替に起因した邪魔なちらつきを視覚的に体験する可能性がある。

[複数のマルチバンドパス画像のブロック]
また、他のアプローチは、モノクロのセンサと組み合わせて、複数のマルチバンドパス領域を持つ複数のフィルタを用いる。このアプローチでは、モノクロセンサの前のフィルタは、上記複数の励起波長が上記モノクロセンサに入ることをブロックする。異なる複数の蛍光色素分子は、励起スキャンによって個別に画像化される。代わりに、フィルタ処理した多成分蛍光の光(multi-component fluorescent light)は、波長に依存した複数のパスへ分配されてもよい。上記複数のパスは、モノクロセンサの異なる空間領域に結像される。このアプローチでは、モノクロセンサで一度に複数のチャネルを記録することができる。

代わりのアプローチでは、マルチチャネルの(且つこのためカラーの)センサによって上記多成分蛍光の光を記録するために、カラーセンサを用いることができる。上記マルチチャネルセンサの出力は、個別の複数の蛍光成分を得るために、処理されてもよい。

追加的なセンサが、上記反射された励起光を、上記センサに上記光を結像する個別の光学的パスへ分配することによって、上記反射率画像を記録するために、用いられてもよい。このことは、上記反射率と共に複数の蛍光結像バンド(multiple fluorescence imaging bands)を提供するが、観測者は、間違った色の提示に視覚的に気づく可能性がある。上記特定の励起波長にもよるが、間違った提示は、デジタル的にでさえ訂正することができない可能性がある

上記反射率及び上記蛍光を複数の追加的なカラーセンサ上に分配して、スペクトルチャネルの数を増加させることも可能である。各チャネルは、上記センサの前に狭いバンドパスフィルタを有しており、各個別の狭いフィルタバンドにおける強度が算出される[米国特許出願公開第20120085932号明細書]。

用いられるフィルタのセットは、上記特殊利用で用いられる励起フィルタ及び発光フィルタの正確な組み合わせに従った、「Pinkel」、「Sedat」、又は「Full-multiband」として知られている。

概要

本発明は、サンプル、特に生物組織マルチスペクトルイメージングに関する。本発明は、物質(400)の蛍光画像及び反射画像を取得する方法であり、第1光及び第2光で物質を交互に照らし、第1光及び第2光は、少なくとも1つの光が低光強度の1つ又は複数のスペクトル領域(以下、単に「領域」とする)にて分離された高光強度数個の領域を含むスペクトル形状を有し、第1光及び第2光の高強度の領域群は、少なくとも一部が重ならず、第1光及び第2光の少なくとも1つは、高強度である隣接領域よりも波長が長い、低強度の領域を有し、第1光及び第2光のうち少なくとも1つで物質を照らしている間に、物質の第1画像及び第2画像を記録し、第1画像として記録された光は、第2光の高強度である少なくとも1つの領域が減衰されるように修正され、第2画像として記録された光は、第1光の高強度である少なくとも1つの領域が減衰されるように修正される。

目的

最も実際的な方法は、上記光線の励起パス及び放出パス(the excitation and the emission paths)においてバンドパスフィルタを用いて、上記記録される放出パスにおいて反射励起(reflected excitation)が漏れ出すことを防ぐために、光のスペクトル域(spectral range)を制限することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

物質(400)の蛍光画像及び反射画像を取得するための方法であって、少なくとも第1光及び第2光で前記物質(400)を交互に照らし、前記第1光及び前記第2光は、少なくとも1つの光が低い光強度の1つ又は複数のスペクトル領域によって分離された高い光強度のいくつかのスペクトル領域を含むようなスペクトル形状を有しており、前記第1光及び前記第2光の前記高い強度の複数のスペクトル領域は、少なくとも一部が重なっておらず、且つ、前記第1光及び前記第2光の少なくとも1つは、高い光強度である隣接領域よりも波長が長い、低い光強度の少なくとも1つの領域を有しており、前記第1光及び前記第2光のうちの少なくとも1つで前記物質(400)を照らしている間に、前記物質(400)の第1画像及び前記物質(400)の第2画像を少なくとも記録し、前記第1画像として前記記録された光は、前記第2光の高い強度である少なくとも1つのスペクトル領域が減衰されるように、修正され、且つ、前記第2画像として前記記録された光は、前記第1光の高い強度である少なくとも1つのスペクトル領域が減衰されるように、修正される、方法。

請求項2

請求項1記載の方法において、前記第1画像及び前記第2画像のうちの1つ又は両方が複数のセンサアレイ(200)によって記録され、1つ又は両方のセンサアレイ(200)は、各チャネルが異なるスペクトル感度を有する、好ましくはマルチチャネルアレイであり、好ましくはカラーセンサアレイ(200)である、方法。

請求項3

請求項1又は2記載の方法において、前記第1画像及び前記第2画像は、a)互いに近接配置されるか又は各部分光パスに配置される、異なる複数のセンサアレイ(200)によって、記録されるか、又は、b)単一センサアレイ(200)によって記録され、前記単一センサアレイ(200)の2つの区別可能な領域は、各部分光パスに配置され、a)及び/又はb)において、前記複数の部分光パスは、前記物質(400)から発せられた光を2つの部分光に分けることにより、生成されている、方法。

請求項4

請求項1から3のいずれか1項に記載の方法において、前記物質が前記第1光で照らされときに記録される第1画像及び前記物質が前記第2光で照らされたときに記録される第2画像は、第1合成画像を生成するために構成され、好ましくは、前記第1画像及び前記第2画像は、互いに順々に記録された画像である、及び/又は前記物質が前記第2光で照らされときに記録される第1画像及び前記物質が前記第1光で照らされたときに記録される第2画像は、第2合成画像を生成するために構成され、好ましくは、前記第1画像及び前記第2画像は、互いに順々に記録された画像である、方法。

請求項5

請求項1から4のいずれか1項に記載の方法において、前記記録された画像のチャネル画像空間、例えば、カラーセンサカラー画像空間において得られたデータは、成分画像空間の値に変換され、前記成分画像空間では、好ましくは、複数の成分が、複数の蛍光色素、複数の吸収体、これらから導き出される値、又は、ノイズの、複数の空間的な分布である、方法。

請求項6

請求項1から5のいずれか1項に記載の方法において、a)前記第1光及び前記第2光の少なくとも1つに関して、短い波長で高い強度の少なくとも1つの領域における強度と長い波長で低い強度の少なくとも1つの領域における強度との間の強度割合は、1×102以上、好ましくは、1×103以上、さらに好ましくは1×106以上であり、及び/又は、b)記録対象の光の減衰されるスペクトル領域の強度に対する、減衰されないスペクトル領域の強度の、減衰割合は、1×102以上、好ましくは、1×103以上、さらに好ましくは1×106以上であり、及び/又は、c)前記第2光の高い強度である少なくとも1つのスペクトル領域において前記第1画像として記録されるべき光の減衰量は、好ましくは、減衰されないスペクトル領域において記録された光の強度が、減衰された複数のスペクトル領域の全体において記録された光の強度よりも高くなるように、されており、及び/又は前記第1光の高い強度である少なくとも1つのスペクトル領域において前記第2画像として記録されるべき光の減衰量は、好ましくは、減衰されないスペクトル領域において記録された光の強度が、減衰された複数のスペクトル領域の全体において記録された光の強度よりも高くなるように、されている、方法。

請求項7

請求項1から6のいずれか1項に記載の方法において、前記第1光及び/又は前記第2光は、a)2つのブロードバンド光源(111,121)からの複数のブロードバンドライト、例えば、白色光によって、生成され、前記複数のブロードバンドライトは、前記第1光及び前記第2光を生成するために、複数のマルチバンドパスフィルタ(112,122)によってフィルタリングされ、前記少なくとも2つのマルチバンドパスフィルタ(112,122)は、補完的なスペクトル透過特性を有しており、又は、b)複数のナローバンド光源、好ましくは、複数の発光ダイオードによって生成され、前記複数のナローバンド光源から発せられた光は、オプションとして、光パスにおいてマルチバンドフィルタによってフィルタリングされ、又は、c)前記a)に従ったブ複数のロードバンド光源と前記b)に従った複数のLEDとの組み合わせによって、生成される、方法。

請求項8

請求項1から7のいずれか1項に記載の方法において、前記第1画像として記録される前記光及び前記第2画像として記録される前記光は、複数のマルチバンドフィルタを用いてフィルタリングされ、前記第1画像として記録される前記光をフィルタリングするために用いられる前記マルチバンドパスフィルタは、前記第2画像として記録される前記光をフィルタリングするために用いられる前記マルチバンドパスフィルタの複数のスペクトル透過特性に対して、補完的な複数のスペクトル透過特性を有している、方法。

請求項9

請求項1から8のいずれか1項に記載の方法において、前記第1画像として記録される前記光をフィルタリングするために用いられ且つ前記第2画像として記録される前記光をフィルタリングするために用いられる、前記複数のマルチバンドフィルタは、前記第1光及び前記第2光のスペクトル形状に対応する、複数の透過特性を有する、方法。

請求項10

請求項1から9のいずれか1項に記載の方法において、記録された複数の画像の数は、前記物質を順番に照らす異なる光の数と同数か又は少ない、方法。

請求項11

請求項1から10のいずれか1項に記載の方法において、第1照明期間を有する前記第1光と第2照明期間を有する前記第2光とで、交互に前記物質(400)を照らし、他の光のパルス群で前記物質(400)を照らし、前記他の光のパルス継続期間は、前記第1照明期間よりも短く、且つ、前記第2照明期間よりも短く、前記他の光による照明期間において、前記第1画像及び前記第2画像の記録を保留するか、又は、第1照明期間を有する前記第1光と、第2照明期間を有する前記第2光と、第3照明期間を有する第3光とで、順々に、前記物質(400)を照らす、方法。

請求項12

物質(400)の蛍光画像及び反射画像を取得するためのイメージング装置であって、少なくとも第1光源からの第1光及び第2光源からの第2光で前記物質(400)を順番に照らすように構成されており、前記第1光及び前記第2光は、少なくとも1つの光が低い光強度の1つ又は複数のスペクトルによって分離された高い光強度のいくつかのスペクトル領域を含むようなスペクトル形状を有しており、前記第1光及び前記第2光の前記高い強度の複数のスペクトル領域は、少なくとも一部が重なっておらず、且つ、前記第1光及び前記第2光の少なくとも1つは、高い光強度である隣接領域よりも波長が長い、低い光強度の少なくとも1つの領域を有している、前記第1光源及び前記第2光源と、前記第1光及び前記第2光のうちの少なくとも1つで前記物質(400)を照らしている間に、第1センサ及び第2センサが前記物質(400)の第1画像を前記第1センサによって記録し前記物質(400)の第2画像を前記第2センサによって記録するように構成された、前記第1センサ及び前記第2センサと、前記第1画像として前記記録された光を、前記第2光の高い強度である少なくとも1つのスペクトル領域が減衰されるように、修正するように構成された第1フィルタと、前記第2画像として前記記録された光を、前記第1光の高い強度である少なくとも1つのスペクトル領域が減衰されるように、修正するように構成された第2フィルタと、を具備するイメージング装置。

請求項13

請求項12記載のイメージング装置において、前記第1画像及び/又は前記第2画像は、1つ又は両方のセンサアレイ(200)によって記録され、少なくとも1つ又は両方のセンサアレイ(200)は、各チャネルが異なるスペクトル感度を有する、好ましくはマルチチャネルアレイであり、好ましくはカラーセンサアレイ(200)である、イメージング装置。

請求項14

請求項12又は13記載のイメージング装置において、前記第1画像及び前記第2画像は、a)互いに近接配置されるか又は各部分光パスに配置される、異なる複数のセンサアレイ(200)によって、記録されるか、又は、b)単一センサアレイ(200)によって、記録され、前記単一センサアレイ(200)の2つの区別可能な領域は、各部分光パスに配置され、a)及び/又はb)において、前記複数の部分光パスは、前記物質(400)から発せられた光を2つの部分光に分けることにより、生成されている、イメージング装置。

請求項15

請求項12から14のいずれか1項に記載のイメージング装置において、前記第1のセンサアレイ(200)は、前記物質(400)が前記第1光で照らされているときに、第1画像を記録するように構成され、前記第2のセンサアレイ(200)は、前記物質(400)が前記第2光で照らされているときに、第2画像を記録するように構成され、合成ユニットは、第1合成画像を生成するために、前記第1画像と前記第2画像とを合成するように構成され、好ましくは、前記第1画像及び前記第2画像は、互いに順々に記録された画像であり、及び/又は、前記第1のセンサアレイ(200)は、前記物質(400)が前記第2光で照らされているときに、前記第1画像を記録するように構成され、前記第2のセンサアレイ(200)は、前記物質(400)が前記第1光で照らされているときに、前記第2画像を記録するように構成され、第2の合成ユニットは、第2合成画像を生成するために、前記第1画像と前記第2画像とを合成するように構成され、好ましくは、前記第1画像及び前記第2画像は、互いに順々に記録された画像である、イメージング装置。

請求項16

請求項12から15のいずれか1項に記載のイメージング装置において、a)前記第1光及び前記第2光の少なくとも1つに関して、短い波長で高い強度の少なくとも1つの領域における強度と長い波長で低い強度の少なくとも1つの領域における強度との間の強度割合は、1×102以上、好ましくは、1×103以上、さらに好ましくは1×106以上であり、及び/又は、b)記録対象の光の減衰されるスペクトル領域の強度に対する、減衰されないスペクトル領域の強度の、減衰割合は、1×102以上、好ましくは、1×103以上、さらに好ましくは1×106以上であり、及び/又は、c)前記第2光の高い強度である少なくとも1つのスペクトル領域において前記第1画像として記録されるべき光の減衰量は、好ましくは、減衰されないスペクトル領域において記録された光の強度が、減衰された複数のスペクトル領域の全体において記録された光の強度よりも高くなるように、されており、及び/又は前記第1光の高い強度である少なくとも1つのスペクトル領域において前記第2画像として記録されるべき光の減衰量は、好ましくは、減衰されないスペクトル領域において記録された光の強度が、減衰された複数のスペクトル領域の全体において記録された光の強度よりも高くなるように、されている、イメージング装置。

請求項17

請求項12から16のいずれか1項に記載のイメージング装置を有する、内視鏡又は外科用顕微鏡

請求項18

請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の方法、装置、内視鏡又は外科用顕微鏡の、自動車用途医療診断治療、及び/又は、化学及び/又は物理分析における、内部検査に関する、反射画像及び/又は蛍光画像を記録するための使用。

技術分野

0001

本発明は、サンプル、特に生物組織マルチスペクトルイメージングに関する。

背景技術

0002

組織を画像化(結像)するとき、照明光が吸収又は散乱される。上記組織が蛍光分子(fluorescent molecules)を含んでいる場合、吸収エネルギーは、上記分子励起状態(excited state)にすることによって、一時的に蓄積され、また、より長い波長の光子(photon)として放出される。蛍光発光の光の強度は、通常、上記反射された励起光(excitation light)よりも大きさが数オーダー小さい。このため、上記蛍光として放出された光から、上記反射された励起光を分離するか又は上記反射された励起光をブロックすることが、必要である。

0003

最も実際的な方法は、上記光線励起パス及び放出パス(the excitation and the emission paths)においてバンドパスフィルタを用いて、上記記録される放出パスにおいて反射励起(reflected excitation)が漏れ出すことを防ぐために、光のスペクトル域(spectral range)を制限することである。この方法の直接的な結果として、同じ検出パスにおいて上記反射励起画像と同時には上記蛍光画像を取得することはできない。

0004

上記蛍光画像及び上記反射画像の両方を取得するために、フィルタの使用不使用に関わらず、2つの取得モード間で切り替えることが必要である。静的な物質(static object)、つまり、上記蛍光画像及び上記反射(反射率)画像を取得している間に、ほとんど変化しない物質に関しては、フィルタを切り替えて連続的に上記2つの画像を取得することに問題は無い。しかしながら、視野内の上記物質が変化する場合、記録された画像群は一致せず、集中的な画像処理の後でさえも、記録は大きく異なっている可能性がある。

0005

さらに、生じうる他の問題は、異なる励起特性及び放出特性を持つ複数の蛍光剤(multiple fluorescent agents)を同時に画像化することである。この場合、上記異なる複数の蛍光色素(different fluorochromes)を画像化するために、励起及び放出のための画像フィルタの異なるセットを用いる必要があり、結果として、複雑性及び得られる画像の数が増大してしまう。さらに、変化する物質群を画像化する場合、より高速ビデオフレームレートで、物質の上記放出された蛍光及び上記反射された励起の両方を記録することが必要である。そして、複数のフィルタの切替も高速に行われる必要がある。

0006

マルチスペクトルの画像化を実現するために用いられるいくつかのアプローチが存在する。これらは、a)使用されるセンサの数、b)フィルタの切替の使用、c)異なる複数の照明光の切替、又は、d)複数のマルチバンドパスフィルタの使用、複数のビームスプリッタの使用等によって、おおよそ特徴づけることができる。[Y. Garini, I. T. Young, and G. McNamara, "Spectral imaging: Principles and applications," Cytometry Part A 69A, 735-747 (2006) ]

0007

これらの従来技術は、以下で詳細に記述される。

0008

[複数のフィルタの切替]
いくつかのマルチスペクトル画像化システムは、単一の画像センサを有し、反射率画像モード(reflectance imaging mode)と蛍光画像モード(fluorescence imaging mode)との間での高速切替メカニズムを実行する。これは、バンドパス励起フィルタ(bandpass excitation filter)及びバンドパス発光フィルタ(bandpass emission filter)の複数のセットを用いることによって実現されうる。上記バンドパス励起フィルタ及びバンドパス発光フィルタは、反射率画像及び蛍光画像を高周波数で交互に記録するために、高速で交換される、フィルタ輪(filter wheels)又はフィルタキューブ(filter cubes)に取り付けられている。このアプローチは、容易で光の最も高いスループットを可能とするが、フィルタ輪のような機械的に動くパーツを必要とする。さらに、フィルタの構成に基づいて、一度に1つの蛍光色素分子(fluorophore)だけの強度を記録することができる。近い複数のビデオレート周波数で複数のフィルタを切り替えることは、技術的に複雑であり、カメラフレーム取り込みシーケンスとの正確な機械的同期を必要とする。

0009

機械的部品を避けるために、スペクトル的に調節可能な複数のフィルタ、例えば調節可能な液晶フィルタを用いてもよい。上記調節可能な複数のフィルタの透過スループットは制限されるが、異なる複数の蛍光色素分子に適した複数のスペクトル設定の間での切替は、かなり高速(<1ms)にすることができる。さらに、上記調節可能な複数のフィルタは、光透過角度(light transmission angles)及び光偏光(light polarization)に対して感度が高く、むしろコストが高くなる。

0010

[ビームスプリッタ]
マルチスペクトル画像化に対する代わりのアプローチは、複数のセンサを用いることである。各センサの前には、対応する発光フィルタを配設する。上記光は、単一の対物レンズを通過することにより又は各センサに上記光を供給するために光学的なビームスプリッタ配置を用いることにより、各センサに到達する。又は、各センサは、分離した対物レンズを有していてもよい。いずれの場合も、各センサは、励起波長(excitation wavelengths)をブロックすることができ且つ1つの蛍光色素分子から上記放出を記録することができる、フィルタとペアになっている[Lucia M.A. Crane et al., et al. J Vis Exp. 2010; (44): 2225]。追加的なセンサは、異なるイメージングパス(imaging path)の上記反射像(reflection image)を記録することができる。このコンセプトシンプルであるが、複数のセンサ、複数のビームスプリッタ、及び複数の対物レンズを用いるので、デザインのサイズ及び複雑性並びにコストが増大する。

0011

照明の高速切替]
マルチスペクトル画像化のための他の解決方法は、異なる複数の励起光の間の切替を用いる。そこでは、上記物質は、複数のフィルタによって1つ又は複数のカメラに入ることをブロックされる特定の励起スペクトルを有する複数の励起ビームで交互に照らされる。米国特許出願公開第20130286176号明細書において、単一カラーセンサ、蛍光を励起するためのレーザ励起、及び、オンオフで切り替わるブロードバンド照明光源(broadband illumination source)が用いられる。上記レーザ励起光源オンのときだけ、上記センサは、上記放出された蛍光を捕らえることができ、上記ブロードバンド照明がオンのとき、上記センサは、上記反射像(reflected image)を捕らえることができる。このシステムは、反射率画像(reflectance image)及び蛍光画像を生成するが、観測者は、異なる複数の光源のオンオフ切替に起因した邪魔なちらつきを視覚的に体験する可能性がある。

0012

[複数のマルチバンドパス画像のブロック]
また、他のアプローチは、モノクロのセンサと組み合わせて、複数のマルチバンドパス領域を持つ複数のフィルタを用いる。このアプローチでは、モノクロセンサの前のフィルタは、上記複数の励起波長が上記モノクロセンサに入ることをブロックする。異なる複数の蛍光色素分子は、励起スキャンによって個別に画像化される。代わりに、フィルタ処理した多成分蛍光の光(multi-component fluorescent light)は、波長に依存した複数のパスへ分配されてもよい。上記複数のパスは、モノクロセンサの異なる空間領域に結像される。このアプローチでは、モノクロセンサで一度に複数のチャネルを記録することができる。

0013

代わりのアプローチでは、マルチチャネルの(且つこのためカラーの)センサによって上記多成分蛍光の光を記録するために、カラーセンサを用いることができる。上記マルチチャネルセンサの出力は、個別の複数の蛍光成分を得るために、処理されてもよい。

0014

追加的なセンサが、上記反射された励起光を、上記センサに上記光を結像する個別の光学的パスへ分配することによって、上記反射率画像を記録するために、用いられてもよい。このことは、上記反射率と共に複数の蛍光結像バンド(multiple fluorescence imaging bands)を提供するが、観測者は、間違った色の提示に視覚的に気づく可能性がある。上記特定の励起波長にもよるが、間違った提示は、デジタル的にでさえ訂正することができない可能性がある

0015

上記反射率及び上記蛍光を複数の追加的なカラーセンサ上に分配して、スペクトルチャネルの数を増加させることも可能である。各チャネルは、上記センサの前に狭いバンドパスフィルタを有しており、各個別の狭いフィルタバンドにおける強度が算出される[米国特許出願公開第20120085932号明細書]。

0016

用いられるフィルタのセットは、上記特殊利用で用いられる励起フィルタ及び発光フィルタの正確な組み合わせに従った、「Pinkel」、「Sedat」、又は「Full-multiband」として知られている。

発明が解決しようとする課題

0017

本発明は、上記従来技術の問題を防止すると共に、シンプルで、素早く、且つ、コスト面で効果的な、マルチスペクトルイメージングの方法及び手段を提供する。

課題を解決するための手段

0018

この問題は、請求項17の内視鏡又は外科用顕微鏡及び請求項18のそれらの使用だけでなく、請求項1の方法及び請求項12の装置によって解決される。

図面の簡単な説明

0019

進歩的な実施例を示す図である。
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実施例

0020

以下において、本発明の異なる複数の実施例が、提示されている。そこでは、類似又は同一の要素には、類似又は同一の参照番号が用いられている。以下の複数の実施例において、本発明の本質的又はオプションの特徴の組み合わせは、組み合わせて記述されうる。しかしながら、そのような組み合わせで記述されたオプションの各特徴は、本複数の請求項において記述されているように、個別に単独で本発明を改良するために、用いられてもよい。

0021

その複数の実施例は、進歩的な複数の実施例の態様をすべて示す、図1から58の組み合わせで示される。

0022

<実施例1>
図1は、本発明の大まかなコンセプトを示す図である。上記進歩的なシステムは、図示されたシステム100を有する。システム100は、物質400を照らすために、スペクトル及び時間の多重化特性を有する光を生成して案内する。物質400から生じる光は、イメージングシステム200によって、収集され、検出され、又は、画像化される。イメージングシステム200は、レンズ群フィルタ群、ビームスプリッタ群、及び、光センサディテクタ配列群(例えば複数のカメラ)等のような要素群を有している。上記照明システム100及び上記検出システム200の両方は、制御処理ユニット300に接続されている。制御処理ユニット300は、照明システムの働きを制御し、その働きを同期させ、検出システム200から上記複数の画像を取り込む。そして、制御処理ユニット300は、さらに評価、表示、及び記憶するために、その画像を処理する。最後に、表示/視覚化システム(500)は、上記分解された複数の画像を、個別に、又は、同時に/重ねて、表示する。

0023

照明システム100は、図2に示すように、2つ(又は2つ以上)の順番に入れ代わるフェーズで動作する。フェーズ1では、上記照明システムは、図2Aに示すような高強度及び低強度の領域群を有するスペクトル形状を示している光で、上記物質を照らす。図2A及び図2Bにおいて、各照明フェーズに関して、上記2つのセンサ配列の前の上記照明スペクトル及び上記透過スペクトル(transmission spectra)が、提示されている。種々のスペクトル形状が可能であるが、上記光が上記高強度の領域群よりも長波長の位置にかなり低強度である複数のスペクトル領域を有していることが重要である。これらの複数の領域では、上記第1光での励起時に上記物質400によって放出された蛍光の光を、反射光をそれほど検出することなく、イメージングシステム200によって検出することができる。照明フェーズ2では、物質400は、概して、異なるスペクトル形状を有する光で、好ましくは、図2Bに示すような、おおよそ補完する構造を示している光で、照らされる。イメージングシステム200は、ビームスプリッタ202又はこれと等価の方法によって分けられた、2つ(又は2つより多い)イメージングチャネル/パスを有している。各イメージングチャネルは、複数のイメージングセンサ配列(image sensor arrays)211,221を有して、上記異なるフェーズにおいて、蛍光画像及び反射(反射率)画像を検出し記録する。上記複数のイメージングセンサに届く光は、スペクトル的に減衰され、概して、フェーズ1の上記照明光は、上記イメージングセンサ2に届く前に減衰され、フェーズ2の上記照明光は、上記イメージングセンサ1に届く前に減衰される。

0024

物質400に対する上記照明を順番に入れ代えることにより、2つのセンサによって、スペクトル的に互いに補う反射率画像及び蛍光画像を交互に記録することができる。照明フェーズ1において、物質400によって反射された光のスペクトルバンド群は、透過されて検出センサ221で検出され、反射率画像を形成する。一方、物質400からの蛍光発光は、透過されてセンサ211で検出され、蛍光画像を形成する。照明フェーズ2において、物質400で反射された光のスペクトルバンド群は、透過されて検出センサ211で検出され、反射率画像を形成する。一方、物質400からの蛍光発光は、透過されて検出センサ221で検出され、蛍光画像を形成する。

0025

上記光が各センサに到達する前に弱められる減衰量は、おおよそ見積もることができる。このため、好ましくは、センサが蛍光を検出するために用いられる場合(つまり、フェーズ2でのセンサ221、フェーズ1でのセンサ211)、検出された蛍光信号は、好ましくは、上記励起光の漏れよりも100倍大きくするべきである。

0026

<実施例2>
図3には、より好ましい実施形態の1つが示されている。この実施形態では、2つの補完するマルチバンドパスフィルタ112,122によってフィルタリングされる、2つのブロードバンド白色光源(111,121)が用いられ、これらは、交互にオンオフを切り替えることができる。これら2つの光源111,121からの2つのビームは、マルチバンドパスポリクロイックミラー(multiple bandpass polychroic mirror)101によって、混ぜ合わされる。これらの要素間には、画像化されるべきエリアへより多くの光を導くために、複数のコリメータレンズがオプションとして配設されてもよい。上記イメージングシステム200は、レンズ群、フィルタ群、ミラー群、及び、イメージセンサ群を含んでいる。物質400から来る光は、検出システム200において対物レンズ201(又は、対物レンズとして機能するレンズ群のシステム)で、収集される。直視下手術で用いられる対物レンズ201(又は、対物レンズとして機能するレンズ群のシステム)は、好ましくは、200mmのフォーカス距離を有している。対物レンズ201を通った光は、マルチクロイックバンドパスミラー202によって分けられる。マルチクロイックバンドパスミラー202は、上記光を分けて、2つのパスに送光する。これらの光パスは、補完するスペクトル成分を有している。2つの補完するマルチバンドパスフィルタ213,223は、マルチチャネル又はマルチカラーセンサ配列(multi-channel or multi-color sensor arrays)211,221によって画像化される上記複数のビームを減衰させる。上記の処理/制御ユニットは、複数の画像501,…,507を生成するために、フレーム取り込み部(frame grabber)301、制御ユニット302、及び処理得ニット303を有している。オプションの複数のレンズ212,214,222,224は、上記センサへ上記画像を中継するために、上記種々の要素間において用いることができる。上記ミラービームスプリッタ(202)及び上記マルチバンドパスフィルタ213,223は、好ましくは、光学的無限遠補正画像空間(optically infinity corrected imaging space)に配置される。上記ミラー202は、通常、1−3mmの厚さである。光学的イメージング品質を維持するために、ダイクロイックミラー202の平坦性は、λ/10とすべきである

0027

複数の干渉マルチバンドパスフィルタ及び複数のポリクロイックフィルタは、「Sedat」、「Pinkel」又は「full multiband」のセットとして蛍光顕微鏡検査において用いられる、通常、励起フィルタ/発光(emission)フィルタ/ミラーフィルタの複数のセットとして、製造される。図4には、4つの蛍光色素を画像化するために最初に構成された4バンドフィルタセットの一例が示されている。このセットは、照明システム及びイメージングシステムの両方において用いられるように構成されてもよい。上記励起フィルタは、位置122,223で用いられてもよく、上記発光フィルタは、位置112,213で用いられてもよく、ポリクロイックミラーは、位置(101),(202)で用いられてもよい。種々の蛍光の応用のために、フィルタ群の種々の組み合わせ、種々のフィルタセットを用いることができる。好ましくは、クロストーク(図を参照)を防止するために、複数のフィルタ透過バンドの間には小さなスペクトルギャップが存在する。そのバンドの幅は、現実的条件の環境で実行するための上記フィルタセットの要求と結びついた入射角の下で働く上記フィルタの特性に依存する。

0028

上記2つの照明モードのためにそのようなフィルタセットを用いることは、フェーズ1において、上記セットの励起フィルタは、光源121からの白色光をフィルタリングするために用いられ、フェーズ2において、上記発光フィルタは、光源111からの白色光をフィルタリングするために用いられる、ことを意味する。上記ポリクロイックミラーは、上記複数のビームを1つに纏めるために用いられる。実際の問題として、組織における蛍光色素のノーマルな濃度(通常、100×10−9Mと1×10−3Mの間)を仮定すると、6次の大きさの光学濃度(O.D.:optical density)の干渉マルチバンドフィルタ群(interference multiple bandpass filters)の拒絶バンド群(rejection bands)における通常の減衰割合は、十分であるが、多くのケースにおいて、2O.D.又は3O.D.の減衰で十分となりうる。

0029

図5Aのフェーズ1に示すように、物質400は、部分的に反射され、透過され、蛍光を励起するために吸収される、スペクトル形状を有する光によって、照らされる。フェーズ1で反射された励起光は、蛍光発光だけ記録するセンサ211の前の発光フィルタ213によって減衰される。補完的に、センサ221の前のフィルタ223は、上記反射された励起光を透過し、このため、センサ221は、フェーズ1において上記反射された励起光を検出する。これに対して、フェーズ2において、物質400は、フェーズ1の照明光に対しておおよそ補完的なスペクトル形状を有する光によって、照らされる。フェーズ2における照明光は、部分的に反射され、透過され、蛍光を励起するために物質400によって吸収される。物質400で反射された励起光は、フィルタ213によって透過され、物質400の反射率画像を検出するセンサ211によって検出される。補完的に、センサ221の前のフィルタ223は、フェーズ2において上記光源から来る上記反射された励起光を減衰させ、上記蛍光発光を記録する。まとめると、フェーズ1では、センサ211は、物質400の蛍光画像を記録しており、センサ221は、物質400の反射率画像を記録している。フェーズ2では、センサ221は、物質400の蛍光画像を記録しており、センサ211は、物質400の反射率画像を記録している。

0030

図5B及び図5Cには、連続的に得られる反射率画像及び蛍光画像のシリーズが示されている。上記システムは、(ほとんど)すべての可視スペクトルの、蛍光画像及び反射率画像の両方を画像化することができる。このことは、すべての2つの照明サイクル(フェーズ)において、すべてのスペクトル領域群のうちのいかなる関係する部分又は実体的な部分を逃すことなく、反射率画像及び蛍光画像が補完的に記録される、ことを意味する。複数の照明フェーズの周波数及び複数の画像の記録がいかなる物質の変化にも順応できる程十分に高速である場合、各フレームの反射率画像を、補完的な反射スペクトルを有する他のセンサからの以前のフレームの反射率画像と合わせることにより、すべてのスペクトルを含む反射率画像が形成される。すなわち、反射1と反射2とを合成し、反射2と反射3とを合成することになる。同様に、各フレームの蛍光画像を、補完的な蛍光スペクトルを有する他のセンサからの以前のフレームの蛍光画像と合わせることにより、すべてのスペクトルを含む蛍光画像が形成される。すなわち、蛍光1と蛍光2とを合成し、蛍光2と蛍光3とを合成することになる。

0031

この合成方法は、蛍光及び反射の両方のスペクトルカバレッジを増やすだけでなく、カメラ毎スペクトル測定の数を増加させる。このため、この技術は、(比較的小さな変化につていの)余剰スペクトル画像を提供する。いくつかの小さなスペクトル領域群だけが、補完的なスペクトルエリア群の間に小さなスペクトルギャップが存在する必要があるかもしれないという実際の実装の問題のため、記録されない。しかし、それらのスペクトルギャップは、上記画像の色の印象を変えない。

0032

物質400に対する照明及び上記センサ群露光に関する制御は、処理制御ユニット300における信号によって行われる。2つのブロードバンド光源は、白熱灯、(水銀、キセノン、又は混合物のような)ガスランプ発光ダイオードLEDs)、又は、多のブロードバンド光源であってもよい。LED光源は、100ミリ秒より速い立ち上がり時間及び立ち下がり時間を持っており、高周波数レートでオンオフを切り替えることができる。上記システムは、ビデオレート、つまり、おおよそ25fpsでフェーズを切り替えて、物質400を照明することができる。このレート及びより高い照明レートで、照明フィールド視覚感知は均一となり、ここでは、ちらつき効果がほとんど観測されない。さらに、上記2つのフェーズは、補完的なスペクトル照明を有しているので、上記システムの全体のカラーバランスは、フィルタリングされていない、上記各ブロードバンド光源の光の色状況と同様に、ブロードバンドの白色である。

0033

センサは、好ましくは、複数のスペクトルエリア群で画像を記録することができるマルチチャネル(マルチカラー)センサである。各スペクトルエリアは、異なるスペクトル感度を有しており、物質400における種々の反射物質及び蛍光物質の光学的に多重された上記反射光を記録することができる。マルチチャネルカラーセンサ配列の例としては、RGB(red-green-blue)パターンセンサ又はCMYG(cyan-magenta-yellow-green)パターンセンサである。図6には、典型的な、複数のカラー感度が示されている。これらの信号は、スペクトル的に混ざっており、画像処理によってスペクトル的に分離される。

0034

<実施例3>
得られた複数の画像は、実演(demonstrating)、記憶、ノイズフィルタリングバックグランドダークノイズ減算(background dark noise subtraction)、複数のカラーフレームに対する色補正、及び、スペクトル分離(spectral unmixing)のような、一連画像処理操作のために、処理ユニット300へ転送される。
特に、最もシンプルな形の上記スペクトル分離は、上記カメラで生成された上記複数のカラーチャネル画像と上記成分空間との間の線形変換(linear transformation)でありうる。
複数の成分は、上記光が情報を引き出せるいかなるものであってもよく、例えば、材料、濃度若しくは性質、又はそれらの成分から導き出せる量のようなものである。それら複数の成分は、物質400の部分401,402等の様な特別な空間分布を有している。上記複数の成分501,502等の空間分布の複数の画像を算出した後に、それらの画像は、疑似カラーのようなカラーマップを使って、記憶され、表示され、又は、他の画像と重ねられてもよい。

0035

これに限定されるものではないが、いくつかの例は、a)吸収分布(Absorber distribution)である。上記反射光のスペクトルは、組織における上記吸収スペクトル及び上記透過スペクトルによって形成され、これは、上記カラーセンサ信号に記録される。組織吸収をモデリングするシステム及び組織、及び/又は、既知の濃度の吸収体についてのシステムキャリブレーションによって、含酸素ヘモグロビン、非酸素ヘモグロビンメラニン等のような固有の組織の吸収体の濃度、又は、例えばメチレンブルーのような外部から投与された吸収造影剤の濃度を導き出すことができる。b)さらに、含酸素ヘモグロビンの分布及び非酸素ヘモグロビンの分布のマップから、酸素飽和度マップ、及び、関連する生理的パラメータ又は病理学パラメータ、c)蛍光色素分布(Fluorochrome distribution)を算出することができる。蛍光は、内生の蛍光色素によって、又は、外部から投与された蛍光造影剤によって、生じる。上記蛍光信号は、上記カラーセンサによって記録され、モデリングするシステム及び組織、及び/又は、システムキャリブレーションによって、上記蛍光分布を導き出すことができる。さらに、複数の蛍光マップ間の割合を算出することができ、これは、癌についてのより詳しい情報を与える。

0036

<実施例4>
以下では、上記複数の蛍光成分を算出するための例示的な画像処理の基本を記述する。反射率吸収分布(reflectance absorption distribution)のような値及び微分値(derivative values)が同様にモデル化され算出される。上記カメラは、異なる複数のカラーチャネル信号強度計測する。この信号は、全ての成分の総和の光強度によって生成される。これら全ての成分は、上記複数の透過フィルタによって、追加的には、センサの空間感度(spectral sensitivity)と結びつくRGBカラーフィルタによって、スペクトル的にフィルタリングされる。上記検出器応答線形であると仮定すると、上記生成される信号は、次の式で表される。



ここで、Scは、結びつく全てのカラーセンサ画像のうちの特定のスペクトルカラーcの上記信号である。例えば、{カラー}={R1,G1,B1,R2,G2,B2・・・}である。また、Iλ(λ,f)は、スペクトル蛍光チャネル強度密度(spectral fluorescence channel intensity density)である。これは、上記波長及び蛍光チャネルに依存する。各蛍光チャネルは、特定のスペクトル光特性(spectral light characteristic)によって特徴づけられる。最もシンプルなケースでは、上記イメージングシステムの蛍光チャネルの上記スペクトル光特性は、蛍光色素分子に対応する。この場合、Iλ(λ,f)は、上記蛍光色素分子の上記スペクトルの放出スペクトルに対応する。この場合、Iλ(λ,f)の正確な値は、上記蛍光色素分子の濃度、上記蛍光量子収率(fluorophores quantum yield)、及び、上記スペクトル照明光強度(spectral illumination light intensity)を考慮することにより、決定することができる。T(λ,c)は、上記特定の空間カラーセンサ又はピクセルの上記トータル透過特性であり、またこれは、上記発光フィルタに含まれる上記光学的システムの放出特性を示している。上記蛍光発光スペクトルプロファイル及び強度が組織の固有吸収によって殆ど影響を受けないため上記蛍光活性(fluorescence activity)が組織表面近傍に位置しており、且つ、消光のような他の非線形効果が無視できると仮定すると、上記スペクトル蛍光強度Iλ(λ,f)は、Iλ(λ,f)=c(f)×Φλ(λ,f)のように表すことができる。すなわち、上記式は、次のように表すことができる。



ここで、c(f)は、蛍光色素分子fの濃度である。この場合、蛍光チャネルfは、反射率イメージングのために用いられ、c(f)は、上記強度ファクタである。濃度のためのシンボルcは、上記カラーチャネルインデックスと同じである。Φλ(λ,f)は、上記モルのスペクトル蛍光強度密度であり、蛍光色素分子fの放出の上記スペクトルプロファイルを表している。上記強度は、蛍光色素分子の濃度c(f)によって計られる。この場合、fは、反射率チャネルであり、Φλ(λ,f)は、スペクトル分布を持つチャネルの上記正規化されたスペクトル反射率強度である。一例として、Φλ(λ,f)は、目の赤受容体(red receptor)のスペクトル応答でありうる。このことは、この赤チャネルについての自然な色彩印象(color impression)につながる。上記式を再整理すると、次のような式になる。



この式は、次の式のように、蛍光色素分子濃度とセンサの計測チャネル強度との間の線形関係につながる。



この線形関係によって、全ての蛍光及び反射率のチャネル強度c(f)を算出することができる。ここでは、赤、緑、及び青のチャネル群を持つセンサと色素蛍光標識FITC)、ATTO647、及びインドシアニングリーン(ICG)についての行列Mの算出例を示している。図7には、上記蛍光色素分子の励起スペクトル及び放出スペクトルが示されている。それらの複数の信号式は、次の通りである。












FITC及び赤検出チャネルの組み合わせについて係数Mを例示的に書き表すと、次の式のようになる。



上記複数の蛍光強度は、次の式のように、上記係数行列Mを反転することにより得られる。

0037

上記検出カラーチャネルの数が分解対象の上記蛍光チャネルの数と等しい場合、上記方程式系(equation system)は、複数の方程式線形系として解決されうる。変数Scは、上記イメージングシステムによって計測される。c(f)の複数の値は、上記システムの他のパラメータ(Φλ(λ,f)及びT(λ,c))が既知である場合、算出可能である。これら複数のファクタ及び上記行列M(f,c)は、キャリブレーションプロセスにおいて前もって、決定することができる。c(f)を算出するために、上記行列M(f,c)は反転される必要がある。

0038

計測されたチャネルの数が蛍光チャネルの数よりも多い場合、上記システムは、過剰決定(over-determined)となる。この好ましい状況に対処する1つのオプションは、M(f,c)の疑似逆行列(pseudo-inverse)を計算することであり、疑似逆行列は正方行列(square matrix)ではない。上記算出結果を改善するために、例えば、上記センサ群における計測から生じるノイズを最小化するために、種々のアルゴリズムが用いられてもよい。

0039

上記行列Mは、システムモデリング及び/又はシステムキャリブレーションによって算出されてもよい。システムモデリングでは、上記光パスのスペクトル成分は、上記光源から上記カラーセンサ配列ピクセル群まで、モデル化されてもよい。パラメータ群は、照明源スペクトル分布、上記励起フィルタ群のスペクトル透過、又は、上記照明光のスペクトルプロファイルに限定されるものではなく、上記蛍光励起スペクトル及び蛍光放出スペクトル及び上記蛍光量子収率、もしかすると組織における上記複数の成分のおおよその深さ、また、組織の光学的特性、イメージングシステム(レンズ群、ビームスプリッタ群、フィルタ群、ミラー群等)の透過特性、及び、最後に上記センサ配列のスペクトル感度を含む。上記モデリングは、上記濃度情報を上記記録された信号と結びつける上記行列Mを算出し(順問題(forward problem))、上記成分分布は、上記逆問題(inverse problem)の上記解から導き出すことができる。代わりに、システムキャリブレーションは、組成、濃度、及び位置が既知の複数の成分の信号群を記録して未知の行列Mを解くことで、又は、主成分分解(PCA:Principle Component Analysis)、独立成分分解(ICA:Independent Component Analysis)又は類似の統計アルゴリズムのような、分離アルゴリズムを持つブラインド分解(blind decomposition)によって、行われてもよい。最後に、モデリング又は概して先の情報の使用は、計測されたチャネルの数よりも多くの未知のものを決定するために、潜在的に用いられうる。

0040

代わりに、上記の線形モデリングの記述に対して、上記システムは、非線形記述(non-linear description)を用いて、より詳細にモデル化されうる。この方法では、上記検出器又は高蛍光色素密度の消光効果のような、非線形のポテンシャルを考慮することができる。最後に、本来、劣決定系において、モデリング及び/又は先の情報を用いて、利用可能なチャネルよりも多くの成分群から上記情報をリカバーする行列を算出することができる。

0041

最後に、前述のように、分離された成分群の数は、結びついた画像群のカラーチャネルから利用可能なチャネル群(複数の色)のトータルの数に関連する。しかしながら、上記照明及び/又は上記透過におけるスペクトルバンド群の数は、上記チャネル群(複数の色)の数及び分離された成分群の数に依存しない。概して、対象の領域において利用可能なバンドが多くなるほど、特定成分スペクトル特性が記録されない可能性は低くなる。このため、多くの「狭」スペクトルバンド群は、上記反射率画像のより正確な色表現、及び、種々の成分群のより正確な分離を提供する。けれども、種々の成分群のスペクトル分離は、上記チャネル群の数よりも少ないスペクトルバンド群の数で、実行可能である。

0042

マルチバンドパスフィルタ群のスペクトルバンド群の数が、分離対象の蛍光色素分子の数についての関連する数学的条件ではない、ことを強調することが、重要である。代わりに、カメラチャネルの数は、数学的に重要な条件である。

0043

<実施例5>
以下では、本発明に好適な基本的な光源及びその代替手段について記述する。

0044

[基本的な光源]
上記の内容に示されるように、最も基本的な光源100(図8参照)は、2つの独立した光源111,121を有しており、これらは、好ましくは、ハロゲンランプ又はキセノンランプのような従来の光源に比べてより高速なスイッチングが可能な、ブロードバンドLED111,121である。オプションとして、光束は、コリメータレンズ119,129によって平行にされ、光源121は、バンドパスフィルタ122によってフィルタリングされ、それから、ポリクロイックミラー101を用いて混ぜ合わされる。

0045

図9Aは、上記ブロードバンドLEDのスペクトルを示している。このスペクトルは、光源111,121と同じであってもよいし異なっていてもよい。上記スペクトルは、白色光LEDについて典型的なものである。図9Bは、マルチバンド励起フィルタ122の透過スペクトルを示す。図9Cは、LED光源121から発せられ且つフィルタ122によってフィルタリングされた光の強度スペクトル(intensity spectrum)を示す。

0046

好ましい実施形態においては、最大スペクトルパワー強度での上記2つのブロードバンドハイパワーLED光源の発光スペクトル(emission spectrum)は、30mW/nmより大きい。この光は、図9Bに示すように、マルチバンドパスフィルタによってフィルタリングされる。このフィルタは、複数の透過バンド(420−460nm、510.5−531.5nm,590−624nm,677.5−722.5nm)を有しており、各透過バンドでは、最大透過率がおおよそ90%である。上記複数の減衰領域(blocking regions)における上記フィルタの減衰特性は、典型的には、少なくとも、光学濃度2(O.D.2)である。通常、フィルタのバンド拒絶/減衰特性(band rejection/attenuation characteristics)は、O.D.6程度である。

0047

図9Cには、上記個別のマルチバンドフィルタでフィルタリングされた後の上記光源の効果的な放射光が示されている。上記第1光(光源)のスペクトルは、この照明フェーズの間に累積された光によって成形され、上記第2光(光源111)のスペクトルは、図9Aのような又はこれに類似したブロードバンドのような、固有のブロードバンド発光プロファイルである。このため、全ての導き出された光のスペクトルは、個別のフェーズの期間で累算されたスペクトルである。

0048

この基本的な光線の1つの潜在的な不利な点は、強度及びスペクトル成分(spectral content)に関して観測者の視覚感知にとって上記照明フィールドが最適でない可能性があることである。上記2つの光は、異なる全体強度及びスペクトル成分を有しており、それらが交互に入れ代わる場合、強度又は色に視覚的なちらつきが生じる可能性がある。さらに、上記スペクトル成分はバランスがとれていなくて、上記顕色(color appearance)が自然でない可能性がある。

0049

[2つのフィルタを持った光源]
代わりの照明源は、上記基本的な光源のバリエーションであり、上記第2光もフィルタ112(図10)によってフィルタリングされる点が異なっている。上記第2光をフィルタリングする基本的に有利な点は、上記全体の色知覚(color perception)の最適化を容易にすること及び上記ちらつきを最小化することである。また、上記フィルタ112は、マルチバンドパスフィルタであってもよい。そのスペクトル透過特性は、上記フィルタ122を補うものであってもよいし、上記センサ配列211の前の上記蛍光発光フィルタ213のスペクトル透過特性と同じか又は類似していてもよい(図10B及び図10C参照)。相補のフィルタ112,122は、全体として、上記原型のブロードバンド光源による上記ブロードバンド照明と殆ど等しい、スペクトル的に連続した照明を提供するので、これにより、自然な色知覚を実現することができる。さらに、上記強度及び色のちらつき効果を低減することができる。それでもなお、上記第2光(フェーズ2)の照明のスペクトル形状は、最適な色知覚及び最小の強度ちらつきを達成するために、自由に修正できる。

0050

[光源に連結されたファイバ
さらに、上記光源100の出力は、ファイバカップリングレンズシステムと連結されて、光ガイド(light guide)へ入力されてもよい。この光ガイドは、単一の光ファイバファイババンドル、又は、液体ライトガイドであってもよい。

0051

[個別に制御される複数のナローバンド光源を持つ光源]
照明システムの代わりの実装においては、上記マルチバンドフィルタ群でフィルタリングされる1つ又は複数の上記ブロードバンド光源が、個別に制御される複数のナローバンド光源のセットに置き換えられている。この複数のナローバンド光源は、オプションとして、それぞれ、ナローバンドフィルタによってフィルタリングされる。そのような複数の光源は、レーザ装置レーザダイオード、LED等であってもよい。基本図図11に示され、ここでは、上記発光モジュール111は、複数のレーザ光源123,133,143,153に置き換えられている。上記モジュール123から発せられた光は、フィルタ125によってフィルタリングされる。ポリクロイックミラー101は、上記複数のレーザ装置の放射光をモジュール123の放射光と混ぜ合わせる。全ての上記光は、一緒にファイバ103へ入力される。

0052

また、ビームスプリッタ101は、偏光ビームスプリッタ(polarization beam splitter)であってもよい。この場合、同じ波長の上記異なる複数の光源は、組み合わされて、上記レンズ群を最少化してもよい。複数のレーザ装置133,143,153は、1つのブロードバンド光源、例えば、図10の光源111に取って代わってもよい。上記複数のレーザ装置は、シンスペクトル発光プロファイル(thin spectral emission profile)を有していてもよく、又は、調節可能であってもよい。いくつかのレーザ装置は、望んでいない増幅された自然放射抑圧するためのクリーンアップフィルタを必要としてもよい。また、上記複数のレーザ装置は、波長及び強度において調節可能であってもよく、連続波(continuous wave)又はパルスレーザ(pulsed)であってもよい。上記異なる複数のレーザ光源は、ロングパスポリクロイックミラー104(カットオフ波長415nm)、ロングパスポリクロイックミラー105(カットオフ波長650nm)、ロングパスポリクロイックミラー106(785nm付近高反射性を有するプレインミラー)と結びつけられてもよい。これら又は1つのフェーズで照射する類似の複数のナローバンド光源は、全時間で重なるか又は一部の時間で重なる状態で、いっせいに照射してもよいし、逐次的に照射してもよい。それでもなお、照明フェーズと関連する上記露光期間(exposure period)内の如何なる時間の組み合わせも、1つの照明フェーズにおいて累積する光スペクトル分布として見なされる。

0053

好ましいスペクトルのシナリオ図12に示されている。図12は、図11に示された第1光源のスペクトルを示している。図11の上のグラフは、上記ブロードバンドLED光源の個別のスペクトル強度、及び、上記個別の複数のナローバンドレーザ光源の強度を示している。図11の真ん中のグラフは、上記発光フィルタの透過スペクトルを示している。図11の下の図は、上記光学ファイバに入力される光の合成された強度を示している。ここで、ブロードバンドLED光源が全スペクトル領域をカバーし、複数のナローバンドレーザ光源と組み合わされている。複数のナローバンドレーザ光源は、(切替の理由から)好ましくは、レーザダイオードであってもよい。この場合、405nmのレーザダイオードモジュール、633nmのレーザダイオードモジュール、785nmのレーザダイオードモジュールのような、一般的なモジュールが用いられる。405nmのレーザダイオードモジュールは、広く脳手術のために用いられるプロトポルフィリンIX(PPIX)を励起することができる。633nmのレーザダイオードモジュールは、蛍光プローブにおいて用いられるAlexa647のような、高安定性で且つ明るい蛍光色素分子を励起させることができる。785nmのレーザダイオードモジュールは、臨床的に関連する、インドシアニングリーン(ICG)を励起することができる。

0054

[複数のLED光源]
この代わりの照明システム100cにおいては、図13に示すように、いくつかのLED光源で照明光が生成される。2つのブロードバンドLED光源を用いる代わりに、このオプションでは、より狭いスペクトル発光を有する、複数のLED(121,131,141,151…)が用いられる。これは、より複雑な照明デバイスを必要とするが、一方で、出力パワーが劇的に増大し、異なるLEDの強度について個別にバランスをとることができる。殆どのモノクロLEDは、サイドスペクトルにテールを持つナロー発光を有している。このため、オプションとして、励起フィルタ122,132,142,152が、上記励起スペクトルを除去するために、用いられてもよい。上記レーザ光源と同様に、多くのナローバンド光源を有するLEDは、1つの照明光として見なされてもよく、上記複数のLEDは、全時間で又は一部の時間で重なった状態で、いっせいに照光してもよいし、又は、時間的に重なることなく逐次的に照光してもよい。それでもなお、照明フェーズと関連する上記露光期間(exposure period)内の如何なる時間の組み合わせも、1つの照明フェーズにおいて累積する光スペクトル分布として見なされる。

0055

図13に示されるような照明サブシステムは、図14に示されるようなマルチフェーズ照明システムにおいて組み合わされうる。そこでは、2つの光源100c,100dが備えられ、それぞれが、サンプル400を照らすために、ファイバ103c,103dへそれぞれ光を放出する。

0056

図15から図18は、それぞれ、LED光源の発光スペクトル、上記発せられたビーム内に配置されるフィルタの透過スペクトル、及び、上記発せられた光の上記フィルタを通った後の強度スペクトルを示している。4つの光源は、1つのスペクトル的なブロードバンド光源に取って代わってもよい。

0057

この好ましい構成は、上記マルチバンドファイバ群の各バンドについて1つの励起LEDを有している。これは、4つのバンドパスフィルタについて、8つのLEDを必要とすることになるかもしれない。このような構成のスペクトルが図19に示されている。図19は、左側に、上記第1光源を構成する4つのLEDのスペクトル、対応するフィルタの透過スペクトル、及び、上記第1光の結果的な放出スペクトルを示している。右側には、上記第2光の対応するスペクトルが示されている。上記スペクトルにおいて、各LEDは、1つの光及び1つのフェーズと関連している。また、独立した4つのLEDのセットは、各LEDの前に設けられた、4つの単一バンドパスフィルタ(single bandpass filters)を用いて、フィルタリングされる。また、上記個別のLEDは、1つのフェーズと厳格に結びつけられていない。図20は、380nm、490nm、565nm、及び635nmで発光極大(emission maxima)となる、商業的に利用可能な4つのLEDの実際の放出スペクトルを示している。

0058

図21は、4つのバンドパスフィルタによってフィルタリングされた、上記4つのLEDの結果的に得られる照明スペクトルプロファイルを示している。上記LEDの強度は、4つの個別のLEDのそれぞれについて正規化される。この場合、第1LED(380)は、上記単一バンド発光フィルタに対して限界まで適合し、第2LED及び第3LED(490,565)は、それらが対応するバンドパスフィルタにとてもよく適合している。上記第4LED(635)は、その励起バンドパスフィルタのスペクトル透過に対してあまり適合していない。

0059

[照明を形成するための上記ランプにおけるシャッタの使用]
図22に示される他の実施例において、異なる複数の光源の時間的な切替は、可変透明度を有する光学要素168,165を用いることにより、行われる。この最もシンプルなケースにおいて、これらの可変な透明度を有する光学要素168,165は、機械的なシャッタである。また、これらは、光変調器(light modulators)又は音響光学デバイス(acousto-optical devices.)であってもよい。光源161から発せられた上記ブロードバンドライトは、ポリクロイックミラー162によって分配され、相補の励起フィルタ164,167によってフィルタリングされ、要素162と同様のポリクロイックミラー169によって再び統合される。ミラー163,166は、上記システムにおいてフィルタ165でフィルタリングされた一部のビームを平行にして導くために用いられる。更なる改良のために、上記励起光は、上記システムにおいてロスを最小限にし且つフィルタのパフォーマンスを最適化するために、平行にされるべきである。

0060

[上記光学検出システムを通した照明]
図23に示される代わりの実施形態においれ、上記照明システムは、上記光学的システムを通して照光するように構成されている。光学的な光ガイドは、上記マルチスペクトル照明システム100からの光を、コネクタポート204で上記イメージングデバイス200へ届ける。上記照明パスは、物質400に対する照光を最適化するために、光学レンズシステム203を含んでいてもよい。それから、上記光は、偏光フィルタ206によってフィルタリングされ、続いて、ビームスプリッタデバイス205を持つ上記イメージングパスへ結びつけられる。そのようなデバイスは、偏光ビームスプリッタキューブ205であってもよい。それから、上記光は、光が通過する時に偏光角度を回転させる、ローテイタブル半波長板(rotatable half wave plate)207を通過する。このことは、上記半波長板の位置に応じた反射光の反射を低減すること又は除去することを可能とする。最も簡単なアセンブリにおいては、半波長板207は、対物レンズ201の前に配設される。

0061

<実施例6>
以下では、種々の代わりの検出システムを、基本の実施形態として記述される。この記述は、異なる実施形態間の相違点を多く含んでいる。

0062

キューブビームスプリッタ]
代わりの検出実施形態200aは、ビームを2つのビームに分けるためのミラー/ダイクロイックミラー/ポリクロイックミラーの代わりに、図24に示されるように、キューブビームスプリッタ202aを有する。キューブビームスプリッタは、コートされていない側面での反射に起因した二次的な像を作らず、概して、良好な光学的な平坦性を有している。上記スプリッティング要素202aは、好ましくは、発光フィルタ223,213に応じた、スペクトル透過特性を有している。代わりに、上記ビームスプリッタは、また、ニュートラルなキューブビームスプリッタ(好ましくは、50:50のビームスプリッタ)又は偏光ビームスプリッタであってもよい。

0063

[複数のビームスプリッタを持つ複数のカメラ]
図25に示される代わりの実施形態において、複数のセンサ配列(2以上の211,221,231・・・)が設けられている。ここでは、1つのビームを異なる複数のイメージングパスに分けるために、1つより多いビームスプリッタ(202b、202c,・・・)が用いられている。複数のフィルタ213,223,233は、補完的な特性を有し、後述するシステムのマルチフェーズ動作のために、複数の検出器をサポートするように構成されている。

0064

[単一のチップ状の複数の画像]
代わりの構成においては、上記2つのセンサが、より広いエリアを有する単一のセンサ配列によって、取って代わられる(図26参照)。上記光学パスは、好ましくは、ダイクロイックミラー202dによって分けられ、そして、第1画像が、イメージングパス210を介して、センサ211の第1半領域に形成される。第2画像は、ミラー202fによって調整され、そして、同じセンサ211の他の半領域上に結像される。しかし、第2画像は、フィルタ213と補完的な発光フィルタ223を通っている。このように、1つのセンサ配列が、2つの画像を検出する。

0065

この設定は、よりコンパクトであり、1つのマルチチャネルセンサが必要なだけであるが、追加的な課題が存在する。各照明フェーズの蛍光画像及び反射率画像の両方が、センサを飽和状態にしないために、又は、センサを露出不足にしないために、上記センサの同じダイナミックレンジに収容される必要がある。1回の露光でこのことができない場合、例えば、図27に示すように、複数の露光シーケンスが用いられてもよい。この場合、より低い強度(つまり、蛍光)で正しく画像を顕在化させるために、より長い露光時間が必要であり、この場合、蛍光画像は、露光過度又は飽和となる。同じ照明フェーズの間で露光をより短くすると、蛍光画像は、露出不足となり、蛍光画像は、上記センサのダイナミックレンジ内で適切に記録される。他のフェーズにおいても、同様のタイミングシーケンスが用いられる。

0066

[3つのセンサ検出器]
この設定は、1つのビームを個別のセンサ群に分けるために、3方向ビームスプリッティングを用いる(図28)。この設定は、好ましくは、上記設定200a(図24)と同一である第1レンズ要素201を有している。ビームスプリッティング要素202eは、要素202aと異なっている。ビームスプリッティング要素202eは、3−CCDカメラ通常用いられるコンセプトで、1つのビームを3つの異なるパスに分ける。2つのセンサパスを持つ代わりに、この設定は、2つのセンサパス210,220,230を用いる。各パスは、センサ211,221,231に対するマルチフェーズイメージングに適した、個別の発光フィルタ213,223,233を有している。このアプローチは、複数の(3つ以上の)イメージングパスを提供する類似のビームスプリッタに拡張されうる。

0067

[2つの完全に分離した光学的システム]
代わりの検出実施形態においては(図29)、検出器200hは、2つの完全に分離した光学的な検出パスを用い、200aと比較して、ビームスプリッティングを用いない。各パスは、対物レンズ要素212,222、発光フィルタ213,223、オプションとして、イメージングアダプタレンズ214,224、及び、センサ211,221を含んでいる。

0068

上記ビームスプリッティングアプローチと対照的に、上記複数の画像は、大抵、一緒に記録されない、つまり、異なるイメージング視点(imaging perspective)に起因して、それらの間に小さな相違が存在する。上記複数の画像の記録は、後のイメージ処理テップで行われる。

0069

[2つの完全に分離した光学的システム]
上記の実施形態で記述した複数のセンサ(211,221等)は、概して、マルチチャネルカラーセンサである。このことは、各個別のセンサが、複数の区別可能なスペクトル分布における上記光照射野(light field)を記録する、ことを意味する。このことは、次の種々のオプション:つまり、a)ベイヤRGGBマイクロフィルタパタン、又は、RG(IR)B、CMYGのようなこのパタンを修正したものに従った複数のピクセルの前に複数のマイクロフィルタを持つ複数のセンサ、b)各ピクセルが区別可能なスペクトル分布で光を記録する他のフィルタモザイクパタン、及び/又は、c)他のビームスプリッティング、カラーフィルタリング、及びモノクロセンサへのイメージングを用いて、達成することができる。

0070

概して、RGGBパタンは、より多くの正確な色の再現を達成できる一方、CMYGは、より感度が高い(図30)。フル解像度カラー画像は、カメラハードウェア又は後のイメージプロセッシングにおいてデモザイクすることにより得られる。上記マイクロフィルタパタンは、概して、ABCDEFGHI等のような、マルチカラー又はスペクトル透過プロファイルに拡張される。これの一例は、米国特許第6638668号明細書に開示されている、リトグラフのようにパタン化された2色性フィルタ配列群(lithographically patterned dichroic filter arrays)である。

0071

代わりに、上記マルチチャネルカラーセンサ群は、Foveon X3センサ(米国特許第6632701号明細書を参照)又は類似の技術に基づいていてもよい(図31)。上記マイクロフィルタパタンと対比して、上記Foveonセンサは、x方向及びy方向において空間的に配設され且つ複数のレイヤ(レイヤ1,レイヤ2…)が仮想的に積み重なった、フォトセンサ群を有している。各レイヤは、光を受けたレイヤについてのシリコン吸収(silicon absorption)及び異なる透過深度(transmission depths)のために、異なるスペクトルエリアを感知できる。これにより、各レイヤで生成された画像は、異なる色に対応する。このため、より高い空間分解能を実現することができる。

0072

代わりの実施形態では、211又は221のような複数のマルチチャネルセンサは、ビームスプリッタ及び/又はミラー252,253を用いることによりビームを3つに分けて、フィルタで又は2色性ミラー群(dichroic mirrors)でフィルタリングする、モノクロセンサ251によって、取って代わられる(図32)。各フィルタ又は各2色性ミラーは、図32B,32Cに示すように、光を異なる複数の色に分ける、特定の透過スペクトルプロファイルを有している。上記モノクロセンサにおいて、異なる複数の画像が、形成される。各画像は、異なるスペクトルバンドを画像化している。

0073

さらに、マルチカラーチャネルは、(米国特許第3659918号明細書に開示されているように)プリズム3−CCD配列のような、複数の光スプリッティング及びフィルタ群によって実施される。この光スプリッティング実装又はこれに類似の実装において、各パスは、例えばRGBのような特定の色のスペクトルを持つ光を運ぶために、フィルタリングされる。このアプローチは、複数の(3つ又はそれ以上の)イメージングパスを提供する類似のマルチビームスプリッタに拡張されうる。

0074

<実施例7>
ほとんどの蛍光の応用において、周囲の光は、避けられるか又はブロックされる必要がある。これは、その周囲の光の強度は、蛍光染料から発せられる蛍光ライトの強度よりも数オーダー大きいためである。周囲の光は、太陽光であり窓を介して物質に届くかもしれないし、ルームライトによって発せられた光かも知れない。技術システムの現在の状態では、通常、蛍光チャネルにおいて周囲光からの強い信号を避けるために、周囲環境暗い。代替手段として、発光フィルタをパスするような周囲光の特定の波長領域を、フィルタ群によってブロックしてもよい。残念ながら、そのようなフィルタ群は、通常とても高価であり、そのようなフィルタ群で大きな窓又はルームライトを覆うことはできないか、又は、それらはいかなるスペクトル構造にも使用不可能である。

0075

ここに提示される技術は、部屋の照明を許容して蛍光を検出する、代わりのアイデアを表している。この発明は、観血手術の間の外科用蛍光イメージングにおいて、特に重要である。2つの異なるオプションが提示される。いずれのオプションも、周囲照明として、パルス光源を利用する。第1の方法/実施形態では、フレームの記録の期間において上記イメージングパスにおける全ての上記光がブロックされる(請求項では、「記録を保留(停止)する」として参照される)。第2の方法/実施形態は、フレームとフレームの間における上記センサ配列のデッドタイムを、周囲光のために用いる。

0076

<実施例8>
室内照明の照光は、人間の目の最大周波数知覚と比べて高周波数で(例えば、200Hzで)、パルス化されている。上記パルス群の継続期間(デューティサイクル)は、典型的には、蛍光イメージングのためにより長い露光時間を許容するような全期間の、小さな断片(例えば、その期間の5−20%、典型的には、0.1−5ms)である(図33参照)。イメージング蛍光信号のための光パスは、上記周囲照明の光のパルスの期間では、ブロックされる。図27は、上記イメージングシステムの複数のフェーズと、周囲照明を許容するシャッタデバイスのそれぞれのタイミングとを示している。

0077

[本実施形態の詳細]
図34に示される実施形態において、部屋照明周囲照明光源902が設けられ、その光は、上記励起光パスに結びつけられている。さらに、追加的なシャッタ900が、上記イメージングパスに設けられている。この実施形態では、上記シャッタは、単純な理由のために、上記光学システム200の上記対物レンズの前に配設されている。それでもなお、上記シャッタは上記パスの他の位置に配設されてもよい。代わりに、シャッタ装置900が上記センサ配列の直前の上記イメージングパスに含められてもよい。シャッタ900及び部屋照明902の両方とも制御/処理ユニット300によって制御されている。

0078

シャッタ900が閉じると、シャッタ900は上記イメージング/検出パスに進入した全ての光をブロックする。それゆえ、光は、システム200の上記センサ配列に到達しない。光源902からの周囲照明の動作周波数は、上記蛍光イメージングシステムの動作周波数に関連付けられる必要はない。好ましくは、上記イメージングシステムは、人間の目にとってゆっくりとした蛍光及び反射率の画像のストリームを生成するために、30−60Hzで動作する。周囲照明902は、好ましくは、人間の目が部屋環境において如何なるちらつきにも気づかない程より高い周波数で動作する。

0079

好ましくは、周囲照明システム902の動作周波数は、画像の周波数を何倍かしたものになっている。この場合、連続的に撮られる各像は、上記閉じたイメージングパスによって等しく影響される。しかし、上記周囲照明のタイミングを検出すること、及び、必要であれば、細切れにシャッタされるイメージングパスの影響についてデジタル的に修正することも可能である。

0080

シャッタ900は、上記ビームパスに沿って伝播する光を許容又はブロックすることができる、如何なる電気機械デバイスであってもよい。好ましい実施形態において、上記周囲光及び上記光学的なイメージングパス903は、ビームチョッパ輪(beam chopper wheel)901によって遮られる。ビームチョッパ輪901は、上記シャッタ効果の半分の周波数で回転する(図35参照)。

0081

チョッパ輪901は、イメージングパスを或る周波数で遮断するために良い選択であり、通常、光学的シャッタと比べて高周波数で動作する。代わりとして、チョッパ輪は、上記パスを不透明にすることによって上記画像の記録を保留(停止)するために、電気光学変調器(electro optical modulator)、SLM、又は、音響光学変調器(acousto-optical modulators)のような、異なるデバイスに置き換えられてもよい。他の代替手段においては、偏光フィルタ群を用い且つ種々の光の偏光感受透過(polarization sensitive transmission)を持つ電子デバイスを用いて、上記パスを閉じてもよい。これは、また、上記イメージングパスを効果的にブロックすることを可能にする。

0082

上記光源は、短いパルスで動作できる如何なるタイプの周囲光源であってもよい。光源902は、好ましくは、電気的にパルス状のLEDから構成される。そのようなLEDは、手術室の周囲照明に適しており、人間の目の上記周波数に比べてかなり高周波数で、パルス化されうる。

0083

<実施例9>
図36に示される代わりの実施形態は、上記イメージングのフェーズ1とフェーズ2との間に常に位置し且つ周囲照明のために設定された、異なる光源からの照明光の追加的なフェーズ(第3のフェーズ)を用いる。このフェーズは、フェーズ1及びフェーズ2の周波数の2倍の周波数で出現する。上記光源は、光源902と同様に独立していてもよいし、上記照明システムの光源100に含まれていてもよい。この光源から発せられた光は、イメージングのために用いられる必要はなく、主に、上記物質及び/又は周辺環境における人間の目の視覚感知を改善するために用いられてもよい。

0084

上記基本的な実施形態において、イメージングエリアの照明は、イメージ成分の検出及びイメージ処理のため、及び、特に、異なる蛍光色素分子の分離のためだけに、最適化される。典型的には、そのような照明は、外科医視覚的印象にとって、最適ではなく、映像コントラストが低く自然でない視覚的印象となる可能性がある。しかしながら、上記第3の照明フェーズのスペクトル分布及び強度は、自由であり、全ての照明フェーズに関して累積されて理解されるので、ユーザ(手術室における外科医及び医療関係者)にとっての全体の視覚感知及び明るさを最適化することができる。

0085

上記第3のフェーズの照明パルスは、上記2つのフェーズの間の上記イメージングセンサのデッドタイムにフィットするのに、十分に短い(図36参照)。通常、デッドタイムは、センサ200から制御ユニット300へデータを転送するときに生じる。このため、高精度で短いパルスが必要とされる。上記イメージングシステムが30Hzの周波数で動く場合、パルス化された周囲照明は、この倍の周波数、つまり、60Hzで動いてもよい。上記周囲照明が1%のデューティサイクルを使うとした場合、パルスのパルス幅は、170μsのオーダーであるべきである。上記周囲照明が5%デューティサイクルを使う場合、上記追加的な照明フェーズは、より明るいフィールドを提供し、パルス化された周囲照明の持続期間は800μsである。

0086

<実施例10>
これより前の実施形態では、2つのカメラ及び2つの異なるフェーズのシナリオを用いた、組み合わされたスペクトル時間多重システムのコンセプトが記述されている。それでもなお、同じコンセプトは、より精巧なイメージングシナリオにおけるさらに多くのカメラ及びフェーズに拡張することができる。例えば、3つのカメラ及び3つのフェーズ、並びに、4つのカメラ及び4つのフェーズ等への拡張である。これらは、例えば、上記反射率画像及び蛍光画像について追加的なスペクトル情報を得ることを可能とする。さらに、代わりの構成は、2つのフェーズで動作し、2つより多いカメラを用いてもよい。これは、2つのマルチチャネルカメラが赤外線領域における蛍光の存続期間又は蛍光感度のような本質的な特性を解像することができない場合に有用である。

0087

このセクションでは、より高次元であるシステムの追加的な実施例が詳細に記述される。

0088

<実施例10A>
ここでは、3つのフェーズで3つの光源及び3つのカメラを用いて処理する方法及びシステムを記述する(3つの光源及び3つのカメラの設定の概略図を示す図37を参照)。この例のシステムは、3つの異なる光源110,120,130を有する。それぞれの光源の例示的な発光スペクトルが、図38,39,40にそれぞれ示されている。上記サンプルは、上記複数の光源によって3つのフェーズで照らされる。第1フェーズでは、第1光源がサンプルを照らし、第2フェーズでは、第2光源がサンプルを照らし、第3フェーズでは、第3光源がサンプルを照らす。検出器は、3つの独立したセンサ211,221,231から成っており、光は、各センサの前にそれぞれ配設されたフィルタ213,223,233で減衰される。各センサは、個別の透過フィルタを有しており、この透過フィルタは、イメージングパスに位置する各光源の発光スペクトルにマッチしている。つまり、図41に示された透過特性を有するフィルタは、センサ1の前に配設され、図42に示された透過特性を有するフィルタは、センサ2の前に配設され、図43に示された透過特性を有するフィルタは、センサ3の前に配設される。このように、各光源の照明スペクトルと各センサに届く光との間には、対応関係が存在する。各フェーズにおいて、3つのセンサのすべては、マルチチャネル(カラー)画像を記録する。

0089

テーブル1において、複数の照明光と、反射光及び放出光を透過又は減衰させる複数のフィルタとの対応関係が示されている。

0090

テーブル1:異なる複数のカメラについてのフィルタ設定

0091

フェーズ1において、センサ1は、光源1によって照らされているスペクトルバンド群における、反射率画像を記録する。このフェーズ(フェーズ1)では、カメラ2及びカメラ3は、イメージングパスに配設されたフィルタが励起光をブロックするので、その光源(光源1)から放出された光を記録することができない。しかし、このフェーズの間において、これらの各カメラは、それぞれのフィルタの透過バンド群において蛍光発光を記録する。同様に、テーブル2に示すように、第2フェーズ及び第3フェーズにおいて、2つのカメラが反射励起光を記録し、他の2つのカメラが蛍光発光を記録する。1つのイメージングサイクルは、図44に示すように、3つのフェーズで閉じ、トータルでは、各フェーズにおける全てのカメラの全てのカラーチャネルの記録は、多重されたスペクトル画像群を有する、関連付けられたデータセット(又は、合成された画像)となる。各スペクトル画像は、異なる情報、つまり、反射された励起光又は蛍光発光を有している。各カメラの積分期間は、各画像のダイナミックレンジに適合させるために、各フェーズで異なっていてもよい。

0092

テーブル2:各フェーズのカメラ機能

0093

各センサが3つの検出チャネルを有しているとすると(例えば、スタンダードRGBカメラ)、3つのフェーズが完了すると、システムは、関連付けられた9チャネルの反射率画像群、及び、関連付けられた18チャネルの蛍光情報を記録している。

0094

各カメラの検出チャネルの数nCamChannelsが3でない場合、システム全体の反射チャネルの数NRefl及び蛍光チャネルNfluoは、次の式で表される。

0095

この設定の主な長所は、蛍光画像及び反射率画像のトータルのチャネル数の増加である。このことは、画像処理後の正確な成分群への、反射率画像群及び蛍光画像群のより正確な分解を可能とする。上記2つのカメラ設定を比較すると、フィルタのデザイン及び製造がより複雑となり、画像処理は、コンピュータ的に集約的となり、各センサに届くトータルの光は、少なくなる。結果として生じるより弱い光強度及びより低いS/N比は、より長い露光時間、より感度の高いカメラセンサ、及び、より高い強度の光源によって、保証することができる。

0096

<実施例10B>
時間スペクトル多重の原理は、図45に示すように、4つのフェーズ、4つの光源、及び、4つのカメラに拡張することができる。上記サンプルは、フェーズ1において光源110によって照らされ、フェーズ2において光源120によって照らされて、フェーズ3において光源130によって照らされ、フェーズ4において光源140によって照らされる。これらの光源の4つの異なる照明スペクトルが、図46,47,48,49に示されている。図50,51,52,53には、複数の光源のスペクトル特性に対してテーブル3で特定された、複数のカメラの前に配設された異なるフィルタ213,223,233,243の特性、及び、その複数のフィルタのスペクトル透過プロファイルが、それぞれ示されている。この場合、「透過」は、大部分の強度が実際に透過される、ことを意味する一方、「ブロック」は、フィルタによって、好ましくは、10−4から10−6の係数によって減衰される、ことを意味する。

0097

テーブル3:異なる複数の光源に対する、異なる複数のカメラについてのフィルタデザイン

0098

イメージングパスを4つの部分パスに分けて、各部分パスで光がフィルタリングされ、そして、各カメラにフォーカスされて、上記サンプルは画像化される。各カメラの前のフィルタは、同じ番号の光源によって発光された光を透過するが、他の3つの光源から放出された光をブロックする。各カメラは、1つのフェーズにて反射率画像を記録し、他の3つのフェーズにて蛍光画像を記録する。テーブル4は、記録の組み合わせを示している。

0099

テーブル4:異なる複数のフェーズにおける異なる複数のカメラに関する、蛍光画像及び反射率画像の記録

0100

各カメラの検出チャネルの数nCamChannelsが3でない場合、システム全体の反射チャネルの数NRefl及び蛍光チャネルNfluoは、次の式で表される。

0101

図54に示すように、1つのイメージングサイクルは、4つのフェーズで閉じ、トータルでは、各フェーズにおける全てのカメラの全てのカラーチャネルの記録は、多重されたスペクトル画像群を有する、関連付けられたデータセット(又は、合成された画像)となる。各スペクトル画像は、異なる情報、つまり、反射された励起光又は蛍光発光を有している。各カメラの積分期間は、各画像のダイナミックレンジに適合させるために、各フェーズで異なっていてもよい。図55には、4つのフェーズについてのすべての透過スペクトルを合わせたプロットが示されている。

0102

<実施例10C>
このコンセプトは、上に示した原理によって、より多数のカメラ及びフェーズに拡張することができる。

0103

ここで、カメラの数は一定なので、次の式で表すことができる。

0104

結果として、次の式となる。

0105

上記のシナリオでは、各フェーズにおいて1つのカメラが蛍光を記録する。このことは、上記式を次のように単純化する。

0106

このことは、10フェーズ及び10個のRGBカメラを用いて、画像毎に、トータルで30個の反射チャネル及び270個の蛍光チャネルを記録することができる、ことを意味している。チャネル毎の光強度は、2つのカメラの設定に比べて低いが、スペクトルチャネルの数が多くなっており、これにより、出力を改善することができる。そのため、理論上、270個の異なる蛍光成分を分離することができる。

0107

もちろん、そのような設定は、ハードウェアに対して高い要求を突きつける。例えば、そのような設定に対する個別のフィルタをデザインすることは、チャレンジングである。このことは、励起及び発光について10個の異なるフィルタを必要とする。これらのフィルタ群は、光源10が蛍光を励起している場合にセンサ1−9が蛍光を記録できるように、デュアルバンドフィルタであるべきである。もちろん、各フィルタがより多数の透過バンドを持っている3バンドフィルタ又はマルチバンドフィルタであれば、理想的である。

0108

多くの個別のカメラ群を用いる代わりに、異なる複数の画像を単一のチップ上に並べることも可能である。このことは、より大きなセンサ群及びより精緻な光学的設定を必要とするが、多くの異なるカメラ群を使用し且つ制御するという問題を回避できる。

0109

<実施例11>
上記マルチスペクトルイメージング方法及びシステムは、例えば医療機器組み入れられる種々のイメージング機器に組み入れることで実施されうる。図56Aに示される第1の実施形態では、上記マルチスペクトルイメージングシステムは、カメラアダプタによってディテクタ200に取り付けることで、対物レンズとしてのズームレンズ291と共に用いられる。ここでは、照明システム100は、ライトガイドで上記物質へ光を運ぶ。図56Bに示される他の実施形態は、検出システム200は、外科用顕微鏡292のビデオポートに接続され、照明システム100は、上記顕微鏡の対物レンズを介して上記物質を照らすために、照明ポートに繋がるライトガイドに接続されている。図56Cに示される他の実施形態では、検出システム200は、オプションとしてアダプタを用いて硬性内視鏡の接眼レンズポートに接続され、照明システム100は、上記照明ポートのライトガイドに接続されている。図56Dの他の実施形態では、検出システム200は、小型化されて、フレキシブル内視鏡の先端に組み入れられる一方、照明システム100は、その内視鏡の照明ポートに取り付けられている。図56Eに示される他の実施形態では、検出システム200は、フレキシブルファイババンドルを用いて画像を先端から末端まで伝えるフレキシブルファイバスコープカメラポートに接続され、照明システム100は、上記照明ポートに接続されている。

0110

<実施例12>
以下では、本発明の進歩的な方法のいくつかの可能な応用が記述されている。
a)アプリケーションシナリオ:血液酸素化のイメージング:
以下の例では、組織における含酸素ヘモグロビンの非酸素ヘモグロビン(HbO及びHb)に対する相対的な濃度を算定することにより、酸素飽和度が、画像化される。図57に示すように、HbOとHbとは区別可能な吸収スペクトルを有しているので、上記反射光は、上記システムで記録されうるスペクトルプロファイル情報を伝える。複数の反射成分を光学的に分離することにより、a)視覚化システムにおいて表示されるRGB画像、及び、b)HbO成分及びHb成分の生体内分布の追加的なマップを生成することができる。上記酸素飽和度のマップは、トータルのヘモグロビン飽和度に対するHbOの割合によって算出する。

0111

b)アプリケーションシナリオ:がん病巣解剖学的特徴、又は機能的条件の検出:
他の想定されるアプリケーションは、体内臨床診断イメージングのための注射可能な蛍光造影剤の生体内分布を視覚化するために、上記システムを用いることである。このような蛍光造影剤は、フルオレシン又はインドシアニングリーンのように非標的であり、血管新生血液かん流等を強調してもよいし、又は、組織において関係のある機能的活性又は病的な活性と関係している分子部位へ結合することによって、癌のような蛍光発光する病気、炎症のような医学的状態、又は、神経節若しくはリンパ節のような解剖学的特徴を強調できるという意味で標的であってもよい。1つの例は、癌細胞におけるプロトポルフィリンの生成を誘発する化合物である、5−ALAを用いた、脳手術中の星細胞腫瘍(glioblastoma tumors)のイメージングである。これらのアプリケーションは、外科用顕微鏡、内視鏡、腹腔鏡胃カメラ気管支鏡検眼鏡眼底カメラ等の医学的イメージングシステムに対しての上記進歩的な方法の統合を引き起こす可能性がある。

0112

c)アプリケーションシナリオ:マルチリポーターイメージング(multi reporter imaging):
特に興味深いのは、デュアルレポーターアプローチ(dual reporter diagnostic approaches)を用いた病床治療アプリケーションにおける上記進歩的なリアルタイムマルチスペクトルイメージング技術である。2つ以上の蛍光プローブを用いることにより、組織の病状又は機能状態アクセスするための異なる生体指標についての多様な情報が得られる。異なる複数のエージェントの複数の生体内分布の組み合わせは、病気の特徴の検出感度及び特異度を増す。これは、分離後の複数の画像成分が、画像化ターゲット、つまり病変(lesion)の画像化を高めることができるからである。

0113

d)アプリケーションシナリオ:機械検査(Machine inspection):
リアルタイムマルチスペクトル蛍光イメージングの追加的な想定されるアプリケーションシナリオは、機械検査についてである。内部で封入されているために視覚的に検査することが難しい、ギヤのようなエンジン部品又は機械部品は、小さなクラックのような損傷を有している可能性がある。このような構造欠陥は、エンジン内を蛍光溶液で流して、蛍光液を留めるクラックの位置を内部で検査するための内視鏡を用いた後に、画像化されうる。リアルタイムマルチスペクトルイメージングは、カラー反射率画像及びカラー蛍光画像を同時に提供することができる。

0114

e)アプリケーションシナリオ:感pH色素(pH sensitive dyes):
化学的環境は、蛍光色素の上記発光又は励起に影響を与える可能性がある。上記色素の吸収特性及び発光特性を変えるパラメータの1つは、pH値である。

0115

発光感受性色素(emission sensitive dyes)の場合:
pH値の変化に対してスペクトル的に感受性があるシグナルを検出するように最適化された上記個別のフィルタ群の上記複数の透過バンドを有していることが好ましい。また、他の検出チャネルは主にpH値の変化に対する感受性があるのに対して、最大限にpH値に依存する複数の検出チャネルを有していることが好ましい。

0116

これは、例えば、それぞれ測定対象の複数の蛍光バンドの中心が、pH値の変化に対して色素発光スペクトルが極大となるスペクトルポイントに一致するように、又は、色素発光スペクトルがほとんどpH値に依存しないスペクトルポイントに一致するように、複数の透過フィルタバンドを調整することによって、実現することができる。

0117

励起感受性色素(excitation sensitive dyes)の場合:
pH値の変化に対してスペクトル的に感受性があるシグナルを検出するように最適化された上記個別のフィルタ群及び光源群の複数の励起バンドを有することが好ましい。また、他の検出チャネルは主にpH値の変化に対する感受性があるのに対して、検出チャネルのいくつかが最大限にpH値に依存するような、複数の励起バンドを有することが好ましい。

0118

上記複数の励起フィルタバンドは、上記個別のバンド群の中心が、pH値の変化に対して色素励起スペクトルが極大となるスペクトルポイントに一致するように、又は、色素励起スペクトルがほとんどpH値に依存しないスペクトルポイントに一致するように、調整されるべきである。

0119

上記記録された画像群は、マルチスペクトルで記録され、スペクトル的に分離され、pH値の空間分布を可視化するように処理される。

0120

f)アプリケーションシナリオ:PPIX発光スペクトルにおける違いによる、腫瘍浸潤ゾーン(tumor infiltration zone)と固形腫瘍塊(solid tumor mass)との識別
腫瘍診断法に関して、腫瘍組織におけるプロトポルフィリンIX(PPIX)の蓄積を導き出す、5−ALAが、患者に投与される。PPIXは、蛍光色素であり、また、光線力学的療法のエージェントでもある。

0121

PPIXの蛍光発光スペクトルは、場所及び腫瘍内の微少環境に基づいて変化する。さらに詳細には、上記浸潤ゾーンは、上記固形腫瘍塊と比べて、異なる蛍光発光スペクトルを呈する。このスペクトル的な相違は、上記腫瘍塊と上記浸潤ゾーンとを識別するために、用いることができる。

0122

620nm及び635nmで極大となる2つの異なるピークのPPIXスペクトルが、上記進歩的なシステムで、記録され、分離されうる。

0123

上記第2の発明のイメージングシナリオにおいて、PPIXは、好ましくは、おおよそ405nmで両フェーズにおいて励起される。しかし、フェーズ1において、上記発光は、好ましくは、590nmから627nmの間のスペクトルバンドにおいて記録される。フェーズ2において、上記蛍光は、好ましくは、628nmから650nmの間のスペクトルバンドにおいて記録される。

0124

さらに、他の蛍光色素分子と自己蛍光も記録されうる。

0125

g)アプリケーションシナリオ:自己蛍光:
興味深いアプリケーションは、内在組織の自己発光、つまり、蛍光造影剤(例えば、蛍光色素分子)を投与することなしに通常発光される蛍光のスペクトル的な検出である。上記内在組織の自己発光は、NADPH、フラビン(flavins)、コラーゲン(collagen)、エラスチン(elastin)等のような、組織内に存在する又は組織で作り出された、種々の分子に起因する。この存在、生成、蓄積、又は他の濃度特性は、解剖学の特性、機能特性、及び病理学の特性のような、種々の組織特性リンクしている。本発明に従った、組織自己発光のマルチスペクトルイメージング及び上記関連する複数の成分のスペクトル分離は、病状の判断及び診断を助ける、組織の特徴又は特性を明らかにすることができる。自己発光のマルチスペクトルイメージング及び分離は、前進的に投与された蛍光分子と共に行われる。

0126

h)アプリケーションシナリオ:網膜イメージング(Retina imaging):
網膜は、目を通して画像化されうる。現在、このイメージングモダリティは、網膜自体の診断目的のために、臨床診療において、用いられている。

0127

目は、網膜血管をダイレクトに見る、体の血管に対して、クリアな窓を提供する。本発明に従った、網膜のマルチスペクトルイメージング及びスペクトル分離を用いると、網膜内に存在しているか又は血管内を循環する、蛍光分子を特定することができる。これらの蛍光分子は、自由に循環するか、又は、細胞(可能性としては転移性の癌細胞)、微生物ウイルス、若しくは、分子へ向かうために、全身的に投与されていてもよい。マルチスペクトルイメージング及び分離は、これらの物質を特定することができ、このことは、「病人」の機能状態若しくは病状にアクセスする助けとなる、一般的には血液循環についての情報、又は、ターゲットの循環についての情報を提供することができる。それゆえ、網膜自体についての情報を得るために、及び、血液内を循環している成分についての情報を得るために、網膜イメージングを用いることができる。

0128

i)アプリケーションシナリオ:ロボット外科手術
上記マルチスペクトルイメージング及びシステムの興味深いアプリケーションは、それを外科手術ロボットシステムと組み合わせることである。最初に、それは、手術を行う外科医に対して、反射カラードメインにおけるか、又は、(自己)発光ドメインにおける、組織の生体構造、機能、又は病気についての、ビジュアルマルチスペクトル情報を提供することができる。2番目のレベルでは、ロボット手術の安全性を向上させる入力を提供することができ、例えば、医師がうっかり組織(例えば、神経)にダメージを与えてしまうこと(つまり、カットしてしまうこと)を防ぐことができる。三番目のレベルでは、それは、人間の制御を減らした又は最少化した、自動ロボット外科手術手順に対して、直接的にインプット又はフィードバックを提供することができる。

0129

<実施例13>
今までに、記述されたシナリオは、フェーズ(光源)及びセンサの数が同数である。また、要求に基づいて、組み合わされた時間スペクトル多重を用いるシステムの原理は、カメラの数と異なる数のフェーズを持つ複数の実施形態をカバーする。続いて、例示として、2つの異なる実施形態が記述される。これら2つのシナリオの第1のシナリオは、フェーズ(光)の数よりもカメラの数が多く、第2のシナリオは、カメラの数よりもフェーズ(光)の数が多い。

0130

〈2つのフェーズ(光)及び3つのセンサを用いるスペクトル時間多重〉
図58を参照して記述されるこの実施形態は、図3に示された基本的な実施形態から導き出される。それは、マルチスペクトル検出器200において1つの追加的なカメラを有している。この検出器は、(両光源からの)両フェーズにおける光を記録することができる。この追加的なセンサは、例えば、他のセンサ群が感知できないスペクトル領域で、例えば、UVで又はより相応しくは赤外領域で、光を記録する。

0131

この例では、この追加的なモノクロセンサのスペクトル感度は、800nmより上の近赤外(NIR)領域において高い。そのため、このセンサは、例えばICGのようなNIRにおいて発光している蛍光染料のサンプルの光を記録することによって、他のセンサをサポートする。そのような染料は、ブルー領域又はグリーン領域にて発光する染料に比べて、組織においてヘモグロビンによるより少ない吸収を示すので、臨床応用のために望まれている。さらに、このセンサは、2つのフェーズの1つにおいて反射率画像を記録することもできる。

0132

このシステムは、2つのフェーズで動作するので、2つの光を有している。それらの光は、上記蛍光染料のための励起光とNIR領域で記録されるべき反射光のための照明とを提供するために、NIR領域におけるスペクトル要求にマッチしている必要がある。

0133

〈励起スキャニング:3つのフェーズ−2つのカメラ〉
このパートでは、カメラよりもフェーズ(光)が多い実施形態が記述される。この実施形態は、図3に示された基本的な実施形態から導き出される。それは、追加のフェーズ及び追加的な第3の光を有している。このため、イメージングシステムの1つの期間は、3つの異なる収集フェーズに分割される。

0134

この実施形態は、大きく異なる励起スペクトルでとても似ている発光スペクトルを有する複数の染料を区別するための、追加的な機能を有している。

0135

液中のヘモグロビンのような強い吸収体がサンプルである場合、異なる染料の発光についての記録スペクトルは、ヘモグロビンの吸収における変化による影響を受ける。そのため、2つの異なる染料の発光スペクトルを区別することは、どうしても不可能である。

0136

これは、例えば、両方共に600nmと650nmの間で発光するプロトポルフィリンIX(PPIX)及びCy5のような複数の染料についてのケースである。この領域において、ヘモグロビンの吸収性は、数オーダーの大きさで変化する。このため、2つの異なる発光を区別することは、どうしても不可能である。

0137

そのようなケースにおいて、スキャニングがそれらの染料を区別することを助けることができる。同じスペクトル領域における2つの染料の発光は、2つのフェーズで記録される。しかし、これら2つのフェーズにおける励起は、異なる複数の染料を区別することができるためには、異なっている必要がある。

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