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技術 カーボンナノチューブシート構造体およびその製造方法

出願人 ジェネラルナノ、エルエルシー
発明者 ジャヤシンゲ、チャミンダクリスティー、ラリー、アレンチャン、エドワード、ミン
出願日 2015年7月30日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2017-505238
公開日 2017年10月5日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2017-529298
状態 特許登録済
技術分野 ナノ構造物 不織物 炭素・炭素化合物
主要キーワード 湿式装置 乱流運動 酸素ユニット 多孔質布 チューブ接触 不連続プロセス ステータミキサ 補助構成要素
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題・解決手段

長さの中央値が少なくとも0.05mmであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1であり、ランダム配向均一分布パターンに配置され、量が少なくとも1gsmであり、相対密度が1.0未満であるカーボンナノチューブ(CNT)を含むCNTシートフィルタ材料上に、該フィルタ材料の表面上にCNT懸濁液の液溜まり(puddling)発生を防止するのに十分な深さとなるまでCNT懸濁液を連続プールに設けて、該フィルタ材料を介して分散液を引き出して、均一なCNT分散液を提供しCNTシートを形成することによって、該CNTシートを製造する。CNTシートは、CNT複合ラミネート及びCNT構造体を製造するのに有用であり、電磁波吸収落雷防止および消散EMI遮蔽サーマルインターフェースパッドエネルギ貯蔵及び熱放散有用性を有する。

概要

背景

カーボンナノチューブの非常に優れた機械的特性は、ナノチューブベース高性能の構造用多機能ナノ構造材料および装置の開発に使用することができる。直径がナノメートルで、長さが数ミクロンから数ミリメートルまでの、カーボンナノチューブが作製されてきた。ファンデルワールス力によってナノチューブ間に強い相互作用が起こり、これには良好なチューブ分散性、良好なチューブ接触、ならびにカーボンナノチューブから形成された材料および構造体中の高いチューブ充填が必要となる。

制御されたナノ構造(分散、配向、充填)を有するネットワークまたは膜(厚さ5〜200μm)にナノチューブを予備成形することにより、導電ナノコンポジット熱伝導ナノコンポジット、及び高性能ナノコンポジットなどの多くの応用がなされる。これらの膜はまた、取り扱いを容易にするために、ナノチューブ材料およびその特性がマクロスケールの材料に移行できるようにもする。これらの予備成形されたナノチューブネットワークは、文献においてバッキペーパとも呼ばれる。バッキーペーパは、ナノチューブを懸濁液に分散させ、生成された懸濁液を濾過する、多段階プロセスによって生成される。生成したバッキーペーパは、従来の表面ベール(veil)またはガラス材料と同様に、容易に取り扱うことができる。しかし、すべての既存のナノチューブ膜製造技術は、不連続プロセスまたはバッチプロセスであり、少量の非常に短い膜材料を作製することしかできず、これはナノチューブ膜の将来の実際的応用にとって深刻な障壁である。

現在の不連続技術またはバッチ技術は、ナノチューブ懸濁液を濾過することによってナノチューブ膜材料を作製することしかできず、寸法がフィルタ寸法に制限される。これらの技術では、よく分散したナノチューブ懸濁液が、選択された界面活性剤および超音波処理を用いて最初に調製される。次いで、0.1μm〜2μm孔径フィルタ膜を有する濾過システムを使用して、調製された懸濁液を真空または圧力を用いて濾過する。濾過の際、ナノチューブはフィルタ膜の表面に堆積して、ナノチューブネットワークを形成する。濾過後、生成したナノチューブ膜又はバッキーペーパは、フィルタ膜からはがすことができる。大量のバッキーペーパを作製するには、フィルタの頻繁な交換が必要となる。現在のプロセスは、濾過を完了するために多くのフィルタを使用し、バッキーペーパの製造を1つずつに制限するので、時間がかかり、費用がかかり、また均一な製品品質を確保することも難しい。より重要なことに、フィルタ寸法の制限により、生成した膜は制限された長さである(通常1フィート未満)。

その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,459,121号は、ナノチューブ又は他のナノスケールの繊維の連続製造方法について記載している。該方法は、液体媒体に分散したナノスケールの繊維の懸濁液を作製し、流動媒体がフィルタ膜を通って流れるときにナノスケールの繊維がフィルタ膜に直接堆積するように、フィルタ膜を懸濁液中で動かすことによって懸濁液を濾過し、それによってナノスケールの繊維の連続膜を形成することを有する。ある態様において、ナノスケールの繊維の堆積は、フィルタ膜が静的多孔質フィルタ素子と接触するとき及び接触するところで生じる。他の態様において、ナノスケールの繊維の堆積は、フィルタ膜が動的多孔質フィルタ素子と接触するときおよび接触するところで生じる。例えば、フィルタ素子は、機械的に回転駆動される回転素子とすることができ、フィルタ素子を横切るようにフィルタ膜を動かすことを少なくとも部分的に助けることができる。そこに記載されたカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであることが好ましく、Carbon Nanotechnologies,Inc.(米国テキサスヒュストン)などの会社から市販されていると記載されている。このようなカーボンナノチューブの長さは、該特許には記載されていないが、Carbon Nanotechnologies,Inc.によって作製されるカーボンナノチューブの長さは、0.01mm未満(50ミクロン未満)の範囲内にあると理解される。米国特許第7,459,121号に記載されている装置は、市販されていないと考えられる。

その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,955,535号は、小径SWCNTおよび大径MWCNT(またはCNF)の懸濁液を形成し、懸濁液を濾過して液体を除去することを記載している。

その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,351,220号は、面密度坪量)が約20〜50gsmであり且つ厚みが約5〜100ミクロンであるバッキーペーパを備えるナノスケールの繊維膜について記載している。

米国特許第5,254,399号は、直径7μm以下であり且つアスペクト比繊維長繊維直径の比、またはL/D)が2000<L/D≦6000の範囲である繊維と、任意に熱融着繊維とを備え、これらの繊維が3次元的に絡み合った、地合が良好な不織布の形成方法を記載しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。該繊維として、ポリエステル繊維ポリオレフィン繊維ポリアクリロニトリル繊維ポリビニルアルコール繊維ナイロン繊維ポリウレタン繊維などの有機合成繊維半合成繊維再生繊維天然繊維等が挙げられている。

概要

長さの中央値が少なくとも0.05mmであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1であり、ランダム配向均一分布パターンに配置され、量が少なくとも1gsmであり、相対密度が1.0未満であるカーボンナノチューブ(CNT)を含むCNTシートフィルタ材料上に、該フィルタ材料の表面上にCNT懸濁液の液溜まり(puddling)発生を防止するのに十分な深さとなるまでCNT懸濁液を連続プールに設けて、該フィルタ材料を介して分散液を引き出して、均一なCNT分散液を提供しCNTシートを形成することによって、該CNTシートを製造する。CNTシートは、CNT複合ラミネート及びCNT構造体を製造するのに有用であり、電磁波吸収落雷防止および消散EMI遮蔽サーマルインターフェースパッドエネルギ貯蔵及び熱放散有用性を有する。

目的

本願において、カーボンナノチューブ(CNT)のネットワークを連続シート構造体へと連続製造する方法および装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

カーボンナノチューブ(CNTシートの製造方法であって、i)連続搬送ベルトを、プール領域および真空ボックスを横切る経路に沿って動かす工程;ii)前記連続搬送ベルトの上面に、連続多孔質担体材料を設ける工程;iii)液に分散させたカーボンナノチューブ(CNT)の水性懸濁液を前記多孔質担体材料に塗布する工程であって、前記分散CNTは、長さの中央値が少なくとも0.05mmであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1である工程;iv)前記プール領域の前記連続多孔質担体材料上であって前記連続多孔質担体材料の幅にわたって、前記CNTの前記水性懸濁液の連続プールを形成する工程であって、前記CNTの前記水性懸濁液の前記連続プールが、前記連続多孔質担体材料上の液溜まり(puddling)発生を防止するのに十分な均一な厚みを有する工程;v)前記多孔質担体材料および前記CNTの前記水性懸濁液の前記連続プールを、前記真空ボックス上に進める工程;vi)前記CNTの前記水性懸濁液の前記液体を、前記多孔質担体材料を介して、真空によって引き出し、濾過されたCNTの均一分散液を前記多孔質担体材料上に濾過して、濾過されたCNT構造体を形成する工程;vii)前記濾過されたCNT構造体からすべての残留液体を任意に乾燥させて、前記多孔質担体材料上にCNTシートを形成する工程;及びv)前記多孔質担体材料から前記CNTシートを取り外す工程;を有する、上記方法。

請求項2

連続複合CNTシートの連続製造方法であって、i)連続搬送ベルトを、プール領域および真空ボックスを横切る経路に沿って動かす工程;ii)前記動く連続搬送ベルトの上面に、連続多孔質担体材料を設ける工程;iii)前記連続多孔質担体材料の上面に、連続多孔質ベール層を設ける工程;iv)液に分散させたカーボンナノチューブ(CNT)の水性懸濁液を前記多孔質ベール層に塗布する工程であって、前記分散CNTは、長さの中央値が少なくとも0.05mmであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1である工程;v)前記プール領域を動く前記多孔質ベール層上であって前記多孔質ベール層の幅にわたって、前記CNTの前記水性懸濁液の連続プールを形成する工程であって、前記CNTの前記水性懸濁液の前記連続プールが、前記多孔質ベール層上の液溜まり(puddling)発生を防止するのに十分な均一な厚みを有する工程;vi)前記多孔質ベール層および前記CNTの前記水性懸濁液の前記連続プールを、前記真空ボックス上に進める工程;vii)前記CNTの前記水性懸濁液の前記液体を、前記多孔質ベール層および前記多孔質担体材料を介して、真空によって引き出し、濾過されたCNTの均一分散液を前記多孔質ベール層上に濾過して、濾過されたCNT構造体を形成する工程;viii)前記濾過されたCNT構造体からすべての残留液体を任意に乾燥させて、前記多孔質担体材料上に複合CNTシートを形成する工程;及びix)前記連続多孔質担体材料から前記複合CNTシートを取り外す工程;を有する、上記方法。

請求項3

連続CNTシートの連続製造方法であって、i)連続搬送ベルトを、プール領域および真空ボックスを横切る経路に沿って動かす工程;ii)前記連続搬送ベルトの上面に、連続多孔質担体ベール層を設ける工程;iii)液に分散させたカーボンナノチューブ(CNT)の水性懸濁液を前記多孔質担体ベール層に塗布する工程であって、前記分散CNTは、長さの中央値が少なくとも0.05mmであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1である工程;iv)前記プール領域の前記連続多孔質担体ベール層上であって前記連続多孔質担体ベール層の幅にわたって、前記CNTの前記水性懸濁液の連続プールを形成する工程であって、前記CNTの前記水性懸濁液の前記連続プールが、前記連続多孔質担体ベール層上の液溜まり(puddling)発生を防止するのに十分な均一な厚みを有する工程;v)前記連続多孔質担体ベール層および前記CNTの前記水性懸濁液の前記連続プールを、前記真空ボックス上に進める工程;vi)前記CNTの前記水性懸濁液の前記液体を、前記連続多孔質担体ベール層を介して、真空によって引き出し、濾過されたCNTの均一分散液を前記連続多孔質担体ベール層上に濾過して、前記担体ベール層上に濾過されたCNT構造体を形成する工程;vii)前記濾過されたCNT構造体からすべての残留液体を任意に乾燥させて、前記CNT構造体および前記担体ベール層を含む連続複合CNTベールシートを形成する工程;viii)前記連続搬送ベルトから前記連続複合CNTベールシートを取り外す工程;を有する、上記方法。

請求項4

前記連続多孔質担体材料が、前記CNTの前記水性懸濁液の前記分散液から前記分散CNTを濾過する、織物状又はメッシュ状の合成疎水性又は親水性ポリマーを有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記CNTシートは、CNT坪量が少なくとも1グラム平方メートル(gsm)であり且つ約40gsmまでであり、(水に対する)相対密度が約1.5未満、好ましくは約1.0未満である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記CNTが、単層CNT(SWCNT)のみから本質的になるか、多層CNT(MWCNT)のみから本質的になるか、又はこれらの組合せのみから本質的になる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記連続多孔質担体材料は、その幅が約152cm(60インチ)までである請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

ランダム配向および均一分布構造に配置されたCNTを含み、CNT坪量が少なくとも1グラム/平方メートル(gsm)であり、前記CNTは、長さの中央値が少なくとも0.05mm(50ミクロン)であり且つアスペクト比(長さ/直径、L/D)が少なくとも2,500:1である、製造されたCNTシート。

請求項9

(水に対する)相対密度が約1.5以下である請求項8に記載の製造されたCNTシート。

請求項10

前記坪量が、約40gsmまで、好ましくは約20gsmまで、または約10gsmまでである、請求項9のいずれか一項に記載の製造されたCNTシート。

請求項11

前記製造されたCNT構造体の前記相密度が、約0.8以下、好ましくは約0.5以下である、請求項9のいずれか一項に記載の製造されたCNTシート。

請求項12

前記CNTが、単層CNT(SWCNT)、多層CNT(MWCNT)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項9のいずれか一項に記載の製造されたCNTシート。

請求項13

カーボンナノチューブ(CNT)不織布シートの製造方法であって、i)分散液中のCNTを含む一定量のCNT懸濁液を、フィルタ材料上を通過させて、前記フィルタ材料の表面上の前記CNT懸濁液の液溜まり(puddling)発生を防止するのに十分な深さ(または厚み)を有する、CNT懸濁液の連続プールまたはコーティングを、前記フィルタ材料上に設ける工程であって、前記分散CNTは、長さの中央値が少なくとも0.05mmであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1である工程;ii)前記フィルタ材料を介して前記分散液を引き出して、前記フィルタ材料上に前記CNTの均一分散液を提供し、CNT構造体を形成する工程;iii)前記CNT構造体からすべての残留水性液体を乾燥させて、前記フィルタ材料上にCNTシートを形成する工程;及びiv)前記フィルタ材料から前記CNTシートを取り外す工程;を有する、上記方法。

請求項14

カーボンナノチューブ(CNT)不織布シートの製造方法であって、i)水性液体中の第1のカーボンナノチューブ(CNT)の懸濁液を供給して、第1のCNT懸濁液を形成する工程であって、前記第1のCNTは、長さが少なくとも0.05mmであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1である工程;ii)一定量の前記第1のCNTの前記第1の懸濁液にフィルタ材料を通過させる工程;iii)前記水性懸濁液の前記水性液体を、前記フィルタ材料を介して引き出して、前記フィルタ材料上に前記第1のCNTの均一分散液を提供する工程;iv)水性液体中の第2のカーボンナノチューブ(CNT)の懸濁液を供給して、第2のCNT懸濁液を形成する工程であって、前記第2のCNT懸濁液が、前記第1のCNTよりも短い、0.2mm未満の長さを有する工程;v)一定量の前記第2のCNTの前記第2の懸濁液を、前記第1のCNTの前記均一分散液上を通過させる工程;vi)前記第2の懸濁液の前記水性液体を、前記フィルタ材料を介して引き出して、前記第1のCNT上に前記第2のCNTの均一分散液を提供する工程;vii)残留水性液体を乾燥させて、前記フィルタ材料上に複合CNT不織布シートを形成する工程;及びv)前記フィルタ材料から前記複合CNT不織布シートを取り外す工程;を有する、上記方法。

技術分野

0001

本発明は、一般にカーボンナノチューブに関し、より詳細には、カーボンナノチューブから材料および構造体を形成する方法に関する。

背景技術

0002

カーボンナノチューブの非常に優れた機械的特性は、ナノチューブベース高性能の構造用多機能ナノ構造材料および装置の開発に使用することができる。直径がナノメートルで、長さが数ミクロンから数ミリメートルまでの、カーボンナノチューブが作製されてきた。ファンデルワールス力によってナノチューブ間に強い相互作用が起こり、これには良好なチューブ分散性、良好なチューブ接触、ならびにカーボンナノチューブから形成された材料および構造体中の高いチューブ充填が必要となる。

0003

制御されたナノ構造(分散、配向、充填)を有するネットワークまたは膜(厚さ5〜200μm)にナノチューブを予備成形することにより、導電ナノコンポジット熱伝導ナノコンポジット、及び高性能ナノコンポジットなどの多くの応用がなされる。これらの膜はまた、取り扱いを容易にするために、ナノチューブ材料およびその特性がマクロスケールの材料に移行できるようにもする。これらの予備成形されたナノチューブネットワークは、文献においてバッキペーパとも呼ばれる。バッキーペーパは、ナノチューブを懸濁液に分散させ、生成された懸濁液を濾過する、多段階プロセスによって生成される。生成したバッキーペーパは、従来の表面ベール(veil)またはガラス材料と同様に、容易に取り扱うことができる。しかし、すべての既存のナノチューブ膜製造技術は、不連続プロセスまたはバッチプロセスであり、少量の非常に短い膜材料を作製することしかできず、これはナノチューブ膜の将来の実際的応用にとって深刻な障壁である。

0004

現在の不連続技術またはバッチ技術は、ナノチューブ懸濁液を濾過することによってナノチューブ膜材料を作製することしかできず、寸法がフィルタ寸法に制限される。これらの技術では、よく分散したナノチューブ懸濁液が、選択された界面活性剤および超音波処理を用いて最初に調製される。次いで、0.1μm〜2μm孔径フィルタ膜を有する濾過システムを使用して、調製された懸濁液を真空または圧力を用いて濾過する。濾過の際、ナノチューブはフィルタ膜の表面に堆積して、ナノチューブネットワークを形成する。濾過後、生成したナノチューブ膜又はバッキーペーパは、フィルタ膜からはがすことができる。大量のバッキーペーパを作製するには、フィルタの頻繁な交換が必要となる。現在のプロセスは、濾過を完了するために多くのフィルタを使用し、バッキーペーパの製造を1つずつに制限するので、時間がかかり、費用がかかり、また均一な製品品質を確保することも難しい。より重要なことに、フィルタ寸法の制限により、生成した膜は制限された長さである(通常1フィート未満)。

0005

その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,459,121号は、ナノチューブ又は他のナノスケールの繊維の連続製造方法について記載している。該方法は、液体媒体に分散したナノスケールの繊維の懸濁液を作製し、流動媒体がフィルタ膜を通って流れるときにナノスケールの繊維がフィルタ膜に直接堆積するように、フィルタ膜を懸濁液中で動かすことによって懸濁液を濾過し、それによってナノスケールの繊維の連続膜を形成することを有する。ある態様において、ナノスケールの繊維の堆積は、フィルタ膜が静的多孔質フィルタ素子と接触するとき及び接触するところで生じる。他の態様において、ナノスケールの繊維の堆積は、フィルタ膜が動的多孔質フィルタ素子と接触するときおよび接触するところで生じる。例えば、フィルタ素子は、機械的に回転駆動される回転素子とすることができ、フィルタ素子を横切るようにフィルタ膜を動かすことを少なくとも部分的に助けることができる。そこに記載されたカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであることが好ましく、Carbon Nanotechnologies,Inc.(米国テキサスヒュストン)などの会社から市販されていると記載されている。このようなカーボンナノチューブの長さは、該特許には記載されていないが、Carbon Nanotechnologies,Inc.によって作製されるカーボンナノチューブの長さは、0.01mm未満(50ミクロン未満)の範囲内にあると理解される。米国特許第7,459,121号に記載されている装置は、市販されていないと考えられる。

0006

その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,955,535号は、小径SWCNTおよび大径MWCNT(またはCNF)の懸濁液を形成し、懸濁液を濾過して液体を除去することを記載している。

0007

その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,351,220号は、面密度坪量)が約20〜50gsmであり且つ厚みが約5〜100ミクロンであるバッキーペーパを備えるナノスケールの繊維膜について記載している。

0008

米国特許第5,254,399号は、直径7μm以下であり且つアスペクト比繊維長繊維直径の比、またはL/D)が2000<L/D≦6000の範囲である繊維と、任意に熱融着繊維とを備え、これらの繊維が3次元的に絡み合った、地合が良好な不織布の形成方法を記載しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。該繊維として、ポリエステル繊維ポリオレフィン繊維ポリアクリロニトリル繊維ポリビニルアルコール繊維ナイロン繊維ポリウレタン繊維などの有機合成繊維半合成繊維再生繊維天然繊維等が挙げられている。

発明が解決しようとする課題

0009

それにもかかわらず、このような構造体に対する新たな技術・市場ニーズを満たすために、工業的および商業的規模CNTシートを製造するプロセスが依然として必要とされている。

課題を解決するための手段

0010

本願において、カーボンナノチューブ(CNT)のネットワークを連続シート構造体へと連続製造する方法および装置を提供する。

0011

本発明は、カーボンナノチューブ(CNT)構造体の形成方法であって、CNT分散液を含む溶液をある量、フィルタ材料上に濾過して、CNTの均一分散液を有する濾過されたCNT構造体をフィルタ材料上に提供する工程、及び濾過されたCNT構造体を乾燥させてCNTシートにする工程;を有する方法を含む。

0012

本発明の他の面として、CNT構造体またはCNTシートの形成方法は、分散液中でカーボンナノチューブ(CNT)分散液または懸濁液を作製する工程であって、本明細書に述べるように、分散させたCNTは、長さの中央値が少なくとも50ミクロンであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1である工程;フィルタ材料上を一定量のCNT懸濁液を通過させて、フィルタ材料の表面上のCNT懸濁液の液溜まり(puddling)発生を防止するのに十分な均一な深さ(または厚み)を有する、CNT懸濁液の連続プールまたはコーティングを、フィルタ材料上に設ける工程;フィルタ材料を介して分散液を引き出して、フィルタ材料上にCNTの均一分散液を提供し、CNT構造体を形成する工程;CNT構造体からすべての残留水性液体を乾燥させて、フィルタ材料上にCNTシートを形成する工程;及びフィルタ材料からCNTシートを取り外す工程;を含む。

0013

本発明の他の面として、フィルタ材料を介して分散液を引き出す工程は、フィルタ材料および真空スクリーンまたは真空ボックスを介して分散液を引き出すのに十分な時間、CNTを含んだフィルタ材料に真空スクリーンまたはボックス上を通過させる工程を有する。

0014

本発明はまた、連続CNTシートの製造装置、及び該装置を用いる連続CNTシートの連続製造方法をさらに含む。連続製造方法は、i)連続搬送ベルトを、プール領域および真空ボックスを横切る経路に沿って動かす工程;ii)連続搬送ベルトの上面に、連続多孔質担体材料を設ける工程;iii)液に分散させたカーボンナノチューブ(CNT)の水性懸濁液を多孔質担体材料に塗布する工程であって、分散CNTは、長さの中央値が少なくとも0.05mmであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1である工程;iv)プール領域の連続多孔質担体材料上であって連続多孔質担体材料の幅にわたって、CNTの水性懸濁液の連続プールを形成する工程であって、CNTの水性懸濁液の連続プールが、連続多孔質担体材料上の液溜まり発生を防止するのに十分な均一な厚みを有する工程;v)多孔質担体材料およびCNTの水性懸濁液の連続プールを、真空ボックス上に進める工程;vi)CNTの水性懸濁液の液体を、多孔質担体材料を介して真空によって引き出し、濾過されたCNTの均一分散液を多孔質担体材料上に濾過して、濾過されたCNT構造体を形成する工程;vii)濾過されたCNT構造体からすべての残留液体を任意に乾燥させて、多孔質担体材料上にCNTシートを形成する工程;及びv)連続多孔質担体材料からCNTシートを取り外す工程;を有する。

0015

本発明のある面として、連続多孔質担体材料は、連続多孔質膜連続多孔質シート、または連続多孔質布材である。連続多孔質担体材料は、形成中のCNT構造体を、装置を介してこれに沿って引き、CNT構造体の製造中の引き裂きおよび劣化を防止するための、安定した弾力性のある多孔質構造体を提供する。連続多孔質担体材料として、織物状又はメッシュ状の合成ポリマーを挙げることができ、これらには、テフロン登録商標)としても知られている、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)を含むがこれに限定されない疎水性ポリマー、及びナイロンとしても知られている、脂肪族ポリアミドを含むがこれに限定されない親水性ポリマーを挙げることができる。金属被覆織物もしくは金属製のメッシュ材またはスクリーン材も、多孔質担体材料として使用することができる。ある態様において、多孔質担体材料は、複数の開口を有し、その大きさは約0.1ミクロンから約10ミクロンまでの間である。

0016

本発明の他の面として、連続多孔質担体材料はまた、分散CNTをCNTの水性懸濁液の液から濾過するフィルタ材料とすることもできる。この態様において、CNTは連続多孔質担体材料上に濾過されて、CNT構造体およびCNTシートを形成し、次いで、CNTシートは、連続多孔質担体材料から分離または剥離される。この態様において、CNT構造体およびCNTシートは典型的には、引き裂きや劣化なく、自立型CNTシートとして、担体材料から連続的に剥離される完全性をCNT構造体に与えるのに十分なCNT坪量を有することになる。

0017

本発明のさらなる面として、CNT懸濁液を塗布する前に、連続多孔質担体材料の上面に2次層を塗布することができる。2次層は、これを介してCNTの水性懸濁液の液が引き出される、連続孔のもしくは多孔質の、膜、シート、または布材とすることができる。ベール(veil)層とも呼ぶ2次層は、担体材料上で使用する場合、連続多孔質担体材料からの分離または「剥離」が改善された連続複合CNTシートを提供する。2次層またはベール層は、担体材料からのCNT構造体の分離を実現するために、非常に薄く軽量(低坪量)にすることができ、物理的もしくは機能的特性を向上させ、または物理的もしくは機能的特性をCNT構造体および複合CNTシートに与えることもできる。

0018

したがって、本発明は、連続複合CNTシートの連続製造方法であって、i)連続搬送ベルトを、プール領域および真空ボックスを横切る経路に沿って動かす工程;ii)動く連続搬送ベルトの上面に連続多孔質担体材料を設ける工程;iii)連続多孔質担体材料の上面に連続多孔質ベール層を設ける工程;iv)液に分散させたカーボンナノチューブ(CNT)の水性懸濁液を多孔質ベール層に塗布する工程であって、分散CNTは、長さの中央値が少なくとも0.05mmであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1である工程;v)プール領域を動く多孔質ベール層上であって多孔質ベール層の幅にわたって、CNTの水性懸濁液の連続プールを形成する工程であって、CNTの水性懸濁液の連続プールが、多孔質ベール層上の液溜まり発生を防止するのに十分な均一な厚みを有する工程;vi)多孔質ベール層、多孔質担体材料、およびCNTの水性懸濁液の連続プールを、真空ボックス上に進める工程;vii)CNTの水性懸濁液の液を、多孔質ベール層および多孔質担体材料を介して、真空によって引き出し、濾過されたCNTの均一分散液を多孔質ベール層上に濾過して、濾過されたCNT構造体を形成する工程;viii)濾過されたCNT構造体からすべての残留液体を任意に乾燥させて、多孔質担体材料上に複合CNTシートを形成する工程;ix)連続多孔質担体材料から複合CNTシートを取り外す工程;をさらに有する、方法を含む。

0019

本発明の他の面として、連続多孔質担体材料をプロセスから外して、担体ベール層とも呼ぶ、担体材料の機能を提供することができる2次層またはベール層に置き換えることができる。担体ベール層は、CNT懸濁液からのCNTの濾過を提供し、形成中のCNT構造体を、加工中に装置を介してこれに沿って引き、物理的および機能的特性、例えば、CNTシートの使用目的と一致する低坪量および最小厚みを有しながら、製造中のCNT構造体の引き裂きおよび劣化を防止するのに十分な、十分に安定して弾力性のある多孔質構造を有する。任意に、製造後プロセスにおいて、ベール担体層からCNT構造体を分離してもよい。

0020

したがって、本発明は、連続CNTシートの連続製造方法であって、i)連続搬送ベルトを、プール領域および真空ボックスを横切る経路に沿って動かす工程;ii)連続搬送ベルトの上面に、連続多孔質担体ベール層を設ける工程;iii)液に分散させたカーボンナノチューブ(CNT)の水性懸濁液を多孔質担体ベール層に塗布する工程であって、分散CNTは、長さの中央値が少なくとも0.05mmであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1である工程;iv)プール領域の連続多孔質担体ベール層上であって連続多孔質担体ベール層の幅にわたって、CNTの水性懸濁液の連続プールを形成する工程であって、CNTの水性懸濁液の連続プールが、連続多孔質担体ベール層上の液溜まり発生を防止するのに十分な均一な厚みを有する工程;v)連続多孔質担体ベール層およびCNTの水性懸濁液の連続プールを、真空ボックス上に進める工程;vi)CNTの水性懸濁液の液を、連続多孔質担体ベール層を介して、真空によって引き出し、濾過されたCNTの均一分散液を連続多孔質担体ベール層上に濾過して、担体ベール層上に濾過されたCNT構造体を形成する工程;vii)濾過されたCNT構造体からすべての残留液体を任意に乾燥させて、CNT構造体および担体ベール層を含む連続複合CNTベールシートを形成する工程;viii)連続搬送ベルトから連続複合CNTベールシートを取り外す工程;をさらに有する、方法を含む。

0021

本発明はまた、ランダム配向および均一分布パターンで配置されたCNTを含む、製造されたCNTシートも提供する。CNTシートは、CNT坪量が少なくとも1グラム平方メートル(gsm)であり、長さの中央値が少なくとも0.05mm(50ミクロン)であり、アスペクト比(長さ/直径、L/D)が少なくとも2,500:1であるCNTを有する。製造されたCNTシートは、(水に対する)相対密度が約1.5以下である。

0022

製造されたCNT構造体の所望の坪量は、少なくとも2gsm、少なくとも3gsm、少なくとも4gsm、少なくとも5gsm、および少なくとも6gsmであり;且つ約30gsmまで、約20gsmまで、約15gsmまで、約12gsmまで、約10gsmまで、約8gsmまで、および約6gsmまでを含めて約40gsmまでとするのがよく;また、約3gsm、約4gsm、約5gsm、約6gsm、約7gsm、約8gsm、約9gsm、約10gsm、および約15gsmとすることができる。

0023

製造されたCNT構造体の相対密度は、約1.0以下とすることができ、約0.8以下、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、約0.3以下とすることができ、0.25などとすることができる。このような相対密度は、当技術分野で説明されているバッキーペーパの相対密度を大きく下回り、大幅に低い坪量を持つ効果的な厚みを有するCNTシートを提供する。

0024

長尺CNTは、長さの中央値が少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、または少なくとも0.3mmであり、長さが少なくとも0.4mm、または少なくとも0.5mm、および少なくとも2mmであるのがよく、アスペクト比が少なくとも10,000:1、少なくとも50,000:1であり、100,000:1を含めて少なくとも5,000:1である延伸したCNTであるのがよい。長尺CNTは、単層CNT(SWCNT)、二層CNT(DWCNT)、多層CNT(MWCNT)、ならびにこれらの混合物および組み合わせを有することができる。

0025

CNTはまた、任意に短尺CNTを有してもよく、該短尺CNTは、長さの中央値が50ミクロン未満であり、および/またはアスペクト比が2,500:1未満である。

0026

長尺CNTはまた、短尺CNTと組み合わせて、追加の機能性を与えることもでき、長尺CNTと短尺CNTの重量比は典型的には、少なくとも1:10、少なくとも1:3、少なくとも1:2、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも10:1、および少なくとも99:1からなる群から選択される。

0027

本発明のさらなる面として、CNTシートは、自立構造を有することができる。

0028

本発明の他の面として、長さが少なくとも約50ミクロンであり且つアスペクト比が少なくとも2,500:1であるCNTシート中のCNTの質量割合は、シートまたはCNT構造体中の総CNTの少なくとも75%であり、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、および少なくとも99%であってもよい。

0029

CNT構造体またはCNTシートには、不織布シート全域にわたって連続マトリックスまたは固相を形成するカーボンCNTを含む不織布シートが含まれる。この面において、各CNTが、その長さに沿って、複数の隣接するCNTと直接接触している。

0030

本発明のさらなる面として、CNTは、シート成形より前に化学的処理を行い、CNTまたはそこから作製した不織布CNTシートもしくは構造体の、物理的または機能的特性を改変することができる。

0031

本発明の他の面として、CNTを、有機酸または無機酸を含む、溶液pHが1.0未満である酸性溶液に浸漬することによって、前処理することができる。酸の非限定的な例として硝酸が挙げられる。これに代えて、または加えて、CNT構造体を酸性溶液で後処理してもよい。

0032

本発明のさらに他の面として、フィルタ材料から水を引き出す真空を用いて、もしくはフィルタ材料を介して水を絞り出す圧力を加えることによって、またはこれらの組み合わせによって、水性液体がフィルタ材料を介して引き出される。

0033

連続CNTシート製造装置は、従来の湿式不織布構造体の製造装置に基づいており、プール領域および真空ボックスを備えるテーブルを横切る経路に沿って動く連続搬送ベルト、任意の乾燥ユニット、装置に沿ってプロセスを通して連続搬送ベルトを引き出すための様々なローラおよび搬送要素を含む。装置はまた、CNT懸濁液をプール領域に貯留および供給する手段、プール領域の連続搬送ベルト上に配置されたフィルタ材料の幅にわたって、CNTの水性懸濁液の連続プールを形成するヘッドボックスまたは手段を含む。

図面の簡単な説明

0034

従来の湿式不織布製造装置の概略図を示す。
本発明のCNT構造体製造方法において使用することができる装置を示す。
分散CNTの溶液がリザーバを満たし、連続フィルタ材料上の流入プールに流入する図2の装置を示す。
溶液の流入プールが真空ボックスを通り過ぎてCNTシート構造体を形成した後の図3の装置を示す。
連続フィルタ材料上に連続多孔質ベール層をさらに設ける図3の装置および代替方法を示す。
連続フィルタ材料が連続複合CNTフィルタ材料シートを形成する図3の装置および別の代替方法を示す。
分散CNTの溶液の流入プールを連続フィルタ材料上に形成する代替装置を示す。
分散CNTの溶液の流入プールを連続フィルタ材料上に形成するために、液体噴射ノズルを使用する別の代替装置を示す。
追加のおよび異なるCNT懸濁液または他の材料を供給する2つ以上のヘッドボックスを含むCNTウェブ積層機械の概略図を示す。

実施例

0035

本発明で使用する場合、「有する」(”comprise“、”comprising”)、「含む」(”include”、”including”)という用語は、反対のことが明記されていない限り、開放的で非限定的な用語であることが意図される。

0036

本発明で使用する場合、CNTの「自立型の」シートまたは構造体は、形成、またはフィルタ材料からの分離が可能なもの、および崩れずに、またはシートもしくは構造体からのCNTの著しい剥離もしくは崩壊なしに、取り扱いまたは操作が可能なものである。

0037

「連続」材料シートは、シート幅より桁違いに大きな長さを有する細長いシート、およびシート材料ロールである。

0038

従来の湿式不織布は、修正された製紙プロセスによって製造する。すなわち、使用する繊維を、水中または他の分散液中に懸濁させる。専用機械を使用して水または他の分散液を繊維から分離して、均一な材料シートを形成し、次いでこれを乾燥させる。湿式プロセスは、紙の製造を起源とし、製紙業者が、プロセスを変更することなく、通常の原材料に加えて、未切断の長い天然繊維および合成繊維使用可能となることを求めたことから開発された。不織布繊維は、製紙用繊維と比較した場合に、より長く、より強く、比較的不活性の傾向がある。

0039

図1は、湿式不織布製造装置の概略図を示す。湿式法による不織布製造における3つの特徴的な段階は、1)水または他の分散液中での繊維(1)の懸濁、および連続トラベリングスクリーン(12)への懸濁液の輸送、2)濾過(20)の結果としての、スクリ−ン上への連続ウェブ形成、および3)ウェブの乾燥(30)である。

0040

本発明のCNT構造体形成方法は、従来の湿式不織布製造方法の改良である。CNT構造体形成方法は、分散液中にCNT懸濁液を形成し、一定量のCNT懸濁液を濾過して、CNT構造体の均一分散液をフィルタ材料上に提供し、濾過されたCNT構造体から残留分散液を乾燥させる工程または段階を含む。

0041

懸濁液作製
CNT構造体の連続長を作製するための第1の工程は、水を含めることができる分散液中にCNT懸濁液を作製することを含む。分散液はまた、分散液中のCNTの分散および懸濁を改善し安定化させる1つまたは複数の化合物、及び当該方法によって生成されたCNT構造体の機能的特性を改善する1つまたは複数の化合物を含むこともできる。

0042

水が好ましい分散液ではあるが、他の非溶媒和液を使用して、CNTを分散させ処理することができる。本発明で使用する場合、「非溶媒和(”non-solvating”)」という用語は、本質的にCNTと非反応性であって、本質的にCNTが不溶である、液状の化合物を指す。他の適切な非溶媒和液の例として、アセトンエタノールメタノールイソプロパノールn−ヘキサンエーテルアセトニトリルクロロホルムDMF、およびこれらの混合物からなる群から選択される揮発性有機液体が挙げられる。溶媒を簡単かつ急速に除去し、結果として生じるCNT構造体の乾燥を促進することができるように、典型的には低沸点溶媒が好ましい。

0043

分散液は、CNTおよび湿式CNT構造体の分散、湿式成形または脱水を維持するために、1つまたは複数の界面活性剤(例えば、分散剤抗凝集剤)を任意に含むことができる。例えば、BYK−9076(BYK Chem USA製)、Triton X−100、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(NaDDBS)、及びSDSを使用してもよい。

0044

カーボンナノチューブは、乾燥したバルク形態で提供することができる。CNTには、長尺CNTを含めることができ、該長尺CNTは典型的には、長さの中央値が少なくとも約0.05mm(50ミクロン)であるものからなる群から選択され、例えば少なくとも約0.1mm(100ミクロン)、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.3mm、少なくとも約0.4mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、および少なくとも約5mmなどが挙げられる。CNTは、単層ナノチューブ(SWNT)、二層ナノチューブ(DWNT)、または他の多層ナノチューブ(MWNT)とすることができる。典型的なMWCNTは、チューブ径が約5〜10ナノメートルである。本発明において有用なCNTの例は、その開示の全体が参照により組み込まれる米国特許第8753602号に開示されたもの、またはそこに記載されているプロセスによって作製されたものである。このようなカーボンナノチューブには、General NanoLLC(米国オハイオシンシナティ)から市販されている長尺垂直配向CNTを含めることができる。

0045

その開示の全体が参照により組み込まれる米国特許第8137653号は、反応チャンバにおいて、部分的に溶解した触媒電極電気的アーク放電によって蒸発させ、蒸発した触媒蒸気凝縮させて触媒を含むナノ粒子を形成し、ナノ粒子の存在下でガス状炭化水素を分解して、触媒ナノ粒子の表面上にカーボンナノチューブを形成することを含む、カーボンナノチューブ、実質的には単層CNTの製造方法を開示する。

0046

水性液中のCNT濃度は、懸濁液の少なくとも100mg/Lであり且つ約10g/Lまでである。これは分散および懸濁を促進し、分散液中のCNTの凝集または軟凝集を最小限にする。本発明の様々な態様において、CNT濃度は、少なくとも約500mg/L、少なくとも約700mg/Lであり、且つ約5g/Lまで、約1g/lまで、および約500mg/Lまでである。さらに、水性懸濁液は、CNT約1重量%以下、CNT約0.5重量%以下、CNT約0.1重量%以下、CNT約0.07重量%以下、CNT約0.05重量%以下からなる群から選択され、少なくともCNT約0.05重量%などの少なくともCNT約0.01重量%を含むCNTレベルを有することができる。

0047

一般に、CNTは、混合条件下で、当該技術分野で知られている1つまたは複数の撹拌装置または分散装置を使用して、一定量の分散液に添加される。CNT懸濁液は、バッチプロセスまたは連続プロセスにおいて作製することができる。ある態様において、水性液中のCNT混合物は、従来の超音波処理機器を使用して超音波処理が施される。水中のCNT懸濁液は、その開示の全体が参照により組み込まれる米国特許第8283403号に記載されている、高剪断混合およびマイクロ流体混合技術を使用して形成することもできる。CNTを水性液に分散させるための高剪断混合装置の非限定的な例として、Charles Ross & Sons CompanyからSLIM技術として利用可能な高剪断ロータステータミキサ粉末注入することによる、いずれかのバッチのCNT粉末と液体のインライン(連続)混合のための高圧注入システムがある。

0048

動力数NPは、混合の無次元数として一般的に使用される。これは、下記式で定義される。式中、P=ミキサ動力入力、ω=ミキサの回転速度、D=混合羽根の直径、ρ=液体の分散密度、である。

0049

0050

混合スケールを比較するため、混合のコルモゴロフ(Kolmogorov)スケールλをCNTの平均長Lと類比することができる。

0051

0052

式中、ν=分散の動粘度、ε=単位質量当たりの乱流運動エネルギ散逸率、である。

0053

長尺CNTでは、νははるかに高く(より粘性を有し)、したがって、λはより大きいが、線形よりわずかに少なく比例する。しかし、これには同じ混合後長さに達するために多くのエネルギ(4乗まで)が必要となる。また、εがミキサの動力入力Pに対してほぼ線形であることに留意されたい。

0054

いかなる特定の理論によっても拘束されるものではないが、水性液体中でのCNTの混合および分散の結果として、個々のCNTは長さが減少し、構造がねじれ、または曲がり、個々のCNTの束が絡み合って結び合わされることができると考えられる。典型的には、混合分散プロセスに提供されるCNTの長さは、結果として生じる分散させたCNTの長さより長く、例えば、長さの中央値が少なくとも約0.05mmからなる群から選択され、且つアスペクト比が少なくとも2,500:1である。長さの中央値は、少なくとも0.1mm、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.3mm、少なくとも約0.4mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、および少なくとも約5mmとすることができる。CNTの長さの中央値はまた、1mmと2mmとの間、1mmと3mmとの間、2mmと3mmとの間からなる群から選択される範囲を含んでもよい。アスペクト比は、少なくとも5,000:1、少なくとも10,000:1、少なくとも50,000:1、および少なくとも100,000:1であってもよい。

0055

結果として生じる水性液中のCNT懸濁液は、少なくとも数日、およびそれより長く安定である。CNT懸濁液は、CNT分散液の均一性を確保するために、シート成形プロセスに使用する前に混合および撹拌することができる。

0056

本発明のある面として、長尺CNTは、短尺CNTとともに使用することができ、長尺CNTと短尺CNTの重量比が少なくとも1:99、少なくとも1:10、少なくとも1:3、少なくとも1:2、少なくとも1:1、および少なくとも2:1からなる群から選択される。長尺CNTと短尺CNTの組み合わせは、相乗機能特性および特徴を含め、各タイプのCNTの機能的特性および特徴の組み合わせを含むことができる。

0057

分散液はまた、CNTの構造的および機能的特性の両方を改善するための、1つまたは複数のバインダー化合物を任意に含むこともできる。バインダーの一例として、ポリビニルアクリレートPVA)がある。PVAなどのバインダーを使用することにより、長尺CNTおよび短尺CNTの両方を含むCNT不織布シートの構造および機能を改善することができる。バインダーは、テフロン(登録商標)などの疎水性フィルタ材料に分散CNTが付着する付着性を改善するのにも有用である。本発明のさらなる面として、バインダーを添加することにより、バインダーの連続相をもたらすことができ、それによってCNTシート内の接触点(またはCNT−CNT接合部)を減少させる。バインダーは、CNTを被覆し、またはポリマーまたは樹脂マトリックスの内部に封じ込めて、隣接するCNTをバインダー材料の層によって近接して分離する。バインダーは、CNTシートの連続マトリックスの少なくとも部分的な破壊をもたらす。

0058

ある例において、上述のCNTを発煙硝酸中で酸処理し、次いで、分散液、例えば水に(界面活性剤なしで)機械的に分散させる。保管後、溶液中でのCNTの分散は、少なくとも5暦日持続した。55ガロンドラム缶2本分のCNT懸濁液を、200ガロン補給水タンクに放出し、シートフィルタ材料上に懸濁液を置く前に低強度撹拌を加えた。わずか5分以内に、10gsmの不織布構造体は、該不織布構造体中でのCNTの分散性及び均一性が良く形成された。短尺CNTの懸濁と比較して、長尺CNTの分散および懸濁安定性は、驚くほど非常に時間が長い。いかなる特定の理論によっても拘束されるものではないが、CNT懸濁液の相対的な形成容易性は、CNTのアスペクト比(すなわち、個々のチューブまたは繊維の長さ対その平均径)に大きく影響されるものと考えられる。長尺CNTは、短尺CNTより少なくとも1桁長い懸濁安定性を有する。所定のアスペクト比を有するCNTを用いることにより、2gsmと小さい坪量を有する不織布CNTシートの形成を可能にした。著しく小さなアスペクト比(約100:1)を有する木材パルプ繊維から作られる不織布は、連続湿式不織布装置上で10gsm以下の坪量で形成することができないことが判明した。

0059

CNTの高いアスペクト比はまた、臨界絡み合い密度(critical entanglement density)が100を大幅に上回るCNT不織布をもたらす。ここで、臨界絡み合い密度は、CNTの平均長と、CNTと他のCNTの2つの隣接する交点間の平均長との比と定義する。

0060

濾過およびCNT構造体形成
CNT構造体を製造するための第2の工程は、フィルタ材料上を一定量のCNT懸濁液を通過させ、フィルタ材料を介してCNT懸濁液の分散液を引き出し、フィルタ材料上にCNTの均一分散液を提供する工程を有する。

0061

フィルタ材料は、孔または開口を有する、柔軟な弾力性のあるシート材料である。該孔または開口は、分散液を適量の真空または圧力で引き出すことを可能にするのに十分な大きさであるが、分散CNTが多量に通過するのを防ぐのに十分な小ささである。開口(円形正方形、またはその他の形状)の大きさは、典型的には約0.1ミクロン〜約10ミクロンくらいであり、空隙率開口面積)は、典型的には、約20%〜約80%であり、約30%、約40%、または約50%からなる群から選択される。

0062

フィルタ材料の表面上への、水性液に分散させたCNTの充填(面積当たりの重量)は、結果として生じるCNT構造体の所望の坪量(グラム/平方メートル、即ち「gsm」)、および分散液に分散させたCNTの濃度から決定することができる。分散CNTを含む溶液を、メッシュスクリーン上に、製造プロセスでは連続ベルトまたはメッシュスクリーン上に充填する。フィルタ材料の連続層が、メッシュスクリーンの外表面に位置合わせされ、これに沿って通過し、CNTの保持フィルタとして機能する。フィルタ材料は、水または分散液に対して不溶性かつ非吸水性であることが好ましく、ナイロンを含めた親水性材料、およびテフロン(登録商標)を含めた疎水性材料をどちらも含むことができる。該当する場合、親水性または疎水性コーティングをフィルタ材料の基礎構造に施すこともできる。フィルタ材料は、本明細書において、スクリム(scrim)とも呼ぶ。フィルタ材料には、幅10インチ(25cm)〜60インチ(152cm)で連続的な線長さの、連続材料ウェブを含めることができる。長さは、結果として生じるCNT不織布シートを、同一の製造場所(後述する)における乾燥に続き、スクリムから連続的に取り外すか、または遠隔で加工するかどうかに応じて、材料スプールもしくはロール、または連続材料ループとすることができる。

0063

CNTは、親水性を向上させるように処理した後であっても、本質的に水溶液に分散不良である。分散後であっても、CNT、特に長いアスペクト比を有するCNTは、水性分散液中で束またはより大きな凝塊状塊に軟凝集または凝結する傾向にある。したがって、連続プロセスの条件は、CNT懸濁液の液溜まり発生を抑制または防止し、分散させたCNTの固有の軟凝集または凝集しやすい傾向を管理および制御しなければならない。

0064

次いで、充填されたフィルタ材料は、分散し絡み合ったCNTから、フィルタ材料の開口を介して分散液を引き出す、真空ゾーンまたは真空ボックスを通過する。メッシュスクリーンまたはベルトは、典型的にはステンレス鋼であり、フィルタ材料が真空ゾーン(真空ボックスとも呼ぶ)を通過するときにこれを平面内で支持するのに十分なワイヤメッシュパターンを有する。真空(圧力)の強度または大きさ、および真空ゾーン(または滞留時間)の長さは、ほぼすべての自由分散溶液をフィルタ材料上から引き出すのに十分であるとともに、分散させたCNTが、典型的にはランダム配向および均一分布パターンで、フィルタ材料上に付着することも可能にする。均一分布したCNTは、フィルタ材料の全幅にわたって、均一の黒い材料表面のように見えることになる。典型的には、CNTシート構造体は、10%以下の変動係数(COV)の均一性を有し、COVは、よく知られている従来の方法によって決定される。本発明のある面において、不織布シートに含まれるカーボンナノチューブ(CNT)は、不織布シートの全域にわたって連続マトリックスまたは位相を形成し、そこでCNTは、その長さに沿って、1つまたは複数の隣接するCNTと直接接触する。真空ボックスの長さおよび幅寸法の選択は、必要に応じて、異なるCNT長およびCNT不織布シート坪量のために最適化することができる。

0065

結果として生じるCNT構造体の所望の坪量は、プロセス条件、装置および使用材料を含め、いくつかのパラメータの影響を受ける。一般に、必要な坪量が大きいほど、必要なCNT濃度が高くなるか、及び/又は分散液充填が大きくなるか、及び/又は真空ゾーン領域が大きくなるか、及び/又は印加真空が高くなるか、及び/又は真空ゾーン上のフィルタ材料の線速度が遅くなる。これらのパラメータのすべてを操作して、CNT不織布シートの特定の所望の特性を、その厚さおよび空隙率を含め、実現することができる。

0066

CNT不織布シート
本発明にしたがって製造されるCNT不織布シートは、単独で使用する場合、または複合構造もしくは複合積層体の一部として使用する場合に、電気的特性を含め多数の機械的および機能的利点ならびに特性を提供することができる。CNT不織布シートならびにその複合積層体および複合構造は、CNTを使用する長い連続的な熱経路および電気経路を、大型構造または装置において構成するために使用することができる。CNT不織布シートならびにその複合積層体および複合構造は、航空宇宙通信および電力線ケーブル風力エネルギ装置スポーツ用具などを含め、非常に幅広い種類の製品および技術において使用することができる。CNT不織布シートならびにその複合積層体および複合構造は、高い強度および電気伝導率を有する軽量で多機能の複合構造として有用である。CNT不織布シートならびにその複合積層体および複合構造は、大部分の従来の製品製造システム一体化することができる、どんな望ましい商業的に有用な幅のロールストック中にも提供することができる。

0067

CNT不織布シートならびにその複合積層体および複合構造によって提供することができる、機能的特性およびその変調の非限定的な例として、導電性複合材料電磁波吸収、その場構造健全性監視落雷防止および消散、水濾過、電磁干渉EMI遮蔽サーマルインターフェースパッドエネルギ貯蔵スーパーキャパシタ、および熱放散が挙げられる。

0068

結果として生じるCNT構造体の所望のCNT坪量は、少なくとも1グラム/平方メートル(gsm)であり、これには、少なくとも1gsm、少なくとも2gsm、少なくとも3gsm、少なくとも4gsm、少なくとも5gsm、および少なくとも6gsmであり、且つ約30gsmまで、約20gsmまで、約15gsmまで、約12gsmまで、約10gsmまで、約8gsmまで、および約6gsmまでを含めた約40gsmまでからなる群から選択されるCNT坪量を含めることができ、約3gsm、約4gsm、約5gsm、約6gsm、約7gsm、約8gsm、約9gsm、約10gsm、および約15gsmとすることができる。

0069

典型的には約4gsm以下の、非常に低い坪量を有するCNT不織布基材は、非常に薄いので、崩れることなく単独でフィルタ材料(スクリム)から分離することができない。超低坪量を有するCNT不織布シートは、それ自体が複合構造の部材を含む粘着性基材を使用して、フィルタ材料から分離することができる。

0070

本発明はまた、CNT懸濁液で加工される2次ウェブ材料も含む。2次ウェブ材料には、低坪量ガラス繊維ポリエステルを含めた熱可塑性樹脂製溶融紡糸または湿式不織布、および炭素繊維ベールまたはウェブを含めることができる。本発明のある態様において、2次ウェブ材料は、CNT懸濁液が加えられ、これを介して分散液が引き出されて、CNT不織布シートを堆積するフィルタ材料とすることができる。他の態様において、2次ウェブ材料はフィルタ材料の上面にレジストリに配置して、二重フィルタ材料を形成することができる。典型的には、CNT不織布シートの乾燥後、2次ウェブ材料は、CNTが付着した基部フィルタ材料から除去される。典型的には、2次ウェブ材料の使用は、上記のような超低坪量CNT不織布シートにも有利である。

0071

CNTの機能化
CNT不織布シートの機能的特性は、分散および懸濁前、またはCNT不織布シートへの成形後の、CNT不織布シートのCNTの処理に影響されることがある。CNT又はCNT不織布シートの処理として、化学的処理又は機械的処理を挙げることができる。

0072

本発明のある面において、CNT不織布シートの機能的特性は、分散および懸濁前のCNTの酸処理、または成形後酸処理に影響されることがある。成形後処理は、CNT不織布シートを酸浴に浸漬し、またはCNT不織布シートに酸性溶液を塗布し、続いて水ですすいで残留酸を除去し、乾燥させることにより、バッチ処理プロセスと連続(ロール)プロセスのいずれかで実施することができる。酸処理は、CNTの非晶質炭素レベルおよび他の欠陥を減少させることにより、CNT純度および品質を向上させると考えられている。強酸(硝酸)でバルクCNT粉末を処理することにより、エンドキャップの切断、およびCNT側壁へのカルボキシル基の導入を引き起こすことができる。CNT側壁へカルボキシル基を添加することにより、CNTの親水性を高めて、水中または他の極性溶媒中でのCNTの分散を向上させることもできる。個々のナノチューブ上の非晶質炭素被膜を除去することにより、架橋結合部の濃度およびより高い曲げ弾性率を高め、それによってより伝導性のあるトンネルおよび接続をもたらすことができる。CNTエンドキャップを切断することにより、カーボンナノチューブの端部から隣接するカーボンナノチューブへの電子移動度トンネリング)を向上させ、電気伝導率を向上させることができる。同様に、成形後酸処理により、電気伝導率を向上させ、構造密度を上げることができる。

0073

CNTを酸処理することにより、CNT相互作用、ならびに電荷搬送および輸送能力を高める。CNTを酸処理することにより、ポリマー複合材料との架橋強化することもできる。いかなる特定の理論によって拘束されるものではないが、酸性酸化中、黒鉛層炭素−炭素結合ネットワークが切断され、さらなる化学的機能化のために広く利用されてきた、カルボキシル基、フェノール基、およびラクトン基の形をとる酸素ユニットの導入を可能にすると考えられる。

0074

CNTの前処理として、CNTを酸溶液に浸漬することを挙げることができる。酸溶液は、濃縮溶液または発煙溶液とすることができる。酸は、有機酸または無機酸から選択することができ、溶液pHが1.0未満とする酸を含むことができる。酸の例として、硝酸、硫酸、およびこれらの混合物または組み合わせが挙げられる。本発明のある態様において、酸は硝酸と硫酸の(質量)比が3:1である。

0075

酸後処理に代えて、またはこれに加えて、CNT粉末または成形されたCNT不織布シートは、その開示の全体が参照により組み込まれるMalik et al, Nanotube Superfiber Materials, Chapter 13 (2014)に記載されているように、低圧大気圧プラズマで機能化することができる。酸素およびヘリウムをそれぞれ活性ガスおよびキャリアガスとして用いるSurfx社製Atomflo 400−D反応器は、CNTおよびCNT不織布シート構造体のプラズマ機能化のための好適なベンチスケール装置を提供する。代替プラズマ装置は、不織布ロールストックを含め、CNT不織布シートの連続的な機能化のための線形プラズマヘッドを備えることができる。大気プラズマ装置は、CNTおよびCNT構造体への損傷を最小限にするまたは防止する酸素プラズマ流を、低温で発生させる。例において、プラズマはヘリウムを一定流量30L/minで供給することによって形成され、O2の流量(0.2〜0.65L/min)が所望のプラズマ電力に従って調整される。MWCNTのプラズマ処理によって誘発される構造的および化学的修飾は、付着を促進するように、または他の機械的または電気的特性を変更するように、調整することができる。さらに、プラズマ機能化を用いて、CNT不織布構造の表面、架橋表面分子清浄化することができ、追加の官能基が付着することができる表面上に他の極性基を生成することさえできる。CNT不織布がプラズマ機能化の影響を受ける程度は、ラマン分光法、XPS、FTIR分光法、および接触角試験によるCNT材料疎水性の変化を使用して明らかにすることができる。

0076

化学的処理の他の例として、カーボンナノチューブの長さに沿ったCNT間接触を減少させる大きな分子を、CNT構造体に添加することが挙げられる。大きな分子の一例として、エポキシドがある。エポキシド機能化は、不織布シートの電気抵抗を増加させることが示されている。隣接するカーボンナノチューブ間の距離をさらに分離するように作用する界面活性剤を、エポキシド機能化CNT分散液に添加することにより、シート抵抗のさらなる増加が示された。このアプローチにより、シート抵抗の20倍の増加が観測され、10gsmの不織布について、シート抵抗を約5オームスクエア(Ω/□)から約100Ω/□まで増加させた。

0077

化学的処理の他の例として、CNTのフッ素処理が挙げられる。バルクCNT粉末またはCNTシートもしくはCNT構造体を、フッ素ガスで処理することができる。フッ素化は、電気絶縁体になるまでCNTの抵抗を増加させることができる。このプロセスは、250℃を超える温度でフッ素ガスを使用して、個々のカーボンナノチューブの側壁にC−F結合を作り出す。

0078

電気伝導率を高めるため、または抑えるため、導電性もしくは抵抗性粒子または繊維をCNTに添加することもできる。非限定的な例として、より長尺のCNTの分散液にガラス繊維群を添加すると、シートの電気抵抗および機械的特性が増加した。例えば、1.0gsmのCNTシート(CNTベースのみ)の電気抵抗は、約50Ω/□から約60Ω/□まで増加して20%増加するとともに、複合材料全体の坪量は26.0gsmまで増加する。注目すべきことに、このような低坪量(約2gsm)で高い均一性を維持するために、高シート抵抗混合物において(ポリエステル上で)、グラフェンおよびカーボンナノ繊維充填材として使用される。

0079

本発明はまた、長尺CNTと短尺CNTのどちらか、または長尺CNTと短尺CNTの両方を使用して、本明細書に述べるような構成および動作の変更を含むことができる湿式不織布装置上で、低坪量(2gsm)不織布シートを作製することも含む。

0080

CNTシート構造体内の電気伝導率は、CNTシートの機械的処理および加工によって、高めるか又は抑えることができる。第1に、および簡単に、坪量を増加させてシート抵抗を低下させることができる(追加的シート重量および厚みを犠牲にし、その結果として伝導率を上昇させる)。実験的に、前処理したCNTシートの坪量の増加に伴い、シート抵抗が約0.2Ω/□で「最低値になる」ことが分かった。

0081

CNTの層または不織布シートの電気伝導度を増加させる(シート抵抗を低下させる)ための機械的方法には、シート内のCNTの改善された配向およびシート内のCNT層高密度化をもたらす方法が含まれる。さらに、水性分散液中でのCNTの改善された分散は、不織布CNTシート内により高密度に充填されたCNTを提供し、不織布シート内のより高密度のCNT充填は、より伝導性のシート、および異なる機械的または物理的特性をもたらす。研究されている別のアプローチは、マイクロ波励起によるCNT側壁の酸化である。このアプローチは、より良好な分散を可能にし、それによってより高密度の不織布をもたらすという点で、酸処理に類似している。

0082

CNT構造体の連続シート製造プロセス
CNT構造体を形成する製造プロセス100で有用な、本発明の装置110を図2図4に示す。水溶液に混合することによってCNTを分散させ、混合/貯蔵タンク101内に収容する。混合/貯蔵タンク101内に収容したCNT懸濁液104は、遠隔で調製してCNT構造体製造設備に移すか、又は製造所で調製することができる。CNT構造体を製造する第2の工程は、一定量のCNT懸濁液をフィルタ材料上に通過させ、フィルタ材料を介してCNT懸濁液の分散液を引き出して、フィルタ材料上にCNTの均一分散液を提供することを含む。水中のCNTのCNT懸濁液104を、典型的には連続シートフィルタ材料またはスクリム132を介して、連続多孔ベルト130上に、制御された体積比率で、ポンプ102によって供給するか、又は重力によって流し込む

0083

連続多孔ベルト130は、典型的には、金属製、プラスチック被覆金属製、熱可塑性、又は複合の、搬送ベルト、メッシュ又はスクリーンである。連続多孔ベルト130は、フィルタ材料からの最終的なCNT構造体の分離および製品ローラ192へのその保管のためを含めて、湿式装置110、乾燥機180、およびローラ136を通るベルトの工業的耐久性および確実な処理を提供する、ヒンジ部またはヒンジ部分を有することができる。湿式不織布加工装置における多孔ベルト130の従来の構造は、ナノサイズCNTの濾過が極めて不十分なために、連続ベルト130の開口を通って容易に流れ出てしまい、これは別個の多孔質フィルタ材料が必要であることを示している。連続多孔ベルト130は、多孔ベルトを装置の経路を通って引き出すために、流れ方向に低い伸張性または伸縮性を有するべきである。一般に、直接堆積したCNT構造体は、特に工業的または商業的プロセスにおいて、多孔ベルトから分離するのが困難な場合があるため、CNT懸濁液からCNTを濾過するためのフィルタ材料として多孔ベルト130を使用すべきではない。

0084

連続多孔ベルト130は、連続多孔質担体材料132として示してあるフィルタ材料を搬送しながら、連続ループまたはベルト状に、装置110全体にわたってその中を通る。

0085

連続多孔質担体材料は、担体材料をフィルタ材料としても使用する場合に、分散液を適量の真空又は圧力で引き出すのを可能にするのに十分な大きさであるが、分散させたCNTが多量に通過するのを防ぐのに十分な小ささである、孔または開口を有する、柔軟な弾力性のあるシート材料である。開口(円形、正方形、またはその他の形状)の大きさは、典型的には約0.1ミクロンから約10ミクロンまでの大きさであり、空隙率(開口面積)は、典型的には、約20%〜約80%であり、約30%、約40%、または約50%からなる群から選択される。

0086

連続多孔質担体材料(全体としてスクリムと呼ぶ)132は、装置110を通り且つこれに沿って形成中のCNT構造体を引くための安定構造を提供し、製造中の引き裂きおよび劣化を防止する。スクリムは、典型的には供給ローラ138から出され、動く連続多孔ベルト130の上面に設けられ、CNTシート製品の取り外し後、連続多孔ベルト130から分離され、再利用ローラ139に再び巻かれて、その後供給ローラ138として再利用される。連続多孔質担体材料132の他の機能は、連続多孔ベルト130と比較して、より平面的で滑らかな濾過面を提供することであり、それによって、結果として生じるCNT構造体に改善された平面的均一性をもたらす。

0087

連続フィルタ材料132は、分散液からのCNT材料の1次濾過を提供することができ、この場合、濾過スクリムと呼ぶことができる。濾過スクリム132は、疎水性材料と親水性材料のどちらかを含むことができる。好適な疎水性材料は、高空隙率のテフロン(登録商標)メッシュである。疎水性は、結果として生じるCNT構造体の、テフロン(登録商標)メッシュスクリムからの好適で申し分のない剥離をもたらす。好適な親水性材料は、高空隙率のナイロンメッシュである。

0088

装置110は、平面状の上面112を有するテーブル111を含み、テーブル111の長さに沿って、連続多孔ベルト130を入口端部114から出口端部116まで引き出す。装置110の平面状の上面112の中央部分には、複数の真空スロット120が、長さに沿って直列に形成され、上面112の幅を横切って延びる。真空スロット120は、濾過されたCNTから分散液を真空下で引き出す(124)ために配置される。複数の真空スロット120のそれぞれによる真空能力は、真空ボックスを横断する経路に沿った、連続フィルタスクリム132上へのCNTの堆積および固定を改善するために、独立に制御することができる(122)。1つまたは複数の真空スロット120に沿って加えられる真空は、独立に制御することができる。典型的な真空は、約−2.5psi〜約−14psiの範囲内を含め、少なくとも−1.0psigであり、典型的な真空勾配は、真空ボックスの長さ(流れ方向)に沿って約2psi〜約11psigであり、120aなどの最先の真空スロットに、より強い真空が加えられる。複数のスロット120は接近離間することができ、単一の拡大真空開口を使用して、実質的に連続的な真空領域を提供することができる。あるいは、複数のスロットは、CNTの残りの流入プールまたは通過する濾過中のCNT構造体に真空力を加えず、中間面をこれらの間に挟んで離間することができる。

0089

本発明の装置の真空ボックスの物理長は、従来の湿式不織布プロセスにおける真空ボックス長の少なくとも5〜10倍と見込むことができる。CNT溶液の流入プールが真空濾過にさらされる真空滞留時間は、約10秒まで、および約1秒までを含め、約1分までとすることができる。

0090

本発明の装置および方法の製造ライン速度は、少なくとも約1フィート/分(fpm)であって、少なくとも約10fpm、少なくとも50fpm、および約100fpm以上までを含める。

0091

フィルタスクリム132、例えばテフロン(登録商標)メッシュスクリム材料の疎水性および空隙率は、フィルタスクリム132の前進する平面上に、CNT懸濁液の溶液の液溜まり発生をもたらす場合がある。液溜まり発生は、水性CNT分散液の溶液(分散させたCNTを有する親水性溶液)が、疎水性のフィルタスクリム132上に、典型的にはこれらの界面張力の差によって、不連続な分離した液溜まりを形成する場合に生じる。CNT懸濁液の溶液の液溜まりが生じたフィルタスクリムの下面に任意の真空力を加えることにより、液溜まり中のCNTが、濾過されたCNTの不連続な断片をなす。

0092

CNT濾過およびCNT構造体の均一性に影響を与え得る別の要因は、CNTの水溶液分散性である。CNTは、向上した親水性を与えるように処理された後であっても、本質的に水溶液分散性が不良である。分散後であっても、CNT、特に高いアスペクト比を有するCNTは、水性分散液中で、束またはより大きな凝塊状塊に軟凝集または凝結する傾向にある。連続プロセスの条件を管理して、CNT懸濁液の液溜まり発生を抑制または防止し、分散させたCNTの固有の軟凝集または凝集しやすい傾向を制御するのがよい。

0093

本発明のある態様において、装置110は、装置の壁によって3方を囲まれ、位置決め可能なスールスゲート142によって下流側を囲まれた、リザーバまたは「ヘッドボックス」140を入口端部114に備え、スールスゲート142は、リザーバ140内のCNT分散液量144の一部が、スールスゲート142の下端の下を流れることを可能にする。スールスゲート142下の開きは、フィルタスクリム132を有する連続多孔ベルト130をその下に通し、CNT懸濁液の制御された量および深さがリザーバから流出することを可能にするのに十分である。スールスゲート142の下流側118は、スクリム132の移動方向に流れるCNT懸濁液の流入プール146である。真空スロット120に向かって流れるプール領域118内の流入プール146の大部分の速度v2は、動くスクリム132の線速度の2倍以上、5倍まで、および10倍までである。装置110の幅にわたる流入プール146の深さは均一であり、フィルタスクリム132の全面に広がりこれを覆うのに十分であって、真空スロット120に達する前に溶液の液溜まり発生を防止する

0094

スクリム132上を前進する流入プール146が、第1の真空スロット120aに達するとき、CNT分散液中の液は、フィルタスクリム132を介して強く引き出され、それによって、フィルタスクリム132上にCNTの第1の部分または層を固定し硬化させる(図3)。スクリム132上の流入プール146が前進して、第2および次の真空スロット120に達するとき、CNT層の追加部分が、フィルタスクリム132の上面に固定および堆積される。いかなる特定の理論によって拘束されるものではないが、フィルタスクリム132(または多孔質フィルタ材料、および以下に説明する2次ベール濾過層)の上面に、濾過されたCNTの均一層を設けることは、フィルタスクリム132の界面を変更し、CNT懸濁液によってその表面の湿潤を向上させ、それによって、フィルタスクリムのもたらされた面上の液溜まり発生を最小限にし、除去すると考えられる。

0095

前進する流入プール146が、フィルタスクリム132とともにさらに前進するにつれて、連続する真空スロット20によってより多くの液体がフィルタスクリム132を介して引き出されるので、その速度v2は遅くなる。これはまた、フィルタスクリム132上でこれに沿って、CNTの密度および厚みを増加もさせる。流入プール146の速度低下は、上流の流入プール146内のCNTのどんな軟凝集した束または塊でも、堆積中のCNT構造体の後方に「集まる」ことを可能にし、それによって、均一性を向上させ、CNTの密度および厚みのばらつきを低減する。最終的に、十分な量の分散液が引き出されるとき、流入プール146の前縁は「乾燥し」、CNTのすべてがフィルタスクリム132上に堆積する。CNT構造体150が最後の真空スロット120fを出るとき、CNT分散液からのほぼすべての液体が、フィルタスクリム132を介して引き出される。

0096

水または他の分散液の大部分を取り除いた後、対流、接触、方射乾燥機180(図4)を使用して、前進する連続的なCNT構造体150を乾燥させてCNTシートにする。乾燥させた連続CNTシート155は、フィルタスクリム132から分離され、製品ローラ158に巻き取られる。分離されたスクリム132は、スクリム132としてプロセスで再利用するために、再利用ローラ139に巻き取られる。

0097

図7および図8は、フィルタスクリム132上をその移動方向に流れる流入プール146に、制御された量および深さのCNT懸濁液を供給する代替装置および方法を示す。図7は、CNT懸濁液244の深さを含むのに十分な壁と、開口部274を有する底面272とを備えるコンテナ242を示す。コンテナ242は、フィルタスクリム132の幅にわたって延びて、開口部274を通って流れるCNT溶液をプール領域118内で分配する。開口部274は、流入プール146の深さを、フィルタスクリム132の面上のCNT懸濁液の液溜まり発生を防止するのに十分なように維持するような、面積の大きさに作られ、数が設けられる。図8は、マニホールド373および複数の噴射ノズル374を含む、噴射分配装置342を示す。複数のノズル374は、フィルタスクリム132の幅にわたって延びて、ノズル374を通って流れるCNT溶液をプール領域118内で散布する。ノズルの寸法、数、および分配は、同様に、流入プール146の深さを、フィルタスクリム132の面上のCNT懸濁液の液溜まり発生を防止するのに十分なように維持する。

0098

図5は、CNT構造体を形成するための類似の製造方法における装置110を示しており、2次ベール層192は、ベール供給ローラ190から引き出され、ローラ196でスクリム132の動く上面に連続的に設けられて、ベール担体積層体194を形成する。次いで、ベール担体積層体194は、上記のベルト130上に連続的に設けられ、テーブル、ヘッドボックス、および真空スロット装置110をこれらに沿って通過する。実質的に上述したように、CNT懸濁液は、ベール担体積層体194に加えられ、その全体に流入し、それを通して濾過されて、ベール担体積層体194上に連続的なCNT構造体150を形成する。この態様において、ベール層192を1次フィルタ材料として、CNTがベール層の上面および要素に直接濾過されるようにすることができるか、又はスクリム(フィルタスクリム)を1次フィルタ材料として、CNTの初期層がベール層材料を通過し、フィルタスクリム132上で固定および濾過され、残りの濾過されたCNTがベール層の上面に層をなすようにすることができ、あるいはこれらの組み合わせとすることができる。CNT構造体150の形成および乾燥後、CNT構造体150の複合層156およびベール層192は、担体材料132から分離して、製品ローラ158に保存することができる。担体材料132は、スクリム132としてプロセスで再利用するために、再利用ローラ139に巻き取られる。

0099

図6は、CNT構造体を形成する、さらなる類似の製造方法における装置110を示し、連続多孔質担体ベール層198は、担体ベール供給ローラ197から引き出され、連続搬送ベルト130の動く上面に連続的に設けられる。次いで、担体ベール層198は、テーブル、ヘッドボックス、および真空スロット装置110をこれらに沿って通過する。実質的に上述したように、CNT懸濁液は、担体ベール層198に加えられ、その全体に流入され、それを通して濾過されて、担体ベール層198上に連続的なCNT構造体150が形成される。この態様において、担体ベール層198はCNT懸濁液の1次フィルタ材料である。連続的なCNT構造体150の形成および乾燥後、CNT構造体150の複合単一層157および担体ベール層198は、ベルト130から分離して、製品ローラ158に保存することができる。

0100

上記の製造方法で製造した、結果として生じるCNTシートは、均一性ならびに多種多様な技術および工業的用途のための完全性を有する、低密度で低坪量のCNT構造体を有することができる。当該方法はまた、SWCNTとMWCNTのどちらか、またはこれらの組み合わせから、効果的なCNTシートを形成する柔軟性も与える。例えば、長さの中央値が50ミクロンを超え且つアスペクト比が5,000を越えるSWCNTを使用すると、厚みが40ミクロンであり且つ相対密度が0.5であるCNTシートは、坪量約20gsmをもたらし、長さの中央値が100ミクロンを超え且つアスペクト比が5,000を越えるMWCNTは、厚みが40ミクロンであり且つ相対密度が0.25であるCNTシートを形成し、その坪量は約10gsmである。

0101

製造されたCNT構造体の所望の坪量は、少なくとも2gsm、少なくとも3gsm、少なくとも4gsm、少なくとも5gsm、および少なくとも6gsmであり、且つ約30gsmまで、約20gsmまで、約15gsmまで、約12gsmまで、約10gsmまで、約8gsmまで、および約6gsmまでを含めて、40gsmまでとすることができ、約3gsm、約4gsm、約5gsm、約6gsm、約7gsm、約8gsm、約9gsm、約10gsm、および約15gsmとすることができる。

0102

製造されたCNT構造体の相対密度は、約1.0以下とすることができ、約0.8以下、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、および約0.3以下とすることができ、例えば0.25などとすることができる。このような相対密度は、当技術分野で説明されているバッキーペーパの相対密度を大きく下回り、良好な均一性および構造的安定性許容可能な厚み、ならびに大幅に低い坪量をCNTシートに与える。

0103

湿式CNTシートはまた、水性架橋性合成ポリマーを含む結合剤を利用して、柔軟性および強度をもたらすことができる。

0104

上述した2次層を用いてCNT構造体を支持することができ、複合シート製品を形成して、CNTシートの機械的特性および取り扱い(加工性)を向上させることができる。本明細書において複合シート中のベール層とも呼ぶ2次層は、典型的には織物または不織布であり、典型的には多孔質で柔軟性がある。本発明のある態様において、ベール層は非伸縮性または非拡張性(non-stretchable or non-extensive)であり、複合シート製品の伸縮を制限するか又はその存在を示す。ベール層は、湿式プロセスにおいてCNTで加工することができ、これを介して、およびこの上には、CNTおよびどんな混合補助構成要素でも真空成形することができ、または後積層することができ、あるいは形成されたCNTシートと同一の広がりをもって製造することができる。好適なベール層の例には、炭素繊維ベール、ポリエステルベール、またはPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)ベールを含めることができる。

0105

本発明の他の態様において、湿式不織布装置は、懸濁したCNT、繊維、またはその他の物質の第2の分散CNT溶液を、メッシュスクリーン上に堆積するための、複数のヘッドボックスを含むことができる。図9は、連続ベルト130の長さに沿って直列に配置された、2つ以上のリザーバまたはヘッドボックス(ヘッドボックス140、240、340として図示する)、および真空ボックスを有する対応する2つ以上のテーブル(テーブル111、211、311として図示する)を含む、湿式不織布装置300の概略図を示す。第2の分散CNT溶液の懸濁したCNT、繊維、または物質は、第1の水溶液のCNTと同一のまたは異なる物理的特性を有するか、あるいは同一のまたは異なる機能的特性を有する、第2の量またはタイプのCNTを含むことができる。第2の水溶液のCNT、懸濁した繊維または物質は、他のナノサイズまたはミクロンサイズの繊維または物質を含むことができる。結果として生じるCNTシート350は、先に述べたように、乾燥され、製品ローラに巻き取られる。図9はまた、2次ベール層192を、第1のヘッドボックス140より前に設けることができることも示す。同様に、および任意に、第2のベール層292を、第2のヘッドボックス240より前に設けて、第1のベール層192および第2のベール層192の積層体を、これらの間に第1のヘッドボックス140からのCNT構造体を挟み、この上に第2のヘッドボックス240からのCNT構造体を配置して、提供することができ、また、第3のベール層392を、第3のヘッドボックス240より前に設けて、第1のベール層192、第2のベール層292、および第3のベール層392を、これらの間に第1のヘッドボックス140および第2のヘッドボックス240からのCNT構造体を挟み、この上に第3のヘッドボックス340からのCNT構造体を配置して、提供することができる。任意に、結果として生じるCNTシート350上に、第4のベール層(図示せず)を設けることができる。

0106

ある例示的な態様において、第1のヘッドボックス140は、長尺CNTを含む分散CNT溶液を堆積して、スクリム上に長尺CNTの基層を形成する。第1のヘッドボックス140の下流の第2のヘッドボックス240は、短尺CNTを含む第2の分散CNT溶液を堆積し、短尺CNTは、短尺CNTの第2の層として、長尺CNTの基層上で分布および濾過される(211)。第3のヘッドボックス340は、長尺CNTを含む第3の分散CNT溶液を堆積し、長尺CNTは、長尺CNTの最上層として、短尺CNTの第2の層または中間層上で分布および濾過される。

0107

第2の態様において、第1のヘッドボックス140は、長尺CNTを含む分散CNT溶液を堆積して、スクリム上に長尺CNTの基層を形成する。第1のヘッドボックスの下流の第2のヘッドボックスは、短尺CNTを含む第2の分散CNT溶液を堆積し、短尺CNTは、短尺CNTの第2の層として、長尺CNTの基層上で分布および濾過される(211)。第3のヘッドボックス340は、熱可塑性繊維を含む第3の分散CNT溶液を堆積し、熱可塑性繊維は、熱可塑性繊維の最上層として、短尺CNTの第2の層または中間層上で分布および濾過される(311)。

0108

その他の態様において、A)長尺CNT、B)短尺CNT、C)その他のまたは熱可塑性繊維の任意の組み合わせを、ABA、ABB、ABC、ABC、CBA、CBC、ACAなどの幅広いバラエティのいずれかの順序で、不織布層中に調製することができる。

0109

本発明の他の態様において、第2のヘッドボックスは、第1のヘッドボックスから形成された濾過された不織布構造体上に塗布することができる処理溶液を有することができる。非限定的な例として、CNT不織布構造体を通過し、CNTの機能的特性の変化をもたらすのに十分な時間にわたって維持される、酸性溶液を挙げることができる。任意の第3のヘッドボックスは、(酸)処理に続いて残留処理(酸性)溶液を除去するために、すすぎ溶液を有することができる。

0110

第2のヘッドボックスおよびそれに続くヘッドボックスは、有効なウェブ形成を確保し、第1の(または前の)ヘッドボックスによって堆積された、CNTまたは他の繊維もしくは物質の第1の堆積層の、第2の(または次の)ヘッドボックス内での解体を防止するのに十分な距離だけ、真空ボックスより下流に配置することができる。

0111

代替的な態様において、フィルタ材料の別々の横方向ゾーンに異なる不織布材を堆積するために、2つ以上のヘッドボックスを、対応する真空ボックスとともに、メッシュスクリーン上に並んで平行に配置することができる。第2のおよび次の下流のヘッドボックスも設けることができる。

0112

ある例において、湿式不織布装置は、3種類の繊維の液体懸濁液の連続湿式積層のために、3つのヘッドボックスおよび3つの真空ボックスを有する。非限定的な例として、第1および第3の懸濁液は、酸処理された長尺CNTの水溶液である。第2の懸濁液は、短尺CNTの水溶液である。結果として生じる不織布CNTは、2つの長尺CNT層の間に挟まれた短尺CNT層を含む。

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