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技術 高分子繊維を含む構造体

出願人 ディーエスエムアイピーアセッツビー.ブイ.
発明者 ボスマン,リゴベールエンゲルス,トムアントニウスフィロメーナブラスブロム,マーティンピーターマリスセン,ロールフアッカース,ベンジャミンビー.
出願日 2015年6月29日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2016-568028
公開日 2017年9月28日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-528607
状態 特許登録済
技術分野 合成繊維 糸;糸またはロープの機械的な仕上げ 不織物
主要キーワード 張力抵抗 端部固定具 懸架体 張力システム 海洋プラットフォーム 屈曲負荷 粘塑性 剛性相
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題・解決手段

本発明は、静的に決定または静的に過剰決定された構造体を形成するように相互接続要素によって連結された剛性要素を含む構造体に関し、前記構造体は、少なくとも0.3%および最大でも10%の安定化クリープと、1×10−5%/秒未満の最小クリープ率とを有する高分子繊維を含む少なくとも1つの張力要素を含み、前記安定化クリープおよび最小クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で測定される。また本発明は、骨組み構造体、好ましくはスペースフレーム懸架体プラットフォーム、好ましくは海洋プラットフォーム;またはスポークを含む車輪である前記構造体にも関する。さらに、本発明は、静的に決定または静的に過剰決定された構造体、好ましくは骨組み構造体(例えば、スペースフレームなど)のため;懸架体のため;プラットフォーム、好ましくは海洋プラットフォームのため;またはスポークを含む車輪のための、少なくとも0.3%および最大でも10%の安定化クリープならびに1×10−5%/秒未満の最小クリープ率を有する高分子繊維の使用に関し、前記安定化クリープおよび最小クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で測定される。

概要

背景

概要

本発明は、静的に決定または静的に過剰決定された構造体を形成するように相互接続要素によって連結された剛性要素を含む構造体に関し、前記構造体は、少なくとも0.3%および最大でも10%の安定化クリープと、1×10−5%/秒未満の最小クリープ率とを有する高分子繊維を含む少なくとも1つの張力要素を含み、前記安定化クリープおよび最小クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で測定される。また本発明は、骨組み構造体、好ましくはスペースフレーム懸架体プラットフォーム、好ましくは海洋プラットフォーム;またはスポークを含む車輪である前記構造体にも関する。さらに、本発明は、静的に決定または静的に過剰決定された構造体、好ましくは骨組み構造体(例えば、スペースフレームなど)のため;懸架体のため;プラットフォーム、好ましくは海洋プラットフォームのため;またはスポークを含む車輪のための、少なくとも0.3%および最大でも10%の安定化クリープならびに1×10−5%/秒未満の最小クリープ率を有する高分子繊維の使用に関し、前記安定化クリープおよび最小クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で測定される。なし

目的

本発明の目的は、従来技術の不都合を回避する構造体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

静的に決定された構造体または静的に過剰決定された構造体を形成するように相互接続要素によって連結された剛性要素を含む構造体であって、前記構造体が、少なくとも0.3%および最大でも10%の安定化クリープと、1×10−5%/秒未満の最小クリープ率とを有する高分子繊維を含む少なくとも1つの張力要素を含み、前記安定化クリープおよび最小クリープが、900MPaの張力および30℃の温度で測定される構造体。

請求項2

前記少なくとも1つの張力要素が、900MPaの張力および30℃の温度で測定したときに、少なくとも0.5%および最大でも5%の安定化クリープを有する高分子繊維を含む、請求項1に記載の構造体。

請求項3

前記少なくとも1つの張力要素が、900MPaの張力および30℃の温度で測定したときに、約4×10−6%/秒未満、好ましくは約2×10−6%/秒未満の最小クリープ率を有する高分子繊維を含む、請求項1または2に記載の構造体。

請求項4

前記構造体が2D構造体または3D構造体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の構造体。

請求項5

前記構造体が、骨組み構造体、好ましくはスペースフレーム構造体;懸架体プラットフォーム、好ましくは海洋プラットフォーム、またはスポークを含む車輪である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の構造体。

請求項6

前記構造体が、クリープ安定化繊維を含まない最大3つの張力要素と、クリープ安定化繊維を含む少なくとも1つの張力要素とを含む海洋プラットフォーム、好ましくはオフショア緊張係留式プラットフォームである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の構造体。

請求項7

前記構造体が、クリープ安定化繊維を含まない最大3つの張力要素と、クリープ安定化繊維を含む少なくとも1つの張力要素とを含む海洋プラットフォームであり、前記張力要素の総数が少なくとも4つである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の構造体。

請求項8

前記少なくとも1つの張力要素がクリープ安定化繊維を含み、前記繊維が、好ましくはポリオレフィン、より好ましくはポリエチレン、最も好ましくは超高分子量ポリエチレンを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の構造体。

請求項9

前記少なくとも1つの張力要素がクリープ安定化繊維を含み、前記繊維が、オレフィン分枝または塩素化超高分子量ポリエチレンを含む超高分子量ポリエチレンを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の構造体。

請求項10

前記少なくとも1つの張力要素がクリープ安定化繊維を含み、前記繊維が、アルキル分枝、好ましくはエチルまたはブチル分枝を含む超高分子量ポリエチレンを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の構造体。

請求項11

請求項1〜10のいずれか一項に記載の静的に決定された構造体または静的に過剰決定された構造体を製造するため、好ましくは、骨組み構造体、より好ましくはスペースフレーム;または懸架体;またはプラットフォーム、好ましくは海洋プラットフォーム;またはスポークを含む車輪を製造するための、およそ少なくとも0.3%および最大でも約10%の安定化クリープと、約1×10−7/秒未満の最小クリープ率とを有する高分子繊維の使用であって、前記安定化クリープおよび最小クリープが900MPaの張力および30℃の温度で測定される使用。

発明の詳細な説明

0001

本発明は、高分子繊維を含む、静的に決定された構造体または静的に過剰決定された構造体に関する。さらに、本発明は、特定の用途における前記繊維の使用に関する。

0002

このような構造体は、当該技術分野において、例えば、米国特許出願公開第2008/0250746A1号明細書;米国特許出願公開第2010/0005751号明細書;国際公開第03/002830号パンフレット;および米国特許第5125206号明細書などの文書から一般に知られている。このような構造体の共通の要素の例は、通常、例えば、剛性要素溶接することにより、あるいはジョイントおよびヒンジにより、相互接続要素によって相互接続された張力要素および剛性要素、例えばロッドおよびつなぎ梁(beam tie)などである。剛性要素は、一般的に、張力負荷圧縮負荷および屈曲負荷抵抗できることが知られている。また従来技術では、静的に過少決定された(under−determined)構造体も記載されている。二次元(2D)の静的に過少決定された構造体の一例は本明細書において図1aに示されており、相互接続要素(2)、すなわちヒンジによって相互接続された剛性要素(1)、すなわちロッドを含む。この構造体に力は加えられていない。図1bは、構造体に力F(力は、本明細書では、互換的に負荷とも呼ばれ得る)が加えられた状態の静的に過少決定された構造体を示し、結果として、構造体は対角線上の圧縮力Fの下で変形される。このような高度の変形は通常相互接続要素によって可能になる。従って、静的に過少決定された構造体は、剛性要素の張力抵抗圧縮抵抗および/または屈曲抵抗を取り込まなければ、負荷の下で大きい変形が可能であるため、通常、好ましくない構造体である。同様の考察は、三次元(3D)の静的に過少決定された構造体にも当てはまる

0003

当該技術分野において知られている静的に決定された構造体は図2に示される。張力要素(3)、すなわちロッドの追加は、通常、左下と右上の相互接続要素(2)、すなわちヒンジの間の距離の伸びを防止する。このようにして、図2に示される負荷F以外の方向で構造体に加えられた負荷を含む面内負荷の全ての場合に、力Fによる高度の変形は通常防止され、構造体は安定化される(例えば、壊れない)。

0004

静的に過剰決定された構造体は、通常、外部負荷を支持するために厳密に必要であるよりも多くの構造要素を含有し、その結果、前記構造体が外部から負荷されていない場合でも、このような構造体は内力により負荷され得る。このような構造体に外部負荷をかけると、前記外力は、通常、内力を増大させる。内力および外力の総和は個々の構造要素の負荷容量よりも高い可能性があり、従って前記要素の早期破壊が起こり、続いて構造体全体の早期破壊につながり得る。負荷容量は、本明細書では、構造体または構造体の要素に加えられる力であり、その加えられた負荷に対して前記構造体が抵抗することができない力であると定義される。当該技術分野で知られている静的に過剰決定された構造体の例は、本明細書中図3に示される。図3は、静的に過剰決定された構造体を形成するために、図2に示される構造体に対して別の張力要素、すなわちロッド(4)を追加することを示す。このような構造体は、通常、加えられた任意の負荷に対して抵抗する。しかしながら、効果的な構造体であるためには、ロッド(4)の長さは、通常、左上側と右下側のヒンジ間の距離と同一でなければならない。それは、図2に示されるように、この距離はロッド(3)の追加により既に確定されているからである。ロッド(4)が前記距離よりも長いまたは短い場合、ロッドおよび構造体は、前記距離に合わせるために変形せざるを得ない。このような変形は、通常、剛性要素を含む構造体に力を加えることを必要とする。このような力は、構造体の稼働中も構造体に課せられる、普通は好ましくない内力である。

0005

従来技術では、早期破壊を引き起こし得る、静的に決定または過剰決定された構造体の要素にかかる内力を低減するために、一般的に、油圧装置などの機械装置が使用される。これらの機械装置は、一般に、要素の有効長さを変化させることによって要素にかかる内部負荷を軽減する。また従来技術では、内部負荷を安定化する目的で使用される異なる材料を含む張力要素がこのような構造体において開示される。このような材料の例としては、鋼、ポリエステル繊維ポリエチレン繊維アラミド繊維が挙げられる。しかしながら、鋼は重量が大きく腐食性であり、さらに、鋼を使用する構造体では、高価な油圧装置を用いて張力要素の端部固定具の高さを能動的に調整することによって、異なる張力要素(例えば、海洋プラットフォームテンドン)間の初期長さの相違を相殺する必要がある。ポリエステル繊維はより低い強度を示し、従って、ポリエステルを含有するケーブルなどの非常に太い張力要素が必要とされ、その結果、操作上の問題が生じる。アラミド繊維は、特に塩分を含む海水などのアルカリ性環境で使用される場合に、低い耐摩耗性を示し、耐薬品性が不十分である。ポリエチレン繊維、特に超高分子量ポリエチレン繊維(例えば、ダイニーマ(Dyneema)(登録商標)およびスペクトラ(Spectra)(登録商標))は、構造体のクリープ破壊につながる過度の最小クリープを示す。このようなUHMWPE材料は、例えば、Ocean 2006 Conferenceの抄録(Boston MA,2006年9月,発行元IEEE,Print ISBN:1−4244−0114−3)で発表されたPredicting the Creep Lifetime ofHMPE Mooring Rope ApplicationsにおいてM.P.VlasblomおよびR.L.M.Bosmanにより記載された。

0006

さらに、構造体は一般に非常に長い期間の稼働負荷に対して設計され、この期間中は一般に変動する負荷が生じる。例えば突風による負荷など、負荷の大きさは統計的分布であり得る。さらに、構造体の設計は、通常、寿命の間に構造体の設計強度ベルを超える可能性を非常に低いとすることによって行われ、例えば、オフショアプラットフォームの場合、構造体の操作寿命(例えば、20年)の間に嵐が発生し、その嵐の強度が非常に強く、構造体が抵抗する設計負荷レベルを上回る可能性は、例えばわずか1/1000であるとすることができる。このような高負荷に対する統計的期待値は、このような構造体の寿命の半ばにすることができ、このような構造体の寿命の最初の数週間以内に発生する可能性は極めて低い。さらに、現在の気象予測モデルにより、一般に、このような嵐が通常予期されないタイミングでこのような構造体を設置することが可能である。魅力的戦略は、悪天候条件が非常に稀であるとき(例えば、)にこのようなプラットフォームを設置することであり得る。従って、構造体の設置後の最初の1週間(数週間)またはさらに数カ月の間の一時的な強度低下は許容されるが、強度低下は一時的にすぎないことが所望される。

0007

従って、本発明の目的は、従来技術の不都合を回避する構造体を提供すること、特に、前記構造体に内力および/または外力がかけられたときに、高価な機械装置の使用を必要とせずに、非常に安定しており、内部負荷を低減可能であり、従って早期破壊が回避され、そして同時に軽量で、かつ高い機械的強度を有し得る構造体を提供することである。

0008

この目的は、驚くことに、静的に決定された構造体または静的に過剰決定された構造体を形成するように相互接続要素によって連結された剛性要素を含む構造体によって達成され、前記構造体は、少なくとも0.3%および最大でも10%の安定化クリープ(stabilizing creep)と、1×10−5%/秒未満の最小クリープ率とを有する高分子繊維を含む少なくとも1つの張力要素を含み、前記安定化クリープおよび最小クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で測定される。本発明に従う構造体が、設置してから最初の1週間(数週間)の間に、一般に認められる一時的な強度低下を受けたとしても、驚くことに本発明に従う構造体の強度低下は一時的なものにすぎず、従って前記構造体は、その寿命の大部分にわたって改善された安全性を示すであろう。

0009

独国特許第102008005051B3号明細書の文書がこのような構造体を開示することは真実である。特に、この文書は、ケーブルで張力をかけたスペースフレームワークのためのケーブル構造体を開示しており、この構造体は、ケーブルが支持方向に対して長手方向および横断方向に応力をかけられるように、ノード要素内の長手方向の中間軸のまわりに回転可能に支持され、固定されたスリーブを有する。しかしながら、この文書に記載される構造体は、本発明に従う高分子繊維とは異なる高分子繊維(すなわちケブラー(登録商標)、すなわちパラ−アラミド合成繊維)で作られたケーブルを含み、従って、この文書に記載される構造体は、負荷がかけられたときに早期に破壊するであろう。国際公開第2014/210026A2号パンフレットの文書には、海中のブローアウト防止装置アンカーを含む)、張力システムおよび張力部材係留するための構造体が記載される。この文書に記載される張力部材は、鎖、ワイヤーロープまたはダイニーマ(登録商標)ロープ(米国ノースカロライナ州のDSMDyneemaLLC of Stanleyから入手可能)を含むことができる。前記ダイニーマ(登録商標)ロープは、本発明に従う繊維とは異なる特性を有する繊維から製造されたものであり、従って、この文書に記載される構造体は、負荷がかけられたときに早期に破壊するであろう。

0010

本発明との関連では、静的に決定された構造体は、構造体の基本的機能性のために最小数の構造要素を含有する構造体である。

0011

本発明との関連では、静的に過剰決定された構造体は、前記構造体の基本的機能性のために必要であるよりも多くの構造要素を含有する構造体であるか、あるいは前記構造要素は、任意の外力の存在の有無にかかわらず、内力が構造要素内に存在するように構成される。静的に決定および過剰決定された構造体の一例は、例えば、国際公開第2014/210026A2号パンフレットの文書に記載されており、これは参照によって本明細書中に援用される。あるいは、静的に過剰決定された構造体は、負荷を受けたときに異なる構造張力要素における負荷が同時に起こり得ない(例えば、より短い張力要素では、より長い張力要素よりも負荷が早く生じ得る)構造体であると定義することができ、負荷における負荷の差異は最終負荷に達するまで存在したままであろう。本発明において静的に過剰決定されるという概念は、好ましくは、より多くの構造要素が1つの負荷方向に力を受ける場合にだけ前記負荷方向に限定される。しかしながら、構造体が前記1つの負荷方向以外の方向において静的に過少決定されたとしても、本発明は依然として当てはまる。

0012

本発明に従う構造体は、剛性構造体または半剛性構造体であり得る。半剛性構造体は、本明細書では、1つの負荷方向だけに剛性である構造体であり、例えば、張力要素が圧縮される場合、前記要素は張力負荷に抵抗するだけであり、圧縮負荷には抵抗しない。

0013

本発明に従う構造体内の張力要素は、張力の下で最小限に変形するが、屈曲力および/または圧縮力Fの下で大幅に変形する要素である。張力は、本明細書では、物体伸長するために、同じ線に沿って1つの物体に作用し、互いに離れるように反対方向に向けられた少なくとも2つの力であると定義される。圧縮力は、本明細書では、物体を圧縮または変形するために、同じ線に沿って1つの物体に作用し、互いに向かい合うように反対方向に向けられた少なくとも2つの力であると定義される。屈曲は、本明細書では、いくつかの力の構造成分に対する効果であると定義することができ、これは同じ線に沿って作用せず、このような力は屈曲モーメントトルクと示されることもある)を生じ得る。張力は、要素を伸長する傾向がある。圧縮は、要素を短くする傾向がある。屈曲は、要素の湾曲を変化させる傾向がある。

0014

本発明に従う構造体内の剛性要素は、当該技術分野で知られている任意の剛性要素であり、金属、例えば、鋼およびアルミニウムガラスセラミックコンクリート;石;複合材料および/またはこれらの任意の組み合わせのような任意の材料を含み得る。このような剛性要素の例としては、ロッドおよびつなぎ梁が挙げられる。

0015

本発明に従う構造体内の相互接続要素は、当該技術分野で知られている任意の相互接続要素であり、金属、例えば、鋼およびアルミニウム;ガラス;セラミック;コンクリート;石;複合材料および/またはこれらの任意の組み合わせのような任意の材料を含み得る。このような相互接続要素は移動可能であり得る。すなわち、これらは剛性要素間の相対的回転を可能にしてもよいし、あるいは、例えば溶接により得られるように、これらは剛性要素に固定されてもよい。このような相互接続要素の例としては、ジョイントおよびヒンジが挙げられる。

0016

「繊維」とは、本明細書では、その横方向寸法、例えば、直径、幅および/または厚さよりもはるかに大きい長さを有する長尺体を指すと理解される。また繊維という用語は、例えば、フィラメントリボンストリップバンドテープフィルム、ケーブルなども含む。繊維は、規則的な断面、例えば、楕円形円形矩形正方形平行四辺形;または不規則的な断面、例えば、分葉形状(lobed)、C形状、U形状を有し得る。繊維は連続長を有していても(当該技術分野ではフィラメントとして知られている)、あるいは不連続長を有していてもよい(当該技術分野ではステープル繊維として知られている)。ステープル繊維は、一般に、フィラメントの切断または伸長破壊によって得ることができる。繊維は、種々の断面、例えば、円形、豆形、楕円形または矩形を有する規則的または不規則的な断面を有することができ、これらは撚りをかけられてもかけられなくてもよい。本発明の目的のための糸は、複数の繊維を含有する長尺体である。当業者は、連続フィラメント糸、または連続フィラメント繊維を含有するフィラメント糸と、ステープル糸、またはステープル繊維とも呼ばれる短いフィラメント繊維を含有するスパン糸とを区別し得る。

0017

また、撚りをかけたまたはかけていない複数の繊維は、ケーブルを形成するために材料によって被覆され得る。このような鞘材料の例としては、任意のポリマー系材料、例えば、エラストマー熱可塑性ポリマー熱可塑性エラストマーが挙げられ、そして金属も挙げられる。好ましくは、前記ケーブルは、本発明に従う構造体における緩い、従って不安定な構造的現象を回避するために張力がかけられる。

0018

本発明に従う構造体内の少なくとも1つの張力要素は、好ましくは、少なくとも0.3%、より好ましくは少なくとも0.5%、よりさらに好ましくは少なくとも1%、最も好ましくは少なくとも1.2%、そしてさらに最も好ましくは少なくとも1.5%であり、好ましくは、最大でも8%、より好ましくは最大でも7%、よりさらに好ましくは最大でも6%、最も好ましくは最大でも5%、さらに最も好ましくは最大でも2.5%、そしてさらに最も好ましくは最大でも2%である、900MPaの張力および30℃の温度で測定された安定化クリープを有する高分子繊維を含む。また本発明の構造体内の少なくとも1つの張力要素中の繊維は、約1×10−5%/秒未満、好ましくは約4×10−6%/秒未満、最も好ましくは約2×10−6%/秒未満である、900MPaの張力および30℃の温度で測定された最小クリープ率を有する。最も好ましくは、最小クリープ率は、最大でも約0%/秒である。本発明に従う構造体内の前記少なくとも1つの張力要素は、機械装置を必要とせずに、前記構造体が稼働負荷(in−service load)を受けたときに内力を低下させ、従って各剛性要素の望ましくない長さの相違の全ての調整を個々に制御し、前記構造体に内力および/または外力が作用するときの早期破壊が回避される。そしてこれらは同時に、軽量であり、かつ高い機械的強度を有する。さらに、前記少なくとも1つの張力要素は腐食を示さず、高い耐摩耗特性および耐薬品性を有する。

0019

本発明に従う構造体内の高分子繊維の安定化クリープおよび最小クリープは、本発明の「実施例−キャラクタリゼーション方法セクションに記載される方法によって測定され得る。特に、本発明に従う構造体内の繊維のクリープ特性は、本明細書では、30℃の温度において900MPaの一定の負荷の下でASTMD885M標準法を適用し、次にクリープ応答(すなわち、伸び、%)を時間の関数として測定することによって、マルチフィラメント糸に適用されたクリープ測定から得られた。最小クリープ率は、本明細書では時間の関数としてのクリープの一次導関数によって決定され、このとき、この一次導関数は最小値を有する。安定化クリープは、本明細書では、最小クリープ率の時点のクリープ曲線の接線と鉛直軸との交点によって決定されるクリープ量(伸び、%)と定義される。そのように得られた安定化クリープ値の一次近似は、実際の安定化クリープ値を得るために、弾性歪み値に対して補正される(すなわち、弾性歪み値は、安定化クリープ値の一次推定値から差し引かれなければならない)。

0020

本発明に従う構造体において、少なくとも0.3%および最大でも10%の安定化クリープと、1×10−5%/秒未満の最小クリープ率とを有する高分子繊維(前記安定化クリープおよび最小クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で測定される)は、本明細書では互換的に「クリープ安定化繊維」とも呼ばれ得る。クリープは当該技術分野において既知パラメータであり、通常、材料に加えられる張力および温度によって決まる。高い張力および高い温度の値は、通常、速いクリープ挙動を促進する。従って、クリープ安定化繊維は、クリープ量の増大と共に無視できる値まで、好ましくはゼロまで低下するクリープ率を有する。特定の安定化クリープを有する繊維は、本明細書では、時間依存性挙動、例えば、クリープおよび/または応力−緩和を示す繊維であり、本明細書では、粘弾性または粘塑性挙動を示す繊維と呼ぶこともでき、これは、当業者に知られている用語である。安定化クリープ挙動を有する繊維は、代替的に、前記繊維に負荷がかけられたときに弾性変形およびクリープ変形を示す繊維を意味することもある。クリープは、負荷が除去されたときに、可逆的または不可逆的であり得る。時間依存性の変形率はクリープ率と呼ばれ、繊維がいかに速く前記変形を受けるかの尺度である。初期クリープ率は高いかもしれないが、クリープ変形は、一定の負荷の間に、無視できる(例えば、ゼロ値に近い)か、さらにはゼロであり得る最終クリープ率まで低下し得る。

0021

本発明に従う構造体内の少なくとも1つの張力要素中のクリープ安定化繊維は、任意のポリマーおよび/またはポリマー組成物を含み得る。好ましくは、高分子繊維は、高性能高分子繊維を含む。本発明との関連では、高性能高分子繊維は、アルファオレフィンホモポリマーおよび/またはコポリマーなどのポリオレフィン、例えば、エチレンおよび/またはプロピレンポリオキシメチレンポリ(ビニリジン(vinylidine)フルオリド);ポリ(メチルペンテン);ポリ(エチレン−クロロトリフルオロエチレン);ポリアミドポリアリレート;ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE);ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6として知られる);ポリブテン;ポリエステル、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、およびポリ(1,4シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート);ポリアクリロニトリルポリビニルアルコール、ならびに例えば米国特許第4,384,016号明細書から知られているようなサーモトロピック液晶ポリマー(LCP)を含む群から、またはこれらからなる群から選択される繊維(好ましくは、半結晶性ポリマーを含む)を含むと理解される。これらのポリマーおよびその繊維の製造方法は当業者には知られており、従来技術において既に広く記載されている。また、当該技術分野で知られている任意の方法によってこのような高分子材料から製造される繊維の組み合わせも、本発明に従う構造体におけるクリープ安定化繊維を作製するために使用することができる。

0022

好ましくは、本発明に従う構造体内の少なくとも1つの張力要素中のクリープ安定化繊維は、ポリオレフィン繊維、好ましくは高性能ポリオレフィン繊維、好ましくはアルファ−ポリオレフィン、例えば、プロピレンホモポリマーならびに/またはエチレンホモポリマーならびに/またはプロピレンおよび/もしくはエチレンを含むコポリマーなどを含む。より好ましくは、前記ポリオレフィンは、前記構造体に内力および/または外力がかけられたときに機械装置の使用を必要とせずに内部負荷を低減可能であり、従って早期破壊が回避され、そして同時に、軽量で非腐食性であり、高い耐摩耗特性および耐薬品性を示し、かつ高い機械的強度を有するように、これは、ポリエチレンホモポリマー、さらにより好ましくは高性能ポリエチレン、そして最も好ましくは高分子量ポリエチレン(HMWPE)または超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)である。

0023

高性能糸」または「高性能繊維」は、本明細書では、少なくとも1.2N/tex、より好ましくは少なくとも2.5N/tex、最も好ましくは少なくとも3.5N/tex、さらに最も好ましくは少なくとも4N/texの靱性または引張強さを有する糸(または繊維)、好ましくは高分子糸(または繊維)を含むと理解され得る。実用的な理由から、高性能糸の靱性または引張強さは、最大でも10N/texであり得る。引張強さは、本明細書中の「実施例」セクションで以下に記載される方法によって測定され得る。

0024

高性能糸または繊維の引張係数は、少なくとも40GPa、より好ましくは少なくとも60GPa、最も好ましくは少なくとも80GPaであり得る。前記糸中の繊維のタイターは、好ましくは少なくとも100dtex、さらにより好ましくは少なくとも1000dtex、またさらにより好ましくは少なくとも2000dtex、またさらにより好ましくは少なくとも3000dtex、またさらにより好ましくは少なくとも5000dtex、またさらにより好ましくは少なくとも7000dtex、最も好ましくは少なくとも10000dtexである。

0025

本発明に従う構造体内の少なくとも1つの張力要素は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90重量%、またはさらに100重量%のクリープ安定化高分子繊維を含み得る。

0026

「UHMWPE」とは、本明細書では、135℃のデカリン溶液で測定される際に、好ましくは少なくとも5dl/gの固有粘度(IV)を有するポリエチレンと理解される。好ましくは、UHMWPEのIVは、少なくとも10dl/g、より好ましくは少なくとも15dl/g、さらにより好ましくは少なくとも19dl/g、最も好ましくは少なくとも21dl/gである。好ましくは、IVは、最大でも40dl/g、より好ましくは最大でも30dl/g、さらにより好ましくは最大でも25dl/gである。固有粘度は、MnおよびMwのような分子量パラメータよりも容易に決定することができる分子量(モル質量とも呼ばれる)の尺度である。固有粘度が低すぎる場合、UHMWPEから製造される種々の物品を使用するために必要な強度を得られないことがあり、高すぎる場合には、繊維の製造の際の加工性などが非常に困難であることが多い。前記高分子材料の平均分子量(Mw)および/または固有粘度(IV)は、所望の機械特性、例えば引張強さを有する繊維を得るために、当業者によって容易に選択され得る。技術文献は、強力な繊維、すなわち高引張強さを有する繊維を得るために当業者が使用すべきMwまたはIVの値だけでなく、このような繊維の製造方法に対しても、さらなるガイダンスを提供する。

0027

好ましくは、UHMWPEを含む繊維は、ゲル紡糸繊維、すなわちゲル紡糸プロセスにより製造された繊維であるか、あるいは溶融紡糸繊維である。UHMWPE繊維の製造のためのゲル紡糸プロセスの例は、欧州特許出願公開第0205960A号明細書、欧州特許出願公開第0213208A1号明細書、米国特許第4413110号明細書、英国特許出願公開第2042414A号明細書、英国特許出願公開第A−2051667号明細書、欧州特許第0200547B1号明細書、欧州特許第0472114B1号明細書、国際公開第01/73173A1号パンフレットおよび欧州特許第1,699,954号明細書を含む多数の刊行物に記載される。

0028

最も好ましくは、本発明に従う構造体内の少なくとも1つの張力要素中の高分子繊維は、クリープ安定化繊維として、オレフィン分枝(OB)を含むポリエチレン、好ましくは高性能ポリエチレン、最も好ましくはUHMWPEを含む。このようなUHMWPE繊維は、例えば、参照によって本明細書中に含まれる国際公開第2012139934号パンフレットの文書に記載される。OBは、1〜20個の間、より好ましくは2〜16個の間、さらにより好ましくは2〜10個の間、最も好ましくは2〜6個の間のいくつかの炭素原子を有し得る。前記分枝が、好ましくはアルキル分枝、より好ましくはエチル分枝プロピル分枝ブチル分枝またはヘキシル分枝、最も好ましくはエチルまたはブチル分枝である場合に、繊維延伸性および安定化クリープに関して良好な結果が得られる。炭素原子1000個当たりのオレフィン分枝、例えばエチルまたはブチル分枝の数は、厚さ2mmの圧縮成形フィルムにおけるFTIRにより、例えば、欧州特許第0269151号明細書(特に、その4ページ)のようなNMR測定に基づいた較正曲線を用いて1375cm−1における吸収を定量化することによって決定することができる。

0029

またUHMWPEは、好ましくは、炭素原子1000個当たり0.01、より好ましくは0.05〜1.30の間、より好ましくは0.10〜1.10の間、さらにより好ましくは0.30〜1.05の間の量のオレフィン分枝(OB/1000C)を有する。本発明に従って使用されるUHMWPEがエチル分枝を有する場合、好ましくは、前記UHMWPEは、炭素原子1000個当たり0.40〜1.10の間、より好ましくは0.60〜1.10の間、またより好ましくは0.64〜0.72の間または0.65〜0.70の間、最も好ましくは0.78〜1.10の間、また最も好ましくは0.90〜1.08の間、または1.02〜1.07の間の量のエチル分枝(C2H5/1000C)を有する。本発明に従って使用されるUHMWPEがブチル分枝を有する場合、好ましくは、前記UHMWPEは、炭素原子1000個当たり0.05〜0.80の間、より好ましくは0.10〜0.60の間、さらにより好ましくは0.15〜0.55の間、最も好ましくは0.30〜0.55の間の量のブチル分枝(C4H9/1000C)を有する。

0030

好ましくは、UHMWPEを含む繊維は、オレフィン分枝を含み、伸張応力ES)を有し、炭素原子1000個当たりのオレフィン分枝の数(OB/1000C)と、伸張応力(ES)との間の(OB/1000C)/ES比が少なくとも0.2、より好ましくは少なくとも0.5であるUHMWPEを紡糸することによって得られる。前記比は、前記UHMWPE繊維が70℃の温度で600MPaの負荷を受け、少なくとも90時間、好ましくは少なくとも100時間、より好ましくは110時間〜445時間の間、好ましくは少なくとも110時間、さらにより好ましくは少なくとも120時間、最も好ましくは少なくとも125時間のクリープ寿命を有する場合に測定され得る。好ましくは、UHMWPEは、少なくとも5dl/gの固有粘度(IV)を有する。UHMWPEの伸張応力(ES、単位N/mm2)は、ISO11542−2Aに従って測定することができる。

0031

UHMWPEは、好ましくは、少なくとも0.3、より好ましくは少なくとも0.4、さらにより好ましくは少なくとも0.5、またさらにより好ましくは少なくとも0.7、またさらにより好ましくは少なくとも1.0、またさらにより好ましくは少なくとも1.2の(OB/1000C)/ES比を有する。本発明で使用されるUHMWPEはエチル分枝を有し、前記UHMWPEは、好ましくは、少なくとも1.00、より好ましくは少なくとも1.30、さらにより好ましくは少なくとも1.45、またさらにより好ましくは少なくとも1.50、最も好ましくは少なくとも2.00の(C2H5/1000C)/ES比を有する。好ましくは、前記比は、1.00〜3.00の間、より好ましくは1.20〜2.80の間、さらにより好ましくは1.40〜1.60の間、またさらにより好ましくは1.45〜2.20の間である。UHMWPEがブチル分枝を有する場合、前記UHMWPEは、好ましくは、少なくとも0.25、さらにより好ましくは少なくとも0.30、またさらにより好ましくは少なくとも0.40、またさらにより好ましくは少なくとも0.70、より好ましくは少なくとも1.00、最も好ましくは少なくとも1.20の(C4H9/1000C)/ES比を有する。好ましくは、前記比は、0.20〜3.00の間、より好ましくは0.40〜2.00の間、さらにより好ましくは1.40〜1.80の間である。

0032

UHMWPEは、好ましくは、最大でも0.70、より好ましくは最大でも0.50、より好ましくは最大でも0.49、さらにより好ましくは最大でも0.45、最も好ましくは最大でも0.40のESを有する。前記UHMWPEがエチル分枝を有する場合、好ましくは、前記UHMWPEは、0.30〜0.70の間、より好ましくは0.35〜0.50の間のESを有する。前記UHMWPEがブチル分枝を有する場合、好ましくは、前記UHMWPEは、0.30〜0.50の間、より好ましくは0.40〜0.45の間のESを有する。

0033

好ましくは、UHMWPE繊維は、エチル分枝を含み、伸張応力(ES)を有するUHMWPEをゲル紡糸することによって得られ、ここで、炭素原子1000個当たりのエチル分枝の数(C2H5/1000C)と伸張応力(ES)との間の(C2H5/1000C)/ES比は少なくとも1.0であり、C2H5/1000Cは、0.60〜0.80の間または0.90〜1.10の間であり、ESは0.30〜0.50の間である。好ましくは、UHMWPEは、少なくとも15dl/g、より好ましくは少なくとも20dl/g、より好ましくは少なくとも25dl/gのIVを有する。好ましくは、UHMWPE繊維は、少なくとも90時間、好ましくは少なくとも150時間、より好ましくは少なくとも200時間、さらにより好ましくは少なくとも250時間、最も好ましくは少なくとも290時間、また最も好ましくは少なくとも350時間のクリープ寿命を有する。

0034

好ましくは、UHMWPE繊維は、ブチル分枝を含み、伸張応力(ES)を有するUHMWPEをゲル紡糸することによって得られ、ここで、炭素原子1000個当たりのブチル分枝の数(C4H9/1000C)と伸張応力(ES)との間の(C4H9/1000C)ES比は少なくとも0.5であり、C4H9/1000Cは0.20〜0.80の間であり、ESは0.30〜0.50の間である。好ましくは、UHMWPEは、少なくとも15dl/g、より好ましくは少なくとも20dl/gのIVを有する。好ましくは、繊維は、少なくとも90時間、より好ましくは少なくとも200時間、さらにより好ましくは少なくとも300時間、またさらにより好ましくは少なくとも400時間、最も好ましくは少なくとも500時間のクリープ寿命を有する。

0035

本発明に従う構造体内の少なくとも1つの張力要素中のクリープ安定化繊維において、またはそのクリープ安定化繊維として使用され得るポリオレフィン、(好ましくはポリエチレン、最も好ましくはUHMWPE)は、当該技術分野において知られている任意のプロセスによって得ることができる。当該技術分野において知られているこのようなプロセスの適切な例は、オレフィン重合触媒の存在下の重合温度でのスラリー重合プロセスである。前記プロセスは、例えば、a)反応器、例えばステンレス鋼反応器に、a−i)重合温度よりも高い温度の沸点を有する非極性脂肪族溶媒(前記重合温度は、好ましくは50℃〜90℃の間、より好ましくは55℃〜80℃の間、最も好ましくは60℃〜70℃の間であり得る。前記溶媒の沸点は、60℃〜100℃の間であり得る。前記溶媒は、ヘプタンヘキサンペンタメチルヘプタンおよびシクロヘキサンを含む群から選択され得る)と、a−ii)共触媒としての、トリエチルアルミニウム(TEA)またはトリイソブチルアルミニウム(TIBA)などのアルミニウムアルキルと、a−iii)0.1〜6バールの間、好ましくは1〜4バールの間、最も好ましくは1.8〜3.2バールの間の圧力のオレフィンガス、好ましくはエチレンガスと、a−iv)アルファ−オレフィンコモノマーと、iv)ポリオレフィン、好ましくはポリエチレン、最も好ましくはUHMWPEを、a)−i)〜a)−iv)の条件下で生じさせるのに適した触媒(前記触媒は、好ましくはチーグラーナッタ触媒である。チーグラー−ナッタ触媒は当該技術分野で知られており、例えば、参照によって本明細書中に含まれる国際公開第2008/058749号パンフレットまたは欧州特許第1749574号明細書に記載されている)とを入れるステップを含み得る。次に、b)重合プロセスの過程で、好ましくは最大でも12バールのガス圧に達するように、例えばガス流を調整することによって反応器内部のオレフィンガスの圧力を徐々に上昇させるステップと、c)ISO13320−1により測定したときに80μm〜300μmの間、より好ましくは100μm〜200μmの間、最も好ましくは140μm〜160μmの間の平均粒径(D50)を有し得る粉末または粒子の形態であり得るポリオレフィン、好ましくはポリエチレン、最も好ましくはUHMWPEを生じさせるステップとを含み得る。

0036

アルファ−オレフィンコモノマーは、必要とされる分枝のタイプを十分に考慮して選択され得る。例えば、エチル分枝を有するポリオレフィン、好ましくはポリエチレン、最も好ましくはUHMWPEを生じさせるためには、アルファ−オレフィンコモノマーはブテン、より好ましくは1−ブテンである。ポリエチレン、好ましくはUHMWPEが使用される場合のガス:総エチレン(NL:NL)比は、最大でも325:1、好ましくは最大でも150:1、最も好ましくは最大でも80:1であり得る。ここで、総エチレンとは、ステップa)−iii)およびb)で添加されたエチレンと理解される。ブチル、例えば、n−ブチル、またはヘキシル分枝を有するポリオレフィン、好ましくはポリエチレン、最も好ましくはUHMWPEを生じさせるためには、オレフィンコモノマーは、それぞれ1−ヘキセンまたは1−オクテンである。好ましくは、ブチル分枝とは、本明細書ではn−ブチル分枝であると理解される。

0037

本発明に従う構造体内の少なくとも1つの張力要素中のクリープ安定化繊維は、代替的に、主ポリマー鎖上に塩素側基を含むポリマー、好ましくはポリオレフィン、より好ましくはポリエチレン、最も好ましくはUHMWPEを含有してもよい。このような繊維は、当該技術分野において既知の任意の方法によって、例えば、ポリオレフィン、好ましくはポリエチレン、最も好ましくはUHMWPEの塩素化によって得ることができる。このような塩素化方法は、例えば、公開された学位論文H.N.A.M.Steenbakkers−Menting,“Chlorination of ultrahigh molecular weight polyethylene”,PhD Thesis,technical University of Eindhoven,The Netherlands(1995)(この文書は参照によって本明細書中に援用される)に記載されている。この文書には、例えば、20〜40℃の懸濁液中;90℃の回転ドラム中、および溶液中でのPE粉末の塩素化が記載されている。可変量の塩素基を有するポリエチレン、例えばHDPEおよびUHMWPEを含む繊維がこの文書に記載されている。

0038

本発明に従う構造体は、本発明に従うクリープ安定化繊維を含む少なくとも1つの張力要素を含み、任意選択的に、クリープ安定化繊維を含まない少なくとも1つの付加的な張力要素を含み得る。少なくとも1つの付加的な張力は、従来技術で既知の張力要素であり、通常、この目的で使用されることが当該技術分野で知られている任意の材料を含む繊維(例えば、アラミド繊維(例えば、ケブラー(登録商標)、トワロン(Twaron)(登録商標)、鋼、ポリエステル繊維)を含み、本発明で定義される任意のクリープ安定化繊維を含まない(すなわち、0重量%のクリープ安定化繊維を含む)。「少なくとも1つの張力要素」は、本明細書では互換的に「少なくとも1つの張力要素A」と呼ぶこともある。「少なくとも1つの付加的な張力要素」は、本明細書では互換的に「少なくとも1つの張力要素B」と呼ぶこともある。

0039

本発明に従う静的に決定された構造体は例えば図4に示されており、これは、図2と同じ構造体を示し、剛性要素(3)、すなわちロッドが、本明細書では第1の張力要素と呼ぶこともある、本発明で定義されるクリープ安定化繊維を含む張力要素(3a)によって置き換えられている点だけが異なる。図4の静的に決定された構造体は、張力要素に張力が課せられるので、力Fが加えられたときに最小限に変形する。圧縮力Fが左上および右下には加えられないが、右上および左下側の相互接続要素、例えば、図4に示されるヒンジに加えられる場合、張力要素は崩壊し、負荷に抵抗できず、結果として図1bの反対方向に変形が生じ得る。

0040

前記構造体に加えられる全ての面内力により良く抵抗する構造体を有するために、本発明に従う構造体は、好ましくは、本発明に従う安定化繊維を含む少なくとも2つの張力要素を含み、それにより、構造体は静的に過剰決定される。張力要素の数の上限に対する制限はないが、実際的な理由だけから、本発明に従う静的に過剰決定された構造体は、好ましくは、限られた数の張力要素を含む。この数は、構造体のタイプの設計詳細(例えば、構造体の幾何学および機能)に依存し得る。このような状況は例えば図5に示されており、ここで、本発明に従う静的に過剰決定された構造体はさらに、本明細書では第2の張力要素とも呼ばれ得る張力要素(4a)を含む。第2の張力要素のために、図5の構造体は、1つの負荷方向だけに抵抗することにもはや限定されない。この構造体は、右上側と左下側の角の間の圧縮負荷にも抵抗する。

0041

本発明の構造体は、好ましくは、安定化クリープ繊維を含まない最大3つの張力要素(すなわち、張力要素A)と、少なくとも0.3%および最大でも10%の安定化クリープ、ならびに1×10−5%/秒未満の最小クリープ率を有するクリープ安定化繊維を含む少なくとも1つの付加的な張力要素(すなわち、少なくとも1つの付加的な張力要素B)とを含み、前記安定化クリープおよび最小クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で測定される。

0042

本発明の構造体は、より好ましくは、安定化クリープ繊維を含まない最大3つの張力要素(すなわち、張力要素A)と、少なくとも0.3%および最大でも10%の安定化クリープ、ならびに1×10−5%/秒未満の最小クリープ率を有するクリープ安定化繊維を含む少なくとも1つの付加的な張力要素(すなわち、少なくとも1つの付加的な張力要素B)とを含み、前記安定化クリープおよび最小クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で測定されるが、張力要素の総数は少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、より好ましくは少なくとも6つである。このような構造体は、静的に過剰決定された構造体、例えば海洋プラットフォーム(または水浮遊プラットフォーム)である。このような構造体において、内力および/または外力が前記構造体に作用しているときに機械装置の使用を必要とせずに、内力が低減され、各テンドンなどの各張力要素の好ましくない長さの差異の全ては、前記海洋プラットフォームが稼働負荷を受ける際に個々に制御及び調整され、従って、早期破壊が回避される。さらに、テンドンの長さの相違に起因する負荷の不均衡による前記プラットフォームの傾斜は小さい。さらに、前記海洋プラットフォームは軽量であり、高い機械的強度を有する。好ましくは、テンドンが異なる長さを有する(すなわち、長すぎるか短すぎる)場合、前記テンドンは、同じ長さを有するテンドンに隣接して配置される。好ましくは、海洋プラットフォームは、少なくとも4つのテンドンまたは少なくとも5つのテンドンまたは少なくとも6つのテンドンを含む。

0043

前記海洋プラットフォームは水上で浮遊してもよいし、あるいは水の表面下に沈んでいてもよい。前記海洋プラットフォームは、例えば、ケーブルなどの張力要素を用いて海底のアンカーに係留することができる。2D配置では、幾何学に依存して、面内にあり得る3つの張力要素が、前記プラットフォームの鉛直方向に静的に過剰決定された挙動を生じ得る。3D配置では、プラットフォームを海底のアンカーに係留し、プラットフォームの鉛直および回転運動に対する抵抗を提供するために、4つ以上の張力要素(例えば、最大10)が典型的に使用される。このようなプラットフォームは、同時に、水平方向に静的に過少決定、決定、または過剰決定された構造体であり得る。本発明の構造体の他の例は、傾斜位置で使用され得る、安定化繊維を含む少なくとも1つの張力要素、例えばケーブルを含む高マストであり得る。図6〜14にいくつかの例が示される。

0044

図6は、スレンダーで柔軟性である2つの張力要素(6)、例えばロッドまたはケーブルにより接続された2つの剛性要素(5)からなる従来技術の静的に決定された2D構造体を示す。要素(6)がスレンダーであることは、前記要素のいくらかの屈曲が、これらの要素に大きい応力を引き起こさないことを意味する。剛性要素(5)に作用する鉛直負荷Fは、要素(6)に均等に分配される。要素(5)の剛性は十分に高く、全ての変形を無視することができる。外部負荷が存在しない場合、要素(6)も負荷されない。図7図6と同様の構造体を示し、付加的な張力要素(7)を含有する点が異なる。要素(7)が要素(6)とは異なる長さを有する場合、残留内力が生じ、これにより要素(7)は要素(6)の内部負荷とは異なる内部負荷を有し、要素(7)または要素(6)のいずれかにかかる内力は、3つの要素の間で共有される平均負荷よりも大きくなり、これは、より大きく負荷された要素の早期破壊を導き得る、あるいは代替の表現では、負荷分配が不均等である。図7の2D構造体は、静的に過剰決定された構造体である。

0045

図7に従う構造体の3D配置(本明細書には示されない)では、2つの剛性要素(5)を有する構造体は、柔軟性であり得る3つの要素(6)が存在する場合に、静的に決定された構造体である。第4の要素(6)が追加される場合、構造体は、静的に過剰決定された構造体になる。しかしながら、剛性体(5)の間に4つ以上の張力要素を追加すると、内部負荷の問題が生じ、構造体は負荷による早期破壊を起こし得る。前記張力要素の少なくとも1つが、本発明に従うクリープ安定化繊維を含む場合、図6および図7の構造体の早期破壊は生じ得ない。図7の3D構造体の好ましい例(本明細書には示されない)は、緊張係留式プラットフォーム、特にオフショア緊張係留式プラットフォームであり、この場合、下側の剛性要素は海底であり、上側の剛性要素はプラットフォームであり得る。そして力Fは、上部剛性要素、例えばプラットフォームを浮かせる浮揚力である。このようなプラットフォームの一例は、参照によって本明細書中に援用される国際公開第2014/210026号パンフレットの文書に示されている。3つの張力要素は、浮揚力を均等に分配するケーブルであり得る。このような構造体は、静的に決定された構造体である。3つよりも多い張力要素、例えば10本のケーブルが適用されると、構造体は、静的に過剰決定されることになる。しかしながら、例えば、海流による移動に抵抗するために4本以上のケーブルの適用が必要なこともあるが、内力および浮揚力の組み合わせにより、あるいは代替の表現では、不均等な負荷分配により、構造体の早期破壊も起こり得る。しかしながら、少なくとも1つの張力要素が本発明に従うクリープ安定化繊維を含む場合、構造体の早期破壊は防止される。

0046

図8に示される静的に決定された2D構造体は、剛性要素(10)、剛性相接続要素(9)および2つの張力要素(8)、例えばケーブルまたはロッドからなる。剛性要素(10)は、例えば、吊り上げる際に重力により負荷Fを受ける。剛性要素にかかる力Fは、相互接続要素にかかる力Fと平衡状態にあり、例えば、Fは吊り上げ力である。力Fは、2つの張力(本明細書ではスレンダーとも呼ばれる)要素(8)に均等に分配され得る。図9の静的に過剰決定された構造体は、図8の構造体と比べて、付加的な張力要素(11)を含む。張力要素(8)または(11)が短すぎるか長すぎる場合、不均等な負荷分配が生じ、構造体の早期破壊が起こり得る。前記張力要素の少なくとも1つが本発明に従うクリープ安定化繊維を含む場合、図8および図9の構造体の早期破壊は起こり得ない。

0047

静的に決定された構造体の3Dの吊り上げは図10に示される。剛性要素(100)は、相互接続要素(200)で懸架される。3つの張力要素(20)、例えばケーブルは、内力を発生することなく負荷を共有する。静的に過剰決定された構造体は、図11に示されるように、第4の張力要素が追加されると得られる。要素(20)または(21)の1つが長すぎるか短すぎて、伸縮せずに剛性要素(100)までの距離に到達できない場合、不均等な負荷分配が生じ、構造体の早期破壊が起こり得る。前記張力要素の1つまたは複数において本発明に従うクリープ安定化繊維を適用することによって、図10および図11の構造体の早期破壊が回避される。

0048

さらなる例は図12に示されており、これは、相互接続要素(12)、例えば車軸と、剛性要素(13)、すなわちリムと、2つの張力要素(16)、例えばスポークとからなる車輪を示す。スポークの機能は、リムから車軸への負荷の伝達である。スポークは、全て、鉛直に配置されるので、車輪は、スポーク方向(車輪がまだ回転していなければ鉛直)の鉛直負荷にだけ効果的に抵抗し得る。スポーク(16)の1つが短すぎて、伸縮せずに剛性要素(13)までの距離に到達できない場合、車輪は静的に過剰決定された構造体であるが、図12の車輪は水平方向の負荷を支持することができないので、完全に機能的ではない。図13は、図12と同じ車輪を示すが、好ましくは3つのスポーク(14)を有する。しかしながら、このような車輪が車輪平面の全ての方向の力に抵抗し得るとしても、このような構造体の不都合は、リムが中間部(2つのリム−スポーク接続部の間)で負荷される場合に、リム内の屈曲負荷が高いことである。このような屈曲抵抗は通常、張力または圧縮抵抗よりも構造体において効率が悪く、静的に過剰決定された構造体の早期破壊を引き起こし得る。図14に示されるようにより多くのスポークを適用すると、リムの屈曲がさらに低減されるが、構造体の過剰決定された特徴は増大されるであろう。前記張力要素の少なくとも1つが本発明に従うクリープ安定化繊維を含む場合、図12〜14の構造体の早期破壊は生じ得ない。

0049

さらに、本発明は、少なくとも約0.3%および最大でも約10%の安定化クリープと、約1×10−5%/秒未満の最小クリープ率とを有する繊維にも関し、前記安定化クリープおよび最小クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で測定される。特定の安定化クリープ値および最小クリープ率の値の組み合わせを有するこのような繊維は内力を低減し、従って、前記構造体が稼働負荷を受けているときに、本明細書で定義される静的に決定または静的に過剰決定された構造体、好ましくは静的に過剰決定された構造体において剛性要素の好ましくない長さの相違の全ての調整を個々に制御し、前記構造体に内力および/または外力が作用する際に高価な機械装置に使用を必要とせずに早期破壊が回避される。同時に、前記繊維を含む構造体は軽量であり、高い機械的強度を有し、腐食を示さず、高い耐摩耗特性および耐薬品性を有する。このような繊維は、本発明で定義されるものと同じ特性および特徴を有する。

0050

本発明はさらに、静的に決定された構造体または静的に過剰決定された構造体、好ましくは静的に過剰決定された構造体における、少なくとも約0.3%および最大でも約10%の安定化クリープと、1×10−5%/秒未満の最小クリープ率とを有する高分子繊維の使用に関し、前記安定化クリープおよび最小クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で測定される。前記構造体、好ましくは静的に過剰決定された構造体の適切な例としては、骨組み構造体、好ましくはスペースフレーム;懸架体;プラットフォーム、好ましくは海洋プラットフォーム;またはスポークを含む車輪が挙げられる。このような繊維は、本発明で定義されるものと同じ特性および特徴を有する。前記構造体、好ましくは前記構造体の少なくとも1つの張力要素において前記繊維を使用することにより、構造体は非常に安定であり、前記構造体に内力および/または外力がかけられたときに高価な機械装置の使用を必要とせずに内部負荷の低減を可能にし、従って早期破壊が回避される。同時に、前記構造体において前記繊維を使用することにより、構造体は軽量であり、高い機械的強度を有し、腐食を示さず、高い耐摩耗特性および耐薬品性を有する。

0051

本発明は、特許請求の範囲に記載される特徴の全ての可能な組み合わせにも関することが注目される。説明において記載される特徴は、さらに組み合わせることができる。

0052

さらに、「含む(comprising)」という用語は、他の要素の存在を除外しないことが注目される。しかしながら、特定の構成要素を含む製品についての説明がこれらの構成要素からなる製品を同様に開示することも理解すべきである。同様に、特定のステップを含むプロセスについての説明がこれらのステップからなるプロセスも開示することも理解すべきである。

0053

本発明は、以下の実施例により、これらに限定されることなく、さらに解明されるであろう。

0054

[実施例]
[キャラクタリゼーション方法]
・ IV:UHMWPEの固有粘度は、ASTMD1601−99(2004)に従って、デカリン中135℃において、16時間の溶解時間で、酸化防止剤として2g/l溶液の量のBHTブチル化ヒドロキシトルエン)を用いて決定される。IVは、異なる濃度で測定された粘度をゼロ濃度まで外挿することによって得られる。
・ dtex:繊維のタイター(dtex)は、100メートルの繊維を量することによって測定した。繊維のdtexは、ミリグラム単位の重量を10で除することによって計算した。
・ 3つのマルチフィラメント糸構造体を含む、特に本明細書中の実施例および比較実験に従う構造体の繊維の引張り特性:引張強さ(または強度)および引張係数(またはモジュラス)および破断時伸び(または破砕時伸び)、破断時の力は、室温(約23℃)および約50%の相対湿度で、繊維の公称ゲージ長500mm、クロスヘッド速度5%/分(伸び率約25mm/分)を使用し、糸の端部固定具としてシリンダを用いて、ASTM D885Mで規定されるように3本のマルチフィラメント糸において定義および決定した。糸用の端部固定具として直径12mmを有する2つのシリンダを用いて試験を行い、各シリンダのまわりに糸を12回巻き付け(一般に、糸は各シリンダのまわりに少なくとも12回巻き付けることができる)、そして各シリンダの底のフックに固定した(すなわち、結び目による)。測定された応力−歪み曲線に基づき、0.3〜1%の間の歪みの勾配として、繊維のモジュラスが決定され得る。モジュラスおよび強度を計算するために、測定される引張力を、10メートルの繊維を秤量することにより決定されるタイターで除し、0.97g/cm3の密度仮定してGPa単位の値が計算される。
・ダイニーマ(登録商標)DM20、ダイニーマ(登録商標)SK75およびトワロン(登録商標)単糸の引張り特性:引張強さ(または強度)および引張係数(またはモジュラス)および破断時伸び(または破砕時伸び)は、室温(約23℃)および約50%の相対湿度で、繊維の公称ゲージ長500mm、伸び率250mm/分、およびタイプ「Fibre Grip D5618C」のInstron 2714クランプを用いて、ASTM D885Mで規定されるようにマルチフィラメント糸において測定した。測定された応力−歪み曲線に基づき、0.3〜1%の間の歪みの勾配として、繊維のモジュラスが決定され得る。モジュラスおよび強度を計算するために、測定される引張力を、10メートルの繊維を秤量することにより決定されるタイターで除し、0.97g/cm3の密度を仮定してGPa単位の値が計算される。
・ 理論上の達成可能な最大強度は、個々の糸の強度値の合計である。本出願で使用される破砕時の試験は、理論上の最大値に等しい強度に対して設計された。これは、試験においてほぼ等しい長さの糸を用いることにより得られた。実際には、長さの相違を回避することはできないので、この理論上の最大値は通常到達されず、従って、実際の最大初期強度と呼ぶこともできる。この状況は、中央の糸の長さを、他の2本の糸の長さと比べて約1.5%低減し、次に強度を測定することによって、破砕に対する試験においてシミュレートされる(実施例「B」)。次の試験(実施例「C」)では、同様の設定を使用したが、この場合は、約1.5%糸の長さの差異は、実施例Bで測定される負荷レベルの60%で2週間負荷した。2週間後、破砕負荷を測定した。結果は、本明細書中の表1に示される。
・クリープ寿命およびクリープ寿命の間の伸びは、国際公開第2012139934号パンフレットの文書に記載されるように決定した。
・ 繊維における安定化クリープおよび最小クリープ率
安定化クリープは、900MPaの張力および30℃の温度で、そして本明細書中の上記「繊維の引張り特性」に記載されるように、クリープ挙動(図15に示されるように、繊維の伸び[%]対前記繊維の時間[秒])をプロットすることにより決定した。接線は、図15のクリープ曲線において、クリープ率が最少である(すなわち、接線の傾きが最少である)位置で作成される。この接線と鉛直軸(伸び[%])との交点により、繊維における第1の量の安定化クリープ値が提供される。安定化クリープは、この交点から弾性歪みの値(%)を引いた値として計算される。弾性歪みは通常、初期の伸び距離(長さの単位、例えばmm)を長尺繊維の元の長さで除した値である。弾性歪みは、クリープ負荷に達した後、例えば、クリープ負荷に達した数秒後に直接測定されてもよいし(例えば、グリップ変位から、好ましくは、繊維上のマーキング間の変位を測定する)、あるいは、繊維、例えば糸に適用された応力(MPaで測定される)を引張係数(応力と同じ単位で測定)で除することによって計算されてもよい。

0055

[実施例1A]
1760dtexのタイター、40回転/メートルの撚り率(twist rate)、32cN/dtexの糸の初期比強度、および1.3×10−6%/秒の最小クリープ率(900MPaの張力および30℃の温度で測定)を有する、商品名ダイニーマ(登録商標)DM20でDSMからの市販されている繊維を含む3本の高分子糸を使用した。糸の長さはほぼ等しかった(それぞれ、公称長さ約50cm)。3本全ての糸を平行な位置に置き、端部を固定して、静的に過剰決定された構造体を形成した。本明細書に記載される方法に従って、前記糸に破砕試験を行った(破断時の力)。結果は表1に示される。

0056

図15において、実施例1Aの糸サンプルの弾性歪みは約0.8%であり、これは、安定化クリープ量が約1.6%から約0.8%を引き、その結果約0.8%であることを意味する。接線(すなわち、クリープ率が最少である位置、すなわち、接線の傾きが最少である位置)と、鉛直軸(伸び[%])との交点は、図15において第1の量の繊維の安定化クリープ値、すなわち約1.6%を提供する。

0057

図15図表は、いわゆるSherby−Dornプロットとして示すこともできる。これは図16に示され、図15に示される結果のSherby−Dornプロットが提示される。図16は、実施例1Aのクリープ安定化繊維のクリープ率がほぼ50年間にわたって低下し得ることを示し、クリープ安定化繊維に典型的な挙動である。図16において、実施例1Aの糸サンプルの最小クリープ率は約1.3×10−8/秒(または1.3×10−6%/秒)であり、これは平均値である。結果は表1に示される。

0058

[実施例1B]
実施例1Bは、実施例1Aを繰り返すことにより実施したが、前記3本の糸のうちの1本(例えば、2本のより長い糸の間に置く)を、ほぼ等しい長さの他の2本の糸よりも1.5%短くした点が異なる。結果は表1に示される。

0059

[実施例1C]
実施例1Cは、実施例1Bを繰り返すことにより実施したが、全ての糸にまず2週間の間、初期負荷値(実施例1Bで適用された値)の60%の負荷を加えた点が異なる。結果は表1および表2に示される。

0060

[比較実験1A]
比較実験1Aは、実施例1Aを繰り返すことにより実施したが、3本の高分子糸が、1760dtexのタイター、40回転/メートルの撚り率、35cN/dtexの糸の初期比強度、および2.4×10−5%/秒の最小クリープ率(900MPaの張力および30℃の温度で測定)を有する商品名ダイニーマ(登録商標)SK75で市販のものであった点が異なる。結果は表1に示される。

0061

[比較実験1B]
比較実験1Bは、比較実験1Aを繰り返すことにより実施したが、前記3本の糸のうちの1本を、ほぼ等しい長さの他の2本の糸よりも1.5%短くした点が異なる。結果は表1に示される。

0062

[比較実験1C]
比較実験1Cは、比較実験1Bを繰り返すことにより実施したが、2週間の間、比較実験1Bで適用された負荷値の60%の負荷を糸に加えた点が異なる。しかしながら、8.7日後に、既に15%の過度の歪みに達した。このような大きい歪みは、あらゆる用途において構造体を役に立たなくし、従って、実験中止した。従って、表1に結果は示されない(適用なし)。

0063

[比較実験2A]
比較実験2Aは、実施例1Aを繰り返すことにより実施したが、3本の高分子糸が、3220dtexのタイターおよび22cN/dtexの糸の初期比強度を有し、非常に低歪みにおいて既に極めてゼロに近い(もはや測定不能である)安定化クリープ値(900MPaの張力および30℃の温度で測定)を有する、商品名トワロン(登録商標)で市販のものであった点が異なる。結果は表1に示される。別のタイプのトワロン(登録商標)(異なる特徴および/または組成を有する)は、破断時の破砕(fracture at break)および負荷分配に関して同等またはより悪い結果を与えることが予想される。

0064

[比較実験2B]
比較実験2Bは、比較実験2Aを繰り返すことにより実施したが、前記3本の糸のうちの1本を、ほぼ等しい長さの他の2本の糸よりも1.5%短くした点が異なる。結果は表1に示される。

0065

[比較実験2C]
比較実験2Cは、比較実験2Bを繰り返すことにより実施したが、2週間の間、比較実験2Bで適用された負荷値の60%の負荷を加えた点が異なる。結果は表1および表2に示される。

0066

0067

表1に示される結果は、比較実験1Bおよび2Bと比較して、実施例1Bの構造体について最低の強度低下が生じたことを実証する。表1のデータは明らかに、2週間の負荷が強度回復を引き起こすことを示す。クリープ安定化繊維を用いる本発明に従う試験(実施例1C)の強度回復は、比較実験(比較実験2C)の場合に観察される強度回復よりも大きい。実際、本発明に従う構造体は理論上の最大強度値にほぼ到達する(実施例1C)が、比較実験2Cの回復はより低く、それでも理論上の最大強度の30%が損失された。また、比較実験1A〜Cおよび2A〜Cの構造体のクリープは安定化されなかった。実施例1Cの構造体については3%の歪みが測定され(これは、構造体として容認できる)、比較実験1Cの構造体については、負荷の下で8.7日後に既に15%の歪みが測定され、これは、構造体として容認できず、従って、試験を直ちに中止した。比較実験2Cの構造体は、クリープ挙動をほとんど示さなかった(0.25%の歪み)が、長さの相違による重大な強度低下を示し、強度低下の回復はほんのわずかだけであった。その結果として、本発明に従う構造体は、その寿命の大部分にわたって改善された安全性を示すことが実証される。

0068

0069

表2は、本発明に従う繊維(実施例1Cの構造体)の負荷分配がしばらくするとほぼ均等であるが、トワロン(登録商標)繊維(比較実験3Cの構造体)の負荷分配は、実験の開始時と同様にほぼ不均等なままであることを示す。表2は、同一条件でトワロン(登録商標)を含む基準構造体では2週間後に93.9%の負荷の不均等が残存する(負荷の6.1%しか共有されていない)ことと比べて、本発明に従う構造体の場合は、2週間後に19.1%の負荷の不均等が残存した(負荷の81.9%が共有された)ことを示す。従って、本発明に従う構造体とは対照的に、比較実験3Cに従って作られた構造体は、より大きく負荷された要素の早期破壊を引き起こす。

図面の簡単な説明

0070

2Dの静的に過少決定された構造体の一例を示す。
力Fが加えられた状態の静的に過少決定された構造体を示す。
静的に決定された構造体を示す。
静的に過剰決定された構造体の例を示す。
本発明に従う静的に決定された構造体を示す。
本発明に従う静的に過剰決定された構造体を示す。
従来技術の静的に決定された2D構造体を示す。
従来技術の静的に過剰決定された2D構造体を示す。
静的に決定された2D構造体を示す。
静的に過剰決定された2D構造体を示す。
静的に決定された構造体の3Dの吊り上げを示す。
静的に過剰決定された構造体を示す。
車輪を示す。
車輪を示す。
車輪を示す。
繊維の伸び[%]対前記繊維の時間[秒]のプロットを示す。
Sherby−Dornプロットを示す

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