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技術 眼科用医薬組成物

出願人 オクラーリミテッド
発明者 ヤマモト、ロナルドケイコンストン、スタンレイアールグエン、ティエン
出願日 2015年9月18日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2017-535131
公開日 2017年9月28日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-528525
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬 動物,微生物物質含有医薬
主要キーワード 平坦要素 下層空間 筒筐体 軟質高分子 座屈点 プランジャー軸 クランプ顎 化学的沈着
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年9月28日)のものです。
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図面 (15)

課題・解決手段

本発明は、眼の組織空間に注射または送達するための細長体の形状にした薬物を含有する固体または半固体を含む眼疾患治療用組成物を提供する。該組成物は、薬物粒子を可撓性固体または半固体に形成するために、複数の薬物含有粒子および少なくとも1つの賦形剤を含んでもよい。賦形剤は、微小球を組織空間内で拡散し移動させるため、注入後の組織空間の生理的条件下で溶解する物質を含む。薬物含有組成物の製剤、製造方法および使用法も開示する。

概要

背景

眼の固有解剖学的形態生理機能のため、眼組織への薬物の有意な輸送を妨げる複数のバリアが存在する。眼の血管は、眼内液を調節する血液眼関門のため、透過性を制限している。この血液眼関門のため、全身的に投与された薬物は、眼組織で有意な濃度に到達しない。局所滴下により角膜表面に投与された薬物は、大部分はにより鼻涙管中に洗い流される。涙膜では、薬物が角膜を透過して眼内空間に到達するまでの時間が限られる。いくつかの薬物は点眼により眼の前側部分に送達され得るが、局所投与法で、眼の後方部分や網膜において有意な治療濃度に到達させることは、一般に実現できない。

視力障害を引き起こす多くの疾患は、色覚および読み取りが生じる後方網膜に関係する。眼の後方部分や後方網膜を治療するためには、通常は眼内に薬物が注射される。結膜下注射は、眼の外層下に薬物徐性製剤を配置するために用いられる。しかしながら、結膜における非常に高いリンパ液の流れは、眼からの薬物の急速な輸送につながる。結膜下注射は、眼の後方部分における高い薬物濃度を達成することに、一般的に効果的ではない。

テノン下注射は、薬物を、眼のより後方位置の結膜およびテノン嚢に配置し、薬物を眼の後方領域に送達するために用いられることがある。テノン下注射は、ステロイドの投与に有用であることが実証されている。しかしながら注射針の先端は、眼の後殻内の深部にあり、針の先端を直接観察することができない。眼への物理的な傷害または薬物の置き違えを避けるためには、経験と慎重な技術が要求される。

硝子体内注射は、硝子体腔に薬物を直接注入するために行われ、一般的にテノン下注射と比較して、より少量の薬物で済む。薬物の半減期は、前房に向かって連続的に移動する硝子体内流体によって律速される。この硝子体流は、時間とともに薬物を洗い流し、薬物を流路内の眼の他の組織と接触させる。ステロイドなどの硝子体内に投与された薬物は、硝子体腔から流れ、レンズへの薬物暴露に起因する白内障の進行や線維柱帯網への薬物暴露からの緑内障といった合併症と関連する。

脈絡膜強膜との間の上脈絡膜腔および毛様体と強膜との間の上毛体腔は、位置を特定するのがより困難であるが、薬物の注射に用いることができる。硝子体内注射とは異なり、上脈絡膜腔および上毛様体腔の流体は後方に流れる。この流れは、上脈絡膜腔および上毛様体腔に注入された薬物が、後方組織や網膜後部に到達するのを助ける。小さな薬物粒径は、上脈絡膜腔および上毛様体腔における移動に理想的である。しかしながら、小さな薬物粒子は、薬物をより速い速度で放出し、その結果、薬物治療寿命を減じる。

強膜の下の眼内への薬物のすべての注射に伴うひとつの潜在的な問題は、眼内に導入された付加的な体積によって引き起こされる眼圧(IOP)の増加である。IOPが増加すると、視神経に痛みや潜在的な損傷を引き起こす可能性がある。高活性薬物の場合、例えば0.05 mLの抗VEGF薬のような少ない注射量であれば、著しい急性IOP増加を伴わずに用いることができる。しかしながら、0.1 mLのステロイドのようなより大きな体積では、IOP増加が顕著であり、急性期疼痛および失明を引き起こす可能性がある。

概要

本発明は、眼の組織空間に注射または送達するための細長体の形状にした薬物を含有する固体または半固体を含む眼疾患治療用組成物を提供する。該組成物は、薬物粒子を可撓性固体または半固体に形成するために、複数の薬物含有粒子および少なくとも1つの賦形剤を含んでもよい。賦形剤は、微小球を組織空間内で拡散し移動させるため、注入後の組織空間の生理的条件下で溶解する物質を含む。薬物含有組成物の製剤、製造方法および使用法も開示する。なし

目的

本発明は、上脈絡膜腔、上毛様体腔または硝子体腔、結膜下腔、テノン下腔および網膜下腔などのその他の眼の組織空隙への送達のための医薬組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

固体または半固体細長体が薬物を含有し、医薬組成物注入後に上脈絡膜腔または上毛体腔生分解または生物浸食を起こす物質を含み、該医薬組成物が薬物と結合剤として作用して薬物粒子を可撓性固体または半固体に形成する少なくとも1つの賦形剤とを含む複数の球状粒子を含有し、該賦形剤は注入後に上脈絡膜腔または上毛様体腔の生理的条件下で溶解する物質を含む、上脈絡膜腔または上毛様体腔に注入するための固体または半固体の細長体を含有する上脈絡膜腔または上毛様体腔へ送達するための医薬組成物。

請求項2

粒子が少なくとも1つのポリマーを更に含有する微小球である、請求項1に記載の組成物

請求項3

ポリマーが非毒性の水溶性ポリマー生分解ポリマーおよび/または生物ポリマーを含む、請求項23に記載の組成物。

請求項4

ポリマーが非毒性の水溶性ポリマーを含み、該水溶性ポリマーがポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共酢酸ビニルポリビニルアルコールポリエチレングリコールおよび/またはポリエチレンオキシドである、請求項3に記載の組成物。

請求項5

ポリマーが生分解ポリマーを含み、該生分解ポリマーがポリヒドロキシブチレートポリジオキサノンポリオルトエステルポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン-ポリエチレングリコールコポリマー、ポリ乳酸ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体および/またはポリ乳酸-グリコール酸-エチレンオキシド共重合体である、請求項3または4に記載の組成物。

請求項6

ポリマーが生物ポリマーを含み、該生物ポリマーがゼラチンコラーゲングリコアミノグリカンセルロース化学的に修飾されたセルロース、デキストランアルギン酸塩キチンおよび/または化学的に修飾されたキチンである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の組成物。

請求項7

粒子が10重量%〜90重量%の薬物を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。

請求項8

粒子が外表面のバリアコーティングを持つ薬物のコアを構成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。

請求項9

バリアコーティングが薬物より低い分配係数を持つか、または薬物よりも大きな水溶解性を有する、請求項8に記載の組成物。

請求項10

表面のバリアコーティングが非毒性の水溶性ポリマー、生分解ポリマーおよび/または生物物質を含む、請求項8または9に記載の組成物。

請求項11

表面のバリアコーティングが非毒性の水溶性ポリマーを含み、該非毒性の水溶性ポリマーがポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールおよび/またはポリエチレンオキシドである、請求項10に記載の組成物。

請求項12

表面のバリアコーティングが生分解ポリマーを含み、該生分解ポリマーがポリヒドロキシブチレート、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン-ポリエチレングリコールコポリマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、酸末端ポリ乳酸-グリコール酸コポリマーおよび/またはポリ乳酸-グリコール酸-エチレンオキシド共重合体である、請求項10または11に記載の組成物。

請求項13

表面のバリアコーティングが生物物質を含み、該生物物質がゼラチン、コラーゲン、グリコソアミノグリカン、セルロース、化学的に修飾されたセルロース、デキストラン、アルギン酸塩、キチンおよび/または化学的に修飾されたキチン、脂質、脂肪酸および/またはステロールである、請求項10〜12のいずれか1項に記載の組成物。

請求項14

バリアコーティングが薬物より高い分配係数を持つか、または薬物よりも小さい水溶解性を有する、請求項8〜13のいずれか1項に記載の組成物。

請求項15

バリアコーティングが疎水性ポリマー、脂肪酸、脂質および/またはステロールを含む、請求項14に記載の組成物。

請求項16

薬物がステロイド非ステロイド性抗炎症剤VEGF阻害剤、抗TNFα剤、mTOR阻害剤細胞治療および/または神経保護剤である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。

請求項17

組成物が、薬物含有粒子用の結合剤として約5重量%〜50重量%の賦形剤を含有する可撓性固体である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。

請求項18

結合剤が水溶性ポリマー、アルギン酸ナトリウム、脂質または脂肪酸を含む、請求項17に記載の組成物。

請求項19

結合剤が水溶性ポリマーを含み、該水溶性ポリマーがポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドまたは化学的に修飾されたセルロースである、請求項18に記載の組成物。

請求項20

結合剤が脂質または脂肪酸を含み、該脂質または脂肪酸が20℃より高く、37℃までの融解遷移温度を有する、請求項18に記載の組成物。

請求項21

脂質または脂肪酸がカプリン酸エルカ酸、1,2-ジネルノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、または1,2 -ジペンタデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンを含む、請求項20に記載の組成物。

請求項22

組成物が水溶性ポリマー、生分解または生体内分解性物質、両親媒性化合物、脂質、脂肪酸または複合脂質を含む賦形剤を用いた固体または半固体である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。

請求項23

賦形剤が水溶性ポリマーを含み、該水溶性ポリマーがポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、化学的に修飾されたセルロース、アルギン酸塩、ポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキシドである、請求項22に記載の組成物。

請求項24

賦形剤が20℃より高く、37℃までの融解転移温度を有する脂質または脂肪酸である、請求項22に記載の組成物。

請求項25

脂質または脂肪酸がカプリン酸、エルカ酸、1,2-ジネルボノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、または1,2 -ジペンタデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンを含む、請求項24に記載の組成物。

請求項26

賦形剤が生分解または生体内分解性物質であり、該生分解または生体内分解性物質がポリヒドロキシブチレート、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン-ポリエチレングリコールコポリマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、酸末端ポリ乳酸-グリコール酸コポリマー、またはポリ乳酸-グリコール酸-エチレンオキシド共重合体、ゼラチン、コラーゲン、グリコソアミノグリカン、セルロース、化学的に修飾されたセルロース、デキストラン、アルギン酸塩、キチン、化学的に修飾されたキチン、脂質、脂肪酸またはステロールである、請求項22に記載の組成物。

請求項27

薬物が非晶質固体分散体として生分解または生体内分解性物質中に分散している、請求項22または26に記載の組成物。

請求項28

薬物が複数の薬物結晶として生分解または生体内分解性物質中に分散している、請求項22または26に記載の組成物。

請求項29

薬物粒子がバリアコーティングを更に含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。

請求項30

細長体が可撓性であり、670mg未満の力の座屈力を有する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物。

請求項31

可撓性固体は上脈絡膜腔または上毛様体腔と接触すると座屈力または曲げ剛性が減少する、請求項30に記載の組成物。

請求項32

可撓性固体が固体の長さに沿って座屈閾値または曲げ剛性の減少した少なくとも1つの個別の領域を有する、請求項30または31に記載の組成物。

請求項33

可撓性固体の個別の領域が断面積縮小した領域を含む、請求項32に記載の組成物。

請求項34

可撓性固体の個別の領域が断面を横切る完全な切れ目を含む、請求項32に記載の組成物。

請求項35

潤滑剤を更に含有する、請求項1〜34のいずれか1項に記載の組成物。

請求項36

潤滑剤が脂肪酸、脂質、ステロールまたはオイルである、請求項35に記載の組成物。

請求項37

薬物がステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、抗TNFα剤、mTOR阻害剤、細胞治療、神経保護剤または核酸に基づく治療である、請求項1〜36のいずれか1項に記載の組成物。

請求項38

請求項39

非ステロイド性抗炎症剤がブロムフェナクジクロフェナクフルルビプロフェンケトロラクトロメタミンまたはネパフェナクである、請求項37に記載の組成物。

請求項40

抗TNFα剤がインフリキシマブエタネルセプトアダリムマブセルトリズマブまたはゴリムマブである、請求項37に記載の組成物。

請求項41

mTOR阻害剤がシロリムスエベロリムステムシロリムスまたはmTORキナーゼ阻害剤である、請求項37に記載の組成物。

請求項42

細胞治療阻害剤間葉細胞または治療化合物を産生するようにトランスフェクトされた細胞である、請求項37に記載の組成物。

請求項43

請求項44

核酸に基づく治療が遺伝子ベクタープラスミドまたはsiRNAである、請求項37に記載の組成物。

請求項45

針の管腔内径以下の直径の医薬組成物が針管腔に収納されている注射装置遠位末端に管腔を持つ針を備えた細長い筒;および医薬組成物に注入力を供給する力要素を備えたプランジャーを含み、力要素の作動が医薬組成物の注入を開始する、請求項1〜44のいずれか1項に記載の医薬組成物および注射装置。

請求項46

注射装置が:遠位末端に中空針を有する細長い本体;針を通して送達する注入物質リザーバー;該注入物質に注入力を供給するように設計された最初の力要素を有するプランジャー;およびそれにより針管腔を密封する、装置の遠位末端に取り付けられた末端要素;から成り、該末端要素は組織接点末端シールを含み、該末端シールは装置の遠位末端で組織表面に圧力を加えることによって、針の先端によって貫通され;貫通した末端要素は針の上を摺動可能となり、針の組織への前進を可能にし;そして貫通した末端シールは針の遠位末端からの注入物質の流出または送達のための経路を開く、請求項1〜44のいずれか1項に記載の医薬組成物および注射装置から成るキット

請求項47

装置のリザーバーが針の管腔および装置本体内にある、請求項46に記載のキット。

請求項48

装置のリザーバーを充填するための流路がリザーバーからコネクタ、弁および/または隔壁へのプランジャーを通して提供される、請求項46または47に記載のキット。

請求項49

流路がコネクタ、弁および/または隔壁を介するリザーバーからの流出を防止するための一方向弁を備える、請求項48に記載のキット。

請求項50

流路がリザーバーと近位コネクタとの間に設けられ、流路が注入物質でリザーバーを充填してリザーバーを加圧できるように設計した逆止弁を備える、請求項48または49に記載のキット。

請求項51

装置のリザーバーが針の管腔内にある、請求項46に記載のキット。

請求項52

装置のリザーバーが針の管腔内および装置本体への針の伸長部にある、請求項46に記載のキット。

請求項53

装置が、装置の本体と、針の先端による末端シールの貫通中に、末端要素に前方方向への力を与えるように構成された末端要素との間に第2の力要素をさらに備える、請求項46〜52のいずれか1項に記載のキット。

請求項54

装置が、装置の本体と、注入力による末端要素の遠位移動を防止するように構成された末端要素との間に折り畳み可能要素をさらに備える、請求項46〜53のいずれか1項に記載のキット。

請求項55

装置の折り畳み可能要素が細長い支柱を備える、請求項54に記載のキット。

請求項56

装置の折り畳み可能要素がニチノールを含む、請求項54または55に記載のキット。

請求項57

装置が、装置の本体と、針の先端による末端シールの貫通中に、末端要素に前方方向への力を与えるように構成された末端要素との間に折り畳み可能要素をさらに備える、請求項46〜56のいずれか1項に記載のキット。

請求項58

装置の折り畳み可能要素が初期力の後に一定の力を与えるように構成され、初期力は末端要素の針に沿った近位方向への初めの0.5 mmの移動の間に加えられる、請求項57に記載のキット。

請求項59

装置の末端要素が組織接点の眼の表面との接触を促進するように構成された摩擦要素をさらに備える、請求項46〜58のいずれか1項に記載のキット。

請求項60

組織接点と装置の末端シールが管状の末端筺体上に取り付けられる、請求項46〜59のいずれか1項に記載のキット。

請求項61

装置が、筺体と針との間で圧縮されて、筺体を密閉する弾性要素をさらに備える、請求項60に記載のキット。

請求項62

装置の第1および/または第2の力要素がバネである、請求項46〜61のいずれか1項に記載のキット。

請求項63

装置の第1の力要素が、プランジャーに機械的に連結されたバネである、請求項62に記載のキット。

請求項64

装置の第1および/または第2の力要素が加圧ガスである、請求項46〜63のいずれか1項に記載のキット。

請求項65

装置の末端要素がゴムまたはエラストマー末端要素を含む、請求項46〜64のいずれか1項に記載のキット。

請求項66

装置の末端要素が弾性的に圧縮可能である、請求項46〜65のいずれか1項に記載のキット。

請求項67

装置への医薬組成物の挿入が力要素を作動させ、注入用物質に注入力を与える、請求項46〜66のいずれか1項に記載のキット。

請求項68

注入力が、装置の外部から力要素を圧縮する機構によって作動させられる、請求項46〜67のいずれか1項に記載のキット。

請求項69

装置の力要素が使用前に束縛され、束縛された力要素を機械的に解放することにより注入力を作動させる、請求項46〜68のいずれか1項に記載のキット。

請求項70

1〜4 mmの針の有効全長を用いて上脈絡膜腔または上毛様体腔へ医薬組成物を注入するための、請求項46〜69のいずれか1項に記載のキット。

請求項71

10〜15 mmの針の有効全長を用いて硝子体腔へ医薬組成物を注入するための、請求項46〜70のいずれか1項に記載のキット。

請求項72

0.35〜2 mmの針の有効全長を用いて結膜下腔へ医薬組成物を注入するための、請求項46〜71のいずれか1項に記載のキット。

請求項73

医薬組成物が針の管腔または装置のリザーバー内に収納される、請求項46〜72のいずれか1項に記載のキット。

請求項74

医薬組成物が複数の剤形として供給される、請求項46〜73のいずれか1項に記載のキット。

請求項75

医薬組成物が針管腔の内径以下の直径を有する、請求項46〜74のいずれか1項に記載のキット。

請求項76

上脈絡膜腔への請求項1〜44のいずれか1項に記載の医薬組成物の注射による眼疾患または症状の治療方法

請求項77

上毛様体腔への請求項1〜44のいずれか1項に記載の医薬組成物の注射による眼疾患または症状の治療方法。

請求項78

医薬組成物が複数の球状薬物含有粒子中に溶解する、請求項76または77に記載の方法。

請求項79

医薬組成物が上脈絡膜腔内で移動する複数の球状薬物含有粒子中に溶解する、請求項76または77に記載の方法。

請求項80

医薬組成物が針またはカニューレを通じて送達される、請求項76〜79のいずれか1項に記載の方法。

請求項81

医薬組成物がステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、抗ヒスタミン剤アミノステロール抗生物質、VEGF阻害剤、抗TNFα剤、mTOR阻害剤、細胞治療、神経保護剤または核酸に基づく治療を含む、請求項76〜80のいずれか1項に記載の方法。

請求項82

ステロイドがデキサメタゾン、フルオシノロン、ロテプレドノール、ジフルプレドナート、フルオロメトロン、プレドニゾロン、メドリゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはリメキソロンである、請求項81に記載の方法。

請求項83

非ステロイド性抗炎症剤がブロムフェナク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ケトロラクトロメタミンまたはネパフェナクである、請求項81に記載の方法。

請求項84

抗TNFα剤がインフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、セルトリズマブまたはゴリムマブである、請求項81に記載の方法。

請求項85

細胞治療阻害剤が間葉細胞または治療化合物を産生するようにトランスフェクトされた細胞である、請求項81に記載の組成物。

請求項86

mTOR阻害剤がシロリムス、エベロリムス、テムシロリムスまたはmTORキナーゼ阻害剤である、請求項81に記載の方法。

請求項87

神経保護剤が抗酸化剤、カルシニューリン阻害剤、NOS阻害剤、シグマ-1モジュレーター、AMPAアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬またはヒストンデアセチラーゼ阻害剤である、請求項81に記載の方法。

請求項88

核酸に基づく治療が遺伝子ベクター、プラスミドまたはsiRNAである、請求項81に記載の組成物。

請求項89

眼疾患または症状が炎症、感染、黄斑変性網膜変性血管新生増殖性硝子体網膜症緑内障および浮腫を含む、請求項76〜88のいずれか1項に記載の方法。

請求項90

医薬組成物を請求項46〜74のいずれか1項で定義した装置を用いて投与する、請求項76〜84,86,87,89のいずれか1項に記載の方法。

請求項91

結合剤の賦形剤が7日間で最低でも薬物含有粒子の50%を溶解して放出するように設計されている、請求項1に記載の組成物。

請求項92

球状粒子が5-100ミクロンの範囲の平均直径を有し、密なパッキングを容易にするために直径の混合物を含む、請求項1に記載の組成物。

技術分野

0001

アプリケーション・データ・シートにおいて、本出願と共に出願されたものとして確認される外国または国内優先権の主張に対するすべての出願は、37連邦規制基準(CFR)1.57のもとに、参照することにより本明細書に組み込まれる。本発明の眼科用医薬組成物は、ロナルド ヤマモト(Ronald Yamamoto)およびスタレイコンストン(Stanley Conston)により同時に出願された、「眼科用送達装置」と題する特許出願で記述される医薬組成物送達に使用することができる。許容可能な場合は、本明細書中に参照されるこの出願ならびにすべての特許および特許出願は、参照により本明細書中に組み込まれる。

背景技術

0002

眼の固有解剖学的形態生理機能のため、眼組織への薬物の有意な輸送を妨げる複数のバリアが存在する。眼の血管は、眼内液を調節する血液眼関門のため、透過性を制限している。この血液眼関門のため、全身的に投与された薬物は、眼組織で有意な濃度に到達しない。局所滴下により角膜表面に投与された薬物は、大部分はにより鼻涙管中に洗い流される。涙膜では、薬物が角膜を透過して眼内空間に到達するまでの時間が限られる。いくつかの薬物は点眼により眼の前側部分に送達され得るが、局所投与法で、眼の後方部分や網膜において有意な治療濃度に到達させることは、一般に実現できない。

0003

視力障害を引き起こす多くの疾患は、色覚および読み取りが生じる後方網膜に関係する。眼の後方部分や後方網膜を治療するためには、通常は眼内に薬物が注射される。結膜下注射は、眼の外層下に薬物徐性製剤を配置するために用いられる。しかしながら、結膜における非常に高いリンパ液の流れは、眼からの薬物の急速な輸送につながる。結膜下注射は、眼の後方部分における高い薬物濃度を達成することに、一般的に効果的ではない。

0004

テノン下注射は、薬物を、眼のより後方位置の結膜およびテノン嚢に配置し、薬物を眼の後方領域に送達するために用いられることがある。テノン下注射は、ステロイドの投与に有用であることが実証されている。しかしながら注射針の先端は、眼の後殻内の深部にあり、針の先端を直接観察することができない。眼への物理的な傷害または薬物の置き違えを避けるためには、経験と慎重な技術が要求される。

0005

硝子体内注射は、硝子体腔に薬物を直接注入するために行われ、一般的にテノン下注射と比較して、より少量の薬物で済む。薬物の半減期は、前房に向かって連続的に移動する硝子体内流体によって律速される。この硝子体流は、時間とともに薬物を洗い流し、薬物を流路内の眼の他の組織と接触させる。ステロイドなどの硝子体内に投与された薬物は、硝子体腔から流れ、レンズへの薬物暴露に起因する白内障の進行や線維柱帯網への薬物暴露からの緑内障といった合併症と関連する。

0006

脈絡膜強膜との間の上脈絡膜腔および毛様体と強膜との間の上毛体腔は、位置を特定するのがより困難であるが、薬物の注射に用いることができる。硝子体内注射とは異なり、上脈絡膜腔および上毛様体腔の流体は後方に流れる。この流れは、上脈絡膜腔および上毛様体腔に注入された薬物が、後方組織や網膜後部に到達するのを助ける。小さな薬物粒径は、上脈絡膜腔および上毛様体腔における移動に理想的である。しかしながら、小さな薬物粒子は、薬物をより速い速度で放出し、その結果、薬物治療寿命を減じる。

0007

強膜の下の眼内への薬物のすべての注射に伴うひとつの潜在的な問題は、眼内に導入された付加的な体積によって引き起こされる眼圧(IOP)の増加である。IOPが増加すると、視神経に痛みや潜在的な損傷を引き起こす可能性がある。高活性薬物の場合、例えば0.05 mLの抗VEGF薬のような少ない注射量であれば、著しい急性IOP増加を伴わずに用いることができる。しかしながら、0.1 mLのステロイドのようなより大きな体積では、IOP増加が顕著であり、急性期疼痛および失明を引き起こす可能性がある。

発明が解決しようとする課題

0008

前記の考察に従って、本発明は、上脈絡膜腔、上毛様体腔または硝子体腔、結膜下腔、テノン下腔および網膜下腔などのその他の眼の組織空隙への送達のための医薬組成物を提供する。医薬組成物は、可撓性固体または半固体の形態であり、注射のための細長物体として成形される。一実施態様において、医薬組成物は、複数の薬物含有粒子および少なくともひとつの賦形剤を含み、薬物粒子を可撓性固体または半固体へと形成する。一実施態様において、賦形剤は、薬物含有粒子を組織空隙において分散し、移動させるために注入した後、組織空隙の生理的条件下で溶解する物質を含む。

課題を解決するための手段

0009

一実施態様において、薬物含有粒子は、微小球の形態にある。微小球は、薬物放出速度を変更するためにコーティングをしてもよく、および/または、生物分解性もしくは生物浸食性ポリマー成分で作製してもよい。同様に、賦形剤材料は、薬物放出速度を制御するために選択することができ、および/または、コーティングは、薬物放出速度を変更するために細長い物体に適用してもよい。

0010

一実施態様において、医薬組成物は薬物を含有する生物分解性または生物浸食性物質から成り、細長い個体として形成する。薬物は、非晶質固体分散体としてポリマー中に分散させてもよい。薬物は、複数の薬物結晶としてポリマー中に分散させてもよい。薬物は、非晶質固体分散体と薬物結晶の両者としてポリマー中に分散させてもよい。

0011

一実施態様において、形成された可撓性固体は670ミリグラム未満の力の座屈力を有し、上脈絡膜腔に注射または挿入時に脈絡膜を不用意に透過することや上毛様体腔に注射または挿入時に毛様体を透過することを防止することができる。可撓性固体は、固体の長さに沿って座屈閾値または曲げ剛性の低減された1以上の別個の領域を有し、注入空間内への可撓性固体の座屈または横方向の堆積を促進する。任意に、可撓性固体は、組織間隙と接触したときに、座屈閾値または曲げ剛性を減少させるように処方することができる。可撓性固体は、固体の長さに沿って、座屈閾値または曲げ剛性が減少した1つの個別の領域を有してもよい。あるいは、可撓性固体は、低減された座屈閾値の2、3、4または5つの領域を有してもよい。低減された座屈閾値の領域は、固体の長さに沿って実質的に均一に分布してもよい。減少した座屈閾値の別個の領域は、減少した断面積の形態または固体の断面を横切る完全な切れ目の形態であってもよい。

0012

一実施態様において、細長体(elongated body)の形状をした可撓性の固体または半固体は、細長体用に設計された装置で上脈絡膜腔または上毛様体腔に注入される。注入装置は、遠位末端中空針を有する細長い筒(該針の管腔が細長体のリザーバーとしての役割を果たす)および細長体に注入力を供給するバネまたはガスリザーバーなどの力要素を有するプランジャーを含む。細長体は、針管腔の内径以下の直径を有する大きさである。一実施態様では、注入装置はまた、注入装置の遠位末端に固定された末端シールを有する組織接点を含む末端要素を有し、それにより、注入力の適用中に針管腔を密封する。末端シールは、注入装置の遠位末端で組織表面に圧力を加えることによって、針の先端によって貫通され、貫通した末端要素は針の上を摺動可能となり、針の組織への前進を可能にする。末端シールの貫通は、針の遠位末端からの注入物質の送達のための経路を開く。力要素を有する注入装置は、針による末端シールの貫通および針先端の組織への前進の前に作動される。これにより、注入装置を簡単に片手で操作して細長体として形成された医薬組成物を眼に投与することができる。一実施態様では、細長体として形成された医薬組成物は、注入装置に予め装填し、それにより注入装置は、使用前の医薬組成物の貯蔵容器としての役割を果たす。一実施態様では、予め装填された装置は、配置後の使用のために滅菌して、注入装置中の細長体の封止を行う。

0013

本発明のこれらおよび他の態様は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を考慮することによって明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0014

図1Aは、固体または半固体に形成され、注射用の細長体として形成された粒子を含む複数の球状薬物の一実施態様を示す図である。図1Bは、図1Aの円内部分を示す図である。
薬物含有微小球と薬物単独との累積薬物放出プロフィールの比較を示す図である。
図3Aは、固体または半固体に形成され、分散された薬物を含む注射用の細長体として形成された生分解性または生物分解性物質組成物の一実施態様を示す図である。図3Bは、図3Aの円内部分を示す図である。
薬物含有微小球および細長い固体に形成された薬物含有微小球の累積薬物放出プロフィールを示す図である。
細長い固体薬物組成物の一実施態様の累積薬物放出プロフィールを示す図である。
固体または半固体に形成され、組織間隙への注射のための細長体として形成された医薬組成物を注射するための注入装置の一実施態様を示す図である。
折り畳まれていない状態での注入装置の遠位末端を示す図である。
折り畳まれた状態の注入装置の遠位末端を示す図である。
固形物質送達装置の一実施態様を示す図である。
固形物質送達装置の先端の一実施態様を示す図である。
非圧縮状態の送達装置の先端の一実施態様を示す図である。
圧縮状態の送達装置の先端の一実施態様を示す図である。
折り畳み式要素を備えた送達装置の先端の一実施態様を示す図である。
折り畳み式要素を備えた送達装置の先端の一実施態様の拡大詳細を示す図である。
折り畳み式要素を有する末端要素の力対変位プロットを示す図である。

0015

発明の詳細な説明
本発明は、上脈絡膜腔、上毛様体腔または硝子体腔、結膜下腔、テノン下腔および網膜下腔などの眼の他の空隙への注射用の細長体として形成された薬物の固体または半固体組成物である。一実施態様において、組成物は、図1Aおよ図1Bに模式的に示した可撓性の固体または半固体(100)に形成された複数の球状の薬物含有粒子(102)を含む。上脈絡膜腔または上毛様体腔に可撓性固体または半固体を注入するために、組成物は、針またはカニューレを通じて眼の外表面から眼球内に植え込まれ、可撓性の固体または半固体の機械的特性が上脈絡膜腔下の脈絡膜組織または上毛様体腔下の毛様体組織置換して注入部位近傍の上脈絡膜腔または上毛様体腔に可撓性固体を優先的に配置する。上脈絡膜腔または上毛様体腔に配置された後、可撓性固体または半固体は、空間内を移動できる個々の薬物含有粒子に転換し、または分解または溶解する。薬物粒子の固体または半固体の塊は、大量の薬物を非常に小さな体積で注入することを可能にし、液体中に懸濁された当量の薬物の注射で生じるような眼内圧の急性増加を防止できる。

0016

薬物は、薬物を球状粒子の形態に製造することによる微小球の形態であるか、または薬物をポリマーと配合し、その配合から微小球を製造することによる微小球の形態であってもよい。薬物を含有する微小球は、噴霧乾燥コアセルベーションによるなどの微小球製造の公知手段のいずれかによって製造することができる。微小球内に薬物を保持するための非毒性ポリマーの使用は、ポリマー組成による薬物放出速度、薬物含有量および微小球の大きさを調製することを可能にする。10-90重量%の薬物含有量を有する微小球は、適切な薬物放出を提供することができる。選択された溶解性のポリマーの使用は、水溶性および水不溶性の薬物の両方を微小球に組み込むことを可能にする。適切なポリマーとしては、これらに限定されないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共酢酸ビニルポリビニルアルコールポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシド等の非毒性の水溶性ポリマーポリヒドロキシブチレートポリジオキサノンポリオルトエステルポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンコポリマーポリ乳酸ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体およびポリ乳酸-グリコール酸-エチレンオキシド共重合体などの生分解性ポリマー、およびゼラチンコラーゲングリコアミノグリカンセルロース化学的に修飾されたセルロース、デキストランアルギン酸塩キチン、化学的に修飾されたキチン等の生物学的ポリマーが挙げられる。

0017

あるいは、ほぼ球状の形状または他の均一な形状の薬物粒子は。より大きな薬物粒子の粉砕または制御された結晶化によって、調製することができる。薬物粒子および薬物含有微小球は、外表面コーティングまたはバリアコーティング(104)を有する薬物粒子を形成するために、ポリマー層で個別にコーティングしてもよい。コーティングは、これらに限定されるものではないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシド等の非毒性水溶性ポリマー、ポリヒドロキシブチレート、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸コポリマー、酸末端ポリ乳酸-グリコール酸コポリマー、ポリ乳酸-グリコール酸-エチレンオキシド共重合体、ポリ乳酸-ポリエチレングリコール共重合体、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンコポリマーおよびポリカプロラクトン-ポリエチレングリコール共重合体などの生分解性ポリマー、およびゼラチン、コラーゲン、グリコソアミノグリカン、セルロース、化学的に修飾されたセルロース、デキストラン、アルギン酸塩、キチン、化学的に修飾されたキチン、脂質、脂肪酸およびステロール類などの生体物質を含んでもよい。

0018

一実施態様において、複数の薬物含有粒子は結合剤として作用する賦形剤(106)を有する可撓性固体中に成形される。適切な結合剤としては、これらに限定されないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシドなどの非毒性の水溶性ポリマー、ポリヒドロキシブチレート、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンコポリマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体およびポリ乳酸-グリコール酸-エチレンオキシド共重合体などの生分解性ポリマー、ゼラチン、コラーゲン、グリコソアミノグリカン、セルロース、化学的に修飾されたセルロース、デキストラン、アルギン酸塩、キチンおよび化学的に修飾されたキチンなどの生物学的物質が挙げられる。薬物含有粒子は、適切な溶媒中で結合剤と混合して結合剤を溶解または結合剤の分散液を形成するが、粒子から薬物を抽出せず、または粒子を溶解させない。薬物粒子のスラリーは、型内に形成され、または押し出され、乾燥して、所望の寸法の固体(100)を形成する。形成された固体の注入のための理想は、小さなゲージ針またはカニューレ、即ち、0.60mm以下の直径に相当する20ゲージ以下の管腔内に適合するような大きさの外径を有する細長い形状である。一実施態様において、形成された固体は、0.26mm以下の直径に相当する25ゲージ以下の針またはカニューレの管腔内に適合するような大きさの外径を有する。一実施態様において、薬物粒子は、送達針またはカニューレの内径よりも小さい大きさであり、形成された固体内で薬物粒子の密な充填を可能にし、機械的特性を向上させる。このような薬物粒子は、5-100ミクロンの範囲、例えば、10-50ミクロンの平均直径を有し、直径の混合物を含めて密なパッキングを容易にしてもよい。粒子の平均またはメジアン径は、5-100ミクロン、例えば、10-50ミクロンの範囲でもよい。固体の機械的特性は、結合剤の選択、結合剤の量および結合剤への可塑剤の添加によって調整することができる。形成された固形物の適切な機械的性質を提供するために、結合剤は、組成物(医薬組成物または薬物-ポリマー配合物)の約5-50重量%を構成してもよい。

0019

結合剤(本明細書では賦形剤とも呼ぶ)は、組織間隙内に形成された固体を配置した後に、薬物粒子の分散および移動を可能にするため、適切な溶解特性を与えるために処方される。従って、結合剤/賦形剤は、溶解性、可溶および/または分解性である。特に、結合剤/賦形剤は、送達部位で見られる条件下で溶解性、可溶および/または分解性である。

0020

薬物粒子の分散および移動が、眼への粒子の均一な分布を促進するために望ましい。賦形剤の溶解と、結果として生じる薬物粒子の放出は、例えば、イオン環境または環境の温度に起因して、組織間隙からの液体の吸収によって引き起こされる。一実施態様では、賦形剤は、室温と眼組織間隙の温度との間の融解温度、約37℃の融解温度(例えば、21-37℃の間、25-37℃の間、または30-35℃の間の融解温度)を有する脂質または脂肪酸を含む。固体または半固体の賦形剤の溶解速度を増加させる親水性または両親媒性物質の添加によって、半固体からの個々の薬物粒子の放出速度を調整することができる。薬物粒子の放出は、結合剤の量および組成に応じて、数時間、数日または数週間にわたって生じる。例えば、最大(または最小、処方に応じて)薬物の50%が、1時間後、6時間後、12時間後、1日後、3日後または1週間後に放出されてもよい。

0021

組織間隙の液体への結合剤の溶解性は、結合剤の溶解をもたらして、形成された固体から薬物粒子を放出する。結合剤の選択および親水性に関連するその溶解性、結合剤の分子量および結晶性は、所望の溶解速度に合わせて調整することができる。結合剤はまた、吸水およびその後の溶解を促進するために、塩、デキストラン、またはポリエチレングリコールなどの親水性添加剤を含有してもよい。

0022

他の結合剤は、組織間隙のイオン環境によって作動して、例えば、アルギン酸ナトリウムのようなイオン的架橋したポリマーによってなされるような溶解をする。他の結合剤は、室温よりも高い、約20℃で、眼組織間隙内の温度以下、約37℃の融解転移温度を有する脂質や脂肪酸でのように、温度により組織間隙における溶解を引き起こされる。そのような脂質および脂肪酸としては、これらに限定されないが、カプリン酸エルカ酸、1,2-ジネルノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2 -ジペンタデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンおよびそれらの混合物が挙げられる。

0023

複数の薬物含有粒子(102)を含有する形成された固体(100)は、プラグ、管または円筒の形状であってもよい。一実施態様において、形成された固体は、組織間隙内に形成された固体を配置するために使用される針またはカニューレのほぼ内径である直径を有する細長体である。直径は、20ゲージの針またはカニューレに対応する0.60mmから30ゲージの針またはカニューレに対応する0.159mmの範囲である。薬物の投与量および粒子の薬物含量に応じて、形成された固体は、1 mm -50mm(例えば、1 mm -25mm)の範囲の長さを有する。注入される形成固体の体積は、0.1マイクロリットル-10マイクロリットル(例えば、0.1-5マイクロリットル)の範囲であってもよい。

0024

薬剤含有粒子の大きさが小さいため、粒子からの薬物放出が速すぎて、眼への投与後に持続的な薬物効果を提供できない可能性がある。本発明の目的は、長期放出動態(即ち、放出制御製剤)を有する薬物含有粒子を提供することである。一実施態様において、薬物は、薬物に対し不十分な拡散経路を形成するポリマーマトリックス中に取り込み、それによって、ポリマーマトリックスを有しない薬物と比較して薬物放出を遅くする。一実施態様において、薬物粒子(102)は、ポリマーまたは他の化合物などのバリア(104)で被覆される。バリア物質は、一般的には、薬物とは異なる化学的性質を有し、その結果、薬物は、バリアコーティングを介して容易に可溶でなく、バリアコーティングを有さない薬物粒子と比較して、薬物放出が遅くなる。バリアコーティングの選択の1つの方法は、薬剤とは異なる分配係数またはlog Pを有し、薬物放出に対する増加した障壁を提供する増加した差を有する物質である。一実施態様において、薬物の個々の粒子は、各粒子上にバリア被膜を形成する薬物と比較して、増加した水溶解性または減少したlog Pのバリア被膜で被覆する。バリア物質としては、これらに限定されないが、酸末端ポリ乳酸-グリコール酸コポリマー、ポリ乳酸-ポリエチレングリコール共重合体およびポリカプロラクトン-ポリエチレングリコール共重合体が挙げられる。一実施態様において、薬物の個々の粒子は、各粒子上にバリアコーティングを形成する薬物と比較して、減少した水溶解性または増加したlog Pのバリア被膜で被覆する。バリア物質としては、これらに限定されないが、疎水性ポリマー、脂質、脂肪酸またはステロールが挙げられる。薬物粒子は、粒子コーティングの公知手段のいずれか、例えば、噴霧乾燥、静電塗装または化学的沈着によって被覆することができる。一実施態様において、図3Aおよび図3Bに模式的に示したように、形成された固体または半固体物質(100)は、薬物放出特性および/または機械的性質を修正するために、可溶性ポリマーまたは他のコーティングなどのバリア物質(108)でカプセル化または被覆した複数の薬物粒子(107)を含有する。

0025

組成物の薬物は、主に複数の粒子に含有されているが、いくつかの薬物はまた、賦形剤中に処方されていてもよい。賦形剤中の薬物は、処理または保存中に粒子からの薬物の抽出または拡散を防止するように作用する。賦形剤中の薬物は、また、薬剤の治療効果を開始させるために薬物製剤に迅速な放出成分を供給するように作用し、一方で、粒子内の薬物を持続的に送達して治療効果を維持することができる。

0026

一実施態様において、医薬組成物は、薬物と生分解性または生物分解性物質を含む賦形剤とを含有する。生分解性または生体分解性物質は、例えば、これらに限定されないが、ポリヒドロキシブチレート、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン-ポリエチレングリコール共重合体、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、酸末端ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、またはポリ乳酸-グリコール酸-エチレンオキシド共重合体、ゼラチン、コラーゲン、グリコソアミノグリカン、セルロース、化学的に修飾されたセルロース、デキストラン、アルギン酸塩、キチン、化学的に修飾されたキチン、脂質、脂肪酸またはステロールから成ってもよい。薬物は、非晶質の固体分散体として生分解性または生物分解性物質中に分散されてもよい。薬物は、複数の薬物結晶として生分解性または生物分解性物質中に分散していてもよい。薬物は、非晶質固体分散体および薬物結晶の両方として生分解性または生物分解性物質中に分散されていてもよい。医薬組成物は、眼組織間隙への注射のための細長い固体として形作られる。細長体からの薬物の放出は、薬物が眼球の組織内に拡散することを可能にし、組織間隙内の液体の流れによって補助される。薬物が固体の非晶質分散体の形態である場合には、生分解性または生物分解性物質は、所望の薬物負荷および薬物の放出特性を供給するように選択される。薬物が分散した薬物結晶の形態である場合、薬物量、生分解性または生物分解性物質特性および薬物の結晶形は、所望の薬物負荷および薬物の放出特性を提供するように選択することができる。医薬組成物の薬物放出速度を減少させるために、薬剤結晶を賦形剤で被覆してもよい。

0027

組成物を組織間隙に配置するために、細長体として形成された組成物が、適切な内径の針またはカニューレからなる注入装置内に配置される。該組成物が注入装置による注射のための物質である。

0028

装置は、遠位末端に中空針を有する細長い本体と、近位末端スライド可能なプランジャーとを備え、そして注入物質のリザーバーが針とプランジャとの間に存在する。リザーバーは、針を通して送達される注入物質を受容するように設計されている。特に、注入物質は、本発明の医薬組成物である。

0029

プランジャーは、注射物質を針を通して所望の組織位置に押し込むように作用する。力要素を有するプランジャーは、注射物質に注入力を供給するように設計されている。力要素は、プランジャーに機械的に結合したバネを含んでもよい。力要素は、装置の細長い本体内に少なくとも部分的に配置することができる。プランジャーは、眼組織に挿入する前に注射物質をリザーバー内に配置した後、眼に注射物質を注入する前に装置内で注射物質に注入力を印加できるように、バネまたは加圧ガスリザーバーなどの力源に機械的に結合する。針の遠位末端には、末端シールを含む末端要素が固定され、末端シールは組織接点としても作用する。末端要素は、針の先端に移動可能に固定され、針の遠位末端を閉鎖して、針先端からの注射物質の経路を閉鎖するように作用する。いくつかの実施態様において、末端要素は、針の外径に適合する管腔を有する。いくつかの実施態様において、末端要素は他の手段を介して針の先端に固定されている。末端要素の末端シールは、針の先端に対し遠位であり、装置が眼の表面上に置かれ、ユーザによって圧縮されると、針によって貫通されるように構成される。針は末端シールを貫通し、眼組織に挿入され、これにより、リザーバーから針を通って眼内への注射物質の流路または送達経路を開く。結果として得られた自己駆動注射機構は、針挿入の向きや速度に関わらず、針が組織内に配置された直後に、注射物質に対する送達経路の開通を確実にする。

0030

一実施態様において、末端要素は、管状の末端筺体上に取り付けられた組織接点および末端シールを備える。管状の末端筐体は、針の外側に適合し、その長さに沿っていくつかの点で針の表面に封着することができる。一実施態様において、筺体は、筺体と針との間で圧縮される弾性要素によって密閉することができる。従って、弾性要素は、環状であってもよい。一実施態様において、弾性要素は、装置の筺体と本体との間で圧縮されることができる。弾性要素は、筺体の近位末端に、またはその近傍に存在し得る。一実施態様において、弾性要素は、筺体と針との間を密閉するのに役立つ。一実施態様において、弾性要素は、近位方向における筺体移動を制限する摩擦要素または構成要素としての機能を果たし、それによって、針が組織を貫通するときに、組織接点により組織表面に対して力を加える。いくつかの実施態様において、末端要素は、組織接点および末端シールを備え、末端筺体のない針の外側に摺動可能に取り付けられる。

0031

末端シールを有する組織接点、または末端シールと取り付けられた筺体とを有する組織接点を備える末端要素は、針の先端に取り付けられているが、閉鎖された末端シールに起因して、針の端部から近位方向に自由に移動可能または摺動可能ではない。注入物質が装置に充填された後、物質は、力源からの圧力を受けて進むが、末端シールを通って移動することができない。組織接点は眼の表面上に置かれ、装置は手動で前進させる。これにより、末端シールを通って針を押し進め、次いで、眼の外面を通して下層組織に押し込む。末端シールを貫通後の末端要素は、針の末端から近位方向に摺動可能となり、組織への針の前進中に、組織接点を眼表面上に保持する。針の先端が末端シールを貫通するとき、力源は、直ちに、針先端から組織内への注入物質の絞り出しを可能にする。

0032

一実施態様において、組織接点および末端シールは針の周りに配置された筺体に固定される。筺体は、筐体の近位末端で装置本体の遠位末端に固定された円柱状要素を備えてもよい。筐体は、筐体の遠位末端を針に沿って摺動自在に縮めることができ、そして針の先端が末端シールを貫通することを可能にする、折り畳み可能、歪み可能または変形可能な要素を含んでもよい。いくつかの実施態様において、末端要素は、他の手段を介して針の先端に固定されている。

0033

一実施態様において、装置は、遠位末端に中空針と近位末端に摺動可能なプランジャーとを有する細長い筒を備えている。針の管腔は、針の内腔以下の直径を有する細長体として形成された注射物質のためのリザーバーとして機能する。プランジャーは、手動で、またはバネや加圧ガス源のような力要素を用いて作動させ、装置の先端が間隙に到達したときに、プランジャを押して、注射物質を組織間隙に放出することができる。

0034

装置機構の動作は、標的組織内への針の進入直前に起こる末端シールの貫通次第、直ちに針の先端から注射物質が移動するための経路を開く。注射物質は針先による末端シール貫通の前は圧力下にあるため、注射は、組織接点を通る針の配置とその後の前進によってのみ引き起こされる。これにより、標的組織侵入した針先のみによる注射動作のタイミングを正確かつ自動的に制御することができる。結果として得られた自己動型機構は、例えば、注射装置の本体上の弁または引き金などの別個の制御機構を必要としない。したがって、指の特別な位置調整または助手の使用を必要とすることなく、注射物質の投与を可能にする。その結果、装置は、片手で実行する注射を可能にし、医師の他方の手が眼を安定させることや、注射を容易にする他の動作を行うことを可能にする。また、自己作動型注射機構は、使用者が注射の開始時を決定する必要性を取り除き、標的組織空間が、標的サイズが小さいこと、視覚化ができないことおよび解剖学的な可変性のために探し出すことが困難である場合、特に有用である。

0035

この装置は、使用中に使用者による針の位置の正確な制御を可能にする。針は装置の本体に固定され、装置が身体に保持されたときに、針の先端の直接的な制御を可能にする。注入力は力要素によって供給されるため、装置のプランジャーは、装置を保持する手によっては、保持され、始動され、または作動される必要はない。装置は、筆記具外科用メスなどと共に、自然に、高度に制御可能な位置に保持され、また使用することが可能である。一般に、針は、装置の細長い本体または筒に平行に配置される。

0036

いったん装置が末端シールの貫通および眼内への挿入により作動されると、注入物質は、針の先端が注入物質を受け入れる空間に到達するまで眼内に流入または移動することができない。特に、強膜組織は非常に弾力性があり、脈絡膜または毛様体の上腔への針先端の通過中に、針先端を効果的に密封する。そのため、強膜の特有性質は、注入物質が強膜に入らないようにしている。いったん針が、上脈絡膜腔または上毛様体腔などの下層空間に到達すると、注入物質は針から出て送達されるように流出または移動することができる。この機構により、注入物質は、針の先端で注入物質を受け入れることができる位置に向けられる。注入物質の送達は、組織接点によりさらに管理することができる。組織接点は、任意に眼表面に力を加えることができ、眼表面で針の経路を密閉するのを補助する。適切な針の長さおよび方向で装置を使用して、結膜下腔、テノン下腔、上脈絡膜腔、上毛様体腔、網膜下腔、硝子体腔または前房に注入することができる。

0037

注入物質は、一般に、固体または半固体、特に本発明の可撓性医薬組成物である。注入物質は、針の遠位末端で末端要素により与えられる末端シールと接触している固体または半固体の遠位末端を有する針の管腔内に充填してもよい。針は、装置の本体内で近位方向に伸びて、伸長された長さの注入物質を供給することができる。プランジャーは針の近位末端内に挿入し、プランジャーの遠位末端は、注入物質の近位末端に当接させる。プランジャーの配置は、プランジャーに作用する圧縮バネなどの力要素を予荷重して、物質に注入力を与える。一実施態様において、力要素は、装置内に内蔵されているか、または装置の本体上に一体化されている。注入物質は、容器流体接続されたコネクタ、弁または隔壁を介して、注射器と同様の方法で装置の容器部分に配置される。装置に注入物質を配置すると、プランジャーに作用する圧縮バネなどの力要素を予荷重して、容器内の注入物質に注入力を与える。注入力を作動させるために、他の機構を備えてもよい。例えば、装置の外部から力要素を圧縮する機構によって、注入力を作動させてもよい。別の方法では、使用する前に、束縛された力またはガスを機械的に解放することにより、注入力を作動させてもよい。

0038

容器、針およびプランジャーの大きさは、送達される注入物質の容積に対して適切な大きさである。本発明の固体または半固体の注入物質に対して、針および潜在的な装置本体への針の伸長部は、容器としての役割を果たす。針およびプランジャーは、例えば、0.1マイクロリットルから8マイクロリットルの範囲の固体または半固体の送達量に対する大きさでよい。

0039

針は、注入物質が、針の管腔を通過することを可能にする直径を有する剛性材料を含み、通常は、20ゲージから40ゲージの範囲(例えば、外径0.91 mm未満/内径0.6 mm)にある。針の長さは、意図した組織に到達して、投与する組成物の所望の投与量に対して十分な量を供給するのに適したものである。針は、装置の本体または筒に固定され、一般的に、組織を貫通中に針の深さの正確な制御を与えるために、身体との関連で摺動または移動しない。針は、注入装置の本体内に近位方向に延びて、注入物質に十分な容積を提供することができる。

0040

針の先端は、貫通を補助するために斜角をつけてもよく、または鋭利にしてもよい。斜角度は、特定の組織への進入を容易にするように設計することができる。例えば、18度の斜角度という低い斜角は、結膜下腔またはテノン下腔などの狭い空間に注射するために使用することができる。15度の斜角度の中斜角針は、上脈絡膜腔または上毛様体腔などの空間に注射するために使用することができる。12度の斜角度などの高い斜角は、前房または後房に注射するために使用することができる。

0041

一実施態様において、末端要素は、末端要素の管腔中で相補的な斜角を持つように設計され、針の斜角に密接に並置する末端シールを備える。針の斜角は、末端要素の管腔の斜角と一直線になっている。末端要素のほとんどの末端部は、ある注射標的への到達を助けるため、組織貫通中に針の方向付けを補助するために、平坦であるか、または斜角が付いていてもよい。例えば、末端要素の斜角が付いた組織接触表面は、結膜下腔およびテノン下腔などの注射深度が少ない組織標的内および上脈絡膜腔のある領域への注射の標的化を支援する。末端要素の組織接触表面の角度は、垂直な挿入のためには、末端要素の軸から90度から、軸から15度までの範囲にある。

0042

針は、金属、セラミック高弾性高分子またはガラスで構成することができる。組織中の針の長さは、注射の標的位置および解剖学的な可変性による標的位置の変化に合うように選択される。針の実質全長は、末端要素が完全な近位移動を達成した場合、針の先端から組織接点の末端面までの長さである。末端要素は、注射中に針上を摺動可能に移動し、組織への前進中に、末端要素を通って突出する針の長さの漸進的な増加を可能にする。注入物質は、針が、針の実質全長よりも短い適切な位置に到達した時点で、自動的に注射される。注射のための力の解放とそれによる時間は、注入物質の特性やプランジャー力要素の力の量に応じて、約0.1〜2秒で迅速に生じる。また注射のための時間は、プランジャーの前進と対になり、プランジャーの速度を制限する制動または摩擦機構により制御することができる。力要素からの力の解放は、可視および触覚フィードバックの両方で医師に伝わり、針のさらなる前進を必要としない。素早い注射の成り行きは、医師に、針の前進を停止させるのに十分な時間を与え、組織厚における患者間差に対応する有効可変針長をもたらす。可変針長および注射の自己作動は、結膜下腔、テノン下腔、上脈絡膜腔および上毛様体腔などの、通常は開いていない空間への注射に特に有用である。結膜下腔およびテノン下腔に対して、針の有効全長は、針の挿入角度に応じて、0.35 mm〜2 mmの範囲にある。上脈絡膜腔および上毛様体腔に対して、針の有効全長は、針の挿入角度に応じて、1 mm〜4 mmの範囲にある。硝子体腔に対して、針の有効全長は、10 mm〜15 mmの範囲にある。例えば、有効な針全長は、0.3 mm〜3 mm、0.35 mm〜2 mm、1 mm〜4 mmまたは10 mm〜15 mmとすることができる。

0043

一実施態様において、末端要素は、末端に向けられた密閉力を組織表面に加え、眼表面での密閉を維持する。一実施態様において、末端要素は、組織表面との接触を維持するが、末端に向けられた密閉力を組織表面に加えずに、眼表面での密閉を維持する。一実施態様において、末端要素は、針の先端が末端要素の末端シールを貫通中に眼表面と接触するが、針が末端シールを通って眼組織に貫通後は、眼表面との接触を維持しない。組織接点および末端シールは、材料をくり抜くことなく針の貫通を可能にする、軟質高分子ゴムまたは他の材料を含んでもよい。組織接点および末端シール材料は、眼組織への針の挿入中に眼表面を密閉するため、および、針が末端シールを通って前進するまで針から注射経路を密閉するための物理的柔軟性を与えるように選択される。針が末端シールを貫通すると、針は眼組織の外側を通って前進し、所望の注射部位に到達する。組織接点および末端シールは眼の表面に残る。末端シールは十分に弾力性があり、末端シールを通って針が前進する前に、圧力下での注入物質による破裂を防止する。針の経路における末端シール部分も十分に薄く、過度の力の適用なしに針の貫通を可能にする。末端シールは、通常は、針が貫通する領域において厚さが250〜1500ミクロンの範囲にある。

0044

一実施態様において、密閉力は、装置の本体と末端要素の近位末端または末端筺体との間の圧縮バネにより与えられる。一実施態様において、組織接点は、組織接点または末端要素における弾性的に圧縮可能な要素の圧縮により密閉力を与える。一実施態様において、末端要素は、針の前進中に長さの弾性的な減少を可能にして、密閉力を付加するように構成される。一実施態様において、末端要素内またはその周囲に配置された摩擦要素は、末端要素を近位に移動させるのに必要な力を増加させ、それによって、組織接点と眼表面との接触を促進し、針の前進中に眼表面に対する密閉を維持する。針に対する末端要素の摩擦は、針の前進中に、末端要素の近位移動との関連で調整される。末端要素と針の外部表面との間の接触または表面精粗の増大により、針長に沿った組織接点の近位移動中に組織接点により加えられる力の量を調整することによって、摩擦の増加を得ることができる。摩擦は、針に沿った末端要素の移動経路に沿って変動させることができる。末端要素の初期経路中に高い摩擦を与え、眼組織への針の初期挿入中に組織接点と眼表面との接触を促進することができる。摩擦は、針斜角の長さに対応した針の長さが眼組織に挿入された後に減少する。高摩擦領域の影響下における末端要素の移動長は、0.3 mm〜2 mmの範囲である。

0045

一実施態様において、末端要素は、1つ以上の折り畳み可能要素により装置本体に取り付けられる。折り畳み可能要素は、末端シールの貫通前に注入物質に加えられる注入力によって末端シールが針の先端からずれるのを防止するために、長さの増大を許容しないように構成される。折り畳み可能要素は長さの減少を可能にし、それによって、針の組織への前進中に末端要素の近位移動を可能にする。一実施態様において、折り畳み可能要素は、末端要素の近位移動中に変形、屈曲または折り畳みすることができる1つ以上の細長い支柱を備える。一実施態様において、折り畳み可能要素は、折り畳み可能な支柱を形成するための管の軸長に沿って開口を形成するように切断された針と同心の管部分を備える。折り畳み可能な支柱の形状および構成は、折り畳み可能な要素の所望の力−変位特性を与えるように調整することができる。一実施態様において、折り畳み可能要素は、単位変位当たりの増加するバネと同様の力から、変位に無関係である一定の力に移行する密閉力を与え、眼内への針のさらなる前進を伴う力を過度に加えることなく、組織接点および末端シールを眼の表面に密閉接触した状態に保つ。一定の力への移行は、針の斜面長が眼組織に挿入された後に生じるように設計され、これは0.3 mm〜2 mmの折り畳み可能要素の圧縮または折り畳みに対応する。一実施態様において、折り畳み可能要素は、眼組織への針の最初の挿入中に組織接点を眼表面へ接触させるが、針斜面が組織内に完全に挿入された後、針に沿って末端要素が近位に動くことに対する抵抗がほとんどないか全くないように折り畳まれる。折り畳み可能要素は、管状構造の構成要素から組み立てられてもよく、あるいは、レーザー加工されたニッケルチタン合金ニチノール)のような管部分から切り取ってもよい。折り畳み可能要素は、例えば筒と末端要素の筐体(ある場合)との間などの、細長い本体と末端要素との間に配置することができる。

0046

組織接点および末端シールに好適な材料には、これらに限定されないが、天然ゴムシリコーンゴムおよびポリウレタンなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。ゴムまたはエラストマー剛性は、組織表面への適合性と針の遠位末端管腔の密閉性の適切な組み合わせを与えるように選択することができる。またゴムまたはエラストマーは、注入物質の放出を引き起こすために、針の先端により貫通可能でなければならない。ショアAデュロメータが25〜90であるゴムまたはエラストマーが、密閉要素としての使用に適している。末端筺体に好適な材料には、これらに限定されないが、ポリプロピレンポリエチレンポリカーボネートポリスルホンポリエーテルエーテルケトンアクリロニトリルブタジエンスチレンポリスチレンポリアミドおよびポリウレタンが挙げられる。末端の折り畳み可能要素に好適な材料には、これらに限定されないが、ステンレス鋼、ばね調質鋼、超弾性ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金オイル強化クロムシリコーンおよびポリエーテルイミドがが挙げられる。一実施態様において、装置の筒は容器を含み、使用中にデバイスを保持するための外部表面を提供する。容器は、針の近位末端に向けて遠位末端に取り付けられた管状のシリンダーを、管状本体の管腔内に摺動可能に配置されたプランジャーとともに備えることができる。また、容器は、注入物質を含むカートリッジの挿入をもたらし、ここで、装置のプランジャーは、カートリッジの近位末端において摺動可能なシールを動かし、注入物質を送達する。本体は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレンおよびポリメチルメタアクリル酸塩などの医療用途に適した様々な熱可塑性材料から製造することができる。本体は、使用者がより人間工学的に装置を把持し使用することを可能にするため、肌目または指のくぼみのような外部の特徴を組み込むことができる。本体は、送達される物質の量の指標を与えるため、指標または測定マーキングを組み込むことができる。本体は、容器内の注入物質または注入事象視覚的に示すためのプランジャーの動作の可視化を可能にするため、透明材料または透明材料の一部を組み込むことができる。プランジャーは、容器の充填および注入物質の放出の可視化を補助するためのマーキングを有してもよい。

0047

本発明の実施態様において、装置は、注入力を与えるための手段を備える。本明細書で説明されるような該手段は、例えば、物質の注入をもたらすために、使用者によって(直接または間接的に)押し込むまたは圧縮することができる圧縮可能な容器を備えた注射器である。あるいは、好ましい実施態様において、手段は、付勢手段または力要素(圧縮バネまたは加圧ガスなど)を有するプランジャーである。

0048

装置は、使い捨ておよび/または単回使用であってもよい。あるいは、装置は、再使用できてもよい。

0049

末端シールは、使用者による起動前に、(注入物質を容器に挿入することにより)装置を準備するときに、針または容器から注入物質が漏れ出るのを防ぐ役割を果たす。これは、針管腔と装置の外部との間の密封シールによって達成される。この密封シールは、針先端と直接接触しているシールによって達成されるか、または、針先端に配置されたときに、針軸の周囲に液密シールを与えるように適切に形成された末端要素筺体の使用により達成される。例えば、針の外径は、密閉をもたらすために筐体の内径と相補的であってもよい。

0050

業者は、流動性、半固体および固体の注入物質の間の相違を理解する。任意の注入物質は、例えば、材料の運動力学的粘度が20℃で約0.002 m2/秒未満であれば、流動性として記載してもよい。注入物質は、例えば、物質の運動力学的粘度が20℃で約0.002 m2/秒より大きい場合は、半固体として記載してもよい。

0051

一般的に、また上記のように、装置は、末端シールが針により貫通され、針が、眼内の所望の送達部位(上脈絡膜腔または上毛様体腔)に到達したら、注入物質が自動的に放出されるように、圧力または力が注入物質に置かれるときから準備される。このように、装置は、片手で操作することができる。使用者により適用される必要がある唯一の力は、針を、末端シール、次に眼組織を突き抜けさせる貫通力である。針長は、眼内の特定の深さにある特定の注射部位を標的にするように適切に設計することができる。いくつかの実施態様において、装置は、装置が準備されると直ちに末端要素を針上に保持するための保持手段を備えることができる。

0052

物質を注入する前に、一般に末端要素は、細長い本体または筒と直接物理的に接触しない。実際に、末端要素の近位末端と細長い本体または筒の遠位末端との間の距離(および、存在する可能性のある圧縮可能な要素の設計)は、注射の最大深度を決定するように構成することができる。例えば、装置の運用中に末端シールが眼に対して押し付けられると、末端要素と細長い本体または筒とは、互いに向かって移動する。それが、末端シール/組織接点に向かい、そして通過して、患者の眼内に針先端を前進させる動きである。末端要素の近位末端が、いったん細長い本体または筒の遠位末端に当接すると(または、圧縮可能な要素がさらなる圧縮を許さない時点で)、針の継続的な前進が阻まれる。そのため、末端要素の近位末端と細長い本体または筒の遠位末端との間の距離は、注射の最大深度と等しい。有用性は、針先端と末端シール/組織接点との間の距離、および/または圧縮可能な要素の使用に対して考慮される必要がある。特に、注射の最大深度は、末端要素の近位末端と細長い本体または筒の遠位末端との間の距離によって決定され、針先端と末端シール/組織接点との間の距離より小さい。このようにして、末端要素と針の位置および大きさ、ならびに針先端と末端シール/組織接点との間の距離(もしあれば)が、最大注射深度を決定するように構成することができる。当業者であれば、本開示に基づいて装置を適切に設計することができる。

0053

このようにして、装置は、眼内への針(したがって注入物質)の注射深度を制御するための最大注射深度を決定する手段を備えることができる。該手段は、末端要素の近位末端と細長い本体または筒の遠位末端との間の設定距離(末端要素の相対的な大きさ、針、末端シール/組織接点からの針先端の距離、および存在する圧縮可能な要素の形状および構成によって決定される)とすることができる。あるいは、針は、操作中に、針に沿った末端要素の前進を停止させる別個の要素(末端要素と細長い本体または筒との間に配置された針上に存在する要素、例えば、環状隆条またはクランプなど)を備えることができる。いくつかの実施態様において、操作中に、針に沿った末端要素のさらなる前進を防ぐこの要素は、使用者が注入深度を決定できるように移動可能であってもよい。そのような実施態様では、針は、使用者が適切な注射深度を選択することを可能にするマーキングを備えることができる。別の実施態様では、注射深度は、圧縮可能な要素により決定することができる。例えば、該圧縮可能な要素は、要素が圧縮されるときに剛性を増大させることにより、または、末端要素の近位末端と細長い本体または筒の遠位末端との間の圧縮可能な要素の捕捉などの他の機械的手段により、所望の注射深度のみを許容することができる。したがって、本発明は、関心のある組織を標的化するのに適した固定された最大注射深度を有する装置を提供する。固定された最大注射深度を実現するのに適した設計は、本開示に基づいて当業者に明らかであろう。もちろん、注射深度は、ある許容範囲内にあってもよい。注射深度は、本明細書において有効針長とも呼ばれる

0054

一実施態様において、細長体として形成された薬物含有組成物は、注入装置に予め充填される。注入装置は、使用前の医薬組成物の貯蔵容器として機能する。一実施態様において、予め充填された装置は、薬物含有組成物を配置して封止した後、使用のために滅菌される。滅菌は、熱または電離放射線のような殺菌の確立された方法によって達成することができる

0055

針の管腔内の細長い固体もしくは半固体物質を送達するように構成された注入装置の一実施態様を図6に示す。装置は、近位筒端キャップ(110)を有する中空筒(109)を備える。プランジャー(111)は、摺動可能に筒端キャップを貫通している。プランジャー(111)の管腔には、押し軸ガイド管(112)が摺動可能に配置され、押し軸(113)を支持して、注射時に押し軸が座屈するのを防止する。プランジャー圧縮バネ(114)は、力要素として作用し、プランジャー(111)および押し軸(113)に遠位方向の力を与える。斜角針(115)は筒(109)の遠位末端に取り付け固定されて、筒(109)の位置を操作する場合に、針(115)の先端の位置を直接的に制御するため、針(115)が筒(109)に対して動かないようにしている。細長い固体の本体は、針(115)の管腔内に保持される。押し軸(113)の遠位末端は針(115)の管腔内に位置し、組織接点および末端シール(116)が針(115)の先端によって開かれたときに、遠位に移動する。末端要素は、針(115)の遠位末端を取り囲む管状の末端筺体(117)を備える。組織接点および末端シール(116)は、末端筺体(117)の遠位末端に取り付けられる。

0056

末端筐体(117)は、遠位部分、中央の折り畳み可能な部分および近位部分を備える。図7は、折り畳んでいない状態の装置の遠位末端を示している。組織接点および末端シール(116)は、遠位管状軸(118)の周囲に配置される。中央部分は、使用中に組織表面に対して任意に力を与えることができる折り畳み可能要素として機能する1つ以上の部分(119)を含む。折り畳み可能要素(119)は、遠位管状軸(118)および近位管状軸(120)に取り付けられるか、または一体化される。近位管状軸(120)は、折り畳み可能要素のためのアンカーポイントを与え、組織接点および末端シール(116)の遠位移動を防止する、装置の筒(109)に接続される。図8は、折り畳んだ状態にある装置の遠位末端を示す。装置を組織内に前進させる力は、折り畳み可能要素(119)を変形させ、遠位管状軸(118)および組織接点および末端シール(116)を針(115)に沿って近位方向に摺動させることを可能にする。針(115)の先端は、組織接点および末端シール(116)を貫通している。

0057

一実施態様において、装置は、針の管腔内に細長い固体もしくは半固体物質またはインプラントを送達するように構成される。図9に示される装置および図10の装置の先端細部を参照すると、装置は、近位筒端キャップ2を有する中空の筒1を備える。プランジャー3は、摺動可能に筒端キャップを貫通している。プランジャーは、密閉された近位端4を有する。プランジャー3の管腔内には押し軸ガイド管6が摺動可能に配置され、押し軸7を支持し、注射時に押し軸が座屈するのを防止する。プランジャー圧縮バネ5は、プランジャー3および押し軸7に遠位方向の力を与える。斜角針8は筒1の遠位末端に取り付け固定されて、筒1の位置を操作する場合に、針8の先端の位置を直接的に制御するため、針8が筒1に対して動かないようにしている。押し軸7の遠位末端は針8の管腔内に位置し、組織接点および末端シール11が針8の先端によって開かれたときに、遠位に移動する。針8の末端要素は、針8の遠位末端を取り囲む管状の末端筺体10を備える。組織接点および末端シール11は、末端筺体10の遠位末端に取り付けられる。末端筺体バネ9は、筒の遠位末端と末端筺体10の近位末端との間に配置され、末端筺体に遠位方向に向けられた力を与え、それにより、組織表面上に組織接点および末端シール11を押圧する。

0058

針8が前進し、組織接点および末端シール11を貫通すると、末端筺体10は、針8が組織内に前進すると同時に、筒1に向かって近位方向に移動する。末端筺体バネ9は、針8が組織内に前進する際に、組織接点および末端シール11の圧力を維持するように作用する。針8の先端が眼の外側の組織を通過している間、針8の管腔の固体もしくは半固体注入物質またはインプラント12は、圧縮バネ5から圧力を受けており、針8の先端からの経路は開かれている。しかし、針先から送達される注入物質12に対する組織空間はない。針の先端が、上脈絡膜腔、上毛様体腔または硝子体腔などの所望の空間に到達すると、注入物質12は針から出て、空間内に放出される。図11は、非圧縮状態にある装置の先端部分を示す。組織接点および末端シール11ならびに末端筺体10は、非圧縮末端バネ9の末端に配置される。末端バネ9は筒1に固定される。図12は、圧縮状態にある装置の先端部分を示す。装置を組織内に前進させる力は、末端バネ9を圧縮し、末端筺体11ならびに末端シールおよび接点11が針8に沿って近位方向に摺動することを可能にする。針8の先端は組織接点および末端シール11を貫通する。

0059

一実施態様において、装置の先端は、折り畳み可能要素を備える。図13に示された装置および図14に示された拡大された装置の先端細部に関して、先端は、遠位部分、中央の折り畳み可能な部分および近位部分を備える。組織接点および末端シール23は、遠位管状軸26の周囲に配置される。遠位管状軸26の内腔には、管状の先端軸25と斜角針8との間の空間を密閉する内部シール25が設けられている。中央部分は、使用中に組織表面に対して力を与えることができる折り畳み可能要素として機能する1つ以上の部分27を含む。折り畳み可能要素27は、遠位管状軸26および近位管状軸28に取り付けられるか、または一体化される。近位管状軸28は、折り畳み可能要素のためのアンカーポイントを与え、組織接点および末端シール23の遠位移動を防止する、装置の筒13に接続される。前記した図7および8は、折り畳み可能要素の更なる詳細を提供する。

0060

装置の説明された実施形態は、固体、半固体または液体を送達するために、組み合わせて使用することができる。装置の遠位部分の構成は、針の遠位末端上に組織接点および末端シールを備える末端要素を含む。遠位圧縮バネ、摩擦要素、折り畳み可能要素またはそのような要素の組み合わせを末端要素と共に用い、固体、半固体または液体を送達するために使用することができる。

0061

固体または半固体の送達のための装置用に、潤滑剤を使用して注射を補助することができる。潤滑剤は、固体または半固体の注入物質または針管腔を被覆するために使用することができる。また潤滑剤を末端要素の管腔に配置し、組織内へと通過する際に、注入物質の先端および針の外面を被覆することができる。適切な潤滑剤としては、これらに限定されないが、油、ワックス、脂質、脂肪酸および低分子量ポリマーが挙げられる。低分子量ポリマーとしては、これらに限定されないが、ポリエチレングリコールおよびポリシロキサンが挙げられる。

0062

本発明により、炎症、感染、黄斑変性網膜変性血管新生増殖性硝子体網膜症、緑内障および浮腫を含む眼疾患および症状の治療のために、様々な薬物を眼に送達することができる。有用な薬物としては、これらに限定されないが、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤抗生物質VEGF阻害剤、PDGF阻害剤、抗TNFα剤、mTOR阻害剤細胞治療神経保護剤抗高血圧剤抗ヒスタミン剤アミノステロールおよび核酸に基づく治療が挙げられる。薬物は、可溶性溶液、懸濁液、ゲル、半固体、微小球またはインプラントの形態であってもよい。一実施態様において、薬物は、使用前に、製造時の間に装置内にあらかじめ充填される。注入物質に注入力を与える力源は、使用直前に作動させることができる。一実施態様において、作動は、プランジャーに取り付けられた可動近接ハンドルなどにより、装置の外部からバネを圧縮するなど、力要素にあらかじめ負荷をかける機構により達成される。一実施態様において、力源は、薬物が装置内に配置される製造時に前負荷され、前負荷された力は、停止機構によって安定化される。使用前に停止機構を解除し、それにより、眼の接触または貫通の前に注入物質に力を加え、発明の先の実施態様と同様に、組織接点および末端シールを通る針の前進により注射が開始される。

0063

本発明の一実施態様において、遠位末端に中空針を有する細長い本体を備える、固体または半固体の注入物質(特に、本発明の医薬組成物)のための注入装置が提供される。針の遠位末端は、針の管腔を密閉する末端シールを有する末端要素内に収納され、注入物質が放出されることを防止する。また装置は、針の管腔から形成された容器を備える。装置は、容器に注入物質を導入することによって準備される。装置は、末端要素と細長い本体との間に収納された折り畳み可能要素を有し、これは末端要素を針上に保持する役目を果たし、さらに、装置が作動されたときに、針長に沿って細長い本体に向かって末端要素を圧縮することを可能にする。使用時には、末端要素は、眼の表面に配置され、使用者により圧力がかけられる。これにより、針先端は末端シールに向かって前進し、貫通する。その結果、針の遠位末端から注入物質が分注されるようになる。しかしながら、針先端が眼の標的組織内の空隙に到達すると、物質は分注されるのみである。装置が準備されたとき、注入物質に加えられた圧力は、標的部位への物質の注入を、自動的に、片手だけの使用で行えるようにする。針長および/または折り畳み可能要素の長さ(したがって、末端要素の近位末端と細長い本体との間の距離)は、眼内の異なる深さで、標的の異なる空間に適切に設定することができる。

0064

組成物の機械的性質は、組成物の成功した配置に重要である。上脈絡膜腔または上毛様体腔への注射のために、物質は、上脈絡膜腔の下にある脈絡膜または上毛様体腔の下にある毛様体を貫通して、出血を生じないか、または硝子体腔または前眼房浸透し続けることができるような圧縮特性を有していなければならない。一実施態様において、医薬組成物は可撓性に形成された細長い固体であり、該個体は脈絡膜または毛様体の表面で偏向するようにデザインされている。形成された細長い固体の遠位末端は、前進して脈絡膜または毛様体と接触したときに、座屈するように構成されている。形成された細長い固体が引き続いて前進すると、形成された細長い固体の長さに沿って屈曲、折り畳みまたは横方向の変位を生じて、上脈絡膜腔または上毛様体腔に形成された細長い固体が保持される。試験は、形成された細長い固体に適した670mg未満の力の、2cm長さの細長い固体の座屈力を示した。24mg〜634mの座屈力の範囲にある形成された固体が、脈絡膜の透過を防止するのに適していることが示された。一実施態様において、形成された細長い固体は、組織空間の液体と接触して急速に水和して、形成された細長い固体が組織空間内で折り畳まれたり巻きついたりして、座屈力や曲げ剛性等の機械的特性の減少をもたらす。一実施態様において、形成された細長い固体は、直径の減少、横断面を横切る部分的または完全な切れ目、または薬物含有粒子の低濃度の領域などの長さに沿って、曲げ剛性の低い個別領域を有している。該個別の領域は、形成された細長い固体が、一連セグメントループ、またはコイル様の立体配置転移して、組織空間内に注入されたときに、形成された細長い固体を屈曲、折り畳みまたは外側に置換させる手段を提供する。一実施態様において、形成された細長い固体は、注入装置内に配置されたときに、真っ直ぐな構造に拘束されたコイル状の構造を有する。一旦展開され、拘束がなくなると、形成された細長い固体は、組織空間内でコイル状の形態に戻る。一実施態様において、形成された細長い固体は、端から端まで積み重なった細長い固体の薬剤含有物質のいくつかの別個のセグメントを含んでいる。

0065

固体または半固体組成物の注入は、潤滑剤によって補助されてもよい。潤滑剤は、組成物上にコーティングされてもよく、組成物の注入経路中に配置されてもよく、またはその両方であってもよい。潤滑剤としては、これらに限定されないが、脂質、脂肪酸、ポリエチレングリコール、低分子量ポリシロキサンポリマーのような界面活性剤または油が挙げられる。

0066

上述したように、本発明により様々な薬物を、炎症、感染、黄斑変性、網膜変性、血管新生、増殖性硝子体網膜症、緑内障および浮腫を含む種々の眼疾患および症状の治療のために、眼に送達することができる。有用な薬物としては、これらに限定されないが、デキサメタゾンフルオシノロンロテプレドノールジフルプレドナートフルオロメトロンプレドニゾロン、メドリゾン、トリアムシノロンベタメタゾンおよびリメキソロンを含むコルチコステロイドなどのステロイド;ブロムフェナクジクロフェナクフルルビプロフェンケトロラクトロメタミンおよびネパフェナクを含むサリチル酸インドール酢酸アリール酢酸アリールプロピオン酸およびエノール酸誘導体などの非ステロイド系抗炎症剤アジスロマイシンバシトラシンベシフロキサシンシプロフロキサシンエリスロマイシンガチフロキサシンゲンタマイシンレボフロキサシンモキシフロキサシンオフロキサシンスルファセタミドおよびトブラマイシンなどの抗生物質;チロシンキナーゼ阻害剤VEGFに対する抗体、VEGFに対する抗体フラグメント、VEGF結合融合タンパク質などのVEGF阻害剤;PDGF阻害剤、PDGFに対する抗体、PDGFに対する抗体フラグメント、PDGF結合融合タンパク質;インフリキシマブエタネルセプトアダリムマブセルトリズマブおよびゴリムマブを含むTNF-αに対する抗体、TNF-αに対する抗体フラグメント、TNF結合融合タンパク質などの抗TNF-α剤;シロリムス、シロリムス類似体エベロリムステムシロリムスおよびmTORキナーゼ阻害剤などのmTOR阻害剤;間葉細胞または治療化合物を産生するようにトランスフェクトされた細胞のような細胞治療;抗酸化剤カルシニューリン阻害剤、NOS阻害剤、シグマ-1モジュレーターAMPAアンタゴニストカルシウムチャンネル遮断薬およびヒストンデアセチラーゼ阻害剤などの神経保護剤;プロスタグランジン類似体β遮断薬、αアゴニスト炭酸脱水酵素阻害剤などの抗高血圧剤;スクアラミン等のアミノステロール類;H1-受容体拮抗薬およびヒスタミンH2受容体拮抗薬のような抗ヒスタミン薬;および遺伝子ベクタープラスミドおよびsiRNAなどの核酸ベース治療法が挙げられる。

0067

本発明のさらなる実施態様において、薬物を押出により細長体に形成することを特徴とする医薬組成物の製造方法を提供する。該細長体は、結合剤または賦形剤を含有する。薬物は、微小球の形態であってもよい。一般に、薬物(または薬物含有微小球)が、細長い形状に押出される前に、結合剤または賦形剤と混合される。

0068

本発明の一実施態様においては、製造方法は、
a)医薬組成物を、任意に微小粒子または微小球の形態で供給する;
b)結合剤を供給する;
c)医薬組成物と結合剤とを混合または配合して、混合物またはスラリーを形成する;および
d)混合物またはスラリーを押し出して細長体を形成する:
のステップを含む。

0069

押し出された細長い本体は、上述したような適切な大きさと形状を有する。医薬組成物は、適切なポリマー賦形剤を用いて微小球に処方することができる。医薬組成物と結合剤とを混合または配合して、混合物またはスラリーを形成するステップは、適切な比率で結合剤中に医薬組成物の製剤を含めることができる。例えば、混合物またはスラリーは、5-50%の結合剤、例えば5-25%の結合剤を含むことができる。

0070

押出工程は、一般に、適切な大きさの針(例えば、0.25と0.6mmの間の内径を有し、同じ直径の細長体を供給するもの)を通して、スラリーの混合物を押出すことを含む。製造方法は、押出された混合物またはスラリーを眼内への注射に適した長さの細長体(1-50mmの間など、例えば1-25mmの間)に切断する工程をさらに含むことができる。

0071

本発明のいくつかの実施態様において、該方法は、断面厚さが減少した領域などの低減された座屈閾値の1つ以上の領域を形成することをさらに含んでもよい。このような領域は、減少した座屈閾値の所望の部位で細長い本体を圧縮することによって形成することができる。これは、細長体の押出の後または押出中に達成することができる

0072

本発明の一実施態様において、医薬に使用するための、特に眼薬における使用のための本発明の医薬組成物が提供される。本発明のさらなる実施態様において、眼疾患または症状の治療に使用するための本発明の医薬組成物が提供される。眼疾患または状態は、炎症、感染、黄斑変性、網膜変性、血管新生、増殖性硝子体障害、緑内障または浮腫であってもよい。医薬組成物は、一般に、注射、特に眼注射による投与のためのものである。

0073

一実施態様において、本発明の医薬組成物を眼に、例えば、上脈絡膜腔に、または上毛様体腔に投与することにより、眼疾患または症状を治療する方法が提供される。医薬組成物は、投与部位(例えば、上脈絡膜腔または上毛様体腔)で移動する複数の球状薬物含有粒子に溶解してもよい。医薬組成物は、針またはカニューレを用いる注射により投与することができる。いくつかの実施態様において、医薬組成物は、本明細書に記載の注入装置を用いて投与することができる。眼疾患または状態は、炎症、感染、黄斑変性、網膜変性、血管新生、増殖性硝子体網膜症、緑内障または浮腫であってもよい。

0074

本発明の別の実施態様において、本明細書に記載の注射装置および本発明の医薬組成物を含む部品キットが提供される。医薬組成物は、装置構成中に予め装填して供給してもよい。あるいは、医薬組成物は、送達装置への挿入に適した複数の別個の剤形として提供してもよい。したがって、本発明の医薬組成物は、複数の別個の剤形の形態でも提供される。

0075

本発明は、いくつかの実施例を参照して説明するが、これらは詳述するために記載するものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。

0076

デキサメタゾン含有微小球の作製
90%ジクロロメタンおよび10%メタノールからなる溶媒中で、ポリ乳酸-グリコール酸分散液を噴霧乾燥し、デキサメタゾン含有微小球を調製した。当該分散液は、固形分の含量が4.25重量%で、その固形分の中に薬物含量が20%になるように配合された。当該微小球を収集し、20ミクロンのフィルターを通して洗浄し、凝集物を除去した。得られた薬物含有微小球を収集し、Coulter粒度分析装置で試料粒子径を測定した。その結果、当該薬物含有微小球の体積的平均直径は15.12ミクロンであった。

0077

デキサメタゾン含有微小球の薬物溶出
実施例1の微小球について薬物溶出試験を行った。当該薬物を含有する微小球の試料、平均5.2 mgをリン酸緩衝食塩水(PBS) 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。対照として、当該微小球の作製に使用した薬物の試料、平均2.8 mgも同様にPBS 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。これらのチューブを250 rpmで撹拌しながら37℃でインキュベートした。1時間、2時間、6時間、18時間および48時間後、それぞれチューブ1本を遠心分離し、薬物分析のため上清採取した。各時点で上清10μlをメタノールに入れ、薬物を溶解した。HPLCを用いて薬物含量を分析した。HPLC法はC18逆相カラムとUV検出を用い、薬物の標準検量線キャリブレーションした。その結果、薬物のみの試料は1時間で液体中で飽和に達し、各時点で液体中の薬物平均濃度は32.7μg/mlであった。一方、薬物含有微小球の場合、薬物のみの試料が示した飽和濃度に到達しなかった。1時間、2時間、6時間、18時間および48時間における薬物濃度は3.5〜12.7μg/mlの範囲内であった。材料からの薬物溶出を測定するため、これらの結果をKorsmeyer-Peppas方程式に導入したところ、薬物含有微小球の場合はR=0.998で、薬物のみの場合はR=0.993であった。Korsmeyer-Peppas方程式から薬物含有微小球および薬物のみ試料の30日間までプロットした累積薬物溶出プロフィール図2に示す。

0078

細長い固体組成物を含有する微小球の作製および注射
ポリ乳酸-グリコール酸から作製された微小球に、平均分子量360,000のポリビニルピロリドンを結合剤として配合した。微小球は10重量%のポリビニルピロリドン水溶液で配合された。微小体の中、固体含量は薬剤の52.1重量%であり、結合剤は残りの47.9重量%を占めた。この製剤は27ゲージ針を通してプラスチックの表面上に押し出し、乾燥させ、細長い固体を作製した。得られた乾燥ポリマーフィラメントを、25、27および30ゲージ針の管腔にフィットするように切断して大きさを整えた。固形薬剤の近くで針に金属プランジャーを付け、このプランジャーを前進させて固形物を各針から排出した。

0079

細長い固体組成物を含有する微小球の作製
ポリ乳酸-グリコール酸から作製された微小球に、平均分子量360,000のポリビニルピロリドンを結合剤として配合した。微小球は10重量%のポリビニルピロリドン水溶液で配合された。微小体の中、固体含量は薬剤の90.8重量%であり、結合剤は残りの9.2重量%を占めた。この製剤を27ゲージ針を通してプラスチックの表面上に押し出し、乾燥させ、細長い固体を作製した。

0080

微小球を含有する細長い固体組成物の溶解
実施例3および4で得られた細長い固体の試料について、微小球放出のための生理的条件での溶解性に関する試験を行った。実施例3から得られた長さ23 mm、重さ0.67 mgのフィラメントを、0.5 mlのPBSと共にエッペンドルフチューブに入れた。実施例4から得られた長さ20 mm、重さ1.31 mgのフィラメントを、0.5 mlのPBSと共にエッペンドルフチューブに入れた。37℃でこれらのチューブを水浴中で、PBSのみを含有する対照用のチューブと共にインキュベートした。攪拌せずにそれぞれ5分、10分、20分、30分および60分間インキュウベーションを行った後、こられの液体の試料を取り、100倍および200倍拡大率光学顕微鏡検査した。5分およびそれ以降の時点では、実施例3から得られた試料は溶解し、溶液中に遊離の微小球のみ観察された。実施例4の試料は、5分および10分の時点で、部分的に溶解し、溶液中には試料の断片が遊離の微小球と共に観察された。20分および30分では、実施例4の試料は、溶液中に微小球と結合剤の凝集物は若干あったものの、主に遊離の微小球として観察された。60分では、実施例4の試料は、若干の微小球の凝集物があったものの、溶液中に遊離の微小球として観察された。一方、対照試料では、全時点において微小球は示されなかった。

0081

上脈絡膜腔へ注射するための細長い固体の座屈力
上脈絡膜腔への送達を可能にして、眼の脈絡膜を貫通しない細長い固体の座屈力を測定する実験を行った。機械モデルとして、異なる材質縫合糸を用意した。長さ約2 cmの短い縫合糸を切断し、各試料について座屈力を測定した。縫合糸の材質およびそれらの座屈力は次の表に示す。

針を通して本発明の細長い固体の送達をシミュレートするため、手動で縫合糸試料を脈絡膜に対して誘導するように送達カニューレを作製された。送達カニューレは、25ゲージの皮下注射針に相当する直径250ミクロンのポリテトラフルオロエチレン製の管(テフロン(登録商標))からなっていて、プラスチック製のルーアハブに接続されている。チューブは、遠位先端5 mmのところから、直径を通って半分にスカイビングされ、管を90度の角度で屈曲できるようにした。この構造により、試料が遠位端の近くの管に充填されることが可能になった。試料を管に充填し、次いで外科鉗子を用いて試料を前進させた。試験のため、ヒト死体眼を調製した。まず、毛様体扁平部のTenonカプセルを除去し、毛様体扁平部の真上から強膜ウィンドウを作った。眼から強膜組織を大きさ約5 mm×5 mmの矩形切除し、脈絡膜へ直接にアクセスできるようにした。
まず、各試料を送達カニューレ管に充填し、試験した。管の遠位先端を脈絡膜の表面から約1 mmの位置に、その表面に垂直させるように保持した。そして、試料を脈絡膜に接触するまで前進させた。次いで、試料をほぼ一定の速度で前進させ、脈絡膜を貫通したかどうかについて観察した。試験を行った6個の試料のうち、5-0ポリプロピレン縫合糸は、座屈力が最も強く、脈絡膜を容易に貫通した。他の試料は、反復試験において脈絡膜を貫通しなかった。試料が脈絡膜を貫通しなかった場合では、縫合糸の先端が折り込むまで脈絡膜組織に押圧したことが見られた。縫合糸は、送達カニューレを通って前進したとき、座屈点において脈絡膜に対して折り込まれ、上脈絡膜腔に縫合糸のループができた。これらのデータから、座屈力が670mg未満の細長い屈曲性の固体が、カニューレを通って、上脈絡膜腔のような空間への送達に適していることが示された。

0082

エベロリムス含有微小球の作製
固体の総含量が9.3重量%になるようにポリ乳酸-グリコール酸共重合体とエベロリムスのジクロロメタン分散液を調製した。この分散液を2.5重量%のPVA水溶液の中に乳化し、ポリマーの非均一な相および均一な水相中の薬物微小球が形成した。このエマルジョン終夜攪拌し、生成したポリマー微小球濾過して収集し、乾固まで凍結乾燥した。得られた微小球をアセトニトリルに抽出し、逆相HPLCで薬物含量を測定した。当該微小球における薬物エベロリムスの含量は33.5重量%であった。この微小球の試料を水に分散させ、Coulter LS 200粒度分析装置で粒径分布を分析した。その結果、当該微小球の体積的平均直径は17.0ミクロンであった。

0083

エベロリムスを含有する固体組成物の細長い微小球の作製
薬物を負荷した実施例7の微小球のスラリーを賦形剤と共に押し出し、薬物を含有する細長い固体を作製した。押出用のスラリーは85重量%の微小球と15重量%のポリビニルピロリドンで配合された。この15重量%のポリビニルピロリドンは、溶液濃度25重量%の脱イオン水の中で92重量%の高分子量K90および8重量%の低分子量K12から配合された。開口部と類似したサイズのものを送達するため、このスラリーを250ミクロンの開口部を通して押し出し、フィラメントを作製した。ポンプ速度が15 μl/分に設定されたシリンジポンプを用いて、内径0.25 mmの遠位針を備えた0.3 mlのシリンジで分散液を分注した。フィラメント状の細長い固体組成物は数本形成し、これらを収集した。以下の処理を行う前に、フィラメントは環境条件で乾燥させた。眼へ注射するため、これらのフィラメントを約0.50 μlの体積に相当する長さ12 mmの切片に切断した。

0084

エベロリムス微小球および細長い固体組成物の薬物溶出
実施例7の微小球および実施例8の細長い固体組成物について薬物放出試験を行った。エベロリムス含有微小球の試料、平均4.0 mgをリン酸緩衝食塩水(PBS) 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。長さ12 mmのエベロリムスを含有する細長い固体組成物の試料、平均0.51 mgをリン酸緩衝食塩水(PBS) 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。対照として、当該微小球の作製に使用した薬物の試料、平均4.1 mgも同様にPBS1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。これらのチューブを250 rpmで撹拌しながら37℃でインキュベートした。0日、1日、2日、4日および7日後、それぞれ試料チューブ1本を遠心分離し、薬物分析のため上清を採取した。各時点で上清10 μlをアセトニトリルおよび水の溶媒(75:25)に入れ、薬物を溶解し、HPLCを用いて薬物含量を分析した。HPLC法はC18逆相カラムとUV検出を用い、薬物の標準検量線でキャリブレーションした。その結果、エベロリムスのみの試料は、7日間で0.45%の薬物を溶出した。一方、エベロリムスを含有する微小球の場合は、薬物を溶出する速度が比較的に遅く、7日間で0.06%の薬物を溶出した。この微小球と同様に、エベロリムスを含有する細長い固体組成物も薬物を溶出する速度が遅く、7日間で0.04%の薬物を溶出した。

0085

エベロリムスを含有する細長い固体組成物の注射
固体または半固体の材料を眼の上脈絡膜腔内または上毛様体腔内に注入するための装置を作製した。0.5 mLインスリン注射器の近位末端を30 mmの筒長まで切断し、筒要素を作製した。一体化された針を筒から取り外し、標準的なルアーハブ針の取り付けを可能にした。筒の先端は、ルアーハブ針を確実に保持できるルアーテーパー残存部分を残して切断した。筒端キャップは、4.5 mmのねじ長を有するナイロン10-32穴付きボルトから作製した。直径1.86 mmの貫通孔を、筒端キャップを通して削孔し、プランジャーが筒端キャップを自由にスライドできるようにした。プランジャーは、外径1.8 mmおよび内径0.8 mmならびに長さ43 mmの筒状ステンレス鋼ロッドから作製した。ロッドの遠位末端は直径1.74 mmに細くし、外径4.1 mmおよび内径1.70 mmならびに厚さ0.5 mmのステンレス鋼製ワッシャーをロッドに圧入して、プランジャーばねのために末端止め具を与えた。ロッドの近位末端は、直径1.55 mmまで穿孔した。
直径0.25 mmおよび長さ80 mmの真っ直ぐなステンレス鋼ワイヤを、装置から送達材料を放出するための押し軸として使用した。外径1.57 mm、内径0.25 mmおよび長さ2.25 mmのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)毛細管部を、ワイヤ押し軸の固定要素として使用した。通常の使用下では、PEEK固定要素の管腔はしっかりと保持するために、ワイヤ押し軸に対して十分に締まったものであったが、針プライヤーによる中程度の力で、押し軸をスライド可能に調節することができた。押し軸ワイヤはPEEK固定要素を通して挿入し、次に、固定要素を、プランジャーロッドの管腔を通って伸びるワイヤ押し軸を有するプランジャーロッドの穿孔された近位末端に圧入した。外径3.1 mmおよび線径0.18 mmならびに長さ31.8 mmの圧縮ばねプランジャー軸上に配置し、次に、筒端キャップを、ばねに近接したプランジャー軸上にスライドさせた。プランジャーおよび押し軸アセンブリは、筒の遠位末端を通って伸びる押し軸を有する筒筐体内に配置した。筒端キャップは、筒内でプランジャーアセンブリを固定する筒近位末端内に圧入した。
27ゲージ/13 mmの皮下注射針(ニプロ株式会社、モデルAH+2713)は、ワイヤ押し軸の遠位末端上に配置し、筒端ルアーテーパーに押し込んだ。27ゲージ針の管腔は、ワイヤ押し軸と密接なスライドはめ込みを可能にした。組み立て後、押し軸の長さを、押し軸の先端が27ゲージ針の先端と同じ高さとなるように調節した。
プランジャーばね力によるプランジャーの早過ぎる起動を防止するため、安全機構を装置に組み込んだ。プランジャー内に先端から19 mmの距離で、180度離れて、かつプランジャーの軸線に対して垂直な2つの浅い溝を作成した。溝面間の距離は1.5 mmであった。固定クリップは、幅6.3 mmおよび長さ18 mmの真鍮シートから作製した。幅1.6 mmおよび長さ8.8 mmのスロットを固定クリップに機械加工した。スロットは、固定クリップの短辺の中心で切断し、長軸方向に横切った。
使用のためにプランジャーを後退させ、それにより、プランジャー溝が筒端キャップの近くにむき出しになるまでプランジャーばねを圧縮した。固定クリップは、固定クリップ上のスロットがプランジャー軸上の溝と係合するように、プランジャー上に配置した。次に、固定クリップを、ばね力により筒端キャップの近位末端表面に対して保持し、プランジャーの移動を防止した。実施例8の薬物含有フィラメントを27ゲージ針の管腔に配置した。成形された円筒形の末端要素は、70ショアAデュロメータのシリコーンゴムから作製した。末端要素は、長さ3.7 mmおよび直径1.75 mmであった。末端要素には、長さ2.7 mmおよび直径0.38 mmの管腔があった。末端要素の管腔の遠位末端は、27ゲージ針の遠位末端の斜角に一致する斜角形状で構成した。末端要素を針の先端に取り付け、これにより、針の先端を密閉するように、針斜角が管腔斜角と接触した。管腔の非斜角部分は、針の軸上でスライド可能なシールの機能を果たし、厚さ1 mmの末端シールを通って針が前進する間、眼表面に対して先端を保持するのに十分な摩擦力を針軸に対して与える。末端要素の遠位末端は、眼の表面に角度を付けたアプローチを可能にするために、末端に60度の角度でカットされて作製された。末端密閉要素は針の先端に配置した。
体重約24 kgのブタ被験体麻酔し、腹臥位に置いた。一つの眼を覆い、眼に操作するため、検鏡を挿入した。ブタの眼の流動性が高いため、6-0ビクリル縫合糸をリンバ牽引縫合糸として配置した。30ゲージの針で毛様体扁平部に少量の空気を注射し、上脈絡膜腔の位置を確認した。遠位先端が眼球の表面になるように装置を配置し、固定クリップを外した。針を末端密閉要素を通って前進させ、眼内に到達させた。針の先端が上脈絡膜腔に到達すると、操作者による注射の引き金の操作がなく、装置の機構によって前記薬物を含有するフィラメントは前記空間に注入された。他のブタ被験体3匹についても同様な操作を繰り返した。
7日後、各プロトコル動物被験体を2匹ずつ安楽死させた。エベロリムスを含有するフィラメントで処置された2つの眼を検査した。その結果、注射部位での過敏はほとんどまたは全く示されなかった。分析のため、フィラメントを投与した眼部から眼球を摘出した。14日後、各プロトコルに動物被験体を2匹ずつ安楽死させ、エベロリムスを含有するフィラメントで処置された2つの眼を検査した。その結果、注射部位での過敏はほとんどまたは全く示されなかった。分析のため、フィラメントを投与した眼部から眼球を摘出した。
採取した眼部を凍結し、赤道から前側と後側に分けた。その後側を解剖し、網膜および脈絡膜の組織を分離した。この組織を50 mM TrisHCl(pH 7.4)、0.15 M NaClおよび0.1% Trionx-100からなる溶解緩衝液の中でホモジナイズした。得られたホモジネートをアセトニトリルで抽出し、遠心分離し、その上清を0.2ミクロンのフィルターで濾過した。逆相HPLC/UV-Visにより濾液中の薬物含量を分析し、網膜および脈絡膜の組織における薬物の含量を測定した。その結果、網膜および脈絡膜の後側における薬物濃度は、7日後に102.2 ng/mgで、14日後に330.3 ng/mgであった。

0086

シロリムス含有微小球の作製
固体の総含量が8.4重量%になるようにポリ乳酸-グリコール酸共重合体とシロリムスのジクロロメタン分散液を調製した。この分散液を2.5重量%のPVA水溶液の中に乳化し、ポリマーの非均一な相および均一な水相中の薬物微小球が形成した。このエマルジョンを終夜攪拌し、生成したポリマー微小球を濾過して収集し、乾固まで凍結乾燥した。生成した微小球をアセトニトリルに抽出し、逆相HPLCで薬物含量を測定した。得られた微小球における薬物シロリムスの含量は25重量%であった。この微小球の試料を水に分散させ、Coulter LS 200粒度分析装置で粒径分布を分析した。その結果、当該微小球の体積的平均直径は15.7ミクロンであった。

0087

シロリムスを含有する細長い固体組成物の作製
薬物を負荷した実施例11の微小球のスラリーを賦形剤と共に押し出し、薬物を含有する細長い固体を作製した。押出用のスラリーは85重量%の微小球と15重量%のポリビニルピロリドンで配合された。この15重量%のポリビニルピロリドンは、溶液濃度25重量%の脱イオン水の中で92重量%の高分子量K90および8重量%の低分子量K12から配合された。粒径が開口部と類似したものを送達するため、このスラリーを250ミクロンの開口部を通して押し出し、フィラメントを作製した。ポンプ速度を15 μl/分に設定したシリンジポンプを用いて、内径0.25 mmの遠位針を備えた0.3 mlのシリンジで分散液を分注した。固体フィラメントが数本生成し、これらを収集した。以下の処理を行う前に、フィラメントは環境条件で乾燥させた。眼へ注射するために、これらのフィラメントを長さ12 mmの切片に切断した。

0088

シロリムス含有微小球および細長い固体組成物の薬物溶出
実施例11の微小球および実施例12の細長い固体組成物について薬物放出試験を行った。シロリムス含有微小球の試料、平均4.0 mgをリン酸緩衝食塩水(PBS) 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。長さ12 mmのシロリムスを含有する細長い固体組成物の試料、平均0.55 mgをリン酸緩衝食塩水(PBS) 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。対照として、当該微小球の作製に使用した薬物の試料、平均3.3 mgも同様にPBS1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。これらのチューブを250 rpmで撹拌しながら37℃でインキュベートした。0日、1日、2日、4日および7日後、それぞれ試料チューブ1本を遠心分離し、薬物分析のため上清を採取した。各時点で上清10 μlをアセトニトリルおよび水の溶媒(75:25)に入れ、薬物を溶解し、HPLCを用いて薬物含量を分析した。HPLC法はC18逆相カラムとUV検出を用い、薬物の標準検量線でキャリブレーションした。その結果、シロリムスのみの試料は、最初に薬物を突発的に溶出し、初日に4.07重量%の薬物を溶出し、その後、残りの時点では平均で0.73重量%の薬物を溶出した。一方、シロリムスを含有する微小球では、突発的な効力はなく、薬物を連続的に溶出し、7日間で0.83重量%の薬物を溶出した。この微小球と同様に、シロリムスを含有する細長い固体組成物は、突発的な効力はなく、薬物を連続的に溶出し、7日間で0.1重量%の薬物を溶出した。細長い固体組成物は、薬物溶出において、構成微小球に追加的なバリアを与えた。当該微小球、細長い固体組成物および薬物のみ試料からの薬物溶出プロフィールを図4に示す。

0089

デキサメタゾン含有微小球の作製
ジクロロメタンおよびエタノールの溶媒中でポリ乳酸-グリコール酸共重合体およびデキサメタゾンの分散液を調製した。この分散液を噴霧乾燥し、平均粒径が約15ミクロンの乾燥した微小球が形成した。得られた微小球をアセトニトリルに抽出し、逆相HPLCで薬物含量を測定した。その結果、当該微小球における薬物デキサメタゾンの含量は50重量%であった。

0090

デキサメタゾンを含有する固体組成物の細長い微小球の作製
薬物を負荷した実施例14の微小球のスラリーを賦形剤と共に押し出し、薬物を含有する細長い固体を作製した。押出用のスラリーは85重量%の微小球と15重量%のポリビニルピロリドンで配合された。この15重量%のポリビニルピロリドンは、溶液濃度25重量%の脱イオン水の中で92重量%の高分子量K90および8重量%の低分子量K12から配合された。粒径が開口部と類似したものを送達するため、このスラリーを250ミクロンの開口部を通して押し出し、フィラメントを作製した。ポンプ速度が15 μl/分に設定されたシリンジポンプを用いて、内径0.25 mmの遠位針を備えた0.3 mlのシリンジで分散液を分注した。フィラメント状の細長い固体組成物を数本作製して収集した。以下の処理を行う前に、フィラメントは環境条件で乾燥させた。眼へ注射するため、これらのフィラメントを長さ12 mmの切片に切断した。

0091

デキサメタゾンを含有する細長い固体組成物の薬物溶出
実施例15の細長い固体組成物について薬物溶出試験を行った。長さ12 mmのデキサメタゾンを含有する細長い固体組成物の試料、平均0.48 mgをリン酸緩衝食塩水(PBS) 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。これらのチューブを250 rpmで撹拌しながら37℃でインキュベートした。0日、1日、2日、4日および7日後、それぞれ試料チューブ1本を遠心分離し、薬物分析のため上清を採取した。各時点で上清10 μlをアセトニトリルおよびメタノールの溶媒(50:50)に入れ、薬物を溶解し、HPLCを用いて薬物含量を分析した。HPLC法はC18逆相カラムとUV検出を用い、薬物の標準検量線でキャリブレーションした。デキサメタゾンを含有する細長い固体組成物は連続的に薬物を溶出し、7日間で53.7%の薬物を溶出した。

0092

デキサメタゾンを含有する細長い固体組成物の注射
実施例15の薬物を含有するフィラメントを、実施例10と同様に4匹のブタ被験体の上脈絡膜腔に注射した。7日後、各プロトコルに動物被験体を2匹ずつ安楽死させ、デキサメタゾンを含有するフィラメントで処置された2つの眼を検査した。その結果、注射部位での過敏はほとんどまたは全く示されなかった。分析のため、フィラメントを投与した眼部から眼球を摘出した。14日後、各プロトコルに動物被験体を2匹ずつ安楽死させ、デキサメタゾンを含有するフィラメントで処置された2つの眼を検査した。その結果、注射部位での過敏はほとんどまたは全く示されなかった。分析のため、フィラメントを投与した眼部から眼球を摘出した。
採取した眼部を凍結し、赤道から前側と後側に分けた。その後側を解剖し、網膜および脈絡膜の組織を分離した。組織を50 mM TrisHCl(pH 7.4)、0.15 M NaClおよび0.1% Trionx-100からなる溶解緩衝液の中でホモジナイズした。得られたホモジネートを50重量%アセトニトリルと50重量%メタノールの溶媒で抽出し、遠心分離し、その上清を0.2ミクロンのフィルターで濾過した。逆相HPLC/UV-Visにより濾液中の薬物含量を分析し、網膜および脈絡膜の組織における薬物含量を測定した。その結果、後部網膜および脈絡膜における薬物濃度は、7日後には0.8 ng/mgで、14日後には135.0 ng/mgであった。

0093

フルオシノロン含有微小球の作製
6重量%のポリ乳酸-グリコール酸共重合体のジクロロメタン分散液を調製し、フルオシノロンアセトニドエタノール溶液を加え、94.5重量%のジクロロメタンおよび4.6重量%のエタノールからなる溶媒の中に、最終的な固体含量は9.0重量%となった。この分散液を2.5重量%のPVA水溶液の中に乳化し、ポリマーの非均一な相および均一な水相中の薬物微小球が形成した。このエマルジョンを終夜攪拌し、生成したポリマー微小球を濾過して収集し、乾固まで凍結乾燥した。得られた微小球をアセトニトリルに抽出し、逆相HPLCで薬物含量を測定した。当該微小球における薬物フルオシノロンアセトニドの含量は24重量%であった。この微小球の試料を水に分散させ、Coulter LS 200粒度分析装置で粒径分布を分析した。その結果、当該微小球の体積的平均直径は14.3ミクロンであった。

0094

細長いフルオシノロンを含有する固体組成物の作製
薬物を負荷した実施例18の微小球のスラリーを賦形剤と共に押し出し、薬物を含有する細長い固体を作製した。押出用のスラリーは85重量%の微小球と15重量%のポリビニルピロリドンで配合された。この15重量%のポリビニルピロリドンは、溶液濃度25重量%の脱イオン水の中で92重量%の高分子量K90および8重量%の低分子量K12からで配合され。粒径が開口部と類似したものを送達するため、このスラリーを250ミクロンの開口部を通して押し出し、フィラメントを作製した。ポンプ速度が15 μl/分に設定されたシリンジポンプを用いて、内径0.25 mmの遠位針を備えた0.3 mlのシリンジで分散液を分注した。固体フィラメントが数本形成し、これらを収集した。以下の処理を行う前に、フィラメントは環境条件で乾燥させた。眼部へ注射するために、フィラメントを長さ12 mmの切片に切断した。

0095

フルオシノロン微小球および細長い固体組成物の薬物溶出
実施例18の微小球および実施例19の細長い固体組成物について薬物溶出試験を行った。フルオシノロン含有微小球の試料、平均3.04 mgをリン酸緩衝食塩水(PBS) 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。長さ12 mmのフルオシノロンを含有する細長い固体組成物の試料、平均0.66 mgをリン酸緩衝食塩水(PBS) 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。対照として、当該微小球の作製に使用した薬物の試料、平均4.00 mgも同様にPBS1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。これらのチューブを250 rpmで撹拌しながら37℃でインキュベートした。0日、1日、2日、4日および7日後、それぞれ試料チューブ1本を遠心分離し、薬物分析のため上清を採取した。各時点で上清10 μlをアセトニトリルおよび水の溶媒(75:25)に入れ、薬物を溶解し、HPLCを用いて薬物含量を分析した。HPLC法はC18逆相カラムとUV検出を用い、薬物の標準検量線でキャリブレーションした。その結果、フルオシノロンのみの試料は、最初に突発的に薬物を溶出し、初日に5.3%の薬物を溶出し、その後、残りの時点では平均で0.9%の薬物を溶出した。一方、フルオシノロンを含有する微小球では、遅い速度で薬物を連続的に溶出し、7日間で4.7%の薬物を溶出した。この微小球と同様に、フルオシノロンを含有する細長い固体組成物は、遅い速度で薬物を連続的に溶出し、7日間で6.4%の薬物を溶出した。当該フルオシノロン含有微小球およびフルオシノロンを含有する細長い固体組成物からの累積薬物溶出プロフィールを図4に示す。

0096

フルオシノロンを含有する細長い固体組成物の注射
実施例20の薬物を含有するフィラメントを、実施例10で記載されたように4匹のブタ被験体の上脈絡膜腔に注射した。7日後、各プロトコルに動物被験体を2匹ずつ安楽死させ、フルオシノロンを含有するフィラメントで処置された2つの眼を検査した。その結果、注射部位での過敏はほとんどまたは全く示されなかった。分析のため、フィラメントを投与した眼部から眼球を摘出した。14日後、各プロトコルに動物被験体を2匹ずつ安楽死させ、フルオシノロンを含有するフィラメントで処置された2つの眼を検査した。その結果、注射部位での過敏はほとんどまたは全く示されなかった。分析のため、フィラメントを投与した眼部から眼球を摘出した。
採取した眼部を凍結し、赤道で前側半分と後側半分に分けた。その後側部を解剖し、網膜および脈絡膜の組織を分離した。組織を50 mM TrisHCl(pH 7.4)、0.15 M NaClおよび0.1% Trionx-100からなる溶解緩衝液の中でホモジナイズした。得られたホモジネートを50重量%アセトニトリルと50重量%メタノールの溶媒で抽出し、遠心分離し、その上清を0.2ミクロンのフィルターで濾過した。逆相HPLC/UV-Visにより濾液中の薬物含量を分析し、網膜および脈絡膜の組織における薬物含量を測定した。その結果、後側網膜および脈絡膜における薬物濃度は、7日後には338.8 ng/mgで、14日後には1273.3 ng/mgであった。

0097

アジスロマイシン含有微小球の作製
固体の総含量が10.0重量%で、固体中の薬物含量が40%のポリ乳酸-グリコール酸共重合体およびアジスロマイシンのジクロロメタン分散液を調製した。この分散液を2.5重量%のPVA水溶液に乳化し、ポリマーの非均一な相および均一な水相中の薬物微小球が形成した。このエマルジョンを終夜攪拌し、生成したポリマー微小球を濾過して収集し、乾固まで凍結乾燥した。得られた微小球をアセトニトリルに抽出し、逆相HPLCで薬物含量を測定した。この微小球の試料を水に分散させ、Coulter LS 200粒度分析装置で粒径分布を分析した。その結果、当該微小球の体積的平均直径は22.5ミクロンであった。

0098

アジスロマイシンを含有する細長い固体組成物の作製
薬物を負荷した実施例22の微小球のスラリーを賦形剤と共に押し出し、薬物を含有する細長い固体を作製した。押出用のスラリーは85重量%の微小球と15重量%のポリビニルピロリドンで配合された。この15重量%のポリビニルピロリドンは、溶液濃度25重量%の脱イオン水の中で92重量%の高分子量K90および8重量%の低分子量K12から配合された。粒径が開口部と類似したものを送達するため、このスラリーを250ミクロンの開口部を通して押し出し、フィラメントを作製した。ポンプ速度が15 μl/分に設定されたシリンジポンプを用いて、内径0.25 mmの遠位針を備えた0.3 mlのシリンジで分散液を分注した。フィラメント状の細長い固体組成物は数本精製し、これらを収集した。以下の処理を行う前に、フィラメントは環境条件で乾燥させた。眼へ注射するため、これらのフィラメントを長さ12 mmの切片に切断した。

0099

アジスロマイシンを含有する細長い固体組成物の注射
実施例10に係る装置を作製した。プランジャーをばね力に抗して後退させ、それを固定クリップで所定の位置に保持し、使用のため装置を用意した。実施例23に係る細長い固体薬物組成物を27ゲージ針の管腔に配置し、成形された末端密閉要素を針の遠位末端に配置した。後房を約20 mmHgの圧力まで膨張させ、ブタ死体眼を調製した。目標注射部位として眼の角膜縁から5.5 mm後方を選択した。プランジャー軸から固定クリップを取り外した。組織界面および遠位シールを強膜表面に対して配置し、次いで、針先端を、遠位シールを通って組織の中へ前進させた。針管腔が上脈絡膜腔に到達すると、細長い固体薬物組成物が針から自由に出ることができ、プランジャーばね力の下で、押し軸により放出された。細長い固体薬物組成物の送達は、強膜中の皮弁を手で切除し、上脈絡膜腔を露出させることによって確認した。上脈絡膜腔内の液体試料を取り出し、顕微鏡スライド上に置いた。顕微鏡下のスライドを100×倍の拡大率で検査した結果、上脈絡膜腔内に細長い固体薬物組成物の崩壊により放出された多数の微小球が明らかとなった。

0100

デキサメタゾンを含有する細長い固体組成物の作製
16.7重量%の濃度になるようにポリ乳酸ポリマークロロホルムに溶解し、薬物を含有する固形物を作製した。このポリマーが溶液に懸濁した後、副腎皮質ステロイドであるデキサメタゾンを分散液に固形分の60重量%の濃度になるように添加した。次いで、装置に使用するため、この分散液をフィラメント状の細長い固体組成物の押し出しに用いた。ポンプ速度が50 μl/分に設定されたシリンジポンプを用いて、内径0.25 mmの遠位針を備えた0.3 mlのシリンジで分散液を分注した。直径範囲0.18 mm〜0.25 mmの固形フィラメントを数本作製した。これらのフィラメントを乾燥させた後、長さ12 mmの切片に切断した。

0101

デキサメタゾンを含有する細長い固体組成物の薬物溶出
実施例25の細長い固体組成物について薬物溶出試験を行った。長さ12 mmのデキサメタゾンを含有する細長い固体組成物の試料、平均0.57 mgをリン酸緩衝食塩水(PBS) 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。対照として、当該微小球の作製に使用した薬物の試料、平均2.56 mgも同様にPBS 1.2 mlと共にエッペンドルフチューブに入れ、攪拌しながら懸濁させた。これらのチューブを250 rpmで撹拌しながら37℃でインキュベートした。1日、2日、4日および7日後、それぞれ試料チューブ1本を遠心分離し、薬物分析のため上清を採取した。各時点で上清10 μlをアセトニトリルおよびメタノールの溶媒(50:50)に入れ、薬物を溶解し、HPLCを用いて薬物含量を分析した。HPLC法はC18逆相カラムとUV検出を用い、薬物の標準検量線でキャリブレーションした。デキサメタゾンを含有する細長い固体組成物は連続的に薬物を溶出し、7日間で22.6重量%の薬物を溶出した。このデキサメタゾンを含有する細長い固体組成物の薬物溶出を図5に示す。

0102

デキサメタゾンを含有する細長い固体組成物の注射
実施例27の薬物を含有するフィラメントを、実施例10と同様に4匹のブタ被験体の上脈絡膜腔に注射した。7日後、各プロトコルに動物被験体を2匹ずつ安楽死させた。デキサメタゾンを含有するフィラメントで処置された2つの眼を検査した。その結果、注射部位での過敏はほとんどまたは全く示されなかった。分析のため、フィラメントを投与した眼部から眼球を摘出した。14日後、各プロトコルに動物被験体を2匹ずつ安楽死させ、デキサメタゾンを含有するフィラメントで処置された2つの眼を検査した。その結果、注射部位での過敏はほとんどまたは全く示されなかった。分析のため、フィラメントを投与した眼部から眼球を摘出した。
採取した眼部を凍結し、赤道から前側と後側に分けた。その後側を解剖し、網膜および脈絡膜の組織を分離した。組織を50 mM TrisHCl(pH 7.4)、0.15 M NaClおよび0.1% Trionx-100からなる溶解緩衝液の中でホモジナイズした。得られたホモジネートを50重量%アセトニトリルと50重量%メタノールの溶媒で抽出し、遠心分離し、その上清を0.2ミクロンのフィルターで濾過した。逆相HPLC/UV-Visにより濾液中の薬物含量を分析し、網膜および脈絡膜の組織における薬物含量を測定した。その結果、後側網膜および脈絡膜における薬物濃度は、7日後には1.1 ng/mgで、14日後には239.3 ng/mgであった。

0103

デキサメタゾンを含有する細長い固体組成物の座屈力の測定
実施例25の細長い固体組成物について、固体本体を軸方向に折り込むために必要な力に関する試験を行った。高精度のロードセル(Transducer Techniques Model GSO-50)を機械式試験機(Mark-10 Inc, ModelESM301)のクロスヘッドに載せた。トランスデューサの出力は、デジタルストレインゲージ(Omega Engineering, ModelDP-25S)を用いて読み取った。クロスヘッドの速度を10 mm/分に設定した。長さが約3 cmの細長い固体本体のセグメントをピンバイスに入れ、試験のため、セグメントの露出した遠位長をゲージ長さ2 cmに切断した。このピンバイスを小さなベンチバイスに固定し、細長い固体の遠位先端がロードセルの圧縮プラテンの下になるように、機械式試験機のローテーブルの上に放置した。クロスヘッドを作動させ、ピーク座屈力をストレインゲージから記録した。5個の試料について試験した結果、試料の平均直径は0.18 mmで、平均座屈力は634 mgであった。

0104

低減された座屈閾値または曲げ剛性の不連続部位を有する細長い固体薬物組成物
実施例10に係る装置を作製した。眼への注射のため、実施例20に係るフルオシノロンアセトニドを含有する固体要素フィラメントを調製した。標的空間において固体要素の局所的な送達を補助するため、フィラメントを含む微小球を切片に切断し、送達装置に充填した。切片は、様々な長さに小さく切断し、フィラメント切片が、上脈絡膜腔内で曲がる、または後で移動できるようにした。遠位から近位部までの切片長は、全長12 mmに対し、1 mm、2 mm、2 mm、3 mmおよび4 mmであった。
ブタ死体眼を、約20 mmHgの圧力まで後房を膨張させることにより調製した。注射のため、眼縁の5.5 mm後部の標的注射位置を選択した。固定クリップをプランジャー軸から取り外した。組織接点および末端シールを強膜表面に対して配置し、次に、針先端を、末端シールを通って組織内に前進させた。針管腔が上脈絡膜腔に到達すると、切片化された固体要素は針から自由に出ることができ、プランジャーばね力の下で、押し軸により放出された。固体要素の送達は、強膜中の皮弁を手で切除し、上脈絡膜腔を露出させることによって確認した。上脈絡膜腔内の液体試料を取り出し、顕微鏡スライド上に置いた。顕微鏡下のスライドを100×倍の拡大率で検査した結果、上脈絡膜腔内に注射されたフィラメントから放出された多数の微小球が明らかとなった。

0105

細長い固体薬物組成物の眼上毛様体腔への注射
実施例10に係る装置を作製した。眼への注射のため、実施例8に係るフィラメント固体要素を調製した。
プランジャーをばね力に抗して後退させ、それを固定クリップで所定の位置に保持し、使用のため装置を用意した。フィラメント固体要素は、27ゲージ針の管腔に配置した。組織接点および末端シールは、固体要素の早過ぎる放出を防止するため、装置の針の先端に配置した。
ヒト死体眼を、約15 mmHgの圧力まで後房を膨張させることにより調製した。外科用ノギスで上側頭部四分円における角膜縁の2.5 mm後部の位置に印を付け、この部位を毛様体の表面までの毛様体ひだ部とした。装置の組織接点を強膜表面に対して配置し、安全クリップを取り外した。針先端を、末端シールを通し、針先端が上脈絡膜腔に到達するまで組織内に前進させた。この位置は、操作者による操作をすることなく、注射の引き金となるプランジャーばね力の下で、プランジャーが固体要素を腔内に前進させる位置である。
リン酸緩衝食塩水(PBS)の潅流ボトルを、30ゲージ皮下注射針に15 mmHgの流体圧を供給するための高さに設定した。針は、死体眼の角膜を通って前房に挿入し、PBSを眼に20時間潅流させた。灌流後、眼を検査し、注射部位から後方への微小球の流れを評価した。強膜は、毛様体および脈絡膜から注意深く切り離し、完全に除去した。注射位置は、脈絡膜の表面上に存在し、かつ一列となって後方に伸びる、微小球の大きなやや拡散した集団として容易に見ることができた。ガラス毛細管を用いて、視神経の約8〜10 mm前方の注入部位の下方の後方領域の脈絡膜表面から、液体試料を採取した。拭き取り検体はガラス顕微鏡スライドに移し、100×倍の拡大率で微小球の存在を検査した。液体試料中に微小球は眼の後方領域から見られた。

0106

固体材料送達装置
固体材料を眼の上脈絡膜腔内または上毛様体腔内に注入するため、本発明の一実施態様に係る装置を作製した。本体および付属する針は、長さ1 mmの27ゲージ皮下注射針が一体化された0.5 mLインスリン注射器の近位末端を30 mmの筒長まで切断することにより作製した。注射筒の近位開放末端は、8〜32のねじ山に取り付けた。筒端キャップは、プランジャー軸に適合する大きさの貫通孔と、8〜32の雄ねじとを有するプラスチックから作製した。プランジャーは、外径1.52 mmおよび内径0.25 mmの金属管から作製した。プランジャーの遠位末端には、端部に1 mmの隙間をもって溶接された2つのフランジを備えた。シリコーンO-リングシールは、フランジ間に配置した。外径2.6 mmおよび線径0.25 mmの、ばね力が0.20 N/mmの圧縮ばねは、プランジャー軸上に配置し、次に、筒端キャップを、ばねに近接したプランジャー軸上にスライドさせた。直径0.18 mmの固形押し軸を先端側に伸びるプランジャー軸の管腔に固定し、装置が完全に組み立てられ、プランジャーが最も遠位の移動位置にあるとき、針の先端から押し軸の先端がちょうど突出するようにした。
外径1.5 mmおよび内径0.35 mmならびに長さ9.5 mmの筺体はポリカーボネート製の管から作製した。その近位末端に密閉要素が配置された。筺体の長さは、組み立てられたとき、針の先端を2 mm越えて伸びる筺体の先端があるというものであった。成形された組織接点と外径1.9 mmおよび内径0.9 mmならびに長さ3.5 mmの末端シールとを、50ショアAデュロメータのシリコーンゴムから作製した。組織接点および末端シールは、筺体の遠位末端上に配置した。外径1.5 mmおよび線径0.1 mmで、ばね力が0.08 N/mmの筺体圧縮ばねは、組織に対して密閉力を与えるため、針上に配置した。筺体圧縮ばねの自由長は4.8 mmであり、圧縮長は0.8 mmであった。ばねを針上に配置し、次に、筺体およびシールを針上に配置した。

0107

固体材料送達装置の使用
実施例31に係る装置を用いて、眼の外部組織のモデルを介して固体ポリマー材料を送達し、注射の可視化を可能にした。50ショアAデュロメータで厚さ1 mmのシリコーンエラストマーから作製された中空の球状体を用いて、眼の結膜および強膜を模擬した。
筐体、組織接点および末端シールを、針から一時的に取り外した。プランジャーおよび押し軸を近位方向に後退させ、5-0ポリプロピレン縫合糸の、固形注入材料としての役割を果たす9.6 mmの長さを有するものを、針の先端に挿入した。ポリプロピレン縫合糸は、固形薬物含有材料のモデルとして使用した。筐体、組織接点および末端シールは、縫合糸の配置後に針先に戻した。
装置の組織接点および末端シールは、模型眼の表面に当てて置き、筒を押すことにより手動で針を前進させた。針が末端シールを貫通し、模型表面組織を通り抜けたとき、その縫合糸は、注射装置をさらに操作することなく、針から模型表面組織の下の空間に直ちに放出された。

0108

固体材料送達装置
固体または半固体の材料を眼の結膜下腔に注射するため、本発明の一実施態様による装置を作製した。筒要素は、0.5 mLインスリン注射器の近位末端を30 mmの筒長まで切断することにより作製した。一体化された針を筒から取り外し、標準的なルアーハブ針の取り付けを可能にした。筒の先端は、針のルアーハブを確実に保持することができるルアーテーパーの残存部分を残して切断した。筒端キャップは、4.5 mmのねじ長を有するナイロン10-32穴付きボルトから作製した。直径1.86 mmの貫通孔を、筒端キャップを通して削孔し、プランジャーが筒端キャップを自由にスライドできるようにした。プランジャーは、外径1.8 mmおよび内径0.8 mmならびに長さ43 mmの筒状ステンレス鋼ロッドから作製した。ロッドの遠位末端は直径1.74 mmに細くし、外径4.1 mmおよび内径1.70 mmならびに厚さ0.5 mmのステンレス鋼製ワッシャーをロッドに圧入して、プランジャーばねのために末端止め具を与えた。ロッドの近位末端は、直径1.55 mmまで穿孔した。
直径0.25 mmおよび長さ80 mmのステンレス鋼ワイヤを押し軸として使用し、装置から送達材料を放出した。外径1.57 mm、内径0.25 mmおよび長さ2.25 mmのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)毛細管の一部を、ワイヤ押し軸の固定要素として使用した。通常の使用下で、PEEK固定要素の管腔はしっかりと保持するために、ワイヤ押し軸に対して十分に締まったものであったが、針鼻プライヤーによる中程度の力で押し軸をスライド可能に調節することができた。押し軸ワイヤはPEEK固定要素を通して挿入し、次に、固定要素を、プランジャーロッドの管腔を通って伸びるワイヤ押し軸を有するプランジャーロッドの穿孔された近位末端に圧入した。外径3.1 mmおよび線径0.18 mmならびに長さ31.8 mmの圧縮ばねをプランジャー軸上に配置し、次に、筒端キャップを、ばねに近接したプランジャー軸上にスライドさせた。プランジャーおよび押し軸アセンブリは、筒の遠位末端を通って伸びる押し軸を有する筒筐体内に配置した。筒端キャップは、筒内でプランジャーアセンブリを固定する筒近位末端内に圧入した。27ゲージ/13 mmの皮下注射針(ニプロ株式会社、モデルAH+2713)を、ワイヤ押し軸の遠位末端上に配置し、筒端ルアーテーパーに押し込んだ。27ゲージ針の管腔は、ワイヤ押し軸と密接なスライドはめ込みを可能にした。いったん組み立てられると、押し軸の先端が27ゲージ針の先端と同じ高さとなるように、押し軸の長さを手動で調節した。
プランジャーばね力によるプランジャーの早過ぎる起動を防止するため、安全機構を装置に組み込んだ。プランジャー内に先端から19 mmの距離で、180度離れて、かつプランジャーの軸線に対して垂直な2つの浅い溝を作成した。溝面間の距離は1.5 mmであった。固定クリップは、幅6.3 mmおよび長さ18 mmの真鍮シートから作製した。幅1.6 mmおよび長さ8.8 mmのスロットを固定クリップに機械加工した。スロットは、固定クリップの短辺の中心で切断し、長軸方向に横切った。
使用のためにプランジャーを後退させ、それにより、プランジャー溝が筒端キャップの近くにむき出しになるまでプランジャーばねを圧縮した。固定クリップは、固定クリップ上のスロットがプランジャー軸上の溝と係合するように、プランジャー上に配置した。次に、固定クリップを、ばね力により筒端キャップの近位末端表面に対して保持し、プランジャーの移動を防止した。

0109

固体材料送達装置
実施例33に係る装置を作製した。成形された円筒形の組織接点および末端密閉要素は、70ショアAデュロメータのシリコーンゴムから作製した。末端要素は、長さ3.7 mmおよび直径1.75 mmであった。末端要素の管腔は、長さ2.7 mmおよび直径0.38 mmであった。末端要素の管腔の遠位末端は、27ゲージ針の遠位末端の斜角に一致する斜角形状に設定した。末端要素を針の先端に取り付け、これにより、針の先端を密閉するように、針斜角が管腔斜角と接触した。管腔の非斜角部分は、針の軸上でスライド可能なシールの機能を果たし、厚さ1 mmの末端シールを通って針が前進する間、眼表面に対して先端を保持するために、十分な摩擦力を針の軸に対して与えた。

0110

固体または半固体の材料を眼の結膜下腔に注射するため、本発明の一実施態様による装置を作製した。筒要素は、0.5 mLインスリン注射器の近位末端を30 mmの筒長まで切断することにより作製した。一体化された針を筒から取り外し、結膜下注射のための改良した針の取り付けを可能にした。筒の先端は、針のルアーハブを確実に保持することができるルアーテーパーの残存部分を残して切断した。筒端キャップは、4.5 mmのねじ長を有するナイロン10-32穴付きボルトから作製した。直径1.86 mmの貫通孔を、筒端キャップを通して削孔し、プランジャーが筒端キャップを自由にスライドできるようにした。プランジャーは、外径1.8 mmおよび内径0.8 mmならびに長さ43 mmの筒状ステンレス鋼ロッドから作製した。ロッドの遠位末端は直径1.74 mmに細くし、外径4.1 mmおよび内径1.70 mmならびに厚さ0.5 mmのステンレス鋼製ワッシャーをロッドに圧入して、プランジャーばねのために末端止め具を与えた。ロッドの近位末端は、直径1.55 mmまで穿孔した。
直径0.20 mmおよび長さ80 mmのステンレス鋼ワイヤを押し軸として使用し、装置から送達材料を放出した。外径1.57 mm、内径0.25 mmおよび長さ2.25 mmのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)毛細管の一部を、ワイヤ押し軸の固定要素として使用した。押し軸ワイヤはPEEK固定要素を通して挿入し、次に、固定要素を、プランジャーロッドの管腔を通って伸びるワイヤ押し軸を有するプランジャーロッドの穿孔された近位末端に圧入した。外径3.1 mmおよび線径0.2 mmならびに長さ31.8 mmの圧縮ばねをプランジャー軸上に配置し、次に、筒端キャップを、ばねに近接したプランジャー軸上にスライドさせた。プランジャーおよび押し軸アセンブリは、筒の遠位末端を通って伸びる押し軸を有する筒筐体内に配置した。筒端キャップは、筒内でプランジャーアセンブリを固定する筒近位末端内に圧入した。18度の斜角度の短斜角針で作製された特注の27ゲージ/13 mmの皮下注射針を、ワイヤ押し軸の遠位末端上に配置し、筒端ルアーテーパーに押し込んだ。27ゲージ針の管腔は、ワイヤ押し軸と密接なスライドはめ込みを可能にした。いったん組み立てられると、押し軸は手動で調節され、押し軸の先端が27ゲージ針の先端と同じ高さとなった後、押し軸を固定要素の位置に接着結合した。
プランジャーばね力によるプランジャーの早過ぎる起動を防止するため、安全機構を装置に組み込んだ。プランジャー内に先端から19 mmの距離で、180度離れて、かつプランジャーの軸線に対して垂直な2つの浅い溝を作製した。溝面間の距離は1.5 mmであった。固定クリップは、幅6.3 mmおよび長さ18 mmの真鍮シートから作製した。幅1.6 mmおよび長さ8.8 mmのスロットを固定クリップに機械加工した。スロットは、固定クリップの短辺の中心で切断し、長軸方向に横切った。
使用のためにプランジャーを後退させ、それにより、プランジャー溝が筒端キャップの近くにむき出しになるまでプランジャーばねを圧縮した。固定クリップは、固定クリップ上のスロットがプランジャー軸上の溝と係合するように、プランジャー上に配置した。次に、固定クリップを、ばね力により筒端キャップの近位末端表面に対して保持し、プランジャーの移動を防止した。
成形された円筒形の組織接点および末端密閉要素は、70ショアAデュロメータのシリコーンゴムから作製した。末端要素は、長さ3.7 mmおよび直径1.75 mmであった。末端要素には、長さ2.7 mmおよび直径0.41 mmの管腔があった。末端要素の管腔の遠位末端は、27ゲージ針の遠位末端の斜角に一致する斜角形状で構成した。末端要素の先端には、管腔の先端の角度と平行に、20度の角度で斜角をつけた。末端要素は、針斜角が管腔斜角と接触し、針の先端を密閉するように針の先端に取り付けた。管腔の非斜角部分は、針の軸上でスライド可能なシールの機能を果たし、末端シールを通って針が前進する間、眼の表面に対して先端を保持するのに十分な摩擦力を針軸に対して与える。

0111

固体材料送達装置の使用
実施例34に係る装置を作製した。送達する固体要素は、担体材料中に薬物を充填した微小球を含むスラリーを押し出すことにより作製した。薬物を充填した微小球は、直径10〜20ミクロン範囲のポリ乳酸−グリコール酸共重合体の球状粒子を含有した。微小球には、コルチコステロイドであるフルオシノロンアセトニドを25重量%で充填した。押出用のスラリーは、85重量%の微小球と15重量%の結合剤とを用いて製剤化した。結合剤は、92重量%の高分子量K90ポリビニルピロリドンおよび8重量%の低分子量K12ポリビニルピロリドンで製剤化し、脱イオン水で25重量%濃度の溶液とした。スラリーを、ポンプ速度50 μl/分のシリンジポンプを用いて、内径0.25 mmの先端針を有する0.3 mL注射器で分注し、分注針の内径に対して類似した直径のフィラメントを押し出した。フィラメントは、さらに処理する前に、環境条件で乾燥させた。標的空間において固体要素の局所的な送達を補助するため、フィラメントを含む微小球を切片に切断し、送達装置に充填した。切片は、様々な長さに小さく切断し、フィラメント切片が、上脈絡膜腔内で曲がる、または後で移動できるようにした。遠位から近位部までの切片長は全長12 mmに対し、1 mm、2 mm、2 mm、3 mmおよび4 mmであった。
ブタ死体眼を、約20 mmHgの圧力まで後房を膨張させることにより調製した。注射のため、眼縁の5.5 mm後部を標的注射位置として選択した。固定クリップをプランジャー軸から取り外した。組織接点および末端シールを強膜表面に対して配置し、次に、針先端を、末端シールを通って組織内に前進させた。針管腔が上脈絡膜腔に到達すると、切片化された固体要素は針から自由に出ることができ、プランジャーばね力の下で、押し軸により放出された。固体要素の送達は、強膜中の皮弁を手動で切除し、上脈絡膜腔を露出させることによって確認した。上脈絡膜腔内の液体試料を取り出し、顕微鏡スライド上に置いた。顕微鏡下のスライドを100×倍の拡大率で検査した結果、上脈絡膜腔内に注射されたフィラメントから放出された多数の微小球が明らかとなった。

0112

固体材料送達装置の使用
実施例34に係る装置を作製した。16.7重量%の濃度でポリ乳酸ポリマーをクロロホルムに溶解し、送達する固体要素を製造した。ポリマーを溶液中に分散させた後、コルチコステロイドであるデキサメタゾンを、固形分の60重量%の濃度で分散液に添加した。次に、装置に使用するために、フィラメントの押し出しに分散液を用いた。ポンプ速度50 μl/分のシリンジポンプを用いて、内径0.25 mmの先端針を有する0.3 mL注射器で分散液を分注した。フィラメントは、分注針の内径と類似した直径を有した。フィラメントは、乾燥させた後、約0.59 μLの体積に相当する長さ12 mmの切片に切断した。
プランジャーをばね力に抗して後退させ、それを固定クリップで所定の位置に保持することにより、使用のための装置を準備した。フィラメント固体要素は、27ゲージ針の管腔に配置した。組織接点および末端密閉要素は、遠位末端を管腔斜角度と平行な60度の角度で切断し、眼の表面への角度がついた接近を可能にすることを除 いて、実施例35と類似した方法で作製した。末端要素は、針管腔を密閉し、固体要素の早過ぎる放出を防止するため、針の先端上に配置した。
ブタ死体眼を、約20 mmHgの圧力まで後房を膨張させることにより調製した。注射のため、眼縁の6 mm後部を標的注射位置として選択した。固定クリップをプランジャー軸から取り外した。末端要素の端部を眼に対して配置し、装置を前進させた。針は末端シールを貫通し、眼の組織に入った。針管腔が上脈絡膜腔に到達すると、固体要素は針から自由に出ることができ、プランジャーばね力の下で、押し軸により放出された。固体要素の送達は、強膜中の皮弁を切除し、上脈絡膜腔を露出させて、固体フィラメントが上脈絡膜腔内に認められることによって確認した。
固体フィラメントを充填した装置の使用のため、生きたブタ被験体を準備した。被験体を全身麻酔し、眼は牽引縫合糸で固定した。上脈絡膜腔内の位置は、毛様体扁平部の領域に30ゲージの針を用いて少量の空気を注射することにより検証した。装置は、先端を眼の表面上の適切な位置に置き、固定クリップを除去した。針は、末端密閉要素を通って眼内に前進させた。針の先端が上脈絡膜腔内に到達すると、薬物を含有するフィラメントが腔内に注入された。

0113

固体材料送達装置の使用
実施例34に係る装置を作製した。送達する固体要素は、担体材料中に薬物を充填した微小球を含むスラリーを押し出すことにより作製した。薬物を充填した微小球は、直径10〜20ミクロン範囲のポリ乳酸−グリコール酸共重合体の球状粒子を含む。微小球には、タンパク質キナーゼであるエベロリムスを28重量%で充填した。押出用のスラリーは、85重量%の微小球と15重量%の結合剤を用いて製剤化した。結合剤材料は、89重量%の高分子量K90ポリビニルピロリドン、7重量%の低分子量K12ポリビニルピロリドンおよび4重量%のコハク酸d-αトコフェリルポリエチレングリコール(ビタミンE-TPGS)を含有し、脱イオン水で約25重量%濃度の溶液とした。ポンプ速度15 μl/分のシリンジポンプを用いて、内径0.25 mmの先端針を有する0.3 mL注射器でスラリーを分注し、分注針の内径に対して類似した直径のフィラメントを押し出した。フィラメントは、環境条件で乾燥させた後、約0.59 μLの体積に相当する長さ12 mmの切片に切断した。
プランジャーをばね力に抗して後退させ、それを固定クリップで所定の位置に保持することにより、使用のための装置を準備した。フィラメント固体要素は、27ゲージ針の管腔に配置した。組織接点および末端密閉要素は、遠位末端を管腔斜角度と平行な60度の角度で切断し、眼の表面への角度がついた接近を可能にすることを除いて、実施例35と類似した方法で作製した。組織接点および末端シールは、固体要素の早過ぎる放出を防止するため、装置の針の先端に配置した。
ヒト死体眼を、約15 mmHgの圧力まで後房を膨張させることにより調製した。外科用ノギスで上側頭部の四分円における角膜縁の2.5 mm後部の位置に印を付け、この部位を毛様体の表面までの毛様体ひだ部とした。装置の組織接点を強膜表面に対して配置し、安全クリップを取り外した。針先端を、末端シールを通し、針先端が上脈絡膜腔に到達するまで組織内に前進させた。この位置は、操作者による操作をすることなく、注射の引き金となるプランジャーばね力の下で、プランジャーが固体要素を腔内に前進させる位置であった。
リン酸緩衝食塩水(PBS)の潅流ボトルを、30ゲージ皮下注射針に15 mmHgの流体圧を供給するための高さに設定した。針は、死体眼の角膜を通って前房に挿入し、PBSを眼に20時間潅流させた。灌流後、眼を検査し、注射部位から後方への微小球の流れを評価した。強膜は、毛様体および脈絡膜から注意深く切り離し、完全に除去した。注射位置は、脈絡膜の表面上に存在し、かつ一列となって後方に伸びる、微小球の大きなやや拡散した集団として容易に見ることができた。ガラス毛細管を使用して、視神経の約8〜10 mm前方の注入部位の下方の後方領域の脈絡膜表面から、液体試料を採取した。拭き取り検体はガラス顕微鏡スライドに移し、100×倍の拡大率で微小球の存在を検査した。微小球は、眼の後方領域からの液体試料中に見られた。

0114

眼の上脈絡膜腔内または上毛様体腔内に注入するために、本発明の一実施態様による装置を作製した。長さ12.7 mmの一体化された27ゲージ針を有する1.0 mLインスリン注射器の近位末端を32 mmの筒長に切断し、本体および付属する針を作製した。注射筒の近位開放末端は、10〜32ねじ山に取り付けた。筒端キャップは、プランジャー軸に適合する大きさの貫通孔と、10〜32の雄ねじとを有するプラスチックから作製した。プランジャーは、外径2.4 mmおよび内径0.4 mmの金属管から作製した。プランジャーの遠位末端には、端部に1.3 mmの隙間をもって溶接された2つのフランジを備えた。シリコーンO-リングシールは、フランジ間に配置した。外径4.6 mmおよび線径0.4 mmの、ばね力が0.33 N/mmの圧縮ばねは、プランジャー軸上に配置し、次に、筒端キャップを、ばねに近接したプランジャー軸上にスライドさせた。プランジャーの近位末端は、プランジャーばねおよび筒端キャップを組み立てた後、プランジャー軸に溶接されたゴム製のアヒル逆止弁の挿入を可能にする大きさの、より大きな直径の管を備えた。弁はより大きな管に挿入し、雌ルアーロック取付具を管と弁の上に取り付けた。
外径1.5 mmおよび内径0.35 mmならびに長さ9.5 mmの筺体は、筐体の近位末端に配置された密閉要素を有し、ポリカーボネート製の管から作製した。筺体長は、組み立てられたとき、針の先端を2 mm越えて伸びる筺体の先端があるというものであった。成形された組織接点と外径1.9 mmおよび内径0.9 mmならびに長さ3.5 mmの末端密閉要素は、50ショアAデュロメータのシリコーンゴムから作製した。組織接点および末端シールは、筺体の遠位末端上に配置した。外径1.5 mmおよび線径0.1 mmで、ばね力が0.08 N/mmの筺体圧縮ばねは、組織に対して密閉力を与えるため、針上に配置した。筺体圧縮ばねの自由長は4.8 mmであり、圧縮長は0.8 mmであった。ばねを針上に配置し、次に、筺体、組織接点および末端シールを針上に配置した。ばねは、一端で筺体の近位端、他端で注射筒に接着された。

実施例

0115

筒とプランジャーを備えた実施例39に係る装置を作製した。折り畳み可能要素を有する末端筺体は、ステンレス鋼およびニッケルチタン(ニチノール)超弾性金属合金から作製された。筺体および折り畳み可能要素は、管状軸を互いに連結する、ニチノールの2つの平坦で伸びた部分を有する近位および遠位のステンレス鋼管状軸から構成された。平坦要素は、遠位および近位の管状軸の間に折り畳み可能要素を形成した。近位軸は3.5 mmの長さであり、遠位軸は2.5 mmの長さであった。管状軸は、ステンレス鋼管の2つの部分、すなわち、内径0.48 mmおよび外径0.68 mmの内側部分と、内径0.78 mmおよび外径1.06 mmの外側部分とから作製した。ニチノールの2つの平坦な部分は、180度離れて配置され、2つの管軸部分を互いに圧入し、これらの間の平坦なニチノール部分を捕捉することにより組み立てた。平坦な部分は、幅0.6 mm、厚さ0.2 mmであり、組み立てた後は7.5 mmの長さであった。遠位管軸の内腔の近位末端は、少量の50ショアAデュロメータのシリコーンゴムを管腔に注入し、次に、150℃で10分間硬化させることにより密閉した。組織接点および末端シールは、実施例37に従って作製し、遠位管軸の外側に配置した。筺体部品は装置の針上に配置し、針先端は、成型内腔シールを通って押され、それにより、折り畳み可能要素が、末端シールを有する組織接点と装置の本体との間に配置された。2つの密閉要素は、遠位管軸内の針の先端を効果的に密閉した。折り畳み可能要素は、遠位方向への末端要素の移動を防止したが、ニチノールの平坦な部分がつぶれることにより、針の前進中に近位方向に移動することを可能にした。
機械式試験機を使用して、折り畳み可能要素を有する末端筺体の力特性を測定した。折り畳み可能要素を有する組み立てられた末端筺体を、長さ25 mmの27ゲージ針上に配置した。針は、機械式試験機の下側クランプに取り付けた。上部クランプは、針がクランプ内で自由にスライドし、クランプ顎組織シールの先端に係合するように構成した。機械式試験機のクロスヘッドを、25 mm/分の圧縮速度に設定した。折り畳み可能な末端筺体を2.0 mmの距離圧縮した。5個のサンプルについて測定し、結果を平均した。図15は、筺体の力試験の平均結果を示す。最初の0.5 mmの移動では、力は1.07 N/mmの平均ばね速度で直線的に増加した。0.5 mmの移動後、力は平均0.49 Nで、一定のままであった。

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