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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、抗CD38抗体及び全トランス型レチノイン酸による併用療法に関する。

概要

背景

B細胞悪性疾患には、B細胞慢性リンパ性白血病マントル細胞リンパ腫バーキットリンパ腫濾胞性リンパ腫びまん性大細胞型B細胞リンパ腫多発性骨髄腫ホジキンリンパ腫有毛細胞白血病原発性滲出液リンパ腫、及びAIDS関連非ホジキンリンパ腫が含まれる。B細胞悪性疾患は、診断されたリンパ腫のうちの85%超を構成する。

多発性骨髄腫(MM)は、低い増殖指数及び延長された寿命を伴う、骨髄中の分泌形質細胞潜在性蓄積を特徴とするB細胞悪性疾患である。この疾患は、最終的に骨及び骨髄を攻撃し、骨格系の至るところで多数の腫瘍及び病変部をもたらす。全ての癌のうちのおよそ1%及び全ての血液系悪性疾患のうちの10%強が、MMに起因し得る。MMの発生率は、高齢人口において増加し、このうち診断時年齢中央値が約61である。

CD38は、受容体媒介接着及びシグナル伝達における機能を有すると共に、そのエクト酵素活性を介してカルシウム動員を媒介し、NAD+からの環状ADPリボース(cADPR)の形成を触媒し、また、cADPRをADP−リボース(ADPR)へと加水分解するII型膜タンパク質である。CD38は、サイトカインの分泌並びにリンパ球活性化及び増殖を媒介し(Funaro et al.,J Immunology 145:2390〜6、1990、Terhorst et al.,Cell 771〜80、1981、Guse et al.,Nature 398:70〜3、1999)、そのNADグリコヒドラーゼ活性を介して、調節性のT細胞区画を調節することに関与するとされている細胞外NAD+レベルを調節する(Adriouch et al.,14:1284〜92、2012、Chiarugi et al.,Nature Reviews 12:741〜52、2012)。

CD38は、MM悪性形質細胞上で発現され、様々な血液系悪性疾患に関与する。

現在MMに使用可能な療法としては、化学療法幹細胞移植、サロミド(登録商標)(サリドマイド)、レブリミド(登録商標)(レナリドマイド)、ベルケイド(登録商標)(ボルテゾミブ)、アレディア(登録商標)(パミドロネート)、及びゾメタ(登録商標)(ゾレドロン酸)が挙げられる。ビンクリスチン、BCNU、メルファランシクロホスファミドアドリアマイシン、及びプレドニゾン若しくはデキサメタゾンなどの化学療法剤の併用を含む現行治療プロトコールは、わずか約5%の完全寛解率をもたらすに過ぎない。生存期間中央値は、診断時からおよそ36〜48か月である。高用量の化学療法、その後の自家骨髄移植又は末梢血単核球移植を用いる近年の進歩は、完全緩解率及び寛解持続期間を増加させたが、全生存期間は、わずかに延長されただけで、治癒証拠は得られていない。最終的には、インターフェロンアルファ(IFN−α)単独又はステロイドとの併用による維持療法下でも、全MM患者再発する。したがって、多発性骨髄腫及びその他のB細胞悪性疾患の治療のための更なる療法が必要とされている。

概要

本発明は、抗CD38抗体及び全トランス型レチノイン酸による併用療法に関する。

目的

International ImMunoGeneTics(IMGTデータベース(http://www_imgt_org)は、抗原結合部位標準化番号付け及び定義を提供する

効果

実績

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請求項1

CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、前記治療を必要とする前記対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸ATRA)と組み合わせて投与する工程を含む、方法。

請求項2

前記抗CD38抗体が、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性ADCC)又は補体依存性細胞傷害性(CDC)によって、インビトロでCD38発現細胞の殺傷を誘発する、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記抗CD38抗体が、インビトロでCDCによって前記CD38発現細胞の殺傷を誘発する、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記抗CD38抗体が、インビトロでADCCによって前記CD38発現細胞の殺傷を誘発する、請求項2に記載の方法。

請求項5

前記CD38陽性血液系悪性疾患が、多発性骨髄腫(MM)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、バーキットリンパ腫BL)、濾胞性リンパ腫FL)、又はマントル細胞リンパ腫(MCL)である、請求項1、2、3、又は4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記CD38陽性血液系悪性疾患がMMである、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記対象が、少なくとも1つの化学療法剤、抗CD38抗体、又は少なくとも1つの化学療法剤及び抗CD38抗体の組み合わせによる治療に対して耐性であるか、又は耐性を獲得した、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記少なくとも1つの化学療法剤が、レナリドマイドボルテゾミブメルファランデキサメタゾン、又はサリドマイドである、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記少なくとも1つの化学療法剤が、レナリドマイド又はボルテゾミブである、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記抗CD38抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプのものである、請求項1、2、3、又は4に記載の方法。

請求項11

前記抗CD38抗体が、IgG1アイソタイプのものである、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記抗CD38抗体が、CD38への結合に関して配列番号4の重鎖可変領域(VH)及び配列番号5の軽鎖可変領域(VL)を含む抗体と競合する、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記抗体が、ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)、及び領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)に結合する、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記抗CD38抗体が、それぞれ配列番号6、7、及び8の重鎖相補性決定領域(HCDR)1(HCDR1)、2(HCDR2)、及び3(HCDR3)配列を含む、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記抗CD38抗体が、それぞれ配列番号9、10、及び11の軽鎖相補性決定領域(LCDR)1(LCDR1)、2(LCDR2)、及び3(LCDR3)配列を含む、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記抗CD38抗体が、配列番号4の重鎖可変領域(VH)及び配列番号5の軽鎖可変領域(VL)を含む、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記抗CD38抗体が、配列番号12のアミノ酸配列と95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号13のアミノ酸配列と95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1に記載の方法。

請求項18

前記抗CD38抗体が、配列番号12の重鎖、及び配列番号13の軽鎖を含む、請求項1に記載の方法。

請求項19

前記抗CD38抗体が、配列番号14のVH、及び配列番号15のVLを含む、請求項1に記載の方法。

請求項20

前記抗CD38抗体が、配列番号16のVH、及び配列番号17のVLを含む、請求項1に記載の方法。

請求項21

前記抗CD38抗体が、配列番号18のVH、及び配列番号19のVLを含む、請求項1に記載の方法。

請求項22

前記抗CD38抗体が、配列番号20のVH、及び配列番号21のVLを含む、請求項1に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、抗CD38抗体及び全トランス型レチノイン酸(all-trans retinoic acid)による併用療法に関する。

背景技術

0003

多発性骨髄腫(MM)は、低い増殖指数及び延長された寿命を伴う、骨髄中の分泌形質細胞潜在性蓄積を特徴とするB細胞悪性疾患である。この疾患は、最終的に骨及び骨髄を攻撃し、骨格系の至るところで多数の腫瘍及び病変部をもたらす。全ての癌のうちのおよそ1%及び全ての血液系悪性疾患のうちの10%強が、MMに起因し得る。MMの発生率は、高齢人口において増加し、このうち診断時年齢中央値が約61である。

0004

CD38は、受容体媒介接着及びシグナル伝達における機能を有すると共に、そのエクト酵素活性を介してカルシウム動員を媒介し、NAD+からの環状ADPリボース(cADPR)の形成を触媒し、また、cADPRをADP−リボース(ADPR)へと加水分解するII型膜タンパク質である。CD38は、サイトカインの分泌並びにリンパ球活性化及び増殖を媒介し(Funaro et al.,J Immunology 145:2390〜6、1990、Terhorst et al.,Cell 771〜80、1981、Guse et al.,Nature 398:70〜3、1999)、そのNADグリコヒドラーゼ活性を介して、調節性のT細胞区画を調節することに関与するとされている細胞外NAD+レベルを調節する(Adriouch et al.,14:1284〜92、2012、Chiarugi et al.,Nature Reviews 12:741〜52、2012)。

0005

CD38は、MM悪性形質細胞上で発現され、様々な血液系悪性疾患に関与する。

0006

現在MMに使用可能な療法としては、化学療法幹細胞移植、サロミド(登録商標)(サリドマイド)、レブリミド(登録商標)(レナリドマイド)、ベルケイド(登録商標)(ボルテゾミブ)、アレディア(登録商標)(パミドロネート)、及びゾメタ(登録商標)(ゾレドロン酸)が挙げられる。ビンクリスチン、BCNU、メルファランシクロホスファミドアドリアマイシン、及びプレドニゾン若しくはデキサメタゾンなどの化学療法剤の併用を含む現行治療プロトコールは、わずか約5%の完全寛解率をもたらすに過ぎない。生存期間中央値は、診断時からおよそ36〜48か月である。高用量の化学療法、その後の自家骨髄移植又は末梢血単核球移植を用いる近年の進歩は、完全緩解率及び寛解持続期間を増加させたが、全生存期間は、わずかに延長されただけで、治癒証拠は得られていない。最終的には、インターフェロンアルファ(IFN−α)単独又はステロイドとの併用による維持療法下でも、全MM患者再発する。したがって、多発性骨髄腫及びその他のB細胞悪性疾患の治療のための更なる療法が必要とされている。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一実施形態は、CD38陽性の血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であり、該方法は、治療を必要とする患者に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性ADCC)又は補体依存性細胞傷害性(CDC)によって、インビトロでCD38発現細胞の殺傷(killing)を誘発する。

図面の簡単な説明

0008

全トランス型レチノイン酸(ATRA)が、多発性骨髄腫(MM)細胞系におけるCD38の発現を用量依存的様式で増強させることを示す。MM細胞系RPMI8226、UM9、及びXG1を、RPMI−1640培地単独で、又は0〜25nMのATRAと共に48時間インキュベートし、次いで、回収してフローサイトメトリーによってCD38発現を決定した。このグラフは、1つの代表的な実験の結果を示す。Y軸は、CD38の表面発現平均蛍光強度MFI)の増加倍率を示す。
ATRAが、MM細胞系におけるCD38の発現を時間依存的様式で増強させることを示す。MM細胞系RPMI8226、UM9、及びXG1を、RPMI−1640培地単独で、又は10nMのATRAと共に24、48、72又は96時間インキュベートし、次いで、回収してフローサイトメトリーによってCD38発現を決定した。このグラフは、1つの代表的な実験の結果を示す。Y軸は、CD38の表面発現の平均蛍光強度(MFI)の増加倍率を示す。
ATRAが、エクスビボでMM患者からの骨髄単核球(BM−MNC)におけるCD38発現を増強させることを示す。26人のMM患者からのBM−MNCを、RPMI−1640培地単独で、又は10nMのATRAと共に48時間インキュベートし、次いで、回収してフローサイトメトリーによってCD38発現を決定した。Y軸は、CD38表面発現のMFIを示す。培地:0時間での培地。ns:有意差なし、***p<0.001、****p<0.0001。
10μg/mlのダラツムマブの存在下でCDC又はADCCを行う前に、10nMのATRAで48時間前処理された、又は前処理されていないMM XG1細胞系におけるダラツムマブ誘発性補体依存性細胞傷害性(CDC)(上パネル)及び抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)(下パネル)を示す。Y軸は、CDC又はADCCのパーセント(%)を示す。データは、少なくとも3つの実験の平均値及びSEMを示す。示される群間のp値を、対応があるスチューデントt検定を用いて算出した。Dara:ダラツムマブ、*p<0.05、**p<0.01。
10μg/mlのダラツムマブの存在下でCDC又はADCCを行う前に、10nMのATRAで48時間前処理された、又は前処理されていないMM RPMI8226細胞系におけるダラツムマブ誘発性CDC(上パネル)及びADCC(下パネル)を示す。Y軸は、CDC又はADCCのパーセント(%)を示す。データは、少なくとも3つの実験の平均値及びSEMを示す。示される群間のp値を、対応があるスチューデントのt検定を用いて算出した。Dara:ダラツムマブ、ns:有意差なし。
10μg/mlのダラツムマブの存在下でCDC又はADCCを行う前に、10nMのATRAで48時間前処理された、又は前処理されていないMM UM9細胞系におけるダラツムマブ誘発性CDC(上パネル)及びADCC(下パネル)を示す。Y軸は、CDC又はADCCのパーセント(%)を示す。データは、少なくとも3つの実験の平均値及びSEMを示す。示される群間のp値を、対応があるスチューデントのt検定を用いて算出した。Dara:ダラツムマブ、*p<0.05、ns:有意差なし。
原発性MM細胞の、10nMのATRAでの48時間の前処理が、原発性MM細胞のダラツムマブ媒介CDCを強化することを示す。MM細胞を、0〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した。グラフは、16個の患者試料プールした結果を示す。***p<0.001、****p<0.0001。DARA:ダラツムマブ。
原発性MM細胞の、10nMのATRAでの48時間の前処理が、原発性MM細胞のダラツムマブ媒介ADCCを強化することを示す。MM細胞を、0〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した。グラフは、13個の患者試料のプールした結果を示す。*p<0.05。DARA:ダラツムマブ。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者1及び患者2から単離された原発性MM細胞のインビトロでのCDCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者3及び患者4から単離された原発性MM細胞のインビトロでのCDCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者5及び患者6から単離された原発性MM細胞のインビトロでのCDCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者7及び患者8から単離された原発性MM細胞のインビトロでのCDCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者9及び患者10から単離された原発性MM細胞のインビトロでのCDCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように、10nMのATRAで48時間前処理した、又は前処理を行わなかった患者11及び患者12から単離された原発性MM細胞のインビトロでのCDCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者13及び患者14から単離された原発性MM細胞のインビトロでのCDCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者15及び患者16から単離された原発性MM細胞のインビトロでのCDCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者3及び患者4から単離された原発性MM細胞のインビトロでのADCCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように、10nMのATRAで48時間前処理した、又は前処理を行わなかった患者7及び患者8から単離された原発性MM細胞のインビトロでのADCCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者9及び患者10から単離された原発性MM細胞のインビトロでのADCCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者14及び患者15から単離された原発性MM細胞のインビトロでのADCCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者16及び患者17から単離された原発性MM細胞のインビトロでのADCCの結果を示す。
1〜10μg/mlの範囲のダラツムマブ濃度で、図に示されるように10nMのATRAを用いて又は用いずに48時間前処理した、患者18から単離された原発性MM細胞のインビトロでのADCCの結果を示す。
10nMのATRAの存在下での(黒色バー)又は存在下でない(白色バー)細胞のインキュベーションの前後の、MM患者から単離されたBM−MNC中のCD38発現レベルを示す。図4A、4B、5、及び6に示されるものと同一の患者試料を、ADCC及びCDCアッセイで用いた。
0〜25nMのATRAとの細胞の48時間のインキュベーション後の、RPMI8226細胞上のCD55、CD59、及びCD46の発現のATRA誘発性減少を示す。MFI;平均蛍光強度。CD55、CD59、及びCD46の発現を、フローサイトメトリーを用いて評価した。上パネル:MFI、下パネル:対照と比較したときのMFIの変化倍率
0〜25nMのATRAとの細胞の48時間のインキュベーション後の、UM9細胞上のCD55、CD59、及びCD46の発現のATRA誘発性減少を示す。MFI;平均蛍光強度。CD55、CD59、及びCD46の発現を、フローサイトメトリーを用いて評価した。上パネル:MFI、下パネル:対照と比較したときのMFIの変化倍率。
0〜25nMのATRAとの細胞の48時間のインキュベーション後の、XG1細胞のCD55、CD59、及びCD46の発現のATRA誘発性減少を示す。MFI;平均蛍光強度。CD55、CD59、及びCD46の発現を、フローサイトメトリーを用いて評価した。上パネル:MFI、下パネル:対照と比較したときのMFIの変化倍率。
示されるように10nMのATRAを用いた(灰色バー)又は用いない(黒色バー)、細胞の48時間のインキュベーション後の原発性MM細胞上のCD55発現のATRA誘発性減少を示す。*p=0.019。
示されるように10nMのATRAを用いた(灰色バー)又は用いない(黒色バー)、細胞の48時間のインキュベーション後の原発性MM細胞上のCD59発現のATRA誘発性減少を示す。*p=0.0047。
示されるように10nMのATRAを用いた(灰色バー)又は用いない(黒色バー)、細胞の48時間のインキュベーション後の原発性MM細胞上のCD46発現に対するATRAの効果を示す。ns:有意差なし。
10nMのATRAを用いた(黒色バー)又は用いない(白色バー)、細胞の48時間のインキュベーション後の16人のMM患者から単離された原発性MM細胞上のCD55発現を示す。図5に示されるものと同一の患者試料を、CDCアッセイで用いた。
10nMのATRAを用いた(黒色バー)又は用いない(白色バー)、細胞の48時間のインキュベーション後の16人のMM患者から単離された原発性MM細胞上のCD59発現を示す。図5に示されるものと同一の患者試料を、CDCアッセイで用いた。
10nMのATRAを用いた(黒色バー)又は用いない(白色バー)、細胞の48時間のインキュベーション後の16人のMM患者から単離された原発性MM細胞上のCD46発現を示す。図5に示されるものと同一の患者試料を、CDCアッセイで用いた。
ATRAが、ヒト化多発性骨髄腫のマウスモデルにおいてダラツムマブに対する応答を改善することを示す。間葉系幹細胞MSC被覆スキャフォールドを保有するRag2-/-γc-/-マウスに、ルシフェラーゼ形質導入XG1細胞を接種した。マウスを、対照、ATRA+エフェクター細胞としてのT細胞枯渇BMC(PBMC−T)、ダラツムマブ+PBMC−T、又はダラツムマブ+ATRA+PBMC−Tで処置し、形質導入XG1細胞の増殖について、生物発光イメージングBLI)によって、毎週監視した。この図は、群当たり4匹のマウスで、各マウスが4つのスキャフォールドを有した状態で、処置群毎の腫瘍量を示す。ダラツムマブで処置されたマウスと、ダラツムマブに加えてATRAで処置されたマウスとの間の統計的相違度を、マンホイットニーU検定を用いて算出した。*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、ns:有意差なし。

0009

「CD38」とは、ヒトCD38タンパク質(別名:ADP−リボシルシクラーゼ1、cADPrヒドロラーゼ1、環状ADP−リボースヒドロラーゼ1)を指す。ヒトCD38は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する。

0010

本明細書で使用される「抗体」は、広義で意図され、ネズミ、ヒト、ヒト適合性、ヒト化及びキメラモノクローナル抗体を含むモノクローナル抗体、抗体断片二重特異性抗体又は多重特異性抗体、二量体の、四量体の又は多量体の抗体、並びに一本鎖抗体を含む、免疫グロブリン分子を含む。

0011

免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて5つの主なクラス、即ち、IgAIgDIgEIgG及びIgM分類することができる。IgA及びIgGは、アイソタイプIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4に更に下位分類される。いずれの脊椎動物種の抗体軽鎖も、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて2つの明確に異なるタイプ、即ちカッパκ)及びラムダ(λ)のうちの一方に分類することができる。

0012

本明細書で使用される「抗体断片」とは、重鎖及び/又は軽鎖抗原結合部位、例えば、重鎖相補性決定領域(HCDR)1、2、及び3、軽鎖相補性決定領域(LCDR)1、2、及び3、重鎖可変領域(VH)、又は軽鎖可変領域(VL)を保持する免疫グロブリン分子の一部を指す。抗体断片としては、Fab断片、VL、VH、CL、及びCHIドメインからなる一価の断片、F(ab)2断片、ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって結合された2つのFab断片を含む二価の断片、VH及びCHIドメインからなるFd断片;抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるFv断片、VHドメインからなるドメイン抗体(dAb)(Ward et al.,Nature 341:544〜546、1989)が含まれる。VHドメイン及びVLドメインは、操作され、合成リンカーを介して一緒に連結して様々な種類の一本鎖抗体設計を形成することができ、ここでVH/VLドメインは、分子内で対合するか、又はVHドメイン及びVLドメインが別々の一本鎖抗体構築物によって発現される場合には分子間で対合して、一本鎖Fv(scFv)又はダイアボディなどの一価の抗原結合部位を形成する。これらは、例えば、国際特許公開第WO1998/44001号、同第WO1988/01649号、同第WO1994/13804号、及び同第WO1992/01047号に記載されている。これらの抗体断片は、当業者に周知の技術を使用して得られ、これらの断片は全長抗体の場合と同一の方法で、有用性に関してスクリーニングされる。

0013

本明細書で使用される「単離された抗体」とは、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない、抗体又は抗体断片を指す(例えば、CD38に特異的に結合する抗体)。しかし、ヒトCD38に特異的に結合する単離された抗体は、Macaca fascicularis(カニクイザル)CD38など、ヒトCD38のオルソログなどの他の抗原に対して交差反応性を有する可能性がある。更に、単離された抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まない場合もある。

0014

抗体可変領域は、3つの「抗原結合部位」で隔てられた「フレームワーク」領域からなる。抗原部位は、様々な用語を用いて定義される:VH内に3つ(HCDR1、HCDR2、HCDR3)及びVL内に3つ(LCDR1、LCDR2、LCDR3)ある、相補性決定領域(CDR)は、配列可変性に基づき(Wu and Kabat,J Exp Med 132:211〜50,1970、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1991)、VH内に3つ(H1、H2、H3)及びVL内に3つ(L1、L2、L3)ある、「超可変領域」、「HVR」、又は「HV」は、Chothia and Lesk(Chothia and Lesk,Mol Biol 196:901〜17,1987)によって定義されたような構造的に超可変である抗体可変ドメインの領域を指す。他の用語には、「IMGT−CDR」(Lefranc et al.,Dev.Comparat.Immunol.27:55〜77、2003)及び「特異性決定残基使用」(SDRU)(Almagro,Mol.Recognit、17:132〜43,2004)が含まれる。International ImMunoGeneTics(IMGT)データベース(http://www_imgt_org)は、抗原結合部位の標準化番号付け及び定義を提供する。CDR、HV、及びIMGTの表記間の対応関係については、Lefranc et al.,Dev.Comparat.Immunol.27:55〜77,2003に記載されている。

0015

本明細書で使用される「Chothia残基」は、Al−Lazikani(Al−Lazikani et al.,J Mol Biol 273:927〜48,1997)に準じて番号付けされた抗体VL残基及びVH残基である。

0016

「フレームワーク」又は「フレームワーク配列」は、抗原結合部位として定義されたものを除く、可変領域の残りの配列である。

0017

ヒト化抗体」とは、抗原結合部位がヒト以外の種に由来しかつ可変領域フレームワークヒト免疫グロブリン配列に由来する、抗体を指す。ヒト化抗体はフレームワーク内に置換を含む可能性があることから、当該フレームワークは、発現したヒト免疫グロブリン又は生殖細胞系列遺伝子配列の完全な複製物でなくてもよい。

0018

「ヒト適応」抗体又は「ヒトフレームワーク適応(HFA)」抗体は、米国特許公開第US2009/0118127号に記載される方法に準じて適応されたヒト化抗体を指す。ヒト適応抗体は、CDR1及びCDR2ループ並びに軽鎖CDR3ループの一部の、最大のCDR及びFR類似性、長さ適合性、及び配列類似性に基づいて、アクセプターヒトフレームワークを選択することによってヒト化される。

0019

ヒト抗体」とは、フレームワーク及び抗原結合部位の両方がヒト起源の配列に由来する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する抗体を指す。抗体が定常領域を含有する場合、定常領域もヒト起源の配列に由来する。

0020

ヒト抗体は、抗体の可変領域がヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子を使用する系から得られた場合のヒト起源の配列に「由来する」重鎖可変領域又は軽鎖可変領域を含む。そのような系は、ファージ上に提示されたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリ、及び本明細書に記載されるヒト免疫グロブリン遺伝子座を保有するマウスなど、トランスジェニックのヒト以外の動物を含む。「ヒト抗体」は、例えば天然に存在する体細胞突然変異又はフレームワーク又は抗原結合部位における意図した置換の導入により、ヒト生殖系列又は再編成された免疫グロブリン配列と比較したとき、アミノ酸相違を含み得る。典型的には、「ヒト抗体」は、アミノ酸配列において、ヒト生殖系列又は再編成された免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である。いくつかの場合では、「ヒト抗体」は、例えばKnappik et al.,J Mol Biol 296:57〜86,2000)に記載されるヒトフレームワーク配列分析から得られたコンセンサスフレームワーク配列、又は例えばShi et al.,J Mol Biol 397:385〜96,2010及び国際特許公開第WO2009/085462号)に記載されるファージ上に提示されたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリに組み込まれた合成HCDR3を含有し得る。抗原結合部位がヒト以外の種に由来する抗体は、「ヒト抗体」の定義には含まれない。

0021

単離されたヒト化抗体は合成であり得る。ヒト抗体は、ファージディスプレイ組み込み合成CDR及び/若しくは合成フレームワークなどの系を用いて生成されてもよく、又は抗体特性を改善するためにインビトロ突然変異誘発を受けることができる。

0022

本明細書で使用される「組換え抗体」は、ヒト免疫グロブリン遺伝子のトランスジェニック若しくは染色体導入動物(例えば、マウス若しくはラット)又はそれから調製されたハイブリドーマ(下で更に説明される)から単離された抗体、抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から単離された抗体、組換えコンビナトリアル抗体ライブラリから単離された抗体、並びにヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列スプライスすることを伴う任意の他の手段により調製、発現、作製、又は単離された抗体、あるいはFabアーム交換を用いてインビトロで生成される抗体、例えば二重特性抗体などの組換え手段により調製、発現、作製、又は単離される全ての抗体を含む。

0023

本明細書で使用される「モノクローナル抗体」は、単一分子組成抗体分子調製物を意味する。モノクローナル抗体組成物は、そのVH、VL、及び/若しくはVH/VL対を介しての単一結合部位及び特定のエピトープに対する親和性を提示し、又は二重特異性モノクローナル抗体の場合には、2つの別個のエピトープに対する二重結合特異性を提示する。

0024

本明細書で使用される「エピトープ」とは、抗体が特異的に結合する抗原の一部を意味する。エピトープは通常、アミノ酸又は多糖類側鎖のような部位の化学的に活性な(極性非極性又は疎水性など)表面基からなり、特定の3次元構造特性及び特定の電荷特性を有し得る。エピトープは、立体配座空間単位を形成する隣接した及び/又は隣接していないアミノ酸からなり得る。隣接していないエピトープについて、抗原の直鎖配列の異なる部分からのアミノ酸は、タンパク質分子の折り畳みを通じて、3次元空間において近接する。

0025

本明細書で使用される「変種」は、1つ又は2つ以上の修飾、例えば、置換、挿入、又は欠失によって、基準ポリペプチド又は基準ポリヌクレオチドとは異なっている、ポリペプチド又はポリヌクレオチドを指す。

0026

相乗」、「相乗作用」又は「相乗的な」とは、組み合わせの予期された相加効果を超えることを意味する。

0027

本明細書で使用する「と組み合わせて」は、2つ又は3つ以上の治療剤が、患者に混合物の状態で一緒に、単一の薬剤として同時に、又は単一の薬剤として任意の順番で順次に投与できることを意味する。

0028

用語「治療する」又は「治療」とは、腫瘍又は腫瘍細胞の発生、増殖若しくは拡がりなどの、望まれない生理的変化若しくは疾患の鈍化(減少)、又は治療中の有益な若しくは所望の臨床転帰の提供を目的とする、治療的処置を指す。有益な若しくは所望の臨床転帰としては、検出可能であろうと又は検出不可能であろうと、症状の緩和、疾患の程度の軽減、安定した(すなわち、悪化しない)疾患状態、疾患の進行の遅延又は鈍化、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解(部分的であろうと又は全体的であろうと)が含まれる。「治療」はまた、対象が治療を受けていない場合に予想される生存期間と比較して、生存期間を延長させることを意味し得る。治療を必要とする対象としては、望まれない生理的変化又は疾患をすでに有している対象並びに生理的変化又は疾患を有する傾向がある対象が含まれる。

0029

「増殖を阻害する」(例えば、腫瘍細胞などの細胞に言及する場合)は、当業者に周知の適切な対照条件で増殖された同一の細胞の増殖と比較して、治療又は治療若しくは薬剤の組み合わせと接触されるときのインビトロ又はインビボでの細胞増殖における測定可能な減少を指す。インビトロ又はインビボでの細胞の増殖の阻害は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、又は100%であり得る。細胞増殖の阻害は、様々な機構によって、例えば、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)、抗体依存性細胞貧食作用(ADCP)、補体依存性細胞傷害性(CDC)、アポトーシス壊死、又は細胞増殖の阻害によって起こり得る。

0030

「治療的に有効な量」は、所望の治療結果を達成するために、必要な用量及び期間で、有効な量を意味する。治療的に有効な量は、個体の病態、年齢、性別、及び体重などの要因、並びに個体において所望の応答を引き出す治療剤又は治療剤の組み合わせの能力によって種々であってよい。有効な治療剤又は治療剤の組み合わせの例示の指標としては、例えば、患者の健康状態の改善、腫瘍量の減少、腫瘍の増殖の停止若しくは鈍化、及び/又は体内の他の場所への癌細胞転移不在が含まれる。

0031

本発明は、CD38陽性血液系悪性疾患を有する患者を、CD38抗体及び全トランス型レチノイン酸(ATRA)の組み合わせで治療する方法を提供する。本発明は、少なくとも一部は、ATRAが、MM細胞上のCD38発現を増強することによって、低レベル中間レベル又は高レベルのCD38を発現する原発性MM細胞のADCC及び/又はCDCによる抗CD38抗体のダラツムマブ媒介溶解を増大させるという発見に基づく。ATRAは、インビトロにおいてダラツムマブ媒介CDC及び/又はADCCに対して抵抗性であるか、又は二重不応性(レナリドマイド不応性及びボルテゾミブ不応性)疾患を有する多くの治療歴がある多発性骨髄腫患者から得られた原発性MM試料中でダラツムマブ媒介ADCC及び/又はCDCを誘発することもできる。ATRAが、ダラツムマブ媒介CDCをADCCよりも高い程度まで増大させることは、ATRAがまた補体阻害タンパク質CD55及びCD59を下方制御するとの知見によって説明され得る。

0032

ATRA(CAS 302−79−4)は、周知の分子構造を有する。

0033

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態は、CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与する工程を含む、方法である。

0034

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態は、CD38陽性の血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)又は補体依存性細胞傷害性(CDC)によって、インビトロでCD38発現細胞の殺傷を誘発する、方法である。

0035

本発明の方法を用いて任意の分類に属する動物の対象を治療することができる。このような動物の例としては、ヒト、齧歯類イヌネコ、及び家畜などの哺乳動物が挙げられる。

0036

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明のいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、インビトロでCDCによって、CD38発現細胞の殺傷を誘発する。

0037

「CD38陽性血液系悪性疾患」とは、白血病、リンパ腫、及び骨髄腫を含む、CD38を発現する腫瘍細胞の存在によって特徴付けられる血液系悪性疾患を指す。このようなCD38陽性血液系悪性疾患の例は、前駆B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫及びB細胞非ホジキンリンパ腫、急性前骨髄球性白血病急性リンパ芽球性白血病並びに成熟B細胞腫瘍、例えばB細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)、B細胞急性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ急性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)(鄭悪性度、中悪性度及び高悪性度FLを含む)、皮膚濾胞中心リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫(MALT型、節性及び性型)、有毛細胞白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、バーキットリンパ腫(BL)、形質細胞腫、多発性骨髄腫(MM)、形質細胞白血病、移植後リンパ増殖性疾患、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、形質細胞白血病及び未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)である。

0038

CD38は、多発性骨髄腫、白血病、及びリンパ腫を含む様々な悪性血液系疾患、例えば、B細胞慢性リンパ性白血病、T細胞及びB細胞急性リンパ性白血病、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、原発性全身性アミロイド症、マントル細胞リンパ腫、前リンパ性骨髄性白血病急性骨髄性白血病慢性骨髄性白血病、濾胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、大顆粒リンパ球性(LGL)白血病、NK細胞白血病及び形質細胞白血病で発現される。CD38の発現は、前立腺腺上皮膵臓島細胞耳下腺を含む導管上皮気管支上皮細胞精巣及び卵巣の細胞、並びに結腸直腸腺癌における腫瘍上皮を含む異なる起源の上皮/内皮細胞に関して記載されている。CD38発現が関与し得るその他の疾患としては、例えば、気管支上皮癌、乳癌乳房乳管及び小葉における上皮層悪性増殖から発生)、β−細胞(インスリノーマ)から発生する膵臓腫瘍消化管の上皮から発生する腫瘍(例えば、腺癌及び扁平上皮癌)、前立腺における癌、及び睾丸セミノーマ並びに卵巣癌が含まれる。中枢神経系においては、神経芽細胞腫がCD38を発現する。

0039

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態において、CD38陽性血液系悪性疾患は、多発性骨髄腫である。

0040

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態において、CD38陽性血液系悪性疾患は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。

0041

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態において、CD38陽性血液系悪性疾患は、非ホジキンリンパ腫である。

0042

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態において、CD38陽性血液系悪性疾患は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。

0043

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態において、CD38陽性血液系悪性疾患は、濾胞性リンパ腫(FL)である。

0044

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態において、CD38陽性血液系悪性疾患は、バーキットリンパ腫(BL)である。

0045

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態において、CD38陽性血液系悪性疾患は、マントル細胞リンパ腫(MCL)である。

0046

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態において、CD38陽性血液系悪性疾患は、多発性骨髄腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、バーキットリンパ腫(BL)、濾胞性リンパ腫(FL)、又はマントル細胞リンパ腫(MCL)である。

0047

B細胞非ホジキンリンパ腫の例は、リンパ腫様肉芽腫症、原発性滲出性リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、重鎖病(γ、μ、及びα病を含む)、免疫抑制剤による治療によって誘発されるリンパ腫、例えばシクロスポリン誘発性リンパ腫及びメトトレキサート誘発性リンパ腫である。

0048

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の一実施形態において、CD38を発現する細胞に関与する疾患は、ホジキンリンパ腫である。

0049

CD38を発現する細胞に関与する疾患の他の例としては、成熟T細胞及びNK細胞腫瘍を含むT及びNK細胞に由来する悪性疾患、例えば、T細胞前リンパ球性白血病、T細胞大顆粒リンパ性白血病アグレッシブNK細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫型、腸管症型T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫セザリー症候群、原発性皮膚CD30陽性T細胞リンパ増殖性疾患(原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫C−ALCL、リンパ腫様丘疹症境界病変)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、非特定型末梢性T細胞リンパ腫、及び未分化大細胞型リンパ腫が挙げられる。

0050

骨髄系細胞に由来する悪性疾患の例としては、急性前骨髄球性白血病を含む急性骨髄性白血病、及び慢性骨髄性白血病を含む慢性骨髄増殖性疾患が挙げられる。

0051

いずれの抗CD38抗体も、以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の方法において使用されてもよい。

0052

いくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)又は補体依存性細胞傷害性(CDC)によって、CD38発現細胞のインビトロ殺傷を誘発する。

0053

抗CD38抗体の可変領域は、既存の抗CD38抗体から得ることができ、標準方法を用いて、全長抗体として又は様々な抗体様式及び断片にクローンすることができる。使用することができるCD38に結合する例示的な可変領域は、国際公開公報第WO05/103083号、同第WO06/125640号、同第WO07/042309号、同第WO08/047242号、同第WO12/092612号、同第WO06/099875号及び同第WO11/154453A1号に記載されている。

0054

使用することができる例示的な抗CD38抗体はダラツムマブである。ダラツムマブは、それぞれ配列番号4及び5に示される重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列、それぞれ配列番号6、7及び8の重鎖CDRHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにそれぞれ配列番号9、10及び11の軽鎖CDR LCDR1、LCDR2、LCDR3を含み、ダラツムマブはIgG1/(サブタイプのものであり、米国特許第7,829,693号に記載されている。ダラツムマブ重鎖のアミノ酸配列は、配列番号12に示され、軽鎖のアミノ酸最列は、配列番号13に示されている。

0055

配列番号1
MANCEFSPVGDKPCCRLSRRAQLCLGVSILVLILVVVLAVVVPRWRQQWSGPGTTKRFPETVLARCVKYTEIHPEMRHVDCQSVWDAFKGAFISKHPCNITEEDYQPLMKLGTQTVPCNKILLWSRIKDLAHQFTQVQRDMFTLDTLLGYLADDLTWCGEFNTSKINYQSCPDWRKDCSNNPVSVFWKTVSRRFAEAACDVVHVMLNGSRSKIFDKNSTFGSVEVNLQPEKVQTLEAWVIHGGREDSRDLCQDPTIKELESIISKRNIQFSCKNIYRPDKFLQCVKNPEDSSCTSEI

0056

配列番号2
SKRNIQFSCKNIYR

0057

配列番号3
EKVQTLEAWVIHGG

0058

配列番号4
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGFTFNSFAMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGGTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYFCAKDKILWFGEPVFDYWGQGTLVTVSS

0059

配列番号5
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIK

0060

配列番号6
SFAMS

0061

配列番号7
AISGSGGGTYYADSVKG

0062

配列番号8
DKILWFGEPVFDY

0063

配列番号9
RASQSVSSYLA

0064

配列番号10
DASNRAT

0065

配列番号11
QQRSNWPPTF

0066

配列番号12
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGFTFNSFAMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGGTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYFCAKDKILWFGEPVFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

0067

配列番号13
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

0068

使用することができる別の例示的な抗CD38抗体は、米国特許第7,829,693号に記載される、それぞれ配列番号14及び15のVH及びVL配列を含むmAb003である。mAb003のVH及びVLは、IgG1/κと表されてもよい。

0069

配列番号14
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAFSWVRQAPGQGLEWMGRVIPFLGIANSAQKFQGRVTITADKSTSTAYMDLSSLRSEDTAVYYCARDDIAALGPFDYWGQGTLVTVSSAS

0070

配列番号15
DIQMTSPSSSASVGDRVTITCRASQGISSWLAWYQQKPEKAPKSLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYNSYPRTFGQGTKVEIK

0071

使用することができる別の例示的な抗CD38抗体は、米国特許第7,829,693号に記載される、それぞれ配列番号16及び17のVH及びVL配列を含むmAb024である。mAb024のVH及びVLは、IgG1/κと表されてもよい。

0072

配列番号16
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFSNYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPHDSDARYSPSFQGQVTFSADKSISTAYLQWSSLKASDAMYYCARHVGWGSRYWYFDLWGRGTLVTVSS

0073

配列番号17
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIK

0074

使用することができる別の例示的な抗CD38抗体は、米国特許第8,088,896号に記載される、それぞれ配列番号18及び19のVH及びVL配列を含MOR−202(MOR−03087)である。MOR−202のVH及びVLは、IgG1/κと表されてもよい。

0075

配列番号18
QVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYYMNWVRQAPGKGLEWVSGISGDPSNTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDLPLVYTGFAYWGQGTLVTVSS

0076

配列番号19
DIELTQPPSVSVAPGQTARISCSGDNLRHYYVYWYQQKPGQAPVLVIYGDSKRPSGIPERFSGSNSGNTATLTISGTQAEDEADYYCQTYTGGASLVFGGGTKLTVLGQ

0077

使用することができる別の例示的な抗CD38抗体は、米国特許第8,153,765号に記載される、それぞれ配列番号20及び21のVH及びVL配列を含むイサツキシマブである。イサツキシマブのVH及びVLは、IgG1/κと表されてもよい。

0078

配列番号20:
QVQLVQSGAEVAKPGTSVKLSCKASGYTFTDYWMQWVKQRPGQGLEWIGTIYPGDGDTGYAQKFQGKATLTADKSSKTVYMHLSSLASEDSAVYYCARGDYYGSNSLDYWGQGTSVTVSS

0079

配列番号21:
DIVMTQSHLSMSTSLGDPVSITCKASQDVSTVVAWYQQKPGQSPRRLIYSASYRYIGPDRTGSGAGTDFTFTISSVQAEDLAVYYCQQHYSPPYTFGGGTKLEIK

0080

本発明の方法において使用することができる他の例示的な抗CD38抗体としては、国際特許公開第WO05/103083号、国際特許公開第WO06/125640号、国際特許公開第WO07/042309号、国際特許公開第WO08/047242号、又は国際特許公開第WO14/178820号に記載されているものが挙げられる。

0081

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の方法で使用される抗CD38抗体は、ファージ提示ライブラリから新たに選択されてもよく、このファージは、ヒト免疫グロブリン又はその一部(例えば、Fab、一本鎖抗体(scFv)、又は対をなさない若しくは対をなす抗体可変領域)を発現するよう遺伝子操作を受けている((Knappik et al.,J Mol Biol 296:57〜86,2000、Krebs et al.,J Immunol Meth 254:67〜84,2001、Vaughan et al.,Nature Biotechnology 14:309〜314,1996、Sheets et al.,PITAS(USA)95:6157〜6162,1998、Hoogenboom及びWinter、J Mol Biol 227:381,1991、Marks et al.,J Mol Biol 222:581,1991)。CD38結合可変ドメインは、例えば、Shi et al.,J Mol Biol 397:385〜96,2010及びPCT国際公開第WO09/085462号)に記載されるバクテリオファージpIX被覆タンパク質との融合タンパク質として抗体の重鎖及び軽鎖可変領域を発現するファージ提示ライブラリから単離され得る。抗体ライブラリをヒトCD38細胞外ドメインへの結合についてスクリーニングして、得られた陽性クローンの特徴付けを更に行い、Fabはクローンライセートから単離され、その後全長抗体としてクローンされる。ヒト抗体を単離するためのそのようなファージ提示法は、当技術分野にて確立されている。例えば、米国特許第5,223,409号、米国特許第5,403,484号、及び米国特許第5,571,698号、米国特許第5,427,908号、米国特許第5,580,717号、米国特許第5,969,108号、米国特許第6,172,197号、米国特許第5,885,793号、米国特許第6,521,404号、米国特許第6,544,731号、米国特許第6,555,313号、米国特許第6,582,915号、及び米国特許第6,593,081号を参照されたい。

0082

抗体のFc部分は、抗体依存性細胞媒介細胞障害性(ADCC)、抗体依存性細胞貧食作用(ADCP)又は補体依存性細胞障害性(CDC)などの抗体のエフェクター機能を媒介することができる。このような機能は、FCエフェクタードメイン複数可)の貧食活性若しくは溶解活性を有する免疫細胞上のFc受容体への結合によって又はFcエフェクタードメイン(複数可)の補体系の成分への結合によって、媒介され得る。通常、Fc結合細胞又は補体成分によって媒介される作用(複数可)は、標的細胞、例えばCD38発現細胞の阻害及び/又は枯渇をもたらす。ヒトIgGアイソタイプIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4は、エフェクター機能に関して特異的な能力を呈する。ADCCは、IgG1及びIgG3によって媒介され得、ADCPは、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4によって媒介され得、CDCは、IgG1及びIgG3によって媒介され得る。

0083

本明細書に記載される方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプのものである。

0084

本明細書に記載される方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、IgG1又はIgG3アイソタイプのものである。

0085

本明細書に記載される方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、ADCCによるCD38発現細胞のインビトロ殺傷を誘発する。

0086

本明細書に記載される方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、CDCによるCD38発現細胞のインビトロ殺傷を誘発する。

0087

本明細書に記載される方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、インビトロでADCC及びCDCによるCD38発現細胞の殺傷を誘発する。

0088

「抗体依存性細胞障害性」若しくは「抗体依存性細胞媒介細胞障害性」又は「ADCC」は、エフェクター細胞で発現されるFcガンマ受容体(FcγR)を介しての、抗体被覆標的細胞の、ナチュラルキラー細胞単球マクロファージ、及び好中球などの溶解活性を有するエフェクター細胞との相互作用に依存する、細胞死を誘発するための機構である。例えば、NK細胞はFcγRIIIaを発現し、一方単球はFcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIaを発現する。CD38発現細胞などの抗体被覆標的細胞の死滅は、膜孔形成タンパク質及びプロテアーゼの分泌を通してのエフェクター細胞活性の結果として生じる。抗CD38抗体のADCC活性をインビトロで評価するために、抗体は、抗原抗体複合体によって活性化されて標的細胞の細胞溶解をもたらし得る免疫エフェクター細胞と組み合わせて、CD38発現細胞に添加されてもよい。細胞溶解は、通常、溶解した細胞からの標識(例えば、放射性基質蛍光染料、又は天然細胞内タンパク質)の放出によって検出される。例えば、MMなどのB細胞悪性疾患を有する患者から単離された原発性BM−MNC細胞が、このアッセイに用いられてもよい。例示的なアッセイにおいて、BM−MNCは、抗CD38抗体を用いて、0.3〜10μg/mlの濃度にて1時間処理されてもよく、原発性CD138+ MM細胞の生存は、van der Veer et al.,Haematologica 96:284〜290,2001又はvan der Veer et al.,Blood Cancer J 1(10):e41,2011に記載される技術を用いて、フローサイトメトリーによって決定することができる。MM細胞溶解の割合は、本明細書に記載されるアイソタイプ対照に対して決定することができる。本発明の方法において用いられる抗CD38抗体は、ADCCを対照の約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%まで誘発することができる。

0089

「補体依存性細胞障害性」又は「CDC」は、標的結合抗体のFcエフェクタードメインが補体成分C1qに結合してこれを活性化し、補体成分C1qが次に補体カスケードを活性化して、標的細胞の死滅をもたらす、細胞死を誘発するための機構を指す。補体の活性化はまた、標的細胞表面上の補体成分の沈着をもたらすことができ、これが白血球への補体受容体(例えば、CR3)の結合によって、ADCCを容易にする。例示的なアッセイにおいて、B細胞悪性疾患を有する患者から単離された原発性BM−MNC細胞は、抗CD38抗体及び10%のプールされたヒト血清に由来する補体を用いて、0.3〜10μg/mlの濃度にて1時間処理されてもよく、原発性CD138+ MM細胞の生存は、van der Veer et al.,Haematologica 96:284〜290,2011、van der Veer et al.,Blood Cancer J 1(10):e41,2011に記載される技術を用いて、フローサイトメトリーによって決定することができる。MM細胞溶解の割合は、本明細書に記載されるアイソタイプ対照に対して決定することができる。本発明の方法において用いられる抗CD38抗体は、CDCを約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%まで誘発することができる。

0090

モノクローナル抗体のADCCを誘発するための能力は、それらのオリゴ糖成分を遺伝子操作することによって増強させることができる。ヒトIgG1又はIgG3は、大部分のグリカンが周知の二分岐G0、G0F、G1、G1F、G2、又はG2F型である、Asn297においてN−グリコシル化される。遺伝子操作されていないCHO細胞によって産生された抗体は、通常、少なくとも約85%のグリカンのフコース含有量を有する。Fc領域に結合した二分岐の複合体型オリゴ糖からのコアフコースの除去は、抗原結合又はCDC活性を変更することなく、改善されたFcγRIIIa結合を介して抗体のADCCを増強する。このような抗体は、培地のオスモル濃度の制御(Konno et al.,Cytotechnology 64:249〜65,2012)、変異体CHO系Lec13の宿主細胞系としての適用(Shieldset al.,J Biol Chem 277:26733〜40,2002)、変異体CHO系EB66の宿主細胞系としての適用(Olivier et al.,MAbs;2(4),2010、印刷に先立って電子公開、PMID:20562582)、ラットハイブリドーマ細胞系YB2/0の宿主細胞系としての適用(Shinkawa et al.,J Biol Chem 278:3466〜3473,2003)、α 1,6−フコシルトランスフェラーゼ(FUT8)遺伝子に対して特異的な低分子干渉RNAの導入(Mori et al.,Biotechnol Bioeng88:901〜908,2004)、あるいはβ−1,4−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII及びゴルジα−マンノシダーゼII又は強力なアルファ−マンノシダーゼI阻害物質キフネンシン共発現(Ferrara et al.,J Biol Chem281:5032〜5036,2006、Ferrara et al.,Biotechnol Bioeng93:851〜861,2006、Xhou et al.,Biotechnol Bioeng 99;652〜65,2008)などのFcオリゴ糖の二分岐の複合型を保有する脱フコシル化抗体の比較的高い発現をもたらすことが報告されている、様々な方法を用いて達成されてもよい。本発明の方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において用いられる抗CD38抗体によって誘発されるADCCはまた、抗体Fcにおけるある特定の置換によって増強されてもよい。例示的な置換は、例えば、米国特許第6,737,056号に記載されるように、アミノ酸256、290、298、312、356、330、333、334、360、378、又は430位(残基の番号付けは、EUインデックスに準じる)おける置換である。本発明の方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において用いられる抗CD38抗体によって誘発されるCDCはまた、抗体Fcにおけるある特定の置換によって増強されてもよい。例示的な置換は、例えば、Moore et al.,Mabs 2;181〜189,2010記載されるように、アミノ酸423、268、267、及び/又は113位(残基の番号付けは、EUインデックスに準じる)おける置換である。

0091

本明細書に記載されるいくつかの方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、抗体Fcにおける置換を含む。

0092

本明細書に記載されるいくつかの方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、アミノ酸256、290、298、312、356、330、333、334、360、378、及び/又は430位(残基の番号付けは、EUインデックスに準じる)おける置換を含む。

0093

本明細書に記載されるいくつかの方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、アミノ酸113、267、268、及び/又は423位(残基の番号付けは、EUインデックスに準じる)おける置換を含む。

0094

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本発明の別の実施形態は、CD38陽性の血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、CD38への結合に関して、配列番号4の重鎖可変領域(VH)及び配列番号5の軽鎖可変領域(VL)を含む抗体(ダラツムマブ)と競合する、方法である。

0095

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本発明の別の実施形態は、CD38陽性の血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞障害性(ADCC)又は補体依存性細胞障害性(CDC)によって、インビトロでのCD38発現細胞の殺傷を誘発し、抗CD38抗体は、CD38への結合に関して、配列番号4の重鎖可変領域(VH)及び配列番号5の軽鎖可変領域(VL)を含む抗体(ダラツムマブ)と競合する、方法である。

0096

抗体は、周知のインビトロ方法を用いて、CD38への結合に関して、配列番号4のVH及び配列番号5のVLを有するダラツムマブとのそれらの競合について評価され得る。例示的な方法において、CD38を組換え的に発現するCHO細胞が、非標識ダラツムマブと4℃にて15分間インキュベートされ、その後、過剰の蛍光標識された試験抗体と、4℃にて45分間インキュベートされ得る。PBSBSA中での洗浄後に、標準法を用いて、フローサイトメトリーによって、蛍光を測定することができる。別の例示的な方法においては、ヒトCD38の細胞外部分が、ELISAプレートの表面に被覆されてもよい。過剰の非標識ダラツムマブを、約15分間添加することができ、その後ビオチン化試験抗体を添加することができる。PBS/Tween中で洗浄後、試験ビオチン化抗体の結合を、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)結合ストレプトアビジンを用いて検出し、シグナルを標準法方法を用いて検出することができる。競合アッセイにおいて、ダラツムマブが標識され、試験抗体が標識されないことが可能であることは、容易に明らかである。ダラツムマブが、試験抗体の結合を阻害するとき、試験抗体はダラツムマブと競合し、あるいは試験抗体はダラツムマブの結合を80%、85%、90%、95%、又は100%まで阻害する。試験抗体のエピトープは、例えば、ペプチドマッピング又は既知の方法を用いる水素重水素保護によって、更に定義され得る。

0097

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の別の実施形態において、CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)及び領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)に結合する抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含む、方法である。

0098

以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示される本発明の別の実施形態において、CD38陽性の血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)及び領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)に結合する抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)又は補体依存性細胞傷害性(CDC)によって、インビトロでCD38発現細胞の殺傷を誘発する、方法である。抗体が、各領域内の少なくとも1つのアミノ酸残基と結合するとき、この抗体は、「領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)及び領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)に結合する」。抗体は、配列番号2及び配列番号3の各領域内の、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14個のアミノ酸残基に結合してもよい。抗体は、任意に、配列番号2及び配列番号3の領域の外側の1つ又は2つ以上の残基に結合してもよい。結合は、突然変異誘発試験などの既知の方法によって、又は抗体との複合体中のCD38の結晶構造解析することによって評価されてもよい。以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示されるいくつかの実施形態において、抗体エピトープは、ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)における少なくとも1つのアミノ酸と、領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)における少なくとも1つのアミノ酸とを含む。以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示されるいくつかの実施形態において、抗体エピトープは、ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)における少なくとも2つのアミノ酸と、領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)における少なくとも2つのアミノ酸とを含む。以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示されるいくつかの実施形態において、抗体エピトープは、ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)における少なくとも3つのアミノ酸と、領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)における少なくとも3つのアミノ酸とを含む。以下に列挙される番号付けされた実施形態におけるものを含む、本明細書に開示されるいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)における少なくともKRNと、領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)における少なくともVQLT(配列番号22)とを含むエピトープに結合する。

0099

本明細書に記載される本発明のいくつかの実施形態において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)における少なくともKRNと、領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)における少なくともVQLT(配列番号22)とを含むエピトープに結合する。

0100

ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)及び領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)に結合する、又は最小でも上で示される残基KRN及びVQLT(配列番号22)に結合する例示的な抗体は、上述したある特定のVH、VL、及びCDR配列を有するダラツムマブである。ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)及び領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)に結合する抗体は、例えば、標準方法を用いてかつ本明細書に記載される通りに、マウスを、配列番号2及び3に示したアミノ酸配列を有するペプチドで免疫化することによって、生成することができる。抗体は、例えば、上述したように、CD38に対する結合に関して、ダラツムマブと試験抗体との間の競合をアッセイすることによって、更に評価され得る。

0101

本明細書に記載される方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、ある範囲の親和性(KD)でヒトCD38に結合することができる。本発明による一実施形態において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、当業者により実施される表面プラズモン共鳴又は結合平衡除外(Kinexa)法によって決定されるように、抗CD38抗体は、高い親和性で、例えば、約10-7M以下のKDで、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9×10-8M、1×10-9M、約1×10-10M、約1×10-11M、約1×10-12M、約1×10-13M、約1×10-14M、約1×10-15M、若しくはこれらのうちの任意の範囲又は値のKDで、CD38に結合する。1つの例示的な親和性は、1×10-8M以下である。別の例示的な親和性は、1×10-9M以下である。

0102

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、約0%〜約15%の、例えば、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又は0%のフコース含有量を有する二分岐グリカン構造を有する。

0103

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、約50%、40%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又は0%のフコース含有量を有する二分岐グリカン構造を有する。

0104

Fc中の置換及び減少したフコース含有量は、抗CD38抗体のADCC活性を増強することができる。

0105

「フコース含有量」とは、Asn297における糖鎖内のフコース単糖類の量を指す。フコースの相対量は、全グリコ構造に対するフコース含有構造の割合である。グリコ構造は、複数の方法、例えば、1)国際特許公開第WO2008/077546号に記載されるように、N−グリコシダーゼ処理試料のMALDI−TOF(例えば、複合体、ハイブリッド及びオリゴ−並びに高マンノース構造)を用いること、2)Asn297のグリカン酵素的放出、その後の誘導体化及び蛍光検出を備えたHPLC(UPLC)及び/又はHPLC−MS(UPLC−MS)による検出/定量によって、3)第1及び第2のGlcNAc単糖類間を切断し、第1のGlcNAcに結合したフコースを放出するEndo S又は他の酵素によるAsn297のグリカンの処理を伴い、又はこの処理なしでの自然の又は低減されたmAbの無傷タンパク質分析、4)酵素消化(例えば、トリプシン又はエンドペプチダーゼLys−C)によるmAbの構成ペプチドへの消化、その後のHPLC−MS(UPLC−MS)による分離、検出及び定量、あるいは5)Asn297においてPNGase Fを用いる、特異的酵素脱グリコシル化によるmAbタンパク質からのmAbオリゴ糖の分離、によって特性評価かつ定量されてもよい。放出されるオリゴ糖は、フルオロフォアで標識され、グリカン構造の細かな特性評価を可能にする様々な補足的技術によって分離かつ特定することが可能であり、これらは、実験的質量の理論的質量との比較によるマトリックス支援レーザ誘起蛍光(MALDI)質量分析イオン交換HPLC(GlycoSep C)によるシアル化の程度の決定、順相HPLC(GlycoSep N)による親水性の基準に準拠するオリゴ糖型の分離並びに定量、及び高性能キャピラリー電気泳動−レーザ誘起蛍光(HPCE−LIF)によるオリゴ糖の分離並びに定量による。

0106

本出願で使用される「低フコース」又は「低フコース含有量」は、約0%〜15%のフコース含有量を有する抗体を指す。

0107

本明細書で使用される「正常なフコース」又は「正常なフコース含有量」とは、約50%を超える、通常約60%、70%、80%を超える、又は85%を超えるフコース含有量を有する抗体を指す。

0108

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、それぞれ配列番号6、7、及び8の重鎖相補性決定領域(HCDR)1(HCDR1)、2(HCDR2)、及び3(HCDR3)配列を含む。

0109

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、それぞれ配列番号9、10、及び11の軽鎖相補性決定領域(LCDR)1(LCDR1)、2(LCDR2)、及び3(LCDR3)配列を含む。

0110

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、それぞれ配列番号6、7、及び8の重鎖相補性決定領域(HCDR)1(HCDR1)、2(HCDR2)、及び3(HCDR3)配列と、それぞれ配列番号9、10、及び11の軽鎖相補性決定領域(LCDR)1(LCDR1)、2(LCDR2)、及び3(LCDR3)配列とを含む。

0111

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、配列番号4の重鎖可変領域(VH)と、配列番号5の軽鎖可変領域(VL)とを含む。

0112

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、配列番号12の重鎖と、配列番号13の軽鎖とを含む。

0113

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、配列番号14の重鎖可変領域(VH)と、配列番号15の軽鎖可変領域(VL)とを含む。

0114

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、配列番号16の重鎖可変領域(VH)と、配列番号17の軽鎖可変領域(VL)とを含む。

0115

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、配列番号18の重鎖可変領域(VH)と、配列番号19の軽鎖可変領域(VL)とを含む。

0116

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、配列番号20の重鎖可変領域(VH)と、配列番号21の軽鎖可変領域(VL)とを含む。

0117

本明細書に記載されるいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、CD38抗体は、配列番号12のアミノ酸配列と95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号13のアミノ酸配列と95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。

0118

配列番号12の重鎖及び配列番号13の軽鎖を含む抗体と実質的に同一である抗体は、本明細書に記載される本発明のいくつかの方法おいて、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において使用されてもよい。本明細書で使用される「実質的に同一」は、比較される2つの抗体重鎖又は軽鎖のアミノ酸配列が同一であるか、又は「ごくわずかな相違」を有するということを意味する。ごくわずかな相違とは、抗体の特性に悪影響を及ぼさない抗体重鎖又は軽鎖における1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸の置換である。同一性パーセントは、例えば、VectorNTI v.9.0.0(Invitrogen、Carlsbad、CA)のAlignXモジュール初期設定を使用するペアワイズアライメントによって決定することができる。本発明のタンパク質配列問い合わせ配列として使用することで、例えば、近縁配列を確認するために公開データベース又は特許データベースでの検索を実行することができる。そのような検索を実行するために使用されるプログラム例は、初期設定を使用する、XBLAST若しくはBLASTPプログラム(http_//www_ncbi_nlm/nih_gov)、又はGenomeQuest(商標)(GenomeQuest、Westborough、MA)スイートである。本発明の方法において使用される抗CD38抗体に対して行われ得る例示的な置換は、例えば、同様な電荷、疎水性、又は化学両論的特性を有するアミノ酸による保存的置換である。保存的置換はまた、例えば安定性又は親和性といった抗体の特性を向上させるために、又は抗体エフェクターの機能を改善するためにも行われ得る。1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換が、例えば、抗CD38抗体の重鎖又は軽鎖に対して行われ得る。更に、アラニンスキャニング変異導入法についてこれまでに述べられているように(MacLennan et al.,Acta Physiol.Scand.Suppl.643、55〜67,1998;Sasaki et al.,Adv.Biophys.35:1〜24,1998)重鎖又は軽鎖内の任意の天然残基をアラニンで置換することもできる。所望のアミノ酸置換は、そのような置換が望まれる時点で当業者が決定してもよい。アミノ酸置換は、例えば、PCR突然変異誘発(米国特許第4,683,195号)によって行うことができる。変異体のライブラリは、周知の方法を用いて、例えば、ランダムコドン(NNK)又は非ランダムコドン、例えば11個のアミノ酸(Ala、Cys、Asp、Glu、Gly、Lys、Asn、Arg、Ser、Tyr、Trp)をコードするDVKコドンを用い、そして所望の特性を有する変異体のライブラリをスクリーニングすることで生成されてもよい。生成された変異体は、インビトロでのCD38へのそれらの結合、ADCC、ADCP、又はアポトーシスを誘発するそれらの能力に関して、本明細書に記載される方法を用いて試験することができる。

0119

いくつかの実施形態において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、二重特異性抗体である。既存の抗CD38抗体のVL及び/又はVH領域又は上述された新たに特定されたVL及びVH領域は、遺伝子操作を受けて二重特異性の全長抗体にされてもよい。このような二重特異性抗体は、米国特許第7,695,936号、国際特許公開第WO04/111233号、米国特許公開第US2010/0015133号、米国特許公開第US2007/0287170号、国際特許公開第WO2008/119353号、米国特許公開第US2009/0182127号、米国特許公開第US2010/0286374号、米国特許公開第US2011/0123532号、国際特許公開第WO2011/131746号、国際特許公開第WO2011/143545号、又は米国特許公開第US2012/0149876号に記載されているものなどの技術を用いて、2つの単一特異性抗体の重鎖間のCH3相互作用を調整し、二重特異性抗体を形成することによって作製されてもよい。本発明の抗体のVL領域及び/又はVH領域が組み込まれる追加の二重特異性構造は、例えば、デュアル可変ドメイン免疫グロブリン(国際特許公開第WO2009/134776号)、又は2つの抗体アームを異なる特異性と接続する、ロイシンジッパー又はコラーゲン二量体化ドメインのような様々な二量体化ドメインを含む構造(国際特許公開第WO2012/022811号、米国特許第5,932,448号、米国特許第6,833,441号)である。

0120

本発明の別の実施形態は、CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要としている対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、CD38陽性血液系悪性疾患は、多発性骨髄腫(MM)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、(DLBCL)、バーキットリンパ腫(BL)、濾胞性リンパ腫(FL)、又はマントル細胞リンパ腫(MCL)である、方法である。

0121

本発明の別の実施形態は、CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要としている対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞障害性(ADCC)又は補体依存性細胞障害性(CDC)によるCD38発現細胞のインビトロでの殺傷を誘発し、CD38陽性血液系悪性疾患は、多発性骨髄腫(MM)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、(DLBCL)、バーキットリンパ腫(BL)、濾胞性リンパ腫(FL)、又はマントル細胞リンパ腫(MCL)である、方法である。

0122

本発明の別の実施形態は、CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、CD38陽性血液系悪性疾患は、多発性骨髄腫(MM)である、方法である。

0123

本発明の別の実施形態は、CD38陽性の血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)又は補体依存性細胞傷害性(CDC)によって、インビトロでCD38発現細胞の殺傷を誘発し、CD38陽性血液系悪性疾患は、多発性骨髄腫(MM)である、方法である。

0124

本発明はまた、CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、この対象は、抗CD38抗体による治療に対して耐性であるか、又はこの治療に対して耐性を獲得した、方法を提供する。

0125

本発明はまた、CD38陽性の血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)又は補体依存性細胞傷害性(CDC)によって、インビトロでCD38発現細胞の殺傷を誘発し、この対象は、抗CD38抗体による治療に対して耐性であるか、又はこの治療に対して耐性を獲得した、方法を提供する。

0126

本発明はまた、CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、この対象は、少なくとも1つの化学療法剤による治療に対して耐性であるか、又はこの治療に対して耐性を獲得した、方法を提供する。

0127

本発明はまた、CD38陽性の血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)又は補体依存性細胞傷害性(CDC)によって、インビトロでCD38発現細胞の殺傷を誘発し、この対象は、少なくとも1つの化学療法剤による治療に対して耐性であるか、又はこの治療に対して耐性を獲得した、方法を提供する。

0128

本発明はまた、多発性骨髄腫を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、この対象は、少なくとも1つの化学療法剤による治療に対して耐性であるか、又はこの治療に対して耐性を獲得した、方法を提供する。

0129

本発明はまた、多発性骨髄腫を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)又は補体依存性細胞傷害性(CDC)によって、インビトロでCD38発現細胞の殺傷を誘発し、この対象は、少なくとも1つの化学療法剤による治療に対して耐性であるか、又はこの治療に対して耐性を獲得した、方法を提供する。

0130

本発明のいくつかの実施形態において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの化学療法剤による治療に対して耐性であるか、又はこの治療に対して耐性を獲得しており、この少なくとも1つの化学療法剤は、レナリドマイド、ボルテゾミブ、メルファラン、デキサメタゾン、又はサリドマイドである。

0131

本発明のいくつかの実施形態において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの化学療法剤による治療に対して耐性であるか、又はこの治療に対して耐性を獲得しており、この少なくとも1つの化学療法剤は、レナリドマイド、ボルテゾミブ、メルファラン、デキサメタゾン、サリドマイド、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシンドキソルビシン)、バンクリスチン、又はプレドニゾンである。

0132

本発明のいくつかの実施形態において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの化学療法剤による治療に対して耐性であるか、又はこの治療に対して耐性を獲得しており、この少なくとも1つの化学療法剤は、レナリドマイド及び/又はボルテゾミブである。

0133

対象が抗CD38抗体又は他の治療薬による治療に対して耐性であるか、耐性をすでに発症しているか、又は耐性を発症しやすいかを決定するために、様々な定性的及び/又は定量的方法を用いることができる。耐性に関連し得る症状としては、例えば、患者の健康状態の低下若しくはプラトー状態腫瘍サイズの増加、癌細胞数の増加、腫瘍若しくは腫瘍細胞の増殖低減の停止若しくは増殖低減の緩徐化、及び/又は1つの場所から他の臓器組織若しくは細胞への体内の癌性細胞の拡がりが含まれる。腫瘍に関する様々な症状の再発又は悪化もまた、対象が抗CD38抗体又は他の治療薬に対する耐性を発症しているか、あるいは耐性を発症しやすいことの指標であり得る。癌に関連する症状は、癌の種類に応じて様々であり得る。例えば、B細胞悪性疾患に関連する症状は、首、足の付け根、脇の下のリンパ節肥大発熱、ねあせ、せき、胸痛原因不明体重減少腹部膨満若しくは痛み、又は膨満感を挙げることができる。悪性リンパ腫における寛解は、Cheson基準(Cheson et al.,J Clin Oncology 25:579〜586,2007)を用いて標準化されており、このガイドラインは、対象が抗CD38抗体又は他の治療薬に対する耐性を発症しているかどうかを決定するために使用することができる。

0134

本明細書に記載される本発明のいくつかの実施形態において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象は、CD16の158位におけるフェニルアラニンに関して同型接合(FcγRIIIa−158F/V遺伝子型)であるか、又はCD16の158位におけるバリン及びフェニルアラニンに関して異型接合(FcγRIIIa−158F/V遺伝子型)である。CD16は、Fcガンマ受容体IIIa(FcγRIIIa)又は低親和性免疫グロブリンガンマFc受容体III−Aアイソフォームとしても知られている。FcγRIIIaタンパク質残基の158位におけるバリン/フェニルアラニン(V/F)多型性は、ヒトIgGに対するFcγRIIIa親和性に影響を及ぼすことが示されている。FcγRIIIa−158F/F又はFcγRIIIa−158F/V多型性を有する受容体は、FcγRIIIa−158V/Vと比較するとき、Fc結合の低減を示し、したがってADCCの低減を示す。ヒトN結合オリゴ糖状のフコースの欠如又は低量のフコースは、抗体のヒトFcγRIIIa(CD16)への結合の改善に起因して、抗体のADCCを誘発する能力を改善する(Shieldset al.,J Biol Chem 277:26733〜40,2002)。日常的方法を用いて、患者をFcγRIIIa多型性について分析することができる。

0135

本発明はまた、CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、この対象は、CD16の158位におけるフェニルアラニンに対して同型接合であるか、又はCD16の158位におけるバリン及びフェニルアラニンに対して異型接合である、方法を提供する。

0136

本発明はまた、CD38陽性血液系悪性疾患を有する対象を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、抗CD38抗体を全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与することを含み、抗CD38抗体は、抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)又は補体依存性細胞傷害性(CDC)によって、インビトロでCD38発現細胞の殺傷を誘発し、この対象は、CD16の158位におけるフェニルアラニンに対して同型接合であるか、又はCD16の158位におけるバリン及びフェニルアラニンに対して異型接合である、方法を提供する。

0137

投与/医薬組成物
本発明の方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、抗CD38抗体は、抗CD38抗体と医薬的に許容される担体とを含む好適な医薬組成物中で提供され得る。担体は、抗CD38抗体と一緒に投与される希釈剤補助剤賦形剤、又はビヒクルであってよい。そのようなビヒクルは、落花生油大豆油鉱物油ゴマ油などの、石油、動物、植物、又は合成物起源のものを含む、水及び油などの液体であってよい。例えば、0.4%生理食塩水及び0.3%グリシンを用いてもよい。これらの溶液滅菌され、一般には粒子状物質を含まない。これらは、通常の周知の滅菌技術(例えば、濾過)によって滅菌することができる。この組成物は、生理学的条件に近づけるために必要とされる医薬的に許容される補助物質、例えばpH調整剤及び緩衝剤安定化剤増粘剤潤滑剤及び着色剤等を含有することができる。そのような医薬製剤中の本発明の分子又は抗体の濃度は幅広く異なってもよく、即ち約0.5重量%未満から、通常は少なくとも約1重量%まで、最大で15又は20重量%までであってよく、また、選択される特定の投与方法に従って、必要とされる用量、流体体積、粘度等に主に基づいて選択される。好適なビヒクル及び製剤(他のヒトタンパク質、例えばヒト血清アルブミンを含む)は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,Troy,D.B.ed.,Lipincott Williams and Wilkins,Philadelphia,PA 2006,Part 5,Pharmaceutical Manufacturing pp 691〜1092に記載され、特にpp.958〜989を参照されたい。

0138

本発明の方法における抗CD38抗体の投与方法は、当該技術分野において周知であるように、非経口投与、例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内又は皮下、肺内、経粘膜(経口、鼻腔内、内、直腸)若しくは当業者に理解される他の手段などの任意の好適な経路であり得る。

0139

本発明の方法における、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態における抗CD38抗体は、任意の好適な経路によって、例えば、静脈内(i.v.)注入若しくはボーラス注射、筋肉内又は皮下あるいは腹腔内によって非経口で患者に投与されてもよい。静脈内注入は、例えば、15、30、60、90、120、180、又は240分にわたって、あるいは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12時間与えられてもよい。

0140

CD38陽性血液系悪性疾患を有する患者に与えられる用量は、治療される疾患を緩和するか又は少なくとも部分的に停止するのに十分(「治療的に有効な量」)であり、時には、0.005mg/kg〜約100mg/kg、例えば、約0.05mg/kg〜約30mg/kg、又は約5mg〜約25mg/kg、又は約4mg/kg、約8mg/kg、約16mg/kg、又は約24mg/kg、あるいは、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10mg/kgであってもよいが、更により高い量、例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、40、50、60、70、80、90、又は100mg/kgであってもよい。

0141

例えば、50、100、200、500、又は1000mgの固定単位用量が与えられるか、又は用量は、例えば、500、400、300、250、200、若しくは100mg/m2の患者の表面積に基づいてもよい。通常、1〜8の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、7、又は8)がCD38陽性B細胞悪性疾患を治療するために投与されるが、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又はそれよりも高い用量を与えることが可能である。

0142

本発明の方法における、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態における抗CD38抗体の投与は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれよりも長い期間の後に繰り返すことができる。治療過程を繰り返すことも可能であり、長期にわたる投与も同様に可能である。繰り返し投与は、同一用量であるか、又は異なる用量であってよい。例えば、本発明の方法における抗CD38抗体は、8mg/kg又は16mg/kgで1週間間隔で8週間にわたり投与され、8mg/kg又は16mg/kgで2週間毎に更に16週間の投与が続き、その後、8mg/kg又は16mg/kgで4週間毎に静脈内注入による投与が続くことができる。

0143

本発明の方法における、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態における抗CD38抗体は、例えば、1週間に1回、6ヶ月以上の期間にわたるなどの維持療法によって投与されてもよい。

0144

例えば、本発明の方法における、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態における抗CD38抗体は、24、12、8、6、4、又は2時間毎単回投与又は分割投与を用いて、若しくはこれらの組み合わせを用いて、約0.1〜100mg/kgの量の1日用量として、例えば、1日当たり0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90又は100mg/kgで、治療開始後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40日目のうちの少なくとも1日に、あるいは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20週目のうちの少なくとも1週に、あるいはこれらの組み合わせで提供されてもよい。

0145

本発明の方法における、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態における抗CD38抗体は、癌の発症のリスクを低減するために、癌進行の事象の発生の開始を遅延させるために、及び/又は癌が寛解状態にあるとき、再発のリスクを低減するために、予防的に投与されてもよい。これは、他の生物学的要因のために、存在することが知られている腫瘍の位置を特定することが難しい患者において特に有用であり得る。

0146

本発明の方法における、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態における抗CD38抗体は、保管用に凍結乾燥され、使用の前に、好適な担体中で再構成されてもよい。この技術は、通常のタンパク調製物に関して有効であることが示されており、周知の凍結乾燥法及び再構成技術を用いることができる。

0147

本発明の方法における、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態における抗CD38抗体は、全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせて投与され得る。

0148

ATRAは、45mg/m2/日経口投与(PO)又は25mg/m2/日経口投与の薬用量として提供されてもよい。

0149

本発明の方法における、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態における抗CD38抗体は、全トランス型レチノイン酸(ATRA)及び第3の治療薬と組み合わせて投与されてもよい。

0150

本発明の方法において、及び以下に列挙される番号付けされたありとあらゆる実施形態のうちのいくつかの実施形態において、第3の治療薬は、メルファラン、メクロレタミン、チオエパ、クロラムブシルカルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファンジブロモマンニトールストレプトゾトシンダカルバジン(DTIC)、プロカルバジンマイトマイシンCシスプラチン、及び他の白金誘導体(例えば、カルボプラチン、サリドマイド若しくはサリドマイド類似体、レナリドマイド、又はCC4047)、プロテアゾーム阻害薬(例えば、ボルテゾミブ)又はビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン)、あるいはアントラサイクリン(例えばドキソルビシン)であってもよい。

0151

本発明は一般論として記述されてきているが、本発明の実施形態は、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない以下の実施例で更に開示される。

0152

詳細な説明
以下に、本明細書の他の箇所に記載した開示に従った本発明の更なる特定の実施形態を列挙する。本明細書に開示される本発明に関連するものとして上述された本発明の実施形態の特徴は、これらの番号付けされた更なる実施形態のありとあらゆるものにもまた関係する。
1.CD38陽性血液系悪性疾患を有する患者の治療において使用するための、全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わされる、抗CD38抗体。
2.CD38陽性血液系悪性疾患を有する患者の治療において使用するための、抗CD38抗体と組み合される、全トランス型レチノイン酸(ATRA)。
3.CD38陽性血液系悪性疾患を有する患者の治療において使用するための抗CD38抗体とATRAとの組み合わせ。
4.抗CD38抗体が、インビトロで、
a.抗体依存性細胞媒介細胞障害性(ADCC)によって、
b.補体依存性細胞障害性(CDC)によって、あるいは
c.ADCC及びCDCの両方によって、CD38発現細胞の殺傷を誘発する、実施形態1に記載の使用のための抗CD38抗体、実施形態2に記載の使用のためのATRA、又は実施形態3に記載の使用のための組み合わせ。
5.抗CD38抗体が、インビトロでADCCによってCD38発現細胞の殺傷を誘発する、実施形態1に記載の使用のための抗CD38抗体、実施形態2に記載の使用のためのATRA、又は実施形態3に記載の使用のための組み合わせ。
6.CD38陽性血液系悪性疾患が、多発性骨髄腫(MM)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、バーキットリンパ腫(BL)、濾胞性リンパ腫(FL)、又はマントル細胞リンパ腫(MCL)である、実施形態1、4、若しくは5に記載の使用のための抗CD38抗体、実施形態2、4、若しくは5に記載の使用のためのATRA、又は実施形態3〜5に記載の使用のための組み合わせ。
7.CD38陽性血液系悪性疾患がMMである、実施形態1、4〜6に記載の使用のための抗CD38抗体、実施形態2、4〜6に記載の使用のためのATRA、又は実施形態3〜6に記載の使用のための組み合わせ。
8.対象が、少なくとも1つの化学療法剤、及び抗CD38抗体、又は少なくとも1つの化学療法剤と抗CD38抗体との組み合わせに対して耐性であるか、又は耐性を獲得した、実施形態1、4〜7に記載の使用のための抗CD38抗体、実施形態2、4〜7に記載の使用のためのATRA、又は実施形態3〜7に記載の使用のための組み合わせ。
9.少なくとも1つの化学療法剤が、レナリドマイド、ボルテゾミブ、メルファラン、デキサメタゾン、又はサリドマイドである、実施形態1、4〜8に記載の使用のための抗CD38抗体、実施形態2、4〜8に記載の使用のためのATRA、又は実施形態3〜8に記載の使用のための組み合わせ。
10.少なくとも1つの化学療法剤が、レナリドマイド又はボルテゾミブである、実施形態1、4〜9に記載の使用のための抗CD38抗体、実施形態2、4〜9に記載の使用のためのATRA、又は実施形態3〜9に記載の使用のための組み合わせ。
11.a.抗CD38抗体が、
IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプである、
b.抗CD38抗体が、CD38への結合に関して配列番号4の重鎖可変領域(VH)及び配列番号5の軽鎖可変領域(VL)を含む抗体と競合する、
c.抗CD38抗体が、ヒトCD38(配列番号1)の領域SKRNIQFSCKNIYR(配列番号2)、及び領域EKVQTLEAWVIHGG(配列番号3)に結合する、
d.抗CD38抗体が、それぞれ配列番号6、7、及び8の重鎖相補性決定領域(HCDR)1(HCDR1)、2(HCDR2)、及び3(HCDR3)配列を含む、
e.抗CD38抗体が、それぞれ配列番号9、10、及び11の軽鎖相補性決定領域(LCDR)1(LCDR1)、2(LCDR2)、及び3(LCDR3)配列を含む、
f.抗CD38抗体が、配列番号4の重鎖可変領域(VH)及び配列番号5の軽鎖可変領域(VL)を含む、
g.抗CD38抗体が、配列番号12のアミノ酸配列と95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号13のアミノ酸配列と95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、
h.抗CD38抗体が、配列番号12の重鎖、及び配列番号13の軽鎖を含む、
i.抗CD38抗体が、配列番号14のVH、及び配列番号15のVLを含む、
j.抗CD38抗体が、配列番号16のVH、及び配列番号17のVLを含む、
k.抗CD38抗体が、配列番号18のVH、及び配列番号19のVLを含む、あるいは
l.抗CD38抗体が、配列番号20のVH、及び配列番号21のVLを含む、実施形態1、4〜10に記載の使用のための抗CD38抗体、実施形態2、4〜10に記載の使用のためのATRA、又は実施形態3〜10に記載の使用のための組み合わせ。
m.

0153

実施例1一般法
抗体及び試薬
以前に記載されたように(van der Veers et al.,Haematologica 96;284〜290,2011;van der Veers et al.,Blood Cancer J 1:e41,2011)、無害な抗原に対するヒトmAb(HIV−1gp120)をアイソタイプ対照として用いた。全トランス型レチノイン酸(ATRA)を、Sigma−Aldrichから購入し、DMSO中で希釈した。

0154

ルシフェラーゼ(LUC)導入MM細胞系を用いる生物発光イメージング(BLI)ベースのADCCアッセイ
乳白色96ウェル平底プレート(Costar)において、LUC導入MM細胞系を、エフェクター細胞(健康なドナーから新たに単離したPBMC)と、1:25のエフェクター対標的比で、ダラツムマブ(0.001、0.01、0.1、及び1.0μg/mL)の存在下で、4時間にわたって共培養した。基質のルシフェリン(125μg/mL;Promega)の添加後10分で、LUC+−MM細胞の生存をBLIによって決定した。MM細胞の溶解を、次の式:溶解%=1−(エフェクター細胞及びダラツムマブの存在下での平均BLIシグナル)/エフェクター細胞及び対照抗体の存在下での平均BLIシグナル)×100%を用いて決定した。

0155

ルシフェラーゼ(LUC)導入MM細胞系を用いるBLIベースのCDCアッセイ
ダラツムマブ(0、0.03、0.1、0.3、1.0、及び3.0μg/mL)を、プールしたヒト血清(10%;Sanquin)又は熱不活性化ヒト血清を補充した培地中で、MM細胞系に添加した。37℃で1時間のインキュベーション後に、ルシフェリン(125μg/ml)を添加して10分で、細胞溶解をBLIによって決定し、次の式:溶解%=1−(天然ヒト血清の存在下での平均BLIシグナル)/熱不活性化血清の存在下での平均BLIシグナル)×100%を用いて算出した。

0156

BM−MNCにおけるフローサイトメトリーベースのエクスビボADCC及びCDCアッセイ
フローサイトメトリーで決定した2〜57%の悪性形質細胞を含有する新たに単離したBM−MNCを、すぐにエクスビボ実験で使用した。ADCC実験については、悪性形質細胞を含有するBM−MNC、並びに患者自身のエフェクター細胞を、ダラツムマブ(0.01〜10μg/mL)と共に、96ウェル平底プレートで、RPMI+10%のウシ胎児血清中で、完全に加湿したインキュベータ内において、37℃、5%CO2の空気混合物で48時間にわたってインキュベートした。インキュベーションにおける試料生存率は、ToPro−3(Invitrogen/Molecular Probes)を用いて評価したとき、98%超であった。CDCアッセイについては、フローサイトメトリー分析の前に、BM−MNCをダラツムマブ(0.3〜10μg/mL)及び補体で1時間処理した。プールしたヒト血清(10%)を補体源として用いた。BM−MNC中の原発性CD138+MM細胞の生存を、以前に記載されたように(van der Veers et al.,Haematologica 96;284〜290,2011、van der Veers et al.,Blood Cancer J 1:e41,2011)、フローサイトメトリーによって決定した。生存するMM細胞を、Flow−Count蛍光粒子(Beckman Coulter)の存在下で、CD138+細胞の単一プラットフォームフローサイトメトリー分析(CD138−PE(Beckman Coulter、Miami,FL,USA)を用いて)によって計数し、細胞の絶対数を決定した。異なる処理条件におけるMM細胞の割合を、次の式:溶解細胞%=1−(処理ウェル中の生存するCD138+細胞の絶対数/対照ウェル中の生存するCD138+細胞の絶対数)×100%を用いて、対照抗体(ダラツムマブに対するIgG1対照抗体としてIgG1−b12)で処理されたウェルのMMの生存に対して決定した。

0157

フローサイトメトリーによる免疫表現型検査
数種の細胞表面タンパク質の発現を、FITC−、PE−、Per−CP−、又はAPC結合モノクローナル抗体を用いて、フローサイトメトリーによって決定した。抗CD38、抗CD138、及び抗CD56は、Beckman Coulterから購入し、抗CD3、抗CD16、抗CD55、抗CD59は、BD Biosciencesから購入し、抗CD46は、Biolegendから購入した。フローサイトメトリーは、FACS−Calibur装置(Becton Dickinson)を用いて行い、データをCellQuestソフトウェアを用いて解析した。

0158

統計値
統計解析は、Prismソフトウェア(Graphpad Software Inc,バージョン5)を用いて行った。変数間の比較は、両側の対応のあるスチューデントt検定を用いて実施した。変数間の相関は、スピアマンの順位相関係数を用いて行い、0.05未満のp値を有意と見なした。

0159

実施例2ATRAは、MM細胞系及び原発性MM細胞におけるCD38発現を増加させる
CD38発現レベルにおける増加は、ダラツムマブのADCC又はCDCを介してのMM細胞を殺傷することの有効性を増強させ得る。ATRAと核レチノイン酸受容体との相互作用は、CD38の発現の誘発を含む標的遺伝子の発現変化をもたらす(Malavasi F.J Leukoc Biol 90:217〜219,2011、Drach et al.,Cancer Res 54:1746〜1752,1994)。したがって、ATRAのMM細胞系RPMI8226、UM9、及びXG1に及ぼす効果を研究した。MM細胞を、RPMI−1640培地単独と、又は0〜25nMの範囲のATRAと共に48時間インキュベートし(図1A)、あるいは10nMのATRAと共に、24、48、72、又は96時間インキュベートし(図1B)、その後回収して、FACS−Calibur装置(Becton Dickinson)及び抗CD38抗体(Beckman Coulter)を用いてフローサイトメトリーによってCD38発現を決定した。データをCellQuestソフトウェアを用いて解析した。

0160

最低10nMのATRAが、MM細胞系RPMI8226、UM9、及びXG1上のCD38発現における1.9〜4.4倍の増加を誘発するのに十分であった。より高い用量のATRAでは、CD38発現をそれ以上増強しなかった(図1A)。CD38発現の最大の増強は、48時間で起こった(図1B)。したがって、10nMのATRAで48時間の条件を、全ての後続の実験に用いた。

0161

26人の患者からの原発性MM細胞のエクスビボでのATRAの暴露(10nM、48時間)も研究した。これらの実験においては、26人のMM患者からのBM−MNCを、RPMI−1640培地単独で、又は10nMのATRAと共に48時間インキュベートし、FITC結合CD38抗体(Beckman Coulter)で4℃で20分間インキュベートし、次いで、回収してフローサイトメトリーによってCD38発現を決定した。フローサイトメトリー分析は、FACS−Calibur装置(Becton Dickinson)を用いて行い、データをCellQuestソフトウェアを用いて解析した。

0162

ATRAは、CD38発現を誘発した(増加中央値1.7倍、範囲1.0〜26.5倍)(図2)。CD138発現レベルの有意な上方制御もあり(増加中央値:2.0倍)、これはMM細胞分化の特徴である。これとは対照的に、HLAA/B/C又はCD56などの他の形質細胞抗原の発現における有意な変化は、ATRAに応答して観察されなかった。

0163

実施例3 CD38のATRA媒介上方制御は、MM細胞に対するダラツムマブ媒介ADCC及びCDCのどちらも増強させる
CD38のATRA誘発上方制御のダラツムマブ誘発ADCC及びCDCに及ぼす可能な効果を、MM細胞系XG−1、RPMI8226、及びUM9において、及び原発性MM細胞において試験した。

0164

MM細胞系については、CDC及びADCCを、上述した生物発光イメージング(BLI)ベースのADCC及びCDCアッセイを用いて評価した。原発性MM細胞については、CDC及びADCCを、上述したBM−MNCにおけるフローサイトメトリーベースのエクスビボADCC及びCDCアッセイを用いて評価した。これらのアッセイにおいて、細胞を10nMのATRA又は溶媒対照で48時間、前処理し、続いて、ADCCの評価のためにエフェクター細胞としてのPBMCの存在下で、あるいはCDCの分析のための補体源としてのヒト血清の存在下で、ダラツムマブと共に又はダラツムマブなしでインキュベーションを行った。アイソタイプ対照を、10μg/mlで添加し、10%の熱不活性化血清を、CDC用の対照として用いた。

0165

図3A図3B、及び図3Cは、それぞれ、XG1、RPMI8226、及びUM9細胞系におけるダラツムマブ誘発CDC及びADCCの結果を示す。

0166

10nMのATRAの単独では、MM細胞溶解を誘発しなかった。10nMのATRAによるMM細胞系の前処理は、溶媒対照(図3A)と比較して、ダラツムマブ媒介CDCを、XG−1において(図3A)、及びADCCをXG−1において(図3A)、またUM9(図3C)細胞において有意に増加させた。RPMI8226細胞においては、ダラツムマブ媒介ADCC及びCDCにおける有意な改善はなかった。ATRA反応性におけるこれらの差は、一部は、ATRAがCD38発現をXG−1では2.9倍増強し、UM9において4.4倍増強したが、一方RPMI8226細胞においては上方制御がわずか1.9倍であった(図1A及び1B)という事実によって説明される。

0167

実施例4 CD38のATRA媒介上方制御は、原発性MM細胞に対するダラツムマブ媒介ADCC及びCDCのどちらも増強させる
原発性MM細胞を、CD38発現のATRA媒介誘発のダラツムマブ感受性に及ぼす効果を更に探求するために評価した。

0168

図4A及び図4Bは、10nMのATRAで48時間前処理された、又は前処理されていない原発性MM細胞における、それぞれダラツムマブ誘発CDC及びADCCの結果を示す。図4A及び図4Bのグラフは、それぞれ、16人又は13人の患者の試料のプールされた結果を表す。

0169

原発性MM細胞においては、ATRAによる48時間の前処理は、16人の患者のうち13人で、それらのダラツムマブ媒介CDCに対する感受性の有意な増加(データ図示せず)並びに11人の患者のうちの8人でダラツムマブ媒介ADCCに対する感受性の有意な増加(データ図示せず)をもたらした。これらの患者のプールされた結果は、ATRAが、10μg/mLのダラツムマブ中央値によって媒介されたCDCを16.1%から43.9%まで改善し(P<0.0001)(図4A)、及び10μg/mLのダラツムマブ中央値によって媒介されたADCCをATRAによって25.1%から39.5%まで改善した(P=0.0315)(図4B)ことを示している。

0170

図5は、各患者からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCの結果を示す。図5Aは、患者1及び患者2からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図5Bは、患者3及び患者4からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図5Cは、患者5及び患者6からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図5Dは、患者7及び患者8からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図5Eは、患者9及び患者10からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図5Fは、患者11及び患者12からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図5Gは、患者13及び患者14からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図5hは、患者15及び患者16からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。ATRAは、インビトロでダラツムマブ単独に対して応答性ではない(例えば患者1、4、8、12、13、15、及び16)原発性MM細胞におけるダラツムマブ媒介CDCを誘発した。これらの原発性MM細胞は、表1に表示される不応性又は二重不応性疾患を有する患者から単離されたものである。一部の患者の原発性MM細胞試料において、ATRAは、ダラツムマブ媒介CDCを増強する追加的な効果を有さなかった(例えば、患者6、7、及び14を参照)。

0171

図6は、各患者からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発ADCCの結果を示す。図6Aは、患者3及び患者4からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図6Bは、患者7及び患者8からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図6Cは、患者9及び患者10からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図6Dは、患者14及び患者15からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図6Eは、患者16及び患者17からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。図6Fは、患者18からの原発性MM細胞におけるダラツムマブ誘発CDCを示す。ATRAは、試験された大部分の原発性MM細胞でダラツムマブ媒介ADCCを誘発した。これらの原発性MM細胞は、表1に表示される不応性又は二重不応性疾患を有する患者から単離されたものである。

0172

CD38の表面発現も、BM−MNCをRPMI−1640培地単独と、又は10nMのATRAと共に48時間インキュベートして、これらの試験された原発性MM細胞の全てで評価した(図7)。

0173

全体的な結果は、ATRAが、MM細胞系において、及びダラツムマブ媒介CDC及び/又はADCCに対して難治性であるMM細胞を含む、原発性MM細胞においてCD38発現及びダラツムマブ活性を改善するために魅力的戦略であることを示唆している。

0174

表1は、試験された19人のMM患者のBM−MNCのベースライン特性を示す。この表において、*レナリドマイド−及び/又はボルテゾミブ不応性疾患は、多発性骨髄腫に関する国際統一効果判定基準(International Uniform Response Criteria for Multiple Myeloma)に準拠して、レナリドマイド−及びボルテゾミブ−治療に対する進行性疾患として、レナリドマイド−及びボルテゾミブ−治療に対して応答なし(部分応答未満の)として、又はレナリドマイド含有及びボルテゾミブ含有レジメンを停止後60日以内での進行性疾患として定義される。

0175

0176

0177

BM−MNC、骨髄単核球。MM、多発性骨髄腫。M、男性。F、女性。K、カッパ。L、ラムダ

0178

実施例5ATRAは、原発性MM細胞におけるCD55及びCD59発現を下方制御する
行われた実験は、MM細胞のATRAによる前処理が、これらの細胞をダラツムマブ媒介ADCC及びCDCに対してより感受性にすることを明らかにした。CDCにおける改善は、ADCCの増強よりも顕著であった。観察についての分子的機序を評価した。

0179

ATRAのエフェクター細胞に及ぼす効果を評価した。ATRAは、ヒトMM細胞系L363−CD38、LME−1、RPMI8226、及びUM9に対してADCCを誘発するための健康なドナーからのPBMCの能力に及ぼす効果を有することはなく、又は最小の効果を有するに過ぎなかった(データ図示せず)。それどころか、ATRAは、MM細胞系及び原発性MM細胞での補体阻害タンパク質CD55、CD59、及びCD46の発現レベルを低下させた。RPMI8226(図8A)、L363(図8B)、及びXG−1(図8C)細胞において、ATRAは、CD55、CD59、及びCD46の発現レベルを低下させた。16人の患者に由来する原発性MM細胞においては、ATRAは、CD55の発現(平均低下率21.3%、P=0.019)(図9A)及びCD59の発現(平均低下率37.5%、P=0.0047)(図9B)を有意に低下させたが、一方ATRAは、CD46発現レベルには有意に影響を及ぼさなかった(データ図示せず)。試験された16人の患者からのCD46、CD55、及びCD59発現レベルを、図10A(CD55)、図10B(CD59)、及び図10C(CD46)に示す。この実験において、細胞は、10nMのATRAと共に、又はATRAなしで、RPMI−1640培地中で37℃で48時間培養し、その後、適切な結合抗体パネルと共に4℃で20分間インキュベートした。フローサイトメトリー分析は、FACS−Calibur装置(Becton Dickinson)を用いて行い、データをCellQuestソフトウェアを用いて解析した。

0180

実施例6ヒト化微小環境内で増殖するMM腫瘍に対するATRA及びダラツムマブの組み合わせのインビトロ有効性
3つの2〜3mmの二相性リン酸カルシウム粒子からなるハイブリッドスキャフォールドを、ヒト間葉系間質細胞(MSC;2×105細胞/スキャフォールド)を用いて、インビトロで被覆した。骨形成性培地中でのインビトロ培養の1週間後に、ヒト化スキャフォールドを、RAG2-/-γc-/-マウスに、以前に記載されたように皮下移植した(Groen et al.,Blood.19;120:e9〜e16,2012;de Haart et al.,Clin.Cancer Res.19:5591〜5601,2013)。

0181

移植後8週目に、マウスを致死量以下照射し(3Gy、200kV、4mA)、ルシフェラーゼ形質導入XG1細胞をスキャフォールドに直接注射した(1×106細胞/スキャフォールド)。接種後3週間で、生物発光イメージング(BLI)によってスキャフォールド中の目に見え腫瘍増殖が確認されたとき、マウスの異なる群を、1)ビヒクル、2)ATRA+T細胞枯渇PBMC(エフェクター細胞として)(PBMC−T)、3)ダラツムマブ+PBMC−T、及び4)ダラツムマブ+ATRA+PBMC−Tで処置した。ダラツムマブ(8mg/kg)は、23、30、及び37日目に腹腔内で与え、PBMC−T(8×106細胞/マウス)は、24、31、及び38日目に静脈内で与え、ATRA(10mg/kg)は、21〜24日目、28〜31日目、及び35〜38日目に腹腔内注射を介して与えた。PBMC−Tは、バフィーコートのFicoll−Hypaque密度勾配遠心分離、その後のEasySep(商標)技術(STEMCELLTechnologies)を用いるCD3−ビーズによるT細胞の枯渇によって調製した。腫瘍の増殖を、以前に記載されたように、毎週のBLI測定によって監視した(Groen et al.,Blood.19;120:e9〜e16,2012)。全ての動物実験は、動物実験に関する地元の倫理委員会許可を取得した後に行い、オランダの動物実験法を遵守した。マウス実験における異なる処置群間の統計的有意差を、マン・ホイットニー検定を用いて算出した。0.05未満のp値を有意と見なした。

実施例

0182

ルシフェラーゼ形質導入XG1多発性骨髄腫細胞を、MSC被覆セラミックスキャフォールドの皮下移植によって生成されたヒト化骨髄微小環境において、骨免疫不全RAG2-/-γc-/-マウスの浸潤性腫瘍中に展開させた。ダラツムマブ及びATRAの効果を最適に評価するために、RAG2-/-γc-/-マウスは、NK細胞を欠如しているために、マウスに、健康なドナーのNK細胞富化(T細胞枯渇)PBMCをダラツムマブ及び/又はATRAと組み合わせて同時注入した。腫瘍の増殖物を追跡するために、BLIを週1回、5週間にわたって行った。図11に示すように、ダラツムマブは、腫瘍の進行を著しく鈍化させたが、一方ATRAは単一薬剤としては効果を有さなかった。ATRAはまた、このモデルにおいて、ダラツムマブの抗MM効果を有意に増強させた。

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