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技術 ハイブリダイゼーションを解析するための方法および手段

出願人 ヴイアイティーオーエヌヴイ
発明者 ホーイベルフス,イェフヤコブス,アンヴィレムス,ハニー
出願日 2015年9月17日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2017-535124
公開日 2017年9月28日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-528166
状態 特許登録済
技術分野 酵素、微生物を含む測定、試験 突然変異または遺伝子工学 微生物・酵素関連装置
主要キーワード 相対変異 局所的空間 ギブズ自由エネルギー 参照強度 実験温度 熱力学平衡 再整理 基礎成分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題・解決手段

試料溶液および標的ヌクレオチドを含む参照溶液を同一のプローブセットと接触させ、プローブセットのうちの対応するプローブハイブリダイゼーション強度を比較すること、を含む、試料溶液中標的ポリヌクレオチド変異型の存在を判定するための方法が、本明細書において提供される。プローブは、標的ポリヌクレオチドとプローブとの間のハイブリダイゼーションにおいて一連のハイブリダイゼーション強度が網羅されるように、前記標的配列に対する様々な相補性を提供する。

概要

背景

がん治療に使用される標的治療において、患者集団全体の有効性広範囲分布し得ることが知られている。その根底にある機序に関する知識は持続的な成長の途上にあり、しばしば、がん細胞のDNAのある変異に言い換えられる。従って、信頼の置ける変異マーカーの正確な特定は、治療応答の最適化に極めて重要である。しかし、患者から得られる組織材料不均一性から、そのような特定は複雑になり得る。実際に、臨床試料中の腫瘍細胞非腫瘍細胞の比にはばらつきがある場合があり、前記変異はヘテロ接合性である場合もホモ接合性である場合もある。さらに、一連既知の関連生物マーカーは経時的に変化し得る。従って、信頼のおける診断検査は、これらの制約に対し柔軟であるべきとなる。実際には、DNA変異の検出は、典型的には、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)およびシーケンシングを用いて行われる。マイクロアレイのようなハイブリダイゼーション法は、成熟しており、価格が手であり、広く使用されており、標的とするDNA配列の種類および数に対し非常に柔軟であるが、DNA変異を検出するための使用はかなり珍しい。ハイブリダイゼーション法に伴う残りの問題は、マイクロアレイデータの明瞭な定量的解釈入手である。WO2011/035801には、ハイブリダイゼーション自由エネルギー関数としての様々なプローブについてのハイブリダイゼーション強度解析を含む、ハイブリダイゼーションを解析するための方法が記載されている。前記方法は既知の一連の変異型のどれが試料中に存在しているかの特定を可能にするが、ハイブリダイゼーションを解析するための方法の改善が今なお求められている。Hooyberghs et al.(Biosensors and Bioelectronics, 2010, 26: 1692-1694)は、(ΔΔGに対してハイブリダイゼーション強度をプロットすることによる)熱力学ベースラインに対するプローブ群シフト観測に基づいて、変異型ポリヌクレオチドおよび野生型ポリヌクレオチドの混合物中の低濃度を検出し、混合物において得られたハイブリダイゼーション強度がこの熱力学的ベースラインと比較される、マイクロアレイおよびハイブリダイゼーションに基づく方法に関する。しかし、この方法は試料中の濃度変動により誤差を生じやすい。EP0995804では、標的ポリヌクレオチドおよび参照ポリヌクレオチドが個々に2つの同一のプローブアレイハイブリダイズされ、標的ポリヌクレオチドおよび参照ポリヌクレオチドについて得られたハイブリダイゼーションパターンの比較により、標的ポリヌクレオチド内の変異の存在が決定される。WO9511995には、いくつかのミスマッチプローブを含む複数のプローブを含む同一アレイ参照配列および標的配列をハイブリダイズし、プローブに対する相対的な特異的結合に基づいて参照配列が標的配列と同一であるか異なっているかを決定することを含む方法が開示されている。このように、試料中の変異型ポリヌクレオチドの信頼のおける特定および/または定量化のための方法および手段が、今なお求められている。

概要

試料溶液および標的ヌクレオチドを含む参照溶液を同一のプローブセットと接触させ、プローブセットのうちの対応するプローブのハイブリダイゼーション強度を比較すること、を含む、試料溶液中の標的ポリヌクレオチドの変異型の存在を判定するための方法が、本明細書において提供される。プローブは、標的ポリヌクレオチドとプローブとの間のハイブリダイゼーションにおいて一連のハイブリダイゼーション強度が網羅されるように、前記標的配列に対する様々な相補性を提供する。

目的

従って、第一の態様において、本出願は、試料溶液中の変異ポリヌクレオチドの存在を判定するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

標的配列を含む標的ポリヌクレオチドとは前記標的配列の一つまたは複数のヌクレオチドにおいて異なる、試料溶液中変異ポリヌクレオチドの存在を判定するための方法であって、(i)前記試料溶液を第一の複数のプローブと接触させ、前記第一の複数のプローブのそれぞれについての第一のハイブリダイゼーション強度を得ること;(ii)前記標的ポリヌクレオチドを含むが前記変異ポリヌクレオチドを本質的に含まない参照溶液を第二の複数のプローブと接触させ、前記第二の複数のプローブのそれぞれについての第二のハイブリダイゼーション強度を得ること;および、(iii)対応するプローブについて、前記第二のハイブリダイゼーション強度の対数関数として前記第一のハイブリダイゼーション強度の対数を解析し、それに基づいて前記変異ポリヌクレオチドの存在を判定すること、を含み;前記第一の複数のプローブが前記第二の複数のプローブと同一であり、前記複数のプローブの異なるプローブが前記標的配列に対する異なる相補性により特徴付けられる、前記方法。

請求項2

前記第一および第二の複数のプローブのそれぞれが、前記標的配列に対する完全一致プローブ;および前記標的配列に対し1つまたは2つの非相補的ヌクレオチドを有する種々のプローブ、を含み;前記完全一致プローブのそれぞれおよび前記複数のプローブのそれぞれが表面上の離れたスポットに与えられる、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記参照溶液が前記標的ポリヌクレオチドのいかなる変異型も本質的に含まない、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記第二のハイブリダイゼーション強度の対数の関数としての前記第一のハイブリダイゼーション強度の前記対数の部分間で2つ以上の平行直線関係識別可能であるかどうかを判定することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

ハイブリダイゼーション熱力学平衡に達している、前記第二の複数のプローブのプローブを選択することをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記試料溶液中の前記標的ポリヌクレオチドおよび前記変異型標的ポリヌクレオチドの相対量を決定することをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

複数の候補変異ポリヌクレオチドのいずれが前記試料溶液中に存在しているかを決定することをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記試料溶液が、目的の試料からのDNAの抽出;一方のプライマーがその5’末端リン酸修飾を有するプライマー対を用いた、前記DNAに含有される標的ポリヌクレオチドおよびその変異型の増幅による、二本鎖DNA入手;並びにλエキソヌクレアーゼを用いた前記二本鎖DNAの5’リン酸修飾鎖の消化、によって調製される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記ハイブリダイゼーション強度が、前記標的ポリヌクレオチドまたはその変異型と前記プローブとの結合により形成されたハイブリッドに結合された標識の放出によって誘導される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記標識が、前記標的配列の外側の前記変異ポリヌクレオチドおよび前記標的ポリヌクレオチド上の配列に相補的ハイブリダイゼーション配列を含む、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記第一および第二の複数のプローブがそれぞれ少なくとも100のプローブを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記第一の複数のプローブおよび前記第二の複数のプローブがマイクロアレイの離れたスポットに与えられる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

コンピュータデバイス上で実行された際に、請求項1〜12のいずれか一項に記載の、試料溶液中の標的ポリヌクレオチドの変異型の存在を判定するための方法を実行するためのコンピュータプログラム製品であって、試料溶液についての第一のハイブリダイゼーション強度を受信し;前記標的ポリヌクレオチドを含む参照溶液についての第二のハイブリダイゼーション強度を受信し;対応するプローブについて、前記第二のハイブリダイゼーション強度の対数の関数として前記第一のハイブリダイゼーション強度の対数を解析し、それに基づいて前記試料溶液中の前記変異ポリヌクレオチドの存在を判定する、ように構成されている、前記コンピュータプログラム製品。

請求項14

一つまたは複数の一連反応器、それに連結された試薬用供給路、並びに、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品を含む検出ユニットおよび処理ユニットを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の試料溶液中の標的ポリヌクレオチドの変異型の存在を判定するための方法を実行するよう構成されたデバイス

技術分野

0001

本発明は、ハイブリダイゼーション解析するための方法、より具体的には、試料中の変異遺伝子等の特定のポリヌクレオチドの有無を判定するための方法に関する。さらに、ハイブリダイゼーションを解析するための関連のキットおよびコンピュータプログラムが、本明細書において提供される。

背景技術

0002

がん治療に使用される標的治療において、患者集団全体の有効性広範囲分布し得ることが知られている。その根底にある機序に関する知識は持続的な成長の途上にあり、しばしば、がん細胞のDNAのある変異に言い換えられる。従って、信頼の置ける変異マーカーの正確な特定は、治療応答の最適化に極めて重要である。しかし、患者から得られる組織材料不均一性から、そのような特定は複雑になり得る。実際に、臨床試料中の腫瘍細胞非腫瘍細胞の比にはばらつきがある場合があり、前記変異はヘテロ接合性である場合もホモ接合性である場合もある。さらに、一連既知の関連生物マーカーは経時的に変化し得る。従って、信頼のおける診断検査は、これらの制約に対し柔軟であるべきとなる。実際には、DNA変異の検出は、典型的には、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)およびシーケンシングを用いて行われる。マイクロアレイのようなハイブリダイゼーション法は、成熟しており、価格が手であり、広く使用されており、標的とするDNA配列の種類および数に対し非常に柔軟であるが、DNA変異を検出するための使用はかなり珍しい。ハイブリダイゼーション法に伴う残りの問題は、マイクロアレイデータの明瞭な定量的解釈入手である。WO2011/035801には、ハイブリダイゼーション自由エネルギー関数としての様々なプローブについてのハイブリダイゼーション強度の解析を含む、ハイブリダイゼーションを解析するための方法が記載されている。前記方法は既知の一連の変異型のどれが試料中に存在しているかの特定を可能にするが、ハイブリダイゼーションを解析するための方法の改善が今なお求められている。Hooyberghs et al.(Biosensors and Bioelectronics, 2010, 26: 1692-1694)は、(ΔΔGに対してハイブリダイゼーション強度をプロットすることによる)熱力学ベースラインに対するプローブ群シフト観測に基づいて、変異型ポリヌクレオチドおよび野生型ポリヌクレオチドの混合物中の低濃度を検出し、混合物において得られたハイブリダイゼーション強度がこの熱力学的ベースラインと比較される、マイクロアレイおよびハイブリダイゼーションに基づく方法に関する。しかし、この方法は試料中の濃度変動により誤差を生じやすい。EP0995804では、標的ポリヌクレオチドおよび参照ポリヌクレオチドが個々に2つの同一のプローブアレイハイブリダイズされ、標的ポリヌクレオチドおよび参照ポリヌクレオチドについて得られたハイブリダイゼーションパターンの比較により、標的ポリヌクレオチド内の変異の存在が決定される。WO9511995には、いくつかのミスマッチプローブを含む複数のプローブを含む同一アレイ参照配列および標的配列をハイブリダイズし、プローブに対する相対的な特異的結合に基づいて参照配列が標的配列と同一であるか異なっているかを決定することを含む方法が開示されている。このように、試料中の変異型ポリヌクレオチドの信頼のおける特定および/または定量化のための方法および手段が、今なお求められている。

0003

本発明はハイブリダイゼーションを解析するための方法に関する。より具体的には、本明細書に記載の方法は、試料中の変異遺伝子等の特定のポリヌクレオチドの存在の判定を可能にし、試料中の変異遺伝子の信頼のおける同定および/または定量化を可能にし得る。

0004

より具体的には、試料溶液中変異ポリヌクレオチドの存在を判定するための方法が本明細書において提供され、前記変異ポリヌクレオチドは、標的配列を含む標的ポリヌクレオチドとは、前記標的配列の一つまたは複数のヌクレオチドにおいて異なっており、前記方法は、前記試料溶液、および前記標的ポリヌクレオチドを含むが前記変異ポリヌクレオチドを本質的に含まない参照溶液を、複数のプローブと接触させ、両方の試料について得られたハイブリダイゼーション強度を比較し、それに基づいて前記変異ポリヌクレオチドの存在を判定することを含み、前記複数のプローブの異なるプローブは、前記標的配列に対する異なる相補性により特徴付けられるよう設計されていることを特徴とする。より具体的には、前記標的配列に対する異なる相補性は、標的配列に対して最大1つまたは2つの非相補的ヌクレオチドに限定される。

0005

特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、(i)前記試料溶液を第一の複数のプローブと接触させ、前記第一の複数のプローブのそれぞれについての第一のハイブリダイゼーション強度を得ること;(ii)前記標的ポリヌクレオチドを含むが前記変異ポリヌクレオチドを本質的に含まない参照溶液を第二の複数のプローブと接触させ、前記第二の複数のプローブのそれぞれについての第二のハイブリダイゼーション強度を得ること;並びに、(iii)前記試料および前記参照溶液の対応するプローブの前記第一のハイブリダイゼーション強度と前記第二のハイブリダイゼーション強度とを比較し、それに基づいて前記変異ポリヌクレオチドの存在を判定すること、を含み;前記方法は、前記第一の複数のプローブが前記第二の複数のプローブと同一であること、および前記複数のプローブの異なるプローブが前記標的配列に対する異なる相補性により特徴付けられることを特徴とする。特定の実施形態では、段階(iii)は、対応するプローブについて、前記第二のハイブリダイゼーション強度の対数の関数として、前記第一のハイブリダイゼーション強度の対数を解析することを含む。さらなる実施形態では、前記方法は、前記第二のハイブリダイゼーション強度の対数の関数としての前記第一のハイブリダイゼーション強度の前記対数の部分間で2つ以上の平行直線関係識別可能であるかどうかを判定すること、を含む。特定の実施形態では、前記第一および第二の複数のプローブはそれぞれ、前記標的配列に対する完全一致プローブおよび前記標的配列に対し1つまたは2つの非相補的ヌクレオチドを有する種々のプローブを含み、前記完全一致プローブのそれぞれおよび前記複数のプローブのそれぞれは表面上の離れたスポットに与えられる。本明細書で提供される方法のある実施形態では、前記参照溶液は前記標的ポリヌクレオチドのいかなる変異型も本質的に含まない。特定の実施形態では、前記方法はさらに、ハイブリダイゼーションが熱力学平衡に達している、前記第二の複数のプローブのプローブを選択すること、を含む。ある実施形態では、前記方法はさらに、前記試料溶液中の前記標的ポリヌクレオチドおよび前記変異型標的ポリヌクレオチドの相対量を決定することを含む。特定の実施形態では、前記方法はさらに、複数の候補変異ポリヌクレオチドのいずれが前記試料溶液中に存在しているかを決定することを含む。ある実施形態では、前記試料溶液は、目的の試料からのDNAの抽出;一方のプライマーがその5’末端リン酸修飾を有するプライマー対を用いた、前記DNAに含有される標的ポリヌクレオチドおよびその変異型の増幅による、二本鎖DNAの入手;並びに、λエキソヌクレアーゼを用いた前記二本鎖DNAの5’リン酸修飾鎖の消化、によって調製される。本明細書で提供される方法の特定の実施形態では、前記ハイブリダイゼーション強度は、前記標的ポリヌクレオチドまたはその変異型と前記プローブとの結合により形成されたハイブリッドに結合された標識の放出によって誘導される。ある実施形態では、前記標識は、前記標的配列の外側の前記変異ポリヌクレオチドおよび前記標的ポリヌクレオチド上の配列に相補的ハイブリダイゼーション配列を含む。本明細書で提供される方法の特定の実施形態では、前記第一および第二の複数のプローブはそれぞれ、少なくとも100のプローブを含む。本明細書で提供される方法のある実施形態では、前記第一の複数のプローブおよび前記第二の複数のプローブは、マイクロアレイの離れたスポットに与えられる。

0006

本明細書においてさらに、試料溶液中の、標的配列を含む標的ポリヌクレオチドの変異型の存在を判定するための手段が提供される。特定の実施形態では、前記手段はキットである。特定の実施形態では、前記手段は、複数のプローブを含む、試料溶液中の標的配列を含む標的ポリヌクレオチドの変異型の存在を判定するためのキットであり、前記複数のプローブは、前記標的配列に対する完全一致プローブおよび前記標的配列に対し1つまたは2つの非相補的ヌクレオチドを有するプローブを含む。さらなる特定の実施形態では、前記キットは、そのそれぞれがプローブを含む複数のマイクロアレイスポットを有するマイクロアレイを含み、前記スポットのプローブは前記標的配列に対する完全一致プローブおよび前記標的配列に対し1つまたは2つの非相補的ヌクレオチドを有するプローブを含む。特定の実施形態では、本明細書において提供されるキットは、前記標的ポリヌクレオチドを含む参照溶液も含み、前記参照溶液は、前記変異型を本質的に含まず、好ましくは、前記標的ポリヌクレオチドのいかなる変異型も本質的に含まない。

0007

さらに、コンピュータデバイス上で実行された際に、本明細書に記載の、試料溶液中の標的ポリヌクレオチドの変異型の存在を判定するための方法を実行するためのコンピュータプログラム製品が、本明細書において提供される。

0008

本方法および本手段は、遺伝子内点変異等の変異の、高度に信頼のおける検出、同定および定量化を可能にする。前記方法は、驚くほど低い検出感度を提供する可能性がある。より具体的には、本発明者らは、前記方法が、1%未満の変異型を含む変異遺伝子および非変異遺伝子の混合物中の、変異遺伝子の検出を可能にし得ることを発見した。マイクロアレイ技術が本来有するパラレル特性によって、本方法は、一回の実行で数百の異なる点変異の検出を可能にする。本明細書に記載される概念の上記および他の特徴、特色および利点は、本発明の原理を一例として説明する、以下の発明を実施するための形態から明らかとなる。

図面の簡単な説明

0009

本明細書に記載される方法および機器の特定の実施形態の図面の以下の説明は、事実上単なる例示に過ぎず、本教義、それらの適用または用途の限定を意図していない。図面の全体を通じて、一致した符号は類似または一致した部分および特色を示す。
野生型のみを含有する溶液を用いて得られた対応するハイブリダイゼーション強度に対する、野生型および変異型のK−RASヌクレオチドの混合物を用いて得ることが可能なハイブリダイゼーション強度のプロットの例示。データポイントは4つの枝を形成し、最も逸脱した枝(変異枝)は、変異型K−RASヌクレオチドに関連した、ミスマッチヌクレオチドに関する情報を含有する。
変異型標的および野生型標的の混合物をプローブ配列にハイブリダイズさせる場合における、競合的ハイブリダイゼーションの略図。4つの異なるピクトグラムは4つの異なるヌクレオチドを示しており、それらの形状は対としてのそれらの相補性を示している。この図において、ピクトグラムは全ての鎖の同じ位置にある。枝に関する、プローブの分類は、ヌクレオチドの種類に依存する。
G13C変異型(5%)および野生型(95%)K−RASヌクレオチドを含有する試料について得られたデータのプロットであり、強く逸脱した変異枝を示す。
G13D変異型(5%)および野生型(95%)K−RASヌクレオチドを含有する試料について得られたデータのプロットであり、強く逸脱した変異枝を示す。
変異型G12Aの分率の関数におけるexp(ρ)−1を示す、式5に基づく濃度プロファイル
12の異なるKRAS変異についての変異型分率の関数におけるexp(ρ)−1を示す、濃度プロファイル。点線は90%の検定力を表す。

0010

理解の指針として機能し得るが、本明細書および特許請求の範囲で使用されるいかなる引用符号も、その範囲を限定すると解釈されるものではない。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」には、文脈によって特に明示されない限り、単数の指示対象および複数の指示対象の両方が含まれる。本明細書で使用される用語「〜を含む(comprising)」、「〜を含む(comprises)」および「〜から構成される(comprised of)」は、「〜を包含する(including)」、「を包含する(includes)」または「〜を含有する(containing)」、「〜を含有する(contains)」と同義であり、包括的または開放型であり、追加の非記載の部材、要素または方法段階を排除しない。用語「〜を含む(comprising)」、「〜を含む(comprises)」および「〜から構成される(comprised of)」は、記載された成分、要素または方法段階を言及している場合、前記の記載された成分、要素または方法段階「から成る(consist of)」実施形態も包含する。さらに、明細書および特許請求の範囲における第一、第二、第三等の用語は、類似の要素を区別するために使用され、明記されない限りは必ずしも連続したまたは経時的な順番記述するためのものではない。そのように使用された用語が適切な状況下では可換であること、および、本明細書に記載の実施形態が本明細書に記載または例示された順序とは異なる順序で施行可能であることを理解されたい。本明細書で使用される値は、パラメータ、含量、持続時間等の測定可能な値に関しての場合、特定の値の、および特定の値からの、+/−10%以下、好ましくは+/−5%以下、より好ましくは+/−1%以下、さらにより好ましくは+/−0.1%以下の変動を、そのような変動が本明細書において企図される技術的効果のうちの一つまたは複数を保証するのに適切である限り、包含することが意図される。本明細書で使用される各々の値がそれ自体明確に、且つ好ましいものとして、開示されていることを理解されたい。典型的には、用語「約」がこの文脈においては読まれるべきである。端点による数値範囲の列挙は、各々の範囲に含まれる全ての数および端数、並びに記載された端点を包含する。本明細書において引用された全ての文書は、それらの全体が参照によって本明細書に援用される。別途定義がない限り、専門用語および科学用語を含む、本明細書に記載の概念の開示において使用される全ての用語は、当業者が一般に理解する通りの意味を有する。さらなる指針により、本明細書において使用される用語の定義が、本開示の教義をより深く理解するために含まれる。本明細書で使用される用語または定義は、単に、本明細書において提供される教義の理解の助けのためにのみ提供される。本明細書で使用される用語「ポリヌクレオチド」は、オリゴヌクレオチドを包含する場合があり、典型的には少なくとも10ヌクレオチドの長さを有する、ヌクレオチド単量体から構成される重合体を指す。典型的には、本明細書において言及される標的ポリヌクレオチドおよびプローブ等のポリヌクレオチドは、一本鎖ポリヌクレオチドである。本明細書で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)またはペプチド核酸(PNA)を包含し得る。本明細書で使用される用語「平衡」は、熱力学平衡を指し、通常の標的−プローブ間結合の数が経時的に実質的に変化しないような定常状態が得られた状況を表す。用語「非平衡」または「非平衡効果」とは、経時的に変化し得る標的−プローブ間結合状態の発生を指す。本明細書で使用される用語「自由エネルギー」は、ギブズ自由エネルギー(ΔG)または化学ポテンシャルを指す。実施形態において、解析がハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として実行される場合、これは、完全一致ハイブリダイゼーションと、プローブ配列が一つまたは複数の内部ミスマッチを有するハイブリダイゼーションとの間の自由エネルギー差である、ΔΔGの関数としての解析を含む。使用される用語「ハイブリダイゼーション」は、核酸ハイブリダイゼーションを指す。これは、単一ハイブリッドへの、2つ以上の核酸相補鎖間の非共有結合性配列特異的相互作用確立するプロセスである。相補体に結合し得る核酸鎖は、例えば、オリゴヌクレオチド、DNA、RNAまたはPNAであり得る。ヌクレオチドは核酸鎖の基礎成分を形成する。ハイブリダイゼーションは、2つの完全相補鎖の結合を含む(ワトソンクリック塩基対形成の意味で)が、非完全相補鎖の結合も含む。非完全相補鎖とは、少数の非相補的な要素、例えば、1つ、2つまたはそれより多い非相補的な要素、好ましくは1つまたは2つの非相補的な要素、を有する鎖を指し
得る。原則として、非相補的な要素の数には制限は無いが、非相補的な要素が多くなるほど、それらはより容易に検出可能となる。本明細書の全体にわたる、「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、その実施形態と関連して記載された特定の特色、構造、または特徴が、本明細書において企図される少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書の全体にわたる、様々な場所における「一実施形態では」または「ある実施形態では」という出現は、必ずしも全てが同一の実施形態を言及しているわけではないが、言及している場合もある。さらに、本開示から当業者には明らかであろうが、一つまたは複数の実施形態において、特定の特色、構造または特徴があらゆる適切な様式で組み合わせることができる。さらに、当業者には理解されることであろうが、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、いくつかの特色を含み、他の実施形態に含まれる他の特色は含まないが、異なる実施形態の特色の組合せも本明細書においては企図されており、異なる実施形態を形成する。例えば、添付の特許請求の範囲では、特許請求された実施形態のいかなる特色も、あらゆる組合せで使用され得る。ハイブリダイゼーションを解析するための方法が、本明細書において提供される。前記方法は、本明細書において試料溶液中の「変異型」とも称される、変異ポリヌクレオチドの存在の判定を可能にする。従って、第一の態様において、本出願は、試料溶液中の変異ポリヌクレオチドの存在を判定するための方法を提供する。本明細書で使用される用語「変異ポリヌクレオチド」または「変異型」は、ある特定の標的ポリヌクレオチドの配列と、一つまたは複数のヌクレオチドにおいて異なる配列を有するポリヌクレオチドを指す。用語「変異型」が、特定の生物組織または細胞における標的ポリヌクレオチド内の変化の結果である配列に限定されず、自然発生的な(すなわち、進化的な)配列異型も含まれることは、当業者には理解されよう。本出願と関連してより具体的には、これらの差異または変異は、本明細書において「標的配列」とも称される、標的ポリヌクレオチドのある特定の部分配列内に位置する。繰り返しになるが、「標的配列」は参照配列として使用される配列であると理解される。特定の実施形態では、変異ポリヌクレオチドは、標的配列内の一つまたは複数のヌクレオチドにおいて、標的ポリヌクレオチドと異なるのみである。変異ポリヌクレオチドは、標的配列内の限定された数のヌクレオチドにおいて、好ましくは多くて2つのヌクレオチドにおいて、例えば1つのヌクレオチドのみにおいて、標的ポリヌクレオチドと異なることが好ましい。本方法は試料溶液中に最初から存在する鎖と表面に結合した鎖との間の相互作用に焦点を当てているが、溶液中に両方存在する核酸鎖の間でハイブリダイゼーションが生じ得ることに注意されたい。試料溶液中に最初から存在する鎖は、通常、当該技術分野においては「標的」と称され、一方、標的にハイブリダイズする鎖は「プローブ」と称される。従って、本明細書に記載の変異ポリヌクレオチドおよび標的ポリヌクレオチドは、共に、「標的」と見なされ得る。プローブは、例えば、試料溶液中に存在し得る標的に相補的な、オリゴヌクレオチド、DNA、RNAまたはPNA(部分的)の鎖であり得る。プローブは表面に結合していることが好ましいが、本方法は溶液中のプローブを用いて実行されてもよい。

0011

本明細書に記載の方法は、一連のプローブと試料溶液のポリヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーションの程度を測定し、これを、同じ一連のプローブおよび参照試料のハイブリダイゼーションの程度と比較することを含む。従って、本明細書で提供される方法は、複数のプローブの試料へのハイブリダイゼーションの程度の同時検出に基づく。より具体的には、本明細書において企図される方法は、
(i)試料溶液を第一の複数のプローブと接触させ、前記第一の複数のプローブのそれぞれについての第一のハイブリダイゼーション強度を入手または検出すること;並びに
(ii)前記標的ポリヌクレオチドを含むが前記標的ポリヌクレオチドの変異型を本質的に含まない参照溶液を第二の複数のプローブと接触させ;前記第二の複数のプローブのそれぞれについての第二のハイブリダイゼーション強度を入手または検出すること、
を含む。本明細書において企図される方法は溶液中のプローブに対するハイブリダイゼーションの解析に使用され得るが、プローブは表面上に与えられることが好ましい。従って
、特定の実施形態では、本明細書において企図される方法は、
(i)試料溶液を表面に結合した第一の複数のプローブと接触させ、前記第一の複数のプローブのそれぞれについての第一のハイブリダイゼーション強度を入手または検出すること;並びに
(ii)前記標的ポリヌクレオチドを含むが前記標的ポリヌクレオチドの変異型を本質的に含まない参照溶液を表面に結合した第二の複数のプローブと接触させ;前記第二の複数のプローブのそれぞれについての第二のハイブリダイゼーション強度を入手または検出すること、
を含む。

0012

接触段階(i)および(ii)が実行される順番は重要ではない。そのため、これらの段階は、どのような順番でも、あるいは同時にでさえ、実行することができる。

0013

試料溶液は、典型的には、変異ポリヌクレオチド[c(mut)]の濃度が標的または野生型ポリヌクレオチドの濃度[c(wt)]よりも有意により小さい、標的ポリヌクレオチドと変異ポリヌクレオチドの混合物を含む。これらの濃度の比[c(mut)/c(wt)]は、本明細書においては、試料溶液中の変異ポリヌクレオチドの「相対濃度」とも称される。好ましい実施形態では、試料溶液中の変異ポリヌクレオチドの相対濃度は0.01〜0.5、より好ましくは0.01〜0.1である。相対濃度はパーセンテージとして表される場合もあり、パーセンテージとは100*[c(mut)/c(wt)]を指す。試料溶液は当該技術分野において公知の標準方法を用いて調製され得る。これには、目的の試料からのDNAまたは他のポリヌクレオチドの抽出と、その後の抽出したDNA内のある特定の断片の増幅が含まれ得る。典型的に、増幅はPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を用いて行われる。しかし、これにより二本鎖DNAが得られるが、本方法には一本鎖DNAが好ましい。実際に、二本鎖DNAと核酸プローブとのハイブリダイゼーションは、相補的な非標的鎖とプローブとの間の競合によって妨害される。このような競合は、例えばλエキソヌクレアーゼを用いた相補鎖の分解によって回避することができる。λエキソヌクレアーゼは、5´から3´への方向に働き、二本鎖DNAからの5´モノヌクレオチドの除去を触媒する、プロセッシブ酵素である。好ましい基質は5´−リン酸化二本鎖DNAである。従って、ある実施形態では、試料溶液の調製は以下の段階を含み得る:
目的の試料からのDNAの抽出;
一方のプライマーがその5’末端にリン酸修飾を有するプライマー対を用いた、前記DNAに含有される標的ポリヌクレオチドおよびその変異型の増幅;それによる、二本鎖DNAの入手;並びに
λエキソヌクレアーゼを用いた前記二本鎖DNAの5’リン酸修飾鎖の消化。

0014

接触段階(i)および(ii)は、典型的には、標的ポリヌクレオチドの前記プローブへのハイブリダイゼーションに適切な条件下で実行される。これらの条件は、典型的には、標的ポリヌクレオチドと変異ポリヌクレオチドとの間の類似性を考えると、変異型のプローブへのハイブリダイゼーションにも適している。ハイブリダイゼーションを最適化するための関連パラメータにハイブリダイゼーション時間、温度、およびプローブ長が含まれることは、当業者が理解するところである。好ましい実施形態では、プローブは約20〜約30ヌクレオチドの範囲の長さを有する。

0015

本明細書に記載の方法において、第一および第二の複数のプローブは、2つの同一のプローブセットを形成し、すなわち、第一の複数のプローブは第二の複数のプローブと同一である。従って、第一の複数のプローブの各プローブについて、対応する同一のプローブが第二の複数のプローブに存在する。これにより、両セットのハイブリダイゼーション強度の間での直接比較が可能となる。用語「第一の複数のプローブ」および「第二の複数の
プローブ」は、本明細書においては、それぞれ、「第一のプローブセット」および「第二のプローブセット」とも称される。

0016

第一のプローブセット(および、従って、第二のプローブセットも)のプローブは、異なる相補性を標的配列に与えるように、より具体的には、標的ポリヌクレオチドとプローブとの間のハイブリダイゼーションにおいての一連のハイブリダイゼーション強度を網羅するように、選択される。これは、標的ポリヌクレオチド(の標的配列)に対し異なる結合親和性を有する異なる(一本鎖)プローブを与えることにより得ることができる。ハイブリダイゼーションプローブは、ハイブリダイゼーション配列(標的とのハイブリダイゼーションを目的とし、その配列は標的によって決定される)、および、プローブのタグ付け等のための、他の配列にハイブリダイズするのに使用され得る尾部配列、を含有し得る。典型的に、プローブセットは、1つまたは複数の、好ましくは1つまたは2つの標的配列に対し非相補的なヌクレオチドを有する、ハイブリダイゼーション配列を有する複数のミスマッチ(MM)プローブを含む。ハイブリダイゼーション配列および標的配列は、典型的には同じ長さを有し、すなわち、同じ数のヌクレオチドを含有する。本発明のある実施形態では、第一および第二のプローブセットはそれぞれ、
前記標的配列に対する完全一致(PM)プローブ;および
前記標的配列に対する種々のミスマッチ(MM)プローブ、
を含み;
前記完全一致プローブおよび前記複数のプローブの前記のそれぞれは、表面上の離れたスポットに与えられることが好ましい。本明細書で使用される用語「完全一致プローブ」は、標的ポリヌクレオチドの標的配列に完全に相補的なハイブリダイゼーション配列を有するプローブを指す。本明細書で使用される用語「ミスマッチプローブ」は、ハイブリダイゼーション配列が標的配列に対する一つまたは複数の非相補的ヌクレオチドを含むことから、標的配列に対し非相補的なハイブリダイゼーション配列を有する、プローブを指す。好ましい実施形態では、MMプローブは多くて2つの非相補的ヌクレオチドを含む。従って、MMプローブは1つまたは2つの非相補的ヌクレオチドを含むことが好ましい。

0017

本方法に必要とされるプローブの最適な数は、標的配列の長さ並びに試料中に存在し得ると予期される変異型の量および種類等の種々のパラメータに依存し得る。典型的に、第一および第二のプローブセットは、それぞれ、少なくとも100のプローブ、好ましくは少なくとも500、少なくとも1000、またはさらに多くのプローブを含む。

0018

本明細書において企図される方法では、プローブは表面上に与えられることが好ましい。プローブはあらゆる種類の担体上に与えられ得るが、プローブはマイクロアレイ上に与えられることが好ましい。従って、本明細書に記載の方法の特定の実施形態では、第一および第二の複数のプローブは、マイクロアレイの離れたスポット上に与えられる。マイクロアレイは、ハイブリダイゼーションプラットフォームとして、固体表面上に固定化された多数のプローブを含有する。プローブは空間的に離れたスポットに与えられ、各々のスポットは1種類(且つ、1種類のみ)のプローブを含む。典型的に、各々のスポットはほんの数ピコモルの各プローブを含む。典型的なマイクロアレイは数百またはさらには数千のスポットを含む。本方法での使用に適した複数のマイクロアレイプラットフォームが市販されており、限定はされないが、アジレント社によって提供されるプラットフォーム、アフィメトリクス社製のGeneChipsプラットフォーム、またはアマシャムバイオサイエンス社製のCodeLink Bioarrayプラットフォームが挙げられる。好ましい実施形態では、第一および第二の複数のプローブは、同一のマイクロアレイ上に与えられ得る。これにより、2つのプローブセットについてのハイブリダイゼーション強度の比較が容易となり得る。本明細書において企図される方法は、試料との、および参照溶液との、一連のプローブのハイブリダイゼーションの比較を含む。参照溶液は、標的ポリヌクレオチドを含むことを特徴とする。さらに、参照溶液は、典型的には、参照溶液を
プローブに接触させた際に検出される(バックグラウンドシグナルを超える)あらゆるハイブリダイゼーション強度が、プローブに対する標的ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションによるものであるように、調製される。これは様々な方法で達成することができる。好ましい実施形態では、参照溶液は目的の変異ポリヌクレオチドを含まない。さらなる実施形態では、参照溶液は、標的配列内に一つまたは複数の変異を含むいかなる鎖も本質的に含まない。こうすることで、基本的に全てのハイブリダイゼーション強度を、プローブに対する標的ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションから、確実に得ることができる。参照溶液は、標的配列を含んでいないポリヌクレオチド鎖を、これらが複数のプローブと有意にハイブリダイズしないという条件で、含有していてもよい。このようなポリヌクレオチド鎖は、標的ポリヌクレオチドの標識化(後述)に使用され得る「バーコード」鎖を含み得る。しかし、ある実施形態では、参照溶液の基本的に全ての鎖が、事実上、標的配列を含むか、またはさらには標的ヌクレオチドと完全に一致する。ある実施形態では、参照溶液中に存在する全ての鎖のうちの少なくとも99.9%、より好ましくは少なくとも99.95%が、標的配列を含むか、またはさらには標的ポリヌクレオチドと一致する。さらに、またはあるいは、参照溶液中に存在する標的ポリヌクレオチドは、ある特定のマーカー(後述)で標識されていてもよく、標的ポリヌクレオチドは前記マーカーで標識された参照溶液中のポリヌクレオチドのみとなる。

0019

ハイブリダイゼーション強度は、ハイブリダイズされたある特定のプローブ割合を表す値である。本明細書に記載の方法では、ハイブリダイゼーション強度の検出は、例えば、蛍光マーカーもしくは放射性マーカー、または当該技術分野において公知の他のマーカー等の、形成されたハイブリッドと結合したマーカーを用いて実行され得る。好ましい実施形態では、試料溶液に使用されるマーカーは、参照溶液に使用されるマーカーと同一である。しかし、これは本方法にとっては重要ではない。従って、異なるマーカーが試料溶液および参照溶液に使用されてもよい。ある実施形態では、ハイブリダイゼーション強度の検出は、表面増感ラマン分光法等の標識を含まない方法を用いて実行され得る。典型的に、ハイブリダイゼーション実験では、マーカーによって与えられる放射線または蛍光の強度が検出され、形成されたハイブリッドの数を示すものとなる。従って、ある実施形態では、ハイブリダイゼーション強度は、標的ポリヌクレオチドまたはその変異型と前記プローブとの結合により形成されたハイブリッドに結合された標識の放出によって、誘導され得る。本方法に適した蛍光マーカーとしては、限定はされないが、シアニン色素ファミリー色素であるCy3およびCy5が挙げられる。マーカーまたは標識は、ハイブリダイゼーションの前または後に標的または変異ポリヌクレオチドに結合され得る。いくつかの実施形態では、蛍光色素または他のマーカー化合物が、標的またはその変異型に直接結合され得る。他の実施形態では、マーカー化合物は、標的またはその変異型に間接的に、例えば、目的の変異ポリヌクレオチド上および標的ポリヌクレオチド上に存在する尾部配列に相補的なハイブリダイゼーション配列を有する鎖である「バーコード」を介して、結合される場合があり、これによって、バーコードと標的(またはその変異型)との間のハイブリダイゼーション、およびそれによる蛍光マーカーまたは他のマーカーの標的への間接的な結合が可能となる。より具体的には、鎖は、標的とプローブとの間のハイブリダイゼーションを有意に妨げないように、標的ポリヌクレオチドの標的配列の外側の尾部配列にハイブリダイズする。

0020

本方法の解析段階(iii)では、対応するプローブについて、第一のハイブリダイゼーション強度が第二のハイブリダイゼーション強度と比較される。従って、第一のプローブセットの各プローブの強度が、第二のプローブセットの対応するプローブの強度と比較され得る。ハイブリダイゼーション強度の比較に基づいて、一つまたは複数の変異ポリヌクレオチドの存在が判定され得る。実際に、本発明者らは、本明細書に記載の2つの同一のプローブセットを用いた試料溶液および参照溶液に対するハイブリダイゼーション実験のハイブリダイゼーション強度を比較することによって、野生型に対し驚くべきほど低い
変異型濃度の、変異型ポリヌクレオチドと野生型ポリヌクレオチドとの混合物中の変異ポリヌクレオチドを特定することが可能であることを発見した。

0021

試料溶液中の変異ポリヌクレオチドを検出および/または特定する具体的な方法を、DNAハイブリダイゼーションの熱力学に基づく理論を用いて説明する。これが、必要な変更を加えて、DNA以外のヌクレオチドにも当てはまることは、当業者に理解される。マイクロアレイデータ解析において、各々のプローブ強度(ハイブリダイゼーション強度)はスポットからのシグナルに関連付けられる。スポットは、プローブセット中のある特定の種類のプローブに対応する多数の同一の配列を含有する、マイクロアレイスライド上の局所的空間である。従って、各スポットは一種類のプローブを表す。スポット内のこれらの同一の配列の各々は、2つの配列間の親和性に基づいて、浮遊する標的配列にハイブリダイズされる。この親和性は配列依存的であり、スポット内にハイブリダイズされるプローブの割合を決定する。ラングミュアの式を用いたハイブリダイゼーションモデル(Hooyberghs et al., Nucleic AcidsRes. 2009, 37, e53)において、検出される強度と標的−プローブハイブリッドのハイブリダイゼーション親和性との間の関係は、おおよそ、式(1)として書き表すことができる(標的配列とプローブ配列との間のハイブリダイゼーションが熱力学平衡にあり、マイクロアレイスポット内のハイブリダイズされるプローブの割合が、検出される強度がバックグラウンドを有意に超えているが飽和ではないような割合である、と仮定):
I=A.c.e−ΔG/RT(1)
式中、Iは検出されるハイブリダイゼーション強度であり、Aは強度の比例定数であり、cは溶液中の標的濃度であり、ΔGは親和性の配列依存的な尺度としてのハイブリダイゼーション自由エネルギーであり、Rは理想気体定数であり、Tは実験温度である。この式は、マイクロアレイの各スポットについて、すなわち、プローブセット内の各プローブ種について、算出され得る。自由エネルギーΔGは、完全一致(PM)ハイブリッドの自由エネルギー値ΔGPMに尺度変更することができる。PMハイブリッドとは、標的配列または標的ポリヌクレオチドおよびPMプローブによって形成されたハイブリッドを指す。この尺度変更された自由エネルギーは、ΔΔG≡ΔG−ΔGPMと表される。従って、PMハイブリッドΔΔGPMの尺度変更された自由エネルギーはゼロである。プローブセットは、各々の利用可能なプローブ(PMプローブを除く)が野生型に対しミスマッチ(DNA欠損)を含有するように設計され得る。DNAの自由エネルギーのニアレストネイバーモデル(Bloomfield VA et al., “Nucleic Acids Structures, Properties and Functions, University Science Books, Mill Valley, 2000)に従い、ΔΔGは、ミスマッチによる親和性ペナルティの尺度として解釈され得る。臨床的状況等における試料が標的配列、すなわち野生型配列および変異型の混合物を含有するハイブリダイゼーションの場合、単一のプローブにハイブリダイズするのに前記2つの標的配列間で競合が生じる。この競合的ハイブリダイゼーションを説明するために、式1は以下に拡張され得る:
I=I(wt)+I(mut)=A.c(wt).e−ΔGwt/RT+A.c(mut).e−ΔGmut/RT (2)
式中、I(wt)は総シグナルへの野生型の寄与であり、I(mut)は変異型の寄与であり、c(wt)は野生型標的配列の濃度であり、c(mut)は変異型標的配列の濃度であり、ΔG(wt)は野生型の自由エネルギーであり、ΔG(mut)は変異型の自由エネルギーである。本明細書に記載の方法において、混合物実験からの強度データ[I(mix)]は、野生型標的配列のみを含有するマイクロアレイ実験からの参照強度データ[I(ref)]と比較され得る。より具体的には、本方法の段階(iii)は、対応するプローブについて、第二のハイブリダイゼーション強度の対数の関数として、第一のハイブリダイゼーション強度の対数を解析することを含む。標的ポリヌクレオチドの変異が試料溶液中に存在する場合、対応するプローブについての第二のハイブリダイゼーション強度の対数の関数における第一のハイブリダイゼーション強度の対数のプロットは、試料中に存在する変異型についての情報を含有するいくつかの枝を示す(後述)。軸に対数目
盛を使用しつつ、プロットに実際のハイブリダイゼーション強度を使用することで、同様の結果を得ることができることは、当業者には明らかである。図1は、対数目盛を有する軸を用いた、単純な理論的マイクロアレイ実験のI(ref)に対するI(mix)の例示的なプロットを示している。バックグラウンドノイズ領域内のデータポイントを除去した後、データは4つのグループまたは「枝」に分かれる:1つの参照枝(1)、1つの変異枝(2)、および2つの側枝(3)。これらの枝は図2から説明でき、図2は、各配列上の同じ位置にヌクレオチドを示すピクトグラムを伴う、標的配列およびプローブ配列を図示している。ピクトグラムの形状は、対としてのワトソン・クリック相補性を示す。変異型標的は野生型と比較して1つの異なるヌクレオチドを有する。4つのプローブには全ての可能なヌクレオチドが与えられる。ヌクレオチド同士が互いに相補的であれば、それらがさらにより高い結合親和性を有することは明らかである。従って、PMプローブは、このプローブについてI(wt)>>I(mut)となるように、野生型とのより高い結合親和性を有する。これらのプローブは参照枝の一部となる。一方、ミスマッチ(MM)プローブの1つは変異型に相補的であり、そのため、このプローブについてI(wt)<<I(mut)となるように、変異型標的に対しより高い結合親和性を有する。これらのプローブは変異枝に属する。他の2つのプローブのヌクレオチドは野生型標的および変異型標的の両方に対するミスマッチを含有するため、参照枝と変異枝の間に位置する。変異の種類を特定するために、変異枝に属するプローブが解析され得る。2つの強度データセット(一方のデータセットは野生型のみを含有する参照試料に対応し、一方は混合物を含有する試料に対応する)間の差異は、ρと表すことができる:
Ln[I(mix)/I(ref)]≡ρ (3)
ρは、図1に示すように、各枝のデータポイントのそれらの各直線への垂直距離の合計を最小にする、単位直線y=xに対して平行に引かれた、2本の直線間の距離を決定することにより、測定可能である。従って、ある実施形態では、本方法の段階(iii)は、第二のハイブリダイゼーション強度の対数の関数としての第一のハイブリダイゼーション強度の対数(の部分)間で2つ以上の平行直線関係が識別可能であるかどうかを判定すること、を含み得る。さらなる実施形態では、本方法は、これらの直線関係の間の距離ρを決定することを含み得る。参照枝と変異枝との間のこの距離ρは、以下の式により数学的に表すことができる:
ρ=ln[1+(cmut/cwt).e−ΔΔG/RT] (4)
式中、ΔΔG=ΔG(mut)−ΔG(wt)。式4を用いて、距離ρを、変異型の相対濃度[c(mut)/c(wt)]および変異型配列と野生型配列との間の自由エネルギー差ΔΔGに関連付けることができる。これに関連して、ΔΔGは、再度、ミスマッチによる親和性ペナルティの尺度となる。しかし、この場合、ミスマッチヌクレオチドは変異型と野生型との間のものである。従って、式4は、ρが親和性の測定に使用可能であることを示すものである。さらに、本方法が試料溶液中の変異型および標的ポリヌクレオチドの相対量[c(mut)/c(wt)]の決定に使用され得ることは、式4から明らかである。

0022

本明細書に記載の方法は、特定の変異が試料中に存在するかどうかを検定するためにも使用され得る。そのような検定のために、ハイブリダイゼーション強度が統計手法を用いて解析され得る。前述の通り、試料中の変異型の情報は、図1に示されるような、ハイブリダイゼーション強度プロット上の変異枝において入手可能である。変異枝の存在は2標本t検定を用いて検定することができ、ここで、2つの群は参照枝のデータおよび変異枝のデータである。2群間の距離ρは、図1に示すように、前記群のデータポイントを単位直線y=xと平行にY軸に射影することにより、推定することができる。これは、不等試料サイズおよび不等な標準偏差を有する2標本片側t検定である。帰無仮説[H(0)]はρ=0である。対立仮説[H(a)]はρ>0である。しかし、同一位置における可能な変異は有意なp値ももたらし得ることから、この仮説試験だけでは信頼できない場合がある。どの変異が実際に試料中に存在するかを決定するため、全ての可能な変異の様
々な距離ρが決定され得、ρが最高となる変異が式4に対応するものと見なされる。従って、ある実施形態では、本方法は、複数の候補変異ポリヌクレオチドのいずれが試料溶液中に存在しているかを決定することを含み得る。

0023

ある実施形態では、ハイブリダイゼーション強度のあるプローブまたはスポットは、段階(iii)における比較から除外され得る。例えば、プローブまたはスポットは、対応するハイブリダイゼーション強度が低過ぎる(バックグラウンドシグナルを有意に上回っていない)か、または高過ぎる(飽和レベルを超えている)ことから、さらなる解析から除外され得る。図1は、バックグラウンドノイズ領域に対応するプロットにおける領域を示している。これらの領域内のデータポイントは解析から除外されることが好ましい。さらなる例として、あるプローブまたはスポットは、これらのスポットのハイブリダイゼーションが平衡に達していないために、さらなる解析から除外され得る。しかし、ハイブリダイゼーション実験は、例えば適切なプローブ長、温度、およびハイブリダイゼーション時間を選択することにより、ハイブリダイゼーションが平衡に達しているような条件下で実行されることが好ましい。どのプローブまたはスポットのハイブリダイゼーションが平衡に達しているかを判定するための方法は、その全体が参照によって本明細書に援用される、国際特許出願WO2011/035801に記載されている。

0024

本方法の特定の実施形態では、試料溶液は、第一および第二の複数のプローブと同一の、第三およびまたさらなる複数のプローブにさらに接触され得る。このように、対応するプローブのハイブリダイゼーション強度が平均され得、これにより本方法の信頼性がさらに向上され得る。同様に、参照試料も、さらなる複数のプローブと接触され得、対応するプローブの強度が平均される。従って、ハイブリダイゼーション強度を比較する段階(iii)が種々のプローブセットの結果を平均することを含み得ることは、当業者に理解される。

0025

本明細書において、本明細書に記載の方法を実行するための手段がさらに提供される。特定の実施形態では、前記手段はキット、すなわち、試薬の組合せである。より具体的には、試料中の標的配列を含む標的ポリヌクレオチドの変異型の存在を判定するためのキットが本明細書において提供され、前記キットは、前記標的配列に対する完全一致プローブおよび前記標的配列に対し1つまたは2つの非相補的ヌクレオチドを有するプローブを含む複数のプローブを含む。特定の実施形態では、前記キットは前記複数のプローブの2つ以上のセットを含む。さらなる特定の実施形態では、本明細書において提供される手段は、前記標的配列に対する完全一致プローブおよび前記標的配列に対し1つまたは2つの非相補的ヌクレオチドを有するプローブを各々含む、少なくとも2つの同一のプローブセットを含むマイクロアレイを含む。さらに別の実施形態では、前記手段は、前記標的ポリヌクレオチドを含む参照溶液をさらに含み、前記参照溶液は、標的配列を含む標的ポリヌクレオチドとは前記標的配列の一つまたは複数のヌクレオチドにおいて異なる、前記標的ポリヌクレオチドの変異型を本質的に含まない。従って、特定の実施形態では、前記キットは、以下を含む:
前記標的ポリヌクレオチドの変異型を本質的に含まない、前記標的ポリヌクレオチドを含む参照溶液;並びに
前記標的配列に対する完全一致プローブおよび前記標的配列に対し1つまたは2つの非相補的ヌクレオチドを有するプローブを各々含む、少なくとも2つの同一のプローブセットを含むマイクロアレイ。前記方法の上記のような参照溶液、標的ポリヌクレオチド、標的配列、マイクロアレイ、およびプローブセットの特色は、前記キットにも当てはまる。

0026

さらに、コンピュータデバイス上で実行された際に、本明細書に記載の標的ポリヌクレオチドの変異型の存在を判定するための方法の少なくとも一部を実行するためのコンピュータプログラム製品が、本明細書において提供される。例えば、前記コンピュータログ
ラムは、本明細書に記載の方法に従ってハイブリダイゼーション強度を受信および解析するために構成され得る。例えば、前記コンピュータプログラムは、本明細書に記載されるように、第一および第二のプローブセットの対応するプローブの強度を比較するように、並びに、参照枝および変異枝を特定するように、構成され得る。特定の実施形態では、前記コンピュータプログラム製品は、試料溶液についての第一のハイブリダイゼーション強度を受信し、前記標的ポリヌクレオチドを含む参照溶液についての第二のハイブリダイゼーション強度を受信し、対応するプローブについて前記第二のハイブリダイゼーション強度の対数の関数として前記第一のハイブリダイゼーション強度の対数を解析し、それに基づいて前記試料溶液中の変異ポリヌクレオチドの存在を判定するように構成されている。前記ソフトウェアはさらに、複数の候補変異型のいずれが試料溶液中に存在しているかを決定するために、ハイブリダイゼーション強度データの統計解析を実行するように構成され得る。ある実施形態では、前記コンピュータプログラムはさらに、標的配列および/またはその変異型の情報に基づいた、適切なプローブセットの設計用に構成され得る。ソフトウェアとしての実行または部分的実行の場合、このようなソフトウェアは、一つまたは複数のプロセッサに基づいた、適切なコンピュータまたはコンピュータプラットフォーム上での動作に適し得る。前記ソフトウェアは、あらゆる適切なオペレーティングシステムを用いた使用に適し得る。前記演算手段は、データを処理するための処理手段すなわちプロセッサを含み得る。

0027

本明細書において提供されるさらなる手段は、本明細書で提供される方法の実行用に構成されたデバイスである。より具体的には、前記デバイスは、これらの方法の様々な段階を実行するための必要なハードウェアおよびソフトウェアの組合せを含む。前記デバイスは、試料溶液と第一の複数のプローブとの接触、試料溶液と第一の複数のプローブとのハイブリダイゼーション、および前記第一の複数のプローブのそれぞれについての第一のハイブリダイゼーション強度の測定を確実にし得る、反応器およびそれに連結された試薬用供給路および検出ユニットの形態での、ハードウェアを含み得る。前記デバイスは、参照溶液と第二の複数のプローブとの接触、参照溶液と第二の複数のプローブとの間のハイブリダイゼーション、および前記第二の複数のプローブのそれぞれについての第二のハイブリダイゼーション強度の測定を可能にする、反応器、それに連結した試薬用供給路および検出ユニットのパラレルセットをさらに含み得る;あるいは、前記デバイスは、いくつかまたは全ての同一ハードウェアを用いて、試料溶液に対する第一の一連の段階に続いて参照溶液に対する段階を実行するように構成され得る。さらに、前記デバイスは、第一および第二の測定の比較を含む解析段階を実行するための必要なソフトウェアを備えた処理ユニット、並びに、所望により、前記解析の結果を使用者に示す表示ユニットを含む。特定の実施形態では、結果は、試料溶液中の変異ポリヌクレオチドの存在に関する情報として表示される。

0028

以下の実施例は、特許請求された方法および適用の説明を目的として提供するものであり、本発明の範囲を限定することは決して意図しておらず、そのように解釈されるべきではない。

0029

本発明者らは、大腸がんおよび肺がん診断および層別化治療において重要な遺伝子マーカーである、K−RAS癌遺伝子におけるホットスポット点変異の検出、特定および定量化に本方法を適用した。

0030

1.材料および方法

0031

1.1試料調製および実験装置
この試験において、いくつかの一連のハイブリダイゼーション実験を行った。第一の一
連の実験(gBlocks実験)では、野生型KRASssDNAおよび変異型KRAS ssDNAの混合物を使用した。ssDNA混合物を得るために、本明細書においては「gBlocks」とも称される、二本鎖の、配列確認されたgBlocks(登録商標)Gene Fragments(インテグレーテッドDNAテクノロジーズ社、ルーバン、ベルギーから入手)に対して、PCR反応を実行した。12の最も一般的に報告されるKRAS変異のgBlocks配列を使用した:G12C、G12S、G12R、G12D、G12A、G12V、G13C、G13S、G13R、G13D、G13A、およびG13V。混合物は、gBlocks野生型DNAおよび含有される5%の変異型DNAから作った。PCR反応混合物は、0.4μMのフォワード(5’−GTCCTGCACCAGTAATATGC−3’ 配列番号1)および0.4μMのリバース(5’−CTGGCGTCATAGCTGTTTCCTGTGTGAGTATTAACCTTATGTGTGACA−3’(配列番号2))プライマー(ユーロジェンテック社、スラン、ベルギー)、2mMのMgSO4、0.2mMの各デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)、2UのPlatinum Taq DNA High−Fidelity Polymerase(ライフテクノロジーズ社、ヘント、ベルギー)、および0.5ngのgBlocks DNAを、50μlの最終体積で含んだ。前記リバースプライマーは5’末端にリン酸塩修飾を有する。Verti(登録商標)サーマルサイクラー(ライフテクノロジーズ社)を用い、35サイクル(95℃、30秒;55℃、30秒;72℃、30秒)を通じて、DNAを増幅した。製造業者プロトコルに従って、キアゲン社製PCR精製キット(キアゲン社、ヒルデン、ドイツ)を用いて、単位複製配列を精製した。λエキソヌクレアーゼ処理(ファーメンタス社、ザンクトレオン=ロート、ドイツ)を、製造業者のプロトコルに従って、精製したPCR産物に対して行った。得られたssDNAをFlashGel DNAシステムロンザ社、スラウ、英国)上で解析し、NanoDrop分光光度計で濃度を測定した。10nMのssDNAをマイクロアレイ実験で使用した。検出限界を試験するための第二の一連の実験用希釈物を、入手可能なgBlocks ssDNA変異型G12A、および、純粋な変異型試料を使用する1つの実験を除き、野生型 ssDNAを合計5nM濃度に混合することにより作製した。試料の変異型DNAの例示的な濃度は、0.1024%、0.256%、0.64%、4%、10%、および100%(相対変異型濃度)である。最後に、実際の臨床試料を試験した。この一連の実験のため、ヘント遺伝医学センターから、匿名コード化されたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)結腸癌試料を入手した。製造業者のプロトコルに従ってGentra Puregene Tissue Kit(キアゲン社)を用いて、DNAを抽出した。100ngのDNAをPCR反応で使用した。また、KRAS状態のために、試料をサンガーシーケンシングで配列決定した。各試料の合計濃度は10nMである。

0032

1.2マイクロアレイ実験
アジレント社製品付随する標準的なプロトコルに従って、市販のアジレント社製プラットフォームを用いて、マイクロアレイ実験を行った。各ハイブリダイゼーション混合物は、ssDNA(種々の濃度)と合わせて0.05μMの最終濃度ヌクレアーゼ非含有水中で希釈されたCy3標識Barcode(Cy3−5’−AAAAACTGGCGTCATAGCTGTTTCCTGTGTGA−3’(配列番号3))、5μlの10×遮断剤および25μlの2×GExハイブリダイゼーション緩衝液HI−RPMを含有する。ハイブリダイゼーション混合物を13000rpmで1分間遠心し、8×15Kカスタムアジレント社製スライドの各マイクロアレイに40μlの前記混合物をローディングした。ハイブリダイゼーションを、ローター設定10で、65℃で17時間、アジレント社製オーブン内で起こし、製造業者の説明書に従って洗浄を行った。アレイを、5μm分解能、高および低レーザー強度でアジレント社製スキャナ(G2565BA)でスキャンし、さらに、自動的にグリッディング強度測定、バックグラウンド減算および品質管理を実行するアジレント社製Feature Extractionソフトウェア(GE1
v5 95 Feb07)を用いて処理した。

0033

1.3プローブセットの設計
カスタム設計されたプローブセットは、K−RAS遺伝子のエクソン2のコドン12および13周辺の領域を研究するためのマイクロアレイ実験用に構成された。以前の実験(Hooyberghs J et al., Phys. Rev. E, 2010, 81, 012901)に基づいて、適切なプローブ−標的親和性は23ヌクレオチド長のプローブにおいて達成されるであろうと見積もった。これにより、表1に示される目的の野生型標的配列が得られる。この配列から、プローブセットを設計した(表1参照)。このプローブセットは、野生型標的に対する1つの完全一致(PM)プローブを含有する。残りのプローブは、野生型標的に対し全ての可能なシングルまたはダブルミスマッチ(1MMまたは2MM)を含有し、2つのミスマッチ間の相互作用およびヘリックス構造の端の近くに位置するミスマッチから生じる自由エネルギーペナルティは回避する(Hadiwikarta WW et al., Nucleic AcidsRes. 2012, 40, e138)。各プローブは8回反復し、これらの反復の中央値データ解析に使用した。

0034

1.4 変異検出限界の限定
本方法の検出限界を定めるため、変異を検出可能な最小ρを推定した。これは、不等な試料サイズおよび不等な標準偏差を有する片側二標本t検定についての、検定力計算によって行った。この計算はシミュレーションを用いてプログラムした。得られた曲線をlowess法により平滑化した。

0035

表1:実験に使用されたプローブの例。
プローブセットは、標的に対し完全一致している1種類のプローブを含有し、一方、その他のプローブは標的に対し1つまたは2つのミスマッチを含有する。
互いに近接した、または配列の境界に近接したミスマッチは回避する。

0036

0037

2.実験結果

0038

2.1 gBlocks実験
gBlocks実験において、各試料について12の変異全てを試験した。全ての入手可能な試料についての各コドン位置における最大−log10(p値)および最大ρ(角括弧で囲まれた)が表2に示される。最後のカラムはこの最大ρに関連付けられた変異を示す。

0039

表2:変異が生じ得る各コドン位置についての最大−log10(p値)および最大ρ(角括弧で囲まれた)を示す、gBlocks実験の要約結果。最後のカラムはこの最大ρ
に関連付けられた変異を示す。

0040

0041

一例として、図3は変異型G13Cを試験した場合のグラフによる結果を示している。変異枝は明らかに、Y軸上でより高い強度を有する。統計的有意性の尺度として、t検定の結果としてのp値を使用する代わりに、小さい数を避けるために−log10(p値)値が使用される。0.05のp値を有意性尺度として用いると、log10(0.05)≒1.3である。変異型G13S、G13RおよびG13Cを試験した場合に得られた−log10(p値)は、2.02、4.84、および10.49(すなわち、3つ全てが有意)であり;対応するρ値はそれぞれ0.14、0.33、および3.20である。しかし、2つの最も低い−log10(p値)は低い対応するρ値を有し、側枝を表す。最も高い−log10(p値)およびまた最も高いρはG13Cに付随し、G13Cは実際に試料中に存在する変異である。全ての他の9つの変異の試験は、有意でない−log10(p値)および非常に小さなρ値という結果である。これらの結果は、本方法が、試料中の変異の存在の検出を可能にするだけでなく、いくつかの代替変異のいずれが試料中に存在しているかの特定も可能にすることを示している。

0042

2.2臨床試料を用いた実験
患者から採取した実際の臨床試料、より具体的には、ホルマリン固定しパラフィン包埋した(FFPE)臨床試料に対して、盲検試験を行った。本方法を用いて、各試料について確証的な結果が得られた。図4は、試料のうちの1つについての結果を一例として示し
ている。この場合、結果は、変異型G13Dの存在を明らかに示し、−log10(p値)=16.71およびρ=4.679であった。他の実験から得られた結果も、試料中に存在する変異の特定を可能にする強い変異枝を示した。盲検試験の全ての結果が、参照試験を介して測定された結果と一致している。これらの結果は、本方法が実際の臨床試料中の変異の特定を可能にすることを示している。

0043

2.3濃度プロファイルの直線性
本方法の検出限界の推定を得るため、既知の変異型を含有し、徐々に増加する変異型濃度を有するいくつかの試料に対して、マイクロアレイ実験を行った。この研究では、変異型G12Aから得られる6つの異なる濃度の同一混合物を試験した。上述の式4は式5に再整理することができる:
eρ−1=(cmut/cwt).e−ΔΔG/RT(5)
式5から、ρと変異型割合[c(mut)/c(wt)]との間に直線関係(対数スケールで)があることは明らかであり、この直線関係の傾きはexp(−ΔΔG/RT)である。室温を定数とすると、傾きを決定する値はΔΔGである。変異型割合に対して[e(exp)(ρ)−1]がプロットされる濃度プロファイルを作成できる(図5)。図5は、得られたデータが、式5による理論的な直線関係に完全に当てはまることを明らかに示している。式5から、さらに、直線関係が原点(0,0)を通過することは明らかであり、これは、各変異について、ΔΔGを、それにより全濃度プロファイルを推定するために、各変異についてただ1つの試料が必要であることを意味している。

0044

2.4検出限界の限定
各変異についてρを決定した後、各変異についての濃度曲線図6に示すようにプロットした。濃度曲線の傾きから、各変異についてのΔΔGを導くことができる。より弱いΔΔGを有する変異ほど、より小さな傾きを有し、上記のようなt検定を用いた小さな濃度での検出がより困難である。本方法が充分な検定力を有して変異の検出を可能にする(または変異無しの帰無仮説を棄却する)最小のρを、検定力を控えめに90%に設定して、参照枝および変異枝の試料サイズおよび標準偏差の推定に基づいて決定した。最小ρは図6において水平方向の点線として描かれ、これは、変異のいずれか1つについて、本方法が1%もの低い相対変異濃度の検出を可能にすることを示している。

実施例

0045

結論として、変異型および野生型の混合物試料希釈系列を用いて、本発明者らは、本明細書に記載の方法が低い検出感度(1%未満の変異型配列)を提供し得ることを示した。本発明者らはさらに、本方法が実際のパラフィン包埋臨床試料に適用可能であることを示し、本方法が組織材料の制限された品質および不均一性に対応可能であることを示した。マイクロアレイ技術の固有のパラレル特性によって、本方法は、一回の実行で数百の異なる点変異の検出を可能にする。

0046

図面において、以下の番号付けが使用される:1−参照枝;2−変異枝;3−側枝。

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