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図面 (6)

課題・解決手段

本発明は、効率的かつ拡張性のある様式で生体細胞試料並行処理するための改良された方法、施設およびシステムを提供する。本発明は、患者試料などの生体細胞試料の並行処理を、場所および時間が効率的な形式で可能にする。本発明の方法、施設およびシステムは、細胞療法に使用するための患者試料の処理に特定の有用性見出す

概要

背景

細胞療法は、がんを含むさまざまな病態および疾患の治療における医学の進歩の重要な領域である。自己細胞療法、患者自身細胞による患者の治療は使用が増えており、黒色腫および白血病を含む、従来の薬物治療では難治性のがんと闘う改善された方法である。自己細胞療法の1つの領域である免疫療法は、患者自身の免疫系由来の細胞の選択および増殖を使用して、がん細胞を標的化および攻撃し、患者の免疫応答を何倍にも効果的にブーストしてがん細胞を破壊する。

免疫療法および細胞療法の他の形態を達成するために、患者から採取した細胞の試料、通常血液試料の形態は、これらの細胞を培養することによって、単離、操作、濃縮および/または増殖する複雑なワークフローを介して処理される必要があり、これらの細胞が患者に戻す治療用物質を形成する。細胞処理のワークフローの実施は、さまざまな処理法機械および機器を使用して実施される、それぞれが処理全体の中で独自の役割を有する一連の操作を要求する。この処理は、さまざまな程度のオペレーターの介在および技量を必要とする異なる期間および複雑さのステップを含むことがあり、すべての操作は無菌状態で実施され、患者試料への微生物ウイルスまたは他による汚染を防止しなければならない。この処理は、患者物質完全性を維持する手段を使用して実施され、患者試料の部分的もしくは全体的な相互汚染または混合を防止して、患者自身の細胞に完全には由来しない治療用調製物を患者が受容することを防止しなければならない。

患者物質の無菌性および完全性を得るために、すべての処理操作は通常、例えば層流キャビネットなどの設備を備えた実験室またはクリーンルームにおいて実施され、これにより物質を無菌環境において開放容器を使用して扱うことが可能になり、環境からの生物学的汚染もしくは他の汚染のリスクを最小化できる。患者物質の混合を防止し、試料の識別完全性を維持するために、処理操作は、それぞれが他方の設備および工程を重複する、個別の孤立した処理ルームまたはユニットにおいて実施される。各重複ユニットは、必要な無菌作業環境を提供し、単一患者の試料を一度に処理するために必要な試料の取り扱いおよび処理の設備を備えている。各ユニットは、一度に一人の患者試料だけに使用されるので、多数の患者試料を処理する施設は、多数の同一処理ユニットを必要とし、したがって、場所、サービスおよび設備を提供するコストが重複し、このようなコストは処理される患者試料の数に対して直線的に上昇する。重複する取り組みは、処理コスト削減規模経済を提供しないので、これらのコストは、細胞療法のさらなる開発およびより大きな患者集団における細胞療法の使用の拡大に対する主要な障壁とみなされる。

高いセッティングおよびランニングコストならびに容量拡大の高いコストに加えて、処理ユニットの重複は、場所および設備の使用において極めて非効率的である。処理ワークフローの各段階は異なる時間がかかるので、ワークフロー全体の処理能力律速段階、すなわち工程中の最も長いステップにより決定され、したがって、重複された各処理ユニットにおいて利用可能な供給源の大部分は、このワークフローによる試料の処理にかかる時間の多くの間に十分に活用されない。通常の免疫療法の処理ワークフローにおいて、細胞増殖過程、患者の血液試料から単離された数千の細胞から、治療量に必要な数百万または数十億の細胞に培養および成長させるには、最大2週間かかると思われる。対照的に、ワークフローの開始および終了時に使用される細胞の単離および濃縮ステップは、わずか数分または数時間しかかからないと思われる。その結果として、重複した処理ユニットを使用する標準細胞処理施設において、細胞単離などの短時間操作に使用される大量の場所および資本設備を細胞増殖操作の間遊ばせておくことになる。

上記の標準的な重複ユニットの取り組みのコストおよび効率的欠点に加えて、開放容器を使用する実験室またはクリーンルームにおける試料の処理は、細菌、ウイルスまたは他による試料汚染のリスクが依然としてあり、オペレーターの誤りによりこの工程のいずれかの段階において患者試料または処理物質の一部または全部を喪失する可能性があり、処理ユニットに残っている以前の患者試料または処理物質の残留物質による試料の相互汚染の機会がある。

時間およびコストに関する処理ワークフローの効率を最大化して、より大きな患者集団における細胞療法の使用を可能にする規模の経済により多数の患者に対してこの工程を操作可能にする様式で患者物質を処理する手段が必要である。このような手段は、汚染、混合、識別性の喪失または患者試料および処理された治療用物質の物理的および識別性の完全性に干渉する他の事象を防止する、基本的な重要原理を保持しなければならない。

これらの特徴および利益は、現在の細胞療法処理施設によって提供されず、このような特徴および利益は先行技術により記載または提唱されていない。

米国特許出願公開第20030175242号明細書は、細胞療法用産物を製造および分配するシステムおよび方法を記載している。この方法は、中央処理施設および細胞療法を実施するための単一ライセンスの下に管理される複数のサテライト施設設立するステップ、第1の対象からサテライト施設の1つにおいて原材料収集するステップ、該第1の対象由来の原材料を輸送するステップ、および該原材料を中央処理施設に送達するステップ、該材料を中央処理施設において処理して、同じ第1の対象に投与するための療法用産物を生成するステップ、該療法用産物をサテライト施設に輸送して戻すステップ、ならびに該療法用産物を同じ第1の対象に投与するステップを含む。

米国特許第8656670号明細書は、公的および私的な診断領域、処理、培養および他の製造ステップ用の公的および私的なクリーンルーム領域ならびに公的および私的な保存領域のための場所を両側に有する中央アクセス通路を含み、すべての公的施設は中央アクセス路の片側にあり、私的施設は反対側にあり、各領域の間を接続する気密性試料パスを有する、組織バンクのためのシステム、ワークフローおよび施設を提供する。

国際公開第1998028700号は、患者からの細胞のサンプリング、特定の処理プロトコルに従ったこれらの細胞の特定の処理および患者への細胞の再注入の細胞療法工程における品質マネジメントのための方法を記載している。この方法は、治療過程に関係する実体を識別するステップ、治療過程の連続的および条件付き検証のステップおよび品質管理のステップを含む。識別、検証および管理のステップは、所与の患者から採取した試料の各バッチに対して実施される。

国際公開第2006129312号は、多数の細胞型に属する多様な細胞を含有する組織試料の受け取るステップ、ならびに細胞の割合および細胞型の両方を自動的に増加させるステップを含む、自動化された細胞処理の方法を記載している。

国際公開第2007105846号は、個別の特有の機能を有し、汚染の発生を最小にするように互いに別々に分割された入口および出口を有する複数の独立した既成ユニットを備えた細胞療法施設を使用する方法ならびにフランチャイズ市場ビジネスの方法を記載している。

国際公開第2008018671号は、L字型仕切りを有するルームおよび該仕切り内に配置された、細胞の汚染を防止する3つのクリーンベンチを含むクリーンベンチデバイスを備えた細胞療法用産物の生成のための、細胞の操作および培養のための施設を記載している。

欧州特許第1850289号明細書は、ネットワーク情報システムからの血液センターおよび医療機関のワークフローにおけるRFID(無線周波数識別(Radio Frequency Identification))の使用を記載している。血液の採取および供給のワークフローの各手順において、この情報はコンピュータにより電子タグに書き込みまたは電子タグから読み取りされ、コンピュータ情報ネットワークによりサービスマネジメント情報システムにより読み取り/書き込みされる。

米国特許第8099297号明細書は、ドナーが、ドナーからサンプリングされた生体組織由来幹細胞、例えば臍帯血幹細胞注文および購入可能にする、幹細胞を注文し、購入し、保存するビジネスの方法およびシステムを記載しており、この注文工程は担当医療サービスと直接インターフェイスで接続され、このサービスステップは幹細胞の収集、抽出、貯蔵、封じ込め、パッケージング、送達および保存を含む。

米国特許第8229675号明細書は、各患者に関する情報を入力して、保存するためのデータベースが提供される、血液製剤を管理し、それらの動きを追跡する方法を提供する。

米国特許第8484049号明細書は医療施設における組織追跡のためのシステムを記載している。この組織追跡システムは、サプライチェーン請求書作成在庫管理および/または注文のシステムを組み込むことができ、受け取り、保存および発行の間の組織の環境条件もまた追跡できる。

欧州特許第1238671号明細書は、自己移植および同種異系両方の目的のために保存場所から細胞を引き出すことができる臍帯血細胞のバンクを提供する。

欧州特許第2263183号明細書は、引き出しセンターまたはバンクと診療所移植センターまたは調査施設との間の、移植、療法または調査目的のための生体細胞の自動運搬のための、および要求伝達からのこの工程のモニタリングのための、同種移植に適切な細胞標本の供給のためのシステムに関する。

米国特許第6861954号明細書は、医薬品の追跡および医薬品とRFIDデバイスシグナルに基づく位置とのづけのためのシステムを記載している。

米国特許第8005622号明細書は、コンピュータ化されたヘルスケア環境において患者に安全に輸血するためのシステムおよび方法を記載している。患者に投与される血液製剤が識別され、その患者が識別される。試験結果が識別された血液製剤が識別された患者に適合することを示すかどうかを判断するために、血液適合性試験結果を含むデータベースにアクセスして、識別された血液製剤と識別された患者に関する血液適合性試験結果がこのデータベースに含まれるかどうかを判断する。

米国特許第8032306号明細書は、患者のベッドサイドにあるコンピュータで患者に投与する血液製剤を識別する血液製剤識別子を受け取ることによって患者に投与する血液製剤を識別し、患者識別子をコンピュータで受け取ることによって患者を識別し、血液製剤識別子と患者識別子とを血液バンクデータベースに送信して、血液製剤投与の記録を維持するための手段を提供する。

米国特許第8204694号明細書は、コンピュータ化されたヘルスケア環境において血液製剤投与を自動的に追跡するシステムを記載している。血液バンク部門により受け取られた血液製剤ユニットに関する情報は、データベースに記録される。血液製剤ユニットが、ヘルスケアプロバイダーにより患者に投与されていることの表示が受け取られ、このデータベースは自動的にアップデートされ、血液製剤ユニットが患者に投与されていることが反映される。

米国特許第8666762号明細書は、ヒト細胞などの組織を扱うための組織マネジメントシステムを提供し、この組織マネジメント追跡システムは医療機関のスタッフが安全な様式で組織材料を扱い、使用したことを促し、検証する。

米国特許出願公開第20050184153号明細書は、電子的に読み取り可能な医療提供者コードを担持する医療提供者識別手段、電子的に読み取り可能な患者コードを担持する患者識別リストバンド、前記医療提供者コードと前期患者コードとを読み取り可能なリーダーを含む、血液試料の収集、血液ユニットの要求および血液ユニットの患者への注入を実行する装置を記載している。

米国特許出願公開第20080189045号明細書は、複数の異なる収集施設それぞれにおいて臍帯血幹細胞試料を得るための一様なプロトコルを適用して、私的および公的両方の臍帯血幹細胞バンク用の大量の試料を得ることを可能にする、単一の収集および分配実体を使用する臍帯血幹細胞の収集および分配のための方法を提供する
米国特許出願公開第20090299763号明細書は、人工多能性幹細胞(iPSC)およびiPSCから分化した細胞を使用する再生医療ビジネスなどの幹細胞技術ビジネスを実施するための方法を記載しており、この方法はiPSC由来細胞のデータベースならびに顧客および試料を追跡するためにこのデータベースを使用する方法を提供する。

米国特許出願公開第20100049542号明細書は、複数の独立して動作可能な血液成分収集機器および該血液成分収集施設をネットワークつなぐシステムを含む、血液成分収集施設を記載している。このネットワークシステムは、ドナー、オペレーターおよび1または複数の血液製剤収集手順に関する血液成分収集機器を追跡する複数の入力デバイスと連結されたシステムコンピュータを提供する。このシステムコンピュータは少なくとも1つの投与レベル計算デバイスと連結され、血液成分収集施設を通した血液成分収集活動をモニターし、ドナー、オペレーターおよび血液成分収集機器の割り当ての判断を容易にする。

米国特許出願公開第20130018356号明細書は、独自の番号によりコード化された注射器などの医療設備特徴づけ、調製、使用および廃棄の方法を記載しており、医薬品容器特徴づけるデータは診療所のワークフロー内の医薬品デバイスから受け取られ、その後、1または複数のデータレコードが受け取られたデータの一部を含むように作成され、修正され、または付加される。

以前の先行技術はいずれも、生体細胞試料、例えば患者試料の処理を規模の経済を提供する拡張性のある形式で最適化する課題に対処していない。本発明はこの課題に対処して、効率的かつ拡張性のある様式で患者試料などの生体細胞試料を処理するために使用可能な改良された方法および施設を提供する。

概要

本発明は、効率的かつ拡張性のある様式で生体細胞試料を並行処理するための改良された方法、施設およびシステムを提供する。本発明は、患者試料などの生体細胞試料の並行処理を、場所および時間が効率的な形式で可能にする。本発明の方法、施設およびシステムは、細胞療法に使用するための患者試料の処理に特定の有用性見出す

目的

各ユニットは、一度に一人の患者試料だけに使用されるので、多数の患者試料を処理する施設は、多数の同一処理ユニットを必要とし、したがって、場所、サービスおよび設備を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

i)複数の細胞試料(S1[103]からSn[110])を、複数の同一の処理ステーション(P1/1[105]からP1/n[111])を備える第1処理ユニット(U1)[104]へ移送するステップ、ii)前記細胞試料(S1[103]からSn[110])をそれぞれ処理ステーション(P1/1[105]からP1/n[111])において処理し、複数の処理済み細胞試料(S1/1[116]からSn/1)を生成するステップ、iii)前記処理済み細胞試料(S1/1[116]からSn/1)を、複数の同一の処理ステーション(P2/1[108]からP2/n)を備えた第2処理ユニット(U2)[107]に移送するステップ、iv)前記細胞試料(S1/1[116]からSn/1)をそれぞれ処理ステーション(P2/1[108]からP2/n)において処理し、複数の処理済み細胞試料(S1/2からSn/2)を生成するステップ、ならびにv)前記複数の処理済み細胞試料を1または複数の処理ユニット(UN)[113]に移送し、さらに処理して、複数の処理済み細胞試料(S1/N[114]からSn/N[115])を生成するステップ、を含む、複数の生体細胞試料並行処理する方法。

請求項2

長期処理用ユニットが、短期処理用ユニットより多くの処理ステーションを備える、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記細胞試料(S1[103]からSn[110])それぞれが独自に識別可能である、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記細胞試料(S1[103]からSn[110])それぞれが独自に識別可能な容器封入される、請求項1または2に記載の方法。

請求項5

前記細胞試料(S1[103]からSn[110])それぞれがヒト細胞を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

前記細胞試料(S1[103]からSn[110])が、血液試料吸引組織、組織生検骨髄脂肪組織および臍帯血からなる群から選択される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

前記細胞試料(S1[103]からSn[110])が1または複数の患者由来する、1乃至6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記細胞試料の処理が、細胞単離、細胞濃縮細胞培養細胞増殖細胞形質導入および細胞製剤化からなる群から選択される1または複数の工程を伴う、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

前記処理済み細胞試料(S1/N[114]からSn/N[115])を細胞バンクに保存するステップをさらに含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

自動化された方法である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

1または複数の前記処理済み細胞試料(S1/N[114]からSn/N[115])を1または複数の患者に投与するステップをさらに含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。

請求項12

前記1または複数の患者が、前記細胞試料(S1[103]からSn[110])のもとのドナーである、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記1または複数の患者が、前記細胞試料(S1/N[114]からSn/N[115])のもとのドナーではない、請求項11に記載の方法。

請求項14

前記患者ががん患者である、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法により生成された処理済み細胞試料。

請求項16

細胞療法に使用するための、請求項15に記載の処理済み細胞試料。

請求項17

自己細胞療法に使用するための、請求項15または16に記載の処理済み細胞試料。

請求項18

同種細胞療法に使用するための、請求項15または16に記載の処理済み細胞試料。

請求項19

がんの治療に使用するための、請求項16乃至18に記載の処理済み細胞試料。

請求項20

哺乳動物投与に適切な形態の生体適合性担体を含む、請求項15乃至20のいずれか1項に記載の処理済み細胞試料を含む組成物

請求項21

ユニットにおいて異なる工程を実行する、特定の工程を実施するための複数の同一の処理ステーション(P1/1[105]からPN/n)をそれぞれが備えた複数の処理ユニット(U1[104]からUN[113])を備え、任意の一処理ユニット内の処理ステーションの数が、細胞処理施設処理能力を最適化するように変動される、複数の生体細胞試料を並行処理するための細胞処理施設。

請求項22

長期処理用ユニットが、短期処理用ユニットより多くの処理ステーションを備える、請求項21に記載の細胞処理施設。

請求項23

前記処理ステーションが、細胞単離、細胞濃縮、細胞培養、細胞増殖、細胞形質導入および細胞製剤化からなる群から選択される工程を実行する、請求項21または22に記載の細胞処理施設。

請求項24

細胞バンクをさらに備える、請求項21乃至23のいずれか1項に記載の細胞処理施設。

請求項25

病院または治療センターに配置または収容される、請求項21乃至24のいずれか1項に記載の細胞処理施設。

請求項26

既成建築物乗り物飛行機または細胞試料および/または細胞療法用物質の処理のための場所への展開用の容器に配置または収容される、請求項21乃至24のいずれか1項に記載の細胞処理施設。

請求項27

細胞試料収集および/または処理済み細胞試料投与の現場から遠隔的に配置される、請求項21乃至26のいずれか1項に記載の細胞処理施設。

請求項28

細胞療法用細胞試料の生成に使用するための、請求項21乃至27のいずれか1項に記載の細胞処理施設。

請求項29

自己細胞療法用細胞試料の生成に使用するための、請求項28に記載の細胞処理施設。

請求項30

同種細胞療法用細胞試料の生成に使用するための、請求項28に記載の細胞処理施設。

請求項31

がん患者の治療用細胞試料の生成に使用するための、請求項28乃至30のいずれか1項に記載の細胞処理施設。

請求項32

複数の生体細胞試料を請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法で、請求項21乃至31のいずれか1項に記載の細胞処理施設において処理するステップを含む、複数の生体細胞試料を並行処理するためのシステム

請求項33

請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法を実行するデータ処理装置を構成する、動作可能な機械命令を含む、コンピュータプログラム製品

技術分野

0001

本発明は細胞並行処理方法およびそのための施設に関する。

背景技術

0002

細胞療法は、がんを含むさまざまな病態および疾患の治療における医学の進歩の重要な領域である。自己細胞療法、患者自身の細胞による患者の治療は使用が増えており、黒色腫および白血病を含む、従来の薬物治療では難治性のがんと闘う改善された方法である。自己細胞療法の1つの領域である免疫療法は、患者自身の免疫系由来の細胞の選択および増殖を使用して、がん細胞を標的化および攻撃し、患者の免疫応答を何倍にも効果的にブーストしてがん細胞を破壊する。

0003

免疫療法および細胞療法の他の形態を達成するために、患者から採取した細胞の試料、通常血液試料の形態は、これらの細胞を培養することによって、単離、操作、濃縮および/または増殖する複雑なワークフローを介して処理される必要があり、これらの細胞が患者に戻す治療用物質を形成する。細胞処理のワークフローの実施は、さまざまな処理法機械および機器を使用して実施される、それぞれが処理全体の中で独自の役割を有する一連の操作を要求する。この処理は、さまざまな程度のオペレーターの介在および技量を必要とする異なる期間および複雑さのステップを含むことがあり、すべての操作は無菌状態で実施され、患者試料への微生物ウイルスまたは他による汚染を防止しなければならない。この処理は、患者物質完全性を維持する手段を使用して実施され、患者試料の部分的もしくは全体的な相互汚染または混合を防止して、患者自身の細胞に完全には由来しない治療用調製物を患者が受容することを防止しなければならない。

0004

患者物質の無菌性および完全性を得るために、すべての処理操作は通常、例えば層流キャビネットなどの設備を備えた実験室またはクリーンルームにおいて実施され、これにより物質を無菌環境において開放容器を使用して扱うことが可能になり、環境からの生物学的汚染もしくは他の汚染のリスクを最小化できる。患者物質の混合を防止し、試料の識別完全性を維持するために、処理操作は、それぞれが他方の設備および工程を重複する、個別の孤立した処理ルームまたはユニットにおいて実施される。各重複ユニットは、必要な無菌作業環境を提供し、単一患者の試料を一度に処理するために必要な試料の取り扱いおよび処理の設備を備えている。各ユニットは、一度に一人の患者試料だけに使用されるので、多数の患者試料を処理する施設は、多数の同一処理ユニットを必要とし、したがって、場所、サービスおよび設備を提供するコストが重複し、このようなコストは処理される患者試料の数に対して直線的に上昇する。重複する取り組みは、処理コスト削減規模経済を提供しないので、これらのコストは、細胞療法のさらなる開発およびより大きな患者集団における細胞療法の使用の拡大に対する主要な障壁とみなされる。

0005

高いセッティングおよびランニングコストならびに容量拡大の高いコストに加えて、処理ユニットの重複は、場所および設備の使用において極めて非効率的である。処理ワークフローの各段階は異なる時間がかかるので、ワークフロー全体の処理能力律速段階、すなわち工程中の最も長いステップにより決定され、したがって、重複された各処理ユニットにおいて利用可能な供給源の大部分は、このワークフローによる試料の処理にかかる時間の多くの間に十分に活用されない。通常の免疫療法の処理ワークフローにおいて、細胞増殖過程、患者の血液試料から単離された数千の細胞から、治療量に必要な数百万または数十億の細胞に培養および成長させるには、最大2週間かかると思われる。対照的に、ワークフローの開始および終了時に使用される細胞の単離および濃縮ステップは、わずか数分または数時間しかかからないと思われる。その結果として、重複した処理ユニットを使用する標準細胞処理施設において、細胞単離などの短時間操作に使用される大量の場所および資本設備を細胞増殖操作の間遊ばせておくことになる。

0006

上記の標準的な重複ユニットの取り組みのコストおよび効率的欠点に加えて、開放容器を使用する実験室またはクリーンルームにおける試料の処理は、細菌、ウイルスまたは他による試料汚染のリスクが依然としてあり、オペレーターの誤りによりこの工程のいずれかの段階において患者試料または処理物質の一部または全部を喪失する可能性があり、処理ユニットに残っている以前の患者試料または処理物質の残留物質による試料の相互汚染の機会がある。

0007

時間およびコストに関する処理ワークフローの効率を最大化して、より大きな患者集団における細胞療法の使用を可能にする規模の経済により多数の患者に対してこの工程を操作可能にする様式で患者物質を処理する手段が必要である。このような手段は、汚染、混合、識別性の喪失または患者試料および処理された治療用物質の物理的および識別性の完全性に干渉する他の事象を防止する、基本的な重要原理を保持しなければならない。

0008

これらの特徴および利益は、現在の細胞療法処理施設によって提供されず、このような特徴および利益は先行技術により記載または提唱されていない。

0009

米国特許出願公開第20030175242号明細書は、細胞療法用産物を製造および分配するシステムおよび方法を記載している。この方法は、中央処理施設および細胞療法を実施するための単一ライセンスの下に管理される複数のサテライト施設設立するステップ、第1の対象からサテライト施設の1つにおいて原材料収集するステップ、該第1の対象由来の原材料を輸送するステップ、および該原材料を中央処理施設に送達するステップ、該材料を中央処理施設において処理して、同じ第1の対象に投与するための療法用産物を生成するステップ、該療法用産物をサテライト施設に輸送して戻すステップ、ならびに該療法用産物を同じ第1の対象に投与するステップを含む。

0010

米国特許第8656670号明細書は、公的および私的な診断領域、処理、培養および他の製造ステップ用の公的および私的なクリーンルーム領域ならびに公的および私的な保存領域のための場所を両側に有する中央アクセス通路を含み、すべての公的施設は中央アクセス路の片側にあり、私的施設は反対側にあり、各領域の間を接続する気密性試料パスを有する、組織バンクのためのシステム、ワークフローおよび施設を提供する。

0011

国際公開第1998028700号は、患者からの細胞のサンプリング、特定の処理プロトコルに従ったこれらの細胞の特定の処理および患者への細胞の再注入の細胞療法工程における品質マネジメントのための方法を記載している。この方法は、治療過程に関係する実体を識別するステップ、治療過程の連続的および条件付き検証のステップおよび品質管理のステップを含む。識別、検証および管理のステップは、所与の患者から採取した試料の各バッチに対して実施される。

0012

国際公開第2006129312号は、多数の細胞型に属する多様な細胞を含有する組織試料の受け取るステップ、ならびに細胞の割合および細胞型の両方を自動的に増加させるステップを含む、自動化された細胞処理の方法を記載している。

0013

国際公開第2007105846号は、個別の特有の機能を有し、汚染の発生を最小にするように互いに別々に分割された入口および出口を有する複数の独立した既成ユニットを備えた細胞療法施設を使用する方法ならびにフランチャイズ市場ビジネスの方法を記載している。

0014

国際公開第2008018671号は、L字型仕切りを有するルームおよび該仕切り内に配置された、細胞の汚染を防止する3つのクリーンベンチを含むクリーンベンチデバイスを備えた細胞療法用産物の生成のための、細胞の操作および培養のための施設を記載している。

0015

欧州特許第1850289号明細書は、ネットワーク情報システムからの血液センターおよび医療機関のワークフローにおけるRFID(無線周波数識別(Radio Frequency Identification))の使用を記載している。血液の採取および供給のワークフローの各手順において、この情報はコンピュータにより電子タグに書き込みまたは電子タグから読み取りされ、コンピュータ情報ネットワークによりサービスマネジメント情報システムにより読み取り/書き込みされる。

0016

米国特許第8099297号明細書は、ドナーが、ドナーからサンプリングされた生体組織由来幹細胞、例えば臍帯血幹細胞注文および購入可能にする、幹細胞を注文し、購入し、保存するビジネスの方法およびシステムを記載しており、この注文工程は担当医療サービスと直接インターフェイスで接続され、このサービスステップは幹細胞の収集、抽出、貯蔵、封じ込め、パッケージング、送達および保存を含む。

0017

米国特許第8229675号明細書は、各患者に関する情報を入力して、保存するためのデータベースが提供される、血液製剤を管理し、それらの動きを追跡する方法を提供する。

0018

米国特許第8484049号明細書は医療施設における組織追跡のためのシステムを記載している。この組織追跡システムは、サプライチェーン請求書作成在庫管理および/または注文のシステムを組み込むことができ、受け取り、保存および発行の間の組織の環境条件もまた追跡できる。

0019

欧州特許第1238671号明細書は、自己移植および同種異系両方の目的のために保存場所から細胞を引き出すことができる臍帯血細胞のバンクを提供する。

0020

欧州特許第2263183号明細書は、引き出しセンターまたはバンクと診療所移植センターまたは調査施設との間の、移植、療法または調査目的のための生体細胞の自動運搬のための、および要求伝達からのこの工程のモニタリングのための、同種移植に適切な細胞標本の供給のためのシステムに関する。

0021

米国特許第6861954号明細書は、医薬品の追跡および医薬品とRFIDデバイスシグナルに基づく位置とのづけのためのシステムを記載している。

0022

米国特許第8005622号明細書は、コンピュータ化されたヘルスケア環境において患者に安全に輸血するためのシステムおよび方法を記載している。患者に投与される血液製剤が識別され、その患者が識別される。試験結果が識別された血液製剤が識別された患者に適合することを示すかどうかを判断するために、血液適合性試験結果を含むデータベースにアクセスして、識別された血液製剤と識別された患者に関する血液適合性試験結果がこのデータベースに含まれるかどうかを判断する。

0023

米国特許第8032306号明細書は、患者のベッドサイドにあるコンピュータで患者に投与する血液製剤を識別する血液製剤識別子を受け取ることによって患者に投与する血液製剤を識別し、患者識別子をコンピュータで受け取ることによって患者を識別し、血液製剤識別子と患者識別子とを血液バンクデータベースに送信して、血液製剤投与の記録を維持するための手段を提供する。

0024

米国特許第8204694号明細書は、コンピュータ化されたヘルスケア環境において血液製剤投与を自動的に追跡するシステムを記載している。血液バンク部門により受け取られた血液製剤ユニットに関する情報は、データベースに記録される。血液製剤ユニットが、ヘルスケアプロバイダーにより患者に投与されていることの表示が受け取られ、このデータベースは自動的にアップデートされ、血液製剤ユニットが患者に投与されていることが反映される。

0025

米国特許第8666762号明細書は、ヒト細胞などの組織を扱うための組織マネジメントシステムを提供し、この組織マネジメント追跡システムは医療機関のスタッフが安全な様式で組織材料を扱い、使用したことを促し、検証する。

0026

米国特許出願公開第20050184153号明細書は、電子的に読み取り可能な医療提供者コードを担持する医療提供者識別手段、電子的に読み取り可能な患者コードを担持する患者識別リストバンド、前記医療提供者コードと前期患者コードとを読み取り可能なリーダーを含む、血液試料の収集、血液ユニットの要求および血液ユニットの患者への注入を実行する装置を記載している。

0027

米国特許出願公開第20080189045号明細書は、複数の異なる収集施設それぞれにおいて臍帯血幹細胞試料を得るための一様なプロトコルを適用して、私的および公的両方の臍帯血幹細胞バンク用の大量の試料を得ることを可能にする、単一の収集および分配実体を使用する臍帯血幹細胞の収集および分配のための方法を提供する
米国特許出願公開第20090299763号明細書は、人工多能性幹細胞(iPSC)およびiPSCから分化した細胞を使用する再生医療ビジネスなどの幹細胞技術ビジネスを実施するための方法を記載しており、この方法はiPSC由来細胞のデータベースならびに顧客および試料を追跡するためにこのデータベースを使用する方法を提供する。

0028

米国特許出願公開第20100049542号明細書は、複数の独立して動作可能な血液成分収集機器および該血液成分収集施設をネットワークつなぐシステムを含む、血液成分収集施設を記載している。このネットワークシステムは、ドナー、オペレーターおよび1または複数の血液製剤収集手順に関する血液成分収集機器を追跡する複数の入力デバイスと連結されたシステムコンピュータを提供する。このシステムコンピュータは少なくとも1つの投与レベル計算デバイスと連結され、血液成分収集施設を通した血液成分収集活動をモニターし、ドナー、オペレーターおよび血液成分収集機器の割り当ての判断を容易にする。

0029

米国特許出願公開第20130018356号明細書は、独自の番号によりコード化された注射器などの医療設備特徴づけ、調製、使用および廃棄の方法を記載しており、医薬品容器特徴づけるデータは診療所のワークフロー内の医薬品デバイスから受け取られ、その後、1または複数のデータレコードが受け取られたデータの一部を含むように作成され、修正され、または付加される。

0030

以前の先行技術はいずれも、生体細胞試料、例えば患者試料の処理を規模の経済を提供する拡張性のある形式で最適化する課題に対処していない。本発明はこの課題に対処して、効率的かつ拡張性のある様式で患者試料などの生体細胞試料を処理するために使用可能な改良された方法および施設を提供する。

先行技術

0031

米国特許出願第2010/099133号明細書

0032

本発明の第1の態様に従って、
i)複数の細胞試料(S1からSn)を、複数の同一の処理ステーション(P1/1からP1/n)を備える第1処理ユニット(U1)へ移送するステップ、
ii)前記細胞試料(S1からSn)をそれぞれ処理ステーション(P1/1からP1/n)において処理し、複数の処理済み細胞試料(S1/1からSn/1)を生成するステップ、
iii)前記処理済み細胞試料(S1/1からSn/1)を、複数の同一の処理ステーション(P2/1からP2/n)を備えた第2処理ユニット(U2)に移送するステップ、
iv)前記細胞試料(S1/1からSn/1)をそれぞれ処理ステーション(P2/1からP2/n)において処理し、複数の処理済み細胞試料(S1/2からSn/2)を生成するステップ、ならびに
v)前記複数の処理済み細胞試料を1または複数の処理ユニット(UN)に移送し、さらに処理して、複数の処理済み細胞試料(S1/NからSn/N)を生成するステップ、
を含む、複数の生体細胞試料を並行処理する方法が提供される。

0033

ユニット内に同一の処理ステーションを有することにより、場所およびサービス、環境条件の使用の最適化が可能になり、処理の効率が改善される。

0034

一態様において、長期処理用ユニットは、短期処理用ユニットより多くの処理ステーションを備える。このことは、さらなるユニットの必要を回避することによって場所の使用を最適化し、資本設備のコストを削減させ、さらに処理手順のどのような障害も克服する。

0035

別の態様において、各細胞試料(S1からSn)は、独自に識別可能である。

0036

さらなる態様において、各細胞試料(S1からSn)は、独自に識別可能な容器封入される。好ましくは概容器は無菌である。

0037

一態様において、各細胞試料はヒト細胞を含む。

0038

別の態様において、細胞試料は、血液試料、吸引組織(tissue aspirate)、組織生検骨髄脂肪組織および臍帯血からなる群から選択される。

0039

さらなる態様において、細胞試料は1または複数の患者に由来する。

0040

一態様において、細胞試料の処理は、細胞単離、細胞濃縮細胞培養、細胞増殖、細胞形質導入および細胞製剤化からなる群から選択される1または複数の工程を伴う。

0041

別の態様において、本発明の方法は、処理済み細胞試料(S1/NからSn/N)を細胞バンクに保存するステップをさらに含む。

0042

別の態様において、本発明は自動化された方法である。例えば、本方法は、ソフトウェアの制御下でロボットアームを使用して実行することができる。

0043

一態様において、本方法は、1または複数の処理済み細胞試料(S1/NからSn/N)を1または複数の患者に投与するステップをさらに含む。

0044

別の態様において、前記1または複数の患者は、細胞試料(S1からSn)のもとのドナーである。これは、自己細胞療法の一例である。

0045

さらなる態様において、前記1または複数の患者は、細胞試料(S1からSn)のもとのドナーではない。これは、同種細胞療法の一例である。

0046

好ましい態様において、患者はがん患者である。

0047

本発明の第2の態様に従って、前記の方法により生成された処理済み細胞試料が提供される。

0048

本発明の第3の態様に従って、細胞療法に使用するための前記処理済み細胞試料が提供される。一態様において、処理済み細胞試料は自己細胞療法に使用される。別の態様において、処理済み細胞試料は同種細胞療法に使用される。

0049

本発明の第4の態様に従って、がん治療に使用される処理済み細胞試料が提供される。

0050

本発明の第5の態様に従って、哺乳動物投与に適切な形態の生体適合性担体を含む、前記処理済み細胞試料を含む組成物が提供される。

0051

「生体適合性担体」は、例えば流体、特に液体またはゲルであり、組成物が生理学的に忍容性である、すなわち、毒性または過度不快感なく哺乳動物の身体に投与できるように、細胞試料をその中に懸濁できる。生体適合性担体は適切な注射可能担体液、例えば、無菌の発熱物質含有水溶液、例えば生理食塩水注射用最終生成物等張性であるように有利にバランスを取ることができる)、生体適合性緩衝化剤を含むバッファー水溶液(例えば、リン酸バッファー)、1またはそれを超える浸透圧調節物質水溶液(例えば、プラズマカチオン(plasma cations)と生体適合性対イオンとの塩)、糖(例えばグルコースまたはスクロース)、糖アルコール(例えば、ソルビトールまたはマンニトール)、グリコール(例えば、グリセロール)または他の非イオン性ポリオール材料(例えば、ポリエチレングリコールプロピレングリコールなど)である。好ましくは、生体適合性担体は発熱物質非含有の等張性生理食塩水またはリン酸バッファーである。

0052

または、「生体適合性担体」は、細胞試料を支持するマトリックスまたは足場の形態であってもよい。天然の足場は、脱細胞化された組織または臓器の全細胞外マトリックスである。対照的に、生体模倣足場は、コラーゲンまたはプロテオグリカン長鎖炭水化物を含むタンパク質などの天然物質または金属、セラミックまたはポリエステルポリマーなどの人工物質で構成されてよい。

0053

「哺乳動物投与に適切な形態で」という語句は、無菌で、発熱物質非含有の、毒性および有害事象を起こす化合物を含まない、生体適合性のpH(およそpH4.0から10.5)において製剤化された組成物を意味する。このような組成物は、in vivoで塞栓を引き起こし得るリスクのある微粒子を含まず、生物学的流体(例えば血液)において沈降を起こさないように製剤化される。このような組成物はさらに、生物学的に適合性賦形剤、好ましくは等張性の賦形剤だけを含有する。

0054

本発明の第6の態様に従って、
各ユニットにおいて異なる工程を実行する、特定の工程を実施するための複数の同一の処理ステーション(P1/1からPN/n)をそれぞれが備えた複数の処理ユニット(U1からUN)を備え、
任意の一処理ユニットの処理ステーションの数が、細胞処理施設の処理能力を最適化するように変動される、
複数の生体細胞試料を並行処理するための細胞処理施設が提供される。

0055

一態様において、長期処理用ユニットは、短期処理用ユニットより多くの処理ステーションを備える。

0056

別の態様において、処理ステーションは、細胞単離、細胞濃縮、細胞培養、細胞増殖、細胞形質導入および細胞製剤化からなる群から選択される工程を実行する。

0057

さらなる態様において、細胞処理施設は細胞バンクをさらに備える。

0058

一態様において、細胞処理施設は、病院または治療センターに配置または収容される。

0059

別の態様において、細胞処理施設は、既成の建築物乗り物飛行機または細胞試料および/または細胞療法用物質の処理のための場所への展開用の他の容器に収容されてもよい。

0060

さらなる態様において、細胞処理施設は、細胞試料収集および/または処理済み細胞試料投与の現場から遠隔的に配置される。

0061

一態様において、細胞処理施設は、自己細胞療法または同種細胞療法などの細胞療法用の細胞試料の生成に使用される。好ましい態様において、細胞処理施設は、がん患者の治療用細胞試料の生成に使用される。

0062

本発明の第7の態様に従って、複数の生体細胞試料を前記方法で前記細胞処理施設において処理するステップを含む、複数の生体細胞試料の並行処理のためのシステムが提供される。

0063

本発明の第8の態様に従って、上記の方法を実行するためのデータ処理装置を構成するように動作可能な機械命令を含む、コンピュータプログラム製品が提供される。

図面の簡単な説明

0064

処理ステーションおよび処理構成要素を備えた不連続なワークフローユニットによる患者試料および処理物質のワークフローを例示するユニット式並行処理施設の概略図である。
独自にコード化された使い捨て構成要素の使用、追跡および記録による物理的および識別性の完全性を得るための手段を例示する、患者試料および処理物質のための識別性保護連鎖の概略図である。
密閉コネクターの使用により試料または処理物質の混合、喪失または汚染を防止する、使い捨ての密閉処理構成要素の接続を得るための手段を例示する、試料および処理物質の物理的および識別性の完全性を維持する手段の概略図である。
処理命令命令保存部から処理ステーションに提供する手段の概略図である。
処理命令を、処理構成要素から処理ステーションに提供する手段の概略図である。

実施例

0065

拡張性のある細胞療法施設は、物理的な壁、障壁または他の境界によって互いに分離された、多数の不連続な処理ユニット(UNIT1からUNIT N)を備える。各処理ユニットは、ユニット内で実施される独自の処理操作に適切な、多数の同一の処理ステーション(UNIT1内にP1/1からP1/n、UNIT2内にP2/1からP2/n、UNIT N内にPN/1からPN/n)を備える。患者試料(S1からSn)はUNIT1により独自にコード化された密閉試料容器中に受け取られ、処理ステーションP1/1からP1/nにおいて、個別に独自にコード化された密閉使い捨て処理構成要素1を各試料に使用して処理される。ワークフロー段階に適切な密閉構成要素中の処理試料は、UNIT2からUNIT Nを連続して通過し、各段階において独自にコード化された密閉処理構成要素2からNを使用して、処理ワークフローを完了する。処理の各段階において、処理された患者物質の構成要素から構成要素への移送は、識別性保護連鎖を維持する構成要素独自の識別性を記録することによって追跡される。

0066

UNIT1からUNIT Nは、施設内に物理的に独立したルームまたはゾーンを備えていてよく、処理プラットホームの操作ならびに構成要素および試料の扱いおよび移送は1または複数の操作スタッフにより実施される。または、UNIT1からUNIT Nはより大きな領域またはルーム内に指定領域を含んでよく、処理プラットホームは自動的に動作し、構成要素および試料の移送は1または複数のロボットデバイスにより実施される。UNIT1からUNIT Nを備えた施設はより大きな施設、例えば、病院または他の治療センター内に収容されても、または独立した操作が可能な自己充足ユニットであってもよい。施設は、既成の建築物、乗り物、飛行機、船舶または細胞療法用物質の処理に適切な場所への展開に適切な他の容器に収容されてもよい。施設は、試料を提供する患者および/または治療を受ける患者の地元に、または遠隔的に設置することができる。施設が患者サンプリングおよび/または患者治療の場所から遠隔的に配置される場合、患者試料および/または最終治療用物質は密閉された独自にコード化された容器で患者からおよび/または患者に輸送され、遠隔地は、患者および試料の識別性の伝達および受け取りが可能な手段により施設と接続され、試料および処理物質の物理的および識別性の完全性を維持する手段を提供する。

0067

この並行処理施設は、処理ユニット内の試料の物理的分離を、使い捨ての密閉処理構成要素を処理ワークフローのすべての段階において使用することによって、試料の受け取りから投与のための治療用物質の製剤化まで維持する。施設は、各ユニット内の処理ステーションの数を増やすことによって容易に拡張可能であり、各ユニット内の処理ステーションの数は、処理ステップが長期間かかるユニットに多数のステーションを有し、短期処理ステップのユニット内に少数のステーションを有する(例えば、試料単離ユニット内に少数のステーション、細胞増殖ユニット内に多数のステーション)ことにより、最適な効率および処理能力をこの施設に提供するように適合させることができる。機能による処理ステーションの分離は、共通のユニット内の処理ステーションに要求される最適な環境(照明電力および他の供給、温度管理など)の提供を可能にする。ユニット式並行処理施設のこれらの特徴は、単一患者に対するすべての処理を個別のルームで実施する従来の重複する並行操作の欠点(例えば、設備の冗長な重複、さらなる場所および設備の供給を要求する拡張性)を超える多数の重要な有利性を提供する。

0068

拡張性のある細胞療法処理施設の有望な例示的一実施形態を、図1を参照しながら記載する。この施設は、患者1[101]から患者n[102]由来の試料が施設内の個別の密閉使い捨て容器において並行して処理され、患者試料の完全性および識別性を常に維持する多数の処理セル(UNIT1からUNIT N)を備える。患者1[101]由来の細胞を含有する試料S1[103]が独自にコード化された使い捨て容器に収集され、UNIT1[104]に移送され処理が開始される。UNIT1[104]は細胞処理ワークフローの第1ステップの実施に適切な多数の処理ステーションP1/1[105]からP1/n[111]を備える。患者試料S1[103]は、処理ステーションP1/1[105]において独自にコード化された使い捨て処理構成要素1[106]を使用して処理される。患者2から患者n[102]由来の他の試料は、患者n[102]由来の試料n[110]と並行して、処理ステーションP1/n[111]において独自にコード化された使い捨て処理構成要素1[106]を使用して処理される。UNIT1における処理の完了後、試料1[116]は、実施される処理操作に適切な、独自にコード化された使い捨て処理構成要素2[109]を使用する処理ステーションP2/1[108]における次の段階の処理のために、密閉容器において次の処理ユニット、UNIT2[107]に移動される。試料の処理は処理ユニットUNIT3[112]から処理の最終段階が実施されるUNIT N[113]まで、各処理段階および各患者試料に対して個別の独自にコード化された使い捨て処理構成要素を使用して並行して継続される。完全に処理された療法用試料1[114]は、出発試料[103]が採取された患者1[101]に投与するために、独自にコード化された使い捨て密閉容器で輸送される。患者2から患者n由来の他の試料は施設により常に並行して同様に処理され、出発試料[110]を採取された患者n[102]に投与される、完全に処理された療法用試料n[115]を含む封入された独自にコード化された使い捨て容器に単離される。

0069

本発明の有望な一実施形態の上記の説明は単なる例示目的で提供される。当業者は、ユニット式並行処理細胞療法施設のために本発明の重要で必要な特徴を提供する他の手段が可能であることを容易に理解すると思われる。

0070

識別ブレスレットまたは患者により身に着けられる他の識別手段を含む処理連鎖中のすべての構成要素は、独自のコード化を担持する。適切なコード化手段としては、限定するものではないが、印刷されたタグを使用するコード化、光により読み取り可能な磁気または電子形態、バーコードQRコード、RFIDまたはトランスポンダーなどの電子または磁気手段が挙げられる。さまざまなコード化手段が、本発明の方法における使用に適切であることは当業者には容易に理解されると思われる。適切な一コード化手段は、光活性化マイクロトランスポンダー、例えば、the PharmaSeq companyによる国際公開第2002037721号、米国特許第5981166号明細書および米国特許第6361950号明細書に記載のものを含み、これらは、独自の30ビット識別コードだけの読み取りを保存し、電力を供給して、発光リーダーデバイスで問い合わせるとラジオ周波数としてコードを発する小型(500×500×200μm)の低コストケイ素デバイスである。すべての処理構成要素(試料収集チューブ、細胞精製構成要素、細胞の培養および増殖構成要素など)は、各構成要素の機能および処理ワークフローにおける使用の意図される段階が構成要素の独自の識別子コードに対して記録される、施設の構成要素登録事前登録される。本明細書に記載の実施形態の説明において、「トランスポンダー」という用語は、適切な読み取り手段により読み取り可能な独自の試料識別性をコード化する任意の手段を包含することが意図される。

0071

療法の処理ワークフローの各段階において、識別子コードは、中央データベース唯一患者特有レコードに読み込まれる。データベース中の第1エントリは患者のブレスレットからの識別コードである。試料収集(例えば、採血)において、試料収集構成要素の識別コードが読み取られ、2つの動作が実施される;
1.試料収集構成要素の識別コードが構成要素登録に対照してチェックされ、正しい構成要素が処理のその段階に使用されていることを確認する、および
2.試料収集構成要素の識別コードが、患者レコード中の構成要素の識別コードの保護連鎖に第2のエントリとして加えられる。

0072

試料収集後、充填された収集構成要素は処理ワークフローの次の操作に移送され、そのワークフロー段階に特有な処理構成要素を使用して処理ステップが実施され、2つの動作が実施される;
1.処理構成要素の識別コードが構成要素登録に対照してチェックされ、正しい構成要素が処理のその段階に使用されていることを確認する、および
2.処理構成要素の識別コードが、患者レコード中の構成要素の識別コードの保護連鎖に第3のエントリとして加えられる。

0073

患者試料の処理は、必要な操作ならびにチェックおよび記録動作1および2を伴う構成要素から構成要素への物理試料の各移送により継続され、処理構成要素は保護連鎖の第4から第n番のエントリとして加えられる。

0074

処理ワークフローの終了において、治療用物質が患者に投与できる状態である場合、下記の動作が実施される;
1.治療用物質を含む構成要素の識別コードおよび患者の識別ブレスレットを両方読み取る、ならびに;
2.構成要素識別コードの患者レコードデータベースの保護連鎖が段階的にチェックされ、すべての構成要素の識別コードが追跡され同じ患者の識別性に戻ることを確保する。

0075

保護連鎖のさらなる特徴としては、すべての構成要素識別コードを電子機器製造業者および/または供給業者のバッチレコードと結び付け、それによって構成要素のスキャニングは構成要素バッチレコードファイル電子コピーを患者レコードファイルに加え、患者の試料の処理に使用されるすべての構成要素の追跡を可能にする能力が挙げられる。さらに、すべての市販の試薬(例えば細胞成長培地)は製造業者のバッチレコードと結び付けられた識別コードを有するそれらの容器にトランスポンダーを担持し、レコードの電子コピー、分析証明書などを患者レコードに加えることが可能になる。市販品として供給されていない、特注または施設内で調製され得る他の特殊な試薬または製剤の使用を可能にするために、追加のコード化された試薬容器が、施設調製試薬(例えば、がん免疫療法におけるCAR T細胞の形質導入用ウイルス調製品)の充填および保存のために提供される。

0076

これらの原理は、図2を参照することにより、下記の例示的実施形態において実証される。細胞療法を受ける患者は識別ブレスレット[201]または独自の読み取り可能なトランスポンダーコード[202]を含む他の取り外し不可能な識別デバイスを着用する。トランスポンダーコードは、中央データベースに接続されたリーダー[203]により読み取られ、このコードは患者の個別のデータベースレコード[204]に保存される。細胞療法工程の第1段階において、試料、例えば血液が患者から独自のトランスポンダーコードを担持する試料収集チューブまたは容器[206]に採取される。試料収集チューブまたは容器に対するトランスポンダーコードはリーダー[203]により読み取られ、充填されたチューブまたは容器に対する識別コードは患者のデータベースレコード[204]に保存される。トランスポンダーコードは、細胞処理ワークフロー中のすべての構成要素に対する構成要素トランスポンダー数と一致する構成要素機能を含む構成要素登録[205]を読み取ることによって、構成要素機能をチェックするためにも使用される。患者の血液試料を含む試料収集チューブまたは容器をさらに処理するために、試料収集容器またはチューブ[206]を処理ワークフロー中の第1構成要素[207]に接続する必要がある。接続前に第1構成要素[207]のトランスポンダーはリーダー[203]により読み取られ、構成要素登録[205]に対照してチェックされ、構成要素が処理配列の次の正しい構成要素であるかどうか確認される。構成要素が正しい場合、構成要素トランスポンダーコードは患者のデータベースレコード[204]に加えられる。構成要素が正しくない場合、オペレーターは正しい構成要素を選択するように通知される。試料はワークフローの各段階を介して、処理構成要素2[208]、3[209]、4[210]から処理構成要素n[211]までを使用して連続的に処理され、構成要素の数はワークフローの複雑さおよびステップにより決定される。構成要素間の試料移送の各段階において、各構成要素上のトランスポンダーコードがリーダー[203]により読み取られ、構成要素登録[205]に対照してチェックされ、患者のデータベースレコード[204]に記録される。試料処理が完了し、治療用物質が最終処理構成要素[211]中に存在し、患者に投与できる状態になると、該構成要素[211]上および患者識別ブレスレット[202]上のトランスポンダーコードリーダー[203]において読み取られ、識別番号がデータベースレコード[204]中の患者レコードに対照してチェックされ、治療用物質[211]を含む最終構成要素に対するトランスポンダー識別番号が、データベースレコード[204]に保存された連続するトランスポンダーコードの保護連鎖を介して試料収集時に読み取られた同じ患者識別ブレスレット[202]のトランスポンダーコードを追跡して戻ることを確保する。患者データベースレコード[204]中のすべてのトランスポンダー構成要素の識別コードのマッチングにより、試料および療法が識別性保護連鎖中の同じ患者に関することが確認され、最終処理容器[211]中に保存された試料の投与により療法を進めることができる。

0077

記載の実施形態は単なる例示目的で提供され、当業者は、本発明の重要な特徴を提供する識別性保護連鎖を達成する他の手段が可能であることを理解すると思われる。

0078

本発明のさらなる重要な態様は、非無菌環境への環境的暴露またはオペレーターの誤りによる、患者試料の汚染、相互汚染または部分的もしくは全体的喪失を防止する、物理的および識別性保護連鎖を達成する手段である。すべての試料および処理物質は、処理ワークフローの各段階に特有の、ワークフローの各処理ステーションとインターフェイスで接続される密閉使い捨て容器で扱われ、処理され、および保存される。すべてのこのような工程の構成要素は、下記を防止する手段により接続される;
1.同じ処理ユニットで実施される、並行試料処理ワークフローの交差混合による患者試料の相互汚染。

0079

2.構成要素の間違った順番の使用による患者試料または処理物質の喪失。

0080

処理された患者試料の物理的分離および識別性を維持するために、処理ワークフロー中の処理構成要素1からNの間のすべての接続は、オペレーターの誤りによる試料の完全性の喪失、混合または相互汚染を防止する手段を備えたコネクターを使用して行われる。このようなコネクターは下記のように設計および操作される;
A.処理構成要素の正しい配列だけが患者試料の処理に使用可能であり、処理ワークフローの連続ステップにおいて間違った構成要素の使用による患者試料の喪失を防止する。

0081

B.患者識別性に結び付けられた構成要素だけが連結可能であり、並行して施設により処理された別の試料と患者試料との混合または相互汚染を防止する。

0082

C.ワークフローのすべての段階において患者試料の識別性のレコードを維持し、並行して施設により処理された別の試料と患者試料との混合または相互汚染を防止する。

0083

D.構成要素の再使用を防止し、並行して施設により処理された別の試料と患者試料との混合または相互汚染を防止する。

0084

これらの原理は、図3を参照することにより、下記の例示的実施形態において実証される。試料の物理的および識別性の完全性を提供するコネクターは、チュービング[302]を介して第1処理構成要素に連結された雌具[301]コネクターおよびチュービング[304]を介して第2処理構成要素に連結された雄具コネクター[303]を備える。雄具コネクター[303]および雌具コネクター[301]は、正しく接続された場合2つの構成要素の間に液密および気密接合点を形成するように設計される。これらのコネクターは、コネクターが非無菌環境において接続された場合、米国特許第6679529号明細書に記載されたコネクターなどのように無菌接続確立する手段をさらに備える。雄具コネクター[303]は、雌具コネクター[301]前面に配置された基準穴[312および313]に合うように配向された遮断ピン[305]を担持する。これらの遮断ピンは金属の遮断シールド[314および315]により基準穴[312および313]への進入を防止され、コネクター連結を防止し、処理構成要素の間の接合点を形成する雌具コネクター[301]内のスロット内に保持される。雄具および雌具コネクターは、それぞれのコネクターと連結された処理構成要素の個別の識別性をコード化する、識別性トランスポンダー[306]を担持する。コネクター間の接続を形成するために、雄具[303]および雌具[301]コネクターは、コネクターを並べる手段および各コネクターに担持された識別性トランスポンダー[306]から情報を読み取る手段を備える読み取りデバイス[309]中に配置される。リーダー[309]の起動において、2つのコネクターの識別コードが読み取られ、デバイスソフトウェアは構成要素の適合性一致チェック[310]を実施して、デバイス内に存在する2つのコネクターが試料処理のための正しい連続構成要素連結を形成しているかどうかを判断する。さらなるチェックがリーダー[309]のソフトウェアにより実施され、患者試料の物理的分離および識別性をさらに確保する、例えばトランスポンダー[306]からの識別コードが、処理ワークフロー中の一ステップにおいて患者試料を受け取るように提示された構成要素がすでに使用されている廃棄構成要素ではないことを確保するためにチェックされる。一致チェック操作[310]が対になるコネクターの正しい識別性を確認した場合、電力供給[311]が起動して、読み取りデバイス内に保持された電磁石[307および308]が励磁される。電磁石の起動により遮断シールド[314および315]が外側に引き出され、雌具コネクターの基準穴[312および313]から開放位置[316および317]へと離れ、雄具コネクターの遮断ピン[305]が雌具コネクターの基準穴[312および313]に進入可能になる。これらのコネクターはここで1つにくっつき、処理構成要素の間に確実な操作接続[318]を提供する。正しい接続後、リーダー[309]は、トランスポンダー[306]から各コネクターの識別コードをさらに読み取り、患者試料レコードにデータを送信して、試料識別性保護連鎖を提供する。一致チェック操作[310]が、2つのコネクターが、試料処理と連結する正しい連続構成要素を形成するための正しい識別性を有さないことを検出した場合、電力は電磁石[307および308]に供給されず、コネクターの連結は防止される。その場合、リーダーのソフトウェアは、正しい構成要素を選択して、動作可能な接続を形成するようにオペレーターを促す。

0085

記載の実施形態は単なる例示目的で提供され、当業者は、試料の物理的および識別性の完全性の維持に必要な原理を満たす構成要素の接続を提供する他の手段が使用できることを理解すると思われる。このような手段としては、限定するものではないが、構成要素のコード化の別の方法、例えばバーコード化ならびに接続のための正しい構成要素を識別するための磁気ストリップおよびRFIDタグ化が挙げられる。間違った連続する構成要素の接続を防止するための別の手段としては、限定するものではないが、一致しないコネクターの接続を物理的に除外する、ピンと穴または溝と隆起部のさまざまな忠実に重なる配置を有する、連続する一連の独自のコネクターの提供が挙げられる。このような接続手段は、この系においてN−1番目の構成要素の出力がN番目の構成要素の入力にだけ接続する一連のN個の構成要素に対して、第1構成要素からの出力が、第2構成要素への入力にだけ接続し、第2構成要素からの出力が第3構成要素への入力にだけ接続するなどのことを確保するように設計および配置することができる。さらに、これらのコネクターは色およびまたは形状によりコード化して、正しい構成要素の選択および接続対合手作業または自動化された選択で支援することができる。

0086

本発明のさらなる鍵となる態様は、処理命令を処理ステーションに、処理ステーションに接続された処理構成要素から直接、またはこれに応答して提供することである。各処理構成要素は、処理ステーションに処理構成要素のタイプおよび必要に応じて処理構成要素の変形タイプについて指示し、処理ステーションに処理構成要素内に保持された患者試料の処理について指示する手段を備える。処理構成要素の変形タイプは、その変形に特有の個別の処理命令を必要とする、構成要素の異なるサイズ、能力または他の特徴を含んでよい。このような個々の処理命令は、その変形処理構成要素の最適な操作に特有な試薬容積、圧力、流速インキュベーション時間などに対する、異なる特有の命令を有してもよい。例えば、細胞単離を実施するための処理構成要素は、異なる容積の血液を処理するための2つの変形で提供されてよく、このような変形は、異なる試薬容積、したがって異なる処理命令を必要とすると思われる。同様に、細胞増殖に使用される処理構成要素、例えば、細胞培養のための使い捨てバイオリアクターは、異なるサイズおよび培養容量で提供されてよく、療法に使用するための異なる数の細胞の成長を可能にし、このような変形は、異なる容積の培養培地および異なる処理命令を利用すると思われる。

0087

処理命令と処理構成要素との結び付けおよび処理構成要素に動作可能に接続された処理プラットホームへのこのような命令の提供は下記を提供する;
a)処理構成要素内の患者試料を処理するための命令が、その構成要素にとって正しく、間違った処理命令の使用による試料の喪失のリスクを未然に防ぐことを確保する手段。

0088

b)異なる規模で同じ操作を実施する処理構成要素の変形が、正しい処理のために必要な特有の処理命令を提供されることを確保する手段。

0089

c)処理ステーションに直接指示することによって、オペレーターの誤りを除去する手段。

0090

d)ワークフロー中の各処理ステーションが処理構成要素の受け取りについての処理操作を実施するように適切に指示される処理ワークフローを達成する、自動化環境においてロボット手段を使用して処理を実施可能にする手段。

0091

これらの原理は、図4を参照することにより、下記の例示的実施形態において実証される。本発明の第1のさらなる実施形態において、処理構成要素[402]は、試料処理を可能にするコネクター[406]により処理ステーション[401]に動作可能に接続され、処理構成要素は独自の識別コードを担持するトランスポンダー[403]を備える。独自の識別コードは中央命令保存部[405]のデータベースと連結され、トランスポンダー[403]を担持する処理構成要素のタイプおよび変形に特有の処理命令と連結される。トランスポンダー[403]により担持される識別コードは処理ステーション[401]に接続されたリーダー[404]により読み取られ、この処理構成要素が処理ステーション[401]における処理のための正しいタイプであることが確認される。識別コードの受け取りにおいて、リーダー[404]は命令保存部[405]から処理命令を有線または無線通信によって読み出し、受け取った命令を、処理ステーション[401]に渡して、処理構成要素[402]に含まれる患者試料の処理において処理ステーションの正しい操作を可能にする。

0092

本発明の第2のさらなる実施形態(図5)において、処理構成要素[502]は、試料処理を可能にするコネクター[506]により処理ステーション[501]に動作可能に接続され、処理構成要素は独自の識別コードを担持するトランスポンダー[503]を備える。処理構成要素[502]は、処理構成要素[502]のタイプおよび変形に特有の保存された処理命令セット[504]をさらに含む。トランスポンダー[503]により担持された識別コードは処理ステーション[501]に接続されたリーダー[505]により読み取られ、この処理構成要素が処理ステーション[501]における処理のための正しいタイプであることが確認される。処理命令セット[504]は、有線または無線手段によりリーダー[505]によってさらに読み取られ、処理命令は処理ステーション[501]に渡される。構成要素[502]により担持される処理命令セット[504]は、限定するものではないが、バーコード化、QRコード化、磁気および固体状態メモリによる処理命令の保存ならびに光学的または電子的手段による処理命令の読み取りを含む、さまざまな手段により保存および読み取ることができる。さらなる変形において、識別性コーディングおよび命令保存は、各処理構成要素に担持される単一のデータ保存部を備えてもよい。

0093

さらなる実施形態において、分析手段は、患者試料と該試料に由来する治療用物質とのマッチングを確保して、識別完全性を処理の間を通して確実に維持するために使用される。患者試料は、適切な化学的生物化学的または分子的分析に供され、試料の第1のバイオマーカーサインの特徴が患者のデータベースレコード上に保存される。試料処理の後で、得られた治療用物質は同じ分析方法を使用して分析され、第2のバイオマーカーサインが患者のデータベースレコード上に保存される。治療用物質の投与前に、もとの患者試料の第1のバイオマーカーサインおよび治療用物質の第2のサインをチェックして、2つのサインの間の一致を検証して、患者試料と処理物質とが両方とも同じ患者由来であることを確認する。

0094

適切な分析手段としては、限定するものではないが、タンパク質、RNAおよびDNAの分析が挙げられる。タンパク質バイオマーカーのサインを得る適切な手段としては、限定するものではないが、HLA抗原および血液型タンパク質を含む細胞タンパク質の、フローサイトメトリーELISAまたはウェスタンブロッティングによる分析が挙げられる。RNAおよび/またはDNAに関するサインを得る適切な手段としては、限定するものではないが、PCRRT−PCR、DNAシークエンシング、SNP分析、RFLP分析、遺伝子指紋法およびDNAプロファイリングが挙げられる。特に適切な方法としては、タンデム反復数(variable number tandem repeats)(VNTR)および特に非血縁者が同じVNTRを有することは極めて稀である、非常に変化しやすいショートタンデムリピート(STR)などの非常に可変なDNA反復配列を分析する、法医学において標準的に使用される方法が挙げられる。このような手段を使用して、もとの患者試料および治療用物質のSTRサインをマッチングすることにより、処理された治療用物質に患者識別性を明確に割り当てることができる。

0095

本発明の好ましい例示的実施形態を説明してきたが、当業者は、本発明が記載の実施形態以外の実施形態により実践可能であり、記載の実施形態は単なる例示目的で提示されており、本発明を限定するものでは決してないことを理解すると思われる。本発明は、下記の特許請求の範囲によってのみ限定される。

0096

101患者1
102 患者n
103 患者1から採取された出発試料S1
104処理ユニットUNIT1
105処理ステーションP1/1
106処理構成要素1
107 処理ユニットUNIT2
108 処理ステーションP2/1
109 処理構成要素2
110 患者nから採取された出発試料Sn
111 処理ステーションP1/n
112 処理ユニットUNIT3
113 処理ユニットUNIT N
114 療法用試料1
115 療法用試料n
116 試料1
201識別ブレスレット
202患者識別デバイス用のコード
203リーダー
204 患者のデータベースレコード
205 構成要素登録
206 試料収集チューブまたは容器
207 第1処理構成要素
208 第2処理構成要素
209 第3処理構成要素
210 第4処理構成要素
211 第n処理構成要素
301雌具コネクター
302チュービング
303雄具コネクター
304 チュービング
305遮断ピン
306トランスポンダー
307電磁石
308 電磁石
309 リーダー
310適合性一致チェック
311電力供給
312基準穴
313 基準穴
314遮断シールド
315 遮断シールド
316開放位置
317 開放位置
318 操作接続
401 処理ステーション
402 処理構成要素
403 トランスポンダー
404 リーダー
405 中央命令保存部
406 コネクター
501 処理ステーション
502 処理構成要素
503 トランスポンダー
504 保存された処理命令セット
505 リーダー
506 コネクター

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