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技術 筋萎縮性側索硬化症の処置

出願人 アソシアシオン・アンスティテュ・ドゥ・ミオロジーアンスティチュナショナルドゥラサンテエドゥラルシェルシュメディカルユニヴエルシテ・ピエール・エ・マリー・キユリー・パリ・シス
発明者 バルカ,マルティーヌビフェリ,マリア-グラジアヴォワ,トマ
出願日 2015年7月31日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2017-504740
公開日 2017年9月21日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2017-527276
状態 特許登録済
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 突然変異または遺伝子工学 動物,微生物物質含有医薬 微生物、その培養処理 化合物または医薬の治療活性 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード 部品キット 分離部位 独創性 予備調査 出来栄え 最適化コード サイレンサー配列 切断短縮
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図面 (9)

課題・解決手段

本発明は、筋萎縮性側索硬化症ALS)の処置法に関する。具体的には、本発明は、ヒトSODプレmRNA内で選択的スプライシングを起こして、その結果、細胞の機能によりスキッピングされたmRNAの破壊をもたらすように適合されたアンチセンス配列の使用を実現するものである。

概要

背景

概要

本発明は、筋萎縮性側索硬化症ALS)の処置法に関する。具体的には、本発明は、ヒトSODプレmRNA内で選択的スプライシングを起こして、その結果、細胞の機能によりスキッピングされたmRNAの破壊をもたらすように適合されたアンチセンス配列の使用を実現するものである。

目的

SOD1金属酵素の機能は、ミトコンドリア酸化的リン酸化の毒性副産物であるスーパーオキシドを、分子状酸素又は過酸化水素へと変換することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ヒトSODプレmRNAに標的化するアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、該アンチセンスオリゴヌクレオチドは該プレmRNA内でエキソンスキッピングを誘発するように適合されている、該アンチセンスオリゴヌクレオチド。

請求項2

前記プレmRNA内でエキソン2、3又は4のスキッピングを誘発するように適合されている、請求項1記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。

請求項3

エキソン2のスキッピングを誘発するように適合されている、請求項1又は2記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。

請求項4

前記アンチセンスオリゴヌクレオチドがフレームシフト突然変異を誘発し、これにより得られたヒトSOD1mRNA内に中途終止コドン出現する、請求項1〜3のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。

請求項5

中途終止コドンが、エキソンスキッピングの結果として生じたmRNAのエキソン4内に得られる、請求項1〜4のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。

請求項6

全身毒性のSOD1の低減を誘発するように適合されている、請求項1〜5のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。

請求項7

前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、U7核内低分子RNAなどの核内低分子RNAにより改変されている、請求項1〜6のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。

請求項8

請求項1〜7のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドを送達するためのベクター

請求項9

前記アンチセンスオリゴヌクレオチドをコードしているウイルスベクターである、請求項8記載のベクター。

請求項10

前記ウイルスベクターがAAVベクター、特にAAV9又はAAV10ベクターである、請求項9記載のベクター。

請求項11

前記ベクターが、ヒトSOD1プレmRNAを標的とする、U7により改変されたアンチセンスオリゴヌクレオチドをコードしているAAV9又はAAV10ベクターであり、該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、該プレmRNA内でエキソンスキッピングを誘発するように、特に該プレmRNA内でエキソン2のスキッピングを誘発するように適合されている、請求項8又は9記載のベクター。

請求項12

前記ベクターはさらに、ヒトSOD1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含有している発現カセットを含み、該ヌクレオチド配列は、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが該ヌクレオチド配列によってコードされるプレmRNA内でエキソンスキッピングを誘発することができないように設計されている、請求項8〜11のいずれか一項記載のベクター。

請求項13

筋萎縮性側索硬化症処置法に使用するための、請求項1〜7のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド又は請求項8〜12のいずれか一項記載のベクター。

請求項14

前記アンチセンスオリゴヌクレオチド又は前記ベクターが、静脈内及び/又は脳室内経路を介しての投与用である、請求項13記載の使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド又はベクター。

請求項15

列番号11又は12に示されているような配列を含む核酸配列

請求項16

請求項15の核酸配列を含む発現カセット。

請求項17

請求項15の核酸配列又は請求項16の発現カセットを含むベクター。

請求項18

前記ベクターがプラスミド又はウイルスベクターである、請求項17記載のベクター。

請求項19

請求項18記載のベクターを用いて形質転換された宿主細胞

請求項20

前記細胞真核細胞又は原核細胞である、請求項19記載の宿主細胞。

請求項21

哺乳動物細胞ヒト細胞、又は非ヒト細胞である、請求項19記載の宿主細胞。

請求項22

前記細胞がヒト細胞である場合、該細胞はヒト胚性幹細胞ではない、請求項21記載の宿主細胞。

技術分野

0001

発明の分野
本発明は、筋萎縮性側索硬化症ALS)の処置法に関する。具体的には、本発明は、ヒトSODプレmRNA内で選択的スプライシングを起こして、その結果、細胞機構によりスキッピングされたmRNAの破壊をもたらすように適合されているアンチセンス配列の使用を実行する。

0002

発明の背景
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は疫学上、孤発性病型(90%〜95%)と家族性病型(5%〜10%)に分類される(Rosen et al., 1993)。家族性病型(fALS)の20%が、スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)遺伝子の突然変異によって引き起こされる。SOD1金属酵素の機能は、ミトコンドリア酸化的リン酸化の毒性副産物であるスーパーオキシドを、分子状酸素又は過酸化水素へと変換することである。突然変異体SOD1は、疾患の発症機構に関与している神経毒性特性を有する(毒性機能獲得)。実際に、突然変異型のヒトSOD1遺伝子を過剰発現しているトランスジェニックマウス(例えばSOD1G93Aマウス)はALSの大半の病理学的特徴再現し、これはALS前臨床試験に広く使用されている(Gurney et al., 1994)。したがって、SOD1蓄積の低減は、SOD1に関連したfALSの病型を処置する論理的な戦略として出現した。アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)(Crooke, 2004)又はsiRNA(Dorn et al., 2004)若しくは合成マイクロRNA(Boudreau et al., 2011)のいずれかを用いてのRNA干渉の使用に主に基づいて、中枢神経系(CNS)内のほぼ全ての遺伝子をダウンレギュレートする魅力的分子アプローチが開発された。

0003

siRNAを使用した突然変異体SOD1発現の抑制は初めて、SOD1関連ALSマウスにおいて有意な治療効力を証明した。Raoul et al.は、ヒトSOD1に対する低分子ヘアピン型RNA(shRNA)をコードしているレンチウイルスベクター脊髄内注射が、SOD1G93Aマウスにおける疾患の発症及び進行を遅延させたことを示した(Raoul et al., 2005)。それとは独立して、Ralph et al.は、ヒトSOD1に対するRNAiの発現を媒介するレンチウイルス筋肉内注射が、同じALSマウスモデルにおいて神経変性を予防しかつ生存期間延長し、これにより、最大で77%生存期間が延長されたことを実証した(Ralph et al., 2005)。

0004

酵素により媒介される分解を誘発するAONの脳室内連続注入も、脳及び脊髄全体におけるSOD1のmRNAレベル及びタンパク質レベルの両方を効果的かつ幅広く低減させることを可能とし、SOD1G93A突然変異によって引き起こされたALSラットモデルにおける疾患の進行を有意に緩徐化させることが報告された(Smith et al., 2006)。

0005

しかしながら、この方法は、浸透圧ポンプに接続された、頭蓋骨を通しての、カテーテル手術による埋め込みを必要とし、その治療効力は限られていた(65で処置を開始して9.1%の生存期間の延長)(Smith et al., 2006)。この発見に基づいて、ALSの患者脳脊髄液CSF)へのAONの注入の多施設臨床試験アイシス・ファーマシューティカルズ(Isis Pharmaceuticals)によって開始され、処置の実現可能性有害作用がないことが示された(Miller et al., 2013)。より最近になって、野生型マウスのCNS内のマウスSod1レベルを低減させる代替的な方法として、立体障害を起こすAONも使用することにより、異常なエキソンスキッピング(及び中途終止コドンを含有しているmRNAの生成)が促進された(Ward et al., 2014)。しかしながら、マウスSod1プレmRNAに標的化する2’−MOE AONの脳室内(ICV)注射は、脳及び脊髄内のSod1エキソン2及びエキソン3の弱いスキッピングしか引き起こさず、これにより、Sod1レベルは25〜50%減少し、これはSOD1G93Aラットにおいて同じ用量の以前に使用されたRNase依存性2’−MOEギャップマーAONを用いて達成されたレベルと似ていた(Smith et al., 2006)。これらの結果から、生存期間の改善は、RNAi又はギャップマー戦略などの酵素により媒介される戦略を用いて得られるものとせいぜい同等であると予想されただろう。

0006

さらに、SOD1抑制に基づいたfALS療法に直面している差し当たっての難問は、全ての罹患細胞へのサイレンシング指示の広範囲におよぶ送達である。2007年には、本発明者らは、血液脳関門にも関わらず、血清型9の自己相補性アデノ随伴ウイルスベクター(scAAV9)の全身送達が、マウス及びネコのCNS及び末梢細胞の両方(ALSを発症していることが疑われる細胞型を含む)(神経、星状膠細胞、及び筋肉細胞)の形質導入を可能としたことを発見した(Duque et al., 2009)(欧州特許第2212424号)。より最近になって、rh10血清型(AAV10)もまた、マウス及びマーモセットへの静脈内注射後のCNS及び末梢組織全身性形質導入にとって効率的であることが判明した(Hu et al., 2010; Yang et al., 2014; Zhang et al., 2011)。

0007

最近になって、ALSに対するAAVに基づいた遺伝子療法戦略の効率が、SOD1レベルを低減させるRNA干渉を使用する2つの試験において実証された。Foust et al.は初めて、SOD1を標的化するAAV9−shRNAを新生仔静脈内(IV)注射した後に、ALSマウスにおいて38%の生存期間の延長を得た(Foust et al., 2013)。さらに、症候生後の55日令のSOD1マウスへのAAV10−shRNA−SOD1のくも膜下腔内(IT)注射により、ALSマウスの生存期間は22%延長された(Wang et al., 2013)。

0008

これらの以前の研究で報告された僅かな治療成果を考慮すると、ALS生物療法のための技術的改善が依然として必要とされる。

0009

発明の要約
本発明は、ヒトSOD1プレmRNA内でエキソンスキッピングを誘発するように適合されているアンチセンスオリゴヌクレオチドをマウスに投与した場合に、ALSマウスモデルの生存期間が、先行技術のALS治療戦略と比較して、大きく改善され得るという予想外の発見から始まる。

0010

Ward et al.(上記に引用)は、エキソンスキッピング戦略を使用したSOD1の発現の低減が、ギャップマー、すなわち、ナンセンス変異依存mRNA分解機構によってではなくRNaseH機構を通してSOD1のレベルを低減させるアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて得られた低減とせいぜい同等であろうと報告した。Ward et al.に報告されたSOD1のmRNA及びタンパク質のレベルの低減も、RISC機構の関与する戦略(例えばRNAi及びshRNAを使用する戦略)を用いて得られたものと同等であった。したがって、当業者は、SOD1エキソンスキッピング戦略を使用して得られる生存期間の改善は、以前の研究で報告されたのと同等であろうと予想したであろう。本発明者らは予想外にも、最大134%及びさらにそれ以上の生存期間の延長が、ヒトSOD1プレmRNA内でエキソンスキッピングを誘発するように適合されているアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与からもたらされ得ることを示した。この生存期間の延長は、SOD1関連ALSマウスにおいて現在までに報告されているものの中で最高であり、以前のSOD1サイレンシング戦略(最大で38%の生存期間の延長と報告されている)よりもはるかにより効率的であり、この分子アプローチの独創性及び卓越性を示し、これは以前に報告された研究からは予想されなかった。

0011

したがって、本明細書に開示されるのは、ヒトSOD1プレmRNA内でエキソンスキッピングを誘発するように適合されているアンチセンスオリゴヌクレオチドをそれを必要とする被験者に投与し、これにより生じたスキッピングされたヒトSOD1コーディングmRNAの分解が誘発される工程を含む、ALSの処置法である。

0012

本明細書に開示された別の対象は、ヒトSOD1プレmRNA配列に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、該プレmRNA内でエキソンのスキッピングを誘発するように適合されている。

0013

本明細書に開示された別の対象は、ALSの処置法に使用するためのヒトSOD1プレmRNA配列に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、該プレmRNA内でエキソンのスキッピングを誘発するように適合されている。

0014

発明の詳細な説明
本発明は、ALSを患っているヒト被験者を処置するのに有用であるアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)に関する。被験者は、SOD1遺伝子又は他のALS関連遺伝子、例えばSOD1mRNAレベルの上昇をもたらすALS関連遺伝子の突然変異によって引き起こされた孤発性又は家族性の病型のALSを患う(ALSオンラインデータベースALSoD、http://alsod.iop.kcl.ac.uk, April 2014)。被験者は、疾患の症候発生前であっても、症候性段階であってもよい。

0015

本出願における「アンチセンスオリゴヌクレオチド」すなわち「AON」は、SOD1タンパク質をコードしているプレmRNAの一部に相補的である、DNA又はRNAのいずれかの一本鎖核酸配列を示す(Chan et al., 2006)。特に、本発明のAONは、スプライスアクセプター(SA)部位、及び/又はエキソンスプライシングエンハンサーESE)、及び/又はSOD1プレmRNA内の分岐点、及び/又はプレmRNAスプライシングを調節することのできる任意の配列を遮断するように設計され、すなわち、それはSA、ESE、分岐点配列、又はプレmRNAスプライシングを調節することのできる任意の配列を含むSOD1プレmRNAの一部に対して相補的であるように設計されている(Cartegni et al., 2002; Reed and Maniatis, 1988)。

0016

AONは、SOD1プレmRNA内でエキソンスキッピングを誘発するために使用され、これにより、フレームシフトが起こり、これにより生じたmRNA内に中途終止コドンを含有している切断短縮されたcDNAが生成される。したがって、この戦略は、ALSの発症機構に関与するさもなくば神経毒性のあるタンパク質のレベルの低減を可能とする。

0017

ヒトSOD1遺伝子(hSOD1)は十分に特徴付けられている。その配列は(遺伝子ID:6647;NCBI参照配列アクセッション番号NM_000454.4;配列番号10)に報告されている。

0018

本発明に記載のAONは、ヒトSOD1プレmRNA内でエキソンスキッピングを誘発する種類のものである。例えば、実行されたAONは、エキソン2、エキソン3、又はエキソン4のスキッピングを特異的に誘発するように設計され得る。特定の実施態様では、本発明のAONは、ヒトSOD1mRNA内への中途終止コドンの包含を誘発することができる。好ましくは、AONは、エキソン2のスキッピングを誘発するように適合されている。実施例に提供されているように、エキソン2のスキッピングはフレームシフトを誘発し、これによりエキソン4内に中途終止コドンがもたらされる。

0019

関心対象のプレmRNA内のSA、ESE、及び分岐点の配列を同定するためのツールが利用可能である。当業者には周知であるように、SAは保存配列であり、それらはイントロンの3’末端にあり、ほぼ不変なAG配列でイントロンを終結させる。さらに、ESEfinderソフトウェアツール(http://rulai.cshl.edu/cgi-bin/tools/ESE3/esefinder.cgi?process=home)を使用して、スキッピングしようとするエキソン配列上のESEモチーフ予測し得る。その後、AONの設計は、Aartsma-Rus et al.(Aartsma-Rus et al., 2009)に公表されている原則に従って行なわれ得る。

0020

本発明のAONは、標的化エキソンの正しいスプライシングに必要とされるヒトSOD1(hSOD1)プレmRNA内の適切な配列に対して相補的となるように設計され、これにより、標的化エキソンを成熟mRNAに組み込むであろうスプライシング反応は遮断される。

0021

本発明のAONは、任意の適切な種類であってもよい。代表的なAONの種類としては、オリゴデオキシリボヌクレオチドオリゴリボヌクレオチドモルホリノトリシクロ−DNA−アンチセンスオリゴヌクレオチド、トリシクロ−ホスホロチオエートDNAオリゴヌクレオチド、LNA、核内低分子RNAにより改変された、例えばU7、U1、若しくはU6を用いて改変されたAON(又は他のUsnRNP)、又はそのコンジュゲート産物、例えばペプチドにコンジュゲートしたAON若しくはナノ粒子複合体を形成したAONが挙げられる。

0022

本発明の実施に使用されたAONは、一般的に、約10〜約30ヌクレオチド長であり、ヒトSOD1プレmRNA内の標的化配列及びAONの化学に依存して、例えば、約10、又は約15、又は約20、又は約30、又は約40若しくはそれ以上のヌクレオチド長であり得る。

0023

本発明の実施のための代表的なAONを表1に列挙する:

0024

0025

特定の実施態様では、本発明の実施のためのAONは、配列番号1及び4から選択される。さらなる実施態様では、配列番号1及び4に示された両方の配列が、本発明のAONに含まれる。

0026

インビボでの使用のために、AONを、例えばリン酸骨格の改変を介して安定化させることができる。例えば、本発明の安定化したAONは、改変された骨格を有し得、例えばホスホロチオエート結合を有する。他の可能な安定化させる改変としては、ホスホジエステル改変、ホスホジエステル及びホスホロチオエートの改変の組合せ、メチルホスホネート、メチルホスホロチオエート、ホスホジチオエート、p−エトキシ、及びその組合せが挙げられる。化学的に安定化した改変型のAONとしてはまた、「モルホリノ」(ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー、PMO)、2’−O−メチルオリゴマー、トリシクロ−DNA、トリシクロ−DNA−ホスホロチオエートAON分子(国際公開公報第2013/053928号)、又はU核内低分子(sn)RNAが挙げられる。この趣旨で使用され得る後者の型のAONを、特に、レンチウイルス、レトロウイルス、又はアデノ随伴ウイルスに基づくがこれらに限定されないウイルス導入法と組み合わせて、U1、U6、又はU7(又は他のUsnRNP)などの核内低分子RNAに結合させることができる。特定の実施態様では、本発明に使用されるAONは、配列番号1及び配列番号4の両方の配列を含む。さらに、さらに特定の実施態様では、AONは、核内低分子、例えばU1、U6、又はU7(又は他のUsnRNP)、特にU7を含み、かつ配列番号1及び配列番号4に示された配列を含む。このようなAONは配列番号9に示されている。

0027

特に血液脳関門を通した、安定かつ効率的なインビボでの送達のために、AONはまた、任意の細胞透過性ペプチド及びタンパク質分泌を媒介するシグナルペプチドと融合させても、又はそれらと共投与してもよい。細胞透過性ペプチドは、RVGペプチド(Kumar et al., 2007)、PiP(Betts et al., 2012)、P28(Yamada et al., 2013)、又はTATのようなタンパク質形質導入ドメイン(Malhotra et al., 2013)、又はVP22(Lundberg et al., 2003)であり得る。

0028

本発明のアンチセンス配列は、インビボで単独で又はベクター会合させて送達され得る。その最も広義な意味において、「ベクター」は、細胞、好ましくはSOD1を発現している細胞への、アンチセンス配列の導入を促進することのできる任意のビヒクルである。好ましくは、該ベクターは、ベクターの非存在下で生じるであろう分解度と比較して低減した分解度で細胞にアンチセンス配列を輸送する。一般的に、本発明において有用なベクターとしては、AON配列の挿入若しくは組込みによって操作された、プラスミドファージミド、ウイルス、及びウイルス源若しくは細菌源に由来する他のビヒクルが挙げられるがこれらに限定されない。ウイルスベクターが好ましい種類のベクターであり、これは、以下のウイルスに由来する核酸配列を含むがこれらに限定されない:レンチウイルス、例えばHIV−1、レトロウイルス、例えばモロニーマウス白血病ウイルスアデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV);SV40型ウイルス;ヘルペスウイルス、例えばHSV−1及びワクシニアウイルス。命名されていないが当技術分野において公知である他のベクターも容易に使用することができる。臨床適用のために検証されかつアンチセンス配列を送達するのに使用することのできるベクターの中で、レンチウイルス、レトロウイルス、及びAAVが、エキソンスキッピング戦略に対するより大きな可能性を示した。

0029

複製欠損である(すなわち、所望のAONの合成を指令することはできるが、感染性粒子を生成することはできない)レトロウイルスに基づいた及びレンチウイルスに基づいたベクターが、ヒト遺伝子療法試験に承認された。それらは、標的細胞ゲノムに組み込む特性を有し、したがって、標的細胞及びその子孫における持続的な導入遺伝子の発現を可能とする。

0030

好ましい実施態様では、AONは、AAVベクターを使用して送達される。ヒトパルボウイルスアデノ随伴ウイルス(AAV)は、感染細胞のゲノムに組み込んで潜伏感染確立することのできる天然的に複製欠損であるディペンドウイルスである。最後の特性は、哺乳動物ウイルスの中でも独特のようである。なぜなら、組込みが、第19番染色体(19q13.3−qter)に位置する、AAVS1と呼ばれるヒトゲノム内の特定の部位で起こるからである。AAVに基づいた組換えベクターRepタンパク質欠失し、低い効率で組込み、標的細胞内で数か月間及びおそらく数年間存続することのできる安定な環状エピソームとして主に存在する。それ故、AAVは、ヒト遺伝子療法のための有望なベクターとしてかなりの関心を集めた。ウイルスの好ましい特性の中には、あらゆるヒト疾患併発しないこと、及び、様々な組織に由来する幅広い細胞株に感染することができることである。実際に12個のAAV血清型(AAV1〜12)及び最大で120個の変異体が公知であり(Gao et al., 2004; Gao et al., 2002)、各々が異なる組織指向性を有する。したがって、本発明は、ヒトSOD1プレmRNAに標的化しかつ該ヒトSOD1プレmRNA内でエキソンスキッピングを誘発するように適合されている、上記のAONを含むAAVベクターに関する。特定の実施態様によると、AAVゲノムは、AAV1、2、3、4、5、6、7、8、9、10(例えばカニクイザルAAV10又はアカゲザルAAVrh10)、11、又は12血清型に由来する。好ましい実施態様では、AAVキャプシドは、AAV1、2、3、4、5、6、7、8、9、10(例えばカニクイザルAAV10又はAAVrh10)、11、12血清型、又はAAV変異体に由来する。さらなる特定の実施態様では、AAVベクターはシュードタイプ化ベクターであり、すなわち、そのゲノム及びキャプシドは、血清型の異なるAAVに由来する。例えば、シュードタイプ化AAVベクターは、そのゲノムがAAV2血清型に由来し、そのキャプシドがAAV1、3、4、5、6、7、8、9、10(例えばカニクイザルAAV10又はAAVrh10)、11、12血清型又はAAV変異体に由来するベクターであり得る。さらに、AAVベクターのゲノムは、一本鎖又は自己相補的二本鎖ゲノムのいずれかであり得る(McCarty et al., 2001)。自己相補的二本鎖AAVベクターは、AAV末端反復配列の1つから末端分離部位(terminal resolution site)(trs)を欠失させることによって生成される。その複製ゲノムの長さが野生型AAVゲノムの半分である、これらの改変されたベクターは、DNA二量体パッケージングする傾向を有する。

0031

好ましくは、本発明の実施に実行されるAAVベクターは、CNS神経(脳、脳幹、及び脊髄内の運動神経及びグリア細胞を含む)及び筋肉細胞を標的化するベクターである(Ilieva et al., 2009)。好ましい実施態様では、AAVベクターは、AAV1、AAV6、AAV6.2、AAV7、AAVrh39、AAVrh43、AAV2、AAV5、AAV8、AAV9、又はAAV10キャプシドを有し、このベクターは場合によりシュードタイプ化されている。特定の実施態様では、AAVベクターは、AAV9又はAAV10(例えばカニクイザルAAV10又はAAVrh10)キャプシドを有し、これは場合によりシュードタイプ化されている。

0032

特定の実施態様では、上記のようなAONは、核内低分子RNA、例えばU1、U2、U6、U7若しくは任意の他の核内低分子RNA、又はキメラ核内低分子RNAに連結される(Cazzella et al., 2012; De Angelis et al., 2002)。U7による改変に関する情報は特に、Goyenvalle, et al.(Goyenvalle et al., 2004);国際公開公報第11113889号;及び国際公開公報第06021724号に見られ得る。特定の実施態様では、D. Schumperliによって記載されたU7カセットが使用される(Schumperli and Pillai, 2004)。それは天然のU7プロモーター(−267位から+1位)、U7smOpt snRNA、及び116位に至るまでの下流配列を含む。U7smOpt内のヒストンプレmRNAに対して相補的な18塩基天然配列を、例えば、すでに記載(Goyenvalle et al., 2004)されているようなPCR媒介突然変異誘発を使用して、1つ若しくは2つ(同じ配列を2回使用するか、又は2つの異なる配列を使用するかのいずれか)又はそれ以上繰り返される選択されたAON配列によって置き換える。

0033

特定の実施態様では、核内低分子RNAにより改変されたAON、特にU7により改変されたAONは、ウイルスベクター、より特定するとAAVベクターにベクター化される。

0034

典型的には、前記ベクターはまた、コードされたAONの発現を可能とする調節配列、例えばプロモーター、エンハンサー内部リボソーム進入部位(IRES)、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)をコードする配列などを含んでいてもよい。これに関して、該ベクターは最も好ましくは、AONの発現を引き起こすか又は改善させる、コード配列作動可能に連結された、プロモーター領域を含む。このようなプロモーターは、遍在性組織特異性、強力、弱い、調節性、キメラなどであり得、これにより、AONの効率的かつ適切な生成が可能となる。該プロモーターは、細胞性ウイルス性真菌性、植物性、又は合成プロモーターであり得る。本発明に使用するのに最も好ましいプロモーターは、神経細胞及び筋肉細胞において、より好ましくは運動神経及びグリア細胞において機能するものであろう。プロモーターは、核内低分子RNAプロモーター、例えばU1、U2、U6、U7、若しくは他の核内低分子RNAプロモーター、又はキメラ核内低分子RNAプロモーターから選択され得る。他の代表的なプロモーターとしては、RNAポリメラーゼIII依存性プロモーター、例えばH1プロモーター、又はRNAポリメラーゼII依存性プロモーターが挙げられる。調節性プロモーターの例としては、Tetオンオフ配列含有プロモーター、ラパマイシン誘発性プロモーター、及びメタロチオネインプロモーターが挙げられるがこれらに限定されない。運動神経に対して特異的なプロモーターの例としては、カルシトニン遺伝子関連ペプチドCGRP)、コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)、又はホメオボックス9(HB9)のプロモーターが挙げられる。運動神経において機能的な他のプロモーターとしては、神経特異的プロモーター、例えば神経特異的エノラーゼプロモーター(NSE)、シナプシンプロモーター、又は遍在性プロモーター、例えば神経特異的サイレンサー配列(NRSE)が挙げられる。グリア細胞に特異的なプロモーター、例えばグリア線維酸性タンパク質(GFAP)プロモーターも使用することができる。遍在性プロモーターの例としては、ウイルスプロモーター、特にCMVプロモーター、RSVプロモーター、SV40プロモーター、ハイブリッドCBA(ニワトリβアクチン/CMV)プロモーターなど、及び細胞性プロモーター、例えばPGK(ホスホグリセリン酸キナーゼ)又はEF1α(伸張因子1α)プロモーターが挙げられる。

0035

特定の実施態様では、本発明に使用されるAONは、ウイルスベクター、特にAAVベクター、より特定するとAAV9又はAAV10(例えばカニクイザルAAV10又はAAVrh10)ベクターにベクター化され、そして配列番号1及び配列番号4の両方の配列を含む。さらに、さらなる特定の実施態様では、ベクター化AONは、核内低分子、例えばU1、U6又はU7(又は他のUsnRNP)、特にU7を含み、そして配列番号1及び配列番号4に示される配列を含む。このようなAONは配列番号9に示される。

0036

以下の実験章で「消去置換」と称される、本発明の特定の実施態様では、上記のAONは、野生型SOD1タンパク質、特にヒトSOD1タンパク質をコードしている遺伝子を含有している発現カセットと会合させて投与するためのものである。SOD1タンパク質の外因性発現を与えることにより、突然変異型のヒトSOD1mRNAを特異的に標的としないで野生型タンパク質のサイレンシングを誘発する可能性があるAONの送達から生じる、内因性野生型SOD1mRNAの欠失を場合により補うことができる。この実施態様では、野生型SOD1タンパク質(優先的には野生型ヒトタンパク質)をコードしている遺伝子は、対応するmRNAへの該AONのハイブリダイゼーションを損ない、これにより、該外因性SOD1mRNA内でのエキソンスキッピングを回避するであろうサイレント突然変異(すなわち、SOD1タンパク質のアミノ酸一次配列に影響を及ぼさない突然変異)を含むように設計されている。それ故、その態様の1つにおいて、本発明は、この遺伝子によってコードされるmRNAに対する本発明のAONのハイブリダイゼーションを損なうサイレント突然変異を含むように設計された、野生型SOD1タンパク質、例えばヒト野生型SOD1タンパク質をコードしている遺伝子に関する。特定の実施態様では、野生型SOD1タンパク質をコードしている遺伝子は、上記に提供されているようなサイレント突然変異を用いて改変されているヒトSOD1配列である配列番号11に示される配列を含む(特に、この配列は開始コドン及び終止コドンを含まない)。配列番号11の配列はさらに、配列番号12に示される配列におけるような開始コドン及び終止コドンを含んでいてもよい。さらに、該遺伝子は、タグ化野生型SOD1タンパク質、例えばFlagでタグ化されたSOD1タンパク質をコードしていてもよく、該タグは、SOD1タンパク質のN末端又はC末端のいずれかに与えられる。Flag−hSOD1又はhSOD1−Flagをコードしているこのような遺伝子を配列番号13及び14に示す。発現カセットは、コードされた外因性SOD1タンパク質の発現を可能とする調節配列、例えばプロモーター、エンハンサー内部リボソーム進入部位(IRES)、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)をコードしている配列などを含んでいてもよい。これに関して、該ベクターは最も好ましくは、タンパク質の発現を引き起こすか又は改善させる、コード配列に作動可能に連結された、プロモーター領域を含む。このようなプロモーターは、遍在性、組織特異性、強力、弱い、調節性、キメラなどであり得、これにより、タンパク質の効率的かつ適切な生成が可能となる。該プロモーターは、細胞性、ウイルス性、真菌性、植物性、又は合成プロモーターであり得る。本発明に使用するのに最も好ましいプロモーターは、神経細胞及び筋肉細胞において、より好ましくは運動神経及びグリア細胞において機能するものであろう。調節性プロモーターの例としては、Tetオン/オフ配列含有プロモーター、ラパマイシン誘発性プロモーター、及びメタロチオネインプロモーターが挙げられるがこれらに限定されない。運動神経に対して特異的なプロモーターの例としては、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)、又はホメオボックス9(HB9)のプロモーターが挙げられる。運動神経において機能的な他のプロモーターとしては、神経特異的プロモーター、例えば神経特異的エノラーゼプロモーター(NSE)、シナプシンプロモーター、又は遍在性プロモーター、例えば神経特異的サイレンサー配列(NRSE)が挙げられる。グリア細胞に特異的なプロモーター、例えばグリア線維酸性タンパク質(GFAP)プロモーターも使用することができる。遍在性プロモーターの例としては、ウイルスプロモーター、特にCMVプロモーター、RSVプロモーター、SV40プロモーター、ハイブリッドCBA(ニワトリβアクチン/CMV)プロモーターなど、及び細胞性プロモーター、例えばPGK(ホスホグリセリン酸キナーゼ)又はEF1α(伸張因子1α)プロモーターが挙げられる。発現カセットは、上記のベクターなどの適切なベクターに含められ得る。特定の実施態様では、発現カセットを含有しているベクターは、ウイルスベクター、特に、上記のような運動神経及び筋肉細胞を形質導入することのできるウイルスベクター、特に例えばAAVベクター、特にAAV9又はAAV10(例えばカニクイザルAAV10又はAAVrh10)キャプシドを含むAAVベクターである。この実施態様の変化形において、AON及び外因性SOD1遺伝子、特にヒトSOD1をコードしているカセットは、両方共、同じベクターに、特にウイルスベクターに、特に上記のような運動神経及び筋肉細胞を形質導入することができるウイルスベクターに、特に例えばAAVベクターに、特にAAV9又はAAV10(例えばカニクイザルAAV10又はAAVrh10)キャプシドを含むAAVベクターに含有される。

0037

本発明はまた、AON若しくはそれを含むベクター、及び/又は外因性SOD1cDNA若しくは上記のような外因性SOD1タンパク質をコードしている発現カセットを含むベクターを、薬学的に許容される担体に含む組成物に関する。AON又はベクターの他に、本発明の医薬組成物はまた、薬学的に又は生理学的に許容される担体、例えば食塩水リン酸ナトリウムなどを含み得る。該組成物は一般的に液体の形状であるが、これは常にそうである必要はない。適切な担体、賦形剤、及び希釈剤としては、乳糖デキストローススクロースソルビトールマンニトールデンプンアカシアゴムリン酸カルシウムアルギン酸塩トラガカントゼラチンケイ酸カルシウム微結晶セルロースポリビニルピロリドンセルロース水性シロップメチルセルロース、メチル及びプロピルヒドロキシベンゾエート鉱油などが挙げられる。製剤はまた、潤滑剤、湿潤剤乳化剤保存剤緩衝化剤などを含み得る。特に、本発明はAONの投与を含み、したがって遺伝子療法に幾分似ている。当業者は、核酸がしばしば脂質(例えば陽イオン性脂質又は中性脂質、又はこれらの混合物)と併せて、頻繁にはリポソーム又は他の適切なマイクロ若しくはナノ構造物質(例えばミセルリポ複合体、デンドリマーエマルション立法相など)の形態で送達される。

0038

本発明の組成物は一般的に、経腸又は非経口経路を介して、例えば静脈内(i.v.)、動脈内、皮下、筋肉内(i.m.)、脳内、脳室内(i.c.v.)、くも膜下腔内(i.t.)、腹腔内(i.p.)で投与されるが、他の種類の投与も除外されない(例えば吸入鼻腔内、局所、経口、直腸骨内点眼薬、又は点薬の投与などを介して)。

0039

特定の実施態様では、本発明のAAVベクターは、国際公開公報第2013/190059号に記載されているように、患者の脳脊髄液(CSF)内への投与と血中への投与を組み合わせることによって投与される。この実施態様の特定の変化形において、哺乳動物のCSF内へのウイルスベクターの投与は、脳室内(i.c.v.すなわちICV)注射、くも膜下腔内(i.t.すなわちIT)注射、又は大槽内注射によって行なわれ、血中への投与は好ましくは、非経口送達、例えば静脈内(すなわちIV)注射、筋肉内注射、動脈内注射腹腔内注射皮下注射皮内注射、鼻腔内送達、経皮送達(例えばパッチ)、又は腸への送達(経口又は経腸)によって行なわれる。特定の実施態様では、AAVベクターは、脳室内(又はくも膜下腔内)経路及び静脈内(又は筋肉内)経路の両方を介して投与される。

0040

注射製剤、例えば無菌注射水性又は油性懸濁液は、適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用して公知の技術に従って製剤化され得る。無菌注射製剤はまた、無毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の、例えば1,3−ブタンジオール溶液としての、無菌注射溶液又は懸濁液であり得る。送達が局所的(すなわちインサイツ筋肉組織などの組織に直接)又は全身性のいずれかであり得る場合、通常、送達は、罹患した筋肉組織、例えば骨格筋平滑筋心筋などに局所的であろう。投与されるAONの剤形及び標的化される組織又は細胞型に依存して、電気穿孔法ソノポレーション、「遺伝子銃」(核酸でコーティングされた金粒子を送達)などの技術が使用され得る。

0041

当業者は、投与しようとするAON、又はAON及び/若しくは外因性SOD1タンパク質を含有若しくは発現しているベクターの量は、望ましくないALSの症状の寛解を誘発するのに十分な量であろうことを認識しているだろう。このような量は、とりわけ、患者の性別年齢、体重、全般的身体状態などの因子に依存して変更され得、個々の場合に応じて決定され得る。量はまた、処置プロトコールの他の要素(例えば他の薬物の投与など)に応じても変更され得る。一般的に、適切な用量は、約1mg/kgから約100mg/kg、より通常では約2mg/kg/日から約10mg/kgの範囲内である。ウイルスに基づいたAONの送達が選択される場合、適切な用量は、使用されるウイルス、送達経路(筋肉内、静脈内、動脈内、又はその他)などの様々な因子に依存するであろうが、典型的には109から1015個のウイルス粒子/kgの範囲であり得る。当業者は、このようなパラメーターが通常、臨床試験中にうまくいくことを認識しているだろう。さらに、当業者は、疾患の症状が、本明細書に記載の処置によって完全に軽減される可能性があるが、完全に軽減される必要はないことを認識しているだろう。症状の部分的又は断続的な緩和さえも、レシピエントにとって非常に有益であり得る。さらに、患者の処置は1回の事象(改変されたAON又はAAVベクターを用いての)であってもよいか、又は患者はAONを複数回投与され、それは得られる結果に応じて、数日間間隔を置いて、数週間間隔を置いて、又は数か月間間隔を置いて、又はさらには数年間間隔を置いてもよい。

0042

本発明の方法は、いくつかの異なる方法のいずれかで実行され得る。例えば、本発明のAONは、他のエキソンを除去するように設計されたAON、又はsiRNA、又はmiRNAと一緒に投与されてもよい(例えば、1つの混合物中で、又は別々の混合物であるが、時間間隔をあまりおかずに、例えば一方を他方の直後に任意の順番で、僅か数分間又は数時間の投与間隔で投与する)。それらはまた、上記のように、外因性SOD1タンパク質、優先的にはヒトSOD1タンパク質をコードしているベクターと一緒に投与されてもよく、そのコード配列は、そのコードされるmRNAが、AONにより誘発されるエキソンスキッピングに抵抗性となるように設計されている。

0043

さらなる態様では、本発明は、細胞分裂阻害療法において同時に、別々に、又は順次使用するための、
−本発明のAON、又は上記のような該AONをコードしているベクター;及び
−野生型SOD1タンパク質をコードしているベクター(例えば野生型ヒトSOD1タンパク質、そのコード配列は、そのコードされるmRNAが、AONにより誘発されるエキソンスキッピングに抵抗性となるように設計されている)
を含む、部品キットに関する。

0044

本発明のさらなる態様及び利点は以下の実験章に開示され、これは単なる説明と考えられ、本出願の範囲を制限するものではない。

図面の簡単な説明

0045

ESEfinderによって予測されるエキソン2−hSOD1内の有望なESEモチーフのグラフ表示閾値ソフトウェアによって規定されるデフォールトである。SRF1(SF2/ASF):1.956;SRF1(IgM−BRCA1):1.867;SRF2(SC35):2.382;SRF5(SRp40):2.67;SRF6(SRp55):2.676。
AONでトランスフェクトされた293T細胞に関するRT−PCR。
スキッピング形のシークエンス
トランスフェクトされた細胞における完全長hSOD1mRNAの発現。未処置細胞と比較した、各々のAONのhSOD1低減率:AON1:85%;AON2:55%;AON3:75%;AON4:81%。データは平均値+/−標準偏差(n=3)である。**P<0.01、***P<0.005、未処置細胞と比較してスチューデントt検定によって決定。
脊髄(SC)に4.7×1012vg/kgのAAV10−U7−hSOD1又はAAV10−U7−CTRを直接注射されたSOD1G93Aマウスの脊髄(SC)抽出物に関するRT−PCR。
SCに直接注射されたSOD1G93AマウスのSC抽出物中の完全長hSOD1mRNAに関するQ−RT−PCR。2匹のマウスに4.7×1012vg/kgのAAV10−U7−CTRを注射した:2番及び5番;3匹のマウスに同じ用量のAAV10−U7−hSOD1を注射した:6番、8番、及び9番。
(a)SCに4.7×1012vg/kgのAAV10−U7−hSOD1(n=3)及び同じ用量のAAV10−U7−CTR(n=3)を注射されたSOD1G93AマウスにおけるhSOD1タンパク質発現ウェスタンブロット分析αチューブリンローディング対照として使用した。(b)タンパク質レベルの濃度測定分析。データは平均値+/−標準偏差(n=3)である。**P<0.01、AAV10−U7−CTRに感染させた脊髄と比較してスチューデントt検定によって決定。
生誕時に側脳室(ICV)及び側頭静脈(IV)に6×1014vg/kgのAAV10−U7−hSOD1を注射されたSOD1G93Aマウスの代表的な写真。年齢相応の(191日令)野生型(WT)マウスが対照として示されている。
(a)U7−hSOD1アンチセンスオリゴヌクレオチド(U7プロモーター制御下)と、Flag−hSOD1opt又はhSOD1opt−Flag(PGKプロモーター制御下)とを同時に発現している「消去−置換」AAVベクターの図解:AAV−U7−hSOD1−Flag−hSOD1opt又はAAV−U7−hSOD1−hSOD1opt−Flag。(b)AAV−U7−hSOD1−GFP対照ベクターでトランスフェクトしてから48時間後のGFP免疫蛍光による処置された代表的なHEK−293T培養細胞(右)。左パネルは、細胞の位相差画像を示す。(c)AAV−U7−CTR−Flag−hSOD1opt、AAV−U7−hSOD1−Flag−hSOD1opt、又は対照AAV−U7−hSOD1−GFP対照ベクターを用いてトランスフェクトしてから48時間後のHEK−293細胞、及び非トランスフェクト細胞における、Flagタグのウェスタンブロット分析。アクチンをローディング対照として使用した。

0046

実施例
実施例1:ALSマウスにおけるhSOD1のサイレンシング及び生存期間の改善
材料及び方法
マウス株(動物)、インビボでの電気穿孔、及びアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)
動物の管理は、欧州の実験動物の管理と使用に関する指針に従った。高コピーSOD1G93AマウスのB6SJL−Tg(SOD1*G93A)1Gur/J(JACKSON番号SN2726)はJackson Laboratories(バーハーバーメイン州)から購入した。

0047

細胞
HEK−293T細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)と1%ペニシリンストレプトマイシンを含有しているダルベッコ改変イーグル培地DMEM)中、37℃で、5%CO2中で培養した。2’−O−メチルホスホロチオエート(2’OMePS)AONはEurogentecから購入し、最終濃度1μg/μlでH2ORNaseフリー水に再懸濁した。各々のAON 5μgを、製造業者説明書に従ってオリゴフェクトアミン(Invitrogen)を用いてトランスフェクトした。トランスフェクションから48時間後、細胞をRNA抽出のために収集した。

0048

RNA抽出、逆転写、RT−PCR、及びqRT−PCR
全RNAを細胞から又は新しく凍結させた脊髄からRNA抽出キットNucleoSpin RNAII(Macherey-Nagel)を用いて製造業者のプロトコールにより抽出した。iScriptcDNA合成キットプロトコール(Biorad)に従って、オリゴ(dT)プライマー及びランダムヘキサマープライマーを使用して、全RNA 1μgからcDNAを合成した。ヒトSOD1mRNA内のエキソン2の存在を調べるために、RT−PCR分析を、以下のプライマーを使用して、cDNA 200ngから行なった:
正方向プライマー1、ヒトSOD1エキソン1に一致:5’-CTAGCGAGTTATGGCGAC-3’(配列番号5);逆方向プライマー4/5、ヒトSOD1(エキソン4とエキソン5の境界)に一致:5’-GCCAATGATGCAATGGTCTC-3’(配列番号6)。

0049

TaqmanリアルタイムPCR(Q−RT−PCR)を、DNA Engine Opticon 2システム(Biorad)を使用して行なった。cDNA100ngを、Taqman Universal PCR Master Mix 2X(Life technologies)10μl中で、ヒトSOD1FAM Taqman Gene expression assay(Hs00533490m1, Life technologies)1μl及びヒトGAPDH VIC Taqman Gene expression assay(Hs03929097_g1, Life technologies)1μl、又はインビボ分析では内因性対照としてのマウスIpo8(Mm01255158_m1, Life Technologies)を用いて増幅した。反応液を60℃で1分間、95℃で10分間インキュベートし、その後、95℃で15分間と60℃で1分間のサイクルを39回行なった。hSOD1コピー数を、デルタCt/デルタCt法を使用して計算した。分析は、DNA Engine Opticon(登録商標)2 システム(Biorad)を用いて行なわれた。

0050

ベクター
最も出来栄えの良い2つのAONに相当するDNA配列を、すでに記載されているように(Goyenvalle et al., 2004)、PCR媒介突然変異誘発を使用して、pAAVsc_U7DTex23(親切にもGENETHON、イブリー、フランスによって提供された)にクローニングした。ウイルス粒子のscAAV血清型10を、Dominguez et al.(Dominguez et al., 2011)に以前に記載されているように、トリトランスフェクション法を使用して生成した。ベクター力価をITRのQ−RT−PCRによって決定し;力価はウイルスゲノム(vg)/mlとして表現した。

0051

注射
成体マウスの脊髄への注射のために、50日令のマウスを使用した。マウスを、ケタミンキシラジン混合物の腹腔内注射(100mg/kgのケタミン、16mg/kgのキシラジン;体重10gあたり0.1ml)を用いて麻酔した。注射はRaoul et al. 2005(Raoul et al., 2005)に報告されているように行なわれた。各ベクターを9.5×1010vg(4.7×1012vg/Kg)含有している総容量10μl(一部位あたり5μl)を各マウスに注射した。

0052

新生仔マウスへの注射のために、生後1日目の仔を使用した。注射は、脳室内注射(ICV)と静脈内注射(IV)を組み合わせることによって行なわれた(Barkats, Voit、国際公開公報第2013190059(A1)号−2013年12月27日の特許に記載の通り)。7.6×1011vg(6×1014vg/kg)を含有している総容量80μlを各マウスに注射した。ウイルス溶液10μlを側脳室に直接注射し、70μlを前頭側頭静脈に送達した。

0053

ウェスタンブロット分析
新しく凍結させた脊髄をホモジナイズし、プロテアーゼ阻害剤混液(Complete Mini, Roche Diagnostics)を供給された溶解緩衝液(150mM NaCl、50mMトリス−HCl、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、1%NP40、1%SDS)を使用して、タンパク質溶解液を調製した。タンパク質抽出物DCタンパク質アッセイ(BioRad)によって定量した。30μgを、12%ポリアクリルアミドゲル(Criterion XT 10%ビス−トリス、Biorad)上で分離し、以下の抗体を用いてウェスタンブロットによって分析した:抗α−チューブリン抗体(T5168、Sigma Aldrich);抗ヒトSOD1抗体(sc−8636、Santa Cruz Biotechnology)。マウス及びウサギIgに対するペルオキシダーゼにコンジュゲートさせた抗血清はAmersham Pharmacia Biotechから購入した。ウェスタンブロットを、SuperSignal West Duraキット(Thermoscientific)を使用して展開した。濃度測定分析を、ImageJソフトウェアを使用して行なった。

0054

結果
1)AON設計
ヒトSOD1遺伝子内でのエキソンスキッピングを誘発するために、本発明者らは、ヒトSOD1プレmRNAのスプライスアクセプター部位(SA)と又はエキソンスプライシングエンハンサー(ESE)配列とに干渉するRNA−AONを設計した。ヒトSOD1遺伝子は5つのエキソンから構成され、本発明者らは、エキソン2のスキッピングの誘発を計画した。実際に、SOD1プレmRNAからエキソン2をスキッピングすると、フレームシフトが誘発され、これにより切断短縮されたcDNAが生成され、これによりエキソン4内に中途終止コドン(TGA)が生じる。エキソン2のスキッピングを最適化するために、本発明者らは、イントロン1内のSA配列に標的化するAON配列を設計し、そしてESE配列の標的化は、SAを上回る利点を示す可能性があることが報告されていたので(Goyenvalle et al., 2004)、本発明者らはまた、エキソン2のESE配列を標的化するAONも設計した。ESEは、Ser−Arg−リッチ(SR)タンパク質に結合することによってスプライシングを促進するエキソン内部配列である(Cartegni et al., 2002)。これらの配列を決定するために、本発明者らは、4つの最も豊富なSRタンパク質(SF2/ASF、SC35、SRp40、及びSRp55)に対する結合部位を予測するESEfinderソフトウェアを使用した。図1に、エキソン2内の有望なESE配列が示されている。

0055

推定標的配列が一旦同定されると、本発明者らは、Aartsma-Rus et al.(Aartsma-Rus et al., 2009)によって公表された特殊な原則に従って、ヒトSOD1エキソン2を特異的にスキップする4つのAONを設計した。したがって、各AON(表1)は20ヌクレオチド長となるように設計され、本発明者らは、最も高いTmを有するAONを選択し、本発明者らは、RNAstructure 5.3ソフトウェアを使用して、AONと標的化エキソンの両方の予測される二次構造自由エネルギーを評価した。本発明者らはまた、陰性対照(AON−CTR)としての混合AON配列も選択した。配列対照:5’GCUCAUUCGCUUUCAUUCUU 3’(配列番号7)。

0056

2)インビトロでのAONの選択
本発明者らは、HEK−293T細胞へのトランスフェクション後、hSOD1mRNAレベルを低減させるその効力に基づいて最適なAONを選択した。細胞トランスフェクションを最適化するために、本発明者らは、化学的に改変された2’−O−メチルホスホロチオエート(2’OMePS)AON(Eurogentec)を使用した。なぜなら、この改変は、ヌクレアーゼ及びRNaseHによる分解に対するかなりの抵抗性を付与するからである(Aartsma-Rus et al., 2009)。対照として本発明者らは、各実験でトランスフェクション効率の対照としても使用されていた、混合した蛍光(FAM)標識されたAONを使用した。RT−PCR分析後、本発明者らは、全試料においてヒトSOD1mRNA完全長(355bp)に相当する、PCR産物を観察した。SOD1−AONでトランスフェクトされた細胞において、本発明者らは、スキッピングされたエキソン2の形態に相当する、追加の258bpの産物を観察した(図2)。PCR産物をシークエンスした後、本発明者らは、小さな258bpのバンドに相当する、ヒトSOD1−mRNA内でのエキソン2のスキッピングと(図3)、エキソン4の中途終止コドンの発生を確認した。本発明者らは、選択されたAONが、ヒトSOD1エキソン2のスキッピングを誘発することができたと結論付けた。

0057

ヒトSOD1mRNAレベルの低減に関して最も効果的な配列を同定するために、完全長SOD1mRNAの発現を、Taqman法を使用してリアルタイムPCRによって定量した(図4)。

0058

AON1及びAON4は、ヒトSOD1mRNA低減に関して最も高い効率を示した(それぞれ85%及び81%)。したがって、本発明者らは、これらの2つのAONを選択して、U7snRNA配列と融合させて一緒にscAAV骨格へとクローニングした。U7プロモーターに付加された配列は、CCCACACCTTCACTGGTCCACCATGCAGGCCTTCAGTCAG(配列番号8)である。

0059

U7+アンチセンスの完全配列は:




である。

0060

3)scAAV10−U7−hSOD1の生成
U7snRNAは、通常、ヒストンプレmRNA3’末端プロセシングに関与しているが、これをSm/Lsmタンパク質の結合部位(U7 smOpt)における小さな変化によるスプシング調節のための万能ツールへと変換することができる(Schumperli and Pillai, 2004)。それ故、snRNP粒子包埋されたアンチセンス配列は分解から保護され、核内に蓄積し、そこでスプライシングが起こる。SOD1G93AマウスにAONを送達するために、本発明者らは、D.Schumperli(Schumperli and Pillai, 2004)によって記載されたU7カセットを使用した。それは、天然U7プロモーター(−267位から+1位)、U7 smOpt snRNA、及び116位に至るまでの下流配列からなる。このカセットをscAAV骨格の逆位末端配列(ITR)間に配置し、U7smOpt内のヒストンプレmRNAに対して相補的な18塩基の天然配列を、2つの選択された20塩基のAON配列(及び対照配列、CTR;Pietri-Rouxel, 2009 et al.によって記載)によって置き換え、本発明者らは対応するウイルス粒子(すなわち、AAV10−U7−CTR及びAAV10−U7−hSOD1)を作製した。

0061

4)インビボでのSOD1G93AマウスにおけるhSOD1エキソンのスキッピング
hSOD1 RNAレベルを低減させるその効力を分析するために、AAV10−U7−CTL及びAAV10−U7−hSOD1を、50日令のSODG93Aマウスの脊髄に直接注射した(AAV10−U7−hSOD1ではn=3、AAV10−U7−CTRではn=2)。注射から4週間後、脊髄を取り出し、SODmRNAを、RT−PCRを使用してエキソン2のスキッピングについて分析した(図5)。ヒトSOD1発現もまた、以前のインビトロでの実験に記載されているようにリアルタイムPCR分析によって評価した(図6)。予想された通り、エキソン2のスキッピングされた形態が、AAV10−U7−hSOD1を注射された動物の脊髄においてのみ観察され(図5)、完全長のhSOD1mRNAは80%超低減した(図6)。

0062

RNA分析と同様に、エキソン2のスキッピングの効果をさらに、SODG93Aマウスの脊髄への対照及びU7−hSOD1 AAVベクターの注射から1か月後にタンパク質レベルで分析した(各群においてn=3)。ウェスタンブロット分析は、3匹のAAV10−U7−hSOD1の注射されたマウスの脊髄において、対照と比較して、hSOD1タンパク質の70%の低減を示した(図7)。

0063

その後、ALSマウスにおけるAAV10−U7−hSOD1ベクターの有望な治療効果を、中枢性及び全身性のhSOD1の低減の両方を達成するために、症候発生前のSODG93Aマウスへの静脈内注射(IV)と脳室内注射(ICV)の併用によって調べた(P1での注射;n=4は6×1014vg/kgのAAV10−U7−hSOD1を用いて、n=3は同じ用量のAAV10−U7−CTRを用いる)。

0064

4匹のAAV10−U7−hSOD1を注射されたマウスの生存期間は、対照を注射されたマウスと比較して有意に延長され、平均生存期間は260日間であり、これに対して注射されていない対照では128日間であった(図7)。この生存期間の延長(最大134%)は、SOD1関連ALSマウスにおいて現在までに報告されている中で最も高く、このことは本発明者らの分子アプローチの独創性及び卓越性を示唆する。

0065

結論
本研究は、家族性筋萎縮性側索硬化症のための非常に効果的な遺伝子療法処置を同定することを目指した橋渡しプロジェクトである。血流及びCNSへのscAAV10の共送達(Co−IV/ICV)は、広範な脊髄及び全身への遺伝子送達のための強力なアプローチである。Co−IV/ICV AAV10遺伝子導入と効果的なエキソンスキッピング戦略の組合せは、hSOD1の強力なサイレンシングを可能とし、そしてALSげっ歯類において現在までに報告されている中で最も高い生存期間の延長を媒介する。比較すると、ASOの脳灌流を使用したクリーブランド/アイシス臨床試験は、ラット生存期間の9.1%の延長に基づき(Smith et al., 2006)、38%の生存期間の延長が近年、AAV9−shRNAを使用してKasparのチームによって公表された(Foust et al., 2013)。

0066

これらの予備調査結果は、ALSマウス生存期間をさらにもっと延長させるための新たな現実的な場所を開拓し、次の将来における臨床開発へと直接橋渡しされ得る。

0067

実施例1に提示された結果は、AAV10−U7−hSOD1の注射が、hSOD1をサイレンス状態とすることによってSOD1G93Aマウスにかなりの治療利点を提供することを示した。

0068

実施例2:「消去−置換」戦略
AAV10−U7−hSOD1送達の治療利点を、野生型hSOD1タンパク質のさらなる発現によって改善することができる。実際に、突然変異型のヒトSOD1mRNAに特異的に標的化しないAAV10−U7−hSOD1の送達は、内因性野生型SOD1タンパク質のサイレンシングも誘発する可能性があり、これにより、副作用トリガーされる可能性がある。AAV10−U7−hSOD1による内因性野生型SOD1のサイレンシングは、このベクターに、エキソンのスキッピングを回避するための「サイレント」突然変異を含む野生型SOD1配列を導入することによって補うことができる。

0069

以下の章は、これに関するデータを提示する。

0070

材料及び方法
ベクター
N末端又はC末端にflagタグを有するhSOD1optをコードしているDNA配列をGene Art(Life technologies)によって合成し、そしてまず、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、キメラβグロビンイントロン、独特な制限酵素部位NheI、及びサルウイルス40(SV40)転写終結シグナルを有する、本発明者らの研究室入手できる、空のpAAVベクターに酵素的消化によってクローニングした。PGKプロモーター制御下にあるhSOD1optを含有しているカセットを、PCRによって、pAAV−U7−SOD1ベクター又はpAAV−U7−CTRに、U7プロモーターの前にそして2つの方向でクローニングした。同じ方法を用いて、研究室で入手可能なプラスミドから増幅させたPGK−GFPを、対照として、各々のpAAV−U7に挿入した。

0071

ベクターの命名法は以下の表に提供されている:

0072

0073

細胞
各プラスミド2μgを、FBSを含まないOPTIMEM(Life technologies)培地中でリポフェクトアミン及びPlus試薬(Life technologies)を用いてトランスフェクトした(製造業者の説明書に従って)。37℃で5%CO2中で3時間後、トランスフェクションを、10%FBSを含むDMEMの添加により停止した。

0074

ウェスタンブロット分析
細胞をトランスフェクションから48時間後に収集した;タンパク質溶解液を実施例1に記載のように調製した。ウェスタンブロットを、以下の抗体を用いて行なった:抗Flag M2抗体(Sigma)及び抗アクチン抗体(Sigma)。マウス及びウサギIgに対するペルオキシダーゼにコンジュゲートさせた抗血清はAmersham Pharmacia Biotechから購入した。ウェスタンブロットを、SuperSignal West Duraキット(Thermoscientific)を使用して展開した。

0075

結果
毒性を有する突然変異型のhSOD1の抑制及び機能的hSOD1タンパク質の発現の両方を得るために、本発明者らは、「消去−置換」戦略を考え、ここではサイレンシング用のpAAV−U7−hSOD1ベクターを、野生型SOD1発現のための外因性hSOD1cDNAと共に提供した。野生型hSOD1コード配列(hSOD1opt)は、U7アンチセンス作用に対して不応性とするためにアンチセンス配列に対して最大数ミスマッチを有するように設計された(GeneArt, Life technologies)。外因性hSOD1タンパク質の同定を可能とするために、Flag−タグペプチドをcDNAに融合させた。FlagのC末端又はN末端の位置は、hSOD1opt発現及び/又は機能に対して影響を及ぼす可能性があるので、これをタンパク質のN末端(Flag−hSOD1opt)又はC末端(hSOD1opt−Flag)のいずれかに付加した。配列をホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーターの制御下に、U7プロモーターと同じ方向に又は逆の方向に配置した。最後の治療用AAVベクターのAAV−U7−hSOD1−Flag−hSOD1opt及びAAV−U7−hSOD1−Flagを図9に示す。PGKプロモーターの制御下に置かれた緑蛍光タンパク質(GFP)をコードしている配列も、対照としてのpAAV−U7ベクターに挿入した(pAAV−U7−hSOD1−GFP)。

0076

これらの新規なAAV−U7サイレンシングベクターがhSOD1の発現を同時に誘発することができるかどうかを調べるために、ヒト胚性腎臓(HEK−293T)細胞をまず、pAAV−U7−hSOD1−GFPを用いてトランスフェクトし、GFPの発現を48時間後に落射蛍光顕微鏡を用いてのライブイメージングによって調べた(図9b)。GFP蛍光の結果は、U7分子(U7−SOD1又はU7−CTR)とGFP発現カセットの両方を有する2つのベクターが、タンパク質の生成にとって効率的であることを示した。さらに、hSOD1optの発現を、トランスフェクションから48時間後に細胞溶解液中でflagタグについてウェスタンブロット分析によって評価し(図9c)、これによりタグ化されたhSOD1optタンパク質の効率的な合成が判明した。

0077

要するに、これらのデータは、突然変異型のhSOD1mRNA内でのエキソンスキッピングを誘発するAONは、hSOD1タンパク質レベルを強く低減させるように設計され得、外因性hSOD1タンパク質の同時発現は、最適化コード配列を使用して行なうことができることを示した。

0078

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