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技術 還元雰囲気中で光ファイバを作製する方法

出願人 コーニングインコーポレイテッド
発明者 ビリングズ,アマンダリーブックバインダー,ダナクレイグデソルシエ,ロバートブレットドゥパオール,リアムルアンタンドン,プシュカーヤン,リー
出願日 2015年7月9日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2017-501015
公開日 2017年9月14日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-526600
状態 特許登録済
技術分野 ガラス組成物(第三版) ガラス繊維の製造、処理 光ファイバ、光ファイバ心線
主要キーワード 予備加熱ステップ 同心領域 欠陥値 済みコア ピーク到達 ガルバニック反応 傾斜付き ゲル加工
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題・解決手段

光ファイバプリフォーム、及び上記プリフォームからドロー形成されたファイバを形成するための方法。本方法は:スートクラッドモノリスを形成するステップ固化済みコアケーン内部キャビティに挿入するステップ;及び得られたコアクラッド組立体を加工してプリフォームを形成するステップを含む。上記加工ステップは:コア‐クラッド組立体を乾燥剤及び/又はドーパント前駆体曝露するステップ;並びにコア‐クラッド組立体を、還元剤の存在下で焼結することによって、コアケーン上にスートクラッドモノリスを高密度化させ、プリフォームを形成するステップを含んでよい。上記プリフォームは、低いヒドロキシル含有量及び水素に対する低い感受性を特徴とする。上記プリフォームからドロー形成されたファイバは、1380nm付近中央値とする広帯域による吸収からの小さい減衰損失を示す。

概要

背景

光通信は、高伝送速度及び高帯域幅を提供するため、データ伝送に関してますます重要な分野となっている。光通信の成功は、データ伝送システムにおいて使用される光ファイバ品質に大きく依存する。光ファイバは、光データ信号を、高い忠実度及び低い減衰で伝送する必要がある。信号減衰に対する主な寄与因子は、散乱損失及び吸収である。散乱損失は、主にレイリー散乱から生じ、ファイバから周囲への光信号再配向による信号損失をもたらす。散乱損失は、光信号の波長、及び光ファイバを作製するために使用される材料の組成の両方に左右される。光ファイバの最も実用的な材料は、シリカドーパント有り及び無し)である。シリカにおけるレイリー散乱による最小損失は、約1300nm〜約1600nmの波長間隔において生じ、この波長間隔において動作する光信号源は、シリカベース光通信システムにおいて広く使用されている。

吸収損失は、光ファイバ材料の組成中の不純物による光信号の吸収によって引き起こされる。吸収損失を最小化するために、高純度材料が必要となる。シリカファイバの望ましい約1300nm〜約1600nmの波長間隔における最も大きな吸収は「水ピーク(water peak)」であり、これは1380nm付近を中心とし、約1350nmから約1425nmにまで及ぶ、広い吸収帯域である。1380nmの吸収は、シリカファイバ内又はシリカファイバ表面上に存在するOH基による吸収に由来する。OH基は、主にケイ素に結合してシラノール(Si‐OH)基を形成する。シリカファイバの吸収損失を最小化するためには、ファイバ中のシラノール基の濃度を最小化する必要がある。

光ファイバは、プリフォームからファイバをドロー形成することによって作製される。プリフォームは、ドーパントのレベル又はタイプが異なるシリカガラス一連同心領域を含む、固結シリカガラスである。ファイバプリフォーム中のドーパントの空間分布、濃度及び/又はタイプの制御は、屈折率が異なる複数の領域を生成する。屈折率の差は、プリフォームからドロー形成されたファイバにおいて明白であり、光ファイバの異なる複数の機能領域(例えば、コア対クラッド低屈折率窪み、調整された屈折率プロファイル)を規定する。光ファイバプリフォームを製造するための従来の方法は、シリカスートをシリカケーン(cane)上に堆積させることを必要とする。上記ケーンは完全に固結してファイバプリフォームの中心部分となり、最終的にプリフォームからドロー形成されるファイバのコアとして望ましい組成を有する。上記シリカスートは、単一の組成物の単一の層又は組成が異なる一連の複数の層として堆積させることができ、上記1つ又は複数の層の組成は、最終的にプリフォームからドロー形成される繊維のクラッド領域に所望の屈折率プロファイルを提供するよう設計される。

シリカスートは通常、SiCl4の火炎加水分解によって製造される。火炎加水分解反応の水副産物は、シリカスート中のOHの高い濃度、並びにケーンの表面及び表面付近領域におけるOH基の高い濃度をもたらす。OH基の濃度を低減するために、スート堆積後に脱水ステップを実施する。上記脱水ステップでは、スート及びケーンを、OHを除去するように作用する脱水剤(例えばCl2)に曝露する。堆積されたままの状態のスートの高い多孔率は、この脱水ステップにおけるスート層からのOHの除去を促進する。しかしながら、ケーンの高密度特性は、脱水剤によるケーンへの浸透阻害し、プリフォームのケーン部分に有意量のOHが残る場合がある。プリフォーム中のOHの存在は、プリフォームからドロー形成されたファイバ中に高濃度のOHをもたらし、またこれに対応して、1380nm又はその付近の光信号に関する高い減衰損失をもたらす。

火炎加水分解の水副産物に加えて、OHは、非架橋酸素水素との反応によってもファイバプリフォームに組み込むことができる。非架橋酸素は、配位的に不飽和であり、水素によって不動態化できる。この不動態化プロセスはシラノール基を形成し、OH基を供給して、これが吸収による信号減衰に寄与する。ファイバプリフォームは、高濃度の非架橋酸素基を含有する場合があり、プリフォーム及び上記プリフォームからドロー形成されたファイバは、シラノール基への非架橋酸素の水素誘発性変換により、水素に対する高い感受性を示す場合がある。

概要

光ファイバプリフォーム、及び上記プリフォームからドロー形成されたファイバを形成するための方法。本方法は:スートクラッドモノリスを形成するステップ固化済みコアケーンを内部キャビティに挿入するステップ;及び得られたコア‐クラッド組立体を加工してプリフォームを形成するステップを含む。上記加工ステップは:コア‐クラッド組立体を乾燥剤及び/又はドーパント前駆体に曝露するステップ;並びにコア‐クラッド組立体を、還元剤の存在下で焼結することによって、コアケーン上にスートクラッドモノリスを高密度化させ、プリフォームを形成するステップを含んでよい。上記プリフォームは、低いヒドロキシル含有量及び水素に対する低い感受性を特徴とする。上記プリフォームからドロー形成されたファイバは、1380nm付近を中央値とする広帯域による吸収からの小さい減衰損失を示す。

目的

上記シリカスートは、単一の組成物の単一の層又は組成が異なる一連の複数の層として堆積させることができ、上記1つ又は複数の層の組成は、最終的にプリフォームからドロー形成される繊維のクラッド領域に所望の屈折率プロファイルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光ファイバを製造する方法において、第1の多孔性ガラスクラッド層を含み、内部キャビティを有する多孔性スートクラッドモノリスを提供するステップ;前記内部キャビティにコアケーンを挿入して、コアクラッド組立体を形成するステップであって、前記コア‐クラッド組立体は、前記コアケーンと前記スートクラッドモノリスとの間にチャネルを含む、ステップ;前記コア‐クラッド組立体を第1の温度の第1のガス雰囲気曝露するステップであって、前記第1のガス雰囲気は塩素源材料を含み、前記塩素源材料は、前記第1の多孔性ガラスクラッド層をドープするための塩素を提供する、ステップ;前記コア‐クラッド組立体を第2の温度の第2のガス雰囲気に曝露するステップであって、前記第2のガス雰囲気は還元剤を含む、ステップ;及び前記コア‐クラッド組立体を、第3の温度の前記第2のガス雰囲気の存在下で加熱するステップであって、前記加熱するステップは、前記第1の多孔性ガラスクラッド層の焼結を引き起こし、前記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層は、重量割合で少なくとも500ppmの塩素ドーパント濃度を有する、ステップを含む、方法。

請求項2

前記第1の温度は少なくとも800℃であり、前記第2の温度は、前記第1の温度以上であり、前記第3の温度は、前記第2の温度以上である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記塩素源材料は、Cl2、SiCl4及び/又はCCl4であり、前記還元剤は、CO、CH3Cl、CH2Cl2又はCHCl3である、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

シリカを含み、また内部キャビティを含むスートクラッドモノリスを提供するステップ;前記内部キャビティにコアケーンを挿入して、コア‐クラッド組立体を形成するステップであって、前記コアケーンはシリカを含み、前記コア‐クラッド組立体は、前記コアケーン及び前記スートクラッドモノリスを含む、ステップ;並びに前記コア‐クラッド組立体を、還元剤の存在下で加熱するステップを含む、光ファイバを製造するための方法。

請求項5

前記スートクラッドモノリスを提供する前記ステップは、前記スートクラッドモノリスを形成するステップを含み、前記スートクラッドモノリスを形成する前記ステップは、スート前駆体を反応させるステップを含む、請求項4に記載の方法。

請求項6

前記スートクラッドモノリスを形成する前記ステップは、前記スート前駆体の前記反応から形成された第1のスートの層を、基材上に堆積させるステップを含む、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記スートクラッドモノリスを形成する前記ステップは、前記内部キャビティを形成するステップを更に含み、前記内部キャビティを形成する前記ステップは、前記第1のスートの層から前記基材を分離するステップを含む、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記還元剤はCOを含む、請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

前記コア‐クラッド組立体を加熱する前記ステップは、前記コア‐クラッド組立体を、連続的に流れるガスに曝露するステップを含み、前記連続的に流れるガスは、還元剤を含む、請求項4〜8のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法によって形成される、光ファイバ。

優先権

0001

本出願は、米国特許法第119条の下で、2014年7月9日出願の米国仮特許出願第62/022311号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は信頼できるものであり、その全体が参照により本出願に援用される。

技術分野

0002

本開示は、クラッド中に高濃度塩素及び低濃度非架橋酸素を有する光ファイバ、並びに上記ファイバを作製するための方法を対象とする。上記方法は、多孔性塩素ドープクラッド層を有するプリフォームを、還元剤の存在下で焼結するステップを含む。

背景技術

0003

光通信は、高伝送速度及び高帯域幅を提供するため、データ伝送に関してますます重要な分野となっている。光通信の成功は、データ伝送システムにおいて使用される光ファイバの品質に大きく依存する。光ファイバは、光データ信号を、高い忠実度及び低い減衰で伝送する必要がある。信号減衰に対する主な寄与因子は、散乱損失及び吸収である。散乱損失は、主にレイリー散乱から生じ、ファイバから周囲への光信号再配向による信号損失をもたらす。散乱損失は、光信号の波長、及び光ファイバを作製するために使用される材料の組成の両方に左右される。光ファイバの最も実用的な材料は、シリカドーパント有り及び無し)である。シリカにおけるレイリー散乱による最小損失は、約1300nm〜約1600nmの波長間隔において生じ、この波長間隔において動作する光信号源は、シリカベース光通信システムにおいて広く使用されている。

0004

吸収損失は、光ファイバ材料の組成中の不純物による光信号の吸収によって引き起こされる。吸収損失を最小化するために、高純度材料が必要となる。シリカファイバの望ましい約1300nm〜約1600nmの波長間隔における最も大きな吸収は「水ピーク(water peak)」であり、これは1380nm付近を中心とし、約1350nmから約1425nmにまで及ぶ、広い吸収帯域である。1380nmの吸収は、シリカファイバ内又はシリカファイバ表面上に存在するOH基による吸収に由来する。OH基は、主にケイ素に結合してシラノール(Si‐OH)基を形成する。シリカファイバの吸収損失を最小化するためには、ファイバ中のシラノール基の濃度を最小化する必要がある。

0005

光ファイバは、プリフォームからファイバをドロー形成することによって作製される。プリフォームは、ドーパントのレベル又はタイプが異なるシリカガラス一連同心領域を含む、固結シリカガラスである。ファイバプリフォーム中のドーパントの空間分布、濃度及び/又はタイプの制御は、屈折率が異なる複数の領域を生成する。屈折率の差は、プリフォームからドロー形成されたファイバにおいて明白であり、光ファイバの異なる複数の機能領域(例えば、コア対クラッド、低屈折率窪み、調整された屈折率プロファイル)を規定する。光ファイバプリフォームを製造するための従来の方法は、シリカスートをシリカケーン(cane)上に堆積させることを必要とする。上記ケーンは完全に固結してファイバプリフォームの中心部分となり、最終的にプリフォームからドロー形成されるファイバのコアとして望ましい組成を有する。上記シリカスートは、単一の組成物の単一の層又は組成が異なる一連の複数の層として堆積させることができ、上記1つ又は複数の層の組成は、最終的にプリフォームからドロー形成される繊維のクラッド領域に所望の屈折率プロファイルを提供するよう設計される。

0006

シリカスートは通常、SiCl4の火炎加水分解によって製造される。火炎加水分解反応の水副産物は、シリカスート中のOHの高い濃度、並びにケーンの表面及び表面付近領域におけるOH基の高い濃度をもたらす。OH基の濃度を低減するために、スート堆積後に脱水ステップを実施する。上記脱水ステップでは、スート及びケーンを、OHを除去するように作用する脱水剤(例えばCl2)に曝露する。堆積されたままの状態のスートの高い多孔率は、この脱水ステップにおけるスート層からのOHの除去を促進する。しかしながら、ケーンの高密度特性は、脱水剤によるケーンへの浸透阻害し、プリフォームのケーン部分に有意量のOHが残る場合がある。プリフォーム中のOHの存在は、プリフォームからドロー形成されたファイバ中に高濃度のOHをもたらし、またこれに対応して、1380nm又はその付近の光信号に関する高い減衰損失をもたらす。

0007

火炎加水分解の水副産物に加えて、OHは、非架橋酸素と水素との反応によってもファイバプリフォームに組み込むことができる。非架橋酸素は、配位的に不飽和であり、水素によって不動態化できる。この不動態化プロセスはシラノール基を形成し、OH基を供給して、これが吸収による信号減衰に寄与する。ファイバプリフォームは、高濃度の非架橋酸素基を含有する場合があり、プリフォーム及び上記プリフォームからドロー形成されたファイバは、シラノール基への非架橋酸素の水素誘発性変換により、水素に対する高い感受性を示す場合がある。

発明が解決しようとする課題

0008

OH濃度が低減され、また水素に対する感受性が低減されたファイバプリフォームに対する需要が存在する。このようなプリフォームからドロー形成されたファイバは、1380nm付近における減衰損失が低いことが予想される。

課題を解決するための手段

0009

本開示は、水素感受性が低減された光ファイバの製造を対象とする。本開示によると、ファイバプリフォームを、固化の前に還元剤で処理する。上記還元剤処理は、プリフォームが固化する前にプリフォーム中に存在する非架橋酸素欠陥中心の数を低減する。固化、及びそれに続く上記固化済みプリフォームの光ファイバへのドロー形成の後、上記光ファイバを重水素で処理することによって、ファイバ中の非架橋酸素欠陥中心を更に削減する、又は実質的に排除することができ、これにより、上記光ファイバの水素感受性が低減される、又は排除される。光ファイバプリフォームの最終的な固化の前に還元剤を使用すると、プリフォームからドロー形成されたファイバ中の非架橋酸素欠陥中心の大幅な削減がもたらされるだけでなく、ファイバの重水素処理に必要な時間が削減される。結果として製造アウトプットが増大し、製造コストが低下する。

0010

一実施形態では、本開示は:コアケーンとは独立したスートクラッドモノリスを形成するステップ;コアケーンとスートクラッドモノリスとを組み合わせて、コア‐クラッド組立体を形成するステップ;及び上記コア‐クラッド組立体を加工してプリフォームを形成するステップを含む方法によって形成された、光ファイバプリフォームを対象とする。本方法はまた、上記プリフォームからファイバをドロー形成するステップも含んでよい。

0011

コアケーンは、固化済みガラスであってよく、シリカ又はドープシリカガラスを含んでよい。スートクラッドモノリスは、シリカスート又はドープシリカスートの1つ又は複数の層を基材上に堆積させ、上記基材を除去して、スートクラッドモノリスを提供することによって形成してよい。スートクラッドモノリスをコアケーンと組み合わせて、コア‐クラッド組立体を形成でき、上記コア‐クラッド組立体を加工して、ファイバプリフォームを形成できる。

0012

上記基材はベイトロッド(bait rod)であってよく、上記基材又はベイトロッドの除去により、内部キャビティを有するスートクラッドモノリスが提供される。上記コアケーンを上記内部キャビティに挿入することにより、コア‐クラッド組立体を形成でき、上記コア‐クラッド組立体を加工して、プリフォームを形成できる。上記スートクラッドモノリスは、上記コアケーンを、コア‐クラッド組立体内で取り囲んでよい。コアケーンの外部境界と、その周りのスートクラッドモノリスの内部キャビティの内側境界との間に、間隙が存在してよい。内部キャビティは、スートクラッドモノリスを通って延在してよい。スートクラッドモノリスは環状であってよく、中心軸の周りに位置決めされた内部キャビティを含んでよい。

0013

ファイバプリフォームを作製する上記方法は、上記スートクラッドモノリスの脱水を含んでよい。上記脱水は、コアケーンをスートクラッドモノリスに組み込んでコア‐クラッド組立体を形成する前及び/又は後に行ってよい。脱水は、スートクラッドモノリス及び/又はコア‐クラッド組立体を乾燥剤に曝露するステップを含んでよい。上記乾燥剤は、Cl2、CO、SiCl4又はSOCl2であってよい。脱水は、600℃〜1250℃の温度まで加熱するステップを含んでよい。上記乾燥剤は、スートクラッドモノリスの孔又はコアケーンとスートクラッドモノリスとの間の空間に入ってよい。上記乾燥剤は、脱水が完了するとすぐに、スートクラッドモノリス及び/又はコア‐クラッド組立体を取り囲む環境から除去してよい。

0014

ファイバプリフォームを作製する上記方法は、スートクラッドモノリスをドープするステップを含んでよい。上記ドープステップは、コアケーンをスートクラッドモノリスに組み込んでコア‐クラッド組立体を形成する前及び/又は後に行ってよい。上記ドープステップは、スートクラッドモノリス及び/又はコア‐クラッド組立体をドープ前駆体に曝露するステップを含んでよい。上記ドープ前駆体は、Cl2又は塩素含有ガスであってよい。上記ドープ前駆体は、スートクラッドモノリスの孔又はコアケーンとスートクラッドモノリスとの間の空間に入ってよい。上記ドープ前駆体は、ドープステップが完了するとすぐに、スートクラッドモノリス及び/又はコア‐クラッド組立体を取り囲む環境から除去してよい。

0015

ファイバプリフォームを作製する上記方法は、コア‐クラッド組立体を還元剤に曝露するステップを含んでよい。例示的な還元剤としては、CO、CHCl3、CH2Cl2及びCH3Clが挙げられる。還元剤へのコア‐クラッド組立体の曝露は、脱水後に行ってよい。還元剤へのコア‐クラッド組立体の曝露は、乾燥剤の不在下で行ってよい。還元剤へのコア‐クラッド組立体の曝露は、塩素ガス及び塩素含有ガス等のドープ前駆体の不在下で行ってよい。還元剤へのコア‐クラッド組立体の曝露は、コア‐クラッド組立体の焼結の前及び/又は焼結中に行ってよい。コア‐クラッド組立体は、還元剤への曝露中に加熱してよい。還元剤へのコア‐クラッド組立体の曝露の温度は、少なくとも900℃であってよい。還元剤への曝露中のコア‐クラッド組立体の温度は、コア‐クラッド組立体の焼結を開始するために十分なものであってよい。

0016

ファイバプリフォームを作製する上記方法は、コア‐クラッド組立体を焼結するステップを含んでよい。上記焼結ステップは、脱水後又ドープ後又はコア‐クラッド組立体を還元剤で処理した後に行ってよい。上記焼結ステップは、コア‐クラッド組立体を還元剤で処理するのと同時であってよい。上記焼結ステップは、スートクラッドモノリスを固化させ、スートクラッドモノリスをコアケーンと融合させて、固化済みファイバプリフォームを形成できる。上記焼結ステップは、1250℃超の温度で行ってよい。

0017

一態様では、本開示は:コア‐クラッド組立体を提供するステップであって、上記コア‐クラッド組立体は、少なくとも1つの多孔性ガラスクラッド層を有する、独立して製作されたスートクラッドモノリスの内部キャビティに挿入された、固化済みガラスコアケーンを含む、ステップ;ガスを内包する炉内にプリフォームを配置するステップ;塩素源材料と、任意のキャリアガス、例えば空気、窒素アルゴン又はヘリウムとを用いて、上記多孔性クラッド層を塩素ドープするステップ;及びガス還元剤の存在下で上記少なくとも1つの多孔性クラッド層を焼結して、焼結済みクラッド層を上記固化済みガラスコアケーン上に形成するステップであって、上記少なくとも1つの焼結済みクラッド層は、重量割合で500ppm超塩素濃度を有する、ステップを含む方法によって形成された光ファイバを対象とする。上記ガス還元剤は、上記固化済みプリフォームの焼結済みの少なくとも1つのクラッド層中の富酸素欠陥の濃度を低減するよう作用し、完全に焼結(固化)して光ファイバプリフォーム又はブランクを形成した後、焼結済みプリフォームから光ファイバをドロー形成する。還元剤の存在下でプリフォームを固化することによる、プリフォームの富酸素欠陥の削減は、ペルオキシ(≡Si‐O‐O‐Si≡)、及び結合分割又は他の修飾を受けて非架橋酸素欠陥(例えば≡Si‐O及び≡Si‐O●)を形成しやすい他の富酸素欠陥の削減を含む。還元剤の存在下で固化されたプリフォームからドロー形成されたファイバもまた、富酸素欠陥の濃度が低減されている。上記還元剤は、CH3Cl、CH2Cl2、CHCl3及びCOからなる群から選択される。ある実施形態では、上記還元剤は一酸化炭素(CO)である。ある実施形態では、上記ガス還元剤はキャリアガスと共に供給される。ある実施形態では、上記キャリアガスは不活性ガスである。ある実施形態では、上記不活性ガスはヘリウムである。ある実施形態では、上記塩素源材料は、Cl2及びSiCl4からなる群から選択される。

0018

ある実施形態では、本開示は、コア及びクラッドを有する光ファイバを製造するための方法を対象とし、上記光ファイバは、上記クラッド中の富酸素欠陥の削減により、水素感受性が低減されている。一実施形態では、本方法は、還元剤処理済みの、固化済み光ファイバプリフォームを形成するステップを含み、上記プリフォームは、コア部分及びクラッド部分を備え、また本方法は:コアスートプリフォームを提供し、上記コアスートプリフォームを固化して上記コア部分を形成するステップ;上記コア部分と独立したスートクラッドモノリスを形成するステップであって、上記スートクラッドモノリスは、少なくとも1つのシリカ含有クラッドスート層及び内部キャビティを内包する、ステップ;上記スートクラッドモノリスの上記内部キャビティに、上記コア部分を挿入して、コア‐クラッド組立体を形成するステップ;並びに上記少なくとも1つのシリカ含有クラッドスート層を固化して、上記コア部分を覆うように上記クラッド部分を形成するステップであって、上記クラッドスートは、上記クラッドスートの固化中及び/又は前に還元剤で処理することによって、上記クラッド中の富酸素又は非架橋酸素欠陥中心が削減される、ステップを含む。上記還元剤処理済みの、固化済み光ファイバプリフォームから、光ファイバをドロー形成してよい。続いて上記光ファイバを重水素で処理してよい。固化中に上記クラッドスートを上記還元剤で処理するステップにより、固化中に還元剤で処理されなかったプリフォームから形成されたファイバに対して、所望の水素感受性特性を達成するために上記光ファイバを重水素で処理するために必要な時間が削減される。上記還元剤は、CH3Cl、CH2Cl2、CHCl3及びCOからなる群から選択される。ある実施形態では、上記還元剤は一酸化炭素(CO)である。

0019

更なる実施形態では、本開示は、コア部分及びクラッド部分を含む、還元剤処理済みの、固化済み光ファイバプリフォームを形成することによって、光ファイバを製造するための方法を提供し、本方法は:コアスートを固化して、上記プリフォームの上記コア部分を形成するステップ;上記固化済みコアを取り囲むシリカ含有クラッドスートモノリスを固化して、上記コア部分を覆うように上記クラッド部分を形成するステップ;並びに上記クラッドスートの上記固化前及び/又は固化中に上記クラッドスートを還元剤で処理して、光ファイバをドロー形成するために好適な固化済み光ファイバプリフォームを形成するステップを含む。続いて、上記還元剤処理済みの、固化済みプリフォームから、光ファイバをドロー形成してよい。その後上記ドロー形成済み光ファイバを重水素で処理してよい。上記クラッドスートを上記還元剤で処理するステップにより、固化中に還元剤で処理されなかったプリフォームから形成されたファイバに対して、所望の水素感受性特性を達成するために上記光ファイバを重水素で処理するために必要な時間が削減される。上記コアスートは、上記コアスートの固化前及び/又は固化中に還元剤で処理されない。上記還元剤は、CH3Cl、CH2Cl2、CHCl3及びCOからなる群から選択される。ある実施形態では、上記還元剤は一酸化炭素(CO)である。

0020

更なる実施形態では:光ファイバプリフォームを形成するための基材を提供するステップ;上記基材(例えばベイトロッド)上にコアスートを堆積させることによって、コアスートプリフォームを形成するステップ;上記基材を除去するステップ;上記コアスート中の富酸素又は非架橋酸素欠陥中心を削減するために、固化前及び/又は固化中に還元剤を用いて上記コアスートプリフォームを処理することを伴う、上記コアスートプリフォームを固化するステップ;少なくとも1つのクラッドスート層を有する、独立して形成されたスートクラッドモノリスの内部キャビティに、上記固化済みコアを挿入するステップ;並びに上記固化前及び/又は固化中に上記少なくとも1つのクラッドスート層を還元剤で処理することによって、上記クラッドスート中の富酸素又は非架橋酸素欠陥中心を削減するステップを含む方法によって形成された、光ファイバが提供される。

0021

本開示は:
多孔性スートクラッドモノリスを提供するステップであって、上記スートクラッドモノリスは、第1の多孔性ガラスクラッド層を含み、内部キャビティを有する、ステップ;
上記内部キャビティにコアケーンを挿入して、コア‐クラッド組立体を形成するステップであって、上記コア‐クラッド組立体は、上記コアケーンと上記スートクラッドモノリスとの間にチャネルを含む、ステップ;
上記コア‐クラッド組立体を第1の温度の第1のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第1のガス雰囲気は塩素源材料を含み、上記塩素源材料は、上記第1の多孔性ガラスクラッド層をドープするための塩素を提供する、ステップ;
上記コア‐クラッド組立体を第2の温度の第2のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第2のガス雰囲気は還元剤を含む、ステップ;及び
上記コア‐クラッド組立体を、第3の温度の上記第2のガス雰囲気の存在下で加熱するステップであって、上記加熱するステップは、上記第1の多孔性ガラスクラッド層の焼結を引き起こし、上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層は、重量割合で少なくとも500ppmの塩素ドーパント濃度を有する、ステップ
を含む、光ファイバを製造する方法にまで及ぶ。

0022

本開示は:
スートクラッドモノリスを提供するステップであって、上記スートクラッドモノリスは内部キャビティを含む、ステップ;
上記内部キャビティにコアケーンを挿入して、コア‐クラッド組立体を形成するステップであって、上記コア‐クラッド組立体は、上記コアケーン及び上記スートクラッドモノリスを含む、ステップ;並びに
上記コア‐クラッド組立体を、還元剤の存在下で加熱するステップ
を含む、光ファイバプリフォームを形成するための方法にまで及ぶ。

0023

業者が以下の好ましい実施形態の図面及び詳細な説明を読めば、本開示の更なる特徴、利点及び詳細が理解されるだろう。このような説明は、本発明の単なる例示である。

0024

以上の概説及び以下の詳細な説明は単なる例示であり、請求項の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。

0025

添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれているものであり、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本記載の選択された態様を例示するものであり、本明細書と合わせて、本記載が包含する方法の原理及び操作、製品並びに組成物を説明する役割を果たす。図面中に示されている特徴は、本説明の選択された実施形態を例示するものであり、必ずしも適切な縮尺で図示されていない。

図面の簡単な説明

0026

水素エージング試験中の、処理されていない標準的なシングルモード光ファイバの典型的な応答
曲げ損失光ファイバを作製するためのアップドープ(up‐doped)オーバクラッドプロファイルを示す図
低曲げ損失光ファイバを作製するためのトレンチを有するアップドープオーバークラッドプロファイルを示す図
図2Aに示す光ファイバの例示的な相対屈折率プロファイルであり、ここでコアはr0からr1まで延在し、屈折率Δ1を有し、内側クラッドはr1からr2まで延在し、屈折率Δ2を有し、オーバクラッドはr2からr3まで延在し、屈折率Δ3を有する
図2Bに示す光ファイバの例示的な相対屈折率プロファイルであり、ここでコアはr0からr1まで延在し、屈折率Δ1を有し、内側クラッドはr1からr2まで延在し、屈折率Δ2を有し、低屈折率材料のトレンチはr2からr4まで延在し、屈折率Δ4を有し、オーバクラッドはr4からr3まで延在し、屈折率Δ3を有する
本明細書において議論される「周縁凹部容積(moat volume)200」を示す、段階的屈折率光ファイバの図
水素、N2中の1体積%H2に曝露された光ファイバ;He中に異なる複数の濃度のCl2を含有するHe/Cl2雰囲気(「●」)中で固化されたガラス試料;及びTTPのHe/Cl2決定において使用される最高のCl2濃度を含有するHe/Cl2+CO(「▲」)雰囲気中で固化されたガラス試料に関する、1383nmにおけるピーク到達時間(Time‐to‐Peak:TTP)に対する影響を示すグラフ
コアスートプリフォームを形成するステップから、ドロー形成された光ファイバの重水素処理までの、本開示による光ファイバを製造するための手順を示すフローチャート
本発明の実施形態による方法を用いて形成されたコアスートプリフォームの正面図
ベイトロッド上へのスート層の堆積
図8に示すスート層上への第2のスート層の堆積
図9に示すスート層上への第3のスート層の堆積
3層スートクラッドモノリスの内部キャビティに挿入された、固化済みコアケーンを含む、コア‐クラッド組立体の加工
図11に示すコア‐クラッド組立体から形成されたファイバプリフォーム
TTPが異なる複数のファイバに関する、コア‐クラッド半径比に対する、1380nmにおける信号減衰のモデル依存度
異なる脱水及び/又は焼結条件下で調製されたプリフォームからドロー形成された複数のファイバの水素エージング応答

0027

本明細書では、用語「(1つ又は複数の)光ファイバプリフォーム(optical fiber preform(s))」及び「(1つ又は複数の)光ファイバブランク(optical fiber blank(s))」は相互交換可能なものとして使用される。用語「スート(soot)」は、SiO2又はドープSiO2粒子を意味し;個々のスート粒子は一般に、直径0.01〜10マイクロメートルのサイズを有する。「スートプリフォーム(soot preform)」は、ある開気孔率を有する、複数のスート粒子からなる物品を意味する。用語「多孔性スート(porous soot)」及び「多孔性ガラス(porous glass)」は、本明細書では相互交換可能なものとして使用される。用語「スートクラッドモノリス(soot cladding monolith)」は、コアケーンとは独立して形成され、1つ又は複数の多孔性クラッド層を含むスートプリフォームを指す。スートクラッドモノリスは、内部キャビティを含んでよい。用語「コアケーン(core cane)」は、固化済みガラスを指し、シリカ又はドープシリカガラスで構成されてよい。用語「固化済みガラス(consolidated glass)」は、閉気孔状態ガラスを指す。いくつかの実施形態では、このガラスは空所を有しない。用語「スート‐ガラス変形(soot‐to‐glass transformation)」は、多孔性ガラス状態から閉気孔状態へ進むプロセスを指す。用語「焼結(sintering)」は、多孔性ガラス状態から閉気孔状態へ進むプロセスを指す。以下に更に十分に説明するように、スート‐ガラス変形プロセスは、脱水ステップ、ドープステップ、及び焼結ステップを含んでよい。いくつかの実施形態では、ガラスはこのスート‐ガラス変形プロセスにおいて、空所を有しないものとなる。用語「光ファイバプリフォーム(又は固化済みプリフォーム(consolidated preform)、焼結済みプリフォーム(sintered preform)又はブランク(blank))」は、そこから光ファイバをドロー形成できるガラス物品を指す。用語「ピーク到達時間(Time‐to‐Peak:TTP)」は、1383nmにおいて減衰の急峻な増大(>0.005dB/km)が観察される23℃及び1気圧の水素‐窒素ガス合物(1体積%H2及び99体積%N2)へのファイバの曝露後に経過した時間を指す。

0028

本明細書では、「アップドーパント(up‐dopant)」は、純粋なドープされていないSiO2ガラスに対して、シリカ(「SiO2」)ガラスの屈折率を上昇させるドーパントであり;即ちアップドーパントは、ガラス反射率の上昇を引き起こす。また本明細書では、「ダウンドーパント(down‐dopant)」は、純粋なドープされていないSiO2ガラスに対して、シリカガラスの屈折率を低下させるドーパントである。アップドーパントの非限定的な例は、Ge、Al、P、Ti、Cl及びBrである。ダウンドーパントの非限定的な例は、非周期的空所、フッ素及びホウ素である。プリフォーム及び/又はファイバ中のドーパント濃度は、本明細書では重量ベースで表される(例えば、重量割合でのppm、ppm(重量)、重量パーセント、重量%)。

0029

本明細書において使用される場合、「改善された曲げ性質を有する光ファイバ(optical fiber having improved bend performance)」は、本開示の教示を用いて作製された光ファイバを意味する。本開示によるファイバは、本明細書において開示される方法及び処理に供されていない光ファイバに対して、湾曲させた又は曲げた場合に低い伝送損失を呈する。本明細書において開示される方法及び処理は、光ファイバプリフォームの焼結中の、ガス還元剤と塩素又は塩素含有ガスとの組み合わせの使用を対象とし、いずれの屈曲可能な光ファイバに適用できる。例えば本明細書において開示される方法及び処理を用いて、米国特許第8385701号明細書(701特許)に記載されている「低曲げ損失光ファイバ(Low Bend Loss Optical Fiber)」を更に改善できる。上記701特許は、オーバクラッド中にClを2000ppm超有する光ファイバ中で信号強度に対する塩素の負の影響を中和するための方法に関しては全く言及していない。本明細書に記載の光ファイバは、直径50〜300マイクロメートルとすることができる。ピーク到達時間水素エージングに関して測定される光ファイバの直径は、そうでないことが明記されていない限り125マイクロメートルである。

0030

本明細書において使用される場合、「還元剤(reducing agent)」は、ガラスの酸化状態還元するいずれのガスを指す。例えば還元剤は、ガラス中の富酸素欠陥中心の濃度を低減する。富酸素欠陥中心としては、非架橋酸素孔中心ペルオキシ結合及びペルオキシラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。

0031

本明細書において使用される場合、「脱水雰囲気(dehydration atmosphere)」又は「乾燥雰囲気(drying atmosphere)」は、「乾燥ガス(drying gas)」を含有するガス雰囲気を指し、また本明細書において使用される場合、「乾燥ガス」は、所望の、かつ好適な乾燥剤を含むガス又はガス混合物を指す。乾燥剤は、スートプリフォーム中の水及び/又はヒドロキシルイオンを除去することによって作用する、乾燥用化合物である。例示的な乾燥剤としては:CCl4、Cl2、Br2、SOCl2、CO及びSiCl4が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、限定するものではないが、「乾燥ガス」はHe、HeとN2との混合物、並びにCl2、CCl4、SiCl4及び/又は他の乾燥剤であってよい。いくつかの実施形態では、乾燥ガスは、Cl2及びSiCl4からなる群から選択される乾燥剤を含む。ガス相中の構成成分の濃度は、本明細書では体積ベースで表される(例えば、体積割合でのppm、ppm(体積)、体積パーセント、体積%)。

0032

本明細書において使用される場合、「固化(consolidation)」又は「スート‐ガラス固化(soot‐to‐glass consolidation)」は、乾燥、ドープ及び焼結等の様々なプロセスステップを実施するために、スートプリフォームを少なくとも約800℃の温度まで加熱するステップを指す。一実施形態では、固化は、800℃〜1550℃の温度にわたって行われる。1050℃未満の温度においてスートプリフォームを加熱する、固化のステージは、本明細書では固化の「予備加熱ステップ(pre‐heat step又はpre‐heating step)」と呼ばれる場合もある。予備加熱ステップは、800℃〜1050℃の範囲の温度で行ってよい。一実施形態では、乾燥及びドープは、固化の予備加熱ステップにおいて完了する。スートプリフォームを1050℃〜1300℃の温度まで加熱する、固化のステージは、本明細書では固化の「中間加熱ステップ(intermediate heat step又はintermediate heating step)」と呼ばれる場合もある。スートプリフォームを少なくとも1300℃の温度まで加熱する、固化のステージは、本明細書では固化の「焼結ステップ(sinter step又はsintering step)」と呼ばれる場合もある。焼結ステップは、1300℃〜1550℃の範囲の温度、又は1550℃超の温度において行ってよい。ガラスを形成するため(例えばガラス質シリカ若しくは溶融シリカ、又はドープドープされた溶融シリカを形成するため)の、スートの高密度化は、主に焼結ステップで行われることが予想される(ただし中間加熱ステップ及び/又は予備加熱ステップにおいて行ってもよい)。塩素ガス又は塩素含有ドーパント前駆体を用いて、プリフォームを塩素でドープするステップは、予備加熱ステップ、中間加熱ステップ及び焼結ステップのうちの1つ又は複数の間に行ってよい。また本明細書では、数字10は、混乱を避けるために、光ファイバの形成において使用される「コアガラスケーン」と「光ファイバのコア」との両方を表すために使用される。

0033

本明細書において使用される場合、「ベースライン減衰(baseline attenuation)」は、H2曝露前に光時間領域後方散乱測定法(Optical Time Domain Reflectometry:OTDR)によって測定された、1550nmにおけるファイバの減衰を意味する。

0034

本明細書において使用される場合、「クラッド(cladding)」は、光ファイバコアを取り囲み、かつ上記コアの外縁部から上記光ファイバの外縁部まで延在する、1つ又は複数のガラス層を指し、用語「オーバクラッド(overclad)」又は「外側クラッド(outer clad)」及び同様の用語は、光ファイバ上の最後のクラッド層(最外部の、最も径方向に離れたクラッド層)を指す。

0035

本開示について、添付の図面を参照して以下により十分に説明する。しかしながら本開示は他の多数の形態で具現化でき、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈してはならない。寧ろこれらの実施形態を提供することにより、本開示は徹底的かつ完全なものとなり、本発明の範囲を当業者に十分に伝達するものとなる。全体を通して同様の番号は同様の要素を指す。

0036

光ファイバは一般に、光の伝送のためのコアファイバと、コア内の伝送された光を保持して、距離による伝送損失を低減することを目的とする、1つ又は複数のクラッド層とからなる。例示的な段階的屈折率光ファイバを、図2Aに示す。光ファイバ11aは、コア10、内側クラッド12a及び外側クラッド12bを含む。図2Aの光ファイバ11aに関する相対屈折率プロファイルを図3Aに示す。コア10は、コア中心r0からコア外縁部r1まで径方向に延在し、屈折率Δ1を有する。内側クラッド12aは、コア外縁部r1から径方向距離r2まで径方向に延在し、屈折率Δ2を有する。外側クラッド12bは、r2から、r3にあるファイバの外縁部まで径方向に延在し、屈折率Δ3を有する。本明細書の記載から、本発明に従って代替的な好適な構成の光ファイバを形成できることが理解されるだろう。いくつかの実施形態では、内側クラッド領域外側クラッド領域との間に、12tで示されるトレンチ領域が存在する。トレンチ領域は、曲げ損失に対する光ファイバの感受性を低減する。このようなプロファイルの例を、光ファイバ11bとして図2Bに示し、この光ファイバ11bは、図3Bに示す相対屈折率プロファイルを有する。図3Bでは、コア10は、コア中心r0からコア外縁部r1まで径方向に延在し、屈折率Δ1を有する。内側クラッド12aは、コア外縁部r1から径方向距離r2まで径方向に延在し、屈折率Δ2を有する。トレンチ領域12tは、r2から、r4にある径方向距離まで径方向に延在し、屈折率Δ4を有する。外側クラッド12bは、r4から、r3にあるファイバの外縁部まで径方向に延在し、屈折率Δ3を有する。外側クラッド領域の屈折率Δ3は、塩素を用いた外側クラッド領域のアップドープの結果として、内側クラッド領域の屈折率Δ2より高い。トレンチ領域12tの屈折率Δ4は、上記領域をフッ素等のダウンドーパントでドープすることによって達成される。

0037

更に、アップドープオーバクラッドを有する光ファイバが、曲げ損失性能を改善するために使用されている。図2Aを参照すると、内側クラッド12aに対する外側クラッド12bのアップドープは、ファイバのカットオフを低下させることにより、収容できる周縁凹部容積量を増大させることができ、ファイバは、1260nmの22メートル(「22m」)「ケーブルカットオフ(cabled cutoff)」要件を満たすことができる。

0038

周縁凹部容積は、外側クラッド又はオーバクラッドの屈折率がアップドープされている場合は常に内側クラッドによって構成される、屈折率井戸の、径方向に重み付けされた容積である。図4は、周縁凹部容積を示す、段階的屈折率光ファイバの図である。周縁凹部容積は、参照番号200で示される斜線付きセクションとして図示される。図4の図は、例示のために約15μmの径方向部分に限定されている。当業者であれば理解できるように、ファイバの実際の半径は更に(例えば62.5μmまで)延在する。

0039

「2mファイバカットオフ(2m fiber cutoff)」又は「測定されたカットオフ(measured cutoff)」としても知られる「ファイバカットオフ波長(fiber cut off wavelength)」を得るために、ファイバのカットオフを、標準的な2メートル(「2m」)ファイバカットオフ試験、FOTP‐80(EIA‐TIA‐455‐80)によって測定する。ケーブルカットオフ(22メートル)要件は、EIA‐TIA光ファイバ規格(Fiber Optics Standards)、即ちより一般にはFOTPとして知られる米国電子機械工業会‐米国電気通信産業協会光ファイバ規格(Electronic Industries Alliance‐Telecommunication Industry Association Fiber Optics Standards)」、の一部であるEIA‐445光ファイバ試験手順(Fiber Optic Test Procedures)」を用いて測定される。

0040

図2A及び3Aを参照すると、内側クラッド12aに対する外側クラッド12bのアップドープは、外側クラッド12bを塩素でドープすることによって達成され、ここで外側クラッド12b中の塩素の濃度は、2000ppm超である。いくつかの実施形態では、図2B及び3Bに示すように、内側クラッド層外側クラッド層との間にトレンチ領域12tが存在してよい。

0041

オーバクラッドのアップドープによって曲げ損失性能が改善されるものの、塩素でのアップドープにより、ガラスはより酸化され、ファイバのオーバクラッド領域における富酸素欠陥の形成が促進される。富酸素欠陥は、光信号を減衰させることによってファイバの性能に負の影響を及ぼし得るため、望ましくない。本出願は、塩素によるオーバクラッド層のアップドープに関連する酸化効果無効化又は中和するための、スート‐ガラス焼結ステップ中の還元剤の使用を開示する。ガス還元剤は、CH3Cl、CH2Cl2、CHCl3及びCOからなる群から選択される。本開示のある実施形態では、上記還元剤は一酸化炭素(CO)である。

0042

本開示は、中央のコアファイバを覆うように存在する1つ又は複数のクラッド層を有する光ファイバに適用できる。ファイバ又は上記ファイバを作製するために使用されるプリフォーム中に2つ以上のクラッド層が存在する場合、コアから最も遠いクラッド層を、外側クラッド層、外側クラッド、オーバクラッド又はオーバクラッド層と呼ぶことができる。オーバクラッド層とコアとの間のいずれの1つ又は複数のクラッド層を、(1つ又は複数の)内側クラッド又は内側クラッド層と呼ぶ。

0043

いくつかの実施形態では、コアスートプリフォームは、シリカ隣接内側クラッドによって取り囲まれたドープシリカコアを備える。コアプリフォーム(及び上記コアプリフォームから形成される、対応するコアケーン)は、コア/内側クラッド比、即ちコアの外径対内側クラッドの外径(本明細書では、コアケーン及びコアケーンからドロー形成された同一部分のコア/クラッド比若しくはCCR、又はコア/縁部比と呼ばれる)を有するものとして記載される。例えば、コアケーンがコア/クラッド比1を有することは、コアケーンが外径までドープシリカであることと同義であり、コアケーンがコア/クラッド比0.5を有することは、コアケーンがコアケーンの外径の50パーセントまでドープシリカであり、残りが非ドープシリカであることと同義である。

0044

本開示は、光ファイバプリフォーム及び上記プリフォームから形成される光ファイバの形成を対象とする。プリフォームは、コアケーンと、上記コアケーンを取り囲む1つ又は複数のクラッド層とを含む。プリフォームは、コア‐クラッド組立体を加工することによって形成される。本明細書において使用される場合、「コア‐クラッド組立体(core‐cladding assembly)」、「コア‐クラッドプリフォーム(core‐cladding preform)」又は「コア‐クラッド光ファイバプリフォーム(core‐cladding optical fiber preform)」は、1つ又は複数のクラッド層を有するコアケーンを指す。加工は、コア‐クラッド組立体の脱水、ドープ及び/又は焼結を含んでよい。コア‐クラッド組立体は、コアケーン及びスートクラッドモノリスを含み、ここで上記スートクラッドモノリスは、上記コアケーンとは独立して形成され、1つ又は複数の多孔性クラッド層を含む。スートクラッドモノリスは、内部キャビティを含んでよく、コア‐クラッド組立体は、コアケーンを上記内部キャビティに挿入することによって形成してよい。焼結は、コア‐クラッド組立体の多孔性クラッド層を固化して高密度化されたクラッド層を達成し、上記高密度化されたクラッド層はコアケーンに融合して、光ファイバプリフォームを形成する。

0045

本方法によって形成されるファイバプリフォームは、屈折率が異なる2つ以上の領域を含む。コアケーン及びスートクラッドモノリスはそれぞれ1つ又は複数の層からなってよく、これら異なる複数の層は屈折率が異なる。プリフォームからドロー形成されたファイバは、コアと、プリフォーム中の異なる複数の領域によって制御された又は上記異なる複数の領域に対応する屈折率を有する複数のクラッド領域とを有することになる。

0046

本開示による方法及び装置を使用して、改善された水素感受性又はエージング特性を有する光ファイバを製造できる。本開示は、光ファイバを重水素で処理して、非架橋酸素欠陥中心を削減又は排除することにより、光ファイバの水素感受性を低減するステップを含む。本開示は、コア‐クラッド組立体のクラッドスートをガス還元剤(例えばCO)で処理することにより、上記コア‐クラッド組立体から形成されたプリフォームからドロー形成されたファイバ中の非架橋酸素欠陥中心の濃度の所望の低減を達成するために必要な重水素処理時間を削減するステップを含む。従って、本開示の方法は、光ファイバの特性並びに/又は光ファイバの製造の速度及び/若しくは効率の改善を提供する。

0047

一実施形態では、コア‐クラッド組立体のクラッドスートの塩素ドープは、1050℃〜1300℃の範囲の温度でのスート‐ガラス固化プロセスの中間加熱ステップにおいて、塩素ドーパント前駆体を用いて実施される。続いて、スート‐ガラス固化プロセスの、1300℃〜1550℃の範囲の温度で行われる焼結ステップ中には、塩素ドーパント前駆体は使用されず、代わりに加工環境に還元剤を導入する。即ち焼結ステップでは、塩素ドーピング源を切断して、還元剤、又は還元剤を含むガスを導入する。残留塩素ドーパント前駆体は、焼結ステップの前又は焼結ステップ中に除去することもできる。

0048

別の実施形態では、本開示は、コア‐クラッド組立体のクラッドスートを、塩素含有ガスとガス還元剤との混合物で処理して、所望のレベルの非架橋酸素欠陥中心削減を達成するために必要な重水素処理時間を削減するステップを対象とする。上記ガス還元剤は、CH3Cl、CH2Cl2、CHCl3及びCOからなる群から選択される。

0049

一態様では、本開示は、コア‐クラッド組立体の焼結ステップ中に、Cl2とCOとの混合物を用いて、コア、オーバクラッド層及び上記コアと上記オーバクラッド層との間の少なくとも1つの内側クラッド層を有する光ファイバプリフォームを形成する方法を対象とする。本方法のある実施形態では、焼結環境のガス相のCOの濃度レベルは、1000ppm(重量)超である。別の実施形態では、焼結環境のガス相のCOの濃度レベルは、3000ppm(重量)超である。更なる実施形態では、焼結環境のガス相のCOの濃度レベルは、5000ppm(重量)超である。

0050

いくつかの実施形態では、ガラスクラッド中のClのppm(重量)に対する焼結ガス中のCOのppm(重量)の比は、0.5超である。いくつかの実施形態では、ガラスクラッド中のClのppm(重量)に対する焼結ガス中のCOのppm(重量)の比は、1超である。他の実施形態では、ガラスクラッド中のClのppm(重量)に対する焼結ガス中のCOのppm(重量)の比は、2超である。

0051

一態様では、本開示は、光ファイバの曲げ損失性能を改善するための方法を対象とし、上記方法は:光ファイバプリフォームを作製するためのコア‐クラッド組立体を提供するステップであって、上記コア‐クラッド組立体は、固化済みガラスコアケーンと、少なくとも1つの多孔性ガラスクラッド層とを含む、ステップ;塩素源材料を含有するキャリアガスを用いて、上記少なくとも1つの多孔性クラッド層を焼結及び塩素アップドープすることによって、焼結済み光ファイバブランクを形成するステップであって、上記ブランクは、上記少なくとも1つのクラッド層の外側クラッド中において、重量割合で2000ppm超の塩素濃度を有する、ステップを含む。ある実施形態では、塩素源材料を含有するキャリアガスを用いて焼結する上記ステップは、上記少なくとも1つの塩素ドープ層中の富酸素欠陥を増大させ、上記塩素含有キャリアガスは更に、上記少なくとも1つのクラッド層中の富酸素欠陥を削減するための、ガス還元剤を含有する。ある実施形態では、クラッド中の富酸素欠陥は、キャリアガスと、CH4、CH3Cl、CH2Cl2、CHCl3及びCOからなる群から選択されるガス還元剤とを含むガス混合物を用いて、塩素アップドープの後、焼結ステップ中に削減される。別の実施形態では、上記ガス還元剤はCOであり、上記キャリアガスはヘリウムである。更なる実施形態では、塩素ドーパント源材料は、1050℃〜1300℃の範囲の温度におけるスート‐ガラス固化プロセスの予備加熱ステップ中にのみ使用され、上記還元剤は、1300℃以上、例えば1300℃〜1500℃の範囲の温度における上記スート‐ガラス固化プロセスの焼結ステップ中に使用される。更に別の実施形態では、塩素ドーパントと還元剤との混合物は、1050℃〜1300℃の範囲の温度における上記予備加熱ステップにおいてのみ使用され、1300℃〜1550℃の範囲の温度における上記焼結ステップでは、塩素ドーパント又は還元剤は使用されない。クラッド層の数が2つ以上である場合、最後のクラッド層はオーバクラッド層又は外側クラッド層と呼ばれ、オーバクラッド層とコアとの間の1つ又は複数の層は内側クラッド層と呼ばれる。オーバクラッド層は、重量割合で2000ppm超の塩素濃度を有してよい。

0052

更に本開示のある実施形態によると、富酸素欠陥は:(i)ガス還元剤;及び(ii)ガス還元剤とガス塩素源との混合物からなる群から選択される構成成分を含有するキャリアガスを用いることにより、焼結後に更に削減され、ここで上記ガス還元剤は、CH3Cl、CH2Cl2、CHCl3及びCOからなる群から選択される。ある実施形態では、上記ガス還元剤はCOであり、ガス焼結環境中のCO濃度は1000ppm(重量)超である。別の実施形態では、ガス焼結環境中のCO濃度は3000ppm(重量)超である。更なる実施形態では、ガス焼結環境中のCO濃度は5000ppm(重量)超である。更に、ガラスクラッド中のppm(重量)Clに対する焼結ガス中のppm(重量)COの比は、0.5超である。ある実施形態では、ガラスクラッド中のppm(重量)Clに対する焼結ガス中のppm(重量)COの比は、1.0超である。別の実施形態では、ガラスクラッド中のppm(重量)Clに対する焼結ガス中のppm(重量)COの比は、2.0超である。更にある実施形態では、焼結ガス環境中の塩素前駆体に対するCOの体積比は、0.05超である。別の実施形態では、焼結ガス環境中の塩素前駆体に対するCOの体積比は、0.1超である。更なる実施形態では、焼結ガス環境中の塩素前駆体に対するCOの体積比は、0.2超である。

0053

別の実施形態では:多孔性スートクラッドモノリスを提供するステップであって、上記スートクラッドモノリスは、第1の多孔性ガラスクラッド層を含み、内部キャビティを有する、ステップ;上記モノリスを、第1の温度において第1のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第1のガス雰囲気は塩素源材料を含み、上記塩素源材料は、上記第1の多孔性ガラスクラッド層のドープのための塩素を供給する、ステップ;上記モノリスを、第2の温度において第2のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第2のガス雰囲気は還元剤を含む、ステップ;及び上記モノリスを、第3の温度において、上記第2のガス雰囲気の存在下で加熱するステップを含む、光ファイバを製造する方法が提案され、上記加熱ステップは上記第1の多孔性ガラスクラッド層の焼結を引き起こし、焼結済みの上記第1の多孔性ガラスクラッド層は、重量割合で少なくとも500ppmの塩素ドーパント濃度を有する。

0054

別の実施形態では:多孔性スートクラッドモノリスを提供するステップであって、上記スートクラッドモノリスは、第1の多孔性ガラスクラッド層を含み、内部キャビティを有する、ステップ;上記モノリスを、第1の温度において第1のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第1のガス雰囲気は塩素源材料を含み、上記塩素源材料は、上記第1の多孔性ガラスクラッド層のドープのための塩素を供給する、ステップ;上記モノリスを、第2の温度において第2のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第2のガス雰囲気は還元剤を含む、ステップ;及び上記モノリスを、第3の温度において、上記第2のガス雰囲気の存在下で加熱するステップを含む、光ファイバを製造する方法が提案され、上記加熱ステップは上記第1の多孔性ガラスクラッド層の焼結を引き起こし、焼結済みの上記第1の多孔性ガラスクラッド層は、重量割合で少なくとも500ppmの塩素ドーパント濃度を有する。続いて本方法は:コアケーンを上記内部キャビティに挿入して、コア‐クラッド組立体を形成するステップであって、上記コア‐クラッド組立体は、上記コアケーンと上記組立体との間にチャネルを含む、ステップ;任意に、塩素含有又はフッ素含有ガスを含むガスを、上記チャネルを通して流すステップ;及び上記チャネルを加熱して収縮させ、コア‐クラッド光ファイバプリフォームを製造するステップを含む。

0055

別の態様では、本開示は、以上の段落の様々な実施形態に従って作製された光ファイバを対象とし、上記光ファイバは、ガス還元剤を用いずに作製された光ファイバより少なくとも20%低い、ピーク到達時間(TTP)水素エージング値を有する。ある実施形態では、上記光ファイバは、ガス還元剤を用いずに作製された光ファイバより少なくとも40%低い、ピーク到達時間水素エージング値を有する。

0056

更に本開示は、曲げ性能が改善された光ファイバを対象とし、上記光ファイバは、コア及び少なくとも1つのクラッド層を備え、上記少なくとも1つのクラッド層は、上記少なくとも1つのクラッド層の最外層中に、重量割合で2000ppm超のClを含有し、上記光ファイバは、120時間未満のピーク到達時間水素エージング値を有する。ある実施形態では、上記光ファイバの上記少なくとも1つのクラッド層は、上記少なくとも1つのクラッド層の上記最外層中に、重量割合で2000ppm超のClを含有し、上記光ファイバは、80時間未満のピーク到達時間水素エージング値を有する。別の実施形態では、上記光ファイバの上記少なくとも1つのクラッド層は、上記少なくとも1つのクラッド層の上記最外層中に、重量割合で2000ppm超のClを含有し、上記光ファイバは、60時間未満のピーク到達時間水素エージング値を有する。

0057

光ファイバを、水素エージングに関して慣用の方法で試験する。この水素エージング試験において、ファイバは名目上、23℃で水素含有ガスに曝露される。本開示の目的のために、水素含有ガスの全圧は1.0気圧であり、水素含有ガスは分圧0.01気圧の水素(H2)ガスと、分圧0.99気圧の窒素(N2)ガスとを含む。水素エージング試験中、様々な波長の光をファイバに導入し、ルーズコイル初期減衰を基準として減衰の変化を監視する。遠距離通信用途について関心の対象となる波長は、1383nmである。本開示の水素エージング試験では、この波長を、減衰の絶対又は相対変化だけでなく、減衰の増大が起こる水素含有ガスへのファイバの曝露時間についても監視する。ファイバを水素含有ガスに曝露してから、1383nmでの増大が発生する時点までの経過時間を、本明細書では1383nm「ピーク到達時間」値と呼ぶ(本明細書ではこれをTTPと略す場合がある)。この測定が重要である点は、以下に記載するように、ある時間にわたって水素に曝露した場合に、ガラス中の反応性酸素中心が水素と反応して、遠距離通信波長の光を吸収する‐OH種を形成し、この吸収が約1383nmにおいて最大となることである。ファイバを水素ガスに長時間曝露することによる吸収性‐OH種の形成は、本明細書において水素エージングと呼ばれるプロセスである。伝送信号強度の低減を招くこのようなエージング及び吸収を防止するため、光ファイバを重水素で処理して、ファイバ内に存在する反応性酸素中心から‐OD種を形成する。‐OHとは異なり、‐ODは1383nmの光を吸収しない。

0058

水素エージングの原因は、複数の現象に帰することができる。第1の現象は、組織内水素効果(interstitial hydrogen effect)であり、ファイバ内へと放散している未反応分子水素による光の吸収に対応する。組織内水素による吸収は、主に約1242nmにおける、及び約1500nm超の波長における光通信ウィンドウ内で発生する。この現象は可逆性であり、即ちファイバを完全に脱気させると、永久的な吸収は存在しなくなる。

0059

水素エージングに寄与する第2の現象は、ガラスが富酸素性である場合に発生する。富酸素ガラスは、「ペルオキシ結合(peroxy linkage)」、即ち≡Si‐O‐O‐Si≡種として知られる欠陥を高濃度で含有する。ペルオキシ結合は、ファイバドロー形成プロセス中に存在する熱及び張力によって容易に分割される。ペルオキシ結合の分割により、2つの非架橋酸素ホール中心(non‐bridging oxygen hole center:「NBOHC」)(≡Si‐O‐O‐Si≡→≡Si‐O●+●0‐Si≡)、又はE’中心及びペルオキシラジカル(≡Si‐O‐O‐Si≡→≡Si●+●O‐O‐Si≡)が得られる。従って冷却しても再結合しないいずれのこのような欠陥は、水素と反応して、光信号を減衰させる吸収性種を形成し得る。分子水素は、雰囲気中に微量存在し、またコーティング若しくはケーブル材料からの放出、ケーブル中の金属間ガルバニック反応、又は酸化により、経時的に生成され得る。NBOHCは水素と反応して≡Si‐O‐H基を形成し、これは以下の反応に従って1383nmの光を吸収する:
≡Si‐O●+●O‐Si≡+H2→≡Si‐OH+HO‐Si≡
ペルオキシラジカル及びE’中心も同様に水素と反応して、HO‐O‐Si≡及び≡Si‐H基を形成し、これは1383nmより長い(例えば約1415nm及び約1530nmの)波長の光を吸収する。ペルオキシ結合は、非架橋酸素ホール中心、E’中心及びペルオキシラジカルの前駆体と考えることができる。

0060

あるいは、ガラスマトリクス自体(例えばSi及びGe酸化物、≡Si‐O‐Si≡、≡Ge‐O‐Si≡及び≡Ge‐O‐Ge≡を含有するガラス)は、ドロー形成プロセス中に破壊された結合を形成し得、これによってE’中心、シリカNBOHC、≡Si‐O●、≡Ge‐O●及び/又は≡Ge●欠陥が形成される。これらの欠陥は水素と反応して、様々な波長における吸収を形成し、主な効果は、≡Ge‐O‐Hによるものである、約1430nmを中心とする幅広い吸収である。

0061

本明細書において開示されるように作製される、アップドープオーバクラッドを有する光ファイバは、曲げ損失性能を改善するために開発された。内側クラッドに対するオーバクラッドのアップドープ(一例として図2aを参照)は、ファイバのカットオフを低下させることにより、収容できる周縁凹部容積量を増大させることができ、ファイバは、1260nmの22メートルケーブルカットオフ要件を満たすことができる。

0062

内側クラッドに対するオーバクラッドのアップドープは、オーバクラッドを塩素でドープすることによって達成され、オーバクラッドガラス中の塩素の濃度は、200ppm(重量)〜20000ppm(重量)であることが望ましい。オーバクラッド中の塩素の濃度は、500ppm(重量)超、又は1000ppm(重量)超、又は2000ppm(重量)超、又は4000ppm(重量)超、又は6000ppm(重量)超、又は8000ppm(重量)超、又は10000ppm(重量)超であってよい。オーバクラッドの塩素ドープは、塩素ドーパント前駆体、例えば限定するものではないが塩素ガス(Cl2)、SiCl4及びCCl4又はこれらの組み合わせを用いて、スート‐ガラス変形プロセス中に達成される。1つ又は複数の塩素ドーパント前駆体は、単独で、又は不活性ガスと組み合わせて使用してよい。一実施形態では、1つ又は複数の塩素ドーパント前駆体は、主な構成成分としてヘリウムを含むガスの構成成分である。

0063

塩素の組み込みを増大させることによってガラスがより酸化されるため、これは、ファイバのオーバクラッド領域中の富酸素欠陥の大きさを増大させる場合があり、これは水素エージング試験中のファイバ性能に負の影響を与え得る。本明細書において開示するように、スート‐ガラス焼結プロセスが実施されるガス雰囲気は、還元剤(CO等)を含むことが有利である。一実施形態では、塩素ドーパント前駆体は、スート‐ガラス固化プロセスの予備加熱ステップ及び/又は中間加熱ステップにおいて使用され、還元剤は、スート‐ガラス固化プロセスの中間加熱ステップ及び/又は焼結ステップにおいて使用される。別の実施形態では、塩素ドーパント前駆体及び還元剤は、予備加熱ステップ及び/又は中間加熱ステップにおいてのみ使用され、焼結ステップでは塩素ドーパント前駆体又は還元剤は使用されない。更に別の実施形態では、予備加熱ステップでは塩素ドーパント前駆体又は還元剤は使用されず、塩素ドーパント前駆体及び還元剤の両方が、スート‐ガラス固化プロセスの中間加熱ステップ及び/又は焼結ステップにおいて使用される。

0064

富酸素欠陥濃度の上昇を図5に示し、ここでは減衰に関するピーク到達時間(TTP)の増大は、ファイバを、23℃において1%水素及び99%N2を含有する水素エージングガスに曝露した場合に、(富酸素欠陥の形成の増大により)オーバクラッド塩素濃度と共に上昇するように見える。上に示したように、還元剤は塩素の酸化効果を中和するため、塩素含有焼結ガス中にガス還元剤を組み込むことによってTTPを低減できる。図5では、TTPを:He中にそれぞれ10体積%、25体積%及び35体積%Cl2を含有する雰囲気中で固化させた、A、B及びCで標識されたガラス試料「●」;並びにHe中に35体積%Cl2及び0.3体積%COを含有する雰囲気中で固化させた、記号▲で示されるガラス試料Dに関して決定した。試料Cは、200時間超のTTP値によって示されるように、最も高い富酸素欠陥値を有していた。スート‐ガラス焼結ステップ中の還元剤、例えばCOの使用は、オーバクラッド層中の比較的高い塩素濃度の酸化効果を無効化することがわかった。図5に示す結果によって示されているように、オーバクラッドガラスの焼結中に、3000ppm(0.3体積%)のCO及び35体積%Cl2を使用することにより、He中の35体積%Cl2を用いたもののCOを用いずに焼結した同一のガラス(ガラスC)に対して、おおよそ40%低下したTTP値を有する、3500ppmの塩素を有するガラスであるガラスDが得られた。

0065

一実施形態では、上記光ファイバは、コア及び少なくとも1つのクラッド層を含み、上記少なくとも1つのクラッド層は、重量割合で少なくとも500ppm、又は重量割合で少なくとも1000ppm、又は重量割合で少なくとも2000ppm、又は重量割合で少なくとも4000ppm、又は重量割合で少なくとも6000ppm、又は重量割合で少なくとも8000ppm、又は重量割合で少なくとも10000ppmの塩素ドーパント濃度を含み、上記光ファイバは、全圧1気圧を有し、かつ分圧0.01気圧のH2及び分圧0.99気圧のN2を含有するガス雰囲気への曝露時に、100時間未満、又は80時間未満、又は60時間未満、又は40時間未満、又は20時間未満の、23℃におけるピーク到達時間(TTP)水素エージング値を有する。

0066

一実施形態では、上記光ファイバは、コア及び少なくとも1つのクラッド層を含み、上記少なくとも1つのクラッド層は、重量割合で少なくとも500ppm、又は重量割合で少なくとも1000ppm、又は重量割合で少なくとも2000ppm、又は重量割合で少なくとも4000ppm、又は重量割合で少なくとも6000ppm、又は重量割合で少なくとも8000ppm、又は重量割合で少なくとも10000ppmの塩素ドーパント濃度を含み、上記光ファイバは、重量割合で1ppb未満OD基を含有し、上記光ファイバは、全圧1気圧を有し、かつ分圧0.01気圧のH2及び分圧0.99気圧のN2を含有するガス雰囲気への曝露時に、100時間未満、又は80時間未満、又は60時間未満、又は40時間未満、又は20時間未満の、23℃におけるピーク到達時間(TTP)水素エージング値を有する。

0067

一実施形態では、上記光ファイバは、23℃における1%H2及び99%N2を含有するガス雰囲気への曝露時に、還元剤の存在下で加熱しなかったプリフォームからドロー形成した、塩素ドーパント濃度が重量割合で少なくとも500ppm、又は重量割合で少なくとも1000ppm、又は重量割合で少なくとも2000ppm、又は重量割合で少なくとも4000ppm、又は重量割合で少なくとも6000ppm、又は重量割合で少なくとも8000ppm、又は重量割合で少なくとも10000ppmの焼結済み多孔性クラッド層を有するファイバの、対応するTTPよりも、少なくとも20%低い、又は少なくとも40%低い、又は少なくとも60%低い、ピーク到達時間(TTP)水素エージング値を有する。

0068

CO濃度レベルは好ましくは、スート‐ガラス加工環境の中間加熱ステップ及び/又は焼結ステップ中に、1000ppm(体積)超であり、いくつかの実施形態では3000ppm(体積)超であり、いくつかの実施形態では5000ppm(体積)超であり、またいくつかの実施形態では、CO濃度は1000〜10000ppm(体積)超である。ある実施形態では、ガラスオーバクラッド中のppm(重量)Clに対する、スート‐ガラス加工環境の中間加熱ステップ及び/又は焼結ステップにおけるppm(体積)COの比は、0.5超である。他の実施形態では、ガラスオーバクラッド中のppm(重量)Clに対する、スート‐ガラス加工環境の中間加熱ステップ及び/又は焼結ステップにおけるppm(体積)COの比は、1超である。別の実施形態では、ガラスオーバクラッド中のppm(重量)Clに対する、スート‐ガラス加工環境の予備加熱ステップ及び/又は焼結ステップにおけるppm(体積)COの比は、2超である。

0069

ある実施形態では、還元剤処理は、2000ppm(重量)超の塩素を有するオーバクラッド層に対して行われる。ある実施形態では、還元剤処理は、4000ppm(重量)超の塩素を有するオーバクラッド層に対して行われる。更なる実施形態では、還元剤処理は、6000ppm(重量)超の塩素を有するオーバクラッド層に対して行われる。別の実施形態では、還元剤処理は、8000ppm(重量)超の塩素を有するオーバクラッド層に対して行われる。更に別の実施形態では、還元剤処理は、10000ppm(重量)超の塩素を有するオーバクラッド層に対して行われる。

0070

本開示による方法及び装置を使用して、望ましい又は改善された水素感受性又はエージング特性を有する光ファイバを製造できる。本開示は:スート‐ガラスプロセスの中間加熱ステップ及び/又は焼結ステップに還元剤が含まれているプロセスを用いて、光ファイバプリフォームを形成するステップ;上記プリフォームから光ファイバをドロー形成するステップ;並びに任意に、光ファイバを重水素で処理して、非架橋酸素欠陥中心を削減又は排除することにより、光ファイバの水素感受性(水素エージングに対する光ファイバの感受性)を低減するステップを含む。本開示は更に、スートプリフォーム(上記光ファイバはこのスートプリフォームから形成されることになる)のクラッドスートを、還元剤(例えばCO)の混合物で処理することにより、所望のレベルの非架橋酸素欠陥中心の削減を達成するために必要な重水素処理時間を削減するステップを含む。従って、本開示の方法は、光ファイバの特性並びに/又は光ファイバの製造の速度及び/若しくは効率の改善を提供できる。

0071

図6は、光ファイバを製造するための例示的な方法を示すフローチャートであり、本開示に従って、還元ガスで処理され、固化された光ファイバプリフォームの提供;ガラスブランク(固化済み光ファイバプリフォーム)をドロー形成して光ファイバを形成するステップ;及び上記ドロー形成済みファイバを重水素で処理するステップを示す。図6では、本方法は:
ブロック40において、マンドレル又は基材を提供し、上記基材上にシリカ含有コアスートを堆積させることによって、多孔性コアスートプリフォームを形成するステップ。いくつかの実施形態では、上記多孔性コアスートプリフォームは、シリカ隣接内側クラッドによって取り囲まれたドープシリカコアを含む;
ブロック42において、上記マンドレルを除去し、上記多孔性コアスートプリフォームを固化させ(焼結を含む)、固化済み上記コアスートプリフォームをドロー形成して、コアケーンを形成するステップ;
ブロック44において、上記コアケーンとは独立して、スートクラッドモノリスを形成するステップであって、上記コアケーンは、1つ又は複数の多孔性スートクラッド層及び内部キャビティを含む、ステップ;
ブロック45において、上記コアケーンを、上記スートクラッドモノリスの上記内部キャビティに挿入して、コア‐クラッド組立体を形成するステップ;
ブロック46において、塩素源材料と、任意に上記塩素源材料に混合されたキャリアガスとを用いて、上記少なくとも1つの多孔性スートクラッド層の少なくとも1つを塩素ドープするステップ;
ブロック48において、上記塩素ドープを停止し、上記少なくとも1つの多孔性クラッド層を、ガスの存在化で固化させることによって、塩素濃度が重量割合で500ppm超である外側クラッドを有する光ファイバプリフォームを形成するステップであって、上記塩素ドープ及び/又は焼結ステップにおける上記ガスは、焼結された上記少なくとも1つのクラッド層中の富酸素欠陥を削減するために、ガス還元剤を含有する、ステップ;
ブロック50において、固化済み上記光ファイバプリフォームを、光ファイバへとドロー形成するステップ;並びに
ブロック52において、ドロー形成済みの上記光ファイバを、重水素含有雰囲気中で処理することにより、上記ファイバ中のいずれの残留富酸素欠陥を更に削減し、また上記ファイバ中の‐OH部位を‐OD部位に変換するステップ
を含む。

0072

ブロック40では、コアスートプリフォームが形成される。図7は、ハンドル16を有する例示的なコアスートプリフォーム8を示す。コアスートプリフォーム8は、化学蒸着(chemical vapor deposition:CVD)(例えば外側蒸着(outside vapor deposition:OVD)、軸蒸着(vapor axial deposition:VAD)、改質化学蒸着(modified chemical vapor deposition:MCVD)、プラズマ化学蒸着(plasma chemical vapor deposition:PCVD))、又はゾルゲル加工若しくは火炎加水分解といった他のいずれの好適な技法等の、いずれの好適な方法を用いて形成してよい。コアスートプリフォーム8は、純粋なシリカ又はドープシリカ(例えば、ゲルマニア、ホウ素、フッ素、アルミニウムチタンリン及び/若しくは塩素を含むがこれらに限定されない、1つ若しくは複数の好適なドーパントでドープされたシリカ)から形成してよい。ドープを使用して、コアスートプリフォームの屈折率を制御してよい。コアケーンの屈折率プロファイルは、定常プロファイル、段階的屈折率プロファイル、又は単調変化性プロファイル(例えばα‐プロファイル若しくはスーパーガウス型プロファイル)であってよい。コアスートプリフォームは、単層又は複層体として形成してよく、ここで上記1つ又は複数の層はドープされてよく、ドープされていなくてもよく、またドープされている場合は、上記1つ又は複数の層は、ドーパントのタイプ、濃度又は分布について違いを含んでいてよい。コアスートプリフォーム8は、複数の隙間を画定する多孔性構造体である。コアスートプリフォーム8は、その全長に亘って延在する通路を含んでよく、上記通路から、堆積装置のマンドレルが除去されている。いくつかの実施形態によると、コアスートプリフォーム8の密度は約1.0g/cc以下、好ましくは約0.7g/cc以下、より好ましくは約0.6g/cc以下である。

0073

図6のブロック42では、コアスートプリフォーム8を固化させて、固化済みコアガラスプリフォームを形成し、上記固化済みコアガラスプリフォームをドロー形成して、コアケーンを形成する。コアスートプリフォーム8の固化は焼結を含み、また乾燥及び/又はドープといった他のプロセスステップを含んでよい。コアスートプリフォーム8の固化は、本明細書に記載の方法に適合するいずれの好適な又は望ましいプロセス又はパラメータを採用してよい。コアスートプリフォーム8の固化及び固化済みコアスートプリフォームのドロー形成に好適な装置は、当業者には公知である。

0074

コアスートプリフォーム8を固化中に還元剤で処理してもしなくてもよい。一実施形態では、コアスートプリフォーム8を、固化前又は固化中に還元剤で処理するが、このような処理は、固化済みコアプリフォームから最終的にドロー形成されたファイバのベースライン減衰を、固化中に還元剤で処理されていないものの、それ以外の点では、本方法によって形成されたファイバと全く同一の方法で形成されたファイバに対して、波長1550nmにおいて1.5%超だけ増大させるには不十分なレベル及び条件下で行われる。

0075

図6のブロック44では、スートクラッドモノリスを、コアケーンとは独立して形成する。スートクラッドモノリスを、コアケーンとは独立して形成することによって、コアケーンは、スートクラッドの堆積又は堆積後加工において産生され得る副産物(例えば水)に曝露されない。これはコアケーンの再湿潤化を防止し、ファイバプリフォームの、及びプリフォームからドロー形成されたファイバ中の、ヒドロキシル含有量の削減につながる。結果として、ヒドロキシル吸収による1380nmにおける減衰が大幅に低減される。

0076

スートクラッドモノリスは、シリカスート又はドープシリカスートの1つ又は複数の層を基材上に堆積させ、上記基材を除去してスートクラッドモノリスを提供することによって形成してよい。上記基材は、ベイトロッドであってよい。クラッドスート(又はその層)は、純粋なシリカで形成してよく、又はドープシリカ(例えば、ゲルマニア、ホウ素、フッ素、アルミニウム、チタン、リン及び/若しくは塩素を含むがこれらに限定されない、1つ若しくは複数の好適なドーパントでドープされたシリカ)で形成してよい。上述のように、クラッドスートは、ドープ及び屈折率が異なる複数の層を含んでよく、これにより、図3A及び3Bに示されているもののようなファイバ屈折率プロファイルがもたらされる。以下の議論では、3つの多孔性スートクラッド層を有するスートクラッド層の製作について記載する。しかしながら、概説される手順は、いずれの数の多孔性スートクラッド層を有するスートクラッドモノリスに広く適用可能であることを認識されたい。

0077

図8は、ベイトロッド120上のシリカ系スート層112の堆積を示す。シリカ系ガラススートは、SiCl4又はオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)といった気相シリカ系ガラス前駆体材料バーナ122に供給することによって形成される。ガスを供給されたバーナ122に、H2、CH4、D2(重水素)、CD4又はCO等の燃料を提供する。バーナ122に酸素も供給し、燃料及び酸素を燃焼させて、火炎126を生成する。いくつかの実施形態では、気相シリカ系ガラス前駆体材料はSiCl4であり、ガスを供給されたバーナ122には、堆積させたシリカ系ガラススート中の残留OHの量を制限するために、D2、CD4又はCOといった非水素化燃料を供給する。気相シリカ系ガラス前駆体材料は、約4L/分〜約10L/分の流量でバーナへと送達してよく、燃料は、約10L/分〜約40L/分の流量でバーナに供給してよい。

0078

気相シリカ系ガラス前駆体材料は、火炎126中で反応して、シリカ系ガラススート128を産生し、これは、ベイトロッドが回転するに従って、ベイトロッド120上にスート層112として堆積される。回転速度は、約50rpm〜約400rpmであってよい。スート層112は、非ドープシリカと同一の、非ドープシリカより高い、又は非ドープシリカより低い屈折率を有してよい。高い又は低い屈折率は、アップドーパント又はダウンドーパント前駆体をバーナ122に供給することによって達成できる。スート層112は、単層スートクラッドモノリスを構成してよく、又は多層スートクラッドモノリスの最内(最小半径)層を構成してよい。ガスを供給されたバーナ122の火炎126は、ベイトロッドが回転するに従って、矢印124で示されるようなベイトロッド120の軸方向長さに沿って前後に横断し、これにより、シリカ系ガラススートが構成され、ベイトロッド120上にスート層112が形成される。

0079

図9は、スート層112上のスート層116の堆積を示す。スート層116は、スート層112と同様の方法で形成できる。例えば、SiCl4又はOMCTSといった気相シリカ系ガラス前駆体材料をバーナ122に供給し、火炎126中で反応させて、シリカ系ガラススートを形成でき、これは、ベイトロッドが回転するに従ってスート層112上にスート層116として堆積される。スート層116は、スート層112と同一の、スート層112より高い、又はスート層112より低い屈折率を有してよい。図3Aの2層クラッド領域を有するファイバのドロー形成を可能とするプリフォームを達成するためには、例えばスート層112をアップドープシリカとしてよく、またスート層116をアップドープシリカとしてよい。スート層116は、2層スートクラッドモノリスの外側層、又は3つ以上の層を有するスートクラッドモノリスの中間層を構成してよい。

0080

図10は、スート層116上のスート層114の堆積を示す。スート層114は、スート層112又はスート層116と同様の方法で形成できる。例えば、SiCl4又はオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)といった気相シリカ系ガラス前駆体材料をバーナ122に供給し、火炎126中で反応させて、シリカ系ガラススートを形成でき、これは、ベイトロッドが回転するに従ってスート層116上にスート層114として堆積される。スート層114は、スート層116若しくはスート層112と同一の、スート層116若しくはスート層112より高い、又はスート層116若しくはスート層112より低い屈折率を有してよい。図3Bの3層クラッド領域を有するファイバのドロー形成を可能とするプリフォームを達成するためには、例えばスート層112をアップドープシリカとしてよく、スート層116をダウンドープシリカとしてよく、またスート層114をアップドープシリカとしてよい。スート層114は、3層スートクラッドモノリスの外側層、又は4つ以上の層を有するスートクラッドモノリスの中間層を構成してよい。追加の層を同様に堆積させることによって、いずれの所望の数の層を有するスートクラッドモノリスを得ることができる。

0081

多層スートクラッドモノリスの異なる複数の層を形成するために使用されるプロセス条件は、同一であっても異なっていてもよい。プロセス変数としては、火炎温度、ケイ素又はドーパントのための前駆体の流量、ベイト基材の長さに沿ったバーナの横断速度、及びベイト基材の回転速度が挙げられる。プロセス条件の変動によって、スートの堆積速度、及び堆積させたままの状態でのスートの密度を制御できる。火炎温度は、1500℃以上であってよい。火炎温度が高いほど、堆積させたままのスートの密度を高くすることができる。反対に、火炎温度が低いほど、堆積させたままのスートの密度は低くなる。

0082

スート密度は、ベイト基材に沿ったバーナの横断の速度によっても影響され得る。火炎の横断速度は、0.1cm/秒超、又は0.25cm/秒超、又は0.5cm/秒超、又は1cm/秒超、又は2cm/秒超、又は3cm/秒超であってよい。横断速度がより速いと、堆積させたままの状態において密度がより低く、より多孔性のスート層がもたらされ得る。反対に、横断速度がより遅いと、堆積させたままの状態において密度がより高く、多孔性がより低いスート層がもたらされ得る。堆積させたままの状態のスート層の密度は、1.0g/cm3未満、又は0.8g/cm3未満、又は0.6g/cm3未満、又は0.5g/cm3未満であってよい。堆積させたままの状態のスート層の密度は、1.0g/cm3超、又は1.25g/cm3超、又は1.5g/cm3超、又は1.75g/cm3超、又は2.0g/cm3超であってよい。

0083

堆積させたままの状態のスート層密度は、バーナへのスート前駆体送達速度によっても影響され得る。シリカ系スート前駆体の流量は、0.1L/分〜20L/分の範囲内であってよい。流量が低いほど、堆積させたままの状態において密度がより高いスート層の形成が促進される。反対に、流量が高いほど、堆積させたままの状態において密度がより低いスート層の形成が促進される。

0084

堆積させたままの状態のスート層密度は、スート堆積中のベイトロッドの回転速度によっても影響され得る。ベイトロッドの回転速度を低下させることにより、堆積させたままの状態のスート層の密度の上昇を支援できる。反対に、ベイトロッドの回転速度を増大させることにより、堆積させたままの状態のスート層の密度の低下を支援できる。

0085

一実施形態では、スートクラッドモノリスは2つのスート層を含み、ここで外側層は、内側層よりも高い密度を有する。別の実施形態では、スートクラッドモノリスは3つのスート層を含み、ここで中間スート層は、内側スート層と外側スート層との間に位置決めされ、上記中間スート層は、上記内側スート層よりも高い密度を有する。更に別の実施形態では、スートクラッドモノリスは4つ以上のスート層を含み、ここで2つ以上の中間スート層が、内側スート層と外側スート層との間に位置決めされ、上記中間スート層のうちの少なくとも1つは、上記内側スート層よりも高い密度を有する。

0086

スートクラッドモノリスが高密度のスート層を含むことにより、スートクラッドモノリスの外側層へのドーパントの拡散を防止するバリア層を設けることによる、スートクラッドモノリスの内側層の選択的ドープを容易にすることができる。いくつかの実施形態では、このバリア層(即ちモノリスの長さに沿った径方向(周方向)層)の径方向厚さは≧1μmである。スートクラッドモノリス内の、高密度化された又は部分的に高密度化された内側層は、上記高密度化された内側層の片側から上記高密度化された内側層のもう一方の側への方向のドープ元素の移動を防止するための拡散バリアとして作用し得る。一実施形態では、拡散バリアは、少なくとも1.5g/cm3、又は少なくとも1.75g/cm3、又は少なくとも2.0g/cm3の密度を有するスート又はガラス層を含んでよい。

0087

所望の数及びタイプのスートクラッド層を堆積させた後、ベイトロッドを除去して、スートクラッドモノリスを提供する。ベイトロッドが占有していた空間は、スートクラッドモノリスの内部キャビティを形成する。

0088

図6のブロック45では、コアケーンをスートクラッドモノリスの内部キャビティに挿入して、コア‐クラッド組立体を形成する。

0089

図11は、固化炉130内へのスートクラッドモノリス110の配置を示す。スートクラッドモノリス110は、ベイトロッド120を除去した後の、図10に示す3層スート構造体に対応し、上述のように一連の同心スート層112、116及び114を含む。スートクラッドモノリス110は更に、内部キャビティ118を含む。図11の実施形態では、内部キャビティ118は、スートクラッドモノリス110の全長を通って延在する。他の実施形態では、内部キャビティ118はスートクラッドモノリス110内に、部分的にのみ延在する。高密度化されたコアケーン102を内部キャビティ118に挿入して、コア‐クラッド組立体を形成する。コア‐クラッド組立体は、コアケーン102の外側表面とスートクラッド層112の内側表面との間に間隙を含む。コア‐クラッド組立体を、固化炉130内で加工する。

0090

図6のブロック46及び48では、コア‐クラッド組立体を、本明細書に記載の方法に従って加工して、光ファイバプリフォームを形成する。上述のように、この加工は固化を含み、コア‐クラッド組立体の1つ又は複数の多孔性スートクラッド層のスート‐ガラス変換を実施する。加工は、予備加熱ステップ、中間加熱ステップ、及び焼結ステップを含んでよく、ここで上記予備加熱ステップ、中間加熱ステップ、及び焼結ステップのうちの1つ又は複数は、還元剤によるスートクラッドプリフォームの処理を含んでよい。スートクラッドプリフォームの加工は、乾燥ステップ及びドープステップも含んでよい。

0091

加工が乾燥ステップを含む実施形態では、コア‐クラッド組立体を乾燥剤で処理する。この乾燥ステップは、約800℃〜1300℃の温度で実施してよく、上述の予備加熱ステップ及び中間加熱ステップのうちの一方又は両方を含む。乾燥剤は、コア‐クラッド組立体の多孔性スートクラッド層の細孔に浸透して、水又はOH基と反応し、多孔性スートクラッド層から水及びOH基を除去する。乾燥剤は、多孔性スートクラッド層中に存在し得る遷移金属又は他の不純物も除去できる。

0092

図11を参照すると、乾燥剤は、流路132によって示されるように、コアケーン102の外側表面とスートクラッド層112の内側表面との間の間隙に入ることができる。乾燥剤は、スート層112、116及び114内の細孔にも入ることができ、また流路134によって示されるように、スートクラッド層114の外側表面を取り囲む、又は上記外側表面の周りを通過することもできる。コア‐クラッド組立体を通った、及び/又はコア‐クラッド組立体の周りの、乾燥剤の流量は、約1L/分〜約40L/分の範囲内であってよい。コア‐クラッド組立体は、脱水中に加熱してよい。加熱は乾燥剤の作用を更に進めることができ、ヒドロキシル及び水の除去を促進できる。

0093

脱水の温度は、約500℃〜約900℃の範囲内としてよく、脱水の時間は、30分〜10時間の範囲内としてよい。脱水の温度は好ましくは、コア‐クラッド組立体のスートクラッドモノリス構成成分の焼結を開始するために必要な温度未満である。スートクラッドモノリスの不十分な焼結は、細孔を閉鎖し、スートクラッドモノリスの内部への脱水剤のアクセスをブロックすることにより、ヒドロキシル及び水の除去を阻害する。乾燥剤は、脱水が完了するとすぐに、スートクラッドモノリス及び/又はコア‐クラッド組立体を取り囲む環境から除去してよい。

0094

好適な乾燥剤は、Cl2、SiCl4、GeCl4、SOCl2及び/又はPOCl3といった塩素含有ガスを含む。乾燥剤は任意に、He、Ar、Ne及び/又はN2といった不活性ガス中で希釈してよい。一実施形態では、脱水ガスは、ヘリウムガス中の2%〜6%の塩素ガスの混合物を含む。いくつかの実施形態では、乾燥ガスは、約5体積%未満の塩素、例えば約0.01〜3.0体積%の塩素を含有する。

0095

いくつかの実施形態では、加工は、塩素ドープステップ等のドープステップを含んでよく、上記塩素ドープステップでは、コア‐クラッド組立体を塩素ドーパント前駆体に曝露する。塩素ドーパント前駆体は塩素含有ガスであり、塩素(Cl2)、SiCl4、CCl4又はこれらの混合物で構成され得る。塩素ドーパント前駆体は、塩素含有ガスと不活性ガスとの組み合わせを含んでよい。一実施形態では、塩素ドープは、スート‐ガラス変形プロセスの予備加熱ステップ中に実施される。別の実施形態では、塩素ドープは、中間加熱ステップ中に実施される。更に別の実施形態では、塩素ドープは、スート‐ガラス変形プロセスの焼結ステップ中に実施される。ドープは好ましくは、コア‐クラッド組立体のクラッド層が、ドーパント又はドープ前駆体の拡散又は浸透が可能となるよう十分に多孔性である間に行われる。一実施形態では、ドープは、脱水後かつ焼結前に行われる。

0096

一実施形態では、ドープは、コア‐クラッド組立体内のコアケーンの外側表面とスートクラッドモノリスの内側表面との間の流路にドープ前駆体を供給することによって達成される。例えば、ドープ前駆体を、図11に示す流路132に供給してよい。別の実施形態では、ドープは、コア‐クラッド組立体のスートクラッドモノリス構成成分の外側スート層の外側表面に隣接する流路にドープ前駆体を供給することによって達成される。例えば、ドープ前駆体を、図11に示す流路134に供給してよい。

0097

ドープ前駆体を、コア‐クラッド組立体のスートクラッドモノリス構成成分の多孔性スート層に供給すると、ドープ前駆体は細孔に入って、スート層の表面へ、及び/又はスート層の内部全体にわたって、ドーパントを送達できる。ドープは、コア‐クラッド組立体のスートクラッドモノリス部分の複数の層において行うことができる。上述のように、スートクラッドモノリスは、高密度内部スート層を含んでよく、上記高密度内部スート層は、ドープ前駆体の導入点に最も近接している側部に対向する拡散バリアの側部上のスート層への、ドープ前駆体若しくはドーパントの移動を防止する、又はアクセスをブロックするための、拡散バリアとして作用する。いくつかの実施形態では、このバリア層(即ちモノリスの長さに沿った径方向(周方向)層)の径方向厚さは≧1μmである。例えば図11の実施形態では、スート層116は、スート層112からスート層114への、又はスート層114からスート層112へのドーパント又はドープ前駆体の移動を防止する、高密度バリア層として構成してよい。一実施形態では、流路132に供給されたドープ前駆体は、スート層112にドーパントを供給し、スート層116は、ドープ前駆体又はドープ前駆体によって供給されたドーパントの、スート層112からスート層114への拡散、移行、又はその他の移動を防止するためのバリア層として機能するよう、高密度化されている。ある代替実施形態では、流路134に供給されたドープ前駆体は、スート層114にドーパントを供給し、スート層116は、ドープ前駆体又はドープ前駆体によって供給されたドーパントの、スート層114からスート層112への拡散、移行、又はその他の移動を防止するためのバリア層として機能するよう、高密度化されている。

0098

様々な実施形態では、1つ又は複数の固化済みクラッド層中の塩素ドープレベルは、重量割合で200ppm超〜重量割合で20000ppm未満の範囲内である。一実施形態では、1つ又は複数の固化済みクラッド層中の塩素ドープレベルは、重量割合で200ppm〜重量割合で20000ppmの範囲内である。ある実施形態では、1つ又は複数の固化済みクラッド層中の塩素ドープレベルは、重量割合で500ppm超である。別の実施形態では、1つ又は複数の固化済みクラッド層中の塩素ドープレベルは、重量割合で2000ppm超である。更なる実施形態では、1つ又は複数の固化済みクラッド層中の塩素ドープレベルは、重量割合で4000ppm超である。追加の実施形態では、1つ又は複数の固化済みクラッド層中の塩素ドープレベルは、重量割合で6000ppm超である。更なる実施形態では、クラッドは2つ以上の固化済み層を含み、オーバクラッド層のみが、本明細書に記載のドープレベルのいずれにおいて塩素でドープされる。

0099

コア‐クラッド組立体を処理するために使用される還元剤は、CH3Cl、CH2Cl2、CHCl3、CO及びこれらの組み合わせからなる群から選択してよい。還元剤はそのままの状態で、又は1つ若しくは複数の他のガスと組み合わせて供給してよい。上記1つ又は複数の他のガスとしては、他の還元剤を含有するガス及び/又は不活性ガスが挙げられる。いくつかの実施形態によると、クラッドスートは、少なくとも0.1体積%CO、又は0.1体積%CO〜1.0体積%CO、又は0.4〜0.6体積%COを含む、還元剤含有ガスに曝露される。還元剤含有ガスの残部は、不活性ガス(例えばN2、Ar、Ne、He)又は不活性ガスとCl2との組み合わせ、又はCl2であってよい。還元剤含有ガス中のCl2の濃度は、約2体積%未満、又は約1体積%〜2体積%であってよい。

0100

還元剤は、図11に示されている流路132及び/又は流路134に供給してよい。還元剤は、焼結の開始前、焼結プロセス中、及び/又は焼結プロセスの完了後に、コア‐クラッド組立体に供給してよい。還元剤へのコア‐クラッド組立体の曝露は、脱水後に行ってよい。コア‐クラッド組立体は、還元剤への曝露中に加熱してよい。還元剤への曝露中のコア‐クラッド組立体の温度は、コア‐クラッド組立体の焼結を開始するために十分なものであってよい。

0101

いくつかの実施形態によると、クラッドスートは、約2〜10時間の処理時間にわたる、約800℃〜1500℃の温度、又は約1100℃〜1500℃の温度、又は約1300℃〜1500℃の温度での、スート‐ガラス変形中に、還元剤に曝露される。

0102

還元剤含有ガス中の還元剤の濃度、還元剤含有ガスによるコア‐クラッド組立体の処理の温度、及び還元剤含有ガスによるコア‐クラッド組立体の処理の時間は、クラッドスート12a、12bに酸化状態の選択されたレベルの還元を提供するために、クラッドスートの塩素ドープレベルに応じて選択される。いくつかの実施形態によると、還元剤含有ガスによるスートクラッドの処理の温度は、少なくとも約800℃である。いくつかの実施形態によると、還元剤含有ガスによるスートクラッドの処理の温度は、約800℃〜1500℃である。上記処理温度は、一定であっても変動してもよい。いくつかの実施形態によると、還元剤含有ガスによるスートクラッドの処理の時間は、約120〜600分である。いくつかの実施形態によると、還元剤含有ガスによるスートクラッドの処理の時間は、約120〜240分である。いくつかの実施形態によると、還元剤含有ガスは、約0.002〜0.2slpm(standard liters per minute:標準リットル/分)の流量で、スートクラッドへと供給される。

0103

一実施形態では、還元剤によるコア‐クラッド組立体の処理と焼結ステップとは重複しており、これにより、コア‐クラッド組立体の1つ又は複数のスートクラッド層は、焼結中に還元剤に曝露される。還元剤含有ガスの導入は、焼結ステップの開始前、開始後、又は開始と略同時に開始してよい。スート‐ガラス固化プロセス中のいずれのポイントにおいて、還元剤含有ガスによるコア‐クラッド組立体の処理を2サイクル上実行してよい。いくつかの実施形態によると、還元剤含有ガスは、焼結ステップの持続期間の少なくとも50%にわたって、処理チャンバ内に存在する。いくつかの実施形態によると、還元剤含有ガスは、焼結ステップ全体を通して処理チャンバ内に存在する。いくつかの実施形態によると、還元剤含有ガスによるコア‐クラッド組立体の処理は、スート‐ガラス固化プロセスの焼結ステップと略同一の時間帯を占める単一の処理サイクルにおいて実施される。特定の好ましい実施形態によると、スートクラッドは、焼結ステップ中にのみ、還元剤含有処理ガスに曝露される。いくつかの実施形態によると、1回又は複数回の還元剤含有ガス処理ステップの間又は後に、塩素含有ガスを処理チャンバ内に流し込まない。

0104

コア‐クラッド組立体の焼結は、脱水後に行ってよく、還元剤によるコア‐クラッド組立体の処理後に行ってよい。この焼結は、還元剤によるコア‐クラッド組立体の処理と同時であってよい。乾燥剤及び/又はドーパント前駆体は、焼結の開始前に、コア‐クラッド組立体の雰囲気から除去してよい。

0105

上記焼結は、スートクラッドモノリスを固化させ、スートクラッドモノリスとコアケーンとを融合させて、固化済みファイバプリフォームを形成できる。焼結中、スートクラッドモノリスの細孔が収縮し、スートクラッドモノリスが収縮してコアケーンに付着するため、高密度化が起こる。焼結温度は、少なくとも1000℃、又は少なくとも1150℃、又は少なくとも1250℃、又は少なくとも1300℃、又は少なくとも1400℃であってよい。焼結温度が高いほど、焼結の時間が削減される。

0106

焼結は、固化炉内での焼結を誘発するために十分な温度の高温領域を形成して、コア‐クラッド組立体を、上記高温領域を通って前進させることにより、固化炉内で達成できる。一実施形態では、上記高温領域の温度は約1400℃〜約1500℃であり、コア‐クラッド組立体は、上記高温領域を通って、約5mm/分〜50mm/分の速度で前進する。コア‐クラッド組立体を焼結することにより、光ファイバプリフォームが製造される。図12は、図11のコア‐クラッド組立体を焼結することによって形成された、光ファイバプリフォーム100を示す。上記光ファイバプリフォームは、1つ又は複数の同心クラッド領域で取り囲まれた、1つ又は複数の同心領域を有する中心コアを有する、ガラスの中実片である。

0107

一実施形態では、焼結はCl2の不在下で行われる。第2の実施形態では、焼結は塩素含有ガスの不在下で行われる。第3の実施形態では、コア‐クラッド組立体の焼結は、還元剤の存在下で行われる。第4の実施形態では、コア‐クラッド組立体の焼結は、還元剤の存在下、かつCl2の不在下で行われる。第5の実施形態では、コア‐クラッド組立体の焼結は、還元剤の存在下、かつ塩素含有ガスの不在下で行われる。

0108

光ファイバを製造する本方法は:固化済みガラスコア及び少なくとも1つの多孔性ガラスクラッド層を有する、コア‐クラッド組立体を提供するステップ;上記コア‐クラッド組立体を、第1の温度において第1のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第1のガス雰囲気は塩素源材料を含み、上記塩素源材料は、上記少なくとも1つの多孔性ガラスクラッド層のドープのための塩素を供給する、ステップ;上記コア‐クラッド組立体を、第2の温度において第2のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第2のガス雰囲気は還元剤を含む、ステップ;及び上記コア‐クラッド組立体を、第3の温度において、上記第2のガス雰囲気の存在下で加熱するステップであって、上記加熱ステップは上記少なくとも1つの多孔性クラッド層の焼結を引き起こし、焼結済みの上記少なくとも1つの多孔性クラッド層は、重量割合で少なくとも500ppmの塩素ドーパント濃度を有するステップを含む。本方法の実施形態では:上記第1の温度は少なくとも800℃、若しくは少なくとも1050℃、若しくは800℃〜1100℃であってよく;上記第2の温度は、上記第1の温度以上であってよく、若しくは上記第2の温度は上記第1の温度より高くてよく;上記第3の温度は、上記第2の温度以上であってよく、若しくは上記第3の温度は上記第2の温度より高くてよく、若しくは上記第3の温度は少なくとも1100℃であってよく、若しくは上記第3の温度は少なくとも1200℃であってよく、若しくは上記第3の温度は少なくとも1300℃であってよく、若しくは上記第3の温度は1100℃〜1500℃であってよく;上記塩素源材料は、Cl2、SiCl4及び/若しくはCCl4を含んでよく、上記還元剤は、CO、CH3Cl、CH2Cl2及び/若しくはCHCl3を含んでよく;並びに/又は上記多孔性クラッド層の塩素ドーパント濃度は、重量割合で少なくとも1000ppm、又は重量割合で少なくとも2000ppm、又は重量割合で少なくとも4000ppm、又は重量割合で少なくとも6000ppm、又は重量割合で少なくとも8000ppm、又は重量割合で少なくとも10000ppmであってよい。

0109

図6のブロック50では、光ファイバを、図6のブロック46及び48による加工後に製造された、還元剤処理済みの、固化済み光ファイバプリフォームからドロー形成する。固化済みガラスプリフォームから光ファイバをドロー形成するための好適な技法及び装置は、当業者には公知である。上記固化済み光ファイバプリフォームの固化済みガラスコアは、光ファイバのコア(又はコアの一部)を形成することになり、上記固化済み光ファイバプリフォームの固化済みクラッド層は、光ファイバのクラッド部分を形成することになることが理解されるだろう。

0110

図6のブロック52では、ドロー形成済みファイバを、重水素ガスでの処理のための重水素処理装置内に配置する。重水素処理を実施するための好適な装置は、当業者には公知である。いくつかの実施形態によると、上記重水素処理装置は、ドロー形成済み光ファイバを保持するためのチャンバ重水素含有ガス供給源、及び上記重水素含有ガスを上記チャンバに供給するためのコントロールを含む。上記装置は、上記チャンバ内に配置されたドロー形成済みファイバを、選択された温度において、選択された時間にわたって、選択された濃度の重水素に曝露するよう適合される。

0111

ドロー形成済みファイバの重水素処理は、上記光ファイバのコア中の非架橋酸素欠陥の濃度の低減、及びこれによる、環境水素に対する上記コアの感受性の低減をもたらす。ファイバの重水素処理は、例えば米国特許第6499318号明細書、米国特許第4623373号明細書、米国特許第4515612号明細書及び米国特許第4685945号明細書において教示されている。

0112

いくつかの実施形態によると、クラッドスートの還元剤処理は、光ファイバの水素感受性を目標レベルまで低減するために必要な重水素処理時間を、還元剤処理を行わずに形成されたもののそれ以外は同一の方法で形成された同一の光ファイバに関して必要な重水素処理時間に比べて、少なくとも20%削減する。他の実施形態では、直前の段落に記載されているような低い塩素レベルでの乾燥ステップと組み合わせて、還元剤としてCOを使用すると、上記必要な重水素処理時間は、少なくとも40%削減される。

0113

本発明の実施形態による方法及び装置は、光ファイバの製造において利点及び便益を提供できる。上述のように、ドロー形成済み光ファイバのコア中の非架橋酸素欠陥は、環境水素と結合して、コア中に吸収部位を形成する場合があり、これにより、(例えば遠距離通信ウィンドウにおける)関心対象の波長における減衰が増大する。コアの水素感受性は、ドロー形成済みファイバ又は固化済みガラスプリフォームを重水素処理することによって低減できる。しかしながら、重水素処理ステップ中、重水素含有ガスの重水素は、コア内へと拡散する前にクラッド部分を通って拡散しなければならない。クラッド部分中の非架橋酸素欠陥は、重水素がクラッド部分を通って拡散する際に重水素を消費する傾向を有する。従って、クラッド部分中の非架橋酸素欠陥は、ファイバを重水素で処理するために必要な処理時間を増大させる。また、重水素処理プロセスは、重水素の拡散の速度によって制限されるため、重水素処理プロセスを完了するために必要な時間は延長される。その結果、光ファイバの製造の速度は実質的に遅くなり得る。

0114

本発明の方法では、処理ガスの還元剤は、クラッドスートから過剰な酸素を除去し、これにより除去された酸素が存在しなくなり、続く焼結により、ドロー形成済みファイバのガラスクラッド中に非架橋酸素欠陥を提供する。その結果、クラッド中の欠陥濃度レベルが低下する。除去された非架橋酸素欠陥は存在しなくなり、これにより光ファイバコアの重水素処理中に重水素が消費され、これによりプロセスの速度及び効率が改善され、重水素処理時間がより短縮される。

0115

本開示の方法は、オーバクラッド中に重量割合で500ppm超のCl、又はオーバクラッド中に重量割合で2000ppm超のCl、又はオーバクラッド中に重量割合で4000ppm超のCl、又はオーバクラッド中に重量割合で6000ppm超のClが存在する実施形態に関して特に重要である。図5に示すように、ファイバのピーク到達時間は、オーバクラッド中のCl濃度が上昇すると共に増大する。これは、富酸素欠陥の濃度が、オーバクラッド中のCl濃度が上昇すると共に上昇することを示す。図5はまた、本明細書に開示されているような、還元剤によるクラッドスートの処理が、ファイバのピーク到達時間を低減させることも示しており、これは、還元剤による処理がオーバクラッド中の富酸素欠陥の濃度を低下させることを示している。オーバクラッド中の富酸素欠陥の濃度が低下することは、光ファイバの水素感受性の所与の低下を達成するために必要な重水素処理時間が短縮されるため、製造効率が改善されることを意味する。本明細書に記載されるように、還元剤の存在下で固化させたプリフォームからドロー形成されたファイバは、還元剤の存在下で固化させなかったプリフォームからドロー形成されたファイバよりも、富酸素欠陥の濃度が低く、(TTPによって測定される)所与の水素感受性を達成するために必要な重水素処理時間が短縮される。

0116

本発明の光ファイバ、方法及び装置について、還元剤処理済みクラッドを有する段階的屈折率光ファイバに関して上述したが、本方法及び装置を用いて、他のタイプの光ファイバも同様に形成できる。例えば本方法及び装置を用いて、純粋シリカコアの段階的屈折率光ファイバ、傾斜付き屈折率光ファイバ、Wプロファイル光ファイバ、台座型プロファイル光ファイバ、又はより複雑な複数セグメントのプロファイルを有する(例えば少なくとも1つの中心コア、周縁凹部、リング及びクラッドを含む)光ファイバを形成できる。光ファイバは、複数のクラッド層を有してよい。これら複数のクラッド層は、還元剤で異なる様式で処理してよい(例えばあるクラッド層は還元剤で処理してよく、別のクラッド層は還元剤で処理しなくてよい)。中心コア以外の物理コアのセグメントは、コアスートプリフォームの還元剤処理に関して上述したように、還元剤で処理してよい。好ましくは、このような追加のコアセグメントは、コアに関して上述した(例えばベースライン減衰の増大に関する)パラメータに従って、還元剤で処理される。

0117

コア及び少なくとも1つのクラッド層を備え、上記少なくとも1つのクラッド層が重量割合で少なくとも500ppmの塩素ドーパント濃度を含む光ファイバは、本開示の範囲内であり、上記光ファイバは、重量割合で1ppb未満のOD基を含有し、また上記ファイバは、全圧1気圧を有し、かつ分圧0.01気圧のH2及び分圧0.99気圧のN2を含有するガス雰囲気への曝露時に、100時間未満の、23℃におけるピーク到達時間(TTP)水素エージング値を有する。

0118

以下の実施例では、本記載に従って調製されたプリフォームからドロー形成されたファイバの特徴を提示する。Cl2の不在下で焼結したプリフォームから形成されたファイバは、H2に対する感受性が低いものとして示されており、これは、H2の存在下におけるファイバの曝露及びエージング時に、ファイバの特性の劣化が最小限しか観察されないことを意味している。理論によって束縛されることを望むものではないが、コアケーンの不在下でのスートクラッドモノリスの形成及び脱水、並びにスートクラッドモノリスの内部キャビティにコアケーンを挿入することによって形成されたコア‐クラッド組立体の脱水は、プリフォーム中の低いOHの初期濃度につながる。更に、Cl2の不在下での、及び/又は別の塩素含有ガスの存在下での、及び/又は還元剤の存在下でのコア‐クラッド組立体の焼結は、製作プロセス中のファイバプリフォーム中のNBOHC欠陥の形成を抑制すると考えられる。結果として、本発明のプリフォームからドロー形成されたファイバは、低い初期OH濃度及びH2に対する低い感受性を有することが予測される。

0119

以下の実施例では、様々な条件下で調製したプリフォームから形成されたファイバの水素感受性について考察する。これらのファイバはコーティングされていない。水素感受性は、全圧1気圧及び温度23℃のH2‐N2ガス雰囲気に対するファイバの曝露の後の、1383nmにおけるファイバ吸収の増大を決定することによって評価される。ガス雰囲気は、0.01気圧のH2の分圧及び0.99気圧のN2の分圧を含有する。H2に曝露すると、H2は、クラッドの外側表面からファイバ内へと径方向に拡散する。H2はクラッド内へと拡散し、ファイバのコアへと通過し続ける。ファイバ中のH2の存在は、非架橋酸素ホール中心(≡Si‐O●)の、シラノール基(≡Si‐OH)への変換を誘発し、シラノール基のヒドロキシル部分は、1383nmにおいて強い吸収を示す。従って、水素への曝露時の1383nmにおける吸収の増大は、H2がヒドロキシル基を生成する程度の尺度であり、これは、ファイバ中の非架橋酸素ホール中心の濃度に左右される。低濃度の非架橋酸素ホール中心を有するファイバの曝露は、低濃度のシラノール基の生成、及びこれに対応する1383nmにおける吸収のわずかな増大をもたらすことになる。反対に、高濃度の非架橋酸素ホール中心を有するファイバをH2に曝露すると、高濃度のヒドロキシル基が形成されることになり、またこれに対応する1383nmにおける吸収の大幅な増大が起こることになる。

0120

非架橋酸素ホール中心の濃度は、H2に対するファイバの曝露の時点と、1383nmにおける吸収による光信号の減衰が検出できる時点との間に経過する時間にも関連する。ファイバをH2に曝露すると、H2は、ファイバクラッドの外側表面を通過して、コアに向かって拡散する。しかしながら光信号のモードフィールド分布は通常、クラッドの外側境界まで延在しない。代わりに光信号は主にコア領域閉じ込められ、クラッド領域内の内部部分まで延在するエバネッセント部分を含む。光信号のモードフィールド分布は、クラッドの外側径方向位置と重複しないため、クラッドの外側径方向位置における水素誘発性ヒドロキシル基の存在は、光信号を減衰させない。しかしながら、時間が経過するに従って、H2はクラッド内へとより深く浸透し、最終的に、光信号と重複するファイバの領域中にヒドロキシル基を形成する。この時点において、1383nmにおける吸収の、概ね不連続の増大が検出される。1383nmにおける吸収の増大は、あるステップ関数に概ね近似され、上記ステップ関数では、1383nmにおける吸収が、短時間の低い定常値から、H2がファイバ内へ、光信号が重複する領域内にヒドロキシル基を形成できるよう十分に深く拡散する時点において、高い定常レベルへと増大する。H2に対するファイバの曝露の時点と、1383nmにおける吸収による急勾配の増大の検出との間に経過する時間を、本明細書ではピーク到達時間(TTP)と呼ぶものとする。本明細書に記載の光ファイバは、50〜300マイクロメートルの直径を有することができる。ピーク到達時間水素エージングに関して測定された光ファイバは、そうでないことが明記されていない限り、直径125μmである。

0121

ファイバ内へのH2の浸透の深さの指標として、TTPは、非架橋酸素ホール中心の濃度の尺度である。ファイバ中の非架橋酸素ホール中心の濃度が上昇するに従って、ヒドロキシル基への非架橋酸素ホール中心の変換においてより多くのH2が使用され、またH2を、光信号が重複するファイバの領域に到達できるよう十分に深く侵入させるために、H2に対するファイバの曝露により長い時間が必要となる。所与のファイバ構成及び所与の光信号に関して、高濃度の非架橋酸素ホール中心を有するファイバは、低濃度の非架橋酸素ホール中心を有するファイバよりも長いTTPを有することになる。従って、より長いTTPを有するファイバは、より高濃度のヒドロキシル基を有することになり、1383nmにおけるより大きな減衰を示すことになる。

0122

図13は、内側クラッドの外径に対するコアの外径の比の関数(本明細書では、対応する光ファイバ中のコアケーン及び当該部分のコア/クラッド比又はCCRと呼ばれる)として、モデル化した水素感受性を示す。コアケーンを、コアケーン直径よりも大きな中心孔直径を有する内部キャビティを含む、これらコアケーンに対応するスートクラッドモノリスに挿入した。スートクラッドモノリス上のスートの量は、コア半径が、全ての最終的なコア‐クラッド組立体に関して等しくなるように調整した(即ちコアケーンのコア/クラッド比を生み出した)。これらの組立体を乾燥させ、ドープし、光ファイバプリフォームへと固化させて、直径125μmの光ファイバへとドロー形成した。これらのファイバのコア半径は、ファイバ空間内において約6μmであった。コア屈折率デルタ最大値は、非ドープシリカに対して約0.4%(GeO2ドープシリカ)であり、コアはα〜2のαドーププロファイルを有していた。

0123

上記モデルは、ファイバ中への水素の拡散を生み出し、ファイバ中の水素及びヒドロキシル基の濃度プロファイルに関する情報を提供した。水素感受性は、1380nmにおける減衰の変化に関して定量化される。図13は、ある範囲の外側クラッド中の非架橋酸素ホール中心(NBOHC)の濃度にわたる複数のモデル化ファイバ例のいくつかの組に関して減衰曲線を示す。上記モデルが含む光信号のモードフィールド分布は、全てのモデル化ファイバに関して同一であった。異なる濃度のNBOHCは異なるTTP値につながり、ここでTTPは、全圧1気圧及び温度23℃において分圧0.01気圧のH2及び分圧0.99気圧のN2を含有するガス雰囲気へのファイバの曝露に基づくものである。モデル化ファイバ例の各組において、非架橋酸素ホール中心の濃度を固定し、コア/クラッド比を変動させることによって、図13に示す減衰曲線を生成した。例Eの組のファイバは、外側クラッド中のNBOHCの濃度が8.5×1015/cm3であり、TTP値が150時間であった。例Fの組のファイバは、外側クラッド中のNBOHCの濃度が5×1015/cm3であり、TTP値が114時間であった。例Gの組のファイバは、外側クラッド中のNBOHCの濃度が2×1015/cm3であり、TTP値が77時間であった。例Hの組のファイバは、外側クラッド中のNBOHCの濃度が1×1014/cm3であり、TTP値が41時間であった。

0124

4組のファイバの例に関して示されているモデル化の結果は、所与のTTP値に関して、対応する光ファイバ内のコアケーン及び当該部分のコア/クラッド比の上昇と共に、1383nmにおける吸収が増大することを示した。吸収の増大は、コア/クラッド比が上昇するに従って、コアに対するクラッド中のヒドロキシル基の濃度が高くなり、光信号のモードフィールドの、クラッドとの重複が大きくなる結果である。上記モデルはまた、ある固定されたコア/クラッド比に関して、TTPが増大するに従って光信号の減衰が増大することも示した。高いTTPを有するファイバは、高いヒドロキシル濃度、及びこれに伴って1383nmにおける高い信号減衰を有する。上記モデルは更に、1383nmにおける信号減衰の、コア/クラッド比に対する関数的依存が、高いTTPを有するファイバに関してはるかに高くなったことを示す。TTP=40時間であるモデル化ファイバの減衰は、コア/クラッド比とは略独立しており、その一方でTTP=150時間であるモデル化ファイバは、コア/クラッド比が増大するに従って、減衰の著しい増大を呈した。よって、外側クラッド層中のNBOHCを低下させるほど、TTPは低下する。NBOHCを低下させる、本明細書に記載の1つの方法は、光ファイバプリフォームを形成するための加工中の焼結ステップにおいて還元剤を使用することによって達成できる。一実施形態では、オーバクラッド中の低いNBOHCが達成され、ここで焼結ステップ中には非塩素含有ガスが存在せず、還元ガスが存在する。

0125

図14は、様々な条件下で形成されたプリフォームからドロー形成された複数のファイバに関する、測定されたTTP値を示す。上述のように、TTP値は、全圧1気圧及び温度23℃において分圧0.01気圧のH2及び分圧0.99気圧のN2を含有する雰囲気に対するファイバの曝露に基づくものである。各プリフォームは、コアケーン及びスートクラッドモノリスを製作するステップ、並びに本明細書に記載されているような、コアケーンとスートクラッドモノリスとを組み合わせてコア‐クラッド組立体を形成するステップとは独立して製作した。加工の実験不確実性の範囲内において、同一のコアケーン及びスートクラッドモノリスを、各コア‐クラッド組立体に関して使用した。約0.5〜約0.7のコア/クラッド比を有するコアケーンを、コアケーンの直径より大きい中心孔直径を有する内部キャビティを有する、別個のスートクラッドモノリスに挿入した。スートクラッドモノリス上のスートの量は、コア半径が、全ての最終的なコア‐クラッド組立体に関して等しくなるように調整し、スート含有量を変化させることによって異なるCCR値(コアケーンのコア/クラッド比)を提供した。これらの組立体を乾燥させ、ドープし、光ファイバプリフォームへと固化させて、直径125μmの光ファイバへとドロー形成した。

0126

コア‐クラッド組立体から光ファイバプリフォームを形成するために使用される加工条件は、以下の通りであった:各コア‐クラッド組立体を炉内に配置し、続いて、Cl2(0.5SLPM)及びヘリウム(20SLPM)を炉内へ、及び炉を通過するように流すことによって脱水した。炉の温度は約1100℃であり、脱水時間は4時間であった。また、Cl2(0.1SLPM)及びHe(1SLPM)を、ハンドル組立体を通して、コア‐クラッド組立体のコアケーン構成部品とスートクラッドモノリス構成部品との間の空間へと供給し、コア‐クラッド組立体のスートクラッドモノリス構成部品の細孔全体を通して流した。脱水は、焼結前に実施した。コア‐クラッド組立体の製作は、焼結中に使用される条件において異なっていた。プリフォームハンドルを介してコアケーンとスートクラッドモノリスとの間の空間に供給されたCl2及びHeは、コア‐クラッド組立体を焼結する前に遮断した。第1のコア‐クラッド組立体を、Cl2の存在下で4時間、1490℃に設定した炉内で焼結して、第1の固化済みプリフォームを提供した。第2のコア‐クラッド組立体を、Cl2の不在下で4時間、1490℃に設定した炉内で焼結して、第2の固化済みプリフォームを提供した。第3のコア‐クラッド組立体を、Cl2の不在下かつ流れ込むCO(0.1SLPM)及びHe(9.9SLPM)の存在下で4時間、1490℃に設定した炉内で焼結して、第3の固化済みプリフォームを提供した。

0127

各固化済みプリフォームからファイバをドロー形成した。これらのファイバは、コア半径約6μm及び外側クラッド直径約125μmを有するコア及びクラッド領域を含んでいた。コア屈折率のデルタ最大値は、非ドープシリカに対して約0.4%(GeO2ドープシリカ)であり、コアはα〜2のαドーププロファイルを有していた。

0128

図14は、プリフォームからドロー形成されたいくつかのファイバに関する、コア/縁部比の関数としての測定されたTTP(ピーク到達時間)値を示す。図14では、異なるコア/縁部比を有する複数のファイバを比較する。Cl2の存在下で脱水され、かつCl2の存在下で焼結されたプリフォームからドロー形成されたファイバに関するデータを、三角形の記号(▲)で示し、ファイバJとして標識する。ファイバJは、0.54〜0.64の範囲のコアケーンのコア/クラッド比と、約85〜約120時間の範囲のTTP値とを有していた。Cl2の存在下で脱水され、かつCl2の不在下で焼結されたプリフォームからドロー形成されたファイバに関するデータを、ひし形の記号(◆)で示し、ファイバKとして標識する。ファイバKは、0.59〜約0.68の範囲のコアケーンのコア/クラッド比と、約56〜約72時間の範囲のTTP値とを有していた。Cl2の存在下で脱水され、かつCl2の不在下及びCOの存在下で焼結されたプリフォームからドロー形成されたファイバに関するデータを、円の記号(●)で示し、ファイバLとして標識する。ファイバLは、約0.54のコアケーンのコア/クラッド比と、約46時間のTTP値とを有していた。

0129

図14に示す結果は、Cl2の存在下で焼結されたプリフォームからドロー形成されたファイバが最も高いTTP値を呈したことを示しており、これは、プリフォーム焼結中のCl2の存在は、プリフォームからドロー形成されたファイバ中の非架橋酸素ホール中心の高い濃度につながることを示す。Cl2の不在下で焼結を実施した場合にTTPの有意な低下が観察され、Cl2の不在下かつCOの存在下で焼結を実施した場合に、TTPの更に大きな低下が観察された。この結果は、プリフォームの焼結雰囲気からのCl2の排除が、非架橋酸素ホール中心の濃度の低下につながること、及びCOの存在が、非架橋酸素ホール中心の濃度の更なる低下につながることを示す。非架橋酸素ホール中心の濃度が低いほど、ダングリングボンドのヒドロキシル基への水素誘発性変換のための部位が少なくなり、ファイバに、H2に対する低い感受性、及び1383nmにおける、予想される低い水素誘発性吸収がもたらされる。

0130

以上は本発明の例示であり、本発明の限定として解釈してはならない。本発明のいくつかの例示的実施形態を説明したが、本発明の新規の教示及び利点から著しく逸脱することなく、上記例示的実施形態において多数の修正が可能であることは、当業者には容易に理解されるだろう。従って、このような修正は全て、本発明の範囲内に含まれることが意図される。従って、以上は本発明の例示であり、本開示の具体的実施形態に限定されるものとして解釈してはならないこと、及び本開示の実施形態及び他の実施形態に対する修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。

0131

以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。

0132

実施形態1
光ファイバを製造する方法において、
第1の多孔性ガラスクラッド層を含み、内部キャビティを有する多孔性スートクラッドモノリスを提供するステップ;
上記内部キャビティにコアケーンを挿入して、コア‐クラッド組立体を形成するステップであって、上記コア‐クラッド組立体は、上記コアケーンと上記スートクラッドモノリスとの間にチャネルを含む、ステップ;
上記コア‐クラッド組立体を第1の温度の第1のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第1のガス雰囲気は塩素源材料を含み、上記塩素源材料は、上記第1の多孔性ガラスクラッド層をドープするための塩素を提供する、ステップ;
上記コア‐クラッド組立体を第2の温度の第2のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第2のガス雰囲気は還元剤を含む、ステップ;及び
上記コア‐クラッド組立体を、第3の温度の上記第2のガス雰囲気の存在下で加熱するステップであって、上記加熱するステップは、上記第1の多孔性ガラスクラッド層の焼結を引き起こし、上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層は、重量割合で少なくとも500ppmの塩素ドーパント濃度を有する、ステップ
を含む、方法。

0133

実施形態2
上記第1の温度は少なくとも800℃であり、
上記第2の温度は、上記第1の温度以上であり、
上記第3の温度は、上記第2の温度以上である、実施形態1に記載の方法。

0134

実施形態3
上記第1の温度は、少なくとも1050℃である、実施形態2に記載の方法。

0135

実施形態4
上記第3の温度は、少なくとも1300℃である、実施形態3に記載の方法。

0136

実施形態5
上記塩素源材料は、Cl2、SiCl4及び/又はCCl4である、実施形態1に記載の方法。

0137

実施形態6
上記還元剤は、CO、CH3Cl、CH2Cl2及び/又はCHCl3である、実施形態1に記載の方法。

0138

実施形態7
上記塩素源材料はCl2を含み、
上記還元剤はCOを含む、実施形態1に記載の方法。

0139

実施形態8
上記第2のガス雰囲気は更に、キャリアガスを含む、実施形態1に記載の方法。

0140

実施形態9
上記キャリアガスはヘリウムを含む、実施形態8に記載の方法。

0141

実施形態10
上記第2のガス雰囲気は塩素を含有しない、実施形態1に記載の方法。

0142

実施形態11
上記還元剤はCOであり、
上記第2のガス雰囲気中のCOの濃度は、重量割合で1000ppm超である、実施形態1に記載の方法。

0143

実施形態12
上記還元剤はCOであり、
上記第2のガス雰囲気中のCOの濃度は、重量割合で3000ppm超である、実施形態1に記載の方法。

0144

実施形態13
上記還元剤はCOであり、
上記第2のガス雰囲気中のCOの濃度は、重量割合で5000ppm超である、実施形態1に記載の方法。

0145

実施形態14
上記第2のガス雰囲気は、上記第1のガス雰囲気を含む、実施形態1に記載の方法。

0146

実施形態15
上記塩素源材料に対する上記還元剤の体積比は、0.005超である、実施形態14に記載の方法。

0147

実施形態16
上記塩素源材料に対する上記還元剤の体積比は、0.010超である、実施形態14に記載の方法。

0148

実施形態17
上記塩素源材料に対する上記還元剤の体積比は、0.020超である、実施形態14に記載の方法。

0149

実施形態18
上記塩素源材料は、上記チャネル内へと流れ込む、実施形態1に記載の方法。

0150

実施形態19
上記塩素源材料はCl2である、実施形態18に記載の方法。

0151

実施形態20
上記還元剤は、上記チャネル内へと流れ込む、実施形態1に記載の方法。

0152

実施形態21
上記還元剤はCOである、実施形態20に記載の方法。

0153

実施形態22
上記還元剤はCOであり、
重量割合のppmを単位とする、上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層中の上記塩素ドーパント濃度に対する、体積割合のppmを単位とする、上記第2のガス雰囲気中のCOの濃度の比は、0.5超である、実施形態1に記載の方法。

0154

実施形態23
上記還元剤はCOであり、
重量割合のppmを単位とする、上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層中の上記塩素ドーパント濃度に対する、体積割合のppmを単位とする、上記第2のガス雰囲気中のCOの濃度の比は、1.0超である、実施形態1に記載の方法。

0155

実施形態24
上記還元剤はCOであり、
重量割合のppmを単位とする、上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層中の上記塩素ドーパント濃度に対する、体積割合のppmを単位とする、上記第2のガス雰囲気中のCOの濃度の比は、2.0超である、実施形態1に記載の方法。

0156

実施形態25
上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層中の上記塩素ドーパント濃度は、重量割合で2000ppm超である、実施形態1に記載の方法。

0157

実施形態26
上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層中の上記塩素ドーパント濃度は、重量割合で20000ppm超である、実施形態25に記載の方法。

0158

実施形態27
上記スートクラッドモノリスは更に、第2の多孔性ガラスクラッド層を備え、
上記第2の多孔性ガラスクラッド層は、上記第1の多孔性ガラスクラッド層を取り囲む、実施形態1に記載の方法。

0159

実施形態28
上記塩素源材料は更に、上記第2の多孔性ガラスクラッド層をドープするための塩素を提供し、
上記第3の温度において加熱する上記ステップは、上記第2の多孔性ガラスクラッド層の焼結を引き起こし、
上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層の上記塩素ドーパント濃度は、重量割合で少なくとも1000ppmであり、
焼結済みの上記第2の多孔性ガラスクラッド層は、上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層の上記塩素ドーパント濃度未満の塩素ドーパント濃度を有する、実施形態27に記載の方法。

0160

実施形態29
上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層を有する、加熱された上記コア‐クラッド組立体からファイバをドロー形成するステップを含む、実施形態1に記載の方法。

0161

実施形態30
上記ファイバは、23℃における1%H2及び99%N2を含有するガス雰囲気への曝露時に、上記還元剤の存在下で加熱しなかったプリフォームからドロー形成した、塩素ドーパント濃度が少なくとも500ppmの焼結された多孔性ガラスクラッド層を有するファイバの、対応するTTPよりも、少なくとも20%低いピーク到達時間(TTP)水素エージング値を有する、実施形態29に記載の方法。

0162

実施形態31
上記ファイバは、23℃における1%H2及び99%N2を含有するガス雰囲気への曝露時に、上記還元剤の存在下で加熱しなかったプリフォームからドロー形成した、塩素ドーパント濃度が少なくとも500ppmの焼結された多孔性ガラスクラッド層を有するファイバの、対応するTTPよりも、少なくとも40%低いピーク到達時間(TTP)水素エージング値を有する、実施形態29に記載の方法。

0163

実施形態32
上記ファイバを、100℃未満の温度において、重水素含有ガスで処理するステップを更に含む、実施形態29に記載の方法。

0164

実施形態33
光ファイバプリフォームを形成する方法において、
スートクラッドモノリスを提供するステップであって、上記スートクラッドモノリスは内部キャビティを含む、ステップ;
上記内部キャビティにコアケーンを挿入して、コア‐クラッド組立体を形成するステップであって、上記コア‐クラッド組立体は、上記コアケーン及び上記スートクラッドモノリスを含む、ステップ;並びに
上記コア‐クラッド組立体を、還元剤の存在下で加熱するステップ
を含む、方法。

0165

実施形態34
上記スートクラッドモノリスを提供する上記ステップは、上記スートクラッドモノリスを形成するステップを含む、実施形態33に記載の方法。

0166

実施形態35
上記スートクラッドモノリスを形成する上記ステップは、スート前駆体を反応させるステップを含む、実施形態34に記載の方法。

0167

実施形態36
上記スート前駆体を反応させる上記ステップは、1000℃超の温度で行われる、実施形態35に記載の方法。

0168

実施形態37
上記スート前駆体を反応させる上記ステップは、上記スート前駆体を火炎中で加熱するステップを含む、実施形態35に記載の方法。

0169

実施形態38
上記スート前駆体は、ケイ素を含む、実施形態35に記載の方法。

0170

実施形態39
上記スートクラッドモノリスを形成する上記ステップは、上記スート前駆体の上記反応から形成された第1のスートの層を、基材上に堆積させるステップを含む、実施形態35に記載の方法。

0171

実施形態40
上記スートクラッドモノリスを形成する上記ステップは、上記内部キャビティを形成するステップを更に含み、
上記内部キャビティを形成する上記ステップは、上記第1のスートの層から上記基材を分離するステップを含む、実施形態39に記載の方法。

0172

実施形態41
上記スートクラッドモノリスを形成する上記ステップは、第2のスートの層を、上記第1のスートの層の上に堆積させるステップを更に含む、実施形態39に記載の方法。

0173

実施形態42
上記スートの第2の層の密度は、上記スートの第1の層の密度より高い、実施形態41に記載の方法。

0174

実施形態43
上記スートクラッドモノリスはシリカを含む、実施形態33に記載の方法。

0175

実施形態44
上記スートクラッドモノリスはドーパントを更に含む、実施形態43に記載の方法。

0176

実施形態45
上記ドーパントは塩素である、実施形態44に記載の方法。

0177

実施形態46
上記スートクラッドモノリス中の上記ドーパントの濃度は、重量割合で少なくとも2000ppmである、実施形態45に記載の方法。

0178

実施形態47
上記コアケーンはシリカを含む、実施形態33に記載の方法。

0179

実施形態48
上記コアケーンは非多孔性である、実施形態33に記載の方法。

0180

実施形態49
上記コア‐クラッド組立体を加熱する上記ステップは、上記スートクラッドモノリスを焼結する、実施形態33に記載の方法。

0181

実施形態50
上記コア‐クラッド組立体を加熱する上記ステップは、塩素含有ガスの不在下で行われる、実施形態33に記載の方法。

0182

実施形態51
上記コア‐クラッド組立体を加熱する上記ステップは、Cl2の不在下で行われる、実施形態33に記載の方法。

0183

実施形態52
上記還元剤はCOを含む、実施形態33に記載の方法。

0184

実施形態53
上記コア‐クラッド組立体を加熱する上記ステップは、900℃超の温度で行われる、実施形態33に記載の方法。

0185

実施形態54
上記コア‐クラッド組立体を加熱する上記ステップは、1250℃超の温度で行われる、実施形態33に記載の方法。

0186

実施形態55
上記コア‐クラッド組立体を加熱する上記ステップは、上記コア‐クラッド組立体を、連続的に流れるガスに曝露するステップを含む、実施形態33に記載の方法。

0187

実施形態56
上記コア‐クラッド組立体は、挿入された上記コアケーンと上記内部キャビティとの間に流路を含み、
上記連続的に流れるガスは、上記流路に入る、実施形態55に記載の方法。

0188

実施形態57
上記連続的に流れるガスは、乾燥剤を含む、実施形態56に記載の方法。

0189

実施形態58
上記連続的に流れるガスは、ドーパント前駆体を含む、実施形態56に記載の方法。

0190

実施形態59
上記連続的に流れるガスは、還元剤を含む、実施形態56に記載の方法。

0191

実施形態60
上記コア‐クラッド組立体を脱水するステップを更に含む、実施形態33に記載の方法。

0192

実施形態61
上記脱水ステップは、上記コア‐クラッド組立体を乾燥剤に曝露するステップを含む、実施形態60に記載の方法。

0193

実施形態62
上記乾燥剤は、Cl2、SOCl2、SiCl4からなる群から選択される化合物を含む、実施形態61に記載の方法。

0194

実施形態63
上記脱水ステップは、900℃未満の温度で行われる、実施形態61に記載の方法。

0195

実施形態64
上記脱水ステップは、上記コア‐クラッド組立体を加熱する上記ステップに先行する、実施形態53に記載の方法。

0196

実施形態65
上記脱水ステップは、1000℃未満の温度で行われ、
上記コア‐クラッド組立体を加熱する上記ステップは、1000℃超の温度で行われる、実施形態64に記載の方法。

0197

実施形態66
上記コア‐クラッド組立体を加熱する上記ステップは、上記脱水剤の不在下で行われる、実施形態65に記載の方法。

0198

実施形態67
上記コア‐クラッド組立体の加工雰囲気から上記脱水剤を除去するステップであって、
上記除去ステップは、上記コア‐クラッド組立体を加熱する上記ステップの前に行われる、実施形態65に記載の方法。

0199

実施形態68
加熱された上記コア‐クラッド組立体からファイバを形成するステップを更に含む、実施形態33に記載の方法。

0200

実施形態69
実施形態33に記載の方法によって形成された、光ファイバプリフォーム。

0201

実施形態70
実施形態33に記載の方法によって形成された光ファイバプリフォームをドロー形成することによって形成される、光ファイバ。

0202

実施形態71
光ファイバを製造する方法において、
多孔性スートクラッドモノリスを提供するステップであって、上記多孔性スートクラッドモノリスは、第1の多孔性ガラスクラッド層を含み、内部キャビティを有する、ステップ;
上記多孔性スートクラッドモノリスを第1の温度の第1のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第1のガス雰囲気は塩素源材料を含み、上記塩素源材料は、上記第1の多孔性ガラスクラッド層をドープするための塩素を提供する、ステップ;
上記多孔性スートクラッドモノリスを第2の温度の第2のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第2のガス雰囲気は還元剤を含む、ステップ;及び
上記多孔性スートクラッドモノリスを、第3の温度の上記第2のガス雰囲気の存在下で加熱するステップであって、上記加熱するステップは、上記第1の多孔性ガラスクラッド層の焼結を引き起こし、上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層は、重量割合で少なくとも500ppmの塩素ドーパント濃度を有する、ステップ
を含む、方法。

実施例

0203

実施形態72
光ファイバを製造する方法において、
多孔性スートクラッドモノリスを提供するステップであって、上記多孔性スートクラッドモノリスは、第1の多孔性ガラスクラッド層を含み、内部キャビティを有する、ステップ;
上記モノリスを第1の温度の第1のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第1のガス雰囲気は塩素源材料を含み、上記塩素源材料は、上記第1の多孔性ガラスクラッド層をドープするための塩素を提供する、ステップ;
上記多孔性スートクラッドモノリスを第2の温度の第2のガス雰囲気に曝露するステップであって、上記第2のガス雰囲気は還元剤を含む、ステップ;
上記多孔性スートクラッドモノリスを、第3の温度の上記第2のガス雰囲気の存在下で加熱するステップであって、上記加熱するステップは、上記第1の多孔性ガラスクラッド層の焼結を引き起こし、上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層は、重量割合で少なくとも500ppmの塩素ドーパント濃度を有する、ステップ;
コアケーンを上記内部キャビティに挿入して、コア‐クラッド組立体を形成するステップであって、上記コア‐クラッド組立体は、上記コアケーンと上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層との間にチャネルを含む、ステップ;
任意に、塩素又はフッ素を含有するガスを、上記チャネルを通して流すステップ;及び
上記チャネルを加熱して収縮させ、上記焼結された第1の多孔性ガラスクラッド層を上記コアケーンに融合させるステップ
を含む、方法。

0204

8コアスートプリフォーム
10コアガラスケーン、光ファイバのコア、コア
11a 光ファイバ
11b 光ファイバ
12a内側クラッド
12b外側クラッド
12tトレンチ領域
16ハンドル
100光ファイバプリフォーム
102コアケーン
110スートクラッドモノリス
112シリカ系スート層、スート層、スートクラッド層
114 スート層
116 スート層
118内部キャビティ
120ベイトロッド
122バーナ
124 矢印(ベイトロッド120の軸方向長さ)
126火炎
128シリカ系ガラススート
130固化炉
132流路
134 流路
200周縁凹部容積
r0コア中心
r1 コア外縁部
r2径方向距離
r3ファイバの外縁部
r4 径方向距離
Δ1 コア10の屈折率
Δ2 内側クラッド12aの屈折率
Δ3 外側クラッド12bの屈折率
Δ4 トレンチ領域12tの屈折率

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