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課題・解決手段

対象の損傷領域送達された際に損傷領域の修復および/または再生のために損傷領域からほとんどまたは全く移動することなく実質的に局在したままとなるように制御された粘性を有する微粒子化ワルトン膠質組成物および製剤が提供される。微粒子化ワルトン膠質を、生理食塩水滅菌水、または任意の好適な緩衝液など、医薬的に許容される水性担体中に懸濁して懸濁液またはゼラチンゲル組成物を形成できるか、または微粒子化ワルトン膠質をペーストの形態にして局所投与できるか注射針および注射器の使用により体内に注射できる。従って、微粒子化ワルトン膠質、その組成物、またはその製剤を、微粒子化されていないワルトン膠質よりも便利な様式で送達できる。

概要

背景

関節面欠損には、スポーツに関連した外傷の結果としての損傷、衝撃による損傷、または長期間続く過去の損傷が包含される。急激かつ反復的な衝撃および、例えばスポーツへの参加中に生じる、関節がねじれるような負荷は、関節面を損傷させて、痛み、関節機能障害、および滲出を生じさせることがある。一部の例では、この特定の表面の損傷は、進行性関節変性および関節の変形性関節症を導く。大抵の例において、さらなる損傷から関節が保護されるのであれば、関節は、関節面を破壊しない損傷を修復できる。関節軟骨機械的破壊軟骨細胞合成活性刺激するが、それが損傷の修復をもたらすことは稀である。軟骨下骨の破壊は軟骨および骨の修復を刺激するが、それが、正常な関節軟骨の生物学的特性および機械特性を複製する関節面を復元することは稀である。関節面欠損は、自然に治癒または再生しにくい。

ワルトン膠質は、哺乳動物臍帯に見出される粘性ゼラチン状物質である(以下、本明細書では「天然ワルトン膠質」と呼称される)。天然ワルトン膠質は、多量の宿主細胞外マトリクス(ECM)成分(コンドロイチン硫酸コラーゲンヒアルロン酸HA)、プロテオグリカンを含む)、および幹細胞を含有する。また、天然ワルトン膠質は、例えば線維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン様成長因子I(IGF−I)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF−β)、血小板由来成長因子(PDGF)および上皮成長因子(EGF)などの成長因子を含むこともある。また、天然ワルトン膠質は、顕著な弾性特性を有するとともに水分子と結合する。

特定の表面の欠損において、この状態に対処する方法は、「修復または再生」のうちの一方である。「修復」は、損傷した組織の治癒、または細胞増殖および新しいECMによる置き換えを指す。「再生」は、元の組織と同一の完全に新しい関節面の形成を指す。走化性によって細胞増殖を引き起こし、ECMおよび硝子軟骨への細胞分化を供給することができる重要な成長因子が、修復または再生を支えるために導入される。

天然ワルトン膠質は関節面軟骨の修復および再生の両方に必須の要素を提供することが予期されているが、天然ワルトン膠質は、修復および/または再生のために体内送達することが困難な粘性のゼラチンである。従って、対象の損傷領域の関節面軟骨の修復および/または再生のために対象の損傷領域に容易かつ確実に送達できる天然ワルトン膠質を提供することが必要とされている。

概要

対象の損傷領域に送達された際に損傷領域の修復および/または再生のために損傷領域からほとんどまたは全く移動することなく実質的に局在したままとなるように制御された粘性を有する微粒子化ワルトン膠質の組成物および製剤が提供される。微粒子化ワルトン膠質を、生理食塩水滅菌水、または任意の好適な緩衝液など、医薬的に許容される水性担体中に懸濁して懸濁液またはゼラチンゲル組成物を形成できるか、または微粒子化ワルトン膠質をペーストの形態にして局所投与できるか注射針および注射器の使用により体内に注射できる。従って、微粒子化ワルトン膠質、その組成物、またはその製剤を、微粒子化されていないワルトン膠質よりも便利な様式で送達できる。なし

目的

天然ワルトン膠質は関節面軟骨の修復および再生の両方に必須の要素を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

請求項2

臍帯羊膜をさらに含む、請求項1に記載の微粒子化ワルトン膠質。

請求項3

臍帯の羊膜を実質的に含まない、請求項1に記載の微粒子化ワルトン膠質。

請求項4

約10μM〜約100μMの直径を有する粒子を含む、請求項1に記載の微粒子化ワルトン膠質。

請求項5

約25μM〜約75μMの直径を有する粒子を含む、請求項1に記載の微粒子化ワルトン膠質。

請求項6

粒子の混合物を含む、請求項1に記載の微粒子化ワルトン膠質であって、約50%の前記粒子が約40μM未満の直径を有し、約25%の前記粒子が約40μM〜約60μM未満の直径を有し、約25%の前記粒子が約60μM以上の直径を有する、微粒子化ワルトン膠質。

請求項7

粒子の混合物を含む、請求項1に記載の微粒子化ワルトン膠質であって、約25%の前記粒子が約40μM未満の直径を有し、約25%の前記粒子が約40μM〜約60μM未満の直径を有し、約50%の前記粒子が約60μM以上の直径を有する、微粒子化ワルトン膠質。

請求項8

請求項1〜6のいずれか1項に記載の微粒子化ワルトン膠質と医薬的に許容される担体とを含む組成物

請求項9

前記医薬的に許容される担体が水性担体である、請求項8に記載の組成物。

請求項10

前記医薬的に許容される担体が水、生理食塩水、またはリン酸緩衝食塩水である、請求項8に記載の組成物。

請求項11

前記医薬的に許容される担体が水である、請求項8に記載の組成物。

請求項12

微粒子化ワルトン膠質の濃度が約0.01g/mL〜約1g/mLである、請求項8〜11のいずれか1項に記載の組成物。

請求項13

微粒子化ワルトン膠質の濃度が約0.1g/mL〜約0.5g/mLである、請求項12に記載の組成物。

請求項14

微粒子化ワルトン膠質の濃度が約0.2g/mLである、請求項12に記載の組成物。

請求項15

胎盤組織を含まない、請求項8〜14のいずれか1項に記載の組成物。

請求項16

胎盤組織をさらに含む、請求項8〜14のいずれか1項に記載の組成物。

請求項17

前記胎盤組織が、微粒子化された羊膜である、請求項16に記載の組成物。

請求項18

前記羊膜が生体適合性架橋剤で架橋されている、請求項17に記載の組成物。

請求項19

前記組成物が注射用である、請求項8〜18のいずれか1項に記載の組成物。

請求項20

前記組成物が液体ゲル、またはペーストである、請求項8〜18のいずれか1項に記載の組成物。

請求項21

請求項8〜20のいずれか1項に記載の組成物の乾燥液滴を含む固体ペレット

請求項22

約1mm〜約5mmの直径を有する、請求項21に記載の固体ペレット。

請求項23

約2.5mmの直径を有する、請求項22に記載の固体ペレット。

請求項24

型内で乾燥された、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微粒子化ワルトン膠質を含む成形組成物

請求項25

型内で乾燥された、請求項8〜20のいずれか1項に記載の組成物を含む成形組成物。

請求項26

前記組成物が、微粒子化された生体適合性ポリマーをさらに含む、請求項23または25に記載の成形組成物。

請求項27

前記微粒子化された生体適合性ポリマーが可塑化ポリマーである、請求項26に記載の成形組成物。

請求項28

前記可塑化ポリマーが生体適合性架橋剤で架橋されている、請求項27に記載の成形組成物。

請求項29

請求項1〜7のいずれか1項に記載の微粒子化ワルトン膠質を含む注射用ゲル。

請求項30

請求項8〜20のいずれか1項に記載の組成物を含む注射用ゲル。

請求項31

関節面欠損治療するための方法であって、治療を必要とする患者に請求項1〜7のいずれか1項に記載の微粒子化ワルトン膠質、または請求項8〜20のいずれか1項に記載の組成物、または請求項21〜23のいずれか1項に記載の固体ペレット、請求項24〜28のいずれか1項に記載の成形組成物、または請求項27または28に記載の注射用組成物投与することを含む方法。

請求項32

前記微粒子化ワルトン膠質または前記組成物または前記固体ペレットまたは前記成形組成物または前記注射用組成物が関節面欠損の部位に投与される、請求項31に記載の方法。

請求項33

前記微粒子化ワルトン膠質または前記組成物または前記固体ペレットまたは前記成形組成物が、微小破壊法の間に前記対象に投与される、請求項31に記載の方法。

請求項34

前記微粒子化ワルトン膠質または前記組成物または前記固体ペレットまたは前記成形組成物が、微小破壊法の間に穿孔裂け目の部位に投与される、請求項33に記載の方法。

請求項35

血管形成術および/またはステント移植を受ける患者において炎症および/または再狭窄を防止および/または低減するための方法であって、前記血管形成術が実施されるか前記ステント移植される血管部位で、またはそれに近接して、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微粒子化ワルトン膠質、または請求項8〜20のいずれか1項に記載の組成物、または請求項27または28に記載の注射用組成物を前記患者に投与することを含む方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2014年7月8日に出願された米国仮出願第62/022,084号の恩典を主張する。

0002

本発明は、微粒子化ワルトン膠質と、微粒子化ワルトン膠質を含む組成物および製剤と、微粒子化ワルトン膠質ならびにそれを含む組成物および製剤を使用する方法と、を対象とする。

背景技術

0003

関節面欠損には、スポーツに関連した外傷の結果としての損傷、衝撃による損傷、または長期間続く過去の損傷が包含される。急激かつ反復的な衝撃および、例えばスポーツへの参加中に生じる、関節がねじれるような負荷は、関節面を損傷させて、痛み、関節機能障害、および滲出を生じさせることがある。一部の例では、この特定の表面の損傷は、進行性関節変性および関節の変形性関節症を導く。大抵の例において、さらなる損傷から関節が保護されるのであれば、関節は、関節面を破壊しない損傷を修復できる。関節軟骨機械的破壊軟骨細胞合成活性刺激するが、それが損傷の修復をもたらすことは稀である。軟骨下骨の破壊は軟骨および骨の修復を刺激するが、それが、正常な関節軟骨の生物学的特性および機械特性を複製する関節面を復元することは稀である。関節面欠損は、自然に治癒または再生しにくい。

0004

ワルトン膠質は、哺乳動物臍帯に見出される粘性ゼラチン状物質である(以下、本明細書では「天然ワルトン膠質」と呼称される)。天然ワルトン膠質は、多量の宿主細胞外マトリクス(ECM)成分(コンドロイチン硫酸コラーゲンヒアルロン酸HA)、プロテオグリカンを含む)、および幹細胞を含有する。また、天然ワルトン膠質は、例えば線維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン様成長因子I(IGF−I)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF−β)、血小板由来成長因子(PDGF)および上皮成長因子(EGF)などの成長因子を含むこともある。また、天然ワルトン膠質は、顕著な弾性特性を有するとともに水分子と結合する。

0005

特定の表面の欠損において、この状態に対処する方法は、「修復または再生」のうちの一方である。「修復」は、損傷した組織の治癒、または細胞増殖および新しいECMによる置き換えを指す。「再生」は、元の組織と同一の完全に新しい関節面の形成を指す。走化性によって細胞増殖を引き起こし、ECMおよび硝子軟骨への細胞分化を供給することができる重要な成長因子が、修復または再生を支えるために導入される。

0006

天然ワルトン膠質は関節面軟骨の修復および再生の両方に必須の要素を提供することが予期されているが、天然ワルトン膠質は、修復および/または再生のために体内送達することが困難な粘性のゼラチンである。従って、対象の損傷領域の関節面軟骨の修復および/または再生のために対象の損傷領域に容易かつ確実に送達できる天然ワルトン膠質を提供することが必要とされている。

0007

一態様では、本発明は、対象の損傷領域に送達された際に損傷領域の修復および/または再生のために損傷領域からほとんどまたは全く移動することなく実質的に局在したままとなるように制御された粘性を有する微粒子化天然ワルトン膠質の組成物および製剤を提供する。一部の実施形態において、本発明による微粒子化天然ワルトン膠質を、生理食塩水滅菌水、または当技術分野において公知である任意の好適な緩衝液など、医薬的に許容される水性担体中に懸濁して懸濁液またはゼラチンゲル組成物を形成できるか、または本発明による微粒子化天然ワルトン膠質を、本明細書に記載されるような対象の関節面軟骨の損傷領域に隣接する空間への送達に好適であるペーストの形態とすることができる。従って、本発明による微粒子化天然ワルトン膠質は、十分な濃度で使用した場合に、水和されてゲルまたはペーストとなり局所投与できるか、注射針および注射器の使用により体内に注射できるため、汎用性がある。少なくともこれらの点で、微粒子化天然ワルトン膠質、その組成物、またはその製剤は、本発明に従って微粒子化されていない天然ワルトン膠質よりも便利な様式で送達できる。

実施例

0008

以下に記載されるような本発明の態様は、特定の組成物、このような組成物の調製方法、またはそれらの使用に限定されず、従って、当然、変化してよいということが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明するためのものに過ぎず、限定を意図するものではないということも理解されるべきである。

0009

本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される場合、以下の意味を有すると定義されるいくつかの用語が参照される。

0010

本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上そうではないことが明示されない限り、複数の指示対象を包含する。従って、例えば「生物活性剤」への言及は、単一の生物活性剤、および2種以上の生物活性剤の混合物等を包含する。

0011

用語「任意選択の」または「任意選択で」は、それに続いて記載される事象または状況が生じ得るか生じてよい、または生じ得ないか生じなくてよいということ、および、その記載が、事象または状況が生じる場合と生じない場合とを包含するということを意味する。例えば、「任意選択で浄化する工程」という表現は、浄化する工程が実施されてもされなくてもよいということを意味する。

0012

用語「含む」は、組成物および方法が、列挙される要素を含むが他の要素を排除しないということを意味することが意図される。組成物および方法を定義するために使用される場合、「から本質的になる」は、その組み合わせに対して本質的に影響を与える他の要素を排除することを意味するものとする。例えば、本明細書で定義されるような要素から本質的になる組成物は、特許請求される発明の基本的かつ新規な特性(複数可)に実質的に影響しない他の要素を排除しない。「からなる」は、痕跡量よりも多くの量の他の成分を排除すること、および記載された実質的な方法の工程を意味するものとする。これらの変遷する用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内に属する。

0013

本明細書で使用される用語「対象」または「患者」は、限定されるものではないが、ヒト、飼育動物ウシブタウマイヌネコウサギラットおよびマウスなど)、および飼育動物以外の動物などの哺乳動物の対象を含む、任意の脊椎動物を意味する。

0014

用語「胎盤組織」は、限定されるものではないが羊膜絨毛膜等を含め、胎盤の周知の構成要素のいずれかおよび全てを意味し、脱水された胎盤組織および微粒子化された胎盤組織などの処理された組織を包含する。本明細書で使用される用語「胎盤組織」は、臍帯に見出される構成要素(例えば、天然ワルトン膠質、臍帯の静脈および動脈、ならびに周囲の羊膜)のいずれをも包含しない。

0015

数値の前で使用される場合、用語「約」は、記載される値を包含し、文脈により指示される意味を有する(例えば、±5%、±1%、および±0.2%など、特定の量の測定に関連する誤差の程度を包含する)。

0016

微粒子化天然ワルトン膠質、羊膜、絨毛膜等などの物質を定義する場合、用語「脱水された」は、その物質が約10%以下、約5%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、または約0.01%以下の含水量を有するか、または水を全く含まないことを意味する。用語「脱水する」または「乾燥する」、「乾燥された」または任意の文法的に等価な用語は、水を実質的に除去すること(例えば、その物質の含水量の少なくとも約85%、約90%、約95%、約99%、約99.5%、約99.8%、約99.9%または約99.99%を除去すること)、または物質から水を完全に除去して水を全く含まない脱水された物質を生成することを意味する。

0017

用語「治療」または「治療する」は、これらの用語が疾患または状態に関連する限り、疾患または状態の発生を防止すること、疾患または状態を阻害すること、疾患または状態を排除すること、および/または疾患または状態の1つ以上の症状を緩和することを包含する。

0018

略語
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、以下の略語は以下の意味を有する。
℃=セルシウス度
cc=立方センチメートル
cm=センチメートル
Da=ダルトン
DI=脱イオン化された
DMSO=ジメチルスルホキシド
EDTAエチレンジアミン四酢酸
M=モル濃度(mol/L)
mg=ミリグラム
mL=ミリリットル
mm=ミリメートル
PBSリン酸緩衝食塩水
rpm=回転/分
μm=マイクロメートル

0019

閲覧者の便宜のために、本明細書では標題または副題が使用されることがあるが、これらは本発明の範囲に影響を及ぼすことを意図するものではない。さらに、本明細書で使用されるいくつかの用語は、以下でより詳細に定義される。

0020

I.天然ワルトン膠質
臍帯(umbilical cord)(へその緒(navel string)、出産帯(birth cord)または臍帯(funiculus umbilicalis)とも呼称される)は、発生中のまたは胎児と胎盤との間の導管である。出生前発育の間、臍帯は、生理学的および遺伝学的に胎児の一部であり、ヒトでは通常、天然ワルトン膠質に囲まれた2本の動脈(臍帯動脈)および1本の静脈(臍帯静脈)を含む。臍帯の外層は羊膜に覆われている。

0021

本発明によれば、天然ワルトン膠質は、ヒト、飼育動物(ウシ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラットおよびマウスなど)、および飼育動物以外の動物などの哺乳動物の臍帯から得ることができる。天然ワルトン膠質は、多量の宿主細胞外マトリクス(ECM)成分(コンドロイチン硫酸、コラーゲン、ヒアルロン酸(HA)、プロテオグリカンを含む)、および幹細胞を含有する。また、天然ワルトン膠質は、例えば線維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン様成長因子I(IGF−I)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF−β)、血小板由来成長因子(PDGF)および上皮成長因子(EGF)などの成長因子を含むこともある。また、天然ワルトン膠質は、顕著な弾性特性を有するとともに水分子と結合する。

0022

本発明によれば、天然ワルトン膠質は、以下でより詳細に説明されるように臍帯の全体的な処理により採取される。その後、採取された天然ワルトン膠質は、以下でより詳細に説明されるように脱水された後、微粒子化される。

0023

臍帯組織の採取
ヒトの場合には、臍帯組織の回収または採取は、例えば病院で行うことができ、その場合、臍帯組織は、好ましくは、帝王切開による出生の間に採取される。ドナー(出産間近の母親を指す)は、医学的使用のための安全な組織を提供するように設計された包括スクリーニングプロセスを自発的に受ける。好ましくは、スクリーニングプロセスでは、従来の血清検査を用いて、ヒト免疫不全ウイルス1型および2型に対する抗体(抗HIV−1および抗HIV−2)、B型肝炎ウイルスB型肝炎表面抗原(HBsAg)に対する抗体(抗HBV)、C型肝炎ウイルスに対する抗体(抗HCV)、ヒトTリンパ球向性ウイルスI型およびII型に対する抗体(抗HTLV−I、抗HTLV−II)、サイトメガロウイルス(CMV)、および梅毒、ならびにヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)およびC型肝炎ウイルス(HCV)についての核酸検査について検査する。当業者であれば理解するように、上記の検査の列挙は例示に過ぎず、より多くの検査、より少ない検査、または異なる検査が、長期間にわたって、または組織の意図される使用に基づいて、望ましいか必要である可能性がある。

0024

ドナー情報およびスクリーニング検査結果の総括に基づいて、ドナーが条件を満たすか否かを判断する。さらに、分娩時に、例えばクロストリジウム属(Clostridium)またはストレプトコッカス属(Streptococcus)などの細菌の存在を判定するために培養を行う。ドナー情報、スクリーニング検査、および分娩時培養物(delivery culture)の全てが条件を満たしている(すなわち、いかなるリスクも示さないか、許容レベルのリスクを示す)場合に、ドナーは医療専門家により承認され、組織検体は、さらなる処理および評価にまずは適格であると指定される。

0025

標準的なプロセスの間に胎盤ディスクから切離され且つ上記の選抜基準を満たす臍帯組織は、本発明に従って直ちに処理できるか、または生理食塩水溶液を含む無菌輸送用バッグまたは容器などの保存容器に保存することができ、その後、本発明に従って処理するための処理場所または実験室への輸送のために湿った環境で保存される。

0026

全体的な臍帯組織の処理
上記のように胎盤ディスクから切離された臍帯は、まず、臍帯に沿って約2mm〜約3mmの深さで切開して、それにより動脈、静脈および天然ワルトン膠質を露出させることによって処理される。当業者であれば理解するように、切開の深さは、当然、切離された臍帯の直径または厚さに応じて変動してよい。次に、例えば、当技術分野において公知の皮下組織剥離切開技術(undermining dissection technique)を利用して、可能な限り多くの天然ワルトン膠質を維持するように注意しながら臍帯の動脈および静脈を除去し、それにより天然ワルトン膠質と臍帯羊膜とを含む臍帯組織(以下では「臍帯組織」と呼称される)を提供する。臍帯組織からの天然ワルトン膠質の切離および回収を増やすために、臍帯を、例えば約4cm〜約10cmの長さの臍帯切片など、より小さな切片に切断してよい。本発明によれば、臍帯組織は羊膜を含んでも含まなくてもよいことが理解されるべきである。例えば、本発明の特定の態様では、天然ワルトン膠質から羊膜を切離して、それにより臍帯の構成要素を全く含まない天然ワルトン膠質(以下では「単離されたワルトン膠質」と呼称される)を提供することで、天然ワルトン膠質を臍帯組織からさらに単離できる。単離されたワルトン膠質は、例えば、約1.25cmの厚さを有する(約1cm〜約4cm)×(約10cm〜約30cm)の小片にさらに切断できる。ただし、所望の用途に応じて他の厚さも可能である。

0027

本発明によれば、臍帯組織または単離されたワルトン膠質は、「PURION(登録商標) Processed Dehydrated Human Amnion/Chorion Membrane Allografts」(2012)(http://www.iopinc.com/wp−content/uploads/2012/05/Ambio_AM_Process_Monograph−May−12.pdfにおいて入手可能)に記載されるような標準的なPurion(登録商標)プロセスの洗浄すすぎの工程に従ってすすがれ、浄化される。

0028

脱水
そうではないことが本明細書中で指示されない限り、本明細書に記載される脱水工程を臍帯組織または単離されたワルトン膠質の脱水に使用できる。従って、臍帯組織の脱水に対する言及は、特に指示のない限り、単離されたワルトン膠質を包含することが意図され、単離されたワルトン膠質と互換的に言及されてよい。上記の洗浄工程およびすすぎ工程が完了した後に、以下でより詳細に説明される手法、またはそうでなければ当技術分野において公知であるような手法、に従って臍帯組織を脱水できる。一態様では、臍帯組織を乾燥ボード上に配置できる。例示的な乾燥ボードとしては、例えば米国特許出願公開第US2014/0106447号に記載されるものが挙げられる。完全なままの羊膜を含む臍帯組織の場合には、臍帯組織は、天然ワルトン膠質の側を上に向けて乾燥ボード上に配置される。次に、臍帯組織は、本明細書に記載される脱水の仕様、またはそうでなければ当技術分野において公知である可能性があるような脱水の仕様、に従って乾燥される。例えば、臍帯組織を脱水して、臍帯組織から水を実質的に除去できる(すなわち、組織に存在する水の約90%超、約95%超、または約99%超を除去する)か、臍帯組織を脱水して、臍帯組織に存在する全ての水を完全に除去できる(すなわち、臍帯組織に存在する水を100%除去する)。

0029

一態様では、臍帯組織は、化学的脱水とその後の凍結乾燥によって脱水される。例えば、化学的脱水工程は、十分な時間および量で臍帯組織を極性有機溶媒と接触させることにより実施される。溶媒は、プロトン性または非プロトン性であってよい。本明細書において有用な極性有機溶媒の例としては、限定されるものではないが、アルコールケトンエーテルアルデヒド、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。特定の非限定的な例としては、DMSO、アセトンテトラヒドロフランエタノールイソプロパノール、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。一態様では、室温で臍帯組織を極性有機溶媒と接触させる。追加の工程は不要であり、以下で説明されるように臍帯組織を直接凍結乾燥できる。

0030

脱水後、残留するいかなる水および極性有機溶媒も除去するために臍帯組織を凍結乾燥できる。一態様では、臍帯組織は、凍結乾燥の前に好適な乾燥固定具上に置かれてよい。乾燥固定具は、好ましくは、平たく広がった状態の臍帯組織を完全に収容するのに十分な大きさとなるように寸法決めされる。一態様では、乾燥固定具はテフロン(登録商標)製またはデルリン(登録商標)製であり、デルリン(登録商標)は、DuPont社が販売するアセタール樹脂エンジニアリングプラスチックブランド名であり、Werner Machine, Inc.(Marietta, Georgia)からも市販されている。また、耐熱性且つ耐切断性であり、湿った臍帯組織を収容するために適切な形状に成形することが可能な任意の他の好適な材料が乾燥固定具に使用されてもよい。

0031

臍帯組織が乾燥固定具上に配置されると、乾燥固定具は凍結乾燥機内に配置される。臍帯組織を脱水するために凍結乾燥機を使用することで、加熱脱水などの他の技術と比較して、より効率的かつ徹底的になる可能性がある。一部の実施形態において、臍帯組織中での氷の結晶の形成を避けることが望ましく、これは、氷の結晶の形成が臍帯組織の細胞外マトリクスを損傷させる可能性があるためである。凍結乾燥の前に臍帯組織を化学的に脱水することで、氷の結晶の形成および細胞外マトリクスに対する損傷を避けることができる。

0032

別の態様では、脱水工程は、臍帯組織に熱を加えることを伴う。例えば、上記のような好適な乾燥固定具または乾燥ボードの上に臍帯組織を置き、この乾燥固定具を無菌のTyvex(または通気性があり、耐熱性であり、密封可能である類似の材料)の脱水バッグ中に配置して密封する。通気性のある脱水バッグは、速すぎる臍帯組織の乾燥を防ぐ。複数の乾燥固定具が同時に処理されている場合、それぞれの乾燥固定具は独自のTyvexのバッグ内に配置されるか、あるいは、それぞれの乾燥固定具が、その上に複数の乾燥フレームを保持するように設計された好適な取り付けフレーム内に配置された後に、より大きな単一で無菌のTyvexの脱水バッグ内にフレーム全体が配置され、密封される。

0033

次に、1つ以上の乾燥固定具を含むTyvexの脱水バッグは、約35℃〜約50℃に予熱された非真空オーブンまたはインキュベーター内に約30分間〜約120分間、配置される。一態様では、臍帯組織を十分に乾燥させると同時に、臍帯組織を乾燥させ過ぎるか燃やすことのないように、加熱工程は、約45℃の温度にて約45分間実施できる。任意の特定のオーブンのための特定の温度および時間は、標高、オーブンのサイズ、オーブンの温度の精度、乾燥固定具に使用される材料、同時に乾燥される乾燥固定具の数、同時に乾燥される乾燥固定具のフレームが1つなのか複数なのか、および同様の検討事項、などの他の要因に基づいて較正および調整されるべきである。

0034

当技術分野において公知の脱水装置を使用することで臍帯組織の脱水を達成してよいが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第US2014/0051059号に記載されるような、脱水プロセスの速度および均一性を向上させる革新的な脱水装置を利用してもよい。例えば、一実施形態において、このような脱水装置の構成では、従来のオーブンと比較して乾燥時間を最大で約40%早めることができる。この実施形態の特定の態様では、本明細書に記載される乾燥固定具上に臍帯組織が配置され、臍帯組織を伴う乾燥固定具は、脱水プロセスを実施するために脱水装置内に挿入される。他の態様では、複数の臍帯組織を乾燥固定具上に配置して、脱水装置内で2つ以上の臍帯組織を同時に乾燥できる。

0035

微粒子化ワルトン膠質の調製
上記で詳細に説明されるように、またはそうでなければ当技術分野において公知である可能性があるように、天然ワルトン膠質または臍帯組織を脱水した後(まとめて、または個別に、「脱水された組織」)、脱水された組織を本発明に従って微粒子化し、1種以上のサイズの粒子を含む粒子分布を形成する(以下では「微粒子化ワルトン膠質」と呼称される)。例えば、脱水された組織を約2cm×約2cmの切片に切断して、微粒子化のために調製できる。微粒子化は、当技術分野において公知の機器を使用して達成できる。例えば、Retsch Oscillating Mill MM400(RetschGmbH社(Retsch−Allee 1−5, 42781 Haan, ドイツ)が製造および販売)を使用して、本明細書に記載される微粒子化ワルトン膠質を作製できる。

0036

一態様では、微粒子化ワルトン膠質は、脱水された組織の機械的な粉砕または断片化によって調製される。

0037

別の態様では、微粒子化ワルトン膠質は、脱水された組織の低温粉砕によって調製される。この態様では、脱水された組織を含む粉砕瓶が、粉砕プロセスの前および粉砕プロセス中に、一体化された冷却システムからの液体窒素絶えず冷却される。従って、サンプルは脆くなり、揮発性成分は維持される。さらに、脱水された組織中のタンパク質の変性が最小限に抑えられるか防止される。例えば、一態様では、RetschGmbH社が製造および販売するCryoMillを使用できる。

0038

例えば、本明細書に記載される脱水された組織がバイアル中に配置されてよく、その後、このバイアルは密封される。バイアルはCryo−block内に配置され、このCryo−blockはCryo−rack内に配置される。Cryo−blockおよびCryo−rackはそれぞれ、RetschGmbH社が製造および販売している。Cryo−rackは、液体窒素の入ったDewarフラスコ内に配置される。脱水された組織は、最大で約30分〜約60分にわたって気相冷却を受ける。DewarフラスコからCryo−rackを取り出し、Cryo−rackからCryo−blockを取り出す。Cryo−blockを粉砕機(例えば、SPEX SamplePrep社(65 Liberty St., Metuchen, NJ 08840)が製造および販売するSPEX Sample Prep GenoGrinder 2010)内に配置し、約1,500rpmで約20分間に設定する。約20分の経過の後、以下でより詳細に説明されるような本発明の粒子サイズの仕様に従った微粒子化を確実にするために、微粒子化ワルトン膠質を調べる。必要であれば、以下でより詳細に説明されるような十分な微粒子化および所望の粒子サイズ分布を確実にするために、微粒子化ワルトン膠質をDewarフラスコにさらなる時間(例えば約30分〜約60分など)にわたって戻した後、粉砕機内にさらなる時間(例えば約20分など)にわたって配置してよい。

0039

微粒子化ワルトン膠質の粒子の、それぞれのサイズによる分別は、滅菌水に粒子を懸濁させることによる滅菌水中での微粒子化ワルトン膠質の分画によって達成できる。このような分画手法に従えば、懸濁液の最上部は、最も小さい粒子を主に含むことになり、懸濁液の最下部は、最も重い粒子を主に含むことになる。分画は、粒子サイズによる分別をもたらし、分画を繰り返すことで、微粒子化された粒子が様々なサイズに分別されることになる。分別された微粒子化ワルトン膠質の粒子は、その後、意図される使用に最も適切であるように粒子サイズを所望の割合にして再混合できる。

0040

別の実施形態において、本発明に従った所望の粒子サイズ分布を達成するために所望の穴または孔のサイズを有する1つ以上のふるいを利用して分別が達成される。例えば、微粒子化ワルトン膠質が上記のように調製されると、それを、米国材料試験協会(ASTM)の規格と仕様を満たす一連のふるいを使用して粒子サイズで分類できる。例えば、一部の実施形態において、ふるいは、355μm、300μm、250μm、150μm、および125μmといった、それぞれの穴または孔のサイズを有する。次に、微粒子化ワルトン膠質は、355μmのふるい、続いて300μmのふるい、続いて250μmのふるい、続いて150μmのふるい、続いて125μmのふるいに順次移される。微粒子化ワルトン膠質を次のふるいに移す前に、微粒子化ワルトン膠質の粒子を徹底的にサイズで分別するために、それぞれのふるいを個々に撹拌する。この例では、ふるいを使用して、微粒子化ワルトン膠質の粒子を効率的に分別すると、355μm、300μm、250μm、150μm、および125μmの粒子サイズを有する微粒子化ワルトン膠質の粒子が、ラベル付きの別々のバイアルに回収される。

0041

微粒子化ワルトン膠質の粒子サイズは、用途に応じても変動し得る。用語「微粒子化」は、ミクロンおよびサブミクロンのサイズの粒子を包含することを意味するということが理解されるべきである。一態様では、微粒子化ワルトン膠質は、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、約75μm以下、約50μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、約9μm以下、約8μm以下、約7μm以下、約6μm以下、約5μm以下、約4μm以下、約3μm以下、約2μm以下、または約2μm〜約400μm、約25μm〜約300μm、約25μm〜約200μm、約25μm〜約150μm、または任意の2つの数の間の任意の範囲の粒子を有する。一態様では、微粒子化ワルトン膠質は、約150μm未満、約100μm未満、または約50μm未満の直径を有する粒子を有する。他の態様では、より大きな直径(例えば、約150μm〜約350μm)を有する粒子が望ましい。他の態様では、粒子は、約25μm〜約75μmの直径を有する。全ての場合において、粒子の直径は、その最長軸に沿って測定される。

0042

一部の実施形態において、微粒子化ワルトン膠質は、例えば、より小さなサイズの粒子が即時または短期の効果をもたらし、より大きな粒子が長時間または持続性長期的効果をもたらす可能性があるような、所望の粒子サイズ分布を有する。例えば、一部の実施形態において、微粒子化ワルトン膠質は、例えば、約50%の粒子が40μM未満の直径を有し、約25%の粒子が約40μM〜約60μM未満の直径を有し、約25%の粒子が約60μM超の直径を有するような、複数の粒子サイズを含む組成物である。他の実施形態において、約25%の粒子が40μM未満の直径を有し、約25%の微粒子化ワルトン膠質の粒子が約40μM〜約60μM未満の直径を有し、約50%の粒子が約60μM超の直径を有する。

0043

一実施形態において、(上記のようなある範囲の直径を有する粒子に基づく)粒子の表面積対体積比は、約0.06μm−1〜約6×104μm−1、約0.06μm−1〜約6×103μm−1、約0.06μm−1〜約6×102μm−1、または約0.6μm−1〜約6×102μm−1の範囲の間である。

0044

一態様では、微粒子化ワルトン膠質は、いかなる胎盤組織またはその構成要素も実質的に含まない。本明細書で使用される「実質的に含まない」は、微粒子化ワルトン膠質が胎盤組織またはその構成要素を約10%以下、約5%以下、または約1%以下含むということを意味する。一態様では、微粒子化ワルトン膠質は、胎盤組織またはその構成要素を全く含まない。

0045

当業者であれば理解するように、微粒子化ワルトン膠質の粒子サイズをナノレンジまで低下させることができ、それにより、微粒子化ワルトン膠質の粒子の密度を増大させ、治療部位への適用時の微粒子化ワルトン膠質の粒子の放出速度を改善できる。例えば、微粒子化ワルトン膠質を、分画遠心法を含め、当技術分野において公知である従来の方法に供することができ、それにより、粒子サイズをナノレンジまで低下させることができる。好適な技術または装置を用いた粒子サイズの低下は、当業者の知識の範囲内に属する。

0046

II.微粒子化ワルトン膠質の組成物
本発明のさらに別の態様によれば、微粒子化ワルトン膠質を含む組成物および製剤が提供される。

0047

上記のように、天然ワルトン膠質は、修復および/または再生のために体内に送達するのが困難な粘性のゼラチン状物質である。本発明によれば、微粒子化ワルトン膠質ならびにその組成物および製剤は、対象の損傷領域の関節面軟骨の修復および/または再生のために対象の損傷領域に容易かつ確実に送達できる。一態様では、本発明は、対象の損傷領域に送達された際に損傷領域の修復および/または再生のために実質的に局在したままとなるように制御された粘性を有する微粒子化ワルトン膠質およびその組成物を提供する。以下でより詳細に説明されるように、本発明による微粒子化ワルトン膠質を、生理食塩水、滅菌水、または当技術分野において公知である任意の好適な緩衝液など、医薬的に許容される水性担体中に懸濁して懸濁液またはゼラチンゲル組成物を形成することができ、これらは、本明細書に記載されるような対象の関節面軟骨の損傷領域に隣接する空間内への送達に好適な液体、ゲル、またはペーストの形態とすることができる。従って、本明細書に開示される微粒子化ワルトン膠質は、十分な濃度で使用した場合に、水和されてゲルまたはペーストとなり局所投与できるか、注射針および注射器の使用により体内に注射できるため、汎用性がある。少なくともこれらの点で、本発明による微粒子化ワルトン膠質またはその組成物もしくは製剤は、天然ワルトン膠質よりも便利な様式で送達できる。

0048

一態様では、本明細書に記載される微粒子化ワルトン膠質を、生体系または生物学的実体が許容できる任意の賦形剤中で製剤化して、対象への微粒子化ワルトン膠質の投与のための組成物または製剤を作製できる。水性賦形剤の例としては、限定されるものではないが、水、水性ヒアルロン酸、生理食塩水、リンガー溶液デキストロース溶液ハンクス溶液、および他の生理学的に平衡化された塩の水溶液が挙げられる。固定油、植物油オリーブ油およびゴマ油など)、トリグリセリドプロピレングリコールポリエチレングリコール、および注射用有機エステルオレイン酸エチルなど)などの非水性ビヒクルも使用できる。他の有用な製剤には、カルボキシメチルセルロースもしくはその塩、ソルビトール、またはデキストランなどの粘性増強剤を含む懸濁液が包含される。賦形剤は、等張性および化学的安定性を向上させる物質など、少量の添加物を含んでもよい。緩衝液の例としては、リン酸緩衝液重炭酸塩緩衝液およびTris緩衝液が挙げられる一方、防腐剤の例としては、チメロサール(thimerosol)、クレゾールホルマリンおよびベンジルアルコールが挙げられる。特定の態様では、投与の様式に応じてpHを変更できる。さらに、対象への微粒子化ワルトン膠質の投与のための組成物または製剤は、本明細書に記載される微粒子化ワルトン膠質に加えて、担体増粘剤希釈剤、防腐剤、界面活性剤等を含んでよい。

0049

一部の実施形態において、組成物は、国際特許出願公開第WO2012/112410号ならびに米国仮出願第61/442,346号、同第61/543,995号、および同第61/683,700号に記載されるように、微粒子化された胎盤組織またはその構成要素(微粒子化された胎盤の羊膜など)をさらに含む。これらの出願の内容については、その全体が参照により本明細書に具体的に組み込まれる。このような実施形態において、微粒子化された胎盤組織またはその構成要素は、微粒子化の前および/または後に、および/または、上記で詳細に説明されるような天然ワルトン膠質もしくは臍帯組織の脱水の前および/または後に、添加されてよい。

0050

別の態様では、胎盤組織またはその構成要素(羊膜、中間組織層、絨毛膜、およびさらなる構成要素など)は、微粒子化の前および/または後に、および/または、上記で詳細に説明されるような天然ワルトン膠質もしくは臍帯組織の脱水の前および/または後に、添加されてよい。

0051

一態様では、微粒子化の前および/または後に、および/または、上記で詳細に説明されるような天然ワルトン膠質もしくは臍帯組織の脱水の前および/または後に、充填剤が添加されてよい。充填剤の例としては、限定されるものではないが、同種移植心膜、同種移植無細胞真皮、精製された異種移植1型コラーゲン、バイオセルロースポリマーまたはコポリマー生体適合性合成ポリマーまたはコポリマーのフィルム、精製された小腸粘膜下組織、膀胱無細胞マトリックス死体筋膜、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0052

別の態様では、微粒子化の前および/または後に、および/または、上記で詳細に説明されるような天然ワルトン膠質もしくは臍帯組織の脱水の前および/または後に、生物活性剤が添加されてよい。生物活性剤の例としては、限定されるものではないが、自己血を採取および分離する製品、または期限切れ保存血から調達された濃縮血小板、のいずれかを用いて濃縮血小板から調達される天然に存在する成長因子;骨髄穿刺液濃縮ヒト胎盤臍帯血幹細胞、濃縮羊水幹細胞もしくはバイオリアクター内で増殖させた幹細胞に由来する幹細胞;または抗生物質が挙げられる。生物活性剤を伴う微粒子化ワルトン膠質を対象上の目的の領域に投与すると、生物活性剤はその領域に徐々に送達される。従って、本明細書に記載されるような微粒子化ワルトン膠質またはその組成物は、対象に投与される場合、生物活性剤および他の薬剤のための有用な送達ビヒクルである。当業者であれば理解するように、本明細書に記載されるような微粒子化ワルトン膠質の組成物からの生物活性剤の放出プロファイルは、とりわけ、微粒子化ワルトン膠質の組成物を含む構成要素の選択ならびに粒子のサイズに基づいて改変されてよい。

0053

対象への微粒子化ワルトン膠質の投与のための組成物または製剤は、当技術分野において公知の手法を用いて調製できる。一態様では、組成物または製剤は、本明細書に記載される微粒子化ワルトン膠質を医薬的に許容される化合物および/または担体と混合することにより調製される。

0054

特定の組成物中の微粒子化ワルトン膠質の量は、利用される微粒子化ワルトン膠質中の粒子のサイズ、製剤化される特定の組成物、適用または送達の様式、ならびに治療される特定の部位または領域および対象に応じて変動することが理解されるであろう。所与の対象に対する投与量は、従来の検討事項を用いて決定できる。例えば、対象への微粒子化ワルトン膠質の投与のための組成物または製剤の用量および/または投与レジメンを決定する当業者である医師および処方者は、標準的な推奨(Physician’s Desk Reference, Barnhart Publishing (1999))に従って適切な用量または投与レジメンを決定できる。

0055

一部の実施形態において、微粒子化ワルトン膠質を、生理食塩水、滅菌水、または当技術分野において公知である任意の好適な緩衝液など、医薬的に許容される水性担体中に懸濁して懸濁液またはゼラチンゲル組成物を形成できる。従って、組成物は、液体、ゲル、またはペーストの形態であってよい。

0056

一部の実施形態において、微粒子化ワルトン膠質を含む流動性ゲル組成物を作製するために滅菌水が使用され、この流動性ゲル組成物は、注射器および注射針による注射に好適であると同時に、対象の損傷領域に送達された際に損傷領域の修復および/または再生のために損傷領域からほとんどまたは全く移動することなく実質的に局在したままとなるように、このような流動性ゲル組成物の制御された粘性を維持する。例えば、約0.1〜約1g(約0.5gなど)の微粒子化ワルトン膠質を約1mL〜約2mL(約1.3〜1.4mLなど)の水と混合して流動性ゲル材料を提供できる。一部の実施形態において、組成物中の微粒子化ワルトン膠質の濃度は、約0.05g/mL、約0.1g/mL、約0.2g/mL、約0.3g/mL、約0.4g/mL、約0.5g/mL、約0.6g/mL、約0.7g/mL、約0.8g/mL、約0.9g/mL、約1g/mLなど、約0.05g/mL〜約1g/mLであるか、端点を含む任意の2つの値の間の任意の範囲である。上記の材料は、注射器に装填されて注射針(25〜27ゲージの注射針など)を通過することが可能である滑らかな粘稠度であり、ここで、流動性ゲルの粘性は実質的に変化しないままである。

0057

一部の実施形態において、上記のような流動性ゲルの液滴が、滑らかで凹凸のないボード表面などの表面上に適用され、実質的または完全に乾燥させられる。一部の実施形態において、液滴の直径は、約2.5mmなど、約5〜約1mmである。乾燥後、全体的な直径の減少が最小限である固体ペレットが形成される。一部の実施形態において、固体のペレットは円形/円状である。本明細書で使用される場合、「実質的に」は、乾燥したペレットが約10%以下、約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下または約0.1%以下の残留水を含むことを意味する。

0058

ペレットを滅菌水に入れて再水和できる。一部の実施形態において、再水和の時間は、約1時間または約1時間超である。一部の実施形態において、ペレットの直径は、再水和の後に増加する。一部の実施形態において、直径は、約1.5倍〜約2.5倍または約2倍など、約1.1倍〜約3倍増加する。一部の実施形態において、約24時間超など、長時間にわたって、水性条件でのサイズまたは形状における完全性喪失徴候は存在しない。

0059

一部の実施形態において、微粒子化ワルトン膠質は、所望の形状およびサイズを有する型に押し込まれて、型の形状およびサイズを伴い所望の凝集性および密度を示す、成形された微粒子化ワルトン膠質を形成する。所望の形状およびサイズの型を形成するために、シリコーン樹脂、テフロン(登録商標)またはステンレス鋼など、好適な成形材料を選択することは当業者の知識の範囲内に属する。

0060

本明細書に記載される対象への微粒子化ワルトン膠質の投与のための組成物または製剤は、局所治療が望ましいか全身治療がのぞましいかに応じて、および治療される領域に応じて、いくつかの方法で投与されてよい。一態様では、投与は注射によるものであってよく、この場合、組成物は液体またはゲルに製剤化される。他の態様では、組成物は、対象の体内に適用されるように製剤化されてよい。他の態様では、組成物は、局所的に適用されてよい(眼、直腸鼻腔内への適用、経口での適用、または皮膚への直接的な適用を含む)。

0061

一態様では、微粒子化ワルトン膠質の組成物は、皮膚に直接適用される局所用組成物として製剤化されてよい。局所投与用製剤には、エマルジョンクリーム、水溶液、油、軟膏、ペースト、ゲル、ローション乳液発泡体、懸濁液および粉末が包含されてよい。一態様では、局所用組成物は、1種以上の界面活性剤および/または乳化剤を含んでよい。微粒子化ワルトン膠質の局所適用は、火傷乾癬性びらん皮膚炎しわ等の治療に特に好適である。

0062

本明細書に記載される微粒子化ワルトン膠質の組成物は、界面活性剤(または界面活性物質)または乳化剤をさらに含んでよい。

0063

界面活性剤は、アニオン性界面活性剤非イオン性界面活性剤カチオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤であってよい。アニオン性界面活性剤の典型的な例としては、限定されるものではないが、石鹸アルキルベンゼンスルホネートアルカンスルホネートオレフィンスルホネートアルキルエーテルスルホネートグリセロールエーテルスルホネート、α−メチルエステルスルホネートスルホ脂肪酸アルキルサルフェート脂肪アルコールエーテルサルフェート、グリセロールエーテルサルフェート、脂肪酸エーテルサルフェート、ヒドロキシ混合エーテルサルフェート、モノグリセリド(エーテル)サルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)サルフェート、モノアルキルスルホスクシネートおよびジアルキルスルホスクシネートモノアルキルスルホスクシナメートおよびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸(例えば、アシルラクチレートアシタルトレートアシルグルタメートおよびアシルアスパルテート)、アルキルオリゴグルコシドサルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に小麦ベース植物性製品)ならびにアルキル(エーテル)ホスフェートが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、限定されるものではないが、脂肪アルコールポリグリコールエーテルアルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルまたは混合ホルマール、任意選択で部分的に酸化されたアルキル(アルケニルオリゴグリコシドまたはアルキル(アルケニル)グルコロン酸誘導体、脂肪酸N−アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に小麦ベースの植物性製品)、ポリオール脂肪酸エステル糖エステルソルビタンエステルポリソルベートならびにアミンオキシドが挙げられる。両性界面活性剤または双性イオン性界面活性剤の例としては、限定されるものではないが、アルキルベタインアルキルアミドベタインアミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインが挙げられる。

0064

一態様では、界面活性剤は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、モノアルキルスルホスクシネートおよび/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメートα−オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグリコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、アンアセタール(amphoacetal)および/またはタンパク質脂肪酸縮合物であってよい。

0065

双性イオン性界面活性剤の例としては、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばココアキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリンなどのベタイン(それぞれ、アルキル基またはアシル基に8〜18個の炭素原子を有する)、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチル−カルボキシメチルグリシネートが挙げられる。

0066

一態様では、乳化剤は、以下から選択される非イオノゲン性(nonionogenic)界面活性剤であってよい:8〜22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコールに対する、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸に対する、アルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールに対する、およびアルキル基に8〜22個の炭素原子を有するアルキルアミンに対する、2〜30molのエチレンオキシドおよび/または0〜5molのプロピレンオキシド付加生成物:アルキル(アルケニル)基に8〜22個の炭素原子を有するアルキルオリゴグリコシドおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドとそのエトキシル化類似体ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油に対する1〜15molのエチレンオキシドの付加生成物;ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油に対する15〜60molのエチレンオキシドの付加生成物;グリセロールおよび/またはソルビタンと、12〜22個の炭素原子を有する不飽和直鎖状または飽和分枝状の脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸と、の部分エステル、ならびにそれらに1〜30molのエチレンオキシドを付加したもの;ポリグリセロール(平均自己縮合度2〜8)、トリメチロールプロパンペンタエリスリトール糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシドブチルグルコシドラウリルグルコシド)、およびポリグルコシド(例えばセルロース)と、12〜22個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の直鎖状または分枝状の脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸と、の部分エステル、ならびにそれらに1〜30molのエチレンオキシドを付加したもの;ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル、ならびに/または、6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル、モノ−、ジ−およびトリアルキルホスフェート、ならびにモノ−、ジ−および/またはトリ−PEGアルキルホスフェート、ならびにそれらの塩;ウールワックスアルコールポリシロキサンポリアルキルポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;ならびにブロックコポリマー(例えばポリエチレングリコール−30ジポリヒドロキシステアレート)。一態様では、乳化剤は、例えばポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールである。別の態様では、乳化剤は、100Da〜5,000Da、200Da〜2,500Da、300Da〜1,000Da、400Da〜750Da、550Da〜650Da、または約600Daの分子量を有するポリエチレングリコールである。

0067

別の態様では、乳化剤はポロキサマーである。一態様では、ポロキサマーは、2本のポリオキシエチレン(例えばポリ(エチレンオキシド))親水性鎖に挟まれた中央のポリオキシプロピレン(例えばポリ(プロピレンオキシド))疎水性鎖から構成される非イオン性トリブロックコポリマーである。一態様では、ポロキサマーは式HO(C2H4O)b(C3H6O)a(C2H4O)bOHを有し、式中、aは10〜100、20〜80、25〜70、または25〜70、または50〜70であり;bは5〜250、10〜225、20〜200、50〜200、100〜200、または150〜200である。別の態様では、ポロキサマーは、2,000〜15,000、3,000〜14,000、または4,000〜12,000の分子量を有する。本明細書において有用であるポロキサマーは、BASF社が製造するPluronic(登録商標)なる商品名で販売されている。本明細書において有用であるポロキサマーの非限定的な例としては、限定されるものではないが、Pluronic(登録商標) F68、P103、P105、P123、F127、およびL121が挙げられる。

0068

別の態様では、乳化剤は、1種以上の脂肪アルコールから構成される。一態様では、脂肪アルコールは、直鎖状または分枝状のC6〜C35脂肪アルコールである。脂肪アルコールの例としては、限定されるものではないが、カプリルアルコール(1−オクタノール)、2−エチルヘキサノールペラルゴンアルコール1−ノナノール)、カプリンアルコール(1−デカノールデシルアルコール)、ウンデシルアルコール(1−ウンデカノール、ウンデカノール、ヘンデカノール)、ラウリルアルコールドデカノール、1−ドデカノール)、トリデシルアルコール(1−トリデカノール、トリデカノール、イソトリデカノール)、ミリスチルアルコール1−テトラデカノール)、ペンタデシルアルコール(1−ペンタデカノール、ペンタデカノール)、セチルアルコール1−ヘキサデカノール)、パルミトレイルアルコール(シス−9−ヘキサデセン−1−オール)、ヘプタデシルアルコール(1−n−ヘプタデカノール、ヘプタデカノール)、ステアリルアルコール1−オクタデカノール)、イソステアリルアルコール(16−メチルヘプタデカン−1−オール)、エライジルアルコール(9E−オクタデセン−1−オール)、オレイルアルコール(シス−9−オクタデセン−1−オール)、リノレイルアルコール(9Z,12Z−オクタデカジエン−1−オール)、エライドリノレイルアルコール(9E,12E−オクタデカジエン−1−オール)、リノレニルアルコール(9Z,12Z,15Z−オクタデカトリエン−1−オール)、エライドリノレニルアルコール(9E,12E,15E−オクタデカトリエン−1−オール)、リシノレイルアルコール(12−ヒドロキシ−9−オクタデセン−1−オール)、ノナデシルアルコール(1−ノナデカノール)、アラキジルアルコール(1−エイコサノール)、ヘンエイコシルアルコール(1−ヘンエイコサノール)、ベヘニルアルコール1−ドコサノール)、エルシルアルコール(シス−13−ドコセン−1−オール)、リグセリルアルコール(1−テトラコサノール)、セリルアルコール(1−ヘキサコサノール)、モンタニルアルコール、クルイチル(cluytyl)アルコール(1−オクタコサノール)、ミリシルアルコールメリシルアルコール(1−トリアコンタノール)、ゲジルアルコール(1−テトラトリアコンタノール)、またはセテアリルアルコールが挙げられる。

0069

一態様では、組成物を作製するために使用される担体は、ポリエチレンと1種以上の脂肪アルコールとの混合物である。例えば、担体は、50重量%〜99重量%、75重量%〜99重量%、90重量%〜99重量%、または約95重量%のポリエチレングリコールと1重量%〜50重量%、1重量%〜25重量%、1重量%〜10重量%、または約5重量%のアルコールとから構成される。さらなる態様では、担体は、ポリエチレングリコールとセチルアルコールとの混合物である。

0070

微粒子化ワルトン膠質の組成物は、脂肪ワックス真珠光沢ワックス増ちょう剤、増粘剤、過脂肪剤安定化剤、ポリマー、シリコーン化合物レシチンリン脂質生物起源活性成分脱臭剤抗菌剤制汗剤膨張剤防虫剤ヒドロトロープ剤、可溶化剤、防腐剤、香油および染料など、1種以上の追加の構成要素を含んでもよい。これらの構成要素のそれぞれの例は、これらの構成要素に関して参照により組み込まれる米国特許第8,067,044号に開示されている。

0071

本明細書に記載される微粒子化ワルトン膠質の組成物は、粒子が担体全体に実質的に均一に分散するように十分な時間、微粒子化ワルトン膠質を担体と混合することによって調製されてよい。担体が2種以上の構成要素から構成される場合には、それらの構成要素は、微粒子化ワルトン膠質の添加の前に互いに混合されてよい。組成物中に存在する微粒子化ワルトン膠質の量は、用途に応じて変動してよい。一態様では、微粒子化ワルトン膠質は、組成物の約0.1重量%〜約99重量%、約0.5重量%〜約90重量%、約1重量%〜約75重量%、約1重量%〜約50重量%、約1重量%〜約20重量%、約1重量%〜約10重量%、約2重量%〜約5重量%、または約3重量%である。本明細書に記載される微粒子化ワルトン膠質の組成物を作製するための例示的な手順は、実施例に提示されている。

0072

上述の利点に加えて、流体を吸収するという、より大きな微粒子化ワルトン膠質の粒子の能力は、それらを様々な物質(例えば、本明細書に記載される生物活性剤のいずれか)と混合して、対象への微粒子化ワルトン膠質の投与のための、活性が向上した組成物または製剤を作製することを可能にする。例えば、創傷における血液凝固を促進するために、より大きな粒子が、抗線維素溶解剤ビタミンKフィブリノーゲン、および血液凝固因子など、追加の止血剤と混合されてよい。他の態様では、より大きな粒子は、患者由来の骨などの自家材料と混合されてよい。ここで、微粒子化ワルトン膠質は、骨膜界面に直接投与されてよい。他の態様では、創傷治癒を促進するために、より大きな微粒子化された粒子がフィブリン接着剤と混合されてよい。微粒子化ワルトン膠質は、フィブリン塊を形成して組織修復を促進するというフィブリン接着剤の能力を促進できる。従って、フィブリン接着剤と組み合わせたより大きな粒子はさらに、創傷を閉じるために通常使用される縫合糸の必要性を低減できる。

0073

一実施形態において、微粒子化ワルトン膠質は、対象の組織表面に接触するはずである羊膜または絨毛膜の表面に埋め込まれてよい。高速噴霧器などの従来の技術によって、微粒子化ワルトン膠質を表面に適用し、組織中への成長因子等の放出速度を向上させることができる。

0074

可塑剤
さらに別の態様では、微粒子化ワルトン膠質の組成物の構成要素は、少なくとも1種の可塑剤と混合される。用語「可塑剤」および「可塑化剤」は、本発明において互換的に使用されてよい。可塑化剤には、組成物または組成物から形成される製品の機械特性を改変するために添加できる任意の剤または剤の組み合わせが包含されてよい。当業者であれば、可塑剤の生体適合性、生体内における微粒子化ワルトン膠質の組成物の分解速度もしくは浸食速度に対する可塑剤の効果、成形/圧縮プロセスを容易にする混合物の特性に対する可塑剤の効果、ならびに/または組成物の強度、可撓性、粘稠度、疎水性および/もしくは親水性に対する可塑剤の効果に基づいて好適な可塑剤を選択するであろう。一部の態様では、可塑剤と微粒子化ワルトン膠質との混合物が、非多孔性の型での圧縮を可能にする十分に低い含水量を有するように、可塑剤は、微粒子化ワルトン膠質と混合される前に脱水および/または微粒子化される。

0075

いかなる理論または作用機序にも束縛されることを意図するものではないが、組成物中の構成要素間の流動を生み出すか向上させることを含む可能性がある設計目標を伴って、例えば結晶化度を低下させるか、ガラス転移温度(Tg)を低下させるか、または組成物内の構成要素間の分子間力を低下させるために、可塑剤が添加されてよい。改変される機械特性には、限定されるものではないが、ヤング率引張強度衝撃強度引裂強度、および破壊歪(strain−to−failure)が包含される。可塑剤は、単量体重合体共重合体、またはそれらの組み合わせであってよく、共有結合の有無によらず組成物に添加されてよい。可塑剤の選択が、例えば極性など、溶媒の選択における検討事項と同様の検討事項を伴う限り、可塑化溶解性は類似している。さらに、可塑剤は、共重合を介して組成物の分子構造を変化させる共有結合を介して組成物に添加されてもよい。

0076

可塑化剤の例としては、限定されるものではないが、例えばシングルブロックポリマー、マルチブロックポリマー、およびコポリマーなどの低分子量ポリマー;例えば、限定されるものではないが乳酸末端エチル化オリゴマーを含めた乳酸オリゴマーなどのオリゴマー;環状乳酸およびグリコール酸二量体有機小分子;ヒドロキシル基を有する水素結合形成有機化合物およびヒドロキシル基を有さない水素結合形成有機化合物;脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオールなどのポリオール;ブタノールペンタノールおよびヘキサノールなどのアルカノール;糖アルコールおよび糖アルコールの無水物;ポリ(アルキレングリコール)などのポリエーテルクエン酸エステルフタル酸エステルセバシン酸エステルおよびアジピン酸エステルなどのエステルポリエステル脂肪族酸;飽和および不飽和の脂肪酸;脂肪アルコール;コレステロールステロイド;例えばレシチンなどのリン脂質;動物性タンパク質および植物性タンパク質などのタンパク質;例えば植物油および動物油などの油;シリコーン;アセチル化モノグリセリドジグリセリド;トリグリセリド;アミド;アセトアミドスルホキシドスルホンピロリドンオキサ酸(oxa acid);ジグリコール酸;ならびにそれらの任意の類似体、誘導体、コポリマーおよび組み合わせが挙げられる。

0077

一部の実施形態において、可塑剤には、限定されるものではないが、例えばカプロラクトンジオールカプロラクトントリオール、ソルビトール、エリスリトール、グルシドールマンニトール、ソルビトール、スクロース、およびトリメチロールプロパンなどの他のポリオールが包含される。他の実施形態において、可塑剤には、限定されるものではないが、例えばエチレングリコールジエチレングリコールメチレングリコールテトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、スチレングリコールペンタメチレングリコールヘキサメチレングリコールなどのグリコール;例えばモノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、およびジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル;ならびにそれらの任意の類似体、誘導体、コポリマーおよび組み合わせが包含される。

0078

他の実施形態において、可塑剤には、限定されるものではないが、例えばジエチレングリコールジベンゾエートジプロピレングリコールジベンゾエート、メチレングリコールカプレートカプリレートなどのグリコールエステル;例えばグリセロールモノステアレートなどのモノステアレート;クエン酸エステル;有機酸エステル芳香族カルボン酸エステル脂肪族ジカルボン酸エステル;例えばステアリン酸エステルオレイン酸エステルミリスチン酸エステルパルミチン酸エステル、およびセバシン酸エステルなどの脂肪酸エステル;トリアセチン;例えばフタレートポリエステル、アジペートポリエステル、グルテートポリエステルなどのポリ(エステル);例えばジアルキルフタレート、ジメチルフタレートジエチルフタレートイソプロピルフタレート、ジブチルフタレートジヘキシルフタレートジオクチルフタレートジイソノニルフタレート、およびジイソデシルフタレートなどのフタレート;例えばアルキルセバケートジメチルセバケートジブチルセバケートなどのセバケート;例えばラクテートアルキルラクテートエチルラクテートブチルラクテートアリグリコレートエチルグリコレート、およびグリセロールモノステアレートなどのヒドロキシルエステル;例えばアルキルアセチルシトレートトリエチルアセチルシトレート、トリブチルアセチルシトレート、トリヘキシルアセチルシトレート、アルキルシトレートトリエチルシトレート、およびトリブチルシトレートなどのシトレート;例えばメチルリシノレートなどのヒマシ油のエステル;例えばトリメリット酸エステル安息香酸エステル、およびテレフタル酸エステルなどの芳香族カルボン酸エステル;例えばジアルキルアジペート、アルキルアリルエーテルジエステルアジペート、ジブトキシエトキシエチルアジペートジイソブチルアジペート、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、クエン酸エステル、および酒石酸エステルなどの脂肪族ジカルボン酸エステル;ならびに、例えばグリセロールのモノ−、ジ−またはトリアセテート、およびスルホコハク酸ジエチルナトリウムなどの脂肪酸エステル、などのエステル、ならびにそれらの任意の類似体、誘導体、コポリマーおよび組み合わせが包含される。

0079

他の実施形態において、可塑剤には、限定されるものではないが、例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)、およびポリ(エチレン/プロピレングリコール)などのポリ(アルキレングリコール);例えばメトキシポリ(エチレングリコール)(mPEG)などのPEG誘導体;ならびに、例えばジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、およびトリエチレングリコールカプレート−カプリレートなどのエステルエーテル、などのエーテルおよびポリエーテル、ならびにそれらの任意の類似体、誘導体、コポリマーおよび組み合わせが包含される。

0080

他の実施形態において、可塑剤には、限定されるものではないが、例えばオレイン酸アミドエルカ酸アミド、およびパルミチン酸アミドなどのアミド;例えばジメチルアセトアミドなどのアルキルアセトアミド;例えばジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド;例えばn−メチルピロリドンなどのピロリドン;例えばテトラメチレンスルホンなどのスルホン;例えばオキサ一酸、オキサ二酸(3,6,9−トリオキサウンデカン二酸など)、ポリオキサ二酸などの酸;アセチル化クエン酸のエチルエステル、アセチル化クエン酸のブチルエステル、アセチル化クエン酸のカプリルエステル、ならびに、ジメチロールプロピオン酸などのジグリコール酸、ならびにそれらの任意の類似体、誘導体、コポリマーおよび組み合わせが包含される。

0081

他の実施形態において、可塑剤には、限定されるものではないが、植物油(限定されるものではないがエポキシ化ダイズ油アマニ油;ヒマシ油;ヤシ油;分画ヤシ油;エポキシ化タレート(tallate);ならびにステアリン酸オレイン酸ミリスチン酸、パルミチン酸、およびセバシン酸などの脂肪酸のエステルを含む)、精油(限定されるものではないがアンゼリカ油、アニス油アルニカ油、オレンジ油(aurantii aetheroleum)、バレリアン油、バジル油(basilici aetheroleum)、ベルガモット油セイボリー油、ブッコ油(bucco aetheroleum)、樟脳カルダモン油(cardamomi aetheroleum)、カシア油、ヘノポジ油キク油、シナエ油(cinae aetheroleum)、シトロネラ油レモン油かんきつ油、コスタス油、クルクマ油、カーリナ油(carlina oil)、エレミ油、タラゴン油ユーカリ油フェンネル油、松葉油パイン油フィリシス油(filicis aetheroleum)、ガルバナム油、ガウルテリア油(gaultheriae aetheroleum)、ゼラニウム油グアヤクウッド油、ヘーゼルウォルト油(hazelwort oil)、アイリス油、ヒペリカム油、カラムス油、カモミール油モミ葉油、ニンニク油コリアンダー油、キャラウェイ油、ローリエ油(lauri aetheroleum)、ラベンダー油レモングラス油、ロベージ油、ベイ油、ルプリストロブリ油(lupuli strobuli aetheroleum)、メース油マージョラム油マンダリン油メリッサ油メントール、ミレフォリ油(millefolii aetheroleum)、ミント油クラリー油、ナツメグ油スパイクナード油、クローブ油、ネロリ油ニアウリ、オリバナム油オノディス油(ononidis aetheroleum)、オポプラナックス油(opopranax oil)、オレンジ油、オレガノ油オルトシフォン油、パチョリ油パセリ油、プチグレイン油、ペパーミント油タンジー油、ローズウッド油、バラ油ローズマリー油、ルー油、サビナ油(sabinae aetheroleum)、サフラン油、セージ油サンダルウッド油、サッサフラス油セロリ油、からし油セルフィリ油(serphylli aetheroleum)、イモテル油、モミ油、ティーツリー油テレピン油(terpentine oil)、タイム油ジュニパー油フランキンセンス油ヒソップ油、シダーウッド油、シナモン油、およびイトスギ油を含む)、ならびに他の油(例えば魚油)、ならびにそれらの任意の類似体、誘導体、コポリマーおよび組み合わせが包含される。

0082

一部の実施形態において、当業者は、上記の可塑化剤のいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを排除するために1種以上の特定の可塑化剤を選択できるということが理解されるべきである。

0083

一部の実施形態において、可塑化剤は水溶性の構成要素を含んでよい。他の実施形態において、可塑化剤は、水溶性となるように修飾されてよい。一部の実施形態において、可塑化剤は脂溶性の構成要素を含んでよい。他の実施形態において、可塑化剤は、脂溶性となるように修飾されてよい。例えば生体内に存在する体液などの溶媒中での可塑剤の挙動を改変するために任意の官能基が付加されてよい。

0084

架橋
さらなる態様では、本発明による微粒子化ワルトン膠質の組成物または製剤の生体内での潜在的な分解速度または浸食速度、ならびに微粒子化ワルトン膠質および他の構成要素の密度および凝集性が、例えば架橋によって、改変されてよい。微粒子化ワルトン膠質は、羊膜組織、中間組織層、絨毛膜、または第2の羊膜組織など、他の構成要素と架橋されてよい。例えば、架橋剤は、本明細書に記載されるような微粒子化の前および/または後に添加されてよい。一般的に、架橋剤は非毒性かつ非免疫原性である。構成要素(複数)が架橋剤で処理される場合、架橋剤は同じであっても異なってもよい。一態様では、天然ワルトン膠質、臍帯組織(天然ワルトン膠質を伴うか伴わない)、および/または他の構成要素は別々に架橋剤で処理されてよいか、あるいは、天然ワルトン膠質、臍帯組織(天然ワルトン膠質を伴うか伴わない)、および/または他の構成要素は、同一の架橋剤で一緒に処理されてよい。特定の態様では、天然ワルトン膠質、臍帯組織(天然ワルトン膠質を伴うか伴わない)、および/または他の構成要素は、2種以上の異なる架橋剤で処理されてよい。天然ワルトン膠質、臍帯組織(天然ワルトン膠質を伴うか伴わない)、および/または他の構成要素を処理するための条件は変動してよい。他の態様では、微粒子化ワルトン膠質は、その後に架橋剤で処理されてよい。一態様では、架橋剤の濃度は、約0.1M〜約5M、約0.1M〜約4M、約0.1M〜約3M、約0.1M〜約2M、または約0.1M〜約1Mである。好ましくは、架橋された構成要素が、非多孔性の型での圧縮または成形を可能にする十分に低い含水量を有するように、天然ワルトン膠質、臍帯組織(天然ワルトン膠質を伴うか伴わない)、および/または他の構成要素は脱水の前に架橋される。

0085

特定の態様では、以下に記載されるような成形された微粒子化ワルトン膠質が架橋剤で処理されてよい。好ましくは、組成物は、組成物の含水量が低レベル(例えば、約20%未満、約15%未満、約10%未満、または約5%未満)に維持されるように、圧縮の前に、および微粒子化の前または後に、ガス煙霧による架橋を受ける。架橋剤は一般的に、タンパク質と反応して共有結合を生成できる2つ以上の官能基を有する。一態様では、架橋剤は、タンパク質上に存在するアミノ基と反応できる基を有する。このような官能基の例としては、限定されるものではないが、ヒドロキシル基、置換アミノ基または非置換アミノ基、カルボキル基、およびアルデヒド基が挙げられる。一態様では、架橋剤は、例えばグルタルアルデヒドなどのジアルデヒドであってよい。別の態様では、架橋剤は、例えばN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(EDC)などのカルボジイミドであってよい。他の態様では、架橋剤は、酸化デキストラン、p−アジドベンゾイルヒドラジド、N−[α−マレイミドアセトキシスクシンイミドエステル、p−アジドフェニルグリオキサール一水和物ビス−[β−(4−アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド、ビス−[スルホスクシンイミジルスベレートジチオビス[スクシンイミジル]プロピオネート、ジスクシンイミジルスベレート、および1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩二官能性オキシラン(OXR)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDE)、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)であってよい。

0086

一態様では、糖が架橋剤であり、この場合、糖は、天然ワルトン膠質、臍帯組織(天然ワルトン膠質を伴うか伴わない)、および/または他の構成要素に存在するタンパク質と反応して共有結合を形成できる。例えば、糖はメイラード反応によりタンパク質と反応でき、このメイラード反応は、糖の還元によるタンパク質上のアミノ基の非酵素的グリコシル化によって開始し、その後の共有結合の形成をもたらす。架橋剤として有用な糖の例としては、限定されるものではないが、D−リボースグリセロース、アルトロースタロース、エルテオース(ertheose)、グルコースリキソースマンノースキシロースグロースアラビノースイドースアロースガラクトースマルトースラクトース、スクロース、セロビオース(cellibiose)、ゲンチオビオース(gentibiose)、メリビオースツラノーストレハロースイソマルトース、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0087

成形組成物
一部の実施形態において、流動性ゲル材料の形態の微粒子化ワルトン膠質を、適切なサイズおよび形状を有する型の中に配置し、型の中で乾燥させて、例えば関節軟骨の穿孔裂け目(drill fracture)の中に配置するのに好適な固体成形組成物を形成できる。従って、一実施形態において、予め選択された生体内での崩壊速度を有する微粒子化ワルトン膠質を含む成形組成物を作製するための方法が提供される。粒子サイズを変更することで、成形組成物の崩壊速度を予測可能に変化させることが可能となることが理解されるべきである。一実施形態によれば、微粒子化ワルトン膠質は加圧下で成形され、ここで、予め選択された崩壊速度を有する成形組成物を提供するために、上記の成形の前に粒子サイズが上記のように調整される。一実施形態において、微粒子化ワルトン膠質の粒子サイズを低下させることで、生体内での崩壊速度を低下させる(遅くする)ことができる。

0088

別の態様では、微粒子化ワルトン膠質の粒子サイズ、使用される圧縮力、および圧縮力が印加される速度のうちの1つ以上を変更することで、成形組成物の剛性および/または強度を予測可能に変化させることが可能となる。従って、予め選択された強度および/または剛性を有する微粒子化ワルトン膠質の成形組成物を作製するための方法がさらに提供され、上記の方法は、微粒子化ワルトン膠質を加圧下で成形することを含み、ここで、予め選択された強度および/または剛性を有する成形組成物を提供するために上記のパラメータのうちの1つ以上が上記の成形の前に調整される。一実施形態において、上記の他の要因のそれぞれを維持しながら微粒子化ワルトン膠質の粒子サイズを低下させることで、成形組成物の強度を増加させることができる。一実施形態において、使用される圧縮力を増加させることで、成形組成物の強度を増加させることができる。一実施形態において、使用される圧縮速度を低下させることで、成形組成物の強度を増加させることができる。

0089

微粒子化ワルトン膠質は、好ましくは非多孔性の型において、加圧されると、型によって画定される所望の形状およびサイズを形成する。多孔性の型はあまり好ましくないが、成形中に水または他の溶媒を逃がすことが可能であれば、このような型を本発明の方法に使用できると予期される。

0090

圧縮力、圧縮速度、および圧縮サイクル回数は、微粒子化ワルトン膠質の成形組成物の形成中に変動してよい。一態様では、微粒子化ワルトン膠質を成形するために使用される圧縮力は約10ニュートン〜約1000ニュートンである。別の実施形態において、使用される圧縮力は約100ニュートン〜約400ニュートンである。圧縮力は、意図される使用に基づいて変動してよい。例えば、より高い成形組成物の強度および/または剛性を必要とする使用では、より大きな力が必要となるであろう。

0091

一態様では、微粒子化ワルトン膠質を成形するために使用される圧縮速度は約0.001mm/秒〜約5mm/秒である。別の実施形態において、圧縮速度は約0.008mm/秒〜約1.5mm/秒である。圧縮速度は、意図される使用に基づいて変動してよい。例えば、より高い成形組成物の強度および/または剛性を必要とする使用では、より遅い速度が必要となるであろう。

0092

微粒子化ワルトン膠質の成形組成物は、少なくとも成形組成物が対象に導入されるまでそのサイズおよび形状を維持するのに十分な密度および凝集塊を有する。成形組成物の粘着性は、部分的には、微粒子化ワルトン膠質の粒子サイズによって決定される。例えば、より大きな粒子サイズを有する微粒子化ワルトン膠質では、より小さな粒子サイズを有する脱水された微粒子化ワルトン膠質から構成される微粒子化ワルトン膠質の成形組成物の密度と同一の密度を有する微粒子化ワルトン膠質の成形組成物を得るために、より高い圧縮圧力および/またはより長い圧縮時間が必要となる。言い換えれば、同じ圧縮条件下で得られる微粒子化ワルトン膠質の成形組成物については、より大きな粒子サイズを有する組成物は、より小さな粒子サイズを有する組成物と比較して、より低い密度を有し、より高い速度で分離する。

0093

また、微粒子化ワルトン膠質の組成物の粒子サイズは、組成物中に存在する成長因子および他の活性分子の放出速度に影響する。理論に束縛されることなく、他の全ての要因が等しい場合、粒子サイズが小さくなると組成物内の構成要素の全表面積が大きくなると予期される。表面積が大きくなると、微粒子化ワルトン膠質からの因子の放出が増加し、および/または放出の速度が高くなる可能性がある。より小さな粒子は、圧縮性の改善および強度の増加を可能にすると予期される。より大きな粒子で作製される微粒子化ワルトン膠質の成形組成物は、より小さな粒子で作製されるものよりも速く崩壊する可能性がある。従って、微粒子化ワルトン膠質の粒子サイズを最適化して、それにより、所望の凝集性、表面積を有し、且つ対象に投与した際に所望の最終結果を有する微粒子化ワルトン膠質の成形組成物を得ることができる。

0094

任意選択で、型への導入の前に1種以上の粘着剤が微粒子化ワルトン膠質と混合されてよい。このような粘着剤の例としては、限定されるものではないが、フィブリンシーラントシアノアクリレート、ゼラチンとトロンビンの製品、ポリエチレングリコールポリマーアルブミン、およびグルタルアルデヒドの製品が挙げられる。プロセスで使用される粘着剤は、粘着剤と微粒子化された羊膜の組成物との混合物が、非多孔性の型での圧縮を可能にする十分に低い含水量を有するように、微粒子化された羊膜の組成物との混合の前に脱水されるべきである。

0095

上記のように脱水された組織に加えて、羊膜、中間組織層、および/または絨毛膜などの脱水された構成要素が、微粒子化の前および/または後に追加で組成物に添加されてよい。一態様では、脱水された充填剤が添加されてよい。充填剤の例としては、限定されるものではないが、同種移植心膜、同種移植無細胞真皮、精製された1型コラーゲン、バイオセルロースのポリマーまたはコポリマー、生体適合性合成ポリマーまたはコポリマーのフィルム、精製された小腸粘膜下組織、膀胱の無細胞マトリックス、死体筋膜、骨の粒子(海綿骨粒子および皮質骨粒子を含む)、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0096

別の態様では、脱水された生物活性剤が、微粒子化の前および/または後に組成物に添加されてよい。生物活性剤の例としては、限定されるものではないが、自己血を採取および分離する製品、または期限切れの保存血から調達された濃縮血小板、のいずれかを用いて濃縮血小板から調達される天然に存在する成長因子;骨髄穿刺液;濃縮ヒト胎盤臍帯血幹細胞、濃縮羊水幹細胞もしくはバイオリアクター内で増殖させた幹細胞に由来する幹細胞;または抗生物質が挙げられる。生物活性剤を含む脱水された微粒子化ワルトン膠質の成形組成物を目的の領域に適用すると、生物活性剤はその領域に徐々に送達される。従って、本明細書に記載される脱水された微粒子化ワルトン膠質の成形組成物は、対象に投与される場合、生物活性剤および他の化粧剤の送達ビヒクルとして有用である。放出プロファイルは、とりわけ、成形組成物を作製するために使用される構成要素の選択ならびに組成物に含まれる粒子のサイズに基づいて改変されてよい。

0097

注射用組成物
一態様では、注射器および注射針による注射に好適であると同時に、対象の損傷領域に送達された際に損傷領域の修復および/または再生のために損傷領域からほとんどまたは全く移動することなく実質的に局在したままとなるように、このような流動性ゲル組成物の制御された粘性を維持する、微粒子化ワルトン膠質が提供される。好ましい実施形態において、注射用組成物はゲルである。水性形態の微粒子化ワルトン膠質の組成物は一般的にゲルを形成するが、これらのゲルは、ゼラチン、メチルセルロースおよびポリエチレングリコールなど、ゲルを形成する医薬的に許容されるポリマーをさらに含んでよい。

0098

本明細書に開示される微粒子化ワルトン膠質の注射用ゲルを患者の治療用ビヒクルとして使用して、天然ワルトン膠質中に見出される生物活性化合物の生体内での放出を持続させることができると企図される。天然ワルトン膠質を介した生物活性化合物の拡散は、これらの系の粘性ならびに、存在する三次元ポリマーネットワークに起因する入り組んだ拡散経路によって妨げられるが、このような障害は、本発明の微粒子化ワルトン膠質の製剤および組成物によって克服される。

0099

微粒子化ワルトン膠質の注射用ゲルは、浸透圧剤疎水性剤(hydrophobic agent)、および界面活性剤のうちの1つ以上を含んでよい。浸透圧剤は、ゲル中への水の吸収の速度を増大させ、天然ワルトン膠質に見出される生物活性化合物の放出の速度の増大をもたらす。任意の従来の浸透圧剤が本発明に従って使用されてよい。好ましい浸透圧剤には、マンニトール、デキストロース、および塩化ナトリウムが包含される。疎水性剤は、注射部位からのゲルの脱離の速度を低下させ、天然ワルトン膠質に見出される生物活性化合物の放出の速度を減少させる。任意の従来の疎水性剤が本発明に従って使用されてよい。好ましい疎水性剤には、コレステロール、ならびにコレステロールサルフェート、コレステロールアセテートおよびコレステロールヘミスクシネートなどのコレステロール誘導体が包含される。界面活性剤は、注射部位からのゲルの脱離の速度を増大させ、天然ワルトン膠質に見出される生物活性化合物の初期の放出速度を高くする。任意の従来の界面活性剤が本発明に従って使用されてよい。好ましい界面活性剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、C6〜C26カルボン酸、およびこれらの酸の塩である。他の界面活性剤には、ポリオキシエチレングリコール(例えばPLURONIC)およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えばPOLYSORBATE)が包含される。

0100

一部の実施形態において、微粒子化ワルトン膠質を含む注射用ゲルは、ゲルを患者に注射して患者の関節面軟骨の修復および再生の両方を行うことによって患者を治療するために使用されてよい。

0101

さらなる実施形態において、微粒子化ワルトン膠質を含む注射用ゲルは、患者の滑膜関節内にゲルを注射することによって患者を治療するために使用されてよい。滑液は、関節の動作および保護に寄与する。滑液は、関節を潤滑するとともに衝撃を吸収する粘弾性を有する。しかし、例えば変形性膝関節症では、滑液が分解し、関節を保護しなくなる。

0102

粘性補充療法(viscosupplementation therapy)は、関節内にゲルを注射して不完全な滑液を置き換えることを伴う。粘性補充は、痛みを低減または排除でき、関節の可動性回復を促進できる。現在市販されている粘性補充製品は、ヒアルロン酸を含むゲルである。しかし、ヒアルロン酸は生体内で容易に分解するため、関節内ではヒアルロン酸に基づくゲルの残存性が低い(数時間〜数日)。

0103

対照的に、微粒子化ワルトン膠質を含む注射用ゲルは、約6時間〜約12時間、約12時間〜約14時間、約24時間〜約36時間、約36時間〜約48時間、約48時間〜約60時間、約60時間〜約100時間、またはそれよりも長い時間、注射の部位(関節面軟骨上または滑膜関節など)に残存できることが企図される。

0104

III.関節面欠損の治療
別の態様では、関節面欠損を治療する方法が提供される。

0105

関節の内張りとして働く関節軟骨は、ほとんど摩擦がないという特徴を付与する独特生化学的性質および物理的性質を有する。関節面欠損は、急激かつ反復的な外傷によって生じる可能性がある。重度の衝撃による損傷は、関節軟骨の局所領域に損傷を生じさせる可能性がある。関節面における欠損は、関節の変形性関節症に至る可能性がある。このような欠損は、肩、股関節、足、足首、手および手首等などの関節で生じ得る。組織の損傷および修復応答のタイプに基づいて、軟骨および骨軟骨の損傷の3つのクラスを識別できる:(1)目に見える関節面の機械的破壊を引き起こさないが、軟骨の損傷を引き起こし、軟骨下骨の損傷を引き起こす可能性がある、関節面への損傷;(2)関節軟骨に限定される、関節面の機械的破壊;および(3)関節軟骨および軟骨下骨の機械的破壊。

0106

関節面欠損は、関節軟骨の損傷の深さに基づいて等級付けできる。等級Iは、軟らかい部分または気泡を軟骨が有する場合であり、等級IIは、軟骨における目に見える小さな裂傷(全体の厚さの半分未満の深さの亀裂または穴を含む)を指し、等級IIIは、軟骨の厚さの大部分を通過する深い欠損を含め、深い裂け目(軟骨層の50%超)を有する損傷を指し、最も重度である等級IVは、骨の露出を伴う、全体の厚さにわたる欠損を指す。

0107

関節軟骨は治癒性に乏しい。関節面欠損は、自然に治癒または再生しにくい。関節面欠損または関節軟骨欠損に対処する際のアプローチは、典型的には、「修復」および/または「再生」を伴う。「修復」は、損傷した組織の治癒、または細胞増殖および新しいECMによる置き換えを指す。「再生」は、好ましくは元の組織と同一の、完全に新しい関節面の形成を指す。

0108

天然ワルトン膠質は、グリコサミノグリカン(GAG)、プロテオグリカン、および成長因子(トランスフォーミング成長因子ベータ1(TGF−β1)、線維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン様成長因子I(IGF−I)、血小板由来成長因子(PDGF)および上皮成長因子(EGF)を含む)を含め、様々な線維性タンパク質間質タンパク質、およびシグナル伝達分子を含むECMに富む。天然ワルトン膠質は、そのコラーゲンのタイプ(I型、II型、III型IV型V型、VI型、およびVII型を含む)および、特定の様々な層内で水と結合するという、その能力に部分的にさらに起因して、独特のECMである。また、天然ワルトン膠質は、顕著な弾性特性を有するとともに水分子と結合する。天然ワルトン膠質は関節面軟骨の修復および再生の両方に必須の要素を提供するであろうことが企図される。一部の実施形態において、修復または再生を促進するために成長因子が導入される。成長因子は、走化性によって細胞増殖を引き起こすことができ、ECMを供給でき、および、滑らかでもガラス質でもなく関節には理想的でない強靭で高密度の繊維質物質である繊維軟骨の形成ではなく硝子軟骨形成に向かう細胞分化を導くことができる。

0109

軟骨修復のために最も広く使用されている外科的手法の一つは、微小破壊法(micro−fracture procedure)である。この方法では、出血を誘発して骨髄幹細胞を刺激するために軟骨下骨および軟骨の破壊が行われる。より大きな欠損では、治癒を促進するために、少量の軟骨下骨を除去して様々な他の骨材料と混合してよい。この用途では、除去され、混合され、欠損内に再配置される自家骨組織などに、微粒子化ワルトン膠質またはその組成物もしくは製剤が添加されてよい。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような乾燥ペレットの形態の微粒子化ワルトン膠質が添加される。一部の実施形態において、乾燥ペレットは穿孔部位圧入される。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような流動性ゲル材料の形態の微粒子化ワルトン膠質を、適切なサイズおよび形状を有する型内に配置し、型内で乾燥させて、関節軟骨の穿孔の裂け目の中に配置するのに好適な固体成形組成物を形成する。乾燥後に固体成形組成物のサイズの減少が最小限であるということは驚くべきことである。これは、裂け目に上手適合する固体成形組成物を作製するための、穿孔の裂け目の形状およびサイズに一致する型の形状およびサイズの確実な設計を可能にする。さらに、固体組成物は、ペレット形態または成形形態のいずれにおいても、水性環境に置かれた際に容易には再溶解しないということは驚くべきことである。これは、微粒子化ワルトン膠質の組成物が穿孔の裂け目の部位に長時間(少なくとも1日、1週間、2週間、1ヵ月、または修復もしくは再生の完了まで、など)維持されて関節面軟骨の修復または再生の促進において長期的効果をもたらすことを可能にする。

0110

一部の実施形態において、本明細書に記載されるような流動性ゲルの形態の微粒子化ワルトン膠質は、穿孔の裂け目の部位内に直接注射される。

0111

一態様では、本明細書に記載される微粒子化ワルトン膠質の組成物および製剤は、創傷治癒の促進または改善において有用でもある。日常的に医師に提示される創傷の種類は多様である。急性創傷は、外科的処置、外傷および火傷によって生じる。慢性的な創傷は、他の健康な個体における治癒と比較して終結が遅れている創傷である。患者を悩ませる慢性的な創傷の種類の例としては、糖尿病性足潰瘍静脈性下肢潰瘍褥瘡動脈性潰瘍、および感染した外科的創傷が挙げられる。

0112

IV.血管形成術における使用
さらに別の態様では、心臓血管手術(血管形成術、侵襲性最低限である血管再生術など)における、微粒子化ワルトン膠質を含むゲル組成物の使用が提供される。血管形成手術では、バルーンカテーテルとして知られる、ガイドワイヤ上の空のつぶれバルーンが、閉塞動脈を広げるために閉塞動脈の狭窄部位に通される。動脈の狭窄部位は、アテローム性動脈硬化症の結果として閉塞されることが多い。狭窄部位に到達すると、例えば水圧を加えることによって、バルーンが膨らまされる。バルーンは、内部の白血球凝血塊プラーク沈着物および周囲の筋肉壁拡張強制し、流れを改善させるために血管を広げる。その後、バルーンは収縮させられ、引き抜かれる。血管が開いたままとなることを確実にするために、任意選択で、バルーンの膨張時にステントが挿入される。

0113

しかし、末梢脳血管、および冠循環における動脈硬化病変のこのような血管内治療の後に、再発性狭窄再狭窄)が生じる可能性がある。経皮的血管形成術を受ける患者の最大60%が術後の最初の12ヵ月以内に再狭窄を経験することが報告されている。バルーン血管形成術またはステント移植の後の血管の炎症が、再狭窄のプロセスの主な原因として同定されている(Martin Schillinger and Erich Minar, Restenosis After Percutaneous Angioplasty: The Role of Vascular Inflammation, Vasc Health Risk Manag., Mar 2005; 1(1):73−78)。炎症および再狭窄の形成を低減するために、微粒子化ワルトン膠質を血管形成術などの心臓インターベンション手術に使用できることが企図される。

0114

一部の実施形態において、本明細書に記載される注射用ゲル組成物は、血管形成術部位または手術部位に直接注射されるか血管形成術部位の付近に注射されて、炎症を低減し、再狭窄を防止し、治癒を促進する。一実施形態において、血管形成術および/またはステント移植を受ける患者において再狭窄を防止または低減する方法が提供され、上記の方法は、微粒子化ワルトン膠質を含む注射用組成物を血管形成術および/またはステント移植の部位の付近に投与することを含む。一部の実施形態において、注射用ゲル組成物は、血管形成術が実施される血管部位近接した組織内に、施術時に、または施術の前もしくは後に、注射される。例えば、注射用ゲル組成物は、血管形成術が実施される血管の外側に注射され、血管の関連部位コーティングを形成する。ゲルは、定位置に長時間留まり、成長因子などの抗炎症性分子の連続的な供給をもたらすと予期され、抗炎症性分子は、血管壁を通過して血管形成術の部位に至り、炎症および再狭窄を防止および/または低減できる。一部の実施形態において、最初の注射の後に(最初の注射から1週間後、1ヵ月後、2ヵ月後、または6ヵ月後等など)、追加の注射用ゲル組成物が、血管形成術部位に近接した組織内に注射される。注射は、1週間に1回、1ヵ月に1回、2ヵ月に1回等など、定期的に行われてよい。

0115

一部の実施形態において、血管形成手術に使用されるバルーンが、本明細書に記載されるゲル組成物で被覆され、バルーンが膨らむ際にゲル組成物が血管壁に適用され、血管壁上に一定時間留まって炎症を低減し再狭窄を防止する。一部の実施形態において、血管形成術部位に適用されるステントが、本明細書に記載されるゲル組成物で被覆され、これは、ステントが動脈内に配置される場合に動脈を炎症から保護し再狭窄を防止する。

0116

一部の実施形態において、ゲルは、約6時間〜約12時間、約12時間〜約14時間、約24時間〜約36時間、約36時間〜約48時間、約48時間〜約60時間、約60時間〜約100時間、またはそれよりも長い時間という一定時間、配置された場所に局在したままとなる。

0117

以下の実施例は説明を目的とするものに過ぎず、特許請求される発明を限定するものと解釈されるべきではない。

0118

実施例
1.微粒子化用の臍帯組織の調製
当技術分野において公知の標準的なプロセスの間に胎盤ディスクから臍帯を切離することにより臍帯組織を得る。切離は、約2〜3mmの深さまで及ぶ臍帯部分に沿った垂直切開を行うことによって継続される。次に、可能な限り多くのワルトン膠質組織を維持するように注意しながら皮下組織剥離切開技術によって臍帯の動脈および静脈を除去する。天然ワルトン膠質の臍帯切片の切離および回収を最大化するために、4〜10cmの長さの、より小さな切片に帯を切断してよい。切離が完了すれば、臍帯切片は、標準的なPurionプロセスの洗浄とすすぎの工程に進んでよい。洗浄およびすすぎが完了した後、天然ワルトン膠質の側を上に向けて乾燥ボード上に臍帯部分を配置する。標準的な乾燥時間の仕様で臍帯切片を乾燥させる。その後、臍帯切片を2×2cmの切片に切断し、微粒子化のために調製する。

0119

2.臍帯組織の微粒子化
次に、実施例1に記載される手順に従って得られる脱水された臍帯組織を微粒子化して、25μm〜75μmという目的粒子サイズを有する微粒子化ワルトン膠質を提供する。

0120

3.微粒子化ワルトン膠質のゲル組成物の調製
滅菌水を使用して、実施例2で得られた微粒子化ワルトン膠質を伴う流動性ゲル構成を作製した。25〜27ゲージの注射針を通過することが可能である滑らかな粘稠度を達成するために、0.504gの微粒子化ワルトン膠質に1358.08μLの水を添加した。これにより、1.0ccの注射器に装填できる、微粒子化ワルトン膠質を含む流動性ゲル材料を2.5mL得た。

0121

4.微粒子化ワルトン膠質のペレット組成物の調製
実施例3に従って調製した微粒子化ワルトン膠質のゲル製剤を1.0ccの注射器に装填した。装填して開孔技術(open bore technique)を使用した後、液滴の平均直径が約2.5mmとなるように、微粒子化ワルトン膠質のゲルの液滴を標準的な乾燥ボード(滑らかな側、非凹凸)上に配置した。約8時間にわたって液滴を完全に乾燥させた。

0122

乾燥後、液滴は、固体ペレットになったことが認められ、円形/円状を維持しており、全体的な直径の減少は最小限であった。

0123

次に、ペレットを滅菌水に入れて再水和した。ペレットの全体的な直径が再水和の後に約2倍増加したことが認められた。24時間超にわたって、水性条件でのサイズまたは形状における完全性の喪失の徴候は存在しない。

0124

5.微粒子化ワルトン膠質の臨床用途
軟骨修復のために最も広く使用されている外科的手法の一つは、微小破壊法である。この方法では、出血を誘発して骨髄幹細胞を刺激するために軟骨下骨および軟骨の破壊が行われる。より大きな欠損では、治癒を促進するために、少量の軟骨下骨を除去して様々な他の骨材料と混合してよい。この用途では、除去され、混合され、欠損内に再配置される自家骨組織に、実施例4に従って調製される微粒子化ワルトン膠質のペレットが添加される。

0125

微小破壊の場合には、実施例3に従って得られる微粒子化ワルトン膠質の流動性ゲル材料を、穿孔の裂け目の部位内に直接注射できるか、実施例4に従って得られる微粒子化ワルトン膠質のペレットを各穿孔部位中に圧入できる。

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