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技術 異常増殖などのサンプル若しくは組織のタイプ若しくは性質を分析し、特徴付け、及び/又は診断するためのラマン分光法システム、装置及び方法

出願人 ナショナルユニヴァーシティーオブシンガポール
発明者 ジーウェイ・フアン
出願日 2015年7月2日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2016-575728
公開日 2017年8月31日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-524924
状態 特許登録済
技術分野 蛍光または発光による材料の調査,分析 その他の診断装置 内視鏡
主要キーワード 屈曲態様 マイクロコントローラシステム ゴブレット 工場較正 閾値線 試験ルーチン 固有スペクトル 工場出荷時設定
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月31日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

ラマンスペクトルを使用する異常成長などのサンプルや組織のタイプ及び/又は性質特徴付け、同定又は診断は、FP及びHW波長範囲などの2つの異なる波長範囲におけるラマンスペクトル内の異なるスペクトルサブインターバル分析して、一方又は両方の波長範囲における1以上の基準マーカーとの一致を同定し;該一致から、該サンプルや組織のタイプ及び/又は性質を特徴付け、同定し又は診断することを含む。FP及びHWラマンスペクトルは、単一回折格子を用いて同時に検出又は取得することができる。

概要

背景

背景
内視鏡などの低侵襲技術を用いて、新生物胃腸成長などの組織性質を正確かつ迅速に特徴づけ、同定することが非常に望ましい。例えば、結腸直腸癌CRC)は、後期発見されたときには死亡率の高い一般的な疾患である。結腸ポリープの同定及び根絶は、結腸直腸死亡率及び罹患率を低下させるために最も重要な手段の1つである。悪性形質転換リスクがほとんど又はまったくない過形成性ポリープと顕著な悪性潜伏期を伴う腺腫との区別は、従来の大腸内視鏡検査技術を用いた臨床的課題として残っている。

毎年120万を超える新たな癌症例及び608,700人の死亡予測されるため、CRCは現代世界において大きな問題となっている。治癒期における前癌性ポリープ(すなわち腺腫)の早期同定は、ポリープ切除や内視鏡粘膜切除EMR)などの適切な治療的介入と共に、依然として結腸直腸死亡率及び罹患率を低下させる最も重要な手段である。既存の大腸内視鏡アプローチには、多くの基本的な臨床的限界がある。これは、従来の大腸内視鏡検査がピットパターン血管パターンなどのポリープの肉眼的粘膜特徴の視覚化に完全に依存し、かつ、組織に関する生体分子情報がほとんど又は全く得られないためである。そのため、現在のケア基準では、結腸直腸検査中に同定された全ての疑わしいポリープ状病変や異常成長の切除推奨されている。このアプローチは、労働集約的であり、高コスト組織病理学的評価をもたらし、全てのポリープ状病変の3分の1〜2分の1が過形成であることが判明しているため患者に不必要なリスクをもたらす。ポリープ切除術絶対リスクは比較的小さいと考えられるが、大腸内視鏡検査中に出血穿孔といった最も一般的な合併症の原因が依然としてある。既存の臨床上の課題及び近年の広範な結腸直腸ポピュレーションベーススクリーニングプログラムの導入を考慮すると、高度な内視鏡的アプローチの要望は決して高まっていない。そのため、最近の研究は、生体内診断及び分析を改善するための、より洗練された分子イメージング及び分光法の開発に向けられている。

結腸組織標本に対する生体外ラマン分光法の適用により、異なる病理学的タイプ(すなわち、正常、過形成性ポリープ、腺腫及び腺癌)間の区別のために89%〜99%の範囲の奨励精度が得られることが実証されている。これには、ラマン分光法が病理学的タイプの性質を同定するためにポリープの除去が依然として必要なため、上記の従来の内視鏡技術と同じ問題がある。さらに、ラマン分光法から生体内臨床診断への転換には多くの障壁が存在している。これらの障壁としては、本質的に弱い組織ラマン散乱、長時間の捕捉時間(>5秒)、基本的に低融点シリカ干渉による長い(>1.9m)小型化光ファイバープローブ設計を開発することが必要なこと、高い捕集効率及び深い分解能が挙げられる。プローブは低溶融シリカで作製する必要がある。というのは、融合シリカは、弱いラマンシグナルを妨害する強力なラマンシグナル及び蛍光バックグラウンドを有するからである。今日まで、これらの技術的な制限は未解決のままである。

迅速なラマン分光技術の開発及び共焦点機能を備えた光ファイバーラマンプローブの小型化を含めた近年の技術的進歩により、内視鏡検査進行中に生体内(すなわち、光学生検)でのリアルタイム組織病理学的評価が可能になった。結腸直腸ポリープのラマン分光法の研究は、いわゆるフィンガープリントFPスペクトル範囲(例えば、800〜1800cm-1)に限定される傾向があった。このスペクトル範囲は、組織ラマンシグナルがより強いのみならず、光ファイバーラマン由来のシリカバックグラウンドからの干渉がより少ないため、高波数(HW)レジーム(例えば、2800〜3600cm-1)の使用がいくらか注目されてきた。しかしながら、現在のところ、このタイプの技術を実行可能な選択肢にするのに十分な精度を有する、生体内での癌性細胞の同定を可能にする技術は存在していない。生体内及び生体外での癌性細胞のより正確な同定を可能にするラマン分光技術に対する要望が存在している。

概要

ラマンスペクトルを使用する異常成長などのサンプルや組織のタイプ及び/又は性質の特徴付け、同定又は診断は、FP及びHW波長範囲などの2つの異なる波長範囲におけるラマンスペクトル内の異なるスペクトルサブインターバルを分析して、一方又は両方の波長範囲における1以上の基準マーカーとの一致を同定し;該一致から、該サンプルや組織のタイプ及び/又は性質を特徴付け、同定し又は診断することを含む。FP及びHWラマンスペクトルは、単一回折格子を用いて同時に検出又は取得することができる。

目的

本発明に係る実施形態の目的は、例えば本質的に身体の任意の部分における癌などとしての異常成長といった組織のタイプ及び/又は性質を特徴付け、同定し及び/又は診断するための従来技術及び現在の内視鏡技術に関連する問題の少なくともいくつかを克服することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

ラマン分光装置であって、イルミネーション組織に向けるように構成された第1のイルミネーション源と、該組織によって散乱されたイルミネーションからフィンガープリントFP)及び高波数(HW)ラマンスペクトルを同時に検出するように構成されたラマン分光器と、FP及びHW波長範囲における検出ラマンスペクトルの離散スペクトルサブインターバル分析して一方又は両方の波長範囲において1以上の基準マーカーとの一致を同定するための、少なくとも1個の処理ユニット及び該少なくとも1個の処理ユニットによって実行可能なプログラム命令を保存するメモリを含むコンピュータ化制御及び分析モジュールとを備えるラマン分光装置。

請求項2

前記ラマン分光器が単一の広帯域回折格子を有する、請求項1に記載の装置。

請求項3

前記第1イルミネーション源が励起エネルギーを生成して前記組織に適用するためのコリメートイルミネーション源を備え、前記装置がコリメートイルミネーションを該組織に送り、かつ、検出されたラマンスペクトルを該組織から前記ラマン分光器に戻すためのプローブをさらに備える、請求項2に記載の装置。

請求項4

1以上の基準マーカーが、検出されたラマンスペクトルにおいて特定のピークを含む、請求項3に記載の装置。

請求項5

前記コンピュータ化制御及び分析モジュールが、一致に基づいて異常成長診断するための少なくとも1個の処理ユニットによって実行可能なプログラム命令を含む、請求項3に記載の装置。

請求項6

前記プローブが共焦点光ファイバープローブを備える、請求項3に記載の装置。

請求項7

前記プローブが保持される器具チャネルを有する細長シャフトを有する内視鏡をさらに備える、請求項6に記載の装置。

請求項8

前記コンピュータ化制御及び分析モジュールが、コリメートイルミネーションの出力を動的に調節するための少なくとも1個の処理ユニットによって実行可能なプログラム命令を含む、請求項3に記載の装置。

請求項9

前記コンピュータ化制御及び分析モジュールが、コリメートイルミネーションに組織がさらされる時間を動的に調節するための少なくとも1個の処理ユニットによって実行可能なプログラム命令を含む、請求項3に記載の装置。

請求項10

少なくとも1の較正基準に対してプローブ又はラマン装置全体標準化するように構成された較正装置をさらに備える、請求項3に記載の装置。

請求項11

追加のイルミネーションを組織に出力するように構成された追加のイルミネーション源と、前記第1イルミネーション源によるイルミネーション出力と追加のイルミネーション源による追加のイルミネーション出力との間のイルミネーション干渉を補うように構成されたホットミラーフィルタとをさらに備える、請求項3に記載の装置。

請求項12

ラマン分光法装置によって実行される方法であって、第1イルミネーション源によるイルミネーション出力を組織に向け;該組織によって散乱されたイルミネーションからのプローブフィンガプリント(FP)及び高波数(HW)ラマンスペクトルを同時に検出し;及び該検出されたラマンスペクトルにおける離散スペクトルサブインターバルをFP波長範囲及びHW波長範囲の両方において分析して、一方又は両方の波長範囲内において1以上の基準マーカーとの一致を同定することを含む方法。

請求項13

前記FP及びHWラマンスペクトルを同時に検出することが、単一広帯域回折格子を使用してFP及びHW波長範囲の両方においてイルミネーションを回折させることを含む、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記一致に基づいて異常成長の性質を診断することをさらに含む、請求項12に記載の方法。

請求項15

前記1以上の基準マーカーが検出されたラマンスペクトルにおける特定のピークである、請求項12に記載の方法。

請求項16

イルミネーションの出力を動的に調節することをさらに含む、請求項12に記載の方法。

請求項17

前記組織が前記イルミネーションにさらされる時間を動的に調節することをさらに含む、請求項12に記載の方法。

請求項18

前記組織をイルミネーションにさらす前に、少なくとも1つの較正基準に対してプローブ又はラマン装置全体を標準化するように較正又は標準化手順を実行することをさらに含む、請求項12に記載の方法。

請求項19

前記第1イルミネーション源によるイルミネーション出力を組織に向けつつ追加のイルミネーション源を使用して該組織に追加のイルミネーションを向け;ホットミラーフィルタを使用して該第1イルミネーション源によるイルミネーション出力と該追加のイルミネーション源による該追加のイルミネーション出力との間のイルミネーション干渉を補うことをさらに含む、請求項12に記載の方法。

技術分野

0001

技術分野
本発明の態様は、異常な又は明らかに異常な増殖(例えば癌として)といった、励起エネルギー(例えば、コリメートイルミネーション)が向けられるサンプル又は組織のタイプ又は性質の高精度同定のためのラマン分光システム及び方法に関する。特に、ただし排他的ではないが、本発明の態様により、胃腸成長などの異常組織生体内及び生体外でのリアルタイム高精度診断が可能になる。

背景技術

0002

背景
内視鏡などの低侵襲技術を用いて、新生物胃腸成長などの組織の性質を正確かつ迅速に特徴づけ、同定することが非常に望ましい。例えば、結腸直腸癌CRC)は、後期発見されたときには死亡率の高い一般的な疾患である。結腸ポリープの同定及び根絶は、結腸直腸死亡率及び罹患率を低下させるために最も重要な手段の1つである。悪性形質転換リスクがほとんど又はまったくない過形成性ポリープと顕著な悪性潜伏期を伴う腺腫との区別は、従来の大腸内視鏡検査技術を用いた臨床的課題として残っている。

0003

毎年120万を超える新たな癌症例及び608,700人の死亡予測されるため、CRCは現代世界において大きな問題となっている。治癒期における前癌性ポリープ(すなわち腺腫)の早期同定は、ポリープ切除や内視鏡粘膜切除EMR)などの適切な治療的介入と共に、依然として結腸直腸死亡率及び罹患率を低下させる最も重要な手段である。既存の大腸内視鏡アプローチには、多くの基本的な臨床的限界がある。これは、従来の大腸内視鏡検査がピットパターン血管パターンなどのポリープの肉眼的粘膜特徴の視覚化に完全に依存し、かつ、組織に関する生体分子情報がほとんど又は全く得られないためである。そのため、現在のケア基準では、結腸直腸検査中に同定された全ての疑わしいポリープ状病変や異常成長の切除推奨されている。このアプローチは、労働集約的であり、高コスト組織病理学的評価をもたらし、全てのポリープ状病変の3分の1〜2分の1が過形成であることが判明しているため患者に不必要なリスクをもたらす。ポリープ切除術絶対リスクは比較的小さいと考えられるが、大腸内視鏡検査中に出血穿孔といった最も一般的な合併症の原因が依然としてある。既存の臨床上の課題及び近年の広範な結腸直腸ポピュレーションベーススクリーニングプログラムの導入を考慮すると、高度な内視鏡的アプローチの要望は決して高まっていない。そのため、最近の研究は、生体内診断及び分析を改善するための、より洗練された分子イメージング及び分光法の開発に向けられている。

0004

結腸組織標本に対する生体外ラマン分光法の適用により、異なる病理学的タイプ(すなわち、正常、過形成性ポリープ、腺腫及び腺癌)間の区別のために89%〜99%の範囲の奨励精度が得られることが実証されている。これには、ラマン分光法が病理学的タイプの性質を同定するためにポリープの除去が依然として必要なため、上記の従来の内視鏡技術と同じ問題がある。さらに、ラマン分光法から生体内臨床診断への転換には多くの障壁が存在している。これらの障壁としては、本質的に弱い組織ラマン散乱、長時間の捕捉時間(>5秒)、基本的に低融点シリカ干渉による長い(>1.9m)小型化光ファイバープローブ設計を開発することが必要なこと、高い捕集効率及び深い分解能が挙げられる。プローブは低溶融シリカで作製する必要がある。というのは、融合シリカは、弱いラマンシグナルを妨害する強力なラマンシグナル及び蛍光バックグラウンドを有するからである。今日まで、これらの技術的な制限は未解決のままである。

0005

迅速なラマン分光技術の開発及び共焦点機能を備えた光ファイバーラマンプローブの小型化を含めた近年の技術的進歩により、内視鏡検査進行中に生体内(すなわち、光学生検)でのリアルタイム組織病理学的評価が可能になった。結腸直腸ポリープのラマン分光法の研究は、いわゆるフィンガープリントFPスペクトル範囲(例えば、800〜1800cm-1)に限定される傾向があった。このスペクトル範囲は、組織ラマンシグナルがより強いのみならず、光ファイバーラマン由来のシリカバックグラウンドからの干渉がより少ないため、高波数(HW)レジーム(例えば、2800〜3600cm-1)の使用がいくらか注目されてきた。しかしながら、現在のところ、このタイプの技術を実行可能な選択肢にするのに十分な精度を有する、生体内での癌性細胞の同定を可能にする技術は存在していない。生体内及び生体外での癌性細胞のより正確な同定を可能にするラマン分光技術に対する要望が存在している。

発明が解決しようとする課題

0006

概要
本発明に係る実施形態の目的は、例えば本質的に身体の任意の部分における癌などとしての異常成長といった組織のタイプ及び/又は性質を特徴付け、同定し及び/又は診断するための従来技術及び現在の内視鏡技術に関連する問題の少なくともいくつかを克服することである。さらに別の目的は、内視鏡検査(例えば大腸内視鏡検査などの胃腸内視鏡検査)中に生体内でポリープ及び前癌などの異常組織のタイプ又は性質を迅速に特徴付け、同定し及び/又は診断するためのラマン分光法に基づく高精度システム及び方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る様々な実施形態は、生体内における生体分子レベルでの高精度光学生検を可能にするラベルフリー振動分光技術を提供する、光ファイバーラマン分光法のためのシステム及び方法を記載する。複数の実施形態は、内視鏡検査進行中にFPスペクトル範囲とHWスペクトル範囲の両方からの同時測定を組み合わせることを可能にする。生体内及び生体外ラマン測定のためにFPスペクトル範囲とHWスペクトル範囲とを組み合わせるための理論的根拠は多様である:
(i)FP範囲内の組織ラマン信号を圧倒する強力な自己蛍光を呈する場合のある組織(例えば、、結腸、肝臓)について、HW範囲は依然として診断情報を伴う強力な組織ラマンピークを含むことができる。
(ii)FP及びHW範囲は、補完生体分子情報(例えば、タンパク質、脂質、DNA及び水)を含むため、組織の特徴付け及び診断を改善することができる。
(iii)結合が異なれば異なるスペクトル範囲で振動するので、2つの異なるスペクトル範囲(FP及びHW)を使用すると、単一スキャンで得られる生体分子情報が増加する。

0008

本発明の一実施形態によれば、FP及びHW光ファイバー共焦点ラマン分光技術(例えば、FP及びHWスペクトル同時取得を含む)を組み合わせることにより、身体の検査中に生体内において癌、前癌及び/又は他の異常成長のリアルタイム診断を改善することができる。また、FPとHWとを組み合わせた技術を組織サンプルに対して生体外で使用して、身体の任意の部分からのサンプルに存在する異常成長のタイプをより正確に同定することもできる。

0009

本発明の一態様によれば、ラマン分光装置は、イルミネーションを組織に向けるように構成された第1のイルミネーション源と、組織によって散乱されたイルミネーションからFP及びHWラマンスペクトルを同時に検出するように構成されたラマン分光器と、FP及びHW波長範囲における検出ラマンスペクトルの離散スペクトルサブインターバル(例えば、3〜15程度又は5〜10の離散スペクトルインターバル、この場合、所定の又はそれぞれのサブインターバルは、約10〜約30cm-1又は約20cm-1のスペクトル幅を有することができる)を分析して一方又は両方の波長範囲において1以上の基準マーカーとの一致を同定するための、少なくとも1個の処理ユニット及び該少なくとも1個の処理ユニットによって実行可能なプログラム命令を保存するメモリを含むコンピュータ化制御及び分析モジュールとを備える。

0010

複数の実施形態では、ラマン分光器は単一の広帯域回折格子を有する。第1イルミネーション源は、励起エネルギーを生成して組織に適用するためのコリメートイルミネーション源を備え、装置は、コリレートイルミネーションを組織に送り、かつ、検出されたラマンスペクトルを組織からラマン分光器に戻すためのプローブをさらに備える。

0011

1以上の基準マーカーは、検出されたラマンスペクトルにおいて特定のピークを含む又は特定のピークであることができる。コンピュータ化制御及び分析モジュールは一致に基づいて異常成長を診断するための少なくとも1個の処理ユニットによって実行可能なプログラム命令を含むことができる。

0012

プローブは、共焦点の光ファイバープローブを備える又は共焦点の光ファイバープローブであることができる。装置は、プローブが保持される器具チャネルを有する細長シャフトを有する内視鏡をさらに備えることができる。

0013

コンピュータ化制御及び分析モジュールは、コリメートイルミネーションの出力を動的に調節し及び/又はコリメートイルミネーションに組織がさらされる時間を動的に調節するための少なくとも1個の処理ユニットによって実行可能なプログラム命令を含むことができる。

0014

装置は、少なくとも1の較正基準に対してプローブ又はラマン装置全体標準化するように構成された較正装置を備えることができる。

0015

この装置は、追加のイルミネーションを組織に出力するように構成された追加のイルミネーション源と、第1イルミネーション源によるイルミネーション出力と追加のイルミネーション源による追加のイルミネーション出力との間のイルミネーション干渉を補うように構成されたホットミラーフィルタとを備える。

0016

本発明の一態様によれば、ラマン分光法装置によって実行される方法は、第1イルミネーション源によるイルミネーション出力を組織に向け;該組織によって散乱されたイルミネーションからのプローブFP及びHWラマンスペクトルを同時に検出し;該検出されたラマンスペクトルにおける離散スペクトルサブインターバル(例えば、約3〜15又は約5〜10の離散スペクトルサブインターバル、ここで、所定の又は各スペクトルサブインターバルは約10〜30cm-1又は約20cm-1のスペクトル幅を有することができる)をFP波長範囲及びHW波長範囲の両方において分析して、一方又は両方の波長範囲内において1以上の基準マーカーとの一致を同定することを含む。

0017

FP及びHWラマンスペクトルを同時に検出することは、単一広帯域回折格子を使用してFP及びHW波長範囲の両方においてイルミネーションを回折させることを含むことができる。

0018

この方法は、一致に基づいて異常成長の性質を診断することを含むことができる。1以上の基準マーカーは、検出されたラマンスペクトルにおける特定のピークを含む又は特定のピークであることができる。

0019

この方法は、イルミネーション出力を動的に調節し及び/又は組織がイルミネーションにさらされる時間を動的に調節することをさらに含むことができる。

0020

この方法は、組織をイルミネーションにさらす前に、少なくとも1つの較正基準に対してプローブ又はラマン装置全体を標準化するように較正又は標準化手順を実行することを含むことができる。

0021

この方法は、第1イルミネーション源によるイルミネーション出力を組織に向けつつ追加のイルミネーション源を使用して組織に追加のイルミネーションを向け;ホットミラーフィルタを使用して第1イルミネーション源によるイルミネーション出力と追加のイルミネーション源による追加のイルミネーション出力との間のイルミネーション干渉を補うことを含む。

0022

ここで、本発明に係る実施形態のさらなる理解を提供するために、単なる例示として添付の図面を参照する。図面は、限定的なものと解釈されるべきではなく、寸法は一定の縮尺ではない場合がある。

図面の簡単な説明

0023

図1は、本発明の一実施形態に係る、生体内組織診断及び特徴付けのための共焦点ラマン分光法システムの概略図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る、内視鏡検査中における改善又は向上した精度の組織診断及び特徴付けのために開発された広帯域光ファイバー共焦点ラマン分光システムのブロック図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る、リアルタイムの胃腸(GI)粘膜から取得された広帯域FP及びHW生体内ラマン及び付随する自己蛍光スペクトルのグラフである。
図4は、本発明の一実施形態に係る、フィンガープリント(FP)領域及び高波数(HW)領域の両方を含む広帯域生体内ラマン及び付随する自動蛍光スペクトルに適用されるインターバル選択の一例を示すグラフである。
図5は、本発明の実施形態に係る、領域(a)800〜1800cm-1及び(b)2800〜3100cm-1における自己蛍光バックグラウンド減算後の広帯域生体内ラマンスペクトルに適用されたインターバル選択の一例を示すグラフである。
図6は、本発明の一実施形態に係る、3種の病変のラマンスペクトルプラス又はマイナス標準偏差及び3種の病変の関連する写真を示すグラフである。
図7Aは、本発明の一実施形態に係る、スペクトル特徴を分解する差スペクトルのグラフである。
図7Bは、本発明の一実施形態に係る、全スペクトル範囲にわたる3つの組織カテゴリー分散分析ANOVA)である。
図7Cは、本発明の実施形態に係る有意なラマンピークのヒストグラムである。
図8A〜Dは、従来の方法に係る、異なる結腸直腸組織型に相当する染色組織病理学スライドである。
図9Aは、本発明の一実施形態に係る事後確率表現である。
図9Bは、本発明の一実施形態に係る、腺腫及び腺癌を診断するためのレシーバ動作特性(ROC)のグラフである。
図10は、本発明の一実施形態に係る良性ポリープから腺腫を区別するためのレシーバ動作特性のグラフである。
図11Aは、本発明の一実施形態に係る、食道扁平上皮癌ESCC)についての診断アルゴリズム開発のためのトレーニングデータセット(全データセットの80%)の平均生体内FP/HWラマンスペクトル±1標準偏差を示す。図11Bは、本発明の一実施形態に係る、ESCCの固有スペクトル特徴及び正常食道とESCCについてのWLR誘導FP/HWラマン手順の対応する画像を分解する差スペクトル(ESCC−正常)±1標準偏差を示す。
図12Aは、全スペクトル範囲(例えば、800〜1800cm-1及び2800〜3600cm-1)にわたるトレーニングデータセット(全データセットの80%)(正常(n=736)、ESCC(n=202))のラマンピーク強度に対する独立両側スチューデントt検定を示し、その際、最も関連の高い診断情報を含む複数(例えば7個)のラマンスペクトルサブ領域を本発明の一実施形態に従って同定した。
図12Bは、本発明の一実施形態に係る診断上最も有意なラマンピーク(*p<1E−10)のヒストグラム±1SDを示す。
図13Aは、正常表在性角質化扁平上皮及び基底層に相当する代表的なヘマトキシリン及びエオジン染色組織病理学的スライドを示す。
図13Bは、顕著な構造異常及び細胞学的異常を示す浸潤性食道扁平上皮癌に相当する代表的なヘマトキシリン及びエオジン染色組織病理学的スライドを示す。
図14A〜図14Cは、本発明に係る、それぞれFP、HW及び統合又は同時FP/HWラマン技術に基づくスクエア判別分析及び一個抜き交差検証を使用したトレーニングデータセット(全データセットの80%)の(i)正常食道(n=736)及び(ii)ESCC(n=202)に属する生体内ラマンスペクトルの事後確率を示す((○)正常、(▲)ESCC)。
図15は、本発明の一実施形態に係るFP、HW及び統合又は同時FP/HWラマン技術を使用したトレーニングデータセット(全データセットの80%)について正常食道組織からESCCを分離するためのレシーバ動作特性(ROC)曲線(ここで、該ROC曲線面積(AUC)は、それぞれ0.972、0.928及び0.995である)を示す。
図16Aは、本発明の一実施形態に係る子宮頸部患者から測定された複合NIR−AF及びラマンスペクトルを示すグラフである。
図16Bは、本発明の一実施形態に係るインターバルPLS−DA後に抽出された選択スペクトル領域を示すグラフである。
図17は、本発明に係る、スペクトル全体の〜10%の割合を使用するに過ぎない全スペクトル及びインターバルPLS−DAについてのPLS−DAのモデル複雑度関数としてプロットされた分類誤差を示すグラフである。
図18は、本発明の実施形態に係る、(a)全スペクトルについての及び(b)インターバルPLS−DAモデリングを使用したPLS−DAモデリングを用いた前癌グループに属する事後確率(正常(n=1001)及び前癌(n=232))の散布図である。
図19は、本発明の一実施形態に係る90人の胃患者(良性(n=1950)及び癌(n=108))から測定したインターバルPLS−DA後の連続ラマンスペクトル及び選択スペクトル領域のグラフである。
図20は、本発明の一実施形態に係るスペクトル全体及びインターバルPLSについてのPLS−DAのモデル複雑度の関数としてプロットされた分類誤差のグラフである。
図21は、本発明の一実施形態に係る、(a)全FP及びHWスペクトルについてのPLS及び(b)インターバルPLS−DAモデリングについてのPLSを使用した癌群に属する事後確率(正常(n=1950)及び癌(n=108)の散布図である。
図22Aは、本発明の一実施形態に係る臨床的内視鏡検査中に63人の患者から得られた胃IM(n=329)及び正常粘膜(n=1083)のFP及びHW生体内平均ラマンスペクトル±1標準偏差(SD)を示す。
図22Bは、本発明の一実施形態に係る正常組織とIM胃組織との固有スペクトル特徴を分解する差スペクトル(すなわち、IM標準±1標準偏差(SD))を示す。
図23Aは、胃組織のヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色切片化スライドの顕微鏡写真を示す:A、正常胃粘膜(X200倍率)。
図23Bは、胃組織のヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色切片化スライドの顕微鏡写真を示す:B、広範囲腸上皮化生(X100倍)。
図24は、本発明の一実施形態に係る胃組織の統合FP及びHWラマンスペクトルから計算された全分散の〜88%を占める最初の5つの主成分(PC)を示す(PC1=45.6%、PC2=33.6%、PC3=4.2%、PC4=3.1%、PC5=1.2%)。
図25A、25B及び25Cは、正常胃組織からIMを分離するためのFP、HW及び統合FP/HWラマン技術((○)正常;(▲)IM)を使用することによって、本発明の一実施形態に係る一組織部位抜き交差検証方法と共にPCA−LDAを使用したそれぞれ(A)FP、(B)HW及び(C)統合FP及びHWラマン技術によって算出された正常及びIM胃組織カテゴリーに属する事後確率値の散布図を示す(点線(0.5)は、それぞれ96.3%(26/27)、77.8%(21/27)及び92.6%(25/27)の診断鋭敏度と、87.5%(77/88)、78.4%(69/88)及び90.9%(80/88)の特異度とを与える)。
図26は、それぞれ、統合FP/HW、FP及びHWラマンについて正常胃組織からIMを区別するための分類結果のレシーバ動作特性(ROC)曲線を、本発明の一実施形態に係る一組織部位抜き交差検証技術によるPCA−LDAアルゴリズムと共に示し、ここで、ROC曲線下積分面積は、統合FP/HWラマン、FPラマン及びHWラマン技術について、それぞれ0.96、0.94及び0.79である。
図27は、口腔から測定されたラマンスペクトルに適用されたインターバルPLS−DAの一例であり、その際、大きな解剖学可変性の領域(例えば、ヒドロキシアパタイトの956cm-1、脂質の1302cm-1及び1445cm-1)は、本発明の一実施形態に係る可変選択技術によって処分される。
図28は、本発明の一実施形態に係る、離散スペクトルインターバルを使用するときに予測のためにラマンスペクトルを処理する方法のフローチャートである。
図29Aは、本発明の一実施形態に係る、(a)ホットミラーが存在しない非接触モードで得られた生体内ラマンスペクトルのグラフを示す。
図29Bは、本発明の一実施形態に係る、(b)キセノン光源の前にあるホットミラーと一体化された非接触モードで得られた生体内ラマンスペクトルのグラフを示す。
図30Aは、本発明の一実施形態に係る、(a)ホットミラーが存在しない接触モードで取得された生体内ラマンスペクトルのグラフを示す。
図30Bは、本発明の一実施形態に係る、(b)キセノン光源の前にあるホットミラーと一体化された接触モードで取得された生体内ラマンスペクトルのグラフを示す。
図31は、本発明の一実施形態に係る、生物医学における光ファイバーラマン分光法の任意の応用のためのイルミネーション光フィルタリングのための一般化システムのブロック図である。
図32は、本発明の一実施形態に係る較正方法のフローチャートである。
図33は、本発明の一実施形態に係る、患者で使用する前に光ファイバーラマン内視鏡検査技術を試験し較正するために使用される較正装置のブロック図である。
図34は、本発明の一実施形態に係る、患者で使用する前のラマン内視鏡検査に一般的な試験の図である。
図35は、本発明の一実施形態に係る、2つの異なる光ファイバープローブを使用して取得されたバックグラウンドスペクトルの例示的なグラフ図である。
図36は、本発明の一実施形態に係る標準的なタングステンランプを使用して較正装置内の蛍光標準ガラス容器を較正する技術又は方法を示すブロック図である。
図37は、本発明の一実施形態に係る、2つの異なる光ファイバープローブの較正機能の例を示すグラフである。
図38は、本発明の実施形態に係る明確に定義されたラマンピークを有する材料(例えばポリスチレン)を測定する例を示すグラフである。
図39は、本発明の一実施形態に係る波数ピクセル数多項式マッピングを測定する例を示すグラフである。
図40Aは、本発明の一実施形態に係る、2つの異なるラマンプローブを使用した2層組織ファントム(すなわち、ポリスチレン及びポリエチレン)から得られたラマンスペクトルの比較を示すグラフである。図40Bは、本発明の一実施形態に係る、組織ファントムにおける最上層及び最下層の代表的なラマンスペクトルを示すグラフである。
図41は、本発明の一実施形態に係る、レーザ励起出力及び累積を自動的に調整することによってS/N比を改善しかつCCD飽和を防止する技術又は方法のブロック図である。
図42は、本発明の一実施形態に係る、露光時間及び蓄積を自動的に調節することによってS/N比を改善しかつCCD飽和を防止する技術又は方法のブロック図である。
図43は、本発明の一実施形態に係る、異なるプローブ及び異なる器官についての診断モデルを保存するための代表的なデータベース構造を示すブロック図である。

実施例

0024

詳細な説明
ラマン分光法は、非弾性光散乱基本原理に基づくユニークな光学的振動技術を表す。入射レーザ光分子偏光変化を誘発すると、入射光子のわずかな割合(108の〜1)が、サンプル中の分子の特定のラマン活性振動モードに対応する周波数シフトにより非弾性的に散乱される。異なる分子及び異なる結合が異なる周波数で振動する。したがって、ラマン分光法は、組織中のタンパク質、脂質及びデオキシリボ核酸(DNA)、水などの多数の細胞間及び/又は細胞内成分から多数の特定の生体分子情報を得ることができる。

0025

図1は、本発明の一実施形態に係る光ファイバー共焦点ラマン分光法システム若しくは装置又は光ファイバー共焦点ラマン分光器100を示す。このシステム100は、フィンガープリント(FP)スペクトル範囲及び高波数(HW)方式でラマン分光測定を同時に行うことができる。本発明の実施形態に係るFP及びHWスペクトル範囲の組み合わせ測定値を取得し分析することによって、例えば、胃腸組織を特徴付け、同定し及び/又は診断するための生体分子情報の生体内及び生体外分析の精度の向上が可能になる。

0026

光ファイバー共焦点ラマン分光器100は、近赤外(NIR)ダイオードレーザ102などのコリメートイルミネーション源と、ハイスループット反射イメージング分光器104と、NIR最適化電荷結合素子(CCD)カメラ106と、光ファイバー110によってレーザ102と分光器104の両方に光学的に結合されたプローブ108とを備える。プローブ108は、内視鏡の細長シャフト105(例えば、細長シャフト105によって与えられる器具チャネル内)によって保持できる。光ファイバーラマン分光器100は、レーザ光照射のバックグラウンド除去のためのバンドパスフィルタ112と、散乱レーザ光及びファイバーバックグラウンド干渉を除去しながら組織ラマン信号を通過させるロングパスフィルタ114とをさらに備えることができる。コンピュータ又はマイクロコントローラシステム124は、ラマン分光器動作の態様を制御しかつラマンスペクトル分析を実行するための自動化/コンピュータ化制御及び分析モジュールを与えることができる。

0027

代表的な実施形態では、近赤外ダイオードレーザ102は、例えばB&W Tek社によって製造された装置と一致するように、300mWの最大出力及び785nmの波長を有することができる。NIRレーザ102は、プローブ108の先端116で励起エネルギーを発生させ、これがプローブ108によって「照射」された任意の種に振動を生じさせ、それによりラマンスペクトルを生じさせることができる。他のタイプのコリメートイルミネーションを使用してダイオードレーザ102を交換することができる。分光器104は、例えば約−70℃までの熱電冷却を備えることができる。分光器104は、プリンストンインスツルメント社によって製造されたActon LS785 f/2などの装置と一致することができる。カメラ106は、プリンストン・インスツルメント社によって製造されたPixies 400BR eXcelonと一致する。このような実施形態では、分光器100は、約11cm-1の分解能で400〜3600cm-1のスペクトル範囲内の生体内ラマンスペクトルを取得することができる。例示されたデバイスは代表例として示されるものであり、限定的なものではない。

0028

水銀−アルゴンスペクトル較正ランプ原子発光線を、波長較正のために使用することができる。このランプは、米国フロリダ州ダニーデンのオーシャオプティクス社製のHG−1及びAR−1と一致するランプとすることができる。全ての波長較正スペクトルは、米国カリフォルニアサンディエゴのEG&G Gamma Scientific社により製造されるRS−10などのタングステン較正ランプを使用して、システムの波長依存性に対して補正される。

0029

いくつかの実施形態では、FP及びHWスペクトルを測定するために、組織ラマン信号は、異なるレーザ励起周波数を連続的に切り替えることによって、又は国際特許出願PCT/SG2014/000063号に開示されているように高分解能で全スペクトル範囲(すなわち、150〜1950cm-1;1750〜3600cm-1)をカバーするように二重透過格子を使用することによって測定できる。

0030

図2は、例えば内視鏡的にアクセス可能臓器及び身体部分における組織の特徴付け及び診断の精度を改善するような態様でFP及びHWスペクトルを同時に測定するための単一の反射格子を利用する広帯域光ファイバー共焦点ラマン分光システム又は装置(例えば、400〜3600cm-1)200である、ここで詳述する追加の実施形態を示す。

0031

システム200は、近赤外(NIR)ダイオードレーザ202(λex=785nm)と、熱電冷却されたNIR最適化電荷結合素子(CCD)カメラ206を備える高スループット反射分光器204と、特別に設計された1.8mm(外径)光ファイバー共焦点ラマンプローブ208とを備える。システム200は、ラマン分光器の動作の態様を制御しかつラマンスペクトル分析を実行するための自動化/コンピュータ化制御及び分析モジュールを与えるように構成されたコンピュータ/マイクロコントローラシステム124をさらに備える。より詳細には、コンピュータ/マイクロコントローラシステム124は、本発明の一実施形態に係る特定のラマンスペクトル取得及び分析動作、手順又はプロセスを実行するためのメモリ常駐プログラム命令を実行するように構成された1以上の処理ユニットを備えることができる。

0032

カスタマイズされた金被覆広帯域反射格子(例えば、830g/mm、〜約800nmで>90%の回折効率を有する)を光ファイバー共焦点ラマンシステム200に組み込み又は統合して、〜11cm-1のスペクトル分解能でスペクトル範囲全体(400〜3600cm-1)をカバーする。光ファイバー共焦点ラマン内視鏡プローブ208は、レーザ光供給及び生体内組織ラマン信号収集の両方のために使用される。共焦点ラマン内視鏡プローブ208は、既に国際特許出願PCT/SG2014/000063号に記載されており、中心光デリバリファイバー(直径200μm、NA=0.22)を取り囲む複数の200μmフィルタ被覆斜角収集ファイバー(NA=0.22)を備える。小型の1.0mmサファイアボールレンズ(NA=1.78)を共焦点プローブ208のファイバー先端に連結して励起光を組織にしっかりと集中させ、上皮内層(組織深さ<200μm)からの効果的なラマンスペクトル収集を可能にする。光ファイバー共焦点ラマンプローブ208は、医療用内視鏡の器具チャネルに挿入でき、かつ、本発明の一実施形態に係る広帯域共焦点ラマン内視鏡技術を使用した生体内組織の特徴付け及び診断のために上皮と穏やかに接触した状態で配置できる。

0033

図3は、FP及びHW領域の両方をカバーする、胃腸粘膜から測定した広帯域FP及びHWラマンとそれに付随する自己蛍光スペクトルの例を示す。高分解能組織ラマンピークが、次のような暫定的な分子割り当てでFP範囲内において付随する自己蛍光のトップで観察される:
・v(C−C)タンパク質に関連する853cm-1、
フェニルアラニンのvs(C−C)環揺らぎに関連する1004cm-1、
・脂質のv(C−C)に関連する1078cm-1、
・タンパク質のアミドIIIv(C−N)及びδ(N−H)に関連する1265cm-1、
・タンパク質のCH3CH2ねじれ及び揺れに関連する1302cm-1、
・タンパク質及び脂質のδ(CH2)変形に関連する1445cm-1、
・タンパク質のアミドIv(C=O)に関連する1655cm-1、及び
・脂質のv(C=O)に関連する1745cm-1。
HW領域には、次のような強いラマンピークも見られる:
・脂質の対称及び非対称CH2伸縮に関連する2850及び2885cm-1、
・タンパク質のCH3伸縮に関連する2940cm-1、
・水OH伸縮振動の広いラマンバンドに関連する3100〜3600cm-1の領域における3400cm-1。

0034

本発明の実施形態に係るこの広帯域技術は、FP若しくはHW範囲のいずれか又はFP及びHWスペクトル領域の両方を、組織分析、同定、特徴付け及び/又は診断のために同時に使用することを可能にするため、CCDを急速に飽和させる強烈な自己蛍光を発する内視鏡的にアクセス可能な器官に特に有用である。コンピュータ/マイクロコントローラシステム124は、例えば、グラフィカルユーザインタフェースGUI)に向けられたユーザ入力応答して、組織の分析、同定、特徴付け及び/又は診断のためにFPスペクトル領域、HWスペクトル領域又はFP領域とHW領域の両方を選択的に使用するように構成できる。

0035

一実施形態は、FP領域がCCDの動的範囲を超えている場合には、診断のためにHWスペクトル領域を使用することを含む。別の実施形態では、FP及びHWスペクトル領域の両方を、組織の特徴付け、同定及び/又は診断に使用する。広帯域光ファイバー共焦点ラマン内視鏡プラットフォームは、測定されたCCD飽和レベル及び/又は組織タイプに応じて、異なるスペクトル領域(例えば、HW、FP又は同時FP及びHWのいずれか)間での切り替えを可能にする。

0036

本発明の一実施形態に係る組織の特徴付け、同定若しくは診断技術又は方法は、広帯域FP及びHWスペクトルからの補完診断情報を利用する。一般に、組織の生物医学的スペクトルは極めて複雑である。異なる組織型間のラマンスペクトルの微妙な分子差を貴重な診断情報に変換するためには、主成分分析(PCA)などの洗練された多変量統計分析技術が必要である。これは、それぞれFP又はHW領域のいずれかについての組織診断及び特徴付けのために全体の(すなわち、連続的な)ラマンスペクトルを利用することによって広く実施されている。

0037

PCAは、ラマンスペクトルを主成分(PC)などの直交成分の線形結合に分解することによって、データセットのスペクトル変動最大化されるようにラマンスペクトルの次元縮小する。したがって、PCAは、典型的には、生物医学ラマンスペクトルの分類のためにサポートベクトルマシンSVM)、ロジスティック回帰(LR)及び線形判別分析(LDA)などの効果的なクラスタリングアルゴリズムと統合されている。PCAはデータの削減と分析に非常に効率的である。

0038

あるいは、部分的最小二乗法(PLS)−判別分析(DA)は、適切なY指標マトリックスにおける群親和性を表す、ゼロ及び1のクラスメンバシップを符号化することによって分類問題のために適用されている。PLS−DAはPCAの基本原理を採用しているが、スペクトル変動と群親和性との共分散を最大にすることで潜在変数(LV)などの要素をさらに回転させるため、LVは、スペクトルデータセットにおける最も顕著な変化よりもむしろ診断に関連する変数を説明する。ほとんどの場合、これにより、診断上重要なスペクトル変化が最初の数LVで保持されることが確保される。

0039

ほとんどの多変量アルゴリズム(例えば、PCA又はPLS−DA)は、もともと大量の無関係のスペクトル変数に対処するようには設計されていない。換言すれば、ラマンスペクトルにおけるいくつかのスペクトル領域は、例えば、大きな分散、干渉、組織間変動などのため診断モデルに悪影響を及ぼす可能性がある。

0040

一実施形態では、例えば、広帯域光ファイバー共焦点ラマン分光システム200を使用して行われるFP及びHWスペクトル測定によって得られるようなFP及びHWスペクトル範囲からの補完情報を利用する新規な診断技術又は手順を提供する。このような実施形態は、離散的スペクトルサブインターバル(例えば、約3〜15又は約5〜10の離散的スペクトルサブインターバル)を使用し、その際、所定の又は各スペクトルサブインターバルは、診断のために連続スペクトル範囲ではなく広帯域FP及びHWラマンスペクトルにおける約10〜30cm-1又は約20cm-1のスペクトル幅を有することができる。図4は、補完情報がFP、すなわち800〜1800cm-1及びHW、すなわち2800〜3600cm-1のスペクトル範囲の両方から抽出された胃腸の広帯域ラマン測定の例を示す。図5A〜5Bは、それぞれFP及びHW範囲における5次多項式減算後の同じラマンスペクトルを示し、特定のラマンピークをより明確に示す。本発明の実施形態に係るFP及びHW領域からのスペクトルサブインターバルの使用は、以下にさらに説明するように、前癌及び癌などの異常増殖の生体内ラマン内視鏡診断の精度を有意に改善又は向上させることが分かった。

0041

本発明に係る実施形態は、結腸直腸異常増殖などの胃腸異常増殖の診断に関する。生体内結腸直腸組織から測定された生FP及びHWラマンスペクトルは、弱い組織ラマンシグナル、強烈な自己蛍光バックグラウンド及びノイズの組み合わせを表す。ラマン信号を見て分析するためには、バックグラウンドとノイズを処理又は除去しなければならない。したがって、生スペクトルは、スペクトル雑音を低減するために、3ピクセル窓幅を有するSavitzky Golayフィルタなどの一次平滑化フィルタによって前処理される。FP領域(800〜1800cm)において、5次多項式は、ノイズ平滑化スペクトルにおける自己蛍光バックグラウンドをフィッティングするために最適であることが見出され、次いで、この多項式を、較正されたFPスペクトルから減算して組織ラマンスペクトルそのものを生じさせる。HW範囲(2800〜3600cm-1)では、一次直線フィットが、より弱い自己蛍光ベースラインを除去するのに最適であることが見出される。このような各受信信号の前処理は約30ms以内に完了するため、処理後のラマンスペクトル及び診断結果は、コンピュータスクリーンなどの表示装置上にリアルタイムで表示できる。

0042

前処理後にラマンスペクトルを分析してピーク及び/又はマーカーを決定する。次いで、これらのピーク又はマーカーを使用して、スペクトルが由来する組織の性質(病変又は異常増殖の性質)を評価し、特徴付け又は決定する。これは、既知制御スペクトル、基準マーカーなどとの適切な比較手段を使用してコンピュータシステムによって行うことができる。本明細書で使用されるときに、用語「基準マーカー」は、ラマンスペクトル内の1以上の個々のピーク又は実際にはラマンスペクトル全体を含むものとする。1以上のラマン基準マーカーが異常な細胞増殖の所定の性質を示す場合には、取得されたスペクトルと基準マーカーとの比較は、ルックアップテーブルなどを使用して行うことができる。多くの異なるタイプの比較技術又は方法を使用できることが分かるであろう。比較を行い、そして最良の一致を決定したら、存在する異常細胞増殖のタイプを、任意の適切な手段によってシステム200のユーザに示すことができる。これは、コンピュータ画面上の視覚的表現及び/又は可聴メッセージを含むことができる。

0043

システム200の実施形態のトライアルでは、合計50人の続発症候性患者について大腸内視鏡検査をした。これらの患者は、貧血、出血などの様々な結腸直腸徴候監視又はスクリーニングのための検査を提示していた。大腸内視鏡検査の前に、患者にポリエチレングリコール(PEG)電解腸製剤投与した。静脈内投与したプロポフォールを使用して鎮静を行った。内視鏡検査者は、検査の間に結腸を洗浄し、そして共焦点ラマンスキャンの前にポリープ及び結腸直腸病変生理食塩水でさらに洗い流して交絡因子(すなわち、残存便及び体液など)をさらに減少させた。典型的な検査の間に、内視鏡を遠位結腸に向け、身体からのプローブの引き抜き中に疑わしい病変についてラマンスキャン(n〜15スペクトル)を実施した。各組織ラマン測定値を約0.1〜0.5秒の期間内に得た。これにより、結腸直腸ポリープの迅速な調査が可能になった。結腸ポリープ(〜10%)と非接触状態で得られた任意のラマンスペクトルを、HotellingのT2及びQ−残存統計に関連する主成分分析(PCA)法を用いてオンライン臨床ソフトウェアによって自動的に廃棄した。PCA方法は、先の国際特許出願PCT/SG2014/000063の主題であり、以下のように機能する:
・新規外れ値検出スキームを、オンラインフレームワーク高レベルのモデル固有フィードバックツールとして機能するようにHotellingのT2及びQ−残存統計と結合された主成分(PCA)に基づいて導入する。HotellingのT2及びQ−残差は、モデルフィット内外の情報を提供する2つの独立したパラメータである。
・取得されたスペクトル品質(すなわち、プローブ−組織接触モード、プローブ処理変動、白色光干渉、青色光干渉、交絡因子など)を制御するための指標としてHotellingのT2及びQ−残差パラメータを使用して、聴覚フィードバックをオンラインラマン診断システムに統合し、臨床医のためにリアルタイム分光スクリーニング及びプローブ取扱のアドバイスを容易にする。
・スペクトルがさらなる分析のために確認された場合には、これらを生体内癌診断の確率モデルに送る。このソフトウェアは、多数の患者のスペクトルデータベースに基づいて、部分最小二乗弁別解析(PLS−DA)、PCA線形判別分析(LDA)、アリコロニー最適化(ACO)−LDA、分類及び回帰ツリー(CART)、サポートベクターマシン(SVM)、アダプティブブースティング(AdaBoost)などを含めた、予めレンダリングされた多変量統計モデル間で即座に切り替えることができる。

0044

ラマンスキャンを完了し結果を保存した後に、各組織標本を取り出し、ホルマリンで固定し、切片にし、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色し、組織病理学的検査のために送った。結腸直腸組織を以下の3つの臨床的に重要なカテゴリーに分類した:
(i)良性(正常及び過形成性ポリープ)
(ii)低悪性度及び高悪性度の腺腫(管状、尿細管性、絨毛状)
(iii)腺癌。

0045

本発明の一実施形態に係る同時FP及びHW光ファイバー共焦点ラマン技術を組織学的評価と比較して、生体内において様々な新生物と腫瘍性でない結腸直腸病変とを区別することができるかどうか決定した。

0046

比較には、同時FP及びHW光ファイバー共焦点ラマン分光法を現在使用されている技術の代わりに使用するのに十分に正確であるかどうかを検証するための結果の統計解析の使用が含まれていた。病理組織学的特徴付けの一致を評価するためにコーエンκ統計値を計算した。フィッシャーの事後最小有意差LSD)試験による分散分析(ANOVA)を使用して群間の平均の差異を試験した。多変量統計分析を使用して臨床診断のための有意なラマンスペクトル特徴を抽出した。確率的部分最小二乗法(PLS)判別分析(DA)を組織診断に適用した。「一患者抜き」(leave−one patient−out)交差検証を使用してPLS−DAモデルの複雑さを評価及び最適化し、オーバーフィッティングのリスクを軽減した。レシーバ動作特性(ROC)曲線を作成し、そして曲線下面積(AUC)を計算して、FP及びHW光ファイバー共焦点ラマン分光法が生体内で非新生物ポリープから新生物を区別することができることを評価した。

0047

特定の群の被験者又は患者に対して本発明に係る実施形態を使用した結果を示すために例示として与える実験では、52/(23〜83)の平均/範囲年齢の50人の患者(男性27人及び女性23人)を光ファイバー共焦点ラマン検査のために登録した。13人の患者に低悪性度の異形成を有する腺腫(11個の管状腺腫及び2個の尿細管腺腫)が認められた。3人の患者は、進行期の結腸直腸腺癌と関連していた。0.89のコーエンのカッパは、3つの組織グループ病理所見の間で高レベルの一致を示した。126個の病変又は異常増殖から合計1731の生体内結腸直腸ラマンスペクトルが首尾よく得られた。これらの病変のうち、1397は良性であり、235は腺腫であり、99は腺癌であった。これは組織病理検査によって確認された。上行性横行性下行性S状結腸直腸などの病理学的亜型及び解剖学的位置を含めた患者及び病変の詳細な分布を表1に要約する。

0048

0049

図6は、良性、腺腫及び腺癌の異常増殖について測定された平均生体内共焦点ラマンスペクトル±1標準偏差(SD)(陰影を付した明るい灰色)を示す。暫定的な割り当てを有する顕著な組織ラマンピークがFP範囲内において次の周囲で観察できる:
・v(C−C)タンパク質に関連する853cm-1、
・フェニルアラニンのvs(C−C)環揺らぎに関連する1004cm-1、
・脂質のv(C−C)に関連する1078cm-1、
・タンパク質のアミドIIIv(C−N)及びδ(N−H)に関連する1265cm-1、
・脂質のCH2ねじれ及び揺れに関連する1302cm-1、
・タンパク質及び脂質のδ(CH2)変形に関連する1445cm-1、
ポルフィリンのv(C=C)に関連する1618cm-1、
・タンパク質のアミドIv(C=O)に関連する1655cm-1、
・脂質のv(C=O)に関連する1745cm-1。
HW領域には、次のような強いラマンピークも見られる:
・それぞれ脂質の対称及び非対称CH2伸縮に関連する2850及び2885cm-1、
・タンパク質のCH3伸縮に関連する2940cm-1、
・タンパク質の非対称=CH伸縮に関連する3009cm-1、
・アミドA(タンパク質のNH伸縮)に関連する〜約3300cm-1、並びに
・組織の細胞外及び細胞外空間におけるOH−結合の局所構造及び相互作用直接関係するOH伸縮振動に関連するOHの広いラマンバンド〜3200及び〜3400cm-1。

0050

図7Aは、異なる結腸直腸病変間でのピーク強度シフト及びバンド広がりなどの特徴的なスペクトル特徴を解析する良性腺腫、良性腺癌及び腺腫−腺癌±1SD(陰影を付けた明るい灰色)の異なるスペクトルを示す。

0051

図7Bは、全スペクトル範囲内のラマン強度のそれぞれについて計算されたp値(ANOVA)の対数プロット(779の強度のセットを有する800〜1800cm-1及び2800〜3600cm-1の範囲の各ラマンスペクトル)を示す。

0052

図7Cは、約(i)1078cm-1(ii)1265cm-1(iii)1335cm-1(iv)1431cm-1(v)1618cm-1(vi)2885cm-1及び(vii)3200cm-1でのFP及びHW範囲の両方からの最も診断的に有意なラマンピーク強度(平均±1SD)のヒストグラムを示す。

0053

生体内ラマンスペクトルは、異なる病理分類の代表的な組織病理学スライドと相関していた。図8Aは、軽度リンパ形質細胞浸潤を伴う正常腸型粘膜における杯細胞の広範な存在を示す。図8Bは、ゴブレット型過形成ポリープの星形を有するポリープ様形状を示す。図8Cは、過密核を有する密集細胞を示す低グレード異形成を伴う管状腺腫を示す。図8Dは、顕著な細胞異常及び構造異常を伴う侵襲性腺癌を示す。図8A〜Dの組織病理学的特徴は、異なる病変タイプの細胞及び形態学的特徴を明らかにするのに対し、FP及びHW光ファイバー共焦点ラマン分光法は、図7A〜Cに示される結腸直腸発癌に関連する上皮において生じる生体分子変化を明らかにする。

0054

FP及びHWスペクトル範囲の両方からの相補的な生体分子情報を使用して、生体内診断のための光ファイバーラマン分光法が適用される。図9Aは、本発明の一実施形態に係るFP及びHW光ファイバー共焦点ラマン分光法を使用して、それぞれ(i)良性(n=1397)、(ii)腺腫(n=235)及び(iii)腺癌(n=99)に属する50人の結腸直腸患者からの三根確率的PLS−DAを用いて生成された事後確率を示す。感度特異性との関係を図9Bに示すようなROC曲線の展開によって決定した。曲線下面積(AUC)は、それぞれ、腺腫を良性ポリープから区別し、腺癌を腺腫及び良性ポリープから区別するために0.930及び0.978である。ROC分析は、88.5%(208/235)の感度及び80.0%(1118/1397)の特異性を有する良性ポリープ状病変及び扁平障害から腺腫を区別できることを示す。腺癌は、スペクトルベースで92.9%(92/99)の感度及び96.51%(1575/1632)の特異性で検出された。図10に示すように、FP及びHWレジメンからの生体分子情報が診断のために補完的であるかどうかを調査するために、追加のROC分析を行った。AUCは、FP範囲(すなわち、800〜1800cm-1)に基づいて0.908であり、HW範囲(すなわち、2800〜3600cm-1)に基づいて0.895であった。一方、FP及びHWの両方の範囲からの補完情報を使用することによって、堅牢性が有意に改善され、0.930のAUCが得られた。これらの生体内での進歩的な結果に照らして、独自のFP及びHW光ファイバー共焦点ラマン分光法は、生体内での結腸直腸新生物のリアルタイムの客観的診断を可能にする非常に強力な光学モダリティを示す。

0055

大きな身体は、組織病理学的評価のコストを大幅に増加させる小さな結腸直腸過形成性ポリープ又は扁平ポリープ状病変を隠すことが知られている。結腸直腸検査のための最新の内視鏡様式を開発し採用するための最も重要な動機付けは、良性過形成性ポリープを腺腫から区別する能力である。本発明に係る実施形態は、FP及びHWスペクトル範囲をカバーする高品質の生体内共焦点ラマンスペクトルが結腸直腸ポリープから(例えば、同時に)測定できかつリアルタイムで分析でき、これを使用して図6に示すように新生物を同定する改善された方法を提供することができることを初めて実証する。本発明の実施形態に係る光ファイバー共焦点ラマン分光法は、図7A図7Cに示される腫瘍化に伴って上皮に生じる複数の生化学的及び生体分子変化を明らかにする。例えば、腫瘍性ポリープは、v(C−C)に関する1078cm-1;δ(CH2)に関する1431cm-1;脂質含量の相対的減少を示す対称及び非対称CH2伸縮に関するそれぞれ2850及び2885cm-1(p<0.001)のラマンピーク強度の有意な減少と関連していた。また、これらの結果は、腫瘍性上皮における細胞増殖の増加を示す、フェニルアラニンのvs(C−C)揺らぎに関連する1004cm-1での感受性バイオマーカー及びアミドのIv(C=O)に関連する1655cm-1でのバンド広がりによって示されるような有意な上方調節タンパク質も示す。また、1618cm-1での腫瘍性ポリープにおける顕著なラマンピーク強度(p<0.001)も、抗原性発症及び生じる新脈管形成に関連するヘモグロビン含量と強く関連している。

0056

上記のピーク強度は分子内の特定の結合の振動に関連する。各タイプの結合は異なるピーク強度を有し、特定の結合に関連し得るピーク強度の同定は生体分子情報を明らかにすることができる。病変又は異常増殖が特定の1以上の結合を含み、特異的な関連ピーク強度を生じさせるという事実を用いて、異なるタイプの異常増殖を区別することができる。例えば、良性である異常増殖が特異的なピーク強度を示す場合には、そのピーク強度の後の検出は、後の状況において病変又は異常成長も良性である可能性が高いという決定をもたらす場合がある。

0057

本発明の実施形態によれば、ピーク強度とバイオマーカーとの関連性を利用して、存在する異常増殖のタイプを同定することができる。これは、生体内及び生体外の両方で行うことができる。

0058

いくつかの結果において、含水量は腺腫において著しく異なることが分かった。3200cm-1での広範な対称OH伸縮振動の強度の増加(p<0.001)は、腫瘍性上皮が結合水の増加含有量を保持していることを示しており、これは、水透過性を変化させ、それによって腫瘍細胞水和を誘導するアクアポリン発現によって部分的に説明することができる。結合水の増加は、疎水性脂質の同時減少と相互に関連している可能性がある。この所見重要性は、脂質及び結合水に関連するピーク強度比(すなわち、I2885/I3200)を計算することによって分析した。このピーク比のみにより、81.3%(191/235)の感度及び80.4%(1132/1397)の特異度で良性ポリープと腺腫とを区別することができる。したがって、ポリープにおける脂質含有量及び水灌流は、その場での結腸直腸新生物のための非常に有用なバイオマーカーである。したがって、上皮ラマンスペクトルシグネチャと細胞及び組織生化学との直接的な相関は、in−situにおいて生体分子レベルでの結腸直腸発癌の理解を深めることができる。ピーク又はマーカーの使用は、存在する異常な増殖型のタイプを診断するために採用できる。

0059

タンパク質、脂質、DNA及びタンパク質結合非結合水のコンホメーションを含めた幅広い補完的な光学バイオマーカーを利用することにより、図9A〜Bに示すように、腺腫の正確な診断を生体内で実現できることが初めて示された。腺腫は、スペクトルベースで88.5%(208/235)の感度及び80.0%(1118/1397)の特異性を有する良性のポリープ状病変及び扁平病変から区別できた。光ファイバー共焦点型ラマンプローブは浅い上皮層を選択的に調べるが、侵襲性癌細胞が顕著な生体分子異常と関連していることを示す腺腫から腺癌を効率的に識別することができた。

0060

結腸直腸腫瘍の生体内検出及び診断のためのFP及びHW光ファイバー共焦点ラマン結腸鏡検査技術の有効性はその結果から明らかである。また、FP及びHWスペクトル範囲の両方を利用することにより、FP又はHW範囲単独のいずれよりも優れたAUCが得られることも実証されている。これらの実質的な結果は、生体内での結腸直腸診断を向上させるためのFP及びHW範囲からの補完生体分子情報の追加を確認してFP及びHWラマン分光法が誤って分類される割合を大幅に減少させることができることを実証するものである。例えば、HWスペクトル範囲は、FP範囲に含まれないCH2及びCH3伸縮部分のみならず水の局所コンホメーションに関する情報を含む。また、FP範囲とHW範囲との組み合わせを生体外での診断目的のためにも使用することができる。

0061

なお、FPラマン分光器技術とHWラマン分光器技術との組み合わせは、典型的には、FP及びHWスペクトル測定を同時に行うなどの好ましい操作方法である。しかし、生体内でのFP又はHWの使用は、異なるタイプの異常増殖を同定することができる結果をもたらす。その結果、本発明に係る実施形態は、FP単独、HW単独又はFPとHWの組み合わせ(例えば、同時)を使用することができる。

0062

また、離散スペクトルサブインターバル(これらを所定の値及び/又は基準マーカーともということもできる)を広帯域のFP及びHWスペクトルで使用することにより、改善された診断技術又は方法が得られることにも留意すべきである。

0063

単一の金被覆広帯域反射格子の使用(例えば、FP及びHWスペクトルを同時に得るため)は、標的組織の特徴付け及び診断の精度向上のための、例えば、内視鏡手術中にリアルタイムで高精度により生体内で異常の可能性のある増殖又は異常増殖を特徴付ける/診断するための装置における重要な開発である。単一の金被覆広帯域反射格子は、従来技術の場合のように生体内測定中に回折格子を切り替える必要がないことを意味する。これには明らかに多くの利点がある。したがって、本発明の一実施形態に係るシステム又はデバイスは、いかなる切り替えプロセスも必要とすることなしに必要な測定を全て行うことができる。この装置は、複数の格子ではなく1つのみの格子を有するので、よりコンパクト費用効果が高い。単一回折格子設計は二重格子設計と比較してスペクトル分解能が少し低下するが、このコンパクトシステムのスペクトル分解能は、通常、約10cm-1の範囲内である組織ラマンスペクトル帯域幅と一致するため、このコンパクトなシステムは、診断目的又は結果に影響を及ぼさない又は有意な影響を及ぼさないと考えられる。

0064

光ファイバー共焦点ラマン分光法は、操作が簡単で、追加の内視鏡訓練造影剤の投与を必要としない、客観的で途切れのないリアルタイムのコンピュータ化診断を提供する。生体内での腸上皮の機能的及び生体分子/生化学的評価を可能にすることにより、FP及びHW光ファイバー共焦点ラマン分光法の導入は、大腸内視鏡検査などの胃腸内視鏡検査に大きな影響を与えることになるであろう。この新規生体分子内視鏡アプローチは、臨床結腸直腸検査中に客観的かつ迅速な意思決定を可能にする。結腸直腸検査における光ファイバー共焦点ラマン分光法には、以下のような2つの重要な役割がある:
(i)直腸ポリープ切除術又はEMRのための小さな高リスク腺腫の同定を含む予防的介入アプローチ。本質的にリスクが明らかに低い過形成性ポリープ又は扁平な疑わしい病変をその場に残し、それにより医療費を効率的に削減することができる可能性がある。
(ii)光ファイバー共焦点ラマン分光法を使用して、結腸直腸腺癌の存在を高精度で効率的に確認又は拒絶することもできる。

0065

本発明に係る実施形態は、CRCの内視鏡及び腹腔鏡手術に使用する可能性を開き、それにより消化器専門医切除代のリアルタイム評価及び定義のための客観的ツールならびに治療後有効性や分子レベルでの再発フォローアップ評価を提供する。これは、完全な腫瘍切除及びその後のマージンアセスメント補助して、再発の危険性を低減することができる。したがって、本発明の実施形態に係るFP及びHW光ファイバー共焦点ラマン分光法は、胃腸内視鏡の視野並びに他の身体部位において、リアルタイム生体内客観的組織評価を可能にすることによってスクリーニング設定及び治療結腸直腸適用の両方で使用することができる。

0066

別の臨床例は、生体内で食道組織からフィンガープリント(FP)(すなわち800〜1800cm-1)及び高波数(HW)(すなわち、2800〜3600cm-1)ラマンスペクトルを同時に取得することによって内視鏡検査中に食道扁平上皮癌(ESCC)のリアルタイム生体内診断のために本発明に係る実施形態を使用した。この一連の実験では、日常的な内視鏡検査を受けている48人の食道患者から、合計1172個の高品質生体内FP/HW組織ラマンスペクトル(正常(n=860);ESCC(n=312))を得た。全生体内ラマンデータセットを2つの部分に分類した:すなわち、34人の食道患者からのトレーニング用の全データセットの80%(938の生体内FP/HWラマンスペクトル[正常(n=736);ESCC(n=202));同時に予測試験について合計データセットの残りの20%(14人の食道患者からの234の生体内FP/HWラマンスペクトル[正常(n=124);ESCC(n=110)])。

0067

図11Aは、組織診断アルゴリズム開発のためのトレーニングデータセット(全データセットの80%)の平均生体内FP/HW組織ラマンスペクトル±1標準偏差(SD)(陰影領域)を示す。WLR誘導FP/HWラマン手順の対応する画像も示されている。暫定割り当て7〜18の顕著な食道組織ラマンピークがFP領域内で観察できる。すなわち、
・v(C−C)タンパク質に関連する853cm-1、
・フェニルアラニンの環揺らぎに関連する1004cm-1、
・脂質のv(C−C)に関連する1078cm-1、
・タンパク質のアミドIIIv(C−N)及びδ(N−H)に関連する1265cm-1、
・脂質のCH2ねじれ及び揺れに関連する1302cm-1、
・タンパク質及び核酸のCH3CH2ねじれに関連する1335cm-1、
・タンパク質及び脂質のδ(CH2)変形に関連する1445cm-1、
・ポルフィリンのv(C=C)に関連する1618cm-1、
・タンパク質のアミドIv(C=O)に関連する1655cm-1、及び
リン脂質のv(C=O)に関連する1745cm-1。
HW領域18〜24においても、次のように強いラマンピークが観察される:
・脂質の対称及び非対称CH2伸縮に関連する2580及び2885cm-1、
・タンパク質のCH3伸縮に関連する2940cm-1、
・アミドA(タンパク質のNH伸縮)に関連する約3300cm-1、及び
・食道組織の細胞内及び細胞外空間におけるOH−結合の局所コンホメーション及び相互作用に関連する水の広範なラマンバンド(〜3250及び〜3400cm-1でピークに達するOH伸縮振動)。

0068

図11Bは、ESCCと正常食道組織との差異ラマンスペクトル±1SD(陰影領域)を示し、食道の癌進行に関連するラマン活性成分の変化を反映する。ESCC及び正常組織のラマンスペクトルにおける有意差(p=1.3E−8、独立両側スチューデントt検定)は、食道癌の生体内診断のための同時FP/HWラマン内視鏡の潜在能力を示すものである。

0069

診断的に重要なラマン活性成分を解明するために、図12Aは、全スペクトル範囲(すなわち、800〜1800cm-1及び2800〜3600cm-1)におけるラマン強度のそれぞれについて計算されたp値(独立両側スチューデントt検定)の対数プロットを示す。特に、ESCCと正常食道との間に統計的に有意な差(p<1E−10)を有する次のスペクトル領域が見出された:タンパク質、脂質及び核酸に関連する840〜940cm-1、1025〜1100cm-1、1310〜1355cm-1、1585〜1690cm-1及び2830〜2975cm-1。3160〜3260cm-1及び3370〜3420cm-1の範囲の結合水においても、有意なスペクトル差が観察された。

0070

図12Bは、FP及びHWの両方の範囲、すなわち(i)853cm-1、(ii)1078cm-1、(iii)1335cm-1、(iv)1618cm-1、(v)1655cm-1、(vi)2850cm-1、(vii)2885cm-1、(viii)3250cm-1及び(ix)3400cm-1について最も統計的に異なるラマンピーク強度(平均±1SD)のヒストグラムを示す。図13に示すように、組織病理学によりESCCにおける顕著な細胞異常及び構造異常を同定し、異なるラマン活性成分を表す相対的に高い又は低いFP/HW組織ラマンバンドにより、ESCC形質転換を伴う食道組織の特異的生化学/生体分子変化を明らかにする。組織中の脂質、タンパク質、DNA及び水分含量に関連するFP/HWラマンスペクトルの変化は、ESCCを分子レベルで検出する同時FP/HWラマン分光法の能力を再確認する。

0071

FP及びHWスペクトル範囲で同定された補完生化学/生体分子情報を利用して、生体内ESCC診断を強化するための強力な診断モデルを開発するために、PLS−DA及びLOPCVをトレーニングデータセット(全データセットの80%)について実施した。0.91のコーエンのカッパは、食道組織群についての独立した病理学者間で高レベルの一致を示した。図14は、(a)FP、(b)HW及び(c)統合FP/HWに対する各ラマン予測の交差検証PLS−DA事後確率の散布図を示す。統合FP/HWラマン分光法による診断精度は97.3%(感度97.0%(196/202)及び特異性97.4%(717/736))であり、これはFP(精度90.9%、感度93.6%(189/202)及び特異性90.2%(664/736))又はHW(精度85.5%、感度78.2%(158/202)及び特異性87.5%(644/736))ラマン技術単独を使用した場合よりも優れる。また、レシーバ動作特性(ROC)曲線も図15に示すように生成し、ROC曲線下積分面積はFP、HW及び統合FP/HW技術についてそれぞれ0.972,0.928及び0.995であった。上記の結果は、統合又は同時FP/HWラマン技術が、FP又はHWラマン技術単独と比較して生体内ESCC検出に最良の診断性能を提供することを確認するものである。

0072

これら有望な診断結果を考慮して、独立した検査データセット(全データセットの20%)の予測診断のために、開発された同時FP/HWラマン分光法及び診断アルゴリズムを適用した。統合FP/HWラマン分光法により93.2%の予測精度(すなわち感度92.7%(102/110)及び特異度93.6%(116/124))を達成することができ、生体内ESCCについてFP(予測精度91.0%、感度90.9%(100/110)、特異性91.9%(113/124))又はHW(予測精度80.3%、感度76.4%(84/110)、特異性83.9%(104/124))ラマン技術単独を超える統合FP/HWラマン分光法の利点を実証することができる。

0073

さらなる実施形態では、例えば図2のシステム200を使用して子宮頸癌又は他のタイプの異常増殖を同定する、他のタイプの癌の同定を考慮した。

0074

FP及びHWスペクトル領域から相補的なスペクトル間隔を選択するために、変数/特徴選択技術を広帯域ラマン内視鏡技術に取り入れる。変数/特徴選択の利点としては次のものが挙げられる:
1.予測性能を改善する;
2.モデルの複雑さを軽減する;及び
3.変数/特徴の重要性などの基礎的な分光プロセスへの洞察を得る。

0075

一実施形態では、インターバルPLS−DAアルゴリズムを使用するが、原則として、他の複数の又は全ての特徴/変数選択技術又は方法を適用して、PCA−LDA、SVM、LRなどの任意のクラスタリングアルゴリズムのために補完的なスペクトル領域を選択することができる。この特徴/変数選択技術は、遺伝子アルゴリズム(GA)、群知能選択比などであることができる。簡潔に言えば、ここで使用されるインターバルPLS−DAは、ラマンスペクトルにおけるインターバルの最良の組合せについて連続した徹底的なサーチを実行する。したがって、インターバルPLS−DAは、それぞれ変数のサブセット又はウィンドウのみを使用して個々のPLSモデルを作成する。所定のスペクトルデータセットについて200個のインターバルが存在する場合には、200個のPLS−DAモデルを計算する(すなわち、各インターバルについて1つ)。

0076

モデル毎について一患者抜き交差検証を実行し、最高の診断精度を提供するインターバルを選択する。これは最適な単一インターバルモデルである。1つのみのインターバルが望ましい場合には、アルゴリズムはこの時点で停止する。しかし、複数のインターバルが望ましい場合(情報量を増やして予測性能を向上させるために)に、追加のサイクルを実行することができる。第2サイクルでは、最初に選択されたインターバルを全てのモデルで使用するが、新たなPLSモデルの新たなセットを作成するときには一度に1つずつ他の残りのインターバルのそれぞれと組み合わせる。このようにして、FP及びHW範囲からの補完的診断値の領域を抽出すると共に、貧弱な予測力の領域などの冗長な又は無関係なスペクトル範囲をモデルから除外する。

0077

FP及びHW範囲以外の他のスペクトル範囲(例えば、2000cm-1〜2800cm-1の間のいわゆるラマンサイレント範囲)を所定の用途に使用することができる。

0078

この実施形態の適用を実証するために、一連の子宮頸部患者からの広帯域スペクトルを取得した。異常Papスメアのためコルポスコピー処置を受けた合計44人の非妊娠女性患者(18〜70)を募集し検討した。生体内組織ラマンスペクトル測定の前に、5%酢酸溶液を、組織の色白化(子宮頸部における白色変色の程度は、前癌状態の程度に関連する)を評価するために子宮頸部に2分間局所塗布した。

0079

共焦点広帯域ラマン及びそれに付随する自己蛍光スペクトルは、光ファイバー共焦点プローブと組織と穏やかに接触させて測定した。図16Aは、正常(n=356)及び前癌(n=120)子宮頸部組織の平均生複合ラマン及び自家蛍光スペクトルを示す。正常及び前癌性の子宮頸部組織スペクトルは、次の付近の自己蛍光のトップに弱いラマン振動バンドを示す:
構造タンパク質及びコラーゲングリコーゲン(CCH)変形芳香族及び(C−C)伸縮に関連する〜854cm-1、
プロリンバリン及びグリコーゲンのv(C−C)伸縮に関連する〜937cm-1、
・フェニルアラニンの(C−C)環揺らぎに関連する〜1001cm-1、
・リン脂質及び核酸に関連する〜約1095cm-1、
・アミドIIIに関連する〜1253cm-1、
・脂質/タンパク質(コラーゲン)のCH3CH2ねじれ態様に関連する〜約1313cm-1、
・タンパク質及び脂質のCH2屈曲態様に関連する〜約1445cm-1、
・タンパク質のアミドIバンド−(C=O)伸縮態様に関連する〜1654cm-1、
・タンパク質−CH3伸縮に関連する〜2946cm-1、及び
・水−(OH)伸縮に関連する〜約3400cm-1。

0080

インターバル選択と統合された広帯域ラマン技術が子宮頸部前癌の診断を改善できることを実証するために、従来のPLS−DAを連続スペクトルに適用し(図16A)、そしてインターバルPLS−DAを適用して上記相補的領域を抽出する。図16Bは、インターバルPLS−DAの後に選択されたスペクトルサブ領域(すなわち、1000〜1020cm-1、1640〜1660cm-1、2890〜2910cm-1及び3290〜3310cm-1)を示す。

0081

図17は、PLS−DAモデルとインターバルPLS−DAモデルの両方についてのアルゴリズム複雑度(すなわち、LVの数)の関数としての分類誤差を示す。最小値は、それぞれ9及び5LVで見出すことができる。スペクトル全体ではなくFP領域とHW領域の両方からの補完スペクトル領域を使用することにより、精度が著しく向上する(分類誤差は25%から15%に減少する)ことは明らかである。この例は、不良な情報を含む領域を除去し、そしてFP及びHWスペクトルから補完的なサブインターバルを選択することにより、前癌の生体内検出の精度を〜約10%有意に改善できることを示す。これは、実際に、FP及びHW領域が組織の特徴付けのための補完情報を含むことを証明する。図18A及び図18Bの散布図は、確率的分類結果を示す。結果として、広帯域共焦点ラマン内視鏡技術からの離散的なインターバルによって、臨床医は疑わしい病変に関連するリスクのより正確な確率的基準を得ることができ、それによって物理生検指針を大幅に改善することができる。

0082

疾患の家族歴などの事前情報を組み込むことによって、確率的分類(図18A及び18B)に閾値課すことができることに留意すべきである。例えば、患者が高リスク群に属する場合には、装置は、前癌又は癌に対するより高い感受性を与える閾値を自動的に選択することができる。事前確率を生成する他のタイプのデータは、年齢、民族性性別飲酒習慣などの遺伝的、プロテオーム的、疫学的な画像化結果(CT、MRIなど)、症状などとすることができる。閾値を調節するためのオプションは、スペクトル測定を制御する臨床ラマン内視鏡ソフトウェアに組み込まれている。

0083

広帯域共焦点ラマン内視鏡を使用したさらなる臨床例では、光ファイバー共焦点ラマンスペクトルを、胃悪性腫瘍早期診断焦点を当てて一連の胃患者から取得した。図19Aは、組織病理学的特徴付けによって確認された異なる組織型:良性(n=1950スペクトル)及び癌(n=108スペクトル)を示す90人の患者から測定した生体内共焦点FP及びHWラマンスペクトルの平均を示す。タンパク質、DNA及び脂質の顕著な組織ラマンピークが次の付近で観察できる:
・v(C−C)タンパク質に関連する936cm-1、
・フェニルアラニンのvs(C−C)環揺らぎに関連する1004cm-1、
・脂質のv(C−C)に関連する1078cm-1、
・タンパク質のアミドIIIv(C−N)及びδ(N−H)に関連する1265cm-1、
・タンパク質のCH2のねじれ及び揺れに関連する1302cm-1、
・タンパク質及び脂質のδ(CH2)変形に関連する1445cm-1、
・ポルフィリンのv(C=C)に関連する1618cm-1、
・タンパク質のアミドIv(C=O)に関連する1655cm-1、
・脂質のv(C=O)に関連する1745cm-1、
・タンパク質−CH3伸縮に関連する〜2946cm-1、及び
・水−(OH)伸縮に関連する〜3400cm-1。

0084

本発明に係る実施形態を実証するために、従来のPLS−DAを連続スペクトル並びにインターバルPLS−DAに適用する。図19Bは、インターバルPLS−DA(すなわち、〜1050〜1120cm-1、〜1323〜1490cm-1及び〜2850〜2870cm-1)の後の選択補完スペクトル領域を示す。

0085

図20は、PLS−DAとインターバルPLS−DAの両方についてのアルゴリズム複雑度(すなわち、LVの数)の関数としての分類誤差を示す。両方のモデルについて5個のLVを使用して分類エラーの最小値を見出すことができる。図21A及び図21Bの散布図に示すように、スペクトル全体ではなくFP及びHW範囲内の補完的な診断重要なスペクトル領域を選択することにより、モデルはより正確になる(分類誤差は0.25%から0.18%に減少する)。感度は72.2%から75.9%に増加し、特異度は74.7%から87.9%に増加するところ、これは補完情報が胃癌の診断を改善することを示す。

0086

さらに別の臨床例は、内視鏡検査中に胃腸の化生病変(IM)−悪性病変の生体内検出のためにFP及びHW光ファイバーラマン内視鏡技術を同時に使用した本発明に係る実施形態を利用した。この例では、ラマン分光システム200は、近赤外(NIR)ダイオードレーザ(λex=785nm)(最大出力:300mW、B&W TEK社)、金被覆830gr/mm格子を備える高スループット反射イメージング分光器(Acton LS−785 f/2、プリンストン・インスツルメント社)及び熱電冷却NIR最適化電荷結合素子(CCD)カメラ(PIXIS:400BR−eXcelon、プリンストン・インスツルメント社)を備えていた。システム200は、〜9cm-1の分解能で400〜3600cm-1のスペクトル範囲内の生体内組織ラマンを取得した。1.8mmの外径を有する1.9m長の光ファイバーラマンプローブ108を、レーザ光の送達及び生体内上皮組織ラマン信号収集の両方のために利用した。内視鏡のために設計されたラマン内視鏡プローブ108は、中央の光送達ファイバー(直径200μm、NA=0.22)を取り囲む18×200μmの斜角収集ファイバー(NA=0.22)を備える。1.0mmサファイアボールレンズ(NA=1.78)をプローブのファイバー先端に連結して励起光を胃組織表面にしっかりと集束させ、上皮内層からの有効なラマンスペクトル収集を可能にする。光ファイバーラマン分光システム200の深さ選択能力は、微視的なプロービング容量(<0.02mm2)を用いてより浅い組織照合(<200μm)を確保し、それにより、より深い嵩高組織からの干渉及び信号希釈を低減すると共に、新生物の発症及び進行に関連する上皮を選択的又は優先的に照合する。水銀−アルゴンスペクトル較正ランプ(HG−1及びAR−1、米国フロリダ州ダニーデンのOcean Optics社)の原子発光線を波長較正のために使用した。タングステンキャリブレーションランプ(RS−10、米国カリフォルニア州サンディエゴのEG&G Gamma Scientific社)を使用してシステムの波長依存性について全ての波長較正スペクトルを補正した。FP/HW光ファイバーラマン内視鏡システム200全体は、フットペダル及びフィードバック(例えば、聴覚及び/又は視覚的確率的フィードバック)をリアルタイムで胃腸科医に提供するように構成された直観ソフトウェアフレームワークを使用して制御可能である。

0087

処理スペクトルを3次Savitzky−Golayスムージングフィルタ(3ピクセルのウィンドウ幅)で前処理してスペクトルノイズが除去した。FP領域(800〜1800cm-1)では、5次多項式がノイズ平滑化スペクトルにAFバックグラウンドをフィッティングするのに最適であることが分かり、その後この多項式を測定FPスペクトルから差し引いてFP組織ラマンスペクトルそのものを得た。HW範囲(2800〜3600cm-1)では、AF背景を除去するために一次多項式近似を使用した。FP及びHWラマンスペクトルをFP及びHW範囲下積分面積にわたって正規化して、正常胃組織とIM胃組織と間のスペクトル形状及び相対ラマンバンド強度のさらに良い比較を可能にした。生のスペクトルデータを、全てMatlab環境(米国マサチューセッツ州のMathworks社)で開発されたソフトウェアによりオンラインで処理した。主成分分析(PCA)及び線形判別分析(LDA)を実施して、正常な胃組織とIMの胃組織との区別のための強力な診断アルゴリズムを開発した。1組織部位抜き交差検証を利用して、偏りのないように開発された診断モデルを評価した。複数のラマンスペクトル(10〜15)を各組織部位から1秒以内に取得し、大部分の投票戦略を最終的な分類のために適用した。診断結果は、リアルタイムでコンピュータ画面などの表示装置に表示可能であった。また、閾値を連続的に変化させることによりレシーバ作動特性(ROC)曲線も生成して全ての組織の正しい分類と誤った分類を決定した。全てのスペクトル前処理及び多変量統計解析を、Matlabプログラミング環境記述されたスクリプトを使用してオンラインで実行した。

0088

合計1412の生体内ラマンスペクトル(すなわち正常(n=1083スペクトル)及びIM(n=329スペクトル))を、コンセンサス組織病理学的検査によって確認されるように115の部位(すなわち正常(n=88部位)及びIM(n=27部位)から取得することに成功した。

0089

図22Aは、測定された(すなわち、正常及びIM)平均生体内ラマンスペクトル±標準偏差(SD)(網掛けの明るい灰色)を示す。暫定的割り当てを有する顕著な組織ラマンピークがFP範囲内で次の様に観察される:
・v(C−C)タンパク質に関連する875cm-1、
・フェニルアラニンのνs(C−C)環揺らぎに関連する1004cm-1、
・脂質のv(C−C)に関連する1078cm-1、
・脂質のCH2のねじれ及び揺れに関連する1302cm-1、
・タンパク質及び脂質のδ(CH2)変形に関連する1445cm-1、
・タンパク質のアミドIv(C=O)に関連する1655cm-1。
さらに、HW領域の強いラマンピークも観察される:
・脂質の対称及び非対称CH2伸縮に関連する2885cm-1、
・タンパク質のCH3伸縮に関連する2940cm-1、
・アミドA(タンパク質のNH伸縮)に関連する3300cm-1、
・組織の細胞外及び細胞外空間におけるOH結合の局所コンホメーション及び相互作用に関連する水の広範なラマンバンド(〜約3400cm-1にピークを有するOH伸縮振動)。

0090

図22Bは、IM変換に関連する特徴的なスペクトル特徴(例えば、ピーク強度、シフト及びバンド広がり)を解消する差スペクトル(すなわち、IM−正常)±1SD(陰影付き明るいグレー)を示し、内視鏡検査でのIMの早期診断のためのFP/HWラマン分光法の可能性を確認する。

0091

図23A〜Bは、ラマン内視鏡を用いた対応する組織部位の代表的なヘマトキシリン及びエオシン(H&E)スライドを示す図であり、これは(a)正常胃粘膜(×200倍率);(b)広範な胃腸異形性を含み、それによって胃上皮が明らかな杯細胞(×100倍)を含む。病理組織学的特徴付けにより、胃組織における正常及び腸異形性病変の細胞及び形態学的特徴を明らかにすると共に、同時FP/HWラマン内視鏡検査により、上皮組織の特異的な生化学成分(例えば、タンパク質、脂質及び水)を分子レベルで解明する。

0092

高度な多変量診断アルゴリズムを開発し、そして3つの異なるラマン技術(FP、HW及び統合FP/HW)の間の組織診断性能を比較するために、PCA−LDAとスチューデントt検定とを取得した生体内組織ラマンスペクトルに対して実施して異なる組織型のスペクトルで観察された分かりにくい差異を評価した。図24に示すように、1組織部位抜き交差検証PCA−LDA診断アルゴリズムを診断有効PC(p<0.01)に基づいてさらに開発し、これはそれぞれラマンスペクトル変動の45.6%(PC1)、33.6%(PC2)、4.2%(PC3)、3.1%(PC4)及び1.2%(PC5)を占める。異なる重要なPCの特徴は区別される;特に、図24におけるピーク、トラフ及びスペクトル形状などのいくつかのPC特徴は、組織ラマンスペクトルパターンの特徴と類似する。第1の重要なPCは、スペクトルデータセット内で最大の分散を示す(すなわち、45.6%)のに対し、連続するPCは、徐々に小さくなる分散に寄与する特徴を示す。その後、5つの診断上重要なPCを、全て胃組織の診断及び分類のための1組織抜き交差検証技術と共にLDAモデルに供給する。

0093

図25は、それぞれ(a)FP、(b)HW及び(c)統合又は同時FP/HWラマン法について計算されたようなPCA−LDAアルゴリズムモデリングによる正常及びIM病変の交差検証分類結果(事後確率)を示す。事後確率散布図に適用された閾値線(0.5)は、FP、HW及び統合FP/HWラマン分光技術について、それぞれ89.6%(103/115)、78.3%(90/115)及び91.3%(105/115)の診断精度(96.3%(26/27)、77.8%(21/27)、92.6%(25/27)の感度及び87.5%(77/88)、78.4%(69/88)、90.9%(80/88)の特異性)を生じさせた。この結果は、統合FP/HWラマン分光法がFP技術単独又はHW技術単独と比較して胃のIM診断に最も良く機能することを実証するものである。

0094

図26は、FP、HW及び統合FP/HWラマン技術のために生成されたROC曲線を示し、胃のIM識別の診断感度と特異性との間の関係を明らかにする。FP、HW及び統合FP/HWラマン技術について、それぞれ曲線下積分面積(AUC)はそれぞれ0.94、0.79及び0.96であり、統合FP/HWラマン技術が生体内胃IM検出について最良の診断性能を提供することをさらに再確認した。全体として、上記の結果は、内視鏡検査中に生体内で胃前癌病変の早期診断を向上させるために開発された同時FP/HWラマン分光技術の大きな可能性を実証するものである。

0095

図27は、FP範囲のみで口腔から測定されたラマンスペクトルのさらなる実施形態を示す。口腔(例えば、頬側及び咀嚼粘膜)内の異なる組織部位の間に顕著な解剖学的可変性があることに留意すべきである。この実施形態では、ヒドロキシアパタイトの956cm-1並びに脂質の1302cm-1及び1445cm-1などの大きな組織間分散の領域を、インターバル選択法を用いて排除する。したがって、変数/特徴選択技術を使用して、変動の大きいスペクトル領域を除外することにより診断アルゴリズムに対する解剖学的可変性の影響を低減することができる。これは重要なポイントであり、皮膚、口腔などを含めて他の臓器に適用される。

0096

図28は、別個のスペクトルサブ領域に基づく確率論的診断モデルの実施後に予測を新たなスペクトルにリアルタイムで将来に向けて適用する方法の例を示す。これには、ファイバーバックグラウンド減算較正、スペクトルインターバルへの切り捨て、前処理、及び最終的に疾患分類のための予測子の適用することを含むいくつかのステップが含まれる。

0097

この実施形態は、先行技術に対していくつかの大きな利点を有する:診断のために広帯域スペクトル全体を使用する代わりに、この技術又は方法は、診断モデルを大幅に単純化する補足情報のサブセット(例えば5〜20%)のみを使用する。第2に、変数選択は、疾患の生化学的及び生体分子基礎への定性的な洞察を提供する。第3に、スペクトル範囲全体に基づくスペクトル分析と比較して、精度が有意に向上する。さらに、所定のスペクトル範囲が干渉又は交絡因子(例えば、血液)などを有する場合には、これらの効果を効率的に低減させることができる。

0098

所定の例では、食道逆流に対する疑わしい症状の内視鏡的スクリーニングが予定されている患者は、以下を受ける:
・従来のWLR/NBI/AFI内視鏡撮像は、前癌(すなわち異形成)が疑われる大きなバレットセグメント確定していない外観を示す遠位食道で実施される。
・その後、広帯域共焦点ラマン内視鏡技術を疑わしい組織セグメント内の客観的に標的となる生検に適用する。
・共焦点ラマン分類は、「正常」(病理又は胃炎欠如)、「低リスク」(腸−異形性)及び「高リスク」(異形成/癌)に定義される。
・共焦点ラマンプローブは遠位食道の組織に対して配置され、診断はFP及びHW領域から抽出された補完情報に基づいてリアルタイムで与えられる。
・共焦点ラマン内視鏡技術は、後に生検される高リスク組織部位を標的とする。

0099

本発明に係る実施形態は、リアルタイム同時フィンガープリント(FP)及び高波数(HW)光ファイバー共焦点ラマン分光法が生体内での患者のスクリーニング中に実施できることを実証する。光ファイバー共焦点ラマン分光法は、結腸直腸発癌の間に上皮に生じるタンパク質、DNA、脂質及び水などの生体分子及び生化学的変化を明らかにする。FP及びHW範囲からの補完生体分子情報の使用は、FP又はHW範囲の単独使用と比較して、異常増殖の検出を改善する。FP及びHW光ファイバー共焦点ラマン分光法は、前癌及び癌の検出並びに特徴付けを改善する大きな可能性を有する。スペクトル全体のサブセットを使用することは、身体の多くの異なる部分における異常な成長の処理及び同定において顕著な利点を有する。FP及びHW範囲は、本明細書で検討される検出のタイプについて良好な結果をもたらすものとして特に同定されている。他のタイプの検出については、他の範囲がより有用であることが分かるであろう。

0100

本発明に係る実施形態は、生物医学的ラマン分光法に限定されるものではなく、他の分野にも適用可能である。これらのものとしては、例えば、蛍光分光法弾性散乱分光法、表面増強ラマン分光法、プロセス分析技術、水及び環境モニタリング製薬プロセス/薬物送達制御、食品産業品質管理産業法医学などが挙げられる。このような実施形態では、イルミネーション源によって与えられる励起エネルギーは、組織を含む又は組織である必要のない標的サンプル(例えば、化学物質、水、又は環境物質基質サンプル、医薬/薬物又は食品サンプル、又は別のタイプのサンプル)に向けられる。さらに、このような実施形態は、内視鏡又は内視鏡検査を必要としない。本明細書における用語「ラマン」についての言及は、上記のものを含めた他のタイプの分光法を包含するものとする。

0101

本発明に係る実施形態は、肺、上部及び下部GI(例えば、食道、胃、結腸直腸)、肝臓、膀胱及び頭頸部(例えば、鼻咽頭喉頭、経口)、頸部、皮膚、骨、又は従来の内視鏡、腹腔鏡若しくは関節鏡を使用することができる任意の他の場所などの任意の器官の診断プラットフォームとして機能することができる。

0102

本発明に係る所定の実施形態を使用して得られた組織ラマンスペクトルのいくつかは、内視鏡照射干渉を被る可能性がある。これにより、異常な成長の診断を達成することが困難になる。結果として、さらなる実施形態は、このような干渉を排除するための解決策を提供する。

0103

上記のような共焦点ラマンファイバープローブを誘導するために使用される本発明の一実施形態に係る三脚内視鏡撮像システムは、300Wの短アークキセノン光源と、胃腸(GI)内視鏡と、ビデオ信号プロセッサとを備える。キセノン光源を異なるセットのフィルタと結合させて、三次元内視鏡撮像(図示せず)のための異なるイルミネーション光をタンデムに提供する。フィルタは、例えば、WLR(赤色フィルタ、585〜655nm;緑色フィルタ、500〜575nm;青色フィルタ、390〜495nm)、AFI(青色フィルタ、390〜470nm;緑色フィルタ、反射率画像正規化用の540〜560nm)、NBI(緑色フィルタ、530〜550nm;青色フィルタ、390〜445nm)を含むことができる。

0104

組織から放出された反射光又は蛍光は、GI内視鏡(図示せず)の遠位先端に取り付けられた2つの異なるCCD:WLR/NBI用の従来のCCDが1つ及びAFI観察用高感度CCDが1個)を用いて検出される。内視鏡ショートアークキセノンランプは、>700nmのNIRスペクトル範囲に顕著な離散ピークを有するUV/VIS/NIRをカバーする広帯域連続光を放出する。

0105

785nmレーザ励起ストークスラマン分光法もNIR範囲に入るので、周囲キセノン光は組織ラマンシグナルを妨害し、生体内組織測定及び診断を完全に不明瞭にする可能性がある。そのため、ラマン内視鏡診断は、従来、キセノンイルミネーション光を「オフ」又は淡色にして実施されているが、これは臨床設定においては非常に望ましくない。

0106

周囲キセノンイルミネーション干渉を除去するために、内視鏡システムにおけるキセノン光源の前にホットミラーローパスフィルタ(〜約700nmでのカットオフ可視範囲の〜約95%の平均透過率)の統合により周囲の干渉を排除することを可能にする実施形態を提案する。この実施形態の適用を実証するために、異なる内視鏡照明条件下で生体内ラマンスペクトルを測定する。図29Aは、ホットミラーが組み込まれていない内視鏡検査中に得られた非接触組織ラマンスペクトルを示す。キセノン光からの主な干渉は、組織ラマン信号を完全に圧倒することが分かる。図29Bは、キセノンランプの前にホットミラーローパスフィルタを組み込んだ後の非接触モードでの組織ラマンスペクトルを示す。見て分かるように、キセノン干渉は実質的に排除される。高分解能の組織ラマンピークは、次のような暫定的な分子割り当てで観察できる:
・v(C−C)タンパク質に関連する853cm-1、
・フェニルアラニンのvs(C−C)環揺らぎに関連する1004cm-1、
・脂質のv(C−C)に関連する1078cm-1、
・タンパク質のアミドIIIv(C−N)及びδ(N−H)に関連する1265cm-1、
・タンパク質のCH3CH2ねじれ及び揺れに関連する1302cm-1、
・タンパク質及び脂質のδ(CH2)変形に関連する1445cm-1、
・タンパク質のアミドIv(C=O)に関連する1655cm-1、及び
・脂質のv(C=O)に関連する1745cm-1。

0107

ラマンスペクトルをプローブが組織と接触した状態で測定した。図30Aは、ホットミラーの非存在下において接触モードで測定された組織ラマンスペクトルを示す。図30Bは、キセノンランプの前にホットミラーローパスフィルタを組み込んだ後の接触モードでの組織ラマンスペクトルを示す。全体的に、これらの結果は、ホットミラーが共焦点ラマンプローブの非接触モード及び接触モードの両方において生体内組織ラマンスペクトルからの周囲キセノン干渉を完全に排除することができることを示す。さらに、図から、キセノン干渉は、より多くの光がプローブヘッドに結合するため、ラマンプローブと組織との非接触モードで最も顕著であることが明らかである。したがって、この実施形態は、咳反射刺激のため非接触モードが好ましい喉頭/気管支などの器官において、又はラマンプローブと組織との接触が出血及び癌細胞の広がりのリスクを誘発する場合のある進行腫瘍患者において特に価値のあるものである。

0108

なお、ホットミラーを使用した誘導のためのイルミネーション光のフィルタリングは内視鏡適用に限定されるものではなく、内部又は外部器官(例えば、皮膚、子宮頸部、膀胱、胃、食道、鼻咽頭、喉頭、口腔、結腸、直腸、肺など)のためにNIR組織分光法(すなわち、表面増強ラマン分光法(SERS)、NIR蛍光法又はNIR反射率法)を誘導するように使用される任意の光又は画像様式をフィルタリングするために一般的なものである。

0109

したがって、その概念は、システム2100を示す図31に一般化されている。このシステム2100は、組織2104と接触させることができるプローブ2102を備える。このシステムは、NIRレーザ2106とスペクトログラフ2108とCCD2110とをさらに備える。プローブと分光器との間にエッジロングパスフィルタ2112が配置され、プローブとレーザとの間にバンドパスフィルタ2114が配置される。PC2116及び関連するソフトウェアを使用してシステムを制御する。また、組織は、ホットミラーローパスフィルタ2120を介してイルミネーション源2118によって照射される。このシステムは、この実施形態が使用される正確な用途に応じて、システムを構成する要素とこのような要素の方向及び位置との観点から変更できることが分かるであろう。

0110

機器の標準化は臨床ラマン分光法の進歩のペースよりはるかに遅れていることが知られている。組織ラマン分光法は、本質的に弱くかつ高分解能のピークに基づくため、この技術は機器の変化に非常に影響を受けやすい。したがって、生体内診断が異なるラマンシステム間で確実かつ一致したものであることを確保にするために、ヒト患者の臨床測定前にラマン内視鏡装置を試験/較正及び標準化するための技術を開発し使用することが不可欠である。

0111

図32は、(i)システムの起動、(ii)ラマン内視鏡システムの試験、(iii)患者におけるラマン内視鏡の適用を含む患者への適用前のラマン内視鏡を試験する基本原理を示す。光ファイバーラマン内視鏡を試験しかつ較正するシステムのために新たな装置及び技術又は方法を提案する。これには、オプティカルメカニカルデバイスと、光ファイバーラマン診断アプリケーションにおける自動システムテスト及び較正のためのラマンソフトウェアに実装された一連のプログラム命令ルーチンが含まれる。較正装置は、自動較正装置(例えば、水銀及びアルゴンランプ、NIRスペクトルエミッタ、レーザ光など)、光強度放射源レーザパワーメータ、組織ファントムと共に、自動化光学器械部品ステッピングモーター)及びラマン内視鏡検査システムの標準化のためのコントローラとから構成される。較正装置は、臨床ラマン内視鏡プラットフォームの不可欠な部分であるが、光ファイバーの一般的な試験及び較正のためのスタンドアローン装置として使用することもでき、様々なサンプル2304を取り入れる米国ニュージャージーニュートンのThorlabs社製FW102Cなどの付属ステッパーモータ駆動フィルタホイール203を備える。可撓性光ファイバーラマンプローブ2306は、図33に概略的に示すように較正装置に取り付けることができる。

0112

フィルタホイールの回転は、臨床ラマンソフトウェアにおけるレーザ励起及び取得と同期している。スペクトルは、フィルタホイールの各サンプルから取得され、保存される。較正/試験ルーチンで実行されるステップは、CCD特性(すなわち、温度、暗電流)、レーザ励起パワー、及び溶融石英ファイバーバックグラウンド、システム応答較正/試験のための蛍光材料、波長較正/試験のための材料及び最後に組織のファントムの測定を含む。測定された信号は、ラマン内視鏡システムのパラメータ(例えば、強度応答、波長精度バックグラウンドノイズなど)を再較正するために使用できる。

0113

次に、得られた信号の例と共に、較正装置のフィルタホイールに組み込まれたルーチン及び基準サンプルについて説明する。図34は、較正装置を使用する患者に使用する前にラマン内視鏡を検査するための手順(2400)を示す。信号解析(すなわち、故障の検出又は較正)は、各測定の後又は全ての測定が完了した後に実行できる(この特定の例に示されるように)。

0114

第1の例では、CCDの検出器信号を測定し、温度を記録する(2402)。これは、レーザ励起がない場合の信号強度の複数のスペクトル(すなわち、0〜1秒の露光時間)を測定することを含むことができる。続いて、暗電流が工場出荷時設定ファイルにおいて以前に保存された最大値よりも小さいことを確認する。この実施形態は、一連のスペクトルにわたる変動の暗電流係数が、構成ファイルにおいて以前に保存された最大値よりも小さいことを確保することをさらに含む。

0115

レーザ励起力メーターを使用して、光ファイバーラマンプローブの先端でのレーザ励起力も測定して(2402)、これがアメリカ規格協会(ANSI)の最大許容皮膚暴露限度(785nmレーザビームで設定される)以内であることを確実にする。この実施形態は、レーザ出力が構成ファイルにおいて初期に保存された最大値未満であることを確実にすることを含む。

0116

フィルタホイールは、溶融シリカファイバープローブバックグラウンド信号を測定できるように、暗い環境の空スロットを収容する(2404)。ファイバープローブバックグラウンドの複数のスペクトルは、レーザ励起及び異なる曝露時間(例えば、0.1〜1.0秒)で測定される。これらのスペクトルは、光ファイバープローブの状態に関する情報を含む。例えば、繊維が損傷している場合又はプローブ先端汚染されている場合には、これはラマン又は蛍光強度の増加に反映される可能性がある。

0117

広帯域ラマン内視鏡プローブについてのバックグラウンドシグナルの例を、2つの異なる光ファイバープローブについて図35に示す。この実施形態は、一連のスペクトルにわたる変動係数が構成ファイルに先に保存された最大値未満であることを確保することをさらに含む。また、測定された光ファイバープローブバックグラウンドも、リアルタイム処理中に生体内組織ラマンスペクトルからのさらなる処理(すなわち減算)のためにメモリに保存される。

0118

ラマン内視鏡システム(2406)の応答及び収集効率を試験及び/又は較正するために、広く安定な蛍光スペクトルを示す蛍光ガラス(例えば、クロムをドープしたホウケイ酸ガラス緑色ガラス、kopp2412など)も測定及び保存する。基準蛍光ガラスは、図36に詳述されている手順に従って、国立標準技術研究所(NIST)のタングステンランプを使用して予め工場で較正されている。システムの応答は、構成ファイルに先に保存された応答と比較できる。この実施形態は、一連のスペクトルにわたる変動係数が構成ファイルに先に保存された最大値未満であることを確保することをさらに含む。応答基準サンプルのスペクトルを使用して、システムを工場較正に再較正することができる。図37は、2つの異なる光ファイバープローブを使用する蛍光基準ガラス(すなわち、kopp2412)に由来する較正機能の例を示す。

0119

また、明確に定義された狭いラマンピークを有する材料も測定する(2408)。一例は図38に示すポリスチレンである。波長基準を使用して、光学的なずれによる波長軸のドリフトがあったかどうかを評価する。このスペクトルと、構成ファイルに以前に保存されたスペクトルとを比較する(例えば、相関係数又はピーク識別などを使用して)。これには、分解能の試験(すなわち半値全幅FWHM))及びピーク位置の検証が含まれる。明確に定義された狭いラマンピークを有する材料のスペクトルは、構成ファイルに保存された以前の工場アラインメントにシステムを再調整するためにも使用できる。再較正は、工場で較正された波長軸からの所定のピークと、ミスアライメントスペクトルからの対応するピークとの間の多項式マッピング(例えば、3〜5次)を含む。再較正後のピークの多項式マッピングを示す例を図39に示す。

0120

フィルタホイールは層状組織ファントムも含む。組織ファントムは、測定される既知のラマンピークを示す拡散特性及び/又は層状組織ファントムを有する材料からなる(2410)。この実施形態は、一連のスペクトルにわたる変動係数が構成ファイルに先に保存された最大値未満であることを確保することを含む。異なるラマンプローブを使用してポリスチレンとポリエチレンとの2層ファントムサンドイッチから得られたラマンスペクトルの比較を示す例が図40A〜Bに示されている。層状組織ファントムのラマンスペクトルを使用して、光ファイバーラマンプローブの深さ選択性並びにスペクトル品質を検証する。所定の光ファイバー共焦点プローブの深さ選択性の定性的及び定量的指標として、上層から下層への信号(例えば、それぞれ1002cm-1及び1296cm-1)の比を使用する。この実施形態は、深さ選択性が構成ファイルの前に保存された最大値未満であることを確保することを含む。

0121

様々な測定を行った後に、信号の分析を実行する(2412)。これは、障害検出、較正問題などの問題を特定するためである。問題が検出された場合には、システムは合格ではないと定義される(2414)。あるいは、問題に遭遇しなければ、システムは合格する(2416)。

0122

さらなる実施形態は、ラマン内視鏡診断が実行されるときのユーザの選択/入力に応答して、スペクトル及び病変ベースでラマンデータを表示及び保存することができるGUIと一体化された又はGUIとして組み込まれたプログラム命令セット又はソフトウェアフレームワークを含む。例えば、第1の選択を行う又は第1のボタンを押す場合に、第1の病変からのラマンデータが保存される。第2の選択を行い又は第2のボタンを押す場合に、第2の病変からのラマンデータが保存される。また、このようなシステムは、患者情報、積分時間、レーザ励起出力、時間、日付、診断、プローブバックグラウンド信号、システム較正機能、内視鏡ビデオ及び測定詳細を格納するロギングファイルを保存することを含む。臨床医によるデータのインターフェース接続及び保存するために、一体化されたフットペダル装置を設けることができる。フットスイッチを押すと、取得したデータが第1病変として保存される。2回目に押すと、データは第2病変などとして保存される。また、フットスイッチには、レーザ励起をオン/オフするためのセーフティペダルを含めることもできる。

0123

さらなる実施形態は、記録された広視野ビデオ撮像と共に臨床ラマン診断を表示するためのプログラム命令セット又はソフトウェアフレームワークを含む。内視鏡ビデオ撮像(すなわち、WLR/NBI/AFI)及びビデオ記録は、ラマン内視鏡ソフトウェアに統合されている。画像化された組織の広視野内視鏡ビデオ及び生体内ラマン診断の両方を、コンピュータスクリーンなどの表示装置に表示することができる。内視鏡ビデオは、測定された組織ラマンスペクトルと時間的に同期している。したがって、ラマンスペクトル診断をビデオ再生と同時に表示することができる。これにより、臨床医は、各患者について、ラマン内視鏡診断とサンプリングされた疑わしい組織部位との間の正確な相関を追跡することができる。この統合イメージング及びラマン内視鏡ソフトウェアは、臨床システムにおける実質的な改善であり、過去の臨床データ再検討を可能にする。

0124

生体内組織は様々な程度の自己蛍光を示すため、CCDの限られたダイナミックレンジ及び微弱な組織のラマン信号は、ラマン内視鏡用途では依然として挑戦的である。いくつかの組織(例えば、胃、肺、舌背部、肝臓)については、検出器飽和が0.1秒未満又はさらに0.05秒未満で生じる場合がある。これらの組織について、ラマン信号は、他の組織タイプ(例えば、食道、鼻咽頭、喉頭、子宮頸部など)と比較して顕著なノイズを有することがある。一般に、組織のラマン信号強度は、レーザ励起出力及び暴露時間と共に直線的に変化する。信号対ノイズ比(S/N)は、露光時間の平方根に比例する。今のところ、ユーザは、ラマン内視鏡技術を使用して取得された全てのスペクトルについて手作業で露光時間やレーザ励起出力を調節している。これはリアルタイムアプリケーションでは極めて非実用的である。したがって、自動化された方法を、CCD飽和を防ぎかつラマンスペクトルが臨床条件において許容可能な時間内に最適なS/N比で取得されることを確保するように定義することが重要である。真のリアルタイム診断の実現は、ラマン内視鏡技術が臨床医学において広く受け入れられるために必要である。高S/N比の臨床ラマン測定中に中断のないリアルタイム診断を実現するためにレーザ励起出力、曝露時間及びスペクトル蓄積を自動的に調節する新規な方法は、この探求において非常に重要である。代表的な例として、2つの自動化技術又は方法を記載する。

0125

図41を参照して示される第1技術又は方法では、露光時間は一定であり(例えば、0.1秒)(3102)、レーザ励起出力を可変として割り当て、必要に応じて調節する(3104)。ラマンスペクトルを測定され(3106)、信号対ノイズを決定する(3108)。スペクトルにおけるノイズ推定は、フーリエ変換、微分又はノイズレベル定量化する他の方法に基づく。ラマンスペクトルが貧弱な信号対ノイズ比(S/N)比(3110)を有する場合には、その後の測定において、いくつかのラマンスペクトル(例えば、n=2...3)(3112)を読み出しの前に蓄積する。CCDが所定のスペクトル(3114)に対して飽和している場合には、後のラマン測定のレーザ励起出力を飽和度(3116)に応じた数だけ減少させる。スペクトルが飽和していない場合には、これを診断に使用する(3118)。飽和度を飽和ピクセルの%年齢として定義する。スペクトルが強度カウント(ダイナミックレンジの<70%又は>90%)で読み取られた場合(3120)には、後のラマン測定のレーザ励起出力を、信号強度が、ダイナミックレンジの70〜90%の範囲内になるようにスケールアップする(3122)。一実施形態は、レーザ励起出力(例えば、25mW)に上限を設ける。別の実施形態では、いくつかのスペクトルの蓄積(例えば、n=2)を一貫して実行する。背景減算、前処理、外れ値検出、疾患予測及び表示を全て実行してもよい(3124)。

0126

図42に関して示された第2技術又は方法では、レーザ励起出力は一定であり(例えば25mWで)(3202)、露光時間を変数として割り当てる(3204)。ラマンスペクトルを測定し(3206)、信号対ノイズを決定する(3208)。ノイズ推定は、フーリエ変換、微分又はノイズレベルを定量化する任意の方法に基づく。ラマンスペクトルが乏しいS/N比(3210)を示す場合に、その後の測定において、いくつかのラマンスペクトル(例えば、n=2...3)(3212)を読み出しの前に蓄積する。所定のスペクトルに対してCCDが飽和(3214)する場合には、後のラマン測定の露光時間を飽和度に応じた数で減少させる(3216)。スペクトルが飽和していない場合には、これを診断に使用する(3218)。飽和度は、飽和ピクセルの年齢%として定義される。スペクトルが低い数の強度カウント(例えば、ダイナミックレンジの<70%又は>90%)を有する場合(3220)には、後のラマン測定の露光時間をスケールアップして(3222)、信号強度がダイナミックレンジの70〜90%の範囲内になるようにする。一実施形態は、露光時間に上限を設ける(例えば、0.5秒)。別の実施形態では、積分時間が非常に短い(例えば、<0.1秒)場合にはいくつかのスペクトルの蓄積を一貫して実行する。背景減算、前処理、外れ値検出、疾患予測及び表示を全て実行してもよい(3224)。

0127

それぞれ図36及び図37に関して詳細に説明した上記2つの機能をオペレーティングソフトウェアに統合する。レーザ出力のみを調整することには、露光時間が一定に保たれ、かつ、非常に短くてもよい(例えば、0.1秒)という利点がある。上記の方法は、高いS/N比で中断のないリアルタイム診断を実現するための臨床ラマン内視鏡検査において重要な価値があるが、表面増強ラマン内視鏡(SERS)、反射率及び蛍光分光法などの他のモダリティにも一般化される。信号品質を改善し、CCDの飽和を防止し、リアルタイム診断を実現するための露出時間、レーザ励起出力及び蓄積の自動化調節の一般的概念は、本発明のこの実施形態の1つの重要な特徴である。別の実施形態は、レーザ励起と取得との同期化を含む。換言すれば、信号取得の前に、レーザ励起がオンにされ、取得後にレーザ励起がオフにされる。

0128

本発明に係るさらに別の実施形態は、異なる光ファイバープローブと異なる器官とを切り替える機能を含む。各タイプの光ファイバープローブ(例えば、共焦点又は体積型プローブ)について、各臓器(すなわち、喉頭、結腸、鼻咽頭、胃、食道、口腔、皮膚、子宮頸部、膀胱など)に特異的な診断モデルを有するデータベースが存在する。例えば、ユーザが器官として鼻咽頭を選択した場合には、鼻咽頭に属する1つ以上のモデルがシステムにロードされる。代表的なデータベース構造を図43に示す。このモデルは、多変量診断アルゴリズム及び/又は多変量外れ値検出モデルを含むことができる。

0129

上記様々な実施形態は、それらの解釈を限定するものではないことが分かるであろう。その代わりに、上記説明に示された特定の例からの1以上の実施形態と変形例との組み合わせが存在することができる。プロセスのいくつかは、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの任意の組み合わせで実施できる。

0130

100光ファイバー共焦点ラマン分光器
102近赤外(NIR)ダイオードレーザ
104ハイスループット反射イメージング分光器
105細長シャフト
106 NIR最適化電荷結合素子(CCD)カメラ
108プローブ
110 光ファイバー
112バンドパスフィルタ
114ロングパスフィルタ
124マイクロコントローラシステム
2100 システム
2102 プローブ
2104組織
2106 NIRレーザ
2108スペクトログラフ
2110 CCD
2112エッジロングパスフィルタ
2114 バンドパスフィルタ
2116 PC
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2120ホットミラーローパスフィルタ
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