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課題・解決手段

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー組成物およびその使用を提供する。特に、LCMFポロクサマー188組成物およびその使用を提供する。ポロクサマー組成物、特にLCMFポロクサマー組成物を調製するための超臨界流体抽出SFE)法および高圧亜臨界)法も提供する。

概要

背景

ポロクサマーと呼ばれるあるポリオキシプロピレンポリオキシエチレンPOP/POE)コポリマーは、ヒトまたは動物投与された場合、有益な生物学的効果がある。これらのコポリマーは、単独で、または例えば、抗凝固剤フリーラジカルスカベンジャー抗炎症薬抗生物質膜安定化薬および潅流液(perfusion media)をはじめとする他
化合物との組み合わせのいずれかで、循環器疾患治療するために使用されてきた。ポロクサマー188(P188)(例えば、米国特許第5,696,298号を参照)は、ヒトおよび動物の血液および他の体液における病的疎水性相互作用を治療するために有益である。ポロクサマーの市販の製剤は、構成分子のサイズおよび構造が大きく異なる分子の非常に不均一な集団を含む。市販のポロクサマー中に存在する分子の多様性生物活性予測を困難にする可能性があり、また望ましくない生物活性に至る可能性がある。したがって、ポロクサマーの別の製剤が必要とされる。

概要

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー組成物およびその使用を提供する。特に、LCMFポロクサマー188組成物およびその使用を提供する。ポロクサマー組成物、特にLCMFポロクサマー組成物を調製するための超臨界流体抽出SFE)法および高圧亜臨界)法も提供する。

目的

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー組成物およびその使用を提供する

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請求項1

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188であって:前記LCMFポロクサマー188が式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーであり、式中:aおよびa’の各々は、前記親水性物質(C2H4O)のパーセンテージが前記コポリマー全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、前記疎水性物質(C3H6O)の分子量が約1,300〜2,300ダルトンとなるような整数であり;前記コポリマーの前記ポリマー分布中の全成分の1.5%以下が4,500ダルトン未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;前記コポリマーの前記ポリマー分布中の全成分の1.5%以下が13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;前記コポリマーの多分散性値が約1.07未満または1.07未満であり;ヒト対象静脈内投与した後に、前記コポリマー分布中の主ピークを含まない任意の成分の循環血漿半減期が前記コポリマー分布中の主成分の循環半減期の5.0倍以下である、前記長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188。

請求項2

前記コポリマーの前記ポリマー分布を構成する全成分が、前記対象の血漿中で、対象へ静脈内投与した後の前記コポリマーの主成分の循環半減期よりも4.0倍以下、または3.0倍以下長い循環半減期を有する、請求項1に記載のLCMFポロクサマー。

請求項3

前記コポリマーの分布中の全成分が、ヒト対象に投与した場合、前記コポリマーの分布中の主成分の前記循環半減期よりも3倍以下長い、前記対象の血漿中の循環半減期を有する、請求項1または2に記載のLCMFポロクサマー。

請求項4

前記コポリマーの分布中の全成分が、ヒト対象に投与した場合、30時間以下、25時間以下、20時間以下、15時間以下、10時間以下、9時間以下、8時間以下または7時間以下の、前記対象の血漿中の半減期を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項5

前記コポリマーの分布中の全成分が、ヒト対象に投与した場合、前記対象の血漿中で、10時間以下または12時間以下の半減期を有する、請求項4に記載のLCMFポロクサマー。

請求項6

前記ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーが、約1,400〜2,000Daまたは1,400〜2,000Daの分子量を有する疎水性物質と、前記コポリマーの約70%〜90%または70%〜90重量%を構成する親水性部分とを有するポロクサマーである、請求項1〜5のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項7

前記疎水性物質(C3H6O)の前記分子量が約1,750Daまたは1,750Daである、請求項1〜6のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項8

前記ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーの前記平均分子量が7,680ダルトン〜9,510ダルトンまたは8,400〜8,800ダルトンである、請求項1〜7のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項9

13,000ダルトンを上回る前記製剤中の高分子量成分のパーセンテージが、前記ポロクサマー製剤の成分の全分布の1%未満を構成し;ヒト対象への静脈内投与の結果、前記コポリマーの分布における主成分の循環血漿半減期の4倍を上回る循環半減期を有する成分が得られない、請求項1〜8のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項10

13,000ダルトンを越える前記製剤中の高分子量成分のパーセンテージが、前記ポロクサマー製剤の成分の全分布の0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、またはそれ以下を構成する、請求項9に記載のLCMFポロクサマー。

請求項11

前記多分散性値が1.06未満、1.05未満、1.04未満または1.03未満である、請求項1〜10のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項12

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188であって:前記LCMFポロクサマー188が、式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーであり;aおよびa’の各々は、前記親水性物質(C2H4O)のパーセンテージが前記コポリマーの全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、前記疎水性物質(C3H6O)の分子量がおよそ1,300〜2,300ダルトンとなるような整数であり;前記コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下は4,500ダルトン未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;前記コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下は13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;前記コポリマーの前記多分散性値がおよそ1.07未満または1.07未満であり;前記LCMFポロクサマーは、前記長期循環物質(LCM)を含む精製ポロクサマー188または標準よりも親水性であり、前記ポロクサマー中のLCM物質は、ヒト対象に投与した場合に、前記ポロクサマー製剤の主成分の半減期の約5倍超または5倍超の半減期を有する、前記長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188。

請求項13

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188であって:前記LCMFポロクサマー188が、式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーであり;aおよびa’の各々は、前記親水性物質(C2H4O)のパーセンテージが前記コポリマーの全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、前記疎水性物質(C3H6O)の分子量がおよそ1,300〜2,300ダルトンとなるような整数であり;前記コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下が4,500ダルトン未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;前記コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下が13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;前記コポリマーの前記多分散性値がおよそ1.07未満または1.07未満であり;前記LCMFポロクサマーが、逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって評価して同じRP−HPLC条件下で精製LCM含有ポロクサマー188よりも短い平均保持時間(tR)を有する、前記長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188。

請求項14

前記RP−HPLC条件が、前記精製LCM含有ポロクサマー188の前記平均tRが約9.9〜10または9.9〜10;および前記LCMFポロクサマーの前記平均tRが約8.7〜8.8または8.7〜8.8となるようなものである、請求項13に記載のLCMFポロクサマー。

請求項15

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188であって:前記LCMFポロクサマー188が、式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーであり、式中:aおよびa’の各々は、前記親水性物質(C2H4O)のパーセンテージが前記コポリマーの全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、前記疎水性物質(C3H6O)の分子量が約1,300〜2,300ダルトンとなるような整数であり;前記コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下が4,500ダルトン未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;前記コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下が13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;前記コポリマーの多分散性値がおよそ1.07未満または1.07未満であり;前記LCMFポロクサマー188の容量因子(k’)が、RP−HPLCによって評価すると、同じRP−HPLC条件下での精製LCM含有ポロクサマー188のk’よりも少ない、前記長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188。

請求項16

RP−HPLC条件は、前記LCMFポロクサマー188の平均k’が約3.2〜3.3または3.2〜3.3であり、前記精製LCM含有ポロクサマー188の平均k’が約3.6〜3.7または3.6〜3.7となるようなものである、請求項13〜15のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項17

a)ポロクサマー188溶液抽出容器に導入し、前記ポロクサマーを第1アルカノール中に溶解させて溶液を形成すること;b)前記ポロクサマー溶液と、第2アルカノールおよび超臨界二酸化炭素を含む抽出溶媒とを、第1の一定期間のあいだ超臨界二酸化炭素を維持する温度および圧力下で混合すること:前記温度は二酸化炭素臨界温度よりも高いが40℃以下であり;前記圧力は220bar〜280barであり;前記アルカノールは前記全抽出溶媒の7重量%〜8重量%のアルカノール濃度で提供される;およびc)前記抽出溶媒中のステップb)の前記第2アルカノールの濃度を前記抽出法の時間とともに勾配段階で複数回増加させること:複数回の各々はさらなる一定期間で行い;連続したステップの各々で、前記アルカノール濃度を前記第2アルカノールの前の濃度と比べて1〜2%増加させる;およびd)前記抽出容器から前記抽出溶媒を除去し、それによって前記ラフィネートポロクサマー製剤から抽出された物質を除去することを含む方法によって製造される、請求項1〜16のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項18

ステップa)において、ポロクサマーと第1アルカノールとの重量比が約2:1〜3:1または2:1〜3:1であり、両端を含む、請求項17に記載のLCMFポロクサマー。

請求項19

ステップc)における前記複数回を2、3、4または5勾配段階で行う、請求項17または請求項18に記載のLCMFポロクサマー。

請求項20

ステップc)を:i)前記第2アルカノールの濃度を約7%から8%から約8.2%から9.5%まで第2の一定期間で増加させること;およびii)前記第2アルカノールの濃度を約8.2%から9.5%から約9.6%から11.5%まで第3の一定期間で増加させることを含む2ステップで行う、請求項18または請求項19に記載のLCMFポロクサマー。

請求項21

ステップb)における前記アルカノール濃度が約7.4重量%または7.4重量%であり;ステップi)における前記アルカノール濃度が約9.1重量%または9.1重量%であり;そしてステップii)における前記アルカノール濃度が約10.7重量%または10.7重量%である、請求項20に記載のLCMFポロクサマー。

請求項22

前記第1の一定期間、第2の一定期間および第3の一定期間を、各々2時間〜12時間実施する、請求項17〜19のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項23

前記一定期間が同一または異なる、請求項22に記載のLCMFポロクサマー。

請求項24

前記第1の一定期間を2時間〜6時間実施し;前記第2の一定期間を2時間〜6時間実施し;前記第3の一定期間を4時間〜10時間実施する、請求項22または請求項23に記載のLCMFポロクサマー。

請求項25

前記第1および第2アルカノールが各々独立して、メタノールエタノールプロパノールブタノールペンタノールおよびそれらの組み合わせから選択される、請求項17〜24のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項26

前記第1および第2アルカノールが同一または異なる、請求項17〜25のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項27

前記第1アルカノールがメタノールである、請求項25に記載のLCMFポロクサマー。

請求項28

前記第2アルカノールがメタノールである、請求項25に記載のLCMFポロクサマー。

請求項29

前記第1アルカノールがメタノールであり、前記第2アルカノールがメタノールである、請求項25〜28のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項30

前記抽出された物質を除去するステップd)を、ステップb)からc)を通して実施する、請求項25〜29のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項31

前記方法がバッチ法である、請求項17〜30のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項32

前記方法が連続法である、請求項17〜30のいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

請求項33

請求項1〜32のいずれかに記載のLCMFポロクサマーを含む医薬組成物

請求項34

薬剤的許容される処方を含む、請求項33に記載の医薬組成物。

請求項35

請求項33または請求項34に記載の医薬組成物を投与することを含む、対象における疾患または障害または状態を治療する方法であって、前記疾患または障害または状態が、心不全心筋梗塞、肢虚血ショック、脳卒中、虚血性脳卒中鎌状赤血球病神経変性疾患黄斑変性糖尿病性網膜症および鬱血性心不全から選択される、前記方法。

請求項36

急性心筋梗塞急性肢虚血、敗血症性ショック出血性ショック急性脳卒中、虚血性脳卒中、心不全、鎌状赤血球病、神経変性疾患、黄斑変性、糖尿病性網膜症および鬱血性心不全の治療で使用するための請求項33または請求項34に記載の医薬組成物。

請求項37

膜の再封鎖および修復によって治療される障害を治療すること;組織虚血および再かん流傷害を治療すること;炎症反応を減らすこと;血液粘度を低下させること;血栓溶解を促進すること;止血を促進すること;薬物、核酸またはタンパク質送達用のビヒクルとして;疎水性薬物の懸濁液を安定化させるための乳化剤として;皮膚創傷清浄化すること;化粧品処方中界面活性剤として;保存損傷易感染性血液を処理するためパーソナルケア製品および石けんの粘度を調節するため;および便秘薬としてから選択される、疾患または状態を治療するための使用のための、請求項33または請求項34に記載の医薬組成物。

請求項38

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマーを調製する方法であって:a)ポロクサマー188溶液を抽出容器に導入し、前記ポロクサマーを第1アルカノールに溶解させて溶液を形成すること;b)前記ポロクサマー溶液を、第2アルカノールおよび超臨界二酸化炭素を含む抽出溶媒と、超臨界二酸化炭素を維持するための温度および圧力下で第1の一定期間の間混合すること:前記温度は二酸化炭素の臨界温度よりも高いが40℃以下であり;前記圧力は220bar〜280barであり;前記アルカノールを前記全抽出溶媒の7%〜8重量%であるアルカノール濃度で提供する;c)前記抽出溶媒中のステップb)における前記第2アルカノールの濃度を前記抽出法の時間とともに勾配段階で複数回増加させること:複数回の各々をさらなる一定期間で実施し;連続したステップの各々で、前記アルカノール濃度を前記第2アルカノールの前の濃度と比べて1〜2%増加させる;およびd)前記抽出溶媒を前記抽出容器から除去し、それによって前記抽出された物質を前記ラフィネートポロクサマー製剤から除去し、それによって前記LCMFポロクサマーを製造する、前記方法。

請求項39

ステップa)において、ポロクサマーと第1アルカノールの前記重量比が約2:1〜3:1または2:1〜3:1であり、両端を含む、請求項38に記載の方法。

請求項40

ステップc)における前記複数回を2、3、4または5勾配段階で実施する、請求項38または請求項39に記載の方法。

請求項41

ステップc)を:i)前記第2アルカノールの前記濃度を約7%から8%から約8.1%から9.5%まで第2の一定期間の間増加させること;およびii)前記第2アルカノールの前記濃度を約8.2%から9.5%から約9.6%から11.5%まで第3の一定期間の間増加させることを含む2ステップで行う、請求項38または請求項39に記載の方法。

請求項42

ステップb)における前記アルカノール濃度が約7.4重量%または7.4重量%であり;ステップi)における前記アルカノール濃度が約9.1重量%または9.1重量%であり;そしてステップii)における前記アルカノール濃度が約10.7重量%または10.7重量%である、請求項41に記載の方法。

請求項43

前記第1の一定期間、第2の一定期間および第3の一定期間の各々を2時間〜12時間実施する、請求項38〜42のいずれかに記載の方法。

請求項44

前記一定期間が同一または異なる、請求項43に記載の方法。

請求項45

前記第1の一定期間を2時間〜6時間実施し;前記第2の一定期間を2時間〜6時間実施し;前記第3の一定期間を4時間〜10時間実施する、請求項43または請求項44に記載の方法。

請求項46

前記第1および第2アルカノールが各々独立して、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールおよびそれらの組み合わせから選択される、請求項38〜45のいずれかに記載の方法。

請求項47

前記第1および第2アルカノールが同じかまたは異なる、請求項38〜46のいずれかに記載の方法。

請求項48

前記第1アルカノールがメタノールである、請求項46に記載の方法。

請求項49

前記第2アルカノールがメタノールである、請求項46に記載の方法。

請求項50

前記第1アルカノールがメタノールであり、前記第2アルカノールがメタノールである、請求項46〜49のいずれかに記載の方法。

請求項51

前記抽出された物質を除去するステップd)をステップb)およびc)を通して行う、請求項46〜50のいずれかに記載の方法。

請求項52

精製LCMFポロクサマーを調製する方法であって:a)ポロクサマー188溶液を抽出容器に導入し、前記ポロクサマーを第1アルカノール中に溶解させて溶液を形成すること;b)前記ポロクサマー溶液と、第2アルカノールおよび超臨界液体を含む抽出溶媒とを前記超臨界液体を維持する温度および圧力下で混合し、前記抽出溶媒中の前記第2アルカノールの前記濃度を抽出方法の時間とともに増加させること;およびc)前記抽出溶媒を前記抽出容器から除去し、それによって前記抽出された物質を前記ポロクサマー製剤から除去し、それによってLCMFポロクサマーを製造することを含む、前記方法。

請求項53

前記第1および第2アルカノールが各々独立して、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールおよびそれらの組み合わせから選択される、請求項52に記載の方法。

請求項54

前記第1アルカノールがメタノールである、請求項52または請求項53に記載の方法。

請求項55

前記第2アルカノールがメタノールである、請求項52または請求項53に記載の方法。

請求項56

高温および高圧下の前記超臨界液体が、二酸化炭素、メタンエタンプロパンアンモニアおよびフレオンから選択される、請求項52〜55のいずれかに記載の方法。

請求項57

高温および高圧下の前記超臨界液体が二酸化炭素である、請求項52〜56のいずれかに記載の方法。

請求項58

前記抽出溶媒がメタノールおよび二酸化炭素を含む、請求項52〜57のいずれかに記載の方法。

請求項59

前記第2アルカノールを3%〜20%または3%〜15%の前記全抽出溶媒のパーセンテージ(w/w)として提供する、請求項52〜58のいずれかに記載の方法。

請求項60

前記抽出溶媒中のステップb)の前記第2アルカノールの濃度を前記抽出法の時間とともに勾配段階で複数回増加させることを含み:複数回の各々をさらなる一定期間で行い;連続したステップの各々で、前記アルカノール濃度を前記第2アルカノールの前の濃度と比べて1〜2%増加させ;前記抽出溶媒を前記抽出容器から除去し、それによって前記抽出された物質を前記ラフィネートポロクサマー製剤から除去することを含む、請求項52〜59のいずれかに記載の方法。

請求項61

前記圧力が125bar〜500barまたは約125bar〜500barである、請求項52〜60のいずれかに記載の方法。

請求項62

前記圧力が約200bar〜400barもしくは200bar〜400barまたは約280bar〜340barもしくは280bar〜340barである、請求項52〜61のいずれかに記載の方法。

請求項63

LCMFポロクサマーを精製するための抽出法であって:a)ポロクサマー溶液を抽出容器に導入し、前記ポロクサマーを溶媒に溶解させて溶液を形成し、前記溶媒はアルコール脂肪族ケトン芳香族ケトンアミン、およびそれらの混合物から選択される;b)前記ポロクサマー溶液と、溶媒および高圧二酸化炭素を含む抽出溶媒と混合し、前記抽出溶媒中の前記溶媒の濃度を抽出法の時間とともに増加させること;およびc)前記抽出溶媒を前記抽出容器から除去し、それによって前記抽出された物質を前記ポロクサマーから除去して前記LCMFポロクサマーを製造することを含む、前記方法。

請求項64

ステップa)中の前記溶媒がメタノールである、請求項63に記載の方法。

請求項65

前記抽出溶媒がメタノールおよび二酸化炭素を含む、請求項63および請求項64に記載の方法。

請求項66

前記抽出された物質が4,500ダルトン未満の低分子量不純物を含む、請求項38〜65のいずれかに記載の方法。

請求項67

前記精製ポロクサマーが、次式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するLCMFポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーであり、aまたはa’は、前記親水性物質(C2H4O)のパーセンテージが前記コポリマーの全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、前記疎水性物質(C3H6O)の分子量がおよそ1,300〜2,300ダルトンとなるような整数であり;前記コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下が13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;そして前記コポリマーの多分散性値が1.07未満である、請求項38〜66のいずれかに記載の方法。

請求項68

前記ポロクサマーがポロクサマー188(P188)である、請求項38〜67のいずれか1項に記載の方法。

請求項69

前記LCMFポロクサマーが、式:HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有し、式中:aおよびa’の各々は、前記親水性物質(C2H4O)のパーセンテージが前記コポリマーの全分子量のおよそ60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、前記疎水性物質(C3H6O)の分子量がおよそ1,300〜2,300ダルトンとなるような整数であり;前記コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下が4,500ダルトン未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;前記コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下が13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;前記コポリマーの多分散性値が、およそ1.07未満または1.07未満である、請求項38〜68のいずれかに記載の方法。

請求項70

前記方法がバッチ法である、請求項38〜69のいずれかに記載の方法。

請求項71

前記方法が連続法である、請求項38〜70のいずれかに記載の方法。

請求項72

請求項38〜71のいずれかに記載の方法によって製造される長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー。

請求項73

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188を含む組成物であって:前記組成物が静脈内投与用に処方され;そして前記組成物が5〜50gの前記LCMFポロクサマーを含む、前記組成物。

請求項74

請求項1〜32および72のいずれかに記載のLCMFポロクサマーを含む組成物であって:静脈内投与用に処方され;5〜50gの前記LCMFポロクサマーを含む、前記組成物。

請求項75

血液または血液製剤と、請求項1〜32および72のいずれかに記載のLCMFポロクサマーとを含む、組成物。

請求項76

前記血液または血液製剤が濃厚赤血球または血小板である、請求項75に記載の組成物。

請求項77

疾患または障害または状態を治療するための輸血のためのものであって、治療が輸血を含む、請求項75または請求項76に記載の組成物。

請求項78

前記疾患または障害または状態が、鎌状赤血球病、急性胸部症候群末梢動脈疾患、心不全、脳卒中、末梢血管疾患、黄斑変性、呼吸窮迫症候群(ARDS)、多臓器不全、虚血、ショック、アシドーシス低体温症貧血性分解、外科手術外傷失血および血液疾患から選択される、請求項77に記載の組成物。

請求項79

前記疾患または障害または状態が、出血性ショック、敗血症性ショック、急性ARDS、貧血性分解および急性失血から選択される、請求項78に記載の組成物。

請求項80

CO2で加圧する超臨界流体抽出法を含む方法によって製造される、請求項1〜32にいずれかに記載のLCMFポロクサマー。

技術分野

0001

関連出願
R. Martin EmanueleおよびMannarsamy Balasubramanianの2014年7月7日に出願された、表題「長期循環物質のないポロクサマー組成物、その産生方法およびその使用」の米国特許仮出願第62/021,697号の優先権の利点を主張する。

0002

本願は、R. Martin EmanueleおよびMannarsamy Balasubramanianの同じ日に出願された、表題「長期循環物質のないポロクサマー組成物、その産生方法およびその使用」の米国特許出願番号(代理人整理番号38645.04003.US02/4003)に関する。

0003

本願はさらに、R. Martin Emanuele、Santosh VetticadenおよびPatrick Keranの20
14年7月7日に出願された「心不全のポロクサマー療法」という表題の米国特許仮出願第62/021,691号;R. Martin Emanuele、Santosh VetticadenおよびPatrick Keranの2015年2月27日に出願された「心不全のポロクサマー療法」という表題の米
国特許仮出願第62/126,400号;R. Martin Emanuele、Santosh VetticadenおよびPatrick Keranの2014年7月7日に出願された「心不全のポロクサマー療法」とい
う表題の国際PCT出願第PCT/US14/45627号に関連し、そして本願はさらに、各々、R. Martin Emanuele、Santosh VetticadenおよびPatrick Keranの同じ日に出
願された「心不全のポロクサマー療法」という表題の国際PCT出願番号(代理人整理番号38645.04001.WO12/4001BPC)および米国出願番号(代理人整理番号38645.04001.US12/4001)にも関連する。

0004

許される場合、出願の各々の主題は、その全体で参照することによって組み込まれる。

0005

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー組成物およびその使用を提供する。LCMFポロクサマー組成物を調製するための超臨界流体抽出SFE)法および高圧亜臨界)法も提供する。

背景技術

0006

ポロクサマーと呼ばれるあるポリオキシプロピレンポリオキシエチレンPOP/POE)コポリマーは、ヒトまたは動物投与された場合、有益な生物学的効果がある。これらのコポリマーは、単独で、または例えば、抗凝固剤フリーラジカルスカベンジャー抗炎症薬抗生物質膜安定化薬および潅流液(perfusion media)をはじめとする他
化合物との組み合わせのいずれかで、循環器疾患治療するために使用されてきた。ポロクサマー188(P188)(例えば、米国特許第5,696,298号を参照)は、ヒトおよび動物の血液および他の体液における病的疎水性相互作用を治療するために有益である。ポロクサマーの市販の製剤は、構成分子のサイズおよび構造が大きく異なる分子の非常に不均一な集団を含む。市販のポロクサマー中に存在する分子の多様性生物活性予測を困難にする可能性があり、また望ましくない生物活性に至る可能性がある。したがって、ポロクサマーの別の製剤が必要とされる。

発明が解決しようとする課題

0007

別のポロクサマー製剤ならびにそれらの製造方法および使用方法を提供する。長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー、特にLCMFポロクサマー188を提供する。LCMFポロクサマーをヒト対象などの対象に投与した場合、LCMFポロクサマーをヒト
などの対象に投与した際にコポリマーの分布におけるすべての成分の循環半減期がコポリマーの分布における主成分の循環半減期よりも5.0倍以下長くなるような、主ピークよりも有意に長い半減期を有する物質を対象中で生じない。概して、ヒトにおけるLCMFポロクサマー188の全成分の半減期は12時間未満である。ポロクサマー188などのポロクサマーの市販の製剤および従来の製剤は、ヒトに投与した場合、コポリマーの分布中の主成分の循環半減期の5.0倍超である半減期を有する長期循環物質(LCM)を含む。低分子量不純物の除去を含む、LCMFポロクサマーおよび他のポロクサマーの調製方法も提供する。

0008

LCMFポロクサマーには、式:
HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するLCMFポロクサマーポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーがあり、式中、aおよびa’の各々は、親水性物質(C2H4O)のパーセンテージがコポリマーの全分子量の約60%〜90重量%または60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、疎水性物質(C3H6O)の分子量が約1,300〜2,300ダルトン(Da)になるような整数であり;コポリマーの分布における全成分の1.5%以下は4,500Da未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;コポリマーの分布における全成分の1.5%以下は13,000Da超の平均分子量を有する高分子量成分であり;コポリマーの多分散性値は約1.07未満または1.07未満、例えば1.06以下、1.05以下、1.04以下、1.03以下および1.02以下であり;そしてコポリマーの分布における全成分の循環半減期は、対象に投与した場合、コポリマーの分布における主成分の循環半減期よりも5.0倍以下長い。LCMFポロクサマーは、長期循環物質(LCM)を含む、米国特許第5,696,298号で記載されているポロクサマーなどの当該技術分野で公知のポロクサマー188の製剤、およびそれらの市販の製剤よりも親水性が高い。

課題を解決するための手段

0009

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188であって、LCMFポロクサマー188が、式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーであり;aおよびa’の各々は、親水性物質(C2H4O)のパーセンテージがコポリマーの全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、疎水性物質(C3H6O)の分子量が約1,300〜2,300ダルトンになるような整数であり;コポリマーの分布における全成分の1.5%以下は4,500ダルトン未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;コポリマーの分布における全成分の1.5%以下は13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;コポリマーの多分散性値は約1.07未満または1.07未満、例えば1.06、1.05、1.04もしくは1.03、または1.06未満、1.05未満、1.04未満もしくは1.03未満であり;そしてヒト対象に静脈内投与した後、主ピークを構成しないいかなる成分の循環血漿半減期もコポリマーの分布における主成分の循環半減期よりも5.0倍以下長い、長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188を提供する。

0010

コポリマーのポリマー分布を構成する全成分が、対象へ静脈内投与した後のコポリマーの主成分の循環半減期よりも5.0倍以下または4.0倍以下、または3.0倍以下長いヒト対象などの対象の血漿中の循環半減期を有する実施形態が含まれる。例えば、コポリマーの分布における全成分は、ヒト対象に投与された場合、コポリマーの分布における主成分の循環半減期よりも4倍以下長い対象の血漿中の循環半減期を有する。コポリマーの分布における全成分が、ヒト対象に投与された場合、30時間以下、25時間以下、20時間以下、15時間以下、12時間以下、10時間以下、9時間以下、8時間以下または7時間以下、例えば10または12時間以下である対象の血漿中の半減期を有する実施形
態が含まれる。LCMFポロクサマーは、したがってLCMを含まない。

0011

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188であって:LCMFポロクサマー188が、式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーであって;aおよびa’の各々は、親水性物質(C2H4O)のパーセンテージがコポリマーの全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、疎水性物質(C3H6O)の分子量が約1,300〜2,300ダルトンとなるような整数であり;コポリマーの分布における全成分の1.5%以下は4,500ダルトン未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;コポリマーの分布における全成分の1.5%以下は、13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;コポリマーの多分散性値が約1.07未満または1.07未満である、長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188を本明細書中で提供し;そしてそのLCMFポロクサマーは、長期循環物質(LCM)を含む精製ポロクサマー188よりも親水性であり、そのためにコポリマーの分布における全成分の循環半減期は、コポリマーの分布における主成分の循環半減期よりも5.0倍以下長くなる。

0012

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188であって:LCMFポロクサマー188が、式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーであり;aおよびa’の各々は、親水性物質(C2H4O)のパーセンテージがコポリマーの全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、疎水性物質(C3H6O)の分子量が約1,300〜2,300ダルトンとなるような整数であり;コポリマーの分布における全成分の1.5%以下は4,500ダルトン未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;コポリマーの分布における全成分の1.5%以下は、13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;コポリマーの多分散性値は約1.07未満または1.07未満である、長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188を提供し;そしてそのLCMFは、LCMを含む精製ポロクサマー188よりも短い、逆相高性能液体クロマトグラフィーによって評価される平均(mean)保持時間(tR)を有する。いくつかの実施形態では、例えば、RP−HPLC条件は、LCM含有ポロクサマー188の平均(mean)tRが約9.9〜10または9.9〜10;およびLCMFポロクサマーの平均tRが約8.7〜8.8または8.7〜8.8となるようなものである。

0013

長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188であって:LCMFポロクサマー188が、式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーであり;aおよびa’の各々は、親水性物質(C2H4O)のパーセンテージがコポリマーの全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、疎水性物質(C3H6O)の分子量がおよそ1,300〜2,300ダルトンになるような整数であり;コポリマーの分布における全成分の1.5%以下は4,500ダルトン未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;コポリマーの分布における全成分の1.5%以下は13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;コポリマーの多分散性値はおよそ1.07未満または1.07未満であり;そしてRP−HPLCによって評価される容量因子(capacity factor)(k’)が、同じ条件下の精
製LCM含有ポロクサマー188のk’よりも低い、長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188を提供する。例えば、RP−HPLC条件は、LCMFポロクサマーの平均(mean)k’が約3.2〜3.3または3.2〜3.3、およびLCM含有ポロクサマー188の平均(mean)k’が約3.6〜3.7または3.6〜3.7となるようなものである。

0014

本明細書中の実施形態で、LCMFポロクサマーは、約1,400〜2,000ダルトン(Da)または1,400〜2,000Da、例えば1,750Daの分子量を有する疎水性物質と、コポリマーの約70%〜90%または70%〜90重量%を構成する親水性部分とを有するポロクサマーであり得る。LCMFポロクサマーは、7,680〜9,510ダルトン、例えば8,400〜8,800ダルトンの平均分子量を有し得る。

0015

いくつかの実施形態では、13,000ダルトンを上回る製剤中の高分子量成分のパーセンテージはポロクサマー製剤の成分の全分布の1%未満を構成する。いくつかの実施形態では、ヒト対象に静脈内投与した後、LCMFポロクサマーは、主ピークの循環血漿半減期の4倍を超える循環半減期を有する成分をもたらさない。いくつかの実施形態では、13,000ダルトンを越える製剤中の高分子量成分のパーセンテージが、ポロクサマー製剤の成分の全分布の0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満またはそれ以下を構成する。

0016

LCMFポロクサマーは、対象に投与された場合、本明細書中の開示全体で記載し示すようにLCM含有ポロクサマーの成分よりも短い時間内で全成分が消失する点でLCM含有ポロクサマーとは異なる。RP−HPLCによって特性評価した場合、本明細書中で提供するLCMFポロクサマーは、平均(mean)k’および平均tRが対応するLCM含有ポロクサマーよりも少なくなるようなものである。LCMFポロクサマーは対応するLCM含有ポロクサマーよりも親水性である。

0017

本明細書中で記載するものをはじめとする超臨界流体抽出法によって産生されるLCMFポロクサマーを提供する。例えば:a)ポロクサマー溶液抽出容器中に導入し、ポロクサマーを第1アルカノール中に溶解させて溶液を形成すること;b)ポロクサマー溶液と、第2アルカノールおよび超臨界二酸化炭素を含む抽出溶媒とを、超臨界二酸化炭素を第1の一定期間維持する温度および圧力下で混合すること、ただし、前記温度は二酸化炭素臨界温度より高いが40℃以下であり;前記圧力は220bar〜280barであり;前記アルカノールは全抽出溶媒の7%〜8重量%であるアルカノール濃度で提供される;およびc)ステップb)における第2アルカノールの抽出溶媒中の濃度を抽出法の時間とともに勾配段階で複数回増加させ、複数回の各々はさらなる一定期間の間に行うこと;ただし、連続ステップの各々で、アルカノール濃度を第2アルカノールの前の濃度と比べて1〜2%増加させる;およびd)抽出容器から抽出溶媒を除去し、それによってラフィネートポロクサマー製剤から抽出された物質を除去することを含む方法によって製造されるLCMFポロクサマーを提供する。

0018

LCMFポロクサマーを製造するためのいくつかの実施形態では、a)において、ポロクサマーと第1アルカノールの重量比は約2:1〜3:1または2:1〜3:1(両端を含む)である;および/またはステップc)における複数回は2、3、4または5勾配段階で行う;および/またはステップc)は:i)第2アルカノールの濃度を約7%〜8%から約8.2%〜9.5%まで第2の一定期間中に増加させる;およびii)第2アルカノールの濃度を約8.2%から9.5%から約9.6%から11.5%まで第3の一定期間中に増加させることを含む2ステップで実施することができる。特定の実施形態では、LCMFポロクサマーを:
ステップb)におけるアルカノール濃度が約7.4重量%または7.4重量%である;
ステップi)におけるアルカノール濃度が約9.1重量%または9.1重量%である;および
ステップii)におけるアルカノール濃度が約10.7重量%または10.7重量%である方法によって製造する。

0019

第1の一定期間、第2の一定期間および第3の一定期間の各々は2時間〜12時間で実施することができる;一定期間は同一または異なり得る。例えば、第1の一定期間は2時間〜6時間の間;第2の一定期間は2時間〜6時間の間;そして第3の一定期間は4時間〜10時間の間で実施することができる。LCMFポロクサマーを製造する方法において、第1および第2アルカノールは各々独立して、メタノールエタノールプロパノールブタノールペンタノールおよびそれらの組み合わせから選択される。例えば、第1および第2アルカノールは同一または異なり得、例えば第1アルカノールはメタノールであり、第2アルカノールはメタノールまたは異なるアルカノールである。抽出された物質を除去するステップd)は、ステップb)およびc)全体を通して実施できる。方法は例えばバッチ法または連続法として実施することができる。

0020

本明細書中の実施形態では、当該方法によって製造されるLCMFポロクサマーはLCMFポロクサマー188である。上記および本開示全体にわたって記載するようなLCMFポロクサマー188を含むLCMFポロクサマーを製造する方法も提供する。

0021

本明細書中で提供するLCMFポロクサマーを含む組成物を提供する。組成物は薬剤的許容されるビヒクル中で処方された医薬組成物であり得る。特に、組成物、および本明細書中で提供するLCMFポロクサマーを含有または含む医薬組成物を提供する。LCMFポロクサマー188を含む組成物を提供する。長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー188を含む組成物を提供し:当該組成物は静脈内投与用に処方され;そして組成物は5〜50gのLCMFポロクサマーを含む。LCMFポロクサマーは、本明細書中で提供するいずれかを含む任意のLCMFポロクサマーであり得る。ポロクサマーを投与する任意の疾患または障害または状態の治療の組成物および方法の使用を提供する。例示的な疾患および状態としては、限定されるものではないが、心不全、心筋梗塞、脳卒中、ショックおよび鎌状赤血球病、例えば限定されるものではないが、急性心筋梗塞、肢虚血、ショック、急性脳卒中虚血性脳卒中糖尿病性網膜症出血性ショック神経変性疾患黄斑変性、糖尿病性網膜症および鬱血性心不全が挙げられる。

0022

LCMFポロクサマー組成物は、例えば限定されるものではないが、膜の再封鎖および修復によって治療される障害の治療;組織虚血および再かん流傷害の治療;炎症反応の軽減;血液粘度の低下;血栓溶解の促進;止血の促進または維持をはじめとする他の障害、状態、疾患および使用のため;薬物、核酸またはタンパク質送達のビヒクルとして;疎水性薬物の懸濁液を安定化させる乳化剤として;皮膚創傷清浄化;化粧品処方中界面活性剤として;保存損傷易感染性血液の治療または血液および血液製剤中の保存損傷の予防のため;パーソナルケア製品および石けんの粘度を調節するため;便秘薬として、および当業者に公知の他の使用のために使用することができる。

0023

LCMFポロクサマーを含む組成物は、血液、赤血球および/もしくは血液製剤、例えば濃厚赤血球中に処方することができるか、またはこれらを含み得る。そのような組成物は輸血のために使用できる。輸血は、限定されるものではないが、鎌状赤血球病、急性胸部症候群末梢動脈疾患、心不全、脳卒中、末梢血管疾患、黄斑変性、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、多臓器不全、虚血、ショック、アシドーシス低体温症貧血性分解、外科手術外傷失血および血液疾患をはじめとする疾患の治療;および輸血を含むあらゆる治療で使用される。これらとしては、出血性ショック、敗血症性ショックおよび急性失血が挙げられる。したがって、輸血のための組成物の使用、ならびに鎌状赤血球病、急性胸部症候群、末梢動脈疾患、心不全、脳卒中、末梢血管疾患、黄斑変性、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、多臓器不全、虚血、ショック、例えば出血性ショックおよび敗血症性ショック、アシドーシス、低体温症、貧血性分解、外科手術、外傷、急性失血ならびに血液疾患から選択される疾患または障害にかかっている対象に対して組成物を投与するこ
とによる治療方法であって、治療が輸血を含む治療方法も提供する。

0024

LCMFポロクサマーは、LCMを除去する任意の方法によって調製できる。これらの方法には、限定されないが、a)ポロクサマー188溶液を抽出容器に導入し、ポロクサマーを第1アルカノール中に溶解させて溶液を形成するステップ;b)ポロクサマー溶液と、第2アルカノールおよび超臨界液体を含む抽出溶媒とを、超臨界液体を維持する温度および圧力下で混合するステップであって、抽出溶媒中の第2アルカノールの濃度を抽出法の時間とともに増加させるステップ;およびc)抽出溶媒を抽出容器から除去し、それによって抽出された物質をポロクサマー製剤から除去し、それによってLCMFポロクサマーを製造するステップを含む方法によって、LCMFポロクサマー188または後述するものなど任意の最適なポロクサマーを調製するための記載した調製法が含まれる。

0025

当該方法には、a)ポロクサマー188溶液を抽出容器中に導入し、ポロクサマーを第1アルカノール中に溶解させて溶液を形成すること;b)ポロクサマー溶液と、第2アルカノールおよび超臨界二酸化炭素を含む抽出溶媒とを、超臨界二酸化炭素を第1の一定期間維持する温度および圧力下で混合すること、ただし、前記温度は二酸化炭素の臨界温度より高いが40℃以下であり;前記圧力は220bar〜280barであり;前記アルカノールは全抽出溶媒の7%〜8重量%であるアルカノール濃度で提供される;c)ステップb)における第2アルカノールの抽出溶媒中の濃度を抽出法の時間とともに勾配段階で複数回増加させること、ただし、複数回の各々はさらなる一定期間の間で行い;連続ステップの各々で、アルカノール濃度を第2アルカノールの前の濃度と比べて1〜2%増加させる;および抽出容器から抽出溶媒を除去し、それによってラフィネートポロクサマー製剤から抽出された物質を除去し、それによってLCMFポロクサマーを製造することを含む、長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマーの調製方法が含まれる。

0026

いくつかの実施形態では、抽出された物質を除去するステップd)は、ステップb)およびc)の全体を通して実施することができる。上述のように、ステップa)において、ポロクサマーと第1アルカノールの重量比は約2:1〜3:1または2:1〜3:1(両端を含む)であり得る;および/またはステップc)における複数回は2、3、4または5勾配段階で行う。ステップc)は、i)第2アルカノールの濃度を約7%から8%から約8.1%から9.5%まで第2の一定期間の間で増加させること;およびii)第2アルカノールの濃度を約8.2%から9.5%から約9.6%から11.5%まで第3の一定期間の間で増加させることを含む2ステップで実施することができる。特定の実施形態において、ステップb)におけるアルカノール濃度は約7.4重量%または7.4重量%である;ステップi)におけるアルカノール濃度は約9.1重量%または9.1重量%;および/またはステップii)におけるアルカノール濃度は約10.7重量%または10.7重量%である。第1の一定期間、第2の一定期間および第3の一定期間の各々は2時間〜12時間実施することができ;そして一定期間は同じかまたは異なり得る。例えば、第1の一定期間は2時間〜6時間実施することができ;第2の一定期間は2時間〜6時間実施することができ;そして第3の一定期間は4時間〜10時間実施することができる。第1および第2アルカノールは各々独立して、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールおよびそれらの組み合わせから選択することができる。各々は同一または異なり得、例えば第1アルカノールはメタノールであり得る、および/または第2アルカノールはメタノールであり得る。

0027

LCMFポロクサマーを調製するための抽出法であって:a)ポロクサマーを抽出容器に装入し、そしてポロクサマーを第1アルカノールに溶解させて溶液を形成するステップと;b)第2アルカノールおよび圧力下の超臨界液体を含む抽出溶媒と溶液とを混合して抽出混合物を形成するステップであって、第2アルカノールの抽出溶媒中の濃度を抽出法の時間とともに増加させるステップと;c)抽出溶媒を抽出容器から除去し、それによっ
低分子量物質をポロクサマーから除去するステップとを含む、前記抽出法を提供する。いくつかの実施形態において、当該方法は、a)ポロクサマーを抽出容器に装入し、アルコール脂肪族ケトン芳香族ケトンアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される第1溶媒中にポロクサマーを溶解させて溶液を形成すること;b)抽出溶媒と溶液とを混合して抽出混合物を形成すること、ただし、抽出溶媒は高圧二酸化炭素と第1溶媒とを含み、抽出溶媒中の溶媒の濃度を抽出法の時間とともに増加させる;およびc)抽出溶媒を抽出容器から除去し、それによって低分子量不純物をポロクサマーから除去することを含む。方法の実施形態において、ステップcの後に、方法はさらに繰り返しステップbおよびcを含み得る。

0028

本明細書中で記載する方法で使用するポロクサマーは、限定されるものではないが、ポロクサマー188、ポロクサマー331およびポロクサマー407をはじめとする任意のポロクサマーであり得る。上述のように、全ての方法に関して、第1および第2アルカノールは各々独立して、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールおよびそれらの組み合わせから選択される。例えば、アルカノールの一方または両方はメタノールであり得る。本明細書中で提供するすべての方法において、圧力下の超臨界液体は、限定されるものではないが、二酸化炭素、メタンエタンプロパンアンモニアおよびフレオンなどの任意の好適な超臨界液体であり得る。特定の実施形態において、圧力下の超臨界液体は二酸化炭素である。LCMFポロクサマー188などのLCMFポロクサマーを調製する方法の実施形態において、抽出溶媒はメタノールと二酸化炭素とを含む。例示的なメタノールと二酸化炭素との比は1:100〜約15:100または1:100〜15:100、例えば2:100〜約10:100または2:100〜10:100である。メタノールと二酸化炭素との比は当該方法を実施する過程にわたって増加させることができる。本明細書中の方法にはバッチ法および連続法が含まれる。当該方法を実施する例示的な実施形態では、抽出容器を125〜500barの範囲内、例えば25〜100bar、または200bar〜400barもしくは280bar〜340barの範囲内で加圧することができる。抽出容器の温度は10℃〜80℃であり得る。方法の実施形態において、第2アルカノールは、3%〜20%または3%〜15%の全抽出溶媒のパーセンテージ(w/w)として提供することができる。

0029

上記方法のステップb)において、抽出溶媒中のステップb)の第2アルカノールの濃度は、抽出法の時間とともに勾配段階で複数回増加させることができ:複数回の各々はさらなる所定の期間に行う;および連続ステップの各々において、アルカノール濃度を、例えば、前の第2アルカノール濃度と比べて1〜2%増加させ;そして抽出溶媒を抽出容器から除去し、それによって抽出された物質をラフィネートポロクサマー製剤から除去する。

0030

他の実施形態において、LCMFポロクサマーを精製する方法は:a)ポロクサマー溶液を抽出容器に導入するステップであって、ポロクサマーを溶媒中に溶解させて溶液を形成し、溶媒が、アルコール、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、アミン、およびそれらの混合物から選択されるステップと;b)ポロクサマー溶液と、溶媒および高圧二酸化炭素を含む抽出溶媒とを混合するステップであって、抽出溶媒中の溶媒の濃度を抽出法の時間とともに増加させるステップと;c)抽出溶媒を抽出容器から除去し、それによって抽出された物質をポロクサマーから除去してLCMFポロクサマーを製造するステップとを含み得る。ステップa)における溶媒はメタノールであり得る。抽出溶媒はメタノールと二酸化炭素とを含み得る。抽出された物質は4,500ダルトン未満の低分子量不純物を含む。上述のものを含み、本明細書中で例示する方法は、LCMFポロクサマー、特に、式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aH(式中:aまたはa’の各々は、親水性物質(C2H4O)のパーセンテージがコポリマーの全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異
なり;そしてbは、疎水性物質(C3H6O)の分子量が約1,300〜2,300ダルトンとなるような整数である)を有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーであるポロクサマーを含む、本明細書中の開示全体にわたって記載する特性を有するLCMFポロクサマーを製造することができる。結果として得られるポロクサマーは、本明細書中で記載するようなLCM物質を有しないLCMFポロクサマー、例えばポロクサマーLCMF188であり:LCMFポロクサマー188は、式HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーであり;aおよびa’の各々は、親水性物質(C2H4O)のパーセンテージがコポリマーの全分子量の約60%〜90重量%となるような整数であり;aおよびa’は同一または異なり;bは、疎水性物質(C3H6O)の分子量がおよそ1,300〜2,300ダルトンとなるような整数であり;コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下は4,500ダルトン未満の平均分子量を有する低分子量成分であり;コポリマーの分布中の全成分の1.5%以下は13,000ダルトンを上回る平均分子量を有する高分子量成分であり;コポリマーの多分散性値はおよそ1.07未満または1.07未満であり;そしてポロクサマーは、ヒトなどの対象に投与された場合、コポリマーの分布における全成分の循環半減期が、コポリマーの分布における主成分の循環半減期よりも5.0倍以下長くなるようなLCM物質を含まない。結果として得られるLCMFポロクサマー、例えばLCMFポロクサマー188は、精製LCM含有ポロクサマー188などの対応するLCM含有ポロクサマーよりも親水性である。結果として得られるLCMFポロクサマーは、本明細書中で例示し、説明するものなどのRP−HPLCに関する同じ適切な条件下で評価した場合、対応するLCM含有ポロクサマーよりも低い平均tRおよび低いk’を有する。

0031

結果として得られるポロクサマーがLCMFポロクサマーであることを確認または特定する方法も提供する。これらの方法は、例えば、LCMFポロクサマーをRP−HPLCで試験すること、ならびに物質と、出発物質および/もしくはLCMを含むことが知られている標準とを比較すること、またはポロクサマーの親水性を評価し、それと出発物質および/もしくはLCM物質を含むことが知られている標準とを比較することを含む。

図面の簡単な説明

0032

本明細書中で記載する図面は、すべての可能な実施ではなく選択された実施形態だけを例示するためであり、本開示の範囲を限定することを意図しない。

0033

図1は、ポロクサマーの超臨界流体抽出法(SFE)のための一般的過程100である。
図2は、本明細書中で記載する方法を使用してポロクサマー188などのポロクサマーを調製するための過程100’の具体例である。
図3は、本明細書中で記載する方法を使用して、ポロクサマー188などのポロクサマーを調製するための過程100”の具体例である。
図4は、本明細書中で提供する方法において有用な抽出装置を示す。
図5は、溶媒分布床中の異なるサイズのステンレス球の断面の一実施形態を示す。
図6A〜6Bは、市販のポロクサマー188(パネルA)と本明細書中で提供する実施形態にしたがって精製した物質(パネルB)中の低分子量物質含有量ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)比較を示す。
図7A〜Bは、経時的な血漿中の成分の分子量分布を示す拡大したHPLC−GPCクロマトグラムを示す。
図8A〜Bは、Grindel et al. (2002) (Biopharmaceutics & Drug Disposition 23:87-103)で記載されるような精製ポロクサマー188の48時間の連続IV注入中およびその後の健常なヒトにおけるポロクサマー188(パネルA)および高分子量成分(パネルB)の個々の血漿濃度を示す。
図9は、15%LCMF188と15%P188(商標Flocor(登録商標)で入手可能)の組成物のプロフィールを、他のポロクサマーおよびポリマー(異なる疎水性/親水性のもの)に対して比較した逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)クロマトグラムであり、LCMF188がP188よりも親水性であることを示す。
図10は、LCMFポロクサマー188の様々なロットを精製ポロクサマー188と比較し、親水性の差異を確認するRP−HPLCクロマトグラムを示す。

0034

概要
A.定義
B.ポロクサマー、ポロクサマー188、LCM含有ポロクサマー188およびLCMFポロクサマーの分子多様性
1.ポロクサマー
2.ポロクサマー188
3.ポロクサマー188の分子多様性
a.低分子量成分
b.長期循環半減期をもたらす成分
C.長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー
D.ポロクサマーを精製するための抽出法
1.抽出のための過程
a.超臨界
b.高圧法
2.抽出容器およびシステム
3.抽出および抽出剤の除去
4.精製ポロクサマーの調製のための例示的方法
a.低分子量(LMW)成分の除去
b.長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマーの調製
5.LCMFポロクサマーのアイデンティティーを確認するための方法
E.医薬組成物および処方
1.処方
2.投与量
3.投与量および投与
F.ポロクサマー188およびLCMFP188の方法および治療的使用
G.実施例

0035

A.定義
別段の定義がない限り、本明細書中で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中の開示全体にわたって言及するすべての特許、特許出願、公開出願および刊行物、Genbank配列、データベースウェブサイトおよび他の公開された資料は、別段の記載がない限り、それらの全体が参照により組み込まれる。本明細書中の用語について複数の定義がある場合、本章のものが優先する。URLまたは他のそのような識別子またはアドレスを参照する場合、そのような識別子は変わる可能性があり、インターネット上の特定の情報は出現しては消えていく可能性があるが、インターネットを検索することによって同等の情報を見出すことができると理解される。それに対する参照は、そのような情報の有効性および公開を立証する。

0036

本明細書中で用いる場合、ポロクサマーはエチレンオキシドプロピレンオキシドとの
合成ブロックコポリマーである。「ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー」、「PPC」または「ポロクサマー」は、以下の化学式
HO(C2H4O)a’─[C3H6O]b─(C2H4O)aH
を有する、ポリオキシエチレン(POE)のブロックが両側にあるポリオキシプロピレン(POP)の中央ブロックを含むブロックコポリマーを指し、式中:a’およびaは、同一または異なり得、各々が、(C2H4O)によって表される親水性部分(すなわち、コポリマーのポリオキシエチレン部分)がコポリマーの約60重量%〜90重量%、例えばコポリマーの70重量%〜90重量%を構成するような整数であり;bは、(C3H6O)bによって表される疎水性物質(すなわち、コポリマーのポリオキシプロピレン部分)がおよそ950〜4,000ダルトン(Da)、例えば約1,200〜3,500Da、例えば1,200〜2,300Da、1,500〜2,100Da、1,400〜2,000Daまたは1,700〜1,900Daの分子量を有するような整数である。例えば、親水性部分の分子量は5,000〜15,000Daであり得る。上記一般式を有する例示的ポロクサマーは、aまたはa’が5〜150の整数であり、bが15〜75の整数であるポロクサマー、例えばaが70〜105の整数であり、bが15〜75の整数であるポロクサマーを含む。ポロクサマーとしては、ポロクサマー188(例えば、商標Pluronic(登録商標)F−68、Flocor(登録商標)、Kolliphor(登録商標)およびLutrol(登録商標))で販売されているもの)が挙げられる。

0037

ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーの命名法モノマー組成に関連する。ポロクサマー数の上2桁に100を掛けると、疎水性ポリオキシプロピレンブロックのおよその分子量になる。下1桁に10を掛けると、親水性ポリオキシエチレン含有量のおよその重量パーセントが得られる。例えば、ポロクサマー188は、親水性ポリオキシエチレンブロック含有量が全分子量の約80%である、約1,800Daのポリオキシプロピレン疎水性物質を含むポリマーを表す。

0038

ポロクサマーは、2ステップで、まずポリオキシプロピレンコア構築し、次いでポリオキシエチレンをポリオキシプロピレンコアの末端に付加することによって合成することができる。両ステップ中の重合速度における変動のために、ポロクサマーは、様々な分子量の不均一ポリマー種を含む。ポリマー種の分布は、限定されるものではないが、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)をはじめとする標準的技術を用いて特性評価することができる。

0039

本明細書中で用いる場合、ポロクサマー188(P−188またはP188とも呼ばれる)は、以下の化学式:
HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aHを有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーを指し、式中、aおよびa’は同一または異なり得、各々は、(C2H4O)によって表される親水性部分(すなわち、コポリマーのポリオキシエチレン部分)が約60%〜90%、例えば約80%または81%を構成し、およびbは、(C3H6O)によって表される疎水性物質がおよそ1,300〜2,300Da、例えば1,400〜2,000Da、例えばおよそ1,750Daの分子量を有するような整数である。例えば、aは約79であり、bは約28または28である。化合物の平均全分子量はおよそ7,680〜9,510Da、例えば概して8,400〜8,800Da、例えば約8,400Daまたは8,400Daである。ポロクサマー188は、ポリマーの全体の鎖長が主に異なるが、不飽和を有する切断ポリマー鎖と、ある低分子量グリコールも含む不均質なポリマー種の分布を含み得る製剤である。低分子量(LMW)ポリマー種および高分子量(HMW)ポリマー種を表す主ピークと両側の「ショルダーピークとを含む種プロフィール(例えばGPCによって決定)を示すものも、ポロクサマー188分子に含まれる。ポロクサマー188はまた、主成分以外の種を除去するかまたは減らすために精製される物質を指す。

0040

本明細書中で用いる場合、ポロクサマー188製剤に関連した「主成分」または「主ピーク」は、約13,000Da未満でかつ約4,500Daを上回る分子量を有し、約7,680〜9,510Da、例えば概して8,400〜8,800Da、例えば約8,400Daまたは8,400Daの平均分子量を有するコポリマー分子の種を指す。主ピーク種は、クロマトグラフィー条件に応じて14〜15分でゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって溶出するものを含む(米国特許第5,696,298号を参照)。

0041

本明細書中で用いる場合、ポロクサマー188製剤の種または成分に関する「低分子量」または「LMW」は、概して4,500Da未満の分子量を有する成分を指す。LMW種は、クロマトグラフィー条件に応じて15分後にゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって溶出するものを含む。(米国特許第5,696,298号を参照)。そのような不純物は、低分子量ポロクサマー、ポロクサマー分解産物(アルコール、アルデヒドケトン、およびヒドロペルオキシドを含む)、ジブロックコポリマー不飽和ポリマー、ならびにオリゴエチレングリコール)およびオリゴ(プロピレングリコール)を含むオリゴマーグリコールを含み得る。

0042

本明細書中で用いる場合、ポロクサマー188製剤の種または成分に関する「高分子量」または「HMW」は、概して13,000Da超、例えば14,000Da超、15,000Da超、16,000Da超またはそれ以上の分子量を有する成分を指す。HMW種は、クロマトグラフィー条件に応じて13〜14分でゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって溶出するものを含む(米国特許第5,696,298号を参照)。

0043

本明細書中で用いる場合、「多分散性」または「D」は、ポリマー組成物の特定の分子量分布の広がりを指す。単分散サンプルはすべての分子が同一であるものとして定義される。そのような場合、多分散性(Mw/Mn)は1である。狭い分子量標準は1に近いD値を有し、典型的なポリマーは2〜5の範囲を有する。あるポリマーは20を上回る多分散性を有する。したがって、高い多分散性値は、所与調製物中の分子の集団のサイズにおける幅広い変動を意味し、一方、低い多分散性値は変動が少ないことを意味する。多分散性を評価するための方法は当該技術分野で公知であり、米国特許第5,696,298号で記載されるような方法を含む。例えば、多分散性はクロマトグラムから決定できる。多分散性値は、採用したゲル浸透カラムの特定のクロマトグラム条件、分子量標準およびサイズ排除特性に応じて変動する可能性があると理解される。本明細書中の目的に関して、多分散性への言及は、米国特許第5,696,298号で用いられるとおりであり、カラムヒーターモジュールモデル410屈折率検出器、Maxima820ソフトウェア(すべてマサチューセッツミルフォードのMilliporeのWaters Div.から得られる)、直列の2つのLiChrogel PS−40カラムおよびLiChrogel PS−20カラム(ニュージャージーギブズタウンのEMScience)、ならびにポリエチレングリコール分子量標準(マサチューセッツ州アマーストのPolymer Laboratories, Inc.)を備えたモデル600E Powerlineクロマトグラフシステムを用いて得られるクロマトグラムから決定されるとおりである。当業者は、単に両システムに関して1つのサンプルを試験し、次いで各クロマトグラムから得られる多分散性値を比較することによって、異なる分離法を用いて得られる任意の多分散性値を本明細書中に記載する値に変換することができる。

0044

本明細書中で用いる場合、「精製ポロクサマー188」または「P188−P」または「精製長期循環物質(LCM)含有ポロクサマー188」は、約1.07以下、例えば1.05以下または1.03以下のポロクサマーの多分散性値を有するポロクサマー188を指し、低分子量成分の量が減少しているが、長期循環物質を含む精製ポロクサマー188である。「低分子量物質が除去された」もしくは「低分子量物質が減少した」ポロクサ
マー188またはその同様の変形は、成分の全分布の3.0%以下もしくは3.0%未満、および概して2.0%以下もしくは2.0%未満または1.5%以下もしくは1.5%未満の低分子量成分の分布がある精製ポロクサマー188を指す。典型的には、そのようなポロクサマー188は、より高いかまたは大きいパーセンテージの低分子量成分を含むポロクサマー188の形態と比べて減少した毒性を示す。ポロクサマー188を精製して、低分子量成分を除去または減少させる。ポロクサマー188などのポロクサマーの市販の製剤および従来の製剤は,ヒトに投与した場合、コポリマーの分布中の主成分の循環半減期の5.0倍超である半減期を有する長期循環物質(LCM)を含む。

0045

典型的な精製LCM含有ポロクサマー188は、商標FLOCOR(登録商標)(例えば、LCM含有ポロクサマー188を記載する米国特許第5,696,298も参照のこと)で入手可能なポロクサマー188である。精製LCM含有ポロクサマー188を哺乳類に対して、特にヒトに対して静脈内注射として投与する場合、治療した対象から得られる血液のGPC分析は、2つの循環ピーク、すなわちポリマー分布の主成分を含む主ピークと指定されるピークと、主ピークよりも高分子量のピークであって、(本明細書中で示すように、主ピークより5倍超遅く、典型的には30時間超および70時間もの)循環からのクリアランス速度を示すピーク、すなわち長期循環物質(LCM)を示す。

0046

本明細書中で用いる場合、長期循環物質(LCM)は、対象に投与すると、ポロクサマー製剤の主成分の半減期よりも実質的に長い、ヒトなどの対象における半減期を有する従来のポロクサマー製剤中の物質を指す。ヒト対象に投与した場合、ポロクサマー製剤中のLCM物質は、ポロクサマー製剤の主成分の半減期の5倍超または約5倍超の半減期を有する。本明細書中で提供されるLCMFポロクサマーはそのような長期循環物質を生じない。主成分よりも5倍長い半減期を有する成分はない。ポロクサマーを比較するために、対応するポロクサマーの成分を比較し、この場合、対応するポロクサマーは同じ式を有する。例えば、LCMFポロクサマー188をポロクサマー188と比較する。

0047

本明細書中で用いる場合、ポロクサマー188に関して「長期循環物質のない」または「LCMF」とは、精製ポロクサマー188について上述したように、低分子量成分の量が減少した精製ポロクサマー188製剤であって、対象に静脈内投与した後に、いかなる長期循環物質も主ピークの循環半減期(t1/2)よりも5倍以下長い(ヒト対象における)半減期を示すように、さらに均一にポリマー分布の成分が循環から消失する精製ポロクサマー188製剤を指す。したがって、LCMFは、本明細書中で記載するような、主成分のt1/2よりも5.0倍超大きく、概してコポリマーの分布における主成分の半減期よりも4.0倍以下、3.0倍以下、2.0倍以下または1.5倍以下大きなt1/2を有する循環物質であるかまたはそのような循環物質を、ヒト対象に投与した場合に生じる高分子量成分または低分子量成分などの成分を含まないポロクサマー188である。典型的には、LCMFポロクサマーは、ポリマー分布の全成分が循環からより均一な速度で消失するポロクサマーである。

0048

本明細書中で用いる場合、「コポリマーの分布」とは、ポロクサマー製剤中のポリマー分子の分子量分布を指す。分子量の分布は、これらに限定されるものではないが、束一性測定、光散乱技術、粘度測定法およびサイズ排除クロマトグラフィーをはじめとする当業者に公知の標準的技術を使用して測定することができる。特に、ポリマーの流体力学的容積に基づいて分子量分布を決定するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法を用いることができる。ポリマーの分子重量または質量の分布は、多分散性によって要約することができる。例えば、ポロクサマーにおける分子量分布の差異が大きいほど、多分散性が高い。

0049

本明細書中で用いる場合、半減期、生物学的半減期、血漿半減期、終末相半減期、排出
半減期またはt1/2は、生体がその正常な排出チャンネルを介して投与された物質の量の半分を排出するために要する時間を指す。正常な排出チャンネルには、概して、物質を身体から排出する排泄機能に加えて腎臓および肝臓の機能による身体の清浄化が含まれる。半減期は、物質の血漿濃度をその定常状態レベルの半分にするためにかかる時間、すなわち血漿半減期として説明することができる。半減期は、1回量の薬物を通常は静脈内で投与することによって決定でき、次いで血漿中の薬物の濃度を一定間隔で測定する。薬物の濃度は血漿中でピーク値に達し、そして薬物が分解し、血液中から除去されるにつれて減少する。

0050

本明細書中で用いる場合、「Cmax」とは投与後の薬物のピークまたは最大血漿濃度を指す。

0051

本明細書中で用いる場合、「定常状態での薬物の濃度」または「Css」は、薬物消失速度薬物投与速度とが等しくなる薬物の濃度を指す。それは、概して等間隔で等しい用量を無限回数投与した後に達成される。定常状態濃度を達成するために要する時間は薬物の半減期に左右される。半減期が短いほど、迅速に定常状態に到達する。典型的には、最終定常状態濃度の90%を超えて蓄積するためには3〜5半減期かかる。

0052

本明細書中で用いる場合、「不純物」とは、ポロクサマー製剤中の望ましくない成分を指す。典型的には不純物は4,500ダルトン未満のLMW成分と13,000ダルトンを上回る高分子量成分とを含む。

0053

本明細書中で用いる場合、製剤中のポロクサマー成分に関連して「除去または減少させる」とは、ポロクサマー製剤中の成分の重量パーセンテージを成分の初期パーセンテージに対して減少させること指す。概して、ポロクサマー成分は、成分の全分布に対する成分の重量パーセンテージが少なくとも1%、典型的には少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、またはそれ以上減少する場合に、除去または減少されたとみなす。例えば、ほとんどのポロクサマー188商品は、分布中の全成分の約4重量%であるLMW成分(4,500ダルトン未満)を含む。LMW物質は、成分が3重量%未満、例えば2重量%未満または1重量%未満である場合に精製産物において減少したとみなす。

0054

本明細書中で用いる場合、「溶媒」とは、溶質を溶解させて溶液を形成する任意の液体を指す。

0055

本明細書中で用いる場合、「極性溶媒」とは、その分子において、正および負電荷が恒久的に分離しているか、または正および負電荷の中心が一致しない溶媒を指す。これらの溶媒は高い誘電率を有し、化学的活性であり、および配位共有結合を形成する。極性溶媒の例はアルコールおよびケトンである。

0056

本明細書中で用いる場合、「フィード」とは、溶媒中に溶解させた溶質を指す。

0057

本明細書中で用いる場合、「抽出溶媒」とは、ポロクサマー製剤中に含まれる望ましくない物質を可溶化させるために使用できる任意の液体または超臨界流体を指す。抽出溶媒は、溶媒抽出をおこなって、溶解度の差異に基づいて1以上の他のものから分離することができる溶媒である。概して、抽出溶媒は、関心対象の物質がその中に溶解している溶媒と非混和性または部分的に混和性である。例えば、抽出溶媒は、関心対象の物質がその中に溶解している第1溶媒と混合しないかまたは部分的にしか混合しないので、静置した場合、2つの独立した層が生じるものである。例示的抽出溶媒は、超臨界液体または高圧液体である。

0058

本明細書中で用いる場合、「超臨界液体」および「超臨界流体」という用語は、その臨界温度(Tc;すなわち、それより高いと化合物を液化することができない、化合物に特徴的な温度)および臨界圧(pc;すなわち、その臨界温度で化合物を液化するために充分な最小圧力)を上回る状態の、ガスなどの任意の化合物を包含する。この状態で、異なった液相および気相は典型的には存在しない。超臨界液体は、典型的には溶媒密度の変化を示し、圧力、温度、または共修飾溶媒(co-modifier solvent)の存在の変化はわずか
である。

0059

本明細書中で用いる場合、「超臨界二酸化炭素」とは、その臨界温度(約31℃)および臨界圧(約74bar)以上で保持される二酸化炭素の流体状態を指す。その臨界温度および臨界圧以下で、二酸化炭素は通常、空気中では気体として、または凍結した場合は固体ドライアイスとして挙動する。31℃より高い温度および74barより高い圧力で、二酸化炭素は気体と液体の中間の特性を呈するので、気体のように膨張してその容器を満たすが、液体のような密度を有する。

0060

本明細書中で用いる場合、「臨界温度」または「臨界点」とは、それより高いと明白な液相および気相が存在しない蒸気−液体臨界点を意味する温度を指す。したがって、それは、どれだけ圧力をかけても、それ以上では物質の蒸気が液化できない温度である。例えば、二酸化炭素の臨界温度は約31℃である。

0061

本明細書中で用いる場合、「臨界圧」とは、その臨界温度で気体を液化するために必要な圧力を指す。例えば、二酸化炭素の臨界圧は約74barである。

0062

本明細書中で用いる場合、「高圧液体」という用語は、室温またはさらに高い温度で圧縮性気体を加圧して液体にすることによって生じる液体を含む。

0063

本明細書中で用いる場合、「共修飾溶媒」とは、抽出溶媒(例えば超臨界流体二酸化炭素)の溶媒強度を増加させる極性有機溶媒を指す。共修飾溶媒は、溶質と強力に相互作用することができ、それによって抽出溶媒中の溶質の溶解性を実質的に増加させることができる。共修飾溶媒の例としてはアルカノールが挙げられる。典型的には5重量%〜15重量%の共修飾溶媒を使用できる。

0064

本明細書中で用いる場合、「アルカノール」という用語は単純な脂肪族有機アルコールを包含する。概して、本明細書中で提供する方法における使用を意図するアルコールは6個以下の炭素原子を含む(すなわち、C1〜C6アルカノール)。アルカノールのアルカン部分は分枝または非分枝であり得る。アルカノールの例としては、これらに限定されるものではないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール2−プロパノール)、およびtert−ブチルアルコールが挙げられる。

0065

本明細書中で用いる場合、「亜臨界抽出」とは、常温常圧で通常気体状である流体物質であって、それより高い圧力および低い温度で液体に変わるものを使用する過程を指す。圧力または温度を次いで標準化し、および抽出物質蒸発させて、抽出物が残る。抽出剤はリサイクルできる。

0066

本明細書中で用いる場合、「抽出容器」または「抽出器」とは、最高10,000psigの圧力および最高200℃の温度に耐えることができる高圧容器を指す。容器の容積は、2mL〜200Lの範囲内であり得、概して1L〜200L、例えば5L〜150Lである。抽出容器は概してステンレス鋼で作られている。そのような装置は当業者に周知であり、市販されている。

0067

本明細書中で用いる場合、アイクラティックとは、抽出溶媒を一定またはほぼ一定の濃度で使用する系を指す。

0068

本明細書中で用いる場合、「勾配」または「勾配段階」とは、典型的には1以上の成分の濃度の変化によってその成分の組成が異なる2以上の抽出溶媒を使用する系を指す。例えば、アルカノール溶媒(例えばメタノール)の濃度を抽出の過程で連続して増加させる。したがって、抽出溶媒は一定のままではない。

0069

本明細書中で用いる場合、「複数」は、数回の過程またはステップを指す。繰り返しの数は、2、3、4、5、6またはそれ以上であり得る。

0070

本明細書中で用いる場合、「抽出された物質」は、除去された物質を含む生成物を指す。

0071

本明細書中で用いる場合、「ラフィネート」は、1つの成分または複数の成分が除去された生成物を指す。例えば、抽出された物質が除去された精製ポロクサマー。

0072

本明細書中で用いる場合、「バッチ法」または「バッチ抽出」は、平衡が達成されるまで2層を振盪することによって1つの非混和性層から溶質を抽出し、その後、層を沈降させた後サンプリングする過程を指す。例えば、バッチ抽出は、溶質を抽出溶媒のバッチと混合することによって実施できる。溶質は2つの相間で分布する。一旦平衡が達成されると、混合を停止し、抽出物相およびラフィネート相を分離させる。この方法では、使用済み溶媒蒸留によって除去してリサイクルすることができるか、または新鮮な溶媒をレザバーから連続して添加することができる。

0073

本明細書中で用いる場合、「連続法」または「連続抽出」とは、溶液を通る非混和性溶媒連続流または両相の連続した向流がある過程を指す。例えば、連続抽出溶媒を溶質と混合する。ミキサー中で生じるエマルジョン沈殿槽ユニット中に供給し、ここで相分離が起こり、連続ラフィネートおよび抽出物流れが得られる。

0074

本明細書中で用いる場合、「医薬組成物」は、薬剤的に許容される処方として、および/または1以上の薬剤的に許容される賦形剤と処方される、LCMFポロクサマーなどの本明細書中で記載するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーを含む組成物を包含する。ある場合では、医薬組成物は、好適な緩衝液で6〜7または6または約6などの所望のpHで緩衝されたポロクサマーの水性注射液を含む。緩衝液の例は、クエン酸塩、例えばクエン酸ナトリウムクエン酸などの、当業者に生体適合性であると知られている任意のものである。好適な濃度は、経験的に決定することができ、典型的には生理食塩水などの等張液中0.005〜0.05Mの範囲、特に約0.01Mであり得る。ある場合では、本明細書中の方法で有用な医薬組成物は、ポロクサマーの処方について当業者に公知である(例えば国際PCT出願公開第WO94/008596号および本明細書中で記載する他のそのような参考文献および刊行物を参照のこと)。

0075

本明細書中で用いる場合、「治療」という語は、疾患または状態と関連する症状を改善または軽減することを指す。治療とは、状態、障害または疾患の症状が改善されるか、そうでなければ有益に変更される任意の方法を意味する。したがって、治療は予防、療法および/または療養を包含する。治療はさらに、本明細書中の組成物の任意の薬学的用途も包含する。

0076

本明細書中で用いる場合、疾患または状態を有する対象を「治療する」とは、対象に本
明細書中で提供もしくは記載する組成物または他の製品を投与して、その治療を行うことを意味する。

0077

本明細書中で用いる場合、例えば医薬組成物または他の治療薬の投与によるなどの治療による特定の疾患または障害の症状の改善とは、組成物または治療薬の投与に起因または関連し得る症状の、恒久的または一時的、持続的または一過性を問わず、いかなる軽減も指す。

0078

本明細書中で用いる場合、「防止」または「予防」とは、疾患または状態を発症する危険性が減少した方法を指す。予防は、疾患もしくは状態の発症の危険性の低減および/または疾患の症状の悪化もしくは進行の防止または疾患の症状の悪化もしくは進行の危険性の低減を含む。

0079

本明細書中で用いる場合、特定の疾患を治療するための化合物または医薬組成物の「有効量」は、症状を改善、またはある程度軽減して所望の生理学的効果を達成するために充分な量である。そのような量を一回量として投与することができるか、またはレジメンにしたがって投与することができ、それによって有効となる。有効量は、通常の手続きに従い、当業者によって容易に決定され、組成物を投与する特定の症状に依存する。

0080

本明細書中で用いる場合、「治療上有効な量」または「治療上有効な用量」とは、少なくとも治療効果生むために充分な化合物を含む薬剤、化合物、物質、または組成物を指す。有効量は、特定の疾患または障害を、治療、たとえば予防、療養改善、阻止または他の方法で治療するために充分な治療薬の量である。

0081

本明細書中で用いる場合、「疾患」または「障害」とは、限定されるものではないが、感染、後天的条件、および遺伝的条件をはじめとする原因もしくは状態に起因し、そして特定可能な症状によって特徴づけられる、生物病的状態を指す。本明細書における関心対象の疾患および障害としては、膜の再封鎖および修復を必要とする任意のもの、組織虚血および再かん流傷害、減少性炎症性障害(decreasing inflammatory disorders)、血栓溶解に関連する障害、ならびに止血に関連する障害が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、疾患および障害としては、急性心筋梗塞、急性肢虚血、ショック、急性脳卒中、心不全、鎌状赤血球病、神経変性疾患、黄斑変性、糖尿病性網膜症および鬱血性心不全が挙げられる。

0082

本明細書中で用いる場合、「対象」とは、動物、特にヒトまたは獣医学的動物(veterinary animal)、例えばイヌネコブタウシウマおよび他の家畜(farm animal)、動物園の動物およびペットを指す。したがって、治療する「患者」または「対象」は、ヒトおよびまたは非ヒト動物、例えば哺乳類を含む。哺乳類には、霊長類、例えばヒト、チンパンジーゴリラおよびサル;飼い慣らされた動物、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウシ;ならびにげっ歯類、例えばマウスラットハムスターおよびアレチネズミが含まれる。

0083

本明細書中で用いる場合、「組み合わせ」とは、2つの品目間またはそれ以上の品目間の任意の関係を指す。関係は、キット中など空間的であり得るか、または共通の目的のための2以上の品目の使用を指す。

0084

本明細書中で用いる場合、「組成物」とは、2以上の生成物もしくは化合物(例えば、薬剤、モジュレータレギュレータなど)の任意の混合物を指す。組成物は、溶液、懸濁液、液体、粉末ペースト、水性もしくは非水性処方またはそれらの任意の組み合わせであり得る。

0085

本明細書中で用いる場合、「製品」は、作製し、販売する生成物である。その用語は、包装品中に含まれる精製ポロクサマーを含むことが意図される。

0086

本明細書中で用いる場合、流体流動できる任意の組成物を指す。流体は、したがって、半固体、ペースト、溶液、水性混合物ゲルローションクリームの形態である組成物および他のそのような組成物を包含する。

0087

本明細書中で用いる場合、「キット」とは、組み合わせの要素を使用して方法を実施するための試薬ならびに他の生成物および/または成分を任意に含んでもよい、包装された組み合わせを指す。例えば、本明細書中で提供される精製ポロクサマーと、限定されるものではないが、投与、診断、および生物活性もしくは特性の評価をはじめとする目的のための別の品目とを含むキットを提供する。キットは、使用説明書を任意に含んでもよい。

0088

本明細書中で用いる場合、動物としては、限定されるものではないが、ヒト、ゴリラおよびサルをはじめとする霊長類;げっ歯類、例えばマウスおよびラット;家禽、例えばニワトリ反芻動物、例えばヤギ、ウシ、シカヒツジ;ヒツジ(ovine)、例えばブタお
よび他の動物などの任意の動物が挙げられる。非ヒト動物は、想定される動物としてヒトを除外する。

0089

本明細書中で用いる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上そうでないとする明確な記載がない限り、複数の指示対象を含む。

0090

本明細書中で用いる場合、範囲および量は、「約」または「およそ」特定の値または範囲として表すことができる。約は正確な量も包含する。したがって、「約0.05mg/mL」は「約0.05mg/mL」および「0.05mg/mL」も意味する。

0091

本明細書中で用いる場合、「任意の(optional)」または「任意に(optionally)」とは、その後に記載される事象または状況が起こるかまたは起こらず、およびその説明が前記事象または状況が起こる場合および起こらない場合を含むことを意味する。例えば、任意に置換されていてもよい基とは、その基が置換されていないか、または置換されていることを意味する。

0092

本明細書中で用いる場合「保持時間」または“tR”は、LCMFポロクサマー188サンプルなどのサンプルを逆相高性能液体クロマトグラフィーの逆相カラムに注入してから蒸発光散乱検出器によるピーク応答までの間経過した時間を意味する。保持時間は、低疎水性サンプルよりも高疎水性サンプルの方が長い。

0093

本明細書中で用いる場合、「容量因子(capacity factor)」またはk’は次式によっ
て決定され、式中、t0はボイド時間、すなわち非保持物質が逆相HPLCカラムを通過する時間(下記実施例7を参照)に等しい:

0094

商標FLOCOR(登録商標)で販売されているポロクサマーなどのLCM含有精製ポロクサマー188は9.883の平均保持時間(tR)および3.697のk’を有し;
一方、LCMFポロクサマー188は8.897の平均保持時間(tR)および3.202の平均k’を有する(実施例7を参照)。

0095

本明細書中で用いる場合、任意の保護基アミノ酸および他の化合物の略語は、特に明記しない限り、それらの一般的な用法、認定された略語、または生化学命名法に関するIUPAC−IUB委員会((1972) Biochem. 11:1726を参照)に従う。

0096

B.ポロクサマー、ポロクサマー188、LCM含有ポロクサマー188およびLCMFポロクサマーの分子多様性
1.ポロクサマー
ポロクサマーは、ポリオキシエチレン(EOまたはPOE)の繰り返し単位の鎖が両側にあるポリオキシプロピレン(POまたはPOP)の繰り返し単位のコアから構成される、合成直鎖トリブロックコポリマーファミリーである。すべてのポロクサマーはこのEO−PO−EO構造モチーフによって定義される。特定のポロクサマー(例えばポロクサマー188)はさらに、異なる化学的および物理的特性、ならびに特有薬力学的特性を有する特定のポロクサマーを提供する、繰り返しEOおよびPO単位の数によって規定される。

0097

ポロクサマー188を含むあるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーは、ヒトまたは動物に投与した場合に、いくつかの障害に対して有益な生物学的効果を及ぼす。これらの活性は、例えば多くの刊行物および特許で記載されている(例えば、米国特許第4,801,452号、同第4,837,014号、同第4,873,083号、同第4,879,109号、同第4,897,263号、同第4,937,070号、同第4,997,644号、同第5,017,370号、同第5,028,599号、同第5,030,448号、同第5,032,394号、同第5,039,520号、同第5,041,288号、同第5,047,236号、同第5,064,643号、同第5,071,649号、同第5,078,995号、同第5,080,894号、同第5,089,260号、第RE36,665号(第5,523,492号の再発行)、同第5,605,687号、同第5,696,298号、同第6,359,014号、同第6,747,064号、同第8,372,387号、同第8,580,245号、米国特許公開第2011/0044935号、同第2011/0212047号、同第2013/0177524号、および国際出願番号WO2006/037031(PCT/US2005/034790として出願)、WO2009/023177(PCT/US2005/037157として出願)およびWO2006/091941(PCT/US2006/006862として出願)、ならびにPCT/US2014/45627、米国特許仮出願第62/021,691号および同第62/021,676号を参照のこと)。ポロクサマー188などのポロクサマーを治療薬として有用にするそれらの活性には、細胞膜中へ組み入れられ、それによって損傷を受けた細胞膜を修復する能力が含まれる。
ポロクサマーは、次式:
HO(C2H4O)a’─(C3H6O)b─(C2H4O)aH
を有するPOP/POEブロックコポリマーを含み、式中、「a’」および「a」は同一または異なり得、各々は、(C2H4O)によって表される親水性部分が化合物のおよそ50重量%〜95重量%、例えば60重量%〜90重量%、例えば化合物の70重量%〜90重量%を構成するような整数であり;そして「b」は、(C3H6O)によって表される疎水性物質が約950〜4,000Da、例えば1,200〜3,500Daの分子量を有するような整数である。例えば、疎水性物質は、1,200〜2300Da、例えば概して1,500〜2100Daの分子量を有する。コポリマーの平均分子量は5,000〜15,000Da、例えば、5,000〜12,000Da、5,000〜9000Daである。

0098

ある例では、bは、約15〜約70の整数、例えば約15〜約60、もしくは約15〜約30、またはその間の任意の数である。ある例では、bは、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、または約30である。ある態様において、下付き文字「a’」および「a」を有するフランキング単位の整数は、同じ値であり得るか、または同じ値である。ある例では、aまたはa’は、約45〜約910の整数、例えば90、100、200、300、400、500、600、700、800、または900である。ある他の例では、aまたはa’は、約10〜約215の整数、例えば10、20、30、40、50、60、70、80、100、125、150、175、200または215である。さらに他の例では、aまたはa’は、約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57,58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70である。当業者はこれらの値が平均値であることを認めるであろう。a、a’およびbの値は平均であり、概して、ポリマー分子は分子の分布または集団である。したがって、集団内のa、a’およびbの実際の値はある範囲の値を構成する。

0099

ポロクサマー命名法は、様々なポリマーメンバーの組成に関連する。ポロクサマー数の上2桁に100を掛けると、疎水性物質のおよその分子量になる。下1桁を10倍すると、界面活性剤の親水性物質(ポリオキシエチレン)含有量のおよその重量パーセントになる。例えば、ポロクサマー407は、約4000Daのポリオキシプロピレン疎水例物質を含み、ポリオキシエチレン親水性物質が全分子量の約70%を構成するポリマーである。ポロクサマー188(P188)は、約1800Daの分子量を有する疎水性物質を有し、コポリマーの全分子量の約80%である親水性物質を有する。

0100

ポロクサマーは、限定されるものではないが、ADEKA NOL、Synperonic(商標)、Pluronic(登録商標)およびLutrol(登録商標)をはじめとする商品名および商標で販売され、呼ばれる。ポロクサマーの例としては、ポロクサマー188(P188;商標Pluronic(登録商標)F−68、Kolliphor(登録商標)P188で販売、80%POE)、ポロクサマー407(P407;商標Lutrol F−127、Kolliphor(登録商標)P188、Pluronic(登録商標)F−127で販売;70%POE)、ポロクサマー237(P237;商標Pluronic(登録商標)F87、Kolliphor(登録商標)P237で販売;70%POE)、ポロクサマー338(P338;商標Kolliphor(登録商標)P338、Pluronic(登録商標)F−108で販売;80%POE)およびポロクサマー331(Pluronic(登録商標)L101;10%POE)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0101

したがって、非精製P188は商業的に入手可能であるか、または上述のような様々な名称で販売されているかもしくは知られている。以下の議論では、より均質な(LCMF)ポロクサマー188を製造するために本明細書中の方法を使用することについて言及しているが、本明細書中の方法は公知ポロクサマーのいずれかのさらに均質な調製物を製造するために使用できる。

0102

ポロクサマーは標準的ポリマー合成技術を使用して合成することができる。例えば、ポロクサマーは、当業者に公知の標準的技術を使用するエチレンオキシド−プロピレンオキシド縮合によって形成する(例えば、米国特許第RE36,665号;同第RE37,285号;同第RE38,558号;同第6,747,064号;同第6,761,824号;および同第6,977,045号を参照;Reeve, L.E., “The Poloxamers: Their Chemistry and Medical Applications,” in Handbook of Biodegradable Polymers, Domb
, A.J. et al. (eds.), Hardwood Academic Publishers, 1997も参照のこと)。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ性触媒の存在下でPOPおよびPOEモノマーを逐次付加することによって、ポロクサマーを合成できる(例えば、Schmolka J. Am. Oil Chem. Soc. 54 (1977) 110-116を参照)。POPブロックの重合と、それに続いてPOPブロックの両末端でPOE鎖を成長させることによって反応を開始する。ポリマーを合成する方法は、米国特許第5,696,298号にも記載されている。

0103

2.ポロクサマー188
ポロクサマー188(P188)コポリマーは以下の化学式:
HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aH
を有し、式中、(C3H6O)によって表される疎水性物質は約1,750ダルトンの分子量を有し、ポロクサマー188は7,680〜9,510Da、例えば概して約8,400〜8,800ダルトンの平均分子量を有する。ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン重量比はおよそ4:2:4である。本明細書によると、P188は81.8±1.9%のオキシエチレンの重量パーセント、および0.026±0.008mEq/gの不飽和レベルを有する。

0104

様々なポロクサマー、および特にP188を、接着性疎水性タンパク質または損傷を受けた膜の存在に起因する損傷によって血流に対する抵抗が病的に増加する疾患および状態の治療のために使用する。この接着性は病理学的疎水性相互作用によって生じ、特定のリガンドとそれらの受容体との相互作用を必要としない。そのようなタンパク質および/または損傷を受けた膜は、摩擦を増加させ、そして血管の有効半径を減少させることによって微小血管系における抵抗を増大させる。例えば、ポロクサマー188は損傷を受けた組織を通る血流を増加させるための潤滑剤として作用すると考えられる。有利には、これは疎水性表面の互いへの接着を阻止し、それによって摩擦を減らし、流量を増加させる。

0105

P188は、損なわれた細胞および変性タンパク質上に発生する疎水性部分と結合し、それによって水和格子(hydration lattice)を復元する。そのような結合は損傷を受け
た膜の封止を促進し、かつ細胞を破壊し得る炎症性メディエータカスケードを停止させる。このポリマーはまた、血液中で形成された要素の有害な凝集を引き起こす疎水性接着性相互作用を阻害する。P188の抗接着効果および抗炎症効果は、摩擦を減らすこと、血液中の形成された要素の接着および凝集を防止すること、赤血球の変形能血小板および顆粒球非接着性ならびに血液の正常な粘度を維持すること、アポトーシスを減らすこと、ならびにVEGF、様々なケモカイン、およびインターロイキンをはじめとする複数の炎症マーカーによって、損傷を受けた組織における血流を増強することによって示される。

0106

3.ポロクサマー188の分子多様性
市販のポロクサマー188製剤は約8,400ダルトンの分子量を有するとされる。しかしながら、そのようなポロクサマー188は、3,000ダルトン未満から20,000ダルトンを越える分子量を有する分子から構成される。市販のポロクサマー188の分子多様性および分子の分布は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて検出される広い第1ピークおよび第2ピークで見ることができる(例えば、国際PCT出願公開番号WO94/08596を参照)。

0107

構造の多様性は、生物活性の多様性があることを意味する。例えば、最適のレオロジー効果細胞保護効果、抗接着効果および抗血栓効果が、およそ8400〜9400DaであるP188の分子で観察される。そのような成分は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)などの、サイズに基づいて成分を分離する方法を用いて、ポロクサマー製剤中の主
成分すなわち過半成分(predominant component)として特定することができる。しかし
ながら、成分の分布はさらに、典型的にはわずかな低分子量(LMW、すなわち概して4,500ダルトン未満)または高分子量(HMW、すなわち概して13,000ダルトン超)成分も示す。15,000超および4,500ダルトン未満のP188成分は効果の低いレオロジー保護剤または細胞保護剤であり、望ましくない副作用を示す。P188製剤などのポロクサマー製剤中の他の物質または成分は2つの異なる起原、すなわち合成および分解に由来する。

0108

分子多様性に寄与する主な機構はポロクサマーが合成される過程である。典型的な製造過程で、第1ステップはPOPブロックの形成である。これらは、プロピレングリコール開始剤をプロピレンオキシドモノマーと反応させることによって形成される。その後、エチレンオキシドモノマーを両端に付加してブロックコポリマーを形成する。ポロクサマーの合成の結果、POコアおよびEO末端を構築するステップ中に重合速度のばらつきが生じ得る。

0109

POPの合成中で、2つの異なる反応機構がPOP鎖成長を制限し、意図されたものでないジブロックポリマーが生じる。これらの物質は、典型的には(P188のポリマー分布に対して)低い分子量を有する。1つの機構では、不飽和は、アルカリ触媒と反応させることによってプロピレンオキシドから直接形成される。塩基はプロピレンオキシドのアリルアルコールへの転移触媒し、次いで末端不飽和を有する一官能性鎖を開始する。これらの種類の副反応は反応の期間中、低分子量(LMW)物質を生成する。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)では、これらの不純物の分布は主ピーク中ならびにLMWショルダー中にある。第2の機構において、成長するポリマー鎖中の負の酸素原子によって、6炭素原子離れて位置する水素原子が引き抜かれ、鎖を停止・移動させることができ、アリル末端基を生じる。これらのバックバイティング(back-biting)反応は高分子量(H
MW)POPブロックで優勢である。これらの物質の分布はほとんどLMWショルダーにある。

0110

加えて、高分子量物質(P188のポリマー分布に対して)は、典型的な商業的製造キャンペーン中にポロクサマー188のバッチ間重合リアクター不適切な清浄化のために形成され得る。リアクターが、P188などのポロクサマーの典型的なバッチの製造後に残留する生成物を除去するために完全に清浄化されない場合、残存する生成物はその後のバッチで開始剤として作用し、「二量体様」ポロクサマー分子を形成する。この物質は高分子量を有するものであり、GPCでHMWショルダーとして観察されるポリマー分布の一部である。

0111

ポロクサマーの分解経路は、低分子量アルデヒドおよび酸に至る過酸化と、LMWポリエチレングリコールに至る熱分解とを含む。酸化的分解はポロクサマーの安定性に影響を及ぼす主な分解経路である。この過程はポリマー鎖に対して構造変化をもたらし、過酸化物カルボニルとを生成する。過酸化物は一過性であり、典型的には抗酸化剤として商品に添加されるブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と急速に結合する。熱分解は他の物質を産生する別の経路である。様々な鎖長のグリコールが熱分解の主な分解産物である。強制熱分解の研究によって、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールが形成されることが証明された。

0112

したがって、特定のポロクサマーは、EO−PO−EO構造モチーフを有するが、反復するEOおよびPO単位の数が異なる複数の化学物質から構成される。EO−POモチーフを有する様々な切断ポリマー(truncated polymer)およびさまざまな他の物質が、意
図するポロクサマー化合物の合成の間に起こる副反応の結果として生じ得る。これらの他の物質が全体的なポロクサマー分布内に存在し、見出すことができる。結果は、不均一な
物質(すなわち、多分散性である物質)である。

0113

例えば、P188の合成のために、POコアおよびEO末端を構築するステップ中で重合速度のばらつきがあり得る。したがって、P188のほとんどの非精製形態は、主に全体の鎖長が異なるベル形のポリマー種の分布を含む。加えて、不完全な重合によって生じた様々な低分子量(LMW)成分(例えば、グリコールおよび切断ポリマー)、および高分子量(HMW)成分(例えば二量体化ポリマー)が存在し得る。典型的には、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるP188の特性化によって、意図せぬLMWおよびHMW成分を表す「ショルダー」ピークを有するP188の主ピークを特定する(Emanuele and Balasubramanian (2014) Drugs R D 14:73-83を参照のこと)。例えば、BASF(ニュージャージー州パーシッパニー)からP188の入手可能な製剤は、およそ1,750Daの分子量を有する疎水性ブロックと、ポリマーの80重量%を構成するPOEブロックと、およそ8,400Daの全分子量とによって特徴づけられる公開された構造を有する。実際の化合物は、意図するPOE−POP−POEコポリマーから構成されるが、1,000Da未満から30,000Da超に及ぶ分子量の他の分子も含む。市販のポロクサマー188の分子多様性および分子の分布は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して検出される広い第1および第2ピークによって示される。市販のポロクサマーをはじめとする非精製ポロクサマー製剤中に存在する分子の多様性は多様な生物学的活性をもたらし得る。観察される生物学的活性の多くは望ましくない、または/およびポロクサマーの薬物としての治療効果を制限する望ましくない副作用をもたらし得る。人工の血液製剤を投与すると観察される、補体活性化食細胞遊走不能(migration paralysis)、およ
細胞毒性は、それらの製剤のポロクサマー188成分中の不純物の原因の一つとなる。加えて、ポロクサマー188の注入の結果、腎臓損傷を意味するクレアチニンの上昇と、毒物学的動物実験では臓器重量(腎臓)の増加が示された。腎臓の組織学的評価によって、近位(proximal)尿細管上皮細胞の用量に関連した細胞質空胞化が示された。

0114

低分子量成分を除去するために精製されるポロクサマー188(例えば、Grindel et al. (2002) Journal of Pharmaceutical Sciences, 90:1936-1947 (Grindel et al. 2002a)またはGrindel et al. (2002) Biopharmaceutics & Drug Disposition, 23:87-103 (Grindel et al. 2002b)を参照のこと)は、対象に投与された場合に異なる薬物動態プロフィールを示す成分を含む。主成分は約7時間の血漿中半減期(t1/2)を示し、高分子量成分(すなわち、長保持時間種)は半減期において約10倍またはそれ以上の増加を示し、約70時間またはそれ以上のt1/2で、したがって実質的に長い血漿滞留時間を示し、主成分よりも循環からゆっくりと除去される。このことは本明細書中で示されている(例えば図8Aおよび図8Bを参照)。

0115

a.低分子量成分
腎臓に対して有毒なポロクサマー188中の物質は主成分よりも低分子量を有するものであると確認されている。P188の治療可能性の研究から、ひとつには上昇した血清クレアチニンから明らかなように臨床試験評価中に観察される急性腎機能不全のために、商標RheothRx(登録商標)で入手可能なポロクサマーの治療応用の中止に至った。これらの効果は、合成過程の間に生じる様々な低分子量(LMW)物質の存在に起因することが判明した(Emanuele and Balasubramanian (2014) Drugs R D 14:73-83)。LMW物質は腎臓中の近位尿細管上皮細胞によって蓄積した。

0116

LMW物質の分子量は数百Daから数千Daまで及び得る。幅広い溶解度特性を有するこれらの不純物の複雑な性質のためにそれらを親分子から選択的に除去するのが困難になる。蒸留、結晶化、限外濾過などの従来の精製過程は、低分子量(LMW)物質を主成分から有効に分離しない。分取GPCなどの精製用クロマトグラフ技術の使用は費用がかかり、拡大するのが実務的に困難である。様々な物質を異なって可溶化し、除去するための
混合溶媒系も困難であり、リサイクルするのに費用がかかる大量の溶媒の使用が要求される。

0117

P188中に存在するこれらの低分子量物質の量を減少させる超臨界流体クロマトグラフィー報告されている(例えば米国特許第5,567,859号を参照のこと)。二酸化炭素を用いて超臨界流体抽出を実施して、コポリマーを精製して、多分散性を1.17未満まで減少させた。しかしながら、その方法は本明細書中で示すようにLMW成分を充分に除去または減少させない。

0118

以下でさらに詳細に記載するように、本明細書中で提供する方法はこれらのLMW成分が実質的にないポロクサマー製剤を生成する。例えば、LMW成分が減少した精製P188は、約5%未満、4%未満、3%未満、2%未満または1%未満のLMW成分を有する。したがって、本明細書中で提供するポロクサマー製剤、および特にP188ポロクサマー製剤は、概して減少した毒性を示し、投与した場合にクレアチニンレベルを上昇させない。加えて、本明細書中で記載するように、結果として得られるLCMFP188ポロクサマー製剤は、投与した際の長期循環物質の低減をはじめとする他の有利な特性をする。

0119

b.長期循環半減期の原因となる成分
P188中の成分は、主要すなわち過半ポロクサマー種よりも長い循環半減期を有する血漿または血液中の物質であるか、またはそのような物質を生じさせると確認されている。より長い循環半減期を有するこの物質が非臨床および臨床研究で観察されている。精製P188の静脈内投与後に得られる血漿の高性能液体クロマトグラフィー・ゲル浸透クロマトグラフィー(HPLC−GPC)による分析は、循環において2つの明確なピークを示す(Grindel et al. (2002) Journal of Pharmaceutical Sciences, 90:1936-1947 (Grindel et al. 2002a) or Grindel et al. (2002) Biopharmaceutics & Drug Disposition, 23:87-103 (Grindel et al. 2002b)。約8,600ダルトンの平均ピーク分子量を有
する主ピークと、約16,000ダルトンの平均分子量を有する小さなピークとがある。2つのピークは明確に異なる薬物動態プロフィールを示し、高分子量ピークほど循環からのクリアランスが遅く、明確に長い血漿滞留時間を示す(図8Aおよび図8Bを参照)。同様の観察結果がラットおよびイヌでも報告された。同様の長期循環成分が未処理(native)または非精製ポロクサマー188で観察されている(国際PCT出願公開第WO94/008596号を参照)。

0120

例えば、図8Aで示すように、精製P188を健常なボランティアに100mg/kg/hrの投与量として1時間、続いて30mg/kg/hrの維持量で47時間静脈内投与した後、主要すなわち過半ピークは、1時間のローディング注入(loading infusion)の終わりまでに0.9mg/mLの平均最高濃度(Cmax)に到達した。0.5mg/mLの平均定常状態濃度(Css)は維持注入の開始と本質的に一致して達成された。維持注入を中止すると、血漿濃度は急速に減少し、排出半減期(t1/2)は約7時間であった。

0121

図8Bで示すように、HMW成分は0.2mg/mLのCmaxを示すことが確認され、これは維持注入の終わりまで達成されなかった。濃度が注入の間累積し続けるので、定常状態は達成されなかった。維持注入の中止後、高分子量ピークの血漿レベルはゆっくりと減少したので、血漿レベルは24時間の注入後モニタリング期間の間に約33%しか減少しなかった。この消失速度は主ピークの約1/10であり、t1/2はおよそ70時間である。Grindel et al. (2002) Journal of Pharmaceutical Sciences, 90:1936-1947 (Grindel et al. 2002a)およびGrindel et al. (2002) Biopharmaceutics & Drug Disposition, 23:87-103 (Grindel et al. 2002b)も参照。長期循環物質(または長保持時間物質)はP188分布のHMWフラクションで確認される(Grindel et al. (2002a))。この
HMW成分はMALDI−TOF質量分析法によって特定すると約16,000Daであることが確認され、フラグメンテーションパターンはブロックコポリマーと一致していた(例えばGrindel et al. (2002a)を参照のこと)。

0122

P188のレオロジー効果、細胞保護効果、抗接着効果および抗血栓効果は、約8,400〜9400Daであり約7時間の半減期を有する、分布の過半または主要コポリマー内で最適であるので、長期循環半減期を示す他の成分の存在は望ましくない。例えば、P188の望ましい活性には、血液粘性を低下させ、および赤血球(RBC)凝集を阻害するそのレオロジー効果があり、これは、損傷組織における血流を改善する能力の原因となる。対照的に、P338(Pluronic(登録商標)F108とも呼ばれる)およびP308(Pluronic(登録商標)F98)などの高分子量ポロクサマーは血液粘度およびRBC凝集を増加させる(Armstrong et al. (2001) Biorheology, 38:239-247
)。これはP188の逆の効果であり、高分子量ポロクサマー種が望ましくない生物学的効果を有し得ることを意味する。

0123

以下でさらに詳細に記載するように、長期循環物質であるかまたは長期循環物質を生じさせる成分が実質的に減少しているポロクサマー製剤を提供し、すなわちそれらは長期循環物質を含まない(LCMF)。LCMFポロクサマーを製造するための例示的方法(例えば実施例7を参照のこと)も提供する。

0124

したがって、本明細書中で提供するLCMFポロクサマー製剤、および特にLCMFポロクサマー188製剤は、より均一な薬物動態プロフィールを示し、したがってより一貫した治療効果を示す。LCMFポロクサマーを以下の節でさらに詳細に説明する。

0125

C.長期循環物質のない(LCMF)ポロクサマー
1.07未満の多分散性値を有し;1.5%以下の4,500ダルトン未満の低分子量(LMW)成分;1.5%以下の13,000ダルトンを上回る高分子量成分を有し;対象に投与した場合、コポリマーの分布中の主成分の半減期よりも5.0倍以下長い血液または血漿中の半減期である、コポリマーの分布中の全成分の半減期を有する精製P−188である長期循環物質のない(LCMF)P188を本明細書中で提供する。したがって、LCMFポロクサマー188は、投与した場合、主成分よりも有意に長い半減期を有する成分を生じない。LCMF P−188は以下の化学式:
HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aH
を有し、式中、a’およびaは、同一または異なり得、各々は、(C2H4O)によって表される親水性部分(すなわち、コポリマーのポリオキシエチレン部分)が約60%〜90%、例えば約80%または81%を構成するような整数であり;そしてbは、(C3H6O)によって表される疎水性物質が約1,300〜2,300Da、例えば約1,750Daの分子量を有するような整数であり;そして化合物の平均全分子量は、約7,680〜9,510Da、例えば概して8,400〜8,800Da、例えば約8,400Daまたは8,400Daであり、コポリマーは多分散性値が1.07未満となるように、低分子量不純物または他の不純物をはじめとする不純物を除去するために精製されている。

0126

研究によって、精製(LCM含有)P−188製剤の主ピーク成分は、ヒト対象に投与された場合、約7時間の(ヒト)血漿中半減期(t1/2)を有することが証明された(Grindel et al. (2002) Journal of Pharmaceutical Sciences, 90:1936-1947 (Grindel et al. (2002a)) or Grindel et al. (2002) Biopharmaceutics & Drug Disposition, 23:87-103 (Grindel et al. (2002b))。精製ポロクサマーはさらに、約16,000ダル
トンの平均分子量を有し、半減期で約10倍またはそれ以上の増加を示し、t1/2が約
70時間である高分子量成分を含む長期循環物質(LCM)ももたらした。

0127

例えば、Grindel et al.,(2002aおよび2002b)の研究で特性化された精製P−188(
LCM含有)と対照的に、LCMF P−188と表示される精製ポロクサマーは、ポリマー分布の全成分が、対象に投与された場合、循環からほぼ同じ速度で消失するものである。したがって、LCMF P−188は先行技術のLCM含有p188ポロクサマーとは異なる。LCM含有ポロクサマーのように、LCMFポロクサマーは、1.07未満、概して1.05未満または1.03未満の実質的に少ない多分散性の組成物を含むが、コポリマーの分布中の任意の成分の血液または血漿中の半減期は、ヒト対象に投与した場合、コポリマーの分布中の主成分の半減期よりも5.0倍以下長く、概して4.0倍以下、3.0倍以下、2.0倍以下、または1.5倍以下長い。典型的には、LCMFは、対象に投与した場合、コポリマーの分布における主ピークよりも実質的に長い(5倍超)かまたはコポリマーの分布における主成分よりも長い血液または血漿における半減期を示す成分を含まない。

0128

ある例では、LCMFポロクサマー中の全成分の血液または血漿中の半減期は、ヒト対象に投与した場合、30時間を上回り、概して、25時間以下、20時間以下、15時間以下、10時間以下、9時間以下、8時間以下、または7時間以下である半減期を有する成分がないようなものである。

0129

理論によって拘束されないが、13,000ダルトンを上回るものなどポロクサマーポリマー分布の高分子量成分は、長期循環半減期物質(longer circulating half-life material)の原因となり得た。ポロクサマー188および精製ポロクサマー188などの非
荷電性分子の糸球体ろ過速度は分子サイズに大きく依存する。これは、糸球体ろ過速度がサイズ閾値以上ではますます限定されるようになる(Chang et al., (1975) Biophysic. J. 15:887 - 906)ので、5,000ダルトンを上回る分子量を有するポロクサマー18
8ポリマー分布の成分について観察される。したがって、ポロクサマー188ポリマー分布の高分子量成分(例えば13,000ダルトンを上回るもの)は、小さなサイズのものよりもゆっくりした速度で循環から除去される可能性が高い。

0130

しかしながら、LCMF製剤に関して、分布中にHMW成分が存在することで、長期循環種(すなわち、主ピークよりも5倍超長い半減期を有する種)が生じるわけではない。例えば、LCMF製剤中の13,000ダルトンを上回るHMW不純物は、概して全成分の1.5重量%以下を構成する。LCMF製剤を対象に投与する場合、これらのHMW不純物は分布中の主成分の半減期よりも5.0倍超長い循環半減期をもたらさず、概して4.0倍以下、3.0倍以下、2.0倍以下、1.5倍以下長い。LCMF製剤を対象に投与する場合、それらは分布中の主成分よりも実質的に長い(すなわち、5倍超)または分布中の主成分よりも長い循環半減期を有する成分をもたらさない(例えば、図7Aおよび7Bを参照)。

0131

LCMF製剤中、HMW成分は他の既存の精製P−188製剤と比べて増加または減少させ得る。例えば、本明細書中で提供するLCMFポロクサマーには、例えば1.2%以下、1.1%以下、1.0%以下またはそれ以下など1.3%以下の13,000ダルトンを上回る高分子量成分があるP−188ポロクサマーが含まれる。本明細書中で提供する特定の実施例では、本明細書中で提供するLCMFポロクサマーには、1.0重量%未満、概して0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満またはそれ以下の13,000ダルトンを上回る高分子量成分があるP−188ポロクサマーが含まれる。

0132

本明細書中で提供するLCMFポロクサマーは、本明細書中のセクションD、特にセク
ションD.1.bで後述する方法によって調製することができる(例えば図3を参照のこと)。LCMFポロクサマーの特性の説明および例示を考慮して、当業者はLCMFポロクサマーの他の製造法を想定することができる。例えば、本明細書中で提供するLCMFポロクサマーを:
a)ポロクサマー溶液を抽出容器に導入し、ポロクサマーを第1アルカノール中に溶解させて溶液を形成し;
b)第2アルカノールと、超臨界二酸化炭素を第1の一定期間維持する温度および圧力下の超臨界二酸化炭素とを含む抽出溶媒と接触させ、ここで:
温度は二酸化炭素の臨界温度よりも高いが、典型的には35℃〜45℃の範囲であり得;
圧力は220bar〜280barであり;そして
アルカノールを全抽出溶媒の7%〜8重量%のアルカノール濃度で提供し;そして
c)抽出法の時間とともに勾配段階で複数回、抽出溶媒中のステップb)の第2アルカノールの濃度を増加させ、この場合:
複数回の各々はさらなる一定期間の間で行い;そして
連続ステップの各々で、アルカノール濃度を第2アルカノールの以前の濃度と比べて1〜2%増加させ;そして
d)抽出溶媒を抽出容器から除去し、それによって抽出された物質をラフィネートポロクサマー製剤から除去することを含む方法によって製造する。

0133

D.ポロクサマーを精製するための抽出法
精製ポリマーが構造(ジブロックトリブロックなど)、不飽和のない分子のパーセンテージ、分子量の分布、および疎水性/親水性分布(HLB)比に関してより均一となるようにポロクサマーを精製するための超臨界流体抽出法(SFE)および高圧手順を本明細書中で提供する。過程の同調性を利用して異質成分を除去することができ、また時間とともに調節することができ、これによって精製産物の収率を増加させることができる。本明細書中で提供する方法は、様々な物質を選択的に除去するために、その溶媒化特性が変わり得る溶媒系を使用する。その方法は、上記特性を有するLCMFポロクサマー188生成物を製造する模範的なやり方を提供する。

0134

本明細書中の方法は、先行技術の方法によって製造されるものとは異なるポロクサマー製剤を提供する。これらには、米国特許第5,696,298号で記載されているものなど、投与した場合に精製ポロクサマー188で観察される長期循環物質を生じないLCMFポロクサマー188製剤が含まれる。LCMFポロクサマー188は精製ポロクサマー188と類似した分子サイズ分布を有するが、成分分子は精製ポロクサマーよりも親水性が高い製剤を生成する。

0135

長期循環物質(LCM)がないと、長期循環物質の除去により改善された、クリアランスの速さやその他の薬理学的特性をはじめとするポロクサマーの特性が改善される。本明細書中で提供する方法はポロクサマー製剤中の望ましくない成分を除去し、それによって、望ましくない活性を最小限に抑えるかまたは低減させつつ望ましい治療活性を示すより均質または均一なポロクサマー製剤を調製する。市販のポロクサマーは生物活性のばらつきと同様に毒性を示すことが報告されているので、より均一なかつ均質なポロクサマー製剤は毒性が減少しているが、主なコポリマー成分の治療効果を保持する。

0136

そのようなポロクサマーを調製する方法を本明細書中で提供し、LCMFポロクサマー188をはじめとする結果として得られるポロクサマーを提供する。本明細書中で提供する方法は、低分子量(LMW)成分が低減または除去されたポロクサマー製剤をもたらすことに加えて、本明細書中で記載するように血漿または血液中の循環物質であるかまたはそのような循環物質を生じさせる任意の成分が減少または除去されている長期循環物質を
含まない(LCMF)製剤ももたらす。したがって、ポロクサマー、特にLCMFポロクサマー188のLCMF製剤も本明細書中で提供する。本明細書中で提供するLCMFポロクサマー188は、ポロクサマー188について公知の使用のすべてについて使用できる。

0137

主成分以外の成分を除去するかまたは減らすため、そしてそれによって製剤の分子多様性を減少させるために、P188などのポロクサマーを精製するための抽出法を本明細書中で提供する。例えば、本明細書中で提供する方法はポロクサマー中のLMW物質を除去または減少させることができる。LMW物質を除去するかまたは減らすことに加えて、本明細書中で提供する特定の方法はさらに、分布中の主成分の半減期よりも実質的に長い半減期を有する長期循環物質であるか、またはそのような長期循環物質を生じさせるポロクサマー製剤中の成分を除去するかまたは減らすこともできることも本明細書中で判明している。抽出の程度、および抽出される成分は、本明細書中で記載する方法で用いられる特定の温度、圧力およびアルカノール濃度によって制御される。

0138

本明細書中で提供する方法は、溶解力(solvent power)が共溶媒修飾因子の存在下で
の温度、圧力の操作によって制御される、超臨界または亜臨界抽出溶媒を用いる。二酸化炭素はP188などのポロクサマーの特に効果的な抽出溶媒ではないが、修飾因子としてのアルカノールなどの極性共溶媒の存在が抽出溶媒中CO2の可溶化効率を増加させることが判明した。特に、本明細書中で提供する方法を、抽出過程が進行するにつれその濃度が勾配方式(例えば、段階的勾配または連続上昇式勾配)で増加するアルカノールなどの極性共溶媒の存在下で実施する。濃度がこの方法で増加するアルカノール共溶媒を採用することによって、不純物の除去を増加させることができ、二酸化炭素を単独で使用する場合よりも遙かに多く除去できることが判明した。例えば、二酸化炭素を単独で使用する抽出方法は、本明細書中で記載するようなLMW成分およびHMW成分などの望ましくない成分を、提供する方法によって達成するのと同じ程度まで除去することはできない。

0139

超臨界流体抽出を使用してポロクサマーを精製するための本明細書中で提供する方法では、ポロクサマー分布のLMW成分または不純物を、分布中の他のHMW成分よりも低いアルカノール(例えば、メタノール)濃度および高い圧力で選択的に除去できる。さらに後述するように、抽出溶媒の可溶化能を増加させることによって、例えば、アルカノール(例えば、メタノール)などの極性溶媒の圧力および濃度を慎重に制御することによって、他の不純物を除去することも可能である。特に、方法は、高濃度のアルカノール(例えば、メタノール)の勾配を、単独または減圧と組み合わせて用いて、その結果、ポロクサマー分布における成分(例えば、HMW成分)が除去されるので、結果として得られる製品を対象に投与した場合、従来のP−188製品で観察される血漿中の長期循環物質を生じさせない。

0140

しかしながら、ポロクサマーの収率に関してはトレードオフがある。概して、アルカノール(例えば、メタノール)共溶媒の濃度が増加するにつれ、抽出溶媒の溶媒和能(solvating power)が増加して、より多くの化合物が可溶化し、抽出の程度が増加する。抽出
溶媒の濃度を勾配方式で増加させることによって、ポロクサマー収率の減少は最小に抑えられ、一方で最終生成物純度は最大になる。典型的には、本明細書中で提供する方法は、その方法によって得られる抽出または精製ポリマーの量が、方法の実施前のポロクサマーの出発量の少なくとも55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、またはそれ以上となるような収率を達成する。しかしながら、結果として得られるポロクサマーは、実質的にさらに高い純度を示し、分布中の主成分のパーセンテージが出発物質よりも高く、投与した場合に毒性副作用を示すかまたは血漿中で長期循環物質の原因となり得る不純物がない。

0141

例えばポリマーの分布において望ましくない成分を減少または縮小させることよって、純度を増加させることが望ましい任意のポロクサマーに関して方法を実施できる。当業者は、このやり方での精製に関して特定のポロクサマーを選択することができる。望ましくない成分は、毒性であるか、または所望の活性に対して逆もしくは反対の生物活性を有する物質であるか、あるいはそのような物質を生じさせる任意のものを含む。例えば、ポロクサマーは、ポロクサマー中のLMW成分、例えば、投与した場合にクレアチニンの上昇などの急性腎臓副作用をもたらす任意のLMW成分を減少または除去することが望ましいものであり得る。ポロクサマーはまた、投与した場合に、ポリマーの分布における主成分の半減期とは異なる(例えばより長い)血液中の半減期を有する物質であるか、またはそのような物質を生じさせるHMW成分などの任意の成分を含むものでもあり得る。そのような成分は、血液粘性および赤血球凝集を増加させる可能性があり、したがって望ましくない。

0142

その方法で使用するポロクサマーの例としては、ポロクサマー188、ポロクサマー331およびポロクサマー407が挙げられるが、これらの限定されるものではない。典型的には、ポロクサマーは、主成分の平均分子量が4,700Da〜12,800Daの範囲内または約4,700Da〜12,800Da、例えば概して7,680Da〜9,510Da、例えば概して8,400〜8,800Daであるものである。特に、ポロクサマーはP188である。
例えば、本明細書中で提供する抽出方法を用いてP188製剤を精製することができ、P188製剤は、以下の化学式:
HO(CH2CH2O)a’─[CH(CH3)CH2O]b─(CH2CH2O)aH:
を有し、式中、(C3H6O)によって表される疎水性物質は約1,750ダルトンの分子量を有し、そして7,680〜9,510Da、例えば概して約8,400〜8,800ダルトンの平均分子量を有する。P188のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン重量比はおよそ4:2:4である。P188は81.8±1.9%のオキシエチレンの重量パーセント、および0.026±0.008mEq/gの不飽和レベルを有する。本明細書中の方法で使用するためのP188製剤には市販の製剤が含まれる。これらとしては、限定されるものではないが、Pluronic(登録商標)F68(BASF、ニュージャージー州フローラパーク)およびRheothRx(登録商標)(Glaxo Wellcome Inc.により開発されたもの)が挙げられる。

0143

本明細書中で提供する抽出法を実施する際、その方法は:a)ポロクサマーを第1溶媒中に溶解させて溶液を形成することによって調製したポロクサマー(例えば、P188)溶液を抽出容器中に提供し、b)超臨界液体(例えば超臨界二酸化炭素)または亜臨界流体(例えば高圧二酸化炭素)と共修飾溶媒とを含む抽出溶媒を、溶液と混合して抽出混合物を形成し、この場合、抽出溶媒中の共修飾溶媒の濃度を抽出方法の時間にわたって増加させ、およびc)抽出容器から抽出溶媒を除去して、それにより不純物(例えば、LMW成分または他の成分)をポロクサマー製剤から除去することを含む。その方法では、第1溶媒中にポロクサマー溶液を溶解させるステップは、溶液を抽出容器中に装填する前、または溶液を抽出容器中に装填する時点で行うことができる。例えば、ポロクサマーを別の容器中で溶解させ、次いで溶液を抽出容器に添加する。

0144

方法は高圧または超臨界流体抽出法方法であり得る。典型的には、方法は、抽出溶媒中超臨界液体を使用する超臨界流体抽出法(SFE)を用いて実施する。超臨界液体は臨界温度以上に加熱され、臨界圧以上に圧縮された任意の液体である。例えば、二酸化炭素は31.1℃の臨界温度、および73.8barの臨界圧を有する。したがって、超臨界二酸化炭素の抽出条件は約31℃の臨界温度および約74barの臨界圧よりも高い。対照
的に、高圧抽出は、圧力は臨界圧を越えるが、温度は臨界温度を越えない亜臨界条件下で達成することができる。

0145

1.抽出の過程
a.超臨界法
ある例では、本明細書中で提供する方法で用いる超臨界流体抽出過程は、本質的に、溶媒として超臨界流体を使用する溶媒抽出過程である。超臨界流体を用いて、多成分混合物は、成分の揮発性の差および成分混合物超臨界流体溶媒との間の特定の相互作用の差を利用することによって分離できる(溶媒抽出)。相図の超臨界領域において、二酸化炭素などの圧縮可能な流体は、液体様密度および圧力に依存した大きく増加した溶解容量(solvent capacity)を示す。

0146

超臨界流体は、多くの非常に有利な特性を示し、その特性のために超臨界流体は優れた溶媒となる。例えば、超臨界流体の調節可能な溶解力は、ある範囲内の臨界状態付近で急速に変化する。超臨界流体の溶解力と、そのため抽出中に選択的に除去できる成分の性質は、超臨界流体溶媒の温度および圧力を変えることによって微調整できる。

0147

様々な超臨界流体の別の有益な特性は、それらの臨界温度および圧力の差である。各々の超臨界流体は様々な溶解力を有する。調節可能な溶解力範囲は、適切な超臨界流体を選択することによって選択できる。

0148

独自の溶解特性に加えて、超臨界流体はそれらをさらに有用にするある物理化学的特性を示す。例えば、超臨界流体は、液体様密度を示し、かつガス様輸送特性、例えば拡散性および粘性を有する。これらの特性も、臨界領域付近で急速に変化する。超臨界流体はゼロ表面張力も有する。ほとんどの有用な超臨界流体は環境温度付近または環境温度以下の沸点を有するので、精製後の溶媒除去ステップは簡単でエネルギー効率がよく、およびいかなる残留溶媒を残さない。

0149

抽出中に固体マトリックスを使用することは、分別パラメータにさらなる特徴を提供する。好適な固体マトリックスの使用は、溶質−溶媒相互作用に加えて溶媒−マトリックスおよび溶質−マトリックス相互作用を提供して、分別分解能を増強する。超臨界流体の望ましい輸送特性のために、過程は製造のために容易に拡張可能になる。熱伝達および物質伝達特性は超臨界流体抽出過程で過程をスケールアップしても有意に変化しない。圧力、温度、および流速などの抽出処理条件を精密に制御できるので、精製過程は高度に調節可能であることに加えて再現可能である。

0150

そのような方法において、抽出溶媒は超臨界液体(例えば、超臨界二酸化炭素)、ならびに抽出中に時間とともに増加する別の共修飾溶媒、概してアルカノールを含み得る。上述のように、共修飾溶媒の存在は、高分子量またはさらに非極性溶質などの溶質の溶解性を改善することができ、それによって方法でのそれらの抽出を増加させる。

0151

例えば、本明細書中で提供する方法は:a)ポロクサマーを第1アルカノール中に溶解させて溶液を形成することによって調製したポロクサマー(例えば、ポロクサマー188)溶液を抽出容器中に提供または導入し、b)第2アルカノールと超臨界液体とを含む抽出溶媒を、超臨界液体状態を作るのに充分な高圧および高温下で溶液と混合して抽出混合物を形成し、この場合、抽出溶媒中の第2アルカノールの濃度を抽出方法中に時間とともに増加させ、およびc)抽出容器から抽出溶媒を除去して、それにより不純物(例えば、LMW成分または他の成分)をポロクサマー製剤から除去することを含み得る。第1および第2アルカノールは同一または異なり得る。その方法では、第1溶媒中にポロクサマー溶液を溶解させるステップは、溶液を抽出容器中に装填する前、または溶液を抽出容器中
に装填する時点で行うことができる。例えば、ポロクサマーを別の容器中で溶解させ、次いで溶液を抽出容器に添加する。

0152

例示的過程を図1で詳述する。図1は、ポロクサマー製剤から不純物(例えば、LMW成分または他の成分)を除去する過程100を示す。抽出システムを、典型的にはステップ110で示すようにフィード混合タンク中に第1アルカノールを分注する前に、ステップ105で示すように加圧する。システムを抽出過程に好適な温度まで加熱する。温度は、典型的には超臨界液体(例えば、二酸化炭素)の臨界温度より高い温度である。概して、温度はおよそ40℃である。

0153

いかなる好適なアルカノールまたはアルカノールの組み合わせも、ポロクサマーを精製する方法で使用できる。好適なアルカノールの例としては、これらに限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール、およびブタノール他が挙げられる。例えば、本明細書中で提供する方法には、第1および第2アルカノールが各々、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、およびそれらの組み合わせから独立して選択される上述の抽出方法が含まれる。いくつかの実施形態では、第1アルカノールはメタノールである。ある例では、メタノールは精製溶媒として選択され、方法の実施における第2アルカノールである。当業者は、メタノールが比較的低い毒性を有することを理解するであろう。さらに、メタノールは、ポロクサマー188について良好な溶解性を有する。

0154

第1アルカノール(例えば、メタノール)を使用して、過程100におけるステップ115にしたがってポロクサマー溶液を形成する。P188製剤などのポロクサマーをフィードタンク中に分注し、および第1アルカノールと混合されるまで撹拌する。フィードタンクに添加するポロクサマーの量は、抽出方法のスケーラビリティ、抽出容器のサイズ、達成する純度の程度、および当業者のレベル範囲内の他の因子関数である。例えば、抽出容器1mLあたりのポロクサマー(例えば、P188)の非限定量は0.1kg〜0.5kgまたは0.2kg〜0.4kgであり得る。いくつかの例では、3Lの抽出容器を使用する抽出方法において、ポロクサマー(例えば、P188)の非限定量は0.6kg〜1.2kg、例えば0.8kg〜1.0kgであり得る。別の例では、12Lの抽出容器を使用する抽出方法において、ポロクサマー(例えば、P188)の非限定量は1.5kg〜5kg、例えば2kg〜4kgであり得る。さらなる例では、50Lの抽出容器を使用する抽出方法において、ポロクサマー(例えば、P188)の非限定量は8kg〜20kg、例えば10kg〜16kgまたは12kg〜15kgであり得る。量の変動が、特定の用途、抽出容器、出発物質の純度、および当業者のレベル範囲内の他の検討事項に応じて想定される。

0155

ポロクサマーとアルカノールとの任意の好適な比が、本明細書中で提供する方法で使用するために想定される。ポロクサマーのアルカノールに対する比は、重量基準で、例えば約4:1〜約1:4、例えば約3:1〜約1:3、2:1〜約1:2、1:1〜4:1または1:2〜1:4であり得る。例えば、ポロクサマーとアルカノールとの重量比は、約4:1、または約3:1、または約2:1、または約1:1、または約1:2、または約1:3または約1:4であり得る。例えば、ある量のポロクサマー、例えばP188を、重量基準で等しい量のアルカノール(例えば、メタノール)と混合することができる。ある量のポロクサマー、例えばP188を、重量基準でより少ない量のアルカノール、例えば重量基準で半量のアルカノール(例えば、メタノール)と混合することができる。適切なポロクサマーのアルカノールに対する比が所与のアルカノール中の溶解度などのポロクサマーの特性に依存することは、当業者には理解されるであろう。

0156

ポロクサマー/アルカノール混合物を形成した後、混合物の全部または一部をステップ
120で示すように抽出器中にポンプで供給する。そのような例では、ポロクサマー溶液を調製する過程を抽出器から独立した容器中で実施する。ポロクサマーはまた、第1アルカノールと混合する前に抽出器へ固体として導入できることを当業者は理解するであろう。したがって、ポロクサマー溶液を調製する過程は抽出容器中で直接実施することができる。

0157

過程100のステップ125で示すように、抽出器を次いで加圧し、抽出溶媒を抽出器に導入する。抽出溶媒は超臨界液体を含む。超臨界液体の例としては、これらに限定されるものではないが、二酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、アンモニア、Freon(登録商標)、水、エチレンプロピレン、メタノール、エタノール、アセトン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、圧力下の超臨界液体は、二酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、アンモニア、およびフレオンとして販売されている冷媒から選択される構成要素である。いくつかの実施形態では、圧力下の超臨界液体は二酸化炭素(CO2)である。

0158

抽出は、超臨界液体状態(例えば超臨界二酸化炭素)を維持するために高圧および高温下で行う。典型的には、これらは一定に保たれる。この圧力および温度で、超臨界液体(例えば、超臨界二酸化炭素)を実質的に一定の流速で提供する。流速は、0.5kg/h〜600kg/h、例えば1kg/h〜400kg/h、1kg/h〜250kg/h、1kg/h〜100kg/h、1kg/h〜50kg/h、1kg/h〜20kg/h、1kg/h〜10kg/h、10kg/h〜400kg/h、10kg/h〜250kg/h、10kg/h〜100kg/h、10kg/h〜50kg/h、10kg/h〜20kg/h、20kg/h〜400kg/h、20kg/h〜250kg/h、20kg/h〜100kg/h、20kg/h〜50kg/h、50kg/h〜400kg/h、50kg/h〜250kg/h、50kg/h〜100kg/h、100kg/h〜400kg/h、100kg/h〜200kg/hまたは200kg/h〜400kg/h(各々両端を含む)で変動し得る。例えば、流速は、20kg/h〜100kg/h(両端を含む)、例えば概して約100kg/hまたは100kg/hである。

0159

超臨界液体を超臨界状態で維持するいかなる好適な温度も、抽出過程を実施するために使用できる。例えば、二酸化炭素の臨界温度は約31℃である。したがって、抽出容器を、31℃を上回る温度で保持する。いくつかの実施形態では、抽出容器は、32℃〜80℃、概して32℃〜60℃または32℃〜60℃(各々、両端を含む)の温度を有する。例えば、温度は、35℃以下、36℃以下、37℃以下、38℃以下、39℃以下、40℃以下、41℃以下、42℃以下、43℃以下、44℃以下、45℃以下、50℃以下または60℃以下の温度であり得る。概して、温度は31℃を上回るが40℃以下である。当業者は、温度がひとつには抽出溶媒の組成ならびに過程で採用した溶媒中の所与のポロクサマーの溶解度に応じて変化し得ることを理解するであろう。

0160

あらゆる好適な圧力を当該方法で使用することができる。超臨界流体抽出法を用いる場合、系をあるレベルで加圧して、超臨界液体が臨界圧よりも高い圧力でとどまることを確実にする。例えば、二酸化炭素の臨界圧は約74barである。したがって、抽出容器を74bar超まで加圧する。特定の程度の圧力は超臨界液体の溶解特性を変更し得る。したがって、選択された特定の圧力は、収率および不純物の抽出の程度に影響を及ぼし得る。典型的には、抽出容器を125〜500barの範囲内で加圧する。いくつかの実施形態において、抽出容器を200bar〜400bar、200bar〜340bar、200bar〜300bar、200bar〜280bar、200bar〜260bar、200bar〜240bar、200bar〜220bar、220bar〜400bar、220bar〜340bar、220bar〜300bar、220bar〜280bar、220bar〜260bar、220bar〜240bar、240bar〜
400bar、240bar〜340bar、240bar〜300bar、240bar〜280bar、240bar〜260bar、260bar〜400bar、260bar〜340bar、260bar〜300bar、260bar〜280bar、280bar〜400bar、280bar〜340bar、280bar〜300barまたは300bar〜340barの範囲内で加圧する。例えば、抽出容器を、およそまたは少なくとも225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、または400bar、概して500bar以下で加圧することができる。抽出容器を例えば310±15barで加圧することができる。

0161

典型的には、本明細書中で提供する方法において、抽出容器中に導入する抽出溶媒はアルカノールも含む。したがって、抽出溶媒は第2アルカノールおよび超臨界液体を高圧および高温下で含む。第2アルカノールは超臨界液体の共溶媒修飾因子として、超臨界液体の溶媒特性を変える働きをし、方法における溶質の抽出性を改善する働きをする。任意の好適なアルカノールまたはアルカノールの組み合わせを、上述のように、本明細書中で提供する方法で第2アルカノールとして使用できる。上述のように、特定の例では、第2アルカノールはメタノールである。

0162

上述のいかなるものなど、第2アルカノールと超臨界液体とのいかなる好適な組み合わせも、本明細書中で提供する方法において抽出溶媒中で使用することができる。いくつかの実施形態では、抽出溶媒はメタノールおよび二酸化炭素を含む。第2アルカノールを、典型的には、3%〜20%、概して3%〜15%、例えば5%〜12%、5%〜10%、5%〜9%、5%〜8%、5%〜7%、7%〜15%、7%〜12%、7%〜10%、7%〜9%、7%〜8%、8%〜15%、8%〜12%、8%〜10%、8%〜9%、9%〜15%、9%〜12%、9%〜10%、10%〜15%、または10%〜12%(各々両端を含む)である全抽出溶媒のパーセンテージ(w/w)として提供する。アルカノールの流速(kg/h)は抽出器に導入するアルカノールの量の関数である。

0163

例えば、アルカノール(例えば、メタノール)の超臨界液体(例えば、二酸化炭素)に対する好適な比は、ポロクサマー出発物質のアイデンティティーおよび純度に基づいて、または温度もしくは圧力などの他の抽出パラメータに基づいて、選択できる。例えば、アルカノール(例えば、メタノール)の超臨界液体(例えば、二酸化炭素)に対する比は、約1:100〜約20:100であり得る。いくつかの実施形態では、アルカノール(例えば、メタノール)の超臨界液体(例えば、二酸化炭素)に対する比は約1:100〜約15:100である。いくつかの実施形態では、アルカノール(例えば、メタノール)の超臨界液体(例えば、二酸化炭素)に対する比は約2:100〜約14:100である。アルカノール(例えば、メタノール)の超臨界液体(例えば、二酸化炭素)に対する比は、約3:100、または約4:100、または約5:100、または約6:100、または約7:100、または約8:100、または約9:100、または約10:100、または約11:100、または約12:100、または約13:100、または約14:100であり得る。

0164

ある態様では、抽出溶媒の組成が抽出手順全体にわたって一定のままであるアイソクラティック方式で抽出を実施できる。例えば、超臨界液体(例えば、二酸化炭素)およびアルカノール(例えば、メタノール)の量は、例えば、各々の一定流速を維持することによって、抽出の時間にわたって一定である。あるいは、抽出溶媒の組成は、典型的には、抽出溶媒を構成する超臨界液体および/またはアルカノール成分の量を変える(例えば、増加または減少させる)ことによって、時間とともに変えることができる。概して、超臨界
液体(例えば、二酸化炭素)を一定に保ち、一方で、抽出溶媒中のアルカノール(例えば、メタノール)の濃度を抽出の時間にわたって変える(例えば、増加または減少させる)。成分の濃度は、流速を調節することによって変えることができる。

0165

抽出溶媒の組成が時間とともに変化し得る態様において、抽出過程が進行するにつれて第2アルカノールを段階式勾配として、または連続上昇式勾配のいずれかで増加させる方法は、その方法にとって有益である。ある場合では、商業等級ポロクサマーは、主生成物または成分とともに高分子量成分および低分子量成分の両方を有する。高圧二酸化炭素抽出流体中の低アルカノール(例えば、メタノール)濃度は、低分子量成分を選択的に除去できる。しかしながら、不純物を多く含む抽出可能物の溶解性は低く、および低分子量成分を有意に減少させるには時間がかかり、そのために効果的でなくなる。抽出溶媒のアルカノール濃度を勾配方式(段階式勾配または連続上昇式勾配としてのいずれか)で増加させることによって、抽出物される低分子量不純物の量が増加する。

0166

さらに、アルカノール(例えば、メタノール)濃度が高いほど、より高分子量成分の溶解度、したがって抽出が増加する。したがって、抽出溶媒中のアルカノール(例えば、メタノール)濃度が連続して高くなる勾配で漸進的に低分子量成分を、および最終的には高分子量成分、すなわち溶解しにくい成分を抽出できる。これを説明するための非限定例として、約6.6%w/wの低いアルカノール(例えば、メタノール)濃度は低分子量成分を除去できると考えられる。アルカノールの濃度を1%〜3%増加させることで、低分子量成分の抽出の実施を続けるが、高分子量成分も除去する。アルカノールの濃度を1%〜3%さらに増加することで、これらの成分、ならびに高分子量を有する、および/または先の抽出溶媒中に溶けにくい他の成分もさらに除去する。

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