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技術 感音性難聴の治療用のステロール誘導体の利用及び対応する組成物

出願人 アフィシェン
発明者 ドゥメディナ,フィリップパヤース,ミシェルウルフェンダール,マット
出願日 2015年7月28日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2017-526020
公開日 2017年8月17日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-523240
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 信号エミッタ 機械的信号 閾値測定 聴覚信号 経時的推移 蝸牛インプラント 電気情報 蝸牛軸
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

解決手段

対象者における難聴を予防するための、又は治療前聴覚機能が低下していた治療対象者聴覚の少なくとも部分的な修復を得るための組成物。該組成物は神経分化誘導する少なくとも1つのステロール化合物を含み、蝸牛の少なくとも一部分と接触させる。

概要

背景

難聴世界保健機構によると(2012年)、世界中で3億6000万人以上の人が患っている一般的疾患である。世界保健機構が考慮に入れた難聴は、25dBを超える喪失である。この病気は、これを患う者及び社会にとって、経済的にも感情的にも重大な有害な影響をもたらす(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。加齢(65超のヒトの50%、75才超のヒトの80%が罹患している)、騒音、身体的又は心的外傷、さらには遺伝的因子などの多くの因子が、有毛細胞機能不全又は喪失、それに続いて難聴を導く聴神経変性の原因となり得る。

損傷を受けていない聴覚器官の中で、音は鼓膜振動により脳の専門化した細胞に伝達され、鼓膜は内耳に対して機械的に情報を伝達することが知られている。内耳内には、前記機械的信号電気信号に変換する有毛細胞(以下HCと呼ぶ)があり、螺旋神経節ニューロン(以下SGNと呼ぶ)により脳に伝達される電気情報を生成する。有毛細胞は、「蝸牛」と呼ばれる螺旋状の器官により担持され、蝸牛は、並んで配置され一方は外リンパ、他方は内リンパという液体が満たされた2つの螺旋状のチャンバを有し、これら2つのチャンバの間に有毛細胞が配置されている。

中度又は重度感音性難聴は、少なくとも3つのタイプの機能不全に起因しうる。第1には、感覚細胞HCの機能不全又は部分的喪失、第2には、細胞HCの信号を脳に伝達する、螺旋神経節のニューロン(以下略してSGNと呼ぶ)の軸索変性聴覚神経疾患)、そして第3には、細胞HCとニューロンSGNの間のシナプス結合構造破壊聴覚シナプス変性症)である。難聴を引き起こすこれらの異なる機序は、図1に図式化されており、この図については、本明細書の中で詳しく後述される。

有毛細胞が喪失した場合、信号は、蝸牛インプラントによって伝達されうる。それは、細胞HCに代わる電極を有する。ヒトにおいては、このような場合、SGNは変性し、特に細胞HCの方を指すその軸索を失うが、死滅するわけではない。したがって、聴覚の維持又は回復の鍵は、細胞HC又は蝸牛インプラントのいずれであれ、SGNと音響信号を受け取る変換器との間の結合を再構築することのできる軸索の再生にある。

細胞HCの喪失に結びつけられる難聴については、蝸牛インプラントだけが唯一聴覚を改善するが、その有効性は、SGNの完全性によって直接影響され、このインプラントは、SGNの変性を妨げるわけではない。したがって、神経終端と電極の間の距離を減少させることのできる軸索の再成長は、蝸牛インプラントの有効性を改善するために有利なアプローチである(非特許文献5)。他の全ての形態については、今日までのところ、満足のいく対症解決法治癒的解決法も存在しない。ニューロンの存続及び軸索再成長に対して有益な効果を示した唯一の分子である神経栄養因子は、体重減少(非特許文献6)、制御不能細胞移動(非特許文献7)及びショワン細胞の異常増殖に結びつけられるガンリスク(非特許文献8)などの副作用を理由として使用不可能である。徹底的な研究にも関わらず、これまでのところ、以上の問題点を解決するための満足できる解決法はなく、したがって、新しいアプローチが必要である。

多能性腫瘍細胞ニューロン分化、培養中の運動ニューロンの存続、成人ニューロン前駆細胞の増殖及び分化を誘発する化合物である、新規ステロール誘導体がすでに記述されている。(非特許文献9及び非特許文献10)。当業者であっても、当然ここから、これらの化合物が、以上で指摘したように、治療対象ゾーン内のニューロンの数の問題ではなく、ニューロンの結合の問題に結びつけられる病状について有利であることを演繹することはできない。したがって、当業者は、一方ではニューロンSGNと、他方では少なくとも部分的に機能的である有毛細胞又は蝸牛インプラントの電極で構成される信号エミッタとの間の結合を再形成するために、前記ステロール誘導体を利用しようとは絶対にしないと思われる。

ところが、今日、本発明によると、ストレスにより難聴にされた実験室動物に対しこれらの化合物を使用した場合、(有毛細胞に代わる蝸牛インプラントの電極により)電気パルスの形に翻訳された音情報の伝達の維持が得られ、ここで該情報は、SGNを通して脳へ向かって、しかも前記動物のSGN数を増大させることなく伝達されることが確認されている。

概要

対象者における難聴を予防するための、又は治療前聴覚機能が低下していた治療対象者の聴覚の少なくとも部分的な修復を得るための組成物。該組成物は神経分化誘導する少なくとも1つのステロール化合物を含み、蝸牛の少なくとも一部分と接触させる。

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請求項1

聴覚機能が低下している蝸牛の少なくとも一部分と組成物を接触させることによって、対象者における難聴を予防するための、又は治療前は聴覚機能が低下していた治療対象者聴覚の少なくとも部分的な修復を得るための前記組成物において、前記組成物は、薬学的に許容されるビヒクル内に、下記式(I)の少なくとも1つの化合物を含み、式中、R1はH又はR−COであって、RはH、CH3又はC2H5であり、R2はH又はOHであり、R3は−NR5R6であり[ここで、R5はH又は−(CH2)3NH2であり、R6は−(CH2)4NH2、−(CH2)3NH(CH2)4NH2、−(CH2)4NH(CH2)3NH2、−(CH2)3NH(CH2)4NH(CH2)3NH2、−(CH2)3NH2、−(CH2)2−イミダゾール−4−イル及び−(CH2)2−インドール−3−イルからなる群から選択される]、R4は、R又はSの立体配置不斉中心を得るように配置された20、22、24、25、26又は27位のH又はOHであり、Z1及びZ2の各々は、それぞれ炭素原子C7とC8及びC22とC23の間の二重結合数を表し(0又は1)、T1、T2及びT3は互いに独立してH又はCH3であり、T4は、24位でR又はSの立体配置の不斉中心を得るように配置されたH、CH3、又はC2H5であり、及び/又は式(I)の少なくとも1つの化合物の薬学的に許容される少なくとも1つの塩を含んでいることを特徴とする組成物。

請求項2

式(I)の化合物が、Z1は0、R1はH、R2はOH、R3はNHR6であり[ここでR6は−(CH2)3NH(CH2)4NH(CH2)3NH2又は−(CH2)2−イミダゾール−4イルである]、T1=T2=T3=Hであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。

請求項3

式(I)の化合物が、Z1は0又は1、R1はH、R2はOH、R3は−NHR6であり[ここでR6は−(CH2)3NH(CH2)4NH2又は−(CH2)4NH(CH2)3NH2である]、T1=T2=T3=H、R4は22又は27位のH又はOHであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。

請求項4

式(I)の化合物が、Z1は0、R1はアセチル、R2はOH、R4はH、R3はNH−(CH2)2−イミダゾール−4−イル及びT1=T2=T3=Hであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。

請求項5

信号変換器有毛細胞又は電極)から脳に向かっての聴覚信号の伝達を改善するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。

請求項6

治療対象者に予め設置された蝸牛インプラントの有効性を改善するための、請求項5に記載の組成物。

請求項7

治療対象者に対し、螺旋神経節ニューロン又は内有毛細胞及び外有毛細胞の数及び/又は機能性を刺激するための少なくとも1つの療法を実施する前に、前記対象者における前記ニューロンの機能性を改善するための、請求項5に記載の組成物。

請求項8

外傷又は疾病に起因する難聴を理由として蝸牛インプラントの設置を必要とする対象者における前記蝸牛インプラントの移植前に螺旋神経節のニューロンの機能性を維持するための、請求項5に記載の組成物。

請求項9

内耳全体又はその一部分を修復することを目指す療法からの効果をその後に対象者が、より多く享受できるようにすることを目的とし、前記療法が、内耳全体又はその一部分の中での、幹細胞移植支持細胞分化転換による有毛細胞の再生遺伝子導入及び遺伝子ブロックからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。

請求項10

前記組成物を、経口投与静脈内投与鼓室投与蝸牛内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与、蝸牛の正円窓又は卵円窓上投与、又は鼓膜上投与することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物を対象者の内耳内に配置する方法。

請求項11

前記組成物が含侵された又は塗布された電極、前記組成物が装填されたカニューレを含む電極、又は前記組成物の1つ以上の化合物で部分的に構成された電極を利用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物を対象者の蝸牛の正円窓又は卵円窓上、又は鼓膜上に配置する方法。

請求項12

耳毒性ベル騒音、耳毒性作用物質放射線抗生物質抗炎症薬化学療法剤重金属、又は対象者の加齢により発症した外傷を有する対象者に対し、修復が恩恵を与えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。

請求項13

耳炎ペンドレッド症候群ニーマンピック症候群スミス−レムリーオピッツ症候群、スティックラー症候群、チャージ症候群、ジャーベル・ランゲニールセン症候群、ノリエ症候群、アッシャー症候群ワールデンブルグ症候群、ペロー症候群、神経線維腫症2型鰓弓腎症候群からなる群の中から選択される疾病により発症した難聴を有する対象者に対し、修復が恩恵を与えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。

請求項14

一方では螺旋神経節のニューロンと、他方では有毛細胞又は蝸牛電極との間の結合の質を維持及び/又は改善するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。

技術分野

0001

本発明は、難聴対処に関する。より厳密には、本発明は、式Iの分子又はこの化合物薬学的に許容できる塩の使用に関する。本発明に係る組成物は、対象者に対して、対象者の難聴を回避するか又はその聴覚修復するために投与される。

背景技術

0002

難聴は世界保健機構によると(2012年)、世界中で3億6000万人以上の人が患っている一般的疾患である。世界保健機構が考慮に入れた難聴は、25dBを超える喪失である。この病気は、これを患う者及び社会にとって、経済的にも感情的にも重大な有害な影響をもたらす(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。加齢(65超のヒトの50%、75才超のヒトの80%が罹患している)、騒音、身体的又は心的外傷、さらには遺伝的因子などの多くの因子が、有毛細胞機能不全又は喪失、それに続いて難聴を導く聴神経変性の原因となり得る。

0003

損傷を受けていない聴覚器官の中で、音は鼓膜振動により脳の専門化した細胞に伝達され、鼓膜は内耳に対して機械的に情報を伝達することが知られている。内耳内には、前記機械的信号電気信号に変換する有毛細胞(以下HCと呼ぶ)があり、螺旋神経節ニューロン(以下SGNと呼ぶ)により脳に伝達される電気情報を生成する。有毛細胞は、「蝸牛」と呼ばれる螺旋状の器官により担持され、蝸牛は、並んで配置され一方は外リンパ、他方は内リンパという液体が満たされた2つの螺旋状のチャンバを有し、これら2つのチャンバの間に有毛細胞が配置されている。

0004

中度又は重度感音性難聴は、少なくとも3つのタイプの機能不全に起因しうる。第1には、感覚細胞HCの機能不全又は部分的喪失、第2には、細胞HCの信号を脳に伝達する、螺旋神経節のニューロン(以下略してSGNと呼ぶ)の軸索変性聴覚神経疾患)、そして第3には、細胞HCとニューロンSGNの間のシナプス結合構造破壊(聴覚シナプス変性症)である。難聴を引き起こすこれらの異なる機序は、図1図式化されており、この図については、本明細書の中で詳しく後述される。

0005

有毛細胞が喪失した場合、信号は、蝸牛インプラントによって伝達されうる。それは、細胞HCに代わる電極を有する。ヒトにおいては、このような場合、SGNは変性し、特に細胞HCの方を指すその軸索を失うが、死滅するわけではない。したがって、聴覚の維持又は回復の鍵は、細胞HC又は蝸牛インプラントのいずれであれ、SGNと音響信号を受け取る変換器との間の結合を再構築することのできる軸索の再生にある。

0006

細胞HCの喪失に結びつけられる難聴については、蝸牛インプラントだけが唯一聴覚を改善するが、その有効性は、SGNの完全性によって直接影響され、このインプラントは、SGNの変性を妨げるわけではない。したがって、神経終端と電極の間の距離を減少させることのできる軸索の再成長は、蝸牛インプラントの有効性を改善するために有利なアプローチである(非特許文献5)。他の全ての形態については、今日までのところ、満足のいく対症解決法治癒的解決法も存在しない。ニューロンの存続及び軸索再成長に対して有益な効果を示した唯一の分子である神経栄養因子は、体重減少(非特許文献6)、制御不能細胞移動(非特許文献7)及びショワン細胞の異常増殖に結びつけられるガンリスク(非特許文献8)などの副作用を理由として使用不可能である。徹底的な研究にも関わらず、これまでのところ、以上の問題点を解決するための満足できる解決法はなく、したがって、新しいアプローチが必要である。

0007

多能性腫瘍細胞ニューロン分化、培養中の運動ニューロンの存続、成人ニューロン前駆細胞の増殖及び分化を誘発する化合物である、新規ステロール誘導体がすでに記述されている。(非特許文献9及び非特許文献10)。当業者であっても、当然ここから、これらの化合物が、以上で指摘したように、治療対象ゾーン内のニューロンの数の問題ではなく、ニューロンの結合の問題に結びつけられる病状について有利であることを演繹することはできない。したがって、当業者は、一方ではニューロンSGNと、他方では少なくとも部分的に機能的である有毛細胞又は蝸牛インプラントの電極で構成される信号エミッタとの間の結合を再形成するために、前記ステロール誘導体を利用しようとは絶対にしないと思われる。

0008

ところが、今日、本発明によると、ストレスにより難聴にされた実験室動物に対しこれらの化合物を使用した場合、(有毛細胞に代わる蝸牛インプラントの電極により)電気パルスの形に翻訳された音情報の伝達の維持が得られ、ここで該情報は、SGNを通して脳へ向かって、しかも前記動物のSGN数を増大させることなく伝達されることが確認されている。

先行技術

0009

de Graafら、Psychosom Med 64、61〜70
Fellingerら、Acta Psychiatr Scand 115、243〜5
Fellingerら、Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol 40、737−42
Mohrら、Policy Anal Brief H Ser2、1〜4
Shibataら、Hear Res 281、56〜64
Winklerら、Ann Neurol 41、82〜93
Williams、Exp Neurol 113、31〜7
Eriksdotter Jonhagenら、Dement Geriatr Cogn Disord 9、246〜57
de Medinaら、2009、J Med Chem 52、7765〜77
Khalifaら、2003、Biochem Biophys Res Commun 446、681〜6

0010

したがって、本発明の目的は、聴覚機能が低下しているの蝸牛の少なくとも一部分と医薬組成物を接触させることによって、対象者における難聴を予防するための、又は治療前は聴覚機能が低下していた治療対象者の聴覚の少なくとも部分的な治療的修復を得るための前記医薬組成物において、
該組成物は、薬学的に許容されるビヒクル内に、有意な用量の下記式(I)の少なくとも1つの化合物を含み、



式中、R1はH又はR−COであって、RはH、CH3又はC2H5であり、
R2はH又はOHであり、
R3は−NR5R6であって、R5はH又は−(CH2)3NH2であり、R6は−(CH2)4NH2、−(CH2)3NH(CH2)4NH2、−(CH2)4NH(CH2)3NH2、−(CH2)3NH(CH2)4NH(CH2)3NH2、−(CH2)3NH2、−(CH2)2−イミダゾール−4−イル及び−(CH2)2−インドール−3−イルからなる群から選択され、
R4は、R又はSの立体配置不斉中心を得るように配置された20、22、24、25、26又は27位のH又はOHであり、
Z1及びZ2は、それぞれ原子C7とC8及びC22とC23の間の二重結合数(0又は1)であり、
T1、T2及びT3は互いに独立してH又はCH3であり、
T4は、24位でR又はSの立体配置の不斉中心を得るように配置されたH、CH3、又はC2H5であり、
及び/又は式(I)の少なくとも1つの化合物の薬学的に許容される少なくとも1つの塩を含んでいることを特徴とする組成物にある。

0011

上で規定された組成物の中で、以下の特徴を有する下位群の化合物について得られた結果が特に有利であったことが確認された。すなわち、
a)式(I)において、Z1は0、R1はH、R2はOH、R3は−NHR6であり[ここでR6は−(CH2)3NH(CH2)4NH(CH2)3NH2又は−(CH2)2−イミダゾール−4イルである]、T1=T2=T3=Hである化合物、
b)式(I)において、Z1は0又は1、R1はH、R2はOH、R3は−NHR6であり[ここでR6は−(CH2)3NH(CH2)4NH2又は−(CH2)4NH(CH2)3NH2である]、T1=T2=T3=H、R4は22又は27位のH又はOHである化合物、
c)式(I)において、Z1は0、R1はアセチル、R2はOH、R4はH、R3はNH−(CH2)2−イミダゾール−4−イル及びT1=T2=T3=Hである化合物である。

0012

本発明の第1の態様によると、本発明に係る組成物によってもたらされる修復は、治療対象者に予め設置された蝸牛インプラントの有効性の改善である。

0013

本発明の別の態様によると、本発明に係る組成物を用いて得られる修復は、治療対象者に対し、螺旋神経節のニューロン又は内有毛細胞及び外有毛細胞刺激するための少なくとも1つの療法を実施する前に、該治療対象者における前記ニューロンの機能性を改善する。

0014

本発明の別の態様によると、本発明に係る組成物によってもたらされる修復は、外傷又は疾病に起因する難聴を理由として蝸牛インプラントの設置を必要とする対象者に対して恩恵を与え、前記修復は、前記蝸牛インプラントの移植の前に螺旋神経節のニューロンの機能性を維持する。

0015

本発明の別の態様によると、本発明に係る組成物は、内耳全体又はその一部分を修復することを目指す療法からの効果をその後に対象者が、より多く享受できるようにするために使用され、前記療法は、内耳全体又はその一部分の中での、幹細胞の移植、支持細胞分化転換遺伝子導入及び遺伝子ブロックからなる群の中から選択される。

0016

本発明の別の態様によると、本発明に係る組成物は、経口投与静脈内投与鼓室内投与、蝸牛内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与、蝸牛の正円窓又は卵円窓上投与、又は鼓膜上投与される。

0017

本発明の別の態様によると、本発明に係る組成物は、前記組成物が含侵された又は塗布された電極、前記組成物が装填されたカニューレを含む電極、又は式(I)の1つ以上の化合物で部分的に構成された電極によって内耳内に配置される。

0018

本発明の別の態様によると、本発明に係る組成物によって得られる修復は、耳毒性ベルの騒音、耳毒性作用物質、例えば、放射線抗生物質抗炎症薬化学療法剤重金属、又は対象者の加齢により発症した外傷を有する対象者に対し恩恵を与える。

0019

本発明の別の態様によると、本発明に係る組成物は、耳炎ペンドレッド(Pendred)症候群ニーマンピック(Niemann-Pick)症候群、スミス−レムリーオピッツ(Smith-Lemli-Opitz)症候群、スティックラー(Stickler)症候群、アルポート(Alport)症候群、チャージCHARGE)症候群、ジャーベル・ランゲニールセン(Jervell and Lange-Nielsen)症候群、ノリエ(Norrie)症候群、アッシャー(Usher)症候群、ワールデンブルグ(Waardenburg)症候群、ペロー(Perrault)症候群、神経線維腫症2型、及び鰓弓腎症候群からなる群の中から選択された疾病により発症した難聴を有する対象者に恩恵を与える修復を可能にする。

0020

また、本発明は、一方ではSGNと、他方では有毛細胞又は蝸牛インプラント電極との間の結合の質を維持及び/又は改善するための、以上で規定した組成物の使用である。

0021

本発明の実施は、3つの例によって例示されており、5つの図を含む図面はこれらに対応している。

図面の簡単な説明

0022

本発明が改善できる感音性難聴をもたらす内耳の異なる疾患並びにそれに関係する細胞作用に関する図式である。 この図は、3つの枠組を含んでいる。すなわち、左の枠組は、内耳疾患のない対象者の場合におけるSGNと細胞HCのシナプス結合Sを提示する。中央の枠組は、3つの機能不全の症例A、B、CにおけるSGN/HC結合の状態を提示する。すなわち、機能不全Aにおいて、ニューロンSGNはもはや、以前にSに接続されていた細胞HC(破線)の無機能を理由としてそのシナプスSの情報を受けとらない。機能不全Bにおいては、SGNは、そのシナプスがもはやその結合の役目を果たさないこと(左欄)、及びSGNが変性すること(右欄)から、そのシナプスの情報を受けとらない。機能不全Cにおいては、SGNはもはや作動可能受容シナプスを有さず(左欄)、したがって、細胞HC由来放射はもはやSGNに供給されず、その時からSGNは変性する(右欄)。右欄は、機能不全A(HC喪失)、B(シナプス変性症)及びC(神経障害)が関与する要素に対して製品DA又はDBを作用させた時の結果を提示し、右欄の表現は、治療及び聴覚の部分的回復後の状態を示す(矩形Dは、SGNの電気刺激を図式化している)。
本発明に係る組成物を用いた治療が、ネオマイシンによる聴神経障害の誘発開始から2日後に始まった場合の、電気聴性脳幹反応(eABR)の経時的推移曲線を示すグラフである。
前記組成物での治療が、ネオマイシンによる聴神経障害の誘発開始から16日後に始まった場合の、電気聴性脳幹反応(eABR)の経時的推移曲線を示すグラフである。
ネオマイシンに曝露されなかった耳について得られるもの(図4の左側の最初の棒)に比べた、図1及び2に関連する実験における螺旋神経節のニューロン数を示す、棒グラフである。
図4報告した螺旋神経節のニューロン数の定量化並びに治療によってもたらされた軸索再成長を例示する、蝸牛軸の中央レベルで取った蝸牛の小薄片の3枚の一連写真である。各写真には、治療のために使用された製品の内容(AP、DB及びGDEF)を表示している。

0023

図中、以下の略語が使用されている。
AP:人工外リンパ液(リンゲルアセテート
DA:6β−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチルアミノ]−コレスタン−3β,5α−ジオール
DB:6β−[3−(4−アミノブチルアミノプロピルアミノ]−コレスタン−3β,5α−ジオール
eABR:電気聴性脳幹反応
Neo:ネオマイシン
GDNF:グリア細胞由来神経栄養因子
GC:螺旋神経節の細胞

0024

表1は、SGN密度及び電気聴性脳幹反応(eABR)に対する実施例1ないし3の中で使用された分子の効果をまとめている。

0025

0026

以下では、「結合」及び「シナプス結合」なる用語は、螺旋神経節のニューロンの適切な刺激を可能にする蝸牛インプラントの電極又は有毛細胞と螺旋神経節のニューロンとの間の機能的相互作用を意味する。

0027

「ストレス」なる用語は、機能的シナプス結合の喪失の原因及び/又は螺旋神経節のニューロン投射の喪失の原因を意味する。

0028

実施例1ないし3の研究をモルモット(体重250〜500g)について行った。蝸牛インプラントをまねるために、蝸牛内に挿入される白金イリジウム電極を、全ての動物に装備させた。Raphael及びその共同研究者によって記述されたプロトコルにしたがって、実験を行った(Shinoharaら、2002、Proc.Nati.Acad.Sci.USA、99、1657〜60))。

0029

実施例1:螺旋神経節のニューロンSGNの興奮性に対する、式(I)の誘導体を用いた早期治療効果

0030

動物に麻酔を施し(体重1kgあたり10mgのキシラジン及び体重1kgあたり40mgのケタミン筋肉注射)、耳介後部で内耳を切開した。10%の硫酸ネオマイシン24μlの入った予め充填したカニューレを、毎時0.5μlの流量を有する浸透圧ミニポンプ(ALZET 2002、DURECT Corp、CA、USA)に連結した。カニューレは、鼓室階に到達するように正円窓の近傍で蝸牛内に進入した。48時間後に、カニューレに6β−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチルアミノ]−コレスタン−3β,5α−ジオール溶液(1μM)か、6β−[3−(4−アミノブチルアミノ)プロピルアミノ]−コレスタン−3β,5α−ジオール溶液(1μM)か、GDNF(1μg/ml)か、あるいは対照として人工外リンパ液を充填した。2週間後に、ポンプを取外し、同様に予め充填された同一の新しいポンプと取替えた。さらに2週間後に、ポンプを取外し、カニューレをさらに2週間埋込んだ。この技術は、以上で特定したShinoharaの刊行物の1658頁目に詳述されている。

0031

ポンプの設置時点で正円窓を介して蝸牛(鼓室階)内に1.5mm挿入されたイリジウム−白金電極(Pt−Ir90%〜10%、直径250μm)を用いて、電気聴性脳幹反応(eABR)の閾値測定を行い、対極板(Pt−Ir、直径125μm)を首筋の筋肉下で、後頭骨に接して設置した。実験全体を通したeABR閾値測定は、第2週までは、グループ間での有意な差異を示さなかった。それ以降は、図2に示されるように、治療対象グループ対照グループの間には、eABR閾値の有意な減少が存在した(第2週でP<0.05、4週間を超えるとP<0.001)。第6週以降は、対照グループの動物では、いかなるeABRも得ることができなかった。以上で規定したものと同じ条件下に置かれたものの、製品DA又はDBによる治療を受けていない動物に対して、起こりうるeABR刺激はなかった。

0032

実施例2:螺旋神経節のニューロンの興奮性に対する、実施例1で使用された誘導体DA又はDBを用いて実施された遅延治療の効果

0033

使用される手順は、硫酸ネオマイシンの注入後、ポンプには2週間、人工外リンパ液が充填されるという点以外、実施例1の場合と同じである。取替えの際に、ポンプを、6β−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチルアミノ]−コレスタン−3β,5α−ジオール溶液(1μM)か、6β−[3−(4−アミノブチルアミノ)プロピルアミノ]−コレスタン−3β,5α−ジオール溶液(1μM)か、GDNF(1μg/ml)か、あるいは対照として人工外リンパ液の入った同一のポンプと取替えた。これらのポンプを、2週間後に、同じ溶液が予め充填されたさらに2週間のための同一のポンプと取替えた。

0034

実験全体を通しての電気聴性脳幹反応(eABR)の閾値測定は、第4週までは、治療対象グループと対照グループの間で有意な差異を示した。第5週以降は、図3に示されているように、6β−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチルアミノ]−コレスタン−3β,5α−ジオール溶液で治療したグループと対照グループの間にはもはや有意な差異はなく、一方、6β−[3−(4−アミノブチルアミノ)プロピルアミノ]−コレスタン−3β,5α−ジオールで治療したグループと対照グループの間に有意な差異(P<0.001)が存在していた。以上で規定したものと同じ条件下に置かれたものの、製品DA又はDBによる治療を受けていない動物に対して、起こりうるeABR刺激はなかった。

0035

実施例3:ローゼンタール流路内でのSGN密度の定量化

0036

eABR閾値の最終測定の後、ペントバルビタールナトリウム(25mg/kg)を用いて腹腔内で動物に深麻酔を施し、食塩溶液により心臓内潅流を行って(37℃)血液を除去し、次に低温グルタルアルデヒド溶液(0.1Mのリン酸塩液中2.5%)により心臓内潅流して組織を固定する。側頭骨を取り出し、次に水疱を開いて蝸牛をさらけ出した。蝸牛の頂端及び正円窓の膜の中に小窓を開けて、グルタルアルデヒド溶液で蝸牛を軽く洗浄できるようにした。その後、蝸牛をEDTA溶液(リン酸援衝液中0.1M)の中で脱灰して、切断を行うことができるようにした。脱灰の後、蝸牛を脱水し、「プラスチックJB−4」(Polyscience Inc,Warrington,PA)内に封入した。蝸牛を、厚み4μmの小薄片に切りわけた。ローゼンタール流路の6つの断面を内部に識別できる1つの小薄片によって特徴づけされる蝸牛軸の中央で、3つのうちの1つの小薄片を分析のために保存した(こうして螺旋神経節の同じニューロンを複数回計数するのを回避できる)。小薄片を、「Paragon」を用いてスライドグラス上に取付けトルイジンブルーで染色し、顕微鏡検査のために準備した。6つの小薄片のローゼンタール流路の6つの断面を各動物グループ(Sigma Pro Scan)について分析して、螺旋神経節のニューロンを1つずつ数えた。SGNについて選択された基準は、14〜20μmの細胞直径であり、核の直径は7〜10μmであった。こうして、SGNの平均密度を計算し、図4にそれを提示する。ローゼンタール流路の断面図は、図5に示されている。

0037

実施例1については、GDNFでの治療のみが、人工外リンパ液(P<0.001)で治療された対照グループと比べてSGN数の有意な差異を誘発した。実施例2については、いかなる遅延治療も対照グループと比べて有意な差異を誘発していない。

実施例

0038

しかしながら、組織学的分析は(図5を参照)、SGNの軸索がAPで治療した動物については識別できなかったにも関わらず、DBで治療した動物については、厚く長いものであることを明らかにしている。このことは、軸索のサイズが大きくなる(信号変換器とニューロンの間の距離が減少する)につれてニューロンの電気抵抗が小さくなることから、DBの有効性を説明している。

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