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技術 マンガンビスマスを含む異方性複合焼結磁石及びその常圧焼結方法

出願人 エルジーエレクトロニクスインコーポレイティド
発明者 キムチンペピョンヤンウ
出願日 2015年6月25日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-532106
公開日 2017年8月10日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2017-522711
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 焼結方式 冷却ホイール 初期焼結 円周速度 磁性素材 Bi相 急冷過程 フェライト永久磁石
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課題・解決手段

本発明は、磁気特性が向上したMnBiを含む異方性複合焼結磁石及びその常圧焼結製造方法に関する。本発明のMnBiを含む異方性複合焼結磁石は、非常に優れた磁気特性を実現できるので従来の希土類ボンド磁石代替が可能であり、常圧焼結方法で製造されるので連続工程が可能であり、従来の永久磁石工程で用いられていた焼結方式をそのまま用いるので経済的である。

概要

背景

ネオジム磁石は、ネオジム(Nd)、酸化鉄(Fe)、ホウ素(B)を主成分とする成形焼結品であって、非常に優れた磁気特性を有する。このような高特性のネオジム(Nd)系バルク磁石需要急増しているが、希土類元素資源需給不均衡の問題は、次世代産業に必要な高性能モータを供給する上で大きな障害要因となっている。

フェライト磁石は、磁気特性が安定しており、強力な磁力磁石を必要としない場合に用いられる安価な磁石であって、通常黒色を帯びる。フェライト磁石は、DCモータコンパス電話機タコメータスピーカスピードメータテレビリードスイッチ、時計ムーブメントなど様々な用途に用いられており、軽量かつ安価であるという利点があるが、高価なネオジム(Nd)系バルク磁石を代替できる程度に優れた磁気特性は有していないという問題がある。よって、希土類系磁石を代替できる高特性の新規磁性素材の開発の必要性が高まっている。

MnBiは、脱希土類素材永久磁石であって、−123〜277℃の温度区間保磁力が正の温度係数(positive temperature coefficient)を有するので、150℃以上の温度ではNd2Fe14B永久磁石より保磁力が大きい特性を有する。よって、MnBiは、高温(100〜200℃)で駆動されるモータへの適用に適した素材である。磁気性能指数を示す(BH)max値で比較してみると、MnBiは、従来のフェライト永久磁石よりは性能面で優れ、希土類Nd2Fe14Bボンド磁石と同等以上の性能を実現できるので、これらの磁石を代替できる素材である。

一方、焼結とは、圧縮又は非圧縮粉末成形体主構金属元素融点以下の温度で加熱し、最初は接触ないし弱い結合力だけで維持されていたこれらの成形体中の粉末間で十分な一次結合力の作用により原子間の結合が生じるようにすることにより、粉末成形体に必要な機械的及び物理的性質を与える熱処理である。すなわち、焼結とは、粉末粒子熱活性化過程により1つの塊となるプロセスをいう。

焼結の駆動力は、熱力学的にシステム全体の表面エネルギーを低減する力である。界面(interface)にはバルクに比べて余分なエネルギー(excess energy)があるので、表面エネルギーは焼結中に粒子が緻密化、粗大化する過程で低減される。焼結工程の変数には温度、時間、雰囲気焼結圧力などがある。粒子が焼結する過程では、一般的に、粒子同士がくっついてネックが形成される初期結合段階、気孔チャネル閉鎖、気孔の球形化、収縮及び消滅が起こる稠密化段階、その後の気孔粗大化段階などを経る。

成形体を焼結する方法は、圧力の有無によって大きく常圧焼結加圧焼結に分けられるが、ホットプレス焼結熱間静水圧焼結などが加圧焼結に属する。これらの焼結方法のうち、加圧焼結は、試料残留気孔の量を最小にしてほぼ100%に近い緻密化を得ることができ、初期焼結時の加圧により機械加工性に優れ、緻密化した複合材料を製造することができるという利点があるものの、それにより生産コストが増加して連続工程への適用が不可能であるので商用化が困難であった。

本明細書全体にわたって多数の文献が参照され、その引用が示されている。引用された文献の開示内容はその全体が参照として本明細書に組み込まれ、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。

概要

本発明は、磁気特性が向上したMnBiを含む異方性複合焼結磁石及びその常圧焼結製造方法に関する。本発明のMnBiを含む異方性複合焼結磁石は、非常に優れた磁気特性を実現できるので従来の希土類ボンド磁石の代替が可能であり、常圧焼結方法で製造されるので連続工程が可能であり、従来の永久磁石工程で用いられていた焼結方式をそのまま用いるので経済的である。

目的

本発明者らは、加圧焼結の場合はコストの増加及び連続工程への適用の困難さにより現実的に用いることができないことを解決するために、MnBi/希土類硬磁性相を含む異方性複合焼結磁石を経済的な常圧焼結法により製造する技術を提供する

効果

実績

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請求項1

MnBi相粒子及び希土類硬磁性相粒子を含む異方性複合焼結磁石であって、粒子間の界面に残留炭素を含むことを特徴とする焼結磁石。

請求項2

前記MnBi相粒子の組成は、MnBiをMnxBi100-xと表すとXが50〜55であることを特徴とする請求項1に記載の焼結磁石。

請求項3

前記希土類硬磁性相は、R−CO、R−Fe−B又はR−Fe−N(ここで、Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択される希土類元素)で表されることを特徴とする請求項1に記載の焼結磁石。

請求項4

前記希土類硬磁性相は、SmFeN、NdFeB又はSmCoであることを特徴とする請求項1に記載の焼結磁石。

請求項5

前記焼結磁石は、MnBi相を55〜99重量%、希土類硬磁性相を1〜45重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の焼結磁石。

請求項6

請求項1に記載の焼結磁石を含む製品であって、冷蔵庫又はエアコンコンプレッサ用モータ洗濯機駆動モータモバイルハンドセット振動モータスピーカボイスコイルモータリニアモータカメラズーム絞りシャッタ微細加工機のアクチュエータデュアルクラッチトランスミッション(Dual Clutch Transmission, DCT)、アンチロックブレーキシステム(Anti-lock Brake System, ABS)、電動パワーステアリング(Electric Power Steering,EPSモータ及び燃料ポンプからなる群から選択されるものである製品。

請求項7

(a)急速凝固工程(Rapid Solidification Process, RSP)でMnBi系リボンを作製する段階と、(b)作製された非磁性相のMnBi系リボンを熱処理して磁性相のMnBi系リボンに転移させる段階と、(c)前記作製された磁性相のリボンを粉砕してMnBi硬磁性相粉末を準備する段階と、(d)前記MnBi硬磁性相粉末を希土類硬磁性相粉末と潤滑剤の存在下で混合する段階と、(e)外部磁場及び圧力を印加して前記混合物磁場成形する段階と、(f)前記成形物常圧焼結する段階とを含むことを特徴とするMnBiを含む異方性複合焼結磁石の常圧焼結製造方法。

請求項8

前記潤滑剤は、エチルブチレートメチルカプリレートメチルラウレート及びステアレートからなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。

請求項9

前記段階(e)で印加される圧力は、300〜1000Mpaであることを特徴とする請求項7に記載の方法。

請求項10

前記常圧焼結は、200〜500℃で1分〜5時間、常圧焼結炉で行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。

請求項11

前記段階(a)で作製されたMnBi系リボンは、結晶粒の大きさが50〜100nmであることを特徴とする請求項7に記載の方法。

請求項12

前記急速凝固工程でのホイール速度は、60〜70m/sであることを特徴とする請求項7に記載の方法。

請求項13

前記段階(b)でのMnBi合金リボンの熱処理は、280〜340℃の温度で行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。

請求項14

MnBi硬磁性相粉末の大きさは0.5〜5μmであり、希土類硬磁性相粉末の大きさは1〜5μmであることを特徴とする請求項7に記載の方法。

請求項15

MnBiリボンの粉砕工程(c)中に、オレイン酸(C18H34O2)、オレイルアミン(C18H37N)、ポリビニルピロリドン及びポリソルベートからなる群から選択される分散剤を用いることを特徴とする請求項7に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、MnBiを含む異方性複合焼結磁石及びその常圧焼結製造方法に関する。

背景技術

0002

ネオジム磁石は、ネオジム(Nd)、酸化鉄(Fe)、ホウ素(B)を主成分とする成形焼結品であって、非常に優れた磁気特性を有する。このような高特性のネオジム(Nd)系バルク磁石需要急増しているが、希土類元素資源需給不均衡の問題は、次世代産業に必要な高性能モータを供給する上で大きな障害要因となっている。

0003

フェライト磁石は、磁気特性が安定しており、強力な磁力磁石を必要としない場合に用いられる安価な磁石であって、通常黒色を帯びる。フェライト磁石は、DCモータコンパス電話機タコメータスピーカスピードメータテレビリードスイッチ、時計ムーブメントなど様々な用途に用いられており、軽量かつ安価であるという利点があるが、高価なネオジム(Nd)系バルク磁石を代替できる程度に優れた磁気特性は有していないという問題がある。よって、希土類系磁石を代替できる高特性の新規磁性素材の開発の必要性が高まっている。

0004

MnBiは、脱希土類素材永久磁石であって、−123〜277℃の温度区間保磁力が正の温度係数(positive temperature coefficient)を有するので、150℃以上の温度ではNd2Fe14B永久磁石より保磁力が大きい特性を有する。よって、MnBiは、高温(100〜200℃)で駆動されるモータへの適用に適した素材である。磁気性能指数を示す(BH)max値で比較してみると、MnBiは、従来のフェライト永久磁石よりは性能面で優れ、希土類Nd2Fe14Bボンド磁石と同等以上の性能を実現できるので、これらの磁石を代替できる素材である。

0005

一方、焼結とは、圧縮又は非圧縮粉末成形体主構金属元素融点以下の温度で加熱し、最初は接触ないし弱い結合力だけで維持されていたこれらの成形体中の粉末間で十分な一次結合力の作用により原子間の結合が生じるようにすることにより、粉末成形体に必要な機械的及び物理的性質を与える熱処理である。すなわち、焼結とは、粉末粒子熱活性化過程により1つの塊となるプロセスをいう。

0006

焼結の駆動力は、熱力学的にシステム全体の表面エネルギーを低減する力である。界面(interface)にはバルクに比べて余分なエネルギー(excess energy)があるので、表面エネルギーは焼結中に粒子が緻密化、粗大化する過程で低減される。焼結工程の変数には温度、時間、雰囲気焼結圧力などがある。粒子が焼結する過程では、一般的に、粒子同士がくっついてネックが形成される初期結合段階、気孔チャネル閉鎖、気孔の球形化、収縮及び消滅が起こる稠密化段階、その後の気孔粗大化段階などを経る。

0007

成形体を焼結する方法は、圧力の有無によって大きく常圧焼結と加圧焼結に分けられるが、ホットプレス焼結熱間静水圧焼結などが加圧焼結に属する。これらの焼結方法のうち、加圧焼結は、試料残留気孔の量を最小にしてほぼ100%に近い緻密化を得ることができ、初期焼結時の加圧により機械加工性に優れ、緻密化した複合材料を製造することができるという利点があるものの、それにより生産コストが増加して連続工程への適用が不可能であるので商用化が困難であった。

0008

本明細書全体にわたって多数の文献が参照され、その引用が示されている。引用された文献の開示内容はその全体が参照として本明細書に組み込まれ、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。

発明が解決しようとする課題

0009

従来のMnBi永久磁石の問題点は、希土類永久磁石に比べて飽和磁化値(saturation magnetization)が相対的に低い(理論的には〜80emu/g)ということにある。よって、MnBi及びSmFeN又はNdFeBなどの希土類硬磁性相を含む複合焼結磁石を製造することにより、低い飽和磁化値を改善することができる。また、保磁力に関連して、正の温度係数(positive temperature coefficient)を有するMnBiと負の温度係数(negative temperature coefficient)を有する2つの硬磁性相との複合化により、温度安定性を確保することができる。なお、SmFeNなどの希土類硬磁性相の場合は、高温(〜600℃以上)で相が分解する問題により、焼結磁石としては用いることができないという欠点がある。

0010

本発明者らは、MnBi及び希土類硬磁性相を含む複合磁石を製造する上で、急速凝固工程(Rapid Solidification Process, RSP)でMnBi系リボンを作製してMnBi微細結晶相を形成した場合、一般的に300℃以下では焼結しにくい希土類硬磁性相を共に焼結できるので、MnBi粉末と希土類硬磁性相粉末との複合化により異方性焼結磁石を製造できることと、その結果非常に優れた磁気特性を有するものになることを見出した。

0011

さらに、本発明者らは、加圧焼結の場合はコストの増加及び連続工程への適用の困難さにより現実的に用いることができないことを解決するために、MnBi/希土類硬磁性相を含む異方性複合焼結磁石を経済的な常圧焼結法により製造する技術を提供するに至った。

0012

そこで、本発明の目的は、MnBi相粒子及び希土類硬磁性相粒子を含む異方性複合焼結磁石を提供することにある。

0013

本発明の他の目的は、MnBi相粒子及び希土類硬磁性相粒子を含む異方性複合焼結磁石を常圧焼結法により製造する方法を提供することにある。

0014

本発明のさらに他の目的及び利点は下記の発明の詳細な説明、請求の範囲及び図面によりさらに明らかになる。

課題を解決するための手段

0015

本発明の一態様においては、MnBi相粒子及び希土類硬磁性相粒子を含む異方性複合焼結磁石であって、粒子間の界面に残留炭素(carbon residue)を含むことを特徴とする焼結磁石を提供する。

0016

本発明の異方性複合焼結磁石は、MnBi相及び希土類硬磁性相の含有量を制御することができるので、保磁力の強さ及び磁化値の大きさを調整することができ、特に、一軸磁場成形及び焼結工程により一軸異方性を有する高特性の磁石を製造するのに有利である。

0017

前記残留炭素とは、試料を蒸発及び熱分解させたときに生成される炭化残分を意味するが、本発明の複合焼結磁石における粒子間の界面に存在する残留炭素は、MnBi相粉末と希土類硬磁性相粉末とを混合する過程で用いられた潤滑剤成分が粒子間の界面に残留して検出されるものである。

0018

本発明の異方性複合焼結磁石に含まれる前記MnBi相粒子の組成は、MnBiをMnxBi100-xと表すとXが50〜55であってもよく、Mn50Bi50、Mn51Bi49、Mn52Bi48、Mn53Bi47、Mn54Bi46、Mn55Bi45の組成が好ましい。

0019

本発明の異方性複合焼結磁石に含まれる前記希土類硬磁性相は、R−CO、R−Fe−B又はR−Fe−N(ここで、Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択される希土類元素)で表されるものであってもよく、SmFeN、NdFeB又はSmCoであることが好ましい。

0020

一実現例においては、本発明の磁石は、脱希土類硬磁性相としてMnBiを55〜99重量%、希土類硬磁性相を1〜45重量%含むようにしてもよい。希土類硬磁性相の含有量が45重量%を超えると焼結しにくいという欠点がある。

0021

好ましい実施例においては、希土類硬磁性相としてSmFeNを用いる場合、その含有量が5〜40重量%であることがよい。

0022

このような本発明のMnBiを含む異方性複合焼結磁石は、優れた磁気特性により、冷蔵庫及びエアコンコンプレッサ用モータ洗濯機駆動モータモバイルハンドセット振動モータ、スピーカ、ボイスコイルモータリニアモータによるコンピュータハードディスクヘッド位置決め、カメラズーム絞りシャッタ微細加工機のアクチュエータデュアルクラッチトランスミッション(Dual Clutch Transmission, DCT)、アンチロックブレーキシステム(Anti-lock Brake System, ABS)、電動パワーステアリング(Electric Power Steering,EPS)モータ及び燃料ポンプなどの自動車電装部品などに広く用いることができる。

0023

本発明の他の態様においては、(a)急速凝固工程(RSP)でMnBi系リボンを作製する段階と、(b)作製された非磁性相のMnBi系リボンを熱処理して磁性相のMnBi系リボンに転移させる段階と、(c)前記作製された磁性相のリボンを粉砕してMnBi硬磁性相粉末を準備する段階と、(d)前記MnBi硬磁性相粉末を希土類硬磁性相粉末と潤滑剤の存在下で混合する段階と、(e)外部磁場及び圧力を印加して前記混合物を磁場成形する段階と、(f)前記成形物を常圧焼結する段階とを含むことを特徴とするMnBiを含む異方性複合焼結磁石の常圧焼結製造方法を提供する。

0024

(a)急速凝固工程(RSP)でMnBiリボンを作製する段階
急速凝固工程(RSP)は、1984年から広く用いられている工程であって、高温の液体状態から常温又は周辺温度固体状態への転移期間における過熱及び潜熱を含む熱エネルギーの急速な抽出により、固体化したマイクロ構造微細構造)を形成する過程を意味する。各種の急速凝固工程が開発されて用いられているが、真空誘導溶解法(Vacuum Induction Melting)、高圧鋳造法(squeeze casting)、スプラット急冷法(splat quenching)、溶融紡糸法(melt spinning)、プラナーフローキャスティング法(planar flow casting)、レーザ又は電子ビーム凝固法(laser or electron beam solidification)などが広く活用されており、これらの全てが熱の急速な抽出により固体化したマイクロ構造を形成することを特徴とする。

0025

凝固を開始するにあたって、熱の急速な抽出は100℃又はそれ以上の高い温度から過冷却を起こすが、これは1秒当たり1℃以下の温度変化を伴う通常のキャスト法と比較される点である。冷却速度は、5〜10K/s以上、10〜102K/s以上、103〜104K/s以上、又は104〜105K/s以上であってもよく、このような急速凝固工程により、固体化したマイクロ構造が形成される。

0026

MnBi合金組成の材料を加熱して溶融し、その溶湯ノズルから射出してノズルに対して回転している冷却ホイールに接触させることで急冷凝固することにより、MnBiリボンを連続的に作製する。

0027

本発明の方法において、MnBi硬磁性相と希土類硬磁性相の混成構造を利用して焼結体磁石を製造する際に、500℃以下では焼結しにくい希土類硬磁性相を共に焼結するためには、急速凝固工程(RSP)でMnBiリボンを作製し、MnBiリボンの微細結晶相の特性を確保することが非常に重要である。一実現例においては、本発明の急速凝固工程(RSP)で作製されたMnBiリボンの結晶粒の大きさが50〜100nmの場合、磁性相を形成すると高い磁気特性が得られることを特徴とする。

0028

急速凝固工程(RSP)において冷却ホイールを用いて急冷過程を行う場合、ホイール速度急冷させた合金性質に影響を及ぼすが、一般に、冷却ホイールを用いる急速凝固工程(RSP)におけるホイール円周速度が速くなるほどホイールに接触する物質冷却効果がより大きくなる。一実施例によれば、本発明の急速凝固工程(RSP)におけるホイールの円周速度は、10〜300m/s又は30〜100m/sであり、60〜70m/sであることが好ましい。

0029

(b)非磁性相のMnBi系リボンを磁性相のMnBi系リボンに転移させる段階
次の段階は、作製された非磁性相のMnBi系リボンに磁性を付与する段階である。一実施例によれば、磁性付与のために低温熱処理を行うが、例えば、280〜340℃の温度、並びに真空及び不活性ガス雰囲気の条件で低温熱処理を行い、3時間及び24時間熱処理を行うことにより、前記非磁性相のMnBi系リボンに含まれるMnの拡散誘導して磁性相のMnBi系リボンを形成し、それによりMnBi系磁性体を作製することができる。MnBi低温相(Low Temperature Phase,LTP)を形成するための熱処理により、磁性相が90%以上、より好ましくは95%以上含まれるようにすることができる。MnBi低温相が約90%以上含まれれば、MnBi系磁性体は優れた磁気特性を有することになる。

0030

(c)硬磁性相粉末を準備する段階
次の段階として、MnBi低温相のMnBi合金を粉砕してMnBi硬磁性相粉末を準備する。

0031

MnBi硬磁性相粉末の粉砕工程では、分散剤を用いることが、粉砕効率を向上させて分散性を改善することができるので好ましい。分散剤としては、オレイン酸(C18H34O2)、オレイルアミン(C18H37N)、ポリビニルピロリドン及びポリソルベートからなる群から選択される分散剤を用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、また、オレイン酸を粉末に対して1〜10重量%含むようにしてもよい。

0032

MnBi硬磁性相粉末の粉砕工程では、ボールミリングを用いてもよいが、この場合、磁性相粉末、ボール溶媒及び分散剤の割合を約1:20:6:0.12(質量比)にし、ボールをΦ3〜Φ5のものにしてボールミリングを行ってもよい。

0033

本発明の一実現例によれば、分散剤を用いたMnBi硬磁性相粉末の粉砕工程は3〜8時間行ってもよく、このようにしてLTP熱処理及び粉砕工程が終わったMnBi硬磁性相粉末の大きさは直径0.5〜5μmであり得る。5μmを超えると保磁力が低下することがある。

0034

一方、前記MnBi硬磁性相粉末を準備する過程とは別途に、希土類硬磁性相粉末を別に準備しておく。

0035

一実施例において、前記希土類硬磁性相は、R−CO、R−Fe−B又はR−Fe−N(ここで、Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択される希土類元素)で表されるものであってもよく、SmFeN、NdFeB又はSmCoであることが好ましい。

0036

粉砕工程が終わった希土類硬磁性相粉末の大きさは1〜5μmであり得る。5μmを超えると保磁力が大きく低下することがある。

0037

(d)MnBi硬磁性相粉末を希土類硬磁性相粉末と潤滑剤の存在下で混合する段階
MnBi硬磁性相と希土類硬磁性相との混合では潤滑剤を用いて磁場成形体を作製することが重要である。後続焼結段階の前の磁場成形段階において外部圧力を印加して成形するためには、潤滑剤を用いて粉末を混合しなければならない。

0038

粉末粒子を潤滑剤の存在下で混合する場合は、後続の磁場成形段階において外部圧力を印加すると粉末粒子が空間を満たして整列されるのに対して、潤滑剤を用いない場合は、外部圧力を印加すると磁場成形時に粉末粒子が壊れて磁性特性劣化することがある。

0039

粉末混合段階で添加された潤滑剤成分は、粉末粒子間に残留していて後続の焼結過程で蒸発及び熱分解され、最終の磁石において、粒子間の界面に存在する残留炭素成分として検出される。

0040

潤滑剤としては、エチルブチレート(ethyl butyrate)、メチルカプリレート(methyl caprylate)、メチルラウレート(methyl laurate)又はステアレートなどがあり、メチルカプリレート、エチルラウレートジンクステアレートなどを用いることが好ましい。すなわち、相対的に分子鎖が長いメチルカプリレート(CH2)6やエチルラウレート(CH2)10などの場合、磁場成形体の特性を改善し、焼結磁石の密度及び残留誘導値(Br)の上昇をもたらすことにより、最大磁気エネルギー積を向上させる。

0041

潤滑剤は、粉末に対して1〜10重量%、3〜7重量%又は5重量%含むようにすることがより好ましい。

0042

一実施例によれば、MnBi硬磁性相と希土類硬磁性相との混合工程は、1分〜1時間かけて行うことが好ましく、できるだけ粉砕されないように混合することが好ましい。

0043

(e)外部磁場及び圧力を印加して磁場成形する段階
本段階においては、外部磁場及び圧力を印加する磁場成形工程を行うことにより、磁場の方向と粉末のC軸方向とを平行に配向させて異方性を確保する。このように磁場成形により一軸方向に異方性を確保した異方性磁石は、等方性磁石と比較して優れた磁気特性を有する。

0044

特に、本段階において、磁場成形時に外部圧力を印加して磁場成形を行うので、次の段階において、加圧焼結を代替して常圧焼結を採用して異方性複合焼結磁石を製造することができる。

0045

外部磁場及び圧力を印加する磁場成形工程は、磁場射出成形機、磁場成形プレスなどを用いて行ってもよく、ADP(Axial Die Pressing)やTDP(Transverse Die Pressing)などの方法で行ってもよい。

0046

磁場成形段階は、0.1〜5.0T、0.5〜3.0T又は1.0〜2.0Tの磁場下で行ってもよく、約1.6Tの磁場下で行うことが好ましく、300〜1000Mpaの高圧で成形することが、後続の常圧焼結において好ましい。

0047

(f)成形物を常圧焼結する段階
従来は、ホットプレスなどを用いた急速焼結で高特性の焼結磁石を製造することができたが、本発明において提案した方法を用いれば、常圧焼結で高特性の焼結磁石を製造することができ、従来の焼結磁石工程の熱処理炉を用いることができるという利点がある。

0048

常圧焼結は、200〜500℃で1分〜5時間行われるようにしてもよく、常圧焼結炉を用いた連続工程を行うことができる。

発明の効果

0049

本発明のMnBiを含む異方性複合焼結磁石は、MnBiの低い飽和磁化値が改善され、高い温度安定性を有するだけでなく、非常に優れた磁気特性を実現できるので、従来の希土類ボンド磁石の代替が可能である。また、常圧焼結方法で製造されるので連続工程が可能であり、従来の永久磁石工程で用いられていた焼結方式をそのまま用いるので経済的である。

図面の簡単な説明

0050

一実現例によるMnBi硬磁性粉末/希土類硬磁性粉末の複合焼結磁石の製造工程を示す概要図である。
MnBi/SmFeN(30重量%)複合焼結磁石におけるMnBi及びSmFeNの分布を示す走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope, SEM写真である。
常圧焼結温度とMnBi/SmFeN(30重量%)複合焼結磁石の残留磁束密度(Br)及び最大磁気エネルギー積[(BH)max]の関係を示すグラフである(焼結時間6分)。
常圧焼結温度とMnBi/SmFeN(30重量%)複合焼結磁石の密度及び最大磁気エネルギー積[(BH)max]の関係を示すグラフである(焼結時間6分)。
MnBi/SmFeN(30重量%)常圧焼結磁石におけるXPS(X-ray hotoelectron spectroscopy)の結果を示すグラフである。

0051

以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は本発明をより具体的に説明するためのものにすぎず、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではないことは、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明である。

0052

MnBiを含む異方性複合焼結磁石の製造
図1の概要図に示すように異方性複合焼結磁石を製造したが、具体的には、まず、MnBiリボンを作製する急速凝固工程(RSP)でホイール速度を60〜70m/sにすることにより、MnBi、Bi相の結晶の大きさが50〜100nmとなるようにMnBiリボンを作製した。

0053

次の段階として、作製された非磁性相のMnBiリボンに磁性を付与するために、280℃の温度、並びに真空及び不活性ガス雰囲気の条件で低温熱処理を行い、24時間熱処理を行うことにより、前記非磁性相のMnBiリボンに含まれるMnの拡散を誘導して磁性相のMnBi系リボンを形成し、それによりMnBi系磁性体を作製した。

0054

次に、ボールミリングを用いた複合化工程を行ったが、粉砕工程を約5時間行い、前記磁性相の粉末、ボール、溶媒及び分散剤の割合を約1:20:6:0.12(質量比)にし、ボールをΦ3〜Φ5のものにした。

0055

次に、ボールミリングで作製された磁性粉末(70重量%)にSmFeN硬磁性体粉末(30重量%)をメチルカプリレート存在下でできるだけ粉砕されないように混合し、それを約1.6Tの磁場下で700Mpaの外部圧力を印加して磁場成形し、その後、常圧下で260℃〜480℃の様々な温度で6分間常圧焼結を行うことにより、焼結磁石を製造した。

0056

このようにして製造された複合焼結磁石の断面状態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、それを図2に示した。図2から、脱希土類のMnBi硬磁性相と希土類のSmFeN硬磁性相が均一に分布することが確認された。

0057

異方性複合焼結磁石の粒子界面での残留炭素の検出
前記製造されたMnBi/SmFeN(30重量%)常圧焼結磁石におけるXPS(X-ray photoelectron spectroscopy)の結果を図5に示した。図5から、残留炭素(C1s)の含有量が37.8at%であり、表面から10nmの厚さで検出されたことが確認された。

0058

各常圧焼結温度における異方性複合焼結磁石の磁気特性及び密度
MnBi/SmFeN(30重量%)常圧焼結磁石における固有保磁力(HCi)、残留磁束密度(Br)、誘導保磁力(HCB)、密度(Density)及び最大磁気エネルギー積[(BH)max]を示すものとして、磁気特性は、VSM(vibrating sample magnetometer)(Lake Shore #7300 USA、最大25kOe)を用いて常温(25℃)で測定し、その値を下記表1と図3及び図4に示した。

0059

実施例

0060

上記表1及び図3を参照すると、本発明のMnBi/SmFeN(30重量%)異方性複合焼結磁石は、440℃、6分の常圧焼結工程で製造した場合、25℃での最大磁気エネルギー積[(BH)max]の測定値が14.68MGOeであった。これは、ホットプレスなどを用いた急速焼結工程を用いないので連続工程が可能であり、従来の永久磁石工程で用いられていた焼結方式をそのまま用いることで高特性の複合焼結磁石を製造できることを示す結果である。図4は、常圧焼結温度が上昇するにつれて固有保磁力は減少して密度は増加することを示す結果であり、密度の増加は、熱処理温度が上昇するにつれて結晶粒の大きさが大きくなって焼結体の緻密化が改善されて現れる結果であり、固有保磁力の減少は、結晶粒の成長により磁壁(domain wall)が増加して現れる結果である。

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