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技術 ヘパラン硫酸

出願人 エージェンシーフォーサイエンス,テクノロジーアンドリサーチ
発明者 クール,サイモンヌルカム,ビクターリー,ジョナサン
出願日 2015年4月30日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2016-565146
公開日 2017年8月10日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2017-522392
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 信頼性限界 屈折率検出装置 物理的測定値 ワックス溶液 衝撃吸収剤 反復期間 骨盤帯 スナップ機構
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

TGFβ1に結合するヘパラン硫酸を開示する。

概要

背景

グリコサミノグリカンは、複雑で直鎖であり、非常に荷電した炭水化物であって、広範囲タンパク質相互作用してその機能を制御する;これらは通常、コアタンパク質に付着して合成される。GAGは、非硫酸化HA)および硫酸化(CS、DS、KS、ヘパリンおよびHS)に分類される。

GAGのうち、ヘパラン硫酸(HS)ファミリーは、ドメイン内の特定の配列に基づいて、ターゲティングされるタンパク質と相互作用する能力を有するため、特に興味深い。該ファミリー(ヘパリンおよびHS)は、N−およびO−硫酸化の多様なパターンを伴う、反復ウロン酸−(1→4)−D−グルコサミン二糖サブユニットからなる。例えば、ヘパリンの抗凝固活性は、ユニークな五糖配置を伴う、グルコサミン残基の3−O−硫酸化を要する(Lindahl U, Backstrom G, Hook M, Thunberg L, Fransson LA, Linker A. ヘパリンにおけるアンチトロンビン結合部位の構造 Proc Natl Acad Sci U S A. 1979;76:3198-202.)。ユニークな硫酸化パターンはまた、ECMタンパク質に関しても明らかであり;FNに結合する強力なヘパリン結合変異体は、特に非常に荷電しており、7〜8のN−硫酸化二糖が必要であり、そして通常よりもより大きなドメインを伴う(>14残基)、(Falcone DJ, Salisbury BGJ.フィブロネクチンは、低密度リポタンパク質−ヘパリン−コラーゲン複合体マクロファージ取り込みを刺激する Arteriosclerosis. 1988;8:263-73.;Mahalingam Y, Gallagher JT, Couchman JR. フィブロネクチンのヘパリン結合(HepII)ドメインへの細胞接着反応は、特定の特性を持つヘパラン硫酸を必要とする。 J Biol Chem. 2007;282:3221-30)。しかし、HSは、非硫酸化NAドメインによって分離された非常に硫酸化されたNSドメインを有することがこうした硫酸化ヘパリンとは異なり;こうした性質は、ヘパリンの副作用を伴わずに、タンパク質に選択的に結合するためのユニークな配置を提供する(Gandhi NS, Mancera RL.グリコサミノグリカンの構造およびタンパク質とのその相互作用。Chem Biol Drug Des. 2008;72:455-82.)。

HSの二糖組成は、グリコシド結合を切断するフラボバクテリウムヘパリニウム(Flavobacterium heparinium)酵素ヘパリナーゼI、IIおよびIIIを用いて、一連酵素切断によって解明可能である(Venkataraman G, Shriver Z, Raman R, Sasisekharan R. 複雑な多糖配列決定。Science. 1999;286:537-42.;Desai UR, Wang HM, Linhardt RJ. フラボバクテリウム・ヘパリヌム(Flavobacterium-heparinum)由来のヘパリン・リアーゼに関する特異性研究 Biochemistry. 1993;32:8140-5.;Shriver Z, Sundaram M, Venkataraman G, Fareed J, Linhardt R, Biemann K.ら ヘパリナーゼによるヘパリンにおけるアンチトロンビンIII結合部位の切断および低分子量ヘパリンの生成におけるその関与。Proc Natl Acad Sci U S A. 2000;97:10365-70)。3つすべてのヘパリナーゼを組み合わせて用いると、ヘパリンまたはHSの90%より高い脱重合が可能である(Karamanos NK, Vanky P, Tzanakakis GN, Tsegenidis T, Hjerpe A. ヘパリンおよびヘパラン硫酸における二糖組成を決定するためのイオン対高性能液体クロマトグラフィ。J Chromatogr A. 1997;765:169-79.;Vynios DH, Karamanos NK, Tsiganos CP.グリコサミノグリカンの分析における進歩:結合組織生理学的および病的状態の評価のための適用。 J Chromatogr B. 2002;781:21-38.)。生じる二糖混合物を、既知の二糖標準との比較によって、PAGE(Hampson IN, Gallagher JT.ポリアクリルアミドゲル電気泳動による放射標識グリコサミノグリカン・オリゴ糖の分離 Biochem J. 1984;221:697-705.)、SAX−HPLC(Skidmore M AA, Yates EおよびTurnbull JE. HPLCおよびMS分離のための発色団蛍光およびマスタグでのヘパラン硫酸糖の標識。Methodsin Molecular biology. 2009;534:157-69.)、または高感度キャピラリー電気泳動(CE)(Lamari F, Militsopoulou M, Gioldassi X, Karamanos NK. キャピラリー電気泳動:プロテオグリカン中のグリカン部分の単糖、二糖およびオリゴ糖構成要素分析のための優れた小型ツール。Fresenius J Anal Chem. 2001;371:157-67.;Karamanos NK, Vanky P, Tzanakakis GN, Hjerpe A. ヘパリンおよびヘパラン硫酸二糖を性質決定する高性能キャピラリー電気泳動法。Electrophoresis. 1996;17:391-5.;Sudhalter J, Folkman J,Svahn CM, Bergendal K, Damore PA. ヘパリンによる酸性線維芽細胞増殖因子の増強における、サイズ、硫酸化、および抗凝固活性の重要性J Biol Chem. 1989;264:6892-7.;Militsopoulou M, LamariFN, Hjerpe A, Karamanos NK.紫外およびレーザー誘導蛍光検出を用いたキャピラリーゾーン電気泳動による2−アミノアクリドン誘導体としての12のヘパリンおよびヘパラン硫酸由来二糖の決定。Electrophoresis. 2002;23:1104-9)によって分析することも可能である。

概要

TGFβ1に結合するヘパラン硫酸を開示する。

目的

しかし、HSは、非硫酸化NAドメインによって分離された非常に硫酸化されたNSドメインを有することがこうした硫酸化ヘパリンとは異なり;こうした性質は、ヘパリンの副作用を伴わずに、タンパク質に選択的に結合するためのユニークな配置を提供する

効果

実績

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請求項1

ヘパラン硫酸HS16。

請求項2

単離されたまたは実質的に精製された型のヘパラン硫酸HS16。

請求項3

アミノ酸配列RKDLGWKWIHEPKGYH(配列番号1)を有するかまたは該配列からなるペプチドまたはポリペプチドに結合可能である、請求項1または2に記載のヘパラン硫酸HS16。

請求項4

ヘパリンリアーゼI、IIおよびIIIで消化し、そして次いで、生じた二糖断片をHPLC分析に供した後、ヘパラン硫酸HS16が:を含む二糖組成を有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の単離されたまたは実質的に精製されたヘパラン硫酸HS16。

請求項5

ヘパリン・リアーゼI、IIおよびIIIで消化し、そして次いで、生じた二糖断片をHPLC分析に供した後、ヘパラン硫酸HS16が:を含む二糖組成を有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の単離されたまたは実質的に精製されたヘパラン硫酸HS16。

請求項6

(i)支持体接着したポリペプチド分子を有する固体支持体を提供し、ここで、ポリペプチドがアミノ酸配列RKDLGWKWIHEPKGYHを有するヘパリン結合ドメインを含み;(ii)ポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体が形成可能であるように、固体支持体を、グリコサミノグリカン、好ましくはヘパラン硫酸調製物を含む混合物と接触させ;(iii)混合物の残りからポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体を分配し;(iv)ポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体から、グリコサミノグリカン、好ましくはヘパラン硫酸種を解離させ;(v)解離したグリコサミノグリカン、好ましくは1またはそれより多いヘパラン硫酸種を収集する工程を含む方法によって得られる、請求項1〜5のいずれか一項記載の単離されたまたは実質的に精製された型のヘパラン硫酸HS16。

請求項7

ポリペプチドがRKDLGWKWIHEPKGYH(配列番号1)より選択されるアミノ酸配列を有するか、または該配列からなる、請求項6の方法。

請求項8

グリコサミノグリカンを含む混合物が、ブタ粘膜より得られるヘパラン硫酸調製物(HSPM)である、請求項6または7の方法。

請求項9

請求項1〜8のいずれか一項記載のヘパラン硫酸HS16を含む組成物

請求項10

増殖因子、好ましくはTGFβ1をさらに含む、請求項9の組成物。

請求項11

請求項1〜8のいずれか一項記載のヘパラン硫酸HS16を含む化粧用組成物医薬組成物または薬剤

請求項12

TGFβ1タンパク質および/または間葉系幹細胞をさらに含む、請求項11の医薬組成物または薬剤。

請求項13

医学的治療法において使用するための請求項11または12の医薬組成物または薬剤。

請求項14

医学的治療法において使用するための請求項1〜8のいずれか一項記載のヘパラン硫酸HS16。

請求項15

医学的治療法がin vivoの創傷治癒法を含む、請求項14記載のヘパラン硫酸HS16。

請求項16

医学的治療法が、組織、好ましくは結合組織修復および/または再生を含む、請求項14記載のヘパラン硫酸HS16。

請求項17

疾患、状態または組織に対する傷害治療のための薬剤製造における請求項1〜8のいずれか一項記載のヘパラン硫酸HS16の使用であって、方法が、組織、好ましくは結合組織の修復および/または再生を含む、前記使用。

請求項18

患者において、疾患、状態または組織に対する傷害を治療する方法であって、療法的有効量のヘパラン硫酸HS16を患者に投与し、組織、好ましくは結合組織の修復および/または再生を導く工程を含む、前記方法。

請求項19

組織の再生または修復が必要である、患者の体の創傷または位置にあるまたはそれを取り巻く組織にヘパラン硫酸HS16を投与する工程を含む、請求項18の方法。

請求項20

患者にTGFβ1タンパク質を投与する工程をさらに含む、請求項18または19の方法。

請求項21

患者において、疾患、状態または組織に対する傷害を治療する方法であって、バイオマテリアルおよび請求項1〜8のいずれか一項に記載のヘパラン硫酸HS16を含む、生体適合移植物または装具を、疾患、状態または傷害の部位のまたはそれを取り巻く組織内に、外科的に移植して、組織の修復および/または再生を導く工程を含む、前記方法。

請求項22

バイオマテリアルおよび請求項1〜8のいずれか一項に記載のヘパラン硫酸HS16を含む、生体適合移植物または装具。

請求項23

請求項1〜8のいずれか一項に記載のヘパラン硫酸HS16で、バイオマテリアルをコーティングするか、または含浸する工程を含む、生体適合移植物または装具を形成する方法。

請求項24

in vitroで、請求項1〜8のいずれか一項記載のヘパラン硫酸HS16と接触させて、幹細胞を培養する工程を含む、in vitroで幹細胞を培養する方法。

請求項25

請求項1〜8のいずれか一項記載のヘパラン硫酸HS16を含む培地

請求項26

TGFβ1をさらに含む、請求項25の培地。

請求項27

あらかじめ決定した量の請求項1〜8のいずれか一項記載のヘパラン硫酸HS16およびあらかじめ決定した量のTGFβ1を含む、キットオブパーツ(kit of parts)。

請求項28

医学的治療法において、同時に、別個にまたは連続して使用するための、療法的有効量の:(i)請求項1〜8のいずれか一項記載のヘパラン硫酸HS16;および(ii)TGFβ1タンパク質;(iii)間葉系幹細胞、または線維芽細胞系譜細胞の一方または両方を含有する、産物。

請求項29

増殖因子、好ましくはTGFβ1の安定性を増加させる方法であって、増殖因子、好ましくはTGFβ1を、請求項1〜8のいずれか一項記載のヘパラン硫酸HS16と接触させる工程を含む、前記方法。

請求項30

被験体に、請求項1〜8のいずれか一項記載のヘパラン硫酸HS16を投与する工程を含む、美容法。

請求項31

血液由来産物およびあらかじめ決定した量のヘパラン硫酸HS16を含む調製物。

請求項32

血小板調製物である、請求項31の調製物。

請求項33

生物学的材料を保存する方法であって、生物学的材料を、あらかじめ決定した量のヘパラン硫酸HS16と接触させる工程を含む、前記方法。

技術分野

0001

本発明は、ヘパラン硫酸、そして排他的ではないが特に、TGFβ1に結合するヘパラン硫酸に関する。

背景技術

0002

グリコサミノグリカンは、複雑で直鎖であり、非常に荷電した炭水化物であって、広範囲タンパク質相互作用してその機能を制御する;これらは通常、コアタンパク質に付着して合成される。GAGは、非硫酸化HA)および硫酸化(CS、DS、KS、ヘパリンおよびHS)に分類される。

0003

GAGのうち、ヘパラン硫酸(HS)ファミリーは、ドメイン内の特定の配列に基づいて、ターゲティングされるタンパク質と相互作用する能力を有するため、特に興味深い。該ファミリー(ヘパリンおよびHS)は、N−およびO−硫酸化の多様なパターンを伴う、反復ウロン酸−(1→4)−D−グルコサミン二糖サブユニットからなる。例えば、ヘパリンの抗凝固活性は、ユニークな五糖配置を伴う、グルコサミン残基の3−O−硫酸化を要する(Lindahl U, Backstrom G, Hook M, Thunberg L, Fransson LA, Linker A. ヘパリンにおけるアンチトロンビン結合部位の構造 Proc Natl Acad Sci U S A. 1979;76:3198-202.)。ユニークな硫酸化パターンはまた、ECMタンパク質に関しても明らかであり;FNに結合する強力なヘパリン結合変異体は、特に非常に荷電しており、7〜8のN−硫酸化二糖が必要であり、そして通常よりもより大きなドメインを伴う(>14残基)、(Falcone DJ, Salisbury BGJ.フィブロネクチンは、低密度リポタンパク質−ヘパリン−コラーゲン複合体マクロファージ取り込みを刺激する Arteriosclerosis. 1988;8:263-73.;Mahalingam Y, Gallagher JT, Couchman JR. フィブロネクチンのヘパリン結合(HepII)ドメインへの細胞接着反応は、特定の特性を持つヘパラン硫酸を必要とする。 J Biol Chem. 2007;282:3221-30)。しかし、HSは、非硫酸化NAドメインによって分離された非常に硫酸化されたNSドメインを有することがこうした硫酸化ヘパリンとは異なり;こうした性質は、ヘパリンの副作用を伴わずに、タンパク質に選択的に結合するためのユニークな配置を提供する(Gandhi NS, Mancera RL.グリコサミノグリカンの構造およびタンパク質とのその相互作用。Chem Biol Drug Des. 2008;72:455-82.)。

0004

HSの二糖組成は、グリコシド結合を切断するフラボバクテリウムヘパリニウム(Flavobacterium heparinium)酵素ヘパリナーゼI、IIおよびIIIを用いて、一連酵素切断によって解明可能である(Venkataraman G, Shriver Z, Raman R, Sasisekharan R. 複雑な多糖配列決定。Science. 1999;286:537-42.;Desai UR, Wang HM, Linhardt RJ. フラボバクテリウム・ヘパリヌム(Flavobacterium-heparinum)由来のヘパリン・リアーゼに関する特異性研究 Biochemistry. 1993;32:8140-5.;Shriver Z, Sundaram M, Venkataraman G, Fareed J, Linhardt R, Biemann K.ら ヘパリナーゼによるヘパリンにおけるアンチトロンビンIII結合部位の切断および低分子量ヘパリンの生成におけるその関与。Proc Natl Acad Sci U S A. 2000;97:10365-70)。3つすべてのヘパリナーゼを組み合わせて用いると、ヘパリンまたはHSの90%より高い脱重合が可能である(Karamanos NK, Vanky P, Tzanakakis GN, Tsegenidis T, Hjerpe A. ヘパリンおよびヘパラン硫酸における二糖組成を決定するためのイオン対高性能液体クロマトグラフィ。J Chromatogr A. 1997;765:169-79.;Vynios DH, Karamanos NK, Tsiganos CP.グリコサミノグリカンの分析における進歩:結合組織生理学的および病的状態の評価のための適用。 J Chromatogr B. 2002;781:21-38.)。生じる二糖混合物を、既知の二糖標準との比較によって、PAGE(Hampson IN, Gallagher JT.ポリアクリルアミドゲル電気泳動による放射標識グリコサミノグリカン・オリゴ糖の分離 Biochem J. 1984;221:697-705.)、SAX−HPLC(Skidmore M AA, Yates EおよびTurnbull JE. HPLCおよびMS分離のための発色団蛍光およびマスタグでのヘパラン硫酸糖の標識。Methodsin Molecular biology. 2009;534:157-69.)、または高感度キャピラリー電気泳動(CE)(Lamari F, Militsopoulou M, Gioldassi X, Karamanos NK. キャピラリー電気泳動:プロテオグリカン中のグリカン部分の単糖、二糖およびオリゴ糖構成要素分析のための優れた小型ツール。Fresenius J Anal Chem. 2001;371:157-67.;Karamanos NK, Vanky P, Tzanakakis GN, Hjerpe A. ヘパリンおよびヘパラン硫酸二糖を性質決定する高性能キャピラリー電気泳動法。Electrophoresis. 1996;17:391-5.;Sudhalter J, Folkman J,Svahn CM, Bergendal K, Damore PA. ヘパリンによる酸性線維芽細胞増殖因子の増強における、サイズ、硫酸化、および抗凝固活性の重要性J Biol Chem. 1989;264:6892-7.;Militsopoulou M, LamariFN, Hjerpe A, Karamanos NK.紫外およびレーザー誘導蛍光検出を用いたキャピラリーゾーン電気泳動による2−アミノアクリドン誘導体としての12のヘパリンおよびヘパラン硫酸由来二糖の決定。Electrophoresis. 2002;23:1104-9)によって分析することも可能である。

先行技術

0005

Lindahl U, Backstrom G, Hook M, Thunberg L, Fransson LA, Linker A. Proc Natl Acad Sci U S A. 1979;76:3198-202
Falcone DJ, Salisbury BGJ. Arteriosclerosis. 1988;8:263-73
Mahalingam Y, Gallagher JT, Couchman JR. J Biol Chem. 2007;282:3221-30
Gandhi NS, Mancera RL. Chem Biol Drug Des. 2008;72:455-82
Venkataraman G, Shriver Z, Raman R, Sasisekharan R. Science. 1999;286:537-42
Desai UR, Wang HM, Linhardt RJ. Biochemistry. 1993;32:8140-5
Shriver Z, Sundaram M, Venkataraman G, Fareed J, Linhardt R, Biemann Kら. Proc Natl Acad Sci U S A. 2000;97:10365-70
Karamanos NK, Vanky P, Tzanakakis GN, Tsegenidis T, Hjerpe A. J Chromatogr A. 1997;765:169-79
Vynios DH, Karamanos NK, Tsiganos CP. J Chromatogr B. 2002;781:21-38
Hampson IN, Gallagher JT. Biochem J. 1984;221:697-705
Skidmore M AA, Yates EおよびTurnbull JE. Methodsin Molecular biology. 2009;534:157-69
Lamari F, Militsopoulou M, Gioldassi X, Karamanos NK. Fresenius J Anal Chem. 2001;371:157-6
Karamanos NK, Vanky P, Tzanakakis GN, Hjerpe A. Electrophoresis. 1996;17:391-5
Sudhalter J, Folkman J,Svahn CM, Bergendal K, Damore PA. J Biol Chem. 1989;264:6892-7
Militsopoulou M, LamariFN, Hjerpe A, Karamanos NK. Electrophoresis. 2002;23:1104-9

0006

本発明は、ヘパラン硫酸種およびヘパラン硫酸種を含むかまたは該種からなるヘパラン硫酸調製物に関する。ヘパラン硫酸種は、HS16と呼ばれる。HS16は、構造的にそして機能的に関連する単離ヘパラン硫酸の新規クラスを指す。

0007

HS16は、TGFβ1に結合し、TGFβ1の熱安定性増進し、そしてTGFβ1シグナル伝達を増強し、そしてしたがって、間葉系幹細胞軟骨形成分化を増強することが見出されてきている。

0008

本発明の1つの側面において、ヘパラン硫酸HS16を提供する。HS16は、単離された型または実質的に精製された型で提供されることも可能である。これは、ヘパラン硫酸構成要素が少なくとも80%のHS16、より好ましくは少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%、HS16の1つである組成物を提供する工程を含むことも可能である。

0009

好ましい態様において、HS16は、RKDLGWKWIHEPKGYH(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドまたはポリペプチドに結合することが可能である。ペプチドは、この配列の一端または両端に1またはそれより多いさらなるアミノ酸を有することも可能である。例えば、ペプチドは、この配列の一端または両端に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれより多いアミノ酸のいずれかを有することも可能である。

0010

他の態様において、ポリペプチドはTGFβ1タンパク質である。いくつかの態様において、HS16は、配列番号1のアミノ酸配列を有するかまたは該配列からなるペプチド、あるいはTGFβ1タンパク質に、100μM未満、より好ましくは50μM、40μM、30μM、20μM、10μM、1μM、500nM、100nM、50nM、10nMまたは1nMの1未満のKDで、結合する。

0011

本明細書に記載する本発明者らの方法論にしたがって、HS16を、得るか、同定するか、単離するかまたは濃縮することも可能であり、該方法は以下の工程:
(i)支持体接着したポリペプチド分子を有する固体支持体を提供し、ここで、ポリペプチドがRKDLGWKWIHEPKGYHのアミノ酸配列を有するヘパリン結合ドメインを含み;
(ii)ポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体が形成可能であるように、ポリペプチド分子を、グリコサミノグリカンを含む混合物と接触させ;
(iii)混合物の残りからポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体を分配し;
(iv)ポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体から、グリコサミノグリカンを解離させ;
(v)解離したグリコサミノグリカンを収集する
工程を含むことも可能である。

0012

場合によって、方法は、サイズ分画工程を、例えば工程(iv)または(v)の後にさらに含むことも可能である。サイズ分画を用いて、選択した閾値、例えばdp4、dp6、dp8、dp10、dp12、dp14、dp16、dp18、dp20、dp22、またはdp24の1つより小さいヘパラン硫酸鎖を除去することも可能である。

0013

本発明者の方法論において、混合物は、商業的に入手可能な供給源から得られるグリコサミノグリカンを含むことも可能である。1つの適切な供給源は、ヘパラン硫酸分画、例えば商業的に入手可能なヘパラン硫酸である。1つの適切なヘパラン硫酸分画は、ブタ腸粘膜からのヘパリン単離中に得られることが可能であり、別のものは、ブタ粘膜由来のヘパラン硫酸[HSPM](例えばCelsus Laboratories Inc.のもの−ときに「Celsus HS」と称される)である。

0014

ヘパラン硫酸の他の適切な供給源には、任意の哺乳動物(ヒトまたは非ヒト)由来の、特に腎臓または腸粘膜由来のヘパラン硫酸が含まれる。いくつかの態様において、ヘパラン硫酸は、ブタまたはウシ腸粘膜、腎臓または肺由来である。

0015

本発明の別の側面において、上記の側面の任意の1つに記載のHS16およびTGFβ1タンパク質を含む組成物を提供する。
本発明の1つの側面において、上述の側面にしたがった、HS16を含む医薬組成物または薬剤を提供する。医薬組成物または薬剤は、薬学的に許容されうるキャリアーアジュバントまたは希釈剤をさらに含むことも可能である。

0016

いくつかの態様において、医薬組成物は、治療法において使用するためのものであり、該方法は、組織、例えば結合組織(軟骨、骨、靱帯、皮膚、角膜)または骨折修復および/または再生を含む。いくつかの態様において、医薬組成物または薬剤は、TGFβ1タンパク質をさらに含むことも可能である。いくつかの態様において、医薬組成物または薬剤は、間葉系幹細胞をさらに含むことも可能である。

0017

本発明の別の側面において、医学的治療法において使用するためのHS16を提供する。医学的治療法は、in vivoでの創傷治癒、組織の修復および/または再生、例えば結合組織(軟骨、骨、腱、靱帯、皮膚、角膜)の修復および/または再生の方法を含むことも可能である。こうした修復および/または再生は、哺乳動物またはヒトにおけるものであることも可能である。

0018

本発明の関連する側面において、医学的治療法において使用するための薬剤の製造におけるHS16の使用を提供する。いくつかの態様において、医学的治療法は、上述のような組織の修復および/または再生を含む。

0019

本発明のさらなる側面において、バイオマテリアルおよびHS16を含む、生体適合移植物または装具を提供する。いくつかの態様において、移植物または装具はHS16でコーティングされている。いくつかの態様において、移植物または装具はHS16で含浸されている。移植物または装具は、TGFβ1タンパク質で、および/または間葉系幹細胞で、さらにコーティングまたは含浸されていることも可能である。

0020

本発明の別の側面において、生体適合移植物または装具を形成する方法であって、バイオマテリアルをHS16でコーティングまたは含浸する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、TGFβ1タンパク質および間葉系幹細胞の一方または両方でバイオマテリアルをコーティングまたは含浸する工程をさらに含む。

0021

いくつかの側面において、方法は、患者に、HS16および間葉系幹細胞を投与する工程を含むことも可能である。こうした方法において、HS16、TGFβ1タンパク質および間葉系幹細胞の少なくとも2つを、HS16、TGFβ1タンパク質および間葉系幹細胞の少なくとも2つ、ならびに薬学的に許容されうるキャリアー、アジュバントまたは希釈剤を含む医薬組成物中で配合することも可能である。

0022

好ましくは、HS16、TGFβ1タンパク質および間葉系幹細胞をそれぞれ、療法的有効量で提供する。いくつかの態様において、方法は、HS16、および/またはTGFβ1タンパク質および/または間葉系幹細胞、ならびに薬学的に許容されうるキャリアー、アジュバントまたは希釈剤を含む医薬組成物として、療法的有効量のHS16、および/またはTGFβ1タンパク質および/または間葉系幹細胞を配合する工程をさらに含み、ここで医薬組成物を患者に投与する。

0023

本発明の別の側面において、患者を治療する方法であって、バイオマテリアルおよびHS16を含む生体適合移植物または装具を、患者組織内または骨折部位周囲に外科的に移植する工程を含む前記方法を提供する。

0024

いくつかの態様において、移植物または装具は、HS16でコーティングされる。いくつかの態様において、移植物または装具は、HS16で含浸される。いくつかの態様において、移植物または装具は、TGFβ1タンパク質および間葉系幹細胞の一方または両方でさらに含浸される。

0025

本発明のさらなる側面において、HS16を含む培地を提供する。
本発明の別の側面において、in vitroの細胞培養におけるHS16の使用を提供する。本発明の関連する側面において、in vitroの結合組織増殖におけるHS16の使用を提供する。本発明の別の関連する側面において、in vitroで結合組織を増殖させるための方法であって、外因性に添加されたHS16と接触させて間葉系幹細胞を培養する工程を含む、前記方法を提供する。

0026

本発明のさらにさらなる側面において、治療が必要なヒトまたは動物患者における、組織、例えば結合組織の修復、置換または再生のための方法であって:
(i)間葉系幹細胞が組織を形成するために十分な期間、該細胞を、HS16と接触させて、in vitroで培養し;
(ii)前記組織を収集し;
(iii)傷害または疾患の部位で、前記組織を患者の体内に移植して、患者において、組織を修復、置換または再生する
工程を含む、前記方法を提供する。

0027

組織は、結合組織、例えば骨、軟骨、腱、皮膚または脂肪であることも可能である。いくつかの態様において、方法は、培養中の間葉系幹細胞を外因性TGFβ1タンパク質と接触させる工程をさらに含む。

0028

本発明の別の側面において、HS16の存在下で間葉系幹細胞のin vitro培養によって得られる組織を提供する。いくつかの態様において、組織は、HS16およびTGFβ1タンパク質の存在下で、間葉系幹細胞のin vitro培養によって得られる。

0029

本発明のさらなる側面において、幹細胞、例えば間葉系幹細胞を培養する方法であって、HS16と接触させて幹細胞を培養する工程を含む、前記方法を提供する。
本発明のいくつかの側面において、in vitroで幹細胞を培養する方法であって、ヘパラン硫酸HS16と接触させて、in vitroで幹細胞を培養する工程を含む、前記方法を提供する。HS16は、好ましくは外因性であり、そして単離され、そして補充物として、例えば培地の一部として、培養に添加される。

0030

本発明のさらにさらなる側面において、キットオブパーツ(kit of parts)であって、あらかじめ決定した量のHS16およびあらかじめ決定した量のTGFβ1を含む、前記キットを提供する。該キットは、あらかじめ決定した量のHS16を含有する第一の容器およびあらかじめ決定した量のTGFβ1を含有する第二の容器を含むことも可能である。キットは、あらかじめ決定した量の間葉系幹細胞をさらに含むことも可能である。キットは、医学的治療法において使用するために提供されることも可能である。医学的治療法は、in vivoの創傷治癒、組織、例えば結合組織(例えば、軟骨、骨、腱、靱帯、皮膚、角膜)の修復および/または再生の方法を含むことも可能である。修復および/または再生は、哺乳動物またはヒトにおけるものであることも可能である。キットは、医学的治療法を提供するため、HS16、TGFβ1タンパク質および/または間葉系幹細胞を別個に、連続してまたは同時に投与するための使用説明書とともに提供されることも可能である。

0031

本発明のさらなる側面において、医学的治療法において、同時に、別個にまたは連続して使用するための、療法的有効量の:
(i)HS16;および
(ii)TGFβ1;
(iii)間葉系幹細胞、または線維芽細胞系譜の細胞
の一方または両方を含有する、産物を提供する。医学的治療法は、in vivoの創傷治癒、結合組織の修復および/または再生の方法を含むことも可能である。修復および/または再生は、哺乳動物またはヒトにおけるものであることも可能である。産物は、場合によって、共投与のための組み合わせ調製物として配合されることも可能である。

0032

本明細書に示すように、HS16は、TGFβ1を安定化し、そしてそれによってその作用を延長する特性を有する。HS16は、培地中でTGFβ1が分解されることを防止する。これは、通常、TGFβ1調製物の貯蔵およびTGFβ1含有培地の調製に有用に適用されうる。

0033

こうしたものとして、本発明の1つの側面において、増殖因子および単離HS16を含む組成物を提供する。増殖因子は、タンパク質増殖因子であることも可能であり、そして好ましくはTGFβ1である。組成物は、単離TGFβ1および単離HS16を含むことも可能である。いくつかの態様において、組成物は培地であることも可能である。他の態様において、組成物は、TGFβ1を含有する医薬組成物または薬剤であることも可能である。

0034

組成物は、容器中にTGFβ1および単離HS16を含むTGFβ1調製物であることも可能である。適切な容器は、瓶、バイアルチューブまたはシリンジであることも可能である。

0035

増殖因子の安定性を増加させる方法であって、増殖因子を単離HS16と接触させる工程を含む、前記方法もまた提供する。
増殖因子の安定性を、半減期、すなわち所定の組成物中の増殖因子の半分が分解され、そして/またはその活性を失うために掛かる時間の量に関して、測定することも可能である。増殖因子は、好ましくは、タンパク質増殖因子、より好ましくはTGFβ1である。HS16は、TGFβ1半減期を維持し、そして延長するよう作用する。該方法は、単離HS16を増殖因子(例えばTGFβ1)とin vitroで、例えば増殖因子(例えばTGFβ1)組成物の調製、その保存または輸送の一部として、接触させる工程を含むことも可能である。あるいは、該方法は、例えば、増殖因子(例えばTGFβ1)[組織中に天然に存在するかまたは組織に外因性に添加されたもの]が存在する組織に、単離HS16を投与することによって、in vivoで、単離HS16を増殖因子(例えばTGFβ1)と接触させる工程を含むことも可能である。該方法はまた、外因性増殖因子(例えばTGFβ1)を組織に添加する工程を含むことも可能である。

0036

単離HS16を含有する所定の組成物または組織(または単離HS16が添加されているもの)におけるTGFβ1の安定性を、HS16を含有しない(または単離HS16が添加されていない)匹敵する組成物に対して比較することも可能である。上述の組成物および方法において、HS16は本明細書に記載するように精製されていることも可能である。TGFβ1は、単離され、そして/または精製され、単離されずまたは部分的に単離され、例えば細胞外マトリックス材料の一部として、あるいは細胞組成物中に存在することも可能である。単離または精製TGFβ1は、組換えTGFβ1であることも可能である。組換えTGFβ1は、多くの商業的製造者から商業的に入手可能である。

0037

いくつかの側面において、HS16は、血液由来産物の産生中の保存剤および/または保存料として用いる。いくつかの態様において、血液由来産物には、血小板血小板産物血小板溶解物、血小板リッチ血漿PRP)が含まれる。血液由来産物は、血液または血清から単離され、そして場合によって血液および/または血清の他の構成要素から濃縮されるかまたは分配されることも可能である。

0038

いくつかの側面において、血液由来産物(単数または複数)の調製物であって、血液由来産物およびあらかじめ決定した量のHS16を含む前記調製物を提供する。HS16は、好ましくは単離されたまたは精製された型であり、そして好ましくは、血液由来産物(単数または複数)に対して外因性であり、血液由来産物(単数または複数)に添加される。調製物は、HS16が添加されている、血小板調製物、例えば血小板、血小板産物、血小板溶解物または血小板リッチ血漿(PRP)であることも可能である。

0039

上記にしたがって、生物学的材料、好ましくはTGFβ1を含む生物学的材料を保存する方法であって、生物学的材料をあらかじめ決定した量のHS16に接触させる工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの態様において、生物学的材料は、細胞材料、組織、血液由来産物、細胞、または幹細胞より選択されることも可能である。

0040

本発明の別の側面において、幹細胞の単離および/またはプロセシング中に使用するためのHS16を提供する。いくつかの態様において、幹細胞の培養および/または拡大中に使用するための試薬として、HS16を提供する。したがって、幹細胞を単離するか、プロセシングするか、培養するかまたは拡大する方法であって、幹細胞をあらかじめ決定した量のHS16と接触させる工程を含む前記方法を提供することも可能である。幹細胞は場合によってTGFβ1を発現することも可能である。

0041

場合によって、本発明の側面および態様には、Mantonら(Journal of Cellular Physiology 209:219-229(2006))に記載されるようなHSは含まれない。
図面の簡単な説明
本発明の原理を例示する態様および実験は、ここで、付随する図に関連して論じられるであろう。

図面の簡単な説明

0042

図1Aおよび1B。ヘパリンがTGF−β1に結合することを示すチャート。(A)TGF−β1がヘパリンに結合する能力を決定するGAG結合プレートアッセイの結果を示すチャート。エラーバー標準偏差を示す、n=3。(B)多様な濃度(50〜800nM)の注入TGF−β1に対する結合反応の変化を示すSPRセンソグラム。注入タンパク質の関数として、結合反応(RU)をプロットすることによって標準曲線を用意した。ヘパリンに対するTGF−β1結合のKdは〜0.475μMと概算された。
図1Aおよび1B。ヘパリンがTGF−β1に結合することを示すチャート。(A)TGF−β1がヘパリンに結合する能力を決定するGAG結合プレートアッセイの結果を示すチャート。エラーバーは標準偏差を示す、n=3。(B)多様な濃度(50〜800nM)の注入TGF−β1に対する結合反応の変化を示すSPRセンソグラム。注入タンパク質の関数として、結合反応(RU)をプロットすることによって標準曲線を用意した。ヘパリンに対するTGF−β1結合のKdは〜0.475μMと概算された。
図2A〜2D。ヘパリン結合は、TGF−β1活性を増強する。(A)ヘパリン(25μM)を伴う(TGF−β1+Hep)または伴わない(TGF−β1)、TGF−β1(2.5μM)およびDTT(10mM)のDSFから得られる融解曲線一次導関数を示すチャート。各グラフピークで、各条件下でのTGF−β1の融解温度を取った。(B)相対タンパク質レベルを示すウェスタンブロットおよびチャート:細胞を、多様な量(0、10または40μg/ml)のヘパリン(Hep)と室温で10分間プレインキュベーションした、TGF−β1(1または5ng/ml)で処理し、そして6時間後に溶解した。リン酸化SMAD2(pSMAD2)およびSMAD3(pSMAD3)、総SMAD2/3およびアクチン・レベルウェスタンブロッティングによって決定し、そしてアクチンに比較して濃度測定によって定量化した。エラーバーは標準偏差を示す、n=3。
図2A〜2D。ヘパリン結合は、TGF−β1活性を増強する。(C)軟骨形成培地(培地)またはヘパリン(10μg/ml)を含む軟骨形成培地(培地+Hep)中で、3日間培養した軟骨形成微量ペレットにおけるSOX9およびCOMPの定量的PCRの結果を示すチャート。エラーバーは標準誤差を示し、n=3である。(D)DMSOまたはSB431542(10μM)で処理した後、qPCRによって測定した際の、第3日の軟骨形成微量ペレットにおけるSOX9およびCOMP発現の阻害を示すチャート。エラーバーは標準誤差を示し、n=3である。
図3A〜3C。TGF−β1結合および活性に関するヘパリンの長さの要件。(A)5または10μgのヘパリン(Hep)またはサイズ分画されたヘパリン(dp4〜24)のいずれかと注入前にプレインキュベーションした際の、200nMのTGF−β1の結合反応の変化を示す代表的なSPRセンソグラム。多様なGAGがヘパリン・コーティングチップに対するTGF−β1結合に関して競合する能力を示す代表的な棒グラフ。200nM TGF−β1単独に対してデータを規準化した。
図3A〜3C。TGF−β1結合および活性に関するヘパリンの長さの要件。(B)TGF−β1が多様なヘパリン断片(dp14〜24)または未分画ヘパリン(Hep)に結合する能力を決定する、GAG結合プレートアッセイの結果を示すチャート。エラーバーは、標準偏差を示す、n=3。(C)ウェスタンブロット:細胞を、多様なヘパリン断片(dp14〜24)または未分画ヘパリン(Hep)と室温で10分間プレインキュベーションした、TGF−β1(1ng/ml)で処理し、そして6時間で溶解した。リン酸化SMAD2(pSMAD2)およびSMAD3(pSMAD3)、総SMAD2/3およびアクチン・レベルをウェスタンブロッティングによって決定した。
図4A〜4C。TGF−β1結合および活性に関するヘパリン硫酸化要件。(A)注入前に、5または10μgのヘパリン(Hep)、2−O−脱硫酸化ヘパリン(2−O−脱)、6−O−脱硫酸化ヘパリン(6−O−脱)またはN−脱硫酸化ヘパリン(N−脱)のいずれかとプレインキュベーションした際の、200nMのTGF−β1の結合反応の変化を示す代表的なSPRセンソグラム。多様なGAGが、ヘパリン・コーティングチップに対するTGF−β1結合に関して競合する能力を示す、代表的な棒グラフ。200nM TGF−β1単独に対してデータを規準化した。
図4A〜4C。TGF−β1結合および活性に関するヘパリン硫酸化要件。(B)TGF−β1が、選択的に脱硫酸化された(2−O−脱、6−O−脱またはN−脱)または完全に硫酸化されているヘパリン(Hep)に結合する能力を決定する、GAG結合プレートアッセイを示すチャート。エラーバーは標準偏差を示す、n=3。(C)ウェスタンブロット:細胞を、多様な選択的に脱硫酸化された(2−O−脱、6−O−脱またはN−脱)または完全に硫酸化されているヘパリン(Hep)と室温で10分間プレインキュベーションした、TGF−β1(1ng/ml)で処理し、そして6時間で溶解した。リン酸化SMAD2(pSMAD2)およびSMAD3(pSMAD3)、総SMAD2/3およびアクチン・レベルをウェスタンブロッティングによって決定した。
図5Aおよび5B。TGF−β1ヘパリン結合部位の同定。(A)TGF−β1アミノ酸配列、ならびに保護および標識戦略によって同定されたリジンの位置[配列番号3]。TGF−β1の以前公表されたヘパリン結合ドメイン(HBD)を下線で示す。高信頼度(*)および中程度の信頼度(^)で同定されたリジンを示す。(B)TGF−β1の予測される3次元構造上にマッピングされた、同定されたリジンの位置(PDB:1KLC[51])。上列リボンダイヤグラム。下列、対応する分子表面。左列および右列水平軸周囲のTGF−β1の180°回転。
図6A〜6F。アフィニティ選択されたTGF−β1結合性HS(HS16陽性)の単離。(A)商業的に入手可能なHSPMからTGF−β1結合性HS集団の単離に用いたペプチドを示す成熟TGF−β1のアミノ酸配列[配列番号3]。(B)3H−ヘパリンに結合するペプチドの能力を決定する、3H−ヘパリン結合アッセイの結果を示すチャート。ペプチドをニトロセルロース膜上に吸着させ、そして次いで、3H−ヘパリンへの結合を可能にした。ペプチドに結合しているヘパリンの量をシンチレーションカウンターで定量化した。PBS陰性対照として働いた。エラーバーは標準偏差を示す、n=2。(C)TGF−β1ペプチドでのアフィニティ選択後に得られるHS分画のクロマトグラム。ペプチドに結合しないHS(HS16陰性)が最初に溶出し、一方、ペプチドに結合するHS(HS16陽性)は、1.5M NaClで溶出する。
図6A〜6F。アフィニティ選択されたTGF−β1結合性HS(HS16陽性)の単離。(D)商業的に入手可能なHSPMからTGF−β1結合性HS集団を単離するために用いたペプチド(P4)およびやはり試験した3つの他のペプチド(P1、P2、P3)を示す、成熟TGF−β1のアミノ酸配列。(E)PBSおよびP1、P2、P3、P4の各々へのHSPMの相対結合を示すチャート。(F)HS16のクロマトグラフィ単離を例示するダイヤグラム。
図7A〜7C。HS16陽性の特徴付け。(A)HS16陽性(上部)、HS16陰性(中央)およびHSPM(下部)のプロトンNMRスペクトル。矢印は、3つの糖の間のスペクトル相違を示す。
図7A〜7C。HS16陽性の特徴付け。(B)HS16陽性、HS16陰性およびHSPMのサイズ排除クロマトグラム。ヘパリンサイズ標準(dp8、12、20および26)の溶出時間をグラフ上に示す。(C)ヘパリン・リアーゼで消化したHS16陽性、HS16陰性およびHSPMの二糖組成を示すチャート。
図8A〜8H。HS16陽性は、TGF−β1に結合し、そしてそのシグナル伝達を増強する。(A)注入前に5または10μgのHS16陽性、HS16陰性またはHSPMのいずれかとプレインキュベーションした際の、200nMのTGF−β1の結合反応の変化を示す、代表的なSPRセンソグラム。多様なGAGが、ヘパリン・コーティングチップに対するTGF−β1結合に関して競合する能力を示す、代表的な棒グラフ。200nM TGF−β1単独に対してデータを規準化した。
図8A〜8H。HS16陽性は、TGF−β1に結合し、そしてそのシグナル伝達を増強する。(B)ゲル電気泳動の提示:単独でまたは示すGAGとともにインキュベーションしたTGF−β1のプラスミン消化。試料を1.5時間消化し、4〜12% SDS−PAGE上で分離し、そして銀染色によって視覚化した。(C)ウェスタンブロット:細胞を、10μg/mlのヘパリン(Hep)、HSPM、HS16陽性またはHS16陰性と室温で10分間プレインキュベーションした、TGF−β1(1ng/ml)で処理し、そして6時間で溶解した。リン酸化SMAD2(pSMAD2)およびSMAD3(pSMAD3)、総SMAD2/3およびアクチン・レベルをウェスタンブロッティングによって決定した。
図8A〜8H。HS16陽性は、TGF−β1に結合し、そしてそのシグナル伝達を増強する。注入前に、5または10μgの(D)HSPM、(E)HS16陽性、(F)HS16陰性、または(G)ヘパリン(Hep)のいずれかとプレインキュベーションした際の、200nMのTGF−β1の結合反応の変化を示す代表的なSPRセンソグラム。
図8A〜8H。HS16陽性は、TGF−β1に結合し、そしてそのシグナル伝達を増強する。注入前に、5または10μgの(D)HSPM、(E)HS16陽性、(F)HS16陰性、または(G)ヘパリン(Hep)のいずれかとプレインキュベーションした際の、200nMのTGF−β1の結合反応の変化を示す代表的なSPRセンソグラム。
図8A〜8H。HS16陽性は、TGF−β1に結合し、そしてそのシグナル伝達を増強する。(H)棒グラフは、多様なGAGが、ヘパリン・コーティング表面に対するTGF−β1結合に関して競合する能力を示す。明確にするために、いかなるGAGも伴わない(すなわち0μg)TGF−β1の結合反応は、ヘパリンに関してのみ示される。データを200nM TGF−β1単独に対して規準化した。エラーバーは標準偏差を示す、n=3。
ヘパリン/HSとTGF−β1の相互作用に関する模式的モデル。Lyonら(2)によって提唱されるモデルにしたがって、ヘパリン/HS鎖(実線)は、いずれかの単量体上のK26残基を通じてTGF−β1と相互作用する。このモデルは、2つのタンパク質単量体の界面間の溝に導かれる、ヘパリン/HS鎖を伴う。K13の位置は、TGF−β1への結合に必要な、こうした空間的配向を採用するように、糖鎖補助するであろう。Khanら(57)によって最近公表されたヘパリン構造と、予測されるTGF−β1構造を比較すると、また、いずれかの単量体上のK26残基間の距離を架橋するには、dp22ヘパリン断片が十分であることもまた示唆される。
図10A〜10C。HS16陽性はLTGF−β1シグナル伝達を増強する。(A)ウェスタンブロット:細胞を、10μg/mlのヘパリン(Hep)、HSPM、HS16陽性またはHS16陰性と室温で10分間プレインキュベーションした、LTGF−β1(3.3ng/ml)で処理し、そして6時間で溶解した。リン酸化SMAD2(pSMAD2)およびSMAD3(pSMAD3)、総SMAD2/3およびアクチン・レベルをウェスタンブロッティングによって決定した。(B)ヘパリン/HSとLTGF−β1の相互作用に関する模式的モデル。図9と同じヘパリン結合モデルをLTGF−β1構造(PDB:3RJR(60))に適用すると、K13残基は、ヘパリン/HS鎖(赤線)が潜在関連ペプチドLAPベージュに色づけ)の成熟TGF−β1への結合に干渉するように、その配向を補助することも可能である。(C)LAPがどのようにTGF−β1ホモ二量体周囲に巻き付くかを示すLTGF−β1のリボンダイヤグラム。
TGF−β1合成のプロセスを示すダイヤグラム。TGF−β1は、シグナルペプチド(S)、潜在関連ペプチド(LAP)およびTGF−β1自体を含有する390アミノ酸プレプロタンパク質として合成される。翻訳後、シグナルペプチドが切断され、ジスルフィド結合が2つの単量体の間に形成され、そして次いで、LAPがTGF−β1から切断される。LAPおよびTGF−β1は、次いで、非共有的再会合して、小分子潜在複合体(SLC)としてもまた知られる、潜在TGF−β1(LTGF−β1)を形成する。ジスルフィド結合を黄色に着色する。
HSPM、HS16陽性およびHS3陽性組成の比較。HSPM、HS16陽性、およびHSPMのBMP−2結合分画であるHS3陽性の間の組成相違を示す棒グラフ。HSPMおよびHS16陽性組成をHPLCによって決定し、これはまれなUA,2S−GlcNAc,6S二糖を検出することが不可能であり、一方、HS3陽性組成は、キャピラリー電気泳動によって決定された。エラーバーは誤差区間を示し、これは、信頼性限界を95に設定した、スチューデントのt分布を用いて決定された。HS3陽性に関するデータは[Murali, S.ら,骨修復のためのアフィニティ選択ヘパラン硫酸。Biomaterials, 2013, 34(22):p.5594-5605]から引用し、そして比較のために用いた。
図13A〜13E。BMP−2へのHS16陽性およびHS3陽性結合の比較。注入前に、5または10μgの(A)HSPM、(B)HS3陽性、(C)HS16陽性または(D)ヘパリン(Hep)のいずれかとプレインキュベーションした際の、25nMのBMP−2の結合反応の変化を示す、代表的なSPRセンソグラム。
図13A〜13E。BMP−2へのHS16陽性およびHS3陽性結合の比較。注入前に、5または10μgの(A)HSPM、(B)HS3陽性、(C)HS16陽性または(D)ヘパリン(Hep)のいずれかとプレインキュベーションした際の、25nMのBMP−2の結合反応の変化を示す、代表的なSPRセンソグラム。
図13A〜13E。BMP−2へのHS16陽性およびHS3陽性結合の比較。(E)棒グラフは、多様なGAGがヘパリン・コーティング表面に対するBMP−2結合に関して競合する能力を示す。明確にするために、いかなるGAGも伴わない(すなわち0μg)BMP−2の結合反応は、ヘパリンに関してのみ示される。データを25nM BMP−2単独に対して規準化した。エラーバーは標準偏差を示す、n=3。
HS16陽性のBMP−2増強能。HSPM、HS16陽性およびHS3陽性が、C2C12細胞におけるアルカリホスファターゼ(ALP)のBMP−2駆動発現を増強する能力を示す、棒グラフ。エラーバーは、SDを示す、n=4。*P<0.05、**P<0.01、**P<0.001。
分化するhMSCにおける湿重量変化。長期に渡る、TGF−β1で処理した(TGF−β1)またはTGF−β1で処理しない(対照)、軟骨形成分化したペレットの重量変化を示すグラフ。エラーバーはSDを示す、n=3。***対照に比較したP<0.001。
図16A〜16E。分化するhMSCにおける軟骨形成遺伝子発現。長期に渡る、10ng/mL TGF−β1で処理した(TGF−β1)または処理しない(対照)(A)SOX9、(B)COMP、(C)アグリカン、(D)コラーゲン2α1型、および(E)コラーゲン10α1型mRNA発現レベルを示すグラフ。コラーゲン2α1型mRNAは、対照ペレットにおいては検出されなかった。エラーバーはSDを示す、n=3。対照に比較した、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。
図16A〜16E。分化するhMSCにおける軟骨形成遺伝子発現。長期に渡る、10ng/mL TGF−β1で処理した(TGF−β1)または処理しない(対照)(A)SOX9、(B)COMP、(C)アグリカン、(D)コラーゲン2α1型、および(E)コラーゲン10α1型mRNA発現レベルを示すグラフ。コラーゲン2α1型mRNAは、対照ペレットにおいては検出されなかった。エラーバーはSDを示す、n=3。対照に比較した、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。
図16A〜16E。分化するhMSCにおける軟骨形成遺伝子発現。長期に渡る、10ng/mL TGF−β1で処理した(TGF−β1)または処理しない(対照)(A)SOX9、(B)COMP、(C)アグリカン、(D)コラーゲン2α1型、および(E)コラーゲン10α1型mRNA発現レベルを示すグラフ。コラーゲン2α1型mRNAは、対照ペレットにおいては検出されなかった。エラーバーはSDを示す、n=3。対照に比較した、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。
図17Aおよび17B。初期軟骨形成遺伝子発現に対するヘパリンの影響。示す処理を伴う、軟骨形成培地における分化3日後の、hMSCにおける(A)SOX9および(B)COMP mRNA発現レベルを示す棒グラフ。対照−対照;5 Hep−5μg/mLヘパリン;10 Hep−10μg/mLヘパリン;1 TGF−β1−1 ng/mL TGF−β1;10 TGF−β1−10ng/mL TGF−β1。エラーバーはSDを示す、n=3。対照に比較して、*P<0.05、***P<。1 TGF−β1に比較して、#P<0.005、###P<0.001。
図18A〜18D。hMSCの軟骨形成遺伝子発現に対する、単離HS分画の影響。1または10ng/mL TGF−β1(それぞれ1 TGF−β1および10 TGF−β1)および10μg/mLの示すGAGを含む軟骨形成培地中で21日間培養したペレットにおける、(A)SOX9、(B)COMP、(C)アグリカンおよび(D)コラーゲン10α1型mRNA発現レベルを示すスキャッタープロット。コラーゲン2α1型mRNAは、10ng/mL TGF−β1で処理したペレットにおいてのみ検出された。中央の線は平均を示し、一方、エラーバーはSDを示す、n=3。1 TGF−β1に比較して、*P<0.05、***P<0.001。1 TGF−β1+HS16陽性データセット中に外れ値があることに注目されたい。
図18A〜18D。hMSCの軟骨形成遺伝子発現に対する、単離HS分画の影響。1または10ng/mL TGF−β1(それぞれ1 TGF−β1および10 TGF−β1)および10μg/mLの示すGAGを含む軟骨形成培地中で21日間培養したペレットにおける、(A)SOX9、(B)COMP、(C)アグリカンおよび(D)コラーゲン10α1型mRNA発現レベルを示すスキャッタープロット。コラーゲン2α1型mRNAは、10ng/mL TGF−β1で処理したペレットにおいてのみ検出された。中央の線は平均を示し、一方、エラーバーはSDを示す、n=3。1 TGF−β1に比較して、*P<0.05、***P<0.001。1 TGF−β1+HS16陽性データセット中に外れ値があることに注目されたい。
成熟ヒト[配列番号3]およびウサギTGF−β1[配列番号4]の配列整列。成熟ヒトTGF−β1の予測されるヘパリン結合ドメイン中のアミノ酸残基を下線で示し、そして「保護および標識」技術によって同定されるリジン(K)を太字で示す。
図20Aおよび20B。処置群巨視スコア。各処置群に関するICRSIスコアのスキャッタープロット。(A)中央の線は平均スコアを示し、エラーバーはSEを示す。(B)線は平均スコアを示す。

0043

本発明者らは、TGFβ1のヘパリン結合ドメインを解明するため、配列に基づくアフィニティクロマトグラフィプラットホームを用いた。これは、TGFβ1結合性ヘパラン硫酸(HS)分画の濃縮を可能にした。

0044

用語「硫酸」(sulphate)、「硫酸化された」(sulphated)、および「硫酸化」(sulphation)は、それぞれ、「sulfate」、「sulfated」、および「sulfation」と交換可能に用いられる。

0045

HS16
本発明は、HS16と呼ばれるヘパラン硫酸分子のクラスに関する。HS16分子は、TGFβ1のヘパリン結合ドメインに対応するポリペプチドに結合する、1またはそれより多いグリコサミノグリカン(GAG)を含有する化合物の混合物を濃縮する方法によって得られうる。特に、HS16分子は、アミノ酸配列RKDLGWKWIHEPKGYHを含むかまたは該配列からなる、TGFβ1のヘパラン結合ドメインに結合する、ヘパラン硫酸に関して濃縮することによって得られうる。濃縮プロセスを用いて、HS16を単離することも可能である。

0046

本発明はまた、HS16が濃縮された化合物の混合物、およびこうした混合物を用いる方法にも関する。
本明細書記載の方法論によって得られうることに加えて、HS16はまた、機能的にそして構造的に定義されることも可能である。

0047

機能的には、HS16は、アミノ酸配列RKDLGWKWIHEPKGYH(配列番号1)を有するかまたは該配列からなるペプチドに結合することが可能である。該ペプチドは、ペプチドの一端または両端に、1またはそれより多いさらなるアミノ酸を含有することも可能であり、またはいくつかの場合、短いアミノ酸リンカー配列(例えば長さ約1〜5アミノ酸)および/またはビオチンなどのタグに付着していることも可能である。

0048

好ましくは、HS16は、100μM未満、より好ましくは、50μM、40μM、30μM、20μM、10μM、1μM、500nM、100nM、50nM、10nM、1nMまたは100pMの1つ未満のKDで、ペプチドに結合する。

0049

好ましくは、HS16はまた、100μM未満、より好ましくは、50μM、40μM、30μM、20μM、10μM、1μM、500nM、100nM、50nM、10nM、1nMまたは100pMの1つ未満のKDで、TGFβ1タンパク質に結合する。

0050

HS16およびTGFβ1タンパク質の間の結合は、以下のアッセイ法によって決定可能である。
GAGを各ウェル中に固定し、そして次いで、製造者の指示にしたがって、TGF−β1に曝露する。簡潔には、3つ組ウェルをまず、標準アッセイ緩衝液(SAB:100mM NaCl、50mM酢酸ナトリウム、0.2%v/v Tween20、pH7.2)中の5μg/mlのヘパリン、HSPM、HS16陽性またはHS16陰性でプレコーティングし、そして次いで、室温で一晩インキュベーションする。プレートを次に、SABで3回、注意深く洗浄し、250μlのブロッキング溶液(0.4%w/v魚皮ゼラチン、Sigma−Aldrich、SAB中)でブロッキングし、そして37℃で1時間インキュベーションする。次いで、TGF−β1を100、200、または400ng/mlの濃度で、ブロッキング溶液中に溶解した。プレートをSABで3回洗浄し、そしてタンパク質の各希釈物(200μl)を3つ組ウェルに分配し、そして37℃で2時間インキュベーションし、SABでリンスし、そしてブロッキング溶液中、200μlの750ng/mlモノクローナルマウス抗TGF−β1抗体(MAB2401、R&D Systems)を添加した。次いで、プレートを37℃で1時間インキュベーションし、SABで洗浄し、そしてブロッキング溶液中、200μlの1μg/mlポリクローナルヤギ抗マウスビオチン化抗体(ab6788、Abcam)を添加した。再び、プレートを37℃で1時間インキュベーションし、SABで洗浄し、そしてブロッキング溶液中、200μlの220ng/ml ExtrAvidinAP(Sigma-Aldrich)を添加し、37℃で30分間インキュベーションし、そして次いでSABでリンスする。最後に、200μlの現像試薬(SigmaFAST p−ニトロフェニルリン酸、Sigma-Aldrich)を添加し、37℃で40分間インキュベーションし、そして1時間以内に405nmで読み取る。

0051

このアッセイにおいて、吸光度を測定することによって、結合を決定することも可能であり、そして添加されるヘパラン硫酸の非存在下でのTGFβ1タンパク質、またはTGFβ1タンパク質に結合しないヘパラン硫酸が添加されているTGFβ1タンパク質などの対照に比較して決定することも可能である。

0052

表面プラズモン共鳴(実験結果を参照されたい)によって、例えばヘパリン、HSPM、HS16陽性またはHS16陰性を用いた競合アッセイにおいて、TGFβ1とHS16のユニークな相互作用を分析することも可能である。

0053

HS16の結合は、好ましくは、非特異的結合とは対照的に特異的であり、そしてRKDLGWKWIHEPKGYHを含むペプチド、例えば配列番号1との、またはTGFβ1タンパク質との、高アフィニティ結合相互作用を示すヘパラン硫酸の選択を伴う方法によって、HS16が他のヘパラン硫酸および/またはGAGから選択可能である背景において、特異的である。

0054

発明記載のHS16は、好ましくは、TGFβ1の熱安定性を増進させ、そして間葉系幹細胞のTGFβ1シグナル伝達および軟骨形成分化を増強する。HS16は、TGFβ1の安定化、および/またはTGFβ1の分解の防止および/またはTGFβ1の持続延長が望ましい、任意の適用に使用を見出す。例えばHS16は、血小板製品においてTGFβ1を安定化させることに使用を見出す。

0055

ヘパリン・リアーゼI、IIおよびIIIで完全に消化し、そして次いで、生じた二糖断片をHPLC分析に供した後のHS16の二糖組成を以下に示す:

0056

0057

本発明記載のHS16には、ヘパリン・リアーゼI、IIおよびIIIで完全に消化し、そして次いで、生じた二糖断片をHPLC分析に供することによって測定した際、HS16保持種(HS16+)に関する上記の各二糖に関して示した規準化パーセント値の±10%(より好ましくは±9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%または0.5%の1つ)以内の二糖組成を有するヘパラン硫酸が含まれる。

0058

ヘパリン・リアーゼI、IIおよびIIIで完全に消化し、そして次いで、生じた二糖断片をHPLC分析に供することによって測定した際、HS16の二糖組成は、以下のいずれか1つに記載の二糖組成を有することも可能である:

0059

0060

または

0061

0062

または

0063

0064

または

0065

0066

または

0067

0068

または

0069

0070

好ましい態様において、列挙する8つの二糖の総重量パーセントは100%(場合によって±3.0%以下、または±2.0%以下、±1.0%以下、±0.5%以下)である。

0071

いくつかの態様において、ΔUA,2SGlcNAc,6Sの規準化重量パーセントは上記プロファイルにおけるものとは異なる。例えば、HS16は、ΔUA,2SGlcNAc,6Sを除いて、上述のような規準化重量パーセントで二糖を有することも可能であり、ΔUA,2SGlcNAc,6Sは異なる規準化重量パーセントで存在してもよいし、または存在しなくてもよい。

0072

いくつかの態様において、HS16は、ΔUA,2S−GlcNS,6S、ΔUA,2S−GlcNS、ΔUA−GlcNS,6S、ΔUA−GlcNS、ΔUA,2S−GlcNAc、ΔUA−GlcNAc,6SおよびΔUA−GlcNAcに関する上記規準化重量パーセントを参照することによって定義される。

0073

HS調製物のヘパリン・リアーゼ酵素消化を、以下のように行うことも可能である:HS調製物(1mg)を各々、500μLの酢酸ナトリウム緩衝液(10mM酢酸カルシウムを含有する100mM、pH7.0)に溶解し、そして各2.5mUの3つの酵素を添加する;試料チューブを穏やかに反転しながら(9rpm)試料を37℃で一晩(24時間)インキュベーションし;さらに各2.5mUの3つの酵素を試料に添加し、試料チューブを穏やかに反転しながら(9rpm)、37℃でさらに48時間インキュベーションし;加熱(100℃、5分間)によって消化を停止し、そして次いで凍結乾燥し;消化物を500μLの水に再懸濁し、そしてアリコット(50μL)を分析のため採取する。

0074

特に、HS16を以下のように消化することも可能である:HSPM、HS16陽性およびHS16陰性試料を、水(1100μl)中に溶解し、そして濾過し(Minisart RC15、0.2μmシリンジフィルター装置、Sartorius Stedim、#17761)、いかなる粒子状物質も除去する。さらなるクリーンアップ工程として、濾過した溶液を、遠心分離(4000rpm、1時間、15℃)によって2000MWCO膜(Vivaspin 2、Hydrosart、Sartorius Stedim、#VS02H91、2000MWCO HY膜、2mL限外濾過スピンカラム)に通過させる。残余物を水(3x1ml)で洗浄し、フィルターから回収して、そして凍結乾燥する。精製HS試料を水に溶解し(1mg/ml)、そしてアリコット(2x〜1ml)の各凍結乾燥試料を分析のために採取する。Brickmanら(Brickman, Y. G., Ford, M. D., Gallagher, J. T., Nurcombe, V., Bartlett, P. F.,およびTurnbull, J. E.(1998) J Biol Chem 273, 4350-4359)の方法に基づくが、ある程度の修飾を伴い、ヘパリン・リアーゼ酵素(ヘパリン・リアーゼI、IIおよびIII、Ibex Technologies)を連続添加することによって、HS試料を二糖およびオリゴ糖に消化する。乾燥HS試料を消化緩衝液(500μl;50mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0)中に再溶解し、そしてヘパリン・リアーゼI(5μl;5mIU)を各試料に添加する。回転ホイール(9rpm)上で穏やかに混合しながら試料をインキュベーションする(37℃、2時間)。ヘパリン・リアーゼIII(5μl;5mIU)を消化物に添加し、そしてさらに1時間(上述のように)インキュベーションする。ヘパリン・リアーゼII(5μl;5mIU)を添加し、そして消化物を上述のように18時間インキュベーションする。最後に、3つのヘパリン・リアーゼすべてのアリコット(5μl;5mIU)を同時に添加し、そして消化物をさらに24時間インキュベーションする。加熱(100℃、5分間)によって酵素消化を終結させる。すべての3つのHS試料を2つ組で消化する。

0075

いくつかの態様において、HS16鎖は、約12〜26の糖単位重合度、dp)を含む。いくつかの態様において、dp数は、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも22、少なくとも24、または少なくとも26の1つであることも可能である。場合によって、26未満であることも可能である。

0076

HS16にサイズ分画法を適用することによって、望ましい範囲のサイズ(dp)を有するHS16鎖の組成物を調製することも可能である。
HS16を同定するため、本発明者らは、ヘパリン結合ドメインを有する特定のポリペプチドへの結合を示すグリコサミノグリカン分子を濃縮する工程を伴う方法を用いた。次いで、単離GAG混合物および/または分子を同定し、そしてこれらが、ヘパリン結合ドメインを含有するタンパク質を発現している細胞および組織の増殖および分化を調節する能力に関して試験することも可能である。これによって、in vitroおよびin vivoの両方で、細胞および組織の増殖および分化に対する特定のGAG糖配列の影響の制御された分析が可能になる。この方法論は、本明細書に援用されるPCT/GB2009/000469(WO2010/030244)に記載される。本発明者らは、TGFβ1に高い結合を有するGAGを単離し、そして特徴付けるために、この方法論をTGFβ1に適用した。

0077

したがって、HS16を同定するため、本発明者らは、ヘパリン/ヘパラン結合ドメインを有するタンパク質に結合することが可能なグリコサミノグリカンを単離する方法であって:
(i)支持体に接着したポリペプチド分子を有する固体支持体を提供し、ここで、ポリペプチドがヘパリン結合ドメインを含み;
(ii)ポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体が形成可能であるように、ポリペプチド分子を、グリコサミノグリカンを含む混合物と接触させ;
(iii)混合物の残りからポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体を分配し;
(iv)ポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体から、グリコサミノグリカンを解離させ;
(v)解離したグリコサミノグリカンを収集する
工程を含む、前記方法を提供した。

0078

本発明者らはまた、これらが細胞または組織の増殖または分化を調節する能力によって同定される、単離グリコサミノグリカンも提供した。これを行うため、本発明者らは、細胞および/または組織の増殖および/または分化を刺激するかまたは阻害することが可能なグリコサミノグリカンを同定する方法であって:
(i)支持体に接着したポリペプチド分子を有する固体支持体を提供し、ここで、ポリペプチドがヘパリン結合ドメインを含み;
(ii)ポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体が形成可能であるように、ポリペプチド分子を、グリコサミノグリカンを含む混合物と接触させ;
(iii)混合物の残りからポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体を分配し;
(iv)ポリペプチド−グリコサミノグリカン複合体から、グリコサミノグリカンを解離させ;
(v)解離したグリコサミノグリカンを収集し;
(vi)ヘパリン結合ドメインのアミノ酸配列を含有するタンパク質が存在する細胞または組織に、収集したグリコサミノグリカンを添加し;
(vii)細胞の増殖、細胞の分化、1またはそれより多いタンパク質マーカーの発現の1またはそれより多くを測定する
工程を含む、前記方法を提供した。

0079

本発明者らは、これらの方法を用いて、TGFB1に結合可能なGAG(これらをHS16と呼ぶ)を同定し、本発明者らの方法論で用いたポリペプチドは、RKDLGWKWIHEPKGYH(配列番号1)のヘパリン結合ドメインを含んだ。

0080

本発明者らの方法論において、GAGを含む混合物は、合成グリコサミノグリカンを含有することも可能である。しかし、細胞または組織から得られるGAGが好ましい。GAGを含む混合物は、好ましくはHSPMのようなヘパラン硫酸調製物である。好ましい態様において、GAGはヘパラン硫酸である。

0081

ヘパラン硫酸またはGAG構成要素を、当業者に周知の一連のルーチン分離工程(例えば陰イオン交換クロマトグラフィ)によって、組織または細胞試料または抽出物から抽出することも可能である。

0082

GAG混合物は、異なるタイプのグリコサミノグリカンの混合物を含有し、これには、デキストラン硫酸コンドロイチン硫酸およびヘパラン硫酸が含まれることも可能である。好ましくは、固体支持体と接触するGAG混合物では、ヘパラン硫酸が濃縮されている。GAG混合物に対してカラムクロマトグラフィ、例えば弱、中程度または強陰イオン交換クロマトグラフィ、ならびに強陰イオン交換高性能液体クロマトグラフィ(SAX−HPLC)を行い、適切な分画を選択することによって、ヘパラン硫酸濃縮GAG分画を得ることも可能である。

0083

GAGを同定するため、例えばGAG組成または配列を決定するため、あるいはGAGの構造特性を決定するため、収集したGAGをさらなる分析に供することも可能である。GAG構造は典型的には非常に複雑であり、そして現在利用可能な分析技術を考慮すると、GAG配列構造の正確な決定は、大部分の場合、不可能である。

0084

しかし、収集したGAG分子を部分的または完全糖消化(例えば亜硝酸によって化学的に、またはリアーゼ、例えばヘパリナーゼIIIを用いて酵素的に)に供して、GAGの特徴的でありそしてかつ診断的である糖断片を得ることも可能である。特に、二糖(または四糖)を生じる消化を用いて、得られる各二糖の割合を測定することも可能であり、これは、GAGの特徴的な二糖「フィンガープリント」を提供するであろう。

0085

また、GAGの硫酸化のパターンを決定し、そしてこれを用いてGAG構造を決定することも可能である。例えば、ヘパラン硫酸に関して、アミノ糖での、そしてC2、C3およびC6位での硫酸化のパターンを用いて、ヘパラン硫酸を特徴付けることも可能である。

0086

二糖分析、四糖分析および硫酸化分析を、他の分析技術、例えば各々、GAGに関するユニークなスペクトルを提供可能であるHPLC、質量分析、およびNMRと組み合わせて用いることも可能である。組み合わせると、これらの技術は、GAGの定義構造特性を提供することも可能である。

0087

例えば、全体のHS調製物、例えばHSPM(ここからHS16が得られていることも可能である)およびHS16を比較した、HS16の1HNMRスペクトルを図7に示す。本発明記載のHS16は、図7のHS16スペクトルに対応する1H NMRスペクトルを有することも可能である。

0088

GAGおよびヘパリン結合ドメインの間の高アフィニティ結合相互作用は、GAGが高アフィニティ結合相互作用に寄与する特定の糖配列を含有するであろうことを示す。さらなる工程は、GAGの完全または部分的糖配列、あるいは結合相互作用に関与するGAGの重要な部分の決定を含むことも可能である。

0089

GAG−ポリペプチド(例えばHS−ポリペプチド)複合体を、グリコサミノグリカン鎖を溶解する剤、例えばリアーゼでの処理に供することも可能である。リアーゼ処理は、ポリペプチドとの結合相互作用に関与しない、結合したGAGの部分を切断することも可能である。ポリペプチドとの結合相互作用に関与するGAGの部分をリアーゼ作用から保護することも可能である。リアーゼを除去した後、例えば洗浄工程後、ポリペプチドに結合したままであるGAG分子は、ポリペプチドの特異的結合パートナー(「GAGリガンド」)に相当する。より短いGAG分子はより低い複雑性を有するため、解離およびGAGリガンド収集後、GAGリガンドのより高い度合いの構造的特徴付けが予期されうる。例えば、任意の糖配列(すなわち、GAGリガンド中に含有される単糖の一次(直鎖)配列)、硫酸化パターン、二糖および/または四糖消化分析、NMRスペクトル、質量分析スペクトルおよびHPLCスペクトルの任意の組み合わせが、GAGリガンドの高レベルの構造特性を提供することも可能である。

0090

本明細書において、用語「濃縮する」、「濃縮」、「濃縮された」等は、混合物の相対組成が、1またはそれより多くのこうした実体によって提供される混合物の分画が増加する一方、1またはそれより多くの異なる実体によって提供される混合物の分画が減少するように、改変される(またはされている)プロセス(または状態)を記載する。濃縮によって単離されるGAGは、純粋である、すなわち実質的に1つのタイプのGAGしか含有しないことも可能であるし、またはGAGの異なるタイプの混合物であり続けることも可能であり、該混合物は、出発混合物に比較して、ヘパリン結合ドメインに結合する特定のGAGのより高い比率を有する。

0091

HS16は、好ましくは、ヘパリン結合ドメインを含有するタンパク質が発現されるかまたは含有される細胞または組織と接触させた際に、機能的影響を示す。機能的影響は、影響を調節するかまたは増強することも可能である。

0092

機能的影響は、特定のタイプの細胞の増殖または1つの細胞タイプの別のものへの分化、あるいは1またはそれより多いタンパク質マーカーの発現を促進する(刺激する)ことであることも可能である。例えば、HS16は、幹細胞の特殊化細胞タイプへの分化を促進することも可能である(例えば間葉系幹細胞の結合組織への分化)。

0093

本明細書において、用語「調節効果」は、第一の実体が第二の実体に有する効果であって、単数または複数の別のプロセスにおける第二の実体の正常な機能が、第一の実体の存在によって修飾される、前記効果を意味すると理解される。調節効果は、アゴニスト性またはアンタゴニスト性のいずれであることも可能である。

0094

調節効果は増強効果であることも可能である。用語「増強効果」は、強度を増加させる効果を意味すると理解される。本発明の好ましい態様において、用語「増強効果」は、第一の実体が第二の実体に対して有する効果であって、単数または複数の別のプロセスにおける第二の実体の強度を増加させる、前記効果を意味すると理解される。本発明のさらなる好ましい態様において、増強効果は、ヘパリン結合因子に対する単離GAGの効果を意味すると理解され、前記効果は、前記ヘパリン結合因子の強度を増加させる。

0095

本明細書において、「接触」プロセスは、2またはそれより多い別個の実体を緊密な物理的近傍に置くことを伴う。「接触」プロセスは、2またはそれより多い別個の実体を、分子レベルでこれらの2またはそれより多い別個の実体の部分が相互作用することを可能にするために十分な時間、および条件下で、緊密な物理的近傍に置くことを伴う。好ましくは、本明細書において、「接触」プロセスは、1またはそれより多いGAGおよびヘパリン結合因子のヘパリン結合ドメインに対応するポリペプチドを所持する化合物混合物を緊密な近傍に置くことを伴う。「接触」プロセスの例には、混合、溶解、膨張、洗浄が含まれる。好ましい態様において、GAG混合物およびポリペプチドの「接触」は、共有的であることも可能であるが、好ましくは非共有的に、互いに高アフィニティを示すGAGおよびポリペプチドの間で複合体が形成されるために十分である。

0096

ポリペプチドは、ヘパリン結合ドメインを有する、選択されるタンパク質の全長またはほぼ全長一次アミノ酸配列を含むことも可能である。より長いポリペプチドではフォールディングが生じて、GAG混合物からヘパリン結合ドメインのマスキングを導く可能性があるため、ポリペプチドは短いことが好ましい。好ましくは、ポリペプチドは、ヘパリン結合ドメインを含むかまたは該ドメインからなるアミノ酸配列を有し、そして場合によって、ペプチドのNおよびC末端の一方または各々に、1またはそれより多いアミノ酸を含むことも可能である。これらのさらなるアミノ酸は、固体支持体にポリペプチドを付着させるために必要な、ポリペプチドへのリンカーまたは付着分子(例えばタグ、例えばビオチン)の付加を可能にしうる。

0097

本発明者らの方法論の好ましい態様において、ヘパリン結合ドメイン中のアミノ酸の数に加えて、ポリペプチドは、1〜20以下の、より好ましくは1〜10、さらにより好ましくは1〜5のさらなるアミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20アミノ酸のいずれかを、ポリペプチドのCおよび/またはN末端の一方または両方に含有する。いくつかの態様において、ヘパリン結合ドメインのアミノ酸配列は、ポリペプチドのアミノ酸の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の1つを構成する。固体支持体の表面にポリペプチドを接着させるため、ポリペプチドは、好ましくは、分子タグを含むよう修飾され、そして固体支持体表面は、該分子タグに対して高アフィニティを有する対応する分子プローブを取り込むように修飾され、すなわち分子タグおよびプローブ結合対を形成する。タグおよび/またはプローブは:抗体、細胞受容体、リガンド、ビオチン、これらの構造の任意の断片または誘導体、前述のものの任意の組み合わせ、あるいはプローブが結合するかまたは別の方式で特異性を持って会合するように設計または設定されることも可能な任意の他の構造のいずれか1つより選択されることも可能である。タグおよびプローブとして使用するために適した好ましい結合対は、ビオチンおよびアビジンである。

0098

ポリペプチドは、関心対象のタンパク質に由来し、本発明の場合はTGFβ1である。「に由来する」によって、ポリペプチドが、関心対象のタンパク質中に存在するヘパリン結合ドメインのアミノ酸配列を含有するため、該ポリペプチドが選ばれ、選択されまたは調製されることを意味する。ヘパリン結合ドメインのアミノ酸配列は、例えば、GAG結合に対するヘパリン結合ドメイン配列の変化の影響を調べるため、関心対象のタンパク質に現れる形から修飾されていることも可能である。

0099

本明細書において、タンパク質はTGFB1である。好ましいヘパリン結合ドメインのアミノ酸配列は、RKDLGWKWIHEPKGYH(配列番号1)である。
当業者によって、特定のポリペプチドのアミノ酸配列の小さな変動は、その部分の生得的な機能が維持されることを可能にしうることが理解される。ペプチド内の特定のアミノ酸残基の、等比体積のおよび/または等電子数の他のアミノ酸残基での置換が、未置換ペプチドの特定の特性を維持するかまたは改善するかいずれかでありうることもまた理解される。これらの変動もまた、本発明の範囲内に含まれる。例えば、アミノ酸アラニンは、ときに、ペプチドの1またはそれより多くの特性を維持しながら、アミノ酸グリシンに置換可能である(そしてその逆も可能である)。用語「等比体積」は、2つの実体間の空間的類似性を指す。中程度に上昇した温度で等比体積である部分の2つの例は、イソプロピルおよびtert−ブチル基である。用語「等電子数」は、2つの実体間の電子類似性を指し、この1例は、2つの実体が同じまたは類似のpKaの官能性を所持する場合である。

0100

ヘパリン結合ドメインに対応するポリペプチドは、合成または組換えであることも可能である。
固体支持体は、分子が、直接または間接的に、共有または比共有結合のいずれかを通じて付着可能である表面を有する任意の支持体であることも可能である。固体支持体には、表面に付着するプローブに物理的支持を提供することが可能な任意の支持材料が含まれることも可能である。これはマトリックス支持体であることも可能である。材料は、一般的に、表面へのプローブの付着に関連する条件、およびアッセイ実行中に遭遇するいかなる続く処理、取り扱い、またはプロセシングにも耐えることが可能である。材料は、天然存在、合成、または天然存在材料の修飾であることも可能である。固体支持体は、プラスチック材料ポリマー、例えばポリ塩化ビニル)、シクロオレフィンコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリレートポリエチレンポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレンポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリテトラフルオロエチレンPTFEまたはテフロン登録商標))、ナイロン、ポリ(酪酸ビニル))等であることも可能であり、これら自体を用いるかまたは他の材料と組み合わせて用いることも可能である。さらなる剛性材料を考慮することも可能であり、例えばシリカを含むガラス、そしてさらに、例えばバイオガラスとして入手可能なガラスが含まれる。使用可能な他の材料には、多孔性材料、例えば制御孔ガラスビーズが含まれる。例えば表面上に取り込まれた、1またはそれより多い官能基、例えばアミノ、カルボキシルチオール、またはヒドロキシル官能基を有することが可能な、当該技術分野に知られる任意の他の材料もまた意図される。

0101

好ましい固体支持体には、カラム表面上に固定されるポリペプチドを有するカラムが含まれる。表面は、カラムの壁であることも可能であり、そして/またはカラムの中央空間パッケージングされたビーズによって提供されることも可能である。

0102

ポリペプチドを固体支持体上に固定することも可能である。固定法の例には:吸着、共有結合、捕捉および膜拘束が含まれる。本発明の好ましい態様において、ポリペプチドおよびマトリックスの間の相互作用は、実質的に永続性である。本発明のさらなる好ましい態様において、ペプチドおよびマトリックスの間の相互作用は、適切には、イオン交換クロマトグラフィに対して不活性である。好ましい配置において、ポリペプチドは、固体支持体表面に付着される。当業者は、化学的にそして/または物理的に2つの実体を互いに付着させるため、選択される非常に多様なオプションを有することが理解される。これらのオプションは、すべて、本発明の範囲内に含まれる。好ましい配置において、ポリペプチドは、ストレプトアビジンとビオチンの相互作用を通じて、固体支持体に吸着される。この配置の代表的な例では、ビオチン分子が、ポリペプチドに共有結合し、ビオチン−ポリペプチドコンジュゲートがストレプトアビジンに結合すると、ストレプトアビジンは次に、固体支持体に共有結合している。別の配置において、スペーサーまたはリンカー部分を用いて、ビオチン分子とポリペプチドを、そして/またはストレプトアビジンとマトリックスを連結することも可能である。

0103

GAG混合物と固体支持体を接触させることによって、GAG−ポリペプチド複合体が形成可能となる。固体支持体から混合物の残りを除去することによって、例えば固体支持体を洗浄して、非結合物質を溶出させることによって、これらを混合物の残りから分配する。カラムを固体支持体として用いる場合、GAG混合物の非結合構成要素をカラムから溶出し、カラムに結合したGAGポリペプチド複合体を残すことも可能である。

0104

特定のオリゴ糖は、非特異的方式でポリペプチドと相互作用する可能性もあることが理解される。特定の態様において、非特異的方式でポリペプチドと相互作用するオリゴ糖は、ヘパリン結合因子の影響を調節する1またはそれより多いGAGが濃縮された化合物の混合物に含まれるか、または該混合物から排除されることも可能である。非特異的相互作用の例は、適切なサイズおよび/または形状の分子のポケット内の一時的な拘束である。さらに、これらのオリゴ糖は、ペプチトとまったく相互作用を示さないオリゴ糖よりもより緩慢に溶出する可能性もあることが理解される。さらに、非特異的に結合する化合物は、溶出させるために、特異的方式で(例えばイオン性相互作用を通じて)結合する化合物に関するものと同じ外部刺激投入は必要としない可能性もあることが理解される。本発明者の方法論は、オリゴ糖の混合物を:ポリペプチドと高アフィニティ様式で結合するもの;ポリペプチと低アフィニティ様式で結合するもの;およびポリペプチドと結合しない、その混合物の構成要素に分離することが可能である。これらの指摘は、各GAG−ペプチド対に関して、操作的に定義される。

0105

GAGおよびポリペプチドの結合が起こる、固体支持体表面に存在する条件(例えば塩濃度)を変化させることによって、ヘパリン結合ドメインに対して最高のアフィニティおよび/または特異性を有するGAGを選択することも可能である。したがって、関心対象のタンパク質および/または関心対象のタンパク質のヘパリン結合ドメインに対して高い結合アフィニティを有するGAGを得ることも可能である。結合アフィニティ(Kd)を:10μM未満、1μM未満、100nM未満、10nM未満、1nM未満、100pM未満の1つから選択することも可能である。

0106

記載する方法によって得られるHS16は、in vitroおよび/またはin vivoのある範囲の適用に有用である可能性もある。in vitroの細胞または組織培養、あるいはin vivoの細胞または組織のいずれかにおいて、細胞または組織成長および/または増殖および/または分化の刺激または阻害に使用するために、HS16を提供することも可能である。

0107

HS16をこうしたプロセスのための配合物として提供することも可能である。例えば、HS16を含む培地を提供することも可能である。
HS16の存在下で、in vitroの細胞または組織培養から得られる細胞または組織を収集し、そして治療が必要なヒトまたは動物患者内に移植することも可能である。したがって、細胞および/または組織の移植法であって:
(a)in vitroで、HS16と接触させて、細胞および/または組織を培養し;
(b)細胞および/または組織を収集し;
(c)治療が必要なヒトまたは動物被験体内に細胞および/または組織を移植する
工程を含む、前記方法を提供することも可能である。

0108

HS16と接触させる部分(a)において、細胞または組織の成長、増殖または分化を可能にするために十分な期間、細胞を培養することも可能である。例えば、期間を:少なくとも5日間、少なくとも10日間、少なくとも20日間、少なくとも30日間または少なくとも40日間から選択することも可能である。

0109

別の態様において、HS16を、傷害または疾患の防止または治療を含む、医学的治療法で使用するために配合することも可能である。HS16および薬学的に許容されうる希釈剤、キャリアーまたはアジュバントを含む医薬組成物または薬剤を提供することも可能である。こうした医薬組成物または薬剤を、傷害または疾患の防止または治療のために提供することも可能である。傷害または疾患の防止または治療のための薬剤製造におけるHS16の使用もまた提供する。場合によって、本発明記載の医薬組成物および薬剤はまた、GAGが結合するヘパリン結合ドメインを有する関心対象のタンパク質(すなわちTGFβ1)も含有することも可能である。さらなる態様において、医薬組成物および薬剤は、幹細胞、例えば間葉系幹細胞をさらに含むことも可能である。

0110

傷害または疾患の防止または治療は、細胞または組織、例えば皮膚を含む結合組織(例えば骨、軟骨、筋肉、脂肪、腱、靱帯)の強化、修復、再生または置換を含むことも可能である。組織の修復のため、新規組織の成長、増殖および/または分化を刺激して、傷害の修復を達成するか、あるいは疾患状態治癒させるかまたは軽減する(例えば症状の緩和を提供する)ために、HS16を含む医薬組成物または薬剤を、傷害または疾患の部位に直接投与することも可能である。医薬組成物または薬剤において、幹細胞を組み合わせることによって、組織の修復または再生を改善することも可能である。

0111

いくつかの使用は、皮膚の修復または若返りの一部として、皮膚にHS16の適用を伴うことも可能である。これは、皮膚バリアの修復および/または若返り、ならびに/あるいは皮膚の外見の改善を伴う、療法的および/または美容的適用であることも可能である。例えば、火傷または他の瘢痕の外見を修復するか、若返らせるか、そして/または改善するために、HS16を皮膚に適用することも可能である。

0112

組織の置換のため、患者の傷害または疾患部位での移植用の細胞および/または組織を生成するために、細胞および/または組織のin vitro培養中に、HS16を細胞および/または組織と接触させることも可能である。細胞または組織の移植を用いて、傷害または疾患組織の置換によって、患者において、傷害または疾患組織の修復を達成することも可能である。これは、傷害/疾患組織の切除、ならびにHS16と接触させて細胞および/または組織を培養することによって調製された新規組織の移植を伴うことも可能である。

0113

本発明記載の医薬組成物および化粧用組成物および薬剤は、したがって:
(a)HS16;
(b)幹細胞と組み合わせたHS16;
(c)HS16によって結合されるヘパリン結合ドメイン(例えばRKDLGWKWIHEPKGYH)を含有するタンパク質と組み合わせたHS16;
(d)幹細胞およびHS16によって結合されるヘパリン結合ドメイン(例えばRKDLGWKWIHEPKGYH)を含有するタンパク質と組み合わせたHS16;
(e)HS16と接触させた細胞または組織の培養から得られる組織または細胞
の1つを含むことも可能である。

0114

HS16を体性組織、特に結合組織の修復または再生に用いることも可能である。したがって、HS16を用いて、結合組織における/への広範囲の疾患および傷害を防止または治療することも可能である。

0115

組織の修復、再生または置換におけるHS16の使用は、創傷治癒、例えば創傷治癒の加速、瘢痕または骨組織の治癒および組織移植における使用を伴うことも可能である。
いくつかの側面において、本発明は、HS16の投与を含む、美容的治療に関する。「美容的」は、本明細書において、非療法的である。美容的治療を用いて、皮膚の外見および/またはテクスチャーを改善することも可能である。

0116

いくつかの側面において、本発明は、HS16の投与を含む美容的治療法に関する。本明細書において、用語「美容的方法」には、EPC第53条(c)にしたがって、ヒトまたは動物の体に実施する、手術または療法、あるいは診断法による、ヒトまたは動物の体の治療のための方法は含まれない。美容的方法において、被験体はHS16の療法的投与を必要としない。

0117

本発明はまた、HS16を含む化粧用組成物も提供する。該組成物を用いて、皮膚の外見を改善することも可能である。化粧用組成物は、以下に記載するように、医薬組成物と類似に配合することも可能である。美容的に有効な量のHS16を被験体に投与することも可能である。これは、美容的利益を誘導するために有効なHS16の量である。これは、適切な施術者健全な判断内にあり、施術者は、活性化合物または活性化合物を含有する組成物の適切な投薬量は、被験者間で多様でありうることを認識するであろう。

0118

別の側面において、本発明は、HS16を含む生物学的足場を提供する。いくつかの態様において、本発明の生物学的足場を、整形外科、血管、装具、皮膚および角膜適用に用いることも可能である。本発明が提供する生物学的足場には、長期放出薬剤送達デバイス生体弁、生体弁膜(tissue valve leaflets)、薬剤溶出ステント血管移植片、創傷治癒または皮膚移植片、および整形外科装具、例えば骨、靱帯、腱、および軟骨が含まれる。

0119

本発明の別の側面において、組織の修復または再生において使用するためのキットであって、(i)あらかじめ決定した量のHS16、および(ii)あらかじめ決定した量のTGFβ1を含む、前記キットを提供する。

0120

HS16を薬学的に許容されうる塩として被験体に投与することも可能である。例えば、本発明の濃縮された混合物の化合物の塩基塩には、限定されるわけではないが、薬学的に許容されうる陽イオン、例えば、ナトリウムカリウムリチウムカルシウムマグネシウムアンモニウムおよびアルキルアンモニウムで形成されるものが含まれる。本発明には、その範囲内に、陽イオン性塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩が含まれる。

0121

カルボン酸基を所持する本発明の化合物を、投与可能なプロドラッグの形で送達することも可能であることが認識され、ここで、酸部分はエステル化される(−CO2R’の形を有する)。用語「プロドラッグ」は、特に、−OR’基から−OH基、またはカルボン酸陰イオンへの、in vivoでの変換に関する。したがって、本発明のプロドラッグは、細胞への薬剤吸着および/または薬剤送達を増進するよう作用することも可能である。プロドラッグのin vivo変換は、細胞性酵素、例えばリパーゼおよびエステラーゼによって、または化学的切断、例えばin vivoエステル加水分解によって促進されることも可能である。

0122

本発明の側面にしたがった薬剤ならびに医薬組成物および化粧用組成物は、限定されるわけではないが、疾患または傷害の部位での注射を含む、多様な経路による投与のために配合されることも可能である。薬剤および組成物を液体または固体型で配合することも可能である。液体配合物は、ヒトまたは動物の体の選択される領域への注射による投与のために配合されることも可能である。

0123

投与は「療法的有効量」であることも可能であり、これは個体への利益を示すために十分な量である。投与される実際の量、ならびに投与の速度および時間経過は、治療しようとする障害または疾患の性質および重症度に応じるであろう。治療の処方、例えば投薬量の決定等は、開業医および他の医師責任の範囲内であり、そして典型的には、治療しようとする障害、個々の患者の状態、送達部位、投与法および医師に知られる他の要因を考慮に入れる。上述の技術およびプロトコルの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第20版,2000,pub. Lippincott, Williams & Wilkinsに見出されうる。

0124

幹細胞
HS16と接触させる細胞には、幹細胞が含まれる。
HS16を、幹細胞の増殖および/または分化、ならびに/あるいは幹細胞の系譜拘束に用いることも可能である。

0125

本明細書において培養し、そして記載する幹細胞は、任意の種類の幹細胞であることも可能である。これらは、全能性多能性または多分化能であってもよい。これらは、任意の組織に由来する胚性または成体幹細胞であることも可能であり、そして造血幹細胞神経幹細胞または間葉系幹細胞であることも可能である。好ましくはこれらは成体幹細胞である。

0126

本明細書において、幹細胞によって、分裂し(すなわち自己再生し)、そして全能性、多能性または多分化能を維持し、そして特殊化細胞を生じさせる能力を有する、任意の細胞タイプを意味する。

0127

本発明において培養する幹細胞は、存在する培養から得られるかまたは由来するか、あるいは任意の成体、胚性または胎児性組織から直接得られてもよく、こうした組織には、血液、骨髄、皮膚、上皮または臍帯(通常廃棄される組織)が含まれる。

0128

幹細胞の多分化能は適切なアッセイを使用することによって決定可能である。こうしたアッセイは、1またはそれより多い多能性マーカー、例えばアルカリホスファターゼ活性、RUNX2、オスリックス、コラーゲンI、II、IV、VII、X、オステオポンチンオステオカルシンBSPII、アグリカン、ALBP、CCAAT/エンハンサー結合タンパク質−α(C/EBPα)、脂肪細胞脂質結合タンパク質(ALBP)、アルカリホスファターゼ(ALP)、骨シアロプロテイン2(BSPII)、コラーゲン2a1(COL2A1)およびSOX9を検出する工程を含むことも可能である。

0129

いくつかの好ましい態様において、幹細胞は、例えば結合組織および/または骨細胞、例えば軟骨細胞骨芽細胞筋細胞および脂肪細胞に分化することが可能な、間葉系幹細胞(MSC)である。

0130

間葉系幹細胞は、最小限に侵襲性である技術によって、骨髄から容易に得ることが可能であり、そしてこれを培養中で拡大して、所望の系譜への分化を可能にすることも可能である。特定の増殖因子の適用によって、分化を誘導することも可能である。トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF−ベータ)スーパーファミリーメンバータンパク質、例えば骨形成タンパク質(BMP)は、間葉系幹細胞の軟骨形成および骨形成分化の重要な因子である。

0131

選択的マーカー、例えばSTRO−1を用いて、骨髄再増殖に関する潜在能力を示すCD34+分画から、間葉系幹細胞を単離し、そして検出することも可能である。これらの細胞表面マーカーは、間葉系幹細胞の細胞表面上でのみ見出され、そしてこれは、細胞の多分化能の指標である。

0132

適切な間葉系幹細胞は、骨髄吸引物から収集される骨髄単核細胞(BMMNC)(例えば、Wexlerら成体骨髄は、ヒト間葉系「」細胞の豊富な供給源であるが、臍帯および可動化(mobilized)成体血液はそうではないHAEMOPOIESIS ANDLEUCOCYTESBritish Journal of Haematology 121 (2):368-374,2003年4月)または臍帯のワルトンゼリー(例えばTaら ワルトンゼリー由来間葉系幹細胞の長期拡大および多能性マーカーアレイの分析Stem Cells Dev. 2009年7月20日(Epub))から得られるかまたはこれに由来することも可能である。

0133

当該技術分野において周知であるように、適切な分化因子を適用することによって、多能性幹細胞、例えばヒト胚性幹細胞または人工多能性幹細胞の分化によって、間葉系幹細胞を得ることも可能である。

0134

間葉系幹細胞は、軟骨、骨、筋肉、腱、靱帯、および脂肪の構成要素を生成する能力を持つ、多能性前駆細胞である。これらの原始的前駆細胞は、出生後に存在し、そして幹細胞特性を示し、すなわち出現率が低く、そして広範な再生潜在能力を持つ。これらの特性とその発生可塑性が組み合わさり、損傷を受けた組織を置換する潜在的な使用に多大な関心が生じてきている。本質的には、これらの幹細胞を培養して、その数を拡大し、次いで、傷害部位に移植するか、または足場中/上に植え付けた後、適切な組織構築物を生成することも可能である。

0135

したがって、骨格、筋肉、腱、靱帯および血液修復/再生のための代替アプローチは、特定の組織増殖因子の賢明な選択とともに、再生を支持し、そしてガイドする、伝導性または誘導性足場と組み合わせた、適切な前駆細胞(例えば間葉系幹細胞、軟骨細胞)の選択、拡大および調節である。

0136

任意の動物またはヒト、例えば非ヒト動物、例えばウサギ、モルモットラット、マウスまたは他の齧歯類(齧歯類目(Rodentia)の任意の動物由来の細胞を含む)、ネコイヌ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ非ヒト霊長類または他の非ヒト脊椎動物生物;および/または非ヒト哺乳動物;および/またはヒトから幹細胞が得られうる。好ましくはこれらはヒトである。場合によってこれらは非ヒトである。場合によってこれらは非胚性幹細胞である。場合によってこれらは全能性ではない。

0137

本発明のさらにさらなる側面において、本発明の方法のいずれかによって生成された幹細胞または他の体細胞を含む医薬組成物、あるいはその断片または産物を提供する。医薬組成物は、医学的治療法において有用でありうる。適切な医薬組成物は、さらに、薬学的に許容されうるキャリアー、アジュバントまたは希釈剤を含むことも可能である。

0138

本発明の別の側面において、本発明の任意の方法によって生成される幹細胞または他の細胞を、医学的治療法において使用することも可能であり、好ましくは、医学的治療法であって、治療が必要な個体に、療法的に有効な量の前記薬剤または医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法を提供する。

0139

本発明記載の培養法および技術を通じて得られる幹細胞および他の細胞を用いて、医学的治療法において使用するための別の細胞タイプに分化させることも可能である。したがって、分化した細胞タイプは、分化することが続いて許可された、記載するような培養法および技術によって得られる幹細胞に由来し、そして幹細胞の産物として見なすことも可能である。場合によって薬学的に許容されうるキャリアー、アジュバントまたは希釈剤とともに、こうした分化した細胞を含む医薬組成物を提供することも可能である。こうした医薬組成物は、医学的治療法において有用でありうる。

0140

間葉系幹細胞
間葉系幹細胞(MSC)は、元来、骨髄から単離され、そして全部で104〜105の骨髄単核細胞(BMMNC)のうちのわずか1つとして存在する(Friedensteinら 1966)。これらの細胞は、CFU−F(コロニー形成単位線維芽細胞)集団をダビングする(dubbed)、単細胞前駆体に由来するコロニーを産生することが可能である。MSCは、現在、脂肪組織(GimbleおよびGuilak 2003;Zukら 2001)、臍帯血(Biebackら 2004;Ericesら 2000;Goodwinら 2001;Koglerら 2004;Wagnerら 2005)および筋肉(Jiangら 2002)を含む、多くの他の組織において同定されてきている。

0141

多分化能ヒト間葉系間質細胞(MSC)の最小限の基準が、細胞療法に関する国際会議によって示されてきている(Dominiciら Cytotherapy(2006) Vol.8, No.4, 315-317)。彼らは、ヒトMSCを定義するために、3つの基準:プラスチックへの接着、特定の表面抗原発現および多分化能分化潜在能力を提唱する。特に、彼らは、「まず、MSCは、組織培養フラスコを用いた標準培養条件下で維持された際、プラスチック接着性であるはずである。第二に、≧95%のMSC集団は、フローサイトメトリーによって測定された際、CD105、CD73およびCD90を発現していなければならない。さらに、これらの細胞は、CD45、CD34、CD14またはCD11b、CD79αまたはCD19およびHLAクラスII(HLA−DR)の発現を欠いていなければならない(≦2%陽性)。第三に、細胞は、標準的なin vitro分化条件下で、骨芽細胞、脂肪細胞および軟骨芽細胞に分化可能でなければならない」と述べた。

0142

Dominiciらはまた、MSCを最もユニークに同定する生物学的特性は、標準的in vitro組織培養分化条件を用いて、骨芽細胞、脂肪細胞および軟骨芽細胞への三系譜間葉系分化の能力であると述べた。彼らは、アリザリンレッドまたはフォンコッサ染色での染色によって、骨芽細胞への分化を立証可能であり、脂肪細胞分化は、オイルレッドOでの染色によって最も容易に立証可能であり、そして軟骨芽細胞分化は、アルシアンブルーまたはコラーゲンII型に関する免疫組織化学染色によって立証可能であることを確認した。Dominiciらは、こうしたアッセイのためのキットが商業的に入手可能であり、そして分化の立証は、すべての研究者にとって容易であるはずであると述べる。

0143

Dominiciらはまた、将来、ヒトMSCを定義するためにやはり使用可能な新規表面マーカーが同定されうることも認識する。現在、3つのこうしたマーカー:CD49a、SSEA−4およびSTRO−1が知られる。

0144

Riderらは、CD49a+クローンが、ソーティングされていない細胞に比較して、CD90およびCD105の発現を増進したことを報告し、そしてCD49a+クローンが、ソーティングされていない細胞に比較して、脂肪、骨および軟骨への多系譜分化を容易に経ることを立証し、間葉系幹細胞の濃縮のためのアルファ−1インテグリン(CD49a)選択の使用を支持し、そして骨髄単核幹細胞の異種プールから最も多分化能である細胞を選択するための戦略を提供した(Riderら J. Mol. Hist(2007)38:449-458)。Riderらはまた、CFU−F細胞がCD49aの発現と関連し、CD49a発現CFU−F細胞がまたSTRO−1も同時発現し、そしてCD49aを用いて、ヒトに加えてラットおよびマウスからMSCを単離することも可能であり、該分子が濃縮のための保存されたマーカーでありうることを示すことも報告した。

0145

Gangらは、未分化多能性ヒト胚性幹細胞および胚盤胞段階への卵割に関するマーカーとして一般的に用いられる段階特異的胚性抗原SSEA−4がまた、成体ヒト間葉系幹細胞集団を同定し、そしてMSCを単離するために使用可能であることを報告する(Gangら, Blood 2007;109:1743-1751)。Gangらはまた、クローン原性間質細胞(CFU−F)、いわゆるSTRO−1+明の濃縮における表面マーカーSTRO−1に結合するモノクローナル抗体の使用も記載する。

0146

グリコサミノグリカン
本明細書において、用語「グリコサミノグリカン」および「GAG」は交換可能に用いられ、そしてオリゴ糖を含む分子の大きなコレクションを指すと理解され、ここで1またはそれより多いこれらの結合した糖は、アミノ置換基、またはその誘導体を所持する。GAGの例は、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン、デルマタン硫酸ヒアルロン酸およびヘパラン硫酸である。

0147

本明細書において、用語「GAG」はまた、GAGコンジュゲートである分子を含むよう拡大する。GAGコンジュゲートの例は、プロテオグリコサミノグリカン(PGAG、プロテオグリカン)であり、ここでペプチド構成要素はオリゴ糖構成要素に共有結合する。

0148

好ましい態様において、GAGはヘパラン硫酸である。
ヘパラン硫酸(HS)
ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)は、プロテオグリカンの非常に多様な下位群に相当し、そしてタンパク質主鎖に共有結合したヘパラン硫酸グリコサミノグリカン側鎖で構成される。コアタンパク質は3つの主要な型:パールカンとして知られる分泌型グリピカンとして知られる形質膜係留された型、およびシンデカンとして知られる膜貫通型で存在する。これらは、哺乳動物細胞表面および大部分の細胞外マトリックスの普遍的な構成要素である。アグリン、またはアミロイド前駆体タンパク質などの他のタンパク質があり、この際、HS鎖は、より一般的に見られないコアに付着している可能性もある。

0149

本発明の好ましい態様は、コアタンパク質から単離されたHS鎖に関する。HS鎖は、コアタンパク質から、例えばノイラミニダーゼ処理によって容易に分離され、そして単離されることも可能である。

0150

「ヘパラン硫酸」(「ヘパラン硫酸」または「HS」)は、最初に、D−グルクロン酸(GlcA)およびN−アセチル−D−グルコサミン(GlcNAc)のタンデム反復からなる多糖として、ゴルジ体において合成される。新生多糖は続いて、一連の工程で修飾されうる:GlcNAcのN−脱アセチル化/N−硫酸化、GlcAのイズロン酸(IdoA)へのC5エピマー化、IdoAおよびGlcAのC2でのO−硫酸化、N−スルホグルコサミン(GlcNS)のC6でのO−硫酸化、そしてGlcNSのC3での時折のO−硫酸化。HSのN−脱アセチル化/N−硫酸化、2−O−、6−O−および3−O−硫酸化は、それぞれ、HS N−脱アセチル化酵素/N−スルホトランスフェラーゼ(HSNDST)、HS 2−O−スルホトランスフェラーゼ(HS2ST)、HS 6−O−スルホトランスフェラーゼ(HS6ST)およびHS 3−O−スルホトランスフェラーゼの特異的作用によって仲介される。修飾の各段階で、潜在的な基質の一部のみが修飾され、かなりの配列多様性が生じる。HSのこの構造の複雑さのために配列を決定し、そしてHS構造および機能の間の関連を理解することが困難になってきた。

0151

ヘパラン硫酸側鎖は、(1→4)グリコシド結合を通じて連結された、交互に配置されたD−グルクロン酸またはL−イズロン酸およびD−グルコサミンからなる。グルコサミンは、しばしば、N−アセチル化またはN−硫酸化され、そしてウロン酸およびグルコサミンはどちらも、さらにO−硫酸化されていることも可能である。特定の結合パートナーに対する特定のHSPGの特異性は、グルコサミンおよびウロン酸に付着した、カルボキシル、アセチルおよび硫酸基の特定のパターンによって生成される。ヘパリンとは対照的に、ヘパラン硫酸は、より少ないNおよびO−硫酸基およびより多いN−アセチル基を含有する。ヘパラン硫酸側鎖は、四糖連結(−グルクロノシル−β−(1→3)−ガラクトシル−β−(1→3)−ガラクトシル−β−(1→4)−キシロシル−β−1−O−(セリン))領域を通じて、コアタンパク質のセリン残基に連結される。

0152

ヘパラン硫酸鎖およびコアタンパク質はどちらも、生物学的活性に最終的に影響しうる、一連の修飾を経ることも可能である。HSの複雑性は、核酸のものを凌ぐと見なされてきている(Lindahlら, 1998, J. Biol. Chem. 273, 24979;SugaharaおよびKitagawa, 2000, Curr. Opin. Struct. Biol. 10, 518)。HS種の変動は、N−アセチル化グルコサミンを含有する二糖の非硫酸化領域によって分離される、糖残基非ランダムな非常に硫酸化された配列の合成から生じる。N−アセチルグルコサミンのN−スルホグルコサミンへの最初の変換は、グルクロン酸からイズロン酸へのエピマー化およびグルコサミンまたはイズロン酸に対するO−硫酸化の複雑なパターンを含む、他の修飾のためのフォーカスを生じる。さらに、非修飾低硫酸化N−アセチル化配列内で、ヘキサウロン酸残基はグルクロン酸として残り、一方、非常に硫酸化されたN−硫酸化領域において、C−5エピマーイズロン酸が優勢である。これは、任意の所定の鎖において可能である潜在的な二糖変異体の数を限定するが、各々の存在比を限定しない。成熟鎖において、高硫酸化領域が低硫酸化ドメインに分離されるように、大部分の修飾は、N−硫酸化ドメイン、またはそれに直接隣接して起こる(本明細書にその全体が援用される、Brickmanら(1998), J. Biol. Chem. 273(8), 4350-4359)。

0153

非常に可変性であるヘパラン硫酸鎖が、多数の細胞外リガンドの作用の調節に重要な役割を果たすと仮定され、こうした役割には、自己分泌、接触分泌およびパラ分泌フィードバックループの複雑な組み合わせを通じた、細胞への増殖および接着因子の制御および提示が含まれ、こうして細胞内シグナル伝達を制御し、そしてそれによって幹細胞分化を制御する。例えば、ヘパラン硫酸グリコサミノグリカンは、遺伝子的に記載されている(Albertsら(1989)Garland Publishing, Inc,ニューヨークおよびロンドン,pp.804および805)が、単一供給源から単離されたヘパラン硫酸グリコサミノグリカン種は、生物学的活性が多様でありうる。Brickmanら, 1998, Glycobiology 8, 463に示されるように、神経上皮細胞から得られるヘパラン硫酸グリコサミノグリカンの2つの別個のプールは、分裂促進状態に応じて、FGF−1またはFGF−2のいずれかを特異的に活性化しうる。同様に、ヘパラン硫酸(HS)がFGF−1またはFGF−2のいずれかと相互作用する能力が、WO 96/23003に記載される。この特許出願によると、FGF−1と相互作用しうるそれぞれのHSは、約11日〜約13日胚のネズミ細胞から得ることが可能であり、一方、FGF−2と相互作用可能なHSは、約8日〜約10日胚で得られうる。

0154

上述のように、HS構造は非常に複雑であり、そしてHS間で多様である。実際、HS構造における変動は、各HSが細胞増殖を促進しそして細胞分化を導く際に異なる活性に向かうように寄与する際に、重要な役割を果たすと見なされる。構造の複雑さは、核酸を凌ぐと見なされ、そしてHS構造は、現在では特定のそしてユニークな硫酸化パターンを有する反復二糖単位の配列として特徴付けられうるが、HS配列構造を決定するために、核酸配列決定に関して入手可能なものと同等な標準的な配列決定技術は利用可能ではない。定義的なHS配列構造を決定するための単純な方法がないため、HS分子はいくつかの分析技術によって、当業者により、積極的に同定され、そして構造的に特徴付けられている。これらには、二糖分析、四糖分析、HPLCおよび分子量決定の1つまたは組み合わせが含まれる。これらの分析技術は、当業者に周知であり、そして用いられている。

0155

HSから二糖および四糖を産生するための2つの技術には、亜硝酸消化およびリアーゼ消化が含まれる。これらの消化技術を実行する1つの方法の説明は、純粋に例として以下に提供され、こうした説明は本発明の範囲を限定しない。

0156

亜硝酸消化
亜硝酸に基づくヘパラン硫酸の脱重合は、完了した際には、炭水化物鎖の個々の二糖への最終的な分解を導く。

0157

例えば、亜硝酸は、250μlの0.5M H2SO4および0.5M Ba(NO2)2を別個に上で15分間冷却することによって調製可能である。冷却後、Ba(NO2)2をH2SO4と併せ、そしてボルテックスした後、遠心分離して、硫酸バリウム沈殿物を除去する。125μlのHNO2を、20μlのH2Oに再懸濁したGAG試料に添加し、そしてボルテックスした後、時々混合しながら、25℃で15分間インキュベーションする。インキュベーション後、1M Na2CO3を試料に添加して、pH6にする。次に、0.1M NaOH中の100μlの0.25M NaBH4を試料に添加し、そして混合物を50℃に20分間加熱する。次いで、混合物を25℃に冷却して、そして酸性化氷酢酸を添加して、試料をpH3にする。次いで、混合物を10M NaOHで中和し、そして凍結乾燥によって体積を減少させる。最終試料をBio−Gel P−2カラムに流して、二糖および四糖を分離して、分解の度合いを検証する。

0158

リアーゼ消化
ヘパリナーゼIIIは、グルクロニド結合で糖鎖を切断する。一連のヘパリナーゼ酵素(I、IIおよびIII)は、各々、特定の硫酸化認識部位で、特定のヘパラン硫酸配列を脱重合することによって、各々、相対的に特異的な活性を示す。ヘパリナーゼIは、HS鎖に沿ってNS領域でHS鎖を切断する。これは、硫酸化ドメインの破壊を導く。ヘパリナーゼIIIは、NAドメインでHSを脱重合し、炭水化物鎖の個々の硫酸化ドメインへの分離を生じる。ヘパリナーゼIIは、主に、HS鎖のNA/NS「肩」ドメインにおいて切断し、このドメインは多様な硫酸化パターンが見られる箇所である。注:ヘパリンポリマーの反復二糖主鎖は、アミノ酸グルコサミンに連結されたウロン酸である。「NS」は、C2、C6およびC3の他の基の硫酸化を可能にする、アミノ基上の硫酸基を所持するアミノ糖を意味する。「NA」は、アミノ基が硫酸化されておらず、そしてアセチル化されたままであることを示す。

0159

例えば、ヘパリナーゼIIIを用いたNA領域における脱重合のため、酵素および凍結乾燥HS試料の両方を、20mM Tris−HCl、0.1mg/mlBSAおよび4mM CaCl2、pH7.5を含有する緩衝液中で調製する。純粋に例として、1μgのHSあたりヘパリナーゼIIIを5mU添加し、そして37℃で16時間インキュベーションした後、70℃で5分間加熱することによって、反応を停止することも可能である。

0160

二糖および四糖をカラムクロマトグラフィ、例えばHPLCによって溶出させることも可能である。あるいは、これらを、キャピラリー電気泳動によって分析することも可能である。

0161

軟骨および結合組織形成
本発明の別の側面において、軟骨組織形成(軟骨形成)を促進する方法であって、HS16を軟骨前駆細胞または軟骨幹細胞に投与する工程を含む、前記方法を提供する。

0162

骨または軟骨前駆体または幹細胞を、HS16と、場合によって外因性に添加されるTGFβ1タンパク質の存在下で、接触させることによって、骨形成または軟骨組織の形成を刺激するかまたは阻害する方法を、in vitroで行うことも可能である。前駆細胞または幹細胞は間葉系幹細胞であることも可能である。組織形成が促進される場合、形成される組織を収集し、そしてヒトまたは動物患者内への移植に用いることも可能である。

0163

したがって、本発明の1つの側面において、結合組織を提供し、ここで、HS16(すなわち外因性HS16)の存在下、および場合によってTGFβ1(すなわち外因性TGFβ1)の存在下で、間葉系幹細胞のin vitro培養によって、結合組織が得られる。結合組織は、骨、軟骨、筋肉、脂肪、靱帯または腱であることも可能である。

0164

HS16を用いた疾患の防止または治療は、組織、特に結合組織、例えば骨、軟骨、筋肉、脂肪、靱帯または腱の修復、再生または置換を伴うことも可能である。
これらの組織の1つの悪化を有する患者において、悪化部位へのHS16の投与を用いて、その部位の組織の成長、増殖および/または分化を刺激することも可能である。例えば、投与部位にまたはその近傍に存在する間葉系幹細胞の刺激は、好ましくはTGFβ1もまたその部位に存在した場合に、間葉系幹細胞の増殖および適切な結合組織への分化を導き、それによって損傷を受けた組織の置換/再生ならびに傷害の治療を提供することも可能である。

0165

あるいは、HS16と接触した間葉系幹細胞のin vitro培養から得られる結合組織を収集して、そして傷害または疾患の部位に移植して、損傷を受けたまたは悪化した組織を置換することも可能である。損傷を受けたまたは悪化した組織を、場合によって、まず、傷害または疾患部位から切除することも可能である。

0166

したがって、HS16は、治療を必要とする患者に、場合によってTGFβ1および/または幹細胞と組み合わせて、HS16を直接適用することによって達成される、組織修復、再生および/または置換を含む、in vivoでの創傷治癒(例えば瘢痕組織または骨折の治癒)に有用である。HS16はまた、組織修復、再生および/または置換が必要な患者への移植に適した組織のin vitro生成にも有用である。

0167

軟骨組織の修復および/または再生
いくつかの側面において、本発明は、関節破壊軟骨分解、軟骨組織への損傷あるいは軟骨組織の喪失または変性を治療するかまたは防止するための、HS16の療法的使用(ヒトおよび/または獣医学的)に関する。

0168

いくつかの態様において、本明細書に記載するようなHS16投与によって治療されるべき疾患または状態は、関節破壊、軟骨分解、軟骨組織への損傷および軟骨組織の喪失または変性の1つまたはそれより多くに関連する疾患または状態であることも可能である。軟骨分解、損傷または喪失は、軟骨の厚さまたは体積の減少を伴う可能性もある。

0169

関節破壊、軟骨分解、軟骨組織への損傷および/または軟骨組織の喪失または変性は、疾患プロセス、生理学的プロセスの結果として、そして/または傷害または外傷の結果として、起こることも可能である。例えば、関節破壊、軟骨分解、軟骨組織への損傷および/または軟骨組織の喪失または変性は、傷害または外傷の結果として始まり、そしてこれらのプロセスの1またはそれより多くが、次いで、疾患および/または生理学的プロセスを通じて進行することも可能である。

0170

疾患または状態は、関節炎、場合によって外傷または傷害が誘導する関節炎、年齢関連関節炎または非年齢関連関節炎であることも可能である。関節炎は変形性関節症であることも可能である。変形性関節症は、関節の疼痛および関節機能の減少(例えば硬直および/または可動範囲の減少)の臨床的症候群である。症状には、関節疼痛、硬直および関節を動かす際の問題が含まれる。該疾患は、局所的軟骨喪失、骨のリモデリングおよび/または炎症によって、病理学的に特徴付け可能である。関節炎によって最も一般的に影響を受ける関節は、膝関節股関節および手足の関節であるが、他の関節もまた影響を受ける可能性もある。

0171

本発明の方法にしたがって治療されるべき被験体は、これらのプロセスがまだ始まっていない場合であっても、関節破壊、軟骨分解、軟骨組織への損傷および軟骨組織の喪失または変性の1つまたはそれより多くに感受性であることも可能である。被験体は、関節破壊、軟骨分解、軟骨組織への損傷および軟骨組織の喪失または変性の1またはそれより多くと関連する疾患または状態を有する結果として感受性であることも可能である。

0172

軟骨は、傷害または外傷、または機械的摩耗および裂傷などの物理的プロセス、ならびに/あるいは疾患および生理学的プロセスなどの生物学的プロセスの結果として損傷を受けるかまたは分解することも可能である。物理的プロセスおよび生物学的プロセスが相互作用して、軟骨の喪失、変性、分解または損傷をもたらす。例えば、傷害または外傷または機械的摩耗および裂傷は、軟骨損傷を開始し、そして例えば炎症を通じて生物学的プロセスと結びつき、軟骨の喪失、変性、分解または損傷を達成し、そして加速させる。

0173

傷害または外傷は、落下またはスポーツ関連障害または外傷の結果であることも可能である。機械的摩耗および裂傷は、肥満および/または反復動作と関連することも可能である。例えば、機械的摩耗および裂傷は、特定の活動の結果として起こることも可能であるし、または特定の職業に関連することも可能である。

0174

軟骨の喪失、変性、分解または損傷を生じる生物学的プロセスのエフェクターには、プロテアーゼメタロプロテアーゼ、炎症仲介因子に反応して上方制御される軟骨分解酵素アグリカナーゼコラゲナーゼ、ADAMTS−4、ADAMTS−5、MMP3およびMMP13が含まれる。軟骨細胞の異化活性増加は、生物学的プロセスと関連して、軟骨の喪失、変性、分解または損傷を生じる。軟骨細胞の代謝活性は、例えばSOX−9、COLII、アグリカン、COL1およびTSG−6などの軟骨遺伝子発現の分析によって、または放射標識の取り込みによって、アッセイ可能である。

0175

軟骨の喪失、変性、分解、損傷または維持は、長期に渡る軟骨の画像化および/または軟骨の測定によって、決定することも可能である。軟骨の画像化および/または測定は、関心対象の部位、例えば傷害または外傷の部位、あるいは関節炎関節であることも可能である。

0176

軟骨の喪失、変性、分解または損傷は、当業者に周知のルーチンの方法によって決定可能である。例えば、軟骨の欠損(すなわち損傷)または軟骨喪失は、磁気共鳴画像化(MRI)によって、または関節鏡検査によって、決定可能である。

0177

軟骨喪失、変性または分解は、その関節またはその部位での軟骨の量の以前の測定に比較して、関節または部位における軟骨の量の減少の観察によって、決定可能である。あるいは、軟骨喪失、変性または分解は、軟骨喪失、変性または分解を経験しない同等の関節または部位に比較して、関節または部位の軟骨の量、厚みまたは体積の減少の観察によって、決定可能である。

0178

関節鏡検査によって観察される軟骨への損傷は、国際軟骨修復協会(ICRS)等級付けステムにしたがって、以下のように等級付け可能である:
0=(正常な)健康な軟骨;
1=軟骨が柔らかいスポットまたは水疱を有する
2=軟骨中に重大でない裂傷が見え
3=病変が深い凹部を有する(軟骨層の50%より深い)
4=軟骨裂傷が根底にある(軟骨下)の骨を曝露する
等級2/3の軟骨欠損は、原線維状の(fibrillated)または切り刻まれた外見を有しうる。軟骨への損傷はまた、Pritzkerら, Osteoarthritis Cartilage 2006 14(1):13-29に記載される変形性関節症研究協会国際(OARSI)等級付けシステムにしたがって、組織病理学によって評価することも可能である。

0179

軟骨分解と関連する酵素、または軟骨分解に反応して上方制御されることが知られる遺伝子または酵素の発現および/または活性もまた、軟骨の喪失、変性、分解、損傷または維持を決定するために使用可能である。同様に、軟骨細胞の異化活性をアッセイして、軟骨の喪失、変性、分解、損傷または維持を調べることも可能である。

0180

療法的有効量の本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの投与の結果としての、関節破壊または軟骨分解の阻害、あるいは軟骨組織の分解または損傷または喪失の防止または遅延、あるいは有効な軟骨組織の維持は、その関節またはその位置の軟骨量の以前の測定に比較して、関節または位置での軟骨の喪失、変性、分解または損傷が全くないかまたは最小限であることを見出すことによって、決定可能である。あるいは、関節破壊または軟骨分解の阻害、あるいは軟骨組織の分解または損傷または喪失の防止または遅延、あるいは有効な軟骨組織の維持は、未処置対照関節または部位に比較した、関節または部位の軟骨の喪失、変性、分解または損傷の減少または遅延を見出すことによって、決定可能である。

0181

遺伝子発現、例えば軟骨喪失、変性、分解または損傷に関連する遺伝子の発現は、当業者に周知の多様な方法によって決定可能である。例えば、遺伝子発現のレベルを、試料、例えば生検または組織試料において、定量的リアルタイムPCRによって決定することも可能である。

0182

軟骨喪失に関連する遺伝子には、限定されるわけではないが、プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、炎症仲介因子に反応して上方制御される軟骨分解酵素、アグリカナーゼ、コラゲナーゼ、ADAMTS−4、ADAMTS−5、MMP3およびMMP13をコードする遺伝子が含まれる。

0183

例えば軟骨喪失、変性、分解または損傷に関連するタンパク質または酵素の発現または活性レベルを、当業者に知られるルーチンの方法によって決定可能である。例えば、試料、例えば生検または組織試料におけるタンパク質発現レベルを、イムノブロッティングまたはELISAによって決定することも可能である。酵素の活性レベルを試料、例えば生検または組織試料において、その酵素の活性に関するレポーターアッセイを用いることにより、決定することも可能である。同様に、試料、例えば生検または組織試料における軟骨細胞の代謝活性を決定することも可能である。

0184

軟骨分解/破壊/喪失/損傷および/または関節破壊を、軟骨組織の喪失、変性、分解または損傷あるいは関節破壊に関連する疾患または状態の臨床的症状と相関させることも可能であり、そしてしたがって、これらはまた、軟骨分解/破壊/喪失/損傷または関節破壊、軟骨細胞の代謝活性、あるいは軟骨分解酵素の発現および/または活性を調べるかまたは評価するためにも有用でありうる。

0185

骨折
いくつかの側面において、本発明は、骨折を治療するためのHS16の療法的使用(ヒトおよび/または獣医学的)に関する。

0186

骨折は、医学的状態である。本出願において、「骨折」には、骨にひびが入るか、骨が折れるかまたは削り取られる、骨に対する損傷または傷害が含まれる。骨が折れることは骨の不連続を指す。骨折は、物理的衝撃または機械的ストレス、あるいは骨粗鬆症または変形性関節症などの医学的状態によって引き起こされうる。

0187

骨折の整形外科的分類には、閉鎖または開放および単純または複雑骨折が含まれる。閉鎖骨折において、皮膚は損なわれていないままであり、開放骨折において、骨は創傷部位を通じて曝露される可能性もあり、これは感染のより高いリスクをもたらす。単純骨折は、単一の線に沿って生じ、骨を2つに分割する傾向がある。複雑骨折は、骨を多数の片に分割する。

0188

他の骨折タイプには、圧迫骨折圧縮骨折(compacted fracture)、らせん骨折、完全および不完全骨折横骨折線状骨折および斜骨折および粉砕骨折が含まれる。
大部分の被験体において、骨治癒(骨折治癒)は自然に生じ、そして傷害後に開始される。出血は、通常、凝固、ならびに白血球および線維芽細胞の誘因を導き、その後、コラーゲン繊維が産生される。この後、骨マトリックスカルシウムヒドロキシアパタイト沈着ミネラル化)がコラーゲンマトリックスを骨に変換する。未成熟再生骨は、典型的には成熟骨よりも弱く、そして未成熟骨は、時間を掛けて、リモデリングプロセスを経て、成熟「層状」骨を産生する。完全骨治癒プロセスにはかなりの時間が掛かり、典型的には数ヶ月要する。

0189

骨折が起き、そしてHS16を用いた治療から利益を得る可能性がある骨には、すべての骨タイプ、特にすべての哺乳動物骨が含まれ、限定されるわけではないが、長骨(例えば大腿骨上腕骨指骨)、短骨(例えば手根骨足根骨)、平板骨(例えば頭蓋骨肋骨、肩胛骨、胸骨骨盤帯)、不規則骨(例えば椎骨)、種子骨(例えば膝蓋骨)が含まれる。

0190

骨折が起き、そしてHS16を用いた治療から利益を得る可能性がある骨には、骨格の骨(すなわち骨格の任意の骨)、頭蓋顔面領域の骨、中軸骨格の骨(例えば椎骨、肋骨)、四肢の骨(例えば肢の骨)、骨盤骨格の骨(例えば骨盤)が含まれる。

0191

骨折が起き、そしてHS16を用いた治療から利益を得る可能性がある骨にはまた、顔、例えばおよびのものを含む、頭部(頭蓋)および首のものも含まれる。HS16を用いて、歯科または顔面または頭蓋手術中の骨の修復または再生を補助することも可能であり、これには、例えば顎骨を含む、顔および/または口骨(歯とは異なる)の再構築が含まれうる。

0192

骨折にはまた、骨粗鬆症の被験体によって示されるような、病的多孔性が含まれる。
本発明を限定するわけではないが、HS16の一次作用は、創傷部位内の、該部位に隣接する、または該部位内に遊走が誘導された細胞に対するものであることも可能であり、そして該作用は、間葉系幹細胞、骨幹細胞、プレ骨芽細胞または骨芽細胞、あるいは創傷床内に見られるかまたは遊走が誘導される任意の補助または血管原性細胞に対するものであることも可能である。

0193

HS16、ならびにHS16を含む医薬組成物および薬剤を、哺乳動物被験体における骨折の治療法において使用するために提供する。治療は、骨における創傷治癒を含むことも可能である。治療は、骨の修復、再生および増殖を伴うことも可能である。HS16は、新規骨増殖を促進することによって、骨折修復を促進する。HS16は、骨折修復の速度を改善するように働き、骨治癒がより迅速に起こることを可能にし、傷害からの回復時間の改善を導く。治療は骨強度改善を導きうる。

0194

治療にはまた、骨粗鬆症または変形性関節症の治療も含まれうる。
HS16の投与は、好ましくは、骨折を取り巻く組織に対するものである。これには、骨折が起きた骨組織への直接の投与も含まれうる。投与は、骨または骨折を取り巻く結合組織に対するもの、あるいは骨の近傍であり、そして骨に供給する血管系(例えば血管)であることも可能である。投与は、傷害部位に対して直接であってもよいし、そして初期創傷治癒によって形成される仮骨に対してであってもよい。本発明記載の薬剤および医薬組成物は、多くの経路による投与用に配合されることも可能である。最も好ましくは、HS16は、注射用流体または液体型で配合される。

0195

いくつかの態様において、HS16は、徐放配合物として、例えば創傷部位に移植するための薬剤カプセル中に配合される。HS16を、キャリアー物質(例えばバイオマテリアル)、例えばナノファイバーあるいは生物分解性の紙または織物に付着させるか、これに含浸するか、または浸漬することも可能である。

0196

HS16を含む医薬組成物、薬剤、移植物および装具はまた、TGF−β1も含むことも可能である。HS16がTGF−β1に結合する能力のため、HS16は、創傷部位にTGF−β1を送達することを補助するTGF−β1のキャリアーとして作用しうる。

0197

投与は、好ましくは、「療法的有効量」であり、これは、対応する未処置骨折に比較して、骨折の治癒を改善するために十分な量である。投与する実際の量、ならびに投与速度および時間経過は、骨折の性質および重症度に応じるであろう。治療の処方、例えば投薬量の決定等は、開業医および他の医師の責任の範囲内であり、そして典型的には、骨折の性質、個々の患者の状態、送達部位、投与法および医師に知られる他の要因を考慮に入れる。HS16用量の単回または多数回投与を、処方する医師の指導にしたがって、投与することも可能である。純粋に例として、少なくとも1ng/ml、より好ましくは少なくとも5ng/ml、そして場合によって10ng/mlまたはそれより多い投薬量でHS16を送達することも可能である。個々のHS16投薬量は、1mg未満であり、そして1μgより多い桁であることも可能であり、例えば約5μg、約10μg、約25μg、約30μg、約50μg、約100μg、約0.5mg、または約1mgの1つであることも可能である。上述の技術およびプロトコルの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第20版, 2000, Lippincott, Williams & Wilkins刊行に見出されうる。

0198

HS16を用いて、他の治療、例えば疼痛緩和または抗炎症薬剤、骨の固定および固化、例えばギプス包帯中での傷害肢の固定、例えば骨を再固化させるかまたは骨を取り除いて、ずれ、アンギュレーションまたは脱臼修正するための外科的介入とともに、骨折を治療することも可能である。手術が必要な場合、外科的処置中に、HS16を直接、骨折に投与(例えば適用)することも可能である。

0199

バイオマテリアル
本発明の医薬組成物および薬剤は、HS16でコーティングされ、そして/または含浸されるバイオマテリアルの形を取ることも可能である。バイオマテリアルから移植物または装具を形成することも可能である。こうした移植物または装具を外科的に移植して、組織再生組織再構築、および/または組織リモデリングを補助することも可能である。

0200

HS16を、移植物または装具に適用して、所望の位置での新規組織形成を加速することも可能である。ヘパラン硫酸は、タンパク質とは異なり、特に頑強であり、そして合成バイオ足場の製造、ならびに移植物および装具の適用に必要な溶媒に耐える、はるかにより優れた能力を有することが認識されるであろう。

0201

バイオマテリアルをHS16でコーティングまたは含浸してもよい。含浸は、HS16をバイオマテリアルの構成的構成要素と、例えば重合中に混合するか、またはバイオマテリアル内にHS16を吸着させることによって、バイオマテリアルを形成する工程を含むことも可能である。コーティングは、バイオマテリアル表面上へのHS16の吸着を含むことも可能である。

0202

バイオマテリアルは、被験体に投与されるかまたは移植された際に、コーティングまたは含浸HS16がバイオマテリアルから放出されることを可能にしなければならない。バイオマテリアル放出動力学は、バイオマテリアルの構造、例えば多孔性を改変することによって、改変可能である。

0203

HS16でのバイオマテリアルのコーティングまたは含浸に加えて、1またはそれより多い生物学的活性分子を、バイオマテリアル上に含浸またはコーティングすることも可能である。例えば:BMP−2、BMP−4、OP−1、FGF−1、FGF−2、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3;VEGF;コラーゲン;ラミニン;フィブロネクチン;ビトロネクチンからなる群より選択される少なくとも1つである。TGF−β1での含浸またはコーティングが好ましい可能性もある。

0204

HS16でコーティングまたは含浸されたバイオマテリアルは、医学的および獣医学的目的の両方に有用でありうる。本発明が、患者の生活の質を改善するか、または動物、例えば交配に使用するために価値ある競走馬寿命を潜在的に延長させることも可能であることが認識されるであろう。

0205

バイオマテリアルは、足場またはマトリックス支持体を提供する。バイオマテリアルは、組織における移植に適切であることも可能であり、または投与に適切であることも可能である(例えば溶液中のマイクロカプセルとして)。

0206

移植物または装具は、生体適合性、例えば非毒性で、そして低免疫原性(最も好ましくは非免疫原性)でなければならない。バイオマテリアルは、創傷治癒が起こるに連れて、バイオマテリアルが分解し、最終的に被験体において、in situで再生された組織のみが残るように、生物分解性であることも可能である。あるいは、非生物分解性バイオマテリアルを用いて、例えば大きな不連続に渡る組織再生をガイドし、そして/または治癒中構造的支持体として作用して、創傷治癒が成功した後、バイオマテリアルの外科的除去が場合によって必要であることも可能である。

0207

バイオマテリアルは、柔らかく、そして/または柔軟であることも可能であり、例えばヒドロゲルフィブリンウェブまたはメッシュ、あるいはコラーゲンスポンジであることも可能である。「ヒドロゲル」は、天然または合成であることも可能な有機ポリマーを固化するかまたは凝固して、三次元開放格子構造を生成して、これが水または他の溶液の分子を捕捉して、ゲルを形成する際に形成される物質である。凝固は、凝集、凝固、疎水性相互作用または架橋によって起こることも可能である。

0208

あるいは、バイオマテリアルは、比較的堅い構造であることも可能であり、例えば固形剤量、例えばプラスチックまたは生物学的不活性金属、例えばチタンで形成されることも可能である。

0209

バイオマテリアルは、架橋ポリマーによって提供されることも可能な、多孔性マトリックス構造を有することも可能である。マトリックスは、好ましくは、骨増殖に必要な栄養素および増殖因子に対して浸透性である。

0210

マトリックス構造は、架橋繊維、例えばフィブリンまたはコラーゲン、あるいはアルギン酸ナトリウム液体フィルムキトサン、または適切な架橋剤、例えばカルシウム塩を含む他の多糖、ポリアクリル酸、ヘパリンによって形成することも可能である。あるいは、ゲルとして足場を形成し、コラーゲンまたはアルギン酸によって組み立て、当業者に知られる周知の確立された方法を用いて架橋することも可能である。

0211

マトリックス形成に適したポリマー材料には、限定されるわけではないが、生物分解性/生物吸収可能ポリマーが含まれ、これは:アガロース、コラーゲン、フィブリン、キトサン、ポリカプロラクトン、ポリ(DL−ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリ(L−ラクチド−コ−カプロラクトン−コ−グリコリド)、ポリグリコリドポリラクチドポリヒドロキシアルカノエート、そのコポリマーの群より選択されることも可能であり、あるいは非生物分解性ポリマーが含まれ、これは:酢酸セルロース酪酸セルロース、アルギン酸セルロース、ポリスルホンポリウレタンポリアクリロニトリルスルホン化ポリスルホンポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、そのコポリマーの群より選択されることも可能である。

0212

コラーゲンは、その生体適合性ならびに細胞付着および機能を支持する好ましい特性のため、マトリックス構築のための有望な材料である(米国特許第5,019,087号;Tanaka, S.;Takigawa, T.;Ichihara, S.およびNakamura, T.生物吸収性ポリグリコール酸−コラーゲン神経ガイドチューブの機械的特性Polymer Engineering & Science 2006, 46, 1461-1467)。臨床的に許容されうるコラーゲンスポンジは、マトリックスの一例であり、そして当該技術分野に周知である(例えばIntegra Life Sciencesのもの)。

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