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技術 O−アルキル−ベンジリデングアニジン誘導体、及びミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害の処置のための治療的使用

出願人 インフレクティス・バイオサイエンス
発明者 フィリップ・ゲダ
出願日 2015年7月2日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2017-519999
公開日 2017年8月10日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2017-522370
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 配列ルール 液滴ミスト 不溶性副生成物 反復値 添加混合物 ライスペーパー 含水形 最小時間間隔
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題・解決手段

本発明は、式(I)の化合物若しくは互変異性体及び/又は薬学的に許容されるその塩、並びにタンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質蓄積と関連する障害処置するためのその使用に関する。

概要

背景

グアナベンズとも称される化合物2-(2,6-ジクロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシイミドアミドは、降圧薬として使用されるアルファ-2型のアルファアゴニストである。

グアナベンズの様々な誘導体報告されてきた。例えば、US 3,982,020 (Sandoz社)は、置換ベンジリデンヒドラジン並びに血糖降下-抗高血糖剤抗肥満剤及び抗炎症剤としてのそれらの使用を開示している。US 2004/0068017 (Bausch & Lomb社)は、眼球細胞におけるゼラチナーゼAの活性を増加させることができる置換ベンジリデンヒドラジンを開示している。該分子は、原発性開放隅角緑内障処置における適用を有している。WO 2008/061647 (Acure Pharma AB社)は、VEGFR阻害剤としてのN-(2-クロロ-3,4,-ジメトキシベンジリデンアミノ)グアニジンの使用、並びに腫瘍成長中の所望されない血管形成及び/又は炎症状態の処置又は予防におけるその関連適用を開示している。WO2005/031000 (Acadia Pharmaceuticals社)は、置換ベンジリデンヒドラジン、並びに急性疼痛及び慢性神経因性疼痛を処置することにおけるそれらの使用を開示している。最終的に、EP1908464 (CNRS社)は、グアナベンズ及びクロログナベンズ、並びにハンチントン病を含めたポリグルタミン拡張関連疾患の処置におけるそれらの使用を開示している。

より近年には、グアナベンズがいくつかの他の部域における治療的可能性を有することが報告されている。グアナベンズは、抗プリオン活性を有すると近年、認められた(Tribouillard-Tanvierら、2008PLoS One 3、e1981)。タンパク質ミスフォールディングに対して保護することにおけるその活性は、驚くべきほどにずっと広範であり、細胞ベースアッセイにおける突然変異体ハンチンチン蓄積を軽減すること(WO2008/041133)、並びにMin6及びINS-1膵臓ベータ細胞小胞体(ER)においてミスフォールディングの傾向があるインスリンAkita突然変異体発現致死的効果に対する保護が含まれること(Tsaytlerら、2011 Science 332 91〜94頁)が報告されている。WO2014/138298及びWayら(2015 Nature Communications 6:6532DOI: 10.1038/ncomms7532)は、グアナベンズ、及び多発性硬化症等の脱髄障害の処置におけるその使用を開示している。

グアナベンズは、用量依存的方式において、N-グリコシル化阻害剤ツニカマイシンによって誘発される他の細胞毒性ERストレス曝露されたHeLa細胞生存を促進することも示されている(Tsaytlerら、Science、2011)。細胞生存率の定量的判定は、グアナベンズが約0.4μMの半有効濃度でERストレスを生き延びる細胞の数を二倍にすることを明らかにした。α2-アドレナリン作動性受容体アゴニストクロニジンも、α2-アドレナリン作動性受容体アンタゴニストエファロキサンも、細胞毒性ERストレスから細胞を保護せず、エファロキサンは、グアナベンズの保護効果を妨げなかった(Tsaytlerら、Science、2011)。これらの観察は、グアナベンズが、α2-アドレナリン作動性受容体に依存しない機序によって致死的なERストレスから細胞を救出することを実証している。グアナベンズは、タンパク質ホスファターゼ1、PPP1R15A (GADD34)の調節性サブユニットに結合して、翻訳開始因子2 (eIF2α)のαサブユニットのストレス誘発脱リン酸化を選択的に妨害することによって、ミスフォールドタンパク質の他の致死的蓄積から細胞を保護する。グアナベンズは、ストレス細胞における翻訳速度を、入手可能なシャペロンによって管理可能なレベルに設定し、それによってタンパク質ホメオスタシス回復する。グアナベンズが構成的PPP1R15B (CReP)に結合せず、そのため、非ストレス細胞における翻訳を阻害しないことが報告された(Tsaytlerら、Science、2011)。

十分な小胞体ストレス応答(UPR)を備えることによるERでのタンパク質恒常性の維持をし損なうことは、多くの病態に対する寄与因子として認識される。したがって、eIF2αホスファターゼタンパク質合成微調整するのを阻害する、本明細書に記載されている分子は、タンパク質ミスフォールディングストレスによって、特にミスフォールドタンパク質の蓄積とともに引き起こされる多数の疾患に対して治療的に有益であり得る。

Tribouillard-Tanvierら、PLoS One 3、e1981 (2008)及びEP1908464Aは、末端基としてグアニジンを含むベンジリデングアニジン誘導体を開示している。しかしながら、本出願人は、末端基が、該化合物の生物学的利用能に影響する代謝化を受けやすいことを見出した。更に、以前の研究は、該化合物が有用な薬理活性を示すために(ヘテロ)アリール基が少なくともジハロゲン化されなければならないことも示している(例えば、Tribouillard-Tanvierら、PLoS One 3、e1981 (2008)及びEP1908464A、CNRS社を参照されたい)。しかしながら、以前の研究の結果に反して、本出願人は、驚くべきことに、修飾末端基を含むモノハロゲン化(ヘテロ)アリール誘導体が活性でもあり得ることを見出した。したがって、向上した活性及び/又は生物学的利用能プロファイルを有する代替物を提供することが望ましい。

概要

本発明は、式(I)の化合物若しくは互変異性体及び/又は薬学的に許容されるその塩、並びにタンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害を処置するためのその使用に関する。

目的

本発明は、細胞毒性小胞体(ER)ストレスに対して保護効果を示すことができる化合物を提供する

効果

実績

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請求項1

式(I)(式中、Hal=F、Cl、Br、Iであり、Xは、-CR1=又は-N=のいずれかであり、Yは、-CR2=又は-N=のいずれかであり、Zは、-CR3=又は-N=のいずれかであり、Wは、-CR4=又は-N=のいずれかであり、R1は、H、Hal、アルキル及びO-アルキルから選択され、R2は、H、Hal、アルキル、O-アルキル及びC(O)R6から選択され、R3は、H、Hal、アルキル及びO-アルキルから選択され、R4は、H、Cl、F、I又はBrであり、R5は、アルキル、シクロアルキルアラルキルアルケニルシクロアルケニルヘテロシクリルアリール、C(O)-アルキル及びC(O)-アリールであり、これらの各々は、1個以上のR7基で場合により置換されており、R6は、OH、O-アルキル、O-アリール、アラルキル、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、NH-アリール、CF3、アルキル及びアルコキシから選択され、各R7は、ハロゲン、OH、CN、COO-アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、S-アルキル、SO-アルキル、SO2-アルキル、SO2-アリール、COOH、CO-アルキル、CO-アリール、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、CF3、アルキル及びアルコキシから独立して選択される)の化合物又は薬学的に許容されるその塩。

請求項2

HalがClである、請求項1に記載の化合物。

請求項3

Xが-CR1=であり、R1がH又はFである、請求項1又は請求項2に記載の化合物。

請求項4

Yが-CR2=であり、R2がH又はFである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の使用。

請求項5

Z= -CR3=であり、R3がH又はFである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。

請求項6

W= -CR4=であり、R4がH、Cl又はFである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。

請求項7

R5がアルケニル又はアルキルから選択され、これらの各々が、ハロゲン、OH、ヘテロシクリル、S-アルキル、SO-アルキル、SO2-アルキル、Oアルキルから選択される1個以上のR7基で場合により置換されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。

請求項8

以下の又は許容されるその塩から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。

請求項9

請求項1〜8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製するための方法であって、式(A)(式中、R5は、請求項1〜8のいずれか一項に規定の通りである)の化合物を、式(B)(式中、X、Y、Z、W及びHalは、請求項1〜8のいずれか一項に規定の通りである)の化合物と反応させる工程を含む、方法。

請求項10

精製のさらなる工程を含む、請求項9に記載の方法。

請求項11

式(II)(式中、Hal=F、Cl、Br、Iであり、Xは、-CR1=又は-N=のいずれかであり、Yは、-CR2=又は-N=のいずれかであり、Zは、-CR3=又は-N=のいずれかであり、Wは、-CR4=又は-N=のいずれかであり、R1は、H、Hal、アルキル及びO-アルキルから選択され、R2は、H、Hal、アルキル、O-アルキル及びC(O)R6から選択され、R3は、H、Hal、アルキル及びO-アルキルから選択され、R4は、H、Cl、F、I又はBrであり、R5は、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、C(O)-アルキル及びC(O)-アリールであり、これらの各々は、1個以上のR7基で場合により置換されており、R6は、OH、O-アルキル、O-アリール、アラルキル、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、NH-アリール、CF3、アルキル及びアルコキシから選択され、各R7は、ハロゲン、OH、CN、COO-アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、SO-アルキル、SO2-アルキル、SO2-アリール、COOH、CO-アルキル、CO-アリール、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、CF3、アルキル及びアルコキシから独立して選択される)の化合物を、適当な薬学的に許容される希釈剤賦形剤又は担体とともに含む医薬組成物

請求項12

化合物(II)が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物である、請求項11に記載の医薬組成物。

請求項13

化合物(II)が、請求項11又は請求項12に定義されているものである、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質蓄積と関連する疾患を処置する際の使用のための、式(II)の化合物。

請求項14

疾患がPPP1R15A経路と関連する、請求項13に記載の化合物。

請求項15

疾患が、アルツハイマー病進行性核上性麻痺大脳皮質基底核変性症前頭側頭葉変性症又は前頭側頭認知症(FTD) (ピック病)から選択されるタウオパチー;パーキンソン病レビー小体型認知症、純粋自律神経不全症及び多系統萎縮症から選択されるシヌクレイノパチー;ハンチントン病球脊髄性筋萎縮症(又はケネディー病)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症脊髄小脳変性症1型、脊髄小脳変性症2型、脊髄小脳変性症3型(又はマシャド・ジョセフ病)、脊髄小脳変性症6型、脊髄小脳変性症7型及び脊髄小脳変性症17型、眼咽頭筋ジストロフィーから選択される、ポリグルタミン病及びポリアラニン病;白質ジストロフィー、シャルコー・マリー・トゥース病及び多発性硬化症のような脱髄障害全身性ループスエリテマトーデス膵炎及びセプシスから選択される嚢胞性線維症セイピノパチー、リソソーム蓄積障害アミロイドーシス疾患、炎症、代謝障害、並びに脂肪症高脂血症家族性高コレステロール血症肥満アテローム性動脈硬化症高血圧心疾患心虚血、脳卒中、心筋梗塞トランス大動脈狭窄、血管発作から選択される心臓血管障害;骨粗鬆症、神経系外傷虚血、骨粗鬆症、並びに網膜色素変性症網膜繊毛関連疾患、緑内障黄斑変性症及び加齢から選択される網膜疾患の群において選択される、請求項11又は12に記載の使用のための化合物。

技術分野

0001

本発明は、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質蓄積と関連する障害処置に潜在的な治療用途を有する化合物に関する。特に、本発明は、細胞毒性小胞体(ER)ストレスに対して保護効果を示すことができる化合物を提供する。

背景技術

0002

グアナベンズとも称される化合物2-(2,6-ジクロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシイミドアミドは、降圧薬として使用されるアルファ-2型のアルファアゴニストである。

0003

0004

グアナベンズの様々な誘導体報告されてきた。例えば、US 3,982,020 (Sandoz社)は、置換ベンジリデンヒドラジン並びに血糖降下-抗高血糖剤抗肥満剤及び抗炎症剤としてのそれらの使用を開示している。US 2004/0068017 (Bausch & Lomb社)は、眼球細胞におけるゼラチナーゼAの活性を増加させることができる置換ベンジリデンヒドラジンを開示している。該分子は、原発性開放隅角緑内障の処置における適用を有している。WO 2008/061647 (Acure Pharma AB社)は、VEGFR阻害剤としてのN-(2-クロロ-3,4,-ジメトキシベンジリデンアミノ)グアニジンの使用、並びに腫瘍成長中の所望されない血管形成及び/又は炎症状態の処置又は予防におけるその関連適用を開示している。WO2005/031000 (Acadia Pharmaceuticals社)は、置換ベンジリデンヒドラジン、並びに急性疼痛及び慢性神経因性疼痛を処置することにおけるそれらの使用を開示している。最終的に、EP1908464 (CNRS社)は、グアナベンズ及びクロログナベンズ、並びにハンチントン病を含めたポリグルタミン拡張関連疾患の処置におけるそれらの使用を開示している。

0005

より近年には、グアナベンズがいくつかの他の部域における治療的可能性を有することが報告されている。グアナベンズは、抗プリオン活性を有すると近年、認められた(Tribouillard-Tanvierら、2008PLoS One 3、e1981)。タンパク質ミスフォールディングに対して保護することにおけるその活性は、驚くべきほどにずっと広範であり、細胞ベースアッセイにおける突然変異体ハンチンチンの蓄積を軽減すること(WO2008/041133)、並びにMin6及びINS-1膵臓ベータ細胞の小胞体(ER)においてミスフォールディングの傾向があるインスリンAkita突然変異体発現致死的効果に対する保護が含まれること(Tsaytlerら、2011 Science 332 91〜94頁)が報告されている。WO2014/138298及びWayら(2015 Nature Communications 6:6532DOI: 10.1038/ncomms7532)は、グアナベンズ、及び多発性硬化症等の脱髄障害の処置におけるその使用を開示している。

0006

グアナベンズは、用量依存的方式において、N-グリコシル化阻害剤ツニカマイシンによって誘発される他の細胞毒性ERストレス曝露されたHeLa細胞生存を促進することも示されている(Tsaytlerら、Science、2011)。細胞生存率の定量的判定は、グアナベンズが約0.4μMの半有効濃度でERストレスを生き延びる細胞の数を二倍にすることを明らかにした。α2-アドレナリン作動性受容体アゴニストクロニジンも、α2-アドレナリン作動性受容体アンタゴニストエファロキサンも、細胞毒性ERストレスから細胞を保護せず、エファロキサンは、グアナベンズの保護効果を妨げなかった(Tsaytlerら、Science、2011)。これらの観察は、グアナベンズが、α2-アドレナリン作動性受容体に依存しない機序によって致死的なERストレスから細胞を救出することを実証している。グアナベンズは、タンパク質ホスファターゼ1、PPP1R15A (GADD34)の調節性サブユニットに結合して、翻訳開始因子2 (eIF2α)のαサブユニットのストレス誘発脱リン酸化を選択的に妨害することによって、ミスフォールドタンパク質の他の致死的蓄積から細胞を保護する。グアナベンズは、ストレス細胞における翻訳速度を、入手可能なシャペロンによって管理可能なレベルに設定し、それによってタンパク質ホメオスタシス回復する。グアナベンズが構成的PPP1R15B (CReP)に結合せず、そのため、非ストレス細胞における翻訳を阻害しないことが報告された(Tsaytlerら、Science、2011)。

0007

十分な小胞体ストレス応答(UPR)を備えることによるERでのタンパク質恒常性の維持をし損なうことは、多くの病態に対する寄与因子として認識される。したがって、eIF2αホスファターゼタンパク質合成微調整するのを阻害する、本明細書に記載されている分子は、タンパク質ミスフォールディングストレスによって、特にミスフォールドタンパク質の蓄積とともに引き起こされる多数の疾患に対して治療的に有益であり得る。

0008

Tribouillard-Tanvierら、PLoS One 3、e1981 (2008)及びEP1908464Aは、末端基としてグアニジンを含むベンジリデングアニジン誘導体を開示している。しかしながら、本出願人は、末端基が、該化合物の生物学的利用能に影響する代謝化を受けやすいことを見出した。更に、以前の研究は、該化合物が有用な薬理活性を示すために(ヘテロ)アリール基が少なくともジハロゲン化されなければならないことも示している(例えば、Tribouillard-Tanvierら、PLoS One 3、e1981 (2008)及びEP1908464A、CNRS社を参照されたい)。しかしながら、以前の研究の結果に反して、本出願人は、驚くべきことに、修飾末端基を含むモノハロゲン化(ヘテロ)アリール誘導体が活性でもあり得ることを見出した。したがって、向上した活性及び/又は生物学的利用能プロファイルを有する代替物を提供することが望ましい。

0009

US 3,982,020
US 2004/0068017
WO 2008/061647
WO2005/031000
EP1908464
WO2008/041133
WO2014/138298
WO2013/124484
WO2011/061340
WO 84/03564

先行技術

0010

Tribouillard-Tanvierら、2008PLoS One 3、e1981
Tsaytlerら、2011 Science 332 91〜94頁
Wayら(2015 Nature Communications 6:6532DOI: 10.1038/ncomms7532)
R.C. Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH publishers、1989
T.W. Greene及びP. G. M. Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons、1991
J. F. W. McOmie、Protective Groups in Organic Chemistry、Plenum Press、1973
Brownら、2012、Frontiers in Physiology、3、Article 263
Tsaytlerら、2011 Science、332、91〜94
Hardingら、2009、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、106、1832〜1837
Naidooら、2008、J Neurosci、28、6539〜48
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Boyceら 2005 Science 307巻 935〜939頁
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Barbezierら(2011、EMBO 3巻 35〜49頁)
D'Antonioら、2009、J Neurosci Res、87、3241〜9
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Shenら(2011 Effect of Guanabenz on Rat AMD Models and Rabbit Choroidal Blood - 5巻 27〜31頁)
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Donzeら、1995、EMBO J、14、3828〜34
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Heら(Cellular Signaling 2013、25 552〜560)
Ohriら(Neurobiology of disease、2013 58巻 29〜37頁)
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Visanjiら、(2008FASEB J. 22(7) 2488〜97頁)
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Gow及びLazzarini、1996 Nat Genet. 13(4):422〜8

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害の処置に潜在的な治療用途を有するグアナベンズコア構造に基づく代替化合物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明の第1の態様は、式(I)

0013

0014

(式中、
Hal=F、Cl、Br、Iであり、
Xは、-CR1=又は-N=のいずれかであり、
Yは、-CR2=又は-N=のいずれかであり、
Zは、-CR3=又は-N=のいずれかであり、
Wは、-CR4=又は-N=のいずれかであり、
R1は、H、Hal、アルキル及びO-アルキルから選択され、
R2は、H、Hal、アルキル、O-アルキル及びC(O)R6から選択され、
R3は、H、Hal、アルキル及びO-アルキルから選択され、
R4は、H、Cl、F、I又はBrであり、
R5は、H又はアルキル、シクロアルキルアラルキルアルケニルシクロアルケニルヘテロシクリルアリール、C(O)-アルキル及びC(O)-アリールであり、これらの各々は、1個以上のR7基で場合により置換されており、
R6は、OH、O-アルキル、O-アリール、アラルキル、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、NH-アリール、CF3、アルキル及びアルコキシから選択され、
各R7は、ハロゲン、OH、CN、COO-アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、S-アルキル、SO-アルキル、SO2-アルキル、SO2-アリール、COOH、CO-アルキル、CO-アリール、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、CF3、アルキル及びアルコキシから独立して選択される)
の化合物又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0015

並びに式中、HalがClであり、R4がClであるならば、R5はHでない。

0016

本発明の第2の態様は、式(II)

0017

0018

(式中、
Hal=F、Cl、Br、Iであり、
Xは、-CR1=又は-N=のいずれかであり、
Yは、-CR2=又は-N=のいずれかであり、
Zは、-CR3=又は-N=のいずれかであり、
Wは、-CR4=又は-N=のいずれかであり、
R1は、H、Hal、アルキル及びO-アルキルから選択され、
R2は、H、Hal、アルキル、O-アルキル及びC(O)R6から選択され、
R3は、H、Hal、アルキル及びO-アルキルから選択され、
R4は、H、Cl、F、I又はBrであり、
R5は、H又はアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、C(O)-アルキル及びC(O)-アリールであり、これらの各々は、1個以上のR7基で場合により置換されており、
R6は、OH、O-アルキル、O-アリール、アラルキル、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、NH-アリール、CF3、アルキル及びアルコキシから選択され、
各R7は、ハロゲン、OH、CN、COO-アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、Salkyl、SO-アルキル、SO2-アルキル、SO2-アリール、COOH、CO-アルキル、CO-アリール、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、CF3、アルキル及びアルコキシから独立して選択される)
の化合物を、適当な薬学的に許容される希釈剤賦形剤又は担体とともに含む医薬組成物に関する。

0019

本発明の第3の態様は、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害の処置に、より特定するとプロテオパチー(proteopathy)に使用するための、式(II)

0020

0021

(式中、
Hal=F、Cl、Br、Iであり、
Xは、-CR1=又は-N=のいずれかであり、
Yは、-CR2=又は-N=のいずれかであり、
Zは、-CR3=又は-N=のいずれかであり、
Wは、-CR4=又は-N=のいずれかであり、
R1は、H、Hal、アルキル及びO-アルキルから選択され、
R2は、H、Hal、アルキル、O-アルキル及びC(O)R6から選択され、
R3は、H、Hal、アルキル及びO-アルキルから選択され、
R4は、H、Cl、F、I又はBrであり、
R5は、H又はアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、C(O)-アルキル及びC(O)-アリールであり、これらの各々は、1個以上のR7基で場合により置換されており、
R6は、OH、O-アルキル、O-アリール、アラルキル、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、NH-アリール、CF3、アルキル及びアルコキシから選択され、
各R7は、ハロゲン、OH、CN、COO-アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、S-アルキル、SO-アルキル、SO2-アルキル、SO2-アリール、COOH、CO-アルキル、CO-アリール、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2、CF3、アルキル及びアルコキシから独立して選択される)
の化合物又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0022

及び薬学的に許容される賦形剤。

0023

式(I)は、式(II)の特別な実施形態である。

0024

好ましい実施形態において、上記で定義されている通りの式(I)又は(II)の化合物は、有利には、グアナベンズ等の従来技術の化合物に比して、アドレナリン作動性α2A受容体に対する活性を示さない。このようにアルファ-2アドレナリン作動活性がないため、該化合物は、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害の処置において治療上有用である。アルファ-2アドレナリン作動活性の非存在は、式(I)又は(II)の化合物が、血圧に対する任意の著しい作用なしで、前に記述の疾患を処置するのに適当な投与量で投与され得ることを意味する。

0025

本発明を、以下の図を参照して更に説明する。

図面の簡単な説明

0026

ツニカマイシンへの6時間曝露によって誘発されたERストレスからの、本発明の化合物12によるHela細胞の用量依存性保護を示すグラフである。
本発明の化合物11、化合物12及び化合物17による、インターフェロン-ガンマ損傷ラットオリゴデンドロサイトの用量依存性保護を示すグラフである。
本発明の化合物5、化合物12及び化合物17による、ロテノン損傷一次中脳ラットニューロンの用量依存性保護を示すグラフである。
本発明の化合物12による、アミロイドベータ1-42損傷一次皮質ラットニューロンの用量依存性保護を示すグラフである。
ヒト293T細胞におけるT181P突然変異DM20タンパク質の蓄積を予防するための、それぞれ5マイクロM及び10マイクロMでの化合物12及び化合物17の能力を示すグラフである。
Min6細胞において発現されるミスフォールディングの傾向があるインスリンAkitaの蓄積と関連する細胞死を予防するための、化合物16の能力を示すグラフである。
ツニカマイシンへの6時間曝露によって誘発されたミスフォールドタンパク質の蓄積と関連するMin6インスリノーマ細胞死を予防するための、異なる濃度での化合物12、化合物16及び化合物17の能力を示すグラフである。
ツニカマイシンへの6時間曝露によって誘発されたミスフォールドタンパク質の蓄積と関連するINS1インスリノーマ細胞死を予防するための、異なる濃度での化合物11、化合物12、化合物16及び化合物17の能力を示すグラフである。
ポリI:Cでリポフェクションされたマウス胚線維芽細胞によるI型インターフェロン産生を予防するための、化合物6、10、11、12、15、16及び17(25マイクロMで)の能力を示すグラフである。
低酸素症誘発アポトーシスに対して新生仔ラット心筋細胞を保護するための、化合物10の能力を示すグラフである。グラフは、FACS分析によって測定されたアポトーシス細胞百分率を示している。心筋細胞は、表示濃度の化合物2 (n=3)の非存在下(0μM)又は存在下で36時間の間低酸素症(0.3%のO2)に曝露された。

0027

本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語には、飽和直鎖及び分岐アルキル基の両方が含まれる。好ましくは、アルキル基は、C1〜20アルキル基、より好ましくはC1〜15、より好ましくはまたC1〜12アルキル基、より好ましくはまたC1〜6アルキル基、より好ましくはC1〜3アルキル基である。特に好ましいアルキル基としては、例えば、メチルエチルプロピルイソプロピルブチルイソブチル、tert-ブチル、ペンチル及びヘキシルが挙げられる。

0028

本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、環状アルキル基を指す。好ましくは、シクロアルキル基はC3〜12シクロアルキル基である。

0029

本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、分岐又は非分岐であってよい、1個以上の炭素-炭素二重結合を含有する基を指す。好ましくは、アルケニル基は、C2〜20アルケニル基、より好ましくはC2〜15アルケニル基、より好ましくはまたC2〜12アルケニル基、又は好ましくはC2〜6アルケニル基、より好ましくはC2〜3アルケニル基である。「環状アルケニル」という用語は、適宜解釈されるべきである。

0030

本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、C6〜12芳香族基を指す。典型例としては、フェニル及びナフチル等が挙げられる。

0031

本明細書で使用される場合、「ヘテロ環」(本明細書において「ヘテロシクリル」及び「ヘテロ環式」とも称される)という用語は、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有し、場合により1個以上のCO基を更に含有する4員から12員、好ましくは4員から6員の飽和、不飽和又は部分的不飽和の環状基を指す。「ヘテロ環」という用語は、下記に定義されている通りのヘテロアリール基及びヘテロシクロアルキル基の両方を包含する。

0032

本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、1個以上のヘテロ原子を含む4員から12員の芳香族を指す。好ましくは、ヘテロアリール基は、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含む4員から6員の芳香族基である。適当なヘテロアリール基としては、ピロールピラゾールピリミジンピラジンピリジンキノリンチオフェン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、チアゾールオキサゾール、iso-チアゾール、iso-オキサゾール、イミダゾール及びフラン等が挙げられる。

0033

本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する3員から12員、好ましくは4員から6員の環状脂肪族基を指す。N含有の5員から6員のヘテロシクロアルキルが好ましい。好ましいヘテロシクロアルキル基としては、ピペリジニルピロリジニルピペラジニルチオモルホリニル及びモルホリニルが挙げられる。より好ましくは、ヘテロシクロアルキル基は、N-ピペリジニル、N-ピロリジニル、N-ピペラジニル、N-チオモルホリニル及びN-モルホリニルから選択される。

0034

本明細書で使用される場合、「アラルキル」という用語には、以下に限定されないが、アリール及びアルキル官能性基の両方を有する基が含まれる。例として、該用語には、アルキル基の水素原子の1つが、アリール基、例えばフェニル基によって置き換えられている基が含まれる。典型的なアラルキル基としては、ベンジル及びフェネチル等が挙げられる。

0035

以下は、式(I)又は(II)の特別な実施形態である。

0036

好ましい一実施形態において、HalはClである。

0037

好ましい一実施形態において、Xは-CR1=である。

0038

好ましい一実施形態において、Yは-CR2=である。

0039

別の好ましい実施形態において、YはNである。

0040

好ましい一実施形態において、Z=-CR3=である。

0041

好ましい一実施形態において、W=-CR4=である。

0042

好ましい一実施形態において、R1はH又はF、より好ましくはHである。

0043

好ましい一実施形態において、R2はH又はF、より好ましくはHである。

0044

好ましい一実施形態において、R3はH又はF、より好ましくはHである。

0045

好ましい一実施形態において、R4はH、Cl又はF、好ましくはH又はF、より好ましくはHである。

0046

好ましい一実施形態において、R3及びR4は両方ともHである。

0047

一実施形態において、R5はH、アルケニル又はアルキルであり、アルケニル又はアルキルの各々は、場合により、1個以上のR7基で置換されている。

0048

一実施形態において、R7基は、ハロゲン、OH、ヘテロシクリル、SO-アルキル、SO2-アルキル、Oアルキルから選択される。

0049

殊に好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、以下:

0050

0051

及び薬学的に許容されるそれらの塩から選択される。

0052

好ましい実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、上記に示されている通りの化合物4、6、10、11、12、14、17、18から選択され、より好ましくは、上記に示されている通りの化合物4、11、17、18から選択される。

0053

化合物
本発明の一態様は、上記で定義されている通りの、式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩に関する。本発明の好ましい態様が準用される。本発明のこの態様のための特に好ましい化合物としては、本明細書に記載されている通りの化合物1、2、5及び10が挙げられる。

0054

調製の方法
本発明のさらなる態様は、上に記載されている通りの式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製するための方法であって、式(A)

0055

0056

(式中、R5は、上記で定義されている通りである)
の化合物又はその互変異性体形態を、式(B)

0057

0058

(式中、X、Y、Z、W及びHalは、上記で定義されている通りである)、
の化合物と反応させる工程と、場合により、それに続いて、上で記載されている通りの式(A)と(B)の化合物との間の反応から結果として得られた化合物のR5基を別のR5基に修飾する工程とを含む、方法に関する。

0059

好ましくは、該方法は、上記で得られた化合物(I)又は(II)の精製のさらなる工程も含むことができる。

0060

化合物(A)と(B)との間のカップリング反応は、アルコール、例えばエタノール等の有機溶媒中で行うことができる。それは、室温と反応混合物沸騰温度との間に含まれる温度で実施することができる。

0061

R5基の修飾反応は、公知の方法の適用又は適応によって行うことができる。例えば、(A)及び(B)のカップリングに続いて得られた化合物において、R5は、R7基によって置換されているアルキル基であってよく、したがって、R7基を置換することが望まれ得る。こうした置換反応は一般に知られている。代表例として、式(I)又は(II)の化合物においてR7=OHをR7=ハロゲンで置き換えることが望まれ得る。こうした反応は、塩素化剤、例えばSOCl2等のハロゲン化剤の存在下で行うことができる。典型的に、こうした反応は、ジクロロメタン等の有機溶媒中で行うことができる。別の代表例は、ピロリジン等のR7=N含有ヘテロ環でのR7=ハロゲンの置換である。こうした反応は、TEA等の塩基の存在下で行うことができる。典型的に、こうした反応は、THF等の有機溶媒中で行うことができる。

0062

実施形態によると、該方法は、式(C)

0063

0064

(式中、R5は、上記で定義されている通りである)
の化合物、又はその塩のうちの1種を、S-メチルイソチオセミカルバジドヒドロヨージド化合物(D)

0065

0066

(式中、Lgは、-S-アルキル、例えば-S-メチル等の脱離基である)
又はその塩のうちの1つと反応させることによって、上記に定義されている通りの式(A)の化合物を調製する工程を更に含むことができる。

0067

典型的に、式(C)と(D)の化合物の間の反応は、塩基性水溶液中、例えば水酸化ナトリウムを含む水溶液中で実施することができる。

0068

式(C)と(D)の化合物の間のカップリング反応の後に、精製のさらなる工程が続くことができる。

0069

実施形態において、該方法は、場合により、式(E)

0070

0071

の化合物を、ヒドラジン誘導体化合物、例えばヒドラジン水和物又はメチルヒドラジンと反応させることによって、式(C)の化合物を調製するさらなる工程を含むことができる。

0072

本発明の方法は、場合により、式(E')

0073

0074

(式中、(R5')は、R5の前駆体基を表す)
の化合物から式(E)の化合物を調製する工程を含むことができる。

0075

この反応は、(E)が市販されていないとともに下記に開示されている通りに(F)及び(G)から(E)を調製することが実践可能でない場合に望まれ得る。

0076

したがって、(E)に転化されるべき前駆体(E')を使用することが望ましいことがある。

0077

前駆体は、置換、脱離又はそうでなければ誘導化学反応によって所望の化合物に修飾することができる基又は化合物である。

0078

例示的な実施形態として、所望のR5基へのR5'の修飾反応は、公知の方法の適用又は適応によって行うことができる。例えば、(E)において、R5は、R7基によって置換されているアルキル基であってよく、したがって、(E')におけるR7'基を(E)における所望のR7'に修飾することが望まれ得る。こうした修飾反応は一般に知られている。代表例として、R7'基=S(アルキル)を含む前駆体R5'をR7=SO2(アルキル)と置き換えることが望まれ得る。こうした反応は、MCPBAの存在下で行うことができる。典型的にこうした反応は、ジクロロメタン等の有機溶媒中で行うことができる。

0079

本発明の方法は、必要に応じて、化合物(F)
Lg'-R5"
(F)
(式中、R5"は、上記で定義されている通りのR5又はR5'のいずれかを表し、Lg'は、ハロゲン原子又はヒドロキシル(OH)基等の脱離基を表す)
を、N-ヒドロキシフタルイミド(G)

0080

0081

と反応させることによって(E)又は(E')を調製する工程を含むことができる。

0082

一般に、(F)及び(G)のカップリングは、Gabriel合成条件に従って行うことができる。

0083

例示的な実施形態によると、この反応は、特にLgがハロゲンを含有する場合、有機又は無機塩基、典型的にTEA若しくはK2CO3、又はNaOAc等の塩基の存在下で実施することができる。

0084

別の例示的な実施形態によると、第1の工程は、特にLg=OHである場合、アゾジカルボン酸ジイソプロピル及びPPh3の存在下で実施することができる。

0085

化合物(F)、(G)、(B)は一般に市販されている。

0086

式(D)

0087

0088

(式中、Lgは-S-アルキルである)
の化合物、例えば-S-メチルも本発明の一部である。

0089

上記で開示されている方法に加えて、本発明の化合物及び方法は、当業者によく知られているいくつかのやり方で調製することができる。該化合物は、例えば、下に記載されている方法の適用若しくは適応、又は熟練技術者によって理解されている通りのそれへの変動によって合成することができる。適切な修飾及び置換は、容易に明らかであり、よく知られているか、又は当業者には科学文献から容易に得られる。

0090

特に、こうした方法は、R.C. Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH publishers、1989に見出すことができる。

0091

本発明の化合物は、1つ以上の非対称置換炭素原子を含有することができ、光学活性又はラセミ体の形態において単離することができると理解される。したがって、特定の立体化学又は異性体の形態が具体的に示されていない限り、全てのキラルジアステレオマー、ラセミ体の形態及び構造の全ての幾何異性体形態が意図される。こうした光学活性形態をどのように調製及び単離するかは、当技術分野においてよく知られている。例えば、立体異性体の混合物は、以下に限定されないが、ラセミ体形態の分割、順相逆相及びキラルクロマトグラフィー優先塩形成並びに再結晶化等を含めた標準的技術によって、又はキラル出発材料からのキラル合成によって若しくは標的キラル中心の意図的合成のいずれかによって分離することができる。

0092

本発明の化合物は、様々な合成経路によって調製することができる。試薬及び出発材料は市販されているか、又は当業者による周知の技法によって容易に合成される。全ての置換基は、別段に表示されていない限り、すでに定義されている通りである。

0093

本明細書に記載されている反応において、最終生成物において望まれる反応性官能基、例えばヒドロキシ基アミノ基、イミノ基チオ基又はカルボキシ基を、反応におけるそれらの望まれない参加を回避するために保護することが必要であり得る。従来の保護基は、標準的手法に従って使用することができ、例えば、T.W. Greene及びP. G. M. Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons、1991; J. F. W. McOmie、Protective Groups in Organic Chemistry、Plenum Press、1973を参照されたい。

0094

一部の反応は、塩基の存在下で実施することができる。この反応において使用されるべき塩基の性質に特別な制限はなく、この型の反応において従来使用される任意の塩基は、本発明において同等に使用することができるが、ただし、それが分子の他の部分に有害作用を有していないという条件である。適当な塩基の例としては、以下が挙げられる:水酸化ナトリウム、炭酸カリウムトリエチルアミンアルカリ金属水素化物、例えば水素化ナトリウム及び水素化カリウム;アルキルリチウム化合物、例えばメチルリチウム及びブチルリチウム;及びアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド及びナトリウムエトキシド

0095

通常、反応は適当な溶媒中で実施される。様々な溶媒が使用され得るが、ただし、それが反応に又は関与する試薬に有害作用を有していないという条件である。適当な溶媒の例としては、以下が挙げられる:芳香族、脂肪族又は脂環式炭化水素であってよい炭化水素、例えばヘキサンシクロヘキサンベンゼントルエン及びキシレン;アミド、例えばジメチル-ホルムアミド;アルコール、例えばエタノール及びメタノール、並びにエーテル、例えばジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン

0096

該反応は、広範囲の温度で行うことができる。一般に、我々は、0℃から150℃(より好ましくは、ほぼ室温から100℃)の温度で反応を実施することが好都合であると見出している。反応に必要とされる時間は、多くの因子、とりわけ反応温度及び試薬の性質に依存して広く変動することもできる。しかしながら、反応が上記で概説されている好ましい条件下でもたらされるという条件で、3時間から20時間の期間が通常十分である。

0097

このように調製された化合物は、従来の手段によって反応混合物から回収することができる。例えば、該化合物は、反応混合物から溶媒を留出することによって、又は必要ならば、反応混合物から溶媒を留出した後、残渣を水中に注ぎ、続いて、水不混和性の有機溶媒を用いる抽出、及び抽出物から溶媒を留出することによって回収することができる。追加として、生成物は、所望であれば、再結晶化、再沈殿又は様々なクロマトグラフィー技法、とりわけカラムクロマトグラフィー又は分取薄層クロマトグラフィー等、様々な周知の技法によって更に精製することができる。

0098

本発明の方法には、式(I)の得られた生成物を単離する追加の工程も含まれ得る。

0099

出発生成物及び/又は試薬は、市販されていることがあるか、又は下記の実験部分に開示されている手順を適用又は適応させることによって、当業者により容易に調製することができる。

0100

治療用途
式(I)又は(II)の化合物は、ミスフォールドタンパク質及び/又はアンフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害の処置とに潜在的な治療用途を有する。特に、式(I)又は(II)の化合物は、細胞毒性小胞体(ER)ストレス及び加齢関連性障害に対して保護効果を有することができる。

0101

本発明の別の態様は、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害を処置するための医薬の調製における、上記で定義されている通りの式(I)又は(II)の化合物の使用に関する。

0102

本発明の好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、ミスフォールドタンパク質及び/又はアンフォールドタンパク質の蓄積が作用機序に関与する疾患を処置する際の使用のためのものである(Brownら、2012、Frontiers in Physiology、3、Article 263)。

0103

本発明の別の態様は、プロテオパチーを処置するための医薬の調製における、上記で定義されている通りの式(I)又は(II)の化合物の使用に関する。プロテオパチーは、ある特定のタンパク質が構造的に異常になることにより身体の細胞、組織及び器官の機能を妨害する疾患の分類を指す。しばしばタンパク質は、それらの正常の立体配座フォールディングし損ない、このミスフォールディング及び/又はアンフォールディング状態において、タンパク質は、何らかの方法で毒性になり得るか(毒性機能の獲得)、又はそれらは、それらの正常機能を損失し得るか、又はそれらは、低減された生物学的活性を有し得る。タンパク質症、タンパク質立体配座障害又はタンパク質ミスフォールディング疾患としても知られているプロテオパチーには、アルツハイマー病パーキンソン病プリオン病、2型糖尿病アミロイドーシス、及び広範囲の他の障害等の多くの疾患が含まれる(下記の非限定的な例を参照されたい)。

0104

本明細書で使用される場合、「タンパク質症、プロテオパチー、タンパク質立体配座障害、タンパク質ミスフォールディング疾患、タンパク質ミスフォールディングストレスと関連する疾患、ミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する疾患、細胞毒性ERストレスと関連する疾患、UPR関連疾患」という用語は、同じ意味を有し、ある特定のタンパク質が構造的に異常になることによって細胞ホメオスタシスを妨害する疾患を指す。

0105

本明細書で使用される場合、「ミスフォールドタンパク質」及び「アンフォールドタンパク質」という用語は、同じ意味を有し、それらの正常の立体配座にフォールディングし損なうタンパク質を指す。

0106

本明細書で使用される場合、「医薬の調製」という成句には、さらなる活性薬剤のためのスクリーニングプログラムにおける又はこうした医薬の製造の任意の段階におけるその使用に加えて、上に記載されている化合物の1種以上の、直接的な医薬としての使用が含まれる。

0107

本発明のなお別の態様は、それを必要とする対象において、タンパク質症並びに/又はタンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害を処置する方法であって、上記で定義されている通りの式(I)又は(II)の化合物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法に関する。

0108

「方法」という用語は、以下に限定されないが、化学的薬理学的、生物学的、生化学的及び医療的技術の実務者に知られている又は彼らによって公知の方式、手段、技法及び手順から容易に発展されるのいずれかのような方式、手段、技法及び手順を含めて、所与タスクを成し遂げるための方式、手段、技法及び手順を指す。

0109

本明細書において、「処置すること」という用語には、疾患若しくは障害の進行を抑止すること、実質的に阻害すること、減速すること若しくは逆戻りすること、疾患若しくは障害の臨床症状を実質的に寛解させること、又は疾患若しくは障害の臨床症状の出現を実質的に予防することが含まれる。

0110

本明細書で使用される場合、「疾患」、「障害」、「状態」という用語は、同じ意味を有する。疾患は、ERストレス応答活性と関連する、並びに/又はタンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する。

0111

「治療有効量」という用語は、処置されている疾患又は障害の症状の1つ以上をある程度緩和するような、投与されている化合物の量を指す。

0112

別の実施形態において、本発明は、UPR障害を処置する際の使用のための、上記で定義されている通りの式(I)又は(II)の化合物に関する。「小胞体ストレス応答(unfolded protein response)」又はUPRという用語は、小胞体(ER)におけるフォールディングを変化する状態に適応させる、ミスフォールドタンパク質に対する細胞防御ステムの成分を指す。UPRは、小胞体の内腔におけるアンフォールドタンパク質又はミスフォールドタンパク質の蓄積への応答において活性化される。このシナリオにおいて、UPRは、以下の2つの主要な狙いを有する:(i)タンパク質翻訳を停止させることによって細胞の正常機能を回復させること、及び(ii)タンパク質フォールディングに関与する分子シャペロンの産生の増加に至るシグナリング経路を活性化すること。これらの目的が、ある特定の時間枠内で達成されないならば、又は妨害が延長されるならば、UPRはアポトーシスに向かう。UPRの上流成分は、フォールディング欠陥感知することで共同方式において転写及び翻訳を再プログラムするとともにタンパク質恒常性を回復するER常在性膜貫通タンパク質IRE1、ATF6及びPERKである。活性化されたIRE1及びATF6は、シャペロンBiP及びGRP94をコード化するもの等、ERフォールディングに関与する遺伝子の転写を増加させる。活性化されたPERKは、Ser51における翻訳開始因子2 (eIF2α)のサブユニットをリン酸化する一方で転写因子ATF4の翻訳を促進することによって、全タンパク質合成を減弱させる。後者は、別の転写因子であるCHOPの発現を制御し、これが今度は、PPP1R15A/GADD34の発現を促進する。UPRシグナリング終止する負のフィードバックループエフェクターであるPPP1R15Aは、タンパク質ホスファターゼ1 (PP1c)の触媒サブユニットリクルートすることでeIF2αを脱リン酸化して、タンパク質合成が再開するのを可能にする。UPR不全は、この適応応答の適切なブーストによって矯正され得る多くの病態に寄与する。ストレス誘発eIF2αホスファターゼPPP1R15A-PP1の選択的阻害剤は、eIF2α脱リン酸化を遅延させ、その結果として、eIF2αホスファターゼPPP1R15B-PP1を構成的に発現する非ストレス細胞におけるタンパク質合成に影響することなく、選択的にストレス細胞におけるタンパク質合成を遅延させる。これは、UPRの有益な効果を延長する。タンパク質合成の一過性低減は、ストレス細胞に有益であり、なぜならば、合成されたタンパク質のフラックスを減少させることは、シャペロンの利用能を増加させ、したがって、ミスフォールディングストレスから保護するからである(Tsaytlerら、2011 Science、332、91〜94)。2種のeIF2αホスファターゼPPP1R15A-PP1及びPPP1R15B-PP1の非選択的阻害剤は、持続的翻訳阻害が有害であるので、望ましくない効果を有し得る。実際に、PPP1R15A及びPPP1R15Bの両方の遺伝子破壊は、マウスにおける早期胚性致死をもたらし、2種のeIF2αホスファターゼPPP1R15A-PP1及びPPP1R15B-PP1の阻害が生命体文脈において有害であることを示す。対照的に、PPP1R15Aの遺伝子破壊は、マウスにおける有害な帰結を有していない(Hardingら、2009、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、106、1832〜1837)。更に、PPP1R15Aの特異的阻害剤は、PPP1R15Aがストレスの非存在で発現されないので、非ストレス細胞において不活性であると予測される。したがって、選択的PPP1R15A阻害剤は、安全であると予測される。該2種のeIF2αホスファターゼの非選択的阻害剤は、該ホスファターゼの部分的阻害だけをもたらす用量で使用される場合、タンパク質ミスフォールディング疾患を処置するのにも有用であり得る。

0113

ERストレスに対する細胞保護は、適当なアッセイによって測定することができる。例えば、細胞保護は、ERストレスが、UDP-HexNAc:ポリプレノール-PHexNAc-1-P酵素ファミリーを阻害する相同ヌクレオシド抗生物質の混合物であるツニカマイシンを含有する培地の添加によって導出されるHeLa細胞において測定することができ、小胞体ストレス応答を誘発するために使用される。細胞生存率は、標準的細胞生存率キット(Dojindo社からのCell Viability Counting Kit-8等)を使用してホルマザンへのWST-8の低減を測定することによって、設定された時間期間後に、阻害剤化合物の存在下及び非存在下で検出することができる。ERストレスからの細胞保護は、ERストレス後の(対照に比した)生細胞の百分率増加の点から測定される。適当なアッセイのさらなる詳細は、付随する実施例セクションにおいて説明されている。

0114

好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、UPRの保護効果を、対照(即ち、阻害剤化合物の非存在下)に比して少なくとも10%、少なくとも20%、より好ましくは、少なくとも30%、いっそう好ましくは、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、より好ましくはまた、少なくとも90%延長することができる。

0115

式(I)又は(II)の化合物は、保護効果を誘発するPPP1R15A-PP1相互作用の阻害剤である。好ましくは、該化合物は、約5μM未満、いっそう好ましくは約2μM未満、より好ましくはまた、約1μM未満のEC50で保護効果を示す。該化合物は、好ましくは、アルファ2アドレナリン作動活性を欠いているべきである。したがって、好ましい一実施形態において、該化合物は、機能性アルファ-2-アドレナリン作動性アッセイにおいて任意の活性を示さない。

0116

式(I)又は(II)のある特定の化合物は、PPP1R15A-PP1を選択的に阻害し、したがってUPRの保護効果を延長し、それによってタンパク質ミスフォールディングストレスから細胞を救出する。本発明に記載されているPPP1R15A-PP1の阻害剤は、そのため、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する様々な疾患の処置における、より具体的にはタンパク質症の処置における治療用途を有する。

0117

一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、PPP1R15A及びPPP1R15Bを阻害することができる。好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、PPP1R15BよりもPPP1R15Aを選択的に阻害することができる。

0118

一実施形態において、本発明は、ミスフォールドタンパク質の蓄積が作用機序に関与するeIF2αリン酸化経路と関連する障害を処置する際の使用のための、上記で定義されている通りの式(I)又は(II)の化合物に関する。好ましくは、障害はPPP1R15A関連の疾患又は障害である。

0119

別の実施形態において、本発明は、ミスフォールドタンパク質の蓄積が作用機序に関与するeIF2αリン酸化及び/又はPPP1R15A活性によって引き起こされるか、それらと関連するか、又はそれらが付随する障害を処置する際の使用のための、上記で定義されている通りの式(I)又は(II)の化合物に関する。

0120

別の実施形態において、本発明は、以下に限定されないが、老化等のUPR障害(Naidooら、2008、J Neurosci、28、6539〜48)を処置する際の使用のための、上記で定義されている通りの式(I)又は(II)の化合物に関する。

0121

本明細書で使用される場合、「PPP1R15A関連の疾患又は障害」は、ミスフォールドタンパク質の蓄積が作用機序に関与する異常なPPP1R15A活性を特徴とする疾患又は障害を指す。異常活性は、以下を指す: (i)正常にPPP1R15Aを発現しない細胞におけるPPP1R15A発現; (ii) PPP1R15A発現の増加;又は(iii) PPP1R15A活性の増加。

0122

別の実施形態において、本発明は、ミスフォールドタンパク質の蓄積が作用機序に関与するPP1R15Aの阻害によって軽減された疾患状態を有する哺乳動物を処置する方法であって、上記で定義されている通りの式(I)又は(II)の化合物の治療有効量を哺乳動物に投与することを含む、方法に関する。

0123

別の実施形態において、本発明は、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害並びに/又はUPR障害を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関し、ここで、前記化合物は、アドレナリン作動性アルファ2アゴニスト活性を有していないか、又はグアナベンズとの比較において低減された該活性を有する。

0124

別の実施形態において、本発明は、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害並びに/又はUPR障害を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関し、ここで、前記化合物は、PPP1R15Bを発現する非ストレス細胞におけるタンパク質翻訳を阻害しない。

0125

別の実施形態において、本発明は、ミスフォールドタンパク質の蓄積でのERストレス応答活性を特徴とする障害を処置する方法であって、式(I)又は(II)の少なくとも1種の化合物の治療有効量を患者に投与することを含み、前記化合物がERストレス応答をモジュレートする、方法に関する。

0126

別の実施形態において、本発明は、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害及び/又はUPR障害を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関し、ここで、前記化合物は、PPP1R15A-PP1ホロホスファターゼ(holophosphatase)に対する選択性を有するが、PPP1R15B-PP1ホロホスファターゼに対する活性を有していないか、又は低減された該活性を有しており、前記化合物についての比(PPP1R15A-PP1ホロホスファターゼに対する活性/PPP1R15B-PP1に対する活性)は、少なくとも等しいか、又はグアナベンズについての比(PPP1R15A-PP1ホロホスファターゼに対する活性/PPP1R15B-PP1に対する活性)よりも優れている。

0127

別の実施形態において、本発明は、タンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害並びに/又はUPR障害を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関し、ここで、
- 前記化合物は、PPP1R15A-PP1ホロホスファターゼに対する活性を有するが、PPP1R15B-PP1ホロホスファターゼに対する活性を有していないか、又は低減された該活性を有しており、
- ここで、前記化合物についての比(PPP1R15A-PP1ホロホスファターゼに対する活性/PPP1R15B-PP1に対する活性)は、少なくとも等しいか、又はグアナベンズについての比(PPP1R15A-PP1ホロホスファターゼに対する活性/PPP1R15B-PP1に対する活性)よりも優れており、
- ここで、前記化合物は、アドレナリン作動性アルファ2アゴニスト活性を有していないか、又はグアナベンズとの比較において低減された該活性を有している。

0128

別の実施形態において、本発明は、(1)ERストレス、(2)アンフォールドタンパク質又はミスフォールドタンパク質の細胞蓄積及び(3)UPRの少なくとも1つを特徴とする疾患又は状態を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0129

別の実施形態において、本発明は、(1)小胞体(ER)ストレス、(2)アンフォールドタンパク質又はミスフォールドタンパク質の細胞蓄積、及び(3)小胞体ストレス応答の少なくとも1つを特徴とする又はそれと関連する、対象における疾患を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0130

疾患は、ERストレス応答活性と関連する、並びに/又はタンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質及び/若しくはアンフォールドタンパク質の蓄積と関連し、より具体的には、疾患はタンパク質症である。本発明に従った疾患の非限定的な例としては、限定されないが、以下が挙げられる:
-神経変性疾患、例えばタウオパチー(とりわけアルツハイマー病等)、シヌクレイノパチー(とりわけパーキンソン病等)、ハンチントン病及び関連のポリグルタミン病、ポリアラニン病(眼咽頭筋ジストロフィー等)、プリオン病(伝達性海綿状脳症とも名付けられている)、脱髄障害、例えばシャルコー・マリー・トゥース病(遺伝性運動感覚ニューロパチーとも名付けられている)、白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症(運動ニューロン疾患及びルー・ゲーリック病とも称される)及び多発性硬化症。

0131

タウオパチーの例としては、以下に限定されないが、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺大脳皮質基底核変性症前頭側頭葉変性症(ピック病)が挙げられる。FTDは、前頭葉及び/又は側頭葉に優勢に関わる進行性ニューロン損失を特徴とする神経変性疾患であり、有病率においてアルツハイマー病(AD)に次いで第2位で、FTDは、若年発症性認知症症例の20%を占める。タウオパチーにおけるUPRの関与は、十分に文書化されている(Stoveken 2013、The Journal of Neuroscience 33(36): 14285〜14287を参照されたい)。理論によって結び付けられることなく、PPP1R15A阻害剤である本発明の化合物は、タウオパチーの疾患徴候を寛解させることが見込まれる。好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、アルツハイマー病を処置する際の使用のためのものである。好ましい実施形態によると、本発明は、前頭側頭型認知症(FTD)、核上性麻痺及び大脳皮質基底核変性症、好ましくはFTDの中で選択される疾患を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0132

シヌクレイノパチーの例としては、以下に限定されないが、パーキンソン病、レビー小体型認知症、純粋自律神経性不全症及び多系統萎縮症が挙げられる。近年、Collaら(J. of Neuroscience 2012 32巻10号 3306〜3320頁)は、eIF2アルファのPPP1R15A媒介脱リン酸化を阻害することによってeIF2アルファのリン酸化を増加させる小分子であるサルブリナル(Boyceら 2005 Science 307巻 935〜939頁)が、アルファ-シヌクレイノパチーの2つの動物モデルにおいて疾患徴候を有意に減弱させることを実証した。PPP1R15A阻害剤である本発明の化合物は、パーキンソン病等のアルファ-シヌクレイノパチーの疾患徴候を寛解させる。好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、パーキンソン病等のアルファ-シヌクレイノパチーを処置する際の使用のためのものである。

0133

ポリグルタミン病の例としては、以下に限定されないが、球脊髄性筋萎縮症(又はケネディー病)、ハンチントン病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症脊髄小脳変性症1型、脊髄小脳変性症2型、脊髄小脳変性症3型(又はマシャド・ジョセフ病)、脊髄小脳変性症6型、脊髄小脳変性症7型及び脊髄小脳変性症17型が挙げられる。グアナベンズは、細胞ベースのアッセイにおいて変異ハンチンチンの蓄積を減弱させることができる(WO2008/041133)。突然変異体ハンチンチンが細胞質ゾル又は核のいずれかであるので、この所見予想外である。しかしながら、変異ハンチンチン代謝が予めERストレス応答に連結されているという証拠がある(Nishitohら、2002、Genes Dev、16、1345〜55; Rousseauら、2004、Proc Natl Acad Sci U S A、101、9648〜53; Duennwald及びLindquist、2008、Genes Dev、22、3308〜19)。グアナベンズが細胞毒性ERストレスから細胞を保護するとともに変異ハンチンチン蓄積を低減するという所見は、変異ハンチンチン蓄積に影響するERストレス応答の態様であり得るという着想を更に支持している。しかしながら、グアナベンズは、その降圧活性により、ヒトタンパク質ミスフォールディング疾患の処置に有用でない。対照的に、本発明のアルファ2アドレナリン作動活性を欠いているグアナベンズ誘導体PPP1R15A阻害剤は、ポリグルタミン病及びより具体的にはハンチントン病を処置するのに有用であり得る。好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、ハンチントン病を処置する際の使用のためのものである。

0134

ポリアラニン病の例としては、ポリ(A)結合タンパク質の核1(poly(A) binding protein nuclear 1)(PABPN1)におけるポリ-アラニン管によって引き起こされる眼咽頭筋ジストロフィーが挙げられる。Barbezierら(2011、EMBO 3巻 35〜49頁)は、グアナベンズが、眼咽頭筋萎縮症における凝集を低減することを実証した。好ましい実施形態によると、本発明は、ポリアラニン病、より具体的には眼咽頭筋萎縮症を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0135

ヒトのプリオン病の例としては、以下に限定されないが、典型的クロイツフェルトヤコブ病、新たな変異型クロイツフェルトヤコブ病(nvCJD、ウシ海綿状脳症に関連するヒトの障害)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群致死性家族性不眠症及びクールーが挙げられる。グアナベンズは、プリオン感染マウスの症状を低減する(D. Tribouillard-Tanvierら、2008PLoS One 3、e1981)。しかしながら、グアナベンズは、その降圧活性により、ヒトタンパク質ミスフォールディング疾患の処置に有用でない。対照的に、本発明のアルファ2アドレナリン作動活性を欠いているグアナベンズ誘導体PPP1R15A阻害剤は、プリオン病を処置するのに有用であり得る。好ましい実施形態によると、本発明は、クロイツフェルトヤコブ病、新たな変異型クロイツフェルトヤコブ病、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群、致死性家族性不眠症及びクールーの群において選択される疾患を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0136

脱髄障害は、中枢神経系におけるオリゴデンドロサイト又は末梢神経系におけるシュワン細胞の損失を特徴とする。脱髄障害と関連する現象は、中枢神経系又は末梢神経系における脱髄軸索の減少を特徴とする。脱髄化性細胞(オリゴデンドロサイト及びシュワン細胞を含める)のミスフォールドタンパク質の非限定的な例は、CC1、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、セラミドガラクトシルトランスフェラーゼ(CGT)、ミエリン関連糖タンパク質(MAG)、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)、オリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(CNP)、ミエリンタンパク質ゼロ(MPZ)、末梢ミエリンタンパク質22 (PMP22)、コネキシン32 (Cx32)、タンパク質2 (P2)、ガラクトセレブロシド(GalC)、スルファチド及びプロテオリピドタンパク質(PLP)からなる群から選択される。MPZ、PMP22、Cx32及びP2は、シュワン細胞のための好ましいミスフォールドタンパク質である。PLP、MBP、MAGは、オリゴデンドロサイトのための好ましいミスフォールドタンパク質である。

0137

ある特定の実施形態において、脱髄障害は、シャルコー・マリー・トゥース(CMT)病からなる群から選択される。CMTは、慢性運動性及び感覚性多発ニューロパチーを特徴とする遺伝性ニューロパチー障害の群を指す。CMTの異なる型は、CMT1、CMT2、CMT4、CMTX及びデジェリン・ソッタス病等と同定された。CMTサブタイプは、主に分子遺伝学的所見で更に細分することができる。例えば、CMT1は、CMT1A、1B、1C、1D、1E、1F/2E、1Xに細分される。シュワン細胞を脱髄化することによって産生される主要なタンパク質である単回通過膜貫通タンパク質であるミエリンタンパク質ゼロ(P0)をコード化する遺伝子における100を超える突然変異は、シャルコー・マリー・トゥース・ニューロパチーを引き起こす(D'Antonioら、2009、J Neurosci Res、87、3241〜9)。該突然変異は、優性遺伝であり、毒性機能の獲得を介して該疾患を引き起こす(D'Antonioら、2009、J Neurosci Res、87、3241〜9)。P0 (P0S63del)からのセリン63の欠失は、ヒトにおいてシャルコー・マリー・トゥース1Bニューロパチー、及びトランスジェニックマウスにおいて同様の脱髄性ニューロパチーを引き起こす。突然変異体タンパク質は、ERにおいて蓄積し、UPRを誘発する(D'Antonioら、2009)。UPRにおけるプロアポトーシス遺伝子であるCHOPの遺伝子破壊は、シャルコー・マリー・トゥース・マウスにおける運動機能を回復する(Pennutoら、2008、Neuron、57、393〜405)。細胞におけるPPP1R15A阻害がERストレス細胞におけるCHOP発現をほぼ消失させるという所見は、PPP1R15Aの遺伝子的又は薬理学的阻害が、シャルコー・マリー・トゥース・マウスにおける運動機能不全を低減するはずであることを示している。近年、D'Antonioら(2013 J.Exp. Med Vol. 1〜18頁)は、サルブリナルで処置されたP0S63delマウスが、ロータロッド分析においてほとんど正常な運動能力を再獲得するとともに形態学的及び電気生理学的異常の救出が付随することを実証した。ERタンパク質におけるCMT関連突然変異体の蓄積は、P0S63delに特有でなく、ERにおいて保持されるとともにUPRを導出する少なくとも5つの他のP0突然変異体が同定されている(Pennutoら、2008 ; Saportaら、2012 Brain 135巻 2032〜2047頁)。加えて、ERにおけるタンパク質ミスフォールディング及びミスフォールドタンパク質の蓄積は、PMP22及びCx32における突然変異の結果として他のCMTニューロパチーの病変形成に関係してきた(Colbyら、2000 Neurobiol.Disease 7巻 561〜573頁; Kleopaら、2002 J. Neurosci. Res. 68巻 522〜534頁; Yumら、2002 Neurobiol. Dis. 11巻 43〜52頁)。しかしながら、サルブリナルは毒性であり、ヒト患者を処置するのに使用することができない(D'Antonioら(2013))。対照的に、式(I)又は(II)のPPP1R15A阻害剤は、安全であると予測され、CMT、好ましくはCMT-1、及びより好ましくはCMT-1A、CMT-1B、CMT-1E、CMT-1Xの処置に有用であり得る。好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、シャルコー・マリー・トゥース病、好ましくはCMT-1、より好ましくはCMT-1A、CMT-1B、CMT-1E及びCMT-1Xを処置する際の使用のためのものである。好ましい実施形態によると、本発明は、CMT、より好ましくはCMT-1及びデジェリン・ソッタス病を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。好ましい実施形態によると、本発明は、ERにおけるミスフォールドタンパク質の蓄積と関連するCMTを処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。好ましい実施形態によると、本発明は、CMT-1Aを処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。好ましい実施形態によると、本発明は、CMT-1Bを処置する際の使用のための、式(I)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。好ましい実施形態によると、本発明は、CMT-1Eを処置する際の使用のための、式(I)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。好ましい実施形態によると、本発明は、CMT-1Xを処置する際の使用のための、式(I)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0138

別の実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、CMTを処置する際の使用のため、より好ましくは、D-ソルビトールバクロフェンピロカルピンナルトレキソンメチマゾールミフェプリストンケトプロフェン及びそれらの塩の群において選択される少なくとも1種の化合物と組み合わせた、CMT-1を処置する際の使用のためのものである。該化合物は、グループ化投与又は別々の投与のために、同時に又は順次に組み合わせられている。

0139

本発明は、神経変性疾患、好ましくはCMT、より好ましくはCMT-1の処置における使用のための、式(I)又は(II)の化合物の群において選択されるPPP1R15A阻害剤、グアナベンズ及びサルブリナル又は薬学的に許容されるその塩、並びに少なくとも1つの市場に出ている化合物及びその塩を含む組成物に関する。該組成物における化合物の投与量は、長期維持処置のための通常処方される用量を超えない又はフェーズ3臨床治験に安全であると証明された用量の範囲内にあるものとし、該組合せにおける化合物の最も好ましい投与量は、長期維持処置のために通常処方されるものの1%から最大10%までの量に対応するものとする。

0140

したがって、本発明は、CMT、好ましくはCMT-1、より好ましくはCMT-1A、より好ましくはCMT-1A、CMT-1B、CMT-1E及びCMT-1Xの処置における使用のための、式(I)又は(II)の化合物の群において選択されるPPP1R15A阻害剤、グアナベンズ及びサルブリナル又は薬学的に許容されるその塩、並びにD-ソルビトール、バクロフェン、ピロカルピン、ナルトレキソン、メチマゾール、ミフェプリストン、ケトプロフェン及びそれらの塩の群において選択されるPMP22タンパク質の発現を増加させる化合物を含む組成物に関する。

0141

他の実施形態において、脱髄障害は、白質ジストロフィーからなる群から選択される。白質ジストロフィーの例としては、以下に限定されないが、副腎白質ジストロフィー(ALD)、アレキサンダー病、カナバン病、クラッベ病異染性白質ジストロフィー(MLD)、ペリツェウスメルツバッヘル病(PMD)、中枢神経系ミエリン形成不全を有する小児期運動失調(消失性白質疾患としても知られている)、CAMFAK症候群、レフサム病コケイン症候群、ファン・デル・クナップ症候群、ツェルウェーガー症候群、ギラン-バレー症候群(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、多巣性運動ニューロパチー(MMN)及び進行性核上性麻痺、進行性多巣性白質脳症(PML)、脳脊髄炎、橋中心髄鞘崩壊症(CPM)、抗MAG疾患がとりわけ挙げられる。Gowら(Neuron、2002、36巻、585〜596)は、小胞体ストレス応答がPMDにおいて活性化されることを実証し、この経路がPLP1遺伝子の複製であることを示している。好ましい実施形態によると、本発明は、白質ジストロフィー及び好ましくはペリツェウス・メルツバッヘル病(PMD)を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0142

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロン疾患及びルー・ゲーリック病と称される。タンパク質ミスフォールディングが家族性及び孤発性ALSの両方において中心的役割を果たすことは現在よく認識されている(Matusら 2013 Int. J. Cell Biol. ID674751 http://dx.doi.org/10.1155/2013/674751)。Saxenaら(Nature Neuroscience 2009 12巻 627〜636頁)は、サルブリナルが、運動ニューロン疾患のG93A-SOD1トランスジェニックマウスモデル寿命を伸ばすことを実証した。より近年には、Jiangら(Neuroscience 2014)は、グアナベンズが、ALSのSOD1 G93Aマウスモデルにおいて疾患症状発症を遅延させ、寿命を伸ばし、運動能力を改善し、運動ニューロン損失を減弱させることを実証した。理論によって結び付けられることなく、グアナベンズ誘導体PPP1R15A阻害剤である本発明の化合物は、SOD1突然変異G93Aを有するALSの疾患徴候を寛解させることが見込まれる。そのため、式(I)及び(II)の化合物は、ALSの家族性及び孤発性形態の両方を処置するために使用することができる。

0143

セイピノパチー(seipinopathy)の例としては、以下に限定されないが、ベラールディネリ-シープ(Berardinelli-Seip)先天性リポジストロフィー2型(BSCL2)関連の運動疾患、先天性全身性リポジストロフィー(CGL)、シルバー症候群遠位遺伝性運動性ニューロパチー(distal hereditary motor neuropathy)V型(dHMN-V)が挙げられる。培養細胞におけるセイピンの突然変異形態の発現は、小胞体ストレス応答(UPR)経路を活性化し、ERストレス媒介細胞死を誘発する(Ito & Suzuki、2009 Brain 132: 87〜15)。好ましい実施形態によると、本発明は、セイピノパチーを処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0144

別の実施形態において、そこで称されている脱髄障害は、多発性硬化症及び関連疾患、例えばシルダー病である。好ましい実施形態によると、本発明は、多発性硬化症を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0145

-嚢胞性線維症(CF)
Norezら(2008 Eur. J. Pharmacol. 592巻 33〜40頁)は、グアナベンズが嚢胞性線維症ヒト気道上皮細胞においてCa2+依存性クロライド電流を活性化することを実証した。理論によって結び付けられることなく、グアナベンズ誘導体PPP1R15A阻害剤である本発明の化合物は、嚢胞性線維症の疾患徴候を寛解させることが見込まれる。好ましい実施形態によると、本発明は、嚢胞性線維症を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0146

-網膜疾患
近年発表された文献は、UPRが、網膜変性症:遺伝性網膜変性症、例えば網膜繊毛関連疾患&網膜色素変性症黄斑変性症未熟児網膜症光誘発網膜変性症、網膜剥離糖尿病性網膜症及び緑内障の発症に関与するという証拠を提供している(概説について、Gorbatyuk et Gorbatyuk 2013 - Retinal degeneration: Focus on the unfolded protein response、Molecular Vision 19巻 1985〜1998頁)。新たに出現した証拠は、網膜アポトーシス及び細胞死におけるERストレスの役割を支持している(Jingら、2012、Exp Diabetes Res、2012、589589)。

0147

網膜繊毛関連疾患は、光受容体の一次繊毛における欠陥に由来する希な遺伝子障害の群であり、したがって、網膜色素変性症を誘発する。この欠陥は、光受容体の内セグメントにおいてタンパク質蓄積によるERストレスを誘発し、これが次にUPRを誘発することが報告されている(WO2013/124484)。網膜変性症は、単独の網膜色素変性症、例えばレーバー先天性黒内障若しくはX連鎖性網膜色素変性症において、又はその上バルデ・ビードル症候群(BBS)、アルストレーム症候群(ALMS)若しくはアッシャー症候群のような症候群状態においてのいずれかで観察することができる繊毛関連疾患における非常に一般的な特色である。網膜繊毛関連疾患は、バルデ・ビードル症候群、シニア・ローケン症候群、ジュベール症候群、サルディーノ・マインツァー(Salidono-Mainzer)症候群、センセンブレナー(Sensenbrenner)症候群、ジューヌ症候群、メッケル・グルーバー症候群、アルストレーム症候群、MORM症候群、毛様体遺伝子における突然変異によって引き起こされるレーバー先天性黒内障、及びRPGR遺伝子における突然変異によって引き起こされるX連鎖性網膜色素変性症からなる群から選択される。

0148

網膜色素変性症は、重度視覚欠損及びしばしば失明を引き起こす遺伝性の変性眼疾患である。それは、遺伝的に決定される失明の最も一般的な原因である。罹患者は、以下の症状の1つ以上を体験する:夜盲症;トンネル視野(周辺視野なし);周辺視野(中心視野なし);格子状の視野(latticework vision);羞明(aversion to glare);暗環境から明環境への及びその逆の遅い調整;視覚ぼやけ;色分離不良;及び極度の疲労。網膜色素変性症(RP)は、ロドプシン遺伝子における100を超える突然変異によって引き起こされる(Dryjaら、1991、Proc Natl Acad Sci U S A、88、9370〜4)。ロドプシンは、桿体光受容体において光を伝達するGタンパク質共役型受容体であり、11-シスレナール共有結合的に結合された、348個のアミノ酸の膜貫通タンパク質オプシン間の共有結合性複合体からなる(Palczewski、2006、Annu Rev Biochem、75、743〜67)。RPを引き起こすロドプシン突然変異は、大部分、該タンパク質の全体にわたって分布されるミスセンス突然変異であり(Dryjaら、1991)、ALSを引き起こすSOD1突然変異と同様である(Valentineら、2005、Annu Rev Biochem、74、563〜93)。RPを引き起こすロドプシン突然変異体は多様な系において研究されてきており、哺乳動物細胞、トランスジェニックマウス及びショウジョウバエにおける該タンパク質の異種発現からの結果は一貫している(Griciucら、2011、TrendsMol Med、17、442〜51)。最も蔓延している、RPを引き起こすロドプシン突然変異体は、フォールディングし損ない、11-cis-レチナールを結合せず、細胞表面に達しないが、ERにおいて保持される(Griciucら、2011、Trends Mol Med、17、442〜51)。ロドプシン突然変異体のミスフォールディングは、ERストレス及び桿体細胞死を引き起こす(Griciucら、2011)。これは、グアナベンズのようであるが有利にはアドレナリン作動性アルファ2A受容体に対する活性を示さない、本発明の化合物のようなPPP1R15A阻害剤が、RPを寛解させることを強く示唆している。

0149

好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、網膜疾患、より好ましくは、遺伝性網膜変性症、例えば網膜繊毛関連疾患、網膜色素変性症、黄斑変性症、未熟児網膜症、光誘発網膜変性症、網膜剥離、糖尿病性網膜症及び緑内障を処置する際の使用のためのものである。好ましい実施形態によると、本発明は、症候性網膜色素変性症及び/又は非症候性網膜色素変性症を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。好ましい実施形態によると、本発明は、レーバー先天性黒内障を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。別の好ましい実施形態によると、本発明は、バルデ・ビードル症候群を処置する際の使用のための、式(I)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。別の好ましい実施形態によると、本発明は、アルストレーム症候群を処置する際の使用のための、式(I)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。別の好ましい実施形態によると、本発明は、アッシャー症候群を処置する際の使用のための、式(I)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0150

加齢関連性黄斑変性(AMD)は、合衆国において65を超える年齢の人々の間の法的盲の主な原因である。Shenら(2011 Effect of Guanabenz on Rat AMD Models and Rabbit Choroidal Blood - 5巻 27〜31頁)は、グアナベンズが、NaIO3誘発変性症から網膜色素上皮(RPE)を著しく保護し、レーザー誘発ラットAMDモデルにおいて脈絡膜血管新生(CNV)の発症を阻害し、顕著にインビボ脈絡膜血流を増加させることを実証した。グアナベンズのようであるが有利にはアドレナリン作動性アルファ2A受容体に向けて活性を示さないPPP1R15A阻害剤である本発明のグアナベンズ誘導体化合物は、網膜又は黄斑変性症を処置するのに有用である。

0151

好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、BIPタンパク質の発現及び/又は活性を増加させる化合物、例えばバルプロ酸又はその誘導体、トリコスタチンA、リチウム、1-(3,4-ジヒドロキシ-ペニル)-2-チオシアネート-エタノン及びエキセンディン-4と組み合わせた、網膜疾患を処置する際の使用のため、より好ましくは遺伝性網膜変性症、例えば網膜繊毛関連疾患、網膜色素変性症、黄斑変性症、未熟児網膜症、光誘発網膜変性症、網膜剥離、糖尿病性網膜症及び緑内障の群において選択される疾患を処置する際の使用のためのものである。したがって、本発明は、遺伝性網膜変性症、例えば網膜繊毛関連疾患、網膜色素変性症、黄斑変性症、未熟児網膜症、光誘発網膜変性症、網膜剥離、糖尿病性網膜症及び緑内障の群において選択される疾患の処置における使用のための、式(I)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩、並びにBIPタンパク質の発現及び/又は活性を増加させる化合物、好ましくはバルプロ酸を含む組成物に関する。好ましい実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、遺伝子治療ベクターと組み合わせた、網膜疾患を処置する際の使用のため、より好ましくは遺伝性網膜変性症、例えば網膜繊毛関連疾患、網膜色素変性症、黄斑変性症、未熟児網膜症、光誘発網膜変性症、網膜剥離、糖尿病性網膜症及び緑内障の群において選択される疾患を処置する際の使用のためのものであり、遺伝子治療ベクターの非限定的な例としては、レンチウイルスアデノウイルス、及びアデノ関連ベクター(AAV)が挙げられ、これらのベクターは、眼球遺伝子治療のための網膜及び網膜色素上皮に興味対象の遺伝子を送達する際に有効である。突然変異されたミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する遺伝性網膜変性症の眼球遺伝子治療において、小胞体におけるタンパク質蓄積は依然として存在し、一方、正常タンパク質は遺伝子治療ベクターから発現されることが見込まれる。細胞における、好ましくはERにおけるタンパク質蓄積/負荷をPPP1R15A阻害剤で減少させることが依然として必要である。本発明は、眼球遺伝子治療との組合せにおいて、式(I)又は(II)の化合物の群において選択されるPPP1R15A阻害剤、グアナベンズ及びサルブリナル又は薬学的に許容されるその塩を含む組成物にも関する。

0152

-リソソーム蓄積症;
リソソーム蓄積症は、リソソーム機能における欠陥に起因するおよそ50種の希な遺伝性代謝障害の群である。リソソーム機能不全は、通常、脂質、糖タンパク質又はいわゆるムコ多糖類の代謝に必要とされる単一酵素欠損症の帰結である。本明細書に記載されている式(I)又は(II)のPPP1R15A阻害剤で処置することができるリソソーム蓄積症の例としては、以下に限定されないが、アクチベーター欠損症/GM2ガングリオシドーシス、アルファ-マンノシドーシスアスパルチルグルコサミン尿症コレステリルエステル蓄積症シスチン症、ダノン病、ファブリー病ファーバー病、ニーマン・ピック病、フコシドーシス、ガラクトシアリドーシス、ゴーシェ病(I型、II型、II型)、GM1ガングリオシドーシス(小児型後期小児型/若年型成人型/慢性型)、I細胞疾患/ムコリピドーシス小児性遊離シアル酸蓄積症/ISSD、若年性ヘキソサミニダーゼA欠損症、クラッベ病(小児発症型、後期発症型)、リソソーム酸リパーゼ欠損症(早期発症型/後期発症型)、異染性白質ジストロフィー、ムコ多糖症障害(偽性ハーラー・ポリジストロフィー/ムコリピドーシスIIIA、ムコ多糖症I (MPS I)ハーラー症候群、MPS Iシャイエ症候群、MPS Iハーラー-シャイエ症候群、MPS IIハンター症候群サンフィリポ症候群A型(MPS IIIA)、サンフィリポ症候群B型(MPS IIIB)、サンフィリポ症候群C型(MPS IIIC)、サンフィリポ症候群D型(MPS IIID)、モルキオA型/MPS IVA、モルキオB型/MPS IVB、MPS IXヒアルロニダーゼ欠損症、MPS VIマロトー・ラミー、MPS VIIスライ症候群、ムコポリリピドーシス(mucopolylipidosis)I/シアリドーシス、ムコリピドーシスIIIC、ムコリピドーシスIV型等)、多種スルファターゼ欠損症、ニーマン・ピック病(A型、B型、C型)、CLN6疾患(非定型後期小児型、後期発症変異型、早期若年型)、バッテン・シュピールマイアー・フォークト/若年性NCL/CLN3疾患、フィンランド変異型後期小児性CLN5、ヤンスキービールショースキー病/後期小児性CLN2/TPP1疾患、クッフス/成人発症型NCL/CLN4疾患、方(ノーザン)てんかん/変異型後期小児性CLN8、サンタブオリハルチア(Santavuori-Haltia)/小児性CLN1/PPT疾患、ベータ-マンノシドーシス、ポンペ病/グリコーゲン蓄積症II型、濃化異骨症サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス(成人発症型、小児発症型、若年発症型)、シンドラー病、サラ病/シアル酸蓄積症、テイサックス/GM2ガングリオシドーシス、及びウォルマン病が挙げられる。好ましい実施形態によると、本発明は、脂質、糖タンパク質又はいわゆるムコ多糖類の代謝に必要とされる少なくとも1種の単一酵素の欠損症の帰結であり、前記酵素が小胞体(ER)においてミスフォールディングされているリソソーム蓄積症を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。好ましい実施形態によると、リソソーム蓄積症はゴーシェ病である。

0153

-アミロイドーシス疾患:
アミロイドーシスは、集団的にアミロイドーシスと呼ばれるいくつかの異なる疾患を指す非特定用語である。アミロイドは、二次構造が変化して、タンパク質が特徴的形態のベータひだ状シートにフォールディングするのを引き起こすタンパク質である。正常な可溶性タンパク質がフォールディングすることでアミロイドになる場合、それらは不溶性になり、堆積し、器官又は組織に蓄積して、正常機能を妨害する。異なる型のアミロイドーシスは、アミロイドタンパク質が凝集する場所及び器官に依存して異なる兆候及び症状を有する。アミロイドーシス疾患の例としては、以下に限定されないが、AL、AH、ALHアミロイドーシス(それぞれ軽鎖重鎖、重及び軽鎖抗体から誘導されるアミロイド)、AAアミロイドーシス(血清Aタンパク質から誘導されるアミロイド)、ATTRアミロイドーシス(トランスサイレチンから誘導されるアミロイド)、原発性全身性アミロイドーシス二次性全身性アミロイドーシス、老年性全身性アミロイドーシス、家族性アミロイド多発ニューロパチー1、遺伝性脳アミロイド血管症、血液透析関連アミロイドーシス、家族性アミロイド多発ニューロパチーIII、フィンランド遺伝性全身性アミロイドーシス、心房性アミロイドーシス、遺伝性非ニューロパチー性全身性アミロイドーシス、注射限局性アミロイドーシス及び遺伝性腎アミロイドーシス、並びにアルツハイマー病がとりわけ挙げられる。

0154

別の好ましい実施形態によると、アミロイドはアミロイドベータ(Aβ又はAベータ)であり、本発明は、アルツハイマー病を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0155

別の好ましい実施形態によると、アミロイドはHLA-B27であり(Colbertら 2009 Prion 3巻 (1) 15〜16頁)、本発明は、脊椎関節症、より好ましくは強直性脊椎炎を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0156

-がん
がん細胞は、高い代謝性要求を有し、それらの増殖は、効果的なタンパク質合成に頼っている。翻訳開始は、タンパク質ホメオスタシス、分化、増殖及び悪性形質転換防除することに重要な役割を果たす。翻訳開始を増加させることは、がん開始に寄与し、逆に、翻訳開始を減少させることは、腫瘍成長を低減し得る(Donzeら、1995、EMBO J、14、3828〜34; Pervinら、2008、Cancer Res、68、4862〜74; Chenら、2011、Nat Chem Biol、7、610〜6)。理論によって結び付けられることを望むことなく、PPP1R15Aを阻害することは、腫瘍細胞における翻訳を選択的に低減し、したがって腫瘍成長を低減し得ると思われる。本明細書において開示されている式(I)又は(II)のPPP1R15A阻害剤によって処置することができるがんの型の例としては、以下に限定されないが、癌腫リンパ腫芽細胞腫肉腫、及び白血病が挙げられる。こうしたがんのより特別な例としては、扁平細胞がん、小細胞肺がん非小細胞肺がん消化管がん膵がん神経芽細胞腫子宮頸がん卵巣がん肝臓がん膀胱がん肝細胞腫乳がん乳腺がん結腸がん、結腸直腸がん子宮内膜癌腫、唾液腺癌腫、腎臓がん、腎がん前立腺がん外陰がん、甲状腺がん肝臓の癌腫、骨肉腫胃がんメラノーマ多発性骨髄腫甲状腺髄様癌腫、及び頭頸部がんが挙げられる。

0157

- 炎症
PPP1R15Aは、病原状態に至る炎症性サイトカイン及び他の分泌分子メディエーターの放出を遮断することによって炎症を制御するための有望な標的を表す。本明細書に記載されている式(I)又は(II)のPPP1R15A阻害剤によって処置することができる、それらと関連する炎症を有する疾患又は状態の非限定的な例としては、以下に限定されないが、における感染関連又は非感染性の炎症状態(即ち、セプシス肺感染呼吸窮迫症候群気管支肺異形成症等);他の器官における感染関連又は非感染性の炎症状態、例えば大腸炎潰瘍性大腸炎炎症性腸疾患糖尿病性腎症出血性ショック、脊椎関節症、膵炎;及び炎症誘発がん(即ち、大腸炎又は炎症性腸疾患を有する患者におけるがん進行)等が挙げられる。こうした病原性炎症状態の例としては、自己免疫疾患遺伝性疾患慢性疾患及び感染性疾患、例えばアレルギー喘息高サイトカイン血症が挙げられ、グラフト対宿主病(GVHD)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、セプシス、全身性炎症応答症候群(SIRS)を含める(WO2011/061340を参照されたい)。好ましくは、感染性疾患は、インフルエンザウイルス感染天然痘ウイルス感染ヘルペスウイルス感染、重度の急性呼吸症候群(SARS)、チクングニアウイルス感染、ウエストナイルウイルス感染、デングウイルス感染日本脳炎ウイルス感染黄熱病ウイルス感染及びC型肝炎ウイルス感染から選択される。

0159

別の好ましい実施形態によると、本発明は、大腸炎、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、膵炎、セプシスの群において選択される疾患を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。別の好ましい実施形態によると、本発明は、膵炎を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。別の好ましい実施形態によると、本発明は、セプシスを処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0160

別の好ましい実施形態によると、本発明は、脊椎関節症、より好ましくは強直性脊椎炎を処置する際の使用のための、式(I)若しくは(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩に関する。

0161

-代謝障害及び/又は心臓血管障害、例えば脂肪症高脂血症家族性高コレステロール血症肥満アテローム性動脈硬化症高血圧心疾患心虚血、脳卒中、心筋梗塞トランス大動脈狭窄、並びに糖尿病及び関連障害としては、高血糖症耐糖能障害高インスリン血症(前糖尿病)、インスリン過敏症I型及びII型糖尿病インスリン抵抗性ウォルコット・ラリソン症候群がとりわけ挙げられる。

0162

好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、前糖尿病又は糖尿病、より好ましくは2型前糖尿病又は2型糖尿病を処置する際の使用のためのものである。別の好ましい実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、高血糖症、耐糖能障害、高インスリン血症(前糖尿病)、インスリン過敏症I型及びII型、インスリン抵抗性及びウォルコット・ラリソン症候群の群において選択される疾患を処置する際の使用のためのものである。実際に、膵臓におけるインスリン分泌性β細胞は、インスリン分泌に存する重く及び強固に調節された生合成負荷を有する。したがって、これらの細胞は、ERホメオスタシスを維持するという重要な必要性を有する(Back及びKaufman、2012、Annu Rev Biochem、81、767〜93)。2型糖尿病は、脂肪筋肉及び肝臓におけるインスリン抵抗性及び/又は膵β細胞からのインスリン分泌障害により血糖レベルの増加によって顕在化される。応答として、β細胞量は増加し、それらの機能は向上する。最終的に、β細胞に対する負荷が高すぎて、それらの進行性低下及び進行性死に至る。増加する証拠は、β細胞の死がERストレスに起因することを明らかにしている(Back及びKaufman、2012、Annu Rev Biochem、81、767〜93)。重要なことに、Chop欠失は、糖尿病の多様なモデルにおいてβ細胞機能を改善する(Songら、2008、J Clin Invest、118、3378〜89)。理論によって結び付けられることを望むことなく、PPP1R15A-PP1の阻害剤は、PPP1R15A-PP1の阻害がERストレス中のプロアポトーシスタンパク質CHOPのレベルを低減するので(Tsaytlerら、2011、Science)、2型糖尿病におけるβ細胞機能を改善すると思われる。

0163

別の実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、高血圧、心疾患、心虚血、脳卒中、心筋梗塞、トランス大動脈狭窄又は血管発作の群において選択される疾患を処置する際の使用のためのものである。別の好ましい実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、心虚血を処置する際の使用のためのものである。別の好ましい実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、アテローム性動脈硬化症を処置する際の使用のためのものである。

0164

-骨粗鬆症:
Yokotaら(BMCMusculoskeletal disorders 2013、14、197)及びHeら(Cellular Signaling 2013、25 552〜560)は、サルブリナル(Boyceら2005)が、マウスモデルにおいて骨粗鬆症を効果的に遮断し、骨形成刺激することを実証した。しかしながら、サルブリナルは毒性であり、ヒト患者を処置するのに使用することはできない。対照的に、式(I)又は(II)のPPP1R15A阻害剤は、安全であると予測され、骨粗鬆症の処置に有用であり得る。式(I)又は(II)の化合物は、骨粗鬆症を処置する際の使用のためのものである。

0165

-中枢神経系外傷
Ohriら(Neurobiology of disease、2013 58巻 29〜37頁)は、サルブリナルが、白質温存の改善及びオリゴデンドロサイトアポトーシスの減少と比例する後肢自発運動を著しく改善し、したがって、脊髄損傷機能回復を改善することを実証した。そのため、本発明の式(I)又は(II)のPPP1R15A阻害剤は、安全であると予測され、外傷性脊髄損傷後にオリゴデンドロサイト損失を低減するのに及び脊髄損傷の処置に有用であり得る。好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、脊髄損傷の予防的及び/又は治療的処置のためのものである。

0166

-虚血脳虚血睡眠時無呼吸
本発明は、壊死又はアポトーシスによる細胞傷害又は細胞死に起因する組織傷害を予防及び/又は処置するための、本発明の式(I)又は(II)のPPP1R15A阻害剤を使用する方法を提供する。神経の組織傷害の例としては、虚血及び再灌流損傷、例えば大脳虚血性脳卒中及び頭部外傷が挙げられる。好ましい一実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、大脳虚血性脳卒中及び頭部外傷等の脳虚血の予防的及び/又は治療的処置のためのものである。

0167

-加齢
加齢は、細胞、組織及び器官の変性症と関連して、がん、心血管不全、肥満、2型真性糖尿病非アルコール性脂肪肝臓及び神経変性疾患等の疾患、並びに生理学的性能の大部分の尺度減退をもたらす。

0168

生物学において、老化は、加齢の状態又は方法である。細胞老化は、単離細胞が培養において分裂する能力の限界を実証する現象であり(Leonard Hayflickによって1961に発見されたヘイフリック限界)、一方、生命体の老化は、生物体の加齢である。生命体の老化は、ストレスに応答する能力が低下すること、ホメオスタシス不均衡を増加させること、及び疾患のリスクの増加を特徴とし、特に、UPRは加齢とともに欠損される(Naidooら、2008、J Neurosci、28、6539〜48)。したがって、eIF2αホスファターゼの阻害によってUPRの有益な効果を延長することは、加齢関連障害を寛解させ得る。そのため、本発明の式(I)又は(II)のPPP1R15A阻害剤は、安全であると予測され、細胞の寿命又は増殖能に関する疾患又は障害、及び動物、より具体的にはヒトにおける細胞老化によって誘発又は悪化される疾患又は疾患状態を予防及び/又は処置するのに有用であり得る。

0169

実施形態によると、本発明は、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭葉変性症又は前頭側頭型認知症(FTD) (ピック病)から選択されるタウオパチー;パーキンソン病、レビー小体型認知症、純粋自律神経不全症及び多系統萎縮症から選択されるシヌクレイノパチー;ハンチントン病、球脊髄性筋萎縮症(又はケネディー病)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、脊髄小脳変性症1型、脊髄小脳変性症2型、脊髄小脳変性症3型(又はマシャド・ジョセフ病)、脊髄小脳変性症6型、脊髄小脳変性症7型及び脊髄小脳変性症17型、眼咽頭筋ジストロフィーから選択されるポリグルタミン病及びポリアラニン病;白質ジストロフィー、シャルコー・マリー・トゥース病及び多発性硬化症のような脱髄障害、嚢胞性線維症、セイピノパチー、リソソーム蓄積障害、アミロイドーシス疾患、炎症、代謝障害、並びに脂肪症、高脂血症、家族性高コレステロール血症、肥満、アテローム性動脈硬化症、高血圧、心疾患、心虚血、脳卒中、心筋梗塞、トランス大動脈狭窄、血管発作から選択される心臓血管障害;骨粗鬆症、神経系外傷、虚血、骨粗鬆症、(網膜色素変性症、網膜繊毛関連疾患、緑内障、黄斑変性症及び加齢のような)網膜疾患の群において選択される障害の処置及び/又は予防における使用のための式(I)又は(II)の化合物にも関する。

0170

実施形態によると、障害は、更に特に、多発性硬化症;白質ジストロフィー、好ましくはペリツェウス・メルツバッヘル病;脱髄障害、例えばシャルコー・マリー・トゥース、好ましくはCMT-1A;心臓血管障害、例えば高血圧、心疾患、心虚血、脳卒中、心筋梗塞、トランス大動脈狭窄;大腸炎、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、膵炎、セプシス;アミロイドーシス疾患、例えばアルツハイマー病及び強直性脊椎炎;前糖尿病及び糖尿病、例えば2型糖尿病から選択される。

0171

さらなる実施形態によると、本発明は、遺伝性網膜変性症、例えば網膜繊毛関連疾患、網膜色素変性症、黄斑変性症、未熟児網膜症、光誘発網膜変性症、網膜剥離、糖尿病性網膜症及び緑内障の群において選択される網膜疾患を処置する際の使用のための、BIPタンパク質の発現及び/又は活性を増加させる化合物と組み合わせた式(I)又は(II)の化合物にも関する。

0172

医薬組成物
本発明による使用のために、本明細書に記載されている化合物又は生理学的に許容されるその塩、エステル若しくは他の生理官能性誘導体は、該化合物又は生理学的に許容されるその塩、エステル若しくは他の生理的官能性誘導体を、そのための1種以上の薬学的に許容される担体、及び場合により他の治療的及び/若しくは予防的成分と一緒に含む医薬製剤として提示することができる。担体は、該製剤の他の成分と適合性があるとともにそのレシピエントに有害でない意味で許容されるものでなければならない。該医薬組成物は、ヒト及び獣医学におけるヒト又は動物の使用法のためであり得る。本明細書に記載されている医薬組成物の様々な異なる形態のためのこうした適当な賦形剤の例は、A Wade及びPJ Wellerによって編集された「Handbook of Pharmaceutical Excipients、第2版、(1994)において見出すことができる。

0173

治療的使用のための許容される担体又は希釈剤は、医薬技術においてよく知られており、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing co. (A. R. Gennaro編集1985)に記載されている。適当な担体の例としては、ラクトースデンプングルコースメチルセルロースステアリン酸マグネシウムマンニトール及びソルビトール等が挙げられる。適当な希釈剤の例としては、エタノール、グリセロール及び水が挙げられる。医薬担体、賦形剤又は希釈剤の選択は、意図される投与経路及び標準的医学診療に関して選択することができる。医薬組成物は、担体、賦形剤又は希釈剤として又はそれらに加えて、任意の適当な結合剤滑沢剤懸濁剤コーティング剤可溶化剤緩衝剤香味剤界面活性剤増粘剤及び保存剤(酸化防止剤を含める)等、並びに製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする目的のために含まれる物質を含むことができる。

0174

適当な結合剤の例としては、デンプン、ゼラチン天然糖、例えばグルコース、無水ラクトースフリーフローラクトース、ベータラクトース、コーン甘味料、天然及び合成ガム、例えばアカシアトラガカント又はアルギン酸ナトリウムカルボキシメチルセルロース並びにポリエチレングリコールが挙げられる。

0175

適当な滑沢剤の例としては、オレイン酸ナトリウムステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム酢酸ナトリウム及び塩化ナトリウム等が挙げられる。

0176

保存剤、安定剤、染料及び更に香味剤が、該医薬組成物において提供され得る。保存剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、及びp-ヒドロキシ安息香酸のエステルが挙げられる。抗酸化剤及び懸濁剤も使用することができる。

0177

医薬製剤としては、経口投与局所的投与(皮膚、頬側、眼球及び下を含める)、直腸又は非経口投与(皮下、皮内、筋肉内及び静脈内を含める)、経鼻投与眼球内投与、並びに例えば吸入による肺投与に適当なものが挙げられる。該製剤は、適切な場合、好都合には別個投与単位で提示することができ、調剤学の技術分野においてよく知られている方法のいずれかによって調製することができる。全ての方法には、活性化合物液体担体若しくは微粉化固体担体又は両方と組み合わせる工程、及び次いで、必要ならば、該生成物を所望の製剤に形状化することが含まれる。

0178

担体が固体である経口投与に適当な医薬製剤は、最も好ましくは、ボーラス剤、カプセル剤又は錠剤等の単位用量製剤として提示され、各々は所定量の活性化合物を含有する。錠剤は、圧縮又は成形によって、場合により1種以上の副成分とともに作製することができる。圧縮錠剤は、場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤潤滑剤、界面活性剤又は分散剤と混合された散剤又は顆粒剤等のさらさらした形態の活性化合物を、適当な機械において圧縮することによって調製することができる。湿製錠剤は、不活性液体希釈剤とともに活性化合物を成形することによって作製することができる。錠剤は、場合によりコーティングすることができ、非コーティングならば、場合により切れ目をつけることができる。カプセル剤は、活性化合物を単独で又は1種若しくは複数の副成分との添加混合物のいずれかでカプセル殻充填すること、及び次いで、それらを通常の方式で密封することによって調製することができる。カシェ剤は、活性化合物が任意の副成分と一緒に、ライスペーパーエンベロープ中に密封されているカプセル剤に類似している。活性化合物は、例えば投与前に水中に懸濁する又は食物上に振りかけることができる分散可能な顆粒剤として製剤化することもできる。顆粒剤は、例えばサッシェ剤内にパッケージすることができる。担体が液体である経口投与に適当な製剤は、水性又は非水性液体中の液剤又は懸濁剤として、又は水中油液体エマルジョンとして提示することができる。

0179

経口投与のための製剤としては、制御放出剤形、例えば、活性化合物が適切な放出制御性マトリックス中に配合される又は適当な放出制御用膜でコーティングされる錠剤が挙げられる。こうした製剤は、予防的使用に特に好都合であり得る。

0180

担体が固体である直腸投与に適当な医薬製剤は、最も好ましくは、単位用量坐剤として提示される。適当な担体としては、カカオ脂、及び当技術分野において一般的に使用される他の材料が挙げられる。坐剤は、好都合には、軟化又は溶融された担体との活性化合物の添加混合、続いて、冷やすこと及び鋳型において形状化することによって形成することができる。

0181

非経口投与に適当な医薬製剤としては、水性又は油性ビヒクル中の活性化合物の滅菌液剤又は懸濁剤が挙げられる。

0182

本発明の医薬製剤は、眼科投与に、特に眼球内、局所的眼球又は眼球周囲の投与に、より好ましくは局所的眼球又は眼球周囲の投与に適当である。

0183

注射可能な調製物は、ボーラス注射又は持続注入液に適応させることができる。こうした調製は、好都合には、製剤の導入後に使用に必要とされるまで密封されている単位用量又は多用量の容器内に提示される。代替として、活性化合物は、使用前に滅菌ピロゲンフリー水等の適当なビヒクルとともに構成される粉末形態であってよい。

0184

活性化合物は、筋肉内注射によって又は例えば皮下又は筋肉内の埋め込みによって投与することができる長期活性デポ製剤として配合することもできる。デポ製剤としては、例えば、適当なポリマー性若しくは疎水性材料、又はイオン交換樹脂が挙げられ得る。こうした長期活性製剤は、予防的使用に特に好都合である。

0185

頬側口腔を介する肺投与に適当な製剤は、活性化合物を含有する及び望ましくは0.5ミクロンから7ミクロンの範囲で直径を有する粒子がレシピエントの気管支樹内に送達されるように提示される。1つの可能性として、こうした製剤は、吸入装置における使用のための適当には例えばゼラチンの貫通可能なカプセル中に、又は代替として、活性化合物、適当な液体若しくは気体状の噴霧剤、並びに場合により界面活性剤及び/若しくは固体希釈剤等の他の成分を含む自己噴射製剤としてのいずれかで好都合には提示することができる微粉砕粉末の形態である。適当な液体噴霧剤としてはプロパン及びクロロフルオロカーボンが挙げられ、適当な気体噴霧剤としては二酸化炭素が挙げられる。活性化合物が液剤又は懸濁剤の液滴の形態で分注される自己噴射製剤が用いられ得る。

0186

こうした自己噴射製剤は、当技術分野において知られているものに類似し、確立された手順によって調製することができる。適当には、それらは、所望の噴霧特性を有する手動操作可能な又は自動的に機能するバルブのいずれかが設けられている容器内に提示され、有利には、バルブは、その各操作で固定体積、例えば25マイクロリットルから100マイクロリットルを送達する計量型である。

0187

さらなる可能性として、活性化合物は、加速された気流又は超音波攪拌が吸入のための微細液滴ミストを生成するために用いられるアトマイザー又はネブライザーにおける使用のための液剤又は懸濁剤の形態であってよい。

0188

経鼻投与に適当な製剤としては、肺投与について上に記載されているものと一般に同様の調製物が挙げられる。分注される場合、こうした製剤は、望ましくは、鼻腔中での滞留を可能にする10ミクロンから200ミクロンの範囲における粒子径を有するべきであり、これは、適切な場合、適当な粒径粉末の使用又は適切なバルブの選択によって達成することができる。他の適当な製剤としては、に接近して保持される容器から経鼻通過を介する急速な吸入による投与のための20ミクロンから500ミクロンの範囲における粒子径を有する粗粉末、及び水性又は油性の溶液又は懸濁液中に0.2%w/vから5%w/vの活性化合物を含む点鼻薬が挙げられる。

0189

薬学的に許容される担体は、当業者によく知られており、以下に限定されないが、0.1M、好ましくは0.05Mのリン酸緩衝液又は0.8%の生理食塩水が挙げられる。追加として、こうした薬学的に許容される担体は、水性又は非水性溶液、懸濁液、及びエマルジョンであってよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油、及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルである。水性担体としては、水、アルコール溶液/水溶液、エマルジョン又は懸濁液が挙げられ、生理食塩水及び緩衝化媒体を含める。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液リンゲルデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸リンゲル又は固定油が挙げられる。例えば抗微生物薬、抗酸化剤、キレート化剤及び不活性ガス等、保存剤及び他の添加剤も存在することができる。

0190

局所製剤に適当な製剤は、例えばゲル剤クリーム剤又は軟膏剤として提供することができる。こうした調製物は、例えば創傷若しくは潰瘍に適用することができ、創傷若しくは潰瘍の表面上に直接塗布されるか、又は処置されるべき部域に及び部域にわたって適用することができる例えば包帯ガーゼ若しくはメッシュ等の適当な支持体上に保有されるかのいずれかである。

0191

処置されるべき部位、例えば創傷又は潰瘍上に直接噴霧する又は振りかけることができる液体製剤又は粉末製剤も提供され得る。代替として、担体、例えば包帯、ガーゼ又はメッシュ等に、該製剤を噴霧してから又は振りかけてから、処置されるべき部位に適用することもできる。

0192

本発明のさらなる態様によると、上に記載されている通りの医薬的又は獣医学的組成物の調製のための方法が提供されており、該方法は、活性化合物を担体と、例えば添加混合によって組み合わせることを含む。

0193

一般に、該製剤は、該活性薬剤を液体担体若しくは微粉化固体担体又は両方と均一及び密接に組み合わせること、及び次いで必要ならば、生成物を形状化することによって調製される。本発明は、一般式(I)の化合物を薬学的又は獣医学的に許容される担体又はビヒクルと併用する又は組み合わせることを含む、医薬組成物を調製するための方法に及ぶ。

0194


本発明の化合物は、塩、特に薬学的及び獣医学的に許容される塩として存在することができる。

0195

本発明の化合物の薬学的に許容される塩としては、その適当な酸付加塩又は塩基塩が挙げられる。適当な医薬塩の概説は、Bergeら、J Pharm Sci、66、1〜19 (1977)に見出すことができる。塩は、例えば、強無機酸、例えば鉱酸、例えばハロゲン化水素酸、例えばヒドロクロリド、ヒドロブロミド及びヒドロヨージド、硫酸リン酸サルフェート、ビサルフェート、ヘミサルフェート、チオシアネート、ペルサルフェート及びスルホン酸を用いて;強有機カルボン酸、例えば非置換又は置換(例えば、ハロゲンによる)されている1個から4個の炭素原子アルカンカルボン酸、例えば酢酸を用いて;飽和若しくは不飽和ジカルボン酸、例えばシュウ酸マロン酸コハク酸マレイン酸フマル酸フタル酸又はテトラフタル酸を用いて;ヒドロキシカルボン酸、例えばアスコルビン酸グリコール、乳酸、リンゴ酸酒石酸又はクエン酸を用いて;アミノ酸、例えばアスパラギン酸又はグルタミン酸を用いて;安息香酸を用いて;或いは有機スルホン酸、例えば非置換又は置換(例えば、ハロゲンによる)されている(C1〜C4)-アルキル-又はアリール-スルホン酸、例えばメタン-又はp-トルエンスルホン酸を用いて形成される。薬学的又は獣医学的に許容されない塩であっても、中間体としてまた有益である可能性がある。

0197

エナンチオマー/互変異性体
前に考察されている本発明の全ての態様において、本発明には、適切な場合、本発明の化合物の全てのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及び互変異性体が含まれる。当業者は、光学的性質(1個以上のキラル炭素原子)及び/又は互変異性特徴を有する化合物を認識されよう。対応するエナンチオマー及び/又は互変異性体は、当技術分野において知られている方法によって単離/調製することができる。エナンチオマーは、それらのキラル中心の絶対立体配置を特徴とし、Cahn、Ingold及びPrelogのR-及びS-配列ルールによって記載されている。こうした慣例は当技術分野においてよく知られている(例えば、「Advanced Organic Chemistry」、第3版、編集March、J.、John Wiley and Sons、New York、1985を参照されたい)。

0198

式(I)又は(II)の化合物には、したがって、式

0199

0200

の互変異性体形態も含まれる。

0201

例示的な例として、化合物2の互変異性体形態は、

0202

0203

である。

0204

キラル中心を含有する本発明の化合物は、ラセミ混合物エナンチオマー富化混合物として使用することができるか、又はラセミ混合物は周知の技法を使用して分離することができ、個々のエナンチオマーは単独で使用することができる。

0205

立体及び幾何異性体
本発明の化合物の一部は、立体異性体及び/又は幾何異性体として存在することができ、例えば、それらは1つ以上の不斉中心及び/又は幾何学的中心を有することができ、それで、E/Z(エントゲーゲン/ツザンメン)異性体として2種以上の立体異性形態及び/又は幾何学的形態で存在することができる。本発明は、それらの阻害剤薬剤の全ての個々の立体異性体及び幾何異性体、並びにそれらの混合物の使用を企図する。特許請求の範囲において使用される用語は、これらの形態を包含するが、前記形態が適切な機能活性を(必ずしも同じ程度というわけでないが)保持するという条件である。

0206

式(I)又は(II)の化合物には、したがって、式

0207

0208

のE及び/又はZ異性体形態も含まれる。

0209

本発明には、該薬剤又は薬学的に許容されるその塩の全ての適当な同位体バリエーションも含まれる。本発明の薬剤又は薬学的に許容されるその塩の同位体バリエーションは、少なくとも1個の原子が、自然界に通常見出される同じ原子番号だが原子質量と異なる原子質量を有する原子によって置き換えられているものとして定義されている。該薬剤及び薬学的に許容されるその塩に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素酸素、リン、硫黄フッ素及び塩素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F及び36Clが挙げられる。該薬剤及び薬学的に許容されるその塩のある特定の同位体バリエーション、例えば、3H又は14C等の放射性同位元素が組み込まれているものは、薬物及び/又は基質組織の分布研究において有用である。トリチウム化されている、即ち3H及び炭素14、即ち14C同位体は、それらの調製し易さ及び検出性のために特に好ましい。更に、重水素、即ち2H等の同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加又は投与量要求の低減に起因するある特定の治療的利点を得ることができ、それゆえに、一部の状況で好ましいことがある。例えば、本発明には、任意の水素原子が重水素原子によって置き換えられた一般式(I)の化合物が含まれる。本発明の薬剤及び本発明の薬学的に許容されるその塩の同位体バリエーションは、一般に、適当な試薬の適切な同位体バリエーションを使用する従来の手順によって調製することができる。

0210

プロドラッグ
本発明には、プロドラッグ形態における本発明の化合物、即ち、一般式(I)に従った活性親薬物をインビボにおいて放出する共有結合化合物が更に含まれる。こうしたプロドラッグは、一般に、1個以上の適切な基が、ヒト又は哺乳動物の対象への投与で修飾が逆戻り(復帰逆転転換)され得るように修飾された本発明の化合物である。逆戻りは、通常、こうした対象において天然に存在する酵素によって実施されるが、こうしたプロドラッグとともに第2の薬剤が投与されることで、インビボにおいて逆戻りを実施することが可能である。こうした修飾の例としては、エステル(例えば、上に記載されているものの任意のもの)が挙げられ、ここで、逆転はエステラーゼ等によって実施することができる。他のこうした系は当業者によく知られている。

0211

溶媒和物
本発明には、本発明の化合物の溶媒和物形態も含まれる。特許請求の範囲において使用される用語は、これらの形態を包含する。

0212

多形
本発明は、更に、それらの様々な結晶性形態多形形態及び(無水)含水形態における本発明の化合物に関する。化学的化合物が、こうした化合物の合成調製において使用される溶媒からの精製及び/又は単離の方法をわずかに変動させることによって、こうした形態のいずれかに単離することができることは、医薬産業内で十分に確立されている。

0213

投与
本発明の医薬組成物は、直腸投与、経鼻投与、気管支内投与、局所的投与(頬側、舌下及び眼科の投与を含め、特に眼球内、硝子体内、局所的眼球又は眼球周囲の投与のため)、腟内投与又は非経口投与(皮下の、筋肉内、静脈内、動脈内及び皮内を含める)、腹腔内投与はくも膜下腔内投与のために適応することができる。好ましくは。該製剤は、経口投与される製剤である。該製剤は、好都合には、単位剤形において、即ち、単位用量又は単位用量の多重単位若しくはサブ単位を含有する別個の部分の形態で提示することができる。例として、該製剤は、錠剤及び徐放性カプセル剤の形態であってよく、調剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法によって調製することができる。

0214

本発明における経口投与のための製剤は、各々が所定量の活性薬剤を含有する別個の単位、例えばカプセル剤、ゲルール(gellule)、点滴剤、カシェ剤、丸剤又は錠剤として;散剤又は顆粒剤として;水性液体又は非水性液体中の活性薬剤の液剤、乳剤又は懸濁剤として;又は水中油液体エマルジョン若しくは油中水型液体エマルジョンとして;又はボーラス剤等として提示することができる。好ましくは、これらの組成物は、用量当たり活性成分1mgから250mg及びより好ましくは10〜100mg、及びいっそう好ましくは1〜100mgを含有する。

0215

経口投与(例えば、錠剤及びカプセル剤)のための組成物について、「許容される担体」という用語には、ビヒクル、例えば一般的賦形剤、例えば結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、エチルセルロースカルボキシメチルセルロースナトリウムヒドロキシプロピルメチルセルローススクロース及びデンプン;充填剤及び担体、例えばコーンスターチ、ゼラチン、ラクトース、スクロース、微結晶性セルロースカオリン、マンニトール、第二リン酸カルシウム、塩化ナトリウム及びアルギン酸;並びに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム及び他のステアリン酸金属塩、グリセロールステアレートステアリン酸シリコーン流体タルクワックス、油及びコロイド状シリカが含まれる。香味剤、例えばペパーミントウインターグリーンの油、及びサクランボ香味料等も使用することができる。着色剤を添加することで、剤形を容易に同定可能にすることが望ましいことがある。錠剤は、当技術分野においてよく知られている方法によってコーティングすることもできる。

0216

錠剤は、場合により1種以上の副成分とともに、圧縮又は成形によって作製することができる。圧縮錠剤は、場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、界面活性剤又は分散剤と混合された散剤又は顆粒剤等のさらさらした形態の活性薬剤を、適当な機械において圧縮することによって調製することができる。湿製錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化化合物の混合物を、適当な機械において成形することによって作製することができる。錠剤は、場合によりコーティング又は切り目をつけることができ、該活性薬剤の緩徐又は制御放出を提供するために配合することができる。

0217

経口投与に適当な他の製剤としては、香味付け基剤、通常スクロース及びアカシア又はトラガカント中に該活性薬剤を含むロゼンジ;ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシア等の不活性塩基中に該活性薬剤を含む芳香錠;並びに適当な液体担体中に該活性薬剤を含む口腔洗浄薬が挙げられる。

0218

他の投与形態は、静脈内、動脈内、くも膜下腔内、皮下、皮内、腹腔内、眼球内、局所的、眼球周囲又は筋肉内に注射することができるとともに滅菌溶液又は滅菌可能溶液から調製される液剤又は乳剤を含む。

0219

本発明の医薬組成物は、坐剤、ペッサリー剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、噴霧剤、液剤又は粉剤(dusting powder)の形態であってもよい。

0220

経皮投与の代替手段は、皮膚パッチ剤の使用による。例えば、該活性成分は、ポリエチレングリコール又は流動パラフィン水性エマルジョンからなるクリーム剤に組み込むことができる。該活性成分は、必要とされ得るような安定剤及び保存剤と一緒に、白色ワックス又は白色軟パラフィン基剤からなる軟膏剤に、1質量%から10質量%の間の濃度で組み込むこともできる。

0221

投与量
当業者ならば、過度の実験を行わずに、対象に投与するための即時組成物の1種の適切な用量を容易に決定することができる。典型的に、医師が、個々の患者に最も適当である実際の投与量を決定し、用いられる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用期間、年齢、体重、全般的な健康、性別食餌療法、投与の方法及び時間、排出速度、薬物組合せ、特別な状態の重症度、並びに治療を受ける個体を含めて、様々な因子に依存する。本明細書において開示されている投与量は、平均的症例の例証である。より高い又はより低い投与量範囲がメリットのある個々の例が当然あり得、こうしたものは本発明の範囲内である。

0222

本発明によると、一般式(I)の化合物の有効量は、特別な状態又は疾患を標的にするために投与することができる。当然、この投与量は、該化合物の投与型に従って変更される。例えば、急性治療のための「有効量」を達成するため、一般式(I)の化合物の非経口投与が好ましい。水若しくは生理食塩水中5%のデキストロースにおける該化合物又は適当な賦形剤を用いる同様の製剤の静脈内注入が最も有効であるが、筋肉内ボーラス注射も有用である。典型的に、非経口用量は、有効濃度血漿中の薬物の濃度を維持する方式で、約0.01mg/kgから約100mg/kg;好ましくは0.1mg/kgから20mg/kgの間である。該化合物は、約0.4から約400mg/kg/日の総1日用量を達成するレベルで1日1回から4回投与することができる。治療的に有効な発明化合物の正確な量、及びこうした化合物が最もよく投与される経路は、治療効果を有するのに必要とされる濃度と薬剤の血中レベルを比較することによって、当業者によって容易に決定される。

0223

本発明の化合物は、薬物の濃度が本明細書において開示されている治療的適応症の1つ以上を達成するのに充分であるような方式で、患者に経口的に投与することもできる。典型的に、該化合物を含有する医薬組成物は、患者の状態と一致する方式で、約0.1mg/kgから約50mg/kgとの間の経口用量で投与される。好ましくは、経口用量は約0.1mg/kgから約20mg/kgである。

0224

本発明の化合物が本発明に従って投与される場合、許容できない毒物学的効果は予想されない。良好な生物学的利用能を有し得る本発明の化合物は、所与の薬理効果を有するのに必要とされる化合物の濃度を決定するため、いくつかの生物学的アッセイの1つにおいて試験することができる。

0225

組合せ
特に好ましい実施形態において、本発明の1種以上の化合物は、1種以上の他の活性薬剤、例えば、市場で入手可能な現存の薬物との組合せにおいて投与される。こうした場合において、本発明の化合物は、1種以上の他の活性薬剤と連続して、同時に又は順次に投与することができる。

0226

薬物は一般に、組合せにおいて使用される場合、より有効である。特に、主要な毒性の重複、作用機序及び耐性機序を回避するために、組合せ治療が望ましい。更に、大部分の薬物は、こうした用量間の最小時間間隔を用いてそれらの最大耐量で投与するのも望ましい。組み合わせる薬物の主要な利点は、それが生化学的相互作用を介して相加的又は可能な相乗効果を促進すること、及び抵抗性の出現を減少させることもできるということである。

0227

有益な組合せは、特別な障害の処置において貴重であることが知られている又は疑われている薬剤を用いて試験化合物阻害活性を研究することによって示唆され得る。この手順は、薬剤の投与の順序、即ち送達の前、同時又は後かを決定するために使用することもできる。こうした日程計画は、本明細書において同定される全ての活性薬剤の特色であり得る。

0228

好ましい実施形態によると、本発明は、式(I)又は(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩、並びにタンパク質BiPの発現及び/又は活性を増加させる化合物、並びに薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物に関する(WO2013/124484を参照されたい)。好ましくは、タンパク質BiPの発現及び/又は活性を増加させる化合物は、バルプロ酸又はその誘導体、トリコスタチンA、リチウム、l-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-2-チオシアネート-エタノン、及びエキセンディン-4からなる群から選択される。好ましい実施形態によると、タンパク質BiPは、バルプロ酸又はその誘導体、例えば2-エン-バルプロ酸である。

0229

好ましい実施形態によると、本発明は、PPP1R15A経路と関連するとともにタンパク質ミスフォールディングストレス、特にミスフォールドタンパク質の蓄積と関連する障害を処置するための、式(I)又は(II)のPPP1R15A阻害剤又は薬学的に許容されるその塩、並びにタンパク質BiPの発現及び/又は活性を増加させる化合物、並びに薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。好ましくは、疾患は、嚢胞性線維症、リソソーム蓄積症、アミロイドーシス疾患、がん、炎症、代謝障害、心臓血管障害、骨粗鬆症、中枢神経系外傷、虚血、網膜疾患、セイピノパチー、タウオパチー、シヌクレイノパチー、ポリグルタミン病及びポリアラニン病、神経変性疾患、好ましくはアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、シャルコー・マリー・ツース病、白質ジストロフィー、多発性硬化症の群において選択される。

0230

アッセイ
本発明のさらなる態様は、PPP1R15A-PP1を阻害することができるさらなる候補化合物を同定するためのアッセイにおける、上に記載されている通りの化合物の使用に関する。好ましくは、アッセイは競合結合アッセイである。

0231

より好ましくは、競合的結合アッセイは、本発明の化合物をPPP1R15A-PP1及び候補化合物と接触させること、並びに本発明による化合物及びPPP1R15A-PP1との間の相互作用における任意の変化を検出することを含む。

0232

好ましくは、候補化合物は、本発明の化合物の従来のSAR修飾によって発生される。本明細書で使用される場合、「従来のSAR修飾」という用語は、化学的誘導体化を経て所与の化合物を変動するための、当技術分野において知られている標準的方法を指す。

0233

したがって、一態様において、同定された化合物は、他の化合物の開発のためのモデル(例えば、テンプレート)として作用することができる。こうした試験において用いられる化合物は、溶液中で遊離するか、固体支持体に取り付けるか、細胞表面上に置くか、又は細胞内部に位置させることができる。試験されている化合物と薬剤との間の活性消滅又は結合性複合体の形成が測定され得る。

0234

本発明のアッセイは、多数の薬剤が試験されるスクリーニングであってよい。一態様において、本発明のアッセイ方法は、ハイスループットスクリーニングである。

0235

本発明は、化合物を特異的に結合させることができる中和性抗体が化合物に結合するために試験化合物と競合する競合薬物スクリーニングアッセイの使用も企図する。

0236

スクリーニングのための別の技法は、物質に対する適当な結合親和性を有する薬剤のハイスループットスクリーニング(HTS)を提供し、WO 84/03564において詳細に記載されている方法に基づく。

0237

本発明のアッセイ方法は、試験化合物の小規模及び大規模なスクリーニングの両方に、並びに定量的アッセイにおいて適当であると予想される。

0238

好ましくは、該競合的結合アッセイは、PPP1R15A-PP1の公知基質の存在下で、本発明の化合物をPPP1R15A-PP1と接触させる工程と、前記PPP1R15A-PP1と前記公知基質との間の相互作用における任意の変化を検出する工程とを含む。

0239

本発明のさらなる態様は、PPP1R15A-PP1へのリガンドの結合を検出する方法であって、前記方法が、
(i)公知基質の存在下で、リガンドをPPP1R15A-PP1と接触させる工程と、
(ii) PPP1R15A-PP1と前記公知基質との間の相互作用における任意の変化を検出する工程と
を含み、前記リガンドが本発明の化合物である、方法を提供する。

0240

本発明の一態様は、
(a)上文において記載されているアッセイ方法を実施する工程と、
(b)リガンド結合ドメインに結合することができる1つ以上のリガンドを同定する工程と、
(c)分量の前記1つ以上のリガンドを用意する工程と
を含む方法に関する。

0241

本発明の別の態様は、
(a)上文において記載されているアッセイ方法を実施する工程と、
(b)リガンド結合ドメインに結合することができる1つ以上のリガンドを同定する工程と、
(c)前記1つ以上のリガンドを含む医薬組成物を調製する工程と
を含む方法を提供する。

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