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技術 メルトブローン繊維用のフタル酸塩を含まない有核PPホモポリマー

出願人 ボレアリス・アクチェンゲゼルシャフト
発明者 ヴァング、イングボサルス、ヴィルヘルムス・ヘンリクス・アドルフフィービッヒ、ヨアヒムファン・パリドン、ヘンクガーライトナー、マルクス
出願日 2015年7月6日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-575963
公開日 2017年8月3日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-521522
状態 特許登録済
技術分野 不織物 合成繊維 高分子組成物 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 付加重合用遷移金属・有機金属複合触媒
主要キーワード 部担体 立体配列 高速エア 低空隙率 特徴的部位 静水圧試験 メチル部位 業界基準
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課題・解決手段

本発明は、プロピレンホモポリマー及び高分子核剤を含む新規ポリプロピレン組成物、ポリプロピレン組成物を含むメルトブローン繊維、メルトブローン繊維及び/又はポリプロピレン組成物を含むメルトブローンウェブ、メルトブローン繊維及び/又はメルトブローンウェブを含む物品、並びにメルトブローンウェブの圧力損失水頭との間の関係を改善し、縦方向(MD)及び横方向(TD)のメルトブローンウェブの熱機械特性を改善するためのポリプロピレン組成物の使用を対象とする。

概要

背景

メルトブローンウェブは、メルトブローン繊維からなる不織構造であり、一般的に、一段階プロセスで作製され、溶融した熱可塑性樹脂押出機ダイ先端からコンベア又は巻取スクリーン上に、高速エアで吹き出すことによって細繊維質の自己接着性ウェブを形成する。多様なポリマーをメルトブローン繊維及び織物に利用することができるが、ポリプロピレンは、最も一般的に用いられるポリマーの1つである。普通、メルトブローン繊維及びウェブの製造には、プロピレンホモポリマーが用いられ、これはチーグラー・ナッタ(ZN)触媒、特に特定種内部ドナー、つまりフタル酸塩化合物を含むチーグラー・ナッタ(ZN)触媒を用いて調製されている。しかし、これらの化合物の一部は、健康及び環境に悪影響を及ぼす疑いがあり、おそらく将来的には欧州連合禁止されるであろう。更に、衛生/パーソナルケア市場及びろ過分野において、繊維用途に適した「フタル酸塩化合物を含まないポリプロピレン」の市場での需要増している。

一方、メルトブローン(MB)繊維又はSMS布(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)を基にしたポリプロピレン不織ウェブの性能は、なお改善する必要がある。例えば、これらの系の圧力損失水頭遮水)との間の優れたバランスが望まれている。更に、これらのウェブの縦方向(MD)及び横方向(TD)の熱機械特性を、特により高い適用温度で改善することが望まれている。

例えば、ろ過分野では、より高い温度耐性が必要である。最新技術で知られるように、核形成は温度耐性を改善する方法の1つである。しかし、繊維の核形成における1つの問題は、核剤性質である。PPメルトブローン繊維を作製するための適当なα核剤として、特に国際公開第2012055797号に開示された2,2’−メチレンビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニルリン酸ナトリウム(例えばNA−11;供給元ADEKA社)などの核剤の典型的な大きさは、約3〜5μmである。これは、ろ過及び衛生分野で適当なメルトブローン繊維の通常の繊維径1〜2μmよりも大きく、これらの用途での使用を限定し、またより細い繊維を作製する可能性を低下させる。更に、極低粘度の溶解物にこのような核剤を分散することも課題である。国際公開第2012055797号にも記載されたβ核剤をPPメルトブローン繊維の作製に用いる場合、前述の問題に加えて、PPのβ変態固有低融点により、各熱機械安定性が低下する。

概要

本発明は、プロピレンホモポリマー及び高分子核剤を含む新規ポリプロピレン組成物、ポリプロピレン組成物を含むメルトブローン繊維、メルトブローン繊維及び/又はポリプロピレン組成物を含むメルトブローンウェブ、メルトブローン繊維及び/又はメルトブローンウェブを含む物品、並びにメルトブローンウェブの圧力損失と水頭との間の関係を改善し、縦方向(MD)及び横方向(TD)のメルトブローンウェブの熱機械特性を改善するためのポリプロピレン組成物の使用を対象とする。

目的

例えば、これらの系の圧力損失と水頭(遮水)との間の優れたバランスが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

(A)チーグラーナッタ触媒(ZN−C)を用いて作製したプロピレンホモポリマーと、(B)高分子核剤と、を含むPPメルトブローン繊維の製造に適したポリプロピレン組成物であって、前記ポリプロピレン組成物が、i)90〜5000g/10分の、ISO1133により測定されるメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)と、ii)<45℃の、融解温度(Tm)と結晶化温度(Tc)との差(Tm−Tc)と、を有する、ポリプロピレン組成物。

請求項2

前記ポリプロピレン組成物が、フタル酸化合物、及びその各分解生成物を含まない、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。

請求項3

前記ポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーがビスブレーキングされている、請求項1又は2に記載のポリプロピレン組成物。

請求項4

前記ポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーが、5〜50のビスブレーキング比[最終MFR2(230℃/2.16kg)/初期MFR2(230℃/2.16kg)]でビスブレーキングされており、「最終MFR2(230℃/2.16kg)」が、ビスブレーキング後の前記ポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)であり、「初期MFR2(230℃/2.16kg)」が、ビスブレーキング前の前記ポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)である、請求項3に記載のポリプロピレン組成物。

請求項5

前記ポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーが、a)13C−NMR分光法により決定される0.4モル%以下の2,1エリトロ部位欠陥、及び/又はb)90.0%超のペンタドアイソタクチシティ(mmmm)、及び/又はc)ISO16152(25℃)により決定される少なくとも1.8質量%の冷キシレン可溶分(XCS)、及び/又はc)≧110℃の結晶化温度Tcを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物。

請求項6

前記高分子核剤は、式CH2=CH−CHR1R2[式中、R1及びR2は互いに結合して、任意で置換基を含有する5若しくは6員の飽和、不飽和又は芳香環を形成し、あるいは独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、これによりR1及びR2が芳香環を形成する場合、−CHR1R2部分の水素原子は存在しない]の化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物。

請求項7

前記高分子核剤がビニルシクロアルカンポリマー、好ましくはビニルシクロヘキサンVCH)ポリマー、ビニルシクロペンタンポリマー、3−メチル−1−ブテンポリマー及びビニル−2−メチルシクロヘキサンポリマーから選択される、請求項6に記載のポリプロピレン組成物。

請求項8

前記プロピレンホモポリマーが、a)IUPACの第4〜6族遷移金属化合物(TC)、第2族金属化合物(MC)及び内部ドナー(ID)を含むチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)であって、前記内部ドナー(ID)は非フタル酸化合物、好ましくは非フタル酸エステルである、チーグラー・ナッタ触媒と、b)任意に共触媒(Co)と、c)任意に外部ドナー(ED)と、の存在下で重合される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物。

請求項9

a)前記内部ドナー(ID)が、任意に置換されたマロン酸塩マレイン酸塩コハク酸塩グルタル酸塩、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸塩安息香酸塩及びその誘導体、並びに/又はそれらの混合物から選択され、前記内部ドナー(ID)が、シトラコン酸塩であることが好ましく、b)共触媒(Co)の外部ドナー(ED)に対するモル濃度比[Co/ED]が5〜45である、請求項8に記載のポリプロピレン組成物。

請求項10

前記プロピレンホモポリマーが、少なくとも1つの反応器(R1)又は少なくとも2つの反応器(R1)及び(R2)を含む重合プロセスで作製され、これにより前記第1反応器(R1)において、第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)が作製され、続いて前記第2反応器(R2)に移され、前記第2反応器(R2)において、第2プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP2)が、前記第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)の存在下で作製される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物。

請求項11

前記高分子核剤がマスターバッチ技術で前記プロピレンホモポリマー(A)に導入され、これにより前記プロピレンホモポリマー(A)が前記高分子核剤を含有する担体ポリマー機械的に混合される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物。

請求項12

請求項11に記載のポリプロピレン組成物であって、前記高分子核剤を含有する前記担体ポリマーが、請求項8に記載のチーグラー・ナッタ重合触媒を、請求項6に記載の式CH2=CH−CHR1R2のビニル化合物と重合することにより得られる重合触媒を用いて、プロピレンポリマーを調製することにより得られる、ポリプロピレン組成物。

請求項13

5.0μm以下の平均径を有するメルトブローン繊維であって、前記繊維が請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物を、好ましくは少なくとも95.0質量%含む、メルトブローン繊維。

請求項14

請求項13に記載の前記メルトブローン繊維、及び/又は請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物を含むメルトブローンウェブ

請求項15

請求項13に記載のメルトブローン繊維、及び/又は請求項14に記載のメルトブローンウェブを含む物品であって、前記物品がろ過媒体、おむつ、生理用ナプキンパンティライナー成人失禁用製品防護衣呼吸保護マスク手術用ドレープ手術ガウン、及び手術衣一般からなる群から選択される、物品。

請求項16

500〜2,000mm/秒の範囲の透気度での、メルトブローンウェブの圧力損失水頭との間の関係を改善すると共に、メルトブローンウェブの縦方向(MD)及び横方向(TD)の熱機械特性を改善するための、請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物の使用であって、前記改善が不等式(I)(PD−ウェブ)/(HH−ウェブ)≦0.88(I)により定義され、式中、(PD−ウェブ)は、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2であるメルトブローンウェブのDINISO9237により測定される圧力損失(Pa)であり、(HH−ウェブ)は、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2であるメルトブローンウェブの標準試験WSP80.6(09)により測定される水頭(3滴目、cmH2O)である、ポリプロピレン組成物の使用。

技術分野

0001

本発明は、プロピレンホモポリマー及び高分子核剤(polymeric nucleating agent)を含む新規ポリプロピレン組成物、該ポリプロピレン組成物を含むメルトブローン繊維、該メルトブローン繊維及び/又は該ポリプロピレン組成物を含むメルトブローンウェブ、該メルトブローン繊維及び/又は該メルトブローンウェブを含む物品、並びにメルトブローンウェブの圧力損失水頭との間の関係及び熱機械特性を改善するための該ポリプロピレン組成物の使用に関する。

背景技術

0002

メルトブローンウェブは、メルトブローン繊維からなる不織構造であり、一般的に、一段階プロセスで作製され、溶融した熱可塑性樹脂押出機ダイ先端からコンベア又は巻取スクリーン上に、高速エアで吹き出すことによって細繊維質の自己接着性ウェブを形成する。多様なポリマーをメルトブローン繊維及び織物に利用することができるが、ポリプロピレンは、最も一般的に用いられるポリマーの1つである。普通、メルトブローン繊維及びウェブの製造には、プロピレンホモポリマーが用いられ、これはチーグラー・ナッタ(ZN)触媒、特に特定種内部ドナー、つまりフタル酸塩化合物を含むチーグラー・ナッタ(ZN)触媒を用いて調製されている。しかし、これらの化合物の一部は、健康及び環境に悪影響を及ぼす疑いがあり、おそらく将来的には欧州連合禁止されるであろう。更に、衛生/パーソナルケア市場及びろ過分野において、繊維用途に適した「フタル酸塩化合物を含まないポリプロピレン」の市場での需要増している。

0003

一方、メルトブローン(MB)繊維又はSMS布(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)を基にしたポリプロピレン不織ウェブの性能は、なお改善する必要がある。例えば、これらの系の圧力損失と水頭(遮水)との間の優れたバランスが望まれている。更に、これらのウェブの縦方向(MD)及び横方向(TD)の熱機械特性を、特により高い適用温度で改善することが望まれている。

0004

例えば、ろ過分野では、より高い温度耐性が必要である。最新技術で知られるように、核形成は温度耐性を改善する方法の1つである。しかし、繊維の核形成における1つの問題は、核剤の性質である。PPメルトブローン繊維を作製するための適当なα核剤として、特に国際公開第2012055797号に開示された2,2’−メチレンビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニルリン酸ナトリウム(例えばNA−11;供給元ADEKA社)などの核剤の典型的な大きさは、約3〜5μmである。これは、ろ過及び衛生分野で適当なメルトブローン繊維の通常の繊維径1〜2μmよりも大きく、これらの用途での使用を限定し、またより細い繊維を作製する可能性を低下させる。更に、極低粘度の溶解物にこのような核剤を分散することも課題である。国際公開第2012055797号にも記載されたβ核剤をPPメルトブローン繊維の作製に用いる場合、前述の問題に加えて、PPのβ変態固有低融点により、各熱機械安定性が低下する。

発明が解決しようとする課題

0005

このように、本発明の目的は、フタル酸塩を含まないZN触媒を基にしたポリマー組成物を提供することであり、これは圧力損失と水頭(hydrohead)との間の関係が改善又は最適化され、熱機械特性が改善されたメルトブローン繊維、及びウェブの調製に適当である。

0006

本発明の知見は、フタル酸塩化合物の分類に属さない内部ドナー(ID)を含有するチーグラー・ナッタ触媒の存在下で作製され、高分子核剤を含むプロピレンホモポリマーを用い、メルトブローン繊維及びウェブに加工したときに、圧力損失と水頭との間の関係が改善又は最適化され、熱機械特性が改善されることである。

課題を解決するための手段

0007

従って、本発明は、
(A)チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を用いて作製したプロピレンホモポリマーと、
(B)高分子核剤と、
を含む、PPメルトブローン繊維の製造に適当なポリプロピレン組成物であって、
上記ポリプロピレン組成物が、
i)90〜5000g/10分の、ISO 1133により測定されるメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)と、
ii)<45℃の、融解温度(Tm)と結晶化温度(Tc)との差(Tm−Tc)と、
を有する、ポリプロピレン組成物を対象とする。

0008

好ましい実施形態において、ポリプロピレン組成物はフタル酸化合物、及びその各分解生成物を含まない。

0009

本発明の更なる実施形態において、ポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーは、ビスブレーキングされている。

0010

本発明の本実施形態によれば、ポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーは、5〜50のビスブレーキング比[最終MFR2(230℃/2.16kg)/初期MFR2(230℃/2.16kg)]でビスブレーキングされ、「最終MFR2(230℃/2.16kg)」は、ビスブレーキング後のポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)であり、「初期MFR2(230℃/2.16kg)」は、ビスブレーキング前のポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)である。

0011

本発明の別の実施形態において、プロピレンホモポリマーは、a)IUPACの第4〜6族遷移金属化合物(TC)、第2族金属化合物(MC)及び内部ドナー(ID)を含むチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)であって、上記内部ドナー(ID)は、好ましくは非フタル酸化合物、より好ましくは非フタル酸エステルである、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)と;b)任意に共触媒(Co)と、c)任意に外部ドナー(ED)との存在下で重合される。最も好ましくは、a)内部ドナー(ID)は、任意に置換されたマロン酸塩マレイン酸塩コハク酸塩グルタル酸塩、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸塩安息香酸塩及びその誘導体、並びに/又はそれらの混合物から選択され、好ましくは、内部ドナー(ID)はシトラコン酸塩であり、b)共触媒(Co)の外部ドナー(ED)に対するモル濃度比[Co/ED]は5〜45である。

0012

本発明の更に別の実施形態において、プロピレンホモポリマーは、少なくとも1つの反応器(R1)、又は少なくとも2つの反応器(R1)及び(R2)を含む逐次重合プロセスで作製され、これにより、第1反応器(R1)において、第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)が作製され、続いて、第2反応器(R2)に移され、第2反応器(R2)において、第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)の存在下で第2プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP2)が作製される。

0013

本発明はまた、平均径5.0μm以下のメルトブローン繊維を対象とし、この繊維は、好ましくは本明細書で定義したポリプロピレン組成物を少なくとも95.0質量%含む。

0014

本発明は更に、本明細書で定義したメルトブローン繊維及び/又はポリプロピレン組成物を含む、メルトブローンウェブを対象とする。

0015

本発明はまた、メルトブローン繊維及び/又はメルトブローンウェブを含む物品も対象としており、この物品は、ろ過媒体、おむつ、生理用ナプキンパンティライナー成人失禁用製品防護衣呼吸保護マスク手術用ドレープ手術ガウン及び手術衣一般からなる群から選択される。

0016

本発明は更に、500〜2,000mm/秒の範囲の透気度での、メルトブローンウェブの圧力損失と水頭との間の関係を改善すると共に、メルトブローンウェブの縦方向(MD)及び横方向(TD)の熱機械特性を改善するための、本明細書に定義したポリプロピレン組成物の使用であって、この改善は不等式(I)
(PD−ウェブ)/(HH−ウェブ)≦0.88 (I)
により定義され、
式中、
(PD−ウェブ)は、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2であるメルトブローンウェブのDIN ISO 9237により測定される圧力損失(Pa)であり、
(HH−ウェブ)は、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2であるメルトブローンウェブの標準試験WSP80.6(09)により測定される水頭(3滴目、cmH2O、ミリバールも同様)である、ポリプロピレン組成物の使用を対象とする。

図面の簡単な説明

0017

単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2の圧力損失と水頭との間の関係に関するメルトブローンウェブ性能である。
ウェブの機械的性質である。

0018

以下に、本発明をより詳細に説明する。

0019

本発明によるポリプロピレン組成物は、成分(A)としてプロピレンホモポリマー、成分(B)として高分子核剤を含む。

0020

<成分(A):プロピレンホモポリマー>
本発明によれば、「プロピレンホモポリマー」という表現は、実質的に、すなわち少なくとも99.0質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%、更により好ましくは少なくとも99.8質量%、例えば少なくとも99.9質量%のプロピレン単位からなるポリプロピレンに関する。別の実施形態において、プロピレン単位のみを検出することができ、すなわちプロピレンのみが重合されている。

0021

プロピレンホモポリマーの必須要件の1つは、ISO 1133により測定されるメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)が90〜5000g/10分の範囲、好ましくは100〜4500g/10分の範囲、より好ましくは120〜4000g/10分の範囲、更により好ましくは140〜3500g/10分の範囲であることである。

0022

好ましい実施形態において、プロピレンホモポリマーはビスブレーキングされている。この場合、プロピレンホモポリマーはかなり高いメルトフローレートを有し、例えば、繊維を作製するメルトブローン技術で用いられる他のポリマーとは異なる。従って、本発明において、プロピレンホモポリマーはISO 1133により測定されるメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)が400g/10分〜3000g/10分であることが好ましく、より好ましくは450〜2500g/10分の範囲、最も好ましくは500〜2000g/10分の範囲である。

0023

従って、ビスブレーキング前のポリプロピレン組成物におけるプロピレンホモポリマーのメルトフローレート(230℃/2.16kg)は、5〜400g/10分のように、かなり低い。例えば、ビスブレーキング前のプロピレンホモポリマーのメルトフローレート(230℃/2.16kg)は、10〜200g/10分、例えば40〜150g/10分である。

0024

本発明の本実施形態において、プロピレンホモポリマーは、5〜50のビスブレーキング比[最終MFR2(230℃/2.16kg)/初期MFR2(230℃/2.16kg)]でビスブレーキングされており、「最終MFR2(230℃/2.16kg)」は、ビスブレーキング後のプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)であり、「初期MFR2(230℃/2.16kg)」は、ビスブレーキング前のプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)である。好ましくは、プロピレンホモポリマーは、5〜25のビスブレーキング比[最終MFR2(230℃/2.16kg)/初期MFR2(230℃/2.16kg)]でビスブレーキングされており、「最終MFR2(230℃/2.16kg)」は、ビスブレーキング後のプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)であり、「初期MFR2(230℃/2.16kg)」は、ビスブレーキング前のプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)である。より好ましくは、プロピレンホモポリマーは、5〜15のビスブレーキング比[最終MFR2(230℃/2.16kg)/初期MFR2(230℃/2.16kg)]でブスブレーキングされており、「最終MFR2(230℃/2.16kg)」は、ビスブレーキング後のプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)であり、「初期MFR2(230℃/2.16kg)」は、ビスブレーキング前のプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)である。

0025

上記のように、プロピレンホモポリマーは、ビスブレーキングされていることが好ましい。ビスブレーキングに適した好ましい混合装置は、非連続及び連続混錬機、2軸押出機、特殊混合部及び共混錬機を備えた1軸押出機である。

0026

熱を用いて又は過酸化物を用いて、より制御された条件でプロピレンホモポリマーをビスブレーキングすることにより、長い分子鎖がより容易に分割されるか又は切断され、モル質量Mが減少するため、モル質量分布(MWD)はより狭くなり、これはMFR2の上昇に相当する。MFR2は、使用する過酸化物量の増加に伴い上昇する。

0027

過酸化物ビスブレーキング剤を用いるなどの任意の公知の方法で、このビスブレーキングを実施してもよい。代表的なビスブレーキング剤は、(例えば、商品名Luperox101及びTrigonox101で市販される)2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシヘキサン(DHBP)、(例えば、商品名Luperox130及びTrigonox145で市販される)2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキシン−3(DYBP)、(例えば、商品名LuperoxDC及びPerkadoxBCで市販される)ジクミルパーオキサイド(DCUP)、(例えば、商品名TrigonoxB及びLuperoxDiで市販される)ジ−tert−ブチル−パーオキサイド(DTBP)、(例えば、商品名TrigonoxT及びLuperox 801で市販される)tert−ブチル−クミル−パーオキサイド(BCUP)、(例えば、商品名Perkadox 14S及びLuperox DCで市販される)ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピルベンゼンDIPP)である。本発明に従って利用される過酸化物の適当量は、原則として当業者に公知であり、ビスブレーキングされるポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーの量と、ビスブレーキングされるポリプロピレン組成物及び/又はプロピレンホモポリマーのMFR2(230℃/2.16kg)値と、得られる生成物の望ましい目的MFR2(230℃/2.16kg)とに基づき、容易に計算することができる。従って、過酸化物ビスブレーキング剤の通常量は、ポリプロピレン組成物におけるポリマーの全量に基づき、より好ましくは利用するプロピレンホモポリマーの全量に基づき、0.005〜0.7質量%、より好ましくは0.01〜0.4質量%である。

0028

一般的に、本発明に従ったビスブレーキングは、押出機で実施し、その結果、適当な条件下でメルトフローレートが上昇する。ビスブレーキング中、高いモル質量鎖の開始生成物は、低いモル質量の分子よりも統計的により頻繁に分割し、上に示したように平均分子量の全体的な減少及びメルトフローレートの上昇をもたらす。

0029

好ましくは、プロピレンホモポリマーをビスブレーキングすること、好ましくは過酸化物を用いてビスブレーキングすることにより、発明のポリプロピレン組成物の成分(A)が得られる。

0030

より正確には、押出機でプロピレンホモポリマーをビスブレーキングすること、好ましくは上記の過酸化物を使用することにより、発明のポリプロピレン組成物を得てもよい。

0031

ビスブレーキング後、本発明によるポリプロピレンホモポリマーは、ペレット又は顆粒の形状であることが好ましい。

0032

プロピレンホモポリマーは更に、その微細構造により定義される。

0033

好ましくは、他に指示されない限り、本発明を通して、以下に定義するようなポリプロピレン組成物及びプロピレンホモポリマーのそれぞれの融解結晶化挙動冷キシレン可溶分(XCS)、アイソタクチシティ、及び<2,1>部位欠陥の量は、ビスブレーキング後のポリプロピレン組成物及びプロピレンホモポリマーのそれぞれの融解/結晶化挙動、冷キシレン可溶分(XCS)、アイソタクチシティ、及び<2,1>部位欠陥の量である。

0034

プロピレンホモポリマーはアイソタクチックであることが好ましい。従って、ポリプロピレンホモポリマーは、かなり高いペンタッド濃度(mmmm%)を有することが好ましく、すなわち90.0%超、より好ましくは93.0%超、例えば93.0超98.5%まで、更により好ましくは少なくとも93.5%、例えば93.5〜98.0%の範囲である。

0035

プロピレンホモポリマーの更なる特徴は、ポリマー鎖内へのプロピレンの誤挿入量が少ないことであり、これは、チーグラー・ナッタ触媒の存在下、好ましくは以下により詳細に定義するチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)の存在下でプロピレンホモポリマーが作製されることを示す。従って、プロピレンホモポリマーは、13C−NMR分光法によって決定される低量の2,1エリトロ部位欠陥によって特徴付けられることが好ましく、すなわち0.4モル%以下、より好ましくは0.2モル%以下、例えば0.1モル%以下である。特に好ましい実施形態において、2,1エリトロ部位欠陥は検出され得ない。

0036

プロピレンホモポリマーは、かなり高い冷キシレン可溶(XCS)分、すなわち、少なくとも1.8質量%、例えば、少なくとも2.0質量%の冷キシレン可溶分(XCS)によって特徴付けられることが好ましい。従って、好ましくは、プロピレンホモポリマーは、冷キシレン可溶分(XCS)が1.8〜5.5質量%の範囲、より好ましくは2.0〜5.0質量%の範囲である。

0037

冷キシレン可溶物(XCS)の量は更に、好ましくは、プロピレンホモポリマーが任意の弾性ポリマー成分、例えばエチレンプロピレンゴムを含まないことを示す。言い換えれば、プロピレンホモポリマーは、異相ポリプロピレン、すなわち、エラストマー相が分散しているポリプロピレンマトリックスからなる系ではない。このような系は、かなり高い冷キシレン可溶分によって特徴付けられる。

0038

本発明の組成物に適当なプロピレンホモポリマーは、−30℃未満、好ましくは−25℃未満、より好ましくは−20℃未満のガラス転移温度を有さない。

0039

好ましい一実施形態において、本発明の組成物に適当なプロピレンホモポリマーは、−12℃〜5℃の範囲、より好ましくは−10℃〜4℃の範囲のガラス転移温度を有する。

0040

更に、好ましくは、プロピレンホモポリマーは結晶性プロピレンホモポリマーである。「結晶性」という語は、プロピレンホモポリマーがかなり高い融解温度を有することを示す。従って、本発明を通して、他に指示されない限り、プロピレンホモポリマーは、結晶性とみなされる。そのため、プロピレンホモポリマーは、150℃以上、すなわち150℃〜168℃、より好ましくは少なくとも155℃、すなわち155℃〜166℃の範囲の示差走査熱量測定法DSC)によって測定される融解温度Tmを有する。

0041

更に、プロピレンホモポリマーは、好ましくは110℃以上、より好ましくは110℃〜135℃の範囲、より好ましくは114℃〜130℃の範囲の示差走査熱量測定法(DSC)によって測定される結晶化温度Tcを有する。

0042

プロピレンホモポリマーは、以下に定義するように、チーグラー・ナッタ触媒の存在下でプロピレンを重合することによって得られる。好ましくは、本発明によるプロピレンホモポリマーは、チーグラー・ナッタ触媒を用いて、以下に詳細に定義するようなプロセスによって得られる。

0043

プロピレンホモポリマーは、少なくとも1つのプロピレンホモポリマーフラクション、又は2つのプロピレンホモポリマーフラクション、つまり、第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)及び第2プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP2)を含むことができる。第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)と第2プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP2)との重量比率[(H−PP1):(H−PP2)]は、70:30〜40:60であることが好ましく、より好ましくは65:35〜45:55である。

0044

第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)及び第2プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP2)は、メルトフローレートの点で異なってもよい。しかし、第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)及び第2プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP2)のメルトフローレートMFR2(230℃)は、ほぼ同一であり、すなわち、2つのうちの下の値から算出して15%以下、好ましくは10%以下、例えば7%以下で異なることが好ましい。

0045

本発明によるプロピレンホモポリマーは、
(a)IUPACの第4〜6族遷移金属化合物(TC)、第2族金属化合物(MC)及び内部ドナー(ID)を含むチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)であって、上述の内部ドナー(ID)は、好ましくは非フタル酸化合物、より好ましくは非フタル酸エステル、更により好ましくは非フタル酸ジカルボン酸ジエステルである、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)と、
(b)任意に共触媒(Co)と、
(c)任意に外部ドナー(ED)と
の存在下で作製される。

0046

内部ドナー(ID)は、任意に置換されたマロン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸塩、安息香酸塩及びその誘導体、並びに/又はそれらの混合物から選択されることが好ましく、内部ドナー(ID)はシトラコン酸塩であることが好ましい。追加的に又は代替的に、共触媒(Co)の外部ドナー(ED)に対するモル濃度比[Co/ED]は5〜45である。

0047

プロピレンホモポリマーは、少なくとも1つの反応器(R1)及び任意で第2反応器(R2)を含む、以下に更に記載する重合プロセスによって調製されることが好ましい。第1反応器(R1)において、第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)が作製され、任意で続いて第2反応器(R2)に移され、これにより、第2反応器(R2)において、第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)の存在下で任意の第2プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP2)が作製される。

0048

更に、プロピレンホモポリマー、及び上述のプロセスで用いられるチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)の調製プロセスを以下で詳細に説明する。

0049

上記を考慮して、プロピレンホモポリマーは、フタル酸化合物、及びその各分解生成物、すなわち、チーグラー・ナッタ(ZN)触媒の内部ドナーとして一般的に用いられるフタル酸エステルを含まないことが理解される。好ましくは、プロピレンホモポリマーは、フタル酸化合物、及びその各分解生成物、すなわち、チーグラー・ナッタ(ZN)触媒の内部ドナーとして一般的に用いられるフタル酸化合物を含まない。

0050

本発明の意味において、フタル酸化合物を「含まない」という語は、フタル酸化合物、例えばフタル酸エステル及びその各分解生成物、好ましくはフタル酸化合物及びその各分解生成物が全く検出されないプロピレンホモポリマーを言う。

0051

ポリプロピレン組成物は、プロピレンホモポリマーが中心であるため、好ましくは、ポリプロピレン組成物は、フタル酸化合物及びその各分解生成物、より好ましくはフタル酸エステル及びその各分解生成物も含まない。

0052

同じ理由で、プロピレンホモポリマーについて上記で定義したメルトフローレート(MFR2)、冷キシレン可溶分(XCS)、アイソタクチシティ及び<2,1>部位欠陥の量に関する値は、ポリプロピレン組成物に同様に適用できるものである。

0053

すでに上述したように、プロピレンホモポリマーは、任意に逐次重合プロセスで作製される。

0054

「逐次重合系」という語は、プロピレンホモポリマーが直列に接続された少なくとも2つの反応器で作製されることを示す。

0055

従って、本重合系は、少なくとも第1重合反応器(R1)、及び任意で第2重合反応器(R2)、及び任意で第3重合反応器(R3)を含む。「重合反応器」という語は、主な重合が行われることを示すものである。このように、プロセスが2つの重合反応器からなる場合、この定義は、系全体が、例えば前重合反応器での前重合工程を含むという選択を除外しない。「からなる」という語は、主な重合反応器に関して限定的表現であるに過ぎない。

0056

2つの重合反応器(R1)及び(R2)の少なくとも1つは、気相反応器(GPR)であることが好ましい。任意の第2重合反応器(R2)及び任意の第3重合反応器(R3)は気相反応器(GPR)、すなわち、第1気相反応器(GPR1)及び第2気相反応器(GPR2)であることが更により好ましい。本発明による気相反応器(GPR)は、流動床反応器高速流動床反応器若しくは固定床反応器、又はそれらの任意の組み合わせであることが好ましい。

0057

従って、第1重合反応器(R1)はスラリー反応器(SR)であることが好ましく、バルク又はスラリー状態で作動する任意の連続若しくは単純撹拌回分槽反応器、又はループ反応器でよい。バルクとは、少なくとも60%(w/w)のモノマーを含む反応媒体での重合を意味する。本発明によれば、スラリー反応器(SR)は、(バルク)ループ反応器(LR)であることが好ましい。従って、ループ反応器(LR)内のポリマースラリーにおける、プロピレンホモポリマーの第1フラクション(第1F)(すなわち、第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1))の平均濃度は、ループ反応器(LR)内ポリマースラリーの全重量に基づいて、一般的に15質量%〜55質量%である。本発明の好ましい一実施形態において、ループ反応器(LR)内ポリマースラリーにおける第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)の平均濃度は、ループ反応器(LR)内ポリマースラリーの全重量に基づいて、20質量%〜55質量%、より好ましくは25質量%〜52質量%である。

0058

第1重合反応器(R1)のプロピレンホモポリマー、すなわち第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)、より好ましくは第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)を含有するループ反応器(LR)のポリマースラリーは、段階間フラッシュ工程なしに、第2重合反応器(R2)、すなわち(第1)気相反応器(GPR1)に直接供給されることが好ましい。この直接供給の種類は、欧州特許出願公開第887379号明細書、欧州特許出願公開第887380号明細書、欧州特許出願公開第887381号明細書、欧州特許出願公開第991684号明細書に記載されている。「直接供給」は、第1重合反応器(R1)、すなわちループ反応器(LR)の内容物である第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)を含むポリマースラリーが、次段階の気相反応器に直接導かれるプロセスを意味する。

0059

あるいは、第1重合反応器(R1)のプロピレンホモポリマー、すなわち第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)、より好ましくは第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)を含有するループ反応器(LR)のポリマースラリーは、第2重合反応器(R2)、すなわち気相反応器(GPR)に供給される前に、フラッシュ工程に送られてもよく、又は更なる濃縮工程を介してもよい。従って、この「間接供給」は、第1重合反応器(R1)、つまりループ反応器(LR)の内容物、すなわちポリマースラリーが、反応媒体分離装置及び分離装置からの気体としての反応媒体を介して、第2重合反応器(R2)、つまり(第1)気相反応器(GPR1)に供給されるプロセスを言う。

0060

より詳細には、第2重合反応器(R2)、及び任意の後続の反応器、例えば第3重合反応器(R3)は、気相反応器(GPR)であることが好ましい。このような気相反応器(GPR)は、任意の機械混合式反応器又は流動床反応器でよい。好ましくは、気相反応器(GPR)は、少なくとも0.2m/秒の気体速度を有する機械撹拌式流動床反応器を含む。このように、気相反応器は、好ましくは機械式スターラーを有する流動床型反応器であることが理解される。

0061

このように、好ましい実施形態において、第1重合反応器(R1)は、スラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)であり、一方任意の第2重合反応器(R2)及び任意の後続の反応器、例えば第3重合反応器(R3)は、気相反応器(GPR)である。従って、本プロセスの場合、直列接続された少なくとも1つ、好ましくは1つ又は2つの重合反応器(R1)及び(R2)、又は3つの重合反応器(R1)、(R2)及び(R3)、つまりスラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)、任意の(第1)気相反応器(GPR1)及び任意の第2気相反応器(GPR2)が用いられる。必要に応じて、スラリー反応器(SR)の前に、前重合反応器を置く。

0062

チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)は、第1重合反応器(R1)に供給され、第1重合反応器(R1)で得られるポリマー(スラリー)と共に、任意の後続の反応器に移される。

0063

プロセスが前重合工程も含むのであれば、全てのチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を前重合反応器に供給することが好ましい。続いて、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を含有する前重合生成物は、第1重合反応器(R1)に移される。

0064

好ましい多段階プロセスは、(BORSTAR(登録商標)技術として知られる)Borealis社により開発されたものなど、「ループ気相」プロセスであり、例えば欧州特許第0887379号明細書、国際公開第92/12182号、国際公開第2004/000899号、国際公開第2004/111095号、国際公開第99/24478号、国際公開第99/24479号又は国際公開第00/68315号などの特許文献に記載されている。

0065

更に、適当なスラリー−気相プロセスは、Basell社のSpheripol(登録商標)プロセスである。

0066

特に優れた結果は、反応器の温度を注意深く選択した場合に得られる。

0067

従って、第1重合反応器(R1)における動作温度は、62〜85℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは65℃〜82℃の範囲、更により好ましくは67℃〜80℃の範囲である。

0068

代替的に、又は前段落に追加的に、第2重合反応器(R2)及び任意の第3反応器(R3)における動作温度は、75℃〜95℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは78℃〜92℃の範囲である。

0069

第2重合反応器(R2)における動作温度は、第1重合反応器(R1)における動作温度以上であることが好ましい。従って、動作温度は、好ましくは、
(a)第1重合反応器(R1)において、62℃〜85℃の範囲、より好ましくは65℃〜82℃の範囲、更により好ましくは67℃〜80℃の範囲、例えば70℃〜80℃であり、
(b)第2重合反応器(R2)において、75℃〜95℃の範囲、より好ましくは78℃〜92℃の範囲、更により好ましくは78℃〜88℃の範囲であり、ただし、第2重合反応器(R2)における動作温度は、第1重合反応器(R1)における動作温度以上である。

0070

一般的に、第1重合反応器(R1)、好ましくはループ反応器(LR)における圧力は、20〜80バールの範囲、好ましくは30〜70バール、例えば35〜65バールであるが、第2重合反応器(R2)、すなわち(第1)気相反応器(GPR1)、及び任意で第3重合反応器(R3)などの任意の後続の反応器、例えば第2気相反応器(GPR2)における圧力は、5〜50バールの範囲、好ましくは15〜40バールである。

0071

分子量、すなわちメルトフローレートMFR2を制御するため、水素を各重合反応器に添加することが好ましい。

0072

平均滞留時間は、重合反応器(R1)及び(R2)でかなり長いことが好ましい。一般に、平均滞留時間(τ)は、反応器からの体積流量(Q0)に対する反応体積VR)の比率(すなわち、VR/Q0)、すなわちτ=VR/Q0[タウ=VR/Q0]として定義される。ループ反応器の場合、反応体積(VR)は、反応器の容積と等しい。

0073

従って、第1重合反応器(R1)における平均滞留時間(τ)は、好ましくは少なくとも15分、より好ましくは15〜80分の範囲、更により好ましくは20〜60分の範囲、例えば24〜50分の範囲であり、及び/又は第2重合反応器(R2)における平均滞留時間(τ)は、好ましくは少なくとも70分、より好ましくは70〜220分の範囲、更により好ましくは80〜210分の範囲、更により好ましくは90〜200分の範囲、例えば90〜190分の範囲である。好ましくは、第3重合反応器(R3)があれば、その平均滞留時間(τ)は、好ましくは少なくとも30分、より好ましくは30〜120分の範囲、更により好ましくは40〜100分の範囲、例えば50〜90分の範囲である。

0074

上記のように、プロピレンホモポリマーの調製は、少なくとも1つの重合反応器(R1と、任意のR2及びR3)におけるプロピレンホモポリマーの(主)重合に加えて、その前に、第1重合反応器(R1)の上流に、前重合反応器(PR)における前重合を含むことができる。

0075

前重合反応器(PR)において、ポリプロピレン(Pre−PP)が作製される。前重合は、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)の存在下で実施される。本実施形態によれば、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)、共触媒(Co)、及び外部ドナー(ED)は全て前重合工程に導入される。しかし、これは、後の段階で、例えば、更に共触媒(Co)及び/又は外部ドナー(ED)を重合過程、例えば、第1反応器(R1)に添加する選択を除外しない。一実施形態において、前重合が適用される場合、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)、共触媒(Co)、及び外部ドナー(ED)のみ、前重合反応器(PR)に添加される。

0076

一般的に、前重合反応は、0℃〜60℃、好ましくは15℃〜50℃、より好ましくは20℃〜45℃の温度で実施される。

0077

前重合反応器の圧力は重要ではないが、液相における反応混合物を維持するため、十分に高くなければならない。このように、圧力は20〜100バール、例えば30〜70バールでよい。

0078

好ましい実施形態において、前重合は、液状プロピレンにおけるバルクスラリー重合として実施される。すなわち、液相は主にプロピレンを含み、任意で、ここに不活性成分が溶解する。更に、本発明によれば、エチレン供給が上記のような前重合の間に使用される。

0079

他の成分を前重合段階にも添加することができる。このように、当分野で公知のように、ポリプロピレン(Pre−PP)の分子量を制御するため、前重合段階に水素を添加してもよい。更に、粒子が互いに、又は反応器の壁に接着するのを防止するため、帯電防止添加剤を使用してもよい。

0080

重合条件及び反応パラメータの正確な制御は、当分野の技術の範囲である。

0081

上に定義した前重合のプロセス条件により、好ましくは、前重合反応器(PR)で作製したチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)及びポリプロピレン(Pre−PP)の混合物(MI)が得られる。好ましくは、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)をポリプロピレン(Pre−PP)に(細かく)分散する。言い換えれば、前重合反応器(PR)に導入されたチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)粒子は、より小さい断片に分割され、これが成長するポリプロピレン(Pre−PP)内に均一に分配される。導入されたチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)粒子、及び得られたフラグメントの大きさは、本発明に本質的に関係なく、専門知識の範囲内である。

0082

上記のように、前重合を使用する場合、上述の前重合の後、前重合反応器(PR)で作製されたチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)及びポリプロピレン(Pre−PP)の混合物(MI)は、第1反応器(R1)に移される。一般的に、最終プロピレンコポリマー(R−PP)におけるポリプロピレン(Pre−PP)の全量は、かなり低く、一般的に5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更により好ましくは0.5〜4.0質量%の範囲、例えば1.0〜3.0質量%の範囲である。

0083

前重合を用いない場合、プロピレン及びチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)などの他の成分は、第1重合反応器(R1)に直接導入される。

0084

従って、プロピレンホモポリマーは、好ましくは、上記で設定した条件下で以下の工程:
(a)第1重合反応器(R1)、すなわちループ反応器(LR)において、プロピレンを重合して、プロピレンホモポリマー(H−PP)の第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)を得る工程と、
(b)任意に、上述の第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)を第2重合反応器(R2)に移す工程と、
(c)これにより、第2重合反応器(R2)において、第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)の存在下でプロピレンを重合して、プロピレンホモポリマーの第2プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP2)を得、上述の第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)及び上述の第2プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP2)がプロピレンホモポリマーを形成する工程と
を含むプロセスで作製される。

0085

上述のような前重合を工程(a)の前に完了することができる。

0086

<チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)、外部ドナー(ED)及び共触媒(Co)>
上で指摘したように、上に定義したプロピレンホモポリマーを調製する特定のプロセスにおいて、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を用いるべきである。従って、以下、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)をより詳細に説明する。

0087

本発明で用いる触媒は、固体のチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)であり、チタンなどのIUPACの第4〜6族遷移金属化合物(TC)、マグネシウムなどの第2族金属化合物(MC)、及び内部ドナー(ID)を含み、内部ドナーは、好ましくは非フタル酸化合物、より好ましくは非フタル酸エステル、更により好ましくは以下により詳細に記載する非フタル酸ジカルボン酸のジエステルである。このように、好ましくは、触媒は不要なフタル酸化合物を全く含まない。更に、固体触媒シリカ又はMgCl2など、任意の外部担体物質を含まないが、触媒は自己担持されている。

0088

チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を更に、得る方法により定義することができる。従って、好ましくは、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)は、
a)
a1)第2族金属化合物(MC)と、ヒドロキシル部分に加えて、少なくとも1つのエーテル部分を含む一価アルコール(A)との反応生成物である、少なくとも1つの第2族金属アルコキシ化合物(Ax)の、任意に有機液体反応媒体中の溶液を提供する工程、あるいは
a2)第2族金属化合物(MC)と、一価アルコール(A)及び式ROHの一価アルコール(B)のアルコール混合物との反応生成物である、少なくとも1つの第2族金属アルコキシ化合物(Ax’)の、任意に有機液体反応媒体中の溶液、あるいは
a3)第2族アルコキシ化合物(Ax)と、第2族金属化合物(MC)及び一価アルコール(B)の反応生成物である第2族金属アルコキシ化合物(Bx)との混合物の、任意に有機液体反応媒体中の溶液を提供する工程、あるいは
a4)式M(OR1)n(OR2)mX2−n−mの第2族アルコキシド、又は第2族アルコキシドM(OR1)n’X2−n’と、M(OR2)m’X2−m’との混合物の溶液を提供する工程(Mは第2族金属であり、Xはハロゲンであり、R1及びR2は異なるC2−C16炭素原子アルキル基であり、0≦n<2、0≦m<2及びn+m+(2−n−m)=2であり、ただしn及びm≠0、0<n’≦2及び0<m’≦2である)と、
b)上述の工程a)の溶液を少なくとも1つの第4〜6族遷移金属化合物(TC)に添加する工程と、
c)固体触媒成分粒子を得る工程と
を含むプロセスによって得られ、
内部電子ドナー(ID)、好ましくは非フタル酸内部ドナー(ID)を工程c)の前の任意の工程で添加する。

0089

好ましくは、内部ドナー(ID)又はその前駆体は、工程a)の溶液に添加される。

0090

上の手順により、物理的条件、特に工程b)及びc)で用いる温度に応じて、沈殿法、又はエマルション(液/液2相系)−固化法によって、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を得ることができる。

0091

どちらの方法(沈殿又はエマルション−固化)においても、触媒化学は同じである。

0092

沈殿法において、工程a)の溶液と工程b)の少なくとも1つの遷移金属化合物(TC)との結合が行われ、固体粒子形状の触媒成分の完全な沈殿(工程c)を確保するため、全反応混合物は、少なくとも50℃、より好ましくは55℃〜110℃の温度範囲、より好ましくは70℃〜100℃の範囲に維持される。

0093

エマルション−固化法において、工程b)では、工程a)の溶液は、一般的に−10〜50℃未満、好ましくは−5〜30℃などの低温で、少なくとも1つの遷移金属化合物(TC)に添加される。エマルションの撹拌中、一般的に、温度を−10〜40℃未満、好ましくは−5〜30℃に維持する。エマルションの分散相の液滴は、活性触媒組成物を形成する。液滴の固化(工程c)は、70〜150℃、好ましくは80〜110℃の温度にエマルションを加熱することにより適当に行う。

0094

好ましくは、エマルション−固化法により調製された触媒が、本発明で用いられる。

0095

好ましい実施形態において、工程a)では、a2)又はa3)の溶液、すなわち(Ax’)の溶液、又は(Ax)及び(Bx)の混合物の溶液が用いられる。

0096

好ましくは、第2族金属(MC)はマグネシウムである。

0097

マグネシウムアルコキシ化合物(Ax)、(Ax’)及び(Bx)は、触媒調製プロセスの第1工程である工程a)において、マグネシウム化合物を、上述のアルコールと反応させることにより、その場で調製することができる。あるいは、上述のマグネシウムアルコキシ化合物は、別途調製されたマグネシウムアルコキシ化合物でよく、又はすぐに使えるマグネシウムアルコキシ化合物としての市販品でもよく、本発明の触媒調製プロセスにおいて、それ自体を用いることができる。

0098

アルコール(A)の例示的な例は、2価アルコールのモノエーテルグリコールモノエーテル)である。好ましいアルコール(A)は、C2〜C4グリコールモノエーテルであり、エーテル部分は2〜18個の炭素原子、好ましくは4〜12個の炭素原子を含む。好ましい例は、2−(2−エチルヘキシルオキシエタノール、2−ブチルオキシエタノール、2−ヘキシルオキシエタノール、及び1,3−プロピレン−グリコールモノブチルエーテル、3−ブトキシ2−プロパノールであり、2−(2−エチルヘキシルオキシ)エタノール及び1,3−プロピレン−グリコール−モノブチルエーテル、3−ブトキシ−2−プロパノールが特に好ましい。

0099

例示的な一価アルコール(B)は式ROHのものであり、Rは直鎖又は分岐鎖のC6−C10アルキル残基である。最も好ましい一価アルコールは、2−エチル−1−ヘキサノール又はオクタノールである。

0100

好ましくは、Mgアルコキシ化合物(Ax)及び(Bx)の混合物、又はアルコール(A)及び(B)の混合物は、それぞれ、Bx:Ax又はB:Aのモル比が8:1〜2:1、より好ましくは5:1〜3:1で使用及び利用される。

0101

マグネシウムアルコキシ化合物は、上に定義したアルコールと、ジアルキルマグネシウムアルキルマグネシウムアルコキシドマグネシウムジアルコキシド、アルコキシマグネシウムハライド及びアルキルマグネシウムハライドから選択されるマグネシウム化合物との反応生成物でよい。アルキル基は、同じ又は異なるC1−C20アルキル、好ましくはC2−C10アルキルでよい。アルキル−アルコキシマグネシウム化合物が使用される場合、一般的なものは、エチルマグネシウムブトキシド、ブチルマグネシウムペントキシド、オクチルマグネシウムブトキシド、及びオクチルマグネシウムオクトキシドである。好ましくは、ジアルキルマグネシウムが用いられる。最も好ましいジアルキルマグネシウムは、ブチルオクチルマグネシウム又はブチルエチルマグネシウムである。

0102

マグネシウム化合物は、アルコール(A)及びアルコール(B)に加えて、式R’’(OH)mの多価アルコール(C)とも反応して、上述のマグネシウムアルコキシド化合物を得ることもできる。多価アルコールが使用される場合、好ましいものは、R’’が直鎖、環状又は分岐鎖のC2−C10炭化水素残基であり、mが2〜6の整数であるアルコールである。

0103

このように、工程a)のマグネシウムアルコキシ化合物は、マグネシウムジアルコキシド、ジアリールオキシマグネシウム、アルキルオキシマグネシウムハライドアリールオキシマグネシウムハライド、アルキルマグネシウムアルコキシド、アリールマグネシウムアルコキシド、及びアルキルマグネシウムアリールオキシドからなる群から選択される。また、マグネシウムジハライド及びマグネシウムジアルコキシドの混合物を用いることもできる。

0104

本触媒の調製に利用する溶媒は、炭素数5〜20、より好ましくは炭素数5〜12の芳香族、及び脂肪族の直鎖、分岐鎖及び環状の炭化水素、又はその混合物から選択してもよい。適当な溶媒としては、ベンゼン、トルエンクメンキシロールペンタン、ヘキサン、ヘプタンオクタン及びノナンが挙げられる。ヘキサン及びペンタンが特に好ましい。

0105

一般的に、Mg化合物は、上記に示したように、溶媒の10〜50質量%溶液として調製される。一般的な市販のMg化合物、特にジアルキルマグネシウム溶液は、20〜40質量%のトルエン又はヘプタン溶液である。

0106

マグネシウムアルコキシ化合物を調製する反応は、40〜70℃の温度で実施してもよい。最も適当な温度は、使用するMg化合物及びアルコールに応じて選択される。

0107

第4〜6族遷移金属化合物は、チタン化合物が好ましく、チタンハライド、例えばTiCl4が最も好ましい。

0108

本発明で使用される触媒の調製に使用される非フタル酸内部ドナー(ID)は、非フタル酸カルボン(二)酸の(ジ)エステル、1,3−ジエーテル、それらの誘導体及び混合物から選択されることが好ましい。特に好ましいドナーは、モノ不飽和ジカルボン酸のジエステルであり、特にマロン酸エステルマレイン酸エステルコハク酸エステルシトラコン酸エステル、グルタル酸エステル、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸エステル安息香酸エステル及びその任意の誘導体、並びに/又はそれらの混合物を含む群に属するエステルである。好ましい例は、例えば、置換マレイン酸エステル及びシトラコン酸エステルであり、シトラコン酸エステルが最も好ましい。

0109

エマルション法では、2相液−液系は、単に撹拌と、(更なる)溶媒及び添加剤、例えば、乱流最少化剤(TMA)及び/又は乳化剤及び/又は乳化安定剤、例えば界面活性剤の任意の添加と、によって形成することができる。これらの添加剤は、エマルションの形成を促進するため及び/又はエマルションを安定させるために、当分野で公知の方法で使用される。界面活性剤は、アクリル系又はメタクリル系ポリマーであることが好ましい。特に好ましくは、ポリヘキサデシル)−メタクリラート及びポリ(オクタデシル)−メタクリラート、並びにそれらの混合物などの分岐していないC12−C20(メタクリラートである。乱流最小化剤(TMA)を使用する場合、ポリオクテン、ポリノネンポリデセン、ポリウンデセン若しくはポリドデセンなどの炭素数6〜20のα−オレフィンモノマーのα−オレフィンポリマー、又はそれらの混合物から選択されることが好ましい。最も好ましいのは、ポリデセンである。

0110

沈殿又はエマルション−固化法により得られた固体粒状生成物は、少なくとも1回、好ましくは少なくとも2回、最も好ましくは少なくとも3回、芳香族及び/又は脂肪族炭化水素、好ましくはトルエン、ヘプタン又はペンタンで洗浄してもよい。蒸発又は窒素フラッシングにより、触媒を更に乾燥することができ、あるいは任意の乾燥工程は行わず、スラリー化して油性液体にすることができる。

0111

最終的に得られたチーグラー・ナッタ触媒は、平均粒子サイズが一般に5〜200μmの範囲、好ましくは10〜100である粒子の形状であることが望ましい。粒子は密で低空隙率を有し、表面積は20g/m2未満、より好ましくは10g/m2未満である。一般的に、触媒組成物のうち、Ti量は1〜6質量%、Mgは10〜20質量%、ドナーは10〜40質量%である。

0112

触媒を調製する詳細な説明は、国際公開第2012/007430号、欧州特許第2610271号明細書、欧州特許第261027号明細書、及び欧州特許第2610272号明細書に開示され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。

0113

チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)は、アルキルアルミニウム共触媒、及び任意で外部ドナーと併用されることが好ましい。

0114

本重合プロセスにおける更なる成分として、外部ドナー(ED)が存在することが好ましい。適当な外部ドナー(ED)としては、ある種のシラン、エーテル、エステル、アミンケトン複素環化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。シランを用いることが特に好ましい。一般式
RapRbqSi(ORc)(4−p−q)
のシランを用いることが最も好ましく、
式中、Ra、Rb及びRcは炭化水素基、特にアルキル又はシクロアルキル基を示し、p及びqは0〜3の数字であり、p+qの和は3以下である。Ra、Rb及びRcは互いに独立して選択され、同じでも異なってもよい。このようなシランの具体例は、(tert−ブチル)2Si(OCH3)2、(シクロヘキシル)(メチル)Si(OCH3)2、(フェニル)2Si(OCH3)2、及び(シクロペンチル)2Si(OCH3)2、又は一般式
Si(OCH2CH3)3(NR3R4)
のものであり、
式中、R3及びR4は同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。

0115

R3及びR4は、炭素数1〜12の直鎖脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12の分岐脂肪族炭化水素基、及び炭素数1〜12の環状脂肪族炭化水素基からなる群から独立して選択される。特に好ましくは、R3及びR4は、メチル、エチル、n−プロピルn−ブチル、オクチル、デカニル、iso−プロピル、iso−ブチル、iso−ペンチル、tert−ブチル、tert−アミルネオペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、及びシクロヘプチルからなる群から独立して選択される。

0116

より好ましくは、R1及びR2は同じであり、更により好ましくは、R3及びR4はどちらもエチル基である。

0117

特に好ましい外部ドナー(ED)は、ジシクロペンチルジメトキシシランドナー(Dドナー)又はシクロヘキシルメチルジメトキシシランドナー(Cドナー)である。

0118

チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)及び任意の外部ドナー(ED)に加えて、共触媒を用いることができる。共触媒は、周期表(IUPAC)の第13族の化合物であることが好ましく、例えば有機アルミニウムであり、アルミニウムアルキルアルミニウムハライド、又はアルミニウムアルキルハライド化合物アルミニウム化合物などである。従って、特定の一実施形態において、共触媒(Co)は、トリアルキルアルミニウム、例えばトリエチルアルミニウム(TEAL)、ジアルキルアルミニウムクロライド、若しくはアルキルアルミニウムジクロライド、又はそれらの混合物である。特定の一実施形態において、共触媒(Co)はトリエチルアルミニウム(TEAL)である。

0119

好ましくは、共触媒(Co)と外部ドナー(ED)の比率[Co/ED]及び/又は共触媒(Co)と遷移金属(Tm)の比率[Co/TM]は注意深く選択されるべきである。

0120

従って、
(a)共触媒(Co)の外部ドナー(ED)に対するモル比[Co/ED]は、5〜45の範囲でなくてはならず、好ましくは5〜35の範囲、より好ましくは5〜25の範囲であり、任意で
(b)共触媒(Co)のチタン化合物(TC)に対するモル比[Co/TC]は、80超500までの範囲でなくてはならず、好ましくは100〜350の範囲、更により好ましくは120〜300の範囲である。

0121

<成分(B)高分子核剤>
成分(B)として、高分子核剤、好ましくはビニル化合物のポリマー、より好ましくはビニルシクロアルカンモノマー又はビニルアルカンモノマーを重合することによって得ることができる高分子核剤が用いられる。

0122

高分子核剤は、次式
CH2=CH−CHR1R2 (II)
による重合ビニル化合物であることがより好ましく、
式中、R1及びR2は互いに結合して、任意で置換基を含有する5又は6員の飽和、不飽和又は芳香族環を形成し、あるいは独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、これによりR1及びR2が芳香環を形成する場合、−CHR1R2部分の水素原子は存在しない。

0123

更により好ましくは、核剤は、ビニルシクロアルカンポリマー、好ましくはビニルシクロヘキサンVCH)ポリマー、ビニルシクロペンタンポリマー、3−メチル−1−ブテンポリマー及びビニル−2−メチルシクロヘキサンポリマーから選択される。最も好ましい核剤は、ビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーである。

0124

上記のように、好ましい実施形態において、核剤は、高分子核剤、より好ましくは上に定義したような式(I)によるビニル化合物のポリマー、更により好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーである。

0125

核剤の量は、好ましくは10000重量ppm(ポリプロピレン組成物の全重量(100質量%)に基づく100万分の1を意味し、本明細書では簡単にppmと略記する)以下であり、ポリプロピレン組成物の全重量(100質量%)に基づき、より好ましくは6000ppm以下、更により好ましくは5000ppm以下である。

0126

核剤の量は、ポリプロピレン組成物の全重量(100質量%)に基づき、更により好ましくは500ppm以下であり、好ましくは0.025〜200ppm、より好ましくは0.1〜200ppm、より好ましくは0.3〜200ppm、最も好ましくは0.3〜100ppmである。

0127

好ましい実施形態において、核剤は高分子核剤であり、最も好ましくは上に定義した式(II)によるビニル化合物のポリマーであり、更により好ましくは上に定義したビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーである。上述の核剤(B)の量は、ポリプロピレン組成物の全重量(100質量%)に基づき、200ppm以下、より好ましくは0.025〜200ppm、より好ましくは0.1〜200ppm、より好ましくは0.3〜200ppm、最も好ましくは0.3〜100ppmである。

0128

核剤は、例えば、プロピレンホモポリマー(A)の重合プロセス中にプロピレンホモポリマー(A)に導入されてもよく、あるいは高分子核剤を含有する有核ポリマーと機械的に混合すること(いわゆるマスターバッチ技術)、又はプロピレンホモポリマー(A)を核剤自体と機械的に混合することにより、プロピレンホモポリマー(A)に組み込まれてもよい。

0129

このように、核剤をプロピレンホモポリマー(A)の重合プロセス中にプロピレンホモポリマー(A)に導入することができる。好ましくは、固体のチーグラー・ナッタ触媒成分、共触媒、及び任意の外部ドナーを含む上述の触媒系の存在下で上に定義した式(II)による上に定義したビニル化合物、更により好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)をまず重合することにより、核剤はプロピレンホモポリマー(A)に導入され、その後、上に定義した式(II)によるビニル化合物のポリマー、更により好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーと、触媒系との得られた反応混合物が用いられ、プロピレンホモポリマー(A)が作製される。

0130

ビニル化合物、例えばVCHの重合は、形成したポリマー(例えば、ポリVCH)を溶解しない任意の不活性液体中で行うことができる。最終触媒/重合ビニル化合物/不活性液体混合物の粘度を十分に高くして、保存及び輸送中に触媒粒子が沈殿することを確実に防止することは重要である。

0131

混合物の粘度調整をビニル化合物の重合前又は後のどちらかに行うことができる。例えば、低粘度油中で重合を行うことができ、ビニル化合物の重合後、高粘性物質を添加することによって粘度を調整することができる。このような高粘性物質は「ロウ状物質」であってよく、例えば油、又は油と固体若しくは高粘性物質(油−グリース)との混合物である。このような粘性物質の粘度は、室温で、普通1,000〜15,000cPである。「ロウ状物質」を用いる利点は、触媒の保存及びプロセスへの供給が改善されることである。洗浄、乾燥、ふるい分け移行を必要としないため、触媒活性が維持される。

0132

油と固体又は高粘性ポリマーとの重量比率は、5:1未満であることが好ましい。

0133

粘性物質に加えて、イソブタンプロパン、ペンタン及びヘキサンなどの液状炭化水素を修飾工程で媒体として用いることもできる。

0134

重合ビニル化合物で修飾した触媒を用いて作製したポリプロピレンは、遊離(未反応)ビニル化合物を本質的に含有しない。これは、ビニル化合物が触媒修飾工程で完全に反応することを意味する。

0135

更に、ビニル化合物の重合による触媒修飾の反応時間は、ビニルモノマーを完全に反応させるのに十分であるべきである。すなわち、(重合媒体及び反応物を含む)反応混合物において、未反応ビニル化合物の量が0.5質量%未満、特に(分析により示される)2000重量ppm未満になるまで重合は継続される。このように、前重合された触媒が最大で約0.1質量%のビニル化合物を含有する場合、ポリプロピレンにおけるビニル化合物の最終含有量は、GCMS法を用いた定量限界未満である(<0.01重量ppm)。一般に、工業規模操業する場合、少なくとも30分の重合時間が必要であり、重合時間は少なくとも1時間、特に少なくとも5時間であることが好ましい。6〜50時間の範囲の重合時間を用いることもできる。修飾は、10〜70℃、好ましくは35〜65℃の温度で行うことができる。

0136

この触媒修飾工程はBNT技術として知られており、高分子核剤を導入するため、上述の前重合工程中に実施される。

0137

このような修飾された触媒系ビニル化合物(II)の一般的な調製は、例えば欧州特許第1028984号明細書又は国際公開第00/6831号に開示されている。

0138

高分子核剤は、いわゆるマスターバッチ技術で添加するのが好ましく、すでに有核のポリマー、好ましくは高分子核剤を含有するプロピレンホモポリマー(マスターバッチ)をプロピレンホモポリマー(A)と混合する。

0139

このマスターバッチは、逐次重合プロセスでプロピレンを重合することにより調製することが好ましい。

0140

「逐次重合系」という語は、プロピレンホモポリマーが、直列に接続された少なくとも2つの反応器で作製されることを示す。従って、本重合系は、少なくとも第1重合反応器(R1)及び第2重合反応器(R2)、並びに任意に第3重合反応器(R3)を含む。「重合反応器」という語は、主な重合が行われることを示すものである。このように、プロセスが2つの重合反応器からなる場合、この定義は系全体が、例えば、前重合反応器での前重合工程を含むという選択を除外しない。「からなる」という語は、主な重合反応器に関して限定的表現であるにすぎない。

0141

2つの重合反応器(R1)及び(R2)の少なくとも1つは、気相反応器(GPR)であることが好ましい。第2重合反応器(R2)及び任意の第3重合反応器(R3)は、気相反応器(GPR)、すなわち第1気相反応器(GPR1)及び第2気相反応器(GPR2)であることが更により好ましい。本発明による気相反応器(GPR)は、流動床反応器、高速流動床反応器若しくは固定床反応器、又はそれらの任意の組合せであることが好ましい。

0142

従って、第1重合反応器(R1)は、スラリー反応器(SR)であることが好ましく、バルク又はスラリー状態で作動する任意の連続若しくは単純撹拌回分槽反応器、又はループ反応器でよい。バルクとは、少なくとも60%(w/w)のモノマーを含む反応媒体での重合を意味する。本発明によれば、スラリー反応器(SR)は、(バルク)ループ反応器(LR)であることが好ましい。従って、ループ反応器(LR)内のポリマースラリーにおける、プロピレンホモポリマーの第1フラクション(第1F)(すなわち、第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1))の平均濃度は、ループ反応器(LR)内ポリマースラリーの全重量に基づいて、一般的に15質量%〜55質量%である。本発明の好ましい一実施形態において、ループ反応器(LR)内ポリマースラリーにおける第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)の平均濃度は、ループ反応器(LR)内ポリマースラリーの全重量に基づいて、20質量%〜55質量%、より好ましくは25質量%〜52質量%である。

0143

第1重合反応器(R1)のプロピレンホモポリマー、すなわち第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)、より好ましくは第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)を含有するループ反応器(LR)のポリマースラリーは、段階間のフラッシュ工程なしに、第2重合反応器(R2)、すなわち(第1)気相反応器(GPR1)に直接供給されることが好ましい。この直接供給の種類は、欧州特許出願公開第887379号明細書、欧州特許出願公開第887380号明細書、欧州特許出願公開第887381号明細書、欧州特許出願公開第991684明細書に記載されている。「直接供給」は、第1重合反応器(R1)、すなわちループ反応器(LR)の内容物である第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)を含むポリマースラリーが、次段階の気相反応器に直接導入されるプロセスを意味する。

0144

あるいは、第1重合反応器(R1)のプロピレンホモポリマー、すなわち第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)、より好ましくは第1プロピレンホモポリマーフラクション(H−PP1)を含有するループ反応器(LR)のポリマースラリーは、第2重合反応器(R2)、すなわち気相反応器(GPR)に供給される前に、フラッシュ工程に送られてもよく、又は更なる濃縮工程を介してもよい。従って、この「間接供給」は、第1重合反応器(R1)、つまりループ反応器(LR)の内容物、すなわちポリマースラリーが、反応媒体分離装置及び分離装置からの気体としての反応媒体を介して、第2重合反応器(R2)、つまり(第1)気相反応器(GPR1)に供給されるプロセスを言う。

0145

より詳細には、第2重合反応器(R2)、及び任意の後続の反応器、例えば第3重合反応器(R3)は、気相反応器(GPR)であることが好ましい。このような気相反応器(GPR)は、任意の機械混合式反応器又は流動床反応器でよい。好ましくは、気相反応器(GPR)は、少なくとも0.2m/秒の気体速度を有する機械撹拌式流動床反応器を含む。このように、気相反応器は、好ましくは機械式スターラーを有する流動床型反応器であることが理解される。

0146

このように、好ましい実施形態において、第1重合反応器(R1)は、スラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)であり、一方、第2重合反応器(R2)及び任意の後続の反応器、例えば第3重合反応器(R3)は、気相反応器(GPR)である。従って、本プロセスの場合、直列接続された少なくとも2つ、好ましくは2つの重合反応器(R1)及び(R2)、又は3つの重合反応器(R1)、(R2)及び(R3)、つまりスラリー反応器(SR)、例えばループ反応器(LR)、(第1)気相反応器(GPR1)及び任意の第2気相反応器(GPR2)が用いられる。

0147

更に、プロセスは前重合工程を含み、まず上に定義した高分子核剤、好ましくは上に定義した式(II)によるビニル化合物、更により好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)が、成分(A)について上述したような固体のチーグラー・ナッタ触媒成分、共触媒及び任意の外部ドナーを含む触媒系の存在下で重合される。

0148

このようにして得られた上に定義した式(II)によるビニル化合物のポリマー、更により好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーと、触媒系との反応混合物は、その後、第1重合反応器(R1)に導入される。

0149

高分子核剤を用いた触媒系の修飾、いわゆるBNT技術を上に説明している。

0150

作製した高分子核剤を含有するプロピレンホモポリマーはいわゆる担体ポリマーである。

0151

核剤が、担体ポリマーと共にマスターバッチの形状で添加されるのであれば、マスターバッチにおける核剤の濃度は、少なくとも10ppm、一般的に少なくとも15ppmである。この核剤は、好ましくは10〜2000ppmの範囲、より好ましくは15超1000ppmまで、例えば20〜500ppmでマスターバッチに存在する。

0152

上述のように、担体ポリマーはプロピレンホモポリマーであることが好ましく、成分(A)について上述したような触媒系を用いて作製され、1.0〜800g/10分の範囲、好ましくは1.5〜500g/10分、より好ましくは2.0〜200g/10分、及び最も好ましくは2.5〜150g/10分のMFR2(230℃/2.16kg)を有する。

0153

担体ポリマーは、成分(A)として上に定義したプロピレンホモポリマーに非常に類似した融点を有するアイソタクチックプロピレンホモポリマーであることがより好ましい。そのため、担体ポリマーは、150℃以上、すなわち150〜168℃以上、より好ましくは少なくとも155℃、すなわち155〜166℃の範囲の融解温度Tmを有し、示差走査熱量測定法(DSC)により測定される。

0154

核剤がマスターバッチの形状で添加されるのであれば、添加されるマスターバッチの量は、ポリプロピレン組成物の全重量に基づき、1.0〜10質量%の範囲、好ましくは1.5〜8.5質量%、及びより好ましくは2.0〜7.0質量%である。

0155

<ポリプロピレン組成物>
発明のポリプロピレン組成物は、成分(A)として上に定義したプロピレンホモポリマー、及び成分(B)として上に定義した高分子核剤を含む。

0156

上記のように、プロピレンホモポリマーについて上に定義した、メルトフローレート(MFR2)、冷キシレン可溶分(XCS)、アイソタクチシティ及び<2,1>部位欠陥の量に関する値は、ポリプロピレン組成物に同様に適用される。

0157

同じことがプロピレンホモポリマーの融解温度にもあてはまり、これもポリプロピレン組成物に同様に適用される。

0158

プロピレンホモポリマーを作製するための重合プロセス後、マスターバッチの形状で高分子核剤をプロピレンホモポリマーに添加するのであれば、有核ポリプロピレン組成物の結晶化温度は、成分(A)として用いられるプロピレンホモポリマーの結晶化温度より高い。

0159

上述のBNT技術により修飾した触媒系の使用により、高分子核剤をプロピレンホモポリマーに導入するのであれば、プロピレンホモポリマーの結晶化温度もポリプロピレン組成物に同様に適用される。

0160

このように、本発明によるポリプロピレン組成物は、
i)プロピレンホモポリマーについて上述したように(好ましい範囲を含む)、90〜5000g/10分の、ISO 1133により測定されるメルトフローレートMFR2(230℃/2.16kg)、
ii)<45℃、好ましくは<43℃、より好ましくは<42℃、最も好ましくは<40℃の、融解温度(Tm)と結晶化温度(Tc)との差(Tm−Tc)
を有する。

0161

好ましい実施形態において、組成物は、プロピレンホモポリマーについて上述したように、フタル酸化合物、及びその各分解生成物を含まない。

0162

本発明のポリプロピレン組成物は、更なる成分、すなわち、更なる当該分野で公知の添加剤を5.0質量%以下、例えば3.0質量%以下(高分子核剤を導入するための任意のマスターバッチの量を含まない)で含んでもよい。

0163

例えば、本発明のポリプロピレン組成物は、抗酸化物質、安定剤、フィラー着色剤帯電防止剤からなる群から選択される少量の添加剤を更に含んでもよい。一般に、これらは、重合で得られる粉状生成物の造粒中に取り込まれる。

0164

本ポリプロピレン組成物は、メルトブローン繊維、又はメルトブローンウェブ、又は物品の調製のため、ペレット又は顆粒状で用いられることが好ましい。

0165

更に、本発明はまた、上に定義したポリプロピレン組成物から作られたメルトブローン繊維を対象とする。このように、本発明は特に、平均繊度が5μm以下であるメルトブローン繊維を対象としている。更に、メルトブローン繊維は、メルトブローン繊維の全重量に基づき、少なくとも95.0質量%の上に定義したポリプロピレン組成物を含むことが好ましく、上に定義したポリプロピレン組成物からなることがより好ましい。

0166

本発明は、メルトブローン繊維自体を対象とするだけでなく、それから作られるウェブ(MBW)などの物品も対象とする。従って、本発明はまた、上に定義したメルトブローン繊維及び/又はポリプロピレン組成物を含むメルトブローンウェブを対象とする。更に、本発明はまた、ろ過媒体(ろ過材)、おむつ、生理用ナプキン、パンティライナー、成人用失禁用製品、防護衣、手術用ドレープ、手術ガウン、及び手術衣一般からなる群から選択される物品を対象とし、メルトブローン繊維及び/又はメルトブローンウェブ(MBW)を、物品の全量に基づき、好ましくは少なくとも80.0質量%の量、より好ましくは95.0質量%の量で含む。本発明の一実施形態において、物品は、メルトブローン繊維及び/又はメルトブローンウェブ(MBW)からなる。

0167

メルトブローンウェブの単位面積当たりの重量は、最終用途に非常に依存するが、好ましくは、メルトブローンウェブにおける単位面積当たりの重量は、少なくとも1g/m2、好ましくは1〜250g/m2の範囲である。

0168

本発明によるメルトブローンウェブが(例えば、空気ろ過目的の)単層ウェブとして作製される場合、単位面積当たりの重量は、少なくとも5g/m2、より好ましくは少なくとも10g/m2、更により好ましくは5〜250g/m2の範囲、更により好ましくは10〜200g/m2の範囲である。

0169

本発明によるメルトブローンウェブは、スパンボンドウェブ層、メルトブローンウェブ層、及び別のスパンボンドウェブ層(例えば、衛生用途)を含む、好ましくはこれらからなるSMSウェブなどの多層構造の一部として作製される場合、このメルトブローンウェブにおける単位面積当たりの重量は、少なくとも0.8g/m2、より好ましくは少なくとも1g/m2、更により好ましくは1〜30g/m2の範囲、更により好ましくは1.3〜20g/m2の範囲である。あるいは、多層構造はまた、SSMMS構造などの多数のメルトブローンウェブ層及びスパンボンドウェブ層を含むこともできる。

0170

本発明によるメルトブローンウェブは、改善又は最適化された圧力損失と水頭との間の関係を有することが理解され、好ましくは、500〜2,000mm/秒の範囲の透気度で改善又は最適化される。

0171

このように、改善又は最適化されたメルトブローンウェブの圧力損失と水頭との間の関係は、好ましくは、水頭(HH−ウェブ)に対する圧力損失(PD−ウェブ)の比率[(PD−ウェブ)/(HH−ウェブ)]により表され、≦0.88、好ましくは≦0.85、より好ましくは≦0.82、更により好ましくは≦0.8、最も好ましくは0.40〜0.88の範囲であり、
式中、
(PD−ウェブ)は、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2であるメルトブローンウェブのDIN ISO 9237により測定される圧力損失(Pa)であり、透気度は500〜2,000mm/秒の範囲であり、
(HH−ウェブ)は、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2であるメルトブローンウェブの標準試験WSP80.6(09)により測定される水頭(3滴目、cmH2O、ミリバールも同様)である。

0172

本発明によるメルトブローンウェブは、改善された熱機械特性を有することが更に理解される。

0173

本発明によるメルトブローンウェブは、高分子核剤を含有しないポリプロピレン組成物から作製したメルトブローンウェブと比較して、同じ溶融温度、同じウェブ重量で、縦方向及び横方向に、より高い破断力値を示す。

0174

この効果は、より高い適用温度で、更により顕著である。

0175

更に、本発明は、本明細書で定義したようなメルトブローン繊維(MBF)、メルトブローンウェブ(MBW)又は物品を調製するための、本発明のポリプロピレン組成物の使用を対象とする。

0176

別の態様によれば、本発明は、500〜2000mm/秒の透気度での、メルトブローンウェブの圧力損失と水頭との間の関係と、同時に熱機械特性とを改善するための、本明細書で定義したポリプロピレン組成物の使用を対象とする。

0177

特に、圧力損失と水頭との間の関係の改善は、不等式(I)
(PD−ウェブ)/(HH−ウェブ)≦0.88 (I)
により定義され、
式中、
(PD−ウェブ)は、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2であるメルトブローンウェブのDIN ISO 9237により測定される圧力損失(Pa)であり、
(HH−ウェブ)は、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2であるメルトブローンウェブの標準試験WSP80.6(09)により測定される水頭(3滴目、cmH2O、ミリバールも同様)である。

0178

好ましくは、圧力損失と水頭との間の関係の改善は、不等式(Ia)、より好ましくは不等式(Ib)、更により好ましくは不等式(Ic)により定義され、
(PD−ウェブ)/(HH−ウェブ)≦0.88 (Ia)
(PD−ウェブ)/(HH−ウェブ)≦0.85 (Ib)
(PD−ウェブ)/(HH−ウェブ)≦0.83 (Ic)
式中、
(PD−ウェブ)は、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2であるメルトブローンウェブのDIN ISO 9237により測定される圧力損失(Pa)であり、
(HH−ウェブ)は、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2であるメルトブローンウェブの標準試験WSP80.6(09)により測定される水頭(3滴目、cmH2O、ミリバールも同様)である。

0179

ウェブの熱機械特性も改善し、すなわちウェブは、非有核ポリプロピレン組成物で作製したウェブよりも、縦横方向により高い引張パラメータを示し、高温での伸長が低下する。

0180

実験パート
A.測定方法
用語及び定量方法の以下の定義は、他に定義されない限り、特許請求の範囲及び以下の実施例を含む本発明の上記一般的説明にも適用される。

0181

NMR分光法による微細構造の定量化
定量核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて、プロピレンホモポリマーのアイソタクチシティ及びレジ規則性を定量した。

0182

定量13C{1H}NMRスペクトルを、1H及び13Cについてそれぞれ400.15及び100.62MHzで稼働するBruker AdvanceIII400NMR分光計を用いて、溶液状態で記録した。全てのスペクトルは、13Cに最適化された10mm延長温度プローブヘッドを用い、125℃で、全空気圧について窒素ガスを用いて記録した。

0183

プロピレンホモポリマーのについて、約200mgの材料を、1,2−テトラクロロエタン−d2(TCE−d2)に溶解した。確実に均質な溶液とするため、ヒートブロックにおける最初のサンプル調製後、少なくとも1時間、回転炉NMR試料管を更に加熱した。マグネットに挿入し、試料管を10Hzで回転させた。主に立体規則性分布の定量に必要な高分解能のために、この設定を選択した(Busico,V.,Cipullo,R.,Prog.Polym.Sci.26(2001)443;Busico,V.;Cipullo,R.,Monaco,G.,Vacatello,M.,Segre,A.L.,Macromolecules30(1997)6251)。NOE及びバイレベルALTZ16デカップリングスキームを利用して、標準的なシングルパルス励起を使用した(Zhou,Z.,Kuemmerle,R.,Qiu,X.,Redwine,D.,Cong,R.,Taha,A.,Baugh,D.Winniford,B.,J.Mag.Reson.187(2007)225;Busico,V.,Carbonniere,P.,Cipullo,R.,Pellecchia,R.,Severn,J.,Talarico,G.,Macromol.Rapid Commun.2007,28,11289)。スペクトル当たり合計8192(8k)のトランジェントが得られた。

0184

定量13C{1H}NMRスペクトルを処理、積分し、関連する定量的性質を、専用のコンピュータプログラムを用いて、積分値から決定した。

0185

プロピレンホモポリマーについて、全ての化学シフトは、21.85ppmのメチルアイソタクチックペンタッド(mmmm)を内部標準とする。

0186

部位欠陥又はコモノマーに相当する特徴的な信号(Resconi,L.,Cavallo,L.,Fait,A.,Piemontesi,F.,Chem.Rev.2000,100,1253;;Wang,W−J.,Zhu,S.,Macromolecules33(2000),1157;Cheng,H.N.,Macromolecules17(1984),1950)が観察された。

0187

立体規則性分布を、目的の立体配列に関係しない任意の部位を補正し、23.6〜19.7ppmのメチル領域の積分により定量した(Busico,V.,Cipullo,R.,Prog.Polym.Sci.26(2001)443;Busico,V.,Cipullo,R.,Monaco,G.,Vacatello,M.,Serge,A.L.,Macromolecules30(1997)6251)。

0188

詳細には、立体規則性分布の定量に対する部位欠陥及びコモノマーの影響を、立体配列の特定の積分領域から、代表的な部位欠陥及びコモノマー積分値を引くことにより補正した。

0189

アイソタクチシティをペンタッドレベルで決定し、全てのペンタッド配列に対するアイソタクチックペンタッド(mmmm)配列の百分率として報告した。
[mmmm]%=100*(mmmm/全ペンタッドの和)

0190

2,1エリトロ部位欠陥の存在は、17.7及び17.2ppmの2つのメチル部位の存在により示され、他の特徴的部位により確認された。他のタイプの部位欠陥に相当する特徴的シグナルは確認されなかった(Resconi,L.,Cavallo,L.,Fait,A.,Piemontesi,F.,Chem.Rev.2000,100,1253)。

0191

2,1エリトロ部位欠陥の量は、17.7及び17.2ppmの2つの特徴的メチル部位の平均積分値を用いて定量した。
P21e=(Ie6+Ie8)/2

0192

1,2一次挿入プロペンの量は、メチル領域に基づいて定量した。この時、この領域に含まれる一次挿入に関係しない部位と、この領域から除外された一次挿入部位とについて、補正を行った。
P12=ICH3+P12e

0193

プロペンの全量は、一次挿入プロペンと、他の全ての部位欠陥との和として定量した。
Ptotal=P12+P21e

0194

2,1エリトロ部位欠陥のモルパーセントを全プロペンに対して定量した。
[21e]モル%=100*(P21e/Ptotal)

0195

MFR2(230℃)をISO 1133(230℃、2.16kg荷重)により測定する。

0196

室温でのキシレン可溶フラクション(XS、質量%):キシレン可溶ポリマー量は、25℃で、ISO 16152、第5版、2005−07−01によって決定する。

0197

DSC分析、融解温度(Tm)、融解エンタルピー(Hm)、結晶化温度(Tc)及び結晶化エンタルピー(Hc):TA Instrument Q200示差走査熱量測定法(DSC)を用い、5〜7mgのサンプルについて測定した。DSCは、ISO 11357/パート3/方法C2により、加熱/冷却/加熱サイクルで、10℃/分のスキャン速度、−30℃〜+225℃の温度範囲で実施する。結晶化温度(Tc)及び結晶化エンタルピー(Hc)を冷却工程から決定し、一方、融解温度(Tm)及び融解エンタルピー(Hm)をそれぞれ第2加熱工程から、ウェブの場合は第1加熱工程から決定する。

0198

ウェブの坪量
ウェブの単位重量(坪量)g/m2をISO 536:1995に従って決定した。

0199

ウェブの平均繊維径
走査電子顕微鏡(SEM)を用いて数平均繊維径を決定した。ウェブの代表的な部分を選択し、適当な倍率SEM顕微鏡写真を記録した後、繊維20本の径を測定し、数平均を計算した。

0200

水頭
静水圧試験によって決定した水頭又は耐水性を、2009年12月に公開されたWSP(Worldwide strategic partners)標準試験のWSP 80.6(09)によって決定する。次に、この業界基準はISO 811:1981に基づいており、試験液として精製水、10cm/分の水圧上昇率を用い、23℃で100cm2の試料を使用する。本試験におけるXcmのH2O柱高は、Xミリバールの圧力差に相当する。

0201

透気度
透気度を、100Paの圧力差でDIN ISO 9237に従って決定した。この透気度は、ウェブ試料を垂直に通過する気流の速度として定義される。

0202

ろ過効率
空気ろ過効率を、400cm2の試験ろ過面積を用い、平面シートろ過材について、EN1822−3に基づき決定した。粒子保持力セバシン酸ジ−エチル−ヘキシル(DEHS)の通常のエアロゾルを用いて試験し、0.1μmスケールクラス分析から0.4μm径フラクションについての効率を計算した。0.11m・s−1の風速に相当する16m3・h−1の気流を用いた。

0203

圧力損失
圧力損失を、風速(透過性)500mm/秒で、DIN ISO 9237によって測定した。

0204

ウェブの引張試験
試験をISO/DIS 9073−5に関係するEdana標準WSP11 110.4(09)に従って実施し、500mm幅の10サンプルを用いた。試験開始時クランプの距離が100mm、試験速度が100mm/分で、試験の間一定であった。全てのパラメータ(縦、横方向)を23℃で決定し、また最大力及び関連する最大力時の歪み(どちらも縦方向)のみを80℃で決定した。

0205

B.実施例
本発明例(IE)及び比較例(CE)のプロピレンホモポリマーについての重合プロセスで用いられる触媒を、以下のように調製した。

0206

使用化学物質
ブチルエチルマグネシウム(Mg(Bu)(Et)、BEM)の20%トルエン溶液(Chemtura社製)
2−エチルヘキサノール(Amphochem社製)
3−ブトキシ−2−プロパノール−(DOWANOL(商標)PnB)(Dow社製)
ビス(2−エチルヘキシル)シトラコナート(SynphaBase社製)
TiCl4(MilleniumChemicals社製
トルエン(Aspokem社製)
Viscoplex(登録商標)1−254(Evonik社製)
ヘプタン(Chevron社製)

0207

Mgアルコキシ化合物の調製
20lステンレス製反応器で、11kgのブチルエチルマグネシウム(Mg(Bu)(Et))の20質量%トルエン溶液に、撹拌(70rpm)しながら、2−エチルヘキサノール4.7kg及びブトキシプロパノール1.2kgの混合物を添加することにより、Mgアルコキシド溶液を調製した。添加中、反応器内容物を45℃未満に維持した。添加終了後、反応混合物を60℃で30分間、混合し続けた(70rpm)。室温に冷却後、ドナーのビス(2−エチルヘキシル)シトラコナート2.3kg gを、温度を25℃未満に維持し、Mgアルコキシド溶液に添加した。撹拌(70rpm)下、混合を15分間継続した。

0208

固体触媒成分の調製
20.3kgのTiCl4及び1.1kgのトルエンを20lステンレス製反応器に添加した。350rpmの混合下、0℃の温度を維持し、実施例1で調製したMgアルコキシ化合物14.5kgを、1.5時間かけて添加した。1.7LのViscoplex(登録商標)1−254及び7.5kgのヘプタンを添加し、0℃で1時間混合後、形成したエマルションの温度を1時間以内に90℃まで上げた。30分の混合を停止後、触媒液滴が固化し、形成した触媒粒子を沈殿させた。沈殿後(1時間)、上清を除去した。その後、触媒粒子を90℃で20分間、トルエン45kgで洗浄後、ヘプタン洗浄を2回行った(30kg、15分)。1回目のヘプタン洗浄中に、温度を50℃まで低下させ、2回目の洗浄中に、室温まで低下させた。

0209

このように得られた触媒を、共触媒としてトリエチルアルミニウム(TEAL)及びドナーとしてシクロヘキシルメチルジメトキシシラン(Cドナー)又はジ(シクロペンチル)ジメトキシシラン(Dドナー)と共に用いた。

0210

アルミニウム/ドナー比率、アルミニウム/チタン比率、及び重合条件を表1及び2に示す。

0211

ループ反応器及び気相反応器を有するBorstarパイロットプラントで重合を実施した。

0212

0213

プロピレンホモポリマーは、400ppmのステアリン酸カルシウム(CASNo.1592−23−0)と、1,000ppmのIrganox1010(BASFAG社、ドイツ)(ペンタエリスリチルテトラキス(3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオナート、CASNo.6683−19−8)と混合されている。

0214

第2工程において、プロピレンホモポリマーを、200〜230℃で共回転2軸押出機を用い、適量の(tert−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン(Trigonox101、Akzo Nobel社、オランダ)でビスブレーキングして、目的MFR2の800g/10分が得られる。

0215

ビスブレーキングしたプロピレンホモポリマーそれ自体を比較例で用いた。

0216

本発明例の場合、ビスブレーキングしたプロピレンホモポリマーを、高分子核剤及びプロピレンホモポリマーを含有する担体としてのマスターバッチと配合した。

0217

上述のように調製した触媒の存在下、追加の修飾工程でプロピレンを重合することにより、マスターバッチが得られた。

0218

重合前に、最終のポリマーにおいて、ポリ(ビニルシクロヘキサン)(PVCH)の濃度が120ppmに達する量のビニルシクロヘキサンと、上述のように調製した触媒を前重合した。各プロセスは、欧州特許第1028984号明細書及び欧州特許第1183307号明細書に記載されている。

0219

高分子核剤を含有する担体ポリマーの重合を、ループ反応器及び気相反応器を有するBorstarパイロットプラントで実施した。

0220

0221

プロピレンホモポリマーは、0.15質量%のIrganoxB215FF(BASF社製)、及び0.15質量%のステアリン酸カルシウム(CASNo.1592−23−0)と混合されており、ペレット化されている。

0222

このように得られたペレットは、13C−NMR分光法によって決定した場合、MFRが6.5、Tcが129℃、アイソタクチシティが97.2モル%であった。

0223

本発明の実施例について、上述のように得られたビスブレーキングしたプロピレンホモポリマー95質量%を、上述のように調製したマスターバッチ5質量%と配合した。この目的のため、200〜230℃の共回転2軸押出機での溶融混合を用いた。

0224

ポリプロピレン組成物(CEプロピレンホモポリマーのみ;IEプロピレンホモポリマー+マスターバッチ)を、出口径0.4mmの470穴、1インチ当たり35穴を有する紡糸口金を用いて、Reicofil MB250ラインで、メルトブローンウェブに変換した。異なる溶融温度、処理量、DCD(ダイと収集器の距離)及び風量でウェブを作製した。

0225

メルトブローンウェブの加工条件及び性質を表3、4、5、6に示す。

0226

0227

0228

図1は、本発明例IE及びCEに関するプロセス条件を適合させ、単位面積当たりの重量が9.5±1.0g/m2での圧力損失と水頭との間の関係に関するメルトブローンウェブの性能を要約している。

0229

図1から、本発明例IEから得られたメルトブローンウェブにおいて、圧力損失と水頭との間の関係が改善又は最適化されていると結論付けることができる。水頭は、比較組成物よりも、発明の組成物でより高くなることを明らかに示している。

0230

0231

表5は、ウェブに関する本発明例及び比較例のDSCの結果を示す。Tcは、BNTを用いれば125℃、BNTを用いなければ115℃である。このように、PVCHを添加することで、極端低濃度(約1ppm)でさえ、Tcは10℃上昇し、BNTの優れた分散及び高い核形成効率を明らかに示す。また、プロセス条件下、ウェブは、特に高い融解温度で、より高いHmを有し、これは結晶化度がより高いことを意味する。

0232

実施例

0233

図2は、ウェブの機械的性質を示す。同じ溶融温度及びウェブ重量で、BNTにより、TD及びMD方向両方の機械的性質は改善される。その効果は、上述したDSCの結果(表6を参照のこと)に従って、80℃のより高い適用(試験)温度で、更により顕著である。

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