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技術 ブチリデンフタリドの用途、その使用方法及びそれを使用して医薬組成物を製造する方法

出願人 易珈生技股ふん有限公司
発明者 蘇鴻麟張嘉佑黄効民盧懐恩韓鴻志林欣栄頼秉杉
出願日 2014年7月28日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2017-504015
公開日 2017年8月3日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2017-521467
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 特定効果 成長状況 分子間引力 美容製品 トライアド ブチリデンフタリド 研究課題 両性物質
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重要な関連分野

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図面 (12)

課題

本発明はブチリデンフタリドの用途、その使用方法及びそれを使用して医薬組成物を製造する方法を開示する。

解決手段

ブチリデンフタリドは毛髪成長を促進して、神経細胞内のβ-アミロイドタンパク質含有量を低下させる能力を有するため、有効量のブチリデンフタリドを生体投与することによって対象の健康及び外貌を改善する効能を果たし、具体的には、ブチリデンフタリドは、β-アミロイドタンパク質の細胞内での過剰な蓄積による神経変性疾患、例えばアルツハイマー病に対して、予防又は治療の効能を有し、且つ、ブチリデンフタリドは外用組成物活性成分として、投与部位での毛髪成長を効果的に促進できる。また、本発明で開示される医薬組成物の製造方法は、有機合成反応により該医薬組成物を製造することであり、例えば、F127のような高分子物質とブチリデンフタリドとの間に共有結合を発生させて、高分子物質をブチリデンフタリドに被覆することにより、医薬組成物による生体細胞の毒性を軽減させる効果を果たす。

概要

背景

現代人の寿命延長しているが、高齢化及び生活上のストレスが高まるにつれて、体の健康を害する様々疾患や、容姿老化に悩んでいる人が多くなっている。具体的には、アルツハイマー病発症率が世界最高である神経変性疾患のうちの一種であり、脳内にβ-アミロイドタンパク質が過剰に蓄積して、Aβプラークを形成すること(Glenner and Wong 1984;Masters, C. L. et al., 1985)、及び細胞内の神経原線維変化(Grundke−Iqbal, I. et al., 1986; Goedert, M. et al., 1988)がその主な病理学的特徴である。Aβプラークはアミロイドタンパク質前駆体が、BACE酵素(Hussain, I. et al., 1999; Vassar, R. et al.,1999)及びγセクレターゼにより切断されて発生するものであり(Wolfe, M. S. et al., 1999;Yu, G. et al., 2000)、主にAβ40及びAβ42の2種の形式を含む(Jarrett, J. T. et al., 1993)。細胞内外に大量のβ-アミロイドタンパク質が蓄積すると、神経細胞死亡を引き起こす要因となっている。

ダウン症患者は21番染色体減数分裂する時に、染色体分離ムラが発生して、細胞内に余分な染色体が1本存在することで発症する。アミロイドタンパク質前駆体の遺伝子が21番染色体に位置するため(Rumble, B. et al., 1989; Selkoe, D. J., 1996)、アミロイドタンパク質前駆体の過剰発現がダウン症患者の早発性認知障害病症を引き起こすと考えられる(Burger, P. C. and F. S. Vogel, 1973)。従来の多くの研究が示すように、Aβプラークはダウン症患者の脳内に発生する(Masters, C. L. et al., 1985;Beyreuther, K. et al., 1992;Gyure, K. A. et al., 2001;Mor, C. et al., 2002)。また、別の研究によれば、ダウン症患者由来人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells、 iPSCs)が生じた神経細胞を使用して、アルツハイマー病の典型的な病理学的特徴、例えばAβ42及びAβ40の蓄積、高度にリン酸化したTauタンパク質等を再現できる。従って、ダウン症患者由来の人工多能性幹細胞分化ステムはβ-アミロイドタンパク質に関連する神経変性疾患を選別治療又は予防する薬物プラットフォームとして使用できる。

現在、臨床上、アルツハイマー病を治療する薬物は、コリンエステラーゼ阻害剤(Birks, J., 2006)及びNMDA受容体拮抗薬(McShane, R. et al., 2006)があり、該2種の薬物は全てアルツハイマー病患者認知機能改善に有効であるが、アルツハイマー病に起因する疾患、例えばうつ病不眠症等を治療するには、他の適切な薬物が必要であり(Tariot, P. N. et al., 2004;Feldman, H. et al., 2006; Howard, R. et al., 2012)、且つ、該2種の薬物は疾患を改善するだけで、アルツハイマー病を治癒することができない(Farlow, M. R. et al., 2010)。それ以外、多数の研究では、脳内のAβ蓄積を減少させることに基づいてアルツハイマー病を治療する新薬を設計するものであり(Hong−Qi, Y. et al., 2012)、具体的には、BACE阻害剤、例えばMK−8931及びACI−91(Mullard A., 2012)、又はγセクレターゼ阻害剤、例えばLY450139(Siemers、 E. et al., 2005)及びBMS−708163(Tong、 G. et al., 2012)、又は免疫経路によりAβを抑制する抗体等が含まれる。

更に、部分的な脱毛又は薄毛等が対象の体の健康に悪影響を及ぼすことはないが、それにより対象の容姿が悪くなる。研究によれば、薄毛により気分が悪くなったり、社交的活動の参加が怖くなったりして、社交不安障害自信不足自己同一性障害等の心理的な問題を引き起こす恐れがある。従って、脱毛又は薄毛は現代人により益々重視されてきた課題となる。

髪を洗う習慣や、ダイエットを改善することで毛髪の抜けを緩和させるほか、従来、民間では、脱毛改善又は毛髪成長促進用の製品が多数あり、血管拡張薬プロスタグランジンに関連する誘導体の2種に大別される。更に、血管拡張薬のうち、商品名がミノキシジル(Messenger A.G. et al., 2004)である「ロゲイン」は最も有名であり、主成分が2,4−ジアミノ−6ピペリジニルピリミジン−3−オキサイドであり、しかしながら、ロゲインはすべての部分的な薄毛に良好な効果を果たすのではなく、更に、製品使用中に有効であるが、一旦製品の使用を中止したら、新しく成長した毛髪が再び抜けてしまう。プロスタグランジンF2α及びプロスタグランジンE2について、睫毛と髪の成長を促進できるという報道があり(Woodward, D.F. et al., 2013)、しかしながら、使用者に例えば発赤アレルギー色素沈着等の副作用が発生し、更に、一旦使用を中止したら、新しく成長した毛髪は再び抜けてしまう。

ブチリデンフタリドは、例えばセリ科又はキク科植物天然植物に存在し、アセトン又はクロロホルムで抽出して得る。従来の研究によれば、ブチリデンフタリドは、痙攣治療(Ko, W.C. et al., 1980)、抗血小板凝集(Teng, C.M. et al., 1987)、細胞成長抑制、癌細胞死亡促進ができ、例えば、テロメラーゼを抑制することにより腫瘍成長を抑制する効能を果たしたり(Huang, M.H. et al., 2014; Tsai, N.M. et al., 2006)、NF−κBを抑制することにより炎症反応(Fu, R.H. et al., 2011)を抑制する効能を果たしたりする。また、最近の研究では、ブチリデンフタリドはJak2/stat3シグナル経路活性化させることで、胚性幹細胞の成長を維持し、且つ誘導性幹細胞の形成を促進できることが見出された(Liu, S.P. et al., 2012)。

Wntタンパク質は高度に保存された(highly conserved)分泌性分子であり、胚発育と幹細胞維持に対して重要な因子である。Wntは細胞膜での受容体Frizzled(Frz)及びLDL受容体関連タンパク質と結合してトライアド構造を形成し、細胞内のディシブルドに作用することができる。DshはGSK−3β、大腸腺腫ポリポーシスタンパク質及びAxinタンパク質と結合して、GSK−3βの活性を抑制し、更にβ−カテニンのリン酸化、及びβ−カテニンのユビキチン化作用による分解経路を抑制できる。細胞核内のβ−カテニンがWntシグナルの活性化によって蓄積される。β−カテニンは細胞核に入った後、他の特殊な転写因子、例えばTサイトカインリンパ球エンハンサー因子及びSiamois等を起動させ、それにより細胞成長及び対象の発育を調整する。細胞内の活性化されたwntシグナルの過不足によって、生体の障害を引き起こし、初期胚の発育欠陥を発生させるか、又は後期成体腫瘍又は機能不全を発生させる(Fodde, R. et al., 2007)。

従来の多数の研究により、Wntの活性化は表皮幹細胞コピー刺激することによって、毛髪の成長を促進する効能を果たす(Lim, X. et al., 2013)ことが証明される。表皮幹細胞は一般的に毛包バルジ領域(bulge)に存在し、ラベル保持細胞(label−retaining cells)であり、通常休眠状態であるが、表皮が損傷され又は組織新生が必要な場合にしか活性化されない。Wnt/β−catenin経路は表皮幹細胞の自己複製を維持するのに重要な分子であり、Wnt signalを活性化させることによって休眠状態にある表皮幹細胞が細胞周期を開始させて、細胞が複製して成熟した毛細胞に分化する(Thompson, C.C. et al., 2006)。Wnt7aを発現させることによって毛包の再生数を増加でき、同様に、β−カテニンを安定させてユビキチン化作用による分解から保護することによって、β−カテニンの細胞核での濃度を向上させて、新生毛包の発生を促進できる(Gat, U. et al., 1998)。他方で、Wntシグナル(signal)を抑制することによって外傷による毛包形成を防止できる(Ito, M. et al., 2007)。

以上から明らかなように、先行技術では、副作用を引き起こすことなく、アルツハイマー病等の神経変性疾患を治療又は予防するとともに、脱毛を改善し又は毛髪の成長を促進することに有効な組成物を提供できない。従って、上記疾患を効果的に改善又は治療できる組成物の開発は現在の重要な研究課題となっている。

概要

本発明はブチリデンフタリドの用途、その使用方法及びそれを使用して医薬組成物を製造する方法を開示する。 ブチリデンフタリドは毛髪成長を促進して、神経細胞内のβ-アミロイドタンパク質の含有量を低下させる能力を有するため、有効量のブチリデンフタリドを生体に投与することによって対象の健康及び外貌を改善する効能を果たし、具体的には、ブチリデンフタリドは、β-アミロイドタンパク質の細胞内での過剰な蓄積による神経変性疾患、例えばアルツハイマー病に対して、予防又は治療の効能を有し、且つ、ブチリデンフタリドは外用組成物活性成分として、投与部位での毛髪の成長を効果的に促進できる。また、本発明で開示される医薬組成物の製造方法は、有機合成反応により該医薬組成物を製造することであり、例えば、F127のような高分子物質とブチリデンフタリドとの間に共有結合を発生させて、高分子物質をブチリデンフタリドに被覆することにより、医薬組成物による生体細胞の毒性を軽減させる効果を果たす。

目的

本発明は、人体への副作用を軽減させ、毛髪の成長を効果的に促進する効能を果たす、毛髪成長促進用の外用組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

毛髪成長促進用の外用組成物を製造するための、ブチリデンフタリド(butylidenephthalide)、その類似体又は上記成分の組合せの使用。

請求項2

ブチリデンフタリドはセリ科植物から抽出される請求項1に記載の用途。

請求項3

ブチリデンフタリドはキク科植物から抽出される請求項1に記載の用途。

請求項4

ブチリデンフタリド又はその類似体は化学合成技術によって製造される請求項1に記載の用途。

請求項5

ブチリデンフタリドはWntシグナル(Wnt signal)を活性化させる能力を有する請求項1に記載の用途。

請求項6

毛髪成長促進用の外用組成物を、対象の皮膚に投与する毛髪成長促進方法であって、該外用組成物は有効量のブチリデンフタリド又はその類似体、及び薬学的に又は美容製品として許容可能な担体を含む方法。

請求項7

該皮膚は毛包のある部位である請求項6に記載の方法。

請求項8

該毛髪成長促進用の外用組成物を該対象の皮膚に直接塗布する請求項6に記載の方法。

請求項9

該毛髪成長促進用の外用組成物を該対象の皮膚にスプレー(spray)する請求項6に記載の方法。

請求項10

該式(I)の化合物の濃度が1μM−1mMである請求項6に記載の方法。

請求項11

有効量のブチリデンフタリド、その類似体又は上記成分の組合せを含有する医薬組成物を対象に投与する神経変性疾患治療方法

請求項12

該神経変性疾患は脳内のβ-アミロイドタンパク質の過剰な蓄積による疾患である請求項11に記載の神経変性疾患の治療方法。

請求項13

該神経変性疾患はアルツハイマー病である請求項11に記載の神経変性疾患の治療方法。

請求項14

ブチリデンフタリドはセリ科植物から抽出される請求項11に記載の神経変性疾患の治療方法。

請求項15

ブチリデンフタリドはキク科植物から抽出される請求項11に記載の神経変性疾患の治療方法。

請求項16

ブチリデンフタリド又はその類似体は化学合成技術により製造される請求項11に記載の神経変性疾患の治療方法。

請求項17

ブチリデンフタリドと高分子物質を1:1〜1:2の重量比で混合した後、極性有機溶剤及び水を順番に加え、ブチリデンフタリドと高分子物質を水相において分子間引力により吸着作用させ、該高分子物質をブチリデンフタリドに被覆し、次に該極性有機溶剤を除去する医薬組成物の製造方法。

請求項18

該極性有機溶剤は複素エーテル系化合物である請求項17に記載の製造方法。

請求項19

該極性有機溶剤はテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)である請求項18に記載の製造方法。

請求項20

該高分子物質はF127高分子物質である請求項17に記載の製造方法。

請求項21

該極性有機溶剤の除去方法加熱法である請求項17に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は化合物の用途、特にブチリデンフタリドの用途、その使用方法及びそれを使用して医薬組成物を製造する方法に関する。

背景技術

0002

現代人の寿命延長しているが、高齢化及び生活上のストレスが高まるにつれて、体の健康を害する様々疾患や、容姿老化に悩んでいる人が多くなっている。具体的には、アルツハイマー病発症率が世界最高である神経変性疾患のうちの一種であり、脳内にβ-アミロイドタンパク質が過剰に蓄積して、Aβプラークを形成すること(Glenner and Wong 1984;Masters, C. L. et al., 1985)、及び細胞内の神経原線維変化(Grundke−Iqbal, I. et al., 1986; Goedert, M. et al., 1988)がその主な病理学的特徴である。Aβプラークはアミロイドタンパク質前駆体が、BACE酵素(Hussain, I. et al., 1999; Vassar, R. et al.,1999)及びγセクレターゼにより切断されて発生するものであり(Wolfe, M. S. et al., 1999;Yu, G. et al., 2000)、主にAβ40及びAβ42の2種の形式を含む(Jarrett, J. T. et al., 1993)。細胞内外に大量のβ-アミロイドタンパク質が蓄積すると、神経細胞死亡を引き起こす要因となっている。

0003

ダウン症患者は21番染色体減数分裂する時に、染色体分離ムラが発生して、細胞内に余分な染色体が1本存在することで発症する。アミロイドタンパク質前駆体の遺伝子が21番染色体に位置するため(Rumble, B. et al., 1989; Selkoe, D. J., 1996)、アミロイドタンパク質前駆体の過剰発現がダウン症患者の早発性認知障害病症を引き起こすと考えられる(Burger, P. C. and F. S. Vogel, 1973)。従来の多くの研究が示すように、Aβプラークはダウン症患者の脳内に発生する(Masters, C. L. et al., 1985;Beyreuther, K. et al., 1992;Gyure, K. A. et al., 2001;Mor, C. et al., 2002)。また、別の研究によれば、ダウン症患者由来人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells、 iPSCs)が生じた神経細胞を使用して、アルツハイマー病の典型的な病理学的特徴、例えばAβ42及びAβ40の蓄積、高度にリン酸化したTauタンパク質等を再現できる。従って、ダウン症患者由来の人工多能性幹細胞分化ステムはβ-アミロイドタンパク質に関連する神経変性疾患を選別治療又は予防する薬物プラットフォームとして使用できる。

0004

現在、臨床上、アルツハイマー病を治療する薬物は、コリンエステラーゼ阻害剤(Birks, J., 2006)及びNMDA受容体拮抗薬(McShane, R. et al., 2006)があり、該2種の薬物は全てアルツハイマー病患者認知機能改善に有効であるが、アルツハイマー病に起因する疾患、例えばうつ病不眠症等を治療するには、他の適切な薬物が必要であり(Tariot, P. N. et al., 2004;Feldman, H. et al., 2006; Howard, R. et al., 2012)、且つ、該2種の薬物は疾患を改善するだけで、アルツハイマー病を治癒することができない(Farlow, M. R. et al., 2010)。それ以外、多数の研究では、脳内のAβ蓄積を減少させることに基づいてアルツハイマー病を治療する新薬を設計するものであり(Hong−Qi, Y. et al., 2012)、具体的には、BACE阻害剤、例えばMK−8931及びACI−91(Mullard A., 2012)、又はγセクレターゼ阻害剤、例えばLY450139(Siemers、 E. et al., 2005)及びBMS−708163(Tong、 G. et al., 2012)、又は免疫経路によりAβを抑制する抗体等が含まれる。

0005

更に、部分的な脱毛又は薄毛等が対象の体の健康に悪影響を及ぼすことはないが、それにより対象の容姿が悪くなる。研究によれば、薄毛により気分が悪くなったり、社交的活動の参加が怖くなったりして、社交不安障害自信不足自己同一性障害等の心理的な問題を引き起こす恐れがある。従って、脱毛又は薄毛は現代人により益々重視されてきた課題となる。

0006

髪を洗う習慣や、ダイエットを改善することで毛髪の抜けを緩和させるほか、従来、民間では、脱毛改善又は毛髪成長促進用の製品が多数あり、血管拡張薬プロスタグランジンに関連する誘導体の2種に大別される。更に、血管拡張薬のうち、商品名がミノキシジル(Messenger A.G. et al., 2004)である「ロゲイン」は最も有名であり、主成分が2,4−ジアミノ−6ピペリジニルピリミジン−3−オキサイドであり、しかしながら、ロゲインはすべての部分的な薄毛に良好な効果を果たすのではなく、更に、製品使用中に有効であるが、一旦製品の使用を中止したら、新しく成長した毛髪が再び抜けてしまう。プロスタグランジンF2α及びプロスタグランジンE2について、睫毛と髪の成長を促進できるという報道があり(Woodward, D.F. et al., 2013)、しかしながら、使用者に例えば発赤アレルギー色素沈着等の副作用が発生し、更に、一旦使用を中止したら、新しく成長した毛髪は再び抜けてしまう。

0007

ブチリデンフタリドは、例えばセリ科又はキク科植物天然植物に存在し、アセトン又はクロロホルムで抽出して得る。従来の研究によれば、ブチリデンフタリドは、痙攣治療(Ko, W.C. et al., 1980)、抗血小板凝集(Teng, C.M. et al., 1987)、細胞成長抑制、癌細胞死亡促進ができ、例えば、テロメラーゼを抑制することにより腫瘍成長を抑制する効能を果たしたり(Huang, M.H. et al., 2014; Tsai, N.M. et al., 2006)、NF−κBを抑制することにより炎症反応(Fu, R.H. et al., 2011)を抑制する効能を果たしたりする。また、最近の研究では、ブチリデンフタリドはJak2/stat3シグナル経路活性化させることで、胚性幹細胞の成長を維持し、且つ誘導性幹細胞の形成を促進できることが見出された(Liu, S.P. et al., 2012)。

0008

Wntタンパク質は高度に保存された(highly conserved)分泌性分子であり、胚発育と幹細胞維持に対して重要な因子である。Wntは細胞膜での受容体Frizzled(Frz)及びLDL受容体関連タンパク質と結合してトライアド構造を形成し、細胞内のディシブルドに作用することができる。DshはGSK−3β、大腸腺腫ポリポーシスタンパク質及びAxinタンパク質と結合して、GSK−3βの活性を抑制し、更にβ−カテニンのリン酸化、及びβ−カテニンのユビキチン化作用による分解経路を抑制できる。細胞核内のβ−カテニンがWntシグナルの活性化によって蓄積される。β−カテニンは細胞核に入った後、他の特殊な転写因子、例えばTサイトカインリンパ球エンハンサー因子及びSiamois等を起動させ、それにより細胞成長及び対象の発育を調整する。細胞内の活性化されたwntシグナルの過不足によって、生体の障害を引き起こし、初期胚の発育欠陥を発生させるか、又は後期成体腫瘍又は機能不全を発生させる(Fodde, R. et al., 2007)。

0009

従来の多数の研究により、Wntの活性化は表皮幹細胞コピー刺激することによって、毛髪の成長を促進する効能を果たす(Lim, X. et al., 2013)ことが証明される。表皮幹細胞は一般的に毛包バルジ領域(bulge)に存在し、ラベル保持細胞(label−retaining cells)であり、通常休眠状態であるが、表皮が損傷され又は組織新生が必要な場合にしか活性化されない。Wnt/β−catenin経路は表皮幹細胞の自己複製を維持するのに重要な分子であり、Wnt signalを活性化させることによって休眠状態にある表皮幹細胞が細胞周期を開始させて、細胞が複製して成熟した毛細胞に分化する(Thompson, C.C. et al., 2006)。Wnt7aを発現させることによって毛包の再生数を増加でき、同様に、β−カテニンを安定させてユビキチン化作用による分解から保護することによって、β−カテニンの細胞核での濃度を向上させて、新生毛包の発生を促進できる(Gat, U. et al., 1998)。他方で、Wntシグナル(signal)を抑制することによって外傷による毛包形成を防止できる(Ito, M. et al., 2007)。

0010

以上から明らかなように、先行技術では、副作用を引き起こすことなく、アルツハイマー病等の神経変性疾患を治療又は予防するとともに、脱毛を改善し又は毛髪の成長を促進することに有効な組成物を提供できない。従って、上記疾患を効果的に改善又は治療できる組成物の開発は現在の重要な研究課題となっている。

発明が解決しようとする課題

0011

従って、本発明は、毛髪成長促進用の外用組成物活性成分、又は神経変性疾患を治療又は予防する医薬組成物の活性成分として使用できる、ブチリデンフタリド又は/及びその類似体の用途を開示する。

0012

本発明は、人体への副作用を軽減させ、毛髪の成長を効果的に促進する効能を果たす、毛髪成長促進用の外用組成物を提供することを主な目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上記目的を達成させるために、本発明は、Wntシグナルを活性化させる能力を有するブチリデンフタリド、その類似体又は上記成分の組合せを毛髪成長促進用の外用組成物の製造に応用する、ブチリデンフタリド又は/及びその類似体の用途を開示する。

0014

好ましくは、ブチリデンフタリドは、当業者が公知する技術により、例えばセリ科植物、キク科植物等の天然植物から抽出される。

0015

好ましくは、ブチリデンフタリド又はその類似体は、当業者が公知する化学合成技術により製造される。

0016

本発明は、有効量のブチリデンフタリド、その類似体又は上記成分の組合せ、及び薬学的に又は美容製品として許容可能な担体を含む毛髪成長促進用の外用組成物を対象の皮膚に塗布する、毛髪成長促進方法を提供することを別の目的とする。

0017

好ましくは、該皮膚は毛包のある領域である。

0018

好ましくは、該毛髪成長促進用の外用組成物を該対象の皮膚に直接塗布する。

0019

好ましくは、該毛髪成長促進用の外用組成物を該対象の皮膚にスプレーする。

0020

好ましくは、該ブチリデンフタリドの濃度は1μM−1mMである。

0021

本発明は、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病を予防又は治療するためのブチリデンフタリド又は/及びその類似体の用途を提供することを更なる目的とする。

0022

上記目的を達成させるために、本発明の実施例は、有効量のブチリデンフタリド、その類似体又は上記成分の組合せを含有する医薬組成物を対象に投与する神経変性疾患の治療方法を開示する。

0023

好ましくは、該神経変性疾患は、脳内のβ-アミロイドタンパク質の過剰な蓄積による疾患である。

0024

好ましくは、該神経変性疾患はアルツハイマー病である。

0025

好ましくは、ブチリデンフタリドは、当業者が公知する技術により、例えばセリ科植物、キク科植物等の天然植物から抽出される。

0026

好ましくは、ブチリデンフタリドは、当業者が公知する化学合成技術により製造される。

0027

本発明は、医薬組成物の活性成分の細胞毒性を軽減させることで、医薬組成物の安全性を向上させて副作用を減少させる、上記医薬組成物の製造方法を提供することを更なる目的とする。

0028

該目的を達成させるために、本発明は、ブチリデンフタリドと高分子物質を1:1〜1:2の重量比で混合した後、極性有機溶剤及び水を加え、ブチリデンフタリドと高分子物質を水相において分子間引力により吸着作用させて該高分子物質をブチリデンフタリドに被覆し、次に該極性有機溶剤を除去する、医薬組成物の製造方法を開示する。

0029

好ましくは、該極性有機溶剤は、複素エーテル系化合物である。

0030

好ましくは、該極性有機溶剤はテトラヒドロフランである。

0031

好ましくは、該高分子物質はF127高分子物質である。

0032

好ましくは、該極性有機溶剤の除去方法加熱法である。

図面の簡単な説明

0033

Top−flashプラスミドDNAをトランスフェクションした各群の細胞を異なる条件で培養した後、各群の細胞のルシフェラーゼ発現を測定して統計分析した結果である。
Top−flashプラスミドDNA又は該Fop−flashプラスミドDNAをトランスフェクションした細胞を異なる条件で培養した後、各群の細胞のルシフェラーゼ発現を測定して統計分析出した結果である。
異なる処理を実施した各群のマウスの外貌の変化である。
高分子物質F127を被覆したブチリデンフタリド及び高分子物質F127を被覆していないブチリデンフタリドについての細胞毒性試験結果である。
T21人工多能性細胞神経分化培養のフローチャートである。
T21人工多能性細胞に対して神経分化培養を行った後、免疫蛍光染色分析により細胞内のN−cadherin発現を観察して取得した結果であり、ここで、赤色は免疫蛍光染色したN−cadherin、青色はDAPIで染色した細胞核である。
T21人工多能性細胞に対して神経分化培養を行った後、免疫蛍光染色分析により細胞内のnestin発現を観察して取得した結果であり、ここで、緑色は免疫蛍光染色したnestinであり、青色はDAPIで染色した細胞核である。
T21人工多能性細胞に対して神経分化培養を行った後、免疫蛍光染色分析により細胞内のPax−6タンパク質発現を観察して取得した結果であり、ここで、赤色は免疫蛍光染色したPax−6タンパク質であり、青色はDAPIで染色した細胞核である。
T21人工多能性細胞に対して神経分化培養を行った後、免疫蛍光染色分析により細胞内のβIIIチューブリン発現及び神経突起成長状況を観察して取得した結果であり、ここで、緑色は免疫蛍光染色したβIIIチューブリンであり、青色はDAPIで染色した細胞核である。
異なる細胞から分化した神経細胞について、それぞれ酵素結合イムノソルベントアッセイにより統計して分析した各細胞内のAβ40発現量の結果である。
T21人工多能性細胞から分化した神経細胞を異なる処理条件で培養した後、酵素結合イムノソルベントアッセイにより統計して分析した各細胞内のAβ40発現量の結果である。

実施例

0034

本発明は、ブチリデンフタリドの用途、その使用方法及びそれを使用して医薬組成物を製造する方法を開示する。ブチリデンフタリドは毛髪を促進して、神経細胞内のβ-アミロイドタンパク質の含有量を低下させる能力を有するため、有効量のブチリデンフタリドを生体に投与することによって対象の健康及び外貌を改善する効能を果たし、具体的には、ブチリデンフタリドは、β-アミロイドタンパク質の細胞内での過剰な蓄積による神経変性疾患、例えばアルツハイマー病に対して、予防又は治療の効能を有し、且つ、ブチリデンフタリドは外用組成物の活性成分として、投与部位での毛髪の成長を効果的に促進できる。また、本発明で開示される医薬組成物の製造方法は、有機合成反応により該医薬組成物を製造することであり、例えば、F127のような高分子物質とブチリデンフタリドとの間に共有結合を発生させて、高分子物質をブチリデンフタリドに被覆することにより、医薬組成物による生体細胞の毒性を軽減させる効能を果たす。

0035

特に定義しない限り、本発明の明細書及び特許請求の範囲に使用される技術用語及び科学用語は、本発明の属する技術分野の当業者が一般的に理解する意味を有する。矛盾になる場合は、本発明の内容を基準にする。

0036

本発明の開示するブチリデンフタリドは、構造式が式(I)

(I)であり、その製造又は入手方式が当業者の常識であり、且つ本発明の技術的特徴ではないことから、本発明では詳細な説明を省略する。例えば、中国特許出願第200910066666号には、有機溶剤を使用してセリ科又はキク科植物からブチリデンフタリドを抽出することが開示され、中国特許公告第1041725C号には、チリデンフタリドを化学合成方式により合成することが開示されている。

0037

本発明の開示する用語「毛髪」は、対象の全身の毛髪を意味し、髪、体毛、睫毛、眉毛を含むがこれらに限定されない。

0038

本発明の開示する用語「抽出」は、物質の異なる抽出剤での溶解度差を利用して、混合物中の特定成分相から乙相に移すことで、分離の目的を実現することを意味し、例えば、溶媒抽出超臨界抽出が挙げられる。一般的には、抽出剤はアセトン、クロロホルム、二酸化炭素を含むがこれらに限定されない。

0039

本発明の開示する用語「化学合成技術」は、特定生成物を得るために行われる一連化学反応、例えば有機反応無機反応を意味する。

0040

本発明の開示する用語「有効量」は、期待される効果を果たすのに必要な化合物又は活性成分の量を意味し、組成物における重量比で示される。当業者が公知するように、該有効量は、期待される特定効果を果たすための投与方式によって異なる。一般的には、組成物における活性成分又は化合物の量は該組成物の重量の約1%〜約100%、好ましくは約30%〜約100%である。

0041

本発明の開示する「薬学的に又は美容製品として許容可能な担体」は、医薬又は美容製品に使用される任意の標準担体を含み、該担体は、組成物の形態に応じて、固体半固体又は液体であってもよい。例えば、担体はゼラチン乳化剤炭化水素類混合物、水、グリセリン生理食塩水緩衝生理食塩水ラノリンパラフィン蜜ろうシメチコンエタノールを含むが、これらに限定されない。

0042

本発明の開示する用語「類似体」は、化合物を含有する塩類、そのエステル類、その構造異性物例えばZ型構造又はE型構造、又は構造修飾を行った生成物である。

0043

本発明の開示する高分子物質F127は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのトリブロックポリマーであり、化学式が式(II)

(II)(式中、x、y、zはそれぞれ1より大きい整数である。)である。高分子物質F127の両端におけるポリオキシエチレンが親水性を有し、中部におけるポリオキシプロピレンが疎水性であるため、高分子物質F127は両性物質になる。高分子物質F127は、水溶液に存在する場合に、徐々に界面へ拡散して界面に吸着して、表面張力を低下させ、且つ、高分子物質内における親水基疎水基比率を制御することによって、高分子物質の表面活性を制御できる。

0044

本発明の開示する「分子間引力」は、ファンデルワールス力クーロン力水素結合疎水結合力を含むが、これらに限定されない。

0045

本発明の開示する用語「医薬組成物」は、期待される特定効果を果たすのに必要な有効量の化合物又は活性成分、及び少なくとも薬学的に許容可能な担体を含む。当業者が公知するように、医薬組成物の剤型は特定効果を果たすための投与方式によって異なり、例えば錠剤粉剤注射剤等が挙げられ、更に、該担体は医薬組成物の錠型に応じて、固体、半固体又は液体である。例えば、担体はゼラチン、乳化剤、炭化水素類混合物、水、グリセリン、生理食塩水、緩衝生理食塩水、ラノリン、パラフィン、蜜ろう、シメチコン、エタノールを含むが、これらに限定されない。

0046

本発明の開示する用語「高分子物質」は、重合反応により生成した高分子量のある大分子であり、一般的に、高分子物質は全て有機分子である。

0047

以下、本発明の効能を更に説明するために、いくつかの実施例を挙げて詳細に説明するが、該当実施例は説明するための例示に過ぎず、使用される用語が本発明の明細書及び特許請求の範囲の範囲や意味を制限するものではない。

0048

なお、下記実施例に使用されるブチリデンフタリド(n−butylidenephthalide、Bdph、W333301)は、米国のシグマアルドリッチ社(Sigma−Aldrich)製の製品である。

0049

実施例1:Wnt活性テスト

0050

ウェル培養皿ベビーハムスター腎線維芽細胞HK21を約半分用意して、培養皿のウェル毎に50μlのOpti−MEM培地(Invitrogen社製)と2μlのリポソーム2000(Lipofectamine 2000、Invitrogen社製)を1.5mlの微小遠心管において5分間混合して、リポソーム混合液を得る。

0051

50μlのOpti−MEM培地と9.6μgのTop−flashプラスミドDNA又はFop−flashプラスミドDNAを混合して、Top−flashプラスミド混合液及びFop−flashプラスミド混合液を得た。Top−flashプラスミドは野生型TCF結合部位(wild−type TCF binding site)を有し、実験群とし、Fop−flashプラスミドは突然変異TCF結合部位を有し、対照群とし、該2群のプラスミドのいずれにもルシフェラーゼの配列が接続されている。

0052

第一テスト群において、Top−flashプラスミド混合液を該リポソーム混合液に加えて、全体積100μlの混合液を得て、合計で3群の混合液を調製した。各群の混合液を室温で静置して20分間反応させた後、各組の該混合液を取り出して、それぞれ培養皿に加え、軽く振とうさせて均一に分布させた後、Opti−MEM培地を液面が細胞BHK21を超えるまで補充して、37℃で4時間培養し、次に、Opti−MEM培地をウェル毎の培地体積が2mlになるまで補充し、約18〜24時間後に培地を交換し、且つ、各群に異なる培養条件を提供し、そのうち、第一群空白群であり、第二群は0.4μMの化合物BIOを添加し、第三群は0.4μMのブチリデンフタリドを添加する。更に、各群を約18〜24時間培養し、次に、それぞれ各群の該培養皿から細胞BHK21を収集して、ルシフェラーゼ活性を測定し、結果を図1に示し、なお、符号*は有意的なレベルである0.05以下であることを示す。

0053

第二テスト群において、該Top−flashプラスミド混合液又は該Fop−flashプラスミド混合液の生成物を該リポソーム混合液に加え、それぞれ全体積100μlのTop−flash混合液又はFop−flash混合液を得て、合計で4群の混合液を調製し、そのうち、第一群はFop−flash混合液、第二群−第四群はTop−flash混合液であった。各群の混合液を室温で静置して20分間反応させた後、取り出して培養皿に加え、軽く振とうさせて均一に分布させた後、Opti−MEM培地を液面が細胞BHK21を超えるまで補充し、37℃で4時間培養し、次に、Opti−MEM培地をウェル毎の培地体積が2mlになるまで補充し、約18〜24時間後に培地を交換し、且つ、各群に異なる培養条件を提供し、そのうち、第一群は4μMのブチリデンフタリドを添加し、第二群はいずれの化合物も添加しておらず、第三群は1μMのブチリデンフタリドを添加し、第四群は4μMのブチリデンフタリドを添加する。更に、各群を約18〜24時間培養し、次に、それぞれ各群の該培養皿から細胞BHK21を収集して、ルシフェラーゼ活性を測定し、結果を図2に示し、なお、符号*は有意的なレベルである0.05以下であることを示す。

0054

ルシフェラーゼ活性の測定方法:先ず細胞BHK21の培養液を吸い取って捨てて、次にリン酸塩緩衝液で2回洗浄した。培養皿のウェル毎に200μlの1XPL試薬(Passive Lysis Buffer、Promega社製)を加えて、室温で15分間振とうさせて、細胞が分解した後、細胞溶解物を取って、回転数12000rpm、4℃で1分間遠分離して、上澄み液を収集した。20μlの上澄み液を96ウェルプレートに取って、100μlのルシフェラーゼ分析試薬(Luciferase Assay Reagent)を加え、ルミノメーター(Luminometer)に投入して、波長595nmでルシフェラーゼの活性を測定した。

0055

図1の結果に示されるように、化合物で処理されていない第一群のルミネセンス値は実験参照値とすることができる。第一群に比べて、細胞が0.4μMの化合物BIO又はブチリデンフタリドを処理する場合(第二群及び第三群)、Top−flashプラスミドDNAをトランスフェクションした細胞のルミネセンス値(発光量)は著しく高くなり、それによって、細胞中のTCFプロモーターが活性化されたことを示し、細胞のルシフェラーゼ活性及び発現が検出された。

0056

図2の結果に示されるように、第一群には突然変異したFop−Flashレポーター遺伝子があるため、ブチリデンフタリドを添加しても、第一群にはルシフェラーゼ活性が測定できず、言い換えれば、細胞のルミネセンス値が増加しない。第二群−第四群の細胞のルミネセンス値はブチリデンフタリド添加量の増加に伴って向上する。以上から明らかなように、ルシフェラーゼの活性化は特異性を有することにつれて用量効果がある。

0057

従来の文献に記載されるように、BIOはWnt活性化剤であり、Top−flashプラスミドにおけるTCF結合部位と結合でき、細胞Wntシグナルが活性化された条件下で、ルシフェラーゼの発現を促進でき、且つ、図1及び図2の結果から明らかなように、ブチリデンフタリドは添加量の増加に伴って、ルシフェラーゼの活性を著しく向上させ、それによって、本発明の開示するブチリデンフタリドはWntシグナルを活性化させる能力を有する。

0058

実施例2:動物試験

0059

6〜8週齢のC57BL/6雄マウスを用意して3群に分け、1群毎に2匹の雄マウスがあり、該マウスのそれぞれの尾部に近い背部に2cm2の無毛部位があり、毎日、異なる条件で無毛部位を処理し、21日間後、該群のそれぞれのマウスの毛成長長さ、体重、外貌の異常の有無を観察した。第一群は対照群で、無毛部位にリン酸生理食塩水だけを塗布し、第二群は実験群で、無毛部位に濃度10μMのブチリデンフタリドを含有する乳化組成物を塗布し、第二群は実験群で、無毛部位に濃度100μMのブチリデンフタリドを含有する乳化組成物を塗布する。結果は図3に示される。

0060

図3の結果に示されるように、該群のそれぞれのマウス之の体重に異常がなかった。第一群に比べて、第二群及び第三群のマウスの背部の無毛部位に毛が明らかに成長し、且つ、第三群のマウスの背部の無毛部位での毛の成長がより著しい。以上から明らかなように、本発明の開示するブチリデンフタリドを塗布することによって毛髪の成長を効果的に促進でき、更に、成長効果は用量の増加に伴って著しく向上する。

0061

実施例4:水相ブチリデンフタリドの合成

0062

米国のシグマ-アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)製のブチリデンフタリド(n−butylidenephthalide、Bdph、W333301)及びF127高分子物質(Pluronic F127、P2443)を用意した。10ミリグラムのブチリデンフタリドとF127高分子物質を1:1又は1:2の重量比で混合した後、2ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解し、更に10ミリリットルの水に加え、次に、迅速に加熱してテトラヒドロフランを除去して、凍結乾燥を行った。その後、再び水に溶解して、溶液において乳化したブチリデンフタリド微粒子はサイズが約30〜200nm、多分散性指数が0.2−0.5であった。

0063

実施例5:細胞培養

0064

ヒト多能性幹細胞無血清培地Essential 8TM(Life Technology社製、米国)において培養して、matrigel TMマトリゲル(Becton−Dickinson社製、米国)で付着培養を行った。培養液を吸い取って捨てて、リン酸塩緩衝液で細胞を2回洗浄し、次に酵素Accutase TM(Merck Millipore社製、米国)を加えて2〜5分間反応させた後に培養液で中和し、細胞を洗い落として小さな塊に分散させて、1000rpmで2分間遠心分離し、更に上澄み液を吸い取って捨てて、新しい培養皿に投入して約3〜5日間継代培養し、且つ、培養期間に培養液を毎日交換した。

0065

実施例6:神経細胞分化

0066

ヒト多能性幹細胞を8−90パーセントまで培養して、リン酸塩緩衝液で細胞を2回洗浄した後、酵素Accutase TMで2〜5分間作用し、次に培養液を加えて酵素を希釈し、更に細胞を洗い落として、適当なサイズに分散させた後に800rpmの速度で約2分間遠心分離し、細胞を20%の血清代替物(knock out serum replacement、KSR略称Life Technology社製、米国)を含有するDMEM−F12培地に加え、蓋無し培養皿で2日間懸濁培養して、胚様体懸濁液を得た。

0067

懸濁させた胚様体を遠心分離管に投入して、自然沈降後、上澄み液を除去し、BiSF小分子薬物を含有する神経誘導培地で2日間懸濁培養した後、懸濁させた胚様体に環状の上皮細胞構造が発生した。なお、小分子薬物は0.5μMのBIO(Sigma−Aldrich社製、米国)、10ng/mlの線維芽細胞成長因子−2(FGF−2、Peprotech社製、米国)及び10μMのSB431542(Sigma−Aldrich社製、米国)を含有し、神経誘導培養液の成分は表1に示される。

0068

0069

更に胚様体を沈降した後、10ng/mlの線維芽細胞成長因子−2を含有し且つ表2に示される成分を含む神経基礎培地に投入して培養した。2日間懸濁させて、胚様体が沈降した後、外力又は酵素Accutase TMにより小さな塊に分散させて、1%matrigel TMマトリゲルを塗布して1時間経た培養皿に投入して細胞を付着させた。約2〜7日間後、細胞が付着して神経構造を成長した。細胞が7〜80パーセントまで成長すると、別のプレートに分けて、具体的には、細胞を別のプレートに分けるに当たって、リン酸塩緩衝液で1回洗浄した後、リン酸塩緩衝液と酵素Accutase TMが同比率で混合した酵素溶液で約2〜5分間作用し、更に神経基礎培地で希釈し、次にセルスクレーパーを使用して細胞を掻き取って機械力により小さな塊又は単細胞に分散させ、800〜1000rpmで約2〜5分間遠心分離した後、上澄み液を吸い取っ捨てて、プレートに付着させ、且つ、細胞付着を助けるように、プレートに付着させる時に10μMのY27632(Stemgent社製、米国)を1日間添加した。

0070

0071

実施例7:細胞毒性試験

0072

ヒト胚性幹細胞TW1をEssential8TM培地において培養し、継代際に3群に分けて、それぞれ6ウェルプレートに1.2×105の細胞量を投入して培養し、培養条件としては、第一群は培地だけで培養し、第二群は培地にF127高分子物質を被覆していないブチリデンフタリドを濃度が10μMになるように添加し、第三群は培地に実施例1で製造してF127高分子物質を被覆したブチリデンフタリドを、濃度が10μMになるまで添加する。培養過程において各群の細胞形態を観察し、且つ、4〜5日間培養するたびに、細胞を計数し、群毎に1〜3回繰り返し、結果を図4に示した。なお、図4の結果は、一元配置分散分析(one−wayANOVA)及び多重比較検定(Tukey's Multiple Comparison Test分析)により取得したものであり、P値が0.05未満で、95%の信頼水準であり、符号*は有意的なレベルである0.05以下、符号**は有意的なレベルである0.01以下であることを示す。

0073

図4の結果から明らかなように、5日間培養後、第二群の細胞数が第一群又は第三群の細胞数よりも遥かに少なかった。それから分かるように、ブチリデンフタリドは細胞に対して高い細胞毒性を有するが、高分子物質F127を被覆することによってブチリデンフタリドの細胞毒性を効果的に軽減できる。

0074

実施例8:T21人工多能性細胞の神経細胞分化培養

0075

実施例5及び図5と同様に、T21人工多能性細胞(T21−iPSCs)に対して実施例2の記載に従って神経分化を行い、且つ8日目に付着させた。細胞付着後の12日目に免疫蛍光染色分析を行い、それによって、N−cadherin、Nestin及びPax−6タンパク質の発現を含む神経幹細胞標的を観察し、結果を図6図8に示す。また、神経分化培養を行ったT21人工多能性細胞の神経突起の成長状況を観察して、培養後の27日目に免疫蛍光染色分析を行い、Tuj−1抗体によって細胞内のβIIIチューブリン(tubulin)等の成熟神経標識の発現を観察して、結果を図9に示す。

0076

免疫蛍光染色分析の操作手順:細胞をカバーガラスの4ウェル培養皿において培養して、染色の際、先ず細胞培養液を吸い取って捨てて、次にリン酸塩緩衝液で2回洗浄した後、4%のパラホルムアルデヒド(paraformaldehyde、PFA)を加えてにおいて5分間作用して細胞を固定化した後に取り出し、更にリン酸塩緩衝液で3回洗浄した後、0.3%のtriton(PBST)を加えて氷において10分間作用して孔を開け、次にリン酸塩緩衝液で3回洗浄した後、濃度5%のウマ血清を加えて1時間遮断し(blocking)、液体を吸い取って捨てて且つ濃度3%に調製したウマ血清の一次抗体を加え、室温で4時間作用し又は4℃で16時間反応させた。その後、一次抗体を吸い取って捨てて且つPBSTリンス液で3回(1回につき5分間)洗浄した。リン酸塩緩衝時に二次抗体を調製して、PBSTを吸い取って捨てた後、二次抗体を加えて遮光下で1時間作用した後、PBSTリンス液で3回洗浄して、濃度1μg/mlの細胞核染色剤DAPIを加えて、室温で10分間避光下で作用し、次にPBSTリンス液で2回洗浄し、更にグリセリンとリン酸塩緩衝液を等比率で混合した溶液200μlで湿潤した後、選別、シールを行い、次に直立蛍光顕微鏡下で蛍光を観察した。

0077

図6図8の結果から明らかなように、T21人工多能性細胞は、神経細胞分化培養の12日目にN−cadherin、Nestin及びPax−6神経幹細胞の特殊タンパク質を発現させ、それによって、T21人工多能性細胞は上記培地で培養された後にT21神経細胞に分化できることが示される。また、図9の結果から明らかなように、T21人工多能性細胞は、27日間の培養分化を経た後、大量の神経突起を有するとともに、成熟神経標的であるβIIIチューブリンを発現でき、それによって、T21人工多能性細胞は27日間分化培養して成熟したT21神経細胞になる。

0078

実施例6:神経細胞のAβ40発現量

0079

付着培養したT21人工多能性細胞が分化して得た神経細胞について細胞計数をした後、4ウェル培養皿中に付着して、48時間毎に培養液を1回交換して、48時間毎に収集した培養液を−20℃に保存し、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)によってAβ40発現量を分析し、更に核型が正常なヒト胚性幹細胞TW1が分化して得た神経細胞を対照群とした。なお、1群について試験を2回又は3回繰り返した。分析結果は図10に示される。

0080

酵素結合イムノソルベントアッセイの操作手順:培養緩衝液(working incubation buffer)を使用してELISAキットのAβ標準タンパク質に対して連続希釈を行って、標準曲線とした。収集した細胞培養液と該培養緩衝液を1:2の比率で希釈した。100μlの標準品溶液及びサンプルをそれぞれ取って96ウェルプレートに入れて、4℃で16時間放置した。液体を吸い取って捨てた後、300μlでウェルプレートをリンスして乾燥させた。200μlのTMB基質を加えて、室温で約40〜45分間暗反応した後、620nmでの吸光値を読み取った。

0081

図10の結果から明らかなように、分化の20日目から、T21人工多能性細胞が分化して得た神経細胞内のAβ40発現量はヒト胚性幹細胞TW1が分化して得た神経細胞より高まり始め、分化の25日目に差異が発生し始める。具体的には、T21人工多能性細胞が分化して得た神経細胞内のAβ40発現量は、分化の25日目に105.38 pg/ml、分化の30日目に155.68 pg/ml、分化の42日目に264.47pg/mlであった。

0082

以上から明らかなように、T21人工多能性細胞が分化して得た神経細胞内のAβ40発現量は、分化経時に伴って著しく上昇し、したがって、神経変性疾患を選別・治療又は予防するプラットフォームとして使用できる。

0083

実施例10:薬物スクリーニング

0084

神経分化培養の39日目にあるT21人工多能性細胞を3群に分け、それぞれ異なる培養条件を与えて、更に3日間培養した後、即ち42日目に、酵素結合免疫吸着により該群のそれぞれのAβ40濃度を分析し、更に神経分化培養を行っていないT21人工多能性細胞と比較して、結果を図11に示した。第一群は神経分化培養を行っていないT21人工多能性細胞、第二群−第四群は神経分化培養を行ったT21人工多能性細胞であり、第二群は培養過程にいずれの薬剤も添加されず、第三群は培養の39日目にγセクレチン阻害剤APTを添加し、第四群は培養の39日目にF127高分子物質を被覆したブチリデンフタリドを10μM添加する。1群について2〜3回試験し、且つ一元配置分散分析及び多重比較検定によって値には有意的な差異が存在するか否かを分析し、そのうち、P値は0.05未満で、95%の信頼水準であり、符号*は有意的なレベルである0.05以下、符号**は有意的なレベルである0.01以下であることを示す。

0085

図11の結果から明らかなように、第一群のAβ40濃度は第二群のAβ40濃度より遥かに低く、第三群及び第四群のAβ40濃度はそれぞれ第二群より低下する。以上から明らかなように、本発明の開示するブチリデンフタリドは、神経細胞内のAβ40濃度を大幅に低下させ、且つ、効果はγセクレチン阻害剤DAPTの投与による効果に相当する。それによって、本発明の開示するブチリデンフタリドは、細胞内のβ-アミロイドタンパク質の過剰な蓄積を改善又は緩和する能力を有するため、神経変性疾患を治療又は予防する効能を果たす。

0086

上記実験例の結果から明らかなように、本発明の開示するブチリデンフタリドはWntシグナルを活性化させる能力を有するため、毛髪の成長を確実に促進する効能を有し、それによって、本発明の開示するブチリデンフタリド又はその類似体は毛髪成長促進用の外用組成物の活性成分として、スプレー、塗布等の方式によって対象の特定部位の皮膚に投与することで、毛髪の成長を促進すると同時に対象の外貌を改善する効能を果たし、更に、従来の製品による対象への副作用を回避する。更に、本発明の開示する医薬組成物の製造方法は、高分子物質を薬物担体とすることで、ブチリデンフタリドの細胞毒性を緩和又は軽減させ、医薬組成物の安全性を確実且つ効果的に向上させることができる。上記方法により製造された医薬組成物は細胞内のβ-アミロイドタンパク質の濃度を低下させる機能を確実に有することから、有効量の医薬組成物を生体に投与することによって、神経変性疾患を治療又は予防する効能を果たす。

0087

以上は該実施例を利用して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の主旨を脱逸せずに、明細書の実施例を簡単に改良又は変化することができ、これらの全部は本案の特許請求の範囲に属する。

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