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技術 乾燥粉末噴霧器

出願人 マイクロドースセラピューテクス,インコーポレイテッド
発明者 マーク・スティーヴン・モリソン
出願日 2015年6月3日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2017-503517
公開日 2017年8月3日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-521182
状態 特許登録済
技術分野 治療用噴霧、吸入、呼吸装置
主要キーワード 固有形状 空気渦 断面比 乾燥粉末材 シンセティックジェット 剛性壁 粉末材 噴出穴
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題・解決手段

薬剤(3)を保持するための薬品チャンバー(4)と、薬剤(3)をエアロゾル化するための振動器(2)と、波反射器(6)と、を備える吸入装置であって、薬品チャンバー(4)は、空気が入口穴(7)に引き込まれて出口穴(8)から出ていくことができるように、少なくとも一つの入口穴(7)及び少なくとも一つの出口穴(8)を備え、薬剤の混合及び解放を容易にするために、定在波パターンが、振動器(2)により生成された音響エネルギーであって、反射器(6)により反射されて少なくともある程度は振動器(2)に戻る音響エネルギーにより形成される、吸引装置

概要

背景

特定の気道疾患は、治療薬の直接適用による治療に対して反応することが知られている。これらの治療薬は、乾燥粉末の形で最も容易に入手可能であるので、こうした適用は、又は口を通して粉末材吸入することにより、最も便利に実現される。こうした粉末形状を用いる場合、結果として、望ましい作用が発揮され得る所望部位薬品が正確に沈着される(deposited)ので、非常に僅かな量の薬品を用いても、別の手段でより多量の投与を行った場合と同じくらい有効であることが多く、また結果として望ましくない副作用及び医薬費用が生じる可能性が著しく低減されるという点で、医薬をよりうまく利用することができる。あるいは、粉末状の薬品は、呼吸器系以外の疾患の治療に使用されてもよい。薬品は、非常に表面積の大きいに沈着されると、血液流に非常に急速に吸収され得る;従って、この適用法は、注入タブレット、その他の従来の手段による投与に取って代わるものとなり得る。

気道送達される薬品粒子が1ミクロン〜5ミクロンのサイズであるとき、薬品のバイオアベイラビリティが最適となる、というのが薬剤業界の見解である。薬品粒子がこのサイズ範囲に含まれることが必要である場合、乾燥粉末送達システムは、いくつかの問題を解決する必要がある:
(1)小さなサイズの粒子は、製造中及び保管中、自分自身静電荷を帯びる。これにより、粒子が集まったり凝集したりするので、実効的な大きさが5ミクロンを超える粒子クラスターが生じる。このため、これらの大きなクラスター深部肺に到達する可能性は低下する。そうすると、患者が吸収することのできる薬品の割合が低下することになる。
(2)患者に送達される必要がある活性薬品の量は、数十マイクログラムオーダーであり得る。現行粉末充填設備では、マイクログラム量の一定分量の薬品を、許容可能な精度で効果的に送達することができないので、実際の標準的な手法としては、活性薬品をラクトースなどのフィラー又は充填剤と混合する。この添加剤は、薬品を「流れやすく(easy to flow)」もする。場合によっては、このフィラーはキャリアと呼ばれることもある。これらのキャリア粒子は、薬品粒子よりもサイズが大きいことが多い。乾燥粉末吸入具の、キャリアから薬品を分離する能力は、設計の有効性における重要な性能パラメータである。
(3)5ミクロンより大きなサイズの活性薬品粒子は、口又はのいずれかに沈着する。これらの位置における薬品のバイオアベイラビリティ及び薬品吸収は肺とは異なっているので、これにより別のレベル不確実性が導入される。乾燥粉末吸入具は、薬品のバイオアベイラビリティに伴う不確実性を低減するために、これらの位置に沈着した薬品を最少化する必要がある。

従来技術による乾燥粉末吸入具(DPIs:dry powder inhalers)は、通常、薬品(活性薬品+キャリア)を高速空気流へ導入するための手段を有する。高速空気流は、微粉化粒子のクラスターを粉砕するか又はキャリアから薬品粒子を分離するための一次機構として使用される。この粉末状医薬投薬に有用ないくつかの吸入装置が、従来技術において知られている。例えば、米国特許第3507277号明細書(特許文献1);米国特許第3518992号明細書(特許文献2);米国特許第3635219号明細書(特許文献3);米国特許第3795244号明細書(特許文献4);及び米国特許第3807400号明細書(特許文献5)には、粉末医薬を収容するカプセルの頂部に穿孔を形成するか又は当該頂部を除去するための手段を有する吸入装置が開示されている。当該粉末医薬は、吸入時に、穿孔の形成された(pierced)カプセル又は頂部が開いた(topped)カプセルから使用者の口内へ引き込まれる。これらの特許のうちいくつかでは、カプセルから粉末を吸引するのに吸入空気だけに頼る必要がなくなるように、吸入時にカプセルから粉末を分配する助けとなるプロペラ手段が開示されている。

上述のような従来技術の装置には、乾燥粉末を肺に送達するには望ましくない、いくつかのデメリットがある。これらのデメリットのうちいくつかとして、例えば以下のようなものがある:
− 従来技術の吸入具の性能が、使用者が発生させる流量に依存する。流量が低いと、粉末を完全に解凝集することができないので、患者に送達される量に悪影響を及ぼす。
− 解凝集プロセスにおける一貫性欠如により、投薬ごとに薬品のバイオアベイラビリティが一貫しない。
電気機械式吸入具を駆動するには大きなエネルギーが必要である。この場合、装置のサイズが増加し、携帯して使用するには適さなくなってしまう。
− 開口したカプセル又は頂部が開いたカプセルからの医薬ロスが起こる。
酸素又は水分に曝されることにより、開口したカプセル又は頂部が開いたカプセル中の医薬が劣化する。

従来技術についての上記説明は、ある程度米国特許第7318434号明細書(特許文献6)から導かれたものである。同文献では、ブリスターパックなどからの薬品粉末をエアロゾル化するためにシンセティックジェット技術を用いた乾燥粉末吸入具について記載されている。境界の一端が音響波発生装置により形成され、境界の他端が小オリフィスを有する剛性壁部により形成されたチャンバーを用いる場合、音響波が十分に高い周波数及び振幅発生器から放出されると、オリフィスからチャンバーの外へ出てくる空気の噴流が生じ得るということが知られている。この噴流、いわゆる「シンセティックジェット」は、発生器の周波数でオリフィスにおいて形成される一連空気渦から構成される。しかしながら、前述の’434特許に記載されているように、ブリスターパックなどから乾燥粉末材を解凝集させて噴出させるためにシンセティックジェットを使用すると、従来技術の乾燥粉末吸入具を上回る利点が得られる。

より具体的には、前述の’434特許では、乾燥粉末を保持する乾燥粉末用第1チャンバーと、第1チャンバーからエアロゾル状の乾燥粉末を受容するとともにエアロゾル化した乾燥粉末を使用者に送達するための、通路を介して第1チャンバーに接続された第2チャンバーと、を有する乾燥粉末吸入具が提供される。振動器が、第1チャンバー中で乾燥粉末に結合される。通路のアスペクト比(長さ対断面比又は長さ対直径比)が増加するにつれて噴射効率は低下するので、シンセティックジェットを実現するためには、第1チャンバーを第2チャンバーに接続する通路は、好ましくは(必ずしも必要ではないが)アスペクト比が少なくとも約1に等しく、振動器は、気体が通路中で前進または後退する距離が通路の断面又は直径の少なくとも約2倍となるように、活性化されるとともに第1チャンバーに結合される。

前述の’434特許の一実施形態では、第1チャンバーは、振動素子を有するシリンダー又はブリスターの形状に形成され、振動素子は、チャンバーの一つの壁部を形成するか、又はチャンバーから離間して形成されてブリスターに結合される。

前述の’434特許の第2実施形態では、第1チャンバーは、振動素子を有するホーンの形状に形成され、振動素子は、チャンバーの一つの壁部を形成するか、又は気体柱を介してチャンバーの壁部に結合される。

前述の’434特許の第3実施形態では、第1チャンバーは、ホーンの形状に形成され、定在波共鳴装置がチャンバーの壁部に結合される。米国特許第7334577号明細書(特許文献7);米国特許第7779837号明細書(特許文献8)、及び米国特許第8322338号明細書(特許文献9)も参照のこと。これらの出願の内容は、その全体が参照により本出願に組み込まれる。

上述の特許に記載されたブリスターの実施例は、倒立ケトルドラムといくつかの類似点を有する。ここで、倒立ケトルドラムは、圧電トランスデューサがチャンバー(すなわちドラム)の開放端に対して音響エネルギーを加えるものである。閉端小穴は、チャンバーに装填された薬品用のエスケープ通路を提供する。正しい周波数(圧電素子及びチャンバー両方の寸法に影響される)で駆動されると、チャンバーの固有形状により、都合よく両端が圧力の腹(anti−nodes)となりその間が圧力の節(node)となった、固有の定在波パターンが形成される。

チャンバーの閉端に最も近い圧力の腹は、当該閉端の小穴と協働することにより、チャンバーから薬品を放出するシンセティックジェットを実現する。シンセティックジェットは、開口部を急速に通過した空気が、開口部から離れていく渦巻きを発生させる現象である。正味の全体の空気流がゼロになるように、異なるタイミングで逆方向にも同じことが起こる。これらの「内部渦(internal vortices)」(又は噴流)は、チャンバー内の粉末の混合を促進する。しかしながら、渦巻きは粉末薬品を伴ってチャンバーを離れていき、これらの粉末薬品はチャンバーを離れて戻らない。これらは、患者の吸入に利用可能な粒子である。

概要

薬剤(3)を保持するための薬品チャンバー(4)と、薬剤(3)をエアロゾル化するための振動器(2)と、波反射器(6)と、を備える吸入装置であって、薬品チャンバー(4)は、空気が入口穴(7)に引き込まれて出口穴(8)から出ていくことができるように、少なくとも一つの入口穴(7)及び少なくとも一つの出口穴(8)を備え、薬剤の混合及び解放を容易にするために、定在波パターンが、振動器(2)により生成された音響エネルギーであって、反射器(6)により反射されて少なくともある程度は振動器(2)に戻る音響エネルギーにより形成される、吸引装置

目的

別の実施形態において、同じことを達成する別途の手段は、部分反射をもたらす音響インピーダンスを有する反射器6を使用することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

薬剤を保持するための薬品チャンバーと;前記薬剤をエアロゾル化するための振動器と;波反射器と、を備える吸引装置であって、前記薬品チャンバーは、少なくとも一つの入口穴及び少なくとも一つの出口穴を備え;前記吸引装置は、空気が前記入口穴に引き込まれて前記出口穴から出ていくことができるように、定在波パターンが、前記振動器により生成された音響エネルギーであって前記波反射器により反射されて少なくともある程度は前記振動器に戻る音響エネルギーにより形成されるように構成されている、吸引装置。

請求項2

前記振動器が圧電トランスデューサを備えることを特徴とする、請求項1に記載の吸引装置。

請求項3

前記薬品チャンバーが管状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸引装置。

請求項4

前記振動器及び前記波反射器は、前記薬品チャンバーの対向する端部に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸引装置。

請求項5

前記薬剤が乾燥粉末を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸引装置。

請求項6

前記少なくとも一つの入口穴は、前記定在波パターンの節に隣接するように配置されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸引装置。

請求項7

前記少なくとも一つの出口穴は、前記定在波パターンの腹に隣接するように配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸引装置。

請求項8

前記振動器により生成された音響エネルギーは、前記出口穴から前記薬剤を送り出すことができるように、前記薬品チャンバー内で流れを作るのに十分なものであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸引装置。

請求項9

前記薬剤は、前記薬品チャンバーに収容されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸引装置。

請求項10

前記薬剤は、前記薬品チャンバーと連通する容器に収容されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸引装置。

請求項11

前記容器は、前記定在波パターンの腹に隣接するように配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の吸引装置。

請求項12

前記定在波パターンの少なくとも一つの節及び少なくとも一つの腹は、個別量の薬剤が前記容器から計量供給されて前記節と前記腹との間の接合部で静止し得るように配置されていることを特徴とする、請求項11に記載の吸引装置。

請求項13

前記波反射器は、前記振動器により生成された前記音響エネルギーの一部が前記波反射器を透過するような音響インピーダンスを有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の吸引装置。

請求項14

前記音響エネルギーの一部が前記波反射器を透過することにより、節及び腹がシフトする音響エネルギーの干渉パターンが形成されることを特徴とする、請求項13に記載の吸引装置。

請求項15

薬剤を噴霧する方法であって、少なくとも一つの入口穴及び少なくとも一つの出口穴を備える薬品チャンバーを提供するステップと;前記薬品チャンバーの対向する端部に振動器及び反射器を配置するステップと;前記振動器により生成された音響エネルギーの少なくとも一部が反射されて前記振動器に戻るように、前記音響エネルギーを前記反射器へ向かわせるステップと;乾燥粉末薬剤を前記薬品チャンバーへ導入するステップと;を含み、前記乾燥粉末薬剤は、エアロゾル化されて、反射された前記音響エネルギーにより形成された定在波パターンに引き込まれることを特徴とする、方法。

請求項16

前記薬品チャンバーが管状であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。

請求項17

少なくとも一つの入口穴が、前記定在波パターンにより形成された少なくとも一つの節に隣接し、少なくとも一つの出口穴が、前記定在波パターンにより形成された少なくとも一つの腹に隣接することを特徴とする、請求項15又は16に記載の方法。

請求項18

前記薬剤は、前記薬品チャンバーと連通する容器から前記薬品チャンバーへ導入されることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

前記容器は、前記定在波パターンにより形成された少なくとも一つの腹に隣接するように配置されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。

請求項20

個別量の薬剤が、前記容器から、前記定在波パターンにより形成された少なくとも一つの節と少なくとも一つの腹との間の接合部へ計量供給されることを特徴とする、請求項18又は19に記載の方法。

請求項21

前記音響エネルギーの一部が前記反射器を透過することを特徴とする、請求項15〜20のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、概して、薬剤及び薬品の計量、包装、及び送達の分野に関する。特に、本発明の有用性は、計量され包装された、吸入療法用の乾燥粉末状医薬及び薬品の送達に見出され、以下ではそうした有用性に関して説明する。ただし、液体薬用途など、他の有用性も考えられる。

背景技術

0002

特定の気道疾患は、治療薬の直接適用による治療に対して反応することが知られている。これらの治療薬は、乾燥粉末の形で最も容易に入手可能であるので、こうした適用は、又は口を通して粉末材吸入することにより、最も便利に実現される。こうした粉末形状を用いる場合、結果として、望ましい作用が発揮され得る所望部位に薬品が正確に沈着される(deposited)ので、非常に僅かな量の薬品を用いても、別の手段でより多量の投与を行った場合と同じくらい有効であることが多く、また結果として望ましくない副作用及び医薬費用が生じる可能性が著しく低減されるという点で、医薬をよりうまく利用することができる。あるいは、粉末状の薬品は、呼吸器系以外の疾患の治療に使用されてもよい。薬品は、非常に表面積の大きいに沈着されると、血液流に非常に急速に吸収され得る;従って、この適用法は、注入タブレット、その他の従来の手段による投与に取って代わるものとなり得る。

0003

気道に送達される薬品粒子が1ミクロン〜5ミクロンのサイズであるとき、薬品のバイオアベイラビリティが最適となる、というのが薬剤業界の見解である。薬品粒子がこのサイズ範囲に含まれることが必要である場合、乾燥粉末送達システムは、いくつかの問題を解決する必要がある:
(1)小さなサイズの粒子は、製造中及び保管中、自分自身静電荷を帯びる。これにより、粒子が集まったり凝集したりするので、実効的な大きさが5ミクロンを超える粒子クラスターが生じる。このため、これらの大きなクラスター深部肺に到達する可能性は低下する。そうすると、患者が吸収することのできる薬品の割合が低下することになる。
(2)患者に送達される必要がある活性薬品の量は、数十マイクログラムオーダーであり得る。現行粉末充填設備では、マイクログラム量の一定分量の薬品を、許容可能な精度で効果的に送達することができないので、実際の標準的な手法としては、活性薬品をラクトースなどのフィラー又は充填剤と混合する。この添加剤は、薬品を「流れやすく(easy to flow)」もする。場合によっては、このフィラーはキャリアと呼ばれることもある。これらのキャリア粒子は、薬品粒子よりもサイズが大きいことが多い。乾燥粉末吸入具の、キャリアから薬品を分離する能力は、設計の有効性における重要な性能パラメータである。
(3)5ミクロンより大きなサイズの活性薬品粒子は、口又はのいずれかに沈着する。これらの位置における薬品のバイオアベイラビリティ及び薬品吸収は肺とは異なっているので、これにより別のレベル不確実性が導入される。乾燥粉末吸入具は、薬品のバイオアベイラビリティに伴う不確実性を低減するために、これらの位置に沈着した薬品を最少化する必要がある。

0004

従来技術による乾燥粉末吸入具(DPIs:dry powder inhalers)は、通常、薬品(活性薬品+キャリア)を高速空気流へ導入するための手段を有する。高速空気流は、微粉化粒子のクラスターを粉砕するか又はキャリアから薬品粒子を分離するための一次機構として使用される。この粉末状医薬投薬に有用ないくつかの吸入装置が、従来技術において知られている。例えば、米国特許第3507277号明細書(特許文献1);米国特許第3518992号明細書(特許文献2);米国特許第3635219号明細書(特許文献3);米国特許第3795244号明細書(特許文献4);及び米国特許第3807400号明細書(特許文献5)には、粉末医薬を収容するカプセルの頂部に穿孔を形成するか又は当該頂部を除去するための手段を有する吸入装置が開示されている。当該粉末医薬は、吸入時に、穿孔の形成された(pierced)カプセル又は頂部が開いた(topped)カプセルから使用者の口内へ引き込まれる。これらの特許のうちいくつかでは、カプセルから粉末を吸引するのに吸入空気だけに頼る必要がなくなるように、吸入時にカプセルから粉末を分配する助けとなるプロペラ手段が開示されている。

0005

上述のような従来技術の装置には、乾燥粉末を肺に送達するには望ましくない、いくつかのデメリットがある。これらのデメリットのうちいくつかとして、例えば以下のようなものがある:
− 従来技術の吸入具の性能が、使用者が発生させる流量に依存する。流量が低いと、粉末を完全に解凝集することができないので、患者に送達される量に悪影響を及ぼす。
− 解凝集プロセスにおける一貫性欠如により、投薬ごとに薬品のバイオアベイラビリティが一貫しない。
電気機械式吸入具を駆動するには大きなエネルギーが必要である。この場合、装置のサイズが増加し、携帯して使用するには適さなくなってしまう。
− 開口したカプセル又は頂部が開いたカプセルからの医薬ロスが起こる。
酸素又は水分に曝されることにより、開口したカプセル又は頂部が開いたカプセル中の医薬が劣化する。

0006

従来技術についての上記説明は、ある程度米国特許第7318434号明細書(特許文献6)から導かれたものである。同文献では、ブリスターパックなどからの薬品粉末をエアロゾル化するためにシンセティックジェット技術を用いた乾燥粉末吸入具について記載されている。境界の一端が音響波発生装置により形成され、境界の他端が小オリフィスを有する剛性壁部により形成されたチャンバーを用いる場合、音響波が十分に高い周波数及び振幅発生器から放出されると、オリフィスからチャンバーの外へ出てくる空気の噴流が生じ得るということが知られている。この噴流、いわゆる「シンセティックジェット」は、発生器の周波数でオリフィスにおいて形成される一連空気渦から構成される。しかしながら、前述の’434特許に記載されているように、ブリスターパックなどから乾燥粉末材を解凝集させて噴出させるためにシンセティックジェットを使用すると、従来技術の乾燥粉末吸入具を上回る利点が得られる。

0007

より具体的には、前述の’434特許では、乾燥粉末を保持する乾燥粉末用第1チャンバーと、第1チャンバーからエアロゾル状の乾燥粉末を受容するとともにエアロゾル化した乾燥粉末を使用者に送達するための、通路を介して第1チャンバーに接続された第2チャンバーと、を有する乾燥粉末吸入具が提供される。振動器が、第1チャンバー中で乾燥粉末に結合される。通路のアスペクト比(長さ対断面比又は長さ対直径比)が増加するにつれて噴射効率は低下するので、シンセティックジェットを実現するためには、第1チャンバーを第2チャンバーに接続する通路は、好ましくは(必ずしも必要ではないが)アスペクト比が少なくとも約1に等しく、振動器は、気体が通路中で前進または後退する距離が通路の断面又は直径の少なくとも約2倍となるように、活性化されるとともに第1チャンバーに結合される。

0008

前述の’434特許の一実施形態では、第1チャンバーは、振動素子を有するシリンダー又はブリスターの形状に形成され、振動素子は、チャンバーの一つの壁部を形成するか、又はチャンバーから離間して形成されてブリスターに結合される。

0009

前述の’434特許の第2実施形態では、第1チャンバーは、振動素子を有するホーンの形状に形成され、振動素子は、チャンバーの一つの壁部を形成するか、又は気体柱を介してチャンバーの壁部に結合される。

0010

前述の’434特許の第3実施形態では、第1チャンバーは、ホーンの形状に形成され、定在波共鳴装置がチャンバーの壁部に結合される。米国特許第7334577号明細書(特許文献7);米国特許第7779837号明細書(特許文献8)、及び米国特許第8322338号明細書(特許文献9)も参照のこと。これらの出願の内容は、その全体が参照により本出願に組み込まれる。

0011

上述の特許に記載されたブリスターの実施例は、倒立ケトルドラムといくつかの類似点を有する。ここで、倒立ケトルドラムは、圧電トランスデューサがチャンバー(すなわちドラム)の開放端に対して音響エネルギーを加えるものである。閉端小穴は、チャンバーに装填された薬品用のエスケープ通路を提供する。正しい周波数(圧電素子及びチャンバー両方の寸法に影響される)で駆動されると、チャンバーの固有形状により、都合よく両端が圧力の腹(anti−nodes)となりその間が圧力の節(node)となった、固有の定在波パターンが形成される。

0012

チャンバーの閉端に最も近い圧力の腹は、当該閉端の小穴と協働することにより、チャンバーから薬品を放出するシンセティックジェットを実現する。シンセティックジェットは、開口部を急速に通過した空気が、開口部から離れていく渦巻きを発生させる現象である。正味の全体の空気流がゼロになるように、異なるタイミングで逆方向にも同じことが起こる。これらの「内部渦(internal vortices)」(又は噴流)は、チャンバー内の粉末の混合を促進する。しかしながら、渦巻きは粉末薬品を伴ってチャンバーを離れていき、これらの粉末薬品はチャンバーを離れて戻らない。これらは、患者の吸入に利用可能な粒子である。

先行技術

0013

米国特許第3507277号明細書
米国特許第3518992号明細書
米国特許第3635219号明細書
米国特許第3795244号明細書
米国特許第3807400号明細書
米国特許第7318434号明細書
米国特許第7334577号明細書
米国特許第7779837号明細書
米国特許第8322338号明細書
米国特許出願第12/985158号明細書

課題を解決するための手段

0014

本発明の一態様では、
薬剤を保持するための薬品チャンバーと;
薬剤をエアロゾル化するための振動器と;
反射器と、
を備える吸入装置であって、
薬品チャンバーは、少なくとも一つの入口穴及び少なくとも一つの出口穴を備え;
吸引装置は、空気が入口穴に引き込まれて出口穴から出ていくことができるように、定在波パターンが、振動器により生成された音響エネルギーであって波反射器により反射されて少なくともある程度は振動器に戻る音響エネルギーにより形成されるように構成されている、吸引装置が提供される。

0015

一実施形態では、音響波は、圧電トランスデューサにより生成される。

0016

本発明により、低コストながら有効な送達が可能である装置を用いて、単純かつ信頼性の高い方法で吸入用の薬品を送達することが可能である。また、小型で所要電力が低い装置が得られる。

0017

次いで、本発明の実施例について添付図面を参照して説明する。

図面の簡単な説明

0018

図1は、従来技術の構成例の概略側面図である。
図2は、従来技術の構成例の概略側面図である。
図3は、本発明に係る装置の構成要素の概略側面図である。
図4は、本発明に係る装置の構成要素の概略側面図である。

実施例

0019

図1を参照すると、既存の設計では、特別なドーム状の薬品ブリスターをチャンバーとして用いている。これには、使用直前噴出穴を作るための特別な穿孔具が必要となる。この場合、圧電素子は、封止されたブリスターの蓋材と接触した状態で配置され、ブリスターの底部を振動させるとともに内部の薬品粉末を直接かき立てる。この能力で、圧電素子は、1)シンセティックジェットをもたらす音響波を作るとともに、2)直接振動により蓋材上に位置する薬品を解凝集させる。

0020

最近になって、代替的な装置が設計されている。その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第12/985158号明細書(特許文献10)に記載されるような、振動装置に結合された薬品チャンバーを備えるドラッグデリバリーシステムである。’158出願に記載された一実施形態では、吸入具には、複数回投与分の医薬品を受容するように構成された容器及び薬品チャンバーの組合せが設けられる。従前のように、薬品チャンバーは、薬剤をエアロゾル化するとともにエアロゾル化した薬剤を患者に送達するための振動装置に結合される。

0021

さらに最近になると、’158特許に記載された硬い薬品チャンバーは、図2(Aが圧力の腹を表し、Nが圧力の節を表すことに留意されたい)に図示されるように、薬品チャンバーを密封するとともにチャンバーを振動装置に結合する機能を果たす薄膜を含むように修正されてきた。

0022

図示するように、現在は、プラスチック薄膜が開放端をカバーする。圧電素子は、当該開放端を通して音響エネルギーを加える。穿孔形成により元構造に対して設けられる噴出穴に代わって、小噴出穴がチャンバーに成形される(molded)。この場合、蓋材を引き剥がした結果として、薬品ブリスター自体が、薬品ブリスターの内容物がチャンバー壁部の小開口部を通してチャンバーに送達されるチャンバー側面に再配置されている。この配置では、ブリスターの開口部は、チャンバーの外周上で圧力の腹(A)の近傍に配置される。腹での圧力変動及び圧電素子の直接振動により、薬品をブリスターからチャンバーに移送するのが容易になると考えられる。ここで、圧電素子は、圧電素子と連通する周囲構造によりブリスターに結合されている。なお、これまでの説明はすべて、吸入用に粉末薬品を患者に移送するためにシンセティックジェットを用いるものである。一方、本発明では、粉末薬剤を分散させるために音響ストリーミングを使用する。音響ストリーミングとは、媒体を通過する音が運動量を当該媒体に伝えることにより当該媒体を動かす現象である。一例として、40kHz圧電素子トランスデューサを使用して実証可能な、いわゆる「レイリーストリーミング」がある。例えば、このようなトランスデューサが、反対側の端部に適切な反射器が配置された状態で、閉管に面して十分に高振幅で駆動されると、管内の粉末を動かすことが可能である。驚くべきことに、この効果は、解凝集した微細粉末をエアロゾル化するのに十分以上のものである。当業者であれば理解するように、この効果は、薬品ペレットでも解凝集させ得るものである。

0023

驚くべきことに、図3に示すように、本発明者は、波の大半がトランスデューサに直接戻るように反射器6を導入すると、チャンバー内に定在波パターンを形成することが可能であることを見出した。このようなチャンバーが単純な管形状であり、一端が圧電素子2で閉鎖され、他端に硬い反射器が設けられている場合、非常に特定された位置に圧力の節及び腹が生じる。これらの位置においてチャンバー壁部4に穴7、8を配置することにより、節はポンプ入口として機能し、圧力の腹はポンプ出口として機能する。十分な音響エネルギーで駆動されると、音響的非線形性音場内に形成されることで腹における圧力スイングが非対称的になり、流れを作るのに十分な圧力差が生じる。なお、圧電素子2は管のいずれの端部に配置されてもよいが、圧電素子が管の底部に配置されると、圧電素子が薬品粉末の直接振動により解凝集を促進することができるので、より著しい解凝集が可能となる。

0024

乾燥粉末がシステムへ導入されると(この導入は都合のよい任意の手段(図示せず)で行うことができる)、粉末は、システムを通してポンピングされる空気の通路に沿って進み得る。これは図3及び図4に示されている。「定在波ポンプ」に基づく乾燥粉末噴霧器の一例が図示される。このシナリオでは、圧電素子2(PZT)は、所望の音響波を作るように機能するだけでなく、粉末薬品3を積極的に振動させるようにも機能する。なお、このポンピング動作はシンセティックジェットを伴わない。

0025

代替的な構成が図4に図示される。この場合、薬品3は、圧力の節と流体連通しているホッパー10の内部に収容される。薬品は、ホッパー10から定在波ポンプへ「計量」される。定在波ポンプ中では、薬品は、底部の圧力の腹に向かう。この場合、圧電素子2の振動が薬品ホッパーへ直接結合し、粒子をかき立てて当該粒子をチャンバーへ動かす。

0026

微細粒子は、圧力の節内にトラップされ、節とそのすぐ下の腹との接合部において重力下で静止することがある。これは欠点とも考えられるが、逆に、粉末薬品の個別パケット(discrete packets)を計量供給する(metering out)目的でこの効果を利用することができる。これは、このような計量を行うための薬品ブリスターを有しない上述の噴霧器では特に有利であろう。粒子は、小パケット中にトラップされた後、粒子がシステムから解放され得るいくつかの都合のよい出口点に向かって動かされ得る。共鳴が失われないように圧電素子を注意深く動作させながら、圧電動作の周波数を変化させることにより、これを実現することができる。共鳴が失われると、出力が大幅に低下するおそれがある。このような実施形態が本発明に包含される。

0027

別の実施形態において、同じことを達成する別途の手段は、部分反射をもたらす音響インピーダンスを有する反射器6を使用することである。この場合、音響エネルギーの一部は反射器を通過し、一部は反射される。弱い反射波は、異なる(あるいは変化する)干渉パターンを形成し得る。このような干渉パターンは、節及び腹を移動させる。この場合の利点は、その場その場で周波数を変化させる必要がなく、装置が著しく簡略化されるということである。また、これにより、薬品容器アプローチ(ブリスターアプローチの対語)の使用が容易になり得る。薬品容器アプローチでは、薬品ストリップモーター、及び関連するセンサーを必要としないことによる、さらなる利点が得られる。当然ながら、(音響的)駆動源の近傍に薬品を運ぶためには、モーターは依然として必要である。なお、特定のサイズの粒子のみが圧力の節内にトラップされる傾向を有する。音響場により支持されるには重すぎるものは、薬品装填部へ後退し、そこでさらにかき立てられ得る。支持される程度に軽いものは、吸入用に使用可能である。

0028

なお、薬品ホッパーを図4に示しているが、その代わりに粉末をチャンバーに送達する任意の手段(これに限られないが、薬品ブリスターなど)を使用することができる。上記の詳細な説明及び好ましい実施形態が、単に本開示に従って構築された吸入装置の例示のためのものであることは理解されるべきである。本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本願明細書で開示された吸入具の様々な代替例及び修正例が当業者により考案され得る。

0029

2圧電素子
3薬剤
4薬品チャンバー
6 波反射器
7入口穴
8出口穴
10 ホッパー

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