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技術 上方発射ドライバのための受動および能動仮想高さフィルタ・システム

出願人 ドルビーラボラトリーズライセンシングコーポレイション
発明者 スミザーズ,マイケルクロケット,ブレットジー.シーフェルト,アランジェイ.ブラウン,シー.フィリップ
出願日 2015年6月2日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-570977
公開日 2017年7月27日 (2年1ヶ月経過) 公開番号 2017-520989
状態 特許登録済
技術分野 可聴帯域変換器の回路等 可聴帯域変換器の細部 I (筐付等) 可聴帯域変換器の細部(特性を得るもの)
主要キーワード 取り付け平面 有効周波数範囲 高周波ドライバ 穿孔構造 バッフリング 定格パワー つらいち 参照軸
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

諸実施形態は、スピーカーからある距離の聴取位置に向けて天井から音を反射させる上方発射スピーカー・システム一緒にまたはかかる上方発射スピーカー・システムにおいて使うための、頭上オーディオ成分をもつオーディオオブジェクト再生するための高さ手がかりを提供する仮想高さフィルタに向けられる。方向性聴覚モデルに基づく仮想高さフィルタが上方発射ドライバに適用されて、仮想高さスピーカーによって送出されるオーディオ信号についての高さの知覚を改善し、頭上反射音の最適な再生を提供する。仮想高さフィルタは、アナログまたはデジタルフィルタ回路またはスピーカー・グリルエンクロージャーまたはドライバ設計もしくは構成を含む機械的な構造の任意のものまたは組み合わせによって提供される。

概要

背景

デジタル映画到来は、映画館サウンドについての新たなスタンダードを作り出した。たとえば、コンテンツクリエーターにとってのより大きな創造性許容する複数チャネルオーディオの組み込みや、聴衆にとってより包み込むような、リアル聴覚経験などである。空間的オーディオ・コンテンツを配送し、種々の再生構成においてレンダリングする手段として伝統的なスピーカーフィードおよびチャネルベースのオーディオを超えて拡張する、モデル・ベースのオーディオ記述が開発されている。真の三次元(3D)または仮想3D環境での音の再生は、ますます研究開発がされる領域となっている。音の空間的呈示はオーディオ・オブジェクトを利用する。オーディオ・オブジェクトは、見かけの源位置(たとえば3D座標)、見かけの源幅および他のパラメータの、関連付けられたパラメトリックな源記述をもつオーディオ信号である。オブジェクト・ベースのオーディオは、デジタル映画、ビデオ・ゲーム、シミュレータのような多くのマルチメディアアプリケーションのために使用されることができ、スピーカーの数および配置が一般に、比較的小さな聴取環境の範囲によって制限または制約されている家庭環境において特に重要である。

完全な映画館環境およびより小規模な家庭環境の両方におけるサウンドトラックのために、クリエーターの芸術的な意図をより正確に捉えて再現するために、さまざまな技術が開発されてきた。ドルビー登録商標アトモス(登録商標)システムにおいて具現されている次世代空間的オーディオ(「適応オーディオ(adaptive audio)」とも称される)フォーマットが開発されているが、これは、オーディオ・オブジェクトについての位置メタデータとともに、オーディオ・オブジェクトおよび伝統的なチャネル・ベースのスピーカー・フィードの混合を含む。空間的オーディオ・デコーダでは、チャネルは関連付けられたスピーカーに直接送られるまたは既存のスピーカー・セットに下方混合〔ダウンミキシング〕され、オーディオ・オブジェクトは柔軟な仕方でデコーダによってレンダリングされる。3D空間における位置軌跡のような各オブジェクトに関連付けられたパラメトリックな源記述は、デコーダに接続されたスピーカーの数および位置とともに、入力として取られる。レンダラーは、各オブジェクトに関連付けられたオーディオを、一組の取り付けられたスピーカーを横断して分配するようある種のアルゴリズムを利用する。こうして、各オブジェクトのオーサリングされた空間的意図は、聴取環境に存在している特定のスピーカー構成を通じて最適に提示される。

現在の空間的オーディオ・システムは、先例のないレベルの聴衆没入感ならびにオーディオ位置および動き最高の精度を提供する。だが一般に、映画館での使用のために開発されているので、大きな部屋での配備および劇場分布された複数のスピーカーのアレイを含む比較的高価な設備の使用を必要とする。しかしながら、ストリーミング技術ブルーレイディスクなどのような進んだ媒体技術を通じて、進んだオーディオ・コンテンツがますます大量に、家庭環境での再生のために利用可能にされつつある。空間的オーディオ(たとえばドルビー・アトモス)コンテンツの最適な再生のためには、家庭聴取環境は、三次元空間において聴取者の上方で発することが意図されているオーディオを再現できるスピーカーを含むべきである。これを達成するために、消費者は、伝統的な二次元サラウンド・システムの上方の推奨される位置において天井に追加的なスピーカーを取り付けることができ、ホームシアターに熱心な一部の人はこの手法を取る可能性が高い。しかしながら、多くの消費者にとって、そのような高さスピーカーは手が出ないことがあり、あるいは設置の困難を呈することがある。この場合、頭上音オブジェクトが床または壁に取り付けたスピーカーを通じてのみ再生されるならば、高さ情報が失われる。

家庭環境において適応オーディオ・コンテンツの再生を容易にするために、高さスピーカーまたは天井スピーカーを、上向きに配向され、音を表面(典型的には天井)から反射させて、高さ位置から発することが意図されている音が、天井からはね返される反射を通じて、高さ位置から発するようにするスピーカーで置き換えることに努力が払われてきた。正確な音レンダリングを提供するために、そのようなスピーカー・システムは、同じスピーカーを通じて再生される直接音成分および反射音成分を補償するための何らかのフィルタリングを提供する必要がある。現在の解決策は、スピーカーに伝送された信号を電気的またはデジタル的にフィルタリングする回路を設け、フィルタが、表面から反射された音に存在する高さ手がかり優先して、聴取環境を通じて直接聴取者まで進む音波における高さ手がかりを補償する。そのようなフィルタは、一般に「耳介フィルタ(pinna filter)」と称されてもよい。耳介フィルタの実際的な電気的な実装は、キャパシタインダクタおよび抵抗器のようなかなりの数の電気素子を必要とする。フィルタおよびスピーカー設計に依存して、これらの素子コストはスピーカー・ドライバ自身のコストを上回ることがありうる。さらに、耳介フィルタのデジタル的なフィルタ実装は常に実現可能なわけではなく、レンダリング・システムまたはホームシアター・システムの機能に依存する。開発されている他の解決策は、スピーカー・ドライバ自身を修正して所望される耳介フィルタ応答に近い周波数応答をもつようにすることを含む。

概要

諸実施形態は、スピーカーからある距離の聴取位置に向けて天井から音を反射させる上方発射スピーカー・システムと一緒にまたはかかる上方発射スピーカー・システムにおいて使うための、頭上オーディオ成分をもつオーディオ・オブジェクトを再生するための高さ手がかりを提供する仮想高さフィルタに向けられる。方向性聴覚モデルに基づく仮想高さフィルタが上方発射ドライバに適用されて、仮想高さスピーカーによって送出されるオーディオ信号についての高さの知覚を改善し、頭上反射音の最適な再生を提供する。仮想高さフィルタは、アナログまたはデジタル・フィルタ回路またはスピーカー・グリルエンクロージャーまたはドライバ設計もしくは構成を含む機械的な構造の任意のものまたは組み合わせによって提供される。

目的

発明の分野
一つまたは複数の実装は、概括的にはオーディオ・スピーカーに、さらには、反射された信号を生成する上方発射スピーカーのための仮想高さフィルタリングを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

直接発射ドライバに比して反射される音波送出する上方発射ドライバを少なくとも有するスピーカー・システムへのインターフェースと;聴取環境において聴取者に対して仮想高さの知覚を強調する、前記反射される音波への周波数応答を付与する目標伝達曲線を作り出すよう、前記上方発射ドライバに伝送される信号に周波数応答曲線を適用する仮想高さフィルタとを有する、装置。

請求項2

前記仮想高さフィルタは、前記聴取環境の表面から投射される前記反射される音に存在している高さ手がかり優先して、前記聴取環境を通じて直接伝送される音波に存在する高さ手がかりを補償する、請求項1記載の装置。

請求項3

前記仮想高さフィルタは、アナログフィルタ回路およびデジタル・フィルタ回路の少なくとも一方を含む能動的なシステムを有し、前記デジタル・フィルタ回路はデジタル信号処理(DSP)回路を有する、請求項1または2記載の装置。

請求項4

直接発射ドライバに低周波数信号を伝送するよう構成された低域通過セクションと、前記上方発射ドライバに上の高周波数信号を伝送するよう構成された高域通過セクションとを有するクロスオーバーをさらに有する、請求項3記載の装置。

請求項5

前記反射される音波を生成するコーンを有するスピーカー・ドライバの少なくとも一部を覆う、前記ドライバに近接してある定義された距離のところに取り付けられたグリルを有しており、前記グリルは、前記仮想高さフィルタの機能の少なくとも一部を提供する前記音波への周波数応答を付与するよう構成されている、請求項1ないし4のうちいずれか一項記載の装置。

請求項6

前記周波数応答を付与するよう設計された前記グリルの構成は、前記グリルの形および輪郭、前記グリルから前記スピーカー・ドライバまでの距離ならびに前記グリルの穿孔の数、サイズおよびパターンまたは前記グリルのメッシュ・パターンのうちの少なくとも一つを含む、請求項5記載の装置。

請求項7

前記一つまたは複数のコンポーネントは、前記仮想高さフィルタの機能の少なくとも一部を提供する前記音波への周波数応答を付与するよう構成された、前記上方発射ドライバを収容しているエンクロージャー構造コンポーネントを有する、請求項1ないし6のうちいずれか一項記載の装置。

請求項8

前記構造コンポーネントは、前記エンクロージャーの形状およびサイズ、前記エンクロージャーの内部バッフリング、前記エンクロージャーの内部共鳴室のうちの一つを含む、請求項7記載の装置。

請求項9

前記仮想高さフィルタによって適用される前記仮想高さフィルタリング機能は、前記聴取環境の前記表面から反射される前記反射される音波に存在している高さ手がかりを優先して、前記聴取環境を通じて直接伝送される音波に存在する高さ手がかりを補償する耳介フィルタ応答曲線を有する、請求項1ないし8のうちいずれか一項記載の装置。

請求項10

前記仮想高さフィルタが、前記応答曲線におけるピーク応答を生成するよう構成されており、前記コンポーネントのうちの別のものが前記応答曲線におけるディップを生成するよう構成されている、請求項9記載の装置。

請求項11

前記ピーク応答が約7kHzであり、前記ディップが約12kHzである、請求項10記載の装置。

請求項12

前記聴取環境内のある聴取位置において、より平坦な全体的な周波数応答を達成するために、高周波数ブーストをもって前記応答曲線を増強する単調ブースト・コンポーネントをさらに有する、請求項9または10記載の装置。

請求項13

前記単調ブースト・コンポーネントは、方向差のある放射および前記表面からの反射に起因する高周波数の減衰を補償するよう前記上方発射ドライバの参照軸測定の目標周波数応答に高周波数ブーストを提供するよう構成されている、請求項12記載の装置。

請求項14

前記単調ブースト・コンポーネントは、5kHzから始まりオクターブ当たり4dBのブーストを提供するよう構成されている、請求項12または13記載の装置。

請求項15

前記仮想高さフィルタを概括的に定義する大まかな周波数応答曲線を生成するよう構成された一つまたは複数のコンポーネントと、誤差補正し、前記大まかな周波数応答を前記仮想高さフィルタのより近い近似になるよう適合させるよう構成された別のコンポーネントとをさらに有する、請求項1ないし14のうちいずれか一項記載の装置。

請求項16

部屋における聴取位置に部屋の天井から音波を反射させるスピーカー・システムにおいて使う仮想高さフィルタであって:前記仮想高さフィルタは、目標伝達曲線を作り出すための、上方発射ドライバに伝送される信号に対する周波数応答曲線の少なくとも一部を生成するよう構成された能動的な仮想高さフィルタ回路を有し、前記周波数応答曲線は、スピーカー位置からの方向手がかりを少なくとも部分的に除去して、反射点からの方向手がかりを少なくとも部分的に挿入することによって、天井から反射される音に存在している高さ手がかりを優先して、部屋を通じて直接伝送される音波に存在する高さ手がかりを補償するものであり、前記仮想高さフィルタはさらに、前記周波数応答曲線の少なくとも一部を生成するよう構成され、前記上方発射ドライバの機械的な側面または前記上方発射ドライバを収容するエンクロージャーに組み込まれている受動的な仮想高さフィルタ・システムを有する、仮想高さフィルタ。

請求項17

前記能動的な仮想高さフィルタ回路は、アナログ・フィルタ回路およびデジタル・フィルタ回路の少なくとも一方を有し、前記デジタル・フィルタ回路はデジタル信号処理(DSP)回路を有する、請求項16記載の仮想高さフィルタ。

請求項18

直接発射ドライバに低周波数信号を伝送するよう構成された低域通過セクションと、前記上方発射ドライバに上の高周波数信号を伝送するよう構成された高域通過セクションとを有するクロスオーバーをさらに有する、請求項17記載の仮想高さフィルタ。

請求項19

前記受動的な仮想高さフィルタ・システムが:音波を生成するコーンを有するスピーカー・ドライバの少なくとも一部を覆う、前記ドライバに近接してある定義された距離のところに取り付けられたグリルであって、該グリルは、前記仮想高さフィルタの機能の少なくとも一部を提供する前記音波への周波数応答を付与するよう構成される、グリルと;前記仮想高さフィルタの機能の少なくとも一部を提供する前記音波への周波数応答を付与するよう構成された前記エンクロージャーの構造コンポーネントとのうちの少なくとも一方を有する、請求項16ないし18のうちいずれか一項記載の仮想高さフィルタ。

請求項20

前記周波数応答を付与するよう設計された前記グリルの構成は、前記グリルの形および輪郭、前記グリルから前記スピーカー・ドライバまでの距離ならびに前記グリルの穿孔の数、サイズおよびパターンまたは前記グリルのメッシュ・パターンのうちの少なくとも一つを含む、請求項19記載の仮想高さフィルタ。

請求項21

前記構造コンポーネントは、前記エンクロージャーの形状およびサイズ、前記エンクロージャーの内部バッフリング、前記エンクロージャーの内部共鳴室のうちの一つを含む、請求項20記載の仮想高さフィルタ。

請求項22

前記一つまたは複数のコンポーネントによって適用される前記仮想高さフィルタリング機能が、前記聴取環境の前記表面から反射される音に存在している高さ手がかりを優先して、前記聴取環境を通じて直接伝送される音波に存在する高さ手がかりを補償する耳介フィルタ応答曲線を有する、請求項16ないし21のうちいずれか一項記載の仮想高さフィルタ。

請求項23

前記一つまたは複数のコンポーネントのうちの少なくとも一つが、前記仮想高さフィルタのピーク応答を生成するよう構成されており、それらのコンポーネントうち別のものが前記仮想高さフィルタの応答におけるディップを生成するよう構成されている、請求項22記載の仮想高さフィルタ。

請求項24

前記一つまたは複数のコンポーネントのうちの少なくとも一つが前記仮想高さフィルタを概括的に定義する大まかな周波数応答曲線を生成するよう構成されており、別のコンポーネントが、誤差を補正し、前記大まかな周波数応答を前記仮想高さフィルタのより近い近似になるよう適合させるよう構成されている、請求項22記載の仮想高さフィルタ。

請求項25

部屋における表面から音を反射させる上方発射ドライバを有するスピーカー・システムに仮想高さフィルタ伝達関数を提供する方法であって:目標伝達曲線を作り出すための、上方発射ドライバに伝送される信号に対する周波数応答曲線の少なくとも一部を生成するよう構成された能動的な仮想高さフィルタ回路を提供する段階であって、前記周波数応答曲線は、スピーカー位置からの方向手がかりを少なくとも部分的に除去して、反射点からの方向手がかりを少なくとも部分的に挿入することによって、前記表面から反射される音に存在している高さ手がかりを優先して、部屋を通じて直接伝送される音波に存在する高さ手がかりを補償するものである、段階と;前記周波数応答曲線の少なくとも一部を生成するよう構成され、前記上方発射ドライバの機械的な側面または前記上方発射ドライバを収容するエンクロージャーに組み込まれている受動的な仮想高さフィルタ・システムを提供する段階とを含む、方法。

請求項26

前記スピーカー・システムは、前記スピーカーを包含している部屋における聴取者の上方に位置する見かけ音源から発している音を表わす高さ手がかりをもつオブジェクトベースオーディオを含むオーディオ・コンテンツ再生する、請求項25記載の方法。

請求項27

前記能動的な仮想高さフィルタ回路は、アナログ・フィルタ回路およびデジタル・フィルタ回路の少なくとも一方を有し、前記デジタル・フィルタ回路はデジタル信号処理(DSP)回路を有する、請求項25記載の方法。

請求項28

前記受動的な仮想高さフィルタ・システムが:音波を生成するコーンを有するスピーカー・ドライバの少なくとも一部を覆う、前記ドライバに近接してある定義された距離のところに取り付けられたグリルであって、該グリルは、前記仮想高さフィルタの機能の少なくとも一部を提供する前記音波への周波数応答を付与するよう構成される、グリルと;前記仮想高さフィルタの機能の少なくとも一部を提供する前記音波への周波数応答を付与するよう構成された前記エンクロージャーの構造コンポーネントとのうちの少なくとも一方を有する、請求項25ないし27のうちいずれか一項記載の方法。

請求項29

前記周波数応答を付与するよう設計された前記グリルの構成は、前記グリルの形および輪郭、前記グリルから前記スピーカー・ドライバまでの距離ならびに前記グリルの穿孔の数、サイズおよびパターンまたは前記グリルのメッシュ・パターンのうちの少なくとも一つを含む、請求項28記載の方法。

請求項30

前記構造コンポーネントは、前記エンクロージャーの形状およびサイズ、前記エンクロージャーの内部バッフリング、前記エンクロージャーの内部共鳴室のうちの一つを含む、請求項29記載の方法。

請求項31

前記一つまたは複数のコンポーネントによって適用される前記仮想高さフィルタリング機能が、前記聴取環境の前記表面から反射される音に存在している高さ手がかりを優先して、前記聴取環境を通じて直接伝送される音波に存在する高さ手がかりを補償する耳介フィルタ応答曲線を有する、請求項25ないし30のうちいずれか一項記載の方法。

請求項32

前記聴取環境内のある聴取位置において、より平坦な全体的な周波数応答を達成するために、前記応答曲線を増強するよう高周波数ブーストを提供する、請求項25ないし31のうちいずれか一項記載の方法。

請求項33

前記高周波数ブーストは、方向差のある放射および前記表面からの反射に起因する高周波数の減衰を補償するよう前記上方発射ドライバの参照軸測定の目標周波数応答において提供される、請求項32記載の方法。

請求項34

前記高周波数ブーストは、5kHzから始まりオクターブ当たり4dBのブーストを提供する、請求項32または33記載の方法。

技術分野

0001

関連出願への相互参照
本願は、2014年6月3日に出願された米国仮特許出願第62/007,354号および2015年5月19日に出願された米国仮特許出願第62/163,502号の優先権の利益を主張するものである。各出願の内容はここに参照によってその全体において組み込まれる。

0002

発明の分野
一つまたは複数の実装は、概括的にはオーディオスピーカーに、さらには、反射された信号を生成する上方発射スピーカーのための仮想高さフィルタリングを提供するための能動的な高さフィルタ回路および受動的なスピーカー・グリル構成に関する。

背景技術

0003

デジタル映画到来は、映画館サウンドについての新たなスタンダードを作り出した。たとえば、コンテンツクリエーターにとってのより大きな創造性許容する複数チャネル・オーディオの組み込みや、聴衆にとってより包み込むような、リアル聴覚経験などである。空間的オーディオ・コンテンツを配送し、種々の再生構成においてレンダリングする手段として伝統的なスピーカー・フィードおよびチャネルベースのオーディオを超えて拡張する、モデル・ベースのオーディオ記述が開発されている。真の三次元(3D)または仮想3D環境での音の再生は、ますます研究開発がされる領域となっている。音の空間的呈示はオーディオ・オブジェクトを利用する。オーディオ・オブジェクトは、見かけの源位置(たとえば3D座標)、見かけの源幅および他のパラメータの、関連付けられたパラメトリックな源記述をもつオーディオ信号である。オブジェクト・ベースのオーディオは、デジタル映画、ビデオ・ゲーム、シミュレータのような多くのマルチメディアアプリケーションのために使用されることができ、スピーカーの数および配置が一般に、比較的小さな聴取環境の範囲によって制限または制約されている家庭環境において特に重要である。

0004

完全な映画館環境およびより小規模な家庭環境の両方におけるサウンドトラックのために、クリエーターの芸術的な意図をより正確に捉えて再現するために、さまざまな技術が開発されてきた。ドルビー登録商標アトモス(登録商標)システムにおいて具現されている次世代空間的オーディオ(「適応オーディオ(adaptive audio)」とも称される)フォーマットが開発されているが、これは、オーディオ・オブジェクトについての位置メタデータとともに、オーディオ・オブジェクトおよび伝統的なチャネル・ベースのスピーカー・フィードの混合を含む。空間的オーディオ・デコーダでは、チャネルは関連付けられたスピーカーに直接送られるまたは既存のスピーカー・セットに下方混合〔ダウンミキシング〕され、オーディオ・オブジェクトは柔軟な仕方でデコーダによってレンダリングされる。3D空間における位置軌跡のような各オブジェクトに関連付けられたパラメトリックな源記述は、デコーダに接続されたスピーカーの数および位置とともに、入力として取られる。レンダラーは、各オブジェクトに関連付けられたオーディオを、一組の取り付けられたスピーカーを横断して分配するようある種のアルゴリズムを利用する。こうして、各オブジェクトのオーサリングされた空間的意図は、聴取環境に存在している特定のスピーカー構成を通じて最適に提示される。

0005

現在の空間的オーディオ・システムは、先例のないレベルの聴衆没入感ならびにオーディオ位置および動き最高の精度を提供する。だが一般に、映画館での使用のために開発されているので、大きな部屋での配備および劇場分布された複数のスピーカーのアレイを含む比較的高価な設備の使用を必要とする。しかしながら、ストリーミング技術ブルーレイディスクなどのような進んだ媒体技術を通じて、進んだオーディオ・コンテンツがますます大量に、家庭環境での再生のために利用可能にされつつある。空間的オーディオ(たとえばドルビー・アトモス)コンテンツの最適な再生のためには、家庭聴取環境は、三次元空間において聴取者の上方で発することが意図されているオーディオを再現できるスピーカーを含むべきである。これを達成するために、消費者は、伝統的な二次元サラウンド・システムの上方の推奨される位置において天井に追加的なスピーカーを取り付けることができ、ホームシアターに熱心な一部の人はこの手法を取る可能性が高い。しかしながら、多くの消費者にとって、そのような高さスピーカーは手が出ないことがあり、あるいは設置の困難を呈することがある。この場合、頭上音オブジェクトが床または壁に取り付けたスピーカーを通じてのみ再生されるならば、高さ情報が失われる。

0006

家庭環境において適応オーディオ・コンテンツの再生を容易にするために、高さスピーカーまたは天井スピーカーを、上向きに配向され、音を表面(典型的には天井)から反射させて、高さ位置から発することが意図されている音が、天井からはね返される反射を通じて、高さ位置から発するようにするスピーカーで置き換えることに努力が払われてきた。正確な音レンダリングを提供するために、そのようなスピーカー・システムは、同じスピーカーを通じて再生される直接音成分および反射音成分を補償するための何らかのフィルタリングを提供する必要がある。現在の解決策は、スピーカーに伝送された信号を電気的またはデジタル的にフィルタリングする回路を設け、フィルタが、表面から反射された音に存在する高さ手がかり優先して、聴取環境を通じて直接聴取者まで進む音波における高さ手がかりを補償する。そのようなフィルタは、一般に「耳介フィルタ(pinna filter)」と称されてもよい。耳介フィルタの実際的な電気的な実装は、キャパシタインダクタおよび抵抗器のようなかなりの数の電気素子を必要とする。フィルタおよびスピーカー設計に依存して、これらの素子コストはスピーカー・ドライバ自身のコストを上回ることがありうる。さらに、耳介フィルタのデジタル的なフィルタ実装は常に実現可能なわけではなく、レンダリング・システムまたはホームシアター・システムの機能に依存する。開発されている他の解決策は、スピーカー・ドライバ自身を修正して所望される耳介フィルタ応答に近い周波数応答をもつようにすることを含む。

発明が解決しようとする課題

0007

したがって、必要とされているのは、床置き型のスピーカーおよび書棚スピーカーが、音源が天井から発したかのようにオーディオを再現することができるようにするスピーカー設計である。さらに必要とされているのは、高価な設備や既存の消費者ホームシアター・フットプリントの変更なしに完全に包含的な三次元オーディオを提供する家庭オーディオ・スピーカー・システムである。

0008

さらに必要とされているのは、簡単なスピーカー・コンポーネントを使った上方発射スピーカーのための適切な耳介フィルタ応答を提供する家庭オーディオ・スピーカー・システムである。

0009

背景セクションで論じられている主題は、単に背景セクションで言及されていることの結果として従来技術であると想定されるべきではない。同様に、背景セクションにおいて言及されているまたは背景セクションの主題に関連する問題は、従来技術において以前から認識されていたと見なされるべきではない。背景セクションにおける主題は単に、種々のアプローチを表わすものであり、それらのアプローチ自身も発明であることがありうる。ドルビーおよびアトモスはドルビー・ラボラトリーズ・ライセンシング・コーポレイションの登録商標である。

課題を解決するための手段

0010

諸実施形態は、聴取環境の表面で反射されるように音波を送出するスピーカー・システムであって、直接発射ドライバが聴取環境を通じて音を送出する方向に沿った水平軸に対してある定義された傾斜角に向けられた上方発射ドライバと、前記上方発射ドライバを収容するエンクロージャーと、聴取環境において聴取者に対して仮想高さの知覚を強調する、前記音波への周波数応答を付与するよう構成された一つまたは複数のコンポーネントとを有するシステムについて記述される。前記一つまたは複数のコンポーネントは、目標伝達曲線を作り出すために前記上方発射ドライバに伝送される信号に対してある周波数応答曲線を適用する仮想高さフィルタ回路を有する。仮想高さフィルタは、前記聴取環境の前記表面から反射される音に存在している高さ手がかりを優先して、前記聴取環境を通じて直接送出される音波に存在する高さ手がかりを補償する。仮想高さフィルタは、アナログ・フィルタ回路およびデジタル・フィルタ回路の少なくとも一方を含む能動的なシステムを有していてもよく、前記デジタル・フィルタ回路はデジタル信号処理(DSP)回路を有していてもよい。本スピーカー・システムはまた、直接発射ドライバに低周波数信号を伝送するよう構成された低域通過セクションと、上方発射ドライバに高周波数信号を伝送するよう構成された高域通過セクションとを有するクロスオーバーを含んでいてもよい。本スピーカー・システムはさらに、音波を生成するコーンを有するスピーカー・ドライバの少なくとも一部を覆う、ドライバに近接してある定義された距離のところに取り付けられたグリルを有していてもよく、該グリルは、前記仮想高さフィルタの機能の少なくとも一部を提供する前記音波への周波数応答を付与するよう構成される。グリルの構成は、該周波数応答を付与するよう設計され、グリルの形および輪郭、グリルからスピーカー・ドライバまでの距離およびグリルの穿孔の数、サイズおよびパターンまたはグリルのメッシュ・パターンのうちの少なくとも一つを含む。前記一つまたは複数のコンポーネントは、前記仮想高さフィルタの機能の少なくとも一部を提供する前記音波への周波数応答を付与するよう構成された前記エンクロージャーの構造コンポーネントを有していてもよい。前記構造コンポーネントは、前記エンクロージャーの形状およびサイズ、前記エンクロージャーの内部バッフリング(baffling)、前記エンクロージャーの内部共鳴室のうちの一つを含む。ある実施形態では、前記一つまたは複数のコンポーネントによって適用される仮想高さフィルタリング機能は、前記聴取環境の前記表面から反射される音に存在している高さ手がかりを優先して、前記聴取環境を通じて直接送出される音波に存在する高さ手がかりを補償する耳介フィルタ応答曲線を有する。前記一つまたは複数のコンポーネントの少なくとも一つが、仮想高さフィルタのピーク応答を生成するよう構成されていてもよく、前記コンポーネントの別の一つが仮想高さフィルタの応答におけるディップを生成するよう構成されていてもよい。あるいはまた、前記一つまたは複数のコンポーネントの少なくとも一つが、仮想高さフィルタを概括的に定義する大まかな周波数応答曲線を生成するよう構成されていてもよく、別のコンポーネントが、誤差補正し、前記大まかな周波数応答曲線を仮想高さフィルタのより近い近似になるよう適合させるよう構成されていてもよい。

0011

諸実施形態は、部屋における聴取位置に部屋の天井から音波を反射させるスピーカー・システムにおいて使う仮想高さフィルタにも向けられる。前記仮想高さフィルタは、スピーカー位置からの方向手がかりを少なくとも部分的に除去して、反射点からの方向手がかりを少なくとも部分的に挿入することによって、天井から反射される音に存在している高さ手がかりを優先して、部屋を通じて直接伝送される音波に存在する高さ手がかりを補償する、目標伝達曲線を作り出すために上方発射ドライバに伝送される信号に対する周波数応答曲線の少なくとも一部を生成するよう構成された能動的な仮想高さフィルタ回路を有する。前記仮想高さフィルタはさらに、前記周波数応答曲線の少なくとも一部を生成するよう構成され、前記上方発射ドライバの機械的な側面または前記上方発射ドライバを収容するエンクロージャーに組み込まれている受動的な仮想高さフィルタ・システムを有する。前記能動的な仮想高さフィルタ回路は、アナログ・フィルタ回路およびデジタル・フィルタ回路の少なくとも一方を含む。前記受動的な仮想高さフィルタ・システムは:音波を生成するコーンを有するスピーカー・ドライバの少なくとも一部を覆う、ドライバに近接してある定義された距離のところに固定されたグリルであって、該グリルは、前記仮想高さフィルタの機能の少なくとも一部を提供する前記音波への周波数応答を付与するよう構成される、グリルと;前記仮想高さフィルタの機能の少なくとも一部を提供する前記音波への周波数応答を付与するよう構成された前記エンクロージャーの構造コンポーネントとのうちの少なくとも一方を有する。前記周波数応答を付与するよう設計されたグリルの構成は、グリルの形および輪郭、グリルからスピーカー・ドライバまでの距離およびグリルの穿孔の数、サイズおよびパターンまたはグリルのメッシュ・パターンのうちの少なくとも一つを含む。前記構造コンポーネントは、前記エンクロージャーの形状およびサイズ、前記エンクロージャーの内部バッフリング(baffling)、前記エンクロージャーの内部共鳴室のうちの一つを含む。前記一つまたは複数のコンポーネントによって適用される仮想高さフィルタリング機能は、前記聴取環境の前記表面から反射される音に存在している高さ手がかりを優先して、前記聴取環境を通じて直接送出される音波に存在する高さ手がかりを補償する耳介フィルタ応答曲線を有する。

0012

実施形態はさらに、オーディオ再生システムにおいて高さ音成分から直接音成分をフィルタリングする周波数伝達関数を使って反射音コンテンツのレンダリングおよび再生を最適化するスピーカー、トランスデューサ、グリルおよび他のコンポーネント設計の作成および使用または配備の方法に向けられる。

0013

〈参照による組み込み〉
本明細書において言及される各刊行物、特許および/または特許出願はここに参照によって、個々の各刊行物および/または特許出願が具体的かつ個別的に参照によって組み込まれることが示されている場合と同じ程度にその全体において組み込まれる。

図面の簡単な説明

0014

以下の図面では、同様の参照符号が同様の要素を指すために使われる。以下の図はさまざまな例を描いているが、前記一つまたは複数の実装は図面に描かれる例に限定されるものではない。
聴取環境における頭上スピーカーをシミュレートするために反射音を使う上方発射ドライバの使用を示す図である。
ある実施形態のもとでの、統合された仮想高さ(上方発射)ドライバおよび直接発射ドライバを示す図である。
ある実施形態のもとでの、上方発射ドライバの、直接発射ドライバに対する相対傾斜角を示す図である。
ある実施形態のもとでの、上方発射ドライバおよび直接発射ドライバのためのコネクタ端子を示す図である。
ある実施形態のもとでの、方向性聴覚モデルから導出される仮想高さフィルタの絶対値応答を示すグラフである。
ある実施形態のもとでの、上方発射ドライバをもつスピーカー・システムの一部として組み込まれる仮想高さフィルタを示す図である。
Aは、ある実施形態のもとでの、位置情報およびバイパス信号受領する高さフィルタを示す図である。Bは、ある実施形態のもとでの、クロスオーバー回路を含む仮想高さフィルタ・システムを示す図である。
ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタとの関連で使われる二帯域クロスオーバー・フィルタの高レベルの回路図である。
ある実施形態のもとでの、高域通過フィルタリング経路における仮想高さフィルタリングを実装する二帯域クロスオーバーを示す図である。
ある実施形態のもとでの、種々の高周波ドライバとともに使うための、上方発射および前方発射スピーカー・クロスオーバー・フィルタ・ネットワークを組み合わせるクロスオーバーを示す図である。
ある実施形態のもとでの、図8の二帯域クロスオーバーの周波数応答を示す図である。
ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタとともに使うためのさまざまな異なる上方発射および直接発射ドライバ構成を示す図である。
ある実施形態のもとでの、上方発射スピーカー・システムのための目標伝達関数1102を示すグラフである。
Aは、ある実施形態のもとでの、上方発射ドライバおよび直接発射ドライバの相対周波数応答を測定するための、上方発射スピーカー・システムに対するマイクロホンの配置を示す図である。Bは、Aの示された測定位置における参照軸応答および直接応答を示す図である。
ある実施形態のもとでの、部屋補正および仮想高さスピーカー検出機能を含む仮想高さレンダリング・システムのブロック図である。
ある実施形態のもとでの、較正のためのプリエンファシス・フィルタリングの効果を表示するグラフである。
ある実施形態のもとでの、上方発射ドライバをもつ適応オーディオ・システムにおいて仮想高さフィルタリングを実行する方法を示す流れ図である。
Aは、ある実施形態のもとでの、アナログ仮想高さフィルタ回路を示す回路図である。Bは、所望される応答曲線との関連でAの回路の例示的な周波数応答曲線を示す図である。
Aは、ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタ回路のデジタル実装のための例示的な係数値を示す図である。Bは、所望される応答曲線とともにAのフィルタの例示的な周波数応答曲線を示す図である。
ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタ回路とともに使われうるアナログ・クロスオーバー回路を示す回路図である。
適応オーディオ・レンダリング・システムにおける仮想高さフィルタリングの機能を示す図である。
ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタリング機能を含む上方発射ドライバを示す図である。
少なくともある程度の仮想高さフィルタリングを提供するグリルを有する、図7の上方発射スピーカーの断面図である。
ある実施形態のもとでの、上方発射スピーカー・システムにおいて使うための仮想高さフィルタ・スピーカー・グリルによって生成される耳介フィルタ応答を示すグラフである。
ある実施形態のもとでの、スピーカー・コーンに非常に近いグリルをもつ、バッフル内のスピーカー・ドライバの断面図である。
ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタ・グリルの斜視図である。
ある実施形態のもとでの、図24のグリルおよびドライバ・コーンの断面の効果の例を示すグラフである。
一緒になって所望される仮想高さフィルタリング効果を生じるいくつかの組み合わされたコンポーネントを有する適応オーディオ・システムのコンポーネントを示すブロック図である。

実施例

0015

没入的なオーディオ経験を提供するよう意図された適応オーディオ・コンテンツをレンダリングするために上方発射ドライバを含むオーディオ・スピーカーおよびトランスデューサ・システムについての実施形態が記述される。没入的なオーディオ経験を提供するよう意図された適応オーディオ・コンテンツをレンダリングする耳介フィルタ機能を組み込む特別に設計されたスピーカー・グリルをもつ上方発射ドライバを含むオーディオ・スピーカーについての実施形態も記述される。これらのスピーカーは、頭上の音オブジェクトを再現し、仮想高さ手がかりを提供するために反射音を使ってオブジェクト・ベースのオーディオ・コンテンツをレンダリングするために仮想高さフィルタ回路をもつ適応オーディオ・システムを含んでいてもよく、それとの関連で使われてもよい。本稿に記述される前記一つまたは複数の実施形態の諸側面は、ソフトウェア命令を実行する一つまたは複数のコンピュータまたは処理装置を含む混合、レンダリングおよび再生システムにおいて源オーディオ情報を処理するオーディオもしくはオーディオ・ビジュアル(AV)システムにおいて実装されてもよい。上記の実施形態の任意のものは、単独でまたは任意の組み合わせにおいて互いと一緒に使用されうる。さまざまな実施形態が、本明細書の一つまたは複数の場所で論じられるまたは暗示されることがありうる従来技術でのさまざまな欠点によって動機付けられていることがありうるが、それらの実施形態は必ずしもこれらの欠点のいずれかに取り組むものではない。つまり、種々の実施形態は本明細書において論じられることがある種々の欠点に取り組むことがある。いくつかの実施形態は、本明細書において論じられることがあるいくつかの欠点または一つだけの欠点に部分的に取り組むだけであることがあり、いくつかの実施形態はこれらの欠点のどれにも取り組まないこともある。

0016

本記述の目的のためには、以下の用語は関連付けられた意味をもつ:用語「チャネル」は、オーディオ信号にメタデータを加えたものを意味する。メタデータにおいて、位置はチャネル識別子、たとえば左前方または右上方サラウンドとして符号化される。「チャネル・ベースのオーディオ」は、関連付けられた公称位置をもつスピーカー・ゾーンのあらかじめ定義されたセット、たとえば5.1、7.1などを通じた再生のためにフォーマットされたオーディオである。用語「オブジェクト」または「オブジェクト・ベースのオーディオ」は、見かけの源位置(たとえば3D座標)、見かけの源幅などといったパラメトリックな源記述をもつ一つまたは複数のオーディオ・チャネルを意味する。「適応オーディオ」は、チャネル・ベースのおよび/またはオブジェクト・ベースのオーディオ信号に、オーディオ・ストリームに位置が空間内の3D位置として符号化されているメタデータを加えたものを使って、再生環境に基づいてオーディオ信号をレンダリングするメタデータを加えたものを意味する。「聴取環境」は、任意の開けた、部分的に囲まれたまたは完全に囲まれた領域、たとえば部屋であって、オーディオ・コンテンツを単独でまたはビデオまたは他のコンテンツと一緒に再生するために使用できる領域を意味し、自宅、映画館、シアター講堂スタジオ、ゲーム・コンソールなどにおいて具現されることができる。そのような領域は、壁またはバッフルのような、直接的にまたは拡散的に音波を反射できる一つまたは複数の表面が中に配置されていてもよい。

0017

諸実施形態は、「空間的オーディオ・システム」または「適応オーディオ・システム」と称されることがある音フォーマットおよび処理システムと協働するよう構成されている反射音レンダリング・システムに向けられる。そのようなシステムは、向上した聴衆没入感、より大きな芸術的制御ならびにシステム柔軟性およびスケーラビリティーを許容するためのオーディオ・フォーマットおよびレンダリング技術に基づく。全体的な適応オーディオ・システムは一般に、通常のチャネル・ベースのオーディオ要素およびオーディオ・オブジェクト符号化要素の両方を含む一つまたは複数のビットストリームを生成するよう構成されたオーディオ・エンコード、配送およびデコード・システムを含む。そのような組み合わされたアプローチは、別個に実施されるチャネル・ベースまたはオブジェクト・ベースのアプローチのいずれと比べても、より大きな符号化効率およびレンダリング柔軟性を提供する。本願の実施形態との関連で使用されてもよい適応オーディオ・システムの例は、商業的に利用可能なドルビー・アトモス・システムにおいて具現される。

0018

一般に、オーディオ・オブジェクトは、聴取環境における特定の物理的位置(単数または複数)から発するように知覚されうる音要素の群と考えることができる。そのようなオブジェクトは静的(定常)または動的(動いている)であることができる。オーディオ・オブジェクトは、他の機能とともに所与の時点における音の位置を定義するメタデータによって制御される。オブジェクトが再生されるとき、オブジェクトは、必ずしもあらかじめ定義された物理チャネルに出力されるのではなく、位置メタデータに従って、存在している諸スピーカーを使ってレンダリングされる。ある実施形態では、高さ手がかりを含む空間的諸側面をもつオーディオ・オブジェクトは「拡散オーディオ(diffused audio)」と称されることがある。そのような拡散オーディオは、周囲頭上音(たとえば風、かさかさ鳴る木の葉など)のような一般化された高さオーディオを含んでいてもよく、あるいは特定のまたは軌跡ベースの頭上音(たとえば、取り、など)を有していてもよい。

0019

ドルビー・アトモスは、9.1サラウンド・システムまたは同様のサラウンドサウンド構成(たとえば、11.1、13.1、19.4など)として実装されてもよい高さ(上下)次元を組み込むシステムの例である。9.1サラウンド・システムは、床面における五つのスピーカーおよび高さ面における四つのスピーカーを合成したものを含んでいてもよい。一般に、これらのスピーカーは、聴取環境内で多少なりとも正確に任意の位置から発するよう設計された音を生じるために使用されうる。典型的な商業的または業務用の実装では、高さ面におけるスピーカーは通例、映画館でしばしば見られるように、天井に取り付けられたスピーカーまたは聴衆より上で壁面の高いところに取り付けられたスピーカーとして設けられる。これらのスピーカーは、頭上位置から聴衆に音波を直接下向きに送出することによって、聴取者の頭上に聞こえることが意図されている信号のための高さ手がかりを提供する。

0020

〈上方発射スピーカー・システム〉
典型的な家庭環境のような多くの場合、天井に取り付けられた頭上スピーカーは利用可能ではないまたは設置するのが現実的ではない。この場合、高さ次元は、床または低い壁に取り付けられたスピーカーによって提供される必要がある。ある実施形態では、高さ次元は、天井から音を反射させることによって高さスピーカーをシミュレートする上方発射ドライバを有するスピーカー・システムによって提供される。適応オーディオ・システムでは、これらの上方発射ドライバを通じて頭上オーディオ・コンテンツを再現するために、ある種の仮想化技術がレンダラーによって実装され、それらのドライバは、どのオーディオ・オブジェクトが標準的な水平面より上にレンダリングされてオーディオ信号をしかるべく方向付けるべきかに関する個別的な情報を使用する。

0021

記述のため、用語「ドライバ」は、電気的なオーディオ入力信号に応答して音を生成する単一の電気音響トランスデューサ(またはトランスデューサのタイト・アレイ)を意味する。ドライバは、いかなる適切な型、幾何構成およびサイズで実装されてもよく、ホーン、コーン、リボン・トランスデューサなどを含みうる。用語「スピーカー」は、ユニット的な(unitary)エンクロージャー内の一つまたは複数のドライバを意味する。用語「エンクロージャー」、「キャビネット」または「筐体」は、一つまたは複数のドライバを囲む前記ユニット的なエンクロージャーを意味する。このように、上方発射スピーカーまたはスピーカー・システムは、少なくとも上方発射ドライバおよび一つまたは複数の他の直接発射ドライバ(たとえばツイーターメインまたはウーファーを加えたもの)および関連する他の回路(たとえばクロスオーバー、フィルタなど)を含むスピーカー・キャビネット(エンクロージャー)を有する。直接発射ドライバ(または前方発射ドライバ)は、そのスピーカーの主軸に沿って、典型的にはスピーカーの前面を出て水平方向に、音を送出するドライバをいう。

0022

図1は、一つまたは複数の頭上スピーカーをシミュレートするために反射音を使う上方発射ドライバの使用を示している。描画100は、聴取位置106が聴取環境内の特定の位置に位置される例を示している。本システムは、高さ手がかりを含むオーディオ・コンテンツを送出するためにいかなる高さスピーカーをも含まない。その代わり、スピーカー・キャビネットまたはスピーカー・アレイは、前方発射ドライバ(単数または複数)とともに上方発射ドライバを含む。上方発射ドライバは、(位置および傾斜角に関しては)その音波108を天井102の特定の点104に向けて上方に送るよう構成され、音波はその点で下方に反射されて、聴取位置106に届く。天井は、音を十分に下方の聴取環境中に反射するよう、適切な材料および組成で作られていることが想定される。上方発射ドライバの関連する特性(たとえば、サイズ、パワー、位置など)は、天井組成、部屋サイズおよび聴取環境の他の関連する特性に基づいて選択されてもよい。

0023

図1の実施形態は、前方発射ドライバ(単数または複数)が第一のキャビネット112内に囲まれており、上方発射ドライバが第二の別個のキャビネット110内に囲まれている場合を示している。仮想高さスピーカーについての上方発射ドライバ110は一般に、直接発射スピーカー112の上に位置されるが、他の配向も可能である。複数のシミュレートされた高さスピーカーを作り出すために、任意の数の上方発射ドライバが組み合わせて使われることができることを注意しておくべきである。あるいはまた、ある種の音強度または効果を達成するために、いくつかの上方発射ドライバが、音を天井の実質的に同じスポットに送出するよう構成されていてもよい。

0024

図2は、上方発射ドライバ(単数または複数)および直接発射ドライバ(単数または複数)が同じキャビネット(エンクロージャー)内に設けられる実施形態を示している。そのようなスピーカー配位は、「統合された」上方/直接発射スピーカー・システムと称されうる。図2に示されるように、スピーカー・キャビネット202は、直接発射ドライバ206および上方発射ドライバ204の両方を含む。図1および図2のそれぞれには一つの上方発射ドライバしか示されていないが、いくつかの実施形態では、複数の上方発射ドライバが再生システムに組み込まれてもよい。図1および図2の実施形態については、要求される周波数応答特性およびサイズ、パワー定格、コンポーネント・コストなどといった他の任意の関連する制約条件に依存して、ドライバは任意の適切な形、サイズおよび型であってもよいことを注意しておくべきである。

0025

図1および図2に示されるように、上方発射ドライバは、音を天井に向かう角度で上方に投射するよう位置され、すると音は天井で下方にはね返って聴取者に届く。傾斜の角度は、聴取環境特性およびシステム要件に依存して設定されてもよい。たとえば、上方発射ドライバ204は、20度から60度まで上方に傾けられてもよく、直接発射ドライバ206から生成される音波との干渉を最小にするために、スピーカー・エンクロージャー202内で直接発射ドライバ206より上に位置されてもよい。上方発射ドライバ204は固定角で設置されてもよく、あるいは傾斜角が手動で調節されうるように設置されてもよい。あるいはまた、上方発射ドライバの傾斜角および投射方向の自動的または電気的な制御を許容するために、サーボ機構が使用されてもよい。環境音のようなある種の音について、上方発射ドライバは、スピーカー・エンクロージャー202の上部分から真上に向けられて、「頂部発射」ドライバと称されうるものを作り出してもよい。この場合、天井の音響特性に依存して、音の大きな成分がスピーカー上に反射して戻ってくることがある。しかしながら、たいていの場合、天井からの反射を通じて音を聴取環境内の異なるまたはより中心の位置に投射するのを助けるために、何らかの傾斜角が使用されるのが通例である。

0026

ある実施形態では、上方発射スピーカー取り付け平面は、ドライバの面が水平面に対して18°から22°(公称20°)の間の角度になるよう前方に傾けられる。この傾斜角のため、上方発射スピーカーから(「参照軸」に沿って)送出される音は、直接軸または水平面に対して70°の角度になる。このことは図3に示されている。図3は、この実施形態のもとでの、上方発射ドライバの、直接発射ドライバに対する相対傾斜角を示している。描画300に示されるように、直接発射ドライバ310は、音を、スピーカー・キャビネットの前表面301(前面)に垂直または実質的に垂直な直接軸302に沿って、聴取者に投射する。上方発射ドライバ308は直接軸から20°の傾斜角で角度を付けられている。すると、上述したように、上方発射ドライバ308から聴取者への直接応答についての対応する角度306は、公称上70°である。20°のかなり正確な角度304が図示されているが、18°ないし22°の範囲内の任意の角度など、いかなる同様の角度が使われてもよいことを注意しておく。いくつかの場合には、聴取者への下向きの反射音の必要とされる指向性を達成するために、ドライバは、水平面に対して18°から22°の間(公称20°)に向き付けられないよう取り付けられてもよい。そうする場合でも、すべての測定は、鉛直軸から20°である参照軸に対してなされてもよい。他の角度の使用は、天井高さおよび角度、聴取者位置壁効果、スピーカー・パワーなどといったある種の特性に依存してもよい。

0027

端子、接続および極性
図1に示される実施形態について、上方発射ドライバは、直接発射ドライバ112とは別個のキャビネット110内に含まれる。両方のドライバ(またはドライバの組)は一般に、単一のスピーカー・システムの一部である。この場合、直接発射ドライバおよび上方発射ドライバのために別個の入力接続が与えられる。入力接続は、スピーカー・システムのメイン・キャビネット(エンクロージャー)の一部として設けられ、典型的にはキャビネット(エンクロージャー)の背面に取り付けられる、端子コネクタ板によって提供されてもよい。図4は、ある実施形態のもとでの、上方発射スピーカーおよび直接発射スピーカーのための接続端子を示している。図4に示されるように、コネクタ端子400は、標準的なスピーカー線をオーディオ・システムの増幅器または出力段に結合するための二組のバインディングポストまたはコネクタを含んでいる。一方の組の端子(プラスおよびマイナス)402は、上方発射ドライバへの接続のために「高さ」とラベル付けされている。他方の組の端子404は直接発射ドライバへの接続のために「前方」とラベル付けされている。図2に示されるような統合されたスピーカーについては、上方発射ドライバおよび直接発射ドライバ両方のために単一のコネクター・セットが設けられてもよく、その場合、上方発射スピーカー端子の極性は、直接発射スピーカー端子の極性に一致する。アドオンモジュール・スピーカー製品については、正の入力電圧は、正の入力電圧がそれらの端子間に加えられたときに(正を正に、負を負に)、メイン・ドライバ・コーンの外向きの圧力動きを生じる。

0028

定格インピーダンスに関し、ある実施形態では、受動装置について、上方発射ドライバの定格または公称インピーダンスは6Ω以上であり、最小インピーダンスは定格インピーダンスの4.8Ω(80%)より小さくない。

0029

感度に関し、ある実施形態では、統合された上方発射ドライバ(たとえば図2)について、2.83Vrmsでの正弦波対数掃引を使った上方発射スピーカー参照軸上で1メートルのところに生成された1ないし5kHzからの諸三分の一オクターブ帯域における線形圧力レベル(dB SPLに変換される)の平均は、その参照軸上での直接発射ドライバより、3dBより大きい幅だけ低いことはない。アドオン・モジュール・スピーカー製品(たとえば図1)については、2.83Vrmsでの正弦波対数掃引を使った参照軸上で1メートルのところに生成された1ないし5kHzからの諸三分の一オクターブ帯域における平均SPLは、85dB以上である。

0030

ある実施形態では、本スピーカー・システムは、連続出力SPL(sound pressure level[音圧レベル])を備え、1メートルの距離のところで、上方発射ドライバの定格パワー処理レベル(rated power handling level)では、100Hzと15kHzとの間で3dBより大きな圧縮はないべきである。直接発射ドライバを含む統合されたスピーカーにおいて上方発射ドライバが使われるとき、上方発射ドライバのパワー処理機能(power handling capability)は直接発射ドライバに匹敵し、同様の仕方で評価される(rated)。

0031

〈仮想高さフィルタ〉
ある実施形態では、適応オーディオ・システムは、頭上オーディオ・オブジェクトについて高さ要素を提供するために上方発射ドライバを利用する。これは、図1および図2に示されるように、部分的には上方からの反射音の知覚を通じて達成される。しかしながら、実際上は、音は、上方発射ドライバから、反射経路に沿って完全に方向性の仕方で放射されるのではない。上方発射ドライバからのいくらかの音は、直接、ドライバから聴取者への経路に沿って進み、反射位置からくる音の知覚を減じる。所望される反射音に比較してのこの望ましくない直接音の量は、一般には、上方発射ドライバ(単数または複数)の指向性パターン関数である。この望ましくない直接音を補償するために、上方発射ドライバに供給されるオーディオ信号に知覚的な高さ手がかりを導入するための信号処理を組み込めば仮想高さ信号の位置決めおよび知覚される品質が改善されることが示された。たとえば、上方発射ドライバによって再生されるオーディオを処理するために使われるときに再生の知覚される品質を改善する仮想高さフィルタを作り出すための方向性聴覚モデル(directional hearing model)が開発された。ある実施形態では、仮想高さフィルタは、聴取位置に対する物理的なスピーカー位置(ほぼ聴取者と同じ水平面)および反射スピーカー位置(聴取者の上方)の両方から導出される。物理的なスピーカー位置については、該スピーカー位置から聴取位置にいる聴取者のへ直接伝わる音のモデルに基づいて、第一の方向性フィルタが決定される。そのようなフィルタは、方向性聴覚のモデル、たとえばHRTF頭部伝達関数)測定のデータベースまたはパラメトリック・バイノーラル聴覚モデル、耳介モデルまたは高さを知覚するのを助ける手がかりを利用する他の同様の伝達関数モデルから導出されてもよい。耳介モデルを考慮に入れるモデルは、高さがどのように知覚されるかを定義するのを助けるので、一般的に有用であるが、フィルタ関数耳介効果を単離することを意図したものではなく、むしろ、ある方向からの音レベルの別の方向に対する比を処理するために意図されている。耳介モデルは使用されうるバイノーラル聴覚モデルの一つのそのようなモデルの例であり、他のモデルが使われてもよい。

0032

次にこのフィルタの逆が決定され、直接、物理的なスピーカー位置から聴取者への経路に沿って伝わるオーディオについての方向手がかりを除去するために使われる。次に、反射スピーカー位置について、同じ方向性聴覚のモデルを使って、直接、反射スピーカー位置から同じ聴取位置にいる聴取者の耳に進む音のモデルに基づいて、第二の方向性フィルタが決定される。このフィルタは直接適用され、本質的には、音が聴取者の上方の反射スピーカー位置から発したとしたら耳が受けるであろう方向手がかりを付与する。実際上は、これらのフィルタを組み合わせて、物理的なスピーカー位置からの方向手がかりを少なくとも部分的に除去することと反射スピーカー位置からの方向手がかりを少なくとも部分的に挿入することの両方を行なう単一のフィルタを許容してもよい。そのような単一のフィルタは、本稿で「高さフィルタ伝達関数」、「仮想高さフィルタ応答曲線」、「所望される周波数伝達関数」、「高さ手がかり応答曲線」などと称される周波数応答曲線を提供する。これはオーディオ再生システムにおいて高さ音成分から直接音成分をフィルタリングするフィルタまたはフィルタ応答曲線を記述するものである。

0033

フィルタ・モデルに関して、P1が物理的なスピーカー位置からの音伝達をモデル化する第一のフィルタのdBでの周波数応答を表わし、P2が反射スピーカー位置からの音伝達をモデル化する第二のフィルタのdBでの周波数応答を表わすとすると、dBでの仮想高さフィルタPTの全応答は、PT=α(P2−P1)と表わすことができる。ここで、αは、フィルタの強さを制御するスケーリング因子である。α=1では、フィルタは最大限に適用され、α=0ではフィルタは何もしない(0dB応答)。実際上は、αは、反射音対直接音の相対的なバランスに基づいて、0と1の間のどこかに設定される(たとえばα=0.5)。反射音との比較において直接音のレベルが増すにつれて、この望まれない直接音経路に反射スピーカー位置の方向手がかりをより十全に付与するために、αも増すべきである。しかしながら、αは、すでに適正な方向手がかりを含んでいる反射経路に沿って進むオーディオの知覚される音色を損なうほど大きくされるべきではない。実際上は、α=0.5の値が、上方発射構成における標準的なスピーカー・ドライバの指向性パターンとともによく機能することが見出された。一般には、フィルタP1およびP2の厳密な値は、聴取者に対する物理的なスピーカー位置の方位角および反射スピーカー位置の仰角の関数になる。この仰角は聴取者からの物理的なスピーカー位置の距離ならびに天井の高さとスピーカーの高さとの間の差の関数である(聴取者の頭部がスピーカーと同じ高さにあるとして)。

0034

図5は、被験者の大きな集合にわたって平均されたHRTF応答のデータベースに基づく方向性聴覚モデルから導出された、α=1での仮想高さフィルタ応答PTを描いている。黒い線503は、ある範囲の方位角ならびに合理的な諸スピーカー距離および諸天井高さに対応するある範囲の仰角にわたって計算された、フィルタPTを表わしている。PTのこれらさまざまな事例を見ると、各フィルタの変動の大半は4Hzより上の高めの周波数に現われることにまず気づく。さらに、各フィルタは、ほぼ7kHzに位置するピークと、ほぼ12kHzにあるノッチを示している。ピークとノッチの厳密なレベルは、さまざまな応答曲線の間で数dB変動がある。この組の諸応答の間でピークおよびノッチの位置におけるこの密接な一致を与えられて、太い灰色の線で与えられる単一の平均フィルタ応答302が、たいていの合理的な物理的なスピーカー位置および部屋寸法について、普遍的な高さ手がかりフィルタのはたらきをしうることが見出された。この知見を与えられると、仮想高さスピーカーのために単一のフィルタPTが設計されてもよく、合理的な応答のために、厳密なスピーカー位置および部屋寸法の知識は必要とされない。ただし、パフォーマンス向上のためには、フィルタPTを、特定のスピーカー位置および部屋寸法に対応する図5における個別的な黒い曲線の一つに動的に設定するために、そのような知識が利用されてもよい。

0035

仮想高さレンダリングのためのそのような仮想高さフィルタの典型的な使用は、オーディオが上方発射仮想高さスピーカーを通じて再生される前に、図5に描かれる絶対値応答の一つ(たとえば平均曲線502)を示すフィルタによってオーディオが前処理されるというものである。フィルタは、スピーカー・ユニットの一部として与えられてもよく、あるいはレンダラー、増幅器または他の中間オーディオ処理コンポーネントの一部として与えられる別個のコンポーネントであってもよい。図6は、ある実施形態のもとでの、上方発射ドライバを有するスピーカー・システムの一部として組み込まれた仮想高さフィルタを示している。図6のシステム600に示されるように、適応オーディオ・レンダラー612は、別個の高さ信号成分および直接信号成分を含むオーディオ信号を出力する。高さ信号成分は、上方発射ドライバ618を通じて再生されることが意図されており、直接オーディオ信号成分は直接発射ドライバ617を通じて再生されることが意図されている。これらの信号成分は必ずしも周波数内容またはオーディオ内容の点で異なっているわけではなく、オーディオ・オブジェクトまたは信号において存在する高さ手がかりに基づいて区別される。図6の実施形態について、レンダリング・コンポーネント612内に含まれるまたは他の仕方でレンダリング・コンポーネント612と関連している高さフィルタ606は、任意の望まれない直接音について、知覚的な高さ手がかりを高さ信号中に与えることによって、高さ信号中に存在しうる直接音成分を補償し、仮想信号の位置決めおよび知覚される品質を改善する。そのような高さフィルタは、図5に示される参照曲線を組み込んでいてもよい。レンダリング・コンポーネント612内に位置される代わりに、高さフィルタ・コンポーネントは、スピーカー・キャビネット618内の任意的な高さフィルタ・コンポーネント616で示されるようにスピーカー・システムに組み込まれてもよい。この代替的な実施形態は、仮想高さフィルタリングを提供するよう高さフィルタ機能がスピーカーに組み込まれることを許容する。

0036

ある実施形態では、ある種の位置情報が、スピーカー・システム内の仮想高さフィルタを有効にするまたは無効にするためのバイパス信号とともに、高さフィルタに与えられる。図7のAは、ある実施形態のもとでの、位置情報およびバイパス信号を受領する高さフィルタを示している。図7のAに示されるように、位置情報は、上方発射ドライバ714に接続されている仮想高さフィルタ712に与えられる。位置情報は、図5に描かれたセットからの適正な仮想高さフィルタ応答の選択のために利用されるスピーカー位置および部屋サイズを含んでいてもよい。さらに、この位置データは、上方発射ドライバ724の傾斜角が自動的もしくは手動の手段を通じて調節可能にされている場合には、該傾斜角を変えるために利用されてもよい。たいていの場合について典型的で効果的な角度は、図3に示されるように約20度である。しかしながら、先に論じたように、この角度は理想的には、聴取位置における反射音対直接音の比を最大にするよう設定されるべきである。上方発射ドライバの指向性パターンが既知であれば、厳密なスピーカー距離および天井高さを与えられて最適角が計算でき、すると、上方発射ドライバがヒンジ式のエンクロージャーまたはサーボ制御される配置などを通じて直接発射ドライバに対して可動であれば、傾斜角が調節されうる。制御回路(たとえばアナログ、デジタルまたは電気機械式のいずれか)の実装に依存して、そのような位置情報は電気信号伝達方法、電気機械式手段または他の同様の機構を通じて提供されることができる。

0037

ある種のシナリオにおいて、聴取環境についての追加的な情報が、手動または自動的な手段のいずれかを通じた傾斜角のさらなる調整を必要にすることがある。これは、天井が非常に吸収性が高いまたは天井が異例なほど高い場合を含みうる。そのような場合、反射経路に沿って進む音の量は減少されることがあり、よって再生効率を高めるためにドライバからの直接経路信号の量を増すようドライバをさらに前方に傾けることが望ましいことがある。この直接経路成分が増すにつれて、先に説明したように、フィルタ・スケーリングパラメータαを増すことが望ましい。よって、このフィルタ・スケーリング・パラメータαは、可変傾斜角および反射音対直接音比に関連する他の変数の関数として自動的に設定されてもよい。図7のAの実施形態について、仮想高さフィルタ722はバイパス信号も受領する。これは、仮想高さフィルタリングが望まれない場合にフィルタが回路から切り離されることを許容する。

0038

図6に示されるように、レンダラーは別個の高さ信号および直接信号を、直接、それぞれ上方発射ドライバおよび直接発射ドライバに出力する。あるいはまた、レンダラーは、単一のオーディオ信号を出力して、それが離散的な分離またはクロスオーバー回路によって高さ成分および直接成分に分離されることもできる。この場合、レンダラーからのオーディオ出力は、別個の回路によってその構成要素の高さ成分および直接成分に分離される。ある種の場合には、高さ成分と直接成分は周波数依存ではなく、オーディオを高さおよび直接音の成分に分離してこれらの信号を適切なそれぞれのドライバにルーティングするために、外部分離回路が使用される。ここで、上方発射スピーカー信号には仮想高さフィルタリングが適用される。

0039

しかしながら、たいていの一般的な場合には、高さ成分および直接成分は周波数依存であってもよく、分離回路はフル帯域幅信号を適切なドライバへの伝送のために低域および高域(または帯域通過)成分に分離するクロスオーバー回路を有する。高さ手がかりは典型的には低周波数信号より高周波数信号においてより優勢なので、これはしばしば最も有用な場合である。この応用については、高周波数信号を上方発射ドライバ(単数または複数)に、低周波数信号を直接発射ドライバ(単数または複数)にルーティングするために、クロスオーバー回路が仮想高さフィルタ・コンポーネントとの関連で使用されてもよい、または仮想高さフィルタ・コンポーネント内に統合されていてもよい。図7のBは、ある実施形態のもとでの、クロスオーバー回路を含む仮想高さフィルタ・システムを示す図である。システム750に示されるように、アンプ(図示せず)を通じたレンダラー702からの出力はフル帯域幅信号であり、仮想高さスピーカー・フィルタ708は、上方発射ドライバ712に送られる信号のための所望される高さフィルタ伝達関数を付与するために使われる。クロスオーバー回路706が、レンダラー702からのフル帯域幅信号を、適切なドライバ712(上方発射)および714(直接発射)への送出のために高(上方)および低(直接)周波数成分に分離する。クロスオーバー706は、高さフィルタ708に統合されていても、あるいは高さフィルタ708と別個であってもよく、これら別個のまたは組み合わされた回路は、信号処理チェーン内の任意のところに、たとえばレンダラーとスピーカー・システムとの間に(図のとおり)、チェーン内のアンプまたは前置増幅器の一部として、スピーカー・システム自身の内部に、またはレンダラー702内に密に結合されたもしくは統合されたコンポーネントとして、設けられてもよい。クロスオーバー機能は、仮想高さフィルタリング機能の前または後に実装されうる。

0040

クロスオーバー回路は典型的には、オーディオを二つまたは三つの周波数帯域に分離する。異なる帯域からのフィルタリングされたオーディオはスピーカー内の適切なドライバに送られる。たとえば、二帯域クロスオーバーでは、低周波数は低周波数を忠実に再現する能力のある、より大きなドライバ(たとえばウーファー/ミッドレンジ)に送られ、高周波数は典型的には、高めの周波数を忠実に再現する能力がより高い、より小さなトランスデューサ(たとえばツイーター)に送られる。図8Aは、ある実施形態のもとでの、図7のAに示したような仮想高さフィルタとの関連で使われる二帯域クロスオーバー・フィルタの高レベルの回路図である。描画800を参照するに、クロスオーバー回路802へのオーディオ信号入力高域通過フィルタ804および低域通過フィルタ806に送られる。クロスオーバー802は、クロスオーバー点を定義する特定のカットオフ周波数をもって設定されるまたはプログラムされる。この周波数は静的であってもよいし、あるいは可変であってもよい(たとえばアナログ実装では可変抵抗器回路、あるいはデジタル実装では可変クロスオーバー・パラメータを通じて)。高域通過フィルタ804は低周波数信号(カットオフ周波数より下の信号)をカットし、高周波数成分を高周波数ドライバ807に送る。同様に、低域通過フィルタ806は高周波数(カットオフ周波数より上)をカットし、低周波数成分を低周波数ドライバ808に送る。三方クロスオーバーは同様に機能するが、二つのクロスオーバー点および三つの帯域通過フィルタがあって、入力オーディオ信号を、ツイーター、ミッドレンジおよびウーファーのような三つの別個のドライバへの伝送のために三つの帯域に分離する。

0041

クロスオーバー回路802は、既知のアナログ・コンポーネント(たとえばキャパシタ、インダクタ、抵抗器など)および既知の回路設計を使うアナログ回路として実装されてもよい。あるいはまた、デジタル信号プロセッサ(DSP)コンポーネント、論理ゲートプログラム可能型アレイまたは他のデジタル回路を使うデジタル回路として実装されてもよい。

0042

図8Aのクロスオーバー回路は、図7の仮想高さフィルタ702のような仮想高さフィルタの少なくとも一部を実装するために使用されることができる。図5に見られるように、仮想高さフィルタリングの大半は4kHzより上の周波数で行なわれるが、これは多くの二方クロスオーバーについてのカットオフ周波数より高い。図8Bは、ある実施形態のもとでの、高域通過フィルタリング経路における仮想高さフィルタリングを実装する二帯域クロスオーバーを示している。描画820において示されるように、クロスオーバー821は低域通過フィルタ825および高域通過フィルタ824を含む。高域通過フィルタは仮想高さフィルタ・コンポーネント828を含む回路820の一部である。この仮想高さフィルタは、高周波数ドライバ830への伝送前に、曲線302のような所望される高さフィルタ応答を高域通過フィルタリングされた信号に適用する。

0043

システムまたはユーザーが較正またはセットアップ動作の間、仮想高さフィルタ回路をバイパスできるようにするためにバイパス・スイッチ826が設けられていてもよい。それにより、他のオーディオ信号プロセスが、仮想高さフィルタに干渉することなく動作できる。スイッチ826は、フィルタ回路が存在するスピーカーもしくはレンダリング・コンポーネント上に設けられる手動のユーザーが操作するトグルスイッチであってもよいし、あるいはソフトウェアによって制御される電子的スイッチであってもよいし、あるいは他の任意の適切な型のスイッチであってもよい。位置情報822は仮想高さフィルタ828に提供されてもよい。

0044

図8Bの実施形態は、クロスオーバーの高域通過フィルタ段と一緒に使われる仮想高さフィルタを示している。代替的な実施形態では仮想高さフィルタは低域通過フィルタと一緒に使われてもよいことを注意しておくべきである。そうすれば、図5に示されるような応答の低周波数を模倣するよう、低周波数帯域も修正されることができる。しかしながら、たいていの実際上の応用では、低周波数範囲に存在する極少の高さ手がかりに照らして、クロスオーバーは不相応に複雑でありうる。

0045

図9は、ある実施形態のもとでの、図8Bの二帯域クロスオーバーの周波数応答を示している。描画900に示されるように、クロスオーバーは、902のカットオフ周波数をもち、カットオフ周波数902より上の周波数をカットする低域通過フィルタの周波数応答曲線904およびカットオフ周波数902より下の周波数をカットする高域通過フィルタの周波数応答曲線906を作り出す。仮想高さフィルタが高域通過フィルタ段の後にオーディオ信号に適用されるとき、仮想高さフィルタ曲線908が高域通過フィルタ曲線906にスーパーインポーズされる。

0046

図8Bに示されるクロスオーバー実装は、上方発射仮想高さスピーカーが、低周波数について一つ、高周波数について一つという二つのドライバを使って実装されることを想定している。しかしながら、この構成はたいていの条件の下では理想的ではないことがある。上方発射スピーカーの個別的な制御された方向性は、しばしば効果的な仮想化のために枢要である。たとえば、仮想高さスピーカーを実装するとき、単一トランスデューサ・スピーカーが通例、より効果的である。さらに、より小さな単一トランスデューサ(たとえば直径3インチ)のほうが、より大きなトランスデューサよりも、より高い周波数でより方向性があり、より値なので、好ましい。

0047

ある実施形態では、上方発射ドライバは、異なるサイズおよび/または特性の二つ以上のスピーカーの対またはアレイを有していてもよい。図10は、ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタと一緒に使うための、さまざまな異なる上方発射および直接発射ドライバ構成を示している。図10に示されるように、上方発射スピーカーは、同じ角度で上方に発射するための同じキャビネット1001内にいずれも取り付けられた二つのドライバ1002および1004を含んでいてもよい。用途の必要に依存して、これらのドライバは同じ構成であってもよいし、あるいは異なる構成であってもよい(サイズ、パワー、周波数応答など)。上方発射(UF: upward firing)オーディオ信号はこのスピーカー1001に伝送され、適切なオーディオをドライバ1002および1004のいずれかまたは両方に送るために内部処理が使用されてもよい。代替的な実施形態では、スピーカー1010に示されるように、上方発射ドライバの一方、たとえば1004が他方のドライバに対して異なる角度にされてもよい。この場合、上方発射ドライバ1004はキャビネット1010から実質的に前方に発射するよう向き付けられる。ドライバ1002および1004のいずれかまたは両方について、いかなる適切な角度が選択されてもよく、スピーカー構成はいかなる適切な数のさまざまな型(コーン、リボン、ホーンなど)のドライバまたはドライバ・アレイを含んでいてもよいことを注意しておくべきである。ある実施形態では、上方発射スピーカー1001および1002は、メイン・キャビネットから直接音を送出する一つまたは複数のドライバ1020を含む前方または直接発射スピーカー1020上に取り付けられてもよい。このスピーカーは、メイン・オーディオ入力信号を、UFオーディオ信号と別個のものとして、受領する。

0048

図8Cは、ある実施形態のもとでの、図10に示されるような種々の高周波数ドライバと一緒に使うための、上方発射および前方発射スピーカー・クロスオーバー・フィルタ・ネットワークを組み合わせるクロスオーバーを示している。描画8000は、前方発射スピーカーおよび仮想高さスピーカーについて別個のクロスオーバーが提供される実施形態を示している。直接発射スピーカー・クロスオーバー8012は、低周波数ドライバ8020にフィードする低域通過フィルタ8016と、高周波数ドライバ8018にフィードする高域通過フィルタ8014を有する。仮想高さスピーカー・クロスオーバー8002は、クロスオーバー8012における低域通過フィルタ8016の出力との組み合わせを通じてやはり低周波数ドライバ8020にフィードする低域通過フィルタ8004を含む。仮想高さクロスオーバー8002は、仮想高さフィルタ関数8008を組み込む高域通過フィルタ8006を含む。このコンポーネント8007の出力は高周波数ドライバ8010にフィードする。ドライバ8010は上方発射ドライバであり、典型的には、直接発射低周波数ドライバ8020より小さな、可能性としては異なる組成のドライバである。例として、前方向きドライバ低周波数ドライバ8020についての有効周波数範囲は40Hzから2kHzに、前方向き高周波数ドライバ8018については2kHzから20kHzに、上方発射高周波数ドライバ8010については400Hzから20kHzに設定されてもよい。

0049

図10に示されるように上方および直接発射ドライバのためのクロスオーバー・ネットワークを組み合わせることからいくつかの恩恵がある。まず、好ましいより小さなドライバは、より低い周波数を効果的に再現できず、実際にはラウドネスが大きいレベルでは歪めてしまうことがある。よって、低周波数をフィルタリングして直接発射ドライバの低周波数ドライバに向け直すことにより、該より小さな単一のスピーカーが、仮想高さスピーカーのために使われることができ、より高い忠実度につながる。さらに、研究によれば、400Hzより下のオーディオ信号についてはほとんど仮想高さ効果がないことが示されており、よってより高い周波数だけを仮想高さスピーカー1010に送ることは、そのドライバの最適な使用を表わす。

0050

〈スピーカー伝達関数
ある実施形態では、高さ反射音を最適化するよう目標伝達関数を作り出すために、受動的または能動的な高さ手がかりフィルタが適用される。すべての含まれる成分とともに測定される高さ手がかりフィルタを含む前記システムの周波数応答は、正弦波対数掃引を使って参照軸上で1メートルのところで測定され、六分の一オクターブの最大平滑化を使って、目標曲線に比べて、180Hzから5kHzまでで最大誤差±3dBである必要がある。さらに、1000Hzから5000Hzまでの平均に比して、7kHzにおいて1dB以上のピークと、12kHzにおいて−2dB以下の最小があるべきである。これら二つの点の間の単調な関係を提供することが有利であることがある。上方発射ドライバについては、低周波数応答特性は、180Hzの目標カットオフ周波数および0.707の品質因子をもつ二次高域通過フィルタの特性に従うものとする。180Hzより低いコーナーをもつロールオフをもつことは受け入れられる。応答は90Hzにおいて−13dBより大きいべきである。正弦波対数掃引を使って参照軸上で1メートルのところで生成される86dBの、1ないし5kHzの諸三分の一オクターブ帯域における平均SPLにおいて、自己パワー・システム(self-powered system)が試験されるべきである。図11は、ある実施形態のもとでの、上方発射スピーカー・システムについての目標伝達関数1102を示すグラフである。

0051

代替的な実施形態では、上記の目標伝達関数は、期待される聴取位置において、より平坦な全体的な周波数応答を達成するために、高周波数ブーストをもって増強されてもよい。上方発射ドライバでは、より高い周波数は、より低い周波数よりも方向性をもって放射されうる。結果として、直接経路に沿って伝搬する大きな割合をもつ低周波数に比べ、知覚される高周波数エネルギーのより大きな割合が反射経路に沿って聴取者まで伝搬する。反射経路は直接経路より長いので、より高い周波数は、聴取者に到達する時点までにより減衰されうる。加えて、天井からの反射はさらにこれらの高周波数を減衰させうる。聴取位置における高周波数エネルギーのこの可能な相対的な損失は、上方発射ドライバの参照軸測定の目標周波数応答に高周波数ブーストを組み込むことによって補償されうる。いくつかの部屋でのいくつかの上方発射ドライバの測定に基づいて、目標周波数応答は、高さ手がかりフィルタに加えて、5kHzから始まりオクターブ当たり4dBの単調なブーストを含む。

0052

スピーカー指向性に関し、ある実施形態では、上方発射スピーカー・システムは、参照軸および直接応答軸の両方で測定される上方発射ドライバの相対的な周波数応答を必要とする。直接応答伝達関数は一般に、正弦波対数掃引を使って参照軸から+70°の角度で1メートルのところで測定される。高さ手がかりフィルタは両方の測定において含められる。5kHzにおいて少なくとも5dB、10kHzにおいて少なくとも10dBの参照軸応答対直接応答の比があるべきであり、これら二つの点の間の単調な関係が推奨される。図12のAは、上方発射ドライバおよび直接発射ドライバの相対的な周波数応答を測定するための、上方発射スピーカー・システム1202に対するマイクロホン1204の配置を示している。図12のBは、ある実施形態のもとでの、参照軸応答1212および示された測定位置における直接応答1214を示している。上記は、ある実施形態のもとでの上方発射スピーカー・システムについてのいくつかの例示的な試験および構成データを表わしており、他の変形も可能である。

0053

〈仮想高さスピーカーと部屋補正〉
上記で論じたように、仮想高さフィルタリングを仮想高さスピーカーに加えることは、上方発射ドライバに、高さの知覚を加えるまたは改善する、オーディオ信号への知覚的手がかりを加える。仮想高さフィルタリング技法をスピーカーおよび/またはレンダラーに組み込むことは、再生設備によって実行される他のオーディオ信号プロセスを考慮に入れる必要があることがある。一つのそのようなプロセスは部屋補正である。これは、市販のAVRにおいて一般的なプロセスである。部屋補正技法は、接続されたスピーカーを用いてAVRを通じて再生されたオーディオ試験信号の時間および周波数応答を測定するために聴取環境に置かれるマイクロホンを利用する。試験信号およびマイクロホン測定の目的は、部屋および環境のオーディオに対する音響効果のようないくつかの主要な因子を測定し、補償することである。そうした因子は、部屋ノードヌルおよびピーク)、再生スピーカーの非理想的な周波数応答、複数のスピーカーと聴取位置の間の時間遅延および他の同様の因子を含む。部屋補正システムによって検出される何らかの効果を克服するために、自動周波数等化および/またはボリューム補償が信号に適用されてもよい。たとえば、最初の二つの因子について、AVR/スピーカー・システムを通じて再生されるオーディオを修正するために、典型的には等化が利用される。オーディオの周波数応答の大きさを調整して、部屋ノード(ピークおよびノッチ)およびスピーカー応答の不正確さが補正されるようにするためである。

0054

(上方発射スピーカーを通じて)システムにおいて仮想高さスピーカーが使われ、仮想フィルタリングが有効にされている場合、部屋補正システムは仮想高さフィルタを部屋ノードまたはスピーカー異常として検出して、仮想高さ絶対値応答を平坦になるよう等化しようとすることがある。この試みられた補正は、傾斜角が比較的高いときなど仮想高さフィルタが顕著な高周波数ノッチを示す場合に、特に気づかれうる。仮想高さスピーカー・システムの諸実施形態は、部屋補正システムが仮想高さフィルタリングを取り消すことを防ぐための技法およびコンポーネントを含む。図13は、ある実施形態のもとでの、部屋補正および仮想高さスピーカー検出機能を含む仮想高さレンダリング・システムのブロック図である。描画1300に示されるように、AVRまたは他のレンダリング・コンポーネント1302が、仮想高さフィルタ・プロセス1308を組み込んでいる一つまたは複数の仮想高さスピーカー1306に接続されている。このフィルタが生じる周波数応答は、レンダラー1302によって実行される部屋補正1304または他の異常補償技法の対象となることがありうる。

0055

ある実施形態では、部屋補正補償コンポーネントは、AVRまたは他のレンダリング・コンポーネントが仮想高さスピーカーがそれに接続されていることを検出することを許容するコンポーネント1305を含む。一つのそのような検出技法は、部屋較正ユーザー・インターフェースと、ある型のスピーカーを仮想または非仮想高さスピーカーとして指定するスピーカー定義とを使うことである。今日のオーディオ・システムはしばしば、ユーザーに各スピーカー位置におけるスピーカーのサイズ、たとえば小、中、大を指定するよう求めるインターフェースを含んでいる。ある実施形態では、仮想高さスピーカー型がこの定義セットに加えられる。こうして、システムは、小、中、大、仮想高さなどといった追加的なデータ要素を通じて、仮想高さスピーカーの存在を予期することができる。ある代替的な実施形態では、仮想高さスピーカーは、それが非仮想高さスピーカーではなく仮想高さスピーカーであることを述べる伝達ハードウェア(signaling hardware)を含んでいてもよい。この場合、レンダリング装置(AVRなど)は諸スピーカーを探査し、いずれかの特定のスピーカーが仮想高さ技術を組み込んでいるかどうかに関する情報を探す。このデータは、無線、直接デジタル接続であることができる定義された通信プロトコルを介して、あるいは既存のスピーカー線または別個の接続を使う専用のアナログ経路を介して、提供されることができる。さらなる代替的な実施形態では、検出は、スピーカーにおける仮想高さフィルタの一意的な周波数特性を同定し、測定された試験信号の解析を通じて仮想高さスピーカーが接続されていることを判別するよう構成されているまたは修正されている試験信号および測定手順の使用を通じて実行されることができる。

0056

ひとたび部屋補正機能をもつレンダリング装置がシステムに接続された仮想高さスピーカー(単数または複数)の存在を検出したら、仮想高さフィルタリング機能1308に悪影響することなくシステムを正しく較正するために較正プロセス1305が実行される。ある実施形態では、較正は、レンダリング装置が仮想高さスピーカー1306に仮想高さフィルタリング・プロセス1308をバイパスさせることを許容する通信プロトコルを使って実行されることができる。これは、スピーカーがアクティブであり、フィルタリングをバイパスできる場合に、行なわれることができる。バイパス機能ユーザー選択可能なスイッチとして実装されてもよいし、あるいはソフトウェア命令として(たとえばフィルタ1308がDSPにおいて実装される場合)またはアナログ信号として(たとえばフィルタがアナログ回路として実装される場合)実装されてもよい。

0057

ある代替的な実施形態では、システム較正はプリエンファシス・フィルタリングを使って実行されることができる。この実施形態では、部屋補正アルゴリズム1304は、較正プロセスで使うために生成してスピーカーに出力する試験信号に対してプリエンファシス・フィルタリングを実行する。図14は、ある実施形態のもとでの、較正のためのプリエンファシス・フィルタリングの効果を表示するグラフである。プロット1400は、仮想高さフィルタについての典型的な周波数応答1404と、相補的なプリエンファシス・フィルタ周波数応答1402とを示している。部屋較正プロセスにおいて使われるオーディオ試験信号にプリエンファシス・フィルタが適用され、仮想高さスピーカーを通じて再生されるときに該フィルタの効果が打ち消されるようにする。このことは、プロット1400の上の周波数範囲における二つの曲線1402および1404の相補的なプロットによって示されている。このようにして、通常の非仮想高さスピーカーを使っているかのように、較正が適用される。

0058

あるさらなる代替的な実施形態では、較正は、較正システム目標応答に仮想高さフィルタ応答を加えることによって実行されることができる。これら二つの場合(プリエンファシス・フィルタまたは目標応答の修正)のいずれでも、較正手順を修正するために使われる仮想高さフィルタは、スピーカーにおいて利用されるフィルタに厳密にマッチするよう選ばれてもよい。しかしながら、スピーカーと一緒にまたはスピーカー内部で利用される仮想高さフィルタが、スピーカー位置および部屋寸法の関数として修正されない普遍的なフィルタである場合には、較正システムはその代わりに、実際の位置および寸法に対応する仮想高さフィルタ応答を選択してもよい。これは、そのような情報がシステムに利用可能であればである。このようにして、較正システムは、より精密な、位置に依存する仮想高さフィルタ応答と、スピーカーにおいて利用されている普遍的応答との間の差と等価な補正を適用する。このハイブリッド・システムでは、スピーカーにおける固定されたフィルタは良好な仮想高さ効果を提供し、AVRにおける較正システムは、聴取環境のさらなる知識を用いて、さらにこの効果を洗練する。

0059

図15は、ある実施形態のもとでの、適応オーディオ・システムにおいて仮想高さフィルタリングを実行する方法を示す流れ図である。図15のプロセスは、図13に示されるコンポーネントによって実行される機能を示している。プロセス1500は、試験信号(単数または複数)を、組み込みの仮想高さフィルタリングをもつ仮想高さスピーカーに送ることによって始まる(工程1502)。組み込みの仮想高さフィルタリングは図7に示したような周波数応答曲線を生成する。これは、何らかの部屋補正プロセスによって補正される異常であると見なされることがある。工程1504では、システムは仮想高さスピーカーの存在を検出し、部屋補正方法の適用に起因する修正があればそれは補正または補償されて、仮想高さスピーカーの仮想高さフィルタリングの機能が許容される(工程1506)。

0060

〈スピーカー・システムおよび回路設計〉
上記したように、仮想高さフィルタはスピーカーにおいて、スピーカー自身で、または入力オーディオ周波数を高帯域および低帯域に、あるいはクロスオーバー設計によってはさらなる帯域に分離するクロスオーバー回路の一部として、実装されてもよい。これらの回路はいずれも、デジタルDSP回路または図5に示したような仮想高さフィルタ曲線を近似するFIR(有限インパルス応答)もしくはIIR(無限インパルス応答)フィルタを実装する他の回路として実装されてもよい。クロスオーバー、分離回路および/または仮想高さフィルタのいずれも、受動回路または能動回路として実装されうる。ここで、能動回路は機能するために別個の電源を必要とし、受動回路は他のシステム・コンポーネントまたは信号によって与えられる電力を使う。

0061

高さフィルタまたはクロスオーバーがスピーカー・システム(エンクロージャーおよびドライバ)の一部として提供される実施形態については、このコンポーネントはアナログ回路で実装されてもよい。図16のAは、ある実施形態のもとでの、アナログ仮想高さフィルタ回路を示す回路図である。回路1600は、諸アナログ・コンポーネントの接続を有する仮想高さフィルタを含んでおり、それらのアナログ・コンポーネントは、3インチ6オーム・スピーカーについての、18kHzまでは公称上平坦な応答をもつ、スケーリング・パラメータα=0.5での曲線502の等価物を近似するよう選ばれた値をもつ。この回路の周波数応答は図16のBに黒の曲線1622として、灰色の所望される曲線1624とともに描かれている。図16の例示的な回路1600は、仮想高さフィルタ回路についての可能な回路設計もしくはレイアウトのほんの一例を表わすことを意図したものであり、他の設計が可能である。

0062

図17のAは、DSPまたは能動回路を用いる、電源のあるスピーカーにおいて使うための高さ手がかりフィルタのデジタル実装を描いている。このフィルタは、48kHzのサンプリングレートについて選ばれた係数をもつ四次IIRフィルタとして実装される。このフィルタは代替的に、当業者によく知られた手段を通じて、等価な能動アナログ回路に変換されてもよい。図17のBは、このフィルタの例示的な周波数応答曲線1724を所望される応答曲線1722とともに描いている。

0063

図18は、ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタ回路とともに使用されうるアナログ・クロスオーバー回路を示す回路図である。図18は、直接発射ウーファーおよびツイーターのために使用されうる標準的な型のクロスオーバー回路を示している。図18には具体的なコンポーネント接続および値が示されているが、他の代替実装も可能であることは注意しておくべきである。

0064

〈受動的な仮想高さスピーカー・システム〉
仮想高さレンダリングのためのそのような仮想高さフィルタの典型的な使用は、上方発射仮想高さスピーカーを通じて再生される前に図5に描かれる絶対値応答の一つ(たとえば平均曲線502)を示すフィルタによってオーディオを前処理するためである。ある種のシステムでは、フィルタは、レンダラー、増幅器または他の中間的なオーディオ処理コンポーネントの一部である別個の回路またはコンポーネントとして設けられてもよい。典型的には、フィルタは、上方発射ドライバを有するスピーカー・システムの一部として組み込まれるアナログ・フィルタ回路またはデジタル・フィルタDSPとして具現されてもよい。そのような離散的な仮想高さフィルタは、レンダラー段内部またはスピーカー自身の内部の回路として具現されてもよく、前述したように、オーディオ・システムにおける比較的複雑でコスト高なコンポーネントとなることがありうる。

0065

図19は、適応オーディオ・レンダリング・システムにおける仮想高さフィルタリングの機能を示している。図19の描画2300に示されるように、適応オーディオ・レンダラー2302は、別個の高さ信号成分および直接信号成分をを含むオーディオ信号を出力する。高さ信号成分は、上方発射ドライバ2308を通じて再生されることが意図されており、直接オーディオ信号成分は直接発射ドライバ2307を通じて再生されることが意図されている。信号成分は必ずしも周波数内容やオーディオ内容の点で異なるのではなく、その代わり、オーディオ・オブジェクトまたは信号に存在する高さ手がかりに基づいて区別される。仮想高さフィルタ機能2304は、仮想信号の位置決めおよび知覚される品質を改善するために高さ信号中に知覚的な高さ手がかりを提供することによって、高さ信号において存在しうる望まれない直接音成分を補償するまたは削除する。そのような高さフィルタは、図5に示される参照曲線を組み込んでいてもよい。ある種の既知のシステムでは、仮想高さフィルタリング機能2304は、スピーカー・キャビネット2307および/または2308自身においてレンダラー2302内に含まれていたり、あるいはそれに関連付けられていることができる。ある実施形態では、仮想高さフィルタリング機能2304は、スピーカーの一つまたは複数の機械的な要素に組み込まれている受動的な要素、すなわち上方発射ドライバ2308を覆うスピーカー・グリルとして実装される。この実施形態は、仮想高さフィルタリングを含む上方発射スピーカー・システムを大幅に簡略化し、そのためのコンポーネント費用を削減する。

0066

〈仮想高さフィルタ・スピーカー・グリル〉
スピーカー・ドライバはしばしば、ドライバを視覚的に隠すための布またはフォームまたはドライバを破れや損傷から保護するための穿孔されたプラスチックまたは金属でできたグリルによって覆われる。典型的には、その意図は、グリルはスピーカーの音に有意な変化を付与せず、ドライバの動作にも影響しないというものである。穿孔された材料の場合、これは、非常に開放的なグリルを有することによってドライバからやってくる音の隠蔽を最小限にすることを意味する。すなわち、表面積のうち高い割合が穴に割かれ、表面積のうち低い部分がグリル材料に割かれる。典型的には、穿孔されたスチールのグリルは、その面積の60パーセントより多くが開いており、いくつかは六角形の穴を使う。六角形の穴は、より密にパッキングでき、一層高開口率を与えることができる。

0067

ある実施形態では、上方発射スピーカー・システムは、上方発射ドライバを覆い、上方発射ドライバに送られるオーディオ信号における反射音成分に対する仮想高さフィルタリング機能を付与するグリルを含む。この組み込みの受動的なフィルタリング機能により、別個の専用のアナログまたはデジタルの仮想高さフィルタのような高価な回路を利用する必要がなくなる。図20は、ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタリング機能を含む上方発射ドライバを示す。図20に示されるように、スピーカー・キャビネット2401は、水平軸からある定義された角度(たとえば20度)上方に音を投射する上方発射ドライバ2402を含む。このドライバは、聴取者の上の天井から音を反射させることによって聴取者のために再現される高さ手がかりをもつオーディオ・オブジェクトを表現するレンダラーからの上方発射(UF: upward firing)オーディオ成分2404を受領する。聴取者が適正な高さ手がかりを知覚するよう、この信号中のオーディオの直接成分は、図5に関して上述したように、フィルタ除去される必要がある。

0068

ある実施形態では、ドライバ2402は、キャビネット2401内のドライバを隠すおよび/または保護するグリルによって覆われる。図21は、少なくともある程度の仮想高さフィルタリングを提供するグレールを有する図24の上方発射スピーカーの断面図である。図25に示されるように、ドライバのスピーカー・コーン2504はキャビネット・バッフル2502内に取り付けられる。グリル2506は、コーン2804を覆い、保護するよう、ドライバのエッジにまたはキャビネット・バッフル2502に取り付けられる。コーンの前後方向の動きがグリルを通じて音を投射する。図21のドライバは水平面に対して垂直に配向されるものとして図示されているが、ドライバの向きは実際には図20に示されるように上方に傾斜されていることを注意しておくべきである。グリル2506が比較的開放的な設計であれば、ドライバから発する音はグリルを通過し、グリルをもつスピーカーの測定される周波数応答はグリルなしの場合と実質的に同じである。しかしながら、グリル2806が材料および穴のサイズ/形状および/または格子パターンに関して適切に設計され、構成されるならば、コーン2504によって投射される音に対してある程度の仮想高さフィルタリングが付与されうる。ある実施形態では、グリルは金属、プラスチックまたは他の同様の材料のような剛性材料でできている。

0069

ある実施形態では、グリル2506は、上方発射ドライバを通じて投射されたUFオーディオ成分にある程度の仮想高さフィルタリングを提供する特定の耳介フィルタ応答を生成するよう構成される。図22は、ある実施形態のもとでの、上方発射スピーカー・システムにおいて使うための仮想高さフィルタ・スピーカー・グリルによって生成される耳介フィルタ応答を示すグラフである。図22に示されるように、点線の曲線1524は、電気的な仮想高さフィルタによって提供されうる耳介フィルタ曲線を表わし、実線の曲線1522は所望される耳介フィルタ曲線を表わす。グリル806は、図22の曲線22によって表わされる周波数応答を生成するよう構成される。

0070

先述したように、開放的なグリル設計は一般に送出される音の周波数応答特性に影響しない。しかしながら、グリルの、穴に与えられる割合が減らされれば、すなわち穴の数が減らされるおよび/または穴のサイズが小さくされる場合には、グリルはスピーカーの周波数応答に影響しはじめる。より高い周波数が全体的に減衰され、周波数応答においてリプル(増大レベルの領域および減衰の領域)が現われる。これらの効果が現われる周波数は、グリルがスピーカー・コーンにどれだけ近いかに、よってドライバ・コーンとグリルとの間にどのくらいの空気が「トラップされて」いるかに関係している。一般に、グリルがドライバに近いほど、周波数応答における変化は高い周波数で起こり、グリルがふさがれているほど、周波数応答におけるリプルにおける山と谷の間の差が極端になる。

0071

ある実施形態では、グリルは、スピーカー・コーンの非常に近くに配置されることができるような形状および設置構成となるよう設計される。図23は、ある実施形態のもとでの、スピーカー・コーンに非常に近いグリルをもつ、バッフル内のスピーカー・ドライバの断面を示している。この実施形態では、グリル2706の形状は、近い間隔を維持するために、コーン2704の輪郭に追随している。間隔は、ドライバ・サイズおよび材料、バッフル厚さ、UFオーディオの音レベルおよび他の同様の因子といったいくつかの変数に基づいて設定されてもよい。コーン2704とグリル2706の間の典型的な空隙距離は、これらの因子に依存して1/4インチから1/2インチまでの間の範囲でありうる。ただし、他の空隙距離も可能である。ある実施形態では、空隙距離はコーンの領域を通じて一様である。あるいはまた、グリルは、コーンの中心とコーンのエッジなど、コーンの異なるセクションについてより少ないまたはより多い空隙を有するよう構成されてもよい。このように、グリル2706はコーン2704の輪郭に厳密に従う必要はなく、コーンに対する変動する距離を有していてもよい。これは、ブーストまたはカットの周波数領域を広げ、このことは、個別的な応用ニーズに応じて周波数応答を調整することを許容する。

0072

図23のグリル2706は、システム制約条件および要求に依存して、さまざまな異なるメッシュ、穴または穿孔パターンおよび材料において実装されうる。図24は、ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタ・グリルの斜視図を示している。図24のグリル2802は本質的には、特定の空隙を維持しつつスピーカー・コーンに密接にフィットするような輪郭にされている三次元的な穿孔構造である。このグリルは、スピーカー・ドライバを覆うとともに、エッジ回折に起因する望まれない周波数応答変動を導入しないようその外側表面が周囲のバッフルと面一(つらいち)であるよう設計されている。

0073

ある実施形態では、グリル2402は、プラスチックまたは他の同様の形成可能な材料といった材料でできており、グリルに形成される穿孔(穴)のサイズおよび数に依存して音の適切なブロックを許容する厚さをもつ。穿孔の数、サイズおよび形状は、上方発射ドライバのサイズおよびオーディオ特性に基づいて、所望される耳介周波数応答を提供するよう構成される。ある実施形態では、諸穿孔は同じサイズおよび形状であってもよい。あるいはまた、フィルタ応答曲線の個別的な調整を提供するために異なるサイズおよび/または形状であってもよい。

0074

図24に示されるように、グリルがスピーカーにしっかり取り付けられることを許容するよう、一つまたは複数の取り付け穴が設けられる。ねじ、ボルトまたは同様の取り付け手段を使ってグリルがコーンに近接したバッフルに直接取り付けられるよう、一対のまたは一組のねじ穴が設けられてもよい。クリップグルータブを付けられたスロットなどといった、他の同様の剛性取り付け手段が使われてもよい。グリルは典型的にはスピーカー・キャビネットに取り付けられ、その背後でコーンが動く間、スピーカー・キャビネット(およびバッフル)に対して固定されたままである。あるいはまた、グリルはドライバ自身に、たとえばコーンの外側リムに取り付けられてもよく、そうすればグリルはコーンと関連して動き、コーンが音を生成するために前後に動く際にコーンに対する一貫した空隙を維持する。

0075

図25は、ある実施形態のもとでの、図24のグリルおよびドライバ・コーンの断面の効果の例を示すグラフである。図25に示されるように、6kHzの領域における周波数はブーストされ、一方、12kHzの領域における周波数は減衰させられる。これは、図9に示した所望される周波数応答2922を近似している。図25は、それぞれ周波数応答曲線2904および2902によって示される、グリルありおよびグリルなしでの約70mmの直径のスピーカーの例示的な絶対値応答を示している。

0076

ある実施形態では、スピーカー・コーンは、特定の深さ対直径比をもつ円形凹形状をもち、グリルは図24に示されるように、しかるべきサイズおよび形状にされる。しかしながら、スピーカー・コーンは図に示した以外の形状のこともある。たとえば、静電および圧電スピーカーは平坦な面をもち、他のスピーカーは凹んだ曲面またさらには凸形の曲面をもつ。これらの場合、図22に示されるような仮想高さフィルタリングのための所望される耳介応答に基づく周波数応答変化を付与するようコーンへの間隔および閉塞の量が最適化されるよう、グリルは適切に構成されることができる。

0077

ある実施形態では、図20の上方発射ドライバは、異なるサイズおよび/または特性の二つ以上のスピーカーの対またはアレイを有していてもよい。たとえば、上方発射スピーカーは、いずれも同じエンクロージャー内に取り付けられた、同じ角度で上方に発射するための二つのドライバを含んでいてもよい。応用ニーズに依存して、それらのドライバは同じ構成であってもよく、あるいは異なる構成(サイズ、パワー、周波数応答など)であってもよい。あるいはまた、それらの上方発射ドライバは異なる角度に向けられていてもよい。さらにまた、上方発射トランスデューサのアレイが使われてもよい。二ドライバまたは多ドライバの場合、各ドライバまたはトランスデューサは、それ自身のグリルで覆われていてもよく、あるいは単一のユニット的なグリルが、スピーカー・エンクロージャー内の上方発射ドライバすべてを覆うような構成およびサイズにされてもよい。

0078

ある実施形態では、グリルはスピーカー・ドライバの指向性または放射パターンを適切に変えるよう設計され、指向性は、聴取部屋の壁または床といった隣接表面からの音のはね返り補強するために狭められる。ある種のシナリオでは、聴取環境の追加的な特性が、グリル構成(grill configuration)を必要とすることがある。たとえば、天井が非常に吸収性が高いまたは天井が異例に高い場合である。そのような場合、反射経路に沿って進む音の量は低減することがあり、よってより多いまたはより少ない音を送出することが望ましいことがある。あるいはまた、再生効率を高めるためにドライバからの直接経路信号の量を増大または減少させるため、上方発射ドライバの傾斜角が(機械的または自動化された手段を通じて)変えられてもよい。この直接経路成分が変化する際、フィルタ・スケーリング・パラメータをしかるべく変えることが望ましいことがある。これは、グリル設計および/またはスピーカーの傾斜角を変更することによって達成できる。このように、異なるフィルタ・スケーリング・パラメータを提供するために、個別のスピーカーに異なるグリルが設けられてもよい。

0079

ある実施形態では、別の受動的な仮想高さフィルタ構成は、スピーカー・エンクロージャー自身の形状、組成および/またはサイズに関わる。この実施形態については、エンクロージャーは、図5の周波数応答を少なくとも部分的に生成するサイズおよび形状であるよう設計される。エンクロージャーの材料組成(たとえば木の積層板、プラスチック、アルミニウムファイバーガラスなど)も、所望される周波数応答を作り出すのを助けるために選択されてもよい。さらに、スピーカーは、周波数応答においてある種のノッチまたはピークを生じるよう音を調整するまたは整形するある種の音響/機械的構造を組み込むまたは含んでいてもよい。たとえば、バッフリング(baffling)、カットアウト、共鳴室などである。

0080

上方発射ドライバまたはスピーカー・システム内のドライバ(単数または複数)の設計、形状および組成は、少なくともある程度の仮想高さフィルタリング特性を付与するよう構成されることもできる。

0081

〈組み合わされた能動/受動仮想高さフィルタ〉
ある実施形態では、図22に示されるような所望される耳介フィルタ曲線は、グリル、電気コンポーネント、デジタル・フィルタリング、ドライバ自身の周波数特性およびエンクロージャー形状の組み合わせによって生成されてもよい。図26は、一緒になって所望される仮想高さフィルタリング効果を生じるいくつかの組み合わされるコンポーネントを有する適応オーディオ・システムのコンポーネントを示すブロック図である。たとえば、グリルは、約7kHzにおける所望されるフィルタのピーク応答を生じるよう設計されてもよく、電気コンポーネントが約12kHzにおける所望されるフィルタの応答におけるディップを生成することができる。別の例では、グリルは必要とされるより広いピークを生成するよう、ただしドライバがその最も低い周波数を十分に生成するよう動くことを許容するのに十分な間隔をもって設計されてもよく、約12kHzにおけるディップは電気コンポーネントによって生成されることができ、組み合わされたグリル、エンクロージャーおよび電気応答と所望される応答との間の誤差があればそれを補正するためにデジタル・フィルタリングが使用されることができる。別の例では、ドライバが特に、約7kHzにおけるピークをもつ応答を有するよう選択または設計されてもよく、約12kHzにおけるディップは電気コンポーネントによって生成されることができ、組み合わされたドライバおよび電気応答と所望される応答との間の誤差があればそれを補正するためにデジタル・フィルタリングが使用されることができる。

0082

図26は、一緒になって所望される仮想高さフィルタリング効果を生じるいくつかの組み合わされたコンポーネントを有する適応オーディオ・システムのコンポーネントを示すブロック図である。典型的にはスピーカー・システムにおいて上方発射ドライバに送られるオーディオの反射音成分3001は、仮想高さフィルタ3010を通じて処理される。仮想高さフィルタ3010はフィルタリング機能を適用して図5または図22に示されるような所望される周波数応答を生成する。フィルタリング機能3010は、アナログ・フィルタ回路3002、デジタル・フィルタ回路3004、特別に構成されたスピーカー・グリル3006および特別に構成されたスピーカー・コンポーネント、たとえばエンクロージャーおよび/またはドライバ3008を含むスピーカー・システムの一つまたは複数のコンポーネントによって提供される。アナログおよびデジタル・フィルタ回路3002および3004は一般に、動作するおよび/またはオーディオ入力3001についての電気信号を処理するために電力を必要とするという意味で能動的なコンポーネントを表わす。グリルおよびスピーカー・コンポーネント3006および3008は一般に、電力を必要とせず、音響/機械的手段を通じてオーディオ入力3001の音響信号を処理するという意味で受動的なコンポーネントを表わす。コンポーネント3002〜3008の任意のものまたは全部が、単独でまたは組み合わせで、上記のように、所望される仮想高さフィルタ機能3010を生成するために使われうる。たとえば、いくつかのコンポーネントが概括的なフィルタ形状を生成するために使われてもよく、一方、他のコンポーネントが周波数応答曲線の特定の領域を強調または修正してもよい。同様に、異なるコンポーネントが異なる周波数応答を提供するために使われてもよく、これらのコンポーネントの組み合わせが一緒になって所望される応答曲線を生成してもよい。コンポーネントの組成および組み合わせは、実際のシステム制約条件および要求に依存して調整されうる。

0083

図19に示されるように、レンダラーは別個の高さ信号および直接信号を、それぞれの上方発射ドライバおよび直接発射ドライバに出力する。あるいはまた、レンダラーは、別個の分離またはクロスオーバー回路によって高さ成分と直接成分に分離される単一のオーディオ信号を出力することができる。ある種の場合には、高さ成分および直接成分は周波数依存でなくてもよく、オーディオを高さおよび直接音の成分に分離してこれらの信号を適切なそれぞれのドライバにルーティングするために、外部分離回路が使用される。ここで、上方発射スピーカー信号には仮想高さフィルタリングが適用される。しかしながら、たいていの一般的な場合には、高さ成分および直接成分は周波数依存であってもよく、分離回路はフル帯域幅信号を適切なドライバへの伝送のために低域および高域(または帯域通過)成分に分離するクロスオーバー回路を有する。高さ手がかりは典型的には低周波数信号より高周波数信号においてより優勢なので、これはしばしば最も有用な場合である。この応用については、高周波数信号を上方発射ドライバ(単数または複数)に、低周波数信号を直接発射ドライバ(単数または複数)にルーティングするために、クロスオーバー回路が仮想高さフィルタ・コンポーネントとの関連で使用されてもよい、または仮想高さフィルタ・コンポーネント内に統合されていてもよい。

0084

諸実施形態は、聴取部屋の天井から反射される音を送出する上方発射スピーカーに仮想高さフィルタリング機能を提供する覆いグリルの形状および構成を最適化することによって、スピーカー・ドライバの周波数応答整形を提供することに向けられる。グリルは、送出される音に耳介フィルタ応答曲線を提供することによって仮想高さ音成分の知覚を強調する所望される周波数応答を提供するよう構成される。グリルは、スピーカー・ドライバの指向性または放射パターンを適切に変更するよう設計され、指向性は、聴取部屋の壁または床といった隣接表面からの音のはね返りを補強するために狭められる。

0085

一般に、本稿に記載されるような仮想高さフィルタリング・グリルおよび他の受動的な構造を組み込んでいる上方発射スピーカーは、硬い天井表面から音を反射させて、天井に位置された頭上/高さスピーカーの存在をシミュレートするために使用されることができる。適応オーディオ・コンテンツの魅力的属性は、空間的に多様なオーディオが頭上スピーカーのアレイを使って再現されるということである。しかしながら、上述したように、多くの場合、頭上スピーカーの設置は家庭環境では高価すぎるまたは実際的ではない。水平面内に普通に位置されたスピーカーを使って高さスピーカーをシミュレートすることにより、説得力のある3D経験を、設置するのが簡単なスピーカーを用いて作り出すことができる。この場合、適応オーディオ・システムは、オーディオ・オブジェクトおよびその空間的再生情報が上方発射ドライバによって再生されるオーディオを生成するために使われているという点で、上方発射/高さシミュレート・ドライバを新しい仕方で使っている。頭上の反射信号によって高さの知覚が適正に与えられるよう、組み込みの仮想高さフィルタリング機能は、反射音に比較して聴取者に直接送出されうる高さ手がかりを調和させるまたは最小にする助けとなる。

0086

一般に、本稿に記載される仮想高さフィルタリング技法を組み込む上方発射スピーカーは、天井に位置された頭上/高さスピーカーの存在をシミュレートするよう硬い天井表面から音を反射させるために使用されることができる。適応オーディオ・コンテンツの魅力的な属性は、空間的に多様なオーディオが頭上スピーカーのアレイを使って再現されるということである。しかしながら、上述したように、多くの場合、頭上スピーカーの設置は家庭環境では高価すぎるまたは実際的ではない。水平面内に普通に位置されたスピーカーを使って高さスピーカーをシミュレートすることにより、説得力のある3D経験を、設置するのが簡単なスピーカーを用いて作り出すことができる。この場合、適応オーディオ・システムは、オーディオ・オブジェクトおよびその空間的再生情報が上方発射ドライバによって再生されるオーディオを生成するために使われているという点で、上方発射/高さシミュレート・ドライバを新しい仕方で使っている。頭上の反射信号によって高さの知覚が適正に与えられるよう、仮想高さフィルタリング・コンポーネントは、反射音に比較して聴取者に直接送出されうる高さ手がかりを調和させるまたは最小にする助けとなる。

0087

本稿に記述されるシステムの諸側面は、デジタルまたはデジタイズされたオーディオ・ファイルを処理するための適切なコンピュータ・ベースの音処理ネットワーク環境において実装されてもよい。適応オーディオ・システムの諸部分は、コンピュータ間で伝送されるデータをバッファリングおよびルーティングするはたらきをする一つまたは複数のルーター(図示せず)を含め、任意の所望される数の個々の機械を含む一つまたは複数のネットワークを含んでいてもよい。そのようなネットワークは、さまざまな異なるネットワーク・プロトコル上で構築されてもよく、インターネット広域ネットワークWAN)、ローカルエリア・ネットワーク(LAN)またはその任意の組み合わせであってもよい。

0088

上記のコンポーネント、ブロック、プロセスまたは他の機能構成要素の一つまたは複数は、システムのプロセッサ・ベースのコンピューティング装置の実行を制御するコンピュータ・プログラムを通じて実装されてもよい。本稿に開示されるさまざまな機能は、ハードウェア、ファームウェアのいくつもある組み合わせを使っておよび/またはさまざまな機械可読もしくはコンピュータ可読媒体において具現されたデータおよび/または命令として、挙動上の、レジスタ転送論理コンポーネントおよび/または他の特性を用いて記載されることがあることを注意しておくべきである。そのようなフォーマットされたデータおよび/または命令が具現されうるコンピュータ可読媒体は、光学式磁気式もしくは半導体記憶媒体のようなさまざまな形の物理的(非一時的)、不揮発性記憶媒体を含むがそれに限定されない。

0089

文脈がそうでないことを明確に要求するのでないかぎり、本記述および請求項を通じて、単語「有する」「含む」などは、排他的もしくは網羅的な意味ではなく包含的な意味に解釈されるものとする。すなわち、「……を含むがそれに限定されない」の意味である。単数または複数を使った単語は、それぞれ複数または単数をも含む。さらに、「本稿で」「以下で」「上記で」「下記で」および類似の意味の単語は、全体としての本願を指すのであって、本願のいかなる特定の部分を指すものでもない。単語「または」が二つ以上の項目リストを参照して使われるとき、その単語は該単語の以下の解釈のすべてをカバーする:リスト中の項目の任意のもの、リスト中の項目のすべておよびリスト中の項目の任意の組み合わせ。

0090

一つまたは複数の実装が、例として、個別的な実施形態を用いて記載されているが、一つまたは複数の実装は開示される実施形態に限定されないことは理解されるものとする。逆に、当業者に明白であろうさまざまな修正および類似の構成をカバーすることが意図されている。したがって、付属の請求項の範囲は、そのようなすべての修正および類似の構成を包含するような最も広い解釈を与えられるべきである。

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