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技術 重油残留物を取り扱うためのシステム及び方法

出願人 サウジアラビアンオイルカンパニー
発明者 ティジャニ・ニアスムラド・ヴィクトル・ユネス
出願日 2015年5月7日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2016-566661
公開日 2017年7月27日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2017-520726
状態 特許登録済
技術分野 燃料の供給及び制御 管路系
主要キーワード 炭素クレジット 隔離システム 撹拌混合器 上流システム ヒートトレース プラッギング 基本ケース 捕捉ユニット
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題・解決手段

本明細書に記載された方法及びシステムは、重油留分を取り扱うためのCO2の使用を可能とする。流体形態でそのような燃料を維持するために必要なエネルギーの大幅な削減が達成される。本明細書に記載された残留物ハンドリングシステムからのエネルギー削減は、燃焼プラントの効率向上及びCO2排出物の低減を促進する。残留物ハンドリングシステムは、製油所発電プラント、及び供給物として重油残留物を利用する他の工程に有用である。

概要

背景

関連記述の記載
重油留分は、例えば、真空蒸留ビスブレーキング溶剤脱瀝及び流動接触分解など、製油所における様々な段階で製造される。これらの留分は、さらなる精製又は変換プロセス原料として、並びに燃焼プラント燃料として有用である。重油留分は、非常に高い粘度や例えば硫黄や金属などの高濃度不純物を示す。従って、従来の方法は、燃焼効率最大化し、燃焼バーナーにおける固形物滞留を最小限にし、固体粒子燃料排出を最小化できるように、液体原料燃焼環境適合させるためにかなりのエネルギー消費を必要とする。例えば、周囲条件で典型的な真空残留物は、同等の周囲条件下でいくつかの固体物と同様の50,000,000センチストークの範囲の粘度を有し得る。従って、通常、ポンプ輸送や燃焼バーナーへの注入に適した状態に変えるために、加熱することにより残留物を調整しなければならない。

重油留分の加熱には、一般に水蒸気及び/又は電気の形態でエネルギーを必要とする。加熱システムは一般に、加熱した貯蔵タンクポンプ、加熱した輸送パイプを含む。必要な温度上昇は、全ての重油を流体状態で維持するため、電気式トレース又は水蒸気により達成される。重油の連続動作もまた、配管網におけるデッドゾーンを避けるために用いられる。全体のハンドリングシステムもまた、増粘やプラッギングを生じ得るコールドゾーンを避けるために一般に隔離される。

従って、さらなるエネルギー消費を燃焼プラント電力出力から減じると、全体の効率が低下する。

概要

本明細書に記載された方法及びシステムは、重油留分を取り扱うためのCO2の使用を可能とする。流体形態でそのような燃料を維持するために必要なエネルギーの大幅な削減が達成される。本明細書に記載された残留物ハンドリングシステムからのエネルギー削減は、燃焼プラントの効率向上及びCO2排出物の低減を促進する。残留物ハンドリングシステムは、製油所、発電プラント、及び供給物として重油残留物を利用する他の工程に有用である。

目的

さらに、前述の情報や以下の詳細な説明はいずれも、様々な態様や実施態様の例を単に説明しているにすぎず、特許請求された態様や実施態様の本質や特徴を理解するための概説又は構想を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

高粘度重油残留物の粘度を低減して、パイプライン輸送効率を改善する方法であって、a.CO2源又はCO2リッチ気体混合物源を供給すること;b.所定条件の温度及び圧力下、CO2又はCO2リッチ混合物を、重油残留物と密接に接触させること;c.所定濃度の溶解したCO2を得て、重油残留物の粘度が低減するまで、CO2又はCO2リッチ混合物と重油残留物との接触を維持すること;及びd.低粘度重油残留物を、パイプラインを介して輸送することを含む、方法。

請求項2

高粘度の重油残留燃料を利用する燃焼システムの効率を改善する方法であって、a.CO2源又はCO2リッチ気体混合物源を供給すること;b.所定条件の温度及び圧力下、CO2又はCO2リッチ混合物を、重油残留物と密接に接触させること;c.所定濃度の溶解したCO2を得て、重油残留物の粘度が低減するまで、CO2又はCO2リッチ混合物と重油残留物との接触を維持すること;及びd.燃焼室で、燃焼用の低粘度重油残留物をポンプで輸送し、噴霧することを含む、方法。

請求項3

高粘度の重油残留燃料を利用する燃焼システムの効率を改善する方法であって、a.CO2源又はCO2リッチ気体混合物源を供給すること;b.所定条件の温度及び圧力下、CO2又はCO2リッチ混合物を、重油残留物と密接に接触させること;c.所定濃度の溶解したCO2を得て、重油残留物の粘度が低減するまで、CO2又はCO2リッチ混合物と重油残留物との接触を維持すること;及びd.パイプラインを介して、低粘度重油残留物を燃焼システムに輸送すること;及びe.燃焼システム内の燃焼室で、燃焼用の低粘度重油残留物を噴霧することを含む、方法。

請求項4

所定条件の温度及び圧力下で、加圧、加熱した貯蔵器中に、溶解したCO2を含む低粘度重油残留物を導入し、所定の粘度範囲内に重油残留物の粘度を維持すること、及び低粘度重油残留物を貯蔵器から流し、燃焼室で燃焼用にそれを噴霧することをさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。

請求項5

前記CO2又はCO2リッチ混合物と重油残留物とを、加圧した気体CO2の雰囲気下、撹拌混合器中で接触させる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。

請求項6

前記CO2又はCO2リッチ混合物を、重油残留物の移動流に導入し、静的又は動的な直列混合装置に通し、重油残留物にCO2を溶解させる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。

請求項7

前記低粘度重油残留物の噴霧を、蒸気及び/又はCO2を含む噴霧媒体により達成する、請求項2又は3に記載の方法。

請求項8

前記低粘度重油残留物の噴霧を、1つ以上の機械的噴霧インゼクターにより達成する、請求項2又は3に記載の方法。

請求項9

CO2源又はCO2リッチ気体混合物源を、統合されたCO2捕捉及び処理ユニットから供給する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。

請求項10

CO2源又はCO2リッチ気体混合物源を、少なくとも2段階のCO2捕捉及び処理ユニットから供給し、各段階が異なる圧力でCO2又はCO2リッチ気体混合物を供給する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、2014年5月7日に出願された仮の特許出願番号米国特許出願第61/989,665号の優先権を主張し、その内容は本出願において参照により組み込まれる。

0002

発明の分野
本発明は、供給物として重油残留物を利用する燃焼又は他の工程とともに、重油残留物を取り扱うためのシステム及び方法に関する。

背景技術

0003

関連記述の記載
重油留分は、例えば、真空蒸留ビスブレーキング溶剤脱瀝及び流動接触分解など、製油所における様々な段階で製造される。これらの留分は、さらなる精製又は変換プロセス原料として、並びに燃焼プラント燃料として有用である。重油留分は、非常に高い粘度や例えば硫黄や金属などの高濃度不純物を示す。従って、従来の方法は、燃焼効率最大化し、燃焼バーナーにおける固形物滞留を最小限にし、固体粒子燃料排出を最小化できるように、液体原料燃焼環境適合させるためにかなりのエネルギー消費を必要とする。例えば、周囲条件で典型的な真空残留物は、同等の周囲条件下でいくつかの固体物と同様の50,000,000センチストークの範囲の粘度を有し得る。従って、通常、ポンプ輸送や燃焼バーナーへの注入に適した状態に変えるために、加熱することにより残留物を調整しなければならない。

0004

重油留分の加熱には、一般に水蒸気及び/又は電気の形態でエネルギーを必要とする。加熱システムは一般に、加熱した貯蔵タンクポンプ、加熱した輸送パイプを含む。必要な温度上昇は、全ての重油を流体状態で維持するため、電気式トレース又は水蒸気により達成される。重油の連続動作もまた、配管網におけるデッドゾーンを避けるために用いられる。全体のハンドリングシステムもまた、増粘やプラッギングを生じ得るコールドゾーンを避けるために一般に隔離される。

0005

従って、さらなるエネルギー消費を燃焼プラント電力出力から減じると、全体の効率が低下する。

発明が解決しようとする課題

0006

従って、流体流動性状態に原料を維持するのに必要とされる外熱エネルギー量を減らすことにより、重油残留物原料を取り扱うためのより効率的な方法に対する要求がある。燃焼プラントの効率を向上させるために、燃焼工程において重油残留物の供給物を使用するためのより効率的な方法に対する要求もある。CO2排出が低減された燃焼工程に対するさらなる要求がある。

課題を解決するための手段

0007

1以上の実施態様の通り、本発明は、重油残留供給物の粘度を低下させるためにCO2を利用する方法及びシステムに関する。

0008

1以上のさらなる実施態様の通り、1つ以上の貯蔵タンク及び1つ以上のポンプ及び重油残留物を飽和状態にし、該残留物の粘度を低下させるために供給される気体CO2源を含み、これによって原料をポンプでくみ上げる、及び/又は輸送するために必要とされるエネルギーを減少させる重油残留物ハンドリングシステムが提供される。

0009

本明細書に記載される方法及びシステムは、周囲条件(例えば、約20℃〜約25℃の範囲、又は加熱若しくは冷却システムによる外部適用のない周囲空気の他の条件)で噴霧し得ない重油留分を取り扱うためのCO2の使用を可能とする。特定の実施態様において、流体形態でそのような燃料を維持するために、必要なエネルギーの大幅な減少が達成される。本明細書に記載される残留物ハンドリングシステムによるエネルギーの減少は、燃焼プラントの効率向上、及びCO2排出の低減を容易にする。該残留物ハンドリングシステムは、製油所、発電プラント、及び供給物として重油残留物を利用する他の工程に有用である。

0010

本明細書に記載される、統合されたシステム及び方法は、パイプラインを介する輸送、及び/又はバーナーを通じた噴射、及び関連する上流システムに適する流体形態で重油残留物を維持するため、エネルギー使用の低減を容易にする。そのような燃焼システムにおいて、1つ以上のCO2捕捉サブシステムが、捕捉したCO2の供給に用いられ、捕捉したCO2は重油残留物の粘度を低下させ、所定の流動特性を有する流体状態の原料の維持を容易にするために用いられる。CO2の使用による粘度低下は、全体の残油ハンドリングシステムの蒸気及び/又は電気消費量を減少させることを可能にする。さらに、燃焼システムにおいて燃料を噴霧するのに使用される蒸気の温度及び圧力を下げることができ、省エネにつながる。

0011

新しい、既存のCO2捕捉及び隔離技術は、全体のCO2排出を抑え、例えば、炭素クレジットなどのインセンティブを与えるために利用でき、原料、冷却剤などとしてCO2源を供給する。捕捉及び隔離プラントにおいて、捕捉したCO2は、大気中への放出を避けるために圧縮され、地下に隔離される。

0012

それらの全ての参照により本明細書に援用される、米国特許第5076357号及び米国特許第2623596号は、原油がまだ地中にある間に原油の粘度を低下させることにより、地下にある石油貯留層に注入される際の石油回収を促進するためのCO2の使用を開示する。

0013

本明細書に記載される残留物ハンドリングシステムは、重油残留物を、電力、蒸気又は熱を生み出すために燃焼する、燃焼プラントに適している。さらに、該残留物ハンドリングシステムは、使用するCO2の全部又は一部が既知の、及び商業的に利用できる源に由来する特定の実施態様並びに使用するCO2の全部又は一部が統合されたCO2捕捉及び隔離システムに由来する特定の実施態様を含み、これらは燃焼プラント及び/又は1つ以上のさらなるCO2生産工程、例えば、製油所、産業施設、商業用不動産又は居住用不動産の暖房装置などに統合され得る。

0014

さらなる実施態様において、残留物ハンドリングシステムは、直接的又は付随的な燃料源として、重油残留物を使用する自動車機関車、又は船舶備え付けることができる。そのような実施態様において、残留物ハンドリングシステムは、例えば、詰め替え可能な搭載用の永久的な又は携帯用の貯蔵タンクなどの既知の源で使用されるCO2の全て又は一部を得ることができる。

0015

さらに他の態様、実施態様、並びにこれらの例示の態様及び実施態様における利点を、以下詳細に議論する。さらに、前述の情報や以下の詳細な説明はいずれも、様々な態様や実施態様の例を単に説明しているにすぎず、特許請求された態様や実施態様の本質や特徴を理解するための概説又は構想を提供することを意図していると理解すべきである。

0016

添付図面は、様々な態様や実施態様の説明やさらなる理解を与えるために含まれ、援用され、この明細書の一部を構成する。残りの明細書とともに該図面は、原理、並びに記載及び特許請求された態様や実施態様の実施を説明するために役立つ。

0017

以下の詳細な説明と同様に前述の要約は、添付図面と併せて読む場合、最善に理解されるであろう。本発明を説明するために、現在好ましいとされる図面の実施態様について示される。しかし、本発明が示す詳細な配置や装置に制限されない。前記図面において、同じ数字は、同様又は類似の要素を参照するのに役立つ。

図面の簡単な説明

0018

図1は、本明細書に記載される重油残留物ハンドリングシステムの工程系統図である。
図2は、本明細書に記載される重油残留物ハンドリングシステムの別の実施態様における工程系統図である。
図3は、本明細書に記載されるCO2粘度低下工程を統合した残留物ハンドリングシステムを含む燃焼システムの工程系統図である。
図4は、本明細書に記載されるCO2粘度低下工程を統合した残留物ハンドリングシステムを含む燃焼システムにおける、別の実施態様の工程系統図である。
図5は、本明細書に記載されるCO2粘度低下工程を統合した重油残留物ハンドリングシステムを含む燃焼システムにおける、さらなる実施態様の工程系統図である。

0019

上記課題やさらなる利点は、粘度を低下させるためにCO2の添加を利用し、これによって他の工程への燃焼燃料又は原料としての重油残留物の取扱いを容易にする本明細書に記載される発明の方法やシステムによりもたらされる。本明細書に記載される残留物ハンドリングシステムは、空気、酸素を使用する燃焼室又は酸素富化空気燃焼室、その他の種類の燃焼工程又は原料として重油残留物を使用する改質工程に統合され得る。

0020

図1は、本明細書に記載される重油残留物ハンドリングシステム8の工程系統図である。一般にCO2源12からのCO2の流れ10を、貯蔵タンク18で重油残留物源16からの重油残留物の流れ14と混合する。特定の実施態様において、CO2源12は、適当な外部源及び/又は統合されたCO2捕捉サブシステムであり得る。適切な操作条件の温度及び圧力で、かつCO2を効率的に溶解するためにそれらが混合可能な純度で重油残留物の流れ14と混合するために、十分な量のCO2が流れ10に供給される。所定の種類の重油残留物に溶解し得るCO2の量は、温度及び圧力の様々な条件下で、実験室試験において、当業者によって容易に決定することができる。例えば、約5バール〜約100バール、特定の実施態様では約20バール〜約73バール、さらなる実施態様では約73バール〜約100バールの範囲の圧力;及び約0℃〜約400℃、特定の実施態様では約32℃〜約300℃、さらなる実施態様では約32℃〜約200℃の範囲の温度において、約50%〜約100%、特定の実施態様では約70%〜約100%、さらなる実施態様では約90%〜約100%の純度を有するCO2の流れを供給することができる。これらの条件は、約5バール〜約100バール、特定の実施態様では約20バール〜約73バール、さらなる実施態様では約73バール〜約100バールの範囲において、CO2による重油残留物の飽和を可能にする。特定の実施態様において、CO2の純度は、例えば、CO2補足システム由来のCO2の90%以上がCO2源として利用される技術に基づき選択され、70%〜90%は、オキシボイラ(oxyboiler)から排出される燃料ガスにみられる濃度である。CO2の圧力について、20バール以下は、CO2がタンカー、例えば20バールタンカーに貯蔵される実施態様において、油の貯蔵に適し得る低圧力範囲を示す。20バール〜73バールの範囲の圧力水準は、超臨界圧条件以下のCO2を維持するために適当な範囲である。73バール以上の圧力は、超臨界条件下のCO2を示す。温度について、32℃以下の範囲は、CO2の臨界点温度以下の水準を示し;32℃〜300℃の範囲は、冷却が必要な又は必要としない圧縮機から生じるCO2を含み;300℃以上の範囲は、より高圧又は高い再循環温度を採用する操作(operation)を含む。

0021

重油残留の供給物を、流れ14を通じて貯蔵タンク18に供給する。貯蔵タンク18中で、重油と溶解したCO2との混合物の粘度は、大幅な粘度低下を受ける。この段階で、CO2と重油残留物との混合により達成される粘度低下は、原料輸送に必要なポンプエネルギー所要量を減少させる。貯蔵タンクSTにおいて、重油及びCO2混合物の粘度は、約10センチストークス(cSt)〜約2000cSt、特定の実施態様では約10cSt〜約300cSt、及びさらなる実施態様では約10cSt〜約100cStの範囲であり得る。特定の実施態様では、適切な粘度水準は20cStの範囲である。

0022

本明細書で使用される粘度範囲は、適用の種類に基づいて選択することができる。10cSt〜100cStは、バーナーノズル中の油の輸送及び注入に効果的であり;10cSt〜300cStは、遠心ポンプ及び貯蔵に適する粘度範囲であり;300cSt〜2000cStは、貯蔵及びポンプ輸送に適する粘度範囲である。

0023

重油と溶解したCO2との一つになった流れ、すなわち、流れ20を、輸送用及び必要ならばCO2圧縮用ポンプ22に充填し、重油と溶解したCO2との流れ24をもたらす。重油残留物の最終使用に必要とされる最終粘度値に応じて、さらに粘度を低下させるために、混合物を加熱し得る。本発明の方法によると、望ましい粘度水準を達成するのに必要とされる加熱量は減少し、必要なポンプエネルギー所要量やヒートトレース装置もまた低減する。例えば、燃焼システムにおいて、適当な噴霧粘度、例えば、約10cSt〜約2000cSt、特定の実施態様では約10cSt〜約300cSt、及びさらなる実施態様では約10cSt〜約100cStの範囲の水準に低下させることが望ましい。特定の実施態様では、適当な粘度水準は20cStの範囲である。

0024

特定の実施態様において、もう1つの隔離又は直列(静的又は動的)混合ユニットを、例えば、所蔵タンク18の下流に設けることができる。さらなる実施態様において、ポンプ22における圧力は、重油残留物の粘度を低下させるために適当な混合をもたらす。例えば、本明細書に記載されるような燃焼システム、又は重油残留物を他の炭化水素生成物に変換するための改質又は変換工程において、圧縮した重油残留物/CO2混合物24は適当な供給物となる。

0025

図2は、本明細書に記載される重油残留物ハンドリングシステム108のさらなる実施態様における工程系統図である。一般に、CO2源112からのCO2の第1の流れ110を、重油残留物源116からの重油残留物の流れ114と貯蔵タンク118中で混合する。特定の実施態様において、CO2源112は、適当な外部源及び/又は統合されたCO2捕捉サブシステムになり得る。本明細書に記載されているような適当な操作条件及びCO2を効率的に溶解するために相溶可能な純度で重油残留物の流れ114と混合するために、十分な量のCO2を流れ110に供給する。

0026

重油残留物の供給物を、流れ114を通じて貯蔵タンク118に供給する。貯蔵タンク118中で、重油とCO2との混合物の粘度は大幅に低下する。この段階で、CO2と重油残留物との混合により達成される粘度低下は、原料を輸送するために必要なポンプエネルギー所要量を減少させる。

0027

重油とCO2の1つになった流れ、すなわち、流れ122を、輸送用及び必要ならばCO2の圧縮用の第1ポンプ132に充填する。その後、圧縮されて1つになった第1ポンプ132からの流れ126を、CO2源144からの流れ142を介して、さらなるCO2と共に1つ以上の混合又は貯蔵ユニット140に充填する。特定の実施態様において、ユニット140は混合タンクである。さらなる実施態様において、ユニット140は直列の静的又は動的な混合機である。さらなる実施態様において、CO2が重油残留物ブレンドに混合され得るタンク118と比較して、ユニット140は比較的小さな容量の貯蔵タンクである。ユニット140からの流出物128は、第2ポンプ134を介して例えば、本明細書に記載される燃焼システムに輸送され、適当な供給物となる重油残留物/CO2混合物124を供給する。

0028

一般に、約1000から約2000cStの範囲内の粘度値を有するポンプ輸送用の流体を与えることが望ましい。石油に対しては、ポンプ輸送用に約100cStの粘度の流体を与えるのが一般的である。本明細書に記載されるように、本明細書に記載される粘度低下を用いることなく、100cStの所望する粘度を達するためには、温度が約124℃以上であるべきであるが、一方、本明細書に記載される方法を用いる場合、60バールの飽和CO2圧力ブレンドにおいては該温度を35℃ぐらいに低くすることができる。特定の実施態様では、上記に記載されている条件範囲が効果的である。

0029

図3は、重油残留物ハンドリングシステム208を含む燃焼システム(例えば、これは図1に関して示され、記載されたものと同様又は類似し得るようなシステム)における工程系統図である。該燃焼システムは、CO2の粘度低下を統合し、一般に1つ以上のバーナー252を備える燃焼室250;1つ以上の燃料ガス取扱いユニット260;CO2捕捉ユニット270;1つ以上の貯蔵タンク218及び1つ以上のポンプ222を含む、重油残留物ハンドリングシステム208:CO2の隔離又は利用ユニット280;及び残留燃料ガスを放出する煙突290を含む。

0030

空気、酸素又は酸素富化空気を、流れ254を介して、流れ224を介する重油残留物/CO2混合物と燃料の噴霧に使用される蒸気流256と共に1つ以上のバーナー252に供給し、燃焼室250における燃料の適切な燃焼を確保する。特定の別の実施態様において、CO2又は別の適当な噴霧ガスなどの蒸気以外の、又は蒸気を含む噴霧媒体を使用できる。

0031

燃料ガスを燃焼室250から流出させ、流れ262を介して1つ以上の燃料ガス取扱いユニット260に流入させる。示されていないが、燃料ガス取扱いユニット260は、それぞれ1つ以上の粒子除去ユニット硫黄酸化物除去ユニット重金属除去ユニット、及び窒素酸化物除去ユニットを含み得ることを当業者は理解すべきである。

0032

燃料ガス取扱いユニット260からの流出燃料ガス、流れ272を、CO2捕捉ユニット270に充填し、ここで、必要量のCO2を燃料ガスの主流から除去する。(破線で示す流れ274に示されるように)、流れ272由来の燃料ガスの一部を場合により燃焼室にリサイクルでき、特に、該燃焼室が酸素又は酸素富化空気を利用する実施態様において、燃焼を向上させる。

0033

CO2の少ない燃料ガスの流れを、CO2捕捉ユニット270、流れ292から流出させ、煙突290に通した後、流れ294を通じて既知のように大気に排出する。

0034

捕捉されたCO2を、CO2捕捉ユニット270から流出させ、流れ274を通じて、CO2隔離又は利用ユニット(CO2−S/U)に充填する流れ282と、重油残留物貯蔵タンク218に充填する流れ210とに分離する。

0035

重油残留供給物を、流れ214を介して貯蔵タンク218に供給する。該CO2を重油残留物と混合して、その粘度を低下させ、これにより、必要なポンプエネルギー所要量、ヒートトレース装置、及びブレンドを適当な噴霧粘度、例えば、約10cSt〜約2000cSt、特定の実施態様では約10cSt〜約300cSt、及びさらなる実施態様では約10cSt〜約100cStの範囲)に到達させるために必要な加熱エネルギーを減少させる。特定の実施態様では、適当な粘度水準は20cStの範囲である。

0036

吸引ライン220、ポンプ222により、重油残留物/CO2混合物を貯蔵タンク218から流出させる。流れ224を、圧力下で燃焼室バーナー252に供給する。

0037

図4は、残留物ハンドリングシステム308を含む燃焼システム(例えば、これは図2に関して示され、記載されたものと同様又は類似し得るようなシステム)における工程系統図である。該燃焼システムは、CO2の粘度低下を統合し、一般に1つ以上のバーナー352を備える燃焼室350;1つ以上の燃料ガス取扱いユニット360;複数のCO2捕捉ユニット370及び375;1つ以上の貯蔵タンク318を含む重油残留物ハンドリングシステム308、1つ以上の混合又は貯蔵ユニット340、及び複数のポンプ(332及び334):CO2の隔離又は利用ユニット380;及び残留燃料ガスを放出する煙突390を含む。

0038

図3に関して上記に記載されているように、空気、酸素又は酸素富化空気を流れ354を介して、流れ324を介する重油残留物/CO2混合物と燃料の噴霧に使用される蒸気流356と共に1つ以上のバーナー352に供給し、燃焼室350における燃料の適切な燃焼を確保し、燃料ガスを燃焼室350から流出させ、流れ362を介して1つ以上の燃料ガス取扱いユニット360に流入させる。特定の別の実施態様において、CO2又は別の適当な噴霧ガスなどの蒸気以外の、または蒸気を含む噴霧媒体を使用できる。

0039

燃料ガス取扱いユニット360からの流出燃料ガス、流れ372を第1CO2捕捉ユニット370に充填する。必要量のCO2、流れ310を貯蔵タンク318に導入する燃料ガスの主流から除去し、そこでバランスを保つ。第1CO2捕捉ユニット370から除去される量は、必要な粘度低下量及び工程の経済思考、例えばコスト又は所定量を超えたCO2の除去量によって決定される。CO2捕捉率は、プロセス経済及び設計に効果的な水準であり、選択されるCO2捕捉技術に依存し得る。さらに、油の粘度を低減させるために、流れ310を介してシステム370から除去されるCO2の量が考慮される。CO2捕捉率は、約40%〜約100%、特定の実施態様では約70%〜約99.9%、及びさらなる実施態様では約90%〜約99%であり得る。タンク318に再循環されるCO2の量に関し、この量は選択される燃料及び選択されるCO2捕捉率に依存し得る。CO2は、上記で議論されるような所望の圧力に圧縮され(図示せず)、流れ310を介して貯蔵タンク318に輸送される。

0040

該CO2を流れ314からの重油残留物と混合して、その粘度を低下させ、これにより、必要なポンプエネルギー所要量、ヒートトレース装置、及びブレンドが所望の噴霧粘度
、例えば、約10cSt〜約2000cSt、特定の実施態様では約10cSt〜約300cSt、及びさらなる実施態様では約10cSt〜約100cStの範囲に到達するのを確保するために必要な加熱エネルギーを減少させる。特定の実施態様では、適当な粘度水準は20cStの範囲である。

0041

(破線で示す流れ374に示されるように)流れ372由来の燃料ガスの一部を場合により燃焼室350にリサイクルでき、特に、該燃焼室が酸素又は酸素富化空気を利用する実施態様において、燃焼を向上させる。残留CO2の少ない燃料ガスの流れを第1CO2捕捉ユニット370、流れ371から流出させ、第2CO2捕捉ユニット375に通し、ここで該CO2を回収し、必要な圧力に圧縮する。CO2の少ない燃料ガスの流れ392を第2CO2捕捉ユニット375から流出させ、煙突390に通した後、流れ394を通じて既知のように大気に排出する。

0042

捕捉されたCO2を第2CO2捕捉ユニット375から流出させ、流れ374を通じて、CO2隔離又は利用ユニット380に充填する流れ382と、ユニット340に充填する流れ342に分離する。特定の実施態様において、ユニット340は静的又は動的混合機である。さらなる実施態様において、ユニット340は、CO2が重油残留物ブレンドと混合されるタンク318と比較して、比較的小さな容量の貯蔵タンクである。

0043

重油残留供給物を流れ314を介して貯蔵タンク318に供給する。該CO2を重油残留物と混合して、その粘度を低下させ、これにより、必要なポンプエネルギー所要量、ヒートトレース装置、及びブレンドが所望の粘度に到達するのを確保するために必要な加熱エネルギーを減少させる。二段階の粘度低減スキームにおいて、第一段階の粘度低減は、約50cSt〜約2000cSt、特定の実施態様では50cSt〜約1000cSt、及びさらなる実施態様では約50cSt〜約300cStの範囲の粘度水準を得るために実施される。

0044

吸引ライン322、ポンプ332により重油残留物/CO2混合物を貯蔵タンク318から流出させ、圧縮し、流れ326を通じてユニット340に輸送する。重油残留物/CO2混合物の流れ326を流れ342を通過したさらなるCO2と混合し、さらなる粘度低下を与え、加熱装置及びブレンドを適当な噴霧粘度、例えば、約10cSt〜約2000cSt、特定の実施態様では約10cSt〜約300cSt、及びさらなる実施態様では約10cSt〜約100cStの範囲に到達させるために、エネルギー必要量をさらに減少させる。特定の実施態様では、適当な粘度水準は20cStの範囲である。

0045

吸引ライン328、ポンプ334により重油残留物/CO2混合物をユニット340から流出させ、圧縮し、流れ324を介して燃焼室バーナー352に輸送する。

0046

図5は、残留物ハンドリングシステム408を含む燃焼システム(例えば、これは図2に関して示され、記載されたものと同様又は類似し得るようなシステム)におけるさらなる実施態様の工程系統図である。燃焼システムは、CO2の粘度低下を統合し、一般に1つ以上のバーナー452を備える燃焼室450;1つ以上の燃料ガス取扱いユニット460;複数のCO2捕捉ユニット(470及び475);1つ以上の貯蔵タンク418を含む重油残留物ハンドリングシステム408、1つ以上の混合又は貯蔵ユニット440、及び複数のポンプ(432及び434):CO2の隔離又は利用ユニット480;及び残留燃料ガスを放出する煙突490を含む。

0047

図3について記載されているように、空気、酸素又は酸素富化空気を流れ454を介して、流れ424を介する重油残留物/CO2混合物と燃料の噴霧に使用される蒸気流456と共に1つ以上のバーナー452に供給し、燃焼室450における燃料の適切な燃焼を確保し、燃料ガスを燃焼室450から流出させ、流れ462を介して、1つ以上の燃料ガス取扱いユニット460に流入させる。特定の別の実施態様において、CO2又は別の適当な噴霧ガスなどの蒸気以外の、又は蒸気を含む噴霧媒体を使用できる。

0048

燃料ガス取扱いユニット460からの流出燃料ガス、流れ472を第1CO2捕捉ユニット470に充填する。オフガスの流れを流れ492を介して第1CO2捕捉ユニット470から煙突490に通した後、流れ494を介して大気に流出させる。オフガスの流れ492は、本明細書に記載の流れ476と比べ、相対的にCO2が少ないことに留意すべきである。例えば、オフガスの流れ492は55%のCO2を含むことができ、99%のCO2を含み得る流れ476よりも少ない。しかしながら、該流れは、他の流れと比べ、CO2リッチと見なされる。

0049

(破線で示す流れ474に示されるように)流れ472由来の燃料ガスの一部を場合により燃焼室にリサイクルでき、特に、該燃焼室が酸素又は酸素富化空気を利用する実施態様において、燃焼を向上させる。

0050

捕捉されたCO2を流れ476を通じて、第1CO2捕捉ユニット470から流出させ、流れ482を介して、CO2隔離又は利用ユニット480に、流れ410を介して重油残留物貯蔵タンク418に、流れ471を介して第2のCO2処理ユニット475に供給する。

0051

重油残留物を流れ414を介して貯蔵タンク418に供給する。流れ410を介して第1CO2捕捉ユニット470からのCO2供給物を重油残留物と混合する。該CO2を重油残留物と混合して、その粘度を低下させ、これにより、必要なポンプエネルギー所要量、ヒートトレース装置、及び燃料が所望の粘度に到達するのを確保するために必要な加熱エネルギーを減少させる。二段階の粘度低減スキームにおいて、第一段階の粘度低減は、約50cSt〜約2000cSt、特定の実施態様では約50cSt〜約1000cSt、及びさらなる実施態様では約50cSt〜約300cStの範囲の粘度水準を得るために実施される。

0052

吸引ライン422、ポンプ432により重油残留物/CO2混合物を貯蔵タンク418から流出させ、圧縮し、流れ426を通じてユニット440に輸送する。特定の実施態様において、ユニット440は静的又は動的混合機である。さらなる実施態様において、ユニット440は、CO2が重油残留物ブレンドと混合されるタンク418に比べると、比較的小さな容量の貯蔵タンクである。重油残留物/CO2混合物の流れ426をさらなるCO2と混合し、さらなる粘度低下を達成し、加熱装置及びブレンドが適当な噴霧粘度、例えば、約10cSt〜約2000cSt、特定の実施態様では約10cSt〜約300cSt、及びさらなる実施態様では約10cSt〜約100cStの範囲に達するのを確保するためにエネルギー必要量をさらに減少させる。特定の実施態様では、適当な粘度水準は20cStの範囲である。

0053

CO2の流れ471を第2のCO2捕捉ユニット475に流入させ、ユニット440で必要とする圧力に圧縮し、その後、第2CO2捕捉ユニット475から流出させ、流れ442を介してユニット475に供給する。吸引ライン428、ポンプ434により重油残留物/CO2混合物をユニット440から流出させ、圧縮し、流れ424を介して燃焼室バーナー452に輸送する。

0054

特定の実施態様において、重油残留物/CO2混合物の粘度は、外部加熱を必要とせず、噴霧化ベルの粘度を達成できる。そのような場合には、流れ(例えば、本明細書に記載された流れ256、356及び456からの流れ)を維持するために、機械的な噴霧燃料インゼクター又は補助のない噴霧流体(non-assisted atomization fluid)を蒸気噴霧インゼクターの代わりに又はこれとともに使用できる。特定の実施態様において、機械的な噴霧燃料インゼクターを使用しない実施態様のような噴霧化というよりむしろ、コークス化の可能性を回避又は最小限にするために、バーナーの温度を制御する主目的で、蒸気及び/又は別の適当な噴霧ガスを機械的な噴霧インゼクターと併せて使用できる。

0055

このスキームの図面及び記載を簡略化するために、本明細書に記載されるユニット操作の当業者に通常使用され、周知の多数のバルブ温度センサー電子制御装置などは含んでいない。さらに、例えば、空気又は酸素供給、燃料ガスの取扱いなどの燃焼工程を含むユニット操作中にある付随的な構成要素は示されていない。

0056

有利なことに、本明細書に記載されるようなCO2の使用は、そのような残留物を燃やす燃焼プラントにおいて、重油残留物の取扱いに必要とされるエネルギー量を減少させる課題を解決する。実際に、燃料として重油残留物を用いる従来の燃焼プラントにおいて、燃料の取扱いは、電子又は蒸気の形態でさらなるエネルギーの使用を必要とする。本発明のシステムと方法は、CO2を使用して燃料の粘度を低下させ、その適切な取扱いを確保することにより、大幅なエネルギーの削減を可能にする。本明細書のさらなる実施態様において、重油残留物の取扱いに使用されるCO2は、統合されたCO2捕捉システムに由来する。燃料として重油残留物を使用する従来のCO2捕捉及び隔離方法において、該CO2は貯蔵のため地下に注入される一方、さらなるエネルギーが燃料の取扱いに使用される。CO2の捕捉を統合する燃焼プラントにおける本発明のシステム及び方法の使用は、効率的な原料の取扱いを容易にし、そのような取扱いのために必要なさらなるエネルギーを最小限化するために、捕捉された一部のCO2の使用を可能とする。

0057

上記に記載した装置及び方法に用いる最初の原料は、様々な源から得られる、原油生成物又は部分的に精油生成物であり得る。原料の源は、天然原油、合成原油ビチューメンオイルサンドシェール油石炭液化油、又は前述の源の1つを含む組み合わせであり得る。例えば、原料は、ストレートラン軽油、或いは真空軽油、溶剤脱瀝プロセスから得られる脱アスファルト油及び/又は脱金属油コーカープロセスから得られる軽コーカー又は重コーカー軽油、本明細書に記載された、統合されたFCCプロセスと異なるFCCプロセスから得られる循環油、ビスブレーキングプロセスから得られる軽油又は前述の生成物の任意の組み合わせなどのその他の精製中間物質であり得る。特定の実施態様において、真空軽油は、統合された方法に適した原料である。適当な原料は、約36℃〜約650℃、特定の実施態様においては約350℃〜約565℃の範囲の沸点を有する炭化水素を含む。

0058

実施例1
仮想例において、典型的な重油残留物は、電気出力600メガワット(MWe)の範囲で出力を有する、重油残留物により燃焼させる発電プラントにおいて、本明細書に記載された方法を適用する場合に得られる潜在的利点を示すと考えられる。比較例として、最初の重油残留物は、25℃で1020kg/m3の密度及び50℃で13280cStの粘度を有する。表1は、従来のシステムの様々な粘度で重油残留物の温度、及び該重油残留物が本発明のシステム及び方法に従って、第1の実施例においては20バールのCO2圧で、及び第2の実施例においては60バールのCO2圧で飽和される場合に、同じ粘度に達するために必要な温度を示す。

0059

表1に示されるように、重油残留物へのCO2の添加は、特定の温度においてその粘度を低下させる。従って、CO2を添加する場合、低温で同じブレンド粘度に達することが可能である。特に、表1は、重油残留物にとって適当な貯蔵温度が、基本ケースシナリオにおいては124℃を超えるが、20バールの飽和CO2圧ブレンドの場合、この温度を93℃、60バールの飽和CO2圧ブレンドの場合35℃に下げ得ることを示す。

0060

従って、重油残留物の温度を維持するヒートトレース必要量、及び結果的にそれの粘度は、60バールのCO2飽和状態でヒートトレースを必要としないくらい低下される。

0061

適当な燃料の噴霧とそれゆえ完全かつ効果的な燃焼を容易にするために、一般に20cStの粘度がバーナーにより必要とされる。従来の方法によれば、この粘度低下を達成するために180℃の温度を必要とするが、一方、20バールのCO2飽和状態においては140℃に低下し、60バールのCO2飽和状態においてはさらに75℃に低下する。

0062

従って、必要とされる蒸気の特性は変更される。例えば、本明細書に記載される粘度低下なしでは、例えば10バール、230℃の蒸気を使用する必要がある。対照的に、CO2飽和状態が20バールである場合、6バール、160℃の蒸気を使用でき、CO2飽和状態が60バールである場合、2バール、120℃の蒸気を使用できる。従って、これは蒸気循環における蒸気加熱及びより高い蒸気稼動のためのエネルギー使用の低下をもたらし、これにより発電プラントに対する正味の出力は高くなる。600MWeの範囲の発電プラントにおける 典型的な実施例において、重油残留物の質量流量は、約37.5kg/sであり、燃料の噴霧に必要とされる蒸気は燃料質量流量の30%、従って約11.25kg/sである。蒸気の質/条件における相違は、CO2飽和状態が20バールである場合1328キロワットの電力(kWe)、CO2飽和状態が60バールである場合3300kWeの正味の節減を可能にするだろう。CO2の圧縮エネルギーや20及び60バールの重油残留物を考慮する場合、正味の省エネルギーは、20バール及び60バールのCO2の飽和圧力で、それぞれ1183kWe及び2798kWeであろう。

0063

上記の検討と共に、噴霧のために考えられる蒸気圧は、重油残留物/CO2混合物の蒸気よりも低いことに留意する。この場合は、より高い蒸気圧を検討するか、好ましくは考慮する温度や圧力において重燃料油の噴霧を可能とするために、インゼクター内に中間体拡張段階を加えるかのいずれか一方である。さらに、重燃料油/CO2混合物を高い圧力で供給するために機械的な噴霧インゼクターを使用する場合、噴霧化蒸気エネルギーの全てを保存できる。

0064

実施例2
燃料の噴霧に使用される蒸気量の節減に加えて、大幅な貯蓄は、加熱が蒸気循環から抽出される蒸気によって行われるため、貯蔵温度、例えば、100cStの粘度からバーナーにより20cStの粘度にする燃料の必要な加熱の減少により実現され得る。

0065

この実施例において、該貯蔵温度は3つのケースで同じ、すなわち、比較例で必要とされた貯蔵温度である120℃であると考えられる。基本ケースにおいては、重油残留物を180℃に加熱すべきであるが、一方、それが20バールのCO2飽和状態である場合、140℃に加熱すべきであり、60バールでのCO2飽和状態ではさらなる加熱を必要としない。

0066

燃料の加熱のための蒸気必要量における増分の貯蓄は、20バールの飽和CO2のケースでは1335kWe、60バールの飽和CO2のケースでは1856kWeであると推測され、これは20バールの飽和CO2のケースでは総計2518kWeの正味の貯蓄をもたらし、60バールの飽和CO2のケースでは総計4654kWeの正味の貯蓄をもたらす。これらの貯蓄は、それぞれ0.4%及び0.77%の正味の電力出力を示し、これは、それぞれ0.17及び0.32ポイントの発電プラントにおける正味の効率の増加に相当する。

実施例

0067

本発明の方法とシステムは添付図面及び上記に記載されている;しかしながら、変更は当業者にとって明らかであり、本発明の保護範囲は、以下の請求の範囲によって定義されるべきである。

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