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課題・解決手段

本発明は、製造プロセス運転停止中にホルマリンに対して過剰なアニリンを確保することを管理する、ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの製造方法に関する。

概要

背景

連続的または部分的に非連続的MDA製造については、例えば、欧州特許公開第1616890(A1)号明細書、米国特許第5286760号明細書、欧州特許公開第451442号明細書および国際公開第99/40059号に開示されている。ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを生成するための芳香族アミンおよびホルムアルデヒド酸性濃度は複数の反応工程で進行する。

アミナールプロセスでは、ホルムアルデヒドは酸触媒非存在アニリンと最初に縮合し、脱水してアミナールを生成する。それから、第一工程において酸触媒の存在下、MDAを生成するための転位が起こり、パラおよびオルトアミノベンジルアニリンが生成する。第二工程でアミノベンジルアニリンが転位してMDAを生成する。アニリンとホルムアルデヒドとの酸触媒反応の主要生成物はジアミン4,4’−MDAであり、その位置異性体は2,4’−MDAおよび2,2’−MDAであり、より高級なホモログもある。

中和プロセスでは、アニリンおよびホルムアルデヒドは酸触媒存在下アミノベンジルアニリンに直接転換し、これは続いて反応して二環MDA異性体および二環より大きいMDAホモログをさらに生成する。

酸性反応混合物の製造のための方法の変法にかかわらず、これの後処理は先行技術に従って塩基を用いた中和により開始される。中和反応を、通常、さらなる物質の添加なしで、例えば、90℃〜100℃の温度で実施する(H.J.Twitchett, Chem. Soc. Rev. 3(2), 223 (1974))。しかしながら、例えば、干渉する副生成物の分解を促進するために異なる温度レベルでも実施できる。アルカリ元素およびアルカリ土類元素水酸化物が塩基として好適である。NaOH水溶液の使用が好ましい。

中和後、分液槽有機相水相から分離する。水相を分離した後に残る粗MDAを含む有機相に対して、さらに後処理工程、例えば、粗MDAから塩類を洗い出すために水(塩基性洗浄液)で洗浄する。このように精製した粗MDAは、最終的に蒸留、抽出または結晶化などの適切な方法により混合物中に存在する過剰なアニリン、水および他の物質(例えば、さらなる溶媒)を除去する。先行技術の慣例法である後処理は、例えば、欧州特許公開第1652835(A1)号明細書、3頁58行〜4頁13行、または欧州特許公開第2103595(A1)号明細書、7頁21行〜37行に開示されている。

欧州特許公開第2486975(A1)号明細書は、MDA製造における特定の撹拌機反応器の使用について開示している。ここで、局在的過剰なホルムアルデヒドが網状高分子の生成をもたらし得ることに言及している。しかしながら、この特許出願には、反応の稼動停止手順、すなわち、方法の中断の構成についての詳細がない。特に、この特許出願では、稼動停止手順中の「A/F比」(ホルムアルデヒドに対するアニリンのモル比)が、通常運転中のA/F比より大きくすべきであることを教示していない。

欧州特許公開第1616890(A1)号明細書では、アニリンおよびホルムアルデヒドが酸触媒非存在下で先ず反応してアミナールを生成し、その後、アミナールを酸触媒と混合して、20℃〜100℃の温度および0〜20重量%のこのように得られた酸性反応混合物の含水率においてさらに反応することを教示している。特に、設定されるアミナール中の0〜5重量%の含水率を有するアミナールを生成するため、ホルムアルデヒドとアニリンとの縮合後にアミナールから少なくとも部分的に水を最初に除去し、その後、アミナールを酸触媒と混合して、20℃〜100℃の温度でさらに反応させ、このように得られた酸性反応混合物の含水率は0〜20重量%である。このように、<15%、好ましくは4%〜14%、特に好ましくは5%〜13%のプロトン化度を有するジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの混合物を製造できる。本明細書では、プロトン化度は、一塩基酸触媒(例えば、塩化水素酸)の場合、使用する酸触媒量と反応混合物中に存在するアミン官能基モル量とのモル比である。本特許出願には、工業生産プラントの稼動停止中の手順に関する詳細がない。この実施例は室内実験である。特に、本特許出願では、稼動停止手順中のA/F比が、通常運転中のA/F比より大きくすべきであることを教示していない。

欧州特許公開第0283757(A1)号明細書は、同様に、MDA製造に関する。記載されている方法では、熱誘発されたこれらの転位反応前に、アニリンとホルムアルデヒドの縮合により生成したアニリン非含有MDAを添加することが特徴である。実施例2では、生成されたMDAの少量部分を転位反応に再循環する運転態様について記載されている(請求項8も参照)。言い換えれば:連続式通常運転でのMDAプラントの構成について記載されている。MDAプラントを稼動停止する場合の手順の詳細は記載されていない;特に、反応中のA/F比と比較して稼動停止中のA/F比についての情報がない。

国際公開第99/40059号は、半連続法における酸触媒存在下でアニリンをホルムアルデヒドと反応させることによりメチレンジ(フェニルアミン)を製造するために、アニリンおよび必要に応じて酸触媒を最初に投入し、ホルムアルデヒドおよび必要に応じて酸触媒を、混合機器により、アニリン、必要に応じて酸触媒および必要に応じて前に導入したホルムアルデヒドを循環する回路中に供給し、供給されるホルムアルデヒド総量の少なくとも50%を導入後に反応混合物を75℃より高い温度にすることを教示している。供給されるホルムアルデヒド総量の少なくとも50%の量までの添加を、20℃〜75℃の回路中の反応混合物の温度において実施する。

MDA製造のための反応の稼動停止中、通常運転中のものと異なるA/F比を使用することを示唆している先行技術の上記文書はない。このように、反応の化学量論に従っている上記の通常運転中のA/F比(2:1)を使用することは、全く先行技術の慣用法である。しかしながら、いずれの先行技術もまさにより大きい稼動停止中のA/F比を維持することを示唆していない。

MDA製造方法の品質は、生産品反応物中の望ましくない副生成物の含有率により第一に規定される。第二に、方法の品質は、開始からのプロセス全体、生産の技術的不良もプロセス中の介入を必要とする問題もなく運転できるプロセスの稼動停止までの通常生産により、および出発物質中間体または最終製品(生成物)の損失がないことにより規定される。

このような問題は、例えば、運転外(「稼動停止」中)のアミナール反応が起こっている間に起こり得る。このような問題は、例えば、装置(アミナール槽、アミナール冷却器ならびにアミナール分離器および管路)上のケーキングおよび閉塞物になる高分子量固形物の生成があることで起こり得る。

先行技術の上記方法は最終生成物品質劣化なく高収率でMDAを製造することを可能とするが、通常運転での方法についてのみ記載している。プラントが停止となるまでの稼動停止過程(「稼動停止時間」として公知)は考慮されていない。

開始時間および稼動停止時間は毎日の生産工程で頻繁に起こり、反応器または他のプラント装置開放または他の機械的介入に必ずしも関係しないが、様々な他の理由、例えば、原料不足などの製造プラントの停止および再開とも関係し得る。これらの稼動停止時間は、実際、ホルマリンに対するアニリンの所望のモル比の逸脱が起こり得ることに特徴付けられる。

概要

本発明は、製造プロセス運転停止中にホルマリンに対して過剰なアニリンを確保することを管理する、ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの製造方法に関する。

目的

効果

実績

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請求項1

通常運転におけるホルムアルデヒド(2)に対するアニリン(1)のモル比、A/F通常運転で、アニリン(1)とホルムアルデヒド(2)との反応によるジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミン(MDA)の製造方法であって、前記方法が:どちらかの変法の工程であって、変法A)に従って、A.I)反応器内に、アニリン(1)を質量流量m1で導入し、ホルムアルデヒド(2)を質量流量m2で導入して、前記反応器内において酸触媒(3)の非存在下、アニリン(1)とホルムアルデヒド(2)とを反応させてアミナールを生成し、次いで、得られた反応混合物水相とアミナール含有有機相に分離する工程;A.II)反応器内において、工程A.I)で得られた前記アミナール含有有機相の少なくとも一部を酸(3)と反応させて、前記アミナールが反応してジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを生成する工程;ここで、以下の工程を実施して前記ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの製造を停止する工程:A.I.1)時点t0において開始し、時点t1(t1>t0)においてm2が0になるまで、工程A.I)の前記反応器中への前記ホルムアルデヒド(2)の質量流量m2を低減し;A.I.2)時点t2(t2≧t1)においてm1が0になるまで、工程A.I)の前記反応器中への前記アニリンの質量流量m1を低減し;A.II.1)m3が0になるまで、前記酸(3)の質量流量m3を低減し;および時点t1に達するまで、工程A.I)の前記反応器内に導入されたホルムアルデヒド(2)に対する工程A.I)の前記反応器内に導入されたアニリン(1)の瞬間モル比、A/F瞬間が常に≧1.5、好ましくは≧1.05・A/F通常運転であるように、質量流量m1およびm2を減少させる工程、あるいは、変法B)に従って、B.I)反応器内においてアニリン(1)と酸(3)を反応させて、使用した酸(3)のアニリニウム塩を含有する反応混合物を生成する工程;B.II)反応器内において、工程B.I)で得られた反応混合物の少なくとも一部をホルムアルデヒド(2)と反応させて、必要に応じてさらなるアニリン(1)を導入し、必要に応じてさらなる酸(3)を導入してジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを生成する工程;ここで、以下の工程を実施して前記ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの製造を停止する工程:B.II.1)時点t0において開始し、時点t1(t1>t0)においてm2が0になるまで、工程B.II)の前記反応器中への前記ホルムアルデヒド(2)の質量流量m2を低減し;B.I.1)時点t2(t2≧t1)においてm1が0になるまで、工程B.I)の前記反応器内および必要に応じて工程B.II)の前記反応器内への前記アニリンの質量流量m1を減少させ;B.I.2)m3が0になるまで、工程B.I)の前記反応器内、および必要に応じて工程B.II)の前記反応器内への前記酸(3)の質量流量m3を低減し;および前記時点t1に達するまで、工程B.II)の前記反応器内に導入されたホルムアルデヒド(2)に対する工程B.I)の前記反応器内に導入されたアニリン(1)および、存在する場合、工程B.II)の前記反応器内に導入されたアニリン(1)の瞬間モル比、A/F瞬間が常に≧1.5、好ましくは≧1.05・A/F通常運転であるように、前記質量流量m1およびm2の減少が起こる工程を含んでなる、方法。

請求項2

両方の変法の工程I)およびII)を連続式プロセスの形態で実施する、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記得られた混合物も、工程A.I)またはB.II)中および/または後に前記それぞれの反応器から排出する、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

両方の変法において、t2−t1が>0時間である、請求項1〜3の一項または複数項に記載の方法。

請求項5

両方の変法において、前記質量流量m1が≧1000kg/時である、請求項1〜4の一項または複数項に記載の方法。

請求項6

両方の変法において、前記質量流量m2が≧300kg/時である、請求項1〜5の一項または複数項に記載の方法。

請求項7

両方の変法において、少なくとも工程A.I)の前記反応器または工程B.I)の前記反応器が、時点t2後に、アニリンで少なくとも部分的に満たされている、請求項1〜6の一項または複数項に記載の方法。

請求項8

両方の変法において、前記酸(3)の質量流量m3を、時点t1に開始してできるだけ早く減少させる、請求項1〜7の一項または複数項に記載の方法。

請求項9

両方の変法において、工程A.I.1)またはB.II.1)を実施する前の質量流量m3を時点t2まで維持する、請求項8に記載の方法。

請求項10

両方の変法において、さらなる酸(3)の導入を時点t2において停止する、請求項8または9に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、製造プロセス稼動停止中にホルマリンに対して過剰なアニリンを確保することを管理する、ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの製造方法に関する。

背景技術

0002

連続的または部分的に非連続的MDA製造については、例えば、欧州特許公開第1616890(A1)号明細書、米国特許第5286760号明細書、欧州特許公開第451442号明細書および国際公開第99/40059号に開示されている。ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを生成するための芳香族アミンおよびホルムアルデヒド酸性濃度は複数の反応工程で進行する。

0003

アミナールプロセスでは、ホルムアルデヒドは酸触媒非存在下アニリンと最初に縮合し、脱水してアミナールを生成する。それから、第一工程において酸触媒の存在下、MDAを生成するための転位が起こり、パラおよびオルトアミノベンジルアニリンが生成する。第二工程でアミノベンジルアニリンが転位してMDAを生成する。アニリンとホルムアルデヒドとの酸触媒反応の主要生成物はジアミン4,4’−MDAであり、その位置異性体は2,4’−MDAおよび2,2’−MDAであり、より高級なホモログもある。

0004

中和プロセスでは、アニリンおよびホルムアルデヒドは酸触媒存在下アミノベンジルアニリンに直接転換し、これは続いて反応して二環MDA異性体および二環より大きいMDAホモログをさらに生成する。

0005

酸性反応混合物の製造のための方法の変法にかかわらず、これの後処理は先行技術に従って塩基を用いた中和により開始される。中和反応を、通常、さらなる物質の添加なしで、例えば、90℃〜100℃の温度で実施する(H.J.Twitchett, Chem. Soc. Rev. 3(2), 223 (1974))。しかしながら、例えば、干渉する副生成物の分解を促進するために異なる温度レベルでも実施できる。アルカリ元素およびアルカリ土類元素水酸化物が塩基として好適である。NaOH水溶液の使用が好ましい。

0006

中和後、分液槽有機相水相から分離する。水相を分離した後に残る粗MDAを含む有機相に対して、さらに後処理工程、例えば、粗MDAから塩類を洗い出すために水(塩基性洗浄液)で洗浄する。このように精製した粗MDAは、最終的に蒸留、抽出または結晶化などの適切な方法により混合物中に存在する過剰なアニリン、水および他の物質(例えば、さらなる溶媒)を除去する。先行技術の慣例法である後処理は、例えば、欧州特許公開第1652835(A1)号明細書、3頁58行〜4頁13行、または欧州特許公開第2103595(A1)号明細書、7頁21行〜37行に開示されている。

0007

欧州特許公開第2486975(A1)号明細書は、MDA製造における特定の撹拌機反応器の使用について開示している。ここで、局在的過剰なホルムアルデヒドが網状高分子の生成をもたらし得ることに言及している。しかしながら、この特許出願には、反応の稼動停止手順、すなわち、方法の中断の構成についての詳細がない。特に、この特許出願では、稼動停止手順中の「A/F比」(ホルムアルデヒドに対するアニリンのモル比)が、通常運転中のA/F比より大きくすべきであることを教示していない。

0008

欧州特許公開第1616890(A1)号明細書では、アニリンおよびホルムアルデヒドが酸触媒非存在下で先ず反応してアミナールを生成し、その後、アミナールを酸触媒と混合して、20℃〜100℃の温度および0〜20重量%のこのように得られた酸性反応混合物の含水率においてさらに反応することを教示している。特に、設定されるアミナール中の0〜5重量%の含水率を有するアミナールを生成するため、ホルムアルデヒドとアニリンとの縮合後にアミナールから少なくとも部分的に水を最初に除去し、その後、アミナールを酸触媒と混合して、20℃〜100℃の温度でさらに反応させ、このように得られた酸性反応混合物の含水率は0〜20重量%である。このように、<15%、好ましくは4%〜14%、特に好ましくは5%〜13%のプロトン化度を有するジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの混合物を製造できる。本明細書では、プロトン化度は、一塩基酸触媒(例えば、塩化水素酸)の場合、使用する酸触媒量と反応混合物中に存在するアミン官能基モル量とのモル比である。本特許出願には、工業生産プラントの稼動停止中の手順に関する詳細がない。この実施例は室内実験である。特に、本特許出願では、稼動停止手順中のA/F比が、通常運転中のA/F比より大きくすべきであることを教示していない。

0009

欧州特許公開第0283757(A1)号明細書は、同様に、MDA製造に関する。記載されている方法では、熱誘発されたこれらの転位反応前に、アニリンとホルムアルデヒドの縮合により生成したアニリン非含有MDAを添加することが特徴である。実施例2では、生成されたMDAの少量部分を転位反応に再循環する運転態様について記載されている(請求項8も参照)。言い換えれば:連続式通常運転でのMDAプラントの構成について記載されている。MDAプラントを稼動停止する場合の手順の詳細は記載されていない;特に、反応中のA/F比と比較して稼動停止中のA/F比についての情報がない。

0010

国際公開第99/40059号は、半連続法における酸触媒存在下でアニリンをホルムアルデヒドと反応させることによりメチレンジ(フェニルアミン)を製造するために、アニリンおよび必要に応じて酸触媒を最初に投入し、ホルムアルデヒドおよび必要に応じて酸触媒を、混合機器により、アニリン、必要に応じて酸触媒および必要に応じて前に導入したホルムアルデヒドを循環する回路中に供給し、供給されるホルムアルデヒド総量の少なくとも50%を導入後に反応混合物を75℃より高い温度にすることを教示している。供給されるホルムアルデヒド総量の少なくとも50%の量までの添加を、20℃〜75℃の回路中の反応混合物の温度において実施する。

0011

MDA製造のための反応の稼動停止中、通常運転中のものと異なるA/F比を使用することを示唆している先行技術の上記文書はない。このように、反応の化学量論に従っている上記の通常運転中のA/F比(2:1)を使用することは、全く先行技術の慣用法である。しかしながら、いずれの先行技術もまさにより大きい稼動停止中のA/F比を維持することを示唆していない。

0012

MDA製造方法の品質は、生産品反応物中の望ましくない副生成物の含有率により第一に規定される。第二に、方法の品質は、開始からのプロセス全体、生産の技術的不良もプロセス中の介入を必要とする問題もなく運転できるプロセスの稼動停止までの通常生産により、および出発物質中間体または最終製品(生成物)の損失がないことにより規定される。

0013

このような問題は、例えば、運転外(「稼動停止」中)のアミナール反応が起こっている間に起こり得る。このような問題は、例えば、装置(アミナール槽、アミナール冷却器ならびにアミナール分離器および管路)上のケーキングおよび閉塞物になる高分子量固形物の生成があることで起こり得る。

0014

先行技術の上記方法は最終生成物品質劣化なく高収率でMDAを製造することを可能とするが、通常運転での方法についてのみ記載している。プラントが停止となるまでの稼動停止過程(「稼動停止時間」として公知)は考慮されていない。

0015

開始時間および稼動停止時間は毎日の生産工程で頻繁に起こり、反応器または他のプラント装置開放または他の機械的介入に必ずしも関係しないが、様々な他の理由、例えば、原料不足などの製造プラントの停止および再開とも関係し得る。これらの稼動停止時間は、実際、ホルマリンに対するアニリンの所望のモル比の逸脱が起こり得ることに特徴付けられる。

0016

従って、反応が停止する間の時間に注意払うジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの改善された製造方法を有することが望ましいだろう。このような方法を提供することが本発明の目的である。

0017

本発明に従えば、好ましくは1.5〜20、特に好ましくは1.5〜15、非常に特に好ましくは1.5〜10、非常に極めて好ましくは1.5〜6の値を有するA/F通常運転の通常運転におけるホルムアルデヒド(2)に対するアニリン(1)のモル比でアニリン(1)とホルムアルデヒド(2)との反応によるジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミン(MDA)の製造方法によりこの目的を達成し、以下の工程を含む:
どちらかの変法の工程であって、変法A)に従って、
A.I)反応器内に、アニリン(1)を質量流量m1で導入し、ホルムアルデヒドを質量流量m2で導入して、該反応器内において酸触媒(3)の非存在下、アニリン(1)とホルムアルデヒド(2)とを反応させてアミナールを生成し、次いで、得られた反応混合物を水相とアミナール含有有機相に分離し;
A.II) 反応器内において、工程I)で得られたアミナール含有有機相の少なくとも一部を酸(3)と反応させて、アミナールが反応してジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを生成し;
以下の工程を実施してジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの製造を停止する:
A.I.1) 時点t0において開始し、時点t1(t1>t0)においてm2が0になるまで、工程A.I)の反応器中へのホルムアルデヒド(2)の質量流量m2を低減し;
A.I.2) 時点t2(t2≧t1)においてm1が0になるまで、工程A.I)の反応器中へのアニリンの質量流量m1を低減し;
A.II.1) m3が0になるまで、酸(3)の質量流量m3を低減し;
および
時点t1に達するまで、工程A.I)の反応器内に導入されたホルムアルデヒド(2)に対する工程A.I)の反応器内に導入されたアニリン(1)の瞬間モル比、A/F瞬間が常に≧1.5、好ましくは≧2であるように、質量流量m1およびm2を減少させ、時点t1に達するまで、全ての実施形態におけるA/F瞬間が常に≧1.05・A/F通常運転である工程;
あるいは、変法B)に従って、
B.I) 反応器内においてアニリン(1)と酸(3)を反応させて、使用した酸(3)のアニリニウム塩を含有する反応混合物を生成し;
B.II) 反応器内において、工程B.I)で得られた反応混合物の少なくとも一部をホルムアルデヒド(2)と反応させて、必要に応じてさらなるアニリン(1)を導入し、必要に応じてさらなる酸(3)を導入してジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを生成し;
以下の工程を実施してジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの製造を停止する:
B.II.1) 時点t0において開始し、時点t1(t1>t0)においてm2が0になるまで、工程B.II)の反応器中へのホルムアルデヒド(2)の質量流量m2を低減し;
B.I.1) 時点t2(t2≧t1)においてm1が0になるまで、工程B.I)の反応器内および必要に応じて工程B.II)の反応器内へのアニリンの質量流量m1を減少させ;
B.I.2) m3が0になるまで、工程B.I)の反応器内および必要に応じて工程B.II)の反応器内への酸(3)の質量流量m3を低減し;
および
時点t1に達するまで、工程B.II)の反応器内に導入されたホルムアルデヒド(2)に対する工程B.I)の反応器内に導入されたアニリン(1)および、存在する場合、工程B.II)の反応器内に導入されたアニリン(1)の瞬間モル比、A/F瞬間が常に≧1.5、好ましくは≧2であるように、質量流量m1およびm2を減少させ、時点t1に達するまで、全ての実施形態におけるA/F瞬間が常に≧1.05・A/F通常運転である工程。

発明の具体的説明

0018

稼動停止手順は、当該プラントに特異的な全負荷部分的負荷または最小負荷の状態から行うことができる。その時の負荷にかかわらず、稼動停止手順を時点t0において開始する元の状態を、本発明の目的のため、通常運転と呼ぶ。

0019

本発明の目的のため、ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンは、以下の種類のアミン類およびアミン混合物である:

0020

0021

式中、nは≧2の自然数である。以下、n=2の場合におけるこの種の化合物をジフェニルメタン系ジアミンまたはジアミノジフェニルメタン(以後、MMDA)とも呼ぶ。n>2の場合におけるこの種類の化合物は、本発明の目的のため、ジフェニルメタン系ポリアミンまたはポリフェニレンポリメチレンポリアミン(以後、PMDA)とも呼ぶ。この2種の混合物を、ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミン(以後MDA)とも呼ぶ。工業的に、ジアミンとポリアミンとの混合物を、ホスゲン化によりジフェニルメタン系の対応するジイソシアネートおよびポリイソシアネートに主に転換する。

0022

両方の変法では、工程I)およびII)の反応器は、同じでも異なっていてもよい。このことは、変法A)では、反応器内に残る工程A.I)で生成したアミナールに酸を添加すること、またはアミナールを別の反応器内に移動してそこに酸(3)を添加することは等しく可能であることを意味する。変法B)では、反応器内に残る工程B.I)で生成したアニリン(1)と酸(3)との反応生成物にホルムアルデヒド(2)を添加すること、またはアニリン(1)と酸(3)との反応生成物を別の反応器内に移動してそこにホルムアルデヒド(2)を添加することは等しく可能である。さらに、「反応器」という語は、本発明の目的のため、反応器カスケードを使用する場合も包含する(言い換えれば、本文脈中、1つ(a)」は不定詞であり、数を指示するものでないと解釈すべきである)。

0023

両方の変法では、工程I)およびII)を連続的または半連続的に、好ましくは連続的に実施する。

0024

変法A)の場合、特定の時点tにおける工程A.I)の反応器内への既知供給流れ(1)および(2)から、t1までの時間における瞬間モル比、A/F瞬間を簡単に導くことができる。変法B)の場合、特定の時点tにおける工程B.I)の反応器内または工程B.II)の反応器内への既知の供給流れ(1)および(2)から、t1までの時間における瞬間モル比、A/F瞬間を同様に導くことができる。工程B.II)において工程B.II)の反応器内へのさらなるアニリンの導入の可能性を利用する場合、瞬間モル比、A/F瞬間を決定する目的のため、t1までの時間中に、工程B.I)のアニリンにこれを添加する。アニリニウム塩を存在させるように、工程B.II)において添加されたこのアニリンを酸と前以て混合する場合、1モルのアニリンは1モルの酸と反応して1モルのアニリニウム塩を生成するので、計算は変わらない。瞬間モル比、A/F瞬間を算出する目的のため、あたかも全アニリン(1)が遊離型で存在するかのように計算を実施できる。

0025

本発明の目的のため、時点t1に達するまで、A/F瞬間が常に≧1.5、好ましくは≧2であり、全実施形態において時点t1に達するまで、A/F瞬間が特に好ましくは≧1.05・A/F通常運転であるように、質量流量m1およびm2(例えば、供給アニリンkg/時およびホルムアルデヒドkg/時またはホルムアルデヒド溶液kg/時で表される)の減少を実施する。理論的理由のため、ホルムアルデヒドの質量流量m2が0になるので、時点t1自体においては、このことは適用されない。しかしながら、いずれにしても、MDAの生成に必要な少なくとも化学量論量のアニリンが稼動停止手順中にそれぞれの反応器内に存在するように、ホルムアルデヒド投与の減少を実施する。

0026

両方の変法では、それぞれの反応器内へのホルムアルデヒドの導入を、稼動停止手順の第一工程(工程A.I.1)またはB.II.1))においてt0〜t1の時間中に、好適に無段階に0まで調整し、一方、アニリンの導入は、同じ負荷、より大きな負荷または低負荷で稼動を続ける。これにより、工程A.I)またはB.II)の反応器内に存在するホルムアルデヒドの完全な反応および、変法Aでは、実際アニリンのみがアミナール反応器およびさらなるプロセス工程の装置内に存在する、または変法Bでは、実際アニリンのみが工程B.II)の反応器およびさらなるプロセス工程の装置内に存在するまで、この反応器から生成した生成物の排出を可能とする。

0027

稼動停止手順の第二工程(工程A.I.1)またはB.I.1))では、アニリンの導入を最終的に停止する。

0028

稼動停止手順の第三工程(工程A.II.1)またはB.I.2))では、酸の導入を停止する。両方の変法では、酸(3)の質量流量m3を、時点t1にできるだけ速く開始して好適に減少させる。両方の変法では、稼動停止手順の開始における(すなわち、工程A.I.1)またはB.II.1)前)質量流量m3を時点t2まで維持し、それから、供給管路内に残る酸(3)の残存量を特定の時間供給し続けるように、さらなる酸(3)の導入を開始する(例えば、注意深くバルブを閉じることにより)ことが特に好ましい。このことは、相分離をより容易にするその後の後処理(中和)において十分に大量の塩が存在することを保証する。

0029

本発明の方法の実施形態を以下に説明する。文脈から明白に反対でない限り、これらは何らかの方法で互いに合わせることができる。

0030

稼動停止手順中、工程A.I)の反応器の反応器空間反応温度は、変法A)の場合、例えば、20℃〜120℃、好ましくは40℃〜110℃、非常に好ましくは60℃〜100℃である。工程A.I)の反応器(アミナール反応器)を大気圧または過圧下で運転する。1.05〜5バール絶対圧)の圧が好ましく、非常に特に好ましくは1.1〜3バール(絶対圧)、非常に特に好ましくは1.2〜2バール(絶対圧)の圧である。圧調節バルブを用いて、またはアミナール反応器の排ガスシステムとアミナール分離器のオーバーフローとの連結により、圧を維持する。アミナール分離器および水相の流出を、ケーキングを防止するために好適に加熱する。

0031

変法B)の場合、稼動停止手順中、工程B.II)の反応器の反応器空間の反応温度は、例えば、20℃〜200℃、好ましくは20℃〜160℃である。稼動停止前に、温度は>75℃であり、反応器を加熱しない場合、稼動停止中に温度は低下する。

0032

稼動停止後に、その中に存在したままのアニリンを含む装置を放置できる。代替として、例えば、メンテナンス措置の準備のために、1つの装置、1つより多い装置または全装置を空にできる。

0033

本発明に従えば、時点t1に達するまで、第一反器内のホルムアルデヒドに対するアニリンのモル比が≧2:1であるように、工程I.1)およびI.2)において、質量流量m1およびm2(例えば、供給アニリンkg/時およびホルムアルデヒドkg/時またはホルムアルデヒド溶液kg/時で表される)の減少を実施する。理論的理由のため、ホルムアルデヒドの質量流量m2が0になるので、時点t1においては、このことは適用されない。しかしながら、いずれにしても、少なくともMDAの生成に必要な化学量論量のアニリンが反応器内に存在するように、ホルムアルデヒド投与の減少を実施する。

0034

2つ以上のMDA反応器ライン並列して運転するべき場合、1つの反応器ラインを第一に稼動停止し、他の反応器ラインを連続して稼動停止することは可能であるが、これは必ずしもこの場合とは限らない。全MDA反応器ラインをほとんど同時に稼動停止することも可能である。

0035

本発明の方法のさらなる実施形態では、また、得られた混合物を工程A.I)またはB.II)中および/または後に反応器から排出する。結果として、物質の関与する移動を含む製造方法を継続できる。変法Aでは、実際アニリンのみがアミナール反応器およびさらなるプロセス工程の装置内に存在する、または変法Bでは、実際アニリンのみが工程B.II)の反応器およびさらなるプロセス工程の装置内に存在するまで、この排出を有利に継続する。

0036

本発明の方法のさらなる実施形態では、変法A)およびB)において、t2−t1は、>0時間である。この時間は、好ましくは>0時間〜<30時間、より好ましくは>0.5時間〜<10時間、非常に特に好ましくは>1時間〜<5時間である。

0037

本発明の方法のさらなる実施形態では、変法A)およびB)において、質量流量m1は、≧1000kg/時である。この質量流量は、好ましくは≧2000kg/時〜≦200000kg/時、より好ましくは≧3000kg/時〜≦100000kg/時である。

0038

本発明の方法のさらなる実施形態では、変法A)およびB)において、質量流量m2は、工程I)および工程II)において≧300kg/時である。この質量流量は、好ましくは≧400kg/時〜≦100000kg/時、より好ましくは≧500kg/時〜≦50000kg/時である。

0039

使用されるホルムアルデヒド(2)は、両方の変法において、ホルムアルデヒドの全ての既知の製造方法から製造されたものであり得る。単に、銀触媒法の例を用いて言及するにすぎない。

0040

本発明の方法のさらなる実施形態では、両方の変法A)およびB)において、少なくとも工程A.I)または工程B.I)の反応器は、時点t2後、アニリンで少なくとも部分的に満たされている;すなわち、アニリン導入停止後のそれぞれの反応器内にまだ存在するアニリン(またはアニリニウム塩)は完全に排出されない。アニリン(またはアニリニウム塩)が、ホルムアルデヒドの存在なしでそれぞれの反応器内に残る場合、望ましくない高分子量副生成物の生成なしで製造を中断できる。

0041

粗生成物が得られるまで通常運転で、変法A)およびB)において方法を実施する方法を以下により詳細に説明する。

0042

変法A)に従ったジフェニルメタン系ジアミンおよび/またはポリアミンの製造を以下のように例によって要約できる:
a) 工程I)の主要手順:アニリンとホルムアルデヒドとを酸触媒の非存在下で縮合し、アミナールおよび水を生成して、得られたアミナールをアミナール反応器から排出し、
b) 主にアミナール反応の縮合水由来である工程a)の水および出発物質ホルムアルデヒドの水を、少なくとも部分的にアミナール反応からの反応混合物の水相として分離し、および
c) 工程II)の主要手順:工程b)のアミナールは酸触媒の存在下で転位してMDAを生成する。

0043

工程a)におけるアニリンとホルムアルデヒドとの縮合を、先行技術に従っていずれもの方法により実施できる。本明細書で、アニリンおよびホルムアルデヒド水溶液を、1.5〜20、好ましくは1.5〜15、特に好ましくは1.5〜10、非常に特に好ましくは1.5〜6の範囲のモル比で、20℃〜120℃、好ましくは40℃〜110℃、特に好ましくは60℃〜100℃の温度で通常に縮合してアミナールおよび水を生成する。反応を通常大気圧下で実施する。適切なアニリンのグレードは、例えば、欧州特許第1257522(B1)号明細書、欧州特許公開第2103595(A1)号明細書および欧州特許第1813598(B1)号明細書に記載されている。水中に30質量%〜50質量%のホルムアルデヒドを含むホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)の工業グレードを使用するのが好ましい。しかしながら、より低濃度またはより高濃度のホルムアルデヒド溶液またはガス状ホルムアルデヒドもあり得る。

0044

工程b)では、アミナール有機相と水相を、20℃〜120℃、好ましくは40℃〜110℃、特に好ましくは60℃〜100℃の温度で、好ましくは大気圧で分離できる。相分離を大気圧より僅かに高い圧でも実施できる。

0045

工程c)でのアミナールの転位を、酸触媒、通常、塩化水素酸などの強鉱酸の存在下で実施できる。0.001〜0.9、好ましくは0.05〜0.5のアニリンに対する鉱酸のモル比で鉱酸を使用するのが好ましい。文献に記載されているように固体酸触媒を使用することも通常可能である。本明細書で、ホルムアルデヒドをアニリンと酸触媒との混合物中に導入でき、反応溶液を段階的加熱により完全に反応できる。別の方法として、アニリンおよびホルムアルデヒドを先ず前反応させて、次いで、水の除去があってもなくても、酸触媒またはさらなるアニリンと酸触媒との混合物と混合することもでき、その後、反応溶液を段階的加熱によって完全に反応させる。文献(例えば、欧州特許公開第1616890(A1)号明細書または欧州特許公開第1270544(A1)号明細書)に記載された多数の方法の1つにより、この反応を連続式またはバッチ式で実施できる。

0046

変法B)に従った粗ジフェニルメタン系ジアミンおよび/またはポリアミンの製造を以下のように例によって要約できる:
a) 工程B.I)の主要手順:アニリンと酸とをホルムアルデヒドの非存在下で反応させて使用した酸のアニリニウム塩を含有する反応混合物を生成し、および
b) 工程B.II)の主要手順:使用した酸のアニリニウム塩を含有する工程a)の反応混合物をホルムアルデヒドと混合し、転位させてMDAを生成する。

0047

工程a)におけるアニリンと酸、好ましくは塩化水素酸との反応を、先行技術に従っていずれもの方法により実施できる。塩化水素酸水溶液の例をさらに説明するが、他の酸も使用できる。アニリンと塩化水素酸水溶液を、1.6〜100、好ましくは3.3〜20の範囲で酸に対するアニリンのモル比で通常反応させる。この反応を上流の反応器または混合セクションにおいて実施でき、必要に応じて、反応混合物を一時的に貯蔵槽内貯蔵可能である。必要に応じて、アニリンと酸との反応混合物をホルムアルデヒドと引き続き反応させるのと同じ反応器内でこの反応を実施できる。適切なアニリンのグレードは、例えば、欧州特許第1257522(B1)号明細書、欧州特許公開第2103595(A1)号明細書および欧州特許第1813598(B1)号明細書に記載されている。適切な塩化水素酸グレードは、例えば、欧州特許公開第1652835(A1)号明細書に記載されている。

0048

10℃〜60℃の温度において、「供給アニリン」を最初に反応器内に入れることができる。供給アニリンを新鮮なアニリンおよび必要に応じてMDA蒸留(以下にさらにより詳細に説明する;工程h)参照)からのアニリンおよび必要に応じて廃水処理からのアニリンから成る。

0049

それから、例えば、アニリンを導入しながら、初期に投入したアニリン中に良好に混合するように注意を払いながら塩化水素酸を導入する。撹拌機を用いて撹拌または反応混合物の循環(ポンプを用いて)または撹拌と循環との組合せによりこの良好な混合を行うことができる。生成物を排出する供給流れからプラント全体は、必要に応じて、いつでも運転する状態にするべきである。必要ならば、発生した反応熱を取り除くことを可能とするために内部または外部熱交換器反応装置装備できる。別の方法として、供給アニリンおよび/または塩化水素酸を適切に冷却することもできる。さらに代案として、反応熱を取り除くために気化冷却を使用する。

0050

工程b)では、工程a)からのアニリン塩化水素塩含有反応混合物をホルムアルデヒド水溶液と反応させる。例えば、欧州特許公開第1053222(A1)号明細書に記載のように、本明細書で、ホルムアルデヒドをアニリンと酸触媒との混合物中に導入でき、反応溶液を段階的加熱により完全に反応できる。通常、20℃〜150℃の温度において反応を実施する。

0051

工程B.I)の反応器および工程B.II)の反応器は、互いに有利に異なる。しかしながら、同じ反応器内で工程B.I)および工程B.II)を実施することを除外するものではない。この反応を連続式、半連続式またはバッチ式で実施できる。

0052

水中に30質量%〜50質量%のホルムアルデヒドを含むホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)の工業グレードを使用するのが好ましい。しかしながら、より低濃度またはより高濃度のホルムアルデヒド溶液またはガス状ホルムアルデヒドもあり得る。

0053

半連続式またはバッチ式反応の場合、遊離アニリンおよびアニリン塩化水素塩の形態の「無限に」過剰のアニリンが時点t1において存在する(=ホルムアルデヒドの質量流量は0に等しい)。時点t0から時点t1に達するまで、通常運転の処方物中に提供されるA/F通常運転比の少なくとも1.05倍を維持する量でホルムアルデヒドを好適に導入する。

0054

変法A)およびB)の両方では、ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含有する粗反応混合物を得る(工程c)において変法A)および工程b)において変法B)で)。この反応混合物の後処理を、変法A)またはB)を使用するのにかかわらず、以下のように好適に実施する:
d) ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含有する反応混合物を中和し、
e) ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含む中和反応混合物を分離槽内でジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含む有機相ならびに水相に分離し、
f) ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含む有機相を洗浄槽内洗浄液体によってさらに精製し、
g) 得られた混合物を分離槽内でジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含む有機相ならびに水相に分離し、および
h) ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含む洗浄された有機相を蒸溜によって水およびアニリンを除去する。

0055

工程d)では、ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含む反応混合物を、必要に応じて、水および/またはアニリンを添加して中和する。先行技術に従って、通常、さらなる物質の添加なく、例えば、90℃〜100℃の温度で実施する。しかしながら、例えば、干渉する副生成物の分解を促進するために異なる温度レベルでも実施できる。アルカリ元素およびアルカリ土類元素の水酸化物は、例えば、塩基として好適である。NaOH水溶液を好適に使用する。中和で使用する塩基を、使用する酸触媒を中和するのに化学量論的に必要な量の好ましくは100%より多い量で、特に好ましくは105%〜120%の量で使用する(欧州特許公開第1652835(A1)号明細書参照)。

0056

次いで、工程e)において、ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含有する中和反応混合物を、ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含有する有機相ならびに水相に分離する。これは、アニリンおよび/または水の添加により促進できる。相分離をアニリンおよび/または水の添加により促進する場合、これら/これの添加を好ましくは中和して出来るだけ速く激しく混合しながら実施する。本明細書で、撹拌槽内または撹拌槽カスケードあるいは混合セクションと撹拌槽との組合せで静的ミキサーを備えた混合セクションで混合を実施できる。それから、中和してアニリンおよび/または水の添加により希釈した反応混合物を、その構成および/または内部のおかげで、MDA含有有機相および水相に分離、好ましくは相分離するのに特に適切である装置または、例えば、Mass-Transfer Operations, 3rd Edition, 1980, McGraw-Hill Book Co, pp. 477 to 541, or Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry (Vol. 21, Liquid-Liquid Extraction, E. Mueller et al., pages 272-274, 2012 Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim,DOI: 10.1002/14356007.b03_06.pub2) or in Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology (“http://onlinelibrary.wiley.com/book/10.1002/0471238961”, published online: June 15, 2007, pages 22-23参照)に記載されているような先行技術に従って抽出装置(ミキサー−沈降カスケードまたは沈降槽)に好適に供給する。

0057

次に、工程f)において水で有機相を洗浄し、その後に、工程g)において水相の沈降を再度行い塩の残留含有物を除去する(好ましくは、ドイツ特許公開第2549890号明細書、3頁に記載のように)。

0058

工程h)では、欧州特許第1813597(B1)号明細書に記載されているように、工程g)で得られたジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含有する有機相から蒸留により水およびアニリンを分離する。工程g)で得られた有機相は、混合物の重量に対して、5〜15重量%の水の組成を有し、使用したアニリンとホルムアルデヒドの比に依存して、5〜90重量%、好ましくは5〜40重量%のアニリンおよび5〜90重量%、好ましくは50〜90重量%のジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンの組成を有する。工程g)の相分離から出た後、ジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを含有する有機相は、通常、80℃〜150℃の温度を有する。

0059

得られたジフェニルメタン系ジアミンおよびポリアミンを、有機溶媒ホスゲンとの反応により不活性条件下公知の方法により対応するジフェニルメタン系ジイソシアネートおよびポリイソシアネート、すなわちMDIに転換できる。ここで、ホスゲン化は先行技術から公知の方法のひとつにより実施できる(例えば、ドイツ特許公開第844896号明細書またはドイツ特許公開第19817691号明細書)。

0060

上記条件を稼動停止中に着実に実行すれば、以下の利点が得られる:
i)アミナール槽、冷却器、分離器およびアミナール冷却循環ポンプ内の閉塞物および沈殿物の回避、従って、プラントを再度稼動停止して装置の洗浄目的で開く必要がないという理由による第二開始手順の回避。
ii) 閉塞物および沈殿物の生成およびその結果として装置洗浄目的のプラント運転停止が理由の2回目の開始手順を実施する必要がないという理由によるエネルギー節約
iii) 閉塞物および沈殿物の除去のための洗浄時間をなしで済ますので、反応器のオンストリーム時間が増加するという理由によるプラント生産性の増強。
iv) 装置(アミナール槽、冷却器、分離器およびアミナール冷却循環ポンプ)内の沈殿物、ケーキ状物質および閉塞物の回避または低減およびこれに関連してプロセス運転時間の増加。
v) 装置洗浄後の廃棄物減少(高分子量固形物)および焼却費用節約
vi) 複数の不充分な開始および稼動停止の結果として生成し得る規格外生成物の回避:従って、このような不良品質稼動停止生成物は良好な品質のMDAと混合する必要なく、最悪の場合の焼却さえ必要ない。
vii)相分離に悪影響を及ぼす高分子量化合物が存在しないので、水相および有機相のより良好な相分離。

0061

以下の図および実施例を用いて、本発明を詳細に例証するが、これらに限定するものではない。

図面の簡単な説明

0062

0063

図1〜4は変法A)に従った本発明の方法のアニリンおよびホルムアルデヒドの質量流量の時間に対する経過を示す。

0064

図1は、本発明の方法の変法A)に従った実施形態のアニリンおよびホルムアルデヒドの質量流量の時間に対する経過を示す。時間tをx軸にプロットし、質量流量mをY軸にプロットしている。時点t0に達するまで、工程A.I)の反応器として本発明の用語で指定したアミナール反応器内へのアニリン(「A]と表記された図中のm1)およびホルムアルデヒド(「F」と表記された図中のm2)の質量流量は一定である。ここで、製造を稼動停止する必要があると決定する。この目的のため、時点t1においてホルムアルデヒドの質量流量が0になるまで、アミナール反応器内へのホルムアルデヒドの質量流量をアニリンの質量流量の不変の大きさで減少する。

0065

時点t1において、時点t2においてほとんど0になるまで、アミナール反応器内へのアニリンの質量流量は減少開始する。アミナール反応器内へ導入されるアニリンの質量流量はホルムアルデヒドの質量流量より少なくともずっと大きいこと、およびホルムアルデヒドに対するアニリンのモル比は反応の稼動停止中いずれの時点においても少なくとも2であることが分かる。

0066

t1〜t2の時間中、アミナール反応器内にまだ存在するホルムアルデヒドはアニリンと完全に反応し得る。最終的に、アミナール反応器内に遊離ホルムアルデヒドはもはや存在しない。

0067

得られた反応混合物が、時点t0、t1および/またはt2後にアミナール反応器から排出され続けることは、この変法でもちろん可能である。

0068

図2図1と同様に、本発明の方法の変法A)に従ったさらなる実施形態のアニリンおよびホルムアルデヒドの質量流量の時間に対する経過を示す。ここで、早ければ時点t0に、アニリンの質量流量も減少する。

0069

図3は、図2と同様に、2つの異なる速度で減少するアミナール反応器へアニリンを導入するときのアニリンおよびホルムアルデヒドの質量流量の時間に対する経過を示す。

0070

図4は、アミナール反応器内へのアニリン導入およびホルムアルデヒド導入の両方が時点t0において減少し、ホルムアルデヒドに対するアニリンのモル比に関して本発明に従った境界条件固執しながら、アミナール反応器内への2つの反応成分の導入が同じ時点において0になるように該減少を選択する変法A)の実施形態を示す。

0071

「慣らし」製造プラントにおけるMDA製造の一般条件(稼動停止手順開始前
連続反応方法(工程a))では、供給アニリン(90質量%のアニリンを含む)24.3トン/時および32%濃度ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリンに対するアニリンのモル比、2.1:1)を9.9トン/時(ホルムアルデヒドに対するアニリンのモル比 2.1:1)を、90℃および1.4バール(絶対圧)において撹拌反応槽内で混合および反応させてアミナールを生成した。反応槽は冷却循環ポンプを備えた冷却器と共に提供される。反応槽から取り出した反応混合物を、相分離装置(アミナール分離器)中に供給した(工程b))。

0072

水相を除去するための相分離後、有機相を混合ノズル内で30%濃度塩化水素酸水溶液(プロトン化度10%、すなわち、アミノ基の1モル当たりHClの0.1モルが添加される)と混合し、第一転位反応器中に供給した。転位反応を、反応器カスケード内で45℃〜165℃において実施した(工程c))。

0073

反応が完了後、得られた反応混合物を、HClに対する水酸化ナトリウムのモル比1.1:1で32%濃度の水酸化ナトリウム溶液撹拌中和槽内で混合し反応させた(工程d))。ここで温度は115℃であった。絶対圧は1.4バールであった。次いで、中和反応混合物を中和分離器内で廃水回収槽運搬される下側の水相および有機相に分離した(工程e))。

0074

上側の有機相を洗浄に運搬し、撹拌洗浄槽内において縮合物で洗浄した(工程f))。洗浄水を洗浄水分離器(工程g)内で分離した後、このように得られた粗MDAを、蒸留により水およびアニリンを除去し、底部生成物として17トン/時のMDAを得た(工程h))。

0075

実施例1(比較例):アニリンを第一に停止したMDAプラントの稼動停止
MDA製造の一般条件で記載したようにMDAプラントをMDA17トン/時で運転した。転位反応器内での技術的異常後、アミナール反応器内でアニリンを停止して、ホルマリンを2分後に停止した。アニリン添加と同時点において塩化水素酸の添加を中断した。アミナール反応器および転位反応器を空にした。転位反応器の異常を修正した後、空のアミナール反応器を、サイフォンを経てアミナール分離器内に溢れて流れるまで、供給アニリン(90質量%のアニリンを含む)で満たした。アミナール反応器がこの程度まで満たされた場合、供給アニリンは、撹拌アミナール反応槽内に12.2トン/時の流速で流れたが、これは定格負荷の50%に相当する。

0076

それから、ホルマリン管路を開放した。反応が直ぐに開始し、反応混合物を90℃まで調節した。開始期間中、アミナール反応器内の圧は1.4バール(絶対圧)であった。45分の予定開始時間t中、アミナール反応器内に導入される予定の32%濃度ホルムアルデヒド水溶液の量は、0トン/時から4.95トン/時まで無段階に増量すべきであり、これは定格負荷の50%に相当した。しかしながら、アミナール槽、アミナール冷却器およびアミナール分離器が閉塞したので、30分後にプラントは停止しなければならなかったが、アミナール冷却循環ポンプは同様に固形物で閉塞して稼動しなかった。

0077

実施例2(比較例):ホルマリンおよびアニリンの導入をほぼ同時に減少したMDAプラントの稼動停止。
MDA製造の全般条件で記載したようにMDAプラントをMDAを17トン/時で運転した。アミナール反応器の技術的異常後、アニリンおよびホルムアルデヒドを本質的に同時に停止した。アニリン添加と同時点において塩化水素酸の添加を中断した。

0078

アミナール反応器を空にした。異常を修正した後、空のアミナール反応器を、サイフォンを経てアミナール分離器内に溢れて流れるまで、供給アニリン(90質量%のアニリンを含む)で満たした。アミナール反応器がこの程度まで満たされた場合、供給アニリンは、撹拌アミナール反応槽内に12.2トン/時の流速で流れたが、これは定格負荷の50%に相当する。

0079

それから、ホルマリン管路を開放した。反応を直ぐに開始し、反応混合物を90℃まで調節した。開始期間中、アミナール反応器内の圧は1.4バール(絶対圧)であった。45分の開始時間中、アミナール反応器内に導入された32%濃度ホルムアルデヒド水溶液の量を、0トン/時から4.95トン/時まで無段階に増量した。その後、反応混合物をアミナール反応器から、アミナール反応から生じる反応水を分離する相分離装置内に運搬した。それから、残留有機相を10%のプロトン化度(すなわち、アミノ基1モル当たり0.1モルのHClを添加する)に相当する30%濃度塩化水素酸水溶液を第一転位槽内へのアミナール用入口への混合ノズルを経て同時に導入しながら第一転位槽内にポンプで送った。

0080

反応器カスケード内で50℃〜150℃において転位反応した(工程c))。反応が完了後、得られた反応混合物をMDA製造の全般条件で記載のように後処理した。3製造日後、アミナール分離器内で固形物が沈殿して洗浄の必要性が生じたので、アミナール反応器を運転を停止しなければならなかった。

0081

実施例3(本発明に従う):さらなるアニリンを供給するMDAプラントの稼動停止
MDA製造の全般条件で記載したようにMDAプラントをMDAを17トン/時で運転した。転位反応器内での技術的異常後、アミナール反応器内でホルマリンを停止して、アニリンを1時間後に停止した。アニリン添加と同時点において塩化水素酸の添加を中断した。

0082

アミナール反応器および転位反応器を空にした。転位反応器の異常を修正した後、空のアミナール反応器を、サイフォンを経てアミナール分離器内に溢れて流れるまで、供給アニリン(90質量%のアニリンを含む)で満たした。アミナール反応器がこの程度まで満たされた場合、供給アニリンは、撹拌アミナール反応槽内に12.2トン/時の流速で流れたが、これは定格負荷の50%に相当する。

0083

それから、ホルマリン管路を開放した。反応を直ぐに開始し、反応混合物を90℃まで調節した。開始期間中、アミナール反応器内の圧は1.4バール(絶対圧)であった。45分の開始時間中、アミナール反応器内に導入された32%濃度ホルムアルデヒド水溶液の量を、0トン/時から4.95トン/時まで無段階に増量した。

0084

その後、反応混合物をアミナール反応器から、アミナール反応から生じる反応水を分離する相分離装置内に運搬した。それから、残留有機相を10%のプロトン化度(すなわち、アミノ基1モル当たり0.1モルのHClを添加する)に相当する30%濃度塩化水素酸水溶液を第一転位槽内へのアミナール用入口への混合ノズルを経て同時に導入しながら第一転位槽内にポンプで送った。反応器カスケード内で50℃〜150℃において転位反応した(工程c))。

0085

反応が完了後、得られた反応混合物をMDA製造の全般条件で記載のように後処理した。

0086

本発明に従った運転態様では、アミナール槽、アミナール冷却器およびアミナール分離器内での沈殿生成は、その後のプラント開始後およびその後の連続運転中にさらに成長し得、短時間後でさえ、アミナール槽、アミナール冷却器、アミナール分離器内で閉塞の原因となり得、固形沈殿物による冷却循環ポンプの停止の原因にもなり得るが、稼動停止段階中このような沈殿生成を防止した。

0087

プラントの補正された稼動停止およびプラントの補正されたその後の開始の場合、アミナール槽を、何ヶ月かの長い製造サイクルにわたって問題なく運転できた。不溶ポリマーアミンなどの望ましくない副生成物の生成を著しく低減し、後に開始生成物を純粋なMDAと混合すること、または最悪の場合の開始生成物の焼却もなしで済ますことができた。

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