図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2017年7月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

シリコンベース微細構造材料および方法を示す。一例では、シリコン・ベースの微細構造材料が、リチウムイオンバッテリーなどのバッテリー中で電極として使用される。

概要

背景

[背景]
リチウムイオンバッテリーなどの改良されたバッテリーが所望される。改良可能なバッテリー構造の一例は、アノード構造である。

概要

シリコンベース微細構造材料および方法を示す。一例では、シリコン・ベースの微細構造材料が、リチウムイオン・バッテリーなどのバッテリー中で電極として使用される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

バッテリー電極を形成する方法であって、酸化シリコン粉末塩化ナトリウムとを混合することと、還元剤を添加することと、シリコンを生成するために、前記酸化シリコン−塩化ナトリウム混合物還元することと、多孔質シリコン微細構造を形成するために、前記還元されたシリコンにエッチングを施すこととを含む方法。

請求項2

前記酸化シリコン−塩化ナトリウム混合物を還元することが、前記酸化シリコン−塩化ナトリウム混合物をマグネシウム熱還元することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

酸化シリコン粉末と塩化ナトリウムとを混合することが、重量で約1:10の酸化シリコン対塩化ナトリウム比で酸化シリコン粉末と塩化ナトリウムとを混合することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項4

重量で約1:0.9の酸化シリコン対マグネシウム比で、前記酸化シリコン粉末および前記塩化ナトリウムにマグネシウム粉末を混合することを更に含む、請求項2に記載の方法。

請求項5

前記多孔質シリコン微細構造を炭素コーティングコーティングすることを更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記多孔質シリコン微細構造を炭素コーティングでコーティングすることが、前記多孔質シリコン微細構造をアモルファス炭素コーティングでコーティングすることを含む、請求項5に記載の方法。

請求項7

約300〜350m2g−1の比表面積および約9nmの孔直径を有する多孔質シリコン材料を含む第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との両方に接触する電解質とを備えるバッテリー。

請求項8

前記多孔質シリコン材料を覆った炭素コーティングを更に含む、請求項7に記載のバッテリー。

請求項9

前記第1の電極が、炭素コーティングを施された多孔質シリコン粒子と、アセチレンブラックと、ポリアクリル酸との混合物を含む、請求項8に記載のバッテリー。

請求項10

前記電解質が、炭酸エチレン炭酸ジメチルとの混合物を含む、請求項7に記載のバッテリー。

技術分野

0001

[関連出願]
本願は、出願日2014年6月20日、名称「POROUS SILICON ELECTRODE AND METHOD」の米国特許仮出願番号第62/015,019号に対する優先権を主張し、同仮出願全体を参照により本明細書に組み込む。

0002

[技術分野]
本発明は、シリコンベース材料微細構造および方法に関する。一例では、本発明は、リチウムイオンバッテリー用のシリコン・ベースアノードに関する。

背景技術

0003

[背景]
リチウムイオン・バッテリーなどの改良されたバッテリーが所望される。改良可能なバッテリー構造の一例は、アノード構造である。

図面の簡単な説明

0004

本発明の一例による一合成プロセスを示す図である。
本発明の一例による材料特性解析の結果および画像を示す図である。
本発明の一例による追加の画像および材料の表面積データを示す図である。
本発明の一例による材料を使用したバッテリーの電気特性を示す図である。
本発明の一例によるバッテリーを示す図である。
本発明の一例による材料を形成する方法を示す図である。

実施例

0005

以下の詳細な説明では、その一部分を形成する添付の図面を参照する。これら図面中には、本発明が実施されうる具体的な実施形態を例証として示している。図面においては、同様の番号は、いくつかの図面にわたって実質的に同じ構成コンポーネントを示している。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することが可能になるように十分詳細に説明している。他の実施形態を利用することもでき、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的変更または論理的変更などを加えることもできる。

0006

多孔質ナノシリコンは、熱捕捉剤(heat scavenger)を用いた、浜砂の高スケーラブル(highly scalable)・マグネシウム熱還元(magnesiothermic reduction)により合成されてきた。この環境にやさしく、非常に豊富低コストのSiO2源は、Liイオン・バッテリー用のアノード材料としての優れた電気化学的性能を伴ったナノシリコンの生成を工業レベルで可能にする。発熱性の高いマグネシウム還元プロセスのための効果的な熱捕捉剤としてNaClを添加することにより、厚さ8〜10nmのナノシリコンの相互接続次元網の形成が促進される。炭素コーティングされたナノシリコン電極は、1000サイクルの後に2Ag−1で1024mAhg−1の容量を伴う著しい電気化学性能を実現する。

0007

シリコンは、Liイオン・バッテリー用の次世代アノード材料と考えられ、いくつかの商用アノードにおいて既に用途が見られる。これは、シリコンが、Li15Si4相の周囲温度形成に相当する3572mAhg−1の高い理論容量を有するからである。しかし、シリコンは、リチウム化中に生じる300%を越える大きな体膨張から生じる大きな欠点を有する。構造によっては、固有寸法がわずか150nmの場合には、リチウム化により誘起された力学的ストレスによりシリコン構造が破損し、これにより、活性材料微粉化および損失が促進される。シリコン・アーキテクチャの寸法をこの限界寸法よりも小さくするにも関わらず、大きな体膨張により、固体電解質相間(SEI)の完全性が低下する。リチウム化による膨張、およびその後の脱リチウム中の収縮により、新たなSEIの破損および再形成が絶え間なく起こり、この結果、不可逆容量損失が起こる。二層シリコン・ナノチューブ多孔質シリコンナノワイヤ、作製後に熱処理を施したシリコン・ナノ粒子(SiNP)アノードなどのいくつかの構造は、重要なSEI層初期形成の後にその層を保護することによりこうした問題を軽減している。

0008

無数のシリコン・ナノ構造がアノード材料としての優れた電気化学性能を示しているが、それらの多くは、前駆体および機器の準備がコスト高であること、または、グラムもしくはキログラム・レベルで材料を生成できないことに起因してスケーラビリティ(scalability)が欠如している。シリコン・ナノスフェア、シリコン・ナノチューブ、シリコン・ナノワイヤなど、シラン熱分解由来するシリコン・ナノ構造では全て、優れた電気化学性能が実証されている。ただし、毒性があり、高価で、自然発火性を有するシランを使用した化学的気相成長CVD)は、コストのかかる準備が必要であり、工業レベルでアノード材料を作製することはできない。結晶シリコンウエハの金属アシスト化学エッチング(MACE)が、テンプレート手法および非テンプレート手法により調整性の高いシリコン・ナノワイヤを生成する手段として研究されている。ただし、電子グレードウェハは、作製するのに比較的コストがかかり、MACEで作製されるナノワイヤの量は、ミリグラムのレベルである。結晶ウエハは、HF溶液内での電気化学アノード酸化により多孔質シリコンを作製するのにも使用されている。

0009

石英(SiO2)は、シリコンへの更なる還元を伴わない高容量のアノード材料として実証されており、約800mAhg−1の可逆容量を200サイクルにわたって有する。しかし、SiO2は、シリコンの約1011分の1の導電率を有する広バンドギャップ絶縁体である。さらに、SiO2アノードは、53.3%の酸素を重量で有しており、これにより、アノードの重量容量が低減される。SiO2の高い絶縁性は、これらアノードのレート能力(rate capability)に対しても好ましいことではない。テトラエチルオルトシリケート(TEOS)は、加水分解ナノSiO2を生成することができるので、このところ大きな注目を得ている。次いで、このSiO2は、ナノチューブやメソポーラス粒子などの構造でシリコンに還元される。しかし、図1aを確認すると、広範な生成プロセスでTEOSを生成する必要があったことが分かる。この結果、ナノSiを合成する方法が、年毎にメガトン計測される米生産の有り余る副産物である籾殻(SiO2)のマグネシウム熱還元を介して実証されている。

0010

SiO2の熱還元は、炭素熱還元、マグネシウム熱還元、アルミニウム熱還元、およびカルシウム熱還元を含めた少数既知メカニズムにより実現することも可能である。炭素熱還元は、2000℃超で動作する電気アーク炉を利用し、冶金シリコン製造の主要様式である。しかし、このプロセスは、非常に多くのエネルギー使い、シリコンを液化するので、SiO2の本来の形態を破壊する。最近では、マグネシウム熱還元が、動作温度がはるかに低い(約650℃)ので注目されている。一般には、SiO2粉末近くにMg粉末を配置し、Mgが気化するまで炉を加熱する。しかし、この還元スキームは、組成帯状変化をもたらして、Mg粉末近くにMg2Siが形成され、中間にSiが形成され、Mgから最も離れて未反応のSiO2が形成される。Luo等は、その還元プロセスに相対的に多量のNaClを添加することが、この発熱性の高い反応中に生成される多量の熱を捕捉する際の助けになることを示している。NaClは、融解中に801℃で反応温度の上昇を事実上止め、こうすることで、反応がシリコンの融点を越えることが阻止され、これは、SiO2の本来の形態を保護する助けになる。本明細書中で本出願人は、非常に豊富で、非毒性、低コストのSi前駆体である砂を使用し、優れた電気化学的性能を伴った、容易で、低コストのナノSi生成に対する代替案を提案する。

0011

多くの砂の大部分の成分は石英(SiO2)であり、砂は地殻表面に大抵は見られるので容易に回収される。本分析で使用した砂は、テキサスクレーパン地方シダクリーク貯水池ローム質表面から回収した。この地方の土壌は、アルフィゾル、具体的にはPaleustalfに分類され、これは、90%を超える石英ならびに少量の長石およびチャートを含む。本明細書中で利用した砂粒は、図1bに示すように、約0.10mmの粒径を有する。アルミナ乳鉢内での更なる機械粉砕により、粒径が数分で容易にマイクロメートルスケールおよびナノメートル・スケールに減じられる。900℃での空気中でのか焼により有機物を除去し、次いで、HCl、HF、およびNaOHで、時間を変えながら砂を順次洗浄する。不要なシリケート種がHFエッチングを介して除去されるが、これは、結晶質の石英が腐食するのは、長石などの他のシリケート種よりもはるかに遅いからである。浄化の後、図1cに示すように、その砂は、非浄化の砂の褐色の色相とは対照的に明るい白の外観を呈する。図2aのXRD分析の非浄化の砂に関連するピークは、サンプルの大部分が石英からなることを裏づけ、非常に低いピークは、不純物に相当する。砂の浄化の後、石英に関連するピークの輝度が不純物のピークと比較すると著しく増大し、これは、不純物のほとんどのエッチング除去成功したことを裏付ける。

0012

浄化の後、石英粉末とNaClを、1:10のSiO2:NaCl重量比すり合わせ超音波処理を施し、力強く2時間かき混ぜる。乾燥の後、1:0.9のSiO2:Mg重量比で、SiO2:NaCl粉末をMg粉末とすり合わせる。結果として得られる粉末をスウェージロック型の反応器装填し、アルゴンで満たした(0.09ppmO2)グローブボックス内に密封する。直ちにこれらの反応器を、アルゴンで浄化した1”の直径の石英管炉に装填する。炉を5℃min−1で700℃にゆっくりと加熱し、全てのSiO2が完全に還元するのを確実にするために6時間保持する。還元の後、結果として得られる褐色粉末脱イオン水洗浄して、NaClを除去し、次いで、1M(モーラー) HCLで6時間エッチングを行って、Mg、Mg2SiおよびMgOを除去する。MgOのHCLエッチングで生成されるMgCl2は、電気分解により容易にMgに再生可能であるが、これは、Mg生成のための主流な工業的合成手段である。脱イオンH2OおよびEtOHで粉末を数回洗浄してエッチング液を除去し、真空状態で一晩乾燥させる。瓶に入れた非浄化浜砂、浄化した石英、およびナノSiのそのままの大きさの目視比較を図1dに見ることができ、合成プロセス全体を、図1e内で視覚化することが可能である。

0013

図2のSEM画像化は、還元前後での粉砕した石英粉末の広範な大きさ分布および非常に不規則な形態を示している。粉砕した石英粉末については、図2cおよび図2dに示すように、粒径は数ミクロン〜50nmである。石英粉末およびナノSi還元産物はともに、予想通り形状が非常に不規則である。還元の後、ナノSiは、数ミクロンを越える直径の粒子を含まず、図2eおよび図2fに示すように、石英粉末よりもはるかに小さな大きさ分布を有する。本出願人は、これを、還元および超音波処理中に相対的に大きな粒子が破壊されることによるものと考えることも可能であり、それは、多孔質3次元ナノSi網の機械的完全性が、還元前の固体石英粒子と比較して低減されることに起因する。

0014

石英粉末中に見られる固体の結晶状粒子の代わりに、ナノSi粉末は、相互接続結晶シリコン・ナノ粒子(SiNP)の高多孔性網からなる。図3aおよび図3bのHRTEMは、3次元Si網を含む相互接続SiNPを示しており、これらSiNPの直径は、約8〜10nmであり、これよりも大きな粒子がわずかに存在する。この高多孔性は、還元後での埋め込まれたMgOおよびMg2Si粒子選択エッチングに帰するものとみなすことも可能である。還元プロセス中にNaClを熱捕捉剤として使用することを通して、本出願人は、Siの局所融解を避けることにより、粒子の幅全体にわたり非常に均一な多孔質構造を合成することが可能である。この均一な3次元網は、還元と熱捕捉剤(NaCl)による体積の維持とにより、元の石英粒子から酸素を除去する(重量で53.3%)ことにより実現される。図2aのXRDピークは、Mg還元後のシリコンへの還元が成功したことを示す。

0015

図2bのエネルギー分散X線分析(EDS)は、ナノSi粉末中に存在する元素重量パーセントを示す。この定量的分析では、Siが支配的に存在する元素であるが、F、Na、Mg、Al、およびOの量も無視できないことが示される。FおよびNaのピークは、Na2SiF6の存在に起因するものでありうるが、このNa2SiF6は、SiO2のHFエッチング中に生成される残留NaClとH2SiF6との反応により生成される。Alの存在は、元の砂またはアルミナ乳鉢に由来するものでありうる。金属性異物がこれらのレベルで存在すると、いくつかの応用例では有害作用が示されうるが、バッテリーの応用例の場合、これらの金属性異物によりナノSiの導電性が上昇しうる。Liのバル拡散に対して、シリコンの表面拡散能力が相対的に高いにも関わらず、シリコンは相対的に低い電気伝導率を有する。したがって、ナノSi粉末を約4nmのアモルファス炭素コーティングコンフォーマルにコーティングして、図3cおよび図3dに示すように、全ての表面にわたり導電率を高めた。簡単に言えば、ナノSi粉末を石英ボートに装填し、H2/Ar混合物で浄化した石英管炉の中心に置いた。950℃に加熱した後、管にアセチレンを導入して、コンフォーマルなCコーティングをもたらした。コーティング後にSiとCの重量比を求めると81:19であった。cコーティングが323m2g−1の比表面積をもたらす前に、図3eに示すように、ナノSiについてBrunauer-Emmett-Teller(BET)の表面積測定を実施した。図3eの差込図は、ピークが9nmを中心した孔直径分布を示す。この孔直径は、多孔質ナノSiのTEM画像に十分一致している。この高表面積は、NaClがMg還元中に生成される大量の熱を効果的に除去し、こうすることでナノSiの凝集を阻止していることを裏付ける。また、この高表面積および孔容積分布は、体膨張の緩衝のために利用可能な内部の高多孔性が存在し、したがって、SEI層の劣化および活性材料の微粉化に起因する容量減衰が最小限になることを裏付ける。

0016

Li金属を有する半電池構成対電極として使用することにより、本発明の複数の例による炭素コーティングされたナノSiを電気化学的に特徴付けた。電極は、炭素コーティングされたナノSi、アセチレンブラック(AB)、およびPAAを含み、炭素コーティングされたナノSi:AB:PAAの重量比は7:1:2であった。図4aは、CコーティングされたナノSi電極レートC/2までのレート能力を実証するが、追加のサイクル動作がレートC/2で最大1000サイクルである。C/40での初期サイクル動作が、全てのSiの適正な活性化および安定したSEI層の発育に必要である。図4bに示すように、この活性化プロセスは、サイクリックボルタンメトリー測定により裏付けられる。リチウム化(0.22Vおよび0.10V)および脱リチウム(0.33Vおよび0.50V)に対応するピークは、安定化前の初めの12サイクルにわたり輝度が増すが、このことは、電極内で運動学上の増強が起こっていることを示唆する。この低電流密度活性化プロセスで運動学上の増強が実現される後、電極のサイクルがはるかに高速になる。レートC/2の場合でさえ、ナノSi電極は、1000サイクルの後に1024mAhG−1の可逆容量および99.1%のクーロン効率を実証している。本出願人は、炭素コーティングされたナノSi電極の優れたサイクル安定性が、コンフォーマルなCのコーティング、PAAバインダ、多孔質3次元ナノSi網の組み合わせによるものであると考える。

0017

Cコーティングを加えると、SEI層の構成が改変され、ナノSi中でリチウム化により引き起こされる体膨張効果も部分的に軽減されうる。PAAをバインダとして使用することも、電極のサイクル性を大幅に高める。PAA結合された電極のサイクル動作性能は、ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)やカルボキシルメチルセルロースCMC)など、通常使用されるバインダと比較して改善される。安定性の改善は、PAAの機械的特性がCMCのものと類似するが、カルボキシル官能基の濃度がより高いことによる。PAAの機械的特性により、Siのリチウム化および脱リチウム中に作られる大規模空所の形成が阻止される。カルボキシル基の濃度が高まっているので、CおよびSi上でヒドロキシル基との強い水素結合が形成され、これにより、サイクル動作中の活性材料からのバインダの分離が最小限に抑えられる。ナノSiの多孔性は部分的には、Siの相互接続網を膨張させるのに利用可能な内部空所に起因する良好なサイクル性の要因にもなる。3次元ナノSi網のうちのいくつかが数百ナノメートルの直径を有するにも関わらず、これらの網を含むSiNPの直径はわずか8〜10nmである。

0018

電気化学的インピーダンススペクトロスコピー(EIS)により得た、炭素コーティングを施したナノSiアノードの複素インピーダンスグラフを図4に示す。等価直列抵抗ESR)、つまり高周波数軸切片(high frequency real axis intercept)が、初めの5サイクルは減少し、その後安定化する。高周波数の半円の直径も、サイクル動作とともに減少し、これをRSEI+INTと表す。これは、SEI層を表す抵抗、および電流コレクタと活性材料との不完全な接触により生じる抵抗である。この接触インピーダンスは、図4gに示すように、サイクル動作とともに減少する。電荷移動インピーダンスを表す中間周波数の半円は、図4fに示すように、最初の5サイクル著しく減少し、その後安定する。界面インピーダンスは、サイクル数が増えてもある程度一定のままである。したがって、各活性粒子、電流コレクタ間の接触インピーダンスは、サイクル動作に影響されない。炭素コーティングを施したナノSiアノードが、典型的なSiベースのアノードの体膨張に劇的には影響されないことは明らかである。

0019

第1、第3、第5、第7および第9サイクルの後に実施された(EIS)測定は、2つの異質な弧を示す。高周波数の半円は、SEI膜および接触インピーダンスに対応し、中間周波数の半円は、電極-電解質界面上での電荷移動インピーダンスに対応する。ワールブルグ要素は、電極の活性材料内へのイオン拡散に起因するインピーダンスを表す。低周波数(<200MHz)ワールブルグ・インピーダンスの末端部分は、ナノSi中のバルク拡散効果によるものでありうる。これには、電解質内での塩の拡散、および炭素コーティングを施したナノSi電極内でのリチウムの拡散が含まれる。本出願人は、第1サイクル-第5サイクル間のインピーダンスの変化が最大であることを観察する。この後の(第5サイクル〜第9サイクル)インピーダンスの変化は、相対的に目立たなくなっていくが、これは、サイクルが繰り返されるにつれて、アノードが安定する傾向にあることを裏付ける。

0020

体膨張に関連する効果を軽減することが可能であることは、非常に多孔質なナノSiの相互接続3次元網を作製することが可能であることによる。これは、相対的に多量のNaClを添加することにより実現されるが、そのNaClは、式1に示した、この発熱性の高いMg還元において発生する多量の熱を吸収する。
Mg(g)+SiO2→Si(s)+MgO(s) (1)
Mg(g)+Si(s)→Mg2Si(s) (2)

0021

Mg還元は、Siの局所融解、この結果によるナノSi粒子の凝集を引き起こしうる大量の熱を発生する(Mg(g):ΔH=−586.7kJ/molSiO2)。しかし、粉砕された石英粒子を大量のNaClで包囲することにより(ΔHfusion=28.8kJ/mol)、熱が、Siの融合ではなく、NaClの融合に使用される。さらに、NaClは、更なる還元のために引き続いて再生可能な、非常に豊富で、低コストで、環境にやさしい塩である。また、本出願人は、NaClの添加には、式2に示すようなSiによる過度Mg合金化によりもたらされうる不要な生成物であるMg2Siの存在を軽減する効果もあることを観察する。HClでこのシリサイドのエッチングを行うと、毒性が高く、自然発火性を有する気体であるシランが生成される。Mg2Siが存在すると、還元プロセスの全収率も低減される。

0022

結論としては、本出願人は、1000サイクルを越える顕著な電気化学的性能を伴うナノSiを生成するための、非常にスケーラブルで、廉価で、環境にやさしい合成手段を実証してきた。炭素コーティングを施したナノSi電極の顕著な性能はいくつかの要因によるものとみなすことができるが、これには、ナノSiからなる高多孔質相互接続3次元網、コンフォーマルな4nmのCコーティング、および、CとSi電極との効果的なバインダとしてのPAAの使用が含まれる。炭素コーティングを施したナノSi電極作製は、産業界で利用される通常のスラリー・ベースの方法の後に続くものであり、これにより、携帯型電子機器、および電気自動車用途のための低コスト、高性能なSiベースのアノード作製の将来有望な手段がもたらされる。
[実施例]

0023

まず、収集した砂を900℃でか焼して、有機性不純物を焼き取った。その砂に、1M HCLで1時間、49%HFで24時間湿式エッチングを施し、1M NaOHでアルカリ・エッチングを施した。各ステップの後に脱イオン水洗浄を利用して、先のエッチング溶液を除去した。浄化した砂をアルミナ乳鉢内で人手より数分間粉砕し、超音波処理を1時間施し、次いで、3時間落ち着かせた。溶液中の懸濁粒子を回収し、真空下、110℃で4時間乾燥させ、落ち着かせたより大きな粒子を後に再度粉砕した。乾燥した石英粉末を、1:10のSiO2:NaCl重量比で、アルミナ乳鉢内でNaClとともに粉砕した(フィッシャー分子生物学グレード)。SiO2:NaCl粉末を脱イオン水に添加し、力強くかき混ぜ、超音波処理を4時間施し、次いで、真空下、110℃で一晩乾燥させた。次いで、乾燥したSiO2:NaCl粉末を、1:0.9のSiO2:Mg比で、−50メッシュMg粉末(−50 mesh Mg powder)(Sigma−Aldrich社)とともに粉砕した。結果として得られる粉末をスウェージロック型の反応器に装填し、Arで満たしたグローブボックス内に密封した。直ちに反応器を、1”の石英管炉(MTI GSL1600X)に装填した。炉を5℃min−1で700℃に上昇させ、真空下、0.472sccmのArの流れで6時間保持した。結果として得られる粉末を、脱イオン水およびEtOHで数回洗浄して、NaClを除去し、次いで、5M HCl内で12時間エッチングを施して、Mg2Siおよび未反応Mgを除去した。次いで、粉末に10%HF内でエッチングを施して、未反応SiO2を除去し、脱イオンおよびEtOHで数回洗浄し、次いで、乾燥させた。

0024

導電性を増大させるために、ナノSi粉末を石英ボートに装填し、1”の石英管炉内に置いた。周囲圧力の下で、システムをArおよびH2の流れの下で、25分間で950℃に加熱した。950℃で、20分間C2H2を導入し続けて、4nmのCコーティングをもたらした。Cコーティングを施したナノSi粉末を、アセチレンブラックおよびポリアクリル酸(PAA)(Sigma−Aldrich社)と7:1:2の重量比で混合し、銅箔上に広げ、4時間乾燥させた。質量装填密度は、0.5〜1.0mgcm−2であった。

0025

サイクル寿命を改善するために2%分量の炭酸ビニレンVC添加物を伴った炭酸エチレンおよび炭酸ジエチル(EC:DEC=1:1、v/v)中に1M LiPF6を電解質が含んだCR2032コイン電池を使用して、電極の電子化学的性能をLiに対して特徴付けた。アルゴンで満たしたVAC Omni−labグローブボックス内に電池を集めた。電流密度を変動させながらArbinBT2000を使用して、全ての電池をLiに対して0.01〜1.0Vでテストした。サイクリック・ボルタンメトリー測定および電子化学インピーダンス・スペクトロスコピー測定を、走査速度0.02mVs−1でBiologic VMP3で実施した。

0026

図1は以下を示す。(a)本出願人の砂からの合成手段の導入を含めた、ナノSiの通常の合成手段を示すフローチャート。(b)非浄化の砂の光学画像、(c)浄化した砂の光学画像、(d)(左から右に)非浄化の砂の瓶、浄化した砂の瓶、ナノSiの瓶。(e)熱捕捉剤によるMg還元プロセスの概略。

0027

図2は以下を示す。(a)還元前のサンプルと還元後のナノSi中のSiピークとの両方における、石英の固有ピークを示すXRDグラフ。(b)HCLエッチングおよびHFエッチング後のナノSi中の元素の重量パーセントを差込図が示したEDS分析。浄化および粉砕後の石英粉末の(c)低倍率のSEM画像および(d)それよりも高倍率のSEM画像。還元およびエッチング後のナノSiの(e)低倍率のSEM画像および(f)それよりも高倍率のSEM画像。(c)、(d)、(e)、および(f)のスケール・バーは、それぞれ5μm、2μm、2μm、および500nmである。

0028

図3は以下を示す。ナノSiの(a)低倍率のTEM画像および(b)高倍率のTEM画像。(c)Si(111)のコンフォーマル炭素コーティングおよび固有格子間隔を示すナノSiのHRTEM画像。(d)炭素層の厚さを示す、Cコーティングを施したナノSiのHRTEM画像。(a)、(b)、(c)、および(d)のスケール・バーは、それぞれ20nm、10nm、2nm、および2nmである。(e)IV型のN2等温収着曲線および差込図が孔直径分布を示す、ナノSiのBET表面積測定。

0029

図4は以下を示す。(a)選択されたCレート(C=4Ag−1)による、炭素コーティングを施したナノSiアノードのサイクル動作データ。(b)走査速度0.02mVs−1を用いた、初めの13サイクルのCVグラフ。(c)選択されたサイクルについての充放電曲線。(d)実験データとフィッティングされたモデルのデータとの両方を示す、選択されたサイクルについてのEIS曲線。(e)フィッティングされたモデルのデータを作り出すのに使用される、炭素コーティングを施したナノSi電極からなる等価回路。(f)電荷移動抵抗および(g)SEI+INT抵抗についてのEIS曲線からの抽出抵抗値

0030

図5は、本発明の一実施形態によるバッテリー500の一例を示す。図では、バッテリー500が、アノード510およびカソード512を含む。図では、アノード510とカソード512との間に電解質514がある。一例では、バッテリー500は、リチウムイオン・バッテリーである。一例では、アノード510は、先の例で説明した多孔質シリコン材料から形成される。一例では、本発明はそのようには限定されないが、バッテリー500が、2032コイン型形状因子に従うように形成される。

0031

図6は、本発明の一実施形態による形成方法の一例を示す。動作602で、酸化シリコン粉末塩化ナトリウムとを混合する。動作604で、還元剤を添加する。動作606で、酸化シリコン−塩化ナトリウム混合物を還元する。動作608で、還元済みの酸化シリコンにエッチングを施して、多孔質シリコン微細構造を形成する。

0032

本明細書中に開示する方法およびデバイスをより適切に説明するために、限定を行わない実施形態の一覧を以下に示す。

0033

例1は、バッテリー電極を形成する方法を含む。この方法は、酸化シリコン粉末と塩化ナトリウムとを混合することと、還元剤を添加することと、シリコンを生成するために、酸化シリコン−塩化ナトリウム混合物を還元することと、多孔質シリコン微細構造を形成するために、還元されたシリコンにエッチングを施すこととを含む。

0034

例2は、酸化シリコン−塩化ナトリウム混合物を還元することが、酸化シリコン−塩化ナトリウム混合物をマグネシウム熱還元することを含む、例1の方法を含む。

0035

例3は、酸化シリコン粉末と塩化ナトリウムとを混合することが、重量で約1:10の酸化シリコン対塩化ナトリウム比で酸化シリコン粉末と塩化ナトリウムとを混合することを含む、例1〜2のうちのいずれか1つの例の方法を含む。

0036

例4は、重量で約1:0.9の酸化シリコン対マグネシウム比で、酸化シリコン粉末および塩化ナトリウムにマグネシウム粉末を混合することを更に含む、例1〜3のうちのいずれか1つの例の方法を含む。

0037

例5は、多孔質シリコン微細構造を炭素コーティングでコーティングすることを更に含む、例1〜4のうちのいずれか1つの例の方法を含む。

0038

例6は、多孔質シリコン微細構造を炭素コーティングでコーティングすることが、多孔質シリコン微細構造をアモルファス炭素コーティングでコーティングすることを含む、例5の方法を含む。

0039

例7は、第1の電極を含むバッテリーを含む。第1の電極は、約300〜350m2g−1の比表面積および約9nmの孔直径を有する多孔質シリコン材料を含む。バッテリーは、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との両方に接触する電解質とを含む。

0040

例8は、多孔質シリコン材料を覆った炭素コーティングを更に含む、例7のバッテリーを含む。

0041

例9は、第1の電極が、炭素コーティングを施された多孔質シリコン粒子と、アセチレンブラックと、ポリアクリル酸との混合物を含む、例7〜8のいずれか1つの例のバッテリーを含む。

0042

例10は、電解質が、炭酸エチレンと炭酸ジメチルとの混合物を含む、例7〜8のいずれか1つの例のバッテリーを含む。

0043

本明細書中に記載する実施形態のいくつかの利点を上で一覧にしたが、その一覧は網羅的ではない。先に説明した実施形態の他の利点が、本開示内容を読んだ当業者には明白になるであろう。具体的実施形態の図示および本明細書中での説明を行ったが、同一の目的を達成するために算定される任意の構成を、示されている具体的な実施形態と置き換えることもできることが当業者には理解されるであろう。この応用例は、本発明の任意の適応形態または変形形態を対象として含むことを意図している。上記の説明は例示的なものになることを意図しており、限定的なものになることを意図していないこと理解されたい。上記の実施形態の組み合わせおよび他の実施形態が、上記の説明を見れば当業者には明らかになるであろう。本発明の範囲には、上記の構造および作製方法が使用される他の任意の応用例が含まれる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に与えられる全ての範囲の均等物とともに、特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ