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課題・解決手段

フルオロアニオン含有組成物を用いて実行された、自己不動態化金属などの金属および金属酸化物溶解物の表面を活性化させる方法が開示される。同じく開示されるのは、高効率、低腐食性、そして場合により機械的または電気化学再充電性を特徴とする、アルミニウム含有アノード材料およびフルオロアニオン含有電解質を用いる電気化学セルである。同じく開示されるのは、比較的低温および周囲雰囲気で自己不動態化金属を融合(溶接はんだ付など)する工程、ならびに金属酸化物供給源を用いて自己不動態化金属に金属を電着する方法である。

概要

背景

アルミニウムなどの一部の金属、およびステンレス鋼などの金属合金は、室温の空気、または別の酸化環境暴露すると、硬質で比較的不活性の表面を形成する傾向がある。これらの現象は、自己不動態化または自然不動態化として公知である。アルミニウムの場合、例えば約2〜3nm厚非晶質酸化アルミニウム表面層が自然に形成されて、特定の環境条件での腐食および他の化学的プロセスに対抗する効果的保護層をもたらす。アルミニウム合金は、典型的には5〜15nm厚のより厚い酸化層を形成するが、腐食をより受け易い傾向がある。

アルミニウムと同様に、自己不動態化メタロイドであるケイ素もまた、電気化学的には自然な反応性がなく、典型的には周囲条件で形成された酸化物の自然な不動態化層被覆されている。フッ化水素酸(HF)は、典型的にはケイ素表面活性化に用いられ、酸化ケイ素シリカ、SiO2)溶解のために工業的に利用される薬剤でもある。しかし、酸化アルミニウムアルミナ、Al2O3)は、フッ化水素酸への溶解度がかなり低く、シリカに比較して2〜3桁低いため[Kurt R. et al., J. Am. Ceram. Soc., 82 [12] 3561−66 (1999)]、フッ化水素酸はアルミニウム活性化の効果が低い薬剤とされている。

アノードとしてのアルミニウムおよびアルミニウム合金に基づくバッテリーシステムは、効率的で安価であり、かつ高性能電源となる可能性を示す。アルミニウムに基づいたバッテリーシステムの主な利点としては、高いエネルギー量(8kWh/kg)、低い当量、高い自然存在比(低価格)、および安全性に加え、比較的非毒性で環境に安全な副産物が挙げられる。例えば、電気自動車推進力に関係して、アルミニウムは、単位重量あたりガソリンのエネルギー量のおよそ1/2、および単位容量あたりの該エネルギーの3倍を含む。

非水性溶液を基にした電気化学セル内の燃料源(アノード)としてアルミニウムの使用を試みる人々が依然として直面する主な障害の1つが、酸化物または他の保護層により自己不動態化する傾向を抑制し、金属アノードを電気化学的に低反応性にし、それによりアノードとして使用不能になることである。アルミニウム(だけでなく同じく適用された他の任意アノードにも)基づく電源は、アルカリ水溶液中では、様々な問題を受ける。それらの1つとして、バッテリーエネルギー容量を有意に低下させる腐食反応のため、そして不溶性生成物の形成による電解質そのものの変性のための、重度のアノード重量損失を挙げることができる。

アルミニウム空気(Al/空気)システムは、理論的にはエネルギー容量およびセル電位に関して、実行可能な金属アノード/空気(酸素カソードバッテリーを表す。しかし今日まで、上述の理由、即ち腐食および電解質変性に加え、ピーク湿度条件(高い場合と低い場合の両方)での性能低下およびCO2中毒アルカリ環境で)があり、そしてそれらの全てが可逆的電極電位の低下を誘発し、即ちセル電圧理論値よりもかなり低くなることから、アルミニウムアノードを使用する市販のバッテリー製品は存在しない[Li, Q. et al., J. Power Sources, 2002, 110, p. 1−10]。

アルミニウム/酸素システムは、酸化亜鉛または特定の有機阻害剤、例えばアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩を電解質に添加すると、10M水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム溶液中のアマルガム化アルミニウムアノードの腐食が有意に減少することを見出した研究者により、1960年代初頭に初めて実証された[Zaromb, S., J. Electrochem. Soc., 1962, 109, p. 1125−1130; Bockstie, L. et al., J. Electrochem. Soc., 1963, 110, p. 267−271]。

今日までの主な開発努力は、2つのタイプの電解質、即ちアルカリ電解質および塩類電解質を含む空気/金属セルに集中していた。熱力学項目において、アルミニウムアノードは、塩類電解質中では−1.66V、そしてアルカリ電解質中では−2.35Vの電位を示すはずであるが、実際のアルミニウム電極は、有意に低い電位で動作し、それは(a)アルミニウムが通常、酸化物/水酸化物被膜に覆われていて、内部抵抗により定常電圧の到達の遅延を起こすため;そして(b)アルミニウムが寄生腐食反応を受けて、金属使用および水素放出が100%未満になるためである。

アルミニウム電極でのヒドロキシルイオンの積極的消費により、電解質にアルミナートアルミニウム塩)がより多く飽和され、最終的に過飽和を超えて、ヒドロキシルイオンの再生により沈殿する水酸化アルミニウム結晶が形成する。アノードの電気化学的消費に加え、アルミニウムは、アルカリ電解質中で熱力学的に不安定であり、該電解質と反応して水素を発生する。この寄生腐食反応、または自己放電は、アノードのクーロン効率を低下させるため、容量の損失を最小限に抑えるためにはそれが抑制されなければならない。

溶融塩は、非水性媒体を構成し、それはアルミニウムが表面の酸化物被膜を形成しない代替的な電解質と見なされてきた。アルミニウムは、非水性媒体から電着され得るため、そのような電解質は、再充電可能なアルミニウムバッテリーを開発するのに適すると見なされた。1970年代から、アルミニウム二次バッテリーを開発するのに少なからぬ研究が実施され、最も初期の試みは、NaCl−(KCl)−AlCl3を電解質として用いることによるAl/Cl2バッテリーシステムの開発であった[Holleck, G. L. et al., J. Electrochem. Soc., 1972, 119, p. 1161−1166]。塩素貯蔵に関わる問題から、金属塩化物カソード材料として提案されたが、溶融物への金属塩化物の高い溶解度が、そのようなバッテリーシステムの開発を抑制した[Weaving, J. S. et al., J. Power Sources, 1991, 36, p. 537−546]。硫黄およびその同族元素も、遷移金属およびそれらの硫化物と共に、コストおよび他の技術的態様および判断事項を考慮してもカソード候補として示唆され、FeS2およびFeSは、今日までAlを基にしたシステムで最も一般的に用いられるカソードである[Li, Q. et al., J. Power Sources, 2002, 110, p. 1−10]。総括すると、これらの溶融塩バッテリーシステムは、金属硫化物の溶解度により有意な容量損失が観察され、充電時のアルミニウムデンドライトの形成がバッテリー効率を損なうものの、高温で(少なくとも100℃超)動作し、高い放電容量を示す。

室温イオン液体RTIL)は、比較的大きな分子有機カチオン(例えば、イミダゾリウムテトラアルキルアンモニウムスルホニウム、ピペリジニウムピリジニウムおよびベタイン)と、相対的に小さな無機アニオン(例えば、PF6−、BF4−、AlCl4−、(CF3SO2)2N−、Et3OSO3−)との共同で生成される広範囲液体材料を含む溶媒分類である。イオンのみで構成されたこれらの材料は、高温溶融塩と比較される場合があるが、RTILの融点室温近く(約25℃)であることが明白な差である。Hagiwara,R.ら[J. Fluor. Chem., 1999, 99(1)およびJ. Electrochem. Soc., 2002, 149, D1]は、フルオロアニオン−RTILEMIm(HF)2.3Fなどのフルオロヒドロゲナート含有RTILの合成および特性、例えば高温での電気伝導度および熱安定性報告した。

複数の研究者が、アルミニウムバッテリーのための電解質としてのクロロアルミ酸塩RTILの使用を模索した[Egan, D. et al., J. Power Sources, 2013, 236, p. 293−310]。これらの研究は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(EMIC)とAlCl3との高発熱性の反応による面倒な調製により限定された。1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルアミド([EMIm]TFSI)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([BMP]TFSI)、[(トリヘキシルテトラデシルホスホニウム]ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(P14,6,6,6TFSI)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート[BMIm]TFBなどの空気および水安定性イオン液体は、クロロアルミン酸塩イオン液体の代替物と見なされたが、市販のアルミニウム/イオン液体バッテリーシステムを提供することにおいては、依然として努力が功を奏していない。

イオン液体中、およびイオン液体含有電解質中の金属塩および金属酸化物の低い溶解度によって、これらの溶液の可能な電気化学的適用への重大な欠点が提示される。低い溶解度は、イオン液体のほとんどがテトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスファート、またはビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのような弱く配位したアニオンを含む、という事実の結果であると推定される。フッ素化アニオンを有するイオン液体は、塩素イオンまたはカルボン酸イオンのような配位アニオンを有するイオン液体よりも低い融点および粘度を有するが、その溶媒和能力は、非常に低い。イオン液体への金属塩の溶解度は、低蒸気圧でイオン液体を配位添加剤と混合することにより上昇し得る。一例が、イオン液体へのポリエチレングリコール)の添加である。他の例が、塩化コリン尿素との混合物、または塩化コリンとカルボン酸との混合物などの「深共融溶媒」である。イオン液体への金属塩の溶解度を上昇させる更なるアプローチは、配位基が付加されたイオン液体、いわゆる「タスク特有の(task specific)」RTILの使用である。

後者のイオン液体は、典型的にはその融点および粘度を低下させるためにより従来型のイオン液体と混合される。そのようなイオン液体混合物の例が、ベタイニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[Hbet][Tf2N]である。カルボキシル基を担うこのイオン液体は、金属酸化物の選択的可溶化能力を有する。とりわけそのような酸化物は、酸化ウラン(VI)、酸化亜鉛(II)、酸化カドミウム(II)、酸化水銀(II)、酸化ニッケル(II)、酸化銅(II)、酸化パラジウム(II)、酸化鉛(II)、および酸化銀(I)である。様々な酸化物がこの特有のRTILに可溶性であることが見出されたが、鉄、コバルト、アルミニウムおよび酸化ケイ素は、それらに不溶性、または非常に難溶性であることが見出された[Nockemann P. et al., J. Phys. Chem. B, 2006, 110, 20978−20992]。

様々な基板への金属堆積は、特に基板が自己不動態化金属である場合、そして堆積での金属イオン供給源が不溶性酸化物、またはそうでなければ非反応性金属種である場合でも、問題が提起されるもう1つの分野である。幾つかの金属堆積工程は、依然としてシードの使用を必要とし、そのようなシーディングは、特に極度に繊細な構造特性への堆積では、均一性の低い堆積になる。例えば、超大規模集積(ULSI)におけるTaN/Ta拡散隔膜銅電気メッキは、シーディングと、高度に保護された作業環境とを要する複雑な科学的エンジニアリング問題であり、そのことで堆積パターンスケーリング、拡散隔膜層の製造および電気メッキそのものが困難な作業になる。

更なる背景技術としては、米国特許第5,082,812号、同第5,411,583号および同第5,587,142号、ならびにドイツ特許第DE19731349号が挙げられる。

概要

フルオロアニオン含有組成物を用いて実行された、自己不動態化金属などの金属および金属酸化物溶解物の表面を活性化させる方法が開示される。同じく開示されるのは、高効率、低腐食性、そして場合により機械的または電気化学的再充電性を特徴とする、アルミニウム含有アノード材料およびフルオロアニオン含有電解質を用いる電気化学セルである。同じく開示されるのは、比較的低温および周囲雰囲気で自己不動態化金属を融合(溶接はんだ付など)する工程、ならびに金属酸化物供給源を用いて自己不動態化金属に金属を電着する方法である。なし

目的

1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド([EMIm]TFSI)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([BMP]TFSI)、[(トリヘキシル−テトラデシル)ホスホニウム]ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(P14,6,6,6TFSI)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート[BMIm]TFBなどの空気および水安定性イオン液体は、クロロアルミン酸塩イオン液体の代替物と見なされたが、市販のアルミニウム/イオン液体バッテリーシステムを提供する

効果

実績

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請求項1

金属または金属合金の表面を活性化させる方法であって、前記表面をフルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ることを含む、方法。

請求項2

前記接触が、少なくとも10秒間実行される、請求項1に記載の方法。

請求項3

活性化期間が、少なくとも1時間である、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記活性化された金属表面が、不動態化層を本質的に含まない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

前記活性化された金属表面が、フルオロヒドロゲナート−金属種(HF種)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

前記活性化された金属表面が、3150cm−1〜2840cm−1、1110cm−1〜800cm−1、2505cm−1〜2200cm−1、1920cm−1〜1600cm−1、および/または1170cm−1〜870cm−1からなる群から選択される波数範囲を有する全反射赤外スペクトルにおいて少なくとも2つのピークを示す、請求項5に記載の方法。

請求項7

50μA/cm2の最大腐食電流密度の下で、1時間にわたり前記金属または前記金属合金の表面積1cm2あたり1・10−4グラム未満を減少させながら実行される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記金属が、自己不動態化金属、遷移金属貴金属ポスト遷移金属卑金属、貧金属、アルカリ土類金属アルカリ金属ランタニドアクチニド、およびそれらの合金からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

前記金属または金属合金が、自己不動態化金属または自己不動態化金属合金を含む、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記自己不動態化金属が、アルミニウムクロムチタンおよびタンタルからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記自己不動態化金属合金が、アルミニウムである、請求項9に記載の方法。

請求項12

前記自己不動態化金属合金が、合金鋼である、請求項9に記載の方法。

請求項13

アノードと、カソードと、電解質と、を含み、前記アノードがアルミニウムを含み、前記電解質がフルオロアニオン含有組成物である、電気化学セル装置。

請求項14

前記アノードが、図9のプロット8に表された全反射赤外スペクトルのピークの少なくとも2つを示す、請求項13に記載の装置。

請求項15

前記アノードが、不動態化層を本質的に含まない、請求項13に記載の装置。

請求項16

前記アノードが、フルオロヒドロゲナート−金属種(HF種)を含む、請求項13に記載の装置。

請求項17

前記アノードが、3150cm−1〜2840cm−1、1110cm−1〜800cm−1、2505cm−1〜2200cm−1、1920cm−1〜1600cm−1、および/または1170cm−1〜870cm−1からなる群から選択される波数範囲を有する全反射赤外スペクトルにおいて少なくとも2つのピークを示す、請求項13に記載の装置。

請求項18

前記アノードが、少なくとも99%のアルミニウムを含む、請求項13〜17のいずれか1項に記載の装置。

請求項19

前記カソードが、電気接続により前記アノードと動作可能に関連している、請求項13〜18のいずれか1項に記載の装置。

請求項20

前記カソードが、空気カソードである、請求項13〜19のいずれか1項に記載の装置。

請求項21

前記カソードが、金属酸化物含有カソードである、請求項13〜20のいずれか1項に記載の装置。

請求項22

前記金属酸化物が、MnO2およびV2O5からなる群から選択される、請求項21に記載の装置。

請求項23

初期容量C0と、n回の放電再充電サイクル後の総容量ΣCnと、を有する再充電可能な電気化学セルである、請求項13〜22のいずれか1項に記載の装置。

請求項24

ΣCnが、C0よりも大きい、請求項23に記載の装置。

請求項25

第一の金属または第一の金属合金を第二の金属または第二の金属合金に融合する工程であって、前記第一の金属もしくは前記第二の金属の少なくとも一方が自己不動態化金属であり、前記自己不動態化金属である前記第一の金属および/もしくは前記第二の金属の表面を、フルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ること、前記第一の金属および前記第二の金属の少なくとも一方を溶融すること、および/または場合により、溶加材を溶融して、前記第一の金属と前記第二の金属との境界充填すること、ならびに前記第一の金属および前記第二の金属を冷却し、または前記溶加剤を冷却し、それにより前記第一の金属を前記第二の金属に融合すること、を含む、工程。

請求項26

前記自己不動態化金属でない前記第一の金属または前記第二の金属の表面をフルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ること、をさらに含む、請求項25に記載の工程。

請求項27

前記溶加材を溶融することを含み、前記溶加材の表面をフルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ることをさらに含む、請求項25に記載の工程。

請求項28

前記溶加材が、自己不動態化金属である、請求項25に記載の工程。

請求項29

前記活性化された金属表面が、不動態化層を本質的に含まない、請求項25〜28のいずれか1項に記載の工程。

請求項30

前記不動態化層の溶融温度よりも低い温度で実行される、請求項29に記載の工程。

請求項31

周囲雰囲気で実行される、請求項25〜30のいずれか1項に記載の工程。

請求項32

前記活性化された金属表面が、フルオロヒドロゲナート−金属種(HF種)を含む、請求項25〜31のいずれか1項に記載の工程。

請求項33

前記活性化された金属表面が、3150cm−1〜2840cm−1、1110cm−1〜800cm−1、2505cm−1〜2200cm−1、1920cm−1〜1600cm−1、および/または1170cm−1〜870cm−1からなる群から選択される波数範囲を有する全反射赤外スペクトルにおいて少なくとも2つのピークを示す、請求項25〜32のいずれか1項に記載の工程。

請求項34

前記第一の金属または前記第二の金属の一方が、自己不動態化金属、遷移金属、貴金属、ポスト遷移金属、卑金属、貧金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属、ランタニド、アクチニド、およびそれらの合金からなる群から選択される、請求項25〜33のいずれか1項に記載の工程。

請求項35

前記自己不動態化金属が、アルミニウム、クロム、チタンおよびタンタルからなる群から選択される、請求項25〜34のいずれか1項に記載の工程。

請求項36

前記自己不動態化金属が、アルミニウムである、請求項25〜34のいずれか1項に記載の工程。

請求項37

前記第一の金属合金または前記第二の金属合金が、合金鋼である、請求項25〜34のいずれか1項に記載の工程。

請求項38

溶接ろう付、またははんだ付工程である、請求項25〜37のいずれか1項に記載の工程。

請求項39

第一の金属を第二の金属の表面に電着させる方法であって、前記第二の金属をフルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ること、および前記第一の金属を前記活性化された表面に堆積させること、を含む、方法。

請求項40

前記フルオロアニオン含有組成物から前記第二の金属を分離すること、前記第一の金属の供給源を含む電解質中に前記第二の金属を入れること、前記電解質中の前記第二の金属と前記電解質と電気的に連通した電極との間にカソード電位またはカソード電流印加し、それにより電着を実行すること、をさらに含む、請求項39に記載の方法。

請求項41

前記第一の金属の供給源を、前記フルオロアニオン含有組成物に添加することをさらに含む、請求項39に記載の方法。

請求項42

前記供給源が、前記第一の金属の塩、前記第一の金属の酸化物、前記第一の金属の硫化物、前記第一の金属の窒化物、前記第一の金属の酸化形態、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項41に記載の方法。

請求項43

前記フルオロアニオン含有組成物と接触している前記第二の金属と、前記フルオロアニオン含有組成物と電気的に連通している電極と、の間にカソード電位またはカソード電流を印加し、それにより電着を実行することをさらに含む、請求項41〜42のいずれか1項に記載の方法。

請求項44

前記第二の金属が、自己不動態化金属である、請求項39〜43のいずれか1項に記載の方法。

請求項45

前記第一の金属が、銅であり、前記第二の金属が、タンタルを含む、請求項39〜44のいずれか1項に記載の方法。

請求項46

前記第二の金属を前記第一の金属でシーディングせずに実行される、請求項39〜45のいずれか1項に記載の方法。

請求項47

前記フルオロアニオン含有組成物が、少なくとも1種の[(HF)nF]−種を含む、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項48

前記[(HF)nF]−種のモル濃度が、0.01%〜50%の前記フルオロアニオン含有組成物範囲である、請求項47に記載の方法、装置または工程。

請求項49

前記[(HF)nF]−種が、HF2−、H2F3−、H3F4−、H4F5−、H5F6−、H6F7−、H7F8−およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項47に記載の方法、装置または工程。

請求項50

前記[(HF)nF]−種が、式[(HF)2.3F]−により表されるオリゴフルオロヒドロゲナートアニオン集団である、請求項49に記載の方法、装置または工程。

請求項51

前記フルオロアニオン含有組成物が、金属カチオン無機カチオン有機カチオン多原子カチオン有機金属カチオン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるカチオンを含む、請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項52

前記金属カチオンが、K+、Na+、Ag+、Ca2+、Mg2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、La3+、Al3+およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項51に記載の方法、装置または工程。

請求項53

前記有機金属カチオンが、フェロセニウムアルキルオクタメチルフェロセニウムおよびアルキルコバルトセニウムからなる群から選択される、請求項51に記載の方法、装置または工程。

請求項54

前記無機カチオンが、ヒドロニウムアンモニウムホスホニウムオキシカチオン、N−オキソアンモニウムおよびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項51に記載の方法、装置または工程。

請求項55

前記有機カチオンが、アルキルアンモニウムグアニジニウム、t−ブチルカチオン、コリントロピリウム、アルキルホスホニウム、アルキル化オキシカチオン、アルキル化N−オキソアンモニウム、N,N−ジアルキル化イミダゾリウムカチオン、N,N−ジアルキル化ピロリジニウムカチオン、N,N−ジアルキル化ピペリジニウムカチオン、N−アルキル−ピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−1−アルキル−ピロリジニウム、1−メチル−1−アルキル−ピペリジニウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項51に記載の方法、装置または工程。

請求項56

前記N,N−ジアルキル化イミダゾリウムカチオンが、ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウム、1−プロピル−3−メチル−イミダゾリウム、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウム、1−ペンチル−3−メチル−イミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチル−イミダゾリウム、1−エチル−3−プロピル−イミダゾリウム、1−エチル−3−ブチル−イミダゾリウムおよびジエチル−イミダゾリウムからなる群から選択される、請求項55に記載の方法、装置または工程。

請求項57

前記N,N−ジアルキル化ピロリジニウムカチオンが、ジメチル−ピロリジニウム、1−エチル−1−メチル−ピロリジニウム、1−プロピル−1−メチル−ピロリジニウム、1−ブチル−1−メチル−ピロリジニウム、1,1−ジエチル−ピロリジニウムおよび1−エチル−1−プロピル−ピロリジニウムからなる群から選択される、請求項55に記載の方法、装置または工程。

請求項58

前記N,N−ジアルキル化ピペリジニウムカチオンが、ジメチル−ピペリジニウム、1−エチル−1−メチル−ピペリジニウム、1−プロピル−1−メチル−ピペリジニウム、1−ブチル−1−メチル−ピペリジニウム、1,1−ジエチル−ピペリジニウム、および1−エチル−1−プロピル−ピペリジニウムからなる群から選択される、請求項55に記載の方法、装置または工程。

請求項59

前記N−アルキル−ピリジニウムカチオンが、1−メチル−ピリジニウム、1−エチル−ピリジニウム、1−プロピル−ピリジニウム、1−ブチル−ピリジニウムおよび1−ペンチル−ピリジニウムからなる群から選択される、請求項55に記載の方法、装置または工程。

請求項60

前記フルオロアニオン含有組成物が、室温イオン液体(フルオロアニオン−RTIL)を含む、請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項61

前記RTILが、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムフルオロアニオンまたは1−ブチル−1−メチル−ピロリジニウムフルオロアニオンから選択される有機カチオンを含む、請求項60に記載の方法、装置または工程。

請求項62

前記RTILが、EMIm(HF)2.3Fおよび/またはPyr14(HF)2.3Fである、請求項61に記載の方法、装置または工程。

請求項63

前記フルオロアニオン含有組成物が、有機溶媒無機溶媒極性溶媒非極性溶媒プロトン性溶媒非プロトン性溶媒イオン性溶媒イオン液体溶融塩非イオン性溶媒、ならびにそれらの任意の混和性および/または非混和性の組み合わせからなる群から選択される溶媒を含む、請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項64

前記フルオロアニオン含有組成物が、炭酸アルキル、エステルラクトンエーテルニトリルアミドスルホキシドスルホンアルコール炭化水素芳香族炭化水素固体溶媒、ならびにそれらの任意の混和性および/または非混和性の組み合わせからなる群から選択される溶媒を含む、請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項65

前記フルオロアニオン含有組成物が、炭酸プロピレン(PC)、テトラグリムTEGDME)およびジメチルスルフィド(DMS)からなる群から選択される溶媒を含む、請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項66

前記フルオロアニオン含有組成物が、[EMIm][TFSI]、[EMIm][ソルファナート(Solfanate)]および[EMIm][トリフルオロイミド(Trifluroimide)]からなる群から選択されるイオン液体を含む、請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項67

前記フルオロアニオン含有組成物が、フルオロアニオン塩をさらに含む、請求項63〜65のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項68

前記フルオロアニオン塩が、三フッ化二水素カリウムおよび/または重フッ化カリウムである、請求項67に記載の方法、装置または工程。

請求項69

前記フルオロアニオン含有組成物が、フルオロアニオン−RTILをさらに含む、請求項63〜65のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項70

前記フルオロアニオン−RTILが、EMIm(HF)2.3Fおよび/またはPyr14(HF)2.3Fである、請求項67に記載の方法、装置または工程。

請求項71

前記フルオロアニオン含有組成物が、金属塩、金属酸化物、増粘剤ゲル化剤ポリマーモノマー架橋剤、可塑剤希釈剤保湿剤表面活性剤レオロジー改質剤触媒、促進剤、阻害剤抑制剤、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項1〜70のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項72

前記フルオロアニオン含有組成物が、溶液液体ゲルペースト、懸濁液、エマルジョンコロイド半固体固体およびそれらの任意の組み合わせの形態である、請求項1〜71のいずれか1項に記載の方法、装置または工程。

請求項73

前記フルオロアニオン含有組成物が、液体および/またはポリマーおよび/またはバイオポリマーおよび/または膜および/または多孔質マトリックスおよび/またはゲルおよび/または固体を含む物質組成に埋入される、請求項72に記載の方法、装置または工程。

技術分野

0001

発明の分野および背景
本発明は、その幾つかの実施形態において、金属の化学作用に関し、より詳細には、非排他的アルミニウムなどの自己不動態化金属の表面を活性化させる方法、金属酸化物再活性化する方法、および例えば電気化学セルにおける、これらの方法の使用に関する。

背景技術

0002

アルミニウムなどの一部の金属、およびステンレス鋼などの金属合金は、室温の空気、または別の酸化環境暴露すると、硬質で比較的不活性の表面を形成する傾向がある。これらの現象は、自己不動態化または自然不動態化として公知である。アルミニウムの場合、例えば約2〜3nm厚非晶質酸化アルミニウム表面層が自然に形成されて、特定の環境条件での腐食および他の化学的プロセスに対抗する効果的保護層をもたらす。アルミニウム合金は、典型的には5〜15nm厚のより厚い酸化層を形成するが、腐食をより受け易い傾向がある。

0003

アルミニウムと同様に、自己不動態化メタロイドであるケイ素もまた、電気化学的には自然な反応性がなく、典型的には周囲条件で形成された酸化物の自然な不動態化層被覆されている。フッ化水素酸(HF)は、典型的にはケイ素表面活性化に用いられ、酸化ケイ素シリカ、SiO2)溶解のために工業的に利用される薬剤でもある。しかし、酸化アルミニウムアルミナ、Al2O3)は、フッ化水素酸への溶解度がかなり低く、シリカに比較して2〜3桁低いため[Kurt R. et al., J. Am. Ceram. Soc., 82 [12] 3561−66 (1999)]、フッ化水素酸はアルミニウム活性化の効果が低い薬剤とされている。

0004

アノードとしてのアルミニウムおよびアルミニウム合金に基づくバッテリーシステムは、効率的で安価であり、かつ高性能電源となる可能性を示す。アルミニウムに基づいたバッテリーシステムの主な利点としては、高いエネルギー量(8kWh/kg)、低い当量、高い自然存在比(低価格)、および安全性に加え、比較的非毒性で環境に安全な副産物が挙げられる。例えば、電気自動車推進力に関係して、アルミニウムは、単位重量あたりガソリンのエネルギー量のおよそ1/2、および単位容量あたりの該エネルギーの3倍を含む。

0005

非水性溶液を基にした電気化学セル内の燃料源(アノード)としてアルミニウムの使用を試みる人々が依然として直面する主な障害の1つが、酸化物または他の保護層により自己不動態化する傾向を抑制し、金属アノードを電気化学的に低反応性にし、それによりアノードとして使用不能になることである。アルミニウム(だけでなく同じく適用された他の任意アノードにも)基づく電源は、アルカリ水溶液中では、様々な問題を受ける。それらの1つとして、バッテリーエネルギー容量を有意に低下させる腐食反応のため、そして不溶性生成物の形成による電解質そのものの変性のための、重度のアノード重量損失を挙げることができる。

0006

アルミニウム空気(Al/空気)システムは、理論的にはエネルギー容量およびセル電位に関して、実行可能な金属アノード/空気(酸素カソードバッテリーを表す。しかし今日まで、上述の理由、即ち腐食および電解質変性に加え、ピーク湿度条件(高い場合と低い場合の両方)での性能低下およびCO2中毒アルカリ環境で)があり、そしてそれらの全てが可逆的電極電位の低下を誘発し、即ちセル電圧理論値よりもかなり低くなることから、アルミニウムアノードを使用する市販のバッテリー製品は存在しない[Li, Q. et al., J. Power Sources, 2002, 110, p. 1−10]。

0007

アルミニウム/酸素システムは、酸化亜鉛または特定の有機阻害剤、例えばアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩を電解質に添加すると、10M水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム溶液中のアマルガム化アルミニウムアノードの腐食が有意に減少することを見出した研究者により、1960年代初頭に初めて実証された[Zaromb, S., J. Electrochem. Soc., 1962, 109, p. 1125−1130; Bockstie, L. et al., J. Electrochem. Soc., 1963, 110, p. 267−271]。

0008

今日までの主な開発努力は、2つのタイプの電解質、即ちアルカリ電解質および塩類電解質を含む空気/金属セルに集中していた。熱力学項目において、アルミニウムアノードは、塩類電解質中では−1.66V、そしてアルカリ電解質中では−2.35Vの電位を示すはずであるが、実際のアルミニウム電極は、有意に低い電位で動作し、それは(a)アルミニウムが通常、酸化物/水酸化物被膜に覆われていて、内部抵抗により定常電圧の到達の遅延を起こすため;そして(b)アルミニウムが寄生腐食反応を受けて、金属使用および水素放出が100%未満になるためである。

0009

アルミニウム電極でのヒドロキシルイオンの積極的消費により、電解質にアルミナートアルミニウム塩)がより多く飽和され、最終的に過飽和を超えて、ヒドロキシルイオンの再生により沈殿する水酸化アルミニウム結晶が形成する。アノードの電気化学的消費に加え、アルミニウムは、アルカリ電解質中で熱力学的に不安定であり、該電解質と反応して水素を発生する。この寄生腐食反応、または自己放電は、アノードのクーロン効率を低下させるため、容量の損失を最小限に抑えるためにはそれが抑制されなければならない。

0010

溶融塩は、非水性媒体を構成し、それはアルミニウムが表面の酸化物被膜を形成しない代替的な電解質と見なされてきた。アルミニウムは、非水性媒体から電着され得るため、そのような電解質は、再充電可能なアルミニウムバッテリーを開発するのに適すると見なされた。1970年代から、アルミニウム二次バッテリーを開発するのに少なからぬ研究が実施され、最も初期の試みは、NaCl−(KCl)−AlCl3を電解質として用いることによるAl/Cl2バッテリーシステムの開発であった[Holleck, G. L. et al., J. Electrochem. Soc., 1972, 119, p. 1161−1166]。塩素貯蔵に関わる問題から、金属塩化物カソード材料として提案されたが、溶融物への金属塩化物の高い溶解度が、そのようなバッテリーシステムの開発を抑制した[Weaving, J. S. et al., J. Power Sources, 1991, 36, p. 537−546]。硫黄およびその同族元素も、遷移金属およびそれらの硫化物と共に、コストおよび他の技術的態様および判断事項を考慮してもカソード候補として示唆され、FeS2およびFeSは、今日までAlを基にしたシステムで最も一般的に用いられるカソードである[Li, Q. et al., J. Power Sources, 2002, 110, p. 1−10]。総括すると、これらの溶融塩バッテリーシステムは、金属硫化物の溶解度により有意な容量損失が観察され、充電時のアルミニウムデンドライトの形成がバッテリー効率を損なうものの、高温で(少なくとも100℃超)動作し、高い放電容量を示す。

0011

室温イオン液体RTIL)は、比較的大きな分子有機カチオン(例えば、イミダゾリウムテトラアルキルアンモニウムスルホニウム、ピペリジニウムピリジニウムおよびベタイン)と、相対的に小さな無機アニオン(例えば、PF6−、BF4−、AlCl4−、(CF3SO2)2N−、Et3OSO3−)との共同で生成される広範囲液体材料を含む溶媒分類である。イオンのみで構成されたこれらの材料は、高温溶融塩と比較される場合があるが、RTILの融点室温近く(約25℃)であることが明白な差である。Hagiwara,R.ら[J. Fluor. Chem., 1999, 99(1)およびJ. Electrochem. Soc., 2002, 149, D1]は、フルオロアニオン−RTILEMIm(HF)2.3Fなどのフルオロヒドロゲナート含有RTILの合成および特性、例えば高温での電気伝導度および熱安定性報告した。

0012

複数の研究者が、アルミニウムバッテリーのための電解質としてのクロロアルミ酸塩RTILの使用を模索した[Egan, D. et al., J. Power Sources, 2013, 236, p. 293−310]。これらの研究は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(EMIC)とAlCl3との高発熱性の反応による面倒な調製により限定された。1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルアミド([EMIm]TFSI)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([BMP]TFSI)、[(トリヘキシルテトラデシルホスホニウム]ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(P14,6,6,6TFSI)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート[BMIm]TFBなどの空気および水安定性イオン液体は、クロロアルミン酸塩イオン液体の代替物と見なされたが、市販のアルミニウム/イオン液体バッテリーシステムを提供することにおいては、依然として努力が功を奏していない。

0013

イオン液体中、およびイオン液体含有電解質中の金属塩および金属酸化物の低い溶解度によって、これらの溶液の可能な電気化学的適用への重大な欠点が提示される。低い溶解度は、イオン液体のほとんどがテトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスファート、またはビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのような弱く配位したアニオンを含む、という事実の結果であると推定される。フッ素化アニオンを有するイオン液体は、塩素イオンまたはカルボン酸イオンのような配位アニオンを有するイオン液体よりも低い融点および粘度を有するが、その溶媒和能力は、非常に低い。イオン液体への金属塩の溶解度は、低蒸気圧でイオン液体を配位添加剤と混合することにより上昇し得る。一例が、イオン液体へのポリエチレングリコール)の添加である。他の例が、塩化コリン尿素との混合物、または塩化コリンとカルボン酸との混合物などの「深共融溶媒」である。イオン液体への金属塩の溶解度を上昇させる更なるアプローチは、配位基が付加されたイオン液体、いわゆる「タスク特有の(task specific)」RTILの使用である。

0014

後者のイオン液体は、典型的にはその融点および粘度を低下させるためにより従来型のイオン液体と混合される。そのようなイオン液体混合物の例が、ベタイニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[Hbet][Tf2N]である。カルボキシル基を担うこのイオン液体は、金属酸化物の選択的可溶化能力を有する。とりわけそのような酸化物は、酸化ウラン(VI)、酸化亜鉛(II)、酸化カドミウム(II)、酸化水銀(II)、酸化ニッケル(II)、酸化銅(II)、酸化パラジウム(II)、酸化鉛(II)、および酸化銀(I)である。様々な酸化物がこの特有のRTILに可溶性であることが見出されたが、鉄、コバルト、アルミニウムおよび酸化ケイ素は、それらに不溶性、または非常に難溶性であることが見出された[Nockemann P. et al., J. Phys. Chem. B, 2006, 110, 20978−20992]。

0015

様々な基板への金属堆積は、特に基板が自己不動態化金属である場合、そして堆積での金属イオン供給源が不溶性酸化物、またはそうでなければ非反応性金属種である場合でも、問題が提起されるもう1つの分野である。幾つかの金属堆積工程は、依然としてシードの使用を必要とし、そのようなシーディングは、特に極度に繊細な構造特性への堆積では、均一性の低い堆積になる。例えば、超大規模集積(ULSI)におけるTaN/Ta拡散隔膜銅電気メッキは、シーディングと、高度に保護された作業環境とを要する複雑な科学的エンジニアリング問題であり、そのことで堆積パターンスケーリング、拡散隔膜層の製造および電気メッキそのものが困難な作業になる。

0016

更なる背景技術としては、米国特許第5,082,812号、同第5,411,583号および同第5,587,142号、ならびにドイツ特許第DE19731349号が挙げられる。

発明が解決しようとする課題

0017

発明の概要
アルミニウムなどの自己不動態化金属の不動態化層が回避または除去され、表面が化学的または電気化学的に活性にされる方法論が、依然として求められている。

課題を解決するための手段

0018

本発明の幾つかの実施形態の一態様によれば、表面をフルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ることを含む、金属または金属合金の表面を活性化させる方法が提供される。

0019

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、接触は、少なくとも10秒間実施される。

0020

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該活性化期間は、少なくとも1時間である。

0021

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該活性化された金属表面は、不動態化層を本質的に含まない。

0022

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該活性化された金属表面は、フルオロヒドロゲナート−金属種(HF種)を含む。

0023

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該活性化された金属表面は、3150cm−1〜2840cm−1、1110cm−1〜800cm−1、2505cm−1〜2200cm−1、1920cm−1〜1600cm−1、および/または1170cm−1〜870cm−1からなる群から選択される波数範囲を有する全反射赤外スペクトルにおいて少なくとも2つのピークを示す。

0024

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、50μA/cm2の最大腐食電流密度の下で、1時間にわたり金属または金属合金の表面積1cm2あたり1・10−4グラム未満を減少させながら実行される。

0025

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該金属は、自己不動態化金属、遷移金属、貴金属ポスト遷移金属卑金属、貧金属、アルカリ土類金属アルカリ金属ランタニドアクチニド、およびそれらの合金からなる群から選択される。

0026

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該金属または金属合金は、自己不動態化金属または自己不動態化金属合金を含む。

0027

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該自己不動態化金属は、アルミニウム、クロムチタンおよびタンタルからなる群から選択される。

0028

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該自己不動態化金属合金は、アルミニウムである。

0029

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該自己不動態化金属合金は、合金鋼である。

0030

本発明の幾つかの実施形態の一態様によれば、アノードと、カソードと、電解質と、を含み、前記アノードがアルミニウムを含み、前記電解質がフルオロアニオン含有組成物である、電気化学セル装置が提供される。

0031

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該アノードは、図9プロット8に表された全反射赤外スペクトルのピークの少なくとも2つを示す。

0032

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該アノードは、不動態化層を本質的に含まない。

0033

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該アノードは、フルオロヒドロゲナート−金属種(HF種)を含む。

0034

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該アノードは、3150cm−1〜2840cm−1、1110cm−1〜800cm−1、2505cm−1〜2200cm−1、1920cm−1〜1600cm−1、および/または1170cm−1〜870cm−1からなる群から選択される波数範囲を有する全反射赤外スペクトルの少なくとも2つのピークを示す。

0035

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該アノードは、少なくとも99%のアルミニウムを含む。

0036

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、電気接続によりアノードと動作可能に関連している。

0037

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該アノードは、フルオロヒドロゲナート−金属種(HF種)のためのインターカレーションアノードである。

0038

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該アノードは、金属イオンのためのインターカレーションアノードである。

0039

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、空気カソードである。

0040

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、金属酸化物含有カソードである。

0041

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該金属酸化物は、MnO2およびV2O5からなる群から選択される。

0042

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、金属硫化物カソードである。

0043

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、インターカレーションカソードである。

0044

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、コンバージョンカソードである。

0045

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、フッ素化カソードである。

0046

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、金属フッ化物カソードである。

0047

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、CoF2、CoF3、FeF2、FeF3、CuF2、MoF5、およびSnF4からなる群から選択される金属フッ化物である。

0048

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、塩素カソードである。

0049

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該カソードは、硫黄カソードである。

0050

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該電気化学セル装置は、初期容量C0と、n回の放電/再充電サイクル後の総容量ΣCnと、を有する再充電可能な電気化学セルである。

0051

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、ΣCnは、C0よりも大きい。

0052

本発明の幾つかの実施形態の一態様によれば、第一の金属または第一の金属合金を第二の金属または第二の金属合金に融合する工程であって、該第一の金属もしくは第二の金属の少なくとも一方が自己不動態化金属であり、自己不動態化金属である第一の金属および/もしくは第二の金属の表面を、フルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ること、該第一の金属もしくは第二の金属の少なくとも一方を溶融すること、ならびに/または場合により、溶加材を溶融して、該第一の金属と第二の金属との境界充填すること、ならびに該第一の金属もしくは第二の金属を冷却し、または該溶加剤を冷却し、それにより該第一の金属を該第二の金属に融合すること、を含む、工程が提供される。

0053

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該工程は、自己不動態化金属でない第一の金属または第二の金属の表面をフルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ること、をさらに含む。

0054

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該工程は、溶加材をさらに含み、該工程は、該溶加材の表面をフルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ることを含む。

0055

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該溶加材は、自己不動態化金属である。

0056

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該活性化された第一の金属、第二の金属および/または溶加材の表面は、不動態化層を本質的に含まない。

0057

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、本明細書に示された金属を融合する工程は、不動態化層の溶融温度よりも低い温度で実行される。

0058

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、本明細書に示された金属を融合する工程は、周囲雰囲気で実行される。

0059

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該処理された第一の金属、第二の金属および/または溶加材のいずれかの活性化された金属表面は、フルオロヒドロゲナート−金属種(HF種)を含む。

0060

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該処理された第一の金属、第二の金属および/または溶加材のいずれかの活性化された金属表面は、3150cm−1〜2840cm−1、1110cm−1〜800cm−1、2505cm−1〜2200cm−1、1920cm−1〜1600cm−1、および/または1170cm−1〜870cm−1からなる群から選択される波数範囲を有する全反射赤外スペクトルにおいて少なくとも2つのピークを示す。

0061

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該第一の金属または第二の金属の一方は、自己不動態化金属、遷移金属、貴金属、ポスト遷移金属、卑金属、貧金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属、ランタニド、アクチニド、およびそれらの合金からなる群から選択される。

0062

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該自己不動態化金属は、アルミニウム、クロム、チタンおよびタンタルからなる群から選択される。

0063

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該自己不動態化金属は、アルミニウムである。

0064

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該第一の金属合金または第二の金属合金は、合金鋼である。

0065

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該工程は、溶接ろう付、および/またははんだ付を含む。

0066

本発明の幾つかの実施形態の一態様によれば、第一の金属を第二の金属の表面に堆積させる方法であって、該第二の金属をフルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ること、および該第一の金属を該活性化された表面に堆積させること、を含む方法が提供される。

0067

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、本明細書に示された金属堆積の方法は、該フルオロアニオン含有組成物から該第二の金属を分離すること、該第一の金属の供給源を含む電解質中に該第二の金属を入れること、該電解質中の第二の金属と該電解質と電気的に連通した電極との間にカソード電位またはカソード電流印加すること、をさらに含む。

0068

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、本明細書に表された金属堆積の方法は、該第一の金属の供給源を、該フルオロアニオン含有組成物に添加することをさらに含む。

0069

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該供給源は、該第一の金属の塩、該第一の金属の酸化物、該第一の金属の硫化物、該第一の金属の窒化物、該第一の金属の酸化形態、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。

0070

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該方法は、該フルオロアニオン含有組成物と接触している該第二の金属と、該フルオロアニオン含有組成物と電気的に連通している電極と、の間にカソード電位またはカソード電流を印加することをさらに含む。

0071

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該第二の金属は、自己不動態化金属である。

0072

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該第一の金属は、銅であり、該第二の金属は、タンタルを含む。

0073

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該方法は、第二の金属を第一の金属でシーディングせずに実行される。

0074

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、少なくとも1種の[(HF)nF]−種を含む。

0075

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該[(HF)nF]−種のモル濃度は、0.01%〜50%のフルオロアニオン含有組成物範囲である。

0076

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該[(HF)nF]−種は、HF2−、H2F3−、H3F4−、H4F5−、H5F6−、H6F7−、H7F8−およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。

0077

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該[(HF)nF]−種は、式[(HF)2.3F]−により表されるオリゴフルオロヒドロゲナートアニオン集団である。

0078

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、金属カチオン無機カチオン、有機カチオン、多原子カチオン有機金属カチオン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるカチオンを含む。

0079

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該金属カチオンは、K+、Na+、Ag+、Ca2+、Mg2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、La3+、Al3+およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。

0080

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該有機金属カチオンは、フェロセン、アルキルオクタメチルフェロセニウムおよびアルキルコバルトセニウムからなる群から選択される。

0081

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該無機カチオンは、ヒドロニウムアンモニウム、ホスホニウム、オキシカチオン、N−オキソアンモニウムおよびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。

0082

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該有機カチオンは、アルキルアンモニウムグアニジニウム、t−ブチルカチオン、コリントロピリウム、アルキルホスホニウム、アルキル化オキシカチオン、アルキル化N−オキソアンモニウム、N,N−ジアルキル化イミダゾリウムカチオン、N,N−ジアルキル化ピロリジニウムカチオン、N,N−ジアルキル化ピペリジニウムカチオン、N−アルキル−ピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−1−アルキル−ピロリジニウム、1−メチル−1−アルキル−ピペリジニウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。

0083

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該N,N−ジアルキル化イミダゾリウムカチオンは、ジメチル−イミダゾリウム、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウム、1−プロピル−3−メチル−イミダゾリウム、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウム、1−ペンチル−3−メチル−イミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチル−イミダゾリウム、1−エチル−3−プロピル−イミダゾリウム、1−エチル−3−ブチル−イミダゾリウムおよびジエチル−イミダゾリウムからなる群から選択される。

0084

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該N,N−ジアルキル化ピロリジニウムカチオンは、ジメチル−ピロリジニウム、1−エチル−1−メチル−ピロリジニウム、1−プロピル−1−メチル−ピロリジニウム、1−ブチル−1−メチル−ピロリジニウム、1,1−ジエチル−ピロリジニウムおよび1−エチル−1−プロピル−ピロリジニウムからなる群から選択される。

0085

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該N,N−ジアルキル化ピペリジニウムカチオンは、ジメチル−ピペリジニウム、1−エチル−1−メチル−ピペリジニウム、1−プロピル−1−メチル−ピペリジニウム、1−ブチル−1−メチル−ピペリジニウム、1,1−ジエチル−ピペリジニウム、および1−エチル−1−プロピル−ピペリジニウムからなる群から選択される。

0086

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該N−アルキル−ピリジニウムカチオンは、1−メチル−ピリジニウム、1−エチル−ピリジニウム、1−プロピル−ピリジニウム、1−ブチル−ピリジニウムおよび1−ペンチル−ピリジニウムからなる群から選択される。

0087

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、室温イオン液体(フルオロアニオン−RTIL)を含む。

0088

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該RTILは、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムフルオロアニオンまたは1−ブチル−1−メチル−ピロリジニウムフルオロアニオンから選択される有機カチオンを含む。

0089

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該RTILは、EMIm(HF)2.3Fおよび/またはPyr14(HF)2.3Fである。

0090

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、有機溶媒無機溶媒、極性溶媒非極性溶媒プロトン性溶媒非プロトン性溶媒イオン性溶媒非イオン性溶媒、溶融塩、イオン液体、ならびにそれらの任意の混和性および/または非混和性の組み合わせからなる群から選択される溶媒を含む。

0091

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、炭酸アルキル、エステルラクトンエーテルニトリル、アミド、スルホキシドスルホンアルコール炭化水素芳香族炭化水素固体溶媒、ならびにそれらの任意の混和性および/または非混和性の組み合わせからなる群から選択される溶媒を含む。

0092

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、プロピレンカルボナート(PC)、テトラグリムTEGDME)およびジメチルスルフィド(DMS)からなる群から選択される溶媒を含む。

0093

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、[EMIm][TFSI]、[EMIm][ソルファナート(Solfanate)]および[EMIm][トリフルオロイミド(Trifluroimide)]からなる群から選択されるイオン液体を含む。

0094

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、フルオロアニオン塩をさらに含む。

0095

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン塩は、三フッ化二水素カリウムおよび/または重フッ化カリウムである。

0096

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、フルオロアニオン−RTILをさらに含む。

0097

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、フルオロアニオン−RTILは、EMIm(HF)2.3Fおよび/またはPyr14(HF)2.3Fである。

0098

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、金属塩、金属酸化物、増粘剤ゲル化剤ポリマーモノマー架橋剤、可塑剤希釈剤保湿剤表面活性剤レオロジー改質剤触媒、促進剤、阻害剤、抑制剤、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される添加剤をさらに含む。

0099

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、溶液、液体ゲルペースト、懸濁液、エマルジョンコロイド半固体固体およびそれらの任意の組み合わせの形態である。

0100

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、該フルオロアニオン含有組成物は、液体および/またはポリマーおよび/またはバイオポリマーおよび/または膜および/または多孔質マトリックスおよび/またはゲルおよび/または固体を含む物質組成に埋入される。

0101

他に断りがなければ、本明細書で用いられる全ての技術的および/または科学的用語は、本発明の当業者に共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同一の方法および材料が、本発明の実施形態の実践またはテストで用いられ得るが、例示的方法および/または材料を以下に記載する。矛盾する場合には、定義を含む本特許明細書が管理する。加えて、該材料、方法、および実施例は例示に過ぎず、必ずしも限定であることを意図するものではない。

0102

本発明の幾つかの実施形態を、添付の図面を参照しながら実施例として本明細書に記載されたに過ぎない。ここに図面を詳細に参照するが、示された事項は例示であり、本発明の実施形態の例示的議論が目的であることを強調しておく。これに関連して、図面を伴う記載によって、本発明の実施形態を実践し得る方法が当業者に明白になる。

図面の簡単な説明

0103

電解質としてのEMIm(HF)2.3FRTIL中のチタン(Ti、正方形で表示されたプロット)、タンタル(Ta、円形で表示されたプロット)、およびステンレス鋼グレード304(ss304、三角形で表示されたプロット)で作製された未処理の(即ち、天然酸化物層を有する)アノードを用いて、ゲルを基にした参照電極と比較した時間に対する開回路電位を示す比較プロットを表す。
mV/秒のスキャン速度で、電流密度[A/cm2]に対する電位の比較プロットを表しており、正方形で表示されたプロットは、EMIm(HF)2.3F RTIL電解質への未処理の(即ち、天然酸化物層を有する)チタンアノードの浸漬の際に行った測定を表し、円形で表示されたプロットは、同じ電解質に30分間浸漬した後に行った測定を表す。
Al/EMIm(HF)2.3F/空気バッテリー構成の5mV/秒のスキャン速度で、電流密度[A/cm2]に対する電位を示し、アルミ箔(円形で表示されたプロット)および空気電極(正方形で表示されたプロット)の挙動を示す比較プロットを表す。
本発明の例示的実施形態によりAl/EMIm(HF)2.3F/空気バッテリーで測定された時間に対する電位(セル放電)を示した比較プロットを表し、3つの放電電流密度、つまり正方形で表示された無酸素環境(グローブボックス)での0.5mA/cm2、円形で表示された周囲空気での0.5mA/cm2、および三角形で表示された周囲空気での1.5mA/cm2、でのセル挙動を示す。
RTIL EMIm(HF)2.3F電解質(円形で表示されたプロット)およびRTIL Pyr14(HF)2.3F電解質(正方形で表示されたプロット)を含む本発明の例示的実施形態によりアルミニウム/空気バッテリーで測定され、0.25mA/cm2の電流密度でのセル挙動を示す、時間に対する電位(セル放電)を示した比較プロットを表す。
Al/EMIm(HF)2.3F/MnO2バッテリー(正方形で表示されたプロット)およびAl/EMIm(HF)2.3F/V2O5バッテリー(円形で表示されたプロット)で測定され、0.25mA/cm2の電流密度でのセル挙動を示した、時間に対するカソードタイプの電位(セル放電)を示す比較プロットを表す。
作用電極としてのアルミ箔と、対電極としての空気電極とを含み、電解質としてEMIm(HF)2.3Fを用いた三電極構成のセルで測定され、OCP条件でのアルミニウムの腐食電流を示し、OCP条件でのアノードの挙動を示す、ゲルを基にした参照電極と比較した時間に対する電位(ボルトによる左側の垂直軸)と、時間に対する腐食電流(μA/cm2による右側の垂直軸)とを示す二重プロットを表す。
未処理EMIm(HF)2.3F RTILの試料(プロット1)、非暴露アルミニウムの試料(プロット2)、非暴露のシリコンウエハの試料(プロット3)、EMIm(HF)2.3F RTILに1時間暴露した後のアルミニウムの試料(プロット4)、およびEMIm(HF)2.3F RTILに1時間暴露した後のシリコンウエハの試料(プロット5)の、全反射(ATR赤外スキャンから得られた、波長に対する透過率を示す比較プロットを表す。
H3F4−種に関連するピーク61および65が、それぞれ約2990cm−1および約960cm−1の波数を有し、H2F3−種に関連するピーク62、63および64が、それぞれ約2355cm−1、約1770cm−1および約1020cm−1の波数を有する、EMIm(HF)2.3F RTILの試料(プロット6)、非暴露アルミニウムの試料(プロット7)、およびピーク81、82、84および85が、それぞれプロット6のピーク61、63、64および65に対応する、EMIm(HF)2.3F RTILに1時間暴露した後のアルミニウムの試料(プロット8)、の全反射(ATR)赤外スキャンから得られた、波長に対する透過率を示す比較プロットを表す。
溶媒/希釈剤として働く、炭酸プロピレン図10A)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル図10B)およびジメチルスルフィド(図10C)、[EMIm][TFSI](図10D)、[EMIm][トリフルオロイミド](図10E)および[EMIm][ソルファナート](図10F)と、それと混合されてフルオロアニオン種の供給源として働く30容量%の[EMIm][(HF)2.3F]と、を含むフルオロアニオン含有組成物(電解質)に関して測定されたもの(三角形で表示されたプロット)、そして未処理の溶媒に関して測定されたもの(正方形で表示されたプロット)であるが、セルを放電する前の最初の24時間の間、アルミニウムをフルオロアニオン含有組成物と接触させている、放電電流密度0.1mA/cm2でのセル挙動を示すアルミニウムを基にした三電極電気化学セルで実施された動電実験で得られた、時間に対する電位を示す比較プロットを表す。
溶媒/希釈剤として働く、炭酸プロピレン(図10A)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(図10B)およびジメチルスルフィド(図10C)、[EMIm][TFSI](図10D)、[EMIm][トリフルオロイミド](図10E)および[EMIm][ソルファナート](図10F)と、それと混合されてフルオロアニオン種の供給源として働く30容量%の[EMIm][(HF)2.3F]と、を含むフルオロアニオン含有組成物(電解質)に関して測定されたもの(三角形で表示されたプロット)、そして未処理の溶媒に関して測定されたもの(正方形で表示されたプロット)であるが、セルを放電する前の最初の24時間の間、アルミニウムをフルオロアニオン含有組成物と接触させている、放電電流密度0.1mA/cm2でのセル挙動を示すアルミニウムを基にした三電極電気化学セルで実施された動電位実験で得られた、時間に対する電位を示す比較プロットを表す。
溶媒/希釈剤として働く、炭酸プロピレン(図10A)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(図10B)およびジメチルスルフィド(図10C)、[EMIm][TFSI](図10D)、[EMIm][トリフルオロイミド](図10E)および[EMIm][ソルファナート](図10F)と、それと混合されてフルオロアニオン種の供給源として働く30容量%の[EMIm][(HF)2.3F]と、を含むフルオロアニオン含有組成物(電解質)に関して測定されたもの(三角形で表示されたプロット)、そして未処理の溶媒に関して測定されたもの(正方形で表示されたプロット)であるが、セルを放電する前の最初の24時間の間、アルミニウムをフルオロアニオン含有組成物と接触させている、放電電流密度0.1mA/cm2でのセル挙動を示すアルミニウムを基にした三電極電気化学セルで実施された動電位実験で得られた、時間に対する電位を示す比較プロットを表す。
溶媒/希釈剤として働く、炭酸プロピレン(図10A)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(図10B)およびジメチルスルフィド(図10C)、[EMIm][TFSI](図10D)、[EMIm][トリフルオロイミド](図10E)および[EMIm][ソルファナート](図10F)と、それと混合されてフルオロアニオン種の供給源として働く30容量%の[EMIm][(HF)2.3F]と、を含むフルオロアニオン含有組成物(電解質)に関して測定されたもの(三角形で表示されたプロット)、そして未処理の溶媒に関して測定されたもの(正方形で表示されたプロット)であるが、セルを放電する前の最初の24時間の間、アルミニウムをフルオロアニオン含有組成物と接触させている、放電電流密度0.1mA/cm2でのセル挙動を示すアルミニウムを基にした三電極電気化学セルで実施された動電位実験で得られた、時間に対する電位を示す比較プロットを表す。
溶媒/希釈剤として働く、炭酸プロピレン(図10A)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(図10B)およびジメチルスルフィド(図10C)、[EMIm][TFSI](図10D)、[EMIm][トリフルオロイミド](図10E)および[EMIm][ソルファナート](図10F)と、それと混合されてフルオロアニオン種の供給源として働く30容量%の[EMIm][(HF)2.3F]と、を含むフルオロアニオン含有組成物(電解質)に関して測定されたもの(三角形で表示されたプロット)、そして未処理の溶媒に関して測定されたもの(正方形で表示されたプロット)であるが、セルを放電する前の最初の24時間の間、アルミニウムをフルオロアニオン含有組成物と接触させている、放電電流密度0.1mA/cm2でのセル挙動を示すアルミニウムを基にした三電極電気化学セルで実施された動電位実験で得られた、時間に対する電位を示す比較プロットを表す。
溶媒/希釈剤として働く、炭酸プロピレン(図10A)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(図10B)およびジメチルスルフィド(図10C)、[EMIm][TFSI](図10D)、[EMIm][トリフルオロイミド](図10E)および[EMIm][ソルファナート](図10F)と、それと混合されてフルオロアニオン種の供給源として働く30容量%の[EMIm][(HF)2.3F]と、を含むフルオロアニオン含有組成物(電解質)に関して測定されたもの(三角形で表示されたプロット)、そして未処理の溶媒に関して測定されたもの(正方形で表示されたプロット)であるが、セルを放電する前の最初の24時間の間、アルミニウムをフルオロアニオン含有組成物と接触させている、放電電流密度0.1mA/cm2でのセル挙動を示すアルミニウムを基にした三電極電気化学セルで実施された動電位実験で得られた、時間に対する電位を示す比較プロットを表す。
セルを放電前24時間の間、完全な構成で静置した、放電/充電サイクルあたり10mAhの一定電流でPyr14(HF)2.3F RTIL(円形により表示)、およびPyr14(HF)2.3F RTILに溶解された0.1Mアルミニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド(AlTFSI)塩(三角形により表示)を用いた、本発明の幾つかの実施形態による、アルミニウム/空気バッテリーの0.5mAcm−2での放電/充電サイクルを示した電圧対時間を示す比較プロットを表す。
EMIm(HF)2.3F RTILに溶解された0.1Mアルミニウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(AlTFSI)塩(上向き三角形により表示)、EMIm(HF)2.3F RTILに溶解された0.1M AlF3(下向き三角形により表示)およびEMIm(HF)2.3F RTILに溶解された0.1M α−Al2O3(右向き三角形により表示)を用いた、本発明の幾つかの実施形態による、アルミニウム/空気バッテリーの0.5mAcm−2での放電を示した電圧対時間を示す比較プロットを表す。
セルを測定前1時間の間、完全な構成で静置した、電解質としてテトラグリム(図13Aの下向き三角形)およびテトラグリム中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Aの上向き三角形)を含む、電解質として炭酸プロピレン(図13Bの下向き三角形)および炭酸プロピレン中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Bの上向き三角形)を含む、電解質としてDMS(図13Cの下向き三角形)およびDMS中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Cの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImTFSI RTIL(図13Dの下向き三角形)およびEMImTFSI中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Dの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImトリフルオロイミドRTIL(図13Eの下向き三角形)およびEMImトリフルオロイミドRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Eの上向き三角形)を含む、そして電解質として未処理EMImソルファナートRTIL(図13Fの下向き三角形)およびEMImソルファナートRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Fの上向き三角形)を含む、本発明の幾つかの実施形態によるAl/空気バッテリーで測定された5mV秒−1の速度でスキャンした動電位測定の結果を示す比較の電圧対電流プロットを表す。
セルを測定前1時間の間、完全な構成で静置した、電解質としてテトラグリム(図13Aの下向き三角形)およびテトラグリム中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Aの上向き三角形)を含む、電解質として炭酸プロピレン(図13Bの下向き三角形)および炭酸プロピレン中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Bの上向き三角形)を含む、電解質としてDMS(図13Cの下向き三角形)およびDMS中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Cの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImTFSI RTIL(図13Dの下向き三角形)およびEMImTFSI中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Dの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImトリフルオロイミドRTIL(図13Eの下向き三角形)およびEMImトリフルオロイミドRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Eの上向き三角形)を含む、そして電解質として未処理EMImソルファナートRTIL(図13Fの下向き三角形)およびEMImソルファナートRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Fの上向き三角形)を含む、本発明の幾つかの実施形態によるAl/空気バッテリーで測定された5mV秒−1の速度でスキャンした動電位測定の結果を示す比較の電圧対電流プロットを表す。
セルを測定前1時間の間、完全な構成で静置した、電解質としてテトラグリム(図13Aの下向き三角形)およびテトラグリム中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Aの上向き三角形)を含む、電解質として炭酸プロピレン(図13Bの下向き三角形)および炭酸プロピレン中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Bの上向き三角形)を含む、電解質としてDMS(図13Cの下向き三角形)およびDMS中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Cの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImTFSI RTIL(図13Dの下向き三角形)およびEMImTFSI中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Dの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImトリフルオロイミドRTIL(図13Eの下向き三角形)およびEMImトリフルオロイミドRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Eの上向き三角形)を含む、そして電解質として未処理EMImソルファナートRTIL(図13Fの下向き三角形)およびEMImソルファナートRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Fの上向き三角形)を含む、本発明の幾つかの実施形態によるAl/空気バッテリーで測定された5mV秒−1の速度でスキャンした動電位測定の結果を示す比較の電圧対電流プロットを表す。
セルを測定前1時間の間、完全な構成で静置した、電解質としてテトラグリム(図13Aの下向き三角形)およびテトラグリム中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Aの上向き三角形)を含む、電解質として炭酸プロピレン(図13Bの下向き三角形)および炭酸プロピレン中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Bの上向き三角形)を含む、電解質としてDMS(図13Cの下向き三角形)およびDMS中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Cの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImTFSI RTIL(図13Dの下向き三角形)およびEMImTFSI中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Dの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImトリフルオロイミドRTIL(図13Eの下向き三角形)およびEMImトリフルオロイミドRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Eの上向き三角形)を含む、そして電解質として未処理EMImソルファナートRTIL(図13Fの下向き三角形)およびEMImソルファナートRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Fの上向き三角形)を含む、本発明の幾つかの実施形態によるAl/空気バッテリーで測定された5mV秒−1の速度でスキャンした動電位測定の結果を示す比較の電圧対電流プロットを表す。
セルを測定前1時間の間、完全な構成で静置した、電解質としてテトラグリム(図13Aの下向き三角形)およびテトラグリム中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Aの上向き三角形)を含む、電解質として炭酸プロピレン(図13Bの下向き三角形)および炭酸プロピレン中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Bの上向き三角形)を含む、電解質としてDMS(図13Cの下向き三角形)およびDMS中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Cの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImTFSI RTIL(図13Dの下向き三角形)およびEMImTFSI中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Dの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImトリフルオロイミドRTIL(図13Eの下向き三角形)およびEMImトリフルオロイミドRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Eの上向き三角形)を含む、そして電解質として未処理EMImソルファナートRTIL(図13Fの下向き三角形)およびEMImソルファナートRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Fの上向き三角形)を含む、本発明の幾つかの実施形態によるAl/空気バッテリーで測定された5mV秒−1の速度でスキャンした動電位測定の結果を示す比較の電圧対電流プロットを表す。
セルを測定前1時間の間、完全な構成で静置した、電解質としてテトラグリム(図13Aの下向き三角形)およびテトラグリム中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Aの上向き三角形)を含む、電解質として炭酸プロピレン(図13Bの下向き三角形)および炭酸プロピレン中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Bの上向き三角形)を含む、電解質としてDMS(図13Cの下向き三角形)およびDMS中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Cの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImTFSI RTIL(図13Dの下向き三角形)およびEMImTFSI中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Dの上向き三角形)を含む、電解質として未処理EMImトリフルオロイミドRTIL(図13Eの下向き三角形)およびEMImトリフルオロイミドRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Eの上向き三角形)を含む、そして電解質として未処理EMImソルファナートRTIL(図13Fの下向き三角形)およびEMImソルファナートRTIL中の30容量%EMIm(HF)2.3F(図13Fの上向き三角形)を含む、本発明の幾つかの実施形態によるAl/空気バッテリーで測定された5mV秒−1の速度でスキャンした動電位測定の結果を示す比較の電圧対電流プロットを表す。
2M α−Al2O3を混合させたEMIm(HF)2.3Fを用い、半固体(ペースト)状態の電解質を形成させ、放電を22℃で実施した、本発明の幾つかの実施形態によるAl−空気バッテリーの放電電流を示す電圧対時間プロットを表す。
アルミニウム溶ワイヤと、不活性雰囲気シールディングを用いず120Vおよび65Aで形成された溶接アークとを用いて溶接されたアルミニウムシート写真を表しており、図15Aシートおよび溶加ワイヤは活性化されておらず、図15Bのシートおよび溶加ワイヤはEMIm(HF)2.3F RTILと30分間接触させることにより活性化されている。
アルミニウム溶加ワイヤと、不活性雰囲気のシールディングを用いず120Vおよび65Aで形成された溶接アークとを用いて溶接されたアルミニウムシートの写真を表しており、図15Aのシートおよび溶加ワイヤは活性化されておらず、図15Bのシートおよび溶加ワイヤはEMIm(HF)2.3F RTILと30分間接触させることにより活性化されている。
ゲル参照電極に対して−1V〜最大1Vの電位範囲にわたり、両方のスキャン方向でEMIm(HF)2.3Fに浸漬されたガラス状炭素電極について5mV/秒のスキャン速度で記録された、電気化学窓を示す比較でのサイクリックボルタモグラムのプロットを表しており、OCP〜−1Vで実施されたスキャンは、「カソードファースト」と称され(正方形で表示)、OCP〜1Vで実施されたスキャンは、「アノードファースト」と称されている(円形で表示)。
作用電極としてのガラス状炭素および本発明の幾つかの実施形態による例示的フルオロアニオン含有組成物であるEMIm(HF)2.3Fを含み、そして50mM酸化銅(I)(Cu2O、正方形で表示)または10mM酸化銅(II)(CuO、円形で表示)をさらに含む、電気化学セルについてのゲルを基にした参照電極に対して5mV/秒のスキャン速度で記録されたサイクリックボルタモグラムを示す比較プロットを表す。
作用電極としてのガラス状炭素および本発明の幾つかの実施形態による例示的フルオロアニオン含有組成物であるEMIm(HF)2.3Fを含み、そして50mM酸化銅(I)(Cu2O、正方形で表示)または10mM酸化銅(II)(CuO、円形で表示)をさらに含む、電気化学セルについてのゲル参照電極に対して5mV/秒のスキャン速度で記録されたサイクリックボルタモグラムを示す比較プロットを表し、溶解ピークの比較のために銅箔「アノードファースト」ブランチ(Cu0、三角形で表示)を表すプロットをさらに示す。

実施例

0104

発明の具体的実施形態の記載
本発明は、それらの幾つかの実施形態において、金属の化学作用に関し、より詳細には非排他的に、アルミニウムなどの自己不動態化金属の表面を活性化させる方法、金属酸化物を再活性させる方法、および例えば電気化学セルにおける、これらの方法の利用に関する。

0105

本発明の原理および操作は、図面および付随の説明を参照することでより理解されよう。

0106

本発明の少なくとも1つの実施形態をより詳細に説明する前に、本発明が必ずしも以下の説明に示された詳細、または実施例に例示された詳細に適用が限定されないことが、理解されなければならない。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実践もしくは実行することが可能である。

0107

本発明者らは、RTIL電解質およびイオン液体含有電解質を、特にこれらの溶媒中で寄生的水素発生反応が起こりにくいアルミニウムなどの自己動態化金属を使用するシステムにおいて、古典的な水性電解質と比較して有利であると見なした。加えて該RTIL媒体は、可能なアルミニウム堆積のための熱力学的条件を提供し、それにより再充電可能なアルミニウムおよび他の不動態化金属に基づく電源を生成する。

0108

RTILは、常用される有機溶液に比較して、環境に優しいと見なされている。それらがかなり高温であっても低蒸気圧であることが、発火および爆発の安全性、包装輸送およびリサイクルの容易さなどの利点を提供する。数多くのアニオン−カチオンの組み合わせによって、それらの特性、および高い本質的イオン伝導性不燃性、かなり大きな電気化学窓(場合により5Vにも及ぶ)による熱および化学的安定性にかなり多くの多様性がもたらされるため、RTILは電気化学的適用においてハイエンドの電解質の適切な候補となっている。

0109

本発明者らは、アルミニウムを基にしたバッテリー、特にアルミニウム−空気バッテリーの商業的生産に関連する制約を考慮し、改善されたアルミニウムを基にしたバッテリーを探求しながら、意外にも、オリゴフルオロヒドロゲナートアニオン(フルオロアニオン)を含む幾つかの室温イオン液体(RTIL)(本明細書ではフルオロアニオン−RTILとも称される)の一部を形成するオリゴフルオロヒドロゲナートアニオンに暴露されると、おそらく不動態化層内で見出される酸化物および他の表面不動態化種が除去されることにより、アルミニウムが脱不動態化または活性化を受けることを明らかにした。

0110

本明細書で先に議論された通り、シリカはフッ化水素酸(HF)に可溶性であるが、アルミナは可溶性でない。したがって、アルミナがシリカに比較して、オリゴフルオロヒドロゲナートアニオンの存在下で同様に低い可溶性/反応性を示すと予測されるであろうが、本発明者らは意外にも、アルミナがシリカと類似の割合でフルオロアニオン含有組成物に溶解する、またはそれと反応することを見出した。

0111

本発明者らは、アルミニウムアノードの表面で電解質として用いられる例示的フルオロアニオン含有組成物の活性化効果をさらに検証しながら、金属をフルオロアニオン含有電解質に暴露する前および後に、アルミニウム試料を全反射(ATR)赤外分光分析に供して、フルオロアニオン含有電解質のスペクトル特性に対応する明白なスペクトル特性を見出した(実施例5、ならびに図8および9参照)。これらの明らかで測定可能なスペクトル特性は、フルオロアニオン含有組成物への暴露後のアルミニウム試料中で示され、本質的に同一条件下のケイ素試料では示されなかったため、それが処理表面化学修飾フィンガープリントとして認められた。任意の特定理論に束縛されるものではないが、これらのスペクトル特性がアノード表面の活性化アルミニウムと関連する「HF種」から生じるものと推測され、したがってアルミニウムアノードの表面が、不活性酸素種および他の不動態化種に加えて、または好ましくはそれらの代わりに、反応性HF種による末端基化学種が修飾されたと推定された。

0112

フルオロアニオン含有組成物との接触によるアルミニウム活性化の背後にあるメカニズムを明らかにすることが目的のさらなる研究が、本発明者らを、自己不動態化された金属が実際に不動態表面から反応性表面への表面の化学変換を受ける、という意外な発見に導いた。さらに意外なことに、活性化(処理)表面が、さもなければ未処理された金属を不動態化させる周囲条件下で、実質的に安定していることが見出された。

0113

アルミニウムおよびケイ素は両者とも、周囲条件で形成された酸化物の不動態化層で自然に覆われ、両者の酸化物がフルオロアニオンの存在下で可溶化されるが、ケイ素はアルミニウムおよび他の自己不動態化金属と比較して、フルオロヒドロゲナートアニオンと異なって反応することが、さらに明らかとなった。ケイ素と他の自己不動態化金属との最も顕著な差異は、フルオロアニオン処理表面と、反応性HF種の形成に表され、反応性HF種は、アルミニウムおよび他の自己不動態化金属のフルオロアニオン処理表面では形成されるが、ケイ素の場合には形成することができない。

0114

本発明者らは、本発明を実践に移しながら、アルミニウムおよび他の不動態金属が、フルオロヒドロゲナートアニオンで処理されると、例えば様々な金属で高接着性の堆積を有し得ること、不活性雰囲気を利用せずに溶接し得ること、および電気化学セル内の燃料として使用し得ることを実証することに成功した。

0115

アルミニウムへのフルオロアニオン−RTILの意外な効果をさらに検証しながら、本発明者らは、チタンおよびタンタルなどの他の自己不動態化金属の表面、ならびにステンレス鋼などの自己不動態化合金の表面の活性化を試みて、これらの物質の処理が高反応性物質を与えることを見出した。

0116

一般的化学における不動態化は、材料が「不動態性」になること、即ち、空気および水などの環境因子により影響を受け難くなることを指す。不動態化は、腐食をシールディングする外層の形成を含むが、それは本質的に合成または自然に塗布され得る。「天然酸化物層」とも称される不活性表面層は、典型的には、周囲条件への暴露の数年後に、白金のような貴金属では単層(1〜3Å)、ケイ素(メタロイド)では約15Å、そしてアルミニウム(ポスト遷移または貧金属)では約50Åの厚さになる酸化物、窒化物または硫化物である。

0117

金属または金属合金に関連して本明細書で互換的に用いられる用語「自己不動態化」または「自然不動態化」は、周囲条件(例えば、適度なpHの空気、水および土壌)への暴露の際、さらなる腐食/酸化へのバリアとして働く、金属表面に公知の腐食生成物薄層が自然に形成されることを指す。不動態化膜化学組成物およびマイクロ構造は、下部の金属と異なっている。

0118

本発明の実施形態の文脈において、用語「自己不動態化金属」は、少なくともアルミニウム、クロム、チタンおよびタンタルを包含する。

0119

本発明の実施形態の文脈において、窒化物、炭化物およびそれらの合金を含む用語「拡散隔膜金属」は、アルミニウム、銅、金、クロム、ニッケルニクロム、タンタル、ハフニウムニオブジルコニウムバナジウムタングステン窒化タンタル酸化インジウムケイ化銅窒化タングステンおよび窒化チタンを包含する。

0120

本発明の実施形態の文脈において、用語「遷移金属」は、亜鉛モリブデンカドミウムスカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、テクネチウムルテニウムロジウムパラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウムオスミウムイリジウム、白金、金、水銀、ラザホージウム、ドブニウム、シーボーギウム、ボーリウム、ハッシウムおよびコペルニシウムを包含する。

0121

本発明の実施形態の文脈において、用語「貴金属」は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、レニウムおよび銅を包含する。

0122

本発明の実施形態の文脈において、用語「ポスト遷移金属」は、アルミニウム、ガリウムインジウム、スズ、タリウム、鉛、ビスマスおよびポロニウムを包含する。

0123

本発明の実施形態の文脈において、用語「卑金属」は、鉄、ニッケル、鉛、亜鉛および銅を包含する。

0124

本発明の実施形態の文脈において、用語「貧金属」は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛、ビスマス、ポロニウム、ウンウントリウムフレロビウム、ウンウンペンチウムおよびリバモリウムを包含する。

0125

本発明の実施形態の文脈において、用語「アルカリ土類金属」は、ベリリウムマグネシウムカルシウムストロンチウムバリウムおよびラジウムを包含する。

0127

本発明の実施形態の文脈において、用語「アクチニド」は、アクチニウム、トリウム、プロトアクチニウムウラニウムネプツニウムプルトニウムアメリシウムキュリウムベルケリウム、カリフォルニウム、アインスタイニウムフェルミウムメンデレビウムノーベリウムおよびローレンシウムを包含する。

0128

本発明の実施形態により活性化され得る合金の1つが、合金鋼である。合金鋼は、マンガン、ニッケル、クロム、モリブデン、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウムおよびニオブなどのさらなる金属元素が特徴を修飾するために添加された鋼(鉄および炭素)である。

0129

本発明の実施形態の文脈において、用語「アルカリ金属」は、リチウムナトリウム、カリウム、ルビジウムセシウムおよびフランシウムを包含する。

0130

本発明の実施形態の文脈において、用語「メタロイド」は、ホウ素、ゲルマニウムヒ素アンチモンテルルセレン、ポロニウムおよびアスタチンを包含する。

0131

本発明の実施形態の文脈において、用語「準金属(quasi−metal)」は、マイネリウム、ダームスタチウム、レントゲニウム、ウンウントリウム、フレロビウム、ウンウンペンチウムおよびリバモリウムを包含する。

0132

金属は、Mn(ここで整数nは、酸化数を表す)で表される複数の酸化状態をとることができる。したがって金属状態にある金属は、酸化数ゼロ(M0)を有する。還元された金属は、0より大きな酸化数、即ちM+、M+2、M+3などを有し、金属配位錯体、金属酸化物、および他の金属含有化合物においては、一般にカチオンとして見出される。

0133

当該技術分野で公知の通り、金属の不動態化層は、機械的および/または化学的に除去されて、金属の未処理表面を露出し得るが、これらの工程は一般に、金属表面を、より反応性にするわけではなく、または防御条件下に保持しなければ将来および直後の再不動態化を防御するわけではない。本発明の実施形態の文脈において、フルオロアニオン含有組成物を用いた金属表面からの不動態化層の除去、およびフルオロアニオン含有組成物の結果としての不動態性から反応性への金属表面修飾は、活性化と見なされる。

0134

本発明の幾つかの実施形態において、該フルオロアニオン含有組成物は、電解質である。幾つかの実施形態において、該フルオロアニオン含有組成物は、金属活性化(または脱不動態化)処理組成物である。幾つかの実施形態において、該フルオロアニオン含有組成物は、溶接、融合、ろう付、接合、はんだ付、連結組成物である。

0135

本明細書で用いられる用語「電解質」は、静電荷種、例えばイオンを含む導電性組成物を記載するために本明細書で用いられる。幾つかの実施形態において、該電解質は、溶液、液体、ゲル、ペースト、懸濁液、エマルジョン、コロイド、半固体、固体または液体および/もしくはゲルおよび/もしくは固体を含む物質組成である。幾つかの実施形態において、該電解質は、水性溶液もしくは有機溶液、またはそれらの混合物を含む。本発明の実施形態の文脈において、電解質は、フルオロアニオン種を含む。

0136

フルオロアニオン含有組成物:
本明細書に記載される実施形態のいずれか1つの全体を通して本明細書で互換的に用いられる用語「フルオロアニオン」、「オリゴフルオロヒドロゲナート」および「オリゴフッ化水素」は、フッ素および水素を含み、式[(HF)nF]−(n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10など、即ちnは1〜7の範囲内である)により表されるアニオンの分類を指し、該オリゴフルオロヒドロゲナートアニオンは、それぞれHF2−、H2F3−、H3F4−、H4F5−、H5F6−、H6F7−、H7F8−である。本明細書において、本発明全体を通して任意のイオン種角括弧の使用が場合によることに留意されたい。

0137

任意の特定の理論に束縛されるものではないが、様々なオリゴフルオロヒドロゲナートアニオンの存在および分布は、オリゴフルオロヒドロゲナート調製の出発原料および工程に依存すると推定される。さらに、本明細書で以下に記載される通り、様々なオリゴフルオロヒドロゲナートアニオンは、金属、金属イオン、金属酸化物および他の形態の金属系化合物との相互作用において異なった役割を果たすものと推定される。

0138

例示的フルオロアニオンの組み合わせ、またはオリゴフルオロヒドロゲナートアニオンの集団が、式[(HF)2.3F]−(ここで非整数のn値2.3は、約30%の[H3F4]−または[(HF)3F]−種および約70%の[H2F4]−または[(HF)2F]−種の集団分布を表す)により表すことができる。

0139

本発明の幾つかの実施形態による非水性環境でのオリゴフルオロヒドロゲナートアニオンが、HF(フッ化水素酸)の反応性プロファイルとは全く異なる反応性プロファイルを有することが見出されたことに留意されたい。特に水性HFは、中性種であり、幾つかの荷電オリゴフルオロヒドロゲナートアニオンは、水性HF溶液、特にHF2−中に見出され得るが、これらは、不安定な中間体および過渡的な種であり、分解して中和化合物に戻る前に実質的濃度になることができない。極めて対照的なこととして、非水性環境でのオリゴフルオロヒドロゲナートアニオンは、概してアニオン性高次オリゴフルオロヒドロゲナートである。中性であり、オリゴフルオロヒドロゲナートまたはフルオロアニオンとは全く異なる化学種であるHFは、金属および金属酸化物に対して異なる化学作用および反応性を示す。

0140

本発明の幾つかの実施形態によれば、該フルオロアニオン含有組成物は、中性HF種を本質的に含まない、またはHFを本質的に含まない。

0141

本発明の幾つの実施形態によれば、フルオロアニオン種を負電荷成分として含む組成物は、本明細書において「フルオロアニオン含有組成物」と称される。フルオロアニオン含有組成物は、溶液、液体、ゲル、ペースト、懸濁液、エマルジョン、コロイド、半固体、固体、または液体および/もしくはポリマー/バイオポリマー/膜および/もしくは多孔質マトリックスおよび/もしくはゲルおよび/もしくは固体を含む物質組成、ならびにそれらに埋入されたフルオロアニオン種の形態であり得る。本明細書で請求されたフルオロアニオン含有組成物が、適用例およびその使用に従って任意の粘度値および任意のせん断力値を示し得ることに留意されたい。

0142

本発明の幾つかの実施形態によれば、フルオロアニオン含有組成物の正電荷成分は、非限定的例として、金属カチオン、無機カチオン、有機カチオン、多原子カチオン、有機金属カチオン、およびそれらの任意の組み合わせなどのカチオンの任意形態である。

0143

本発明の実施形態による「金属カチオン」は、プロトンよりも少ない電子を有する金属の原子である。例示的金属カチオンとしては、K+、Na+、Ag+、Ca2+、Mg2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、La3+、Al3+などが挙げられるが、これらに限定されず、イオンに正味の正の静電荷を与える任意の金属カチオンおよび任意の酸化状態が、該用語の範囲内で企図される。金属カチオンは、無機カチオンとも称することができる。

0144

本発明の幾つかの実施形態による「無機カチオン」は、典型的には炭素原子を含まない多原子カチオン(1原子よりも多い原子を有するカチオン)である。例示的無機カチオンとしては、アンモニウム(NH4+)、ホスホニウム(PH4+)およびヒドロニウム(H3O+)、オキシカチオンおよびN−オキソアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。

0145

本発明の実施形態による「有機金属カチオン」は、1つまたは複数のリガンドとの錯体の中で配位された金属を含むカチオンであり、該錯体は、正味の正電荷を有する。例示的有機金属カチオンとしては、フェロセニウム、アルキルオクタメチルフェロセニウムカチオン、コバルトセニウム([Co(C5H5)2]+)およびメチルコバルトセニウムが挙げられる。

0146

本発明の実施形態による「有機カチオン」は、炭素を含み、場合により酸素、窒素、硫黄および水素原子をさらに含み、典型的には正味の正電荷を有する多原子種を形成するカチオンである。有機カチオンは、典型的には多原子カチオンである。例示的有機カチオンとしては、第四級アミンおよびコリン(例示的な生体適合性カチオン)などのアルキルアンモニウム(NR3+(Rはアルキルである))、グアニジニウム(C(NH2)3+3)、t−ブチルカチオン(C(CH3)3+)、トロピリウム(C7H7+)、アルキルホスホニウム(PR4+(Rはアルキルである))、アルキル化オキシカチオン、アルキル化N−オキソアンモニウム、N,N−ジアルキル化イミダゾリウム(本明細書では1−アルキル−3−アルキル−イミダゾリウムとも称される)カチオン、N,N−ジアルキル化ピロリジニウム(本明細書では1−アルキル−1−アルキル−ピロリジニウムとも称される)カチオン、N,N−ジアルキル化ピペリジニウム(本明細書では1−アルキル−1−アルキル−ピペリジニウムとも称される)カチオンおよびN−アルキル−ピリジニウム(本明細書では1−アルキル−ピリジニウムとも称される)カチオンが挙げられるが、これらに限定されない。

0147

幾つかの実施形態によれば、該フルオロアニオン含有組成物は、イオン液体である。幾つかの実施形態によれば、該イオン液体は、本明細書では「フルオロアニオン−RTIL」とも称される、室温イオン液体(RTIL)である。つまり、本明細書全体で用いられ、本明細書に記載された実施形態のいずれか1つでの用語「フルオロアニオン−RTIL」は、該アニオン種の少なくとも幾つかが例えば[(HF)2.3F]−フルオロアニオン種などのオリゴフルオロヒドロゲナートアニオンを含む、室温イオン液体のファミリーを指す。典型的にはフルオロアニオン−RTILは、有機カチオンをさらに含む。

0148

本発明の幾つかの実施形態によるフルオロアニオン含有組成物である1つの例示的フルオロアニオン−RTILは、[1−エチル−3−メチルイミダゾリウム]+カチオンおよび[(HF)2.3F]−アニオンを含むEMIm(HF)2.3Fである。EMIm(HF)2.3Fは、EMImオリゴフッ化水素、EMI・(HF)2.3FまたはEMIm(HF)2.3Fとしても公知である。1−エチル−3−メチル−イミダゾリウム(EMIm)カチオンを基にしたRTILが、典型的には低粘度および高伝導率を示すことに留意されたい。例示的なフルオロアニオン−RTIL EMIm(HF)2.3Fは、以下のスキーム1(ここでR=エチル)に示される通り1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンおよび[(HF)2.3F]−アニオンからなる。フッ化水素との反応によるEMIm(HF)2.3F RTILの合成は、Hagiwara,R.ら[J. Electrochem. Soc. 149, 2002, D1]により報告された。本明細書で先に議論された通り、フルオロヒドロゲナートアニオン内の表記「2.3」は、非整数であることを意味するのではなく、どちらかと言えば(HF)2F−種と[(HF)3F]−種との混合物を表し、つまりEMIm(HF)2.3Fは、EMIm:(HF)2F:(HF)3Fと表すこともできる。



(ここで、R=メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルオクチルなど)

0149

本発明の幾つかの実施形態によるRTILの例示的有機カチオンは、非限定的にN,N−ジアルキル化イミダゾリウムカチオン、N,N−ジアルキル化ピロリジニウムカチオン、N,N−ジアルキル化ピペリジニウムカチオンおよびN−アルキル−ピリジニウムカチオンを基にすることができる。幾つかの実施形態によれば、フルオロアニオン種と、さらなるRTILアニオンと、本明細書で先に示された任意のRTILカチオンとの任意の組み合わせもまた、企図される。

0150

例えば、1−アルキル−3−アルキル−イミダゾリウムカチオンは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどを含む群から選択され得る2つの同一または2つの異なるN−アルキル置換基を示し得る。1−アルキル−3−アルキル−イミダゾリウムカチオンを有する例示的フルオロアニオン−RTILとしては、ジメチル−イミダゾリウムフルオロアニオン([DMIm][(HF)2.3F])、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムフルオロアニオン([EMIm][(HF)2.3F])、 1−プロピル−3−メチル−イミダゾリウムフルオロアニオン([PrMIm][(HF)2.3F])、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムフルオロアニオン([BMIm][(HF)2.3F])、1−ペンチル−3−メチル−イミダゾリウムフルオロアニオン([PeMIm][(HF)2.3F])、1−ヘキシル−3−メチル−イミダゾリウムフルオロアニオン([HMIm][(HF)2.3F])、1−エチル−3−プロピル−イミダゾリウムフルオロアニオン([EPIm][(HF)2.3F])、1−エチル−3−ブチル−イミダゾリウムフルオロアニオン([EBIm][(HF)2.3F])、ジエチル−イミダゾリウムフルオロアニオン([DEIm][(HF)2.3F])、などが挙げられる。

0151

N,N−ジアルキル−ピロリジニウムカチオンを有する例示的フルオロアニオン−RTILとしては、ジメチル−ピロリジニウムフルオロアニオン(DMPyr(HF)2.3FまたはPyr11(HF)2.3F)、1−エチル−1−メチル−ピロリジニウムフルオロアニオン(EMPyr(HF)2.3FまたはPyr12(HF)2.3F)、1−プロピル−1−メチル−ピロリジニウムフルオロアニオン(PMPyr(HF)2.3FまたはPyr13(HF)2.3F)、1−ブチル−1−メチル−ピロリジニウムフルオロアニオン(BMPyr(HF)2.3FまたはPyr14(HF)2.3F)、1,1−ジエチル−ピロリジニウムフルオロアニオン(DEPyr(HF)2.3FまたはPyr22(HF)2.3F)、1−エチル−1−プロピル−ピロリジニウムフルオロアニオン(EPPyr(HF)2.3FまたはPyr23(HF)2.3F)などが挙げられる。

0152

N,N−ジアルキル−ピペリジニウムカチオンを有する例示的フルオロアニオン−RTILとしては、ジメチル−ピペリジニウムフルオロアニオン(DMPip(HF)2.3FまたはPip11(HF)2.3F)、1−エチル−1−メチル−ピペリジニウムフルオロアニオン(EMPip(HF)2.3FまたはPip12(HF)2.3F)、1−プロピル−1−メチル−ピペリジニウムフルオロアニオン(PMPip(HF)2.3FまたはPip13(HF)2.3F)、1−ブチル−1−メチル−ピペリジニウムフルオロアニオン(BMPip(HF)2.3FまたはPip14(HF)2.3F)、1,1−ジエチル−ピペリジニウムフルオロアニオン(DEPip(HF)2.3FまたはPip22(HF)2.3F)、1−エチル−1−プロピル−ピペリジニウムフルオロアニオン(EPPip(HF)2.3FまたはPip23(HF)2.3F)などが挙げられる。

0153

N−アルキル−ピリジニウムカチオンを有する例示的フルオロアニオン−RTILとしては、1−メチル−ピリジニウムフルオロアニオン、1−エチル−ピリジニウムフルオロアニオン、1−プロピル−ピリジニウムフルオロアニオン、1−ブチル−ピリジニウムフルオロアニオン、1−ペンチル−ピリジニウムフルオロアニオンなどが挙げられる。

0154

幾つかの実施形態によれば、該フルオロアニオン−RTILは、EMIm(HF)2.3FまたはPyr14(HF)2.3Fである。

0155

本発明の幾つかの実施形態によれば、該フルオロアニオン含有組成物は、本発明の実施形態によるフルオロアニオン−RTILと、1種または複数の溶媒と、を含む。本発明の実施形態の文脈において、該溶媒は、極性非極性プロトン性非プロトン性イオン性および非イオン性溶媒、ならびにそれらの任意の混和性および/または非混和性の組み合わせなど、当該技術分野で公知の任意の有機または無機溶媒である。

0156

例示的溶媒としては、炭酸アルキル(炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル炭酸ジエチルなど)、エステルおよびラクトン(γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンなど)、エーテル(トリおよびテトラエチレングリコールジメチルエーテルなど)、ニトリル(アセトニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド(DMSOなど)、スルホン(エチルメチルスルホンなど)、アルコール(メタノールエタノールイソプロパノールなど)、炭化水素(ペンタンヘキサンシクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼントルエンなど)、固体溶媒(ポリエチレンオキシドなど)、ならびにそれらの任意の混和性および/または非混和性の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。

0157

例示的非極性溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4−ジオキサンクロロホルムジエチルエーテルおよびジクロロメタン(DCM)が挙げられるが、これらに限定されない。

0158

例示的極性非プロトン性溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル(EtOAc)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル(MeCN)およびジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられるが、これらに限定されない。

0159

例示的極性プロトン性溶媒としては、ギ酸n−ブタノール、イソプロパノール(IPA)、ニトロメタン、エタノール(EtOH)、メタノール(MeOH)、2,2,2−トリフルオロエタノール(TFEまたはトリフルオロエチルアルコールとしても公知)、酢酸(AcOH)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(本明細書ではテトラグリムおよびTEGDMEとも称される)および水が挙げられるが、これらに限定されない。

0160

テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリムとも呼ばれる)は、優れた化学的安定性および熱安定性を有する極性非プロトン性溶媒である。高い沸点および安定性により、それは、分離工程および高温反応での理想的な候補物質になっている。TEGDMEは、リチウムイオンバッテリーの技術でも用いられ、有機吸熱ポンプの作動ペアとしてトリフルオロエタノールと組み合わせられる。

0161

幾つかの実施形態において、該フルオロアニオン含有組成物は、水を含む。

0162

幾つかの実施形態において、該フルオロアニオン含有組成物は、実質的に水を含まない。幾つかの実施形態において、該フルオロアニオン含有組成物中の水分量は、該フルオロアニオン含有組成物の総質量の90質量(重量)%未満、または80質量%未満、70質量%未満、60質量%未満、50質量%未満、40質量%未満、30質量%未満、20質量%未満、10質量%未満、5質量%未満、1質量%未満、0.1質量%未満、または0.01質量%未満である。

0163

幾つかの実施形態において、該フルオロアニオン含有組成物は、フルオロアニオン塩および溶媒を含むが、該フルオロアニオン塩は、溶媒に溶解されたフルオロアニオン種および1種または複数のカチオンを含む(これらの用語は本明細書に定義されている)。例示的フルオロアニオン塩としては、三フッ化二水素カリウムおよび重フッ化カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。

0164

幾つかの実施形態において、該フルオロアニオン含有組成物は、ハロゲン化物(Cl−、Br−、I−など)、有機および無機多原子アニオン(AlCl4−、Al2Cl7−、B(CN)4−、C(CN)3−、N(CN)2−、NO3−、BF4−、PF6−など)などの他のタイプのアニオン、ならびにビストリフルイミド(ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミドおよび口語表現ではTFSIまたは[(CF3SO2)2N]−としても公知)などの他のアニオンを含む。

0165

幾つかの実施形態において、該フルオロアニオン含有組成物は、フルオロアニオン−RTIL、希釈剤としてのイオン液体中のフルオロアニオン−RTIL、溶媒としてのイオン液体中のフルオロアニオン塩、非イオン性溶媒中のフルオロアニオン塩、およびそれらの任意の組み合わせである。つまり、本発明の幾つかの実施形態によるフルオロアニオン含有組成物は、該組成物が本明細書に定義された通りフルオロアニオン種を含む限りは、フルオロアニオン−RTILおよび/またはイオン液体(フルオロアニオン以外のアニオンを含む)および/またはフルオロアニオン塩および/または溶媒を含む。

0166

本発明の幾つかの実施形態によるフルオロアニオン含有組成物中のフルオロアニオン種のモル量は、0.01%〜50%(カチオンを考慮した最大モル量)の範囲内である。本発明の幾つかの実施形態によるフルオロアニオン含有組成物中のフルオロアニオン種のモル量は、少なくとも0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または少なくとも45%である。

0167

例示的および非限定的フルオロアニオン含有組成物としては、
EMIm(HF)2.3FまたはPyr14(HF)2.3Fなどのフルオロアニオン−RTIL;
RTILと混合されたEMIm(HF)2.3Fなどのフルオロアニオン−RTIL、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート([EMIm][PF6]);
極性非プロトン性溶媒と混合されたEMIm(HF)2.3Fなどのフルオロアニオン−RTIL、例えばジメチルスルフィド(DMS)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはジメチルスルフォキシド(DMSO);
RTILに溶解された三フッ化二水素カリウムおよび重フッ化カリウムなどのフルオロアニオン塩、例えば1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロボラート([BMIM][BF3])、もしくは硝酸コリン([Ch][NO3])などの生体適合性RTIL;
ならびに上記物質の任意の組み合わせ、
が挙げられる。

0168

本発明の幾つかの実施形態によれば、該フルオロアニオン含有組成物は、1種または複数の添加剤をさらに含み、それは、非限定的例として、増粘剤、ゲル化剤、ポリマー、モノマー、および架橋剤、可塑剤、希釈剤、保湿剤、表面活性剤、レオロジー改質剤、触媒および/または促進剤、阻害剤および/または抑制剤、金属塩、金属酸化物、ならびに該フルオロアニオン含有組成物の機械的、化学的および/または生物学的特性を修飾し得る様々な他の薬剤のうちの1種または複数を挙げることができる。

0169

レオロジー改質剤、または機械的チキソトロープ剤(mechanical and thixotropic agents)とも称される増粘剤は、所望の特性を実質的に増進させずに該組成物の粘度を上昇させるため、そして該組成物およびそれを組み込むシステムで起こる化学的過程減速または加速するために、フルオロアニオン含有組成物に添加される。増粘剤はまた、該組成物中の他の成分の懸濁を改善して、エマルジョンを安定化させるなど、組成物の機械的特性を安定化させるために用いられる。本発明の幾つかの実施形態の文脈で用いられ得る例示的増粘剤としては、カルボマー、例えばCarbopol(登録商標)941および他のCarbopol(登録商標)ポリマー、金属塩、金属酸化物、例えば白亜、アルミナ(Al2O3)、チタニアおよびマグネシア無機粉末、例えば粘土、シリカ、ケイ酸塩およびタルク有機ポリマー、例えばポリウレタンラテックススチレンブタジエンポリビニルアルコールセルロース系ポリマーおよびガムカルボキシメチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースグアーガムキサンタンガムセルロース、ロカスビーンガムおよびアラビアガム)、糖類(カラギーナンプルランコンニャクおよびアルギナート)、タンパク質カゼインコラーゲン、およびアルブミン)、修飾ヒマシ油有機シリコーンシリコーン樹脂ジメチコンポリエチレングリコールアクリル系ポリマーポリヒドロキシエチルメタクリラートHEMA)およびp−メトキシメタンフェタミンPMMA)などが挙げられるが、これらに限定されない。

0170

ゲル化剤は、該組成物をゼリー状にするため、その粘度を改変するため、または該組成物を液体として、もしくは弱凝集性部構造を形成するコロイド混合物中のエマルジョンとして含むために、該フルオロアニオン含有組成物に添加される。本発明の幾つかの実施形態の文脈において、ゲル化剤は、液体媒体に溶解または分散されると、架橋および/または絡まりを受ける物質を含む。例示的ゲル化剤としては、セルロース誘導体メチルセルロースヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース)、カルボマー、ポロキサマーアルギン酸、および様々なアルギン酸塩多糖類寒天、カラギーナン、ロカストビーンガム、ペクチン、ならびにゼラチンが挙げられるが、これらに限定されない。

0171

架橋剤は、該組成物の一部を形成するポリマー鎖を架橋することによりその機械的性質を改変するために、該フルオロアニオン含有組成物に添加される。架橋剤の例としては、ジビニルベンゼン誘導体、エチレングリコールジ(メタアクリラートの誘導体、メチレンビスアクリルアミドの誘導体、エチレングリコールジメタクリラートブタンジオールジアクリラートホルムアルデヒド系およびホルムアルデヒド不含架橋剤、ブタンジオールジ(メタ)アクリラート、エチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリラート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリラート、ジアリルマラート、アリル(メタ)アクリラート、ビニル(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート、メタクリロイルオキシエチル(メタ)アクリラート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタラート、ジアリルアジパートトリアリルジイソシアナート、α−メチレン−N−ビニルピロリドン、4−ビニルベンジル(メタ)アクリラート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリラート、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニルヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられるが、これらに限定されない。

0172

可塑剤は、該フルオロアニオン含有組成物の可塑性または流動性を増大させるために、該組成物に添加される。例示的可塑剤としては、天然および合成ゴムヒドロキシル末端ポリブタジエンHTPB)、エステル可塑剤、例えばジカルボン酸トリカルボン酸エステル系可塑剤、フタラート、トリメリタート、アジパート、セバカートマレアートベンゾアートテレフタラート、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステルエポキシド化植物油アルキルスルホン酸フェニルエステルスルホンアミド、有機ホスファートブタントリオールトリニトラート、ジニトロトルエントリメチロールエタントリニトラート、ジエチレングリコールジニトラート、トリエチレングリコールジニトラート、ビス(2,2−ジニトロプロピル)ホルマール、ビス(2,2−ジニトロプロピル)アセタール、2,2,2−トリニトロエチル−2−ニトロキシエチルエーテルグリコールポリエーテルポリマー可塑剤、例えばポリブテン生物学的適合性のある可塑剤、例えばアセチル化モノグリセリド、アルキルシトラートおよびニトログリセリンが挙げられるが、これらに限定されない。

0173

希釈剤は、機械的性質を改変するため、そして特定の適用、例えばポンパビリティー、流動性、展延性噴霧性などに関してより適したものにするためにも、該フルオロアニオン含有組成物に添加される。本発明の幾つかの実施形態による希釈剤としては、有機および無機溶媒、ならびに本明細書に記載された任意の他の溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。

0174

表面活性剤、または界面活性剤は、機械的性質を改変するため、特定の適用、例えばポンパビリティー、流動性、展延性、噴霧性などに関してより適したものにするため、そして該フルオロアニオン含有組成物の表面張力および/または該組成物を含む系の他の成分および相との界面張力を低下させるため、固体、液体および/または蒸気吸収能力を改変するために、該組成物に添加される。本発明の幾つかの実施形態の文脈において、表面活性剤としては、乳化剤洗浄剤発泡剤などが挙げられる。表面活性剤の非限定的例としては、頭部基アニオン官能基を含むアニオン界面活性剤、例えば硫酸塩、スルホン酸塩リン酸塩およびカルボン酸塩ステアリン酸ナトリウムラウロイルサルコシン酸ナトリウム、およびカルボン酸塩系フッ素系界面活性剤、例えばペルフルオロノナン酸塩、ペルフルオロオクタン酸塩(PFOAまたはPFO))、ドクサート、例えばスルホコハク酸ジオクチルナトリウムペルフルオロオクタンスルホン酸塩(PFOS)、ペルフルオロブタンスルホン酸塩、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAB)、カチオン頭部基を含むカチオン界面活性剤、例えばオクテニジン二塩酸塩アルキルトリメチルアンモニウム塩セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、ベンザルコニウムクロリド(BAC)、ベンゼトニウムクロリド(BZT)、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、ジメチルジオタデシルアンモニウムクロリド、セトリモニウムブロミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミドDODAB)、双生イオン界面活性剤および両性界面活性剤、例えばスルホン酸塩およびスルタイン、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナートCHAPS)、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ベタイン、コカミドプロピルベタインリン脂質ホスファチジルセリンホスファチジルエタノールアミンホスファチジルコリンスフィンゴミエリン非イオン界面活性剤、例えば脂肪アルコールセチルアルコールステアリルアルコールセトステアリルアルコールオレイルアルコールポリオキシエチレングリコールアルキルエーテルオクタエチレングリコールモノドデシルエーテルペンタエチレングリコールモノドデシルエーテルポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリセロールアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、コカミドMEA、コカミドDEA、ドデシルジメチルアミンオキシド、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロックコポリマーポリエトキシル化牛脂アミン(POEA)などが挙げられる。

0175

本明細書では加湿剤とも称される保湿剤は、水分を保持するために該フルオロアニオン含有組成物に添加される。本発明の幾つかの実施形態の文脈において、保湿剤としては、グリセリンソルビトール、プロピレングリコール、ヘキシレンおよびブチレングリコール、MP−ジオール、尿素、α−ヒドロキシ酸AHA)、脂肪酸セラミド、タンパク質、および閉塞剤(媒体の損失を物理的にシールディングする)、例えばワセリンラノリン鉱物油シリコーン、酸化亜鉛などが挙げられる。

0176

触媒および/または促進剤は、該フルオロアニオン含有組成物中での、または該組成物と、アノードおよびカソードの両方の金属もしくは/および電極との界面での、化学的または電気化学的反応を加速するために、該組成物に添加される。本発明の幾つかの実施形態の文脈において、触媒は、触媒がその基質と同じ相に存在するかどうかに応じて、異種または同種であり得る。電気化学的酸素還元反応(ORR)および/または酸素発生反応(OER)を促進し得るカソード酸素還元/発生のための触媒としては、白金およびその合金(例えば、PtAuナノ粒子)、炭素質材料、例えばグラフェンナノシート遷移金属酸化物(例えば、Mn系スピネルおよびペロブスカイト)、および無機−有機複合体(例えば、金属大環状分子誘導体)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の幾つかの実施形態による金属または/および酸化物反応(腐食反応など)のための促進剤の非限定的例としては、ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル(例えば、PEG二酸600)およびHF2−が挙げられる。

0177

阻害剤および/または抑制剤は、該フルオロアニオン含有組成物中での、または該組成物と金属との界面での化学的または電気化学的反応を低減するために、該組成物に添加される。本発明の幾つかの実施形態の文脈において、特定の阻害剤および抑制剤は、環境/媒体に暴露された材料、または他の材料の腐食速度/反応速度を効果的に低下させ得る。腐食阻害剤としては、アノード阻害剤、カソード阻害剤、混合阻害剤、吸着剤薄膜形成剤、非酸化不動態化剤、および酸化不動態化剤が挙げられるが、これらに限定されない。アノード阻害剤としては、オルトリン酸塩安息香酸塩クロム酸塩亜硝酸塩硝酸塩およびモリブデン酸塩ヒドロキシエチルキノリン第四級アンモニウムフェノラート、ヒドロキシエチルキノリン第四級アンモニウムパラメチルフェノラートおよびヒドロキシエチルキノリン第四級アンモニウムp−ニトロフェノラート、ペルフルオロ界面活性剤のイオンタイプ(炭水化物鎖界面活性剤CTABを含む)、ジノニルフェノールホスファートエステル(DPE)、リン酸酒石酸コハク酸およびクエン酸、酸化亜鉛、PEG(300〜900)、GAFAC RA600およびPEG二酸600および他の修飾有機ポリマー、イミダゾールIMZ)が挙げられるが、これらに限定されない。カソード阻害剤としては、ポリリン酸塩タンニンリグニンおよび亜鉛塩が挙げられるが、これらに限定されない。混合腐食阻害剤としては、ホスホン酸塩、ケイ酸塩、芳香族アゾール、アミンおよびアミド、アセチレン系アルコール硫黄含有化合物ヒドラジン、ならびに亜硫酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。

0178

金属塩は、本明細書で以下に例示される通り、カソード/アノードでの堆積および電気化学的反応のための金属イオン供給源として、該フルオロアニオン含有組成物に添加される。一般に、本明細書に記載された様々なアニオンおよびカチオンに基づく、無機および有機塩の全てのタイプが、該フルオロアニオン含有組成物のイオン強度を改変するため、そしてその電気化学的および静電的特性に影響を及ぼすために、該組成物に添加される。

0179

金属酸化物は、本明細書で以下に例示される通り、カソード/アノードでの金属堆積および電気化学的反応のための金属供給源として、該フルオロアニオン含有組成物に添加される。例示的金属酸化物および他の酸化物としては、四酸化アンチモン(Sb2O4)、酸化コバルト(II、III)(Co3O4)、酸化鉄(II、III)(Fe3O4)、酸化鉛(II、IV)(Pb3O4)、酸化マンガン(II、III)(Mn3O4)、酸化銀(I、III)(Ag2O2)、八酸化三ウラン(U3O8)、酸化銅(I)(Cu2O)、一酸化二炭素(C2O)、一酸化二塩素(Cl2O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化カリウム(K2O)、酸化ルビジウム(Rb2O)、酸化銀(Ag2O)、酸化タリウム(I)(Tl2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化アルミニウム(II)(AlO)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化カルシウム(CaO)、一酸化炭素(CO)、酸化クロム(II)(CrO)、酸化コバルト(II)(CoO)、酸化銅(II)(CuO)、酸化鉄(II)(FeO)、酸化鉛(II)(PbO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化水銀(II)(HgO)、酸化ニッケル(II)(NiO)、酸化窒素(NO)、酸化パラジウム(II)(PdO)、酸化ストロンチウム(SrO)、一酸化硫黄(SO)、二酸化二硫黄(S2O2)、酸化スズ(II)(SnO)、酸化チタン(II)(TiO)、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、三酸化アンチモン(Sb2O3)、三酸化ヒ素(As2O3)、酸化ビスマス(III)(Bi2O3)、三酸化ホウ素(b2O3)、酸化クロム(III)(Cr2O3)、三酸化二窒素(N2O3)、酸化エルビウム(III)(Er2O3)、酸化ガドリウム(III)(Gd2O3)、酸化ガリウム(III)(Ga2O3)、酸化ホルミウム(III)(Ho2O3)、酸化インジウム(III)(In2O3)、酸化鉄(III)(Fe2O3)、酸化ランタン(La2O3)、酸化ルチニウム(III)(Lu2O3)、酸化ニッケル(III)(Ni2O3)、三酸リン(P4O6)、酸化プロメチウム(III)(Pm2O3)、酸化ロジウム(III)(Rh2O3)、酸化サマリウム(III)(Sm2O3)、酸化スカンジウム(Sc2O3)、酸化テルビウム(III)(Tb2O3)、酸化タリウム(III)(Tl2O3)、酸化ツリウム(III)(Tm2O3)、酸化チタン(III)(Ti2O3)、酸化タングステン(III)(W2O3)、酸化バナジウム(III)(V2O3)、酸化イッテルビウム(III)(Yb2O3)、酸化イットリウム(III)(Y2O3)、二酸化炭素(CO2)、三酸化炭素(CO3)、酸化セリウム(IV)(CeO2)、二酸化塩素(ClO2)、酸化クロム(IV)(CrO2)、四酸化二窒素(N2O4)、二酸化ゲルマニウム(GeO2)、酸化ハフニウム(IV)(HfO2)、二酸化鉛(PbO2)、二酸化マンガン(MnO2)、二酸化窒素(NO2)、酸化プルトニウム(IV)(PuO2)、酸化ロジウム(IV)(RhO2)、酸化ルテニウム(IV)(RuO2)、二酸化セレン(SeO2)、二酸化ケイ素(SiO2)、二酸化硫黄(SO2)、二酸化テルル(TeO2)、二酸化トリウム(ThO2)、二酸化スズ(SnO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化タングステン(IV)(WO2)、二酸化ウラン(UO2)、酸化バナジウム(IV)(VO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、五酸化アンチモン(Sb2O5)、五酸化ヒ素(As2O5)、五酸化二窒素(N2O5)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、五酸化リン(P2O5)、五酸化タンタル(Ta2O5)、酸化バナジウム(V)(V2O5)、三酸化クロム(CrO3)、三酸化モリブデン(MoO3)、三酸化レニウム(ReO3)、三酸化セレン(SeO3)、三酸化硫黄(SO3)、三酸化テルル(TeO3)、三酸化タングステン(WO3)、三酸化ウラン(UO3)、三酸化キセノン(XeO3)、七酸化二塩素(Cl2O7)、七酸化マンガン(Mn2O7)、酸化レニウム(VII)(Re2O7)、酸化テクネチウム(VII)(Tc2O7)、四酸化オスミウム(OsO4)、四酸化ルテニウム(RuO4)、四酸化キセノン(XeO4)、四酸化イリジウム(IrO4)および四酸化ハッシウム(HsO4)が挙げられるが、これらに限定されない。

0180

金属表面を活性化させる方法:
本明細書で先に議論された通り、本発明者らは、不動態化金属をフルオロアニオン含有組成物と接触させることが、不動態化金属表面層の除去と、処理された金属の持続的活性化に関連づけられた検出可能なHF種を特徴とする実質的に安定した活性化された金属表面層の形成をもたらすことを見出した。

0181

本発明の実施形態の一態様によれば、金属または金属合金の表面を活性化させる方法であって、該金属または金属合金の表面を、各実施形態のいずれか1つに記載された通りフルオロアニオン含有組成物と接触させ、それにより活性化された金属表面を得ることにより実行される、方法が提供される。

0182

該フルオロアニオン含有組成物への該金属の接触期間または暴露期間は、所望の活性化レベル酸化金属不動態化層を含む種の化学作用、金属不動態化層の結晶構造、金属不動態化層の厚さ、ならびに処理される金属試料の表面積に対するフルオロアニオン含有組成物の組成および体積に依存する。本発明の幾つかの実施形態によれば、金属表面活性化を実行するためのフルオロアニオン含有組成物への金属表面の接触時間または暴露時間は、10秒、30秒、1分間、5分間、10分間、30分間、もしくは60分間、または1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、18時間、24時間、48時間もしくは72時間と短時間であり、あるいは1〜60分間、もしくは0.5時間〜2時間、1〜4時間、2〜6時間、12〜24時間、または24〜72時間の範囲内である。他のより短い、またはより長い接触期間が企図されることに、留意されたい。

0183

本発明の実施形態のいずれかの文脈において、該HF種は、金属、例えばアルミニウムに、化学的または物理的に関連し、用語「関連する」は、任意の特定の理論に束縛されるものではないが、共有結合、イオン−イオン(塩)結合、または他の静電的相互作用金属リガンド錯体形成を含み得る化学的関連性を記載するために用いられる。物理的関連性は、表面力の関連性または物理的吸収として説明することができる。

0184

任意の特定の理論に束縛されるものではないが、不動態化金属の活性化が、(i)金属表面に存在する不活性酸化物、硫化物、水酸化物および/または他の不活性種の不動態化層を除去または透過すること、ならびに(ii)暴露された金属表面での反応性「HF種」の層の形成により、金属表面での化学的末端基種を不活性種から反応性種へ修飾すること、を含む2つの独立した過程において起こることが、本発明者らによって仮定された。

0185

任意の特定の理論に束縛されるものではないが、フルオロアニオン含有組成物中のフルオロアニオン種と不動態化金属との反応結果の1つが、媒体(フルオロアニオン含有組成物)中に溶解する金属−フルオロ系の種の形成であると推定される。これらのフルオロヒドロゲナート−金属種が、不動態化層を形成する酸化金属種と異なり、電気化学的に活性である、即ち、金属−フルオロ系の種が、アノード上で直接的もしくは間接的に還元され得ること、またはカソード上で直接的もしくは間接的に酸化され得ることが、さらに推定される。

0186

任意の特定の理論に束縛されるものではないが、本明細書に示された金属活性化方法を実行する途中で、本発明の幾つかの実施形態によるフルオロアニオン含有組成物が、金属(例えば、金属酸化物、金属水酸化物など)の表面の不動態化層を含む種の一部を形成する様々なM+n状態の酸化金属元素と、そして金属(主にM0)の大部分の表面にある金属原子と相互作用し、それにより不動態化層から放出された酸化金属原子および金属表面の金属原子が、HF種に変換することを、本明細書では留意されたい。処理(活性化)された金属表面の一部を形成するHF種が、洗浄後、および周囲条件に暴露されながら時間が経過した後でも、特定の分光法で検出可能であり、それは本明細書では、本明細書で提供された方法のフィンガープリントと称される。不動態化層を溶解した結果、または金属酸化物種の任意の他の供給源を溶解した結果、生じたHF種は、電気化学的反応性があり、したがって電着および他の電気化学反応、インターカレーションなどでの金属供給源として使用され得る。

0187

任意の特定の理論に束縛されるものではないが、H2F3−種は、不動態化層(例えば、酸化物)と反応することに関連し、H3F4−種は、暴露された金属表面を、HF種(この用語は本明細書で以下に定義される)を示すように転換することに関連すると推定される。HF2−種が該金属の腐食に関連することも、さらに推定される。

0188

本発明の実施形態の文脈において、用語「活性化」は、金属表面から不動態化層を除去し、それにより金属の新たに露出された表面に物理的、化学的および電気化学的反応を起こさせることを指す。幾つかの実施形態において、用語「活性化」は、例えば溶融、切断、剥離研磨および/または他の研磨方法による、不動態化層の機械的除去とは異なり、金属の表面から不動態化層を化学的に除去することを指す。活性化が化学的手段と機械的手段との組み合わせにより得られ得ること、および用語「活性化」がこれらの組み合わせの包含を意味することに留意されたい。

0189

本発明の実施形態の文脈において、表面の少なくとも一部をコーティングする不動態化層を有する金属物体を、本発明の実施形態のいずれか1つにより、フルオロアニオン含有組成物と接触させることの効果は、金属不動態化層を含む種(金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物、金属チオール金属窒化物、ならびに他の酸化された金属種および金属不動態化末端基をはじめとする全ての酸化金属種)と、脱不動態化または露出された金属表面を含む種、の両方を必要とする。

0190

本発明の実施形態による金属の活性化の部分は、酸化金属層を含む種に及ぼすフルオロアニオン含有組成物の影響であり、本明細書では「溶解」、「分解」および「反応」と称され、酸化金属層を含む種への影響というのは、それらがもはや金属表面に付着していないこと、即ちその溶解として認められた影響を意味する。その影響は、酸化金属層を含む不動態化種の塊、凝集物およびオリゴマー破壊および分解すること、即ちその分解として認められる影響をさらに含み得る。該影響は、フルオロアニオン種と溶解/分解された酸化金属種との化学的反応、即ち電気化学的反応性フルオロヒドロゲナート−金属種によって得られた影響をさらに含むことができ、それは本明細書において「HF種」の形成とも称される。

0191

本発明の実施形態による金属の活性化の別の部分は、脱不動態化または露出された金属表面へのフルオロアニオン含有組成物の影響である。金属活性化のこの部分は、フルオロアニオン種と、その表面で新たに露出された金属との化学反応、即ち金属表面での電気化学的反応性フルオロヒドロゲナート−金属種またはHF種によって得られた影響を含む。

0192

本発明の実施形態の文脈において、用語「活性化」は、処理された金属の表面から不動態化層を化学的に除去することを包含する。本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、活性化された金属表面は、不動態化層を本質的に含まず、即ち処理された金属(本明細書に記載されたフルオロアニオン含有組成物と接触した金属)の表面は、質量および/または被覆面積に関して、処理されていない金属の不動態化層を80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満または1%未満、含む。

0193

本発明の実施形態の文脈において、用語「活性化」はまた、ことによると金属表面の様々な化学的および電気化学的反応を促進して自己不動態化過程を阻止するため、本質的に妨げることのない、フルオロアニオン含有組成物と金属との接触の結果、活性化金属または金属合金の表面で形成される、本明細書においてフルオロヒドロゲナート−金属種または「HF種」と称される特定の化学末端基種の形成を包含する。

0194

本発明の任意の実施形態の幾つかによれば、処理された金属試料の活性化表面は、フルオロアニオン含有組成物と接触すると、特殊な分光特性を示し、それは、本明細書で議論された通り、確立した分光法により得られたそれらのピーク波数によって同定され得る。波数は、様々な金属の処理された試料の間で類似する場合があり、または特定タイプの金属および金属合金の測定可能な量によって若干シフトする場合がある。

0195

幾つかの実施形態によれば、処理された金属試料の活性化表面は、フルオロアニオン含有組成物と接触すると、本質的に本明細書に記載された通りATR−FTIR分光法による測定で、典型的には約3150〜2840cm−1(典型的には約2990cm−1)、約1110〜800cm−1(典型的には約960cm−1)、約2505〜2200cm−1(典型的には約2355cm−1)、約1920〜1600cm−1(典型的には約1770cm−1)、および/または約1170〜870cm−1(典型的には約1020cm−1)に幾つかの特徴的分光ピークを示す。物体の表面のATR−FTIR分析におけるこれらの分光ピークの幾つかの外観は、本明細書に記載されるHF種による表面の改変を実証しており、この分光パターンまたはその任意の一部は、本明細書に記載された方法のフィンガープリントと見なされる。

0196

幾つかの実施形態において、処理された金属試料の活性化表面は、処理表面でのHF種の存在の特徴である本明細書で先に示された分光ピークの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは全てを示す。

0197

幾つかの実施形態において、処理された金属試料の活性化表面は、本明細書で先に示された分光ピークのいずれかの少なくとも2つを示す。

0198

幾つかの実施形態において、処理された金属試料の活性化表面は、本明細書で先に示された分光ピークのいずれかの少なくとも3つを示す。

0199

幾つかの実施形態において、処理された金属試料の活性化表面は、本明細書で先に示された分光ピークのいずれかの少なくとも4つを示す。

0200

本発明の実施形態によるフルオロアニオン含有組成物での金属表面の処理に起因するスペクトル特性の外観は、本明細書では「HF種のフィンガープリント」と称される。

0201

それにより活性化された金属または金属合金の表面で検出され得る本明細書に記載された方法のこれらのフィンガープリント、即ち本明細書で議論された「HF種」のスペクトル特性は、本明細書で以下に議論されるフルオロアニオン含有組成物を電解質として使用する電気化学セル装置においてアルミニウムを基にしたアノードの文脈にも存在する。

0202

幾つかの実施形態の文脈において、用語「活性化」はさらに、金属状態にある(0番目の酸化状態の金属)下部の素地金属または合金を本質的に排除することなく、例えば金属不動態化層を構成する化学種を化学的に除去することにより、金属の表面から不動態化層を非腐食的に化学的除去することを指す。つまり本発明の幾つかの実施形態の文脈において、文法語形変化の全てにおける用語「非腐食的に」は、下部の金属または合金を排除することを最小限にしながら、または実質的に回避しながら不動態化層を除去する、金属の表面処理を指す。

0203

非腐食的工程を評価する1つの方法が、線形分極抵抗LPR)によるものである。LPRは、工程流れにおいて荷電された電極間で発生した電気化学的電位と電流との関連性をモニタリングすることにより腐食を測定して、腐食性流体電気抵抗に関連づけることにより腐食率の計算を可能にする電気化学的方法である。手短に述べると、2つまたは3つの電極プローブを工程システムに挿入するが、電極は互いに電気的に分離されている。自然な腐食過程に影響を及ぼさない小さな電位が、要素の間に印加されて、得られた電流が測定される。分極抵抗Rpは、印加された電位と得られた電流のレベルの比率である。測定された抵抗は、実際には、腐食電位に近い電位で測定された電流密度に対する過電位の直線プロットの勾配、またはそのプロットが直線でない場合には、腐食電位でのそのような曲線タンジェントである。分極抵抗は、Rp[Ωcm2]=ΔE/Δi(ここでRpは、効果的な瞬時抵抗であり、ΔEは、電位の小さな変化であり、Δiは、電流密度の変化である)により与えられる。電極が、高速で腐食して金属イオンが溶液へと容易に通過する場合、電極間に印加された小さな電位が、高い電流、つまり低い分極抵抗を生じ、この影響が、高い腐食率に対応する。線形分極測定は、±20〜50mV範囲で開回路電位の周辺で小さな間隔で測定される。

0204

腐食電流測定の提案された方法が、本発明の範囲の限定を意味するものではなく、本明細書で請求された方法の特徴の1つを評価するための例示的手段として提供されていることに留意されなければならない。さらに、腐食電流測定の提案された方法が、特に一定の表面積が腐食過程で推定され得るような一体となった物体またはほぼ平坦な表面に適用され得ることに留意されたい。さもなければ、表面の変化に関連する電流および実際の電気化学的腐食反応の電流のデコンボリューションが、修正されなければならず、即ち、腐食に対する表面積の力学的因子が、計算において関連づけられなければならない。これは、粉末試料中の腐食の評価を試みる場合により顕著になる。

0205

測定された腐食電流から、金属の重量(質量)損失が、m=(i・t/F)(Mw/z)(ここで「m」は、表面積に対する質量損失(グラム/cm2)であり、「i」は、腐食電流密度(mA/cm2)であり、「t」は、腐食環境への暴露時間であり、「F」は、ファラデー定数(C/mol)であり、「Mw」は、物質のモル質量(グラム/mol)であり、「z」は、電気化学的腐食反応に関与するイオン価数である)により計算され得る。腐食評価の例示的実証については、以下に示す実施例の節の実施例4を参照されたい。

0206

つまり本発明の幾つかの実施形態によれば、金属または金属合金の表面を活性化させる方法は、ほぼ分極抵抗での評価として、一体化された平坦な金属試料を用いて所与のRTIL溶液中の約50μA/cm2の最大腐食電流密度の下で1時間にわたり約1・10−4グラム/cm2、1・10−5グラム/cm2、または1・10−6グラム/cm2未満の質量損失を観察しながら実行される。

0207

あるいは幾つかの実施形態によれば、該金属の非腐食活性化が、処理された表面積と0.1mmの深さ(厚さ)に基づく推定として、0.01質量(重量)%未満、0.1質量(重量)%未満、0.2質量(重量)%未満、0.5質量(重量)%未満、または1質量(重量)%未満の、金属状態にある下部金属または合金を排除しながら実行される。下部金属または合金の厚さは、参照として用いられ、任意の他の測定可能な深さでもあり得ることに留意されたい。

0208

本明細書に記載された方法により与えられた活性化工程の非腐食性もまた、本明細書で以下に議論される通りフルオロアニオン含有組成物を電解質として用いる電気化学セル装置において、アルミニウムを基にしたアノードに関係する特徴である。

0209

本明細書に示された金属活性化工程の影響は、最初の金属活性化後およびフルオロアニオン含有組成物からの処理された金属の除去後、または処理された金属からのフルオロアニオン含有組成物の除去後に長期間維持され、本明細書で「反応期間」または「活性化期間」と称される少なくとも特定の期間、処理された金属を化学的および電気化学的に活性な状態にしておく。用語「反応期間」または「活性化期間」は、処理された金属がフルオロアニオン含有組成物から分離された時点から、処理された金属が不動性に反して依然として化学的および/または電気化学的に活性である時点までの期間を指す。

0210

フルオロアニオン含有組成物から処理された金属を分離するというのは、本発明の幾つかの実施形態によれば、処理された金属が、もはやフルオロアニオン含有組成物と接触していないことを意味する。幾つかの実施形態において、フルオロアニオン含有組成物から処理された金属を分離するというのは、フルオロアニオン含有組成物が処理された金属の表面から洗い流されたことを意味する。幾つかの実施形態において、フルオロアニオン含有組成物から処理された金属を分離するというのは、処理された金属が周囲条件に、または金属を不動態化にしたのと同じ条件に暴露されることを意味する。幾つかの実施形態において、処理された金属は、周囲湿度、周囲酸素レベルおよび周囲温度に暴露されると、反応期間に化学的および/または電気化学的に活性の状態を維持する。

0211

本発明の幾つかの実施形態において、該活性化期間は、限定されていない。幾つかの実施形態において、該反応期間は、処置された金属を該フルオロアニオン含有組成物から分離してから、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、少なくとも20時間、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年間、少なくとも2年間、または少なくとも3年間である。

0212

本発明の実施形態の文脈において、用語「溶解」は、一緒にして「溶質」と称される物質(錯体、ポリマーなどを含む)の原子、イオンまたは分子が、「溶媒」と称される別の物質の複数の原子、イオンまたは分子に飲み込まれて、溶媒中の溶質の溶液を形成する、熱力学的に好適な化学的過程を指す。固体溶質の場合、非晶質、結晶、または他のバルク構造崩壊して、イオン、原子および/または分子を分離させる。平衡時の溶解過程の最終結果は、溶質/溶媒/環境システムの熱力学的エネルギーに支配されるが、溶解過程自体は、速度論的過程に支配され、熱、撹拌および時間によって影響を受け得る。

0213

金属表面を活性化する方法は、自己不動態化金属、拡散隔膜金属(窒化物、炭化物およびそれらの合金を含む)、遷移金属、貴金属、ポスト遷移金属、卑金属、貧金属、アルカリ土類金属、ランタニド、アクチニドおよびそれらの任意の合金など、様々な金属に適用され得る。

0214

不動態金属を基にしたバッテリー
自己不動態化金属の活性化方法の実施形態は、電気化学セルおよびバッテリーのフライド(flied)である。本発明を実践に移しながら、本明細書で先に記載されたフルオロアニオン含有組成物が、電気化学セル内で効果の高いアノード材料になるように、アルミニウムなどの自己不動態化金属の自然な不動態表面を活性にさせ得る電気化学セル電解質としての使用に成功し得ることが見出された。以下の実施例の節で実証される通り、本発明者らは、効率的なアルミニウム/空気バッテリーを実証した。

0215

本発明の幾つかの実施形態の一態様によれば、アノードとして用いられるアルミニウムなどの自己不動態化金属と、カソードと、電解質として用いられるフルオロアニオン含有組成物(フルオロアニオン含有電解質)と、を含む電気化学セル装置、例えばバッテリーが提供される。

0216

電気化学セル装置の文脈において、該アノードは、本発明の幾つかの実施形態によれば、金属を活性化させる方法を用いて活性化された金属である。

0217

アノード燃料の供給源として金属を用いる電気化学セル装置に関連して、本明細書で先に記載された金属活性化工程は、同時に、または連続で実施され得る。例えばアルミニウムなどの自己不動態化金属は、その使用前に天然酸化物不動態化層を有することができ、これは、周囲雰囲気または含有する液体によって特定の限定的レベルまで酸化されていることを意味し(限定的腐食)、本発明の幾つかの実施形態によりフルオロアニオン含有電解質に浸漬されると、酸化物層が本質的に除去されて、金属表面が電解質に暴露され(活性化された金属表面)、セルが作動すると、金属が消費されて酸化された可溶性または不溶性種とカソードに「移行」する電子とを生成するため、その金属は制御的に酸化される。

0218

本発明の幾つかの実施形態によれば、該電気化学セルは、アノードおよびカソードを含み、アノードおよびカソードを本明細書で先に記載された電解質として用いられるフルオロアニオン含有組成物と接触させると、動作可能になるか、または動作可能であると認識される。接触は、フルオロアニオン含有電解質をセルのコンパートメントに導入することにより(それにより少なくともアノードが電解質と接触する)、または電極をフルオロアニオン含有電解質に浸漬することにより、得ることができる。

0219

本発明の実施形態の文脈において、用語「電気化学セル装置」は、1つまたは複数の電気化学セルまたはボルタ電池からなり、化学エネルギーを貯蔵し、電極間の電位差により化学エネルギーを利用可能な電気エネルギー(例えば、電気)として提供する、一般的意味のバッテリーを指す。

0220

電気化学セルのタイプとしては、ガルバニ電池電解質電池燃料電池フロー電池およびボルタ電池が挙げられ、それぞれが、2つのハーフセルを含み、一方は化学燃料の酸化反応のためのもので(負電極またはアノード)、もう一方は酸化物の還元反応のためのものである(正電極またはカソード)。

0221

バッテリーは、燃料および酸化剤の燃焼を行わずに電気を発生する。他の可能なバッテリー構成は、インターカレーション化学に基づく電気化学セル、例えばLiイオンバッテリー内に存在するような、還元反応に基づくカソードと、酸化反応に基づくアノードと、を含み得る。他の電気エネルギー発生方法により生じるものとは異なり、化学エネルギーは、2つのハーフセル間のレドックス電位差により誘導されて、電流および若干の熱に変換される。それゆえバッテリーは、正電荷のアノードと、負電荷のカソードと、電解質と称されるイオン伝導性材料と、電気回路内外で得られた電流を伝導する伝導性負および正端子と、を有することを特徴とする。

0222

本明細書で用いられる用語「燃料電池」は、燃料および酸化剤が供給される限り、連続で化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換する電気化学セルの1つのタイプを指す。電気は、電解質の存在下で惹起された反応により、燃料(アノード側)と酸化剤(カソード側)の間で発生し、電池内に流れるが、電解質は電池内に保持されたままである。燃料電池は、必要な前述の流れを維持する限り、事実上連続で動作し得る。燃料電池は、従来の電気化学セルバッテリーとは異なり、外部供給源からの反応物質を消費し、反応物質が補充されなければならないため、熱力学的に開放されたシステムを構成するが、バッテリーは、例えば電気エネルギーを化学的に貯蔵し、つまり熱力学的に閉鎖されたシステムということになる。

0223

本発明の幾つかの実施形態によれば、電気化学セルは、燃料が金属燃料である開放システム燃料電池構成を有するか、またはアノードが金属性である(例えば、金属を含む)閉鎖システムのバッテリー構成を有する。幾つかの実施形態によれば、該電気化学セルは、閉鎖システムのバッテリー構成である。

0224

本発明の幾つかの実施形態によれば、該電気化学セルは、インターカレーション構成を有し、アルミニウムなどの金属がアノードとして働き、カソード材料がその格子内、さもなければその構造内に金属カチオンを宿す能力を有する。そのような電気化学セルの放電の際に、金属カチオンが生成し、カソードの構造内でインターカレートされる。そのような電気化学セルを再充電すると、金属カチオンが、カソードの構造から放出され、アノードで金属原子(M0)として堆積される。本発明の幾つかの実施形態によれば、電気化学セルは、インターカレーション構成を有し、アノードおよびカソードが両者とも、インターカレーションが可能であり、フルオロアニオン含有電解質が、インターカレーション過程でのイオン供給源として働く。

0225

本発明の幾つかの実施形態によれば、電気化学セルは、コンバージョン構成を有し、アルミニウムなどの金属がアノードとして働き、カソード材料が電気化学修飾により金属イオンを宿す能力を有する。放電過程の際に、金属カチオンが、アノードから放出されて、カソード材料を化学的に修飾し、この化学修飾が、電池の再充填の間に回復する。

0226

本発明の幾つかの実施形態によれば、電気化学セルは、フロー電池構成を有し、電解質を循環させながら、レドックス電位が異なるRed/Ox組およびRed’/Ox’組が電池内で用いられる。アノードでは、より低いレドックス電位を有するRed’/Ox’組が反応し、Ox’がRed’に還元されるが、カソードでは、より高いでレドックス電位を有するRe/Ox組が反応して、RedがOxに酸化する。放電モードから再充電モードに移行することを意味する電池の極性の反転により、逆の(反対方向の)反応が起こる。電位差がOx/Red濃度とOx’/Red’濃度の差により維持される限り、電池は一定に動作することができる。

0227

幾つかの実施形態において、本明細書に記載された電気化学セルは、アノードとカソードとを関連づける電気的接続をさらに含み、電極間で電流の流れを可能にする。

0228

本発明の幾つかの実施形態によれば、アルミニウムアノードまたは他の自己不動態化金属の表面は、フルオロアニオン含有電解質と接触することにより修飾されて、もはやアルミニウムバッテリーの場合にはアルミナなどの不動態化種を、または他の金属不動態化種を本質的に示さなくなる。言い換えれば、組み立てられて、場合により電子的または電気化学的に使用される前は、本明細書に示された電気化学セル装置内のアノードの表面は、不動態化層を実質的に含まない。不動態化層を含まないアノード表面のこの状態は、バッテリー寿命を通して維持されるか、または少なくともアノード表面がフルオロアニオン含有電解質と接触する限り維持される。

0229

幾つかの実施形態において、該電解質は、アノードおよびカソードと接触(例えば、直接的接触)している。幾つかの実施形態において、該電解質は、アノードとカソードの間に挿入されている。

0230

幾つかの実施形態において、電気化学セル装置は、電解質と電極のいずれか一方との直接的接触を予防し得る、膜などのセパレータまたは別の機械的要素をさらに含む。幾つかの実施形態において、該セパレータは、アノードとカソードの間の直接的接触を予防して、電池が内部短絡を起こさないようにする。セパレータは、紙および別のセルロース系材料テフロン木綿ナイロンポリエステルおよびガラス織物および不織繊維;ポリエチレンポリプロピレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ塩化ビニルに基づくポリマーフィルムおよび膜;ならびに天然由来物質、例えばゴム石綿、木材などを基にしていてもよい。

0231

幾つかの実施形態によれば、該フルオロアニオン含有組成物は、アルミニウム/空気バッテリー内のアルミニウムアノードを活性化させながら、電解質として用いられるフルオロアニオン−RTILである。

0232

本発明の幾つかの実施形態によれば、本明細書に記載された電気化学セル装置内のアノードの表面が、HF種のフィンガープリントを示すことを特徴とし、即ちアノードが、本明細書で先に記載されたフルオロアニオン含有組成物で処理された金属のスペクトル特性に共通のスペクトル特性(ピーク)の少なくとも一部を示す。

0233

具体的には幾つかの実施形態によれば、アルミニウムアノードは、フルオロアニオン含有電解質の2つの主要なアニオン種の少なくとも幾つかの類似した特性、即ちH2F3−およびH3F4−種のスペクトル特性を示す全反射(ATR)赤外スペクトルを示す。言い換えれば、フルオロアニオン含有電解質のスペクトルで観察されて、未処理のアノード金属のスペクトルには存在しないピークの幾つかは、フルオロアニオン含有電解質に暴露されると、それを洗浄して長期間貯蔵した後にフィンガープリントの分光測定をおこなっても、アノードの試料中で観察され得る(本明細書で先に記載された「活性化期間」参照)。

0234

例示的実施形態において、自己不動態化金属アノードの試料の清浄な表面を、フルオロアニオン含有電解質と少なくとも1時間接触させ、その後、表面を有機溶媒、例えば非限定的にエタノールで洗浄して、分光光度法分析する(以下の実施例の節の実施例5参照)。HF種に起因するピークの分光学的同定は、Hagiwara, R.ら[Journal of The Electrochemical Society, 149(1) D1−D6 (2002)、およびJ. Phys. Chem. B 2005, 109, 5445−5449;本明細書に完全に示されているとしても参照により組み入れられる]により提供されたような未処理フルオロアニオン−RTILの分光試験に基づく。

0235

少なくとも以下の実施例の節の実施例5に記載された分光測定が用いられた場合には、H3F4−種に起因する例示的ピークは、それぞれ約2990cm−1および約960cm−1の波数を有し(例えば、図9のプロット6のピーク61および65)、H2F3−種に起因する例示的ピークは、それぞれ約2355cm−1、約1770cm−1および約1020cm−1の波数を有する(例えば、図9のプロット6のピーク62、63および64)。

0236

例示的実施形態において、少なくとも、以下の実施例の節の実施例5に記載された分光測定が用いられた場合に、アルミニウムアノードおよびフルオロアニオン−RTIL電解質は、図8のプロット4および/または図9のプロット6に示された通り(本明細書で以下の実施例5参照)、全反射赤外スペクトルのピークを少なくとも2つ示す。

0237

本発明の幾つかの実施形態により、電池を動作させることができ、前述のHF種のフィンガープリントを示す、フルオロアニオン含有電解質へのアノードの接触または暴露時間は、1、5、10、30もしくは60分、または1、2、3、4,5、6、12、18、24、48もしくは72時間と短く、あるいは5〜60分間、または0.5〜2時間、1〜4時間、2〜6時間、12〜24時間もしくは24〜72時間の範囲内である。他のより短いまたはより長い接触期間が企図されることに、留意されたい。

0238

本発明の幾つかの実施形態において、該アノードがフルオロアニオン含有電解質に接触したら、アルミニウム含有アノードが、本質的には本明細書に記載された通りのATR−FTIR分光法による測定で、典型的には約3150〜2840cm−1(典型的には約2990cm−1)、約1110〜800cm−1(典型的には約960cm−1)、約2505〜2200cm−1(典型的には約2355cm−1)、約1920〜1600cm−1(典型的には約1770cm−1)および/または約1170〜870cm−1(典型的には約1020cm−1)に幾つかの特徴的分光ピークを示す。

0239

幾つかの実施形態において、アルミニウム含有アノードは、フルオロアニオン含有電解質への暴露の際、表面にHF種が存在することの特徴である、本明細書で先に示された分光ピークの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは全てを示す。

0240

幾つかの実施形態によれば、該HF種のフィンガープリントは、フルオロアニオン含有電解質への金属暴露から少なくとも24、48、72、96もしくは144時間、または1、2、4、8もしくは12週間の間、検出可能である。幾つかの実施形態によれば、該HF種のフィンガープリントは、フルオロアニオン含有電解質への金属暴露から少なくとも24時間の間、検出可能である。幾つかの実施形態において、該HF種のフィンガープリントは、自己不動態化金属アノードをフルオロアニオン含有電解質から分離してから少なくとも3年間、少なくとも2年間、少なくとも1年間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも3週間、少なくとも2週間、少なくとも1週間、少なくとも5日間、少なくとも4日間、少なくとも3日間、少なくとも2日間、少なくとも1日間、少なくとも20時間、少なくとも10時間、少なくとも5時間、少なくとも3時間、または少なくとも1時間の間、検出可能である。

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