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技術 2次元X線検出器を使用する同時格子定数精密化のための統合された逆格子空間マッピング

出願人 ブルカー・エイエックスエス・インコーポレイテッド
発明者 ジョナサンギーンケ
出願日 2015年5月27日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2016-569926
公開日 2017年7月20日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-519979
状態 特許登録済
技術分野 放射線を利用した材料分析
主要キーワード 円形路 上格子 走査曲線 相対空間 空間的基準 格子平面 ベクトル解析 逆関係
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図面 (7)

課題・解決手段

X線源(102)に対する試料(112)の位置を、ロッキング走査曲線などの走査方向に沿って変化させながら、X線回折信号統合する2次元検出器(114)を使用して、結晶試料(112)のX線回折分析を実行するための方法。結果の画像は、走査方向に沿って圧縮されるが、非常に迅速に収集される。単一の画像内における軸上および軸外両方の反射捕捉は、反射を比較するための共通の空間的な基準系を提供する。これは、逆格子空間マップの構成において使用され、結晶性薄膜がその上に付着された結晶基板など、複数の結晶層を有する試料を分析するのに有益である。

概要

背景

原子間の間隔のオーダ(order)にある波長を有する放射ビーム結晶性材料入射させられる場合、関心間隔(spacing interest)に対する入射ビームの適切な幾何配置が達成されると、いくつかの干渉法的に強化されたビームが、試料から発せられる。回折が発生する条件は、ブラッグによってλ=2dsinθと記述され、ここで、λは、使用される放射の波長を表し、dは、原子間隔を表し、θは、ビームが結晶に入射させられる角度を表す。特定の関心結晶面についての回折条件に達するためには、結晶系についての知識が、結晶が取り付けられたゴニオメータ運動についての知識と組み合わされなければならず、これは、逆格子空間におけるエバルト球(Ewald Sphere)の構成を用いてパウルエバルト(Paul Ewald)によって記述された方法である。

エバルト球の構成においては、回折条件は、半径1/λの球によって表される。この球は、その表面上の1点において、逆格子空間の原点と交わる。エバルト球がその中に構成される逆格子は、逆関係を通して原子面間の実空間距離に関連する軸を有する。X線回折計の実空間運動は、エバルト球が、逆格子空間において同じように回転させられるという結果となる。形状およびロケーション結晶性試料の構造によって定義される、逆格子空間内の逆格子点がエバルト球と交わる場合、試料から出て行く(入射ビームのそれと等しい波長を有する)散乱された放射の強化が発生するような条件が満たされる。これは、一般に「反射」と呼ばれる。結晶に対する検出器の向きを操作することによって、そのビームが捕捉されることができ、その相対座標は、材料における原子間隔を決定するために使用されることができる。膨大な数のそのようなデータ点収集し、それらをいわゆる「逆格子空間マップ」内にマッピングすることは一般的な慣行である。

従来のシステムにおいては、逆格子空間マップの構成は、逆格子に関連するデータを収集するために、点検出器または1次元(1D)検出器のどちらかを使用する。したがって、試料の向きごとに、検出器は、反射が存在するすべての関心領域をカバーするために、試料に対して動かされる。広い範囲の向きにわたって反射データが集められると、逆格子空間マップが組み立てられる。しかしながら、サンプリングされた点の数に応じて、プロセスは、完了するのに数時間、または数日さえ掛かる。

結晶試料は種々の形態を取るが、1つの特定の関心構造は、結晶材料薄膜がその上に付着させられた結晶基板など、2つの異なる結晶層を有する材料である。このような構造の場合、試料の回転(およびそれに対応するエバルト球の回転)は、反射が基板層および薄膜層の両方から発生させられるという結果となる。基板および薄膜の結晶構造と関連付けられたいくつかの反射を測定することによって、結晶の表面に垂直な原子の間隔、結晶の表面の面内における原子の間隔、および薄膜結晶構造の基板結晶構造に対する関係など、実空間結晶構造の特性が、決定されることができる。これは、従来は、0次元(点)または1次元(線)検出器を用いて行われ、検出器は、点の系列を収集し、それらは、材料ごとに、逆格子空間を通して平面断面マップになるように後処理される。

概要

X線源(102)に対する試料(112)の位置を、ロッキング走査曲線などの走査方向に沿って変化させながら、X線回折信号統合する2次元検出器(114)を使用して、結晶試料(112)のX線回折分析を実行するための方法。結果の画像は、走査方向に沿って圧縮されるが、非常に迅速に収集される。単一の画像内における軸上および軸外両方の反射の捕捉は、反射を比較するための共通の空間的な基準系を提供する。これは、逆格子空間マップの構成において使用され、結晶性薄膜がその上に付着された結晶基板など、複数の結晶層を有する試料を分析するのに有益である。

目的

本発明は、2次元X線検出器を使用する同時格子定数精密化のための統合された逆格子空間マッピングを得るための改善された分析方法および分析システムを提供する

効果

実績

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請求項1

結晶試料X線回折分析を実行する方法であって、X線源からのX線ビームで前記試料を照らすステップと、前記試料から発せられた回折されたX線信号を、前記X線源に対して固定された位置を有する多次元X線検出器を用いて、検出するステップと、走査方向において圧縮された多次元画像を生成するように、前記回折されたX線信号を前記検出器統合しながら、前記X線源に対する前記試料の前記走査方向に沿った位置を変化させるステップとを具えたことを特徴とする方法。

請求項2

前記走査方向は、前記試料が取り付けられたゴニオメータロッキング方向であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

前記検出器によって検出された前記回折されたX線信号は、前記多次元画像内で検出の中心軸に沿っている軸上反射、および前記中心軸からずれている軸外反射の両方を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記軸上反射および前記軸外反射についてのミラー指数識別するステップと、前記ミラー指数を比較することによって前記結晶試料の相対的な結晶方位を決定するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。

請求項5

前記試料は、複数の異なる結晶材料を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の方法。

請求項6

前記異なる結晶材料は、第1の材料の基板層と、前記第1の材料とは異なる第2の材料の薄膜層とを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。

請求項7

前記検出器によって検出された前記回折されたX線信号は、前記多次元画像内で検出の中心軸に沿っている軸上反射、および前記中心軸からずれている軸外反射の両方を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。

請求項8

前記異なる結晶材料の各々からの前記軸上反射および前記軸外反射の1次元表現を生成するために、前記多次元画像からのデータを、前記中心軸と垂直な方向において統合するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項7に記載の方法。

請求項9

前記層のうちの第1の層は、既知基準層であり、前記1次元表現は、前記層のうちの第2の層の軸上格子定数および軸外格子定数を決定するために解析されることを特徴とする請求項8に記載の方法。

請求項10

前記多次元画像を使用して逆格子空間マップを構成するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の方法。

請求項11

複数の結晶層を有し、その各々が異なる結晶性構造を有する試料のX線回折分析を実行する方法であって、X線源からのX線ビームで前記試料を照らすステップと、前記X線源に対して固定された位置を有する多次元X線検出器を用いて、前記結晶層の各々から発せられた回折されたX線信号の部分が前記X線検出器上の異なるそれぞれの空間位置において検出されるように、前記試料から発せられた前記回折されたX線信号を検出するステップと、走査方向において圧縮された多次元画像を生成するように、検出されたX線反射信号を前記検出器で統合しながら、前記X線源に対する前記試料の前記走査方向に沿った位置を変化させるステップと、前記層の前記結晶性構造の間の対応する空間関係を決定するために、前記異なる結晶層から発した、前記多次元画像内の前記反射を比較するステップとを具えたことを特徴とする方法。

請求項12

前記走査方向は、前記試料が取り付けられたゴニオメータのロッキング方向であることを特徴とする請求項11に記載の方法。

請求項13

前記検出器によって検出された前記回折されたX線信号は、軸上反射および軸外反射の両方を含むことを特徴とする請求項11または12に記載の方法。

請求項14

前記異なる結晶層は、第1の材料の基板層と、前記第1の材料とは異なる第2の材料の薄膜層とを含むことを特徴とする請求項11ないし13のいずれか1つに記載の方法。

請求項15

前記多次元画像を使用して逆格子空間マップを構成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1つに記載の方法。

請求項16

結晶試料のX線回折分析を実行するための分析ステムであって、X線ビームで前記試料を照らすX線源と、前記試料から発せられた回折されたX線信号を検出する多次元X線検出器であって、前記X線源に対して固定された位置を有する、該多次元X線検出器と、走査方向において圧縮された多次元画像を生成するように、前記回折されたX線信号を前記検出器によって統合しながら、前記X線源に対する前記試料の前記走査方向に沿った位置を変化させる走査機構とを具えたことを特徴とする分析システム。

請求項17

前記試料は、ゴニオメータに取り付けられ、前記走査方向は、前記ゴニオメータのロッキング方向であることを特徴とする請求項16に記載の分析システム。

請求項18

前記回折されたX線信号は、軸上反射および軸外反射の両方を含むことを特徴とする請求項16または17に記載の分析システム。

請求項19

前記試料は、複数の異なる結晶材料を含むことを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1つに記載の分析システム。

請求項20

前記異なる結晶材料は、第1の材料の基板層と、前記第1の材料とは異なる第2の材料の薄膜層とを含むことを特徴とする請求項19に記載の分析システム。

技術分野

0001

本発明は、一般に、X線回折結晶学の分野に関し、より詳細には、X線回折結晶学実験における格子定数の測定に関する。

背景技術

0002

原子間の間隔のオーダ(order)にある波長を有する放射ビーム結晶性材料入射させられる場合、関心間隔(spacing interest)に対する入射ビームの適切な幾何配置が達成されると、いくつかの干渉法的に強化されたビームが、試料から発せられる。回折が発生する条件は、ブラッグによってλ=2dsinθと記述され、ここで、λは、使用される放射の波長を表し、dは、原子間隔を表し、θは、ビームが結晶に入射させられる角度を表す。特定の関心結晶面についての回折条件に達するためには、結晶系についての知識が、結晶が取り付けられたゴニオメータ運動についての知識と組み合わされなければならず、これは、逆格子空間におけるエバルト球(Ewald Sphere)の構成を用いてパウルエバルト(Paul Ewald)によって記述された方法である。

0003

エバルト球の構成においては、回折条件は、半径1/λの球によって表される。この球は、その表面上の1点において、逆格子空間の原点と交わる。エバルト球がその中に構成される逆格子は、逆関係を通して原子面間の実空間距離に関連する軸を有する。X線回折計の実空間運動は、エバルト球が、逆格子空間において同じように回転させられるという結果となる。形状およびロケーション結晶性試料の構造によって定義される、逆格子空間内の逆格子点がエバルト球と交わる場合、試料から出て行く(入射ビームのそれと等しい波長を有する)散乱された放射の強化が発生するような条件が満たされる。これは、一般に「反射」と呼ばれる。結晶に対する検出器の向きを操作することによって、そのビームが捕捉されることができ、その相対座標は、材料における原子間隔を決定するために使用されることができる。膨大な数のそのようなデータ点収集し、それらをいわゆる「逆格子空間マップ」内にマッピングすることは一般的な慣行である。

0004

従来のシステムにおいては、逆格子空間マップの構成は、逆格子に関連するデータを収集するために、点検出器または1次元(1D)検出器のどちらかを使用する。したがって、試料の向きごとに、検出器は、反射が存在するすべての関心領域をカバーするために、試料に対して動かされる。広い範囲の向きにわたって反射データが集められると、逆格子空間マップが組み立てられる。しかしながら、サンプリングされた点の数に応じて、プロセスは、完了するのに数時間、または数日さえ掛かる。

0005

結晶試料は種々の形態を取るが、1つの特定の関心構造は、結晶材料薄膜がその上に付着させられた結晶基板など、2つの異なる結晶層を有する材料である。このような構造の場合、試料の回転(およびそれに対応するエバルト球の回転)は、反射が基板層および薄膜層の両方から発生させられるという結果となる。基板および薄膜の結晶構造と関連付けられたいくつかの反射を測定することによって、結晶の表面に垂直な原子の間隔、結晶の表面の面内における原子の間隔、および薄膜結晶構造の基板結晶構造に対する関係など、実空間結晶構造の特性が、決定されることができる。これは、従来は、0次元(点)または1次元(線)検出器を用いて行われ、検出器は、点の系列を収集し、それらは、材料ごとに、逆格子空間を通して平面断面マップになるように後処理される。

先行技術

0006

Two Dimensional X−ray Diffraction,Bob BaopingHe,John Wiley & Sons,Inc.,July 2009

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、2次元X線検出器を使用する同時格子定数精密化のための統合された逆格子空間マッピングを得るための改善された分析方法および分析システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明によれば、多次元X線検出器を使用し、回折されたX線信号をX線走査の範囲に沿って統合する、結晶試料のX線回折分析を実行するための方法が提供される。試料は、X線源からのX線ビーム照射され、回折されたX線信号が、検出器を用いて検出され、検出器は、2次元領域検出器であり、X線源に対して固定された位置を有する。X線源に対する試料の位置は、その後、走査方向において圧縮された多次元画像を生成するために、検出されたX線回折信号を検出器で統合しながら、走査方向に沿って変化させられる。画像データは、例えば、試料材料の逆格子空間マップを構成する際に使用される。

0009

本発明の例示的な実施形態においては、走査方向は、試料が取り付けられたゴニオメータのロッキング方向であり、試料とX線源との相対運動は、画像がロッキング方向に沿って圧縮されるという結果となる。検出器によって検出された回折されたX線信号は、「軸上」反射としても知られる、結晶表面に平行な向きを有する原子面、または「軸外」反射としても知られる、結晶表面に対して傾けられた原子面から発する反射も含む。本発明の例示的な実施形態においては、軸上反射は、多次元画像内で検出の中心軸に沿っており、一方、軸外反射は、中心軸からずれている。分析は、軸上反射および軸外反射についてのミラー指数識別することと、ミラー指数を比較することによって結晶試料の相対的な結晶方位を決定することとを含む。

0010

あるケースにおいては、試料は、第1の材料の基板層および第2の材料の薄膜層など、複数の異なる結晶材料を含む。したがって、両層からの反射が同じ画像内に存在し、したがって、それらの間の空間関係は、共通の基準系として多次元検出器を使用して推定されることができる。軸上反射および軸外反射が層の各々から収集され、多次元画像からのデータは、結晶材料の各々からの軸上反射および軸外反射の1次元表現を生成するために、検出の中心軸と垂直な方向において統合(integrated)される。層の一方が既知基準層である場合、第2の層の軸上格子定数および軸外格子定数を決定するために、1次元表現が分析される。

0011

試料が複数の結晶層を含み、その各々が異なる結晶性構造を有する、特定の実施形態においては、方法は、やはり、X線源からのX線ビームで試料材料を照らすステップを含む。結晶層の各々から発したX線反射がX線検出器上の異なる空間位置において検出されるように、試料から発せられた回折されたX線信号を検出するために、線源に対して固定された位置を有する多次元X線検出器が使用される。X線源に対する試料の位置は、その後、走査方向において圧縮された多次元画像を生成するために、検出されたX線反射信号を検出器で統合しながら、走査方向に沿って変化させられる。異なる結晶層から発した画像内の反射は、その後、試料の結晶性層の間の対応する空間関係を決定するために比較される。

0012

上述の実施形態においては、走査方向は、試料が取り付けられたゴニオメータのロッキング方向であり、多次元X線画像が、逆格子空間マップを構成するために使用される。他の実施形態と同様に、回折されたX線信号は、軸上反射および軸外反射の両方を含み、異なる結晶層は、第1の材料の基板層と、第1の材料とは異なる第2の材料の薄膜層とを含む。この実施形態の一例においては、検出器によって捕捉された既知の基板材料の反射が、未知の薄膜層の格子定数の精密化のための内部基準として使用される。

図面の簡単な説明

0013

本発明とともに使用される回折測定システムの斜視図である。
本発明による、回折測定走査における逆格子に対するエバルト球の運動についての概略図である。
複数の結晶層がある試料材料のうち2つの異なる層からのX線ビームの回折についての概略図である。
本発明による回折測定走査によって生成された検出器画像を示す図である。
図4の画像内に記録されたデータから抽出された1次元走査グラフ表現を示す図である。
図4の画像内に表された2つの結晶層の間の幾何学的関係表現を示す図である。

実施例

0014

図1には、本発明とともに使用される回折測定システム100の概略図が示されている。システムの構成要素は、必要とされる放射エネルギー焦点サイズ、および強度を有する1次X線ビーム104を生成する、X線源102を含む。調整されたまたは入射ビーム108にするために、1次X線ビーム104を調整して、必要とされる波長、ビーム焦点サイズ、ビームプロファイル、およびビーム発散を有する、X線光学素子106が提供される。入射X線ビーム108と、結晶試料112と、X線センサ114との間の幾何学的関係を確立し、操作するために、ゴニオメータ110が使用される。入射X線ビーム108は、結晶試料112に当たり、散乱されたX線116を生成し、それがセンサ114において記録される。オプションの試料アライメントおよびモニタアセンブリは、試料112を照らす試料照明器118と、ユーザが試料を機器の中央に位置付け、試料状態および位置をモニタリングするのを助けるために試料のビデオ画像を生成する試料モニタ120、一般にはビデオカメラとを備える。

0015

従来のX線分析においては、逆格子空間マップの構成は、ビームの「ロッキング方向」に沿った一連回転位置における画像の収集を含む。そのような分析においては、ゴニオメータは、ビーム源と検出器との間の角度を維持しながら、試料に対するX線ビームの入射の角度を変化させるように操作される。例えば、試料は動かされず、一方、X線源と検出器は、試料を取り囲む円形路に沿って、一体として漸増的に動かされる。漸増のたびに、画像が検出器を用いて収集および記憶され、収集された画像は、その後、逆格子を示す3次元表現を生成するために処理される。そのような方法は、正確な結果を生成することができるが、時間を消費するデータ集約型のプロセスである。

0016

本発明の例示的な実施形態においては、ビームのロッキング方向に沿って反射データを収集するために2次元検出器が使用されるが、個々の画像フレームを収集するのではなく、反射データは、検出器と試料との相対位置が変化するのにつれて統合される。したがって、例えば、試料は、動かさずにおき、一方、X線源と検出器は、ビームのロッキング方向に沿って一体となって動く。この運動中、検出器は、生成された反射信号を統合し、それは、ビームのロッキング方向において圧縮された単一の2次元画像という結果となる。

0017

逆格子空間マップの構成において2次元検出器を使用する効果が、図2に示された概略図によって明示されている。単一結晶試料がゴニオメータに取り付けられる場合、入射ビーム方向と検出器の位置との間の角度を一定に維持しながら、試料に対する入射ビームの方向を変化させることは、逆格子空間におけるエバルト球の回転という結果となる。したがって、逆格子内の与えられた平面200に対して、エバルト球202は、座標系の原点204の周りで回転する。角度206は、2つの直線から成り、一方は、エバルト球の中心から逆格子の原点までのものであり、他方は、球の原点から検出平面の中心までのものである。これら2つの直線の間の角度は、入射X線ビームの方向と、試料と検出器の中心との間の直線とによって定義される、回折計のα角度に等しい。これは、回折計の2θの角度に対応するが、2次元検出器が使用されるので、反射は、可能な2θの角度という有限な範囲に沿って検出される。

0018

図2の図に示されるように、検出平面の中心は、検出器の2次元表面によってカバーされる、エバルト球の区域208の中心を決定する。エバルト球202は、逆格子空間において、角度206によって定義される平面内で回転するので、平面200内の格子点交わり、区域208内に包含されるエバルト球の領域と交わるそれらの格子点は、実空間において検出器によって検出される反射に対応する。これらの反射は、システムが結晶の異なる平面との回折条件を満たすようになると検出器の表面に出現し、満たさないようになると消滅する。しかしながら、これらの反射の検出は、運動の全範囲にわたって統合されるので、反射データのすべては、単一の検出器画像内に表現される。ビームのロッキング(rocking)方向に沿った走査のこの「圧縮」は、検出器の2次元範囲内におけるデータの迅速な収集を可能にするが、直交する次元における反射データの区別に関する情報は失われる。これは、一連の画像がロッキングビーム方向に沿って多くの増分位置の各々において収集される、従来のロッキングビーム曲線解析とは異なる。そのような解析の個々の画像は、走査の方向における反射の形状が決定されることを可能にする。しかしながら、そのような解析も、非常に時間を消費するデータ集約的なものである。対照的に、本発明の方法は非常に高速である。さらに、ほとんどの反射は本質的に対称であるので、検出器の平面内における反射の形状は、しばしば、反射形状に関する十分な情報を提供する。

0019

図2を再び参照すると、本発明を使用して収集された単一の検出器画像は、平面200内の異なる格子点に対応する複数の反射を含む。これらは、図2の座標系ではx−z平面である回転の平面に沿って存在する「軸上(on−axis)」反射を含む。しかしながら、2次元検出器によってカバーされるエバルト球の区域208は、この平面を越えて広がるので、「軸外(off−axis)」反射、すなわち、回転の平面内にないものも検出される。エバルト球の湾曲のために、検出器画像において収集される軸上反射および軸外反射は、互いに対して直線的な位置関係を有しない。しかしながら、それらは、それにも拘わらず、画像において同じ基準系内にあり、逆格子の構造を示す相対空間分布を有する。結晶構造および回折計システムのパラメータについての適切な知識とともに、検出された様々な反射は、逆格子空間マップの構成において使用されることができる。

0020

当技術分野において知られているように、図2に示されたx−z平面などの回転の平面内にある逆格子点は、00L系列の平面からの反射に対応する。この系列の平面は、例えば、結晶の単位格子の1つの次元(すなわち、「高さ」)を表す。したがって、エバルト球は、図2に示されるように回転するので、z軸に沿ったこれらの軸上格子点遭遇され、その結果発生させられた反射が検出される。上で言及されたように、軸外格子点に対応する、z平面のどちらかの側への反射も検出される。これらの反射は、結晶の単位格子の「幅」など、他の格子定数を示す。したがって、適切な構成を与えられると、本発明は、単一の走査から、面内格子定数および面外格子定数の両方を同時に計算することができる。

0021

かつては、この類の逆格子空間マッピングは、一般に、軸上反射データを収集する点検出器または線検出器を使用して行われた。したがって、回転の平面の外側の格子点の決定は、検出器の物理的な再位置付けを必要とした。このようにしてより全般的な情報が収集されるが、再位置付けは、異なる反射の相対ロケーションの決定において誤差を生じさせる。それは、また、完全なデータセットを収集するのに必要な時間を大きく増加させ、それは、何時間も掛かることがあり、または数日掛かることさえあった。本実施形態における多次元検出器を使用することによって、この収集時間は大幅に短縮され、再位置付け誤差が解消される。軸上反射と軸外反射との間の位置関係は、非直線的であるが、それは、(例えば、非特許文献1において開示されているような)数学的関係によって定義され、未知の再位置付け誤差は、存在しない。

0022

本発明は、また、多層結晶性材料の分析において、特定の用途を見出す。これの一般的な例は、1または複数の薄膜が下層の基板上にあるケースである。そのようなケースにおいては、2つの異なる材料は、重ね合わされた逆格子によって表される、それらの結晶性構造の相違を有する。そのようなケースにおいては、上で説明されたようなロッキングビーム走査におけるような、走査方向にわたって統合される、2次元検出器を用いた反射データの収集は、層の各々から発する反射からのデータを含む単一の画像を生成する。そのようなケースにおいては、基板反射が、薄膜層からの反射のための位置基準として使用される。

0023

図3は、結晶基板上の薄膜など、2層結晶構造によるX線ビームの回折についての概略図である。この実施形態においては結晶基板である第1の層300は、基板300の表面上の結晶薄膜である第2の層302に隣接している。2つの層は、図においてはサイズが類似しているように示されているが、この表現は実寸に比例しておらず、薄膜302は、しばしば、基板300よりもはるかに薄いことを、当業者は理解できる。基板の結晶格子内における関心(interest)平面304は、基板層300と関連付けられる。この平面が、入射X線ビーム306についての回折条件を満たした場合、適切に配置された検出器によって測定される反射310が形成される。材料302の原子面308は、入射ビームのロッキング運動中に、類似の回折条件を受けており、反射312という結果となる。2次元検出器を使用することによって、基板層および薄膜層の両方についての多数のデータ点が同時に収集される。

0024

図3の配置に似た配置においては、2つの層の各々によって発生させられる反射が存在する。従来の検出システムにおいては、反射データは、点検出器または線検出器を使用して、別々の走査において収集され、そのため、反射データ間のいずれの空間的基準も、回折測定システムの較正、および含まれる構成要素の精度に依存する。しかしながら、本発明においては、2次元検出器を用いる軸上反射データおよび軸外反射データの同時の収集が、システムの較正に依存しない、検出された反射間の空間的基準を提供する。したがって、反射データは、2つの材料の逆格子が、あたかも互いに重ね合わされているかのように処理される。

0025

本発明の一実施形態においては、基板反射は、例えば、シリコン(Si)ウエハなど、既知の材料からであり、一方、第2の層は、未知の材料の薄膜である。その場合、多次元検出器を使用して、逆格子空間の大きい部分が同時に収集される。検出器に対する入射ビームの角度を維持しながら、入射角度を連続的に動かすことによって、逆格子空間の投影が入射ビームのロッキング方向において統合されて成るマップが、収集されることができる。

0026

既知の基板材料と未知の薄膜材料の逆格子が重ね合わされるので、基板反射、このケースではSiウエハ反射が、未知の薄膜材料の正確な座標の決定、したがって実空間格子定数の計算のための標準的な基準として、使用されることができる。反射は単一の基準系において収集されているので、既知の基板の反射は、それらが未知の薄膜のそれと同じ向きを共有していないとしても、標準として使用されることができる。これは、逆格子空間を通る単一のベクトル走査が使用されるか、または、逆格子空間を通して平面断面マップになるように後処理(post−processed)される点の系列を収集するために、0Dもしくは1D検出器が使用される従来の方法と対照的である。

0027

上述の方法における投影は、入射ビームのロッキング方向に沿った畳み込みであるので、XおよびYの絶対座標は、ベクトル解析を使用して、逆畳み込みされなければならない。しかしながら、材料における原子間隔を決定するのに必要であるのは、しばしば、このベクトルの大きさだけである。生データがひとたび収集されると、それは、(例えば、非特許文献1において開示されているような)既知のアルゴリズムを使用して統合され、強度対2θのグラフにすることができる。このグラフは、その後、粉末材料の分析のために一般に実行されるような、全パターンフィッティング技法を使用して、モデル構造にフィッティングさせることができる。

0028

図4は、2次元シータ統合逆格子空間画像を示す。この画像内には、既知の基板および機能的薄膜層から成る試料から収集されたデータ系列が示される。F001、F002、F103/F−103、F004、F303/F−303、およびF204/F−204と示されるピークは、薄膜層に由来し、一方、S113/S−113、S004、S224/S−224、およびS115/S−115と示されるピークは、基板に由来する。ピークは、それらの近似的なロケーションに基づいてインデックス付けされている。当技術分野において知られているように、格子平面の群は、「ミラー指数」として知られる3つの整数(H,K,L)によって識別され、各インデックスは、逆格子ベクトル基底の方向に直交する平面を表す。例えば、ミラー指数100は、方向「H」に直交する平面を表し、指数010は、方向「K」に直交する平面を表し、指数001は、方向「L」に直交する平面を表す。したがって、ピークの識別は、基板層および薄膜層の全体的な構成を分析するための手段を提供する。

0029

図4の2次元画像においては、00Lの指数を有する中央線沿いのピークは、薄膜からの軸上反射を表し、面外格子定数を計算するために使用されることができる。その一方で、薄膜および基板の両方についての軸外反射(非ゼロ値の「H」および/または「K」を有するもの)も画像内に存在し、基板層および薄膜層の相対的な結晶方位および「面内」格子定数に関する有益な情報を提供する。0Dまたは1D検出器を用いる従来の回折においては、軸外反射は、軸上反射と同じ基準系内になく、したがって、正確な格子定数の導出のための基準ピークは存在しない。しかしながら、本発明の2次元検出器を用いて収集が行われる系内では、軸上00L反射が、軸外反射のための基準として、使用されることができる。特に、K=0(103、303、204)である薄膜ピークおよびH=K(113、224、115)である基板ピークが中央線の上下両方に存在することは、薄膜が、基板に対して45度の面内関係を有することを示している。

0030

図5は、図4のデータから抽出された1次元走査のグラフ表現である。データは、上で説明された既知のアルゴリズムを使用して、2θ対強度のグラフに統合された。この例においては、その後、面内格子定数および面外格子定数を決定するために、(ウィスコシン州マディソンのBruker AXS, Inc.によって製造される)構造分析ソフトウェア「DIFFRAC.TOPAS」を使用して、軸上反射および軸外反射が同時にフィッティングさせられた。データのフィッティングは、基板については立方Fm−3m相を、薄膜については正方p4/mmm相を仮定して実行された。単一の基準系内に00L反射およびHKL反射の両方が存在することにより、面外c軸格子定数および面内a軸格子定数の両方が、精密化されることができる。

0031

上で言及されたように、上述の例の薄膜および基板の格子定数は、薄膜のK=0軸外反射の、基板のH=K軸外反射とのアライメントとともに、2つの層の間に45度の面内関係が存在することを示している。これらの格子定数は、図5の挿入された表内に示されている。示されるように、基板についての空間群は、格子定数がa=0.543nmである立方Fm−3m相であることが仮定される。薄膜についての空間群は、格子定数がa=0.390およびc=0.389である、正方p4/mmm相であることが仮定される。これらの定数から、2つの層の間の空間関係が予測される。これが、図5A幾何学的に明示されている。

0032

図5Aは、上述の例の基板層と薄膜層の格子間隔の間の幾何学的関係を示す概略画である。薄膜材料の正方晶クラスは、ほぼ等しい2つの単位格子パラメータを含み、a−b平面内においては、結晶構造は、図に示された要素500によって示されるように、正方形によって表され、それは、第1の辺に沿って0.390nmの寸法を有する。(図5Aの要素502として示される)基板の立方形は、0.543nmに等しい辺を有し、したがって、この形の対角線寸法は、√2(0.543)2または0.768nmに等しいので、それは、幾何学的に関係がある。この値は、薄膜層の0.390の寸法の2倍に非常に近く、図5Aに示されるように、45°の角度で回転させられた場合、基板形の内にほぼフィットする。2つの層の格子定数の間のこの幾何学的関係のおかげで、上で説明されたように、薄膜層が基板層に対してそのような45°の向きで自らを配置する可能性が高い。

0033

複数結晶層試料の分析に対する適用性に加えて、本発明の2次元検出方法は、単一結晶材料の相対的な結晶方位の決定のためにも使用されることを当業者は認識できる。したがって、図4の検出器画像内に表された基板などの材料の場合、単一の2次元画像内の異なる基板反射のロケーションが、結晶方位を確定するために使用される。2次元シータ統合逆格子空間画像の中心軸に沿って見出される基板反射のミラー指数を、中心軸から外れたところに見出される基板反射のミラー指数と比較することによって、ある結晶方位特性を決定することが可能である。例えば、図4においては、中心軸から外れたH=K L反射(すなわち、S113、S224、およびS115)の存在は、H0Lまたは0KL軸が、走査方向に沿って位置付けられていることを示している。

0034

本発明が、例示的な実施形態を参照して示され、説明されたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細についての様々な変更が本明細書において行われることが当業者によって認識される。

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