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技術 ビス(2−ヒドロキシアルキル)−2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソイソインドリン−5−カルボキシレート)を含むコポリエステルイミドおよびそれから製造された物品

出願人 デュポンテイジンフィルムズユー.エス.リミテッドパートナーシップ
発明者 サンキースティーヴンウィリアムターナーデイヴィッドコフーンハワードジョーンズスティーヴン
出願日 2015年6月19日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2016-573609
公開日 2017年7月20日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2017-519870
状態 特許登録済
技術分野 合成繊維 ポリエステル、ポリカーボネート 高分子成形体の製造
主要キーワード 水撃ポンプ 積算回転計 空気撹拌機 無機堆積物 操作ヘッド フィルム形成用ポリマー 大容量向け 靱性特性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月20日)のものです。
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図面 (1)

課題・解決手段

脂肪族グリコール芳香族ジカルボン酸および式(I)のモノマー由来する繰返し単位を含む、コポリエステル(式(I)) (I)(式中、n=2、3または4であり、コモノマー(I)が、コポリエステルのある割合のグリコール画分を構成する);ならびに前記コポリエステルを含むフィルム、繊維または成形用組成物または成形品

概要

背景

ガラス転移温度(Tg)、結晶融点(Tm)および結晶化度は、ポリエステル熱機械的特性を判定するときの主要なパラメーターである。従来の研究は、熱可塑性ポリマー、主にホモポリマーのTgを上昇させることに成功してきたが、こうしたTgの上昇は、一般的に、対応するTmの上昇によって達成されてきた。熱可塑性ポリマーは、(例えば、押出加工機内で)溶融加工できるままの状態にすべきものでもあり、好ましくは、経済的な条件下(例えば、従来の押出加工設備の使用が可能になる約320℃未満、好ましくは約300℃未満)で溶融加工できるままの状態にすべきものであるため、上述のTmの上昇は、不利なこともある。より高い加工温度においては、ポリマー押出加工は、高価な専用設備および多大なエネルギーを必要とし、一般的にはやはり、分解生成物をもたらす。溶融加工温度は、ポリマーの分解温度を十分に下回る(例えば、少なくとも約20℃下回る)べきである。一部の場合では、Tmを保持しながらTgを上昇させるためにコモノマーポリマー中に導入されてきたが、溶融物中での分解生成物の生成につながる分解温度とTmの収束ももたらしてきた。
より剛直なコモノマーの導入によりポリエステルのガラス転移温度を高めるために、数多くの試みがなされてきた。しかしながら、こうしたより剛直なコモノマーは、結晶格子中へのポリマー鎖充填を乱し、この結果、Tgは上昇するが、Tmと結晶化度の両方が、コモノマーの割合が増大するにつれて一般的に低下し、最終的には、非晶質材料につながることにもなる。ポリマー材料から物品製作するためには、ポリマーが、許容される熱機械的特性を有する物品を達成するように結晶度を示すことが、しばしば重要である。

ポリエチレンテレフタレート)(PET)は、78℃のガラス転移温度(Tg)および260℃の結晶融点(Tm)を有する半結晶性コポリマーである。ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)は、PETに比べてより高いガラス転移温度(Tg=120℃)を有する半結晶性コポリマーであるが、PENとPETの結晶融点は、大きく相違しない(PENの場合、Tm=268℃)。PENの熱機械的安定性は、PETの熱機械的安定性より顕著に高い。より剛直なコモノマーの導入によってTgを高めるためになされた試みの多くは、PENより顕著に安価なPETに焦点を当ててきた。PENより高いTgを有する市販の半結晶性ポリエステルは存在しない。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、数例ある高いTg(約143℃〜146℃まで)の半結晶性熱可塑性ポリマーの1種であり、エンジニアリング用途および生物医学用途においてうまく使用されてきた。しかしながら、PEEKは、特定の種類の物品用にのみ適しており、例えば、二軸配向フィルム製造用には適していない。PEEKは、非常に高価でもあり、高い結晶融点(約350℃)を有する。

概要

脂肪族グリコール芳香族ジカルボン酸および式(I)のモノマー由来する繰返し単位を含む、コポリエステル(式(I)) (I)(式中、n=2、3または4であり、コモノマー(I)が、コポリエステルのある割合のグリコール画分を構成する);ならびに前記コポリエステルを含むフィルム、繊維または成形用組成物または成形品

目的

本発明の一目的は、改善された耐熱性および熱機械的安定性を示すポリエステルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

脂肪族グリコール芳香族ジカルボン酸および式(I)のモノマー由来する繰返し単位を含む、コポリエステル。(I)(式中、n=2、3または4であり、コモノマー(I)が、コポリエステルのある割合のグリコール画分を構成する)

請求項2

モノマー(I)が、コポリエステルのグリコール画分の約1mol%〜約50mol%までの範囲で存在する、請求項1に記載のコポリエステル。

請求項3

モノマー(I)が、コポリエステルのグリコール画分の約15mol%以下の量で存在する、請求項1または2に記載のコポリエステル。

請求項4

脂肪族グリコールが、C2、C3またはC4脂肪族ジオールから選択される、請求項1から3のいずれかに記載のコポリエステル。

請求項5

脂肪族グリコールが、エチレングリコールである、請求項1から4のいずれかに記載のコポリエステル。

請求項6

脂肪族グリコール中の炭素原子の数が、コモノマー(I)中の数(n)と同じである、請求項1から5のいずれかに記載のコポリエステル。

請求項7

n=2である、請求項1から6のいずれかに記載のコポリエステル。

請求項8

芳香族ジカルボン酸が、ナフタレンジカルボン酸およびテレフタル酸から選択される、請求項1から7のいずれかに記載のコポリエステル。

請求項9

芳香族ジカルボン酸が、2,6−ナフタレンジカルボン酸である、請求項1から8のいずれかに記載のコポリエステル。

請求項10

式(III)を有する、請求項1から9のいずれかに記載のコポリエステル。(III)(式中、n=2、3または4であり;X基は、前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり;pおよびqは、それぞれ脂肪族グリコール含有繰返しエステル単位モル分率およびモノマー(I)含有繰返しエステル単位のモル分率である)

請求項11

芳香族ジカルボン酸が、テレフタル酸である、請求項1から8のいずれかに記載のコポリエステル。

請求項12

芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸であり、コポリエステルが、式(IV)を有する、請求項1から8のいずれかに記載のコポリエステル。(IV)(式中、n=2、3または4であり;X基は、前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり;pおよびqは、それぞれ脂肪族グリコール含有繰返しエステル単位のモル分率およびモノマー(I)含有繰返しエステル単位のモル分率である)

請求項13

請求項1から12のいずれかに記載のコポリエステルを含む、ポリエステルフィルム

請求項14

配向フィルム、特に二軸配向フィルムである、請求項13に記載のポリエステルフィルム。

請求項15

前記配向フィルムが、ASTMD1003によって測定して約10%以下のヘイズおよび/または少なくとも約80%の全光線透過率を示す、請求項14に記載のフィルム

請求項16

前記芳香族ジカルボン酸が、ナフタレンジカルボン酸であり、フィルムの結晶化度が、0%結晶性ポリエチレンナフタレート(PEN)の密度が1.325g/cm3であり100%結晶性PENの密度が1.407g/cm3であることに基づいてフィルム密度から計算して少なくとも約10%であり;または、前記芳香族ジカルボン酸が、テレフタル酸であり、フィルムの結晶化度が、0%結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)の密度が1.335g/cm3であり100%結晶性PETの密度が1.455g/cm3であることに基づいてフィルム密度から計算して少なくとも約10%である、請求項13、14または15に記載のフィルム。

請求項17

請求項1から12のいずれかに記載のコポリエステルを含む、繊維または成形用組成物または成形品

技術分野

0001

本発明は、新規ポリエステルならびにそれから製造されたフィルムおよび他の物品、ならびにその合成のための方法にも関する。特に、本発明は、改善された耐熱性および熱機械的定性を示す新規な芳香族カルボン酸コポリマー、特にポリアルキレンナフタレート)のコポリマーおよびポリ(アルキレンテレフタレート)のコポリマーに関する。

背景技術

0002

ガラス転移温度(Tg)、結晶融点(Tm)および結晶化度は、ポリエステルの熱機械的特性を判定するときの主要なパラメーターである。従来の研究は、熱可塑性ポリマー、主にホモポリマーのTgを上昇させることに成功してきたが、こうしたTgの上昇は、一般的に、対応するTmの上昇によって達成されてきた。熱可塑性ポリマーは、(例えば、押出加工機内で)溶融加工できるままの状態にすべきものでもあり、好ましくは、経済的な条件下(例えば、従来の押出加工設備の使用が可能になる約320℃未満、好ましくは約300℃未満)で溶融加工できるままの状態にすべきものであるため、上述のTmの上昇は、不利なこともある。より高い加工温度においては、ポリマー押出加工は、高価な専用設備および多大なエネルギーを必要とし、一般的にはやはり、分解生成物をもたらす。溶融加工温度は、ポリマーの分解温度を十分に下回る(例えば、少なくとも約20℃下回る)べきである。一部の場合では、Tmを保持しながらTgを上昇させるためにコモノマーポリマー中に導入されてきたが、溶融物中での分解生成物の生成につながる分解温度とTmの収束ももたらしてきた。
より剛直なコモノマーの導入によりポリエステルのガラス転移温度を高めるために、数多くの試みがなされてきた。しかしながら、こうしたより剛直なコモノマーは、結晶格子中へのポリマー鎖充填を乱し、この結果、Tgは上昇するが、Tmと結晶化度の両方が、コモノマーの割合が増大するにつれて一般的に低下し、最終的には、非晶質材料につながることにもなる。ポリマー材料から物品を製作するためには、ポリマーが、許容される熱機械的特性を有する物品を達成するように結晶度を示すことが、しばしば重要である。

0003

ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)は、78℃のガラス転移温度(Tg)および260℃の結晶融点(Tm)を有する半結晶性コポリマーである。ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)は、PETに比べてより高いガラス転移温度(Tg=120℃)を有する半結晶性コポリマーであるが、PENとPETの結晶融点は、大きく相違しない(PENの場合、Tm=268℃)。PENの熱機械的安定性は、PETの熱機械的安定性より顕著に高い。より剛直なコモノマーの導入によってTgを高めるためになされた試みの多くは、PENより顕著に安価なPETに焦点を当ててきた。PENより高いTgを有する市販の半結晶性ポリエステルは存在しない。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、数例ある高いTg(約143℃〜146℃まで)の半結晶性熱可塑性ポリマーの1種であり、エンジニアリング用途および生物医学用途においてうまく使用されてきた。しかしながら、PEEKは、特定の種類の物品用にのみ適しており、例えば、二軸配向フィルム製造用には適していない。PEEKは、非常に高価でもあり、高い結晶融点(約350℃)を有する。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の一目的は、改善された耐熱性および熱機械的安定性を示すポリエステルを提供することである。本発明のさらなる目的は、高いまたは上昇したTgを有するが経済的な条件下でもはや溶融加工できなくなる地点にまではTmを上昇させていないポリマーである、熱可塑性ポリマー(すなわち、熱可塑ポリマーは、約320℃未満、好ましくは約300℃未満において溶融加工できる状態のままであるべきである)を提供することである。本発明のさらなる目的は、高いTgおよび高いTmを示す半結晶性ポリエステルを提供することである。本発明のさらなる目的は、ポリエステルのTmおよび/または結晶化度を顕著に低下させることなく、好ましくはポリエステルの分解温度を顕著に低下させることなく、ポリエステルのTgを上昇させることである。

0005

本明細書において使用される場合、「Tmを顕著に低下させることなく」という用語は、Tmが、10%以下低下し、好ましくは5%以下低下することを意味する。
本明細書において使用される場合、「結晶化度を顕著に低下させること」という用語は、ポリエステルが、商業的に有用であり、約10%〜約60%までの範囲、好ましくは約20%〜約50%までの範囲の結晶化度を好ましくは保持することを意味する。
本発明のさらなる目的は、対応するベースポリエステルのTmおよび/または結晶化度を顕著に低下させることなく、好ましくは対応するベースポリエステルの分解温度を顕著に低下させることなく、対応するベースポリエステルより高いTgを有するコポリエステルを提供することである。

0006

本発明のさらなる目的は、従来のポリエステルのTmおよび/または結晶化度を顕著に低下させることなく、好ましくは従来のポリエステルの分解温度を顕著に低下させることなく、前記ポリエステルのTgを上昇させる、従来のポリエステル中のモノマー部分置換用に適したコモノマーの使用を提供することである。
本発明の目的は、Tmの上昇を除外しないが、いかなるTmの上昇も、溶融加工が非経済的になり、Tmと分解温度が収束してしまうほどに大きいものであってはならない。
上記の本発明の目的はこれらの目的の基礎をなす目的として、特に(許容される熱機械的特性を達成するために)そのコポリエステル物品の結晶化度を顕著に低下させることなく、好ましくは分解温度を顕著に低下させることもなく、対応するベースポリエステルより高いTgを有するが経済的な条件下でもはや溶融加工できなくなる地点にまではTmを顕著に上昇させていないポリマーである、コポリエステルから製造されたコポリエステル物品の提供を伴う。
本発明のさらなる目的は、良好な光学的特性、特に高い清澄度および/または透明度を有する上記コポリエステルおよび物品を提供することである。工業的用途、特に半結晶性配向フィルムの製造におけるPETおよびPENの利点の1つは、透明度である。本発明の一目的は、耐熱性および熱機械的安定性を高めながら、PETおよびPENの望ましい光学的特性を保持することである。

0007

本明細書において使用される場合、「コポリエステル」という用語は、エステル結合を含み3種以上の種類のコモノマーに由来するポリマーを指す。本明細書において使用される場合、「対応するベースポリエステル」という用語は、エステル結合を含み、エステル形成作用のある官能基を含む2種類のコモノマーに由来しており、この対応するベースポリエステルのコモノマーを含みコモノマーに由来するコポリエステルのための比較基準として働く、ポリマーを指す。エステル形成作用のある官能基を含むコモノマーは、好ましくは、2個のエステル形成作用のある官能基を有する。
本明細書において使用される場合、「半結晶性」という用語は、本明細書において記載される試験に従って測定して少なくとも約5%の結晶化度、好ましくは少なくとも約10%の結晶化度、好ましくは少なくとも約15%の結晶化度、好ましくは少なくとも約20%の結晶化度を意味することを意図している。

課題を解決するための手段

0008

したがって、本発明は、脂肪族グリコール芳香族ジカルボン酸(好ましくは、テレフタル酸およびナフタレンジカルボン酸から選択される)および式(I)のモノマーに由来する繰返し単位を含む、コポリエステルを提供する。



(I)
(式中、
n=2、3または4であり、好ましくはn=2であり;
コモノマー(I)が、コポリエステルのある割合のグリコール画分を構成する)

0009

式(I)のモノマーは、本明細書において、ビス(2−ヒドロキシアルキル)−2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソイソインドリン−5−カルボキシレート)(PDOIC)と呼ばれる。n=2である場合、式(I)のモノマーは、式(II)を有する。



(II)

0010

驚くべきことに、本発明者らは、ポリエステル中への特定のコモノマー(I)の組込みが、ポリエステルのTgを大幅に上昇させるだけでなく、それから製造された物品の結晶度を顕著に損失させずにポリエステルのTgを大幅に上昇させることを見出した。このようなTgの大幅な上昇は、Tmを顕著に上昇させることなく達成される。本明細書において記載されるコポリエステルは、熱可塑性である。本明細書において記載されるコポリエステルおよびそれから製造された物品は、半結晶特性を示す。本明細書において記載されるコポリエステルは、高分子量にした状態で容易に得ることができる。本明細書において記載されるコポリエステルは、320℃未満(好ましくは、300℃未満)において溶融加工して、じん性のある高強度の物品にすることができる。コポリエステルは、本明細書において、コ(ポリエステルイミド)とも呼ばれる。

0011

コモノマー(I)は、コポリエステルのある割合のグリコール画分を構成する。好ましい一実施形態において、コモノマー(I)は、コポリエステルのグリコール画分の約50mol%以下の量、好ましくは約40mol%以下の量、好ましくは約30mol%以下の量、好ましくは約20mol%以下の量で存在し、一実施形態において、約15mol%以下の量で存在し、さらなる実施形態において、約10mol%以下の量で存在する。好ましくは、コモノマーは、コポリエステルのグリコール画分の少なくとも約1mol%の量、より好ましくは少なくとも約3mol%(すなわち、3mol%または3mol%超)の量、より好ましくは少なくとも約4mol%(すなわち、4mol%または4mol%超)の量、より好ましくは少なくとも約5mol%(すなわち、5mol%または5mol%超)の量で存在する。

0012

芳香族酸がテレフタル酸である場合、コモノマー(I)は、好ましくは、約15mol%以下の量で存在する。
芳香族酸がナフタレンジカルボン酸である実施形態において、コモノマー(I)は、約15mol%以下の量で存在し得る。

0013

本発明者らは、コモノマー(I)のモル分率が低いときにさえ、少ないが価値あるTgの上昇が認められることを観察してきた。例えば、n=2である5mol%のみのコモノマー(I)を含むコポリエステルは、良好な結晶化度を保持しながら、顕著なTgの上昇を示す。
芳香族ジカルボン酸は、好ましくは、テレフタル酸およびナフタレンジカルボン酸から選択される。本発明において使用され得る他の芳香族ジカルボン酸には、イソフタル酸およびフタル酸が挙げられる。ナフタレンジカルボン酸は、2,5−、2,6−または2,7−ナフタレンジカルボン酸から選択することができ、好ましくは、2,6−ナフタレンジカルボン酸である。

0014

脂肪族グリコールは、好ましくはC2、C3またはC4脂肪族ジオールから選択され、より好ましくはエチレングリコール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールから選択され、より好ましくはエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールから選択され、最も好ましくはエチレングリコールである。脂肪族グリコール中の炭素原子の数は、コモノマー(I)中の数(n)と同じであっても異なっていてもよいが、最も好ましくは、結晶度を保持するために同じであり、特に、コモノマーの量を増大させながら結晶度を保持するために同じである。したがって、脂肪族グリコールは、好ましくは、式HO(CH2)mOH(式中、m=nである)を有する。

0015

一実施形態において、脂肪族グリコールは、1,4−ブタンジオールであり、n=4である。好ましい一実施形態において、脂肪族グリコールは、エチレングリコールであり、n=2である。
酸性成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸から選択されるコポリエステルは、下記式(III)によって表すことができる。



(III)
(式中、
nは、式(I)に関して規定されたとおりであり;
X基は、前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり;
pおよびqは、本明細書において上記で規定されたように(すなわち、qは、好ましくは50以下であり、p=100−qである)、それぞれ脂肪族グリコール含有繰返しエステル単位のモル分率およびモノマー(I)含有繰返しエステル単位のモル分率である)

0016

酸性成分がテレフタル酸から選択されるコポリエステルは、下記式(IV)によって表すことができる。



(IV)
(式中、n、X、pおよびqは、上記の通りである)

0017

コポリエステルは、1種より多い種類の上記脂肪族グリコールおよび/または1種より多い種類の式(I)のモノマー(すなわち、nの値が異なる複数の種類のモノマー)を含有し得る。しかしながら、好ましくは、コポリエステルは、単一の種類の上記脂肪族グリコールを含む。好ましくは、コポリエステルは、単一の種類の式(I)のモノマーを含む。好ましくは、コポリエステルは、単一の種類の上記脂肪族グリコールおよび単一の種類の式(I)のモノマーを含む。コポリエステルが1種より多い種類の前記脂肪族グリコールを含有する場合、好ましくは、コポリエステルは、より多い方の脂肪族グリコール画分としての単一の種類の前記脂肪族グリコール、および、より少ない方の脂肪族グリコール画分としての1種類または異なる複数の種類の前記脂肪族グリコールを含み、前記1種類または異なる複数の種類の前記脂肪族グリコールが、合計グリコール画分の10mol%以下、好ましくは5mol%以下、好ましくは1mol%以下を構成する。同様に、コポリエステルが1種より多い種類の式(I)の前記モノマーを含有する場合、好ましくは、コポリエステルは、より多い方の画分としての単一の種類の式(I)の前記モノマー、および、より少ない方の画分としての1種類または異なる複数の種類の式(I)の前記モノマーを含み、前記より少ない方の画分としての1種類または異なる複数の種類の式(I)のモノマーが、合計モノマー(I)画分の10mol%以下、好ましくは5mol%以下、好ましくは1mol%以下を構成する。コポリエステルは、少量の他のグリコールを含有してもよく、好ましい一実施形態において、このような少量の他のグリコールは、合計グリコール画分の10mol%以下、好ましくは5mol%以下、好ましくは1mol%以下を構成するが、性能を最大化するためには、グリコール画分が、上記のコモノマー(I)および前記脂肪族グリコールからなることが好ましい。

0018

本明細書において記載されるコポリエステルは、1種より多い種類のカルボン酸を含有し得る。このように本コポリエステルが1種より多い種類のカルボン酸を含有する実施形態において、コポリエステルは、本明細書において上述されたように好ましくはテレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸である第1の芳香族ジカルボン酸、および1種または複数のさらなるカルボン酸を含む。さらなるカルボン酸は、少量(合計酸性画分の好ましくは10mol%以下、好ましくは5mol%以下、好ましくは1mol%以下)で存在しており、前記第1の芳香族カルボン酸と異なる。さらなるカルボン酸は、好ましくはジカルボン酸から選択され、好ましくは、例えばテレフタル酸(第1の芳香族ジカルボン酸がナフタレンジカルボン酸である場合)、ナフタレンジカルボン酸(第1の芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸である場合)、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸および4,4’−ジフェニルジカルボン酸が挙げられる芳香族ジカルボン酸から選択される。上記のように本コポリエステルが1種より多い種類のカルボン酸を含有する実施形態において、第1の芳香族ジカルボン酸は、ナフタレンジカルボン酸の1種の異性体であり得るが、さらなるジカルボン酸は、ナフタレンジカルボン酸の他の異性体から選択してもよい。

0019

しかしながら、好ましくは、酸性画分は、本明細書において上述された単一の芳香族ジカルボン酸からなる。

0020

したがって、本明細書において記載されるコポリエステルは、好ましくは、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸(好ましくは、テレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸)および本明細書において上記で規定された式(I)のモノマーのみを含有する。

0021

本明細書において記載されるコポリエステルは、一般的に最大約310℃の温度における縮合またはエステル交換による、ポリエステル材料の製造のための従来の技法に従って合成することができる。重縮合は、固相重合SSP)段階を含み得る。固相重合は、例えば窒素によって流動体化された流動層中で実施することもできるし、または、回転真空乾燥機を使用して真空流動層中で実施することもできる。適切な固相重合技法は、例えばEP−A−0419400において開示されており、EP−A−0419400の開示は、参照により本明細書に組み込む。したがって、SSPは一般的に、ポリマーの結晶融点(Tm)より10℃〜50℃低いが、ガラス転移温度(Tg)より高い温度で実施される。劣化を防止するために、乾燥窒素不活性雰囲気または真空が使用される。一実施形態において、コポリエステルは、触媒残留物、望ましくない無機堆積物およびポリマー製造における他の副生成物等の汚染物質のレベルが低減されたポリマー材料をもたらすゲルマニウムベース触媒を使用して調製される。したがって、本発明のさらなる態様によれば、
(i)前記脂肪族グリコールを前記芳香族ジカルボン酸と反応させて、前記芳香族ジカルボン酸のビス(ヒドロキシアルキル)エステルを形成するステップ;ならびに
(ii)触媒の存在下において高温および加圧の条件下で、前記芳香族ジカルボン酸の前記ビス(ヒドロキシアルキル)エステルをモノマー(I)と反応させるステップ
を含む、本明細書において規定されたコポリエステルを調製するための方法が提供される。

0022

一実施形態において、脂肪族グリコールをナフタレンジカルボン酸と反応させて、ビス(ヒドロキシアルキル)ナフタレートを形成し、次いでこのビス(ヒドロキシアルキル)ナフタレートを、触媒の存在下において高温および加圧の条件下で、所望のモル比のモノマー(I)と反応させる。さらなる実施形態において、脂肪族グリコールをテレフタル酸と反応させて、ビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレートを形成し、次いでこのビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレートを、本明細書の下記におけるスキーム(1)で例示されているように、触媒の存在下において高温および加圧の条件下で、所望のモル比のモノマー(I)と反応させる。

0023

本明細書において上述された本発明による方法は、有利なことに、高い選択性および高い収率を伴うコポリエステルの調製を可能にする。本方法は有利なことに、信頼性と再現性のある重合を容易にし、安全で経済的な方法でスケールアップを可能にする、安定で比較的迅速な反応も提供し、生成物均一性も改善する。
本発明のさらなる態様によれば、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸および式(I)(コモノマー(I)が、コポリエステルのある割合のグリコール画分を構成する)のモノマーに由来する繰返し単位を含む、コポリエステルであって、本明細書において上述された本発明による方法によって得ることができる、コポリエステルが提供される。

0024

本明細書において記載されるコポリエステルは、高温への曝露を伴う用途および高い熱機械的性能を要求する用途における使用に特に適している。コポリエステルは、機械部品ベアリングピストンパーツポンプおよびコンプレッサー用プレートバルブ等);ケーブル絶縁材超高真空用途のための部品先進バイオマテリアル医療用インプラントを含む);ならびに航空宇宙産業自動車産業テレトロクス産業(teletronic industry)および化学プロセス産業における他の用途を含む、PEEKが使用されてきた用途における品物を製作するために使用することができる。PEEKを上回る本明細書において記載されるコポリエステルの利点の1つは、本コポリエステルが、PEEKのTg値に近いTg値を示すが、PEEKより顕著に低いTmを有することである。本発明のコポリエステルは、フィルム形態もしくは繊維形態において使用することもできるし、または成形用組成物において使用することもできる。本明細書において記載されるコポリエステル、特にPETベースコポリエステルは、ボトル、特に滅菌可能な型のボトルおよび再使用可能な型のボトルを製造するために使用することもできる。

0025

驚くべきことに、本発明者らは、芳香族ポリエステル(好ましくは、テレフタレートポリエステルまたはナフタレートポリエステル)中への特定のコモノマー(I)の組込みが、芳香族ポリエステルのTgを大幅に上昇させるだけでなく、それから製造された物品(特に、フィルム)の結晶度を顕著に損失させずに芳香族ポリエステルのTgを大幅に上昇させることを見出した。このようなTgの大幅な上昇は、Tmを顕著に上昇させることなく達成される。本明細書において記載されるコポリエステルから製造された物品(特に、フィルム)は、半結晶特性を示す。

0026

本発明のコポリエステルは、フィルム製造用に特に適している。二軸配向フィルムは、磁気記録媒体、特に、狭いが安定なトラックピッチを可能にし、より高い密度またはより大きな容量の情報を記録できるようにするために低減されたトラック振れ量を示すことが必要な磁気記録媒体、例えば、LTO(リニアテープオープンフォーマット等のサーバーバックアップデータストレージとして適した磁気記録媒体のためのベースフィルムとして特に有用である。本発明のコポリエステルは、熱機械的に安定なバックプレーン完成製品の製作中に重要である電子デバイスおよび光電子デバイス(特に、フィルムが柔軟性をもつことが必要とされる)における使用、例えば、エレクトロルミネセント(EL)ディスプレイデバイス(特に、有機発光ディスプレイ(OLED)デバイス)、電気泳動ディスプレイ電子ペーパー)、光起電力PVセルおよび半導体デバイス(一般に、有機電界効果トランジスタ薄膜トランジスタおよび集積回路等)の製造、特に、柔軟性のある上述のデバイスの製造における使用のためのフィルム(好ましくは、二軸配向フィルム)の製造用にも適している。

0027

本発明のさらなる態様によれば、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸および本明細書において上記で規定された式(I)のモノマーに由来する繰返し単位を含むコポリエステルを含む、フィルムが提供される。フィルムは、好ましくは配向フィルムであり、好ましくは二軸配向フィルムである。前記コポリエステルは、好ましくは、フィルムの主要な成分であり、フィルムの合計質量の少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも65質量%、好ましくは少なくとも80質量%、好ましくは少なくとも90質量%、好ましくは少なくとも95質量%を構成する。前記コポリエステルは、好適には、フィルム中に使用されている唯一のポリエステルである。

0028

本発明の半結晶性フィルムは、本明細書において記載される密度法に従って測定して少なくとも約5%の結晶化度、好ましくは少なくとも約10%の結晶化度、好ましくは少なくとも約15%の結晶化度、好ましくは少なくとも約20%の結晶化度、好ましくは少なくとも約25%の結晶化度を示す。したがって、本発明は、芳香族ジカルボン酸(または本明細書において規定された第1のジカルボン酸)が、ナフタレンジカルボン酸であり、フィルムの結晶化度が、0%結晶性ポリエチレンナフタレート(PEN)の密度が1.325g/cm3であり100%結晶性PENの密度が1.407g/cm3であることに基づいてフィルム密度から計算して少なくとも約5%(好ましくは10%、好ましくは15%、好ましくは20%、好ましくは25%)である、フィルムを提供し;芳香族ジカルボン酸(または本明細書において規定された第1のジカルボン酸)が、テレフタル酸であり、フィルムの結晶化度が、0%結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)の密度が1.335g/cm3であり100%結晶性PETの密度が1.455g/cm3であることに基づいてフィルム密度から計算して少なくとも約5%(好ましくは10%、好ましくは15%、好ましくは20%、好ましくは25%)である、フィルムをさらに提供する。
フィルムの形成は、当技術分野において周知の従来の押出加工技法によって実行することができる。一般論として、こうしたフィルムの形成の方法は、適切な温度範囲、例えば約280℃〜約300℃までの範囲の温度において溶融ポリマーの層を押出加工するステップ、押出物焼入れするステップおよび焼入れ済み押出物を配向するステップを含む。配向は、配向フィルムを製造するための当技術分野において公知の任意の方法、例えばチューブラー法またはフラットフィルム法によって実行することができる。二軸配向は、機械的特性物理的特性との満足組合せを達成するために、フィルムの面において互いに垂直な2つの方向に延伸加工することによって実行される。チューブラー法において、同時二軸配向は、熱可塑性ポリエステルチューブを押出加工し、続いて、このポリエステルチューブを焼入れし、再加熱した後、横方向配向を誘起するように内部気体の圧力によって膨張させ、長手方向配向を誘起する速度で引き出すことによって実行することができる。好ましいフラットフィルム法においては、フィルム形成用ポリエステルを、スロットダイの中を通して押出加工し、冷やされたキャスティングドラム上に迅速に焼入れして、ポリエステルが非晶質状態になるように確実に焼入れする。次いで配向を、ポリエステルのガラス転移温度より高い温度において、焼入れ済み押出物を少なくとも1つの方向に延伸することによって実行する。逐次配向は、平坦な焼入れ済み押出物を最初に、フィルム延伸機の中を通して1つの方向に、通常、長手方向すなわち前進方向に延伸し、次いで横方向にも延伸することによって実行することができる。押出物の前進方向延伸は、1組の回転ロール上で好都合に実行し、または2対のニップロール間で好都合に実行し、次いで横方向延伸を、幅出し装置内で実行する。延伸は一般に、配向フィルムの寸法が、当該延伸方向またはそれぞれの延伸方向に向かって元々の寸法の2倍〜5倍までになり、より好ましくは2.5倍〜4.5倍までになるように実行される。一般的に、延伸は、ポリエステルのTgより高い温度、好ましくはTgより約15℃高い温度で実施される。より大きな(例えば、最大約8倍の)延伸比も、ただ1つの方向への配向が必要とされる場合ならば使用することができる。縦方向と横方向とに等しく延伸することは必要でないが、このように等しく延伸することは、釣り合いのとれた特性が所望される場合ならば好ましい。

0029

延伸フィルムは、ポリエステルのガラス転移温度より高いがポリエステルの溶融温度より低い温度において、寸法を維持しながらヒートセットを行って、ポリエステルの所望の結晶化を誘起することによって寸法安定化することができ、このように寸法安定化されているのが好ましい。ヒートセット中、少量の寸法のゆるみが、「トーイン(toe−in)」として公知の手順により横方向(TD)に発生することもある。トーインは、2%〜4%程度の寸法の収縮を伴うことがあり得るが、プロセス方向または縦方向(MD)への同様の寸法のゆるみは、低い線張力が必要になることと、フィルムの制御および巻き取りに問題がつきまとうようになることとが理由になり、発生が困難である。実際のヒートセットの温度および時間は、フィルムの組成およびフィルムの所望の最終的な熱収縮に応じて変化するが、引裂き抵抗性等のフィルムの靱性特性を大幅に劣化させるように選択すべきでない。上記制約事項のもとでは、約150℃〜245℃まで(一般的に、少なくとも180℃)のヒートセット温度が、一般に望ましい。ヒートセット後、フィルムは一般的に、ポリエステルの所望の結晶度を誘起するために迅速に焼入れされる。

0030

一実施形態において、フィルムは、インライン式緩和段階の使用によってさらに安定化することができる。代替的には、緩和処理は、オフライン式に実施することもできる。このようにフィルムをさらに安定化するさらなるステップにおいて、フィルムは、ヒートセット段階の温度より低い温度において、MDおよびTDの張力を格段に低下させた状態で加熱される。フィルムが受ける張力は、低い張力であり、一般的にフィルム幅1m当たり5kg未満であり、好ましくはフィルム幅1m当たり3.5kg未満であり、より好ましくはフィルム幅1m当たり1〜約2.5kgまでの範囲であり、一般的にフィルム幅1m当たり1.5kg〜2kgまでの範囲である。フィルム速度を制御する緩和プロセスに関しては、フィルム速度の低下(およびこの結果としてのひずみ緩和の低減)は、一般的に、0%〜2.5%までの範囲であり、好ましくは0.5%〜2.0%までの範囲である。フィルムの横寸法は、熱安定化ステップ中に増大しない。熱安定化ステップのために使用すべき温度は、最終的なフィルムの特性に関して所望される組合せに応じて変化し得るが、温度をより高くすると、より良好な残留収縮特性、すなわち、より低い残留収縮特性がもたらされる。135℃〜250℃までの温度、好ましくは150℃〜230℃までの温度、より好ましくは170℃〜200℃までの温度が、一般に望ましい。加熱の持続期間は、使用される温度に依存するが、一般的に10秒〜40秒までの範囲であり、20秒〜30秒までの持続期間が好ましい。上記熱安定化プロセスは、平坦な構成および垂直な構成ならびに別個のプロセスステップとしての「オフライン式」またはフィルム製造プロセスの延長としての「インライン式」も含めて、種々の方法によって実施することができる。このようにして加工されたフィルムは、上述のヒートセット後の緩和なしで製造されたフィルムより小さな熱収縮を示す。

0031

フィルムは、ポリエステルフィルムの製造において従来利用されている任意の他の添加剤をさらに含み得る。したがって、抗酸化剤紫外線吸収剤加水分解安定剤、架橋剤、染料充填剤顔料空隙形成剤潤滑剤、ラジカル捕捉剤熱安定剤難燃剤および火炎抑制剤ブロッキング防止剤界面活性剤スリップ助剤光沢向上剤分解促進剤粘度調整剤ならびに分散安定剤等の作用物質を、必要に応じて組み込んでもよい。上述の成分は、従来の方法によりポリマー中に導入することができる。例えば、フィルム形成用ポリマーが由来するモノマー性反応物質と混合することにより、または上述の成分は、回転式配合もしくは乾式配合または押出機内でのコンパウンディングによってフィルム形成用ポリマーと混合することもでき、続いて冷却してもよく、通常、顆粒またはチップ粉砕され得る。マスターバッチ化技術を利用してもよい。フィルムは、製造中の操作性および巻き取り性(windability)を改善することができ、光学的特性を調節するために使用することもできる、粒子状充填剤を特に含み得る。粒子状充填剤は、例えば、粒子状無機充填剤(例えば、アルミナチタニアタルクおよびシリカ(特に、沈降シリカまたは珪藻シリカおよびシリカゲル)等の金属酸化物または半金属酸化物か焼陶土、ならびに、カルシウムおよびバリウム炭酸塩および硫酸塩等のアルカリ性金属塩)であり得る。

0032

フィルムの厚さは、約1μm〜約500μmまでの範囲であり得、一般的に約250μm以下であり得、一般的に約150μm以下であり得る。特に、本発明のフィルムが、磁気記録媒体における使用のためのものである場合、多層フィルムの厚さは、好適には約1μm〜約10μmまでの範囲、より好ましくは約2μm〜約10μmまでの範囲、より好ましくは約2μm〜約7μmまでの範囲、より好ましくは約3μm〜約7μmまでの範囲であり、一実施形態において、約4μm〜約6μmまでの範囲である。フィルムが、本明細書において記載される電子デバイスおよびディスプレイデバイス内に層として使用されるべき場合、多層フィルムの厚さは、一般的に約5μm〜約350μmまでの範囲であり、好ましくは約250μm以下であり、一実施形態において約100μm以下であり、さらなる実施形態において約50μm以下であり、一般的に少なくとも12μmであり、より一般的には少なくとも約20μmである。

0033

本発明のさらなる態様によれば、本明細書において記載されるフィルム(特に、二軸配向フィルム)を備える、電子デバイスまたは光電子デバイスが提供され、特に、エレクトロルミネセント(EL)ディスプレイデバイス(特に、有機発光ディスプレイ(OLED)デバイス)、電気泳動ディスプレイ(電子ペーパー)、光起電力(PV)セルおよび半導体デバイス(一般に、有機電界効果トランジスタ、薄膜トランジスタおよび集積回路等)等の電子デバイスまたは光電子デバイス、特に、柔軟性のある上述のデバイスが提供される。

0034

本発明のさらなる態様によれば、本明細書において記載されるフィルム(特に、二軸配向フィルム)をベースフィルムとして備え、磁性層を1つの表面上にさらに備える、磁気記録媒体が提供される。磁気記録媒体には例えば、QICまたはDLTおよびさらに容量が高い方式のSDLTまたはLTO等、リニアトラックシステムデータ記憶用テープが挙げられる。温度/湿度の変化によるベースフィルムの寸法変化は小さく、したがって、トラック振れ量の発生が少なくなっていて高密度および大容量向けに適した磁気記録媒体は、トラックピッチが、テープの大容量を確保するために狭められている場合であっても提供され得る。

0035

本発明のさらなる態様によれば、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸および本明細書において上記で規定された式(I)のモノマーに由来する繰返し単位を含むコポリエステルを含む、繊維または成形用組成物または成形品が提供される。繊維、成形用組成物または成形品は、当技術分野における従来の技法に従って製造することができる。本明細書において使用される場合、「成形品」という用語は、ボトルを含む。

0036

本発明のさらなる態様によれば、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸および式(I)のモノマーに由来する繰返し単位を含む、コポリエステルであって、コモノマー(I)が、コポリエステルのある割合のグリコール画分を構成しており、好ましくはコポリエステルのグリコール画分の約1mol%〜約50mol%までの範囲で存在しており、前記コポリエステルが、半結晶性である、コポリエステルが提供される。本明細書の上記におけるコポリエステルに関する一般の記述および特定の記述は、上記の本発明のさらなる態様のコポリエステルにも等しく当てはまる。本発明の半結晶性コポリエステルは、本明細書において記載される標準DSC方法に従って測定して少なくとも約5%の結晶化度、好ましくは少なくとも約10%の結晶化度、好ましくは少なくとも約15%の結晶化度、好ましくは少なくとも約20%の結晶化度を示す。結晶化度は、アニーリング技法またはSSP技法によって上昇させることができる。アニーリングは、ポリマーの結晶融点(Tm)未満でガラス転移温度(Tg)超において実施され、好ましくはTmより20℃〜80℃低くして実施され、好ましくは約160℃〜約230℃までで実施される。芳香族カルボン酸(または第1のジカルボン酸)がテレフタル酸であるコポリエステルの場合、好ましいアニーリング温度は、約160℃〜約220℃までの範囲である。カルボン酸(または第1のジカルボン酸)がナフタレンジカルボン酸であるコポリエステルの場合、好ましいアニーリング温度は、約180℃〜約230℃までの範囲である。アニーリング時間は、好ましくは約30分〜約4時間までであり、好ましくは約1〜約3時間までであり、好ましくは約2時間である。アニーリングは、不活性雰囲気下、好ましくは乾燥窒素中で実施される。

0037

下記試験方法を使用して、本明細書において開示される新規な化合物の特性を特性決定した。
(i)ガラス転移温度(Tg);冷結晶化(Tcc)の温度、結晶融点(Tm)および結晶化度(Xc)は、TA InstrumentsDSCQ2000を使用して示差走査熱量測定(DSC)によって測定した。逆の記載がない限り、測定は、ASTME1356−98において記載される方法に基づいて、下記の標準試験方法に従って実施した。試料を、走査の持続期間にわたって乾燥窒素の雰囲気下に維持した。50ml分-1の流量およびTzero Alパンを使用した。ホモポリマーおよび関連コポリマーの試料(5mg)を、前回熱履歴(加熱しながらの1回目の走査)を消去するために20℃分-1において20℃〜350℃まで最初に加熱した。350℃で2分等温に保持した後、試料を、20℃分-1において20℃に冷却した(冷却しながらの1回目の走査)。次いで試料を、20℃分-1において350℃に再加熱した(加熱しながらの2回目の走査)。Tg、TccおよびTmの値は、加熱しながらの2回目の走査から得たが、Tcは、冷却しながらの1回目の走査から得た。
Tgの値は、ASTM E1356−98において記載されるように、DSC走査(温度(℃)に対比させた熱流(W/g))において観察されたガラス転移外挿開始温度として判定した。
Tc、TccおよびTmの値を、DSC走査から、Tc、TccおよびTmのそれぞれの移り変わり発熱ピークまたは吸熱ピークとして判定した。

0038

このとき、ポリマーの結晶化度は、200℃で2時間アニーリングしておいた試料について測定した。試料のアニーリングを、ASTME1356−98において記載される方法に基づいて、下記試験方法に従って、窒素雰囲気下でTA InstrumentsDSCQ2000を使用してDSC加熱サイクル中に実施した。50ml分-1の流量およびTzero Alパンを使用した。試料(5mg)を、前回の熱履歴(加熱しながらの1回目の走査)を消去するために20℃分-1において20℃〜350℃まで最初に加熱した。350℃で2分等温に保持した後、試料を、20℃分-1において200℃に冷却し、この200℃の温度に2時間保持した後、20℃分-1において20℃に冷却した(冷却しながらの1回目の走査)。次いで試料を、20℃分-1において350℃に再加熱した(加熱しながらの2回目の走査)。実験上の融解エンタルピー値(ΔHm)を、加熱しながらの2回目の走査から得た。

0039

結晶化度(Xc)を、下記の式に従って計算した。
Xc=ΔHm/ΔHm°
式中、
ΔHm=溶融時の吸熱の積分から計算された、実験上の融解エンタルピー;
ΔHm°=100%結晶度における、対応するポリ(アルキレン−カルボキシレート)ホモポリマー(すなわち、式(I)のコモノマーを不含である)の理論的な融解エンタルピー。したがって、エチレングリコール、ナフタレンジカルボン酸および式(I)のコモノマーに由来する繰返し単位を含む本発明のコポリエステルの場合、ΔHm°は、100%結晶性PENポリマーの理論的な融解エンタルピー(103J/g)であり、エチレングリコール、テレフタル酸および式(I)のコモノマーに由来する繰返し単位を含む本発明のコポリエステルの場合、ΔHm°は、文献(B. Wunderlich, Macromolecular Physics, Academic Press, New York, (1976))において規定された、100%結晶性PETポリマーの理論的な融解エンタルピー(140J/g)である。

0040

(ii)固有粘度(ηinh)は、キャピラリー番号53103のSchott−Gerate CT−52自動粘度計を使用してCHCl3/TFA(2:1)中のポリマーの0.1%w/v溶液について25℃において判定した。固有粘度は、下記として計算した。
ηinh=ln[(t2/t1)/c]
式中、
ηinh=固有粘度(dL/g)
t1=溶媒流動時間
t2=ポリマー溶液の流動時間
c=ポリマーの濃度(g/dL)

0041

好ましくは、本明細書において記載されるコポリエステルの固有粘度は、少なくとも0.7dL/gである。このような固有粘度は、SSP技法を使用して容易に得ることができる。
(iii)フィルムの結晶化度を、密度の測定によって測定した。フィルム試料の密度は、下記方法を用い、水ジャケットを使用して23℃に一定に制御した硝酸カルシウム/水入り較正済み密度カラムを使用して測定した。既知の密度の2つの860mlの硝酸カルシウム溶液を調製し、ろ過し、真空中で2時間脱気した後、流体静力学的平衡下で目盛付きカラムチューブ内に同時に圧送した。既知の密度の2つの硝酸カルシウム溶液は、本発明の半結晶性フィルムの予想密度を包含するようにカラム内部にある範囲の密度(PETホモポリマーおよびPENホモポリマーに関して下記で述べているように、0%ホモポリマーおよび100%ホモポリマーの文献密度によって規定された約0%〜約60%までの結晶化度に対応する)を形成する、低濃度溶液および高濃度溶液である。したがって、各溶液の濃度は、ポリマー中の芳香族ジカルボン酸に基づいて(または、1種より多いジカルボン酸が使用される場合、本明細書において規定された第1の芳香族ジカルボン酸に基づいて)選択されるが、使用された溶液は、下記の通りであった。
PET:低濃度溶液:1.28g/cm3(240.80gの硝酸カルシウム;860mLの水;硝酸カルシウムは1.71Mのモル濃度)。
高濃度溶液:1.43g/cm3(369.80gの硝酸カルシウム;860mLの水;2.62Mの硝酸カルシウム)。
PEN:低濃度溶液:1.32g/cm3(275.20gの硝酸カルシウム;860mLの水;1.95Mの硝酸カルシウム)。
高濃度溶液:1.41g/cm3(352.60gの硝酸カルシウム、860mLの水;2.50Mの硝酸カルシウム)。

0042

密度カラムは、硝酸カルシウム溶液中で洗浄した後でこの目盛付きカラムに入れた既知の密度の8つのピップ(pip)を使用して較正した。上記カラムに入れた各ピップに関しては、カラムの体積高さを、一定のレベルの懸濁に到達したとき(4時間〜5時間後)に記録した。別個の測定値を、各ピップについて取得して、密度に対比させた体積高さの較正プロットを生成した。この測定方法は、各フィルム供試体(寸法3mm×5mm)に対して繰り返したが、3つの供試体を、各フィルム試料において使用して、測定された体積高さの平均を生成し、この平均から、測定された密度(ρrecorded)を、較正プロット経由で得た。次いで結晶化度(χc)を、式(1)を使用して各試料について計算した。



式中、
χc=結晶化度(%)
ρrecorded=記録されたポリマーの密度(g cm-3)
ρ非晶質=非晶質ホモポリマーの既知の密度(0%結晶度)
ρcrystalline=100%結晶性ホモポリマーの既知の密度。

0043

(iii)核磁気共鳴分光法
1HNMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルは、Bruker Nanobay 400MH分光計により、残留溶媒共鳴またはテトラメチルシランを参照して得た。試料を、室温において様々な溶媒中に溶解させた。1H NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルの割り当てにおいて言及される化学シフトδを表すすべての値は、ppmの単位を含む。

0044

(iv)質量分析法
質量スペクトルは、Accela LCオートサンプラー付きのLTQ Orbitrap XLによって得た。モノマー試料を、DMSO中で1mg mL-1の濃度において分析した。

0045

(v)赤外分光法
IRスペクトルは、普遍減衰全反射アクセサリ付きのPerkin Elmer Spectrum100 FT−IR分光計によって記録した。モノマー試料を粉末として分析し、ポリマー材料をチップとして分析した。

0046

(vi)光学的特性
フィルムの光学的特性は、Haze−gard plus球形ヘイズ計(BYK Gardner)を使用し、標準試験方法ASTMD1003に従って、フィルムの全厚を通り抜ける全輝度透過率TLT)およびヘイズ(散乱透過可視光パーセント)を測定することによって評価する。本発明の光学透明配向フィルムは、好ましくは約15%以下のヘイズ、好ましくは約10%以下のヘイズ、好ましくは約5%以下のヘイズ、好ましくは約3%以下のヘイズ;および/または少なくとも約80%のTLT、好ましくは少なくとも約85%のTLT、好ましくは少なくとも約90%のTLTを示す。

0047

本発明を、下記実施例によってさらに説明する。これらの実施例が、単に説明を目的としたものにすぎず、上記の本発明を限定することを意図していないことは、理解されよう。詳細に関する修正は、本発明の範囲から逸脱することなくなされ得る。

0048

本発明のコポリエステルを調製するための例示的な反応スキームを、下記スキーム1に示す。



スキーム1.ビス(ヒドロキシエチル)コモノマー(I)の合成および1つの系統のコ(ポリエステルイミド)を生成するためのビス(ヒドロキシエチル2,6−テレフタレート)との溶融重縮合経路による上記ビス(ヒドロキシエチル)コモノマー(I)の共重合(スキーム1のnが、コポリマー全体の重合度である)。

0049

(実施例1:ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソイソインドリン−5−カルボキシレート)(PDOIC;式Iのモノマー)の合成)
DMF(250mL)中のp−フェニレンジアミン(5.40g、50.00mmol)の溶液を、30分にわたってDMF(50mL)中の1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物(19.20g、100.00mmol)の還流溶液に滴下添加した。溶液をさらに1時間還流させ、室温に冷却し、ろ過し、蒸留水によって洗浄し、真空中で110℃において24時間乾燥させた。次いで、中間体としてのPDOIC生成物(19.04g、83%)を、微細な粉末に粉砕した。中間体としてのPDOIC生成物(5.00g、10.96mmol)を、DMF(100mL)中に溶解させた。次いで、2−ブロモエタノール(4.11g、32.87mmol)およびトリエチルアミン(3.33g、32.87mmol)を、溶液に添加し、反応物を、70℃で16時間保持した。溶液を室温に冷却し、蒸留水中に懸濁し、ろ過し、アセトンによって洗浄し、真空中で110℃において24時間乾燥させた。次いで、PDOIC生成物(3.78g、63%)を、微細な粉末に粉砕した。

0050

PDOIC中間体の分析



黄緑色粉末。m.p. (DSC) = 449℃. MS m/z = 456.0489 [M+H],計算値456.0594. 1H NMR(400MHz, d6-DMSO) δH (ppm) 8.42 (2H, s, Ha), 8.33 (2H, s,Hb), 8.11 (2H, s, Hc), 7.64 (4H, s, Hd), 3.35 (2H, br, He). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/TFA(2:1)) δC (ppm) 171.44, 137.30, 133.04, 129.11, 128.66. IR (vmax cm-1) 2799 (C-H伸縮), 1723 (C=O伸縮), 1376 (C-O伸縮).

0051

PDOICの分析



ベージュ色粉末。m.p. (DSC) = 341℃. MS m/z = 545.1118 [M+H],計算値545.1187. 1H NMR(400MHz, d6-DMSO) δH (ppm) 8.46 (4H, s, Ha), 8.16 (2H, s,Hb), 7.65 (4H, s, Hc), 5.08 (2H, s, Hd), 4.36 (4H, s, He), 3.76 (4H, s, Hf). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/TFA(2:1)) δC (ppm) 171.39, 169.68, 140.81, 140.56, 140.45, 137.34, 136.31, 133.05, 129.18, 128.85, 72.85, 64.15. IR (vmax cm-1) 3390 (O-H伸縮), 1723 (C=O伸縮), 1389 (C-O伸縮).

0052

(実施例2〜9:コポリエステルの合成)
2つの系列の新規な線形ポリ(エステルイミド)を、約5mol%〜約30mol%までのモル量のコモノマーにした状態における、ビス(2−ヒドロキシエチル)−テレフタレート(BHET)またはビス(2−ヒドロキシエチル)−2,6−ナフタレート(BHEN)と式(I)のコモノマーとの重縮合によって合成した。種々の量のコモノマーを含有するコポリマーを、触媒としてSb2O3を使用して得た。一般のポリエステル化手順は、下記の通りであり、使用された反応物質の量は、表1および2に提示する。エステルコモノマー、PDOICおよびSb2O3(0.10g、0.34mmol)の撹拌混合物を、PCリグチューブに注ぎ込んだ。PCリグチューブは、そのステム部分に、安全な押出加工を確実にするためにStanleyブレードを使用して軽く刻み目を入れ、ヒーティングブロック内部にしっかり留めておいた。重縮合操作ヘッド撹拌機案内装置空気撹拌機デリバリーサイドアームを充填したデュワービン内部への蒸留物用チューブ、熱電対光学式積算回転計備え付け気体用マニホールドに接続した後、温度を、窒素パージ下で1時間にわたって235℃に上昇させた。次いで、空気撹拌機を、温度を30分の間235℃に維持しながら8.5psiの圧力の状態で始動させた。次いで、窒素パージを停止すると、このとき、系が真空下に置かれた。温度を1℃分-1の速度で280℃〜310℃まで上昇させるにつれて、圧力が、5mm Hg-1未満に徐々に低下した。合成されたポリマーの粘度が、撹拌機回転速度を約20rpm〜30rpmまでに低下させるほど十分に上昇したらすぐに、共重合が完了したと判定した。真空を、窒素パージによってゆっくり置換し、合成されたコポリマーが冷却され得るようにした。溶融重縮合設備から押出加工されたレース状ポリマーは、透明であった。次いで、コポリマーを、CHCl3/TFA(2:1)の混合溶媒中に溶解させ、MeOH中に再沈殿させた後、ろ過し、真空中で110℃において24時間乾燥させた。

0053

0054

0055

コポリマーの分析データを、下記に記載している。

0056

PETcoPDOICコポリマー系列



PETcoPDOIC5
1H NMR(400MHz, CDCl3/TFA(2:1)) δH (ppm) 8.74 (2H, s, Ha), 8.62 (2H, m,Hb), 8.19 (10H, s, Hc), 7.67 (4H, s, Hd), 4.86 (12H, s, He). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δC (ppm) 168.05, 136.94, 135.49, 134.93, 133.34, 131.37, 130.86, 129.85, 127.56, 125.64, 124.81, 63.95. Tg = 91℃, Tcc = 182℃, Tc = 167℃, Tm = 240℃. ηinh (CHCl3/TFA) (2:1) = 0.67 dL g-1. IR (vmax cm-1) 2961 (C-H伸縮), 1713 (C=O伸縮), 1238 (C-O伸縮).
PETcoPDOIC10
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δH (ppm) 8.74 (2H, s, Ha), 8.63 (2H, s, Hb), 8.19 (10H, s, Hc), 7.67 (4H, s, Hd), 4.86 (12H, s, He). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δC (ppm) 168.03, 136.94, 135.50, 134.94, 133.28, 131.38, 130.87, 130.03, 127.57, 125.63, 124.81, 63.96. Tg = 89℃, Tcc = 156℃, Tc = 163℃, Tm = 236℃. ηinh (CHCl3/TFA) (2:1) = 0.37 dL g-1. IR (vmax cm-1) 2964 (C-H伸縮), 1717 (C=O伸縮), 1247 (C-O伸縮).
PETcoPDOIC15
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δH (ppm) 8.73 (2H, s, Ha), 8.62 (2H, s, Hb), 8.18 (10H, s, Hc), 7.67 (4H, s, Hd), 4.85 (12H, s, He). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δC (ppm) 168.12, 167.82, 136.97, 135.51, 134.95, 133.28, 131.38, 130.88, 130.03, 127.60, 125.63, 124.82, 65.13, 63.96, 63.27. Tg = 91℃, Tc = 204℃, Tm = 226℃. ηinh (CHCl3/TFA) (2:1) = 0.49 dL g-1. IR (vmax cm-1) 2961 (C-H伸縮), 1715 (C=O伸縮), 1247 (C-O伸縮).
PETcoPDOIC22
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δH (ppm) 8.75 (2H, s, Ha), 8.65 (2H, s, Hb), 8.19 (10H, s, Hc), 7.67 (4H, s, Hd), 4.86 (12H, s, He). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δC (ppm) 168.12, 167.85, 136.98, 135.50, 134.94, 133.28, 131.37, 130.87, 130.02, 127.60, 125.64, 124.84, 65.12, 63.96, 63.28. Tg = 101℃, Tc = 213℃, Tm = 230℃. ηinh (CHCl3/TFA) (2:1) = 0.37 dL g-1. IR (vmax cm-1) 2965 (C-H伸縮), 1713 (C=O伸縮), 1244 (C-O伸縮).
PETcoPDOIC28
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δH (ppm) 8.76 (2H, s, Ha), 8.68 (2H, s, Hb), 8.21 (10H, s, Hc), 7.69 (4H, s, Hd), 4.88 (12H, s, He). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δC (ppm) 168.14, 167.89, 136.99, 135.51, 134.95, 133.28, 131.38, 130.89, 130.03, 127.61, 125.63, 124.82, 65.14, 63.92, 63.28. Tg = 109℃, Tc = 219℃, Tm = 246℃. ηinh (CHCl3/TFA) (2:1) = 0.32 dL g-1. IR (vmax cm-1) 2964 (C-H伸縮), 1713 (C=O伸縮), 1247 (C-O伸縮).
PETcoPDOIC33
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δH (ppm) 8.74 (2H, s, Ha), 8.65 (2H, s, Hb), 8.19 (10H, s, Hc), 7.67 (4H, s, Hd), 4.86 (12H, s, He). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δC (ppm) 168.13, 167.86, 136.97, 135.50, 134.95, 133.28, 131.37, 130.87, 130.03, 127.60, 125.64, 124.85, 65.12, 63.96, 63.28. Tg = 107℃, Tc = 210℃, Tm = 238℃. ηinh (CHCl3/TFA) (2:1) = 0.34 dL g-1. IR (vmax cm-1) 2970 (C-H伸縮), 1706 (C=O伸縮), 1248 (C-O伸縮).

0057

PENcoPDOICコポリマー系列



PENcoPDOIC5
1H NMR(400MHz, CDCl3/TFA(2:1)) δH (ppm) 8.75 (8H, s, Ha), 8.17 (6H, s,Hb), 8.11 (4H, s, Hc), 7.67 (4H, s, Hd), 4.96 (4H, s. He), 4.87 (4H, s, Hf), 4.13 (4H, s, Hg). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δC (ppm) 168.89, 136.98, 135.56, 135.02, 133.30, 131.60, 131.39, 130.87, 130.24, 130.05, 128.39, 127.57, 125.76, 124.82, 76.59, 64.03. Tg = 128℃, Tc = 220℃, Tm = 259℃. ηinh (CHCl3/TFA) (2:1) = 0.31 dL g-1. IR (vmax cm-1) 2971 (C-H伸縮), 1720 (C=O伸縮), 1217 (C-O伸縮).
PENcoPDOIC10
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δH (ppm) 8.75 (8H, s, Ha), 8.17 (6H, s, Hb), 8.11 (4H, s, Hc), 7.67 (4H, s, Hd), 4.96 (4H, s. He), 4.87 (4H, s, Hf), 4.12 (4H, s, Hg). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/TFA (2:1)) δC (ppm) 168.96, 136.97, 135.56, 135.02, 133.30, 131.60, 131.39, 130.87, 130.24, 130.05, 128.39, 127.57, 125.76, 124.82, 76.60, 64.03. Tg = 132℃, Tc = 200℃, Tm = 249℃. ηinh (CHCl3/TFA) (2:1) = 0.43 dL g-1. IR (vmax cm-1) 2961 (C-H伸縮), 1716 (C=O伸縮), 1214 (C-O伸縮).

0058

これらの実施例の特性決定データを、下記の表3aに要約している。実施例2〜9において記載される手順に従って合成したがコモノマーを組み入れていない対照試料である純粋なPETまたは純粋なPENの特性決定データを、下記の表3bに示す。

0059

上記の融解エンタルピーおよび結晶度のデータは、本明細書において上述されたアニーリングDSCサイクルを使用して得たが、驚くべきことに、良好な結晶度が、コモノマーのモル量が予想外なほどに高いときにも達成できることを実証している。

0060

0061

0062

コポリマーの試料は、熱間延伸加工により、元々の寸法の数倍になるまで配向され得る。例えば、繊維は、ホットプレート上で試料を加熱した後に延伸加工され得るが、これにより、熱可塑性挙動および延伸加工性を実証することができる。

0063

光学透明二軸配向フィルムは、上記コポリマーから製造することができる。ポリマーを、275℃〜300℃までの範囲の温度で押出加工機(単軸型;スクリュー速度約80rpm)に供給する。キャストフィルムを製造するが、キャストフィルムは、キャスティングドラムの外周にかけられ、静電気により固定されるものであり、スクラップワインダー上に引き上げられていた先行のキャストフィルムの頂部の上に覆いかぶさっていく。整定したらすぐに、キャストされた試料を、ある範囲の厚さを得るように、ある範囲のキャスティングドラム速度(2m/分、3m/分および5m/分)で収集する。続いて、キャストフィルムを、Long Stretcher(T.M.Long Co.、Somerville、New Jerseyから調達した)を使用して延伸加工する。Long Stretcherは、持ち上げできるフタが付いた加熱中のオーブン内部に組み付けられた、油圧駆動式延伸操作ヘッドを備える。延伸機構の動作は、2対のドローバー(一方のドローバーは固定されており、もう一方のドローバーは移動可能であり、互いに対して法線方向に取り付けられている)の相対運動に基づいている。ドローバーは、課される延伸の量(延伸比)および速度(延伸速度)を制御する水撃ポンプに取り付けられている。各ドローバーの上には、パンタグラフステムに取り付けられた空気圧式試料クリップが組み付けられている。試料ローディングシステムを使用して、空気圧式クリップに入るように試料を位置決めする。特定のサイズ(11.1cm×11.1cm)に切断したキャストされた試料を、アームの端部に取り付けられた真空プレート上に対称的に配置する。アームをオーブン内に送り込み、試料を、クリップ間に位置するように下げる。クリップどうしを、フィルムを保持するように窒素圧力を使用して接近させ、ローディング操作アームを引き出す。オーブンを、2個のプレート型ヒーターによって指定温度に加熱する。フタを下げ、エアヒーターにより、試料を指定温度に迅速に到達させる。適切な予備加熱時間(一般的に、25秒〜30秒まで)の後、延伸を、操作者手動によって開始する。約2cm/秒〜約5cm/秒までの延伸加工速度を、一般的に使用する。垂直方向への同時二軸延伸が、これらの実施例において使用されている。適切な加工条件は、下記の表4に与えている。

0064

0065

次いで、Long Stretcherによって製造したフィルムを、Laboratory Crystallisation Rigを使用して結晶化させ、指定時間(一般的に、2秒〜100秒まで)にわたって指定温度(一般的に、150℃〜240℃)に保持する。上記設備において、試料は、空気圧によって降下するフレーム内にしっかり留めておき、加熱中のプラテン間に特定の時間にわたって保持された後、氷冷された水中に落下させることによって迅速に焼入れする。
フィルム試料の結晶度は、本明細書において記載される密度法を使用して計算する。

0066

PENベースフィルム試料の結晶度は、下記文献データに基づいて、PENの密度および結晶度に関して公知の値を使用して計算する。
0%結晶度PENの密度=1.325g/cm3
100%結晶度PENの密度=1.407g/cm3
PETベースフィルム試料の結晶度は、下記文献データに基づいて、PETの密度および結晶度に関して公知の値を使用して計算する。
0%結晶度PETの密度=1.335g/cm3
100%結晶度PETの密度=1.455g/cm3

0067

(比較例)
PDOICコモノマーを、PDOICとのある度合いの構造的類似性を示すコモノマーによって置きかえた点を除いて、1つの系列の4種のPETベースコポリエステルイミドを、上記手順に従って合成した。これらのコモノマーおよびコポリエステルイミドの特性決定データを、下記に示す。

0068

(比較例1:ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,2’−(1,3−フェニレンビスメチレン))ビス(1,3−ジオキソイソインドリン−5−カルボキシレート)(TMA−MXDA))



白色粉末。m.p. (DSC) = 219℃. MS m/z = 595.1323 [M+Na],計算値595.1329. 1H NMR(400MHz, d6-DMSO) δH (ppm) 8.30 (4H, m, Ha), 8.00 (2H, m,Hb), 7.22 (4H, m, Hc), 5.09 (2H, s, Hd), 4.76 (4H, s, He), 4.34 (4H, s, Hf), 3.75 (4H, s, Hg). 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO) δC (ppm) 166.82, 164.23, 136.66, 135.37, 134.72, 131.91, 128.87, 126.35, 123.59, 123.12, 67.50, 63.52, 58.87. IR (vmax cm-1) 3363 (O-H伸縮), 2957 (C-H伸縮), 1710 (C=O伸縮), 1252 (C-O伸縮).

0069

(比較例2:2−ヒドロキシエチル−2−(4−(4−(5−((2−ヒドロキシエトキシカルボニル)−1,3−ジオキソイソインドリン−2−イルベンジルフェニル)−1,3−ジオキソイソインドリン−4−カルボキシレート(TMA−MDA))



くすんだ黄色の粉末。m.p. (DSC) = 230℃. MS m/z = 635.1659 [M+H],計算値635.1587. 1H NMR(400MHz, d6-DMSO) δH (ppm) 8.46 (4H, m, Ha), 8.11 (2H, m,Hb), 7.43 (8H, m, Hc), 4.93 (2H, m, Hd), 4.37 (4H, m, He), 3.77 (4H, m, Hf). 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO) δC (ppm) 162.31, 137.03, 134.97, 131.37, 130.10, 128.10, 127.04, 125.79, 124.71, 67.36, 40.80. IR (vmax cm-1) 3344 (O-H伸縮), 1708 (C=O伸縮), 1208 (C-O伸縮).

0070

(比較例3:ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,2’−(エタン−1,2−ジイル)ビス(1,3−ジオキソイソインドリン−5−カルボキシレート(TMA−EDA))



白色粉末。m.p. (DSC) = 220℃. MS m/z = 519.1006 [M+Na],計算値519.1016. 1H NMR(400MHz, d6-DMSO) δH (ppm) 8.37 (2H, s, Ha), 8.29 (2H, s,Hb), 7.99 (2H, s, Hc), 5.05 (2H, s, Hd), 4.32 (4H, s, He), 3.89 (4H, s, Hf), 3.71 (4H, s, Hg). 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO) δC (ppm) 167.00, 164.33, 135.48, 135.27, 134.83, 131.78, 123.61, 123.25, 67.51, 58.83, 36.46. IR (vmax cm-1) 3424 (O-H伸縮), 2947 (C-H伸縮), 1691 (C=O伸縮), 1289 (C-O伸縮).

0071

(比較例4:ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソイソインドリン−5−カルボキシレート)(MDOIC))



黄色粉末。m.p. (DSC) = 190℃. MS m/z = 567.1007 [M+Na],計算値567.1016. 1H NMR(400MHz, d6-DMSO) δH (ppm) 8.46 (4H, m, Ha), 8.16 (2H, d, J = 8.0 Hz,Hb), 7.74 (1H, t, J = 8.0 Hz, Hc), 7.62 (3H, t, J = 8.0 Hz, Hd), 5.09 (2H, s, He), 4.38 (4H, s, Hf), 3.77 (4H, s, Hg). 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA(2:1)) δC (ppm) 166.04, 164.42, 135.51, 135.26, 135.17, 132.13, 132.07, 129.28, 127.16, 125.94, 123.90, 123.55, 67.57, 58.88. IR (vmax cm-1) 3291 (O-H伸縮), 2946 (C-H伸縮), 1709 (C=O伸縮), 1252 (C-O伸縮).

0072

上記コモノマーのそれぞれに関しては、コポリエステルイミドを、10mol%コモノマーを使用して調製した。コポリエステルイミドを、本明細書において上述されたように熱的にキャラクラリゼーションしたが、この結果は、下記の表5に示す。比較例のコポリエステルイミドは、冷却しながら行う第1の走査において検出できる溶融結晶化温度(Tc)を示していないが、このことは、加熱しながら行う第2の走査において測定された溶融ピークによって表される実質的にすべての結晶度の喪失として反映されている。したがって、実験データは、PDOICコポリマーが、構造的類似性を示すモノマーに比較して、半結晶性挙動を予想外なほどに保持していることを実証している。

実施例

0073

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