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技術 自壊性基を含む化合物

出願人 レゴケムバイオサイエンシズ,インク.
発明者 キム,ヨンジュパク,テキョウ,スンホキム,スンヨンチョ,ジョンウンチョン,ドファンヤン,ジョンミン,チヨンリ,ヒャンソクパク,ユンヒリュ,チョンヒオ,キュマンオ,ヨンソチェ,チェウクソン,ホヨンチュン,チュル-ウォン
出願日 2015年5月27日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2016-569844
公開日 2017年7月20日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2017-519741
状態 特許登録済
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 医薬品製剤 ペプチド又は蛋白質 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 糖類化合物 化合物または医薬の治療活性 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬
主要キーワード PEチューブ 分離メカニズム 分析材料 参照文 イオン結合型錯体 連結単位 ヘテロディールス 混合物試料
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課題・解決手段

本発明は、自壊性基を含む化合物に関する。本発明による自壊性基を含む化合物は、所望の標的に対する基質特異性を有するタンパク質(例えば、オリゴペプチドポリペプチド、抗体など)及び特別の機能又は活性を有する活性化因子(例えば、薬物、毒素リガンド検出プローブなど)を含むことができる。

概要

背景

抗体-薬物コンジュゲート(ADC)技術は、抗原に結合された抗体に毒素が結合した後に、細胞中で毒性材料が放出されることによりアポトーシスを引き起こす、新規な標的指向技術である。ADC技術は、薬物を正確に標的がん細胞送達させ、特別条件下でのみ放出する一方で、健常細胞への影響は最小化するため、ADC技術は、治療抗体自体よりも優れた有効性があり、既存の抗がん薬物と比較して有害反応リスクが顕著に減少している。

上記の抗体-薬物コンジュゲートの基本的構造は「抗体-リンカー-低分子量薬物(毒素)」で構成される。ここでリンカーは、薬物が、標的がん細胞へ薬物の効果を奏させることを可能にする一方で、薬物が循環時に標的細胞に安定に到達し、細胞に導入された後、抗体-薬物解離現象により(例えば、酵素により加水分解される結果)、容易に分離されるものであり、さらに抗体及び薬物を単に連結する機能的役割を果たすものである。つまり、抗体-薬物コンジュゲートの有効性、全身毒性などはリンカーの安定性に依存するため、リンカーは、安全性の観点から、重要な役割を果たしている(Discovery Medicine 2010, 10(53):329-39)。

今日までに開発された抗体-薬物コンジュゲートのリンカーは、非切断可能型と切断可能型に大きく分類される。

非切断可能リンカーとしては、チオエーテルが主に使用され、薬物は、細胞においてリンカーの分離により解離されず、リンカー及び抗体由来単一アミノ酸を含む形態で解離される。主に使用されるチオールマレイミド結合法の場合、反応は約6〜7のpHで容易に行われるが、逆反応も容易に化学的に起こり、それゆえ安定性に問題がある。

切断可能リンカーとしては、化学的方法により分離されるリンカー又は酵素反応により加水分解されるリンカーが主に使用される。化学的な分離メカニズムを有するリンカーとしては、ジスルフィド結合を含有するリンカーが代表的である。加えてヒドラゾン又はオキシムリンカーも使用される。

薬物がチオール交換反応により解離される現象を使用するジスルフィドリンカーは、細胞中のチオール(特に、グルタチオン)の濃度が、血液中よりも高いという事実を利用する。しかしながら、様々な種類のチオール(例えば、アルブミン、グルタチオン)が血液中に存在するため、薬物は循環中に分離される可能性がある。ヒドラゾンリンカーの場合、ヒドラゾンリンカーは、血液中で比較的安定であるが、酸性度が高い細胞、エンドソーム又はリソソーム中では不安定であり、その結果、ヒドラゾンリンカーが迅速に加水分解されることが知られている(Bioconjugate Chem. 2008, 19, 759-765; Bioconjugate Chem.,2010, 21, 5-13)。

上記の問題を解決するために、細胞中の酵素反応により加水分解されるリンカーが開発された。ペプチドリンカー(例えば、バリン-シトルリン)及びβ-グルクロニドリンカーがこれに属する。バリン-シトルリン及びβ-グルクロニドは、薬物に直接結合していないが、自壊性基に結合しており、その結果、薬物は、酵素反応による加水分解後のメカニズム、例えば、1,6除去又は環化メカニズムなどにより解離され、これによって効能を表す(Clinical Cancer Res., 2005, 11, 843-852)。

バリン-シトルリンペプチドリンカーは、リソソームプロテアーゼ、例えばカテプシンBにより選択的に分解され、化学的に分解されるヒドラゾンリンカーと比較して、血液中の安定性が向上しており、したがって抗がん効果を増加させることが報告された(Bioconjugate Chem. 2008, 19, 1960-1963; J. Org. Chem., 2002, 67, 1866-1872)。しかしながら、ペプチドリンカーは疎水性を有する結果、例えば調製された抗体-薬物コンジュゲートの凝集などの不利な点がある。

β-グルクロニダーゼによって認識され、加水分解されるβ-グルクロニドリンカーは、ペプチドリンカーと異なって親水性が高いため、β-グルクロニドリンカーが高い疎水性を有する薬物に結合すると、抗体-薬物コンジュゲートの溶解性が増加しうる。抗体を、様々な薬物(例えば、モノメチルオーリスタチンF、モノメチルオーリスタチンE、ドキソルビシンプロピルオキサゾリン(DPO))に、β-グルクロニドリンカーを使用して結合させて、抗体-薬物コンジュゲートを調製する例が報告されている(Conjugation Chem., 2006, 17, 831-840; US2012/0107332)。報告によれば、グルクロニドリンカーを使用して調製された抗体-薬物コンジュゲートは、ラット血漿中で安定であるが、マウス血漿中のその安定性は、報告されていない。

したがって、本発明は、血漿中でより安定である、循環中で安定である、及び薬物をがん細胞中で容易に放出させて薬物の効果を奏させることができる、自壊性基を含む有効なリンカーを開発しようとする。

概要

本発明は、自壊性基を含む化合物に関する。本発明による自壊性基を含む化合物は、所望の標的に対する基質特異性を有するタンパク質(例えば、オリゴペプチドポリペプチド、抗体など)及び特別の機能又は活性を有する活性化因子(例えば、薬物、毒素、リガンド検出プローブなど)を含むことができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

下記化学式1:[化学式1]によって表される自壊性基を含む化合物であって、Gは、グルクロン酸部分又はその誘導体であり、Aは、(C1〜C20)ヒドロカルビルバイオマテリアル、又は改変されたバイオマテリアルであり、Bは、(C1〜C100)ヒドロカルビルであり、Wは、電子求引性基であり、Zは、水素、(C1〜C8)アルキルハロゲンシアノ、又はニトロであり、nは、1〜3の整数であり、nが2以上の整数である場合、Zはそれぞれ互いに同一又は異なっており、Lは、自壊性基のA及びWを共有結合により連結するリンカーであり、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C8)アルキル、又は(C3〜C8)シクロアルキルである、化合物。

請求項2

Gは、であり、R3は、水素又はカルボキシル保護基であり、R4は、それぞれ独立して、水素又はヒドロキシル保護基である、請求項1に記載の化合物。

請求項3

Wは、-C(O)-、-C(O)NR'-、-C(O)O-、-SO2NR'-、-P(O)R"NR'-、-SONR'-又は-PO2NR'であり、R'及びR"は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C1〜C8)アルコキシ、(C1〜C8)アルキルチオモノ又はジ(C1〜C8)アルキルアミノ、(C3〜C20)ヘテロアリール又は(C6〜C20)アリールである、請求項1に記載の化合物。

請求項4

リンカーLは、1〜50個の炭素原子を有するアルキレンであり、下記の(i)〜(iv):(i)アルキレンが、少なくとも1つの不飽和結合を含むこと、(ii)アルキレンが、少なくとも1つのヘテロアリーレンを含むこと、(iii)アルキレンの炭素原子が、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)から選択される1つ以上のヘテロ原子置換されていること、並びに(iv)アルキレンが、1〜20個の炭素原子を有する1つ以上のアルキルでさらに置換されていることのうちの少なくとも1つを満たす、請求項1に記載の化合物。

請求項5

リンカーLは、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識される、下記化学式A:[化学式A]によって表される少なくとも1つのイソプレニル誘導体単位を含む、請求項1に記載の化合物。

請求項6

リンカーLは、1,3-双極子環化付加反応ヘテロディールス反応、求核置換反応、非アルドールカルボニル反応炭素-炭素多重結合への付加、酸化反応、又はクリック反応によって形成される結合単位をさらに含む、請求項5に記載の化合物。

請求項7

結合単位は、アセチレンアジドとの反応、又はアルデヒド若しくはケトン基ヒドラジン若しくはヒドロキシルアミンとの反応によって形成される、請求項6に記載の化合物。

請求項8

結合単位は、下記化学式B、C、D、又はE:[化学式B][化学式C][化学式D][化学式E]によって表され、L1は、単結合又は1〜30個の炭素原子を有するアルキレンであり、R11は、水素又は1〜10個の炭素原子を有するアルキルであり、L2は、1〜30個の炭素原子を有するアルキレンである、請求項7に記載の化合物。

請求項9

リンカーLは、下記化学式F又はG:[化学式F]-(CH2)r(V(CH2)p)q-[化学式G]-(CH2CH2X)w-によって表される連結単位をさらに含み、Vは、単結合、-O-、-S-、-NR21-、-C(O)NR22-、-NR23C(O)-、-NR24SO2-、又は-SO2NR25-であり、Xは、-O-、(C1〜C8)アルキレン、又は-NR21であり、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C6〜C20)アリール、又は(C1〜C6)アルキル(C3〜C20)ヘテロアリールであり、rは、1〜10の整数であり、pは、0〜10の整数であり、qは、1〜10の整数であり、wは、1〜10の整数である、請求項6に記載の化合物。

請求項10

Aが1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルである場合、Lは、であり、Vは、単結合、-O-、-S-、-NR21-、-C(O)NR22-、-NR23C(O)-、-NR24SO2-、又は-SO2NR25-であり、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C6〜C20)アリール、又は(C1〜C6)アルキル(C3〜C20)ヘテロアリールであり、rは、1〜10の整数であり、pは、0〜10の整数であり、qは、1〜10の整数であり、L1は、単結合である、請求項1に記載の化合物。

請求項11

バイオマテリアルは、タンパク質である、請求項1に記載の化合物。

請求項12

タンパク質は、オリゴペプチドポリペプチド、抗体、抗原性ポリペプチドの断片、又はリピボディである、請求項11に記載の化合物。

請求項13

タンパク質は、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識されるアミノ酸モチーフを有する、請求項12に記載の化合物。

請求項14

タンパク質は、タンパク質とアミノ酸モチーフとの間のアミノ酸、オリゴペプチド、又はポリペプチドで構成されるスペーサー単位をさらに含む、請求項13に記載の化合物。

請求項15

タンパク質は、アミノ酸モチーフを介してリンカーLに共有結合している、請求項13又は14に記載の化合物。

請求項16

アミノ酸モチーフは、タンパク質のC末端に共有結合している、又はタンパク質のC末端に共有結合している少なくとも1つのスペーサー単位に共有結合している、請求項15に記載の化合物。

請求項17

タンパク質のC末端は、抗体の軽鎖又は重鎖のC末端である、請求項16に記載の化合物。

請求項18

イソプレノイドトランスフェラーゼは、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ(FTアーゼ)又はゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ(GGTアーゼ)である、請求項13に記載の化合物。

請求項19

抗体は、インタクトポリクローナル抗体、インタクトなモノクローナル抗体抗体断片、1本鎖Fv(scFv)変異体多重特異性抗体、二重特異性抗体キメラ抗体ヒト化抗体ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む他の改変された免疫グロブリン分子からなる群から選択される、請求項12に記載の化合物。

請求項20

抗体は、ムロモナブCD3、アブシキシマブリツキシマブダクリズマブパリビズマブインフリキシマブトラスツズマブエタネルセプトバシリキシマブゲムツズマブオゾガマイシンアレムツズマブイブツモブチウキセタンアダリムマブ、アレフセプトオマリズマブエファリズマブトシツモマブ-I131、セツキシマブベバシズマブナタリズマブラニビズマブパニツムマブエクリズマブリロナセプトセルトリズマブペゴル、ロミプロスチム、AMG-531、CNTO-148、CNTO-1275、ABT-874、LEA-29Y、ベリムマブ、TACI-Ig、第2世代抗CD20、ACZ-885、トシリズマブアトリズマブ、メポリズマブペルツズマブ、HuMax CD20、トレメリムマブ(CP-675 206)、チシリムマブ、MDX-010、IDEC-114、イノツズマブオゾガマイシン、HuMax EGFR、アフリベルセプト、VEGF Trap-Eye、HuMax-CD4、Ala-Ala、ChAglyCD3、TRX4、カツマキソマブ、IGN101、MT-201、オレゴボマブ(pregovomab)、CH-14.18、WX-G250、AMG-162、AAB-001、モタビズマブ、MEDI-524、エファングマブ(efumgumab)、Aurograb(登録商標)、ラキシバクマブ、第3世代抗CD20、LY2469298、及びベルツズマブからなる群から選択される、請求項19に記載の化合物。

請求項21

タンパク質は、モノクローナル抗体である、請求項19に記載の化合物。

請求項22

アミノ酸モチーフは、CYYX、XXCC、XCXC、又はCXXであり、Cはシステインを表し、Yは脂肪族アミノ酸を表し、Xはイソプレノイドトランスフェラーゼの基質特異性を決定するアミノ酸を表す、請求項13又は14に記載の化合物。

請求項23

Bは、活性剤である、請求項1に記載の化合物。

請求項24

活性剤は、薬物、毒素親和性リガンド検出プローブ、又はその組合せである、請求項23に記載の化合物。

請求項25

活性剤は、免疫調節化合物抗がん剤抗ウイルス剤抗細菌剤抗真菌剤抗寄生虫剤、又はその組合せである、請求項23に記載の化合物。

請求項26

アミノ酸モチーフを有するタンパク質は、A-HC-(G)zCVIM、A-HC-(G)zCVLL、A-LC-(G)zCVIM、及びA-LC-(G)zCVLLからなる群から選択され、Aは抗体を表し、HCは重鎖を表し、LCは軽鎖を表し、Gはグリシン単位を表し、zは0〜20の整数を表す、請求項22に記載の化合物。

請求項27

下記構造:を有する化合物から選択され、式中、Zは、水素、(C1〜C8)アルキル、ハロゲン、シアノ、又はニトロであり、Xは、-O-、(C1〜C8)アルキレン、又は-NR21であり、R21は、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C6〜C20)アリール、又は(C1〜C6)アルキル(C3〜C20)ヘテロアリールであり、nは、1〜3の整数であり、nが2以上の整数である場合、Zはそれぞれ互いに同一又は異なっており、rは、1〜10の整数であり、qは、1〜10の整数であり、wは、1〜10の整数であり、xは、0〜10の整数であり、gは、1〜10の整数であり、-S-mAbは、A-HC-(G)zCVIM-、A-HC-(G)zCVLL-、A-LC-(G)zCVIM-、又はA-LC-(G)zCVLL-であり、Aは抗体を表し、HCは重鎖を表し、LCは軽鎖を表し、Gはグリシン単位を表し、zは0〜20の整数を表し、Bは、下記構造から選択される構造を有する薬物であり、yは、1〜10の整数である、請求項26に記載の化合物。

技術分野

0001

本発明は、自壊性基を含む化合物に関する。本発明による自壊性基を含む化合物は、特別の機能又は活性を有する標的及び活性剤(例えば、薬物、毒素リガンド検出プローブなど)に対して基質特異性を有するタンパク質(例えば、オリゴペプチドポリペプチド、抗体など)を含みうる。

背景技術

0002

抗体-薬物コンジュゲート(ADC)技術は、抗原に結合された抗体に毒素が結合した後に、細胞中で毒性材料が放出されることによりアポトーシスを引き起こす、新規な標的指向技術である。ADC技術は、薬物を正確に標的がん細胞送達させ、特別条件下でのみ放出する一方で、健常細胞への影響は最小化するため、ADC技術は、治療抗体自体よりも優れた有効性があり、既存の抗がん薬物と比較して有害反応リスクが顕著に減少している。

0003

上記の抗体-薬物コンジュゲートの基本的構造は「抗体-リンカー-低分子量薬物(毒素)」で構成される。ここでリンカーは、薬物が、標的がん細胞へ薬物の効果を奏させることを可能にする一方で、薬物が循環時に標的細胞に安定に到達し、細胞に導入された後、抗体-薬物解離現象により(例えば、酵素により加水分解される結果)、容易に分離されるものであり、さらに抗体及び薬物を単に連結する機能的役割を果たすものである。つまり、抗体-薬物コンジュゲートの有効性、全身毒性などはリンカーの安定性に依存するため、リンカーは、安全性の観点から、重要な役割を果たしている(Discovery Medicine 2010, 10(53):329-39)。

0004

今日までに開発された抗体-薬物コンジュゲートのリンカーは、非切断可能型と切断可能型に大きく分類される。

0005

非切断可能リンカーとしては、チオエーテルが主に使用され、薬物は、細胞においてリンカーの分離により解離されず、リンカー及び抗体由来単一アミノ酸を含む形態で解離される。主に使用されるチオールマレイミド結合法の場合、反応は約6〜7のpHで容易に行われるが、逆反応も容易に化学的に起こり、それゆえ安定性に問題がある。

0006

切断可能リンカーとしては、化学的方法により分離されるリンカー又は酵素反応により加水分解されるリンカーが主に使用される。化学的な分離メカニズムを有するリンカーとしては、ジスルフィド結合を含有するリンカーが代表的である。加えてヒドラゾン又はオキシムリンカーも使用される。

0007

薬物がチオール交換反応により解離される現象を使用するジスルフィドリンカーは、細胞中のチオール(特に、グルタチオン)の濃度が、血液中よりも高いという事実を利用する。しかしながら、様々な種類のチオール(例えば、アルブミン、グルタチオン)が血液中に存在するため、薬物は循環中に分離される可能性がある。ヒドラゾンリンカーの場合、ヒドラゾンリンカーは、血液中で比較的安定であるが、酸性度が高い細胞、エンドソーム又はリソソーム中では不安定であり、その結果、ヒドラゾンリンカーが迅速に加水分解されることが知られている(Bioconjugate Chem. 2008, 19, 759-765; Bioconjugate Chem.,2010, 21, 5-13)。

0008

上記の問題を解決するために、細胞中の酵素反応により加水分解されるリンカーが開発された。ペプチドリンカー(例えば、バリン-シトルリン)及びβ-グルクロニドリンカーがこれに属する。バリン-シトルリン及びβ-グルクロニドは、薬物に直接結合していないが、自壊性基に結合しており、その結果、薬物は、酵素反応による加水分解後のメカニズム、例えば、1,6除去又は環化メカニズムなどにより解離され、これによって効能を表す(Clinical Cancer Res., 2005, 11, 843-852)。

0009

バリン-シトルリンペプチドリンカーは、リソソームプロテアーゼ、例えばカテプシンBにより選択的に分解され、化学的に分解されるヒドラゾンリンカーと比較して、血液中の安定性が向上しており、したがって抗がん効果を増加させることが報告された(Bioconjugate Chem. 2008, 19, 1960-1963; J. Org. Chem., 2002, 67, 1866-1872)。しかしながら、ペプチドリンカーは疎水性を有する結果、例えば調製された抗体-薬物コンジュゲートの凝集などの不利な点がある。

0010

β-グルクロニダーゼによって認識され、加水分解されるβ-グルクロニドリンカーは、ペプチドリンカーと異なって親水性が高いため、β-グルクロニドリンカーが高い疎水性を有する薬物に結合すると、抗体-薬物コンジュゲートの溶解性が増加しうる。抗体を、様々な薬物(例えば、モノメチルオーリスタチンF、モノメチルオーリスタチンE、ドキソルビシンプロピルオキサゾリン(DPO))に、β-グルクロニドリンカーを使用して結合させて、抗体-薬物コンジュゲートを調製する例が報告されている(Conjugation Chem., 2006, 17, 831-840; US2012/0107332)。報告によれば、グルクロニドリンカーを使用して調製された抗体-薬物コンジュゲートは、ラット血漿中で安定であるが、マウス血漿中のその安定性は、報告されていない。

0011

したがって、本発明は、血漿中でより安定である、循環中で安定である、及び薬物をがん細胞中で容易に放出させて薬物の効果を奏させることができる、自壊性基を含む有効なリンカーを開発しようとする。

発明が解決しようとする課題

0012

本発明の目的は、自壊性基を含む化合物を提供することである。

課題を解決するための手段

0013

1つの一般的な態様では、化合物は、下記化学式1:
[化学式1]

0014

によって表される自壊性基を含み、
Gは、グルクロン酸部分又はその誘導体であり、
Aは、(C1〜C20)ヒドロカルビルバイオマテリアル、又は改変されたバイオマテリアルであり、
Bは、(C1〜C100)ヒドロカルビルであり、
Wは、電子求引性基であり、
Zは、水素、(C1〜C8)アルキルハロゲンシアノ、又はニトロであり、
nは、1〜3の整数であり、nが2以上の整数である場合、Zはそれぞれ互いに同一又は異なっており、
Lは、自壊性基のA及びWを共有結合により連結するリンカーであり、並びに
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C8)アルキル、又は(C3〜C8)シクロアルキルである。

0015

Gは、

0016

であってもよく、R3は、水素又はカルボキシル保護基であってもよく、R4は、それぞれ独立して、水素又はヒドロキシル保護基である。

0017

Wは、-C(O)-、-C(O)NR'-、-C(O)O-、-SO2NR'-、-P(O)R"NR'-、-SONR'-又は-PO2NR'であってもよく、R'及びR"は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C1〜C8)アルコキシ、(C1〜C8)アルキルチオモノ又はジ(C1〜C8)アルキルアミノ、(C3〜C20)ヘテロアリール又は(C6〜C20)アリールであってもよい。

0018

リンカーLは、1〜50個の炭素原子を有するアルキレンであってもよく、下記の(i)〜(iv):
(i)アルキレンが、少なくとも1つの不飽和結合を含むこと、
(ii)アルキレンが、少なくとも1つのヘテロアリーレンを含むこと、
(iii)アルキレンの炭素原子が、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)から選択される1つ以上のヘテロ原子置換されていること、及び
(iv)アルキレンが、1〜20個の炭素原子を有する1つ以上のアルキルでさらに置換されていること
のうちの少なくとも1つを満たすものでありうる。

0019

リンカーLは、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識される、下記化学式A:
[化学式A]

0020

によって表される少なくとも1つのイソプレニル誘導体単位を含んでもよい。

0021

リンカーLは、1,3-双極子環化付加反応ヘテロディールス反応、求核置換反応、非アルドールカルボニル反応(non-aldol type carbonyl reaction)、炭素-炭素多重結合への付加、酸化反応、又はクリック反応によって形成される結合単位をさらに含んでもよい。

0022

結合単位は、アセチレンアジドとの反応、又はアルデヒド若しくはケトン基ヒドラジン若しくはヒドロキシルアミンとの反応によって形成されてもよい。

0023

結合単位は、下記化学式B、C、D、又はE:
[化学式B]

0024

[化学式C]

0025

[化学式D]

0026

[化学式E]

0027

によって表されてもよく、
L1は、単結合又は1〜30個の炭素原子を有するアルキレンであり、
R11は、水素又は1〜10個の炭素原子を有するアルキルであり、
L2は、1〜30個の炭素原子を有するアルキレンである。

0028

リンカーLは、下記化学式F又はG:
[化学式F]
-(CH2)r(V(CH2)p)q-
[化学式G]
-(CH2CH2X)w-
によって表される連結単位をさらに含んでもよく、
Vは、単結合、-O-、-S-、-NR21-、-C(O)NR22-、-NR23C(O)-、-NR24SO2-、又は-SO2NR25-であり、
Xは、-O-、(C1〜C8)アルキレン、又は-NR21であり、
R21〜R25は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C6〜C20)アリール、又は(C1〜C6)アルキル(C3〜C20)ヘテロアリールであり、
rは、1〜10の整数であり、
pは、0〜10の整数であり、
qは、1〜10の整数であり、
wは、1〜10の整数である。

0029

Aが1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルである場合、Lは、

0030

であってもよく、Vは、単結合、-O-、-S-、-NR21-、-C(O)NR22-、-NR23C(O)-、-NR24SO2-、又は-SO2NR25-であってもよく、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C6〜C20)アリール、又は(C1〜C6)アルキル(C3〜C20)ヘテロアリールであってもよく、rは、1〜10の整数であってもよく、pは、0〜10の整数であってもよく、qは、1〜10の整数であってもよく、L1は、単結合であってもよい。

0031

バイオマテリアルは、タンパク質であってもよい。

0032

タンパク質は、オリゴペプチド、ポリペプチド、抗体、抗原性ポリペプチドの断片、又はリピボディ(repebody)であってもよい。

0033

タンパク質は、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識されうるアミノ酸モチーフを有してもよい。

0034

タンパク質は、タンパク質とアミノ酸モチーフとの間のアミノ酸、オリゴペプチド、又はポリペプチドで構成されるスペーサー単位をさらに含んでもよい。

0035

タンパク質は、アミノ酸モチーフを介してリンカーLに共有結合していてもよい。

0036

アミノ酸モチーフは、タンパク質のC末端に共有結合していてもよく、又はタンパク質のC末端に共有結合している少なくとも1つのスペーサー単位に共有結合していてもよい。

0037

タンパク質のC末端は、抗体の軽鎖又は重鎖のC末端であってもよい。

0038

イソプレノイドトランスフェラーゼは、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ(FTアーゼ)又はゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ(GGTアーゼ)であってもよい。

0039

抗体は、インタクトポリクローナル抗体、インタクトなモノクローナル抗体抗体断片、1本鎖Fv(scFv)変異体多重特異性抗体、二重特異性抗体キメラ抗体ヒト化抗体ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む他の改変された免疫グロブリン分子からなる群から選択されてもよい。

0040

抗体は、ムロモナブCD3、アブシキシマブリツキシマブダクリズマブパリビズマブインフリキシマブトラスツズマブ(「Herceptin」と称される)、エタネルセプトバシリキシマブゲムツズマブオゾガマイシンアレムツズマブイブツモブチウキセタンアダリムマブ、アレフセプトオマリズマブエファリズマブトシツモマブ-I131、セツキシマブベバシズマブナタリズマブラニビズマブパニツムマブエクリズマブリロナセプトセルトリズマブペゴル、ロミプロスチム、AMG-531、CNTO-148、CNTO-1275、ABT-874、LEA-29Y、ベリムマブ、TACI-Ig、第2世代抗CD20、ACZ-885、トシリズマブアトリズマブ、メポリズマブペルツズマブ、HuMax CD20、トレメリムマブ(CP-675 206)、チシリムマブ、MDX-010、IDEC-114、イノツズマブオゾガマイシン、HuMax EGFR、アフリベルセプト、VEGF Trap-Eye、HuMax-CD4、Ala-Ala、ChAglyCD3、TRX4、カツマキソマブ、IGN101、MT-201、オレゴボマブ(pregovomab)、CH-14.18、WX-G250、AMG-162、AAB-001、モタビズマブ、MEDI-524、エファングマブ(efumgumab)、Aurograb(登録商標)、ラキシバクマブ、第3世代抗CD20、LY2469298、及びベルツズマブからなる群から選択されてもよい。

0041

タンパク質は、モノクローナル抗体であってもよい。

0042

アミノ酸モチーフは、CYYX、XXCC、XCXC、又はCXXであってもよく、ここで、Cはシステインを表し、Yは脂肪族アミノ酸を表し、Xはイソプレノイドトランスフェラーゼの基質特異性を決定するアミノ酸を表す。

0043

Bは、活性剤であってもよい。

0044

活性剤は、薬物、毒素、親和性リガンド、検出プローブ、又はその組合せであってもよい。

0045

活性剤は、免疫調節化合物抗がん剤抗ウイルス剤抗細菌剤抗真菌剤抗寄生虫剤、又はその組合せであってもよい。

0046

アミノ酸モチーフを有するタンパク質は、A-HC-(G)zCVIM、A-HC-(G)zCVLL、A-LC-(G)zCVIM、及びA-LC-(G)zCVLLからなる群から選択されてもよく、Aは抗体を表し、HCは重鎖を表し、LCは軽鎖を表し、Gはグリシン単位を表し、zは0〜20の整数を表す。

0047

化合物は、下記構造:

0048

を有する化合物から選択されてもよく、
式中、
Zは、水素、(C1〜C8)アルキル、ハロゲン、シアノ、又はニトロであり、
Xは、-O-、(C1〜C8)アルキレン、又は-NR21-であり、
R21は、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C6〜C20)アリール、又は(C1〜C6)アルキル(C3〜C20)ヘテロアリールであり、
nは、1〜3の整数であり、nが2以上の整数である場合、Zはそれぞれ互いに同一又は異なっており、
rは、1〜10の整数であり、
qは、1〜10の整数であり、
wは、1〜10の整数であり、
xは、0〜10の整数であり、
gは、1〜10の整数であり、
-S-mAbは、A-HC-(G)zCVIM-、A-HC-(G)zCVLL-、A-LC-(G)zCVIM-、又はA-LC-(G)zCVLL-であり、ここで、Aは抗体を表し、HCは重鎖を表し、LCは軽鎖を表し、Gはグリシン単位を表し、zは0〜20の整数であり、
Bは、下記構造

0049

から選択される構造を有する薬物であり、
yは、1〜10の整数である。

発明の効果

0050

本発明による自壊性基を含む化合物は、特別の機能又は活性を有する標的及び活性剤(例えば、薬物、毒素、リガンド、検出プローブなど)に対して基質特異性を有するタンパク質(例えば、オリゴペプチド、ポリペプチド、抗体など)を含みうる。自壊性基は、血液中、血漿中などにおいて、既存のリンカーと比較して、より安定でありうる一方で、疾患を生じている細胞で過剰発現しているタンパク質に特異的に結合し、疾患を生じている細胞で特異的に活性剤を作用しうるように標的がん細胞において分離されることができ、したがって、化合物を疾患の処置に使用することを可能にする。

図面の簡単な説明

0051

β-グルクロニド系リンカーからの活性薬物放出メカニズムを示す。
実験例1におけるβ-グルクロニダーゼによる加水分解速度の測定により得られた結果を示す。
実験例2における血漿安定性の測定により得られた結果を示す。
実施例5において調製したLCB14-0648の血漿安定性の測定により得られた結果を示す。
実施例6において調製したLCB14-0663の血漿安定性の測定により得られた結果を示す。
実施例7において調製したLCB14-0664の血漿安定性の測定により得られた結果を示す。
実施例9における反応を示す概要図である。
実施例8において調製したADC(LCB14-0109)のマウス血漿安定性の測定により得られた結果を示す。
実施例9において調製したADC(LCB14-0110)の血漿安定性の様々な測定により得られた結果を示す。
実験例6(ビヒクル、Herceptin(5mg/kg)、及びADC109(0.1、1、5mg/kg))におけるQW用量に依存した腫瘍体積の観察により得られた結果を示すグラフである。
実験例6(ビヒクル、Herceptin(5mg/kg)、ADC109(5mg/kg)、及びADC110(5mg/kg)における反復投与に依存した薬物効果の観察により得られた結果を示すグラフである。
実験例6(ビヒクル、Herceptin(5mg/kg)、ADC109(5mg/kg)、及びADC110(5mg/kg))における単回用量投与に依存した薬物効果の観察により得られた結果を示すグラフである。
実験例7におけるADC110(実施例10)のin vitro血漿安定性の評価により得られた結果を示す。
実験例7におけるADC113(実施例11)のin vitro血漿安定性の評価により得られた結果を示す。
実験例7におけるKadcylaのin vitro血漿安定性の評価により得られた結果を示す。
実験例8におけるマウスでのin vivoPKプロファイルの観察により得られた結果を示すグラフである。
実験例8におけるラットでのADC110(実施例10)のin vivo PKプロファイルの観察により得られた結果を示すグラフである。
実験例8におけるラットでのADC110(実施例10)のin vivo薬物-抗体比(DAR)の観察により得られた結果を示すグラフである。
実験例8におけるラットでのADC110(実施例10)のin vivoフリーペイロード(free payload)濃度の観察により得られた結果を示すグラフである。
実験例8におけるサルでのADC110(実施例10)のin vivo PKプロファイルの観察により得られた結果を示すグラフである。
実験例8におけるサルでのADC110(実施例10)のin vivo薬物-抗体比(DAR)の観察により得られた結果を示すグラフである。
実験例8におけるサルでのADC110(実施例10)のin vivoフリーペイロード(free payload)濃度の観察により得られた結果を示すグラフである。

実施例

0052

本発明は、自壊性基を含む化合物に関する。詳細には、本発明による自壊性基を含む化合物は、下記化学式1によって表されることができ、特別の機能又は活性を有する標的及び活性剤(例えば、薬物、毒素、リガンド、検出プローブなど)に対して基質特異性を有するタンパク質(例えば、オリゴペプチド、ポリペプチド、抗体など)を含む。
[化学式1]

0053

Gは、グルクロン酸部分又はその誘導体であり、
Aは、(C1〜C20)ヒドロカルビル、バイオマテリアル、又は改変されたバイオマテリアルであり、
Bは、(C1〜C100)ヒドロカルビルであり、
Wは、電子求引性基であり、
Zは、水素、(C1〜C8)アルキル、ハロゲン、シアノ、又はニトロであり、
nは、1〜3の整数であり、nが2以上の整数である場合、Zはそれぞれ互いに同一又は異なっており、
Lは、自壊性基のA及びWを共有結合により連結するリンカーであり、並びに
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C8)アルキル、又は(C3〜C8)シクロアルキルである。

0054

本発明による自壊性基を含む化合物では、自壊性基は、β-グルクロニダーゼによって分離されることが可能なグルクロニドに結合されていてもよく、β-グルクロニダーゼによって分離されることが可能なグルクロニド基又はその誘導体であるGは、下記構造

0055

によって表されてもよい
(R3は、水素又はカルボキシル保護基であり、R4は、それぞれ独立して、水素又はヒドロキシル保護基である)。

0056

カルボキシル保護基は、有機合成で使用されうる一般的な保護基であり、好ましくはメチルメトキシメチルメチルチオメチル、テトラヒドロピラニルベンジルオキシメチル、フェナシル、N-フタルイミドメチル、2,2,2-トリクロロエチル、2ハロエチル、2-(p-トルエンスルホニル)エチル、t-ブチルシンナミルベンジルトリフェニルメチルビス(o-ニトロフェニル)メチル、9-アントラメチル、2-(9,10-ジオキソ)アントリルメチル、ピペロニルトリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、又はS-t-ブチル、2-アルキル-1,3-オキサゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヒドロキシル保護基も有機合成で使用されうる一般的な保護基であり、好ましくは、アセチル、メチル、エトキシエチル、ベンゾイル、ベンジル、4-メトキシベンジル、3,4ジメトキシベンジル、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラン(THF)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIP)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)、β-メトキシエトキシメチル(MEM)、メトキシメチル(MOM)、アリル、又はトリチルが挙げられるが、これらに限定されない。

0057

本発明による自壊性基を含む化合物では、Wは電子求引性基であり、好ましくは-C(O)-、-C(O)NR'-、-C(O)O-、-SO2NR'-、-P(O)R"NR'-、-SONR'-、又は-PO2NR'-でありうるが、これらに限定されず、R'及びR"は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C1〜C8)アルコキシ、(C1〜C8)アルキルチオ、モノ又はジ(C1〜C8)アルキルアミノ、(C3〜C20)ヘテロアリール又は(C6〜C20)アリールであってもよい。

0058

本発明による自壊性基を含む化合物では、リンカーLは、1〜50個の炭素原子を有するアルキレンであってもよく、下記の(i)〜(iv):
(i)アルキレンが、少なくとも1つの不飽和結合を含むこと、
(ii)アルキレンが、少なくとも1つのヘテロアリーレンを含むこと、
(iii)アルキレンの炭素原子が、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)から選択される1つ以上のヘテロ原子で置換されていること、及び
(iv)アルキレンが、1〜20個の炭素原子を有する1つ以上のアルキルでさらに置換されていること
のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つを満たす。

0059

本発明による自壊性基を含む化合物では、リンカーLは、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識される、下記化学式A
[化学式A]

0060

によって表される少なくとも1つのイソプレニル誘導体単位を含んでもよい。

0061

加えて、リンカーLは、1,3-双極子環化付加反応、ヘテロディールスアルダー反応、求核置換反応、非アルドール型カルボニル反応、炭素-炭素多重結合への付加、酸化反応、又はクリック反応によって形成される結合単位をさらに含んでもよい。アセチレンとアジドとの反応、又はアルデヒド若しくはケトン基とヒドラジン若しくはヒドロキシルアミンとの反応によって形成される結合単位は、好ましくは、下記化学式B、C、D、又はE
[化学式B]

0062

[化学式C]

0063

[化学式D]

0064

[化学式E]

0065

によって表されてもよく、
L1は、単結合又は1〜30個の炭素原子を有するアルキレンであり、
R11は、水素又は1〜10個の炭素原子を有するアルキルであり、
L2は、1〜30個の炭素原子を有するアルキレンである。

0066

クリック化学反応は、穏やかな条件で実施され、タンパク質の容易な取扱いを可能にする。クリック化学反応は、著しく高い反応特異性を示す。したがって、タンパク質が他の官能基を有していても(例えば、側鎖残基、又はC若しくはN末端に)、これらの官能基はクリック化学反応に影響を与えない。例えば、タンパク質のアジド基アセチレン基との間でクリック化学反応が起こっても、タンパク質の他の官能基はクリック化学反応により影響を受けない。さらにクリック化学反応は、関与するリガンドの種類にかかわらず、特異的に起こりうる。一部の場合では、リガンドは、全体的な反応効率を改善するように選択されてもよい。例えば、アジド-アセチレンクリック化学反応は、高収率トリアゾールを生じうる(全て参照により本明細書に組み込まれる、Rhiannon K. Hiaら, Chem. Rev. 2009, 109, 5620; Morten Meldal and Christian Wenzel Tornoe, Chem Rev., 2008, 108, 2952; Hartmuth C. Kolbら, Angew. Chemie Int. Ed. Engl., 2001, 40, 2004参照)。

0067

アジド基及びアセチレン基は、天然タンパク質アミノ酸配列に存在しない官能基である。これらの官能基を使用したコンジュゲーション反応が起こる場合に、側鎖残基のいずれも、さらにN末端又はC末端官能基のいずれも、クリック化学反応に影響を与えない。

0068

さらにリンカーLは、化学式F又はG:
[化学式F]
-(CH2)r(V(CH2)p)q-
[化学式G]
-(CH2CH2X)w-
によって表される連結単位をさらに含んでもよく、
Vは、単結合、-O-、-S-、-NR21-、-C(O)NR22-、-NR23C(O)-、-NR24SO2-、又は-SO2NR25であり、
Xは、-O-、(C1〜C8)アルキレン、又は-NR21-であり、
R21〜R25は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C6〜C20)アリール、又は(C1〜C6)アルキル(C3〜C20)ヘテロアリールであり、
rは、1〜10の整数であり、
pは、0〜10の整数であり、
qは、1〜10の整数であり、
wは、1〜10の整数である。

0069

より好ましくは、リンカーLは、化学式Aによって表される少なくとも1つのイソプレニル誘導体単位、化学式B、C、D、又はEによって表される結合単位、及び化学式F又はGによって表される連結単位を全て含んでもよい。

0070

より好ましくは、リンカーLは、下記構造

0071

によって表されてもよい。

0072

本発明による自壊性基を含む化合物では、Aは、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、Lは、

0073

であってもよく、Vは、単結合、-O-、-S-、-NR21-、-C(O)NR22-、-NR23C(O)-、-NR24SO2-、又は-SO2NR25であってもよく、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C6〜C20)アリール、又は(C1〜C6)アルキル(C3〜C20)ヘテロアリールであってもよく、rは、1〜10の整数であってもよく、pは、0〜10の整数であってもよく、qは、1〜10の整数であってもよく、L1は、単結合であってもよい。

0074

本発明による自壊性基を含む化合物では、バイオマテリアルは、タンパク質であってもよく、タンパク質としては、オリゴペプチド、ポリペプチド、抗体、抗原性ポリペプチドの断片、及びリピボディが挙げられる。

0075

タンパク質は、イソプレノイドトランスフェラーゼにより認識されることが可能なアミノ酸モチーフを有する。つまり、タンパク質のC末端(その断片、アナログ又はその誘導体)は、イソプレノイドトランスフェラーゼにより認識されることが可能なアミノ酸モチーフに結合していてもよい。加えて、タンパク質が、タンパク質とアミノ酸モチーフとの間のアミノ酸、オリゴペプチド、又はポリペプチドで構成されるスペーサー単位をさらに含んでもよい。タンパク質は、タンパク質のカルボキシル(C)末端欠失を有するか、又はタンパク質のカルボキシル末端にスペーサー単位の共有結合による付加を有する。タンパク質は、アミノ酸モチーフに直接共有結合していてもよく、又はスペーサー単位へ共有結合して、それによりアミノ酸モチーフに共有結合していてもよい。アミノ酸のスペーサー単位は、1〜20個のアミノ酸で構成されており、特にグリシン単位が好適である。

0076

タンパク質は、イソプレノイドトランスフェラーゼにより認識されることが可能なアミノ酸モチーフを有する。つまり、タンパク質のC末端(その断片、アナログ又はその誘導体)は、イソプレノイドトランスフェラーゼにより認識されることが可能なアミノ酸モチーフに結合していてもよい。加えて、タンパク質が、タンパク質とアミノ酸モチーフとの間のアミノ酸、オリゴペプチド、又はポリペプチドで構成されるスペーサー単位をさらに含んでもよい。タンパク質は、タンパク質のカルボキシル(C)末端に欠失を有するか、又はタンパク質のカルボキシル末端にスペーサー単位の共有結合による付加を有する。タンパク質は、アミノ酸モチーフに直接共有結合していてもよく、又はスペーサー単位へ共有結合して、それによりアミノ酸モチーフに共有結合していてもよい。アミノ酸のスペーサー単位は、1〜20個のアミノ酸で構成されており、特にグリシン単位が好適である。

0077

イソプレノイドトランスフェラーゼの例としては、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ(FTアーゼ)又はゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ(GGTアーゼ)を挙げることができ、これらは標的タンパク質のC末端システイン(複数可)へのファルネシル又はゲラニルゲラニル残基の転移にそれぞれ関与する。GGTアーゼは、GGTアーゼI及びGGTアーゼIIに分類されうる。FTアーゼ及びGGTアーゼIは、CAAXモチーフを認識することができ、GGTアーゼIIは、XXCC、XCXC、又はCXXモチーフを認識することができる(ここでCはシステインを表し、Aは脂肪族アミノ酸を表し、Xはイソプレノイドトランスフェラーゼの基質特異性を決定するアミノ酸を表す)(Nature Rev. Cancer 2005, 5(5), pp. 405-12; Nature Chemical Biology,2010, 17, pp. 498-506; Lane KT, Bees LS, Structural Biology of Protein of Farnesyltransferase and Geranylgeranyl transferase Type I, Journal of Lipid Research, 47, pp. 681-699(2006); Patrick J. Kasey, Miguel C. Seabra; Protein Prenyl transferases, The Journal of Biological Chemistry, Vol. 271, No. 10, Issue of March 8, pp. 5289-5292 (1996)参照、これらの参照文献の内容は全体として参照により組み込まれる)。

0078

本発明では、様々な起源由来、例えば、ヒト、動物、細菌、ウイルスなど由来のイソプレノイドトランスフェラーゼを使用することができる。一部の実施形態では、天然に存在するイソプレノイドトランスフェラーゼを使用してもよい。一部の他の実施形態では、天然に又は人工的に改変されたイソプレノイドトランスフェラーゼを使用してもよい。例えば、天然に存在するイソプレノイドトランスフェラーゼの少なくとも1つのアミノ酸配列が天然に変化(例えば、翻訳後修飾)された、天然に又は人工的に切断された形態を有するイソプレノイドトランスフェラーゼ、及び(His)-タグ、GST、GFP、MBP、CBP、Iospepタグ、BCCP、Myc-タグ、カルモジュリンタグ、FLAG-タグ、HA-タグ、マルトース結合タンパク質-タグ、Nus-タグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ-タグ、緑色蛍光タンパク質-タグ、チオレドキシン-タグ、S-タグ、Sofタグ1、Sofタグ3、Strep-タグ、SBP-タグ、Ty-タグなどの少なくとも1つのタグによって改変されたイソプレノイドトランスフェラーゼがある。

0079

イソプレノイドトランスフェラーゼは、イソ基質(isosubstrate)及び基質を認識しうる。イソ基質は、基質に修飾を有する基質アナログを指す。イソプレノイドトランスフェラーゼは、タンパク質のC末端で、特別のアミノ酸モチーフ(例えば、CAAXモチーフ)をアルキル化する(これらの文献の内容が参照により本明細書に組み込まれる、Benjamin P. Duckworthら, ChemBioChem 2007, 8 98; Uyen T. T. Nguyenら, ChemBioChem 2007, 8, 408; Guillermo R. Labadieら, J.Org. Chern. 2007, 72(24), 9291; James W. Wollackら, ChemBioChem 2009, 10, 2934参照)。官能基を有するタンパク質は、イソプレノイドトランスフェラーゼ及びイソ基質を使用して、C末端システイン(複数可)でのアルキル化によって製造してもよい。

0080

例えば、C末端CAAXモチーフのシステイン残基は、イソプレノイドトランスフェラーゼを使用してイソ基質と反応させてもよい。特定の場合において、AAXは、プロテアーゼにより除去してもよい。得られたシステインは、次いで、カルボキシル末端で、酵素によりメチル化してもよい(参照により本明細書に組み込まれるIran M. Bell, J. Med. Chern. 2004, 47(8), 1869参照)。

0081

本発明のタンパク質は、当該分野で周知の任意の分子生物学的方法又は細胞生物学的方法を使用して調製してもよい。例えば、一過性トランスフェクション方法を使用してもよい。イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識されうる特別のアミノ酸モチーフをコードする遺伝子配列を、標準的なPCR技術を使用して既知プラスミドベクターに挿入し、そのC末端に特別のアミノ酸モチーフを有するタンパク質(その断片又はアナログ)を発現させてもよい。上記のように、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識されうる少なくとも1つのアミノ酸モチーフを有するタンパク質を発現させてもよい。

0082

本明細書で使用される用語「タンパク質」は、共有結合(例えば、ペプチド結合)により結合された独立して選択された2つ以上の天然又は非天然アミノ酸と理解される。ペプチドは、ペプチド結合により結合された2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はより多くの天然又は非天然アミノ酸を含みうる。本明細書に記載のポリペプチドは、全長タンパク質(例えば、完全にプロセシングされたタンパク質)及びより短いアミノ酸配列(例えば、天然タンパク質の断片又は合成ポリペプチド断片)を含む。

0083

本明細書で使用される用語「タンパク質」は、抗体、抗原性ポリペプチドの断片、又はそのアナログ若しくは誘導体も含む。用語「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位を介して、標的、例えばタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物ポリヌクレオチド、脂質又はその組合せを認識し、特異的に結合する、免疫グロブリン分子を指す。本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、インタクトなポリクローナル抗体、インタクトなモノクローナル抗体、抗体断片(例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fd、及びFv断片)、1本鎖Fv(scFv)変異体、多重特異性抗体、例えば、2つ以上のインタクトな抗体から生成される二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、及び抗体が所望の生物学的活性を示す限り、抗原認識部位を含む任意の他の改変された免疫グロブリン分子を含む。抗体は、α、δ、ε、γ及びμと参照される重鎖定常ドメイン同一性に基づいて、それぞれ免疫グロブリンの5つの主要なクラス:IgAIgDIgEIgG及びIgM又はそれらのサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)のいずれかの抗体でありうる。異なる免疫グロブリンクラスは、周知の異なるサブユニット構造と3次元配置を有する。

0084

用語「抗体断片」は、インタクトな抗体の一部分を指し、インタクトな抗体の抗原性決定可変領域を指す。抗体断片の例としては、Fab、Fab'、F(ab')2、Fd、及びFv断片、直鎖状抗体、1本鎖抗体、及び抗体断片から形成された多重特異性抗体が挙げられる。

0085

用語「モノクローナル抗体」は、単一の抗原決定基又はエピトープを非常に特異的に認識して結合することに関与する均質抗体集団を指す。これとは対照的に、ポリクローナル抗体は、通常様々な抗原決定基を指向する様々な抗体を含む。用語「モノクローナル抗体」は、インタクトな全長のモノクローナル抗体並びに抗体断片(例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fd、及びFv断片)、1本鎖(scFv)変異体、抗体部分を含む融合タンパク質及び抗原認識部位を含む任意の他の修飾された免疫グロブリン分子との両方を包含する。さらに「モノクローナル抗体」は、いくつかの方法、例えば、限定されないが、ハイブリドーマファージ選択、組換え発現、及びトランスジェニック動物による方法で作られた抗体を指す。

0086

用語「ヒト化抗体」は、最小の非ヒト(例えば、マウス)配列を含有する特別の免疫グロブリン鎖キメラ免疫グロブリン又はその断片である非ヒト(例えば、マウス)抗体の形態を指す。一般的には、ヒト化抗体は、相補性決定領域(CDR)由来の残基が、所望の特異性、親和性及び性能を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ウサギ又はハムスター)のCDR由来の残基で置き換えられているヒト免疫グロブリンである(Jonesら, 1986, Nature, 321:522-525; Riechmannら, 1988, Nature, 332:323-327; Verhoeyenら, 1988, Science, 239:1534-1536参照)。一部の場合では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、所望の特異性、親和性及び/又は結合性能を有する非ヒト種由来の抗体の対応残基で置き換えられている。ヒト化抗体は、抗体の特異性、親和性及び/又は結合性能を精練及び最適化するために、Fvフレームワーク領域内及び/又は置き換えられた非ヒト残基内のいずれかで残基を追加的に置換することによってさらに修飾されていてもよい。一般にヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンに相当するCDR領域の全て又は実質的に全てを含有する少なくとも1つ、典型的に2つ又は3つの可変ドメインの実質的に全てを含む一方、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域の全て又は実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域又はドメイン(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域又はドメイン(Fc)の少なくとも一部を含んでもよい。ヒト化抗体を生成するために使用される方法の例は、米国特許第5,225,539号に記載されている。

0087

用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、ヒトにより産生された抗体、又は当該分野で既知の任意の技術を使用して作られた、ヒトで産生される抗体に相当するアミノ酸配列を有する抗体を指す。この定義は、インタクトな又は全長の抗体、その断片、及び/又は少なくとも1つのヒト重鎖及び/又は軽鎖ポリペプチドを含む抗体、例えばマウス軽鎖及びヒト重鎖ポリペプチドを含む抗体が挙げられる。

0088

用語「キメラ抗体」は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が、2つ以上の種から誘導されている抗体を指す。一般には、軽鎖及び重鎖の両方の可変領域が、所望の特異性、親和性及び性能を有する哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)の1つの種から誘導される抗体の可変領域に対応しており、一方で、定常領域は、その種の免疫応答が誘発されることを避けるために、別の(通常はヒト)から誘導される抗体における配列と均質である。

0089

用語「エピトープ」及び「抗原決定基」は本明細書で交換可能に使用され、特定の抗体に認識され、及び特異的に結合されることができる抗原の一部分を指す。抗原がポリペプチドである場合、エピトープは、タンパク質の3次元折り畳みに並置された非連続アミノ酸及び連続アミノ酸の両方により形成されうる。連続アミノ酸から形成されたエピトープはタンパク質変性の際も典型的に保持されるが、3次元折り畳みで形成されたエピトープは通常、タンパク質変性に際し、失われる。エピトープは通常、特別な空間的配置中に、3つ以上、5つ以上、又は8〜10以上のアミノ酸を含む。

0090

抗体は、エピトープ又は抗原性分子に「特異的に結合」し、このことは、エピトープ又は抗原性分子に、無関係のタンパク質を含む代替的物質よりも、頻繁に、迅速に、長期間、大きい親和性で、又はそれらの一部の組合せで、反応又は会合することを意味する。特別の実施形態では、「特異的に結合する」は、例えば、抗体が、約0.1mM以下、より通常は、約1μM未満のKDでタンパク質に結合することを意味する。特別の実施形態では、「特異的に結合する」は、抗体が、一部の場合には約0.1μM以下、他の場合には約0.01μM以下のKDで、タンパク質に結合することを意味する。異なる種の均質なタンパク質間配列同一性により、特異的な結合は、2種以上の特別なタンパク質を認識する抗体に関与する場合がある。第1の標的に特異的に結合する抗体又は結合残基は、第2の標的に特異的に結合しても結合しなくてもよいことが理解される。上記のように、「特異的結合」は、排他的結合、つまり単一の標的への結合を必ずしも必要としない(但し、含む場合がある)。一般に、必ずではないが、結合に対する参照は、特異的結合を意味する。

0091

抗体、例えばその断片/誘導体、及びモノクローナル抗体は、当該分野で既知の方法を使用して取得されうる(全て参照により全体として本明細書に組み込まれる、McCaffertyら, Nature 348:552-554 (1990); Clacksonら, Nature 352:624-628; Marksら, J. Mol. Biol. 222:581-597 (1991); Marksら, Bio/Technology 10:779-783 (1992); Waterhouseら, Nucleic. AcidsRes. 21:2265-2266 (1993); Morimotoら, Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117 (1992); Brennanら, Science 229:81(1985); Carteret al., Bio/Technology 10:163-167 (1992); Kohlerら, Nature 256:495 (1975);米国特許第4,816,567号); Kilpatrickら, Hybridoma 16 (4):381-389 (1997); Wringら, J. Pharm. Biomed. Anal. 19(5):695-707 (1999); Bynumら, Hybridoma 18(5):407-411 (1999), Jakobovitsら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,90:2551 (1993); Jakobovitsら, Nature, 362:255-258 (1993); Bruggemannら, Year in Immuno. 7:33(1993); Barbasら, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 91:3809-3813 (1994); Schierら, Gene 169:147-155 (1995); Yeltonら, J. Immunol. 155:1994-2004 (1995); Jacksonら, J. Immunol. 154(7):3310-9 (1995); Hawkinsら, J. Mol. Biol. 226:889-896 (1992);米国特許第5,514,548号、同第5,545,806号、同第5,569,825号、同第5,591,669号、同第5,545,807号、WO97/17852参照)。

0092

限定されないが、抗体は、好ましくは、ムロモナブCD3、アブシキシマブ、リツキシマブ、ダクリズマブ、パリビズマブ、インフリキシマブ、トラスツズマブ(「Herceptin」と称する)、エタネルセプト、バシリキシマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、アレムツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、アダリムマブ、アレファセプト、オマリズマブ、エファリズマブ、トシツモマブ-I131、セツキシマブ、ベバシズマブ、ナタリズマブ、ラニビズマブ、パニツムマブ、エクリズマブ、リロナセプト、セルトリズマブペゴル、ロミプロスチム、AMG-531、CNTO-148、CNTO-1275、ABT-874、LEA-29Y、ベリムマブ、TACI-Ig、第2世代抗CD20、ACZ-885、トシリズマブ、アトリズマブ(atlizumab)、メポリズマブ、ペルツズマブ、HuMax CD20、トレメリムマブ(CP-675 206)、チシリムマブ(ticilimumab)、MDX-010、IDEC-114、イノツズマブオゾガマイシン、HuMax EGFR、アフリベルセプト、VEGF Trap-Eye、HuMax-CD4、Ala-Ala、ChAglyCD3、TRX4、カツマキソマブ、IGN101、MT-201、オレゴボマブ、CH-14.18、WX-G250、AMG-162、AAB-001、モタビズマブ、MEDI-524、エファングマブ(efumgumab)、Aurograb(登録商標)、ラキシバクマブ、第3世代抗CD20、LY2469298、及びベルツズマブからなる群から選択されてもよい。

0093

本明細書で使用される用語「タンパク質」は、リピボディも含む。リピボディは、ロイシンリッチリピート(LRR)タンパク質構造を有するインターナリン(internaline)のN末端とその構造類似性に基づく可変性リンパ球受容体(VLR)の融合を通じたコンセンサス設計により最適化されたポリペプチドである。リピボディは、上述の方法によるタンパク質の水溶性発現及び生物物理学的特性を改善するために、リピートモジュールを有するLRRファミリーに含まれる全てのタンパク質を使用して得られる全ての融合LRRファミリータンパク質を含んでもよい。

0094

タンパク質が、モノクローナル抗体である場合、モノクローナル抗体の少なくとも1つの軽鎖又はモノクローナル抗体の少なくとも1つの重鎖又は両方は、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識されうるアミノ酸モチーフを有するアミノ酸領域を含んでもよい。

0095

業者は、目的の標的に選択的に結合するタンパク質(例えば、対象とする標的細胞)を直ちに選択しうる。上述のタンパク質に限定されないが、タンパク質は、目的とする標的に特異的に結合する抗体又は抗原の断片を含む。

0096

本発明による自壊性基を含む化合物では、アミノ酸モチーフは、CYYX、XXCC、XCXC、又はCXXであってもよく(ここで、Cはシステインを表し、Yは脂肪族アミノ酸を表し、Xはイソプレノイドトランスフェラーゼの基質特異性を決定するアミノ酸を表す)、より好ましくは、アミノ酸モチーフは、CYYXである。

0097

本発明による自壊性基を含む化合物では、タンパク質は、抗体又はリピボディであることがより好ましい。

0098

本発明による自壊性基を含む化合物では、活性剤であるBは、1つ以上のリンカーを介してタンパク質のカルボキシル末端に存在しているアミノ酸モチーフに共有結合していてもよい。

0099

活性剤としては、薬物、毒素、親和性リガンド、検出プローブ、又はその組合せが挙げられる。

0100

薬物は、エルロチニブ(TARCEVA、Genentech/OSIPharm.)、ボルテゾミブ(VELCADE、Millenium Pharm.)、フルベストラント(FASLODEX、AstraZeneca)、スーテント(SU11248、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA、Novartis)、イマチニブメシレート(GLEEVEC、Novartis)、PTK787/ZK 222584(Novartis)、オキサリプラチン(Eloxatin、Sanofi)、5-フルオロウラシル(5-FU)、ロイコボリンラパマイシン(Sirolimus、RAPAMUNE、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB、GSK572016、GlaxoSmithKline)、ロナファーニブ(SCH 66336)、ソラフェニブ(BAY43-9006、Bayer Labs.)、ゲフィチニブ(IRESSA、Astrazeneca)、AG1478、AG1571(SU 5271、Sugen)、アルキル化剤(例えば、チオテパ又はCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミド)、アルキルスルフォネート(例えば、ブスルファンインプロスルファン又はピポスルファン)、アジリジン(例えば、ベンゾドパカルボコン、メツレドパ、又はウレドパ)、エチレンイミン、メチラメラミン、アルトレタミントリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリメチロメラミンアセトゲニン(例えば、ブラタシン又はブラタシノン)、カンプトテシン、例えば、合成アナログトポテカンブリオスタチンカリスタチン、CC-1065(例えば、アドレシン、カルゼレシン、又はビゼレシン合成アナログ、クリプトフィシン(例えば、クリプトフィシン1又はクリプトフィシン8)、ドラスタチン、デュオカルマイシン(例えば、合成アナログ、KW-2189、及びCB1-TM1)、エロテロビンパンクラチスタチン、サルコジクチンスポンジスタチン、ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシルクロルファジンクロホスファミド、エストラムスチンイホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシドメルファラン、ノベンビチン、フェネステリンプレニムスチントロホスファミド、又はウラシルマスタード)、ニトロソウレア(nitrousurea)(例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、又はラニムスチン)、抗生物質(例えば、エンジイン抗生物質、例えば、カリケアマイシン(calicheamycin)γ1I及びカリケアマイシンωI1から選択されるカリケアマイシン又はダイネマイシン、例えば、ダイネマイシンA)、ビスホスホネート(例えば、クロドロネートエスペラマイシン、ネオカルチノスタチンクロモフォア、又は関連する色素タンパク質、エンジイン抗生物質クロモフォア、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリンブレオマイシンカクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシンカルミノマイシン(carninomycin)、カルジノフィリンクロモマイシンダクチノマイシンダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRLIMYCIN(登録商標)(ドキソルビシン)(例えば、モルホリノドキソルビシン、シアノモルホリノドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、リポソーマルドキソルビシン又はデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン(例えば、マイトマイシンCミコフェノール酸,ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシンポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン(streptomigrin)、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン又はゾルビシン)、抗代謝物質(例えば、5-フルオロウラシル(5-FU)、葉酸アナログ(例えば、デノプテリンメトトレキセートプテロプテリン又はトリメトレキセート)、プリンアナログ(例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリンチアミプリン又はチオグアニン(thiguanine))、ピリミジンアナログ(例えば、アンシタビンアザシチジン6-アザウリジンカルモフールシタラビンジデオキシウリジンドキシフルリジンエノシタビン又はフロクスウリジン)、アンドロゲン(例えば、カルステロンプロピオン酸ドロモスタノロンエピチオスタノールメピチオスタン)又はテストラクトン)、抗副腎薬(例えば,アミノグルテチミドミトタン又はトリロスタン)、葉酸補充薬(例えば、フォリン酸)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸エニルウラシルアムサクリンベストラブシル、ビサントレンエダトラキサート、デフォファミン、デメコルシン、ジアジコンエルフォルニチン、酢酸リプチニウム、エポチロンエトグルシド、硝酸ガリウムヒドロキシ尿素レンチナン、ロニダイニンメイタンシノイド(例えば、メイタンシン若しくはアンサミトシン)、トリコテセン(特に、T-2毒素ベラクリンA、ロリジンA又はアングイジン)、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダンモール、ニトラエリンペントスタチン、フェナメットピラルビシン、ロソキサントロン、2-エチルヒドラジドプロカルバジンPSK(登録商標)多糖体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフランスピロゲルマニウムテヌアゾン酸トリアジクオン、2,2',2"-トリクロロトリエチルアミン、トリコテセン(特に、T-2毒素、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン)、ウレタンビンデシンダカルバジンマンノムスチンミトブロニトール、ミトラクトールピポブロマン、ガシトシンアラビノシド(「Ara-C」)、シクロホスファミド、チオテパ、タキソイド(例えば、TAXOL(登録商標)パクリタキセル(Bristol-Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.)、cremophorを含有しない、パクリタキセルのアルブミン改変ナノ粒子製剤であるABRAXANE(商標)(American Pharmaceutical Partners, Schaumber, I11)又はTAXOTERE(登録商標)ドキセタキセル(Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France)、クロラムブシル、ゲムシタビン6-チオグアニン、メルカプトプリン、白金アナログ(例えば、シスプラチン又はカルボプラチン)、ビンブラスチン、白金、エトポシド、イホスファミド、ミトキサントロン、ビンクリスチン、NAVELBINE(登録商標)ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダトレキサート、ダウノマイシンアミノプテリン、キセローダ、イバンドロネート、CPT-11、トポイソメラーゼ阻害剤(RFS2000)、ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)、レチノイド(例えば、レチノイン酸)、カペシタビン、及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、酸又は誘導体からなる群から選択されうるが、それらに限定されない。

0101

限定されないが、さらなる薬物としては、(i)腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)、例えば、タモキシフェン(例えば、NOLVADEX(登録商標)タモキシフェン)、ラロキシフェンドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェントリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、FAREATON(登録商標)トレミフェン、(ii)アロマターゼ阻害剤、副腎におけるエストロゲン産生を制御するアロマターゼ酵素を阻害する阻害剤、例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)酢酸メゲストロール、AROMASIN(登録商標)エキセメスタン、FEMARA(登録商標)レトロゾール、及びARIMIDEX(登録商標)アナストロゾール、(iii)抗アンドロゲン、例えば、フルタミドニルタミドビカルタミドロイプロリド及びゴセレリン、並びにトロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシンアナログ)、(iv)アロマターゼ阻害剤、(v)タンパク質キナーゼ阻害剤、(vi)脂質キナーゼ阻害剤、(vii)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に接着細胞に関与するシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC-α、Raf、H-Ras、(viii)リボザイム、例えば、VEGF阻害剤、例えばANGIOZYMEリボザイム及びHER2発現阻害剤、(ix)ワクチン、例えば、遺伝子治療ワクチン、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTINワクチン及びVAXIDワクチン、PROLEUKIN(登録商標)rlL-2、LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1阻害剤、ABARELIX(登録商標)rmRH、(x)抗血管新生阻害剤、例えば、ベバシズマブ(AVASTIN、Genentech)、並びに(xi)薬学的に許容される塩、溶媒、酸、又はその誘導体が挙げられる。

0102

加えて、サイトカインが、薬物として使用されてもよい。サイトカインは、多数の細胞によって分泌される小さい、細胞-シグナル伝達タンパク質分子であり、細胞間情報伝達で広く使用されているシグナル伝達分子カテゴリーに入る。サイトカインには、モノカインリンホカイン、古典的ポリペプチドホルモンなども含まれる。サイトカインの例としては、成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒトホルモン、又はウシ成長ホルモン)、副甲状腺ホルモンチロキシンインシュリンプロインシュリンリラキシンプロリラキシン糖タンパク質ホルモン(例えば、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、又は黄体形成ホルモン(LH))、肝成長因子線維芽細胞成長因子プロラクチン胎盤ラクトジェン、腫瘍壊死因子-α、腫瘍壊死因子-β、ミュラー管退縮因子、マウスゴナドトロピン関連ペプチドインヒビンアクチビン血管内皮成長因子インテグリン、トロンボポイエチン(TPO)、神経成長因子(例えば、NGF-β)、血小板成長因子、形質転換成長因子(TGF)(例えば、TGF-α又はTGF-β)、インシュリン様成長因子-I、インシュリン様成長因子-II、エリトロポイエチン(EPO)、骨誘導因子インターフェロン(例えば、インターフェロンαインターフェロンβ、又はインターフェロンγ)、コロニー刺激因子(CSF)(例えば、マクロファージ-CSF(M-CSF)、顆粒球-マクロファージ-CSF(GM-CSF)、又は顆粒球-CSF(G-CSF))、インターロイキン(IL)(例えば、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、又はIL-12)、腫瘍壊死因子(TNF)(例えば、TNF-α又はTNF-β)、及びポリペプチド因子(例えば、LIF又はkitリガンド(KL))が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、用語「サイトカイン」には、天然源又は組換え細胞培養物由来のサイトカイン、及びサイトカインの天然配列の生物学的活性同等物も含まれる。

0103

用語「毒素」は、生細胞又は生物内で産生された有毒物質を指す。毒素は、生物学的巨大分子、例えば、酵素又は細胞受容体相互作用している生体組織と接触すると、又は当該生体組織によって吸収されると、疾患を生じさせる能力がある小分子、ペプチド又はタンパク質でありうる。さらに、毒素は、植物毒素及び動物毒素を含む。動物毒素の例としては、ジフテリア毒素ボツリヌス毒素破傷風毒素赤痢毒素、コレラ毒素、テトロド毒素、ブレベ毒素、及びシガ毒素が挙げられるが、これらに限定されない。植物毒素の例としては、リシン及びAM-毒素が挙げられるが、これらに限定されない。

0104

小分子毒素の例としては、オーリスタチン、ツブリシンゲルダナマイシン(Kerrら, 1997,Bioconjugate Chem. 8(6):781-784)、マイタンシノイド(EP第1391213号、ACR2008, 41, 98-107)、カリケアマイシン(US第2009105461号、Cancer Res. 1993, 53, 3336-3342)、ダウノルビシン、ドキソルビシン、メトトレキサート、ビンデシン、SG2285(Cancer Res. 2010, 70(17), 6849-6858)、ドラスタチン、ドラスタチンアナログ、オーリスタチン(US563548603)、クリプトフィシン、カンプトテシン、リゾキシン誘導体、CC-1065アナログ又は誘導体、ズオカルマイシン、エンジイン抗生物質、エスペラマイシン、エポチロン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)誘導体、α-アマニチン、及びトキソイドが挙げられるが、これらに限定されない。毒素は、チューブリン結合、DNA結合、トポイソメラーゼ抑制などにより、細胞毒性及び細胞成長阻害活性を示しうる。

0105

用語「リガンド」は、標的バイオ分子複合体を形成することができる分子を指す。リガンドの例は、シグナルを伝えるために標的タンパク質の所定の位置に結合された分子である。リガンドは、基質、阻害剤、刺激剤神経伝達物質、又は放射性同位体でありうる。

0106

「検出可能成分」又は「標識」は、分光学的、光化学的、生物化学的免疫化学的放射性又は化学的手段により検出可能な手段を指す。例えば、有用な標識としては、32P、35S、蛍光染料高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAで一般に使用されている酵素)、ビオチンストレプトアビジンジオキシゲニン抗血清又はモノクローナル抗体が利用可能なハプテン及びタンパク質、又は標的に相補的な配列を有する核酸分子が挙げられる。検出可能な成分は、しばしば測定可能なシグナル、例えば、放射活性発色性又は蛍光シグナルを生成し、これらを使用して、試料において結合された検出可能な成分を定量しうる。シグナルの定量は、例えば、シンチレーション測定、濃度測定フローサイトメトリ、ELISA、又はインタクトな若しくは続けて消化されるペプチドの質量分析による直接測定(1つ以上のペプチドが評価されうる)により達成される。当業者は、目的の化合物を標識するための技術及び検出手段に精通している。これらの技術及び方法は常套手段であり、当該分野で周知である。

0107

用語「プローブ」は、本明細書で使用される場合、(i)検出可能なシグナルを提供しうる、(ii)第1プローブ又は第2のプローブと相互作用して、第1又は第2のプローブによって提供される検出可能なシグナル、例えば蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を改変しうる、(iii)抗原又はリガンドとの相互作用を安定化させ、又は結合親和性を増加させうる、(iv)電気泳動度又は細胞侵入活性物理的パラメータ、例えば電荷、疎水性などにより作用しうる、又は(v)対照リガンド親和性、抗原-抗体結合又はイオン結合型錯体形成を制御しうる、材料を指す。

0108

活性剤は、免疫調節化合物、抗がん剤、抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、又はその組合せを含む。

0109

免疫調節化合物は、アミノカプロン酸アザチオプリンブロモクリプチンクロロキン、クロラムブシル、シクロスポリンシクロスポリンAダナゾールデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デキサメタゾン、エタネルセプト、ヒドロキシクロロキンヒドロコルチゾン、インフリキシマブ、メロキシカム、メトトレキサート、シクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチルプレドニゾンシロリムス、及びタクロリムスからなる群から選択されてもよい。抗がん剤は、メトトレキサート、タキソールL-アスパラギナーゼ、メルカプトプリン、チオグアニン、ヒドロキシウレア、シタラビン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソウレア、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシン、ダカルバジン、プロカルバジン、トポテカン、ナイトロジェンマスタード、シトキサン、エトポシド、5-フルオロウラシル、ビスクロロエチルニトロソウレア(BCNU)、イリノテカン、カンプトテシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、アスパラギナーゼ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、ドセタキセル、クロラムブシ、メルファラン、カルムスチン、ロムスチン、ブスルファン、トレオスルファン、ダカルバジン(decarbazine)、エトポシド、テニポシド、トポテカン、9-アミノカンプトテシンクリストール、マイトマイシンC、トリメトレキサート、ミコフェノール酸、チアゾフリンリバビリン、5-エチニル-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキサミド(EICAR)、ヒドロキシウレア、デフェロキサミン、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラルチトレキセド、シタラビン(ara C)、シトシンアラビノシド、フルダラビン、タモキシフェン、ラロキシフェン、メゲストロール、ゴセレリン、酢酸リュープロリド、フルタミド、ビカルタミド、EB1089、CB1093、KH1060、ベルテポルフィンフタロシアニン光増感剤Pe4、デメトキシ-ハイポクレリンA、インターフェロンα、インターフェロンγ、腫瘍壊死因子、ゲンシタビン、ベルケイド、レブリミド、サロミド、ロバスタチン、1-メチル-4-フェニルピリジニウムイオンスタウロスポリンアクチノマイシンD、ダクチノマイシン、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ペプロマイシン、エピルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン、ベラパミル、及びタプシガルギンからなる群から選択されてもよい。抗ウイルス剤は、ペンシクロビル(pencicyclovir)、バラシクロビルガンシクロビル、フォスカルネット、リバビリン、イドクスウリジンビダラビン、トリフルリドン(trifluridine)、アシクロビルファムシクロビルアマンタジン、リマンタジン、シドフォビル、アンチセンスオリゴヌクレオチド、免疫グロブリン、及びインターフェロンからなる群から選択されてもよい。抗細菌剤は、クロラムフェニコールバンコマイシンメトロニダゾールトリメトプリム(trimethoprin)、スルファメタゾール、キヌプリスチンダルホプリスチンリファンピンスペクチノマイシン、及びニトロフラントインからなる群から選択されてもよい。抗真菌剤は、アムホテリシンBカンジシジンフィリピンハマイシン、ナタマイシンナイスタチンリモシジンビフォナゾールブトコナゾールクロトリマゾールエコナゾール、フェンチコナゾールイソコナゾールケトコナゾールルリコナゾールミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾールセルタコナゾールスルコナゾールチオコナゾールアルバコナゾールフルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾールポサコナゾール、ラブコナゾール、テルコナゾール、ボリコナゾールアバファンジンアモロルフィンブテナフィンナフチフィンテルビナフィンアニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、安息香酸シクロピロクスフルシトシングリセオフルビン、ハロプロギン、トルナフテートウンデシレン酸クリスタルバイオレットバルサムオブペルー、クロピロクスオラミンピロクトンオラミンジンクピリチオン、及び二硫化セレンからなる群から選択されてもよい。抗寄生虫剤は、メベンダゾールパモ酸ピランテルチアベンダゾールジエチルカルバマジンイベルメクチンニクロサミドプラジカンテルアルベンダゾール、リファンピン、アムホテリシンB、メラルソプロールエフロルニチン、メトロニダゾール、チニダゾール、及びミルテホシンからなる群から選択されてもよい。

0110

本発明による自壊性基を含む化合物では、アミノ酸モチーフを有するタンパク質は、A-HC-(G)zCVIM、A-HC-(G)zCVLL、A-LC-(G)zCVIM、及びA-LC-(G)zCVLLからなる群から選択されてもよく、ここで、Aは抗体を表し、HCは重鎖を表し、LCは軽鎖を表し、Gはグリシン単位を表し、zは0〜20の整数を表す。

0111

本発明による自壊性基を含む化合物は、下記構造:

0112

を有する化合物から選択されてもよく、
式中、
Zは、水素、(C1〜C8)アルキル、ハロゲン、シアノ、又はニトロであり、
Xは、-O-、(C1〜C8)アルキレン、又は-NR21であり、
R21は、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C6〜C20)アリール、又は(C1〜C6)アルキル(C3〜C20)ヘテロアリールであり、
nは、1〜3の整数であり、nが2以上の整数である場合、Zはそれぞれ互いに同一又は異なっており、
rは、1〜10の整数であり、
qは、1〜10の整数であり、
wは、1〜10の整数であり、
xは、0〜10の整数であり、
gは、1〜10の整数であり、
-S-mAbは、A-HC-(G)zCVIM-、A-HC-(G)zCVLL-、A-LC-(G)zCVIM-、又はA-LC-(G)zCVLL-であり、ここで、Aは抗体を表し、HCは重鎖を表し、LCは軽鎖を表し、Gはグリシン単位を表し、zは0〜20の整数であり、
Bは、下記構造

0113

から選択される構造を有する薬物であり、
yは、1〜10の整数である。

0114

本発明による化学式1の自壊性基を含む化合物では、Aがタンパク質であり、Bが活性剤である場合、当業者に既知の組成物調製方法を使用して、化合物を使用し、活性剤を対象の標的細胞に移動させ、対象を処置してもよい。

0115

組成物は、液体溶液又は懸濁液のいずれかとして、注射形態で調製される。また注射に適切な固形形態が、エマルジョンとして調製されてもよく、又はポリペプチドと共にリポソーム封入されて調製されてもよい。自壊性基を含む化合物は、薬学的に許容される担体と組み合わされてもよい。薬学的に許容される担体としては、担体を受け取る対象で有害な抗体の産生を誘導しない任意の担体が挙げられる。適切な担体としては、通常ゆっくりと代謝される巨大分子、例えば、タンパク質、多糖類ポリ乳酸ポリグリコール酸重合アミノ酸、アミノ酸コポリマー脂質凝集体などが挙げられる。これらの担体は、当業者にとって周知である。

0116

組成物は、希釈剤、例えば、水、生理食塩水グリセロール、及びエタノールを含有してもよい。補助剤、例えば、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝物質などを、その中に含有させてもよい。タンパク質は、中和又は塩形態でワクチンに製剤化してもよい。組成物は、注射により、非経口的に投与されてもよく、そのような注射は皮下又は筋肉内注射でありうる。さらなる製剤が、他の投与形態、例えば、坐剤又は経口投与に適切である。経口組成物は、溶液、懸濁液、錠剤丸剤カプセル剤、又は持続放出製剤として投与されてもよい。

0117

組成物は、用量及び製剤に適合する様式で投与される。組成物は、自壊性基を含む化合物の治療有効量を含む。「治療有効量」により、疾患又は障害の処置又は予防に有効な単回用量、又は複数回用量スケジュールにおいて投与される組成物が意味される。投与量は、対象者の健康及び身体状態、所望される保護の程度、及び他の関連因子に応じて変動しうる。有効成分の正確な必要量医師の判断に応じて決まる。

0118

例えば、自壊性基を含む化合物又はそれを含有する組成物の治療有効量を、がん又は腫瘍に罹患している患者に、がん(caner)又は腫瘍を処置するために投与してもよい。

0119

自壊性基を含む化合物又はそれを含有する組成物の治療有効量を、病原体(例えば、ウイルス、細菌、真菌寄生虫など)による感染を処置又は予防するために、患者に投与してもよい。これらの方法は、疾患若しくは障害又はその症状を処置するために十分な自壊性基を含む化合物の治療量又は予防量を、疾患又は障害が予防又は処置される条件下で、哺乳動物に投与することを含む。

0120

本発明による自壊性基を含む化合物又はそれを含有する組成物は、その薬学的に許容される塩又は溶媒の形態で投与されてもよい。一部の実施形態では、本発明による自壊性基を含む化合物又はそれを含有する組成物は、薬学的に許容される担体、薬学的に許容される賦形剤、及び/又は薬学的に許容される添加剤と共に投与されてもよい。薬学的有効量及び薬学的に許容される塩又は溶媒、賦形剤及び添加剤の種類は、標準的方法を使用して測定しうる(Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA,第18版, 1990参照)。

0121

用語「治療有効量」は、がん又は腫瘍に関連して、がん細胞の数を低下させる、がん細胞のサイズを低下させる、がん細胞の周辺組織への侵入を妨げる又は侵入を低下させる、がん細胞の他の組織への伝播を妨げる又は伝播を減少させる、がん細胞の成長を妨げる、及び/又はがんに関連する少なくとも1つの症状を改善することができる量を意味する。がんの処置では、薬物の有効性は、腫瘍の進行までの期間(TTP)及び/又は奏効率(RR)によって評価されうる。

0122

用語「治療有効量」は、病原体による感染に関連して、感染に関連する症状を予防、処置又は減少させることができる量を意味する。

0123

本明細書で使用される用語「薬学的に許容される塩」は、有機塩及び無機塩を含む。それらの例としては、塩酸塩臭化水素酸塩ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩酢酸塩シュウ酸塩塩化物臭化物ヨウ化物硝酸塩硫酸水素塩リン酸塩酸性リン酸塩イソニコチン酸塩、乳酸塩サリチル酸塩酸性クエン酸塩、酒石酸塩オレイン酸塩タンニン酸塩パントテン酸塩(pantonate)、酒石酸水素塩アスコルビン酸塩コハク酸塩マレイン酸塩ゲンチジン酸塩、フマル酸塩グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucoronate)、サッカリン酸塩ギ酸塩安息香酸塩グルタミン酸塩メタンスルホン酸塩エタンスルホン酸塩ベンゼンスルホン酸塩p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(つまり、1,1'-メチレンビス-(2-ヒドロキシ3-ナフトエ酸塩))が挙げられるがそれらに限定されない。薬学的に許容される塩は、別の分子(例えば、酢酸イオンコハク酸イオン、及び他の対イオンなど)を含んでもよい。薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの荷電原子を含んでもよい。薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの対イオンを含んでもよい。

0124

本発明による自壊性基を含む化合物の薬学的に許容される溶媒に使用されうる例示的溶媒としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノールジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、酢酸、及びエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。

0125

以下、本発明の構成を、実施例を通じて詳細に説明するが、下記の実施例は本発明の理解を補助するものにすぎない。したがって本発明の範囲は実施例に限定されない。

0126

[実施例1]化合物1kの調製

0127

0128

化合物Aの調製
D-グルクロノ-6,3-ラクトン(19g、107.88mmol)をメタノール(250mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させ、NaOH(100mg)のメタノール溶液(100mL)をゆっくりと加えて2時間撹拌し、次いでNaOH(200mL)のメタノール溶液(15mL)を混合物に添加し、3時間撹拌した。反応が完了した後、混合物のメタノール溶媒減圧下で除去し、ピリジン(50mL)及び無水酢酸(54mL)を10℃以下で加え、室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、生成物を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物A(20g、50%)を得た。
1H NMR(600MHz, CDCl3) δ 5.77 (d, J= 7.8Hz, 1H), 5.31 (t, J= 9.6Hz, 1H), 5.24 (t, J= 9.6Hz, 1H), 5.14 (m, 1H), 4.17 (d, J= 9Hz, 1H), 3.74 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.04 (m, 9H)

0129

化合物Bの調製
化合物A(5g、13.28mmol)を33%のHBrのAcOH(20mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させ、次いで室温で2時間撹拌した。反応が完了した後、トルエン(50L)を加え、混合物を減圧下で濃縮した。その後、酢酸エチル(100mL)及びNaHCO3溶液(100mL)を加えて有機層を抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウム脱水し、その後、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物B(5.27g、100%)を得た。
1H NMR(600MHz, CDCl3) δ 6.64 (d, J= 3.6Hz, 1H), 5.61 (t, J= 3.6Hz, 1H), 5.24 (t, J= 3.6Hz, 1H), 4.85 (m, 1H), 4.58 (d, d, J= 10.2Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.05 (s, 3H)

0130

化合物1aの調製(米国特許第6,414,148号、2002)
3-アミノ1-プロパノール(3.0g、66.569mmol)をジクロロメタン(150mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させ、二炭酸ジ-tert-ブチル(16g、73.226mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物1a(6.4g、92%)を得た。
1H NMR(400Hz, CDCl3) δ 4.78 (s, 1H), 3.65 (m, 2H), 3.30 (m, 2H), 2.90 (s, 1H), 1.68 (m, 2H), 1.48 (s, 9H);EI-MS m/z: 176(M+)

0131

化合物1bの調製(WO2008/157726)
化合物1a(6.04g、34.469mmol)及びトリエチルアミン(TEA、14.4mL、103.407mmol)をテトラヒドロフラン中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させ、次いでメタンスルホン酸無水物(7.21g、41.363mmol)でゆっくりと処理した。得られた混合物を、室温で窒素雰囲気下、12時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物1b(9.01g、98%)を得た。
1H NMR(400Hz, CDCl3) δ 4.73 (s, 1H), 4.30 (t, J = 5.9MHz, 2H), 3.31-3.24 (m, 2H), 3.04 (s, 3H), 1.94 (t, J= 6.1MHz, 2H), 1.44 (s, 9H).EI-MS m/z: 254(M+)

0132

化合物1cの調製(WO2013/166319)
化合物1b(3.0g、11.842mol)をジメチルホルムアミド(40mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させ、次いでアジ化ナトリウム(924mg、14.211mmol)で処理し、得られた混合物を60℃で12時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(50mL)、蒸留水(50mL)、及び1NのHCl(5mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物1c(2.3g、99%)を得た。
1H NMR(600Hz, CDCl3) δ 4.63 (s, 1H), 3.36 (t, J = 6.6MHz, 2H), 3.24-3.18 (m, 2H), 1.80-1.75 (m, 2H), 1.45 (s, 9H).EI-MS m/z: 201(M+)

0133

化合物1dの調製
化合物1c(3.8g、18.977mmol)をジクロロメタン(10mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、4MのHClのジオキサン溶液(10mL)を加え、得られた混合物を12時間撹拌し、反応が完了した後、生成物を減圧下で濃縮し、それにより化合物1d(2.5g、99%)を得た。
1H NMR(600Hz,DMSO-d6) δ 8.06 (s, 3H), 3.47 (t, J = 6.6MHz, 2H), 2.82 (t, J = 7.2MHz, 2H), 1.84-1.79 (m, 2H).EI-MS m/z: 101(M+)

0134

化合物1eの調製
化合物1d(58mg、0.420mmol)及び5-ホルミルサリチル酸(100mg、0.601mmol)をジメチルホルムアミド(DMF、2mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、0.2mL、1.202mmol)及びPyBop(375mg、0.721mmol)を混合溶液に加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(30mL)及び蒸留水(10mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物1e(82mg、79%)を得た。
1H NMR(400Hz, CDCl3) δ 13.39 (s, 1H), 9.87 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.89 (dd, J = 1.6, 7.2MHz. 1H), 7.60 (s, 1H), 7.10 (d, J = 8.8MHz), 3.63-3.57 (m, 2H), 3.48 (t, J = 6.4MHz, 2H), 1.99-1.92 (m, 2H).EI-MS m/z: 249(M+)

0135

化合物1fの調製
化合物1e(78mg、0.314mmol)及び化合物B(125mg、0.314mmol)をアセトニトリル(3mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、酸化銀(291mg、1.256mmol)及びモレキュラーシーブ(125mg)を加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応が完了した後、混合物をセライトろ過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物1f(160mg、90%)を得た。
1H NMR(400Hz, CDCl3) δ 10.00 (s, 1H), 8.66 (d, J= 2.4MHz, 1H), 8.02 (dd, J= 2.0, 6.4MHz, 1H), 7.46 (t, J = 6.4MHz, 1H), 7.14 (d, J = 8.4MHz, 1H), 5.48-5.33 (m, 4H), 4.28 (d, J = 8.8MHz, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.73-3.64 (m, 1H), 3.50-3.42 (m, 3H), 2.09-2.07 (m, 9H), 2.00-1.92(m, 2H).EI-MS m/z: 565(M+)

0136

化合物1gの調製
化合物1f(160mg、1.510mmol)を2-プロパノール(0.4mL)及びクロロホルム(2mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、シリカゲル(2g)及び水素化ホウ素ナトリウム(27mg、0.708mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した後、反応物をセライトろ過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物1g(115mg、71%)を得た。
1H NMR(600Hz, CDCl3) δ 8.06 (d, J= 2.4MHz, 1H), 7.50-7.44 (m, 2H), 7.01 (d, J = 90MHz, 1H), 5.45-5.31 (m, 4H), 4.38 (s, 2H), 4.22 (d, J = 9.0MHz, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.67-3.61 (m, 1H), 3.46-3.41 (m, 3H), 2.07-2.04 (m, 9H), 1.97-1.91 (m, 2H).EI-MS m/z: 567(M+)

0137

化合物1hの調製
化合物1g(100mg、0.177mmol)をDMF(1mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、炭酸ビス(4-ニトロフェニル)(110mg、0.353mmol)及びDIPEA(50uL、0.265mmol)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(30mL)及び蒸留水(10mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物1h(75mg、58%)を得た。
1H NMR(600Hz, CDCl3) δ 8.29-8.27 (m, 2H), 8.23 (d, J= 2.4MHz, 1H), 7.54 (dd, J = 2.4, 6.6MHz, 1H), 7.49 (t, J = 6.4MHz, 1H), 7.39-7.37 (m, 2H), 7.04 (d, J= 8.4MHz, 1H), 5.45-5.29 (m, 4H), 5.28 (s, 2H), 4.23 (d, J = 9.0MHz, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.68-3.64 (m, 1H), 3.46-3.42 (m, 3H), 2.08-2.05 (m, 9H), 1.98-1.93 (m, 2H).EI-MS m/z: 732(M+)

0138

化合物1iの調製
化合物1h(50mg、0.068mmol)を、DMF(0.8mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、MMAF-OMe(51mg、0.068mmol)を加え、次いで、生成物を、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール無水物(HOBT、2mg、0.013mmol)、ピリジン(0.24mL)、及びDIPEA(12uL、0.068mmol)で処理した。得られた混合物を室温で18時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(20mL)及び蒸留水(10mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物1i(71mg、78%)を得た。
EI-MS m/z:1339(M+)

0139

化合物1jの調製
化合物1i(30mg、0.022mmol)及びフェニルアセチレン(3.7uL、0.033mmol)を、エタノール(0.2mL)及び水(30ul)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、0.1MのCuSO4水溶液(30ul)及び1.0Mのアスコルビン酸ナトリウム水溶液(30ul)を加え、次いで、生成物をHOBT(2mg、0.013mmol)、ピリジン(0.24mL)及びDIPEA(12uL、0.068mmol)で処理した。得られた混合物を室温で5時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(20mL)及び蒸留水(5mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物1j(26mg、81%)を得た。
EI-MS m/z:1441(M+)

0140

化合物1kの調製
化合物1j(20mg、0.013mmol)をメタノール(0.2mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、LiOH・H2O(6mg、0.138mmol)水溶液(0.2mL)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応が完了した後、クロロホルム(10mL)、メタノール(1mL)、蒸留水(10mL)、及び0.5NのHCl(1mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物1k(17mg、87%)を得た。
EI-MS m/z:1286(M+)

0141

[実施例2及び3]化合物2i及び3iの調製

0142

0143

化合物2aの調製
5-ホルミルサリチル酸(2g、12.038mmol)をDMF中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、2-(トリメチルシリル)エタノール(1.72mL、12.038mmol)及びジメチルアミノピリジン(DMAP、147mg、1.204mmol)、及びジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、2.5g、12.038mmol)を加えた。混合物を室温で12時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(100mL)及び蒸留水(100mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2a(1.6g、50%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 11.38 (s, 1H), 9.77 (s, 1H), 7.48 (d, , J= 8.4MHz, 1H), 6.61 (dd, J= 8.4, 2.0MHz, 1H), 6.53 (d, , J= 2.0MHz, 1H), 5.36〜5.25 (m, 4H), 4.23 (m, 1H), 3.73 (s, 1H), 2.06 (s, 9H)

0144

化合物2bの調製
化合物2a(60mg、0.225mmol)を、アセトニトリル(2mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、次いで、化合物C(90mg、0.225mmol)、酸化銀(209mg、0.900mmol)、及びモレキュラーシーブ(90mg)を加えた。混合物を、室温で2時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(50mL)及び蒸留水(30mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2b(103mg、79%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 9.93 (s, 1H), 8.22 (d, J= 2.0MHz, 1H), 7.97 (dd, J= 6.4, 2.0MHz, 1H), 7.26 (d, J= 9.2MHz, 1H), 5.42-5.27 (m, 4H), 4.42-4.30 (m, 2H), 4.24 (d, J = 9.2MHz, 1H), 3.70 (s, 3H), 2.06-2.04 (m, 9H), 1.14-1.08 (m, 2H), 0.07 (s, 9H)

0145

化合物2cの調製
化合物2b(100mg、0.171mmol)を2-プロパノール(0.3mL)及びクロロホルム(1.5mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、シリカゲル(720mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(16mg、0.427mmol)を加えた。混合物を3時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(50mL)及び蒸留水(20mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2c(94mg、94%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 7.71 (d, J= 2.0MHz, 1H), 7.45 (dd, J= 6.4, 2.0MHz, 1H), 7.17 (d, J= 8.4MHz, 1H), 5.40-5.30 (m, 3H), 5.16-5.14 (m, 1H), 4.67 (s, 2H), 4.40-4.29 (m, 2H), 4.18 (d, J = 8.8MHz, 1H), 3.74 (s, 3H), 2.08-2.04 (m, 9H), 1.14-1.09 (m, 2H), 0.08 (s, 9H)

0146

化合物2dの調製
化合物2c(90mg、0.154mmol)をDMF(1.0mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、炭酸ビス(4-ニトロフェニル)(94mg、0.308mmol)及びDIPEA(40uL、0.231mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(50mL)及び蒸留水(20mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2d(104mg、90%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 8.28 (m, 2H), 7.80 (d, J = 2.4MHz, 1H), 7.53 (dd, J= 6.4, 2.0MHz, 1H), 7.37 (m, 2H), 7.20 (d, J= 8.8MHz, 1H), 5.41-5.33 (m, 3H), 5.25 (s, 2H), 5.20-5.18(m, 1H), 4.41-4.30 (m, 2H), 4.20 (d, J = 8.8MHz, 1H), 3.74 (s, 3H), 2.08-2.05 (m, 9H), 1.18-1.06 (m, 2H), 0.08 (s, 9H)

0147

化合物2eの調製
化合物2d(1.5g、2.00mmol)を、DMF(8mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、MMAF-OMe(1.34g、1.80mmol)を加え、次いで、生成物をHOBT(54mg、0.4mmol)、ピリジン(5.4mL)、及びDIPEA(0.383mL、2.2mmol)で処理した。混合物を室温で12時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(200mL)及び蒸留水(300mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2e(1.7g、70%)を得た。
EI-MS m/z:1357(M+)

0148

化合物2fの調製
化合物2e(1.7g、1.253mmol)をTHF(15mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、フッ化テトラブチルアンモニウム(1M、THF中)(2.5mL、2.506mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(200mL)及び蒸留水(300mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2f(1.34g、85%)を得た。
EI-MS m/z:1257(M+)

0149

化合物2kの調製
化合物2j(10g、59.3mmol)を、DMF(90mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、アジ化ナトリウム(5.78g、88.9mmol)を加え、混合物を100℃で13時間撹拌した。反応が完了した後、クロロホルム(200mL)及び蒸留水(300mL)を加えて有機層を抽出し、抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2k(10.3g、99%)を得た。
1H NMR(600MHz, CDCl3) δ 3.75-3.73 (m, 2H), 3.70-3.68 (m, 6H), 3.63-3.61 (m, 2H), 3.40 (t, J = 5.4MHz, 2H), 2.20 (t, J = 6.0MHz, 1H)

0150

化合物2lの調製
CBr4(21.4g、64.6mmol)を塩化メチレン(MC、100mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、トリフェニルホスフィン(16.9g、64.6mmol)のMC溶液(100ml)及び化合物2k(10.3g、58.7mmol)を加え、混合物を室温で13時間撹拌した。反応が完了した後、MC(300mL)及び蒸留水(300mL)を加えて有機層を抽出し、抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2l(12g、85%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.83 (t, J = 6.4MHz, 2H), 3.72-3.67 (m, 6H), 3.48 (t, J = 6.0MHz, 2H), 3.40 (t, J = 4.8MHz, 2H)

0151

化合物2mの調製
化合物2l(1g、4.20mmol)を、アセトニトリル中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、N-Boc-ヒドロキシルアミン(643mg、4.82mmol)及びDBU(0.659mL、4.41mmol)を加え、混合物を60℃で13時間撹拌した。反応が完了した後、MC(300mL)及び蒸留水(300mL)を加えて有機層を抽出し、抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2m(748mg、70%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 7.55 (s, 1H), 4.05-4.03 (m, 2H), 3.76-3.74 (m, 2H), 3.74-3.69 (m, 6H), 3.42 (t, J = 4.8MHz, 2H), 1.49 (s, 9H).EI-MS m/z: 291(M+)

0152

化合物2nの調製
化合物2m(200mg、0.688mmol)をメタノール(5mL)中に溶解させた後、Pd/C(10%)(70mg)を加え、水素雰囲気下で3時間撹拌した。反応が完了した後、混合物をセライトろ過し、減圧下で濃縮し、それにより化合物2n(180mg、98%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 4.04-4.01 (m, 2H), 3.74-3.62 (m, 7H), 3.55 (t, J = 5.2MHz, 1H), 2.88 (t, J = 5.2MHz, 1H), 2.81 (t, J = 5.2MHz, 1H), 1.64 (s, 2H), 1.48 (s, 9H).EI-MS m/z: 265(M+)

0153

化合物2gの調製
化合物2f(1.34g、1.066mmol)及び化合物2n(384mg、1.28mmol)をDMF(10mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、DIPEA(464uL、2.665mmol)及びPyBOP(832mg、1.599mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(200mL)及び蒸留水(300mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2g(1.2g、75%)を得た。
EI-MS m/z:1503(M+)

0154

化合物2hの調製
化合物2g(530mg、0.352mmol)をメタノール(10mL)中に-10℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、LiOH(147mg、7.98mmol)の水溶液(8mL)をゆっくりと加え、1時間撹拌した。反応が完了した後、クロロホルム(200mL)及び蒸留水(30mL、pH2)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物2h(260mg、45%)を得た。
EI-MS m/z:1349(M+)

0155

化合物2iの調製
化合物2h(260mg、0.192mmol)を塩化メチレン(4mL)及び水(2mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、4M-HCl(ジオキサン中、4mL)を加え、0℃で1時間撹拌した。反応が完了した後、生成物を減圧下で濃縮し、それにより化合物2i(210mg、85%)を得た。
EI-MS m/z:1249(M+)

0156

化合物3kの調製
2-ブロモエタノール(1.92mL、27.037mmol)を、アセトニトリル(15mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、Boc-ヒドロキシルアミン(3.0g、22.531mmol)及びDBU(3.7mL、24.8mmol)を加え、混合物を40℃で24時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(100mL)及び蒸留水(100mL)を加えて有機層を抽出し、抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物3k(2.75g、69%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 7.28 (s, 1H), 3.93-3.91 (m, 2H), 3.76-3.74 (m, 2H), 1.50 (s, 9H).

0157

化合物3lの調製
化合物3k(2.75g、15.697mmol)をTHF(30mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、TEA(3.3mL、23.518mmol)及びMs2O(3.28g、18.814mmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(200mL)及び蒸留水(100mL)を加えて有機層を抽出し、抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮し、それにより化合物3l(3.83g、96%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 7.37 (s, 1H), 4.48-4.46 (m, 2H), 4.13-4.09 (m, 2H), 3.11 (s, 3H), 1.50(s, 9H).

0158

化合物3mの調製
化合物3l(3.83g、15.00mmol)をDMF(20mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、NaN3(1.95g、30.00mmol)を加え、混合物を60℃で13時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(300mL)及び蒸留水(300mL)を加えて有機層を抽出し、抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物3m(2.02g、67%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 7.22-7.20 (m, 1H), 4.05-4.02 (m, 2H), 3.51-3.48 (m, 2H), 1.50(s, 9H).

0159

化合物3nの調製
化合物3m(2.02g、9.98mmol)をメタノール(30mL)中に溶解した後、Pd/C(10%)(1.0g)及び4MのHClのジオキサン溶液(2.5mL)を加え、水素雰囲気下で3時間撹拌した。反応が完了した後、混合物をセライトろ過し、減圧下で濃縮し、それにより化合物3n(1.98g、93%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 10.26 (s, 1H), 8.05 (s, 3H), 3.91-3.88 (m, 2H), 3.1-2.98 (m, 2H), 1.44(s, 9H).

0160

化合物3gの調製
化合物2f(280mg、0.222mmol)及び化合物3n(56mg、0.266mmol)をDMF(5mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、DIPEA(58uL、0.334mmol)及びPyBOP(174mg、0.334mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(100mL)及び蒸留水(150mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物3g(221mg、69%)を得た。
EI-MS m/z:1415(M+)

0161

化合物3hの調製
化合物3g(150mg、0.106mmol)をメタノール(2mL)中に-10℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、LiOH(40mg、0.954mmol)の水溶液(2mL)をゆっくりと加え、1時間撹拌した。反応が完了した後、クロロホルム(150mL)及び蒸留水(30mL、pH2)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物3h(94mg、71%)を得た。
EI-MS m/z:1261(M+)

0162

化合物3iの調製
化合物3h(90mg、0.071mmol)を塩化メチレン(1mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、トリフルオロ酢酸(TFA、0.2mL)を加え、0℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、生成物を、PrepHPLCを使用して精製し、それにより化合物3i(47mg、52%)を得た。
EI-MS m/z:1161(M+)

0163

[実施例4]化合物4iの調製

0164

0165

3-ブロモ-5-ホルミルサリチル酸(化合物4a)の調製
5-ホルミルサリチル酸(1g、6.019mmol)をDMF中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、N-ブロモスクシンイミド(1.07g、6.109mmol)を加え、混合物を70℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(100mL)、2NのHCl水溶液(2mL)、及び蒸留水(100mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物4a(1.2g、84%)を得た。
1H NMR(400Hz,DMSO-d6) δ 9.64 (s, 1H), 8.19 (d, J= 2.4MHz, 1H), 8.00 (d, J= 2.0MHz, 1H), 3.16 (s, 1H)

0166

化合物4iは、実施例2及び3の化合物2i及び3iの調製方法と同様の方法により調製した3-ブロモ-5-ホルミルサリチル酸(化合物4a)を使用して調製した。
EI-MS m/z:1328(M+)

0167

[実施例5〜7]LCB14-0648、LCB14-0664及びLCB14-0663の調製

0168

化合物Cは、韓国特許公開公報第10-2014-0035393号に開示された方法で調製した。

0169

LCB14-0648の調製(実施例5)
化合物2i(20mg、0.014mmol)を、エタノール(0.7mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、化合物C(3.7mg、0.017mmol)を加え、混合物を45℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、LCB14-0648(10.2mg、49%)を、PrepHPLCを使用して得た。
EI-MS m/z:1441(M+)

0170

LCB14-0663(実施例6)及びLCB14-0664(実施例7)は、LCB14-0648の調製方法(実施例5)と同様の方法により調製した。
LCB14-0663のEI-MS:m/z:1520(M+)
LCB14-0664のEI-MS:m/z:1353(M+)

0171

[比較例1]化合物5kの調製

0172

0173

化合物5aの調製
4-ブロモブタン酸エチル(5.0mL、34.604mmol)を、MeOH(75mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、アジ化ナトリウム(4.5g、69.209mmol)の水溶液(25mL)を加え、85℃で8時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下で濃縮し、クロロホルム(300mL)及び蒸留水(200mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物5a(5.1g、94%)を得た。
1H NMR(600Hz, CDCl3) δ 4.15 (q, J = 7.2MHz, 2H), 3.36 (t, J = 7.2MHz, 2H), 2.41 (t, J = 7.2MHz, 2H), 1.94-1.89 (m, 2H), 1.28 (t, J = 8.4MHz, 3H).

0174

化合物5bの調製
化合物5a(2.0g、12.725mmol)をMeOH(32mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、KOH(3.56g、63.625mmol)の水溶液(26mL)をゆっくりと加え、室温で6時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下で濃縮し、クロロホルム(300mL)、1NのHCl(100mL)、及び蒸留水(100mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物5b(1.28g、78%)を得た。
1H NMR(600Hz, CDCl3) δ 3.38 (t, J = 7.2MHz, 2H), 2.48 (t, J = 7.2MHz, 2H), 1.95-1.90 (m, 2H).

0175

化合物5cの調製
化合物5b(850mg、6.580mmol)をMeOH(10mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、塩化オキサリル(1.1mL、13.160mmol)及びDMF(1滴)を加え、室温で6時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下で濃縮し、粗生成物に相当する化合物5c(965mg、Qu)を得て、次の反応で精製することなく使用した。

0176

化合物5dの調製
4-ヒドロキシ3-ニトロ安息香酸(5g、27.304mmol)をTHF(120mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、1MのBH3-THF錯体(54.6mL、54.6mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(200mL)、0.5NのHCl(20mL)、及び蒸留水(100mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物5d(4.20g、91%)を得た。
1H NMR(600Hz, CD3OD) δ 8.06 (d, J = 1.2MHz, 1H), 7.59 (dd, J= 1.2, 7.8MHz, 1H), 7.12 (d, J= 8.4MHz, 1H), 4.83 (s, 2H)

0177

化合物5eの調製
化合物5d(937mg、5.539mmol)を、アセトニトリル(15mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、及び化合物5c(2.0g、5.035mmol)、酸化銀(4.66g、20.108mmol)、及びモレキュラーシーブ(2.0g)を加え、室温で14時間撹拌した。反応が完了した後、混合物をセライトろ過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物5e(1.0g、40%)を得た。
1H NMR(600Hz, CDCl3) δ 7.81 (d, J = 1.8MHz, 1H), 7.54 (dd, J= 1.8, 6.6MHz, 1H), 7.37 (d, J= 8.4MHz, 1H), 5.37-5.27 (m, 3H), 5.20 (d, J= 6.6MHz, 1H), 4.72 (d, J = 6.0MHz, 2H), 4.21 (d, J = 9.0MHz, 1H), 3.75 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.04-2.02 (m, 1H).

0178

化合物5fの調製
化合物5e(900mg、6.35mmol)を酢酸エチル(100mL)中に溶解させた後、酸化白金(IV)(84.2mg、0.370mmol)を加え、室温で水素雰囲気下で3時間撹拌した。反応が完了した後、混合物をセライトろ過し、濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物に相当する化合物5f(700mg、83%)を得て、次の反応で精製することなく使用した。

0179

化合物5gの調製
化合物5f(350mg、0.768mmol)をMC(10mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、化合物5c(136mg、0.921mmol)及びDIPEA(268uL、1.536mmol)を加え、室温で20分間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(50mL)及び蒸留水(50mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物5g(280mg、65%)を得た。
1H NMR(600Hz, CDCl3) δ 8.37 (d, J = 1.2MHz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.07 (dd, J= 1.8, 6.6MHz, 1H), 6.93 (d, J= 8.4MHz, 1H), 5.43-5.28 (m, 3H), 5.06 (d, J= 7.8MHz, 1H), 4.63 (s, 2H), 4.19 (d, J = 9.6MHz, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.44-3.41 (m, 2H), 2.56 (t, J = 7.8MHz, 2H), 2.17-2.00 (m, 12H).EI-MS m/z: 567(M+)

0180

化合物5hの調製
化合物5g(250mg、0.441mmol)をDMF(4mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、炭酸ビス(4-ニトロフェニル)(270mg、0.882mmol)及びDIPEA(115uL、0.661mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(50mL)及び蒸留水(50mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物5h(290mg、90%)を得た。
1H NMR(600Hz, CDCl3) δ 8.54 (d, J = 1.8MHz, 1H), 8.28-8.25 (m, 2H), 8.02 (s, 1H), 7.40-7.36 (m, 2H), 7.11 (dd, J= 1.8, 6.6MHz, 1H), 6.96 (d, J= 8.4MHz, 1H), 5.44-5.29 (m, 3H), 5.23 (s, 2H), 5.10 (d, J= 7.8MHz, 1H), 4.21 (d, J = 9.6MHz, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.45-3.42 (m, 2H), 2.58 (t, J = 7.2MHz, 2H), 2.11-2.00 (m, 12H).EI-MS m/z: 732(M+)

0181

化合物5iの調製
化合物5h(250mg、0.341mmol)を、DMF(4mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、MMAF-OMe(255mg、0.341mmol)を加え、次いで、生成物を、HOBT(9mg、0.068mmol)、ピリジン(1.2mL)、及びDIPEA(60uL、0.341mmol)で処理した。得られた混合物を室温で2日間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(50mL)、2NのHCl(5mL)、及び蒸留水(50mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物5i(340mg、74%)を得た。
EI-MS m/z:1339(M+)

0182

化合物5jの調製
化合物5i(210mg、0.156mmol)をメタノール(2mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、LiOH・H2O(66mg、1.560mmol)の水溶液(2mL)を加えた。得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応が完了した後、クロロホルム(50mL)、メタノール(5mL)、蒸留水(50mL)、及び0.5NのHCl(5mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物5j(107mg、57%)を得た。
EI-MS m/z:1184(M+)

0183

化合物5kの調製
化合物5j(10mg、0.008mmol)及びフェニルアセチレン(0.92uL、0.008mmol)をエタノール(150ul)及び水(10ul)に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、0.1MのCuSO4水溶液(10ul)及び1.0Mのアスコルビン酸ナトリウム水溶液(10ul)を加えた。得られた混合物を室温で5時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(10mL)及び蒸留水(5mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物5k(5mg、46%)を得た。
EI-MS m/z:1286(M+)

0184

[実施例8]化合物6eの調製

0185

化合物6aの調製
化合物2d(229mg、0.30mmol)を、DMF(2mL)中に室温で窒素雰囲気下で溶解させた後、MMAE(1.34g、1.80mmol)を加え、次いで、生成物を、HOBT(8.2mg、0.06mmol)、ピリジン(0.8mL)、及びDIPEA(56uL、0.29mmol)で処理した。混合物を、室温で12時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(100mL)及び蒸留水(100mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物6a(239mg、65%)を得た。
EI-MS m/z:1328(M+)

0186

化合物6bの調製
化合物6a(239mg、0.18mmol)をTHF(5mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中、1M)(540uL、2.50.58mol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応が完了した後、塩化メチレン(100mL)及び蒸留水(100mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物6b(212mg、95%)を得た。
EI-MS m/z:1228(M+)

0187

化合物6cの調製
化合物6b(200mg、0.16mmol)及び化合物2n(51mg、0.19mmol)をDMF(4mL)中に0℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、DIPEA(42uL、0.32mmol)及びPyBOP(126mg、0.24mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、酢酸エチル(100mL)及び蒸留水(100mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、それにより化合物6c(142mg、60%)を得た。
EI-MS m/z:1474(M+)

0188

化合物6dの調製
化合物6c(142mg、0.09mmol)をメタノール(2mL)中に20℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、LiOH(36mg、0.86mmol)水溶液(2mL)をゆっくりと加え、0℃で1時間撹拌した。反応が完了した後、クロロホルム(100mL)、蒸留水(50mL)、及び2N-HCl水溶液(2mL)を加えた。上記のように得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣(6d、128mg、99%)を、次の反応で精製することなく使用した。
EI-MS m/z:1334(M+)

0189

化合物6eの調製
化合物6d(105mg、0.08mmol)を塩化メチレン(3mL)中に20℃で窒素雰囲気下で溶解させた後、4MのHCl(ジオキサン溶液、1mL)を加えて、0℃で1時間撹拌した。反応が完了した後、生成物を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCを使用して精製し、化合物6e(47mg、46%)を得た。
EI-MS m/z:1234(M+)

0190

[実験例1]β-グルクロニダーゼに対する応答比較試験
実施例1の化合物1k及び比較例1の化合物5kのβ-グルクロニダーゼに対する応答性を互いに比較するために、以下のように比較試験を実施した。

0191

実施例1の化合物1k及び比較例1の化合物5kを、それぞれ500μM及び50μMのDMSO原液として調製した。880μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液と100μLの化合物1k原液及び化合物5k原液とを互いに混合した反応溶液をそれぞれ調製した(最終濃度は、それぞれ50μM及び5μM)。20μLの大腸菌(E.coli)β-グルクロニダーゼ酵素(1mg/ml、Sigma:E.C.3.2.1.31 Type IX-A、PBS中1mg/mL、3.6μg、13μmol)を反応溶液に添加した後、恒温水浴中37℃で反応を開始した。100μLの混合溶液を、0分、25分、60分、及び90分にそれぞれ分配し、200μLのアセトニトリルをそれらに添加した。混合物試料遠心分離(4℃、15分、14000rpm)を実施することにより得られた上清のそれぞれから放出されたMMAFを、LC-MS/MSを使用して定量分析した(実験は、US2012-0107332に開示されている方法と同様の方法で実施した)。

0192

試験結果を図2に示した。図2から、β-グルクロニダーゼによる酵素反応後、1,6-除去反応を通じて(US2112-0107332参照)、それぞれ実施例1の化合物1k及び比較例1の化合物5kからMMAFが非常に迅速に放出されたことが確認された。

0193

[実験例2]血漿安定性比較試験
マウスにおける実施例1の化合物1k及び比較例1の化合物5kの血漿安定性を比較するために、比較試験を下記のように実施した。

0194

化合物1k及び5kをDMSOに5mMで溶解した10μLの溶液を、990μLのブランク血漿とともに混合して、血漿中の安定性を確認するために50μMの試料を調製した。化合物と混合させた血漿溶液を、37℃で6日間反応させた。6日間反応させる間、100μLの溶液を、それぞれの時間(0、1、2、3、及び6日)で分割し、反応が終了した後、血漿タンパク質沈殿させるために内部標準液を含有する200μLのアセトニトリルと混合した。混合物試料に対して遠心分離(4℃、15分、14000rpm)を実施して取得した上清を、LC-MS/MSを使用して定量的に分析した(実験は、Journal of Chromatography B、780(2002)451-457)に開示された方法と同様の方法で実施した)。

0195

LS-MS/MSを使用して、実施例1の化合物1k及び比較例1の化合物5kそれぞれの含有量を確認することにより得られた結果を図3及び表1に示す。結果は、比較例1の化合物5kの安定性及び実施例1の化合物1kの安定性が1日目でそれぞれ14%及び80%であり、マウス血漿における実施例1の化合物1kの安定性は、比較例1の化合物5kと比較して非常に優れていた。

0196

0197

[実験例3]血漿安定性試験
実施例5〜7で調製されたLCB14-0648(実施例5)、LCB14-0664(実施例6)、及びLCB14-0663(実施例7)を使用して、様々な血漿における安定性を確認するために、血漿安定性試験を、実験例2と同じ方法によって実施し、結果を図4〜6に示した。

0198

実施例5〜7で調製した化合物であるLCB14-0648(実施例5)、LCB14-0664(実施例6)、及びLCB14-0663(実施例7)は、マウス、ラット、イヌ、及びヒト血漿における全てにおいて、7日目まで安定であることを確認した。

0199

実施例9〜11:抗体-薬物コンジュゲート(ADC)の調製
[実施例9]Herceptin(LC)-グルクロニドリンカーMMAF(以下、「LCB14-0109」又は「ADC109」と参照)の調製

0200

LCB14-0109は、US2012/0308584に開示された方法を使用してLCB14-0105と同様に調製した。

0201

[実施例10]Herceptin(LC)-グルクロニドリンカーMMAF(以下、「LCB14-0110」又は「ADC110」と参照)の調製(図7)

0202

LCB14-0606は、韓国特許公開公報第10-2014-0035393号に開示された方法で調製した。

0203

テップ1(プレニル化抗体、D)US2012/0308584に開示された基質(D)の調製
抗体のプレニル化反応混合物を調製し、30℃で12時間反応させた。反応混合物は、24μMの抗体、200nMのFTアーゼ(Calbiochem #344145)、及び1mMのLCB14-0606(内製、US2012/0308584)を含有する緩衝溶液(50mMのTris-HCl(pH7.4)、5mMのMgCl2、10μMのZnCl2、5mMのDTT)で構成した。反応が完了した後、プレニル化抗体を、PBS緩衝溶液で平衡化したAKTA精製器(GE healthcare)のG25セファロースカラムによって精製した。プレニル化抗体(最終濃度:12μM)を、1mMのCuSO4で処理し、30℃で3時間反応させて再酸化した。反応が完了した後、2mM(最終濃度)のEDTAを加え、緩やかに撹拌しながら30℃で30分間維持した。反応で使用した過剰量の小分子を除去するために、生成物をFPLCによって精製した。

0204

ステップ2(LCB14-0110の調製方法)
プレニル化抗体(A)と毒素(3l)との間のオキシム結合形成反応混合物を、100mMの酢酸Na緩衝溶液(pH4.5、10%のDMSO)、12μMの抗体、及び360μMのLCB14-0645(内製)を混合することによって調製し、30℃で緩やかに撹拌した。反応を24時間実施した後、FPLC(AKTA精製器、GE healthcare)を、反応で使用した過剰量の小分子を除去するために実施して、過剰量の小分子を除去し、タンパク質分画収集して、それにより濃縮した。

0205

[実施例11]Herceptin(LC)-グルクロニドリンカーMMAE(以下、「LCB14-0113」又は「ADC113」と参照)の調製

0206

LCB14-0113(ADC113)を、実施例10の調製方法と同様の方法によって調製した化合物6eを使用して調製した。

0207

[実験例4]ADCの血漿安定性試験
実験例2の実施例1の化合物1k及び比較例1の化合物5kを使用したモデル研究を通じて、LCB-SI(実施例1の化合物1k)が、血漿中でSG-SI(比較例1の化合物5k)と比較してより安定であったことに基づいて、抗体と薬物の結合により得られたADC(実施例9で調製したLCB14-0109(ADC109)及び実施例10で調製したLCB14-0110(ADC110))の安定性を互いに比較した。

0208

上記のように調製したADC(実施例9で調製したLCB14-0109(ADC109)及び実施例10で調製したLCB14-0110(ADC110)))の血漿安定性を下記の方法によって評価し、結果を図8及び9に示した。

0209

(ADCの血漿安定性試験方法)
ADCを0.5mg/ml(MMAF濃度:6.8μM)の濃度にブランク血漿中で調製し、37℃でインキュベートした。試料の50μlアリコートを0、1、2及び7日目に取り、分析まで-70℃で保存した。試料から放出された毒素(フリーのMMAF)の量を測定し、それによりADCの血漿安定性を評価した。

0210

(LC-MS/MSを使用した安定性分析)
20mMのMMAF原液を、DMSOを使用して調製し、0.02、0.04、0.2、0.4、2、4、20、40、及び80μMのMMAF標準溶液を、アセトニトリルを用いてMMAF原液を希釈することにより調製した。MMAF標準溶液のそれぞれをブランク血漿で20倍希釈し、それにより、検量線のための試料として使用した。

0211

内部標準(0.2μMのMMAE)を含有する100μlのアセトニトリルを、検量線及び安定性のために、50μlの試料に添加及び混合し、次いで遠心分離した。80μlの上清を抽出し、移動相A(80μl)と混合し、混合物をLC-MS/MSを使用して分析した。1200HPLC(Agilent Technologies)、API4000(AB SCIEX)及びAnalystソフトウェア(バージョン1.6.1)をLC-MS/MS分析に使用した。5μlの試料をODP2 HP-2D(2×150mm、5μm、Shodex)カラムに注入し、1mMのギ酸アンモニウム(移動相A、40%)及び90%アセトニトリルの0.1%ギ酸溶液(移動相B、60%)の組成物とともに分離した。MMAFを、ESI+ m/z 732.6/170.1(親/娘イオン)モードで測定した。

0212

本発明の実施例9で調製したADC、LCB14-0109(ADC109)では、遊離のMMAFの量は、7日目でさえ0.5%未満であり、顕著に安定した実験結果が得られた。さらに、本発明の実施例10で調製したADC、LCB14-0110(ADC110)の半減期は7日以上(マウス、ラット、イヌ及びヒト血漿)であり、LCB14-0110(ADC110)は顕著に安定であった。

0213

[実験例5]ADCの抗増殖アッセイ
下記の表2で示された抗体、薬物、及びADCのがん細胞株に対する抗細胞増殖活性を測定した。

0214

がん細胞株として、市販のヒト乳がん細胞株MCF-7(HER2陰性又は正常)及びSK-Br3(HER2陽性)、並びに市販の卵巣がん細胞株SK-OV3(HER2陽性)を使用した。薬物として、MMAFを使用した。抗体として、市販のHerceptin-G7-CVIM(LC)及びHerceptin-G7-CVIM(HC)を使用した。ADCとして、実施例8のLCB14-0109(ADC109)及び実施例9のLCB14-0110(ADC110)を使用した。

0215

それぞれのがん細胞株を96ウェルプレートにそれぞれのウェルあたり10,000個の細胞で播種して24時間培養した後、抗体及びADCを0.01563〜2μg/ml(2倍段階希釈)の濃度に処理し、薬物を4〜500nM(2倍段階希釈)の濃度に処理した。72時間後、生細胞の数を、スルホローダミンB(SRB)染料を使用して定量した。

0216

0217

抗体-薬物コンジュゲートに相当するLCB14-0109(ADC109)及びLCB14-0110(ADC110)の有効性、SK-Br3中の有効性は、抗体の有効性の10倍以上であり、ADCの有効性が、抗体自体の有効性よりも優れていたことが確認されうる。

0218

[実験例6]in vivo有効性評価
LCB14-0109(ADC109)及びLCB14-0110(ADC110)のin vivo抗腫瘍有効性評価
単回用量又は複数回用量投与に応じた薬物の有効性を同所性モデルで評価した。

0219

ヒト乳癌腫細胞株BT-474を韓国細胞株バンクから購入し、RPMI1640(10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン)を使用して、一定の温度及び湿度を維持したインキュベータ(37℃、5%CO2)中で培養した。実験性動物として、Japan SLCから購入したBalb/c-nu雌マウス(6週齢)を使用し、1週間訓化した後、17b-エストラジオールペレット(1.72mg/ペレット、Innovative Research of America, Sarasota,FL)を皮下投与した。6日後、BT474細胞(100μL中、5×106細胞)を、50%PBS/50%フェノールレッドフリーMatrigel(Becton Dickinson Bioscience)と適切に混合し、第2の乳腺脂肪パッドに注入し、それにより同所性モデルを作製した。腫瘍サイズを週に2回測定し、体積を1/2[長さ(mm)]×[幅(mm)]2で計算した。マウスを、細胞注入から3週後の平均腫瘍体積がそれぞれの群で100mm3になるようにグループ化し、実験に使用した。Roche製Herceptinを購入して使用した。様々なADCを本発明者で作製し、1週間に1回、又は1度、実験動物尾静脈を通じて投与した。

0220

1)BT474乳腫瘍同所性モデル-QW用量(QW=1週間に1回)に応じた腫瘍体積観察
合計で5つの動物群、つまりビヒクル投与群、Herceptin(5mg/kg)投与群及びADC109(0.1、1、5mg/kg)投与群を使用し、1群あたり合計で11匹のマウスを使用した。薬物を、1週間に1回で合計3回、尾静脈を通じて投与した。その結果、Herceptin(5mg/kg)投与群では、腫瘍成長を、実験の終了時点まで部分的に阻害した。この結果は、ADC109(1mg/Kg)投与群と類似していた。対照的に、ADC109(5mg/kg)投与群では、腫瘍成長阻害は、最初の投与後4日で始まり、腫瘍退行は実験期間の2週間以内で観察された(図10)。

0221

2)BT474乳がん同所性モデルにおけるLCB14-0109(ADC109)用量に応じた体重変化観察
薬物を1)と同じ方法で投与し、ADC109用量に依存した体重変化を観察した。結果として、実験期間全体で、体重変化は観察されず、その結果を下記表3に示した。

0222

0223

3)複数回用量投与に応じた有効性評価
ヒト上皮成長因子受容体2(Her2)-陽性ヒト乳がん同所性モデルにおける複数回用量投与に応じたHerceptin、ADC109、及びADC110の薬物有効性を評価するために、実験を実施した。合計で4つの動物群、つまりビヒクル投与群、Herceptin(5mg/kg)投与群、ADC109(5mg/kg)投与群、及びADC110(5mg/kg)投与群を使用し、群あたり合計で11匹のBT474同所性マウスを使用し、薬物を1週間に1回、合計4回、尾静脈を通じて投与した。Herceptin(5mg/kg)投与群では、腫瘍成長は、実験の終了時点まで部分的に阻害された。しかし、ADC109及びADC110投与群では、互いに類似して、薬物応答は最初の投与から4日後に達成され、腫瘍は10日後に完全に退行し、腫瘍退行は、実験の終了時点まで、再成長することなく維持された(図11)。実験期間全体で観察された体重変化及び死んだ動物は、投与された薬物と無関係であった。

0224

4)単回用量投与に応じた有効性評価
Her2陽性ヒト乳がん同所性モデルにおける単回用量投与に応じたHerceptin、ADC109、及びADC110の薬物有効性を評価するために、実験を実施した。動物群は、複数回用量投与モデルと同じであり、1群あたり合計で4匹のBT474同所性マウスを使用し、薬物を、実験の開始点で1回、尾静脈を通じて投与し、5週間の実験期間の間、さらなる薬物投与なしに、観察のみを実施した。ADC109及びADC110投与群では、腫瘍成長に対する応答は、複数回用量投与実験と類似しており、Herceptin投与群の場合では、腫瘍再成長現象は、単回用量投与の10日後から観察された。しかしながら、ADC109及びADC110投与群では、腫瘍退行は、実験の終了時点まで維持された(図12)。実験期間全体で観察された体重変化及び死んだ動物は、投与された薬物と無関係であった。

0225

[実験例7]ADCの血漿安定性試験
実施例10のADC110、実施例11のADC113、及びKadcylaに関する血漿安定性を下記の方法で評価し、結果を図13〜15に示した。

0226

(ADCのin vitro血漿安定性試験方法)
ADCを1mg/mlの濃度にPBSを使用して希釈し、血漿と混合して最終濃度を0.16mg/mlとした。混合物を37℃で培養し、血漿試料を所定の時間(1日、3日、5日、及び7日)で収集し、抗体のみを血漿試料からタンパク質A磁気ビーズを使用して回収した。磁気ビーズを30%アセトニトリル及び1%ギ酸を含有する溶液で洗浄することにより得られた上清から得られた試験材料を、LC-MSを使用して分析し、薬物-抗体比(DAR)の変化を観察した。対照材料であるKadcyla(T-DM1)の場合、その安定性はPBS中でのみ観察された。結果として、実施例10のADC110及び実施例11のADC113は、PBS中でさえ不安定であったKadcyla(T-DM-1)の結果と異なり、有意に安定であったことを理解することができる。

0227

[実験例8]in vivo薬物動態(PK)評価
1)in vivoマウスPKプロファイル
Herceptin、ADC109、及びADC110のICRマウスへの単回用量を静脈内投与する時の全抗体の薬物動態を確認するために、以下のように実験を実施した。試験材料、つまりHerceptin(G1)、ADC109(G2)、及びADC110(G3)を、ICR雄マウスに、それぞれ静脈内投与した(用量:2.5mg/kg)。血液収集の時点では、50uLの血液を、後眼窩静脈から、ヘパリンナトリウム被覆されたキャピラリーチューブを使用して、所定の時間(投与後15分、1時間、2時間、4時間、6時間、1日、2日、3日、7日、10日及び14日)に収集した。収集された血液は、1.5mlのPEチューブ(Denvil、USA)に移し、氷浴で保存し、保存から1時間以内に、保存された血液を14,000rpmで5分間遠心分離して、得られた血漿を、-70℃に設定された冷凍庫中で分析まで保存した。マウス血漿中の試験材料を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)分析を使用して内部で測定した。薬物動態は、非コンパートメント分析によりPhoenix(商標)WinNonlin(登録商標)(ver.6.3、Pharsight)を使用して分析し、血漿濃度-時間曲線面積(AUC)、最大血液濃度(Cmax)、半減期(t1/2)、クリアランス(CL)及び図16の分布容積(Vss)を計算した。

0228

試験材料を投与後、14日まで、分析材料を全ての試験群でマウス血漿中で検出した。全ての試験群で、群間のPKパラメータに大きな差異はなかった(2回以上)。しかしながら、同じ用量を投与しても、ADC109及びADC110の場合、曝露はHerceptinと比較して低かった。ADC109及びADC110は、Herceptinと異なる抗体-薬物コンジュゲート(ADC)であるため、上記の結果は、ELISA分析で使用された抗ヒトIgG(Fab特異的又はFc特異的)抗体への結合親和性の差異による。

0229

試験群G1(Herceptin)では、HerceptinのAUCINFは356.00日*μg/mlであり、C0値は39.20μg/mlであり、CLは7.04mL/日/Kgであり、Vssは186.00mL/Kgであり、T1/2は18.40日であり、文献におけるPKプロファイルと同様であった。さらに、試験群G2(ADC109)では、AUCINF、C0、CL、Vss、及びT1/2値は、それぞれ235.55日*μg/ml、31.56μg/ml、11.25mL/日/Kg、239.28mL/Kg、及び15.04日であり、試験群G3(ADC110)では、AUCINF、C0、CL、Vss、及びT1/2値は、それぞれ373.60日*μg/ml、35.11μg/ml、7.49mL/日/Kg、326.68mL/Kg、及び35.72日日であった。これらの結果は、試験群G1(Herceptin)の結果と同様であったが、曝露はわずかに低かった。

0230

2)in vivoラットPK試験
Herceptin及びADC110のラットへの単回用量を静脈内投与する時の試験材料の薬物動態を確認するために、以下のように実験を実施した。試験材料、Herceptin及びADC110を、雌ラットに、それぞれ静脈内投与した(用量:3.0mg/kg)。0.4mLの血液を、頸静脈から、ヘパリン(85IU/mL、35uL)で処理された1mLシリンジ(25ゲージ)を使用して、所定の時間(投与後、3分、1時間、3時間、6時間、1日、2日、3日、4日、7日、9日、14日、17日、21日、及び28日)に収集し、マイクロチューブに入れ、ロールミキサー(roll mixer)で数分間処理し、14,000rpmで5分間遠心分離して、血漿を分離した。分離した血漿を、マイクロチューブに入れ、冷凍庫内で分析まで保存した。血漿中の試験材料を、LC-MSを使用して測定した。PK分析を、コンパートメントモデル2により、Phoenix(商標)WinNonlin(登録商標)(ver.6.3、Pharsight)を使用して実施し、薬物-抗体比を、タンパク質Aビーズを使用してADC110を分離した後にLC-MS/MSにより定量した。結果を、図17〜19にそれぞれ示した。加えて、血漿濃度-時間曲線下面積(AUC)、最大血液濃度(Cmax)、半減期(t1/2)、クリアランス(CL)、分布半減期(αHL)、分泌半減期(βHL)、分布容積(V1)、及び表4の分布容積(Vss)を計算した。

0231

ADC110の場合、AUCは、684.83μg*日/mLであり、CLは4.38mL/日/Kgであり、Cmax値は92.18μg/mlであり、Vssは43.83mL/Kgであり、T1/2は8.55日であった。Herceptinの場合、AUCは622.87μg*日/mLであり、CLは、4.87mL/日/Kgであり、Cmax値は81.70μg/mlであり、Vssは56.53mL/Kgであり、T1/2は10.10日であった。Herceptin及びADC110のPKプロファイルは互いに同様であり、ラットにおいて、薬物の抗体への結合は、薬物動態にほとんど影響を与えないことが確認された。

0232

0233

3)in vivoサルPK試験
Herceptin及びADC110のサルへの単回用量を静脈内投与する時の試験材料の薬物動態を確認するために、以下のように実験を実施した。試験材料、Herceptin及びADC110を、雌サルにそれぞれ静脈内投与した(用量:3.0mg/kg)。約1.5mLの血液を、頭部又は大腿部の静脈から所定の時間(投与後30分、3時間、7時間、12時間、24時間(2日)、3日、4日、5日、6日、11日、15日、22日、29日、及び36日)に収集し、抗凝固剤(EDTA-K2)を充填したタブに入れ、湿冷(wet-ice)/Kryorack中で保存し、低温保存状態で、3,000rpmで10分間遠心分離し、血漿を分離した。分離した血漿を、マイクロチューブ中に分配し、冷凍庫内で分析まで保存した。血漿中の試験材料を、LC-MSを使用して測定した。PK分析を、コンパートメントモデル2によりPhoenix(商標)WinNonlin(登録商標)(ver.6.3、Pharsight)を使用して、薬物-抗体比を定量するために実施し、タンパク質Aビーズを使用してADC110を分離し、βグルクロニダーゼで処理した後に、LC-MS/MSを使用して遊離のMMAFを定量した。結果を、図20〜22にそれぞれ示した。血漿濃度-時間曲線下面積(AUC)、最大血液濃度(Cmax)、半減期(t1/2)、クリアランス(CL)、分布半減期(αHL)、分泌半減期(βHL)、分布容積(V1)、及び表5の分布容積(Vss)を計算した。

0234

ADC110の場合、AUCは、965.54μg*日/mLであり、CLは3.11mL/日/Kgであり、Cmax値は117.56μg/mLであり、Vssは55.65mL/Kgであり、T1/2は12.79日であった。Herceptinの場合、AUCは、689.30μg*日/mLであり、CLは4.35mL/日/Kgであり、Cmax値は83.14μg/mLであり、Vssは80.92mL/Kgであり、T1/2は13.44日であった。ADC110のAUCはわずかに高いが、Herceptin及びADC110のPKプロファイルは、互いに全く同様であり、サルにおいて、薬物の抗体への結合は、薬物動態にほとんど影響を与えないことが確認された。

0235

0236

下記表6に示される半減期の比較の時点で、Kadcylaの場合、薬物は抗体に結合し、初期抗体であるHerceptinと比較して半減期が顕著に減少したが、本発明の実施例10で調製したADC110の場合、半減期は、初期抗体と同様であった。このことは、本発明によるADCの初期抗体の半減期に与える影響が小さかったことを意味する。

0237

0238

図18及び21に示すように、ADC110は、生物の血液中の抗体及びMMAF薬物に安定に結合したことが確認され、このことが、ADC110が、in vivo有効性試験で、Kadcylaと比較して高活性であったことの基本的要因であった。上記の安定性から、ADC110が、患者において、対照薬物であるKadcylaの有効性よりも優れた有効性を示す可能性の増加に寄与しうると判断されうる。抗体から離れた薬物は、検量線(図19及び22)以上の量で検出されないことが確認され、この結果は、ADC110が、安定性の観点でKadcylaよりも優れていることを意味しうる。

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