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図面 (13)

課題・解決手段

本発明は、構造が式Iで表されるシクロペプチド化合物溶媒和物、およびその製造方法と使用を公開する。

概要

背景

カファンギン(Micafungin)は、新規エキノカンジン抗真菌薬で、真菌細胞壁の構成成分であるβ-1,3-D-グルカン合成酵素阻害することによって、真菌細胞の構造を破壊し、溶解させる。ミカファンギンは、様々な感染、特にアスペルギルス菌、カンジダ菌クリプトコッカス菌、ムコール菌、放線菌ヒストプラスマ菌、白癬菌フザリウム菌などによる感染に治療幅広く使用されている。

ミカファンギンナトリウム(Micafungin Sodium、FK463とも呼ばれる)は、薬品Mycamine(マイカミン)の活性薬物成分である。ミカファンギンナトリウムの化学構造は、式Iで表される。

5-[(1S,2S)-2-[(3S,6S,9S,11R,15S,18S,20R,21R,24S,25S,26S)-3-[(R)-2-カルバモイル-1-ヒドロキシエチル]-11,20,21,25-テトラヒドロキシ-15-[(R)-1-ヒドロキシエチル]-26-メチル-2,5,8,14,17,23-ヘキサオキシ-18-[4-[5-(4-ペンチルオキシフェニル)イソオキサゾール-3-イル]ベンゾイルアミノ]-1,4,7,13,16,22-ヘキサアザトリシクロ[22.3.0.09,13]ヘプタコサン-6-イル]-1,2-ジヒドロキシエチル]-2-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム。

式I化合物は、ポリペプチド系化合物で、安定性が劣り、輸送または長期保存の時、分解物が生成してその品質と効果に影響することがある。そして、式I化合物は、結晶にさせることが困難で、通常、無定形の状態となっている。
米国特許6,107,458と7,199,248およびWO96/11210では、式I化合物の製造および精製の方法が公開された。中でも、米国特許7,199,248では、ミカファンギンDIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)塩はろ過とクロマトグラフィーによって分離・精製した後、さらにアセトン酢酸エチル沈殿させ、無定形の式I化合物を得る。

Atsushi Ohigashiらは、Journal of Synthesit Organic Chemistry(合成有機化学雑誌)2006年第64巻第12号で発表した論文「Process Development of Micafungin , a Novel Lipopeptide Antifungal Agent」において、式I化合物のイオン交換溶離溶液にアセトンと酢酸エチルの混合液を入れて式I化合物を沈殿させ、無定形の式I化合物を得ることができることを紹介している。式I化合物の沈殿物は乾燥前の溶媒含有量が高く(Dry/Wet=0.25)、式I化合物の沈殿物に約75%の溶媒が含まれ、溶媒含有量標準値よりも低くなるように乾燥時間を長くする必要があるが、乾燥時間を長くすると、式I化合物の分解物が増え、品質が低下する。

また、沢薬品工業株式会社の特許出願WO03/018615では、式I化合物の結晶形および製造方法が公開され、無定形の式I化合物を用いて水を含有する単一アルコール系溶液または水を含有するアセトン溶液に溶解させ、酢酸エチル、塩化メチレン、アセトンやアセトニトリルなどの溶媒を入れ、式I化合物B82型針状結晶を得る。当該結晶は、有機溶媒において結晶化させて得られ、顕微鏡において形態が針状結晶で、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ角4.6°、5.4°、9.0°、9.8°、16.9°にピークがある。

藤沢薬品工業株式会社のYAMASHITAらは、生物工学雑誌の2005年第83巻で発表された論文「Study of Industrial Manufacturing Methodsfor Micafungin (FK463)」において、FK463は溶媒の最適化およびPHの制御によって針状結晶の獲得に成功したことが記載されているが、具体的な実施様態および結晶のデータがない。同会社の先の出願WO03/018615では、式I化合物のB82型針状結晶が公開されているので、YAMASHITAらが獲得したのもB82型針状結晶であることがわかる。

本発明者は、特許WO03/018615の実施例1の方法に従ってB82型針状結晶の製造を行い、光学顕微鏡で得られた結晶を観察したところ、サイズは約1μmで、微細の針状結晶であった。本発明者は、結晶に対して後のろ過、乾燥などのプロセス工程の操作を行う時、B82型の結晶は基本的に微細の針状形態のため、式I化合物の結晶のろ過が困難で、操作の時間が長いことを見出した。結晶の乾燥前に、式I化合物の溶媒含有量Dry/Wetは約0.25で、結晶は大量の有機溶媒を含んでいた。溶媒含有量を原料薬の要求に満足させるために、乾燥過程乾燥温度を上げるまたは乾燥時間を延ばすことが必要である。しかし、上記の乾燥過程を使用すると、式I化合物の分解物が増え、原料薬の品質および安定性に大きく影響する。

現在公開されたミカファンギンナトリウムの固体の安定性は悪く、低温で保存するか、または大量の賦形剤を添加して冷凍乾燥することによってその安定性を保証することしかなく、ミカファンギンナトリウムの薬品用途の発展が大きく制限されている。より安定したミカファンギンナトリウムの固体形態が見つかれば、異なる患者の使用のために、それを様々な剤形、たとえば冷凍乾燥粉末注射剤錠剤カプセルクリーム剤などとすることができる。
そのため、商業的な生産をより良く実現させるために、本分野では、安定性がより良い式I化合物の安定した形態が切望されている。

概要

本発明は、構造が式Iで表されるシクロペプチド系化合物の溶媒和物、およびその製造方法と使用を公開する。

目的

本発明の一つの目的は、式I化合物の溶媒和物を提供することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

式Iで表される化合物溶媒和物であって、1分子の前記式I化合物の溶媒和物に、2分子の結晶水および0.5分子のメタノールが含まれる溶媒和物。

請求項2

前記溶媒和物の粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて、下記2θ角:3.6±0.2°、6.4±0.2°、6.8±0.2°、9.5±0.2°にピークがあることを特徴とする請求項1に記載の溶媒和物。

請求項3

請求項1または2に記載の溶媒和物を製造する方法であって、(a)式Iで表される化合物を水含有アルコール混合溶液に溶解させる工程と、(b)降温及び/又は有機溶媒(i)の添加によって、請求項1または2に記載の溶媒和物を得る工程と、を含むことを特徴とする方法。

請求項4

工程(a)において、前記アルコール系混合溶液は、メタノール/イソブタノール、メタノール/イソプロパノール、メタノール/n-プロパノールから選ばれることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。

請求項5

工程(a)では、前記水含有アルコール系混合溶液において、2種類のアルコールの体積比は0.01〜100、好ましくは0.05〜20、より好ましくは0.1〜10であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。

請求項6

工程(a)では、前記水含有アルコール系混合溶液において、アルコールの合計体積と水の体積との比は0.1〜100、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜7であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。

請求項7

工程(b)において、前記有機溶媒(i)は、n-プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、酢酸メチル酢酸エチル酢酸n-プロピル酢酸イソプロピルから選ばれることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。

請求項8

工程(b)において、前記の降温の温度は-40〜35℃で、好ましくは-20〜35℃で、より好ましくは-10〜30℃で、最も好ましくは-5〜15℃であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。

請求項9

工程(b)において、前記有機溶媒(i)と工程(a)における水含有アルコール系混合溶液との体積比は0.1〜50、好ましくは0.1〜10、より好ましくは1〜5であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。

請求項10

溶媒を含まない式I化合物の結晶の製造に用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の溶媒和物の使用。

請求項11

前記溶媒を含まない式I化合物の結晶を製造する方法は、請求項1または2に記載の溶媒和物を水系とともに真空乾燥し、溶媒を含まない結晶を得る工程、を含むことを特徴とする請求項10に記載の溶媒和物の使用。

請求項12

前記水系は、水道水、純水、氷水合物または水蒸気を放出可能なほかの物質から選ばれることを特徴とする請求項11に記載の溶媒和物の使用。

請求項13

真菌感染治療する薬物の製造に用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の溶媒和物の使用。

請求項14

請求項1または2に記載の溶媒和物と薬学的に許容される担体とを含むことを特徴とする薬物組成物

請求項15

請求項14に記載の薬物組成物の製造方法であって、請求項1または2に記載の溶媒和物と薬学的に許容される担体とを混合し、請求項14に記載の薬物組成物を得る工程、を含むことを特徴とする方法。

請求項16

前記溶媒和物に、さらに製造過程で使用された溶媒または水が含まれ、前記溶媒または水は遊離の形態で存在することを特徴とする請求項1または2に記載の溶媒和物。

技術分野

0001

本発明は、ミカファンギンナトリウム溶媒和物およびその製造方法と使用に関する。

背景技術

0002

ミカファンギン(Micafungin)は、新規エキノカンジン抗真菌薬で、真菌細胞壁の構成成分であるβ-1,3-D-グルカン合成酵素阻害することによって、真菌細胞の構造を破壊し、溶解させる。ミカファンギンは、様々な感染、特にアスペルギルス菌、カンジダ菌クリプトコッカス菌、ムコール菌、放線菌ヒストプラスマ菌、白癬菌フザリウム菌などによる感染に治療幅広く使用されている。

0003

ミカファンギンナトリウム(Micafungin Sodium、FK463とも呼ばれる)は、薬品Mycamine(マイカミン)の活性薬物成分である。ミカファンギンナトリウムの化学構造は、式Iで表される。

0004

5-[(1S,2S)-2-[(3S,6S,9S,11R,15S,18S,20R,21R,24S,25S,26S)-3-[(R)-2-カルバモイル-1-ヒドロキシエチル]-11,20,21,25-テトラヒドロキシ-15-[(R)-1-ヒドロキシエチル]-26-メチル-2,5,8,14,17,23-ヘキサオキシ-18-[4-[5-(4-ペンチルオキシフェニル)イソオキサゾール-3-イル]ベンゾイルアミノ]-1,4,7,13,16,22-ヘキサアザトリシクロ[22.3.0.09,13]ヘプタコサン-6-イル]-1,2-ジヒドロキシエチル]-2-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム。

0005

式I化合物は、ポリペプチド系化合物で、安定性が劣り、輸送または長期保存の時、分解物が生成してその品質と効果に影響することがある。そして、式I化合物は、結晶にさせることが困難で、通常、無定形の状態となっている。
米国特許6,107,458と7,199,248およびWO96/11210では、式I化合物の製造および精製の方法が公開された。中でも、米国特許7,199,248では、ミカファンギンDIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)塩はろ過とクロマトグラフィーによって分離・精製した後、さらにアセトン酢酸エチル沈殿させ、無定形の式I化合物を得る。

0006

Atsushi Ohigashiらは、Journal of Synthesit Organic Chemistry(合成有機化学雑誌)2006年第64巻第12号で発表した論文「Process Development of Micafungin , a Novel Lipopeptide Antifungal Agent」において、式I化合物のイオン交換溶離溶液にアセトンと酢酸エチルの混合液を入れて式I化合物を沈殿させ、無定形の式I化合物を得ることができることを紹介している。式I化合物の沈殿物は乾燥前の溶媒含有量が高く(Dry/Wet=0.25)、式I化合物の沈殿物に約75%の溶媒が含まれ、溶媒含有量標準値よりも低くなるように乾燥時間を長くする必要があるが、乾燥時間を長くすると、式I化合物の分解物が増え、品質が低下する。

0007

また、沢薬品工業株式会社の特許出願WO03/018615では、式I化合物の結晶形および製造方法が公開され、無定形の式I化合物を用いて水を含有する単一アルコール系溶液または水を含有するアセトン溶液に溶解させ、酢酸エチル、塩化メチレン、アセトンやアセトニトリルなどの溶媒を入れ、式I化合物B82型針状結晶を得る。当該結晶は、有機溶媒において結晶化させて得られ、顕微鏡において形態が針状結晶で、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ角4.6°、5.4°、9.0°、9.8°、16.9°にピークがある。

0008

藤沢薬品工業株式会社のYAMASHITAらは、生物工学雑誌の2005年第83巻で発表された論文「Study of Industrial Manufacturing Methodsfor Micafungin (FK463)」において、FK463は溶媒の最適化およびPHの制御によって針状結晶の獲得に成功したことが記載されているが、具体的な実施様態および結晶のデータがない。同会社の先の出願WO03/018615では、式I化合物のB82型針状結晶が公開されているので、YAMASHITAらが獲得したのもB82型針状結晶であることがわかる。

0009

本発明者は、特許WO03/018615の実施例1の方法に従ってB82型針状結晶の製造を行い、光学顕微鏡で得られた結晶を観察したところ、サイズは約1μmで、微細の針状結晶であった。本発明者は、結晶に対して後のろ過、乾燥などのプロセス工程の操作を行う時、B82型の結晶は基本的に微細の針状形態のため、式I化合物の結晶のろ過が困難で、操作の時間が長いことを見出した。結晶の乾燥前に、式I化合物の溶媒含有量Dry/Wetは約0.25で、結晶は大量の有機溶媒を含んでいた。溶媒含有量を原料薬の要求に満足させるために、乾燥過程乾燥温度を上げるまたは乾燥時間を延ばすことが必要である。しかし、上記の乾燥過程を使用すると、式I化合物の分解物が増え、原料薬の品質および安定性に大きく影響する。

0010

現在公開されたミカファンギンナトリウムの固体の安定性は悪く、低温で保存するか、または大量の賦形剤を添加して冷凍乾燥することによってその安定性を保証することしかなく、ミカファンギンナトリウムの薬品用途の発展が大きく制限されている。より安定したミカファンギンナトリウムの固体形態が見つかれば、異なる患者の使用のために、それを様々な剤形、たとえば冷凍乾燥粉末注射剤錠剤カプセルクリーム剤などとすることができる。
そのため、商業的な生産をより良く実現させるために、本分野では、安定性がより良い式I化合物の安定した形態が切望されている。

0011

本発明の一つの目的は、式I化合物の溶媒和物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、前記溶媒和物の製造方法を提供することである。
本発明のまたもう一つの目的は、前記溶媒和物の使用を提供することである。

0012

式I化合物の溶媒和物
本発明は、1分子に、2分子の結晶水および0.5分子のメタノールが含まれる式I化合物の溶媒和物を提供する。
本発明のもう一つの好適な例において、前記式I化合物の溶媒和物の粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて、下記2θ角:3.6±0.2°、6.4±0.2°、6.8±0.2°、9.5±0.2°にピークがある。
本発明のもう一つの好適な例において、前記式I化合物の溶媒和物の粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて、さらに下記2θ角:7.5±0.2°、11±0.2°12.4±0.2°にピークがある。

0013

本発明のもう一つの好適な例において、前記式I化合物の溶媒和物の粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて、さらに下記2θ角:13.4±0.2°、20.2±0.2°にピークがある。
本発明のもう一つの好適な例において、前記式I化合物の溶媒和物は図1で示される粉末X線回折(XRPD)スペクトルを有する。
本発明のもう一つの好適な例において、前記式I化合物の溶媒和物は以下の結晶パラメーターを有する。

0014

既存技術で公開された無定形および結晶の形態の式I化合物は安定性が劣るため、発明者は、安定性が良い式I化合物を得るために、式I化合物を研究したところ、単純に二相系、たとえばメタノール/水、エタノール/水、n-プロパノール/水、イソプロパノール/水、イソブタノール/水、n-ブタノール/水、アセトニトリル/水、アセトン/水を利用し、降温および/有機溶媒の添加で式I化合物を析出させることによって得られた固体はいずれも無定形で安定性が悪いことを見出した。さらなる研究の過程において、発明者は、上記二相系における水の比率および結晶のpHに対して大量の研究を行ったが、最終的に得られるのは無定形の産物であることを見出した。

0015

安定性が良い式I化合物を得るために、発明者は諦めずに続いて三相系で異なる溶媒の組み合わせを利用して溶媒系を選択した。長期間の研究を経て、本発明者は、特定の三相の溶媒系において、形態が規則的な柱状結晶の式I化合物の溶媒和物が得られることを意外にも見出した。その後、大量の溶媒選択試験を行い、最終的に3種類の安定性がより良く、形態がより優れた式I化合物の溶媒和物を得、かつ製造プロセスを確立した。得られた式I化合物の溶媒和物はWO03/018615で公開されたB82型針状結晶と比べ、形態が規則的で、柱状結晶(図12)で、顆粒が大きく、ろ過がしやすく、かつ結晶における溶媒が除去しやすく、より重要なのは安定性がB82型の結晶よりも顕著に優れる。式I化合物の溶媒和物における溶媒が脱離すると、溶媒を含まない式I化合物の結晶が生成する。

0016

発明者は、さらに式I化合物の溶媒和物の構造を研究したところ、水分子およびメタノール分子と式I化合物におけるナトリウム原子が結合して共晶組成物を形成し、1分子の式I化合物の溶媒和物に、2分子の結晶水および0.5分子のメタノールが含まれ、遊離の(式I化合物の分子と結合していない)溶媒または水も含まれるかもしれないことを見出した。これは、化合物の結晶化による溶媒和物の製造過程において、化合物分子は、結晶の溶媒分子または水分子と結合して安定した構造の溶媒和物を形成する以外に、化合物分子の間にもある程度の量の溶媒分子または水分子が包囲または付着し、これらの溶媒分子および水分子は化合物分子と結合していないので、構造の構成に参加せず、その含有量および存在の有無は構造に影響せず、その含有量も不確定であるためである。

0017

式I化合物の溶媒和物の同定と性質
本発明者は式I化合物の溶媒和物を得た後、さらに複数の手段でその性質を検討した。
「粉末X線回折」は、「多結晶X線回折(XRDまたはXRPD)」とも呼ばれ、現在結晶構造(すなわち結晶形)を測定する場合よく使われる試験方法である。粉末X線回折装置を用いると、X線が結晶を透過するとき一連回折スペクトルが生じ、そのスペクトルにおいて回折線およびその強度はそれぞれある構造の原子団で決められるため、結晶の構造が確定できる。結晶の粉末X線回折を測定する方法は、本分野では既知である。例えば、RIGAKU D/max 2550VB/PC型の粉末X線回折装置を使用し、2°/分の走査速度で、銅輻射ターゲットでスペクトルを得る。

0018

本発明の式I化合物の溶媒和物は特定の結晶の形態を持ち、粉末X線回折スペクトルにおいて特定の特徴ピークを有する。具体的に、本発明の式I化合物の溶媒和物の粉末X線回折スペクトルにおいて下記2θ角:3.6±0.2°、6.4±0.2°、6.8±0.2°、9.5±0.2°に特徴ピークがある。一つの好適な実施形態では、そのスペクトルにおいてさらに下記2θ角:7.5±0.2°、11±0.2°、12.4±0.2°に特徴ピークがある。もう一つの好適な実施形態では、そのスペクトルにおいてさらに下記2θ角:13.4±0.2°、20.2±0.2°に特徴ピークがある。より好ましくは、前記式I化合物の溶媒和物は図1と基本的に一致する粉末X線回折(XRPD)スペクトルを有する。

0019

「単結晶X線回折分析(SXRD)」は、直接で独立した正確な定量の薬物の結晶形を確認する分析方法で、現在世界中で公認の固体の化学物質の多結晶形の課題の研究における権威ある方法でもある。本発明の式I化合物の溶媒和物の結晶の構造式は独国ブルカー社の単結晶回折装置SMARTAPEX-II(DUO))によって140(2)Kの温度で(λ=1.54178 A)検出してデータを収集した。単結晶の検出に使用された溶媒和物の結晶の大きさは0.230×0.080×0.030 mmである。

0020

単結晶X線回折のデータから式I化合物の溶媒和物の構造を分析したところ、式I化合物の溶媒和物は、2分子の式I化合物に1分子のメタノールが、そして1分子の式I化合物に2分子の水が結合し、かつ以下の結晶学パラメーターを有することを見出した。



上記データから、1分子の式I化合物の溶媒和物の単位格子に、1/2分子のメタノールおよび2分子の水が含まれることがわかる。

0021

また、発明者は図4で示される式I化合物の溶媒和物の格子堆積図を分析したところ、図では遊離の結晶化過程に使用されたイソブタノールおよび水も含まれたことを見出した。
式I化合物の組成物水分含有量の測定は、本分野で汎用検出方法、たとえばKarl Fischer(KF)で水分含有量を測定する。

0022

気相クロマトグラフィーGC)によって化合物における微量の不純物を分離して検出するのは、正確な定性・定量的分析方法である。本発明において、気相クロマトグラフィー(GC)によって、本発明で製造される式I化合物の溶媒和物を原料とし、製造して得られた溶媒を含まない式I化合物の結晶におけるメタノールの含有量を測定し、メタノールは有効に除去されたかどうか確認する。

0023

高速液体クロマトグラフィー」(HPLC)は、化合物の純度の検出に使用される通常の方法で、液体移動相とし、高圧輸液システムを使用し、異なる極性を有する単一溶媒または異なる比率の混合溶媒緩衝液などの移動相を固定相カラムポンプし、各成分はカラム内で分離された後、検出器に入って検出されることで、試料に対する分析を実現する。本発明において、以下のようなHPLC検出条件で式I化合物の純度を測定し、そしてサンプルの安定性の研究に使用する。

0024

分析カラム:YMC-ODS 250×4.6mm、5μm、
移動相:アセトニトリル:リン酸塩緩衝液(pH 3.0)=45:70、
流速:1 ml/min、
カラム温度:35℃、
希釈液:水のリン酸塩緩衝液、
検出波長:210nm、
仕込み量:10μl。

0025

式I化合物の溶媒和物の製造
本発明は、式Iで表される化合物の溶媒和物の製造方法を提供する。
発明者は、研究過程において溶媒系を選択するだけでなく、さらにpHの式I化合物の溶媒和物に対する影響を研究した。大量の実験によって、pHは式I化合物の溶媒和物の獲得の決定的な要素ではないことが証明された。二相または三相系の溶媒を用いて結晶化させると無定形の式I化合物が得られる場合、pHを変えても、得られるのは無定形の固体である。また、三相系の溶媒を用いて結晶化させて式I化合物の溶媒和物を得た後、式I化合物が安定したままで、pHを変えても、式I化合物の溶媒和物が得られる。

0026

発明者は、最終的に、式I化合物の溶媒和物の製造方法であって、
(a)式Iで表される化合物を水含有アルコール混合溶液に溶解させる工程と、
(b)降温及び/又は有機溶媒(i)の添加によって、前記の溶媒和物を得る工程と、
を含む方法を確立した。

0027

ここで、工程(a)において、前記アルコール系混合溶液は、メタノール/イソブタノール、メタノール/イソプロパノール、メタノール/n-プロパノールから選ばれる。
ここで、工程(a)では、前記水含有アルコール系混合溶液において、2種類のアルコールの体積比は0.01〜100、好ましくは0.05〜20、より好ましくは0.1〜10である。
ここで、工程(a)では、前記水含有アルコール系混合溶液において、アルコールの合計体積と水の体積との比は0.1〜100、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜7である。
ここで、工程(a)における前記溶解の温度は10〜50℃で、好ましくは20〜40℃である。
ここで、工程(a)において、前記溶解液の合計体積に対し、その中の式I化合物の含有量は1〜500mg/ml、好ましくは5〜100mg/ml、より好ましくは10〜50mg/mlである。

0028

ここで、工程(b)において、前記有機溶媒(i)は、n-プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル酢酸イソプロピルから選ばれる。
ここで、工程(b)において、前記の降温の温度は-40〜35℃で、好ましくは-20〜35℃で、より好ましくは-10〜30℃で、最も好ましくは-5〜15℃である。
ここで、工程(b)において、前記有機溶媒(i)と工程(a)における水含有アルコール系混合溶液との体積比は0.1〜50、好ましくは0.1〜10、より好ましくは1〜5である。

0029

式I化合物の溶媒和物の使用およびその組成物
本発明によって提供される式I化合物の溶媒和物は、溶媒を含まない式I化合物の結晶の製造に使用することができる。
本発明によって提供される式I化合物の溶媒和物から、溶媒を含まない式I化合物の結晶を製造する方法は以下の工程を含む。
本発明によって提供される式I化合物の溶媒和物を水系とともに真空乾燥し、溶媒を含まない式I化合物の結晶を得る。
ここで、前記水系は、水道水、純水、氷水合物または水蒸気を放出可能なほかの物質から選ばれる。

0030

ここで、前記式I化合物の溶媒和物を水系とともに真空乾燥させるとは、式I化合物の溶媒和物を真空乾燥で通常サンプルを置くところにセットし、かつ式I化合物の溶媒和物の周囲に水蒸気を放出可能な物質を入れた開放容器を置くことである。
本発明によって提供される式I化合物の溶媒和物は、そのまま真菌感染を治療する薬物の製造に使用することもできる。
さらに、本発明は式I化合物の溶媒和物と、薬物的に許容される担体とを含む薬物組成物を提供する。

0031

関連用語
ここで用いられるように、用語「式I化合物の溶媒和物」とは、「式I化合物の溶媒化物」とも呼ばれ、式I化合物と有機溶媒または水が水素結合塩結合相互作用によって形成する物質である。
ここで用いられるように、用語「結晶」とは、分子または原子複合体が特定の配列形式となっている固体である。

0032

ここで用いられるように、「式I化合物」、「化合物I」及び「式Iで表される化合物」は、いずれも以下の構造式を持つ化合物を指し、入れ替えて使用することができる。



式I化合物は、本分野の通常の方法、例えば特許WO96/11210で報告された当該化合物の製造方法によって得ることができるが、これに限定されない。また、日本藤沢社などから、市販品としても得られるが、これに限定されない。

0033

ここで用いられるように、用語「薬学的に許容される担体」とは、治療剤投与のための担体で、各種の賦形剤と希釈剤を含む。この用語は、自身が必要な活性成分ではなく、かつ使用後過度の毒性がない薬剤の担体のことを指す。適切な担体は、当業者に熟知である。Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Pub. Co.,N.J. 1991)において、薬学的に許容される賦形剤に関する十分な検討が見つけられる。組成物において、薬学的に許容される担体は液体、例えば水、塩水、グリセリンやエタノールを含んでもよい。さらに、これらの担体には、補助的な物質、例えば崩壊剤湿潤剤乳化剤、pH緩衝物質等が存在してもよい。

0034

本発明の主な利点は以下の通りである。
1.安定性が優れた式I化合物の溶媒和物を提供し、輸送と保存が容易で、既存技術で解決すべき技術問題を解決した。
2.式I化合物の溶媒和物の製造方法を提供し、かつ前記方法は大規模生産に非常に適する。

図面の簡単な説明

0035

図1は、式I化合物の溶媒和物の粉末X線回折(XRPD)スペトルを示す。



図2は、式I化合物の溶媒和物の単結晶構造図を示す。
図3は、式I化合物の溶媒和物の格子堆積図を示す。
図4は、式I化合物の溶媒和物の単結晶構造一部拡大図を示す。
図5は、式I化合物の溶媒和物の単結晶構造一部拡大図を示す。

0036

図6は、溶媒を含まない式I化合物の結晶の粉末X線回折(XRPD)スペトルを示す。
図7は、溶媒を含まない式I化合物の結晶の粉末X線回折(XRPD)スペトルを示す。
図8は、式I化合物の無定形の粉末X線回折(XRPD)スペトルを示す。
図9は、実施例2で得られた式I化合物の溶媒和物の25℃、30日後のHPLC分析グラフを示す。
図10は、比較例1で得られたB82型の結晶の25℃、30日後のHPLC分析グラフを示す。
図11は、比較例1で得られた結晶の顕微鏡による写真を示す。
図12は、実施例2で得られた結晶の顕微鏡による写真を示す。

0037

具体的な実施形態
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるだけのもので、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常の条件、あるいはメーカー推奨する条件で行われた。別の説明がない限り、すべての百分率、比率、比例或いは部は、重量で計算される。

0038

本発明における重量体積百分率の単位は当業者にとって熟知で、例えば100mLの溶液における溶質の重量を指す。
結晶の水分含有量は、本分野でよく使用される検出方法によって測定される。例えば、Karl Fischer(KF)を使用し、水分含有量を測定する。
別の定義がない限り、本文に用いられるすべての専門用語と科学用語は、本分野の技術者に知られている意味と同様である。また、記載の内容と類似或いは同等の方法及び材料は、いずれも本発明の方法に用いることができる。ここで記載の好ましい実施方法及び材料は例示のためだけである。

0039

比較例1
B82型の結晶の製造
特許WO03/018615の実施例1〜実施例8の方法に従って製造していずれも針状結晶を得、B82型の結晶で、ろ過前にサンプリングして15×40倍の顕微鏡で結晶を観察した写真を図11に示す。B82結晶は、単結晶X線回折分析によって、結晶格子に溶媒のメタノールおよび結晶水が含まれず、非溶媒化物であると確認された。

0040

実施例1
化合物Iの製造
米国特許7,199,248における方法に従って製造して式I化合物の固体の無定形粉末を得た。その粉末X線回折スペクトルを図8に示す。

0041

実施例2
式I化合物の溶媒和物の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物1gを25℃で50mlのメタノール/イソブタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=8:2:1)に溶解させ、ゆっくり8℃に降温し、溶液から結晶が析出し、そして同温度のままで3.5h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり90mlの酢酸エチルを入れた。ろ過前にサンプリングして倍率15×40の顕微鏡で結晶を観察した写真を図12に示す。ろ過して得られた式I化合物の溶媒和物のXRPDを図1に示す。

0042

実施例3
式I化合物の溶媒和物の製造
比較例1で製造されたB82型の結晶2.5gを30℃で50mlのメタノール/イソブタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=1:1:1)に溶解させ、ゆっくり50mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して式I化合物の溶媒和物を得た。

0043

実施例4
式I化合物の溶媒和物の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物3gを10℃で600mlのメタノール/イソブタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=5:1:2)に溶解させ、ゆっくり-20℃に降温し、溶液から結晶が析出し、約2h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ろ過して式I化合物の溶媒和物を得た。

0044

実施例5
式I化合物の溶媒和物の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物3gを50℃で120mlのメタノール/イソプロパノール水溶液(イソプロパノール:水:メタノール=4:2:1)に溶解させ、30℃に降温し、溶液から結晶が析出し、30min撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり200mlのイソプロパノールを入れ、ろ過して式I化合物の溶媒和物を得た。

0045

実施例6
式I化合物の溶媒和物の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物1gを20℃で20mlのメタノール/イソプロパノール水溶液(イソプロパノール:水:メタノール=10:2:1)に溶解させ、ゆっくり200mlの酢酸n-プロピルを入れ、ろ過して式I化合物の溶媒和物を得た。

0046

実施例7
式I化合物の溶媒和物の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物1.0gを18℃で100mlのメタノール/イソプロパノール水溶液(イソプロパノール:水:メタノール=1:2:20)に溶解させ、ゆっくり-5℃に降温し、溶液から結晶が析出し、約4h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ろ過して式I化合物の溶媒和物を得た。

0047

実施例8
式I化合物の溶媒和物の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物2gを30℃で20mlのメタノール/n-プロパノール水溶液(n-プロパノール:水:メタノール=1:15:10)に溶解させ、15℃に降温し、溶液から結晶が析出し、2h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり100mlの酢酸イソプロピルを入れ、ろ過して式I化合物の溶媒和物を得た。

0048

実施例9
式I化合物の溶媒和物の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物4gを24℃で300mlのメタノール/n-プロパノール水溶液(n-プロパノール:水:メタノール=20:2:1)に溶解させ、ゆっくり30mlのイソブタノールを入れ、ろ過して式I化合物の溶媒和物を得た。

0049

実施例10
式I化合物の溶媒和物の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物2.7gを40℃で80mlのメタノール/n-プロパノール水溶液(n-プロパノール:水:メタノール=10:3:1)に溶解させ、ゆっくり-10℃に降温し、溶液から結晶が析出し、約1h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ろ過して式I化合物の溶媒和物を得た。

0050

実施例11
式I化合物の溶媒和物の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物1gを25℃で50mlのイソブタノール/メタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=8:2:1)に溶解させ、約5℃に降温させ、温度を5℃に約60時間維持し、式I化合物の溶媒和物を得た。単結晶X線回折分析によって、結晶格子に1分子の式I化合物、1/2分子のメタノールおよび2分子の水が含まれることが確認された。溶媒和物の結晶構造図を図2に、結晶格子堆積図を図3に示す。

0051

実施例12
溶媒を含まない式I化合物の結晶の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物1.5gを20℃で70mlのメタノール/イソブタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=8:2:1)に溶解させ、ゆっくり0℃に降温し、溶液から結晶が析出し、そして同温度のままで4.5h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり100mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して式I化合物の溶媒和物を得た。得られた溶媒和物を真空乾燥器に入れ、乾燥器内の底部に純水を入れた皿を置き、含水量を7.9%に制御し、真空乾燥して溶媒を含まない式I化合物の結晶を得た。そのXRPDを図6に示す。GC検出では、メタノールまたはほかの有機溶媒が検出されなかった。

0052

実施例13
溶媒を含まない式I化合物の結晶の製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物2gを27℃で100mlのメタノール/イソブタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=8:2:1)に溶解させ、ゆっくり-20℃に降温し、溶液から結晶が析出し、そして同温度のままで4h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり150mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して式I化合物の溶媒和物を得た。得られた溶媒和物を真空乾燥器に入れ、乾燥器内の底部に水道水を入れた皿を置き、16h乾燥した。水道水を撤去し、真空乾燥を続け、水分含水量を3.7%に制御し、溶媒を含まない式I化合物の結晶を得た。そのXRPDを図7に示す。GC検出では、メタノールまたはほかの有機溶媒が検出されなかった。

0053

比較例2
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物0.4gを25℃で10mlのメタノール水溶液(メタノール:水=3:2)に溶解させ、ゆっくり5℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで3h撹拌を続け、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0054

比較例3
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物2gを30℃で10mlのアセトン水溶液(アセトン:水=1:1)に溶解させ、5℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで4h撹拌を続け、ゆっくり50mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0055

比較例4
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物1.7gを30℃で100mlのメタノール/エタノール水溶液(メタノール:エタノール:水=8:2:1)に溶解させ、11℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで6h撹拌を続け、ゆっくり100mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0056

比較例5
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物4gを45℃で28mlのメタノール/n-ブタノール水溶液(メタノール:n-ブタノール:水=1:7:2)に溶解させ、11℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで6h撹拌を続け、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0057

比較例6
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物3gを50℃で20mlのメタノール/エタノール水溶液(メタノール:アセトニトリル:水=4:1:2)に溶解させ、25℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで2h撹拌を続け、ゆっくり70mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0058

実施例14
純度と安定性のテスト
本実施例において、比較例と実施例で得られたサンプルの純度と安定性を比較した。方法は以下の通りである。
それぞれ実施例2で製造された式I化合物の溶媒和物、比較例1で得られたB82型の結晶、および実施例1で得られた無定形の固体を取り、密閉で25℃に維持して30日置いた後、サンプルの不純物含有量を分析した。本発明における式I化合物の溶媒和物およびB82型結晶、無定形の固体の安定性の比較結果は下記表に示す。

0059

実施例15



20gの乳糖を50℃未満で加熱して純水(200ml)に溶解させた。20℃以下に冷却した後、乳糖溶液に実施例2の方法で得た式I化合物の溶媒和物を2.5g溶解させ、泡が立たないようにゆっくり撹拌した。2%クエン酸水溶液(0.95ml)を入れた後、pHが5.5となるように溶液に0.4%水酸化ナトリウム水溶液(約24ml)を入れ、さらに純水で希釈し、容積を250mlとした。得られた溶液を100個の体積10mlのバイアルに2.5mlずつ分けて入れた。通常の方法で、冷凍乾燥装置で各バイアルにおける溶液を冷凍乾燥し、それぞれ25mgの式I化合物の水和物を含有する冷凍乾燥組成物を得た。

0060

実施例16
薬物組成物の製造
実施例2の方法で得られた式I化合物の溶媒和物を0.2g取り、US2007249546 A1の実施例2のように点眼液を調製した。

0061

式I化合物の溶媒和物の測定
粉末X線回折計で実施例2で得られた式I化合物の溶媒和物を測定し、その粉末X線回折スペクトルにおいて下記2θ角:3.6±0.2°、6.4±0.2°、6.8±0.2°、7.5±0.2°、9.5±0.2°、11.0±0.2°、12.4±0.2°、13.4±0.2°、20.2±0.2°に特徴ピークがあった。粉末X線回折スペクトルを図1に示す。
式I化合物の溶媒和物の単結晶構造図を図2に示す。
式I化合物の溶媒和物の格子堆積図を図3に示す。
測定によって実施例3〜11の結晶構造は実施例2の結晶構造と同様であることがわかった。本発明の方法は、再現性が良く、安定した式I化合物の溶媒和物を得ることができることがわかる。

0062

以上の説明は本発明の好ましい実施例だけで、本発明の実質の技術内容の範囲を限定するものではなく、本発明の実質の技術内容は広義的に出願の請求の範囲に定義され、他の人が完成した技術実体或いは方法は、出願の請求の範囲に定義されたものとまったく同じものであれば、或いは効果が同等の変更であれば、いずれもその請求の範囲に含まれるとみなされる。

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