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技術 アクリロニトリル回収のアセトニトリル除去ステップにおけるファウリング低減

出願人 イネオスユーロープアクチェンゲゼルシャフト
発明者 マクドネルティモシーロバートカウチジェイロバートワーグナーディヴィッドルドルフヴェヒテンドルフポールトリッグ
出願日 2015年6月9日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2016-572412
公開日 2017年7月13日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2017-519002
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 水位調整器 急冷槽 最終冷却器 還流流 急冷液 冷却排水 最上段トレイ 添加管
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重要な関連分野

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課題・解決手段

還流流に酸を加えるステップと、還流流をアセトニトリル精留塔に搬送するステップとを含み、酸によってアセトニトリル精留塔内ファウリングを低減する方法を提供する。

概要

背景

アクリロニトリル又はメタクリロニトリルの製造方法及びシステムは様々なものが知られており、例えば、米国特許第3,936,360号、第3,433,822号、第3,399,120号及び第3,535,849号を参照されたい。触媒を含み流動床として機能するアクリロニトリル反応器に、プロピレンアンモニア及び(空気成分としての)酸素を供給する。従来の方法は、反応器に供給するプロピレンの量に対して過剰な量のアンモニアを供給物に含めて反応器を動作させるものである。この余分なアンモニアの一部が、その極限状態に起因して反応器内で燃焼した末に、プロピレンと結合してアクリロニトリルを形成する。一般に「過剰アンモニア」と呼ばれる残りの余分なアンモニアは、排ガスに含まれて反応器から排出される。その後、通常、このガスは、冷却器を通過した後に急冷槽に至って過剰アンモニアが除去される。例えば、米国特許第3,936,360号、第4,166,008号、第4,334,965号、第4,341,535号、第5,895,635号及び第6,793,776号を参照されたい。

通常、従来の方法は、プロパン、プロピレン又はイソブチレンからなる群から選択された炭化水素を触媒の存在下でアンモニア及び酸素と直接反応させることによって生成されるアクリロニトリル/メタクリロニトリルを回収して精製するものであり、アクリロニトリル/メタクリロニトリルを含む反応器排水を第1の急冷塔)に移送して第1の水流で冷却し、アクリロニトリル/メタクリロニトリルを含む冷却排水を第2の塔(吸収塔)内に移送し、冷却排水を第2の水流と接触させて、第2の水流内にアクリロニトリル/メタクリロニトリルを吸収し、アクリロニトリル/メタクリロニトリルを含む第2の水流を第2の塔から第1の蒸留塔回収塔)に移送して第2の水流から粗製アクリロニトリル/メタクリロニトリルを分離し、分離した粗製アクリロニトリル/メタクリロニトリルを第2の蒸留塔(ヘッド塔)に移送して粗製アクリロニトリル/メタクリロニトリルから少なくとも若干の不純物を除去し、部分的に精製されたアクリロニトリル/メタクリロニトリルを第3の蒸留塔(製品塔)に移送して製品としてのアクリロニトリル/メタクリロニトリルを取得することによって行われる。例えば、単一の抽出蒸留塔においてアクリロニトリルからアセトニトリルを分離する従来の方法を開示する米国特許第4,334,295号及び第4,238,295号を参照されたい。このような従来の方法では、アセトニトリル精留塔塔底流が回収塔又は抽出蒸留塔に経路指定される。

概要

還流流に酸を加えるステップと、還流流をアセトニトリル精留塔に搬送するステップとを含み、酸によってアセトニトリル精留塔内ファウリングを低減する方法を提供する。

目的

従って、本開示の態様は、アセトニトリル精留塔内のファウリングを低減及び/又は除去する、安全で効果的でコスト効率の良い方法及び装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

還流流に酸を加えるステップと、前記還流流をアセトニトリル精留塔に搬送するステップと、を含むことを特徴とする方法。

請求項2

前記酸は、前記アセトニトリル精留塔内ファウリングを低減する、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記アセトニトリル精留塔は、最上段トレイと、該最上段トレイの下方の複数のトレイとを含み、前記搬送するステップは、前記還流流を前記最上段トレイに搬送するステップを含む、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記酸は、有機酸有機酸誘導体及びこれらの混合物を含み、前記有機酸は、酢酸グリコール酸及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記還流流に酸を加える前記ステップは、前記アセトニトリル精留塔の塔頂流のpHを低下させる、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記還流流に酸を加える前記ステップは、前記アセトニトリル精留塔の塔頂流のpHを所定の範囲内に維持する、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記還流に酸を加える前記ステップは、前記アセトニトリル精留塔の前記塔頂流の前記pHを7.0超から7.0未満のpHに低下させる、請求項5に記載の方法。

請求項8

前記還流に酸を加える前記ステップは、前記アセトニトリル精留塔の前記塔頂流の前記pHを8.0超から6.5未満のpHに低下させる、請求項5に記載の方法。

請求項9

前記還流に酸を加える前記ステップは、前記アセトニトリル精留塔の前記塔頂流の前記pHを7.0超から約6.4のpHに低下させる、請求項5に記載の方法。

請求項10

前記還流に酸を加える前記ステップは、前記アセトニトリル精留塔の前記塔頂流の前記pHを約7.0未満に維持する、請求項6に記載の方法。

請求項11

前記還流に酸を加える前記ステップは、前記アセトニトリル精留塔の前記塔頂流の前記pHを約6.5未満に維持する、請求項6に記載の方法。

請求項12

前記還流に酸を加える前記ステップは、前記アセトニトリル精留塔の前記塔頂流の前記pHを約6.4未満に維持する、請求項6に記載の方法。

請求項13

前記還流流を供給するために塔頂流を凝縮するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項14

前記還流流に酸を加える前記ステップは、前記アセトニトリル精留塔の前記塔頂流に酸を加えるステップを含む、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記アセトニトリル精留塔の塔底流急冷槽経路指定するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記アセトニトリル精留塔の前記塔底流は、前記還流流に酸を加える前記ステップ中に前記還流流に加えられる少なくとも若干の酸を含む、請求項15に記載の方法。

請求項17

アクリロニトリル及びアンモニアを含む気体流を前記急冷槽に供給するステップと、前記気体流を、前記アセトニトリル精留塔の前記塔底流を含む急冷液に接触させるステップとをさらに含む、請求項16に記載の方法。

請求項18

前記経路指定するステップは、前記アセトニトリル精留塔の前記塔底流が前記急冷槽に搬送されるように、前記アセトニトリル精留塔の前記塔底流の少なくとも一部を回収塔への搬送から経路変更するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。

請求項19

前記還流流の少なくとも一部を、凝縮器上流において前記アセトニトリル精留塔の塔頂流に搬送するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項20

アセトニトリル精留塔の塔底流を急冷塔に搬送するステップを含み、前記塔底流は、少なくとも若干の酸を含む、ことを特徴とする方法。

請求項21

前記塔底流は、約7又はそれ未満のpHを有する、請求項20に記載の方法。

請求項22

前記塔底流は、約5〜約7.5のpHを有する、請求項20に記載の方法。

請求項23

前記塔底流は、約6〜約7のpHを有する、請求項20に記載の方法。

請求項24

アセトニトリルを含む塔頂流を生成するように構成されたアセトニトリル精留塔と、前記アセトニトリル精留塔に還流流を搬送するように構成された還流管路と、前記還流流に酸を加えるように構成された酸添加管路と、を備えることを特徴とする装置。

請求項25

前記塔頂流を冷却して、凝縮された粗製アセトニトリル製品を生成するように構成された凝縮器をさらに備え、前記還流流は、前記凝縮されたアセトニトリル製品の少なくとも一部を含む、請求項24に記載の装置。

請求項26

前記アセトニトリル精留塔は、最上段トレイと、前記最上段トレイの下方の複数のトレイとを含み、前記還流管路は、前記還流流を前記最上段トレイに搬送するように構成される、請求項24に記載の装置。

請求項27

前記酸は、酢酸を含む、請求項24に記載の装置。

請求項28

前記還流流への酸の添加を制御するように構成されたコントローラを備える、請求項24に記載の装置。

請求項29

前記コントローラは、前記塔頂流のpHを低下させるように酸の添加を制御するよう構成される、請求項28に記載の装置。

請求項30

前記コントローラは、前記塔頂流の前記pHを所定の範囲内に維持するように構成される、請求項29に記載の装置。

請求項31

前記コントローラは、前記塔頂流の前記pHを約7.0超から7.0未満のpHに低下させるように構成される、請求項29に記載の装置。

請求項32

前記コントローラは、前記塔頂流の前記pHを約8.0超から6.5未満のpHに低下させるように構成される、請求項29に記載の装置。

請求項33

前記コントローラは、前記塔頂流の前記pHを約7.0超から約6.4のpHに低下させるように構成される、請求項29に記載の装置。

請求項34

前記酸管路は、前記塔頂流に酸を加えるように構成される、請求項25に記載の装置。

請求項35

前記アセトニトリル精留塔の塔底流の少なくとも一部を急冷槽に経路指定するように構成された経路指定管路をさらに備える、請求項24に記載の装置。

請求項36

前記塔底流は、前記還流流に加えられる少なくとも若干の酸を含む、請求項35に記載の装置。

請求項37

前記急冷槽は、アクリロニトリルとアンモニアとを含む気体流を受け取り、該気体流を、前記アセトニトリル精留塔の前記塔底流を含む急冷液に接触させるように構成される、請求項36に記載の装置。

技術分野

0001

本開示は、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルの製造方法及びシステムの改善に関する。具体的には、本開示は、アクリロニトリル回収アセトニトリル除去ステップにおけるファウリング低減の改善に関する。

背景技術

0002

アクリロニトリル又はメタクリロニトリルの製造方法及びシステムは様々なものが知られており、例えば、米国特許第3,936,360号、第3,433,822号、第3,399,120号及び第3,535,849号を参照されたい。触媒を含み流動床として機能するアクリロニトリル反応器に、プロピレンアンモニア及び(空気成分としての)酸素を供給する。従来の方法は、反応器に供給するプロピレンの量に対して過剰な量のアンモニアを供給物に含めて反応器を動作させるものである。この余分なアンモニアの一部が、その極限状態に起因して反応器内で燃焼した末に、プロピレンと結合してアクリロニトリルを形成する。一般に「過剰アンモニア」と呼ばれる残りの余分なアンモニアは、排ガスに含まれて反応器から排出される。その後、通常、このガスは、冷却器を通過した後に急冷槽に至って過剰アンモニアが除去される。例えば、米国特許第3,936,360号、第4,166,008号、第4,334,965号、第4,341,535号、第5,895,635号及び第6,793,776号を参照されたい。

0003

通常、従来の方法は、プロパン、プロピレン又はイソブチレンからなる群から選択された炭化水素を触媒の存在下でアンモニア及び酸素と直接反応させることによって生成されるアクリロニトリル/メタクリロニトリルを回収して精製するものであり、アクリロニトリル/メタクリロニトリルを含む反応器排水を第1の急冷塔)に移送して第1の水流で冷却し、アクリロニトリル/メタクリロニトリルを含む冷却排水を第2の塔(吸収塔)内に移送し、冷却排水を第2の水流と接触させて、第2の水流内にアクリロニトリル/メタクリロニトリルを吸収し、アクリロニトリル/メタクリロニトリルを含む第2の水流を第2の塔から第1の蒸留塔回収塔)に移送して第2の水流から粗製アクリロニトリル/メタクリロニトリルを分離し、分離した粗製アクリロニトリル/メタクリロニトリルを第2の蒸留塔(ヘッド塔)に移送して粗製アクリロニトリル/メタクリロニトリルから少なくとも若干の不純物を除去し、部分的に精製されたアクリロニトリル/メタクリロニトリルを第3の蒸留塔(製品塔)に移送して製品としてのアクリロニトリル/メタクリロニトリルを取得することによって行われる。例えば、単一の抽出蒸留塔においてアクリロニトリルからアセトニトリルを分離する従来の方法を開示する米国特許第4,334,295号及び第4,238,295号を参照されたい。このような従来の方法では、アセトニトリル精留塔塔底流が回収塔又は抽出蒸留塔に経路指定される。

先行技術

0004

米国特許第3,936,360号明細書
米国特許第3,433,822号明細書
米国特許第3,399,120号明細書
米国特許第3,535,849号明細書
米国特許第4,166,008号明細書
米国特許第4,334,965号明細書
米国特許第4,341,535号明細書
米国特許第5,895,635号明細書
米国特許第6,793,776号明細書
米国特許第4,334,295号明細書
米国特許第4,238,295号明細書

発明が解決しようとする課題

0005

従来の方法及びシステムで直面する問題点は、アセトニトリル精留塔の必要温度で分解する高沸点化合物中にシアン化水素蓄積してしまう点である。高沸点化合物が分解すると、遊離基の形でシアン化水素が放出され、これが重合してアセトニトリル精留塔内にファウリングが生じる。ファウリングは、アセトニトリル精留塔の動作不良を引き起こし、アセトニトリル精留塔を洗浄してファウリングを除去するためにユニット運転一時停止されることもある。また、急冷反応の効率は100%でないので、少量のアンモニアが急冷塔を通り抜ける。このアンモニアは、蓄積しやすい傾向にある。

課題を解決するための手段

0006

従って、本開示の態様は、アセトニトリル精留塔内のファウリングを低減及び/又は除去する、安全で効果的でコスト効率の良い方法及び装置を提供するものである。

0007

ある態様では、還流流に酸を加えるステップと、還流流をアセトニトリル精留塔に搬送するステップとを含む方法を提供する。

0008

別の態様では、方法が、アセトニトリル精留塔の塔底流を急冷塔に搬送するステップを含む。この態様では、塔底流が、少なくとも若干の酸を含む。

0009

別の態様では、装置が、アセトニトリルを含む塔頂流を生成するように構成されたアセトニトリル精留塔と、アセトニトリル精留塔に還流流を搬送するように構成された還流管路と、還流流に酸を加えるように構成された酸添加管路とを含む。

0010

以下の例示的な実施形態の詳細な説明を添付図面に関連して読めば、本開示の上述の及びその他の態様、特徴及び利点が明らかになるであろう。

0011

同じ特徴を同じ参照番号によって示す添付図面を考慮しながら以下の説明を参照することにより、本開示の例示的な実施形態及びその利点を完全に理解することができる。

図面の簡単な説明

0012

本開示の少なくとも1つの態様による概略的フロー図である。
本開示の少なくとも1つの態様による概略的フロー図である。
本開示の態様による方法300のフロー図である。

実施例

0013

ある態様では、アセトニトリル精留塔への還流流に酸を加えるステップを含む方法又はプロセスを提供する。ある態様では、この方法が、最上段トレイと、最上段トレイの下方の複数のトレイとを含むアセトニトリル精留塔に還流流を搬送するステップを含み、この搬送ステップは、最上段トレイに還流流を搬送するステップを含み、酸がアセトニトリル精留塔内のファウリングを低減する。

0014

ある態様では、この方法が、アセトニトリル精留塔の塔底流を急冷槽に経路指定するステップを含む。ある実施形態では、アセトニトリル精留塔への還流に加えられる酸が酢酸である。ある態様では、アセトニトリル精留塔からの塔底流の経路指定が、回収塔に経路指定されるはずであったアセトニトリル精留塔の塔底流の少なくとも一部を取り出すステップと、その少なくとも一部を急冷槽に経路変更するステップとを含むことができる。ある態様では、還流流に低用量の酸を加えて、アセトニトリル精留塔におけるポリマー形成を防止又は低減して洗浄コストを削減するとともに、アセトニトリル精留塔の稼働を引き延ばすことができる。

0015

アセトニトリル精留塔の塔底流の急冷槽への経路指定は、回収塔の下部のpHが、7の中性pH未満、別の態様ではpH5〜7.5、別の態様ではpH6〜7,5などの所定のレベル又は範囲に維持されるように行うことができる。回収塔の下部に酸を加えるステップは、回収塔内のpHを過剰に低下させ、処理中にこの位置に存在する高沸点化合物の化学的平衡を狂わせることができる。

0016

ある態様では、シアン化水素ファウリングの問題が、アセトニトリル精留塔の塔底液が急冷塔に戻り、従来のアクリロニトリル処理のように回収部内の回収塔に戻らない時に、アセトニトリル精留塔の最上段トレイに戻る還流管路に酸を加えることによって解決される。

0017

酸は、流れ及びアセトニトリル精留塔内に存在するシアン化水素が重合せず、アセトニトリル精留塔内にファウリングを生じないような範囲内にpHを保つことにより、重合防止剤としての役割を果たす。その後、この酸は、既に約4.5〜約6の中性領域よりも低い範囲にpHが維持されている急冷槽に戻り、この酸を使用して、アクリロニトリルプラント内の反応器の排出流からアンモニアを除去するのに役立てることができる。

0018

図1及び図2は、本開示の少なくとも1つの態様による概略的フロー図である。具体的には、図1及び図2は、アクリロニトリル回収工程における本開示の実施形態の概略図である。

0019

アクリロニトリル、アセトニトリル、HCN、水及び不純物を含む、吸収塔300からの肥沃水(rich water)又は水溶液が、管路2を通過して熱交換器4に至り、ここで管路223から熱交換器4への希薄水(lean water)/溶媒水222によって予熱される。予熱後、肥沃水は管路6を介して熱交換器4から離れ、回収塔7に移動する。回収塔7では、管路8を介して回収塔7に移動した溶媒水を加えて抽出蒸留を行う。希薄水/溶媒水222は、熱交換器4からの通過時又は通過後に、熱交換器236及び管路8を通じて回収塔7の頂部207に進む溶媒水流と、管路224を通過する希薄水流とに分割される。希薄水/溶媒水222は、熱回収装置226から供給することができる。熱回収装置226は、回収塔7から管路230を介して蒸気228を受け取ることができる。蒸気228は、回収塔7の底部227に存在するトレイ232又はその真上などの、回収塔7の所定の位置から取り出すことができる。トレイ232は、回収塔7で最も底部のトレイとすることができ、回収塔7の第1のトレイとも呼ばれる。蒸気228は、ポンプ229によって回収塔7から熱回収装置226に移送することができる。

0020

管路224を通過する希薄水流は、吸収塔300に送ることができる。管路224を通過する希薄水流を吸収塔300に送る前に、熱交換器234において熱交換を行うことができる。回収塔7における蒸留のために、交換器210を通じて熱を供給することができる。回収塔7からは、3つの流れが取り出される。まず、アクリロニトリル、HCN、水及び若干の不純物から成る塔頂流が回収塔7から管路212を介して取り出される。回収塔7からは、塔側流214を取り出してストリッパ又はアセトニトリル精留塔215に送ることもできる。アセトニトリル精留塔215の頂部からは、管路216を介してアセトニトリルを含む塔頂流203を取り出すことができる。アセトニトリル精留塔215の底部205からの塔底液209は、管路218を介して回収塔7に戻すことができる。管路218を介して回収塔7に液体を戻すには、ポンプ219を使用することができる。しかしながら、塔底液209は、底部205から管路221を介して急冷槽10に搬送することが好ましいと分かった。回収塔7からの塔底流は、管路51を介して取り出し、ポンプ53によって管路220を介して急冷槽10又は廃棄物処理装置に移送することができる。

0021

ある実施形態では、管路216内のアセトニトリルを含む流れを凝縮器235に搬送し、凝縮器塔底流245として排出することができる。凝縮器塔底流245は、接合部247において、還流管路217内の還流流251と、粗製アセトニトリル管路237内の粗製アクリロニトリル流253とに分割することができる。ある態様では、還流管路217内の還流流251をアセトニトリル精留塔215の最上段トレイ241に戻すことができる。流れ215の一部は、管路239を介して管路216に供給することができる。

0022

ある態様では、アセトニトリル、水及び微量のHCNを含む気相を回収塔7から塔側流214として取り出し、アセトニトリル精留塔215に搬送する。アセトニトリル精留塔215は、複数のトレイを含む塔とすることができる。還流は、ポンプ225を用いて、還流管路217及び/又は粗製アクリロニトリル管路237を通じて圧送することができる。

0023

ある態様では、方法が、還流流に酸を加えるステップを含む。さらに説明するように、「還流流に酸を加える」ことは、還流管路217に酸を加えることと、管路216内の塔頂液に酸を加えることと、還流管路239に酸を加えることと、これらの各々の組み合わせとを含むことができる。別の態様では、凝縮器235の上流又は下流で酸を加えることができる。凝縮器235の上流で酸を加えると、酸の濃度が薄くなる。凝縮器の下流で酸を加えると、より高濃度の酸がアセトニトリル精留塔215に供給される。

0024

別の態様では、凝縮器235に酸を提供して凝縮器のファウリングを低減する。この態様では、凝縮器内管板を酸の噴霧によって完全に覆った時に、凝縮器235に搬送された酸が最も効果的になる。酸は、例えば円形全面噴霧ノズルなどの噴霧ノズルによって凝縮器235内の管板に搬送することができる。噴霧ノズルは、管板を噴霧によって覆うように傾斜することができる。例えば、ノズルは、管板に対して垂直、及び管板に対する垂線から最大約60°の角度とすることができる。

0025

ある態様では、例えば酢酸又はグリコール酸などの有機酸又は有機酸誘導体を、管路213を介して還流管路217に加えることができる。ある態様では、例えば酢酸又はグリコール酸などの有機酸又は有機酸誘導体を、管路233を介してアセトニトリル精留塔215からの管路216内の塔頂液に加えることができる。ある態様では、例えば酢酸又はグリコール酸などの有機酸又は有機酸誘導体を、管路243を介して還流管路239に加えることができる。別の態様では、例えば、アセトニトリル精留塔215の塔底液が回収塔7ではなく急冷槽に経路指定された場合などに、例えば酢酸又はグリコール酸などの有機酸又は有機酸誘導体を、管路213を介して還流管路217に、及び/又は塔頂液が凝縮器235に入る前に管路233及び/又は管路243を介して還流管路239、管路216に加えることが、アセトニトリル精留塔215、凝縮器235及び/又はその他の装置内における重合及びファウリングを低減するために有用となり得る。アセトニトリル精留塔215は、希釈水/アセトニトリルの流れを集中させて、アセトニトリルのさらなる精製及び/又は回収のために他の装置に送ることができるように設計又は構成することができる。ある実施形態では、アセトニトリル精留塔215の塔底液211を、ポンプ55によって管路221を介して急冷塔10に移送することができる。ある実施形態では、アセトニトリル精留塔215の塔底液211を、管路9を介して管路51内の回収塔塔底液に連結させ、この連結された塔底液をポンプ53によって管路220を介して急冷槽10又は廃棄物処理に移送することができる。

0026

図2に示すように、急冷槽10は、導管14を介して反応器排ガス又は気体流12を受け取るように構成される。反応器排ガス12は、アクリロニトリル及びアンモニアを含むことができる。反応器排ガス12は、急冷槽10に入る前に反応器排ガス冷却器において冷却することができる。急冷槽10では、アセトニトリル精留塔の塔底流を含む急冷液が反応器排ガス12に接触してこれを急冷することができる。

0027

急冷液16には、管路38を介して酸36(例えば、98%硫酸)を加えることができる。管路38を介して加える酸の量は、急冷槽10に経路指定された塔底液211内の酸によって低減することができる。急冷液16は、急冷槽10の底部42から管路44を介して排出された液体排出物を含むことができる。急冷槽10には、管路46を介して入口48を通じて水を加えることができ、又はこの水は、急冷液16に別様に加えることも、或いは流れ17、44及び65によって形成される液体再循環ループ内の他の場所に加えることもできる。急冷液16は、ポンプ50を用いて、管路44を通じて循環して管路65及び17に戻る。管路38、46、220及び221を介して加えられる液体を補正することによって液体再循環ループにおける比較的一定の質量流を維持するために、管路44を通じて排出された液体排出物の一部としての流れ67を取り出すことができる。流れ67は、形成される中和反応生成物(例えば、硫酸アンモニウム)を除去するとともに、液体再循環ループ内における腐食生成物などの望ましくない生成物の蓄積を防ぐのにも役立つ。急冷槽10の底部42から排出された排出物は、吸い上げ地点52において管路44から引き出すことができる。

0028

塔頂流13は、急冷槽10から管路15を通じて急冷最終冷却器240に流れることができる。急冷最終冷却器240には、塔頂流13を急冷最終冷却器凝縮液に冷却するために冷水を使用することができる。急冷最終冷却器240の底部250からは、ポンプ242によって肥沃水管路2及び/又は再循環管路248に肥沃水を移送し、急冷最終冷却器240の上部252に戻すことができる。急冷最終冷却器240による冷却後には、塔頂流13を急冷最終冷却器240から流れ244として排出することができる。流れ244は、管路246を介して吸収塔300に搬送することができる。管路224からの希薄水は、吸収塔300の上部254に入り込むことができる。吸収塔300からのオフガス256は、焼却炉(図示せず)に送ることができる。上述したように、吸収塔300の底部262からの流れ258は肥沃水を含むことができる。この肥沃水は、ポンプ260を介して管路2に移送することができる。流れ258は、接合部264などにおいて、急冷最終冷却器240からの肥沃水と組み合わせることができる。

0029

ある態様では、コントローラ11を、例えば、アセトニトリル精留塔215の底部205のアセトニトリル精留塔塔底液209のpH、或いは管路221又は管路9内のアセトニトリル精留塔塔底液211のpHなどの、pHセンサ図1には図示せず)によって測定された測定パラメータに対応する1又は2以上の信号を処理するように構成することができる。コントローラ11は、測定パラメータが所定のパラメータ範囲を上回るか、それとも下回るかを判断するように構成することができる。当業者であれば、本開示によれば、この測定パラメータは、例えば、上述したようなアセトニトリル精留塔塔底液209又は211のpH、或いはアセトニトリル精留塔215の底部205における水位調整器図1には図示せず)又は本明細書で説明した1又は複数の管路内の流体流に関連する流量調整器図1には図示せず)によって測定された液位などの、アセトニトリル精留塔の動作に有用ないずれの好適なパラメータであってもよいと認識するであろう。コントローラ11は、測定パラメータが所定のパラメータ範囲を下回っている場合又は上回っている場合に、通信線又は無線通信図1には図示せず)を介して1又は2以上の装置の動作を調整するように構成することができる。例えば、コントローラ11は、アセトニトリル精留塔215内のファウリングを低減するために、管路213又は233を通じて加えられる酸の量を調整して還流流251内の望ましいpHを達成するように構成することができる。当業者であれば、本開示によれば、管路213及び/又は233を通じて添加される酸の(単複の)所定の範囲を満たすために、コントローラ11をこれらの添加に関連する(単複の)ポンプ及び/又はバルブの動作を制御するように構成することができると認識するであろう。当業者であれば、コントローラ11又は同様のコントローラは、水位調整器又は流量調整器(図1には図示せず)から離して配置することも、或いは水位調整器又は流量調整器と同じ位置に配置してこれらを含むようにすることもできると認識するであろう。当業者であれば、本開示によれば、コントローラ11は、図2に示す装置及び(単複の)ポンプの動作、及び/又はこれらの装置に関連するバルブの動作を制御するように構成することができると認識するであろう。

0030

アセトニトリル精留塔215に酸を加える利点、及びアセトニトリル精留塔の塔底液を、従来通りにアセトニトリル精留塔215に酸を加えずに回収塔7に経路指定するのではなく急冷槽10に経路指定する利点を実証するために試験を行った。以下の試験データが得られた。

0031

試験データ−図1に示す急冷槽を備えたプラント1を、アセトニトリル精留塔215の塔頂液管路216内のアンモニア形成の低減を示すように本開示に従って稼働させた。塔頂液管路216内のアンモニアは、シアン化水素の重合反応副産物であり、従ってアセトニトリル精留塔215における望ましくないポリマー形成を示す。プラント1「酸有り」については、アセトニトリル精留塔215の最上段トレイに上述したような酢酸を加えて稼働させ、アセトニトリル精留塔の塔底液を、管路211を介して急冷槽10に送った。プラント1「酸無し」については、酢酸又はその他の酸を加えずに稼働させ、アセトニトリル精留塔の塔底液を、管路218を介して回収塔7に戻した。

0032

以下の表に、上述したようなプラント1「酸有り」及びプラント1「酸無し」を稼働させて得られた結果を示す。

0033

この試験データでは、アセトニトリル精留塔の塔頂液に酢酸を加えた効果により、流れのpHがpH8.9からpH6.4に低下したことが示された。ある態様では、回収塔のpHの低下によって望ましくない重合が減少する。これに対応して、アセトニトリル精留塔の塔頂液のアンモニア濃度が低下し、すなわち酢酸を加えると188ppmから9ppmに低下する。このアセトニトリル精留塔の塔頂液、すなわち管路216を通る流れにおけるアンモニアの減少は、酢酸がアンモニアを酢酸アンモニウムとして取り込み、これが急冷槽10への流れ211において除去された結果であると思われる。部分的には、シアン化水素がシアノヒドリンとして溶液中に留まり、その元々の成分に分解された後に重合せずアンモニアを放出しない結果とも考えられる。アンモニアは、シアン化水素の重合反応の副産物である。流れに酢酸を加えると、存在するアンモニアの量が明らかに減少し、従って本開示の有効性が実証される。

0034

1つの態様では、pHレベルの選択が、ファウリングの低減と望ましい構成材料の使用との間のバランスである。この態様では、本明細書で説明したようなpHレベルを使用すると、炭素鋼構造の使用が可能になる。

0035

図3に、本開示の態様による方法300のフロー図を示す。方法300は、上述した装置を用いて実行することができる。ステップ301は、アセトニトリル精留塔の塔底流を急冷槽に経路指定するステップを含む。ステップ302は、アセトニトリル精留塔への還流流に酸を加えるステップを含む。ある態様では、アセトニトリル精留塔が複数のトレイを含み、アセトニトリル精留塔への還流流に酸を加えるステップが、アセトニトリル精留塔の複数のトレイのうちの最上段トレイに酸を加えるステップを含む。ある態様では、アセトニトリル精留塔への還流流に酸を加えるステップが、還流流に酸を加えるステップを含む。ある態様では、還流に酸を加えるステップが、アセトニトリル精留塔の塔頂液のpHを低下させるように行われる。

0036

ある態様では、還流に酸を加えるステップにより、アセトニトリル精留塔の塔頂液のpHが7.0超から7.0未満のpHに低下する。ある態様では、還流に酸を加えるステップにより、アセトニトリル精留塔の塔頂液のpHが8.0超から6.5未満のpHに低下する。ある態様では、還流に酸を加えるステップにより、アセトニトリル精留塔の塔頂液のpHが7.0超から約6.4のpHに低下する。

0037

ある態様では、アセトニトリル精留塔の塔底流を急冷槽に経路指定するステップが、アセトニトリル精留塔の塔底流を、回収塔への流れから急冷槽に流れるように経路変更するステップをさらに含む。

0038

本発明は、回収塔と1又は2以上のさらなる蒸留塔とを有するあらゆるアクリロニトリル回収方法に適用可能である。通常、さらなる蒸留塔は、HCN塔と、水を除去する乾燥塔と、製品品質のアクリロニトリルを回収する製品塔とで構成される。しかしながら、これらの別個の動作を図面に示すように組み合わせて、1つの蒸留塔がHCNと水の両方を除去するようにすることもできる。

0039

上記明細書では、本開示をそのいくつかの好ましい実施形態に関連して説明し、例示目的で多くの詳細を示したが、当業者には、本開示の基本原理から逸脱することなく、本開示のさらなる実施形態も可能であり、本明細書で説明した詳細の一部を大幅に変更することもできることが明らかであろう。本開示の特徴は、本開示の趣旨又は範囲、及び特許請求の範囲から逸脱することなく修正改変、変更又は代替が可能であると理解されたい。例えば、様々な構成要素の寸法、数、サイズ及び形状は、特定の用途に適合するように変更することができる。従って、本明細書で図示し説明した特定の実施形態は、例示を目的とするものに過ぎない。

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