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課題・解決手段
概要
背景
より大きい記憶容量およびより高速のアクセス速度の半導体メモリデバイスに対する需要は、増加し続けてきた。半導体メモリデバイスは、揮発性メモリデバイスと不揮発性メモリデバイスとに分類されることが出来る。ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)は、高速かつ大容量のデータストレージをもたらす代表的な揮発性メモリデバイスである。不揮発性メモリデバイスの例は、ROM(リードオンリーメモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブルROM)、FeRAM(強誘電体RAM)およびMRAM(磁気抵抗RAM)を含む。
FeRAMデバイスに関して、情報を記憶するために強誘電体材料が用いられる。FeRAMデバイスは、DRAMメモリセルに対する構造と類似した、1T−1C(1トランジスタ−1キャパシタ)メモリセル設計を含むことが出来、1キャパシタおよび1アクセストランジスタが、メモリセルを形成する。DRAMセルキャパシタの誘電体材料は、線形誘電体材料であって、FeRAMセルキャパシタの誘電体材料は、強誘電体誘電材料を含む。FeRAMデバイスは、強誘電性電界効果トランジスタ(FeFET)に基づいた、1T(1トランジスタ)メモリセル設計を含む。FeFETメモリセルに対して、ゲート絶縁材料は、強誘電体誘電材料を含む。
強誘電体(FE)材料は、少なくとも二つの分極状態を有する電気的に分極可能な材料であって、分極状態は、外部電界の印加によって切り替えることが出来る。FE材料の各分極状態は、少なくとも幾らかの期間、印加された電界の除去の後でも安定したままである。分極状態のこの安定性によって、FE材料は、メモリ用途に用いられてきた。分極状態のうちの一方は論理“1”であると考えられ、他方は論理“0”であると考えられる。FE材料は、印加された電界と蓄えられた見かけの電荷との間に非線形の関係を有し、その結果、ヒステリシスループの形態で強誘電性特性を生じる。FeRAMデバイス、ならびにNANDおよびNORデバイス用のFeFETなど、幾つかの種類のFEメモリデバイスが報告されている。
ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)などのペロブスカイト材料は、FEメモリデバイス用途のためのFE材料として通常用いられてきた。しかしながら、このような従来のFEメモリデバイスは、しばしばビット密度およびスケーラビリティの点で不十分である。なぜなら、ペロブスカイト材料は、低い残留分極(Pr)を示すからである。FeRAMのために、強誘電体PZT膜の厚さは、200ナノメートル(nm)までにしなければならない。したがって、サブ20nmのFEメモリデバイスに対する従来のFE材料の利用は、制限されてきた。さらに、PZTなどの従来のFE材料は、標準的な半導体処理技術との整合性を制限される。
斜方晶相におけるシリコンをドープされた酸化ハフニウム(SiHfO2)の薄膜は、FEメモリデバイス用のFE材料として研究されてきた。しかしながら、SiHfO2の斜方晶相は、安定ではなく、斜方晶相を安定化させるためには、ある限定的な処理技術が用いられなければならない。例えば、高温アニーリングプロセスを介して、SiHfO2材料の結晶化を誘発する前に、窒化チタン(TiN)上部電極は、SiHfO2材料の薄膜の上に形成されてもよい。上にあるTiN上部電極キャップの存在下でSiHfO2材料を結晶化することによって、SiHfO2材料の斜方晶相が形成され、TiN上部電極を機械的に閉じ込める(即ち、キャッピング)効果によって安定させ、それによって、下にあるSiHfO2材料に機械的に歪みを与える。FEメモリデバイスに対するFE材料として、このようなSiHfO2材料を用いることによって、FE材料の必要な厚さは、10nm未満に減少することが出来ることが報告されている。
Boesckeに対して2012年11月6日に発行された米国特許8,304823号は、強誘電体メモリセルを製造するための方法を開示する。Hf、Zrまたは(Hf,Zr)の非晶質酸化物層は、キャリアの上に形成され、その後、被覆層が、非晶質酸化物層の上に形成される。被覆層に閉じ込められた状態(即ち、機械的キャッピング)で、非晶質酸化物層をその結晶化温度を超える温度まで加熱することによって、非晶質酸化物層の少なくとも一部は、その結晶状態を、非晶質から結晶質へと変化させ、その結果、FEメモリセルのためのFE材料として適切な結晶化酸化物層を生じる。
概要
強誘電体メモリセルは、反転中心を通る反転対称のない、有極性カイラル結晶構造を有する強誘電体結晶材料を含む。強誘電体結晶材料は、ハフニウム(Hf)およびジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも一つの酸化物を実質的に含まない。
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請求項1
反転中心を通る反転対称のない、有極性カイラル結晶構造を有する強誘電体結晶材料を含み、前記強誘電体結晶材料は、ハフニウム(Hf)およびジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも一つの酸化物を実質的に含まない、強誘電体メモリセル。
請求項2
前記強誘電体結晶材料は、Pca21、Pbc21、Pmc21、Pmn21およびPna21で構成される群から選択されたスペースグループに対応する斜方晶結晶構造を有する、請求項1に記載の強誘電体メモリセル。
請求項3
前記斜方晶結晶構造は、Pca21、Pbc21から選択されたスペースグループを有する、請求項2に記載の強誘電体メモリセル。
請求項4
前記強誘電体結晶材料は、V2P2O9、K3Mo3ScO12、BaYCo4O8、CaNa2Al4Si4O16およびLaNa3V2O8で構成される群から選択された材料を含む、請求項3に記載の強誘電体メモリセル。
請求項5
前記斜方晶結晶構造は、Pmc21スペースグループを有し、前記強誘電体結晶材料は、SnGa4Se7、SeO2、TixTayLazO11、In11Mo40O62で構成される群から選択された材料を含み、ここで、x+y+z=3である、請求項2に記載の強誘電体メモリセル。
請求項6
前記斜方晶結晶構造は、Pmn21スペースグループを有し、前記強誘電体結晶材料は、TiSO5、V2O5、Sr5Nb5O16およびZrMo2O8で構成される群から選択された材料を含む、請求項2に記載の強誘電体メモリセル。
請求項7
前記斜方晶結晶構造は、Pna21スペースグループを有し、前記強誘電体結晶材料は、Si2Y2O7、Sr2P2O7およびTi0.98Zr0.02RbO5で構成される群から選択された材料を含む、請求項2に記載の強誘電体メモリセル。
請求項8
前記強誘電体結晶材料は、P422,P4212,P4122,P41212,P4222,P42212,P4322およびP43212で構成される群から選択されたスペースグループに対応する正方晶結晶構造を有する、請求項1に記載の強誘電体メモリセル。
請求項9
前記強誘電体結晶材料は、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)、ニオビウム(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、リン(P)、カリウム(K)、スカンジウム(Sc)、ルビジウム(Rb)、セレン(Se)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)およびインジウム(In)で構成される群から選択された少なくとも一つのドーパントを含む請求項1に記載の強誘電体メモリセル。
請求項10
前記強誘電体結晶材料は、Ti1.1Zr0.893Hf0.008O4,Ti1.92Ta1.08La3O11,Sr5Nb5O16,ZrMo2O8,Si2Y2O7およびTi0.98Zr0.02RbPO5で構成される群から選択された三元または四元酸化物材料を含む、請求項1に記載の強誘電体メモリセル。
請求項11
請求項12
前記強誘電体結晶材料は、ジルコニウムおよびハフニウムが少なくとも実質的にない、請求項1に記載の強誘電体メモリセル。
請求項13
前記強誘電体結晶材料は、反転中心を通る反転対称の形成を回避するためにドープされるか、機械的に歪みを与えられるかのうちの少なくとも一つである、請求項1に記載の強誘電体メモリセル。
請求項14
請求項15
反転中心を通る反転対称のない、有極性カイラル結晶構造を有する強誘電体結晶材料を含み、前記強誘電体結晶材料は、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)、酸化ジルコニウムハフニウム(HfZrOx)、酸化チタンハフニウム(HfTiOx)および酸化ケイ素ハフニウム(HfSiOx)で構成される群から選択され、前記強誘電体結晶材料は、イットリウム(Y)、ストロンチウム(Sr)、ニオビウム(Nb)、タンタル(Ta)、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)、バナジウム(V)、リン(P)、カリウム(K)、スカンジウム(Sc)、ルビジウム(Rb)、セレン(Se)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)およびインジウム(In)で構成される群から選択された少なくとも一つのドーパントをさらに含む、強誘電体メモリセル。
請求項16
前記強誘電体結晶材料の前記結晶構造は、斜方晶および正方晶構造で構成される群から選択される、請求項15に記載の強誘電体メモリセル。
請求項17
請求項15の少なくとも一つの強誘電体メモリセルを含む強誘電体メモリデバイス。
技術分野
0001
[優先権主張]
本出願は、2014年5月20日に出願された、米国特許出願整理番号14/282,520の“Polar,Chiral,and Non−Centro−Symmetric Ferroelectric Materials,Memory Cells Including Such Materials,and Related Devices and Methods”の出願日の利益を享受する権利を主張する。
0002
本開示の実施形態は、半導体デバイス設計および製造の分野に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、強誘電体材料を含む強誘電体メモリセルを形成する方法と、メモリデバイスなどの関連する半導体デバイス構造に関する。
背景技術
0003
より大きい記憶容量およびより高速のアクセス速度の半導体メモリデバイスに対する需要は、増加し続けてきた。半導体メモリデバイスは、揮発性メモリデバイスと不揮発性メモリデバイスとに分類されることが出来る。ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)は、高速かつ大容量のデータストレージをもたらす代表的な揮発性メモリデバイスである。不揮発性メモリデバイスの例は、ROM(リードオンリーメモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブルROM)、FeRAM(強誘電体RAM)およびMRAM(磁気抵抗RAM)を含む。
0004
FeRAMデバイスに関して、情報を記憶するために強誘電体材料が用いられる。FeRAMデバイスは、DRAMメモリセルに対する構造と類似した、1T−1C(1トランジスタ−1キャパシタ)メモリセル設計を含むことが出来、1キャパシタおよび1アクセストランジスタが、メモリセルを形成する。DRAMセルキャパシタの誘電体材料は、線形誘電体材料であって、FeRAMセルキャパシタの誘電体材料は、強誘電体誘電材料を含む。FeRAMデバイスは、強誘電性電界効果トランジスタ(FeFET)に基づいた、1T(1トランジスタ)メモリセル設計を含む。FeFETメモリセルに対して、ゲート絶縁材料は、強誘電体誘電材料を含む。
0005
強誘電体(FE)材料は、少なくとも二つの分極状態を有する電気的に分極可能な材料であって、分極状態は、外部電界の印加によって切り替えることが出来る。FE材料の各分極状態は、少なくとも幾らかの期間、印加された電界の除去の後でも安定したままである。分極状態のこの安定性によって、FE材料は、メモリ用途に用いられてきた。分極状態のうちの一方は論理“1”であると考えられ、他方は論理“0”であると考えられる。FE材料は、印加された電界と蓄えられた見かけの電荷との間に非線形の関係を有し、その結果、ヒステリシスループの形態で強誘電性特性を生じる。FeRAMデバイス、ならびにNANDおよびNORデバイス用のFeFETなど、幾つかの種類のFEメモリデバイスが報告されている。
0006
ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)などのペロブスカイト材料は、FEメモリデバイス用途のためのFE材料として通常用いられてきた。しかしながら、このような従来のFEメモリデバイスは、しばしばビット密度およびスケーラビリティの点で不十分である。なぜなら、ペロブスカイト材料は、低い残留分極(Pr)を示すからである。FeRAMのために、強誘電体PZT膜の厚さは、200ナノメートル(nm)までにしなければならない。したがって、サブ20nmのFEメモリデバイスに対する従来のFE材料の利用は、制限されてきた。さらに、PZTなどの従来のFE材料は、標準的な半導体処理技術との整合性を制限される。
0007
斜方晶相におけるシリコンをドープされた酸化ハフニウム(SiHfO2)の薄膜は、FEメモリデバイス用のFE材料として研究されてきた。しかしながら、SiHfO2の斜方晶相は、安定ではなく、斜方晶相を安定化させるためには、ある限定的な処理技術が用いられなければならない。例えば、高温アニーリングプロセスを介して、SiHfO2材料の結晶化を誘発する前に、窒化チタン(TiN)上部電極は、SiHfO2材料の薄膜の上に形成されてもよい。上にあるTiN上部電極キャップの存在下でSiHfO2材料を結晶化することによって、SiHfO2材料の斜方晶相が形成され、TiN上部電極を機械的に閉じ込める(即ち、キャッピング)効果によって安定させ、それによって、下にあるSiHfO2材料に機械的に歪みを与える。FEメモリデバイスに対するFE材料として、このようなSiHfO2材料を用いることによって、FE材料の必要な厚さは、10nm未満に減少することが出来ることが報告されている。
0008
Boesckeに対して2012年11月6日に発行された米国特許8,304823号は、強誘電体メモリセルを製造するための方法を開示する。Hf、Zrまたは(Hf,Zr)の非晶質酸化物層は、キャリアの上に形成され、その後、被覆層が、非晶質酸化物層の上に形成される。被覆層に閉じ込められた状態(即ち、機械的キャッピング)で、非晶質酸化物層をその結晶化温度を超える温度まで加熱することによって、非晶質酸化物層の少なくとも一部は、その結晶状態を、非晶質から結晶質へと変化させ、その結果、FEメモリセルのためのFE材料として適切な結晶化酸化物層を生じる。
図面の簡単な説明
0009
本開示の一実施形態による、1T−FeRAMメモリセルの断面図である。
本開示の別の実施形態による、1T−FeRAMメモリセルの断面図である。
本開示のさらに別の実施形態による、1T−FeRAMメモリセルの断面図である。
静止状態における図1と類似の1T−FeRAMメモリセルの断面図であり、Vd,Vg、VsおよびVbの電圧は0Vに設定される。
“書き込み0”動作状態における図1と類似の1T−FeRAMメモリセルの断面図であり、ゲート電圧Vgは0Vより大きく設定され、Vd、Vs、Vbは0Vに設定される。
“書き込み1”動作状態における図1と類似の1T−FeRAMメモリセルの断面図であり、ゲート電圧Vgは、0V未満に設定され、Vd、Vs、Vbは0Vに設定される。
本開示の別の実施形態による、1T−1CFeRAMメモリセルの断面図である。
本開示の一実施形態による、FeRAMメモリセルアレイの一部の簡略化された平面図である。
実施例
0010
反転中心についての反転対称のない、有極性カイラル結晶構造を含む強誘電体材料を含む半導体構造が開示され、強誘電体(FE)結晶材料は、ハフニウム(Hf)およびジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも一つの酸化物を実質的に含まない。強誘電体結晶材料は、反転中心を通る反転対称の形成を回避するために、ドープされてもよいし、機械的に歪みを与えられてもよいし、またはその双方をされてもよい。このような強誘電体材料を含む半導体構造を形成する方法と、それに関連する半導体デバイスも開示される。
0011
本開示の実施形態の十分な記述を提供するために、以下の記述は、材料の種類、材料の厚さ、処理条件などの具体的な詳細事項を提供する。しかしながら、本開示の実施形態は、これらの具体的な詳細事項を使用することなく実施することが出来ることを当業者は理解するだろう。実際に、本開示の実施形態は、業界で使用される従来の製造技術と組み合わせて実施されてもよい。さらに、本明細書で提供される記述は、半導体デバイス構造を形成するための完全なプロセスフローを形成せず、以下に記述される半導体デバイス構造の各々は、完全な半導体デバイスを形成しない。本開示の実施形態を理解するのに必要なプロセス動作および構造のみが、以下に詳細に記述される。完全な半導体デバイスを形成するためのさらなる動作が、従来の製造技術によって実施されてもよい。また、本出願に添付したあらゆる図面は、例示の目的のためだけのものであるため、同一の縮尺で描かれているとは限らないことにも留意されたい。さらに、図面の間の共通の要素は、同一の番号表示を保持することがある。
0013
本明細書で用いられるように、“上部(top)”“底部(bottom)”“の上(over)”“の下(under)”などの相対的な語は、本開示および添付の図面を理解するうえで明瞭性と簡便性のために用いられ、文脈がそうでないと明確に示さない限りは、任意の特定の優先度、方向または順序を示したり、それらに依存したりすることはない。
0014
本明細書で用いられるように、“基板(substrate)”という語は、半導体デバイス構造内のコンポーネントなどのコンポーネントが形成される、基盤材料または構造を意味し、含む。基板は、半導体基板、支持構造上のベース半導体材料、金属電極、または一つ以上の材料、構造もしくは領域がその上に形成される半導体基板であってもよい。基板は、半導電性材料を含む従来のシリコン基板または他のバルク基板であってもよい。本明細書で用いられるように、“バルク基板(bulk substrate)”という語は、シリコンウェーハのみならず、とりわけ、シリコン・オン・サファイア(“SOS”)基板もしくはシリコン・オン・グラス(“SOG”)基板などのシリコン・オン・インシュレータ(“SOI”)基板、ベース半導体基盤上のシリコンのエピタキシャル層またはシリコンゲルマニウム(Si1−xGex、ここでxは、例えば、0.2から0.8の間のモル分率である)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)もしくはリン化インジウム(InP)などの他の半導体もしくは光電子材料も意味し、含む。さらに、以下の記述で“基板”に対して参照が行われるとき、ベース半導体構造もしくは基盤内またはその上に材料、領域もしくは接合を形成するために、それより前の段階が用いられてもよい。
0015
開示された強誘電体材料は、FeRAMデバイスに対して適切なことがある。限定しない例として、FeRAMデバイスは、強誘電体電界効果トランジスタ(FeFET)に基づく、1T−1C(1トランジスタ−1キャパシタ)FEメモリセルまたは1T(1トランジスタ)FEメモリセルを含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0017
図1は、開示されたFE結晶材料によって置換される線形誘電体酸化物材料を有する金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)に構造的に類似している、開示された1T−FeRAM(FeFET)メモリセルの限定しない例を示す。1T−FeRAMメモリセル100は、基板102と、ソース104と、ドレイン106と、基板102の上のFE結晶材料140と、FE結晶材料140の上のゲート電極材料160とを含む。
0018
FE結晶材料140は、反転中心を通る反転対称のない、有極性カイラル結晶構造を含むことが出来、強誘電体結晶材料は、ハフニウム(Hf)およびジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも一つの酸化物を実質的に含まない。
0019
結晶化によって、FE結晶材料140は、多結晶微細構造を形成することが出来、多結晶微細構造内の少なくとも幾つかの粒子または結晶は、強誘電体特性を有する。多結晶微細構造内のある粒子または結晶は、強誘電体特性を示さなくてもよい。一般的に、一つ以上の有極性カイラル非中心対称相は、強誘電体特性を示す。
0021
幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140は、斜方晶および正方晶相で構成される群から選択された有極性カイラル非中心対称相を含むことが出来る。
0022
幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140は、Pca21,Pbc21,Pmc21,Pmn21,Pna21で構成される群から選択されたスペースグループに対応する非中心対称斜方晶構造を含むことが出来る。
0023
Pca21スペースグループに対応する非中心対称斜方晶構造を有するFE結晶材料140の限定しない例は、V2P2O9、K3Mo3ScO12、BaYCo4O8、CaNa2Al4Si4O16またはLaNa3V2O8を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0024
Pbc21スペースグループに対応する非中心対称斜方晶構造を有するFE結晶材料140の限定しない例は、V2P2O9、K3Mo3ScO12、BaYCo4O8、CaNa2Al4Si4O16またはLaNa3V2O8を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0025
Pmc21スペースグループに対応する非中心対称斜方晶構造を有するFE結晶材料140の限定しない例は、SnGa4Se7、SeO2、TixTayLazO11(x+y+z=3)またはIn11Mo40O62を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。一実施形態においては、Pmc21スペースグループに対応する非中心対称斜方晶構造を有するFE結晶材料140は、Ti1.92Ta1.08La3O11とすることが出来る。
0026
Pmn21スペースグループに対応する非中心対称斜方晶構造を有するFE結晶材料140の限定しない例は、TiSO5、V2O5、Sr5Nb5O16またはZrMo2O8を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0027
Pna21スペースグループに対応する非中心対称斜方晶構造を有するFE結晶材料140の限定しない例は、Si2Y2O7、Sr2P2O7、またはTi0.98Zr0.02RbPO5を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0028
幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140は、P422,P4212,P4122,P41212,P4222,P42212,P4322およびP43212で構成される群から選択されたスペースグループに対応する非中心対称正方晶構造を含むことが出来る。
0029
幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140は、ジルコニウムおよびハフニウムが少なくとも実質的になくてもよい。
0030
幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140は、反転中心を通る反転対称の形成を回避するために、ドープされるか、機械的に歪みを与えられるか、またはその双方をされてもよい。
0031
幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140は、Ti1.1Zr0.893Hf0.008O4,Ti1.92Ta1.08La3O11,Sr5Nb5O16,ZrMo2O8,Si2Y2O7およびTi0.98Zr0.02RbPO5で構成される群から選択された三元または四元酸化物材料をさらに含むことが出来る。
0032
幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140は、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)、ニオビウム(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、リン(P)、カリウム(K)、スカンジウム(Sc)、ルビジウム(Rb)、セレン(Se)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)およびインジウム(In)で構成される群から選択された少なくとも一つのドーパントを含むことが出来る。
0033
FEメモリセルの耐久性を高め、保磁場/電圧(Ec/Vc)を低下させ、キャパシタンス/誘電定数とその周波数応答を調整し、界面または相対的バルク内の酸化還元抵抗を高め、酸素空孔生成/移動および再分配を減少させ、残留/自発的分極の増加につながるFE相を安定化させるために、FE結晶/多結晶材料内に含まれるドーパントが用いられてもよい。
0034
幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140は、ガドリニウム(Gd)、ランタン(La)、バナジウム(V)、リン(P)、カリウム(K)、スカンジウム(Sc)、ルビジウム(Rb)、セレン(Se)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)およびインジウム(In)で構成される群から選択された少なくとも一つの金属をドープされた高誘電率の誘電体材料を含むことが出来る。高誘電率の誘電体材料は、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)、酸化チタンハフニウム(HfZrOx)、酸化チタンハフニウム(HfTiOx)または酸化ケイ素ハフニウム(HfSiOx)で構成される群から選択された少なくとも一つの金属をドープされた高誘電率の誘電体材料を含むことが出来る。FE結晶材料140は、約0.5%から約30%の間の重量で少なくとも一つの金属を含むことが出来る。
0035
一実施形態においては、FE結晶材料140は、イットリウム(Y)をドープされた高誘電率の誘電体材料を含むことが出来、高誘電率の誘電体材料は、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)、酸化チタンハフニウム(HfZrOx)、酸化チタンハフニウム(HfTiOx)または酸化ケイ素ハフニウム(HfSiOx)を含む。FE結晶材料140は、約0.5%から約25%の間の重量でYを含むことが出来る。
0036
一実施形態においては、FE結晶材料140は、ストロンチウム(Sr)をドープされた高誘電率の誘電体材料を含むことが出来、高誘電率の誘電体材料は、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)、酸化チタンハフニウム(HfZrOx)、酸化チタンハフニウム(HfTiOx)または酸化ケイ素ハフニウム(HfSiOx)を含む。FE結晶材料140は、約0.05%から約20%の重量でSrを含むことが出来る。
0037
一実施形態においては、FE結晶材料140は、ニオビウム(Nb)およびタンタル(Ta)のうちの少なくとも一つをドープされた高誘電率の誘電体材料を含むことが出来、高誘電率の誘電体材料は、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)、酸化チタンハフニウム(HfZrOx)、酸化チタンハフニウム(HfTiOx)または酸化ケイ素ハフニウム(HfSiOx)を含む。NbおよびTaのうちの少なくとも一つは、約0.2%から約10%の間の重量でFE結晶材料140内に存在し得る。
0038
FE結晶材料140は、任意の従来の技術によって基板102の上に形成されることが出来る。従来技術の限定しない例は、原子層堆積(ALD)、金属有機原子層堆積(MOALD)、化学蒸着(CVD)、金属有機化学蒸着(MOCVD)および物理蒸着(PVD)を含むが、そのいずれにも限定はされない。
0039
幾つかの特定の実施形態においては、FE結晶材料140は、FE金属酸化物、酸化剤および任意でFE金属酸化物の反転対称を妨げることが可能なドーパントの前駆物質に基づいて、ALDまたはMOALDによって基板102の上に形成されてもよい。ALDまたはMOALDプロセスは、約150℃から約350℃の間の温度で、約10mtorrから約10torrの間の圧力で実施されてもよい。
0040
このプロセスのために、種々の既知の酸化剤が使用されてもよい。限定しない例として、酸化剤は、水蒸気(H2O)、過酸化水素(H2O2)、オゾン(O3)または酸素(O2)を含むことが出来、そのいずれにも限定はされない。
0041
FE結晶材料140がZrベースの材料を含むとき、FE結晶材料140は、あらゆる既知のZr前駆物質に基づいて、ALDプロセスによって形成されることが出来る。Zr前駆物質の限定しない例は、ZrCl4、C8H24N4Zrまたは(C5H5)Zr[N(CH3)2]3を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0042
FE結晶材料140がHfベースの材料を含むとき、FE結晶材料140は、あらゆる既知のHf前駆物質に基づいて、ALDプロセスによって形成されることが出来る。Hf前駆物質の限定しない例は、HfCl4、C8H24N4Hfまたは(C5H5)Hf[N(CH3)2]3を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0043
FE結晶材料140がTiベースの材料を含むとき、FE結晶材料140は、あらゆる既知のTi前駆物質に基づいて、ALDプロセスによって形成されることが出来る。Ti前駆物質の限定しない例は、TiCl4、C8H24N4Tiまたは(C5H5)Ti[N(CH3)2]3を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0044
FE結晶材料140がドーパントを含むとき、FE結晶材料140内のドーパントの量は、前駆物質のサイクル比を変化させることによって規定することが出来る。ドーパントの含有量は、任意の従来技術によって監視され、決定されることが出来るため、本明細書では詳細には記述されない。このような技術の限定しない例は、二次イオンマス分光分析、X線光電子分光法(XPS)、高解像度透過分光法(HR−TEM)などを含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140内のドーパントの量は、約0.05%から約30%の重量の範囲内にあってもよい。ドーパントの量は、FE結晶材料140の厚さ、FE結晶材料140もしくは上部電極160のプロセス温度、またはポストメタライゼーションアニーリング(PMA)条件などのアニーリング条件に依存することがある。例えば、FE結晶材料140の厚さを増加させると、ドーパントの量は、また、強誘電性特性を有する所望の結晶化を達成するために増加されなければならないことがある。
0045
幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140の厚さは、約1nmから約100nmの範囲内にあってもよい。幾つかの実施形態においては、FE結晶材料140の厚さは、約2nmから約20nmの範囲内にあってもよい。
0046
ゲート電極材料160は、半導体構造100を提供するために、FE結晶材料140の上に形成されてもよい。ゲート電極材料160は、あらゆる従来の技術によって、FE結晶材料140の上に形成されることが出来る。このような従来技術の限定しない例は、原子層堆積(ALD)、プラズマ強化原子層堆積(PE−ALD)、原子蒸着(AVD)、紫外線支援原子層堆積(UV−ALD)、化学蒸着(CVD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)または物理蒸着(PVD)を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0047
あらゆる従来のゲート電極材料は、ゲート電極材料160用に使用されてもよい。このような材料は、元素金属、二つ以上の元素金属の合金、導電性金属化合物、導電性を有するようにドープされた半導体材料またはその混合物を含むことが出来る。限定しない例は、TiN、TiCN、TiAlN、TiAlCN、Ti−W、Ru−TiNまたはRuCNを含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0048
このように、本開示は、複数のメモリセルを含む強誘電性メモリデバイスを記述する。メモリセルの各々は、少なくとも一つの電極と、少なくとも一つの電極に近接して配置された強誘電体結晶材料とを含む。強誘電体結晶材料は、帯電された状態における少なくとも一つの電極によって生成される電界によって分極可能である。強誘電体結晶材料は、反転中心を通る反転対称のない、有極性カイラル結晶構造を有する。強誘電体結晶材料は、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)、酸化ジルコニウムハフニウム(HfZrOx)、酸化チタンハフニウム(HfTiOx)および酸化ケイ素ハフニウム(HfSiOx)で構成される群から選択された材料を含む。強誘電体結晶材料は、イットリウム(Y)、ストロンチウム(Sr)、ニオビウム(Nb)、タンタル(Ta)、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)、バナジウム(V)、リン(P)、カリウム(K)、スカンジウム(Sc)、ルビジウム(Rb)、セレン(Se)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)およびインジウム(In)で構成される群から選択された少なくとも一つのドーパントをさらに含む。
0049
さらに、本開示は、半導体構造を形成する方法を記述する。方法は、基板の上に強誘電体結晶材料を形成することと、強誘電体結晶材料に近接して少なくとも一つの電極を形成することと、を含む。強誘電体結晶材料は、反転中心を通る反転対称のない、有極性カイラル結晶構造を有する。強誘電体結晶材料は、ハフニウム(Hf)およびジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも一つの酸化物を実質的に含まない。
0050
幾つかの実施形態においては、方法は、強誘電体結晶材料をアニールすることと、強誘電体結晶材料の結晶構造を変化させることと、をさらに含む。
0051
FE結晶材料140は、所望の強誘電性相への結晶化を開始するためにアニールされてもよい。所望の強誘電性相へのFE結晶材料140のアニーリングは、堆積後アニーリング(PDA)またはポストメタライゼーションアニーリング(PMA)プロセスによって実施されてもよい。
0052
PDAプロセスにおいては、FE結晶材料140は、FE結晶材料140の上のゲート電極材料160の形成の前に、所望の強誘電性相にアニールされる。
0053
PMAプロセスにおいては、FE結晶材料140は、FE結晶材料140の上にゲート電極材料160が形成された後で、所望の強誘電性相にアニールされる。幾つかの実施形態においては、PMAアニーリングは、周囲の窒素(N2)またはアルゴン(Ar)条件の下で、高速熱処理(RTP)アニーリング技術によって実施されてもよい。
0054
したがって、幾つかの実施形態においては、方法は、強誘電体結晶材料の有極性カイラル結晶構造を安定化するために、強誘電体結晶材料に機械的に歪みを与えることをさらに含んでもよい。
0055
FE結晶材料140がPDAプロセスによってアニールされるか、またはPMAプロセスによってアニールされるかは、高誘電率の誘電体材料の種類、ドーパントの種類と量、またはFE結晶相の所望の構造を含む様々な要因に依存するが、そのいずれにも限定はされない。
0056
PDAまたはPMAアニーリング条件は、様々な制御要因に基づいて規定されてもよい。限定しない例として、このような制御要因は、FE結晶材料140の組成、FE結晶材料140の厚さ、FE結晶材料140の上にある電極材料160の組成と厚さ(PMAプロセスの場合)を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。比較的薄いFE結晶/多結晶材料140は、より高いアニーリング温度とより長いアニーリング時間とを必要とすることがある。アニーリング要件は、FE材料140の選択に強く依存するが、本開示の幾つかの実施形態においては、堆積後アニールのみで十分であり、ポストメタライゼーションアニールは排除されることが出来る。FE結晶/多結晶材料140および/または電極材料160の厚さに加え、基板に誘発される応力は、重要な役割を果たすことが出来、アニーリング条件に顕著に影響を及ぼすことが出来る。
0057
FE結晶材料140は、少なくとも一つのドーパントを含み、FE結晶材料140のアニーリング条件は、FE結晶材料140内に存在するドーパントの量および種類の関数とすることもできる。比較的高いドーパント濃度では、FE結晶材料140のアニーリング温度は、より少量のドーパントを有するFE結晶材料140のアニーリング温度よりも高くすることが出来る。
0058
FE結晶材料140が、ガドリニウム(Gd)、ランタン(La)、バナジウム(V)、リン(P)、カリウム(K)、スカンジウム(Sc)、ルビジウム(Rb)、セレン(Se)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)およびインジウム(In)で構成される群から選択された少なくとも一つのドープされた金属を含む実施形態においては、FE結晶材料140のアニーリングは、約500℃から約800℃の温度で、約20秒から約600秒の間の、PMAアニーリングによって達成されることが出来る。
0059
FE結晶材料140がイットリウム(Y)でドープされた高誘電率の誘電体材料を含むとき、FE結晶材料140のアニーリングは、約450℃から約800℃の間の温度で、約20秒から約600秒の間の、堆積後アニーリング(PDA)またはポストメタライゼーションアニーリング(PMA)によって達成されることが出来る。
0060
FE結晶材料140がストロンチウム(Sr)でドープされた高誘電率の誘電体材料を含むとき、FE結晶材料140のアニーリングは、約450℃から約800℃の間の温度で、約20秒から約600秒の間の、PMAアニーリングによって達成されることが出来る。
0061
FE結晶材料140がニオビウム(Nb)およびタンタル(Ta)のうちの少なくとも一つでドープされた高誘電率の誘電体材料を含むとき、FE結晶材料140のアニーリングは、約450℃から約800℃の間の温度で、約20秒から約300秒の間の、PMAアニーリングによって達成されることが出来る。
0062
このように、本開示は、半導体構造を形成する方法を記述する。方法は、基板の上に強誘電体結晶材料を形成することを含む。強誘電体結晶材料は、反転中心を通る反転対称のない、有極性カイラル結晶構造を有する。強誘電体結晶材料は、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)、酸化ジルコニウムハフニウム(HfZrOx)、酸化チタンハフニウム(HfTiOx)および酸化ケイ素ハフニウム(HfSiOx)で構成される群から選択される。強誘電体結晶材料は、イットリウム(Y)、ストロンチウム(Sr)、ニオビウム(Nb)、タンタル(Ta)、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)、バナジウム(V)、リン(P)、カリウム(K)、スカンジウム(Sc)、ルビジウム(Rb)、セレン(Se)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)およびインジウム(In)で構成される群から選択された少なくとも一つのドーパントをドープされる。方法は、強誘電体結晶材料に近接した少なくとも一つの電極を形成することをさらに含む。
0063
幾つかの実施形態においては、このような強誘電体結晶相を安定化するためのキャッピング効果を必要とすることなく、FE結晶材料140は、アニールされて、安定な強誘電体結晶相に結晶化されてもよい。限定しない例として、このような安定な強誘電体結晶相は、斜方晶Pbc21相であってもよい。したがって、このような実施形態においては、FE結晶材料140の結晶化は、FE結晶材料の結晶化が被覆層の存在下で実施されなければならない米国特許8,304,823号に記述されたような機械的閉じ込め(キャッピング)の存在下で実施される必要はない。
0064
したがって、幾つかの実施形態においては、半導体構造を形成する方法は、キャッピングの存在なしで、FE結晶材料140を強誘電性相へと結晶化することを含む。
0065
FE結晶材料140は、所望の強誘電性相へと結晶化される前にパターン化されてもよい。或いは、FE結晶材料140は、FE結晶材料140のパターン化の前、またはそれと同時に所望の強誘電性相へと結晶化されてもよい。FE結晶材料140のパターン化は、このようなFE結晶材料140の使用目的に適応されることが出来る。限定しない例として、FE結晶材料140は、1T−FeRAM(FeFET)のゲート積層の少なくとも一部を規定するために、または1T−1CFeRAMのキャパシタ誘電体材料を規定するためにパターン化されてもよい。
0066
図2は、開示される1T−FeRAM(FeFET)メモリセルの限定しない別の例を示す。1T−FeRAMメモリセル200は、基板202と、ソース204と、ドレイン206と、基板202の上のFE結晶材料240と、基板202とFE結晶材料240との間の絶縁バッファ材料220と、FE結晶材料240の上のゲート電極材料260とを含む。幾つかの実施形態においては、絶縁バッファ材料220は、基板202およびFE結晶材料240と適合する結晶化材料を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、絶縁バッファ材料は、SiO2などの酸化ケイ素、または酸窒化ケイ素(SiON)であってもよい。幾つかの実施形態においては、絶縁バッファ材料220の厚さは、約0.3nmから約6nmの間の範囲内にあってもよい。幾つかの実施形態においては、絶縁バッファ材料220の厚さは、約0.05nmから約3nmの間の範囲内にあってもよい。
0067
図3は、開示された1T−FERAM(FeFET)メモリセルのさらに別の限定しない例を示す。1T−FeRAMメモリセル300は、基板302と、ソース304と、ドレイン306と、基板302の上のFE結晶材料340と、基板302とFE結晶材料340との間の絶縁バッファ材料320と、FE結晶材料340の上のゲート電極材料360と、FE結晶材料340とゲート電極材料360との間の界面材料350と、を含む。
0068
このように、本開示は強誘電体メモリセルを記述する。強誘電体メモリセルは、反転中心を通る反転対称のない、有極性カイラル結晶構造を有する強誘電体結晶材料を含む。強誘電体結晶材料は、ハフニウム(Hf)およびジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも一つの酸化物を実質的に含まない。
0069
図4A−図4Cは、基板402と、ソース404と、ドレイン406と、基板402の上のFE結晶材料440と、FE結晶材料440の上のゲート電極材料460とを含む1T−FeRAMメモリセル400の断面図を示す。ゲート電極材料460は、ゲート電圧Vgに結合され、ソース404は、ソース電圧Vsに結合され、ドレイン406は、ドレイン電圧Vdに結合され、その中に埋め込まれたソース/ドレイン404/406を含むバルク領域は、バルク電圧Vbに結合される。
0071
図4Bは、“書き込み0”動作状態における1T−FeRAMメモリセル400を示す。ゲート電圧Vgを0Vを超えるように設定し、Vd、Vs、Vbを0Vに設定することによって、1T−FeRAMメモリセル400にバイナリ情報状態“0”が書き込まれる。したがって、バルク(402、404、406)とゲート電極460との間の電界は、情報状態“0”に関連付けられる第一の分極状態440Bに、FE結晶材料440を変化させる。例えば、図4Bに示されるように、FE結晶材料440Bは、そのダイポールモーメントが下向き矢印の方向を有するように、分極する。印加された電圧が除去されると、分極状態“0”は保存される。
0072
図4Cは、“書き込み1”動作状態における1T−FeRAMメモリセル400を示す。ゲート電圧Vgを0V未満に設定し、Vd、Vs、Vbを0Vに設定することによって、バルク(402、404、406)とゲート電極460との間の電界は、反転されて、動作状態“書き込み1”が設定される。この動作状態においては、FE結晶材料440は、バイナリ情報状態“1”に関連付けられ、第一の分極状態400Bと逆の第二の分極状態440Cに設定される。例えば、図4Cに示されるように、FE結晶材料440Cは、そのダイポールモーメントが上向き矢印の方向を有するように分極する。印加された電圧が除去されると、反転された分極状態“1”がFE結晶材料440内にあるままである。
0073
したがって、動作状態“0”および“1”は、FE結晶材料440の異なる分極状態(440B、440C)によるものとすることが出来る。これらの異なる分極状態(440B、440C)の結果として、1T−FeRAMメモリセルの異なる閾値電圧を生じる。
0074
“読み出し”動作状態の下では、その情報は、ソース404とドレイン406との間の電流を検知することによって、1T−FeRAMメモリセル400から読み出される。1T−FeRAMメモリセル400からの読み出しは、非破壊的とすることが出来る。
0075
図5は、DRAMメモリセルに対する構造と類似した、開示された1T−1CFeRAMメモリセルの限定しない例を示し、ここでは、一つのキャパシタと一つのアクセストランジスタが、メモリセルを形成する。DRAMセルキャパシタの誘電体材料は線形誘電体材料であるが、FeRAMセルキャパシタの誘電体材料は、強誘電体誘電材料を含む。
0076
図5に示されるように、1T−1CFeRAMメモリセル500は、基板502内に形成されたソース504およびドレイン506と、アクセストランジスタとして機能し、かつ線形誘電体材料545と、ゲート電極560と、相互接続構造570(例えば、接触プラグ)を介してドレイン506に結合されたキャパシタ510とを含む従来のトランジスタと、を含む。キャパシタ510は、底部電極590と、上部電極595と、底部電極590と上部電極595との間のFE結晶材料540と、を含む。
0077
FE結晶材料540は、図1のFE結晶材料140に対して前述された方法を用いて、底部電極590の上に形成されてもよい。所望の強誘電性相へのFE結晶材料540の結晶化は、FE結晶材料540の上に上部電極595を形成する前に実施されてもよい。或いは、FE結晶材料540の所望の強誘電性相への結晶化は、FE結晶材料540の上に上部電極595を形成した後、またはそれと同時に実施されてもよい。
0078
底部電極590および上部電極595は、あらゆる従来の電極材料であってもよい。底部電極590および上部電極595は、同一または異なる材料で形成されてもよい。底部電極590は、約20Åから約200Å、約50Åから約130Åまたは約40Åから約70Åの範囲の厚さなど、連続的な材料として形成されてもよい。幾つかの実施形態においては、底部電極590は、約60Åの厚さを有する。
0079
図1−図5は、1T−FeRAM(FeFET)および1T−1CFeRAMメモリセルを示すが、本開示は、如何なる適切な種類のFEメモリセル(例えば、2T−2CFeRAMメモリセル)に適用されてもよいことを理解されたい。さらに、完全なFeRAMデバイスを形成するためのさらなる動作は、従来の製造技術によって実施されてもよい。
0080
開示されたFE結晶材料は、FEメモリデバイス用のFE材料として従来用いられるペロブスカイト材料よりも顕著に高い残留分極(Pr)を示すことがある。したがって、開示されたFE結晶材料は、様々なFEメモリデバイス用途に対して適切なことがある。限定しない例として、開示されたFE結晶材料は、FERAMデバイス用、またはNANDおよびNOR用途のためのFeFETデバイス用に用いられてもよい。
0081
開示されたFE結晶材料は、その本質的な微細構造による、高い分極、高速のスイッチング速度、低い保磁場、高い保持力、低い疲労および低いインプリントなど、FEメモリデバイスで使用するために必要な特性を満足することが出来る。さらに、これらのFE結晶材料は、低い処理温度、良好なCMOS適合性、安定供給の容易性、より低いコスト、より良好なスケーラビリティなどの非本質的な製造要件を満たすことが出来る。
0082
図1−図5に示される、FeRAMメモリセル100、200、300、400および500の断面図は、半導体デバイスの一部を参照するにすぎないことを理解されたい。したがって、半導体デバイスは、強誘電体メモリセルアレイの形式で配置された複数のFeRAMメモリセルを含んでもよい。さらに、さらなる半導体構造が基板内に形成されてもよい。限定しない例として、これらのさらなる半導体構造は、ワード線ドライブ回路、ビット線ドライブ回路、ソース線ドライブ回路、センス回路または制御回路を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。
0083
図6は、FeRAMメモリセルアレイの一部の限定しない例を示す。FeRAMメモリセルアレイ600は、複数のメモリセル601と、複数のデジット線611(それらが埋め込まれていることを示すために破線で示される)と、複数のワード線612(それらが埋め込まれていることを示すために破線で示される)とを含む。FeRAMメモリセル601は、(共通のデジット線611に結合された)行および(共通のワード線612に結合された)列に配列される。個々のFeRAMメモリセル601は、デジット線611とワード線612との交点に配置される。
0084
したがって、本開示は、複数のメモリセルを含む強誘電体メモリデバイスを記述する。メモリセルの各々は、少なくとも一つの電極と、少なくとも一つの電極に近接して配置された強誘電体結晶材料とを含む。強誘電体結晶材料は、少なくとも一つの電極の電荷に応じて、電界によって分極可能である。強誘電体結晶材料は、反転中心を通る反転対称のない、有極性カイラル結晶構造を有する。強誘電体結晶材料は、ハフニウム(Hf)およびジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも一つの酸化物を実質的に含まない。
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