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課題・解決手段

本発明の対象は、X線シンクロトロン放射線、又は、他の放射線を用いてバッテリをin situ(その場)分析するための装置である。前記装置は、試料キャリアを有しており、前記試料キャリアは、中心軸線を中心にして回転可能に支持された試料ホイールとして実現されている。前記試料キャリア上には、複数の試料ホルダが配置されており、前記複数の試料ホルダの各中心点は、前記試料キャリアの中心点を中心にした1つの共通の円線上に配置されており、各前記試料ホルダは、ロック可能な蓋部によって個別に繰り返し開閉可能である。各前記試料ホルダは、その内側に中空空間を有しており、前記中空空間は、検査すべきバッテリをその周囲の形状に理想的に適合するように収容し、前記蓋部及び前記中空空間は、ビーム通過用の開口部を有する。前記バッテリの縁部領域で作用するばねが、前記バッテリを前記蓋部に押し付け、前記ばねと、前記蓋部の前記縁部領域とは、導電性であるが互いに絶縁されているように構成されている。各前記試料ホルダから、前記蓋部の前記縁部領域からの導電接続部と、前記ばねからの導電接続部とが、前記試料キャリアの、前記蓋部とは反対の側へと延びていて、前記試料キャリアの前記中心点の近傍へと延びている。そこで、全ての前記試料ホルダの線路が1つの線路束又は1つのプラグコネクタ統合されている。

概要

背景

概要

本発明の対象は、X線シンクロトロン放射線、又は、他の放射線を用いてバッテリをin situ(その場)分析するための装置である。前記装置は、試料キャリアを有しており、前記試料キャリアは、中心軸線を中心にして回転可能に支持された試料ホイールとして実現されている。前記試料キャリア上には、複数の試料ホルダが配置されており、前記複数の試料ホルダの各中心点は、前記試料キャリアの中心点を中心にした1つの共通の円線上に配置されており、各前記試料ホルダは、ロック可能な蓋部によって個別に繰り返し開閉可能である。各前記試料ホルダは、その内側に中空空間を有しており、前記中空空間は、検査すべきバッテリをその周囲の形状に理想的に適合するように収容し、前記蓋部及び前記中空空間は、ビーム通過用の開口部を有する。前記バッテリの縁部領域で作用するばねが、前記バッテリを前記蓋部に押し付け、前記ばねと、前記蓋部の前記縁部領域とは、導電性であるが互いに絶縁されているように構成されている。各前記試料ホルダから、前記蓋部の前記縁部領域からの導電接続部と、前記ばねからの導電接続部とが、前記試料キャリアの、前記蓋部とは反対の側へと延びていて、前記試料キャリアの前記中心点の近傍へと延びている。そこで、全ての前記試料ホルダの線路が1つの線路束又は1つのプラグコネクタ統合されている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

X線シンクロトロン放射線、又は、他の放射線を用いてバッテリ(1)をin situ(その場)分析するための装置であって、前記装置は、試料キャリア(5)を有しており、前記試料キャリア(5)は、中心軸線(55)を中心にして回転可能に支持された試料ホイールとして形成されており、前記試料ホイールは、複数の試料ホルダを有しており、前記複数の試料ホルダの各中心点は、前記試料キャリア(5)の中心点を中心にした1つの共通の円周上に配置されており、各前記試料ホルダは、ロック可能な蓋部(4)によって個別に繰り返し開閉可能であり、前記試料ホルダは、その内側に中空空間を有しており、前記中空空間は、検査すべきバッテリ(1)をその周囲の形状に理想的に適合するように収容し、前記蓋部(4)及び前記中空空間は、ビーム通過用の閉鎖されていない開口部又は覆われた開口部を有しており、前記バッテリ(1)の縁部領域で作用するばね(2)が、前記バッテリ(1)を前記蓋部(4)に押し付け、前記ばね(2)と、前記蓋部(4)の縁部領域とは、導電性であるが互いに絶縁されているように構成されている、装置において、各前記試料ホルダの、前記蓋部(4)の前記縁部領域からの導電接続部(6)と、前記ばね(2)による導電接続部とが、前記試料キャリア(5)の、前記蓋部(4)とは反対の側へと案内されていて、そこから前記試料キャリア(5)の前記中心点の近傍へと案内されており、そこで、全ての前記試料ホルダの線路が1つの線路束又は1つのプラグコネクタ(8)に統合されている、ことを特徴とする装置。

請求項2

前記ばね(2)を介した前記バッテリ(1)の導電接続部と、前記蓋部(4)を介した前記バッテリ(1)の導電接続部とは、前記試料キャリア(5)の、前記蓋部(4)とは反対の側において、回路基板(7)上のコンタクト箇所(76,77)を介してコンタクトされていて、前記中心軸線(55)の近傍で統合されている、請求項1記載の装置。

請求項3

前記ばね(2)は、コイルばねであり、前記試料ホルダ(5)の底部に設けられたビーム出射孔を貫通して進出していて、前記回路基板(7)上で支持されており、前記ばね(2)は、前記試料ホルダ内の前記バッテリ(1)の裏側と、前記回路基板(7)上の1つのコンタクト箇所(76)との間で導電接続を形成するために適している、請求項2記載の装置。

請求項4

前記試料ホイールは、前記試料ホルダをX線源、シンクロトロン放射線源、又は、他の放射線源ビーム経路にもたらすことができるように、手動で又は駆動部によって回転可能に配置されている、請求項1から3のいずれか1項記載の装置。

請求項5

前記装置は、支持装置内に配置されており、前記支持装置によって、前記試料ホイールの位置を変更することができ、これによって、前記ビーム経路における前記試料ホルダの位置を3つの空間方向のうちの1つ又は複数の方向で変更することができるようになっており、且つ/又は、前記ビーム経路の軸線に対する前記中心軸線の傾きを変更することができるようになっている、請求項4記載の装置。

技術分野

0001

本発明の対象は、バッテリ、とりわけバッテリボタン電池X線シンクロトロン放射線、又は、他のプローブ放射線に供して、これらのバッテリに対し、充放電中回折検査又は分光検査を実施することを可能にする装置である。

0002

高性能バッテリ、とりわけ蓄電池の開発の一環として、バッテリシステムの充放電中に発生する構造化学的プロセスを検査することが特に大きな関心を呼んでいる。このような検査は、in situ(その場)検査とも呼ばれている。とりわけこの関連における“in situ(その場)”とは、バッテリを連続的に(すなわち電流供給遮断せず充放電している間に全ての関連するコンポーネント結晶構造電極形態、又は表面化学を定量的に検査することを意味している。

0003

X線又はシンクロトロン放射線を用いた検査は、特に有用であり広く使用されている。なぜなら、X線又はシンクロトロン放射線の波長は、原子構造スケール範囲内にあるからである。このことにより、バッテリ材料の充電状態に基づいて、構造化学的な現象の定量的な検査と、例えば相分率格子定数、又は原子位置の詳細な記述とが可能となる。シンクロトロン放射線は、極めて高い時間解像度及び機器解像度を提供するので、最も頻繁に使用されている。検査すべきバッテリのハウジングは、検査のためにビーム入射用又はビーム出射用の開口部を有していることが多い。これらの開口部は、使用されるビームとわずかにしか相互反応しない材料によって覆うことも可能である。

0004

この場合、方法としてとりわけ透過回折法及び反射回折法が使用される。補強的に、いわゆるin situ(その場)PDF英語:pair distribution function、日本語:対分布関数)法、又は、蛍光分析法、とりわけ吸収分光法も実施される。

0005

透過回折法及び吸収分光法の場合には、検査すべき対象物の裏面で発生した回折又は吸収パターン分析されるのに対し、反射回折法は、放射線源検出器とが両方とも同じ1つの表面上に配置されている方法である。X線又はシンクロトロン放射線のビーム直径は、一般的に3mm未満であるが、それどころかもっと小さいことも多い(約1mm)。

0006

放射時間、すなわち回折測定に利用可能な時間は短いことが多く、とりわけシンクロトロン放射線を使用する場合には特に高価でもある。従って、利用可能な時間を効果的に利用することが求められる。従って、試料(バッテリ)をビーム経路位置決めして調整するために消費される時間をできるだけ短縮し、且つ、できるだけ多くの試料を同時に(すなわちシーケンシャルに)測定することが努力されている。この目的のために、特別な試料ホルダが開発された。

0007

米国特許第5127039号明細書(US 5,127,039)は、X線回折法のための試料ホルダを記載している。この研究開発の特別な特徴は、あらゆる空間方向に調整可能なことである。この装置は、試料ホルダも有している。試料ホルダは、回転可能に構成されており、照射中に回転可能となっている。しかしながら、複数の試料を嵌め込むことは想定されていない。“サンプルディスク(sample disc)”(第3頁1〜8行目)が話題になってはいるが、ここでは回転運動は、ただ1つの試料にしか関連していない。この場合には、試料ホルダの回転軸線ビーム軸線に対して垂直であり、ビーム軸線に交差している。しかしながらここでは、次の試料を測定するための装備変更にはなお依然として時間がかかる。

0008

米国特許出願公開第2014/0106216号明細書(US 2014/0106216 A1)の対象は、リチウムイオンバッテリを構成している層を、製造中に現場熱処理に供するための方法である。製造プロセス中にスパッタリング工程が実施され、このスパッタリング工程のためにメリーゴーラウンド形の試料ホルダを使用することが提案される。回折検査への直接的な転用可能性は示唆されていない。

0009

米国特許出願公開第2014/0093052号明細書(US 2014/0093052 A1)は、バッテリ及び燃料電池におけるX線分光法又は中性子分光法のための測定室テストチャンバ)を提案している。検査対象物は、ここでは独自のハウジングを所有しておらず、測定室の試料室内で組み立てられる。測定室は、上側部分と下側部分の2つの部分からなるハウジングとして構成されている。電池セル)同士のコンタクトは、貫通案内部を介して実施され、この貫通案内部を通ってバッテリの周壁又はバッテリの蓋部へとコンタクト線路が延びている。上記の構造の欠点は、確実なコンタクト形成補償することができない線路を介して、バッテリのコンタクトが実施されることである。とりわけこの実験室は、ただ1つのバッテリサイズにしか適さない。

0010

米国特許第7022290号明細書(US 7,022,290 B2)は、バッテリ用の気密封止された検査室を記載している。この検査室は、バッテリ用の挿入開口部を有する基体と、ビーム入射用の開口部を有する蓋部とからなる。上記の構造は、専ら反射式検査のためだけに適している。なぜなら、適切な出射開口部が存在しないので、バッテリを貫通するビームを検出することが不可能だからである。

0011

国際公開第96/22523号(WO 96/22523)では、X線を用いてバッテリを検査するための装置が提案されている。この装置は、電気的に互いに絶縁されている上側部分と下側部分とからなる。バッテリのコンタクトは、バッテリが上側部分と下側部分との間に挟持されている間に、この上側部分と下側部分とに設けられた接続部を介して実施される。バッテリの裏側は、銅ブロックによってコンタクトされ、その一方で表側は、ビーム窓を介して露出される。上記の装置も、透過式検査には適さない。なぜなら、銅ブロックが測定結果歪曲するおそれがあるからである。

0012

特開2012−159311号公報(JP 2012-15931 1 A)には、バッテリの個々の層を収容し、検査のためにアクセス可能にする装置が記載されている。この場合には、バッテリの層は、ビーム入射用又はビーム出射用の窓を有する2つの対向部材の間に挟持される。上記の装置は、個々の電池(セル)を取り扱うための解決法である。ビームへの位置決めは、装置を収容するための特別なホルダを介して実施される。従って、迅速な試料交換及び確実な電圧供給は補償されていない。

0013

特開平10−054809号公報の対象は、電気的に互いに絶縁されている上側部分と下側部分とからなる装置である。これらの部分の間には、電解質を有するバッテリの積層体が狭持される。コンタクトは、上側部分と下側部分とを介して実施される。これら2つの部分は、ビーム通過用の窓を有する。この装置は、事前に製造されたバッテリ本体を収容して、これを迅速な測定に供するためには適していない。この装置自体はむしろ、バッテリの実験的な積層体及び電解質のためのバッテリハウジングとしてみなすべきである。

0014

Anton Paar社 (http://www.anton-paar.com/?elD=documentsDownload&document= 2065&L=8 2014年6月18日時点のウェブサイト)は、試料ホイールを有する試料キャリアを提案している。この試料キャリアは、微気候室内に位置しており、8つの試料のうちの1つをX線へと移動させることが可能となっている。試料の透過が実施される。試料ホイールは、略水平に方向決めされている。試料キャリアは、閉鎖することが不可能であり、従って、試料ホイールの位置を容易に変更することはできない。さらには、個々の試料への媒体又は電気エネルギの個別的な供給は何ら想定されていない。従って、バッテリのin situ(その場)検査を実施することは不可能である。

0015

文献“Advances in in situ powder diffraction of battery materials: a case study of the new beamline P02.1 at DESY, Hamburg”M. Herklotz et al.著 Journal of Applied Crystallography, (2013). 46. 第1117-1127頁には、円形の試料キャリアの中心点を取り囲んで配置された4つのバッテリホルダを有する試料キャリアが示されている。試料キャリアは、この中心点を中心に回転可能にも構成されている。複数あるバッテリホルダのそれぞれを電気的に接続させることが可能であり、従って、in situ(その場)測定が可能となっている。問題なのは、電流供給が複数のケーブル(バッテリ1つにつき2本)を介して実施され、これらのケーブルが、明記されていない方法で試料キャリアの一次ビームに面した側から離れる方向に延びていることである。この場合には、これにより測定プロセス中又は試料キャリアの回転時にケーブルがビーム経路に到達して、測定結果が歪曲される可能性がある。さらには、試料カバーがねじ留めによって固定されていることにより、試料の交換が面倒になり、時間がかかり、間違い易くなっている。

0016

従って、X線又はシンクロトロン放射線を用いた透過式測定と反射式測定の両方に適した試料キャリアとしての装置であって、とりわけin situ(その場)測定を可能にし、且つ、検査すべきバッテリに対する障害のない媒体供給を確実な取り扱いで可能にする装置を提案するという課題が生じる。

0017

本発明によれば上記の課題は、請求項1に記載の試料キャリアによって解決される。有利な実施形態は、引用形式従属請求項に開示されている。

0018

本発明に係る試料キャリアは、X線回折法又はシンクロトロン回折法を用いてバッテリをin situ(その場)分析するためのバッテリキャリアとして構成されている。試料キャリアは、この試料キャリアの中心点を中心にして回転可能に支持された試料ホイールを有する。試料ホイールは、好ましくはこの試料ホイールの外縁部において好ましくは玉軸受けを介して支持されている。これに代わる1つの実施形態では、試料ホイールの中心点で作用する、相応に支持された軸線が使用される。試料ホイールの中心点を取り囲んで、好ましくは円環上に好ましくは互いに等間隔で、複数の試料ホルダが配置されており、各試料ホルダは、ロック可能な蓋部によって個別に繰り返し開閉可能である。試料ホルダは、その内側に中空空間(蓋部を有する凹部)を有しており、この中空空間は、検査すべきバッテリをその周囲の形状に理想的に適合するように収容する。蓋部及び凹部は、ビーム通過用の閉鎖されていない開口部又は覆われた開口部と、バッテリの裏側の縁部領域で作用するばねとを有する。ばねは、バッテリを蓋部に押し付け、これによって蓋部は、バッテリの表側の縁部領域と電気的にコンタクトする。ばねと、蓋部の少なくとも縁部領域とは、導電性であるが互いに絶縁されている。本発明の本質は、各試料ホルダの、蓋部の縁部領域からの導電接続部と、ばねからの導電接続部とが、試料ホイールの中心点(中心軸線)の近傍へと案内されていることである。蓋部及びばねは、検査すべきバッテリの2つの極(電気化学的な正の電極及び負の電極)のうちのそれぞれ他方の極とコンタクトする。全ての試料キャリアの線路は、中心点の近傍で有利には1つの線路束に統合される。

0019

試料キャリアは、好ましくはホイール状構造体として形成されている。試料キャリアは、中心軸線を備える円形の底面を有する。試料キャリアは、この中心軸線を中心にして回転可能である。複数の試料ホルダが、中心軸線を起点にして、この中心軸線と前記複数の試料ホルダの各中心点との間に同一の間隔をおいて配置されている。これらの試料ホルダは、円環上に好ましくは互いに等間隔で配置されており、試料ホルダは、中心軸線から同一間隔を置いてこの円環を形成している。しかしながら、試料ホイールの運動を相応に制御する場合には、試料ホルダ同士の間の間隔を可変にすることも可能である。複数の試料ホルダは、好ましくは同一の直径を有する。しかしながらさらに好ましくは、それぞれ異なる直径の試料ホルダも可能である。この場合にはしかし、試料ホルダの幾何学的な中心点が全て、試料キャリアの中心点を中心にした1つの共通の円線上に配置されていることが重要である(この記載は、試料キャリアの表側に関連する)。試料キャリア上には好ましくは2つ、3つ、4つ、6つ、又は、8つの試料ホルダが配置されている。基本的に、あらゆる有意義個数の試料ホルダが可能である。この個数は、遵守すべき寸法(X線装置又はシンクロトロン装置に依存する)と、測定タスクとによって制限される。

0020

試料キャリアは、好ましくはプラスチック繊維強化プラスチック、又は、他の非導電性剛性の材料から製造されている。試料キャリアの裏側とは、以下では、透過時に一次ビームに面する側(すなわちビームが最初に通過する側)であり、表側とは、このビームとは反対の側(すなわち回折領域にある)である。

0021

中心軸線は、好ましい第1実施形態では、X線の軸線に対して平行に方向決めされている。この実施形態は、透過式測定(透過回折法)のために特に適している。

0022

別の1つの好ましい実施形態では、中心軸線は、試料キャリアの表側、すなわち蓋部(下記参照)によって試料ホルダが閉鎖される方の側が入射ビームに面するように、ビーム軸線に対して延在している。この実施形態は、とりわけX線反射回折法又はX線蛍光分析法において使用される。

0023

試料キャリアには好ましくは駆動部が設けられており、この駆動部は、試料キャリアを中心軸線を中心にして回転させることによって、それぞれ1つの試料ホルダをビーム経路に位置決めする。駆動部は、好ましくは電気ステップモータである。特に簡単な1つの実施形態では、回転は、放射休止時に手動で実施される。

0024

試料ホルダは、好ましくは試料キャリアの凹部として形成されている。試料ホルダは、検査すべきバッテリに適合する形状を有する。この形状は、複数のバッテリに相応して円形である。凹部は、(好ましくは円形の)蓋部によって閉鎖され、この蓋部は、解除可能であり、閉鎖位置においてロック可能である。凹部は、好ましくはこの凹部の上縁部の下方でわずかに狭められており、これによって段差が形成されている。この段差の上には蓋部が載置され、ここでこの蓋部を突起部又はねじによって自身の位置に保持することができる。好ましい1つの実施形態では、凹部の縁部に配置された突起部と蓋部との簡単な組み合わせである。蓋部は、対応する切欠部を有しており、これによって蓋部を、突起部の横を通過して凹部内に挿入して回転させることによって突起部の裏面でロックすることが可能となっている。突起部は、凹部を取り囲んで配置されているねじのねじ頭によって形成することも可能である。さらには、突起部及び切欠部を省略し、蓋部を完全にねじ頭によって自身の位置に固定することが可能である。しかしながらこれにより、組み合わせの場合にそうであったように蓋部を迅速に開放することはできなくなる。

0025

ホルダ及び蓋部の平坦な構造によって、有利には少なくとも70°の最大回折角度が可能となる(回転軸線に対して平行に一次ビームが導かれる場合の透過の例では、2θに指定)。これによって透過装置及び反射装置における適用範囲が拡大する。例えば、原子短距離秩序に関する詳細な知識を提供するが、大きな回折角度を必要とするいわゆるPDF(対分布関数、英語:pair distribution function)法を実施することが可能となる。

0026

蓋部は、好ましくはビーム入射用の中央の開口部を有する。好ましい1つの実施形態では、開口部は、X線に対してわずかにしか影響を与えない材料(例えばカプトン)で覆われている又は充填されている。蓋部は、好ましくは導電性の材料から製造されているか、又は、そのような材料で被覆されている。このようにして、バッテリの表側(回折領域)との導電接続が形成される。

0027

凹部内にはばねが配置されており、このばねは、検査すべきバッテリを蓋部の方向に押し付ける。好ましくは、バッテリに外側縁部で又は外側縁部の近傍で作用するコイルねじである。このようにするとビームは、透過式測定時に、ばね材料によって測定結果に対して歪曲するような影響を及ぼすことなくばねの内側を通過する。コイルばねは、好ましくは導電性の材料から製造されているか、又は、このような材料で被覆されているか、又は、バッテリの底部から試料ホルダ又は回路基板コンタクト面の凹部の底部への導電接続が実現されるようにこのような材料によって一貫されている。

0028

好ましい1つの実施形態では、ばねは、試料ホルダの凹部の底部で支持されている。好ましくは底部も、ビーム入射に使用される開口部を有する。この開口部も、適切な材料によって閉鎖又は充填することができる。

0029

ばねの内径、並びに、凹部の底部及び蓋部の開口部は、ビームとの相互作用を引き起こさないため又は最小化するために、ビーム直径を上回るように選択されている。

0030

有利にはばねによって、それぞれ異なる構造高さと、同じ外径とを有する複数のバッテリを、試料ホルダに嵌め込むことが可能となる。例えば、型式CR2032、CR2025、又は、CR2016の電池の間で問題なく交換することが可能である。

0031

上記の電池にとって典型的な2cmよりも小さい直径も可能である。好ましい1つの実施形態は、このためにアダプタを有しており、このアダプタは、リングとして試料ホルダの凹部よりも小さい直径を有するバッテリの周囲に巡らされ、これによってより小さい直径のバッテリの測定を可能にする。この場合には、コイルばねの直径に注意すべきである。バッテリ直径がさらにより小さい場合には、バッテリがコイルばねの中に滑落するのを確実に防止することができる下敷きディスクが必要となる。

0032

蓋部の導電性の構成によって、バッテリの表側がコンタクトされる。蓋部を起点にしてさらなる導電接続が形成される。この導電接続部は、好ましくはケーブルとして試料キャリアの表側へと延びており、そこから裏側へと延びている。蓋部がねじ頭によって保持される実施形態の場合には、ねじのうちの少なくとも1つを金属から形成して、試料キャリアの裏側に到達させることも可能である。凹部の縁部に突起部を有する実施形態の場合には、突起部のうちの少なくとも1つが、試料キャリアを貫通する貫通コンタクト(ねじ又はケーブル)によって試料キャリアの裏側に導電的に接続されている。

0033

試料ホルダの底部も、好ましくは導電性であるか、又は所定の局所的な領域において導電性であり、これによってコイルばねとの導電接続を形成することが可能となっている。試料ホルダの底部から、試料キャリアの裏側へと導電接続部が延びている。このことは、好ましくは導電性のねじ又は線路を介して実施される。

0034

試料キャリアが非導電性の材料からなる特に好ましい1つの実施形態では、コイルばねが、試料ホルダの底部のビーム入射開口部を貫通して、その下に位置する回路基板上で支持されており、それと同時にこの回路基板では、コイルばねがバッテリの裏側との導電接続を実現する。

0035

試料キャリアの裏側には、個々の試料ホルダのバッテリの両極のためのコンタクトが当接している(バッテリの表側からは例えば蓋部、ねじ、及び、ケーブルを介して。バッテリの裏側からは例えばコイルばねと凹部の底部とを介して、又は、コイルばねを介して直接的に)。この観察方法の場合には、バッテリの表側が試料キャリアの表側に面していることに注意すべきである。

0036

ここで本発明によれば、複数のコンタクトを試料キャリアの中心軸線で又は中心軸線の付近で統合し、ここから規定されたように電流供給部及び/又は測定装置(例えばポテンショステータ)に案内することが企図される。好ましくはこのことは、個々の試料ホルダのコンタクトから試料キャリアの中心軸線へと延びる導体路を有する回路基板を、試料キャリアの裏側に配置することによって実現される。この場合、回路基板は、試料キャリアに対して固定されており、これによってX線源、シンクロトロン放射線源、又は、その他の放射線源のビーム経路に試料ホルダを位置決めする際に、場合によって生じる試料キャリアの回転運動と共に運動する。特に簡単な1つの実施形態では、バッテリの表側のコンタクトを形成しているねじは、回路基板に設けられた対応するコンタクトにおいてようやく終端する。このことは、有利には回路基板を固定するためにも利用することができる。さらに好ましくは、バッテリの裏側コンタクトのコンタクトもねじを介して実現され、このねじも、回路基板の対応するコンタクト線路へと延びており、回路基板を機械的に保持する役割を共に引き受けることができる。当業者には、試料キャリアの裏側と回路基板との間に間隔を実現するために、必要に応じて機械的なスペーサ部品を使用してもよいことは既知である。回路基板は、好ましくはこのような部品にとって一般的な材料、例えばFR4又はポリイミドからなる。

0037

好ましい1つの実施形態では、回路基板も、ビーム通過用の開口部を有する。

0038

これに代えて、試料キャリアの中心軸線の付近における、個々の試料ホルダのコンタクトからバスバー又はプラグへの単線式線路又は二線式線路も可能である。

0039

好ましい1つの実施形態では、個々の試料ホルダからプラグ接続部へと、例えばモレックスプラグへと線路が延びており、ここからこの線路は、複数の単線式線路の束として、又は、複数の線路を有するフラットケーブル又は丸形ケーブルとして延びている。線路は、測定タスクに応じて電気的に給電可能、且つ/又は、測定装置に接続可能である。

0040

複数の異なる試料ホルダの全てのケーブルを統合して案内することによって、ケーブルの延びのコントロールと、ビーム経路からの離間とを、非常に格段により簡単に実施することが可能となる。統合されたケーブルの出発点と中心軸線との間隔はできるだけ小さくされており、中心軸線から離間される距離は、好ましくは試料キャリアの半径の50%以下、特に好ましくは33%以下、極めて特に好ましくは25%以下にすべきである。

0041

別の1つの好ましい実施形態では、試料キャリアには、バッテリの加熱又は冷却のための要素が設けられている(バッテリ材料の温度依存性の測定)。好ましくは、凹部内に配置されたペルチェ素子である。これらの要素への電流供給も、好ましくは共通のプラグ接続部を介して実施されるか、又は、同じく試料キャリアの中心軸線の近傍に配置される別の接続部を介して実施される。好ましい1つの実施形態では、バッテリの加熱又は冷却のためのこれらの要素は、凹部よりも小さい直径を有するバッテリのための上述したアダプタと同様に構成されている。従って、これらの要素は、リングとしてバッテリの周囲に巡らされており、バッテリを適当な温度に調整する。別の1つの実施形態では、これらの要素は、中心孔を有するディスクとして設けられており、このディスクは、バッテリの底部とコイルばねとの間に配置されている。この場合、これらの要素は、導電性であるがこれらの要素自体に対しては電気的に絶縁されているスリーブによって周りを取り囲まれており、このスリーブは、バッテリの底部とコイルばねとの間の電気的な接続が形成されることを保証する。特に簡単な1つの実施形態では、電気抵抗加熱原理に基づいた加熱素子が設けられている。

0042

本発明に係る試料キャリアは、好ましくは保持装置に配置されている。保持装置は、任意選択的に調整手段を提供し、これによって試料ホルダを、処理中の試料に対して必要に応じて方向決めすることができる。この方向決めは、好ましくは3つ全ての空間方向において可能である。しかしながら、縦方向の調整又は横方向の調整を一緒に実施することも、又は、個々に実施することも好ましくは可能である。

0043

特に好ましい1つの実施形態では、中心軸線の方向性を変更することが可能であり、特に好ましくは水平の方向性から垂直の方向性(及び中間値)に変更することが可能である。従って、本発明に係る装置は、ビーム方向に適合することができるだけでなく、透過回折法から反射回折法に変更することも可能である。

0044

本発明に係る方法は、反射装置又は透過装置における粉末回折のための測定(PDF測定を含む)に適しているだけでなく、好ましくはシンクロトロン装置において、X線吸収測定、中性子回折実験、3D断層撮影、又は、メスバウアー/ガンマ線分光法のために使用することも可能である。適切な加熱装置又は冷却装置が存在する場合には、温度依存性の測定を実施することも可能である。ここでは−60°〜100°の間の通常の使用限界値内の範囲が好ましい。

図面の簡単な説明

0045

図1は、本発明に係る試料キャリア5の概略立体図を示す。
図2は、本発明に係る試料キャリア5を、透過装置の場合に一次ビームとは反対にある側(表側)を見たときの、すなわち回折方向に見たときの平面図を示す。とりわけ、円形の試料キャリア5の中心点を通って図平面に垂直に延在する中心軸線55が図示されている。
図3a及び図3bは、試料ホルダの凹部51の蓋部4の概略平面図(3a)と、概略立体図とを示す。
図4a及び図4bは、回路基板7を裏側から見たときの概略図(図4a)と表側から見たときの概略図(図4b)を示し、表側から見たときの概略図は、試料キャリア5に面した側を図示しており、導体路を図示している。

0046

実施例
以下の実施例は、本発明を例示的に説明しているが、本発明は、これらの例示的な実施形態には限定されていない。

0047

試料キャリア5は、プラスチックからなり、円形に形成されている。試料キャリア5の直径は、144mmである。試料キャリア5は、ポリオキシメチレンから製造されている。材料厚さは、11mmである。中心軸線55を42mmの間隔をおいて取り囲んで、試料ホルダとして8個の円筒形の凹部51が配置されている。これらの凹部51は28mmの内径を有しており、この内径は、1.4mmの後、20.6mmに低減されている。内径の低減によって段差が形成され、この段差の上に蓋部4を載置することができる。凹部51の底部に設けられたビーム入射開口部52は、9.5mmの直径を有する。それぞれの凹部51を取り囲んで、3つのねじ開口部(53,54)が配置されている。中心軸線55に最も近くて、ねじ開口部54に係合しているねじは、コンタクトケーブル6によって裏側と、この裏側に配置された回路基板7とに導電的に接続されている。蓋部4は、特殊鋼からなり、16mmの直径を有するビーム入射開口部42を有する。切欠部41を回転させて、この切欠部41をねじ開口部53,54内のねじのねじ頭に一致させ、ひいては、これらのねじ頭の横を通過して蓋部4が凹部51内に案内可能となるようにすることによって、蓋部4をそれぞれの凹部51内にロックすることができる。蓋部4はそこで、コイルばね2によって持ち上げられているバッテリ1を凹部51内に押し込む。蓋部4を約60°回転させた後、切欠部41はそれぞれ、ねじ開口部53,54内のねじのねじ頭同士の間に位置することとなり、蓋部4は、ねじ開口部53,54内のねじのねじ頭の裏面に当接係合されている。バッテリ1は、コイルばね2によって蓋部4に押し付けられ、側方で凹部51の壁によって案内されている。このようにしてバッテリ1は、常に、試料キャリア5における所定の安定した位置に位置している。コイルばね2は、凹部51の底部に設けられたビーム入射孔52を貫通して進出していて、回路基板7上で支持されており、そこで、対応するコンタクト箇所76a〜76hとコンタクトしている。これらのコンタクト箇所76a〜76hは、中心軸線55の付近に配置された複数のプラグコネクタ8のうちの1つと導電接続を形成する。回路基板7は、試料キャリア5に堅固に結合されているので、試料キャリア5の回転運動にも追従する。試料キャリアの表側からコンタクトケーブル6が、ねじ開口部54からのコンタクトの貫通案内部56を通って試料キャリア5の裏側に到達している。このコンタクトケーブル6は、蓋部4と回路基板7との間に導電接続を形成する。このためにケーブル6は、それぞれ対応するコンタクト箇所77a〜77hに接続されており、これらのコンタクト箇所77a〜77hから各導体路も、中心軸線55の付近に配置された複数のプラグコネクタ8のうちの1つへと延びている。このプラグコネクタ8を介して有利には多芯ケーブル又は線路束が接続される。この多芯ケーブル又は線路束は、その柔軟性に基づき、損傷することなく又はプラグコネクタから引き抜かれることなく試料ホイールの回転運動を許容することができる。しかしながら当業者は、このことが制限的にのみ可能であって、好ましくは回転方向への回転を次のステップにおいて他の方向への回転によって少なくとも部分的に補償すべき(+/−180°)であることを認識している。

0048

参照符号リスト
1バッテリ(ボタン電池)
2コイルばね
3 蓋部を保持するためのねじ
4 蓋部
41切欠部
42ビーム入射開口部
5試料キャリア
51 バッテリを収容するための凹部
52 凹部の底部に設けられたビーム出射用の開口部
53 蓋部を固定するねじのための開口部
54コンタクトしながら蓋部を固定するねじのための開口部
55 試料キャリアの中心軸線(図平面に対して垂直)
56 ねじから試料キャリアの裏側へのコンタクトの貫通案内部
57 試料キャリアを固定するためのねじ孔
6 試料キャリアの裏側との導電接続部としてのケーブル
7回路基板
71 回路基板のビーム出射開口部
72,73 回路基板の固定ねじのための開口部
74,75 中心軸線の近傍に設けられた、プラグコネクタのためのはんだ付け開口部
76a−h コイルばねのコンタクト箇所
77a−h 表側(蓋部)からの導電接続部のケーブルのコンタクト箇所
8プラグ(例えばモレックスプラグ)

0049

引用した非特許文献
“Advances in in situ powder diffraction of battery materials: a case study of the new beamline P02.1 at DESY, Hamburg”,M. Herklotz et al.著 Journal of Applied Crystallography, (2013). 46. 第1117-1127頁
Anton Paar社の2014年6月18時点のウェブサイト(http://www.anton-paar.com/?elD=documentsDownload&document= 2065&L=8),オンライン上の製品パンフレット:“Sample Stages for Non-ambient X-ray Diffraction”から“Multi-sample Chamber for ln-situ Transmission XRD under Controlled Humidity”

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