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技術 高ナノ細孔容積のベース押出物を有する中間留分水素化分解触媒

出願人 シェブロンユー.エス.エー.インコーポレイテッド
発明者 チャン、イーファメーセン、テオドラスリュドヴィカスミカエル
出願日 2015年4月21日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2016-563997
公開日 2017年7月6日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-518171
状態 特許登録済
技術分野 触媒 石油精製,液体炭化水素混合物の製造
主要キーワード リサイクル前 面積分布 水素効率 熱分解ユニット 中間ステージ 炭素質供給原料 減圧ガス シリンダー形状
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課題・解決手段

本発明は、非晶質シリカアルミナ(ASA)ベースアルミナ担体を含有する改良された水素化分解触媒に関する。ASAベースは高いナノ細孔容積と低い粒子密度を有することを特徴とする。アルミナ担体は、高いナノ細孔容積を有することを特徴とする。高いナノ細孔容積ASAベースとアルミナ担体を利用する水素化分解触媒は、従来のASAベースとアルミナ成分を含有する水素化分解触媒と比べて、改良された水素効率、及びより高い生成物収率品質を示す。

概要

背景

接触水素化処理は、望ましくない不純物を除去し及び/又は供給原料を改良された生成物転化するために、炭素質原料を、より高い温度と圧力にて水素及び触媒と接触させる石油精製プロセスを指す。

重質炭化水素供給原料は、大気条件下で液体半固体及び/又は固体であり得る。このような重質炭化水素系供給原料は、初期ASTMD86−12に準拠した600°F(316℃)以上の沸点を有し得る。

その水素化処理能に影響する供給原料特性には、有機窒素含有量、特に塩基性窒素含有量供給物沸騰範囲及び終点多環式芳香族含有量及び以前の処理履歴(即ち、熱分解に対する直留)が含まれる。

ガスオイル範囲で沸騰する重質炭化水素系油は、ヘテロ原子含有量、特に窒素(含有量)が高い場合がある。窒素含有量は、重質炭化水素系油の全重量に基づいて、約50ppmwから5000ppmw超過までの元素窒素の範囲であり得る。窒素含有化合物は、塩基性又は非塩基性窒素種として存在し得る。塩基性窒素種の例には、ピリジン類アルキル置換ピリジン類キノロン類アルキル置換キノロン類、アクリジン類、アルキル置換アクリジン類、フェニル及びナフサ置換アクリジン類が含まれる。非塩基性窒素種の例には、ピロール類、アルキル置換ピロール類、インドール類、アルキル置換インドール類、カルバゾール及びアルキル置換カルバゾール類が含まれる。

ガスオイル範囲で沸騰する重質炭化水素系油は、(重質炭化水素系油の全重量に基づいて、)約500ppmwから約100,000ppmwまでの元素硫黄の範囲にある硫黄含有量を有し得る。硫黄は、通常、有機的に結合した硫黄として存在する。このような硫黄化合物の例には、非限定的に、チオフェンテトラヒドロチオフェンベンゾチオフェン並びにそれらの高級同族体及び類似体を含む複素環式硫黄化合物のクラスが含まれる。他の有機的に結合した硫黄化合物には、脂肪族ナフテン系及び芳香族系のメルカプタンスルフィドジスルフィド及びポリスルフィドが含まれる。

ガスオイル範囲の供給物には、2つ以上の縮合環を有する多環式縮合炭化水素が含まれる。当該環は、飽和又は不飽和(芳香族)のいずれかであり得る。後者の場合、これらの多環式縮合炭化水素は、多核芳香族(PNA)又は多環芳香族炭化水素(PAH)とも称される。2つから6つの環を有する軽質PNAは、バージン減圧ガスオイルストリーム中に存在する。重質PNA(HPNA)には、一般的に、7から10の環が含有されるが、11の環又は少なくとも14環又はジコロニレン(15環)又はコロニレノバレン(17環)又は更に多くの環が含有され得る。

水素化分解は、灯油及びディーゼル等の、250から700°F(121から371℃)の範囲で沸騰する中間留分生成物を製造処理するのに使用される重要な精製プロセスである。水素化分解供給原料には、多量の有機硫黄及び窒素が含まれる。その硫黄及び窒素は、燃料仕様適合させるために除去しなければならない。

一般的に、従来の水素化分解触媒は、(1)結晶アルミノシリケート及び/又は非晶質シリカアルミナであり得る少なくとも1種の酸性成分;(2)アルミナチタニアシリカ等の結合剤、及び(3)周期表の6族及び8から10族、特にニッケルコバルトモリブデン及びタングステンから選択される1つ以上の金属から構成される。

水素化分解プロセスで起こる反応には、2つの広範なクラスがある。当該反応の最初のクラスには、窒素、硫黄、酸素、及び金属等の不純物を供給原料から除去する水素化処理が含まれる。当該反応の二番目のクラスには、水素の存在下で、炭素−炭素結合開裂又は水素化分解して、より低沸点の生成物を得る水素化分解が含まれる。

水素化分解触媒は二元機能性であり、水素化処理は、金属成分により提供される水素化機能により促進され、そして分解反応は、固体酸成分により促進される。両反応は、高圧水素の存在を必要とする。

水素化分解の間、重質炭化水素供給物の分子は、液体フィルムを形成し、そして触媒の活性部位カバーする。炭化水素中での水素の溶解度に限界があるため、水素化分解触媒押出物における水素の利用可能性が問題となっている。実際、重質炭化水素供給物が、最初に細孔を満たすので、その後、反応物である水素は、拡散により重質炭化水素供給物を通って細孔中の活性部位に接近しなければならない。従来の水素化分解触媒は、重質の、屈折性のより高い供給原料に関して、限定された水素の細孔への拡散性を示す。これにより、水素化分解触媒の水素化機能が阻害され、その結果、中間留分と品質の悪い未転化油(UCO)生成物が得られる。この問題は、水素化分解供給物がより不利になる場合、これらの供給物が、より多量の水素を水素化処理の間に消費し、細孔への拡散に利用できる水素が一層減少するので、より大きくなってくる。

従って、従来の水素化分解触媒と比べて、より高い程度の水素効率、及びより高い生成物の収率及び品質を示す水素化分解触媒に対する現在の必要性がある。

概要

本発明は、非晶質シリカ−アルミナ(ASA)ベースアルミナ担体を含有する改良された水素化分解触媒に関する。ASAベースは高いナノ細孔容積と低い粒子密度を有することを特徴とする。アルミナ担体は、高いナノ細孔容積を有することを特徴とする。高いナノ細孔容積ASAベースとアルミナ担体を利用する水素化分解触媒は、従来のASAベースとアルミナ成分を含有する水素化分解触媒と比べて、改良された水素効率、及びより高い生成物の収率と品質を示す。

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請求項1

少なくとも1種のモレキュラーシーブと、アルミナと、非晶質シリカアルミナ担体とを含むベース押出物であって、6nmから11nmの範囲に0.5から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する前記ベース押出物と、周期表6族及び8から10族の元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属と、を含む、水素化分解触媒

請求項2

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.1から0.3cc/gのナノ細孔容積を有するアルミナを使用して形成される、請求項1に記載の水素化分解触媒。

請求項3

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項2に記載の水素化分解触媒。

請求項4

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項1に記載の水素化分解触媒。

請求項5

前記ベース押出物が、2から50nmに0.7から1.2cc/gの全ナノ細孔容積を有する、請求項1に記載の水素化分解触媒。

請求項6

前記ベース押出物が、0.7から0.9cc/gの粒子密度を有する、請求項1に記載の水素化分解触媒。

請求項7

炭化水素系供給原料を、水素化分解条件下で水素化分解触媒に接触させて、水素化分解流出物を生成させることを含む、前記供給原料を水素化分解する方法であって、前記水素化分解触媒が、少なくとも1種のモレキュラーシーブと、アルミナと、非晶質シリカアルミナ担体とを含むベース押出物であって、0.5から0.9cc/gで6nmから11nmの範囲のナノ細孔容積を有する前記ベース押出物と、周期表6族及び8から10族の元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属と、を含む、方法。

請求項8

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.1から0.3cc/gのナノ細孔容積を有するアルミナを使用して形成される、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項7に記載の方法。

請求項11

前記ベース押出物が、2から50nmに0.7から1.2cc/gの全ナノ細孔容積を有する、請求項7に記載の方法。

請求項12

前記ベース押出物が、0.7から0.9cc/gの粒子密度を有する、請求項7に記載の方法。

請求項13

少なくとも1種のモレキュラーシーブと、アルミナと、非晶質シリカアルミナ担体とを含むベース押出物であって、2から50nmに0.7から1.2cc/gの全ナノ細孔容積を有する前記ベース押出物と、周期表6族及び8から10族の元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属と、を含む、水素化分解触媒。

請求項14

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.1から0.3cc/g、0.7から1.2cc/gのナノ細孔容積を有するアルミナを使用して形成される、請求項13に記載の水素化分解触媒。

請求項15

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項14に記載の水素化分解触媒。

請求項16

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項13に記載の水素化分解触媒。

請求項17

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.5から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する、請求項13に記載の水素化分解触媒。

請求項18

前記ベース押出物が、0.7から0.9cc/gの粒子密度を有する、請求項13に記載の水素化分解触媒。

請求項19

炭化水素系供給原料を、水素化分解条件下で水素化分解触媒に接触させて、水素化分解流出物を生成させることを含む、前記供給原料を水素化分解する方法であって、前記水素化分解触媒が、少なくとも1種のモレキュラーシーブと、アルミナと、非晶質シリカアルミナ担体とを含むベース押出物であって、2から50nmに0.7から1.2cc/gの全ナノ細孔容積を有する前記ベース押出物と、周期表6族及び8から10族の元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属と、を含む、方法。

請求項20

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.1から0.3cc/g、0.7から1.2cc/gのナノ細孔容積を有するアルミナを使用して形成される、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記ベース押出物が、0.6から0.9cc/gで6nmから11nmの範囲のナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項20に記載の方法。

請求項22

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項19に記載の方法。

請求項23

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.5から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する、請求項19に記載の方法。

請求項24

前記ベース押出物が、0.7から0.9cc/gの粒子密度を有する、請求項19に記載の方法。

請求項25

少なくとも1種のモレキュラーシーブと、アルミナと、非晶質シリカアルミナ担体とを含むベース押出物であって、0.7から0.9cc/gの粒子密度を有する前記ベース押出物と、周期表6族及び8から10族の元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属と、を含む、水素化分解触媒。

請求項26

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.1から0.3cc/gのナノ細孔容積を有するアルミナを使用して形成される、請求項25に記載の水素化分解触媒。

請求項27

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項26に記載の水素化分解触媒。

請求項28

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項25に記載の水素化分解触媒。

請求項29

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.5から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する、請求項25に記載の水素化分解触媒。

請求項30

前記ベース押出物が、2から50nmに0.7から1.2cc/gの全ナノ細孔容積を有する、請求項25に記載の水素化分解触媒。

請求項31

炭化水素系供給原料を、水素化分解条件下で水素化分解触媒に接触させて、水素化分解流出物を生成させることを含む、前記供給原料を水素化分解する方法であって、前記水素化分解触媒が、少なくとも1種のモレキュラーシーブと、アルミナと、非晶質シリカアルミナ担体とを含むベース押出物であって、0.7から1.9cc/gの粒子密度を有する前記ベース押出物と、周期表6族及び8から10族の元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属と、を含む、方法。

請求項32

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.1から0.3cc/gのナノ細孔容積を有するアルミナを使用して形成される、請求項31に記載の方法。

請求項33

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項32に記載の方法。

請求項34

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される、請求項31に記載の方法。

請求項35

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.5から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する、請求項31に記載の方法。

請求項36

前記ベース押出物が、2nmから50nmに0.7から1.2cc/gの全ナノ細孔容積を有する、請求項31に記載の方法。

請求項37

少なくとも1種のモレキュラーシーブと、アルミナと、非晶質シリカアルミナ担体とを含むベース押出物であって、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される前記ベース押出物と、周期表6族及び8から10族の元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属と、を含む、水素化分解触媒。

請求項38

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.1から0.3cc/gのナノ細孔容積を有するアルミナを使用して形成される、請求項37に記載の水素化分解触媒。

請求項39

前記ベース押出物が、0.7から0.9cc/gの粒子密度を有する、請求項37に記載の水素化分解触媒。

請求項40

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.5から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する、請求項37に記載の水素化分解触媒。

請求項41

前記ベース押出物が、2から50nmに0.7から1.2cc/gの全ナノ細孔容積を有する、請求項37に記載の水素化分解触媒。

請求項42

炭化水素系供給原料を、水素化分解条件下で水素化分解触媒に接触させて、水素化分解流出物を生成させることを含む、前記供給原料を水素化分解する方法であって、前記水素化分解触媒が、少なくとも1種のモレキュラーシーブと、アルミナと、非晶質シリカアルミナ担体とを含むベース押出物であって、6nmから11nmの範囲に0.6から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する非晶質シリカアルミナ担体を使用して形成される前記ベース押出物と、周期表6族及び8から10族の元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属と、を含む、方法。

請求項43

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.1から0.3cc/gのナノ細孔容積を有するアルミナを使用して形成される、請求項42に記載の方法。

請求項44

前記ベース押出物が、0.7から0.9cc/gの粒子密度を有する、請求項42に記載の方法。

請求項45

前記ベース押出物が、6nmから11nmの範囲に0.5から0.9cc/gのナノ細孔容積を有する、請求項42に記載の方法。

請求項46

前記ベース押出物が、2から50nmに0.7から1.2cc/gの全ナノ細孔容積を有する、請求項42に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、高ナノ細孔容積(HNPV)の非晶質シリカアルミナ(ASA)成分をHNPVアルミナ担体組合せて含有する改良された水素化分解触媒に関する。更に、HNPV ASA成分は、低粒子密度を有することを特徴とする。HNPV ASA成分とHNPVアルミナ担体は組合わされて、本発明に係る最終的な改良された水素化分解触媒を製造するのに適したHNPVベース押出物(HNPV base extrudate)を形成する。

0002

HNPVASA成分をHNPVアルミナ担体と組合せて利用する最終的な水素化分解触媒は、従来の水素化分解触媒と比べて、改良された水素効率、並びにより高い生成物収率及び品質を示す。

背景技術

0003

接触水素化処理は、望ましくない不純物を除去し及び/又は供給原料を改良された生成物に転化するために、炭素質原料を、より高い温度と圧力にて水素及び触媒と接触させる石油精製プロセスを指す。

0004

重質炭化水素供給原料は、大気条件下で液体半固体及び/又は固体であり得る。このような重質炭化水素系供給原料は、初期ASTMD86−12に準拠した600°F(316℃)以上の沸点を有し得る。

0005

その水素化処理能に影響する供給原料特性には、有機窒素含有量、特に塩基性窒素含有量供給物沸騰範囲及び終点多環式芳香族含有量及び以前の処理履歴(即ち、熱分解に対する直留)が含まれる。

0006

ガスオイル範囲で沸騰する重質炭化水素系油は、ヘテロ原子含有量、特に窒素(含有量)が高い場合がある。窒素含有量は、重質炭化水素系油の全重量に基づいて、約50ppmwから5000ppmw超過までの元素窒素の範囲であり得る。窒素含有化合物は、塩基性又は非塩基性窒素種として存在し得る。塩基性窒素種の例には、ピリジン類アルキル置換ピリジン類キノロン類アルキル置換キノロン類、アクリジン類、アルキル置換アクリジン類、フェニル及びナフサ置換アクリジン類が含まれる。非塩基性窒素種の例には、ピロール類、アルキル置換ピロール類、インドール類、アルキル置換インドール類、カルバゾール及びアルキル置換カルバゾール類が含まれる。

0007

ガスオイル範囲で沸騰する重質炭化水素系油は、(重質炭化水素系油の全重量に基づいて、)約500ppmwから約100,000ppmwまでの元素硫黄の範囲にある硫黄含有量を有し得る。硫黄は、通常、有機的に結合した硫黄として存在する。このような硫黄化合物の例には、非限定的に、チオフェンテトラヒドロチオフェンベンゾチオフェン並びにそれらの高級同族体及び類似体を含む複素環式硫黄化合物のクラスが含まれる。他の有機的に結合した硫黄化合物には、脂肪族ナフテン系及び芳香族系のメルカプタンスルフィドジスルフィド及びポリスルフィドが含まれる。

0008

ガスオイル範囲の供給物には、2つ以上の縮合環を有する多環式縮合炭化水素が含まれる。当該環は、飽和又は不飽和(芳香族)のいずれかであり得る。後者の場合、これらの多環式縮合炭化水素は、多核芳香族(PNA)又は多環芳香族炭化水素(PAH)とも称される。2つから6つの環を有する軽質PNAは、バージン減圧ガスオイルストリーム中に存在する。重質PNA(HPNA)には、一般的に、7から10の環が含有されるが、11の環又は少なくとも14環又はジコロニレン(15環)又はコロニレノバレン(17環)又は更に多くの環が含有され得る。

0009

水素化分解は、灯油及びディーゼル等の、250から700°F(121から371℃)の範囲で沸騰する中間留分生成物を製造処理するのに使用される重要な精製プロセスである。水素化分解供給原料には、多量の有機硫黄及び窒素が含まれる。その硫黄及び窒素は、燃料仕様適合させるために除去しなければならない。

0010

一般的に、従来の水素化分解触媒は、(1)結晶アルミノシリケート及び/又は非晶質シリカアルミナであり得る少なくとも1種の酸性成分;(2)アルミナ、チタニアシリカ等の結合剤、及び(3)周期表の6族及び8から10族、特にニッケルコバルトモリブデン及びタングステンから選択される1つ以上の金属から構成される。

0011

水素化分解プロセスで起こる反応には、2つの広範なクラスがある。当該反応の最初のクラスには、窒素、硫黄、酸素、及び金属等の不純物を供給原料から除去する水素化処理が含まれる。当該反応の二番目のクラスには、水素の存在下で、炭素−炭素結合開裂又は水素化分解して、より低沸点の生成物を得る水素化分解が含まれる。

0012

水素化分解触媒は二元機能性であり、水素化処理は、金属成分により提供される水素化機能により促進され、そして分解反応は、固体酸成分により促進される。両反応は、高圧水素の存在を必要とする。

0013

水素化分解の間、重質炭化水素供給物の分子は、液体フィルムを形成し、そして触媒の活性部位カバーする。炭化水素中での水素の溶解度に限界があるため、水素化分解触媒押出物における水素の利用可能性が問題となっている。実際、重質炭化水素供給物が、最初に細孔を満たすので、その後、反応物である水素は、拡散により重質炭化水素供給物を通って細孔中の活性部位に接近しなければならない。従来の水素化分解触媒は、重質の、屈折性のより高い供給原料に関して、限定された水素の細孔への拡散性を示す。これにより、水素化分解触媒の水素化機能が阻害され、その結果、中間留分と品質の悪い未転化油(UCO)生成物が得られる。この問題は、水素化分解供給物がより不利になる場合、これらの供給物が、より多量の水素を水素化処理の間に消費し、細孔への拡散に利用できる水素が一層減少するので、より大きくなってくる。

0014

従って、従来の水素化分解触媒と比べて、より高い程度の水素効率、及びより高い生成物の収率及び品質を示す水素化分解触媒に対する現在の必要性がある。

発明が解決しようとする課題

0015

本発明は、HNPVASA成分をHNPVアルミナ担体と組合せて含有する改良された最終的な水素化分解触媒に関する。ASAベースは、低い粒子密度を有することを特徴とする。本発明の触媒中で利用されるHNPV ASA成分は、従来のASAと比べて、より狭い細孔サイズ分布を有することを特徴とし、そしてアルミナ担体は、従来の水素化分解触媒にて使用されるアルミナベースと比べて、より広い細孔サイズ分布を有することを特徴とする。

0016

6から11nmの範囲により高いナノ細孔容積を有するASA及びアルミナ材料を利用することにより、ベース押出物がより低い粒子密度を示すことが分かった。ベース押出物の粒子密度がより低いので、最終的な水素化分解触媒に対して、従来の粒子密度を維持しつつ、金属担持量を増加させることができる。HNPVASA成分とHNPVアルミナ担体の新規な組合せの使用を利用する最終的な水素化分解触媒は、従来のASAとアルミナ成分を含有する従来の水素化分解触媒と比べて、改良された水素効率、及びより高い生成物の収率及び品質を示す。ASAとアルミナ担体の独特な組合せにより、不利な供給原料を水素化処理するのに特に適した最終的な水素化分解触媒が得られる。

課題を解決するための手段

0017

導入
「周期表」は、IUPAC元素周期表の2007年6月22日付けの版を指し、そして周期表の族の番号付け体系は、Chemical and EngineeringNews、63(5)巻、27頁(1985年)に記載されている通りである。

0018

「水素化処理」又は「水素化転化」は、炭素質供給原料を、望ましくない不純物を除去し及び/又は供給原料を望ましい生成物に転化するために、より高い温度及び圧力にて水素及び触媒と接触させるプロセスを指す。このようなプロセスには、非限定的に、メタン生成水性ガスシフト反応、水素化、水素化精製水素化脱硫水素化脱窒素、水素化脱金属、水素化脱芳香族化合物水素化異性化水素化脱ロウ及び選択的水素化分解を含む水素化分解が含まれる。水素化処理の種類及び反応条件に応じて、水素化処理の生成物は、改良された粘度、粘度指数飽和物含有量低温特性揮発性及び脱分極性等の改良された物理的特性を示すことができる。

0019

「水素化分解」は、水素化及び脱水素化が、炭化水素の分解/断片化、例えば、より重質の炭化水素をより軽質の炭化水素に転化すること、又は芳香族化合物及び/又はシクロパラフィン(ナフテン)を非環式枝分かれパラフィンに転化することを伴うプロセスを指す。

0020

カラム」は、蒸留カラム又は供給原料を異なるカットポイントを有する1つ以上の分画に分離するカラムを指す。

0021

「カットポイント」は、分離が所定の程度に到達する「真沸点(「TBP」)曲線(即ち、重質還流塔中で除去された供給物のパーセント対その除去を達成するために到達した温度のバッチプロセス曲線)上の温度を指す。

0022

「真沸点」(TBP)は、ASTMD2887−13により測定される供給物の沸点を指す。

0023

「底分画」は、非気化(即ち、残留物)分画として、供給原料から分留によって分離された重質分画を意味する。

0024

「水素化分解重質分画」は、水素化分解を受けた後の重質分画を意味する。

0025

「炭化水素系」は、水素と炭素原子を含有する化合物又は物質を意味するが、酸素、硫黄又は窒素等のヘテロ原子を含むことができる。

0026

「中間留分」には、ジェット燃料ディーゼル燃料、及び灯油が含まれる。

0027

LHSV」は、液空間速度を意味する。

0028

「SCF/BBL」(若しくはscf/bbl、又はscfb若しくはSCFB)は、炭化水素供給物の1バレル当たりのガス(N2、H2等)の標準立方フィートの単位を指す。

0029

「ナノ細孔」は2nm及び50nmの間の直径を有する細孔を意味する。

0030

許可される場合、本出願で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願は、その全体を本明細書中に、このような開示が本発明に矛盾しない程度に、参照により援用する。

0031

特に明記しない限り、個々の成分又は成分の混合物を選択することができる元素、材料又は他の成分の属の列挙は、列挙した成分及びそれらの混合物の全ての可能な亜属の組合せを含むことを意図する。また、「含む(include)」及びその変形は、列挙中の項目の引用により、本発明の材料、組成物及び方法において有用であり得る他の類似の項目も排除されないように、非限定的であることを意味する。

0032

特に明記しない限り、本明細書に記載の全ての数値範囲には、範囲について記載した下限値と上限値が含まれる。

0033

本明細書に記載した材料の特性は、以下のように測定される:
(a)拘束指数(constrained index:CI):900°F(482℃)、0.68WHSVにてサンプル触媒によりn−ヘキサンと3−メチルペンタンの50/50の混合物の全分解転化率を示す。サンプルは、2006年6月20日に発行されたZonesとBurtonの米国特許第7,063,828号に記載の方法に従って調製される。
(b)ブレンステッド酸性度:T.J.Gricus Kofke、R.K. Gorte、W.E.Farneth、J. Catal.114巻、34〜45頁、1988年;T.J.Gricus Kifke、R.J.Gorte、G.T. Kokotailo、J.Catal.115巻、265〜272頁、1989年; J.G. Tittensor、R.J.GorteとD.M.Chapman、J.Catal.138巻、714〜720頁、1992年により公開された記述に適合したイソプロピルアミン昇温脱離(IPamTPD)により測定される。
(c)SiO2/Al2O3比(SAR):ICP元素分析によって測定される。無限大(∞)のSARは、ゼオライト中にアルミニウムが存在しない場合、即ち、シリカ対アルミナモル比が、無限大となる場合を表す。その場合、モレキュラーシーブ(molecular sieve)は、本質的に全てがシリカから構成される。
(d)表面積沸騰温度におけるN2吸着により測定される。SET表面積は、P/P0=0.050、0.088、0.125、0.163、及び0.200にて、5ポイント法により計算される。サンプルは、水又は有機物のような吸着揮発分を除去するために、乾燥N2の流れの存在下で、400℃にて6時間、最初に前処理される。
(e)ナノ細孔及びミクロ細孔の容積:沸騰温度におけるN2吸着により測定される。ミクロ細孔容積は、P/P0=0.050、0.088、0.125、0.163、及び0.200にて、t-プロット法により計算される。サンプルは、水または有機物のような吸着揮発分を除去するために、乾燥N2の流れの存在下で、400℃にて6時間、最初に前処理される。
(f)ナノ細孔径:その沸騰温度におけるN2吸着により測定される。メソ細孔細孔径は、E.P.Barrett、L.G.Joyner及びP.P.Halendaの「多孔質物質細孔容積面積分布の測定.1.窒素等温線からコンピュータを使用した計算.」J.Am.Chem.Soc.73巻、373から380頁、1951年に記載のBJH法によるN2等温線から計算される。サンプルは、水又は有機物のような吸着揮発分を除去するために、乾燥N2の流れの存在下で、400℃にて6時間、最初に前処理される。
(g)全ナノ細孔容積:P/P0=0.990にて沸騰温度におけるN2吸着により測定される。サンプルは、水又は有機物のような吸着揮発分を除去するために、乾燥N2の流れの存在下で、400℃にて6時間、最初に前処理される。
(h)ユニットセルサイズ:X線粉末回折により測定される。
(i)アルファ値:Mobil Alpha試験(P.B.Weisz及びJ.N.MialeによるJ.Catal、4,527〜529頁,1965年;J.N.Miale、N.Y.Chen及びP.B.WeiszによるJ.Catal.、6,278〜87頁、1966年)の公開された説明に適合したアルファ試験により測定される。
「アルファ値」は、標準シリカアルミナサンプルの分解速度で割った問題のサンプルの分解速度として算出される。得られる「アルファ」は、一般的に、酸部位の数と相関する酸分解活性尺度である。
(j)API比重:ASTMD4052-11により測定される、水と比較した「石油供給原料/生成物」の比重(gravity)。
(k)多環指数PCI:polycyclic index):ASTM D6397-11によって測定される。
(l)粘度指数(VI):経験的な、無単位数は、油の動粘度に関する温度変化の影響を示す。基油のVIが高くなるにつれて、温度と共に粘度が変化する傾向が低くなる。ASTM 2270−04により測定。
(m)粘度:ASTM D445により測定される流れに対する流体抵抗の尺度。
(n)緩め嵩密度:ASTM D7481によって測定される緩めの条件における粉末又は押出物の単位体積当たりの重量。
(o)水の細孔容積:1グラムの触媒がその細孔内に保持することができる水の量を測定する試験方法。150mlのビーカープラスチック)中に5から10グラムのサンプル(又はエンジニアによって特定された量)を量する。サンプルを覆うのに十分な脱イオン水を添加する。1時間浸漬する。1時間後、殆どの水が除去され、液体をデカントし、ペーパータオルに過剰の水を吸収させることにより過剰の水を除去する。プラスチックビーカーの壁に見える液滴がなくなるまで、ペーパータオルを取り替える。ビーカーをサンプルと共に秤量する。細孔容積を以下のように計算する:F−I=W*
F=サンプルの最終的な重量
I=サンプルの最初の重量
W*=サンプル中の水の重量又は容積
PV=W*/I(単位はcc/gmである。)
(p)酸位密度:材料のブレンステッド酸部位分布定量化するためのイソプロピルアミン(IPAm)の昇温脱離(temperature−programmed desorption:TPD)については、MaesenとHertzenbergによりJournal of Catalysis 182巻,270〜273頁(1999年)に記載されている。
(q)粒子密度:粒子密度は、式D=M/Vを適用することにより得られる。Mは触媒サンプルの重量であり、そしてVはその容積である。容積は、28mmHgの減圧下でサンプルを水銀中に浸漬することによる容積変異量を測定することにより測定される。
水素化分解触媒組成物

0034

水素化分解法を行う際に使用される触媒には、高いナノ細孔容積(HNPV)及び低い粒子密度を有することを特徴とする非晶質シリカ−アルミナ(ASA)成分、HNPVアルミナ担体、1つ以上の金属、1つ以上のモレキュラーシーブ、並びに任意選択的に1つ以上の促進剤が含まれる。最終的な水素化分解触媒の嵩乾燥重量に基づく最終的な触媒の組成物を、以下の表1に記載する。

0035

本明細書に記載した各実施態様の場合、HNPVASA成分は、低粒子密度を有することを特徴とする。加えて、本発明の触媒中で利用されるHNPV ASA成分は、従来のASA材料と比べて、より狭い細孔サイズ分布を有することを特徴とする。アルミナ担体は、従来の水素化分解触媒中で使用されるアルミナベースと比べて、より広い細孔サイズ分布を有することを特徴とする。

0036

本発明の最終的な水素化分解触媒を製造する際に使用されるHNPVASA成分は、0.6から0.9cc/gのNPV(6nm〜11nm)を有するであろう。

0037

本発明の最終的な水素化分解触媒を製造する際に使用されるHNPVアルミナ押出物は、0.1から0.3cc/gのNPV(6nm〜11nm)を有するであろう。

0038

HNPVASA成分及びHNPVアルミナ担体を組合せて、本発明の最終的な改良された水素化分解触媒における金属担持量を増加するのに適したHNPVベース押出物を形成する。本明細書で使用されるようなHNPVベース押出物の用語は、ベース押出物が、従来のASA及びアルミナ材料を含有する従来のベースよりも大きい全ナノ細孔容積を有することを意味する。本発明の最終的な水素化分解触媒を製造するのに使用されるHNPVベース押出物は、0.1から1.0cc/gのNPV(6nm〜11nm)を有するであろう。

0039

6から11nmの範囲内に、より高いナノ細孔容積を有するASAとアルミナ材料を利用することにより、ベース押出物は、より低い粒子密度を示すことがわかった。より低いベース押出物粒子密度により、最終的な水素化分解触媒に対して、従来の粒子密度を維持しつつ、金属担持量を増加させることができる。

0040

本発明のHNPVベース押出物を使用して製造される最終的な水素化分解触媒は、従来のASAとアルミナ成分を含有する従来の水素化分解触媒と比べて、改良された水素効率、並びにより高い生成物の収率及び品質を示す。

0041

本発明の水素化分解触媒中で有用なHNPVASA成分及びHNPVアルミナ担体成分、並びにこれらの成分から形成されるベース押出物は、以下の表2及び3にそれぞれ記載される特徴を有することを特徴とする。

0042

本明細書中に記載した各実施態様の場合、最終的な水素化分解触媒中のHNPVASA成分の量は、水素化分解触媒の嵩乾燥重量に基づいて、15重量%から85重量%である。一のサブ実施態様では、水素化分解触媒中のHNPV ASA成分の量は、最終的な水素化分解触媒の嵩乾燥重量に基づいて、25重量%から75重量%である。

0043

本明細書中に記載した各実施態様の場合、水素化分解触媒には、BEA−、ISV−、BEC−、IWR−、MTW−、*STO−、OFF−、MAZ−、MOR−、MOZ−、AFI−、*NRE、SSY−、FAU−、EMT−、ITQ−21−、ERT−、ITQ−33−、及びITQ−37−型のモレキュラーシーブ、並びにそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上のモレキュラーシーブが含まれる。

0044

一のサブ実施態様では、FAU骨格トポロジーを有するモレキュラーシーブ、BEA骨格トポロジーを有するモレキュラーシーブ、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上のモレキュラーシーブ。

0045

最終的な水素化分解触媒中のモレキュラーシーブ材料の量は、水素化分解触媒の嵩乾燥重量に基づいて、0.1重量%から75重量%である。一サブ実施態様では、最終的な水素化分解触媒中のモレキュラーシーブ材料の量は、1重量%から8重量%である。

0046

最終的な触媒には、任意選択的に、使用することができる非ゼオライトモレキュラーシーブが含有されてもよいが、それには、例えば、シリコアルミノスフファート(SAPO)、フェロアルミノホスフファート、チタンアルミノホスフファート及び米国特許第4,913,799号及びそこに引用された参考文献に記載の種々のELAPOモレキュラーシーブが含まれる。種々の非ゼオライトモレキュラーシーブの調製に関する詳細は、米国特許第5,114,563号(SAPO)、米国特許第4,913,799号及び米国特許第4,913,799号で引用された種々の参考文献中に見出すことができる。メソ細孔モレキュラーシーブも使用することができ、例えば、M41Sファミリーの材料(J.Am.Chem.Soc.,114:10834 10843(1992年))、MCM−41(米国特許第5,246,689号、第5,198,203号、第5,334,368号)、及びMCM−48(Kresgeら、Nature359:710(1992年))である。

0047

一のサブ実施態様では、モレキュラーシーブは、24.15Å〜24.45Åのユニットセルサイズを有するYゼオライトである。別のサブ実施態様では、モレキュラーシーブは、24.15Å〜24.35Åのユニットセルサイズを有するYゼオライトである。別のサブ実施態様では、モレキュラーシーブは、5未満のアルファ値と1から40のブレンステッド酸性度を有する低い酸性度、高い脱アルミナ化超安定性Yゼオライトである。一サブ実施態様では、モレキュラーシーブは、以下の表4に記載の特性を有するYゼオライトである。

0048

別のサブ実施態様では、モレキュラーシーブは、以下の表5に記載の特性を有するYゼオライトである。

0049

本明細書中で上記したように、本発明の最終的な水素化分解触媒には、1つ以上の金属が含有される。本明細書中に記載した各実施態様の場合、利用される各金属は、周期表の6族及び8から10族の元素及びこれらの混合物からなる群から選択される。一のサブ実施態様では、各金属は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及びこれらの混合物からなる群から選択される。別のサブ実施態様では、水素化分解触媒には、周期表の少なくとも1種の6族の金属及び8から10族から選択される少なくとも1種の金属が含有される。例示的な金属の組合せには、Ni/Mo/W、Ni/Mo、Ni/W、Co/Mo、Co/W、Co/W/Mo及びNi/Co/W/Moが含まれる。

0050

最終的な水素化分解触媒中の金属酸化物材料の全量は、水素化分解触媒の嵩乾燥重量に基づいて、15重量%から55重量%である。一のサブ実施態様では、水素化分解触媒には、水素化分解触媒の嵩乾燥重量に基づいて、30重量%から50重量%の酸化ニッケル及び15重量%から25重量%の酸化タングステンが含有される。

0051

本発明の最終的な水素化分解触媒には、リン(P)、ホウ素(B)、フッ素(F)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の促進剤が含有され得る。水素化分解触媒中の促進剤の量は、水素化分解触媒の嵩乾燥重量に基づいて、0重量%から15重量%である。一サブ実施態様では、水素化分解触媒中の促進剤の量は、水素化分解触媒の嵩乾燥重量に基づいて、1重量%から5重量%である。
水素化分解触媒の調製

0052

一般に、本発明の水素化分解触媒は、以下の(a)から(c)の段階により調製される:
(a)HNPVASAとHNPVアルミナ担体を、少なくとも1種のモレキュラーシーブと担体に混合し且つペパタイズ(pepertizing)して、押出物ベースを作成する段階;
(b)前記ベースを、少なくとも1種の金属を含有する金属含浸溶液含浸する段階;及び
(c)前記金属担持押出物を乾燥及びか焼に供することを含む、前記押出物を後処理する段階。

0053

含浸前に、押出物ベースを90℃と150℃(194°Fと302°F)の間の温度で1から12時間乾燥し、その後、350℃と700℃(662°Fと1292°F)の間の温度かそれ以上の温度でか焼する。

0054

含浸溶液を、金属前駆体を脱イオン水に溶解することにより作成する。その溶液の濃度を、担体の細孔容積と金属担持量により決定した。典型的な含浸の間、担体を、含浸溶液に0.1から10時間暴露する。更なる0.1から10時間の浸漬の後、触媒を、38℃と149℃(100°Fと300°F)の範囲内の温度かそれ以上の温度で0.1から10時間乾燥する。触媒は、316℃と649℃(600°Fと1200°F)の範囲内の温度かそれ以上の温度で十分な空気流れの存在下で、0.1から10時間、更にか焼する。

0055

一実施態様では、含浸溶液には、少なくとも1種の金属の析出を促進するための改質剤が更に含有される。改質剤及びこのような改質剤を使用して水素化分解触媒を作成する方法は、2011年1月6日及び2011年6月9日に公開されたZhanらの米国特許第20110000824号と第20110132807号にそれぞれ開示されている。
水素化分解の概要

0056

本発明の水素化分解触媒は、例えば、ビスブロークン(visbroken)ガスオイル、重質コーカーのガスオイル、残油水素化分解又は残油脱硫から誘導されるガスオイル、他の熱分解オイル脱アスファルト油フィッシャートロプシュ誘導供給原料FCCユニットからのサイクル油、重質石炭由来蒸留物石炭ガス化副生成物タール、及び重質シェール由来のオイル、有機系廃油、例えばパルプ製紙工場又は廃バイオマス熱分解ユニットからのもの等の、従来の1つ又は2つのステージの水素化分解プロセスを使用して中間留分を生成することには、通常は繋がらない不利な供給原料を含む種々の炭化水素系供給原料を水素化するのに適している。

0057

以下の表6には、本発明の触媒を使用して中間留分を製造するのに適した供給原料の典型的な物理的特性を示し、そして表7には、典型的な水素化分解プロセスの条件を示す。

0058

水素化処理供給物を導入する前に、触媒を、硫化剤を含有する石油の液体に、200°Fから800°F(66℃から482℃)の温度で、1時間から7日の間、100kPaから25,000kPaのH2含有ガス圧下で接触させることにより活性化する。好適な硫化剤には、元素硫黄、硫化アンモニウムアンモニウムポリスルフィド([(NH4)2SX)、チオ硫酸アンモニウム((NH4)2S2O3)、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、チオ尿素CSN2H4、二硫化炭素ジメチルジスルフィドDMDS)、硫化ジメチルDMS)、ジブチルポリスルフィド(DBPS)、メルカプタン、ターシャリーブチルポリスルフィド(PSTB)、ターシャリーノニルポリスルフィド(PSTN)、含水硫化アンモニウムが含まれる。

0059

上記のように、HNPVASA成分とHVPVアルミナ担体の新規な組合せを使用することを利用する最終的な水素化分解触媒は、従来のASAとアルミナ成分を含有する従来の水素化分解触媒と比べて、改良された水素効率、及びより高い生成物の収率と品質を示す。ASAとアルミナ担体のこの独特な組合せにより、不利な供給原料を水素化処理するのに特に適した最終的な水素化分解触媒が得られる。

0060

供給原料、目標とする生成物のスレート及び利用可能な水素の量に応じて、本発明の触媒は、単独で、又は他の従来の水素分解触媒との組合せで使用することができる。

0061

一実施態様では、触媒は、単一のステージの水素化分解ユニットにおける1つ以上の固定床に、リサイクル貫流式)は有るか又は無しで配置される。任意選択的に、単一のステージの水素化分解ユニットは、並行的に操作される多くの単一のステージのユニットを利用するものであってもよい。

0062

別の実施態様では、触媒は、2つのステージの水素化分解ユニットにおける1つ以上の床及びユニットに、中間ステージの分離は有るか又は無しでそしてリサイクルは有るか又は無しで配置される。2つのステージの水素化分解ユニットを、十分に転化する構成(水素化精製及び水素化分解の全てがリサイクルにより水素化分解ループ内で達成されることを意味する)を使用して操作することができる。この実施態様では、第2ステージの水素化分解段階前又蒸留塔底物が第1及び/又は第2ステージに戻るリサイクル前に、生成物を除去するために、水素化分解ループ内で1つ以上の蒸留ユニットを利用することができる。

0063

2つのステージの水素化分解ユニットは、部分的に転化する構成(1つ以上の蒸留ユニットが、更なる水素化処理のために入ってくる1つ以上のストリームを除去するために、水素化分解ループ内に配置されることを意味する)でも操作することができる。この方法で水素化分解ユニットを操作することにより、精油所にて、多核芳香族、窒素及び硫黄種(これらは、水素化触媒失活させる)等の望ましくない供給物成分を、これらの成分を処理するのにより適した装置、例えばFCCユニットによる処理のために、水素化分解ループから出すことにより、非常に不利な供給原料を水素化処理することができる。

0064

一実施態様では、触媒は、以下の(a)から(e)の段階により、第1ステージ及び任意選択的に、部分的に転化する第2ステージで使用されるが、2つのステージの水素化分解の構成は、少なくとも1種の中間留分及び重質減圧ガス(オイル)流体接触触媒供給原料を作成するのに非常に適している:
(a)炭化水素系供給原料を水素化分解して第1ステージの水素化分解流出物を生成する段階;
(b)水素化分解供給原料を常圧蒸留により蒸留して、少なくとも1種の中間留分分画と大気圧塔底分画を形成する段階;
(c)常圧塔底分画を減圧蒸留により更に蒸留して、サイドカット減圧ガスオイル分画と重質減圧ガスオイルFCC供給原料を形成する段階;
(d)サイドカット減圧ガスオイル分画を水素化分解して、第2ステージ水素化分解流出物を形成する段階;及び
(e)第2ステージ水素化分解流出物を第1ステージ水素化分解流出物に組合せる段階。

0065

上記の精油所の構成には、従来の2つのステージの水素化分解スキームを超える幾つかの利点がある。第1に、この構成では、第1ステージの触媒と操作条件を、確立された市販仕様に適合するFCC生成物を生成するのに必要な最低限の供給物の品質のみを有するHVGO FCCストリームを生成するように選択する。これは、第1ステージの水素化分解ユニットが、蒸留物の収率を最大にするのに必要な厳しい条件で操作され、それにより、より厳しい条件(それは、より多くの水素を必要とし、そして触媒の寿命を短くする。)で操作すべきユニットを必要とするする従来の2つのステージの水素化分解スキームとは対照的である。

0066

第2に、第2ステージの水素化分解ユニットに送られるサイドカットVGOは、従来の第2ステージの水素化分解供給物よりも水素化分解がよりクリーンで且つより容易である。従って、より高品質の中間蒸留生成物を、より容積の小さい第2ステージの水素化分解触媒を使用して達成することができ、それにより、より小さい水素化分解反応装置を建設することができ、そして水素の消費量をより少なくすることができる。第2ステージの水素化分解ユニットの構成により、建設費が低減し、触媒充填費用と操作費用がより少なくなる。
生成物

0067

本発明のプロセスは、約380から700°F(193から371℃)の範囲で沸騰する中間留分分画の生成に特に有用である。中間留分の成分の少なくとも75容量%、好ましくは、少なくとも85容量%は、380°F(193℃)より高い標準沸点を有する。中間留分の成分の少なくとも約75容量%、好ましくは、少なくとも85容量%は、700°F(371℃)よりも低い標準沸点を有する。

0068

ガソリン又はナフサも、本発明のプロセスで生成することができる。ガソリン又はナフサは、380°F(193℃)未満の範囲で標準的に沸騰するが、C5炭化水素の沸点より上で沸騰し、そしてC5炭化水素の沸点から400°F(204℃)の沸騰範囲を指す場合もある。特定の精油所で回収された種々の生成物の分画の沸騰範囲は、原油供給源の特徴、地方の精油所市場及び生成物価格等の要因と共に変化するであろう。

0069

以下の例は、説明に役立つが、本発明を限定しない。

0070

例1
触媒A1とA2(6%のUSY)の調製
USY/ASA/アルミナを含有する従来の触媒A1の調製は、以下の手順に従って、行われた。9重量%のUSY(Zeolyst)、75重量%のASA粉末(SasolのSiral−40)、及び16重量%の擬ベーマイトアルミナ(SasolのCATAPAL B)粉末を十分に混合した。この混合物に、希釈したHNO3酸水溶液(1重量%)を添加して、押出可能なペーストを形成した。このペーストを1/16”シリンダー形状で押出し、そして266°F(130℃)で一晩乾燥した。乾燥したベース押出物を1184°F(640℃)で1時間、過剰な乾燥空気パージしながらか焼し、そして室温に冷却した。

0071

NiとWの含浸を、メタタングステン酸アンモニウム硝酸ニッケルを、最終的な触媒の嵩乾燥重量に基づいて、3.8重量%のNiOと25.3重量%のWO3の目標とする金属担持量に等しい濃度で含有する溶液を使用して行った。その後、押出物を250°F(121℃)で1時間、そして350°F(177℃)で1時間、乾燥した。その後、乾燥した押出物を950°F(510℃)で1時間、過剰な乾燥空気をパージしながらか焼し、そして室温に冷却した。

0072

本発明の触媒A2を、75重量%のHNPVASA粉末、16重量%のHNPV担持材料及び9重量%のUSY(Zeolyst)を使用してベース押出物を作成し、NiとWの担持量を4.8重量%のNiOと29.6重量%のWO3に調整したことを除いて、触媒A1に使用したのと同じ手順を行うことにより調製した。
触媒B1とB2(4%のUSY)の調製

0073

従来の触媒B1を、混合物を、5.7重量%のUSY、71.3重量%のシリカ−アルミナ(SasolのSiral−40)及び23重量%の擬ベーマイトアルミナ粉末(SasolのCATAPAL B)を使用することにより調製したことを除いて、触媒A1に使用したのと同じ手順を行うことにより調製した。ベース押出物を120℃(248℃)で1時間乾燥し、そして1100°F(593℃)で1時間か焼した。NiとWの含浸を、メタタングステン酸アンモニウムと硝酸ニッケルを、最終的な触媒の嵩乾燥重量に基づいて、3.8重量%のNiOと25.3重量%のWO3の目標とする金属担持量に等しい濃度で含有する溶液を使用して行った。含浸後、触媒を270°F(132℃)で1/2時間乾燥し、そして950°F(510℃)で1時間か焼した。

0074

本発明の触媒B2を、72.7重量%のHNPVASA粉末、21.5重量%のHNPV担持材料及び5.8重量%のUSY(Zeolyst)を使用して、ベース押出物を作成し、NiとWの担持量を4.8重量%のNiOと29.6重量%のWO3に調整したことを除いて、触媒2Aに使用したのと同じ手順を行うことにより調製した。

0075

以下の表7は、A1からB2の組成物の概要である。以下の表8と9は、ベース押出物の細孔サイズ分布とナノ細孔容積の概要であり、そして表10は、各触媒に使用したASAと結合剤材料の物理的特性の概要である。
















例2
水素化分解特性

0076

触媒A1からB2を使用して,典型的な中東VGOを処理した。供給物特性を表11に示す。実験は、パイロットプラントユニットにて、2300psigの全圧及び1.0から2.2LHSV下で操作した。供給物に、水素化分解ゾーンに流入する前に、水素化処理触媒充填した触媒床を通過させた。供給物の導入前に、触媒をDMDS(気相硫化)又はDMDS(液相硫化)でスパイクしたディーゼル供給物のいずれかで活性化した。

0077

試験の結果を以下の表12及び13に示す。表12及び13に示すように、触媒A2及びB2により、従来の触媒A1及びB2と比べてより低い反応温度(CAT)で60%の転化率を達成した。換言すると、触媒A2及びB2は、それぞれ対応する従来の触媒A1及びB1よりも触媒的により活性であった。

0078

更に、触媒A2及びB2は、従来の触媒A1及びB1と比べて、望ましくないガスと軽質留分ライトエンド)(C4とC5−180°F)の生成がより少なかった。更に、触媒A2及びB2の場合、望ましい中間留分(380から700°F)の収率は、従来の触媒A1及びB1よりも高かった。

0079

基油供給原料として精油所で使用される未転化油(UCO)(700°F+)生成物は、触媒A2及びB2の場合、従来の触媒A1及びB1のUCO生成物と比べて、より高いワックス様の粘度指数(VI)とより低い粘度を示した。

0080

本発明を、特定の実施態様を参照して、詳細に説明したが、当業者には、本発明の趣旨及び範囲から乖離することなく、種々の変更及び改変ができることは明白であろう。

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