図面 (/)

技術 ゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を指向させるための方法およびその使用

出願人 ポセイダセラピューティクス,インコーポレイテッド
発明者 オスタータグ,エリックイェシ,ツェテンリ,シャンホン
出願日 2015年6月17日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2017-519219
公開日 2017年7月6日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-518082
状態 拒絶査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理
主要キーワード 初期ステップ MIPS 融合プロセス 反復構造単位 時間選択 X線結晶解析 小球菌ヌクレアーゼ 単一モノマー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題・解決手段

ゲノム中の特異的遺伝子座タンパク質指向させるための組成物および方法、ならびにそれらの使用が開示される。一態様では、開示された方法は、生物のゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を指向させることを可能にし、DNA局在化構成成分およびエフェクター分子を提供するステップを含み、このDNA局在化構成成分およびエフェクター分子は、非共有結合的連結を介して作動可能に連結されることが可能である。一局面において、生物のゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を指向させるための方法が提供され、この方法は、a.DNA局在化構成成分を提供するステップ;およびb.エフェクター分子を提供するステップを含み、上記DNA局在化構成成分および上記エフェクター分子が、非共有結合的連結を介して作動可能に連結することが可能である。

概要

背景

タンパク質が特定の機能を実行するために、生物ゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を局在化させることが望ましい場合が多く存在する。例えば、タンパク質は、DNAをカットする、DNAをメチル化する、蛍光誘導するなどの機能を果たし得る。ほとんどのタンパク質は、ゲノム中の多くの部位を標的化する(低い特異性を生じる)か、またはゲノム中の単一の部位のみを標的化できる(標的化をカスタマイズする能力を制限する)かのいずれかである、内因性DNA結合ドメインを有する。従って、タンパク質から内因性DNA結合ドメインを除去し、それを、より望ましい特徴を有する別のタンパク質由来のDNA結合ドメインで置き換えることが望ましい場合が多い。あるいは、あるタンパク質によっては通常結合されない部位にそのタンパク質を局在化させるために、別のタンパク質由来のDNA結合ドメインを付加することが望ましい場合がある。この戦略は、モジュラーDNA結合ドメイン、例えば、ジンクフィンガーアレイ転写アクチベーター様アレイまたはCas9タンパク質(これは、「ガイドRNA」を介してゲノム中の特異的部位に指向され得る)をヌクレアーゼドメインに融合させることによって、例えば遺伝子編集の分野において、大きな成功と共に使用されてきた。

ゲノム中の特異的位置にタンパク質を局在化させることが望ましい1つの例は、遺伝子編集の場合である。遺伝子編集ツールの全てのかかる例において、DNA結合ドメインは、ペプチド結合による共有結合的連結を介してヌクレアーゼドメインに融合される。これは、一方のタンパク質のDNAコード配列を第2のタンパク質のコード配列の下流に付加し、それら2つが単一のポリペプチドとして翻訳されるようにすることによって、容易に実行される。しかし、この戦略に関連する1つの問題は、タンパク質が、そのタンパク質のアミノ末端N末端)またはカルボキシ末端C末端)において、別のタンパク質に簡易的にしか連結されることができないことである。残念ながら、この様式でタンパク質を結合させることは、タンパク質のうちの一方または両方を不正確に折り畳ませ、それによって、機能が損なわれる可能性を増加させる場合が多い。実際に、融合したタンパク質が正確に折り畳まる場合であっても、一方のタンパク質が共有結合的結合の結果として他方のタンパク質が正常に機能する能力を物理的に遮断することに起因して、融合したタンパク質の一方または両方が非機能的であることが珍しくない。これらの問題は、2つのポリペプチド間にコードされる可撓性リンカーの使用によって時折緩和され得る。しかし、多くのタンパク質融合物は、リンカー配列の使用にもかかわらず、なおも機能的ではない。例えば、許容されるリンカーが見出される場合であっても、特定のアーキテクチャが、融合タンパク質の機能をなおも大きく制限し得る。例えば、FokI−dCas9融合タンパク質は、常に「PAMアウト(PAM out)」構成でなければならず、特定のスペーサー領域を含有しなければならないことが示されている(Keith Joung, J.K、「Dimeric CRISPR RNA−guided Fok1 nucleases for highly specific genome editing」、Nature Biotechnology 2014年)。従って、リンカーの利点にもかかわらず、この方法は、首尾よく標的化できる部位の数をなおも大きく制限している。

上記のものなどの融合タンパク質戦略の使用に関連する別の問題は、このプロセスが、個々の単一のタンパク質のいずれかよりもかなり大きい1つの大きいタンパク質を創出することである。これはまた、融合したタンパク質がin vivoで所望の位置にアクセスする機能または能力を損ない得る。さらに、その代わりに、ウイルス送達方法を介して、所望の融合したタンパク質をコードするDNAを細胞中に送達することが望ましい場合が多い。しかし、ウイルス送達方法は、それらが含有することができるDNAの量によって制限される。大きい融合タンパク質をコードするDNAは、ウイルス送達ビヒクル(例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)など)に入らない場合があり、それによって、この方法の有用性を制限する。

概要

ゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を指向させるための組成物および方法、ならびにそれらの使用が開示される。一態様では、開示された方法は、生物のゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を指向させることを可能にし、DNA局在化構成成分およびエフェクター分子を提供するステップを含み、このDNA局在化構成成分およびエフェクター分子は、非共有結合的連結を介して作動可能に連結されることが可能である。一局面において、生物のゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を指向させるための方法が提供され、この方法は、a.DNA局在化構成成分を提供するステップ;およびb.エフェクター分子を提供するステップを含み、上記DNA局在化構成成分および上記エフェクター分子が、非共有結合的連結を介して作動可能に連結することが可能である。

目的

上記のものなどの融合タンパク質戦略の使用に関連する別の問題は、このプロセスが、個々の単一のタンパク質のいずれかよりもかなり大きい1つの大きいタンパク質を創出することである

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

生物ゲノム中の特異的遺伝子座タンパク質指向させるための方法であって、a.DNA局在化構成成分を提供するステップ;およびb.エフェクター分子を提供するステップを含み、前記DNA局在化構成成分および前記エフェクター分子が、非共有結合的連結を介して作動可能に連結することが可能である、方法。

請求項2

前記DNA局在化構成成分が、特異的DNA配列を結合することが可能である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記DNA局在化構成成分が、DNA結合性オリゴヌクレオチドDNA結合性タンパク質、DNA結合性タンパク質複合体、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記DNA局在化構成成分が、前記ゲノム中の前記特異的遺伝子座に指向されるオリゴヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記DNA局在化構成成分がオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドが、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記DNA局在化構成成分が、RNA−DNAヘテロ二重鎖、R−ループ、およびそれらの組み合わせから選択される特徴を認識することが可能なタンパク質またはタンパク質複合体を含む、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記DNA局在化構成成分が、タンパク質またはタンパク質複合体を含み、前記タンパク質または前記タンパク質複合体が、R−ループを認識することが可能であり、Cas9、カスケード複合体、RecA、RNaseH、RNAポリメラーゼDNAポリメラーゼ、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記DNA局在化構成成分が、メガヌクレアーゼジンクフィンガーアレイ、TALアレイ、およびそれらの組み合わせから選択される、DNA配列を結合することが可能なタンパク質を含む、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記DNA局在化構成成分が、天然に存在するDNA結合ドメインを含むタンパク質を含む、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記DNA局在化構成成分が、天然に存在するDNA結合ドメインを含むタンパク質を含み、前記天然に存在するDNA結合ドメインが、bZIPドメインヘリックス−ループ−ヘリックス、ヘリックス−ターン−ヘリックス、HMG−ボックスロイシンジッパー、ジンクフィンガー、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記DNA局在化構成成分が、ゲノム中の標的位置に指向されるオリゴヌクレオチド;および標的DNA配列に結合することが可能なタンパク質を含む、請求項1に記載の方法。

請求項12

前記エフェクター分子が、前記特異的遺伝子座において所定の効果が可能である、請求項1に記載の方法。

請求項13

請求項14

前記エフェクター分子がヌクレアーゼを含む、請求項1に記載の方法。

請求項15

前記ヌクレアーゼが、制限エンドヌクレアーゼホーミングエンドヌクレアーゼ、S1ヌクレアーゼマンビーンヌクレアーゼ、DNaseI、小球菌ヌクレアーゼ酵母HOエンドヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせである、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記エフェクター分子が、IIS型制限エンドヌクレアーゼを含む、請求項1に記載の方法。

請求項17

前記エフェクター分子が、AciI、Mn1I、AlwI、BbvI、BccI、BceAI、BsmAI、BsmFI、BspCNI、BsrI、BtsCI、HgaI、HphI、HpyAV、Mbo1I、My1I、PleI、SfaNI、AcuI、BciVI、BfuAI、BmgBI、BmrI、BpmI、BpuEI、BsaI、BseRI、BsgI、BsmI、BspMI、BsrBI、BsrBI、BsrDI、BtgZI、BtsI、EarI、EciI、MmeI、NmeAIII、BbvCI、Bpu10I、BspQI、SapI、BaeI、BsaXI、CspCI、FokI、BfiI、MboII、Acc36IおよびClo051からなる群より選択されるエンドヌクレアーゼを含む、請求項1に記載の方法。

請求項18

前記エフェクター分子が、BmrI、BfiIまたはClo051を含む、請求項1に記載の方法。

請求項19

前記エフェクター分子がBmrIを含む、請求項1に記載の方法。

請求項20

前記エフェクター分子がBfiIを含む、請求項1に記載の方法。

請求項21

前記エフェクター分子がClo051を含む、請求項1に記載の方法。

請求項22

前記エフェクター分子がFokIを含む、請求項1に記載の方法。

請求項23

前記エフェクター分子がトランスポザーゼを含む、請求項1に記載の方法。

請求項24

前記非共有結合的連結が、前記エフェクター分子に共有結合的に結合された抗体断片を含み、前記抗体断片は、前記DNA局在化構成成分に非共有結合的に直接結合する、請求項1に記載の方法。

請求項25

前記非共有結合的連結が、前記DNA局在化構成成分に共有結合的に結合された抗体断片を含み、前記抗体断片は、前記エフェクター構成成分に非共有結合的に直接結合する、請求項1に記載の方法。

請求項26

前記非共有結合的連結が、前記エフェクター分子または前記DNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合された抗体断片を含み、前記抗体断片は、反対側の構成成分に共有結合的に結合されたエピトープタグに非共有結合的に結合する、請求項1に記載の方法。

請求項27

前記非共有結合的連結が、前記エフェクター分子または前記DNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合されたタンパク質結合ドメインを含み、前記タンパク質結合ドメインは、反対側の構成成分に非共有結合的に結合する、請求項1に記載の方法。

請求項28

前記非共有結合的連結が、反対側の構成成分に共有結合的に結合されたタンパク質に結合することが可能な、前記エフェクター分子または前記DNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合されたタンパク質を含む、請求項1に記載の方法。

請求項29

前記非共有結合的連結が、前記エフェクター分子または前記DNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合された小分子を含み、前記小分子は、反対側の構成成分に共有結合的に結合されたタンパク質または他の小分子に非共有結合的に結合する、請求項1に記載の方法。

請求項30

前記非共有結合的連結が、抗体模倣物を含む、請求項1、27または28に記載の方法。

請求項31

前記抗体模倣物が、標的配列を特異的に結合し、天然に存在する抗体とは別個の構造を有する有機化合物を含むまたはそれからなる、請求項30に記載の方法。

請求項32

前記抗体模倣物が、タンパク質、核酸または小分子を含むまたはそれらからなる、請求項31に記載の方法。

請求項33

前記抗体模倣物が、アフィボディ、アフィリン、アフィマー、アフィチンアルファディアンチカリン、およびアビマー、DARPin、フィノマー、クニッツドメインペプチド、もしくはモノボディを含むまたはそれらからなる、請求項32に記載の方法。

請求項34

前記抗体断片が、単鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体(sdAB)、小モジュラー免疫医薬品(SMIP)分子もしくはナノボディを含むまたはそれらからなる、請求項24、25または26に記載の方法。

請求項35

生物のゲノムを改変するための方法であって、a.DNA局在化構成成分を提供するステップ;およびb.エフェクター分子を提供するステップを含み、前記DNA局在化構成成分および前記エフェクター分子が、非共有結合的連結を介して作動可能に連結することが可能である、方法。

請求項36

請求項35に記載の方法に従って改変された細胞

技術分野

0001

関連出願
この出願は、2014年6月17日に出願された仮出願USSN62/013,382号および2015年5月19日に出願されたUSSN62/163,565号(これらの内容は、それらの全体が参考としてそれぞれ本明細書に援用される)の利益を主張する。

0002

配列表の援用
2015年6月5日に作成され、サイズが2KBである名称「POTH−001/001WO_SeqList.txt」のテキストファイルの内容は、それらの全体が参照により本明細書に援用される。

0003

本開示の分野
本開示は一般に、部位指向ゲノム改変のための組成物および方法に関する。

背景技術

0004

タンパク質が特定の機能を実行するために、生物のゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を局在化させることが望ましい場合が多く存在する。例えば、タンパク質は、DNAをカットする、DNAをメチル化する、蛍光誘導するなどの機能を果たし得る。ほとんどのタンパク質は、ゲノム中の多くの部位を標的化する(低い特異性を生じる)か、またはゲノム中の単一の部位のみを標的化できる(標的化をカスタマイズする能力を制限する)かのいずれかである、内因性DNA結合ドメインを有する。従って、タンパク質から内因性DNA結合ドメインを除去し、それを、より望ましい特徴を有する別のタンパク質由来のDNA結合ドメインで置き換えることが望ましい場合が多い。あるいは、あるタンパク質によっては通常結合されない部位にそのタンパク質を局在化させるために、別のタンパク質由来のDNA結合ドメインを付加することが望ましい場合がある。この戦略は、モジュラーDNA結合ドメイン、例えば、ジンクフィンガーアレイ転写アクチベーター様アレイまたはCas9タンパク質(これは、「ガイドRNA」を介してゲノム中の特異的部位に指向され得る)をヌクレアーゼドメインに融合させることによって、例えば遺伝子編集の分野において、大きな成功と共に使用されてきた。

0005

ゲノム中の特異的位置にタンパク質を局在化させることが望ましい1つの例は、遺伝子編集の場合である。遺伝子編集ツールの全てのかかる例において、DNA結合ドメインは、ペプチド結合による共有結合的連結を介してヌクレアーゼドメインに融合される。これは、一方のタンパク質のDNAコード配列を第2のタンパク質のコード配列の下流に付加し、それら2つが単一のポリペプチドとして翻訳されるようにすることによって、容易に実行される。しかし、この戦略に関連する1つの問題は、タンパク質が、そのタンパク質のアミノ末端N末端)またはカルボキシ末端C末端)において、別のタンパク質に簡易的にしか連結されることができないことである。残念ながら、この様式でタンパク質を結合させることは、タンパク質のうちの一方または両方を不正確に折り畳ませ、それによって、機能が損なわれる可能性を増加させる場合が多い。実際に、融合したタンパク質が正確に折り畳まる場合であっても、一方のタンパク質が共有結合的結合の結果として他方のタンパク質が正常に機能する能力を物理的に遮断することに起因して、融合したタンパク質の一方または両方が非機能的であることが珍しくない。これらの問題は、2つのポリペプチド間にコードされる可撓性リンカーの使用によって時折緩和され得る。しかし、多くのタンパク質融合物は、リンカー配列の使用にもかかわらず、なおも機能的ではない。例えば、許容されるリンカーが見出される場合であっても、特定のアーキテクチャが、融合タンパク質の機能をなおも大きく制限し得る。例えば、FokI−dCas9融合タンパク質は、常に「PAMアウト(PAM out)」構成でなければならず、特定のスペーサー領域を含有しなければならないことが示されている(Keith Joung, J.K、「Dimeric CRISPR RNA−guided Fok1 nucleases for highly specific genome editing」、Nature Biotechnology 2014年)。従って、リンカーの利点にもかかわらず、この方法は、首尾よく標的化できる部位の数をなおも大きく制限している。

0006

上記のものなどの融合タンパク質戦略の使用に関連する別の問題は、このプロセスが、個々の単一のタンパク質のいずれかよりもかなり大きい1つの大きいタンパク質を創出することである。これはまた、融合したタンパク質がin vivoで所望の位置にアクセスする機能または能力を損ない得る。さらに、その代わりに、ウイルス送達方法を介して、所望の融合したタンパク質をコードするDNAを細胞中に送達することが望ましい場合が多い。しかし、ウイルス送達方法は、それらが含有することができるDNAの量によって制限される。大きい融合タンパク質をコードするDNAは、ウイルス送達ビヒクル(例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)など)に入らない場合があり、それによって、この方法の有用性を制限する。

課題を解決するための手段

0007

このように、融合タンパク質を使用する遺伝子編集のための当技術分野で公知の方法は、現在制限を受けており、上記問題のうちの1つまたは複数を有する。本開示は、当技術分野における1つまたは複数のかかる問題に取り組もうとするものである。

0008

ゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を指向させるための組成物および方法、ならびにそれらの使用が開示される。一態様では、開示された方法は、生物のゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を指向させることを可能にし、DNA局在化構成成分およびエフェクター分子を提供するステップを含み、このDNA局在化構成成分およびエフェクター分子は、非共有結合的連結を介して作動可能に連結されることが可能である。

0009

本開示は、生物のゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を指向させるための方法であって、(a)DNA局在化構成成分を提供するステップ;および(b)エフェクター分子を提供するステップを含み、このDNA局在化構成成分およびエフェクター分子は、非共有結合的連結を介して作動可能に連結することが可能である、方法を提供する。この方法のある特定の実施形態では、このDNA局在化構成成分は、特異的DNA配列を結合することが可能である。

0010

本開示は、生物のゲノムを改変するための方法であって、(a)DNA局在化構成成分を提供するステップ;および(b)エフェクター分子を提供するステップを含み、このDNA局在化構成成分およびエフェクター分子は、非共有結合的連結を介して作動可能に連結することが可能である、方法を提供する。この方法によれば、ゲノムは、1つもしくは複数のゲノム配列もしくは塩基対エンドヌクレアーゼによって分離される場合、および/または1つもしくは複数のゲノム配列もしくは塩基対が欠失、挿入、置換反転もしくは再配置される場合、改変され得る。さらに、本開示は、本開示の方法によって改変されたゲノム配列または塩基対を含む細胞を提供する。本開示の方法によって改変された細胞は、例えば、ゲノムのゲノム配列または塩基対の欠失、挿入、置換、反転または再配置を含み得る。本開示の方法に従って改変された細胞は、例えば、その細胞のゲノム内に天然には存在しない、外因性人工または異種の配列を含み得る。この細胞は、本開示の方法に従って、in vivo、ex vivoまたはin vitroで改変され得る。ある特定の実施形態では、この細胞は、ヒト細胞でもヒト胚細胞でもない。

0011

本開示の例示的なDNA局在化構成成分には、DNA結合性オリゴヌクレオチドDNA結合性タンパク質、DNA結合性タンパク質複合体、およびそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。

0012

本開示のDNA局在化構成成分は、ゲノム中の特異的遺伝子座に指向されるオリゴヌクレオチドを含み得る。例示的なオリゴヌクレオチドには、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、およびそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。

0013

本開示のDNA局在化構成成分は、RNA−DNAヘテロ二重鎖、R−ループ、およびそれらの任意の組み合わせから選択される特徴を認識することが可能なタンパク質またはタンパク質複合体を含み得る。R−ループを認識することが可能な例示的なタンパク質またはタンパク質複合体には、Cas9、カスケード(Cascade)複合体、RecA、RNaseH、RNAポリメラーゼDNAポリメラーゼ、およびそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本開示の方法のある特定の実施形態では、R−ループを認識することが可能なタンパク質またはタンパク質複合体は、Cas9を含む。

0014

本開示のDNA局在化構成成分は、メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーアレイ、TALアレイ、およびそれらの任意の組み合わせから選択される、DNA配列を結合することが可能なタンパク質を含み得る。

0015

本開示のDNA局在化構成成分は、天然に存在するDNA結合ドメインを含むタンパク質を含み得る。例示的な天然に存在するDNA結合ドメインには、bZIPドメインヘリックス−ループ−ヘリックス、ヘリックス−ターン−ヘリックス、HMG−ボックスロイシンジッパー、ジンクフィンガー、およびそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。

0016

本開示のDNA局在化構成成分は、ゲノム中の標的位置に指向されるオリゴヌクレオチド、および標的DNA配列に結合することが可能なタンパク質を含み得る。

0017

本開示の例示的なエフェクター分子は、ゲノム中の特異的遺伝子座において所定の効果が可能である。

0019

本開示の例示的なエフェクター分子は、ヌクレアーゼを含む。ヌクレアーゼの非限定的な例には、制限エンドヌクレアーゼホーミングエンドヌクレアーゼ、S1ヌクレアーゼマンビーンヌクレアーゼ、DNase I、小球菌ヌクレアーゼ酵母HOエンドヌクレアーゼ、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。ある特定の実施形態では、このエフェクター分子は、制限エンドヌクレアーゼを含む。ある特定の実施形態では、このエフェクター分子は、IIS型制限エンドヌクレアーゼを含む。

0020

本開示の例示的なエフェクター分子は、エンドヌクレアーゼを含み得る。エンドヌクレアーゼの非限定的な例には、AciI、Mn1I、AlwI、BbvI、BccI、BceAI、BsmAI、BsmFI、BspCNI、BsrI、BtsCI、HgaI、HphI、HpyAV、Mbo1I、My1I、PleI、SfaNI、AcuI、BciVI、BfuAI、BmgBI、BmrI、BpmI、BpuEI、BsaI、BseRI、BsgI、BsmI、BspMI、BsrBI、BsrBI、BsrDI、BtgZI、BtsI、EarI、EciI、MmeI、NmeAIII、BbvCI、Bpu10I、BspQI、SapI、BaeI、BsaXI、CspCI、FokI、BfiI、MboII、Acc36IおよびClo051が含まれる。ある特定の実施形態では、このエフェクター分子は、BmrI、BfiIまたはClo051を含む。このエフェクター分子は、BmrIを含み得る。このエフェクター分子は、BfiIを含み得る。このエフェクター分子は、Clo051を含み得る。このエフェクター分子は、FokIを含み得る。

0021

本開示の例示的なエフェクター分子は、トランスポザーゼを含み得る。

0022

本開示の例示的な非共有結合的連結は、エフェクター分子に共有結合的に結合された抗体断片を含み得、これはDNA局在化構成成分に非共有結合的に直接結合する。

0023

本開示の例示的な非共有結合的連結は、DNA局在化構成成分に共有結合的に結合された抗体断片を含み得、これはエフェクター構成成分に非共有結合的に直接結合する。

0024

本開示の例示的な非共有結合的連結は、エフェクター分子またはDNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合された抗体断片を含み得、これは反対側(opposite)の構成成分に共有結合的に結合されたエピトープタグに非共有結合的に結合する。本開示のある特定の実施形態では、抗体断片は、単鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体(sdAB)、小モジュラー免疫医薬品(small modular immunopharmaceutical)(SMIP)分子もしくはナノボディを含み得るまたはそれらからなり得る。

0025

本開示の例示的な非共有結合的連結は、エフェクター分子またはDNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合されたタンパク質結合ドメインを含み得、これは反対側の構成成分に非共有結合的に結合する。

0026

本開示の例示的な非共有結合的連結は、反対側の構成成分に共有結合的に結合されたタンパク質に結合することが可能な、エフェクター分子またはDNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合されたタンパク質を含み得る。

0027

本開示の非共有結合的連結は、抗体模倣物を含み得るまたはそれからなり得る。例示的な抗体模倣物には、標的配列を特異的に結合し、天然に存在する抗体とは別個の構造を有する有機化合物が含まれるが、これに限定されない。さらに、例示的な抗体模倣物には、タンパク質、核酸または小分子が含まれるが、これらに限定されない。本開示のある特定の実施形態では、この抗体模倣物は、アフィボディ(affibody)、アフィリン(afflilin)、アフィマー(affimer)、アフィチン(affitin)、アルファディ(alphabody)、アンチカリン(anticalin)、およびアビマー(avimer)、DARPin、フィノマー(Fynomer)、クニッツドメインペプチド、もしくはモノボディ(monobody)を含むまたはそれらからなる。

0028

本開示の例示的な非共有結合的連結は、エフェクター分子またはDNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合された小分子を含み得、これは反対側の構成成分に共有結合的に結合されたタンパク質または他の小分子に非共有結合的に結合する。

図面の簡単な説明

0029

図1は、piggyBacに対するscFvを生成するためのファージディスプレイの方法を示す模式図である。ウサギが、関連するB細胞を拡大増殖させる(expand)ために、PBトランスポザーゼタンパク質(PBase)で免疫化される。重鎖および軽鎖遺伝子由来の可変領域(VHおよびVL)が、PCRによってcDNAから増幅されて、18アミノ酸のリンカー(L)を含有する融合産物を形成する。ファージミドが産生され、PBaseに対してパニングされ、E.coliにおいて増幅され、1回または2回反復される。得られたファージミドDNAライブラリーは、リンカー配列と共に、E2c PZFを含有するpLVX−IRES−ZsGreenベクター中にクローニングされる。次いで、E2c−scFvN末端融合物ライブラリーが、レンチウイルスにおいて産生される。

0030

図2Aおよび2Bは、部位特異的補完を示す一対の模式図である。図2Aは、E2c−SA−PAC141カセットが、2つの反転したコピーアデノウイルススプライスアクセプター(SA)、ピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼ(PAC)遺伝子の141アミノ酸C末端断片、その後のSV40ポリアデニル化(pA)シグナルが隣接する、p53イントロン1由来の10.47KbのNgoMIV−BamHI断片の中央に位置するE2c部位(GGGGCCGGAGCCGCAGTG;配列番号1)を含有することを示している。図2Bは、BII−iPAC58−SDトランスポゾンが、PAC遺伝子のN末端断片の発現を駆動する、サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーおよびヒトEf1aプロモーターからなるCpG−lessプロモーターを含有することを示す。Ad2スプライスドナーは、ポリ−Aトラップを提供する。ニワトリベータグロビン遺伝子座HSIV由来のインスレーター(Insul.)は、安定な発現を確実にする。E2c−SA−PAC141カセットの上流での挿入は、スプライシングおよび機能的PAC転写物の産生を生じる。

0031

定義

0032

本開示は、本開示の好ましい実施形態および本明細書に含まれる実施例の以下の詳細な説明、ならびに図面、およびそれらの以前のおよび以下の説明を参照して、より容易に理解され得る。本明細書に記載されるものと類似または等価な任意の方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、好ましい方法、デバイスおよび材料が、本明細書に記載されている。本明細書で言及される全ての参考文献、刊行物、特許、特許出願および市販の材料は、本発明と関連して使用され得る刊行物中に報告される材料および/または方法論を説明および開示する目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。先行する発明を理由として、そのような開示よりも前の日付とされる権利が本発明に与えられないことの承認として解釈されるべきものは、本明細書には存在しない。

0033

本発明の化合物、組成物、物品、デバイスおよび/または方法が開示および説明される前に、本発明が、それ自体もちろん変動し得るが、特定の合成方法特記しない限り特定の組換えバイオテクノロジー方法、または特記しない限り特定の試薬に限定されないことを、理解すべきである。本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定する意図がないこともまた、理解すべきである。

0034

本出願を通じて、種々のタンパク質および核酸に対して言及がなされる。タンパク質または核酸に使用される任意の名称は、当技術分野で認識された名称であり、その結果、その名称に対する言及が分子自体の開示を構成することが理解される。

0035

本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(and)」および「この(the)」は、文脈が明確に他を示さない限り、複数形の指示対象を含む。従って、例えば、「1つの(a)方法」に対する言及は、複数のかかる方法を含み、「1つの(a)用量」に対する言及は、1つまたは複数の用量および当業者に公知のその等価物に対する言及を含む、などである。

0036

用語「約」または「およそ」とは、測定システム限界など、その値が如何にして測定または決定されるかに一部依存する、当業者によって決定される特定の値について許容される誤差範囲以内を意味する。例えば、「約」とは、当技術分野における実施に従って、1または1よりも大きい標準偏差以内を意味し得る。あるいは、「約」とは、所与の値の最大で20%、または最大で10%、または最大で5%、または最大で1%の範囲を意味し得る。あるいは、特に生物学的な系またはプロセスに関して、この用語は、値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。特定の値が本出願および特許請求の範囲において記載される場合、特記しない限り、特定の値について許容される誤差範囲内を意味する用語「約」を前提とすべきである。

0037

用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、具体的には、単一のモノクローナル抗体アゴニストおよびアンタゴニスト抗体を含む)およびポリエピトープ特異性を有する抗体組成物カバーする。本明細書で定義されるような本明細書の抗体の天然のまたは合成のアナログ変異体バリアント対立遺伝子ホモログおよびオルソログ(本明細書では集合的に、「アナログ」と呼ばれる)を使用することもまた、本明細書の範囲内である。従って、本明細書の一実施形態によれば、用語「本明細書の抗体」は、その最も広い意味で、かかるアナログもまたカバーする。一般に、かかるアナログでは、1つまたは複数のアミノ酸残基が、本明細書に定義されるように、本明細書の抗体と比較して、置き換え、欠失および/または付加されていてもよい。

0038

「抗体断片」、およびその全ての文法異形は、本明細書で使用する場合、インタクトな抗体の抗原結合部位または可変領域を含む、インタクトな抗体の一部分として定義され、この部分は、インタクトな抗体のFc領域定常重鎖ドメイン(即ち、抗体アイソタイプに依存してCH2、CH3およびCH4)を含まない。抗体断片の例には:Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2およびFv断片;ダイアボディ;連続するアミノ酸残基の1つの中断されていない配列からなる一次構造を有するポリペプチドである任意の抗体断片(本明細書で「単鎖抗体断片」または「単鎖ポリペプチド」と呼ばれる)であって、(l)単鎖Fv(scFv)分子(2)関連する重鎖部分を伴わない、1つの軽鎖可変ドメインだけを含有する単鎖ポリペプチド、または軽鎖可変ドメインの3つのCDRを含有するその断片、および(3)関連する軽鎖部分を伴わない、1つの重鎖可変領域だけを含有する単鎖ポリペプチド、または重鎖可変領域の3つのCDRを含有するその断片を限定することなく含む、抗体断片;ならびに抗体断片から形成された多特異性または多価構造が含まれる。1つまたは複数の重鎖を含む抗体断片では、重鎖(複数可)は、インタクトな抗体の非Fc領域において見出される任意の定常ドメイン配列(例えば、IgGアイソタイプではCHI)を含有し得、および/あるいはインタクトな抗体において見出される任意のヒンジ領域を含有し得、および/あるいは重鎖(複数可)のヒンジ領域配列もしくは定常ドメイン配列に融合したまたはそれらの中に置かれたロイシンジッパー配列を含有し得る。この用語は、単一モノマー性可抗体ドメインを有する抗体断片を一般に指す単一ドメイン抗体(「sdAB」)(例えば、ラクダ科動物由来)をさらに含む。かかる抗体断片の型は、当業者によって容易に理解される。

0039

「結合」とは、巨大分子間(例えば、タンパク質と核酸との間)の、配列特異的非共有結合的相互作用を指す。相互作用が全体として配列特異的である限り、結合相互作用の全ての構成成分が配列特異的である(例えば、DNA骨格中リン酸残基と接触する)必要はない。

0040

結合性タンパク質」は、別の分子に非共有結合的に結合できるタンパク質である。結合性タンパク質は、例えば、DNA分子に結合し得る(DNA結合性タンパク質)、RNA分子に結合し得る(RNA結合性タンパク質)および/またはタンパク質分子に結合し得る(タンパク質結合性タンパク質)。タンパク質結合性タンパク質の場合、これは、それ自体と結合し得(ホモ二量体ホモ三量体などを形成する)、および/または異なるタンパク質(単数もしくは複数)のうち1つもしくは複数の分子に結合し得る。結合性タンパク質は、1種よりも多い型の結合活性を有し得る。例えば、ジンクフィンガータンパク質は、DNA結合活性、RNA結合活性およびタンパク質結合活性を有する。

0041

本明細書で使用する場合、用語「含む」は、その組成物および方法が、列挙された要素を含むが、他の要素を排除しないことを意味することを意図している。「〜から本質的になる」は、組成物および方法を定義するために使用する場合、意図した目的のために使用する場合にその組み合わせにとって何らかの本質的な重要性がある他の要素を排除することを意味するものとする。従って、本明細書に定義した要素から本質的になる組成物は、微量の混入物または不活性担体を排除しない。「〜からなる」とは、他の成分の微量の要素および実質的な方法ステップを間違いなく排除することを意味するものとする。これらの移行用語の各々によって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。

0042

本明細書で使用する場合、用語「エフェクター分子」とは、細胞において局在化した効果を発揮することが可能な、タンパク質またはタンパク質ドメイン、しばしば酵素タンパク質などの分子を意味する。エフェクター分子は、例えば生物学的活性を調節するために、タンパク質またはDNAに選択的に結合するものを含む、種々の異なる形態を取り得る。エフェクター分子は、ヌクレアーゼ活性酵素活性を増加もしくは減少させること、遺伝子発現を増加もしくは減少させること、または細胞シグナル伝達に影響を与えることが含まれるが、これに限定されない広範な種々の異なる活性を有し得る。エフェクター分子の他の例は、当業者によって容易に理解される。

0043

本明細書で使用する場合、用語「エピトープタグ」または他の言い方で「親和性タグ」とは、タンパク質またはリガンドとの特異的相互作用を可能にする短いアミノ酸配列またはペプチドを指す。

0044

本明細書で使用する場合、「エピトープ」とは、ポリペプチドの抗原決定基を指す。エピトープは、そのエピトープに独自の空間的コンフォメーションにある3つのアミノ酸を含み得る。一般に、エピトープは、少なくとも4、5、6または7のかかるアミノ酸からなり、より一般的には、少なくとも8、9または10のかかるアミノ酸からなる。アミノ酸の空間的コンフォメーションを決定する方法は、当技術分野で公知であり、これには、例えば、X線結晶解析および2次元核磁気共鳴が含まれる。

0045

本明細書で使用する場合、「発現」とは、ポリヌクレオチドmRNAへと転写されるプロセス、および/または転写されたmRNAが、ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質へと引き続いて翻訳されるプロセスを指す。ポリヌクレオチドがゲノムDNA由来である場合、発現は、真核生物細胞におけるmRNAのスプライシングを含み得る。

0046

「遺伝子発現」とは、遺伝子中に含有される情報の、遺伝子産物への変換を指す。遺伝子産物は、遺伝子の直接的転写産物(例えば、mRNA、tRNArRNAアンチセンスRNAリボザイム、shRNA、マイクロRNA、構造RNAまたは任意の他の型のRNA)またはmRNAの翻訳によって産生されたタンパク質であり得る。遺伝子産物には、キャッピング、ポリアデニル化、メチル化および編集などのプロセスによって改変されたRNA、ならびに例えば、メチル化、アセチル化リン酸化ユビキチン化ADPリボシル化ミリスチル化およびグリコシル化によって改変されたタンパク質もまた含まれる。

0047

遺伝子発現の「モジュレーション」または「調節」とは、遺伝子の活性における変化を指す。発現のモジュレーションには、遺伝子活性化および遺伝子抑制が含まれ得るがこれらに限定されない。

0048

本明細書で使用する場合、用語「作動可能に連結した(operatively linked)」またはその等価物(例えば、「作動可能に連結した(linked operatively)」)とは、2つまたはそれ超の分子が、一方もしくは両方の分子またはそれらの組み合わせに帰せられ得る機能に影響を与えるように相互作用することが可能であるように、互いに対して位置付けられることを意味している。

0049

用語「scFv」とは、単鎖可変断片を指す。scFvは、リンカーペプチドで接続された、免疫グロブリンの重鎖の可変領域(VH)および軽鎖の可変領域(VL)の融合タンパク質である。このリンカーペプチドは、約5〜40アミノ酸長または約10〜30アミノ酸長または約5、10、15、20、25、30、35もしくは40アミノ酸長であり得る。単鎖可変断片は、完全抗体分子中に見出される定常Fc領域を欠き、従って、抗体を精製するために使用される一般的結合部位(例えば、プロテインG)を欠く。この用語は、細胞の細胞質において安定であって細胞内タンパク質に結合し得る抗体、イントラボディ(intrabody)であるscFvをさらに含む。

0050

本明細書で使用する場合、用語「単一ドメイン抗体」とは、特異的抗原に選択的に結合することができる単一モノマー性可変抗体ドメインを有する抗体断片を意味する。単一ドメイン抗体は、一般に、重鎖抗体または一般的IgGの1つの可変ドメイン(VH)を含み、抗体全体と類似の、抗原に対する親和性を一般に有するが、より耐熱性であり、洗浄剤および高濃度尿素に対してより安定である、約110アミノ酸長のペプチド鎖である。例は、ラクダ科動物または魚類抗体由来のものである。あるいは、単一ドメイン抗体は、4つの鎖を有する一般的なマウスまたはヒトIgGから作製され得る。

0051

用語「特異的に結合する」および「特異的結合」とは、本明細書で使用する場合、種々の抗原の均一な混合物中に存在する特定の抗原に優先的に結合する、抗体、抗体断片またはナノボディの能力を指す。ある特定の実施形態では、特異的結合相互作用は、一部の実施形態では、約10倍超〜100倍超またはそれ超(例えば、約1000倍超または10,000倍超)、試料中の望ましい抗原と望ましくない抗原との間を識別する。「特異性」とは、異なる抗原性標的と比べて1つの抗原性標的に優先的に結合する、免疫グロブリンまたは免疫グロブリン断片、例えばナノボディの能力を指すが、必ずしも高い親和性を含意しない。

0052

標的部位」または「標的配列」は、結合のための十分な条件が存在するときに結合分子が結合する核酸の一部分を規定する核酸配列である。

0053

本発明のさらなる利点は、以下の説明中に一部示され、この説明から一部明らかであり、または本発明の実施によって習得され得る。本発明の利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘された要素および組み合わせによって実現および獲得される。上述の一般的説明および以下の詳細な説明の両方が、例示的かつ説明的であるにすぎず、特許請求された本発明を限定しないことを、理解すべきである。

0054

当技術分野における上述の問題のうちの1つまたは複数に取り組むための組成物および方法が、本明細書に開示される。一態様では、非共有結合的に連結された構成成分、ならびに非共有結合的に連結された構成成分を作製および使用する方法が、開示される。種々の構成成分は、本明細書に記載される種々の異なる形態を取り得る。例えば、非共有結合的に連結された(即ち、作動可能に連結された)タンパク質は、当技術分野における1つまたは複数の問題を回避する一時的相互作用を可能にするために使用され得る。非共有結合的に連結された構成成分、例えばタンパク質が会合および解離する能力は、かかる会合が所望の活性に必要である状況下でのみ、またはかかる状況下で主に、機能的会合を可能にする。連結は、所望の効果を可能にするのに十分な持続時間のものであり得る。

0055

一態様では、生物のゲノム中の特異的遺伝子座にタンパク質を指向させるための方法が開示される。この方法は、DNA局在化構成成分を提供するステップおよびエフェクター分子を提供するステップを含み得、このDNA局在化構成成分およびエフェクター分子は、非共有結合的連結を介して作動可能に連結することが可能である。

0056

DNA局在化構成成分

0057

一態様では、このDNA局在化構成成分は、特異的DNA配列を結合することが可能であり得る。このDNA局在化構成成分は、例えば、DNA結合性オリゴヌクレオチド、DNA結合性タンパク質、DNA結合性タンパク質複合体、およびそれらの組み合わせから選択され得る。他の適切なDNA結合性構成成分は、当業者に認識される。

0058

一態様では、このDNA局在化構成成分は、ゲノム中の特異的遺伝子座(単数または複数)に指向されるオリゴヌクレオチドを含み得る。このオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、およびそれらの組み合わせから選択され得る。

0059

一態様では、このDNA局在化構成成分は、標的DNAに結合した場合にオリゴヌクレオチドを結合するヌクレオチド結合性タンパク質またはタンパク質複合体を含み得る。このタンパク質またはタンパク質複合体は、RNA−DNAヘテロ二重鎖、R−ループ、またはそれらの組み合わせから選択される特徴を認識することが可能であり得る。一態様では、このDNA局在化構成成分は、Cas9、カスケード複合体、RecA、RNaseH、RNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、またはそれらの組み合わせから選択される、R−ループを認識することが可能なタンパク質またはタンパク質複合体を含み得る。

0060

一態様では、このDNA局在化構成成分は、標的DNAに結合することが可能な操作されたタンパク質を含み得る。この態様では、このDNA局在化構成成分は、メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーアレイ、転写アクチベーター様(TAL)アレイ、およびそれらの組み合わせから選択される、DNA配列を結合することが可能なタンパク質を含み得る。

0061

他の態様では、このDNA局在化構成成分は、天然に存在するDNA結合ドメインを含有するタンパク質を含み得る。このDNA局在化構成成分は、例えば、bZIPドメイン、ヘリックス−ループ−ヘリックス、ヘリックス−ターン−ヘリックス、HMG−ボックス、ロイシンジッパー、ジンクフィンガー、またはそれらの組み合わせから選択される天然に存在するDNA結合ドメインを含むタンパク質を含み得る。

0062

エフェクター分子

0063

一態様では、この方法は、エフェクター分子を提供するステップを含む。

0064

一態様では、このエフェクター分子は、転写因子(アクチベーターまたはリプレッサー)、クロマチンリモデリング因子、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、トランスポザーゼ、メチルトランスフェラーゼ、デメチラーゼ、アセチルトランスフェラーゼ、デアセチラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、インテグラーゼ、リコンビナーゼ、リガーゼ、トポイソメラーゼ、ジャイラーゼ、ヘリカーゼ、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択され得る。

0065

一態様では、このエフェクター分子は、ヌクレアーゼを含み得る。このヌクレアーゼは、当業者によって容易に理解される任意のヌクレアーゼであり得る。適切なヌクレアーゼには、例えば、制限エンドヌクレアーゼ、ホーミングエンドヌクレアーゼ、S1ヌクレアーゼ、マングビーンヌクレアーゼ、膵DNase I、小球菌ヌクレアーゼ、酵母HOエンドヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせが含まれる。一態様では、このエフェクター分子は、IIS型制限エンドヌクレアーゼを含み得る。例えば、一部の態様では、このエフェクター分子は、AciI、Mn1I、AlwI、BbvI、BccI、BceAI、BsmAI、BsmFI、BspCNI、BsrI、BtsCI、HgaI、HphI、HpyAV、Mbo1I、My1I、PleI、SfaNI、AcuI、BciVI、BfuAI、BmgBI、BmrI、BpmI、BpuEI、BsaI、BseRI、BsgI、BsmI、BspMI、BsrBI、BsrBI、BsrDI、BtgZI、BtsI、EarI、EciI、MmeI、NmeAIII、BbvCI、Bpu10I、BspQI、SapI、BaeI、BsaXI、CspCI、FokI、BfiI、MboII、Acc36IおよびClo051から選択されるエンドヌクレアーゼを含み得る。他の態様では、このエフェクター分子は、PBトランスポザーゼ(PBase)を含み得る。

0066

一態様では、このエフェクター分子は、エンドヌクレアーゼであり得る。ある特定の実施形態では、このエフェクター分子は、FokIであり得る。ある特定の実施形態では、このエフェクター分子は、BfiIであり得る。ある特定の実施形態では、このエフェクター分子は、BmrIであり得る。ある特定の実施形態では、このエフェクター分子は、Clo051であり得る。

0067

連結

0068

一態様では、この方法は、DNA局在化構成成分とエフェクター分子との間に非共有結合的連結を含み得る。この非共有結合的連結は、抗体、抗体断片、抗体模倣物または足場タンパク質を含み得る。

0069

抗体およびその断片には、単鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体(sdAB)、モノボディおよびナノボディが含まれるが、これらに限定されない。例えば、この非共有結合的連結は、1つまたは複数のエフェクター分子に共有結合的に結合された、DNA局在化構成成分との非共有結合的会合が可能な、単鎖可変断片(scFv)または単一ドメイン抗体(sdAB)を含み得る。さらなる一態様では、この非共有結合的連結は、DNA局在化構成成分に共有結合的に結合された単鎖可変断片(scFv)を含み得、これはエフェクター構成成分に非共有結合的に直接結合する。さらなる一態様では、この非共有結合的連結は、エフェクター分子またはDNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合された単鎖可変断片(scFv)を含み得る。次いで、このscFVは、反対側の構成成分に(即ち、DNA局在化構成成分またはエフェクター分子に)共有結合的に結合されたエピトープタグに非共有結合的に結合し得る。

0070

この非共有結合的連結は、例えば、抗体模倣物を含み得る。本明細書で使用する場合、用語「抗体模倣物」は、標的配列を特異的に結合し、天然に存在する抗体とは別個の構造を有する有機化合物を記載するよう意図される。抗体模倣物は、タンパク質、核酸または小分子を含み得る。本開示の抗体模倣物が特異的に結合する標的配列は、抗原であり得る。抗体模倣物は、優れた溶解度、組織透過、熱および酵素に対する安定性(例えば、酵素的分解に対する耐性)ならびにより低い産生コストが含まれるが、これらに限定されない、抗体を超える優れた特性を提供し得る。例示的な抗体模倣物には、アフィボディ、アフィリン、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アンチカリン、およびアビマー(アビディティマルチマー(avidity multimer)としても公知)、DARPin(デザインされたアンキリンリピートタンパク質)、フィノマー、クニッツドメインペプチド、ならびにモノボディが含まれるが、これらに限定されない。

0071

本開示のアフィボディ分子は、いかなるジスルフィド架橋も伴わない、1つまたは複数のアルファヘリックスを含むまたはそれらからなるタンパク質足場を含む。好ましくは、本開示のアフィボディ分子は、3つのアルファヘリックスを含むまたはそれらからなる。例えば、本開示のアフィボディ分子は、免疫グロブリン結合ドメインを含み得る。本開示のアフィボディ分子は、プロテインAのZドメインを含み得る。

0072

本開示のアフィリン分子は、例えば、ガンマ−Bクリスタリンまたはユビキチンのいずれかの曝露されたアミノ酸の改変によって産生されたタンパク質足場を含む。アフィリン分子は、抗原に対する抗体の親和性を機能的に模倣するが、抗体を構造的には模倣しない。アフィリンを作製するために使用される任意のタンパク質足場では、適切に折り畳まれたタンパク質分子中の、溶媒または可能な結合パートナーアクセス可能なアミノ酸が、曝露されたアミノ酸とみなされる。これらの曝露されたアミノ酸のうちの任意の1つまたは複数は、標的配列または抗原に特異的に結合するように改変され得る。

0073

本開示のアフィマー分子は、特異的標的配列に対する高親和性結合部位を提供するペプチドループをディスプレイするように操作された高度に安定なタンパク質を含むタンパク質足場を含む。本開示の例示的なアフィマー分子は、シスタチンタンパク質またはその三次構造に基づくタンパク質足場を含む。本開示の例示的なアフィマー分子は、アンチパラレルベータ−シートの上部に存在するアルファ−ヘリックスを含む共通の三次構造を共有し得る。

0074

本開示のアフィチン分子は、人工タンパク質足場を含み、その構造は、例えば、DNA結合性タンパク質(例えば、DNA結合性タンパク質Sac7d)に由来し得る。本開示のアフィチンは、抗原の全体または部分であり得る標的配列を選択的に結合する。本開示の例示的なアフィチンは、DNA結合性タンパク質の結合表面上の1つまたは複数アミノ酸配列をランダム化し、得られたタンパク質をリボソームディスプレイおよび選択に供することによって、製造される。本開示のアフィチンの標的配列は、例えば、ゲノム中、またはペプチド、タンパク質、ウイルスもしくは細菌の表面上で見出され得る。本開示のある特定の実施形態では、アフィチン分子は、酵素の特異的阻害剤として使用され得る。本開示のアフィチン分子は、耐熱性タンパク質またはその誘導体を含み得る。

0075

本開示のアルファボディ分子は、細胞透過性アルファボディ(CPAB)とも呼ばれ得る。本開示のアルファボディ分子は、種々の標的配列(抗原を含む)に結合する小さいタンパク質(典型的には、10kDa未満のもの)を含む。アルファボディ分子は、細胞内標的配列に到達および結合することが可能である。構造的に、本開示のアルファボディ分子は、単鎖アルファヘリックス(天然に存在するコイルドコイル構造と類似)を形成する人工配列を含む。本開示のアルファボディ分子は、標的タンパク質に特異的に結合するように改変された1つまたは複数のアミノ酸を含むタンパク質足場を含み得る。分子の結合特異性に関わらず、本開示のアルファボディ分子は、正確なフォールディングおよび熱的安定性を維持する。

0076

本開示のアンチカリン分子は、タンパク質または小分子のいずれか中の標的配列または部位に結合する人工タンパク質を含む。本開示のアンチカリン分子は、ヒトリポカリン由来の人工タンパク質を含み得る。本開示のアンチカリン分子は、例えば、モノクローナル抗体またはその断片の代わりに使用され得る。アンチカリン分子は、モノクローナル抗体またはその断片よりも優れた組織透過および熱的安定性を実証し得る。本開示の例示的なアンチカリン分子は、およそ20kDaの質量を有する、約180アミノ酸を含み得る。構造的に、本開示のアンチカリン分子は、ループおよび結合されたアルファヘリックスによって対で接続されたアンチパラレルベータ−鎖を含むバレル構造を含む。好ましい実施形態では、本開示のアンチカリン分子は、ループおよび結合されたアルファヘリックスによって対で接続された8つのアンチパラレルベータ−鎖を含むバレル構造を含む。

0077

本開示のアビマー分子は、標的配列(これは抗原であってもよい)に特異的に結合する人工タンパク質を含む。本開示のアビマーは、同じ標的内または別個の標的内の複数の結合部位を認識し得る。本開示のアビマーが1つよりも多い標的を認識する場合、このアビマーは、二重特異性抗体の機能を模倣する。人工タンパク質アビマーは、各々およそ30〜35アミノ酸の2つまたはそれ超のペプチド配列を含み得る。これらのペプチドは、1つまたは複数のリンカーペプチドを介して接続され得る。アビマーのペプチドのうちの1つまたは複数のアミノ酸配列は、膜受容体のAドメイン由来であり得る。アビマーは、ジスルフィド結合および/またはカルシウム任意選択で含み得る強固な構造を有する。本開示のアビマーは、抗体と比較して、より高い熱安定性を実証し得る。

0078

本開示のDARPin(デザインされたアンキリンリピートタンパク質)は、標的配列に対する高い特異性および高い親和性を有する、遺伝子操作された、組換えの、またはキメラのタンパク質を含む。ある特定の実施形態では、本開示のDARPinは、アンキリンタンパク質由来であり、任意選択で、アンキリンタンパク質の少なくとも3つのリピートモチーフ反復構造単位とも呼ばれる)を含む。アンキリンタンパク質は、高親和性のタンパク質−タンパク質相互作用を媒介する。本開示のDARPinは、大きい標的相互作用表面を含む。

0079

本開示のフィノマーは、ヒトFyn SH3ドメイン由来の、抗体と等しい親和性および等しい特異性で標的配列および分子に結合するように操作された、小さい結合性タンパク質(約7kDa)を含む。

0080

本開示のクニッツドメインペプチドは、クニッツドメインを含むタンパク質足場を含む。クニッツドメインは、プロテアーゼ活性阻害するための活性部位を含む。構造的に、本開示のクニッツドメインは、ジスルフィドリッチなアルファ+ベータフォールディング構造(fold)を含む。この構造は、ウシトリプシン阻害剤によって例証される。クニッツドメインペプチドは、特異的タンパク質構造を認識し、競合プロテアーゼ阻害剤として機能する。本開示のクニッツドメインは、エカランチド(ヒトリポタンパク質関連凝固阻害剤(LACI)由来)を含み得る。

0081

本開示のモノボディは、単鎖抗体匹敵するサイズの小さいタンパク質(約94アミノ酸を含み、約10kDaの質量を有する)である。これらの遺伝子操作されたタンパク質は、抗原を含む標的配列を特異的に結合する。本開示のモノボディは、1つまたは複数の別個のタンパク質または標的配列を特異的に標的化し得る。好ましい実施形態では、本開示のモノボディは、ヒトフィブロネクチンの構造を模倣する、より好ましくは、フィブロネクチンの10番目細胞外III型ドメインの構造を模倣する、タンパク質足場を含む。フィブロネクチンの10番目の細胞外III型ドメイン、ならびにそのモノボディ模倣物は、バレルを形成する7つのベータシートおよび抗体の3つの相補性決定領域(CDR)に対応する各側の3つの曝露されたループを含有する。抗体の可変ドメインの構造とは対照的に、モノボディは、金属イオンのためのあらゆる結合部位、ならびに中心のジスルフィド結合を欠く。多特異性モノボディは、ループBCおよびFGを改変することによって最適化され得る。本開示のモノボディは、アドネクチン(adnectin)を含み得る。

0082

この非共有結合的連結は、例えば、足場タンパク質を含み得る。本開示の足場タンパク質には、例えば、本開示の抗体模倣物が含まれる。本開示の足場タンパク質には、例えば、小モジュラー免疫医薬品(SMIP)分子、ドメイン抗体およびナノボディがさらに含まれる。

0083

本開示のSMIP分子は、標的配列または抗原に対して単一特異性である免疫グロブリン(抗体)の1つまたは複数の配列または部分を含む人工タンパク質である。本開示のSMIPは、モノクローナル抗体の使用を置換し得る。構造的に、SMIPは、結合領域、ヒンジ領域(即ち、コネクター)およびエフェクタードメインを含む単鎖タンパク質である。SMIPの結合領域は、改変された単鎖可変断片(scFv)を含み得る。SMIPは、二量体として、遺伝子改変された細胞から産生され得る。

0084

本開示のドメイン抗体は、単一モノマー性可変抗体ドメイン(即ち、重鎖または軽鎖のいずれかの可変ドメイン)を含む。本開示のドメイン抗体は、抗体全体およびインタクトな抗体と同じ抗原特異性を実証する。本開示のドメイン抗体は、所望の抗原によるヒトコブラクダラクダラマアルパカまたはサメの免疫化、および重鎖抗体をコードするmRNAの引き続く単離によって、少なくとも一部は製造され得る。

0085

本発明のナノボディは、VHH単一ドメイン抗体を含む。本発明のナノボディは、本開示の単一ドメイン抗体を含み得る。

0086

一態様では、この非共有結合的連結は、エフェクター分子またはDNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合された、反対側の構成成分との非共有結合的相互作用が可能なタンパク質結合ドメインを含み得る。タンパク質結合ドメインの非限定的な例には、例えば、SH2、SH3、PTB、LIM、SAM、PDZ、FERM、CH、プレクストリン、WW、WSxWS、およびE3リガーゼドメインが含まれる。

0087

一態様では、この非共有結合的連結は、反対側の構成成分に共有結合的に結合されたタンパク質に結合することが可能な、エフェクター分子またはDNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合されたタンパク質を含み得る。非限定的な例には、非共有結合的に相互作用する任意の2つのタンパク質が含まれる。かかるタンパク質は、Database of Interacting Proteins(DIP)、STRING、BioGRID、MIPSなどを介して容易に同定される。

0088

一態様では、この非共有結合的連結は、エフェクター分子またはDNA局在化構成成分のいずれかに共有結合的に結合された、反対側の構成成分に共有結合的に結合されたタンパク質または他の小分子との非共有結合的結合を形成することが可能な小分子を含み得る。1つのかかる例には、オリゴヌクレオチドに結合されたビオチンおよびエフェクター分子に共有結合的に連結されたアビジンが含まれる。

0089

上記方法および組成物は、例えば、特定のタンパク質がいくつかの機能を有し得る状況において、使用され得る。トランスポザーゼタンパク質は、例えば、トランスポゾン認識、トランスポゾンを切り出すためのDNAの切断、新たなゲノム位置へのトランスポゾン配列の移動、新たな標的部位の認識、および新たな遺伝子座においてトランスポゾンを組み込むためのDNAの切断を含む所望の機能を達成するために、いくつかのステップを実施しなければならない。ある特定の態様では、ゲノム中の特定の部位においてトランスポゾンを組み込むようにトランスポザーゼを指向させることが望まれ得る。これらの態様では、これは、例えば、部位特異的DNA結合活性を有する異種タンパク質を付加することによって実行され得る。しかし、部位特異的DNA結合活性を有する異種タンパク質は、標的部位認識ステップの間にしか必要とされず、上記プロセスのより初期の段階におけるこのタンパク質の存在は、他のステップにとっては有害であり得る。このように、この態様では、部位特異的DNA結合活性を有する異種タンパク質とトランスポザーゼとの一時的会合は、トランスポザーゼを目的のゲノム部位に指向させ、一方でこのプロセスの他のステップが、非共有結合的結合に起因するタンパク質の干渉を制限して実行されるのを可能にする。

0090

別の一例として、その活性がゲノム中の特異的位置において生じるように、例えばヌクレアーゼ、メチラーゼ、デアセチラーゼなどの酵素タンパク質を、特異的DNA結合ドメインと一時的に相互作用させることが望まれ得る。例えば、FokI制限ヌクレアーゼを、DNA切断について触媒的に不活性であるCas9タンパク質と一時的に相互作用させることが所望され得る。

0091

一態様では、このリンカーは、DNA結合要素とエフェクターとの間の非共有結合的連結を含む。例えば、一態様では、ファージディスプレイ(PhD)が、特定の標的に対する単鎖可変断片(scFv)抗体または単一ドメイン抗体(sdAb)を産生するために使用され得る。PhDは、連結を提供する、piggyBac(PB)トランスポザーゼなどのエフェクターに対するscFv抗体を同定するために使用され得る。scFv親和性における大きな多様性は、親和性選択プロセスストリンジェンシーを制限することによって得られ得る。一態様では、この連結は、PBトランスポザーゼ(PBase)と、モジュラーDNA結合ドメイン、例えば、多指(polydactyl)ジンクフィンガー、TALアレイまたはdCas9タンパク質(関連するガイドRNAを伴う)との間にあり得る。一部の態様では、より速い解離速度(off−rate)を有するscFv抗体は、複合体の許容的ゆらぎ(breathing)」を提供し得る。他の態様では、エフェクターおよびDNA結合要素のコンフォメーションおよび/または可撓性が重要であり得る。非共有結合的連結は、開示された遺伝子編集組成物にコンフォメーション上の柔軟性を提供し得る。あるいは、エフェクターの特定のエピトープを結合するscFvのより遅い解離速度(およびより高いKd)は、伝統的なペプチド連結によって他の方法では取得できない、遺伝子編集複合体の最適な安定性およびコンフォメーションを提供し得る。scFv抗体におけるほぼ徹底的な探索により、遺伝子編集複合体の可能なコンフォメーションの大きな多様性の中から選択することが可能になる。PhD戦略は、複数の独自のエピトープに対する独自の一価scFvの生成を通じて、かかる多様性を創出する。

0092

さらに、scFv抗体の使用を介して達成されるものなどの非共有結合的連結方法は、未改変およびネイティブのエフェクター(例えば、PB)を使用し得る。これは、エフェクターとDNA結合要素との間の可逆的な会合を提供し、これにより、共有結合的連結に供される場合に生じ得る、エフェクターの活性のあらゆる永続的な干渉も回避し得る。ある特定の非共有結合的会合は、エフェクター反応を損なう立体障害を導入し得る。いくつかの活性(部位認識鎖切断、トランスポゾン結合および組込み)が関与し得るので、各別々のステップは、特定の立体障害によって示差的に影響され得る可能性が高い。例えば、DNAトランスポゾンとのトランスポザーゼ会合(1つのゲノム部位から別のゲノム部位へのトランスポゾン可動化の間の)が、非常に遅い解離速度を有する場合、この会合を破壊する、DNA結合要素−scFvとPBaseとの間の非常に高い親和性の会合を有することは、有害である。しかし、DNA結合要素−scFvタンパク質が、より遅いが顕著な親和性で結合する場合、これは、トランスポゾン可動化の間に一時的に取って代わられ得る。かかる初期ステップは、完全に機能的でDNA結合因子対応の部位特異的トランスポザーゼを創出するためのより後期のステップにおける複合体の引き続く再アセンブリと共に、DNA結合因子−scFvとPBaseとの一時的解離を含み得ることが可能である。

0093

ファージディスプレイは、最適な連結を提供する、PBaseに対するscFv抗体を同定するために使用される。scFv親和性における大きな多様性は、親和性選択プロセスのストリンジェンシーを制限することによって得られ得る。この多様性は、PBaseとモジュラーDNA結合性タンパク質(DBP)との間の首尾よい連結を同定するためのPhDアプローチの重要な利点を示し得る。一部の例では、より速い解離速度を有するscFv抗体は、DBP−PBase複合体の許容的「ゆらぎ」を提供し得る。以前の研究により、E2cがSBトランスポザーゼに融合される場合、18bpの認識配列の1つのハーフイト(half−site)中に完全なミスマッチが存在するとき、効率はほぼ2倍になることが示されている[36]。「可撓性」15残基リンカー(−GGS5−)がSB−E2c融合物に使用されても、E2cハーフサイト認識によって提供される可撓性が、効率的な部位特異的転位を可能にすると仮説が立てられてきた。これは、PBaseとの融合物にも当てはまり得る。とにかく、DBPおよび融合したトランスポザーゼのコンフォメーションおよび/または可撓性が重要であるようであり、非共有結合的連結は、このコンフォメーション上の柔軟性を提供し得る。あるいは、PBaseの特定のエピトープを結合するscFvのより遅い解離速度(およびより高いKd)は、DBP−PBase複合体の最適な安定性およびコンフォメーション−単純なペプチド連結によって他の方法では獲得できないコンフォメーションを提供し得る。scFv抗体におけるほぼ徹底的な探索により、DBP−PBase複合体の可能なコンフォメーションの大きな多様性の中から選択することが可能になる。PhD戦略は、複数の独自のエピトープに対する独自の一価scFvの生成を通じて、かかる多様性を創出し得る。

0094

scFv抗体の使用を介して達成されるものなどの非共有結合的連結方法は、未改変およびネイティブのPBaseタンパク質を使用する。これは、PBaseとDBPとの間の可逆的な会合を提供し、これにより、共有結合的連結に供される場合に生じ得る、PBaseの触媒活性のいかなる永続的な干渉も回避し得ると考えられる。ある特定の非共有結合的会合は、トランスポザーゼ反応を損なう立体障害を導入し得るが、転位反応には別々の触媒ステップ(部位認識、鎖切断、トランスポゾン結合および組込み)が関与するので、各別々のステップは、特定の立体障害によって示差的に影響される可能性が高い。例えば、DNAトランスポゾンとのトランスポザーゼ会合(1つのゲノム部位から別のゲノム部位へのトランスポゾン可動化の間の)が、非常に遅い解離速度を有する場合、この会合を破壊する、E2c−scFvとPBaseとの間の非常に高い親和性の会合を有することは、明らかに有害であろう。しかし、E2c−scFvタンパク質が、より遅いが顕著な親和性で結合する場合、これは、トランスポゾン可動化の間に一時的に取って代わられ得る。かかる初期ステップは、完全に機能的でE2c対応の部位特異的トランスポザーゼを創出するためのより後期のステップにおける複合体の引き続く再アセンブリと共に、E2c−scFvとPBaseとの一時的解離を含み得ることが可能である。

0095

抗PB抗体を産生するための免疫化。

0096

抗体ライブラリーは、当技術分野で周知の方法を使用して、免疫化したウサギから産生される。ウサギは、2つの重要な利点を提供する:1)それらの大きさは、大量の組織(脾臓および骨髄)および力価決定のための豊富血清を提供する、ならびに2)ウサギではB細胞発生の間に再編成される遺伝子セグメントがより少ないので、抗体遺伝子増幅のために必要とされるPCRプライマーがより少ない。6匹のNew Zealand Whiteウサギを、各々、200pgの組換えPBaseタンパク質+アジュバントで免疫化し、血清を、抗体力価を決定するために、免疫化の6週間後に収集する。力価を、固定化した組換えPBaseタンパク質に対するELISAによって決定し、最も高い力価(少なくとも1:1000)を有する動物を、脾臓および骨髄を単離するために屠殺する。ウサギが十分な力価を生じない場合、胎児ウサギ組織由来のナイーブライブラリーを使用する。これは、再編成されていない重鎖および軽鎖遺伝子の偏りのない収集物を提供する。総RNAを、Trizol(Invitrogen)を使用して組織から抽出し、cDNA合成を、iScript cDNA合成キット(BioRad)を用いて実施する。

0097

scFv遺伝子融合物の生成。

0098

ウサギ由来の重鎖および軽鎖遺伝子の発現された可変領域を単離するために、いくつかのプライマーを使用する。8つのプライマーが、カッパおよびラムダ軽鎖増幅のために使用され、5つのプライマーが、重鎖遺伝子増幅のために使用される。プライマーは、重鎖および軽鎖の可変領域(VHおよびVL)を連結する18アミノ酸のリンカー配列(SSGGGGSGGGGGGSSRSS)(配列番号2)のコード配列もまた含有する。このより長いリンカー配列は、モノマー形態のscFv断片のより良い安定性を提供する。VHおよびVL遺伝子PCR産物は、このリンカー領域においてオーバーラップし、次いで、オーバーラップエクステンション(OLE)PCRによってアセンブルされ得る(図1)。次いで、PCR産物を、Sfilで消化し、Sfil消化したpComb3Hとライゲーションさせ、次いで、DNAを、ゲル電気泳動によってサイズ選択する。このプラスミドは、pillコートタンパク質に融合されたscFvのファージミドディスプレイを可能にする。約5分子のpillファージコートタンパク質が、各ファージ粒子上に存在する。pComb3Hプラスミドは、約1つまたは2つの分子が野生型pill(これはヘルパーファージによって提供される)と共に組み込まれるようなレベルで、scFv−plll融合物を発現する。最大で1012のファージ粒子が単一の調製において生成され得るので、非常に多数のscFvをスクリーニングできる。PhDでは、scFvコード配列は、タンパク質をディスプレイするファージ粒子に常に連結され、従って、引き続くDNAサブクローニングは簡便に達成される。

0099

ファージライブラリーの産生およびスクリーニング。

0100

ライゲーションされたプラスミドDNA(50〜100ng)を、ER2538 E.coli(New England Biolabs)中にエレクトロポレーションする。次いで、E.coliを、5mLのSOC中で37℃で1時間振盪することによって回収する。欠陥のある複製起点を有するファージを、VCSM13ヘルパーファージを用いて産生する。ファージ粒子を、PEG−8000を用いて沈殿させ、次いで、さらなる遠心分離によって単離する。このファージ調製物は、一次ライブラリーであり、「パニング」によって親和性選択される。ファージ溶出が、固定化された抗原と共に再インキュベートされ、洗浄され、再度溶出される、二重認識パニングを実施する。これは、非特異的ファージを除外するのに役立つ。各ラウンドの選択を試験するために、ファージプールを、PBase抗原に対する親和性についてELISAによってアッセイする。PBaseまたはBSAを、96ウェルプレートコーティングし、ファージと共にインキュベートし、次いで、M13ファージコートタンパク質を認識する西ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート化抗M13抗体と共にインキュベートする。ELISA力価の増加は、各ファージプールの首尾良い親和性選択を示す。

0101

scFvライブラリーのレンチウイルスベクターへの移入、およびE.coliにおける拡大増殖。

0102

ファージミドDNAを、E.coliに各ファージプールを感染させ、カルベニシリンで選択し、その後標準的なプラスミド調製によって、パニングの2回目のラウンド(R2)および3回目のラウンド(R3)の後に細菌から単離する。プラスミドDNAを、Sfi1で消化してscFvコード配列を遊離させ、pLVX−IRES−ZsGreen1(Clontech)ベクター内のE2cコード配列の上流にライゲーションさせる。E2cコード配列は、短いリンカー配列(GGSSRSS)(配列番号3)もまた有し、E2cのN末端部分へのscFvライブラリーの融合物を創出する。次いで、2つの続くプラスミドライブラリー(R2およびR3)を、2つのレンチウイルスライブラリーの産生のために、Aim 2と同様に調製する。

0103

レンチウイルスライブラリー産生。

0104

レンチウイルス粒子の産生のために、5×108感染単位/mLもの高いウイルス力価を生じるLenti−XHTPackaging System(Clontech)を使用する。ウイルスを、製造業者仕様書に従って産生する。ウイルス上清を、HepG2およびHuh7細胞で力価決定し、その後、ZsGreenlレポーターによって生じるFACS蛍光によって、形質導入された細胞を計数する。

0105

HEK293細胞に、ウイルス上清もまた感染させて、E2c標的配列に結合するscFv−E2c融合タンパク質の能力を決定して、E2cドメインの結合親和性喪失がないことを確実にする。核溶解物を、形質導入された細胞から調製し、E2c標的配列を含有する標識されたDNAと共に、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)に使用する。親和性を、未改変E2cの発現のために形質導入された細胞由来の核溶解物と比較する。この手順は、E2c融合タンパク質の混合物(ライブラリー由来)をスクリーニングするので、親和性は、ライブラリーについての平均を示し、一部の融合物は、損なわれた親和性を有し得るが、他の融合物はそうでない可能性がある。その目的は、全体的な平均親和性が劇的に(50%)低減されないことを確実にすることであり、さもなければ、このことは、融合プロセス自体がE2cの親和性に負の影響を与えたことを示す。親和性を、当技術分野で理解されるように計算する。

0106

スクリーニング戦略。

0107

有効な部位特異的組込みについてスクリーニングするために、部位特異的組込みが機能的PAC導入遺伝子を生じるピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼ(PAC)補完戦略を使用する。類似の戦略が、染色体転座を検出するために使用されて来た。この選択は、スプライシングによって連結され得る2つの別々の配列へとPACコード領域を分離することによって達成される。第1の構成成分(E2c−SA−PAC141)は、アデノウイルスII(Ad2)後期主要転写物のイントロンl/エクソン境界由来のスプライスアクセプター(SA)のすぐ下流の、C末端141アミノ酸をコードするPACオープンリーディングフレーム(ORF)の3’断片からなる(図2)。転写物終結シグナルを提供するSV40後期ポリアデニル化シグナルは、PAC ORF断片(PAC141)のすぐ3’側に位置する。E2c認識配列を、SA−PC141断片の2つの同一であるが反転したコピーが隣接する、スプライスドナーおよびアクセプター配列を欠くp53イントロンの10.47Kb断片内に挿入する(図2)。この配置は、いずれかの配向での部位特異的挿入の後の、スプライシング、補完およびPAC発現を可能にする。潜在性スプライス部位について欠損している可能性が高いので、大きいイントロン断片を使用する。E2c−SA−PAC141カセットを含有する安定なHepG2およびHuh7細胞株を、チミジンキナーゼプロモーターによって駆動されるハイグロマイシン耐性カセット(TK−Hygro)で細胞を共トランスフェクトし、その後ハイグロマイシンで選択することによって、生成する。安定な株を、ピューロ(puro)で処理して、この抗生物質に対する感受性を確実にする。

0108

PAC ORFの残りのコード配列を含有するPAC遺伝子の5’部分(PAC58)を、E2c配列近傍での部位特異的組込みによって、PAC141配列間の領域中に、PBを介して可動化させる(図2)。このPBトランスポゾン(B11−iPAC58−SD)は、EGFPIRES配列の代わりにPAC遺伝子の5’コード領域を含有するcDNAを有する。機能的PAC転写物の発現を、Ad2アクセプター部位ドナー部位との間でのスプライシングによって促進する。これらの強力なスプライス部位は、選択的スプライシングを受けない。

0109

部位特異的組込みについての選択。

0110

HepG2またはHuh7の安定な細胞株由来の6000万の細胞を、10個のレトロウイルスライブラリー(8つのリンカーライブラリーおよび2つのscFvライブラリー)の各々によって、1の感染多重度(M01)で10×10cmディッシュにおいて形質導入した。HepG2およびHuh7は、それぞれ、約30%〜70%および70%〜95%の効率で、レンチウイルス(LV)ベクターで形質導入され得る。これらの肝細胞細胞株のLV感染は、肝細胞表現型を損なわないようである。scFvレンチウイルスライブラリーを受けている細胞を、PBaseコード配列を用いて生成したレンチウイルスで共形質導入する。24時間後、培地交換し、細胞をさらに24時間インキュベートし、次いで、BII−iPAC58−SDトランスポゾンを含有するプラスミドでトランスフェクトする。ほぼ確実に、実際の遺伝子治療のために、DNAは、DNAエピソームの形態で、リポソームナノ粒子またはアデノウイルスのいずれかによって送達されるので、トランスポゾンを、トランスフェクトされたDNAとして供給する。次いで、細胞を、さらに72時間インキュベートし、その後、ピューロで48時間選択する。これは、E2c−SA−PAC141カセットの上流のBII−iPAC58−SDトランスポゾンの部位特異的組込みについて選択する。HepG2およびHuh7について複数の細胞株(2〜3)をスクリーニングして、異なるゲノム背景のE2c−SA−PAC141導入遺伝子を説明する。レンチウイルスを介したPBase単独による形質導入(E2cまたはE2c−scFvなし)は、陰性対照を示し、存在したとしても、ピューロ耐性細胞をほとんど生じない可能性が高い。

0111

有効な連結(複数可)の同定および試験。

0112

ピューロ耐性細胞由来のゲノムDNAを、ライブラリークローニング部位に隣接するプライマーを使用するPCRのために単離する。これらの細胞は、一般に、E2c−SA−PAC141カセットの上流に部位特異的BIIiPAC58−SDトランスポゾン組込みを含有する。これらの細胞のうち多くが、PB媒介性の部位特異的組込みを促進した特異的リンカーまたはscFv抗体配列を有するプロウイルスDNAを含有する。最も効率的な連結戦略(共有結合的であれ非共有結合的であれ)についてさらに富化するために、二次ライブラリーを、上記のように、PCR産物をSfilで消化し、ライブラリーの産生および選択を反復することによって、PCR増幅されたリンカーまたはscFv配列から生成する。10個(8つのペプチドリンカーライブラリーおよび2つのscFvライブラリー)レトロウイルス調製物の各々について、3つのライブラリー世代(GO、G1、G2)をスクリーニングした後、最終的なPCR増幅されたプロウイルス挿入物をクローニングし、配列決定して、効率的な部位特異的標的化を生じるリンカーおよび/またはscFv抗体を同定する。試験を、一過的トランスフェクションおよびPAC補完を介して得られたピューロ耐性細胞の数によって測定される、組込みの効率を評価することによって実施する。同定された連結戦略をクローニングし、E2c−SA−PAC141カセットを含有するHepG2およびHuh7の安定な細胞株におけるPAC補完アッセイにおいて個々に試験する。PB−リンカー−E2cおよびE2c−scFvクローンを、一過的トランスフェクションおよび発現のためにpcDNA3.1(Invitrogen)中に挿入する。E2c−scFvクローンについて、pcDNA3.1中のPBaseを、pcDNA3.1−scFvプラスミドと共トランスフェクトして、PBaseタンパク質標的を提供する。BII−iPAC58−SDトランスポゾンもまた、共トランスフェクションを介して、プラスミドDNAとして供給する。およそ0.5〜1×106細胞を、等量のCMV−GFPプラスミドと一緒に6ウェルプレートにおいてトランスフェクトし、48時間の時点において蛍光顕微鏡検査によって評価されるトランスフェクション効率を決定する。72時間後、細胞を、10cmディッシュへと分割し、ピューロを添加し、耐性クローンを、1週間の選択後に計数する。

0113

オフターゲット(off−target)頻度の決定。

0114

オフターゲット頻度を決定するために、非特異的挿入を、サザンブロットおよびQPCRによって定量化する。最良のバリアント(上記のように同定したPB−リンカー−E2cまたはE2c−scFvクローン)によって生成された10個のピューロ耐性コロニーを拡大増殖させ、gDNAを抽出した。サザンブロットを、BsrGI(ERBB2遺伝子座について)またはPacI+SacI(E2c−SA−PAC141カセットについて)でgDNAを消化することによって実施する。DNAを、p53遺伝子座またはERBB2遺伝子内で、独自の配列を用いてプローブする。挿入物を欠く断片は、p53またはERBB2のいずれについてもおよそ5Kbであるが、BII−iPAC58−SD組込みは、各トランスポゾン挿入物について2.4Kbを付加する。p53イントロンまたはERBB2 5’UTR標的部位のいずれについても4つのトランスポゾン挿入物を示す、最大で約15Kbのサザンブロット上のバンド識別可能であり得る。この方法は、内因性p53ゲノム断片とE2c−SA−PAC141カセット中のp53断片との間を識別できない。しかし、内因性p53イントロン領域は、11625000の一倍体ゲノムを示す;ゲノムの残りの99.99984%は、このアッセイにおいてなおも測定可能である。総コピー数を、コピー数標準と併せて、BII−iPAC58−SDトランスポゾンに特異的なプライマーを用いたgDNAのQPCRによって決定する。これにより、部位特異的挿入 対 総挿入の比率を計算することが可能になる。10〜25%の部位特異的挿入を生じるバリアントが同定される。効率的な部位特異的組込みについての首尾よい富化は、ピューロ選択の各ラウンドにおける耐性細胞の漸増する数によって明らかである。一部のピューロ耐性細胞は、非特異的組込みとその後の染色体転座とによって生じ得る可能性がある。これは稀であり、部位特異的である。

0115

本発明の実施は、特に指示のない限り、当業者の技術範囲内である、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学細胞生物学および生化学の従来の技術を使用する。

0116

全ての百分率および比率は、特に指示のない限り、重量によって計算する。

0117

全ての百分率および比率は、特に指示のない限り、全組成に基づいて計算する。

0118

本明細書を通じて与えられる全ての最大の数的限界は、そのようなより低い数的限界が本明細書で明示的に書かれるかのように、全てのより低い数的限界を含むと理解すべきである。本明細書を通じて与えられる全ての最小の数的限界は、そのようなより高い数的限界が本明細書で明示的に書かれるかのように、全てのより高い数的限界を含む。本明細書を通じて与えられる全ての数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書で明示的に書かれるかのように、そのようなより広い数値範囲内に入る全てのより狭い数値範囲を含む。

0119

本明細書に開示される寸法および値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されると理解すべきではない。その代り、特記しない限り、各々のそのような寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に等価な範囲との両方を意味するように意図される。例えば、「20mm」として開示される寸法は、「約20mm」を意味するように意図される。

0120

任意の相互参照されたまたは関連の特許または出願を含む、本明細書で引用される全ての文書は、明示的に排除されないか他の方法で限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。任意の文書の引用は、それが、本明細書で開示もしくは特許請求された任意の発明に関して先行技術であること、またはそれが単独で、もしくは任意の他の参考文献(単数または複数)との任意の組み合わせで、任意のそのような発明を教示、示唆もしくは開示しているということの承認ではない。さらに、この文書中の用語の任意の意味または定義が、参照により組み込まれる文書中の同じ用語の任意の意味または定義と矛盾する範囲内では、この文書中でその用語に割り当てられた意味または定義が支配するものとする。

実施例

0121

本発明の特定の実施形態が例示および説明されてきたが、種々の他の変化および改変が、本発明の精神および範囲から逸脱することなしになされ得ることが、当業者に明らかである。従って、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内の全てのかかる変化および改変をカバーすることが意図される。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ