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技術 ベンゼン水素化を前接続して、ベンゼンおよびメチルシクロペンタンからシクロヘキサンを製造するための方法

出願人 ビーエーエスエフソシエタス・ヨーロピア
発明者 ミヒャエルヒューブナールーカスシュルツパヴェルチャイカオリヴァークリスティアンゴービンニコルホループダニエルプファイファーアンドレアスヴァイクゲナントマルタポルタガルシア
出願日 2015年4月20日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-563957
公開日 2017年6月29日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 2017-517495
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 触媒 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 取り出し箇所 事前分離 導管装置 排出箇所 難揮発性成分 所要エネルギー 出発材料混合物 イオン液体相
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月29日)のものです。
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図面 (4)

課題・解決手段

本発明は、メチルシクロペンタンMCP)およびベンゼンからシクロヘキサンを製造するための方法に関する。本発明の範囲では、MCPおよびベンゼンは、炭化水素混合物(KG1)の成分であり、この混合物は、さらにジメチルペンタンDMP)、場合によってシクロヘキサン、ならびに場合によって非環式C5〜C6アルカンおよびシクロペンタンから選択される少なくとも1つの化合物(易沸分)を含む。まず、ベンゼンは、水素化工程で反応して(炭化水素混合物(KG2)中に含まれる)シクロヘキサンになる一方、MCPは、触媒、好ましくは酸性イオン液体の存在下で異性化されてシクロヘキサンになる。水素化の後、ただし、異性化の前にジメチルペンタン(DMP)の分離が行われ、ここで、炭化水素混合物(KG2)中に含まれるシクロヘキサンは、まずDMPとともに分離される。このすでに異性化前に存在しているシクロヘキサンは、後接続された精留工程で改めてDMPと分離され、単離される、および/またはシクロヘキサンを製造するために本方法に返送されてよい。DMP分離とMCP異性化の間で、(易沸分が炭化水素混合物(KG1)中に含まれる場合)場合によって易沸分分離が行われる。異性化に続いて、シクロヘキサンの単離が行われて、場合によって、異性化されていないMCPおよび場合によって易沸分は返送される。好ましくは、炭化水素混合物(KG1)中にシクロヘキサンおよび/または易沸分が含まれているため、好ましくは、易沸分分離は、DMP分離と異性化前の間で実施される。さらに、シクロヘキサンとDMPの分離が追加的に実施される、つまり、ベンゼン水素化で生じ、ならびに場合によって出発材料混合物(KG1)中に含まれているシクロヘキサンの含分は単離され、ひいては回収されるのが好ましい。

概要

背景

概要

本発明は、メチルシクロペンタンMCP)およびベンゼンからシクロヘキサンを製造するための方法に関する。本発明の範囲では、MCPおよびベンゼンは、炭化水素混合物(KG1)の成分であり、この混合物は、さらにジメチルペンタンDMP)、場合によってシクロヘキサン、ならびに場合によって非環式C5〜C6アルカンおよびシクロペンタンから選択される少なくとも1つの化合物(易沸分)を含む。まず、ベンゼンは、水素化工程で反応して(炭化水素混合物(KG2)中に含まれる)シクロヘキサンになる一方、MCPは、触媒、好ましくは酸性イオン液体の存在下で異性化されてシクロヘキサンになる。水素化の後、ただし、異性化の前にジメチルペンタン(DMP)の分離が行われ、ここで、炭化水素混合物(KG2)中に含まれるシクロヘキサンは、まずDMPとともに分離される。このすでに異性化前に存在しているシクロヘキサンは、後接続された精留工程で改めてDMPと分離され、単離される、および/またはシクロヘキサンを製造するために本方法に返送されてよい。DMP分離とMCP異性化の間で、(易沸分が炭化水素混合物(KG1)中に含まれる場合)場合によって易沸分分離が行われる。異性化に続いて、シクロヘキサンの単離が行われて、場合によって、異性化されていないMCPおよび場合によって易沸分は返送される。好ましくは、炭化水素混合物(KG1)中にシクロヘキサンおよび/または易沸分が含まれているため、好ましくは、易沸分分離は、DMP分離と異性化前の間で実施される。さらに、シクロヘキサンとDMPの分離が追加的に実施される、つまり、ベンゼン水素化で生じ、ならびに場合によって出発材料混合物(KG1)中に含まれているシクロヘキサンの含分は単離され、ひいては回収されるのが好ましい。

目的

本発明の基礎をなす課題は、ベンゼン、MCP、DMPおよび場合によって少なくとも1つの易沸分を含む炭化水素混合物からシクロヘキサンを製造するための新規の方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

シクロヘキサンを製造するための方法において、以下の工程a)炭化水素混合物(KG1)を水素化して、(KG1)と比べてシクロヘキサンの量が増加した炭化水素混合物(KG2)を得る工程、ここで、(KG1)は、i)ベンゼン、ii)メチルシクロペンタンMCP)、iii)ジメチルペンタンDMP)、iv)場合によってシクロヘキサン、およびv)場合によって非環式C5アルカンシクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物を含むものであり、b)炭化水素混合物(KG2)を精留塔(D1)に供給する工程、c)DMPおよびシクロヘキサンを含む流(S1)を炭化水素混合物(KG2)から精留塔(D1)の排出部を介して分離し、(KG2)と比べてDMPの量が減少した炭化水素混合物(KG2a)を得る工程、ここで、前記排出部は、供給部の下方、好ましくは(D1)の底部にある、d)場合によって、非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物を、炭化水素混合物(KG2a)から精留塔(D3)で分離して、(KG2a)と比べて非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物の量が減少した炭化水素混合物(KG2b)を得る工程、e)炭化水素混合物(KG2a)または場合によって炭化水素混合物(KG2b)を触媒の存在下に異性化して、(KG2a)と比べて、または場合によって(KG2b)と比べてシクロヘキサンの量が増加した炭化水素混合物(KG3)を得る工程、f)シクロヘキサンを炭化水素混合物(KG3)から単離する工程を含む前記方法。

請求項2

請求項1に記載の方法において、工程a)で、炭化水素混合物(KG1)の水素化を、活性金属として元素周期表第8族から第10族までの少なくとも1つの元素、特にニッケルまたはルテニウムを含む触媒の存在下に実施することを特徴とする前記方法。

請求項3

請求項1または2に記載の方法において、炭化水素混合物(KG2a)は、炭化水素混合物(KG2)中に含まれるMCPの部分量の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%を含むこと、および/または炭化水素混合物(KG2a)は、DMPを((KG2a)中のMCPの総量を基準として)最大で0.1質量%、好ましくは最大で0.02質量%含み、特に好ましくは、炭化水素混合物(KG2a)は、2,4−DMPを((KG2a)中のMCPの総量を基準として)最大で0.015質量%含むことを特徴とする前記方法。

請求項4

請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法において、工程a)で、炭化水素混合物(KG1)は、成分iv)としてシクロヘキサンを含み、および/または成分v)として非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物を含み、ここで、(KG1)中に成分v)が存在している場合、工程d)を必ず実施し、その後工程e)で、炭化水素混合物(KG2b)を炭化水素混合物(KG2a)の代わりに使用することを特徴とする前記方法。

請求項5

請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法において、工程e)で、カチオンとして少なくとも部分的にアルキル化されたアンモニウムイオンもしくは複素環式カチオンを含み、および/またはアニオンとしてAlnCl(3n+1)(ただし、1<n<2.5)の組成を有するクロロアルミネートイオンを含む酸性イオン液体を触媒として使用することを特徴とする前記方法。

請求項6

請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法において、i)工程f)で、シクロヘキサンを少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%の純度で単離する、および/またはii)工程f)を精留塔(D4)で実施し、ここで、(D4)で、炭化水素混合物(KG3)からMCPおよび場合によって非環式C5〜C6アルカンを含む流(LS2)を分離して、流(LS2)をすべてまたは部分的に工程d)または工程e)に返送することを特徴とする前記方法。

請求項7

請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法において、シクロヘキサン、MCP、場合によって非環式C5〜C6アルカン、および場合によってシクロヘキサンより沸点が高い成分を含む炭化水素混合物(KG3)を精留塔(D4)に供給し、ここで、(D4)から、供給部の上方の取り出し箇所で、好ましくは頂部を介して、(D4)への供給流中に含まれるMCPおよび場合によって非環式C5〜C6アルカンの大部分を分離することを特徴とする前記方法。

請求項8

請求項6または7に記載の方法において、精留塔(D4)からシクロヘキサンを少なくとも98質量%の純度で(D4)の底部を介して取り除くか、または(D4)の供給部の下方にある側方排出部を介して、好ましくは(D4)の蒸気状の側方排出流によって取り除くことを特徴とする前記方法。

請求項9

請求項8に記載の方法において、(D4)の底部を介して取り除かれたシクロヘキサンが増加した流を精留塔(D5)に導入し、ここで、(D5)の底部を介して、シクロヘキサンより沸点が高い成分を含む流(S5)を分離して、(D5)への供給部の上方の取り出し箇所を介して、好ましくは頂部を介して、シクロヘキサンを少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%の純度で取り除くことを特徴とする前記方法。

請求項10

請求項8に記載の方法において、シクロヘキサンが増加した流を、側方排出部を介して精留塔(D4)から分離する、ここで、側方排出部は、好ましくは(D4)の回収部にある、および/またはシクロヘキサンが増加した流を、(D4)の側方排出部から、好ましくは精留塔として作られた装置(D6)にさらなる精製のために導入し、そこで(D6)の供給部の上方の取り出し箇所を介して、好ましくは頂部を介して、シクロヘキサンを少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%の純度で得ることを特徴とする前記方法。

請求項11

請求項6から10までのいずれか1項に記載の方法において、精留塔(D4)は分離壁塔として作られており、該分離壁は、部分的に供給箇所の下方にあり、排出箇所は該分離壁の領域にあり、該排出箇所を介して、好ましくは、液体のシクロヘキサン流を少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%の純度で取り出すことを特徴とする前記方法。

請求項12

請求項6から11までのいずれか1項に記載の方法において、流(LS2)を工程d)に返送し、好ましくは流(LS2)を工程d)が実施される精留塔(D3)の前の炭化水素混合物(KG2a)に導入することを特徴とする前記方法。

請求項13

請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法において、工程c)で、炭化水素混合物(KG2)から分離された流(S1)を精留装置(D2)に導入し、ここで、(D2)においてシクロヘキサンとDMPを分離し、好ましくは(D2)は抽出精留を含み、および/または好ましくは、(D2)から取り除かれたシクロヘキサンが増加した流は、DMPを最大で0.1質量%、好ましくは最大で0.02質量%、特に好ましくは2,4−DMPを最大で0.015質量%含むことを特徴とする前記方法。

請求項14

請求項13に記載の方法において、シクロヘキサン/DMP分離は、以下の工程i)からiii)までi)標準沸点が84℃超の難沸分の((D2−1)への供給流中の量を基準として)大部分が底部を介して分離され、シクロヘキサンおよび標準沸点が79℃から84℃までのその他の化合物の((D2−1)への供給流中の量を基準として)大部分が頂部を介して分離される精留塔(D2−1)、ii)(D2−1)からの頂部生成物抽出助剤と合され、蒸留されて、抽出助剤およびシクロヘキサンの大部分が底部を介して取り除かれ、(D2−1)からの頂部生成物中に含まれる、標準沸点が79℃から84℃までのその他の化合物の大部分が頂部を介して(D2−2)から取り除かれる抽出精留塔(D2−2)、ならびにiii)(D2−2)からの底部流中に含まれるシクロヘキサンの大部分が頂部を介して取り除かれ、(D2−2)からの底部流中に含まれる抽出助剤の大部分が底部を介して取り除かれる再生塔(D2−3)を含み、ここで、精留装置(D2)は、3つの構成要素(D2−1)から(D2−3)までによって構成されることを特徴とする前記方法。

請求項15

請求項13または14に記載の方法において、精留装置(D2)に由来するシクロヘキサンを、工程e)による異性化で製造されたシクロヘキサンと合することを特徴とする前記方法。

請求項16

請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法において、炭化水素混合物(KG1)は、すべてまたは部分的にスチームクラッキング法に由来するものであることを特徴とする前記方法。

技術分野

0001

本発明は、メチルシクロペンタンMCP)およびベンゼンからシクロヘキサンを製造するための方法に関する。本発明の範囲では、MCPおよびベンゼンは、炭化水素混合物(KG1)の成分であり、この炭化水素混合物は、さらにジメチルペンタンDMP)、場合によってシクロヘキサン、ならびに場合によって非環式C5〜C6アルカンおよびシクロペンタンから選択される少なくとも1つの化合物(易沸分)を含む。まず、ベンゼンは水素化工程で反応して(炭化水素混合物(KG2)中に含まれる)シクロヘキサンになる一方、MCPは、触媒、好ましくは酸性イオン液体の存在下に異性化してシクロヘキサンになる。水素化の後、ただし、異性化の前にジメチルペンタン(DMP)の分離が行われ、ここで、炭化水素混合物(KG2)中に含まれるシクロヘキサンは、まずDMPとともに分離される。すでに異性化の前に存在しているこのシクロヘキサンは、後接続された精留工程において改めてDMPと分離され、単離され、および/またはシクロヘキサン製造のためにこの方法に返送されてよい。DMP分離とMCP異性化の間で、(易沸分が炭化水素混合物(KG1)中に含まれている場合)、場合によって易沸分分離が行われる。異性化に続いて、シクロヘキサンの単離が行われ、場合によって、異性化されなかったMCPおよび場合によって易沸分は返送される。炭化水素混合物(KG1)中にシクロヘキサンおよび/または易沸分が含まれているのが好ましいため、易沸分分離は、DMP分離と異性化の間で実施されるのが好ましい。さらに、追加的にシクロヘキサンとDMPの分離が実施されるのが好ましい、つまり、ベンゼン水素化で生じ、ならびに場合によって出発材料混合物(KG1)中に含まれているシクロヘキサンの含分は単離され、ひいては回収される。

0002

シクロヘキサンは、化学産業の重要な有価生成物であり、好ましくは、ほぼ純粋な形態で準備されたベンゼンの水素化によって製造されるものである。しかし、ここで、 ベンゼンが希少生成物であること、およびしたがってシクロヘキサンへの水素化と、別の使用、例えばスチレンの製造が競合することが問題である。したがって、純粋なベンゼンとは異なる出発材料から出発するシクロヘキサンの製造方法を見出すことが促される。

0003

さらに、シクロヘキサンは、ベンゼンの水素化によるだけではなく、MCPの異性化によっても製造できることは公知である。そのような異性化のための触媒として、好ましくは、ルイス酸またはブレンステッド酸の意味の酸性触媒、例えばフリーデルクラフツ触媒または酸性のイオン液体も使用される。

0004

シクロヘキサンの製造に使用可能な出発材料であるベンゼンおよびMCPは、実際に炭化水素混合物の成分であることが多い。炭化水素混合物の具体的な組成は大幅に変化してよく、ジメチルペンタン(DMP)を含むことも多い。さらに、この炭化水素混合物は、すでに本来の目的生成物であるシクロヘキサンを含んでいてもよい。

0005

しかし純粋な目的生成物、つまり、特性に適ったシクロヘキサンを得るためには、シクロヘキサンと、使用される炭化水素混合物中に含まれており、水素化もしくは異性化の後になおも存在しているあらゆるその他の成分を分離する、つまり、出発混合物中に含まれるDMPも分離する必要がある。しかし、DMPと本来の方法生成物であるシクロヘキサンの分離は、特にDMP異性体、2,4−ジメチルペンタン(2,4−DMP)である場合、技術的にかなり要求が高く、かつ費用がかかる。2,4−DMPの標準沸点は、80.52℃であり、シクロヘキサンの標準沸点(80.78℃)にきわめて近く、別のDMP異性体の標準沸点は、それに反してシクロヘキサンとの差が比較的大きい(2,3−DMPの標準沸点は、例えば89.88℃である)。

0006

米国特許出願公開第2003/0109767号明細書(US−A2003/0109767)は、C5〜C8パラフィン炭化水素パラフィン)を、触媒としてイオン液体の存在下で異性化するための方法を開示している。イオン液体は、カチオンとして含窒素複素環式化合物または含窒素脂肪族化合物を含み、相応アニオンは、金属ハロゲン化物由来するものである。異性化されるパラフィンは、直鎖アルカン、例えばn−ヘキサンまたはn−オクタン、ならびに一置換アルカン、例えば3−メチルヘキサンもしくはその混合物である。米国特許出願公開第2003/0109767号明細書(US−A2003/0109767)に記載された方法によって、分岐度が比較的高いパラフィンを製造することができるとのことである。それとは異なり、例えばシクロヘキサンは、MCPと比べて分岐度が比較的低い。さらに、米国特許出願公開第2003/0109767号明細書(US−A2003/0109767)には、出発材料混合物中に場合によって含まれる芳香族化合物が異性化の前に水素化されるという趣旨の記述は含まれていない。さらに、米国特許出願公開第2003/0109767号明細書(US−A2003/0109767)には、異性化に使用される材料がDMPを含んでいてもよいことは記載されていない。したがって、この文献には、どの箇所でDMPとシクロヘキサンが分離されるか、もしくはこの分離が困難であるかについての記述も含まれていない。

0007

欧州特許出願公開第1403236号明細書(EP−A1403236)に記載された異性化方法では、同じく、イオン液体の存在下に異性化されるパラフィン(炭化水素)の比較的高い分岐度が得られるとのことである。さらに、この異性化方法は、添加物として環式炭化水素の存在下に、かつ反応媒体中で実施され、ここで、環式炭化水素は、構造単位として第三級炭素原子を含むか、もしくは反応媒体によって、そのような構造単位を有する相応の化合物に変えられる。好ましくは、メチルシクロヘキサンまたはジメチルシクロペンタンは、そのような環式炭化水素添加物として使用される。異性化されるパラフィンとして、直鎖アルカン、例えばn−ブタンまたはn−オクタンならびにモノメチル置換アルカン、例えば2−メチルヘキサンが使用される。イオン液体は、好ましくは、カチオンとして含窒素複素環式化合物または含窒素脂肪族化合物をベースにしており、ならびに無機アニオン、例えばアルミニウムハロゲン化物をベースにしている。同じく、欧州特許出願公開第1403236号明細書(EP−A1403236)には、出発材料混合物中で場合によって含まれる芳香族化合物が異性化の前に水素化されることについての記述は含まれていない。相応のことは、出発材料混合物中にDMPが場合によって存在している場合にも当てはまる

0008

米国特許出願公開第2005/0082201号明細書(US−A2005/0082201)は、ベンゼン含有率の低いガソリンを製造するための方法を開示しており、ここで、まず、第一の方法工程において、ベンゼン、オレフィンおよび硫黄含有化合物、例えばチオフェンを含む炭化水素混合物が精留塔に供給され、この精留塔から頂部を介して低沸点の化合物が分離され、側方排出部を介してベンゼンを含有する留分が分離され、そして塔底部から難沸分が分離される。第二の方法工程では、側方排出部から得られた留分は、水素化触媒の存在下に水素化され、ここで、ベンゼンはシクロヘキサンになり、チオフェンは硫化水素に変えられる。第二の方法工程で生じたシクロヘキサンを含有する混合物は、ベンゼン含有率の低いガソリンを製造するのに好適である。その中に含まれているシクロヘキサンの単離または一般的な異性化、例えばMCPのシクロヘキサンへの異性化は、米国特許出願公開第2005/0082201号明細書(US−A2005/0082201)には開示されていない。相応のことは、出発材料混合物中にDMPが場合によって存在していることにも当てはまる。

0009

国際公開第2010/027987号(WO2010/027987)は、炭化水素含有混合物中のベンゼンの濃度を低下させるための別の方法に関する。第一の分離段階では、ベンゼンおよび別のC6炭化水素を含むベンゼンを含有する留分と、7個以上の炭素原子を有する炭素を含む難沸留分が分離される。続いて、ベンゼンを含有する留分は水素化されて、ベンゼン含有率が低い炭化水素留分が得られる。ベンゼンの水素化で、シクロヘキサンが形成される。国際公開第2010/027987号(WO2010/027987)にも、水素化で得られた混合物からシクロヘキサンを単離できることについての示唆は含まれておらず、むしろこの方法生成物もベンジン製造に使用されるとのことである。同じく、この文献もMCPのシクロヘキサンへの異性化、および炭化水素出発材料混合物中のDMPの存在をほとんど開示していない。

0010

米国特許第3,311,667号明細書(US−A3,311,667)は、ベンゼンを混合物から除去するための方法に関しており、この混合物は、その後、MCPのシクロヘキサンへの異性化に供給される。水素化では、ベンゼンは、好適な触媒、例えばケイソウ土上の金属触媒の存在下に水素によって水素化されてシクロヘキサンになる。MCPのシクロヘキサンへの異性化は、金属ハロゲン化物、例えば酸強化された(saeureverstaerkt)ハロゲン化アルミニウムの存在下に実施される。しかし、この文献には、DMPが存在しているのか、ひいてはどの箇所でDMPとシクロヘキサンが分離されるか、もしくはこの分離は困難であるのかどうかについての記述は含まれていない。

0011

欧州特許出願公開第1995297号明細書(EP−A1995297)は、ベンゼンの水素化および脱環化のための、およびベンゼンを最大で1質量%含む混合物中に含まれているC5〜C6パラフィンを異性化するための方法ならびにそれに関連する装置を開示している。ベンゼンの水素化のために、金属含有触媒が使用されてよく、ここで、金属として、白金族元素、スズまたはコバルトおよびモリブデンが好適である。ベンゼンの残量を含みうる、水素化で得られた混合物を異性化するためには、特にゼオライトが触媒として使用される。欧州特許出願公開第1995297号明細書(EP−A1995297)に記載された方法では、異性化の場合に、ベンゼン水素化で得られたシクロヘキサン環開環イソアルカンになるようにパラメーターが調節される。つまり、この方法は、シクロヘキサンの製造ではなく、分岐度の高いアルカンの製造が主である。さらに、欧州特許出願公開第1995297号明細書(EP−A1995297)にも、異性化のために酸性のイオン液体も使用されてよいこと、もしくは異性化前の芳香族化合物、特にベンゼンの分離が有利であることについての記述は含まれていない。欧州特許出願公開第1995297号明細書(EP−A1995297)に相応する方法は、欧州特許出願公開第1992673号明細書(EP−A1992673)に記載されている。

0012

米国特許第2,846,485号明細書(US−A2,846,485)は、高純度のシクロヘキサンおよびベンゼンを製造するための方法を開示しており、ここで、n−ヘキサン、ベンゼン、MCP、シクロヘキサンおよびDMPを含む混合物が使用される。第一抽出精留帯域では、ベンゼンとそれ以外の出発材料成分が分離される。ベンゼンをほとんど含まない出発材料は、シクロヘキサンおよびMCPを含み、かつ第二分別精留帯域の底部に由来する混合物と合される。そのようにして合された混合物は、第一分別精留帯域に供給され、ここで、頂部を介してMCPを含む留分が分離され、底部からシクロヘキサンを含む留分が分離される。

0013

第一分別精留帯域の頂部を経由する生成物は、まず、異性化帯域に導入され、この帯域で、MCPの主要量は、フリーデル・クラフツ触媒、例えば追加的にHClを含みうる塩化アルミニウムを使用して異性化されてシクロヘキサンになる。異性化生成物は、前述の第二分別精留帯域に導入されて、そこでn−ヘキサンおよび易沸分が頂部生成物として分離される。第一分別精留帯域からの底部生成物は、第二抽出精留帯域に導入され、この抽出精留帯域で底部から、シクロヘキサンを含む混合物が、頂部を介して取り除かれたDMPと分離される。

0014

米国特許第2,846,485号明細書(US−A2,846,485)に記載された方法は好ましくない、それというのは、(特に)装置にきわめて費用がかかるからである。本来の方法生成物のシクロヘキサンとDMPの分離は、方法の終了後に初めて行われる、それというのは、MCPの異性化で形成されたシクロヘキサンは、DMPを含む留分に返送されるからである、つまり、DMPと、製造されたシクロヘキサンの全量を分離する必要がある。さらに、この方法では、まずベンゼンが分離されて、ベンゼンが独立した生成物として得られる。しかし、ベンゼンの分離は、本発明の方法によるベンゼンのシクロヘキサンへの水素化より装置に費用がかかる。

0015

米国特許第3,406,217号明細書(US−A3,406,217)は、ベンゼン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサンおよび1個から8個までの炭素原子を有するパラフィン炭化水素を含む石油ナフサ留分からシクロヘキサンを製造するための方法に関する。工程a)では、(石油ナフサ留分蒸留帯域に導入される。工程b)により、蒸留帯域ではi)ベンゼン、メチルシクロペンタンおよびシクロヘキサンを含む中間留分、ii)ペンタンおよび軽質パラフィン系炭化水素を含む頂部を経由する留分、ならびにiii)ヘプタンおよび重質パラフィン系炭化水素を含む底部留分が互いに分離される。工程c)により、底部留分は、クラッキング帯域に通されて、ここで、底部留分の少なくとも一部は、ベンゼン、オレフィンおよびジオレフィンに変えられる。工程d)では、ベンゼンを含む流がこのクラッキング帯域から除去されて、工程b)による中間留分と合される。工程d)によるこの合された流から、工程e)において、パラフィン成分が除去されて「ベンゼン水素化供給流」が作られる。この流は、工程f)において、ベンゼン水素化帯域に通され、ここで、ベンゼンがシクロヘキサンに変わる。ベンゼン水素化帯域からの流出物は、工程g)において異性化帯域に通され、ここで、メチルシクロペンタンはシクロヘキサンに変えられる。工程h)により、シクロヘキサンは、異性化帯域から除去される。米国特許第3,406,217号明細書(US−A3,406,217)による方法では、異性化の際、慣用異性化触媒、例えばHClを有するハロゲン化アルミニウム錯体触媒が使用される。シクロヘキサンとDMPの分離は、この方法ではまったく問題にならない、それというのは、米国特許第3,406,217号明細書(US−A3,406,217)で使用される出発材料混合物は、DMPをまったく含まないからである。

0016

米国特許第6,503,465号明細書(US−B6,503,465)は、飽和C6炭化水素を含む炭化水素装入物質を異性化するための系を開示している。この系は、第一の異性化触媒、ならびに互いにきわめて複雑に関係している合計14つの異なる導管装置を備える第一異性化反応器を含む。この系では、合計2つの異性化反応器および3つのセパレータが互いに接続されている。米国特許第6,503,465号明細書(US−B6,503,465)の唯一の図は、そのような系を具体的に示すものである。この方法では、シクロヘキサン、イソヘキサン、メチルシクロペンタンおよび/またはn−ヘキサンを含みうる流も重要である。しかし、シクロヘキサンは所望の目的生成物ではなく、むしろイソヘキサンならびにn−ヘキサンの取得が中心を占めている。しかし、ベンゼンのシクロヘキサンへの水素化、ならびにシクロヘキサン/DMP混合物分離の問題点は、米国特許第6,503,465号明細書(US−B6,503,465)による方法では重要ではない。

0017

イオン液体は、特に、炭化水素の異性化のための触媒として好適である。イオン液体の相応の使用は、例えば国際公開第2011/069929号(WO2011/069929)に開示されており、ここで、特別に選択されたイオン液体は、オレフィンの存在下に飽和炭化水素の異性化のために使用され、特にメチルシクロペンタン(MCP)のシクロヘキサンへの異性化のために使用される。相応の方法は、国際公開第2011/069957号(WO2011/069957)に記載されているが、そこで異性化は、オレフィンの存在下ではなく、銅(II)化合物によって行われる。

0018

本発明の基礎をなす課題は、ベンゼン、MCP、DMPおよび場合によって少なくとも1つの易沸分を含む炭化水素混合物からシクロヘキサンを製造するための新規の方法を提供することにある。さらに、場合によって炭化水素混合物中に含まれるシクロヘキサン、ならびにベンゼンの水素化で形成されるシクロヘキサンを回収することができる方策があることが望ましい。

0019

本課題は、以下の工程
a)炭化水素混合物(KG1)を水素化して、(KG1)と比べてシクロヘキサンの量が増加した炭化水素混合物(KG2)を得る工程、ここで、(KG1)は、i)ベンゼン、ii)メチルシクロペンタン(MCP)、iii)ジメチルペンタン(DMP)、iv)場合によってシクロヘキサン、およびv)場合によって非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物を含むものであり、
b)炭化水素混合物(KG2)を精留塔(D1)に供給する工程、
c)DMPおよびシクロヘキサンを含む流(S1)を炭化水素混合物(KG2)から精留塔(D1)の排出部を介して分離し、(KG2)と比べてDMPの量が減少した炭化水素混合物(KG2a)を得る工程、ここで、排出部は、供給部の下方、好ましくは(D1)の底部にある、
d)場合によって、非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物を、炭化水素混合物(KG2a)から精留塔(D3)で分離して、(KG2a)と比べて非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物の量が減少した炭化水素混合物(KG2b)を得る工程、
e)炭化水素混合物(KG2a)または場合によって炭化水素混合物(KG2b)を触媒の存在下に異性化して、(KG2a)と比べて、または場合によって(KG2b)と比べてシクロヘキサンの量が増加した炭化水素混合物(KG3)を得る工程、
f)シクロヘキサンを炭化水素混合物(KG3)から単離する工程
を含むシクロヘキサンを製造するための方法によって解決される。

0020

本発明による方法によって、純粋な、特に高純度の(特性に適った)シクロヘキサンを有利に製造することができ、ここで、特性は、例えば当業者に公知のカプロラクタムの製造のためにシクロヘキサンを使用することによって付与される。本発明による方法は、装置費用に関して有利であり、さらに高い収率のシクロヘキサンを得ることができる。

0021

シクロヘキサンの製造プロセスの第二部の前に工程c)によりDMPを(事前)分離することにより(「DMP事前分離」)、工程e)による異性化の結果として、特に、DMPが2,4−ジメチルペンタン(2,4−DMP)であり、これが出発材料混合物中に100ppm超の濃度で存在している場合、DMPと方法生成物であるシクロヘキサンのきわめて費用のかかる分離、特に精留を少なくとも部分的に回避することができる。このことによって、純粋な、もしくは高純度のシクロヘキサンの製造において、エネルギー消費および装置費用が明らかに減少する。

0022

本発明による方法によって、出発材料混合物中に含まれるDMPは、有利なことに、(事前)分離によって完全またはほぼ完全に出発材料混合物から取り除くことができる。特に好ましくは、本発明による方法は、出発材料混合物中に含まれるDMPが完全またはほぼ完全に(出発材料混合物中に含まれるあらゆるDMP異性体の量を基準として2%まで)DMP分離によって出発材料混合物と分離されるように実施される。代替的に、出発材料混合物からのほぼ完全なDMP分離は、MCPを基準とした混合物(KG2a)中に残留したDMP量によっても定義することができる。この考察では、精留装置(D1)で混合物(KG2a)として好ましくは頂部を介して取り除かれるDMP量は、頂部を介して取り除かれるMCPの合計量を基準として最大で0.1質量%、好ましくは最大で0.02質量%であることが特に好ましい。

0023

本発明による方法は、使用される炭化水素混合物(出発材料混合物)中にすでにシクロヘキサンが含まれているか、または含まれていないにかかわらずに実施することができる。使用される炭化水素混合物中にDMPの他にシクロヘキサン自体も含まれている場合、出発材料混合物中に含まれるこのシクロヘキサン、ならびに工程a)によるベンゼン水素化で形成されるジシクロヘキサンは、本発明による方法の範囲ではDMPとともに好ましくは底部を介して分離される。しかし、この状況に伴うシクロヘキサン生成物量の減少という欠点は、前述のエネルギー消費および装置費用の減少によって充分に相殺される。

0024

しかし、本発明の実施態様では、炭化水素・出発材料混合物中に含まれているこのシクロヘキサンは、再び回収することができる。この実施態様では、DMPとともにこの方法から排出されるシクロヘキサンは、蒸留によって、好ましくは抽出精留または共沸精留によってDMPと改めて分離される。ここで得られる、実質的にDMPを含まないシクロヘキサンは、単離されてよい、および/または方法生成物(本発明による方法によって工程e)で製造されるシクロヘキサン)に再び供給されるか、またはその他の箇所で本発明による方法に供給されてよい。この方法変形の利点は、この方法のさらに後方の箇所(下流)から、つまり例えばシクロヘキサン生成物流からの分離と比べて、DMPと明らかにより少ない量のシクロヘキサンの分離を実施できることにある、それというのは、DMPは、場合によって炭化水素出発混合物中に含まれているシクロヘキサン、ならびに水素化で形成されたシクロヘキサンと分離されるにすぎず、本来の方法生成物の主要部である異性化で形成されたシクロヘキサンと分離されないからである。したがって、この別個のDMP/シクロヘキサン分離には、比較的小型の装置および比較的少ないエネルギー量が必要である。

0025

さらに、本発明による方法では、工程a)による、芳香族化合物、特にベンゼンの水素化が前接続されているので、工程e)による異性化を有利に実施することができる。その利点は、(KG1)中に含まれている芳香族化合物、特にベンゼンが、前接続された水素化によって完全または少なくとも充分に分離されて、相応の飽和炭化水素に変わることができることである。したがって、異性化のため、特にMCPのシクロヘキサンへの異性化のために使用される触媒の別の場合に生じる不活性化は、特に酸性のイオン液体を触媒として使用するのが好ましい場合に使用される芳香族化合物、特にベンゼン、または別の不飽和化合物によって軽減されるか、または完全に回避される。

0026

さらに、(KG1)中に含まれるベンゼンの水素化は、本発明によればすべてまたは少なくとも大部分がDMPとともに工程c)によりこの方法から排出される水素化で生じたシクロヘキサンが、再び前述のDMP/シクロヘキサン分離によって回収される場合、生じた生成物の量は、ベンゼンの水素化で生じたシクロヘキサンの分だけ増加するという利点がある。

0027

さらに、残留している芳香族化合物、特にベンゼンの水素化による除去は、以下に記載される蒸留後処理工程が、特に最適な工程d)により、軽減されることが利点である、それというのは、そのようにして別の場合に生じる、芳香族化合物、例えばベンゼンと飽和C6〜C7アルカンとの共沸混合物の形成が回避されるからである。

0028

基本的に、易沸分、つまり、炭化水素混合物(KG1)中に任意に含まれる非環式C5〜C6アルカンならびにシクロペンタンの大部分、特にイソヘキサンの任意の分離は、本方法の様々な箇所で行われてよい。しかし、特に有利であるのは、ベンゼンを含む炭化水素混合物(KG1)の場合、易沸分の分離を水素化の後かつ異性化の前に実施することである。すなわち、水素化前に易沸分を分離したとすると、水素化前に炭化水素混合物中に含まれるベンゼンが、分離される易沸分の少なくとも一部と共沸混合物を形成し、したがって少なくとも部分的に易沸分とともに分離されるという欠点がある。それよって、生成物量は、易沸分とともに分離されたベンゼンの量だけ減少してしまうであろう。

0029

さらにまた、易沸分を異性化後に分離したとすると、易沸分は、異性化される炭化水素、特にMCPを希釈し、したがって異性化における空時収率の低下をもたらすという欠点がある。さらに、異性化の前にイソヘキサンを分離することは有利である、それというのは、それによって、n−ヘキサンからイソヘキサンへの異性化の推進力が、後続の異性化段階で高められるからである。さらにまた、異性化段階におけるn−ヘキサンからイソヘキサンへの異性化は重要である、それというのは沸点の位置のゆえに、n−ヘキサン(標準沸点68.7℃)は、イソヘキサン(標準沸点49.7℃から63.3℃まで)より明らかにMCP(標準沸点71.7℃)と分離しにくいからである。しかし、好ましくは、異性化段階に蒸留分離続き、この蒸留分離で、MCPが開鎖ヘキサンとともに、形成されたシクロヘキサンと分離されて異性化の前もしくは異性化に返送され、このことによって、さらにまた開鎖ヘキサンの本方法からの排出が必要となるため、上述の沸点の位置のゆえに、開鎖ヘキサンを主にイソヘキサンの形態で本方法から排出することは有利である一方、n−ヘキサンの異性化によって制限されるn−ヘキサンの蓄積はやむをえないものとして受け入れることができる。

0030

最初に難沸分の事前分離、およびその後にようやくベンゼン水素化を実施する方法と比べても、本発明による方法は複数の利点を提供する。特に、工程c)によるDMP/難沸分分離に本発明により前接続された工程a)によるベンゼン水素化によって、芳香族化合物、特にベンゼンと飽和C6〜C7アルカンとの共沸混合物の形成は、後続の方法工程において回避される。特に、本発明による工程c)では、ベンゼン共沸混合物は存在していないか、または量的にきわめてわずかしか存在していない。したがって、本方法のすべての後続工程は、芳香族化合物を全く含まないか、または芳香族化合物を少なくともほとんど含まないで作業され、このことによって、安全技術的な利点が提供される、それというのは、芳香族化合物は、一般的に毒性が強いものとして類別されているからである(CMR物質)。

0031

この関連において、工程c)による流(D1)に関して、(D1)の、好ましくは底部を介する除去量は、確かに、使用される炭化水素混合物中に含まれる、あらかじめ水素化されてシクロヘキサンになったベンゼンの割合の分だけ増加する。さらに、このことによって、この流のさらなる後処理における処理量が増加し、このことは、抽出蒸留(D2)における比較的多いエネルギーの消費および比較的大きい装置をもたらす。しかし、これは、任意の易沸分分離の処理量の減少によって、および特に異性化において相殺される。

0032

任意の易沸分分離に供給される流は、ベンゼンから形成されたシクロヘキサンの量の分だけ減少する。一般的に、この流は、実質的にMCP、易沸性成分および生成物蒸留から場合によって返送される多少のシクロヘキサンを含む。比較的少量であることは、任意の工程d)におけるエネルギー消費を減少させ、装置の寸法をより小さくする。したがって、同様に、処理量は減少し、それに伴って工程e)による異性化の装置の寸法は小さくなる。異性化に供給される流中のシクロヘキサン含有率が比較的低いことによって、反応転化率は有利に影響を受ける、それというのは、MCPからシクロヘキサンへのイオン液体により触媒作用される異性化は、平衡反応であるからである。その結果、工程e)においても装置/反応器の寸法をより小さくすることができる。

0033

工程f)によるシクロヘキサンと易沸性成分の蒸留分離は、方法変化によって同じく費用があまりかからず、このことによって、エネルギーが節約できる。さらに、場合によって易沸分を分離するために返送される蒸留流は、比較的少なくなる。

0034

総じて、方法の変化(DMP分離の前の水素化)によって、所要エネルギーを節約し、ならびに投資費用を減少させることができる。

0035

本発明の範囲では、精留は、当業者に公知の実施態様(例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Published Online:17 AUG 2001、Vol.8、739ページ以降参照)で実施されてよい。それぞれの精留技術は、当業者に公知の相応の装置で実施される。沸点が近い物質を分離するための抽出精留の実施は、例えば米国特許第4,053,369号明細書(US−A4,053,369)、米国特許第4,955,468号明細書(US−A4,955,468)または国際公開第02/22528号(WO02/22528)に記載されている。分離壁塔を使用する精留は、例えば欧州特許第1127601号明細書(EP1127601B1)に記載されている。

0036

精留塔または精留装置とも呼ばれる相応の精留塔(精留装置)で実施される「精留」とは、これ以降で以下の通り理解される:精留では、精留によって生成された蒸気は、精留塔内でその凝縮物の一部に向流で導入される。このようにして、易揮発性成分は、精留塔の頂部生成物に蓄積され、難揮発性成分は、底部生成物に蓄積される。

0037

本発明による関連において、「精留塔」という用語は、それぞれ当業者に公知の付属装置、例えば1つまたは複数の底部蒸発器、少なくとも1つの凝縮器ならびに場合によって容器およびポンプをともに含める。それに応じて、精留塔からの流の取り出しとは、それぞれの流が場合によって、この付属装置の1つまたは複数に通され、場合によって取り出された流の一部の凝集状態が変化する、および/または返送されることであると理解される。したがって、例えば流の精留塔の頂部を介する取り出しとは、の頂部で生じた蒸気流が少なくとも部分的に凝縮されて、それに続いて還流と頂部生成物流に分離されることであると理解される。頂部生成物流は、その場合、以下の説明では簡略化されて頂部を介して取り出された流と呼ばれる流と同じものと見なされうる。同じように、精留塔に向かう流の供給についての言及は、当該流が、塔自体に入る前に1つまたは複数の付属装置、例えば予熱器または予備蒸発器を通るという選択を含む。

0038

本発明の範囲では、「ジメチルペンタン」(DMP)という用語は、ジメチルペンタンのあらゆる公知の異性体であると理解され、特に2,2−ジメチルペンタン(2,2−DMP;標準沸点:79.17℃)、2,3−ジメチルペンタン(2,3−DMP;標準沸点:89.88℃)、3,3−ジメチルペンタン(3,3−DMP;標準沸点:86.09℃)および2,4−ジメチルペンタン(2,4−DMP;標準沸点:80.52℃)である。これは、本発明による方法の相応の混合物中もしくは流中に、少なくとも1つのジメチルペンタン異性体が含まれており、好ましくは2つ以上のジメチルペンタン異性体の混合物であり、ここで、この異性体の1つは、好ましくは2,4−ジメチルペンタンであることを意味する。

0039

本発明の範囲では、「標準沸点が79℃から84℃までの化合物」という用語は、79℃から84℃までの範囲の標準圧沸騰し、単体または混合物として本発明による方法で最初に炭化水素混合物(KG1)中に含まれていてよいあらゆる炭化水素であると理解される。本発明による方法の範囲では、これらの化合物の1つまたは複数は互いに分離されてよい。場合によって、これらの化合物の1つまたは複数は、以下の説明において別個に、混合物または流の成分として記載されてもよい。その場合、それぞれ具体的に記載された化合物のみが、相応の混合物または流の不可避の成分である;相応の流または混合物として記載されていない標準沸点が79℃から84℃までのその他の化合物は、(特に記載がない、または例えば先行する分離の結果としてもはや考えられない場合)同じく相応の流または混合物中に含まれていてよい。場合によって、これらの化合物の1つまたは複数は、化合物の別の選択の定義、例えば、「C5〜C6アルカン」の用語の定義に含まれてよい。

0040

標準沸点が79℃から84℃までの化合物の例は、シクロヘキサン(80.78℃)、2,2−DMP(79.17℃)、2,4−DMP(80.52℃)、2,2,3−トリメチルブタン(80.87℃)およびベンゼン(80.08℃)である。

0041

標準沸点が79℃から84℃までの化合物に対する記載に相応することは、本発明の範囲では、「標準沸点が84℃超の難沸分」という用語に該当する化合物にも当てはまる。標準沸点が84℃超の難沸分の例は、3,3−DMP(86.09℃)、2,3−DMP(89.88℃)、2−メチルヘキサン(2−MH;90.06℃)、3−メチルヘキサン(3−MH;91.87℃)および3−エチルペンタン(3−EP;93.45℃)である。

0042

本発明の範囲では、前記2つの化合物の群(標準沸点が79℃から84℃までの化合物、ならびに標準沸点が84℃超の難沸分)は、場合によって1つの化合物の群にまとめられもよい。この状況では、化合物は、相応して「標準沸点が78℃超の難沸分」と呼ばれる。前述の2つの個々の群に対する記載は、相応してこの化合物の群にも当てはまる。

0043

さらに、本発明の範囲では、標準沸点が84℃超の化合物の群は、部分群として「シクロヘキサンより沸点が高い成分」と呼ばれる群に含まれてもよい。つまり、後者の群は、標準沸点が80.78℃超から84℃以下の化合物もさらに含む。

0044

本発明の範囲では、「大部分」という用語は、流(供給流)との関連において(特に記載がない限り)少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも95%、特に少なくとも99質量%を意味する。

図面の簡単な説明

0045

本発明による方法を基本形態で示す図
本発明による方法の好ましい実施態様を示す図
シクロヘキサンを回収するための特別な実施態様を示す図
シクロヘキサンの単離の特別な実施態様を示す図

0046

以下において、メチルシクロペンタン(MCP)およびベンゼンからシクロヘキサンを製造するための本発明による方法を詳述する。これに関連して、図1から図4までも参照される。図1は、本発明による方法をその基本形態で示しており、ここで、工程f)によるシクロヘキサンを単離する場合、場合によって存在している易沸分および/または難沸分は、装置(D4)でシクロヘキサンと分離される。シクロヘキサンの(D4)からの分離は、図1では図式的に示されているにすぎない(例えば、これは図4に記載の通り行われる)。図2は、工程d)による中間接続された易沸分分離を備え、ならびに工程f)による異性化されていないMCPの返送の2つの変法を考慮した、本発明による方法の好ましい実施態様を示している。図3は、ベンゼンの水素化で形成され、ならびに場合によってさらにDMPとともにすでに炭化水素混合物(KG1)中に含まれているシクロヘキサンを回収するための特別な実施態様を示している。図4は、工程f)によるシクロヘキサンの単離の特別な実施態様に関する。すべての図は、以下の説明において相応の箇所で詳述される。

0047

本発明の範囲では、工程a)において、i)ベンゼン、ii)メチルシクロペンタン(MCP)、iii)ジメチルペンタン(DMP)、iv)場合によってシクロヘキサン、およびv)場合によって非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物を含む炭化水素混合物(KG1)を水素化して、(KG1)と比べてシクロヘキサンの量が増加した炭化水素混合物(KG2)が得られる。

0048

炭化水素混合物(KG1)の個々の成分は、互いに任意の濃度/比率で存在していてよい。好ましくは、炭化水素混合物(KG1)は、5個から8個までの炭素原子を有する炭化水素を少なくとも90質量%、好ましくは少なくとも95質量%含み、ただし、5個から8個までの炭素原子を有する炭化水素は、MCP、ベンゼン、DMP、場合によってシクロヘキサン、および場合によって前述の成分v)に記載の少なくとも1つの易沸分を含む。さらに、炭化水素混合物(KG1)は、シクロヘキサンを含み、好ましくは最大15質量%含むことが好ましい。さらに、炭化水素は、飽和または不飽和、および/または環式、直鎖または分岐であってよい。特に、炭化水素混合物(KG1)は、MCPを10質量%から60質量%まで、より好ましくは20質量%から50質量%まで、および/またはベンゼンを1質量%から30質量%まで、より好ましくは4質量%から20質量%まで含む。

0049

本発明の好ましい実施態様では、炭化水素混合物(KG1)は、ベンゼン、メチルシクロペンタン(MCP)、DMP、シクロヘキサンおよび非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物を含む。場合によって、(KG1)中には、オレフィンまたはC7〜C8アルカンから選択される少なくとも1つの別の化合物が含まれていてよい。「オレフィン」という用語は、直鎖の単純不飽和オレフィン、例えばペンテンまたはヘキセンの他に、環式オレフィン、特にシクロヘキセン、ならびにジエンおよび環式ジエンも含む。C7〜C8アルカンの群には、好ましくは標準沸点が78℃超の化合物が含まれており、以下において「難沸分」とも呼ばれる。場合によって、炭化水素混合物(KG1)中には、8個超の炭素原子を有する、および/または沸点が比較的低い炭化水素、例えば、5個未満の炭素原子を有する炭化水素が含まれていてもよい。相応のことは、ベンゼンの他に別の芳香族化合物が存在している場合にも当てはまる。

0050

特に好ましくは、炭化水素混合物(KG1)は、ベンゼン、メチルシクロペンタン(MCP)、DMP、シクロヘキサン、n−ヘキサンおよびイソヘキサンから選択される少なくとも1つの別の炭化水素、ならびに場合によってn−ヘプタン、イソヘプタン、メチルシクロヘキサンまたはジメチルシクロペンタンから選択される少なくとも1つの別の炭化水素を含む。

0051

つまり、工程a)によって、本発明による方法では、ベンゼンが水素化されてシクロヘキサンになる。言い換えると、これは、工程a)において、炭化水素混合物(KG1)中に含まれる芳香族化合物、つまり、ベンゼンならびに場合によって含まれるその他の芳香族化合物が水素化されて、相応の非芳香族炭化水素、好ましくはあらゆる炭素・炭素結合が得られて生じる完全飽和炭化水素が得られることを意味する。炭化水素混合物(KG1)中にその他の不飽和化合物、例えばオレフィン、例えばシクロヘキサンが含まれている場合、それらは、本発明の工程a)において同じく水素化される。

0052

工程a)による炭化水素混合物(KG1)の水素化は、本発明の範囲では、そのために好適な、好ましくは少なくとも1つの水素化反応器(HR)を含む装置(V)で行われる。装置(V)では、ベンゼンが水素化されてシクロヘキサンになり、ここで、水素化は、単体の水素を使用して行われる。さらに、水素化は液相で行われるのが好ましい。

0053

一般的に、工程a)によるベンゼンのシクロヘキサンへの水素化は、好適な触媒の存在下に実施される。基本的に、触媒として、これに関して当業者に公知のあらゆる触媒が好適であり、例えば米国特許第3,311,667号明細書(US−A3,311,667)に記載のケイソウ土上の金属触媒、または欧州特許出願公開第1995297号明細書(EPA1995297)に記載の金属含有触媒であり、ここで、金属として白金族元素、スズまたはコバルトおよびモリブデンが好ましくは使用される。

0054

好ましくは、水素化は、活性金属(金属成分もしくは活性成分とも呼ばれる)として元素周期表(PSE)第8族から第10族までの少なくとも1つの元素、もしくは鉄、コバルト、ニッケルまたはルテニウム(CAS式PSEのVIIIB副族に相当)、特にニッケルまたはルテニウムを含む触媒の存在下に実施される。さらに、活性金属は、担体材料担体)上に設けられるのが好ましい。基本的に、担体として、当業者に公知のあらゆる担体、例えばSiO2含有の担体、酸化ジルコニウム含有の担体または酸化アルミニウム含有の担体が好適である。ニッケルを活性金属として酸化アルミニウム含有担体上に含む触媒が使用されるのが特に好ましい。

0055

水素化そのものは、当業者に自体公知の方法で実施および運転され、場合によって冷却循環で運転される主反応器(反応器から流出した混合物の一部を、反応器に流れ込む混合物に返送し、ここで、場合によって、冷却器は、前述の供給の前または後に配置されている)と、後続の直線状の経路で、つまり、返送せずに運転される第二反応器との組み合わせが好ましい。この場合、装置(V)は、つまり、2つの水素化反応器(HR)を含む。

0056

水素化反応器(HR)は、好ましくは内部冷却器のない固定床反応器として設計されている。この場合、水素化は、好ましくは、入ってくる混合物と出ていく混合物との温度差が継続的に監視されて、この値が特定の設定値を下回って低下した場合に入口温度が上げられるように運転される。さらに、水素化反応器は、かん充填式で運転されるのが好ましい。

0057

さらに好ましくは、水素化には第二反応器内で設定された圧力を下回る圧力になるまで放圧される装置が後接続される。ここで、まず炭化水素混合物中に溶解した水素を含み、いずれの場合も圧縮されて、水素化反応器(HR)の少なくとも1つに返送されるガス流が生じる。

0058

水素化は、好ましくは50℃から200℃までの温度、特に好ましくは100℃から180℃までの温度、および/または10bar(絶対圧)から300bar(絶対圧)まで、特に好ましくは30bar(絶対圧)から200bar(絶対圧)までで実施される。

0059

さらに、本発明による方法では、水素化の際に、ベンゼン(および場合によってその他の炭化水素混合物(KG1)中に含まれている不飽和化合物)の総転化率が、少なくとも90%、特に好ましくは99%であり、ならびに/またはベンゼン(および場合によってその他の炭化水素混合物(KG1)中に含まれている不飽和化合物)の炭化水素混合物(KG2)における残留含有率が、1質量%、好ましくは最大で0.1質量%、特に好ましくは最大で0.01質量%であるのが好ましい。

0060

水素化の結果として、本発明による工程a)では、組成において、主に水素化された化合物に関して炭化水素混合物(KG1)とは異なる炭化水素混合物(KG2)が得られる。つまり、炭化水素混合物(KG2)は、DMP、シクロヘキサン、MCPおよび非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物(易沸分)を含む。したがって、炭化水素混合物(KG2)中には、すでに(KG1)中に含まれていた成分ii)、iii)およびv)も存在している。さらに、炭化水素混合物(KG2)は、水素化で化学的に変化しない、炭化水素混合物(KG1)によるその他のすべての成分、および場合によってオレフィン、ジエンおよびその他の芳香族化合物の水素化によって形成された炭化水素を含む。

0061

炭化水素混合物(KG2)は、好ましくはシクロヘキサン、MCP、DMP、最大0.1質量%の芳香族化合物、および非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物を含む。特に好ましくは、炭化水素混合物(KG2)は、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン(MCP)、DMP、最大0.1質量%の芳香族化合物、およびn−ヘキサンおよびイソヘキサンから選択される少なくとも1つの別の炭化水素を含む。

0062

本発明による方法の工程b)では、(工程a)による水素化で)得られた炭化水素混合物(KG2)の精留塔(D1)への供給が行われ、この精留塔は、以下において工程c)との関連においてさらに詳しく説明される。

0063

本発明による方法の工程c)では、DMPおよびシクロヘキサンを含む流(S1)の炭化水素混合物(KG2)からの分離は、精留塔(D1)の排出部を介して行われ、(KG2)と比べてDMPの量が減少した炭化水素混合物(KG2a)が得られ、ここで、排出部は、供給部の下方、好ましくは(D1)の底部にある。さらにまた、炭化水素混合物(KG2a)は、精留塔(D1)の排出部を介して、供給部の上方で、好ましくは(D1)の頂部を介して取り除かれる。

0064

好ましくは、精留塔(D1)において、炭化水素混合物(KG2)中に含まれているDMPおよびシクロヘキサンならびに場合によって7個以上の炭素原子を有するその他のアルカン(難沸分)は、完全またはほぼ完全に((KG2)中に含まれるDMP量およびシクロヘキサン量もしくは難沸分量を基準として2%まで)(KG2)から、特にMCPおよび場合によって成分v)による易沸分(つまり、混合物(KG2a)の主成分)と分離される。DMPおよびシクロヘキサンならびに場合によって7個以上の炭素原子を有するその他のアルカンは、精留塔(D1)から、好ましくは(D1)の底部に存在している流(S1)として取り除かれる。流(S1)中に同じく含まれるシクロヘキサンは、先行する水素化工程a)においてベンゼンから形成されたシクロヘキサン、ならびに場合によってすでに炭化水素混合物(KG1)中に含まれていたシクロヘキサンを含む。それに反して、炭化水素混合物(KG2a)中には、シクロヘキサンは好ましくは含まれていないか、または比較的わずかな割合((KG2)を基準として最大2質量%)しか含まれていない。

0065

代替的に、炭化水素混合物(KG2)からのほぼ完全な難沸分の分離、好ましくはほぼ完全なDMPの分離は、MCPを基準とする混合物(KG2a)中に残留している難沸分の量、好ましくはDMPの量によって定義することもできる。この考え方では、混合物(KG2a)中に含まれる難沸分の量、好ましくはDMPの量は、(KG2a)中に含まれるMCPの合計量を基準として最大で0.1質量%、好ましくは最大で0.02質量%であることが特に好ましい。

0066

さらに、炭化水素混合物(KG2a)は、炭化水素混合物(KG2)中に含まれるMCPの部分量の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%を含み、および/または炭化水素混合物(KG2a)は、DMPを((KG2a)中のMCPの総量を基準として)最大で0.1質量%、好ましくは最大で0.02質量%含むことが好ましい。特に好ましくは、炭化水素混合物(KG2a)は、2,4−DMPを((KG2a)中のMCPの総量を基準として)最大で0.015質量%含む。

0067

精留塔(D1)(本発明による工程b)およびc)による)として、基本的に当業者に公知のあらゆる精留塔が使用されてよい。さらに、混合物(KG2a)が分離される精留塔(D1)の排出部は、炭化水素混合物(KG2)が(D1)に供給される供給部の上方にあり、好ましくは、排出部は(D1)の頂部にあるのが好ましい。

0068

精留塔(D1)の底部から分離された流(S1)は、好ましくはDMP、シクロヘキサンならびに場合によって別の成分を含む。別の成分は、好ましくは標準沸点が78℃超の難沸分である。

0069

本発明による方法の任意の工程d)では、非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物を、炭化水素混合物(KG2a)から精留塔(D3)で分離して(KG2a)と比べて非環式C5アルカン、シクロペンタンまたは非環式C6アルカンから選択される少なくとも1つの化合物の量が減少した炭化水素混合物(KG2b)が得られる。任意の工程d)は、本発明による方法では、好ましくは、工程a)による水素化で使用される炭化水素混合物(KG1)中に成分v)が含まれている場合に実施される。

0070

工程d)によるこの分離は、以下において「易沸分分離」とも呼ばれる。「易沸分」とは、特にシクロペンタンならびに非環式C5〜C6アルカン、例えばイソヘキサンであると理解される。

0071

易沸分が減少した炭化水素混合物(KG2b)は、続いて本発明の工程e)による異性化に供給される。任意の工程d)による易沸分分離が行われない場合、(KG2b)の代わりに炭化水素混合物(KG2a)が工程e)の異性化に供給される。易沸分が減少した炭化水素混合物(KG2b)は、供給部の下方の取り出し箇所を介して、好ましくは相応の精留塔の底部から分離される。

0072

好ましくは、炭化水素混合物(KG2a)から、直鎖もしくは分岐鎖のC5アルカン、シクロペンタンまたは直鎖もしくは分岐鎖のC6アルカン、特に好ましくはイソヘキサンから選択される少なくとも1つの化合物を含む流(LS1)が蒸留により分離されるように実施される。好ましくは、流(LS1)は、供給部の上方の取り出し箇所を介して、特に好ましくは精留塔の頂部を介して取り出される。

0073

精留塔(D3)では、炭化水素混合物(KG2a)からの易沸分が流(LS1)として分離され、ここで、流(LS1)は(KG2a)より沸点が低い。流(LS1)は、(KG2a)と比べて好ましくはイソヘキサンおよび/またはシクロペンタンが増加しており、MCPおよび場合によって存在しているシクロヘキサンが減少している。流(LS1)が増加/減少した炭化水素混合物(KG2b)は、(KG2a)より沸点が高い。炭化水素混合物(KG2b)は、(KG2a)と比べて好ましくはイソヘキサンおよび/またはシクロペンタンが減少しており、MCPおよび場合によって存在しているシクロヘキサンが増加している。

0074

好ましくは、易沸分分離は、流(LS1)がMCPを5質量%未満、特に好ましくは2.5質量%未満含み、炭化水素混合物(KG2b)がイソヘキサンを10質量%未満、特に好ましくは5質量%未満含むように実施および運転される。

0075

流(LS1)は、例えばスチームクラッキングにいわゆる共クラッキング供給物(Cocrackfeed)として導入されてよい。場合によって、易沸分分離の範囲では、流(LS1)と比べてイソヘキサンが減少しており、イソヘキサンより沸点が低い成分、例えば1分子あたり炭素原子4個未満の塩素化パラフィンが増加した別の流が取り除かれてよい。

0076

好ましくは、以下の記載による工程f)に由来する流(LS2)が、すべてまたは部分的に(D3)に、またはその前に返送される実施態様も好ましい。

0077

本発明による方法の工程e)では、炭化水素混合物(KG2a)の異性化は、触媒、好ましくは酸性のイオン液体の存在下に行われて、(KG2a)と比べてシクロヘキサンの量が増加した炭化水素混合物(KG3)が得られる。つまり、工程e)によって、本発明による方法では、MCPが異性化されてシクロヘキサンになる。任意の工程d)が本発明により実施される場合、異性化は、相応して(KG2a)の代わりに炭化水素混合物(KG2b)を用いて行われる。

0078

工程e)によるMCPからシクロヘキサンへの異性化は、触媒の存在下に行われる。基本的に、触媒として、これに関して当業者に公知のあらゆる触媒が好適であり、例えば米国特許第2,846,485号明細書(US−A2,846,485)に記載のフリーデル・クラフツ触媒、例えばさらにHClを含んでいてよい塩化アルミニウム、または米国特許第3,311,667号明細書(US−A3,311,667)に記載の金属ハロゲン化物、例えば塩化アルミニウム、塩化ジルコニウムまたはフッ化ホウ素が好適である。さらに、触媒として、欧州特許出願公開第1995297号明細書(EP−A1995297)で使用されるゼオライト、または国際公開第2011/069929号(WO2011/069929)で使用されるイオン液体が好適である。

0079

本発明の範囲では、異性化は、好ましくはK1AlnX(3n+1)(ただし、K1は、一価カチオンであり、Xはハロゲン化物であり、1<n<2.5)の組成を有する酸性のイオン液体の存在下に行われる。例えば、2つ以上の酸性のイオン液体からの混合物が使用されてよく、好ましくは1つの酸性のイオン液体が使用される。

0080

K1は、好ましくは置換されていないか、または少なくとも部分的にアルキル化されたアンモニウムイオン、または複素環式一価)カチオン、特にピリジニウムイオンイミダゾリウムイオンピリダジニウムイオンピラゾリウムイオン、イミダゾリニウムイオン、チアゾリウムイオン、トリアゾリウムイオンピロリジニウムイオン、イミダゾリジニウムイオンまたはホスホニウムイオンである。Xは、好ましくは塩素またはホウ素である。

0081

より好ましくは、酸性のイオン液体は、カチオンとして少なくとも部分的にアルキル化されたアンモニウムイオンまたは複素環式カチオン、および/またはアニオンとしてAlnCl(3n+1)(ただし、1<n<2.5)の組成を有するクロロアルミネートイオンを含む。好ましくは、少なくとも部分的にアルキル化されたアルミニウムイオンは、(それぞれ)1個から10個までの炭素原子を有する2つまたは3つのアルキル基を含む。相応のアンモニウムイオンを有する2つまたは3つのアルキル置換基が存在している場合、鎖長はそのつど互いに無関係に選択されてよく、好ましくはすべてのアルキル置換基は、同じ鎖長を有している。特に好ましくは、1個から3個までの炭素原子の鎖長を有するトリアルキル化アンモニウムイオンである。複素環式カチオンは、好ましくはイミダゾリウムイオンまたはピリジニウムイオンである。

0082

特に好ましくは、酸性のイオン液体は、カチオンとして少なくとも部分的にアルキル化されたアンモニウムイオンを含み、アニオンとしてAlnCl(3n+1)(ただし、1<n<2.5)の組成を有するクロロアルミネートイオンを含む。そのような特に好ましい酸性のイオン液体の例は、トリメチルアンモニウムクロロアルミネートおよびトリエチルアンモニウムクロロアルミネートである。

0083

さらに、異性化において酸性のイオン液体の他にハロゲン化水素(HX)が助触媒として使用されてもよい。基本的に、ハロゲン化水素(HX)として、考えられるあらゆるハロゲン化水素が使用されてよく、例えばフッ化水素(HF)、塩化水素(HCl)、臭化水素(HBr)またはヨウ化水素(Hl)が使用されてよい。場合によって、ハロゲン化水素は、混合物として使用されてもよいが、好ましくは、本発明の範囲ではハロゲン化水素のみが使用される。好ましくは、ハロゲン化物部分が、前述の酸性のイオン液体においても(少なくとも部分的に)相応のアニオンに含まれているハロゲン化水素が使用される。好ましくは、ハロゲン化水素(HX)は、塩化水素(HCl)または臭化水素(HBr)である。特に好ましくは、ハロゲン化水素(HX)は、塩化水素(HCl)である。

0084

基本的に、異性化を実施するための装置(IV)として、当業者にそのような目的のために公知のあらゆる装置が使用されてよい。好ましくは、装置(IV)は、撹拌槽または撹拌槽カスケードである。撹拌槽カスケードは、2つ以上、例えば3つまたは4つの撹拌槽が、相前後して(直列で)接続されているものである。

0085

異性化は、好ましくは0℃から100℃までの温度で、特に好ましくは30℃から60℃までの温度で実施される。さらに、異性化における圧力は、1bar(絶対圧)から20bar(絶対圧)まで、好ましくは2bar(絶対圧)から10bar(絶対圧)までであるのが好ましい。

0086

工程e)によるMCPの異性化を、触媒として酸性のイオン液体ならびに場合により助触媒としてハロゲン化水素の存在下に実施することは、当業者に公知である。好ましくは、炭化水素(つまり、MCP、シクロヘキサンおよび場合によって(KG2a)中に含まれているその他の炭化水素)およびイオン液体は、異性化においてそれぞれ別個の相を形成し、ここで、イオン液体の部分量は、炭化水素相に含まれ、炭化水素の部分量は、イオン液体相に含まれていてよい。存在している場合、ハロゲン化水素、特に塩化水素は、好ましくは気体状で、異性化を実施するための装置(IV)に導入される。ハロゲン化水素は、少なくとも部分量で、前述の2つの液体相に含まれていてよく、ならびに好ましくはさらに存在している気体状の相に含まれていてよい。

0087

好ましくは、異性化は、装置(IV)において、撹拌槽または撹拌槽カスケードで2つの液相と1つの気相が存在しているように実施される。第一の液相は、酸性のイオン液体を少なくとも90質量%含み、第二の液相は、炭化水素を少なくとも90質量%含む。気相は、少なくとも1つのハロゲン化水素、好ましくは塩化水素を少なくとも90質量%含む。場合によって、イオン液体、例えばAlCl3を形成する成分を固体の形態で含む固相がさらに存在していてもよい。ここで、気相の圧力および組成は、気体状のハロゲン化水素、特にHClガス分圧が、気相中で0.5bar(絶対圧)から20bar(絶対圧)まで、好ましくは1bar(絶対圧)から10bar(絶対圧)までであるように調節される。

0088

さらに、本発明の範囲では、異性化は、分散液(D1)中で実施されるのが好ましく、ここで、分散液(D1)では、相(B)は、相(A)中に分散されており、相(A)対相(B)の体積比は、2.5から4まで:1[体積/体積]の範囲であり、相(A)は、少なくとも1つの酸性のイオン液体を50質量%超含み、相(B)は、少なくとも1つの非芳香族炭化水素を50質量%超含む。それに加えて、分散液(D1)は、さらにHClを含む、および/または気体状のHClは、分散液(D1)に導入されるのが好ましい。

0089

すでに上に述べたように、酸性のイオン液体および場合によってハロゲン化水素(HX)の存在下での異性化において、MCPは異性化される、もしくは(少なくとも部分的に)化学的に反応してシクロヘキサンになる。場合によって、(KG2a)または場合によって(KG2b)中に含まれる、MCP以外のさらに別の炭化水素が異性化されてよい。異性化で得られる炭化水素は、炭化水素混合物(KG3)中に含まれている。つまり、混合物(KG3)は、その中に含まれている炭化水素の組成および/または量に関して、異性化の前に存在している相応の炭化水素混合物(KG2a)または場合によって(KG2b)とは異なる。炭化水素混合物(KG2a)および(KG2b)は、上にすでに定義したものである。ただし、工程e)で異性化されない炭化水素混合物(KG2a)および(KG2b)の成分はすべて、同じく炭化水素混合物(KG3)中に含まれている。

0090

そのような異性化プロセスでは、実施される異性化はたいていの場合100%(つまり、完全に)進行しないため、一般的に、生成物中には、異性化が実施された炭化水素も(異性化の前より少ない量で)まだ含まれている。本発明の場合、MCPは異性化されてシクロヘキサンになるため、一般的に、異性化生成物中には、シクロヘキサンと(異性化の前より少ない量の)MCPの混合物が含まれている。

0091

炭化水素混合物(KG3)は、好ましくはシクロヘキサン、MCPおよび場合によって非環式C5〜C6アルカン(易沸分)および/または場合によってシクロヘキサンより沸点が高い成分を含む。炭化水素混合物(KG3)中に任意になおも含まれる易沸分および/または難沸分は、最初に使用される炭化水素混合物(KG1)中に含まれていたものであり、先行する方法工程、特に工程c)およびd)において、相応の炭化水素混合物から完全に分離されなかった化合物であってよい。さらに、これは、工程a)による水素化において、および/または工程e)による異性化において好ましくは副生成物として生じた化合物であってもよい。(KG3)中に任意に含まれる、シクロヘキサンより沸点が高い成分は、工程a)による水素化に続いて場合によってまだ存在している芳香族化合物またはオレフィンの残量の成分を含んでいてもよい。特に好ましくは、炭化水素混合物(KG3)は、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン(MCP)、最大で0.1質量%の芳香族化合物、ならびにn−ヘキサンおよびイソヘキサンから選択される少なくとも1つの別の炭化水素を含む。

0092

本発明による方法のf)では、シクロヘキサンが炭化水素混合物(KG3)から単離される。好ましくは、工程f)は、精留塔(D4)で実施され、ここで、(D4)では、炭化水素混合物(KG3)からMCPおよび場合によって非環式C5〜C6アルカンを含む流(LS2)が分離され、流(LS2)は、すべてまたは部分的に工程d)または工程e)に返送される。

0093

シクロヘキサンの単離は、当業者に公知の方法で、例えば1つまたは複数の精留塔を使用して行われてよく、この精留塔には、工程e)による異性化が実施された装置の流出物が導入される。一般的に、本発明による方法では工程f)によれば(工程e)による異性化に続いて)、シクロヘキサンが少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%の純度で単離される。

0094

好ましくは、本発明による方法の工程f)は、シクロヘキサン、MCP、場合によって非環式C5〜C6アルカン、および場合によってシクロヘキサンより沸点が高い成分を含む炭化水素混合物(KG3)が精留塔(D4)に供給されるように実施され、ここで、(D4)から、供給部の上方の取り出し箇所で、好ましくは頂部を介して、(D4)への供給流中に含まれるMCPおよび場合によって非環式C5〜C6アルカンの大部分が分離される。(KG3)中に非環式C5〜C6アルカンが存在している場合、これは、好ましくはn−ヘキサンおよびイソヘキサンである。MCP(および場合によって非環式C5〜C6アルカン)の大部分を含むこの流は、以下において流(LS2)と呼ばれる。

0095

さらに、流(LS2)は、((KG3)を基準として)MCPが増加し、シクロヘキサンが減少していることを特徴としており、ここで、この流(LS2)は、シクロヘキサンを好ましくは20質量%未満、好ましくは10質量%未満、特に好ましくは7質量%未満含む。

0096

流(LS2)は、さらに好ましくはすべてまたは部分的に工程d)または工程e)に返送され、好ましくは、流(LS2)はすべて返送される。一般的に、流(LS2)の任意の工程d)または工程e)への返送は、流(LS2)がこれらの方法工程を実施するための相応の装置に、またはその前に返送されるように実施される。つまり、流(LS2)は、易沸分分離を実施するための装置にまたはその前で工程d)に返送される、および/または流(LS2)は、異性化を実施するための装置にまたはその前で工程e)に返送される。流(LS2)が、易沸分分離を実施するための装置の前に返送される場合、これは、流(LS2)が、任意の工程d)が実施される精留装置(D3)の外部で炭化水素混合物(KG2a)に導入されることを意味する。流(LS2)が、異性化を実施するための装置の前に返送される場合、これは、流(LS2)が、炭化水素混合物(KG2a)または場合によって(KG2b)に導入され、任意の工程d)が実施される場合、工程e)による異性化が実施される装置(V)の外部に導入されることを意味する。

0097

特に、流(LS2)は、工程d)に返送され、好ましくは、流(LS2)は、炭化水素混合物(KG2a)に、工程d)が実施される精留装置(D3)の前に導入される。

0098

シクロヘキサンは、精留塔(D4)から、好ましくはシクロヘキサンより沸点が高い成分がそれぞれの特性を損ねる濃度で存在していない場合、少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%の純度で、(D4)の底部を介して取り除くか、または(D4)の供給部の下方にある側方排出部を介して、好ましくは(D4)の蒸気状の側方排出流によって取り除かれてよい(オプションf0))。シクロヘキサンが、供給部の下方にある好ましくは蒸気状の側方排出流によって取り除かれる場合、(D4)の底部を介して難沸分流(S5)が取り除かれてよい。

0099

代替的に、オプションf1)が実現されてもよく、ここで、(D4)の底部を介して取り除かれたシクロヘキサンが増加した流は、精留塔(D5)に導入され、ここで、(D5)の底部を介して、シクロヘキサンより沸点が高い成分を含む流(S5)が分離されて、(D5)への供給部の上方の取り出し箇所を介して、好ましくは頂部を介して、シクロヘキサンは、少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%の純度で取り除かれる。

0100

代替的に、オプションf2)が実現されてもよく、ここで、シクロヘキサンが増加した、好ましくは蒸気状の流は、側方排出部を介して精留塔(D4)から分離され、ここで、側方排出部は、好ましくは(D4)の回収部にある、および/またはシクロヘキサンが増加した流は、(D4)の側方排出部から、好ましくは精留塔として作られた装置(D6)にさらなる精製のために導入され、そこで、(D6)への供給部の上方の取り出し箇所を介して、好ましくは頂部を介して、シクロヘキサンは、少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%の純度で得られる。

0101

ここで、オプションf2)では、(D4)から(D6)への好ましくは蒸気状の流の供給は、(D6)の一番下の床、一番下の充填物または一番下の不規則充填物の下方で行われて、(D6)は、頂部凝縮器およびこれから取り出された凝縮液の部分的な還流によって運転されるが、それ自身の底部蒸発器によって運転されないこと、ならびに(D6)の下部に生じる液体は、ほぼ側方排出部の高さで精留塔(D4)に返送されることがさらに好ましい。この実施態様では、シクロヘキサンより沸点が高い成分を含む流(S5)は、(D4)の底部を介して取り除かれる。

0102

代替的に、オプションf3)が実現されてもよく、ここで、精留塔(D4)は分離壁塔として作られており、分離壁は、部分的に供給箇所の下方にあり、排出箇所は分離壁の領域にあり、この排出箇所を介して、好ましくは液体のシクロヘキサン流が、少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%の純度で取り出される。この実施態様では、同じくシクロヘキサンより沸点が高い成分を含む流(S5)が(D4)の底部を介して取り除かれる。

0103

図4で、上述のオプションf1)による本発明の工程f)が再び説明される。CHは、シクロヘキサンを意味し、C6は、非環式C5〜C6アルカン、特にイソヘキサンを意味し、カッコ内の用語は、本方法の最重要物および/またはそれぞれの流の主成分である。図4による実施態様では、シクロヘキサン、MCP、非環式C5〜C6アルカン、特にイソヘキサン、および標準沸点が84℃超の難沸分が含まれている炭化水素混合物(KG3)が使用される。D4の底部からは、シクロヘキサンが増加した流(S4)が精留塔(D5)に導入され、この精留塔から、頂部を介して特性に適ったシクロヘキサンが単離される。底部流(S5)は、シクロヘキサンより沸点が高い成分を含む。

0104

場合によって、本発明の範囲では、工程e)による異性化に続いて、および工程f)によるシクロヘキサンの蒸留分離/単離の前に、異性化の流出物のさらなる精製工程が実施される。この精製工程は、例えば一段階または多段階で実施することができる中性および/またはアルカリ性洗浄であってよい。洗浄に加えて、またその代替として、例えば存在しているハロゲン化水素と炭化水素を分離するために、特別な装置、例えば蒸留装置または精留装置が使用されてもよい。そのような装置は、一段階の蒸発のための装置、特にフラッシュ蒸発のための装置も含む。追加的または代替的に、酸性のイオン液体を使用する場合、特に酸性のイオン液体と炭化水素を分離するために相分離装置、好ましくは相分離器が、前述の特別な装置に前接続されてよい。

0105

特に好ましい実施態様では、異性化からの流出物は、相分離装置、例えば相分離器に導入され、そこで、少なくとも90質量%が酸性のイオン液体からなる相と、少なくとも90質量%が炭化水素からなる相への分離が実施される。少なくとも90質量%が酸性のイオン液体からなる相は、少なくとも部分的に異性化に返送され、少なくとも90質量%が炭化水素からなる相は、この相から場合によって蒸留装置または精留装置において易揮発性成分、例えばHClが取り除かれてから、中性および/またはアルカリ性洗浄に導入され、そこで、イオン液体の残分またはその成分、例えばHClまたはAlCl3が除去される。

0106

図1では、本発明による方法が、工程a)からf)までを考慮に入れたその基本形態で再び説明されるが、ここで、任意の工程d)による易沸分分離は実施されない。任意の工程d)を考慮に入れた相応の方法は、好ましい実施態様として図2に示される。この2つの図には以下が適用される:CHはシクロヘキサンを意味し、Bはベンゼンを意味し、HRは水素化反応器を意味し、IVは異性化装置を意味する。異性化は、好ましくは撹拌槽または撹拌槽カスケードで実施される。炭化水素混合物(KG1)は、ベンゼン、MCP、DMPおよび少なくとも1つの易沸分を含む。(KG1)がさらにシクロヘキサンを含む場合、DMPとともに流(S1)を介して本方法から取り除かれる。この場合、シクロヘキサンおよび/または工程a)による水素化で生じるシクロヘキサンは、以下に好ましい実施態様をもとに図3と関連させて説明される通り、再び回収することができる。相応して(前述の図4での記載の通り)、図1から図3までにおいても、カッコ内には、相応の流または混合物のそれぞれ最も重要な成分しか記載されていない。

0107

工程e)による異性化生成物から、続いて工程f)により、例えば、異性化装置(IV)の流出物が導入される1つまたは複数の精留塔を使用してシクロヘキサンが単離される;そこで、シクロヘキサンは、未反応のMCPおよび場合によって別の成分と分離され、ここで、好ましくは(図2に示されるように)MCPが増加して、シクロヘキサンが減少した部分流(LS2)が、工程d)および/または工程e)に返送される。好ましくは、(LS2)は、(図2に示されるように)、特に精留装置(D3)の前の炭化水素混合物(KG2a)に導入することによって工程d)に返送される。(LS2)の工程e)への返送のオプションは、図2では点線(異性化装置(IV)への返送)で示されている。工程f)は、図1では簡略化されて精留装置(D4)で示されている。好ましくは、工程f)は、前述の図4との関連において示される通りに実施される。したがって、図1では、シクロヘキサンより沸点が高い成分の、流(S5)による任意の分離は、考えられる変法として破線矢印で示されている。

0108

本発明による方法において工程a)で使用される炭化水素混合物(KG1)は、任意の源に由来するものであってよい。したがって、(KG1)は、本発明による方法の実施前に、個々の成分から混合されることが考えられるか、または炭化水素混合物(KG1)が、複数の混合物それぞれを合することによって製造されることが考えられる。好ましくは、本発明の範囲では、炭化水素混合物(KG1)は、すべてまたは部分的にスチームクラッキング法に由来するものである。

0109

さらに、(KG1)は、スチームクラッキング法に後接続されている芳香族化合物分離のための装置において、スチームクラッキング法に由来する流(S6)から得られることが好ましい。これは、本発明の範囲では、炭化水素混合物(KG1)が好ましくは芳香族化合物分離のための装置から得られることを意味する。

0110

芳香族化合物分離のための装置それ自体は、当業者に公知であり、例えば1つ、2つまたはそれ以上が互いに接続された精留装置を含んでよい。好ましくは、芳香族化合物分離は、芳香族化合物抽出精留として、特にベンゼン抽出精留として実施される。しかし、すでに上で述べたように、場合によって炭化水素混合物(KG1)の部分量および/またはその中に含まれている個々の成分は、芳香族化合物分離のための装置とは異なる源に由来するものであってよい。例えば、この部分量および/または個々の成分は、芳香族化合物分離のための装置で得られる炭化水素混合物(KG1)に引き続き加えられてよい。

0111

さらにまた芳香族化合物分離のための装置は、好ましくはスチームクラッキング法に後接続されている。スチームクラッキング法に由来する流(S6)は、芳香族化合物分離のための装置に供給される。芳香族化合物分離のための装置では、流(S6)は、芳香族化合物が豊富な流(S7)と炭化水素混合物(KG1)に分離される。

0112

スチームクラッキング法の実施それ自体は、当業者に公知である。好ましくは、本発明の範囲では、スチームクラッキング法はナフサクラッキング(ナフサスチームクラッキング法)である。つまり、流(S6)は、好ましくはナフサクラッキングに由来するものである、および/または流(S6)は、熱分解ベンジンまたは熱分解ベンジンから分離された部分流を含む。

0113

流(S6)は、芳香族化合物分離のための装置への供給流(S6)とも呼ばれる。流(S6)は、炭化水素混合物(KG1)およびさらに芳香族化合物の含分を有する。つまり、このさらなる芳香族化合物は、芳香族化合物分離のための装置において、炭化水素混合物(KG1)と分離される。これは、さらに、炭化水素混合物(KG1)が、芳香族化合物分離のための装置への供給流(S6)より芳香族化合物の濃度が低いことを意味しており、例えば炭化水素混合物(KG1)は、芳香族化合物分離のための装置への供給流(S6)より芳香族化合物の濃度が少なくとも50%低くてよい。

0114

特に流(S6)が熱分解ベンジンまたは熱分解ベンジンから分離された部分流を含む場合、本発明の範囲では、芳香族化合物分離に、それぞれベンゼン、トルエンおよびキシレンが増加した留分への分離が、場合によりさらなる方法工程が補足されて前接続されていてよい。この場合、ベンゼンが増加した留分は、流(S6)であると理解される。

0115

ベンゼンが増加した留分は、次に、好ましくは抽出精留を用いて、例えばN−ホルミルモルホリン助剤として使用して、ベンゼンを高純度で含む流と、C6非芳香族化合物流(C6−NA)とも呼ばれるベンゼンが減少した流に分離される。この場合、炭化水素混合物(KG1)は、本発明によれば、C6非芳香族化合物流(C6−NA)と同じものと見なされうる。

0116

C6−NAは、以下を含んでいてよい:
・線状開鎖および/または分岐鎖ならびに環式(ナフテン系)C5炭化水素、例えばn−ペンタンイソペンタン、シクロペンタン、
・線状開鎖および/または分岐鎖ならびに環式(ナフテン系)C6炭化水素、例えばn−ヘキサン、イソヘキサン、メチルシクロペンタン(MCP)、
・線状開鎖および/または分岐鎖ならびに環式(ナフテン系)C7炭化水素、例えばn−ヘプタン、イソヘプタン、例えばジメチルペンタン(DMP)、メチルシクロヘキサン(MCP)、
・前述の炭化水素のうちの1つまたは複数の炭化水素の構造が、水素除去によって誘導されているオレフィンおよび/または芳香族化合物、例えばベンゼンまたはシクロヘキセン。

0117

本発明による方法の好ましい実施態様では、工程c)により得られる流(S1)は、精留装置(D2)に導入され、ここで、(D2)においてシクロヘキサンとDMPが分離される。この実施態様は、工程a)で使用される炭化水素混合物(KG1)中にシクロヘキサンが含まれている(いない)のではなく、シクロヘキサンが、工程a)によるベンゼンの水素化によってのみ得られる場合に実施されてもよい。

0118

本発明による方法のこの実施態様では、流(S1)中に含まれているシクロヘキサンは、DMPならびに流(S1)中に場合によって含まれているその他の成分、例えば難沸分と分離される。流(S1)の具体的な組成は、本発明による工程c)との関連においてすでに記載されたものである。

0119

精留もしくは精留装置(D2)は、一段階または多段階で、例えば二段階または三段階であってよく、好ましくは三段階である。段階の数(段階性)は、この関連においては、それぞれ付属装置、例えば底部蒸発器および凝縮器を含めた塔の数であると理解され、それらは、統合して精留装置(D2)を構成している。つまり、三段階の精留装置(D2)は、それぞれ精留プロセスを実施することができる付属装置、例えば底部蒸発器および凝縮器をそれぞれ含む合計3つの塔が一緒になって精留装置(D2)を構成していることを意味する。好ましくは、(D2)は抽出精留塔を含む。さらに、(D2)から取り除かれたシクロヘキサンが増加した流は、DMPを最大で0.1質量%、好ましくは最大で0.02質量%、特に好ましくは2,4−DMPを最大で0.015質量%含むことが好ましい。

0120

精留装置(D2)が抽出精留塔を含む場合、抽出精留は、好ましくは抽出助剤抽出補助剤)を使用して行われる。一般的に、抽出助剤として、以下の式(1)が適用される化合物が使用される:



[式中、
γ∞DMP,E=無限希釈での抽出助剤における2,4−ジメチルペンタンの活量係数
γ∞CH,E=無限希釈での抽出助剤におけるシクロヘキサンの活量係数
n=好ましくは1.1、特に好ましくは1.3]。

0121

抽出助剤として、好ましくはシクロヘキサンの沸点(81℃)を少なくとも5K上回る酸素含有の開鎖または環式有機化合物が使用され、特に、アミド官能基R−CO−NR’R’’(ただし、R、R’およびR’’は、(互いに無関係に)好ましくはC1〜C30アルキルまたはHから選択される)を構造要素として含む化合物が使用される。抽出助剤として特に好適であるのは、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリンである。しかし、スルホランジメチルスルホキシド、または非プロトン性極性溶媒として当業者に公知のその他の化合物も好適である。前述の化合物のうちの複数の化合物の相互の混合物または水との混合物も好適である。

0122

好ましくは、シクロヘキサン/DMP分離は、以下の工程i)からiii)までを含み、ここで、精留装置(D2)は、3つの構成要素(D2−1)から(D2−3)までによって構成される:
i)標準沸点が84℃超の難沸分の((D2−1)への供給流中の量を基準として)大部分が底部を介して分離され、シクロヘキサンおよび標準沸点が79℃から84℃までのその他の化合物の((D2−1)への供給流中の量を基準として)大部分が頂部を介して分離される精留塔(D2−1)、
ii)(D2−1)からの頂部生成物が抽出助剤と合され、抽出助剤およびシクロヘキサンの大部分が底部を介して取り除かれ、(D2−1)からの頂部生成物中に含まれる、標準沸点が79℃から84℃までのその他の化合物の大部分が(D2−2)の頂部を介して分離される抽出精留塔(D2−2)、ならびに
iii)(D2−2)からの底部流中に含まれるシクロヘキサンの大部分が頂部を介して取り除かれ、(D2−2)からの底部流中に含まれる抽出助剤の大部分が底部を介して取り除かれる再生塔(D2−3)。

0123

前述の工程i)からiii)までの範囲において、「底部を介して」という表記は、供給部の下方の取り出し箇所、好ましくは底部を意味しており、「頂部を介して」という表記は、供給部より上方の取り出し箇所、好ましくはそれぞれの塔の頂部を意味する。

0124

場合によって、この実施態様では、工程i)からiii)までの関連において、以下の通り定義されている任意の工程iv)が実施されてよい:
iv)場合によって、流(S1)または(D2−3)の頂部生成物が導入される水素化装置

0125

しかし、この実施態様は、任意の水素化工程iv)を使用しないで実施されるのが好ましい。

0126

一般的に、前述の実施態様に含まれる任意の工程iv)は、流(S1)中に、したがって精留装置(D2)にも供給される不飽和化合物およびさらに精留塔(D2−1)の底部を介さず本方法から排出される不飽和化合物が含まれている場合にのみ実施される。任意の工程iv)による水素化は、前述の工程a)による水素化に相応して実施され、好ましくは一段階で行われる。水素化工程は、場合によって精留装置(D2)に前接続されていてもよい。この場合、流(S1)は、まず精留装置に導入され、続いて水素化された流(S1)は、精留装置(D2)に、特に精留塔(D2−1)に導入される。これは、流(S1)中に、成分、例えば、(D2−1)の底部を介して取り出される成分と共沸混合物を形成する不飽和炭化水素が含まれている場合に有利な変法である。

0127

場合によって、前述のシクロヘキサン/DMP分離の好ましい実施態様は、必須の構成要素である精留塔(D2−1)を使用せずに実施されてもよい。この変法では、シクロヘキサン/DMP分離は、2つの塔(D2−2)および(D2−3)を使用するだけで相応に行われ、ここで、場合によって水素化装置が後接続されていてもよい。この変法は、好ましくは、流(S1)中に標準沸点が84℃超の難沸分が全く含まれていないか、またはわずかな含分のみ含まれている場合に実施される。

0128

抽出精留塔(D2−2)を使用する、前述の好ましい実施態様は、好ましくは、(D2−2)の頂部を介して取り除かれたDMPを含む流が、シクロヘキサンを50質量%未満、好ましくは10質量%未満含むように実施および運転される。さらに、頂部を介して再生塔(D2−3)から取り除かれたシクロヘキサンを含む流は、抽出助剤を好ましくは1質量%未満、より好ましくは10質量ppm未満、および/またはジメチルペンタンを1質量%未満、好ましくは300質量ppm未満、特に好ましくは2,4−ジメチルペンタンを150質量ppm未満含む。

0129

さらに、シクロヘキサンは98質量%、特に少なくとも99.5質量%の純度で(D2)から単離されるのが好ましい。シクロヘキサンの単離の実施に関しては、工程f)によるシクロヘキサンの単離に関連する、特に精留装置(D4)に関連する記載と同じ考察が適用される。代替的に、本願の好ましい実施態様による精留装置(D2)に由来するシクロヘキサンは、工程e)による異性化で製造されたシクロヘキサンと合されてよい。

0130

前述の本発明の好ましい実施態様は、好ましい実施態様において図3と関連してさらに説明される。図3において、略語、矢印およびその他の記号は、前述の図1に対して、もしくはこの好ましい実施態様の説明に記載されている相応の意味を有している。図3による実施態様では、実質的に3つの塔((D2−1)から(D2−3)まで)からなる精留装置(D2)が使用される。場合によって、この実施態様には、さらに水素化装置が後接続されていてもよい(図3には示されていない)。それぞれの塔は、さらに付属装置、例えば底部蒸発器または凝縮器を備えており、それらは、分かりやすくするために図3には示されていない。EHMは、抽出助剤を意味し、S>84は、標準沸点が84℃超の難沸分を意味し、24DMPは、2,4−ジメチルペンタンを意味し、カッコ内の用語は、本発明の最重要物および/またはそれぞれの流の主成分である。24DMPは、例えば標準沸点が79℃から84℃までの(その他の)化合物の好ましい成分として記載されている。抽出助剤として、好ましくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が使用される。

0131

DMP、シクロヘキサンおよび場合によって標準沸点が78℃超の難沸分を含む、好ましくは精留装置(D1)の底部に由来する流(S1)は、精留塔(D2−1)に供給される。(D2−1)では、流(S1)中に含まれているシクロヘキサンの濃縮が行われ、ここで、流(S3)は、まず精留によって、シクロヘキサンより沸点が高い成分(つまり、例えば3,3−DMPならびに標準沸点が84℃超のその他の難沸分)が増加した流15と、シクロヘキサンより沸点が高い成分が減少した流16(つまり、流16は、シクロヘキサンならびに沸点が79℃から84℃までのその他の化合物の大部分、および標準沸点が84℃超の難沸分の残量を含む)に分離される。流15は、例えばコフィード(Cofeed)としてスチームクラッキングプロセスに導入されるか、または燃料混合物の成分として使用されてよい。

0132

流16は、抽出精留塔(D2−2)に導入される。抽出精留塔(D2−2)に、流16の供給部より高い箇所で、少なくとも1つの抽出助剤(EHM)を含む流17が導入される。同じく流16の供給部より高い箇所、好ましくは流17の供給部より高い箇所で、例えば塔頂部で、もしくは塔の頂部凝縮器の後で、流16と比べてDMP、特に2,4−DMPが増加した流18が取り出される。好ましくは、流18は、流16中に含まれている、標準沸点が79℃から84℃までのその他の化合物、特に2,4−DMPの大部分を含む。流16の供給部より低い箇所を介して、好ましくは塔底を介して、抽出助剤およびシクロヘキサンを含む流19が取り出され、ここで、流19中では、シクロヘキサン/DMP、特にシクロヘキサン/2,4−DMPの濃度比は、流16におけるより高い。

0133

抽出精留塔(D2−2)は、好ましくは、流18が抽出助剤を最大で100質量ppm、好ましくは最大で10質量ppm、特に好ましくは最大で1質量ppm含むように実施および運転される。これは、EHMを含む流の最も高い供給が、流18の取り出し箇所より理論分離段(当業者に公知の定義による)が少なくとも5段下、好ましくは少なくとも10段下で行われる、および/または(D2−2)が、少なくとも5、好ましくは少なくとも10の還流比で運転されることによって達成することができる。

0134

流19は、場合によって予熱の後、再生塔(D2−3)に導入される。再生塔(D2−3)からは、流19と比べてシクロヘキサンが増加した流20、および流19と比べてシクロヘキサンが減少した流21(流21は、主に抽出助剤、シクロヘキサンの部分量および(場合によって)標準沸点が79℃から84℃までのその他の化合物、特に2,4−DMPの残量を含む)が取り除かれる。流21からは、流21の量の好ましくは最大5%、特に好ましくは最大1%の割合を占める排出流パージ流)21aが分岐される。残りの流は、場合によって冷却後(冷却は、流19の予熱との熱統合で行われてもよい)、少なくとも部分的に流17に供給される、および/または流16の近くで抽出精留塔(D2−2)に返送される。

0135

流20は、主成分としてシクロヘキサンを含み、場合によってさらに後処理されてよい、例えば特性に適った(高純度の)シクロヘキサンを流20から単離することができる。場合によって、流20は、シクロヘキサンまたは本発明による方法において(工程e)による)装置(IV)で製造されるシクロヘキサンを含む流と合されてもよい。

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