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技術 R−グルコシド、糖アルコール、還元糖アルコールおよび還元糖アルコールのフラン誘導体の合成

出願人 アーチャー-ダニエルズ-ミッドランドカンパニー
発明者 ステンスラッド,ケネスマ,チチェンマーティン,ケヴィン
出願日 2014年4月10日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2016-561723
公開日 2017年6月29日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2017-517491
状態 特許登録済
技術分野 触媒を使用する低分子有機合成反応 糖工業 フラン系化合物
主要キーワード 入力流 金属トリフレート 塩化インジウム四水和物 PTFEコーティング 多元金属 レボグルコサン 炭素系触媒 ビスマストリフレート
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図面 (3)

課題・解決手段

C5もしくはC6糖アルコールまたはRグリコシドから1,2,5,6−ヘキサンテトラオールHTO)、1,6ヘキサンジオール(HDO)および他の還元ポリオールを合成する方法が本明細書で開示される。これらの方法は、出発材料より2〜3個少ないヒドロキシ基を有する還元ポリオールを形成するのに十分な時間、温度および圧力で、糖アルコールまたはR−グリコシドを銅触媒、最も望ましくはラネー銅触媒と共に水素と接触させることを含む。出発化合物ソルビトールなどのC6糖アルコールまたはメチルグルコシドなどのC6糖のR−グリコシドである場合、主生成物はHTOである。同じ触媒を使用してHTOをHDOにさらに還元することができる。

概要

背景

[0002] R−グリコシドは、糖系界面活性剤を含むファインケミカルを製造するために重要な中間体として知られている。通常、R−グリコシドは、糖のアセタールまたはケタール炭素アルコール水酸基との間のグリコシド結合酸触媒形成を伴う、糖によるR−アルコールのフィッシャーグリコシド化によって調製される。最も一般的な糖はグルコースである。遊離グルコシドを形成するアルコール部分置換を介した多糖中のグリコシド結合の切断をもたらす、アルコールによるデンプンまたはセルロースなどの多糖中のグルコース残基の酸触媒フィッシャーグリコシド化によってR−グリコシドを調製することもできる。典型的には強酸高温および高圧が必要とされる。より温和な条件およびあまり高価でない出発材料、特に他の点で用途が限られる出発材料の利用と両立できる機構が、特に工業規模経済的に有利となるであろう。

[0003]セルロースは植物体の主要成分であり、非栄養素であり、製紙および織物業以外では広くは利用されていない。セルロースは、酸または酵素加水分解を通じてグルコースに変換することができるが、セルロースの頑強結晶構造のために、加水分解は困難である。既知酸加水分解法は、典型的には優れた収率のグルコースを得るために濃硫酸を要する。不幸なことに、グルコースは濃硫酸の存在下で分解してヒドロキシメチルフルフラール(「HMF」)を形成し、今度はこれがさらにフミンとして知られるタール状物質重合し得る。HMFおよびタール状フミンの形成は、グルコースの収率に悪影響を及ぼし、追加の分離工程を要する。当技術分野で知られている酵素加水分解法も、反応速度の低さおよび費用のために、セルロースのグルコースへの工業規模での変換にとって非実用的であり、酵素化学修飾されたセルロースを決して加水分解しない。

[0004] 最近、Dengらが、酸触媒の存在下でのセルロースおよびメタノールメチルグルコシドへの直接変換報告した。Dengら、Acid−catalysed Direct Transformation of Cellulose into Methyl Glucosides in Methanol at Moderate Temperatures、46 Chem.Comm.2668−70(2010)。種々の希鉱酸および有機酸試験し、硫酸が48%で最良の収率のメチルグルコシドをもたらした。ケギン型ヘテロポリ酸も試験し、H3PW12O40が53%のメチルグルコシドをもたらした。しかしながら、H3PW12O40の存在下、エタノール中でのセルロースの変換は、低下した収率の42%エチルグルコシドをもたらした。固体酸を試験し、SO3H基を有する炭素の種々の形態が、61%で最良の収率のメチルグルコシドを与えた。

[0005] より最近、Doraらが、スルホン化炭素系触媒上でのセルロースのメチルグルコシドへの触媒変換を報告した。Doraら、Effective Catalytic Conversion of Cellulose into High Yieldsof Methyl Glucosides over Sulfonated Carbon Based Catalyst.120 Bioresource Technology 318−21(2012)。SO3H基を含有する炭素系触媒を合成し、メタノール中でのセルロースの変換について評価した。具体的には、微結晶セルロースをメタノールおよびスルホン化炭素触媒(微結晶セルロースの50重量%)と175℃〜275℃の温度で反応させた。最大92%収率のメチルグルコシドが、275℃で15分の反応時間で得られた。

[0006] ここで、糖アルコールに目を向けると、水素化によってアルキルグリコシドから糖アルコール(すなわち、ソルビトールおよびキシリトールなどのヘキシトールまたはペンチトール)を生成するための既知の方法は現在ない。典型的には、水素化触媒の存在下、高圧で未修飾糖を加熱することによって糖アルコールが生成される。

[0007] 最近、Fukuokaらは、担持白金またはルテニウム触媒を用いてセルロースから糖アルコールを調製することができ、これらの触媒はセルロースの糖アルコールへの変換についての高い活性を示し、担持材料の選択が重要であることを報告した。Fukuokaら、Catalytic Conversion of Cellulose into Sugar Alcohols.118 Agnew.Chem.5285−87(2006)。この機構は、セルロースのグルコースへの加水分解、引き続いてグルコースのソルビトールおよびマンニトールへの還元を伴う。しかしながら、収率はせいぜい糖アルコールへの約30%の変換であり、反応は5MPaの高圧で行われた。

[0008] より最近、Verendelらは、種々の条件下での多糖の小有機分子へのワンポット変換を概説した。Verendelら、Catalytic One−Pot Production of Small Organics from Polysaccharides.11 Synthesis 1649−77(2011)。酸性条件および高圧下でのセルロースの水素化による加水分解(hydrolysis-by-hydrogenation)は「決して単純でない」と分類されたが、最大90%のソルビトールをもたらすと開示された。可溶性酸を添加することなく水素下、担持金属によるデンプン、イヌリンおよび多糖加水分解物の糖アルコールへの直接加水分解−水素化も開示された。アルミナ上に沈着したルテニウムまたは白金、活性炭上に担持された種々の金属、およびゼオライトセルロース分解に適した触媒として報告された。セロビオースの分解に対する遷移金属ナノクラスターの効果も開示され、酸性条件がソルビトールをもたらした。異なる研究は、担持ルテニウム触媒上での種々の結晶度のセルロースのポリオールへの変換を観察し、カーボンナノチューブ上に担持されたルテニウムが最良の収率の73%ヘキシトールを与えた。

[0009]選択性が高く、代替経路を通じた糖アルコールを生成する費用対効果の高い方法が依然として必要とされている。

[0010] さらに別の主題では、分子1,2,5,6−ヘキサンテトラオール(「HTO」)が高価値化学物質の形成において有用な中間体である。HTOおよび炭素原子より少ない酸素原子を有する他のポリオールが「還元ポリオール」とみなされ得る。Cormaらは、概して、少なくとも4個の炭素原子を含有する高分子量ポリオールを使用してポリエステルアルキド樹脂およびポリウレタンを製造することができることを開示している。Cormaら、Chemical Routes for the Transformation of Biomass into Chemicals、107 Chem.Rev.2443(2007)。

[0011] 典型的には反応条件が厳しく、非経済的であるが、ソルビトール水素化分解がHTOを生成することが知られている。米国特許第4820880号は、亜クロム銅酸の存在下、高温および高圧で、ヘキシトールの有機溶媒溶液を水素と加熱することを伴う、HTOの生成を開示している。代表的な出発ヘキシトールとしては、ソルビトールおよびマンニトールが挙げられる。水は反応速度に悪影響を及ぼし、反応を水の非存在下で行うことを要するので、代わりに、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテル唯一溶媒として使用し、このことは反応することができるソルビトール量に溶解度限界課す。このような条件下で、有用であることが示されたソルビトールの最大濃度はエチレングリコールモノメチルエーテル中9.4%wt/wtであり、これはモル収率約28%のHTOをもたらした。ソルビトール濃度グリコールモノメチルエーテル中約2%wt/wtに低下させた同様の反応では、HTOのモル収率が38%であったが、低濃度反応物質はこのような方法を非経済的にする。より最近、米国特許第6841085号が、ルテニウム含有多元金属固体触媒の存在下、少なくとも120℃の温度で、出発材料を水素と反応させることを伴う、ソルビトールを含む6炭素糖アルコールを水素化分解する方法を開示している。ニッケルおよびルテニウム触媒がソルビトール水素化分解のための伝統的な触媒として開示されたが、これらの触媒は主にグリセロールおよびプロピレングリコールなどの低レベルポリオールを生成し、HTOまたはヘキサントリオールを検出できるほどに生成することが示されなかった。

[0012]糖アルコールからHTOを生成するための改善した費用対効果の高い触媒および糖アルコール以外の代替基質が依然として必要とされている。

[0013] 別の背景主題で、分子2,5ビスヒドロキシメチルテトラヒドロフラン(「2,5-HMTHF」)は、典型的にはHMFの触媒還元によって調製される。HMFの費用、厳しい反応条件および乏しい収率のために、これは非実用的である。例えば、米国特許第4820880号は、180℃〜230℃の範囲の温度で、亜クロム酸銅の存在下、少なくとも50気圧の圧力で、水素を用いたエチレングリコールモノメチルエーテル中でのHTOの2,5−HMTHFへの変換を開示している。

概要

C5もしくはC6糖アルコールまたはRグリコシドから1,2,5,6−ヘキサンテトラオール(HTO)、1,6ヘキサンジオール(HDO)および他の還元ポリオールを合成する方法が本明細書で開示される。これらの方法は、出発材料より2〜3個少ないヒドロキシ基を有する還元ポリオールを形成するのに十分な時間、温度および圧力で、糖アルコールまたはR−グリコシドを銅触媒、最も望ましくはラネー銅触媒と共に水素と接触させることを含む。出発化合物がソルビトールなどのC6糖アルコールまたはメチルグルコシドなどのC6糖のR−グリコシドである場合、主生成物はHTOである。同じ触媒を使用してHTOをHDOにさらに還元することができる。

目的

[0015] 本開示は、一態様で、実質的に分解生成物を形成することなく、アセチルセルロースパルプからR−グリコシドを合成する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

2,5−ビスヒドロキシメチルテトラヒドロフランを作製する方法であって、1,2,5,6−ヘキサンテトラオールを2,5ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランに変換するのに十分な時間および温度および圧力で、1,2,5,6−ヘキサンテトラオールを含む混合物を、硫酸ホスホン酸炭酸および耐水性ブレンステッドルイス酸からなる群から選択される酸触媒と接触させることを含む、方法。

請求項2

前記非ブレンステッドルイス酸がトリフレート化合物である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記トリフレート化合物がビスマストリフレートスカンジウムトリフレートおよび硫酸からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記反応混合物を110℃〜150℃の間の温度に加熱する、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記混合物を3〜6psiの間の真空圧力下で前記触媒と接触させる、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記混合物を0.4psi未満の真空圧力下で前記触媒と接触させる、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記酸触媒が硫酸である、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記酸触媒が前記非ブレンステッドルイス酸である、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記酸触媒が、炭酸を形成するのに十分な圧力で、CO2を前記反応混合物に添加することによって形成された炭酸である、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記圧力が少なくとも625psiである、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記温度が250℃である、請求項9に記載の方法。

請求項12

前記混合物が1,4,5ヘキサントリオールをさらに含み、前記酸触媒と接触させることによって前記1,4,5ヘキサントリオールが2−ヒドロキシエチルテトラヒドロフランにさらに変換される、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記2−ヒドロキシエチルテトラヒドロフランを前記2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランから分離することをさらに含む、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記酸触媒が、前記1,2,5,6−ヘキサンテトラオールの量を基準として0.5mol%〜5mol%の間の量で存在する、請求項1に記載の方法。

請求項15

前記2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランを前記混合物から分離することと、前記2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランを1,6ヘキサンジオールに変換するのに十分な時間および温度で、分離した2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランを、酸化レニウム触媒と接触させることとをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項16

前記酸化レニウム触媒が酸化ケイ素をさらに含む、請求項14に記載の方法。

請求項17

2−ヒドロキシエチルテトラヒドロフランを作製する方法であって、1,4,5−ヘキサントリオールを2−ヒドロキシエチルテトラヒドロフランに変換するのに十分な時間および圧力および温度で、1,4,5ヘキサントリオールを含む混合物を、硫酸、ホスホン酸、炭酸および耐水性非ブレンステッドルイス酸からなる群から選択される酸触媒と接触させることを含む方法。

請求項18

前記耐水性非ブレンステッドルイス酸触媒がトリフレート化合物である、請求項16に記載の方法。

請求項19

前記トリフレート化合物がビスマストリフレート、スカンジウムトリフレートおよび硫酸からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。

請求項20

前記反応混合物を110℃〜150℃の間の温度に加熱する、請求項1に記載の方法。

請求項21

前記混合物を3〜6psiの間の真空圧力下で前記触媒と接触させる、請求項1に記載の方法。

請求項22

前記圧力が0.4psi以下である、請求項1に記載の方法。

請求項23

前記酸触媒が硫酸である、請求項1に記載の方法。

請求項24

前記酸触媒が耐水性非ブレンステッドルイス酸である、請求項1に記載の方法。

請求項25

前記酸触媒がホスホン酸である、請求項1に記載の方法。

技術分野

0001

[0001] 本発明は、C6糖アルコールまたはR−グリコシドからの1,2,5,6−ヘキサンテトラオールHTO)、1,4,5ヘキサントリオールおよび1,2,6ヘキサントリオールの合成に関する。

背景技術

0002

[0002] R−グリコシドは、糖系界面活性剤を含むファインケミカルを製造するために重要な中間体として知られている。通常、R−グリコシドは、糖のアセタールまたはケタール炭素アルコール水酸基との間のグリコシド結合酸触媒形成を伴う、糖によるR−アルコールのフィッシャーグリコシド化によって調製される。最も一般的な糖はグルコースである。遊離グルコシドを形成するアルコール部分置換を介した多糖中のグリコシド結合の切断をもたらす、アルコールによるデンプンまたはセルロースなどの多糖中のグルコース残基の酸触媒フィッシャーグリコシド化によってR−グリコシドを調製することもできる。典型的には強酸高温および高圧が必要とされる。より温和な条件およびあまり高価でない出発材料、特に他の点で用途が限られる出発材料の利用と両立できる機構が、特に工業規模経済的に有利となるであろう。

0003

[0003]セルロースは植物体の主要成分であり、非栄養素であり、製紙および織物業以外では広くは利用されていない。セルロースは、酸または酵素加水分解を通じてグルコースに変換することができるが、セルロースの頑強結晶構造のために、加水分解は困難である。既知酸加水分解法は、典型的には優れた収率のグルコースを得るために濃硫酸を要する。不幸なことに、グルコースは濃硫酸の存在下で分解してヒドロキシメチルフルフラール(「HMF」)を形成し、今度はこれがさらにフミンとして知られるタール状物質重合し得る。HMFおよびタール状フミンの形成は、グルコースの収率に悪影響を及ぼし、追加の分離工程を要する。当技術分野で知られている酵素加水分解法も、反応速度の低さおよび費用のために、セルロースのグルコースへの工業規模での変換にとって非実用的であり、酵素化学修飾されたセルロースを決して加水分解しない。

0004

[0004] 最近、Dengらが、酸触媒の存在下でのセルロースおよびメタノールメチルグルコシドへの直接変換報告した。Dengら、Acid−catalysed Direct Transformation of Cellulose into Methyl Glucosides in Methanol at Moderate Temperatures、46 Chem.Comm.2668−70(2010)。種々の希鉱酸および有機酸試験し、硫酸が48%で最良の収率のメチルグルコシドをもたらした。ケギン型ヘテロポリ酸も試験し、H3PW12O40が53%のメチルグルコシドをもたらした。しかしながら、H3PW12O40の存在下、エタノール中でのセルロースの変換は、低下した収率の42%エチルグルコシドをもたらした。固体酸を試験し、SO3H基を有する炭素の種々の形態が、61%で最良の収率のメチルグルコシドを与えた。

0005

[0005] より最近、Doraらが、スルホン化炭素系触媒上でのセルロースのメチルグルコシドへの触媒変換を報告した。Doraら、Effective Catalytic Conversion of Cellulose into High Yieldsof Methyl Glucosides over Sulfonated Carbon Based Catalyst.120 Bioresource Technology 318−21(2012)。SO3H基を含有する炭素系触媒を合成し、メタノール中でのセルロースの変換について評価した。具体的には、微結晶セルロースをメタノールおよびスルホン化炭素触媒(微結晶セルロースの50重量%)と175℃〜275℃の温度で反応させた。最大92%収率のメチルグルコシドが、275℃で15分の反応時間で得られた。

0006

[0006] ここで、糖アルコールに目を向けると、水素化によってアルキルグリコシドから糖アルコール(すなわち、ソルビトールおよびキシリトールなどのヘキシトールまたはペンチトール)を生成するための既知の方法は現在ない。典型的には、水素化触媒の存在下、高圧で未修飾糖を加熱することによって糖アルコールが生成される。

0007

[0007] 最近、Fukuokaらは、担持白金またはルテニウム触媒を用いてセルロースから糖アルコールを調製することができ、これらの触媒はセルロースの糖アルコールへの変換についての高い活性を示し、担持材料の選択が重要であることを報告した。Fukuokaら、Catalytic Conversion of Cellulose into Sugar Alcohols.118 Agnew.Chem.5285−87(2006)。この機構は、セルロースのグルコースへの加水分解、引き続いてグルコースのソルビトールおよびマンニトールへの還元を伴う。しかしながら、収率はせいぜい糖アルコールへの約30%の変換であり、反応は5MPaの高圧で行われた。

0008

[0008] より最近、Verendelらは、種々の条件下での多糖の小有機分子へのワンポット変換を概説した。Verendelら、Catalytic One−Pot Production of Small Organics from Polysaccharides.11 Synthesis 1649−77(2011)。酸性条件および高圧下でのセルロースの水素化による加水分解(hydrolysis-by-hydrogenation)は「決して単純でない」と分類されたが、最大90%のソルビトールをもたらすと開示された。可溶性酸を添加することなく水素下、担持金属によるデンプン、イヌリンおよび多糖加水分解物の糖アルコールへの直接加水分解−水素化も開示された。アルミナ上に沈着したルテニウムまたは白金、活性炭上に担持された種々の金属、およびゼオライトセルロース分解に適した触媒として報告された。セロビオースの分解に対する遷移金属ナノクラスターの効果も開示され、酸性条件がソルビトールをもたらした。異なる研究は、担持ルテニウム触媒上での種々の結晶度のセルロースのポリオールへの変換を観察し、カーボンナノチューブ上に担持されたルテニウムが最良の収率の73%ヘキシトールを与えた。

0009

[0009]選択性が高く、代替経路を通じた糖アルコールを生成する費用対効果の高い方法が依然として必要とされている。

0010

[0010] さらに別の主題では、分子1,2,5,6−ヘキサンテトラオール(「HTO」)が高価値化学物質の形成において有用な中間体である。HTOおよび炭素原子より少ない酸素原子を有する他のポリオールが「還元ポリオール」とみなされ得る。Cormaらは、概して、少なくとも4個の炭素原子を含有する高分子量ポリオールを使用してポリエステルアルキド樹脂およびポリウレタンを製造することができることを開示している。Cormaら、Chemical Routes for the Transformation of Biomass into Chemicals、107 Chem.Rev.2443(2007)。

0011

[0011] 典型的には反応条件が厳しく、非経済的であるが、ソルビトール水素化分解がHTOを生成することが知られている。米国特許第4820880号は、亜クロム銅酸の存在下、高温および高圧で、ヘキシトールの有機溶媒溶液を水素と加熱することを伴う、HTOの生成を開示している。代表的な出発ヘキシトールとしては、ソルビトールおよびマンニトールが挙げられる。水は反応速度に悪影響を及ぼし、反応を水の非存在下で行うことを要するので、代わりに、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテル唯一溶媒として使用し、このことは反応することができるソルビトール量に溶解度限界課す。このような条件下で、有用であることが示されたソルビトールの最大濃度はエチレングリコールモノメチルエーテル中9.4%wt/wtであり、これはモル収率約28%のHTOをもたらした。ソルビトール濃度グリコールモノメチルエーテル中約2%wt/wtに低下させた同様の反応では、HTOのモル収率が38%であったが、低濃度反応物質はこのような方法を非経済的にする。より最近、米国特許第6841085号が、ルテニウム含有多元金属固体触媒の存在下、少なくとも120℃の温度で、出発材料を水素と反応させることを伴う、ソルビトールを含む6炭素糖アルコールを水素化分解する方法を開示している。ニッケルおよびルテニウム触媒がソルビトール水素化分解のための伝統的な触媒として開示されたが、これらの触媒は主にグリセロールおよびプロピレングリコールなどの低レベルポリオールを生成し、HTOまたはヘキサントリオールを検出できるほどに生成することが示されなかった。

0012

[0012]糖アルコールからHTOを生成するための改善した費用対効果の高い触媒および糖アルコール以外の代替基質が依然として必要とされている。

0013

[0013] 別の背景主題で、分子2,5ビスヒドロキシメチルテトラヒドロフラン(「2,5-HMTHF」)は、典型的にはHMFの触媒還元によって調製される。HMFの費用、厳しい反応条件および乏しい収率のために、これは非実用的である。例えば、米国特許第4820880号は、180℃〜230℃の範囲の温度で、亜クロム酸銅の存在下、少なくとも50気圧の圧力で、水素を用いたエチレングリコールモノメチルエーテル中でのHTOの2,5−HMTHFへの変換を開示している。

発明が解決しようとする課題

0014

[0014] 概して、セルロースをアルキルグリコシドに変換する、アルキルグリコシドを糖アルコールに変換する、糖アルコールをHTOおよび他の還元ポリオールに変換する、および2,5−HMTHFなどのこのような還元ポリオールの有用な誘導体を作製するための経済的方法を考案することが当技術分野で必要とされている。

課題を解決するための手段

0015

[0015] 本開示は、一態様で、実質的に分解生成物を形成することなく、アセチルセルロースパルプからR−グリコシドを合成する方法を提供する。これらの方法は、アセチルセルロースパルプからR−グリコシド画分を形成するのに十分な時間および温度で、式ROH(式中、RはC1〜C4アルキル基である)のアルコール、ならびにホスホン酸およびスルホン酸からなる群から選択される酸触媒の存在下、アセチルセルロースパルプを加熱することを伴う。好ましい実施では、アセチルセルロースパルプが単子葉植物種、例えば、イネ科牧草トウモロコシ葉茎麦わら大麦わらキビわら、ソルガムわらおよび稲わらからなる群から選択される種に由来する。代表的な実施形態では、酸触媒は式RSO3H(式中、Rはアルキルまたはシクロアルキル基である)のスルホン酸である。

0016

[0016] 別の態様では、本開示は、アルキルグリコシドから糖アルコールを合成する方法を提供する。これらの方法は、R−グリコシドを糖アルコールおよびROH(式中、RはC1〜C4アルキルである)を含む混合物に変換するのに十分な時間および温度および圧力で、R−グリコシドを含有する溶液を水素化触媒と接触させることを含む。水素化触媒は銅および/またはルテニウムを含有してもよい。水素化触媒が銅を含む場合、溶液は2ppm未満硫化物アニオンおよび1ppm未満の塩化物アニオンを含有すべきである。代表的なルテニウム触媒は、炭素上に担持されたルテニウム、ゼオライト上に担持されたルテニウム、TiO2上に担持されたルテニウム、およびAl2O3上に担持されたルテニウムからなる群から選択される。

0017

[0017] 別の態様では、前記方法は組み合わせて、上記のアセチルセルロースパルプからR−グリコシドを生成することと、R−グリコシドをさらに上記の水素化触媒と接触させることとを含むアセチル化セルロースパルプから糖アルコールを生成する方法を提供する。

0018

[0018] 別の態様では、本開示は、1,4,5ヘキサントリオール、,2,6ヘキサンテトラオールおよび1,2,5,6ヘキサンテトロからなる群から選択される少なくとも1種を含む還元糖アルコールを作製する方法を提供する。これらの方法は、少なくとも50%mol/molの総選択的収率の還元糖アルコールの1つまたは複数を含有する混合物を生成するのに十分な時間および温度および圧力で、水、ならびに、少なくとも20%wt/wtのC6糖アルコールおよびC6糖のR−グリコシド(式中、Rはメチルまたはエチル基である)からなる群から選択される出発化合物を含む溶液を、水素およびラネー銅触媒と接触させることを含む。これらの方法のほとんどの有利な実施形態では、反応溶液は20〜30%wt/wtの水および45〜55%のC2〜C3グリコールを含む。代表的な実施形態では、溶液は20〜30%wt/wtの水および50〜55%wt/wtのプロピレングリコールを含む。これらの方法は、少なくとも70%mol/molの還元糖アルコールについての合わせた選択的収率をもたらす。これらの方法の1つの具体的な実施形態は、1,2,5,6ヘキサンテトラオールを作製する方法である。この具体的な実施形態は、少なくとも35%wt/wtの選択的収率の1,2,5,6−ヘキサンテトラオールを含有する混合物を生成するのに十分な時間および温度および圧力で、20〜30%wt/wtの水と、45〜55%のプロピレングリコールと、少なくとも20%wt/wtのC6糖アルコールおよびC6糖のR−グリコシド(式中、Rはメチルまたはエチル基である)からなる群から選択される出発化合物とを含む溶液を、水素およびラネー銅触媒と接触させることを含む。ほとんどの有利な実施形態では、1,2,5,6−ヘキサンテトラオールについての選択的収率は少なくとも40%wt/wtである。

0019

[0019] さらに別の態様では、還元糖アルコールから2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランなどのテトラヒドロフラン誘導体を作製する方法が提供される。一実施形態では、これらの方法は、1,2,5,6−ヘキサンテトラオールを2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランに変換するのに十分な時間および温度および圧力で、1,2,5,6−ヘキサンテトラオールを含む混合物を、硫酸、ホスホン酸、炭酸および耐水性ブレンステッドルイス酸からなる群から選択される酸触媒と接触させることを含む。代表的な実施形態では、非ブレンステッドルイス酸はビスマストリフレートおよびスカンジウムトリフレートなどのトリフレート化合物である。他の代表的な実施形態では、酸触媒は硫酸である。好ましい実施形態では、酸触媒はホスホン酸である。

0020

[0020] ある実施形態では、混合物は1,4,5ヘキサントリオールをさらに含み、酸触媒と接触させることによって、1,4,5ヘキサントリオールが2−ヒドロキシエチルテトラヒドロフランにさらに変換される。ある実施形態では、方法は、1,4,5ヘキサントリオールを含む混合物を同じ種類の酸触媒と接触させることによって、2−ヒドロキシエチルテトラヒドロフランを作製することを含む。さらなる方法は、2−ヒドロキシエチルテトラヒドロフランを2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランから分離することをさらに含んでもよい。特定のさらなる実施形態では、分離した2,5ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランを、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランを1,6ヘキサンジオールに変換するのに十分な時間および温度で、酸化レニウム触媒と接触させる。

図面の簡単な説明

0021

[0021]本発明のある態様による、Rアルコールの存在下、酸触媒上でのアセチル化セルロースからのRグルコシドの合成、および水素化触媒上での水素化分解を介したR−グルコシドからのソルビトールの合成を示す図である。
[0022]本発明の他の態様によるラネーニッケル触媒上でのソルビトールおよび/またはC6 R−グルコシドの水素化分解を介したヘキサントリオールおよび1,2,5,6ヘキサンテトラオールの合成、ならびにそれぞれ本発明のさらに別の態様により非ブレンステッドルイス酸と接触させることによる、1,2,5,6ヘキサンテトラオールからの2,5(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランの合成および1,4,5ヘキサントリオールからの2−ヒドロキシエチルテトラヒドロフランの合成を示す図である。

0022

[0023]アセチルセルロースパルプからのR−グリコシドの合成。本開示は、一態様で、アルコールおよび酸触媒の存在下でアセチルセルロースパルプからR−グリコシドを合成する方法を提供する。本開示の全体にわたって化学式で一般的に使用される「R」は、アルキル部分を表す。グリコシドは一般的に、グリコシド結合(すなわち、糖分子と別の官能基、この場合、アルキル部分を連結する種類の共有結合)を含有する物質を指す一方で、グルコシドは一般的に、グルコースに由来するグリコシドを指す。

0023

[0024] 本開示の方法で使用するのに最も適したアセチルセルロースパルプは、単子葉植物種に由来する。好ましくは、単子葉植物種はイネ科牧草、トウモロコシ葉茎、竹、麦わら、大麦わら、キビわら、ソルガムわらおよび稲わらからなる群から選択される。より好ましくは、単子葉植物種は、トウモロコシ葉茎である。アセチルセルロースパルプは業界で既知の任意の方法によって調製することができる。WIPO公開番号WO2013/044042に開示されている、アセチル化セルロースパルプの調製の1つの非限定的な例は、リグノセルロースバイオマスをC1〜C2酸(すなわち、1個または2個の炭素原子を含有する酸)で処理し、引き続いてC1〜C2酸混和性有機溶媒洗浄することを伴う。

0024

[0025] 本開示の方法で使用するのに最も適したアルコールは、1〜4個の間の炭素原子を含有するもの:メタノール、エタノール、プロパノールブタノールおよびこれらの異性体である。アルコールは、好ましくは少なくとも5:1のアルコールとアセチルセルロースパルプ重量比で存在する。

0025

[0026] 本開示の方法で使用するのに最も適した酸触媒は、式RSO3Hのスルホン酸またはホスホン酸である。スルホン酸の適しているが、非排他的な例としては、ジノニルナフタレンスルホン酸、6−アミノ−m−トルエンスルホン酸(2−アミノ−5−メチルベンゼンスルホン酸としても知られている)、アルキルベンゼンスルホン酸最低97%のベンゼンスルホン酸のC10〜C16アルキル誘導体を含む直鎖アルキルベンゼンスルホン酸である、Calsoft(登録商標)LAS-99として販売されている)、分岐ドデシルベンゼンスルホン酸(Calimulse(登録商標)EM-99として販売されている)およびアルキルアリールスルホン酸(Aristonic(登録商標)酸として販売されている)が挙げられる。酸触媒は均一であっても不均一であってもよい。酸触媒は、好ましくはアルコールの少なくとも0.5重量%および経済的理由のために、好ましくはアルコールの4重量%以下の量で存在する。

0026

[0027] 典型的な方法では、アセチルセルロースパルプを最初に、いずれのC1〜C4アルコールを使用してもよいが、最も典型的にはメタノールまたはエタノールである選択したアルコール中で洗浄する。洗浄したアセチルセルロースパルプを、反応容器中でアルコールおよび酸触媒と合わせ、アセチルセルロースパルプからR−グリコシド画分を形成するのに十分な時間および温度で加熱する。次いで、反応容器を室温に冷却する。典型的には、内容物を濾過して残留未反応パルプを除去する。液体画分液体抽出または蒸留などの標準的な分離法にさらに供して精製したR−グリコシド画分を得ることができる。

0027

[0028] 本明細書で提供されるR−グリコシドを合成する方法では、反応時間および温度を変化させることができる。250℃より上の温度では、分解生成物がR−グリコシドの収率に悪影響を及ぼす。150℃より下の温度では、アセチルセルロースパルプが実質的に可溶化されず、R−グリコシドの収率も悪影響を受ける。そのため、好ましい反応温度は150〜250℃である。本明細書で提供される方法の反応時間の範囲は、典型的には15分〜45分の間である。アセチルセルロースパルプをこれらの温度および時間で加熱すると、有意な量のHMFなどの分解生成物の形成を回避しながら、アセチルセルロースパルプが可溶化し、疎水性スルホン酸触媒が可溶化し、R−グリコシド画分の形成が可能になる。

0028

[0029] 典型的には、これらの方法からのR−グリコシドの収率は、アセチルセルロースパルプ中の出発糖の重量の20%〜60%の間である。本方法の他の副産物には、レボグルコサンレブリネート、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)などのフルフラール、およびデキストロースなどのいくつかの可溶性遊離糖が含まれ得る。

0029

[0030] R−グリコシドからの糖アルコールの合成。本開示は、別の態様で、図1に示されるように、水素および水素化触媒の存在下で、R−グリコシドから糖アルコールを合成する方法を提供する。本方法によって合成することができる糖アルコールとしては、それだけに限らないが、ソルビトール、マンニトール、イジトールズルシトールタリトールおよび1,4−ソルビタンが挙げられる。

0030

[0031] R−グリコシドは、商業的供給源から得ることができる、または業界で既知の方法に由来し得る。ある実施形態では、R−グリコシドが前記の方法によりアセチルセルロースパルプに由来するので、R−グリコシドのアルキル部分が、好ましくは1〜4個の間の炭素原子を含有する。種々の銅触媒などの他の触媒も有用となり得る。水素化触媒を、銅を含有するものとして選択すると、R−グリコシドは最小のアニオン、具体的には2ppm未満の硫化物アニオンおよび1ppm未満の塩化物アニオンを含有すべきである。

0031

[0032]水素化触媒は、好ましくは酸性である。それだけに限らないが、炭素上に担持されたルテニウム、ゼオライト上に担持されたルテニウム、TiO2上に担持されたルテニウムおよびAl2O3上に担持されたルテニウムを含む、ルテニウムを含有する水素化触媒が糖アルコールの合成に特に有利である。水素化触媒は、好ましくはR−グリコシドの0.5〜12.5%重量の量で存在する。炭素上ルテニウムを使用する代表的な実施では、量がR−グリコシドの約5重量%であった。

0032

[0033] 本方法は、反応容器中でR−グリコシド、水素化触媒および水を合わせることを含む。空気を反応容器から除去し、室温で水素を所望の圧力に装入する。次いで、反応器を、R−グリコシドを、糖アルコールを含む混合物に変換するのに十分な時間、十分な温度に加熱する。温度は少なくとも150℃であるべきであり、圧力は少なくとも600psiであるべきである。低温および低圧は実質的に低下した収率の糖アルコールをもたらす。適当な温度は160℃〜220℃の間である。最も典型的には、温度は170℃〜190℃の間であるべきであり、約180℃の温度が最も好ましい。適当な圧力は600〜1000psiであり、代表的な圧力は約850psiである。反応時間は、典型的には2〜4時間である。

0033

[0034] 好ましい条件下では、R−グリコシド変換率がほぼ100%に達し、ソルビトールへのモル変換率が少なくとも85%になる。精製したR−グリコシドを用いるある非限定的な例では、モル変換率が97%、または、さらに100%に達した。

0034

[0035] 1,2,5,6−ヘキサンテトラオールおよびヘキサントリオールの合成。別の態様では、本開示は、ラネー銅触媒の存在下、水素を用いた水素化によって、水を含む溶液中少なくとも20%wt/wtとして存在するC6 R−グリコシドまたはC6糖アルコールである出発化合物から、1,4,5ヘキサントリオール、1,2,5,6ヘキサンテトラオールおよび1,2,6−ヘキサントリオールからなる群から選択される少なくとも1種を含む所望の化合物を合成する方法を提供する。ラネー銅触媒は、商業的供給源(例えば、WR Grace & Co、米国)から得てもよいし、または当業者に既知の方法によって調製してもよい。典型的には、ラネー銅触媒を調製する方法は、銅アルミニウム合金アルカリ処理して、合金表面部分からアルミニウムエッチングすることを伴う。

0035

[0036] 好ましくは、ラネー銅触媒を反応器中に固定床として配置し、ラネー触媒は出発化合物の重量の5%〜30%で存在する。US4820080に記載されている亜クロム酸銅触媒またはスポンジ銅(実施例6参照)などの他の銅触媒と対照的に、ラネー銅を用いる反応は1,2,5,6ヘキサンテトラオール、1,4,5ヘキサントリオールおよび1,2,6−ヘキサントリオールについて高いモル選択性で、水の存在下で行うことができ、これによって水が唯一の溶媒である場合、出発材料を反応混合物の50%wt/wt以上まで溶解することが可能になり、所望の化合物についての合わせた選択性は少なくとも50%mol/molとなる。

0036

[0037] いくつかの実施形態では、水が唯一の溶媒であり得るが、特に有利な実施形態では、溶媒は20〜30%wt/wtの水と45〜55%wt/wtのC2〜C3グリコールの混合物である。この場合、出発材料が反応混合物の15%〜35%wt/wtとなり得る。最も有利な実施形態では、C2〜C3グリコールはプロピレングリコールである。好ましい実施では、出発材料(C6糖アルコールまたはC6アルキルグリコシド)は反応混合物の少なくとも20%wt/wtである。代表的な実施形態では、出発材料は反応混合物の約25%wt/wtである。理論によって拘束されるわけではないが、水とプロピレングリコールの混合物は出発材料の最大35%まで可溶化するのに十分な水を有するという最適な釣り合いをとる一方、十分なC2〜C3グリコールの存在によってより多くの水素を反応混合物に可溶化することが可能になり、ラネー銅触媒の寿命がさらに延長されると考えられる。出発材料がC6 R−グリコシドまたはC6糖アルコールである場合、これらの条件下でのラネー銅を用いる反応はHTOおよび1,4,5ヘキサントリオールについての高い選択性を有し、これらの合わせた種は60%超、ほとんどの場合、70%超のモル収率を占める。典型的には、HTO自体が出発材料から少なくとも35%、より典型的には少なくとも40%のモル収率を占める。

0037

[0038] 方法の第1のサブセットは、ラネー銅触媒の存在下でのC6 R−グリコシドからのHTOの合成を伴う。R−グリコシドは、商業的供給源から得ることができる、または業界で既知の方法に由来し得る。ある実施形態では、R−グリコシドは本明細書で前記のアセチル化セルロースパルプから得られたエチルグルコシドである。しかしながら、反応は任意のR−グリコシド(式中、R基はC1〜C4アルキル基である)を使用することができる。最も好ましくは、R基がメチルまたはエチルであり、最も一般的に入手可能なグリコシドはメチルグルコシドまたはエチルグルコシドである。

0038

[0039] 方法の第2のサブセットは、同じ触媒の存在下でのC6糖アルコールからのHTOの合成を伴う。糖アルコールは、商業的供給源から得ることができる、または業界で既知の方法に由来し得る。ある実施形態では、糖アルコールを、C6糖またはC6 R−グリコシドの水素化によって得ることができる。例えば、ソルビトールは、典型的にはラネーニッケル触媒上でのグルコースの水素化によって得られる。エチルグルコシドは、本明細書で前記の方法によりアセチルセルロースパルプの水素化によって得ることができる。

0039

[0040] 本方法は、一態様で、好ましくはラネー銅の固定床を含有する反応容器中で、R−グリコシドまたは糖アルコールを水および任意選択により、より好ましくはC2〜C6グリコールと合わせることを含む。空気を反応容器から除去し、室温で水素を指定された圧力に装入する。次いで、反応器を、出発材料を、C6糖アルコールまたはC6 R−グリコシドの場合、HTOと1,4,5ヘキサントリオールの混合物である、所望の物質を含有する混合物に変換するのに十分時間、十分な温度に加熱する。最良の反応条件下では、出発材料の98%超が変換され、HTOおよび1,4,5ヘキサントリオールについての選択性は、水のみを使用する場合、少なくとも50%mol/molとなり、水とプロピレングリコールなどのC2またはC3グリコールの組み合わせを溶媒として使用する場合、60%超、および、さらに70%超になる。このような条件下で、HTOは出発材料から少なくとも35%、より好ましくは少なくとも40%のmol/mol収率である。

0040

[0041] 本明細書で提供されるHTOを合成する方法では、圧力、温度および反応時間を変化させることができる。好ましくは、温度が175℃〜250℃の間である。代表的な実施形態では、温度は190℃〜215℃である。圧力は、好ましくは500psi〜2500psiの間である。より典型的な実施形態では、圧力は800〜2000psiの間である。ある代表的な実施形態では、圧力は約1800psiである。バッチ式反応器では、反応時間は、好ましくは1時間〜4時間の間、より好ましくは3時間である。連続反応系では、出発材料の入力流および水素の流量を調整して、ラネー銅触媒と接触する出発材料の最適滞留時間を得る。典型的な実験室規模の例では、水素流量が800〜1000mL/分であり、ソルビトール溶液流量が0.25mL/分であり、2時間の平均滞留時間が得られる。

0041

[0042] 上で論じられる主なヘキサントリオールに加えて、C6糖またはR−グルコシドを水素化分解する同方法は、1,2,5ヘキサントリオール、1,2ブタンジオール、1,2,3ブタントリオール、プロピレングリコール、エチレングリコールおよび少量などの他のポリオールを生成する。プロピレングリコールおよび水の存在下などのHTO合成が最適である条件下では、1,2ブタンジオールが、HTOおよび1,4,5ヘキサントリオール後に作られる第3の主生成物となる。

0042

[0043] 同様に、リボトール、キシリトールおよびアラビトールなどのC5糖アルコール、ならびにR−グリコシドも本明細書で提供されるラネーニッケル上での水素化分解に供することができ、主生成物としての1,2,5ペンタントリオールが、1,2ブタンジオール、1,2,4ブタントリオール、グリセロール、エチレングリコールおよびプロピレングリコールと一緒に生成する。エリスリトールもラネーニッケル上での水素化分解によって還元して、主生成物としての1,2ブタンジオールを、1,2,4ブタントリオール、2,3ブタンジオール、プロピレングリコールおよびエチレングリコールと一緒に形成することができる。

0043

[0044]ポリオールのテトラヒドロフラン誘導体への分子内環化HTOとヘキサントリオール、特に1,4,5ヘキサントリオールの重要な使用は、これらの分子が図2に示されるように、酸の存在下で分子間環化を容易に受けて、有用なテトラヒドロフラン(THF)誘導体を形成することができることである。環化反応は、ポリオールから水分子を放出する脱水である。C6糖アルコールのラネーニッケル触媒水素化分解からの2つの主要なポリオールはHTOおよび1,4,5ヘキサントリオールである。HTOは環化を受けて、ポリマーまたは1,6ヘキサンジオールを調製するための有用な出発材料である2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン(2,5 HMTHF)を形成する。同じ条件下で、1,4,5ヘキサントリオールは環化を受けて、有益な溶媒であり、医薬分野で有用な2−ヒドロキシエチルテトラヒドロフランを形成する。有利には、これらの化合物のそれぞれのTHF誘導体への酸触媒分子内環化によって、互いに、ならびに未反応のままであり得る出発糖アルコールおよびヘキサンポリオールから、THF誘導体を容易に分離することが可能になる。

0044

[0045] 好ましい実施形態で言及されるように、酸触媒は、好ましくは硫酸、ホスホン酸、炭酸または耐水性非ブレンステッドルイス酸からなる群から選択される。驚くべきことに、リン酸はほとんどの条件下で全く働かないが、均一触媒として存在するホスホン酸が並外れてよく働くことが分かった。グリコシドの形成に使用される不均一ホスホン酸触媒も有用であり得ることも事実であり得る。

0045

[0046]耐水性非ブレンステッドルイス酸は、ブレンステッド酸で水素が電子受容するように電子を受容するが、水素以外の受容体を使用し、水の存在下での加水分解に耐性である分子種である。代表的な耐水性非ブレンステッドルイス酸は、ビスマス(III)トリフレートおよびスカンジウム(III)トリフレートによって本明細書で例示されるトリフレート化合物である。他の適当なトリフレートとしては、それだけに限らないが、銀(I)トリフレート、亜鉛(II)トリフレート、ガリウム(III)トリフレート、ネオジム(III)トリフレート、アルミニウムトリフレートインジウム(III)トリフレート、スズ(II)トリフレート、ランタン(III)トリフレート、鉄(II)トリフレート、イットリウム(III)トリフレート、タリウム(I)トリフレート、ガドリニウム(III)トリフレート、ホルミウム(III)トリフレート、プラセオジム(III)トリフレート、銅(II)トリフレート、サマリウム(III)トリフレート、イッテルビウム(III)トリフレート水和物、およびニッケル(II)トリフレートが挙げられる。他の適当な耐水性非ブレンステッドルイス酸としては、それだけに限らないが、塩化ビスマス(III)、塩化インジウム四水和物塩化スズ(II)、塩化アルミニウム六水和物酢酸銀(I)、硫酸カドミウム酸化ランタン塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化リチウムおよび塩化ルテニウム(III)が挙げられる。好ましくは、酸触媒が、反応混合物中に出発材料の0.05%〜5%mol/molの範囲で存在する。さらに別の代替酸触媒は炭酸であり、これは圧力下および二酸化炭素の存在下、水中で反応を行って生成することができる。

0046

[0047] 本方法は、残留未反応糖アルコールもしくはC6 R−グリコシドを含むまたは含まないHTO、ヘキサントリオールまたはこれらの混合物のいずれかを酸触媒と合わせることを含む。1つの実施では、HTOおよびヘキサントリオールを最初に例えば、蒸留によって互いに分離することができる。他の実施では、ラネー銅上での糖アルコールまたは6C R−グリコシドの水素化分解から生じた反応混合物全体を使用し、後のTHF誘導体を蒸留によってその後分離することができる。酸触媒が硫酸または非ブレンステッドルイス酸化合物である場合、反応混合物を好ましくは0.4psi未満真空下に置き、ヘキサントリオールおよびHTOを上記のそれぞれのテトラヒドロフラン誘導体に変換するのに十分な時間加熱する。反応を炭酸の存在下で行う場合、反応を典型的には少なくとも625psiの圧力下で行う。

0047

[0048] 本明細書で提供される方法では、温度、圧力および反応時間を変化させることができる。酸触媒をCO2から産生しない場合、温度は、好ましくは110℃〜150℃の間である。硫酸またはトリフレート触媒を用いる方法では、温度、圧力および反応時間を変化させることができる。好ましくは、温度が120℃〜150℃の間である。120℃より下の温度は、閉環を果たすのに十分な熱エネルギーをもたらすことができない。150℃により上の温度は、不要な副産物の形成を誘導する。ビスマストリフレートまたはスカンジウムトリフレートなどのトリフレートを酸触媒として使用する場合、温度は、より好ましくは約130℃である。

0048

[0049] さらに、酸触媒環化は、好ましくは脱水によって形成される水の除去およびその後の所望のTHF誘導体生成物回収を容易にするために真空下で行われる。真空は、好ましくは3.0〜6.0psiの圧力範囲内にある。3.0psiより下の圧力は、低沸点および高蒸気圧を有する所望のTHF誘導体のいくつかを蒸発させるおそれがある。6.0psiより上の圧力は、反応中に形成する水を除去することができない。0.4psi未満またはさらに0.1psiなどの低圧が、低蒸気圧および/または高沸点を有するTHF誘導体のその後の回収に有用である。

0049

[0050] 適当な反応時間は1〜4時間である。いくつかの実施形態では、反応は1〜2時間未満で完了し、いくつかの実施形態では約1時間で完了する。

0050

[0051] 本明細書で有用な非ブレンステッドルイス酸触媒は全て耐水性である。好ましくは、非ブレンステッドルイス酸触媒は金属トリフレートである。好ましくは、非ブレンステッドルイス酸触媒が均一である。特定の実施形態では、非ブレンステッドルイス酸触媒はビスマストリフレートおよびスカンジウムトリフレートからなる群から選択される。トリフレート酸触媒担持量は、好ましくは出発ポリオールを基準として0.5モル%〜5モル%の間であり、より好ましくは出発ポリオール材料を基準として1モル%の量で存在する。

0051

[0052] 上記化合物に加えて、C6糖アルコールまたはR−グルコシドのラネーニッケル触媒水素化によって得られる他のポリオールとしては、1,2,6ヘキサントリオール、1,2,5ヘキサントリオールおよび1,2,4ブタントリオールが挙げられる。これらの化合物の酸触媒環化は主に、それぞれ1−メタノールテトラヒドロピラノール、5−メチルテトラヒドロフラン2−メタノールおよび3−ヒドロキシテトラヒドロフランを形成する。

0052

[0053] さらに、C5糖アルコールをラネーニッケル上で低級ポリオールに還元することもできる。C5糖アルコールを使用する場合、主な還元ポリオールは1,2,5ペンタントリオールである。この化合物の酸触媒環化は主にテトラヒドロフラン−2メタノールを形成する。

0053

[0054] 以下の表1に示されるように、ポリオールのその環化誘導体への明らかに完全な変換が可能である。表1中でおよびある非限定的な実施例によって証明されるように、出発糖アルコールのほぼ完全な変換が最大83%mol/mol収率で達成された場合、環化THF誘導体をそれぞれの出発ポリオール化合物から得ることができる。本明細書で使用する場合、「ほぼ完全な変換」は、出発化合物(複数可)の少なくとも97%が反応で消費されることを意味する。

0054

0055

[0055]ポリオールから作製した2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランおよび他のTHF(およびピラン)誘導体は、蒸留によって、互いにおよび未反応ポリオールから容易に分離することができる。その後、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランは、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランを1,6ヘキサンジオールに変換するのに十分な時間および温度で、酸化レニウム触媒と接触させることによってフラン環酸化を介して、1,6ヘキサンジオールに変換することができる。好ましくは、酸化レニウム触媒は酸化ケイ素をさらに含む。

0056

[0056] 以下の実施例を提供して本発明の種々の態様を示すが、これらの実施例は本発明を限定することを何ら意図していない。当業者であれば、開示される発明の範囲から逸脱することなく、これらの実施例を、アセチルセルロースパルプの異なる供給源、異なるアルコール、異なる酸触媒、異なる水素化触媒、異なるポリオール混合物または異なる条件を用いて本発明の種々の態様を実施するための手引きとして使用することができる。

0057

[0057] 実施例1:アセチル化トウモロコシ葉茎パルプからのエチルグリコシドの調製
PCT公開番号WO2013/044042に記載される方法によって得られたアセチル化トウモロコシ葉茎パルプを、エタノールで洗浄し、濾過し、オーブン乾燥させ、粉砕した。75mLオートクレーブ反応器に、洗浄し、粉砕したパルプ2g、変性エタノール40gおよびメタンスルホン酸0.2gを装入した。反応器系を185℃に加熱した。設定温度に達した後、反応器の内容物を185℃で30分間維持した。反応器を室温に冷却し、内容物を濾過した。乾燥した残留パルプ約0.84gを濾液44.14gから取り出した。出発可溶化パルプからの糖の重量%としての濾液中のエチルグルコシドの収率は、34%であった。

0058

[0058] 実施例2:アセチル化トウモロコシ葉茎パルプからのメチルグリコシドの調製
アセチル化トウモロコシ葉茎パルプを、エタノールで洗浄し、濾過し、オーブン乾燥させ、粉砕した。75mLオートクレーブ反応器に、洗浄し、粉砕したパルプ2g、メタノール40gおよびメタンスルホン酸0.2gを装入した。反応器系を185℃に加熱した。設定温度に達した後、反応器の内容物を185℃で30分間維持した。反応器を室温に冷却し、内容物を濾過した。乾燥した残留パルプ約0.93gを濾液44.72gから取り出した。パルプ中の出発糖のモル%としての濾液中のモノメチルグルコシドの収率は、45%であった。

0059

[0059] 実施例3:アセチル化トウモロコシ葉茎パルプからのメチルグリコシドの調製−種々の酸
種々の反応時間および温度および種々の酸を用いて、実施例2に記載される手順に従ったところ、表2に示されるモノメチルグルコシドのモル収率が得られた。EM−99は分岐ドデシルベンゼンスルホン酸(Calimulse(登録商標)EM-99として販売されている)であり、LAS−99はアルキルベンゼンスルホン酸(Calsoft(登録商標)LAS-99として販売されている)である。pTSAパラ−トルエンスルホン酸であり、MSAはメタンスルホン酸である。

0060

0061

[0060] 実施例4:メチルグルコシドからのソルビトールの調製−低温
メチルグルコシド80.1g、Ru/C 10.1gおよび水300mLの混合物を、温度および圧力制御装置を付けたオートクレーブ反応器に添加した。3回水素を浸漬管に通してバブリングさせることによって、空気を除去した。水素を室温において850psiで装入した。混合物を140℃に加熱し、その温度で3時間維持した。反応器を室温に冷却し、残っている水素を放出した。反応器の内容物を濾過して触媒を除去した。濾液を真空下で蒸発させると、5%未満の収率のソルビトールおよび大量の未反応メチルグルコシドが得られた。

0062

[0061] 実施例5:メチルグルコシドからのソルビトールの調製−高温
メチルグルコシド80.1g、Ru/C 10.1gおよび水300mLの混合物を、温度および圧力制御装置を付けたオートクレーブ反応器に添加した。3回水素を浸漬管に通してバブリングさせることによって、空気を除去した。水素を室温において850psiで装入した。混合物を165℃に加熱し、その温度で3時間維持した。反応器を室温に冷却し、残っている水素を放出した。反応器の内容物を濾過して触媒を除去した。濾液を真空下で蒸発させると、97%収率のソルビトールおよび少量の未反応メチルグルコシドが得られた。

0063

[0062] 実施例6:メチルグルコシドからのソルビトールの調製
メチルグルコシド80.1g、Ru/C 10.1gおよび水300mLの混合物を、温度および圧力制御装置を付けたオートクレーブ反応器に添加した。3回水素を浸漬管に通してバブリングさせることによって、空気を除去した。水素を室温において850psiで装入した。混合物を180℃に加熱し、その温度で3時間維持した。反応器を室温に冷却し、残っている水素を放出した。反応器の内容物を濾過して触媒を除去した。濾液を真空下で蒸発させると、100%収率のソルビトールが得られた。

0064

[0063] 実施例7:スポンジ銅触媒を用いた水中でのメチルグルコシドからの1,2,5,6ヘキサンテトラオールの調製−比較例
メチルグルコシド80.1g、スポンジ銅24.8gおよび水300mLの混合物を、温度および圧力制御装置を付けたオートクレーブ反応器に添加した。3回水素を浸漬管に通してバブリングさせることによって、空気を除去した。水素を室温において850psiで装入した。混合物を225℃に加熱し、その温度で3時間維持した。反応器を室温に冷却し、残っている水素を放出した。反応器の内容物を濾過して触媒を除去した。濾液を真空下で蒸発させると、1,2,5,6−ヘキサンテトラオール(15%wt/wt)およびソルビトール(85%wt/wt)が得られた。

0065

[0064] 実施例8:ラネー銅を用いた水中でのソルビトールからの1,2,5,6ヘキサンテトラオールの調製低圧
ラネー銅触媒を固定床反応器系に充填した。反応器に水素を600psiで装入し、水素流量を1000mL/分で維持した。反応器を225℃に加熱した。50%wt/wtソルビトールおよび水の溶液を、LHSV=0.5の速度で反応器系を通して供給した。ソルビトールの変換は98.5%であり、1,2,5,6−ヘキサンテトラオールは5.8%重量収率であった。

0066

[0065] 実施例9:ラネー銅を用いた水中でのソルビトールからの1,2,5,6ヘキサンテトラオールの調製−高圧
実施例7のようにラネー銅触媒を固定床反応器系に充填した。水素を1800psiで装入し、水素流量を1000mL/分で維持した。反応器を205℃に加熱した。また50%wt/wtソルビトールおよび水の溶液を、LHSV=0.5の速度で反応器系を通して供給した。ソルビトールの変換は73%であり、1,2,5,6−ヘキサンテトラオールは28.8%選択的重量収率であった。他のポリオールは存在したが、定量しなかった。

0067

[0066] 実施例10:ラネー銅を用いた水/プロピレングリコール中でのソルビトールからの1,2,5,6ヘキサンテトラオールの調製
表3に示されるように、25%wt/wtソルビトール、約25%wt/wt水および約50%重量プロピレングリコールを含有する溶液を、210℃および1800psiの圧力で、実施例8および9に記載されるラネー銅固定床反応器系に通過させた。得られた反応混合物をプロピレングリコール(PG)、エチレングリコール(EG)、1,2ヘキサンジオール(1,2-HDO)、1,2ブタンジオール(1,2-BDO)、1,2,6ヘキサントリオール(1,3,6-HTO)、1,4,5ヘキサントリオール(1,4,5-HTO)および1,2,5,6ヘキサンテトラオール(1,2,5,6-HTO)について分析し、結果を表4に示した。

0068

0069

0070

[0067] 実施例11:硫酸を用いた1,2,5,6ヘキサンテトラオールの2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランへの変換
濃硫酸0.6gおよび1,2,5,6−ヘキサンテトラオール36gの溶液を真空(約20トル)下120℃で1時間反応させた。溶液を室温に冷却し、次いで、水50mLおよび炭酸カルシウム2gを添加して中和した。溶液を濾過し、次いで、真空下で濃縮すると約96%収率の2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランが得られた。

0071

[0068] 実施例12:ビスマストリフレートを用いた1,2,5,6ヘキサンテトラオールの2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランへの変換
ビスマストリフレート110mgおよび33%wt/wt 1,2,5,6−ヘキサンテトラオールを含有するソルビトール水素化分解混合物151.41gの溶液を真空(5トル未満)下130℃で2時間反応させた。溶液を室温に冷却した。高速液体クロマトグラフィーHPLC)によって分析した試料は、1,2,5,6−ヘキサンテトラオールの完全な変換を示し、理論収率の93.4%の2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランが得られたことを示した。

0072

[0069] 実施例13:スカンジウムトリフレートを用いた1,2,5,6ヘキサンテトラオールの2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランへの変換
スカンジウムトリフレート89mgおよび33%wt/wt 1,2,5,6−ヘキサンテトラオールを含有するソルビトール水素化分解混合物163.57gの溶液を真空(5トル未満)下130℃で2時間反応させた。溶液を室温に冷却した。HPLCによって分析した試料は、1,2,5,6−ヘキサンテトラオールの完全な変換を示し、理論収率の91.3%の2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランが得られたことを示した。

0073

[0070] 実施例14:ビスマストリフレートを用いた1,2,5,6ヘキサンテトラオールの2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランへの変換
1,2,5,6ヘキサンテトラオール544mgとビスマストリフレート24mgの混合物を真空(200トル)下130℃で2時間反応させた。得られた残渣を室温に冷却した。ガスクロマトグラフィーによって分析した試料は、残渣が1.24(重量)%の出発ヘキサン−1,2,5,6−テトラオールおよび61.34(重量)%の所望の(テトラヒドロフラン−2,5−ジイルジメタノールを含有していることを示した。

0074

[0071] 実施例14:ホスホン酸を用いた1,2,5,6ヘキサンテトラオールの2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランへの変換
PTFEコーティング磁気攪拌棒を備える三つ口500mL丸底フラスコに、約42重量%の1,2,5,6−ヘキサンテトラオールおよびホスホン酸3.44g(H3PO3、HTOに対して5mol%)で構成される中間相の(mesophasic)灰白色油300gを装入した。1つの口はすりガラス接合で、中心は熱電対をねじ込んだスリーブサーモウェルアダプターで、最後はドライアイス冷却250mL洋ナシ型レシーバーを付けた短路冷却器で蓋をした。激しく攪拌しながら、混合物を真空(20トル)下で4時間150℃に加熱した。この時間の後、真空を破壊し、残りの淡い着色油を冷却し、量すると、3.06gが得られた。GC分析は、HTOの95mol%が変換され、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランについての選択的収率が88%mol/molであることを示した。

0075

[0072] 実施例16:1,2,5ペンタントリオールからのテトラヒドロフラン−2−メタノールの調製
ペンタン−1,2,5−トリオール1.05gとビスマストリフレート57mgの混合物を真空(200トル)下130℃で2時間反応させた。得られた残渣を室温に冷却した。ガスクロマトグラフィーによって分析した試料は、残渣が36.24(重量)%の出発ペンタン−1,2,5−トリオールおよび50.37(重量)%の所望の(テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールを含有していることを示した。

0076

[0073] 実施例17:1,2,4ブタントリオールからの3−テトラヒドロフラノールの調製
1,2,4ブタントリオール1.00gとビスマストリフレート62mgの混合物を真空(200トル)下130℃で2時間反応させた。得られた残渣を室温に冷却した。ガスクロマトグラフィーによって分析した試料は、残渣が12.56(重量)%の出発ブタン−1,2,4−トリオールおよび76.35(重量)%の所望のテトラヒドロフラン−3−オールを含有していることを示した。

0077

[0074] 実施例18:1,2,5ヘキサントリオールからの5−メチルテトラヒドロフラン−2−メタノールの調製
1,2,5ヘキサントリオール817mgとビスマストリフレート40mgの混合物を真空(200トル)下130℃で2時間反応させた。得られた残渣を室温に冷却した。ガスクロマトグラフィーによって分析した試料は、出発ヘキサン−1,2,5−トリオールが完全に変換されていること、および残渣が75.47(重量)%の所望のメチルテトラヒドロフラン−2−メタノールを含有していることを示した。異性体2−メチル−4−テトラヒドロピラノールも7.42%重量収率で生成された。

実施例

0078

[0075] 実施例19:環化のための一般的分析プロトコル
実施例11〜18に記載される反応物質の脱水環化が完了したら、反応混合物の試料を取り出し、1〜5mg/mL溶液を生成するのに十分な水で希釈した。次いで、これの一定分量を、Agilent 1200(登録商標)シリーズ機器を用いて、以下のプロトコルを使用して、定量化のために高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供した:試料10μLを、5mM硫酸移動相で予め平衡化し、0.800mL/分の速度で流した300mm×7.8mm BioRad(登録商標)有機酸カラム注入した。移動相をイソクラティックに保ち、サイン時間でカラムから溶出する分子標的屈折率検出(RID)によって測定した。各分析物についての定量法は、少なくとも0.995の相関係数を用いた線形回帰分析を適用して、注入前に確立した。

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