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課題・解決手段

本発明は新規ブタパルボウイルス、該ウイルスタンパク質ならびに該ウイルスおよびそのタンパク質に基づくワクチンに関する。本発明はまた、該ウイルスの遺伝子を含むDNA断片、および該ウイルスの遺伝子に基づくDNAワクチンに関する。更に、本発明は該新規ウイルスに対して反応性である抗体、および該ウイルスまたは該ウイルスに対する抗体の検出のための診断試験に関する。

概要

背景

過去数十年にわたって、世界中で豚肉消費の著しい増加が見られる。結果として、市場需要の増大を満たすために、養場の数および大きさの増大が見られる。畜産学全般から公知のとおり、互いに接近して生息する多数の動物はあらゆる種類の疾患に罹りやすく、大規模な商業的畜産時代より前にはほとんど知られていなかった若しくは見られることがなかった又は更には未知であった疾患でさえもそうである。

60年以上前から知られているブタにおける疾患の1つは出血性腸症候群(HBS)である。この疾患は、疾患の原因が明らかでなく、種々の臨床徴候一貫性が常に完全に明らかだとは限らないため、症候群と称される。HBSは、稀な爆発的発生において生じる疾患である。急速に成長する4〜6月齢のブタが主に罹患する。ほとんどの場合、該疾患は肥育ブタにおいて認められる。死亡率は様々であるが、ブタは下痢証拠を伴うことなく急死する(1−3)。16000頭を超えるブタに基づくブタ検死データは、HBSの頻度が2.66%であることを示した。米国においては、HBSは成長終了期における全死亡の0.5%〜7%を引き起こすと報告されている(3)。出血性腸症候群は単一の原因による単一の疾患とみなされるべきではない。HBSの最も顕著な症状は腸出血であり、しばしば、腸捻転(腸のじれ)を伴う。しかし、これらの症状は胃潰瘍および回腸炎徴候でもあり、このことはHBSの診断を複雑にする。腸全体の回転が生じて、鬱血および血液沈滞を引き起こしうる。腸捻転はHBS症例の80%までで認められうる(1−3)。該疾患の他の頻繁に認められる症状は薄い腸壁および腸内の血液含有流体である。HBSの厳密な病因は不明である。前記のとおり、症候群の病因は単一の原因によるというよりも大概は多因子性である。ストレス、過酷な環境的および管理的側面が一因でありうる。素因には、過酷な運動、取扱い、戦闘パイリング(piling)または不規則摂食が含まれうる。HBSに罹患している動物からクロストリジウム属種(Clostridium sp.)および大腸菌(E.coli)が分離されているものの、感染因子(細菌またはウイルス)がHBSを引き起こしうるという決定的な証拠は存在しない(1,3)。HBSに罹患している動物からの濾過腸内容物を健康な動物に静脈内または経口投与することにより疾患を再現させる試みは失敗した。感染ブタから分離された大腸菌(E.coli)およびクロストリジウムパーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型の経口接種により疾患を再現させる試みも同様に失敗した。一方、該疾患の頻度は食餌中抗生物質投与により或る程度低下しうることが公知である。これは、該疾患が実際に多因子性である、すなわち、例えばストレスおよび1以上の病原体組合せ効果であるという見解補強するものである。

概要

本発明は新規ブタパルボウイルス、該ウイルスのタンパク質ならびに該ウイルスおよびそのタンパク質に基づくワクチンに関する。本発明はまた、該ウイルスの遺伝子を含むDNA断片、および該ウイルスの遺伝子に基づくDNAワクチンに関する。更に、本発明は該新規ウイルスに対して反応性である抗体、および該ウイルスまたは該ウイルスに対する抗体の検出のための診断試験に関する。なし

目的

この疾患に関連した新規感染因子を提供すること、および該疾患と闘うための又は少なくとも該疾患の死亡率を減少させるためのワクチンを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

パルボウイルス科パルボウイルス亜科メンバーである分離されたウイルスであって、該ウイルスが、a)該ウイルスが出血性腸症候群(HBS)関連ウイルスであること、およびb)該ウイルスが、カプシドタンパク質(CP)をコードする遺伝子と非構造タンパク質1(NS1)をコードする遺伝子とを含むウイルスゲノムを有することを特徴とし、ここで、CP遺伝子ヌクレオチド配列が、配列番号1に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有し、またはNS1遺伝子のヌクレオチド配列が、配列番号3に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有する、分離されたウイルス。

請求項2

CP遺伝子のヌクレオチド配列が、配列番号1に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有し、かつ、NS1遺伝子のヌクレオチド配列が、配列番号3に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有する、請求項1記載の分離されたウイルス。

請求項3

パルボウイルス科内のパルボウイルス亜科のメンバーである分離されたウイルスであって、該ウイルスが、a)該ウイルスがHBS関連ブタパルボウイルスであること、ならびにb)ウイルスゲノムDNAが、配列番号5および6に示されているプライマーセットPCR反応において反応して140+/−10塩基対PCR産物を与え、または配列番号7および8に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して853+/−10塩基対のPCR産物を与えることを特徴とする、分離されたウイルス。

請求項4

ウイルスゲノムDNAが、配列番号5および6に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して140+/−10塩基対のPCR産物を与え、かつ、配列番号7および8に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して853+/−10塩基対のPCR産物を与える、請求項3記載の分離されたウイルス。

請求項5

CP遺伝子のヌクレオチド配列が、配列番号1に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有し、かつ、NS1遺伝子のヌクレオチド配列が、配列番号3に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有し、ウイルスゲノムDNAが、配列番号5および6に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して140+/−10塩基対のPCR産物を与え、かつ、配列番号7および8に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して853+/−10塩基対のPCR産物を与える、請求項1〜4のいずれか1項記載の分離されたウイルス。

請求項6

ウイルスを含む細胞培養であって、請求項1〜5のいずれか1項記載のウイルスを含むことを特徴とする細胞培養。

請求項7

CPをコードする遺伝子を含むDNA断片であって、該遺伝子のヌクレオチド配列が、配列番号1に示されているCP遺伝子のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有することを特徴とする、DNA断片。

請求項8

請求項7記載のDNA断片によりコードされることを特徴とするCP。

請求項9

NS1をコードする遺伝子を含むDNA断片であって、該遺伝子のヌクレオチド配列が、配列番号3に示されているNS1遺伝子のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有することを特徴とする、DNA断片。

請求項10

請求項9記載のDNA断片によりコードされることを特徴とするNS1。

請求項11

CP遺伝子が機能的異種プロモーターの制御下にある、請求項7記載のDNA断片。

請求項12

請求項1〜5のいずれか1項記載のウイルスの免疫学的に有効な量と医薬上許容される担体とを含むことを特徴とする、ブタにおけるHBS関連ブタパルボウイルスと闘うためのワクチン

請求項13

該ウイルスが生弱毒化形態である、請求項12記載のワクチン。

請求項14

該ウイルスが不活化形態である、請求項12記載のワクチン。

請求項15

請求項8記載のカプシドタンパク質の免疫学的に有効な量と医薬上許容される担体とを含むことを特徴とする、ブタにおけるHBS関連ブタパルボウイルスと闘うためのワクチン。

請求項16

請求項11記載のDNA断片を含む生組換え非パルボウイルスベクターと医薬上許容される担体とを含むことを特徴とする、ブタにおけるHBS関連ブタパルボウイルスと闘うためのワクチン。

請求項17

請求項11記載のDNA断片と医薬上許容される担体とを含むことを特徴とする、ブタにおけるHBS関連ブタパルボウイルスと闘うためのワクチン。

請求項18

少なくとも1つの他のブタ病原性微生物もしくはブタ病原性ウイルスおよび/または少なくとも1つの他の免疫原性成分および/または該ブタ病原性微生物もしくはブタ病原性ウイルスの前記の他の免疫原性成分をコードする遺伝物質を含む、請求項12〜17のいずれか1項記載のワクチン。

請求項19

該ブタ病原性ウイルスまたはブタ病原性微生物が、ブラキスピラ・ヒオジセンテリエ(Brachyspirahyodysenteriae)、アフリカブタコレラウイルス、ニパウイルスブタサーコウイルス、ブタトルクテノウイルス、仮性狂犬病ウイルスブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、ブタ呼吸器および生殖症候群ウイルス(PRRS)、ブタ流行性下痢ウイルス(PEDV)、口蹄病ウイルス、伝染胃腸炎ウイルス、ロタウイルス大腸菌(Escherichiacoli)、エリシペロルシオパシエ(Erysipelorhusiopathiae)、ボルデテラブロンキセプチカ(Bordetellabronchiseptica)、サルモネラコレライス(Salmonellacholerasuis)、ヘモフィルスパラスイス(Haemophilusparasuis)、パスツレラムルトシダ(Pasteurellamultocida)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcussuis)、マイコプラズマハイオニューモニエ(Mycoplasmahyopneumoniae)およびアクチノバチルスプルニューモニエ(Actinobacilluspleuropneumoniae)からなる群から選択される、請求項18記載のワクチン。

請求項20

アジュバントを含む、請求項12〜19のいずれか1項記載のワクチン。

請求項21

請求項1〜5のいずれか1項記載のウイルスに対して反応性である抗体または抗血清

請求項22

ブタにおけるHBS関連ブタパルボウイルスと闘うためのワクチンにおける使用のための、請求項1〜5のいずれか1項記載のウイルスおよび/または請求項8記載のカプシドタンパク質および/または請求項11記載のDNA断片および/または請求項16記載のCPをコードする生組換え非パルボウイルスベクター。

請求項23

請求項1〜5のいずれか1項記載のウイルスおよび/または請求項8記載のカプシドタンパク質および/または請求項11記載のDNA断片および/または請求項16記載のCPをコードする生組換え非パルボウイルスベクターと医薬上許容される担体とを混合することを含む、請求項12〜20のいずれか1項記載のワクチンの製造方法。

請求項24

請求項1〜5のいずれか1項記載のウイルスに対して又はその抗原物質に対して反応性である抗体の検出のための診断試験キットであって、請求項1〜5のいずれか1項記載のウイルスまたはその抗原物質を含むことを特徴とする診断試験キット。

請求項25

請求項1〜5のいずれか1項記載のウイルスまたはその抗原物質の検出のための診断試験キットであって、請求項1〜5のいずれか1項記載のウイルスに対して又はその抗原物質に対して反応性である抗体を含むことを特徴とする診断試験キット。

請求項26

請求項1〜5のいずれか1項記載のウイルスの検出のための診断試験キットであって、HBS関連ブタパルボウイルスのカプシドタンパク質遺伝子またはNS1遺伝子の領域に対して特異的に反応性であるPCRプライマーセットを含むことを特徴とする診断試験キット。

技術分野

0001

本発明は新規ブタパルボウイルス、該ウイルスタンパク質ならびに該ウイルスおよびそのタンパク質に基づくワクチンに関する。本発明はまた、該ウイルスの遺伝子を含むDNA断片、および該ウイルスの遺伝子に基づくDNAワクチンに関する。更に、本発明は該新規ウイルスに対して反応性である抗体、および該ウイルスまたは該ウイルスに対する抗体の検出のための診断試験に関する。

背景技術

0002

過去数十年にわたって、世界中で豚肉消費の著しい増加が見られる。結果として、市場需要の増大を満たすために、養場の数および大きさの増大が見られる。畜産学全般から公知のとおり、互いに接近して生息する多数の動物はあらゆる種類の疾患に罹りやすく、大規模な商業的畜産時代より前にはほとんど知られていなかった若しくは見られることがなかった又は更には未知であった疾患でさえもそうである。

0003

60年以上前から知られているブタにおける疾患の1つは出血性腸症候群(HBS)である。この疾患は、疾患の原因が明らかでなく、種々の臨床徴候一貫性が常に完全に明らかだとは限らないため、症候群と称される。HBSは、稀な爆発的発生において生じる疾患である。急速に成長する4〜6月齢のブタが主に罹患する。ほとんどの場合、該疾患は肥育ブタにおいて認められる。死亡率は様々であるが、ブタは下痢証拠を伴うことなく急死する(1−3)。16000頭を超えるブタに基づくブタ検死データは、HBSの頻度が2.66%であることを示した。米国においては、HBSは成長終了期における全死亡の0.5%〜7%を引き起こすと報告されている(3)。出血性腸症候群は単一の原因による単一の疾患とみなされるべきではない。HBSの最も顕著な症状は腸出血であり、しばしば、腸捻転(腸のじれ)を伴う。しかし、これらの症状は胃潰瘍および回腸炎徴候でもあり、このことはHBSの診断を複雑にする。腸全体の回転が生じて、鬱血および血液沈滞を引き起こしうる。腸捻転はHBS症例の80%までで認められうる(1−3)。該疾患の他の頻繁に認められる症状は薄い腸壁および腸内の血液含有流体である。HBSの厳密な病因は不明である。前記のとおり、症候群の病因は単一の原因によるというよりも大概は多因子性である。ストレス、過酷な環境的および管理的側面が一因でありうる。素因には、過酷な運動、取扱い、戦闘パイリング(piling)または不規則摂食が含まれうる。HBSに罹患している動物からクロストリジウム属種(Clostridium sp.)および大腸菌(E.coli)が分離されているものの、感染因子(細菌またはウイルス)がHBSを引き起こしうるという決定的な証拠は存在しない(1,3)。HBSに罹患している動物からの濾過腸内容物を健康な動物に静脈内または経口投与することにより疾患を再現させる試みは失敗した。感染ブタから分離された大腸菌(E.coli)およびクロストリジウムパーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型の経口接種により疾患を再現させる試みも同様に失敗した。一方、該疾患の頻度は食餌中抗生物質投与により或る程度低下しうることが公知である。これは、該疾患が実際に多因子性である、すなわち、例えばストレスおよび1以上の病原体組合せ効果であるという見解補強するものである。

0004

この疾患に関連した新規感染因子を提供すること、および該疾患と闘うための又は少なくとも該疾患の死亡率を減少させるためのワクチンを提供することが、本発明の目的である。更に、疾患関連感染因子を検出し特定するための手段を提供することが本発明の目的である。

0005

最近、メキシコにおける疾患の突然発生中に、HBSと診断されたブタが幾つかの養豚場から集められた。罹患したブタは予め疾患の症状を示しておらず、最初の疾患の徴候の2〜6時間後に急死した。検死に際して、それらのブタは小腸における異常、とりわけ、出血症状、薄化腸壁および腸内血液含有流体を示した。他の器官においては、肥大し腫張した赤みがかったリンパ節が観察された以外は、異常は見出されなかった。

0006

種々の養豚場からの検死罹患ブタからのサンプルがウイルスの存在に関して分析された。驚くべきことに、該動物の76%において新規ウイルスが見出された。該ウイルスが全ての動物において検出されたわけではないことは、該動物の死亡時から、それらが死後解剖に送られた時点までの間に経過した時間の長さと関係している可能性がある。これは、とりわけ、動物1頭当たりに見出されるウイルスの量に著しいばらつきがあったことから結論づけられうる。該ウイルスが見掛け上は存在しないブタにおいては、これは、ウイルスの存在量がそれらのブタにおいては分析時に検出レベルを下回っていたことによる可能性がある、と本発明者らは考えている。更に、初期ウイルス複製の部位がこの新規ウイルスに関しては知られておらず、したがって、感染後のウイルス複製の主要部位がサンプリングされていなかった可能性がある。

0007

該新規ウイルスはこれらのHBS診断ブタにおいて検出されたため、該ウイルスを更に、HBS関連ウイルスと呼ぶことにする。出血性腸症候群は今や、HBSに罹患している動物の器官において、該疾患中の或る段階において、以下の臨床症状、すなわち、腸出血、およびしばしばこれに伴う腸捻転、薄化腸壁および腸内血液含有流体と組合された、本発明の新規ウイルスの存在により特徴づけられうる。

0008

ウイルスゲノムの配列を分析したところ、該新規ウイルスは、パルボウイルス科内のパルボウイルス亜科の最近特定された属に対して比較的低レベルではあるが或る程度の類似性を有することが示された。パルボウイルスは、5000ヌクレオチドの平均ゲノムサイズおよび直径18〜26nmの範囲のサイズを有する線状非分節化一本鎖DNAウイルスである。該新規ブタパルボウイルスの代表例のほぼ完全長DNA配列を配列番号10に示す。

0009

該新規ウイルスは2つの大きなオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。662アミノ酸からからなる非構造タンパク質1(NS1)をコードするORF1は配列番号10の0134−2122位に見出され、1189アミノ酸からなるカプシドタンパク質(CP)をコードするORF2は配列番号10の2130−5699位に見出される。

0010

カプシドタンパク質をコードする遺伝子であるORF2のDNA配列の一例を配列番号1に示す。配列番号2はカプシドタンパク質のアミノ酸配列を表す。非構造タンパク質NS1をコードするORF1のDNA配列の一例を配列番号3に示す。配列番号4は非構造タンパク質NS1のアミノ酸配列を表す。

0011

パルボウイルス亜科は現在、以下の7つの属を含む(15):
1)PARV様ウイルス
2)エリスロウイルス、
3)ボカウイルス、
4)デペンドウイルス、
5)アムドウイルス、
6)パルボウイルス
7)新たに提示されたパルボ・クレード

0012

現時点では、ブタに感染する以下の6つの異なるパルボウイルスが特定されている:
a)古典的ブタパルボウイルス1型(PPV1)(パルボウイルス属メンバー)、
b)ブタパルボウイルス2型(PPV2)(PARV4様ウイルス属のメンバー)、
c)ブタパルボウイルス3型(PPV3;ブタPARV4、ホコウイルスまたはパルテトラウイルスとしても公知)(同様にPARV4様ウイルス属のメンバー)、
d)ブタパルボウイルス4型(PPV4)(新たに提示されたクレードのメンバー)、
e)ブタパルボウイルス5型(PPV5)(同様に、新たに提示されたクレードのメンバー))、
f)ブタボカウイルス(PBoV)(ボカウイルス属のメンバー)。

0013

PPV1は、死産ミイラ化致死および不妊に関連した症候群であるSMEDIの原因因子であることが公知である(4,5)。PPV2は、単独で疾患を引き起こすことは知られていないが、ブタサーコウイルス関連疾患(PCVAD)の発生における補因子であると示唆されている(6,7)。PPV3も、単独で疾患を引き起こすことは知られていないが、おそらく同様に、ブタサーコウイルス関連疾患(PCVAD)の発生における補因子である(8−11)。PPV4は最初はブタの肺組織から分離された。該組織はブタサーコウイルスと同時感染しているようであった。それは疾患を引き起こすことが知られておらず、別の病原体により引き起こされる疾患に確実には関連づけられてもいない(12−14)。PPV5も何らかの症状または病変を引き起こすことは知られておらず、別の病原体により引き起こされる疾患に関連づけられていない(15−16)。ブタボカウイルスは、臨床的重要性および病因が未だほとんど明らかにされていない、比較的新しいタイプのブタパルボウイルスである(17)。

0014

該新規ウイルスのORF1およびORF2のアミノ酸配列を使用して、最大尤度法、ポアソン補正モデルおよびブートストラップ解析(500重複)に基づいて系統樹を作成した。これらの系統樹は、標準的な設定を用いるMEGAバージョン5(MEGA5:Molecular Evolutionary Genetics Analysis Using Maximum Likelihood,Evolutionary Distance,and Maximum Parsimony Methods.Koichiro Tamura,Daniel Peterson,Nicholas Peterson,Glen Stecher,Masatoshi NeiおよびSudhir Kumar.Mol.Biol.Evol.28(10):2731−2739.2011 doi:10.1093/molbev/msr121 Advance Access publication May 4,2011)を使用して作成した。

0015

ORF1の系統樹を図1に示し、ORF2の系統樹を図2に示す。ブートストラップサポート比率ノードにおいて特定されている。距離棒線は部位当たりのヌクレオチド置換の数を示す。

0016

これらの系統樹によると、該新規ブタパルボウイルスはブタパルボウイルス5(PPV5)およびブタパルボウイルス4(PPV4)にPPV1、2もしくは3またはボカウイルスより近い。NS1コード配列およびカプシドタンパク質コード配列は共に、無関係なウイルスであるPPV4およびPPV5をも含むパルボウイルス亜科系統樹のその部分において一定の合致を示すことが判明した。この理由により、本発明者らは該新規ウイルスを新規クレードウイルスの群に取りあえず含めることにした。しかし、該新規クレードウイルスの群内でさえも、既存ブタパルボウイルスに対する配列同一性は比較的低い。この理由により、該新規ウイルスはパルボウイルス亜科内の新たな属に属するとさえも考えられる。

0017

配列番号1および3は、本発明のウイルスのカプシドタンパク質および非構造タンパク質NS1をコードする遺伝子のヌクレオチド配列の典型例を示す。これらのタンパク質においては、HBS関連ウイルスの個々の代表例の間で自然変異が存在しうると理解されるであろう。例えばカプシドタンパク質配列内の小さな変化を招く遺伝的変異が実際に存在する。これはNS1遺伝子にも同じことが言える。第一に、いわゆる「第2および第3塩基におけるゆらぎ」が存在し、これは、それらがコードするアミノ酸配列においては気づかないヌクレオチド変化が生じうる原因であり、例えば、トリプレットTTA、TTG、TCA、TCT、TCGおよびTCCは全てロイシンをコードする。また、本発明の新規ブタパルボウイルスの代表例における僅かな変異はアミノ酸配列においても見られうる。これらの変異は全配列におけるアミノ酸相違によって、または該配列内のアミノ酸の欠失、置換、挿入、逆位もしくは付加によって表されうる。生物学的および免疫学的活性を実質的に改変しないアミノ酸置換は、例えば、Neurathら,“The Proteins”Academic Press New York(1979)に記載されている。関連アミノ酸の間のアミノ酸置換、または進化において頻繁に生じた置換としては、とりわけ、Ser/Ala、Ser/Gly、Asp/Gly、Asp/Asn、Ile/Valが挙げられる(Dayhof,M.D.,Atlas of protein sequence and structure,Nat.Biomed.Res.Found.,Washington D.C.,1978,vol.5,suppl.3を参照されたい)。他のアミノ酸置換には、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Thr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Leu/Ile、Leu/ValおよびAla/Gluが含まれる。この情報に基づき、LipmanおよびPearsonは迅速かつ高感度なタンパク質比較(Science 227,1435−1441,1985)および相同タンパク質間の機能的類似性の決定のための方法を方法を開発した。本発明の典型的な実施形態のそのようなアミノ酸置換ならびに欠失および/または挿入を有する変異は本発明の範囲内である。これは、カプシドタンパク質および非構造タンパク質NS1が、本発明のブタパルボウイルスの種々の代表例から単離された場合に、本発明のブタパルボウイルスのカプシドタンパク質および非構造タンパク質NS1に尚も相当する一方で、100%より有意に低い相同性を有しうる理由を説明するものである。これは、例えばXiaoら(6)による論文図1における系統樹において明白に表されており、それにおいては、単一の属内でさえも、高度に関連したパルボウイルスからなるPARV4様ウイルス属が、有意に異なる全体的なゲノムヌクレオチド配列および有意に異なるNS1遺伝子ヌクレオチド配列を有する。

0018

したがって、本発明のウイルスは、とりわけ、パルボウイルス科のパルボウイルス亜科のメンバーである分離されたウイルスとして記載されており、該ウイルスは、
a)該ウイルスがHBS関連ウイルスであること、および
b)該ウイルスが、カプシドタンパク質(CP)をコードする遺伝子を含むウイルスゲノムを有することを特徴とし、ここで、CP遺伝子のヌクレオチド配列は、配列番号1に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有する。

0019

本発明の目的においては、同一性のレベルは、配列番号1の配列と、同一性のレベルの決定を要するブタパルボウイルスのカプシドタンパク質をコードする対応領域との同一性のレベルとして理解されるべきである。同一性のレベルの決定のための適当なプログラムとしては、「2以上の配列のアライメント」のオプションおよび標準的な設定を用いるNCBIのBasic Local Alignment Search Toolのヌクレオチドblastプログラム(blastn)(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)が挙げられる。

0020

本発明の目的においては、分離(単離)は、天然で該ウイルスに伴っている組織からの遊離を意味する。分離されたウイルスの一例は、細胞培養内に存在するウイルスである。

0021

この実施形態の好ましい形態は、配列番号1に示されているカプシドタンパク質のヌクレオチド配列に対して少なくとも82%、より好ましくは84%、86%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または更には100%(その順に好ましくなる)の同一性のレベルを有するカプシドタンパク質遺伝子を有するウイルスに関する。

0022

本発明のウイルスを記載するためのもう1つの方法は該ウイルスのNS1遺伝子の配列に関するものである。配列番号3は、本発明のウイルスのNS1遺伝子のヌクレオチド配列の典型例を示す。しかし、前記のとおり、NS1配列における小さな変化を招く自然変異が見出される。

0023

したがって、本発明のウイルスは、パルボウイルス科のパルボウイルス亜科のメンバーである分離されたウイルスとして記載されることも可能であり、該ウイルスは、
a)該ウイルスがHBS関連ウイルスであること、および
b)該ウイルスが、非構造タンパク質1(NS1)をコードする遺伝子を含むウイルスゲノムを有することを特徴とし、ここで、NS1遺伝子のヌクレオチド配列は、配列番号3に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有する。

0024

この実施形態の好ましい形態は、配列番号3に示されているNS1遺伝子のヌクレオチド配列に対して少なくとも82%、より好ましくは84%、86%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または更には100%(その順に好ましくなる)の同一性のレベルを有するNS1遺伝子を有するそのようなウイルスに関する。

0025

したがって、要約すると、本発明のウイルスは、パルボウイルス科のパルボウイルス亜科のメンバーである分離されたウイルスであり、該ウイルスは、
a)該ウイルスがHBS関連ウイルスであること、および
b)該ウイルスが、カプシドタンパク質(CP)をコードする遺伝子と非構造タンパク質1(NS1)をコードする遺伝子とを含むウイルスゲノムを有することを特徴とし、ここで、CP遺伝子のヌクレオチド配列は、配列番号1に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有し、またはNS1遺伝子のヌクレオチド配列は、配列番号3に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有する。

0026

この実施形態の好ましい態様は、パルボウイルス科のパルボウイルス亜科のメンバーである分離されたウイルスであり、該ウイルスは、
a)該ウイルスがHBS関連ウイルスであること、および
b)該ウイルスが、カプシドタンパク質(CP)をコードする遺伝子と非構造タンパク質1(NS1)をコードする遺伝子とを含むウイルスゲノムを有することを特徴とし、ここで、CP遺伝子のヌクレオチド配列は、配列番号1に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有し、かつ、NS1遺伝子のヌクレオチド配列は、配列番号3に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有する。

0027

本発明のウイルスを特徴づけるための更にもう1つの代替的方法は、本発明のウイルスのカプシドタンパク質遺伝子配列またはNS1遺伝子配列に特異的なプライマーセットを使用するPCR試験によるものである。配列番号5〜6および配列番号7〜8に配列が示されている2つの異なるプライマーセットを該ウイルスに対するそれらの特異性に関して選択した。該ウイルスのカプシドタンパク質遺伝子と特異的に反応する第1プライマーセット(配列番号5〜6)を使用するPCR試験は以下の2つのプライマーを使用する:Bowl Q ORF2 FW:CTACATTGCGCCTGACおよびBowl Q ORF2 REVGTGGTGAGAAGGCAAGAC。定量的(Q)−PCR実験のために、これらの2つのプライマーに加えて、配列番号9に示されているPCRプローブBowl Q ORF2 PROBE:6FAM−CACGAGCTAGAGCGTGCTAAACAG−BHQ1を使用する。

0028

第2プライマーセット(配列番号7〜8)を使用するPCR試験は該ウイルスのNS1遺伝子と特異的に反応し、以下の2つのプライマーを使用する:Bowl ORF1 774 F:TGTTGAGTGTGGTGGATTGGおよびBowl ORF1 1626 R:AAGGAAGCTGGACCGAGAG。

0029

該試験は実施例に更に詳細に記載されており、標準的なPCR試験である。

0030

前記のプライマーセットを使用してパルボウイルス科内のパルボウイルス亜科のメンバーを分析する場合、以下のことが言える:第1プライマーセットのPCR産物の分析が約140塩基対のPCR産物を示す場合、または第2プライマーセットのPCR産物の分析が約853塩基対のPCR産物を示す場合、これは、分析されたウイルスが本発明のウイルスに属することを明白に示す。単なる一例に過ぎないが、約853塩基対のPCR産物は、853+10塩基対〜853−10塩基対の長さのPCR産物である。約140塩基対のPCR産物は140+10塩基対〜140−10塩基対の長さのPCR産物である。

0031

したがって、再び、本発明のこの実施形態のもう1つの形態は、パルボウイルス科内のパルボウイルス亜科のメンバーである分離されたウイルスであり、該ウイルスは、
a)該ウイルスがHBS関連ウイルスであること、および
b)該ウイルスゲノムDNAが、配列番号5および6に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して140+/−10塩基対のPCR産物を与え、または配列番号7および8に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して853+/−10塩基対のPCR産物を与えることを特徴とする。

0032

この実施形態の好ましい形態は、ウイルスゲノムDNAが、配列番号5および6に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して140+/−10塩基対のPCR産物を与え、かつ、配列番号7および8に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して853+/−10塩基対のPCR産物を与える、本発明のウイルスに関する。

0033

この実施形態のより好ましい形態は、該ウイルスが、カプシドタンパク質(CP)をコードする遺伝子と非構造タンパク質1(NS1)をコードする遺伝子とを含むウイルスゲノムを有し、CP遺伝子のヌクレオチド配列が、配列番号1に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有し、またはNS1遺伝子のヌクレオチド配列が、配列番号3に示されているヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有し、該ウイルスゲノムDNAが、配列番号5および6に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して140+/−10塩基対のPCR産物を与え、かつ、配列番号7および8に示されているプライマーセットとPCR反応において反応して853+/−10塩基対のPCR産物を与える、本発明のウイルスに関する。

0034

本発明のウイルスは生形態、生弱毒化形態または不活化形態でありうる。

0035

前記のとおり、該ウイルスのCPおよびNS1をコードする遺伝子のDNA配列は今や特徴づけされている。これらの遺伝子の特定は非常に有用である。なぜなら、以下に詳細に説明するとおり、それらは、とりわけ、DNAワクチンのための基礎として、またはこれらのタンパク質に基づくサブユニットワクチンの製造における使用のために、または診断目的で、今や使用されうるからである。

0036

本発明のもう1つの実施形態は、カプシドタンパク質をコードする遺伝子を含むDNA断片であって、その遺伝子が、配列番号1に示されているCP遺伝子のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有することを特徴とするDNA断片に関する。

0037

この実施形態の好ましい形態は、配列番号1に示されているCPのヌクレオチド配列に対して少なくとも82%、より好ましくは84%、86%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または更には100%(その順に好ましくなる)の同一性のレベルを有する遺伝子を含むそのようなDNA断片に関する。

0038

再び、本発明のもう1つの実施形態は、NS1をコードする遺伝子を含むDNA断片であって、その遺伝子が、配列番号3に示されているNS1遺伝子のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%の同一性のレベルを有することを特徴とするDNA断片に関する。

0039

この実施形態の好ましい形態は、配列番号3に示されているNS1のヌクレオチド配列に対して少なくとも82%、より好ましくは84%、86%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または更には100%(その順に好ましくなる)の同一性のレベルを有する遺伝子を含むそのようなDNA断片に関する。

0040

本発明の更にもう1つの実施形態は、本発明のCPをコードするDNA断片によりコードされることを特徴とするCPに関する。本発明のウイルスのそのようなCPは非常に好適である。なぜなら、後記のとおり、そられはワクチン、より詳しくはサブユニットワクチンにおける使用に好適であり、そららは、抗体を産生させるために使用可能であり、それらは診断試験を可能にするからである。

0041

この実施形態の好ましい形態は、配列番号2に示されているアミノ酸配列を有するCPに関する。

0042

再び、本発明のもう1つの実施形態は、本発明のNS1をコードするDNA断片によりコードされることを特徴とするNS1に関する。

0043

本発明のウイルスのそのようなNS1は非常に好適である。なぜなら、とりわけ、それらは、後記のとおり、診断試験を可能にするからである。

0044

この実施形態の好ましい形態は、配列番号4に示されているアミノ酸配列を有するNS1に関する。

0045

ウイルス感染の経過を追跡すること、ならびにHBSに罹患したブタの種々の器官および体液における該新規ウイルスの存在または非存在を分析することが今や初めて可能となったことは本発明の利点の1つである。これは、疾患の進行における、より深い洞察を得るのに役立つ。個々のブタがHBSの十分な臨床徴候を示す前の数週間または更には数日間以内には、異常は全く見出されないことが公知である。最初の症状から動物の死亡までの平均時間は約2〜6時間である。死亡直前に、動物は腹部膨満を患っているようであり、それらの何頭かは死亡前に叫び声を上げる。臨床徴候を示した養豚場の動物を、それらが該疾患で死亡する前に安楽死させた。HBSブタが集められた種々のメキシコの養豚場では、HBSの発生率は1〜2%の間で変動した。種々の養豚場から集めた合計33頭[18〜27週齢の17頭の一群(実施例1)および12〜26週齢の16頭の一群(実施例2)]の安楽死させたHBS診断動物を分析した。前記のプライマーセットでのPCR反応は、群1においては、14個中5個の血清(3個の血清は収集に含まれていなかった)が該ウイルスに関して陽性であることが判明し、1個の直腸スワブが陽性であることが判明した。合計8個の全血サンプルが陽性であることが判明し、15個中12個のリンパ節が陽性であることが判明した。群2においては、16個中5個の血清が該ウイルスに関して陽性であり、1個の直腸スワブが陽性であることが判明した。各群の代表的動物(群1の動物2、群2の動物10)からの器官を該ウイルスの存在に関して分析した。リンパ節、脾臓、腸、腎臓および肝臓を含む全てのサンプリングされた器官ならびに糞便が該ウイルスに関して陽性の試験結果を示すことが判明した。

0046

健康なブタに該新規ウイルスを感染させること、およびウイルス感染の経路を調べることが今や可能となったことは本発明のもう1つの利点である。この目的のために、HBS動物からの器官物質および糞便を組織培養培地内でホモジナイズした。ホモジネートを1回(−70℃)凍結融解させ、遠心分離し、5μm、0.45μmおよび0.22μmのフィルター上で濾過して残存組織物質を除去した。接種物Aは代表的動物の以下の物質から構成されるものであった:群2の動物10の糞便、リンパ節、肺、脾臓および腸。接種物Bは別の代表的動物の以下の物質から構成されるものであった:群1の動物2の糞便、リンパ節、肺、腎臓および肝臓。これらの実験の全詳細を後記実施例(実施例3)に示す。

0047

接種物(AまたはB)を4×2mLのIM用量および20mlの経口用量として合計4頭の雄ブタおよび8頭の若雌ブタランドレース(Landrace)/高い健康状態SPF)(接種時に12〜14週齢)に以下のとおりに投与した。群1:5頭の動物;そのうちの3頭の動物には接種物Aを投与し、2頭を接触センチネル(contact sentinel)として使用した。群2:4頭の動物;そのうちの3頭の動物には接種物Bを投与し、1頭を接触センチネルとして使用した。群3:3頭の動物;それら全てに接種物Bを投与した。1頭の動物(雄)を接種前に犠死させ、陰性対照として使用した。接種前に血清、糞便、鼻腔スワブおよび眼スワブにおける該新規ウイルスの存在に関して該動物をスクリーニングした。血液サンプル、直腸/鼻腔/眼スワブを種々の時点で採取した。該動物実験の全詳細を後記実施例に記載する。

0048

接種動物6頭中6頭で、血清ならびに直腸、鼻腔および眼スワブにおいて接種の7日後に該ウイルスが検出されうることが判明した。3頭の未接種動物(センチネル)の全てにおいて、その他の動物の接種の14日後に血清において該ウイルスが検出可能であった。全てのセンチネル動物の直腸/鼻腔および眼スワブは接種の7日後に陽性であった(実施例3、群1、2)。接種の3日後の接種動物の血清の3個中3個において、ウイルスが検出された(実施例3、群3)。したがって、HBSの頻度は比較的低いと報告されているのは事実だが、該ウイルスの高い伝染性とその高い感染速度とを組合せて考慮すると、HBSが生じる養豚場のブタの全てではなくても大部分は該ウイルスによる感染を経験すると予想されうる。したがって、HBSが生じる養豚場の全ての動物を、本発明のHBS関連ブタパルボウイルスによる感染に対してワクチン接種することが非常に望ましい。そのようなワクチン接種は該多因子性症候群の少なくともウイルス成分根絶するであろう。そしてこれは該疾患を予防し、または少なくとも該疾患の重症度を低減するであろう。

0049

また、該新規ブタパルボウイルスが今や分離され、HBSに関連づけられたため、該ウイルスおよび/または該ウイルスの防御サブユニットがワクチン接種目的のための出発物質として使用可能となったことも、本発明の利点の1つである。

0050

したがって、本発明のもう1つの実施形態は、ブタにおけるHBSと闘うためのワクチンであって、本発明のウイルスと医薬上許容される担体とを含むワクチンに関する。

0051

本発明のワクチンにおける使用に適した医薬上許容される担体の例としては、無菌水食塩水水性バッファー、例えばPBSなどが挙げられる。また、本発明のワクチンは後記の他の添加剤、例えば補助剤、安定剤、抗酸化剤などを含みうる。

0052

この点における闘いは広義解釈されるべきであり、HBSとの闘いは、該疾患の徴候を予防するためのワクチン接種、および該疾患の徴候を低減するためのワクチン接種(前記のとおり)を含むとみなされる。該症候群に未だ罹患していない感染動物において該ウイルスが検出された場合の治療用ワクチン接種も、もちろん同様に有効である。最初の臨床徴候から死亡までの時間が非常に短いことを考慮すると、該症候群が診断された後の治療用ワクチン接種は有効でないであろう。

0053

本発明のワクチンは弱毒化生形態または不活化形態の本発明のウイルスを含みうる。弱毒化生ウイルスワクチン、すなわち、生弱毒化形態の本発明のウイルスを含むワクチンは、感染の自然様態最良模倣しているため、不活化ワクチンより優れた利点を有する。また、その複製能は少量のウイルスでのワクチン接種を可能にし、その数は、それが免疫系の惹起レベルに達するまで自然に増加する。その瞬間から、免疫系が惹起され、最終的には該ウイルスを排除する。

0054

弱毒化ウイルスは、野外から分離されたウイルスと比較して低減した毒性レベルを有するウイルスである。低減した毒性レベルを有するウイルスは、HBSに関与する他の因子と組合された場合でさえもブタにおいて致死を誘発しないウイルスとみなされる。

0055

したがって、本発明のこの実施形態の好ましい形態の1つは、生弱毒化形態である本発明のウイルスを含むワクチンに関する。

0056

弱毒化ウイルスは、例えば、突然変異誘発物質の存在下で本発明のウイルスを増殖させ、ついで、後代レベルおよび/または複製速度の低下を示すウイルスを選択することにより得られうる。多数のそのような物質が当技術分野で公知である。もう1つの非常に頻繁に用いられる方法はインビトロ連続継代である。その後、ウイルスは、連続継代に使用された細胞系に馴化して、それは、ワクチンとして再び自然宿主に与えられた場合に弱毒化様態で挙動する。弱毒化ウイルスを得るための更にもう1つの方法は、その自然生息環境の温度から逸脱した温度で、それを増殖に付すことである。温度感受性突然変異体(Ts突然変異体)のための選択方法は当技術分野でよく知られている。そのような方法は、突然変異誘発物質の存在下でウイルスを増殖させ、ついで準最適温度および最適温度でそれを増殖させ、細胞層上で後代ウイルスを力価測定し、最適温度でより遅く増殖するプラーク視覚的に選択することを含む。そのような小さなプラークは、増殖の遅い、従って所望の生弱毒化ウイルスを含む。

0057

ブタパルボウイルス型PPVと闘うための生弱毒化ワクチンは、とりわけ、Paul & Mengeling(32)、Paul & Mengeling(33)およびFujisaki & Murakami(34)により記載されている。

0058

しかし、生弱毒化ウイルスの使用の考えられうる欠点は、本質的に或るレベルの毒性が残ることであろう。毒性のレベルが許容されうる限り、すなわち、ワクチンがブタの死亡を少なくとも予防する限り、これは真の欠点ではない。もちろん、生弱毒化ワクチンの残留毒性が低ければ低いほど、ワクチン接種がワクチン接種の途中/後の体重増加に及ぼす影響は小さくなる。

0059

不活化ワクチンは、生弱毒化対応物とは対照的に、本質的に安全である。なぜなら、残留毒性が残らないからである。それは通常、生弱毒化ワクチンより幾らか高いウイルス用量を含むにもかかわらず、例えば、他の疾患に既に罹患しているブタにおけるワクチンの好ましい形態でありうる。準最適条件下(例えば、不完全な栄養または準最適な収容)に維持されているブタも不活化ワクチンから利益を受けるであろう。

0060

したがって、この実施形態のもう1つの好ましい形態は、不活化形態である本発明のウイルスを含むワクチンに関する。全不活化パルボウイルスは全般的に、それがブタまたはイヌパルボウイルスである場合、ワクチンのための非常に有効かつ安全な基礎となることが公知である。一例に過ぎないが、MSDAH(Boxmeer,The Netherlands)は、商業的に入手可能な不活化ブタパルボウイルス型PPVワクチンであるPorcilis Parvoを製造している。Hipra(Spain)も、商業的に入手可能な不活化ブタパルボウイルス型PPVワクチンであるPARVOSUIN(登録商標MR/ADを製造している。Zoetisは、不活化イヌパルボウイルスであるPARVAC、および不活化ブタパルボウイルス型PPVワクチンであるブタPARVACを製造している。Novartisは米国特許US4193991においてパルボウイルスの不活化のための方法を提供している。そのような不活化全ウイルスワクチンは本発明の新規ブタパルボウイルスの場合でも同様に製造されうる。公知パルボウイルスワクチンの場合と同様に、該製造は、基本的に、感受性ブタ細胞上で該新規パルボウイルスを増殖させ、該ウイルスを集め、該ウイルスを不活化し、該不活化ウイルスを医薬上許容される担体と混合する工程を含む。不活化の標準的な方法はホルムアルデヒドでの古典的な処理である。不活化のための当技術分野でよく知られた他の方法としては、UV照射ガンマ線照射、二成分エチレンイミンチメロサールなどでの処理が挙げられる。これらの方法の適用方法は当業者に公知である。好ましくは、該ウイルスはβ−プロピオラクトングルタルアルデヒド、エチレン−イミンまたはホルムアルデヒドで不活化される。言うまでもなく、該ウイルスを不活化する他の方法も本発明において用いられる。

0061

前記のとおり、該ウイルスを感受性ブタ細胞または細胞系上の細胞培養内で増殖させることが可能である。

0062

したがって、本発明のもう1つの実施形態は、本発明のHBS関連ブタパルボウイルスを含む細胞培養に関する。細胞および細胞系の例としては、SK6、PK15、初代または不死化ブタ腎臓細胞、初代または不死化ブタ肺胞マクロファージが挙げられる。実際に、該新規ブタパルボウイルスの全ウイルスゲノムは今や決定されており、該新規ウイルスの代表例のDNA配列が配列番号10に示されている。該ゲノムの逆位末端反復(ITR)はここには示されていない。名称が示すとおりパルボウイルスは公知の最小ウイルスに属するため、本発明のパルボウイルスをコードする全ss−DNAは合成的に容易に製造されうる。この理由により、パルボウイルスは、ウイルスDNAを出発物質として使用してインビボで容易に製造されうる。例えば、とりわけQiuら(37)およびWangら(38)に記載されているような他の公知パルボウイルスのゲノムの逆位末端反復(ITR)が、配列番号10に示されているウイルスゲノムを完全なものにするために使用されうる。ITRはウイルスゲノムの複製において役割を果たしているに過ぎず、したがって、それは免疫学の観点からは重要ではない。したがって、本発明のウイルスの製造の目的のためには、ITRは交換可能である。プラスミド、例えばBluescript II SK内への完全長パルボウイルスDNAのクローニング、およびそれに続く、該新規ブタパルボウイルスをコードする発現プラスミドでのブタ細胞のトランスフェクションによる全パルボウイルスの産生は、とりわけ、Qiuら(37)およびWangら(38)に記載されている。許容性細胞系、例えばSK6、PK15、初代または不死化ブタ腎細胞、初代または不死化ブタ肺胞マクロファージがこの目的に好ましい細胞系であろう。それでも、所望により、非許容性細胞系も使用可能であり、該新規パルボウイルスのゲノムは、とりわけ、Guanら(39)に記載されているとおり、アデノウイルス遺伝子補助により非許容細胞内で複製されうる。

0063

全不活化パルボウイルスはワクチンのための良好な基礎となるが、その産生は、とりわけ、使用される宿主細胞のタイプ、基質および使用される細胞培養培地に応じて、高い費用を要しうる。パルボウイルスの特定の場合においては、全ウイルスの使用の魅力的な代替手段は、パルボウイルスCPサブユニット、より好ましくは、いわゆる中空カプシドの形態のサブユニットの使用である。そのような中空カプシドは、基本的には、パルボウイルスゲノムを含まないウイルス様粒子である。結果として、パルボウイルス中空カプシド粒子はワクチンにおける使用の前に不活化される必要がなく、したがって、それは、本質的に安全であるという追加的な利点を有する。中空カプシドは、適当な発現系においてカプシドタンパク質をコードするORF2の単なる発現により得られうる。そのようにして形成されたカプシドタンパク質は中空ウイルス粒子へと自己集合する。パルボウイルス中空カプシドは容易に大量に製造可能であり、それは高免疫原性である。パルボウイルス中空カプシドを製造するために現在使用されている大部分の発現系は、バキュロウイルスに基づく発現系である。

0064

バキュロウイルスに基づく発現系における高免疫原性パルボウイルス中空カプシドの製造方法は、例えば、ブタパルボウイルス型PPVに関しては、Martinez(18)、Casal(19)、Zhouら(20)およびHao Feng(21)に記載されている。他のパルボウイルスに関しては、そのような方法は例えばSaliki(22)およびBrown(23)に記載されている。更に、バキュロウイルス発現系およびバキュロウイルス発現ベクターの全般的なことは例えばO‘Reillyら(24)およびMurhammer(25)によるテキストに詳細に記載されている。

0065

また、バキュロウイルスに基づく発現系は、例えばInvitrogen Corporation,1600 Faraday Avenue,Carlsbad,California 92008,USAから商業的に入手可能である。

0066

バキュロウイルスに基づく発現系の代替手段は、酵母に基づく発現系である。酵母発現系は例えばGellissenら(29)に記載されている。そのまま使用できる発現系は、とりわけ、Research Corp.Technologies,5210 East WilliamsCircle,Suite 240,Tucson,AZ 85711−4410 USAから商業的に入手可能である。酵母および昆虫細胞発現系はClontech Laboratories,Inc.4030Fabian Way,Palo Alto,California 94303−4607,USAからも商業的に入手可能である。

0067

カプシドタンパク質の発現は、もちろん、当技術分野で公知の哺乳類細胞に基づく発現系においても可能であるが、これらの系は大抵は、バキュロウイルスに基づく発現系と比較して、使用するのに高い経費を要するであろう。

0068

したがって、この実施形態のもう1つの形態は、本発明のカプシドタンパク質の免疫学的に有効な量と医薬上許容される担体とを含むことを特徴とする、ブタにおけるHBS関連ブタパルボウイルスと闘うためのワクチンに関する。

0069

この実施形態の好ましい形態は、ブタにおけるHBS関連ブタパルボウイルスと闘うためのワクチンに関するものであり、該ワクチンは中空カプシドの形態の本発明のカプシドタンパク質の免疫学的に有効な量を含む。

0070

ワクチン中の中空カプシドの量および投与経路は不活化全ウイルス粒子の場合と同等であろう。なぜなら、該カプシドの免疫原性および類似性の点で、それは不活化全ウイルス粒子と同等だからである。

0071

通常、1〜100μgの量の該新規パルボウイルス中空カプシドがワクチン用量として非常に好適であろう。経費の観点からは、好ましい量は中空カプシド1〜50μgの範囲、より好ましくは1〜25μgの範囲であろう。Casal(19)は、通常のアジュバントの存在下の僅か1〜3μgのイヌパルボウイルスおよびブタパルボウイルスの用量が共に、該疾患に対する対応宿主における全体的防御をもたらすと記載している。

0072

不活化全ウイルスまたは中空カプシドに基づく本発明のワクチンは、好ましくは、アジュバントを含む。当技術分野でよく知られた通常のアジュバントとしては、例えば、フロイント完全および不完全アジュバントビタミンE非イオン性ブロック重合体ムラミルジペプチド、Quill A(R)、鉱油、例えばBayol(R)またはMarkol(R)、植物油およびCarbopol(R)(ホモポリマー)またはDiluvac(R) Forteが挙げられる。該ワクチンは、いわゆる「ビヒクル」をも含みうる。ビヒクルは、該ポリペプチドに、それに共有結合することなく付着する化合物である。頻繁に使用されるビヒクル化合物としては、例えば水酸化アルミニウムリン酸アルミニウムまたは酸化アルミニウムシリカカオリンおよびベントナイトが挙げられる。

0073

Casal(19)は、とりわけ、水酸化アルミニウムおよびQuill Aを彼のパルボウイルスワクチンにおいて成功裏に使用した。

0074

原則として、本発明のワクチンは1回だけ投与されうる。しかし、特に不活化ワクチンの場合には、それが全ウイルスまたは中空カプシドワクチンのいずれである場合も、好ましくは、第1の、そして恐らくは第2のブースター(追加)ワクチン接種を行う。第1ブースターは通常、初回ワクチン接種の少なくとも2週間後に投与されるであろう。ブースターワクチン接種のための非常に好適な時機は初回ワクチン接種の3〜16週間後である。第2ブースターは、必要に応じて、通常、第1ブースターの4〜50週間後に投与されるであろう。

0075

不活化全ウイルスワクチンアプローチおよび中空カプシドワクチンアプローチの代替手段は、対応宿主動物がブタである生組換え非パルボウイルスベクターを該新規ブタパルボウイルスカプシドタンパク質遺伝子の担体として使用することである。対応宿主動物がブタである好適な組換え非パルボウイルスベクターのうち、以下の2つのベクターが特に担体として適している:仮性狂犬病ウイルス(PRV)およびブタコレラウイルス(CSFV)。ワクチンにおけるそのような組換えウイルスの使用は、ワクチン接種動物がPRVとPPVとの両方またはCSFVとPPVとの両方に対して同時にワクチン接種されるという追加的な利点を有する。

0076

Chenら(27)は、ブタパルボウイルス型PPVカプシドタンパク質を発現する生弱毒化PRV組換えベクター構築および使用を記載している。このPRV組換え体を5×105 TCID50の量で8日齢子ブタに投与したところ、ワクチンのこの量は安全であることが判明し、PRVとPPVとの両方に対する優れた免疫を付与した。

0077

生弱毒化CSFVベクターも生組換えベクターとして非常に適している。一例に過ぎないが、Npro遺伝子が欠失している生弱毒化CSFVがMayerら(28)に記載されている。そのような生弱毒化ウイルスは、とりわけ、Npro遺伝子の欠失の部位において、カプシドタンパク質をコードする遺伝子の挿入を可能にする。そのような生組換えCSFVベクターは同様に該新規ブタパルボウイルスカプシドタンパク質遺伝子のための好適な担体を構成する。

0078

該カプシドタンパク質遺伝子の発現は、哺乳類細胞内で機能的であるいずれかの適当な異種プロモーター(後記を参照された)の制御下でもたらされうる。異種プロモーターは、本発明の新規ブタパルボウイルスの野生型形態におけるCP遺伝子の転写を引き起こすプロモーターではないプロモーターである。それは、本発明のパルボウイルスに属さない別のパルボウイルスのCPまたはNS1の転写を引き起こすパルボウイルスプロモーターでありうる。あるいは、それは非パルボウイルスプロモーターでありうる。

0079

したがって、本発明のもう1つの実施形態は、本発明のCPをコードする遺伝子を含むDNA断片であって、該遺伝子が機能的異種プロモーターの制御下にあることを特徴とするDNA断片に関する。

0080

Chenら(27)は、カプシドタンパク質遺伝子の発現を駆動するためにCMVプロモーターを利用したが、哺乳類細胞において機能的な他の適当なプロモーターが当技術分野において公知である。哺乳類細胞において機能的であるプロモーターは、哺乳類細胞において該プロモーターの下流に位置する遺伝子の転写を駆動しうるプロモーターである。哺乳類細胞において機能的である適当なプロモーターの例には、古典的プロモーター、例えば(ヒト)サイトメガロウイルス最初期プロモーター(Seed,B.ら,Nature 329,840−842,1987;Fynan,E.F.ら,PNAS 90,11478−11482,1993;Ulmer,J.B.ら,Science 259,1745−1748,1993)、ラウス肉腫ウイルスLTR(RSV、Gorman,C.M.ら,PNAS 79,6777−6781,1982;Fynanら,前掲;Ulmerら,前掲)、MPSV LTR(Staceyら,J.Virology 50,725−732,1984)、SV40最初期プロモーター(Sprague J.ら,J.Virology 45,773,1983)、SV−40プロモーター(Berman,P.W.ら,Science,222,524−527,1983)、メタロチオネインプロモーター(Brinster,R.L.ら,Nature 296,39−42,1982)、熱ショックプロモーター(Voellmyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,4949−53,1985)、Ad2の主要後期プロモーターおよびβ−アクチンプロモーター(Tangら,Nature 356,152−154,1992)が含まれる。調節配列にはターミネーターおよびポリアデニル化配列も含まれうる。使用可能な配列としては、よく知られたウシ成長ホルモンポリアデニル化配列、SV40ポリアデニル化配列、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)ターミネーターおよびポリアデニル化配列が挙げられる。

0081

したがって、この実施形態のもう1つの形態は、機能的プロモーターの制御下で本発明のCPをコードする遺伝子を含むDNA断片を含む生組換え非パルボウイルスベクターと医薬上許容される担体とを含むことを特徴とする、ブタにおけるHBS関連ブタパルボウイルスと闘うためのワクチンに関する。言うまでもなく、該生組換え非パルボウイルスベクターは免疫学的に有効な量のカプシドタンパク質を発現するべきである。

0082

不活化全ウイルスワクチン、中空カプシドワクチンまたは生組換え非パルボウイルスベクターでのワクチン接種の代替手段はDNAワクチン接種の使用である。そのようなDNAワクチン接種は、適当なプロモーターの制御下でカプシドタンパク質をコードする遺伝子を含有するDNA断片を宿主動物内に導入することに基づく。DNAが宿主の細胞により取り込まれたら、宿主の細胞内で、カプシドタンパク質をコードする遺伝子が転写され、転写産物はカプシドタンパク質へと翻訳される。これはパルボウイルスの自然感染過程を厳密に模倣している。適当なプロモーターとしては、前記で例示されているとおり、哺乳類細胞において機能的であるプロモーターが挙げられる。適当なプロモーターの制御下でカプシドタンパク質をコードする遺伝子を含有するDNA断片は例えばプラスミドでありうるであろう。このプラスミドは環状または線状形態でありうる。

0083

ブタのおけるDNAワクチン接種の成功例としては、とりわけ、Gerdtsら(30),Journal of General Virology 78:2139−2146(1997)に記載されているオーエスキー病に対するワクチン接種の成功が挙げられる。彼らは、ヒトサイトメガロウイルスの主要最初期プロモーターの制御下で糖タンパク質を含有するDNA断片を使用するDNAワクチンを記載している。ワクチン接種は50μgのDNAの量で2週間間隔で4回実施された。ワクチン接種動物は、免疫ブロットにおいてそれぞれの抗原を認識する、および中和活性を示す血清抗体を産生した。

0084

DNAワクチン接種の成功のもう1つの例はGorresら(31)により示されている。彼らは流行性および古典的なブタH1N1インフルエンザの両方に対するブタにおけるDNAワクチン接種の成功を記載している。彼らは、機能的プロモーターの制御下でインフルエンザH1N1のHA遺伝子を含むDNAワクチンの初回ワクチン接種および初回接種の3および6週間後の2回の同種ブーストでワクチン接種した。

0085

したがって、再び、この実施形態のもう1つの形態は、機能的プロモーターの制御下で本発明のカプシドタンパク質をコードする遺伝子を含むDNA断片と医薬上許容される担体とを含むことを特徴とする、ブタにおけるHBS関連ブタパルボウイルスと闘うためのワクチンに関する。言うまでもなく、カプシドタンパク質をコードする遺伝子を含むDNA断片は免疫学的に有効な量のカプシドタンパク質を発現するべきである。

0086

本発明の全パルボウイルス、本発明の中空カプシド、本発明の生組換えベクターまたはDNAワクチンに基づく本発明のワクチンに関する「免疫原性的に有効な量」を構成するものは所望の効果および標的生物に左右される。本明細書中で用いる「免疫原性的に有効な量」なる語は、非免疫化ブタにおける野生型HBS関連ブタパルボウイルスの感染により引き起こされる病的効果と比較して野生型HBS関連ブタパルボウイルスの感染により引き起こされる病的効果を低減する程度のブタにおける免疫応答誘導するのに必要な、パルボウイルス、中空カプシド、生組換えベクターまたはDNAワクチンの量を意味する。例えば、実験的チャレンジ感染をワクチン接種動物に対して行い、次に標的動物の臨床疾患徴候、血清学的パラメータを判定し、または病原体の再分離を測定し、ついでこれらの所見を、野外感染ブタにおいて観察されたものと比較することにより、処理(治療)が「免疫学的に有効」であるかどうかを決定することは、当業者の能力の範囲内に十分に含まれる。

0087

投与されるウイルスの量は投与経路、アジュバントの存在および投与時機に左右されるであろう。本発明のウイルスを含む生ワクチンの好ましい量は例えば組織培養感染量(TCID50)として表される。例えば、生ウイルスの場合、ウイルスの残留毒性に応じて、動物用量当たり10〜109 TCID50の用量範囲が有利に用いられうる。好ましくは、102〜106 TCIDの範囲が用いられる。多数の投与方法が適用可能であり、それらは全て当技術分野で公知である。本発明のワクチンは、好ましくは、注射(筋肉内または腹腔内経路)により又は経口的に動物に投与される。投与のためのプロトコルは標準的なワクチン接種慣例に従い最適化されうる。全ての場合において、皮内注射器(IDAL)による投与が好ましい投与方法である。

0088

ワクチンが本発明の不活化ウイルスまたは中空カプシドを含む場合、用量は、投与されるウイルス粒子の数としても表されるであろう。用量は通常、生ウイルス粒子の投与と比較して若干高いであろう。なぜなら、生ウイルス粒子は、それが免疫系により除去される前に、標的動物内で一定の程度で複製されるからである。不活化ウイルスに基づくワクチンの場合、使用されるアジュバントに応じて約104〜109粒子の範囲のウイルス粒子の量が通常は適しているであろう。

0089

ワクチンがサブユニット、例えば本発明のCPを含む場合、用量はタンパク質のマイクログラムでも表されうるであろう。サブユニットに基づくワクチンの場合、適当な用量は通常、この場合も使用アジュバントに応じて5〜500マイクログラムのタンパク質の範囲であろう。

0090

ワクチンが、カプシドタンパク質をコードする遺伝子を含むDNA断片を含む場合、用量はDNAのマイクログラムで発現されるであろう。サブユニットに基づくワクチンの場合、適当な用量は通常、とりわけ、使用される発現プラスミドの効率に応じて5〜500マイクログラムのDNAの範囲であろう。多くの場合、有効なワクチン接種のために動物1頭当たり20〜50マイクログラムのプラスミドの量で十分であろう。

0091

本発明のワクチンは、養豚の状況における投与に適した、所望の適用経路および所望の効果に合致したいずれかの形態をとりうる。本発明のワクチンの製造は当業者にとって通常の手段により行われる。

0092

ワクチンの投与の容易さに関して言えば、経口経路が好ましい。経口投与の場合、該ワクチンは、好ましくは、経口投与のための適当な担体、すなわち、セルロース食餌または代謝可能物質、例えばアルファ−セルロースまたは植物もしくは動物由来の種々の油と混合される。

0093

実際には、幾つかの病原性ウイルスまたは微生物に対するワクチンをブタに接種する。したがって、実用性および経済性の両方の理由により、ブタに対する本発明のワクチンを、例えば、ブタに病原性のウイルスもしくは微生物の追加的免疫原または該ウイルスもしくは微生物の免疫原をコードする遺伝情報と組合せることが非常に魅力的である。

0094

したがって、この実施形態の好ましい形態は、少なくとも1つの他のブタ病原性微生物もしくはブタ病原性ウイルスおよび/または少なくとも1つの他の免疫原性成分および/または該ブタ病原性微生物もしくはブタ病原性ウイルスの前記の他の免疫原性成分をコードする遺伝物質を含む、本発明のワクチンに関する。免疫原または免疫原性成分は、動物において免疫応答を誘導する化合物である。それは、例えば、全ウイルスもしくは細菌、またはそのウイルスもしくは細菌のタンパク質もしくは糖部分でありうる。

0095

ブタに病原性である最も一般的な病原性ウイルスおよび微生物としては、ブラキスピラ・ヒオジセンテリエ(Brachyspira hyodysenteriae)、アフリカブタコレラウイルス、ニパウイルス、ブタサーコウイルス、ブタトルクテノウイルス、仮性狂犬病ウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、ブタ呼吸器および生殖症候群ウイルス(PRRS)、ブタ流行性下痢ウイルス(PEDV)、口蹄病ウイルス、伝染胃腸炎ウイルス、ロタウイルス、大腸菌(Escherichia coli)、エリシペロルシオパシエ(Erysipelo rhusiopathiae)、ボルデテラブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、サルモネラ・コレラスイス(Salmonella cholerasuis)、ヘモフィルスパラスイス(Haemophilus parasuis)、パスツレラムルトシダ(Pasteurella multocida)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)、マイコプラズマハイオニューモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)およびアクチノバチルスプルニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)が挙げられる。

0096

したがって、本発明のより好ましい形態は、ブタに病原性であるウイルスまたは微生物が、ブラキスピラ・ヒオジセンテリエ(Brachyspira hyodysenteriae)、アフリカブタコレラウイルス、ニパウイルス、ブタサーコウイルス、ブタトルクテノウイルス、仮性狂犬病ウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、ブタ呼吸器および生殖症候群ウイルス(PRRS)、ブタ流行性下痢ウイルス(PEDV)、口蹄病ウイルス、伝染胃腸炎ウイルス、ロタウイルス、大腸菌(Escherichia coli)、エリシペロ・ルシオパシエ(Erysipelo rhusiopathiae)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、サルモネラ・コレラスイス(Salmonella cholerasuis)、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)およびアクチノバチルス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)からなる群から選択される、本発明のワクチンに関する。

0097

更にもう1つの実施形態は、本発明のウイルスおよび/または中空カプシドおよび/または本発明のCPおよび/または本発明のCPをコードするDNA断片および/または本発明のCPをコードする生組換え非パルボウイルスベクターと医薬上許容される担体とを混合することを含む、本発明のワクチンの製造方法に関する。

0098

更に本発明のもう1つの実施形態は、ワクチンにおける使用のための、本発明のウイルスおよび/または中空カプシドおよび/または本発明のCPおよび/または本発明のCPをコードするDNA断片および/または本発明のCPをコードする生組換え非パルボウイルスベクターに関する。

0099

前記のとおり、出血性腸症候群は多因子性症候群である。それは、最終的にHBSを誘発する因子の複合体である。これは、最初の臨床徴候が現れるより十分に前にHBS関連ブタパルボウイルスが或るブタ集団に存在するかどうかを知ることが重要であることを意味する。したがって、疾患に対する有効な防御のためには、HBS関連ブタパルボウイルスの存在の迅速かつ正確な検出が重要である。

0100

したがって、HBS関連ブタパルボウイルスの検出に適した診断手段を提供することが本発明のもう1つの目的である。

0101

これらの手段は、部分的に、該ウイルスに対する抗体の利用可能性に基づく。そのような抗体は、例えば、HBS関連ブタパルボウイルスに関する診断試験において使用されうる。

0102

本発明のHBS関連ブタパルボウイルスに対する抗体を含む抗体または抗血清は、本発明のウイルスでの例えばブタ、家禽または例えばウサギのワクチン接種、およびそれに続く約4週間後の放血凝固血液の遠心分離および血清のデカントにより迅速かつ容易に得られうる。そのような方法は当技術分野でよく知られている。

0103

HBS関連ブタパルボウイルスに対する抗体(これはポリクローナル抗体、単一特異性抗体またはモノクローナル抗体(またはそれらの誘導体)でありうる)の製造のための他の方法も当技術分野でよく知られている。ポリクローナル抗体が望まれる場合、ポリクローナル血清を産生させ加工するための技術は数十年前から当技術分野でよく知られている。例えば、MayerおよびWalter(35)を参照されたい。本発明のウイルスに対して反応性であるモノクローナル抗体は、同様に当技術分野で古くから知られている技術により近交系マウス免疫化することにより製造されうる。例えば、KohlerおよびMilstein(36)を参照されたい。

0104

したがって、本発明のもう1つの実施形態は、本発明のウイルスに対して反応性である抗体または抗血清に関する。

0105

本発明のウイルスまたはそのウイルスの抗原性物質の検出に基づいており、したがって、HBS関連ブタパルボウイルス感染の検出に適している診断試験キットは、例えば、標準的なELISA試験を含みうる。そのような試験の一例においては、ELISAプレートウェルの壁を該ウイルスに対する抗体でコーティングする。試験される物質の存在下のインキュベーションの後、該ウイルスに対して反応性である標識抗体を該ウェルに加える。試験される物質が本発明の新規ブタパルボウイルスを実際に含む場合には、このウイルスは、ELISAのウェルにコーティングされた抗体に結合するであろう。そして後で該ウェルに加えた、該ウイルスに対して反応性である標識抗体が該ウイルスに結合し、ついで発色反応が該ウイルスの抗原物質の存在を示すであろう。

0106

したがって、本発明の更にもう1つの実施形態は、本発明のウイルスまたは該ウイルスの抗原物質の検出のための診断試験キットであって、本発明のウイルスまたはその抗原物質に対して反応性である抗体を含む診断試験キットに関する。該ウイルスの抗原物質は広義に解釈されるべきである。それは、例えば、分解形態のウイルス、またはウイルス外膜タンパク質を含むウイルスエンベロープ物質でありうる。該ウイルスの物質が該ウイルスに対する抗血清と反応する限り、該物質は抗原物質であるとみなされる。

0107

本発明のウイルスまたは該ウイルスの抗原物質に対して反応性である抗体の血清における検出に基づいており、したがって、HBS関連ブタパルボウイルス感染の検出に適している診断試験キットも、例えば、標準的なELISA試験を含みうる。そのような試験の一例においては、ELISAプレートのウェルの壁を、例えば、本発明のウイルスまたはその抗原物質でコーティングすることが可能である。試験される物質、例えば、本発明の新規ブタパルボウイルスに感染している疑いのある動物の血清の存在下のインキュベーションの後、本発明のウイルスに対して反応性である標識抗体を該ウェルに加える。抗HBS関連ブタパルボウイルス抗体が該試験血清中に存在する場合には、これらの抗体は、ELISAのウェルにコーティングされたウイルスに結合する。結果として、該ウイルスに対して反応性である、後で加えた標識抗体は結合せず、発色反応は見出されないであろう。したがって、発色反応の欠如は、本発明のウイルスに対して反応性である抗体の存在を示すであろう。したがって、本発明の更にもう1つの実施形態は、本発明のウイルスに対して、または該ウイルスの抗原物質に対して反応性である抗体の検出のための診断試験キットであって、本発明のウイルスまたはその抗原物質を含む診断試験キットに関する。

0108

イムノアッセイの設計は多種多様でありうる。例えば、イムノアッセイは競合または直接反応に基づくものでありうる。更に、プロトコルは固体支持体を使用することが可能であり、あるいは細胞物質を使用することが可能である。抗体−抗原複合体の検出は標識抗体の使用を含み、該標識は、例えば、酵素蛍光分子化学発光分子放射性分子または色素分子でありうる。サンプル中の本発明のウイルスに対して反応性である抗体の検出のための適当な方法には、前記のELISAに加えて、免疫蛍光試験(IFT)およびウエスタンブロット分析が含まれる。

0109

本発明のウイルスの存在または非存在を診断するための代替的であるが迅速かつ簡便な診断試験は、HBS関連ブタパルボウイルスのCPまたはNS1遺伝子の特異的領域に対して反応性であるPCRプライマーセットを含む、前記のPCR試験である。この文脈における特異的は、例えば、HBS関連ブタパルボウイルスのCPまたはNS1遺伝子に特有であること、すなわち、パルボウイルス科の他のメンバーには存在しないことを意味する。好ましくは、そのような試験は、該ウイルスのカプシドタンパク質と特異的に反応するプライマーセット(配列番号5〜6)、または該ウイルスのNS1と特異的に反応するプライマーセット(配列番号7〜8)を使用するであろう。

0110

言うまでもなく、前記で特定されているプライマーより多数のプライマーが使用可能である。本発明はHBS関連ブタパルボウイルスのCPおよびNS1遺伝子の特有の配列を初めて提供する。これは、当業者が、いずれの追加的な労力をも伴うことなく、他の選択的プライマーを選択することを可能にする。パルボウイルス科の他の非HBS関連ブタパルボウイルスメンバーの公知CPまたはNS1遺伝子を使用する、本発明により提供されるHBS関連ブタパルボウイルス遺伝子配列のCPまたはNS1遺伝子の単純なコンピューター解析により、当業者は、HBS関連ブタパルボウイルスの検出および/またはHBS関連ブタパルボウイルスと他のウイルス(ブタ)病原体との識別のための診断試験のための他の特異的PCRプライマーを開発することが可能である。HBS関連ブタパルボウイルスのCPまたはNS1遺伝子と特異的に反応するPCRプライマーは、HBS関連ブタパルボウイルスのCPまたはNS1遺伝子のみと反応し別の(ブタ)病原性ウイルスまたは(ブタ)病原性ウイルス群のCPまたはNS1遺伝子とは反応しないプライマーであると理解されるべきである。

0111

したがって、もう1つの実施形態は、HBS関連ブタパルボウイルスのCPまたはNS1遺伝子の領域と特異的に反応するPCRプライマーセットを含むことを特徴とする、本発明のウイルスの検出のための診断試験キットに関する。

0112

この実施形態の好ましい形態は、配列番号5〜6に示されているプライマーセットまたは配列番号7〜8に示されているプライマーセットを含むことを特徴とする、本発明のウイルスの検出のための診断試験キットに関する。

図面の簡単な説明

0113

本発明の新規ブタパルボウイルスのNS1の、他のパルボウイルスのNS1に対する関連性を示す系統樹。本発明の新規ブタパルボウイルスは「BOWL」と称される。
本発明の新規ブタパルボウイルスのカプシドタンパク質の、他のパルボウイルスのカプシドタンパク質に対する関連性を示す系統樹。本発明の新規ブタパルボウイルスは「BOWL」と称される。
サンプルセット1および2において見られる出血性腸症候群の一例。

0114

実施例
実施例1:サンプルセット1の罹患動物の分析
サンプルセット1の説明
サンプルセット1:17頭の動物、雄16頭/雌1頭のブタ、18〜27週齢。7つの養豚場。2013年7月31日に受領。臨床症状:動物は腹部膨満を急に発症し、それらの何頭かは死亡前に叫び声を上げた。死亡前の数週間の間に症状は認められなかった。最初の症状の観察から死亡までの時間は2〜6時間であった。症状の発現開始の後、動物を感電により安楽死させ、解剖した。器官症状:小腸における異常。出血症状、薄化腸壁、腸内血液含有流体。他の器官においては、肥大し発赤腫脹したリンパ節以外は異常は認められなかった。図3を参照されたい。器官を−70℃で凍結した。血清を凝固血液から3000×gでの遠心分離により調製し、ついで−70℃で貯蔵した。

0115

PCRプロトコル:
ウイルス配列から誘導されたプライマー(表1)を使用するPCRにより、単離DNAをスクリーニングした。Bowl ORF1 774 F/1626Rプライマーセットには58℃、およびBowl Q ORF2 FW/REVプライマーセットには52℃のアニーリング温度での標準的な方法を用いて、PCRを行った。Q−PCRのためのプローブを設計した(表1)。50℃のアニーリング温度での標準的な方法を用いて、Q−PCRを行った。Bio−Rad CFX Manager 2.0を使用してQ−PCRデータを分析した。

0116

PCR分析の結果:
PCR分析の結果を表2に示す。該サンプルの合計76%が陽性であることが判明した。

0117

実施例2:サンプルセット2の罹患動物の分析
サンプルセット2の説明
16頭の動物、雄13頭/雌3頭のブタ、12〜26週齢。7つの養豚場(サンプルセット1と比較して4つの追加的な養豚場)(サンプルセット1+2で合計11個の養豚場)。2013年8月22日に受領。臨床症状:動物は腹部膨満を急に発症し、それらの何頭かは死亡前に叫び声を上げた。死亡前の数週間の間に症状は認められなかった。最初の症状の観察から死亡までの時間は2〜6時間であった。症状の発現開始の後、動物を感電により安楽死させ、解剖した。器官症状:小腸における異常。出血症状、薄化腸壁、腸内血液含有流体。他の器官においては、肥大し発赤し腫脹したリンパ節以外は異常は認められなかった。図3を参照されたい。全てのリンパ節および血液サンプルを試験したわけではなかった。器官を−70℃で凍結した。血清を凝固血液から3000×gでの遠心分離により調製し、ついで−70℃で貯蔵した。

0118

PCRプロトコル:
ウイルス配列から誘導されたプライマー(表1)を使用するPCRにより、単離DNAをスクリーニングした。Bowl ORF1 774 F/1626Rプライマーセットには58℃、およびBowl Q ORF2 FW/REVプライマーセットには52℃のアニーリング温度での標準的な方法を用いて、PCRを行った。Q−PCRのためのプローブを設計した(表1)。50℃のアニーリング温度での標準的な方法を用いて、Q−PCRを行った。Bio−Rad CFX Manager 2.0を使用してQ−PCRデータを分析した。

0119

PCR分析の結果:
PCR分析の結果を表3に示す。該サンプルの合計25%が陽性であることが判明した。血液は分析しなかった。2つのリンパ節のみを分析した。

0120

実施例3:ブタにおける新規パルボウイルスの複製
動物材料の調製:
サンプルセット1および2の凍結器官材料および糞便を分析前に−70℃で貯蔵した。全ての操作を上で行った。器官を解凍し、ついで組織培養培地内でホモジナイズ(10% w/v)した。ホモジネートを1回、凍結−融解した(−70℃)。ついでホモジネートを遠心分離し、5μm、0.45μmおよび0.22μmフィルター上で濾過して残存組織材料を除去した。濾過されたホモジネートを接種まで−70℃で貯蔵した。

0121

接種物(AまたはB)を4×2mLIM用量(4つの異なる器官、左頸部、右頸部、左脚右脚)および20mLの経口用量(10個の糞便ホモジネート+種々の器官の4×2.5ml ホモジネート)として投与した。接種物は室温で投与した。

0122

接種物A:動物10サンプルセット2(実施例2を参照されたい)。糞便、リンパ節、肺、脾臓、腸。

0123

接種物B:動物2サンプルセット1(実施例1を参照されたい)。糞便、リンパ節、肺、腎臓、肝臓。

0124

動物
13頭のブタ(雄ブタ5頭/若雌ブタ/ランドレース(Landrace)/高い健康状態/SPF/接種時に12〜14週齢)をStevensbeek(オランダ国)のMSD養豚場において繁殖させ、飼育し、収容した(施設指針に従い行った)。実施例1に記載されているとおり、接種前に、該動物を血清、糞便、鼻腔内スワブおよび眼スワブにおける該新規パルボウイルスの存在に関してスクリーニングした。1頭の雄動物を対照動物(未感染体)として犠死させた。残りの12頭のブタを3つの別々の群において収容した。

0125

処理(治療)
群1:5頭の動物。3頭の動物に接種物Aを投与し、2頭を接触センチネルとして使用した。

0126

群2:4頭の動物。3頭の動物に接種物Bを投与し、2頭を接触センチネルとして使用した。

0127

群3:3頭の動物。3頭の動物に接種物Bを投与した。

0128

サンプリングおよび剖検
群1、2:
血液サンプル、直腸/鼻腔/眼スワブを接種後第−3日、第0日、第7日、第14日、第21日、第28日に採取した(犠死させなかった場合)。直腸/鼻腔内/眼スワブは接種後第3日、第10日、第17日、第24日に採取した(犠死させなかった場合)。

0129

群3:
血液サンプル、直腸/鼻腔内/眼スワブを接種後第−4日、第0日、第3日、第6日に採取した(犠死させなかった場合)。

0130

PCRの結果に基づいて、該動物を剖検に付す計画を立てた。

0131

群1:
接種:第10日p.i.;第25日p.i.;第31日p.i.;
センチネル:第18日p.i.;第31日p.i.。

0132

群2:
接種:第14日p.i.;第29日p.i.(2頭の動物);
センチネル:第22日p.i.。

0133

群3:
接種:第4日p.i.(1頭の動物);第7日p.i.(2頭の動物)。

0134

結果
PCR
動物10サンプルセット2(接種物に使用):
全ての器官が新規パルボウイルスに関して陽性試験結果を示した:糞便、リンパ節、肺、脾臓、腸、腎臓、肝臓。

0135

動物2サンプルセット1(接種物に使用):
全ての器官が新規パルボウイルスに関して陽性試験結果を示した:糞便、リンパ節、肺、腎臓、肝臓。

0136

動物実験
スワブ/血清に関するPCRの結果:表4A−B−C
組織学的検査、PCR分析およびウイルス分離のために器官サンプルを採取した。ウイルス分離のための器官を−70℃で貯蔵した。PCRを用いて肝リンパ節(10%ホモジネート)を分析した。

0137

群1:全接種動物血清+(陽性)(第7日)
センチネル血清−(陰性)(第7日)
スワブ:表4Aを参照されたい。

0138

群2:全接種動物血清+(陽性)(第7日)
センチネル血清−(陰性)(第7日)
スワブ:表4Bを参照されたい。

0139

群3:全接種動物血清+(陽性)(第4日)
スワブ:表4BC参照されたい。

0140

PCRの結果

0141

リンパ節の結果
剖検の時点で集めた全13頭の動物の肝リンパ節を培地内でホモジナイズした(10%(w/v))。ホモジネートからDNAを単離し、ウイルスの存在をPCRにより分析した。対照リンパ節は新規パルボウイルスに関して陰性であり、全12頭の接種またはセンチネルブタはウイルスに関して陽性であった。

0142

結論:
前記のデータに基づいて、該新規パルボウイルスはブタにおいて複製されると結論づけられうる。伝染経路は大抵は直接接触による経口/経路であるが、経口/糞便伝染および空気伝染も除外できない。しかし、糞便中排泄は限定的である。該ウイルスは複数の器官において見出される。実施例1〜3における結果の組合せに基づいて、動物の一部、すなわち、全感染動物の約1〜2%においては、該新規パルボウイルスの感染は血中における該ウイルスの出現ウイルス血症)の時点周辺で疾患を引き起こすと予想される。糞便における放出は最小であるが、血中にはウイルスは感染の30日後以降も依然として存在する。また、鼻腔内および眼スワブは感染の30日後以降もPCR陽性のままである。実施例3に記載されている感染ブタにおいては出血性腸症候群は観察されなかったが、これは、実施例3において用いた動物が比較的若く、非常に良好な状態であったことと、該疾患の頻度が低い(一般集団において1〜2%)ことに基づけば、当然予想されたことである。それらは、商業的な養豚場の状況におけるブタ以外では、素因性リスク因子を有していなかった。

0143

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