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課題・解決手段
物体の動き(204)を検出し、検出した動きに基づいて、物体の撮像を選択的に開始する(228)。撮像の開始及び停止の結果として時間的に離間した(216)撮像の期間が生じるように、撮像を停止する。それぞれ異なる期間に取得された画像のコンテンツを比較して(238)、コンテンツに基づいて画像をマッチングさせる。動きは周期的な成分を有し得る。物体は、エネルギ源からのエネルギを与えることで切除される身体組織を含み得る。比較されるべき画像は各切除領域を表すことができ、比較はこの領域の外側に限定される。検出、選択、比較、及びマッチングは、リアルタイムで実行可能である。一実施形態では、画像はそれぞれの空間位置を有する複数の部分を有し、画像の温度マップを形成する際に、物体のそれらの位置における各温度値を決定する。時間的に連続したマップと、任意選択的に超音波Bモード画像とを、リアルタイムで表示することができる。
概要
背景
肝臓がんは、肝臓の表面上又は内部で成長する悪性腫瘍である。肝臓腫瘍は、医療用画像機器によって発見されるか、又は、腹部腫瘤、腹痛、黄疸、吐き気、もしくは肝機能障害として症状が現れる。毎年、全世界で百万の原発性肝がんの新しい症例があり、その83%は発展途上国で発生する。新しい症例のうち約50万は転移がんであり、その大部分は西半球で発生する。
近年、身体内のどこであっても正確に腫瘍を標的とすることが可能となっている。
現在、肝臓がんを治療する唯一の妥当な可能性は、切除(すなわち腫瘍の除去)又は肝臓移植のどちらかの手術である。あらゆる既知の肝臓がんの除去に成功すれば、患者の生存の見通しは最大となる。肝臓の一部を除去する手術は、部分肝切除と呼ばれる。これが実行可能であるのは、その人が充分に健康であり、充分に健康な肝臓を残しながら腫瘍の全てを除去できる場合である。
手術を回避する手法として広く用いられている代替案は、腫瘍を熱処理するための無線周波数アブレーション(RFA:radiofrequency ablation)である。
現在の臨床用途では、挿入した加熱電極によって致死量の熱を与えることができる。電極は、無線周波数針の遠位端に導入することができる。身体組織を局所的に60℃超まで加熱し、がん領域を凝固させることによって破壊する。
この手順の間、処理の品質を保証するために温度変化が注意深く監視される。この監視は、好ましくは非侵襲的である。
その中に、無線周波数針の端部に取り付けられた熱電対の使用、及び磁気共鳴画像法(MRI:magnetic resonance imaging)による空間監視がある。
最新の電極は多数のチップから成り、その各々を、熱の堆積に関して別々に制御することができる。
各チップには、組織温度の連続監視を可能とする熱電対(すなわち極めて小さい温度計)が組み込まれている。標的の温度が一定に保たれるように、各チップの電力が自動的に調整される。
この自動調整に優先するガイドのため、実際に切除される組織エリアの指示が与えられる。これにより、切除範囲に関する目的の達成に応じて、電力レベルが低下される。
理想的には、この指示は、現在健康な組織又は未切除の組織から、すでに切除した組織を有効に空間的に区別する。
本出願の譲受人に譲渡された、Savery等に対する米国特許第8,328,721号(以降、「Savery」とする)は、身体の機能及び構造を決定するための光吸収係数の導出について記載している。
Saveryにおいて、係数の計算は、超音波インタロゲーション(ultrasound interrogation)に基づいて温度マップを形成するための温度マッピングモジュールを利用している。
この目的のため、経時的な取得が比較され、好ましくは同一の超音波撮像パラメータを用いて生成される。Saveryにおける温度マッピングモジュールの説明及びその機能の基礎となる分析は、引用により本願に含まれるものとする。
概要
物体の動き(204)を検出し、検出した動きに基づいて、物体の撮像を選択的に開始する(228)。撮像の開始及び停止の結果として時間的に離間した(216)撮像の期間が生じるように、撮像を停止する。それぞれ異なる期間に取得された画像のコンテンツを比較して(238)、コンテンツに基づいて画像をマッチングさせる。動きは周期的な成分を有し得る。物体は、エネルギ源からのエネルギを与えることで切除される身体組織を含み得る。比較されるべき画像は各切除領域を表すことができ、比較はこの領域の外側に限定される。検出、選択、比較、及びマッチングは、リアルタイムで実行可能である。一実施形態では、画像はそれぞれの空間位置を有する複数の部分を有し、画像の温度マップを形成する際に、物体のそれらの位置における各温度値を決定する。時間的に連続したマップと、任意選択的に超音波Bモード画像とを、リアルタイムで表示することができる。
目的
効果
実績
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請求項1
物体の動きを検出する動き検出プロセッサと、撮像の開始及び停止の結果として時間的に離間した前記撮像の期間が生じるように、検出した前記動きに基づいて、前記物体の撮像を選択的に開始し、前記撮像を停止する、画像取得回路と、前記期間のうちそれぞれ異なる期間に前記撮像により取得された画像のコンテンツを比較して、前記コンテンツに基づいて前記画像をマッチングさせる、画像マッチングプロセッサと、を備える、装置。
請求項2
前記動きが周期的な動きを含む、請求項1に記載の装置。
請求項3
請求項4
各期間の異なる時点で多数の画像が取得され、前記動き検出プロセッサが、前記周期的な動きに関して前記期間の位相が重複することによって前記期間が予め定義された位相を共通して含むように、前記検出した動きに基づいて前記開始のトリガのタイミングを決定する、請求項2に記載の装置。
請求項5
請求項6
前記期間のうち更に別の期間において多数の画像が取得され、前記マッチングが更に、前記期間のうち前記1つの期間及び前記更に別の期間のフレーム間でベストマッチを発見することを含む、請求項5に記載の装置。
請求項7
前記期間のうち更に別の期間において多数の画像が取得され、前記マッチングが更に、前記発見によりマッチングしたフレームについて、前記マッチングしたフレームと前記期間のうち前記更に別の期間のフレームとの間でベストマッチを発見することを含む、請求項5に記載の装置。
請求項8
請求項9
請求項10
前記比較の際比較されるべき画像が前記切除の各領域を表し、前記比較が前記領域の外側に限定される、請求項9に記載の装置。
請求項11
前記検出、前記選択、前記比較、及び前記マッチングをリアルタイムで実行する、請求項1に記載の装置。
請求項12
請求項13
請求項14
請求項15
前記接続が物理的な接続を含む、請求項14に記載の装置。
請求項16
前記マッチングが画像フレームのマッチングを行うことを含む、請求項1に記載の装置。
請求項17
請求項18
請求項19
前記画像がそれぞれ複数のセグメントを含み、前記比較が前記画像をセグメントごとに比較することを含む、請求項1に記載の装置。
請求項20
前記マッチングの結果としてマッチングされた画像が生じ、前記装置が前記マッチングによって時間的に連続した前記マッチングされた画像をリアルタイムで導出する、請求項1に記載の装置。
請求項21
前記マッチングされた画像からの画像が、それぞれの空間位置を有する複数の部分を含み、前記装置が、前記画像に基づいて温度マップを形成する際に、前記物体の前記位置における各温度値を決定する、請求項1に記載の装置。
請求項22
物体の動きを検出することと、前記検出した動きに基づいて、前記物体の撮像を選択的に開始することと、前記撮像の開始及び停止の結果として時間的に離間した前記撮像の期間が生じるように、前記撮像を停止することと、前記期間のうちそれぞれ異なる期間に前記撮像により取得された画像のコンテンツを比較して、前記コンテンツに基づいて前記画像をマッチングさせることと、を備える、画像運動ゲーティング方法。
請求項23
請求項24
画像運動ゲーティングのためのプログラムを具現化するコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記プログラムが、複数のステップを実行するためにプロセッサによって実行可能な命令を有し、前記複数のステップの中に、物体の動きを検出するステップと、前記検出した動きに基づいて、前記物体の撮像を選択的に開始するステップと、前記撮像の開始及び停止の結果として時間的に離間した前記撮像の期間が生じるように前記撮像を停止するステップと、前記期間のうちそれぞれ異なる期間に前記撮像により取得された画像のコンテンツを比較して、前記コンテンツに基づいて前記画像をマッチングさせるステップと、がある、コンピュータ読み取り可能媒体。
技術分野
0001
本発明は、時間的に離間した期間における画像の取得に関し、更に具体的には、画像のマッチングに関する。
背景技術
0002
肝臓がんは、肝臓の表面上又は内部で成長する悪性腫瘍である。肝臓腫瘍は、医療用画像機器によって発見されるか、又は、腹部腫瘤、腹痛、黄疸、吐き気、もしくは肝機能障害として症状が現れる。毎年、全世界で百万の原発性肝がんの新しい症例があり、その83%は発展途上国で発生する。新しい症例のうち約50万は転移がんであり、その大部分は西半球で発生する。
0003
近年、身体内のどこであっても正確に腫瘍を標的とすることが可能となっている。
0004
現在、肝臓がんを治療する唯一の妥当な可能性は、切除(すなわち腫瘍の除去)又は肝臓移植のどちらかの手術である。あらゆる既知の肝臓がんの除去に成功すれば、患者の生存の見通しは最大となる。肝臓の一部を除去する手術は、部分肝切除と呼ばれる。これが実行可能であるのは、その人が充分に健康であり、充分に健康な肝臓を残しながら腫瘍の全てを除去できる場合である。
0006
現在の臨床用途では、挿入した加熱電極によって致死量の熱を与えることができる。電極は、無線周波数針の遠位端に導入することができる。身体組織を局所的に60℃超まで加熱し、がん領域を凝固させることによって破壊する。
0015
Saveryにおいて、係数の計算は、超音波インタロゲーション(ultrasound interrogation)に基づいて温度マップを形成するための温度マッピングモジュールを利用している。
0016
この目的のため、経時的な取得が比較され、好ましくは同一の超音波撮像パラメータを用いて生成される。Saveryにおける温度マッピングモジュールの説明及びその機能の基礎となる分析は、引用により本願に含まれるものとする。
発明が解決しようとする課題
0020
現在、身体内の生体内3D温度分布のリアルタイム監視を適正な精度で達成できるのは磁気共鳴画像法(MRI)だけである。
0022
コンピュータ断層撮影法(CT:computed tomography)は、温度測定の目的のために使用可能であるが、温度変化の比較的粗い測定、すなわち5℃内の精度の測定しか行うことができない。
0024
また、上述のRF切除、及び高密度焦点式超音波(HIFU:high−intensity focused ultrasound)に基づく切除の双方において、対象領域の身体組織の運動が処置の精度及び品質を制限する。
0025
運動の補償に関して、コンピュータ断層撮影法CT、MRI、及び他の運動ゲーティング(motion gating)システムは、呼吸サイクルの特定の位相で固定時間遅延トリガを用いて、呼吸により生じる身体の動きを補償する。遅延は、サイクルごとにある特定の位相を選ぶように設定されて、単一の位相での撮像取得に基づいて監視画像を安定化させることができる。
0026
しかしながら、そのようなシステムでは、超音波RFトラッキングに基づく温度測定において充分な精度を得ることができない。
0029
しかしながら、トリガとして信号レベル(例えば各サイクルピーク)を用いる場合、このレベル検出と超音波システムのトリガとの間に固有の遅延が存在する。また、超音波を介して受信したRFデータを用いた温度計算は、呼吸サイクルごとに、人の身体に対するプローブ位置の精密な保持に左右される。具体的には、有効な温度推定のため、すなわち連続画像に基づく正確な温度マップのために、実質的には明らかな変位の空間勾配である局所的な温度誘発の歪みは、0.5%未満でなければならない。
0030
従って、超音波RFトラッキングに基づく温度測定においてトリガとして信号レベルを用いる仮定の事例では、上述の固有遅延は、同様に上述したサイクルごとの不規則性を考慮すると、温度マップの相関を失わせ(decorrelate)、従って品質を低下させるのに充分な空間移動を引き起こす。
0031
従って、時間的に連続した温度マップによる3D温度分布のリアルタイム監視に悪影響が及ぶ。
0032
その結果として、切除監視に悪影響が及ぶ。
0033
本明細書に提案するものは、そのような悪影響を軽減することを対象とする。
課題を解決するための手段
0034
本明細書に提案されることによると、物体の動きが検出される。検出した動きに基づいて、物体の撮像を選択的に開始する。撮像の開始及び停止の結果として時間的に離間した撮像の期間が生じるように撮像を停止する。それぞれ異なる期間に取得された画像のコンテンツを比較して、コンテンツに基づいて画像をマッチングさせる。
0037
関連する下位態様において、検出、選択、比較、及びマッチングは、リアルタイムで実行される。本開示において、「リアルタイム」は、システムの処理上の限界及び機能の正確な実行のために必要な時間を前提として、意図的な遅延が無いことを意味する。
図面の簡単な説明
0040
本発明に従った例示的な画像マッチング装置の概略図である。
図1の装置の動作に関連した概念の例を与える概念図である。
図1の装置の動作に関連した式及び概念の例を与える概念図である。
図1の装置で実行され得る動作を示すフローチャートのセットである。
実施例
0041
図1は、説明のための非限定的な例として、周期的な撮像物体運動による取得間の画像に基づくマッチングのため、特に運動ゲーティング超音波温度測定において使用可能な画像マッチング装置100を示す。装置100は、動き検出プロセッサ104、超音波スキャナのもの等の画像取得回路108、画像マッチングプロセッサ112、超音波スキャナのもの等の画像監視プロセッサ116、身体組織を加熱するエネルギを与えるためのエネルギ源120、呼吸位相センサ124、及び、通信可能に(communicatively)、例えば物理的にセンサに接続された呼吸ベルト128を含む。更に、呼吸記録デバイス132及び撮像プローブ136も含まれている。
0042
図2に見られるように、肝臓又はその一部等の物体の動きは、最も近い肺の対応する動きによって生じる呼吸周期成分202を有する。呼吸グラフ又は「波形」204において、縦座標である物体の変位206の範囲は、横座標に沿ったサイクル207で変動する。それに続くサイクル208、209も示されている。グラフ204における連続した「+」符号は、フレーム210のシーケンスを表す。各シーケンスが取得期間212を構成する。各期間212は取得の停止214で終了し、この結果、離間した(216)期間が生じる。取得期間212の取得されたフレーム210を本明細書ではファイル218と称する。この後の別のファイル220も示されている。図2において、各取得の前に、局所ピーク222等の呼吸サイクルランドマークがある。呼吸記録デバイス132と一体化して1つのユニットとすることも可能である動き検出プロセッサ104は、周期的にすなわち局所ピーク222の検出時に、撮像取得を開始するためのフレーム取得トリガ224を超音波スキャナ226に送出するためのハードウェア又はソフトウェアサブシステムを含む。トリガ224の送出は、呼吸サイクル208においてピーク222を検出してから固定時間後に行うことができる。スキャナ226の画像取得回路108は、開始上向き矢印228で示されるように画像取得を開始し、固定時間後に取得を停止する(214)ことで、中断上向き矢印230で示されるように期間212を終了する。取得は、各サイクル207〜209ごとに行うか、又は図2に示すように一部のサイクル207、209についてのみ行うことができる。後者の場合、波形204上の点が現サイクルの取得開始を示す。各点の後にくる谷の負のピークが、予め定義された位相に相当する。サイクル207〜209の取得期間は位相が重複しているので、予め定義された位相等の位相を共通して含む。
0043
呼吸ベルト128及び物理的に接続された呼吸位相センサ124は、それぞれ、Plessに対する米国特許公開第2008/0109047号のベルト110/310及びストレッチトランスデューサとして実施可能である。呼吸記録デバイス132は、取得された呼吸波形204を記憶するため、Plessの記憶デバイス440を用いて提供することができる。Plessの開示のパラグラフ[0009]〜[0014]は、引用により本願に含まれるものとする。呼吸記録デバイス132は、常に更新される記憶波形204に基づいて局所ピーク222を検出する。
0045
本明細書に提案されるフレームごとの比較は、切除領域232の外側で行われ、切除領域232の外側に限定される。取得されたフレーム210について、切除領域232の外側にある比較領域236の一例が示されている。電極(複数の電極)234及びその周囲の切除領域232はフレーム210の中央に位置する傾向があるので、比較領域236は中央から充分に外れた、例えばフレームの外縁部の近くに、各フレームの固定エリアとして予め設定することができる。オペレータが比較領域236を画定してもよい。これは、例えばスクリーン上でインタラクティブに実行してもよい。
0046
図2では、2つの連続ファイル218、220に関連付けて、本明細書に提案される方法論(methodology)におけるフレームごとの比較238の一例を示すが、比較は非連続ファイル間で行うことも可能である。例えば、N個の取得期間212の各々においてM個のフレーム210が取得される場合、フレームごとの比較238は概して、ファイル対248のうち第1のファイル218のあるフレームj244とファイル対のうち第2のファイル220の別のフレームk250とを比較することを意味する(1≦j≦Mであり、1≦k≦Mである)。ファイル対248の第1のファイル218は、N個のファイルに及ぶスキャンの最初のファイルであり得るが、必ずしもそうである必要はない。
0047
図3に示すサンプルの実施形態では、比較238は1つずつ行われ、スペックルマッチング(speckle matching)に基づいている。異なる取得時間期間301、302から、比較対象の2つのフレーム303、304が選ばれる。各フレーム303、304を、画素に基づいて各セグメント306、308、310、312に分割することができる。セグメント306は1つ以上の画素の幅を有することができる。フレーム303は、例えば8個又は9個のセグメントを収容する長さを有し得る。第1のフレーム303内の各セグメント306を、第2のフレーム304内の対応するセグメント310と相互相関させる。正規化ゼロラグ相互相関(NZLCC:normalized zero−lag cross−correlation)314が用いられる。
式314の値xiは一方のフレーム303の画素の明るさ値であり、yiは他方のフレーム304の対応する画素の明るさ値である。可能な明るさ値セットは、ゼロを中心とした範囲にフィルタリングされている。セグメント306全体において式314の加算を行う。
0048
NZLCC314の相関係数は類似度指数として機能する。これは、−1から1までの範囲内にある。値1は、2つのベクトル{xi}、{yi}が同一であることを表す。値−1は、2つのベクトルが正反対であることを表す。
0049
フレーム対303、304の全てのセグメントの類似度指数が平均化されて全フレーム−対類似度指数となる。
0050
MxM行列の成分に、最初の2つのファイル315、316の各々におけるM個のフレーム210についてのMxM全フレーム−対類似度指数を挿入する。
0052
双方のフレーム315、316が、温度マップ形成のための入力として選択される。
0053
いくつかの実施形態では、第1のファイル315から更なるフレーム選択を行う必要はない。
0054
1つのそのような実施形態では、第1のファイル315から選択されたフレーム210は、以降のスペックルに基づく比較のための基準フレームとして機能する。具体的には、上述の手順は、ファイル対のうち第2のファイルとして機能する次のファイルすなわち第3のファイルについて繰り返されるが、第1のファイル315の1つのフレーム、すなわち上述のようにすでに決定された基準フレームのみを検討する。従って、全フレーム−対類似度指数のMxM行列の代わりに1xM行列が形成される。最高値の成分が、現ファイルすなわち第3のファイルのフレーム選択を決定する。1xM行列に基づくこれと同じ手順を、ファイル対のうち第2のファイルとして機能する第4のファイルからフレームを選択するために繰り返し、この手順をその時の現ファイルについてそれぞれ繰り返し、N番目のファイルまで続ける。従って、合計でN個のフレーム210が選択される。基準フレームとそれ以外のN−1個の選択されたフレームの各々との間で温度マップを形成することができる。別の可能性としては、N個の一連のフレーム中の各連続フレーム対の間で温度マップを形成する。いずれにせよ、温度マップ及び超音波Bモード画像の双方を、スキャナ226の一部であるディスプレイ254上にリアルタイムで動画として表示することができる。温度マップ及び同時に発生するBモード画像は、例えば横に並べて別々に表示してもよく、又は温度マップをBモード画像上に重ね合わせてもよい。
0055
別のそのような実施形態では、比較対象の各ファイル対のうち第2のファイルから新しい基準フレームを選択する。具体的には、新しい基準フレームは毎回、直前のフレーム選択で選択されたフレームである。このため、ファイルLのフレームjをファイルL+1の各フレームと比較する場合、フレームjは以前のフレーム選択におけるファイルLからのベストマッチのフレームであったので、これが基準フレームとなる。このため、上述の実施形態におけるように、最初のフレーム選択はMxM行列を利用するが、以降のフレーム選択はそれぞれの1xM行列に基づく。従って、N個の一連のフレーム中の各連続フレーム対の間で温度マップを形成することができる。
0056
あるいは、温度マップのための対ごとのフレーム選択は、毎回、双方のファイルの全てのフレームを検討するが、比較対象の各ファイル対のうち第1のファイルとなるのは、毎回、Nファイルスキャンの第1のファイル315である。従って、N−1個のMxM行列がある。温度マップは、ベストマッチの各フレーム対の間で、又は連続したファイルの選択されたフレーム間で形成可能である。
0058
しかしながら、別の手法は、最大の相関ラグに対する位相外れを検索することである。この手法では、相関は各フレームで行われず、一方のフレームの単一の比較領域が他方のフレームの検索エリアに対して相互相関される。画像間の重複によって切除範囲決定のための充分に広範な温度マップを提供するように、検索エリアは充分に小さく保たれなければならない。比較領域は、2つの最大ラグ又は3つの最大ラグで対応して検索するため、2次元又は3次元とすることができる。一般に、ベストマッチは依然としてゼロラグの場合であり得るが、わずかに位相外れのフレームによって、特定のサイクル位相でのプローブ136による音響接触の不良という不測の事態に対処することができる。
0059
この手法では、2つの比較領域317、318が双方とも共通の検索エリア320内にある場合にこれらをマッチングすることができる。点線322、324は画像コンテンツを画定し、その大部分は一方のフレーム326内にある。完全な画像コンテンツ又は同様のバージョンが、他方のフレーム328内にある。ラグ相互相関(LCC:lagged cross−correlation)330は、図3に示す1次元検索の簡略化した事例では、特定のラグ332で最大相関係数値となる。点線322から右側の平行な等しい長さの実線まで延出する2つのフレーム326、328の重複領域334は、この重複領域と同一の空間範囲の温度マップを形成するために使用可能である。多ファイルスキャン中のこれ以降の(すなわちフレーム3からNまでをそれぞれ決定するための)検索は、ファイル間マッチングが連続ファイル218、220に限定される場合、及び基準フレームが常に現ファイルのM個のフレームにマッチングされる場合、ゼロラグで最適に達成することができる。ゼロラグが最適であることが分かった場合、重複のために、領域の更なる絞り込みは全く行われないか又はほとんど行われない傾向がある。フレーム3からNをそれぞれ決定する以降の検索における全てのフレームマッチングで、(例えば最初のファイル内の)単一の基準フレームが用いられる事例にも、同じ傾向がある。
0060
動作において、一例として図4を参照すると、呼吸ベルト128を介して、大きいサイクル成分による動きを検出する(ステップS404)。呼吸記録デバイス132は、この動きを記録する(ステップS408)。これら2つのステップを、動き検出プロセッサ104が局所ピーク222を検出するまで繰り返す(ステップS412)。ピーク222が検出されたら(ステップS412)、動き検出プロセッサ104は、検出から固定時間後にトリガ224を送出する(ステップS416)。画像取得回路108は、トリガ224から固定時間後に画像取得を開始するための超音波を放出する(ステップS420)。現取得期間212が経過すると(ステップS424)、取得は停止される(ステップS428)。手順が継続する場合(ステップS432)、動き検出ステップS404に戻る。
0061
同時ルーチンでは、画像マッチングプロセッサ112は、フレーム選択アルゴリズムを実行して、現ファイル220内のマッチングしたフレーム210を発見する(ステップS436)。画像監視プロセッサ116は、発見したフレーム及び以前のフレームを入力として用いて、温度推定アルゴリズムを実行する(ステップS440)。画像監視プロセッサ116は、ディスプレイ264を動作させて、温度推定アルゴリズムの出力に基づいて形成された温度マップを表示すると共に、任意選択的に、これに対応する記憶されたBモード画像を表示する(ステップS444)。手順が継続する場合(ステップS448)、マッチングフレーム発見ステップS436に戻る。
0062
加熱用のエネルギを与えるためのモードを、無線周波数アブレーション(RFA)として上述した。しかしながら、レーザビームの集束のような他の手法で切除を実行することは、本明細書に提案されるものの意図する範囲内である。そのような場合、ビーム経路内の身体組織の化学組成を温度マップによって決定することができる。生物組織の切除は、その化学組成を変化させるが、これは必ずしもエコー源性ではない。しかしながら光吸収は変化する。切除範囲を、少なくともレーザビーム経路内で決定することができる。Saveryは、材料組成分析における単色光及び温度マップの使用に関する。上記の引用により本明細書に含まれないSaveryの部分は、これによって引用により本願に含まれるものとする。切除範囲のインジケータを、ディスプレイ254で温度マップ上又はBモード画像上にリアルタイムで同様に表示することができる。本明細書で上述したように、マップ及び同時に発生する画像は、横に並べる等により別々に表示してもよく、又はマップをBモード画像上に重ね合わせてもよい。
0063
本発明の方法論は、人又は動物の被験者に治療を行う際に有利に適用可能であるが、本発明の範囲はそのように限定されない。より一般的に言えば、本明細書に開示する技法は、実質的に周期的に動く物体を表す画像の特定位相ビューの安定化を対象とする。
0064
本発明について図面及び前述の説明において詳しく図示し記述したが、そのような図示及び記述は限定でなく、説明又は例示と見なされる。本発明は、開示される実施形態に限定されない。
0065
例えば、ステップS420のRF取得では、ビーム形成後の未処理の信号を、後で信号処理するために保存することができる。別の例として、撮像プローブ136は、リニア、コンベックス(又は「曲線(curvilinear)」)、フェーズドアレイ、マトリックス、経胸腔(TTE)、又は経食道(TEE)プローブとすることができる。更に別の例では、センサ124と呼吸ベルト128との間の通信可能な接続は、ベルトから離れて位置付けられてベルトの動きを光学的に監視するセンサを用いて装置100が構成されるように行うことができる。
0066
図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を精査することにより、当業者は、特許請求される本発明を実施する際に、開示する実施形態の他の変形を理解し実行することができる。特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という言葉は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。特許請求の範囲における参照符号は範囲を限定するものと解釈されない。
0067
光記憶媒体又は固体媒体のような適切なコンピュータ読み取り可能媒体に、コンピュータプログラムを瞬間的に、一時的に、又はもっと長い時間期間、記憶することができる。そのような媒体は、一時的な伝搬信号でないという意味においてのみ、非一時的(non−transitory)であるが、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、及びRAMのような他の形態のコンピピュータ読み取り可能媒体を含む。