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課題・解決手段

熱可塑性ポリエステルから作製されるポリエステルポリオールが、開示される。このポリオールは、未使用のPET、リサイクルPET、またはそれらの混合物等の熱可塑性ポリエステルをグリコール一緒加熱して分解中間物を得た後、分解中間物とダイマー脂肪酸とを縮合させてポリオールを得ることにより作製できる。本発明は、グリコール分解された熱可塑性ポリエステルおよびダイマー脂肪酸の繰り返し単位を含むポリエステルポリオールを含む。このポリエステルポリオールはまた、ポリオールを生成するのに効果的な条件下で、熱可塑性ポリエステル、グリコール、およびダイマー酸を反応させることにより、単一ステップにおいて作製できる。水性ポリウレタン分散体を含むポリウレタン製品を配合するのに望まれる特性および属性を有するリサイクル材含有率の高いポリオールが、作製できる。このポリオールは、生物系または石油化学系ポリオールの持続可能な代替品を提供する。

背景

芳香族ポリエステルポリオールは、軟質フォームおよび硬質フォームポリイソシアヌレートフォームコーティング密封材接着剤並びエラストマーをはじめとするポリウレタン製品製造に通例使用される中間物である。芳香族含有のこれらのポリオールは、ウレタン製品強度剛度、および熱安定性に寄与する。

通例、芳香族ポリエステルポリオールは、芳香族ニ酸、ジエステル、または無水物(例えば、テレフタル酸ジメチルテレフタレート)と、エチレングリコールプロピレングリコールジエチレングリコール等のグリコールとを縮合させることにより、作製される。これらの原料は、通常、専ら石油化学由来である。

企業が向上した持続可能性を有する製品の提供をますます求めるのに従って、生物再生可能材料および/またはリサイクル素材から生成される中間物の有用性が、さらに活用されるようになっている。しかしながら、それらの従来の石油系の代替品と同等またはそれらよりも良好な性能を遜色のない価格でもたらすこれらの製品に対する必要性は、依然として存在している。

生物再生可能な物質は、それだけで「グリーンケミストリー指標と誤解を招きかねない。例えば、トウモロコシ等の食糧供給源が、生物再生可能な物質を提供するのに必要とされる場合、人々への食糧の提供と、実績主義化学製品の人々への提供との間に明らかな二律背反の関係が存在する。加えて、糖または他の生体に優しい供給原料をポリオール等の有用な化学中間体変換する必要がある化学変化または生化学変化は、「グリーン」の座の達成に向けて努力する中で、それらの石油系の代替品よりも多くの自然資源およびエネルギー消費することがあり、また多くの温室効果ガス汚染物質環境に放出することがある。

(例えば、プラスチック飲料用容器からの)廃棄ポリエチレンテレフタレート(PET)流をはじめとする廃棄の熱可塑性ポリエステルは、新規ポリマーを作製するための豊富原料供給源を提供する。通常、PETがリサイクルされると、それを用いて新品のPET飲料用ボトルPET繊維が作製される、またはそれを化学変化させてポリブチレンテレフタレート(PBT)が生成される。他のリサイクル原料も同様に入手可能である。例えば、リサイクルプロピレングリコールは、航空機用防氷剤またはRV防氷剤および他の作業から入手可能であり、リサイクルエチレングリコールは、使用済み車両冷却材から入手可能である。

ウレタン配合者は、色、透明性、水酸基価官能価酸価、粘度、および他の特性に対する要求仕様に適うポリオールを必要とする。これらの仕様規格は、様々であり、ウレタンの用途のタイプに応じて変わるだろう。例えば、硬質フォームは、一般的に軟質フォームを作製するのに用いるポリオールよりも高い水酸基価を有するポリオールを必要とする。

品質ポリウレタンの作製に使用するのに好適なポリオールは、リサイクルポリエチレンテレフタレート(rPET)をはじめとするリサイクル素材から製造するのが難しいと立証されている。多くの文献が、通常、亜鉛またはチタン等の触媒の存在下でのグリコールを用いるrPETの分解(「グリコシス」とも呼ばれる)を記載している。この分解は、ポリマーをグリコールと低分子量のPETオリゴマーとの混合物に変換する。このような混合物は、望ましく低い粘度を有するが、それらは、高い水酸基価または高レベル遊離グリコールを有することが多い。目標生成物が、精製したビスヒドロキシアルキルテレフタレート(例えば、米国特許第6,630,601号明細書、米国特許第6,642,350号明細書、および米国特許第7,192,988号明細書を参照のこと)またはテレフタル酸(例えば、米国特許第5,502,247号明細書を参照のこと)であることが多い。ウレタン製造にグリコリシス生成物の混合物を用いる尽力の幾つかが、D.Paszun and T.Spychaj(Ind.Eng.Chem.Res.36(1997)1373による総説に記載されている。

グリコール反応物として、グリコリシスにエチレングリコールを使用することが最も多い。エチレングリコールは、可能な反応生成物最小限に抑えるので、これは、賢明である。純粋なテレフタル酸を回収ことが目的である場合もあるが、通常、グリコリシスは、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート(「BHET」)を生成するのに効果的な条件下で実施される。エチレングリコールを反応物として用いる場合、グリコリシス生成物は、通例、室温で結晶質または蝋質固体である。このような材料は、高温で処理される必要があるので、ポリオール中間物としての使用に理想的であるとはとうてい言えない。ポリオールは、室温または室温付近遊離流動液体であるのが望ましい。

ダイマー脂肪酸(「2量体化脂肪酸」または「ダイマー酸」とも呼ばれる)は、不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸リノール酸リシノール酸)をベントナイトまたはモンモリロナイト粘土等の触媒の存在下で2量体化することにより作製される化学中間体である。市販のダイマー脂肪酸は、通常、ダイマー酸が優勢である生成物の混合物である。市販のダイマー酸には、トール油脂肪酸を2量体化して作製されるものもある。通例、ダイマー脂肪酸を用いて、インクおよびホットメルト接着剤に使用するポリアミド樹脂合成する(例えば、米国特許第5,138,027号明細書を参照のこと)。ダイマー脂肪酸はまた、アルキド樹脂、接着剤、表面活性剤、および他の製品の成分でもある。

ウレタン成分としてダイマー脂肪酸を使用することは、特に、ウレタンがリサイクルPETベースのポリオールを含む場合、一般的でない。ひとつの例外は、特開2004−307583号公報であり、その特許公報は、ポリエステルポリオールおよび硬化したポリウレタンを生成する方法を記載している。特開2004−307583号公報は、エステル交換反応触媒の存在下で、グリコールを用いてリサイクルPETを分解する2ステップ法を記載する。次に、得られる生成物を、重合性重結合を含有しない炭素数20以上の多塩基酸と反応させる。ダイマー酸は、第二ステップに好適な多塩基酸と教示されている。続いて、反応生成物をMDIと反応させて、単一ウレタンコーティングを作製する。実施例において、比較的に大きな割合のダイマー脂肪酸を用いる(1当量のリサイクルPET当たり1当量またはそれ以上の当量のダイマー酸)、それより少ない割合のダイマー脂肪酸を用いて、満足な結果を得ることができるかどうかは不明である。大きな割合のダイマー脂肪酸はまた、ポリオール中のリサイクル材の量(rPET+任意のリサイクルグリコール)を厳格に制限する。

改善したポリオールが必要とされる。特に、ウレタン業界は、実質上無制限な供給のリサイクルポリエチレンテレフタレートのような、かなりの部分でリサイクルポリマーをベースとする持続可能なポリオールを必要とする。ポリウレタン配合者が過酷な要求をする、色、透明性、粘度、官能価、およびヒドロキシル含有量要件適合するリサイクル材含有率の高いポリオールは、高価となるだろう。

概要

熱可塑性ポリエステルから作製されるポリエステルポリオールが、開示される。このポリオールは、未使用のPET、リサイクルPET、またはそれらの混合物等の熱可塑性ポリエステルをグリコールと一緒加熱して分解中間物を得た後、分解中間物とダイマー脂肪酸とを縮合させてポリオールを得ることにより作製できる。本発明は、グリコール分解された熱可塑性ポリエステルおよびダイマー脂肪酸の繰り返し単位を含むポリエステルポリオールを含む。このポリエステルポリオールはまた、ポリオールを生成するのに効果的な条件下で、熱可塑性ポリエステル、グリコール、およびダイマー酸を反応させることにより、単一ステップにおいて作製できる。水性ポリウレタン分散体を含むポリウレタン製品を配合するのに望まれる特性および属性を有するリサイクル材含有率の高いポリオールが、作製できる。このポリオールは、生物系または石油化学系ポリオールの持続可能な代替品を提供する。

目的

(例えば、プラスチック飲料用容器からの)廃棄のポリエチレンテレフタレート(PET)流をはじめとする廃棄の熱可塑性ポリエステルは、新規のポリマーを作製するための豊富な原料供給源を提供する

効果

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請求項1

(a)熱可塑性ポリエステルグリコール一緒加熱して分解中間物を得るステップと、(b)前記中間物とダイマー脂肪酸とを縮合させて前記ポリオールを得るステップとを備え方法により作製されるポリエステルポリオールであって、前記ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、0.8未満であり、前記グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、少なくとも2.0であり、前記ポリオールは、25〜800mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有するポリオール。

請求項2

前記熱可塑性ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリトリメチレンテレフタレートグリコール変性ポリエチレンテレフタレートテレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールとのコポリマー;テレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールとのイソフタル酸変性コポリマー;ポリヒドロキシアルカノアートジオールと2,5−フランジカルボン酸またはジアルキル2,5−フランジカルボキシレートとのコポリマー;2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールと、イソフタル酸、テレフタル酸またはオルトフタル酸誘導体とのコポリマー;ジヒドロフェルラ酸ポリマー;およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載のポリオール。

請求項3

前記熱可塑性ポリエステルが、未使用のPET、リサイクルPET、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1または2に記載のポリオール。

請求項4

前記グリコールが、エチレングリコールプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ペンタエリトリトールソルビトールネオペンチルグリコールグリセロールトリメチロールプロパン、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールエトキシレートジエチレングリコールジプロピレングリコールトリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオールトリプロピレングリコールテトラエチレングリコール、約400g/molまでの数平均分子量を有するポリエチレングリコール酸化エチレン酸化プロピレンとのブロックまたはランダムコポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項5

前記グリコールが、リサイクルグリコールを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項6

40〜500mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項7

前記ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比が0.6未満である請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項8

前記グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比が、2.5〜4.5の範囲内である請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項9

25℃で10,000cP未満の粘度を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明のポリオール。

請求項11

本請求項で定義するリサイクル材含有率が50wt%を超える請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項12

前記中間物が、前記ダイマー脂肪酸および二塩基酸または無水物と縮合している請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項13

前記二塩基酸または無水物が、グルタル酸アジピン酸コハク酸マレイン酸フマル酸イタコン酸フタル酸、イソフタル酸、1,5−フランジカルボン酸、無水マレイン酸無水フタル酸無水イタコン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項12に記載のポリオール。

請求項14

前記熱可塑性ポリエステルおよびグリコールが、触媒存在下で加熱される請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項15

前記触媒が、酢酸亜鉛またはチタン酸テトラブチルである請求項14に記載のポリオール。

請求項16

前記熱可塑性ポリエステルおよびグリコールが、80℃〜260℃の範囲内の温度で加熱される請求項1〜15のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項17

前記ダイマー脂肪酸が、2量体オレイン酸、3量体化オレイン酸、2量体化リノール酸、3量体化リノール酸、2量体化リノレン酸、3量体化リノレン酸、またはそれらの混合物を含む請求項1〜16のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項18

10mgKOH/g未満の酸価を有する請求項1〜17のいずれか1項に記載のポリオール。

請求項19

ポリエステルポリオールであって、熱可塑性ポリエステル、グリコール、およびダイマー脂肪酸を反応させて、前記ポリオールを生成するステップを備える方法により作製され、前記ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、0.8未満であり、前記グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、少なくとも2.0であり、前記ポリオールは、25〜800mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有するポリオール。

請求項20

グリコール分解された熱可塑性ポリエステルおよびダイマー脂肪酸の繰り返し単位を含むポリエステルポリオールであって、前記ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、0.8未満であり、前記グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、少なくとも2.0であり、前記ポリオールは、25〜800mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有するポリオール。

請求項21

請求項1〜20のいずれか1項に記載のポリオールから作製されるポリウレタン

請求項22

請求項1〜20のいずれか1項に記載のポリオールから作製される2成分のポリウレタンコーティング

請求項23

請求項1〜20のいずれか1項に記載のポリオールから作製される水性ポリウレタン分散体

請求項24

請求項23に記載の水性ポリウレタン分散体から作製されるコーティング

請求項25

アクリレートまたはメタクリレート供給源と請求項1〜20のいずれか1項に記載のポリオールとの反応生成物を含む硬化性樹脂

請求項26

請求項25に記載の樹脂から作製されるUV硬化コーティング。

請求項27

請求項1〜20のいずれか1項に記載のポリオールから作製される硬質ポリウレタンフォーム

請求項28

(a)熱可塑性ポリエステルとグリコールを一緒に加熱して、分解中間物を得るステップと、(b)前記中間物とダイマー脂肪酸とを縮合させて、ポリエステルポリオールを得るステップと、を備える方法であって、前記ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比が、0.8未満であり、前記グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比が、少なくとも2.0であり、前記ポリオールが、25〜800mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する方法。

請求項29

熱可塑性ポリエステル、グリコール、およびダイマー脂肪酸を反応させて前記ポリオールを生成するステップを備える方法であって、前記ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比が、0.8未満であり、前記グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比が、少なくとも2.0であり、前記ポリオールが、25〜800mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する方法。

請求項30

(a)未使用のPET、リサイクルPET、またはそれらの混合物をプロピレングリコールと一緒にチタン触媒の存在下で加熱して、分解中間物を得るステップと、(b)前記中間物とダイマー脂肪酸とを縮合させて前記ポリオールを得るステップとを備える方法であって、前記ダイマー脂肪酸のPETに対するモル比は、0.6未満であり、前記グリコールのPETに対するモル比は、2.5〜4.5の範囲内であり、前記ポリオールが、40〜500mgKOH/gの範囲内の水酸基価、10,000cP未満の25℃での粘度、25wt%超の本明細書で定義されるリサイクル材含有率を有する方法。

請求項31

請求項28〜30のいずれか1項に記載の方法により作製されるポリエステルポリオール。

請求項32

請求項1〜20または請求項31のいずれか1項に記載のポリオールから作製される会合性レオロジー改質剤

請求項33

疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性アルカリ膨潤性エマルジョン、および疎水変性ポリエーテルからなる群から選択される請求項32に記載のレオロジー改質剤。

技術分野

0001

本発明は、リサイクルまたは未使用のポリエチレンテレフタレートを含む、熱可塑性ポリエステルから生成されるポリオール組成物に関する。ポリオールは、ポリウレタンおよび他の縮合ポリマーを配合するのに有用であり、ダイマー脂肪酸を組み込む。

背景技術

0003

通例、芳香族ポリエステルポリオールは、芳香族ニ酸、ジエステル、または無水物(例えば、テレフタル酸ジメチルテレフタレート)と、エチレングリコールプロピレングリコールジエチレングリコール等のグリコールとを縮合させることにより、作製される。これらの原料は、通常、専ら石油化学由来である。

0004

企業が向上した持続可能性を有する製品の提供をますます求めるのに従って、生物再生可能材料および/またはリサイクル素材から生成される中間物の有用性が、さらに活用されるようになっている。しかしながら、それらの従来の石油系の代替品と同等またはそれらよりも良好な性能を遜色のない価格でもたらすこれらの製品に対する必要性は、依然として存在している。

0005

生物再生可能な物質は、それだけで「グリーンケミストリー指標と誤解を招きかねない。例えば、トウモロコシ等の食糧供給源が、生物再生可能な物質を提供するのに必要とされる場合、人々への食糧の提供と、実績主義化学製品の人々への提供との間に明らかな二律背反の関係が存在する。加えて、糖または他の生体に優しい供給原料をポリオール等の有用な化学中間体変換する必要がある化学変化または生化学変化は、「グリーン」の座の達成に向けて努力する中で、それらの石油系の代替品よりも多くの自然資源およびエネルギー消費することがあり、また多くの温室効果ガス汚染物質環境に放出することがある。

0006

(例えば、プラスチック飲料用容器からの)廃棄のポリエチレンテレフタレート(PET)流をはじめとする廃棄の熱可塑性ポリエステルは、新規ポリマーを作製するための豊富原料供給源を提供する。通常、PETがリサイクルされると、それを用いて新品のPET飲料用ボトルPET繊維が作製される、またはそれを化学変化させてポリブチレンテレフタレート(PBT)が生成される。他のリサイクル原料も同様に入手可能である。例えば、リサイクルプロピレングリコールは、航空機用防氷剤またはRV防氷剤および他の作業から入手可能であり、リサイクルエチレングリコールは、使用済み車両冷却材から入手可能である。

0007

ウレタン配合者は、色、透明性、水酸基価官能価酸価、粘度、および他の特性に対する要求仕様に適うポリオールを必要とする。これらの仕様規格は、様々であり、ウレタンの用途のタイプに応じて変わるだろう。例えば、硬質フォームは、一般的に軟質フォームを作製するのに用いるポリオールよりも高い水酸基価を有するポリオールを必要とする。

0008

品質のポリウレタンの作製に使用するのに好適なポリオールは、リサイクルポリエチレンテレフタレート(rPET)をはじめとするリサイクル素材から製造するのが難しいと立証されている。多くの文献が、通常、亜鉛またはチタン等の触媒の存在下でのグリコールを用いるrPETの分解(「グリコシス」とも呼ばれる)を記載している。この分解は、ポリマーをグリコールと低分子量のPETオリゴマーとの混合物に変換する。このような混合物は、望ましく低い粘度を有するが、それらは、高い水酸基価または高レベル遊離グリコールを有することが多い。目標生成物が、精製したビスヒドロキシアルキルテレフタレート(例えば、米国特許第6,630,601号明細書、米国特許第6,642,350号明細書、および米国特許第7,192,988号明細書を参照のこと)またはテレフタル酸(例えば、米国特許第5,502,247号明細書を参照のこと)であることが多い。ウレタン製造にグリコリシス生成物の混合物を用いる尽力の幾つかが、D.Paszun and T.Spychaj(Ind.Eng.Chem.Res.36(1997)1373による総説に記載されている。

0009

グリコール反応物として、グリコリシスにエチレングリコールを使用することが最も多い。エチレングリコールは、可能な反応生成物最小限に抑えるので、これは、賢明である。純粋なテレフタル酸を回収ことが目的である場合もあるが、通常、グリコリシスは、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート(「BHET」)を生成するのに効果的な条件下で実施される。エチレングリコールを反応物として用いる場合、グリコリシス生成物は、通例、室温で結晶質または蝋質固体である。このような材料は、高温で処理される必要があるので、ポリオール中間物としての使用に理想的であるとはとうてい言えない。ポリオールは、室温または室温付近遊離流動液体であるのが望ましい。

0010

ダイマー脂肪酸(「2量体化脂肪酸」または「ダイマー酸」とも呼ばれる)は、不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸リノール酸リシノール酸)をベントナイトまたはモンモリロナイト粘土等の触媒の存在下で2量体化することにより作製される化学中間体である。市販のダイマー脂肪酸は、通常、ダイマー酸が優勢である生成物の混合物である。市販のダイマー酸には、トール油脂肪酸を2量体化して作製されるものもある。通例、ダイマー脂肪酸を用いて、インクおよびホットメルト接着剤に使用するポリアミド樹脂合成する(例えば、米国特許第5,138,027号明細書を参照のこと)。ダイマー脂肪酸はまた、アルキド樹脂、接着剤、表面活性剤、および他の製品の成分でもある。

0011

ウレタン成分としてダイマー脂肪酸を使用することは、特に、ウレタンがリサイクルPETベースのポリオールを含む場合、一般的でない。ひとつの例外は、特開2004−307583号公報であり、その特許公報は、ポリエステルポリオールおよび硬化したポリウレタンを生成する方法を記載している。特開2004−307583号公報は、エステル交換反応触媒の存在下で、グリコールを用いてリサイクルPETを分解する2ステップ法を記載する。次に、得られる生成物を、重合性重結合を含有しない炭素数20以上の多塩基酸と反応させる。ダイマー酸は、第二ステップに好適な多塩基酸と教示されている。続いて、反応生成物をMDIと反応させて、単一ウレタンコーティングを作製する。実施例において、比較的に大きな割合のダイマー脂肪酸を用いる(1当量のリサイクルPET当たり1当量またはそれ以上の当量のダイマー酸)、それより少ない割合のダイマー脂肪酸を用いて、満足な結果を得ることができるかどうかは不明である。大きな割合のダイマー脂肪酸はまた、ポリオール中のリサイクル材の量(rPET+任意のリサイクルグリコール)を厳格に制限する。

0012

改善したポリオールが必要とされる。特に、ウレタン業界は、実質上無制限な供給のリサイクルポリエチレンテレフタレートのような、かなりの部分でリサイクルポリマーをベースとする持続可能なポリオールを必要とする。ポリウレタン配合者が過酷な要求をする、色、透明性、粘度、官能価、およびヒドロキシル含有量要件適合するリサイクル材含有率の高いポリオールは、高価となるだろう。

課題を解決するための手段

0013

本発明は、ポリエステルポリオールと、ポリエステルポリオールを作製するプロセスに関する。一態様において、ポリオールは、2つのステップを備えるプロセスにより作製される。最初に、PET、リサイクルPET、またはそれらの混合物等の熱可塑性ポリエステルをグリコールと一緒加熱して、分解中間物を得る。次に、中間物は、ダイマー脂肪酸と縮合して、ポリオールを生じる。別の一態様において、本発明は、グリコール分解された熱可塑性ポリエステルおよびダイマー脂肪酸の繰り返し単位を含むポリエステルポリオールに関する。両方の態様において、ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、0.8未満であり、グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、少なくとも2.0であり、ポリオールは、25〜800mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する。ポリエステルポリオールはまた、ポリオールを生成するのに効果的な条件下で、熱可塑性ポリエステル、グリコール、およびダイマー酸を反応させることにより、単一ステップにおいて作製され得る。ポリオールから作製される水性ポリウレタン分散体もまた、含まれる。

0014

発明者らは、ポリウレタン製品を配合するのに望ましい水酸基価、粘度、外観、および他の属性を有する、リサイクル材含有率の高いポリオールが、グリコール分解された熱可塑性ポリエステル、好ましくは分解されたPETと、ダイマー脂肪酸とを特定の当量比で反応させることにより、作製され得ることを驚くべきことに見出した。このポリオールは、ポリウレタン分散体、軟質フォームおよび硬質フォーム、コーティング、接着剤、密封材、並びにエラストマーをはじめとする、様々なポリウレタンおよび関連製品を配合するのに有益であり、生物系または石油化学系ポリオールの持続可能な代替品を提供する。

0015

一態様において、2ステッププロセスによって作製されるポリエステルポリオールが、開示される。最初に、熱可塑性ポリエステルをグリコールと一緒に加熱して、分解中間物を得る。続いて、分解中間物は、ダイマー脂肪酸と縮合して、ポリオールを生じる。

0016

使用に好適な熱可塑性ポリエステルは、当技術分野既知である。それらは、グリコールと芳香族ジカルボン酸または酸誘導体との反応で生成される縮合ポリマーである。例として、ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリブチレンテレフタレート(PBT);ポリトリメチレンテレフタレートPTT);グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG);テレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールコポリマー(PCT);PCTA(イソフタル酸変性PCT);ポリヒドロキシアルカノアート、例えば、ポリヒドロキシブチレートジオールと2,5−フランジカルボン酸またはジアルキル2,5−フランジカルボキシレートとのコポリマー、例えば、ポリエチレンフラノアート;2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールとイソフタル酸、テレフタル酸またはオルトフタル酸誘導体とのコポリマー;ジヒドロフェルラ酸ポリマー等、およびそれらの混合物が挙げられる。ポリエステル熱可塑性物質のさらなる例は、Modern Polyesters:Chemistry and Technology of Polyesters and Copolyesters,J.Scheirs and T.Long,eds.,Wiley Series in Polymer Science,2003,John Wiley & Sons,Ltd.Hoboken,NJ.に開示されている。熱可塑性ポリエステルの他の例は、Handbook of Thermoplastics,O.Olabisi,ed.,1997,Marcel Dekker,Inc.New Yorkの18〜20章に見出され得る。好適な熱可塑性ポリエステルとして、未使用のポリエステル、リサイクルポリエステル、またはそれらの混合物が挙げられる。ポリエチレンテレフタレートが、特に好ましく、リサイクルポリエチレンテレフタレート(rPET)、未使用のPET、およびそれらの混合物が殊に好ましい。好適な熱可塑性ポリエステルのさらなる例は、米国特許出願公開第2009/0131625号明細書を参照されたい。その教示は、参照により本明細書に組み込まれている。

0017

本発明のポリエステルポリオールの作製に使用するのに好適なリサイクルポリエチレンテレフタレートは、様々な供給源に由来し得る。最も一般的な供給源は、プラスチックボトルまたは他の容器からの消費者から回収した廃棄物のPET流である。rPETは、無色でも染料(例えば、緑、青、他の色)を含有していても、これらの混合でもあり得る。僅かな割合の有機または無機異物(例えば、紙、他のプラスチック、ガラス金属等)が、存在し得る。所望のrPET供給源は、「フレーク」rPETであり、スクラップPETボトルに存在する一般的な不純物の多くが、事前にそこから除去されている。別の所望のrPET供給源は、ペレット化rPETであり、それは、rPETを溶融し、金属フィルターメッシュを介して押出成形して、粒子不純物をさらに除去することにより、作製される。PETプラスチックボトルは、あらゆるリサイクル運動匹敵できる量よりもかなり多くの量で現在製造されているので、スクラップPETは、豊富に入手可能であり続けるだろう。

0018

使用するのに好適なグリコールは、既知である。「グリコール」は、2つ以上のヒドロキシル基を有する、鎖状もしくは分岐脂肪族もしくは脂環式化合物または化合物の混合物を意味する。他の官能基具体的にはエーテル基またはエステル基が、グリコールに存在してもよい。好ましいグリコールにおいて、2つのヒドロキシル基が、2〜10個の炭素、好ましくは2〜5個の炭素により分離されている。好適なグリコールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ペンタエリトリトールソルビトールネオペンチルグリコールグリセロールトリメチロールプロパン、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールエトキシレート、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールトリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオールトリプロピレングリコールテトラエチレングリコール、約400g/molまでの数平均分子量を有するポリエチレングリコール酸化エチレン酸化プロピレンブロックまたはランダムコポリマー等、およびそれらの混合物が挙げられる。プロピレングリコールが、特に好ましい。好ましい一態様において、グリコールは、リサイクルグリコール、殊にリサイクルプロピレングリコールである。使用した除氷液から回収したプロピレングリコールは、一例である。

0019

熱可塑性ポリエステルとグリコールは、任意選択的に触媒の存在下で、加熱されて、分解中間物を生じる。分解中間物は、通例、グリコール反応物、熱可塑性ポリエステルから生じるグリコール、テレフタレートオリゴマー、および他のグリコリシス生成物の混合物であり得る。例えば、PETまたはrPETが、熱可塑性ポリエステルである場合、分解中間物は、グリコール反応物、エチレングリコール(PETまたはrPETから生じる)、ビス(2−ヒドロキシアルキル)テレフタレート(「BHAT」)、高級PETオリゴマー、および他のグリコリシス生成物の混合物を含み得る。様々な形態で同様の分解混合物が、既に作製されて特徴をなしている(例えば、D.Paszun et al.,Ind.Eng.Chem.Res.36(1997)1373およびN.Ikladious,J.Elast.Plast.32(2000)140を参照のこと)。加熱は、80℃〜260℃、好ましくは100℃〜240℃、さらに好ましくは130℃〜210℃、および最も好ましくは160℃〜185℃の範囲内の温度で有利に実施される。

0020

一態様において、熱可塑性ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである場合、分解中間物は、グリコールおよびテレフタレート成分を含む。テレフタレート成分は、紫外線検出を用いてゲル浸透クロマトグラフィーにより、45〜70wt%のビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレートを含むのが好ましい。好ましい一態様において、テレフタレート成分は、20〜40wt%のテレフタレート2量体をさらに含む。別の好ましい一態様において、分解中間物のテレフタレート成分は、45〜65wt%のビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレート、20〜35wt%のテレフタレート2量体、および5〜15wt%のテレフタレート3量体を含む。別の好ましい一態様において、テレフタレート成分は、50〜60wt%のビス(ヒドロキシアルキル)−テレフタレート、25〜30wt%のテレフタレート2量体、および8〜12wt%のテレフタレート3量体を含む。

0021

分解中間物を作製するのに好適な触媒は、既知である(例えば、K.Troev et al.,J.Appl.Polym.Sci.90(2003)1148を参照のこと)。具体的には、好適な触媒は、チタン、亜鉛、アンチモンゲルマニウムジルコニウムマンガン、または他の金属を含む。特定な例として、チタンアルコキシド(例えば、チタン酸テトラブチル)、リン酸チタン(IV)、ジルコニウムアルコキシド酢酸亜鉛酢酸鉛酢酸コバルト酢酸マンガン(II)、三酸化アンチモン酸化ゲルマニウム等、およびそれらの混合物が挙げられる。イソシアネート化学反応を著しく促進しない触媒が、好ましい。触媒の使用量は、調製されるポリオールの総重量を基準として、通常、0.005〜5wt%、好ましくは0.01〜1wt%、さらに好ましくは0.02〜0.7wt%の範囲である。

0022

通常、分解反応は、少なくとも混合物が液化して、熱可塑性ポリエステルの粒子が見かけ上全く無くなるまで、熱可塑性ポリエステル、グリコール、および任意の触媒を加熱することにより、達成される。反応時間は、約30分〜約16時間、さらに典型的には1〜10時間、尚さらに典型的には3〜8時間の範囲であり、反応温度、熱可塑性ポリエステルの供給源、使用する特定のグリコール反応物、混合速度、所望の解重合度、および当業者の自由裁量内である他の要素に左右され得る。

0023

グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、少なくとも2.0、好ましくは2.0〜6.0、さらに好ましくは2.5〜4.5である。グリコール/熱可塑性ポリエステルのモル比が2.0未満である場合、生成物は、固体であるか、または高粘度になり過ぎてポリオールとして実践に使用できないことが多い。反対に、グリコール/熱可塑性ポリエステルのモル比が約6より大きくなる場合、水酸基価が、約800mgKOH/gの実用上限を超える傾向がある。

0024

第二反応ステップにおいて、上述の分解中間物は、ダイマー脂肪酸と縮合して、本発明のポリエステルポリオールを生じる。本明細書で使用される「ダイマー脂肪酸」は、「2量体化脂肪酸」または「ダイマー酸」と同義語である。ダイマー脂肪酸は、不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸)をベントナイトまたはモンモリロナイト粘土等の触媒の存在下で2量体化することにより作製される化学中間体である。市販のダイマー脂肪酸は、通常、2量体化された生成物が優勢である生成物の混合物である。市販のダイマー酸は、トール油脂肪酸を2量体化することにより作製されるものもある。ダイマー脂肪酸は、炭素数36で、2つのカルボン酸基を有することが多い。ダイマー脂肪酸は、飽和でも不飽和でもよい。それらに水素添加して、不飽和分を除去してもよい。好ましい一態様において、ダイマー脂肪酸は、2量体化オレイン酸、3量体化オレイン酸、2量体化リノール酸、3量体化リノレル酸(linolelic acid)、2量体化リノレン酸、3量体化リノレン酸、またはそれらの混合物を含む。好適なダイマー脂肪酸として、Pripol(商標)1006、1009、1010、1012、1013、1017、1022、1025、1027、1029、1036、および1098等のPripol(商標)ダイマー脂肪酸(Crodaの製品);Unidyme10、14、18、22、35、M15、およびM35等のUnidyme(商標)ダイマー酸(Arizona Chemicalの製品);Emery Oleochemicalsから入手可能なダイマー酸、並びにFlorachem CorporationからのFloraDyme(商標)ダイマー酸が挙げられる。

0025

使用するのに好適なダイマー脂肪酸を合成する方法は、既知である。少なくとも1つの炭素−炭素2重結合を有する脂肪酸は、モンモリロナイト、カオリナイトヘクトライト、またはアタパルジャイト粘土等の触媒の存在下で2量体化される(例えば、その教示が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第2,793,220号明細書、米国特許第4,371,469号明細書、米国特許第5,138,027号明細書、および米国特許第6,281,373号明細書を参照されたい、さらに国際公開第2000/075252号パンフレットおよび加国特許第104511号明細書も参照されたい)。

0026

分解中間物とダイマー脂肪酸との反応は、ダイマー脂肪酸の1つもしくは複数の酸基と分解中間物に存在するヒドロキシル基間の縮合を促進するのに効果的な条件下で実施される。縮合は、80℃〜260℃、好ましくは100℃〜240℃、さらに好ましくは130℃〜230℃、そして最も好ましくは160℃〜210℃の範囲内の温度で加熱されることにより、実施されるのが好ましい。この反応で生成する水は、水が形成する際に反応混合物から有利にも除去される。実験室規模では、ディーン・スタークトラップ(Dean−Stark trap)または同様な装置を用いて反応からの水を除去するのが便利であるが、他の手段が、規模がそれより大きい場合に実践的となるだろう。減圧ストリッピング塗布薄膜式留去(wiped−film evaporation)等の水を除去する連続プロセスが、望ましい。予定量の水が回収されるまたは生成物の目標の酸価および/または水酸基価が達成されるまで、縮合反応は、通常続けられる。

0027

ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、0.8未満、好ましくは0.7未満、さらに好ましくは0.6未満である。ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、好ましくは0.1〜0.6、さらに好ましくは0.2〜0.5の範囲内である。このモル比が0.1未満である場合、有用なポリオールを生成することに関して、ダイマー脂肪酸を含む利点があまりにも少ない(例えば、水酸基価がそれらの有用な上限に達するまたは超える)。このモル比が0.8よりも大きくなる場合、配合コストが所望よりも高くなり、リサイクル材含有率が低下し、追加の性能利点が殆ど存在しないまたは全く存在しない。

0028

あるダイマー脂肪酸を用いてポリオールを作製する限り、1種または複数種の他のジカルボン酸もまた含まれ得る。ジカルボン酸を含む代わりに、ジエステル、または無水物を使用できる。好適なジカルボン酸として、例えば、グルタル酸アジピン酸コハク酸シクロヘキサンジカルボン酸マレイン酸フマル酸イタコン酸フタル酸、1,5−フランジカルボン酸、イソフタル酸、およびそれらの無水物(例えば、無水マレイン酸無水フタル酸無水イタコン酸等)が挙げられる。例えば、「DBA」として既知の二塩基酸の市販の混合物をはじめとする、ジカルボン酸の混合物を使用できる。典型的なDBA組成物は、51〜61wt%のグルタル酸、18〜28wt%のコハク酸、および15〜25wt%のアジピン酸を含有し得る。

0029

別のジカルボン酸を含む場合、ダイマー脂肪酸が、追加のジカルボン酸と比較してそれよりも大きいモル比で存在するのが好ましい。ジカルボン酸のモル量がダイマー脂肪酸のモル量を超える場合、ポリオール生成物は、固体化する傾向が大きく、高い粘度を有し、沈降し易い。

0030

別の一態様において、ポリエステルポリオールは、ポリオールを生成するのに効果的な条件下で、熱可塑性ポリエステル、グリコール、およびダイマー脂肪酸を反応させることにより、単一ステップで作製される。2ステップのプロセスを用いて作製されるポリオールと同様に、ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、0.8未満であり、グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、少なくとも2.0であり、そして得られたポリオールは、25〜800mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する。単一ステップのプロセスを用いる場合、グリコールを除去し過ぎると、結果として混濁または不透明のポリオールとなり得るので、水を除去しながら、グリコールを反応容器に戻す縮合系を利用するのが好ましい。以下の実施例11は、単一ステップのプロセスを例証する。

0031

本発明のポリエステルポリオールは、25〜800mgKOH/g、好ましくは40〜500mgKOH/g、さらに好ましくは200〜400mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する。水酸基価は、例えば、ASTME−222(「Standard Test Methodsfor Hydroxyl Groups Using Acetic Anhydride Acetylation」)をはじめとするこのような定量のための任意の容認された方法により測定できる。

0032

本発明のポリオールは、1.5〜3.5、さらに好ましくは1.8〜2.5、そして最も好ましくは2.0〜2.4の範囲内の平均ヒドロキシル官能基(つまり、分子当たりのOH基平均数)を有するのが好ましい。

0033

本発明のポリオールは、周囲条件下で流動性のある液状である。好ましくは、このポリオールは、30,000cP未満、さらに好ましくは20,000cP未満、最も好ましくは10,000cP未満の25℃で測定した粘度を有する。ポリオール粘度に好ましい範囲は、300〜5,000cP、さらに好ましくは500〜3,900cPである。粘度は、任意の業界容認の方法により求めることができる。例えば、適切なスピンドル取り付けブルックフィールド(Brookfield)粘度計(Brookfield DV−III Ultraレオメーター等)を用いて、幾つかの異なるトルク設定試料を測定して、十分な信頼度を確実にするのは、便利である。

0034

ポリオールは、低い酸価を有するのが好ましい。ウレタン製造業者は、ポリオールが特定の仕様より低い酸価を有することを求めることが多いだろう。所望のレベルの完了まで(ダイマー脂肪酸との)縮合ステップを駆動することにより、または縮合ステップの終わりに、中和剤(例えば、水酸化ナトリウム)を添加することにより、低い酸価を確実にすることができる。好ましくは、ポリオールは、30mgKOH/g未満、さらに好ましくは10mgKOH/g未満、そして最も好ましくは5mgKOH/g未満の酸価を有する。上に示すように、特定の用途に必要ならば、例えばエポキシド誘導体等の酸捕捉剤を用いて酸価を調節することは、許容できるやり方であり、製造業者、配給業者、または使用者は、この処理を実施できる。

0035

ポリエステルポリオールの利点は、それらにより生物源または石油化学源への原料の依存が低減されたことである。このポリオールは、10wt%超、さらに好ましくは25wt%超、最も好ましくは50wt%超のリサイクル材含有率を含むのが好ましい。リサイクル材含有率の好ましい範囲は、25〜98.5wt%である。「リサイクル材含有率」とは、熱可塑性ポリエステルと任意のリサイクルグリコールまたはジカルボン酸を合わせた量を意味する。プロピレングリコールまたはエチレングリコール等の幾種かのグリコールは、回収材料またはリサイクル材として入手可能である。例えば、プロピレングリコールを除氷液中で用い、使用後プロピレングリコールを回収し、精製し、再利用できる。通常、ダイマー脂肪酸は、再生可能な資源から調製される。リサイクル材含有率は、例えば、熱可塑性ポリエステルと任意のリサイクルPGまたはリサイクルジカルボン酸の質量を一緒にして、この合計を反応物(グリコール、熱可塑性ポリエステル、ダイマー酸、および任意のジカルボン酸)の総質量で除して、次に、得られた値に100を乗じて、算出できる。

0036

最終使用における性能が、究極点であるが、ウレタン製造業者は、見た目が良好であるポリオールの購入好む。他の考慮すべき事項が等しい場合、不透明なポリオールよりも透明(またはほぼ透明)なポリオールが魅力的になることがある。(「分散ポリオール」または「ポリマーポリオール」は、自動車座席または家具用途に使われる耐荷重性高弾性ウレタンフォームの一般的な成分であるが、それらは、きわめて例外である;それらは、不透明に見えると思われている)。熱可塑性ポリエステル分解物をコハク酸または無水フタル酸等のジカルボン酸と反応させることにより作製される既知のポリオールは、不透明であることが多いのであるが、本発明のポリオールは、既知のポリオールとは異なり、透明またはほぼ透明であることが多い。これは、グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比が、2.5〜4の範囲内に保たれる場合、特に事実となる。

0037

さらに別の所望のポリオールの属性は、特に長期保管の際に沈降しないことである。かなりの沈降が生じた場合、ポリオールを濾過するか、またはそうでなければ固体分を除去処理する必要がある;これを回避するのが好ましい。好ましい本発明のポリオールは、全く沈降を示さない、または僅か程度だけの沈降を示し、またさらに好ましいポリオールは、沈降の形跡を全く示さない。

0038

別の一態様において、本発明は、グリコール分解された熱可塑性ポリエステルおよびダイマー脂肪酸の繰り返し単位を含むポリエステルポリオールを含み、ダイマー脂肪酸の熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、0.8未満であり、グリコールの熱可塑性ポリエステルに対するモル比は、少なくとも2.0であり、そしてポリオールは、25〜800mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する。グリコール分解された熱可塑性ポリエステルおよびダイマー脂肪酸は、既に上述されている。「繰り返し単位」は、ポリエステルポリオールが、ダイマー脂肪酸とグリコール分解された熱可塑性ポリエステルの各々から誘導される単位を1つまたは複数含むことを意味する。

0039

特定の一態様において、本発明は、(a)未使用のPET、リサイクルPET、またはそれらの混合物をプロピレングリコールと一緒に、亜鉛またはチタン触媒の存在下で加熱して分解中間物を得るステップ;(b)中間物とダイマー脂肪酸とを縮合させてポリオールを得るステップ;を備えるプロセスに関し、ダイマー脂肪酸のPETに対するモル比は、0.6未満であり、グリコールのPETに対するモル比は、2.5〜4.5の範囲内であり、ポリオールは、40〜500mgKOH/gの範囲内の水酸基価、5,000cP未満の25℃での粘度、25wt%超の本明細書で定義されるリサイクル材含有率を有する。

0040

本発明のポリエステルポリオールを用いて、多種多様なポリウレタン製品を配合できる。使用するダイマー脂肪酸の比率を調節して、ポリオール疎水性の所望の程度を「最適に調整」できる。疎水性を制御する能力は、塗装業において特に貴重である。ポリオールは、軟質フォーム、硬質フォーム(ポリイソシアヌレートフォームを含む)、ウレタン分散体、コーティング、接着剤、密封材、およびエラストマーをはじめとする、多孔性、微孔性、および非多孔性の用途に使用できる。得られるポリウレタンは、自動車および輸送用途、建物および建設用製品、海洋用品、包装用発泡体軟質スラブストックフォームカーペット裏地器械絶縁材、注型エラストマーおよび成形品履物生体医用器具、並びに他の用途に潜在的に有用である。

0041

さらに、本発明のポリエステルポリオールは、アクリル酸またはメタクリル酸由来の原料を用いてエステル化またはエステル交換反応により、モノアクリレートジアクリレートおよびポリアクリレートを形成するように誘導されてよい。本発明のポリエステルポリオールの(メタアクリレート誘導体を形成するのに好適な(メタ)アクリル化原料の例として、塩化アクリロイル塩化メタクリロイルメタクリル酸、アクリル酸、アクリル酸メチルメタクリル酸メチル等、またはそれらの混合物が挙げられる。このような(メタ)アクリレート由来の本発明のポリエステルポリオールは、放射線もしくはUV硬化コーティング製剤または用途に有用である。本発明のポリエステルポリオールのプレポリマーは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により、ウレタン(メタ)アクリレートを形成するように誘導されてよい。得られるウレタンアクリレートは、同様に、放射線もしくはUV硬化コーティング製剤または用途に使用されてもよい。

0042

特定の一態様において、本発明は、本発明のポリエステルポリオールから作製される水性ポリウレタン分散体に関する。発明者らは、ダイマー脂肪酸変性ポリオールは、高固形分、低粘度、および沈降傾向の低さを含む物性の所望のバランスを有する水性ポリウレタン分散体中に容易に配合されることを見出した。水性ポリウレタン分散体を配合する多くの方法が、既知であり、使用に好適である。ポリウレタン分散体が、乳化剤助力で、水中でイソシアネート末端プレポリマー乳化することにより、作製されるのが好ましい。水、水溶性ポリアミン鎖伸長剤、またはそれらの組み合わせを使用して、乳化プレポリマーと反応させてもよい。プレポリマーは、本発明のポリエステルポリオール、ヒドロキシ官能性乳化剤、1種または複数種の助剤ポリオール、および1種または複数種のポリイソシアネートを反応させることにより、作製されるのが好ましい。水性ポリウレタン分散体を用いて、水溶型コーティング、接着剤、密封材、エラストマー、および同様のウレタン製品を配合するのが好ましく、水性ポリウレタン分散体は、溶媒への依存を低減するのに特に貴重である。例えば、この分散体を用いて、VOC低濃度または無含有の組成物を配合することが可能である。

0043

プレポリマーの作製に好適なポリイソシアネートは、既知であり、それらは、芳香族、脂肪族、および脂環式ポリイソシアネートを含む。例として、トルエンジイソシアネート(TDI)、MDI、重合体MDI、ナフタリンジイソシアネート(NDI)、水素化MDI、トリメチルまたはテトラメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素化XDI等が挙げられる。ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが、特に好ましい。

0044

使用に好適な助剤ポリオールは、同様に既知である。そのような助剤ポリオールとして、ポリエーテルポリオール脂肪族ポリエステルポリオール、芳香族ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、グリコール等が挙げられる。好ましい助剤ポリオールは、2〜6個、好ましくは2〜3個の範囲内の平均ヒドロキシル官能基、および500〜10,000、好ましくは1,000〜8,000の範囲内の数平均分子量を有する。好ましいポリエステルポリオールは、ジカルボン酸とジオールまたはトリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエトキシレート)、殊にジオールとの縮合物である。ジカルボン酸は、脂肪族(例えば、グルタル酸、アジピン酸、コハク酸)または芳香族(例えば、フタル酸)であり得、好ましくは脂肪族である。

0045

ヒドロキシ官能性乳化剤も同様に、ポリウレタン分散体を作製するのに用いられる。この成分の役割は、通常、水、酸または塩基反応物等の中和剤とこの成分との組み合わせで、プレポリマーに水分散性付与することである。従って、一態様において、ヒドロキシ官能性乳化剤は、ジメチロールプロピオン酸DMPA)またはジメチロール酪酸(DMBA)等の酸官能性ジオールである。得られるプレポリマーの酸官能性は、水分散性ウレタンを生成するように、アミンまたは他の塩基性反応物との中和を見込む。ヒドロキシ官能性乳化剤もまた、N−メチルジエタノールアミン等のアミンであり得る。得られるプレポリマーの酸性試薬での中和は、プレポリマーを水分散性にする。他の態様において、ヒドロキシ官能性乳化剤は、非イオン性であり、例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルである。別の一態様において、ヒドロキシ官能性乳化剤は、例えば、Ymer(商標)N120分散性モノマー(Perstorpの製品)、またはポリエチレングリコールのメチルエーテル等のモノールまたはジオール官能化ポリ(酸化エチレン)であってよい。さらにドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩等の非反応性の所謂「外部乳化剤」は、プレポリマーおよび得られるポリウレタン分散体の乳化および安定化に助力するように、水性相中に含まれてよい。

0046

特定の態様において、末端停止剤を用いて、水性ポリウレタン分散体内に含有されるポリウレタンポリマーの分子量を制御してもよい。単一の活性水素含有基を有する、ヒドロキシルアミノ、およびチオ基を含有する化合物等の単官能化合物は、好適な末端停止剤である。例として、アルコール、アミン、チオール等、殊に第1級脂肪族アミンおよび第2級脂肪族アミンが挙げられる。

0047

鎖伸長剤も同様に、ポリウレタン分散体の作製に含まれ得る。幾つかの態様において、鎖伸長剤は、存在する5〜105モル%の遊離NCO基を反応させるのに十分な量で、添加される。好適な鎖伸長剤は、イソシアネートと反応性のある少なくとも2つの官能基、例えば、ヒドロキシル、チオ、またはアミノ基を任意の組み合わせで含有する。好適な鎖伸長剤として、例えば、ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等)、ジアミンおよびポリアミンエチレンジアミンジエチレントリアミン、Jeffamine(登録商標)T−403、Jeffamine(登録商標)D−230、Jeffamine(登録商標)ED−2001、Jeffamine(登録商標)ED−600、Jeffamine(登録商標)ED−900、1,6−ヘキサメチレンジアミンブチレンジアミンヒドラジンピペラジン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)アルカノールアミンエタノールアミンジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等)、ジチオール等が挙げられる。ジオール鎖伸長剤は、プレポリマーの調製中で、かつ水中での乳化の前に添加されるのが好ましい。

0048

以下に示す具体的な例において、ダイマー脂肪酸変性のポリエステルポリオール、酸官能性ジオール(DMPA)、および助剤ポリオール(ポリエチレングリコール200、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸から作製されるポリエステルポリオール)は、合わされて、スズ触媒ジブチルスズジラウレート)またはビスマス触媒ジオタンビスマス等)および溶媒(アセトン)の存在下で、脂肪族ジイソシアネートの混合物(ヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネート)と反応する。得られるプレポリマーは、次に、水、トリエタノールアミン(中和剤)、およびシリコーン消泡剤の混合物中に分散する。得られる製品は、高固体分(30%)、低粘度、および所望の沈降性を有する水性ポリウレタン分散体である。

0049

水性ポリウレタン分散体を調製するのに好適なアプローチのより多くの例は、米国特許第5,155,163号明細書;米国特許第5,608,000号明細書;米国特許第5,763,526号明細書;米国特許第6,339,125号明細書;米国特許第6,635,723号明細書、米国特許第7,045,573号明細書;および米国特許第7,342,068号明細書を参照されたく、それらの教示は、参照により本明細書に組み込まれている。

0050

別の一態様において、本発明は、ダイマー脂肪酸変性ポリエステルポリオールから作製される会合性レオロジー改質剤に関する。「会合性レオロジー改質剤」とは、本明細書において、製品の粘度を増粘または変更するのに使われる添加剤を意味する。会合性増粘は、増粘剤分子の疎水性末端基同士の動的な非特異的相互作用および疎水性末端基と製剤の他の成分との動的な非特異的相互作用を包含してよい。会合性増粘は、水性塗料およびコーティングに特に適用可能であり、レオロジー改質剤は、分子内および分子間の網目構造形成により、光沢、流れ、ひずみ、レベリング性耐スパッタ性、または他の特性を修正できる。塗料またはコーティングの他に、好適な製剤には、密封材、医薬品、化粧品、またはレオロジー改質により利益を得ることができる他の製品が含まれ得る。特定の分類の会合性レオロジー改質剤は、既知であり、本発明のポリエステルポリオールのみを使用して配合されることもあり、または他のポリオール成分と組み合わせて配合される場合も多い。このようなレオロジー改質剤として、例えば、疎水変性エトキシル化ウレタン(「HEUR」)、疎水変性アルカリ膨潤性エマルジョン(「HASE」)、および疎水変性ポリエーテル(「HMPE」)が挙げられる。好適なHASE改質剤として、例えば、疎水変性ポリアクリレートが挙げられる。典型的なHEURは、親水性ジオール(例えば、6,000〜8,000g/molのポリエチレングリコール)、ポリイソシアネート、および疎水性モノールまたはジオールから会合されることがある。本発明のポリエステルポリオールを利用して、疎水性モノールまたはジオールを補うまたは疎水性モノールまたはジオールを置き換えることができる。HEUR、HASE、およびHMPE会合性レオロジー改質剤並びにそれらの調製方法の例には、米国特許第8,871,817号明細書;米国特許第8,673,275号明細書;米国特許第8,697,797号明細書;米国特許第8,524,649号明細書;米国特許第8,461,213号明細書;米国特許第8,334,357号明細書;米国特許第6,337,366号明細書;米国特許第5,574,127号明細書;米国特許第5,281,654;号明細書;米国特許第4,155,892号明細書;および米国特許第4,079,028号明細書を参照されたい。それらの教示は、参照により本明細書に組みこまれている。

0051

以下の実施例は、本発明を単に例示する。当業者ならば、本発明の精神および特許請求の範囲内である多くの変形形態を理解するだろう。

0052

ダイマー脂肪酸変性ポリオールの調製:一般的手順
オーバーヘッドミキサーコンデンサー加熱マントル熱電対、および窒素入口装備した反応器に、酢酸亜鉛二水和物(0.55wt%)、チタン(IV)ブトキシド(500〜1000ppm)、または触媒無含有(Ex.32);リサイクルポリエチレンテレフタレートペレット;およびグリコールを表1に示す割合で投入する。その混合物を撹拌せずに約130℃まで加熱する。次に、撹拌を60rpmで開始し、反応器の含有物が180℃に達するまで、加熱を続ける。リサイクルPETの粒子が全く残存しなくなるまで(約4時間)、混合物を加熱する。分解反応が終了したとみなされる時点で、混合物を約100℃まで冷却する。ダイマー脂肪酸(および/またはジカルボン酸)を加え(モル比に関しては表1を参照のこと)、混合速度を増速する(200rpm)。使用するダイマー脂肪酸は、Pripol(商標)1017、Crodaの製品である。添加終了時に、ディーン・スターク・トラップ(Dean−Stark trap)を反応器とコンデンサー間に導入し、200℃までの加熱を再開する。おおよそ理論量が除去されるまで、縮合反応で生じた水を除去する。反応終了時に、ポリオール生成物を100℃まで冷却させた後、反応器からデカントし、チーズクロスで濾過する。

0053

使用するグリコールは、プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、および1,4−シクロヘキサンジメタノールである。殆どの実施例において、リサイクルPETを上述のようにグリコールを用いて分解した後に、ダイマー脂肪酸(および/またはジカルボン酸)を加える。しかしながら、2、3の実施例において、ダイマー脂肪酸(および/またはジカルボン酸)を最初から、つまり分解の前に加える。ダイマー脂肪酸もジカルボン酸も使用しない対象実験も含める。幾つかの実施例において、ジカルボン酸は、「DBA」であり、INVISTAおよび他の製造業者から入手可能であり、主にグルタル酸、コハク酸、およびアジピン酸を含有する既知の二塩基酸混合物である。典型的なDBA組成物は、51〜61wt%のグルタル酸、18〜28wt%のコハク酸、および15〜25wt%のアジピン酸を含有し得る。使用するジカルボン酸(または無水物)は、コハク酸、無水フタル酸、アジピン酸、およびDBAである。表に明記されない限り、分解は、酢酸亜鉛により触媒作用される。

0054

本明細書で使用される「リサイクル材含有率」(wt%)は、リサイクルグリコールとリサイクル熱可塑性ポリエステルの質量を一緒にして、この合計を反応物(例えば、グリコール、rPET、ダイマー酸、および任意のジカルボン酸)の総質量で除して、次に得られる値に100を乗じて、求める。

0055

水酸基価および酸価は、標準的な方法(各々ASTME−222とASTM D3339)により、求める。

0056

粘度は、25%、50%、および75%トルクでスピンドル#31を有するBrookfield DV−III Ultraレオメーターを用いて、25℃で測定する。

0057

色、透明性、および沈降は、目視評価する。

0058

結果:
表1および2に示すように、グリコール分解のリサイクルPETをダイマー脂肪酸と反応させて、800mgKOH/g未満(殊に600mgKOH/g未満)の水酸基価、有利な粘度(殊に1000〜4000cP)、および10wt%超(殊に25%超)のリサイクル材含有率を有するポリオールを作製でき、グリコールのrPETに対するモル比は、少なくとも2.0であり、ダイマー脂肪酸のrPETに対するモル比は、0.8未満である。グリコール分解のrPETとダイマー脂肪酸との縮合により、また、殆どの場合、殊にグリコールのrPETに対するモル比が2.5〜4.5の範囲内である場合、透明であるポリオールを生成するのが可能となる。所望ならば、幾種かのジカルボン酸(例えば、コハク酸)は、ダイマー脂肪酸と一緒に含まれることができるが、このような生成物は、通常、不透明である。一般的に、グリコールに対するrPETの好ましいモル比、2.5〜4.5の範囲を用いることにより、沈降を回避する。

0059

表3および4において、比較例を提供する。幾つかの比較例において、グリコール/rPETの比は、2.0未満であり、その値は結果として、通常、不透明でかつ粘性が高いかまたは固体生成物をもたらす。他の比較例において、グリコール/rPETの比は、2.0以上であるが、ジカルボン酸または無水物(例えば、コハク酸、無水フタル酸、またはDBA)を優先して、ダイマー脂肪酸を省いている。生成物は、不透明であり、粘性である傾向がある。グリコール/rPETの比が高い(6.0または9.0)場合、生成物の水酸基価は、800mgKOH/g超である。他の比較例は、rPETだけでの分解により、所望の低い粘度を有する生成物が得られるが、水酸基価が高すぎて有用ではないことを示す。

0060

水性ポリウレタン分散体
実施例30で調製したDFA変性ポリオールを用いて、以下のようにポリウレタン分散体を配合する。
DFA変性ポリオール(53.4g)、P2010ポリオール(3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジパート、2000モル重量、17.1g、Kurarayの製品)、ジメチルプロピオン酸(9.5g)、ポリエチレングリコール(PEG200、1.33g)、アセトン(140g)、およびジブチルスズジラウレート(0.24g)をヘキサメチレンジイソシアネート(8.8g)およびイソホロンジイソシアネート(64.8g)と合わせて、プレポリマーを生成する。混合物をよく混合し、60℃で7.5時間反応させて、プレポリマー混合物を形成する。

0061

プレポリマー混合物(261g)を合わせて、水(456g)、トリエタノールアミン(14.4g)、およびByk(登録商標)028シリコーン消泡剤(6.21gの10%水溶液)と急速に混合し、水性ポリウレタン分散体を生成する。得られる淡緑色の分散体は、29.7%の固形分、pH=8.05、および粘度=21.5℃で809cPを有する。

0062

0063

0064

0065

0066

沈降実験
上で調製したポリウレタン分散体を190μmの塗料フィルターを介して、セットリングコーン内で濾過する。セットリングコーンをParafilm(登録商標)「M」実験室フィルム封止し、暗いキャビネット内で19日間保管する。沈降期間終了後、分散体は、沈降が全く認められない(約0.0mL)。

0067

グリコール分解のリサイクルポリエチレンテレフタレート(プロピレングリコールのrPETに対する比0.9)から調製し、ダイマー脂肪酸で変性していない同様のポリウレタン分散体は、19日後に0.4mLの沈着物を有する。

0068

DFA変性ポリオールからのアクリレート
滴下漏斗、コンデンサー、加熱マントル、熱電対、および機械的撹拌を備えるフラスコに、ダイマー脂肪酸変性のポリオール(75.0g、リサイクルポリエチレンテレフタレート(28.3wt%)、プロピレングリコール(31.4wt%)、チタン(IV)ブトキシド(0.5wt%)、およびPripol(商標)1017ダイマー脂肪酸(39.8wt%)から上述のように生成)、テトラヒドロフラン(300mL)、トリエチルアミン(50.8g)、およびフェノチアジン(0.19g)を投入する。撹拌済みの混合物を50℃まで加熱する。得られた溶液を10℃まで冷却し、塩化アクリロイル(44.8g)を2時間にかけて加える。撹拌をさらに1時間続ける。得られた生成物をCelite(登録商標)545濾過助剤を介して濾過し、沈殿したトリエチルアミンヒドロクロリドを除去する。濾液真空下でストリップし、ジクロロメタン(350mL)中に再び溶かす有機相を10%のNaOH水溶液で、次に10%のNaCl水溶液洗浄した後、乾燥させ(MgSO4)、濃縮する(40〜60℃、70mmHg)。収量:84.6g。1H NMR分光法による分析は、アクリル酸エステルへの変換が終了したことを示す。

0069

アクリレートコーティング
上述のDFA変性ポリオールアクリレートと対照製剤を用いて、コーティングを生産する。ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート(66.5wt%)、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート(26.5wt%)、Addox(商標)A40接着促進剤(5.0wt%、Doxa Chemicalの製品)、およびIrgacure(登録商標)1173光反応開始剤(2.0wt%、BASFの製品)から、対照製剤(メチルエチルケトン(MEK)中に固形分50wt%)を調製する。ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート(37.1wt%)、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート(15.9wt%)、DFA変性ポリオールアクリレート(40wt%、上述のように調製)、Addox(商標)A40接着促進剤(5.0wt%)、およびIrgacure(登録商標)1173光反応開始剤(2.0wt%)から、DFA変性ポリオールアクリレート製剤(MEK中に固形分50wt%)を調製する。フィルムを延伸して、平均膜厚1.6〜1.8ミルを有する硬化したコーティングを得る。Jelight手持式UV硬化ランプの4回の通過でそのコーティングを硬化した後、硬化したコーティングは、5ft./分で運転するUVベンチトップコンベアユニット(Heraeus Noblelight)上を通過する。結果を表5に示す。

0070

アクリレートコーティングの試験法
PosiTector6000(Defelsko Corporation)乾燥膜厚ゲージを用いて、乾燥膜厚を求める。TQC振子硬度計(Model SPO500)を用いるISO1522を用いて、ケーニッヒ硬度を測定する。以下のASTM試験法を用いる:鉛筆硬度:ASTMD3363;可撓性:ASTM D522;接着性:ASTM D3359;しみ検査:ASTM D1308。

0071

0072

ダイマー脂肪酸変性ポリエステルポリオールからの硬質フォーム
ダイマー脂肪酸ベースのポリオール(モル重量500、水酸基価=224mgKOH/g、70.4wt%、リサイクルPET(28.7wt%)、プロピレングリコール(31.9wt%)、ダイマー脂肪酸(39.3wt%)およびチタン(IV)ブトキシド(0.10wt%)から前述のように生成)を、Fyrol(商標)PCF難燃剤(8.0wt%、Israel ChemicalLtd.の製品)、Dabco(登録商標)K−15触媒(1.60wt%、Air Products)、Polycat(登録商標)5触媒(0.13wt%、Air Products)、Tegostab(登録商標)B8465シリコーン界面活性剤(2.6wt%、Evonik)、水(0.32wt%)およびn−ペンタン(18.3wt%)と均質まで混合することにより、大型のプラスチック製ビーカー直径インチ、高さ5インチ)中で「部分B」成分を合わせる。これらの百分率は、部分Bの成分の量に基づく。

0073

次に、PAPI(商標)27イソシアネート(重合体MDI、部分Aと部分Bとを合わせた量に基づいて53.3wt%、NCO/OHインデックス260、Dow Chemicalの製品)からなる「部分A」を迅速に加える。部分Aを部分Bへ加えた直後に、直径3インチのコウレスブレード(Cowles blade)を備えるVOSパワーコントロールミキサー(VWR International)上に、容器を置き、10秒間、最大2000RPMまで混合する。フットペダル取り付けでの電子タイマー(GraLab Model451)により、混合時間を制御する。混合ステップの直後に、良好に混合したフォームを12インチ×12インチ×12インチの段ボール箱の中に注ぎ、生起させる。周囲条件下での十分な硬化の後、圧縮強度(ASTMD1621)および熱伝導率(ASTM C177)に関して、フォームを試験する。

実施例

0074

上述の実施例は、例証することだけを意味し、以下の特許請求の範囲は、本発明の主題を定義する。

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