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技術 オレフィンまたはスチレン生成における中和剤の使用

出願人 エコラブユーエスエイインク
発明者 アルンストセオドールシーマセレジョナサン
出願日 2015年2月10日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2016-553513
公開日 2017年6月8日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-514986
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 金属の防食及び鉱皮の抑制
主要キーワード 給水塔 pH計 フレアリング 放射管 ボイラユニット ファウラント スチームドラム 注入ポイント
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課題・解決手段

本発明は、概して、オレフィンまたはスチレン生成プラントにおける酸性ストリーム中和するための組成物および方法に関する。さらに具体的には、本発明は、スチームクラッカープロセスにおける希釈スチーム系のための中和剤、ならびにこのようなシステムにおける酸腐食およびファウリングを低下するためのそれらの使用に関する。

概要

背景

希釈スチーム(dilution steam)は、炭化水素原料熱分解を介する、エチレンプロピレンおよび他の副産物の生成のプロセスにおける不可欠の構成要素である。希釈スチームは、乾留炉の中の炭化水素分圧を低下することによって所望のオレフィンの形成を促進し、コークス沈着の速度を遅らせることによって加熱炉ランレングス(run length)を伸ばす。

炭化水素原料が、分解炉中で熱分解された後、オリゴマポリマおよび縮合芳香族構造の望ましくない混合物への反応性オレフィンの再結合を防ぐために、排ガス(effluent gas)は急速に冷却、すなわち、急冷されなければならない。この急冷プロセスの間、スチーム凝縮されて、得られた熱水熱回収に用いられ、水凝縮物がさらに冷却されて、急冷プロセスで用いられ、この凝縮物(condensate)の一部は、希釈スチームとして再使用のために処理される。

この「スチーム分解(水蒸気分解)」プロセス(希釈スチームの存在下における炭化水素原料の熱分解)はまた、一酸化炭素二酸化炭素アセトアルデヒド、および酢酸のような少量の望ましくない副産物も生成する。有機酸、酢酸、プロピオン酸ギ酸、およびそれよりは程度が低いが高級C4−C6有機酸は、急冷水ステム、急冷水浄化管オイル水分離器コアレッサ(coalescer)、プロセス水ストリッパ(stripper))および希釈スチーム発生器の周囲の水中で腐食を促進する。「希釈スチームシステム」における酸性条件に対する別の寄与因子(急冷水システム、オイル/水分離器、プロセス水ストリッパ、希釈スチーム発生器および希釈スチーム配管を含むシステム)は、炭化水素原料と一緒になるか、または炭化水素原料に添加されるイオウ化合物の分解から形成されるイオウ系の酸である。これらの酸性の副産物は、アルカリ剤中和される。

多くのシステムでは、希釈スチームシステムのための選り抜きの中和剤は、腐食剤、NaOHであって、このアルカリ化薬は、希釈スチーム発生器が希釈スチームでナトリウムイオン偶発的な持ち越し(carry over)を防ぐ十分なサイズまたはデザインの特徴を有する条件では、費用効果的である。希釈スチームでの低レベルナトリウムの持ち越しは、より大きい程度の加熱炉コークス化およびより短い加熱炉ランレングスを生じ得るが、高いレベルのナトリウムの持ち越しは、加熱炉放射管機械的特性破壊する場合がある(例えば、ナトリウム脆化)。

ナトリウム持ち越しに関連する危険性を回避するために、多数のエチレン生成者は、中和アミンの使用によって希釈スチームシステム中でpHを制御することを選択してきた。モノエタノールアミンMEA)は、費用効果的なアミンであるが、希釈スチーム凝縮物中の酢酸と反応して、MEA−酢酸塩を形成する。水溶液中では、この塩は、少量の酸の添加がpHを大きく下げず、少量の塩基の添加がpHを大きく上昇しない緩衝化されたpH条件を生じる。この緩衝化条件は、より腐食性の酸性レジメンへのpHシフトに対して防御する場合でさえ、酸化鉄可溶化を回避し、それによって腐食を防ぐ保護的なpH範囲までpHを上げる大量のMEAの使用も必要とする。

MEAがスチームボイラ中で比較的低い揮発性比を有する場合でさえ、ある程度のアミンがボイラ中の蒸気相で持ち越される。アミン、例えば、MEAは、乾留炉(pyrolysis firnace)に入り、アミンは分解されて、アンモニアおよび炭化水素副産物を形成する。アンモニアは、ポリエチレンおよびエチレンコポリマを生じるために用いられる触媒汚染するので、アンモニアは、エチレン生成物にとっては汚染物である。エチレン生成物が、アンモニアのせいで規格外である場合、エチレン生成物は、その生成物仕様の範囲に戻るまで、直接フレアリング(flaring)システムに送られる。アンモニアは塩基であるので、アンモニアは、希釈スチームシステムの急冷水中でpHを増大し得る。アンモニアの添加が制御されていないならば、急冷水は、アルカリ性になり過ぎる場合があり、かつ急冷オイル/水分離器中で安定化されたエマルジョンを促進する場合があり、これが希釈スチーム発生器の早発性ファウリングを生じる。

概要

本発明は、概して、オレフィンまたはスチレン生成プラントにおける酸性ストリームを中和するための組成物および方法に関する。さらに具体的には、本発明は、スチームクラッカープロセスにおける希釈スチーム系のための中和剤、ならびにこのようなシステムにおける酸腐食およびファウリングを低下するためのそれらの使用に関する。

目的

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請求項1

エチレンまたはスチレン生成プラントにおける装備ファウリングおよび腐食を抑制するための方法であって、希釈スチームステム中和剤注入するステップ包含し、前記中和剤は、0.005未満の揮発性係数、および約12〜約20のpKaを有しており、実質的にナトリウムを含まず、ここで前記中和剤がコリン塩である場合、前記コリン塩は、約2重量%〜約10重量%のアルカノールアミンによって安定化される、方法。

請求項2

前記中和剤が、約2重量%〜約10重量%アルカノールアミンによって安定化されるコリン塩を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記アルカノールアミンがエタノールアミンを含む、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記コリン塩が、コリン水酸化物である、請求項2または3に記載の方法。

請求項5

前記エチレン生成プラントの前記希釈スチームシステムが、加熱炉急冷給水塔急冷水分離器コアレッサプロセス水ストリッパ、および希釈スチーム発生器を備え、ここで前記中和剤が、(i)前記プロセス水ストリッパと前記希釈スチーム発生器との間のプロセス水ストリッパラインに、約9と約12との間のpHで前記希釈スチーム発生器のブローダウン中に水溶液を維持する濃度で注入され、それによって前記希釈スチーム発生器の腐食またはファウリングが低減されるか、(ii)前記急冷給水塔と前記急冷水分離器との間の急冷給水塔ラインに、約5.5と7.5との間のpHで前記急冷水分離器中に水溶液を維持する濃度で注入され、それによって前記急冷水分離器の腐食が低減されるか、あるいは(iii)前記コアレッサと前記プロセス水ストリッパとの間のコアレッサラインに、約8と9との間のpHで前記プロセス水ストリッパの底部の排出中に水溶液を維持する濃度で注入され、それによって、前記プロセス水ストリッパの腐食またはファウリングが低減され、かつ前記プロセス水ストリッパを出ていく蒸気アンモニア混入が低減されるか、のいずれかである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

前記中和剤が、前記プロセス水ストリッパと前記希釈スチーム発生器との間の前記プロセス水ストリッパラインに、約9.5と約10.5との間のpHで前記希釈スチーム発生器中に前記水溶液を維持する濃度で注入され、それによって前記希釈スチーム発生器の腐食またはファウリングが低減される、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記中和剤が、前記急冷給水塔と前記急冷水分離器との間の前記急冷給水塔ラインに、約5.5と7.5との間のpHで前記急冷水分離器中に前記水溶液を維持する濃度で注入され、それによって前記急冷水分離器の腐食が低減される、請求項5または6に記載の方法。

請求項8

前記中和剤が、前記コアレッサと前記プロセス水ストリッパとの間の前記コアレッサラインに、約8と9との間のpHで前記プロセス水ストリッパ中に前記水溶液を維持する濃度で注入され、それによって、前記プロセス水ストリッパの腐食またはファウリングが低減され、かつ前記プロセス水ストリッパを出ていく蒸気のアンモニア混入が低減される、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

前記スチレン生成プラントの前記希釈スチームシステムが、過熱器リアクタ、複数の熱交換器、分離器、ベントガスコンデンサ、ベントガスコンプレッサ、プロセス水ストリッパ、および希釈スチーム発生器を備え、ここで前記中和剤が、(i)2つの前記熱交換器の間の熱交換器ラインに、約6.5と約7.5との間のpHで前記分離器からの凝縮物を維持するための濃度で注入され、それによって、前記熱交換器または前記分離器の腐食またはファウリングが低減されるか、(ii)前記分離器と前記ベントガスコンデンサとの間のベントガスラインに、約6.5と約7.5との間のpHでベントガスコンデンサ凝縮物を維持するための濃度で注入され、それによって、前記ベントガスコンプレッサの腐食が低減されるか、(iii)前記分離器と前記プロセス水ストリッパとの間の分離器ラインに、約8.8と約9.2との間のpHで前記プロセス水ストリッパの底部に水溶液を維持するための濃度で注入され、それによって、前記プロセス水ストリッパの腐食またはファウリングが低減され、かつ前記プロセス水ストリッパを出て行く蒸気のアンモニア混入が低減されるか、あるいは(iv)前記プロセス水ストリッパと前記希釈スチーム発生器との間のプロセス水ストリッパライン中に、約9と約12との間のpHで前記希釈スチーム発生器のブローダウンを維持する濃度で注入され、それによって前記希釈スチーム発生器の腐食が低減されるか、のいずれかである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

前記中和剤が、2つの前記熱交換器の間の前記熱交換器ラインに、約6.5と約7.5との間のpHで前記分離器からの前記凝縮物を維持するための濃度で注入され、それによって、前記熱交換器の腐食またはファウリングが低減される、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記中和剤が、前記分離器と前記ベントガスコンデンサとの間の前記ベントガスラインに、約6.5と約7.5との間のpHで前記ベントガスコンデンサ凝縮物を維持するための濃度で注入され、それによって、前記ベントガスコンプレッサの腐食が低減される、請求項9または10に記載の方法。

請求項12

前記中和剤が、前記分離器と前記プロセス水ストリッパとの間の前記分離器ラインに、約8.8と約9.2との間のpHで前記プロセス水ストリッパの底部に前記水溶液を維持するための濃度で注入され、それによって、前記プロセス水ストリッパの腐食またはファウリングが低減され、かつ前記プロセス水ストリッパを出て行く蒸気のアンモニア混入が低減される、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

前記中和剤が、前記プロセス水ストリッパと前記希釈スチーム発生器との間の前記プロセス水ストリッパライン中に、約9.5と約10.5との間のpHで前記希釈スチーム発生器のブローダウンを維持する濃度で注入され、それによって前記希釈スチーム発生器の腐食が低減される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。

請求項14

エチレンまたはスチレン生成プラントにおいて、装備のファウリングおよび腐食を抑制するための方法であって、中和剤を希釈スチームシステムに注入するステップを包含し、前記中和剤は、約2重量%〜約10重量%のアルカノールアミンで安定化されたコリン塩を含む、方法。

請求項15

コリン塩、溶媒、および組成物の総重量に基づいて約2重量%〜約10重量%のアルカノールアミンを含む、安定化されたコリン組成物。

請求項16

前記コリン塩が、前記組成物の総重量に基づいて、約10重量%〜約50重量%の濃度を有する、請求項15に記載の安定化されたコリン組成物。

請求項17

前記コリン塩が、前記組成物の総重量に基づいて、約15重量%〜約25重量%の濃度を有する、請求項15に記載の安定化されたコリン組成物。

請求項18

前記アルカノールアミンが、エタノールアミンを含み、前記エタノールアミンが、前記組成物の総重量に基づいて、約3重量%〜約8重量%の濃度で存在する、請求項15〜17のいずれか1項に記載の安定化されたコリン組成物。

請求項19

前記エタノールアミンが、前記組成物の総重量に基づいて、約4重量%〜約6重量%の濃度で存在する、請求項18に記載の安定化されたコリン組成物。

請求項20

前記溶媒が水を含む、請求項15〜19のいずれか1項に記載の安定化されたコリン組成物。

技術分野

0001

本発明は概して、オレフィンまたはスチレン生成プラントにおける酸性ストリーム(acidic stream)を中和するための組成物および方法に関する。さらに具体的には、本発明は、スチームクラッカープロセス中の希釈スチームステムのための中和剤(neutralizing agent)、ならびに酸腐食を低減し、ファウリングを最小限にし、および生成物汚染を防ぐためのそれらの使用に関する。

背景技術

0002

希釈スチーム(dilution steam)は、炭化水素原料熱分解を介する、エチレンプロピレンおよび他の副産物の生成のプロセスにおける不可欠の構成要素である。希釈スチームは、乾留炉の中の炭化水素分圧を低下することによって所望のオレフィンの形成を促進し、コークス沈着の速度を遅らせることによって加熱炉ランレングス(run length)を伸ばす。

0003

炭化水素原料が、分解炉中で熱分解された後、オリゴマポリマおよび縮合芳香族構造の望ましくない混合物への反応性オレフィンの再結合を防ぐために、排ガス(effluent gas)は急速に冷却、すなわち、急冷されなければならない。この急冷プロセスの間、スチーム凝縮されて、得られた熱水熱回収に用いられ、水凝縮物がさらに冷却されて、急冷プロセスで用いられ、この凝縮物(condensate)の一部は、希釈スチームとして再使用のために処理される。

0004

この「スチーム分解(水蒸気分解)」プロセス(希釈スチームの存在下における炭化水素原料の熱分解)はまた、一酸化炭素二酸化炭素アセトアルデヒド、および酢酸のような少量の望ましくない副産物も生成する。有機酸、酢酸、プロピオン酸ギ酸、およびそれよりは程度が低いが高級C4−C6有機酸は、急冷水システム、急冷水浄化管オイル水分離器コアレッサ(coalescer)、プロセス水ストリッパ(stripper))および希釈スチーム発生器の周囲の水中で腐食を促進する。「希釈スチームシステム」における酸性条件に対する別の寄与因子(急冷水システム、オイル/水分離器、プロセス水ストリッパ、希釈スチーム発生器および希釈スチーム配管を含むシステム)は、炭化水素原料と一緒になるか、または炭化水素原料に添加されるイオウ化合物の分解から形成されるイオウ系の酸である。これらの酸性の副産物は、アルカリ剤で中和される。

0005

多くのシステムでは、希釈スチームシステムのための選り抜きの中和剤は、腐食剤、NaOHであって、このアルカリ化薬は、希釈スチーム発生器が希釈スチームでナトリウムイオン偶発的な持ち越し(carry over)を防ぐ十分なサイズまたはデザインの特徴を有する条件では、費用効果的である。希釈スチームでの低レベルナトリウムの持ち越しは、より大きい程度の加熱炉コークス化およびより短い加熱炉ランレングスを生じ得るが、高いレベルのナトリウムの持ち越しは、加熱炉放射管機械的特性破壊する場合がある(例えば、ナトリウム脆化)。

0006

ナトリウム持ち越しに関連する危険性を回避するために、多数のエチレン生成者は、中和アミンの使用によって希釈スチームシステム中でpHを制御することを選択してきた。モノエタノールアミンMEA)は、費用効果的なアミンであるが、希釈スチーム凝縮物中の酢酸と反応して、MEA−酢酸塩を形成する。水溶液中では、この塩は、少量の酸の添加がpHを大きく下げず、少量の塩基の添加がpHを大きく上昇しない緩衝化されたpH条件を生じる。この緩衝化条件は、より腐食性の酸性レジメンへのpHシフトに対して防御する場合でさえ、酸化鉄可溶化を回避し、それによって腐食を防ぐ保護的なpH範囲までpHを上げる大量のMEAの使用も必要とする。

0007

MEAがスチームボイラ中で比較的低い揮発性比を有する場合でさえ、ある程度のアミンがボイラ中の蒸気相で持ち越される。アミン、例えば、MEAは、乾留炉(pyrolysis firnace)に入り、アミンは分解されて、アンモニアおよび炭化水素副産物を形成する。アンモニアは、ポリエチレンおよびエチレンコポリマを生じるために用いられる触媒を汚染するので、アンモニアは、エチレン生成物にとっては汚染物である。エチレン生成物が、アンモニアのせいで規格外である場合、エチレン生成物は、その生成物が仕様の範囲に戻るまで、直接フレアリング(flaring)システムに送られる。アンモニアは塩基であるので、アンモニアは、希釈スチームシステムの急冷水中でpHを増大し得る。アンモニアの添加が制御されていないならば、急冷水は、アルカリ性になり過ぎる場合があり、かつ急冷オイル/水分離器中で安定化されたエマルジョンを促進する場合があり、これが希釈スチーム発生器の早発性のファウリングを生じる。

発明が解決しようとする課題

0008

従って、より効果的な中和因子(neutralizer)が存在することが必要である。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一態様は、エチレン生成プラントにおける装備(equipment)のファウリングおよび腐食を抑制するための方法である。この方法は、希釈スチームシステムへの中和剤の注入包含し、この中和剤は、0.005未満の揮発性係数(volatility index)、および約12〜約20のpKaを有する。この中和剤はさらに、実質的にナトリウムを含まず、中和剤がコリン塩(choline salt)である場合、このコリン塩は、約2重量%〜約10重量%のアルカノールアミン(alkanolamine)によって安定化される。

0010

本発明の別の態様は、スチレン生成プラントにおける装備のファウリングおよび腐食を抑制するための方法である。この方法は、希釈スチームシステムへの中和剤の注入を包含し、この中和剤は、0.005未満の揮発性係数、および約12〜約20のpKaを有し、実質的にナトリウムを含まない。

0011

さらに別の態様は、エチレンまたはスチレン生成プラントにおいて装備のファウリングおよび腐食を抑制するための方法である。この方法は、希釈スチームシステムへ中和剤を注入するステップを包含する。この中和剤は、約2重量%〜約10重量%のアルカノールアミンによって安定化されるコリン塩を含む。

0012

本発明のさらなる態様は、コリン塩、溶媒、および組成物の総重量に基づいて約2重量%〜約10重量%のアルカノールアミンを含む安定化されたコリン組成物である。

0013

他の目的および特徴は、部分的には明白であり、かつ部分的には、本明細書において以降で指摘される。

図面の簡単な説明

0014

オレフィン希釈スチームシステムの模式図である。
スチレン希釈スチームシステムの模式図である。
100%(w/w)のモノエタノールアミン(MEA)、66.4%(w/w)のMEA、39.6%(w/w)のコリン水酸化物および12%(w/w)のMEA、41%(w/w)のコリン水酸化物および9%(w/w)のMEA、42.3%(w/w)のコリン水酸化物および6%(w/w)のMEA、および43.4%(w/w)のコリン水酸化物および3%(w/w)のMEAについての中和剤の濃度に対するpHのグラフである。

0015

対応する参照の記号は、図面全体にわたって対応する部分を示す。

0016

エチレンおよびスチレン生成プラントの中和剤は、望ましくない炭化水素沈着による装備のファウリングを効果的に予防または低減するために、および生成物の混入を抑制するために開発されてきた。このような中和剤は、比較的高いpKaおよび比較的低い揮発性係数(V/L)を有し、かつ実質的にナトリウムを含まない。

0017

高いpKaによって、必要な中和剤の量を最小限にしたまま、中和剤が希釈スチームシステム中の水溶液のpHを増大するのに有効にすることが可能になる。高いpKaを有する中和剤を選択することでは、一旦、酸が化学量論的に中和されれば、ボイラ水のpHを増大するのに必要な高pKa中和因子はごくわずかな過剰である。高いpKaの中和剤によって、より少量の中和剤を用いることが可能になるので、廃棄水系で必要な処理のレベルを低下することが補助される。

0018

中和剤の揮発性が低いおかげで、中和剤は、ボイラのスチーム相に行く可能性は低い。中和剤がスチーム相中にある可能性が低いおかげで、中和剤はまた乾留炉に達する可能性も低い。中和剤として用いられるアミンが乾留炉に入る場合、アミンは分解されて、アンモニアと炭化水素とが形成される。アンモニアは、重合化触媒を汚染するので、エチレン生成における混入物である。アンモニアはまた、急冷水のpHを増大もし得るが、アンモニアの添加が制御されていない場合、急冷水は、高すぎるpHに達する場合があり、かつエマルジョンが形成されて、オイルと水の分離を遅らせる場合がある。中和剤の揮発性の低さで、希釈スチーム発生器のファウリングを生じ得るこれらのエマルジョンの形成が回避される。

0019

加熱炉へのナトリウムイオンの持ち越しが生じないか、または最小限であるように、中和剤は、ナトリウムを含まないか、または実質的にナトリウムを含まない。このような持ち越しは、加熱炉コークス化、短い加熱炉ランレングス、または加熱炉放射管のナトリウム脆化を生じ得る。このナトリウム脆化によって、放射管は、ガラスのようになり、加熱炉放射管の耐用年数は有意に減少する。中和剤は、もし中和剤または中和剤を含む組成物が、加熱炉コークス化も生じず、希釈スチームシステムの任意の構成要素におけるナトリウム脆化も生じない量のナトリウムを含むならば、「実質的にナトリウムを含まない(substantially sodium−free)」。好ましくは、中和剤は、ナトリウムを含まない。

0020

エチレン生成プラントにおける装備のファウリングおよび腐食を抑制する本発明の方法は、希釈スチームシステムに中和剤を注入するステップを包含し、この中和剤は、0.005未満の揮発性係数および約12〜約20のpKaを有し、かつ実質的にナトリウムを含まない。

0021

エチレン生成プラントにおける装備のファウリングおよび腐食を抑制する方法であって、希釈スチームシステムに中和剤を注入するステップを包含し、この中和剤は、約2重量%〜約10重量%のアルカノールアミンによって中和されるコリン塩を含む方法である。

0022

炭化水素フィードを熱分解するプロセスは、所望のオレフィン、主にC2−C4オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびブタジエンを生成する。この熱分解プロセスはまた、副産物、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アセトアルデヒド、および有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ギ酸およびいくつかのC4〜C6有機酸を生成する。また、いくつかのイオウベースの酸は、炭化水素フィード中に含まれるイオウ化合物の熱分解の生成物である。希釈スチームシステムへの中和剤の添加は、上記でさらに詳細に記載されるようなこれらの副産物のいくつかの存在によって生じ得るシステムへの損傷を低減する。

0023

本明細書に記載される方法で用いられる希釈スチームシステムは、加熱炉、急冷給水塔、急冷水分離器、コアレッサ、プロセス水ストリッパ、および希釈スチーム発生器を備え得る。エチレン生成のための代表的な希釈スチームシステムは、図1に示しており、ここでは、炭化水素フィードストック10が乾留炉12に供給され、流出ライン(effluent line)14に含まれる乾留炉由来流出物(effluent)が、急冷給水塔20に供給される。この急冷給水塔20は、急冷給水塔20の頂部から冷水噴霧することによって、オーバーヘッドライン24中のガスの温度を低下する。このプロセスはエネルギ回収し、望ましくない副作用を下げ、熱分解ガスの画分を凝縮する。この急冷給水塔の底部は、急冷給水塔ライン22に含まれ、急冷水分離器30に送られる。急冷水分離器30は、水から炭化水素を分離し、急冷給水塔を出ていく水を浄化するのにおける第一のステップである。軽質炭化水素は、軽質炭化水素ライン34に含まれ、急冷水分離器ライン32に含まれる水から分離され、これはフィルタ36およびコアレッサ40を備えるコアレッサユニットに送られる。このコアレッサユニットはさらに、フィルタ36を用いることで固体を回収し、かつコアレッサ40を用いて炭化水素を除去することで、有機材料および固体材料を除去することによって、プロセス水の質を改善する。急性水分離器30由来の急冷水分離器ライン32に含まれる水は最初に、コアレッサユニットのフィルタ36に送られ、濾過後に、フィルタライン38に含まれる水は、コアレッサ40に送られる。このコアレッサ40は、水から軽油を分離する。コアレッサ40由来の軽油ライン44に含まれる軽油は、急冷水分離器30に送られ、コアレッサライン42中に含まれるコアレッサ由来の水は、プロセス水ストリッパ50に送られる。このプロセス水ストリッパ50は、硫化水素、二酸化炭素、アンモニアおよび軽質炭化水素を除去することによってプロセス水を精製する。ガスライン54に含まれるガスは通常は、急冷給水塔20に送られて、プロセス水ストリッパ50由来のプロセス水ストリッパライン52中に含まれる底部は、希釈スチーム発生器60に送られる。希釈スチームの構成(makeup)56を、必要に応じてプロセス水ストリッパ50に添加してもよい。希釈スチーム発生器60は、急冷オイルまたは中圧スチームを用いて希釈スチームを生成する。希釈スチーム発生器60中のスチームドラムは、デミスターパッドを備えて、不純物の持ち越しを排除し、この不純物は、ブローダウン64を介してパージされる。処理された希釈スチーム62は、フィードライン10に向けられて、希釈スチームを、乾留炉12にリサイクルして戻す。

0024

中和剤は、エチレン生成のために希釈スチームシステム内の1つ以上のポイントで注入されてもよい。中和剤は、プロセス水ストリッパと希釈スチーム発生器との間のプロセス水ストリッパラインへ、約9〜約12、好ましくは約9.5〜約10.5のpHで希釈スチーム発生器中に水溶液を維持する濃度で注入され、それによってこの希釈スチーム発生器の腐食またはファウリングが低減され得る。例えば、図1では、プロセス水ストリッパライン52への希釈スチーム発生器注入ポイント58への中和剤の注入は、約9〜約12、好ましくは約9.5〜約10.5で、希釈スチーム発生器60中で水溶液のpHを維持するために行ってもよい。

0025

中和剤は、急冷給水塔と急冷水分離器との間の急冷給水塔ラインに、約5.5〜7.5のpHで急冷水分離器中に水溶液を維持する濃度で注入して、それによって急冷水分離器の腐食を低減してもよい。例えば、図1では、急冷給水塔ライン22への急冷水分離器ポイント28での中和剤の注入を行って、約5.5〜約7.5の間のpHで急冷水分離器30中の水溶液を提供してもよい。

0026

中和剤は、コアレッサとプロセス水ストリッパとの間の急冷水分離器ラインへ、約8と9との間のpHでプロセス水ストリッパ中に水溶液を維持する濃度で注入して、それによって、プロセス水ストリッパの腐食またはファウリングを低減し、かつプロセス水ストリッパを出ていく蒸気アンモニア混入を低減してもよい。例えば、図1では、コアレッサライン42へのプロセス水ストリッパ注入ポイント48での中和剤の注入を行って、プロセス水ストリッパ50中で水溶液を約8〜約9のpHで維持してもよい。

0027

本発明の別の態様は、エチレン生成プラント中の装備のファウリングおよび腐食を抑制するための方法である。この方法は、コリン塩を含む中和剤を、希釈スチームシステムに注入するステップを包含する。この希釈スチームシステムは、加熱炉、急冷給水塔、急冷水分離器、コアレッサ、プロセス水ストリッパ、および希釈スチーム発生器を備え、かつ中和剤は、(i)プロセス水ストリッパと希釈スチーム発生器との間のプロセス水ストリッパラインに、約9と約12との間のpHで希釈スチーム発生器のブローダウン(blowdown)中に水溶液を維持する濃度で注入され、それによってこの希釈スチーム発生器の腐食またはファウリングが低減され、(ii)急冷給水塔と急冷水分離器との間の急冷給水塔ラインに、約5.5と7.5との間のpHで急冷水分離器中に水溶液を維持する濃度で注入され、それによって急冷水分離器の腐食が低減され、かつ(iii)コアレッサとプロセス水ストリッパとの間のコアレッサラインに、約8と9との間のpHでプロセス水ストリッパの底部の排出(discharge)中に水溶液を維持する濃度で注入され、それによって、プロセス水ストリッパの腐食またはファウリングが低減され、かつプロセス水ストリッパを出ていく蒸気のアンモニア混入が低減される。

0028

本発明の方法は、スチレン生成プラントにおける装備のファウリングおよび腐食を抑制し、かつ希釈スチームシステムへ中和剤を注入するステップを包含し、この中和剤は、0.005未満の揮発性係数、および約12〜約20のpKaを有しており、かつ実質的にナトリウムを含まない。

0029

スチレン生成プラントにおける装備のファウリングおよび腐食を抑制するための方法であって、この方法は、希釈スチームシステムへ中和剤を注入するステップを包含し、この中和剤は、約2重量%〜約10重量%のアルカノールアミンによって安定化されるコリン塩を含む方法。

0030

スチレン生成物の代表的な希釈スチームシステムを図2に示しており、ここでは、フィードライン106中のエチルベンゼン原料過熱器(superheater)ライン112由来の過熱されたスチームと混合されて、ライン108を介してリアクタ120に供給されて反応される。リアクタライン122中に含まれるリアクタ由来の流出物は、一連熱交換器(例えば、熱交換器130、熱交換器134、および熱交換器138)に向けられて、リアクタ流出物を冷却して凝縮する。熱交換器130の内容物は、熱交換器ライン132を通して熱交換器134に移動され、熱交換器134の内容物は、熱交換器ライン135を通じて熱交換器138に移動される。熱交換器138の内容物は、熱交換器ライン139を通じて、分離器140に移されて、これがベントガスを凝縮物および粗スチレンから分離する。分離器140由来のベントガスは、ベントガスライン142を通してガス/液体分離器150に移動され、ベントガスコンデンサ由来のベントガスは、ベントガスコンデンサライン154を通じてベントガスコンプレッサ156に移動される。この圧縮されたベントガスは、コンプレッサライン157を通じてコンプレッサ熱交換器158に移動され、かつオフガス(off gas)ライン159を通じてオフガスとして送られる。

0031

分離器140由来の凝縮物は、分離器ライン146を通じてプロセス水ストリッパ160に移動される。このプロセス水ストリッパの底部は、プロセス水ストリッパライン162を通じて、希釈スチーム発生器170に移動される。希釈スチーム発生器170由来のスチームは、希釈スチーム発生器ライン176を通じて、過熱器110に移動され得る。過熱器110から放出されたスチームは、過熱器ライン112を通じて、リアクタ120に移動されて、エチルベンゼンと反応される。

0032

中和剤は、スチレン生成のために希釈スチームシステム内の1つ以上のポイントで注入され得る。中和剤は、2つの熱交換器の間の熱交換器ラインに、約6.5〜約7.5のpHで分離器からの凝縮物を維持するための濃度で注入して、それによって、この熱交換器または分離器の腐食またはファウリングを低減してもよい。例えば、図2では、中和剤の注入を、熱交換器注入ポイント136で熱交換器ライン135へ行って、約6.5〜約7.5のpHで分離器140中に水溶液を維持してもよい。

0033

さらに、中和剤は、分離器とベントガスコンデンサとの間のベントガスラインに、約6.5〜7.5のpHでベントガスコンデンサを維持するための濃度で注入し、それによって、ベントガスコンプレッサの腐食を低減してもよい。例えば、図2では、中和剤を、ベントガスライン142へベントガス注入ポイント144で注入して、約6.5〜7.5のpHでベントガスコンデンサ150中に凝縮物のpHを維持してもよい。

0034

さらに、中和剤は、分離器とプロセス水ストリッパとの間の分離器ラインに、約8.8〜9.2のpHでプロセス水ストリッパ底部に水溶液を維持するための濃度で注入し、それによって、プロセス水ストリッパの腐食またはファウリングを低減し、かつプロセス水ストリッパを出て行く蒸気のアンモニア混入を低減してもよい。例えば、図2では、中和剤を、分離器ライン146へ、分離器ライン注入ポイント148で注入して、プロセス水ストリッパ160中の水溶液のpHを約8.8〜約9.2で維持してもよい。

0035

また、中和剤は、プロセス水ストリッパと希釈スチーム発生器との間のプロセス水ストリッパライン中に、約9.5〜10.5の間のpHで希釈スチーム発生器ブローダウンを維持する濃度で注入して、それによって希釈スチーム発生器の腐食を低減してもよい。例えば、図2では、中和剤の注入を、プロセス水ストリッパライン162へ、プロセス水ストリッパ注入ポイント164で行って、希釈スチーム発生器170中の水溶液のpHを約9.5〜約10.5で維持してもよい。

0036

本発明の別の態様は、スチレン生成プラント中の装備のファウリングおよび腐食の抑制のための方法である。この方法は、コリン塩を含む中和剤を、希釈スチームシステムに注入するステップを包含し、ここでこの希釈スチームシステムは、過熱器、リアクタ、複数の熱交換器、分離器、ベントガスコンデンサ、ベントガスコンプレッサ、プロセス水ストリッパ、および希釈スチーム発生器を備え、ここで前記中和剤は、(i)2つの熱交換器の間の熱交換器ラインに、約6.5〜約7.5のpHで分離器からの凝縮物を維持するための濃度で注入され、それによって、上記熱交換器または分離器の腐食またはファウリングが低減され、(ii)分離器とベントガスコンデンサとの間のベントガスラインに、約6.5〜7.5のpHでベントガスコンデンサ凝縮物を維持するための濃度で注入され、それによって、ベントガスコンプレッサの腐食が低減され、(iii)分離器とプロセス水ストリッパとの間の分離器ラインに、約8.8〜約9.2のpHでプロセス水ストリッパ底部に水溶液を維持するための濃度で注入され、それによって、プロセス水ストリッパの腐食またはファウリングが低減され、かつプロセス水ストリッパを出て行く蒸気のアンモニア混入が低減され、かつ(iv)プロセス水ストリッパと希釈スチーム発生器との間のプロセス水ストリッパライン中に、約9〜約12、好ましくは約9.5〜約10.5のpHで希釈スチーム発生器ブローダウンを維持する濃度で注入され、それによって希釈スチーム発生器の腐食が低減される。

0037

腐食の制御と操作するpHとの間の関係は、直接的であり、酸性のpH条件は腐食性であるが、アルカリ条件は、腐食を少なくする。pHの制御とファウリングとの間の関係は、直接的ではない。エチレンの熱分解プロセスに関しては、急冷給水塔およびオイル/水分離器中の高いpHは、安定な炭化水素/水エマルジョンの形成を増大する。熱分解ガソリンの組成物は、多数の反応性オレフィンおよびジオレフィンを含んでもよく、これによって重合化反応しやすくなる。プロセス条件およびプロセス水ストリッパ中の反応物質は、重合化を促進し得るが、一方で、オイル/水の分離器中で分離されないエマルジョンからの溶媒除去が生じる。次に、このポリマ生成物および溶媒除去は、プロセス水ストリッパの底部において、および希釈スチーム発生器において、ファウラント(foulant)(例えば、炭化水素ポリマ)分解を生じ得る。

0038

伝統的なアミン、多くの場合、アルカノールアミンを、スチーム希釈システムの中和剤として用いる場合、急冷水pHの最初の制御は、問題を生じない。しかし、操作のこの最初の期間の間および後に、少量のアミンを、希釈スチームとともに移動して、加熱炉中で加熱分解し、それによってアンモニアを生成してもよい。アンモニアは、揮発性のアルカリ化剤であるので、形成されれば、急冷給水塔中に、およびオイル/水分離器の中に蓄積する。このアンモニア蓄積は、急冷水のpHを所望のpHの設定ポイントより上にさせて、上昇したpHは、安定なエマルジョンの形成を促進する。アンモニア蓄積が、急冷水システムの飽和限界を超えるとき、アンモニアは、精製システムに向かって熱分解されたガスとともに移動し得る。アンモニアは、エチレン画分とともに蒸留されて、最終生成物を汚染し得る。従って、エチレンプロセスで生成されるアンモニアを制御することは、有利である。

0039

中和剤の揮発性係数(またはV/L比)は、ある特定の圧力での蒸気と液体状態との間の中和剤の分配(partition)の指標である。揮発性係数は、小さいボイラユニットを操作することによって決定される。ボイラに脱イオン水充填し、測定した量の中和剤を水に添加する。ボイラを、特定の圧力まで加熱して、その圧力の定常状態に達した場合、スチームのサンプルを凝縮して、収集し、同時にボイラ水のサンプルを収集する。次いで、2つの水サンプルを、中和剤の濃度に関して分析する。次いで、揮発性係数を、スチーム中の中和剤の濃度を、水中の中和剤の濃度で割ることによって算出する。次いで、ボイラをさらに、次の所望の圧力まで加熱して、定常状態に達した場合、別のセットのサンプルを収集する。

0040

中和剤は、コリン塩を含んでもよい。好ましくは、コリン塩は、コリン水酸化物である。

0041

中和剤がコリン塩である場合、コリン塩を有利には、安定化して、コリン塩、溶媒、および組成物の総重量に基づいて、約2重量%〜約10重量%のアルカノールアミンを含む安定化されたコリン組成物を得てもよい。

0042

安定化されたコリン組成物は、組成物の総重量に基づいて、約10重量%〜約50重量%、約15重量%〜約30重量%、約15重量%〜約25重量%、または約20重量%の濃度のコリン塩を有し得る。

0043

安定化されたコリン組成物は、アルカノールアミン、例えば、メタノールアミン、エタノールアミン(すなわち、モノエタノールアミン(MEA))、プロパノールアミン、ブタノールアミン、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。好ましくは、このアルカノールアミンは、メタノールアミン、エタノールアミン、またはそれらの組み合わせである。さらに好ましくは、アルカノールアミンは、エタノールアミン(MEA)を含む。

0044

安定化されたコリン組成物は、組成物の総重量に基づいて、約3重量%〜約8重量%、約4重量%〜約6重量%、または約5重量%の濃度でアルカノールアミンを含んでもよい。

0045

安定化されたコリン組成物の溶媒は、水を含んでもよい。

0046

作業の実施上、エチレンプラントは、動的なプロセスであって、原料組成物、プロセスの流速、温度の変動、および他のプロセス条件がわずかにシフトしており、結果として中和される酸の濃度がわずかに変化し得る。好ましくは、本発明の安定化された中和剤は、さらに有利である。なぜなら溶液のpHと、用いられる中和剤の濃度との間の関係(すなわち、中和のプロファイル)は、9というpHではpHのほぼ垂直の上昇へ変化し、中和剤の濃度がpH9〜12、好ましくはpH9.5〜10.5の溶液を維持する場合は、急激なpH上昇が低くなる。9〜12、好ましくはpH9.5〜10.5という、このpH標的は、腐食が最大の懸念である希釈スチーム発生器で探求される。本明細書に記載される中和剤のこの中和プロファイルでは、これを用いて所望のpHで中和する(例えば、希釈スチーム)、溶液の維持に必要な中和剤が少ないということを意味する。

0047

中和剤は、当業者に公知の種々の方法でシステムに注入されてもよい。この注入制御は、マイクロプロセッサ中央処理装置、または酸測定デバイスからのシグナル出力を処理し得、かつこのシグナル応答する中和剤の分散速度を制御し得る任意の他の同様の装置であってもよい。この注入制御は、中和剤注入と一体であってもよいし、または別であってもよい。適切な注入制御装置は、当該分野で周知である制御システムを備える。

0048

酸濃度検出器は、希釈スチームシステムにおける酸の濃度に応答するシグナルを生成し得る多数のデバイスのうちのいずれか1つであり得る。自動化された滴定装置は特に、有効な酸測定デバイスである。このシステムでの使用に適切な多数の自動化滴定装置は、市販されており、これにはRosemount Inc.,Honeywell,Hach、またはMettler Toledoのものを含む。

0049

本発明を詳細に記載してきたが、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、改変およびバリエーションが可能であることは明らかである。

0050

以下の非限定的な例が、本発明のさらなる例示のために提供される。

0051

<実施例1>
ニートなエタノールアミン(MEA)を用いる1300ppmの酢酸の滴定
中和因子としてMEAの比較の中和有効性試験するために、その溶液を以下の手順にしたがって最初に希釈した。ガラス容器に、10.0gのニートなMEAを添加した。これを、脱イオン水を用いて総質量500gに希釈した。

0052

1300ppmの酢酸の溶液を、0.652gの99.7%(純度)の氷酢酸を500mLのメスフラスコに添加することによって調製した。このフラスコに、脱イオン水を添加して、500mLの最終溶液を得た。この溶液の30mLのアリコート(aliquot)を100mLの滴定バイアルに添加した。pH計を用いて、この溶液の最初のpHを測定した。その後、ニートなMEAの希釈用液を、ポイントごとに溶液のpHを測定しながら、ある時点でバイアルに少量添加した。滴定は、溶液が10.5の標的pHになるまで続けた。このpHに達するためには、8154ppmの中和因子が必要であった。

0053

<実施例2>
[コリン水酸化物を用いる1300ppmの酢酸の滴定]
比較の中和の第二の実施例では、45%(w/w)コリン水酸化物を最初に希釈した後に、実施例1の手順によって1300ppmの酢酸で滴定した。この滴定は、溶液が10.5の標的pHになるまで続けた。このpHに達するためには、4820ppmの中和因子が必要であった。

0054

<実施例3>
[酢酸のボイラMEA処方物中和]
エチレンプラントのボイラが作動される温度で、MEAは揮発性であって、その結果、中和因子の三分の一が、水中の酸の中和の前にエバポレートする。ボイラ中に残っているMEAの濃度を模倣するために、66.4%(w/w)のMEAおよび33.6%(w/w)の脱イオン水を含有する処方物を調製した。この処方物を用いて、実施例1の手順に従い30mLの1300ppmの酢酸を中和した。10.5の標的pHに達するために、総量9792ppmの中和因子処方物を、酢酸溶液に添加した。

0055

<実施例4>
[重質中和因子処方物を用いる1300ppmの酢酸の滴定]
重質(heavy)の中和因子処方物を、45%(w/w)のコリン水酸化物とMEAとを混合することによって調製した。例えば、重質中和因子処方物は、45%(w/w)の97gのコリン水酸化物の水溶液を含有するガラス瓶へ3gのエタノールアミン(MEA)を添加することによって調製した。これは、3%(w/w)のMEAおよび43.4%(w/w)のコリン水酸化物溶液を含んだ。実施例1のとおり、10gのこの中和因子を最初に脱イオン水で希釈して、総量500gを得た。

0056

実施例1で調製される1300ppmの酢酸の同じストック溶液を、3%(w/w)のMEAおよび43.4%(w/w)のコリン水酸化物を含む重質中和因子の希釈された溶液での滴定のために用いた。実施例2と同様に、重質中和因子処方物の希釈用液を、溶液のpHが塩基性でありかつpHがプラトーになるまで各々の中和因子の添加後に、溶液のpHをモニタリングしながら少量で添加した。総濃度4846ppmのこの重質中和因子を消費して、10.5というpHを得た。

0057

他の処方物を同様に調製し、希釈して、1300ppmの酢酸に対して滴定した。10.5というpH条件に達するのに必要な処方物の組成および濃度を、下の表に示す。処方物のいくつかの滴定曲線図3に示す。

0058

0059

<実施例5>
[室温で保管した処理および未処理のコリン水酸化物溶液の安定性
96gのコリン水酸化物の水溶液(20.3重量%)のサンプルに、4.0gのエタノールアミンを添加した。エタノールアミンは、第二のサンプルには添加しなかった。そのサンプルを、約12か月の期間にわたって25℃でドラフト中に保管した。サンプルの経時的な分解を、分光光度計を用いてモニターした(λmax=410nm)。分解の際、コリン水酸化物の最初の無色の溶液は黄色に変化した。分解が進行するにつれて、その溶液は褐色に変わった。色の変化に加えて、この分解プロセスは、懸濁物の形成を生じ、次いで固体が沈降した。

0060

<実施例6>
[55℃で397日間インキュベートした、処理および未処理のコリン水酸化物溶液の安定性]
96gのコリン水酸化物の水溶液(20重量%)のサンプルに、4.0gのエタノールアミンを添加した。第二のサンプルにはMEAは添加しなかった。水性のコリン水酸化物の追加の未処理のサンプル(45重量%)も調製した。次いで3つのサンプルを397日間、55℃の温度でインキュベートした。

0061

397日後、3つのサンプルを、インキュベータから取り出して、視覚的に検査した。未処理の45重量%コリン水酸化物サンプルは、褐色の上清および褐色の堆積物容器の底で有した。未処理の20重量%のコリン水酸化物サンプルも、褐色の上清を有したが、観察された褐色の堆積物は少なかった。処理した20重量%のコリン水酸化物サンプルは、なんら堆積物を有さず、色は、淡い琥珀色であった。

0062

分光光度計を用いて、処理および未処理の20重量%のコリン水酸化物溶液の未希釈のアリコートを、410nmの吸光度での分解のために分析した。処理したサンプルの吸光度は、2.850であって、一方で未処理のサンプルの吸光度は、3.315であった。次いで、追加の吸光度測定を、9.5mLの脱イオン水で希釈した各々のサンプルの0.5mLのアリコートを用いて行った。処理した希釈されたサンプルの吸光度は0.380であって、未処理の希釈されたサンプルの吸光度は、0.786であった。

0063

<実施例7>
[20日間55℃でインキュベートした処理したおよび未処理のコリン水酸化物溶液の安定性]
コリン水酸化物のストック水溶液(20.83重量%)を、48.552gの脱イオン水を用いて40.195gのコリン水酸化物の水溶液(45重量%)を希釈することによって調製した。24.0gのストック溶液のサンプルに、1.0gのエタノールアミンを添加した。24.0gのストック溶液の第二のサンプルに、1.0gの脱イオン水を添加した。次いで、そのサンプルを55℃でインキュベートした。間隔を空けて、各々のサンプルの0.5mLのアリコートを回収して、9.5mLの脱イオン水で希釈し、次いでそれらの吸光度をλmax=410nmで測定した。アリコートは、T=0、3、8、10、16、および20日で採取した。処理および未処理のサンプルのコリン水酸化物の水溶液の吸光度データを、時間の関数として、下の表に示す。

0064

0065

本発明またはその好ましい実施形態の要素を導入した場合、「1つの、ある(不定詞、a、an)」、「この、その(定冠詞、the)」、および「この、その、前記、上記、該(said)」という項目は、その要素のうち1つ以上が存在することを意味するものとする。「含む、包含する」、「含んでいる、備える、包含する」および「有する、ある」という用語は、包括的とみなされるものとし、かつ列挙された要素以外の追加の要素があってもよいことを意味する。

0066

上記の観点で、本発明のいくつかの目的が達成され、かつ他の有利な結果が得られる。

実施例

0067

種々の変化が、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の組成物および方法で行われてもよく、上記の詳細な説明に含まれ、添付の図面に示される全ての事柄は、例示と解釈されるべきであり、限定の意味ではないものとする。

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