図面 (/)

技術 高いマルチオレフィン含量を有するコポリマー

出願人 アランセオ・シンガポール・プライヴェート・リミテッド
発明者 スティーヴン・ジョン・ティアートストラポール・グエンジェシカ・ワトソンギルス・アルセノー
出願日 2015年4月28日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2016-565316
公開日 2017年6月8日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2017-514953
状態 特許登録済
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 温度スパイク ゴムボール オリゴマーレベル ポリマー凝集体 交換品 連続反応器中 物理的性 撹拌シャフト
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題・解決手段

コポリマーは、高レベルマルチオレフィンの組み込みを含む。高レベルのマルチオレフィンの組み込みを含むコポリマーを製造する方法は、希釈剤中で、少なくとも1種のルイス酸及び少なくとも1種の開始剤の存在下で、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーと接触させる工程を含む。希釈剤は、少なくとも3個の炭素原子及び少なくとも3個のフッ素原子を含んだヒドロフッ素化オレフィン(HFO)を含む。本発明で用いられるヒドロフッ素化オレフィンは、飽和ヒドロフルオロカーボンよりも良好なブチルスラリーカチオン重合用希釈剤である。

概要

背景

ブチルゴム(IIR)、イソブチレンイソプレンランダムコポリマーは、その優れた熱的安定性耐オゾン性、及び所望される緩和特性(dampening characteristics)で周知である。IIRは、希釈剤として塩化メチル、及び重合開始剤としてフリーデルクラフツ触媒を用いたスラリー方法で商業上調製される。塩化メチルは、比較的安価なフリーデル・クラフツ触媒であるAlCl3が塩化メチルに可溶性であり、イソブチレンとイソプレンのコモノマーも同様に可溶性であるという利点をもたらす。更に、ブチルゴムポリマーは、塩化メチルに不溶性であり、溶液中から細かい粒子として沈殿する。一般に重合は、約-90℃〜-100℃の温度で実施される(参照によってそれぞれの全内容が本明細書に組み込まれている、米国特許第2,356,128号、及びUllmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry、A23巻、1993、288〜295頁を参照)。ゴムの用途用に十分に高い分子量を得るために、低い重合温度が必要とされる。

最近、従来の塩素化炭化水素、塩化メチルの代替的な希釈剤を見つけることが重要視されてきた。ヒドロフルオロカーボン(HFC)は、塩素化炭化水素と類似した性質をもち、冷媒として公知である(WO 2008/027518及びWO 2009/042847を参照)。こうしたHFC、特に飽和HFC、例えばHFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)は、より高い温度を含む重合方法において、塩化メチルの可能な交換品として認識されてきた(US 7723447、US 7582715、US 7425601、US 7423100、US 7332554、US 7232872、US 7214750、US 7699962、US 2008/0290049、US 7781547、US 7342079、US 2007/0117939、US 2007/0299190、US 2007/0299161、US 2008/0234447、US 2008/0262180、US 7414101、US 7402636、及びUS 7557170を参照)。

しかし、こうした飽和HFCは、強力な温室効果ガスであり、その使用は望ましくない。最も研究されたHFCは、R134aとしても公知であるHFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)であり、オゾン層を減少させる化学物質であるクロロフルオロカーボン(CFC)及びヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)を置き換えるための冷媒として1990年代に広く商品化されてきた。HFC-134a使用の拡大は、現在重大な環境上の脅威を投げかけており、したがってHFCが強力な温室効果ガスであることが公知である。HFC-134aのGWP(地球温暖化係数)は1430である。HFC-134aを段階的に廃止する制御プログラムの実行について、国際的に何度も議論されてきた。

更に、希釈剤として、HFC-134a若しくは塩化メチルのいずれか、又はそのブレンドを用いたブチル重合では、環状オリゴマーが大量に生成される。これらの不純物は、ゴムからオリゴマーを抽出する可能性があるので、ゴム栓調剤上用途において望ましくない。更に、塩化メチルを希釈剤として用いたブチル重合では、イソプレノイド(短鎖分枝)構造が大量に生成される。ハロブチルゴムを製造する場合、イソプレノイド構造によって、後のハロゲン化反応の効率が制限される。更に、高イソプレンブチルゴムが所望される場合、従来の反応では、ブチルゴムのイソプレンレベルを上げるために、方法の条件を注意深く制御する必要がある。

概要

コポリマーは、高レベルマルチオレフィンの組み込みを含む。高レベルのマルチオレフィンの組み込みを含むコポリマーを製造する方法は、希釈剤中で、少なくとも1種のルイス酸及び少なくとも1種の開始剤の存在下で、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーと接触させる工程を含む。希釈剤は、少なくとも3個の炭素原子及び少なくとも3個のフッ素原子を含んだヒドロフッ素化オレフィン(HFO)を含む。本発明で用いられるヒドロフッ素化オレフィンは、飽和ヒドロフルオロカーボンよりも良好なブチルスラリーカチオン重合用希釈剤である。

目的

テトラフッ素化プロペンを含む希釈剤中で、少なくとも1種のルイス酸及び少なくとも1種の開始剤の存在下で、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーと接触させる工程を含む、コポリマーを製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

1,1,1,2-テトラフルオロエタン希釈剤として用いたブチルゴムスラリー方法で製造された比較のポリマーよりも高いマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマー含量を有する、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーと、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーとのコポリマー

請求項2

前記マルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマー含量が、コポリマーの質量に基づいて0.5〜15モル%の範囲である、請求項1に記載のコポリマー。

請求項3

前記マルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーが、供給モノマー組成コポリマー組成に対する比(f/F)が0.8より大きく、好ましくは0.85以上、好ましくは約0.9以上で組み込まれる、請求項1に記載のコポリマー。

請求項4

前記コポリマーが、-75℃以下の温度で、ヒドロフッ素化オレフィン(HFO)を含む希釈剤中で、少なくとも1種のルイス酸及び少なくとも1種の開始剤の存在下で、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーと接触させることにより製造され、HFOが少なくとも3個の炭素原子及び少なくとも3個のフッ素原子を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコポリマー。

請求項5

前記コポリマーが、-95℃以下の温度で、ヒドロフッ素化オレフィン(HFO)を含む希釈剤中で、少なくとも1種のルイス酸及び少なくとも1種の開始剤の存在下で、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーと接触させることにより製造され、HFOが少なくとも3個の炭素原子及び少なくとも3個のフッ素原子を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコポリマー。

請求項6

前記HFOが、1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234ze)、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234yf)、又はそれらの混合物を含む、請求項4又は5に記載のコポリマー。

請求項7

前記HFOが、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234yf)を含む、請求項6に記載のコポリマー。

請求項8

前記少なくとも1種のイソオレフィンモノマーが、4〜16個の炭素原子を有するイソオレフィンを含み、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーが、4〜7個の炭素原子を有するイソオレフィンを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のコポリマー。

請求項9

前記少なくとも1種のイソオレフィンモノマーが、イソブテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、又はそれらの混合物を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のコポリマー。

請求項10

前記少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーが、4〜14個の炭素原子を有するマルチオレフィンを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のコポリマー。

請求項11

前記少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーが、イソプレンブタジエン、2-メチルブタジエン、2,4-ジメチルブタジエン、ピペリリン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、2,4-ヘキサジエン、2-ネオペンチルブタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、2-メチル-1,4-ペンタジエン、2-メチル-1,6-ヘプタジエンシクロペンタジエンメチルシクロペンタジエンシクロヘキサジエン、1-ビニル-シクロヘキサジエン、又はそれらの混合物を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のコポリマー。

請求項12

前記少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーが、インデンα-メチルスチレン、p-メチルスチレンクロロスチレン、又はそれらの混合物を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のコポリマー。

請求項13

前記少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーが、p-メチルスチレンを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のコポリマー。

請求項14

少なくとも1種の追加のモノマーを、前記少なくとも1種のイソオレフィンモノマー及び少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーと接触させる工程を更に含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のコポリマー。

請求項15

前記少なくとも1種の追加のモノマーが、インデン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、クロロスチレン、又はそれらの混合物を含む、請求項14に記載のコポリマー。

技術分野

0001

本出願は、イソオレフィンマルチオレフィンコポリマーに関するものであり、ヒドロフッ素化オレフィン(HFO)希釈剤を含む、コポリマーを製造する方法に関するものである。

背景技術

0002

ブチルゴム(IIR)、イソブチレンイソプレンランダムコポリマーは、その優れた熱的安定性耐オゾン性、及び所望される緩和特性(dampening characteristics)で周知である。IIRは、希釈剤として塩化メチル、及び重合開始剤としてフリーデルクラフツ触媒を用いたスラリー方法で商業上調製される。塩化メチルは、比較的安価なフリーデル・クラフツ触媒であるAlCl3が塩化メチルに可溶性であり、イソブチレンとイソプレンのコモノマーも同様に可溶性であるという利点をもたらす。更に、ブチルゴムポリマーは、塩化メチルに不溶性であり、溶液中から細かい粒子として沈殿する。一般に重合は、約-90℃〜-100℃の温度で実施される(参照によってそれぞれの全内容が本明細書に組み込まれている、米国特許第2,356,128号、及びUllmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry、A23巻、1993、288〜295頁を参照)。ゴムの用途用に十分に高い分子量を得るために、低い重合温度が必要とされる。

0003

最近、従来の塩素化炭化水素、塩化メチルの代替的な希釈剤を見つけることが重要視されてきた。ヒドロフルオロカーボン(HFC)は、塩素化炭化水素と類似した性質をもち、冷媒として公知である(WO 2008/027518及びWO 2009/042847を参照)。こうしたHFC、特に飽和HFC、例えばHFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)は、より高い温度を含む重合方法において、塩化メチルの可能な交換品として認識されてきた(US 7723447、US 7582715、US 7425601、US 7423100、US 7332554、US 7232872、US 7214750、US 7699962、US 2008/0290049、US 7781547、US 7342079、US 2007/0117939、US 2007/0299190、US 2007/0299161、US 2008/0234447、US 2008/0262180、US 7414101、US 7402636、及びUS 7557170を参照)。

0004

しかし、こうした飽和HFCは、強力な温室効果ガスであり、その使用は望ましくない。最も研究されたHFCは、R134aとしても公知であるHFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)であり、オゾン層を減少させる化学物質であるクロロフルオロカーボン(CFC)及びヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)を置き換えるための冷媒として1990年代に広く商品化されてきた。HFC-134a使用の拡大は、現在重大な環境上の脅威を投げかけており、したがってHFCが強力な温室効果ガスであることが公知である。HFC-134aのGWP(地球温暖化係数)は1430である。HFC-134aを段階的に廃止する制御プログラムの実行について、国際的に何度も議論されてきた。

0005

更に、希釈剤として、HFC-134a若しくは塩化メチルのいずれか、又はそのブレンドを用いたブチル重合では、環状オリゴマーが大量に生成される。これらの不純物は、ゴムからオリゴマーを抽出する可能性があるので、ゴム栓調剤上用途において望ましくない。更に、塩化メチルを希釈剤として用いたブチル重合では、イソプレノイド(短鎖分枝)構造が大量に生成される。ハロブチルゴムを製造する場合、イソプレノイド構造によって、後のハロゲン化反応の効率が制限される。更に、高イソプレンブチルゴムが所望される場合、従来の反応では、ブチルゴムのイソプレンレベルを上げるために、方法の条件を注意深く制御する必要がある。

0006

米国特許第2,356,128号
WO 2008/027518
WO 2009/042847
US 7723447
US 7582715
US 7425601
US 7423100
US 7332554
US 7232872
US 7214750
US 7699962
US 2008/0290049
US 7781547
US 7342079
US 2007/0117939
US 2007/0299190
US 2007/0299161
US 2008/0234447
US 2008/0262180
US 7414101
US 7402636
US 7557170
米国特許第5,417,930号

先行技術

0007

Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry、A23巻、1993、288〜295頁
Quirk RP、Gomochak-Pickel DL、The Science and Technology of Rubber、第3版、2章

発明が解決しようとする課題

0008

したがって、比較的安価であり、温室効果に大きく寄与せず、及び/又は重合方法を改良する、重合ビヒクルへの要求が依然としてある。また、低レベルの環状オリゴマー、低レベルのイソプレノイド構造、及び/又は高レベルのイソプレンを有するブチルポリマーへの要求も依然としてある。

課題を解決するための手段

0009

ここで、意外なことに、HFCの特定のクラス、ヒドロフッ素化オレフィン(HFO)、及び特にテトラフッ素化プロペンとして公知であるHFOのクラスが、ブチルゴムスラリー重合方法の優れた媒体であることが明らかになった。テトラフッ素化プロペンを含む希釈剤中で、少なくとも1種のルイス酸及び少なくとも1種の開始剤の存在下で、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーと接触させる工程を含む、コポリマーを製造する方法を提供する。更に、本発明の方法によって製造されたコポリマーを提供する。

0010

また、意外なことに、ブチルゴムスラリー重合方法でのHFOと他の不活性溶媒とのブレンドは、低レベルのイソプレノイド(短鎖分枝)構造を含むポリマーをもたらすことが明らかになった。テトラフッ素化プロペンとテトラフッ素化プロペン以外の不活性溶媒とのブレンドを含む希釈剤中で、少なくとも1種のルイス酸及び少なくとも1種の開始剤の存在下で、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーと接触させる工程を含む、コポリマーを製造する方法を提供する。

0011

ある種のHFOが希釈剤として用いられる場合、これらの方法は、有利なことに、高レベルの組み込まれたマルチオレフィンを含むポリマーをもたらす。1,1,1,2-テトラフルオロエタンを希釈剤として用いたブチルゴムスラリー方法で製造された比較のポリマーよりも、マルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマー含量がより高い、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーと、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーとのコポリマーを提供する。

0012

ある種のHFOが希釈剤として用いられる場合、これらの方法は、有利なことに、低レベルの環状オリゴマーを含むポリマー、及び/又は有利に低いC21/C13オリゴマー比を有するポリマーをもたらす。1,1,1,2-テトラフルオロエタンを希釈剤として用いたブチルゴムスラリー方法で製造された比較のポリマーよりも、環状オリゴマー含量が少なくとも10%より低い、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーと、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーとのコポリマーを提供する。

0013

ある種のHFOが希釈剤として用いられる場合、これらの方法は、有利なことに、低レベルのイソプレノイド(短鎖分枝)構造を含むポリマーをもたらす。1,1,1,2-テトラフルオロエタンを希釈剤として用いたブチルゴムスラリー方法で製造された比較のポリマーよりも、イソプレノイド含量がより低い、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーと、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーとのコポリマーもまた提供する。

0014

コポリマーは、希釈剤中で、少なくとも1種のルイス酸及び少なくとも1種の開始剤の存在下で、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを、少なくとも1種のマルチオレフィン及び/又はβ-ピネンモノマーと接触させる工程を含む方法によって、製造することができる。コポリマーは、-75℃以下、又は-95℃以下の温度で、製造することができる。希釈剤は、好ましくは、少なくとも3個の炭素原子及び少なくとも3個のフッ素原子を含んだヒドロフッ素化オレフィン(HFO)を含む。希釈剤は、少なくとも3個の炭素原子及び/又は少なくとも4個のフッ素原子を含むことができる。好ましい希釈剤は、4個のフッ素原子を含む。特に好ましい希釈剤は、3個の炭素原子及び4個のフッ素原子を含んだテトラフッ素化プロペンとして公知であるクラスのものである。

0015

テトラフッ素化プロペンを含むヒドロフッ素化オレフィンは、飽和ヒドロフルオロカーボンよりも良好なブチルスラリーカチオン重合用希釈剤である。例えば、意外にも、HFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン)は、特に低温(例えば、-95℃)で、また温度を上げても(例えば、-75℃)、HFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)よりも、はるかに良好なブチルスラリーカチオン重合用希釈剤であることが明らかになった。テトラフッ素化プロペン(例えば、HFO-1234yf)を希釈剤として使用すると、以下の利点、より高いポリマー収量、より高レベルのマルチオレフィン組み込み、より高分子量ポリマー鎖、より狭い分子量分布、より低レベルの環状オリゴマー副生成物、C21/C13環状オリゴマーのより好ましい比、及び/又はより低いイソプレノイド(短鎖分枝)構造含量の1つ又は複数がもたらされる。

0016

コポリマーは、1,1,1,2-テトラフルオロエタン中で製造されたブチルゴムよりも、有意により低いイソプレノイド含量を有することができ、重合中のポリマーバックバイティング反応(polymer back-biting reaction)の結果、短鎖分枝が減少することを示している。より低いイソプレノイド含量のブチルゴムは、さらなる化学修飾のための、1,4-単位配向(1,4-unit orientation)において利用可能な全不飽和の割合がより高くなり、ハロブチルゴムを製造するために、後のハロゲン化反応の効率がより高くなると期待される。イソプレノイド含量は、ポリマーに存在する全不飽和に対して、約15%未満であり、好ましくは約12%未満であり、より好ましくは約11%以下であり、更により好ましくは約6%以下であることができる。全不飽和は、マルチオレフィン(モル%)及びイソプレノイド(モル%)の合計で定められ、モル%はコポリマーのモノマー単位の全モルに基づいている。イソプレノイド含量は、イソプレノイド(モル%)の全不飽和(モル%)に対する比として定められる。

0017

コポリマーは、1,1,1,2-テトラフルオロエタンを希釈剤として用いたブチルゴムスラリー方法で製造された比較のポリマーよりも、環状オリゴマー含量を少なくとも10%より低く含むことができる。環状オリゴマー含量は、1,1,1,2-テトラフルオロエタンを希釈剤として用いたブチルゴムスラリー方法で製造された比較のポリマーよりも、少なくとも25%より低く、少なくとも50%より低く、少なくとも60%より低く、少なくとも70%より低く、又は少なくとも75%より低くなることができる。コポリマーのC21/C13オリゴマー比は、2.5以下、2.0以下、又は1.5以下であることができる。全環状オリゴマー含量は、C21/C13オリゴマー比が1.5未満であれば、3200ppm未満であることができる。これらのコポリマーでは、環状オリゴマー含量が2000ppm以下、1000ppm以下、700ppm以下、又は650ppm以下であることができる。

0018

コポリマーを、C13環状オリゴマー生成物を抽出するのに適した溶媒に溶かすことができる。溶媒は、コポリマーから溶媒及びC13環状オリゴマー生成物をストリップするように取り除くことができる。溶媒は、非極性であってもよく、ヘキサン等のアルカンを含んでいてもよい。ストリッピングは、例えばストリッピング剤として蒸気を用いて、温度を上げて実施することができる。ポリマーを、ストリッピングする工程の前に、エタノール等のアルコールに予め溶かすことができる。ストリッピング前のポリマーにおけるC21/C13オリゴマー比は、7.9以下、7.3以下、2.5以下、1.5以下、又は1.0以下であることができる。

0019

環状オリゴマーの生成は、特に-90℃以下の温度(例えば、-95℃)で、希釈剤としてヒドロフッ素化オレフィンが存在する状態で、徹底的に抑制することができる。本発明のポリマーのオリゴマー含量は、例えば、HFC-134a及び/又は塩化メチル等の他の希釈剤を用いた場合よりも、少なくとも20%より低く、少なくとも30%より低く、少なくとも40%より低く、少なくとも50%より低く、少なくとも55%より低く、少なくとも60%より低く、少なくとも65%より低く、少なくとも70%より低く、少なくとも75%より低く、少なくとも80%より低く、少なくとも85%より低く、少なくとも90%より低く、及び/又は最高で95%までより低くなることができる。

0020

本発明のポリマーのマルチオレフィン(例えば、イソプレン)含量は、ポリマーの質量に基づいて0.5〜15モル%の範囲であることができる。ポリマーのマルチオレフィン含量は、同様の温度及び転化で、先行技術の希釈剤(例えば、MeCl及び/又はHFC-134a)を用いて製造されたポリマーよりも、5〜10%までより高くなることができる。特に-75℃以下(例えば、-95℃)の温度で、HFC-134aとHFO-1234yfの使用を比較した場合、より高いマルチオレフィン含量がとりわけ明らかである。マルチオレフィンのより高レベルの組み込みは、マルチオレフィンをより良好に使用することに相当し、無駄がより少なく、全体の工程費用がより低くなることを意味する。マルチオレフィンの組み込みは、供給モノマー組成(f=[M1]/[M2])のコポリマー組成(F=[M1]/[M2])に対する比に基づいて比較することができる。本発明の方法における、供給モノマー組成のコポリマー組成に対する比(f/F)は、好ましくは、約0.7より大きく、より好ましくは約0.8より大きく、更により好ましくは約0.85以上であり、まだ更により好ましくは約0.9以上である。

0021

本発明のポリマーの分子量は、先行技術の希釈剤(例えば、MeCl及び/又はHFC-134a)を用いて製造されたポリマーの分子量と同じか、又は有意により高い。より高温、例えば約-75℃では、分子量はより高くなるが、-90℃以下の温度(例えば、-95℃)では、本発明のポリマー、特にHFO-1234yf中で製造されたポリマーの分子量は、先行技術の希釈剤(例えば、MeCl及び/又はHFC-134a)中で製造されたポリマーの分子量よりも有意により高くなることができる。例えば、-75℃では、質量平均分子量(Mw)は、330,000g/モル以上、又は400g/モル以上であることができ、-95℃では、分子量は、445,000g/モル以上、又は475,000g/モル以上であることができる。これは、テトラフッ素化プロペン希釈剤を用いて、高温で、所望される分子量のコポリマーを製造することが可能であることを意味し、それによって、エネルギー費用を減らし、工程の経済性を改善し、環境に対する影響を低減することになる。

0022

本発明の方法で製造されたポリマーの収量は、先行技術の希釈剤(例えば、MeCl及び/又はHFC-134a)を用いて得られた収量と少なくとも同等であり、いくつかの場合ではその1.5倍を超え、又は更にその2倍を超えることができる。特に-90℃以下の温度(例えば、-95℃)で、HFC-134aとHFO-1234yfの使用を比較した場合、より高い収量がとりわけ明らかである。

0023

したがって、所与の分子量について、先行技術の希釈剤(例えば、MeCl及び/又はHFC-134a)を用いて得られるよりも、より高い転化で、且つより効率的にイソプレンを使用して、本発明のテトラフッ素化プロペン希釈剤を用いて高温で製造することが可能である。有利な特徴のこの意外な組み合わせにより、全体の工程費用がより低くなり、且つ改良されたポリマーがもたらされる。

0024

更に、ある種のHFOは、所望される性質を有するが、オゾン層に害を与えず(オゾン層破壊係数ODP=0)、地球温暖化の可能性が全くないか、ほとんどない。これらのより環境に優しいヒドロフッ素化オレフィンの例には、テトラフッ素化プロペンHFO-1234fy(GWP=4)及びHFO-1234ze(GWP=6)があり、それらは、HFC-134a(GWP=1430)の潜在的な交換品として特に注目されている。

0025

本発明のさらなる特徴は、以下の詳細な説明において説明され、又は明らかになるであろう。

0026

本発明をより明白に理解することができるように、添付された図に関して、ここで本発明の実施形態を例証によって詳細に説明する。

図面の簡単な説明

0027

-95℃で純粋な希釈剤成分を用いた反応の反応温度プロファイルの図である。
-95℃でMeClに対するHFO-1234yf又はHFC-134Aの様々な比で製造されたポリマーの分子量を示すグラフである。
標準のイソプレンレベル(2.3モル%供給比)で、MeCl、HFC-134A、及びHFO-1234yf中で製造されたブチルゴムの全オリゴマー含量のグラフである。
高いイソプレンレベル(5.6モル%供給比)で、MeCl、HFC-134A、及びHFO-1234yf中で製造されたブチルゴムの全オリゴマー含量のグラフである。
様々な供給イソプレン濃度を用いて、-95℃で、MeCl、HFC-134A、及びHFO-1234yf中で製造されたブチルゴムのC21/C13オリゴマー比を示すグラフである。
様々な供給イソプレンレベルで、MeCl、HFC-134A、及びHFO-1234yf中で実施された重合の、コポリマー比(F)と比較した供給モノマー比(f)を示すグラフである。

0028

特許請求の範囲を含む本明細書において、ある項目に関する詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「その(the)」の使用は、いくつかの実施形態においてその項目の複数を含む可能性を排除しようというものではない。添付の特許請求の範囲を含む本明細書の少なくともいくつかの例において、当業者には、少なくともいくつかの実施形態においてその項目の複数を含む可能性があることが明らかであろう。

0029

ブチルゴムは、少なくとも1種のイソオレフィンモノマー、及び少なくとも1種のマルチオレフィンモノマー、及び任意選択で更なる共重合性モノマーの共重合によって生成される。

0030

本発明は、特別なイソオレフィンに制限されない。しかし、イソブテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、及びそれらの混合物等の、4〜16個の炭素原子、好ましくは4〜7個の炭素原子の範囲内であるイソオレフィンが好ましい。より好ましいのは、イソブテンである。

0031

本発明は、特別なマルチオレフィンに制限されない。当業者に公知である、イソオレフィンと共重合可能な全てのマルチオレフィンを用いることができる。しかし、イソプレン、ブタジエン、2-メチルブタジエン、2,4-ジメチルブタジエン、ピペリリン(piperyline)、3-メチル-1,3-ペンタジエン、2,4-ヘキサジエン、2-ネオペンチルブタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、2-メチル-1,4-ペンタジエン、2-メチル-1,6-ヘプタジエンシクロペンタジエンメチルシクロペンタジエンシクロヘキサジエン、1-ビニル-シクロヘキサジエン、及びそれらの混合物等の、4〜14個の炭素原子の範囲内であるマルチオレフィン、好ましくは共役ジエンを用いることができる。より好ましくは、イソプレンが用いられる。β-ピネンをイソオレフィンのコモノマーとして用いることもできる。

0032

当業者に公知の、イソオレフィン及び/又はジエンと共重合可能である任意のモノマーを、前述のマルチオレフィンの代替品として、又は前述のマルチオレフィンに更に追加して用いることができる。インデンスチレン誘導体、又はそれらの混合物を、上に列挙したマルチオレフィンの代わりに、又は任意選択の追加のモノマーとして用いることができる。好ましくは、α-メチルスチレン、p-メチルスチレンクロロスチレン、又はそれらの混合物が用いられる。より好ましくは、p-メチルスチレンが用いられる。

0033

ブチルポリマーの重合は、ルイス酸及び重合方法を開始することができる開始剤の存在下で実施される。適切なルイス酸は、選択された希釈剤に容易に溶解するものである。適切なルイス酸の例として、二塩化エチルアルミニウム(EADC)、塩化ジエチルアルミニウム(DEAC)、四塩化チタン四塩化スズ(stannous tetrachloride)、三フッ化ホウ素三塩化ホウ素メチルアルモキサン、及び/又はそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、AlCl3も使用することができる。適切な開始剤は、プロトン源及び/又はカチオゲンを含む。本発明に適したプロトン源には、選択されたルイス酸に添加された場合、プロトンを産生することになる任意の化合物が含まれる。プロトンは、ルイス酸と、水、塩酸(HCl)、アルコール、又はフェノール等のプロトン源との反応から生じることができて、プロトン及び対応する副生成物を産生する。こうした反応は、プロトン源とプロトン化添加剤との反応が、モノマーとの反応と比較してより速い場合に好まれることになる。他のプロトン発生反応物には、チオールカルボン酸等が含まれる。最も好ましいルイス酸には、EADCとDEACの混合物が含まれ、最も好ましいプロトン源はHClである。EADC/DEACのHClに対する好ましい比は、質量で5:1〜100:1の間である。

0034

プロトン源に追加して、又はプロトン源の代わりに、重合方法を開始することができるカチオノゲンを用いることができる。適切なカチオノゲンには、存在する条件の下、カルボカチオンを発生させる任意の化合物が含まれる。カチオノゲンの好ましい群には、次式を有するカルボカチオン化合物が含まれ、

0035

0036

式中、R1、R2、及びR3の1つだけが水素であり得る条件で、R1、R2、及びR3は独立して、水素、又は直鎖状、分枝状、若しくは環状の芳香族基又は脂肪族基である。好ましくは、R1、R2、及びR3は独立して、C1〜C20の芳香族基又は脂肪族基である。適切な芳香族基の非制限的な例には、フェニルトリルキシリル、及びビフェニルがある。適切な脂肪族基の非制限的な例には、メチル、エチルプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルオクチル、ノニルデシルドデシル、3-メチルペンチル、及び3,5,5-トリメチルヘキシルが挙げられる。

0037

カチオノゲンの別の好ましい群には、次式を有する置換シリリウムカチオン化合物が含まれ、

0038

0039

式中、R1、R2、及びR3の1つだけが水素であり得る条件で、R1、R2、及びR3は独立して、水素、又は直鎖状、分枝状、若しくは環状の芳香族基又は脂肪族基である。好ましくは、R1、R2、及びR3のいずれもHではない。好ましくは、R1、R2、及びR3は独立して、C1〜C20の芳香族基又は脂肪族基である。より好ましくは、R1、R2、及びR3は独立して、C1〜C8アルキル基である。有用な芳香族基の例には、フェニル、トリル、キシリル、及びビフェニルがある。有用な脂肪族基の非制限的な例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、3-メチルペンチル、及び3,5,5-トリメチルヘキシルが挙げられる。反応性置換シリリウムカチオンの好ましい群には、トリメチルシリリウム、トリエチルシリリウム、及びベンジルジメチルシリリウムが含まれる。こうしたカチオンは、例えば、R1R2R3Si-Hの水素化物基をPh3C+B(pfp)4-等の非配位性アニオン(NCA)で交換して、R1R2R3SiB(pfp)4のように適切な溶媒中でカチオンを得る組成物産出することによって調製することができる。

0040

本発明によれば、Ab-はアニオンを示す。好ましいアニオンには、2つの成分が組み合わさると生成され得る活性触媒種の電荷均衡させるのに必要な程度に負に帯電した、電荷保有金属又はメタロイドコアを有する単一の配位錯体を含むアニオンが含まれる。より好ましくは、Ab-は一般式[MQ4]-を有する化合物に相当し、但しMは、+3形式酸化状態の、ホウ素、アルミニウムガリウム、又はインジウムであり、Qは独立して、水素化物、ジアルキルアミドハロゲン化物ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシドハロ置換ヒドロカルビル、ハロ置換ヒドロカルビルオキシド、又はハロ置換シリルヒドロカルビルの各基である。

0041

好ましくは、ブチルポリマーを調製するためのモノマー混合物は、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを約80質量%〜約99質量%の範囲で含み、少なくとも1種のマルチオレフィンモノマー及び/又はβ-ピネンを約1.0質量%〜約20質量%の範囲で含む。より好ましくは、モノマー混合物は、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを83質量%〜98質量%の範囲で含み、マルチオレフィンモノマー又はβ-ピネンを2.0質量%〜17質量%で含む。最も好ましくは、モノマー混合物は、少なくとも1種のイソオレフィンモノマーを85質量%〜97質量%の範囲で含み、少なくとも1種のマルチオレフィンモノマー又はβ-ピネンを3.0質量%〜15質量%の範囲で含む。

0042

モノマーは、一般に、好ましくは約-120℃〜約-50℃の範囲、好ましくは約-100℃〜約-70℃の範囲、より好ましくは約-98℃〜約-75℃の範囲、例えば、約-98℃〜約-90℃の範囲の温度でカチオン重合される。約-98℃及び約-75℃の操作温度が特に注目される。好ましい圧力は、0.1〜4バールの範囲である。

0043

回分反応器に対して連続反応器を使用することにより、方法に好ましい効果がもたらされると考えられる。好ましくは、その方法は、容積が0.1m3〜100m3、より好ましくは1m3〜10m3である、少なくとも1種の連続反応器中で実施される。連続式方法は、好ましくは少なくとも以下の供給流
I)テトラフッ素化プロペン+イソオレフィン(好ましくは、イソブテン)+マルチオレフィン(好ましくは、イソプレン等のジエン)を含む溶媒/希釈剤、及び
II)ルイス酸及びプロトン源を含む開始剤系
を用いて実施される。

0044

経済的な製造のためには、参照によってその全内容が本明細書に組み込まれている米国特許第5,417,930号に記載の、希釈剤中のスラリー(懸濁液) 中で実施される連続式方法が望ましい。

0045

希釈剤は、好ましくは、式Iに記載の、少なくとも3個の炭素原子及び少なくとも3個のフッ素原子を含んだ、少なくとも1種のヒドロフッ素化オレフィン
CxHyFz (I)
を含み、式中、xは3以上の値を有する整数であり、zは3以上の値を有する整数であり、y+zは2xである。xの値は、好ましくは3〜6であり、より好ましくは3〜5であり、更により好ましくは3である。zの値は、好ましくは3〜8であり、より好ましくは4〜6であり、更により好ましくは4である。yは、2x-zの値を有する整数であり、例えば、2〜10、3〜9、4〜8、又は4〜6の範囲であることができる。yの値は好ましくは2である。

0046

3個以上の炭素原子及び3個以上のフッ素原子を有する適切な希釈剤の例として、1,1,2-トリフルオロプロペン;1,1,3-トリフルオロプロペン;1,2,3-トリフルオロプロペン;1,3,3-トリフルオロプロペン;2,3,3-トリフルオロプロペン;3,3,3-トリフルオロプロペン;1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン;2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン;1,1,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,2,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,2,3-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,2,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,3,3-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,3,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,2,3,3-テトラフルオロ-1-ブテン;1,2,3,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,2,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,3,3,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,3,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;2,3,3,4-テトラフルオロ-1-ブテン;2,3,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;2,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;3,3,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;3,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,3-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,2,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,3,3,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,3,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,2,3,3,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,2,3,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,2,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;2,3,3,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;2,3,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;3,3,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,3,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,1,2,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,3,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン;1,1,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン;1,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン;1,1,1,2-テトラフルオロ-2-ブテン;1,1,1,3-テトラフルオロ-2-ブテン;1,1,1,4-テトラフルオロ-2-ブテン;1,1,2,3-テトラフルオロ-2-ブテン;1,1,2,4-テトラフルオロ-2-ブテン;1,2,3,4-テトラフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,3-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,4-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,1,3,4-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,1,4,4-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,2,3,4-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,2,4,4-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,3,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン;1,1,1,3,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン;1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン;1,1,2,3,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,3,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン;及びそれらの混合物が挙げられる。

0047

4個以上のフッ素原子及び3個以上の炭素原子を有するHFOの例には、1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン;2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン;1,1,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,2,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン;1,1,2,3-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,2,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,3,3-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,3,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,2,3,3-テトラフルオロ-1-ブテン;1,2,3,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,2,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,3,3,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,3,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;2,3,3,4-テトラフルオロ-1-ブテン;2,3,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;2,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;3,3,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;3,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,3-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,2,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,3,3,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,3,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,2,3,3,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,2,3,4,4-ペンタフルオロ-l-ブテン;1,2,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;2,3,3,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;2,3,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;3,3,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,3,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,1,2,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,3,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン;1,1,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン;1,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン;1,1,1,2-テトラフルオロ-2-ブテン;1,1,1,3-テトラフルオロ-2-ブテン;1,1,1,4-テトラフルオロ-2-ブテン;1,1,2,3-テトラフルオロ-2-ブテン;1,1,2,4-テトラフルオロ-2-ブテン;1,2,3,4-テトラフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,3-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,4-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,1,3,4-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,1,4,4-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,2,3,4-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,2,4,4-ペンタフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,3,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン;1,1,1,3,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン;1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン;1,1,2,3,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,3,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン;1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン;及びそれらの混合物がある。

0048

4個のフッ素原子及び3個の炭素原子を有するテトラフッ素化プロペンは、特に重要である。例には、1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234ze)、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234yf)、1,1,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,2,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、及びそれらの混合物がある。テトラフッ素化プロペンは、Z若しくはEの異性体形態のいずれか、又はZ若しくはEの異性体形態の混合物で存在することができる。1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234ze)及び2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234yf)が特に好ましい。HFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン)が最も好ましい。

0049

ブチル重合について、希釈剤は、当業者に公知の、1種又は複数の他の不活性溶媒を含むこともできる。こうした他の不活性溶媒は、例えば、ヒドロフルオロカーボンの他にハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチル、ジクロロメタン、又はそれらの混合物)であってもよい。

0050

全ての重合は、乾燥した不活性雰囲気で実施された。重合は、外部の電動撹拌装置によって駆動する、オーバーヘッド4羽根ステンレス鋼インペラを備えた600mLステンレス鋼反応容器において、回分反応として実施された。反応温度を熱電対によって測定した。反応器は、組み立てた反応器をペンタン冷却槽へ浸漬させることによって、表に列挙した所望の反応温度まで冷却させた。撹拌された炭化水素槽の温度を±2℃で制御した。反応媒体液体接触している全ての器具は、150℃で少なくとも6時間乾燥させ、真空窒素雰囲気中で冷却させ、使用前にチャンバを交換した。高純度のイソブテン及び塩化メチルをLANXESS社製造設備から受け取り、そのまま使用した。ヒドロフルオロカーボン1,1,1,2-テトラフルオロエタン(>99.9%純度)(HFC-134a、Genetron(登録商標)134a)及びヒドロフルオロオレフィン(E)-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(>99.99%純度)(HFO-1234ze、Solstice(登録商標)1234ze冷凍等級)及び2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(>99.99%純度)(HFO-1234yf、Solstice(登録商標)1234yf自動車等級)をHoneywell社から購入し、そのまま使用した。全てを濃縮し、ドライボックス液体として回収した。イソプレン(Sigma-Aldrich社、>99.5%純度)は、活性化した3Aモレキュラーシーブで数日間乾燥させ、窒素下で蒸留した。二塩化エチルアルミニウム1.0Mのヘキサン中溶液(Sigma-Aldrich社)をそのまま使用した。HCl/CH2Cl2溶液は、無水HClガス(Sigma-Aldrich社、99%純度)を、無水CH2Cl2(VWR)を含んだ、予め乾燥させたSure/Seal(商標)ボトルを介してバブリングさせることによって調製された。次いで、HCl/CH2Cl2溶液を0.1NのNaOH(VWR)標準溶液を用いて滴定して、その濃度を測定した。

0051

スラリー重合は、(各実施例において特定された)モノマー、コモノマー、及び液化希釈剤を重合温度に冷却した反応容器に装入することによって行われ、所定の撹拌速度500〜900rpmで撹拌された。開始剤/共開始剤溶液を塩化メチル中で調製した。開始剤/共開始剤溶液は、反応容器と同じ温度条件の下、HCl/CH2Cl2溶液を一定分量の塩化メチル中へ希釈し、二塩化エチルアルミニウム1.0M溶液を添加してHCl:EADCのモル比を1:4とし、続いて穏やかにかき混ぜることによって調製された。開始剤/共開始剤溶液は直ちに使用された。開始剤/共開始剤溶液を、冷却したガラスパスツールピペットを用いて重合へ添加した。反応を5分間実施し、水酸化ナトリウム1%のエタノール中溶液2mLを添加することによって停止させた。転化は、重合温度で、ポリマーへ転化されたモノマーの質量パーセントとして報告される。

0052

ポリマーの分子量は、Waters2690/5セパレーションモジュール及びWaters2414示差屈折率検出器を使用して、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によって測定された。3つのAgilentPLgel 10μm Mixed-B LS 300×5.7mmカラムシリーズを用いて、テトラヒドロフラン溶離液(0.8mL/分、35℃)として使用した。

0053

イソプレン組み込みは、1H-NMR分光法によって測定された。NMR測定値は、Bruker DRX 500MHz分光器(500.13MHz)を使用して、ポリマーのCDCl3溶液を使用して、残留CHCl3ピーク内部標準として用いて得られた。

0054

オリゴマーレベルの測定は、Agilent J+W VF-1ms 30×0.25(1.0)カラム(注入275℃、22.5psi)及びFID温度300℃を用い、HP7683シリーズオートインジェクタを備えたAgilent 6890シリーズプラスを使用して、GC-FIDによって実施された。

0055

(実施例A)
-95℃で純粋な希釈剤を用いた重合
Table1(表1)に、塩化メチル(実施例1及び実施例2)、HFO-1234ze(実施例3及び実施例4)、HFO-1234yf(実施例5及び実施例6)、並びにHFC-134a(実施例7及び実施例8)中で、-95℃で実施された重合の結果を列挙する。全ての重合は、上記で報告したように、600mLステンレス鋼容器中で、HCl/EADCを開始剤/共開始剤として用いて、一貫して実施された。重合は、希釈剤180mL、イソブテン20mL、及びイソプレン0.6mL(供給におけるイソプレン含量=2.3モル%)を用いて実施された。開始剤/共開始剤溶液を、0.16MのHCl/CH2Cl2溶液6mL及び1.0Mの二塩化エチルアルミニウム(EADC)のヘキサン溶液4mLを用いて、MeCl40mL中で調製した。開始剤/共開始剤溶液の同じ容量(5ml)をTable1(表1)の全ての実施例において使用し、また、各実施例のオリゴマーの組成についてより詳細に説明する。

0056

0057

図1Aについて、塩化メチル(MeCl)における重合と比較して、HFO-1234yfにおける重合は、なだらかな温度スパイクを有する優れた温度プロファイル及び長時間に及ぶ反応時間を示す。

0058

MeClを用いた重合によって、反応容器、温度プローブ、及び撹拌シャフトの壁面周囲に大量の付着物、並びに反応媒体中にゴムボール形成がもたらされた。ヒドロフルオロカーボンとヒドロフルオロオレフィンの両方を用いた重合では、反応容器、温度プローブ、及び撹拌シャフトに付着物はないか、又は最小限しかなかった。HFO-1234yfでは、ポリマー凝集のない、非常に安定で均一なゴムスラリーが製造された。

0059

反応温度-95℃で同じ反応条件の下、HFO-1234yfにおける重合反応性は優れており(平均83%転化)、従来の希釈剤塩化メチルの反応性(平均90%転化)よりも僅かに低いものの、ほぼ同等である。しかし、結果の示すところによれば、ヒドロフルオロカーボンHFC-134a対ヒドロフルオロオレフィンHFO-1234yfの重合反応性の違いは顕著である。HFO-1234yfで行われた反応(平均83%転化)は、HFC-134aで行われた反応(平均34%転化)よりも、更により高いポリマー収量をもたらす。ヒドロフルオロオレフィン異性体(E)HFO-1234zeは、HFC-134aと同様の重合反応性(平均30%転化)を示す。

0060

高いポリマー転化に加えて、HFO-1234yf希釈剤から得られたブチルポリマー試料は、高分子量、狭い分子量分布、高イソプレン組み込み、及び低レベルの環状オリゴマー副生成物等の、性質の最良の組み合わせをもたらす(Table1[表1])。HFO-1234yfを希釈剤として用いて製造されたゴムは、HFC-134A中で製造されたゴムよりも有意により高い質量平均分子量(Mw)を有し、HFO-1234ze中で製造されたゴムと同様のMwを有し、MeCl中で製造されたゴムよりもより低いMwを有することが明らかである。繰り返し反応の平均を比較した場合、MeClでの567,000(実施例1及び実施例2)、HFC-134Aでの273,000(実施例7及び実施例8)、並びにHFO1234zeでの471,000(実施例3及び実施例4)の各平均と比較して、-95℃で実施されたHFO-1234yf重合で得られたMwは、462,000であった(実施例5及び実施例6)。

0061

環状オリゴマー、すなわちC13H24及びC21H40の化合物は、ブチル重合方法の間、本来副生成物として形成されることが周知である。これらの環状オリゴマーの分子構造を以下にスキーム1に示し、但しC13H24異性体がイソプレン1分子及びイソブチレン2分子を含み、C21H40異性体が、イソプレン1分子及びイソブチレン4分子を含む。これらの環状オリゴマーは、通常のブチル最終生成物に微量存在する。ブチルゴムにおけるC13H24及びC21H40の存在は、調剤上用途で従来懸念されている。これらの化学種は、ある種の調剤ゴム栓配合物において主要な抽出物である。

0062

0063

驚くほど低レベルのオリゴマーをもたらすことに加えて、テトラフッ素化プロペン希釈剤を使用することによって、驚くほど好ましいC21/C13オリゴマー比も得られた。例えば、HFO-1234yfを使用すると、1.32及び1.47の比がもたらされ、一方HFC-134aを使用すると、7.11及び8.19の比がもたらされた。より低い分子量のC13オリゴマーは、蒸気ストリッピング及びゴム乾燥操作の間に優先的に除去されるので、低い比は、最終生成物を更により低い全オリゴマーレベルで作製することができるという点で好都合である。

0064

HFO-1234ze希釈剤は、より低いコポリマー転化をもたらす傾向があるが、この希釈剤から製造されたブチルポリマー試料は、分子量、イソプレン組み込み、及び環状オリゴマー含量の点で優れた性質を示す。概して、両方のテトラフッ素化プロペン、HFO-1234yfとHFO-1234zeは、より良好な挙動を示し、HFC-134aよりも、低温でのブチルスラリー重合により適している。

0065

ここでNMRデータを示さないが、概して、HFO-1234yf希釈剤を用いた場合により少ないポリマー分枝が生じ、一方でHFO-1234ze希釈剤により、HFC-134a希釈剤と同様の分枝を有するポリマーが製造されたことが明らかになった。

0066

(実施例B)
-75℃で純粋な希釈剤を用いた重合
Table2(表2)に、塩化メチル(実施例9及び実施例10)、HFO-1234ze(実施例11及び実施例12)、HFO-1234yf(実施例13及び実施例14)、並びにHFC-134a(実施例15及び実施例16) 中で、-75℃で実施された重合の結果を列挙する。全ての重合は、上記で報告したように、600mLステンレス鋼容器中で、HCl/EADCを開始剤/共開始剤として用いて、一貫して実施された。重合は、希釈剤180mL、イソブテン20mL、及びイソプレン0.6mL(供給におけるイソプレン含量=2.3モル%)を用いて実施された。開始剤/共開始剤溶液を、0.16MのHCl/CH2Cl2溶液6mL及び1.0Mの二塩化エチルアルミニウム(EADC)のヘキサン溶液4mLを用いて、MeCl40mL中で調製した。開始剤/共開始剤溶液の同じ容量(5mL)を全ての重合において使用した。

0067

0068

より高い反応温度-75℃で、重合は、HFC-134a中で更により反応性を増し、この場合、転化レベル(平均89%転化)は、HFO-1234yfの転化レベル(平均85%転化)と同等である。HFC-134a及びHFO-1234yf中で実施された実験は同等の反応性を示すが、これらの希釈剤の両方は、従来の希釈剤である塩化メチルよりも僅かにより低い反応転化を示す。HFO-1234zeは、より高い反応温度にもかかわらず依然として低い反応性を示すので、温度はこの希釈剤に影響を及ぼさない。

0069

より高い重合温度で、HFO-1234yf中で製造されたポリマーは、最も高いMwを有した。-75℃で実施された繰り返し重合の平均を比較すると、HFO-1234yfによりMw=371,000のポリマーが製造され(実施例13及び実施例14)、HFC-134AによりMw=245,000のポリマーが製造され(実施例15及び実施例16)、HFO-1234zeによりMw=216,000のポリマーが製造され(実施例11及び実施例12)、MeClによりMw=319,000のポリマーが製造された(実施例9及び実施例10)。高いMw及び関連した所望の物理的性質をより高い反応器温度であっても生成物において維持できるので、これは連続式ブチル製造方法の重要な利点である。

0070

Table1(表1)及びTable2(表2)に示されたデータを比較すると、より高い反応温度の全体的な影響は、ポリマー鎖分子量(Mw)の減少、及び環状オリゴマー含量の有意な増加である。影響は、全ての希釈剤に対して同様の傾向をもつが、HFO-1234yfから製造されたブチルポリマー試料では、HFC-134aと比較してより高いポリマー分子量が維持されている。全不飽和レベルは、HFC-134a(平均2.0モル%)に対して、HFO-1234yf(平均2.1モル%)で僅かにより高いが、環状オリゴマーレベルは、HFC-134a(平均4148ppm)に対して、HFO-1234yf(平均3679ppm)とより低い。C21/C13比は、HFC-134aの場合よりもHFO-1234yfの場合でより好ましい。同様に、コポリマーの分子量に関して、塩化メチルに対してHFO-1234yfを比較した考察を行うことができる。

0071

全不飽和レベル、したがってイソプレンレベルは、塩化メチルに対して、HFO-1234yfにおいて製造されたブチルポリマー試料で更により高い。Table1(表1)及びTable2(表2)に示したように、反応の混合供給において等イソプレン濃度を用いる場合、HFO-1234yfを希釈剤として用いて製造されたゴムは、他の希釈剤と比較して、組み込まれたイソプレンから有意により多くの不飽和を含む。繰り返し反応の平均を比較した場合、MeClでの1.77モル%(実施例1及び実施例2)、HFC-134Aでの1.76モル%(実施例7及び実施例8)、及びHFO-1234zeでの2.08モル%(実施例3及び実施例4)の各平均と比較して、-95℃で実施されたHFO-1234yf重合で得られた全不飽和は、2.25モル%であった(実施例5及び実施例6)。-95℃でHFC-134Aにおけるイソプレン組み込みは、この温度での低い転化のために制限される。高温(-75℃)で実施された繰り返し重合の各平均、HFO-1234yfの全イソプレン組み込み平均2.11モル%(実施例13及び実施例14)と、HFC-134Aの全イソプレン組み込み平均2.00モル%(実施例15及び実施例16)、HFO-1234zeの全イソプレン組み込み平均1.68モル%(実施例11及び実施例12)、並びにMeClの全イソプレン組み込み平均1.44モル%(実施例9及び実施例10)を比較した場合、同じ傾向がある。-75℃でHFO-1234zeでのイソプレン組み込みは、この温度での低い転化のために制限される。ブチルゴムへのイソプレン組み込みの改良によって、最終生成物の相当する不飽和レベルに到達するのに必要となる、供給流でのイソプレン濃度がより低くなり、その結果、連続式スラリー製造方法費用が削減される。更に、環状オリゴマーレベルは、HFO-1234yf及びHFC-134aに対して、塩化メチル中でとりわけより高く、C21/C13比もまた、望ましくないことにより高い。概して、HFO-1234yfの重合挙動及び利点は、様々な反応温度、すなわち-95℃及び-75℃で適用可能である。

0072

(実施例C)
-95℃で希釈剤の50:50混合物を用いた重合
Table3(表3)に、MeCl:HFO-1234zeの50:50混合物(実施例17及び実施例18)、並びにMeCl:HFO-1234yfの50:50混合物(実施例19及び実施例20) 中で、-95℃で実施された重合の結果を列挙する。全ての重合は、上記で報告したように、600mLステンレス鋼容器中で、HCl/EADCを開始剤/共開始剤として用いて、一貫して実施された。重合は、希釈剤180mL、イソブテン20mL、及びイソプレン0.6mL(供給におけるイソプレン含量=2.3モル%)を用いて実施された。開始剤/共開始剤溶液を、0.16MのHCl/CH2Cl2溶液6mL及び1.0Mの二塩化エチルアルミニウム(EADC)のヘキサン溶液4mLを用いて、MeCl40mL中で調製した。開始剤/共開始剤溶液の同じ容量(5mL)を全ての重合において使用した。

0073

0074

反応温度-95℃で、希釈剤の混合物を用いた重合は、純粋な希釈剤で認められたものと全般的に同様の傾向をもった。したがって、塩化メチル/HFO-1234yfの50:50ブレンド(平均68%転化)における反応は、塩化メチル/HFO-1234zeのブレンド(平均38%転化)よりもより反応性である。塩化メチル/HFO-1234yfから得られたブチルポリマー試料もまた、塩化メチル/HFO-1234ze希釈剤混合物の場合よりも、より高い分子量及びより高レベルのイソプレン組み込みを示す。塩化メチル/HFO-1234yfでの環状オリゴマーレベルは、塩化メチル/HFO-1234zeの場合よりもより低い。更に、塩化メチル/HFO-1234yfでのC21/C13比は、塩化メチル/HFO-1234ze含有希釈剤混合物と比較してより低い。

0075

HFO-1234yfとのMeClブレンド中で製造されたブチルゴムは、HFO-1234zeの場合よりも有意により高いMwを有した。-95℃で実施された繰り返し重合の平均を比較した場合、HFO1234yfとMeClのブレンドにより、Mw=457,000のポリマーが製造されたが(実施例19及び実施例20)、HFO1234zeとMeClのブレンドでは、Mw=241,000のポリマーが製造された(実施例17及び実施例18)。これは、ブチルゴム製造の連続式スラリー方法の重要な利点である。MeClとHFO-1234yfのブレンドでさえも、高いMwを維持することができ、その結果、フッ素化希釈剤系の他の利点を損なうことなく、100%のHFO-1234yfと比較して操業費がより低くなる。全て場合について、反応混合物と接触した表面の付着物は、観測されないか、又は最小限しか観測されなかった。比較すると、塩化メチルにおける重合では、反応器壁面、温度プローブ、及び撹拌シャフトにポリマーの厚い被覆、並びに反応媒体中に大量のポリマー凝集体がもたらされた。

0076

(実施例D)
-75℃で希釈剤の50:50混合物を用いた重合
Table4(表4)に、MeCl:HFO-1234zeの50:50混合物(実施例21及び実施例22)、並びにMeCl:HFO-1234yfの50:50混合物(実施例23及び実施例24)において、-75℃で実施された重合の結果を列挙する。全ての重合は、上記で報告したように、600mLステンレス鋼容器中で、HCl/EADCを開始剤/共開始剤として用いて、一貫して実施された。重合は、希釈剤180mL、イソブテン20mL、及びイソプレン0.6mL(供給におけるイソプレン含量=2.3モル%)を用いて実施された。開始剤/共開始剤溶液を、0.18MのHCl/CH2Cl2溶液11mL及び1.0Mの二塩化エチルアルミニウム(EADC)のヘキサン溶液8mLを用いて、MeCl61mL中で調製した。開始剤/共開始剤溶液の同じ容量(5mL)を全ての重合において使用した。

0077

0078

-75℃で希釈剤の混合物を用いた重合では、希釈剤の全ての混合物について、かなりの付着物が産生された。MeCl/HFO-1234ze混合物では、撹拌シャフトの周囲にただ単にポリマーが付着したが、MeCl/HFO-1234yfでは、反応媒体中のゴムボール形成を伴って、撹拌シャフトに厚い付着物がもたらされた。比較すると、塩化メチルにおける重合では、反応器壁面、温度プローブ、及び撹拌シャフトにポリマーの厚い被覆、並びに反応媒体中に大量のポリマー凝集体がもたらされた。

0079

再度、この場合において、温度は、塩化メチル/HFO-1234zeを含む反応のポリマー転化に、比較的ほとんど影響を及ぼさない。最も高い転化及び分子量は、塩化メチル/HFO-1234yfで得られた。

0080

HFO-1234yfとのブレンド中で製造されたブチルゴムは、HFO-1234zeの場合よりもより高いMwを有した。-75℃で実施された繰り返し重合の平均を比較した場合、HFO-1234yfとMeClのブレンドにより、Mw=457,000のポリマーが製造されたが(実施例21及び実施例22)、HFO-1234zeとMeClのブレンドでは、Mw=241,000のポリマーが製造された(実施例23及び実施例24)。これは、ブチルゴム製造の連続式スラリー方法の重要な利点であり、HFO-1234yfのMeCl中ブレンドでは、より高い重合温度であっても高いMwが維持されることを実証している。

0081

(実施例E)
C13環状オリゴマー含量を減らすための蒸気ストリッピングのポリマーへの影響
選択された実験条件で製造されたポリマーについて、仕上げ工程として蒸気ストリッピングを実施してC13環状オリゴマー含量を減らし、それによってポリマーから全体の抽出可能な環状オリゴマーを減らした。所望される、全オリゴマー含量が低減されたポリマーを製造するために、この仕上げ工程では、本発明のHFOを用いて製造されたポリマーに認められる好ましい低いC21/C13比をうまく利用する。

0082

各試料について、(エタノール中で予め凝集しており、室温で蒸発させた)ポリマー2gをヘキサン20mLに溶解させた。エタノール凝集工程によって、環状オリゴマーがある程度抽出され、この結果、これらの試料について、上記で報告されたよりも、より低い初期の全オリゴマーレベル及びより高いC21/C13比がもたらされたことに留意されたい。ヘキサン溶媒は、試料からC13オリゴマーを溶解させ、30分間の蒸気ストリッピングによって、オリゴマーと共に除去された。ポリマーは、回収され、次のGC/MSによるオリゴマー分析のためにヘキサンに再度溶解させた。分析の結果をTable5(表5)に示す。

0083

0084

仕上げ工程として蒸気ストリッピングを用いることによって、HFO希釈剤を用いて作出されたポリマーから低い全オリゴマー含量のポリマーを製造することが可能であった。Table5(表5)から明らかであるように、蒸気ストリッピングによって、HFC-134a希釈剤を用いて製造されたポリマーよりも、HFO-1234yf希釈剤を用いて製造された試料の全オリゴマー含量がより低レベルへ減少した。環状オリゴマーレベルの減少は、全ての温度で製造されたポリマーで認められたが、より低い温度-95℃で製造されたポリマーでは、HFO希釈剤でその温度でのC21/C13比が好適であったので、最も顕著であった。最も低い全体の環状オリゴマーレベルは、-95℃でHFO-1234yfを用いて製造されたポリマーで得られた。蒸気ストリッピング方法を用いると、全環状オリゴマーが125ppm未満であるブチルポリマーが製造された。C13が抽出されたので、全ての場合において、C21/C13比は蒸気ストリッピングした後に増加した。蒸気ストリッピング仕上げ工程を用いて製造されたポリマーは、調剤上用途で好都合である、最高純度及び最も低い全環状オリゴマーの全体レベルを有するという点で新規である。

0085

一連の重合は、希釈剤である、塩化メチル(MeCl)、HFC-134A、及びHFO1234yf中で、反応供給における様々なイソプレン含量で実施された。重合は、高イソプレン重合用に、イソプレン1.5mLを供給において用いたこと(供給におけるイソプレン含量=5.6モル%)を除いて、前述したように実施された。工場製造工程の条件を再現するために、オリゴマー含量は、反応容器から直接取り出されたポリマー、又は蒸気ストリッピング後の反応混合物の各試料について測定された。結果をTable6(表6)に示す。

0086

0087

Table6(表6)に示されるように、HFO1234yfを重合用希釈剤として使用すると、MeCl及びHFC-134Aと比較して、有意により少ない量の環状オリゴマーを含むブチルゴムをもたらす。重合から直接取り出された各試料について測定されたオリゴマーレベルは、反応中に生成された全オリゴマーの真の目安となる。Table6(表6)に示された、重合から直接取り出された各試料のオリゴマーのデータは、Table5(表5)のデータで認められたものと同じ傾向を示す。希釈剤としてHFO1234yfを用いて製造されたゴム(実施例29)は、MeCl中で製造されたゴム(実施例25)又はHFC-134A中で製造されたゴム(実施例27)よりも、有意により少ない全オリゴマーを含むことは明らかである。図2に、標準のイソプレンレベルで実施された反応(実施例25、実施例27、及び実施例29)の全オリゴマー含量を比較する。連続式ブチルゴム製造方法で起こる生成物精製を評価するために、蒸気ストリッピング精製工程を実施した。蒸気ストリッピングする工程では、全ての希釈剤中で同様の比率で製造されたブチルゴムについて、C13含量をより優先的に減らすことが認められる。これは、C13オリゴマーが仕上げ工程の間に蒸気ストリップされることが公知であるので、予測される。

0088

Table6(表6)に更に示されるように、HFO1234yfを重合用希釈剤として使用すると、MeCl及びHFC-134Aと比較して、より高レベルのイソプレン組み込みで、有意により少ない量の環状オリゴマーを含むブチルゴムをもたらす。組み込まれたイソプレン含量の高いブチルゴムを製造するために、様々な希釈剤を用いて増加した供給濃度のイソプレンの存在下で、重合を実施した。標準のイソプレンレベルで実施された反応で認められたものと同様に、MeCl(実施例26)又はHFC-134A(実施例28)と比較して、希釈剤HFO-1234yf(実施例30) 中で低いオリゴマー含量が得られた。図3に高イソプレン供給含量反応の全オリゴマー含量を比較する。蒸気ストリッピングの後に、高イソプレン組み込みを有する、HFO-1234yf希釈剤中で生成されたポリマーは、HFC-134A及びMeCl中で調製された精製ポリマーについて測定されたものよりも、有意により少ないオリゴマーを含んだ。

0089

Table7(表7)及び図4に示されるように、重合反応中で希釈剤としてHFO-1234yfを使用すると、イソプレン含量0〜8モル%の範囲でHFC-134Aと比較して、より低いC21/C13オリゴマー比をもたらす。Table7(表7)(実施例31〜42)に列挙したように、モノマー供給における様々なイソプレン比で重合が実施され、図4において、反応器から直接採取したポリマーについて測定されたC21オリゴマーのC13オリゴマーに対する比を、2.3〜8.6モル%で変化する供給イソプレン濃度で実施された重合について比較する。全てのイソプレンレベルで、HFC-134Aと比較して、HFO-1234yf中で製造されたブチルでより低いC21/C13比が認められる。HFO-1234yf材料のC21/C13比は、MeCl中で実施された反応と比較して、非常に似ていることが認められる。ブチルゴムの連続式製造方法におけるゴム分離方法及びゴム乾燥方法の間に、C13オリゴマーは、優先的に除去されることが公知である。したがって、低い全オリゴマー含量を有する最終生成物のブチルゴムを得るために、重合反応器から直接採取したブチルゴムについて、低いC21/C13比が望ましい。

0090

0091

(実施例F)
ブチルゴムにおける低減されたイソプレノイド含量
希釈剤による、ブチルコポリマーのイソプレノイド(短鎖分枝)含量への影響を調べるために、実施例1〜16で製造されたブチルゴムを分析した。結果をTable8(表8)に示す。実施例1〜16は、上記のTable1(表1)及びTable2(表2)と同じものである。

0092

0093

Table8(表8)に示したように、反応の混合供給において等イソプレン濃度を用いた場合、100%の、HFO-1234yf、HFC-134A、又はHFO-1234zeを希釈剤として用いて製造されたゴムは、MeClと比較して、より低い実測イソプレノイド含量(短鎖分枝)を含む。より重要なことには、繰り返し反応の平均を比較した場合、-95℃でHFO-1234yfにおける重合によって、イソプレノイド含量が大幅に低減されることが明らかである。-95℃でHFO-1234yf中で製造されたポリマーのイソプレノイド含量(実施例5及び実施例6)は、MeClでの15%(実施例1及び実施例2)、HFC-134Aでの10%(実施例7及び実施例8)、及びHFO-1234zeでの8%(実施例3及び実施例4)の各平均と比較して、5.0%であった。このことが重要なのは、より低いイソプレノイド含量のブチルコポリマーは、さらなる化学修飾のための、1,4-単位配向において利用できる全不飽和の割合がより高くなり、ハロブチルゴムを製造するために、後のハロゲン化反応の効率をより高くすると期待されるからである。

0094

短鎖分枝は、反応性分子鎖末端がそれ自体とバックバイティング反応することから生じて、主鎖に沿って1,4-イソプレン単位のごく一部に結合した5個の炭素側鎖を生成する。これらの置換1,4-イソプレン単位は、本明細書を通して、イソプレノイド単位と称される。置換イソプレノイドは、ハロゲン化による化学修飾に利用できないので、これらの単位の割合は、ハロブチルゴムの製造にとって重要である。Table8(表8)に示されるように、希釈剤としてMeClを用いた標準のブチル重合条件下で、製造されたブチルのイソプレノイド含量は15%である。したがって、これらの標準の条件下で、添加されたイソプレン単位の85%だけが1,4-単位配置であり、ハロゲン化等の更なるポリマー修飾反応に加担することができる。したがって、ハロゲン化方法は、ハロブチルゴムの連続式製造方法の重要因子である、より低いイソプレノイド含量を有したブチルコポリマーで、より高効率で進行すると期待される。

0095

高温(-75℃)で実施された繰り返し重合の各平均、HFO-1234yf中で調製され、平均でイソプレノイド9.0%を含んだ材料(実施例13及び実施例14)と、HFC-134A中で調製され、平均でイソプレノイド12%を含んだ材料(実施例15及び実施例16)、HFO-1234ze中で調製され、平均でイソプレノイド19%を含んだ材料(実施例11及び実施例12)、並びにMeCl中で調製され、平均でイソプレノイド24%を含んだ材料(実施例9及び実施例10)を比較した場合、同じ傾向がある。これによれば、やはりより高温でHFO-1234yf又はHFC-134A中で実施された重合によって、有意により少ない短鎖分枝を含んだブチルゴムが製造されることが実証され、他の希釈剤系で調製された材料よりも、より効率よくハロゲン化されると期待されるであろう。

0096

高イソプレンブチルゴムを調製するために、重合シリーズは、反応供給に高イソプレン含量を有した、純粋な希釈剤中で実施された。Table9(表9)に、供給において標準のイソプレンモル比(2.3モル%)、又は高いイソプレンモル比(5.6モル%)のいずれかで、-95℃で純粋な希釈剤中で実施された重合の結果を列挙する。

0097

0098

Table9(表9)に示されるように、-95℃で、混合供給における標準のイソプレン比(2.3モル%)で、HFO-1234yfを希釈剤として用いて製造されたゴム(実施例49及び実施例50)、又はHFC-134Aを用いて製造されたゴム(実施例45及び実施例46)は、MeClを用いて製造されたゴム(実施例1及び実施例2)よりも、より低いイソプレノイド含量を有する。また、HFO-1234yfを希釈剤として用いて製造されたゴム(実施例49及び実施例50)も、HFC-134Aを用いて製造されたゴム(実施例45及び実施例46)よりもより低いイソプレノイド含量を有する。より重要なことに、その傾向は、高いイソプレン供給比(5.6モル%)で一貫しており、この場合MeClでの平均イソプレノイド含量12%(実施例43及び実施例44)と比較して、HFO-1234yf及びHFC-134Aでは、平均イソプレノイド含量6%(実施例51及び実施例52)、並びに8%(実施例47及び実施例48)がそれぞれ得られた。標準のイソプレンレベルで実施された反応と同様に、HFO-1234yf中で製造された高イソプレンブチルゴムは、HFC-134A中で実施された重合と比較して、有意により低いイソプレノイド含量を有した。

0099

重合はまた、希釈剤である、フッ素化溶媒とMeClとのブレンド中でも実施された。一連の重合は、-95℃での標準の条件の下、HFO-1234yfとMeClとの様々なブレンド比を用いて実施され、MeCl100%の場合と比較して、全てのブレンド比においてイソプレノイド含量が低減されたブチルをもたらした。Table10(表10)に、-95℃でHFO-1234yfとMeClとの様々なブレンド比で実施された重合の結果を列挙する。

0100

0101

Table10(表10)に示されるように、MeCl100%と比較して、MeClとHFO-1234yfとの全てのブレンド比において、有意により低いイソプレノイド含量が得られる。

0102

更に、重合シリーズは、-75℃〜-95℃の範囲の温度で、MeClとHFO-1234yfとの50/50ブレンドを希釈剤として用いて実施された。供給のイソプレン含量は、2.3モル%であった。Table11(表11)に、-75℃〜-95℃の範囲の温度で、MeClとHFO-1234yfとの50/50比ブレンド中で実施された重合の結果を列挙する。Table11(表11)に示されるように、温度範囲にわたって、HFO-1234yfとMeClとの50/50ブレンド中で実施された重合によって、ポリマーバックバイティング反応からの短鎖分枝のために、より低いイソプレノイド含量を有したブチルが製造された。

0103

0104

-95℃での重合を比較した場合、純粋なMeCl希釈剤中での重合(Table8[表8]を参照、平均=15%)と比較して、HFO-1234yfとMeClとのブレンドによって、最も低いイソプレノイド含量を有したブチルが製造された(実施例69及び実施例70、平均=11%)。また、-75℃でMeClとHFO-1234yfとのブレンド中で実施された重合によって、より低いイソプレノイド含量を有したブチル(実施例61及び実施例62、平均=18%)が製造された。HFO-1234yfとのブレンドを用いて製造されたブチル材料では、MeCl100%の場合と比較して、全ての温度でイソプレノイド含量が低減された。

0105

(実施例G)
ブチルゴムにおけるイソプレン含量の増加
一連の重合は、-75℃〜-95℃の範囲の温度で標準の反応条件の下、MeClとHFO-1234ze、又はMeClとHFO-1234yfの50/50ブレンド中でも実施された。Table12(表12)に、-75℃〜-95℃の範囲の様々な温度で、フッ素化希釈剤とMeClとの混合物中で実施された重合の結果を列挙する。

0106

0107

Table12(表12)に示されるように、フッ素化溶媒とMeClとの混合希釈剤系のデータは、純粋な希釈剤重合のTable1(表1)及びTable2(表2)に示されたデータと同様の傾向をもつ。-75℃より低い全ての温度で、反応供給において同様のイソプレン濃度で、MeClとHFO-1234zeとのブレンドで実施された重合よりも、MeCl/HFO-1234yfブレンドによって、より高レベルの全イソプレン組み込みを有したポリマーが製造された。純粋な希釈剤で認められた結果と同様に、MeClとHFO-1234yfとのブレンド中で実施された重合では、全ての温度で最高レベルのポリマー不飽和が得られた。

0108

イソプレンの組み込みは、供給モノマー組成(f=[M1]/[M2])のコポリマー組成(F=[M1]/[M2])に対する比に基づいて比較された。文献において周知であるように、2モノマーの共重合の反応速度定数は、Quirk RP、Gomochak-Pickel DL、The Science and Technology of Rubber、第3版、2章において説明され得る。
M1*+M1→M1*(速度=k11)
M1*+M2→M2*(速度=k12)
M2*+M2→M2*(速度=k22)
M2*+M1→M1*(速度=k21)

0109

モノマー反応性比は、以下の反応速度定数から導かれ、「他の」モノマーに対して、「それ自体」のモノマー種成長分子鎖末端との2つの種それぞれの相対的な反応性を表す。
r1=k11/k12;r2=k22/k12

0110

供給モノマー濃度に対するコポリマーの瞬間の組成を、以下のメイヨー-ルイス式(Mayo-Lewis equation)を用いて決定することができる。

0111

0112

但し、
f=[M1]/[M2] (モノマー供給比)
F=d[M1]/d[M2] (コポリマーの組成)

0113

r1>>1>>r2の場合に、反応中に生成されたポリマー組成ドリフトは、反応初期に優先的に添加されるモノマー1と共に起こることになる。モノマー1が大部分で消費されると、第2のモノマーが、重合の後期でより反応することになる。実際、MeCl中でのイソブチレン/イソプレン共重合の反応性比は、r1=2.5、及びr2=0.4であり、その結果、f/F比は0.6に近いことが周知である。よりランダムなコポリマーを得るために、反応性比は、1に等しいか、ほぼ1であるべきである(r1=r2=1)。この制限的な場合では、f比(f/F)は1.0により近づくことになる。

0114

Table13(表13)に、-95℃で、2.3〜8.6モル%の範囲の供給イソプレン含量を用いて、純粋な希釈剤中で実施された重合の結果を列挙する。Table12(表12)の実施例と同様に、-95℃で、HFO-1234yfを希釈剤として用いて製造されたゴムは、全ての供給イソプレン含量において、他の希釈剤系と比較して、組み込まれたイソプレンから有意なより多くの不飽和を含む。図5に、-95℃で純粋な希釈剤における重合の供給モノマーとコポリマーの比(f比)を比較する。データを通るフィットライン(fit line)によって、HFO-1234yf中で製造されたブチルコポリマーについて、f比0.88が得られることが認められる。比較すると、HFC-134Aのf比フィットラインは0.74であり、MeClでは0.58である。したがってHFO-1234yfの反応性比がより近くに適合し、重合中のイソプレン組み込みの増加、したがってよりランダムなコポリマーが得られることが明らかである。HFC-134A(f/F=0.8)又はMeCl(f/F=0.6)と比較して、HFO-1234yfでは、イソプレン組み込みの増加(f/F=0.9)がもたらされる。

0115

実施例

0116

本発明の新規の特徴は、本発明の詳細な説明を試みると、当業者に明らかになるであろう。しかし、特許請求の範囲は、実施例に掲げた好ましい実施形態によって制限されるものではないが、全体として、本明細書と適合する最も広い範囲の解釈がなされると理解されたい。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ