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図面 (18)

課題・解決手段

養子細胞治療製品を製造するための人工多能性幹細胞(iPSC)の適用及び免疫受容体の潜在毒性をスクリーニングするためのiPSCの使用を本明細書では記載している。いくつかの態様では、HLA遺伝子(例えばHLA−A)を発現しないiPSC及びiPSCから分化された細胞を提供している。本明細書で提供される方法は、例えば、HLA−Aneg、HLAホモ接合人工多能性幹細胞(iPSC)の製造方法であって、(a)HLAホモ接合ドナーから細胞集団を得て、(b)HLA−Aを発現しないように前記細胞を操作し、それによってHLA−Aneg細胞を製造し、及び(c)iPSCを生成するように前記HLA−Aneg細胞をリプログラミングし、それによってHLA−AnegiPSCを製造することを含む、前記方法である。

概要

背景

自家またはヒト白血球抗原HLA)が適合した同種異系ドナー細胞を使用した細胞療法は、がんを含む多種の疾患、及び再生医療にとって有望な治療法である。しかし、自家細胞は、時には、特にがん患者において疾患自体または毒性のある薬の反復投与を原因とする機能的な欠陥がある。同種異系細胞の場合、患者は、同種異系の免疫応答を回避するために、適切なHLA適合ドナーを見つける必要がある。例えば、同種異系造血幹細胞(HSC)は、レシピエントのHSCの不在または機能不全回復させるために注入され、特異的造血細胞を生成するための供給源として提供される。しかし、HLA系多様性は、HLA適合ドナーを見つけることのハードルとなり、そのハードルは人種的な遺伝子多型の影響によって増長される。適切なHLA適合産物を患者に提供するために、ロバストドナー数が必要とされる。臍帯血(UCB)単位の事前バンク及び国立骨髄ドナープログラム(NMDP)を通じて登録された成人ドナーにアクセスするにもかかわらず、多くのレシピエント、特にドナープール不足している人種及び民族マイノリティのレシピエントにとって、適切なHLA適合産物を見つけることは困難なままである。実際には、NMDPに登録されているドナー900万人では米国の人口をカバーするのに十分ではない。さらに、細胞治療製品を準備するために大幅な時間及び金銭的費用がかかる。このように、同種異系の免疫細胞媒介性拒絶反応を回避し、患者からの細胞培養物を増やす必要なく患者に注入することができる細胞製品が必要とされている。

概要

養子細胞治療製品を製造するための人工多能性幹細胞(iPSC)の適用及び免疫受容体の潜在毒性をスクリーニングするためのiPSCの使用を本明細書では記載している。いくつかの態様では、HLA遺伝子(例えばHLA−A)を発現しないiPSC及びiPSCから分化された細胞を提供している。本明細書で提供される方法は、例えば、HLA−Aneg、HLAホモ接合人工多能性幹細胞(iPSC)の製造方法であって、(a)HLAホモ接合ドナーから細胞集団を得て、(b)HLA−Aを発現しないように前記細胞を操作し、それによってHLA−Aneg細胞を製造し、及び(c)iPSCを生成するように前記HLA−Aneg細胞をリプログラミングし、それによってHLA−AnegiPSCを製造することを含む、前記方法である。

目的

いくつかの実施形態では、方法は医学的状態にある個体を治療する方法を提供し、本明細書に記載の細胞集団から有効量の細胞を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
0件

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請求項1

HLA−Aneg、HLAホモ接合人工多能性幹細胞(iPSC)の製造方法であって、(a)HLAホモ接合ドナーから細胞集団を得て、(b)HLA−Aを発現しないように前記細胞を操作し、それによってHLA−Aneg細胞を製造し、及び(c)iPSCを生成するように前記HLA−Aneg細胞をリプログラミングし、それによってHLA−AnegiPSCを製造することを含む、前記方法。

請求項2

前記細胞集団は臍帯血細胞集団である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記ドナーはHLA−B、HLA−C、及びHLA−DRB1のHLAホモ接合である、請求項1に記載の方法。

請求項4

HLA−Aを発現しないように前記細胞を操作することは、前記HLA−A遺伝子座を特異的に標的とする人工ヌクレアーゼを前記細胞に導入することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記人工ヌクレアーゼはジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN、またはCRISPR/Cas9である、請求項4に記載の方法。

請求項6

人工ヌクレアーゼを前記細胞に導入することは前記人工ヌクレアーゼをコードするmRNAを前記細胞に導入することを含む、請求項4に記載の方法。

請求項7

リプログラミングはOct3/4、KLF4、Sox2、及びc−mycタンパク質を前記細胞に導入することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

リプログラミングはOct3/4、KLF4、Sox2、及びmRNAをコードするc−mycを前記細胞に導入することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項9

リプログラミングはOct3/4、KLF4、Sox2、及びc−mycをコードする1つまたは複数の発現カセットを前記細胞に導入することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記1つまたは複数の発現カセットは1つまたは複数のエピソームベクターに含まれる、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記発現カセットはウイルスベクターに含まれる、請求項9に記載の方法。

請求項12

前記ウイルスベクターはレトロウイルスベクターレンチウイルスベクター、またはセンダイウイルスである、請求項11に記載の方法。

請求項13

自殺遺伝子をステップ(b)の前記細胞に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項14

前記自殺遺伝子は誘導性カスパーゼ9(iCasp9)である、請求項13に記載の方法。

請求項15

誘導遺伝子導入を含む、請求項13に記載の方法。

請求項16

導入はトランスポゾントランスポサーゼ系を含む、請求項13に記載の方法。

請求項17

前記トランスポゾン/トランスポサーゼ系はスリピングビューティートランスポゾン/トランスポサーゼ系である、請求項16に記載の方法。

請求項18

iPSC中のTRAC遺伝子崩壊させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項19

崩壊は前記TRAC遺伝子座を特異的に標的とする人工ヌクレアーゼを前記細胞に導入することを含む、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記iPSCをキメラ抗原受容体形質導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項21

遺伝的にセーフハーバープロファイルを有するHLA−Aneg、HLAホモ接合iPSCを同定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項22

前記同定は全ゲノム配列決定または組込み部位解析によって実施される、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記HLA−Aneg、HLAホモ接合iPSCを分化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項24

分化は抗原提示細胞APC)の使用を含む、請求項23に記載の方法。

請求項25

前記APCは人工APC(aAPC)を含む、請求項23に記載の方法。

請求項26

前記aAPCは遺伝的に改変されたK562細胞である、請求項25に記載の方法。

請求項27

前記iPSCは免疫細胞に分化される、請求項23に記載の方法。

請求項28

前記免疫細胞はT細胞、NK細胞iNKT細胞である、請求項27に記載の方法。

請求項29

前記免疫細胞は腫瘍特異的またはウイルス特異的TCRαβをさらに含む、請求項27に記載の方法。

請求項30

前記免疫細胞は腫瘍特異的キメラ抗原受容体をさらに含む、請求項27に記載の方法。

請求項31

前記免疫細胞は免疫抑制分子を排除するために遺伝的にさらに編集される、請求項27に記載の方法。

請求項32

前記免疫抑制分子はPD−1またはCTLA−4である、請求項31に記載の方法。

請求項33

前記iPSCは造血幹細胞に分化される、請求項27に記載の方法。

請求項34

前記iPSCは心筋細胞肺上皮細胞ベータ膵島細胞腎細胞、または神経細胞に分化される、請求項27に記載の方法。

請求項35

ホモ接合HLA対立遺伝子及びHLA−Aneg表現型の少なくとも1つのセットを含む単離された哺乳動物細胞

請求項36

前記細胞は臍帯血、心筋細胞、腎臓表皮膵臓、ベータ膵島肝臓造血間葉、または神経細胞である、請求項35に記載の単離された細胞。

請求項37

前記細胞は胚性幹細胞またはiPS細胞である、請求項35に記載の単離された細胞。

請求項38

前記細胞はT細胞またはNK細胞である、請求項35に記載の単離された細胞。

請求項39

前記細胞はホモ接合HLA対立遺伝子の少なくとも2つのセットを含む、請求項35に記載の単離された細胞。

請求項40

細胞はホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子、ホモ接合HLA−B及びHLA−DRB1対立遺伝子またはホモ接合HLA−C及びHLA−HLA−DRB1対立遺伝子を含む、請求項35に記載の単離された細胞。

請求項41

細胞は少なくとも1つの前記HLA−A遺伝子の全てまたは一部分の欠失を含む、請求項35に記載の単離された細胞。

請求項42

細胞は前記遺伝子を非機能性にする変異を有する少なくとも1つのHLA−A遺伝子を含む、請求項35に記載の単離された細胞。

請求項43

前記細胞は導入遺伝子を含む、請求項35に記載の細胞。

請求項44

前記導入遺伝子は自殺遺伝子を含む、請求項43に記載の細胞。

請求項45

前記自殺遺伝子は誘導性カスパーゼ9(iCasp9)である、請求項44に記載の細胞。

請求項46

前記細胞は機能性TCRα及び/またはTCRβ遺伝子を欠損している、請求項35に記載の細胞。

請求項47

前記細胞は腫瘍特異的またはウイルス特異的TCRαβをさらに含む、請求項35に記載の細胞。

請求項48

前記細胞はキメラ抗原受容体(CAR)をさらに含む、請求項35に記載の細胞。

請求項49

前記細胞は1つまたは複数の免疫抑制分子の発現を欠損している、請求項35に記載の細胞。

請求項50

前記免疫抑制分子はPD−1またはCTLA−4である、請求項49に記載の細胞。

請求項51

請求項35に記載の細胞集団。

請求項52

少なくとも1つの第1及び第2の人工多能性幹細胞株を含む細胞株のinvitroのセットであって、前記第1及び第2の細胞株はホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子を含み、前記第1の細胞株のホモ接合HLA−B及び/またはHLA−C対立遺伝子は第2の細胞株のHLA−B及び/またはHLA−C対立遺伝子と異なっており、前記第1及び第2の細胞株は両方ともHLA−Anegである、前記細胞株のinvitroのセット。

請求項53

少なくとも5〜10個の異なる人工多能性幹細胞株をさらに含み、各細胞株はホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子の固有の組み合わせを含み、各細胞株はHLA−Anegである、請求項52に記載の細胞株のinvitroのセット。

請求項54

少なくとも20個の異なる人工多能性幹細胞株をさらに含み、各細胞株はホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子の固有の組み合わせを含み、各細胞株はHLA−Anegである、請求項53に記載の細胞株のinvitroのセット。

請求項55

少なくとも27個の異なる人工多能性幹細胞株をさらに含み、各細胞株はホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子の固有の組み合わせを含み、各細胞株はHLA−Anegである、請求項54に記載の細胞株のinvitroのセット。

請求項56

前記セットは27個の異なる人工多能性幹細胞株を含み、各細胞株は表1に記載のホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子の固有の組み合わせを含み、各細胞株はHLA−Anegである、請求項54に記載の細胞株のinvitroのセット。

請求項57

各細胞株は自殺遺伝子をさらに含む、請求項52に記載のinvitroの細胞株のセット。

請求項58

前記自殺遺伝子は誘導性カスパーゼ9(iCasp9)である、請求項57に記載の細胞株のinvitroのセット。

請求項59

前記細胞株は請求項1に記載の方法に従って製造される、請求項52に記載の細胞株のinvitroのセット。

請求項60

(a)請求項52に記載のiPSC細胞株のinvitroのセットを得て、(b)前記iPSCを系譜特異的な細胞に任意に分化し、(c)前記iPSCまたは系譜特異的な細胞を目的の免疫受容体を発現するT細胞に暴露し、(d)前記iPSCまたは系譜特異的な細胞と目的の免疫受容体を発現するT細胞との相互作用を検出し、それによって免疫受容体の特異性スクリーニングすることを含む、免疫受容体の特異性のスクリーニング方法

請求項61

前記T細胞は、目的の免疫受容体の標的抗原を認識した後に、GFPのみを発現するT急性リンパ芽球性白血病細胞株である、請求項60に記載の方法。

請求項62

ステップ(d)は前記T急性リンパ芽球性白血病細胞株中のGFPの前記発現を検出し、それによって標的抗原を発現するiPSCまたは系譜特異的な細胞を同定することを含む、請求項61に記載の方法。

請求項63

細胞死レポーター構築物を前記ステップ(a)の細胞に導入することをさらに含む、請求項60に記載の方法。

請求項64

前記細胞死レポーター構築物はカスパーゼ3の活性化を検出することができる、請求項63に記載の方法。

請求項65

ステップ(d)は前記細胞死レポーター構築物の活性化を検出し、それによって免疫受容体の特異性をスクリーニングすることを含む、請求項63に記載の方法。

請求項66

系譜特異的転写因子プロモーター駆動レポーター遺伝子を前記ステップ(a)の細胞に導入することをさらに含む、請求項60に記載の方法。

請求項67

ステップ(d)は前記レポーター遺伝子の発現の喪失を検出し、それによって免疫受容体の特異性をスクリーニングすることを含む、請求項66に記載の方法。

請求項68

前記目的の免疫受容体はT細胞受容体(TCR)またはキメラ抗原受容体(CAR)である、請求項60に記載の方法。

請求項69

前記TCRはクローニングされ、または操作されている、請求項68に記載の方法。

請求項70

治療の必要な患者の疾患の治療方法であって、(a)前記患者とHLAが適合する請求項52に記載の細胞株のinvitroのセットから細胞株を選択し、(b)前記選択された細胞株を系譜特異的な細胞に分化し、及び(c)治療有効量の前記分化された細胞を前記患者に投与することを含む、前記方法。

請求項71

前記方法は免疫療法を提供する方法である、請求項70に記載の方法。

請求項72

前記系譜特異的な細胞は造血幹細胞または免疫エフェクター細胞である、請求項71に記載の方法。

請求項73

前記疾患はがん自己免疫疾患、または感染性疾患である、請求項71に記載の方法。

請求項74

前記免疫エフェクター細胞はT細胞、NK細胞、及びiNKT細胞である、請求項71に記載の方法。

請求項75

前記方法はキメラ抗原受容体(CAR)またはT細胞受容体を前記ステップ(a)の細胞に導入することをさらに含む、請求項71に記載の方法。

請求項76

前記疾患はがんであり、前記CARは癌細胞抗原を標的とする、請求項75に記載の方法。

請求項77

前記癌細胞抗原は、CD19、CD20、癌胎児抗原α−フェトプロテイン、CA−125、5T4、MUC−1、上皮性腫瘍抗原メラノーマ関連抗原、変異p53、変異ras、HER2/Neu、ERBB2、葉酸結合タンパク質GD2、CD123、CD23、CD30、CD56、c−Met、meothelin、GD3、HERV−K、IL−11Ralpha、カッパ鎖ラムダ鎖、CSPG4、ERBB2、EGFRvIII、またはVEGFR2である、請求項76に記載の方法。

請求項78

前記疾患は自己免疫疾患であり、前記CARは自己免疫疾患細胞を標的とする、請求項75に記載の方法。

請求項79

前記疾患は病原体によって生じる感染性疾患であり、前記CARは病原体抗原を標的とする、請求項75に記載の方法。

請求項80

前記病原体は、真菌ウイルス、または病原性微生物である、請求項79に記載の方法。

請求項81

前記方法は再生医療をもたらす方法である、請求項70に記載の方法。

請求項82

前記系譜特異的な細胞は、心筋細胞、神経細胞、ベータ膵島細胞、腎細胞、または肺細胞である、請求項81に記載の方法。

技術分野

0001

説明

0002

本出願は2014年4月24日に出願された米国特許仮出願第61/983,722号の優先権を主張し、参照により本明細書に援用される。

0003

配列表の援用

0004

ファイル名「UTFCP1235WO_ST25.txt」に含まれる配列表は、2KBであり(マイクロソフトWindows(登録商標)で測定)、2015年4月15日に作成され、電子申請により本明細書と共に提出され、参照により本明細書に援用される。

0005

本発明は、医学細胞生物学、及び分子生物学の分野に一般的に関係している。特定の態様では、本発明の分野は免疫療法に関係している。より具体的には、本発明は免疫療法及び再生医療、ならびに免疫受容体の潜在毒性をスクリーニングするための養子細胞治療製品に関する。

背景技術

0006

自家またはヒト白血球抗原HLA)が適合した同種異系ドナー細胞を使用した細胞療法は、がんを含む多種の疾患、及び再生医療にとって有望な治療法である。しかし、自家細胞は、時には、特にがん患者において疾患自体または毒性のある薬の反復投与を原因とする機能的な欠陥がある。同種異系細胞の場合、患者は、同種異系の免疫応答を回避するために、適切なHLA適合ドナーを見つける必要がある。例えば、同種異系造血幹細胞(HSC)は、レシピエントのHSCの不在または機能不全回復させるために注入され、特異的造血細胞を生成するための供給源として提供される。しかし、HLA系多様性は、HLA適合ドナーを見つけることのハードルとなり、そのハードルは人種的な遺伝子多型の影響によって増長される。適切なHLA適合産物を患者に提供するために、ロバストドナー数が必要とされる。臍帯血(UCB)単位の事前バンク及び国立骨髄ドナープログラム(NMDP)を通じて登録された成人ドナーにアクセスするにもかかわらず、多くのレシピエント、特にドナープール不足している人種及び民族マイノリティのレシピエントにとって、適切なHLA適合産物を見つけることは困難なままである。実際には、NMDPに登録されているドナー900万人では米国の人口をカバーするのに十分ではない。さらに、細胞治療製品を準備するために大幅な時間及び金銭的費用がかかる。このように、同種異系の免疫細胞媒介性拒絶反応を回避し、患者からの細胞培養物を増やす必要なく患者に注入することができる細胞製品が必要とされている。

課題を解決するための手段

0007

本開示は、免疫療法、再生医療の養子細胞治療製品を製造するための人工多能性幹細胞の適用、及び免疫受容体の潜在毒性のスクリーニングを提供している。

0008

一態様では、HLA−Aneg、HLAホモ接合人工多能性幹細胞(iPSC)を製造する方法を提供し、(a)HLAホモ接合ドナーから細胞の集合を得て、(b)HLA−Aを発現しないように前記細胞を操作し、それによってHLA−Aneg細胞を製造し、及び(c)iPSCを生成するように前記HLA−Aneg細胞をリプログラムし、それによってHLA−AnegiPSCを製造することを含む。

0009

一態様では、細胞集団臍帯血細胞集団であってもよい。一態様では、ドナーはHLA−B、HLA−C、及びHLA−DRB1のHLA−ホモ接合であってもよい。

0010

いくつかの態様では、HLA−Aが発現しないように細胞を操作することは、HLA−A遺伝子座を特異的に標的とする人工ヌクレアーゼを前記細胞に導入することを含んでもよい。様々な態様では、人工ヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN、またはCRISPR/Cas9であってもよい。様々な態様では、人工ヌクレアーゼを細胞に導入することは、人工ヌクレアーゼをコードするmRNAを細胞に導入することを含んでもよい。

0011

いくつかの態様では、リプログラミング細胞(例えばHLA−Aneg細胞)はSox2、Oct3/4、Nanog、Lin−28、Klf4、myc(例えば、C−myc、L−myc、または形質転換欠損しているmyc変異体)及び/またはSV40LTから成る群から選択されるリプログラミング因子を細胞に導入することを含んでもよい。いくつかの態様では、例えば、HLA−Aneg細胞等のリプログラミング細胞は、リプログラミング因子Oct3/4、KLF4、Sox2、及びc−mycタンパク質を細胞に導入することを含む。さらなる態様では、リプログラミングは、Oct3/4、KLF4、Sox2、及びmRNAをコードするc−mycを細胞に導入することを含んでもよい。さらに別の態様では、リプログラミングは、Oct3/4、KLF4、Sox2、及びc−mycをコードする1つまたは複数の発現カセットを細胞に導入することを含んでもよい。1つまたは複数の発現カセットは、1つまたは複数のエピソームベクターに含まれてもよい。1つまたは複数の発現カセットは、1つまたは複数のウイルスベクター(例えば、レトロウイルスベクターレンチウイルスベクター、またはセンダイウイルスベクター)に含まれてもよい。

0012

特定の態様では、前記方法は、例えば、誘導性カスパーゼ9(iCasp9)等の自殺遺伝子をステップ(b)の細胞に導入することをさらに含んでもよい。いくつかの態様では、導入は遺伝子導入を含んでもよい。いくつかの態様では、導入は、スリピングビューティートランスポゾントランスポザーゼ系等のトランスポゾン/トランスポザーゼ系を含んでもよい。

0013

特定の態様では、前記方法はHLA−Aneg、遺伝的にセーフハーバープロファイルを有するHLA−ホモ接合iPSCを同定することを含んでもよい。本明細書で使用するとき、「セーフハーバー」プロファイルとは、導入遺伝子発現が保持されている(すなわち遺伝子発現停止されていない)部位のゲノム外来遺伝子物質を挿入することを指し、内因性遺伝子の発現を妨害しない。例えば、「遺伝的セーフハーバープロファイル」とは、内因性遺伝子のコーディング及び発現制御領域の外側に位置する遺伝子導入イベントを指してもよい。いくつかの態様では、同定は、全ゲノム配列決定または組込み部位解析の実行を含んでもよい。

0014

特定の態様では、前記方法はHLA−Aneg、HLAホモ接合iPSCを分化させることをさらに含んでもよい。いくつかの態様では、分化は人工抗原提示細胞(aAPC)の使用を含んでもよい。いくつかの態様では、aAPCは遺伝子改変されたK562細胞であってもよい。

0015

いくつかの態様では、iPSCは、例えば、T細胞、NK細胞iNKT細胞等の免疫細胞に分化されてもよい。いくつかの態様では、前記免疫細胞は、腫瘍特異的またはウイルス特異的TCRαβをさらに含んでもよい。いくつかの態様では、前記免疫細胞は、腫瘍特異的キメラ抗原受容体をさらに含んでもよい。いくつかの態様では、前記免疫細胞は、免疫抑制分子(例えば、PD−1またはCTLA−4)を削除するようにさらに遺伝的に編集されてもよい。いくつかの態様では、前記iPSCは造血幹細胞に分化されてもよい。いくつかの態様では、前記iPSCは心筋細胞肺上皮細胞ベータ膵島細胞腎細胞、または神経細胞に分化されてもよい。

0016

さらなる実施形態では、単離された哺乳動物細胞を提供し(例えばヒト細胞)、当該細胞はホモ接合HLA対立遺伝子(例えばホモ接合HLA−B、HLA−C及び/またはHLADRB1対立遺伝子)及びHLA−Aneg表現型の少なくとも1つのセットを含んでいる。いくつかの態様では、HLA−Aneg表現型を有する細胞は、少なくとも1つのHLA−A遺伝子の全てまたは一部の削除を含み、または遺伝子または遺伝子産物の一方または両方を非機能性にする変異をHLA−Aに含む。例えば、いくつかの態様では、HLA−A遺伝子の一方または両方はジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN、または遺伝子または遺伝子産物を非機能にするCRISPR/Cas9系によって生成された欠失を含む。さらなる態様では、ホモ接合HLA対立遺伝子の少なくとも1つのセットを含む実施形態の細胞は、ホモ接合HLA対立遺伝子の少なくとも2つまたは3つのセットを含む。例えば、前記細胞はホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子、ホモ接合HLA−B及びHLA−DRB1対立遺伝子、ホモ接合HLA−C及びHLA−DRB1対立遺伝子またはホモ接合HLA−B、HLA−C及びHLA−DRB1対立遺伝子を含むことができる。

0017

いくつかの態様では、実施形態のホモ接合HLA対立遺伝子及びHLA−Aneg表現型の少なくとも1つのセットを含む単離された哺乳動物細胞は、胚性幹細胞iPS細胞、臍帯血細胞、表皮細胞膵臓細胞肝細胞、造血細胞、間葉細胞、神経細胞またはNK細胞もしくはT細胞等の免疫細胞(例えばCD4またはCD8陽性T細胞)である。さらなる態様では、実施形態の細胞集団を提供する。例えば、いくつかの態様では、実施形態の約1×103〜1×104、1×106、1×106、または1×107個の細胞集団が提供される。

0018

いくつかの態様では、実施形態のホモ接合性のHLA対立遺伝子及びHLA−Aneg表現型の少なくとも1つのセットを含む単離された哺乳動物細胞は、導入遺伝子をさらに含む。例えば、前記細胞は、レポーターをコードしている導入遺伝子、薬物選択マーカー、キメラ抗原受容体(CAR)及び/または自殺遺伝子(例えばチミジンキナーゼまたは誘導性カスパーゼ9(iCasp9)を含んでもよい。さらに別の態様では、実施形態の哺乳動物細胞は、1つまたは複数の内因性遺伝子の減少した発現または活性をさらに含む。例えば、いくつかの態様では、前記細胞は発現を欠いている、またはPD−1もしくはCTLA−4等の1つまたは複数の免疫抑制分子の発現が減少している。さらなる態様では、前記細胞は、発現を欠いている、または1つまたは複数のT細胞受容体成分の発現が減少している。例えば、いくつかの態様では、前記細胞は発現を欠いている、またはTCRα、TCRβまたはTCRα及びTCRβの発現が減少している。

0019

さらなる実施形態では、細胞株のin vitroのセットは、少なくとも第1及び第2の人工多能性幹細胞株を含んで提供され、前記第1及び第2の細胞株は、ホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子を含み、第1の細胞株のホモ接合HLA−B及び/またはHLA−C対立遺伝子は第2の細胞株のホモ接合HLA−B及び/またはHLA−C対立遺伝子と異なっており、第1及び第2の細胞株は両方ともHLA−Anegである。特定の態様では、細胞株のセットは少なくとも5〜10個の異なる人工多能性幹細胞株をさらに含んでもよく、各細胞株は固有のホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子の組み合わせを含み、各細胞株はHLA−Anegである。特定の態様では、細胞株のセットは少なくとも20個の異なる人工多能性幹細胞株をさらに含み、各細胞株は固有のホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子の組み合わせを含み、各細胞株はHLA−Anegである。特定の態様では、細胞株のセットは少なくとも27個の異なる人工多能性幹細胞株をさらに含み、各細胞株は固有のホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子の組み合わせを含み、各細胞株はHLA−Anegである。特定の態様では、細胞株のセットは少なくとも27個の異なる人工多能性幹細胞株をさらに含み、各細胞株は表1に記載のホモ接合HLA−B及びHLA−C対立遺伝子の固有の組み合わせを含み、各細胞株はHLA−Anegである。

0020

いくつかの態様では、各細胞株は誘導性カスパーゼ9(iCasp9)等の自殺遺伝子をさらに含んでもよい。いくつかの態様では、細胞株は本発明の実施形態の方法に従って作製することができる。

0021

一実施形態では、免疫受容体の特異性をスクリーニングする方法を提供し、(a)本発明の実施形態に記載のiPSC株のin vitroのセットを得て、(b)任意に、前記iPSCを系譜特異的な細胞に分化し、(c)iPSCまたは系譜特異的な細胞を目的の免疫受容体を発現するT細胞に暴露し、及び(d)iPSCまたは系譜特異的な細胞と目的の免疫受容体を発現するT細胞との相互作用を検出し、それによって免疫受容体の特異性をスクリーニングすることを含む。

0022

いくつかの態様では、前記T細胞は、目的の免疫受容体の標的抗原を認識した後にのみGFPを発現するT急性リンパ芽球性白血病細胞株であってもよい。この態様では、ステップ(d)はT急性リンパ芽球性白血病細胞株中のGFPの発現を検出することを含んでもよく、それによってiPSCまたは標的抗原を発現する系譜特異的な細胞を同定する。

0023

いくつかの態様では、前記方法は細胞死レポーター構築物をステップ(a)の細胞に導入することをさらに含んでもよい。いくつかの態様では、細胞死レポーター構築物はカスパーゼ3の活性化の検出を可能にし得る。これらの態様では、ステップ(d)は細胞死レポーター構築物の活性化を検出することを含んでもよく、それによって免疫受容体の特異性をスクリーニングする。

0024

いくつかの態様では、前記方法は、系譜特異的な転写因子プロモーター駆動レポーター遺伝子をステップ(a)の細胞に導入することをさらに含んでもよい。この態様では、ステップ(d)は、レポーター遺伝子の発現の喪失を検出することを含んでもよく、それによって免疫受容体の特異性をスクリーニングする。

0025

いくつかの態様では、目的の免疫受容体はT細胞受容体(TCR)またはキメラ抗原受容体(CAR)であってもよい。いくつかの態様では、前記TCRはクローニングされても、または操作されてもよい。

0026

一実施形態では、治療の必要な患者の疾患を治療する方法を提供し、(a)前記患者とHLAが適合する本発明の実施形態のいずれか1つの記載の細胞株のin vitroのセットから細胞株を選択し、(b)選択された細胞株を系譜特異的な細胞に分化し、(c)治療有効量の分化された細胞を患者に投与することを含む。

0027

特定の態様では、前記方法は免疫療法を提供する方法であってもよい。いくつかの態様では、系譜特異的な細胞は、造血幹細胞または免疫エフェクター細胞であってもよい。いくつかの態様では、前記疾患はがん、自己免疫疾患、または感染症であってもよい。いくつかの態様では、免疫エフェクター細胞は、T細胞、NK細胞、及びiNKT細胞であってもよい。

0028

特定の態様では、前記方法はキメラ抗原受容体(CAR)またはT細胞受容体をステップ(a)の細胞に導入することをさらに含んでもよい。いくつかの態様では、前記疾患はがんであり得、前記CARは例えば、CD19、CD20、癌胎児抗原α−フェトプロテイン、CA−125、5T4、MUC−1、上皮性腫瘍抗原メラノーマ関連抗原、変異p53、変異ras、HER2/Neu、ERBB2、葉酸結合タンパク質GD2、CD123、CD23、CD30、CD56、c−Met、meothelin、GD3、HERV−K、IL−11Rアルファカッパ鎖ラムダ鎖、CSPG4、ERBB2、EGFRvIII、またはVEGFR2等の癌細胞抗原を標的としてもよい。

0029

いくつかの態様では、前記疾患は自己免疫疾患であってもよく、前記CARは自己免疫細胞を標的としてもよい。自己免疫疾患の例として、以下に限定されないが、セリアック病1型糖尿病(IDDM)、全身性エリテマトーデスSLE)、シェーグレン症候群多発性硬化症(MS)、橋本甲状腺炎グレーブス病特発性血小板減少性紫斑病関節リウマチ(RA)、急性特発性血小板減少性紫斑病、慢性特発性血小板減少性紫斑病、皮膚筋炎、シデナム舞踏病重症筋無力症全身性エリテマトーデス、ループス腎炎リウマチ熱、多腺性症候群水疱性類天疱瘡、糖尿病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病ポストストレプトコッカス腎炎結節性紅斑高安動脈炎アジソン病、関節リウマチ、多発性硬化症、サルコイドーシス潰瘍性大腸炎多形性紅斑IgA腎症結節性多発動脈炎強直性脊椎炎グッドパスチャー症候群閉塞性血栓血管炎、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変、橋本甲状腺炎、甲状腺中毒症強皮症慢性活動性肝炎多発性筋炎/皮膚筋炎、多発性軟骨炎尋常性天疱瘡ウェゲナー肉芽腫症膜性腎症筋萎縮性側索硬化症脊髄癆巨細胞性動脈炎多発性筋痛悪性貧血急速進行性糸球体腎炎乾癬、及び線維性肺胞炎が挙げられる。

0030

いくつかの態様では、前記疾患は病原体によって生じる感染性疾患であり得(例えば真菌ウイルス、または病原性微生物)、前記CARは病原体抗原を標的とすることができる。

0031

特定の態様では、前記方法は再生医療を提供する方法であってもよい。この態様では、系譜特異的な細胞は心筋細胞、神経細胞、ベータ膵島細胞、腎細胞、肺細胞上皮細胞、膵臓細胞、肝細胞、造血細胞または間葉細胞であってもよい。

0032

いくつかの態様では、実施形態の方法は抗原提示細胞(APC)を得て製造すること、または使用することをさらに含む。いくつかの態様では、APCは樹状細胞であり得る。特定の態様では、前記APCは人工抗原提示細胞(aAPC)であり、aAPCはAPCのように機能するように操作されている。例えば、いくつかの態様では、前記aAPCは放射線照射等で不活性化される。当該APCを作製する方法は当技術分野で知られており、本明細書にさらに詳述する。したがって、いくつかの態様では、実施形態の細胞(例えばHLA−Aneg表現型を有する免疫細胞)はT細胞集団を増殖するために、一定時間、ex vivoでAPCと共培養される。APCと共培養させる細胞のステップは、例えば、インターロイキン21(IL−21)及び/またはインターロイキン−2(IL−2)を含む培地で行うことができる。いくつかの態様では、共培養は、約10:1〜約1:10、約3:1〜約1:5、または約1:1〜約1:3の免疫細胞(例えばT細胞)とAPCの比で行われる。例えば、免疫細胞及びAPCの共培養は、約1:1、約1:2または約1:3の比で行うことができる。

0033

いくつかの実施形態では、方法は医学的状態にある個体を治療する方法を提供し、本明細書に記載の細胞集団から有効量の細胞を提供するステップを含み、いくつかの態様では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日以上離して1回以上投与することを含む。特定の実施形態では、医学的状態はがんまたは感染性疾患である。

0034

「HLA−Aneg」表現型は、本明細書で使用するとき、その表面に機能的HLA−Aを発現する細胞を指す。例えば、HLA−Aneg表現型を有する細胞は、HLA−A遺伝子の一方ンまたは両方の全てまたは一部の欠失を含んでいてもよい。例えば、HLA−A遺伝子は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN、またはCRISPR/Cas9系によって導入される欠失を含んでもよい。同様に、いくつかの態様では、HLA−Aneg表現型を有する細胞は、遺伝子または遺伝子構築物を非機能にする変異をHLA−A遺伝子の一方または両方に含んでもよい。

0035

本明細書で使用されるとき、特定の成分において「本質的に含まない」は、指定された成分のいずれも意図的に組成物に処方されていない及び/または汚染物質としてのみ、または微量に存在していることを意味するために本明細書で使用される。組成物の意図しない汚染から得られる指定された成分の合計量は0.05%よりはるかに下回る、好ましくは0.01%以下である。最も好ましいのは、指定された成分が標準的な分析方法で全く検出されない生成物である。

0036

明細書及び特許請求の範囲で本明細書で使用されるとき、「a」または「an」は1つまたは複数を意味し得る。明細書及び特許請求の範囲で本明細書で使用されるとき、「含む」という用語と一緒に使用される場合、「a」または「an」という単語は1つまたは複数を意味し得る。明細書及び特許請求の範囲で本明細書で使用されるとき、「別の」または「さらなる」は、少なくとも第2またはそれ以上を意味し得る。

0037

明細書及び特許請求の範囲で本明細書中で使用されるとき「約」という用語は、値に、装置の固有の変動、値を定量するために使用される方法の固有の変動、または研究対象に存在する変動が含まれることを示すために使用される。

0038

本発明の他の目的、特徴及び利点は以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の特定の実施形態を示す一方で、詳細な説明及び特定の実施例は、本発明の趣旨及び範囲内の様々な変更及び修正はこの詳細な説明から当業者に明らかとなるため、説明するためだけに示されていることを理解されたい。

0039

以下の図面は本明細書の一部を形成し、本発明の特定の態様を説明するために含まれている。本発明は、本明細書に示される特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせて1つまたは複数の図面を参照することによってもっと理解することが可能となる。

図面の簡単な説明

0040

NMDPでHLA適合ドナーを発見する確率。図1A:8/8適合。図1B:HLA−Aなし6/6。図1C:HLA−Bなし6/6。図1D:HLA−Cなし6/6。各バーの下部は8/8対立遺伝子が適合するドナーを発見する確率を示している。各バーの上部は、対応するHLA遺伝子座が現在のHLA適合要件から除外された場合の6/6対立遺伝子適合ドナーを発見する確率を示している。X軸は民族を示す。
NMDPでHLA適合ドナーを発見する確率。図1A:8/8適合。図1B:HLA−Aなし6/6。図1C:HLA−Bなし6/6。図1D:HLA−Cなし6/6。各バーの下部は8/8対立遺伝子が適合するドナーを発見する確率を示している。各バーの上部は、対応するHLA遺伝子座が現在のHLA適合要件から除外された場合の6/6対立遺伝子適合ドナーを発見する確率を示している。X軸は民族を示す。
iPSCを用いた免疫受容体の毒性のスクリーニング。iPSCは系譜特異的な細胞に直接分化される(左パネル)、またはデスレポーター遺伝子(中央パネル)もしくは系譜特異的なレポーター遺伝子(右パネル)で改変された後に分化される。分化した細胞の潜在的な認識は、免疫受容体媒介性認識(左パネル)を使用する、または免疫受容体を発現するT細胞と共培養することによってモニターされる。
iPSCを用いた免疫受容体の毒性のスクリーニング。iPSCは系譜特異的な細胞に直接分化される(左パネル)、またはデスレポーター遺伝子(中央パネル)もしくは系譜特異的なレポーター遺伝子(右パネル)で改変された後に分化される。分化した細胞の潜在的な認識は、免疫受容体媒介性認識(左パネル)を使用する、または免疫受容体を発現するT細胞と共培養することによってモニターされる。
HLA−AnegHLA−B/C/DRB1ホモ接合iPSCを分化することによって、疾患を治療する方法を説明している図。
レポーター遺伝子発現を媒介するSeVベクター。図4A:活性化T細胞は指定されたMOI及び細胞数でGFPをコードするSeVベクターに感染した。1日目のフローサイトメトリーのデータを示している。X軸:GFP発現、Y軸:CD3。MFI:平均蛍光強度。右上の象限数字はCD3+GFP+細胞の割合を表している。図4B:1日目から7日目のGFP発現。毎日MFIを測定し、グラフプロットした。黒四角:SeVなし、白丸:MOI=1、1×106、黒丸:MOI=3、1×106、白ひし形:MOI=1、5×105、黒ひし形:MOI=3、5×105。
レポーター遺伝子発現を媒介するSeVベクター。図4A:活性化T細胞は指定されたMOI及び細胞数でGFPをコードするSeVベクターに感染した。1日目のフローサイトメトリーのデータを示している。X軸:GFP発現、Y軸:CD3。MFI:平均蛍光強度。右上の象限の数字はCD3+GFP+細胞の割合を表している。図4B:1日目から7日目のGFP発現。毎日MFIを測定し、グラフにプロットした。黒四角:SeVなし、白丸:MOI=1、1×106、黒丸:MOI=3、1×106、白ひし形:MOI=1、5×105、黒ひし形:MOI=3、5×105。
T細胞のiPSC細胞へのリプログラミング。iPSCの位相コントラストビュー。16日目にAlexa Fluor647 抗−TRA−1−60抗体でTRA−1−60の生きている状態で染色した。
iPSコロニー免疫蛍光染色。固定後、指定された抗体及びAlexa488複合二次抗体でiPSコロニーを染色した。蛍光顕微鏡撮像する直前DAPI染色を行った。
iPSCのヌクレオフェクションDNAプラスミドまたはeGFPレポーターをコードするmRNAをヌクレオフェクションによってiPSCに導入した。端的には、百万個の完全に分離したiPSCを、P3緩衝液20μlに再懸濁し、mRNAまたはDNAと混合し、ストリップに移し、4Dヌクレオフェクター(プログラム:CA−137)を使用してヌクレオフェクトした。iPSC中の1日目のGFP発現をフローサイトメトリーによって評価した。示すデータはTRA−1−60陽性集団にゲートされている。
ジンクフィンガーヌクレアーゼによるTRAC及びTRBC遺伝子の破壊ゲル画像内の矢印は、Cel−1酵素によって媒介される消化されたPCR産物を示し、TRAC及びTRBC標的ZFNがZFN標的部位で所望の変異を導入することを示している。
配列決定によるTRAC遺伝子破壊の解析。WT=配列番号1;#13−1=配列番号2;#13−2=配列番号3。
ssODN+ZFNによるTCR遺伝子崩壊。TRAC標的部位内の終止コドンを導入するために、一本鎖オリゴヌクレオチドをTRAC標的ZFNを有する細胞に導入した。10〜14日間培養した後、ZFN標的部位での意図された突然変異デジタルドロップレットPCRにより検出された。
ssODN+ZFNによるTCR遺伝子の崩壊。TRAC標的部位内の終止コドンを導入するために、一本鎖オリゴヌクレオチドをTRAC標的ZFNを有する細胞に導入した。10〜14日間培養した後、ZFN標的部位での意図された突然変異がデジタルドロップレットPCRにより検出された。
スリーピングビューティー及びレンチウイルスによるCAR導入構築物。この図は、iCasp9及びCD19標的CARを導入するためのSB系のプラスミド及びレンチウイルスの概略図を示している。
スリーピングビューティー及びレンチウイルスによるCAR導入の分析
iPS細胞からT細胞を再分化するプロトコル及び分析。iPSCから造血幹細胞をin vitro分化するために、適切なサイトカインを含むAggreWell(商標)プレート中の培地に胚様体を形成した。13日目に、CD34pos及びCD43pos造血幹細胞をフローサイトメトリーによって検出した。
iPS細胞からT細胞を再分化するプロトコル及び分析。iPSCから造血幹細胞をin vitro分化するために、適切なサイトカインを含むAggreWell(商標)プレート中の培地に胚様体を形成した。13日目に、CD34pos及びCD43pos造血幹細胞をフローサイトメトリーによって検出した。

0041

I.実施形態の態様

0042

本明細書は、大規模患者集団に適用可能な養子細胞治療製品を製造するための人工多能性幹細胞(iPSC細胞)の適用を記載している。(例えば免疫受容体の)潜在毒性をスクリーニングするための当該iPSCの使用も記載している。本明細書で詳しく説明している細胞によって、広範囲の疾患の治療に使用される治療薬がもたらされる。特に、前記細胞は治療を受けることができる以上のより広範囲の患者集団に使用しても差し支えない改変されたHLA遺伝子を含む。特定の態様では、実施形態の細胞は、HLA対立遺伝子の1つまたは複数のペアにホモ接合性であり、HLA−Aneg表現型を含む。これらの特徴によって、前記細胞を多数の患者にとって有効な免疫適合性のある細胞にし、それによって個別の患者のために開発された治療法よりはるかに低コストで生み出すことができる細胞ベースの治療法を提供する。

0043

図3に示すように、iCasp9+HLA−Aneg細胞等のHLA−Aneg細胞は、HLA−Aコード遺伝子の選択的崩壊によってHLAホモ接合細胞から生成することができる。例えば、i)iCasp9遺伝子(またはその他の自殺遺伝子)を導入するためのスリーピングビューティー(SB)トランスポゾン/トランスポサーゼ系(またはその他の遺伝子導入方法)、及びii)HLA−Aを除去するためのジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)またはその他の人工ヌクレアーゼ(例えばTALEN、CRISPR/Cas9)で遺伝子改変されることによるHLAホモ接合臍帯血細胞。これらの細胞は、リプログラミング因子を導入する(例えばOct3/4、KLF4、Sox2、及びc−mycをコードするセンダイウイルスを使用する)ことによってiPSCにリプログラムすることができる。あるいは、iPSCクローンをSB及びZFNで直接的に遺伝子改変し、言い換えれば、前記細胞をまずリプログラムし、その後遺伝子改変してもよい。遺伝的にセーフハーバープロファイルを有することが確認されているiPSCクローンを単離した後に、前記細胞を系譜特異的な細胞に分化することができ、当該細胞を免疫治療及び/または再生医療のために患者に投与してもよい。iPSCを分化するための1つのアプローチは、遺伝子改変されたK−562細胞に由来する細胞等の人工抗原提示細胞(aAPC)の使用を伴う。

0044

A.HLA−AnegHLA−ホモ接合性iPSCの生成及びその使用方法

0045

本発明の実施形態は、免疫療法及び再生医療のための同種異系細胞治療のための同種異系iPSCバンクを提供する。事前準備されオンデマンド注入することができる特徴を有した製品を製造することは、利用可能というより必要なときに、集中的に製造し、細胞ベースの治療を送達することができる大きな魅力を有している。さらに、iPSCの遺伝子操作及びクローンの特徴付けによって、下流の臨床グレード製品を製造することが可能になる。この技術によって、臨床医が同種異系治療用細胞をオンデマンドで注入する治療プロセスが促進され、ドナー間異種性が減少し、また、細胞治療製品を調製するコストを低減する。

0046

既存のドナープールへのアクセスを改善する方法は、臨床的影響を与えることが予想される。実際に、国立骨髄ドナープログラム(NMDP)は、米国で約1万人の患者が血縁関係のない同種造血幹細胞移植(HSCT)の恩恵を受けることができると試算している。同種異系HSCがHLA−A遺伝子座の発現を排除するように遺伝的に編集されれば、既に登録されているドナーの臨床適用が著しく増加すると思われる。NMDPのモデリングによると、HLA−A適合の必要性がなくなり、HLA−B、−C、及び−DRのみに適合すれば、アフリカ系アメリカ人のレシピエントがHLA適合ドナーを見つける機会が18%から73%に増加することが示されている。操作されたジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)(または例えばTALEN、CRISPR/Cas9といったその他の人工ヌクレアーゼ)は、遺伝的に編集されたT細胞及び細胞株中のHLA−A発現を排除することができる。ZFNを使用してHSC中のHLA−A発現を排除することによって、HLA適合ドナーを見つける機会が増える魅力的な方法が提供される。このことによって、特に少数民族に属する患者にとって同種異系HSCTの臨床適用を広げることが予想される。

0047

HLA−AnegHLAホモ接合iPSCのバンクの作成が、複数のレシピエントに注入することができるため、これらの問題を解決する。前記バンクの作成は、臍帯血に由来するiPSC等の(表1参照、HLA−B、−C、及び−DRB1がホモ接合の)約27名の固有のドナーから、(例えばデザイナージンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN、CRISPR/Cas9を使用して)HLA−Aをノックアウトすることによって達成することができる。これらのiPSCバンクは免疫治療及び再生医療を改善するために遺伝子を挿入する、及び削除するように操作することができる。これらのHLA−AnegiPSC及びそれから分化された細胞(例えば免疫細胞、心細胞、腎細胞)は、免疫細胞ならびにその他の治療用細胞、例えば、限定されないが、サブタイプを含む心細胞、膵臓腎臓、NK細胞、iNKT細胞、及びT細胞を生成するために使用することができる非常に価値のあるリソースになる。これは、疾患(例えばがん、自己免疫疾患、感染症)の治療及び再生医療を生み出す。

0048

しかしながら、注入された同種異系T細胞上の内因性αβT-細胞受容体(TCR)は、移植片対宿主病(GVHD)を引き起こすレシピエントの主要及び非主要組織適合性を認識し得る。これを克服するために、不要な同種異系免疫反応を引き起こす内因性TCRαβ及びγδ発現を排除することができる。このステップはジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を導入する、例えば、TCRα定常領域またはβ定常領域を標的にすることを含む適切な方法で行うことができる。

0049

B.オフターゲットの毒性及びレシピエントによる認識を回避するためのiPSCの使用

0050

標的抗原の発現を同定する現在のスクリーニング方法は限定されている。本発明の実施形態は、iPSC/iPSC由来の細胞のスクリーニングを提供し、免疫受容体の潜在毒性を予測するための現在の問題を解決する。それ自体として、HLA−AnegHLAホモ接合iPSCのバンクは、免疫療法のために潜在的に操作された免疫細胞から生じる毒性をスクリーニングするための細胞の供給源として使用することができる。iPSCを使用して、意図しない有害事象オンターゲット及びオフターゲット毒性)をスクリーニングすることによって、内因性または導入された免疫受容体による予期できないオフターゲット毒性の可能性を減少させることによって、養子T細胞療法(及び他の免疫細胞を注入する療法)が改善する。例えば、ヒトに適用する前に、クローン化/操作されたT細胞受容体(TCR)及びキメラ抗原受容体(CAR)の潜在的な毒性をスクリーニングする必要がある。このスクリーニングは操作されたiPSCのパネル及びその分化した子孫を使用してin vitroで達成することができる。

0051

II.実施形態の細胞

0052

本発明の特定の実施形態では、人工多能性幹細胞を生成するためにリプログラミング因子を導入することによって、体細胞がリプログラムされる。これらの細胞の子孫は以下に記載される様々な態様の胚性幹細胞と同一であってもよく、当該技術分野で周知である。胚性幹細胞の特徴を理解することによって、これらの方法によって作製される人工多能性幹細胞の選択に役立つ可能性がある。幹細胞のリプログラミングの研究から知られているリプログラミング因子をこれらの方法に使用することができる。

0053

「細胞」という用語は、当該技術分野で最も広義の意味で本明細書で使用され、多細胞生物組織構造単位である生体を意味し、外部から分離している膜構造によって取り囲まれ、自己複製する能力、発現するための遺伝情報及び機序を有する。本明細書で使用される細胞は、天然に存在する細胞あっても、人工的に改変された細胞(例えば融合細胞、遺伝子改変細胞等)であってもよい。

0054

「分化された細胞」という用語は、本明細書で使用されるとき、未分化の表現型から特定化された表現型に開発された細胞を指すことができる。例えば、胚細胞は腸の内層の上皮細胞に分化することができる。分化された細胞は、例えば胎児または出生した動物から単離することができる。

0055

未分化細胞」という用語は本明細書で使用されるとき、未分化表現型を有する、及び分化することができる前駆細胞を指すことができる。未分化細胞の例は幹細胞である。

0056

本明細書で使用するとき、「幹細胞」という用語は、自己複製及び多分化能が可能な細胞を指す。「多能性」は、細胞がその子孫を介して、成体動物を含む全ての細胞型を生じることができることを意味し、生殖細胞及び全ての3つの胚葉内胚葉(内部胃内層、消化管)、中胚葉筋肉、骨、血液、泌尿生殖器)、または外胚葉上皮組織及び神経系)を含む。本明細書の幹細胞は、限定されないが、胚性ES)細胞、組織幹細胞(組織特異的幹細胞または体性幹細胞とも呼ばれる)、または人工多能性幹細胞であってもよい。上述の能力を有する人工的に作製された細胞(例えば融合細胞、リプログラムされた細胞または本明細書で使用される細胞等)は幹細胞であってもよい。

0057

「胚性幹(ES)細胞」という用語は、本明細書で使用されるとき、in vitro細胞培地で維持されているから単離された多能性細胞を指すことができる。このような細胞は、生殖細胞を含む成体動物を含む全ての細胞型をin vivoで生み出す能力を培地で保持している培養胚から単離された培養細胞を急速に分裂している。胚性幹細胞は、丸い細胞形態を有していてもよいし、支持細胞層上の丸みを帯びた細胞塊中で増殖することができる。胚性幹細胞は当業者に知られている。

0058

組織幹細胞は細胞が由来する部位に基づいてカテゴリーに分けられ、例えば、皮膚系(例えば表皮幹細胞毛包幹細胞等)、消化器系(例えば(共通)幹細胞、肝幹細胞等)、骨髄系(例えば造血幹細胞、間葉系幹細胞等)、神経系(例えば神経幹細胞網膜幹細胞、等)がある。

0059

一般にiPS細胞またはiPSCと略記される「人工多能性幹細胞」は、非多能性細胞、典型的には成体体細胞、または線維芽細胞等の最終分化細胞、造血細胞、筋細胞、神経細胞、上皮細胞等の一時的に分化された細部から、リプログラミング因子を発現させることによって、人工的に調製された多能性幹細胞の種類を指す。

0060

自己再生」とは、未分化状態を維持しながら、細胞分裂の多くのサイクルを通過する能力を指す。

0061

本明細書で使用するとき、「体細胞」という用語は、精子等の生殖細胞以外の任意の細胞を指し、次の世代にDNAを直接転送しない。典型的には、体細胞は多能性が限定されているか全く有さない。本明細書で使用される体細胞は、天然または遺伝的に改変されてもよい。

0062

細胞に関連して「培養された」という用語は、本明細書で使用されるとき、in vitroの環境で細胞分化をしている、または細胞分化をしていない1つまたは複数の細胞を指す。in vitroの環境は、例えば適切な液体培地または寒天等のin vitroで細胞を維持するのに適した当該技術分野で周知の培地であってもよい。

0063

本発明の実施形態に記載の培地は、血清を含むまたは無血清培地であってもよい。無血清培地は、未処理または未精製の血清を含まない培地を指し、したがって精製された血液由来成分または動物組織由来成分(例えば、増殖因子等)を有する培地を含むことができる。異種の動物由来成分混入を防止する観点から、血清は幹細胞と同じ動物に由来してもよい。

0064

本発明の実施形態に記載の培地は血清の代替物を含んでいても、含んでいなくてもよい。血清の代替物として、アルブミン(脂質が豊富なアルブミン、組み換えアルブミン等のアルブミン代替物植物デンプンデキストラン及びタンパク質加水分解物)、トランスフェリン(またはその他の鉄トランスポーター)、脂肪酸インスリンコラーゲン前駆体、微量元素2−メルカプトエタノール、または3’−チオルギイセロール、またはその等価物を適切に含む物質が挙げられる。

0065

A.幹細胞

0066

幹細胞は全てでないにしても多細胞生物に最も多く見いだされる細胞である。幹細胞は有糸分裂細胞の分裂によって自身を更新する能力、及び多様な範囲の特定化された細胞型に分化することによって特徴付けられる。哺乳動物の幹細胞は2つの大きな種類、胚盤胞に見いだされる胚性幹細胞及び成体組織で見いだされる成体幹細胞がある。発達中の胚では、幹細胞はあらゆる特定化された胚組織に分化することができる。成体では、幹細胞及び前駆細胞は身体にとって修復システムとして機能し、特定化された細胞を補充するだけでなく、血液、皮膚または腸組織等の再生性臓器の正常な代謝回転を維持する。

0067

幹細胞は増殖し、細胞培地によって、筋肉または神経等の様々な組織の細胞と一致する特徴を有する特定化された細胞に形質転換されるため、医薬療法における幹細胞の使用が提案されている。成体細胞を人工多能性幹細胞にリプログラミングすることは大きな可能性を有する。

0068

これまでのほとんど全ての研究は、マウス胚性幹細胞(mES)またはヒト胚性幹細胞(hES)を使用して行われている。両者は本質的な幹細胞の特徴を有しているが、未分化状態を維持するのにかなり異なる環境を必要とする。マウスES細胞ゼラチン層で増殖し、白血病抑制因子(LIF)の存在を必要とし得る。ヒトES細胞マウス胚性線維芽細胞(MEF)のフィーダー層で増殖し、多くの場合、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGFまたはFGF−2)の存在を必要とし得る。最適な培養条件または遺伝子操作(Chambersら、2003)がなければ、胚性幹細胞は急速に分化する。

0069

ヒト胚性幹細胞はいくつかの転写因子及び細胞表面タンパク質の存在によって規定することができる。転写因子Oct4、Nanog、及びSox2は分化及び多能性の維持を導く遺伝子を確実に抑制するコア制御ネットワークを形成する(Boyerら、2005)。hES細胞を同定するために最も多く使用される細胞表面抗原として、糖脂質SSEA3及びSSEA4ならびにケラタン硫酸抗原Tra−1−60及びTra−1−81が挙げられる。

0070

B.リプログラミング因子

0071

iPS細胞の生成は誘導に使用される遺伝子に依存している。Oct3/4、KLF4、Sox2及び/またはc−mycといった因子またはそれらの組合せを使用することができる。これらのリプログラミング因子をコードする核酸は、単シストロン性または多シストロン性発現カセットに含まれ得る。同様に、前記単シストロン性または多シストロン性発現カセットをコードする核酸は、1つのリプログラミングベクターまたは複数のリプログラミングベクターに含まれ得る。

0072

Oct3/4は、多能性の維持に重要な役割を果たしている。卵割球及び胚性幹細胞等のOct3/4+細胞にOct3/4が不在であることによって、自発的な栄養膜の分化が導かれ、Oct3/4の存在によって胚性幹細胞の多能性及び分化能が生じる。

0073

遺伝子のKlfファミリーのKLF4は、初めにマウスiPS細胞の生成のための因子として同定され、後にヒトiPS細胞の生成のための因子であることが証明された。Klf2及びKlf4はiPS細胞を生成することができる因子であることが見いだされ、関係する遺伝子Klf1及びKlf5も効果は低いものの同様の能力が見いだされた。

0074

遺伝子のSoxファミリーはOct3/4と同様に多能性の維持に関連するが、Oct3/4と対照的に多能性と単能性に関連し、多能性幹細胞にもっぱら発現する。Sox2はYamanakaら(2007)、Jaenischら(1988)とYuら(2007)による誘導に使用された最初の遺伝子であり、Soxファミリーの他の遺伝子も同様に、誘導の過程で動作することが分かっている。Sox1はSox2と同様の効率でiPS細胞を生み出し、遺伝子Sox3、Sox15、及びSox18も効率が低いもののiPS細胞を生成する。

0075

遺伝子のMycファミリーは、がんに関与する癌原遺伝子である。Yamanakaら(2007)及びJaenischら(1988)は、c−mycがマウスiPS細胞の生成に関与する因子であることを証明し、Yamanakaら(2007)は、c−mycがヒトiPS細胞の産生に関与する因子であることを証明した。N−myc及びL−mycは、c−mycと同様の効率で多能性を誘導することが確認されている。

0076

特定の実施形態では、1つまたは複数のリプログラミング因子で細胞を誘導する他に、HDAC阻害因子、Wnt経路阻害因子、Oct4活性化因子ヒドロコルチゾン幹細胞因子、EPO、IL−3、CHIR99021、A−83−01、hLIF、及び/またはbFGFを含むリプログラミング培地で細胞は処理される。このような分子を使用することにより、リプログラミング効率及び速度を改善することができ、それによって一次リプログラミング培養中のiPS細胞の同定を容易にし、iPS細胞のクローン性を維持する。

0077

C.人工多能性細胞の生成方法

0078

iPS細胞は、特定の幹細胞関連遺伝子を成体線維芽細胞または臍帯血細胞等の非多能性細胞にトランスフェクションすることによって典型的に生じる。トランスフェクションは、レトロウイルス等の統合ウイルスベクター、またはセンダイウイルス等の非統合ウイルスベクターによって達成することができる。臨界期後、少数のトランスフェクトされた細胞は、多能性幹細胞に形態的及び生化学的に類似し始め、形態学的選択、倍加時間、レポーター遺伝子の発現、及び/または抗生物質耐性によって単離することができる。

0079

KLF4、cMYC、OCT4、SOX2をコードするレトロウイルスベクターを用いて人工多能性幹細胞(iPSC)の先駆的な生成の後、これらの因子を多くの種類の細胞に導入する様々な方法が開発されている。このなかでも、センダイウイルス(SeV)ベクターは、分化されたT細胞からiPSCを効率的に生成するために使用されている。SeVは約15kb一本鎖ネガティブセンス、非分節RNAゲノムを有するエンベロープウイルスである。組換えセンダイウイルスベクターは、感染細胞細胞質中でのみ複製し、DNAの相を通過または宿主ゲノムに統合されない。SeVベクターは、維持の間にT細胞をiPSCにリプログラムした後に減少する。

0080

人工多能性幹細胞の生成過程は、ゆっくりとしており、非効率で、大部分の細胞が失敗する。この過程の効率を改善するために、導入遺伝子サイレンシングは多能性細胞に非常に効果的であるため、リプログラミング因子及び任意にレポーターを含む構築物を使用するベクターを使用して、最初にレポーターの存在で選択し、後にレポーター遺伝子の発現に対して選択することによってトランスフェクションの効率を最適化することができる。

0081

異所性リプログラミング因子の強制的な持続的な発現は、腫瘍形成頻度の増加に繋がり得、この問題は導入遺伝子を含まないiPS細胞の生成によって解決する。導入された遺伝子の一式は、リプログラミングプロセスを開始するために必要となり得るが、細胞自身の内因性多能性遺伝子が徐々に活発になり、導入された遺伝子は確率的な再活性化の能力で発現抑制される。細胞が自律的な多能性状態に至るには、外因性要因最低でも約10〜16日間必要とされ得る(Brambrinkら、2008;Stadtfeldら、2008)。導入遺伝子発現の最小長の決定によって、iPS細胞を生じさせる非組み込み送達方法の開発が可能になる。

0082

ヒト体細胞からの多能性幹細胞の誘導は、リプログラミング遺伝子異所性発現のためにレトロウイルスまたはレンチウイルスベクターを用いて達成される。モロニーマウス白血病ウイルス等の組換えレトロウイルスは、逆転写酵素の機能によって安定的に宿主ゲノムに統合する能力を有している。レンチウイルスはレトロウイルスのサブクラスである。レンチウイルスは非分裂及び分裂細胞のゲノムに統合する能力によって、ベクターとして広く適用されている。ウイルスベクターを用いたiPS細胞のリプログラミングの方法は、当該技術分野で周知である。

0083

統合ウイルスベクターの使用は、内因性遺伝子の突然変異を引き起こし得、またはウイルスベクターは宿主細胞染色体ランダムな配置に遺伝子の統合を媒介するため、内因性癌遺伝子の活性化を引き起こし得る。したがって、iPS細胞は、リプログラミング因子を統合するゲノムがなくても調製することができる。このような方法は、米国特許第8,546,140号及び8,268,620号に記載され、その全体が参照により本明細書に援用される。例えば、EBVまたはその変異体を含むエピソームベクター要素を使用してもよい。さらなる態様では、iPS細胞のエピソームのベクター要素をリプログラミング後に除去してもよい。

0084

標的細胞に対する外因性の遺伝的改変を導入することを回避するための1つの可能な方法は、送達された遺伝子型からの転写に頼るよりも、リプログラミングタンパク質を細胞に直接送達することであると思われる。先行研究によると、HIVTat及びポリアルギニン等のタンパク質の形質導入を媒介する短いペプチドをタンパク質に結合させることによって、様々なタンパク質をin vitro及びin vivoで細胞に送達することができることを証明している。最近の研究では、組み換えリプログラミングタンパク質を直接送達することによって、マウス線維芽細胞を多能性幹細胞に完全にリプログラムすることができることを証明している(Zhouら、2009)。

0085

出発細胞と分化された細胞は、一般的に培養培地及び条件に関して異なる要件を有する。分化因子を導入した後に、培地の存在下、及び出発細胞の増殖に適することが知られている培養条件下で、培養の少なくとも初期段階を行うことが一般的である。これは、分化培地の存在下で、及び分化された細胞に適することが知られている条件下で、培養の次の期間も続けられる。分化に十分な時間が経過した後、分化された細胞は、拡充培地で分化された細胞を拡大するためにさらに培養してもよい。このような拡充培地は1つまたは複数のシグナル伝達阻害剤を含んでいてもよく、またはこれらの阻害剤が本質的に含まれない培地を含んでいてもよい。分化条件はフィーダー細胞を本質的に含まなくてもよい。さらなる態様では、分化培地は化学的に規定されていてもよい。

0086

D.リプログラムされた細胞の選択

0087

実施形態のある態様では、リプログラミングベクターを体細胞に導入した後に、これらの体細胞は拡大するために培養される。細胞は、トランスフェクトされた細胞を濃縮するために、レポーターまたは選択マーカー等のベクター要素の存在で選択してもよい。リプログラミングベクターは、これらの細胞にリプログラミング因子を発現し、複製し、細胞分裂と一緒に分割する。これらの発現されたリプログラミング因子は、体細胞ゲノムをリプログラムし、自己持続性多能性状態を確立し、ベクターの存在の正の選択を除去する間または除去した後に、外因性の遺伝要素は、非統合ベクターが使用される実施形態で徐々に失われる。導入遺伝子の発現のこのサイレンシングは、単にレポーター遺伝子の発現を遮断するか、または他の胚性幹細胞の特徴(例えば形態、増殖特性幹細胞マーカー、幹細胞遺伝子、テロメラーゼ活性、多能性、奇形腫形成、胚様体形成、胚盤胞注入、プロモーターの脱メチル化、及びヒストン脱メチル化)で選択することと組み合わせてレポーター遺伝子の発現を遮断することによって、人工多能性幹細胞を選択することを可能にする。これは、このような他の胚性幹細胞の特徴が多能性胚性幹細胞と実質的に同じであることが予想されるためである。リプログラミングベクターDNAの不在を試験するまたは選択マーカーを使用することによって、外因性遺伝子要素を本質的に含まないiPS細胞の選択を加速しまたは助けるために、追加の負の選択工程を使用することもできる。

0088

実施形態の方法で使用されるレポーター遺伝子の性質に依存して、いくつかの方法のいずれか1つで、検出可能なシグナルを生成してもよい。例えば、検出可能なシグナルは例えばGFP等の蛍光シグナルであってもよい。フローサイトメトリー、例えば蛍光活性細胞選別FACS)はレポーター遺伝子の発現に基づいた検出可能なシグナルを選択するのに一般に使用される。ルシフェラーゼはまた、アッセイのための基礎として使用することができる。酵素ベースのアッセイは、検出が必ずしも蛍光を介していないことを除いて、ルシフェラーゼベースのアッセイと同様に行われる。検出技術は酵素に依存し、したがって、光学的であってもよい(例えば、βガラクトシダーゼ等)。実施形態のレポーター遺伝子の発現を同定しまたは定量するために、物理的及び生化学的手法もまた使用してもよい。これらの方法は当業者に知られている。

0089

体細胞をiPSCにリプログラミングした後に、細胞集団から1つまたは複数の細胞のサブ集団を実質的に精製し、または分離することが望ましい場合がある。FACS、またはmagnetic activated cell sorting等のフローサイトメトリーを使用した細胞分離の方法を用いて、不均一な細胞集団からiPS細胞を分離してもよい。例示的な細胞分離のプロトコルは、以下の実施例にも示す。

0090

E.リプログラムされた細胞の培養

0091

多能性細胞は培養され、種々の方法を用いて未分化状態で維持することができる。特定の実施形態では、多能性細胞を培養し、TeSRまたはE8培地等の既定フィーダー非依存培養システムを使用して、本質的に未分化状態に維持してもよい(例えばChenら(2011)を参照のこと、参照により本明細書に援用される)。TeSR培地は、例えば、未分化ヒト胚性幹細胞を培養するために使用することができる培地として確定している。TeSR培地はTeSR1培地及びmTeSR培地の両方を含む。TeSRは、bFGF、LiCl、γアミノ酪酸GABA)、ピペコリン酸及びTGFβを含み、TeSRを利用した種々の方法は以前から記載されており、例えば、米国特許第7,449,334号、及びLudwigら(2006a、2006b)があり、その全体が参照により本明細書に援用される。あるいは、未確定の条件を使用してもよく、例えば、肝細胞を未分化状態に維持するために、線維芽細胞フィーダー細胞、または線維芽細胞フィーダー細胞に暴露されている培地で、多能性細胞を培養してもよい。

0092

フィーダー非依存の培養システム及び培地を使用して、hESCまたはiPSC等の多能性細胞を培養し維持してもよい。これらの方法は、ヒト胚性幹細胞を、マウス線維芽細胞「フィーダー層」を必要とすることなく、本質的に未分化状態にすることができる。本明細書に記載されるように、必要に応じてコストを削減するために、これらの方法に様々な修正をしてもよい。

0093

いくつかの態様では、実質的または本質的に未分化状態で、多能性細胞を培養し、維持するために、マトリックス成分が既定の培地に含まれていてもよい。適切な半固体マトリックスに培養すると、コロニー形成細胞(CFC)と呼ばれる個々の前駆細胞が増殖し、分離した細胞クラスターまたはコロニーを形成することができる。CFCアッセイは、細胞懸濁液を栄養素及びサイトカインを補充したメチルセルロースまたはコラーゲン等の半固体培地に配置し、例えば約37℃でインキュベーションすることによって行うことができる。

0094

様々なマトリックス成分を使用してhESCまたはiPSC等の多能性細胞を培養し維持することができる。例えば、Ludwigら(2006a)の記載のように、コラーゲンIV、フィブロネクチンラミニン、及びビトロネクチンを組み合わせて使用し、胚性細胞の培養及び維持のための固体支持体をもたらしてもよい。

0095

Matrigel(商標)を使用して多能性細胞の細胞培養及び維持の基質をもたらしてもよい。Matrigel(商標)はマウス腫瘍細胞によって分泌されるゼラチン状タンパク質混合物であり、BD Biosciences(ニュージャージー州、米国)から市販されている。前記混合物は、多くの組織に見られる複雑な細胞外環境に似ており、細胞培養のための基質として、細胞生物学者によって使用されている。Matrigel(商標)と共に規定の培地でヒト胚性幹細胞を培養し維持する方法は例えばLudwigら(2006a)に記載があり、多能性細胞を培養するために使用してもよい。ヒト胚性幹細胞を培養し維持する方法の追加の方法は、当業者に周知であり、本発明の実施形態と共に使用してもよいことは理解される。

0096

F.リプログラムされた細胞の分化

0097

「分化」は、分化のない同じ条件下というより、培養またはin vivoのいずれかで、あまり特定化されていない細胞がより特定化された細胞になっていく過程である。特定の条件下では、あまり特定化されていない細胞から、より特定化された細胞の特徴を有する子孫を形成する割合は、増加する優先順に少なくとも約1%、5%、25%以上であり得る。

0098

実施形態に従って様々な方法を使用して、限定されないが、造血幹細胞、免疫エフェクター細胞(例えばT細胞、NK細胞、iNKT細胞)、筋細胞(例えば心筋細胞)、神経細胞、ベータ膵島細胞、腎細胞、肺細胞、線維芽細胞及び表皮細胞、ならびにそれに由来する組織または器官を含む細胞系譜に、iPS細胞を分化させてもよい。

0099

1.造血幹細胞

0100

iPSCは造血前駆細胞または造血幹細胞に培養及び/または分化されてもよい。しかしながら、当業者は、種々の方法が多能性細胞から造血前駆細胞を生成するために使用されてもよいことを認識する。例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第8,372,642号は、造血前駆細胞を生成するために非常に効率的な培養システムを詳述している。

0101

造血前駆細胞は、規定の培養条件を用いて、フィーダー細胞を用いて生成してもよい。例えば、部分的に、本質的に、または完全に多能性細胞を分離しまたは個別化した後、前記細胞を規定の培地でさらに培養し、造血分化を促進してもよい。成長因子の特定の組み合わせは、実質的に多能性細胞を造血前駆細胞及び造血細胞系統へ分化することを促進することができることが認められている。成長因子の特定の組み合わせの連続した適用を、多能性細胞の分化をさらに促進するために使用してもよい。特定の実施形態では、成長因子の特定の組み合わせは、多能性細胞の造血分化に重要である。例えば、BMP4、VEGF、Flt3リガンド、IL−3、及びGMCSFの組み合わせを、造血分化を促進するために使用してもよい。特定の態様では、細胞培養物をBMP4及びVEGF(任意にFGF−2)を含む第一の培地に連続して暴露し、次にFlt3リガンド、IL−3、及びGMCSFを含む第二の培地で培養することによって、多能性細胞の造血前駆細胞及び造血細胞への分化を増加させることができる。

0102

多能性細胞の造血前駆細胞への分化は規定のまたは規定されていない条件を使用して行うことができるが、得られる細胞がヒト対象に投与されることを意図する場合、規定の条件が実施形態では一般的に好ましいことが分かる。造血幹細胞は、規定の条件下で多能性細胞から培養されてもよい(例えばTeSR培地及びMatrigel(商標)等のマトリックス成分またはE8培地を使用する)。

0103

例えば、規定の培地は造血性CD34+分化を誘導するように使用してもよい。上述のように、規定の培地は、成長因子BMP−4、VEGF、Flt3リガンド、IL−3及び/またはGMCSFを含んでもよい。実質的に低酸素条件(例えばO2が20%未満)は、造血または内皮細胞の分化をさらに促進することができる。

0104

多能性細胞の造血前駆細胞への分化のための規定された方法の使用は特定の例では好まれる場合もあるが、規定されていない方法を様々な実施形態で使用してもよい。iPSCからの造血幹細胞の分化のための1つの未定義の方法は、マウス胚線維芽細胞(MEF)フィーダー層、またはCD34+への強固な分化を誘導するマウス間質細胞株OP9等のフィーダー細胞でiPSCを培養することを含む。規定の条件とは対照的に、OP9細胞の使用は、一般的にCD34+分化を誘導するための余分な増殖因子を必要としない。

0105

2.造血幹細胞

0106

iPSC等の多能性幹細胞は、適切な条件下で分化を誘導されまたは補助されるとき、骨髄、赤血球、及び巨核球造血細胞系統を生じる能力を維持しながら、無制限の自己再生が可能である。

0107

造血細胞へのiPS細胞の分化の例示的な方法として、例えば、米国特許第8,557,580号及び8,372,642号及びWO12/109208によって開示された方法(これらはすべて参照により全体が本明細書に援用される)、またはその他の方法(Chadwickら、2003;Ngら、2005)が挙げられる。Wangら(2007)に例示されるように、フィブロネクチンの分化の方法は血液系譜分化に使用してもよい。米国特許出願公開第2003/0153082号に記載されるように、造血細胞は造血サイトカイン及び骨形成タンパク質で幹細胞を培養することによって作製することもできる。

0108

a.キメラ抗原受容体及びT細胞受容体

0109

本明細書で使用されるとき、「抗原」という用語は抗体またはT細胞受容体によって結合することができる分子である。抗原はB及び/またはTリンパ球の作製を導く体液性免疫応答及び/または細胞免疫応答を追加的に誘導することができる。「腫瘍関連抗原」及び「腫瘍細胞抗原」という用語は、本明細書で交換可能に使用される。それぞれの場合で、前記用語は、癌細胞によって特異的または優先的に発現されるタンパク質、糖タンパク質または炭水化物を指す。

0110

「キメラ抗原受容体(CAR)」という用語は、本明細書で使用されるとき、例えば、人工T細胞受容体、キメラT細胞受容体、またはキメラ免疫受容体を指してもよく、特定の免疫エフェクター細胞に人工的な特異性を移植する操作された受容体を含んでもよい。CARはモノクローナル抗体の特異性をT細胞に付与するために使用してもよく、それによって、例えば養子細胞治療で使用する多数の特異的T細胞を生成することができる。特定の実施形態では、CARは例えば、腫瘍関連抗原に細胞の特異性を導く。いくつかの実施形態では、CARは細胞内活性化ドメイン膜貫通ドメイン、及び腫瘍関連抗原結合領域を含む細胞外ドメインを含む。特定の態様では、CARはCD3−ゼータ膜貫通ドメイン及びエンドドメインに融合される、モノクローナル抗体から生じる一本鎖可変断片(scFV)の融合を含む。他のCARの設計の特異性は、受容体のリガンド(例えばペプチド)、またはデクチン等のパターン認識受容体に由来してもよい。例えば、B系分子、CD19に特異的なCARを使用することによるT細胞の特異性を再指示することによって、悪性B細胞を標的とすることができる。特定の場合では、抗原認識ドメインスペーシングは、活性化誘導細胞死を減少させるために変更することができる。特定の場合では、CARはCD3−ゼータ、FcR、CD27、CD28、CD137、DAP10、及び/またはOX40等の追加の共刺激シグナル伝達のためのドメインを含む。いくつかの場合では、分子はCARと共発現することができ、共刺激分子イメージング(例えば陽電子放射型断層撮影法)のためのレポーター遺伝子、プロドラッグの添加でT細胞を条件付きで切断する遺伝子産物、ホーミング受容体、ケモカインケモカイン受容体、サイトカイン及びサイトカイン受容体を含む。

0111

本発明の実施形態は核酸を含み、抗原特異的キメラ抗原受容体(CAR)ポリペプチドをコードする核酸を含み、免疫原性を低減するためにヒト化されたCAR(hCAR)を含み、細胞内シグナル伝達ドメイン、膜貫通ドメイン、及び1つまたは複数のシグナル伝達モチーフを含む細胞外ドメインを含む。特定の実施形態では、CARは1つまたは複数の抗原との間の共有スペースから成るエピトープを認識することができる。デクチン−1等のパターン認識受容体は、炭水化物抗原に対する特異性を生じさせるために使用してもよい。特定の実施形態では、前記結合領域は、モノクローナル抗体、モノクローナル抗体の可変領域、及び/またはその抗原結合断片の領域の相補性決定領域を含むことができる。別の実施形態では、その特異性は受容体に結合するペプチド(例えばサイトカイン)から生じる。相補性決定領域(CDR)は、抗原を補完し、特定の抗原についての特異性を有する受容体を提供する抗原受容体(例えば免疫グロブリン及びT細胞受容体)タンパク質の可変ドメインで見いだされる短いアミノ酸配列である。抗原受容体の各ポリペプチド鎖は3つのCDR(CDR1、CDR2、及びCDR3)を含む。抗原受容体は2つのポリペプチド鎖から典型的に構成され、抗原と接触することができる各抗原受容体について6つのCDR—各重鎖及び軽鎖が3つのCDRを含む—がある。免疫グロブリン及びT細胞受容体に関連する大部分の配列多様性がCDRに見いだされるため、これらの領域は超可変ドメインと呼ばれることがある。そのなかでも、CDR3はVJ(重鎖及びTCRαβ鎖の場合のVDJ)領域の組み換えによってコードされるため、最大の可変性を示す。

0112

「T細胞受容体(TCR)」という用語は、本明細書で使用されるとき、いくつかの細胞ではTCRはガンマ及びデルタ(γ/δ)鎖から構成されるが、アルファ(α)及びベータ(β)鎖のヘテロダイマーから構成されるT細胞上のタンパク質受容体を指す。本発明の実施形態では、TCRはTCRを含む細胞で改変されてもよく、例えば、ヘルパーT細胞細胞傷害性T細胞、記憶T細胞、制御性T細胞ナチュラルキラーT細胞、及びガンマデルタT細胞を含む。「キメラTCR」は細胞内シグナル伝達、膜貫通、及び細胞外ドメインを含む受容体を意味し、細胞外ドメインは、MHCが無制限の状態で、T細胞受容体によって通常は結合されない抗原を、その状態で特異的に結合させることができる。適切な条件下で抗原によるT細胞の刺激によって、細胞の増殖(拡大)及び/またはIL−2の作製がもたらされる。前記方法は、HER2/Neu、ERBB2、葉酸結合タンパク質、腎細胞癌、及びHIV−1エンベロープ糖タンパク質gp120及びgp41に特異的なキメラTCR等の標的抗原に特異的なキメラTCRをトランスフェクションすることに適用することができる。他の細胞表面標的抗原として、限定されないが、CD20、癌胎児性抗原メソセリン、ROR1、c−Met、CD56、GD2、GD3、アルファフェトプロテイン、CD23、CD30、CD123、IL−11Rアルファ、カッパ鎖、ラムダ鎖、CD70、CA−125、MUC−1、EGFR及びバリアント上皮腫瘍抗原等が挙げられる。

0113

ヒト化CAR核酸は、ヒト患者に対する細胞免疫療法を向上させるために、ヒト遺伝子に由来することが想定される。特定の実施形態では、本発明は完全長CARのcDNAまたはコード領域を含む。抗原結合領域またはドメインは、米国特許第7,109,304号(参照により本明細書に援用される)に記載されるように、特定のヒトモノクローナル抗体に由来する一本鎖可変断片(scFv)のVH及びVL鎖の断片を含むことができる。前記断片はまた、いくつかのヒト抗原特異的抗体の異なる抗原結合ドメインであってもよい。より特定の実施形態では、前記断片はヒト細胞での発現のためにヒトのコドンの使用に最適化される配列によってコードされた抗原特異的scFvである。

0114

その配置は二重特異性抗体または多量体等の多量体である可能性がある。前記多量体は、軽鎖及び重鎖の可変部分を二重特異性抗体にクロスペアリングすることによって形成される可能性が最も高い。前記構造物ヒンジ部分は、完全な削除から、最初のシステインを維持するまで、セリンよりプロリン置換まで、最初のシステインまで切断するまで、複数の選択肢を有することができる。Fc部分を削除することができる。安定し及び/または二量体化するタンパク質がこの目的に適している。Fcドメイン、例えばヒト免疫グロブリンからのCH2またはCH3ドメインのいずれかの1つだけ使用することができる。前記ヒンジ、二量体化を改善するために改変されたヒト免疫グロブリンのCH2及びCH3領域を使用することもできる。免疫グロブリンのヒンジ部分を使用することもできる。CD8アルファの部分を使用することもできる。

0115

実施形態のキメラ受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン(細胞質ドメインと呼ばれることもある)は、キメラ受容体が配置された免疫細胞の正常なエフェクター機能の少なくとも1つの活性化の原因となっている。「エフェクター機能」という用語は分化された細胞の特定化された機能を指す。T細胞のエフェクター機能は、例えば、サイトカインの分泌等の細胞溶解活性またはヘルパー活性であってもよい。ナイーブメモリ、またはメモリタイプのT細胞のエフェクター機能は、抗原依存性増殖を含む。そのため、「細胞内シグナル伝達ドメイン」は、エフェクター機能シグナルを伝達し、細胞を導き、特定化された機能を実行するタンパク質の部分を指す。通常、全体の細胞内シグナル伝達ドメインが使用されるが、多くの場合、全体の細胞内ポリペプチドを使用する必要はない。細胞内シグナル伝達ドメインの切断部分が依然としてエフェクター機能シグナルを伝達する限り、当該切断部分を無傷の鎖の代わりに使用することができる。細胞内シグナル伝達ドメインという用語は、エフェクター機能シグナルを伝達するのに十分な細胞内シグナル伝達ドメインの任意の切断部分を含むことを意味する。例として、T細胞受容体のゼータ鎖またはそのホモログのいずれか(例えばイータ、デルタ、ガンマまたはイプシロン)、MB1鎖、B29、FcRIII、Fc RI、及びCD3ζ及びCD28等の1つまたは複数のシグナル伝達分子の全てまたは一部の組合せ、CD27、4−1BB(CD137)、DAP10、DAP12、OX40(CD134)、ICOS/CD278、IL−2Rベータ/CD122、IL−2Rアルファ/CD132、CD40、ならびにそれらの組み合わせ、ならびにその他の類似の分子及びフラグメントが挙げられる。FcγRIII及びFcεRI等の活性化タンパク質のファミリーの他のメンバーの細胞内シグナル伝達部分を使用することができる。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインに内因性T細胞受容体複合体の任意の部分を使用する。いわゆる第三世代CARは例えば相加的または相乗的効果のために一緒に融合された少なくとも2つまたは3つのシグナル伝達ドメインを有するため、1つまたは複数の細胞質ドメインを使用してもよい。

0116

抗原特異的な細胞外ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトIgG4Fcヒンジ及びFc領域等の膜貫通ドメインによって連結されてもよい。代替として、ヒトCD4膜貫通ドメイン、ヒトCD28膜貫通ドメイン、膜貫通ヒトCD3ζドメイン、またはシステイン変異ヒトCD3ζドメイン、またはCD16及びCD8及びエリスロポエチン受容体等のその他のヒト膜貫通シグナル伝達タンパク質からのその他の膜貫通ドメインが挙げられる。

0117

いくつかの実施形態では、CAR核酸は、膜貫通ドメイン及び修飾CD28細胞内シグナル伝達ドメイン等のその他の共刺激受容体をコードする配列を含む。他の共刺激受容体として、限定されないが、1つまたは複数のCD28、CD27、OX40(CD134)、DAP10、及び4−1BB(CD137)が挙げられる。ヒトCARに挿入されたヒト共刺激受容体によって提供される追加のシグナルは、T細胞の完全な活性化のために重要であり、in vivoの持続及び養子免疫療法の治療の成功を改善するのを助けることができる。

0118

特定の実施形態では、本発明は単離された核酸セグメント及びCARをコードするDNA配列を組み込んでいる発現カセットに関する。実施形態のベクターは、調節された真核生物プロモーター、例えば、MNDU3プロモーター、CMVプロモーター、EF1アルファプロモーター、またはユビキチンプロモーターの制御下で、細胞に所望の遺伝子を送達するために、主に、設計されている。また、前記ベクターは他に理由がないとしても、in vitroの操作を容易にするために選択的マーカーを含んでもよい。他の実施形態では、CARはDNAテンプレートから転写されたin vitroのmRNAから発現することができる。

0119

キメラ抗原受容体分子組換えであり、抗原に結合する能力と、細胞質側末端に存在する免疫活性化モチーフ(ITAM)を経由して活性化シグナルを伝達する能力の両方によって区別される。抗原結合部分(例えば一本鎖抗体(scFv)から生成される)を使用する受容体構築物は、受容体構築物がHLA非依存的様式で、標的細胞表面で天然抗原を結合する点で「ユニバーサル」であるという追加の利点を与える。再指示されたT細胞エフェクターの機序は、CTLによる腫瘍認識及び溶解を含む。

0120

いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体は、a)細胞内シグナル伝達ドメイン、b)膜貫通ドメイン、及びc)抗原結合領域を含む細胞外ドメインを含む。抗原結合領域の供給源としてのヒト抗体の使用が好ましい。CARにおけるヒト配列の使用は、免疫媒介性認識を回避し、その結果、レシピエントに属し、HLAとの関連で処理された抗原を認識する内因性T細胞による削除を回避することができる。

0121

キメラ抗原受容体の特定の実施形態では、受容体の抗原特異的部分(抗原結合領域を含む細胞外ドメインと称してもよい)は腫瘍関連抗原または病原体特異的抗原結合ドメインを含み、デクチン−1等のパターン認識受容体によって認識される炭水化物抗原を含んでもよい。

0122

腫瘍関連抗原は腫瘍細胞の細胞表面上に発現されるような種類の抗原であってもよい。腫瘍関連抗原の例示的な実施形態として、CD19、CD20、癌胎児性抗原、アルファフェトプロテイン、CA−125、MUC−1、CD56、EGFR、c−Met、AKT、Her2、Her3、上皮腫瘍抗原、メラノーマ関連抗原、変異p53、変異ras等が挙げられる。特定の実施形態では、少量の腫瘍関連抗原がある場合に、CARは膜結合サイトカインと共発現し、持続性を改善することができる。例えば、CARは膜結合IL−15と共発現することができる。

0123

特定の実施形態では、HA−1、サバイビン、WT1、及びp53等の細胞内腫瘍関連抗原を標的化してもよい。これは、HLAとの関連で細胞内腫瘍関連抗原から記述された処理されたペプチドを認識するCARによって達成することができる。さらに、ユニバーサルT細胞は、HLAとの関連で細胞内処理された腫瘍関連抗原を認識するT細胞受容体ペアを発現するように遺伝的に改変されてもよい。

0124

病原体は、いかなる種類でもよいが、特定の実施形態では、病原体は、例えば、真菌、細菌またはウイルスである。例示的なウイルス病原体として、アデノウイルス科のファミリー、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、JCウイルス、BKウイルス、HSV、ウイルスのHHVファミリー、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae)、レトロウイルス科(Retroviridae)、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、パポバウイルス科(Papovaviridae)、ポリオーマウイルス(Polyomavirus)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、及びトガウイルス科(Togaviridae)が挙げられる。例示的な病原性ウイルスは、天然痘インフルエンザ流行性耳下腺炎麻疹水痘エボラ、及び風疹を引き起こす。例示的な病原性真菌として、カンジダ(Candida)、アスペルギルス属(Aspergillus)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、ヒストプラスマ(Histoplasma)、ニューモシスチス(Pneumocystis)、及びスタキボトリス属(Stachybotrys)が挙げられる。例示的な病原性細菌として、連鎖球菌(Streptococcus)、シュードモナス菌(Pseudomonas)、赤痢菌(Shigella)、カンピロバクター(Campylobacter)、ブドウ球菌(Staphylococcus)、ヘリコバクター(Helicobacter)、大腸菌(E.coli)、リケッチア(Rickettsia)、バチルス(Bacillus)、ボルデテラ(Bordetella)、クラミジア(Chlamydia)、スピロヘータ(Spirochetes)、及びサルモネラ(Salmonella)が挙げられる。一実施形態では、病原体受容体デクチン−1は、真菌の細胞壁炭水化物構造を認識するCARを生成するために使用することができる。デクチン−1の特異性に基づくCARを発現させるために遺伝的に改変されたT細胞は、アスペルギルス(Aspergillus)を認識し、菌糸増殖を標的とする。別の実施形態では、CARはウイルス決定基(例えばCMV及びエボラからの糖タンパク質)を認識する抗体に基づいて作製され、ウイルス感染及び病変を遮断することができる。

0125

実施形態に記載のキメラ抗原受容体は、当業者に周知の方法によって作製することができるが、好ましくは組み換えDNA技術を用いて作製される。キメラ受容体のいくつかの領域をコードする核酸配列は、分子クローニングの標準的な技術(ゲノムライブラリースクリーニング、PCR、プライマー補助連結反応酵母及び細菌からのscFvライブラリー部位特異的変異誘発等)によって調製され、完全なコード配列に組み立てることができる。得られたコード領域を発現ベクターに挿入し、例えば、iPSCといった目的の細胞を形質転換するために使用することができる。

0126

b.抗原提示細胞

0127

いくつかの場合では、APCは治療用組成物及び実施形態の細胞治療製品を調製するのに有用である。人工APCを使用するシステム等の抗原提示システムの調製及び使用に関する一般的なガイダンスについては、例えば米国特許第6,225,042号、第6,355,479号、第6,362,001号、第6,790,662号、第7,993,638号、及び第8,124,408号ならびに米国特許出願公開第2009/0004142号を参照されたい。

0128

APCは、典型的には、追加の処理を行わないで、ペプチドをMHC分子直接結合することを可能にする最適な長さのペプチドでインキュベートする。あるいは、前記細胞は(すなわちMHC非依存の抗原認識の場合)目的の抗原を発現することができる。ペプチドMHC分子または目的の抗原の他に、APCシステムはまた、少なくとも1つの外因性の補助分子を含んでもよい。適切な数及び組み合わせの補助分子を使用することができる。補助分子は、共刺激分子及び接着分子等の補助分子から選択することができる。例示的な共刺激分子として、CD86及びB7.1(B7.1はB7として以前から知られており、CD80としても知られている)を含み、とりわけT細胞の表面でCD28及び/またはCTLA−4分子と結合し、それによって、例えば、T細胞の拡大、Th1分化、短期間のT細胞の生存、及びインターロイキン(IL)−2等のサイトカイン分泌に影響を与える(Kimら、2004を参照)。接着分子として、セレクチン等の炭水化物結合糖タンパク質、インテグリン等の膜貫通結合糖タンパク質、カドヘリン等のカルシウム依存性タンパク質、及び細胞接着分子ICAM)等のシングルパス膜貫通免疫グロブリン(Igスーパーファミリータンパク質が挙げられ、例えば、細胞−細胞または細胞−マトリックス接触を促進する。例示的な接着分子として、ICAM−1等のLFA−3及びICAM類が挙げられる。共刺激分子及び接着分子を含む例示的な補助分子の選択、クローニング、調製及び発現に有用な技術、方法、及び試薬は、例えば米国特許第6,225,042号、第6,355,479号、及び第6,362,001号に例示されている。

0129

人工APCとなるために選択された細胞は、好ましくは、細胞内抗原プロセシング、細胞内ペプチド輸送、及び/または細胞内MHCクラスIまたはクラスII分子−ペプチド負荷に欠損を有し、または変温性であり(すなわち哺乳動物細胞株より温度変化に敏感ではない)、または欠陥と変温特性との両方を有している。いくつかの態様では、APCになるように選択された細胞は、また、外因性MHCクラスIまたはクラスII及び前記細胞に導入される補助分子成分に対して、少なくとも1つの内因性対応物(例えば内因性MHCクラスIまたはクラスII分子及び/または前述の内因性補助分子)を発現する能力を欠損している。さらに、人工APCは、いくつかの場合では、aAPCを生成するために改変される前に、前記細胞によって保有された欠陥及び変温特性を保持している。例示的なaAPCは、昆虫細胞株等の抗原プロセシング(TAP)欠損細胞株に関連するトランスポーターから構成されるか生じるかのいずれかである。例示的な変温性昆虫細胞株はシュナイダー2細胞株等のショウジョウバエの細胞株である(例えばSchneider、1972を参照)。シュナイダー2細胞の調製、増殖、及び培養のための例示的な方法は、米国特許第6,225,042号、第6,355,479号、及び第6,362,001号に提供されている。

0130

一実施形態では、APCはまた、凍結融解サイクルに供される。例示的な凍結融解サイクルでは、APCは、APCを含む容器を適切な量の液体窒素固体二酸化炭素(すなわちドライアイス)、または急速な凍結を起こすような類似の低温の材料に接触させることによって凍結してもよい。凍結したAPCは、低温の材料からAPCを取り除き、周囲室温度条件に暴露するか、またはぬるま湯の浴もしくは温かい手により短い回答時間で融解を促す容易な解凍プロセスのいずれかによって融解する。さらに、APCは解凍する前に長期間凍結し保存してもよい。凍結したAPCはまた、融解し、さらに使用する前に凍結乾燥することができる。好ましくは、ジメチルスルホキシドDMSO)、ポリエチレングリコール(PEG)、及び他の防腐剤等の凍結融解手順に有害な影響を与える可能性のある防腐剤は、凍結融解サイクルを受けるAPCを含む培地に存在しない、または当該防腐剤が本質的に存在しない培地にAPCを移動させることによって本質的に取り除かれる。

0131

他の特定の実施形態では、異種間核酸及びaAPCに対して内因性の核酸を、不活化の後に細胞増殖、核酸の複製または発現が本質的に発生しないように、架橋結合によって不活性化してもよい。一実施形態では、aAPCは、外因性MHC及び補助分子を発現し、当該分子をaAPCの表面に提示し、選択された1つまたは複数のペプチドと共に提示されたMHC分子を負荷した後に、ある時点で不活性化される。したがって、不活性化及び選択されたペプチドを負荷されたaAPCは、本質的に増殖または複製することができないが、選択されたペプチドの提示機能は保持している。好ましくは、架橋結合によって、aAPCの抗原提示細胞の機能を実質的に低下させることなく、細菌及びウイルス等の汚染微生物が本質的にないaAPCがもたらされる。そのため、架橋結合によって、aAPCを使用して開発された細胞治療製品の安全性についての懸念を軽減することを助けながら、aAPCの重要なAPC機能は維持される。架橋結合及びaAPCに関係する方法については、例えば参照により本明細書に援用される米国特許第8,124,408号を参照されたい。

0132

3.肝細胞

0133

米国特許第6,458,589号及び第6,506,574号に記載されているように、肝細胞は、ヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤を用いて多能性幹細胞から分化することができる。多能性幹細胞を肝細胞に分化するための段階的なプロトコルは、米国特許第7,473,555号に記載されている。本発明の特定の態様では、肝細胞は、米国特許第8,283,168号に記載されているように、培地で多能性幹細胞を培養し、幹細胞に分化するように指示することによって作製することができる。本発明の特定の態様では、肝細胞は、前記細胞を肝細胞にプログラミングすることを促進するのに十分な肝細胞プログラミング因子の細胞内レベルを増加させる条件下で、多能性幹細胞またはその他の非肝細胞を培地で培養することによって作製することができる。

0134

4.神経細胞

0135

神経細胞は、米国特許第6,833,269号及び7,250,294号、米国特許出願公開第2012/0276063号、及びCarpenterら、2001に記載される方法に従って多能性幹細胞から生成することができる。オリゴデンドロサイトは多能性幹細胞から生成することができ、米国特許第7,285,415号及びKeirsteadら、2005を参照されたい。網膜色素上皮細胞の誘導も報告されている(Klimanskayaら、2004)。

0136

5.心細胞

0137

本明細書で提供されるiPS細胞は、米国特許第8,415,155号に記載の方法に従って心筋細胞に分化することができる。心筋細胞または心筋細胞前駆体は、米国特許第7,763,464号で提供される方法に従って、iPS細胞等の多能性幹細胞から生成することができる。iPS細胞の心筋分化の例示的な方法として、胚様体(EB)の方法(Zhangら、2009)、OP9間質細胞の方法(Narazakiら、2008)、または成長因子/化学的方法(米国特許第7,897,389号、第7,955,849号及び8,951,798号、その全体が参照により本明細書に援用される、を参照)が挙げられる。

0138

6.膵臓細胞

0139

膵島細胞は多能性幹細胞から分化することができる(WO03/050249)。

0140

7.その他の細胞型

0141

間葉系前駆細胞及び線維芽細胞はWO03/004605に記載される方法に従って多能性幹細胞から生成することができる。幹細胞由来間葉系細胞は、骨形態形成タンパク質(特にBMP4)、ヒトTGF−β受容体のリガンド、またはヒトビタミンD受容体のリガンド(WO03/004605)等の骨形成因子を含む培地で、骨芽細胞系細胞にさらに分化することができる。

0142

G.バイオリアクター及び自動化

0143

幹細胞の培養及び/またはそこから分化された細胞についての1つまたは複数のステップは自動化してもよい。ロボットまたはその他の自動化を使用してプロセスを自動化することによって、細胞の製造、培養、及び分化により効率的で経済的な方法を可能にすることができる。例えば、ロボットによる自動化は、例えば、磁気分離またはFACSを使用して、人工多能性幹細胞の培養、継代培養、培地の添加、分化培地の添加、分化培地の培養、及び細胞型の分離を1つまたは複数を組み合わせて利用することができる。

0144

バイオリアクターもまた、本発明の実施形態に従って細胞を培養、維持、及び/または分化するために、本発明の実施形態と組み合わせて使用することができる。バイオリアクターは増加した量の細胞を作製するために、プロセスの「スケールアップ」を可能にする利点をもたらす。様々なバイオリアクターは、バッチバイオリアクター、流加バイオリアクター、連続バイオリアクター(例えば連続攪拌タンク反応器モデル)、及び/またはケモスタットを含む本発明の実施形態と共に使用することができる。たとえば、スピナーフラスコは、多能性細胞の維持及び/または分化の方法をスケールアップし、増加した量の細胞を作製することができるように使用してもよい。

0145

本発明の実施形態との使用に特に想定されるロボットによる自動化は、例えばTecan(カリフォルニア州、米国)から得ることができる。ロボット工学キャップピアシングプローブ及びサンプル間のキャリーオーバーを最小にするための使い捨てチップ等の液体ハンドリング冶具を含んでもよい。種々の実施形態では、ロボット工学は、細胞の培養のために1つまたは複数のバイオリアクターと組み合わせて使用してもよい(例えばiPSCが維持または増殖している最中、iPSCを肝細胞に分化させている最中、または肝細胞を赤血球等の次の系統に分化させている最中)。

0146

特定の実施形態では、ロボットによる自動化は、本発明の実施形態の小型化または「スケールダウン」に有用であり得る。これらのアプローチは、例えば前記方法がハイスループットスクリーンを含む場合に特に有用であり得る。ハイスループットスクリーンはキメラ抗原受容体の1つまたは複数の特性を評価するために使用してもよい。前記方法の小型化は低付着プレート(例えば96ウェルプレート)の使用及び/または低酸素(例えば約25%以下のO2または5%以下のO2)条件下での細胞培養を含んでもよい。

0147

本発明の実施形態の方法は、細胞を単一細胞としてプレートに付着するように誘導するために、培地にROCK阻害剤HA100及び/またはH1152を含むことによって、ロボットによる自動化を使用して、単一細胞アッセイに利用してもよい。培養系への小分子HA100またはH1152またはY−27632の添加によって、iPSCを含む多能性細胞の生存率を大幅に向上させることができる。特定の実施形態では、TeSR培地での多能性細胞の生存は、ROCK阻害剤またはPKC阻害剤を含むことによって、とりわけ細胞が凝集塊タンパク分解的または機械的に分離し、または個別化した後に改善することができる。ROCK阻害剤は個別化したiPS細胞が表面に付着し、増殖するのを促すことができる。多能性細胞の維持または増殖、ならびに造血性前駆体細胞または特定の造血系統に分化させるプロセスのいくつかまたはすべてを自動化することができる。自動化された方法の一部分を既定の条件で利用することができる。

0148

III.治療方法

0149

A.免疫システム及び免疫療法

0150

いくつかの実施形態では、医学的障害は、特定の免疫応答を誘発する免疫エフェクター細胞(例えばT細胞)の移動によって治療される。そのため、免疫学的応答の基本的な理解が必要とされる。

0151

適応免疫系の細胞はリンパ球と呼ばれる白血球一種である。B細胞及びT細胞はリンパ球の主要なタイプである。B細胞及びT細胞は同じ多能性造血幹細胞に由来し、分化するまで互いを区別することができない。T細胞が細胞媒介性免疫応答に密に関与しているのに対し、B細胞は体液性免疫応答で大きな役割を担っている。T細胞はT細胞受容体(TCR)と呼ばれる細胞表面に、特別な受容体が存在することによって、B細胞及びNK細胞等の他のリンパ球の種類と区別することができる。ほぼすべての他の脊椎動物では、B細胞及びT細胞は、骨髄の幹細胞によって作製される。T細胞はその名前の由来から胸腺に移動し発生する。ヒトでは、リンパ球プールの約1%〜2%が毎時再循環し、抗原特異的リンパ球二次リンパ組織内で特異的抗原を見つける機会を最適化している。

0152

Tリンパ球は、骨髄の造血幹細胞から生じ、典型的には胸腺に移行成熟する。T細胞は細胞膜上で固有の抗原結合受容体(T細胞受容体)を発現し、他の細胞の表面で主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子と関連して、抗原のみを認識することができる。T細胞には、ヘルパーT細胞及び傷害性T細胞として知られる少なくとも2つの集団が存在する。ヘルパーT細胞及び傷害性T細胞は、膜結合糖タンパク質CD4及びCD8のそれぞれに結合される細胞膜の表示によって主に区別される。ヘルパーT細胞はB細胞、傷害性T細胞、マクロファージ、及び免疫系のその他の細胞の活性化に欠かせない様々なリンホカインを分泌する。対照的に、抗原MHC複合体を認識する傷害性T細胞は、増殖し、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)と呼ばれるエフェクター細胞に分化する。CTLは細胞溶解をもたらす物質を生成することによって、ウイルス感染細胞及び腫瘍細胞等の抗原を表す身体の細胞を除去する。ナチュラルキラー細胞(またはNK細胞)は先天性免疫系の主要成分を構成する細胞傷害性リンパ球の一種である。NK細胞は腫瘍及びウイルスに感染した細胞の拒絶反応で主要な役割を果たす。細胞は、標的細胞をアポトーシスによって死亡させるパーフォリン及びグランザイムと呼ばれるタンパク質の小さな細胞質顆粒を放出することによって殺す

0153

マクロファージ、Bリンパ球、及び樹状細胞を含む抗原提示細胞は、特定のMHC分子の発現によって区別される。APCは、抗原を内在化し、それらの細胞外膜のMHC分子と一緒に、その抗原の一部を再発現する。主要組織適合遺伝子複合体(MHC)は、複数の遺伝子座を有する大規模な遺伝的複合体である。MHC遺伝子座は、クラスI及びクラスIIMHCを指すMHC膜分子の2つの主要なクラスをコードする。Tヘルパーリンパ球は、MHCクラスII分子に関連する抗原を一般的に認識し、T細胞傷害性リンパ球は、MHCクラスI分子に関連する抗原を認識する。ヒトでは、MHCはHLA複合体と呼ばれ、マウスではH−2複合体と呼ばれる。

0154

T細胞受容体またはTCRは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合された抗原を認識することを通常担うTリンパ球(またはT細胞)の表面に見られる分子である。T細胞の5%がガンマ及びデルタ鎖から成るTCRを有するが、T細胞の95%はアルファ及びベータ鎖から成るヘテロ二量体である。TCRを抗原及びMHCに結合させることによって、関連の酵素、共受容体、及び特定のアクセサリー分子によって媒介される一連の生化学的事象によって、そのTリンパ球が活性化する。

0155

自己免疫疾患、または自己免疫は、自身の(サブ分子レベルに至る)成分を「自己」として認識できない生物の障害であり、自身の細胞及び組織に対して免疫応答を起こすことになる。このような異常な免疫応答から生じる疾患は自己免疫疾患と呼ばれる。

0156

B.細胞の増殖及び管理

0157

特定の態様では、細胞はiPSCから分化される。一態様では、iPSCから分化したT細胞は、例えば、遺伝子導入によってCARまたはTCRの導入により、組換え作製されてもよい。特定の態様では、前記細胞は、数日間、数週間、または数ヶ月間、遺伝子導入後、約1、2、3、4、5日超以内にバルク集団としてex vivoで増殖してもよい。さらなる態様では、前記組換えT細胞をクローニングしてもよく、単一統合された、またはエピソーム的に維持された発現カセットまたはプラスミドの存在を示すクローンをex vivoで増殖する。組換えT細胞は、IL−2または共通のガンマ鎖(例えばIL−7、IL−12、IL−15、IL−21等)を結合する他のサイトカインで刺激することによって増殖してもよい。組換えT細胞は人工抗原提示細胞で刺激することによって増殖してもよい。組換えT細胞は人工抗原提示細胞で、またはT細胞表面でCD3と架橋結合するOKT3等の抗体で増殖してもよい。さらなる態様では、遺伝的に改変された細胞を凍結保存してもよい。

0158

本発明の特定の実施形態では、CAR+細胞は、がん、自己免疫疾患、または感染症の個体等、治療を必要とする個体に送達される。前記細胞は個体の免疫系を強化し、それぞれの癌または病原性細胞攻撃する。いくつかの場合では、抗原特異的なCAR+T細胞の1つまたは複数の用量が個体に投与される。抗原特異的なCAR+T細胞の2つ以上の用量を個体に投与する場合には、投与間の期間は、個体で増殖するのに十分な時間を取るべきであり、特定の実施形態では投与間の期間は1、2、3、4、5、6、7日超である。

0159

治療効果を得るための免疫エフェクター細胞の適切な用量は、例えば好ましくは一連の投与サイクルで、用量あたり少なくとも105または約105〜約1010細胞であると思われる。例示的な投与レジメン漸増用量の4回の1週間の投与サイクルから成り、0日目に少なくとも約105細胞から始まり、例えば、患者内用量増加スキームの開始から数週間以内に、約1010細胞の標的用量まで漸増する。適切な投与形態として、静脈内、皮下、腔内(例えばリザーバーアクセスデバイスによって)、腹腔内、及び腫瘍塊への直接注入が挙げられる。

0160

実施形態に従った医薬組成物は、単独で、またはがんもしくは感染性疾患の治療に有用な他の十分に確立された薬剤と組み合わせて使用することができる。単独でまたは他の薬剤と組み合わせて送達しても、実施形態の医薬組成物は、特定の効果を達成するために、様々な経路を介して、哺乳動物、特にヒトの体内の様々な部位に送達することができる。1つまたは複数の投与経路を使用することができるが、特定の経路は別の経路より迅速かつ効果的に提供することができると当業者は認識する。例えば、メラノーマの治療には、皮内送達が吸入より有利に使用することができる。局所または全身送達は、体腔への製剤の適用または滴下注入を含む投与、エアロゾルの吸入または吹送、または筋肉内、静脈内、門脈内肝臓内、腹腔内、皮下、または皮内投与を含む非経口導入によって達成することができる。

0161

実施例の組成物は、単位剤形で提供することができ、各用量単位、例えば注射は、単独またはその他の活性剤と適切に組み合わせて、所定の量の組成物を含む。単位剤形という用語は、本明細書で使用されるとき、ヒト及び動物対象のための単位用量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は単独でまたは他の活性剤と組み合わせて実施形態の組成物の所定量を含み、適宜、薬学的に許容可能な希釈剤単体、またはビヒクルと関連して、所望の効果を生み出すのに十分な量で計算される。実施形態の新規の単位剤形の仕様は、特定の対象における医薬組成物に関連する特定の薬力学に依存する。

0162

有効量または十分な数の細胞は前記組成物に存在し、長期に、特異的な腫瘍応答が確立し、当該治療が存在しない場合と比べて、腫瘍サイズが減少するまたは腫瘍の成長または再成長が排除されるように、対象に導入されることが望ましい。対象に再導入される細胞の総量によって、当該細胞が存在しない同じ条件と比べて、腫瘍サイズが10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または100%減少することが望ましい。

0163

したがって、投与される細胞の量は、投与経路に配慮すべきであり、所望の治療応答を達成できるように十分な数の細胞を導入すべきである。さらに、本明細書に記載の組成物に含まれる各活性薬剤の量(例えば接触される各細胞あたりの量または体重あたりの量)は、異なる適用ごとに変化させることができる。一般的に、細胞の濃度は、望ましくは、少なくとも約1×106〜約1×109の導入細胞、さらに望ましくは約1×107〜約5×108の導入細胞、上述のいずれかを適切な量として使用することができるが、例えば5×108超の細胞もしくはそれ以下、例えば1×107以下の細胞を、治療を受ける対象に投与するのに十分であるべきである。投与スケジュールは、確立された細胞ベースの治療に基づくことができ(例えばTopalian and Rosenberg、1987;米国特許第4,690,915号)、または代替の連続注入方式も適用することができる。

0164

これらの値は、実施形態の方法を最適化する際に医師によって利用される細胞の範囲の一般的なガイダンスを提供している。本明細書で当該範囲の列挙は、特定の適用で保証されるように、成分のより高いまたは低い量の使用を決して排除しない。例えば、実際の用量及びスケジュールは、前記組成物が他の医薬組成物と併用して投与されるかによって、または薬物動態、薬物の性質、及び代謝の個体差によって変化させることができる。当業者は特定の状況の緊急性に応じて、必要な調整を容易に行うことができる。

0165

IV.ベクター構築と送達

0166

「ベクター」または「構築物」(遺伝子送達または遺伝子導入「ビヒクル」を指すこともある)は、宿主細胞にin vitroまたはin vivoで送達されるポリヌクレオチドを含む巨大分子または分子の複合体を指す。「プラスミド」はベクターの1種であり、染色体DNAから独立して複製することができる染色体DNAとは別個の染色体外DNA分子である。特定の場合には、プラスミドは円形二本鎖である。

0167

特定の実施形態では、リプログラミングベクターまたはCARベクター等のベクターは、ウイルスベクター、例えば細胞中のこれらのタンパク質を発現するレトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターであってもよい。特定の実施形態では、ベクターは染色体外複製ベクターであってもよく、宿主細胞ゲノムに組み込まれず、複製の世代の間に失われてもよい。これらのベクターの成分及び送達方法の詳細は以下に開示する。

0168

当業者は標準的な組み換え技術によってベクターを構築する能力が備わっている(例えばSambrookら、2001及びAusubelら、1994、両方とも参照により本明細書に組み込まれる)。ベクターとして、限定されるものではないが、プラスミド、コスミド、ウイルス(例えばバクテリオファージ動物ウイルス、及び植物ウイルス)、人工染色体(例えばYAC)、レトロウイルスベクター(例えばモロニーマウス白血病ウイルスベクター(MoMLV)、MSCV、SFFV、MPSV、SNV等に由来する)、レンチウイルスベクター(例えばHIV−1、HIV−2、SIV、BIV、FIV等に由来する)、複製コンピテントを含むアデノウイルス(Ad)、複製欠損及びその活力のない形態、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、シミアンウイルス40(SV40)ベクター、ウシパピローマウイルスベクターエプスタイン−バーウイルスヘルペスウイルスベクター、ワクチンウイルスベクター、ハーベイマウス肉腫ウイルスベクター、マウス乳腺腫瘍ウイルスベクター、及びラウス肉腫ウイルスベクターが挙げられる。

0169

A.調節エレメント

0170

ベクターはまた、遺伝子送達及び/または遺伝子発現をさらに調節するか、そうでなければ標的細胞に有益な特性を提供する他の成分または機能を含むことができる。このような他の成分として、例えば、細胞への結合または標的化に影響を及ぼす成分(細胞型または組織特異的結合を媒介する成分を含む)、細胞によるベクター核酸の取り込みに影響を及ぼす成分、取り込み後の細胞内のポリヌクレオチドの局在化に影響を及ぼす成分(核局在化を媒介する薬剤等)、及びポリヌクレオチドの発現に影響を及ぼす成分が挙げられる。

0171

ベクターに含まれる真核生物発現カセットは、(5’から3’方向に)タンパク質コード配列に操作可能に連結される真核生物転写プロモーター介在配列を含むスプライスシグナル、及び転写終結ポリアデニル化配列を含んでいてもよい。

0172

1.プロモーター/エンハンサー

0173

「プロモーター」は、転写の開始及び速度が制御される核酸配列の領域である制御配列である。「操作可能に配置される」、「操作可能に連結される」、「制御下」、及び「転写制御下」という語句は、プロモーターが転写開始及び/または配列の発現を制御するために、核酸配列に対して正しい機能的位置及び/または方向にあることを意味する。プロモーターは、「エンハンサー」と組み合わせて使用してもしなくてもよく、核酸配列の転写活性に関与するシス作用制御配列を指す。

0174

用いるプロモーターは構成的、組織特異的、誘導的、及び/または組み換えタンパク質及び/またはペプチドを大規模に製造する点に利点があるように、導入されたDNAセグメント高レベルで発現するように仕向ける適切な条件下で有用であり得る。プロモーターは異種または内因性であってもよい。プロモーターの非限定的な例として、SV40初期または後期プロモーター等の初期または後期ウイルスプロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)前初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)早期プロモーター、真核生物伸長因子1αプロモーター等の真核細胞プロモーター、連結された応答配列プロモーターが挙げられる。

0175

2.開始シグナル

0176

特定の開始シグナルもまた、コード配列の効率的な翻訳のために必要とされ得る。これらのシグナルはATG開始コドンまたは隣接配列を含む。ATG開始コドンを含む外因性翻訳制御シグナルが提供される必要があり得る。開始コドンは、挿入全体の翻訳を確実にするために、所望のコード配列のリーディングフレームと「インフレーム」でなければならないことが知られている。

0177

3.スプライス部位

0178

大部分の転写された真核生物RNA分子は、一次転写物からイントロンを除去するためにRNAスプライシングを受ける。ゲノム真核生物配列を含むベクターは、タンパク質発現のために転写物の適切なプロセシングを確実にするために、ドナー及び/またはアクセプタースプライシング部位を必要とされ得る。

0179

4.終結シグナル及びポリアデニル化シグナル

0180

実施形態のベクターまたは構築物は、少なくとも一つの終結シグナルを含んでいてもよい。「終結シグナル」または「ターミネーター」は、RNAポリメラーゼによるRNA転写物の特異的終結に関与するDNA配列から構成されている。望ましいメッセージレベルを達成するためにターミネーターがin vivoで必要とされ得る。真核生物系では、ターミネーター領域はまた、ポリアデニル化部位を露出するように、新しい転写物の部位特異的切断を可能にする特定のDNA配列を含んでいてもよい。実施形態に従って使用するために考えられたターミネーターとして、本明細書に記載される、または当業者に知られている周知の転写のターミネーターが挙げられ、限定されないが、例えばウシ成長ホルモンターミネーターまたは例えばSV40ターミネーター等のウイルス終結配列等の遺伝子の終結配列が挙げられる。

0181

B.マルチクローニング部位

0182

ベクターはマルチクローニング部位(MCS)を含むことができ、MCSは複数の制限酵素部位を含む核酸領域であり、ベクターを消化するために標準的な組み換え技術と組み合わせて使用することができる。「制限酵素消化」とは、核酸分子中の特定の位置でのみ機能する酵素で核酸分子触媒的に切断することを指す。「ライゲーション」は互いに連続してもしなくてもよい2つの核酸断片間にホスホジエステル結合を形成するプロセスを指す。制限酵素及びライゲーション反応を含む技術は、組換え技術の当業者に周知である。

0183

C.複製の起源

0184

宿主細胞でベクターを増殖させるために、複製部位(「ori」と呼ばれることが多い)の1つまたは複数の起源、例えば、上述のEBVのoriPに対応する核酸配列、または複製が開始される特定の核酸配列である、リプログラミングの際に類似または向上した機能で遺伝子操作されたoriPを含んでいてもよい。あるいは、上述のその他の染色体外で複製するウイルスの複製起点または自律複製配列(ARS)を使用することができる。

0185

D.内部リボソーム侵入部位(IRES)及びプロテアーゼ切断部位自己切断ペプチド

0186

IRES配列は実施形態の態様に含まれ、ポリシストロニック転写物の生成を可能にする。IRES配列は単一の遺伝子座から複数のタンパク質の同時発現を可能にする。IRESエレメントは異種オープンリーディングフレームに連結することができる。複数のオープンリーディングフレームは、一緒に転写することができ、それぞれIRESによって分離され、ポリシストロニックメッセージを作成する。IRESエレメントによって各オープンリーディングフレームは、効率的な翻訳のためにリボソームにアクセスすることができる。単一のメッセージを転写するために単一のプロモーター/エンハンサーを用いて複数の遺伝子を効率的に発現させることができる。いくつかの場合では、iPS細胞の生成効率を向上させるためにIRES依存性ポリシストロニックシステムを使用してもよい。

0187

一実施形態は、所望の組み換え産物とレポーターとの両方のコード配列を同じポリシストロニック転写物に含むことを伴う。形質転換に成功した事象は、所望のリプログラミング因子と容易に検出可能なレポーターとの両方の発現を特徴とし、トランスフェクションに成功した細胞の選択を容易にする。

0188

E.レポーター

0189

本発明の特定の実施形態では、発現ベクターにマーカーを含むことによって、実施形態の核酸構築物を含む細胞をin vitroまたはin vivoで同定することができる。このようなマーカーは、前記細胞に識別可能な変化を与え、発現ベクターを含む細胞を容易に同定することを可能にする。一般的に、選択マーカーは選択を可能にする特性を付与するマーカーである。ポジティブ選択マーカーはマーカーが存在することで選択を可能にするが、負の選択マーカーはその存在が選択を妨げるものである。ポジティブ選択マーカーの例は薬物耐性マーカーである。

0190

薬物選択マーカーを含むことは通常、形質転換体のクローニング及び同定を補助し、例えば、ネオマイシンピューロマイシンハイグロマイシン、DHFR、GPT、ゼオシン及びヒスチジノールに対する耐性を付与する遺伝子は有用な選択マーカーである。条件の実施に基づいた形質転換体の識別を可能にする表現型を付与するマーカーの他に、蛍光タンパク質及びβガラクトシダーゼ等のスクリーニング可能なマーカーを含むその他の種類のマーカーも考えられる。あるいは負の選択マーカーのようなスクリーニング可能な酵素、例えば単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(tk)またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼCAT)を利用してもよい。当業者はおそらくFACS分析と組み合わせて免疫マーカー(例えば細胞表面タンパク質)を使用する方法も知っている。使用されるマーカーは、遺伝子産物をコードする核酸と同時に発現することが可能である限り、重要であるとは考えられない。選択及びスクリーニング可能なマーカーのさらなる例は当業者に知られている。実施形態の一つの特徴は、リプログラミング因子が細胞のリプログラミングに影響を与えた後、ベクターを含まない細胞を選択するために、選択及びスクリーニング可能なマーカーを使用することを含む。追加の利点は沈黙レポーターの発現で人工多能性幹細胞を豊富にすることである。

0191

F.ベクター送達

0192

実施形態に従ってリプログラミングベクターを体細胞に導入することは、本明細書に記載されている、または当業者に知られている細胞の形質転換のために核酸を送達する適切な方法を使用してもよい。その方法として、限定されないが、ex vivoのトランスフェクションによるDNAの直接送達、マイクロインジェクションを含む注入、エレクトロポレーションリン酸カルシウム沈殿DEAE−デキストランの後にポリエチレングリコール、直接的な音波の負荷、リポソーム媒介トランスフェクション、受容体媒介トランスフェクション、微粒子銃炭化ケイ素繊維との攪拌アグロバクテリウム形質転換、プロトプラストのPEG媒介形質転換、乾燥/阻害媒介DNA取り込み、及び当該方法の組み合わせが挙げられる。このような技術の適用を通して、細胞は安定にまたは一過性に形質転換することができる。

0193

V.実施形態のキット

0194

本明細書に記載の組成物はキットに含まれてもよい。いくつかの実施形態では、HLA−AnegiPSCはキットで提供され、培地、aAPC、成長因子、抗体(例えば、細胞の選別または特徴付け)及び/またはCARまたはトランスポザーゼをコードするプラスミ等の細胞を増殖し及び/または分化するのに適した試薬を含んでもよい。

0195

非限定的な例では、キットはキメラ受容体発現構築物、キメラ受容体発現構築物を生成するための1つまたは複数の試薬、発現構築物のトランスフェクションのための細胞、及び/または発現構築物をトランスフェクションするための同種異系細胞を得るための1つまたは複数の装置(当該装置はシリンジピペット鉗子、及び/または医学的に認められている装置であってもよい)を含む。

0196

いくつかの実施形態では、内因性HLA−A発現を削除するための発現構築物、発現構築物を生成するための1つまたは複数の試薬、及び/またはCAR発現構築物をキットで提供する。いくつかの実施形態では、キットはジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALENまたはCRISPR/Cas9をコードする発現構築物を含む。

0197

いくつかの態様では、キットは細胞のエレクトロポレーションのための試薬または装置を含む。

0198

キットは、実施形態の組成物を生成するために、1つまたは複数の適切に分割した実施形態の組成物または試薬を含んでもよい。キットの成分は水性媒体または凍結乾燥形態パッケージされてもよい。キットの容器の手段は、少なくとも1つのバイアル試験管フラスコボトル、シリンジ、または他の容器の手段を含んでもよく、その中に成分が配置され、好ましくは適切に分割されてもよい。キットに複数の成分がある場合、キットはまた、追加の成分を別々に配置できる第二、第三、またはその他の追加の容器を一般的に含んでいる。しかし、成分の種々の組み合わせはバイアルに含まれてもよい。実施形態のキットはまた、市販のために厳重に閉じられた状態で細胞、構築物、及びその他の試薬の容器を含む手段を典型的に含んでいる。そのような容器は例えば、所望のバイアルが保持される射出成型またはブロー成型を含んでもよい。

0199

VI.実施例

0200

以下の特定かつ非限定的な実施例は、単に例示として解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものではない。さらに詳述することがなくても、当業者は、本明細書の記載に基づいて、最大限に本開示を利用することができると考えられる。本明細書で引用した全ての刊行物は、その全体が参照により本明細書に援用される。URLまたはそのほかの識別子またはアドレスで参照を示す場合、当該識別子は変化し、インターネット上の特定の情報は移り変わるが、同等の情報をインターネットで検索することで見つけることができる。そこにある言及は当該情報の利用可能性及び公共への普及を証明している。

0201

実施例1:HLA−Aneg造血幹細胞の生成
同種異系HSCがHLA−A遺伝子座の発現を削除するように遺伝的に編集されれば、登録されているNMDPドナーの臨床使用を著しく増加させることができる。操作されたジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)(または人工ヌクレアーゼ、例えばTALEN、CRISPR/Cas9)は、遺伝的に編集されたT細胞及び細胞株のHLA発現を削除するために使用することができる。造血幹細胞(HSC)への遺伝子編集を拡張するために、HLA−Aの遺伝子座を標的とするZFNを導入することによって、HLA−A発現を崩壊させた。CD34+系統negHSC(純度99%)を、CD2、CD3、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD56、CD61、及びCD235a(グリコホリンA)に対するビオチン化抗ヒト抗体の混合物を使用して系譜pos細胞を最初に枯渇させ、ビオチン結合常磁性ビーズを使用して枯渇させて臍帯血(UCB)から単離した。次に、CD34+細胞を抗CD34磁気ビーズを用いて単離した。HLA−A特異的ZFNをコードするin vitroに転写されたmRNA種の電気泳動転写によって、既定のサイトカイン(FLT3−L、SCF、TPO及びIL−6)及びアリール炭化水素受容体アンタゴニスト(stem reginin−1、SR−1)でex vivo培養してから1週間後に、HLA−AnegHSCが30%生成した。DNA配列分析は、HLA−AnegHSCがZFN標的部位で期待されたヌクレオチド変化を示すことを明らかにした。in vitroアッセイはHLA−AposHSCとHLA−AnegHSCとの間の系譜特異的コロニー形成に有意な差を示さなかった。さらに、in vivo生着アッセイはNOD.Cg−PrkdcscidIl2rgtm1Wjl/SzJ(NSG)マウスを使用し、操作されたHLA−AnegHSCが生着及びHLA−Aneg多系譜造血細胞に分化する能力を維持していることを示した。

0202

実施例2:HLA−AnegiPSCの生成
必要なドナーの数を最小化する一つの方法として、HLA−ホモ接合ドナーから1つのHLA遺伝子座を削除してもよい。ドナー細胞からのHLA−A除去が適切なHLA適合ドナーを見つける確率(図1)に有意な影響を有し得ることが判明した。したがって、HLAホモ接合ドナーからHLA−A発現を排除することによって、HLA適合患者に注入することができるバンクされたiPSCの必要数が減少する。不必要な同種異系免疫反応を引き起こす内在性TCRαβ及びγδ発現のさらなる削除を移植片対宿主病を減少させるために実施してもよい。iPSCはさらに、疾患及び再生医療のための同種異系iPSC治療の安全性を確保するために自殺遺伝子(例えばiCasp9、誘導性カスパーゼ9)を発現するようにさらに改変することができる。全ゲノム配列決定及び統合部位の分析(例えば導入遺伝子の発現が維持され、内因性遺伝子の発現を崩壊させない統合部位)によってアッセイされるように、「セーフハーバー」遺伝子プロファイル(Papapetrouら、2011、参照により本明細書に援用される)を有するiPSCクローンを単離する。この自殺遺伝子+、TCRneg、HLA−Aneg、HLAホモ接合iPSCバンクは、広い範囲の患者に有用な同種異系細胞産物を調製するために使用することができる。このiPSCバンクは治療可能性を向上し、多数のレシピエントに投与するための細胞の開始プールを有効にする。これらのiPSCの一つの有力な即時使用は、i)免疫治療のために腫瘍またはウイルス特異性免疫受容体(例えばTCRαβまたはキメラ抗原受容体(CAR))を発現する免疫細胞(T細胞(Themeliら、2013)、NK細胞(Knorrら、2013)、NKT細胞等を含む)であり、ii)血液系腫瘍または先天性障害のための造血幹細胞移植である。さらに、同種異系iPSCは、例えば再生医療のための心筋細胞、肺上皮細胞、腎細胞、及び神経細胞を生成するために使用することができる。iPSCはまた、クローニング及び強固な増殖のために比較的高い効率で安全に細胞操作を行うために使用することもできる。例えば、iPSCは治療用遺伝子(例えばCAR)を発現させるために改変することができ、人工ヌクレアーゼ(例えばZFN、TALEN、CRISPR/Cas9)によって遺伝的に編集し、免疫抑制分子(例えばPD−1、CTLA−4、TCRアルファ定常領域)を削除することもできる。

0203

センダイウイルスベクター媒介性遺伝子のT細胞への導入。HLAホモ接合UCB(表2)に由来するT細胞からiPSCを生成するためにセンダイウイルスベクターを使用した。まず、GFPレポーター遺伝子を有するSeVベクターを用いて、SeVの有効性をT細胞で試験した。抗CD3モノクロナール抗体(moAb)及び抗CD28 moAbでT細胞を活性化してから2日後に、細胞をGFP−SeV粒子に感染させた。SeVからのGFP発現は非常に高く、その発現は1週間後も維持された(トランスフェクトされていないT細胞よりMFIが約3logも高い)(図4)。

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