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技術 靭帯付着部の形状の適応的移動を用いる膝関節手術における靭帯付着のシステム及び方法

出願人 アドバンスドメカニカルテクノロジー,アイエヌシー.((ディー/ビー/エーエーエムティー))
発明者 ホワイト,ブルース,エフ.デリマ,ダリル
出願日 2015年3月19日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2017-501109
公開日 2017年5月25日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2017-512616
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 準三次元 前部形状 材料剛性 内側区画 最適化探索 外側ロール 移動部位 位置決定デバイス
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重要な関連分野

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図面 (12)

課題・解決手段

膝関節整形外科手術における靭帯付着中フィードバックを提供するシステムが、膝関節の関節面形状データを提供する撮像デバイスと、遠位靭帯付着部位を提供する位置測定デバイスと、靭帯基準歪みを提供する歪み測定デバイスと、膝関節のための規定の運動学的経路を提供する駆動システムと、適応移動アプリケーションとを備える。適応的移動アプリケーションは、膝関節の関節面形状データ、遠位靭帯付着部位、靭帯基準歪み及び膝関節のための所定の運動学的経路を含む入力を受信し、規定の遠位靭帯付着部位に関連付けられた靭帯繊維の近位付着部位を表す同緊張、高緊張及び低緊張ポイントの組を含む出力を生成する。

概要

背景

膝関節は、人体において最も重要で強力な関節のうちの1つである。膝関節は、人の身体の重量を支え上腿下腿との間の関節接合運動を提供するように設計される。図11を参照すると、人間の膝関節10は、上腿の大腿骨102と、下腿の脛骨104及び腓骨106との間のヒンジ連結を与える。膝関節の骨の解剖学的構造は、の中心に位置する膝蓋骨108も含む。大腿骨102の遠位端は、脛骨104の近位端に形成される2つの対応する顆、すなわちそれぞれ外側顆及び内側顆と接続し、関節接合する、2つの凸型上顆、すなわち、外側上顆126及び内側上顆127を含む。顆及び上顆の端面は関節軟骨124で覆われ、大腿骨と脛骨との間に、半月板122として知られる軟骨の板が存在する。膝関節の骨は、内側側副靭帯(MCL)110、外側側副靭帯(LCL)112、前十字靭帯(ACL)114、後十字靭帯(PCL)116、膝蓋腱118及び四頭筋腱120を含む、一連靭帯によって共に保持される。MCLは、大腿骨の内側部位を脛骨に連結する。LCLは、大腿骨の外側部位を腓骨に連結する。ACLは、大腿骨の外側上顆の内面から斜めに延び、この内面を脛骨の前顆に連結する。PCLは、大腿骨の内側上顆の内面から斜めに延び、この内面をの後顆に連結する。膝蓋骨は、膝蓋腱及び四頭筋腱によって膝の前面の適所に保持される。膝の全体的な運動範囲は、骨及び靭帯の特定の解剖学的構造に依拠し、通常、約120度の屈曲運動が可能である。膝の骨及び靭帯に加えて、膝を取り囲み、強度及び潤滑をもたらす関節包及び滑液の小さな袋(すなわち、滑液包)が存在する。靭帯及び液包(fluid capsule)及び滑液包は、膝関節の軟組織と呼ばれる。

膝の骨及び靭帯の特定の解剖学的構造は、動物及び人間の成熟中に発展及び発達する。発達の初期段階における、荷重及び体重負荷の発展する需要の下での靭帯移動が、多数の研究者によって報告されている。Wei他は、内側側副靭帯(MCL)における形態変化及び付着部移動を解析する研究において、「発達中、MCLは脛骨端の成長にかかわらず、膝関節システムに対する相対的位置を維持する」と述べている。続けて、Wei他は、「靭帯を取り付けることによって生じる骨膜に対する力学的荷重の増大により、骨膜細胞刺激され、上述したメカニズムにより破骨細胞分化する場合があることが推測され得る」と述べている。Dorflは、「様々な年齢の骨が検査される場合、骨幹に対する筋肉及び靭帯の付着部が、骨の先端に対し同じ相対位置を占めることがわかる。骨幹の間質成長はないことが知られているので、この観測は、骨幹に対する付着部の移動によってしか説明することができない。」と告げている。Thomopoulos他は、骨の付着部に対する形態形成について記載しており、靭帯付着部位の発達及び移動を軽減するいくつかのメカバイオロジーメカニズム及び要因を特定している。Wang他は、「移動部位の最も興味深いものはMCLである。というのも、線形成長中に遠位大腿上の起点から重度の連続した張力を受けているように見え非弾性の繊維状靭帯が、依然として、加わる荷重の方向に向かうのではなく離れるように移動することを達成しているからである。」と述べている。

発達段階中、力学的荷重が課される結果として、靭帯構造が、骨構造の発達に適応し、かつおそらく骨性構造が適応し、発達する靭帯構造によって成形されることが明らかである。この相乗成長プロセスは、発展段階全体にわたって、かつ成熟に向けて、機能的な膝システムに必要な必須の関節安定性を提供しながら、必要とされる関節の移動性を維持する。

膝の力学の理解には、靭帯付着部位の解剖学的かつ機能的知識が必要である。多くの最近の研究は、靭帯再建手術及び全膝関節置換において外科医誘導するのに役立つために必要な正確な解剖学的研究に焦点を当てている。これらの研究の多くは、靭帯付着部位の形状及び近隣の骨のランドマーク定量化に焦点を当てている。これらの研究は、不明瞭手術環境において操作することを試みる外科医のための明らかに優れた基準となっている。一方、これらの研究のほとんどは、最も定量的なものであっても、関節面の形状の測定によって提供され得る力学的コンテキスト記述(description:内容)を省いている。通常、靭帯付着部位の詳細な解剖学的記述を得るとき、隣接する骨のランドマークに対する基準測定値付随している。ほとんどの場合、骨のランドマークは、対象の靭帯構造に非常に近接して触知可能であるか又は場合によっては可視であるため、手術対象である。しかし、一般的に、これらのランドマークは力学的でないか、又は力学的である場合は、それらの機能は関節の主要機能に対し副次的なものであるか、若しくはおそらく本質的に構造的なものである。連続関節面の形状は、関節の許容可能な運動を誘導又は制約する制約システムを構築する(相互貫入がないことを仮定するが、これは荷重の下で厳密に真でない)。関節接触形状は、靭帯構造の形状と合わせて、関節の必須の安定性を実現し、かつそれとは逆に移動性を実現するように相乗的に機能する。このため、関節面の記述のコンテキストから靭帯の記述を取り除くことにより、関節の記述が力学的に不完全となる。

人工膝関節置換術(TKA)及び膝靭帯再建手術において、インプラントの正確な位置決め及び正確な靭帯の取付けが手術の成功に不可欠である。純粋に解剖学的なデータからインプラントの正確な位置決め及び正確な靭帯の取付けを決定するのは困難であるため、これらの手術の大部分が失敗し、繰り返される必要がある。

靭帯再建手術における靭帯移植片配置の位置を示すデータを得るための1つのシステムが、特許文献1に記載されている。この従来技術によるシステムは、骨に取り付けられた基準体と、1つ又は複数の基準点捕捉するために2つの骨のうちの少なくとも一方の表面に接触するための先端を有するポインターとを用いて2つの骨の相対運動を追跡することが可能な位置決定デバイスを含む。このシステムは、基準体及びポインターの手術中の位置を決定及び追跡し、変形可能な靭帯移植片の軌跡現実的なシミュレーションに基づいて、靭帯移植片配置のためのアイソメトリックデータ及びインピンジメントデータを提供するように構成されるコンピューターも備える。システムは、屈曲関数として膝の弛緩を表す術前プロット及び術後プロットを生成及び比較する。一方、多くの場合に、膝及び周囲の軟組織の術前状態は既に損なわれており、したがって、膝関節の術前状態を複製しようと試みることは望ましくない場合がある。

したがって、膝関節の術前状態に頼ることなく、正確な靭帯の付着及び取付けをもたらす、膝手術における靭帯の付着及び取付けをシミュレートするための方法が必要とされている。

概要

膝関節の整形外科手術における靭帯付着中フィードバックを提供するシステムが、膝関節の関節面形状データを提供する撮像デバイスと、遠位靭帯付着部位を提供する位置測定デバイスと、靭帯基準歪みを提供する歪み測定デバイスと、膝関節のための規定の運動学的経路を提供する駆動システムと、適応的移動アプリケーションとを備える。適応的移動アプリケーションは、膝関節の関節面形状データ、遠位靭帯付着部位、靭帯基準歪み及び膝関節のための所定の運動学的経路を含む入力を受信し、規定の遠位靭帯付着部位に関連付けられた靭帯繊維の近位付着部位を表す同緊張、高緊張及び低緊張ポイントの組を含む出力を生成する。I-1

目的

膝関節は、人の身体の重量を支え、上腿と下腿との間の関節接合運動を提供する

効果

実績

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請求項1

膝関節整形外科手術における靭帯付着中フィードバックを提供するシステムであって、膝関節の関節面形状データを提供する撮像デバイスと、遠位靭帯付着部位を提供する位置測定デバイスと、靭帯基準歪みを提供する歪み測定デバイスと、前記膝関節のための規定の運動学的経路を提供する駆動システムと、前記膝関節の関節面形状データ、前記遠位靭帯付着部位、前記靭帯基準歪み、及び前記膝関節のための前記規定の運動学的経路を含む入力を受信し、規定の遠位靭帯付着部位に関連付けられた靭帯繊維の近位付着部位を表す同緊張、高緊張及び低緊張ポイントの組を含む出力を生成するように構成される適応移動アプリケーションと、を備える、システム。

請求項2

前記膝関節の関節面形状データは、2つの接線方向に交差する円形アークとして表される、請求項1に記載のシステム。

請求項3

前記適応的移動アプリケーションは、屈曲アークにわたる靭帯緊張ベクトルの積分に基づいて前記遠位靭帯付着部位を反復的に適応させることによって、前記同緊張、高緊張及び低緊張のポイントの組を生成する、請求項1に記載のシステム。

請求項4

前記靭帯緊張ベクトルの前記積分は、前記適応的移動アプリケーションの連続反復に伴い、ゼロの限界値に向かう傾向にあり、前記限界値において、前記屈曲アークにわたる伸張歪み及び圧縮歪みバランスをとる遠位靭帯付着部位が決定される、請求項3に記載のシステム。

請求項5

2つの同緊張ポイント間に張られた靭帯は、前記屈曲アーク全体にわたって等しい張力を有する、請求項3に記載のシステム。

請求項6

前記膝関節のための前記規定の運動学的経路は、屈曲アークを通じた前記膝関節の受動運動学を含む、請求項1に記載のシステム。

請求項7

前記膝関節のための前記規定の運動学的経路は、屈曲、内旋、前後の変位又は内外の変位のうちの1つを含む、請求項1に記載のシステム。

請求項8

前記膝関節のための前記規定の運動学的経路は、前記膝関節が2自由度で制約されている間に適用される、請求項1に記載のシステム。

請求項9

コスト関数が、適用される歪みの大きさに基づいて定義され、各靭帯における、歪みにより生じる張力の方向が決定される、請求項1に記載のシステム。

請求項10

前記遠位靭帯付着部位は、屈曲アーク全体にわたる、各靭帯における前記生じる張力の作用線平衡する方向に移動される、請求項9に記載のシステム。

請求項11

膝関節の整形外科手術における靭帯付着中にフィードバックを提供する方法であって、膝関節の関節面形状データを提供する撮像デバイスを設けることと、遠位靭帯付着部位を提供する位置測定デバイスを設けることと、靭帯基準歪みを提供する歪み測定デバイスを設けることと、前記膝関節のための規定の運動学的経路を提供する駆動システムを設けることと、前記膝関節の関節面形状データ、前記遠位靭帯付着部位、前記靭帯基準歪み、及び前記膝関節のための前記規定の運動学的経路を含む入力を受信し、規定の遠位靭帯付着部位に関連付けられた靭帯繊維の近位付着部位を表す同緊張、高緊張及び低緊張のポイントの組を含む出力を生成するように構成される適応的移動アプリケーションを設けることと、を含む、方法。

請求項12

前記膝関節の関節面形状データは、2つの接線方向に交差する円形アークとして表現される、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記適応的移動アプリケーションは、屈曲アークにわたって靭帯緊張ベクトルの積分に基づいて前記遠位靭帯付着部位を反復的に適応させることによって、前記同緊張、高緊張及び低緊張のポイントの組を生成する、請求項11に記載の方法。

請求項14

前記靭帯緊張ベクトルの前記積分は、前記適応的移動アプリケーションの連続反復に伴い、ゼロの限界値に向かう傾向にあり、前記限界値において、前記屈曲アークにわたる伸張歪み及び圧縮歪みのバランスをとる遠位靭帯付着部位が決定される、請求項13に記載の方法。

請求項15

2つの同緊張ポイント間に張られた靭帯は、前記屈曲アーク全体にわたって等しい張力を有する、請求項13に記載の方法。

請求項16

前記膝関節のための前記規定の運動学的経路は、屈曲アークを通じた前記膝関節の受動運動学を含む、請求項11に記載の方法。

請求項17

前記膝関節のための前記規定の運動学的経路は、屈曲、内旋、前後の変位又は内外の変位のうちの1つを含む、請求項11に記載の方法。

請求項18

前記膝関節のための前記規定の運動学的経路は、前記膝関節が2自由度で制約されている間に適用される、請求項11に記載の方法。

請求項19

コスト関数が、適用される歪みの大きさに基づいて定義され、各靭帯における、歪みにより生じる張力の方向が決定される、請求項11に記載の方法。

請求項20

前記遠位靭帯付着部位は、屈曲アーク全体にわたる、各靭帯における前記生じる張力の作用線に平衡する方向に移動される、請求項19に記載の方法。

技術分野

0001

同時係属中の関連出願の相互参照
本出願は、2014年3月19日に出願された、「SYSTEMAND METHODFOR KNEE JOINTSIMULATION USING ADAPTIVEMIGRATIONOF LIGAMENT INSERTION GEOMETRY」と題する米国仮特許出願第61/955,446号の利益を主張する。この米国仮特許出願の内容は、引用することにより明示的に本明細書の一部をなす。

0002

本発明は、膝関節手術における靭帯付着のためのシステム及び方法に関し、より詳細には、靭帯付着部形状の適応的移動(adaptive migration)を用いる膝関節手術における靭帯付着に関する。

背景技術

0003

膝関節は、人体において最も重要で強力な関節のうちの1つである。膝関節は、人の身体の重量を支え上腿下腿との間の関節接合運動を提供するように設計される。図11を参照すると、人間の膝関節10は、上腿の大腿骨102と、下腿の脛骨104及び腓骨106との間のヒンジ連結を与える。膝関節の骨の解剖学的構造は、の中心に位置する膝蓋骨108も含む。大腿骨102の遠位端は、脛骨104の近位端に形成される2つの対応する顆、すなわちそれぞれ外側顆及び内側顆と接続し、関節接合する、2つの凸型上顆、すなわち、外側上顆126及び内側上顆127を含む。顆及び上顆の端面は関節軟骨124で覆われ、大腿骨と脛骨との間に、半月板122として知られる軟骨の板が存在する。膝関節の骨は、内側側副靭帯(MCL)110、外側側副靭帯(LCL)112、前十字靭帯(ACL)114、後十字靭帯(PCL)116、膝蓋腱118及び四頭筋腱120を含む、一連の靭帯によって共に保持される。MCLは、大腿骨の内側部位を脛骨に連結する。LCLは、大腿骨の外側部位を腓骨に連結する。ACLは、大腿骨の外側上顆の内面から斜めに延び、この内面を脛骨の前顆に連結する。PCLは、大腿骨の内側上顆の内面から斜めに延び、この内面をの後顆に連結する。膝蓋骨は、膝蓋腱及び四頭筋腱によって膝の前面の適所に保持される。膝の全体的な運動範囲は、骨及び靭帯の特定の解剖学的構造に依拠し、通常、約120度の屈曲運動が可能である。膝の骨及び靭帯に加えて、膝を取り囲み、強度及び潤滑をもたらす関節包及び滑液の小さな袋(すなわち、滑液包)が存在する。靭帯及び液包(fluid capsule)及び滑液包は、膝関節の軟組織と呼ばれる。

0004

膝の骨及び靭帯の特定の解剖学的構造は、動物及び人間の成熟中に発展及び発達する。発達の初期段階における、荷重及び体重負荷の発展する需要の下での靭帯移動が、多数の研究者によって報告されている。Wei他は、内側側副靭帯(MCL)における形態変化及び付着部移動を解析する研究において、「発達中、MCLは脛骨端の成長にかかわらず、膝関節システムに対する相対的位置を維持する」と述べている。続けて、Wei他は、「靭帯を取り付けることによって生じる骨膜に対する力学的荷重の増大により、骨膜細胞刺激され、上述したメカニズムにより破骨細胞分化する場合があることが推測され得る」と述べている。Dorflは、「様々な年齢の骨が検査される場合、骨幹に対する筋肉及び靭帯の付着部が、骨の先端に対し同じ相対位置を占めることがわかる。骨幹の間質成長はないことが知られているので、この観測は、骨幹に対する付着部の移動によってしか説明することができない。」と告げている。Thomopoulos他は、骨の付着部に対する形態形成について記載しており、靭帯付着部位の発達及び移動を軽減するいくつかのメカバイオロジーメカニズム及び要因を特定している。Wang他は、「移動部位の最も興味深いものはMCLである。というのも、線形成長中に遠位大腿上の起点から重度の連続した張力を受けているように見え非弾性の繊維状靭帯が、依然として、加わる荷重の方向に向かうのではなく離れるように移動することを達成しているからである。」と述べている。

0005

発達段階中、力学的荷重が課される結果として、靭帯構造が、骨構造の発達に適応し、かつおそらく骨性構造が適応し、発達する靭帯構造によって成形されることが明らかである。この相乗成長プロセスは、発展段階全体にわたって、かつ成熟に向けて、機能的な膝システムに必要な必須の関節安定性を提供しながら、必要とされる関節の移動性を維持する。

0006

膝の力学の理解には、靭帯付着部位の解剖学的かつ機能的知識が必要である。多くの最近の研究は、靭帯再建手術及び全膝関節置換において外科医誘導するのに役立つために必要な正確な解剖学的研究に焦点を当てている。これらの研究の多くは、靭帯付着部位の形状及び近隣の骨のランドマーク定量化に焦点を当てている。これらの研究は、不明瞭な手術環境において操作することを試みる外科医のための明らかに優れた基準となっている。一方、これらの研究のほとんどは、最も定量的なものであっても、関節面の形状の測定によって提供され得る力学的コンテキスト記述(description:内容)を省いている。通常、靭帯付着部位の詳細な解剖学的記述を得るとき、隣接する骨のランドマークに対する基準測定値付随している。ほとんどの場合、骨のランドマークは、対象の靭帯構造に非常に近接して触知可能であるか又は場合によっては可視であるため、手術対象である。しかし、一般的に、これらのランドマークは力学的でないか、又は力学的である場合は、それらの機能は関節の主要機能に対し副次的なものであるか、若しくはおそらく本質的に構造的なものである。連続関節面の形状は、関節の許容可能な運動を誘導又は制約する制約システムを構築する(相互貫入がないことを仮定するが、これは荷重の下で厳密に真でない)。関節接触形状は、靭帯構造の形状と合わせて、関節の必須の安定性を実現し、かつそれとは逆に移動性を実現するように相乗的に機能する。このため、関節面の記述のコンテキストから靭帯の記述を取り除くことにより、関節の記述が力学的に不完全となる。

0007

人工膝関節置換術(TKA)及び膝靭帯再建手術において、インプラントの正確な位置決め及び正確な靭帯の取付けが手術の成功に不可欠である。純粋に解剖学的なデータからインプラントの正確な位置決め及び正確な靭帯の取付けを決定するのは困難であるため、これらの手術の大部分が失敗し、繰り返される必要がある。

0008

靭帯再建手術における靭帯移植片配置の位置を示すデータを得るための1つのシステムが、特許文献1に記載されている。この従来技術によるシステムは、骨に取り付けられた基準体と、1つ又は複数の基準点捕捉するために2つの骨のうちの少なくとも一方の表面に接触するための先端を有するポインターとを用いて2つの骨の相対運動を追跡することが可能な位置決定デバイスを含む。このシステムは、基準体及びポインターの手術中の位置を決定及び追跡し、変形可能な靭帯移植片の軌跡現実的なシミュレーションに基づいて、靭帯移植片配置のためのアイソメトリックデータ及びインピンジメントデータを提供するように構成されるコンピューターも備える。システムは、屈曲関数として膝の弛緩を表す術前プロット及び術後プロットを生成及び比較する。一方、多くの場合に、膝及び周囲の軟組織の術前状態は既に損なわれており、したがって、膝関節の術前状態を複製しようと試みることは望ましくない場合がある。

0009

したがって、膝関節の術前状態に頼ることなく、正確な靭帯の付着及び取付けをもたらす、膝手術における靭帯の付着及び取付けをシミュレートするための方法が必要とされている。

先行技術

0010

米国特許出願公開第2010/0234770号

0011

本発明は、膝関節の手術における靭帯付着中膝骨関節及び軟組織のシミュレーションのためのシステム及び方法に関し、より詳細には、靭帯付着部形状の適応的移動を用いた膝骨関節及び軟組織のシミュレーションに関する。

0012

通常、1つの態様において、本発明は、膝関節の整形外科手術における靭帯付着中にフィードバックを提供するシステムを特徴とし、本システムは、撮像デバイスと、位置測定デバイスと、歪み測定デバイスと、駆動システムと、適応的移動アプリケーションとを備える。撮像デバイスは、膝関節の関節面形状データを提供する。位置測定デバイスは、遠位靭帯付着部位を提供する。歪み測定デバイスは、靭帯基準歪みを提供する。駆動システムは、膝関節のための規定の運動学的経路を提供する。適応的移動アプリケーションは、膝関節の関節面形状データ、遠位靭帯付着部位、靭帯基準歪み、及び膝関節のための規定の運動学的経路を含む入力を受信し、規定の遠位靭帯付着部位に関連付けられた靭帯繊維の近位付着部位を表す同緊張、高緊張及び低緊張ポイントの組を含む出力を生成するように構成される。

0013

本発明のこの態様の実施は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。膝関節の関節面形状データは、2つの接線方向に交差する円形アークとして表される。適応的移動アプリケーションは、屈曲アークにわたる靭帯緊張ベクトルの積分に基づいて遠位靭帯付着部位を反復的に適応させることによって、同緊張、高緊張及び低緊張のポイントの組を生成する。靭帯緊張ベクトルの積分は、適応的移動アプリケーションの連続反復に伴い、ゼロの限界値に向かう傾向にあり、限界値において、屈曲アークにわたる伸張歪み及び圧縮歪みバランスをとる遠位靭帯付着部位が決定される。2つの同緊張ポイント間に張られた靭帯は、屈曲アーク全体にわたって等しい張力を有する。膝関節の規定の運動学的経路は、屈曲アークを通じた膝関節の受動運動学を含む。膝関節の規定の運動学的経路は、屈曲、内旋、前後の変位又は内外の変位を含む。膝関節のための規定の運動学的経路は、膝関節が2自由度で制約されている間に適用される。コスト関数が、適用される歪みの大きさに基づいて定義され、各靭帯における、歪みにより生じる張力の方向が決定される。遠位靭帯付着部位は、屈曲アーク全体にわたる、各靭帯における生じる張力の作用線平衡する方向に移動される。

0014

通常、別の態様において、本発明は、膝関節の整形外科手術における靭帯付着中にフィードバックを提供する方法を特徴とする。本方法は、以下を含む。膝関節の関節面形状データを提供する撮像デバイスを設けること。次に、遠位靭帯付着部位を提供する位置測定デバイスを設けること。次に、靭帯基準歪みを提供する歪み測定デバイスを設けること。次に、膝関節のための規定の運動学的経路を提供する駆動システムを設けること。次に、膝関節の関節面形状データ、遠位靭帯付着部位、靭帯基準歪み、及び膝関節のための規定の運動学的経路を含む入力を受信し、規定の遠位靭帯付着部位に関連付けられた靭帯繊維の近位付着部位を表す同緊張、高緊張及び低緊張のポイントの組を含む出力を生成するように構成される適応的移動アプリケーションを設けること。

0015

添付の図面及び以下の説明において、本発明の1つ又は複数の実施形態の詳細が示される。本発明の他の特徴、目標及び利点は、好ましい実施形態の以下の説明、図面及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。

0016

図面を参照して、同様の符号は幾つかの図面にわたって同様の部分を表す。

図面の簡単な説明

0017

本発明による、靭帯付着部形状の適応的移動を用いた、膝関節手術における靭帯付着のためのシステムの概略図である。
図1Aは大腿骨におけるACL及びPCL付着部位を示す図である。図1Bは、適応的移動手法によって決定されるような、大腿骨における深層MCL(dMCL)及び浅層MCL(sMCL)付着部位を示す図である。
図2Aは文献からのPCL付着の画像の上に重ね合わされた適応的移動出力を示す図である。図2Bは、文献からの内側区画付着の画像の上に重ね合わされた適応的移動出力を示す図である。
図3Aは、後内側束から前外側束まで延在するPCL付着部を示す図である。図3Bは、屈曲アーク(水平軸0度〜135度)を通じた各繊維の歪みを示す図である。
図4Aは、脛付着部位ロケーションに対する感度を示す図である。図4Bは、外側顆部(lateral condylar)のロールバック(roll back)(すなわち、内旋)に関する感度を示す図である。
図5Aは、後部形状、すなわち半径変化に対する感度を示す図であり、プロテーゼの材料本体から外れたポイントは、形状がこの極端な低緊張靭帯状態を支持しないことを簡潔に示す。図5Bは、前部形状、すなわち、半径変化に対する感度を示す図である。
図6Aは、遷移角における変化に対する感度を示す図である。図6Bは、任意のポイントAから開始し、最終的な付着ポイントまで収束して、結果としてほぼ同緊張の繊維となる、ACL及びPCLでの適応経路を示す図である。
図7は、解剖されたACL付着フットプリントの上に重ね合わされたACL付着部位を示す図である。図8、浅層MCL82及び深層MCL(半月板大腿骨コンポーネント(meniscal femoralcomponent))84を示す図である。
Robinson72、LaPrade74及びFang76によるMCL付着部位を示す図である。
図10Aは、適応的移動によって決定される、外側側副靭帯(LCL)付着部位62及び前外側靭帯付着(ALL)部位64を示す図である。図10Bは、荷重の下での脛骨前方移動及び受動運動の下での外側顆部ロールバック等の外部の影響に対する適応的移動応答を形作るのに用いることができる変数のうちの幾つかの変数の探査を示す図である。
図11は、膝の解剖学的構造の概略図である。

実施例

0018

靭帯再建手術において、外科医は、最適な等尺性をもたらす脛骨及び大腿骨のポイントを決定及び位置特定しようと試みる。等尺性は、元の構成における2つの点間の距離が、変換された構成におけるそれらの対応する画像間の距離と同じであるときに存在する。靭帯再建手術において、等尺性は、切除された靭帯を、交換用の靭帯と置き換え、通常の制限のない運動アークを通じて長さの変化が生じないようにすることを含む。通常、靭帯再建手術における等尺性を最大限にする(maximize)ことが望ましいと仮定される。一方、この方法は、必ずしも靭帯再建を成功に導くとは限らない。なぜなら、初期構成は最適でない場合があり、膝関節において真に等尺性のポイントは存在しないためである。

0019

本発明は、靭帯付着部形状の適応的移動を利用することによって、改善された靭帯再建を提供するシステム及び方法を提供する。本方法論の主要な仮説は以下を含む。
1)脛骨と大腿骨との間に接触する自然の受動的膝運動を考えると、2つの本体において、屈曲アーク全体を通じて真に等尺性であると分類することができるポイントの対は存在しない。
2)関節区分のうちの1つにおけるポイントを考えると、隣接する区分において、屈曲アーク全体を通じて2つのポイント間の分離距離の変化を最小限にする第2のポイントを選択することができる。そのような1組のポイントは、「ほぼ同緊張」と称され、これは、そのようなポイント間に張られた繊維が、接触の制約及び形状を所与として、屈曲アーク全体にわたって等しい張力に最も近い近似を有することを意味する。
3)繊維が渡されている場合、屈曲アークにわたって、平均で、上記で説明した名目上の(nominal)同緊張繊維よりも多いか又は少ない張力(それぞれ、高緊張又は低緊張)を有するほぼ同緊張のポイントの組を見つけることができる。
4)自然の靭帯繊維の付着部位は、運動が、受動的な屈曲アークを通じて規定されるとき、同緊張、高緊張及び低緊張のポイントの集合によって表すことができる。
5)そのようなほぼ同緊張、高緊張及び低緊張のポイントの組は、近位のポイントが適応的移動最適化手法を用いて発見される間に、遠位の靭帯付着フットプリント内のポイントを表す最も遠位のポイントが選択される場合、自然の膝における名目上の靭帯付着部位を厳密に表す。

0020

適応的移動手法は、接触形状(外転内転及び関節圧縮牽引)によって2自由度で制約を受けながら、規定された運動経路(ここでは、屈曲、内旋、前後変位及び内外運動が規定される)を通じて膝関節の幾何モデル発動することを含む。規定された運動経路は、屈曲アークを通じた膝の受動運動を表す。通常の膝屈曲アークは、0度から135度〜145度まで延在する。各計算ステップにおいて、歪みの大きさに基づくコスト関数が定義され、各要素における歪みにより生じる張力の作用方向が決定される。靭帯付着部位は、屈曲アーク全体にわたる靭帯張力の作用線に平衡する方向に移動される。

0021

付着部位のこの適応的移動は、屈曲アークにわたる歪みの積分が、計算の連続した反復とともにゼロに向かう傾向を有するようにふるまう。制限内で、規定の屈曲アークにわたって最適に伸長歪み及び圧縮歪みのバランスをとる付着部位が決定される。要素の基準歪みは、生理学的(physiological)条件を表すのに必要な場合があるような、最初に緩んでいるか又は最初に緊張している要素を生成するように調整することができる。

0022

1つの例において、受動運動は、屈曲アークを通じた最小歪みを伴うことが仮定される。別の例では、靭帯緊張の結果として、関節にわたって作用する力及びモーメントの双方のバランスをとるように平衡した繊維のバランスをとる、より複雑なコスト関数が検討される。靭帯が運動を制限する役割を果たす状況において、関節がその運動の範囲の限界に達するとき、歪みコストの平衡をとることに対する例外が生じ得る。後に示すように、この事例は、高緊張繊維を必要とする高伸張状態のPCLの事例のように、容易に適応される。

0023

図1を参照すると、本発明による、靭帯付着部形状の適応的移動を用いた膝関節シミュレーションのためのシステム100が、適応的移動アプリケーション150を備えるコンピューター140と、入力130と、出力160とを含む。適応的移動最適化への入力130は、以下を含む。
○関節面形状132
■顆形状
脛骨プラトー形状
○遠位靭帯付着部位134
○靭帯基準歪み136
○規定の運動学的経路138
■屈曲アーク
■前後並進
■内外旋

0024

適応的移動最適化からの出力160は以下を含む。
○規定の遠位靭帯付着部位に関連付けられた靭帯繊維の近位(大腿骨)付着部位を表すほぼ同緊張、高緊張及び低緊張のポイントの組162

0025

膝関節の関節面形状データは、X線MRI、CTデバイス等の撮像デバイスによって提供される。遠位靭帯付着部位は、位置測定デバイスによって提供される。位置測定デバイスは、光、音、超音波ビデオ、力学、電磁形状認識アルゴリズム、又は無線周波数に基づくエミッタ検出器システムとすることができる。1つの例では、位置測定デバイスは、カナダ国オンタリオ州のNorthern DigitalInc.からのPolarisシステムである。靭帯基準歪みは、歪みゲージ、光又は磁気デバイス等の歪み測定デバイスによって提供される。膝関節のための規定の運動学的経路は、駆動システム又は特定のプロトコルによって提供される。

0026

1つの例では、上述した方法に基づく適応的移動アプリケーション150は、MATLAB(商標)において実施される。そのモデルは、独立した内側顆部及び外側顆部の形状が定義され、屈曲軸、軸方向の軸を中心とした回転(内外旋)が検討されるという点で、準三次元(3D)である。外転内転及び内側外側の運動は、この例では無視される。顆形状の各々が、2つの接線方向に交差する円形アークとして表される。

0027

屈曲アークにわたる靭帯張力(又は圧縮)ベクトルの積分に基づいて、付着部位形状を反復的に適応させることによって単純な反復解が展開される。後続の反復の結果は、連続反復のための付着位置として用いられる。結果として生じる付着位置の変化(付着位置ベクトルのユークリッドノルムとして計算される)が十分に小さいとき、ルーチンが停止する。反復計算の出力は、靭帯の近位付着部位の推定値である。

0028

図1A及び図1Bは、このシミュレーションの例からの出力を示す。図1Aは、適応的移動方法によって決定されるような、大腿骨上のACL及びPCL靭帯付着部位を示す。図1Bは、適応的移動方法によって決定されるような、大腿骨における深層MCL(dML)及び浅層MCL(sMCL)靭帯付着部位を示す。図1Aは、2つの円、すなわち、21 mmの半径50を有する後部円及び36mmの半径60を有する前部遠位円で構成される外側形状を示す。これらは、Pinskerovaによって、屈曲面FF:flexion facet)及び伸展面(EF:extension facet)と呼ばれる。本発明では、外側形状が、屈曲アークを通じた前後(AP)及び内外(IE)の既知の運動に最も強力に寄与するため、PCLが内側顆の顆ノッチの壁に取り付けられているにもかかわらず、PCLのための外側形状を選択する。Pinskerovaは、死体及び生体被験体における一連の磁気共鳴画像法(MRI)の研究を通じて、内側顆の後部円の中心が、屈曲アークを通じて僅かにしか動かない一方で、外側の後部円の中心は、約20 mm後方に並進し、それによって、主に脛骨軸の内旋である動きが生じる。ACL付着部位も図1Aに示されている。ACL及びPCL付着の相対位置は、対応する自然の靭帯付着フットプリントの重心を通る線を描くことによって決定することができるものに形状的に非常に類似している。PCLの場合、一連のPCL円40が、左側(後部)の高緊張から右側(前部)の低緊張までの範囲をとるほぼ同緊張の付着部位の群を表すことに留意されたい。

0029

図1Bは、浅層及び深層の内側側副靭帯(sMCL及びdMCL、大腿−半月板部分)についての結果を示す。sMCL付着は、マーカー52として示されるのに対し、dMCLは、マーカー54として示される。この図において、円形形状は、21 mmの半径の後部円56及び32 mmの半径の前部遠位円58を有する内側形状を表す。

0030

図2A及び図2Bは、それぞれ、PCL付着及び内側区画付着の画像の上に重ね合わされた、図1A及び図1の適応的なシミュレーション出力を示す。付着部形状を決定することへの適応的移動手法の出力と、文献において報告されている付着部形状との間の有力な類似性が観測されている。この視覚による比較は、多くの欠点を被ることに留意するべきである。図2Aに示す、近接写真(Amisに帰する)は、遠近法及び視野角に起因して、スケーリング及び歪みの潜在的な問題を有する一方、図2Bに示すLaPradeによる医学的図面は、寸法の入った図面ではないため、付着部位の正確の位置決めではなく、描き手の強調を反映している場合がある。

0031

図3a及び図3Bは、初期歪みを連続して減少させるために開発された一連の付着部位を示す。付着部位は、後内側束及び前外側束を示す2つのグループ組織化される。特に、図3Aは、PCL付着が後内側束から前外側束まで延在することを示す。図3Bは、屈曲アークを通じた各繊維における歪みを示す。全ての繊維は、図3Aに示す単一の付着部位92を起点とする。水平軸は、0度〜135度のアークを示す。曲線90は、4%の歪みを伴って完全に伸張している(0度の屈曲)最も後方の繊維を示す。最も後方の繊維の歪みは、15度の屈曲アークにおいて4%の基準歪みから約6%に増大する。このポイントは、接点がより大きな直径の前部円(EF)からより小さな直径の後部円(FF)に移るときの遷移をマーキングする。各プロットシリーズは、異なる初期の基準歪みを表す。図3Aのプロットにおける左から右(後部から前部)に移動する連続繊維付着は、基準歪みを漸減する条件について得られた付着部位を表す。結果として得られる繊維の組は、膝が完全な伸展状態から135度の屈曲まで屈曲されるときに後部から前部まで進む漸増シーケンスを有する。

0032

以下の事例は、詳細な解析を伴うことなく提供されるが、幾つかの異なる変形に対する適応的移動の解析の感度を示す役割を果たす。

0033

図4Aは、脛骨付着部位ロケーションに対する感度を示し、図4Bは、外側ロールバック(すなわち内旋)に対する感度を示す。図4Aは、(-25,-30)、(-30,-35)、(-20,-25)、(-20,-25)mmの選択された座標を有する遠位付着部位ロケーション92のロケーションを変更した結果を示す。これらのロケーション92は、(-25,-30)において指定された通常の付着部位の周りに群がるように任意に選択される。この10 mmパッチ内で選択された遠位付着は、大腿上で得られるほぼ同緊張、低緊張及び高緊張の付着部位の結果として得られる位置に対し、比較的小さな影響を有する。遠位付着部位を変更することによってもたらされる、最も注目に値する変化は、同緊張線クラスター(isotonic line cluster)の傾斜の変化である。その線の同様に注目に値する伸張は、極限の初期靭帯弛緩の場合に見られる。

0034

図4Bは、0 mm、8 mm、16 mmで指定される異なる外側「ロールバック」での3つの事例を示す。各ロールバック事例に対応する付着部位は、左から右に配列された線クラスターに位置する。結果として得られる付着部位クラスターのフットプリントは、幾つかの「ロールバック」事例を表す幾つかの平行な線を有する線クラスターを維持する。探索範囲にわたって、付着のパッチは、ロールバック状態に対する中程度の感度を示す。

0035

図5A及び図5Bは、顆形状の変化に対する感度を示す。特に、図5Aは、後部形状、すなわち半径変化に対する感度を示し、図5Bは、前部形状、すなわち、半径変化に対する感度を示す。図5Aにおいて、後部円(FF)のために半径19mm、21 mm及び26 mmが選択された一方、図5Bにおいて、前部遠位円のために30 mm、36 mm及び40 mmの半径が選択された。これらの半径は、Pinskerovaによって報告された半径の極限値に及ぶ。付着部のクラスターの全体拡散の観点において、顆形状は、かなりの影響を有しているように見える。

0036

別の形状的特徴は、後部円が接線方向に前部遠位円と交差する場所を指定する遷移角である。図6Aは、遷移角の変化に対する感度を示し、図6Bは、任意のポイントAから開始し、最終的な付着ポイントまで収束して、結果としてほぼ同緊張の繊維となる、ACL及びPCLでの適応経路を示す。図6Aは、5度、15度、25度、35度の遷移角について結果を示す。この角度の変化は、付着部位クラスターに対しほとんど影響を示さない。後部円形状及び前部円形状について、より極限の半径が用いられた場合、この変数は、より大きな役割を果たすことが可能である。図6Bは、PCL及びACLの付着部位の移動を示す。ACL及びPCL双方の初期反復が、任意のポイントAに位置する。各反復により、付着部位は、B及びC(それぞれACL及びPCL)における最終的なほぼ同緊張のポイントに向かって移動する。

0037

図7は、解剖されたACL付着フットプリントの上に重ね合わされたACL付着部位を示す。1をラベル付けされたクラスターセグメントは、受動的膝運動のための発見された靭帯部位を表し、2をラベル付けされたクラスターセグメントは、屈曲アークを通じて前方に荷重をかけられた膝を表す。適応的移動方法は、受動的屈曲のみの下ではなく、関節荷重条件の下で得られる部位を決定する追加の機能を含むように拡張されている。文献は、大腿四頭筋からの荷重の下で関節の5 mm〜10 mmの前方並進を予期し得ることを示している。2で示す繊維は、屈曲アーク全体にわたって8 mm前方に脛骨を変位させることによって伸ばされる。

0038

明白に、靭帯は有限の変形可能な連続媒体であり、おそらく、本質的に極めて圧縮不可能である。明らかに、離散した、無限小の非相互作用繊維を用いた表現は、靭帯要素の幾分粗雑な近似である。有限要素手段の何らかの方式を通じたそのような構造のモデル化は興味深いが、現在の研究の範疇を超えている。一方、既知の形状にわたる繊維のラッピングを伴う一次幾何モデルは、確実に実施され得る。別の手法は、巻取り形状の一次の影響を表す屈曲角に基づく歪みを与えることであり得る。

0039

既に示したように、受動的屈曲は、画像の一部を明らかにするのみである。靭帯は、明らかに、荷重を受ける要素であり、したがって、これらの荷重を受ける必要性を満たす付着部形状が発達する。本発明では、ACLの発展に前部変位(前部荷重の結果生じる)を追加し、その結果は驚くべきものであった。重量負荷及び関節の圧縮は、重要な役割を果たすことができる。人体の重量は、1 mm〜2 mmの関節の圧縮を引き起こす。

0040

MCLの最も大きな容積は、適応的移動により得られる部位の近位に位置する。膝が屈曲すると、MCLの近位の前部繊維は、MCLの容積に巻き付き、それらの効果的な付着部を、より低い境界に近付けなくてはならない。図8は、浅層MCL82が屈曲アークを通じて浅層MCL自体に巻き付く必要性を近似するキンクモデルを含めた結果を示す。項目84は、深層MCL半月板大腿骨コンポーネントを示す。キンクは、近位付着部位からの固定距離におけるpegとしてモデル化され、靭帯繊維はこの周りに巻き付かなくてはならない。付着部位からのpegの距離は、付着エリアの最大寸法未満(less than)であるが、局所材料変形のより詳細な分析なしでは、より良好な近似を定式化することは可能でない。

0041

計算結果は、文献から抽出された、膝骨の表面の写真及び描画された図面(artist drawing)上に重ね合わされる。図9は、Robinson72、LaPrade74及びFang76によるMCL付着部位を示す。形状の表現は、文献における大きな変動を示し、ソースのいずれも、画像が形状的に正確であることを要求していない。

0042

図10Aは、適応的移動によって決定されるような、外側側副靭帯(LCL)付着部位62及び前外側靭帯付着(ALL)部位64を示す。円62の2つのクラスターは、前部の変位0 mm及び4 mmの変位の2つの条件下のLCLを表す一方で、円64は前外側付着を示す。LCLは、この図に示す付着エリアにおいて良好に表される。前外側付着は、LCL付着に対し、僅かに遠位ではなく僅かに近位であるという点で、文献の報告と異なる。それにもかかわらず、適応的移動手法からわかるように、ALLはLCLと概ね同じ場所に付着すると言われる。図10Bは、荷重の下での脛骨前方移動及び受動運動の下での外側顆部ロールバック等の外部の影響に対する適応的移動応答を形作るのに用いることができる変数のうちの幾つかの変数の探査を示す。

0043

適用分野
膝のモデル化及び研究
多数の研究者が、靭帯の線要素表現を組み込む膝モデルを開発した。これは、関節システムの力学の理解及び視覚化を改善するツールを提供するための関節モデル化のための魅力的な手法である。通常、手法は、膝の解剖中に行われる測定に基づいて、靭帯付着部形状及び関節接触形状を定義することを必要とする。基本形状が発展すると、計算モデルは、線要素繊維のための材料剛性特性を更に通知される。このとき必要とされるのは、幾つかの基準姿勢における靭帯歪みの状態の推定値のみである。これは、選択された基準姿勢における要素の張力を定義する靭帯繊維の基準歪み又は基準長さを与えることによって達成される。一方、既知の姿勢における歪みの絶対尺度を達成することは困難を呈するため、基準姿勢歪み状態推定するために、様々な間接的な手法がとられた。各靭帯要素において発達した歪みを決定する間に、規定の運動学的経路を通じてモデルを行使することを含む最適化手法が頻繁に採用される。次に、最適化探索アルゴリズムを用いて規定の運動学的経路全体にわたって歪みエネルギー最小値を模索するように基準歪みが調整される。

0044

この従来の手法の欠点が幾つか存在する。第1に、付着部位の選択は、明示的な形状に基づくにもかかわらず、どれだけ正確であろうと、最善でも任意である。付着部位の選択は、付着フットプリントの重心に位置する単一の点に基づく場合もあれば、おそらく、原理的な寸法にまたがるフットプリントのマージンにおける複数の点に基づく場合もある。しかし、モデルが靭帯要素の単純化された表現を利用する場合、それらの付着部位を、自然の付着部位の形状に制約することは、必ずしもモデル付着部形状のための最良選択肢ではない。このことは、或る特定の姿勢において不可能なほど大きな歪みを多くの場合に導く歪みエネルギー最適化手法の結果によって実証される。

0045

より近時のモデルは、靭帯材料を多数のマクロ繊維に細かく分割し、付着部形状をより良好に表現している。しかし、全ての場合に、独自の複雑な挙動を有する連続した高度に変形可能な材料を、単純な非相互作用形状の有限の一連の要素を用いてモデル化するための試みが行われている。そのような単純な線要素を自然の要素のフットプリントの制約内で最も良好に選択することができる確かな証拠は存在しない。

0046

自然の靭帯フットプリントの形状に基づく繊維付着部位の選択は、形状の類似性の理由から強制的であるが、これは見せかけである。本発明による有限の繊維モデルは、膝の実際の複雑性の粗い近似であることがわかっている。自然のシステムのために発展及び発達した付着部位は、必ずしも本発明による簡略化されたモデルのための最良の付着部位の選択肢ではない。適応的移動手法は、類似の概念である、液モデリング(fluid modeling)において広く用いられる概念を取り入れている。液の重要な特性の多くが寸法とともに線形にスケーリングしないので、単純な形状スケーリングは、液モデリングの場合に失敗する。液モデリングにおいて、類似性の概念は、この難点を克服するのに用いられる。適応的移動手法に関する本発明の目標は、本発明による単純化されたモデルと自然のシステムとの間の構造的類似性確立することである。制限された数の有限の繊維によって表される靭帯は、連続した物質から構成される自然の靭帯と厳密に同じようにはふるまわないことがわかっているが、本発明では、自然のシステムの構造的及び力学的特性を最も良好に特徴付ける付着部位を見つけようとする。これを行うために、本発明による適応的移動手法を用いて、幾つかの単純な規則及び仮定に基づいてシステムの力学的機能を最も良好に表す付着部位を得る。本発明の目標は、当然ながら、自然の(又は移植された)膝の力学及び運動学を「最適に」表す、関節面形状及び有限数の靭帯繊維で構成されるモデルを生成することである。

0047

手術におけるコンピューターにより支援されたナビゲーション
産業において、TKR計画及びコンピューターによりナビゲートされた手術において用いるための、膝の骨及び靭帯の形状のスケーリング可能な表現を開発することの関心が存在する。統計的手法が用いられてきたが、成功は限られている。適応的移動の概念は、統計的方法ではなく、機能的力学判断基準を中心とした靭帯スケーリングのための基礎を与える。他のナビゲーション及び撮像技法と結合して、適応的移動の概念は、生体力学及び機能の理解を促進する際の価値を加える。

0048

TKR設計
本発明によるモデルと、自然の膝との間の構造的類似性を達成した場合、TKR設計を評価することのタスクがほとんど些細なものとなる。本発明では、単純に、TKR顆面形状を自然の膝のモデルに置換し、所望の運動学的及び運動による経路を通じてモデルを行使し、性能を評価すればよい。さらに、本発明では、付着部位形状を再評価して、適所のTKR形状との類似性を確立するのに必要な変更を決定することができる。

0049

手術による靭帯の平衡
人工膝関節全置換術中、靭帯のバランスをとって妥当な運動学的性能を達成することが頻繁に必要とされる。本発明による方法は、バランシング問題に直接対処する。本発明では、特定の遠位付着部位情報を与えられた人工プロテーゼ形状に基づいて、最適な付着部位を決定することができる。

0050

TKR試験及び評価
本発明の直接適用分野は、移植試験の分野にある。この分野において、健康な自然の膝及び罹患した自然の膝の構造的特性をシミュレートする環境においてTKRハードウェアを試験することが可能であることが望ましい。本発明によるVivo制御システムは、適応的移動プロセスによって出力されるような、靭帯付着部位情報及び靭帯力学特性を組み込むように開発された。次に、このデータは、Vivoコントローラーによって用いられ、TKRデバイスを試験するための仮想環境が作成される。適応的移動プロセスは、手術結果のスペクトルを表す様々な手術後の靭帯の条件の表現を容易に作成することを可能にする。

0051

患者固有のTKR
適応的移動の概念は、骨の病変に起因する靭帯拘縮の影響等の非最適モデルを展開することも可能にする。実際に、これは、変性した骨性構造を定量化するためのMRI又はCTからの入力を与えられて、術前に拘縮の範囲を推定するための優れた方法であり得る。患者の病変を力学的に表すことが可能であることは、患者固有のインプラントの分野において特に重要である。

0052

外科的指示及び教育
また別の適用分野は、外科的及び力学的教育のための分野である。この概念は、靭帯構造及び関節の骨形状の相互作用を迅速にかつ説得力をもって(convincingly)実証する。三次元の視覚化により、システムに対し更なる明確性の要素が加わる。

0053

靭帯再建手術
適応的移動の概念は、交換用の靭帯材料又は移植片のための理想的な付着部位を、患者の関節形状に基づいて決定することができるため、靭帯再建手術に対して直接適用される。ACLの再建は、米国において今日最も頻繁に行われる整形外科的処置のうちの1つである。PCL再建が頻繁に行われるようになっているが、MCL再建も非常に頻繁である。これらの事例の全てにおいて、適応的移動方法は、靭帯材料を交換するための最適ロケーションの洞察に役立つ。

0054

適応的移動の概念は、人体の関節の全てに適用可能であり、また、獣医学再建手術への適用にも用いることができる。

0055

概して、適応的靭帯移動は強制的である。これらの概念実証の結果は、適応的移動が、靭帯形状を骨形状にスケーリングするための魅力的な手法であることを実証する。必要な入力は、1)接触する関節面を表す正確な形状、2)遠位(脛骨)付着部位を表す妥当な形状、3)受動運動学的経路である。

0056

本発明の幾つかの実施形態が説明された。それにもかかわらず、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解されよう。したがって、他の実施形態も添付の特許請求の範囲の適用範囲内にある。

0057

10:人間の膝関節
40:一連のPCL円
54:マーカー
58:前部遠位円
62:外側側副靭帯(LCL)付着部位
62:円
64:円
64:前外側靭帯付着(ALL)部位
72:Robinson
74:LaPrade
76:Fang
90:曲線
92:付着部位
92:ロケーション
100:膝関節シミュレーションのためのシステム
102:上腿の大腿骨
104:下腿の脛骨
106:腓骨
108:膝蓋骨
110:内側側副靭帯(MCL)
112:外側側副靭帯(LCL)
114:前十字靭帯(ACL)
116:後十字靭帯(PCL)
118:膝蓋腱
120:四頭筋腱
122:半月板
124:関節軟骨
126:外側上顆
127:内側上顆
130:入力
132:関節面形状
134:遠位靭帯付着部位
136:靭帯基準歪み
138:規定の運動学的経路
140:コンピューター
150:適応的移動アプリケーション
160:出力
162:規定の遠位靭帯付着部位に関連付けられた靭帯繊維の近位(大腿骨)付着部位を表すほぼ同緊張、高緊張及び低緊張のポイントの組

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