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図面 (6)

課題・解決手段

ジルコニア多相セラミック複合材料を製造するための方法が記載され、前記方法は、少なくとも一のセラミックジルコニア粉末を少なくとも一の水性媒体中に分散させることによって少なくとも一のセラミック懸濁液を準備して、そのような複合材料のための少なくとも一のマトリックスをえるステップ;一以上の無機前駆体を含有する少なくとも一の水溶液を準備しそしてそのような水溶液をそのようなセラミック懸濁液に添加して、そのようなセラミックジルコニア粉末の表面を改質しそして少なくとも一の添加された懸濁液をえるステップ;そのような添加された懸濁液を速やかに乾燥させて、少なくとも一の添加された粉末をえるステップ;そのような添加された粉末を熱処理して、複数の第二の相によりその表面が被覆された少なくとも一のジルコニア粉末をえるステップ;そしてそのような複数の第二の相によりその表面が被覆されたジルコニア粉末を成形するステップを含む。

概要

背景

正方相下で安定化されたジルコニアは、近年、その優れた機械的(破壊強度、たわみに対する抵抗性硬度耐摩耗性)及び化学物理的(光学的特性生体適合性耐食性)特性の故に、より強く工業的関心が持たれる科学技術セラミックスの一つであり、それらの特性により生物医学分野でもその使用が可能となっている。例えば、イットリアによって安定化されたジルコニア(Y-Zr02)は、たわみに対して非常に高い抵抗性を有し、かつ高い硬度と破壊強度を有する。しかしながら、この材料はジルコニア製の生体医療装置又は機械部品の性能と寿命を著しく制限する可能性がある水熱条件低温でかつ湿度を伴う)下で厳しい劣化現象にさらされる可能性がある。

代替物酸化セリウムによって安定化されたジルコニア(Ce-Zr02)によってえられ、その代替物はこのような経年劣化現象を示さないが、Y-Zr02より大きい粒径を有するため、破壊に対する抵抗性は下がる。近年の科学文献により、一相以上の強化セラミック相を使用することでこのような問題を解決できることが実証されており、それらの強化セラミック相の一相は等軸形態(その役割焼結サイクル中のCe-Zr02の成長を制限することであり、そのため、破壊に対するその抵抗性が高められる)を有するが、一相は細長い形態を有する(亀裂偏向機構により前記複合材の強度をさらに高めるため)。

さらに最近、科学文献により、第二のパーティセラー(particellar)相又アルミニウムマグネシウムスピネルと、細長い形態の、他の複合アルミン酸塩を有する第二の相又は磁気リード構造を有する他の相とをジルコニアに添加することによって、優れた機械的性能をえることができることが実証されている。

しかしながら、細長い形態を有する前記相化学組成は多くの場合複雑であり:特に、そのような複合材の生成と特性はいくつかの先行特許に開示されており、以下に具体的に示す:
-WO2008/040815及びUS2009/0292366には、(イットリアによってかつセリアによっての両方で安定化された)ジルコニア系複合材料セラミックス、ランタンを含有する、一般式REAl11O18の組成物(REは希土類金属を指す)の、細長い形態を有するアルミナ及びアルミン酸塩を生成しそして使用することが開示されている。このような材料は酸化物を混合することによってえられ、噴霧乾燥機を経て造粒され、プレスされ、焼結され、≧800MPaの破壊に対する抵抗性(DIN EN ISO 6872)、≧6MPa.m1/2の破壊強度(DIN CEN / TS 14425-5)、≦250GPaの弾性率(DIN EN 843 Part2)と≦1500の硬度(HV0.5)(DIN 50113)を有する。えられた複合材は生物医学的用途、例えば歯、股関節、肩又は指補綴物等に有用である;
-JP5301767には、たわみに対する抵抗性及び破壊強度が増大した(セリアによって安定化された)ジルコニア系複合材料、アルミナ、アルミン酸ランタン及びマンガン酸化物を生成することが開示されている。アルミン酸ランタンはシュウ酸ランタン及び遷移アルミナを混合してえられ、か焼された後他の構成酸化物と共に混合物中に組み込まれる;
-WO2011/000390及びUS2012/0163744には、(イットリアとセリアによって安定化された)ジルコニア系複合材料、アルミナと棒状金属アルミン酸塩の生成及び機械的特性が開示されている。前記複合材料は三種の前記酸化物又はジルコニア、アルミナ及びアルミン酸塩前駆体を含む懸濁液の噴霧を経た後、プレスされ焼結されることによってえられる。

従って、従来技術が提案する全ての方法では、粉末として導入された、それらの構成相機械的混合により前記複合材がえられている。

さらに、(例えば、アルミナ-ジルコニア-YAG系における)三相系に関する先行技術の方法では、周囲温度で、正方相下でジルコニアをえるために必要な安定剤の含有量を確認することができず、結果として立方相の安定化を伴うが、機械的な観点からの関心はかなり下がる。このため、このような材料の機械的特性は制限され、それらの産業上の利用可能性の観点からの関心はほとんどなくなる。

先行技術では、さらに、複合粉を生成することを目的とした、セラミック粉末のいくつかの表面改質方法が提案されている。具体的には:
-US2012/0238437には、マトリックス粒子ヒドロキシ基金属アルコキシドとの間の表面反応を介して、前記第二の相の有機前駆体を用いるアルミナ又はジルコニアの市販粉末の表面改質により、アルミナ-ジルコニア系でナノ複合材料を生成するための方法が開示されている。従って、このような方法は、有機前駆体及び有機分散/可溶化手段、例えば、無水エタノール等の使用を意味する。さらに、開示された方法は二相複合材料を調製することに限定され、全ての相が等軸形態を有する「共通」微細構造を生じさせる;
-US7407690には、リン酸チタン表面層の形成を誘導するために、硫酸で処理するためのチタニア粉末の表面を化学物理的に改質する方法が開示されている。その後、リン酸塩チタン酸カリウム(K2Ti03)に変換する強塩基(KOH)と共に懸濁液が添加される。前記方法では、さらに一般式Ti(OH)4を有する、含水ゲル化層に表面チタン酸塩転換するための酸性化テップ(HCl)を使用することができる。前記チタニア粒子上に、異なる組成を有する、さらなる表面層を作製するためにこのような生成物を乾燥するか(塩として又はコロイド形状の金属、又は有機化合物で)さらにドープすることができる。このような方法は、主に、ゲル化層の形成を伴い、次にさらなる有機/無機ドーパントを埋め込むことが可能となる、表面溶解チタニア析出のための機構で構成される。加えて、アルミナ又はジルコニアが基本材料として使用される場合にも、開示された方法では、リン酸チタンの表面層の形成が組み込まれる必要がある。

従って、セラミック粉末の表面改質のための既知の方法は、えられる複合粉に特定の特性を付与するために広く使用される。それに代えて、非常にまれに、このような方法は、前記第二の相の有機又は無機前駆体が表面に堆積しそして適切な熱処理により最終相に転換される、化学物理的方法又は沈殿方法を用いるそれらのコーティングにより、複合粉を調製することを目的としている。

概要

ジルコニア系多相セラミック複合材料を製造するための方法が記載され、前記方法は、少なくとも一のセラミックジルコニア粉末を少なくとも一の水性媒体中に分散させることによって少なくとも一のセラミック懸濁液を準備して、そのような複合材料のための少なくとも一のマトリックスをえるステップ;一以上の無機前駆体を含有する少なくとも一の水溶液を準備しそしてそのような水溶液をそのようなセラミック懸濁液に添加して、そのようなセラミックジルコニア粉末の表面を改質しそして少なくとも一の添加された懸濁液をえるステップ;そのような添加された懸濁液を速やかに乾燥させて、少なくとも一の添加された粉末をえるステップ;そのような添加された粉末を熱処理して、複数の第二の相によりその表面が被覆された少なくとも一のジルコニア粉末をえるステップ;そしてそのような複数の第二の相によりその表面が被覆されたジルコニア粉末を成形するステップを含む。なし

目的

本発明の目的は、複合材料及びナノ複合材料セラミック材を製造するための方法、具体的には、二以上の二次相を含む、(好ましくは酸化セリウムによって安定化された)ジルコニア系酸化物セラミックスを調製することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ジルコニア多相セラミック複合材料の製造方法であって、以下のステップ:a)少なくとも一のセラミックジルコニア粉末を少なくとも一の水性媒体中に分散させることによって、セラミック懸濁液Aと呼ぶ、少なくとも一のセラミック懸濁液を準備して、前記複合材料のための少なくとも一のマトリックスをえるステップ;b)一以上の無機前駆体を含有する、水溶液Bと呼ぶ、少なくとも一の水溶液を準備しそして前記水溶液Bを前記セラミック懸濁液Aに添加して、前記セラミックジルコニア粉末の表面を改質しそして改質された懸濁液Cと呼ぶ、少なくとも一の改質された懸濁液をえるステップ;c)前記改質された懸濁液を速やかに乾燥させて、少なくとも一の添加された粉末をえるステップ、ここでの「速やかに」はミリ秒オーダーの時間内に行われる乾燥を意味し、前記ステップc)は80℃〜200℃の間に含まれる温度で前記改質された懸濁液Cを噴霧するサブステップc1)を含み、前記サブステップc1)では前記改質された懸濁液Cを伴う噴霧器の少なくとも一のノズルを供給することが考慮され、前記ノズルは前記改質された懸濁液Cを微小滴エアロゾルに変えるように適合され;d)添加された粉末Dと呼ぶ、前記添加された粉末を熱処理して、複数の第二の相によりその表面が被覆された少なくとも一のジルコニア粉末をえるステップ;及びe)前記複数の第二の相によりその表面が被覆されたジルコニア粉末を成形するステップを含むことを特徴とする製造方法。

請求項2

ジルコニアは複数の酸化物によって安定化され、前記酸化物は酸化セリウム、又は酸化イットリウム、又は一以上の他の安定剤が添加された酸化セリウム、又は一以上の他の安定剤が添加された酸化イットリウムを含むことを特徴とする、先の請求項に記載の製造方法。

請求項3

前記酸化セリウムはジルコニアに対して5%〜15%の間に含まれるモル比で含有され、又は前記酸化イットリウムはジルコニアに対して1%〜10%の間に含まれるモル比で含有されることを特徴とする、先の請求項に記載の製造方法。

請求項4

前記水性媒体脱イオン水であり、前記セラミックジルコニア粉末は前記脱イオン水中に1:1〜1:20の間に含まれる粉末:水の重量比で分散されることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

請求項5

前記ステップa)は少なくとも一のボールミル粉砕機により、1:1〜1:20の間に含まれる粉末:ボールの重量比で、1h〜50hの間に含まれる時間、水性媒体−セラミック粉末の懸濁液を分散させるサブステップa1)を含み、前記ステップa)は前記セラミック懸濁液のpHの値を設定しそして前記ステップa)の全体において前記値を保持するサブステップa2)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

請求項6

前記無機前駆体はセリウムイットリウムアルミニウムマグネシウムストロンチウムランタン及び/又はマンガン塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

請求項7

前記ステップb)は前記水溶液Bを前記セラミック懸濁液Aに滴下するサブステップb1)を含み、前記セラミック懸濁液Aは磁気撹拌下に維持されること、及び前記ステップb)は前記サブステップb1)の間前記セラミック懸濁液のpH値を確認するサブステップb2)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

請求項8

前記ステップd)は200℃〜800℃の間に含まれる温度で1〜20時間の間に含まれる時間、及び1〜20℃/分の間に含まれる冷却及び加熱速度で前記添加された粉末Dを加熱するサブステップd1)を含み、前記ステップd)は500℃〜1300℃の間に含まれる温度で1〜20時間の間に含まれる時間、及び1〜20℃/分の間に含まれる冷却及び加熱速度で前記サブステップd1)で生じた粉末を加熱する前記サブステップd1)に続くサブステップd2)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

請求項9

前記ステップe)は複数の第二の相によりその表面が被覆されたジルコニア粉末からなる、前記複合材料の乾式又は湿式成形を行うサブステップe1)及び自然な焼結化を行う、即ち空気中でかつ大気圧で焼結化を行うその後のサブステップe2)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、制御された組成微細構造及び特性を有する、ジルコニア多相セラミック複合材料を製造するための方法に関する。

背景技術

0002

正方相下で安定化されたジルコニアは、近年、その優れた機械的(破壊強度、たわみに対する抵抗性硬度耐摩耗性)及び化学物理的(光学的特性生体適合性耐食性)特性の故に、より強く工業的関心が持たれる科学技術セラミックスの一つであり、それらの特性により生物医学分野でもその使用が可能となっている。例えば、イットリアによって安定化されたジルコニア(Y-Zr02)は、たわみに対して非常に高い抵抗性を有し、かつ高い硬度と破壊強度を有する。しかしながら、この材料はジルコニア製の生体医療装置又は機械部品の性能と寿命を著しく制限する可能性がある水熱条件低温でかつ湿度を伴う)下で厳しい劣化現象にさらされる可能性がある。

0003

代替物酸化セリウムによって安定化されたジルコニア(Ce-Zr02)によってえられ、その代替物はこのような経年劣化現象を示さないが、Y-Zr02より大きい粒径を有するため、破壊に対する抵抗性は下がる。近年の科学文献により、一相以上の強化セラミック相を使用することでこのような問題を解決できることが実証されており、それらの強化セラミック相の一相は等軸形態(その役割焼結サイクル中のCe-Zr02の成長を制限することであり、そのため、破壊に対するその抵抗性が高められる)を有するが、一相は細長い形態を有する(亀裂偏向機構により前記複合材の強度をさらに高めるため)。

0004

さらに最近、科学文献により、第二のパーティセラー(particellar)相又アルミニウムマグネシウムスピネルと、細長い形態の、他の複合アルミン酸塩を有する第二の相又は磁気リード構造を有する他の相とをジルコニアに添加することによって、優れた機械的性能をえることができることが実証されている。

0005

しかしながら、細長い形態を有する前記相化学組成は多くの場合複雑であり:特に、そのような複合材の生成と特性はいくつかの先行特許に開示されており、以下に具体的に示す:
-WO2008/040815及びUS2009/0292366には、(イットリアによってかつセリアによっての両方で安定化された)ジルコニア系複合材料セラミックス、ランタンを含有する、一般式REAl11O18の組成物(REは希土類金属を指す)の、細長い形態を有するアルミナ及びアルミン酸塩を生成しそして使用することが開示されている。このような材料は酸化物を混合することによってえられ、噴霧乾燥機を経て造粒され、プレスされ、焼結され、≧800MPaの破壊に対する抵抗性(DIN EN ISO 6872)、≧6MPa.m1/2の破壊強度(DIN CEN / TS 14425-5)、≦250GPaの弾性率(DIN EN 843 Part2)と≦1500の硬度(HV0.5)(DIN 50113)を有する。えられた複合材は生物医学的用途、例えば歯、股関節、肩又は指補綴物等に有用である;
-JP5301767には、たわみに対する抵抗性及び破壊強度が増大した(セリアによって安定化された)ジルコニア系複合材料、アルミナ、アルミン酸ランタン及びマンガン酸化物を生成することが開示されている。アルミン酸ランタンはシュウ酸ランタン及び遷移アルミナを混合してえられ、か焼された後他の構成酸化物と共に混合物中に組み込まれる;
-WO2011/000390及びUS2012/0163744には、(イットリアとセリアによって安定化された)ジルコニア系複合材料、アルミナと棒状金属アルミン酸塩の生成及び機械的特性が開示されている。前記複合材料は三種の前記酸化物又はジルコニア、アルミナ及びアルミン酸塩前駆体を含む懸濁液の噴霧を経た後、プレスされ焼結されることによってえられる。

0006

従って、従来技術が提案する全ての方法では、粉末として導入された、それらの構成相機械的混合により前記複合材がえられている。

0007

さらに、(例えば、アルミナ-ジルコニア-YAG系における)三相系に関する先行技術の方法では、周囲温度で、正方相下でジルコニアをえるために必要な安定剤の含有量を確認することができず、結果として立方相の安定化を伴うが、機械的な観点からの関心はかなり下がる。このため、このような材料の機械的特性は制限され、それらの産業上の利用可能性の観点からの関心はほとんどなくなる。

0008

先行技術では、さらに、複合粉を生成することを目的とした、セラミック粉末のいくつかの表面改質方法が提案されている。具体的には:
-US2012/0238437には、マトリックス粒子ヒドロキシ基金属アルコキシドとの間の表面反応を介して、前記第二の相の有機前駆体を用いるアルミナ又はジルコニアの市販粉末の表面改質により、アルミナ-ジルコニア系でナノ複合材料を生成するための方法が開示されている。従って、このような方法は、有機前駆体及び有機分散/可溶化手段、例えば、無水エタノール等の使用を意味する。さらに、開示された方法は二相複合材料を調製することに限定され、全ての相が等軸形態を有する「共通」微細構造を生じさせる;
-US7407690には、リン酸チタン表面層の形成を誘導するために、硫酸で処理するためのチタニア粉末の表面を化学物理的に改質する方法が開示されている。その後、リン酸塩チタン酸カリウム(K2Ti03)に変換する強塩基(KOH)と共に懸濁液が添加される。前記方法では、さらに一般式Ti(OH)4を有する、含水ゲル化層に表面チタン酸塩転換するための酸性化テップ(HCl)を使用することができる。前記チタニア粒子上に、異なる組成を有する、さらなる表面層を作製するためにこのような生成物を乾燥するか(塩として又はコロイド形状の金属、又は有機化合物で)さらにドープすることができる。このような方法は、主に、ゲル化層の形成を伴い、次にさらなる有機/無機ドーパントを埋め込むことが可能となる、表面溶解チタニア析出のための機構で構成される。加えて、アルミナ又はジルコニアが基本材料として使用される場合にも、開示された方法では、リン酸チタンの表面層の形成が組み込まれる必要がある。

0009

従って、セラミック粉末の表面改質のための既知の方法は、えられる複合粉に特定の特性を付与するために広く使用される。それに代えて、非常にまれに、このような方法は、前記第二の相の有機又は無機前駆体が表面に堆積しそして適切な熱処理により最終相に転換される、化学物理的方法又は沈殿方法を用いるそれらのコーティングにより、複合粉を調製することを目的としている。

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、当技術分野で知られている複合セラミック系の製造方法には、組成及び微細構造の制御の両方に関して、未だいくつかの技術的な問題がある。実際に、上記の結果として、複合材料(二相又は多相)セラミックスは、一般的にそれらの構成粉末(又はそれらの前駆体であるが、常に酸化物粉末の形態)の従来型の機械的混合方法によって製造され、最終相の純度、微細構造の制御(均一性)、ジルコニア安定化含量に関して厳しい制限がありうる材料が生じる。このような問題を解決するために、従来技術では、どうしても多くの場合、一次粒子の深刻な凝集を伴った生成物を生じさせ、その方法を工業的規模で実施する際に粉末特性再現することが困難である湿式合成ゾルゲル共沈法、等)が使用されている。

課題を解決するための手段

0011

従って、本発明の目的は、複合材料及びナノ複合材料セラミック材を製造するための方法、具体的には、二以上の二次相を含む、(好ましくは酸化セリウムによって安定化された)ジルコニア系酸化物セラミックスを調製することを目的とする方法を提供することによって前記従来技術の問題を解決することであり、このような二次相はジルコニアの機械的特性、持続時間及び信頼性を向上させるために好適に選択され、複数の環境(生物医学分野、機械部品、切削工具、等)に適用することができる材料及び部品の取得が可能になる。

0012

本発明の別の目的は、複数のパラメータ、例えば、ジルコニア・マトリックス中の安定化酸化物の含有量、相の化学組成及びそれらの形態、材料の微細構造、最終的な(物理的、光学的、機械的)特性を厳密に制御しそして調節することを可能にする、ジルコニア系多相セラミック複合材料の製造方法を提供することである。

0013

また、本発明の目的は、0.1%(又は未満)の変動率で、前記ジルコニア・マトリックスに対する安定剤の濃度を確認することと、多カチオン相の場合であっても、最終相が全てそれらの要される純度と定比を備えてえられることの両方を可能にする、ジルコニア系多相セラミック複合材料の製造方法を提供することである。

0014

本発明の他の目的は、前記ジルコニア・マトリックスのみが前記第二の相の前駆体金属塩が溶解した水性媒体中に充分に分散された(場合により、ナノメートルの)粉末として使用されているため、従来技術で提案されたものよりも狭い接触及び混合レベル保証するジルコニア系多相セラミック複合材料の製造方法を提供することである。

0015

また、本発明の目的は、凝集体がないため、水性懸濁液中に容易に分散することができる、「ソフトな」顆粒をえることを可能にできる乾燥ステップを含むジルコニア系多相セラミック複合材料の製造方法を提供することである。

0016

本発明の別の目的は、いくつかの方法パラメータ、例えば、前記セラミック懸濁液と混合する水溶液の化学組成、同溶液と懸濁液の濃度、ドープされる粉末の予熱処理、の適切な変更により、それらの特定の用途を考慮して最終的な材料特性を最適化するために、制御された方法で前記組成と微細構造粉末のパラメータを容易に変更することを可能にするジルコニア系多相セラミック複合材料の製造方法を提供することである。

0017

本発明の前記及び他の目的及び利点は、以下の説明から明らかとなるように、請求項1に記載の方法を用いてえられる。本発明の好ましい実施態様及び非自明な変形例は従属項主題である。

0018

含まれる特許請求の範囲の全ては本明細書の不可欠な部分であることが意図される。

0019

多くの変形及び変更が(例えば形状、大きさ、配置及び同等の機能を有する部分に関連して)前記の含まれる特許請求の範囲から明らかな本発明の範囲から逸脱することなく、記載されているものに対してなされうることは一見して明らかである。

図面の簡単な説明

0020

本発明は、含まれる図面を参照し、非限定的な例として提供される、そのいくつかの好ましい実施態様によってより詳細に記載され、図中:
図1は本発明に従った方法のステップを経て焼結された材料の微細構造を示し;
図2は図1の焼結された材料のTEM顕微鏡写真を示し;
図3は図1及び図2の焼結された材料のX線回折スペクトルを表すグラフを示し;
図4はセリウム含有量関数としてたわみに対する抵抗性と破壊強度との関係を表すグラフを示し;
図5a及び図5bは本発明に従った方法のステップを経て焼結された他の材料のSEM画像を、それぞれ低倍率及び高倍率で示し;そして
図6a及び図6bは本発明に従った方法のステップを経て焼結された他の材料のSEM画像を、それぞれ低倍率及び高倍率で示す。

0021

具体的には、ジルコニア系多相セラミック複合材料の製造方法は、以下のステップ:
a)少なくとも一のセラミックジルコニア粉末を少なくとも一の水性媒体中に分散させることによって少なくとも一のセラミック懸濁液Aを準備して、このような複合材料のための少なくとも一のマトリックスをえるステップ;
b)一以上の無機前駆体を含有する少なくとも一の水溶液Bを準備しそしてこのような水溶液Bをこのようなセラミック懸濁液Aに添加して、このようなセラミックジルコニア粉末の表面を改質しそして少なくとも一の添加された(additived)懸濁液Cをえるステップ;
c)このような添加された懸濁液Cを速やかに乾燥させて、少なくとも一の添加された粉末Dをえるステップ;
d)このような添加された粉末Dを熱処理して、複数の第二の相によりその表面が被覆された少なくとも一のジルコニア粉末をえるステップ;及び
e)複数の第二の相によりその表面が被覆されたこのようなジルコニア粉末を成形するステップ
を含む。

0022

好ましくは、本発明に従った方法のステップa)で使用される前記セラミックジルコニア粉末は、ナノ結晶構造を有しさらに、有利には、市販のタイプのものである。前記セラミックジルコニア粉末は純粋、即ち、安定化酸化物を含まない可能性があり、又は固溶体中に一以上の安定剤、好ましくは酸化セリウム、又は酸化イットリウム、又は一以上の他の安定剤が添加された酸化セリウム、又は一以上の他の安定剤が添加された酸化イットリウムを含む可能性がある。酸化セリウムは、存在する場合、ジルコニアに対して5%〜15%の間に含まれるモル比で含有される可能性がある。酸化イットリウムは、存在する場合、ジルコニアに対して1%〜10%の間に含まれるモル比で含有される可能性がある。前記セラミックジルコニア粉末は、好ましくはナノメートル又はサブマイクロメートルの粒径を有する。

0023

好ましくは、前記水性媒体脱イオン水であり、前記セラミックジルコニア粉末はこのような脱イオン水中に1:1〜1:20の間に含まれる粉末:水の重量比で分散される。

0024

好ましくは、ステップa)はさらに少なくとも一のボールミル粉砕機により、1:1〜1:20の間に含まれる粉末:ボールの重量比で前記水性媒体−セラミック粉末の懸濁液を分散させるサブステップa1)を含む。好ましくは、サブステップa1)の分散は前記粉末中に存在する可能性のある凝集体を分解するのに充分な時間行われ、このような時間は好ましくは1〜50hの間に含まれる。

0025

さらにより好ましくは、ステップa)は前記セラミック懸濁液AのpHの値を設定しそして本発明に従った方法の分散ステップa)の全体においてこのような値を保持するサブステップa2)を含み:具体的には、前記pHは適切に、即ち、粉末及び/又は可能な安定化酸化物の分解が、部分的にも、存在しないことを確実なものにするために、選択される必要がある。選択したジルコニア粉末と発達させなければならない第二の相により、pH値は2〜12の間に含まれる範囲内に設定され、例えば、前記分散ステップの全体の期間中、保持される。本発明に従った方法のステップa)から、その結果、適切に分散されかつその必要なpHで管理された、セラミック懸濁液Aがえられる。

0026

具体的に、本発明に従った方法のステップb)において、最終複合材料中で発達(develop)させなければならない前記第二の相の金属無機前駆体を含有する、水溶液Bが調製される。好ましくは、このような前駆体は一以上の無機塩、具体的には、無水又は含水塩化物硝酸塩から選択される一以上の無機塩を含む。このような無機前駆体はセリウムイットリウム、アルミニウム、マグネシウム、ストロンチウム、ランタン及び/又はマンガン塩を含むことができる。前記水溶液Bは、好ましくは1〜500g/Lの間に含まれる濃度を有し、水酸化物のような塩又は他の固体沈殿物の沈殿を、例え部分的であっても、回避するために、このような水溶液のpHは厳密に制御される必要がある。具体的には、ステップb)は前記水溶液Bを前記セラミック懸濁液Aに滴下するサブステップb1)を含み、この後者は磁気攪拌下に維持される。前記水溶液Bを前記セラミック懸濁液Aに加えて添加された懸濁液Cをえるサブステップb1)の全体の期間中に、ステップb)はさらに、一方では前記ジルコニア粉末の(又はそこに含まれる安定化酸化物の)可溶化をそして他方では前記金属塩の沈殿を回避するために、前記セラミック懸濁液AのpH値を正確に確認するサブステップb2)を含むことができる。

0027

具体的に、本発明に従った方法のステップc)では、前記添加された懸濁液Cは制御された手法で瞬時に乾燥されることになる。好ましくは、ステップc)は約80℃〜約200℃の間に含まれる温度で前記添加された懸濁液Cを噴霧するサブステップc1)を含むことができ:具体的には、このようなサブステップc1)ではこのような添加された懸濁液Cを伴う噴霧器の少なくとも一のノズルを供給することが考慮され、このようなノズルは添加された懸濁液Cを微小滴エアロゾルに変えるように適合される。約80℃〜約200℃の間に含まれる温度範囲で行われる前記の噴霧ステップc1)はミリ秒オーダーの、非常に短い時間で添加された懸濁液Cの水性溶媒蒸発を確実にし、添加された粉末Dがえられる。具体的には、本発明に従った方法の乾燥ステップc)の生成物としてえられた添加された粉体Dは、その表面が均一に第二の所望の単相複数相)の前駆体を含有する層で被覆されたジルコニア粉末からなる球状形態を有する顆粒として生じる。このような表面層は本質的に非晶質の性質を有する。

0028

具体的に、本発明に従った方法のステップd)の間に、添加された粉末Dは、二つの異なる目的で行われる、特定の熱処理に供され:第一の目的は先のステップa)、b)及びc)で形成された反応副生成物熱分解を誘発することであり、第二の目的は前記セラミックジルコニア粉末を被覆し、かつ、特定の結晶化度を有する生成物において前記第二の相の金属無機前駆体を含有する、表面非晶質層を変換することである。上記の第一の目的を達成するために、本発明に従った方法のステップd)は200℃〜800℃の間に含まれる温度で1〜20時間の間に含まれる時間、及び1〜20℃/分の間に含まれる冷却及び加熱速度でこのような添加された粉末Dを加熱することを考慮した第一の熱処理のサブステップd1)を含む。上記の第二の目的を達成するために、本発明に従った方法のステップd)はさらに、500℃〜1300℃の間に含まれる温度で1〜20時間の間に含まれる時間、及び1〜20℃/分の間に含まれる冷却及び加熱速度でこのようなサブステップd2)から生じた前記粉末を加熱することを考慮した第二の熱処理の、前記サブステップd1)に続く、サブステップd2)を含むことができる。本発明に従った方法のステップd)から、具体的には、サブステップd1)とd2)からえられる生成物は、非晶質、結晶性又は部分的に非晶質と結晶性でありうる第二の相によりその表面が被覆されたジルコニア粉末である。表面生成物が結晶性の性質を有する場合、それらを発達させられなければならないか、準安定又は中間組成を有する二次最終相の化学組成を有する可能性がある。具体的には、その表面が被覆されたこのようなジルコニア粉末は、(例えば、「ボールミル粉砕」により、5〜50時間の間に含まれる時間範囲内で)水性媒体中に容易に分散させることができる、比較的ソフトな顆粒としてえられる。

0029

具体的には、複数の第二の相によりその表面が被覆されたジルコニア粉末を形成するステップe)は、複数の第二の相によりその表面が被覆されたこのようなジルコニア粉末を乾燥(プレス)し又は湿式で(金型流し込んで)形成するサブステップe1)と、その後に続く、制御された理論密度と最終微細構造を有するセラミックスをえるために、その温度サイクルが厳密に制御された、自然な焼結化(大気圧で、空気中)のサブステップe2)を含む。

0030

本発明は以下の実施例により明確にされるが、このようないくつかの実施例に限定されるものではない。

0031

これらの実施例の目的は、複数のパラメータ、例えば、組成、微細構造、形態的、物理的、機械的パラメータ等を確認しそして調節する際の、本発明に従った方法の能力を示すことである。このような確認は、いくつかの特定の方法パラメータ、例えば、前記塩溶液の化学組成、同溶液中のいくつかの金属塩の濃度、原料セラミックスの焼結サイクル等の、単純であるが、目標とする改質により実行される。

0032

実施例1は、セリアの含有量、正方晶ジルコニアの安定化酸化物、並びに焼結材料の物理的及び機械的特性に対するセリウム含有量の役割を厳密にチェックした際の方法能力を示す。具体的には、このチェックにより、機械的な(硬度、たわみに対する抵抗性、破壊強度)及び物理的な(転換されたジルコニアの能力と水熱環境におけるその安定性)特性を調節することが可能となり、前記セラミック複合材料の全体性能の最適化が可能となる。

0033

本発明に従った方法により、その場で第二及び第三の所望の相を発達させることが可能となるが、これは、これらの相が、適切な予熱処理及び/又は相の焼結サイクルd)及びe)を経て、市販のジルコニア粉末の表面全体に均一に結晶化するからである。このような態様は以下に提案される実施例2に示され、おそらくステップd)の熱工程の間にその場の形成機構に起因する、セラミック複合材料の微細構造と形態の発達において、サブステップe2)の焼結サイクルの役割が指摘される。

0034

実施例1
市販のセリア安定化ジルコニア粉末(10%モルのセリアで安定化されている)100gを含有する、重量で33%の、水性懸濁液を、ジルコニア・ボール(ボール直径は2mmに相当;ジルコニア粉末:ボール重量比は1:8に相当)を用いて、約15時間ボールミル粉砕により分散させた。前記懸濁液のpHは希塩酸を添加することにより3とした。

0035

四種の水溶液を調製し、各水溶液は非無水硝酸アルミニウム硝酸ストロンチウム、及び硝酸セリウムアンモニウムを含有していた。これら四種の溶液では、アルミニウム及びストロンチウムの硝酸塩の濃度を一定に保持した。逆に、硝酸セリウムアンモニウムの濃度は段階的に高くした。四種の配合物における金属塩の濃度を以下の表1に示す。

0036

前記四種の塩溶液を多くの適切に分散させたセラミック懸濁液に添加した。前記四種の混合物を磁気撹拌下に2時間維持した。その後、前記混合物を140℃に相当する噴霧温度を用いて、噴霧器により乾燥させた。噴霧された粉末を熱処理に供した;第一の熱処理は600℃で、1時間;第二の熱処理は1150℃で、30分間行った。

0037

熱で処理した前記粉末を、分散媒体としての脱イオン水及びジルコニア製の粉砕ボールを用いて、ボールミル粉砕によりさらに分散させた。前記四種の配合物に、市販の分散剤(Duramax D3005)を前記セラミック粉末に対して重量で3%に相当する濃度で添加した。前記四種の分散された懸濁液をアルミナ製の多孔質の金型に流し入れた。多孔質の金型から取り出した原料体を制御された温度及び湿度条件下で約一週間乾燥させた。一定の質量に達したとき、原料セラミックを1450℃で1時間行う焼結サイクルに供した。前記合成に使用された異なる配合物に従い、焼結材料を1A、1B、1C及び1Dと称した。

0038

前記焼結材料を以下の物理的特性測定に供した:
1)ASTMC373-88(2006)規格に記載された様式に従って、アルキメデス平衡により、焼結材料の密度の測定;
2)X線回折(DRX)による、存在する結晶相分析。さらに、同分析により、トラヤの関係を適用して、焼結材料の表面上の単斜ジルコニアの割合(Xm)と体積(Vm)を決定することも可能になる:






式中、Ix(hkl)は相xの平面hklに対応する回折ピークの強度を差し、xは単斜晶(m)又は正方晶(t)の相を指す可能性がある。

0039

同分析は前記材料の破断面に対して行うことができ、正方相から単斜相に転換されるジルコニアの能力を定義することが可能となる。実際、転換する能力(T)は次式によって定義される:



式中、(Vm)f及び(Vm)Pはそれぞれ前記破断面及び破断のない面の単斜ジルコニアの体積を指す。
3)走査型電子顕微鏡(SEM)及び電界放射顕微鏡(FESEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)による、微細構造解析
4) IS013356規格に従い、オートクレーブ(134±2℃の温度で蒸気を伴った、2バールの圧力)中で5時間、前記材料を試験することによる、水熱条件下でのジルコニア安定性の評価。前記試験の間の単斜ジルコニアの体積の変化をDRX分析によって評価した。

0040

また、前記材料を以下の機械的特性測定に供した:
1) 5〜30kgfの間に含まれる荷重をかけて、TESTWELLFV700硬度計により測定された、ビッカース硬度
2)国際ISO 6872:2008(E)規格に記載された手順に従い、約12mmの直径及び約1.2mmの厚さを有する焼結ディスクを使用して測定された、二軸たわみに対する抵抗性;
3) 国際ISO 6872:2008(E)規格に記載された手順に従い、以下のサイズ:40mmX4mmX3mmを有する、小さな焼結棒を使用して測定された、破壊強度。

0041

前記微細構造解析により、記載された手順を用いると高度な微細構造の均質性によって特徴付けられる複合焼結材料を取得可能であると指摘できるようになった。一例として、図1には、焼結された材料1Cの微細構造が示され、全てのジルコニア・マトリックス相の完全な分布が観察でき、加えて、前記マトリックス(図1の明るいコントラスト)と前記第二の相(図1の暗いコントラスト)の両方に関して凝集物が存在しないことが観察できる。さらに、図1の画像から、前記ジルコニア・マトリックスのサイズが微細かつ均一であることが観察でき、そして、丸い、等軸形態を有する粒と、細長い形態を有する粒の両方が存在するため、前記第二の相は二種の異なる形態を示すことが観察できる。

0042

かわって、図2では焼結された材料1Cの透過での電子顕微鏡によってえられた顕微鏡写真が示される。このような画像から、前記マトリックスの及び前記第二の相の大きさ及び形態をよりよく観察することができる。また、前記顕微鏡分析は、ナノプローブを用いて行う、化学組成分析により達成された。このような分析により、図2の明るいコントラストの相(点A)はジルコニウム、セリウム及び酸素のみで構成され;丸い形態を有する暗いコントラストの相(点B)はアルミニウム及び酸素のみで構成され;最後に、細長い形態を有する暗いコントラストの相(点C)はアルミニウム、ストロンチウム及び酸素から構成されていることを確認することができた。このような情報により、前記複合材料中に、三種の以下のセラミック相:セリアで安定化されたジルコニア、アルミナ及びアルミン酸ストロンチウム識別することが可能となった。

0043

顕微鏡特性測定及び画像解析により、前記焼結された材料の微細構造のパラメータが決定された。以下の表2に含まれるデータから、前記の四種の材料の微細構造のパラメータは、ジルコニア及びアルミナ粒径の観点、及び平均長さ及びアルミン酸ストロンチウムで構成される細長い形態を有する前記粒の形状因子(細長い形態を有する粒の長さと幅との間の比を意味する)の観点の両面で、非常に類似していることが観察できる。

0044

前記DRX分析により、前記四種の配合物に由来する材料がセリア安定化ジルコニア、α-Al2O3とSrAl12O19のみで構成されていることが確認された。図3は、前記識別された結晶相を含む焼結された材料1Cの回折スペクトルを示す。前記DRX分析により、非常に低い結果(0.03〜0.15の間に含まれるVm)となる、前記焼結された材料の表面に存在する単斜ジルコニアの割合を決定することができた。

0045

以下の表3は前記焼結された材料のいくつかの物理的及び機械的データを含む。さらに、図4に、たわみに対する抵抗性と破壊強度の間に生じる関係が示され、それにより異なるセリウム含有量を有する材料を直接比較できるようになり、焼結された材料1Cを、機械的特性(最大のたわみに対する抵抗性及び破壊強度)においてだけでなく、物理的特性(表3のデータによって示されるような、応力下であるが、水熱条件下での劣化のない、ジルコニアの転換される最適能力)においても最適性によって特徴付けられる材料として識別することが可能となる。

0046

ここに提案される実施例により、制御された手法で組成パラメータを細かく調節することにおける、言い換えれば、ここで開発された多相セラミック複合材料の物理的及び機械的性質に効果的な、本発明に従った方法の能力を明らかにできる。

0047

実施例2
市販のセリア安定化ジルコニア粉末(10%モルのセリアで安定化されている)100gを含有する、重量で33%の、水性懸濁液を、ジルコニア・ボール(ボール直径は2mmに相当;ジルコニア粉末:ボール重量比は1:8に相当)を用いて、約15時間ボールミル粉砕により分散させた。前記懸濁液のpHは希塩酸を添加することにより3とした。

0048

非無水硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウム水和物、硝酸セリウムアンモニウムを含有する水溶液を調製した。四種の配合物中に溶解した金属塩の濃度を以下の表4に示す。

0049

前記塩溶液を適切に分散させたセラミック懸濁液に添加した。混合物を磁気撹拌下に2時間維持し、その後、140℃に相当する噴霧温度を使用して、噴霧器により乾燥させた。噴霧された粉末を二種の熱処理に供した:第一の熱処理は600℃で、1時間;第二の熱処理は1150℃で、30分間行った。

0050

熱処理された前記粉末を分散媒体としての脱イオン水及びジルコニア粉砕ボールを使用して、ボールミル粉砕によりさらに分散させた。市販の分散剤(Duramax D3005)を前記セラミック粉末に対して重量で3%に相当する濃度で前記配合物に添加した。前記分散された懸濁液を多孔質のアルミナ金型に流し入れた。多孔質の前記金型から取り出した原料体を制御された温度及び湿度条件下で約一週間乾燥させた。一定の質量に達したとき、原料セラミックスを二の異なる焼結サイクルに供した:
-焼結された材料2Aを1350℃で、2時間処理し;
-焼結された材料2Bを1400℃で、1時間処理した。

0051

焼結された材料を実施例1で定義したのと同じ物理的微細構造及び機械的特性測定に供した。

0052

図5a及び図5bは焼結された材料2A(異なる倍率の画像)の微細構造を示し、前記セラミック・マトリックスにおける第二の相の良好な分布によって特徴付けられる、均質な微細構造が示される。その長さが数ミクロンである、細長い形態の限定された画分の存在を観察することができる。

0053

図6a及び図6bは焼結された材料2B(異なる倍率の画像)の微細構造を示し、前記セラミック・マトリックスにおける第二の相の良好な分布によって特徴付けられる、均質な微細構造が示される。高い形状因子を有し、その長さが数ミクロンである、細長い形態を有する粒の重要な画分の存在を観察することができる。

0054

前記した二つの材料間の微細構造の違いが、ジルコニアとアルミナの粒径の観点、アルミン酸マグネシウムから構成される細長い形態を有する粒の平均長さと形状因子(細長い形態を有する粒の長さと幅の比を意味する)の観点の両面で、以下の表5に示される。

0055

以下の表6には、最終的に、焼結された材料のいくつかの物理的及び機械的パラメータが記載される。

0056

ここに提案される実施例により、最も適した微細構造の発達に対して、適切な焼結サイクルの役割が指摘される。実際に、高い形状因子を伴う、細長い形態を有するアルミン酸塩の高い画分によって特徴付けられる、1400°C/1hで焼結された材料の優れた機械的特性に注目することができる。言い換えれば、このような微細構造のチェックは、前記した複合材料粉末を調製する方策によって可能となり、即ち、その場での二次相形成を意味し、それにより適切な熱処理の結果、前記複合材の構造を確認しそして調節することが可能になる、本発明に従った方法において可能となる。

実施例

0057

有利には、前記したような本発明に従った方法は、先行技術によって提案されているものに対して、いくつかの利点をえることができ、その中には、以下の利点が含まれる:
-ジルコニアのための安定化材料の濃度、存在する全ての第二の相の数、組成及び形態を同時に制御し、そして、物理的及び機械的特性が高められたセラミック複合材料を生成することができる、より複雑なセラミック材料の製造;
-正方相をえることができ、正確なレベルでの安定化材料の含有量も確認できる。このような結果に到達するために、主要なことは正確な範囲内に維持されなければならない方法pHによって果たされる役割である。このような確認により、前記金属塩(前記第二の相の前駆体)が完全にイオン解離されている液体媒体中で平衡に達することが可能となり、代わって、例え部分的であっても、前記ジルコニア・マトリックスの及びそれらを安定化させる前記酸化物の可溶化が回避される。このような平衡に達することにより、ジルコニア中のセリアの含有量が確認でき、その結果、最終的な機械的特性が確認できるようになる;
-厳密な混合は溶液中のイオン(前記第二の相の前駆体)とセラミックナノ粒子複合材マトリックス)の間でえられ、言い換えると水性懸濁液中で確実に解凝集され(disagglomerated)、前記マトリックス粉末上で前記第二の相の優れた分布を確実なものとし、これは、例えば、セラミック酸化物又はセラミック粉末を第二の相の析出物(例えば水酸化物)と混合することによってはえることはできない;
-前記懸濁液を霧状にし、前記溶媒を瞬時に蒸発させる、ほぼ瞬間的な乾燥技術(「フラッシュ(flash)」)により、このような混合物中でえられる均質性は乾燥した製品中に「固定(frozen)」される。このような技術により、炉の中での緩徐な乾燥、複合材料又はドープされた粉末に対する通常の乾燥行為中に起こるであろう前記無機前駆体の分離が防がれる。従って、制御された混合及び乾燥を用いる方策により、存在する全ての相の優れた分布を伴うが凝集物を含まない、完全に均質な微細構造の生成がもたらされる;
-有機媒体又は溶媒を必要とする有機前駆体(アルコキシド酢酸塩)を用いる又はゾル-ゲル法によりセラミック粉末をコーティングする方法とは異なり、前記第二の相の前駆体を用いるマトリックス粉末の前記表面改質は水性媒体中で行われる。従って、このような方策はより単純であり、かつ容易に産業規模移行することができる;
-前記表面改質技術は、非従来型の微細構造(両第二のパーティセラー相を含み、細長い形態を有する)を伴い、さらに複雑な化学組成(多カチオン性第二の相、安定剤の正確な含有量でドープされたジルコニア)を有する、多相セラミック系(三以上の構成相)を調製するにあたり初めて適用される。実際に、本発明に従った方法を適用する必要のある組成がそれ自体革新的でなくても、既知の従来技術に従えば、それらはもっぱら構成酸化物の「標準的な(standard)」機械的混合方法及びそれらの固体状態での高温への反応を経てえられており、微細構造(大きさ及び粒子の分布、相の形態学的発達)及び製品の純度を制御することが難しい;
-本発明に係る方法は汎用性があり、かつ要求に応じて、組成及び微細構造の広い範囲に、適用することができる;
-出発塩溶液の化学組成を管理し、充分に定義された範囲内の方法pHを管理することにより、(0.1%、又は0.1%未満の変動率まで下げて)ジルコニア中の酸化セリウムの含有量を確認し、同時に全ての強化相を正しい定比でえることができる;
-ジルコニア系複合材は、優れた機械的特性、高い信頼性と持続時間でえられる。その上、用途の特定分野に応じて挙動を最適化するために、いくつかの方法パラメータを制御することにより、いくつかの物理的及び機械的特性を簡単に調節することができるため、本発明に従った方法は特に用途が広い;
-本発明に従った方法は、セラミック材料を生成するための従来の技術及び器具の使用を考慮した、限られた数の方法ステップで構成されているため、産業規模で実施することが比較的簡単である。加えて、全ての方法ステップは、有機溶媒を一切使用せずに、水性媒体中で行われる:これにより、前記方法のコストを抑えかつそれに由来する環境への影響を抑えることが可能になる;
-組成パラメータの調節は、出発塩溶液の変更によって、単一のステップで行われるため、方法自体を変更しないようにできる。えられた粉末は、容易に水性媒体中に分散させることができる;微細で充分に解凝集された粉末は従来のオーブン中で(圧力の補助なしに、空気中で)かつ中程度の温度(1200℃〜1600℃)で理論密度まで容易に焼結することができる。

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