図面 (/)

技術 o−置換非シクロメタル化アリール基を有するカルベン配位子を含む金属錯体及び有機発光ダイオードにおけるその使用

出願人 ユー・ディー・シーアイルランドリミテッド
発明者 ステファン・メッツコリンナ・ドルマングラウコ・バッタグリアリンクリスティアン・アイックホフフラヴィオ・ルイス・ベネディート渡部惣一ゲルハルト・ヴァーゲンブラストトーマス・ゲスナークリスティアン・レンナーツペーター・ムラー
出願日 2015年3月26日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-559574
公開日 2017年4月20日 (2年5ヶ月経過) 公開番号 2017-511315
状態 特許登録済
技術分野 第5-8族元素を含む化合物及びその製造 エレクトロルミネッセンス光源 発光性組成物
主要キーワード 保護用ガス 物質損失 変換エレメント 阻止体 照明エレメント 部分要素 情報パネル 酸化性材料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題・解決手段

3つのN,Nジアリール置換カルベン配位子を含み、非シクロメタルアリール環の2位に置換基を有するシクロメタル化Ir錯体;前述の少なくとも1つのシクロメタル化Ir錯体を含む有機電子デバイス、好ましくは有機発光ダイオード(OLED)、前記のシクロメタル化Ir錯体を、好ましくは発光材料として、好ましくは少なくとも1つのホスト材料と組み合わせて含む発光層、OLEDにおける前記シクロメタル化Ir錯体の使用、及び、前記有機電子デバイス、好ましくはOLED、あるいは前記発光層を含む固定型視覚表示装置携帯型視覚表示装置、照明装置衣料製品中のユニットハンドバッグ中のユニット、アクセサリー中のユニット、家具中のユニット、及び壁紙中のユニット。本発明はさらに前記シクロメタル化Ir錯体の調製方法に関する。

概要

背景

有機エレクトロクス、すなわち、有機電子デバイスは、エレクトロニクスの分野における重要な部門である。有機エレクトロニクスは、ポリマー又はより小さな有機化合物を含む電子回路を使用するエレクトロニクスの一部である。有機エレクトロニクスの使用分野は、有機電子デバイス、例えば、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学セル(LEEC)、有機光電池セル(OPV)、及び有機電界効果トランジスタ(OFET)におけるポリマー又はより小さな有機化合物の使用である。

好適な新規有機材料の使用は、したがって、有機エレクトロニクスに基づく様々な新しいタイプの部品をもたらすことを可能にし、それは例えば、表示装置ディスプレイ)、照明センサートランジスタ、データ貯蔵又は光電池セルである。これが、薄く、軽く、フレキシブルで、低コストで製造できる新しいデバイスの開発を可能にする。

有機電子デバイスのための新しい材料の合成と準備は、したがって、重要な研究テーマである。特に、有機電子デバイスに用いるための染料(例えばOLED及びLEECにおける発光体材料として、あるいはOPVにおける吸収染料として有用な染料)の合成及び供給は良好な安定性及び長い寿命、並びに(OLED及びLEECの場合には高い量子効率)を有する有機電子デバイスをもたらすために重要である。

本出願による好ましい使用分野は、有機発光ダイオード(OLED)における比較的小さな有機化合物の使用である。OLEDは、電流によって励起されたときに発光する材料の性質を利用する。OLEDは平坦視覚表示装置を製造するために、ブラウン管及び液晶ディスプレイ代替物として特に興味もたれている。その非常にコンパクトな設計と本来的に低い電力消費おかげで、OLEDを含むデバイスは、特に、携帯モバイル)用途、例えば携帯電話スマートフォンデジタルカメラ、mp3プレーヤータブレットコンピュータラップトップなどにおける用途に適している。さらに、白色OLEDは、これまでに知られている照明技術よりも大きな利点、特に高い効率をもたらす。

OLEDが機能する仕方基本原理及びOLEDの好適な構造(複数の層)は、例えば、国際公開第2005/113704号及びそこに引用されている文献に記述されている。

用いられる発光体材料(発光体)は、リン光物質リン光発光体)並びに蛍光物質蛍光発光体)であることができる。リン光発光体は、一重項発光を示す蛍光発光体と対照的に、一般的には三重項発光を示す有機金属錯体である(M. A. Baldoら, Appl. Phys. Lett., 1999, 75, 4〜6)。量子力学的理由のため、蛍光発光体によって達成される量子効率、エネルギー効率、及び電力効率の4倍まで、リン光発光体が用いられた場合に可能である。

良好な色純度、低い作動電圧、高い効率、高い性能、高い効率、熱的ストレスに対する高い耐性、及び長い作動寿命をもつ有機発光ダイオードに特に興味がもたれる。

実際に上述した特性を実施するためには、適切な発光体物質を提供することが必要である。好適な発光体物質の選択は、OLEDの色純度、効率、寿命、及び作動電圧を含めたパラメータへ顕著に影響を及ぼす。

有機電子デバイス、特にOLEDに有用な、好ましくはリン光発光体として有用な一つの重要な化合物群は、シクロメタル遷移金属カルベン錯体である。そのような錯体は、例えば、国際公開第2006/056418A2号、同2005/113704号、同2007/115970号、同2007/115981号、同2008/000727号、同2009/050281号、同2009/050290号、同2011/051404号、米国特許出願公開第2011/057559号公報、国際公開第2011/073149号、同2012/121936A2号、米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報、国際公開第2012/170571号、同2012/170461号、同2012/170463号、同2006/121811号、同2007/095118号、同2008/156879号、同2008/156879号、同2010/068876号、米国特許出願公開第2011/0057559号公報、国際公開第2011/106344号、米国特許出願公開第2011/0233528号公報、国際公開第2012/048266号、及び同2012/172482号に記載されている。

一般式MA3B3を有する、上述した従来技術によるシクロメタル化遷移金属カルベン錯体は、多くの場合その分離可能ではないメリジオナル(mer)異性体の形態及び/又はその通常、熱力学的に好ましいフェーシャル(fac)異性体の形態で存在でき、両方は異なる物理特性を有する。

本出願によれば、オクタドラ遷移金属錯体のメリジオナル及びフェーシャル異性体は以下のように定義される。
組成がMA3B3の錯体の場合、同じ種類の3つの基が、八面体の1つの面の隅(フェーシャル異性体(fac異性体))あるいは経線(meridian)(すなわち3つの配位子結合点のうち2つが、互いに対してトランス位にある(メリジオナル異性体(mer)異性体)のいずれかを占めることができる。オクタヘドラル(八面体)金属錯体におけるfac/mer異性体の定義については、例えば、J. Huheey, E. Keiter, R. Keiter, Anorganische Chemie: Prinzipien von Struktur und Reaktivitaet, 2nd,改訂版, Ralf Steudelによる翻訳及び増補, Berlin; New York: de Gruyter, 1995, 第575, 576頁を参照されたい。

上述した従来技術においては、N−アルキル、N−アリール置換カルベン配位子を含むカルベン錯体の場合には、mer異性体が主に形成され、これが熱力学的に好ましいfac異性体へと変換されうる。しかし、ジアリール置換カルベン配位子のみからなるカルベン錯体の場合には、熱力学的に好ましいfac異性体が通常は主に形成される。

上述した従来技術によれば、カルベン配位子を有する遷移金属錯体は通常以下の3つの経路の1つにしたがって調製される。
i)(アザベンゾイミダゾリウム塩の脱プロトン化
ii)銀カルベンの金属交換
iii)対応するアルコキシ誘導体から出発する、カルベンの生成。

しかし、用いる方法とは無関係に、両方のアリール基が一般的には中心金属とのシクロメタル化に適している非対称ジアリール置換カルベン配位子の場合には、カルベン錯体のただ一つのシクロメタル化異性体を達成するために、シクロメタル化に影響を及ぼすことはできない。異性体の分離には、低収率となる物質喪失が伴う。

米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報は、高い色純度と高効率をもつ青色リン光化合物、及びそれを用いる有機エレクトロルミネッセンスデバイスに関する。米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報による例中で言及された青色リン光化合物は、下記式:



によって特徴づけられる。

上に示したIr錯体が主な異性体として得られることが述べられている。しかし、米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報には、シクロメタル化異性体の形成をどのように避けうるかは述べられていない。さらに、米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報に記載された化合物のfac及びmer異性体には言及されていない。

国際公開第2012/121936A2号は、イミダゾール環縮合したN−含有環を有するイミダゾールカルベン配位子を含む有機金属錯体を開示している。特に、イミダゾール環に縮合したN−含有環は、1つの窒素原子又は1つより多い窒素原子を含むことができる。これらの物質は、国際公開第2012/121936A2号によれば、OLEDのための青色リン光発光体として有用である。

国際公開第2011/073149A1号は、イリジウム及び白金から選択される中心金属及びジアザベンゾイミダゾールカルベン配位子を含む金属−カルベン錯体、前記錯体を含む有機発光ダイオード、少なくとも1つのそのような金属−カルベン錯体を含む発光層発光エレメントを含む群から選択されるデバイス、そのようなOLEDを含む固定型スクリーン及び移動型(モバイル)スクリーン、及びにおけるそのような金属−カルベン錯体のOLEDにおける使用(例えば、発光体、マトリクス材料電荷輸送材料、及び/又は電荷もしくは励起子阻止体としての使用)に関する。

国際公開第2012/172482A1号は、イリジウム及び白金から選択される中心金属及び特定のアザベンゾイミダゾロカルベン配位子を含む金属−カルベン錯体、そのような錯体を含むOLED(有機発光ダイオード)、そのようなOLEDを含む照明エレメント、固定型視覚表示装置、及び移動型視覚表示装置から選択されるデバイス、OLEDにおけるそのような金属−カルベン錯体の使用(例えば、発光体、マトリクス材料、電荷輸送材料、及び/又は電荷もしくは励起子阻止体としての使用)に関する。前記文献からは、N−アルキル、N−アリール置換カルベン配位子を含むカルベン錯体の場合には、mer異性体のみを得ることができ、ジアリール置換カルベン配位子を含むカルベン錯体に関して開示された例は、fac異性体をもたらすことがさらに明らかである。

3つの文献、国際公開第2011/073149A1号、同2011/073149A1、及び同2012/172482A1号は、N−アルキル、N−アリール置換カルベン配位子を含む多くのカルベン錯体を開示している。そのようなカルベン錯体では、ただ1つのシクロメタル化異性体が存在する。

概要

3つのN,Nジアリール置換カルベン配位子を含み、非シクロメタル化アリール環の2位に置換基を有するシクロメタル化Ir錯体;前述の少なくとも1つのシクロメタル化Ir錯体を含む有機電子デバイス、好ましくは有機発光ダイオード(OLED)、前記のシクロメタル化Ir錯体を、好ましくは発光材料として、好ましくは少なくとも1つのホスト材料と組み合わせて含む発光層、OLEDにおける前記シクロメタル化Ir錯体の使用、及び、前記有機電子デバイス、好ましくはOLED、あるいは前記発光層を含む固定型視覚表示装置、携帯型視覚表示装置、照明装置衣料製品中のユニットハンドバッグ中のユニット、アクセサリー中のユニット、家具中のユニット、及び壁紙中のユニット。本発明はさらに前記シクロメタル化Ir錯体の調製方法に関する。

目的

実際に上述した特性を実施するためには、適切な発光体物質を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

下記式(I)のシクロメタルIr錯体。(式中、A1はCH又はNであり;A2はCR1又はNであり;A3はCR2又はNであり;ここで、A1及び/又はA3がNである場合は、A2はCR1であり;R1、R2、R3、R4、R6、及びR7は、それぞれ独立に、水素重水素;1〜20の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基(これは任意選択により、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子中断されていてもよい);合計で3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されており、合計で3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;合計で6〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;合計で5〜30の炭素原子及び/又はO、S、及びNから選択されるヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロアリール基;又は、供与又は受容作用をもつ基、であり;好ましくは、R1、R2、R3、R4、R6、及びR7は、それぞれ独立に、水素;重水素;1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基;合計で3〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;6〜12の炭素原子を有する非置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する一置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する二置換アリール基;合計で5〜16の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する非置換ヘテロアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する一置換ヘテロアリール基、合計で5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する二置換ヘテロアリール基;より好ましくは、前記アリール基又はヘテロアリール基は、フェニルピリジルピリミジルピラジニルカルバゾリルジベンゾフラニルジベンゾチオフェニルフルオレニルインドリルベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、前記の基は非置換であるか、又はメチルエチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチルシクロヘキシルメトキシ、フェニル、又はCF3で置換されていてもよい;OPh、ハロゲン基、好ましくはF又はCl、より好ましくはF;CF3、CN;又はSiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、もしくはSiPh2tBu、から選択される供与又は受容作用をもつ基、であり;R10、R11、R12は、それぞれ独立に、1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基、好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、又はiso-ブチル;6〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、好ましくはフェニル又はトリル;合計で5〜15の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロアリール基;合計で3〜7の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基、好ましくはシクロペンチル又はシクロヘキシル、であり;あるいは、R1及びR2、R3及びR4、並びに/又はR6及びR7は、互いに独立に、それらが結合している炭素原子と一緒になって、飽和又は不飽和又は芳香族の、任意選択により置換されていてもよい環を形成してもよく、これは、任意選択によりO、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で中断されていてもよく、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有し、かつ、さらに任意選択により置換されていてもよい飽和又は不飽和又は芳香族の環(これは任意選択により、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよく、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する)少なくとも1つに縮合されていてもよく;R5は、1〜20の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基(これは任意選択によりO、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよい);合計で3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断され、合計で3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;合計で6〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;合計で5〜30の、炭素原子及び/又はO、S、及びNから選択されるヘテロ原子を有する、置換又は非置換ヘテロアリール基;又は、供与又は受容作用をもつ基、であり;好ましくは、R5は、1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基;合計で3〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;6〜12の炭素原子を有する非置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する一置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する二置換アリール基;合計で5〜16の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する非置換ヘテロアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する一置換ヘテロアリール基、合計で5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する二置換ヘテロアリール基;より好ましくは、前記アリール基又はヘテロアリール基は、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、前記の基は非置換であるか、又はメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、フェニル、CF3、又はCNで置換されていてもよい;CF3、CN;又はSiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、もしくはSiPh2tBu、から選択される供与又は受容作用をもつ基、であり;Xは、CH、CD、又はNであり;Yは、CR8又はNであり;R8は、水素;重水素;1〜20の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基(これは任意選択により、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で中断されていてもよい);合計で3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されており、合計で3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;合計で6〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;合計で5〜30の炭素原子及び/又はO、S、及びNから選択されるヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロアリール基;又は、供与又は受容作用をもつ基、であり;好ましくは、R8は、水素、重水素、1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基;合計で3〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;6〜12の炭素原子を有する非置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する一置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する二置換アリール基;合計で5〜16の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する非置換のヘテロアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する一置換ヘテロアリール基、及び/又は合計で5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する二置換ヘテロアリール基;より好ましくは、前記アリール基又はヘテロアリール基は、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フルオレニル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、ここで前記の基は非置換であるか、又はメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、フェニル、CF3、又はCNで置換されていてもよい;ハロゲン基、好ましくはF又はCl、さらに好ましくはF;CF3、CN;又はSiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、もしくはSiPh2tBu、から選択される供与又は受容作用をもつ基である。)

請求項2

R1、R2、R3、R4、R6、及びR7が、それぞれ独立に、水素;重水素;メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、OCH3、OCF3;フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニル(前記の基は非置換であるか、又は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、メトキシ、CF3、又はフェニルで置換されていてもよい);F、CF3、CN、及びSiPh3から選択される供与又は受容作用をもつ基、であり;かつR5が、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、OCH3、OCF3;フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル(前記の基は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、メトキシ、又はフェニルで置換、好ましくは一置換されているか、非置換であってよい);CF3及びCNから選択される供与又は受容作用をもつ基、である、請求項1に記載のシクロメタル化Ir錯体。

請求項3

R1、R2、R3、R4、R6、及びR7が、それぞれ独立に、水素;重水素;メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル;フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル(前記の基は非置換であるか、あるいは、メチル、エチル、iso-プロピル、tert-ブチル、iso-ブチル、又はメトキシで置換されていてもよい);CF3、又はCN、であり;かつR5が、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル;フェニル、トリル、又はピリジルである、請求項1又は2に記載のシクロメタル化Ir錯体。

請求項4

X、Yがそれぞれ独立に、CH、CD、又はN、好ましくは、CH又はNである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシクロメタル化Ir錯体。

請求項5

XがNであり、かつYがCR8、好ましくはCHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシクロメタル化Ir錯体。

請求項6

XがNであり、かつYがNである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシクロメタル化Ir錯体。

請求項7

XがCH又はCD、好ましくはCHであり;かつYがCR8、好ましくはCHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシクロメタル化Ir錯体。

請求項8

下記の式のいずれか一つを有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシクロメタル化Ir錯体。

請求項9

請求項1〜8のいずれか一項に記載の少なくとも1つのシクロメタル化Ir錯体を含む有機電子デバイス

請求項10

前記有機電子デバイスが、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学セル(LEEC)、有機光電池セル(OPV)、及び有機電界効果トランジスタ(OFET)から選択される、請求項9に記載の有機電子デバイス。

請求項11

前記の式(I)のシクロメタル化Ir錯体が、OLED又はLEEC又はOPVにおいて用いられている、好ましくは、OLEDの発光層及び/又は正孔輸送層において用いられている、さらに好ましくはOLEDにおいて発光体材料として用いられている、請求項9又は10に記載の有機電子デバイス。

請求項12

OLEDが、(a)アノード、(b)カソード、(c)前記アノードとカソードの間の発光層、(d)任意選択により場合によっては、前記発光層とアノードの間の正孔輸送層を含み、式(I)のシクロメタル化Ir錯体が、OLEDの発光層、及び/又は、正孔輸送層が存在する場合には正孔輸送層中に存在する、請求項11に記載の有機電子デバイス。

請求項13

式(I)のシクロメタル化Ir錯体が、少なくとも1つのホスト材料、好ましくは、少なくとも1つのジベンゾフラニル単位及び/又は少なくとも1つのベンゾイミダゾ[1,2-a]ベンゾイミダゾリル単位及び/又は少なくとも1つのカルバゾリル及び/又は少なくとも1つのジベンゾチオフラニル単位を含む少なくとも1つのホスト材料と組み合わせて用いられる、好ましくはOLEDの発光層において用いられる、請求項9〜12のいずれか一項に記載の有機電子デバイス。

請求項14

請求項1〜8のいずれか一項において定義される式(I)のシクロメタル化Ir錯体の少なくとも1つを発光体材料として含む、好ましくは少なくとも1つのホスト材料と組み合わせて含む、さらに好ましくは、少なくとも1つのジベンゾフラニル単位及び/又は少なくとも1つのベンゾイミダゾ[1,2-a]ベンゾイミダゾリル単位及び/又は少なくとも1つのカルバゾリル及び/又は少なくとも1つのジベンゾチオフラニル単位を含む少なくとも1つのホスト材料と組み合わせて含む、発光層。

請求項15

OLEDにおける、好ましくは発光層及び/又は正孔輸送層における、さらに好ましくは発光体材料としての、請求項1〜8のいずれか一項に規定される式(I)のシクロメタル化Ir錯体の使用。

請求項16

固定型視覚表示装置、例えば、コンピュータテレビの視覚表示装置、プリンターキッチン設備広告パネル情報パネル及び照明のなかの視覚表示装置;移動型視覚表示装置、例えば、スマートフォン携帯電話タブレットコンピュータラップトップデジタルカメラ、MP3プレーヤー乗り物キーボード、及びバス及び列車行き先表示に組み込まれた視覚表示装置;照明装置衣類に関する装置;ハンドバッグに組み込まれた装置、アクセサリーに組み込まれた装置、家具に組み込まれた装置、及び壁紙に組み込まれた装置からなる群から選択される装置であって、請求項9〜13のいずれか一項に記載の有機電子デバイス又は請求項14に記載の発光層を含む装置。

請求項17

Irを含む適切な化合物を、適切な配位子又は配位子前駆体と接触させることによる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の式(I)のシクロメタル化Ir錯体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、非シクロメタルアリール環の2位に置換基を有する3つのN,Nジアリール置換カルベン配位子を含むシクロメタル化Ir錯体;前述の少なくとも1つのシクロメタル化Ir錯体を含む有機電子デバイス、好ましくは有機発光ダイオード(OLED)に、前記シクロメタル化Ir錯体を、好ましくは発光体材料として、好ましくは少なくとも1つのホスト材料と組み合わせて含む発光層に、OLEDにおける前記シクロメタル化Ir錯体の使用に、そして、前記有機電子デバイス、好ましくは前記OLED又は前記発光層を含む固定型視覚表示装置携帯型視覚表示装置、照明装置衣料製品中のユニットハンドバッグ中のユニット、アクセサリー中のユニット、家具中のユニット、及び壁紙中のユニットに関する。本発明はさらに前記シクロメタル化Ir錯体の調製方法に関する。

背景技術

0002

有機エレクトロクス、すなわち、有機電子デバイスは、エレクトロニクスの分野における重要な部門である。有機エレクトロニクスは、ポリマー又はより小さな有機化合物を含む電子回路を使用するエレクトロニクスの一部である。有機エレクトロニクスの使用分野は、有機電子デバイス、例えば、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学セル(LEEC)、有機光電池セル(OPV)、及び有機電界効果トランジスタ(OFET)におけるポリマー又はより小さな有機化合物の使用である。

0003

好適な新規有機材料の使用は、したがって、有機エレクトロニクスに基づく様々な新しいタイプの部品をもたらすことを可能にし、それは例えば、表示装置ディスプレイ)、照明センサートランジスタ、データ貯蔵又は光電池セルである。これが、薄く、軽く、フレキシブルで、低コストで製造できる新しいデバイスの開発を可能にする。

0004

有機電子デバイスのための新しい材料の合成と準備は、したがって、重要な研究テーマである。特に、有機電子デバイスに用いるための染料(例えばOLED及びLEECにおける発光体材料として、あるいはOPVにおける吸収染料として有用な染料)の合成及び供給は良好な安定性及び長い寿命、並びに(OLED及びLEECの場合には高い量子効率)を有する有機電子デバイスをもたらすために重要である。

0005

本出願による好ましい使用分野は、有機発光ダイオード(OLED)における比較的小さな有機化合物の使用である。OLEDは、電流によって励起されたときに発光する材料の性質を利用する。OLEDは平坦な視覚表示装置を製造するために、ブラウン管及び液晶ディスプレイ代替物として特に興味もたれている。その非常にコンパクトな設計と本来的に低い電力消費おかげで、OLEDを含むデバイスは、特に、携帯(モバイル)用途、例えば携帯電話スマートフォンデジタルカメラ、mp3プレーヤータブレットコンピュータラップトップなどにおける用途に適している。さらに、白色OLEDは、これまでに知られている照明技術よりも大きな利点、特に高い効率をもたらす。

0006

OLEDが機能する仕方基本原理及びOLEDの好適な構造(複数の層)は、例えば、国際公開第2005/113704号及びそこに引用されている文献に記述されている。

0007

用いられる発光体材料(発光体)は、リン光物質リン光発光体)並びに蛍光物質蛍光発光体)であることができる。リン光発光体は、一重項発光を示す蛍光発光体と対照的に、一般的には三重項発光を示す有機金属錯体である(M. A. Baldoら, Appl. Phys. Lett., 1999, 75, 4〜6)。量子力学的理由のため、蛍光発光体によって達成される量子効率、エネルギー効率、及び電力効率の4倍まで、リン光発光体が用いられた場合に可能である。

0008

良好な色純度、低い作動電圧、高い効率、高い性能、高い効率、熱的ストレスに対する高い耐性、及び長い作動寿命をもつ有機発光ダイオードに特に興味がもたれる。

0009

実際に上述した特性を実施するためには、適切な発光体物質を提供することが必要である。好適な発光体物質の選択は、OLEDの色純度、効率、寿命、及び作動電圧を含めたパラメータへ顕著に影響を及ぼす。

0010

有機電子デバイス、特にOLEDに有用な、好ましくはリン光発光体として有用な一つの重要な化合物群は、シクロメタル化遷移金属カルベン錯体である。そのような錯体は、例えば、国際公開第2006/056418A2号、同2005/113704号、同2007/115970号、同2007/115981号、同2008/000727号、同2009/050281号、同2009/050290号、同2011/051404号、米国特許出願公開第2011/057559号公報、国際公開第2011/073149号、同2012/121936A2号、米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報、国際公開第2012/170571号、同2012/170461号、同2012/170463号、同2006/121811号、同2007/095118号、同2008/156879号、同2008/156879号、同2010/068876号、米国特許出願公開第2011/0057559号公報、国際公開第2011/106344号、米国特許出願公開第2011/0233528号公報、国際公開第2012/048266号、及び同2012/172482号に記載されている。

0011

一般式MA3B3を有する、上述した従来技術によるシクロメタル化遷移金属カルベン錯体は、多くの場合その分離可能ではないメリジオナル(mer)異性体の形態及び/又はその通常、熱力学的に好ましいフェーシャル(fac)異性体の形態で存在でき、両方は異なる物理特性を有する。

0012

本出願によれば、オクタドラ遷移金属錯体のメリジオナル及びフェーシャル異性体は以下のように定義される。
組成がMA3B3の錯体の場合、同じ種類の3つの基が、八面体の1つの面の隅(フェーシャル異性体(fac異性体))あるいは経線(meridian)(すなわち3つの配位子結合点のうち2つが、互いに対してトランス位にある(メリジオナル異性体(mer)異性体)のいずれかを占めることができる。オクタヘドラル(八面体)金属錯体におけるfac/mer異性体の定義については、例えば、J. Huheey, E. Keiter, R. Keiter, Anorganische Chemie: Prinzipien von Struktur und Reaktivitaet, 2nd,改訂版, Ralf Steudelによる翻訳及び増補, Berlin; New York: de Gruyter, 1995, 第575, 576頁を参照されたい。

0013

上述した従来技術においては、N−アルキル、N−アリール置換カルベン配位子を含むカルベン錯体の場合には、mer異性体が主に形成され、これが熱力学的に好ましいfac異性体へと変換されうる。しかし、ジアリール置換カルベン配位子のみからなるカルベン錯体の場合には、熱力学的に好ましいfac異性体が通常は主に形成される。

0014

上述した従来技術によれば、カルベン配位子を有する遷移金属錯体は通常以下の3つの経路の1つにしたがって調製される。
i)(アザベンゾイミダゾリウム塩の脱プロトン化
ii)銀カルベンの金属交換
iii)対応するアルコキシ誘導体から出発する、カルベンの生成。

0015

しかし、用いる方法とは無関係に、両方のアリール基が一般的には中心金属とのシクロメタル化に適している非対称ジアリール置換カルベン配位子の場合には、カルベン錯体のただ一つのシクロメタル化異性体を達成するために、シクロメタル化に影響を及ぼすことはできない。異性体の分離には、低収率となる物質喪失が伴う。

0016

米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報は、高い色純度と高効率をもつ青色リン光化合物、及びそれを用いる有機エレクトロルミネッセンスデバイスに関する。米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報による例中で言及された青色リン光化合物は、下記式:



によって特徴づけられる。

0017

上に示したIr錯体が主な異性体として得られることが述べられている。しかし、米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報には、シクロメタル化異性体の形成をどのように避けうるかは述べられていない。さらに、米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報に記載された化合物のfac及びmer異性体には言及されていない。

0018

国際公開第2012/121936A2号は、イミダゾール環縮合したN−含有環を有するイミダゾールカルベン配位子を含む有機金属錯体を開示している。特に、イミダゾール環に縮合したN−含有環は、1つの窒素原子又は1つより多い窒素原子を含むことができる。これらの物質は、国際公開第2012/121936A2号によれば、OLEDのための青色リン光発光体として有用である。

0019

国際公開第2011/073149A1号は、イリジウム及び白金から選択される中心金属及びジアザベンゾイミダゾールカルベン配位子を含む金属−カルベン錯体、前記錯体を含む有機発光ダイオード、少なくとも1つのそのような金属−カルベン錯体を含む発光層、発光エレメントを含む群から選択されるデバイス、そのようなOLEDを含む固定型スクリーン及び移動型(モバイル)スクリーン、及びにおけるそのような金属−カルベン錯体のOLEDにおける使用(例えば、発光体、マトリクス材料電荷輸送材料、及び/又は電荷もしくは励起子阻止体としての使用)に関する。

0020

国際公開第2012/172482A1号は、イリジウム及び白金から選択される中心金属及び特定のアザベンゾイミダゾロカルベン配位子を含む金属−カルベン錯体、そのような錯体を含むOLED(有機発光ダイオード)、そのようなOLEDを含む照明エレメント、固定型視覚表示装置、及び移動型視覚表示装置から選択されるデバイス、OLEDにおけるそのような金属−カルベン錯体の使用(例えば、発光体、マトリクス材料、電荷輸送材料、及び/又は電荷もしくは励起子阻止体としての使用)に関する。前記文献からは、N−アルキル、N−アリール置換カルベン配位子を含むカルベン錯体の場合には、mer異性体のみを得ることができ、ジアリール置換カルベン配位子を含むカルベン錯体に関して開示された例は、fac異性体をもたらすことがさらに明らかである。

0021

3つの文献、国際公開第2011/073149A1号、同2011/073149A1、及び同2012/172482A1号は、N−アルキル、N−アリール置換カルベン配位子を含む多くのカルベン錯体を開示している。そのようなカルベン錯体では、ただ1つのシクロメタル化異性体が存在する。

0022

米国特許出願公開第2012/0305894A1号公報
国際公開第2012/121936A2号
国際公開第2011/073149A1号
国際公開第2012/172482A1号
国際公開第2006/056418A2号
国際公開第2005/113704号
国際公開第2007/115970号
国際公開第2007/115981号
国際公開第2008/000727号
国際公開第2009/050281号
国際公開第2009/050290号
国際公開第2011/051404号
米国特許出願公開第2011/057559号公報
国際公開第2012/170571号
国際公開第2012/170461号
国際公開第2012/170463号
国際公開第2006/121811号
国際公開第2007/095118号
国際公開第2008/156879号
国際公開第2010/068876号
国際公開第2011/106344号
米国特許出願公開第2011/0233528号公報
国際公開第2012/048266号

先行技術

0023

J. Huheey, E. Keiter, R. Keiter, Anorganische Chemie: Prinzipien von Struktur und Reaktivitaet, 2nd,改訂版, Ralf Steudelによる翻訳及び増補, Berlin; New York: de Gruyeter, 1995, 第575, 576頁

発明が解決しようとする課題

0024

mer異性体のみ又は主にmer異性体の形態の、アリール置換カルベン配位子を有する金属−カルベン錯体を提供することが本発明の目的である。ただ1つの又は主に1つのシクロメタル化異性体の形態の、ジアリール置換カルベン配位子を有する金属−カルベン錯体を提供することが本発明のさらなる目的である。

0025

ジアリール置換カルベン配位子を有する上記金属−カルベン錯体は、良好な色純度、低い作動電圧、高効率、高性能、熱的ストレスに対する高い耐性、及び特に長い作動寿命をもつ有機発光ダイオードにおいて使用するために適している。

課題を解決するための手段

0026

ジアリール置換カルベン配位子を有する金属−カルベン錯体のmer異性体は、通常、対応するfac異性体よりも顕著により短い発光減衰時間を示すことが、本願の発明者によって、驚くべきことに発見されている。したがって、発光プロセスが、非発光プロセスとより良く競争することができる。その結果、本発明の金属−カルベン錯体、特にそのmer異性体は、効率的な発光を示し、したがって、長い作動寿命をもつOLEDのための発光体材料として非常に適している。

0027

今や、ジアリール置換カルベン配位子を有する金属−カルベン錯体のmer異性体を単独で又は主な異性体として単離することができる。

0028

1つのみ又は主に1つのシクロメタル化異性体が存在するので、低収率を伴う物質損失を通常伴う異性体の分離が、多くの場合に必要がない。

0029

この目的は、下記式(I)のシクロメタル化Ir錯体によって達成される。



式中、
A1はCH又はNであり;
A2はCR1又はNであり;
A3はCR2又はNであり;
ここで、A1及び/又はA3がNである場合は、A2はCR1であり;
R1、R2、R3、R4、R6、及びR7は、
それぞれ独立に、水素重水素;1〜20の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基(これは任意選択により、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子中断されていてもよい);合計で3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されており、合計で3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;合計で6〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;合計で5〜30の炭素原子及び/又はO、S、及びNから選択されるヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロアリール基;又は、供与又は受容作用をもつ基、であり;
好ましくは、R1、R2、R3、R4、R6、及びR7は、
それぞれ独立に、水素;重水素;1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基;合計で3〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;6〜12の炭素原子を有する非置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する一置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する二置換アリール基;合計で5〜16の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する非置換ヘテロアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する一置換ヘテロアリール基、合計で5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する二置換ヘテロアリール基;より好ましくは、そのアリール基又はヘテロアリール基は、フェニルピリジルピリミジルピラジニルカルバゾリルジベンゾフラニルジベンゾチオフェニルフルオレニルインドリルベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、前記の基は非置換であるか、又はメチルエチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチルシクロヘキシルメトキシ、フェニル、又はCF3で置換されていてもよく;OPh、ハロゲン基、好ましくはF又はCl、より好ましくはF;CF3、CN;又はSiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、もしくはSiPh2tBu、から選択される供与又は受容作用をもつ基、であり;
R10、R11、R12は、
それぞれ独立に、1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基、好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、又はiso-ブチル;6〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、好ましくはフェニル又はトリル;合計で5〜15の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロアリール基;合計で3〜7の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基、好ましくはシクロペンチル又はシクロヘキシルであり;
あるいは、
R1及びR2、R3及びR4、並びに/又はR6及びR7は、互いに独立に、それらが結合している炭素原子と一緒になって、飽和又は不飽和又は芳香族の任意選択により置換されていてもよい環を形成してもよく、これは、任意選択によりO、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で中断されていてもよく、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有し、かつ、さらに任意選択により置換されていてもよい飽和又は不飽和又は芳香族の環(これは任意選択により、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよく、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する)に縮合されていてもよく;
R5は、
1〜20の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基(これは任意選択によりO、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよい);合計で3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断され、合計で3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;合計で6〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;合計で5〜30の、炭素原子及び/又はO、S、及びNから選択されるヘテロ原子を有する、置換又は非置換ヘテロアリール基;又は、供与又は受容作用をもつ基、であり;
好ましくは、R5は、1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基;合計で3〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;6〜12の炭素原子を有する非置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する一置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する二置換アリール基;合計で5〜16の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する非置換ヘテロアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する一置換ヘテロアリール基、合計で5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する二置換ヘテロアリール基;より好ましくは、アリール基又はヘテロアリール基は、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、前記の基は非置換であるか、又はメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、フェニル、CF3、又はCNで置換されていてもよい;CF3、CN;又はSiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、もしくはSiPh2tBu、から選択される供与又は受容作用をもつ基、であり;
Xは、CH、CD、又はNであり;
Yは、CR8又はNであり;
R8は、水素;重水素;1〜20の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基(これは任意選択により、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で中断されていてもよい);合計で3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されており、合計で3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;合計で6〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;合計で5〜30の炭素原子及び/又はO、S、及びNから選択されるヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロアリール基;又は、供与又は受容作用をもつ基、であり;
好ましくは、R8は、水素、重水素、1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の置換又は非置換のアルキル基;合計で3〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;6〜12の炭素原子を有する非置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する一置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する二置換アリール基;合計で5〜16の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する非置換のヘテロアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する一置換ヘテロアリール基、合計で5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する二置換ヘテロアリール基;より好ましくは、そのアリール基又はヘテロアリール基は、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フルオレニル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、ここで前記の基は非置換であるか、又はメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、フェニル、CF3、又はCNで置換されていてもよい;ハロゲン基、好ましくはF又はCl、さらに好ましくはF;CF3、CN;又はSiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、もしくはSiPh2tBu、から選択される供与又は受容作用をもつ基である。

0030

本発明の重要な点は、カルベン窒素原子の1つに結合したアリール基の1つの2位に置換基を有するジアリール置換カルベン配位子をもつIrカルベン錯体の規定である。アリール基の2位の置換によって、そのmer異性体の形態のみ又は主にmer異性体の形態の、ジアリール置換カルベン配位子を有する金属−カルベン錯体を得ることができる。さらに、その置換アリール基とIrとのシクロメタル化がそれぞれ避けられ、実質的に低減される。それゆえに、本発明による式(I)の具体的なシクロメタル化Ir錯体は、唯一の異性体又は主な異性体としてそのmer異性体の形態で、かつ1つのみ又は主に1つのシクロメタル化異性体の形態で存在する。さらに、その錯体の発光寿命(発光減衰時間)は短く、量子収率は高い乃至非常に高い。本発明の錯体を含むデバイスは、高い効率及び発光性能、並びに低い電圧及び特に長い作動寿命を示す。

0031

本発明との関連では、シクロメタル化Ir錯体は、カルベン窒素原子(すなわち、カルベンユニットの窒素原子)の1つに置換したアリール基がIr−炭素σ結合の形成を伴うメタル化を起こすことを意味し、それは以下において式(I)のシクロメタル化Ir錯体について示すとおりである。

0032

本発明との関連では、シクロメタル化異性体は、式(I)のIr錯体の場合には、2つのシクロメタル化異性体(異性体A及び異性体B)が原理的に可能であることを意味する。

0033

しかし、本発明によるIrカルベン錯体は、カルベン窒素原子の1つに結合したアリール基の1つの2位に置換基(R5)を有する少なくとも1つのカルベン配位子を含むので、シクロメタル化異性体Bの形成がそれぞれ避けられ、実質的に低減される。

0034

本発明によるIrカルベン錯体中のカルベン窒素原子の1つに結合したアリール基の1つの2位は、本発明との関連では、R5で置換された位置である。

0035

カルベン窒素原子の1つに結合したアリール基のうち1つの基のただ1つの2位の置換で、mer異性体のみを又は主にmer異性体をもたらすために、かつIrと前記のアリール基のシクロメタル化を避ける又は実質的に低下させるためには十分であることを、本発明者は発見している。

0036

本発明との関連では、アリール基、アリール単位、又はアリールグループ、ヘテロアリール基、ヘテロアリール単位、又はヘテロアリールグループ、アルキル基、アルキル単位、又はアルキルグループ、シクロアルキル基、シクロアルキル単位、又はシクロアルキルグループ、シクロヘテロアルキル基シクロヘテロアルキル単位、又はシクロヘテロアルキルグループ、及び供与又は受容作用をもつ基の語は、別段の記載がない限り、それぞれ以下のように定義される。

0037

アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、及び以下で述べる供与又は受容作用をもつ基においては、1つ以上の水素原子(それが存在する場合には)が重水素原子で置換されていてもよい。

0038

6〜30(C6〜C30-アリール基)、好ましくは6〜18の炭素原子を有するアリール基、あるいは置換もしくは非置換のアリール基は、本発明において、環ヘテロ原子を含まない単環式モノシクロ)、二環式ビシクロ)、三環式(トリシクロ芳香族化合物から誘導される基をいう。その系が単環式系でない場合は、第二の環については「アリール」の用語は、具体的な形態が公知かつ安定であることを条件として、飽和形態(パーヒドロ形態)又は部分的不飽和形態(例えば、ジヒドロ形態又はテトラヒドロ形態)をも含む。これは、本発明において「アリール」の語は、例えば、両方の又は3つの全ての基が芳香族である二環式(ビシクロ)又は三環式(トリシクロ)基、及びただ1つの環が芳香族であるビシクロ又はトリシクロ基、及び2つの環が芳香族であるトリシクロ基も包含する。アリールの例は以下のものである:フェニル、ナフチルインダニル、1,2−ジヒドロナフテニル、1,4-ジヒドロナフテニル、インデニルアントラセニル、フェナントレニル、又は1,2,3,4-テトラヒドロナフチル。特に好ましいのは、6〜13個の炭素原子の基本構造を有するアリール基、例えば、フェニル、ナフチル、又はフルオレニルであり、非常に特に好ましいのは、6個の炭素原子の基本構造を有するアリール基である。

0039

アリール基又はC6〜C30-アリール基は、非置換であるか、又は1つ以上のさらなる基で置換されていることができる。好適なさらなる基は、C1〜C20-アルキル、C6〜C24-アリール、及び供与又は受容作用をもつ置換基からなる群から選択され、供与又は受容作用を有する適切な置換基は下で特定されている。好ましいのは6〜12の炭素原子を有する非置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する一置換アリール基、又は6〜18の炭素原子を有する二置換アリール基である。好ましい置換基は、C1〜C20-アルキル基、C1〜C20-アルコキシ基、CN、CF3、ハロゲン基、SiR10R11R12(式中、R10、R11、R12は下で特定される)又はアミノ基(NR32R33、式中、適切なR32及びR33基は下で特定される)であり、さらに好ましい置換基は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、フェニル、又はCF3;OPh、ハロゲン基、好ましくはF、Cl、さらに好ましくはF;CF3、CN;又はSiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、又はSiPh2tBuから選択される供与又は受容作用を有する基である。

0040

ヘテロアリール基、又は合計で5〜30、好ましくは5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する置換若しくは非置換のヘテロアリール基は、単環式(モノシクロ)、二環式(ビシクロ)、又は三環式(トリシクロ)ヘテロ芳香族を意味することが理解され、そのいくつかは前述のアリールから誘導されることができ、その場合アリールの基本構造中の少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子によって置き換わっている。好ましいヘテロ原子は、N、O、及びSである。ヘテロアリール基の基本構造は、特に好ましくは、例えば、ピリジンピリミジン、及びピラジン、及び5員環ヘテロ芳香族、例えば、チオフェンピロール、イミダゾール、チアゾールオキサゾール、又はフランなどのシステムから選択される。これらの基本構造は、任意選択により1又は2個の6員環芳香族基と縮合していてもよい。好適な縮合ヘテロ芳香族は、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリルベンゾオキサゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、インドリル、又はベンゾイミダゾ[1,2-a]ベンゾイミダゾリルである。特に好ましい基本構造は、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルである。

0041

上記基本構造は、1、1より多い、又は全ての置換可能な位置で置換されていてもよく、適切な置換基は、C6〜C30-アリールの定義のもとで既に規定したものと同じである。好ましいのは、合計で5〜16の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する非置換ヘテロアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する一置換ヘテロアリール基、並びに合計で5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する二置換ヘテロアリール基である。

0042

本出願との関連においてアルキル基は、任意選択により少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよく、かつ1〜20の炭素原子を有する、直鎖状又は分枝状のアルキル基である。好ましいものは、C1〜C10-アルキル基、特に好ましくはC1〜C6-アルキル基である。さらに、アルキル基は非置換であっても、1以上の置換基で置換されていてもよい。好ましい置換基は、供与又は受容作用を有する基、好ましくは、C1〜C20-アルコキシハロゲン、より好ましくはF、C1〜C20-ハロアルキル、例えば、CF3;重水素;合計で3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断され、かつ合計で3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;合計で6〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;又は、合計で5〜30の炭素原子及び/又はO、S、及びNから選択されるヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロアリール基からなる群から選択される。適切なアリール置換基は上で規定されており、適切なアルコキシ及びハロゲン置換基は下で規定される。適切なアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルヘプチル、及びオクチル、またC1〜C20-ハロアルキル-、C6〜C30-アリール-、C1〜C20-アルコキシ-、及び/又はハロゲンで置換された、特に、Fで置換された、言及したアルキル基の誘導体、例えば、CF3又はCF2CF3である。これには、言及した基のn-異性体及び分岐した異性体、例えば、イソプロピルイソブチルイソペンチル、sec-ブチル、tert-ブチル、iso-ブチル、ネオペンチル、3,3-ジメチルブチル-、3-エチルヘキシルなどが含まれる。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、CF3、及びCF2CF3である。最も好ましいアルキル基は、CF3、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、及びiso-ブチルである。

0043

シクロアルキル基は、本発明との関連では、3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換シクロアルキル基を意味することが理解される。好ましいのは、その基本構造(環)中に、3〜18、より好ましくは3〜12、最も好ましくは3〜7の炭素原子を有するシクロアルキル基であると理解される。適切な置換基は、アルキル基について述べた置換基である。適切なシクロアルキル基の例(これはアルキル基について上述した基によって置換されていても、非置換でもよい)は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルシクロオクチル、シクロノニル、及びシクロデシルである。シクロアルキル基は、多環式環システム、例えば、デカリニル、ノルボルニル、ボルナニル、又はアダマンチルであることもできる。

0044

ヘテロシクロアルキル基、あるいは3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基は、3〜18、好ましくは5〜10、より好ましくは5〜8の環原子を有するヘテロシクロアルキル基を意味し、この場合、ヘテロシクロアルキルの基本構造中で少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子に置き換わっている。好ましいヘテロ原子は、N、O、及びSである。適切な置換基は、アルキル基について述べた置換基である。適切なヘテロシクロアルキル基(これはアルキル基についての上で述べた基によって置換されているか、非置換であってよい)の例は、以下のヘテロ環から誘導される基である:ピロリジンチオラン、テトラヒドロフラン、1,2-オキサチオランオキサゾリジンピペリジンチアン、オキサンジオキサン、1,3-ジチアンモルホリン、ピペリジン。ヘテロシクロアルキル基はまた多環式環システムであることができる。

0045

適切なアルコキシ基及びアルキルチオ基は、上述したアルキル基からそれぞれに応じて誘導される。ここでの例には、OCH3、OC2H5、OC3H7、OC4H9、及びOC8H17、並びにSCH3、SC2H5、SC3H7、SC4H9、及びSC8H17が含まれる。これとの関連において、C3H7、C4H9、及びC8H17には、n-異性体及び分岐異性体の両方、例えば、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、及び2-エチルヘキシルが含まれる。特に好ましいアルコキシ又はアルキルチオ基は、メトキシ、エトキシn-オクチルオキシ、2-エチルヘキシルオキシ、及びSCH3である。

0046

本発明との関連で適切なハロゲン基又はハロゲン置換基は、フッ素塩素臭素、及びヨウ素、好ましくはフッ素、塩素、及び臭素、より好ましくはフッ素及び塩素、最も好ましくはフッ素である。

0047

本発明との関連では、供与又は受容作用をもつ基は、以下の基を意味することが理解される:
C1〜C20-アルコキシ、C6〜C30-アリールオキシ、C1〜C20-アルキルチオ、C6〜C30-アリールチオ、SiR10R11R12、ハロゲン基、ハロゲン化C1〜C20-アルキル基、カルボニル(−CO(R32))、カルボニルチオ(−C=O(SR32))、カルボニルオキシ(−C=O(OR32))、オキシカルボニル(−OC=O(R32))、チオカルボニル(−SC=O(R32))、アミノ(−NR32R33)、OH、擬ハロゲン基、アミド(−C=O(NR32R33))、−NR32C=O(R33)、ホスホネート(−P(O)(OR32)2、ホスフェート(−OP(O)(OR32)2)、ホスフィン(−PR32R33)、ホスフィンオキシド(−P(O)R322)、サルフェート(−OS(O)2OR32)、スルホキシド(−S(O)R32)、スルホネート(−S(O)2OR32)、スルホニル(−S(O)2R32)、スルホンアミド(−S(O)2NR32R33)、NO2、ホウ酸エステル(−OB(OR32)2)、イミノ(−C=NR32R33)、ボラン基スズ酸塩スズ酸エステル(stannate)基、ヒドラジン基ヒドラゾン基オキシム基ニトロソ基ジアゾ基ビニル基スルホキシミン(sulfoximine)類、アラン類、ゲルマン類、ボロキシン類、及びボラジン類

0048

供与又は受容作用をもつ好ましい置換基は、以下のものからなる群から選択される:C1〜C20-アルコキシ、好ましくはC1〜C6-アルコキシ、より好ましくはエトキシ又はメトキシ;C6〜C30-アリールオキシ、好ましくはC6〜C10-アリールオキシ、より好ましくはフェノキシ;SiR10R11R12;ハロゲン基、好ましくはF、Cl、Br、より好ましくはF又はCl、最も好ましくはF、ハロゲン化C1〜C20-アルキル基、好ましくは、ハロゲン化C1〜C6-アルキル基、最も好ましくはフッ素化C1〜C6-アルキル基、例えば、CF3、CH2F、CHF2、又はC2F5;アミノ、好ましくはジメチルアミノジエチルアミノ、又はジフェニルアミノ;OH、擬ハロゲン基、好ましくは、CN、SCN、又はOCN、より好ましくはCN、−C(O)OC1〜C4-アルキル、好ましくは−C(O)OMe、P(O)R2、好ましくはP(O)Ph2、及びSO2R2、好ましくはSO2Ph。

0049

供与又は受容作用をもつ非常に特に好ましい置換基は、メトキシ、フェニルオキシ、ハロゲン化C1〜C4-アルキル、好ましくはCF3、CH2F、CHF2、C2F5、ハロゲン、好ましくはF、CN、SiR10R11R12(適切なR10、R11、及びR12基は下で特定される)、ジフェニルアミノ、又は−C(O)OC1〜C4-アルキルからなる群から選択される。なおさらに好ましいのは、OPh、ハロゲン基、好ましくはF又はCl、さらに好ましくはF;CF3、CN;あるいはSiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、又はSiPh2tBuである。

0050

供与又は受容作用をもつ上述した基というのは、上で規定したもののなかのさらなる基及び群がまた供与又は受容作用を有していてもよいことを排除することを意図していない。例えば、上述したヘテロアリール基は同様に供与又は受容作用をもつ基であり、C1〜C20-アルキル基は供与作用をもつ基である。

0051

言及したR32及びR33基はそれぞれ独立に以下のものである:ハロゲン、置換もしくは非置換のC1〜C20-アルキル又は置換もしくは非置換のC6〜C30-アリール、又は5〜30の環原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアリール、適切かつ好ましいアルキル及びアリール基は上で特定している。さらに好ましくは、R32、R33、及びR34基はC1〜C6-アルキル、例えば、メチル、エチル、i-プロピル、又はtert-ブチル、又はフェニルもしくはピリジル、最も好ましくはメチル又はフェニルである。

0052

言及したR10、R11、及びR12基はそれぞれ独立に以下のものである:1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基、好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、又はiso-ブチル;6〜18の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、好ましくはフェニル又はトリル;合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロアリール基;合計で3〜18の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基、好ましくは、シクロペンチル又はシクロヘキシル。

0053

[式(I)のシクロメタル化Ir錯体]

0054

式(I)のシクロメタル化Ir錯体中の金属は、好ましくはIr(III)である。

0055

シクロメタル化Ir錯体の式(I)の二座配位子中のラジカル、基、及び記号は、互いに独立に、好ましくは以下の意味を有する。

0056

R1、R2、R3、R4、R6、及びR7は、
互いに独立に、水素;重水素;1〜20の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の、置換又は非置換のアルキル基(これは任意選択によりO、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよい);合計で3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されており、かつ合計で3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;合計で6〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;合計で5〜30の、炭素原子及び/又はO、S、及びNから選択されるヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロアリール基;あるいは、供与又は受容作用をもつ基である。
好ましくは、R1、R2、R3、R4、R6、及びR7は、それぞれ独立に、水素、重水素、1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の、置換又は非置換のアルキル基;合計で3〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;6〜12の炭素原子を有する非置換のアリール基、6〜18の炭素原子を有する一置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する二置換アリール基;合計で5〜16の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する非置換ヘテロアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する一置換ヘテロアリール基、合計で5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する二置換ヘテロアリール基;より好ましくは、アリール基又はヘテロアリール基は、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フルオレニル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、前記の基は非置換であるか、あるいは、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、フェニル、又はCF3で置換されていることができる;OPh、ハロゲン基、好ましくはF又はCl、より好ましくはF;CF3、CN;又はSiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、又はSiPh2tBuから選択される供与又は受容作用をもつ基、であり;
または、
R1及びR2、R3及びR4、並びに/あるいはR6及びR7は、互いに独立に、それらが結合している炭素原子と一緒に、任意選択により置換されていてもよい飽和又は不飽和又は芳香族の環を形成していてもよく、これは、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択によって中断されていてもよく、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有し、少なくとも1つの、さらに任意選択により置換されていてもよい飽和又は不飽和又は芳香族の環(これは任意選択によりO、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよく、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する)に縮合されていてもよい。

0057

さらに好ましくは、R1、R2、R3、R4、R6、及びR7はそれぞれ独立に、水素;重水素;メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、OCH3、OCF3;フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニル(前記の基は非置換であるか、又は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、メトキシ、CF3、又はフェニル;F、CF3、CN、及びSiPh3から選択される供与又は受容作用をもつ基で置換されていてもよい)、であり;最も好ましくは、R1、R2、R3、R4、R6、及びR7はそれぞれ独立に、水素;重水素;メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル;フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル(前記の基は非置換であるか、又は、メチル、エチル、iso-プロピル、tert-ブチル、iso-ブチル、又はメトキシ;CF3又はCNで置換されていてもよい)、である。

0058

R10、R11、R12は
それぞれ独立に、1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基であり、好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、又はiso-ブチル;6〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、好ましくは、フェニル又はトリル;合計で5〜15の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロアリール基;合計で3〜7の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基、好ましくは、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。

0059

R5は、
1〜20の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の、置換又は非置換のアルキル基(これは任意選択により、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよい);合計で3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で中断され、かつ合計で3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;合計で6〜30の炭素原子を有する、置換又は非置換のアリール基;合計で5〜30の炭素原子及び/又はO、S、及びNから選択されるヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロアリール基;あるいは、供与又は受容作用をもつ基、であり;
好ましくは、R5は、1〜6の炭素原子を有する、直鎖状又は分枝状の、置換又は非置換のアルキル基;合計で3〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;6〜12の炭素原子を有する非置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する一置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する二置換アリール基;合計で5〜16の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する非置換ヘテロアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する一置換ヘテロアリール基、合計で5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する二置換ヘテロアリール基;より好ましくは、アリール基又はヘテロアリール基は、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルから選択され、前記の基は、非置換であるか、あるいは、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、フェニル、CF3、又はCNで置換されていてもよい;CF3、CN;SiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、又はSiPh2tBuから選択される供与又は受容作用をもつ基、である。

0060

より好ましくは、R5は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、OCH3、OCF3;フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル(前記の基は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-ブチル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、メトキシ、又はフェニルによって置換、好ましくは一置換されていてもよく、あるいは非置換である);CF3及びCNから選択される供与又は受容作用をもつ基、であり;
最も好ましくは、R5は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル;フェニル、トリル、又はピリジルである。

0061

特に好ましいのは、式(I)の錯体であり、式中、
R1、R2、R3、R4、R6、及びR7は、
それぞれ独立に、水素;重水素;メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、OCH3、OCF3;フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニル(前記の基は非置換であるか、又は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、メトキシ、CF3、又はフェニルで置換されていてもよい);F、CF3、CN、及びSiPh3から選択される供与又は受容作用をもつ基、であり;かつ
R5は、
メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、OCH3、OCF3;フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル(前記の基は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、メトキシ、又はフェニルで置換、好ましくは一置換されているか、非置換であってよい);CF3及びCNから選択される供与又は受容作用をもつ基、である。

0062

なおさらに好ましいのは、式(I)の錯体であり、式中、
R1、R2、R3、R4、R6、及びR7は、
それぞれ独立に、水素;重水素;メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル;フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル(前記の基は非置換であるか、又は、メチル、エチル、iso-プロピル、tert-ブチル、iso-ブチル、又はメトキシで置換されていてもよい);CF3、又はCN、であり;かつ
R5は、
メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル;フェニル、トリル、又はピリジルである。

0063

Xは、CH、CD、又はN;好ましくは、CH又はNであり、
Yは、CR8又はN、好ましくは、CH又はNである。

0064

好ましくは、X及びYはそれぞれ独立に、CH、CD、又はN、好ましくは、CH又はNである。

0065

本発明の一つの好ましい態様では、
XはNであり、かつ
YはCR8、好ましくはCHである。

0066

本発明のさらなる好ましい態様では、
XはNであり、かつ
YはNである。

0067

本発明のさらなる好ましい態様では、
XはCH又はCD、好ましくはCHであり、かつ
YはCR8、好ましくはCHである。

0068

本発明のさらなる態様では、
XはCH又はCD、好ましくはCHであり、かつ
YはNである。

0069

R8は、
水素;重水素;1〜20の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の、置換又は非置換のアルキル基(これは任意選択により、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよい);合計で3〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で中断され、かつ合計で3〜30の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;合計で6〜30の炭素原子を有する、置換又は非置換のアリール基;合計で5〜30の炭素原子及び/又はO、S、及びNから選択されるヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロアリール基;あるいは、供与又は受容作用をもつ基、であり;
好ましくは、R8は、水素、重水素、1〜6の炭素原子を有する、直鎖状又は分枝状の、置換又は非置換のアルキル基;合計で3〜12の炭素原子を有する置換又は非置換のシクロアルキル基;6〜12の炭素原子を有する非置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する一置換アリール基、6〜18の炭素原子を有する二置換アリール基;合計で5〜16の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する非置換ヘテロアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する一置換ヘテロアリール基、合計で5〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する二置換ヘテロアリール基;より好ましくは、アリール基又はヘテロアリール基は、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フルオレニル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルであり、前記の基は、非置換であるか、あるいは、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、フェニル、CF3、又はCNで置換されていてもよい;ハロゲン基、好ましくはF又はCl、より好ましくはF;CF3、CN;又はSiR10R11R12、好ましくはSiMe3、SiPh3、SiEt3、又はSiPh2tBuから選択される供与又は受容作用をもつ基、である。

0070

式(I)のシクロメタル化Ir錯体中のカルベン配位子は、モノアニオン性二座配位子である。

0071

好ましくは、一般式(I)のシクロメタル化Ir錯体中の3つのカルベン配位子は同じである。

0072

本発明の好ましい態様では、一般式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、メリジオナル(mer)錯体である。

0073

式(I)の好ましいシクロメタル化Ir錯体は、式(I)の化合物であり、式中、R1、R2、R3、R4、R6、R5、R7、X、及びYの基は、以下の意味を有する。

0074

0075

0076

0077

0078

0079

0080

0081

0082

0083

0084

0085

特に好ましい本発明の式(I)のシクロメタル化Ir錯体は以下の錯体である。

0086

0087

0088

0089

0090

0091

0092

式(I)の最も好ましい本発明のシクロメタル化Ir錯体は以下の錯体である。

0093

0094

0095

0096

本発明は、Irを含む適切な化合物を、適した配位子又は配位子前駆体と接触させることによって、式(I)の本発明のシクロメタル化Ir錯体を調製する方法にも関する。

0097

本発明による方法の一つの態様では、イリジウムを含む適切な化合物と、適したカルベン配位子、好ましくはフリーカルベンとして脱プロトン化された形態又は保護されたカルベンの形態(例えば、銀−カルベン錯体として)のカルベン配位子が接触させられる。

0098

本発明はしたがって、一つの態様においては、用いられる配位子前駆体が、対応するAg−カルベン錯体である、本発明による方法に関する。

0099

本発明による方法のさらなる好ましい態様では、用いられる配位子前駆体は、適切なIr含有化合物と反応される有機化合物である。揮発性物質、例えば低級アルコール、例えば、メタノール又はエタノールを、例えば昇温した温度にて及び/又は減圧下で及び/又は脱離したアルコール分子を結合するモレキュラーシーブスを用いることによって、カルベンの前駆体からカルベンが解放されることができる。対応する方法は、当業者に知られている。

0100

本発明はまた、用いる配位子前駆体が下記式(IV)の化合物である、本発明による方法に関する。



式中、A1、A2、A3、R3、R4、R6、R5、R7、X、及びYはそれぞれ、一般式(I)の化合物について既に上で規定したとおりであり、R13は以下で定義される:
R13は、独立に、SiR14R15R16、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、
R14、R15、R16は、それぞれ独立に、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルである。

0101

アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルの定義は、上で規定されている。

0102

特に好ましい態様においては、R13は、アルキル、特にC1〜C20-アルキル、好ましくはC1〜C10-アルキル、より好ましくはC1〜C8-アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、例えば、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、例えば、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、又はオクチルである。

0103

一般式(IV)の化合物中のR13は、最も好ましくはメチル又はエチルである。

0104

一般式(IV)の化合物は、一般に、当業者に公知の方法によって入手することができる。一般式(IV)の化合物は、例えば、下記一般式(Va):



の化合物又は下記式(Vb):



(式中、X−はCl−又はBF4−である)
の対応するCl又はBF4塩を、下記一般式(VI):



の化合物と反応させることによって、
あるいは、
第一のステップで一般式(Va)又は(Vb)の化合物をビルスマイヤー試薬((クロロメチレンジメチルアンモニウムクロライド)及びNaBF4、NaCl、NaBr、又はNaIと反応させて、下記式(Vc):



(式中、X−はBF4−、Cl−、Br−、又はI−である)
の化合物を得て、
第二のステップにおいてR13OH又はM″OR13
(M″はアルカリ金属塩、好ましくはNaである)
と反応させて得ることができ、
式中、A1、A2、A3、R3、R4、R6、R5、R7、X、及びR13は、それぞれ、一般式(IV)の化合物について又は式(I)のシクロメタル化Ir錯体について上で既に定義したとおりである。

0105

一般式(IV)の化合物のこの調製は、溶媒の存在下又は不存在下で達成することができる。適切な溶媒は下で特定される。一つの好ましい態様では、一般式(IV)の化合物は実質的に調製され、又は式(VI)の化合物が過剰に添加されて、それは溶媒として作用する。

0106

一般式(Va)、(Vb)、(Vc)、及び(VI)の化合物は市販されており、及び/又は当業者に公知の方法によって入手することができる。例えば、一般式(Va)、(Vb)、(Vc)の化合物は、適切なクロライドを適切なアミンと反応させることによって得られる。

0107

一般式(IV)の化合物は、一般に、10〜150℃、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは60〜110℃の温度で調製される。

0108

反応時間は一般に2〜48時間、好ましくは6〜24時間、より好ましくは8〜16時間である。

0109

反応が終了した後、所望の生成物は、当業者に公知の慣用法、例えば、ろ過、再結晶カラムクロマトグラフィーなどによって単離され且つ精製されることができる。

0110

適した化合物、特にイリジウムに錯化する化合物は、当業者に知られている。特に適切なイリジウムを含む化合物は、例えば、配位子、例えば、ハライド、好ましくはクロライド、1,5-シクロオクタジエンCOD)、シクロオクテン(COE)、ホスフィン類シアニド類、アルコキシド類、擬ハロゲン類、及び/又はアルキルを含む。

0111

イリジウムを含む特に好ましい錯体は、[Ir(COD)Cl]2、[Ir(COE)2Cl]2、IrCl3xH2O、Ir(acac)3、Ir(COD)2BF4、Ir(COD)2BARF(BARF=テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。

0112

カルベン配位子前駆体は、例えば、当業者に知られている塩基性化合物、例えば、塩基性メタレート、塩基性の金属アセテートアセチルアセトナート、又はアルコキシド、あるいは塩基、例えば、KOtBu、NaOtBu、LiOtBu、NaH、シリルアミド、Ag2O、及びホスファゼン塩基によって脱プロトン化、好ましくは上記反応前に脱プロトン化される。特に好ましいのは、Ag2Oでの脱プロトン化して、対応するAgカルベンを得ることであり、これがMを含む化合物と反応され、本発明の錯体が得られる。

0113

特に好ましくは、カルベンは、揮発性物質、例えば低級アルコールを除去することによってカルベン配位子の前駆体から放出されることができる。

0114

一般式(IV)の化合物を用いる、本発明による式(I)のシクロメタル化Ir錯体を調製するための本発明による方法は、一般式(IV)の化合物が安定な中間体であり、これは容易に取り扱うことができ、標準的な実験室条件下で単離することができるという利点を有する。さらに、一般式(IV)の化合物は、慣用されている有機溶媒溶けることができ、それによって均一な溶液中での式(I)の本発明のシクロメタル化Ir錯体の調製が可能であり、そのため、所望する生成物、すなわち、式(I)のシクロメタル化Ir錯体の仕上げ処理をより容易に行うことができ、それは例えば単離及び/又は精製についてである。

0115

上述した接触させることは、好ましくは、溶媒中で行われる。適切な溶媒は、それ自体、当業者に公知のものであり、好ましくは、芳香族又は脂肪族溶媒、例えば、ベンゼントルエンキシレン、又はメシチレン、環状又は非環状エーテル、例えば、ジオキサン又はTHF、アルコール類、エステル、アミド、ケトンニトリルハロゲン化化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましい溶媒は、トルエン、キシレン、メシチレン、及びジオキサンである。

0116

用いる金属-非カルベン錯体と、用いるカルベン配位子前駆体とのモル比は、一般に、1:10〜10:1、好ましくは1:1〜1:6、さらに好ましくは1:3〜1:5である。

0117

上述した接触させることは、一般に、20〜200℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは60〜150℃の温度で行われる。

0118

反応時間は、所望のカルベン錯体に左右され、一般に0.02〜50時間、好ましくは0.1〜24時間、さらに好ましくは1〜24時間である。

0119

反応後に得られる式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、任意選択により、当業者に公知の方法、例えば、洗浄結晶化、又はクロマトグラフィーによって、精製することができる。

0120

本発明による方法の具体的な利点は、本発明によるシクロメタル化Ir錯体のmer異性体のみ、あるいは主にmer異性体の形成である。これは、カルベン窒素原子の1つに結合したアリール残基(アリール部分)のうち1つの2位に置換基を有する非対称ジアリール置換カルベン配位子がシクロメタル化Ir錯体中に存在し、かつ式(IV)、(Va)、(Vb)、又は(Vc)の対応する化合物がそのシクロメタル化Ir錯体の調製に用いられるという事実によるものである。ジアリール置換カルベン配位子を有するmer異性体を主生成物として単離することが今や可能であることを、本発明の発明者は驚くべきことに発見した。

0121

本発明の方法においては、式(I)のシクロメタル化Ir錯体のfac異性体に対するmer異性体の質量比は、一般に、0%〜50%(fac)に対して100%〜50%、好ましくは0%〜40%(fac)に対して100%〜60%(mer)、より好ましくは0%〜25%(fac)に対して100%〜75%(mer)である。

0122

シクロメタル化Irカルベン錯体の熱力学的に好ましいfac異性体をmer異性体に変換して戻すことは一般に不可能であることが考慮されるべきである。

0123

本発明による方法のさらなる利点は、本発明によるシクロメタル化Ir錯体の唯一又は主に1つのシクロメタル化異性体の形成である。これは、カルベン窒素原子の1つに結合したアリール残基(アリール部分)のうち1つの2位に置換基を有する非対称ジアリール置換カルベン配位子がシクロメタル化Ir錯体中に存在し、かつ式(IV)、(Va)、(Vb)、又は(Vc)の対応する化合物がそのシクロメタル化Ir錯体の調製に用いられるという事実によるものである。ただ1つの又は主に1つのシクロメタル化異性体が存在するので、低収率に結び付く物質の損失を通常伴う異性体の分離が必要ない。

0124

さらなる態様では、本発明は、本発明による少なくとも1つのシクロメタル化Ir錯体を含む有機電子デバイスに関する。

0125

[有機電子デバイスの構造]
有機電子デバイスの適切な構造は当業者に公知である。好ましい有機電子デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学セル(LEEC)、有機光電池セル(OPV)、及び有機電界効果トランジスタ(OFET)から選択される。より好ましい有機電子デバイスはOLEDである。

0126

有機発光ダイオード(OLED)は、通常、発光性エレクトロルミネッセンス層が有機化合物のフィルムであり、これが電流に応答して発光する発光ダイオード(LED)である。有機半導体のこの層は、通常、2つの電極の間に配置される。一般に、これらの電極のうち少なくとも1つは透明である。式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、OLEDのいずれかの所望の層、好ましくは、OLEDの発光性エレクトロルミネッセンス層(発光層)中に発光体材料として存在しうる。

0127

発光電気化学セル(LEEC)は、通常、電流から光を作り出す(エレクトロルミネッセンス固体デバイスである。LEECは、通常、移動性イオンを含む有機半導体によって結合された(サンドイッチされた)2つの金属電極を含んでなる。移動性イオンを別にして、その構造は、有機発光ダイオード(OLED)の構造と非常に似ている。式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、発光体材料としていずれかの所望の層に存在することができる。

0128

有機電界効果トランジスタ(OFET)は、一般に、正孔輸送能力及び/又は電子輸送能力をもつ有機層から形成された半導体層導電層から形成されたゲート電極;及びその半導体層と導電層の間に導入された絶縁層を含む。トランジスタエレメントを作るために、ソース電極及びドレイン電極が、この配置の上に順に取り付けられる。さらに、当業者に公知のさらなる層が有機トランジスタ中に存在することができる。式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、任意の所望する層に存在することができる。

0129

有機光電池セル(OPV)(光電気変換エレメント)は、一般に、平行に配置された2枚の板状電極の間に存在する有機層を含む。その有機層は、くし形電極の上に配置することができる。有機層の位置に関して特に制限はなく、電極の材料に関して特に制限はない。しかし、平行に配置された板状電極を用いる場合、少なくとも1つの電極は、透明電極、例えば、ITO電極又はフッ素ドープ型酸スズ電極から形成されていることが好ましい。有機層は、通常、2つの副層サブレイヤ)、すなわち、p−型半導体特性あるいは正孔輸送能力をもつ層と、n−型半導体特性あるいは電子輸送能力をもつ層から形成される。さらに、当業者に公知のさらなる層が、有機太陽電池中に存在することができる。式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、OPVの任意の所望する層に、好ましくは吸収染料として存在することができる。

0130

有機電子デバイスは、最も好ましくは、OLED又はLEEC又はOPVであり、式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、OLED又はLEEC、好ましくはOLED中の発光層及び/又は正孔輸送層で、さらに好ましくは発光体材料として、あるいはOPV中の吸収染料として、好ましく用いられる。有機電子デバイスは最も好ましくはOLEDであり、式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、発光層及び/又は正孔輸送層において用いられる。なおさらに好ましくは、式(I)の金属-カルベン錯体は、発光体材料として用いられる。

0131

本発明は、したがって、好ましくは、OLEDである有機電子デバイスに関し、OLEDは、
(a)アノード
(b)カソード
(c)そのアノードとカソードの間の発光層、
(d)任意選択により場合によっては、発光層とアノードの間の正孔輸送層
を含み、式(I)のシクロメタル化Ir錯体が、OLEDの発光層、及び/又は、正孔輸送層が存在する場合には正孔輸送層中に存在する。

0132

本発明のOLEDの構造を以下に詳細に説明する。

0133

[発光体材料としての式(I)のシクロメタル化Ir錯体]
本発明によれば、式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、有機電子デバイス、好ましくはOLEDに用いられる。さらに好ましくは、式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、発光体材料として、好ましくはOLEDの発光層中の発光体材料として用いられる。適切なOLEDは当技術分野で公知であり、適切なOLEDの好ましい構造は上に、さらに詳細には下に記載されている。

0134

式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、好ましくは、リン光による発光を示すリン光発光体である。しかし、これは、リン光発光体がその上に蛍光による発光を示すことを排除しない。

0135

リン光発光体は、三重項励起状態からの、好ましくはOLEDの作動温度において、リン光発光を示す。一般的には、OLEDの作動温度は−40℃〜+90℃である。リン光に先だって三重項励起状態から中間の非三重項状態への遷移があり、そこから発光減衰が起こる。

0136

式(I)のシクロメタル化Ir錯体のルミネッセンス発光の発光減衰時間(強度が、初期の値の1/e=0.367879411倍に低下した)τ0は、好ましくは0.1〜20マイクロ秒、さらに好ましくは0.1〜10マイクロ秒、最も好ましくは0.1〜4マイクロ秒である。

0137

本発明のmer錯体は、対応するfac異性体と比べて非常に短い発光減衰時間によって特徴づけられる。mer錯体の発光減衰時間τ0は、多くの場合に、対応するfac錯体の発光減衰時間の半分の長さである。

0138

式(I)(式中、XがNであり;YがCR8、好ましくはCH、又はNである)の錯体の発光減衰時間は、特に好ましい態様では、0.1〜2マイクロ秒、なおさらに好ましくは0.1〜1.5マイクロ秒である。

0139

[さらなる発光体材料]
式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、唯一の発光体材料として単独で、又は1以上の式(I)のシクロメタル化Ir錯体及び/又は1つ以上のさらなる発光体材料との混合物中で、好ましくはOLEDの発光層において、用いることができる。適切なさらなる発光体材料は当業者に知られている。

0140

好適なさらなる発光体材料は例えば、金属錯体、特にRu、Rh、Ir、Pd、及びPt金属の錯体、特にIrの錯体に基づくリン光発光体化合物である。

0141

本発明の有機電子デバイスにおいて、好ましくはOLEDにおいて用いるために適した金属錯体は、例えば、以下の文献に記載されている:国際公開第02/60910A1号、米国特許出願公開第2001/0015432号明細書、米国特許出願公開第2001/0019782A1号明細書、米国特許出願公開第2002/0055014A1号明細書、米国特許出願公開第2002/0024293A1号明細書、米国特許出願公開第2002/0048689A1号明細書、欧州特許出願公開第1191612A2号公報、欧州特許出願公開第1191613A2号公報、欧州特許出願公開第1211257A2号公報、米国特許出願公開第2002/0094453A1号明細書、国際公開第02/02714A2号、国際公開第00/70655A2号、国際公開第01/41512A1号、国際公開第02/15645A1号、国際公開第2005/019373A2号、国際公開第2005/113704A2号、国際公開第2006/115301A1号、国際公開第2006/067074A1号、国際公開第2006/056418号、国際公開第2006/121811A1号、国際公開第2007/095118A2号、国際公開第2007/115970号、国際公開第2007/115981号、国際公開第2008/000727号、国際公開第2010/086089号、国際公開第2012/121936A2号、米国特許出願公開第2011/0057559号明細書、国際公開第2011/106344号、米国特許出願公開第2011/0233528号明細書、及び国際公開第2011/157339号、国際公開第2008/156879号、国際公開第2010/068876号、米国特許出願公開第2011/0233528号明細書、国際公開第2012/048266号、国際公開第2013/031662号、国際公開第2013/031794号。

0142

さらなる適した金属錯体は、市販されている金属錯体、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(III)、イリジウム(III) トリス(2-(4-トリル)ピリジナート-N,C2’)、ビス(2-フェニルピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、イリジウム(III) トリス(1-フェニルイソキノリン)、イリジウム(III) ビス(2,2’-ベンゾチエニル)(ピリジナート-N,C3’)(アセチルアセトナート)、トリス(2-フェニルキノリン)イリジウム(III)、イリジウム(III) ビス(2-(4,6-ジフルオロフェニル)ピリジナート-N,C2)ピコリナート、イリジウム(III) ビス(1-フェニルイソキノリン)(アセチルアセトナート)、ビス(2-フェニルキノリン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、イリジウム(III) ビス(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトナート)、イリジウム(III) ビス(2-メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトナート)、ビス[1-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)イソキノリン](アセチルアセトナート)イリジウム(III)、ビス(2-フェニルベンゾ-チアゾラート)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、ビス(2-(9,9-ジヘキシルフルオレニル)-1-ピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、ビス(2-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、である。

0143

好ましいさらなるリン光発光体はカルベン錯体である。適したリン光青色発光体であるカルベン錯体は以下の刊行物において特定されている:国際公開第2006/056418A2号、国際公開第2005/113704号、国際公開第2007/115970号、国際公開第2007/115981号、国際公開第2008/000727号、国際公開第2009/050281号、国際公開第2009/050290号、国際公開第2011/051404号、米国特許出願公開第2011/057559号明細書、国際公開第2011/073149号、国際公開第2012/121936A2号、米国特許出願公開第2012/0305894A1号、国際公開第2012/170571号、国際公開第2012/170461号、国際公開第2012/170463号、国際公開第2006/121811号、国際公開第2007/095118号、国際公開第2008/156879号、国際公開第2008/156879号、国際公開第2010/068876号、米国特許出願公開第2011/0057559号明細書、国際公開第2011/106344号、米国特許出願公開第2011/0233528号明細書、国際公開第2012/048266号、及び国際公開第2012/172482号。

0144

好ましくは、式(I)のシクロメタル化Ir錯体は単独で、唯一の発光体材料として、好ましくはOLEDの発光層において用いられる。

0145

[ホスト材料]
式(I)のシクロメタル化Ir錯体又は上で述べた発光体材料の混合物を用いること、好ましくはOLEDの発光層に用いることができ、それはさらなる追加成分なしに、あるいはその発光体材料に加えて1以上のさらなる成分とともに用いることができる。例えば、発光体材料の発光色を変えるために、蛍光染料がOLEDの発光層に存在してもよい。加えて、好ましい態様では、1以上のホスト(マトリクス)材料を用いることができる。このホスト材料はポリマー、例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)であることができる。ホスト材料は、しかし、さらに小分子、例えば、4,4′-N,N′-ジカルバゾールビフェニル(CDP=CBP)又は三級芳香族アミン類、例えばTCTAであることができる。

0146

ホスト材料として適しているのは、カルバゾール誘導体、例えば、4,4′-ビス(カルバゾール-9-イル)-2,2′-ジメチルビフェニル(CDBP)、4,4′-ビス(カルバゾール-9-イル)ビフェニル(CBP)、1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン(mCP)、及び以下の出願において特定されているホスト材料である:国際公開第2008/034758号、国際公開第2009/003919号。

0147

さらなる適切なホスト材料(これは小分子又は言及した小分子の(コ)ポリマーであることができる)は、以下の刊行物において特定されている:国際公開第2007/108459号(H−1〜H−37)、好ましくは、H−20〜H−22及びH−32〜H−37、最も好ましくはH−20、H−32、H−36、H−37、国際公開第2008/035571A1(ホスト1〜ホスト6)、特開2010−135467号公報(化合物1〜46及びホスト−1〜ホスト39及びホスト−43)、国際公開第2009/008100号の化合物No.1〜No.67、好ましくは、No.3、No.4、No.7〜No.12、No.55、No.59、No.63〜No.67、より好ましくはNo.4、No.8〜No.12、No.55、No.59、No.64、No.65、及びNo.67、国際公開第2009/008099の化合物No.1〜No.110、国際公開第2008/140114号の化合物1−1〜1−50、国際公開第2008/090912号の化合物OC−7〜OC−36及びMo−42〜M0−51のポリマー、特開2008/084913号公報のH−1〜H−70、国際公開第2007/077810号の化合物1〜44、好ましくは1、2、4〜6、8、19〜22、26、28〜30、32、36、39〜44、国際公開第2010/01830号のモノマー1−1〜1−9、好ましくは1−3、1−7、及び1−9のポリマー、国際公開第2008/029729号の化合物1−1〜1−36(そのポリマー)、国際公開第2010/0443342号のHS−1〜HS−101及びBH−1〜BH−17、好ましくはBH−1〜BH−17、特開2009−182298号公報のモノマー1〜75に基づく(コ)ポリマー、特開2009−170764号公報、特開2009−135183号公報のモノマー1〜14に基づく(コ)ポリマー、国際公開第2009/063757号の好ましくはモノマー1−1〜1−26に基づく(コ)ポリマー、国際公開第2008/146838号の化合物a−1〜a−43及び1−1〜1−46、特開2008−207520号公報のモノマー1−1〜1−26に基づく(コ)ポリマー、特開2008−066569号公報のモノマー1−1〜1−16に基づく(コ)ポリマー、国際公開第2008/029652号のモノマー1−1〜1−52に基づく(コ)ポリマー、国際公開第2007/114244号のモノマー1−1〜1−18に基づく(コ)ポリマー、特開2010−040830号公報の化合物HA−1〜HA−20、HB−1〜HB−16、HC−1〜HC−23、及びモノマーHD−1〜HD−12に基づく(コ)ポリマー、特開2009−021336号公報、国際公開第2010/090077号の化合物1〜55、国際公開第2010/079678号の化合物H1〜H42、国際公開第2010/067746号、国際公開第2010/044342号の化合物HS−1〜HS−101及びPoly−1〜Poly−4、特開2010−114180号公報の化合物PH−1〜PH−36、米国特許公開公報第2009/284138号明細書の化合物1〜111及びH1〜H71、国際公開第2008/072596号の化合物1〜45、特開2010−021336号公報の化合物H−1〜H−38、好ましくはH−1、国際公開第2010/004877号の化合物H−1〜H−60、特開2009−267255号公報の化合物1−1〜1−105、国際公開第2009/104488号の化合物1−1〜1−38、国際公開第2009/086028号、米国特許出願公開第2009/153034号明細書、米国特許出願公開第2009/134784号明細書、国際公開第2009/084413号の化合物2−1〜2−56、特開2009−114369号の化合物2−1〜2−40、特開2009−114370号公報の化合物1〜67、国際公開第2009/060742号の化合物2−1〜2−56、国際公開第2009/060757号の化合物1−1〜1−76、国際公開第2009/060780号の化合物1−1〜1−70、国際公開第2009/060779号の化合物1−1〜1−42、国際公開第2008/156105号の化合物1〜54、特開2009−059767号公報の化合物1〜20、特開2008−074939号公報の化合物1〜256、特開2008−021687号公報の化合物1〜50、国際公開第2007/119816号の化合物1〜37、国際公開第2010/087222号の化合物H−1〜H−31、国際公開第2010/095564号の化合物HOST−1〜HOST−61、国際公開第2007/108362号、国際公開第2009/003898号、国際公開第2009/003919号、国際公開第2010/040777号、米国特許出願公開第2007/224446号明細書、国際公開第06/128800号、国際公開第2012/014621号、国際公開第2012/105310号、国際公開第2012/130709号、欧州特許出願第12175635.7及び同12185230.5及び同12191408.9(特に欧州特許出願第12191408.9の第25〜29頁)、国際公開第2012/048266号、国際公開第2012/145173号、国際公開第2012/162325号、及び欧州特許出願公開第2551932号。

0148

特に好ましい態様では、以下に特定する一般式(IX)の1以上の化合物がホスト材料として用いられる。



式中、
X′は、NR、S、O、又はPRであり;
Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり;
A200は、−NR206R207、−P(O)R208R209、−PR210R211、−S(O)2R212、−S(O)R213、−SR214、又は−OR215であり;
R221、R222、及びR223は互いに独立に、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、ここで、R221、R222、あるいはR223の少なくとも1つは、アリール、又はヘテロアリールであり;
R204及びR205は互いに独立に、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、基A200、又は供与もしくは受容作用特性を有する基であり;
n2及びm1は互いに独立に、0、1、2、又は3であり;
R206、R207はその窒素原子とともに3〜10の環原子を有する環状基を形成し、これは非置換であることができ、あるいは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及び供与又は受容作用特性を有する基から選択される1以上の置換基で置換されていることができ;及び/又はそれは3〜10の環原子を有する1以上のさらなる環状基と縮合されていることができ、その縮合した基は非置換であることができ、あるいは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及び供与又は受容作用特性を有する基から選択される1以上の置換基で置換されていることができ;
R208、R209、R210、R211、R212、R213、R214、及びR215は、互いに独立に、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルである。

0149

式(IX)の化合物及びそれらの調製方法、例えば



は、国際公開第2010/079051A1号(特に、19〜26頁、並びに27〜34頁、35〜37頁、42〜43頁の表)に記載されている。

0150

ジベンゾフランに基づく追加のホスト材料は、例えば、米国特許出願公開第2009/066226号明細書、欧州特許第1885818B1号明細書、欧州特許出願公開第1970976号、欧州特許出願公開第1998388号、及び欧州特許出願公開第2034538号に記載されている。特に好ましいホスト材料の例を下に示す。

0151

0152

0153

0154

0155

上述した化合物において、TはO又はS、好ましくはOである。Tが分子内に1回より多く現れる場合には、全てのT基は同じ意味を有する。

0156

より好ましいホスト化合物を以下に示す。

0157

0158

0159

0160

並びに、国際公開第2012/048266号、国際公開第2012/145173号、国際公開第2012/162325号、及び欧州特許出願公開第2551932号に記載されているホスト材料。

0161

最も好ましいホスト材料を以下に示す。

0162

0163

0164

本発明は、したがって、本発明による有機電子デバイス、好ましくはOLEDに関し、そのデバイスにおいて式(I)の少なくとも1つのシクロメタル化Ir錯体が、少なくとも1つのホスト材料と組み合わされて用いられる。適切かつ好ましいホスト材料は上で述べた。

0165

より好ましくは、その少なくとも1つのホスト材料は、少なくとも1つのジベンゾフラニル単位及び/又は少なくとも1つのベンゾイミダゾ[1,2-a]ベンゾイミダゾリル単位及び/又は少なくとも1つのカルバゾリル及び/又は少なくとも1つのジベンゾチオフラニル単位を含む。少なくとも1つのジベンゾフラニル単位及び/又は少なくとも1つのベンゾイミダゾ[1,2-a]ベンゾイミダゾリル単位及び/又は少なくとも1つのカルバゾリル及び/又は少なくとも1つのジベンゾチオフラニル単位を含む適切なホスト材料及び好ましいホスト材料は上で説明されている。少なくとも1つのホスト材料と組み合わせて用いられる少なくとも1つの式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、好ましくは、OLEDの発光層において用いられる。

0166

好ましくは、発光層は、本発明による式(I)のシクロメタル化Ir錯体である少なくとも1つの発光体材料、及び少なくとも1つのホスト材料を含む。適切かつ好ましい発光体材料並びに適切かつ好ましいホスト材料は上で説明されている。

0167

最も好ましくは、有機電子デバイス、好ましくはOLEDは、発光体物質として、5〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、最も好ましくは5〜20質量%の少なくとも1つの式(I)のシクロメタル化Ir錯体と、60〜95質量%、好ましくは70〜95質量%、さらに好ましくは80〜95質量%の少なくとも1つのホスト材料又は少なくとも1つのホスト材料及び少なくとも1つの共ホスト材料(下で説明されている)(この量は、前記の少なくとも1つのホストの量、又は少なくとも1つのホスト及び少なくとも1つの共ホストの合計の量であり、少なくとも1つのホストと少なくとも1つの共ホストの比は下に示している)を含む発光層を含み、ここで、少なくとも1つの発光体材料と、少なくとも1つのホスト材料あるいは少なくとも1つのホスト材料及び少なくとも1つの共ホストの量は、合わせて合計100質量%になる。

0168

発光層は、第二のホスト化合物(共ホスト)を含んでいてもよい。第二のホスト化合物は1つの化合物であることができ、あるいは2以上の化合物の混合物であることができる。Irカルベン錯体、好ましくは下に記載されているIrカルベン錯体Ir(DPBIC)3、Ir(DPABIC)3、又はIr(DPABIC)2(DPBIC)を、第二のホストとして添加することができる。

0169

0170

上述したそれらのホスト類から選択される2つのホスト、又は上述したそれらのホスト類のうち1つと上述した1つの共ホストを伴う混合したマトリクス材料は、好ましくは5質量%〜15質量%の少なくとも1つ、好ましくは1つの共ホストと、60質量%〜90質量%の上述したホスト類から選択されるさらなるホストを含む。

0171

本発明のOLED中の発光層の層の厚さは、好ましくは1〜100nm、さらに好ましくは5〜60nmである。好ましいOLED構造は上で説明されており、より詳細には下で説明している。

0172

デバイス構造−OLED構造]
有機電子デバイスの適切な構造は当業者に公知である。好ましい有機電子デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学セル(LEEC)、有機光電池セル(OPV)、及び有機電界効果トランジスタ(OFET)から選択される。より好ましい有機電子デバイスはOLEDである。

0173

上記OLED、LEEC、OPV、及びOFETのデバイス構造は、一般論として上で説明されている。以下では、好ましいOLEDのデバイス構造(これは本発明による好ましい電子デバイスである)を説明する。

0174

上述したとおり、本発明は、好ましくは、OLEDである有機電子デバイスに関し、OLEDは、
(a)アノード、
(b)カソード、
(c)アノードとカソードの間の発光層、
(d)任意選択により場合によっては、発光層とアノードの間の正孔輸送層
を含み、式(I)のシクロメタル化Ir錯体が、OLEDの発光層及び/又はそれが存在する場合には正孔輸送層中に存在する。

0175

式(I)の好ましいシクロメタル化Ir錯体は前に述べたとおりである。

0176

本発明のOLED中の層の配列は、好ましくは以下のとおりである:
1.アノード(a)
2.正孔輸送層(d)
3.電子励起子阻止層(e)
4.発光層(c)
5.カソード(b)

0177

上述した構造とは異なる層配列も可能であり、当業者に公知である。例えば、OLEDは上述した全ての層を有してはいないことも可能である。例えば、(a)(アノード)、(c)(発光層)、及び(b)(カソード)並びに層(d)(正孔輸送層)又は層(e)(電子/正孔阻止層)をもつOLEDも同様に適している。

0178

OLEDは、発光層(c)のカソード側に隣接した正孔/励起子のための阻止層(f)及び/又は正孔/励起子のための阻止層(f)(それが存在する場合)のカソード側に隣接した電子輸送層(g)を追加で有してもよく、正孔/励起子のための阻止層(f)が存在しない場合には、発光層(c)のカソード側に隣接して電子輸送層(g)を有してもよい。

0179

本発明は、したがって、より好ましくは、以下の層配列を有する本発明のOLEDに関する。
1.アノード(a)
2.正孔輸送層(b)
3.電子/励起子阻止層(e)
4.発光層(c)
5.正孔/励起子のための阻止層(f)
6.電子輸送層(g)
7.カソード(b)

0180

さらなる態様においては、本発明のOLEDは、層(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、及び(g)に加えて、下で説明するさらなる層のうち少なくとも1つを含む。
−アノード(a)と正孔輸送層(d)の間の正孔注入層(h);
−電子輸送層(g)とカソード(b)の間の電子注入層(i)。

0181

上述した機能(電子/励起子阻止、正孔/励起子阻止、正孔注入正孔伝導、正孔注入、電子伝導)の複数が1つの層において組み合わされ、例えば、この層に存在する単一材料によって担われることもさらに可能である。

0182

さらに、上で規定したものの中のOLEDの個々の層は、次に、2以上の層から形成されていてもよい。例えば、正孔輸送層は、電極から正孔がそのなかへ注入される層、及び正孔注入層から発光層へ正孔を輸送する層から形成されていてもよい。電子輸送層は同様に複数の層、例えば、電極によって電子が注入される層、及びその電子注入層から電子を受け取ってそれを発光層に輸送する層からなっていてよい。説明したこれらの層は、それぞれ、エネルギーレベル熱耐性、及び電荷担体移動度、及びまた有機層又は金属電極によって特定される層のエネルギー差などの因子にしたがって選択される。当業者は、OLEDの構造を選択して、それを本発明にしたがって発光体材料として用いる有機化合物に対して最適に適合するようにすることができる。

0183

特に効率的なOLEDを得るためには、例えば、正孔輸送層のHOMO(最高被占分子軌道)はアノードの仕事関数に適合すべきであり、電子伝導層のLUMO(最低空軌道)はカソードの仕事関数に適合すべきである(但し、これら言及した層が本発明のOLEDに存在することを条件として)。

0184

正孔輸送材料(d)及び/又は電子/励起子阻止材料(e)]
本発明のOLEDにおける正孔輸送材料及び/又は電子/励起子阻止材料は、1、2、又は3つ、好ましくは3つの、式(III)及び/又は(III′)の二座配位子を含むIr金属-カルベン錯体であることができる。



式中、
R1″、R2″、及びR3″は、
それぞれ独立に、水素、重水素;任意選択により少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよく、任意選択により少なくとも1つの官能基を有していてもよく、合計で1〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;任意選択により少なくとも1つの官能基を有していてもよく、3〜20の炭素原子を有する、置換又は非置換のシクロアルキル基;少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されており、任意選択により場合によっては少なくとも1つの官能基を有し、合計で3〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;任意選択により少なくとも1つの官能基を有していてもよく、6〜30の炭素原子を有する、置換又は非置換のアリール基;少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されており、任意選択により少なくとも1つの官能基を有していてもよく、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロアリール基;供与又は受容作用をもつ基、であり、
好ましくは、R1″、R2″、及びR3″はそれぞれ独立に、水素、1〜6の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基、6〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロアリール基、ハロゲン基(好ましくは、F又はCl、さらに好ましくはF)、CF3、SiPh3、及びSiMe3からなる群から選択される供与又は受容作用をもつ基であり、
あるいは、R1″及びR2″、又はR2″及びR3″は、互いに独立に、それらが結合している炭素原子と一緒に、任意選択により場合によっては少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよく、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する任意選択により場合によっては置換されていてもよい飽和又は不飽和又は芳香族の環を形成し、これは任意選択により、場合によっては少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよくかつ合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、少なくとも1つの任意選択により置換されていてもよいさらなる飽和又は不飽和又は芳香族の環に縮合されていてもよく;
A1′′は、CR4′′又はN、好ましくはCR4′′であり;
A2′′は、CR5′′又はN、好ましくはCR5′′であり;
A3′′は、CR6′′又はN、好ましくはCR6′′であり;
A4′′は、CR7′′又はN、好ましくはCR7′′であり;
A1′′′は、CR4′′′又はN、好ましくはCR4′′′であり;
A2′′′は、CR5′′′又はN、好ましくはCR5′′′であり;
A3′′′は、CR6′′′又はN、好ましくはCR6′′′であり;
A4′′′は、CR7′′′又はN、好ましくはCR7′′′であり;
R4′′、R5′′、R6′′、R7′′、R4′′′、R5′′′、R6′′′、及びR7′′′は、
互いに独立に、水素、重水素;任意選択により少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよく、任意選択により少なくとも1つの官能基を有していてもよく、合計で1〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;任意選択により少なくとも1つの官能基を有していてもよく、3〜20の炭素原子を有する、置換又は非置換のシクロアルキル基;少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されており、任意選択により場合によっては少なくとも1つの官能基を有し、合計で3〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル基;任意選択により少なくとも1つの官能基を有していてもよく、6〜30の炭素原子を有する、置換又は非置換のアリール基;少なくとも1つのヘテロ原子によって中断され、任意選択により少なくとも1つの官能基を有していてもよく、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロアリール基;供与又は受容作用をもつ基、であり、好ましくは、R4′′、R5′′、R6′′、R7′′、R4′′′、R5′′′、R6′′′、及びR7′′′はそれぞれ独立に、水素、任意選択により少なくとも1つの官能基を有していてもよく、任意選択により少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよく、合計で1〜20の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;6〜30の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する置換又は非置換のヘテロアリール基;ハロゲン基(好ましくはF又はCl、さらに好ましくはF);CF3、CN、SiPh3、及びSiMe3から選択される供与又は受容作用をもつ基、であり;
あるいは、
R4′′及びR5′′、R5′′及びR6′′、又はR6′′及びR7′′、あるいはR4′′′及びR5′′′、R5′′′及びR6′′′、又はR6′′′及びR7′′′は、互いに独立に、それらが結合している炭素原子と一緒に、任意選択により場合によっては少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよく、合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する、任意選択により場合によっては置換されていてもよい飽和又は不飽和又は芳香族の環を形成し、この環は、任意選択により場合によっては少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてもよくかつ合計で5〜18の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有し、任意選択により置換されていてもよい少なくとも1つのさらなる飽和又は不飽和又は芳香族の環に縮合されていてもよい。

0185

本発明のOLEDにおいて正孔輸送材料及び/又は電子/励起子阻止材料として適する好ましいIr金属-カルベン錯体は、欧州特許出願番号第13162776.2において詳細に説明されている。

0186

OLEDが、正孔輸送層において又は電子/励起子阻止層において前に述べた材料とは異なる材料を含む場合には、適した材料は下で述べる。

0187

[正孔輸送層(d)]
本発明のOLEDの層(d)のためのさらなる適切な正孔輸送材料は、例えば、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 4th Edition, Vol. 18, 第837-860頁, 1996に開示されている。正孔輸送性分子又はポリマーを、正孔輸送材料として用いることができる。慣用される正孔輸送分子は、以下のものからなる群から選択される。



(4-フェニル-N-(4-フェニルフェニル)-N-[4-[4-(N-[4-(4-フェニルフェニル)フェニル]アニリノ)フェニル]フェニル]アニリン)、



(4-フェニル-N-(4-フェニルフェニル)-N-[4-[4-(4-フェニル-N-(4-フェニルフェニル)アニリノ)フェニル]フェニル]アニリン)、



(4-フェニル-N-[4-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)フェニル]-N-(4-フェニルフェニル)アニリン)、



1,1',3,3'-テトラフェニルスピロ[1,3,2-ベンゾジアザシロール-2,2'-3a,7a-ジヒドロ-1,3,2-ベンゾジアザシロール]、



(N2,N2,N2',N2',N7,N7,N7',N7'-オクタキス(p-トリル)-9,9'-スピロビ[フルオレン]-2,2',7,7'-テトラミン)、
4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(α-NPD)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(TPD)、1,1-ビス[(ジ-4-トリルアミン)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’-ビス(4-メチルフェニル)-N,N’-ビス(4-エチルフェニル)-[1,1’-(3,3’-ジメチル)ビフェニル]-4,4’-ジアミン(ETPD)、テトラキス(3-メチルフェニル)-N,N,N’,N’-2,5-フェニレンジアミン(PDA)、α-フェニル-4-N,N-ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p-(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4-(N,N-ジエチルアミノ)2-メチルフェニル](4-メチルフェニル)メタン(MPMP)、1-フェニル-3-[p-(ジエチルアミノ)スチリル]5-[p-(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPR又はDEASP)、1,2-trans-ビス(9H-カルバゾール9-イル)-シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(TTB)、フッ素化合物、例えば、2,2',7,7'-テトラ(N,N-ジ-トリル)アミノ9,9-スピロビフルオレン(スピロ-TTB)、N,N'-ビス(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ビス(フェニル)9,9-スピロビフルオレン(スピロ-NPB)、及び9,9-ビス(4-(N,N-ビス-ビフェニル-4-イル-アミノ)フェニル-9Hフルオレン、ベンジジン化合物、例えば、N,N’-ビス(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン、及びポルフィリン化合物、例えば、銅フタロシアニン類。さらに、ポリマー正孔注入材料を用いることができ、例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン類ポリピロールポリアニリン自己ドープ型ポリマー、例えば、スルホン化ポリ(チオフェン-3-[2[(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-2,5-ジイル)(Plextronics社から市販されているPlexcore(登録商標)OC導電性インク)、及びコポリマー、例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)、これはPEDOT/PSSともよばれる。

0188

上述した正孔輸送材料は市販されており、及び/又は当業者に公知の方法によって調製される。

0189

好ましい態様では、正孔輸送材料として特定の金属カルベン錯体を用いることができる。適切なカルベン錯体は、例えば、国際公開第2005/019373A2号、国際公開第2006/056418A2号、国際公開第2005/113704号、国際公開第2007/115970号、国際公開第2007/115981号、及び国際公開第2008/000727号に記載されたカルベン錯体である。適したカルベン錯体の1つの例は、下記式:



をもつIr(DPBIC)3である。Ir(DPBIC)3の調製は、例えば、国際公開第2005/019373A2号で述べられている。

0190

好したカルベン錯体の別の例は、Ir(DPABIC)3



である。

0191

Ir(DPABIC)3の調製は、例えば、国際公開第2012/172182号(錯体Em1;合成:例1)で述べられている。

0192

適したカルベン錯体の別の例は、Ir(DPABIC)2(DPBIC)



である。

0193

Ir(DPABIC)2(DPBIC)の調製は、例えば、国際公開第2012/172482号で述べられている((合成:例10)における錯体Em10)。

0194

正孔輸送層はまた、用いる材料の輸送特性を向上させるため、第一に層の厚さをより厚くするため(ピンホール短絡の回避)、及び第二にデバイスの作動電圧を最小にするために、電子的にドープされていてもよい。電子的ドーピングは、当業者に公知であり、例えば、W. Gao, A. Kahn, J. Appl. Phys., Vol. 94, No. 1, 1 July 2003 (p-ドープ型有機層);A. G. Werner, F. Li, K. Harada, M. Pfeiffer, T. Fritz, K. Leo, Appl. Phys. Lett., Vol. 82, No. 25, 23 June 2003、及びPfeifferら, Organic Electronics 2003, 4, 89-103、及びK. Walzer, B. Maennig, M. Pfeiffer, K. Leo, Chem. Soc. Rev. 2007, 107, 1233に開示されている。例えば、正孔輸送層において混合物、特に、正孔輸送層の電気的p型ドーピングをもたらす混合物を用いることができる。p型ドーピングは、酸化性材料の添加によって達成される。これらの混合物は、例えば、以下の混合物であってよい:上述した正孔輸送材料と、ドーピング材料としての少なくとも1つの金属酸化物、例えば、MoO2、MoO3、WOx、ReO3、及び/又はV2O5、好ましくはMoO3及び/又はReO3、より好ましくはMoO3との混合物、あるいは上述した正孔輸送材料と、7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)、2,5-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン、ビス(テトラ-n-ブチルアンモニウム)-テトラシアノ-ジフェノ-キノジメタン、2,5-ジメチル-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、11,11,12,12-テトラシアノナフト-2,6-キノジメタン、2-フルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン、2,5-ジフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン、ジシアノメチレン-1,3,4,5,7,8-ヘキサフルオロ-6H-ナフタレン-2-イリデン)マロノニトリル(F6-TNAP)、Mo(tfd)3(Kahnら, J. Am. Chem. Soc. 2009, 131 (35), 12530-12531による)、欧州特許出願公開第1988586号及び欧州特許出願公開第2180029号に記載されている化合物、及び欧州特許出願第09153776.1に述べられているキノン化合物から選択される1以上の化合物との混合物。

0195

好ましくは、正孔輸送層は、50〜90質量%の正孔輸送材料と、10〜50質量%のドーピング材料を含み、正孔輸送材料とドーピング材料の量の合計が100質量%である。

0196

[電子/励起子阻止層(e)]
阻止層は、励起子が発光層から外へ拡散することを阻止するために用いることもできる。

0197

電子/励起子阻止材料として用いるためのさらなる適切な金属錯体は、例えば、国際公開第2005/019373A2号、国際公開第2006/056418A2号、国際公開第2005/113704号、国際公開第2007/115970号、国際公開第2007/115981号、及び国際公開第2008/000727号に記載されているカルベン錯体である。ここでは引用した国際公開の開示に明確な参照を行い、これらの開示は本出願の内容に組み込まれていると考えられるべきである。適したカルベン錯体の1つの例は、下記式:



をもつIr(DPBIC)3である。

0198

適したカルベン錯体の別の例は、Ir(DPABIC)3



である。

0199

適したカルベン錯体の別の例は、Ir(DPABIC)2(DPBIC)



である。

0200

[アノード(a)]
アノードは、正電荷担体を供給する電極である。それは、例えば、金属、異なる金属の混合物、金属合金、金属酸化物、又は異なる金属酸化物の混合物を含む材料から構成されることができる。あるいは、アノードは、導電性ポリマーであることができる。適切な金属には、元素周期律表の11、4、5、及び6族の金属、及びまた8〜10族の遷移金属が含まれる。アノードが透明であるべき場合は、元素の周期律表の12、13、及び14族の混合金属酸化物が通常は用いられ、例えば、インジウムスズオキシド(ITO)である。アノード(a)が、有機材料、例えば、Nature, Vol. 357, 第477-479頁(1992年6月11日)に記載されているポリアニリンを含むことが同様に可能である。好ましいアノード材料には、導電性金属酸化物、例えば、インジウムスズオキシド(ITO)及びインジウム亜鉛オキシド(IZO)、アルミニウム亜鉛オキシド(AlZnO)、並びに金属が含まれる。アノード(及び基材)はボトムエミッションデバイスを作るために充分に透明であることができる。好ましい透明基材及びアノードの組み合わせは、市販されている、ガラス又はプラスチック基板)上に堆積されたITO(アノード)である。反射性アノードは、デバイスのトップから発せられる光の量を増大させるために、いくつかのトップ・エミッションデバイスのために好ましいものでありうる。生じた光を放出することを可能にするために、少なくともアノード又はカソードのいずれかは、少なくとも部分的に透明であるべきである。

0201

上で述べたアノード材料は市販されており、及び/又は当業者に公知の方法によって調製される。

0202

[カソード(b)]
カソード(b)は、電子あるいは負電荷担体を導入するために作用する電極である。カソードはアノードよりも低い仕事関数を有する任意の金属又は非金属でありうる。アノードのために適した材料は、元素の周期律表の1族のアルカリ金属、例えば、Li、Cs、2族のアルカリ土類金属、12族の金属、これには希土類金属ランタニド、及びアクチニドが含まれる、からなる群から選択される。さらに、金属、例えば、アルミニウム、インジウム、カルシウムバリウムサマリウム、及びマグネシウム、並びにそれらの組み合わせを用いることができる。

0203

上述したカソード材料は市販されており、及び/又は当業者に公知の方法によって調製される。

0204

[本発明のOLED中のさらなる層]

0205

[正孔/励起子のための阻止層(f)]
電子輸送材料として下で述べる材料のなかで、いくらかは、いくつもの機能を満たしうる。例えば、電子輸送材料のいくつかは、同時に、それらが低い位置にあるHOMOを有する場合には正孔阻止材料、あるいはそれらが十分に高い三重項エネルギーを有する場合には励起子阻止材料である。これらは、例えば、正孔/励起子のための阻止層(f)において用いることができる。しかし、正孔/励起子阻止体としての機能が、層(g)によっても同様に示されることが可能であり、層(f)は省略することができる。

0206

[電子輸送層(g)]
電子輸送層は、電子を輸送することができる材料を含むことができる。電子輸送層は、本来その性質を備えている(非ドーピング)か、ドーピングされていることができる。ドーピングは、導電性を高めるために用いることができる。本発明のOLEDの層(g)のための適した電子輸送材料は、オキシノイド化合物でキレートされた金属、例えば、トリス(8-ヒドロキシキノラート)アルミニウム(Alq3)、フェナントロリンに基づく化合物、例えば、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(DDPA=BCP)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、2,4,7,9-テトラフェニル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(DPA)、又は欧州特許出願公開第1786050号公報、同第1970371号公報、又は同第1097981号公報に開示されているフェナントロリン誘導体、及びアゾール化合物、例えば、2-(4-ビフェニルイル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(PBD)及び3-(4-ビフェニルイル)-4-フェニル-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(TAZ)、を含む。

0207

上述した電子輸送材料は市販されており及び/又は当業者によって公知の方法により調製される。

0208

電子輸送層において少なくとも2つの材料の混合物を用いることも同様に可能であり、その場合、少なくとも1つの材料は電子伝導性である。好ましくは、そのような混合電子輸送層においては、少なくとも1つのフェナントロリン化合物、好ましくはBCP、が用いられ、あるいは下の式(VIII)による少なくとも1つのピリジン化合物、好ましくは下の式(VIIIa)の化合物が用いられる。より好ましくは、混合電子輸送層においては、少なくとも1つのフェナントロリン化合物に加えて、アルカリ土類金属又はアルカリ金属のヒドロキシキノラート錯体、例えば、Liq(リチウム8-ヒドロキシキノラート)が用いられる。適したアルカリ土類金属又はアルカリ金属のヒドロキシキノラート錯体は、下で特定されている(式VII)。国際公開第2011/157779号が参照される。

0209

電子輸送層も、用いる材料の輸送特性を向上させるために電子的にドーピングされることができ、第一にその層の厚さをより厚くするため(ピンホール/短絡の回避)及び第二にデバイスの作動電圧を最小にするためである。電子的ドーピングは当業者に公知であり、かつ、例えば、W. Gao, A. Kahn, J. Appl. Phys., Vol. 94, No. 1, 1 July 2003 (p-ドープ有機層);A. G. Werner, F. Li, K. Harada, M. Pfeiffer, T. Fritz, K. Leo, Appl. Phys. Lett., Vol. 82, No. 25, 23 June 2003、及びPfeifferら, Organic Electronics 2003, 4, 89-103、及びK. Walzer, B. Maennig, M. Pfeiffer, K. Leo, Chem. Soc. Rev. 2007, 107, 1233に開示されている。例えば、電子輸送層の電気的n型ドーピングをもたらす混合物を用いることができる。n型ドーピングは、還元性物質の添加によって達成される。これらの混合物は、例えば、上述した電子輸送材料と、アルカリ/アルカリ土類金属又はアルカリ/アルカリ土類金属塩、例えば、Li、Cs、Ca、Sr、Cs2CO3との、アルカリ金属錯体、例えば、リチウム8−ヒドロキシキノラート(Liq)との、Y、Ce、Sm、Gd、Tb、Er、Tm、Yb、Li3N、Rb2CO3、フタル酸ジカリウム、欧州特許公開第1786050号によるW(hpp)4との、あるいは欧州特許第1837926B1号明細書に記載されている化合物との混合物であることができる。

0210

好ましい態様では、電子輸送層は、下記一般式(VII)の少なくとも1つの化合物を含む。



式中、
R32′及びR33′はそれぞれ独立に、F、C1〜C8-アルキル、又はC6〜C14-アリールであり、これは任意選択により1つ以上のC1〜C8-アルキル基で置換されていてもよく、あるいは、
2つのR32′及び/又はR33′置換基が一緒になって縮合ベンゼン環を形成し、これは任意選択により1つ以上のC1〜C8-アルキル基で置換されていてもよく;
a及びbは、それぞれ独立に0、1、2、又は3であり;
M1は、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子であり;
M1がアルカリ金属原子である場合にはpは1であり、M1がアルカリ土類金属原子である場合にはpは2である。

0211

式(VII)の非常に特に好ましい化合物は、



であり、これは単一化学種として存在してもよく、あるいは、別の形態、例えば、LigQg(gは整数であり、例えば、Li6Q6)で存在してもよい。Qは、8−ヒドロキシキノラート配位子又は8−ヒドロキシキノラート誘導体である。

0212

さらなる好ましい態様では、電子輸送層は、下記式(VIII)の少なくとも1つの化合物を含む。



式中、
R34′、R35′、R36′、R37′、R34″、R35″、R36″、及びR37″はそれぞれ独立に、水素、C1〜C18-アルキル、Eで置換されている及び/又はDで中断されているC1〜C18-アルキル、C6〜C24-アリール、Gで置換されているC6〜C24-アリール、C2〜C20-ヘテロアリール、又はGで置換されているC2〜C20-ヘテロアリールであり、
Qは、アリーレン又はヘテロアリーレン基であって、そのそれぞれは任意選択によりGで置換されていてもよく;
Dは、-CO-;-COO-;-S-;-SO-;-SO2-;-O-;-NR40′-;-SiR45′R46′-;-POR47′-;-CR38′=CR39′-;又は、-C≡C-であり;
Eは、-OR44′;-SR44′;-NR40′R41′;-COR43′;-COOR42′;-CONR40′R41′;-CN;又はFであり、
Gは、E、C1〜C18-アルキル、Dで中断されているC1〜C18-アルキル、C1〜C18-パーフルオロアルキル、C1〜C18-アルコキシ、あるいは、Eで置換されている及び/又はDで中断されているC1〜C18-アルコキシであり、
ここで、
R38′及びR39′は、それぞれ独立に、H、C6〜C18-アリール;C1〜C18-アルキル又はC1〜C18-アルコキシで置換されているC6〜C18-アリール;C1〜C18-アルキル;又は、-O-によって中断されているC1〜C18-アルキルであり;
R40′及びR41′は、それぞれ独立に、C6〜C18-アリール;C1〜C18-アルキル又はC1〜C18-アルコキシで置換されているC6〜C18-アリール;C1〜C18-アルキル;又は、-O-によって中断されているC1〜C18-アルキルであるか;あるいは、
R40′及びR41′は、一緒に6員環を形成しており;
R42′及びR43′は、それぞれ独立に、C6〜C18-アリール;C1〜C18-アルキル又はC1〜C18-アルコキシで置換されているC6〜C18-アリール;C1〜C18-アルキル;又は、-O-によって中断されているC1〜C18-アルキルであり;
R44′は、C6〜C18-アリール;C1〜C18-アルキル又はC1〜C18-アルコキシで置換されているC6〜C18-アリール;C1〜C18-アルキル;又は、-O-によって中断されているC1〜C18-アルキルであり;
R45′及びR46′は、それぞれ独立に、C1〜C18-アルキル、C6〜C18-アリール、又はC1〜C18-アルキルで置換されているC6〜C18-アリールであり;
R47′は、C1〜C18-アルキル、C6〜C18-アリール、又はC1〜C18-アルキルで置換されているC6〜C18-アリールである。

0213

式(VIII)の好ましい化合物は、以下の式(VIIIa)の化合物である。



式中、
Qは、



であり、
R48′は、H又はC1〜C18-アルキルであり、
R48″は、H、C1〜C18-アルキル、あるいは、



である。

0214

特に好ましいものは、下記式:



の化合物である。

0215

さらに、非常に特に好ましい態様では、電子輸送層は、式:



の化合物及び化合物ETM−1を含む。

0216

好ましい態様では、電子輸送層は、99〜1質量%、好ましくは75〜25質量%、さらに好ましくは約50質量%の量で式(VII)の化合物を含み、ここで式(VII)の化合物の量と式(VIII)の化合物の量は加えて100質量%の合計になる。

0217

式(VIII)の化合物の調製は、J. Kidoら., Chem. Commun. (2008) 5821-5823、J. Kidoら., Chem. Mater. 20 (2008) 5951-5953、及び特開2008−127326号公報に記載されており、あるいはこれらの化合物は前述した文献に開示された方法と類似する方法で調製することができる。

0218

同様に、アルカリ金属ヒドロキシキノラート錯体、好ましくはLiqと、ジベンゾフラン化合物との混合物を、電子輸送層において用いることもできる。国際公開第2011/157790号が参照される。国際公開第2011/157790号に記載されたジベンゾフラン化合物A−1〜A−36及びB−1〜B−22が好ましく、ジベンゾフラン化合物:



が最も好ましい。

0219

好ましい態様では、電子輸送層は、99〜1質量%、好ましくは75〜25質量%、さらに好ましくは約50質量%の量でLiqを含み、Liqの量とジベンゾフラン化合物(1又は複数)、特にETM−2の量は、合わせて合計で100質量%である。

0220

好ましい態様では、電子輸送層は少なくとも1つのフェナントロリン誘導体及び/又はピリジン誘導体を含む。

0221

さらなる好ましい態様では、電子輸送層は少なくとも1つのフェナントロリン誘導体及び/又はピリジン誘導体と、少なくとも1つのアルカリ金属ヒドロキシキノラート錯体を含む。

0222

さらなる好ましい態様では、電子輸送層は、国際公開第2011/157790号に記載されたジベンゾフラン化合物A−1〜A−36及びB−1〜B−22のうち少なくとも1つ、特にETM−2を含む。

0223

さらなる好ましい態様では、電子輸送層は、国際公開第2012/111462号、国際公開第2012/147397号公報、及び米国特許出願公開第2012/0261654号公報に記載された化合物、例えば、下記式:



の化合物、国際公開第2012/115034号に記載された化合物、例えば、下記式:



の化合物などを含む。

0224

[正孔注入層(h)]
一般に、注入層は、1つの層、例えば、電極又は電荷生成層から隣の有機層への電荷担体の注入を向上させることができる材料からなる。注入層はまた、電荷輸送機能も行うことができる。正孔注入層は、アノードから、隣接する有機層への正孔の注入を向上させる任意の層であることができる。正孔注入層は、溶液を用いて堆積された材料、例えばスピンコーティングされたポリマーを含むことができ、あるいは正孔注入層は、蒸着された小分子材料、例えば、CuPc又はMTDATAなどであることができる。ポリマー正孔注入材料、例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、自己ドーピング型ポリマー、例えば、スルホン化ポリ(チオフェン-3-[2-[(2-メトキシエトキシ)エトキシ]-2,5-ジイル])(Plextronics社から市販されているPlexcore(登録商標) OC導電性インク、例えば、Plexcore AJ20-1000)、及びコポリマー、例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(これはPEDOT/PSSともよばれる)を用いることができる。

0225

上で述べた正孔注入材料は市販されている及び/又は当業者に公知の方法によって調製される。

0226

[電子注入層(i)]
電子注入層は、隣接する有機層への電子の注入を向上させる任意の層であることができる。リチウム含有有機金属化合物、例えば、リチウム8-ヒドロキシキノリナート(Liq)、CsF、NaF、KF、Cs2CO3、又はLiFを、作動電圧を低くするために、電子輸送層(g)とカソード(b)の間に電子注入層(i)として適用することができる。

0227

上で述べた電子注入材料は市販されている及び/又は当業者に公知の方法によって調製される。

0228

一般に、本発明のOLED中の様々な層は、それが存在する場合には、以下の厚さを有する:
アノード(a):50〜500nm、好ましくは100〜200nm;
正孔注入層(h):5〜100nm、好ましくは20〜80nm;
正孔輸送層(d):5〜100nm、好ましくは10〜80nm;
電子/励起子阻止層(e):1〜50nm、好ましくは5〜10nm;
発光層(c):1〜100nm、好ましくは5〜60nm;
正孔/励起子阻止層(f):1〜50nm、好ましくは5〜10nm;
電子輸送層(g):5〜100nm、好ましくは20〜80nm;
電子注入層(i):1〜50nm、好ましくは2〜10nm;
カソード(b):20〜1000nm、好ましくは30〜500nm。

0229

当業者は、どのように適切な材料が選択されるべきか(例えば、電気化学的研究に基づいて)について知っている。個々の層のために適切な材料は当業者に公知であり、例えば、国際公開第00/70655号に開示されている。

0230

加えて、電荷担体輸送の効率を高めるために、本発明のOLEDに用いられる複数の層のうちいくつかが表面処理されていることができる。言及した層のそれぞれに対する材料の選択は、高い効率及び長い寿命をもつOLEDを得るということによって決定されることが好ましい。

0231

本発明の有機電子デバイス、好ましくはOLEDは、当業者に公知の方法によって製造できる。一般に、本発明のOLEDは、適切な基材の上に個々の層を順次蒸着させることによって製造される。適切な基材は、例えば、ガラス、無機半導体又はポリマーフィルムである。蒸着のためには、慣用技術、例えば、熱蒸発化学気相蒸着CVD)、物理気相蒸着(PVD)及びその他の方法を用いることができる。代替法においては、有機電子デバイス、好ましくはOLEDの有機層は、適切な溶媒中の溶液又は分散液から、当業者に公知のコーティング法を用いて、適用することができる。

0232

本発明のOLED中での正孔及び電子の再結合ゾーンのカソードに対する相対的な位置、したがって、OLEDの発光スペクトルは、その他の因子のなかでも、各層の相対的な厚さによる影響を受けうる。このことは、電子輸送層の厚さは、再結合ゾーンの位置がダイオード光共振特性、したがって発光体の発光波長に適合するように、好ましくは選択されるべきであることを意味する。OLED中の個々の層の厚さの比は、用いられる材料に左右される。用いられる追加の層の厚さは、当業者に公知である。電子伝導層及び/又は正孔伝導層は、それらが電子的にドーピングされた場合に規定される層厚さよりも大きな厚さを有することができる。

0233

さらなる態様では、本発明は、OLED中での本発明による式(I)のシクロメタル化Ir錯体の使用、好ましくは発光体材料としての使用に関する。式(I)の適切かつ好ましいシクロメタル化Ir錯体、及び適切かつ好ましいOLEDは上で述べられている。発光体材料は、OLEDの発光層中に存在する。

0234

OLED中での本発明による式(I)の少なくとも1つのシクロメタル化Ir錯体の使用、好ましくは発光体材料としての使用は、高効率及び/又は高発光効率及び/又は高い安定性及び特に長い寿命をもつOLEDを得ることを可能にする。

0235

有機電子デバイス、好ましくはOLEDは、エレクトロルミネッセンスが有用である全ての装置に用いることができる。適したデバイスは、好ましくは、固定型視覚表示装置、例えば、コンピュータテレビの視覚表示装置、プリンターキッチン設備広告パネル情報パネル及び照明のなかの視覚表示装置;移動型視覚表示装置、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップ、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、乗り物キーボード、及びバス及び列車行き先表示に組み込まれた視覚表示装置;照明装置;衣類に関する装置;ハンドバッグに組み込まれた装置、アクセサリーに組み込まれた装置、家具に組み込まれた装置、及び壁紙に組み込まれた装置からなる群から選択される。

0236

本発明は、したがって、さらに、固定型視覚表示装置、例えば、コンピュータ、テレビの視覚表示装置、プリンター、キッチン設備、広告パネル、情報パネル及び照明のなかの視覚表示装置;移動型視覚表示装置、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップ、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、乗り物、キーボード、及びバス及び列車の行き先表示に組み込まれた視覚表示装置;照明装置;衣類に関する装置;ハンドバッグに組み込まれた装置、アクセサリーに組み込まれた装置、家具に組み込まれた装置、及び壁紙に組み込まれた装置であって、本発明による少なくとも1つの有機電子デバイス、好ましくは少なくとも1つのOLEDを含むか、又は本発明による少なくとも1つの正孔輸送層もしくは少なくとも1つの電子/励起子阻止層を含むか、又は本発明による式(I)の少なくとも1つのシクロメタル化Ir錯体を含む装置からなる群から選択される装置に関する。

0237

さらなる態様では、式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、白色OLEDに用いることができる。

0238

OLEDは、少なくとも1つの第二の発光層をさらに含むことができる。そのOLEDの全体の発光は、その少なくとも2つの発光層の発光からなることができ、例えば、欧州特許出願第13160198.1号に記載されているように、白色光を含むことができる。

0239

さらに、式(I)のシクロメタル化Ir錯体は、逆構造(inverse structure)をもつOLEDに用いることができる。逆構造OLEDの構造及びそこで典型的に用いられる材料は、当業者に公知である。

0240

2つのOLEDを積み重ねること、又は3つ以上のOLEDを積み重ねることもできる(「積層デバイスという概念」)。これらのデバイスは、通常、透明な電荷生成中間層、例えば、インジウム錫オキシド(ITO)、V2O5、又は有機p−n接合を用いる。

0241

積層されたOLED(SOLED)は、通常、少なくとも2つの別個サブエレメント部分要素)を含む。

0242

各サブエレメントは、次の少なくとも3つの層を含む:電子輸送層、発光層、及び正孔輸送層。追加の層をサブユニットに追加することができる。各SOLEDのサブエレメントは、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子/励起子阻止層、発光層、正孔/励起子阻止層、電子輸送層、電子注入層、を含むことができる。各SOLEDのサブエレメントは、別のサブエレメントと同じ層構造又は異なる層構造を有することができる。

0243

適切なSOLED構造は、当業者に公知である。

0244

上述した有機電子デバイスが本発明の主題であるだけでなく、本出願において記載した式(I)の全てのシクロメタル化Ir錯体も主題である。

0245

さらなる態様では、本発明は、本願において記載した式(I)のシクロメタル化Irと、Irを含む適切な化合物を、適切な配位子又は配位子前駆体と接触させることによって本発明の金属-カルベン錯体を調製するための方法に関する。適切な方法は上に記載されている。

0246

本発明は、さらに、有機電子デバイスにおける、好ましくはOLEDにおける、さらに好ましくはOLEDにおける発光体材料としての、本願において記載した式(I)の本発明のシクロメタル化Ir錯体の使用に関する。適切な有機電子デバイス及び適切なOLEDは上に記載されている。

0247

以下の実施例は、説明を目的とするためだけに含められており、請求項の範囲を限定するものではない。

0248

以下の実施例、より具体的には、実施例で詳細に説明する方法、材料、条件、工程パラメータ、装置などは、本発明を裏付けることを意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。

0249

全ての試験は、保護用ガス雰囲気中で行った。

0250

下において実施例中で述べるパーセント百分率)及び割合は、別段の規定がない限り、質量%及び質量比である。

0251

A 本発明のIr錯体の合成
1錯体1の合成

0252

1.1中間体1

0253

1-フェニルアミノ-2-クロロピラジン(その合成は未刊行の欧州特許出願第13178675.8に記載されている)(11.8 g, 57.4 mmol)を無水THF(300 mL)に溶かす。o-トルイジン(7.39 g, 68.9 mmol)、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2,4,6-トリイソプロピル-1,1-ビフェニル(BrettPhos)(0.31 g, 0.57 mmol)、及びクロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2′,4′,6′-トリ-i-プロピル-1,1′-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(0.47 g, 0.57 mmol)を添加する。この溶液に、炭酸セシウム(22.7 g, 68.9 mmol)を添加する。その懸濁液を80℃で24時間撹拌する。室温に冷やした後、懸濁液をろ過する。濾液を減圧下で減らして、残留物を200 mLの熱いアセトニトリルに溶かす。その熱い溶液を20℃に冷やし、200 mLのn-ペンタンを添加する。次に、その混合物を-15℃に冷やす。この温度で5分間撹拌した後、沈殿物濾別し、冷たいn-ペンタンで洗う。その固体を減圧下で30℃にて乾燥させて、11.0 gの所望の生成物を得る。アセトニトリル/n-ペンタン濾液を蒸発させ、残留物を100 mLの熱いアセトニトリルに溶かす。この熱い溶液を20℃に冷やし、100 mLのn-ペンタンを添加する。次に、その混合物を-15℃に冷やす。この温度において5分間撹拌後、沈殿物を濾別し、冷たいn-ペンタンで洗い、2.80 gの所望する生成物を得る。集めた固体は87%の収率で13.8 gの所望の生成物を与える。1H-NMR(CD2Cl2):δ= 2.17 (s, 3H), 6.03 (s, 1H), 6.32 (s, 1H), 6.99-7.07 (m, 2H), 7.17 (t, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.31 (d, 4H), 7.35 (d, 1H), 7.74 (d, 2H)。

0254

1.2中間体2

0255

中間体1(1.52 g, 5.50 mmol)を27.5 mLのメタノール中の塩酸(c = 1 mol/L)に溶かす。反応物を室温で夜通し撹拌する。得られた懸濁液を0〜5℃に冷やし、次にそれをろ過し、最初に濾液で洗い、次に石油エーテルで洗う。その固体を60℃で減圧下にて乾燥させ、1.49 gの所望する生成物を得る(87%収率)。1H-NMR(CD2Cl2):δ= 2.25 (s, 3H), 7.08 (t, 1H), 7.25-7.32 (m, 3H), 7.35-7.39 (m, 4H), 7.52 (s, 1H), 7.87 (d, 2H), 9.9 (br. s, 1H), 10.3 (br. s, 1H)。

0256

1.3中間体3

0257

中間体2(1.33 g, 4.26 mol)及びモレキュラーシーブス(5Å及び3Å, それぞれ3 g)をフラスコに入れる。次に28 mLのオルトギ酸トリメチルを添加する。その混合物をアルゴンパージし、次に1.5時間加熱して還流させる。室温に冷やした後、その混合物を減圧下で蒸発させる。次に、残留物をジクロロメタンに溶かし、再び蒸発させる(3回)。残留物を次のステップで直接用いる。1H-NMR(CD2Cl2):δ= 2.27 (s, 3H), 3.20 (s, 3H), 7.13 (s, 1H), 7.18 (t, 1H), 7.30-7.40 (m, 5H), 7.41-7.47 (m, 3H), 8.03 (d, 2H)。

0258

1.4錯体1(fac及びmer)

0259

中間体3(1.36 g, 4.26 mmol)を40 mLの無水o-キシレンにアルゴン下で溶かす。次にジ-μ-クロロビス[(シクロオクタ-1,5-ジエン)イリジウム(I)](0.29 g, 0.43 mmol)をその溶液に添加する。その溶液をアルゴン流脱ガスした後、反応物を夜通し140℃に加熱した。その反応混合物の溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製する。1つの画分は140 mgのfac異性体(15%)をもたらす。別の画分から得られる固体をアセトン/アセトニトリルの溶液中で撹拌し、アセトンの添加によって沈殿させ、295 mgのmer異性体を得る(33%)。
fac異性体:1H-NMR(CD2Cl2):δ= 0.68 (s, 9H), 6.49-6.55 (m, 6H), 6.66 (t, 3H), 6.77 (t, 3H), 6.87 (d, 3H), 7.05 (t, 3H), 7.84 (d, 3H), 8.07 (d, 3H), 8.24 (d, 3H), 8.44 (d, 3H)。
フォトルミネッセンスPMMA中2%フィルム):λmax = 475 nm;τ0 = 3.0μs;PLQY = 93%。
mer異性体:MALDI-MS:m/z = 1047.228。
フォトルミネッセンス(PMMA中2%フィルム):λmax = 521 nm;τ0= 1.2μs; PLQY = 75%。

0260

2錯体2(mer錯体)の合成

0261

2.1中間体1

0262

5,6-ジクロロピリジン-3-カルボン酸(33 g, 0.17 mol)を310 mLのTHFに溶かす。この溶液に、塩化チオニル(26.2 mL, 0.22 mol)を添加する。次に、0.17 mLのDMFを添加する。その反応混合物を2.5時間50℃で撹拌する。室温に冷やした後、反応混合物を390 mLの濃アンモニア溶液(25%)及び500 mLの水に注ぐ。その混合物を0℃に冷やし、夜通し室温へと撹拌する。THFを減圧下で減らし、その水溶液酢酸エチルで抽出する。有機層を水で洗い、次いで水酸化ナトリウム溶液(10%)で洗う。無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、溶媒を減らす。残留物を減圧下で乾燥させて、95%収率で30.9 gの所望する生成物を得る。1H-NMR(DMSO):δ = 7.83 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.81 (s, 1H)。

0263

2.2中間体2

0264

中間体1(8.4 g, 44 mmol)を76 mLの塩化チオニル中に懸濁させる。その反応混合物を72時間、還流下で撹拌する。溶媒を減圧下で減らし、残留物をクロロホルム中に溶かす。有機層を水で洗い、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を減圧下で減らした後、固体を最初にカラムクロマトグラフィーによって精製し(逆相溶出液:アセトニトリル/ジクロロメタン)、次に酢酸エチル中で結晶化させて、78%の収率で表題生成物を得る(5.95 g)。1H-NMR(CDCl3):δ = 8.05 (s, 1H), 8.60 (s, 1H)。

0265

2.3中間体3

0266

中間体2(10.0 g, 58 mmol)、4-tert-ブチルフェニルアミン(9.5 g, 64 mmol)及び30 mLのジイソプロピルエチルアミンを、アルゴン雰囲気下で200 mLのジメチルアセトアミドに懸濁させる。その懸濁液を120℃に加熱し、夜通し撹拌する。室温に冷やした後、残った液体を除去し、残留物を塩化メチレンに溶かす。有機相を塩酸(5%)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、最後に水で順次洗う。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。残った溶液をシリカ上でろ過し、次に溶媒を除去し、固体を40℃で減圧下にて乾燥させる。黄色の生成物を酢酸エチル中で結晶化させて、表題化合物白色粉末(15.5 g)として93%の収率で得る。1H-NMR(400MHz, CDCl3):δ = 1.33 (s, 9H), 7.28 (br. s, 1H), 7.41 (d, 2H), 7.50 (d, 2H), 7.75 (d, 1H), 8.38 (d, 1H)。

0267

2.4中間体4

0268

中間体3(13.2 g, 46.2 mmol)を150 mLのTHF中に懸濁させる。次に8.94 g(64.7 mmol)の炭酸カリウム、248 mg(1.16 mmol)の2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2,4,6-トリイソプロピル-1,1-ビフェニル、369 mg(1.16 mmol)のクロロ-[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2,4,6-トリイソプロピル-1,1-ビフェニル]-[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II) 及び4.95 g(46.2 mmol)のo-トルイジンを、アルゴン雰囲気下で添加する。その混合物を48時間、66℃で撹拌する。室温に冷やした後、反応物を500 mLの塩化メチレンで希釈する。有機相を水で洗い、次に無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を除去する。残留物を塩化メチレンに溶かし、シリカ上でろ過する。溶媒を除去した後、褐色オイルをカラムクロマトグラフィー(シリカ,シクロヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、所望する生成物を46%収率(7.52 g)で得る。1H-NMR(400MHz, CDCl3):δ= 1.31 (s, 9H), 2.27 (s, 3H), 5.00 (s, 1H), 6.67 (d, 1H), 6.98 (t, 1H), 7.14 (t, 1H), 7.23 (d, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.36 (d, 2H), 7.43 (d, 2H), 8.29 (d, 1H)。

0269

2.5中間体5

0270

中間体4(3.15 g, 8.84 mmol)をアルゴン雰囲気下で107 mLのアセトニトリルに溶かす。その混合物をアルゴンで5分間脱ガスし、次に0℃に冷やす。(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロリド(3.4 g, 26.5 mmol)を添加する。その混合物を0〜15℃で24時間撹拌する。次に、3.98 g(26.5 mmol)のヨウ化ナトリウムを0℃でその反応に添加する。その混合物を0〜12℃で夜通し撹拌する。その懸濁液を濾過し、残留物を冷たいアセトニトリルで洗う。濾液を蒸発させ、アセトニトリルに溶かす。この溶液を石油エーテルで洗う。アセトニトリル相を再度蒸発させて、油状残留物を得る。このオイルを、メチルtert-ブチルエーテル及び塩化メチレン(3:1)の混合物と混ぜる。黄色の沈殿物が出てくる。その懸濁液を夜通し撹拌し、次に濾過し、メチルtert-ブチルエーテルと塩化メチレン(3:2)の混合物で洗う。残留物を減圧下にて40℃で乾燥させて、5.69 gの所望の生成物を得る。1H-NMR(400MHz, CD2Cl2):δ=1.42 (s, 9H), 2.33 (s, 3H), 7.54-7.59 (m, 2H), 7.68 (t, 1H), 7.75 (d, 2H), 8.13 (d, 1H), 8.20 (t, 3H), 8.40 (s, 1H), 9.09 (s, 1H), 10.91 (s, 1H)。

0271

2.6中間体6

0272

中間体5(2.8 g, 6.0 mmol)をアルゴン雰囲気下で60 mLのメタノールに溶かす。その混合物を0℃に冷やす。ナトリウムメタノレート(325 mg, 6.0 mmol)をその溶液に添加する。その混合物を0℃から室温まで、夜通し撹拌する。得られる懸濁液を濾過し、冷たいメタノールで洗う。残留物を減圧下、40℃で乾燥させる。所望する生成物を、55%の収率で固体として得る(1.04 g)。1H-NMR(400MHz, CD2Cl2):δ=1.35 (s, 9H), 2.25 (s, 3H), 3.19 (s, 3H), 6.42 (s, 1H), 7.08 (s, 1H), 7.33-7.41 (m, 4H), 7.48 (d, 2H), 7.84 (d, 2H), 7.93 (d, 1H)。

0273

2.7錯体2(mer錯体)

0274

中間体6(0.97 g, 2.43 mmol)を、58 mLのo-キシレン及び163 mg(0.243 mmol)のジ-μ-クロロビス[(シクロオクタ-1,5-ジエン)イリジウム(I)]の混合物に添加する。その混合物をアルゴンで5分間脱ガスした後、反応物を140℃まで夜通し加熱する。室温まで冷やした後、反応混合物を濾過し、残留物をo-キシレンで洗う。濾液を減圧下で蒸発させ、得られる残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ,シクロヘキサン/酢酸エチル)で精製して、863 mgの所望する生成物を得る。その固体を夜通しアセトン/アセトニトリル(1:1;8 mL)の溶液中で撹拌し、ろ過し、きれいなアセトン/アセトニトリル混合物(1:1)で洗って、495 mgの所望する生成物を得る(79%)。MALDI-MS:m/z = 1289.501。
フォトルミネッセンス(PMMA中2%のフィルム):λmax = 512 nm;τ0 = 0.9μs;PLQY = 80%。

0275

3錯体3;mer錯体の合成

0276

3.1中間体1

0277

40.0 g(0.19 mol)の5-(トリフルオロメチル)-2,3-ジクロロピリジン、19.0 g(0.20 mol)のアニリン、及び91.8 g(0.71 mol)のジイソプロピルエチルアミンを、200 mLのDMAに溶かす。その混合物をアルゴンで10分間パージし、次に110℃に夜通し加熱する。橙色の溶液を減圧下で蒸発させ、残留物を、減圧中、80℃で1.5時間乾燥させる。残留物を、250 mLのトルエン及び活性炭の中で加熱する。濾過及び溶媒を蒸発させた後、残留物を再びトルエンに溶かし、シリカ上で濾過する。濾液を再び減圧下で蒸発させ、次にジクロロメタンに溶かし、ろ過する。その黄色の溶液を濃縮し、乾燥して、13.1 gの所望する生成物を26%の収率で得る。1H-NMR(400MHz, CD2Cl2):δ=7.13 (t, 1H), 7.29 (br. s, 1H), 7.36 (t, 2H), 7.64 (d, 2H), 7.80 (d, 1H), 8.36 (d, 1H)。

0278

3.2中間体2

0279

8.80 g(63.7 mmol)の炭酸カリウム、5.45 g(50.9 mmol)のo-トルイジン、0.61 g(1.14 mmol)の2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2,4,6-トリイソプロピル-1,1-ビフェニル、及び0.91 g(1.14 mmol)のクロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2′,4′,6′-トリ-i-プロピル-1,1′-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)を、500 mLのTHF中の中間体1(13.0 g, 47.7 mmol)の溶液に添加する。その反応混合物をアルゴンで脱ガスし、次に夜通し加熱して還流させる。室温に冷やした後、その懸濁液を濾過し、ジクロロメタンで洗う。濾液を濃縮する。残留物をトルエンに溶かし、7 cmのシリカカラムの上で濾過して、13.7 gの生成物を83%の収率で得る。1H-NMR(400MHz, CD2Cl2):δ= 2.29 (s, 3H), 5.10 (s, 1H), 6.64-6.69 (m, 1H), 6.91-7.42 (m, 8H), 7.54-7.59 (m, 2H), 8.29 (s, 1H)。

0280

3.3中間体3

0281

中間体2(13.7 g, 39.8 mmol)を50 mLのトルエンに懸濁させる。この混合物に、20 mLの塩酸(32%ig)を添加する。10分後、その懸濁液を50 mLのトルエンで希釈し、反応物を夜通し室温で撹拌する。懸濁液を濾過し、トルエンで洗う。残留物を50℃にて減圧下で乾燥させて、12.4 gの所望する生成物を82%収率で得る。1H-NMR(400MHz,DMSO):δ= 2.19 (s, 3H), 6.81 (s, 1H), 6.99-7.09 (m, 3H), 7.21 (t, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.35 (t, 2H), 7.75 (d, 2H), 8.00 (s, 1H), 9.02 (br. s, 1H)。

0282

3.4中間体4

0283

中間体3(12.0 g, 31.6 mmol)を120 mLのオルトギ酸トリメチルに懸濁させる。その懸濁液をアルゴンで脱ガスし、次に120℃に夜通し加熱する。橙色の溶液を減圧下で濃縮して、12.2 gの褐色オイルを得て、これをさらに精製することなく用いる。1H-NMR(400MHz,DMSO):δ= 2.26 (s, 3H), 3.10 (s, 3H), 6.40 (s, 1H), 7.22 (t, 1H), 7.35-7.61 (m, 7H), 7.93 (s, 1H), 8.04 (d, 2H)。

0284

3.5錯体3(mer錯体)

0285

中間体4(2.48 g, 6.44 mmol)を60 mLのキシレンに溶かす。モレキュラーシーブス(3Å, 1.5 g)、次にジ-μ-クロロビス[(シクロオクタ-1,5-ジエン)イリジウム(I)](432 mg, 0.643 mmol)をその溶液に添加する。その溶液をアルゴンで30分間脱ガスした後、反応物を夜通し120℃で撹拌する。室温に冷やした後、固体残留物を濾過によって除去し、ジクロロメタンで洗う。溶媒を除去し、残留物をトルエンに溶かす。その溶液を夜通し撹拌する。沈殿物を濾別し、濾液を減圧下で濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ,シクロヘキサン/酢酸エチル)で精製する。得られる生成物をMTBE中で夜通し撹拌し、次に濾過し、乾燥させる。生成物は黄色固体として49%収率で得られる(780 mg)。
フォトルミネッセンス(PMMA中2%フィルム):λmax = 488 nm;τ0 = 0.9μs;PLQY = 91%。

0286

4錯体4,mer錯体の合成

0287

4.1中間体1

0288

2-クロロ-3-ヨードピリジン(4.22 g, 17.6 mmol)をトルエン(50 mL)に溶かし、アルゴン流下で脱ガスする。次に、酢酸パラジウム(II)(117 mg, 0.52 mmol)、(R)-BINAP(333 mg, 0.53 mmol)、炭酸セシウム(5.38 g, 16.5 mmol)、及びo-トルイジン(1.90 g, 17.7 mmol)を添加する。その混合物を加熱して還流させ、72時間撹拌する。室温に冷やした後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶離液:トルエン)によって精製する。生成物は73%の収率(2.81 g)で得られる。1H-NMR(400MHz, CD2Cl2):δ = 2.24 (s, 3H), 5.94 (s, 1H), 7.05 (d, 2H), 7.12 (m, 1H), 7.22 (d, 2H), 7.29 (d, 1H), 7.78 (t, 1H)。

0289

4.2中間体2

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ