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技術 繊維強化複合材料積層体、及びこれから作製された物品

出願人 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
発明者 ソンタオリシュエドンジンレイシェンハイホワ
出願日 2015年3月30日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2016-559535
公開日 2017年4月20日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-511268
状態 特許登録済
技術分野 強化プラスチック材料 積層体(2)
主要キーワード 止め表面 予熱サイクル 通常形態 タブレット型コンピューター 繊維含有層 構造重量 フェルトマット 剥離物質
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題・解決手段

(a)上部層である織布の層と、(b)一方向性布地の少なくとも1つの層と、から本質的になる複合材料積層体であって、複合材料積層体は、0.1mm〜2mmの総厚さを有し、織布(a)は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミドホモポリマー、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマー、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)ホモポリマー、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)コポリマー、ポリスルホンアミドホモポリマー、ポリスルホンアミドコポリマー、及びそれらの混合物から生成される繊維を含み、一方向性布地(b)は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)ホモポリマー又はポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマーから生成される高弾性率繊維を含み、この繊維は、少なくとも100GPaの引張り弾性率を有し、且つ、織布(a)及び一方向性布地(b)は、それぞれ独立して、エポキシポリイミド、及びそれらの混合物から選択される熱硬化性樹脂を含む、複合材料積層体。又、物品は、携帯型コンピュータータブレット型コンピューター携帯電話電子書籍端末携帯用ゲーム装置携帯メディアプレーヤー、又はディジタルカメラなどの、携帯電子機器のためのハウジング又は保護カバーである、複合材料積層体を含む物品が開示される。

概要

背景

繊維強化複合材料は、当技術分野において周知であり、例えば、Kirk−Othmer Ency.Chem.,Tech.−Supp.,Composites,High Performance,pp.260−281(J.Wiley&Sons 1984)に記載されている。典型的には、複合材料は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂(即ち、マトリックス樹脂)に包埋された複数の強化繊維を含む。典型的には、繊維は、複合材料に強度及び/又は剛性を与え、且つ、複合材料の主要な耐荷要素である。マトリックス樹脂は、繊維配向及び間隔を維持し、剪断荷重を繊維に伝搬し、その結果、複合材料は、屈曲及び圧縮耐性であり、且つ、複合材料の最高使用温度を決定する。

繊維強化複合材料において使用される繊維は、ともに撚られた繊維の織布又は不織布のシートの形態で存在することができる。不織布のシートにおける繊維は、一方向に配向されることができる、又は、ランダムな配向においてフェルト成形されることができる。一般的には、一方向性布地は、構造を安定化するマトリックス樹脂を含む。本発明の目的上、マトリックス樹脂で予備含浸された繊維から作製され、且つ、物品を形成するのに有用である1つ以上の繊維状層は、「プリプレグ」と称される。プリプレグの通常形態としては、含浸された織布、フェルトマット、並びに一方向性布地が挙げられる。

米国特許出願公開第2009/0229748A1号明細書では、複合材料繊維部材を作製するプロセスを開示している。複合材料繊維部材は、マトリックス樹脂で予備含浸された繊維含有層と、互いに交互に堆積されている乾燥繊維含有層と、を含む。繊維含有層は、製織された構造、敷設された構造の1つ以上の層、又は、1つ以上の一方向性繊維層からなることができる。乾燥した及び予備含浸された層のための繊維材料は、ガラス繊維炭素繊維アラミド繊維、又はそれらの組合せであることができる。更に、使用されるマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性物質に基づくことができる。

米国特許出願公開第2005/0153098A1号明細書では、マトリックス樹脂における一方向性繊維の2つ以上の積層体を含む複合型積層体を開示しており、それぞれの上記積層体は、高分子量ポリエチレンポリアラミドコポリアラミド、PBO、PBTポリアミドポリエステル、及びセラミック繊維からなる群から選択される異なる組成の2つ以上の繊維からなる。

国際公開第91/19755A1号パンフレットでは、エポキシ樹脂フェノール樹脂の混合物で含浸された、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの一方向性繊維を含むプリプレグを開示している。

概要

(a)上部層である織布の層と、(b)一方向性布地の少なくとも1つの層と、から本質的になる複合材料積層体であって、複合材料積層体は、0.1mm〜2mmの総厚さを有し、織布(a)は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミドホモポリマー、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマー、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)ホモポリマー、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)コポリマー、ポリスルホンアミドホモポリマー、ポリスルホンアミドコポリマー、及びそれらの混合物から生成される繊維を含み、一方向性布地(b)は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)ホモポリマー又はポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマーから生成される高弾性率繊維を含み、この繊維は、少なくとも100GPaの引張り弾性率を有し、且つ、織布(a)及び一方向性布地(b)は、それぞれ独立して、エポキシポリイミド、及びそれらの混合物から選択される熱硬化性樹脂を含む、複合材料積層体。又、物品は、携帯型コンピュータータブレット型コンピューター携帯電話電子書籍端末携帯用ゲーム装置携帯メディアプレーヤー、又はディジタルカメラなどの、携帯電子機器のためのハウジング又は保護カバーである、複合材料積層体を含む物品が開示される。

目的

本発明の複合材料積層体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(a)上部層である織布の層と、(b)一方向性布地の少なくとも1つの層と、から本質的になる複合材料積層体であって、前記複合材料積層体は、0.1mm〜2mmの総厚さを有し、前記織布(a)は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミドホモポリマー、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマー、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)ホモポリマー、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)コポリマー、ポリスルホンアミドホモポリマー、ポリスルホンアミドコポリマー、及びそれらの混合物から生成される繊維を含み、前記一方向性布地(b)は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)ホモポリマー又はポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマーから生成される高弾性率繊維を含み、前記繊維は、少なくとも100GPaの引張り弾性率を有し、前記織布(a)及び前記一方向性布地(b)は、それぞれ独立して、エポキシポリイミド、及びそれらの混合物から選択される熱硬化性樹脂を含む、複合材料積層体。

請求項2

前記一方向性布地(b)は、層当たり2つ又は3つの撚りを含み、且つ、これらの撚りは、前記複合材料積層体の縦軸に対して、[0/90]又は[0/90/0]である配向角度でそれぞれ直交に重ねられる、請求項1に記載の複合材料積層体。

請求項3

前記熱硬化性樹脂は、フェノールグリシジルエーテル芳香族グリシジルエーテルグリセロールポリグリシジルエーテルグリシジルアミン、及び環状脂肪族からなる群から選択されるエポキシ樹脂である、請求項1に記載の複合材料積層体。

請求項4

織布(a)の目付は、30g/m2〜660g/m2である、請求項1に記載の複合材料積層体。

請求項5

前記一方向性布地(b)の目付は、20g/m2〜660g/m2である、請求項1に記載の複合材料積層体。

請求項6

前記織布(a)は、前記織布(a)と樹脂の組み合わされた重量に基づいて、20重量%〜80重量%の量の熱硬化性樹脂で含浸される、請求項1に記載の複合材料積層体。

請求項7

前記一方向性布地(b)は、前記一方向性布地(b)と樹脂の組み合わされた重量に基づいて、20重量%〜80重量%の量の熱硬化性樹脂で含浸される、請求項1に記載の複合材料積層体。

請求項8

携帯電子機器のためのハウジング又は保護カバーである、請求項1に記載の複合材料積層体を含む物品

請求項9

技術分野

0001

本発明は、高い曲げ弾性率を有する複合材料積層体、及び、携帯電子機器のためのハウジング又は保護カバーにおける有用性を有するこれから作製された物品に関する。

背景技術

0002

繊維強化複合材料は、当技術分野において周知であり、例えば、Kirk−Othmer Ency.Chem.,Tech.−Supp.,Composites,High Performance,pp.260−281(J.Wiley&Sons 1984)に記載されている。典型的には、複合材料は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂(即ち、マトリックス樹脂)に包埋された複数の強化繊維を含む。典型的には、繊維は、複合材料に強度及び/又は剛性を与え、且つ、複合材料の主要な耐荷要素である。マトリックス樹脂は、繊維配向及び間隔を維持し、剪断荷重を繊維に伝搬し、その結果、複合材料は、屈曲及び圧縮耐性であり、且つ、複合材料の最高使用温度を決定する。

0003

繊維強化複合材料において使用される繊維は、ともに撚られた繊維の織布又は不織布のシートの形態で存在することができる。不織布のシートにおける繊維は、一方向に配向されることができる、又は、ランダムな配向においてフェルト成形されることができる。一般的には、一方向性布地は、構造を安定化するマトリックス樹脂を含む。本発明の目的上、マトリックス樹脂で予備含浸された繊維から作製され、且つ、物品を形成するのに有用である1つ以上の繊維状層は、「プリプレグ」と称される。プリプレグの通常形態としては、含浸された織布、フェルトマット、並びに一方向性布地が挙げられる。

0004

米国特許出願公開第2009/0229748A1号明細書では、複合材料繊維部材を作製するプロセスを開示している。複合材料繊維部材は、マトリックス樹脂で予備含浸された繊維含有層と、互いに交互に堆積されている乾燥繊維含有層と、を含む。繊維含有層は、製織された構造、敷設された構造の1つ以上の層、又は、1つ以上の一方向性繊維層からなることができる。乾燥した及び予備含浸された層のための繊維材料は、ガラス繊維炭素繊維アラミド繊維、又はそれらの組合せであることができる。更に、使用されるマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性物質に基づくことができる。

0005

米国特許出願公開第2005/0153098A1号明細書では、マトリックス樹脂における一方向性繊維の2つ以上の積層体を含む複合型積層体を開示しており、それぞれの上記積層体は、高分子量ポリエチレンポリアラミドコポリアラミド、PBO、PBTポリアミドポリエステル、及びセラミック繊維からなる群から選択される異なる組成の2つ以上の繊維からなる。

0006

国際公開第91/19755A1号パンフレットでは、エポキシ樹脂フェノール樹脂の混合物で含浸された、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの一方向性繊維を含むプリプレグを開示している。

発明が解決しようとする課題

0007

前述で引用された積層体構造はそれぞれ、それらが目指す目的への前進を表した。しかしながら、本発明の複合材料積層体の特定の構造を記載したものはなく、且つ、本発明によって満たされる性能要求のすべてを満足させるものはなかった。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、
(a)上部層である織布の層と、
(b)一方向性布地の少なくとも1つの層と、
から本質的になる複合材料積層体を提供し、
複合材料積層体は、0.1mm〜2mmの総厚さを有し、
織布(a)は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミドホモポリマー、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマー、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)ホモポリマー、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)コポリマー、ポリスルホンアミドホモポリマー、ポリスルホンアミドコポリマー、及びそれらの混合物から生成される繊維を含み、
一方向性布地(b)は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)ホモポリマー又はポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマーから生成される高弾性率繊維を含み、繊維は、少なくとも100GPaの引張り弾性率を有し、
織布(a)及び一方向性布地(b)は、それぞれ独立して、エポキシポリイミド、及びそれらの混合物から選択される熱硬化性樹脂を含む。

0009

また、本発明は、本発明の複合材料積層体を含む物品を提供し、この場合に、物品は、携帯電子機器のためのハウジング又は保護カバーである。

図面の簡単な説明

0010

本複合材料積層体100の一実施形態の拡大した斜視図を示し、この積層体は、織布層10及び2つ撚りの一方向性布地11及び12の2つの層の層構造を有し、それぞれの一方向性撚りの繊維配向は、複合材料積層体の縦軸破線によって表される)に対して[90/0:90/0]である。
本複合材料積層体200の別の実施形態の拡大した斜視図を示し、この積層体は、製織された層20及び2つ撚りの一方向性織布21、22、23、及び24の4つの層の層構造を有し、それぞれの一方向性撚りの繊維配向は、複合材料積層体の縦軸(破線によって表される)に対して[0/90:90/0:0/90:90/0]である。

0011

本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、及びその他の参考文献は、特に示されない限り、完全に説明したかのように、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれている。

0012

特に定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書に従うものとする。

0013

特に明記しない限り、すべてのパーセンテージ、部、比等は、重量によるものである。

0014

本明細書において使用される場合、「から生成される」という用語は、「含む」と同義である。本明細書において使用される場合、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「包含する(includes)」、「包含する(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、又は「含有する(containing)」という用語、或いはそれらのその他のいかなる変形も、非排他的な包含を網羅することを意図している。例えば、要素の一覧を含む組成物、プロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれら要素のみに限定されず、明確には列挙されていないその他の要素、又はそのような組成物、プロセス、方法、物品、又は装置に固有のその他の要素を包含できる。

0015

「からなる」という移行は、特定されていないあらゆる要素、工程、又は成分を排除する。特許請求の範囲にある場合、こうした句は、通常それらと関連する不純物を除く列挙されたもの以外の材料の包含に対する特許請求の範囲をクローズする(close)であろう。「からなる」という句が、プリアンブル(preamble)に直ちに続くのではなく、請求項のボディ(body)の条項に現れる場合、その条項に記載された要素のみを限定し、その他の要素は、総じて請求項から除外されない。

0016

「から本質的になる」という移行句は、文字通り記載されたものに加えて、材料、工程、特徴、部材、又は要素を包含する、組成、方法、又は装置を定義するために使用され、但し、これらの更なる材料、工程、特徴、部材、又は要素が、特許請求される本発明の基本的な及び新規性のある特徴(複数可)に実質的に影響しないという条件である。「から本質的になる」という用語は、「含む」と「からなる」の間の中間の立場をとる。

0017

「含む」という用語は、「から本質的になる」及び「からなる」という用語によって網羅される実施形態を包含することを意図する。同様に、「から本質的になる」という用語は、「からなる」という用語によって網羅される実施形態を包含することを意図する。

0018

量、濃度、或いはその他の値又はパラメーターが、範囲、好ましい範囲、又は好ましい値より高い値及び好ましい値より低い値の一覧として示される場合、これは、範囲を別個に開示しているか否かに関わらず、任意の上限範囲又は好ましい値、及び任意の下限範囲又は好ましい値の任意の対から形成されたすべての範囲を具体的に開示していると理解されたい。例えば、「1〜5」の範囲が列挙される場合、列挙された範囲は、「1〜4」、「1〜3」、「1〜2」、「1〜2及び4〜5」、「1〜3及び5」などの範囲を包含するものとして解釈されなければならない。ある範囲の数値が本明細書において列挙される場合、特に明記しない限り、その範囲は、その終点、並びにその範囲内のすべての整数及び分数を包含することを意図している。

0019

「約」という用語が、値又は範囲の終点を記載する際に使用される場合、本開示は、言及される特定の値又は終点を包含することが理解されなければならない。

0020

更に、反対の意味で明記されない限り、「又は」は、包含的な「又は」を意味するのであって、排他的な「又は」を意味するのではない。例えば、条件A「又は」Bが満たされるのは、Aが真であり(又は存在し)Bがである(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)Bが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)のいずれか1つによってである。

0021

モル(mol)%」又は「モル(mole)%」は、モルパーセントを意味する。

0022

本発明を記載及び/又は特許請求することにおいて、「ホモポリマー」という用語は、繰り返し単位の1つの種の重合から誘導されるポリマーを意味する。例えば、「ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)ホモポリマー」という用語は、p−フェニレンテレフタルアミドの繰り返し単位の1つの種から本質的になるポリマーを意味する。

0023

本明細書において使用される場合、「コポリマー」という用語は、2つ以上のコモノマーの共重合から得られる共重合ユニットを含むポリマーを意味する。「ジポリマー」は、2つのコモノマ由来単位から本質的になるポリマーを意味し、且つ、「ターポリマー」は、3つのコモノマ−由来単位から本質的になるコポリマーを意味する。

0024

本明細書において使用される場合、「繊維」という用語は、少なくとも10より大きい長さに対して垂直な断面積の幅に対する長さの比を有する比較的可撓性で細長物体として定義される。繊維断面は、円形、平面、又は楕円形などの任意の形状であることができるが、典型的には円形である。繊維断面は、中身の詰まった個体、又は中空であることができるが、好ましくは中身の詰まった個体である。単一繊維は、1つのフィラメントのみから、又は、複数のフィラメントから形成されることができる。1つのフィラメントのみから形成される繊維は、本明細書において、「単一フィラメント」繊維、又は「モノフィラメント」繊維と称され、且つ、複数のフィラメントから形成される繊維は、本明細書において、「マルチフィラメント」繊維と称される。本明細書において使用される場合、「糸条」という用語は、撚られないことができる(即ち、偏平糸条)、又は撚られることができる複数の繊維からなる単一ストランドとして定義される。「糸条」という用語は、「繊維」という用語と相互に交換して使用される。

0025

通常、繊維の直径は、「デニール」又は「dtex」と称される線密度として特徴付けられ、「デニール」は、9000メートルの繊維のグラム重量であり、且つ、「dtex」は、10,000メートルの繊維のグラム重量である。

0026

本明細書において使用される場合、一般的に、「層」は、繊維の平面配置を表し、これは、フェルト、マット、及びその他の構造を含む、織布、一方向性布地の複数の撚り、又は複数のランダムに配向した繊維から形成された任意のその他の布地構造を含むことができる。

0027

当技術分野において従来知られているように、一方向性配向繊維の「単一撚り」は、繊維の、実質的に平行な、一方向性の、並んでいる配列において整列される、一般的に重なり合っていない、同一平面上の繊維の配置を含む。また、このタイプの繊維配置は、「一方向性テープ」、「UD」、又は「UDT」として当技術分野において公知である。本明細書において使用される場合、「配列」は、織布を除く繊維又は糸条の規則正しい配置を表し、且つ、「平行配列」は、繊維又は糸条の規則正しい平行した配置を表す。「配向繊維」に関して使用される場合、「配向」という用語は、繊維の伸張とは対照的に繊維の整列を意味する。

0028

本明細書において使用される場合、「:」は、製織されている又は一方向性である布地構造に関係なく、それぞれの布地層を分けることを意味し、一方、「/」は、一方向性布地層のそれぞれの撚りを分けることを意味する。

0029

課題を解決するための手段(Summary of the Invention)に記載の、本発明の実施形態は、本明細書において記載の任意のその他の実施形態を包含し、任意の様式において組み合わされることができ、且つ、実施形態における変数の記載は、本発明の複合材料積層体に関するだけでなく、これから作製された物品にも関する。

0030

本発明は、以下、本明細書において詳細に記載される。

0031

アラミド繊維
本発明においては、織布(a)及び一方向性布地(b)において使用されるのに適切な繊維は、芳香族ポリアミド(「アラミド」とも略記される)繊維である。アラミド繊維は、アラミド分子の構造に起因する、耐熱性耐化学薬品性、及び難燃特性を有する。アラミドは、アミド(−CO−NH−)結合の少なくとも85%が2つの芳香環直接結合していることを含む。

0032

好ましくは、織布(a)は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)ホモポリマー、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマー、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)ホモポリマー、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)コポリマー、ポリスルホンアミドホモポリマー、ポリスルホンアミドコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から生成される繊維を含む。好ましくは、一方向性布地(b)は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)ホモポリマー又はポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマーから生成される繊維を含む。

0033

ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)ホモポリマーは、p−フェニレンジアミン及び塩化テレフタロイル等モル重合から生成される。また、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマーは、p−フェニレンジアミンと10モル%と同量のその他のジアミンとの、及び、塩化テレフタロイルと10モル%と同量のその他の二酸塩化物との組合せから生成され、但し、その他のジアミン及びジアシル塩化物は、重合反応を妨げる反応基を有しないという条件である。p−フェニレンジアミン以外のジアミンの例としては、これらに限定されるものではないが、m−フェニレンジアミン又は3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。塩化テレフタロイル以外のジアシル塩化物の例としては、これらに限定されるものではないが、塩化イソフタロイル塩化2,6−ナフタイル、塩化クロテレフタロイル、又は塩化ジクロロテレフタロイルが挙げられる。

0034

本明細書において使用される場合、「p−アラミド」という用語は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)ホモポリマー及びポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマーを意味する。

0035

ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)ホモポリマーは、m−フェニレンジアミン及び塩化イソフタロイルの等モル重合から生成される。また、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)コポリマーは、m−フェニレンジアミンと10モル%と同量のその他のジアミンとの、及び、塩化イソフタロイルと10モル%と同量のその他の二酸塩化物との組合せから生成され、但し、その他のジアミン及びジアシル塩化物は、重合反応を妨げる反応基を有しないという条件である。m−フェニレンジアミン以外のジアミンの例としては、これらに限定されるものではないが、p−フェニレンジアミン又は3、4’−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。塩化イソフタロイル以外のジアシル塩化物の例としては、これらに限定されるものではないが、塩化テレフタロイル、塩化2,6−ナフタロイル、塩化クロロテレフタロイル、又は塩化ジクロロテレフタロイルが挙げられる。

0036

本明細書において使用される場合、「m−アラミド」という用語は、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)ホモポリマー及びポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)コポリマーを意味する。

0037

ポリスルホンアミドホモポリマーは、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(p−DDS)又は3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(m−DDS)などのジアミンと、塩化テレフタロイル又は塩化イソフタロイルなどの塩化ジアシルの等モル重合から生成されることができる。

0038

ポリスルホンアミドコポリマーは、例えば、p−DDSなどのスルホン含有ジアミンと、塩化テレフタロイル及びその他のジアシル塩化物(例えば、塩化イソフタロイル)の混合物から生成されるコポリマー、並びに、塩化テレフタロイルなどのジアシル塩化物と、p−DDS、m−DDS、及び10モル%と同量のその他のジアミン(例えば、p−フェニレンジアミン、又はm−フェニレンジアミン)などのスルホンジアミンの混合物から得られるコポリマーを含む。

0039

好ましくは、ポリスルホンアミドコポリマーは、3:1:4のモル比のp−DDS、m−DDS、及び塩化テレフタロイルから誘導される。

0040

本明細書において使用される場合、「PSA」という用語は、ポリスルホンアミドホモポリマー及びポリスルホンアミドコポリマーを意味する。

0041

前述のアラミドのポリマー又はコポリマーは、ポリマー又はコポリマーのための重合溶媒又は別の溶媒におけるポリマー又はコポリマーの溶液を用いて、溶液紡糸を介して繊維に紡糸されることができる。当技術分野において知られているように、繊維の紡糸は、乾式紡糸湿式紡糸、又は乾燥ジェット湿式紡糸(エアギャップ紡糸としても知られる)によって、多孔紡糸口金を介して実施されて、マルチフィラメント繊維を生成することができる。次いで、従来の技術を使用して必要に応じて、紡糸後の繊維を処理して、繊維を中和洗浄、乾燥、又は熱処理して、安定且つ有用な繊維を作製することができる。例示的な、乾式、湿式、及び乾燥ジェット湿式紡糸プロセスは、米国特許第3,063,966号明細書、米国特許第3,227,793号明細書、米国特許第3,287,324号明細書、米国特許第3,414,645号明細書、米国特許第3,869,430号明細書、米国特許第3,869,429号明細書、米国特許第3,767,756号明細書、及び米国特許第5,667,743号明細書に開示されている。

0042

アラミド繊維を生成する方法は、米国特許第4,172,938号明細書、米国特許第3,869,429号明細書、米国特許第3,819,587号明細書、米国特許第3,673,143号明細書、米国特許第3,354,127号明細書、及び米国特許第3,094,511号明細書に開示されている。スルホンジアミンから誘導されるPSA繊維又はコポリマーを作製する特定の方法は、中国特許出願公開第1389604A号明細書及び中国特許出願公開第1631941A号明細書に開示されている。

0043

また、例えば、帝人株式会社(日本)のKONEX(登録商標)、TECHNORA(登録商標)、及びTWARON(登録商標)、ユニチカ株式会社のAPAIRE(登録商標)、E.I.de Nemours DuPont(米国)(以下、「DuPont」と略記される)のNOMEX(登録商標)及びKEVLAR(登録商標)、Kolon Industries,Inc.(韓国)のHEACRON(登録商標)、JSC Kamenskvolokno(ロシア)のSVM(商標)及びRUSAR(商標)、JSC Tver’khimvolokno(ロシア)のARMOS(商標)などの、アラミド繊維が市販されている。PSA繊維は、Shanghai Tanlon Fiber Co.,Ltd.(中国)のTANLON(商標)として市販されている。しかしながら、アラミド繊維は、前述の製品に限定されない。

0044

織布(a)
より微細な繊維は、製造及び製織により費用がかかるが、単位重量当たりにおいてより大きな効果を生むことができる。効果及び費用を考慮し、複数の繊維を含むそれぞれの糸条は、約200デニール(220dtex)〜約3,000デニール(3300dtex)、より好ましくは約400デニール(440dtex)〜約2,400デニール(2640dtex)、最も好ましくは約1,000デニール(1100dtex)〜約2,000デニール(2200dtex)の好ましい線密度を有する。

0045

本発明の織布(a)において使用される繊維又は糸条は、ASTMD7269によってそれぞれ測定された、約10g/デニール〜約50g/デニールの引張り強さ、約1.0%〜約6%の破断伸び、及び約34GPa(270g/デニール)〜約254GPa(2000g/デニール)の弾性率を示す繊維であることができる。

0046

一般的に、織布は、機械方向において縦に走る複数の縦糸、及び縦糸に対して実質的に垂直に走る複数の横糸を有する。例えば、平織綾織朱子織り、バスケット織などの、織布の任意の織構造又はパターンを使用することができる。

0047

本発明に適切な織布には、織りのきつさに対して特定の要求はないが、繊維の損傷に結びつく極端にきつい織りは避ける。

0048

一般的に、含浸前の織布(a)の目付(又は面密度)は、約30g/m2〜約660g/m2、好ましくは約60g/m2〜約460g/m2、更に好ましくは約90g/m2〜約260g/m2の範囲である。

0049

一方向性布地(b)
本発明においては、一方向性布地(b)において使用されるのに適切な繊維は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)又はポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)コポリマーから生成される高弾性率繊維である。

0050

高弾性率繊維は、ASTMD7269によってそれぞれ測定された、少なくとも約2500MPa(20g/デニール)の引張り強さ、少なくとも約100GPa(787g/デニール)の引張り弾性率、及び約3%以下の伸びを有するものである。

0051

いくつかの実施形態においては、一方向性布地(b)において使用される繊維は、少なくとも約100GPa、好ましくは少なくとも約110GPaの引張り弾性率を有する。

0052

DuPontのKEVLAR(登録商標)K49、帝人株式会社(日本)のTWARON(登録商標)D2200、Kolon Industries,Inc.(韓国)のHECRCRON(登録商標)HF−300、及びHysung product(韓国)のALKEX(登録商標)HMなどの、適切な高弾性率p−アラミド繊維が市販されている。

0053

一般的に、一方向性布地は、一方向性及び平行配列に配置される複数の繊維又は糸条を含み、これは、特定の距離で横切られる横糸線を有することができ、且つ、ここでは、繊維又は糸条は、任意選択により、しかし、好ましくは、マトリックス樹脂で被覆されて構造を安定させる。

0054

当技術分野において従来知られているように、1つの撚りの繊維配列方向は、別の撚りの繊維配列方向に対して配向角度で回転するように、UD布地の個々の撚りが、直交に重ねられる(crossplied)場合、優れた機械的強度が実現される。例えば、一般的に、層当たり2つの撚りを有するUD布地は、互いに対して垂直に配向された2つの撚りを有している、或いは、0°及び90°の角度で直交に重ねられる。この配置は、[0/90]として表される。この慣例において、配向角度が「−」の符号を有する場合、配向角度は、負の度の単位にあり(即ち、反時計回り)、配向角度が「+」の符号を有する又は符号を有しない場合、配向角度は、正の度の単位にある(即ち、時計回り)。更なる例としては、[0/90/0]である配向角度を有する層当たり3つの撚りのUD布地、及び、[0/45/90/45/0]又は[0/−20/0/+20/90]である配向角度を有する層当たり5つの撚りのUD布地が挙げられる。こうした回転された一方向性整列は、例えば、米国特許第4,457,985号明細書、米国特許第4,748,064号明細書、米国特許第4,916,000号明細書、米国特許第4,403,012号明細書、米国特許第4,623,574号明細書、及び米国特許第4,737,402号明細書に記載され、矛盾しない範囲でそのすべてが参照により本明細書に組み込まれている。

0055

多層撚りUD布地の配向角度は、UD布地の上部層の縦軸に全面的に関係する。更に、当然ながら、特定の層におけるすべての繊維にとって、例えば、−20°の正確な配向を有することが技術的に可能ではないことから、すべてのこうした角度は概算である。

0056

本複合材料積層体に適切なUD布地(b)は、層当たり少なくとも2つの撚りを含む。一実施形態においては、UD布地(b)は、層当たり2つの撚りを含み、且つ、[0/90]である配向角度で直交に重ねられる。別の実施形態においては、UD布地(b)は、層当たり3つの撚りを含み、且つ、[0/90/0]である配向角度で直交に重ねられる。

0057

一般的に、含浸前のUD布地(b)の層の目付は、約20g/m2〜約660g/m2、好ましくは約50g/m2〜400g/m2、より好ましくは約80g/m2〜約200g/m2の範囲である。

0058

マトリックス樹脂及び用途
適切な構造堅固性及び剛性性能を有する本発明の複合材料積層体を提供するために、織布(a)及びUD布地(b)は、マトリックスとしての熱硬化性樹脂にそれぞれ独立して包埋される。本発明の複合材料積層体の主要な用途は、携帯電子機器のためのハウジング又は保護カバーであり、従って、堅固性及び剛性の優れた組合せが必要である(曲げ弾性率によって特徴づけられるように)。また、マトリックスとしての高い引張り弾性率の樹脂は、より高い堅固性複合材料を産生する際に役に立つことが知られている。

0059

本明細書において使用される場合、引張り弾性率という用語は、繊維に用いるASTMD7269によって、且つ、熱硬化性樹脂に用いるASTM D638によって測定される弾性係数を意味する。

0060

本発明の目的上、高弾性率樹脂は、約41.4MPa(6,000psi)以上で測定される引張り弾性率を有する。好ましくは、高弾性率樹脂は、約55.2MPa(8,000psi)以上の引張り弾性率を有する。

0061

好ましくは、マトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、及びそれらの混合物からなる群から選択される。

0062

好ましい実施形態においては、熱硬化性樹脂は、フェノールグリシジルエーテル芳香族グリシジルエーテルグリセロールポリグリシジルエーテルグリシジルアミン、及び環状脂肪族からなる群から選択されるエポキシ樹脂である。

0063

エポキシ樹脂の例としては、これらに限定されるものではないが、Huntsman Advanced MaterialsのARALDITE(商標)MY−720、Yuka Shell Epoxy Co.のEPIKOTE(商標)EP815、EP828、EP834、及びEP807、Mitsui PetrochemicalのEPOMIK(商標)R−710、DIC株式会社(Dainippon Ink and Chemicals Inc.)のEPICLON(商標)EXA1514、住友化学株式会社(Sumitomo Chemical Co.Ltd.)のSumi−epoxy ELM−120及びELM−100、並びに、日本化薬株式会社(Nippon KayakuCo.,Ltd.)のGAN(N,N−ジグリシジルアニリン)が挙げられる。

0064

適切な熱硬化性ポリイミドは、当業者に公知である。ポリイミド樹脂は、ピロメリトイミドジアンヒドリドなどのジアンヒドリドとメタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、又はベンジジンなどのジアミンとの縮合によって生成されることができる。Nメチルピロリドントルエンキシレン、methyl Cellosolve(商標)、又はエタノールなどの有機溶剤を必要に応じて使用して、ポリイミド樹脂を希釈し、布地層の効果的な含浸を得ることができる。

0065

適切なポリイミド樹脂の例は、Industrial Summit Technology Corp.(米国)のSKYBOND(登録商標)、及び、DuPont社(DuPont company)のVEPEL(登録商標)が挙げられ、市販されている。

0066

織布(a)及びUD布地(b)は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、及びそれらの混合物からなる群から選択されるマトリックス樹脂を、それぞれ独立して含むことができる。加工の容易性のために、好ましくは、織布(a)及びUD布地(b)は、同一のマトリックス樹脂又は樹脂混合物を含む。

0067

同一又は異なるマトリックス樹脂又は樹脂混合物は、それらを組み合わせる前に、織布(a)及びUD布地(b)に塗布されて、プリフォームを形成することができる。このように、織布(a)及びUD布地(b)はともに、「プリプレグ」であることができる。

0068

本明細書において使用される場合、「と含浸される」という用語は、「に包埋される」、並びに、「で被覆される」或いは「で塗布される」と同義であり、この場合に、マトリックス樹脂は、織布(a)及び/又はUD布地(b)の中に拡散され、それらの表面にのみあるわけではない。

0069

含浸されたUD繊維撚り、UD布地、及び織布を形成する技術は、当技術分野において周知である。例えば、マトリックス樹脂は、溶液、エマルジョン、又は分散の形態で、樹脂を、スプレーによって、溶融押出成形することによって、或いは、繊維又は布地表面に対してマトリックス樹脂溶液をロール被覆し、乾燥させることによって、塗布されることができる。マトリックス樹脂溶液は、所望の1つ以上のマトリックス樹脂と、それらを溶解又は分散させることができる溶媒と、を含む。

0070

UD布地の繊維は、繊維が配置されて1つ以上のUD撚りを形成する前又は後に、マトリックス樹脂で被覆されることができ、一方、典型的には、マトリックス樹脂は、製織の後、織布の繊維に塗布される。しかしながら、本発明は、マトリックス樹脂が繊維に塗布される段階によって、又は、マトリックス樹脂を塗布するために用いる手段によって限定されることを意図しない。

0071

一実施形態においては、本複合材料積層体では、織布(a)は、織布(a)と樹脂の組み合わされた重量に基づいて、20重量%〜80重量%、又は40重量%〜60重量%、又は更に40重量%〜50重量%の量の熱硬化性樹脂を含む。

0072

別の実施形態においては、本複合材料積層体では、一方向性布地(b)は、一方向性布地(b)と樹脂の組み合わされた重量に基づいて、20重量%〜80重量%、好ましくは40重量%〜60重量%、又は更に40重量%〜50重量%の量の熱硬化性樹脂を含む。

0073

複合材料積層体の調製
織布(a)、及びUD布地(b)の複数の層を圧密化して複合材料積層体を形成する方法は、周知である。

0074

典型的には、層を一体的積層体に組み合わす充分な温度と圧力の条件の下で、複合材料積層体の上部層の縦軸に対して特定の配向角度で個々の層を互いの上に配置することによって、圧密化が実施される。一般的には、適切な温度、圧力、及び時間は、マトリックス樹脂、マトリックス樹脂含有量、使用するプロセス、及び布地層の繊維のタイプに依存する。本発明の複合材料積層体を圧密化する適切な方法としては、オーブン硬化オートクレーブ硬化圧縮成形、樹脂トランスファー成形RTM)、又は真空補助トランスファー成形(VARTM)が挙げられる。圧密化は、オーブンオートクレーブホットプレス、樹脂トランスファー成形、又は真空補助トランスファー成形において実行されることができる。典型的には、圧密化は、約50℃〜約200℃、好ましくは約90℃〜約180℃、より好ましくは約110℃〜160℃、最も好ましくは約120℃〜約140℃の範囲の温度、並びに、約0.034MPa(5psi)〜約34.5MPa(5000psi)の範囲の圧力で、約10秒〜約24時間、好ましくは約60秒〜約2時間、行われることができる。加熱の際、マトリックス樹脂が粘着又は流動可能になる可能性がある。しかしながら、一般的には、マトリックス樹脂が溶融させられる場合、比較的小さい圧力が、積層体を形成するために必要である一方、マトリックス樹脂は、粘着点まで加熱されるに過ぎない場合、典型的には、より大きい圧力が必要とされる。

0075

また、本発明の複合材料積層体は、いわゆるプリプレグプロセスによって作製されることができ、このプロセスは、織布(a)の層及びUD布地(b)の多層を使用し、両方とも、前述の方法によってマトリックス樹脂で予備含浸された。例えば、UD布地はプリプレグの形態で販売されることができ、この場合に、単一の撚りにおいて配置される高弾性率のp−アラミド繊維は、特定の樹脂で含浸され、ペーパーバック(paper−backed)剥離ライナーにおいて支えられ、早熟硬化を防止するために使用されるまで、ロールにおいてフリーザーに保存される。同様にまた、織布(a)は、プリプレグの形態で販売されることができ、この場合に、アラミド繊維は所望の織りパターンに織られ、特定の樹脂で含浸され、ペーパーバック剥離ライナーにおいて支えられ、次いでロールにおいてフリーザーに保存される。使用の際、織布(a)及びUD布地(b)のプリプレグは、フリーザーから取り除かれることができ、積層のための所望の寸法に切断されることができる。剥離ライナー又はピールプライ(peel ply)は、織布(a)のプリプレグ層、次いで、UD布地(b)の少なくとも1つのプリプレグ層が所望の順序及び配向において積層される、ツール又は型に置かれる。その後、UD布地(b)のいくつかのプリプレグ層が置かれてプリフォームを得る。その後、通常、嵩を小さくするプロセス(debulking process)が起こり、この場合に、プリフォームを被覆する剥離可能な封止フィルム真空にされて、取り込まれた空気を除去する。

0076

剥離ライナーは、三層構造紙シートである第1の層、積層されたフィルムである第2の層、及びシリコーン油である第3の層を典型的に有する表面に被覆された剥離物質を有する紙から作製される。適切な剥離ライナーに対して特定の限定はなく、当業者は、必要性と費用に応じて、様々な剥離ライナーを選択することができる。

0077

本発明の複合材料積層体又は物品を形成する布地層の総数は、複合材料積層体又は物品の所望の最終用途によって、当業者によって決定されるように変動することができる。UD布地(b)の層の数がより大きいほど、複合材料積層体のより高い曲げ弾性率(又はより高い堅固な構造)になるのかどうか分からないが、確実により大きい重量及び厚さになる。本発明の複合材料積層体の主要な用途を考慮すると、3C(即ち、コンピューター通信、及び家電製品用のハウジング又は保護カバーが挙げられ、且つ、それらのトレンドは、より軽く且つより薄いものであり、従って、複合材料積層体の重量及び厚さは、好ましくはより軽く及びより薄いものである。織布(a)の1つの層を除いて、本発明の複合材料積層体のUD布地層(b)の数は、一般的には10以下であり、好ましくは1〜5である。従って、本発明の複合材料積層体の布地層の総数は、少なくとも2、好ましくは2〜6である。

0078

本発明の一実施形態においては、複合材料積層体は、総計で、2〜11、好ましくは2〜6の布地層を有する。

0079

布地層の総数は、厳密に決定的であるというわけではないが、布地層の総数は、全体の複合材料積層体の厚さを実現するのに必要であるように、選択される。一般的には、圧密化の後の本発明の複合材料積層体は、約0.1mm〜約2mm、好ましくは約0.3mm〜約1.5mm、より好ましくは約0.5mm〜約1mmの総厚さを有する。本発明者らは、約0.2mm〜約0.35mmの範囲の複合材料積層体の層当たりの平均厚さを制御することによって、優れた堅固性及び剛性を有する製品を提供することを見出した。布地層の最適厚さは、マトリックス樹脂含有量、嵩を小さくする期間、硬化又は成形プロセスの間に使用される温度及び圧力を調整することによって実現されることができる。

0080

オーブン硬化の場合、プリフォームは、製造業者によって推奨されるように、温度が予め決められたサイクルによって制御される強制空気対流オーブンに置かれる。また、予熱サイクル及び冷却サイクルが存在する。プリフォームは、硬化プロセスの間、常に真空下にある。

0081

オートクレーブ硬化の場合、プリフォームはオートクレーブに置かれ、ここで、更なる圧力が布地層のよりきついパッキングを得るためにオートクレーブを介して加えられること以外、オーブン硬化におけるように真空にされる。オートクレーブによって加えられた典型的な圧力は、プリフォーム上の真空バッグによって生じたプリフォームにおける圧力に加えて、約0.34MPa〜約1.03MPaであることができる。硬化プロセスは、オーブン硬化と同一である。

0082

代わりに、圧密化は、適切な成形装置における熱及び圧力の下で、圧縮成形、RTM、又はVARTMなどの成形によって、実施されることができる。一般的には、成形は、約0.3MPa〜約34.5MPa、より好ましくは約0.7MPa〜約20.7MPa、最も好ましくは約1.0MPa〜約10.3MPaの圧力で実行される。成形には、約10秒〜約120分、かかることができる。好ましい成形温度は、約90℃〜約180℃、より好ましくは約110℃〜約160℃、最も好ましくは約120℃〜約140℃の範囲である。

0083

本発明の複合材料積層体は、一般命題として、驚くべきことに、同程度の厚さの比較用の積層体に比べて曲げ弾性率の向上をもたらす。上記比較用の積層体は、織布(a)の2つ以上の層からなる、又は中程度の弾性率のp−アラミド繊維から作製されるUD布地(b)の複数の層を有する。

0084

封止材料紫外線又は太陽光保護材料、及び滑り止め表面を有する複合材料積層体をもたらす材料などの、更なる任意の材料は、複合材料積層体に適用されることができる。

0085

本発明の複合材料積層体を含む、又は、これから作製される物品は、高い構造的一体性を有する、換言すれば、これらの物品は、重量比に対する優れた剛性、屈折又は物理的な変形に対する高い耐性を有する。従って、本発明の物品は、最小限の構造重量が必要とされる、携帯電子機器のためのハウジング又は保護カバーとして有用である。携帯電子機器の例としては、これらに限定されるものではないが、携帯型コンピュータータブレット型コンピューター携帯電話電子書籍端末携帯用ゲーム装置携帯メディアプレーヤー、又はディジタルカメラが挙げられる。携帯電話の例としては、これらに限定されるものではないが、折りたたみ型電話スライド式携帯電話無線電話、携帯電話、多機能電話などが挙げられる。

0086

更なる精緻化をすることなく、前記の記述を使用して、当業者は、最大限に本発明を利用することができると考えられる。従って、以下の実施例は、あくまで例示的なものとして解釈されるものであり、いかなる意味においても本開示を限定するものとして解釈してはならない。

0087

「実施例」を表す省略形「E」、及び「比較例」を表す省略形「CE」の後には、複合材料積層体がどの例で調製されるかを示す数が続く。実施例及び比較例はすべて、同じような方法で調製し試験した。パーセンテージは、特に明記しない限り重量による。

0088

材料
織布(a1):縦糸であるblack Kevlar(登録商標)K29 1500デニール(1670dtex、DuPontから入手可能)、及び、横糸であるgray Technora(登録商標)1500デニール(1670dtex、帝人株式会社から入手可能)である、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)糸条から作製された綾織布地。織布は、7×7エンド/cm2で作製し、含浸前の目付は、約225g/m2であった。エポキシ樹脂で含浸した後、製織されたp−アラミドプリプレグ(a1)の目付は、約368g/m2であり、Xin Xiu Electronics Co.,Ltd.から購入した。樹脂含有量は、製織されたp−アラミドプリプレグ(a1)の総重量の約39重量%であった。

0089

織布(a2):縦糸と横糸用の1200デニール(1334dtex)、(Nomex(登録商標)white、色、DuPontから入手可能)のポリ(m−フェニレンテレフタルアミド)糸条から作製された綾織布地。織布は、9×9エンド/cm2で作製され、含浸前の目付は、約247g/m2であり、Chomarat Co.から購入した。プリプレグは、ホットプレス(PHIによる製造)を用いて織布に対してJiangsu Tianiao High Tech.Co.から購入したエポキシ樹脂を溶融することによって調製した。含浸の第1工程では、ホットプレスにおいて80℃まで予熱された型穴に第1の剥離紙(Jiangsu Tianiao High Tech.Co.から購入)を置いた。織布と樹脂の組み合わされた重量の約25重量%の重さのエポキシ樹脂を、第1の剥離紙に均等に広げて第1の樹脂の被覆を得、織布の1つの表面に敷設した。第1の被覆に対して同程度の量の第2の樹脂の被覆を、第2の剥離紙に対して被覆し、その後、織布を2つの樹脂層の間にはさむように、織布のもう一方の表面に対して置いた。封止後、型を、ホットプレスに戻し置き、80℃で5分間、加熱し、次いで0.5MPaの圧力で2分間、押圧した。型を、ホットプレスから取り出し、室温まで冷却した。両側に剥離紙を有する含浸された織布を、型から取り除き、使用する準備ができた。樹脂含有量は、製織されたm−アラミドプリプレグ(a2)と樹脂の組み合わされた重量の約52重量%であった。

0090

UD布地(b1):UD布地を、112.4GPaの弾性率及び3000MPa(23.6g/デニール)の破断強度を有する、1422デニール(1580dtex、Kevlar(登録商標)1W003 K49)の高弾性率のポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維から作製した。UD布地を、cm当たり約6エンドで作製した。UD布地の幅は約102cmであり、厚さは、約0.15mmであり、且つ、含浸前の目付は、約140g/m2であった。エポキシ樹脂(Xin Xiu Electronics Co.,Ltd.から入手可能)で含浸した後、UDプリプレグの目付は、約224g/m2であった。樹脂含有量は、UDプリプレグ(b1)の総重量の約38重量%であり、Jiangsu Tianiao High Tech.Co.から購入した。

0091

UD布地(b2):70.5GPaの弾性率及び2920MPa(23g/デニール)の破断強度を有する、中弾性率のポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維、1500デニール(1670dtex、Kevlar(登録商標)1K211 K29、DuPontから入手可能)から作製したUD布地。UD布地を、cm当たり約6エンドで作製した。UD布地の幅は約30cmであり、厚さは、約0.12mmであり、且つ、含浸前の目付は、約100g/m2であった。UDプリプレグを、支持体として剥離紙を有するUD繊維配列に対して、Jiangsu Tianiao High Tech.Co.から購入したエポキシ樹脂溶液アセトンに溶解した約50重量%)を被覆することによって調製した。被覆の後、UDプリプレグを、フード内にて室温で12時間、乾燥した。エポキシ樹脂で含浸した後、UDプリプレグ(b2)の目付は、約220g/m2であり、約0.15mmの厚さであった。樹脂含有量は、UDプリプレグ(b2)の総重量の約55重量%であった。

0092

実施例1〜5及び比較例1〜6の複合材料積層体を作製するための一般手順
実施例1〜5及び比較例1〜6の複合材料積層体を、圧縮成形法によって調製した。

0093

織布及びUD布地を、25cm×25cmの正方形に切断した。一対のステンレス鋼型(2つの35cm×35cm×1.5cmのステンレス鋼板からなる)を成形に用いた。ホットプレス機(PHIによって製造)の温度を、130℃に設定した。型を、ホットプレス機において130℃まで予熱した。型を、ホットプレス機から取り出し開放し、初めに剥離紙(Jiangsu TianNiao high tech.Co.から提供)を型に置き、型からの硬化した積層体の最終的な除去を容易にした。その後、織布(a)の層を、剥離紙に渡って敷設した。硬化した積層体において、この織布層は、複合材料積層体における上部層となる。次いで、表2に定められたように、2つ撚りのUD布地(25cm×25cm)、或いは、1つ以上の織布又はUD布地(25cm×25cm)の更なる層を敷設し、様々な配向のいくつかの異なった層を有するプリフォームを得た。プリフォームを敷設した後、第2の剥離紙をプリフォームに渡って置き、型を閉じた。閉じた型をホットプレスに戻し、次いで、積層を、1.3MPaの圧力にて、130℃で1時間、実行した。硬化後、型を、ホットプレスから取り出し、室温まで冷却した。蓋を型から取り除き、その後、第2の剥離紙を取り除いた。硬化した積層体を、型から取り除き、第1の剥離紙を剥ぎ取った。

0094

試験方法
硬化した積層体それぞれを、レーザー裁断機(Han’s Laser Co.,model:P060)によって50.8mm×12.7mmの長方形を有する6つの試験片に切断した。

0095

試料片の厚さをノギスで測定し、試料片はそれぞれ、異なる点で3回測定し、その結果を平均して報告した。

0096

試料片の曲げ弾性率を、ASTMD790による、2.54mmの試料スパン、2.5mm/分のクロスヘッド速度、及び5kNの荷重で、インストロン(登録商標)試験機(Instron(登録商標)companyによって製造、model:5567)を用いて測定した。

0097

1「:」は、製織されている、又は、UDである布地構造に関係なく、それぞれの布地層を分けるために使用され、一方、「/」は、UD布地層のそれぞれの撚りを分けるために使用される。
2織布は、「w」によって表され、一方、UD布地層のそれぞれの撚りの繊維配向は、複合材料積層体の縦軸に対して、度の単位で角度の数によって表される。

0098

表2の結果から、以下の記載が明らかである。

0099

E1とCE1〜CE3を比較すると、同一の数の総布地層を有するが、異なる構造を有し、E1の複合材料積層体は、組合せの個々の要素の単純な合計から予想されるものに比べて曲げ弾性率の驚くべき向上をもたらす。同様に、E4とCE5〜CE6を比較すると、同一の数の総布地層を有するが、異なる構造を有し、E4の複合材料積層体は、曲げ弾性率の驚くべき向上をもたらす。

0100

E1とCE4を比較すると、E1の複合材料積層体の優れた曲げ弾性率のデータは、UD布地(b)における高弾性率繊維を組み込むことに起因する可能性がある。

0101

本複合材料積層体(E1〜E3及びE4〜E5)は、異なる厚さを有するそれらのそれぞれの比較例から判断して、優れた曲げ弾性率をもたらすことに留意されたい。従って、当業者は、特定用途のための本複合材料積層体における適切な数のUD布地層(b)を選択することができる。

実施例

0102

典型的な実施形態において本発明を例示し説明してきたが、本発明の思想から逸脱することなく様々な修正置換が可能であることから、本発明は以上の詳細に限定されない。即ち、本明細書に開示した本発明の修正と等価物日常実験以上のものを要することなく当業者には明かであり、すべてのかかる修正と均等物は以下の特許請求の範囲に記載の本発明の趣旨及び範囲に属すると考えられる。

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