図面 (/)

技術 中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーの水性エマルジョンの調製方法

出願人 クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー
発明者 クルツァー,ベルトデ・アウデ,クーン
出願日 2015年4月1日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-560391
公開日 2017年4月6日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2017-509770
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法
主要キーワード 一般配置 放射状構造 ステータ装置 ハンセンパラメータ 廃棄システム 水素結合パラメータ テーパードコポリマー 水蒸気輸送
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題・解決手段

本発明は、少なくとも2種の非スルホン化ポリマー末端ブロックAおよび少なくとも1種のスルホン化ブロックBを含む中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマー水性エマルジョンおよび水性エマルジョンを調製する方法であって、非極性溶媒中の中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーのセメントを準備する工程であって、非極性溶媒が100℃未満の沸点を有する5から12個の炭素原子を含む炭化水素化合物またはこのような化合物の混合物である工程、セメントを共溶媒と混合して混合物を形成する工程、混合物を、場合により乳化剤の存在下で、水によって乳化してエマルジョンを製造する工程および炭化水素溶媒と、場合により共溶媒をエマルジョンから除去して水性エマルジョンを製造する工程を含む方法を提供する。中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの得られたエマルジョンは、比較的小さい粒径を有する。

概要

背景

中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーが知られている。通例、これらはスチレンおよび/またはt−ブチルスチレンを主成分とするスルホン化ポリマーであり、スチレンは主として中間ブロックで使用され、続いてスルホン化され、t−ブチルスチレンは、末端ブロックで使用されて、スルホン化に耐える。これらのポリマーは、水の存在下では固体状態であり、高い水輸送特性と十分な湿潤強度の両方を有する。これらのポリマーは、優れたバリア特性を有することが知られている。

WO2007010039から、中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーが知られている。このブロックコポリマーは、少なくとも2種のポリマー末端ブロックAおよび少なくとも1種のポリマー内部ブロックBを含むブロックコポリマーを主成分とし、各Aブロックはスルホン化に耐性ポリマーブロックであり、各Bブロックはスルホン化されやすいポリマーブロックであり、前記AブロックおよびBブロックは、いかなる高レベルオレフィン性不飽和も含有していない。

このようなポリマーは現在、例えば商標Nexar(R)としてクレイトンポリマーズから市販されている。Nexar分子の代表的な構造は、2個のポリ(t−ブチルスチレン)(tBS)ブロック、2個のポリ(エチレンプロピレン)(EP)ブロック(水素添加ポリイソプレン)および中間における部分スルホン化ポリスチレン(sPS)ブロックから成るペンタブロックである。

このような中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーは通例、ヘプタンおよびシクロヘキサンの組み合わせによる約10%の溶液として顧客に提供される。このことが一部の顧客に問題を引き起こすのは、一部の顧客がこの種の溶媒の取り扱いに精通せず、十分な換気および廃棄システムをしかるべき場所に持っていないためである。有機溶媒は、このような溶媒の高い揮発性や低い発火点によって、各種の取り扱い上の問題を引き起こすことがある。このようなポリマーを水性エマルジョンとして提供できることが、解決策となる。さらに水担持ステムは、より環境に優しい。しかし、好適な水性エマルジョンの調製には、これ自体の問題がないわけではない。

EP2242137およびEP1852928は、ポリマー電解質燃料電池メンブレン電極アセンブリに関する。これらはイオン伝導性基を有するポリマーブロック(A)およびイオン伝導性基を有さないポリマーブロック(B)を含むブロックコポリマーを用い、どちらのポリマーブロックも相互から相分離され、ポリマーブロック(a)は連続相を形成している。EP2242137の段落[0047]では、ブロックコポリマーの乳化方法が記載されている。この方法は末端ブロックスルホン化ブロックコポリマーのみについて記載および例証されている。末端ブロックスルホン化ブロックコポリマーは、中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーとは挙動が異なる。従って、中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーの水性分散物調製方法は、EP2242137またはEP1852928に開示されていない。

溶液反転乳化法は、シクロヘキサン/ヘプタンなどの炭化水素溶媒に溶解させた中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーに適用すると、(レーザ回折分光法によって測定したような)約7.0μm以上の比較的大きい平均粒度を有する、かなり粗い水性エマルジョンが生成される。理想的には、平均粒度は約2.0μm以下であるべきである。より小型の粒子は、より良好な膜形成特性を有する。

一連ホモジナイザを使用することは魅力がない。ホモジナイザは、かなりの設備投資である。さらに、ポリマーの特性は、物理的な均質化によって影響を受ける。その上、粒子の大きさを粗粒(7.0μm以上)から細粒(2.0μm以下)に機械的に低減すると、材料損失の深刻なリスクがある。最終的に、このように製造されたエマルジョンのpHは非常に低い(2未満)。腐食性エマルジョンは、使用する装置に悪影響を及ぼすことがある。

理想的には、通常の装置を使用して7.0μmを(十分に)下回る平均粒度が低減されたエマルジョンを製造できるはずである。このことは、先行して重合が行われた炭化水素溶媒を使用しても可能であるはずである。異なる表現をすれば、シクロヘキサン、ヘプタンまたはこれの混合物などの炭化水素溶媒に溶解させた中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの通例の溶液を使用する場合、装置に多大な投資をする必要はなく、または溶媒を代える必要もなく、平均粒度を4分の1以下に低減できれば理想的である。

概要

本発明は、少なくとも2種の非スルホン化ポリマー末端ブロックAおよび少なくとも1種のスルホン化ブロックBを含む中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの水性エマルジョンおよび水性エマルジョンを調製する方法であって、非極性溶媒中の中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーのセメントを準備する工程であって、非極性溶媒が100℃未満の沸点を有する5から12個の炭素原子を含む炭化水素化合物またはこのような化合物の混合物である工程、セメントを共溶媒と混合して混合物を形成する工程、混合物を、場合により乳化剤の存在下で、水によって乳化してエマルジョンを製造する工程および炭化水素溶媒と、場合により共溶媒をエマルジョンから除去して水性エマルジョンを製造する工程を含む方法を提供する。中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの得られたエマルジョンは、比較的小さい粒径を有する。

目的

本発明は、少なくとも2種の非スルホン化ポリマー末端ブロックAおよび少なくとも1種のスルホン化ブロックBを含む中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの水性エマルジョンを調製する方法であって、以下の:
a)非極性溶媒中の前記中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーのセメントを準備する工程であって、非極性溶媒が49から99℃の沸点を有する炭化水素化合物またはこのような化合物の混合物である工程;
b)工程a)のセメントを共溶媒と混合して混合物を形成する工程;
c)工程b)の混合物を、場合により乳化剤の存在下で、水によって乳化してエマルジョンを製造する工程;
d)炭化水素溶媒と、場合により共溶媒をエマルジョンから除去して水性エマルジョンを製造する工程
を含み、非極性溶媒が2.0(√MPaで表す)未満のハンセン極性パラメータ(δp)を有し、共溶媒が2.8から15の範囲の、好ましくは5.0から12の範囲のハンセン極性パラメータ(δp)および4.0から27(√MPaで表す)の範囲のハンセン水素結合パラメータ(δh)を有する極性非プロトン性溶媒または極性プロトン性溶媒である方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも2種の非スルホン化ポリマー末端ブロックAおよび少なくとも1種のスルホン化ブロックBを含む中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマー水性エマルジョンを調製する方法であって、以下の:a)非極性溶媒中の前記中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーのセメントを準備する工程であって、前記非極性溶媒が100℃未満の沸点を有する5から12個の炭素原子を含む炭化水素化合物またはこのような化合物の混合物である工程;b)工程a)のセメントを共溶媒と混合して混合物を形成する工程;c)工程b)の混合物を、場合により乳化剤の存在下で、水によって乳化してエマルジョンを製造する工程;d)炭化水素溶媒と、場合により共溶媒をエマルジョンから除去して水性エマルジョンを製造する工程を含み、前記非極性溶媒が2.0(√MPaで表す)未満のハンセン極性パラメータ(δp)を有し、前記共溶媒が2.8から15の範囲のハンセン極性パラメータ(δp)および4.0から27(√MPaで表す)の範囲のハンセン水素結合パラメータ(δh)を有する極性非プロトン性溶媒または極性プロトン性溶媒である方法。

請求項2

共溶媒が5.0から12(√MPaで表す)の範囲内のハンセン極性パラメータ(δP)を有する、請求項1に記載の方法。

請求項3

共溶媒がアセトンテトラヒドロフランメチルエチルケトン1−プロパノールから選択される、請求項1に記載の方法。

請求項4

共溶媒が100℃未満の沸点を有する、請求項1に記載の方法。

請求項5

中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーが直鎖または分枝のどちらかであり、および好ましくは一般配置A−B−A、(A−B)n(A)、(A−B−A)n、(A−B−A)nX、(A−B)nX、A−B−D−B−A、A−D−B−D−A、(A−D−B)n(A)、(A−B−D)n(A)、(A−B−D)nX、(A−D−B)nXまたはこれの混合物を有し、式中、nが2から約30の整数であり、Xがカップリング剤残基であり、式中、Aが非スルホン化スチレン系ポリマー末端ブロックを表し、Bがスルホニル基および/またはこれの誘導体を持つ内部スチレン系ポリマーブロックを表し、ならびにDが20℃未満のガラス転移温度を有する内部ポリマーブロックDを表す、請求項1に記載の方法。

請求項6

中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーが直鎖であり、および構造A−B−A、(A−B)2X、(A−B−D)2Xおよび(A−D−B)2X構造を有し、または放射状であり、および構造(A−B)nXおよび(A−D−B)nXを有し、式中、nが3から6である、請求項5に記載の方法。

請求項7

a.各Aブロックが、独立して、1,000から60,000、より好ましくは5,000から40,000、なおより好ましくは7,000から20,000の見かけ数平均モル質量を有するポリマーブロックであり;および/またはb.各Dブロックが、存在する場合、独立して、1,000から60,000、より好ましくは2,000から40,000、なおより好ましくは5,000から20,000の見かけの数平均モル質量を有するポリマーブロックであり;および/またはc.各Bブロックが、独立して、10,000から300,000、より好ましくは15,000から200,000、なおより好ましくは19,000から100,000の見かけの数平均モル質量を有するポリマーブロックである、請求項5または6に記載の方法。

請求項8

炭化水素溶媒と共溶媒との間の質量比が10:1から1:2、好ましくは5:1から2:3、より好ましくは3:1から1:1の範囲にある、請求項1に記載の方法。

請求項9

セメントが5から60質量%、好ましくは10から30質量%の固形分を有する、請求項1に記載の方法。

請求項10

工程(a)において、ホモジナイザ、好ましくは高剪断ホモジナイザが使用される、請求項1に記載の方法。

請求項11

少なくとも2種の非スルホン化ポリマー末端ブロックAおよび少なくとも1種のスルホン化ブロックBを含む中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの水性エマルジョンであって、前記エマルジョンの質量に基づいて計算した10−30質量%、好適には10−15質量%の範囲の固形分を有し、前記中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの粒子平均粒度が最大で2.0μmであり、エマルジョンの質量に基づいて計算して1500ppmまでの共溶媒を含有し、前記共溶媒が2.8から15の、好ましくは5.0から12の範囲のハンセン極性パラメータ(δp)および4.0から27(√MPaで計算)の範囲のハンセン水素結合パラメータ(δh)を有する極性非プロトン性溶媒または極性プロトン性溶媒である、水性エマルジョン。

技術分野

0001

本発明は、中間ブロックスルホン化ブロックコポリマー水性エマルジョン調製方法に関する。本発明はより詳細には、比較的小さい粒径を有する中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーのエマルジョンに関する。本発明は、このように調製した水性エマルジョンにも関する。

背景技術

0002

中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーが知られている。通例、これらはスチレンおよび/またはt−ブチルスチレンを主成分とするスルホン化ポリマーであり、スチレンは主として中間ブロックで使用され、続いてスルホン化され、t−ブチルスチレンは、末端ブロックで使用されて、スルホン化に耐える。これらのポリマーは、水の存在下では固体状態であり、高い水輸送特性と十分な湿潤強度の両方を有する。これらのポリマーは、優れたバリア特性を有することが知られている。

0003

WO2007010039から、中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーが知られている。このブロックコポリマーは、少なくとも2種のポリマー末端ブロックAおよび少なくとも1種のポリマー内部ブロックBを含むブロックコポリマーを主成分とし、各Aブロックはスルホン化に耐性ポリマーブロックであり、各Bブロックはスルホン化されやすいポリマーブロックであり、前記AブロックおよびBブロックは、いかなる高レベルオレフィン性不飽和も含有していない。

0004

このようなポリマーは現在、例えば商標Nexar(R)としてクレイトンポリマーズから市販されている。Nexar分子の代表的な構造は、2個のポリ(t−ブチルスチレン)(tBS)ブロック、2個のポリ(エチレンプロピレン)(EP)ブロック(水素添加ポリイソプレン)および中間における部分スルホン化ポリスチレン(sPS)ブロックから成るペンタブロックである。

0005

このような中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーは通例、ヘプタンおよびシクロヘキサンの組み合わせによる約10%の溶液として顧客に提供される。このことが一部の顧客に問題を引き起こすのは、一部の顧客がこの種の溶媒の取り扱いに精通せず、十分な換気および廃棄システムをしかるべき場所に持っていないためである。有機溶媒は、このような溶媒の高い揮発性や低い発火点によって、各種の取り扱い上の問題を引き起こすことがある。このようなポリマーを水性エマルジョンとして提供できることが、解決策となる。さらに水担持ステムは、より環境に優しい。しかし、好適な水性エマルジョンの調製には、これ自体の問題がないわけではない。

0006

EP2242137およびEP1852928は、ポリマー電解質燃料電池メンブレン電極アセンブリに関する。これらはイオン伝導性基を有するポリマーブロック(A)およびイオン伝導性基を有さないポリマーブロック(B)を含むブロックコポリマーを用い、どちらのポリマーブロックも相互から相分離され、ポリマーブロック(a)は連続相を形成している。EP2242137の段落[0047]では、ブロックコポリマーの乳化方法が記載されている。この方法は末端ブロックスルホン化ブロックコポリマーのみについて記載および例証されている。末端ブロックスルホン化ブロックコポリマーは、中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーとは挙動が異なる。従って、中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーの水性分散物の調製方法は、EP2242137またはEP1852928に開示されていない。

0007

溶液反転乳化法は、シクロヘキサン/ヘプタンなどの炭化水素溶媒に溶解させた中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーに適用すると、(レーザ回折分光法によって測定したような)約7.0μm以上の比較的大きい平均粒度を有する、かなり粗い水性エマルジョンが生成される。理想的には、平均粒度は約2.0μm以下であるべきである。より小型の粒子は、より良好な膜形成特性を有する。

0008

一連ホモジナイザを使用することは魅力がない。ホモジナイザは、かなりの設備投資である。さらに、ポリマーの特性は、物理的な均質化によって影響を受ける。その上、粒子の大きさを粗粒(7.0μm以上)から細粒(2.0μm以下)に機械的に低減すると、材料損失の深刻なリスクがある。最終的に、このように製造されたエマルジョンのpHは非常に低い(2未満)。腐食性エマルジョンは、使用する装置に悪影響を及ぼすことがある。

0009

理想的には、通常の装置を使用して7.0μmを(十分に)下回る平均粒度が低減されたエマルジョンを製造できるはずである。このことは、先行して重合が行われた炭化水素溶媒を使用しても可能であるはずである。異なる表現をすれば、シクロヘキサン、ヘプタンまたはこれの混合物などの炭化水素溶媒に溶解させた中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの通例の溶液を使用する場合、装置に多大な投資をする必要はなく、または溶媒を代える必要もなく、平均粒度を4分の1以下に低減できれば理想的である。

先行技術

0010

国際公開第2007/010039号
欧州特許出願公開第2242137号明細書
欧州特許出願公開第1852928号明細書

0011

本発明は、少なくとも2種の非スルホン化ポリマー末端ブロックAおよび少なくとも1種のスルホン化ブロックBを含む中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの水性エマルジョンを調製する方法であって、以下の:
a)非極性溶媒中の前記中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーのセメントを準備する工程であって、非極性溶媒が49から99℃の沸点を有する炭化水素化合物またはこのような化合物の混合物である工程;
b)工程a)のセメントを共溶媒と混合して混合物を形成する工程;
c)工程b)の混合物を、場合により乳化剤の存在下で、水によって乳化してエマルジョンを製造する工程;
d)炭化水素溶媒と、場合により共溶媒をエマルジョンから除去して水性エマルジョンを製造する工程
を含み、非極性溶媒が2.0(√MPaで表す)未満のハンセン極性パラメータ(δp)を有し、共溶媒が2.8から15の範囲の、好ましくは5.0から12の範囲のハンセン極性パラメータ(δp)および4.0から27(√MPaで表す)の範囲のハンセン水素結合パラメータ(δh)を有する極性非プロトン性溶媒または極性プロトン性溶媒である方法を提供する。好ましくは、共溶媒は最高99℃の沸点を有し、これにより水性エマルジョンは、ほとんどまたは全く(有機)溶媒を用いずに提供され得る。

0012

共溶媒は、微量(最大1500ppm)が残存するとはいえ、除去され得る。共溶媒にエマルジョンの膜形成特性を改善させるために、共溶媒を目的によりエマルジョン中に残してもよい。それゆえ本発明の方法により製造されたエマルジョンは、共溶媒なしで作ったエマルジョンとは異なる。従って、本発明は、少なくとも2種の非スルホン化ポリマー末端ブロックAおよび少なくとも1種のスルホン化ブロックBを含む中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの水性エマルジョンであって、eの質量に基づいて計算した10−30質量%、好適にはエマルジョンの10−15質量%の範囲の固形分を有し、中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの粒子の平均粒度が最大で2.0μmであり、微量の共溶媒を含有し、共溶媒が2.8から15、好ましくは5.0から12の範囲のハンセン極性パラメータ(δp)および4.0から27の範囲のハンセン水素結合パラメータ(δh)(√MPaで計算)を有する極性非プロトン性溶媒または極性プロトン性溶媒である、中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの水性エマルジョンを提供する。

0013

このように本発明者らは、乳化中に特定の溶媒を利用することによって、水性中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーエマルジョンの平均粒径を低減できることを見出した。最終径は、添加した溶媒の種類および量に依存する。

実施例

0014

従って、本発明は、水中で固形である、中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーのエマルジョンを広範に含む。ブロックコポリマーは、少なくとも2種の非スルホン化ポリマー末端ブロックAならびにスルホニル基および/またはこれの誘導体を持つ少なくとも1種の内部スチレン系ポリマーブロックBを含む。場合により、中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーは、20℃未満のガラス転移温度を有する1種以上の内部ポリマーブロックDを含んでよい。このようなポリマーは、WO2007010039、EP2242137などから公知である。

0015

「スルホン化に耐性」という表現は、末端ブロックAに関して時々使用される。これは、スルホン化スチレン系ブロックコポリマー中の利用可能なすべてのスルホニル基の約10mol%未満がAブロック中にあることを意味する。「スルホン化に耐性」という表現がブロックDに関して使用される場合、スルホン化スチレン系ブロックコポリマー中の利用可能なすべてのスルホニル基の約15mol%未満がDブロック中にあることを意味する。

0016

ブロックコポリマーという表現は、識別可能なブロックを有するポリマーを示す。これらのブロックは、異なる特性を有する。通例、ブロックコポリマーは複数の別個転移温度を有する。末端ブロックスルホン化ブロックコポリマーと中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーとの間の重要な相違は、後者において、中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーが水と接触していても、Aブロックが疎水性マトリクスを提供できるということである。該ポリマーは、あたかも架橋されているかのように挙動する。このことは、例えばこのようなスルホン化ブロックコポリマーから生成されたメンブレンの安定性にとって重要である。これに対して、内部Bブロックは、このブロック中に存在するスルホニル基またはこれの誘導体の結果として親水性となる。Dブロックは、存在する場合、疎水性から親水性に及ぶ特性を有し得るが、ただしDブロックは水と接触した場合に、スルホン化ブロックコポリマーから作製される物品の安定性に悪影響を及ぼさない。好ましくは、Dブロックは疎水性である。

0017

中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーは、直鎖または分枝であってよい。好ましい構造は、一般配置A−B−A、(A−B)n(A)、(A−B−A)n、(A−B−A)nX、(A−B)nX、A−B−D−B−A、A−D−B−D−A、(A−D−B)n(A)、(A−B−D)n(A)、(A−B−D)nX、(A−D−B)nXまたはこれの混合物を有し、式中、nは2から約30の整数であり、Xはカップリング剤残基であり、ならびにA、BおよびDは以下で定義する通りである。

0018

内部ブロックにおいて選択的にスルホン化されているブロックコポリマーの極めて特徴的な特色は、これらが強度(水で平衡させた場合でも)、水蒸気輸送挙動、寸法安定性および加工性を含む、これまで実現できなかった特性の有用なバランスを備えた物品を形成できることである。疎水性ブロックおよびブロックコポリマー鎖末端における疎水性ブロックの位置は、これらのポリマーおよびこれらから形成した物品の湿潤強度、寸法安定性および加工性に寄与する。コポリマー内部に位置するスルホン化ブロックによって、水蒸気が効果的に輸送される。複合特性により、コーティングに理想的に好適な独自の材料が得られる。

0019

スルホン化スチレン系ブロックコポリマーは、スルホン化(参照により本明細書に組み入れられているWO200710039に記載されているSO3とのまたはC2−C8アシルサルフェートとの反応)により、対応する未スルホン化スチレン系ブロックコポリマーから生成されてよい。これらの未スルホン化スチレン系ブロックコポリマーは、式中、AおよびDが同じ意味を有するが(Aがスルホン化に耐性であり、Dが好ましくはスルホン化に耐性であるため)、Bの代わりのB’がスルホン化前の対応するブロックである、同一の構造式によって定義してよい。

0020

最も好ましい構造は、直鎖A−B−A、(A−B)2X、(A−B−D)2Xおよび(A−D−B)2X構造または放射状構造(A−B)nXおよび(A−D−B)nXのどちらかであり、nは3から6である。スルホン化前のブロックコポリマーは、通例、アニオン重合カチオン重合またはチーグラー−ナッタ重合によって生成される。好ましくは、これらの未スルホン化ブロックコポリマーは、アニオン重合によって生成される。任意の重合において、ポリマー混合物が任意の直鎖および/または放射状ポリマーに加えて、ある量のA−Bジブロックコポリマーを含むことが認識されている。最も好ましい構造は、対応するA−D−B’−D−Aをスルホン化することによって成るA−D−B−D−Aである。

0021

好ましくは
a.各Aブロックは、独立して、1,000から60,000、より好ましくは5,000から40,000、なおより好ましくは7,000から20,000の見かけ数平均モル質量を有するポリマーブロックであり;および/または
b.各Dブロックは、存在する場合、独立して、1,000から60,000、より好ましくは2,000から40,000、なおより好ましくは5,000から20,000の見かけの数平均モル質量を有するポリマーブロックであり;および/または
c.各Bブロックは、独立して、10,000から300,000、より好ましくは15,000から200,000、なおより好ましくは19,000から100,000の見かけの数平均モル質量を有するポリマーブロックである。

0022

本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、「モル質量」という用語は、ASTMD5296−11に従って行われるようなポリスチレン較正標準を使用して、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した、ポリマーまたはコポリマーのブロックのポリスチレン換算または見かけのモル質量を示す。GPCは、ポリマーが分子サイズに従って分離される周知の方法であり、最大分子が最初に溶離する。クロマトグラフは、市販のポリスチレンモル質量標準を使用して較正する。使用した検出器は、好ましくは複合紫外線および屈折率検出器である。本明細書で表したモル質量は、GPCトレースピークにて測定する。

0023

好ましくは、スルホン化スチレン系ブロックコポリマーは、スルホン化ブロックコポリマーの質量に基づいて計算した10から85質量パーセント(%m)の範囲の、好ましくは20から60%mの、より好ましくは25から50%mの範囲のBブロック含有率を有する。このようなブロックコポリマーは、水に不溶性で水に非分散性となる。末端ブロックおよび場合によるDブロックの疎水性単位は、ブロックコポリマーの不溶性に寄与する。さらにBブロックの質量含有率が、スルホン化ブロックコポリマーが溶性となる高い値に近づく場合、スチレン系ブロックコポリマー全体の疎水性は、AブロックならびにBブロックを含む内部ブロック内に疎水性モノマー単位包含させることによって調整できる。

0024

本発明のエマルジョンで使用するスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの重要な特色は、分子1個につき十分なスルホン基を有するということである(この定義は、水の輸送を可能にする塩および酸誘導体を含む。)。好ましくは、スルホン化ブロックコポリマーは、ポリマー1gにつき0.2から4.0ミリモルの、好ましくは0.3から3.0ミリモルの、より好ましくは0.5から2.5ミリモルの範囲のスルホン基含有量を有する。これはスルホン基の質量によるイオン交換能とも呼ばれる。(スルホニル基の電荷が1であるため、meq/gおよびmmol/gの値は一致する。)。

0025

未スルホン化スチレン系ブロックコポリマーから成るスルホン化スチレン系ブロックコポリマーに関して、好ましくは、各Aブロックは独立して、スルホン化に耐性であるモノマーから生成される。このようなモノマーは、(i)パラ置換スチレン、(ii)エチレン、(iii)3から18個の炭素原子アルファオレフィン、(iv)1,3−シクロジエン、(v)共役ジエン、(vi)アクリル酸エステル、(vii)メタクリル酸エステルおよび(viii)モノマー(i)から(vii)の混合物から選択してよい。いずれの残存するオレフィン系不飽和(例えば末端ブロック内のジエンモノマーに基づくブロックコポリマーの場合)とも反応するスルホン化条件を選択する場合、オレフィン系不飽和は好ましくは、例えば水素添加によって除去される。ブロックAに強力なマトリクスを提供させるためには、好ましくは、ブロックAは30℃を超えるガラス転移温度を有する。例えばジエンモノマーを使用する場合、これらは好ましくは1,4−形式で重合される。より好ましくは、各Aブロックは、パラ置換スチレンのポリマーまたはコポリマーを含む。

0026

好適なモノマーと考えられるパラ置換スチレンは、パラ−メチルスチレン、パラ−エチルスチレン、パラ−n−プロピルスチレン、パラ−イソ−プロピルスチレン、パラ−n−ブチルスチレン、パラ−sec−ブチルスチレン、パラ−イソ−ブチルスチレン、パラ−t−ブチルスチレン、パラ−デシルスチレンの異性体、パラ−ドデシルスチレンの異性体および上のモノマーの混合物より選択され得る。好ましいパラ置換スチレンはパラ−t−ブチルスチレンおよびパラ−メチルスチレンであり、パラ−t−ブチルスチレン(tBS)が最も好ましい。モノマーは、特定の源に応じて、モノマーの混合物でもよい。パラ置換スチレンの全体の純度は、モノマーとして使用される望ましいパラ置換スチレンの少なくとも90%m、好ましくは少なくとも95%mおよびなおさらに好ましくは少なくとも98%mであることが望ましい。

0027

Aブロックの基礎を形成し得る他の好ましいモノマーとしては、エチレン;プロピレン、ブチレンヘキサンまたはオクタン;1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロヘプタジエンおよび1,3−シクロオクタジエン;1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレン(好ましくは水素添加);ならびに各種の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。

0028

Bブロックがスルホン化モノマーから生成される場合、ここでAブロックは通常、スルホン化を受ける他のモノマーも含み得る。好ましくは、スルホン化ポリマーは、未スルホン化ブロックコポリマーをスルホン化することにより生成され、従って好ましくは、Aブロックはスルホン化を通常受けるモノマーはほとんどまたは全く含有していない。

0029

このため、Aブロックは、15モルパーセントまでの、Bブロック中への包含に関して言及されるビニル芳香族モノマーを含有してよい。幾つかの実施形態において、Aブロックは、10モルパーセントまでの、好ましくはわずか5モルパーセントまでの、特に好ましくはわずか2モルパーセントまでの、Bブロック中への包含に関して言及されるビニル芳香族モノマーを含むことができる。

0030

しかし最も好ましい実施形態において、Aブロックは、Bブロック中への包含に関して言及されるビニル芳香族モノマーを含有しない。従って、Aブロックにおけるスルホン化レベルは、0となるか、または0に近くなる(Aブロックにおける全モノマーのモルパーセントで表す。)。ゆえに、好ましい実施形態において、Aブロックは、スルホン化スチレン系ブロックコポリマーが水と接触している場合でも、強力な疎水性マトリクスを提供する。

0031

スルホン化スチレン系ブロックコポリマーは場合により1個以上のDブロックを含んで弾性を与えてよい。好ましくは、前記Dブロックは、共役ジエンのポリマーもしくはコポリマーまたは水素添加ポリマーもしくはコポリマー、または共役ジエンと共重合性モノマーとの混合物を含む。共役ジエンは、好ましくはイソプレン、1,3−ブタジエンおよびこれの混合物から選択され、このうち20から80モルパーセントが1,2−付加形式で(コ)ポリマー中に組み入れられる。最も好ましくは、前記Dブロックは、重合イソプレン(EP)の水素添加ブロックである。好適なDブロックの別の例は、アクリレートまたはシリコーンポリマーである。また別の例において、Dブロックは、イソブチレンのポリマーである。

0032

1個または複数のDブロックの利点は、スルホン化ブロックコポリマーから生成される生成物の弾性/靭性が向上することである。Aブロックにおけるスルホン化レベルが好ましくは0モルパーセントであるか、または0モルパーセントに近いにもかかわらず、1個または複数のDブロックの多少のスルホン化が許容される。スルホン化のレベルは、特にDブロックのサイズおよび複数のAブロックのサイズに関連する、2、3の面に依存する。

0033

さらに、スルホン化スチレン系ブロックコポリマーは、少なくとも1種のBブロックを含み、各Bブロックは、スルホン化モノマーまたは重合後にスルホン化可能であるモノマーから成る。スルホン化モノマー、好ましくは、スルホン化スチレン系モノマーは、各種のスルホニルビニルスチレンモノマーを含む。

0034

好ましくは、スルホン化スチレン系ブロックコポリマーは、対応する未スルホン化スチレン系ブロックコポリマーをスルホン化することにより生成され、各B’ブロックは、重合後にスルホン化できるモノマーより成る。これらのモノマーは好ましくは、(i)非置換スチレン、(ii)オルト置換スチレン、(iii)メタ置換スチレン、(iv)アルファ−メチルスチレン、(v)1,1−ジフェニルエチレン、(vi)1,2−ジフェニルエチレンおよび(vii)これの混合物から選択されるビニル芳香族モノマーであり、スチレンが最も好ましい。スルホン化の間、ビニル芳香族モノマーの全部または一部がスルホン化されて、例えばスルホン化ポリスチレン(sPS)が生じる。

0035

各BブロックまたはB’ブロックは、ホモポリマーまたはコポリマーであってよい。例えばこれは、スルホン化または未スルホン化ビニル芳香族モノマーと、他のビニル芳香族モノマーおよび/または1種以上の共役ジエンとのランダムまたはテーパードコポリマーであってよい。これらのブロックは、開示が参照により本明細書に組み入れられている、米国特許出願公開第2003/0176582号に開示されたポリマーに似た、モノマーの制御分布も有してよい。コポリマーの使用は、Bブロック中のスルホン基の量に影響を及ぼすのに好都合であり得る。このことは、スルホン化ブロックコポリマーが未スルホン化ブロックコポリマーの内部ブロックを選択的にスルホン化することにより生成される場合に、特に有利である。

0036

例えば、スルホン化スチレン系ブロックコポリマーの調製に使用する未スルホン化スチレン系ブロックコポリマーの内部ブロックにおいて、内部B’ブロックのそれぞれにおける非置換スチレン、オルト置換スチレン、メタ置換スチレン、アルファ−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレンおよび/または1,2−ジフェニルエチレンであるビニル芳香族モノマーのモルパーセントは、約10から約100モルパーセント、好ましくは約25から約100モルパーセント、より好ましくは約50から約100モルパーセント、なおより好ましくは約75から約100モルパーセント、最も好ましくは100モルパーセントである。範囲には列挙されるモルパーセントのあらゆる組み合わせが含まれ得ることに留意されたい。

0037

スルホン化のレベルに関して、代表的なレベルは、各Bブロックが1個以上のスルホン官能基を含有する場合である。好ましいスルホン化レベルは、各Bブロック中の非置換スチレン、オルト置換スチレン、メタ置換スチレン、アルファ−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレンおよび1,2−ジフェニルエチレンであるビニル芳香族モノマーのモルパーセントに基づいて、10から100モルパーセント、さらに好ましくは20から95モルパーセントおよびなおさらに好ましくは30から90モルパーセントである。スルホン化レベルは、アルコールおよび水混合溶媒中におけるNaOHの標準化溶液を用いた、テトラヒドロフラン中に再溶解されている乾燥ポリマー試料滴定によって決定することができる。スルホン化のレベルが言及した限度より低い場合、ここで導電率に悪影響が及ぶ。100%に近いスルホン化は、経済的に実現するには労力がかかりすぎることがある。好ましい範囲によって、特性と経済的実現性とのより魅力的なバランスが提供される。

0038

スチレン系ブロックコポリマーを調製するためのアニオン重合方法に関して、ブロックコポリマーが溶解または乳化されてセメントを形成する、よく使用される溶媒は、沸点が49から99℃であり、ハンセン極性パラメータ(δp)が2.0未満である(√MPaで表す)炭化水素化合物である。これらの非極性溶媒は、極性溶媒よりも、スチレン系ブロックコポリマーの調製を可能にする。代表的な例としては、環式アルカン、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタンが挙げられる。結果として、中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーは、前記溶媒を場合により他の炭化水素溶媒、例えば流体としてのヘプタンと混合して使用して、溶液として供給されることが多い。一部の顧客では、この種の溶媒の取り扱いに精通せず、または取り扱いの装備がないため、このことが問題を引き起こす。中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーをエマルジョンとして納入可能であることは、解決策となる。このこととは別に、エマルジョンが生成される方法によって、中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーの生産者には、潜在的な再使用のために有機溶媒を回収する可能性がもたらされる。

0039

本発明は、水性エマルジョン、即ち通常は不混和性である固相および水相の混合物の調製に関する。この場合、本発明は、時間が経つにつれ固相がポリマー微粒子と急速に分離しない安定なエマルジョンに関する。

0040

乳化手順は周知であり、一般的な手順が本発明で適用され得る。高剪断による乳化に関する、かなりの数の文献が公開されている。多くの刊行物役割を果たす分離機構、例えば液滴破壊表面張力、動的表面張力に的をしぼっている。乳化方法の間に、液滴がより小さくなると、液滴の大きさをさらに小さくするのはますます困難となる。液滴の大きさは、界面活性剤を使用している場合には、界面活性剤の種類にも依存することがある。粘度も重要なことがある。本発明の中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーは、通例、比較的高い粘度を有し、粒度の小さいエマルジョンを形成することがより困難となる。

0041

中間ブロックスルホン化ブロックコポリマーは、間接乳化または直接乳化によって乳化することができる。前者の手順により、水を溶解したポリマーに添加して、最初に油中水型エマルジョンを生成し、この後にますます多くの水を添加して水中油型エマルジョンに反転させる。

0042

直接乳化は、溶解したポリマーを水に撹拌しながら添加することによって行われ得る。最初に、大型の粒子が形成され、これが次例えば高剪断によって破壊されることがある。油相と水相間の界面張力を低下させるために、および形成された粒子の安定化を与えるために、界面活性剤が水相中に存在することが有用なことがある。粒径は、剪断速度を調整することにより、および界面活性剤濃度を変更することによりある程度、影響を受けることがある。しかし、平均粒径を低減したいという要望が残されている。

0043

例えば均質膜を生成するためには、平均粒径の小さいエマルジョンを生成することが重要である。小さければ小さいほどよい。平均粒径は、好適には約2.0マイクロメートル未満であり、より好適には約1.0マイクロメートル未満である。

0044

スルホン化ブロックコポリマーのエマルジョンを調製する好ましい手順は、直接乳化によるものである。好ましくは、スルホン化ブロックコポリマーの(水の沸点より低い沸点を有する)揮発性有機溶媒による溶液と水を混合して、通例、ホモジナイザを用いてエマルジョンに変化させる。例えば研究室規模実験では、Ultra−turrax(商標)T25またはT50が使用され得る。大規模な実験では、Danfoss(商標)VLT5000ロータステータ装置が使用され得る。興味深いことに、後述するように、スルホン化ブロックコポリマーは、安定なエマルジョンを生成するために、界面活性剤の存在を必要としない。

0045

スルホン化ブロックコポリマーの溶液と水とを混合し、次に有機溶媒をストリッピングする。このストリッピングは、スルホン化ブロックコポリマーの溶液の調製に使用する有機溶媒の沸点より上で加熱する際には大気圧下で、または減圧下でよい。例えば、研究室規模の実験では、溶媒をエマルジョンから、最初に大気圧下、沸騰水に近い温度にてストリッピングして、続いて回転蒸発装置残留溶媒をさらなる減少させてよい。

0046

固形分は、重量によって計算した、水性エマルジョン中のスルホン化ブロックコポリマーの量である。好ましくは、輸送コストを低く保つため、固形分は実現可能な限り高い。他方、エマルジョンは、使用者が管理できるように、安定で十分に流動性でなければならない。好ましくは、生じたエマルジョンは、5から70重量%の範囲の、好ましくは10から50重量%の範囲の固形分を有する。

0047

さらに、生じたエマルジョンは、好ましくは5重量%未満の、好ましくは1重量%未満の炭化水素溶媒含有率を有する。

0048

本発明の目的のために、平均粒径が特定の共溶媒の存在により、約4.0分の1以下の大きさに低減され得ることが見出されている。このことは単なる(2.0分の1未満の大きさの低減をもたらし得る)希釈効果ではない。

0049

驚くべきことに、ある共溶媒が平均粒径に対して有利な効果を有することが見出されている。これらの共溶媒は、ハンセン溶解度パラメータに基づいて選択してよい。

0050

ハンセン溶解度パラメータ値は、分散結合(δd)、極性結合(δp)および水素結合(δh)に基づいている。これらは他の溶媒との、またポリマー、顔料ナノ粒子などとの分子間相互作用に関する情報も含有する。数値を使用するため、数を比較することにより合理的に比較を行うことができる。例えば、アセトニトリルは、アセトンよりもはるかに極性であるが、わずかに少ない水素結合を示す。

0051

通例、ハンセンパラメータは、√MPaまたは√cal/ml)のどちらかで表される。指摘したように、共溶媒は、2.8から15の、好ましくは5.0から12の範囲のハンセン極性パラメータ(δp)および4.0から27(√MPaで表す)の範囲のハンセン水素結合パラメータ(δh)を有する極性非プロトン性溶媒または極性プロトン性溶媒である。

0052

√(cal/ml)で表されているが、広範囲の溶媒一覧がhttp://www.stenutz.eu/chem/solv24.php?sort=1に開示されている。δp順に並べ、δpを√MPa(係数√4.2、即ち2.05を掛けた。)に変換した一連の溶媒を本明細書で以下にコピーする:

0053

0054

ゆえに好適な共溶媒は、ジエチルエーテルと同様のまたはこれより高い、好ましくは2−ブトキシエタノールと同様のまたはこれより高い、およびジエチレングリコールと同様のまたはこれより低い、好ましくはメタノールと同様のまたはこれより低いδpを有する共溶媒である。さらに共溶媒は好ましくは、水の沸点よりも低い沸点も有するべきであることに留意されたい。

0055

共溶媒の最も重要な特色は、極性成分δpである。好ましくは、これは5.1(2−ブトキシエタノール)から11.5(N,N−ジメチルアセトアミド)の範囲内である。これは例えばテトラヒドロフラン(5.7)、1−プロパノール(6.8)、2−ブタノン(9.0)および2−プロパノン(10.4)を含む。これらの共溶媒は、驚くべきことに良好な結果を与え、最良の結果は1−プロパノールによって得られる。

0056

共溶媒の有効量は、固形分に、およびセメントで使用した炭化水素溶媒の選択に依存する。このため、中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの含有率が低い場合、例えばセメントに対して5%mの場合には、ごく少量の共溶媒、例えばセメントおよび共溶媒の混合物に対して3%mが必要である。固形分が高い場合には、より大量の共溶媒、即ちセメントおよび共溶媒の混合物に対して最大60%mが必要である。例えば中間ブロックスルホン化スチレン系ブロックコポリマーの12%m溶液において、最終混合物が8%mの固形分を有し、炭化水素溶媒と共溶媒の質量比が2:3となる、十分な2−ブタノンを添加してよい。好ましくは、炭化水素溶媒と共溶媒との質量比は、10:1から1:2、好ましくは5:1から2:3、より好ましくは3:1から1:1の範囲にある。

0057

共溶媒および任意の洗浄剤に加えて、特殊な溶媒(欧州において1999/13/ECおよび2004/42/CEで規定された非揮発性有機化合物ならびに/またはUS Clean Air Actで規定された無害大気汚染物質)、例えばN−メチルピロリドントリプロピレングリコールn−ブチルエーテル(Arcosolv(商標)TPNB)、各種のグリコールエーテルグリコールエーテルエステルまたはエステルアルコール(例えばEastman(商標)EEH)および多くの他の市販の溶媒を、最低膜形成温度を低下させる融合助剤として含むことが有用なことがあり、このことによって均質な膜、コーティングまたは他の物品を得るのに役立つ。
上の融合助剤と共に、または融合助剤とは別に、エマルジョンに各種の他の添加剤をこれらの普通の量で添加してよい。このような添加剤としては、顔料、酸化防止剤、安定剤、不凍液殺生物剤触媒などが挙げられる。

0058

本発明は、上で定義したエマルジョンからキャストした膜ならびに膜をキャストする方法にも関する。膜をキャストする方法は、前記エマルジョンをキャストおよび乾燥することを含み、融合助剤はエマルジョンの膜の乾燥時に使用され、および/または温度は最低膜形成温度を超えて上昇される。本発明は、上で定義したエマルジョンからキャストした膜から生成されるメンブレンならびに本発明のエマルジョンから生成されるコーティングにも関する。

0059

エマルジョンは、例えば水分透過性メンブレンおよびコーティングの作製に使用してよい。これらは例えばメンブレンが使用される燃料電池、あらゆる分離装置および衣類エネルギー回収換気装置、水精製に利用してよい。

0060

エマルジョンは他の物品にも使用してよい。

0061

以下の材料を使用して、エマルジョンを調製した。

0062

0063

実験で使用した装置は、Ultra−turrax(商標)T25であった。IKA製のCombimag RCT水浴ならびに同じくIKA製のrotovapRV05を使用した。

0064

エマルジョンの固形分は、試料を130℃のオーブン(Gallenkamp Plusオーブン)で15分間乾燥させることによって決定した。平均粒度径は、Beckman Coulter LS230レーザ回折粒度測定装置を使用して決定した。エマルジョンの残留溶媒含有率は、GCヘッドスペースによって、2,2−ジメチルブタン内部標準(THF 1リットル中3.170グラム)として使用して測定した。Trace GC Ultraヘッドスペースガスクロマトグラフは、Interscience製であった。

0065

[実施例1]
MD9200溶液20グラムを水30グラムとT25内で13500rpmにて混合した。高温、減圧下で溶媒をストリップ除去した後、固形分7%mおよび平均粒径2.64マイクロメートルの安定なエマルジョンを得た。

0066

[実施例2a、b、比較]
実験1を繰り返した。MD9200溶液20グラムを無極性溶媒(シクロヘキサン、トルエン)7.5グラムおよび水30グラムとT25内で13500rpmにて混合した。溶媒および共溶媒の大部分を高温、減圧下でストリップ除去した後の結果を下の表に示す。希釈(実験2a)または無極性溶媒の使用により、安定なエマルジョンが得られることがわかる。しかし、粒度に関する結果は、あまり十分でない。

0067

[実施例3]
実験1を繰り返した。MD9200溶液20グラムを共溶媒(メチルエチルケトン)7.5グラムおよび水30グラムとT25内で13500rpmにて混合した。高温、減圧下で溶媒および共溶媒の大部分をストリップ除去した後、固形分7%mおよび平均粒径0.76マイクロメートルの安定なエマルジョンを得た。

0068

[本発明による実施例4−6]
異なる共溶媒を用いて実施例3を繰り返した。結果を下の表に示す。本明細書で定義するようなハンセン要件を満たす共溶媒を用いると、平均粒度が著しく低減される。特に1−プロパノールにより、優れた結果が得られる。

0069

[本発明による実施例7a、b]
実験3を繰り返した。MD9200溶液20グラムをMEK 7.5グラムならびにそれぞれ界面活性剤のX100 0.2グラムまたはSDS 0.2グラム)および水30グラムとT25内で13500rpmにて混合した。溶媒および共溶媒の大部分を高温、減圧下でストリップ除去した後の結果を下の表に示す。優れた結果が得られ、共溶媒および界面活性剤も組み合わせて使用してよいことが示されている。

0070

[実施例8−9]
実験1および3を繰り返したが、ここではMD9500を用いた。適正な溶媒の添加による改善が再現される。

0071

0072

上の結果は、共溶媒の存在が平均粒径に著しい効果を有することを示している。

0073

最も好ましい共溶媒は、1−プロパノールである。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ